約 74,124 件
https://w.atwiki.jp/ipu-softy/pages/28.html
研究室での常識 学生研究室(B1~B3)と講座研究室(B4以上)の研究室に分かれている 夜遅くまで残るのはデフォ 研究室によっては研究の一環、あるいは個人として「商店」なるものを開いているところがある ポテチなどの手に油分の着く食べ物は箸をつかう(キーボードの汚れ防止) 研究室外での常識 シャワー室の利用はデフォ シャワー室は総合政策棟とソフトA棟の間の1階階段脇にある 女子シャワー室では、電気がついているときは利用を避けるという暗黙のルールがある 共通棟E(社会福祉学部棟)4Fにピアノが弾ける部屋がある 学生支援室でピアノ室利用者登録をしておくことが好ましい PCに関する豆知識 2010年から研究室の利用PCの登録がはじまったため、告知されたときに利用登録を行わないとパソコンを回収されるという恐ろしい事態が起こる 接続申請したWindowsPC上にWドライブをマウントできる 「ファイル名を指定して実行」 → 「\\s-file」 → 「AD\ユーザー名」「パスワード」を入力する 自分専用のHPを学内に公開することができる Wドライブに「public_html」というフォルダを作成 「index.html」というファイルを作成 http //s-www.iwate-pu.ac.jp/ → 自分の入学年度 → 自分の名前のところにリンクがでる リンクが作成されるには日付をまたぐ必要がある リンクが作成されてなくても、自分でURLを入力すれば閲覧可能 学内からなら、どこのPCからでも共有サーバに接続することができる システム実習室用共有サーバ: \\gakubu-share コンピュータ演習室・語学実習室用サーバ: \\edusv-win Linuxに関する豆知識 Linuxで好きなショートカットを割り当てることができる ショートカットキーを使用して(例えば)端末とemacsを切り替える メニューバーの「システム」→ 「設定」 → 『キーボード・ショートカット』 「ウィンドウ間のフォーカスをポップアップを使って切り替える」または「ウィンドウ間のフォーカスを即座に切り替える」に好きなショートカットを割り当てる ショートカットキーを使用して端末を起動する 上と同じ 「端末の起動」に好きなショートカットを割り当てる [Alt]+[Tab]キーでLinuxウィンドウとWindows上のウィンドウを切り替えることができる『ASTEC-X』を利用すれば、切り替えができるようになる ただし、設定をする必要がある [Win]キー → 「すべてのプログラム」 → 「ASTEC-X」 → 『コントロールパネル』 左側「ウィンドウモード」クリック → 「シングルウィンドウモード」にチェックを入れる → 「OK」 この状態で『ASTEC-X』を起動すればウィンドウ切り替えができる [Win]キー → 「すべてのプログラム」 → 「ASTEC-X」 → 『ASTEC-X』 『Tera Term』というソフトを使えば、研究室やシステム実習室以外の教室からでも、Red Hatサーバに接続できる 学校のPCにはデフォルトでこのソフトがインストールされている ただし、端末操作しか扱えないため、かなり機能が制限される emacsは「 」を付けなければ使用可(もし付けてしまっても、「fg」とコマンドを入力すれば大丈夫)
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2962.html
『でいぶの常識』 7KB 制裁 自業自得 野良ゆ 現代 ゆ虐分は少なめです ※駄文、稚拙な表現注意 ※俺設定注意 ※作、長月です 今まで書いた作品 anko259 ゆっくりちるのの生態(前編) anko268 選ばれしゆっくり anko279 新種ゆっくり誕生秘話 選ばれしゆっくり番外編 anko292 ゆっくり見ていってね anko304 またにてゐ う詐欺師てゐの日々 anko313 VS最強のゆっくり 史上最低の戦い anko333 夢と現実のはざまで anko350 あるまりさの一生 anko385 ゆっくりを拾ってきた anko425 ゆっくり Change the World(出題編) anko448 ゆっくり Change the World(出題編2) anko484 ゆっくり Change the World(解答編) anko497 あるゆっくりできない2匹の一生 anko542 てんこがゆっくりするSSさん anko558 あるドスまりさの一生 とてもゆっくりした群れ anko577「餡子ンペ09」ゆっくりを愛でてみた anko613「餡子ンペ09」れいむと幸せを呼ぶ金バッジ anko633「餡子ンペ09」としあき博士のれいぱーありす矯正計画 anko735「餡子ンペ09」あるてんこの一生 メスブタの群れ anko764「餡子ンペ09」あるさなえの一生 ゆっくりは皆それぞれ(前編) anko791「餡子ンペ09」あるさなえの一生 ゆっくりは皆それぞれ(後編) anko932 誰も救われない話 anko1022 あるババ・・お姉さんの結婚 anko1057 もらうぞ anko1127 めすぶた祭り anko1224 あるちるのの一生 ずっと続いていく物語 anko1500 ある愛でお兄さんの午後 anko1530 「餡子ンぺ10春」どうして・・・ anko1629 「餡子ンぺ10春」ゆっくりというのは anko1638 とてもかわいそうなでいぶ anko1672 奇跡のドス anko1713 まりさときゃっしゅさん anko1775 ゆっくりしたおちびちゃん anko1836 希少種になる薬 anko1877 幸せまりさ一家 anko1898 となりにいるのは anko2000 最高のゆっくちプレイス anko2104 「餡子ンぺ10夏」代償 anko2116 「餡子ンぺ10夏」あるおりんの一生 わんわんおじいさんと一緒 anko2262 野良まりさと野良おじさん anko2308 どこへいったんだ anko2452 夕暮れと三日月 anko2687 夕暮れと信じる者の幸福 anko2747 ゆっくりまりしゃと聖夜のシンデレラガール anko2760 夕暮れと戻れないあの頃 anko2792 マスタードを少しだけ anko2830 しあわせーなてんこ anko2860 マスタードを少しだけ2 でいぶの常識 その日俺は大学の講義が休講になり近くの公園のベンチで一服していた。 この公園は平日の昼間は人気が全くなくのんびり時間を潰すにはちょうどいい。最近全面禁煙な場所も多い中、タバコも吸い放題なので愛煙家の俺のお気に入りの場所だ。 「ん・・・あれって。」 前方から野良ゆっくりの家族がやってきた。 母と思われる成体サイズのれいむと手のひらサイズのれいむとまりさの3匹。 「ゆゆっあんなところにじじいがいるよ!!」 「じじいはあまあまちょーらいね!!」 「きゃわいいまりしゃにあまあまよこすんらじぇ!!」 俺を見つけた途端あまあまを要求し始めた。冗談は存在だけにして欲しいものだが。 「ゆゆ?むししないでね!!!しつれいでしょぉおおおお!!!」 無視している俺が気に食わないのか親れいむはさらにまくし立てる。 「れいむはしんぐるまざーなんだよ!!かわいそうなんだよ!!そんなれいむにはあまあまをけんじょーするのがじょーしきでしょ!!」 「しょうなんらじぇ!!じょーしきなんだからあみゃあみゃよこすんらじぇ!!」 「じじいはじょーしきもわからないにょ!!ばきゃなの!?しぬにょ!?」 子ゆっくり達も同調して喚きたててきた。本当に鬱陶しい。 というかこいつら常識の意味分かっていっているのか。常識というのはお前ら汚饅頭に都合のいい妄想って意味じゃないんだぞ。 「じょーしきっのないじじいはせいっさいっだよ!!」 一向に何の反応も示さない俺の態度に業を煮やしたのか親れいむが体当たりしてきた。 ぽすん ぽすん ぽすん 別に痛くもなんともないが腹立たしいことこのうえない。 「いいかげんしろ。ズボンが汚れるだろ。」 「ゆげっ!!」 カウンターで蹴りを入れてやったら面白いように決まった。こいつら本当に弱すぎる。 「どぼじでこんなことするのぉおおおお!!!いきなりぼうりょくをふるうなんてじじいにはじょーしきってもんがないのぉおおおお!!」 「うるせぇよ!!」 「ゆべっ!!!」 さっきまでの勢いはどこへやら。涙目で喚くれいむに俺は更に一発蹴りをお見舞いする。 大体先に手を出してきたのはそっちだろ。こいつら健忘症か何かなのか? それにしても常識常識とうるさい奴らだ。 そんなに常識が好きならたっぷり教えてやろう。餡子の髄までな。 俺はニヤリと笑う。ちょうど暇してたところだ。 「ゆんやぁあああああ!!!あじゅいいいいいい!!!!」 「れいむのゆっくりしたぴこぴこさんがぁああああ!!!」 「もうおうちかえりゅうううううううう!!!!」 人気のない公園にゆっくりの悲鳴が鳴り響いた。 30分後、俺の前には3匹のはげ饅頭が並んでいた。きれいな丸坊主ではなく中途半端にあちこち毛が残っているのが逆にみすぼらしい。 3匹とも傷だらけで目からは帯のような涙を流している。 「よーし。憶えたな。そしたら俺に続いて復唱しろよ。」 「は・・はい・・・」 そんなれいむ達を俺はタバコを吸いながら復唱させる。俺が先程おぼえさせた世間の常識って奴を。 「れいむたちはうんうん以下のくそ饅頭です!!」 「「「れ・・れいむたちはうんうんいかのくそまんじゅうですぅ!!」」」 「人間さんに迷惑ばかりかける生ゴミで生きてる価値などありません!!」 「「「にんげんさんにめいわくばかりかけるなまごみでいきてるかちなどありませんんん!!!」」」 「今日も人間さんのゆっくりタイムを邪魔してしまい真に申し訳ございませんでした!!もう二度とこのようなまねはいたしません!!」 「「「きょうもにんげんさんのゆっくりたいむをじゃましてしまいまことにもうしわけございませんでした!!もうにどとこんなまねはしません!!」」」 悔しいのだろう。れいむ達の声は震えている。 まぁ髪の毛引きちぎったり、タバコで根性焼きして無理やり言わせているわけだから当たり前か。 ちなみにリボンと帽子は没収しておいた。でないとこいつらすぐ「もうおうちかえるぅううう!!!」とか言って逃げ出すからだ。 それにしても気持ち悪いなこいつら。はげてるのとタバコの焦げ後が相まってなんか悪い病気にでもかかってるみたいだ。 「なにひとごとみたいにいってるのぉおおお!!!ぜんぶじじいのせいでしょおおおおおお!!!」 「うるせーよくそ饅頭!!!誰がジジイだ!!」 ジュウウウウウウ 俺はれいむの額にタバコを押し付ける。 「あじゅいいいいいいいいいいい!!!!!」 ゴロゴロと転げまわりながら熱がるれいむ。本当に学習能力のない奴だ。 というかモノローグに突っ込んでんじゃねーよ。こいつらSSの常識も知らないのかよ、まったく。 「あーそろそろお前らの相手すんのも飽きてきたな・・・」 「えっ・・・だったらもう・・・」 やっとお飾りを返して開放される。そうほっとするれいむ達。しかし俺は 「んじゃ死ね。」 グチャリと俺は子れいむを踏み潰し 「ゆんゃあああああれいみゅがぁあああああああ!!!・・・ゆべ!!」 すぐさま姉妹の死でパニック状態の子まりさも踏み潰す。残ったのは何のゆっくりかわからないはげ饅頭の親れいむだけだ。 「どぼじでぇえええええ!!!でいぶたちおにいさんのいうとおりにしたでしょぉおおおお!!!」 「は?別に俺は言うとおりにすれば許すなんて一言も言ってないぞ。ただ死ぬ前に世間の常識って奴を教えてやっただけだ。」 「そんなぁあああああどぼじでそんなこというのぉおおお!!!!」 「良く考えてみろ。お前みたいな害獣、生かしておくわけないだろ。常識で考えろ。常識で。」 そう言って俺はれいむにむかって足を振り上げる。 「ゆんやぁああああああああああああ!!!!」 れいむはこの上なく絶望に満ちた声を上げ グチョリ 動く汚物からただの生ゴミに進化した。 「おお、もうこんな時間か。そろそろ戻らないと。」 俺は腕時計を見て次の講義の時間が迫っていることに気づく。そろそろ大学に戻らないと。 「と、その前に・・・」 俺はゴミ箱を探しれいむ達の死骸を入れる。没収していた飾りも一緒にだ。 「ゴミはゴミ箱へ。これも常識だな。」 後書き 常識に囚われなくてもいいのは幻想郷だけ。現実世界じゃ非常識な奴扱いされるだけだよ!!そんな話。 面白かった、ゆっくりできた、と言う方は下のゆっくりできたよ!!ボタンを押していただければ幸いです。 ご意見、ご感想、ご要望は感想用掲示板(長月用スレ)でおねがいします。URLは下にある通りです。 ふたば系ゆっくりSS感想用掲示板(長月用スレ) http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1274852907/
https://w.atwiki.jp/aqualium/pages/45.html
機材に関する常識を覆す新発見はこちらに!w たとえば… 水草にはソイルがいいって言われてるけど、実際に比べてみたら…。 実は照明は白熱電球が最適じゃね?? といった感じです^^ 信憑性は問いませんが、嘘は厳禁です。 勘や理論上のことならその旨を表記してください。 底面フィルターの実力 もし究極のネイチャーアクアリウム水槽を作ったとしたら、濾過は底面濾過を選択すると思う。 シンプルで濾過面積は最大級だし、なにより自然界の実際に一番近いから。 底面フィルターについて研究するページ ↓編集法がわからない人のためのコメントフォーム 名前 例です、ホームセンターで売ってる投光機を照明に使ってみた - ひれぼん 2009-09-10 03 33 30 光量も多く水草よく育ちました!(←うそです、実際やったんですが光量たりませんでしたw - ひれぼん 2009-09-10 03 35 18
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/3475.html
432 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/06/18(水) 20 22 54 ID ??? 今の話題と全然関係ないけどこの間のコンベでスフィンクスのリドルが 任天堂DSの大人の常識力トレーニング(本体ごと)だった。こんなの 出す常識の無さにちょっと引いた。しかも「皆さん常識が無いですねー。 こんなんじゃ、この先苦労しますよ」とか間違えるとニマニマ笑いながら 言ってくる。お前に言われたくねーよと思いながらも言ってもこの手の 馬鹿には意味無いので何も言わずに我慢した。 スレ185
https://w.atwiki.jp/appnaviwiki/pages/27.html
雑学・常識問題9000問 概要:雑学問題集 無料 リンク https //play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.pit.zatsugaku hl=ja
https://w.atwiki.jp/henroy/pages/507.html
壊れゆく常識 ◆LuuKRM2PEg 「こんな設備がこの警察署にあったとは……」 警察署の一室で沖一也は瞠目している。 蒼乃美希から手渡された『D-BOY FILE』という謎のカードを解析する為の機械を使う為、孤門一輝の案内でこの部屋にやってきたのだ。 ここには、あのアメリカ国際宇宙開発研究所で使われているようなスーパーコンピューターは勿論のこと、一也にとって未知のマシンが存在感を放っている。 しかし、ただの警察署にこんな設備が必要とは思えない。殺し合いの役に立つとも思えないし、何の為に用意したのかが理解できなかった。チェックマシンのように、特定の参加者に向けて意図的に作り出したのかもしれないが、情報が足りないので断定はできない。 今は、この機械達を使ってファイルの解析をするしかなかった。 「ええ、ヴィヴィオちゃんと一緒にいる間に見つけました。ここなら、きっと解析もできるはずです」 案内人である孤門は、近未来の技術が凝縮された部屋に足を踏み入れる。 見た所、この部屋に罠が仕掛けられているようには見えない。自分達以外の誰かが潜入した形跡も感じられなかった。 「確かに、こんなに設備が整っているのならできるかもしれない……やってみるか」 「わかりました」 孤門が頷いたのを合図にするように、タイル状の床を踏み締める。ガラスのように綺麗で、数分前に誰かが掃除をしたと言われても信じてしまいそうだった。 かつ、かつ、かつ……二つの足音を響かせながら、部屋の中を確認する。すると、すぐにカードが挿入できそうな四角い穴があったので、そこに差し込む。 すると、部屋に設置されているスピーカーから男の声が発せられてきた。 このファイルを残した男の名前はハインリッヒ・フォン・フリーマン。地球の侵略を企む悪質な知的生命体・ラダムと戦うスペースナイツという集団のチーフだった。 ラダムは他の生命体に寄生して、脳を支配することで生態系を保っているらしい。 相羽家やその知人が乗ったアルゴス号はラダムと接触して、悲劇が起こった。ラダム達はアルゴス号の乗務員達を支配して、テックシステムと呼ばれる生体兵器を生み出す。しかし相羽タカヤは相羽孝三の働きにより支配から逃れて、そして地球に帰還した。 それから相羽タカヤはスペースナイツと共に戦うようになったが、あまりにも無茶な行動を繰り返すせいで「Dボウイ」と呼ばれてしまう。Dボウイはテッカマンブレードとなってラダムと戦えるが、不完全なテックシステムの影響で三十分以上の戦闘を続けると、ラダムに精神を支配されるデメリットを持っていた。 スペースナイツの働きによってDボウイは正気に戻る。そして、ブレードのシステムを元に、人間達もソルテッカマンと呼ばれるパワードスーツを生み出した……しかし、その一方でラダム側に所属するテッカマン達が現れる。 テッカマンエビルとテッカマンレイピア。相羽タカヤの双子の弟・相羽シンヤが変身するエビルはラダムに支配されていて、相羽タカヤの妹・相羽ミユキが変身するレイピアは精神支配から逃れていた。しかしミユキはテックセットをする度に肉体崩壊を起こすデメリットがあり、最期はタカヤを守る為にラダムテッカマン達と戦い……散ってしまった。 『……地球の、未来を信じる者に』 フリーマンという男が残したメッセージが告げられて、そこで止まった。 沖と孤門は何も言えなかった。相羽の名字を持つ参加者達がそんな壮絶な運命を背負っていたなんて、夢にも思わない。身体を弄られてしまい、そして自分の意志を奪われたまま殺戮を強いられてしまう……ドグマやジンドクマの悪行を聞いているようになってしまい、ラダムに対する憤りが湧きあがった。 「……なんということだ」 今の沖には、胸に湧き上がる感情を言葉に込めることしかできない。 相羽家の人間達に対する同情をしても、彼らはもうこの世にいなかった。だから、もう彼らを救うことだってできない。もう少し早く知っていたら、彼らのことも助けられたはず……そんな可能性が芽生えてしまい、今度は無念の苛立ちが広がってしまう。 だが、今となってはどうにもできなかった。相羽家の人間がどこでどんな風に死んだのかもわからない以上、弔うことすらできない。せめて、仮面ライダーとして人間をラダムから守りたかった。 「俺は、彼らの為に何かをすることもできないのか……」 「沖さん……」 「孤門。確か、美希ちゃんはマイクロレコーダーを持っていたね。それは、相羽シンヤのだったな」 「はい……子どもの頃に、シンヤが残したのだと思います。その頃はまだ、二人は普通の人間だったのでしょう」 「……くそっ」 表情を曇らせている孤門の言葉を聞いて、沖の中で遣り切れない気持ちが更に強くなる。 きっと、相羽タカヤと相羽シンヤは仲のいい兄弟だったはずだ。ミユキも含めて、家族全員で幸せに暮らしていたはずなのに、ラダムによってぶち壊されている。 変わり果てた家族と戦わされてしまい、そして妹の死を目前で見せられてしまったタカヤの心境を考えただけでも、胸が張り裂けそうになってしまう。 「孤門。この話は、子ども達には内緒にしておこう……彼女達が知ってしまったら、きっと相羽タカヤ達の世界に行って、戦いに向かうはずだ。ラダム達と戦うのは、仮面ライダーの仕事だからな。翔太郎君にも、後で話しておかないとな」 「……わかりました。でも、その時は僕も一緒に行きます。僕だって、タカヤさん達が生きた世界の人々を守りたいですから」 「そうか……なら、その時は頼むぞ」 「はい!」 孤門が頷くのを目にした後、沖はカードをケースの中に戻した。 こんな残酷な話は未来ある子ども達が知る必要はない。これからを頑張ろうとしている少女達に、余計な絶望を植えつける訳にはいかなかった。残酷な現実を知らなければいけない時は確かにあるだろうが、それは今ではない。 仮にタカヤ達のことを教えるにしても、殺し合いを終わらせてからだ。それまでは、このファイルのことは秘匿にして、信頼できる大人達の間に留めるべきだった。 例え、タカヤが自分の世界のことを翔太郎や杏子に教えたとしても、このファイルの内容は限られた大人だけにした方がいいかもしれない。どうか、詳しい所まで話していないことを願う。 首輪の解析などもしたいが、今は仲間の元に戻ってこれからのことを話し合うのが最優先だ。 ◆ 「なるほど。これは見事に参加者のスタンスが纏められているな……」 冴島鋼牙は手元に握っている一丁の名簿を眺めながら、感心したように呟いた。 魔導輪ザルバと再会してから、鋼牙は警察署にいる三人の少女達を見守っていた。今、この場には沖一也と孤門一輝の二人はいない。 沖は支給のファイルを解析する為に研究室へ向かい、孤門はその案内をしたことによって、大人は鋼牙だけになった。二人が戻るまでの間だけ、鋼牙は子ども達を守ることになった。 子守りは鋼牙の柄ではないし、一刻も早くみんなを捜さなければならない。だけど、ここにいる少女達にはザルバを守って貰った恩があるのだから、その分だけ守るべきだった。 『そういえば、鋼牙。お前、本当にまたバラゴを倒したのか?』 「ああ。奴はこの地でも人を二人も殺した……同じ魔戒騎士として、奴の凶行を止めなければならなかった」 『それは当然だな……それにしても、キバの鎧だけじゃなくバラゴ自身もかなりしぶといな。もう、出て来ないことを祈りたいぜ』 ザルバがうんざりしたようにぼやく。 バラゴ。そして、バラゴの邪心から生まれた暗黒騎士キバとはかつて何度か戦った。この世界でも戦うことになるのは、何らかの運命かもしれない。 いつかまた、キバの鎧は蘇る可能性もあるかもしれないが、そうなったら倒せばいいだけ。いない者のことを考えても仕方がなかった。 (涼村暁か……この男も、何者なんだ?) 名簿を見るうちに、ある男の名前が目に飛び込んでくる。 暁。参加者の中には涼村暁という名前がある。その人物に関する情報は書かれていなかったが、どうか危険人物でないことを願った。 『美希の嬢ちゃん、ヴィヴィオの嬢ちゃん、それにアンコ……どうか、仲良くやってくれないかねぇ』 ザルバの目には、三人の少女の姿が見えているようだった。 蒼乃美希と、高町ヴィヴィオと、佐倉杏子。この地で出会った、花咲つぼみと同じくらいに若い少女達だ。 蒼乃美希。見るからに真面目で、品行方正という言葉が似合う少女だった。キュアベリーに変身する彼女はつぼみの友達らしい。 高町ヴィヴィオ。美希のように固くはないが、真面目な少女だ。彼女は魔導師という戦士に変身することができるらしい。プリキュアや仮面ライダーのように高い戦闘力を誇るようだ。 佐倉杏子。やや言動は荒いが、根はいい奴だとザルバは言っている。魔法少女、そしてある人物からウルトラマンとプリキュアの力を受け継いだらしい。ザルバが認めているのなら、信頼できるだろう。 しかし、それとこの三人が集まったらすぐに仲良くなれるかと言われたら、話は別だ。 「なあ、やっぱり今まで盗んできた分って、働いて返さないと駄目か?」 「それは当たり前でしょ。あなたが辛かったのはわかるけど、盗まれた人達には関係ないわ。生活が困った人だっているのだから」 「やっぱりか……やれやれ、昔のあたしはとんでもないことをしていたんだねぇ」 「他人事みたいに言わないの!」 「はいはい」 美希の咎めに対して、杏子は軽い態度で流す。それが許せなかったのか、美希は更に表情を顰めさせた。 「え、えっと二人とも……今は喧嘩はやめましょうよ! さっき、孤門さんからも言われたじゃないですか!」 そんな彼女達の間で、ヴィヴィオはおろおろしながらも喧嘩を止めようとしている。 (こくこくこく) 「にゃー」 「ほ、ほら! クリスとティオだって、二人には仲良くして欲しそうですし!」 ヴィヴィオの周りには、うさぎのようなセイクリッド・ハートと猫のようなアスティオンというぬいぐるみが、それぞれ頷いていた。 どちらのぬいぐるみも人の言葉を話さない。しかし、それでもヴィヴィオには意思疎通ができるようだ。目と目で、気持ちを伝えあっているのだろうか。 「えっ? ヴィヴィオ、あたしは別にそんなつもりじゃ……」 「そうそう。あたしだって、また孤門の兄ちゃんに殴られるのは御免だよ」 「そ、そうですか……それなら、よかった」 ヴィヴィオはホッ、と溜息を吐く。 彼女としても、仲間が喧嘩をする光景など見たくないのだろう。こんな状況で内輪揉めなどされては、その瞬間に空気が悪くなってしまう。 だが、このままでは同じことが繰り返されてしまうかもしれないから、空気を変えなければならない。そう思った鋼牙は口を開こうとするが…… 『……おい、お嬢ちゃん達。難しいのはわかるが、あんまりギスギスしていると俺様も悲しいぜ? 喧嘩をする程、仲がいいとは言うが限度がある』 指の中に収まっているザルバに先を越されてしまった。 『アンコは今までのことを反省している。そして、美希もアンコのことを理解している……これで充分じゃねえか。これ以上、不安にさせるなよ』 「はぁ? あたし達は……」 『喧嘩はしていないってか? お前達はそうかもしれないが、傍からはそう見えないぞ? 尤も、いがみ合っているようにも見えないがな』 「ザルバ……どっちなんだよ!?」 『それは、これからのお前達にかかっている。俺様は見守りはするが、必要以上に干渉はしない……お前達の関係は、お前達で作るものだからな』 そう語るザルバは、まるで教師のような態度だった。尤も、ザルバがそこまで面倒見がいいかは定かではないが。 鋼牙は喧嘩の仲裁などあまり経験がないし、ましてや思春期の少女のメンタルケアなど専門外だった。涼邑零やゴンザなら何とかなるかもしれないが、鋼牙にそこまでの能力はない。 冴島財閥のトップでもあるが、流石に女子中学生の面倒を見られるかと言われたら首を傾げるだろう。だが、逃げる訳にはいかない。 「杏子、そして美希……お前達が住む世界は違うだろう。そして、生きる道も違う。だが、それでも今は共に歩いている……それを忘れるな」 「鋼牙さん……?」 「つぼみは言っていた。最初はある少女と敵対していたが、それでも気持ちをぶつけあったことで友達になったと……俺が言えるのは、ここまでだ」 美希の疑問に答えるように、鋼牙は答えた。 なるべく暗くならないようにしたかったが、元々こういうのは得意な性格ではない。なので、もしかしたら余計に不穏になってしまう恐れもあった。 「気持ちをぶつけあう、ね……まあ、そういうのも悪くはないかな」 頭をポリポリと掻く杏子は、納得をしたかのように呟く。 「さっきは喧嘩をしたけど、あたしは別に美希のことが憎い訳じゃない……美希のことだって、知りたいと思っている」 「……杏子?」 「せつなからも頼まれた。あんたや、ラブって奴のことをお願いって……せつなは、最期まであんた達のことを考えていた」 「……」 「あんたの堅物さにはイラついたことはあった。でも、あんたのことは決して嫌いじゃない……これだけは本当だ」 杏子はどこかバツの悪そうな表情を浮かべながら、美希から視線を逸らしていた。 ザルバが言うには、この二人で何やら一悶着があったらしい。美希が警察署に戻る前、杏子の素行の悪さに怒ったようだ。彼女からすれば、ルールを破る杏子は許せないのだろう。 美希の気持ちは理解できるが、ザルバが言うように杏子は反省をしている。無論、反省をすれば全てが許されると言う訳ではないが、それでも変われるきっかけになるはずだった。 「杏子。あなたの気持ちはわかったわ……あたしも、昔のあなたの振舞いは許すことができない。誰かを助けられるはずの力で、誰かを不幸にしてきたのだから」 「わかってるよ……あたしだって」 「でも、杏子はせつなのことを守ってくれた。そして、せつなの想いを伝えてくれた。だから、あたしはあなたを信じることに決めたわ」 そう言いながら美希は前に出て、杏子の手を握り締める。 呆気にとられる一方で、美希は言葉を続けた。 「せつなのことを守ってくれて、ありがとう……ブッキーのリンクルンも守ってくれて、本当にありがとう……!」 「……どうしたしまして」 美希と杏子は笑っていた。ぎこちなかったが、そこには確かな絆があった。 そんな二人を見て、ヴィヴィオも表情を明るくする。ザルバも表情は動かないが、したり顔になっているはずだった。 どうやら、この二人はもう心配する必要はないだろう。無論、完全に仲が良くなった訳ではないだろうが、前進はしている。 『……俺様が助言をして、正解だったな』 そんな中、蚊の鳴くような声でザルバはぽつりと呟いた。 「すまないな、ザルバ」 『何。ここはこの俺様が出なければ、不穏になるだろうからな……鋼牙では力不足だろう?』 「ムッ……」 皮肉とも取れるザルバの言葉だが、否定することはできない。鋼牙では刺々しくなる可能性があるからだ。ザルバはそれを見通したからこそ、出てきたのだろう。 しかし、鋼牙は怒るつもりはない。むしろその逆で、気配りをしてくれた相棒に感謝をしなければならなかった。 「……待たせたね、みんな」 そして、ドアが開くのと同時に沖一也が姿を現す。隣には孤門一輝も立っていた。 その手には『D-BOY FILE』というケースが握られている。つまり、解析が終わったのだろう。 「終わったのか?」 「ああ……この中には、相羽タカヤの戦いに関するデータが纏められていた。そして、相羽シンヤと相羽ミユキについても」 「……そうか」 沖の言葉に鋼牙は何も返せない。 ファイルの名前に『Dボウイ』が付けられているので、相羽タカヤと何らかの関係があるのではと推測していたら案の定だ。しかし、相羽タカヤはもうこの世にいない。 鋼牙自身が、タカヤの遺体を埋葬したのだから。 「冴島さん、これからあなたはどうしますか?」 「俺は仲間達を捜しに行くつもりだ。彼らはまだ、森のどこかにいるのだから」 「そうですか……あなたを一人にさせたくはないですが、無理に止めることもできません」 「合流をしたら、お前達のことも話す……そうすれば、また会えるだろう」 「わかりました。どうか、気を付けてください」 「ああ」 鋼牙は沖に頷く。 時計を見てみると、針はもうすぐ21時になろうとしている。ここにいるメンバーを責めるつもりはないが、大分時間が経ってしまったようだ。 ここに来るまでにつぼみ、一条、良牙の三人を見つけられていない。入れ違いになったのか、それとも三人はまだ森の中にいるのかはわからないが、捜さなければならなかった。 「そういえば、沖の兄ちゃん。もうすぐ、あのゴハットって野郎が言っていた時間になりそうだけど……本当に何かがあるのか?」 佐倉杏子は疑問を口にする。 第三回放送の担当者であるゴハットが言っていたボーナスの時間まで、もうすぐだった。ゴハットが言うには三十分もの間、誰にも見られないように単独行動を続けなければいけないらしい。 もしもそれが本当ならば、これからの戦いの役に立つかもしれないが、安易にそれを鵜呑みにするのは危険だった。 「恐らく、可能性はあるかもしれないが、奴の言葉が真実であるという確証もない」 沖の言葉は尤もだと、鋼牙は思う。 それに、この島にはまだ危険人物が残っている。血祭ドウコクや天道あかねがその代表例だ。 数人で固まっているならまだしも、一人で戦って勝つのは難しいかもしれない。 『なら、心当たりのある奴だけがどっかの部屋で待っていればいいんじゃないか? 何かがあったら急いで変身をして、助けを呼べばいい……そうすれば、簡単には殺されないはずだろ?』 その思案を払拭するかのように、ザルバが提案をする。 『ないと思う奴らだけが固まって、あると思うならこの部屋で静かに待つ……これでいいんじゃないか? その後に、休憩を取ればいい』 「それもそうだが……」 『もしも何か便利な力があるのなら、さっさと使えるようにした方がいいだろ? 出し惜しみをしたせいで死んだら、情けねえぞ?』 ザルバの言うことは尤もだった。技が使えなかったせいで危機に陥るようになっては意味がない。 『鋼牙。お前も何か制限とやらがかかっているはずだ。確か、轟天が呼びだせなかっただろう? もしかしたら、敵さんのボーナスとやらで呼べるようになるかもしれない……お前の仲間と再会した後なら、試す価値はあるだろう』 「ああ……だが、俺はまだいいが、他のみんなはどうなんだ? 一也の言うように、敵は他にもいる」 『なら、交互に部屋に入ればいいだけだ。三十分ごとに二人ずつで待機をして、戻ってきたらまた別の二人が行動をする……時間はかかるが、一度に大勢が単独行動を取るよりはマシじゃないのか?』 「それなら、あたしからやるよ」 鋼牙の指で提案を続けるザルバに頷いたのは、杏子だった。 「代わりばんこなら、後回しにするのは面倒だ。さっさと済ませてやるよ」 「杏子、あなた……!」 「おっと、説教ならなしだ。三十分くらい、すぐに過ぎるだろ? ちょっとくらい、心配するなって……何かあったら、すぐに戻るからさ。それとザルバ、色々とありがとな……あんたも気を付けろよ」 美希は止めようとするが、杏子はそれに構わず背を向ける。そのまま軽く手を振りながら廊下に去っていった。 今から呼んだとしても、絶対に戻ってこないだろう。 「全く……」 『やれやれ、性急なこった……で、美希のお嬢ちゃんはどうするんだい?』 「あたしは……大丈夫。さっきも言ったように、特に心当たりはないから」 『了解。それなら、俺達も行くとするか』 「ああ」 ザルバの言葉に鋼牙は頷いた。 そのまま、部屋を後にしようとするが、その前にザルバは言葉を続ける。 『それと、沖の兄ちゃんもやってみたらどうだ。何かあるかもしれないぜ?』 「そうですよ。ここは僕に任せてください」 ザルバの提案を進言したのは孤門だった。 辺りを見渡すと、特に誰も不満を抱いているようには見えない。 「……わかった。だが、もしも何かあったらすぐに叫んでくれ」 「当然ですよ。でも、ここは僕達に任せてください」 「頼んだぞ」 孤門の言葉に頷いた後、沖は鋼牙の方に振り向いて来る。 「それと、冴島さん……結城さんやゼクロスの力になってくれて、ありがとうございます」 「そういえば、お前も仮面ライダーの一人だったな」 沖一也という男は、村雨良や結城丈二と同じ仮面ライダーの一人だ。その名を、仮面ライダースーパー1。 聞いた話によると結城の後輩であり、村雨にとっては先輩らしい。しかし、彼もまた零のように、村雨のことを知らない時間から連れて来られたようだ。 「はい。俺は村雨良のことを知りませんでしたが、やはり俺達と同じように人の夢や想いを守ってくれたのですね」 「ああ……あいつは最期まで戦っていた。お前達と同じように……そして、大道克己も救った」 「大道克己……確か、仮面ライダーエターナルのことでしたね」 「彼は殺し合いに乗っていたが、同時にこの殺し合いを打ち破ろうとしていた。あいつも、あいつなりの信念を持っていたんだ」 大道克己の最期は今でも脳裏に焼き付いている。 仮面ライダーの名前を背負ったゼクロスと戦い、互いに想いや信念をぶつけあった。彼らは正真正銘の仮面ライダーだった。 それを聞いた沖は、どこか安堵をしたような表情を浮かべる。 「そうですか……色々と教えてくれて、本当にありがとうございます」 「ああ……俺はもう行くぞ。仲間が待っているからな」 「どうか、気を付けてください」 そう言い残して、冴島鋼牙と沖一也は会議室から去っていく。 孤門一輝、蒼乃美希、高町ヴィヴィオの視線を感じながら、仲間を求めて歩み始めた。 【1日目 夜中】 【F-9 警察署 会議室】 【蒼乃美希@フレッシュプリキュア!】 [状態]:ダメージ(中)、祈里やせつなの死に怒り 、精神的疲労 [装備]:リンクルン(ベリー)@フレッシュプリキュア! [道具]:支給品一式((食料と水を少し消費+ペットボトル一本消費)、シンヤのマイクロレコーダー@宇宙の騎士テッカマンブレード、双ディスク@侍戦隊シンケンジャー、リンクルン(パイン)@フレッシュプリキュア!、ガイアメモリに関するポスター、杏子からの500円硬貨 [思考] 基本:こんな馬鹿げた戦いに乗るつもりはない。 1:今はここで沖さんと杏子を待つ。 2:警察署内では予定通りに行動する。 3:プリキュアのみんな(特にラブが)が心配。 [備考] ※プリキュアオールスターズDX3冒頭で、ファッションショーを見ているシーンからの参戦です。 ※その為、ブラックホールに関する出来事は知りませんが、いつきから聞きました。 ※放送を聞いたときに戦闘したため、第二回放送をおぼろげにしか聞いていません。 ※聞き逃した第二回放送についてや、乱馬関連の出来事を知りました。 ※警察署内での大規模な情報交換により、あらゆる参加者の詳細情報や禁止エリア、ボーナスに関する話を知りました。該当話(146話)の表を参照してください。 ※霊安室での殺人に関して、幽霊の仕業であるかもしれないと思い込んでいます。 【高町ヴィヴィオ@魔法少女リリカルなのはシリーズ】 [状態]:上半身火傷、左腕骨折(手当て済)、誰かに首を絞められた跡、決意、臨死体験による心情の感覚の変化 [装備]:セイクリッド・ハート@魔法少女リリカルなのはシリーズ、稲妻電光剣@仮面ライダーSPIRITS [道具]:支給品一式(アインハルト(食料と水を少し消費))、アスティオン@魔法少女リリカルなのはシリーズ、ほむらの制服の袖 [思考] 基本:殺し合いには乗らない 1:生きる。 2:警察署内では予定通りに行動する。 [備考] ※参戦時期はvivid、アインハルトと仲良くなって以降のどこか(少なくてもMemory;21以降)です ※乱馬の嘘に薄々気付いているものの、その事を責めるつもりは全くありません。 ※ガドルの呼びかけを聞いていません。 ※警察署の屋上で魔法陣、トレーニングルームでパワードスーツ(ソルテッカマン2号機)を発見しました。 ※第二回放送のボーナス関連の話は一切聞いておらず、とりあえず孤門から「警察署は危険」と教わっただけです。 ※警察署内での大規模な情報交換により、あらゆる参加者の詳細情報や禁止エリア、ボーナスに関する話を知りました。該当話(146話)の表を参照してください。 ※霊安室での殺人に関して、幽霊の仕業であるかもしれないと思い込んでいます。 ※一度心肺停止状態になりましたが、孤門の心肺蘇生法とAEDによって生存。臨死体験をしました。それにより、少し考え方や価値観がプラス思考に変わり、精神面でも落ち着いています。 【孤門一輝@ウルトラマンネクサス】 [状態]:ダメージ(中)、ナイトレイダーの制服を着用 、精神的疲労 [装備]:ディバイトランチャー@ウルトラマンネクサス [道具]:支給品一式(食料と水を少し消費)、ランダム支給品0~2(戦闘に使えるものがない)、リコちゃん人形@仮面ライダーW、ガイアメモリに関するポスター×3、ガンバルクイナ君@ウルトラマンネクサス [思考] 基本:殺し合いには乗らない 1:みんなを何としてでも保護し、この島から脱出する。 2:警察署内では予定通りに行動する。 3:副隊長、石堀さん、美希ちゃんの友達と一刻も早く合流したい。 4:溝呂木眞也が殺し合いに乗っていたのなら、何としてでも止める。 [備考] ※溝呂木が死亡した後からの参戦です(石堀の正体がダークザギであることは知りません)。 ※パラレルワールドの存在を聞いたことで、溝呂木がまだダークメフィストであった頃の世界から来ていると推測しています。 ※警察署の屋上で魔法陣、トレーニングルームでパワードスーツ(ソルテッカマン2号機)を発見しました。 ※警察署内での大規模な情報交換により、あらゆる参加者の詳細情報や禁止エリア、ボーナスに関する話を知りました。該当話(146話)の表を参照してください。 ※霊安室での殺人に関して、幽霊の仕業であるかもしれないと思い込んでいます。 【冴島鋼牙@牙狼─GARO─】 [状態]:疲労(中)、ダメージ(中) [装備]:魔戒剣、魔導火のライター、魔導輪ザルバ [道具]:支給品一式×2(食料一食分消費)、ランダム支給品1~3、村雨のランダム支給品0~1個 [思考] 基本:護りし者としての使命を果たす 1:みんなの所に戻る 2:首輪とホラーに対し、疑問を抱く。 3:加頭を倒し、殺し合いを終わらせ、生還する 4:良牙、一条、つぼみとはまたいずれ会いたい 5:未確認生命体であろうと人間として守る 6:後で制限解除の為に、どこかの部屋で単独行動をする。 [備考] ※参戦時期は最終回後(SP、劇場版などを経験しているかは不明)。 ※ズ・ゴオマ・グとゴ・ガドル・バの人間態と怪人態の外見を知りました。 ※殺し合いの参加者は異世界から集められていると考えています。 ※この殺し合いは、何らかの目的がある『儀式』の様なものだと推測しています。 ※首輪には、参加者を弱体化させる制限をかける仕組みがあると知りました。 また、首輪にはモラックスか或いはそれに類似したホラーが憑依しているのではないかと考えています ※零の参戦時期を知りました。 ※主催陣営人物の所属組織が財団XとBADAN、砂漠の使徒であることを知りました。 ※第二回放送のなぞなぞの答えを全て知りました。 ※つぼみ、一条、良牙と125話までの情報を交換し合いました。 【特記事項】 ※21時を過ぎているので、制限に心当たりのある者だけが単独行動をして、それ以外の参加者は一ヶ所に固まる方針です。 ※また、一度に行動するのは二人までで、交代で単独行動をする予定です。 ※それらが終わったら、休憩をする予定です。 ◆ 沖一也は仮面ライダースーパー1に変身しながら、誰もいない部屋の中で構えている。先程、ファイルを解析した部屋を確認したが、やはり何の異常もなかった。 敵意のある人物や罠は存在しないが、油断はできない。忍者のように闇の中に潜みながらも、気配を消す参加者が現れてもおかしくなかった。 この警察署には悪の気配は存在しないが、殺し合いの会場だ。誰も知らない所から猛毒のガスが噴き出すと言われても、充分に納得できてしまう。ここも、敵地といっても過言ではないのだから。 (やはり、この首輪は解体自体はできそうだが……ここには普通の工具しかない。下手に解体などしたら、爆発する危険がある) スーパー1はボーナスの制限解除が訪れるまでの三十分間で、首輪の解析を選んでいる。ただ待つよりも、少しでも進めた方が建設的だからだ。 巨大なリングにも見える首輪には、目を凝らすと一本の線がある。そこを辿れば解体の道筋が見えるかもしれないが……必要な道具が手元にはなかった。 結城丈二が変身するライダーマンの持つオペレーションアームのような装備がない。それに加えて、この警察署にはドライバーやスパナを始めとする工具しか見つけられなかった。それだけで精密な機械の解体ができるわけがない。 沖自身も技術者として高い技能と知恵を持っているが、だからといって道具もない状態での解体作業は不可能だ。小さな機械の内部構造を調べられる機械さえあれば別だろうが、そんなのはここにはない。そこまで都合よくはなかった。 しかし、それを抜きにしてもこの部屋に結集された設備は凄まじかった。 (やはりこの部屋は異常だ……ただの警察署に、これだけの機械が必要とも思えない。何故、奴らはこんな場所を用意したんだ?) とある世界には未確認生命体対策本部という場所があるのなら、ここはそれを模したのかもしれない。未確認生命体とは、鋼牙が言うには人間を襲う怪物らしい。要するに、ドグマやジンドグマのような連中だろう。 それをわざわざ、この殺し合いに持ってきても何の意味があるのか? もしや、どこかにいる未確認生命体を倒す為のヒントにするのだろうか? だが、それでは殺し合いのバランスが崩れかねない。 どれだけ考えても答えは見つからない。真実を知るのは主催者だけだ。 ふと、スーパー1は近くにある時計を見つめる。気が付いたら、約束の時間まで五秒もなかった。 『こんばんは、沖一也……いいえ、仮面ライダースーパー1と呼ぶべきでしょうか』 闇の中より、聞き覚えのある男の声が聞こえる。 それを察したスーパー1は意識を覚醒させて、周りを見渡す。すると、目の前には第二回放送で現れたニードルが、薄気味悪い笑みを浮かべながら立っていた。 反射的に構えを取るが、目の前にいるニードルは何かを仕掛けて来ない。放送と同じ、ホログラフだと一瞬で察した。 「キサマは……ニードル!」 『数時間ぶりですね。また会えて光栄ですよ……こうして、貴方と話が出来るのですから』 「何……目的は何だ!?」 『目的? そんなの、決まっているじゃありませんか……貴方の制限解除ですよ。レーダーハンドとパワーハンドの解放です』 「……やはり、キサマらの仕業だったか」 『当然の処置ではありませんか。レーダーハンドを使われてしまっては、他の皆様との公平さを欠く結果になってしまいます。それにパワーハンドだって、普通に使うには危険な威力を持っていますから……でも、これからは自由に使えますから、安心してください』 ニードルは吐き気を促すような笑みを浮かべながら、語り続ける。例え映像でも、不愉快になるには充分だった。 その言葉が真実であると証明するように、身体の奥底に力が宿るのを感じる。 この島に転送されてからレーダーハンドを使おうとしたが、使えなかった。また、ノーザとの戦いでもメガトンパンチを放っても倒せなかったのだから、威力が落ちていると言われても頷ける話だ。 しかし、だからといってニードルに感謝をすることなどしない。奴は、嘲笑うような表情で参加者達を見下しているのだから。 『それでは、私の役目は終わりです……健闘を祈りますよ』 「待て!」 スーパー1はニードルに手を伸ばすが、触れようとした直前に消えてしまう。もう、この部屋にはスーパー1しかいなかった。 心の中で憤りが渦巻いていく。こんな奴らに多くの命が弄ばれて、そして本郷や一文字達が死んだ……どれだけ考えてもやりきれない。 しかし、今はもうどうにもならない。この手で守れる命を取りこぼさないよう、力を尽くすしかなかった。 (奴は俺が行っていた首輪の調査について何も言わなかった……どういうことだ?) そして、スーパー1の中である疑問が芽生える。ニードルが、首輪の調査をしていたことに対して何も口にしてこなかったことだ。 一応、首輪を調べている最中は何も言わなかったが、それだけで主催者の目を誤魔化すことはできない。死体から首輪を確保した時から、解体を企んでいると主催者から警戒されてもおかしくなかった。 しかしニードルは何も言及していない。やはり、この首輪には何か罠が仕掛けられているから、あえて見逃したのか。それとも見くびられているのか、何かもっと別の理由があるのか。 今の段階では答えを見つけられない。 「……とにかく、今はみんなの所に戻らないと。話はそれからだ」 首を振りながらスーパー1は部屋から出る。この三十分間で外から騒ぎの音は聞こえなかったが、それでも早く戻らなければならない。 皆を心配させる訳にはいかなかった。首輪の解析の続きは、それからだ。 【1日目 夜中】 【F-9 警察署 研究室】 ※研究室には様々な設備が搭載されています。 【沖一也@仮面ライダーSPIRITS】 [状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、強い決意 [装備]:なし [道具]:支給品一式(食料と水を少し消費)、ランダム支給品0~2、首輪(祈里)、ガイアメモリに関するポスター、お菓子・薬・飲み物少々、D-BOY FILE@宇宙の騎士テッカマンブレード [思考] 基本:殺し合いを防ぎ、加頭を倒す 0:今は皆の元に戻る。 1:本郷猛の遺志を継いで、仮面ライダーとして人類を護る。 2:警察署内では予定通りに行動する。 3:この命に代えてもいつき達を守る。 4:先輩ライダーを捜す。結城と合流したい。 5:仮面ライダーZXか… 6:ダークプリキュアについてはいつきに任せる。 [備考] ※参戦時期は第1部最終話(3巻終了後)終了直後です。 ※一文字からBADANや村雨についての説明を簡単に聞きました ※参加者の時間軸が異なる可能性があることに気付きました ※18時に市街地で一文字と合流する話になっています。 ※ノーザが死んだ理由は本郷猛と相打ちになったかアクマロが裏切ったか、そのどちらかの可能性を推測しています。 ※第二回放送のニードルのなぞなぞを解きました。そのため、警察署が危険であることを理解しています。 ※警察署内での大規模な情報交換により、あらゆる参加者の詳細情報や禁止エリア、ボーナスに関する話を知りました。該当話(146話)の表を参照してください。 ※ダークプリキュアは仮面ライダーエターナルと会っていると思っています。 ※霊安室での殺人に関して、幽霊の呪いである可能性を聞きましたが、流石に信じていません。 ※第三回放送指定の制限解除を受けました。彼の制限はレーダーハンドの使用と、パワーハンドの威力向上です。 ◆ 佐倉杏子は警察署のとある部屋に入った後、魔法少女に変身していた。沖達には強気でいたが、万が一の時を考えて戦える準備だけはした方がいい。 周りに人気はないが、油断はできなかった。この警察署には幽霊とやらが出て、そのせいで梅盛源太とアインハルト・ストラトスの二人が死んでしまったのだから。 常日頃、幽霊なんかよりもよっぽど恐ろしい魔女や使い魔と戦っている杏子には子供騙しにしか思えなかったが、警戒だけは忘れない。少しの油断が死に繋がるなんて、これまでの戦いで何度も経験したのだから。 魔法で生み出された槍を握りながら、杏子は時計の針が動くのをぼんやりと眺めていた。 『佐倉杏子……初めましてと言うべきかしら?』 その時、どこからともなく声が聞こえる。それに意識を覚醒させた杏子が振り向くと、見知らぬ少女が立っていた。 ドレスのように煌びやかな純白の衣装を纏い、まるでおとぎ話に出てくるお姫様のような雰囲気を放っている。フランス人形のように整った顔立ちも、そんな印象を更に強くさせた。 しかし、その瞳は氷のように冷たい光を放っていて、友好的に見えない。それだけでも、杏子は反射的に槍を構えた。 「てめえ……何者だ!?」 『私の名前は美国織莉子。貴女と同じ、魔法少女の一人よ』 「魔法少女……?」 美国織莉子と名乗った謎の少女の言葉に、杏子は思わず槍を握る力を緩めてしまう。 よく見ると、目の前の織莉子からは気配が感じられない。立体映像であると杏子は理解した。 つまり、この魔法少女は主催陣営の一人……それを察してから、力を込めなおした。 「……なるほどね。あんた、あのいけ好かない連中に加担しているってわけか。あたしと同じ、魔法少女の面汚しだな」 『否定はしないわ……貴女からすれば、私も元凶の一人なのだから』 「へっ。認めたってわけか!」 『そうね……でも、私はそんな口論をする為に現れたのではないわ。私は、貴女に真実を伝える為にやってきたの』 「はっ、あんたらが何を教えてくださるってんだ!」 『魔女……私達の同胞の、なれの果てについてよ』 「……は?」 織莉子の口から出てきた言葉により、杏子は怪訝な表情を浮かべてしまう。 しかし、そんな杏子のことなどお構いなしに織莉子は言葉を続ける。 『私達魔法少女はインキュベーター……いえ、キュウべぇと契約をして、願いを叶える対価として魔法少女になって、魔女と戦う存在になる……それは、貴女も知っているわね』 「そんなの、当たり前だろ!」 『でも、貴女は疑問に思ったことがない? 私達が戦っている魔女が、どこから現れるのかを……』 「え……結界の中から……だろ?」 『それは間違いないわ。でも、結界はあくまでも魔女が作り出しているだけ……その魔女が、どうやったら誕生するのかを、貴女は知っているの?』 「それは……」 淡々とした織莉子の問いかけに杏子は口籠ってしまう。 今まで倒してきた魔女がどうやって生まれるのか。そんなのは知らないし、今まで考えたこともない。グリーフシードを目当てに戦っていたのだから、気にかけたこともなかった。 何も答えられなくなる一方で、織莉子は言葉を続ける。 『私達、魔法少女の魂とも呼べる……ソウルジェムからよ』 「……何、言っているんだよ」 『魔法を使うことでソウルジェムが穢れていき、それが限界に達すると私達は変わってしまうわ……呪いと絶望を撒き散らすだけの魔女に』 「な……!?」 『既に美樹さやかと巴マミもソウルジェムが穢れきったことで、魔女へと変わったわ。そして、四度目の放送が終わると同時に……この島に君臨して貴女達に牙を向ける』 「……なんだよ、それ」 『これは私と貴女も例外ではないわ。魔法の過度や使用や、絶望を背負うことで魔女になって絶望を齎す……私はそれを伝える為に、貴女の元に現れたの。鹿目まどかと暁美ほむらはその条件から外れているけれど』 織莉子から告げられるあらゆる事実が、杏子の心に突き刺さっていく。 マミとさやかが既に魔女になっている? あたし達は、今まで同じ魔法少女すらも食い物にしていたのか? ゾンビにされただけじゃなく、人々を傷付ける化け物にもされてしまったのか? キュウべぇに騙されたのか? キュウべぇは何の為に、あたし達にこんな仕打ちをしたのか? 様々な疑問が生まれて、杏子の脳裏で爆発していく。まともな思考が働かなかった。 『貴女も殺し合いを止めようとしているのなら、気を付けることね……迂闊に戦ったりしたら、周りの人達も絶望に巻き込まれるのだから』 そう言い残した瞬間、美国織莉子の姿が部屋から消えていった。それに対して、杏子は何も言うことができない。 今はそれどころではなく、疑問が増えていくだけだった。 「……ふざけるなよ」 杏子はただ憤るしかできない。 自分達をこんな身体にしたキュウべぇに対して。そんな事実を何でもないかのように話した織莉子に対して。そして、変わろうとしていたのに叶えられそうにない現実に対して。 こんなのはボーナスではない。むしろ、最悪の罰ゲームだ。 どうして、いつもこうなのか。一緒にいた人達が次々と死んでいき、同じ魔法少女は魔女になり、そして自分自身すらも魔女になろうとしている。 せつなや姫矢の意志を継いで正義の味方になろうとしたのに、結局は呪いと絶望を撒き散らすだけの存在にしかなれない。 もう、何が何だかわからなかった。 「なんでだよ……なんでだよ……なんでだよ……!」 嘘だと切り捨ててしまいたかったが、本能がそれをしてくれなかった。織莉子の言葉からは一切の嘘が感じられなかった。 みんなの為に戦うことすらも許されないのか。みんなに絶望を齎すことしか、自分にはできないのか。 何も知らないまま、殺し合いを終わらせることができたのなら……楽だったのに。 「何でだよおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」 残酷な運命に対して、佐倉杏子は叫ぶことしかできない。 しかし、それで何かが変わることはなかった。殺し合いも、魔法少女の真実も、呪われた存在である自分自身も……そのままの形を保っていた。 これまでの常識は壊れてしまい、代わりに告げられたのは惨すぎる真実。それを前に、ただ嘆くしかできない。 その叫びは、彼女しかいない部屋の中で空しく響いていた…… 【1日目 夜中】 【F-9 警察署 とある部屋】 【佐倉杏子@魔法少女まどか☆マギカ】 [状態]:疲労(中)、ダメージ(大)、ソウルジェムの濁り(小)、腹部・胸部に赤い斬り痕(出血などはしていません)、ユーノとフェイトを見捨てた事に対して複雑な感情、マミの死への怒り、せつなの死への悲しみ、ネクサスの光継承、ドウコクへの怒り、真実を知ったことによるショック。 [装備]:ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ、エボルトラスター@ウルトラマンネクサス、ブラストショット@ウルトラマンネクサス [道具]:基本支給品一式×3(杏子、せつな、姫矢)、リンクルン(パッション)@フレッシュプリキュア!、乱馬の左腕、ランダム支給品0~1(せつな) 、美希からのシュークリーム [思考] 基本:姫矢の力を継ぎ、翔太郎とともに人の助けになる。 1:????????? [備考] ※参戦時期は6話終了後です。 ※首輪は首にではなくソウルジェムに巻かれています。 ※左翔太郎、フェイト・テスタロッサ、ユーノ・スクライアの姿を、かつての自分自身と被らせています。 ※殺し合いの裏にキュゥべえがいる可能性を考えています。 ※アカルンに認められました。プリキュアへの変身はできるかわかりませんが、少なくとも瞬間移動は使えるようです。 ※瞬間移動は、1人の限界が1キロ以内です。2人だとその半分、3人だと1/3…と減少します(参加者以外は数に入りません)。短距離での連続移動は問題ありませんが、長距離での連続移動はだんだん距離が短くなります。 ※彼女のジュネッスは、パッションレッドのジュネッスです。技はほぼ姫矢のジュネッスと変わらず、ジュネッスキックを応用した一人ジョーカーエクストリームなどを自力で学習しています。 ※第三回放送指定のボーナスにより、魔女化の真実について知りました。 時系列順で読む Back 黒岩、死す!勝利のいちご牛乳(後編)Next 双大将再会 投下順で読む Back 黒岩、死す!勝利のいちご牛乳(後編)Next 双大将再会 Back 変わり者の物語 冴島鋼牙 Next 赤狼 Back 変わり者の物語 孤門一輝 Next Waiting for a Girl Back 変わり者の物語 蒼乃美希 Next Waiting for a Girl Back 変わり者の物語 佐倉杏子 Next X、解放の刻/楽園からの追放者 Back 変わり者の物語 沖一也 Next Waiting for a Girl Back 変わり者の物語 高町ヴィヴィオ Next Waiting for a Girl Back 第三回放送X ニードル Next ルシアン・ヒルの上で Back 第三回放送X 美国織莉子 Next [[]]
https://w.atwiki.jp/truexxxx/pages/164.html
常識的に考えて ◆ruUfluZk5M 「死んだか、人間ども」 あっちへフラフラ、こっちへフラフラと谷底を散策しながら能天気に全裸で歩く吸血鬼……雅はまあそうだろうな、とでも言いたげに呟いた。 放送を聞いて。名簿での「雅」や「宮本明」のそばにある名前の順序から類推できる、自分の世界から共に連れてこられたであろう……見覚えの無い名。 恐らくは名を知らぬだけで、明の仲間か何かだろう。それらの脱落が確認されたのだ。 雅にとってその死自体にはなんの感慨もない。 むしろ無惨や煉獄と言った者が呼ばれていない事実の方にこそ、期待と納得を覚えていた。 「ノリの良い女は嫌いではないが――しかしなぜBBも私の世界からゴミのような人間をわざわざ選んだのだろうな。明を奮起させるためか……? 確かに金剛や斧神を連れてきてしまうと、いささか私に有利すぎるだろうが。なら邪鬼の十体もそこらへんに野生させておけばもう少し面白かっただろうに」 まるでゲームをやる友人のプレイスタイルに対し、ふざけつつも少し辛口で評するかのように、BBの采配に疑問を抱く雅。 BB当人が聞けば『それを「面白い」と考える感性はあなただけだと思いまーす!』とでも自分を棚にあげてつっこむであろう言葉だ。 にしても、やはり不死でない人の身にも関わらず生死の境界を幾度となく越えられるのは明だけか――と雅は再認する。 あらゆる条理を踏破し、その道を遮るいかなる存在をも叩き斬る男。 技を超えた理不尽。 生命を超えた執念。 動けぬハズなのに動く。戦えぬハズなのに戦う。邪鬼よりもなお地獄の悪鬼のような救世主、それが宮本明。 「私を本当に楽しませられるのは……お前だけなのだろうな、明」 自身を憎悪し、その存在を揺るがしかねない男を雅はまるで、旧友でも思い返すように噛みしめる。 このように今まで出会った強者や黒幕を認めてはいるが、雅は別段謙虚というわけではない。むしろ傲慢にも己こそ全ての生命の頂点と考えている。 雅は力を欲する。 雅は権威を欲する。 雅は強敵を求める。 雅は不死を求める。 雅は女色を好む。 雅は座興を好む。 雅は人を厭う。 雅は退屈を厭う。 そして――雅は時に人を愉快に思う。 それら全てに矛盾は無い。要は雅にとって面白いことがあって、なおかつ自分が君臨できればそれでよいのだ。 極端な話、時には己が生命すら楽しむためのオモチャに過ぎない。 無論雅は人を嫌ってはいる。纏めて病も苦しみからも縁遠い自由な吸血鬼にでもなってしまえと考えている。 だが人の中に面白い敵がいるに越したことは無い。 俗物にして超越的。小物にして鷹揚。短気なようでいて神経が図太い。それ故に雅の行動を完全に予測しきる事は誰にも――あるいはおそらく神にすらできない。 だから雅は特に意味なくぶらぶら散歩をするし、気分次第で湧水でも飲む。人も喰らう。 戦いの最中うっかり滑って転びもする。あるいは異常な強さと冴えであっさりと人間側の色々な作戦をひっくり返す。 どうしようもなく大雑把で適当なところを見せ苦悶と激昂の醜態をさらしたかと思えば、 吸血蚊を培養し国家単位で吸血鬼を蔓延させるなど、悪辣にして凶悪な策をさらりと実行せしめる。 その雅が今は何を考えているかと言うと。思索にふけっては谷を見回し……少し、この殺し合いに対して呆れていた。 「大体けち臭いぞ、BB。見た限りロクに刀すら無いとは――不可思議な支給品でそこはハンデや殺し合いが進むよう差異を付けているのだろうが」 殺し合いが始まってから放送になるまで色々と練り歩いたが、まだ刀剣のひとつも見つけられない。 この時点で雅からすると「しけている」と言うほかなかった。 彼岸島ならば、少なくともそこらへんの民家や施設や谷底にはそういった武器に使える物がごく普通にあったものである。 「いや、本気で殺し合いをさせる気があるのか? あの女……」 己に支給されたこのガトリングガンも趣向としてはそれなりに面白いと言えば面白い。 が、アマルガムの真骨頂は大体がもっと直接的な武具を使ってこそ発揮される。 アマルガムとは、吸血鬼が更に別の吸血鬼の血を取り込んだ混血種。 ほとんどの個体は失敗し巨体の化物たる知性無き「邪鬼」と化す。 だが僅か1%未満の確率を潜り抜けた個体は、知性と人に近しい体格を保ちつつも、特殊能力と剛力を兼ね備えた異形の吸血鬼として覚醒する。 雅もそのアマルガムが一人にして先駆けである。 ただ巨体と獣性のみの怪物然とした邪鬼と違い、アマルガムは特殊能力の他にも人を超越した膂力と知性、技巧を保つ。 つまりは凶器――鈍器や刃物を用いることで更に凶悪な威力の攻撃を可能とするのだ。 雅自身、鉄扇を使った際の戦闘力は時に刀を使う宮本明すら圧倒するほど、常軌を逸していた。 というか。元々彼岸島の戦いを経験した者らの価値観においては、武器を持った人間や吸血鬼がアマルガム程でないにせよ異常に強くなるのはいわば「当たり前」のことである。 弓矢を持たせれば矢で吸血鬼の顔を埋め尽くすほど蜂の巣にしてみせる娘が居る。 鋼線を罠として細工し、象もかくやの巨体を持つ邪鬼をも切断せしめるメガネの非戦闘員らしき男が居る。 凡百の人間ですらそこに丸太があれば振り回し、ただの吸血鬼や亡者程度ならば殺し得る。 常識である。 そういうヤツらと吸血鬼が殺し合うのが、彼岸島である。 それでもなお、死ぬ時は所詮人間とあっさり死んでいくのが――彼岸島である。 先に会った煉獄すらその強さ、その剣技の冴えすら雅にとって嬉しい誤算としての愉快な脅威であれこそすれ、決して意外ではない。 彼岸島の戦いにおいてそれら『武装者』としての頂点。 つまり暴力の頂点が雅をはじめとするアマルガム――あるいは人の身にも関わらずアマルガムすら屠り得る男、宮本明なのだ。 だからこそ。不可思議な支給品を与える一方で、フィールドに通常人でも扱いやすいサブウェポンたる丸太ひとつロクに用意していないこの殺し合いは。 雅の目からするとやけにチグハグな物にも見えた。 とはいえ刀があれば丸太はそこらの木から造れるし、自分ならばどのような巨木であろうと引き抜いて丸太として振り回せるが。 やはり肝心の刀すらロクに無いのでは普通の人間には逆境すぎると言わざるを得ない。 これでは彼岸島どころか本土にも劣る武装の貧弱さだ。 あるいは。 (もしや、殺し合いそのものではなく異なる力や異質な不死を競わせること。あるいは邂逅こそが重要なのか……?) あの無惨という男もそうだ。素手の自分とは言え、この雅を圧倒するほどの戦闘力と不死性を持った存在が、たかが日光ごときをあそこまで避けている。 真に不死たる雅からすればどうにもおかしな存在だった。 さて、となるとこれは壮大な実験の経過観察か。はたまた迂遠な儀式的要素が強いのか。 (何かの実験台になるのは久しぶりだな。面白い。面白いぞBB。ハハ、謎が多いほど女は魅力的と言うが本当らしいな) 得体の知れないBBの存在を謎解きのように楽しみはじめる雅。 明やまだ見ぬ強者とエンカウントするまでのヒマつぶし代わりに面白半分の推論が続くなか――雅は全く気付いていない。 そもそも雅の居た元の世界以外では、達人ならばともかく常人では身の丈ほどの丸太など扱いきれないし、刀剣はそこらへんに落ちてない方が普通なのだという真実に。 傍から見ればいっそ不条理とも言える奇想天外で奇妙な強さでしかないのは宮本明だけでなく、雅自身もだということに。 なのに、雅はまるでデタラメな理屈の論法からあり得ない筋道でBBの本質や言動を見極めようとしている。 別に雅はこの殺し合いにおける謎や目論見や原理など一切解き明かしていない。 つまりはただの暴論に過ぎない。 あらゆる演算、計算も通じぬ理不尽が常にまかり通る、彼岸花が咲き乱れる島の首魁。そのおかしな思考回路。 だが、それでも動じず大筋の印象を捉えつつあるその理屈の通らなさこそが、雅の真の恐ろしさとも言えよう。 『いや、そっちの世界のノリで語られても困るんですけどぉ……』 と、雅は耳元でBBの困惑するような言葉が、ふと聞こえたかのような錯覚を覚えた。 真実彼女が雅にそう囁いたかは、定かではない。 さて、面白い物が無いかとここは大体探しつくした。いい加減にこの谷を出るかと、雅は歩いていった――堂々と、全裸のままで。 【D-4・谷底/1日目・早朝】 【雅@彼岸島 48日後……】 [状態]:健康、空腹(小)、全裸 、のんびり散歩中 [装備]:JM61Aガトリングガン@Fate/Grand order 残弾(90%)、予備弾(100%) [道具]:基本支給品一式、宗像形の鉄製ブーメラン@めだかボックス [思考・状況] 基本方針:好きにやる。 0:面白そうな駒を勧誘し、最終的にBBと遊ぶ(殺しあう) 1:煉獄に強い興味。部下にしたい。 2:明と出会えれば遊ぶ。 3:次に無惨と出会ったら血を取り込みたい。 4:BBが望んでいる物は殺し合いだけではない……? [備考] ※参戦時期は精二を食べた後です。 ※死体に血を捲いて復活させるのは制限により不可能ですが、雅はそのことに気がついていない可能性が高いです。 ※肉体の内部に首輪を取り込みました。体外へは出せませんが体内で自由に移動させられます。 ※鮫島と山本勝次の死を知りましたが、名前を知らないしどうでも良いので「おそらく明の仲間」としか認識していません。 Next せめて人間らしく Previous 見えざる糸 前話 お名前 次話 紅蓮の華よ咲き誇れ 雅 出口のないメビウスの輪の中で 目次へ戻る
https://w.atwiki.jp/boardwalk/pages/32.html
2005/12/4 「蛍の光」の発祥地 常識の嘘1に「蛍の光」はスコットランド民謡だと書いた。 これ自身は間違っていないが、さらに起源を遡る事ができる事が発覚した。 本当の起源については諸説ある。 1783年に英国で作られたオペラに似た曲が使われているし、 コルシカ島の宗教行事で行列の人々が歌っていた歌とも歌詞が似ている。 参考: 日本の常識133のウソ、話題の達人倶楽部(編)、青春文庫。 2005/12/7 村八分 雑学6の村八分に関する記述に異説を発見。 異説によると、「「八分」は「はじく」(つまはじきにする)がなまったもので、 十分から二分を除いたのは後世の附会」。 2006/4/30 マイケル・ジャクソンがビートルズの曲の著作権を売却 雑学5に、マイケル・ジャクソンがビートルズの251の曲の著作権を持っていると書いた。 しかしその後ジャクソンは25%の曲の著作権(推定5億ドル)をソニーに売却。 少年に対する性的虐待をめぐる裁判費用や豪邸の維持費などが原因で 2億7000万ドル(約320億円)の借金を抱えて破産の危機に瀕した為。 参考: ヤフー・ニュースの2006年4月14日の記事 2006/9/12 少年に対する性的虐待の件、削除しました 常識の嘘13に『「男児はほとんど性的虐待を受けない」というのは嘘』と書きましたが、 この件を削除しました。 wikipediaに『成人から受ける性的虐待のうち、男児が被害者であるケースは10~28%程度』という趣旨の 事が書いてあったので、これを参考にして記事を書いたのですが、 先日法務省が出している「犯罪白書」で確認を取ったところ、 男児に対する性的虐待はせいぜい5~6%程度でした。 ですので削除に踏み切りました。申し訳ありません。 この件は小ネタ集かどこかで再び記そうと思っています。 参考:平成17年度版「犯罪白書」 トップページに戻る。
https://w.atwiki.jp/katayama/pages/63.html
『常識を破るモノ』 作者 1スレ651 投下スレ 2スレ レス番 7 37-38 92-93 224-227 備考 電波的な彼女世界でのクロスオーバー的な何か 7 名無しさん@ピンキー sage 2007/02/12(月) 15 45 44 ID PDX1Jd7P 前スレの 775からどうぞ。 ジッ、と鬱陶しい雨の前髪越しに彼女の瞳を見つめる。 微かに覗く彼女の瞳は驚きと緊張が見え隠れしているような気がする。 いつも力になってくれるこいつは果たしてどんな存在なのだろうか。伊吹に訊かれたあの問いがふっと脳裏をかすめる。 だがこいつは決まってこう答えるだろう。「ジュウ様の騎士であり奴隷です」と。 「え、ええと…」 「あ、ああ、悪い。少し考え事をしてた」 どういうわけか雨もどこかぎこちなさそうにする。しかし、それは居心地が悪いものではなく、どこか嬉しいような恥ずかしいようなもの。 ジュウにはそう感じられたが、あえてそれは頭の外から追い出して言葉を続けた。 「……おまえも気をつけろよ」 「はい?」 「雪姫にも言ったが、こいつの狙いは俺だ。 大切なものというのが何かは分からないが…おまえたちにも被害が及ぶかもしれない」 一瞬驚いた様子だったが、雨は嬉しそうに微笑んだ。 「…ありがとうございます。私はジュウ様に仕えることが出来て光栄です」 「あのな…」 そんな大げさな。ここのところ雨と一緒にいることが多かったためか、彼女の言い回しには慣れたつもりであったが、 やはり時折彼女の思考回路はどうなっているのかと知りたくなるときがある。 けれど、それは彼自身の好奇心が他人に向いているということになる。 以前は他の誰かに興味を抱くことなんてなかったのに。 思えば、雨と出会ってから少し自分は変わったように思える。変わることが全て良いことだとは思わないが、 それでもこの変化は良いものだろうと、信じたくなった。 と、そこでジュウの携帯が鳴る。 「悪い。ちょっと待て。 ……円堂から?」 雨に断り、携帯を開くと『円堂円』と画面に写し出されていた。 珍しい。男嫌いで、ジュウにあまりいい印象を持たない彼女から自分に電話をかけてくることはなかった。 「もしもし、円堂か?」 『柔沢くん? 今どこにいるの?』 「雨の家だけど……」 『ならちょうど良かったわ。…いい? 今すぐ雨と一緒に駅前の病院に来て』 「駅前の病院? ああ、そこなら知ってるけど…どうしたんだよ?」 矢継ぎ早に話す円の言葉を聴きながら、頷いた。夏休み前の事件でジュウが世話になった病院だ。 冷静沈着な彼女がここまで慌てて話すのは珍しい。何があったのだろう。 円は一拍置いた後、静かに言葉を紡いだ。 『……雪姫が襲われたの。今、手術中よ』 なんだって。ジュウは言葉にする前に、携帯を取り落としてしまった。 ※※※ と、今回はここまで。 なんというか、色々と冒険してみたので、違和感覚えるところもおありかと思いますが、 暇つぶしにどうぞ。そして遅れましたが 1お疲れ様です。 37 『常識を破るモノ』 - ジュウの決意 sage 2007/02/25(日) 00 12 42 ID RwOADItg 俺はいつもこうだ。 気づいたときには遅い。後悔ばかりして生きている。どうして俺はこんなにもバカなんだ。 藤嶋の時も。桜の時も。いつも誰かが被害に遭ってから気づいてしまう。 どうしてあの時もっと真剣に雪姫に忠告をしてやれなかったのか。 いや、それ以前にどうして真実を打ち明けられなかったのか。 誰にも迷惑をかけたくないというちっぽけなプライドがそうさせたのか。 考えても考えても、答えは出ない。やっぱり俺はバカだ―――。 円から連絡を受けて十数分後、ジュウは雨を連れ病院に向けて疾走していた。 円の言葉を聞いて、彼は信じても信じ切れなかった。詳しい事情はまだ聞いていないが、 あの雪姫がそう簡単にやられるような人間ではないことは、よく知っている。 「ジュウ様……」 「喋るな…! 俺は…!」 気遣う雨の声も封殺して、ジュウは怒りを何とか静めようとしていた。 不甲斐ない自分への怒り。そして、雪姫を襲った犯人へと怒り。 その怒りのあまり、冷静さを欠いている。怒りに己を委ねればいいことはないと 今までの事件でも学んだと言うのに、それでもその怒りを抑えることができなかった。 だが今はそれよりも雪姫の安否。それが唯一ジュウの理性を繋いでいた。 アスファルトを叩く足音を強くしながら、人ごみのなかを掻き分け疾走していく。今はただ、雪姫のために。 「……やっと来たわね、柔沢くん、雨」 病院のロビーで待ち受けていたのはいつも以上に鋭さを増している円の眼差しだった。 まるで、そこに敵意を込めればナイフのように肌身を切り裂かれそうなほど、鋭く。 「それで、雪姫の様態は?」 「一命は取り留めたみたいよ。ただし、当分の間は面会謝絶らしいけど」 「…そうか」 そこでジュウは安堵の吐息を吐き出す。もしかしたら、と最悪の場合を考えていたが、 円の話によると奇跡的にぎりぎりのところで致命傷を免れていたらしく、 あと少しでも相手の狙いが的確であったか雪姫が対応できていなかったら、確実に命を落としていただろうとのこと。 「今日雪姫と遊びに約束をしていたのよ。少し時間が立っても待ち合わせに来なかったから、 駅周辺を探してみると案の定よ。血を流して倒れていたの、雪姫が」 「円堂……おまえ」 彼女を知らないものが見たら、なんでそんなに冷静にいられるんだと声をあげていただろう。 しかし、ジュウも雨も彼女が冷静ではないことは、一見してすぐにわかった。 爪を噛み、苛立たしげにとんとんと足踏みをする。 いつも冷静沈着である彼女がこれだけの僅かな苛立ちでも見せることがかなり珍しい。 それだけ彼女もまた怒りを感じているということだった。 38 『常識を破るモノ』 - ジュウの決意 sage 2007/02/25(日) 00 15 05 ID RwOADItg 「円堂、実は……」 そんな円の様子を見て、ジュウは逆に自分の頭がクリアになっていくのが感じられた。 冷静な様子ではあるが、雨も実際のところ怒りを感じていないはずがないのだ。 ただ雨はジュウの前だから冷静な振る舞いができ、感情をコントロールすることが出来ているのだろう。 俺はなんてバカなんだ。自分だけが怒りを感じているわけではないのだ。 そう思いながら包み隠さず円にあの脅迫文のことを話した。 全てを聞き終わった円は険しい表情でジュウを睨みつける。 「柔沢くん、いつか言ったわよね。あなたが何をしようと勝手だけれど、それに雨や雪姫を巻き込まないでって?」 「円! これはジュウ様の罪ではないでしょう」 「いい。雨、お前は下がってろ」 「しかし」 「雨」 「……分かりました」 冷静な声で何か言いたげな雨をジュウは制止させ、じっと真正面から円からの視線を受け止める。 分かっていたのだ。もしかしたら雪姫も狙われるかもしれない危険性を。だから忠告した。 だがちっぽけなプライドのために事実を話さなかった。なんて中途半端な自分。 それに円にも忠告されていたことだ。雨や雪姫を巻き込むぐらいなら、彼女らに迷惑がかからないように遠く離れさせると。 結局これはジュウの傲慢さによって引き起こされた悲劇。少なくともジュウはそう思い込んでいた。 「円堂、お前がこいつらと俺を引き離れさせたいのならそれでもいい。 けど、今はやることがある」 「………何を?」 「俺は、この『常識破り』って奴を捕まえてみせる。」 「それが貴方にできると思うの? ナイフを持っていなかったとは言え、雪姫を襲った相手よ」 「だからお前の力を貸して欲しい。もちろん雨も、だ」 「勝手な独り善がりね」 冷たい刃のような円の言葉。だが、言われても当然。自分から彼女たちを巻き込もうとしているのだから。 けれど、自分は無力。それを十分に承知している。だからこそ、彼女たちの力が必要なのだ。 偽善者だろうが、卑怯者だろうが、雪姫を襲った犯人を捕まえたい。 そう訴えかけるようにジュウは力を込めて円を見つめた。円はそれには答えず、今度は雨に視線を向ける。 「わたしはジュウ様の従者です。ジュウ様のお言葉に従いましょう」 「雨……。貴女はそれでいいの?」 「もちろんです」 自分の言葉の内容が誇らしいと言わんばかりの雨の笑顔をしばし見つめたあと、 円は呆れるようなそれでいてどこか冷たくないため息をついて、瞼を閉じる。 「…あなたたちは本当にバカね。しなくてもいいことを、目を背けて見なかったふりにしておけばいいことを、 あなたたちはしようとしている。でも、悪いことじゃないわ」 前髪を掻きあげながら、円は呟く。どこか表情も穏やかで、口元を緩めている。 どうやらジュウは彼女にまた試されていたようだ。しかし、ジュウは気分を害するわけでもなく、素直に驚いた。 それだけ叱責されるようなことを黙っていたのだ。本来ならば縁を切られてもおかしくはなかったのだ。 「それじゃあ…」 「ええ。協力しましょう。でも、これはあなたのためじゃない」 彼女が自分に協力してくれるのは、飽くまで彼女自身や雨、雪姫のため。そこに馴れ合いはない。 だが、それでもジュウにとっては十分力強い仲間だ。気を引き締めた表情で頷いた。 「分かってる。それで上等だ。何が何でもあいつを襲った犯人を…『常識破り』をとっ捕まえてやる…!」 もう二度と後悔しないように。もう誰かを悲しませたりしないために。 無力なら、無力なりの悪あがきを見せてやる。 ジュウは静かに未だ姿を見ぬ敵へと宣戦布告した。 92 『常識を破るモノ』 - 雨に対する考察 sage 2007/03/20(火) 19 47 13 ID lYbDnkG9 38の続きです、暇つぶしにどうぞ。 それから一週間ほどが過ぎた。 その間、ジュウは雨と共に現場付近の探索に出かけたが、得られる情報は殆どなかった。 雨に言わせればよほど綿密に計画を立て、こういったことに慣れている人物、ということらしいが。 確かにジュウが考えてみても、情報が少なかったことからそれは頷けてしまう。 えぐり魔も同様に情報は殆ど得ることができなかったが、それは犯行者と被害者の両親と繋がりがあったからだ。 その事件と決定的に違うは、この犯行は完璧な『犯罪』ということにある。 どのような犯罪でも、必ずどこからかほつれが出てくるものだが、今回の場合は圧倒的にそれがないのだ。 時間が経てば経つほど、ジュウの心には漠然とした不安が色濃く彩られていく。 雪姫を襲った犯人、おそらくは『常識破り』であろう人物はわざわざ犯行予告までしてきている。 今回雪姫を襲ったのも、その意の固さを見せしめとして示したのだろう。 ならば、確実に仕掛けて来ると考えても違いはない、とジュウは考えていた。 「……今日も手がかりはなし、か。クソッ!」 「ジュウ様…、焦らないで下さい。 最悪の場合、標的となり得る様な人物を見張り、襲ってきたところを捕らえればいいのですから」 すっかり夕暮れが早くなった12月。通学路を並んで歩くジュウと雨。 『常識破り』の事件に加え、巷を賑やかす凶悪事件が日常茶飯事となった最近では、 薄暗がりのこの通学路もその犯罪の狩場のひとつとなってしまっている。 電柱に備え付けられている電灯もちかちかと点滅しかけているのもあり、 『普通』の女子学生であれば、この通りを歩くのも厭いそうなぐらいに、気味が悪かった。 実際、痴漢がよく出没らしく、被害に遭っている女生徒もなかにはいるとか。 ジュウは収穫のなさに苛立ちを感じていたが、ちらりと横に並んで歩く雨に視線を落としてため息をつく。 (そういえば、こいつ、『普通』じゃねえよな…) 堕花 雨。 出会ったのは、夏休みに入る少し前のこと。 いきなり、何の脈絡もなく体育館裏に呼び出され、下僕宣言をされてしまう。 はっきり言ってしまえば、第一印象は最悪。初めて母親の紅香以上に『敵わない』と判断せざるを得ない人物だった。 それから、彼女から逃げ惑う日々が続き、終いには先輩の不良を使って雨に襲わせるなどと言った愚考もした。 だが、結局のところ彼女が自分の傍にいることを許してしまい、現在に至る。 今までに、色んな事件に首を突っ込んで、その度に雨に救われた。 むろん、彼女が話すような前世などと言った話は未だ信じていないが、それでもなぜだろうか。 彼女と共にいる時間が独りでいた時間よりも心地よく思えるのは。 「……雨、お前も気をつけろ。お前だってヤツの標的になってるかもしれないんだ」 「ジュウ様…」 その言葉が意外だったのか雨は立ち止まりぼぉっとジュウのことを見つめる。心なしか顔が赤い。 しかし、すぐに表情を引き締めると自信に満ちた表情で控えめに頷いた。 「ご安心を。ジュウ様の目の前から勝手に消えるようなことは致しませんから」 「そうか…、それならいいんだ」 普段であれば、その言葉に納得できただろう。堕花雨という少女はそういう人間だからだ。 けれどこのときばかりは、ジュウは不安を覚えた。雪姫でさえ『そいつ』には敗北してしまったのだ。 ―――堕花雨が自分の目の前から姿を消す。 それを考えると寒気が走った。 雨たちが自分の傍から離れることは何度も想像していたことだ。 つまらない自分にいつまでも付きまとわないだろう。いつかはまた自分は独りに戻るのだ。 年少の頃から親しい友人という友人がいなかったジュウにとってはそれが当然の結果だと信じ込んでいた。 しかし、それでも雨と共にいる時間が奪われると考えると、なぜか切なさがこみ上げてくる。 自分はいつの間に、これだけ軟弱になってしまったのだろうか? 93 『常識を破るモノ』 - 雨に対する考察 sage 2007/03/20(火) 19 50 20 ID lYbDnkG9 そして、何の手がかりを得ることも出来ないまま、宣告された聖夜まで残りわずかとなった。 二学期の終業式も終えて、ジュウは一人デパートの中をうろついていた。 『常識破り』のことで忘れかけていたが、クリスマスイブには雨にクリスマスプレゼントを渡すことになっている。 本来ならクリスマスに渡すつもりだったのだが、やはりわざわざ家族水入らずのパーティーを邪魔するのも 何だか気が引けると思ったジュウは、その理由を告げず24日にプレゼントを渡すと約束した。 理由を告げなかったのは、雨が遠慮すると思ったからだ。 家族の温かい愛情というものとは縁遠いジュウではあったが、それぐらいの気配りぐらいはしてもいいだろう。 「にしてもあいつが喜びそうなもの……な」 雨の趣味はどこか普通の女子高生とはズレている。 普通の女子高生であれば、アクセサリーやぬいぐるみと言ったものをプレゼントすれば喜びそうなものであるが、 果たして雨にその類のものを渡して彼女は喜ぶだろうか? いや、ジュウのプレゼントということになれば彼女が喜ぶとは思うが、やはり『ジュウのプレゼント』としてでなく 心の底から彼女を喜ばせるようなプレゼントを贈りたい。 しかし、そうは思っていてもやはり順当に思い浮かぶのがアクセサリーの類だった。 自分の想像力はなんて貧困なんだ。 ジュウは自分に毒づきながらも、アクセサリーが並べられているショーケースを眺めていた。 「柔沢、こんなところで何してるの」 「…村上……先生?」 ふと声をかけられ、振り返ってみると無表情に視線をジュウに向けるスーツ姿の村上銀子の姿があった。 「アンタこそ、こんなところで何してるんだよ」 「…デートよ」 「え?」 ぶっきら棒に言う銀子の頬は僅かに赤くなっていた。ジュウにはそれが意外でならなかった。 村上銀子については色んな噂を耳にしている。 あまりの鉄面皮に近づく男はおらず婚期を逃しているのではないか、とか、 むしろ近づく男は辛辣に口撃して追い払っているのではないか、など、そんな色気の無い噂が飛び交っている。 それよりも何よりも、彼女が一瞬ひとりの少女らしい少女に見えたのだ。恋に生きる少女、とは 雨の口からマンガやゲームなどのストーリーからそういう類のキャラクターがいることは聞いているが、実際目の前に現れるとは思いもしなかった。 ジュウの視線を感じたのか、不機嫌そうに彼を見返した。 「……何? 私がデートしてたら不思議?」 「いや、そんなことはねえけどよ…」 ジッと睨まれて、言いよどむジュウ。そんな彼を気にした風でもなく、ぷいっと顔を逸らしながら彼女は呟く。 「デート…と言っても、スリーマンセル…いえ、この場合はフォーマンセル、と言うのかしら。 ……ったく、あいつったら『二人で』って言ったのに」 既に銀子の意識はジュウになく、他の誰かに飛んでいるようだ。 ぶつぶつと文句を呟く様子は学校では見られない彼女の姿だった。 ようやく我に返ったのか、更に無表情になるとジュウを再び睨みつけた。 「私のことはどうでもいいの。貴方は何をしていたのよ」 「……あ、いや……、プレゼントを買いに…」 何故か、ジュウは素直に白状してしまった。口を滑らせてしまったと言った方が適切か。 兎も角、鋭い銀子の眼光に敵うことはできず、しどろもどろながら口にした。 そこからある程度の事情を悟ったのか、ふっと小さく冷笑を浮かべると腕を組んで彼を見る。 「人間、素直が一番よ。自分の思いを伝えられるときに伝えられる……、その逆になるよりはよっぽどマシよ」 「……?」 何のことを言っているのだろうか? ジュウは不思議に思いながらも、自然と納得してしまう。 「青春なんてもの、あっという間に過ぎてしまうんだから、後悔しないようにしなさい」 銀子はそれだけを伝えるとその場を離れた。 気のせいか、彼女の後姿は上機嫌そうに見えた。 224 『常識を破るモノ』-急転落下 sage 2007/06/08(金) 19 08 49 ID OIfJ/eer 悩みに悩んで閉店ギリギリまで粘った結果、雨へのプレゼントは3000円程度の安いアクセサリーにすることにした。 十字架をあしらったアクセサリーがついている程度の質素な造りのネックレス。 もっと高価な物を買うことが出来たかもしれないが、残念ながらジュウの懐はそれほど温かくはなかった。 「まあ…プレゼントが決まっただけでもよしとするか」 誰かにプレゼントを買うなんていつ振りだろうか。 昔は母親に誕生日や母の日に贈り物と称して、お手伝い券や肩たたき券など渡していたような気がするが、 それもまだ紅香がまともに母親として役割を果たしていた頃のことだ。 今となっては、贈り物を渡すような友人すらいない。果たしてそれは気が楽と思うべきか、それとも寂しいと思うべきか。 兎も角、誰かに贈り物をするなんて久しぶりだった。 何故か、このアクセサリーを雨に渡すことを楽しみにしている自分がどこかにいる、と不意にジュウは感じた。 すぐにその感情は、恥ずかしいという気持ちと馬鹿馬鹿しいという思いに摩り替わる。 まるでこれじゃあ、恋人にでも贈り物を贈るみたいではないか。 しかし、それとは別に雨の反応が楽しみだということはジュウ自身も認めた。 勿論、ジュウからの贈り物ということで彼女が喜びそうだというのは分かる。 だが、少しジュウが雨のことを褒めただけで喜ぶ彼女のことだ。 きっと贈り物なんかすればそれ以上の反応を見せてくれるだろう。 そこで、少々打算的な自分に苦笑する。 誰かの反応を楽しみにする、これもまたジュウにとっては久しぶりの期待感だった。 そして、幸か不幸かクリスマスイブが訪れた。 225 『常識を破るモノ』-急転落下 sage 2007/06/08(金) 19 10 08 ID OIfJ/eer 雨の家に行くのは夕方だと、ジュウは彼女に伝えておいた。そしてそれまで家から出ないように、とも。 一応念には念を押した。何かあれば雨か光に電話して貰うようにしてある。 最初、光は気色ばんだが、雨が上手く言い包めた。これで雨が被害に遭うという可能性はぐんと低くなるだろう。 雨について取り敢えずは安心したジュウは、『常識破り』について円と情報交換するため、カフェで落ち合うことにした。 クリスマスイブということもあってか、店内は客で賑わっていた。 「結局情報はなし…か」 「ごめんなさい。…もう少し時間があれば、ヒントのひとつぐらいは掴めたはずなんだけれど」 「いや、結果から言えば俺も同じだ。円堂が謝るようなことじゃねえよ」 素直に謝る円は珍しく、軽く驚きながらもジュウは首を横に振った。 確かに以前の事件で彼女の情報網はかなりのものだと思っていたこともあり、多少の期待はあった。 だが、相手は難なく雪姫に大怪我を負わせ、警察から逃げ延びれているヤツだ。尻尾が掴めないのも当然だろう。 「それより、今日と明日についてだ。ヤツが狙ってくるとしたら、この二日間。 実際雪姫が被害に遭ってるんだ。雨はもとより、円堂、お前だって標的になる可能性がある」 ジュウが真摯にそう呟く。すると、円はそんな様子のジュウが面白いのかいつものような冷笑を浮かべた。 「あら、柔沢くん、心配してくれてるのかしら」 「ふざけるな。俺は真面目に言ってるんだ」 からかわれている、と思ったジュウは語気を強めるが、それがどうしたと言わんばかりに円は冷笑で受け流す。 「貴方って、本当に不思議ね。いえ、不思議というよりもヘンだわ。 それほど親しくない私にも、雨や雪姫と同じように心配してくれる。 もう少し貴方、他人には無関心だと思っていたけれど」 「……」 円にそう言われ、ジュウは押し黙った。 確かに自分はもっと他人には無関心だったはずだ。ところがどうだろう。 同じクラスメイトに、ほんの少しの間会話を交わしただけの少女、そして自分を嫌っている少女。 誰もが自分とは親交の深い人物だとは、今でも到底思えない。 だというのに、彼女らが事件に巻き込まれ、被害者となった途端に、自分は事件に首を突っ込んでいる。 彼女らに対して無関心を決め込んで、何も知らない振りをしておけば、今まで危ない目に遭わずに済んだだろう。 「分からねえよ…」 ジュウが言えたのはそれだけだった。 円は何か言いたげではあったが、軽く溜息をつくとかぶりを振り、出てきたコーヒーに手を伸ばし一口啜った。 「……まあ、いいわ。それはいいとして、貴方も気をつけなさい。 最終的なターゲットは貴方なんだから。貴方に何かあったら、雨が悲しむわ。私はそうなることを許さないから」 貴方はどうでもいいけれど。そんなことを言葉の裏に滲ませながら、円は窓の外を睨む。 天気は陰り、今にも雨が降りそうなほどの曇り空となっていた。 「分かった」 素直にジュウは忠告を受取り、コーヒーを飲み干した。 226 『常識を破るモノ』-急転落下 sage 2007/06/08(金) 19 11 02 ID OIfJ/eer 気づけば、既に時刻は夕方に差しかかっていた。 雨も降り出してきて傘を持って来ていないジュウは、面倒だ、と心の中で毒づく。 「雨ね」 「そうだな……どうやって、あいつの家まで行けばいいんだか」 「近くにコンビニがあったでしょう? そこで買っていけばいいじゃない」 そういえばそうだった。この一帯は飲食店から洋服店、ゲームセンターなど様々な店が立ち並んでいる。 コンビニも例外ではなく、この店から出て100メートルほど歩けばすぐそこにある。 この雨だ、ビニール傘も販売していることだろう。仕方がない、と腰をあげるとコーヒー代をテーブルの上に置く。 「そろそろ、あいつの家に向かう。……雪姫のほうは頼んだぞ」 「……ええ。一度襲われたからと言って、また襲ってこないとは限らないし」 円はそう言ったが、実際のところジュウも彼女も再び雪姫が襲われるとは、端から思っていない。 病院という場所は多くの人間が出入りする。 無差別殺人でもすれば話は別だが、ひとりを狙い絞って殺すには少々人の目に付き過ぎる。 聞こえは悪いが、『常識破り』にとって雪姫は所詮見せしめでしかなかったのだ。 それ以上のことはしないだろうと、どこか確信めいたものをふたりは感じていた。 ならば、どうして円を病院に向かわせるのか。 答えは簡単だ。『常識破り』に彼女を襲わせ難くさせるためだ。 交友関係の狭いジュウにとっては仲の良い友人とは呼べない円もターゲットの候補として見てもおかしくはない。 円自身、空手の心得があるので心配はいらないだろうとジュウは考えていたが、あの雪姫を襲った犯人だ。 念には念を、ということである。 そこは円も理解していたというわけだ。勘の鋭い彼女のことだ、遠回りな言い草でも勘付いてくれているだろう。 「本当に心当たりはないのかしら」 「え?」 唐突に漏れ出た円の言葉にジュウはきょとんとする。 出来の悪い生徒に教える教師のように、円は溜息をついて説明した。 「『常識破り』についてよ。だって、おかしいとは思わないの? 雪姫が襲われたからとはいえ、最終的なターゲットは…柔沢ジュウ、貴方なのよ」 つまり、ピンポイントで狙ってくるということは、何かジュウが私怨を買っているのではないだろうか、と。 「……色々と、恨まれる覚えはあるけどな」 「自覚していたら世話ないわよ」 円は微笑む。 だが、ジュウにはそれが嘲笑なのか、好意的なものなのかは分からなかった。 227 『常識を破るモノ』-急転落下 sage 2007/06/08(金) 19 11 59 ID OIfJ/eer 結局情報交換はしたものの、有力な情報がないまま二人は別れることにした。 別に友人とも呼べない彼女と話すようなことはなかったし、その時間が楽しいものだとは、ジュウには想像がつかなかった。 無論、それは相手にとってもそうだっただろうが。 店の前で別れ、病院へと向かう円の背を見送りながら自らもまずは傘を買いにいこうと足を近くのコンビニへと向ける。 その時。 「携帯…?」 幸せ潰しの事件の際に故障した携帯電話を買い替えたばかりの新品同然の携帯から、爽快なメロディが流れる。 ディスプレイには「堕花光」の文字が無機質に表示されていた。 「なんだ?」 『ねえ、お姉ちゃんそっちに行ってない?』 「は? 今日は家にいるんじゃないのか」 不思議がる光の言葉に、不意にジュウの胸中に不安がよぎる。 『お姉ちゃん、ちょっと出かけてくるって言って出かけたから、あんたに電話かけたんじゃない。 あんたがわたしに頼んだことでしょ?』 次第にジュウの不安は色濃くなっていく。 想定していた最悪の場合が、ふと脳裏によぎる。ジュウは自然と声が震えるのが分かった。 情けない、と思うよりもまずその不安が的中しないで欲しいという願いが強く、構っていられなかった。 「な、なあ……、あいつ、お前にどこに出かけるか言わなかったのか?」 『だからこうしてかけてるんでしょ。お姉ちゃんったら、何も言わずただ「ちょっと出かけてくるわね」って言っただけで、 そのまんま出て行っちゃったんだもん。だから、あんたなら知ってるんじゃないかと思って』 「………!」 雨がいなくなった。 ジュウはその衝撃に携帯電話を取り落としそうになった。 あれだけジュウが釘を刺しておいたのに、彼女がそれを反故にするような真似をするはずがない。 だが、事実として雨が家から出て行った。それが示すものは一体何なのか。 ―――考えるまでもない。 雨は何らかの方法で、『常識破り』に家から呼び出されたのだ。 あの雨をジュウの言いつけを破ったのだ。そう考えるのが当然である。 雨がジュウの言いつけを破り、自ら自分の身を危険の中へ晒し出すとは到底思えなかったのだ。 確信めいたものがあった。雨とは出会ってから半年強ほどの付き合いだが、 ジュウは、それぐらいは雨の行動を理解することは出来るようになっていた。 「くそッ、何であいつ…!」 雨の行動に腹立つ。 危険だとは分かっているのに、自分のせいで危険な目に遭うのは分かっているのに。 ――――そして、同時に自分自身の不甲斐なさに。 考えて見れば、今までだって彼女が大怪我をしないとは限らなかったのだ。 紗月美夜との対峙、草加聖司の雇った始末屋との戦い、暗木との『勝負』、確かにその時はジュウも危機に瀕していた。 しかし、それと同時に雨もまた危険な状況に身を置いていたのだ。……自分の馬鹿馬鹿しい見栄と無計画さのために。 今回にしたってそうだ。実際に雪姫は自分の知人というだけで大怪我を負わされた。 そして、今度は雨自身を。 いつもそうだ。やっと今になって、紅香が『弱い』と評価する理由が少しは分かったような気がする。 それは、自分自身を守れないばかりか、他人すらも危険な目に巻き込んでしまうから。 だから、無力。 何をやっても中途半端で、結局己の無力さだけを思い知らされる。 今までの事件にしたってそう。何一つ、自分の力で誰かを助けたということはなかった。 「俺は……俺はッ! 馬鹿だ!!」 ジュウは乱暴に携帯をズボンのポケットに突っ込むと、12月の冷たい雨の中を駆け出した。
https://w.atwiki.jp/nisioisin/pages/38.html
(ぜろざきじょうしき) ◼︎概要 『寸鉄殺人』の異名を持つ零崎一賊で最も有名な爆熱の殺人鬼。 直接の登場はなく登場人物の台詞により存在だけが判明している。 名前が明らかとなったのは『ダヴィンチ2010年1月号』で行われた西尾へのインタビュー。 名前 コメント 人間シリーズ 登場人物