約 854,565 件
https://w.atwiki.jp/minnasaba/pages/1005.html
どうも、クリスマスに三作品投下した者ですが、新作が完成したので投下させていただきます。 あらかじめ言っておきますが、今回の話は読む人をかなり選ぶかもしれません。 この話は以下の注意点があります。 この話は皆で考える聖杯戦争の三次創作に近いです。 話の都合上、歴史設定が変更されています。 マスターの中に約一名だけ、著しく設定が違う人物(死徒)がいます。 本作品にはエロ成分が含まれます。 登場するサーヴァントには皆鯖だけでなく、原作の者もいます。 それでもよい方はどうぞお読みください。 最後にこの話は皆鯖集合絵の作者様が女鯖集合図を投下した事がきっかけで、 こうして形にすることができました。 ほんとうにありがとうございました。 平行世界、選択肢により分岐し、今の世界と並行して存在する別の可能性の世界。 もしこうだったら、あの時ああしていたら、その「もし」の数だけ世界は存在する。 つまり、現在の世界が歩んできた歴史とは違う、 何かがきっかけとなり、別の歴史を歩んだ世界もありえるという事だ。 これはそんな別の可能性の歴史を歩んだ日本のとある地方都市で、 万能の願望機『聖杯』を巡って繰り広げられる聖杯戦争の話である。 ――日独ホットラインで行われた会話の一部を抜粋。 『これが……ベルリンもとい欧州連合政府によるものでないという、 証拠がいるのです。失敗すれば最悪の場合、 水佐波市が地図の上から消えてなくなるだけでなく、 "彼等"がもたらす物により、新たな冷戦構造、 いや、世界大戦が始まるでしょう……』 ――同時刻、日本領海に侵入中の潜水空母『シンファクシ』艦内 「閣下、まもなく日本近海です」 「そうか…これで完全に後戻りは出来なくなったな。 この戦争で勝利を掴まない限り、我々は祖国に遅かれ早かれ 反逆者として抹殺される。後悔は……していないか?」 「今更ですよ。私の全ては閣下の為にあります。それに私達の姉妹も、 この艦のクルーも、水佐波市に潜伏している同志達も、 皆とっくの昔に覚悟はついています」 「すまないな、ヒルデ。私とした事が弱気になっていたようだ。 フッ……こんな心構えでは戦う前から負けてしまうところだったな。 ありがとう。…さあ、気を改めて始めようじゃないか。神代の戦争を」 「はい、閣下。……セイバー、お前にもしっかりと働いてもらうぞ」 「心得た。マイマスター」 ――季節は夏。 場所は変わって衛宮邸。 「……ただいま……」 蝉の声がよりイライラを増させる暑さの中、一人の女の子が帰ってきた。 顔が俯いているせいでどんな表情か不明だが、ご機嫌でないのは確かである。 その長い髪は黄金、瞳は赤き宝石、容姿は一流彫刻家が作りあげたかのような 美しさで、その魅力は汗まみれな姿でも損なわれてはいない。 出る所は出て、引き締まる所は引き締まっている見事なプロポーションは、 今着ている露出の激しい服が汗で濡れて肌に張りついているせいで、 すみずみまでくっきり、はっきりとわかる。 そんな彼女の名はマザー・ハーロット。 かつて今から半年前、冬木の聖杯戦争において衛宮士郎をマスターとして、 ライダーのクラスで召喚され、見事生き残ったサーヴァントである。 聖杯戦争終了後、生き残った一部のサーヴァント達は受肉を果たしており、 彼女、ハーロットもその一人であり、現世における第二の生を謳歌していた。 誰も出迎える者がいない中、ハーロットは玄関で黙々と靴を脱いで屋内に入る。 一直線に向かう先は、台所。 そしてあろう事か、歩きながら汗に濡れてる服を脱ぎだしたのだ。 ハーロットが歩を進める度にパサリ、パサリと衣服が床に落ちていく。 しかしどういう訳か脱ぎ捨てられた下着の存在だけは確認する事ができなかった。 生まれた姿で台所に到着したハーロットがまずやった事は、冷蔵庫の前に立つ事。 次に扉を開けて中から新品のボトルを取り出しキャップを開けた次の瞬間、 中に入っている水を一気に自分の頭へとぶちまけた。 水も滴るいい女とはまさに今、気持ちよさげに水を浴びてる彼女を指すのだろう。 ボトルの水が三分の一を切った時点で水を浴びるのをやめると、 今度は残った水を一気に飲み干そうとラッパ飲みを始めた。 喉を鳴らして水を飲む姿はその艶かしい表情も相俟って、非常に色っぽい。 たちまち飲み干した空ボトルを流しに置き、ハーロットは一息ついて 「暑い」 そう一言呟くと、全裸のまま、隣の居間の床に大の字になって寝転がる。 どうやら先程の行為でも、この暑さを払拭するのは敵わなかったようだ。 美しい金の長い髪は床に広がり、豊かな胸は重力に逆らいツンと上を向いている。 「暑い暑い暑い~~!!!」 あまりの暑さに手足をジタバタするが、余計暑くなるばかり。 その時手の一部が床に転がっているリモコンのスイッチに当たりテレビが点く。 液晶画面に移るは……一面に広がる大海原。 この時ハーロットの頭に一つの閃きが走った。 一方衛宮邸内道場、士郎は柱を使って身長を測っていた。 聖杯戦争終了直後、士郎の背は急速に伸びてきており、 定期的な身長測定を行うのが今では士郎の密かな楽しみの一つになっていた。 「やった…。また身長が伸びて「士郎ーー!!」なんだ?」 己の身長が順調に伸びている事に喜びを噛み締めている真っ只中、 セックスフレンド関係の同居人の大声に合わせ、ドドドと駆け足が近づいてくる。 黄金の髪を振り乱して走ってきた全裸の美少女は、そのまま士郎を押し倒すと、 息を荒げながら彼にじっと熱い視線を送る。 「ハ、ハーロット?気持ちはわかるが俺にも心の準備ってものが」 「セックスの催促じゃないわよ!海、海行きましょ!」 「いきなりなんでさー!って言うか落ち着け!」 思い立ったら即行動がハーロットのポリシー。 次の日、水佐波市沖合の無人島。 その島の砂浜に建てられている大きなコテージに一行はいた。 「へえ~~、すごく綺麗じゃないか」 「桜と小次郎、イリヤとアルトリアは遅れて来るって連絡が来たわ」 「しかたありませんよ凛。彼女達にも色々と予定があるのですから」 「ま……いきなり海に泊りがけで海に行こうなんて誘われても準備とかあるしね」 「しかし、この小島一つ丸ごと貸しきりなんて、思い切った事したな」 「貯めたお金はこういう時にこそ使わないとね♪さ、泳ぎましょ♪」 ハーロットはそう言うや否や、身に着けていた服を脱ぎ捨てていく。 たちまち露わになっていく、桜より大きい形のよい乳房、引き締まったクビレ、 安産型のお尻と、産まれたままの姿となった彼女は、海へと一目散に走り出し、 思いっきり水柱を立てて飛び込んだ。数十秒後、水面から思いっきり飛び出す。 「しょっぱ~い。でも、これこそ本物の海よね~」 ブンブンと首を振って水滴を弾き飛ばすと同時に、 輝くゴールドロングヘアーと、豊満なおっぱいが意思を主張するかのように ブルンブルンと揺れる姿は、並みの男全てを前屈みにさせるには十分だろう。 そんな彼女を苦笑いで見つめる3人の男女。 「まったく……相変わらず我が道を突き進むわねえ。衛宮君のサーヴァントは」 「もう慣れたよ。召喚した時いきなり貞操を奪われたからな。 全裸でいるのもいくら言っても止めてくれなかったし。 そもそも戦闘着が僅かな布と宝石しか身につけてない全裸同然の姿で、 家の中じゃ完全な全裸で生活、外出時に服着てる時も下着は着けてないんだぞ」 「私も初対面の時は、痴女が衛宮君を逆レイプしてるとしか見えなかったわ」 「その時彼女の胸を見てずいぶんと落ち込んでましたよね?凛」 「ギャラハッド……後で話があるから、コテージの裏に来なさい」 ――そして彼等を監視する影。 「こちらアイン、目標はこの島を拠点に滞在する予定」 『ご苦労だった、一旦戻ってくれ。 冬木の聖杯戦争の勝者達を招待する必要はなかったな。 まさかあちらから来てくれるとは。さて……準備は整った。 戦争の、はじまりだ』 こうして、冬木の聖杯戦争以上に苛烈で過酷な聖杯戦争が、 今まさに始まろうとしていた。 「……ハァ~~」 「どうしたんだマスター?」 「誤算でした……。こっちじゃ故郷と違って死体が火葬なのを忘れてたんです。 これで戦力としての死体を調達するのが難しくなりましたよ。 だからって殺しはリスクが高すぎますし……しかたありません。 管理者に連絡して死体置場のある病院がないか聞いてみましょう」 「ほう……意外だな」 「何がです?ランサー」 「死体を操るネクロマンサーであり、父と兄を殺して屍人形にした事から、 てっきりバレなければ幾らでも人を殺めてもかまわない外道の類だと 思っていたのだが、ちゃんと人間の心も持ち合わせている事にだよ」 「貴方は私を何だと思っていたんですか……。確かに父と兄を殺したのは事実です。 ですが彼等も魔を極めんとする家に生まれた以上、覚悟していたはずです。 しかし一般人達は私達とは無縁の存在、ゆえに彼らを巻き込む等、 誇り高きムイード家当主して絶対に認められません!まあ、死体は別ですが」 「なるほど。サーヴァントは基本的にマスターに似た者が選ばれるというが、 その点じゃ確かにお前は俺のマスターに相応しいな。安心しろマスター。 そんな事なんかしなくたっていい。全て俺に任せておけば大丈夫だ。 なんと言ったって俺は、トロイア戦争の大英雄、アキレスなんだからな」 「踵射られてあっけなく死んだ大英雄にそんな事言われても…」 「うっ……」 「でもその意気です。期待していますよ。一応ですが」 「一応かよ……」 死体に縁があるという共通点を持つマスターとサーヴァントの関係は良好のようだ。 「……a…aa………」 闇夜に佇む影は、別の平行世界の冬木市において繰り広げられた第四次聖杯戦争で、 その強すぎる力ゆえ、マスターが自滅する形で退場することになった、黒き騎士。 「ふむ。これがバーサーカー使役による負担か? この程度とは、いささか拍子抜けだな」 しかしこの世界では規格外のマスター、無道に召喚され、見事に制御されている。 「ひとつの時代で無双を誇るまでに到達した武芸の手練。 裏切りの騎士であり、円卓最強クラスの泉の騎士、か」 「……アーサー……」 「さて、狂戦士を召喚したのが裏目に出なければよいが。 あまりにも強すぎるせいで試練にならなかったなど、話にならんからな」 最狂のサーヴァントと、最凶のマスターのコンビが誕生した瞬間であった。 「私が協力すれば……本当に、彼を助けてくれるんですね?」 ――水佐波総合病院、会議室。 志那都みことは決断を迫られていた。 恋人の為に神社で祈祷を行い、その際にキャスターを召喚してしまった次の日、 黒服の外国人達が彼女を訪ねてきたのが全ての始まりだった。 『恋人を救う方法がある』という言葉に釣られて病院までついてきた後、 彼女は驚きの光景を目にすることになった。 それは植物人間状態の恋人の容態がかなり回復しているという事と、 それを可能にしたのがなんと魔術であるという事実だった。 このまま治療魔術を続ければ恋人は全快すると知らされ喜んだのもつかの間、 今度は彼を完治させる条件として、我々の指揮下に入りキャスターを使役し、 聖杯戦争勝利に向けて協力してほしいという取引を持ち込んできたのだ。 「ああ。断った場合だが、残念だが、どうなるかはわかっているね? だが協力してくれれば、君の愛する彼が助かる事は我々が保障しよう」 「……わかりました。キャスター、彼らの指示に従ってください」 彼女は決めた。恋人を守る為に連中の尖兵となる覚悟を……。 「くそっ、奴らめ。マスターが魔術の知識がないことをいい事に、 恋人の怪我を利用して都合よく言い包めおって……。 だいたい怪我の症状次第では私の魔術でも治療可能かもしれんというのに」 「無様だなファフニール」 「シグルドか……。貴様にそんなことを言われるとは心外だな。 お前の末路はマスターの持っていた本で知ったよ。 痴情の縺れの果てに暗殺されるとは、笑わせてくれるなあ?」 「……あの時のようにグラムの錆にされたいか?」 「仮にも同盟を組んだ輩を殺す気か?大英雄ならこの程度の皮肉は流せ。 しかし、よりにもよってお前と手を組むことになるとはな……」 「ふん、それはこっちの台詞だ」 それは生前殺し合った二人、セイバーとキャスターが手を組む事を意味していた。 「……え?死体置場のある病院はないかって?ある事にはありますが……。 わかりました。明日には正確な情報を送らせてもらいます。ええ、ではこれで」 「マスター、戦の準備か?」 「いんや、協会から派遣されてきたマスターの地理案内要求の電話。 ああ~めんどくせえなあ。あ、アサシン戦いを挑んだらダメだからな」 「……わかった」 「折角まだ見ぬ大英雄達との死闘を楽しめるチャンスだというのに、 マスターときたら「メンドクサイから嫌だ」とはな……」 「我が息子の判断に不満のようじゃのう。アサシン」 「お主は?それに背後にいるのは、サーヴァントか……」 「いかにも。お主と同じアサシンのクラスじゃよ。 本来召喚されるアサシン、それがこのハサンなのじゃ。 ところでお主、戦いたいのじゃろ?その願い、叶えてやってもいいぞ」 「…………」 偽の暗殺者と真の暗殺者との邂逅、そしてマスターとの不仲がもたらすものは? 「ふんだ。兄さんのバカ……」 「それだけ夏海ちゃんの事が心配なんだと思うよ」 「だからって、アーチャーを見捨てることなんて出来ないよ」 「でも夏海ちゃん、ほんとにいいの?」 「何が?」 「聖杯戦争に参加するの。死ぬかもしれないのは、嫌ってほどわかったでしょ?」 「うん、それでもほっとけないんだ。あたしね、昔から幽霊が見えるの。 でもおばあちゃんは「霊を助けようとしてはならない」って言うんだよ。 目の前にいるのに何もしてあげられない、それが歯がゆくってしょうがなかった。 そんな時、アーチャーと出会った。驚いたよ。幽霊みたいな存在なのに、 意思の疎通がちゃんとできて、ご飯まで食べられるんだから。 だからあたしは、アーチャーの願いを可能な限り叶えてあげたいんだ」 兄と喧嘩別れした少女は英霊の願いを叶える為、聖杯戦争に赴く事を決意する。 「これまでの情報収集で各サーヴァントの情報はこれだけ判明しています。 まずこちらが水佐波市で召喚されたサーヴァントのデータです」 セイバー:シグルド 筋力A 耐久B 敏捷A 魔力A 幸運E 宝具A++ ランサー 筋力B 耐久B 敏捷A+ 魔力D 幸運E 宝具A アーチャー 筋力C 耐久D 敏捷A 魔力E 幸運D 宝具C ライダー:ベレロフォン 筋力D 耐久D 敏捷B 魔力D 幸運C 宝具A アサシン 筋力C 耐久D 敏捷A 魔力E 幸運B 宝具D バーサーカー 筋力A 耐久A 敏捷A+ 魔力C 幸運B 宝具A キャスター:ファフニール 筋力B 耐久B 敏捷C 魔力A+ 幸運E 宝具A++ 「こちらが冬木の受肉サーヴァント達の能力値の一覧となっています」 ギャラハッド 筋力A 耐久A 敏捷A 魔力B 幸運A 宝具A++ マザー・ハーロット 筋力D 耐久D 敏捷D 魔力A+ 幸運A 宝具EX 佐々木小次郎 筋力C 耐久D 敏捷A+ 魔力D 幸運B 宝具? アルトリア 筋力A 耐久B 敏捷B 魔力A 幸運A 宝具A++ 「まったく、冬木のサーヴァントは化け物揃いもいいところだな……。 まあそうでなければあの戦争を生き延びる事など不可能だが。 さあ、見せてもらおうか。受肉したサーヴァント達の強さというものを」 「こちらノイマン、現在ハーロットと交戦、対象はワインを自由自在に操り 攻撃・防御してくる。また現在戦闘ヘリを操縦してアーチャーと交戦中の ライダーも別のサーヴァントの襲撃を受けている。 このままではジリ貧の可能性高し、一時撤退を提案する」 『ここで戦力を減らす事は得策ではない。至急帰還せよ』 「了解、これより総員撤退に移る」 自分のサーヴァントと分断され、吸血鬼兵部隊の奇襲を受ける夏海。 彼女を助けてくれたのは、美しい全裸の肢体をまるで誇示するかのように、 無数の宝石と僅かな布で飾りつけた金の髪と赤の瞳の美少女だった。 「行ったわね……。あらあら、擦り傷だらけじゃない。大丈夫?」 「あ、ありがとうございます//////」 「なに?どうしたの?顔を真っ赤になんかして」 「だ、だってそんな綺麗なお姉さんが裸でいたら思わず見とれちゃいますよ!」 「あら、褒めてくれてありがとう♪でもちょっと混乱してない?」 (たぶんワインのせいだろうな…) 「貴女と私には何か通じるものがあるわね」 (*1)) 「な、何をいきなり!?貴女みたいな痴女と一緒にしないでください!!」 (*2)) 「おーいマスター。今戦っているの忘れてるよな。 後白騎士。お前も頼むから俺との戦いに集中してくれよ」 戦争は限定的なものから、次第に総力戦へと移行していく。 『潜水空母シンファクシ、無人機発艦準備完了』 『同じく散弾ミサイルの発射準備も完了』 『第一波はライダー指揮下の無人機群による空爆。 続いて第二波の散弾ミサイル攻撃により島を完全に焦土とせよ』 『了解』 突如士郎達が泊まっている島を襲う空爆。 「じょ、冗談じゃないわ! 何考えてるのよ連中は! こんなおおっぴらに近代兵器を使ってくるなんて……!」 「凛、下がっててください!第二波が来ます!」 「大丈夫か」 「あ、あんたは……」 「ただのコックさ」 「「「「嘘だーーー!!」」」」 突如現れた自称ただのコックの瀬賀有瑠によって間一髪の所を脱した士郎一行は、 蔵馬鉄人のいる隠れ家の一つへと案内される。 そして彼、蔵馬鉄人の口から明かされるこの聖杯戦争の驚愕の真実。 「ドイツ第三帝国秘密神秘機関グラズヘイムの一勢力が暴走ですって!?」 「俺と瀬賀有瑠は日本政府に所属するの神秘関連担当の諜報員でな、 この地の聖杯戦争を調査していたんだ。その聖杯戦争を裏で操っているのが ヴィーダー・ベレーブング、グラズヘイムの幹部、今では元が付くがな」 「ここまできたら軍の仕事……とはいかないのかしら?」 「我々が動くという事は本来あってはならない事なんだ」 「まずあの潜水空母の艦載機をなんとかしないと…」 「その点に関しては君達に見せたい物がある」 一行はヘリに乗せられ水佐波市近海に待機している日本海軍の空母へと案内される。 「これって……」 「ああ、国外ではフランカーのコードネームで有名な、我が軍の誇る戦闘機。 正式名称37式戦闘機『晨風』艦上機バージョン」 それは、科学の力で作られた空飛ぶ翼、いや兵器。 「俺達が君達に出来る事はこれぐらいだ」 ――水佐波市上空。 近代兵器を操るサーヴァント達により、苛烈な空中戦が繰り広げられていた。 ぶつかり合う陣営は、 片や海上の空母から発艦したたった二機の戦闘機と、 片や海中の潜水空母から放たれた無数の無人機群。 素人目から見ても、無人機群の勝利は間違いないはずだった。 しかし無人機は、ギャラハッドとハーロットの操縦する戦闘機の 絶妙なコンビネーションで一機、また一機を撃墜されていく。 そうして戦局が徐々に二機のほうに有利になろうとしたところで、 とんでもない番狂わせが乱入してくるのに気付く者は誰もいなかった。 「よし、これでライダー指揮下の無人機をまた一機撃墜(ドン!)!?」 ギャラハッドが機体後部を振り向いた先にいた影は……黒い騎士、バーサーカー。 次の瞬間、バーサーカーの振るった拳はキャノピーを突き破り、内部の操縦席に いるギャラハッドの体を鷲掴みにし、無理矢理晨風の機外、大空へと放り投げた。 「くそっ!!」 「ギャラハッド!?」 たちまち海面へと自由落下してゆくギャラハッドを、ハーロットの晨風が回収する。 「大丈夫?」 「ありがとうございますハーロット。しかしあの鎧……まさか父さんが?」 「話は後、乗っ取られた晨風が来るわよ!私の機体を使って!」 一方地上も地上で混乱状態だった。 ほぼ全てのマスターとサーヴァントが一箇所に集まり、乱戦となっていたのだ。 戦局は戦力面からヒルデガルト、シグルド、巨大な竜と化したファフニールに、 カール率いる吸血鬼兵部隊の面々が優勢を保ちつつ他を圧倒していた。 反面もっとも劣勢なのは士郎達である。 ただでさえ主力であるサーヴァントが二人とも遥か空の彼方にいるのだから。 だが心配する必要はない。何故なら士郎達の下へと、 頼りになるマスターとサーヴァントが二組、駆けつけて来てくれた。 「先輩!姉さん!小次郎さん、お願いします!」 「ふっ、任せておけ」 「シロウ、助けに来たよー」 「シロウ!今加勢します!」 しかしここで決着をつけることは叶わず、戦いは次回へと持ち越しになった。 かくて役者は全て揃い、舞台は最終決戦へと向けて急激に動き出していく。 父と子の戦い 「アアア……アー、サー……」 「父さん、そんなにも貴方は王の事が……。 王よ……ここは私が引き受けます。貴女は先に行って下さい」 「ギャラハッド!しかし!」 「菅代玄耶にもヴィーダー・ベレーブングにも聖杯を渡してはいけません! さあ、行ってください!ここは私が喰い止めますから!」 「……すまない!」 「行きましたか。父さん……これで終わりにしましょう」 「■■■■■■ーーーーーッ!!!!!!!!」 巌流島の再現 「シャアアアァァッッッ!!」 「フッ!」 シャキーン! 「楽しい、実に楽しいぞ佐々木小次郎! お主と斬り合う度に、拙者の剣は極意に近づきつつあるようだ」 「それは同感だな。いつまでも斬り合っていたい気分だ」 「だがどんな楽しい祭りも終わりが来る。そろそろ、終わりにしないか?」 「そうだな。互いに最高の一撃で終わりにしよう」 「いざっ!二天一流(にてんいちりゅう)!小次郎、敗れたりぃーー!!!」 「なんのっ!秘剣!燕返し!」 最強の幻想種同士の激突 「俺達の相手はやっぱりこいつか!」 「最強の幻想種である竜に変身できるなんてね……。士郎、あれを使うわよ」 「ああ、それしかなさそうだな」 「手加減して勝てる相手じゃないのは士郎も承知の通り。 幸いここは人がいない場所だしね。後始末は管理者に任せましょ」 「…わかった。ただし俺も支援するからな。無限の剣製の中にはグラムもある」 「さあ、思う存分暴れなさい。黙示録の獣(アポカリプティック・ビースト)!!」 竜殺しの大英雄と、竜の血を継ぐ王の決闘 「文字通り、この戦いが世界の行く末を決める事になりそうだな」 「アーサー王、ここまで来たら、何も言うことはあるまい」 「愚問だ。ここから先は剣で語るのみ」 「竜に連なる者を、再びこの手で倒す事になろうとはな……」 「私を最初に倒した竜と同じと考えないほうが身の為だぞ」 「違いない。ここにいるのはどこぞの金欲にまみれた竜などとは比べ物にならん」 「では始めようか……。シグルド」 「ああ、アーサー王。いや、アルトリア・ペンドラゴン」 果たして、生き残るのは誰か――――? 水佐波市聖杯戦争参戦組(霊体化及び令呪使用可能) セイバー:シグルド ヒルデガルト・フォン・ノイエスフィール ランサー:アキレス ファーティマ・アブド・アル・ムイード アーチャー:アタランテ 高波 夏海 ライダー:ベレロフォン カール・ノイマン(死徒兵部隊長) 偽アサシン:宮本武蔵 管代 優介 バーサーカー:ランスロット 破壊僧無道 キャスター:ファフニール 志那都 みこと 真アサシン:ラシード・ウッディーン・スィナーン 菅代 玄耶 冬木市第五次聖杯戦争生存組(受肉状態、霊体化及び令呪使用不可能) ギャラハッド 遠坂 凛 マザー・ハーロット 衛宮 士郎 佐々木小次郎 間桐 桜 アルトリア イリヤスフィール・フォン・アインツベルン ――――解説、チョメチョメ劇場♪ 士郎(以下士)「し、士郎と」 ハーロット(以下ハ)「ハーロットの♪」 士ハ「「解説、チョメチョメ劇場~♪」」 士「ああ、恥ずかしかった…。さてこの劇場は」 ハ「お話の中での疑問点を私と士郎が答えていくコーナーよ」 士「ところで……その姿に意味はあるのか?」 (現在のハーロットの着てる衣装 ttp //homepage3.nifty.com/carb/orenoe/yu-femia1.png ttp //homepage3.nifty.com/carb/orenoe/yu-femia2.png) ハ「読者サービスに決まってるでしょ?どう?似合うでしょ?」 士「いや、似合うことは似合ってるんだけど//////」 ハ「乳首や股間のピーーーは隠してるんだから前よりましだと思わない?」 士「……どっちにしろエロなのは変わらないよな」 ハ「私としてはこの予告編でもいつも着てるこのお気に入りの衣装や、 ttp //members2.jcom.home.ne.jp/dokutorumu/megaten/mother.jpg 前スレ672で職人さんが書いてくれた絵で着てる ttp //www1.axfc.net/uploader/Img/so/32568 ttp //onishibata.ddo.jp/20/download.php?id=04709 のも捨てがたいんだけどね」 士「ここに来たのは猥談をするためじゃないだろ…?みんなの質問に答えないと」 ハ「はいはい。そんなに急かさないでよ。じゃ、質問タイム開始~」 Q「話の内容からこの世界は史実とは違う歴史を歩んだのですか?」 士「この話を読むに当たっての最大の注意点になるが、この話は作者が もっと近代兵器を聖杯戦争で活躍させたいと思って考えたものなんだ。 その為にこの話の舞台である世界の歴史は、fate本編の史実とは別の歴史を 歩んだ平行世界であるという設定にしてある。ちなみに作者は原作だと切嗣と ランスロットが、皆鯖だとギャラハッドとベレロフォンが大好きなんだ。 きっかけはFail/Rebirth WARでベレロフォンがあっさりと敗退したのを見て 大ショックを受けたからだそうだ。それから話の構想を練っていたんだが、 皆鯖集合絵2が投下されたのをきっかけに、執筆に踏み切った。」 ハ「こっちの平行世界だと第二次世界大戦は枢軸国に有利な形で終わったわ。 ドイツは完全制圧したヨーロッパに自国を盟主とした欧州連合を設立、 日本もアジア連合の盟主に収まったの。その後日独米の三極冷戦時代を 経て現代に至るの。ナチス残党組織グラズヘイムもこの世界では、 国家直属の秘密神秘機関として存在しているわ。日本の退魔機関と時計塔が 融合した感じかしら。魔術協会・時計塔はナチスドイツが英本土を占領した のをきっかけとして、グラズヘイムの力が大きくなるにつれ、 反比例的に弱体化していったの。でもその力は依然健在で、 今でもグラズヘイムと水面下で苛烈な攻防を繰り広げているわね。 そんな中、ナチス将校の魔女が戦中の第三次冬木聖杯戦争を研究に再現 しようとしたんだけど、魔術協会の妨害工作を懸念した彼女の所属する機関、 グラズヘイムの思惑によって、その候補地に日本の水佐波市が選ばれたのよ。 後は原作と同じように聖杯戦争の基盤作りと、それを開催する場所の開発が 始まってそらから70年後に、聖杯戦争の準備は整ったというわけ。 ところがその70年の間にドイツもナチスもグラズヘイムも大きく変わったわ。 冷戦が終わり、融和の時代の流れの中、魔術協会や聖堂教会との連帯を 優先すべきと考える協調派が、冬木市の聖杯戦争の被害の酷さ(特に第四次) を見て、水佐波市の聖杯戦争を解体すべき、という意見を出してきたのよ。 彼ら曰く、もし聖杯戦争が最悪な形、開催地の壊滅などで終われば、 日独関係になんらかの悪影響が及ぼすのはは必至であろうって。 これはFail/Rebirth WARの米軍の動きから見てありえない話じゃないわ。 そういう背景もあってか会議は徐々に協調派に傾いていったんだけど、 それを受け入れられなかったグラズヘイム幹部ヴィーダー・ベレーブングは 賛同者を引き連れて海軍の潜水空母シンファクシで日本へ独断出発。 こうして半ば強制的に聖杯戦争は開催される事になったの」 士「登場兵器に関してだが、この平行世界だとソ連はドイツに敗北してる設定だ。 代わりに日本が一部のロシア系の兵器を開発して実戦配備している。 これは作者がfate zeroでF-15が活躍するシーンを読んで、今度はロシア機の フランカーを活躍させたいと思ったからだそうだ。しかし、皆聖でそれを やるのはかなり無理がある。日本の自衛隊制度も近代兵器を活躍させるのには 邪魔っぽい。黒幕であるナチスも、もっと強大な組織して強力な兵器を 使わせたい。ここでこれらの条件を満たす方法として、時代背景を 原作世界とは違う歴史(あくまで表世界限定)を歩んだ平行世界に してしまえという結論に至ったわけだ。平行世界関連は第二魔法の ゼルレッチがいるから大丈夫だと思ったらしい」 ハ「そういう事だから歴史背景以外、キャラ設定に関してはある一人以外基本的に 原案に忠実だから安心してね♪あとファーティマの性格に関しては、 天才だけどどこか抜けている感じにしたって作者が言ってたわ」 Q「ハーロットは下着を身に着けていないんですか?」 ハ「基本的に下着は着けない主義だし、勝負下着以外の下着は持ってないわ」 士「頼むから普通の下着も買って着てくれって。あと家での全裸もやめてくれ」 ハ「だが断る♪」 Q「士郎が背が伸びた事に大喜びしていました」 ハ「士郎、やっぱり私より背が低い事気にしてたみたいね」 士「……ほっといてくれ。聖杯戦争が終わってからまた伸び始めたんだよ」 ハ「今は私より大きくなってるし問題ないじゃない。ほら元気出して次行きましょ」 Q「旅費や島を丸ごと貸し切る際の資金はどこから持ってきたんですか?」 士「これは全部ハーロットのポケットマネーだな。 彼女はその豊富な資金力で遠坂の宝石魔術のパトロンもやってるんだ」 ハ「凛には「私のサーヴァントにならない?」って誘われた事があったんだけど、 あれは本気と書いてマジの目だったわ」 Q「サーヴァントのステータスが本来の物と違っていました」 ハ「この話に出てくるサーヴァントは、Fate/Another Servant HeavensFeel 2 のサーヴァント達と同じく、マスター補正よりステが若干変化しているの」 士「ステに変化のないサーヴァントは ランサー:アキレス バーサーカー:ランスロット アサシン:宮本武蔵 真アサシン:ラシード 前セイバー:ギャラハッド ステが変化したサーヴァントは セイバー:シグルド(魔力1ランクUP) キャスター:ファフニール(筋力1ランクUP) 前ライダー:マザー・ハーロット(魔力1ランクUP) 前アサシン:佐々木小次郎(耐久・魔力1ランクUP、幸運1ランクDOWN) アーチャー:アタランテ(敏捷1ランクDOWN、幸運1ランクUP) ライダー:ベレロフォン(耐久・幸運1ランクDOWN) 前エクストラ:アルトリア(幸運1ランクDOWN) の以上だな」 ハ「ステが変動したマスターについては私が説明するわ。 シグルドは最高の厳しい選定と試練を超えて選び抜かれたエリート中の エリート、ヒルデガルトがマスターだからさらに魔力がUP。 竜血鋼鱗で燃費が悪い面があるから、魔力ストックUPは戦いの幅が広がるわね。 ファフニールはマスターのみことちゃんがFake/hand in handで魔力量底なし? っていう書き込みがあったからその贅沢な魔力のおかげ筋力がUPって設定なの。 魔術の鍛錬もしないで状態で平均ステを上回るなんて……もし仮に彼女が 正規の魔術師だったら、あと1ランクくらいステが上がっててそうで怖いわね。 私の場合はEX宝具等の燃費の良さ、性交での魔力補給との相性の良さの他に、 聖杯戦争で士郎が無限の剣製に目覚めた後、凛の下で効率的な魔術の修行 をする事で魔力供給量が増えたおかげらしいけど。 小次郎は桜ちゃんがマスターだから幸運が下がってるけど、代わり彼女の 豊富な魔力のおかげで耐久と魔力が上がっているわ。近接ステは武蔵と 互角になったけど、戦ったらどっちが勝つのかしら? アタランテはマスターの夏海ちゃんが魔術回路を閉じた状態だから、 彼女の宝具を使う時に一番重要な敏捷が下がっているのが痛いわね。 でも夏海ちゃん人柄のおかげか幸運が上がってるからプラマイゼロね。 一番ステの低下が激しいベレロフォンだけど、これはカールが単に 死徒の肉体を持っているだけで、魔術の類は一切使用できないのが大きいわね。 アルトリアだけどステは凛と同じで幸運だけ1ランク下がってるわ。 これはマスターのイリヤの運が凛より悪いって事になるのかしら?」 士「結構辛い人生送ってたもんな……イリヤ」 Q「ハーロットが吸血鬼兵部隊を撃退しましたが」 士「全サーヴァント中、近接ステが一番低いけど、それでもサーヴァントだからな」 ハ「ワインを活用して夏海ちゃんを守り抜いたわ」 士「でもワインの匂いに当てられてちょっとハイになってたぞ」 ハ「アハハハ、それは言わないでちょうだい…」 Q「カール・ノイマンが吸血鬼兵としてナチスの指揮下に入ってます」 ハ「この世界のカール・ノイマンだけど、原案の彼と違って自らの意志で 死徒化の被検体に志願したらしいわ」 士「実験の結果は見事に成功、初の死徒兵として世界各地を転戦、 終戦後はグラズヘイム直属の特殊部隊(全員死徒兵)の隊長に就任したらしい」 ハ「ちなみに死徒兵の外見はヘルシングに登場するミレニアム兵そのものよ。 日の出てる時は対紫外線装備である特殊ガスマスクを装着してるの。 主武装はサーベル、ラインメタルMG3、バーレットXM109、手榴弾等で、 いずれの兵器も概念武装処置が施されてあるわ」 士「作者が死徒の兵隊と聞いて、どうしてもナチスの兵隊として、 マスターの中で設定を変更させてでも登場させたかったらしい。」 Q「この話での蔵馬鉄人の立ち位置は?」 ハ「表向きは寂れた古書店の主だけどその実態は日本政府の諜報員、 現在同職である瀬賀有瑠とコンビを組んで聖杯戦争の調査中って設定よ」 士「ちなみに不老であることや夏海との関係とかは一切変わってないぞ。 あと夏海とは聖杯戦争に参加するしないで大喧嘩してたな」 Q「ギャラハッドとアルトリアはクラスダブってるんじゃ?」 士「この話だとアルトリアはエクストラクラスで召喚されたという事になってる」 ハ「ちなみにどんなクラスなのかは自由に想像してくださいって」 Q「ナチスの水佐波市における戦力はどのくらいですか?」 士「潜水空母シンファクシに搭載された各ミサイルと艦載機数十機。 ダミー会社経由で持ち込んだ戦闘ヘリに装甲車、各種重火器。 サーヴァント以外の戦闘員としては、ヒルデガルドの姉妹のノイエシリーズに、 カール・ノイマンが隊長の死徒兵一個小隊(総員50名)」 ハ「サーヴァント抜きで水佐波市を壊滅させられるわね……」 Q「潜水空母シンファクシとは?」 ハ「元ネタはナムコのエースコ○バット5に登場する潜水空母よ。 この艦がヴィーダー・ベレーブング一派の移動拠点ってわけ」 士「全長300mもある巨大な艦なんだが、ここに小さいがアイコン画がある。 ttp //sky.geocities.jp/ngbsc419/iconkai.htm オハイオ級とアクラ級のアイコンもあるからその大きさを比較してみてくれ。 あとシンファクシの艦載機もこのアイコン集の中からモデルにしてる」 Q「この平行世界だとフランカーが航空母艦の艦載機ですがそのイメージは?」 ハ「こんな感じね。 ttp //www.from-the-sq.com/model84.html pixivにもっとイメージに近いのがあるから気になったらログインしてみてね。 ttp //www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium illust_id=1943685」 士「やっぱり、思いっきり作者の好みが入ってるなあ」 Q「菅代玄耶が真アサシン、ラシードを召喚できた理由は?」 士「この爺さん、水佐波市の聖杯戦争のシステムについてかなり詳しいっていう、 独自設定があるんだ。息子にわざとハサン以外のアサシンを召喚させる事で、 本来ハサンしか召喚されないはずのアサシンのクラスに矛盾を生じさせ、 偽アサシンと真アサシンによるクラスの重複を可能にさせたわけだ。 ラシードはそれを利用して召喚したハサンである真アサシンなんだ」 ハ「ステはマスターとしての優秀さは並なのもあって特に変化はないわ。 筋力D 耐久E 敏捷B 魔力C 幸運B 宝具C でも一番恐ろしいのはこのハサンの存在に誰も気づかれていない事ね。 だってアサシンのクラスは表向き宮本武蔵で埋まっているもの。 まさか同じクラスのサーヴァントが二人いるなんて誰も考えない。 現にヴィーダー・ベレーブング一派も気づけなかった。 マスターも雲隠れしているから、暗躍するに最高の条件が揃っているのよ」 Q「ランスロットがこの聖杯戦争でのバーサーカーなら、 冬木市第四次聖杯戦争のバーサーカーは誰でしたか?」 ハ「モードレッドよ」 士「皆鯖作成時にバーサーカー案があったのでそれでいかせてもらったってさ」 Q「この話は正式に連載化されますか?」 士「読者の反応と執筆に必要な時間がとれるかが鍵だなって言ってたぞ」 ハ「連載は短編を書くよりかなり消耗するとも言ってたわね」 士「さて、これで質問は全部終わりだな」 ハ「結構疲れたわね。じゃ帰りましょうか」 士「その前にここまで読んでくれた人に別れの挨拶をしなきゃいけないだろ」 ハ「そうね。じゃあ最後はチョメチョメ劇場の題名に相応しく、 私と士郎の愛の営みを見てもらいながら、さよーならー」 士「よくなーい! 最後くらい真面目に」 ハ「溢れる邪淫(ルクスリア・チャリス)!!」 士「あ…………■■■■■■ーーーーーッ!!」 士郎が発情したところでこの物語はひとまず終わりです。 この話のコンプセントは国家を巻き込んだ大規模な聖杯戦争です。 話の冒頭はメタルギアとか、近代兵器が必要以上に暴れ回るとか、 ドラゴンと黙示録の獣がガチバトルするとかやりたい放題です。 下手すれば水佐波市が地図の上から消えかねないのは確かですね……。 冬木の聖杯戦争は、原作のと皆鯖のサーヴァントがごっちゃに(マスターもバラバラ) 召喚されており、結果的に約半数が生き残り受肉する結末で終わりました。 参戦人数は7クラス+真アサシン(ハサン)+英雄王=合計9人です。 真名が判明していないクラスでなにが召喚されたのかは読者様の想像にお任せします。 冬木の受肉サーヴァント達は全員に単独行動A+のスキルがあると思ってください。 凛はこの世界では見事に最優のセイバーを引き当てました。 ギャラハッドですがランスロットとぜひ戦わせたいサーヴァントでした。 他にも戦わせたい組み合わせではシグルドとアルトリア、小次郎と武蔵、 ファフとハーロットの怪獣大決戦があります。 ハーロットですが今回投下されたイラストから見ても、 痴女で露出狂なのはほぼ確定なようですね。 他に冬木鯖が真名で呼ばれているのはクラス名で呼ぶとダブってしまうからです。 ではこれにて作品投下を終了させていただきます。 どうもこのような駄作を最後まで読んでくださりありがとうございました。
https://w.atwiki.jp/p649493386251151/pages/1571.html
このページについて ポケモン本編におけるシリーズ間の時系列、並行世界について考察・議論する。アニメシリーズや外伝作品は考察対象から除外する。 最新作のネタバレに触れる場合は配慮しましょう。 ※凡例 赤緑青ピ:赤・緑・青・ピカチュウ 金銀ク:金・銀・クリスタル RSE:ルビー・サファイア・エメラルド Em:エメラルド FRLG:ファイアレッド・リーフグリーン DPt:ダイヤモンド・パール・プラチナ Pt:プラチナ HGSS:ハートゴールド・ソウルシルバー BW:ブラック・ホワイト BW2:ブラック2・ホワイト2 XY:X・Y ORAS:オメガルビー・アルファサファイア SM:サン・ムーン USM:ウルトラサン・ウルトラムーン ピカブイ let's goピカチュウ・let's goイーブイ 剣盾 ソード・シールド BDSP ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール PLA LEGENDS アルセウス SV スカーレット・バイオレット このページについて 並行世界についてメガシンカの存在しない世界線 XYにしかメガシンカのない世界線 メガシンカがホウエン地方発祥の世界線 議論所(並行世界) 時間軸について正史について第1世代 第2世代 第3世代 第4世代 第5世代 第6世代 第7世代 第8世代 第9世代 1.公式発表の時系列 2.第1世代・第2世代関連 3.第5世代関連 4.第6世代・第7世代関連 5.第7世代・第8世代・第9世代関連 結論 補足 議論所(時間軸) 並行世界について ORAS内でのヒガナの発言、及びウルトラビーストの存在やRR団(USM)の登場により、ポケモン世界に並行世界があることが確定した。 本ページではウルトラメトロポリス等ウルトラワープライドで訪れることが出来る世界ではなく、ポケモン本編の世界軸について記述する。また同時発売のパッケージ同士(金と銀など)が並行世界であるのは言うまでもないので記述を割愛する。 考察する上で重要となるのが『メガシンカ』の存在である。 まずORASでのヒガナの発言から"メガシンカの存在しない世界線"が存在するのは明らかであり、それはメガシンカの存在しないホウエン地方、即ちRSEの世界と異なる世界線であることを示唆していると考えられる。 次にメガシンカの起源について。 XYのホームページでは、メガシンカは"カロス地方でしか確認されていない現象"で、ルカリオを連れたトレーナーが世界で初めてのメガシンカをしたとされており、プラターヌ博士も"カロスでのみメガシンカの実例がある"と話している。 対してORASでは"ホウエン地方がメガシンカ発祥の地"という設定であり、レックウザがメガシンカの起因であるとされている。ホウエン地方のソライシ博士は昔プラターヌ博士と隕石の研究を共にしており(ORASより)、今もメガストーン・キーストーンと隕石の関係についての研究の情報共有を行っている。 2者は明らかに矛盾しており、(発売時期のズレというメタ視線を無視すれば)2者は別世界線と考えることができる。 以上の理由から、ポケモン本編は少なくとも①メガシンカの存在しない世界線 ②XYにしかメガシンカのない世界線 ③メガシンカがホウエン地方発祥の世界線 の3つの世界線があると考えられる。 もう1つ『タイプ』について、後から追加された「あく」「はがね」「フェアリー」の有無について分けられるとも考えられるが、後続の作品等で"タイプの有無"に関する記載や大きな矛盾は確認されていないため、今回は考えないものとする。 メガシンカの存在しない世界線 ヒガナによって語られ、また主人公として冒険をすることが出来る"メガシンカが存在しない世界"である。 赤緑青ピ/FRLG/金銀ク/HGSS/RSE/DPt/BDSP/BW/BW2/剣盾/PLA が該当し得る。SVが該当しない理由は後述。 ※メガシンカ登場後の作品としては剣盾、BDSP、PLAが挙げていますが、メガシンカに関する発言や記載があったなら議論所にお願いします。 XYにしかメガシンカのない世界線 XYに加え、上述の"メガシンカの存在しない世界線"にあたるソフトも該当し得るが、ヒガナにより"メガシンカのない世界線"(≠XYの世界線)が示唆されていることを考えると、やはり別の世界線と考えるべきである。 性質上 剣盾〜PLAで特に証拠が見つからない限り、今後XYリメイク等でしか本編で登場しそうにない世界線である。 メガシンカがホウエン地方発祥の世界線 ORASに加え、ピカブイ/SM/USM/SVが該当し得る。"XYにしかメガシンカのない世界線"と違い、他地方にメガシンカがあることを許容出来る世界線である。 SVがこちらの世界線に分類される理由は、スカーレットにてコサジの小道の研究所にある本の中で、トドロクツキについて「その姿は ほかの地方で ボーマンダに 発生する とある現象の 結果に 酷似しているが 関連性は 不明」とあり、明らかにメガボーマンダの存在を示唆している。メガボーマンダはXYには登場しないため、ORASと同じ世界線といえる。 XY/ORAS共に「すごそうな石」というアイテムを入手出来るが、XYではその真価が明かされることは無いが、ORASではそれがピジョットナイトだと分かる。XYではピジョットはメガシンカ出来ないことから、メガシンカ出来るポケモンの数の差は世界線の影響だけでなく、知識の差も影響しているのかもしれない。 議論所(並行世界) 時間軸について ポケモン本編の時間軸について考察する。 上述の並行世界の観点から、判明している範囲で明らかに並行世界であると認められるものについても区別する。 正史について 時間軸を語る上で避けられないのが『どれが正史にあたるのか』問題である。ポケモン本編はマイナーチェンジやリメイクなどが多くなされているためである。 時間軸について述べる上で混乱を避けるため、予め正史をここで定める。基本的に正統続編以外を除き、違う作品でも(=違う世界線でも)世代が同じ場合、同じ時間軸と考える。 ※正史作品(または正史とされなかった作品)についての意見は議論所にお願いします。 第1世代 FRLGとピカブイを正史とする。 FRLGは赤緑青ピからほとんど改変の行われていない正統リメイクである点を評価。 ピカブイはメガシンカがあることから並行世界であると認められる点を考慮。 第2世代 HGSSを正史とする。 金銀クの正統リメイクである点、金銀クに比べ他地方との関わりをより確認出来る点を評価。 第3世代 EmとORASを正史とする。 EmはBW2での古代の塔付近のNPCの「ホウエンの砂漠にあった"げんえいのとう"は消えました」という発言、また同作のPWTにてミクリがチャンピオンとして扱われている点を考慮。 ORASはメガシンカがあることから並行世界であると認められる点を考慮。 第4世代 基本Ptを正史とするが、例外的に一部BDSPを考慮に入れるものとする。 PtはBWにおいてシロナが「ギラティナと向かいあった あのトレーナーに…」と発言している点を考慮。 BDSPについてはソノオタウンの"剣盾"連動特典のジラーチをくれるNPCの発言「おやお前さん…"願い星"を見たことがあるようじゃな」という発言を後に考察する。 第5世代 BW/BW2を正史とする。 BW2はBWの正統続編である。 第6世代 XYを正史とする。 第7世代 USMを正史とする。 SMでも考察に大きな影響はないが、後から発売された点を考慮しUSMに表記を統一する。 第8世代 剣盾を正史とする(DLC含む)。 第9世代 SVを正史とする。 発売直後であるため、今後の追加要素等により修正を要する場合がある。 1.公式発表の時系列 HGSSの公式サイトの『3年前にカントー地方で活動していた〜「ロケット団」が活動を再開した。』という記載から、第1世代→第2世代間に3年の時間経過がある。 BW2の公式サイトに『冒険の舞台はBWから2年後のイッシュ地方』という記載がある。 2.第1世代・第2世代関連 時系列のはっきりしている第1・第2世代から考える。現時点で FRLG/ピカブイー(3年)→HGSS これにゲーム内で分かることを加える。 HGSSにダイゴが登場。セリフより第3世代主人公に負けた後と推察できるので第3世代→第2世代 BWのロケット団無くなった発言より第2世代→BW(ちなみにこの元ロケット団員がカタコトであるため、HGSSでハナダジムにいたロケット団員ではないか、更にはSVのセイジ先生ではないかと言われているが断定出来る証拠はない。) 家庭を築き子供を授かっているため、数年経っていると考えられる。 ジョウトのジムリーダー・ミカンが第4世代ナギサシティにて確認出来るが、これはミカンが悩みを解決するためのちょっとした旅であったことがHGSSにてジムバッチ16個を集めた後のイベントで明かされている。このことからHGSS主人公が旅をしている間に、ミカンがシンオウに行き、Pt主人公に出会い、ジョウトに帰ってきたことがわかる。したがって第2世代≒第4世代 FRLGで運航している"サントアンヌ号"がORASにて現行で世界を一周していると記されているため、第1世代≒第3世代 以上のことから、これまでをまとめた時系列は次の通り。 FRLG/ピカブイー(3年)→HGSSー(数年)→BWー(2年)→BW2 Em/ORAS Pt/BDSP 3.第5世代関連 次に唯一、同世代内で時系列のある第5世代について考える。現時点で BWー(2年)→BW2 これにゲーム内で分かることを加える。 多くの論拠があるので箇条書きにすると、 XYでPWTがテレビ中継されている(BW時点ではPWTは未完成) XYのテレビ番組「ジムフリーク」でウルップがハチクマンの映画を映画館で観て男泣きしたということが分かるが、ハチクの俳優活動はBW2のポケウッド以降。またハチクマンシリーズは全てBW2主人公が主演を担った作品なため、BW2・XYの時期は重なっていると考えられる。 プラズマ団が活動中であることがXYで確認出来る(「プラズマ団って何?近頃イッシュ地方では何かと話題らしいけど」という発言がある) BWにて遊園地観覧車イベントにて恋する山男が現れるが、XYにて恋が成就したことが語られている BWで視聴出来るTV番組「ぶら散歩」はBW2で放送終了しているにもかかわらず、XYにてティエルノが番組のOPを口ずさむ(XYにて「ぶら散歩」は放送されていない(放送終了している)) 以上の理由から、BW→BW2≒XYと考えられる。 こう考えた場合、 XYでアクロマの名は登場するものの、本人は登場しなかったのはその時期プラズマ団の一員として活動していたためと考えられる。 BWでは七賢人を捕まえるためハンサムが登場したが、BW2には登場しなかった。それは同時期にカロス地方のミアレシティの事件を担当していたためと考えられる。 BW2において四天王シキミがハンサムと既に会っており、彼のパートナーのグレッグルとのコンビネーションを小説にしている。XYにおいて彼のポケモンが殉職したことが明かされ、写真にグレッグルと思われるポケモンと写っていること、XY時点でポケモンを所持していないことから、BW〜XY間にグレッグルが殉職したと考えられる。 以上のことから、これまでをまとめた時系列は次の通り。 FRLG/ピカブイー(3年)→HGSSー(数年)→BWー(2年)→BW2 Em/ORAS Pt/BDSP XY 4.第6世代・第7世代関連 論拠を箇条書きすると、 SMにXY主人公の先輩トレーナー デクシオとジーナが登場する。XY主人公ら5人を思い出すシーンがある SMにアクロマが登場。発言からBW2主人公に敗れた後である。 SMに第5世代の四天王 ギーマが登場。公式設定の資料に2年後と記述されている。 以上の理由からBW→BW2ー(2年)→SM/USM、XY→SM/USMと考えられる。 以上のことから、これまでをまとめた時系列は次の通り。 FRLG/ピカブイー(3年)→HGSSー(数年)→BWー(2年)→BW2ー(2年)→USM Em/ORAS Pt/BDSP XY 5.第7世代・第8世代・第9世代関連 SMではロトム図鑑が「ロトムが入ることで完成する"新時代の"ポケモン図鑑」と呼ばれているのに対し、剣盾ではロトムスマホが広く普及している SVでもスマホロトムが普及している 剣盾ストーリー内で執筆されたソニアの本がアカデミーに所蔵されている。 以上の理由から第7世代→第8世代→第9世代と考えられる。 また第8世代で登場したPLAが今まで挙げた時系列の先頭に来るのは言うまでもない。 ボタンはガラル地方出身であることが明かされており、ドがつくほどウザいスキンシップ過剰な父親がいること、ボタンの花の英名などから、剣盾DLC冠の雪原で登場したピオニーの娘である可能性が高い この理由から、剣盾-SV間もそこまで大きな時間的隔たりは無いと考えられる。 結論 以上のことから、ポケモン本編の時系列は次のようになると考えられる。 PLA→〜→FRLG/ピカブイー(3年)→HGSSー(数年)→BWー(2年)→BW2ー(2年)→USM→剣盾→SV Em/ORAS Pt/BDSP XY 補足 ◎ポケモンのシナリオ担当者のツイート 松宮氏(マツミや/@matsumiyan)がXY発売中の時期に 赤緑≒RS→金銀≒DPPt見BW→BW2≒XY とツイートしている(現在は非公開)。 ◎第3世代と第5世代 BWで開発されていた夢の研究に関して、XY時点で開発終了している。対してORASではまだ夢の研究が終わっていない(「遠くに住むライバルもおんなじ研究をしているとか!」という発言がある) BWで運航している"ロイヤルイッシュ号"が、ORASにおいてまだ完成していないことが明かされている(「完成は……年後を予定」と記されている) 以上の理由から、ORAS→BW ◎第3世代と第6世代 ORASにおいてXYジムリーダー マーシュの友人を確認出来るが、幼少である。またフェアリータイプのジムが無いことが明らかにされている。 ティエルノの幼少期と思われる少年を確認出来る。 XYで登場する0パワー親父の誕生がORASにて話されている。 XYにて登場する幽霊は、ORAS時点ではまだ生きている。 以上の理由から、ORAS→XY ◎第4世代と第5世代 正史についてでも述べた通り、BWにてシロナがPtのギラティナやPt主人公について語る BW2にてギンガ団解散後プラズマ団に入ったNPCがいる 以上の理由からPt→BW→BW2 議論所(時間軸)
https://w.atwiki.jp/miyanagake/pages/126.html
1/11 24 和京のお見合い(平行世界) 原村和です。お見合い19連敗中です。 ここまで来て私は悟りました。 「間違っているのは私じゃない! 世界の方です!」 そう。現実世界で相手を見つけようとするからいけないのです。 よく考えてみてください。 ほうら、画面の中にはより取り見取りのイケメンがたくさんいるじゃないですか! 髪の色だって選び放題! 性格だって好きなだけ! 相手の職業だって好きに出来ます! 決して裏切られることもなく、好きなだけイチャイチャ出来るんです。 危なかった……。危うく三次元に惑わされるところでした。 そもそも、私はネトマで有名になったんです。 私の世界は電子の世界にあるんです!――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2/11 「さて、今日もFF14をやりますか」 ネトマも一息ついたので、ネトゲに移ります。 天使のどっちのイメージが崩れる? やれやれ、今時ネットゲームをやっていて2ch等と関わらないなんてありえませんよ。 ネトマの掲示板や情報一つ見ても煽り煽られ叩き叩かれの混沌。 超有名なニュースサイトも2ch・twiter・ふたばのまとめばかり。 否が応でもアングラサイトに触れてしまう昨今、それらに一切触れない女の子がいるでしょうか? 『私、ネット使うんだけど2chなんてわかんなーい☆』なんて言ってる子は絶対にアウトですよ! 大なり小なり関わってるはずです。 もちろん、『のどっちは運営の用意したプログラムだ』なんて言われた私がその世界にハマらないわけもなく……。 「また私に負けた人が騒いでいますね……。 IDを変えて、と。『負け犬の遠吠えじゃねーかwwwwww』 おっと、草を生やすのは時代が古いですね。 『負けたから文句を言うとか草生える』にしておきましょう』 ネットスラングも流行り廃りが激しくて困りますね。 かれこれ中学時代から10年以上ネットの世界に浸かっている私からしてみれば、新参に伝わらない言葉が多くて困ります。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 3/11 「和、またお見合いの相手を用意したぞ」 ……ついに来ましたか。20人目の相手。 ここまで、19人斬りを成し遂げた私にふさわしい相手が見つかるとも思えませんが……。 父もいい加減諦めてくれればいいのに。 いやまぁ、気づけば私も28になり、クリスマスケーキも半額以下のお値段で買えます。 お相手を選んでいる場合ではないのはわかりますが……私にだって夢があるんです! 「会うだけあって見なさい」 「はい。わかりました」 しかし家にいる間は両親に従順です。 父も私のことを心配してやってくれているのはわかりますし、それを無下にするのも気が引けますからね。 「相手の写真とプロフィールはここに置いておくから、目を通しておくんだぞ」 そう言って父は部屋の隙間からアルバムのようなものを差し込んできました。 以前、勝手に部屋に入った時に蹴り飛ばしましたからね。 最近は気をつけるようになったので、嬉しい限りです。 お相手の方も、ちゃんとプロフィールを見たいところですが、今は縄跳びの最中です。 後で見ればいいでしょう。 ……その後ネトゲとネトマのループに陥った私は、相手の写真を見ることもなく本番に出向くことになったのでした。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 4/11 「はふっ、はふっ」 「和、落ち着きなさい……」 お、落ち着けるわけがありません。 ここまで28年間、男性と話したことは数少なく、親しい男友達なんて一人しか出来ませんでした。 最後に会話を交わしたのは高校時代。その後のお見合いもいつもこんな感じです。 「お、落ち着きます。 デュフ、フヒッ、オゥフwwwwww」 「(今回もダメか……)」 父の哀れむ視線が痛いです……。 私だってこんなことになるなんて思いませんでしたよ! ああ、高校時代が懐かしいです。 思えばあの時が私の黄金時代でした。 ゆーきと咲さんという友達がいて、全国制覇を成し遂げた時代。 あの一年が私にとっての絶頂期で、そこから先は転落するばかり……。 そう、全ては歯車が噛み合わなくなった、あの時に―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 5/11 ,. --- 、 ____ /, ´ ̄ ̄` '⌒´ \ 、_/_/⌒ヽ , / ヽ ,---、 / // ヽ . , / ̄-/ /' { | | | / __  ̄,./ /-' l| l | |___ l | | . ' / ,イ _| | |ア__l { { | / }`| | | / , ´ | { | l\{从 ∨ィ斧ミ、 | | /\'´ /{ | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{ ////\ r--- ´八 !∧  ̄ , . . }/ノ/ リ 「和……か……?」. ///////\ \}∧ u 八/ //////////〉 込、 __ ,. / ///////// / }>、 ` イ |从 ,'//////// / _ /--、l ` ̄ , |--、.///////// / イ/////\ {////} / 「///|'//////// /´// {////////ー '|////| , |///l|///////////// |l///////////ヽ// \ |////> 、////////{/////{!/////////////////}--- /////////> 、 ____ ,.' ´ ` 、 _,ィァ′ ヽ \ {少′ / ,i l ト、 i ,ィマ、 Y / /// | l| | ハ 辷='/| ..ヽ\ イ ′ / | { | 从、| } |彡' /| . i . .|,∧. { | l |ィ爪 {(リ八「了 メ、 彡个rイト、 リ、_! l リィチfト '行タト、彳,ィl | . | | . i l_,以 { ヒtリ ヒztリ |f リ| | . | | . | 「 l 「ト'" ' '""' _,イ | | . | | . | 「須賀、君?」 } } ハ tっ ィ' ) ,j リ 刀 「 / /,イ| |l>、 ,ィ |ノイイ / リ | / /リ | ! !仏ィ_〕¨ 》,// / /| !. / / r廾 .|「{ |-、 __ / // ,ヘ〔 .j { 〈 イ ∧V / . . |__´_./ ./ / . . . .>)) } } /`Y'| { . . . . .l / 〈 〈 . ,イ´ /{, j/ }`ー冫j\ . . | / ___)ノ/i´r‐'='} ト ン′`ヾ >-r'< ̄ _彡冫=v' 人. }/ . . . . .[二]- .―'´. . . . . V / ∧ i' . . .. . . . ∧Ⅵ . .. . . . . . . . i // ,/ イ { } . | .i { . . . . . . . . . . . . |r<´ _.! _八 j . .! .. |.. ノ{ { { i ヽ、._ | . . . . | ,イ ヾ、_ | ∧ヽ { =-.¨| . . . . |==-__--,イ} { 丶、._〉 〉ヘ ' ; ...| //´ | . . . . | `¨ー= イ{l! '; .. {――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 6/11 「おおっ!? 知り合いか! じゃあ後は若い二人に任せよう」 父はそう言って私と須賀君を二人きりにしてしまいました。 ……ものすごく気まずいです。 何せ、私と須賀君はあの高校一年生のインターハイが終わってから会ってないのですから。 「その、相手を聞いてなかったんだけどさ。 和だったら気兼ねしなくていいや」 「え、ええ」 そう、須賀君はインターハイが終わった後、私たちに何も言わず、転校していきました。 詳しい話を知っていたのは咲さんだけでした。 でも、咲さんは詳しい話を言おうとはしませんでした。 「今なら、聞いてもいいですよね」 「……大した話じゃないんだけどね」 おおよそ、お見合いの雰囲気とは思えない空気が場を覆っています。 「勝手な話なんだけどさ。 みんながインターハイで活躍してるのを見て、俺ももう一度頑張ってみたかったんだ」 「何を、ですか」 「ハンドボールだよ。中学生の頃にやってたんだ。 だからそこそこの強豪校に転校したんだ」 須賀君はバツが悪そうに頬を掻き、目を逸らしました。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 7/11 「やっぱりほぼ1年間やってなかったブランクもあって、そんなに結果は出せなかったよ」 「そう、ですか」 「でも、あの時のみんなに少しでも近づけたんじゃないかって思ってる」 うっ、須賀君の笑顔が眩しいです。 い、言えません。その後の私たちはなんとなく気まずい雰囲気になって、まったく結果を残せませんでした。 咲さんはそれから隙間を埋めるように麻雀に打ち込みました。 ゆーきは須賀君のことが好きだった分ショックが大きかったようで、しばらくは消沈していました。 私は、その、寂しかったのは間違い無いんですが、二人ほど豹変したりはしませんでした。 問題は、夏休みが明けた後に起こったんです。 優勝したことが原因で入部希望者が殺到。 染谷先輩が頑張りはしましたが、もともと多くの人数を捌ける部活ではありません。 機材も何もかも足りませんでしたし、私たちは『男の子』のイメージがなかったのです。 ゆーきはそういった人たちにも素晴らしい対応を見せてはいましたが、染谷先輩とゆーきだけでは人手が足りず。 もともとの私たちの人数を遥かに上回る入部希望者によって、あの小さくとも居心地のいい空間はなくなってしまいました。 あの時、須賀君がいれば……なんて思うのは、さすがに身勝手が過ぎますね。 「それに、何より咲に見合う男になりたかったんだけどな……」 「?」 「いや、何でもないよ」 何処となく寂しそうな顔をする須賀君。 その意図を掴むことはできませんでした。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 8/11 「そ、それで、和がこんなところにいるなんて意外だよね。 すごく美人になったし、男が放っておかないでしょ」 「び、びじっ!?」 い、いきなり何を言うんですかこの人は!? 「小学校の先生になりたいって言ってたもんね」 「しょ、しょれより須賀君は何をしているんですか!?」 「俺? 俺は日本ハンドボールのプロやってるよ。 あんまり有名な選手じゃないけどね。1.5軍くらいかな。ハハハ……」 そ、それでも十分に凄いじゃないですか! よく見れば須賀君の顔にもハンドボールで受けたものか傷の跡がありますし、手のひらもボロボロです。 高校時代でも大きかった身長にさらに筋肉がつき、一回り大きくなったように見えます。 す、須賀君なら、私も素を見せられるかもしれませんし、高校時代のようになることが出来れば私だってお嫁さんに……。 勇気を出すのです、原村和! ここで彼を捕まえなければ一生独身ですよ! 「しゅ、しゅがくん!」 「お、おう?」――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 9/11. / | . i .| . . . i| | . . . . . .|! . |i . | 、 . .゙、 、 ゙、゙、 ; イ/ i ./ | i .| . . . i .| . . .i| | . . . . . . .|! .| i . i 、 . . 、 .、 . . .! . iヽ/ . . .|/ i i | | . | .| . . . i| | . . .| ! | .. |i. | .i i ゙、 . .i.;A-‐ハ .! . . . . . . ..! ___| ! .i | . | . . .i .! . . .|!.i! l | . ! . . . . ..i . .i ゙、! _/ハ ハ/ |ィ;. .,.-‐-、! /. . . . .V/i |.| . . i i i_ |、!、 . .! i !、i . . . . . .i . .i _;彡';tr=、 ヾ、"' /ヽ |' . . . . . .i . | . . . . ! i i! | .. i i . . i`iー ト-!、丶 . . . . i 、^V i_; ヽ / i . | . | . . . 、 ! i、 . .i . . . .| .i 、 .7メ'f ヾー\ . . . 、`ヾ ;;; ン ′ ノ . . ! .| . . . ヾi 、 .\ . \ .]〈 っ ; i  ̄` _,∠| | . | .|―- ヽ! .i、`゙ー-r≧ ≠ , " " / | ! . | .!//// | .| . . . . . . \! ,, ,, / i! i .i//// | .| . . .i i r== "ヽ / i . i .|//// 「オウフwwwコポォwwwフォヌカポォwww」 | | . i . |\ ∨__ノ) / / . i. |//// | | . .| イ | |l`ー-..、  ̄ ̄ / / . |///// |.| . | ∧ i . !i `i ー-‐ ' ,..-‐ / . .i!///// / | |.. . ゙、 . ゙、゙、. \ |. i | i |. ∧ 、.i. .i . ` 、. ! | |、 | | i | ! | | | 、 > | | i 「! ヽート!、 リ ! |ハ ト | ̄ ̄. ,..-、| i | !゙、 _、!二゙、-| イ リ ! |ヽ | / へ.゙、 丶ヾヽ ´{ i` ヽ! 1!| /| !ノ゙、リ ヽ \ !丶  ̄ Vイ ハ |\ i. 丶 \゙、 ` リ `ヽ `┬ 、 ヾ / i ;ィノ U ,....-ィ / 「!?」,, ‐レリ _  ̄ /゛=!_ \ `ー-、_ _/ ゛== 、 \ / ̄ヽ、 ゛===-、 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 10/11 / / | |゙ | . . | | VM、_| . | } ト、_,. | ヾ ', ./ / .! i! N . | い !/≧二]/"|´ . | . | !. ! / | | | |',/ ヽ| \ |ィ/,ゞ..、\,! / i! | | ,' / | { . ! /| 〉|-. \!" {_ rj ', リ/} . . ノ|/゙. |. i ィ .∨\"| /,ィうヽ ィ゙ ` ソ i} |/ ' |. | /.! | |ヽ {_,ィrj ', .`ー‐゙ ./ ! ! | |∨ ヽ{i ヾ, ツ | | 「ギャプ!ギャプ!ドプフォ!!」 ヽ .| \ \, `" _,,._ | {. 'j |  ̄、 ̄ _,,. - "__\ { '., ! .ハ. { ./ 〉 ./! \ .| リ`ヘ. V ./ ,ィ=、| ト、 ヽ. | `..、, `ー " ./ |/ \ . | i }. リ ,' / / ー, --‐' / ヽ ヽ ̄ `ヽ. / / / / / {/〉, / 〉, \ \ / / / _,.ィ={ |/. !. / /| \ \ } / / /_,,.-/ / | | . / / | | .\ \/ / /} / / / . | |_. / / .! ! .\ ヽ,. / /_,/゙ / / / | |. ` ./ ./ .| | / \ `、 -‐…‐- ´ `` . / \ ___ . / 〈i i 〈. / / / ! | 〈i i 〉 / ∧ /| |i | | | ¨ , || /! / ∨| |i | | |i | ドヤァ……. ′ | / |/ | 八人| |i . , | Ⅵ斗ぅ气ト ムイ≫冬ト 从/ ′ | | 乂rツ ヒrツ.ムイ | 「コポォオォォォア!」 . | | ,.,.,. 、 ,.,. .′ | , | | 、 , , | |./ | | } iト イ | | | | j{ うr≦ | | | /| | \ {`ヽ〕iト ..,,__| | /i i i| | i i i \ } i i i i i i i i| |――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 11/11 /\-――‐- 、 , --=7 丶 `ヽ /, ヽ ヽ ∠/ / 、 、 丶 i / i ! l. l i. i | / ,/ ! ! l|| ! |、 ll ! | ヽ、 /_ -7 , | l ト、| |ヽ! N , 斗 r ,'_ ト--`  ̄ //! ! Nヽ!\|,//l/ l/! N ,ハ !| ´ / ,i丶 {=== l/ == =l/ ' ノ リ 「そ、その、和。 // l i `i _/,、/ ´ {ハ!ヽ{ ′ /!}/ ′ また今度暇なときにでも遊ぼうな……。 丶 ー ―‐ ' / |′ \ / | 今日はとりあえず帰るよ……」 __ i ー ' ! __ , ィ'´ . /-‐ ´} / `Y´ . .\ , -‐'' ´ . ./ . . ./― - 、 ,/__ / . . . . . /`丶、 ハ . . .i ., . ,′ . i `  ̄ / . . . . ../ . . . . . . .丶、 / . . .i . . |,' . i . . . . ! ヽ / / . . . . . / . ., . . . . . . . . ,.ヽ ! . . . .ヽ .{ . .l . . . . l. i / . . . . . / . ./ . . . . . ./ . . .i / / ./ ,ィ ヽ ヽ_ / / ./ // /! |l! .lY' ) ; i くlハ //,ィ / .| リ! j l } l! |イl! ' _`Vメ、 l / __.! ./_l/__ ノ l i='ヽ ゝゝ| ;´んィ !` =j/__ノノイ /¨T ヽヽ || l 弋_丿 'んィ !.ヽ// ,' ! } } || l 、、、 弋_丿 // .,ヘ .! j/ || l ' 、、、 // ./イ | || ゝ. __ // ./. ! | 「ええ↑、じぇひ連絡をくだ↓さ↑い」 || | l > ´‐-' _イ//∥| l | |l!. l_L ;ノ .ト!¨ T¨ェ //.∥ll! l | l|-、 ヽ .l! ̄` | . .// /l!ll| .! | /-、 ヽ ヽ l ̄ ̄l .// / ヽ! .! !. / | >ヽ ヽ . . l l;'/// /\ .| |. / l . /ヽ ヽ ';. ヽ / ////、 \ | 人.. V } ! ヽV/'/l;;;_/ Y ..人 !. / ヽl l ! [__] / .l i/ ヽ| 人と喋るのが久しぶりで、うまく喋れなかった気がしますが、次の約束を取り付けられたのでOKです! カン!
https://w.atwiki.jp/minasava/pages/195.html
どうも、クリスマスに三作品投下した者ですが、新作が完成したので投下させていただきます。 あらかじめ言っておきますが、今回の話は読む人をかなり選ぶかもしれません。 この話は以下の注意点があります。 この話は皆で考える聖杯戦争の三次創作に近いです。 話の都合上、歴史設定が変更されています。 マスターの中に約一名だけ、著しく設定が違う人物(死徒)がいます。 本作品にはエロ成分が含まれます。 登場するサーヴァントには皆鯖だけでなく、原作の者もいます。 それでもよい方はどうぞお読みください。 最後にこの話は皆鯖集合絵の作者様が女鯖集合図を投下した事がきっかけで、 こうして形にすることができました。 ほんとうにありがとうございました。 平行世界、選択肢により分岐し、今の世界と並行して存在する別の可能性の世界。 もしこうだったら、あの時ああしていたら、その「もし」の数だけ世界は存在する。 つまり、現在の世界が歩んできた歴史とは違う、 何かがきっかけとなり、別の歴史を歩んだ世界もありえるという事だ。 これはそんな別の可能性の歴史を歩んだ日本のとある地方都市で、 万能の願望機『聖杯』を巡って繰り広げられる聖杯戦争の話である。 ――日独ホットラインで行われた会話の一部を抜粋。 『これが……ベルリンもとい欧州連合政府によるものでないという、 証拠がいるのです。失敗すれば最悪の場合、 水佐波市が地図の上から消えてなくなるだけでなく、 彼等 がもたらす物により、新たな冷戦構造、 いや、世界大戦が始まるでしょう……』 ――同時刻、日本領海に侵入中の潜水空母『シンファクシ』艦内 「閣下、まもなく日本近海です」 「そうか…これで完全に後戻りは出来なくなったな。 この戦争で勝利を掴まない限り、我々は祖国に遅かれ早かれ 反逆者として抹殺される。後悔は……していないか?」 「今更ですよ。私の全ては閣下の為にあります。それに私達の姉妹も、 この艦のクルーも、水佐波市に潜伏している同志達も、 皆とっくの昔に覚悟はついています」 「すまないな、ヒルデ。私とした事が弱気になっていたようだ。 フッ……こんな心構えでは戦う前から負けてしまうところだったな。 ありがとう。…さあ、気を改めて始めようじゃないか。神代の戦争を」 「はい、閣下。……セイバー、お前にもしっかりと働いてもらうぞ」 「心得た。マイマスター」 ――季節は夏。 場所は変わって衛宮邸。 「……ただいま……」 蝉の声がよりイライラを増させる暑さの中、一人の女の子が帰ってきた。 顔が俯いているせいでどんな表情か不明だが、ご機嫌でないのは確かである。 その長い髪は黄金、瞳は赤き宝石、容姿は一流彫刻家が作りあげたかのような 美しさで、その魅力は汗まみれな姿でも損なわれてはいない。 出る所は出て、引き締まる所は引き締まっている見事なプロポーションは、 今着ている露出の激しい服が汗で濡れて肌に張りついているせいで、 すみずみまでくっきり、はっきりとわかる。 そんな彼女の名はマザー・ハーロット。 かつて今から半年前、冬木の聖杯戦争において衛宮士郎をマスターとして、 ライダーのクラスで召喚され、見事生き残ったサーヴァントである。 聖杯戦争終了後、生き残った一部のサーヴァント達は受肉を果たしており、 彼女、ハーロットもその一人であり、現世における第二の生を謳歌していた。 誰も出迎える者がいない中、ハーロットは玄関で黙々と靴を脱いで屋内に入る。 一直線に向かう先は、台所。 そしてあろう事か、歩きながら汗に濡れてる服を脱ぎだしたのだ。 ハーロットが歩を進める度にパサリ、パサリと衣服が床に落ちていく。 しかしどういう訳か脱ぎ捨てられた下着の存在だけは確認する事ができなかった。 生まれた姿で台所に到着したハーロットがまずやった事は、冷蔵庫の前に立つ事。 次に扉を開けて中から新品のボトルを取り出しキャップを開けた次の瞬間、 中に入っている水を一気に自分の頭へとぶちまけた。 水も滴るいい女とはまさに今、気持ちよさげに水を浴びてる彼女を指すのだろう。 ボトルの水が三分の一を切った時点で水を浴びるのをやめると、 今度は残った水を一気に飲み干そうとラッパ飲みを始めた。 喉を鳴らして水を飲む姿はその艶かしい表情も相俟って、非常に色っぽい。 たちまち飲み干した空ボトルを流しに置き、ハーロットは一息ついて 「暑い」 そう一言呟くと、全裸のまま、隣の居間の床に大の字になって寝転がる。 どうやら先程の行為でも、この暑さを払拭するのは敵わなかったようだ。 美しい金の長い髪は床に広がり、豊かな胸は重力に逆らいツンと上を向いている。 「暑い暑い暑い~~!!!」 あまりの暑さに手足をジタバタするが、余計暑くなるばかり。 その時手の一部が床に転がっているリモコンのスイッチに当たりテレビが点く。 液晶画面に移るは……一面に広がる大海原。 この時ハーロットの頭に一つの閃きが走った。 一方衛宮邸内道場、士郎は柱を使って身長を測っていた。 聖杯戦争終了直後、士郎の背は急速に伸びてきており、 定期的な身長測定を行うのが今では士郎の密かな楽しみの一つになっていた。 「やった…。また身長が伸びて「士郎ーー!!」なんだ?」 己の身長が順調に伸びている事に喜びを噛み締めている真っ只中、 セックスフレンド関係の同居人の大声に合わせ、ドドドと駆け足が近づいてくる。 黄金の髪を振り乱して走ってきた全裸の美少女は、そのまま士郎を押し倒すと、 息を荒げながら彼にじっと熱い視線を送る。 「ハ、ハーロット?気持ちはわかるが俺にも心の準備ってものが」 「セックスの催促じゃないわよ!海、海行きましょ!」 「いきなりなんでさー!って言うか落ち着け!」 思い立ったら即行動がハーロットのポリシー。 次の日、水佐波市沖合の無人島。 その島の砂浜に建てられている大きなコテージに一行はいた。 「へえ~~、すごく綺麗じゃないか」 「桜と小次郎、イリヤとアルトリアは遅れて来るって連絡が来たわ」 「しかたありませんよ凛。彼女達にも色々と予定があるのですから」 「ま……いきなり海に泊りがけで海に行こうなんて誘われても準備とかあるしね」 「しかし、この小島一つ丸ごと貸しきりなんて、思い切った事したな」 「貯めたお金はこういう時にこそ使わないとね♪さ、泳ぎましょ♪」 ハーロットはそう言うや否や、身に着けていた服を脱ぎ捨てていく。 たちまち露わになっていく、桜より大きい形のよい乳房、引き締まったクビレ、 安産型のお尻と、産まれたままの姿となった彼女は、海へと一目散に走り出し、 思いっきり水柱を立てて飛び込んだ。数十秒後、水面から思いっきり飛び出す。 「しょっぱ~い。でも、これこそ本物の海よね~」 ブンブンと首を振って水滴を弾き飛ばすと同時に、 輝くゴールドロングヘアーと、豊満なおっぱいが意思を主張するかのように ブルンブルンと揺れる姿は、並みの男全てを前屈みにさせるには十分だろう。 そんな彼女を苦笑いで見つめる3人の男女。 「まったく……相変わらず我が道を突き進むわねえ。衛宮君のサーヴァントは」 「もう慣れたよ。召喚した時いきなり貞操を奪われたからな。 全裸でいるのもいくら言っても止めてくれなかったし。 そもそも戦闘着が僅かな布と宝石しか身につけてない全裸同然の姿で、 家の中じゃ完全な全裸で生活、外出時に服着てる時も下着は着けてないんだぞ」 「私も初対面の時は、痴女が衛宮君を逆レイプしてるとしか見えなかったわ」 「その時彼女の胸を見てずいぶんと落ち込んでましたよね?凛」 「ギャラハッド……後で話があるから、コテージの裏に来なさい」 ――そして彼等を監視する影。 「こちらアイン、目標はこの島を拠点に滞在する予定」 『ご苦労だった、一旦戻ってくれ。 冬木の聖杯戦争の勝者達を招待する必要はなかったな。 まさかあちらから来てくれるとは。さて……準備は整った。 戦争の、はじまりだ』 こうして、冬木の聖杯戦争以上に苛烈で過酷な聖杯戦争が、 今まさに始まろうとしていた。 「……ハァ~~」 「どうしたんだマスター?」 「誤算でした……。こっちじゃ故郷と違って死体が火葬なのを忘れてたんです。 これで戦力としての死体を調達するのが難しくなりましたよ。 だからって殺しはリスクが高すぎますし……しかたありません。 管理者に連絡して死体置場のある病院がないか聞いてみましょう」 「ほう……意外だな」 「何がです?ランサー」 「死体を操るネクロマンサーであり、父と兄を殺して屍人形にした事から、 てっきりバレなければ幾らでも人を殺めてもかまわない外道の類だと 思っていたのだが、ちゃんと人間の心も持ち合わせている事にだよ」 「貴方は私を何だと思っていたんですか……。確かに父と兄を殺したのは事実です。 ですが彼等も魔を極めんとする家に生まれた以上、覚悟していたはずです。 しかし一般人達は私達とは無縁の存在、ゆえに彼らを巻き込む等、 誇り高きムイード家当主して絶対に認められません!まあ、死体は別ですが」 「なるほど。サーヴァントは基本的にマスターに似た者が選ばれるというが、 その点じゃ確かにお前は俺のマスターに相応しいな。安心しろマスター。 そんな事なんかしなくたっていい。全て俺に任せておけば大丈夫だ。 なんと言ったって俺は、トロイア戦争の大英雄、アキレスなんだからな」 「踵射られてあっけなく死んだ大英雄にそんな事言われても…」 「うっ……」 「でもその意気です。期待していますよ。一応ですが」 「一応かよ……」 死体に縁があるという共通点を持つマスターとサーヴァントの関係は良好のようだ。 「……a…aa………」 闇夜に佇む影は、別の平行世界の冬木市において繰り広げられた第四次聖杯戦争で、 その強すぎる力ゆえ、マスターが自滅する形で退場することになった、黒き騎士。 「ふむ。これがバーサーカー使役による負担か? この程度とは、いささか拍子抜けだな」 しかしこの世界では規格外のマスター、無道に召喚され、見事に制御されている。 「ひとつの時代で無双を誇るまでに到達した武芸の手練。 裏切りの騎士であり、円卓最強クラスの泉の騎士、か」 「……アーサー……」 「さて、狂戦士を召喚したのが裏目に出なければよいが。 あまりにも強すぎるせいで試練にならなかったなど、話にならんからな」 最狂のサーヴァントと、最凶のマスターのコンビが誕生した瞬間であった。 「私が協力すれば……本当に、彼を助けてくれるんですね?」 ――水佐波総合病院、会議室。 志那都みことは決断を迫られていた。 恋人の為に神社で祈祷を行い、その際にキャスターを召喚してしまった次の日、 黒服の外国人達が彼女を訪ねてきたのが全ての始まりだった。 『恋人を救う方法がある』という言葉に釣られて病院までついてきた後、 彼女は驚きの光景を目にすることになった。 それは植物人間状態の恋人の容態がかなり回復しているという事と、 それを可能にしたのがなんと魔術であるという事実だった。 このまま治療魔術を続ければ恋人は全快すると知らされ喜んだのもつかの間、 今度は彼を完治させる条件として、我々の指揮下に入りキャスターを使役し、 聖杯戦争勝利に向けて協力してほしいという取引を持ち込んできたのだ。 「ああ。断った場合だが、残念だが、どうなるかはわかっているね? だが協力してくれれば、君の愛する彼が助かる事は我々が保障しよう」 「……わかりました。キャスター、彼らの指示に従ってください」 彼女は決めた。恋人を守る為に連中の尖兵となる覚悟を……。 「くそっ、奴らめ。マスターが魔術の知識がないことをいい事に、 恋人の怪我を利用して都合よく言い包めおって……。 だいたい怪我の症状次第では私の魔術でも治療可能かもしれんというのに」 「無様だなファフニール」 「シグルドか……。貴様にそんなことを言われるとは心外だな。 お前の末路はマスターの持っていた本で知ったよ。 痴情の縺れの果てに暗殺されるとは、笑わせてくれるなあ?」 「……あの時のようにグラムの錆にされたいか?」 「仮にも同盟を組んだ輩を殺す気か?大英雄ならこの程度の皮肉は流せ。 しかし、よりにもよってお前と手を組むことになるとはな……」 「ふん、それはこっちの台詞だ」 それは生前殺し合った二人、セイバーとキャスターが手を組む事を意味していた。 「……え?死体置場のある病院はないかって?ある事にはありますが……。 わかりました。明日には正確な情報を送らせてもらいます。ええ、ではこれで」 「マスター、戦の準備か?」 「いんや、協会から派遣されてきたマスターの地理案内要求の電話。 ああ~めんどくせえなあ。あ、アサシン戦いを挑んだらダメだからな」 「……わかった」 「折角まだ見ぬ大英雄達との死闘を楽しめるチャンスだというのに、 マスターときたら「メンドクサイから嫌だ」とはな……」 「我が息子の判断に不満のようじゃのう。アサシン」 「お主は?それに背後にいるのは、サーヴァントか……」 「いかにも。お主と同じアサシンのクラスじゃよ。 本来召喚されるアサシン、それがこのハサンなのじゃ。 ところでお主、戦いたいのじゃろ?その願い、叶えてやってもいいぞ」 「…………」 偽の暗殺者と真の暗殺者との邂逅、そしてマスターとの不仲がもたらすものは? 「ふんだ。兄さんのバカ……」 「それだけ夏海ちゃんの事が心配なんだと思うよ」 「だからって、アーチャーを見捨てることなんて出来ないよ」 「でも夏海ちゃん、ほんとにいいの?」 「何が?」 「聖杯戦争に参加するの。死ぬかもしれないのは、嫌ってほどわかったでしょ?」 「うん、それでもほっとけないんだ。あたしね、昔から幽霊が見えるの。 でもおばあちゃんは「霊を助けようとしてはならない」って言うんだよ。 目の前にいるのに何もしてあげられない、それが歯がゆくってしょうがなかった。 そんな時、アーチャーと出会った。驚いたよ。幽霊みたいな存在なのに、 意思の疎通がちゃんとできて、ご飯まで食べられるんだから。 だからあたしは、アーチャーの願いを可能な限り叶えてあげたいんだ」 兄と喧嘩別れした少女は英霊の願いを叶える為、聖杯戦争に赴く事を決意する。 「これまでの情報収集で各サーヴァントの情報はこれだけ判明しています。 まずこちらが水佐波市で召喚されたサーヴァントのデータです」 セイバー:シグルド 筋力A 耐久B 敏捷A 魔力A 幸運E 宝具A++ ランサー 筋力B 耐久B 敏捷A+ 魔力D 幸運E 宝具A アーチャー 筋力C 耐久D 敏捷A 魔力E 幸運D 宝具C ライダー:ベレロフォン 筋力D 耐久D 敏捷B 魔力D 幸運C 宝具A アサシン 筋力C 耐久D 敏捷A 魔力E 幸運B 宝具D バーサーカー 筋力A 耐久A 敏捷A+ 魔力C 幸運B 宝具A キャスター:ファフニール 筋力B 耐久B 敏捷C 魔力A+ 幸運E 宝具A++ 「こちらが冬木の受肉サーヴァント達の能力値の一覧となっています」 ギャラハッド 筋力A 耐久A 敏捷A 魔力B 幸運A 宝具A++ マザー・ハーロット 筋力D 耐久D 敏捷D 魔力A+ 幸運A 宝具EX 佐々木小次郎 筋力C 耐久D 敏捷A+ 魔力D 幸運B 宝具? アルトリア 筋力A 耐久B 敏捷B 魔力A 幸運A 宝具A++ 「まったく、冬木のサーヴァントは化け物揃いもいいところだな……。 まあそうでなければあの戦争を生き延びる事など不可能だが。 さあ、見せてもらおうか。受肉したサーヴァント達の強さというものを」 「こちらノイマン、現在ハーロットと交戦、対象はワインを自由自在に操り 攻撃・防御してくる。また現在戦闘ヘリを操縦してアーチャーと交戦中の ライダーも別のサーヴァントの襲撃を受けている。 このままではジリ貧の可能性高し、一時撤退を提案する」 『ここで戦力を減らす事は得策ではない。至急帰還せよ』 「了解、これより総員撤退に移る」 自分のサーヴァントと分断され、吸血鬼兵部隊の奇襲を受ける夏海。 彼女を助けてくれたのは、美しい全裸の肢体をまるで誇示するかのように、 無数の宝石と僅かな布で飾りつけた金の髪と赤の瞳の美少女だった。 「行ったわね……。あらあら、擦り傷だらけじゃない。大丈夫?」 「あ、ありがとうございます//////」 「なに?どうしたの?顔を真っ赤になんかして」 「だ、だってそんな綺麗なお姉さんが裸でいたら思わず見とれちゃいますよ!」 「あら、褒めてくれてありがとう♪でもちょっと混乱してない?」 (たぶんワインのせいだろうな…) 「貴女と私には何か通じるものがあるわね」 (((露出繋がりね、だな、ですね))) 「な、何をいきなり!?貴女みたいな痴女と一緒にしないでください!!」 (((自分もハーロット程とはいかなくても、似たような格好してるくせに))) 「おーいマスター。今戦っているの忘れてるよな。 後白騎士。お前も頼むから俺との戦いに集中してくれよ」 戦争は限定的なものから、次第に総力戦へと移行していく。 『潜水空母シンファクシ、無人機発艦準備完了』 『同じく散弾ミサイルの発射準備も完了』 『第一波はライダー指揮下の無人機群による空爆。 続いて第二波の散弾ミサイル攻撃により島を完全に焦土とせよ』 『了解』 突如士郎達が泊まっている島を襲う空爆。 「じょ、冗談じゃないわ! 何考えてるのよ連中は! こんなおおっぴらに近代兵器を使ってくるなんて……!」 「凛、下がっててください!第二波が来ます!」 「大丈夫か」 「あ、あんたは……」 「ただのコックさ」 「「「「嘘だーーー!!」」」」 突如現れた自称ただのコックの瀬賀有瑠によって間一髪の所を脱した士郎一行は、 蔵馬鉄人のいる隠れ家の一つへと案内される。 そして彼、蔵馬鉄人の口から明かされるこの聖杯戦争の驚愕の真実。 「ドイツ第三帝国秘密神秘機関グラズヘイムの一勢力が暴走ですって!?」 「俺と瀬賀有瑠は日本政府に所属するの神秘関連担当の諜報員でな、 この地の聖杯戦争を調査していたんだ。その聖杯戦争を裏で操っているのが ヴィーダー・ベレーブング、グラズヘイムの幹部、今では元が付くがな」 「ここまできたら軍の仕事……とはいかないのかしら?」 「我々が動くという事は本来あってはならない事なんだ」 「まずあの潜水空母の艦載機をなんとかしないと…」 「その点に関しては君達に見せたい物がある」 一行はヘリに乗せられ水佐波市近海に待機している日本海軍の空母へと案内される。 「これって……」 「ああ、国外ではフランカーのコードネームで有名な、我が軍の誇る戦闘機。 正式名称37式戦闘機『晨風』艦上機バージョン」 それは、科学の力で作られた空飛ぶ翼、いや兵器。 「俺達が君達に出来る事はこれぐらいだ」 ――水佐波市上空。 近代兵器を操るサーヴァント達により、苛烈な空中戦が繰り広げられていた。 ぶつかり合う陣営は、 片や海上の空母から発艦したたった二機の戦闘機と、 片や海中の潜水空母から放たれた無数の無人機群。 素人目から見ても、無人機群の勝利は間違いないはずだった。 しかし無人機は、ギャラハッドとハーロットの操縦する戦闘機の 絶妙なコンビネーションで一機、また一機を撃墜されていく。 そうして戦局が徐々に二機のほうに有利になろうとしたところで、 とんでもない番狂わせが乱入してくるのに気付く者は誰もいなかった。 「よし、これでライダー指揮下の無人機をまた一機撃墜(ドン!)!?」 ギャラハッドが機体後部を振り向いた先にいた影は……黒い騎士、バーサーカー。 次の瞬間、バーサーカーの振るった拳はキャノピーを突き破り、内部の操縦席に いるギャラハッドの体を鷲掴みにし、無理矢理晨風の機外、大空へと放り投げた。 「くそっ!!」 「ギャラハッド!?」 たちまち海面へと自由落下してゆくギャラハッドを、ハーロットの晨風が回収する。 「大丈夫?」 「ありがとうございますハーロット。しかしあの鎧……まさか父さんが?」 「話は後、乗っ取られた晨風が来るわよ!私の機体を使って!」 一方地上も地上で混乱状態だった。 ほぼ全てのマスターとサーヴァントが一箇所に集まり、乱戦となっていたのだ。 戦局は戦力面からヒルデガルト、シグルド、巨大な竜と化したファフニールに、 カール率いる吸血鬼兵部隊の面々が優勢を保ちつつ他を圧倒していた。 反面もっとも劣勢なのは士郎達である。 ただでさえ主力であるサーヴァントが二人とも遥か空の彼方にいるのだから。 だが心配する必要はない。何故なら士郎達の下へと、 頼りになるマスターとサーヴァントが二組、駆けつけて来てくれた。 「先輩!姉さん!小次郎さん、お願いします!」 「ふっ、任せておけ」 「シロウ、助けに来たよー」 「シロウ!今加勢します!」 しかしここで決着をつけることは叶わず、戦いは次回へと持ち越しになった。 かくて役者は全て揃い、舞台は最終決戦へと向けて急激に動き出していく。 父と子の戦い 「アアア……アー、サー……」 「父さん、そんなにも貴方は王の事が……。 王よ……ここは私が引き受けます。貴女は先に行って下さい」 「ギャラハッド!しかし!」 「菅代玄耶にもヴィーダー・ベレーブングにも聖杯を渡してはいけません! さあ、行ってください!ここは私が喰い止めますから!」 「……すまない!」 「行きましたか。父さん……これで終わりにしましょう」 「■■■■■■ーーーーーッ!!!!!!!!」 巌流島の再現 「シャアアアァァッッッ!!」 「フッ!」 シャキーン! 「楽しい、実に楽しいぞ佐々木小次郎! お主と斬り合う度に、拙者の剣は極意に近づきつつあるようだ」 「それは同感だな。いつまでも斬り合っていたい気分だ」 「だがどんな楽しい祭りも終わりが来る。そろそろ、終わりにしないか?」 「そうだな。互いに最高の一撃で終わりにしよう」 「いざっ!二天一流(にてんいちりゅう)!小次郎、敗れたりぃーー!!!」 「なんのっ!秘剣!燕返し!」 最強の幻想種同士の激突 「俺達の相手はやっぱりこいつか!」 「最強の幻想種である竜に変身できるなんてね……。士郎、あれを使うわよ」 「ああ、それしかなさそうだな」 「手加減して勝てる相手じゃないのは士郎も承知の通り。 幸いここは人がいない場所だしね。後始末は管理者に任せましょ」 「…わかった。ただし俺も支援するからな。無限の剣製の中にはグラムもある」 「さあ、思う存分暴れなさい。黙示録の獣(アポカリプティック・ビースト)!!」 竜殺しの大英雄と、竜の血を継ぐ王の決闘 「文字通り、この戦いが世界の行く末を決める事になりそうだな」 「アーサー王、ここまで来たら、何も言うことはあるまい」 「愚問だ。ここから先は剣で語るのみ」 「竜に連なる者を、再びこの手で倒す事になろうとはな……」 「私を最初に倒した竜と同じと考えないほうが身の為だぞ」 「違いない。ここにいるのはどこぞの金欲にまみれた竜などとは比べ物にならん」 「では始めようか……。シグルド」 「ああ、アーサー王。いや、アルトリア・ペンドラゴン」 果たして、生き残るのは誰か――――? 水佐波市聖杯戦争参戦組(霊体化及び令呪使用可能) セイバー:シグルド ヒルデガルト・フォン・ノイエスフィール ランサー:アキレス ファーティマ・アブド・アル・ムイード アーチャー:アタランテ 高波 夏海 ライダー:ベレロフォン カール・ノイマン(死徒兵部隊長) 偽アサシン:宮本武蔵 管代 優介 バーサーカー:ランスロット 破壊僧無道 キャスター:ファフニール 志那都 みこと 真アサシン:ラシード・ウッディーン・スィナーン 菅代 玄耶 冬木市第五次聖杯戦争生存組(受肉状態、霊体化及び令呪使用不可能) ギャラハッド 遠坂 凛 マザー・ハーロット 衛宮 士郎 佐々木小次郎 間桐 桜 アルトリア イリヤスフィール・フォン・アインツベルン ――――解説、チョメチョメ劇場♪ 士郎(以下士)「し、士郎と」 ハーロット(以下ハ)「ハーロットの♪」 士ハ「「解説、チョメチョメ劇場~♪」」 士「ああ、恥ずかしかった…。さてこの劇場は」 ハ「お話の中での疑問点を私と士郎が答えていくコーナーよ」 士「ところで……その姿に意味はあるのか?」 (現在のハーロットの着てる衣装 ttp //homepage3.nifty.com/carb/orenoe/yu-femia1.png ttp //homepage3.nifty.com/carb/orenoe/yu-femia2.png) ハ「読者サービスに決まってるでしょ?どう?似合うでしょ?」 士「いや、似合うことは似合ってるんだけど//////」 ハ「乳首や股間のピーーーは隠してるんだから前よりましだと思わない?」 士「……どっちにしろエロなのは変わらないよな」 ハ「私としてはこの予告編でもいつも着てるこのお気に入りの衣装や、 ttp //members2.jcom.home.ne.jp/dokutorumu/megaten/mother.jpg 前スレ672で職人さんが書いてくれた絵で着てる ttp //www1.axfc.net/uploader/Img/so/32568 ttp //onishibata.ddo.jp/20/download.php?id=04709 のも捨てがたいんだけどね」 士「ここに来たのは猥談をするためじゃないだろ…?みんなの質問に答えないと」 ハ「はいはい。そんなに急かさないでよ。じゃ、質問タイム開始~」 Q「話の内容からこの世界は史実とは違う歴史を歩んだのですか?」 士「この話を読むに当たっての最大の注意点になるが、この話は作者が もっと近代兵器を聖杯戦争で活躍させたいと思って考えたものなんだ。 その為にこの話の舞台である世界の歴史は、fate本編の史実とは別の歴史を 歩んだ平行世界であるという設定にしてある。ちなみに作者は原作だと切嗣と ランスロットが、皆鯖だとギャラハッドとベレロフォンが大好きなんだ。 きっかけはFail/Rebirth WARでベレロフォンがあっさりと敗退したのを見て 大ショックを受けたからだそうだ。それから話の構想を練っていたんだが、 皆鯖集合絵2が投下されたのをきっかけに、執筆に踏み切った。」 ハ「こっちの平行世界だと第二次世界大戦は枢軸国に有利な形で終わったわ。 ドイツは完全制圧したヨーロッパに自国を盟主とした欧州連合を設立、 日本もアジア連合の盟主に収まったの。その後日独米の三極冷戦時代を 経て現代に至るの。ナチス残党組織グラズヘイムもこの世界では、 国家直属の秘密神秘機関として存在しているわ。日本の退魔機関と時計塔が 融合した感じかしら。魔術協会・時計塔はナチスドイツが英本土を占領した のをきっかけとして、グラズヘイムの力が大きくなるにつれ、 反比例的に弱体化していったの。でもその力は依然健在で、 今でもグラズヘイムと水面下で苛烈な攻防を繰り広げているわね。 そんな中、ナチス将校の魔女が戦中の第三次冬木聖杯戦争を研究に再現 しようとしたんだけど、魔術協会の妨害工作を懸念した彼女の所属する機関、 グラズヘイムの思惑によって、その候補地に日本の水佐波市が選ばれたのよ。 後は原作と同じように聖杯戦争の基盤作りと、それを開催する場所の開発が 始まってそらから70年後に、聖杯戦争の準備は整ったというわけ。 ところがその70年の間にドイツもナチスもグラズヘイムも大きく変わったわ。 冷戦が終わり、融和の時代の流れの中、魔術協会や聖堂教会との連帯を 優先すべきと考える協調派が、冬木市の聖杯戦争の被害の酷さ(特に第四次) を見て、水佐波市の聖杯戦争を解体すべき、という意見を出してきたのよ。 彼ら曰く、もし聖杯戦争が最悪な形、開催地の壊滅などで終われば、 日独関係になんらかの悪影響が及ぼすのはは必至であろうって。 これはFail/Rebirth WARの米軍の動きから見てありえない話じゃないわ。 そういう背景もあってか会議は徐々に協調派に傾いていったんだけど、 それを受け入れられなかったグラズヘイム幹部ヴィーダー・ベレーブングは 賛同者を引き連れて海軍の潜水空母シンファクシで日本へ独断出発。 こうして半ば強制的に聖杯戦争は開催される事になったの」 士「登場兵器に関してだが、この平行世界だとソ連はドイツに敗北してる設定だ。 代わりに日本が一部のロシア系の兵器を開発して実戦配備している。 これは作者がfate zeroでF-15が活躍するシーンを読んで、今度はロシア機の フランカーを活躍させたいと思ったからだそうだ。しかし、皆聖でそれを やるのはかなり無理がある。日本の自衛隊制度も近代兵器を活躍させるのには 邪魔っぽい。黒幕であるナチスも、もっと強大な組織して強力な兵器を 使わせたい。ここでこれらの条件を満たす方法として、時代背景を 原作世界とは違う歴史(あくまで表世界限定)を歩んだ平行世界に してしまえという結論に至ったわけだ。平行世界関連は第二魔法の ゼルレッチがいるから大丈夫だと思ったらしい」 ハ「そういう事だから歴史背景以外、キャラ設定に関してはある一人以外基本的に 原案に忠実だから安心してね♪あとファーティマの性格に関しては、 天才だけどどこか抜けている感じにしたって作者が言ってたわ」 Q「ハーロットは下着を身に着けていないんですか?」 ハ「基本的に下着は着けない主義だし、勝負下着以外の下着は持ってないわ」 士「頼むから普通の下着も買って着てくれって。あと家での全裸もやめてくれ」 ハ「だが断る♪」 Q「士郎が背が伸びた事に大喜びしていました」 ハ「士郎、やっぱり私より背が低い事気にしてたみたいね」 士「……ほっといてくれ。聖杯戦争が終わってからまた伸び始めたんだよ」 ハ「今は私より大きくなってるし問題ないじゃない。ほら元気出して次行きましょ」 Q「旅費や島を丸ごと貸し切る際の資金はどこから持ってきたんですか?」 士「これは全部ハーロットのポケットマネーだな。 彼女はその豊富な資金力で遠坂の宝石魔術のパトロンもやってるんだ」 ハ「凛には「私のサーヴァントにならない?」って誘われた事があったんだけど、 あれは本気と書いてマジの目だったわ」 Q「サーヴァントのステータスが本来の物と違っていました」 ハ「この話に出てくるサーヴァントは、Fate/Another Servant HeavensFeel 2 のサーヴァント達と同じく、マスター補正よりステが若干変化しているの」 士「ステに変化のないサーヴァントは ランサー:アキレス バーサーカー:ランスロット アサシン:宮本武蔵 真アサシン:ラシード 前セイバー:ギャラハッド ステが変化したサーヴァントは セイバー:シグルド(魔力1ランクUP) キャスター:ファフニール(筋力1ランクUP) 前ライダー:マザー・ハーロット(魔力1ランクUP) 前アサシン:佐々木小次郎(耐久・魔力1ランクUP、幸運1ランクDOWN) アーチャー:アタランテ(敏捷1ランクDOWN、幸運1ランクUP) ライダー:ベレロフォン(耐久・幸運1ランクDOWN) 前エクストラ:アルトリア(幸運1ランクDOWN) の以上だな」 ハ「ステが変動したマスターについては私が説明するわ。 シグルドは最高の厳しい選定と試練を超えて選び抜かれたエリート中の エリート、ヒルデガルトがマスターだからさらに魔力がUP。 竜血鋼鱗で燃費が悪い面があるから、魔力ストックUPは戦いの幅が広がるわね。 ファフニールはマスターのみことちゃんがFake/hand in handで魔力量底なし? っていう書き込みがあったからその贅沢な魔力のおかげ筋力がUPって設定なの。 魔術の鍛錬もしないで状態で平均ステを上回るなんて……もし仮に彼女が 正規の魔術師だったら、あと1ランクくらいステが上がっててそうで怖いわね。 私の場合はEX宝具等の燃費の良さ、性交での魔力補給との相性の良さの他に、 聖杯戦争で士郎が無限の剣製に目覚めた後、凛の下で効率的な魔術の修行 をする事で魔力供給量が増えたおかげらしいけど。 小次郎は桜ちゃんがマスターだから幸運が下がってるけど、代わり彼女の 豊富な魔力のおかげで耐久と魔力が上がっているわ。近接ステは武蔵と 互角になったけど、戦ったらどっちが勝つのかしら? アタランテはマスターの夏海ちゃんが魔術回路を閉じた状態だから、 彼女の宝具を使う時に一番重要な敏捷が下がっているのが痛いわね。 でも夏海ちゃん人柄のおかげか幸運が上がってるからプラマイゼロね。 一番ステの低下が激しいベレロフォンだけど、これはカールが単に 死徒の肉体を持っているだけで、魔術の類は一切使用できないのが大きいわね。 アルトリアだけどステは凛と同じで幸運だけ1ランク下がってるわ。 これはマスターのイリヤの運が凛より悪いって事になるのかしら?」 士「結構辛い人生送ってたもんな……イリヤ」 Q「ハーロットが吸血鬼兵部隊を撃退しましたが」 士「全サーヴァント中、近接ステが一番低いけど、それでもサーヴァントだからな」 ハ「ワインを活用して夏海ちゃんを守り抜いたわ」 士「でもワインの匂いに当てられてちょっとハイになってたぞ」 ハ「アハハハ、それは言わないでちょうだい…」 Q「カール・ノイマンが吸血鬼兵としてナチスの指揮下に入ってます」 ハ「この世界のカール・ノイマンだけど、原案の彼と違って自らの意志で 死徒化の被検体に志願したらしいわ」 士「実験の結果は見事に成功、初の死徒兵として世界各地を転戦、 終戦後はグラズヘイム直属の特殊部隊(全員死徒兵)の隊長に就任したらしい」 ハ「ちなみに死徒兵の外見はヘルシングに登場するミレニアム兵そのものよ。 日の出てる時は対紫外線装備である特殊ガスマスクを装着してるの。 主武装はサーベル、ラインメタルMG3、バーレットXM109、手榴弾等で、 いずれの兵器も概念武装処置が施されてあるわ」 士「作者が死徒の兵隊と聞いて、どうしてもナチスの兵隊として、 マスターの中で設定を変更させてでも登場させたかったらしい。」 Q「この話での蔵馬鉄人の立ち位置は?」 ハ「表向きは寂れた古書店の主だけどその実態は日本政府の諜報員、 現在同職である瀬賀有瑠とコンビを組んで聖杯戦争の調査中って設定よ」 士「ちなみに不老であることや夏海との関係とかは一切変わってないぞ。 あと夏海とは聖杯戦争に参加するしないで大喧嘩してたな」 Q「ギャラハッドとアルトリアはクラスダブってるんじゃ?」 士「この話だとアルトリアはエクストラクラスで召喚されたという事になってる」 ハ「ちなみにどんなクラスなのかは自由に想像してくださいって」 Q「ナチスの水佐波市における戦力はどのくらいですか?」 士「潜水空母シンファクシに搭載された各ミサイルと艦載機数十機。 ダミー会社経由で持ち込んだ戦闘ヘリに装甲車、各種重火器。 サーヴァント以外の戦闘員としては、ヒルデガルドの姉妹のノイエシリーズに、 カール・ノイマンが隊長の死徒兵一個小隊(総員50名)」 ハ「サーヴァント抜きで水佐波市を壊滅させられるわね……」 Q「潜水空母シンファクシとは?」 ハ「元ネタはナムコのエースコ○バット5に登場する潜水空母よ。 この艦がヴィーダー・ベレーブング一派の移動拠点ってわけ」 士「全長300mもある巨大な艦なんだが、ここに小さいがアイコン画がある。 ttp //sky.geocities.jp/ngbsc419/iconkai.htm オハイオ級とアクラ級のアイコンもあるからその大きさを比較してみてくれ。 あとシンファクシの艦載機もこのアイコン集の中からモデルにしてる」 Q「この平行世界だとフランカーが航空母艦の艦載機ですがそのイメージは?」 ハ「こんな感じね。 ttp //www.from-the-sq.com/model84.html pixivにもっとイメージに近いのがあるから気になったらログインしてみてね。 ttp //www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium illust_id=1943685」 士「やっぱり、思いっきり作者の好みが入ってるなあ」 Q「菅代玄耶が真アサシン、ラシードを召喚できた理由は?」 士「この爺さん、水佐波市の聖杯戦争のシステムについてかなり詳しいっていう、 独自設定があるんだ。息子にわざとハサン以外のアサシンを召喚させる事で、 本来ハサンしか召喚されないはずのアサシンのクラスに矛盾を生じさせ、 偽アサシンと真アサシンによるクラスの重複を可能にさせたわけだ。 ラシードはそれを利用して召喚したハサンである真アサシンなんだ」 ハ「ステはマスターとしての優秀さは並なのもあって特に変化はないわ。 筋力D 耐久E 敏捷B 魔力C 幸運B 宝具C でも一番恐ろしいのはこのハサンの存在に誰も気づかれていない事ね。 だってアサシンのクラスは表向き宮本武蔵で埋まっているもの。 まさか同じクラスのサーヴァントが二人いるなんて誰も考えない。 現にヴィーダー・ベレーブング一派も気づけなかった。 マスターも雲隠れしているから、暗躍するに最高の条件が揃っているのよ」 Q「ランスロットがこの聖杯戦争でのバーサーカーなら、 冬木市第四次聖杯戦争のバーサーカーは誰でしたか?」 ハ「モードレッドよ」 士「皆鯖作成時にバーサーカー案があったのでそれでいかせてもらったってさ」 Q「この話は正式に連載化されますか?」 士「読者の反応と執筆に必要な時間がとれるかが鍵だなって言ってたぞ」 ハ「連載は短編を書くよりかなり消耗するとも言ってたわね」 士「さて、これで質問は全部終わりだな」 ハ「結構疲れたわね。じゃ帰りましょうか」 士「その前にここまで読んでくれた人に別れの挨拶をしなきゃいけないだろ」 ハ「そうね。じゃあ最後はチョメチョメ劇場の題名に相応しく、 私と士郎の愛の営みを見てもらいながら、さよーならー」 士「よくなーい! 最後くらい真面目に」 ハ「溢れる邪淫(ルクスリア・チャリス)!!」 士「あ…………■■■■■■ーーーーーッ!!」 士郎が発情したところでこの物語はひとまず終わりです。 この話のコンプセントは国家を巻き込んだ大規模な聖杯戦争です。 話の冒頭はメタルギアとか、近代兵器が必要以上に暴れ回るとか、 ドラゴンと黙示録の獣がガチバトルするとかやりたい放題です。 下手すれば水佐波市が地図の上から消えかねないのは確かですね……。 冬木の聖杯戦争は、原作のと皆鯖のサーヴァントがごっちゃに(マスターもバラバラ) 召喚されており、結果的に約半数が生き残り受肉する結末で終わりました。 参戦人数は7クラス+真アサシン(ハサン)+英雄王=合計9人です。 真名が判明していないクラスでなにが召喚されたのかは読者様の想像にお任せします。 冬木の受肉サーヴァント達は全員に単独行動A+のスキルがあると思ってください。 凛はこの世界では見事に最優のセイバーを引き当てました。 ギャラハッドですがランスロットとぜひ戦わせたいサーヴァントでした。 他にも戦わせたい組み合わせではシグルドとアルトリア、小次郎と武蔵、 ファフとハーロットの怪獣大決戦があります。 ハーロットですが今回投下されたイラストから見ても、 痴女で露出狂なのはほぼ確定なようですね。 他に冬木鯖が真名で呼ばれているのはクラス名で呼ぶとダブってしまうからです。 ではこれにて作品投下を終了させていただきます。 どうもこのような駄作を最後まで読んでくださりありがとうございました。
https://w.atwiki.jp/miyanagake/pages/178.html
1/17 【大星淡-エピローグ-】(平行世界) キョータローと恋人になってから三年! いっぱいイチャイチャして、恋人らしいことをしたよ! 大学で有名なバカップルなんてあだ名まで付いちゃった! えっへっへー! ……とまぁ、良い事ばかりじゃないのが人生なんだよね。 キョータローのおかげで麻雀にも復帰し、インカレでもそこそこの成績を残ることはできた。 麻雀プロのスカウトも来たんだよ。……経歴が経歴だからあんまりいい条件じゃないんだけどね。 すぐにクビを切られかねないし低年収。 夢を追おうと思わなければとてもやっていけない。 それでも、私にとって麻雀プロは夢だった。 一方キョータローは、お世辞にも良い成績を残せたとは言い難かった。 キョータローの頑張りは私が認める。キョータローの努力をバカにする奴は私が許さない。 麻雀に時間を取られている以外の時間は全部キョータローの専属マネージャーをしていた。 だからこそ、キョータローが辛くてもハンドボールを続けていたのがわかるんだ。 恋人になってすぐ、キョータローに聞いた事がある。 …… … 「ねぇ、キョータロー。 やっぱりまだハンドボールを続けるの?」 「? そりゃまぁ、やること自体好きだしね」 「その、結果を出せたらサキに教えたり、する?」 一番不安だったのはそこなんだ。 自分でも嫉妬深いし、浅ましいと思う。 でも、私にとってサキはトラウマそのもので、もしキョータローがサキに取られてしまったらって考えちゃうんだ。 「あっ、俺が咲に取られるんじゃないかって考えたろ」 「なっ、なんでわかるの!?」 「エスパーだから!」 「もー! それ恥ずかしいからやめてよ!」 事あるごとにそのネタで弄られちゃう。 ぐぬぬ……。大人になるにつれて昔のノリが恥ずかしくなってきたよ!――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2/17 「続けるよ」 「そうなんだ」 「言っただろ、『俺だって凄いんだって伝えたい』ってさ」 「……うん」 やっぱり、キョータローの中にはサキが残っているのかな。 ズキリ、と胸が痛んだ。 「凄い奴の隣に立ちたいって気持ちは変わらないよ。 淡の隣で胸を張って立ちたいんだ」 「……あわっ?」 キリッと真面目な表情でこちらを見るキョータローに、少し顔を赤くする。 「わ、私なんてあんまりすごくないよ?」 「いやー、十分凄いだろ。 麻雀復帰して速攻レギュラー。インカレで大暴れしてプロのスカウトも来てるんだろ?」 「で、でも本当に強い人たちはもう高卒プロになっちゃってるし。 こう言うと恥ずかしいけれど、テルやサキにはかなわないし……」 「それでも、俺からしたら天界の人なの! 俺は凡人代表だから、せめて淡に見合う男にならないとな!」 キョータローがグッとガッツポーズする。 ……やばい、超嬉しいかも。 すっごく愛されてるってわかる。 キョータロー大好きだよ……! 「ふふーん、じゃああわいちゃんに合わせられるように頑張りなさーい!」 「任せろ!」 「私も一緒に手伝うから、ね?」 「淡、それ反則だろ……」 なぜか顔を真っ赤にして目を逸らされた。 ムー、確かに素直に嬉しいって言えなかったけれどその対応はないよ! ……ってあれ、照れてる? 手伝ってもらえることが嬉しいのかな、えへへー!――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 3/17 …… … そんな呑気でいられたのは、ハンドボール最後の大会が終わるまでだった。 ハンド強豪校のうちではキョータローは1.5軍。 何回か出番はまわってきたけれども、特別活躍出来たとは言い難かった。 それでも、あわいちゃんは知っている。 そもそもキョータローがこの大学で1.5軍になるために、どれだけ努力したのかを知っている。 並大抵の努力では2軍3軍の雑用で終わっていたと思う。 それを、私のために貫き通してくれたという事実に顔が赤くなる。 キョータローが格好いいのが悪いっ! なんと、うちの大学はそこそこいい所まで勝ち進みました。 お世辞にもキョータローが活躍したとは言えないんだけれども、私はずっとキョータローを見てたよ! そして負けてしまった瞬間を見たんだ。 ベンチからの途中参戦とはいえ、試合が終わった瞬間にコートに立ち尽くすキョータロー。 とても見ていられなくて、本当は走って行って抱きしめてあげたかったけれど、それは出来ない。 キョータローは男としてあそこに立って戦い抜いたんだ。 讃えこそしても、私から慰めるなんて絶対に違うもん! ……こんな考え方、キョータローと会うまでは絶対にしなかったよね。 それでも、遠くから見て立ち尽くすキョータローの姿は、私の胸を痛めた。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 4/17 キョータローの活躍でも、プロのスカウトは来た。 それはとっても生活も苦しくなるような条件での契約。 もともとハンドボール協会がそこまで大きくないもんね。 キョータローのために何かしてあげたいけれど、何もできない。 一つだけ考えついたことがある。 麻雀プロの道を蹴ることだ。 すごく、すごく考えたんだ。 麻雀プロにはなってみたい。 あの時と違う私がどれだけ通用するか試してみたい。 サキにもテルにもリベンジしたい。 私の試合をみんなに、キョータローに見てもらいたい。 でも現実、私の実力じゃテルやサキには及ばない。 安定した収入は難しい。 でも、フツーの企業に就職すれば収入は安定するよね。 そうやってキョータローを支えてあげれば、キョータローのハンドボールはまだ続けられる。 仕事しながら、主婦みたいに支えてあげるんだ。 昔だったら絶対に考えられないよね。 でも、今はそうしてあげたいと思った。 ずっとずっと続けてきた麻雀を辞めることには抵抗が強かった。 それでもキョータローのために何でもしてあげたい。そう思ったんだ。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 5/17 それを切り出そうとした日だった。 私とキョータローは同棲みたいな状態になっていて、同じ家に帰ってくる。 家事は分担だけれども、今日は張り切ってちょっとだけ奮発しちゃった。 キョータロー落ち込んでると思うから、せめて美味しいものだけでも食べて欲しいな、って。 お肉なんかも用意して、エビフライも用意して、準備万端! 「淡ー」 「あっ、おかえりキョータロー!」 エプロン姿でキョータローに抱きつく。 えへへー、あざといけどかわいいでしょ! 落ち込んでるキョータローにはそれくらいがいいの! 「話があるんだ」 「えっ」 私を抱きつかせたまま、深刻な顔をして宣言した。 「とりあえずご飯食べるか」 「う、うん」――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 6/17 胸の内は不安でたっぷりだ。 目標を達成できなかったから別れてくれって言われるんじゃないかとか。 そんなこと言われたら引っ叩いちゃうもん! ……ムリ、多分泣いちゃってそれどころじゃなさそう。 「淡」 「は、はい」 「その、な」 とても言いづらそうに首筋を掻いている。 もー、あわいちゃんも気が気じゃないんだけど!?――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 7/17 「俺、ハンドボールやめる」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 8/17 覚悟を決めた表情で言われた。 あまりに真剣だったから、止めようとすら思えなかった。 「俺はもう上に行けない。 わかったんだ」 「そ、そんなことないもん! キョータローが努力してきたことは私が知ってるもん!」 「もう就職しなきゃいけない。 いつ首を切られるかわからないような不安定な状況でハンドボールを続けられない」 それは現実的な考えだった。 私が考えていた理想とは大きく離れていて、それでも事実なことはよくわかっていた。 「じゃ、じゃあ」 「普通の企業に就職するよ」 「そ、そっか……」 この結論を出すのに、どれだけの苦悩があったのかな。 私が麻雀を捨てる決意をするのだってすっごく大変だったんだもん。 キョータローのため、って思わなかったらそんな考えなんて浮かばなかったと思う。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 9/17 「俺、スッゲー格好悪いよ。 すごくなって淡の隣に立つ、なんて言っといてこれだ」 「そんなこと、そんなことないもん!」 「だけどさ」 キョータローが手を私の唇に当てて遮る。 やだよ、別れるなんて言わないで。 どんなキョータローでもいいから、一緒にいてほしい! 「俺、淡から離れたくないんだ」「やだよ離れないでよお!」 「あれ?」 「あわっ?」 「いや、幻滅したろ?」 「するわけないじゃん! キョータローすごく頑張ってたし、それを横で見てたのはあわいちゃんだよ!」 「約束守れなかったし」 「関係ないよ!」 「そっか……そっかぁ……」 キョータローが泣きそうになっているのが伝わる。 「それでも、ハンドボールは辞めるよ」 「う、うん」 「これまで俺の夢に付き合ってくれてありがとう。 ……だからさ」――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 10/17 「今度は俺が、淡の夢に付き合う番だ」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 11/17 「えっ」 「麻雀プロ、未練があるんだろ?」 ドキッと胸が打たれた。 あわいちゃん専用エスパーのキョータローには見抜かれているのかな。 本当は、麻雀をしたい。 麻雀って、本当に楽しいんだ。 キョータローがそれを教えてくれた。 私には麻雀しかなかったから、ずっと麻雀だけをやってきた。 それがなくなって初めて、世界は曇った。 そしてキョータローがその世界を照らしてくれた。 照らされた世界でする麻雀は本当に楽しかった。 「でも、高校の成績も相まってあまりいい条件が来てないってことは知ってる」 「うぐっ」 「だからさ、俺が普通の企業に就職して養うよ」 ……あわっ!? 「や、養うって……?」 「言葉の通りだよ! あー、もう!」 キョータローが顔を真っ赤にしていることしかわからなかった。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 12/17 「俺が養うから失敗なんて恐れなくていい。麻雀のプロになれ!」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 13/17 正直、急展開でついていけない。 キョータローが言っていることは、私が考えていたことと同じだ。 不安定な麻雀プロの道を蹴って、その道がクビになったとしても私の収入で養っていく。 さっきまで、そう考えてた。 「で、でも」 「でもじゃない。 淡は麻雀プロ、やってみたいんだろ?」 「でも!」 「でもじゃなくて、やりたいかやりたくないかを教えてくれよ!」 「……やりたい、よ」 「私には麻雀しかなかった。 キョータローと出会ってから、また麻雀を楽しめるようになった。 どれだけ戦えるか、やってみたい!」 「ならやればいいさ」 「だって、私のスカウト条件じゃいつクビになるか……」 「なったら俺が全部養ってやる。 俺の給料で生活させてやるから」 「ね、ねぇ、それってつまり……」――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 14/17 「淡、結婚しよう」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 15/17 「……ふみゅ」 「卒業してすぐに……とはいかないかもしれないけれど、淡のことは絶対に責任取る。 もし麻雀プロがダメだったら……、その、嫁に来い」 「キョータロー……!」 「な、泣くなよ……」 「バカ! バカ! 本当にバカ!」 「な、なんで怒ってるのさ」 「私だって同じ気持ちだったのに……」 「俺は淡のおかげで夢を追えたんだ。 格好悪い終わり方だったけれど、今度は淡のために尽くしたい」 「……そんなこと言われたら、やるしかないじゃん」 「麻雀は嫌いか?」 「ううん」 「麻雀って、楽しいんだ」――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 16/17 …… … ・数年後 『やるからには一番を狙う』と約束した。 麻雀よりも大切な人が私のことを応援してくれている。 今の私は『サキを倒す』ためじゃなくて、一人の麻雀プロとしてここに立っている。 ルーキーオブザイヤーの称号をもらって、日本代表選手と挑むためにここにいるっ! まだまだ実力差はすごく遠い。 今戦っても勝てないかもしれない。 それでも私にキョータローがいる限り! だから負けてもまた立ち上がれるし、何度だって挑んで見せる! 「チャレンジャーはルーキーオブザイヤー! 与えられた初号は『The Big Star ! !』 そして対戦相手にも因縁があります! 高卒でプロになった同年齢の日本代表相手にどう戦うのか!?」 大音響で流れる実況も聞こえないほどに集中する。 これは宣戦布告なんだからね! 対戦相手を見据えてから、カメラに向かってVサイン。 大きく息を吸い込んで……。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 17/17 「未来の須賀淡ちゃんは負けないのだ!」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――カン
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/1966.html
724 :二二三:2013/09/30(月) 00 53 11 変な考えが過ぎった。あってはいけないし、あってほしくない平行世界の可能性 「もしも、高麗半島が日本の領土だったら」 大日本帝国 2000年を越える歴史を持つ世界に冠たる技術超大国には皇暦1900年前後より編入された高麗県という地方自治体があった これにより日本の人種構成は元々の大和・アイヌ・琉球民族からなる日本人、ブリタニア系日本人(白人・黒人・ヒスパニック)、ロシア系日本人、台湾・海南の中華系、南洋系の日本人に加え、高麗系日本人が誕生した 「もしも、高麗共和国が日ブの同盟国だったら」 大日本帝国と神聖ブリタニア帝国は切っても切れない家族のような関係にある同盟国であったが皇暦1980年、拡大政策を取り続ける実質上の大宦官支配下にある中華連邦の防波堤として自陣営に引き入れた国、高麗共和国との間に新たな条約を結び「日・ブ・高 三国軍事同盟」を締結した
https://w.atwiki.jp/miyanagake/pages/166.html
1/8 【名探偵クロちゃん】(平行世界) 「京太郎君はどんな女の子が好みなの?」 「ぶっ」 いつものサークルで雑談の最中、いきなり聞いてみた。 私の勝手な想像なんだけれども、きっと京太郎君には好きな人がいる。 だって、私の大好きな京太郎君のことだもん。 ずっと、ずーっと見ているからわかるよっ。 だからこそ、私に何か出来ないかな、なんて思って聞いてみる。 「い、いきなりどうしたんですか」 「?」 何かおかしいことを聞いたかな、なんて思う。 あっ、もしかしたら聞かれたくないことだったのかもしれない。 これで京太郎君に嫌われるのは、嫌だなぁ。 でも京太郎君の嫌がることをしちゃったんだもんね。仕方ないよ。 「ご、ごめんね。京太郎君。 私のこと嫌いになったよね。すぐに帰るから」 「ちょっ、何でそうなるんですか!? いくら何でもその質問は恥ずかしいです。あと……男にそういうこと聞くのよくないですよ」 ____ ___ ,, ´ ` . / \ . \ {___j⌒ヽ ゚。 / .ヽ ___,ノ ノ { / / | い / --- ´. / \__/ .ィ /! .ハ ‘ , ‘, ゚. 乂,ノ /ー――― { | i | | ∨ . | | | ゚◯. / | |丁¨{丁{│ . .. i| ¨v 丁¨` | | .゚ i i | |ハ!ハl リ い、 小 乂{\ | | i | ハ | | ,ィ宍ミト } \ ..゚。ィ宍ミトぃ.. | | || | | |〈 _)トJi | `¨ _)トJi | 〉| | | || | | l ,込rク 込rク . ...| | リ | | |i 。 。 | | | 「?」. { } ト . ' ' ' ′ ' ' ' イ .l | C| | ハ へ / | 。. ! / ||i { 个 .  ̄ イ ,゚ .,゚ .| | ||ハ 。 i > ___ ィ i{ / / j{ | || ゚。 ゚。 i r‐| |┐ }/ / ハ | || ゚。 ゚。/ \ / \ / / .,゚ ゚, |i ゚。>''ゞミ{ ,八八 ノイ、| | | ィリゝヘ r=====ミ___,ィ=====ュ | ト、 ..|――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2/8 , ⌒ ー  ̄ ̄ 、 /_,. - \ /´ / /⌒\ ヽ , ´ , V . / / / / / | V V | /-- ´' / / / l|{ | l| | | { / イ { ' |_,斗| | 、_l__/_ィ |l∧ / , ∧ | {∧{ { 、 /}/}/ } /∧| / イ / {∧{ 、__,.V {∨ 、_,/ イ}' `  ̄´ V∨乂l \ ムイ/ 从 ' 八/ 「そんなこと男に聞いたら、 -〈〈/\ v-っ イ》く__ /////∧\} > -- < |//}///> 、 『俺に気があるのか』なんて思われますよ」 /////////\} 「/〈////////\ /////////////|--、 r-|/ イ//////////\ //////////////∧、__「//////////////// \ {//{////////////〈 ∧ }///////////////////} |//|/////////////V/\ //////////////////'//| / .. .. .. / . . . . . . . . . . . ./ | . . .ハ . . . j . . . .} ゚。 |\ . . . . .| .. 。 .. .. .. .\ / .. .. .. / . . . . . . . /|__;.ム斗 ./ | . . .し . .;\_} . |__ ゚。. . . .| . ..゚。 .. .. \ .゚。 / .. .. .. / .i . . . i . /│ ./ | .′ | . . . . . ./ Ⅵ 。 . . | . . .. 。 .. .. .. }ⅵ /....... . ., . . . | . . . レ彡| ./三ミ {、 | . . . ./ 彡=リ三ミト、 . .| . . . . ゚ .. .. .. | リ / .. .. . . ′ . .| . ./〃 リ リヾ 、 . . . ./.〃 ヾ 、リ . . . . i .. .. ..| / .. .. . . イ . . . . .| /il{ }li } . ./ il{ }li | . . . . | .. .. ∧ / .. .. ./ |. . . . . リ il{ }li l/ il{ }li | . . . .| . . .. .∧ / .. ./.. . . .|. . . . . .| ミト、 ィj/ ミト、 ィj/ | . . . .| . . . .. .∧ j ./ . .. . . . .| . . . . . | ゞ=====彡 ゞ=====彡 │ . . .| . . . . .. ∧ 「あっ……」 イO/ . .. . . . . .| . . . . . |////////////////{ . . . .| . . . . . .. ..∧ / ..// . .. . . . . . .| . . . . . |、 r――――― 、 ι ノ . . . .| . . . . . . . .. ∧ / .. ..// .. .. . . . . . . .| . . . . . | .\ ι | | イ | . . . . .| . . . .゚ , . . .. ..∧ / .. .. ..// . .. . . . . . . . . | . . . . . | . . 个 . . ノ ---―‐ ____} . . 个 . . .| . . . . .| . . . . . ゚。 . .. .. ∧ 〃 .. /|〃 . .. . . . . . . . . . | . . . . . | . . . .ハ . . .≧==- __ -==≦ .ハ. . j . . . .| . . . . .| . . . . . . |i .. . . . .∧ / ../ l/ .. . . . . . . . . . . . | . . . . . | . . / } . . . . / { } \ . . . / }. . . . . | . . . . .| . . . . . . }ト . .. .. ..∧――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 3/8 思わず顔が赤くなってしまう。 京太郎君のことが大好きなのは本当だけれども、やっぱり本人にバレちゃうのは恥ずかしいよね。 それに、京太郎君には好きな人がいるのにそんなことがわかっちゃったら、迷惑になっちゃうもん。 女の気配に気づいて牽制するような、そんな重い女の子にはなっちゃダメだよね! 「う、ううう」 「あ、う、ゴメンなさい! そういう意味じゃなくて」 で、でも、京太郎君のお嫁さんになれたらいいなぁ、とは思うんだ。 ううん、私なんかよりもっといい女の子がいるよね! 「そ、その、女の子の好み、ですか」 「う、うん」 お互いその部分には深く触れないようにして会話を続ける。 「……難しいですね」 「そうかな。 この前、高久田君と話していた時には楽しそうだったけど」 「聞いていたんですかっ!?」 「?」 「ああ、もう……。 そうですね、あんまり露出とかの激しくない、家庭的な女の子ーって感じの子ですかね」 「髪型とかの好みはある?」 「うーん、その辺りについては特に考えてないです。 あと、こう、慎ましやかな人だといいですね」 「ふむ、おもちはどう?」 「おもち?」 「む、胸のことだよ」 「ちょっ、玄さん……。 お、大きいことに越したことはないんじゃないですか……?」 「わかったよ!」 これ以上は京太郎君が辛そうだからやめるのです! 今もらった情報だけで、京太郎君の恋のキューピットになっちゃうよ! 「私、頑張るね!」 「はい?」 松実玄、頑張ります!――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 4/8 得られた情報はとっても少ない。 それでも、大好きな京太郎君のために頑張ろう。 「露出が少なくておもちが大きい……」 真っ先に思いつく人物が一人いる。 ´ ̄ ̄ ` 、 ‥ . / \ . : / / ヽ : . / /| | 、 ! : : ′ 斗匕 ! ` ー-| i . i /===ヘ. |r==弋 乂爪 i : : l Ⅳ/ Ⅵ/ `ーl | ` | : ←露出が少なくておもちが大きい : | }込////ノ込////少リ 川 | { 三 ̄ =ニ三 / ./ リ 〉 廴_ -=====- / /イ{_ : . ∧ i 「 / ./ | : : / \ ヽ ミ==彡 / / 八 . ∧ ヽ Y イ / / へ : /ヽ \__ Ⅵ | ./ -=≦く / 〉 . / \ /⌒ヽ/⌒ヽV _/ \{ / : : | / 〃 ∨ /\ \{ : L { {{ 〉●}_ >=- } : 丁¨¨¨\ 辷才 イ / | . : | / > ./ /\{ _ ∧ }| :. : 八 ∧__ >=く _.ノ\/ / } l| :. 〈 ∧ @ ) } 「@ / ̄ヽ / l l| . j/ / ` ̄ 入  ̄ ̄ 〉 / j l| : 〃〈 ∧ / { l| ∧ ... /=}\ / | {| : /{ 廴 / |´ __/ | || 〈 | / `¨¨¨¨¨´ ! | }| そう、うちのお姉ちゃんだ。 間違いなく露出が少ない(きっと日本でも有数の少なさだと思うんだ)、私が確かめる限り、おもちも大きい。 慎ましやか……かどうかはともかく、京太郎君の好みに合致している。 ただ、お姉ちゃんと京太郎君には面識がない。 この前もお姉ちゃんについての話をしたけど、特に興味もなさそうだったと思う。 それに、家庭的かというと……。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 5/8 _ _ -‐  ̄  ̄ ‐- __ _ -‐ ‐- _ /ニニニニニ=====-- __ __ -=ニニニ={ /⌒ ‐=ニニニニニニニニニニニニニニニ=-- ___ __ -=ニニニニニニニ=― 、 ′ ⌒ -=ニニニニ{ニニニ=‐ ⌒ \ / _ -‐ ', 、 ' / ', \ ←家にいるときのお姉ちゃん / / ', \ ' ', _ ‐ 、 / _ -‐  ̄ ̄ ̄ ‐ _ ', __ ‐ ノ / {/ ___ - _ ', _ ‐ ⌒ _ ‐ '^⌒ 、 \} _ =7 ̄「__) ̄ - __ ‐ _ ', _ ‐ _ ‐ { Y ⌒/ 人 「__)ト. __ ‐ ___ ,'´ _ ‐ ー ⌒ ーi{/ ≧s。 -‐- ノ ノ 7s。 _ } _ ‐ _ -‐ ⌒ ̄ ̄__\  ̄__ア⌒_ア ィ___)_ > __ ノー {⌒\ _ - ⌒  ̄ ̄⌒ア⌒ {/⌒{⌒ ̄ {/{/{/{ア^ {⌒ ̄ ̄⌒{ ^^^^^^^^^^` -―……―- ... . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ヽ /..... . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . \ /.... . . . . . . . . ヽ .... | | \ ヽ ヽ . . . ' | l ヽ ' ' . . .. / / /| l i i . .l /..../ !......〃/ .! l\ ヽ i | i l . .| ′ i |\ |.{ | ト ト、 \ / i | | | . .| | ' i 乂 ト{ |_、{ \ {__ 斗へ i | | | . .| | |l i ト { ` \. ヾ ヾ| l | | . .| | |l ハ ハ ___- 、___ ,、| |イ | . .| | |l / l } ´` ̄´  ̄´ .| | } l . . l | |l { i l | 、、、、 , 、、、、 | |/ i . . .l 「うん、お姉ちゃんは絶対に違うね!」 `O′ | l从 j 〃 ィ . . .l / j | | i > ` ′ . ィ /i | . . . l { / | | | |> < { | / / | . . . . l | { .从 Ⅵ |l r‐}`´ __ ノ }/ / / / | . . . . .l Ⅵ / ヾ { |l ノ ∧__∧ ∠ /_' / | . . . . . l /. \r‐ '〃/レ 〃ヽ 厶イ / /\_| . . . . . .l ' / ` 厂 ̄`r=く  ̄}/ / / ⌒ヽ . . . . l / / / 廴_ 八 { / / / V. . . l / ィ / く __ ノ 辷=- _〉/ / / V . . .l /〃 j / レ } /  ̄ ./ / / } . . . .l ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 6/8 それに、京太郎君がお姉ちゃんのことを好きだったら、さすがに辛いかもしれない。 うーん、他に候補はいないかな? さっきは『家庭的』というキーワードに引っかかっちゃったから、そこから考えてみよう。 おもちが大きくて家庭的、つまり料理がうまい女の子。 私の知る限り、一人いる。 l .. / . / l .l. |! .l ヽ .', V ,ノ .. | | .. / , / | jl |. || .ト、 ト、 ハ . . j! く/⌒ ,ノ 〉 ,′ / / l /| __ | || |小、孑代汁仆|l| . || . j| . 〈 く . i / . ,' .厶rj´|l |从. | ヽ \| ∨从|l| . |L _/⌒ヽ / | . | ,'j . .j| . || l 八_」_ \ ィf乏[うメ、| 从 / ヽ.-r' L l l | l || 八,ィ圻圷、 {ト _jハ.}} ∧| . . | } ',. Ⅵ,| | .从 { {{゙ {ト、_jハ 弋jy沙 / i . レi⌒jレ'´〉 / 八 { . \ Vj沙′ ,,,,、 i . . | . | . .| 厶__/ \ .|ハ ,,,、 ' ,′ . . . | . | . .l | . . l . ヽ', /7 / l . l . .l 「嘘、私のヒロイン力、高すぎ……?」 | l . .l八 r_ヽ .イ/ / ,′l. . l | l . .l . . {丶. ,.イ|'/ / / .l . . l | | . .| . . ヽ . . . > .、_,. < / / ./ . . l . . l | | . .ト、 . . . \ . . .ヽ} _,../ / ./ | . . . l . . l. /´} | . lト、\ . \__」 _/ . ′.. . . .∧ | . . . . .l . . l ,x‐く ̄∨ . | . l| \,_,>'"´ / . . . . . , ′\ . . .l . . l ,. ‐く \ ヽ ∨ | . ll. / / / . . ;/ ̄\ ヽ . .| .l. 厶ヘ、ヽ ∨ l| / / / . . .;.'′ ヽ. ∨ . . l l l ll/ / , ′ . . ,.'′ ハ . ', .l | l // / / ,.ィ゛/ ̄ ̄ ̄\ . | . .i . .l l ,′j厶ィ´ / / / / ヽ . i . . l . .l ', ハ/} 厶rヒ'7 /. / / ', / . . l . .l 厶r '´ ̄`Y´〉 ,′. / / . / . ∨ . . . l . .l / ∨ { . . / { . / . / . . . . | . .| そう、和ちゃんだ。 とっても家庭的で、料理も上手。 おもちも大きい。 おもちも大きい。 それに、京太郎君と同じ清澄高校出身だ。 もしかしたら、京太郎君が和ちゃんのことを好きだたなんてこともあるかもしれない。 むしろ、ここまで特徴があっているとそうとしか思えない。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 7/8 / \==フl r-、_ / 、 \ | / ゙、 , -―-、 / / | 、 ゙、 、 ゙!、 ー -、 / `Y ´ / / / ; | | | | 、 ゙、 !、 \\ | /ケヾ、 | / / / | | | | | |ヾ| \ \\二 三ミ、ー--'´/八 / / / ィ ; |.| ハ |゙;;;| /| | |;\ \ \;;; (_゙、_ , ノ/ 、._/;| | / / | /| ; ト| / |├,,| / | | |-―、゙、 \  ̄ ̄ `´//-‐-、 /) | | | .| /´|/,,|/ |/什 \|/;/\\___\;; `ー--/ /`´`^ー/ ,--、| | |´ /5) | ゛| ゙、 ゙、___.二..-‐ ´/ / / \ ( ⌒ \|V ` ー'" `! | |;;;;; -‐ ´ ; '´ ;/ ;∠__`ヾ、___ """" / / / / _, -‐;´, -‐ ´  ̄/ ` 、 ´/、 / / / 「やっぱり時代は京和ですね」 _, -‐;;´-ァ ´ __ ̄ ̄`゛ー--、_,.イ、`ー-、__`__ - 、__ .ノ .Y´ / ; ノ_, -‐´ ̄//-‐ ´ ;; ̄二ニ-‐ ´ ゙、 ``ニァ--イイ ̄ | | ̄ ̄ / ; -‐ ´ / ト、 |`´ ̄イ 、_/ 、 |.. / / / ! ゙、___,,イ \_ |_,┤ / ; / | / \ |_ |/ // | / .. \、_ |レ' | , , / \ 〈!`l_ (`(ー、_,、__,t、ィ|/ / \ (`! |┼、. __,......----、___,」`ー-!_!_」__/ / \ 5//±_」゙、. __v'´ _, '彡三三彡イ__ .___|ι-、,-、r-、r-、r-、___,._゙、 (//≦、`ト、イ/ ///, --、___ `ト ニ!ニ!ニ!ニ!〉_〉=========、h‐n|〉/´,.\)´ |7 //´/ \  ̄`.| |彳Y ̄!二!ー!┬!-ト、)__|ニtケト'´!`i |‐-、__// / `ー―‐| ト'`´ ̄ ト| ||ζ | | |. 〉 ト-、ζ でも、一つだけ難点がある。 「和ちゃんの私服って、露出が激しいんだよね……」 そう、今度は『露出が激しい』に引っかかってしまうのだ。 わざわざ特徴として言うってことは、きっとそのあたりもポイントなのかなぁ。 あっ、でも高校時代の和ちゃんの露出が激しくなかったかもしれないよね。 現状だと和ちゃんのことが好きって可能性が高いのかな。 ……やっぱり、ちょっと胸が痛いかも。 それでも、応援するって決めたんだもん。 / . . . . . . \ / . . ヽ. / . . . . . . . . ./. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ∧. / / . . . . . . . .| . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . / ./ // . . . |. . 斗| . . . . . . . . i . .! . . . . . . .‘. . . . . . . . . .!. / | . .!.!. . . . .| . ./| .| . . . . . . . ..! . ! . . . . . . . ‘. . . . . . ..; .. . ;. / . .|. . !.! . . . /! ./ | .! . . . . . .! |l . ト ..! ! ! . . . . ‘. . . . . . .; . . | |/! . . |. .!!| . . ./ |/ !ハ . . . . ..! || . !| .| .!| . . . . ‘. . . . . . .; . | |i ! . . |. .从 ./x==ミリ ∨ . . || .| . !| .| .!| . . . . ‘. . . . . . ; . | {;.| . . .! . . |}|《 {h//} ∨ . |V x==ミ . . ‘. . . . . . ; . | | . . .! . .. . !. Vrツ \| {h//} 》 l. . . . . ..; . . ; | . . ,| . . . . , . . . Vrツ /. . . . . .;. .. `O .| . . . ... ' . . . /. . . . . . ;. . ; ! | .| .! . . . 八 ./. . . . . . ;. . . ; | 「ズバリ、京太郎君の好きな人は和ちゃん!」 イ ! .! V . . . 个 、 人. . . . .;. . ; | / l /ト .! .V . . . .| ト、 `  ̄ イ./. . . . . .;. . . . ; !. ; ∧ l | .リ . . リ. . . . .! ∧ 、_ イ ´ ./. . . . . .;. . . . / ト、. ; ∧! | . . . . . ..fi___.! ヽ ィ ´ ./. . . . . .;. . .. / ヽ. ; |jr-―二___ヽ / ` ´¨l __/. . /ノ. . . . . . / ∧ ; ',.! ___.ヽ |≧--≦l_∠_ ヽ//. . . . . . / , ' | ; ! ___ ヽ」'ノl__ノ l_______ ` 、 . . .// .; ; | __ .ヽ」 / !\!,---- l . / / ∨. , 7| (__ノ!___/ .! !、 ! ノ/ / , ! l ! / 7`! .! 〉-l /ヽ ./. , V≧ 、___/イ ! ノ/ l ! .j / | ハ , V !_/ V \. ! l イ .! l. , /ト、____ イ! ! ` ‐‐‐´ !、 / , ! V l ヽ / l /――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 8/8 -――- . . `丶、 / / ヽ . / / . . ./ . . . . . . . ヽ . . / / . / . . ./ | . . . . | . . . . i. . . ,' / . . i . . / │ . . . |\| . | .| .i | i . . | .| `ト| | | . . .L イ . | .| .| | i . . | 从≫=ミ|八 . . 抖=ミ从 | .| 「恋のキューピットは、 | i . . | . |{ rJハ \_{.rJハ }| . | .| V| . .| . | 弋ツ 弋ツ . | .| 松実玄におまかせあれ!」 /Ⅵ | . |'. 、 、 ' 、 、 /| | .| , /゚| .l .仏 __ 厶| | .| . / . | .| .| 个 . . ‘ ’ . 介/ / 八 / {/{∧ . .i. |〈 {≧ ‐≦} |/ . . /ヽ .. / . / _V^ 、|∧ ∨ーヘ. /iレく∨ ∧. .、. / . .」 // \く 、∨| /∨rく_ン⌒∨ | . .\ / . . 〔/ //⌒7┴ヘ_,//ー| ̄\\.\ 〕 . . . \ / . . / 〈 -={_}=ー 〉` \ . . . . \. /. . /{ 人_,/| |\_人 ト、. . . . . \ 続く
https://w.atwiki.jp/moemoequn/pages/244.html
平行世界澪「探したぞ!この世界の私!」澪「え、ええ!? 私!?」 http //raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1292339286/ 1 2 戻る 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/628.html
爆炎の使い魔 番外編~平行世界では~ 夜の校舎裏で二つの影が対峙していた。 「私の名前はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・・・。 誇り高きヴァリエール家の子女・・・。 パイプを吸うやつは近寄らせない、ワインは嗜む程度・・・。 夜11時には床につき、必ず8時間は睡眠をとるようにしている・・・。 寝る前に暖かいミルクを飲み、30分ほど予習と復習をしてから床につくと、 ほとんど朝まで熟睡よ・・・。赤ん坊のように疲労やストレスを残さずに、 朝 目を覚ませるの・・・。」 「それがどうした?『ゼロ』のルイズ。 まさかそんなくだらないことを言うためにわざわざ呼び出したのかい?僕はまたてっきり愛の告白かと。」 「私は常に心の平穏を願って生きている人間、ということを説明しているのよ・・・。 貴方はいつも私をゼロと呼び馬鹿にしている・・・。わざわざ私の目の前で、ね・・・。 それがどれだけ私にストレスを与えているか理解できるかしら・・・?」 「そんなの僕だけじゃあないだろう・・・? 使い魔呼び出せたからって・・・調子に乗ってンじゃあないぞ!!ゼロのルイズ!!」 「そうね・・・確かに貴方だけじゃあないわ・・・今貴方がここにいるのはたまたまなのよ。 たまたま・・・貴方が一番最初に殺される・・・それだけのコトよ。」 「何をワケのワカンネーことを言っている!?君は頭脳がマヌケか!? この僕が!直々に!教育してやろう!」 プッツンした彼は杖を振り上げた。 「焦らないで・・・。私の使い魔・・・キラークイーンと言うのだけれど・・・。 ちょっとした特殊能力があるの・・・。」 「この状況でおしゃべりかい?ずいぶんとヨユーじゃないか!」 「いえ・・・貴方に私のキラークイーンの特殊能力を教えようと思ったの・・・。 だって・・・どーせ貴方は既にキラークイーンによって始末されてしまっているもの・・・。」 「僕が・・・既に始末されている・・・だって?」 「ええ・・・キラークイーンの特殊能力・・・ それは・・・キラークイーンは触れたものはどんな物でも爆弾に変えることが出来る・・・。」 彼の背後に佇む半透明の異形!!それは彼女達の争いが始まった直後から存在していた! 「こ、こいつはっ!?」 「たとえ杖だろーと・・・フフ・・・なんであろーと・・・。」 カチッ! ボグオォォン! 「グベラッ!!?」 「これで・・・また一歩・・・平穏に近づいた・・・ワネ、ウフフ。」 「うっ・・・うぅ・・・。」 「一発では・・・死ななかったのね・・・。」 「なにを・・・されたんだ?僕は・・・一体? どぉーなってるんだぁー!!?た、た助けてくれェー!!」 「だめだめだめだめだめだめだめ! 貴方は死ななくてはならないの・・・。誰一人として・・・ このキラークイーンの能力を知る者はいてはいけないの・・・。 ああ、それと・・・他にも私のことを大っぴらに馬鹿にする連中がいたわよね? 彼らについて聞いておきたいのだけれど・・・。貴方の取り巻き連中の他には誰がいるのかしら?」 「知・・・知ら・・・ない・・・。」 「知らないってことはないでしょう・・・いいかしら? しゃべらなければね・・・貴方の恋人も・・・始末するわよ。」 「なん・・・ッだ・・・と!!ぼ、僕の『ケティ』と『モンモランシー』をッ!!」 「早くしゃべりなさいよ。貴方がしゃべれば何もしないわ・・・モタモタしてると誰かここに来るかもしれないじゃない! 名前だけでかまわないわ・・・早く、ホラ!」 「させ・・ない!この・・・『青銅』のギーシュ・グラモンを甘く見るなッ!!」 ドォン! 「貴方!まだ・・・動かせたの!?青銅を!キラークイーン!!」 。 「いない・・・ワルキューレね・・・あんなボロボロだったのに杖を使えるなんて・・・。」 「誰でもいい・・・ルイズは・・・危険だと・・・伝えなければ・・・。」 「ところで・・・聞こえているかしら、ミスタ・ギーシュ?」 「なん・・・だ?いや大丈夫、位置まではバレていないはずっ!あれは罠だ!」 「貴方は今・・・位置まではわからないハズだ・・・そう考えているのでしょうね・・・。 正解よ。確かに私には貴方がどこにいるのかわからない。そして・・・今が昼だったら・・・ 私の負けだったでしょうね・・・。」 「落ち着け、ギーシュ・・・あれはハッタリだっ!僕は校舎にたどり着ければいいんだ!それだけなんだ!」 「でも今は真夜中・・・他に出歩いている人なんて・・・いないわ。 体温があるのは・・・貴方と私だけ・・・フフッ・・・シアーハートアタックッ!!」 ギャルギャルッ!! コッチヲミロ~!! 「ッ!?なんなんだ!一体!!僕の手がっ!!」 ヲイ・・・コッチヲミロッテイッテルンダゼ 「こ、こいつはッ!コイツはっ!!うわあああああっ!」 ガボオォッ!! 「あごォッ!!」 カチッカチッカチッ・・・カチリ チュドォオオォン!! 「やれやれ・・・ね。まあ・・・地道に探すことにするわ・・・。 私には・・・力があるのだから・・・もう誰にもゼロだなんて呼ばせない・・・。」
https://w.atwiki.jp/miyanagake/pages/174.html
1/16 684 あわあわとロッカー(平行世界) そのあと、お鍋を食べる気はしなかった。 露骨に口数が少なくなった私をキョータローは心配してくれていたけれど、そんな気遣いに答える余裕もなかった。 いろいろなことを問い詰めたい気持ちも強かったけれど、それだけはかろうじて押し殺すことができた。 それだって理性が勝ったから黙っていられたわけじゃない。 ただ単に、衝撃的すぎて何も言えなかっただけ。 私がおかしくなったこと、キョータローは気づいていたと思う。 けれど、『今日は終わり!』と言ってしまえばそれ以上言及してこない。 それは気遣いが出来るキョータローだからこそ、これ以上踏み込んでこない。 それもすべてわかった上で、キョータローを引き離した。 家で一人になって、ベッドに倒れこんで枕に顔を埋める。 「また、清澄高校」 三年間苦汁を飲まされた相手。 私がこうなった原因。 何をどうしても勝てなかった、サキがいる高校。 「清澄高校に恨みがあるわけじゃない」 自分に言い聞かせるように呟く。 でも、あまり意味はなかった。 恨みにも似た思いが、トラウマが胸を刺激する。 キョータローのおかげで彼方に去ったはずのものが、キョータローによって飛来した。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2/16 「別に、キョータローが咲と関係があったわけじゃないかもしれないし!」 バッと枕から顔を上げる。 よし、声質はいつものあわいちゃんに戻ってきたぞ。 「白糸台にだって、人はいっぱいいたもん!」 仲がいい人もいれば、悪い人もいる。 たまたま同じ部活だっただけだ。 サキと関わりがあったとは限らない。 「サキは同じ一年生」 私と同じだ。 「キョータローとも同い年」 ぼっちの私に話しかけてくれたキョータローが、サキと関わりがなかったことなんてありえるのかな。 「清澄の部員は少なくて」 1年目の清澄は人数ギリギリだったハズだ。 女子は5人で、男子は1人。 『それでも、俺に自慢できそうなのはこれしかなかったんだ』 キョータローの言葉を思い出す。 『俺だって負けねーんだよ、スゲー奴なんだよって』 『淡みたいに全国大会で活躍するようなスゲー奴にさ。 『俺だって負けねーぞ』って胸張って言えそうなのが、ハンドボールしかなかったんだ』 ねぇ、キョータロー。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 3/16 「誰にそうやって言いたかったの?」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 4/16 …… … 結局、あまり眠れないまま次の日を迎えた。 とはいえどんなに辛くても、人間の体は一睡してしまえばある程度元気になる。 昨日胸を貫いた一言も、ある程度は飲み込めるようになった。 「よしっ」 あわいちゃんは大丈夫。 昨日みたいなことにならない。 身だしなみを整えて、講義に出ないといけない。 今日の講義はキョータローと一緒だ。 昨日のことをちょっとだけ謝って、いつも通りに過ごそう。 「お化粧整えてー」 いつも通り、朝の身だしなみを整える。 そうだ。いつも通りでいいんだ。 「そういえば、サキはどうだったのかな」 大会で見た限りでは、そういうところには無頓着に見えた。 ……時計を見る。 「もうちょっとだけ、時間あるよね?」 気づけば、いつもより多くの時間、身だしなみを整えるのに使っていた。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 5/16 …… … 「よっ、淡。 今日はギリギリじゃん」 「うっさいキョータロー! 女の子の朝は忙しいの!」 「おー、そういやそんなこと言ってたよね」 朝の講義、キョータローはいつも通りに話しかけてくれた。 昨日、いきなり帰したことなんて全く気にしていないように見える。 そのことにちょっとホッとして、何よりいつも通りのやり取りが出来たことが嬉しくて、ニヤけちゃう。 「ねぇ、キョータロー」 「ん?」 「昨日はいきなり、ごめんね?」 「いや、気にしてないよ。 そもそもが急だったしね」 「……うん」 「何だよー、淡が俺のことを気遣ってくれるなんて、珍しいじゃん。 こりゃ雪が降るな!」 「む!」 「悪かったって」 笑いながらからかってくるキョータローに安心する。 私でも、気を使われてることくらいわかるよ。 いつものノリにしてくれようとしてるんだ。 それなら、私だって。 「そんなこと言うなら、レディースランチ頼んであげないよ!」 「うへっ、それは勘弁。 昨日も頼んでくれなかったじゃん!」 「ふーんだ」 「あわいさまー!」 両手で拝むように謝ってくる。 最初に謝ったのは私なのに、こういう風になるようにしてくれた。 ……ありがと、キョータロー。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 6/16 …… … 「今日は特別にレディースランチを頼んであげよう!」 「えっ、昨日ぶりなんだけど」 「ほ、ほらっ、気を抜く必要もあるし!」 「ダイエットを1日で諦める人みたいな理屈だな!」 「うるさーい! レディースランチ食べたくないの!?」 「今日のレディースランチはエビフライなんです! あわいさまー! お願いします!」 食堂で代わりにレディースランチを頼んであげる。 それだけのことなんだけれども、優越感に浸れる。 キョータローのために頼んだんじゃなくて、自分のために頼んだんだってわかってる。 それでも、目をキラキラとさせてお願いしてくるキョータローは私だけのものだ。 ……何でこんなに、キョータローに執着してるのかな。 京太郎が清澄高校出身だったと知って、なおさら執着が強まったのを感じる。 「毎回思うけれど、何でレディースランチが好きなの?」 「そんなの、いろんなおかずが付いていてお得感があるからだよ! 一個一個頼むとさすがに食えねーし、高くつくし」 「運動部なら全部頼んで食べるくらいすればいいのに」 「学食って、単品で頼むと量が多すぎて飽きるじゃん。 その点レディースランチって完璧だよな! 飽きない程度にいろんなものを食べられるんだぜ。 何より、男じゃ食べられないっていうプレミア感がな!?」 「はいはい」 「聞かれたから答えたのに興味ないのな……」 「だって、思ったよりフツーの理由だったし」 「どんな理由なら満足したんだ」 「……親の仇?」 「仇を頼むのかよ!」 くだらない会話をしながら一緒にご飯を食べる。 それだけで、なぜかにやけてしまった。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 7/16 …… … そんなこんなでサークルの時間。 今日は最後の講義もキョータローと一緒だったから、一緒にサークルに向かうことにしたよ! 「それじゃあ、今日もあわいちゃんがキョータローに教授してあげよう!」 「ホントかー? 本当に教えられるのかー?」 「ふふーん、あわいちゃんのマネージャー力を甘く見てはいけないのだ!」 「スポーツドリンクを差し入れしてくれたくらいじゃねーか」 「へー、そんなこと言うならスポーツドリンクもあげないもん!」 「ウソだって。 なんだかんだで女の子に差し入れもらえるのって嬉しいし」 「ホント? 私に差し入れもらって嬉しい?」 「おー。 美少女あわいちゃん、だろ?」 「えへへー! キョータローのくせによくわかってるじゃん!」 冗談みたいな掛け合いでも、キョータローに美少女って言ってもらえて嬉しい。 ニヤける表情を抑えようとも思わない。ずっと笑顔! 「それじゃ、準備してくるよ」 「あいあいさー!」 元気に返事をして、了解です、なんてジェスチャーをしてみせる。 キョータローが見えなくなると、途端に寂しくなる。 ……ムー。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 8/16 「あっ、ちょっと待ってキョータロー」 「お”ま”っ!」 扉を開けて中に入る。 するとそこには上半身裸のキョータローがいた。 あ、あわわわわっ!? 「な、なんで脱いでるの!?」 「いや、着替えないと出来ないだろ、フツー」 「そ、そうだった」 運動用の服に着替えるのはフツーだよね。 な、なんでそんなことにも気がつかなかったのかな。 「わっ、キョータロー腹筋割れてるじゃん!」 「これでも鍛えてるんだぜ! いつ海に行ってもいいように!」 「誰かと行く予定でもあるの?」 「ないです……」 しょんぼり項垂れるキョータロー。 そっか、誰か一緒に海に行ってくれる人はいないんだ。 「それなら、今度あわいちゃんが付き合ってあげよう!」 「えっ、泳げるの?」 「失礼だよ! あわいちゃんだって浮かべるもん!」 ちょっと悔しくて、高校時代から成長してきた胸を強調してみる。 ……あれ、キョータローが恥ずかしそうにそっぽ向いちゃった。 ふっふっふ、あわいちゃんの魅力にやられちゃった?――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 9/16 「ねぇー、キョータロー。 腹筋触ってもいい?」 「年頃の女の子がそういうこと言うんじゃありません」 「ちぇー」 「ほら、ここは女子禁制だからさっさと出てった出てった」 無下もなく追い払われて、あひる口にして撤退しようとする。 すると、足音が聞こえてきて――― ,. ´ ̄ ̄ ` 、__ / , / /⌒Y / / , | ̄\ . ' ' /__/ , | \__ / / ///\/ / .' ' {` ̄ /イ ,.. 、イ /}/⌒ヽ、/´ // / 、 、 { { Ⅵ / Vオ {从 /-}/-、 } 、 \ | | {/ ∨ィ=、}/ , |、 }  ̄ / 乂 u Vソ' ,l ∧l | /イ , 八 ,...、 ' /ムイ,'∧ | /\ / 、 〈- 、\__ ム/ / \ 「やっべぇ!」>----イ///\ . ` ー ' イ/从////////\/// 、 . ´//////////\{ /`¨¨ 、////////////>、 {、 〉/////////////(_)} ∨、_,イ/\///////////////`¨¨¨|/\////\//////_,. --- 、//| |///\////>--、/> ´ --、 ∨ム //////////////} ´¨¨ヽ\〉 ∧///,イ/////////// | - \///{/イ//r- 、///////∧ / ヽ \ / ./ . / ′ /| ∧ .. / 7 | ./ ! | ∨ | | ′ ! | / ̄`∨ |´ ̄Ⅵ | | | | r≠ミ、∨ | r≠ミx | | | | 从 r' }!八 〃r' }!》 | | 「あわっ?」 | | ハ弋)ソ \{ 弋)ソ | | | { | i ,,, , ,,,, / 八 !. | } /7 / | 八 人 v フ / /} 八 \{\( >... 仏イ/ / \. / ≧ー < |/ / \ / 厂 ̄ | / / . \ // / /| / ∧ .. .. //' / ∧ // / \ . |. // / / /\ / / / \ . | l( / / / / / / \ .. |――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 10/16 自分の意思とは関係なく、急に風景が暗くなる。 ガタッ、と大きな音を立てて身動きが取れなくなった。 「(ムグっ?)」 「(静かに静かに)」 動こうと思っても、身動きひとつ取れない。 自分の意思で体が動かせないというのは未知の体験だ。 最初は暗くて何も見えなかったけれど、次第に目が慣れてきて状況がわかってくる。 えっ 何でキョータローに抱きつかれてるの!? わずかに入る光から察すると、ここはロッカーの中!? 「(さっき言ったろ、ここ女子禁制だから、俺が怒られるんだよ)」 「(で、でも)」 「(何もしないから、大丈夫だから。 いやほんと怖いんだ許して!)」 ちょっ、耳元で囁くのやめてぇ! 思い切って動こうとするも、キョータローは怒られるのが怖いのか、ピクリとも動かない。 男の子に身動きが取れなくされるっていうシチュエーションって、こういうのなの!? 「(謝るから! 後で何でもするから!)」 「(ムググー!)」 キョータローの匂いが近い。 鼻がくすぐったい。 悪い臭いとは思わなかった。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 11/16 不本意だけれども、私の不注意でキョータローが怒られるのも忍びないし、黙ることにした。 しかし、キョータローの巨体が入るロッカーなんて初めてみた……。 それにしても全く身動きが取れない。 キョータローなんか、そのままじゃ入れないから頭を下げて身を小さくしている。 それはつまり、全力で私に抱きついていると言うことだ。 「(わーっ!!)」 男の子の体って、固い!? テルーとかに抱きついた時とは全然違うよ!? あっ、テルーは違う意味で硬かったけれど……。 それに、キョータローはさっき着替え中だったから上半身裸だ。 こんなのもうゴーカンだよ! 鍛え上げられた筋肉が直に肌に触る。 「(ぐぬぬ……)」 なんだか悔しくて、さっき言ってた腹筋を触ってみる。 「(ひゃぁ!?)」 「(お?)」 キョータローが必死に悲鳴を抑えている。 いきなり触られてびっくりしたのかな。 「(く、くすぐったいからやめろって)」 「(やめない。こんなゴーカン紛いなことして!)」 「(悪いって! ひゃう!?)」 「(面白い!)」 自分のものとは違い、鉄板のように固い胸板と腹筋。 ゴツゴツした骨の感覚は触っていて飽きない。 キョータローにしてはなかなかいいものを持ってるじゃん!――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 12/16 「出て行ったみだいだね」 「……ふーん」 「いやほんと、ごめん」 わずかに入る外の風景から確認し、ロッカーから解放され、やっと外に出られた。 「私じゃなかったら大問題だよ!」 絶対に先輩に怒られた方がマシだよ!」 「た、確かに、強姦未遂より事情を説明して説教された方が……」 「それに、キョータローが一緒に入る必要なかったじゃん!」 「ごもっともです、ごめんなさい!」 「キョータローのバカ!」 「ごめん」 両手を合わせて頭を下げている。 どうやら、本気で謝っているらしい。 「……なんでも言うこと聞いてもらうんだからね!」 「わかりましたあわいさま!」 「ゆ、許してあげる」 本当は、あんまり嫌じゃなかった。 男の人と密着するなんて考えたこともなかったのに。 フツーだったら絶対に怒って絶交して、警察に突き出すのに。 キョータローと一緒なのは、嫌じゃなかった。 何故か頭の中にサキの顔が浮かんでくる。 サキとは、こういうことはしてないよね? ……なんでこんなことを考えているんだろう。 「誰か来る前に外に出てくれ……」 「はーい」 終始申し訳なさそうにドアを閉めるキョータロー。 ふふん、なんでも言うこと聞いてもらう、か。どーしよーかなー?――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 13/16 今度はドアの前で一人で待機。 何人かとすれ違ったので、ペコリと頭を下げておく。 正規マネージャーでもないのにこうしていられるのは、みんなが優しいからだもん。 それくらいの常識は学んだよ! ふと、服についたキョータローの匂いが香ってくる。 さっきまでは皮膚の感触に気を取られていたけれど、今はキョータローの匂いに敏感になる。 嫌な、匂いじゃ、ない、かも。 「なんだ、高久田か」 「なんだとはなんだ」 ドアの外で待っていると、キョータローの声が聞こえてきた。 タカクダって、キョータローと仲がいい人だっけ。 一緒にハンドボールをやっていたのは覚えている。 でも、キョータローより運動神経が悪そうで、あんまり本気でやっているようには見えなかった人だ。 「大星が外にいるけどどーしたん?」 「うるせー。 ここは女子禁制だろ。待ってもらってるんだよ」 「わざわざ待ってもらってるのか! くー! 美少女の専属マネージャー持ちは違うねェ」 「こんなことになるとは思わなかったよ」 「自分がどれだけ恵まれてるかわかってるのかァ!? だいたい、マネージャーもレディースランチも、咲ちゃんにやってもらってたろォ!?」――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 14/16 「えっ?」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 15/16 それはきっと、キョータローたちにとっては何気ない会話。 でも、私には聞きたくなかった事実。 また、『サキ』だ。 何で、何で、何で? 麻雀だけじゃないの? キョータローも、サキのものなの? ハンドボールのマネージャーって、私だけじゃなかったの? レディースランチを頼むのは、私だけじゃなかったの? 全部、サキがやっていたことをなぞっていただけ。 私がサキから逃げて心の拠り所にしていたものは、全てサキが持っていたもの。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 16/16 「いやだよ、キョータロー……っ!」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 続く