約 156,107 件
https://w.atwiki.jp/yaruoperformer/pages/739.html
,, <⌒_ヽ / ノ´,⊃ (三 ̄、ヽ、 /{、 .ノ´ .. --- ..、 ⊂ヽ \ / つ ,, '´ ァ `. . 、 )、_ノ {、 / )/ /レイ ヽ、 ヘ. / , ' //⌒l { ハ |. ,' // リi fj ヾl l | l ル' ノ!' {._ ノ ル { | { l ,' ` 、_ ヘ l }. l i! l リl リミ ,' ∨ ∧∧ / l!l r'´ ./ ', ゝヘ つ ,' ノ´ /. ∨ i / .`-, _ /v >'{ / ヽ / . . . . }  ̄ l . . . . . l / ヽ l- 、/' ○ } . . . . . l / \.l l l'''''  ̄ヘ / /_ .l l ゝf´ { . . `t' 0 L _ -- l l . . . . ト、_ / l . . . . . . . . . .{ l . . . . l/{.}´ l. . . . . . . . . . ヘ 名前:鬼太郎(きたろう) 性別:男 原作:ゲゲゲの鬼太郎 一人称:ぼく 二人称: 口調: AA ゲゲゲの鬼太郎/鬼太郎.mlt 幽霊族の末裔。髪の色は原作や実写版では灰色だが、アニメでは茶色。 妊娠していた母親が土葬されていたが、自力で墓から這い上がり、目玉だけとなった父と再会する。 常に左目が隠れているが、これは事故で失明しているためであり、目玉おやじとは無関係。 いつもはゲゲゲの森の鬼太郎ハウスにおり、妖怪ポストの依頼で事件に向かう。 武器は髪の毛針、リモコン下駄、指鉄砲など様々。 また、着ている「霊毛ちゃんちゃんこ」は先祖たちの毛が編み込まれており、 不死の生命力を担保し、飛び上がって相手を拘束する武器にもなる。 アニメではシリーズによって性格がまるで異なっており、 キッズヒーローらしい正義感のある1~2期、大体のシリーズに共通する陰気さがなく熱血で荒っぽい3期、 クールさが現れるようになってきたが熱い一面も秘めた4期、礼儀正しく親しみやすいが過ちを犯した人間相手には歴代一シビアな5期、 更に輪をかけてクールかつドライで人間と妖怪は関わってはいけないとすら言うも、お人好しさを捨てきれない6期……とてんでバラバラ。 また、年齢に関しても非常に設定が変わりやすく、5期に至っては数百年生きている。 原案は紙芝居「墓場の鬼太郎」を元にした「墓場鬼太郎」という漫画であり、 そちらの鬼太郎は本作以上にダークでブラックなキャラである。 なお、高校生になった姿を描いた「続ゲゲゲの鬼太郎」「新ゲゲゲの鬼太郎スポーツ狂時代」では「田中ゲタ吉」を名乗っているが、 こちらではねずみ男に勝るとも劣らないスケベな俗物として描かれている。 キャラ紹介 やる夫Wiki Wikipedia MUGENWiki アニヲタWiki ニコ百 ピクペ 登場作品リスト タイトル 原作 役柄 頻度 リンク 備考 ネギくん(11)は病んでる幼馴染の尻ぬぐいを強いられるようです サモンナイト5 ソウケン枠。セイヴァール学園生 常 スレ あんこ 完結 やる夫が『梅松論』を語るそうです。 梅松論など 円観役、天台僧 準 まとめ 予備やる夫Wiki 第一部完 デキルオは魔物と共に取り戻すようです オリジナル 魔物の冒険者、目玉の親父も登場 脇 まとめ 予備 安価 あんこ やる夫が戦国時代で金を稼ぐようです 太閤立志伝シリーズ 島津家久役 脇 まとめ R-18 やる夫で学ぶJリーグの旅 学ぶ:Jリーグ ガイナーレ鳥取のサポーター 脇 登場回 やる夫Wiki 短編 タイトル 原作 役柄 リンク 備考
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/4321.html
京太郎「へぇ、今度田舎の方に帰るんだ」 哩「そ、そいで…」 京太郎「どうかしたのか?」 哩「できたら、その…い、一緒に来て欲しいっちゃけど…////」 京太郎「えっ///」 京太郎「なな、なんで!?」 哩「どうせなら親とかに会うてもらいたいけん…」 哩「ダメと…?」 京太郎「やや、そんなことはないけどさっ!」 京太郎「でも、そんな御両親に会うとか気が早いとかなんというか…」 哩「こ、こっちはもうそういうつもりとよ?////」 京太郎「は、はい…////」 カン!
https://w.atwiki.jp/munou/pages/96.html
たろう【登録タグ た 人工無脳】 公開ページ LUMAIN.BAS 作者 川畑智哉 公開日 1987年9月 紹介 スタンドアロンで会話。辞書型。 開発言語はF-BASIC。FM-7/8で動く。 「Oh!FM 1987年9月号」に掲載。 ソース公開。 リンク 作者サイト ぷらねっとぐりーん Oh!FM-7:人工知能 太郎(Oh!FM) 人工無脳史 コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/dangerousss3/pages/100.html
アンナウンスンー ■登場人物紹介 防府野屠(ぼぶの・ぼぶ):観客の少年。自販機の前で困っていた紅蓮寺工藤に 小銭を貸したところ、雷が降ち『フィクション・ファンクション』を受ける。 あだ名はボブ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「みなさん……僕はいま、秘密のアジトにきています」 ボブは匍匐前進で会場の裏に忍び込んでいた。選手や運営など関係者以外は 立ち入り禁止のエリアだ。 「写真もいくつか手に入れました……後でみなさんにもお見せします」 なんたる違法行為! だが彼の写真の大半はピンボケで何も写ってはいなかった。 彼は先ほど、世界を手に入れた。真実を手に入れた。 世界は物語だ。ここでは物語を競っている。票が勝敗を決める。 同時に、むくむくとわき上がる疑問もあった。彼には強い使命感があった。 この疑問を、運営に確かめなければ! 「そうだ……みんなが、勝ち残らせたいほうに票を入れるだって? どうなってしまう? 戦いたくない相手に票は入れない! 奇抜なSSは認められなく、無難なものが…… コワイ、課金な……?」 「君は何を呟いているんだね」 「アイエッ!?」 突如、上から声がしてボブは悲鳴を上げてしまう。 声の主は耳の長い人影であった。その者は後光をまとっている。コワイ! 「『消去法の判断は必要ない』……積極票を投じろとwikiも言っている。キミは wikiも読まないで投票に参加するのかね?」 「ヒッ」 「それと、ダンゲロスは全て無料のコンテンツだ。参加するのも読むのもすべて。 当然お金を払ったって勝利を買うことはできない。正々堂々だ。わかったね?」 「アッハイ」 そうしてボブはひかる人影に連れ帰られ、一緒にホームパーティーをしました。 よかったね! ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ■登場人物紹介 エルフの戦士(えるふのせんし):ゾルテリアと同郷から流れ着いたエルフ族。 属性は光でジョブは戦士。同じエルフが戦うと聞いて見物に来たところ、トイレ待ちの 紅蓮寺工藤に順番を譲った関係で『フィクション・ファンクション』を受ける。 このページのトップに戻る|トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3481.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1390033543/ ――7月中旬 教室 7月中旬に差し掛かり、夏休みを期待するあの独特のゆるい雰囲気が学校を包むようになってきた そして今は4限目の授業中 しかし先生のもその空気に当てられたのか、後半はほとんど雑談である 先生「おっ、もうこんな時間か。では授業は終わりにする」 教室を出て行く先生を見送っていると、見知った2人が廊下を歩いているのが見えた その2人はなぜか俺のクラスメイトに話しかけている、何か用だろうか? 「熊倉くーん、お客さんだよー!」 部長「悪いがちょっと来てくれ」 副部長「ごめんね貴重なお昼の時間に」 「え、あれだれ?」 「なんちゅー胸しとるんや、うちへの当てつけか」 「ちっ、女かよ……」 流石我が部の美人二人組み。教室に現れただけでこの騒ぎようだ 京太郎「どうかしたんですか?」 「もしかして、熊倉君の彼女かな?」 「なに!?うちとは遊びやったんかー!」 「俺の方が絶対気持ちよくしてやれるのになあ」 なにやら一部物騒な言葉が聞こえたが、気にしない 部長「時間がもったいないから簡単に説明するな」 部長「実はインターハイに向けて一緒に合宿を行ってくれる高校を探していたんだが…」 副部長「今朝連絡があってね、やっと見つかったのよ」 部長「場所はうちの高校の合宿所を使う予定なんだが、色々買わないといけないものもあるんだ」 あー何だか嫌な予感がするぞ、雑用的な意味で 部長「そこでだ、ここに書いてあるものを買ってきて欲しいんだ」 ほらきたやっぱり 副部長「悪いとは思うんだけど、私たち他にもやらなきゃいけないことがあって…」 部長「重いものもあるから、他の者にも頼めないんだ」 京太郎「それなら宅配便を使えばいいのでは?」 部長「残念だがうちの高校はそこまでお金を出してくれないんだ」 うーむ別に構わないが 部長「だ、ダメか?///」ウワメヅカイ 京太郎「」キュン 副部長「ね、お願い///」ムニュ おおおお、おも、おもちが、あたたたたたたたたたた 京太郎「……」 京太郎「はい!喜んで!!」イケメンスマイル 副部長「ほんとう!?ありがとう!」 京太郎「お二人のためなら何だってしちゃいますよ~」デレデレ ___________ _____________ ___ ふぅー、危うく教室で昇天するとこだったぜ しかし副部長のおもち柔らかかったなぁ、世界文化遺産に指定するべきだよあれは 「「………………」」 アレ?なんだかクラスの様子がおかしいぞ 京太郎「小鍛治ー、昼飯食べようぜ」 小鍛治「……」プイッ あ、あれ、俺なにかしましたっけ? 「熊倉くん、あれはないんじゃないのかな」 京太郎「へっ?」 「小鍛治さんかわいそう…」 「彼女を放置して他の人とイチャイチャするなんて…」 京太郎「い、いや、小鍛治と俺はそんなんじゃ――」 「この、鬼、悪魔、京太郎!」 「胸か!?やっぱり胸が大事なんか!!このケダモノ!!」 京太郎「……」 「彼女と胸、どっちが大切なの!」 「変態!変態ッ!!変態ッッ!!!」 京太郎「……」 京太郎「ちくしょー!さっきから好き勝手言いやがって!だったら俺も言わせてもらうぜ!」 京太郎「貴様ら女子連中はおもちの何たるかを理解していない」 京太郎「おもちはただの脂肪の塊にあらず!!愛なんだよ愛!!愛そのもの!!」 京太郎「それを今から貴様ら凡俗にも分かるように説明してやる!!心して聴けい!!」 京太郎「まずは――」 _________ _____ __ 20分後 京太郎「――というわけだ、分かったかっ!!」クドクド 女子「「……………」」 「小鍛治さん、こんな変態とお昼なんてやめて私たちと一緒に食べよ?」 小鍛治「え、いいの?」 「もちろんだよ、こっち来て」 「なんか近くによると妊娠しちゃいそうだしね」 小鍛治「う、うん、ありがと///」チラ 京太郎「……」 まーたこのパターンか……女子社会はきびしいや 「おー彼女取られちゃったか、ならこっちで俺達と食おうぜ!」 京太郎「だから小鍛治は彼女じゃねーって」 「まー知ってるけどね」 ちくしょう、こいつら 「…でさ、一つ聞きたいことあるんだけどいいか?」 京太郎「おう、なんだ?」 「さっきの胸の感触教えてくれ」 京太郎「しね」 久しぶりに男子と昼飯を食べた。女子からのキツイ眼差しも一緒だったけど ま、でも 小鍛治『そ、そんなんじゃないって!』キャッキャッ 小鍛治が楽しそうだから良しとするか ――7月下旬 合宿初日 夏休みに入り、インターハイに向けて最終調整に入る――合宿だ なにやら相手先は島根県の女子高らしい、遠路はるばるご苦労なこって ちなみにその高校は県の代表校ではないらしいので、練習試合はオッケーだそうだ 副部長「あら、来たわね」 校門前で待っていると、10人ほどの集団が向こうからやってきた 部長「朝酌女子高校の方々ですね、遠いところからはるばるお越しいただきありがとうございます」 「ご丁寧にどうもありがとうございます。3日間ですがどうぞよろしくお願いします」 互いに挨拶している間、他の部員を見てみた とりあえず目に付いたのは3人だ 黒髪ロングの子、金髪のセミロングの子、やや幼い顔立ちの子 特に童顔の子は実にいい…なぜって?おもちが大きいからに決まってるだろう 童顔の子「」ニコッ ゲスなことを考えてると微笑まれた、しにたい ----------------------- 合宿所などの設備の案内が終わり、さっそく合同練習となった まあ実戦形式で打つだけなんですけどね しかし全く知らない人と打つのはなかなか勉強になる そして確実に強くなってることが実感できる もう飛ぶことなんてほとんどないし、隙あらば上位にだって食い込める だけどこんなんじゃ足りない。もっと強くなりたい。誰よりも、もっと、もっと―― 童顔の子「きみけっこう強いんだね」 京太郎「!!」 童顔の子「驚かせちゃったかな?」 京太郎「い、いえ…大丈夫です」 童顔の子「敬語はいいよ、同い年なんだから。ねっ、熊倉京太郎くん」 京太郎「よく覚えてるね」 さっき全体で簡単に自己紹介したのだが…俺はほとんど聞いていませんでした 童顔の子「たった一人の男子部員だったし、なんとなくね」 京太郎「ありがとう」 童顔の子「ふふ、どういたしまして。じゃあ私の名前は?」 京太郎「……ごめん、正直言って忘れてしまいました」 童顔の子「そうだろうと思った。私は朝酌女子高校1年の―」 童顔の子「瑞原はやり、だよ☆」 京太郎「」 京太郎「ほげっ!」 京太郎「……瑞原はやり(28)…さん?」 はやり(16)「なんで敬語なのかな?」 京太郎「あ、間違えた」 京太郎「……瑞原はやり(16)…さん?」 はやり(16)「なんで二回も!?」 京太郎「い、いや…だってねえ?」 確かにそうだ、どことなく雰囲気が瑞原プロに似ている 幼い顔立ちに、その自己主張するおもち…まだ発達段階だけど、間違いない つーかこれって偶然か? どちらにしろ、ここは慎重に対応したほうが良さそうだ はやり(16)「どうしたの?」 京太郎「いや、なんでもないよ。それよりも一緒に打とうぜ」 はやり(16)「うん!」 __________ ______ __ とりあえず今日の練習が終わった。あとは飯食って寝るだけだ 慣れない環境だったせいか思ったより疲れたが、勉強にもなった 小鍛治「おつかれさま」 京太郎「おう、おつかれさま」 小鍛治「えと…さっきさ、朝酌の子としゃべってたけど」 京太郎「ああ、瑞原さん?」 小鍛治「うん…それで、何の話をしてたのかなあって思って」 京太郎「ああ、簡単に自己紹介して一緒に打っただけだよ」 小鍛治「本当に?なんかちょっと…」 京太郎「ん?どうかしたのか」 小鍛治「…いや、なんでもない」シュン 京太郎「?」 小鍛治「それより夜ご飯の準備しよ」 京太郎「お、おう」 少し小鍛治の様子がおかしかったが、その後はいつも通りだった ご飯を食べた後、皆お風呂に入ったが、お約束の覗きなんてしておりません というか俺以外女子のこの環境で覗きがばれたりしたら村八分じゃすまないからね、仕方がない で、今俺達は広間でくつろいでいるのだが、朝酌の子の何人かが俺に話しかけてきた 「ねえ、君。熊倉京太郎くんだっけ?ちょっとお話しようよ」 京太郎「はあ…いいですけど」 「ありがと。それでさ熊倉くんって彼女いるの?」 小鍛治『あわわわわ』ガクガクガク 部員2『どうしたの、すこやんの番だよ?』 京太郎「うぇっ!な、なんですかいきなり!?」 「えー?ほら私たち女子高だからさ、共学の男子ってどうなのかなーって気になって」 京太郎「はぁー、残念ながらいませんよ」 「そうなの!?熊倉くんってけっこうモテそうなのにー、もったいなーい」 京太郎「そうだったら良かったんですけどねえ…」 「じゃあさ、私と付き合ってみる?」 小鍛治『ぶほっ!』ビチャ 部員1『ちょ、きたな!』 京太郎「ほんとですか!」ガタッ 「うそでーす」テヘッ 京太郎「まあ、分かってましたけどね…」 京太郎「伊達に彼女いない歴=年齢じゃないですから」 「あっ、なんかごめん…」 「私は男子の好みとか聞いてみたいな、女子高にいるとそういうの分からないし」 京太郎「そのくらいなら構わないですけど、もうからかうのは無しですよ?」 小鍛治『うぅ…』チラチラ 部員2『すこやんも話しに加わればいいのに…』 ――7月下旬 合宿2日目 今日も昨日に引き続き、朝から麻雀、麻雀、麻雀だ ただ朝酌の子と打つたびに、小鍛治がこちらをジロジロ見てきて少々やりずらかったが… そして午後3時を過ぎ、練習も一通り終わった頃 副部長「ねえ、京太郎くん。悪いんだけどいいかしら?」 京太郎「ええ、なんでしょう?」 副部長「実はね、夜の食材なんだけど思った以上に減りが早くてね。追加の分を買ってきてもらいたいの」 京太郎「いいですよ。でも一人だと流石に持っていけないんで何人か欲しいんですが…」 副部長「そうねえ、だったら――」 小鍛治「ハイ、ハイ!なら私行きます!!」クワッ あれ小鍛治さんいましたっけ!? 副部長「あらそう?ありがとうすこやん」 「そういうことなら、うちのを一人持っていっても構いませんよ」 向こうの部長さんだ 副部長「いいんですか?ありがとうございます」 「おっ!ちょうどいい、瑞原こっちに来てくれ」 はやり「はい、どうかしましたか?」 「食材の買出しに一緒に行って来てもらいたいんだが、いいか?」 はやり「部長の頼みとあらば!」 「そうか、よろしく頼むぞ」 はやり「はい!」 小鍛治「むぅ…」 とりあえず3人で駅前のスーパーに来た というか駅前まで行かないと基本何もないからね、ここらへん はやり「茨城ってけっこう栄えてるんだねー、こんなになってるの初めて見たよ」 京太郎「え、いたって普通だと思うけど」 はやり「そうなの?私の地元だと駅に行くにもひと苦労するくらいだしね」 京太郎「へえー。えっと確か瑞原さんって島根だっけ。島根ってそんなになにも無いの?」 はやり「まあ基本的にはなにも無いかなー、でもその代わり自然はほんとにきれいだけどね」 京太郎「やっぱりそんな感じなんだ」 はやり「そんな感じとは失礼な!」 京太郎「はは、ごめんごめん」 小鍛治「……」 京太郎「……ん?どうした小鍛治さっきから」 小鍛治「なんでもない、さっさと買い物済ませちゃおう!」プイッ 京太郎「あ、ああ」 はやり「……ふーむ、なるほどね」ボソ 買い物を済ませるとかなりの量になったが3人もいれば割と余裕だ 時計を見るとまだ時間に少し余裕がある はやり「まだ時間あるから、あそこのデパート見に行きたいんだけどいいかな?」 京太郎「いいんじゃないか、なあ小鍛治?」 小鍛治「わ、私は別にどっちでも…」ゴニョゴニョ はやり「じゃあ行こう小鍛治さん、ほらっ!」グイッ 小鍛治「わわっ!引っ張らなくていいから!?」 ~服飾店 はやり「どうどう?熊倉くん似合ってるかな?」 京太郎「ああ、なかなかいいんじゃなか」 はやり「ふふ、ありがと」 京太郎「でもそんな服、買うお金なんてあるのか?」 はやり「あるわけないじゃん、いわゆるウインドウショッピングだよ」 京太郎「ウインドウショッピングねえ……楽しいものなのか?」 はやり「熊倉くんは女の子の気持ちがよく分かってないみたいだね……」チラ 小鍛治「……」ハァ 京太郎「?」 はやり「小鍛治さん、こんなのどうかな?」 小鍛治「えっ!わ、私ですか?」 はやり「ほらほら敬語はいいから。きっと似合うよ」 小鍛治「で、でも、私…こんな派手なの着ないし…」 はやり「別に買うわけじゃないんだから、それに熊倉くんも見てみたいでしょ?」 京太郎「おお、まあ見てみたいかな」 小鍛治「そ、そう?//じゃあ着てみようかな…」 しばらくすると… 小鍛治「ど、どうかな///」 京太郎「うーむ」 小鍛治「///」 京太郎「意外と似合ってるんじゃないか」 はやり「うんうん」 小鍛治「意外とは余計だよっ!?」 はやり「じゃあ次はこんなのどう?」 ~雑貨店 ひと通り服を見た後は雑貨店に来た 女の子ってこういうところ好きだよね。男の俺にはよく分からないけど はやり「ねえねえ見てこれ、かわいー」 小鍛治「え、そう。私はこっちの方が好きかな」 はやり「ええー、熊倉くんはどう思う?」 京太郎「どちらともよろしいんではないかと」 はやり「適当だね」 小鍛治「京太郎くんに気の利いたセリフを期待するほうが間違いだよ」 京太郎「ひどい言われよう」 だいたいお店を見終わり、さあ帰ろうということになった エスカレーターで1階まで降りてきたところで、突然瑞原さんが俺に荷物を預けてきた はやり「あー、ちょっと待っててね」モジモジ 京太郎「え、どこ行くんだ?」 小鍛治「ばかっ」バシッ 京太郎「いてっ!何すんだよいきなり!」 小鍛治「さ、このアホは無視して早く行ってきて」 はやり「…ありがとう、小鍛治さん」 そう言うと瑞原さんはどこか行ってしまった 小鍛治「もう!京太郎くんはデリカシーないんだから」 京太郎「デリカシー?……ああ、そういことか」 小鍛治「今度から気をつけてね、まったく」 流石にアレだけじゃわかんねえよ。女子の空気を読む能力は異常 瑞原さんが戻るまでの間、特にすることもないので、周りの店を見回してみる やはりというか…どこのデパートでも同じだと思うが、1階はやはり宝飾品など女性向けのものばかりだ なんで出入り口である1階にこの手のお店を置くのだろう? 男性客が入りづらくなるだけだと思うのは俺だけだろうか? 京太郎「あれ、小鍛治はどこ行った」 くだらないことを考えているうちに小鍛治もどこかに行ってしまった 辺りを見回すと、黒髪の女の子が宝飾品店の品物をじっくりと眺めている 何を見ているのか興味が湧いたので、後ろからこっそり覗いてみる シルバーのチェーンに薄い青と透明の宝石(アクアマリンとダイアモンドか?)があしらわれている シンプルだがなかなか綺麗なネックレスだ。ついでに値段はと…… 京太郎「5万か……ちょっと高いな」ボソ 小鍛治「わっ、いたの!?」 京太郎「いたのとは失礼なやつだな」 小鍛治「ご、ごめん」 京太郎「…小鍛治もこういうの興味あるのか?」 小鍛治「私だって一応女の子だよ!?興味ぐらいあるよ」 京太郎「じゃあ、試着してみれば?」 小鍛治「え……いや、いいや。気に入ったらほんとに欲しくなっちゃうから」 京太郎「ふーん、そんなもんか」 小鍛治「そんなもんだよ」 はやり「ごめんお待たせー」 京太郎「お、来たか。じゃあ、帰ろうぜ」 小鍛治「…うん」 ――7月下旬 合宿最終日 特に問題も無く最終日の練習を終了した 俺はインターハイに出場するわけではないけど、とても実りあるものだったと思う そういや今気付いたけど、俺合宿するの始めてだったんだよな…… 清澄での境遇に比べればここでの俺の扱いは、素晴らしいものといわざる得ない 元の時代に帰ったら部長はロッカーだな 部長「3日間練習にお付き合いいただきありがとうございました」 「いえ、こちらにしてもとてもためになりましたよ」 「インターハイぜひ頑張って下さい」 部長「ありがとうございます、気を付けて帰ってください」 「「ありがとうございましたー!!」」 一通り挨拶が済むと、瑞原さんがこっちにやってきた どうしたのだろう? はやり「熊倉くん、最後にちょっといいかな?」 京太郎「おう、なんだ」 はやり「えーとね…」 はやり「女の子の胸を見るのもいいけど、一番大事な子から目を離したらダメだぞっ☆」 はは、ばれてましたか…恐れ入りました 京太郎「ありがとう、肝に銘じておくよ」 京太郎「ついでに俺からも一ついいか」 はやり「なにかな?」 28になっても語尾に☆をつけることとか、あの年甲斐の無い衣装とか 一人称が「はやり」のこととか、うわ…このプロきついとか… 言いたいことはたくさんあったけど、ひとつだけ 京太郎「瑞原さんがたとえプロになっても、またいつか俺と麻雀打ってくれないか?」 はやり「はは、何それ。お安い御用だよ!」 京太郎「ありがとう、またな」 はやり「またね」 _________ _____ __ 小鍛治「ねえ、京太郎くん。瑞原さんと最後何の話してたの?」 京太郎「……うーん、ちょっとした約束をしたんだよ」 小鍛治「約束?どんな?」 京太郎「ひ・み・つ」 小鍛治「うわぁ…きもちわる…」ドンビキ 京太郎「ひでえ!」 京太郎「でもそういう小鍛治だって、瑞原さんとなにか話してたじゃないか」 小鍛治「私はその……お、応援されただけだから//」 京太郎「瑞原さん偉いなあ…インターハイ頑張らなくちゃな!」 小鍛治「はあ…そうだね」タメイキ 京太郎「?」 ――8月上旬 東京 部員1「とうちゃーく!」 部員2「田舎者丸出しだからやめてくれない?」 副部長「まあいいじゃない、久しぶりの都会なんだから」 ついにインターハイ出場のため東京までやってきた、実に約半年振りの東京だ あらためて辺りを見回すと、以前来た時に比べて明らかにその風景が変わっている さすが大都会東京、様変わりするのもかなりの速さだ 小鍛治「荷物持ちますよ」 トシ「ありがとう健夜ちゃん、それなら頼もうかねえ」 驚いたことに今回はトシさんが俺達と同行することになった なにやら新しい人材の発掘、またそれとは別にやることが一つあるそうだ 部長「さあ、さっさと会場に行って抽選を済ませよう。なるべく早く休みたいからな」 いくら茨城県からとはいえ、電車で2時間近くかかったからな 部長の言うことももっともだ。正直俺も疲れたので早く休みたい ----------------------- 抽選会が終わりトシさん以外皆くたくたで、予約していたホテルに入った 部屋割りは俺とトシさんが一緒の部屋で、それ以外がまた一部屋となった 夢も希望も無いね! 部屋では特にやることもなかったので、早々にベッドの中に入ってしまった 自分が出るわけでもないのに、緊張してなかなか寝付けなかったのは内緒だ ――8月上旬 インターハイ 団体戦一回戦 いよいよ、インターハイの幕開けとなる団体戦一回戦だ 各都道府県の代表がぶつかり合うのだ。県予選のときのようにすんなりいくとは思えない 実際県予選の時にみんなの間にあった、あのゆるい雰囲気は既になくなっている 小鍛治なんかはその雰囲気に当てられてか、あの時以上に緊張しているようだ 果たして大丈夫だろうか… ________ ____ __ まあいつものように結果だけいうと、今日の初戦はなんとか大丈夫だった いつも通り小鍛治に回るまでに1位になり、ある程度点差をつけたのだが、そこは全国大会 県予選のように3万点差というわけにもいかず約1万点つけるのがやっとだった そして、案の定小鍛治は最初はガチガチに緊張して、ほとんど小鍛治銀行状態だった しかし後半に入ると何とか調子を取り戻し、オーラスで2位に逆転することができた 見てるほうもラス前まで3位だったので心臓バックバクだった 頼むから劇場型クローザーみたいな真似はしないでもらいたいのだが… だが跳満以上くらわないのは流石と言うべきかな 京太郎「お疲れ様、勝ててよかったな」 小鍛治「……うん、ありがと」 京太郎「前半はともかく後半の追い上げはすごかったじゃないか」 小鍛治「…そんなことない、ごめんね」 京太郎「小鍛治…」 小鍛治が俺に謝る理由は分かっていた 県予選が終わって、小鍛治が泣いた後にした俺との約束を果たせなかったからだ もう足手まといにならない、俺にかっこいいところ見せる、って ――8月上旬 インターハイ 団体戦二回戦 今日は団体戦二回戦だ 昨年はここで敗退したとのことなので、みんないつも以上に緊張している なにせ会場に向かう途中、誰も言葉を交わさなかったくらいだ そして試合前のいつもの部長の言葉が始まる 部長「さて今日の試合だが、当然これまでより難しいものになると思う」 部長「なので全員気を引きしめて、試合に臨んで欲しい」 部長「……」 部長「というセリフを昨日言おうと考えていたのだが、今日は少し正直になろうと思う」 部長「もしかしたら私は、そこまで勝ちたいと思っていないのかもしれない」 部長「みんなと麻雀を打てればそれでいいじゃなかと最近思うようになった」 部長「でも、子供みたいだが、私はこの祭りをここで終らせたくないとも思ってる」 部長「だから特に言うこともない。みんな頑張ってくれ」 部員1「おっ!たまにはいいこと言うじゃん!」 部長「なにっ!?」 部員2「まあ、確かにいつものはありきたり過ぎてつまらないけどね」 部長「」 健夜「わ、私はいつものも良いと思いますよ?」 部長「疑問系!?」 副部長「さあ、みんな行きましょう!」 「「はい!!」」 部長「それ、わたしのセリフっ!!」 大事な試合なのに最後まで締まらない まあ、俺達らしいといえばそうなのかな? さあ、俺も頑張って応援するか 部長の演説の後、俺はトシさんに誘われて、控え室ではなく観客席から一緒に試合を見ている さすが二回戦と言うべきか、部長と副部長ですらぎりぎりプラス収支がやっとで、他の2人はマイナスとなった 結果的に大将戦までに10万点を切る格好となってしまい、順位は現在3位だ 京太郎「トシさん、正直言ってどう思う?」 トシ「かなり厳しいね、2位との差は約2万、1位とは約3万。普通に考えれば無理だろうね」 トシ「最悪、4位のトビで終了…なんてこともあるかも」 京太郎「まあそうだよな…」 トシ「ただ――」 京太郎「ただ?」 トシ「…いやなんでもないよ。健夜ちゃんの応援、ちゃんとしてあげなさい」 京太郎「うん」 いよいよ、運命の大将戦が始まった いつも通りとはいかないが今日は始めからちゃんと打ててる だからといって2位との差はなかなかつけられない 俺の見立てでは、そもそもこの4人はほとんど実力差がない よほどの強運に恵まれない限り追いつくのが難しいのは明らかだ そして、点差を埋められないまま南入 小鍛治…… ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ―小鍛治健夜 この人たち強い…このままだと絶対に追いつけない いや、追いつくことはおろか、4位になることさえ考えられるよ… 負ける? ここで負けるの? 嫌だ…私だってもっとここで打ちたい まだみんなに恩返しだってしていない いままで生きてきて、ほとんどずっと一人ぼっちだった いつも自分の席で本を読んで、周りから壁を一枚隔てて過ごしてきた 本と家族だけが、私にとっての世界そのものだった 高校に入っても変わるわけないって思ってた けどそんな私みたいな人間に、興味をもって話しかけてくれる男の子がひとりいた 今までもそんな人は何人かいた。けど最後にはみんな私から離れていった それでも彼は私をあきらめないでいてくれた そして部活に誘われて、入部して…… 初めて学校に自分の居場所ができた気がする 初めて文化祭を友達と回って、初めて他人に褒められて、初めて友達とお昼ご飯を食べた いつの間にかあの分厚い壁がなくなっていた。世界がこんなにも綺麗なことを初めて知った でも私は、まだ彼らになにもしていない。なにもできていない こんなにも感謝してるのに… だからここで先輩達の夢を終らせるわけにはいかない! そして何より、京太郎くんとの約束は果たさないといけない!! 私のかっこいいところ、見せてやるんだっ!!! ゴッ! ~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ビキッ トシ「おや…」 京太郎「ど、どうしたの?モノクルが…急に……」 トシ「ああ、何ともないよ。久しぶりで驚いただけさ」ニヤ 京太郎「?」 トシ「ふふ、なるほどね…ここから先は1秒だって見逃したらだめだよ」 京太郎「えっ?」 小鍛治『ロン、6400』 京太郎「やった!」 トシ「いや、まだだよ」 小鍛治『ツモ、6000・3000』 京太郎「よっしゃあ!運が向いたきた、いけるぞ!」 トシ「運?それは違うよ」 京太郎「どういうことですか?」 トシ「あれが健夜ちゃんの本当の実力さ」 京太郎「ああ…」 そうか…なるほど。これが小鍛治の…いや小鍛治プロのオカルト能力 小鍛治『ツモ、4000オール』 京太郎「これで2位、後は耐えさえすれば…」 トシ「耐える…?」 小鍛治『カン』 トシ「その必要はないよ」 小鍛治『カン』 トシ「なにせ健夜ちゃんが狙っているのは」 小鍛治『カン』 トシ「1位になることだけだからね」 小鍛治『嶺上ツモ――』 京太郎「だ、大三元…役満。捲った…!」 トシ「これは本物だねえ」 京太郎「か、かっけえ…」 _________ _____ __ 部長「なんと言っていいのか…とにかくありがとう」 部員1「あの状況から勝つなんてすごすぎだろ!シビれたよ」 部員2「こんな試合初めて見たよ、感動しちゃった」 副部長「ほんとすごかったわ!」 小鍛治「い、いえ、そんな…後半なんかほとんど何も覚えてなくて」テレテレ ガチャ 京太郎「……」 小鍛治「あ、京太郎くん…」 小鍛治「どうだった、かな?」 京太郎「……」 京太郎「小鍛治ーー!!」ダキッ 小鍛治「ちょ、ちょっ…//」 京太郎「すっげーかっこよかった!!」 京太郎「最後の役満での和了りなんて、漫画の主人公みたいだったぞ!」 小鍛治「そ、そうかな///」 京太郎「あの絶望的な状況から捲くって1位とか、もう鳥肌もんだったぜ!!」 小鍛治「あ、ありがとう////」 小鍛治「……」 小鍛治「そ、それでさ…約束、守れたかな?」 京太郎「…ああ、最高にかっこよかったぞ」 小鍛治「よかったぁ…」グスッ 京太郎「お、おい!?」 小鍛治「ううん…大丈夫」ポロポロ 小鍛治「嬉しくても涙って出るものなんだね」ニコ 京太郎「小鍛治…」 小鍛治「京太郎くん…」 部員1「あーこの部屋なんか暑くない?」 副部長「あらあら」 部員2「ちょっと!今いいところなんだから邪魔しない」 京太郎「////」 健夜「/////////」カァァァ 部長「ほらっ!馬鹿やってないで帰るぞ」 部長「ただ…その、ふ、二人はまだここにいていいからな///」ドキドキ 部長「ご、ごゆっくりー!」ダッ ガチャ 京太郎「」 小鍛治「////」 小鍛治「ね、ねえ…一ついいかな」 京太郎「お、おう、なんだ」 小鍛治「私さ、京太郎くんとの約束守れたよね?」 小鍛治「だからさ、その…一つお願いしてもいいかな?」 京太郎「まあ、俺のできる範囲でなら」 小鍛治「いいかげん私のこと、名前で呼んで欲しいかなー…なんて///」 京太郎「……」 小鍛治「い、いや…やっぱり今の無しで――」アタフタ 京太郎「……健夜」 小鍛治「えっ」 京太郎「健夜。これでいいか?」 健夜「うん!」 京太郎「帰るか」ギュ 健夜「うん///!」ギュ __________ ______ __ その後の試合については、正直言ってあまり言うべきことはない 負けてしまったからだ 副部長が3位で回ったところで他家が飛んで終了 あまりにもあっけなさ過ぎて、ほとんど実感がないのが本音だ だけどみんなが意外とスッキリとした表情をしていたのが印象的だった ともかく、俺達の団体戦はこれをもって終了となった ――8月上旬 インターハイ 団体戦は終ってしまったが、まだ副部長の個人戦がある なのでまだ俺達は東京にいるのだが、何人かは観光に出かけたようだ 俺はというと今日はトシさんに誘われて、男子の試合観戦に来ていた 健夜も誘うおうかと思ったのだが、なぜかトシさんに断られてしまった なにやら、俺だけに用があるようだ 京太郎「すごい張り詰めた雰囲気だね、こっちまで緊張してきそう」 トシ「全国から本物の怪物どもが集まってくるんだ。仕方ないよ」 京太郎「"怪物" ってのは流石にいいすぎじゃない?」 トシ「?知らないのかい」 京太郎「え、何を?」 トシ「まあ…見てれば分かるよ」 京太郎「?」 トシ「まだ、少し時間があるね」 トシ「ちょっと準備してくるから、ここで少し待っててくれるかい?」 京太郎「ま、まあいいけど…何してくるの?」 トシ「ひ・み・つ」 なかなかチャーミングだ しばらくすると、試合が始まってしまった まだトシさんが来ていないが、仕方がない 試合が始まると、さらに空気が張り詰める。なんだこの異様な圧力は… あの咲も、強いオカルト能力者に近づくと気分を悪くしていたが…これはその比じゃない 『御無礼』 京太郎「っ…!」 『県予選のときのように、もう《ゴルゴダの枷》は必要ないな』 『最初から全力でいかせてもらうか』ボッ 京太郎「ぐ、はっ…!」 なんだこの試合は、常軌を逸している… ま、まずい…このままだと…意識が 『……今の私の麻雀力は?』ゴゴゴゴゴゴゴゴッ 『32768アーデルハイドです』 京太郎「ぐわあああああああ…!!」 だめだ…もう。ごめんみんな…俺…こんなところで…… ガシッ! ??「大丈夫かい?少し遅れちまったね」 京太郎「う……ぁ…」フラフラ う、美しい……可憐だ… 京太郎「っ…」パクパク ??「喋らなくていい、そこでゆくっり休んでなさい」 ??「まったく、酷い有様だねえ」 ??「仕方がない……久しぶりに私の本気、見せてあげるよ!」ゴゴゴゴゴ スゥー…… こ、この構えは……まさかッッ! 天地魔闘の構えッッッ!!!! 天は攻撃、地は防御、魔は魔力の使用を意味する これら三つの動作を一瞬にして行う、大魔王でも全盛期にしか扱えぬという まさに、最大の奥義ッッッ!! しかし、これでは駄目だ… 天地魔闘の構えはカウンター技、自分に向かってくる攻撃に対処できるのみ……ッッ! このままでは会場にいる観客は…… スゥー……バッ! !!私としたことが、ぬかった…ッッ! これは予備動作に過ぎんッッ! ここから繰り出される技は…… 超武技ッッ闇勁ッッッ!!!! この会場に充満する"気"を奪い取る気かッッ! だが奪い取ったその"気"、一体何に使うというのか小娘…ッッッ!! むッ!なんだ、この光は…会場全体に広がって… まさか、そのエネルギーを使っているとでもいうのか…… この会場にいる人々の意思の共鳴を…引き起こしているとでも言うのかッッ!! すごい……外へ漏れようとしてした"気"が押し戻されていく だが、恐怖は感じない。むしろ暖かくて、安心を感じるとは… 眠い……この安心感……だめだ…意識が―― ~~~~~~~~~~~~~~~~~ ??「ふぅー、疲れた」 ??「とりあえず、大丈夫そうかね…」 ??「しかし、全国大会の度に呼び出されるのはたまったもんじゃないねえ」 ??「まあ、これも大人の努めか」 京太郎「……」 こうやってこの子を介抱するのも、これで二度目 ??「まったく…世話のかかる子だよ」ナデナデ _________ _____ __ 京太郎「ん…あ…」 トシ「気付いたかい、どこか痛むところは?」 京太郎「い、いや…大丈夫。なんともないよ」 トシ「そう?よかった」 京太郎「記憶があやふやなんだけど…なにかあったけ?」 トシ「さあ、なにも。夢でも見ていたんじゃないのかい?」 京太郎「そう…かなあ。あ!そういえばすごく綺麗な女性がいたんだけど、知らない?」 トシ「へえ…どのぐらい綺麗だったのかな?」 京太郎「いや、もう…今まで見た中で一番だよ!」 トシ「ふふ、そう?ありがとう」 京太郎「?」 トシ「さあ、試合見ようか。これも勉強の内だよ」 京太郎「はあ…」 トシさんに言われるまま、試合を眺める 流石全国から選りすぐりの選手が集まっているだけある、レベルが高い いや高すぎるくらいだ、県予選で戦ったアカギさん達3人もすごかった しかしここに集まっている選手達はそれと同等か、あるいはそれ以上の実力を持っている… 明らかに俺のいた時代とは一線を画している まるで別の競技を眺めているような…… 京太郎「あのートシさん、明らかに俺の時代とはレベルが違うんですが…」 トシ「そうなのかい?」 トシ「……あーなるほど、これを読んでごらん」 そういうと少し厚めの紙の束を渡された トシ「こっちで少し会議に出席してね、そのときの資料の一部だよ」 京太郎「えーなになに…『男子麻雀界の二極化に伴う新たな競技の設置について』」 京太郎「そんなのあったんだ…」 京太郎「『近年、男子麻雀選手の実力が急速に二極化し――』」 京太郎「『新たな麻雀競技を設置することでその解決を図ることを――』」 京太郎「なにそれこわい」 京太郎「『テニス、バスケにおいては既に同様の試みがなされており――』」 京太郎「『特に"テニヌ"においては中学生が分身、五感の剥奪、光速移動――』」 京太郎「『最近の研究では、恐竜の絶滅の原因はある中学生にあると考えられ――』」 京太郎「なにそれもこわい」 トシ「その様子だと、どうやら知らないみたいだね」 トシ「将来的には男子麻雀は二つの競技に分かれることがほぼ決まってるんだよ」 トシ「女子は均等にバラけてるからいいんだが、男子はあまりにも差がありすぎてね」 トシ「でも、どうやら未来では"そっち側"の競技はあまり知られていないみたいだね」 なるほど。通りで俺の時代の男子のレベルが低いわけだよ… なんとか無事に試合を見終わった レベルの高いものを見ると本当に勉強になるな まあ、一部人知を超えている方々もいたので、それは参考にならなかったが… いつか俺もあの舞台で戦いたいと思うような……思わないような 京太郎「トシさんは結局、俺にこれを見せたかったの?」 トシ「まあそれもあるけどね」 京太郎「?」 トシ「……実はタイムリープについて知っている人をついに探し出してね」 京太郎「!!」 トシ「で、その人はこのインターハイである高校に同行してるんだ」 トシ「まあ、私が呼んだんだけど…」 トシ「その高校は永水女子高校」 トシ「そこの神代さんという人が、明後日京太郎と会ってくれるそうだ」 京太郎「そう…」 トシ「今まで黙っててごめんね。できるだけ普通に過ごしてもらいたかったんだ」 京太郎「そんなことないよ。ありがとう、トシさん」 京太郎「それで、どこに行けばいいのかな?」 トシ「それならここに地図があるから。ほら」 京太郎「…明後日ここに行けばいいんだね」 トシ「そうだね…ただ一つ忠告することが」 京太郎「?」 トシ「たとえどんなことを聞かされようと、最後は自分の心に素直にね」 京太郎「……うん」 いよいよらしい、ついに帰れるのだ だが嬉しいと言う気持ちには到底なれなかった ――8月上旬 インターハイ おそらくもう長い時間、ここにはいられないと分かると、いてもたってもいられなくなった 俺はこの短い時間をどう使うべきなのだろうか? トシさんに話を聞かされてから、何度も何度も考えた だが決まって俺の頭の中には、いつもあいつの顔が片隅あった そうか。やはり、俺は…… 京太郎「よしっ!」 京太郎「トシさんごめん。少し出かけてくるよ」 トシ「まあ部屋の中にいてもしょうがないしね。二人とも気をつけていってらっしゃい」 京太郎「!!ありがとう、行ってきます」 コンコン 京太郎「すいませーん!」 ガチャ 部長「おう、どうした?」 京太郎「すいません部長、健夜を呼んでもらっていいですか?」 部長「ん?あ、ああ、分かった。少し待っててくれ」 しばらくすると、いかにもらしい格好で現れた 京太郎「ちょ、おま…花の女子高生が学校のジャージはないだろう…」 健夜「ほ、ほっといてよ!」 京太郎「出鼻くじかれたが、まあいいや。健夜、今日は暇あるか?」 健夜「うん、まあ…でも、どうして?」 京太郎「ええと、その……だな」 健夜「どうしたの?京太郎くんらしくない。もっとはっきり言ってよ」 京太郎「あー、一緒に出掛けないか?」 健夜「え、まだ先輩の個人戦残ってるから、副部長は行けないよ?部長だって――」 京太郎「いや、違う違う。俺は健夜と二人で行きたいんだ」 健夜「えと、それって……ももも、もしかして///」 京太郎「どうだ?」 健夜「ええええとね///!?もももちろん嬉しいんだけど……こっこ、こころの準備というものがありまして」アタフタ 副部長「もちろんオッケーよ」 健夜「え!?」 部員2「京太郎くんは10時に駅に待ち合わせね」 京太郎「別にホテルの前でもよくないですか?」 部員1「よくないよ!」 部長「初デートなんだから、待ち合わせからちゃんとしないとダメだろうが」 健夜「ででででデートって!?///」 部員1「すこやんはおめかしに時間がかかるから、そのうちに京太郎はデートプランでも練っておきな」 京太郎「そうですね、皆さんありがとうございます。じゃあまた後でな健夜」 健夜「え!?ちょとみんな勝手に――」 ガチャ 先輩達のおかげで健夜を誘うことができた 本当に感謝してもしきれないな ―駅前 現在9時45分、ホテルから程近い有楽町駅前に俺はいる 流石コンクリートジャングル東京、この時間からもうかなり暑い まあ元の時代の頃よりは幾分マシかもしれないが ??「お待たせ」 いきなり、かわいらしい女性に声を掛けられた 京太郎「えーと…どなたですか?」 ??「私だよ!?」 帽子を取って、よく見てみると… 京太郎「…ああ、健夜か。ごめん気がつかなかった」 気付かないのも無理は無い。朝のあのジャージ姿とのギャップがあまりにあったからだ 京太郎「いいじゃん……」ボソ 健夜「ん、どうしたの?」 京太郎「いや、なんでもない。その服似合ってるなって思って」 健夜「そ、そう//?実は先輩達から少し貸してもらったんだ」 健夜「さすがにそんなに荷物持ってきてないからね。助かったー」 先輩グッジョブ!! 京太郎「さ、時間がもったいない。行こうか」 健夜「どこ行くの?」 京太郎「まずは日比谷に映画を見に行こうぜ」 健夜「うん!」 今日は世間では平日ということになっている なのでそこまで混んでいなく、10分もすると映画館に着くことができた 健夜「何見よっか?」 京太郎「そうだなー」 えーと…この時間やっているのは 『千と千○の神隠し』『ダンサー・イ○・ザ・ダーク』『ファ○ナルファンタジー』 なんか偏ってるなーこの映画館… 健夜「この『ダンサー・○ン・ザ・ダーク』っていいんじゃなかな?」 健夜「『弱視の女性と息子との日常を描いたほのぼの感動作!!』らしいよ」 京太郎「それだけはいけない」 健夜「え?」 京太郎「それだけはいけない」 健夜「う、うん。分かった…」 健夜「じゃあこれは、『ファイ○ルファンタジー』」 健夜「『制作費1億3,700万ドルの超大作!世界初のフルCG映画をご覧あれ!!』だってさ、どう?」 京太郎「だめだだったんだ…」 健夜「なにが!?」 京太郎「回収できなかったんだよ…」 健夜「そ、そう…」 京太郎「健夜『千と○尋』にしよう、これはもう運命なんだ」 健夜「ま、まあ、京太郎くんがそこまでいうなら…」 _________ _____ __ いやー、やっぱりいい映画は何度見ても楽しめる 今見ても最新の映画と遜色ないどころか、むしろ新しい発見があるくらいだ 京太郎「どうだった?」 健夜「うーん、すごい良かったよ」 健夜「主人公の成長が軸になってるけど、脇役の活躍も欠かせない」 健夜「ジブリ独特の煌びやかな装飾とか、素朴でいて安心できる自然の風景も素晴らしかったし」 健夜「そして最後は千尋の成長からカタルシスを感じることができる」 健夜「とてもいい映画だったんじゃないかな」 京太郎「実に女子高生らしくないレビューをありがとう」 健夜「ふんっ!どーせ私は女の子らしくないですよ!」プイッ 京太郎「怒るなって」 健夜「…でも」 京太郎「ん?」 健夜「あの後、千尋とハクはまた会えたのかな?京太郎くんはどう思う?」 京太郎「そうだな……」 健夜「?」 京太郎「俺はまた会えると思う」 健夜「どうして?」 京太郎「俺だったらまた会いたいと思うから」 健夜「京太郎くん、意外とロマンチストなんだね」 京太郎「男の子はいつでもロマンを求めている生き物なのさ」キリッ 健夜「うわっ……」 京太郎「うわっ、とはなんだ。うわっ、とは…」 京太郎「そういう健夜だって、最後の方ちょっと泣いてたじゃねえか」 健夜「き、気のせいだから!」 京太郎「はいはい、そうですね」 健夜「バカにしてるっ!?」 京太郎「いいえ、滅相もございません。健夜お嬢様」 健夜「……今度は何?」ジー 京太郎「なんでもございません。さ、時間も時間ですしお昼にいたしましょうか」 健夜「それ続けるんだ!?」 お昼は近くで済ませてしまった 少し歩けばほとんど何でも揃ってしまう。東京とは恐ろしい街だぜ、まったく そして俺達が次に来たところは… 健夜「見て見て!この通りにあるのほとんど本屋さんなんだって!!」 そう本好きは避けては通れない町、神保町だ だが本だけではない。御茶ノ水の方に行けば楽器屋、スポーツ用品店が立ち並び さらに少し歩いて秋葉原まで行けば電子部品から同人誌までそろってしまう いわば、ここら一帯はマニア・オタクの聖地と言えるかもしれない 健夜「すごい!ネットでしか見たことがないような本がこんなにいっぱい!!」 健夜「うわー、ここに住みたいくらいだよ~」 健夜「ねえねえ、京太郎くん。もしかしてあれが噂の書泉グランデかな?」 京太郎「あ、ああ。そうなんじゃないかな…」 健夜「行ってみようよ!ほらっ!!」 京太郎「はいはい」 健夜「このエレベーターはね、R.○.Dっていうアニメにも出てくる場所なんだ」 健夜「それだと地下に行けるようになってるんだけど、流石に無理みたいだね」 京太郎「確かに、エレベーターの底が見えちゃってるもんな」 健夜「あの読子・リードマンもこのエレベーターに乗ったのかと思うと…」 健夜「うぅ~、感動だよ!」 健夜「あ、書泉の本棚って大型店にしては珍しく、いまだに木製の本棚なんだ」 健夜「なんだかレトロでかっこいいね」 健夜「さ、次は神保町のランドマーク、三省堂に行くよ!」 京太郎「りょーかい」 健夜「こ、これはすごいね…驚いたよ」 健夜「このビル全部に本が詰まってるんだよ?まさに本の山だよ!!」 健夜「雑誌、新刊、小説、漫画、理系専門書からさらに洋書まで扱ってるなんて…」 健夜「すごすぎるよ、感動だよ!」 健夜「聞くところによると、池袋にはジュンク堂というラストダンジョンまであるんだから……」 健夜「東京は本当に恐ろしい所だよ…」 京太郎「さいですか」 神保町に着いてから、実に一時間以上はしゃぎっぱなしだった まあ楽しんで貰えたようでなによりだ 流石に真夏の移動で疲れたので、近くの喫茶店で少し休むことにした 健夜「ご、ごめんね…ちょっと買いすぎちゃった」 京太郎「気にすんな、荷物持ちなら慣れてるから」 健夜「それってどうなの…」 京太郎「それに、デート中女の子に荷物持たせるわけにはいかないだろ?」 健夜「そ、そうかもね///」 健夜「でも、なんでこういう場所をを選んだの?」 健夜「京太郎くんなら、ディ○ニーランドとか行くのかなー、とか勝手に思ってたんだけど…」 京太郎「おいおい健夜…ディ○ニーランドに行きたかったのか?」 健夜「ムリムリ!絶対無理!!あんなキャピキャピした空間なんて絶えられないよ!」 健夜「最悪、穴という穴から砂糖吐いて気絶するよ!!」 京太郎「何その気持ち悪い妄想……」 京太郎「まあ、でもそうだろ?だから敢えて落ち着いた場所を選んだんだよ」 京太郎「それに本好きなのは前から分かってたしな」 健夜「私のことちゃんと考えてくれてたんだ……ありがとう」 京太郎「どういたしまして」 京太郎「さ、十分休んだし、最後にもう一つだけ行こうぜ」 健夜「ここは?」 京太郎「上野恩賜公園――いわゆる上野公園だな」 健夜「へえー…あ、見て、かえるの噴水がある。かわい~」 まずは基本に沿って、交番横の入り口から入る そのまま左側を真っ直ぐ進んでいく 人がまばらなので非常に快適だ 健夜「うわー、大都会のど真ん中にこんなに緑がたくさんあるなんて…すごい不思議」 京太郎「たしかにそう考えるとすごいよな」 ちなみにここは、1873年に日本初の公園に指定された歴史的な公園だ ボードウィン博士という人がこの場所を公園として残すように働きかけたのがきっかけだそうだ 実際にボードウィン博士の銅像は噴水池の横にある 俺達がここでデートをすることができるのもこの人のおかげなのだ。感謝しないとな 健夜「すごい数の桜の木だね、春に来れたらもっと綺麗だったかも」 うーむ、確かにその通りかもしれないが、決しておすすめはできないだろう 何しろあの時期のここら辺はまさに人、人、人のどんちゃん騒ぎ 酒飲みの人間や至るところに散ったごみ等見るに耐えない 健夜「ふうー、やっと桜並木を抜けたね。ん、あれは何の建物かな?」 京太郎「正面にあるのは東京国立博物館だな」 健夜「へえー、ここから見ると左右対称になってて綺麗だね」 健夜「それに荘厳というか、趣を感じるよ」 東京国立博物館もまた日本最古の博物館である 健夜の言っていた建物は本館で、和洋折衷の様式となっている 主に日本及び東洋の文化財を取り扱っているのが特徴だ 歴史好きにはたまらないかもしれないが、そうでない人にとってその展示は退屈なものかもしれない しかし本館については均整の取れた非常に美しい構造をしていて、思わずため息がこぼれる これだけでも見る価値があるかもしれない また、アニメ映画『時をかける少女』ではここが舞台の一つとなっている 魔女おばさんこと芳山和子はここに勤めていることになっているのだ そして間宮千昭が見に来たと言う「白梅ニ椿菊図(はくばいにつばききくず)」はここのものだった もちろんこの絵は実在しないものだが 健夜「あ!あれが上野動物園なんだ」 京太郎「そうらしいな、行きたいか?」 健夜「うーん、動物園なら茨城にもあるし、せっかくだから別のがいいな」 京太郎「そうか。なら博物館と美術館だったらどっちがいい?」 健夜「それだったら美術館かな、博物館の展示ってなんだか苦手なんだよね」 京太郎「それは分かる、歴史とか好きならまた変わってくるのかもしれないけどなー」 健夜「で、どこにあるのかな?」 京太郎「あっちだな」 健夜「ああ、あの四角い建物だね。変わった形してるんだ」 健夜「あ!あれってもしかして有名な『考える人』かな」 京太郎「そうだな、オーギュスト・ロダンの彫刻だな」 健夜「あれ?でも前にテレビで見たのは別の場所だったような…」 京太郎「ああ、ロダンの『考える人』は世界中にたくさんあってその一つがこれなんだよ」 健夜「へえー、一つじゃなかったんだ」 京太郎「そゆこと。しかし暑いな、さっさと中入ろうぜ」 健夜「そうだね」 建物の中に入ると、その無機質な外観と相まってかとても涼しい さっそく受付で常設展のチケットを購入し、展示を見ていく 健夜「すごい繊細…布と肌の質感が本物かそれより綺麗に見えるよ」 京太郎「ドルチの『悲しみの聖母』だな」 京太郎「この美術館の絵画の中でも特に人気の高い作品だ」 京太郎「実際一目でその美しさは分かるし、何度でも見たくなるよ」 健夜「ふーん、そうなんだ」 健夜「私さ、こういう分かりやすいというか、一目で綺麗ってわかる絵のよさは理解できるんだけどさ」 健夜「宗教画の楽しみ方がよく分からないんだけど…」 京太郎「宗教画かー……うーん」 京太郎「俺もよく分からないだよな、宗教画」 健夜「そうなの?」 京太郎「ぶっちゃけて言えばさ、宗教画って聖書の二次創作だろう?」 京太郎「分からなくても無理ないと思う」 健夜「あはは、ひどい言い様」 京太郎「それだったら、俺はこっちのルノワールとかモネの作品が好きだな」 健夜「この女の人の絵は見たことあるよ、名前は知らないけど」 京太郎「『帽子の女』だな。光の描き方がすごいよな」 京太郎「ルノワールはかなり親しみやすい画風なんで、世界的に人気の画家だ」 京太郎「んでこっちのがモネの作品だ」 京太郎「モネもルノワールも同じ印象派だけど、それぞれ個性があっておもしろいよな」 健夜「そうだね、でもどちらかというと私は――」 そんな他愛の無い会話をしていると、あっという間に時間が経っていった 展示物も大体見終わったので外に出ると、もう日が落ちてかなり暗くなっていた 京太郎「そろそろ帰るか」 健夜「うん、そうだね」 健夜「あ、見て!噴水がライトアップされてるよ、綺麗…」 京太郎「…せっかくだから見ていこうぜ」 健夜「いいの?ありがとう」 噴水の近くにベンチが備え付けてあったので、二人でそこに腰掛ける 健夜「今日はありがとう、とても楽しかったよ」 京太郎「どういたしまして。でもこういうの実は初めてだったからさ、正直緊張したよ」 健夜「そ、そうなんだ……じゃ、じゃあ初めて同士だね///」 京太郎「そういうことになるのかな//」 健夜「///」 京太郎「はは…」ポリポリ 健夜「私…」 京太郎「ん?」 健夜「私、京太郎くんには本当に感謝してるんだ」 京太郎「どうした、いきなり」 健夜「いきなりじゃないよ、いつもそう思ってるんだ」 健夜「入学式の日、京太郎くん、私に話しかけてくれたでしょ?」 健夜「正直あの時は、「金髪不良少年が私になんの用!?」って思ったよ」 京太郎「金髪…はその通りだけど、不良少年っておい!」 健夜「はは、ごめんごめん」 健夜「でも誰も私に話しかけない中、京太郎くんは何度も私にかまってくれたよね」 健夜「少しずつだけど、京太郎くんとも普通に話せるようになって…」 健夜「家族以外でそんな仲になったのは初めてだったんだよ?」 京太郎「……」 健夜「そんな時、麻雀部に誘われて、先輩達もいい人ばかりで…」 健夜「学校の中に居場所があると、登校するのがとても楽しくなるんだね。初めて知ったよ」 京太郎「……」 健夜「文化祭なんて、今までの私にとってはただの苦痛な行事の一つだったんだ」 健夜「でも真面目に参加して、皆と一緒に準備すると、楽しいものになるんだって気付いたよ」 健夜「京太郎くんのおかげで、クラスの女の子達とも仲良くなれたしね」 京太郎「…俺は何もしてないよ。健夜には魅力があって、誰かがその事に気付いただけさ」 健夜「ううん、そんなことない」 健夜「その後は大会に出たり、海に遊びに行ったり、合宿したり、色んなことがあったね」 健夜「そして今は、京太郎くんとここにいる」 健夜「なんだか、この何ヶ月かは私にとってはずっとジェットコースターに乗ってる気分だったよ」 健夜「京太郎くんがいなかったら、絶対こんなことになってなかったと思う」 健夜「だから、本当に心から感謝してるんだ。ありがとう」 健夜「えへへ……なんだかこういうのって恥ずかしいね///」 京太郎「そうだな」 健夜「京太郎くん…」 京太郎「健夜…」 健夜の手に、自分の手を重ねる。暖かい だんだんと二人の距離が近づいてゆく、そして――― 「あれは何をやっているのでしょう、マム」 「ノーウェイノーウェイ、あなたにはまだ早いわ」 「それにしても最近の高校生は進んでるのね~、ママとパパなんか――」 京太郎・健夜「!!」バッ 京太郎「……」 健夜「……」 京太郎「か、帰るか//」 健夜「そ、そそそそうだね//////」 京太郎・健夜「はぁー…」 健夜「ね、ねえ、京太郎くん」 京太郎「なんだ?」 健夜「来年もまた、一緒にここに来ようね」 京太郎「……そうだな」 健夜「?」 上野駅から電車に乗り、宿泊先のホテル近くの駅まで戻ってきた 京太郎「ふうー、結構疲れたな」 健夜「一日中動き回ってたからねー」 京太郎「この荷物のせいじゃないんですかねえ…」 健夜「そ、それは悪いと思ってるよ!」 京太郎「はいはい」 健夜「もうっ!」 健夜「あ、そうだ。ちょっと買わなきゃいけないものがあるんだった」 京太郎「そうなのか?だったら付き合うよ」 健夜「いいよ、もうホテルまですぐそこだし。一人で大丈夫」 京太郎「そうか?」 健夜「うん、今日はありがとうね、とても楽しかった。またね明日ね」 京太郎「おう、また明日」 そう言って、健夜は向かいの交差点を歩いて渡って行く 信号は青、人はまばら、夏の日差しが道路を照らしている えっ?夏の日差し? 今は夜だったよな? あれっ? なんだこの映像 いや、この光景……前にも…どこかで そうだ……この後……確か…車が来て…それで… 「あぶなーいっ!!!!」 京太郎「ッ!!」 荷物を捨てる、全力で走る 健夜を抱き寄せ――歩道に倒れこんだ 京太郎「大丈夫か!!」 健夜「ッ!?え?え!?」 混乱しているようだが、見たところ目立った外傷は無いようだ よかった、本当によかった… _______________________ _____________ ____ 京太郎「落ち着いたか?」 健夜「うん、なんとか……」 結局、信号無視した車は俺達のとなりを通り過ぎ、ガードレールにぶつかって停止した その後、救急車とパトカーが来て一時辺りは騒然となった 俺達は警察の人に事情を説明し、救急隊員の人にも簡単に診てもらった 京太郎「ごめんな、健夜の本ばら撒いちまって」 健夜「ううん、そんなのいいよ。それに本はきれいにすればまた読めるしね」 京太郎「そうだな…」 京太郎「歩けそうか?」 健夜「うん、余裕だよ!!」ガクガクガク 京太郎「いや、だめだろ!?生まれたての小鹿みたいになってるぞ」 京太郎「ほら」 健夜「なに、その格好は?」 京太郎「ホテルまでおんぶしてやるから、乗れ」 健夜「い、いや、いいって。恥ずかしいし…」 京太郎「それで転んで怪我したら大変だろ?な、頼む」 健夜「う、うん…そうだね。じゃあお願いしようかな」 京太郎「よっこいしょ、っと」 健夜「ど、どうかな」 京太郎「どう、って?」 健夜「その……重くないかな?」 京太郎「いや、全く。むしろ軽すぎるくらいだな」 京太郎「それに幸いなことに、背中にあたるものがないから気を遣わなくていいしな」 健夜「」グイッ 京太郎「ちょ、やめ!しまってる、しまってるからっ!!」 健夜「まったく、京太郎くんはいちいち他人をからかわないと死んじゃう人なのかな!?」 京太郎「まあな、でも健夜限定だぞ?」 健夜「余計性質が悪いよね!?」 京太郎「冗談だよ」 健夜「もうっ!」 健夜「でも……」 健夜「さっきはありがとう。とってもかっこよかったよ」 京太郎「う、なんだか照れるな//」 健夜「でも、あんな危険な真似もうしないでね?」 健夜「京太郎くんがいなくなったら、私……」 京太郎「……安心しろ、俺はちょっとやそっとじゃ死なないから」 京太郎「それに、そんな約束はできないな」 健夜「え」 京太郎「健夜のピンチは、俺が必ず助けるから」 京太郎「だからどんな時間にどんな場所にいようと、跳んで助けにいくよ。必ず」 健夜「よ、よく、そんな恥ずかしいセリフを……///」カァァ 健夜「で、でも…ありがとう。覚えておくよ…///」ボソボソ 京太郎「ああ、そうしてくれ」 ________ _____ __ 京太郎「……」 京太郎「……」 健夜「…zzz」スースー 京太郎「寝たか…」 まあ、無理もない。ただでさえ疲れていたのに、あんなことがあったのだ 京太郎「……」 京太郎「なあ、健夜。俺思い出したよ」 京太郎「あの日、あの時、何があったのか」 ――8月上旬 インターハイ 神代さんとの面会日 京太郎「ここか…」 トシさんに渡された地図を頼りに、神代さんが待つ旅館に到着した 東京のど真ん中にもこんな立派なものがあるんだなあ 受付の人に名前を告げると、すぐに部屋まで案内された。話は通っていたのだろう 京太郎「失礼します」 中に入ると、40代くらいの男性が座っていた もっと厳しい雰囲気の人を想像していたが、この人からそういうのは感じられない 京太郎「こんにちは、神代さんですね。今日はよろしくお願いします」 神代「こんにちは、よく来てくれたね。ささ、座りなさい」 _________ ______ __ 神代「うーむ、何から話そうかねえ」 神代「まあ、まずはタイムリープとはどういうものなのか話そうかな」 神代「熊倉さんから聞いてるかもしれないけど、これは自体は別に珍しくはないよ」 神代「私の経験から言うと、若い人に多いと言えるかな」 神代「ほら、君も若いでしょ。ま、理由はよく分からないけど」 神代「で、タイムリープの現象はね、トンネルを考えると分かりやすいかなあ」 京太郎「トンネルですか?」 神代「そそ。でも普通のトンネルじゃないよ、ある時空を別の時空を結ぶトンネル」 神代「君はそのトンネルを通ってきたってわけ」 京太郎「そのトンネルはどうやってできるんですか?」 神代「うーむ、実はトンネルには2種類あってね」 神代「一つは元々そこにあるもの、けどこれは普通の場所にはないんだ」 神代「少なくとも、君みたいな高校生が行くようなところには無いと考えていい」 神代「もう一つは、突発的に新しくトンネルができるタイプのものだね」 神代「原因は様々で、人によるもの、自然現象によるもの、あとはオカルトとかかな」 京太郎「……人によるもの、って例えばどんなのですか?」 神代「そうだねえ、突発的に感情が大きく変化するのが原因であることが多いかな」 神代「例えば、生命の危機に直面するような事故に遭遇したときとかね」 神代「ほら、映画とか小説でよくあるような」 神代「さらに言うと、オカルト持ちの人がそういう目に会うとなりやすいと思うよ」 京太郎「逆に言えば、オカルト持ちでなければタイムリープはしにくいと?」 神代「あくまでそういう傾向にあるだけだけどね」 神代「でも君は今のところは、オカルト能力を持っていないだろう?」 神代「だから君の場合は、他の人間のオカルト能力が関係している可能性は高いね」 なるほど 神代「まあ君の場合、12年も跳躍したんだ。相当強力なオカルト能力者が関係しているのかも」 京太郎「あの、それで…肝心の帰り方なんですけど」 神代「そうだったね、それが一番重要だよね」 神代「でも、その答えはすごく簡単だよ。あるものを持っているだけでいいんだ」 京太郎「あるもの?」 神代「"心の底から帰りたいたいという気持ち"。要は気分しだい…」 神代「逆に言うとね、京太郎くん、君は心の底では帰りたくないと思っている」 神代「そうなんじゃないかな?」 京太郎「そう……かもしれません」 神代「まあ、君にも事情があるのだろう。詳しくは聞かないよ」 神代「ただね、だからといって未来を変えようとはしてはいけないよ」 京太郎「なぜです?」 神代「これも熊倉さんから聞いてるかもしれないけどね、歴史を変えるのにはリスクが伴う」 神代「そして、たとえ改変がうまくいったとしてもその埋め合わせはいつか必ず来るよ」 神代「どういう形で、とまでは分からないけどね」 やはり、未来を変えるのはだめみたいだな ならば、自分の力でなんとかするしかない 神代「あと、なるべく早いうちに帰ったほうがいいね」 神代「この時代にいればいるほど、君のこの時代での存在が大きくなる」 神代「そうすれば、未来での不確定性もどんどん増していくだろう」 京太郎「どういう意味ですか?」 神代「うーん、例えば熊倉さんは、未来では君のことを知らなかったのだろう?」 神代「だが、この時代では既に君のことを知ってしまっている」 神代「つまり、君の知っている未来とこの時代が辿る未来には明らかに矛盾が生じてしまっている」 神代「このくらいのごくごく小さな矛盾ならまだいいんだけどね」 神代「だけど、君がここで過ごば過ごすほど、その矛盾は看過できなほど大きくになってくる」 京太郎「そうなるとどうなるんですか?」 神代「分からない…だけどそれが善いものであるとはとても思えないね」 京太郎「……」 神代「もしかしたら、ドクの言ってたみたいに銀河が消滅しちゃうかも。なーんて」 京太郎「??」 神代「あ、ごめん。分からないよね」 神代「これがジェネレーションギャップかあ、歳はとりたくないものだねまったく」 京太郎「はあ…」 神代「聞きたいことはもうないかな?」 京太郎「そうですね……何か、向こうに持っていけるものはないんですか?」 神代「それは無理だね。来たときの格好でしか帰れないから」 京太郎「そうですか…なら、帰る時間と場所は選択できるんでしょうか?」 神代「それも無理。SFみたいにそんなに便利なものでもないんだよね」 神代「だから、タイムリープした瞬間にしか戻れないよ」 京太郎「そう…ですか。ありがとうございました」 神代「……じゃあ最後におじさんから一つアドバイス」 神代「君みたいな悩み多き青少年には、時としてどうしていいか分からないときがあると思う」 神代「そういう時、自分の頭で考えることは何よりも重要だろう」 神代「だが、考えすぎて、理屈を優先して、自分の気持ちを忘れてはいけない」 神代「だから、最後の最後は自分の気持ちに素直になってみるといい」 トシさんも、同じこと言ってたな 京太郎「そうですね、ありがとうございます」 神代「さ、若者はとっとと帰った帰った!」 神代「年寄りの説教ほど、聞くに堪えないものはないから」 ――8月上旬 インターハイ 女子の個人戦が終了した 結果は副部長が三回戦敗退、本人は楽しかったと喜んでいた ついに俺達の夏が終ったのだ 祭りの後はいつも寂しい、でもこの祭りはとても楽しかった またいつか今度こそ、俺も参加してやろう そうすれば、咲や部長も喜ぶだろう そのときは健夜も喜んでくれるだろうか? ――8月中旬 部活 インターハイが終ったとはいえ、部活動自体は続いている 先輩達は事実上引退なのだが、それでも部活には顔出してくれる まあ、先輩達がいなくなると俺と健夜だけになるから助かるんだけどね 部員1「ふぃー、終った終わった。このままどこか遊びにいかねー」 部長「アホ、受験に備えて勉強するべきだろうが」 部員2「といいながら、未だに部活に来ている部長であった」 部長「うっ!それは、その…たまには息抜きも必要であってだな…」オロオロ 部員1「おしっ!なら遊びに行こう、そうしよう」 部員1「すこやんも行くよな!?」 健夜「はい、せっかくだから」 副部長「京太郎くんはどうかしら?」 京太郎「えーと、実はちょっと用事がありまして……」 健夜「えっ!?」 副部長「あら、そうなの?」 部員2「この前もそんなこと言ってたよね」 部員1「私たちに隠して何を企んでいるのやら…」 京太郎「そ、そんなんじゃありませんよ」 部員1「ほんとかな~」 京太郎「あっ!もうこんな時間だー(棒)お先に失礼します!」ダッ 健夜「……」 ガラガラガラ ふうー、危ない危ない。あんまり追求されるとボロが出かねないな さて、家に帰って着替えて、さっさと行かないとな ―次の部活の日 健夜「一緒にかえ――」 京太郎「銀河の歴史がまた1ページ」ダッ ―次の次の部活の日 健夜「今日は大丈――」 京太郎「それでは次週をご期待ください。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ…」ダッ ―次の次の次の部活の日 健夜「……」 京太郎「次回も健夜といっしょにレリーズ!」ダッ ガシッ 健夜「ちょっと待とうか」ニコ 京太郎「ナ、ナニカナ、スコヤサン…」 健夜「最近何かコソコソしてるみたいだけど、どこで何をしてるのかな」ニコニコ 京太郎「エ、イヤ、ソノデスネ…」 健夜「もしかして私に言えない様な事なのかな」ニコニコ 京太郎「ソウイウワケデハ…」 健夜「別にね、京太郎くんのこと信用してないわけじゃないんだよ?」ニコニコ 健夜「でもね、もうすこし私のこと信用してほしいかなー、なんて」ニコニコ 京太郎「オッシャルトオリデ…」 健夜「だいだいね――」クドクド 部長「あ、あれがいわゆる修羅場ってやつなのか?」ドキドキ 部員2「ちょっと一方的だけどね」 部員1「すこやんは意外と尻に敷くタイプだね、ありゃあ」 副部長「愛が深いのも考え物ねえ」 京太郎「」 健夜「」 健夜「んん…//で、結局何をしてるの?」 京太郎「すまん、今はちょっと言えないんだ。でもじきにに分かると思う」 京太郎「それまで待ってもらえるか?」 健夜「うん…」 京太郎「お詫びじゃないけどさ、今度また二人で遊びに行かないか?」 健夜「え、いいの?最近忙しいんじゃない?」 京太郎「大丈夫大丈夫!俺も健夜と一緒に出掛けたかったからな」 健夜「そ、そうなんだ…だったらいいよ///」 京太郎「じゃあ、来週の水曜日はどうだ?」 健夜「うん、その日なら大丈夫」 京太郎「よかった。詳しいことはまた後でな。もう行かなきゃ」 健夜「うん、分かった。いってらっしゃい」 京太郎「ああ、行ってきます」 部長「まるで夫婦だな」クス ――8月下旬 デート前日 京太郎「うーん、どうするか…」 デート前日だというのに、未だに俺はどこに行くのか迷っていた 京太郎「だいたい茨城県民って、どこにデートに行くんだよ…」 京太郎「何も無いじゃん、何も無いじゃん!」 ついには考えあぐねて、机の整理をし始めてしまった これはあれだ、テスト前に部屋の掃除をしたくなってしまう例の… パラ… 京太郎「ん?何だ、これ」 『アクアワールド 前売り券』 京太郎「これは、確か…」 以前、健夜のお母さんから頂いたものだ 京太郎「はは、なるほどね…」 もし…仮に、運命と云うものがあるとしたら、こういうことをいうのかもしれない 京太郎「決まりだな」 ――8月下旬 デート当日 さて、服装オッケー、財布オッケー、ハンカチとティッシュは持った えーと後は…… あっ!危ない危ない、大事なものを忘れるところだった これを忘れると、この2週間の努力が水の泡になってしまうからな 京太郎「じゃあ、行ってくるよ」 トシ「ああ、気をつけてね」 京太郎「あー……トシさん」 トシ「ん?」 京太郎「いつも、ありがとう」 トシ「ふふ、こちらこそ」 トシ「さあ、行ってらっしゃい」 待ち合わせ場所の駅前に向かう そこには既に、かわいらしい姿をした女の子がベンチに座っていた 京太郎「おはよう」 健夜「あ、おはよう!」 京太郎「すまん、待たせちまったみたいだな」 健夜「ううん、私も今来たところだから…………ハッ!!」 京太郎「……」 健夜「……」 健夜「普通逆だよね」 京太郎「だな」 京太郎「でも、俺の『人生で一度は体験したみたい事』第6位を経験できたからいいや」 健夜「なにそれっ!?ていうか1位から5位はどうなってるのそれ!?」 京太郎「さ、早く行こうぜ。電車に乗り遅れちまう」 健夜「え、ちょっと待ってよ。すごく気になるんだけど!?」 ___________________ ___________ ____ 電車で水族館近くの駅まで来て、今はバスに乗っている 天気は見事な晴れ。海の景色も素晴らしい 健夜「ここの水族館来るの久しぶりだよ。小学生のとき以来かなー」 京太郎「俺も水族館なんて、学校の遠足で行ったきりだと思う」 健夜「へえ、確か京太郎くんて長野出身なんだよね?」 健夜「長野県に水族館なんてあるの?」 京太郎「失礼な、一応あるぞ。そんなに大きくなかったけどな」 京太郎「それより、冬になると遠足でよくスキーをしに行ったりしたなあ」 健夜「いいなあ、私の所なんか普通に近くの公園に行ったりしただけだったもん」 京太郎「まあそれは雪国の特権ということで…」 京太郎「でも、雪ってそんなにいいものでもないぞ?」 京太郎「道路だけじゃなく、屋根に上って雪を落とさなきゃならんし」 京太郎「子供のころは雪のせいでよく転んだし」 京太郎「近くに買い物に行くにも一苦労だし…」 京太郎「でも、小さい頃は雪が降るとそれだけではしゃいだりしてたっけか…」 京太郎「今では、雪が降ると『めんどくせー』としか思わないのにな」 健夜「あはは、そうかもね」 健夜「でもそのおかげで、スキーとか滑れるようになったんでしょ?」 京太郎「まあな」 健夜「じゃあ、いつか私に教えてよ。実はまだしたことないんだ」 京太郎「……」 健夜「京太郎くん?」 京太郎「…そうだな、いつか必ず」 健夜「?」 京太郎「おっ、見えてきたな。あれがそうなんじゃないか」 健夜「あの大きい建物?前に来たときと違う気がするんだけど…」 京太郎「ああ、なんだか今年リニューアルオープンしたらしいぞ」 健夜「そうなんだ、楽しみだね!」 _________ _____ __ 京太郎「どうする健夜、微妙な時間だし先にお昼ごはん食べないか?」 健夜「う、うん。そうだね…」 京太郎「中にフードコートあるし、行こうぜ」 健夜「……」 京太郎「どうかしたか?さっきから口数少ないけど」 健夜「え、えーとね……その…」 京太郎「?」 健夜「こ、これっ!!」ズイッ 京太郎「ん?見ていいのか……お弁当じゃん!」 健夜「……」コクコク 京太郎「これ、健夜が自分で作ったのか?」 健夜「うん。いちおう…」 京太郎「俺の分もあるのか?」 健夜「も、もちろんだよ//」 健夜「というより、京太郎くんのために作ったというか……」ボソボソ 京太郎「?」 健夜「さ、向こうに机と椅子あるし行こっ!」グイッ 京太郎「お、おう」 早速健夜の作ったお昼ごはんを机の上に広げる 主食とおかずがバランス良く敷き詰められている さらにフルーツまで用意してあり、盛り付けもなかなか綺麗だ 京太郎「おお、意外とうまそうじゃん!!」 健夜「意外とは余計だよ!?」 健夜「でも京太郎くんの舌には合わないかも…」 京太郎「え、なんでだ?」 健夜「ほら、京太郎くんってお料理得意でしょ?それに比べて私はヘタクソだし……」 京太郎「あはは、それはそうかもな」 健夜「ひどいっ!」 京太郎「でもいいんだ、健夜の作ったご飯を食べられるだけで」 健夜「そ、そう///」 京太郎「さ、食べようぜ」 健夜「うん」 モグモグ 健夜「どうかな…」ジー 京太郎「うん、10段階評価でいうと4ってところだな」 健夜「それは喜んでいいのかな…」 京太郎「なに、これからどんどん上手くなっていけばいいさ」 京太郎「それより俺は、健夜の作ったものを食べられるだけで嬉しいから」 健夜「うっ…あ、ありがと//」 京太郎「うーん、でもこの味付けどこかで……健夜、これお母さんに手伝ってもらったろ?」 健夜「な、なぜそれを…」 京太郎「この煮物の味付けなんて健夜のお母さんのにそっくりだし、こっちの照り焼きだって――」 健夜「え、え、なんでそんなこと知ってるの?」 京太郎「ああ、言ってなかったけ?」 京太郎「実はな…文化祭の後意気投合しちゃってさ、何度かおじゃまして料理について教えあったり」 京太郎「今どこのスーパーでどの品物が安いのか、とか話しながらお茶したり――とかしてたしな」 健夜「主婦の会話!?お母さんと仲良すぎない!?それに私そんなこと知らないんだけど!?」 京太郎「えー、だって健夜って土日はお昼過ぎまで寝てるじゃん?」 京太郎「俺その時間にしかいなかったからなあ」 健夜「」 京太郎「ん?どうした」 健夜「乙女の秘密を暴いてそんなに平然としてるなんて……」 京太郎「乙女て……」 健夜「もう、知らない!勝手に食べれば!!」ガツガツ 京太郎「はいはい、すいませんでした」 昼食を食べ終わり、少し休憩をとると、いよいよ水族館に入場した さすがリニューアルしたばかりなので、清潔感があっていい感じだ 健夜「見て見て、すごい大きな水槽…」 京太郎「ほんとにな。イワシの大群がすごいキラキラしてるな」 健夜「あはは、あそこで泳いでる亀見て!」 京太郎「魚に纏わりつかれてる、何してるんだろう?」 健夜「さあ、分からないけど、なんだかかわいいね…」 京太郎「すごいな、サメも一緒に泳いでるんだな……他の魚食べないのかな?」 健夜「水族館の魚は餌は足りてるから、基本的に襲ったりしないらしいよ」 京太郎「基本的には?」 健夜「うん、だからたまに襲ったりすることもあるんだって」 京太郎「へえー、他の魚からしたらたまったもんじゃないなそれ…」 健夜「ふふ、そうだね」 京太郎「しかし、水族館に来ると腹が減ってこないか?」 健夜「えー、ならないよ。なんで?」 京太郎「俺よく料理はするからさ、食材を見ると完成品が思い浮かんじゃって…」 健夜「食材って…」 京太郎「ほら、あそこのイワシなんてうまそうだろ?たたきにすると最高なんじゃないか」 健夜「うっ……確かに」 京太郎「あのブリなんかいいじゃないか、脂身が多そうだから照り焼きにするか鍋にするか…」 健夜「うぅ…」ゴクリ 京太郎「向こうの水槽の大きなエビはシンプルに刺身にしようかな。頭は鍋のダシにしよう」 健夜「……もうやめて!お腹空いてきちゃうよ!?」 京太郎「やっぱりなったじゃないか」 健夜「京太郎くんのせいだからね!?」 健夜「うー、もうまともな目で展示見れないよ…」 京太郎「はは、わるいわるい!」 京太郎「じゃあ、あまり食材っぽくないあっちの展示を見ようぜ」 健夜「えー、なになに……サメと…マンボウだね!」 健夜「確かに、これならお料理は想像しにくいもんね」 京太郎「ちなみにサメの肉は鶏肉に似ていて、マンボウも意外と全国各地で食べられ――」 健夜「もうやめてっ!?」 _________ ______ __ 健夜「すごいサメの数だね…それに何種類もいるみたい」 京太郎「なんでも、この水族館の一押しがサメとマンボウらしいぞ」 健夜「へえー、言うだけあって確かにすごい数…」 健夜「あ!あのサメかっこよくない?」 京太郎「どれどれ……ふーむ、メジロザメっていうのか。確かにかっこいいな」 健夜「でしょ!」 京太郎「なんというか、ロシアの諜報機関に所属していて暗殺とかやってそうな顔をしてるな」 健夜「やけに具体的だね…」 京太郎「そうだな、例えるならサメ界のプ○チンといったところか…」 健夜「それはいけない」 京太郎「おっと、そうだったな」 健夜・京太郎「……」 健夜「あ、あれなんかどうかな」 京太郎「えーと、レモンザメか。名前はかわいらしいが……目がイッちゃってるな」 健夜「…うん、そうだね。あんなの海で見かけたら間違いなくパニックになる自信があるよ」 京太郎「こっちはあれだな、シリアルキラータイプだな」 京太郎「さっきのは計画的に殺人を犯すのに対して、こっちは特に理由も無く犯行に及ぶに違いない」 健夜「ひどい言い様だね…まあ、分からなくもないけど」 京太郎「おい、またすごいのを発見したぞ、あれ!」 健夜「うわっ!すごい強面…歯がむき出しになっててこわっ!」 京太郎「あれは…シロワニっていうのか。サメなのにワニって…ひょっとしてギャグで言っているのか!?」 健夜「へえ、見た目はあんなのなのに、おとなしい性格で人もめったに襲わないんだって…」 京太郎「嘘付け!あの顔は絶対中南米のマフィアのボスをやってて、麻薬取引で金稼いでる顔だよ!!」 健夜「ああ…確かにそんな感じ」 _________ _____ __ 健夜「想像してたのと違う…」 京太郎「え、何が?」 健夜「なんていうか、もっとこう『かわい~!』とか『すご~い!』とか」 健夜「水族館てそういう楽しみ方をするものだと思ってたよ…」 京太郎「そうか?楽しいならいいじゃん」 健夜「私たち水族館に来て、料理の話とサメの犯罪者顔の話しかしてないよ!?」 京太郎「わがままだなー。じゃああっち行こうぜ」 健夜「えーと『愛くるしい海獣たちが待ってます』…か。よさそうじゃん!」 京太郎「おお、いたいた。アザラシにラッコかあ」 健夜「……」 京太郎「ん、どうした?」 健夜「かわい~!これだよ、これ!!私が求めてたのは!!」 京太郎「そうですか」 健夜「あのラッコかわい~!」 京太郎「二匹が手を繋いでるな。かわいいけど、なんでだ?」 健夜「ラッコはね、海面に浮いたまま寝るんだ」 健夜「で、そのとき離れ離れにならなないように手を繋いで寝るんだよ」 京太郎「なんだよそれ、可愛すぎるだろ…反則じゃねえか」 健夜「でしょ~」 京太郎「あっちにいるアザラシもかわいいな」 健夜「正確にはゴマフアザラシだね。少年アシベの『ゴマちゃん』と同じアザラシ」 京太郎「ゴマ、ちゃん…?」 健夜「少年アシベのゴマちゃんだよ、さすがに知ってるでしょ?」 京太郎「アア、アレネ。イマオモイダシタヨ…」 知らないとは言えない…これがジェネレーションギャップというものか…… 健夜「すごいムニュムニュしてそう、家に持ち帰って抱き枕にしたいくらいだよ」 京太郎「それは、あのアザラシがかわいそうだから止めた方が…」 健夜「ちょっとそれ、どういう意味っ!?」 健夜「向こうにいる鳥?なんだろう」 京太郎「えーと、なになに……エトピリカ、だと…」 健夜「知ってるの?」 京太郎「ん、まあな。エトペンのモデルになった鳥だろ?」 健夜「京太郎くん、エトペンなんか知ってるんだ…以外」 京太郎「ふふ、まあな…なにせ、世界一幸せなペンギンだからな」 健夜「どういう意味?」 京太郎「俺と代われっ!!と毎日思っていたってことさ…」トオイメ 健夜「?」 _________ ______ __ 京太郎「そろそろ時間だし、帰るか」 健夜「うん、そうだね」 京太郎「…なあ、今日は楽しかったか?」 健夜「うん、もちろん!」 京太郎「そうか、よかった。本当に…」 健夜「?」 京太郎「なあ、その……帰る前に少し話したいことがあるんだが」 健夜「帰り道の途中じゃだめなの?」 京太郎「ああ、大事な話なんだ」 健夜「!!」 健夜「そ、それって、ももももしかして…///」 京太郎「……あそこならゆっくり話せそうだな」 健夜「う、うん…//」ドキドキ 健夜「で、なにかな//」 京太郎「……」 京太郎「この4ヶ月いろいろあったよな」 健夜「なに、突然?まあ、そうだけど…」 京太郎「最初健夜と会ったときなんか、すげえビクビクしててさ」 京太郎「俺、こいつと付き合っていけるのか?って思ったもんだよ」 健夜「ひどい!そんなこと考えてたんだ」 京太郎「はは、すまんすまん」 京太郎「そういや、出会ってすぐの頃はよく本の話をしたっけか」 京太郎「健夜、普通に話すときはビクビクしてるくせに、本の事となると途端に饒舌になってたよな」 健夜「や、やめてよ…なんだか恥ずかしいから///」 京太郎「いろいろ健夜から本を借りて…結構読んだなあ。楽しかったよ、すごく」 健夜「そ、そう?ありがとう//」 京太郎「その後は、半ば無理やり麻雀部に誘ったけ」 京太郎「正直あのときのことは反省している、後悔はしていない」 健夜「後悔もしてよ、もう!」 健夜「ま、でも、そのおかげで色々な事が経験できたんだけどね…」 京太郎「そうだな、短い間だったけどすごい密度だったような気がするよ」 健夜「そうだね」 京太郎「他にもたくさんあったなあ」 京太郎「トシさんに弟子入りしたり、文化祭で馬鹿やったり」 京太郎「初めて大会で勝ち進んで、合宿で思いっきり練習もして」 京太郎「みんなで海水浴に行ったのも楽しかったなあ」 京太郎「あの時の健夜の水着姿、ほんとに可愛かったぞ」 健夜「あぅ…///」 京太郎「東京に行って、インターハイで応援して」 京太郎「健夜、ぜんぜん実力を出せなくて、めちゃくちゃ落ち込んでたよな」 京太郎「でも、最後の対局はほんとかっこよかったよ。びっくりするくらい」 京太郎「また、ああいうのを見てみたかったんだけどな……」 健夜「……え、それってどういう――」 京太郎「健夜、よく聞いてくれ」 京太郎「俺、転校しなきゃいけないんだ」 健夜「え?」 健夜「い、いきなり何言ってるの?」 健夜「あ!そうだ、またいつものくだらない冗談だね!」 京太郎「健夜……」 健夜「もう、京太郎くんは…さあ、帰るんでしょ?行こうよ」 京太郎「健夜…すまない。本当は最初から分かっていたことなんだ。いつかは帰らないといけないって」 健夜「もう、いいよ。そういう冗談は……だからやめて」 京太郎「でも、気付いたらあまりにもみんなと仲良くなっちまって、言い出せなかったんだ」 健夜「お願いだから…」 京太郎「すまない」 健夜「……なんでなの」 京太郎「すまん、それだけは言えない」 健夜「私にも?」 京太郎「健夜だからこそ、だ」 健夜「意味わかんないよ」 京太郎「だろうな」 健夜「……でも、転校しても、またすぐ会えるんだよね?」 京太郎「いや、もう会えないかもしれない」 健夜「~~ッ!!なにそれっ!意味わかんないよ、さっきからっ!!!」 京太郎「……」 健夜「……」 健夜「ねえ、今日さ…いつかスキーを教えてくれるって約束してくれたよね?」 京太郎「そうだな」 健夜「東京で、あの公園で…」 健夜「来年もまた、一緒にここに来ようって約束してくれたよね?」 京太郎「ああ」 健夜「あの事故の後……私がピンチのときは必ず助けてくれるって言ってくれたよね!?」 京太郎「……」 健夜「あれも全部嘘だったの!?」 京太郎「そうだ」 健夜「っ…!!」 健夜「馬鹿っ!!」ダッ 京太郎「……」 泣いてたな……大事な人を泣かせるなんて、我ながら最低だ 京太郎「いや、これで良かったのかもな」 ……ああ、結局渡せなかった、これ _________ _____ __ 京太郎「ただいま」 トシ「おや、おかえり。案外早かったんだね」 京太郎「…うん」 トシ「……」 トシ「どうしたんだい?」 京太郎「単刀直入に言うよ、トシさん。俺帰ることにしたんだ」 トシ「……そうかい。だから今日健夜ちゃんと…」 トシ「きちんとお別れはできたのかい?」 京太郎「どうだろう、正直よく分からないや」 トシ「京太郎のことだ、自分に対して未練が残らないように、冷たくあしらったんだろう?」 トシ「違うかい?」 京太郎「はは、トシさんには適わないな……ほんとに」 トシ「京太郎こっちにおいで」 京太郎「どうしたの、急に」 トシ「いいから、ほらっ」ギュ トシ「半年も一緒にいるのに、こうするのはこれが初めてだね」 京太郎「うん、そうだね」 トシ「京太郎、この半年間本当にありがとう」 京太郎「お礼を言うのは俺の方だよ」 トシ「そんなことないよ。あんたからは色んなもの貰ったんだから」 京太郎「それを言うなら、俺だってトシさんから色んなもの貰ったよ」 トシ「お互い様だね」 京太郎「そうだね」 京太郎「…いろいろ言うべきことがあった気がするんだけど、出てこないや」 トシ「ふふ、私もだよ」 京太郎「しばらく、このままでいい?」 トシ「うん」 その後、自分の部屋に戻り、荷物の整理をした だけど、それもあっけなく終ってしまった まあ、半年程度ならこんなものなんだろう 結局、麻雀部の先輩やクラスメイトにはお別れを言わなかった たとえ言ったとしても、理由を聞かれて、返答に窮するだけだ 寂しいが、仕方がないのかもしれない 半年振りに清澄の制服に袖を通し、玄関に向かう トシ「なかなかきまっているじゃないか、似合ってるよ」 京太郎「ありがとう、なんだか照れるね」 京太郎「あー、あと悪いんだけど、これを健夜に渡しておいてくれないかな」 京太郎「本当は最後に渡すつもりだったんだけど」 トシ「これは……分かったよ、必ず」 京太郎「学校のこととか、色々と後始末をしてもらうのは申し訳ないんだけど…」 トシ「何言ってるのさ、大人に迷惑をかけるのも子供の仕事の内だよ」 京太郎「そう言ってもらえると助かるよ、ありがとう」 京太郎「あと、これ。トシさんにも」 トシ「なんだい?やけに大きいね……あらっ?」 京太郎「料理の練習でだいぶ磨耗しちゃったから、新しい調理器具を買ったんだ」 京太郎「どうかな…なるべく良さそうなのを選んだんだけど」 トシ「うれいしいよ、ありがとう京太郎。でも高かったろうに…」 京太郎「今月短期のバイトで稼いだからね、どうってことないよ」 京太郎「それより、俺がいなくなってからもカップラーメンは控えてほしいかな」 トシ「ふふ、善処するよ」 京太郎「もうっ」 トシ「……」 京太郎「……」 トシ「行くのかい?」 京太郎「うん」 トシ「帰りは?」 京太郎「少し遅くなるよ」 トシ「そうかい、いってらっしゃい京太郎」 京太郎「いってきます」 京太郎「ばあちゃん」 この半年間、色んなことがあった。本当に楽しかった だからできれば、ずっとここで過ごしたいくらいだ だが、そういうわけにもいかない ついに帰るときが来たのだ トシさん、麻雀部の先輩方、クラスメイト、そして健夜… みんなと別れるのは寂しいが、彼らのおかげでとても楽しい日々を過ごすことができた 伝えることはできないが、本当にありがとう 京太郎「さて…」 おあつらえ向きの下り坂が見えてきた だから、助走を付ける タンッ! みんなの顔がフラッシュバックする タンッ!! この半年の出来事が一挙に頭の中を駆け巡る…健夜 タンッ!!! 健夜……本当はあの時俺は… 京太郎「いっけええええええええええ!!!」 ――8月下旬 健夜「やっぱり、このままじゃダメだよね……」 あれから、2日たったけど私はいまだに行動できずにいた でも、このまま分かれの挨拶すらもできないのは、もっとダメだ よしっ! 健夜「おかーさん、ちょっと出掛けてくる」 _________ _____ __ 健夜「つ、着いてしまった…」 あー、勢いで来たものの、なんて言えばいいんだろう? あんな別れ方したし、会うのは気まずいよ… 健夜「はぁー…」 トシ「おや、健夜ちゃんじゃないか。どうしたんだい?」 健夜「あ、熊倉さん。えと、その…京太郎くんいますか?」 トシ「……まあ、上がりなさい」 健夜「?はあ…」 玄関に上がると、以前とは異なる違和感を感じる、なんだろう? それになんだか、物が減ってるような もしかして… トシ「さて、今日はどうしたんだい?」 健夜「えと、熊倉さんも知ってますよね?京太郎くんが転校すること…」 健夜「だから、その…最後の挨拶に……」 トシ「そうかい、ありがとう健夜ちゃん」 トシ「でも、残念だけど、京太郎はもう行ってしまってね。ここにはいないんだ」 健夜「そう…ですか……」 やっぱり、感じた違和感はそういうことだったのだ トシ「健夜ちゃん……」 健夜「はは、少し遅かったみたいですね……」 トシ「京太郎のこと、恨まないであげて。あの子にも事情があって――」 健夜「分かってます!!分かってますけど…」 トシ「……」 トシ「これ、京太郎から健夜ちゃんにって」 _________ _____ __ 健夜「ただいま」 健夜母「あら、おかえり。早かったわね」 健夜「うん……ごめん部屋行くね」 健夜母「ちょっと、健夜!?」 バタン はは…バカみたい。別れの挨拶すらできないなんて あの時…きちんと話を聞いてあげればよかった 熊倉さんから渡された、箱を見る 開ける気にはどうしてもなれなかったけど、それでもなんとか包装を解いていく 現れたのは、シルバーのチェーンに薄い青と透明の宝石があしらわれている―― 健夜「これは、あの時の…」 間違いない。合宿のとき、京太郎くんと瑞原さんと行ったデパートで見つけた、あの時のネックレスだ そういえば最近、京太郎くん忙しそうにしてた。きっとこのためにアルバイトしてたんだ 健夜「覚えててくれたんだ……」 健夜「馬鹿……」 こんな物より、私は京太郎くんがいてくれさえすれば、それで…… ――9月上旬 二学期始め 二学期が始まった 朝のホームルームで先生が京太郎くんの転校のことを伝えると、クラスがざわめいた その後なぜか、何人ものクラスメイトが私を慰めてくれた 中学生の頃の私だったら考えられないことだったので、素直に嬉しかった でも正直、何を言われても心に響いてくることはなかった 今日は特に授業などもなかったので、早めに終ってしまった なので、荷物を持って早々部室に向かう ガラガラガラ 健夜「失礼します」 シーン… 健夜「…まあ、誰もいないんだけどね」 さすがに2学期ともなると、先輩達もほとんど顔を出せなくなる だから、今日からは本当にひとりぼっち 健夜「……一人で麻雀なんかできるわけないじゃん」 健夜「馬鹿……京太郎くんの馬鹿」 することもないので、仕方なく持ってきていた文庫本を読む 健夜「……」ペラペラペラ 健夜「……」ペラペラ 健夜「……」ペラ… 健夜「はぁ……」 だめだ、なんだか集中できない 以前なら2時間でも3時間でも、いや1日中、本の世界に没頭することができたのに いつからだろう?どうして変わってしまったんだろう? そんなのは分かりきっている、京太郎くんと出会ったからだ 京太郎くんが私の世界を広げてくれたから、私の興味を外に向けてくれたから… 本当はもっと京太郎くんと過ごしたかった 他愛のない、いつものバカ話をずっとしていたかった 二人で大会に出て、また全国に行きたかった 2年生になったら、新しい部員が来てもっと部活が盛り上がるはずだった 3年生になったら、部活も引退して進路について二人で真剣に語り合うはすだった どうして、転校なんかしたの?どうして、最後の挨拶もさせてくれなかったの? どうして、急にいなくなっちゃうの?どうして、ちゃんと理由を教えてくれなかったの? どうして?ねえ、どうしてなの、京太郎くん。お願いだから答えてよ…… 分かれることを知っていたなら、どうしてあの時私に話しかけてきたの? 私が一人だったから、同情して付き合ってくれていたの? 私のこと、本当はどうでもいいって思ってたの? こんなに辛い気持ちになるくらいなら、ずっとひとりぼっちの方がマシだったよ 健夜「馬鹿……」ポロポロ 馬鹿……馬鹿!……馬鹿!! 麻雀なんて…もう辞め―― コンコン 健夜「!!」ゴシゴシ コンコン! 健夜「は、はい。どうぞ」 ガラガラガラ 「失礼しまーす」 健夜「は、はい」 「ここ、麻雀部であってますよね?」 健夜「はい、そうですけど…えーと何か用ですか」 「えーと、実は…」 コンコン 健夜「!!」 「失礼します」 健夜「え、また!?」 コンコン 「しつれいしまーす」 健夜「」 _________ ______ __ 結局、その後来たのは計4人。いずれも1年生の女の子だ 健夜「えーと、皆さんどういったご用件で…」 「あはは、敬語はいいよ。同い年なんだし」 健夜「う、うん…」 健夜「で、なんの用なのかな?」 「はい、これ」 健夜「えーとなになに……入部届かあ。なるほどなるほど」 健夜「……」 健夜「うえ゛!?」 健夜「入部届っ!?入部届って、あの入部届っ!?」 「それ以外になにかあったけ?」 「ないと思うけど」 健夜「ということはつまり…四人とも麻雀部の入部希望者ってことっ?」 「「うん!」」 健夜「そう、なんだ」 健夜「でも、どうして急に…?」 「熊倉君が誘ってくれたんだよねー」 健夜「えっ」 「8月の中頃くらいかなー。いきなり電話してきてさ」 ちょうどインターハイが終って、先輩達が引退した頃だ 「そうなの?私なんかいきなり家まで来たからびっくりしちゃったよ」 健夜「……」 「でも、すごい熱心ていうかさ…鬼気迫るかんじだったよね」 健夜「……」 「何度もお願いされたからね、最後にはオーケーしちゃったもん」 「私の時なんか――」 健夜「……」 健夜「……」 健夜「……」 健夜「……」ポロポロ 馬鹿は…馬鹿は私だ。私、自分のことしか考えてなかった 京太郎くんはこんなにも私のこと考えていてくれたのに 「えっ、え、えちちtちょっといきなりどうしたの?だだだ大丈夫?」 「落ち着け!どこか痛いところでもあるの?」 健夜「ううん…違うの……ただ、自分が…情けなくて、それで…」ポロポロ 「うん、大丈夫。大丈夫だから」ポンポン 健夜「ありがとう……来てくれて…ありがとう…」ポロポロ 「うん、うん…」 生まれたての赤ちゃんのように、その後もずっと泣き続けた _________ _____ __ ピンポーン トシ「おや、健夜ちゃん」 健夜「熊倉さん、お願いがあります!」 トシ「どうしたんだい、急に」 健夜「私に麻雀を教えてください!!」 トシ「…今も教えてると思うけど」 健夜「違うんです!もっと全国で……いや世界で戦えるくらい強くなりたいんです!」 トシ「……世界とは大きく出たね。どういう心境の変化だい」 健夜「京太郎くんがどこに行ったのかは知りません」 健夜「けど、私がもっと麻雀で強くなって、もっと有名になれば」 健夜「きっと、京太郎くんも見ていてくれるから……」 健夜「だから、強くならなくちゃいけないんです!」 トシ「それは自分のためかい?」 健夜「正直分かりません」 健夜「でも、私の麻雀をまた見たいって言ってくれたんです」 トシ「……」 健夜「京太郎くんからは、とても多くのものを貰いました」 健夜「信じられないほど、たくさん」 健夜「だから、ほんの少しでも、私からあげられるものがあるなら」 健夜「自分のためと言われても、構いません!」 トシ「ふふ…」 トシ「まったく、二人ともそっくりなんだから……」 健夜「?」 トシ「いいよ、明日から毎日おいで。みっちりしごいてあげるから」 健夜「あっ、ありがとうございます!!」 トシ「さあ!さっさと、京太郎に追いつかなきゃね。時間がなくなっちゃうよ」 --------------------------- その後は早かった 1年生が終るまで、私は熊倉さんの指導を徹底的に受けた 団体戦では残念ながら、全国に行くことはできなかった しかし、最後の大会では県で2位に食い込むことができた 私たちの最初の実力からすれば、相当成長できたのは確かだろう 私はこのままこのメンバーで、2年生になってもやっていくんだとばかり思っていた だけど、1年生での終わりに突然お父さんの転勤が決まり、転校することになった 同じ茨城県だったが、新しい家から通うには少し遠すぎたのだ 新しい高校の名前は『土浦女子高校』 制服はブレザーではなく、丸襟にグレーのリボンのものに変わった 初めてできた友達や部活の仲間、熊倉さんと分かれるのは辛かった きっと京太郎くんもあの時、こんな気持ちになったのだろう 引越しの後気付いたけど、京太郎くんから預かっていた文化祭の衣装がいつの間にかなくなっていた 京太郎くんとの数少ない思い出だったから、必死になって探したけど見つからなかった もし誰かの手に渡っているなら、せめて大事に扱っていてほしい 熊倉さんも程なくして、福岡の麻雀の実業団で監督をするため引越しをしたそうだ 転校してからも麻雀はずっと続けた、何ものにも優先して そのせいか、3年生の全国大会では団体戦優勝を果たすことができた 京太郎くんは見ていてくれたのだろうか?そうだと嬉しい 高校を卒業してからは、ありがたいことにプロのオファーがあった 私は飛びついた それからも、私はひたすら麻雀をし続けた まるで、最初の目的を忘れてしまったかのように そして…… ――12年後 東京 インターハイ会場 恒子「すこやん、お疲れー!」 健夜「お疲れ様、こーこちゃん」 恒子「いやー今日もアラサーらしく、年季の入った名解説でしたな」 健夜「アラフォーだよ!!」 恒子「……」 健夜「間違えちゃったじゃん!何言わせるの!!」 恒子「いや~、今のはさすがにすこやんが悪いと思うんだけど」 健夜「もうっ、まったく!こーこちゃんは!」 恒子「はいはい、悪うございました…」 恒子「ん、あれっ?すこやんにしては珍しく、ネックレスなんて着けてるんだね」 恒子「どうしたの、若作り?」 健夜「私まだ20代だからね!?そのくらいのファッションはするよ!」 恒子「へぇー、アクアマリンとダイアモンドかあ。デザインは若い人向けみたいだけど、大丈夫?」 健夜「大丈夫ってなに!?」 恒子「でも、すこやんにしてはいいセンスしてるじゃん。なんでいつもは着けないの?」 健夜「うーん…なんでだろ?」 健夜「なんだか今まで、どうしてもそういう気分になれなかったんだよね……」 恒子「ふーん……さては男ですな?」 健夜「ななな、なんで分かるの!?」 恒子「ふふふ、女がアンニュイな表情をしたら、それ即ち男が関係していると相場が決まっているのだよ」 健夜「へえ、こーこちゃんすごいんだね」 恒子「それほどでもあるよ!」フフン 恒子「……もしかして彼氏からのプレゼントとか?」 健夜「彼氏か…そうだったら良かったんだけどね…」 恒子「"だった"ってことは、昔の?」 健夜「うん、学生時代にちょっとね」 恒子「へえ、行かず後家四天王の一角と呼ばれたすこやんにも、そんな時代があったんだねえ」 健夜「行かず後家なんてよく知ってるね!?ていうか、そんなの初めて聞いたよっ!?」 恒子「初めて言ったからね」 健夜「……ちなみに他の三人は?」 恒子「えーと、野依プロと瑞原プロと、あと一人誰にしようか?」 健夜「こーこちゃん、そのネタその二人には絶対に言わないほうがいいよ。命に関わるから」 恒子「命って、そんなー」 健夜「……」 恒子「……肝に銘じます」 恒子「しかし、すこやんにもそんなことがあったんだねー。その子とは結局?」 健夜「うん、転校しちゃってそれっきり」 恒子「ははー、まるで一昔前の少女漫画みたいな展開だね」 恒子「でも、その子はすこやんのことをとても大切に思ってたみたいだね」 健夜「……どうして?」 恒子「だって、このネックレス高校生が買うにしてはかなり高いもん」 恒子「5万か6万くらいはしたんじゃないのかな?」 恒子「好きな娘以外にそんなプレゼント、普通はしないよ」 健夜「……」 恒子「すこやんは、その男の子のことどう思ってたの?」 健夜「……分かんない、忘れちゃった」 恒子「そう」 恒子「……」 恒子「さあ!明日で仕事が一区切りするから、その後飲みに行くぜー!!ね、すこやん」 健夜「うん、そうだね。ありがとう、こーこちゃん」 さて、今日は解説の仕事は終ったからホテルに帰ろう なんだか疲れちゃった。きっと昔の話をしたからだ あれから12年が経った 私は強くなり続けた…と思う 体も成長した。む、胸だってほらっ!? ……ごめんなさい、嘘つきました。ほとんど変わってません プロになって、色んな大会に出た。そして勝ち続けた 気付いたら、いつの間にか世界ランキングが2位になっていたこともある ねえ、京太郎くん。見てよこれ、私のカード 『国内では無敗』『永世称号七冠』『恵比寿時代は毎年リーグMVP』 だってさ。この『Grandmaster』なんて仰々しいの、私には似合ってないよね 私強くなったんだよ?銀メダルだってとったことあるんだから その時の私、見ていてくれた?その時の私、かっこよかった? 京太郎くんがあの時言ってくれたみたいに 少しでも恩返しできたのかな、私… ねえ、京太郎くん。私、疲れちゃったよ。少し頑張りすぎたからかな こーこちゃんにはああ言ったけど、私はあの時から……いや今でもあなたのことを… 健夜「会いたい……」 もし、もう一度出会えたら…あの時言えなかったことを――― 「あぶなーいっ!!!」 健夜「へ?」 横を見る。横断歩道に猛スピード迫ってくるワゴン車。距離は20メートルくらい 健夜「あ」 これは助からないな。こうどうしようもないと、案外冷静になるものなんだ ここで、私死んじゃうんだ。あっけない ああ、私の人生ってなんだったんだろう? でも、今にして思えば案外幸せだった言えるのかもしれない 仲の良い友達も何人かいるし、他人から見れば麻雀選手として大成功を収めたといえる あれ?あと、何かあったけ? まあ、いっか。どうせここで終ってしまうんだから でも…前にもこんなことが ドンッ 健夜「え」 すごい衝撃が伝わる でもこれは、車というより、人の 振り向くと、そこには金髪の男の子が 健夜「あ、きょうた――」 グシャ 肉の潰れる嫌な音がした 今度こそ、私は気を失った ________ _____ __ ―病院 「ハイ、いいですよ。お疲れ様」 健夜「ありがとうございました」 「特に異常は見当たりませんね。気になるところがあれば、またいらして下さい」 健夜「はい。あの…あの男の子は今」 「まだ、手術中ですね」 健夜「そう、ですか」 「……私の見たところ、頭からの出血は多いようでしたが、それほど深いものではないようです」 「肋骨にひびが入っていますが、中に以上はないようでした」 「左足は骨折していますが、それほど酷いものではないので、将来障害が残る心配はありません」 「追突する直前、車が横にそれたので、正面衝突を避けられたのが良かったのかもしれませんね」 健夜「そう…ですね」 「自分の命を顧みず、他人を助けることのできる素晴らしい青年です」 「うちのスタッフが全力で取り組んでいるので、安心してください」 「じきに手術も終るでしょう……彼のこと、待ちますか?」 健夜「はい」 事故のとき、私はもう助からないと思った しかし、周りにいた人達の証言によると、男の子が飛び出してきて私を突き飛ばしてくれたらしい 私は歩道に逃れたが、その子は…… 警察の人によると、車は70~80キロ近くスピードを出していたらしい それで、あの怪我で済んだのは奇跡的とのことだ それでも、あのような酷い怪我を負ってしまった 私はすぐに気を失ってしまったので、その後の出来事は詳しくは知らない 気付いたら病院にいて、よく分からない検査を受けていた そして今、彼の眠るベッドの横で、私は座っている 健夜「……」 健夜「ありがとう。あなたのおかげで、私助かったよ」 健夜「ねえ、あなたは誰なの?金髪のそっくりさん」 健夜「ん?なんだろこれ……学生証?」 健夜「……」 健夜「名前だけ、名前だけならセーフだよねっ?」 健夜「苗字は『須賀』、名前は……」 健夜「『京太郎』……かあ」 健夜「……」 健夜「……」 健夜「えっ?え、ええええっ…え?!??」 ここここれは、どういうこと?もしかして本当に、京太郎くん本人? いや、この子も京太郎くんなんだけどね!? でででも、顔とか体つきとかはほとんど同じに見えるし いや、でもあれから12年経ってるし、同じってありえないよね!? はっ!もしかして、この子京太郎くんの息子さんとか…… ということは、もう他の誰かと結婚してて…… 健夜「うぅ……」キリキリ やめよう、秒速5センチメートルみたいな妄想は。私の胃に優しくない 第一、自分の息子に同じ名前をつける親がどこにいる! 健夜「はあー……」 傍からみたら、私ただの変質者だね、これ 健夜「ねえ、早く目を覚ましてよ『京太郎』くん……」 恒子「すすすこやーん!!」バーン 健夜「あ、こーこちゃん」 恒子「事故にあったって聞いて、だだだ大丈夫!?」 健夜「落ち着いて、こーこちゃん。私は何ともないから」 恒子「そ、そうなの!?よ…よかったあ」ヘナヘナ 健夜「心配してくれたんだね。ありがとう」 恒子「あれ?……この子はどうしたの?」 健夜「この子が私を助けてくれたの。でも代わりに…」 恒子「そう、なんだ」 健夜「幸いそこまで酷い怪我じゃないらしいけど、まだ意識が戻らないんだ」 恒子「そう……すこやんのことありがとね、少年」 ~~~~~~~~~~~~~~~~ 良子「少々遅れましたが、どうやら無事なようですね」 えり「そうですね」 はやり「まったく、心配したんだから…」 咏「まったくだねぃ」 野依「よかったっ!!」 靖子「まあ、無事でよかったよ。ほんと」 はやり「……」 良子「どうかしました?」 はやり「うーん、あの子…」 良子「あの金髪の子ですね?どうやら、彼が小鍛治さんを助けてくれたようですが」 はやり「うん、そうなんだけど。あの男の子、どこかで会ったことがあるような……」 野依「……」 野依「痴呆っ!!」 はやり「あ゛、今なんつった」 ビクッ!! 野依「難聴っ!!」 咏「これは、やばいねぃ…」ヒソヒソ 良子「Oh……」 はやり「久しぶりに切れちゃった☆……雀荘行こうか☆」 野依「望むところっ!!」 はやり「でも、二人じゃ麻雀できないからなあ…☆」チラ 咏・良子「」ビクッ!! 咏「あー!私このあと雑誌の取材があって――」 良子「実は解説の仕事が残っていまして――」 はやり・野依「ん?」ニコニコ 咏・良子「……お供させていただきます」 みさき「あれ?そういえば藤田プロがいませんね、さっきまでここにいたのに」 咏・良子(あのカツ丼、逃げやがったな…) はやり「じゃあ行こうか☆二度と麻雀のできない身体にしてあげるよ☆」 野依「こっちの台詞っ!!」 ~~~~~~~~~~~~~~~~ 健夜「なんだか、外が騒がしいね。何かあったのかな?」 恒子「さあ?お年寄りが世間話でもしてるんじゃない?」 健夜「病院なんだから静かにして欲しいよね、まったく」 健夜「……京太郎くん」ギュ 恒子「すこやん…」 恒子「すこやん、もしかしてその子のこと知ってるの?」 健夜「分かんない…」 恒子「え、それってどういう」 コンコン 健夜「は、はい、どうぞ」 ??「失礼します、こちらに須賀くんがいると聞いて」 健夜「は、はい。こちらです」 健夜「えと、あなた達は?」 ??「申し遅れました、私は清澄高校麻雀部の部長の竹井と申します」 久「それとこちらが、部員の染谷、宮永、片岡、原村です」 久「私たち、須賀くんと同じ部員なんです」 健夜「そう、だったんだ」 咲「京ちゃん!!京ちゃん!!」 優希「イヌ…なにやってんだじぇ」 和「須賀くん…」 まこ「それで、容態のほうは?」 健夜「手術は成功したんだけど、まだ意識の方が…」 まこ「そう、なんか…」 久「…私のせいだわ、あの時買出しなんか行かせなければ……」 まこ「あほ、単なる偶然じゃ。自分のせいにしたって何にもならんぞ」 久「……そうね、その通りだわ。ありがとう、まこ」 久「それで、その…事故の詳しいこと聞いてもいいですか?」 健夜「はい」 __________ ______ __ 久「そうですか、ありがとうございました」 健夜「い、いや、お礼を言うのはこっちの方だから」 咲「でも、京ちゃんらしいね」 優希「いつも、他人ことばっかり。少しは自分のことも考えろ…ばか」 健夜「……あの、良かったらこの子のこともっと教えてくれませんか?」 久「敬語はいいですよ、小鍛治プロ」 健夜「え、ばれてたの!?」 和「麻雀やってる人で、小鍛治プロのことを知らない人なんていませんよ」 まこ「それに、福与アナもおるしな」 恒子「あれっ、分かっちゃた?私も有名になったもんだね~」 久「小鍛治プロからの頼みとあらば仕方ないですね。悪いけど、咲お願いね」 咲「え、私ですか?」ビクッ 久「この中なら、あなたが一番須賀くんと付き合いが長いわ。よろしくね」 咲「は、はあ」 久「私達は先に帰るわね。たくさんいても邪魔になるし」 恒子「なら、私も帰るよ。咲ちゃん、すこやんのことお願いね」 健夜「普通逆じゃない!?」 その後、咲ちゃんから色々な話を聞いた 中学時代どんなことがあったのか、どんな会話をして、どう思ったのか 高校に入ってからこと、大会のこと、そして今日のこと 咲「いつも、自分のことは後回し。他の人のことを第一に考えてるんです」 咲「まったく…バカなんだから」 健夜「…そうだね、昔からそうだったんだよね」 咲「?」 健夜「ありがとう、咲ちゃん。私の頼みなんか聞いてくれて」 健夜「明日も試合でしょう?早く帰って休んだほうがいいよ」 咲「…そうですね、そうします」 咲「小鍛治さんはこの後…」 健夜「もう少しだけ、ここにいるよ。一人じゃ寂しいもんね」 ――??? ~~~~~~~~~~~~~ 「う……ぁ…」 何をしてるんだい? 「いえ…何もできないんです」 本当かい? 「ほら、見てください。包帯でグルグル巻きでしょう?」 「これじゃあ、動けませんよ」 なんで包帯なんかしてるんだい? 「えーと…なんででしょう?怪我でもしたかなあ…」 いいや、怪我なんかしてないはずだよ。ほらっ! 「ちょっと、止めてくださいよ。痛いじゃないですか!」 本当に? 「あれっ?痛くない…?なんで…」 怪我してるわけでもないのに、そんな包帯を巻いているから身動きが取れなくなるのさ さ、起きなさい。私と彼が言った、同じ言葉があるだろう? それを思い出すんだ 「え、もしかして…あなたは――」 ~~~~~~~~~~~~~~~ ――事故から三日後 京太郎「うぅ……」 うあ、体がだるい。つか左足全く動かねえ…どうなってんだ なんか後頭部もジンジンするし、最悪だな あれ?俺何してたんだっけ? たしかこっち戻ってきてそれで…… 京太郎「た、助かったのか…俺!?」 まじかよ…絶対ダメかと思ってたのに 京太郎「よっしゃーーーーーっっ!!!!」 京太郎「って、痛っ…!声出しただけで、ハンパなくいてぇ…」 はあ、てことはここ病院か そういえば、肝心の健夜は無事だったのだろうか? 歩道に押したまでは確認したんだが、それ以上覚えてねえ コンコン 「失礼します」 ん、誰だ?とういかこの声、最近まで聞いてような――やべっ! ガチャ 健夜「『京太郎』くん、起きてる?わけないよね…」 無事だったかあ、よかった……本当によかった 健夜「今日もお見舞いの品、持ってきたんだけど。既にいっぱいだね」 健夜「ねえ、今日の試合、咲ちゃんたち勝ったみたいだよ。よかったね」 健夜「解説のとき、こーこちゃんたら酷いんだよ。全国放送でアラサーネタ連発するし」 健夜「自分だって、もうすぐアラサーなのにね」 健夜「……」 健夜「ねえ、『京太郎』くん。早く目を覚まして。本当のこと教えて」 健夜「あなたは、あの京太郎くんなんでしょう?」 健夜「咲ちゃんから聞いたよ、いろんなこと」 健夜「昔から、変わってないんだね。私、びっくりしちゃった」 京太郎「……」 健夜「私あれから、すごく強くなったんだよ?」 健夜「なにせ、元世界ランク2位なんだからね。すごいでしょ?」 健夜「銀メダルだって取ったんだから…」 京太郎「……」 健夜「……」 健夜「私…あなたに、頑張った、って。それだけでいいの……だから…」ポロポロ 健夜「京太郎くん……」ポロポロ 言うべきなのだろうか? 正直言うと、助かったときのことは全く考えていなかった だが、俺のことをいまさら言ったところでどうなるというのか もしかしたら、既に健夜には付き合っている男性がいるかもしれない そんなところに、12年前の俺が現れたらどうだろう? そんなことしたって、健夜を困らせるだけだ いや、たとえ彼氏がいなくたって同じようなものか… それに、そもそもタイムリープなんて荒唐無稽なこと信じてもらえるはずがない なら言わないほうがいい それが健夜のため だけど…… 『自分の気持ちに素直にね』 ……ありがとう、トシさん 健夜「……じゃあ、もう行くね」ゴシゴシ 京太郎「……待った」 健夜「え」 京太郎「久しぶり、健夜」 健夜「えっ!あ…え、え?」パクパク 健夜「きょ、京太郎くんなの?あの…」 京太郎「そう、あの京太郎だ」 健夜「…なんとも、ないの?」 京太郎「言ったろ、ちょっとやそっとじゃ死なないって」 健夜「で、でも、まだ高校生なんでしょ!?」 京太郎「まあ…その……いろいろあったんだ」 京太郎「詳しいことはまた後で話すよ。それでも信じてくれるか?」 健夜「……私、ひと目見て分かったもん…京太郎くんだって」 健夜「違うかもしれないって思ったよ?けど、苗字は違ったけど名前も顔も一緒で…」 健夜「変だって思った。そんなのありえないって…」 健夜「でも、咲ちゃんからあなたの話を聞いて分かったの」 健夜「この人は間違いなく京太郎くんなんだって」 健夜「昔から全然変わってなくて、びっくりしたんだから…」 京太郎「そういう健夜だって、あの頃と全然変わってないじゃないか」 健夜「そ、そんなことない!あの後、いろんなこと…いっぱいあって……それで…」ジワァ 京太郎「……」 健夜「ばか~~っ!!勝手にいなくなって…」 健夜「急に現れたと思ったら…今度は事故で!」 健夜「すごく、すっごく!心配したんだからっ!!」 京太郎「す、すまん」 健夜「もう起きないかもって何度も何度も思って……それで…」 健夜「バカ、アホ、トンチンカン!!」 健夜「ヘンタイ!ドスケベ!他の人の胸ばっかり見てっ!!」 健夜「バカバカバカバカバカバカバカばかばかばかばかーーーーー!!!」 京太郎「そこまで言わなくても…」 京太郎「どうしたら許してくれる?」 健夜「許さないもん!」 京太郎「もん、って……じゃあ、どうしたいい?」 健夜「えと…その、あのー……」 健夜「………!!」 健夜「ききききキス、してくれたら許してあげないこともない…かも/////」モジモジ 乙女か!いや、もう乙女じゃないのか? 京太郎「えっ!?そのー、聞きにくいことなんだが……彼氏とかいないのか?」 健夜「」 健夜「……」 健夜「いたことないもん…」ボソ 京太郎「え?」 健夜「今まで、一人もいたことないって言ったの!わるいっ!!」 京太郎「い、いや悪くないです。むしろ嬉しい…かな」 健夜「そ、そう、なんだ…///」 京太郎「ああ」 健夜「じゃあ、その……する?」 京太郎「いやその前に、ちょっと待ってくれ」 京太郎「最後分かれたとき、本当に言いたかったこと、言わせてくれ」 健夜「うん」 京太郎「好きだ」 健夜「私も。あの頃からずっと」 京太郎「健夜…」 健夜「京太郎くん…」 健夜の手に、自分の手を重ねる。暖かい だんだんと二人の距離が近づいてゆく、そして――― ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ トシ「どうやら、うまくいったみたいだね」 トシ「……あらあら、年寄りはとっとと退散しようか」 トシ「確かこういう時は、こう言うんだったかな」 トシ「二人は幸せなキスをして終了」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ――5年後 京太郎「うー、緊張してきた…」 健夜「大丈夫だよ、なんたって私が教えてきたんだから」 京太郎「そうだな、いつもありがとう」 チュ 健夜「…えへへ」 恒子「おー、暑い暑い!暖房効きすぎかなあ、この部屋は」 健夜「こーこちゃん!?」 健夜「…もしかして、見てた!?」 恒子「いんやあ、見てないよ」 健夜「よかったあ」 恒子「二人が熱ぅ~いキスをしてることろなんてね」 健夜「も、もうっ!見てたんじゃん!?早く実況に戻りなよ!」 恒子「はいはい……あと京太郎くん、タイトル戦頑張んなさい」 京太郎「はい!」 健夜「もうっ、こーこちゃんは…」 京太郎「…福与さん、いい人だなあ」 健夜「えっ!うわ、浮気!?」 京太郎「そんなことしないよ…」 京太郎「福与さん、俺が初のタイトル戦で緊張してるから、わざとああ言ってくれたんだよ」 健夜「そ、そうだったんだ。後で感謝しなくちゃだね」 はやり(3×)「おーい、京太郎くん!」 京太郎「あ!お久しぶりです、瑞原プロ」 はやり(3×)「久しぶり。今日はよろしくね」 健夜「ちょっ…!すごい格好してるね、それ」 健夜「痴女…というより、もはや露出狂だよその服!?」 はやり(3×)「えー、最近流行ってるんだよこの服、ほらこれ見てよ」 健夜「なにスマホまで出して…なになに」 『茨城在住のあるデザイナーは、スランプに陥っていた』 『あるとき、茨城で開かれていたフリーマーケットを覗くと、そこにはとんでもない服が』 『これにインスピレーションを受けた彼は、次々と新作を発表してゆく』 『最初は麻雀界隈の一部のみで流行っていたものの、今ではその茨城スタイルは世界的なものになりつつある』 『そのブランドの名前は、彼がフリーマーケットで発見した服に付いていた文字からとった』 『K.K、と』 はやり「ねっ!」 京太郎・健夜「Oh…」 K.K=Kumakura Kyoutaro です…本当にありがとうございました トシ「ほら、試合はじまるよ。早く行きな、二人とも」 京太郎「監督!」 京太郎「そうですね、行ってきます」 トシ「ああ、いってらっしゃい」 ________ _____ __ 京太郎「今日は負けませんよ、嫁と娘が見てるんです」 はやり「まだまだ、新人君には負けないよ」 アカギ「久しぶりだな、京ちゃん……だが、勝つのは俺だぜ……!」 野依「負けないっ!!」 京太郎「あー、そういえば…」 はやり「ん?」 京太郎「……約束、守ってくれましたね」 はやり「なんのこと?」 京太郎「いえ、何でもありません。さあ、いきますよ!!」 京太郎「カンッ!!」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6188.html
特別編 side千里山 ※日記発見から中身拝見までの流れは省略します ○月×日 今日から合宿、さすが名門千里山、2人1部屋とはすごい 練習施設も結構すごかった 夜、練習のことで少し聞きたいことができ、竜華さんと怜さんの部屋を訪ねた ノックをして返事をしたから普通にドアを開けると、2人とも裸Yシャツだった 怜さんのあちゃー、と言いたげな顔と、竜華さんのしまった!という顔が対照的だった 竜華さんが普段のようについ返事した、ということだろう というかなぜに裸Yシャツ?すばらだけど!!白い太ももとか!!大き目のYシャツだから見えそうで見えない下着とか!! この恰好が涼しくて寝やすいと怜さんが言っていた。ありがとうございます なんか竜華さんが真っ赤になって慌ててしまっていたので明日聞くことにした それにしても……良かった 帰り際、慌てる竜華さんからチラっと白い下着が見えたのが頭を離れない そういえば、見覚えがあるYシャツだったな…… この前Yシャツ2枚失くしたけど……いやまさかな 竜華「…………」ダラダラ 怜「…………」ピー セーラ「おう、竜華も何汗かいとるんや?怜も口笛なんか吹いて」 泉「先輩方……」 浩子「アカンですね……とりあえずブツを出してもらいましょうか」 竜華「ち、違うで!?」 浩子「ほう、何がどう違うのか話してください」 竜華「アレや……ほら、京太郎にみっともない恰好見せて恥ずかしいやん?」 セーラ「結構嬉しそうやでー。ここの部分、やけに筆圧があるわ」 竜華「え、ホンマ?えへへ……」 泉「いや照れてる場合ですか?どうやって盗ったんです?」 怜「泉、人聞きの悪いこと言うなぁ……ウチと竜華が京太郎のYシャツを盗る訳ないやろ?」 セーラ(これ認めたようなもんやないん?) 浩子(認めましたね) 竜華「そ、そーや!怜、言ってやり」 怜「借りただけや」ドヤァ 泉「アカンでしょう!?」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6229.html
特別編 side有珠山 ※日記発見から中身拝見までの流れは省略します ▽月■日 ユキは無抵抗でされるがままだ それこそ結構きわどい衣装だとしても躊躇わずに着てしまう それはいい。むしろグッド だがここまで無抵抗だとむしろどこまで許してくれるか気になった なので、今日は1年生である俺とユキしか部室に居なかったので試してみた まずは軽く頭を撫でていいか聞いた。迷いなく頭をこちらに寄せてきた。髪の毛サラッサラだった 次に、少しこっちに寄って欲しいと聞いて、ちょっと肩を抱き寄せてみた。完全に無抵抗だった。軽くひじにおもちが当たってすばら ちょっとエロい方向に、胸元を少し開けて欲しいと聞いた。躊躇なく開けた。むしろ谷間を見せつけやがった 思い切って動かないでと言い、許可を貰ってから身体に触れた。腕、足、うなじ、ふともも……ちょっとだけだが、尻を触ってみても、無抵抗だった もう一気にいこう、そう思い、スカートをたくし上げてみてくれと言った ユキは迷うこともなく、スカートをたくし上げた。白だった ここまでやったところで、いい加減抵抗したり拒否したりしないのかと言った。お前が言うな状態ではあったが、言わないといけないと思った しかしユキはいつもと表情を全く変えず「別に、嫌じゃないですよ?」そう言った 俺がその言葉に固まっていると、続けて「それにですね、別に誰から言われてもっていう訳じゃありませんよ?」そう言った どういう意味か、聞く前にユキが俺に抱き着いてきた 「……京太郎になら、何されてもいいんです」ちっこいユキの体の柔らかさを感じながら、それを聞いた俺 2人きりの部室で、誰も来ない状況。抑えられる訳がなかった 結果、ユキは俺にならどこまでも許してくれる ただし、ユキを悲しませない範囲でだが 成香「こ、こここれって……」 由暉子「……まぁ、そういうことです」 揺杏「おいおい!?さすがにびっくりだって!!」 爽「ちょっと最近色っぽくなった?とか思ってたら……ユキ、大人だったか……」 誓子「うん、その前に学校で何やってるのかな?ねぇ、京太郎くんも呼んでちょっとお説教」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/4468.html
○月△日:友香の誕生日 ―休み時間― 友香「フフフフーン♪」 友香「よっ!京太郎!」 京太郎「なんだ友香かよ、どうした?」 友香「ふふっ、あのさぁ~」 友香「クイズですっ!今日は何の日でしょうかっ!!」 京太郎「何だいきなり……えーっとなー」 友香(今日は!私のっ!たんじょーびっ!) 京太郎「今日は全校での大掃除だろ、確か」 友香「えっ……」 友香「い、いやいやいやいや!今日だよ!○月△日だよっ!?」 友香「もっと大事なことがあるでしょっ!」 京太郎「大事なこと?……ああ、なるほど!」 友香「でしょ!?」 京太郎「大沼プロの誕生日だろ!」 友香「……はぁ」 京太郎「ん?どうした?」 友香「もういいよ……」 京太郎「お、おい、どこ行くんだよ!」 友香「うるさいっ!」 友香「京太郎のバカ!最低!もう知らないっ!」 京太郎「……」 友香(バカっ!バカっ!バカっっ!!!) 友香(信じらんないっ!もう!……) 友香(……) 友香(あ、莉子だ) 友香(そうだ、莉子はあのバカとは違うはずっ!) 友香「莉子っ!おっはよ~!」 莉子「あ、友香ちゃんおはよー」 友香「莉子、今日って何の日だか分かる?」 莉子「今日?えっと……」 友香(今日は!私のっ!たんじょーびっ!) 莉子「今日は喫茶『334』でパフェ全品半額の日だよね?」 友香「……」 莉子「そうだ!今日食べに行こうよ!」 友香「……行かない」 莉子「え?ゆ、友香ちゃん……?」 友香「行かないよ……」 莉子「え、ちょっ、友香ちゃん!どこ行くの!?」 友香「莉子のバカ……親友だと思ってたのに」 莉子「……」 友香「うぅ……ひぐっ……」 友香(美幸先輩なら覚えててくれるはず!) 美幸「今日?別に何もない日だよもー」 友香(……) 友香(依藤先輩!お願いします!) 澄子「今日ですか?ちょっと分かりませんね……」 友香(うぐっ……) 友香(……部長、あなたしか居ません) 梢「今日ですか?……それより友香?」 梢「ちゃんと勉強していますか?テストも近いですよ」 友香(う……ふえぇ……) ―部室前― 友香(ひぐっ……) 友香(みんなひどい、ひどいよ……) 友香(今日は私のたんじょーびなのに……) 友香(誰も覚えてくれてないなんてさ) 友香(あんまりだよ……) 友香(部活、行きたくないな……) 友香(でも部室の前まで来ちゃったし……) 友香(はぁ……) ガラガラ 友香「こんちはでー……」 友香「えっ……」 友香「こ、これ……」 「お誕生日、おめでとー!!」 友香「な、なんで……」 友香「今日が私のたんじょーびだって知らないはずじゃ……」 美幸「サプライズ成功だねっ!」 澄子「そうですけど、知らないふりをするのは疲れました……」 友香「し、知らないふり…?」 友香「じゃあ知ってたの……?たんじょーびのこと」 莉子「うん……ごめんね友香ちゃん」 梢「全部須賀くんが考えたんですよ」 友香「……京太郎が?」 京太郎「ああ、俺が全部考えた」 京太郎「知らないふりをしたのは流石にやり過ぎだったかな、ごめん」 友香「ホントだよっ……ばか」 友香「ばかばかばかばか!!京太郎のばーか!」 京太郎「悪かった、悪かったから泣くな」 友香「うぅ、ひぐ……うぇぇん」 美幸「女の子を泣かせるなんて悪い子だねー、須賀くんは」 京太郎「俺だけですか……」 梢「落ち着きましたか、友香」 友香「うぅ……はい、何とか」 澄子「それじゃあ、私たち1人1人からプレゼントがありますよ」 友香「プレゼント……?」 澄子「まずは私からですね」 友香「これ……麻雀の本ですか?」 澄子「三尋木プロが書いた指南本ですよ、……気に入りませんでしたか?」 友香「い、いえ……嬉しいです!」 澄子「そうですか、よかった」 美幸「次は私だねー」 美幸「今、ここにはプレゼントは無いんだー」 友香「?」 美幸「友香の家に最新鋭の筋トレマシーンを送らせていただきましたー!」 京太郎(うわぁ) 澄子(わ、私のプレゼントが霞んで……) 美幸「嬉しい?よね?」 友香「あ、はいぃ……」 梢「次は私ですね」 梢「私からは参考書のプレゼントですよ」 京太郎(参考書って……) 梢「ほとんどの科目が揃っていますよ」 梢「これでしっかり勉強してくださいね?」 友香「は、はい!」 莉子「私からは……こ、これだよ」 友香「莉子とお揃いのカチューシャだ……」 莉子「うん……梢先輩に場所を聞いて買ってきたの」 友香「嬉しいっ……ありがとう……」 莉子「あはは……友香ちゃんが喜んでくれて嬉しいよ」 美幸(微笑ましいね) 澄子「あとは須賀くんなんですが……」 友香「京太郎のプレゼント、楽しみっ!」 京太郎「あープレゼントなんだけどな」 友香(わくわく) 京太郎「その、俺は買えてないんだ」 友香「えっ……」 京太郎「ごめんな」 友香「……」 梢「友香、許してあげてください」 梢「須賀くんはこの誕生会の準備をほとんど1人でやってくれました」 梢「それは金銭面に関しても同じこと」 梢「もうプレゼントを買うお金が残っていないんですよ」 京太郎「そういうことなんだ、本当にごめん」 友香「うん、分かった、許してあげるっ」 美幸「あれ、意外とあっさりだねー」 友香「うん、だって京太郎は頑張ってくれたんでしょ?」 友香「この部室の飾りつけとか見れば分かるよ」 京太郎「そ、そうか……ありがとう」 友香「でも、1つだけお願いっ」 友香「聞いてくれるかな?」 京太郎「ああ、それぐらいならいいぞ」 友香「じゃあね……キスしよっ」 一同「」 友香「え、どうしたのみんな」 京太郎「いや、キスは流石にねぇ……」 4人「ねぇ」 友香「?、そんなおかしいかな……」 友香「外国では普通だったんだけど」 京太郎(こいつ帰国子女だったな……) 梢「こほん」 梢「キスはダメですよ、部活の風紀的に」 友香「むぅ、残念……」 友香「じゃあ、ハグでもいいから!お願い!」 梢「まあ、ハグならいいでしょう……」 友香「やったっ!」 京太郎「まったく……しゃーないな」 京太郎「ほらよっ」 ムギュッ 友香「うん……あったかい……」 京太郎「そうだな」 友香「ねえ……京太郎?」 京太郎「うん?」 友香「京太郎はさ、私のこと好き……かな?」 京太郎「いきなりなんだよ……ったく」 京太郎「好きだぞ……友達としてだけど、今は」 友香「ふふっ、やっぱり」 友香「でも待っててねっ」 友香「いつか京太郎に私の事、好きになってもらうからっ!!」 京太郎「ほお、楽しみにしとくよ」 友香「うんっ!」 カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/5699.html
458 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/12(木) 00 53 30.12 ID lOhNI51to [5/7] 煌「<●><●> おやぁ? こそこそなにしてたんですかねぇ?」ニヤニヤ 透華「<●><●> レッスンを抜け出してまで、なんとまぁ」ニヤニヤ はやり「<●><●> ニケがけはよくないと思うなぁ」ニヤニヤ 竜華「ちゃ、ちゃうで! うちはその……今のは!」アセアセ 煌「<●><●>」ニヤニヤ 透華「<●><●>」ニヤニヤ はやり「<●><●>」ニヤニヤ 竜華「やめぇやその顔!!」マッカッカッカ 京太郎「う~ん」 竜華「しばらく寝てるんや!!」ドスッ 京太郎「アミバッ!」グシャッ 煌「<●><●>」ニヤニヤ 透華「<●><●>」ニヤニヤ はやり「<●><●>」ニヤニヤ 竜華「ああもう!! なんなんやもぉぉ!!」 こうして、ちょっとした行き違いから始まった騒動は幕を閉じた。 心強い味方である龍門渕透華の存在は、京太郎をどう導いていくのか? そして――不思議な力によってお互いの胸中を理解し合うことの出来た京太郎と竜華 絆をさらに深くした二人は……果たして、トップアイドルになれるのだろうか? 竜華「(でも、やっぱりうち京太郎君のこと……)」ドクンッ 竜華の中に芽生えつつある感情の正体…… それが、いずれ二人の関係を、予想だにしないものへと変えることを…… 今はまだ誰も知らない 459 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/12(木) 00 55 09.22 ID lOhNI51to [6/7] _ , 、 /ィ--∨ .- 、 __/ , , } l \. -―━..、―- ` ー-, | /{ { l | | 、. ミヾV \/\/\ \ /_/ | / 从 ,-}/、 |l |.... / ∧ \ ヽ / 从ィ愛Ⅵ /ィ愛ク}イ { / | \ \〉 l | ハ ` ̄´ { {rI ,}' .} }∧ // l l | .\{≧┤ ハ . 从∧ 八{... | | l ト、从 y'´_)心}〉 / ハ ヾ\ ` ´ イ-=彡八{ |∧y'心 .V炒...l//. ハ イ\ヽ _/ノV/ / /\八ハ`Vリ . .//_/ハ . .</ | ゝ、 xく /Ⅳ / / ∧ . ' ___ /// ハ . .< i !ヾく_∨YYY/|. / / / .、 Vノ //イ ノ/ ) ハ | Vミ辷rvノ ! |.}| / / / 介 .. _.. ´/ ハ, / / /) | ∧ .| ∨ i|| ノ,ノ ト/_/才~/ /.r≧s升¬リ必'" ̄/ /丶// | ∧ _;! ∧,イ 乂 /jヾリ厂`ヾ r-一 必 ./ / // | . ∧__/ `ヽ ///ハ 〈 > "´ / 必 /`ヽ Y . ハ/ . \///〉 У * 、 / . *´ ̄`*必′ `ー′/ Y\ / / / ,. ヽУ`*/ *ヽ、,、/./* *必、 j (_ノ /、 ヽ. / / / .′ ∨! ∧ *Ⅳ/* / ノ乂 ーヘハ . / / / _ ∨_ ヽ ノ ヘ イ / У*へ*八*丿 . ′ ,イ ノ ノ 八 j` ー< ` ー一 ´ と⌒Y ヘ. l ∨ ; / / /)...イ/㌢ト、 / ノ (` く`j l. ∧ l ∨ . i / イ__///゙/㌢ . l く_∠三二ニー..、 (`ヽ ヽ !. . ∧! V .. l .′ ー=彡/k㌢ l |ヾ{チ汽f}ニ二 . . ヽ 人ヽj__У___ ヽ / l .′ ...ノソ l | 戈爻小. `V У ー ′ . . . . . . . . . . . . .ー" . `ヽ . l ムー─┬′ l | | l l ∧ Ⅵ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 丿 . {  ̄`ヽ′ . l l | l l ∧ V ̄二ニー . .、. . . . .  ̄`ヽ / j ̄`ヽj . . l l | l l ∧ ;. . ∧ . . . . . . . . \ . . . . . . . . . ヽ { 厶 . ヽ ! ! ! ! ! ∧j . . . . ∧ . . . . . . . . . . \ . . . . . ∨ i }ヽ \ ! ! ; ./\ . . ∧ . . . . . . . . . . . ヽ. . . . .′ i ! ハ \ \ .′ ! . ; ; ./ ヽ、 . . \ . . . . . . . . . . .', . ./ l ! く ハ. 个=ー─‐<>/ ; ! ; ;., ′ `` .`` < . . . . . У l ハ { \ j | ト、 . . . . . .. ./ / ! ; イ ; ヽ `` .、 ̄ . ハ. ハ } i | | . ヽ. . . . / / ! . / ; ; ヽ `` .、 / ∨ j !| . . ...\/ / ! / '; ; ヽ .`` .、. i / i! . / /┬─ …| .|; ; ヽ . | / / \ __//| . | . | | .| ; ; ヽ ヽ カンッ!! 511 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/12(木) 23 42 08.84 ID J4wBkOMso [2/3] 【合宿場 夕食】 咲「」カタカタカタカタ 優希「」カタカタカタカタ 京太郎「咲? 優希? なんで震えてるんだ?」モグモグ 咲「っ! な、なんでもないよ!」アセアセ 京太郎「??」 菫「大阪見物は中々楽しかったよ。京太郎君も明日はゆっくり見て回るといい」 京太郎「菫さん、あの……聞いていいですか?」 菫「?」 京太郎「なんであの二人はその……」 照・淡「」ブラーンブラーン 京太郎「吊られてるんですか?」 菫「罰だ」 和「……嫌な事件でしたね」トオイメ 照「ごめん菫……調子に乗りすぎた」ウルウル 淡「菫のバカー!! 変な水着ー!!」ビエェェン 菫「ほぅ……」ゴゴゴゴッ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ -―――- |ミ| ___ |ミ| . `丶. |ミ| - - 、 |ミ| / \...... |ミ| / ヽ \ .|ミ|. |ミ| / ヽ \ ..|ミ|. / / .....|ミ| / ヽ \ |ミ| │ |\ |\ | ...|ミ| / ./ .. |ミ|. / | / | | ト- |--∨\ |.゙|ミ| / ′ /| ∧ |ミ|. / /| |ノ| 八 | _..斗-=ミ\| | |.゙|ミ|. / 7 | ./ ! | ∨ o |.゙|ミ| <ペチャパイー!... / | /-匕-=ミ\|\| 〃⌒゙ヾⅥ | | |ミ| ′◯。 . | / ̄`∨ |´ ̄Ⅵ O.| |..|ミ| 真面目の仮面を被ったポンコツー!!.  ̄ ̄ | | イ /〃⌒ヾ {{ }} }|/| | | |ミ| | |.. i+-、__∨ | ハ_厶ィi´ .| |..|ミ|. | 八ハ{ {{ }} ゞ==(⌒) | / | |ミ| | | 从ト==ミ、ヽ .i '彡==i= . | |..|ミ|. |/| {. ハ (⌒)=='' /// |/} | |ミ| | O .ハヾ≠ ̄ \{  ̄ヾミ ◯ ....|..|ミ|. | ヽ_|... ../ __,ノ | |ミ.. { | i ,,, , u ,,,, / 八 !..|ミ|. | 八 ‐~‐-、 イ - . | } f-'⌒ヽ /7 / |.゙|ミ|. | 个 .._ (_,,. ~~'.,.'⌒´ \ .゙、| O八 人 ∨ ̄ ./ /}.... / 、|',.\ レヘ _≧=一ァ. / .' .i ! .ヾ .ヽ \{\( >... ー─' .仏イ/ / ヽ, ',. \... ,|. -'"/゙r ̄ ̄ ̄7____.' l L .Li--゙l i. ゙.i ,|. -'"/ ≧ー < |/ / i_'., '., \..゙/ .ゝ- .,,__ _ /l .i; ; ; ; ; ; ;◯;;i i ゙ / .ゝ- .,,__.... ̄ |_ _, '".. / ハ...゙゙、 '., ヽ、. >彡......'、'l '. , ; ,"゙゙''"/ /j ゙ {` >彡  ̄ }. ゙、 '.,..... l.....ヽ └-i ヽ __ / ゙. l l. ゙、 '.,... l ヽ / > -、 " ' -‐,.= 、 ゙ l l. ゙、 '., l. ヽ. / '´ " / .' ゙ ∧ }. ゙、 '.,.l ヾ. / ,, '" .' ./ .' l '., '., /} ゙、 '., ゝ〆 / \`/ l ゙ \'., / / ヽ. ゙、 '., /./ '" // l , '⌒'., ゞ ',‐- _ ノ´イ i \\ / / ィ  ̄ , X ; ; ; ; ; v' ,, '' ゞ '., ` ´ l \\ヘ / >= '" "\ ヾ ヾ i i '., \...._ _,..-'''" l { \\ \/ / \ / i i '., "´.  ̄ ̄ l 透華「何があったんですの……?」ビクビク 咲「あ、あんなことになるなんて……」ブルブル 優希「大阪は恐ろしい街だじょ」ガタガタガタ 京太郎「許してあげましょうよ、菫さん」 菫「まぁ、君がそこまで言うなら」シュルシュル 522 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/12(木) 23 55 51.31 ID J4wBkOMso [3/3] 竜華「……」パクパク 煌「おやおや、清水谷さん? 今日は口数が少ないですね」ムプククク 竜華「っ!!」ドッキィン 透華「あら、茹でタコのようになってしまいましたわ」ニヤニヤ はやり「かっわいー!」ニマニマ 竜華「う、うぅっ……//」チラッ パカーン! 三人「「「<●><●>」」」ニヤニヤニヤ シュルシュル 菫「少しは反省したか?」 照「本当の事言ってごめん」ペコリ 菫「……」ビキビキ 京太郎「ほら、大丈夫か淡」 淡「……ありがと」 京太郎「あんまり先輩を困らせるなよ」 淡「だって菫が……私達がタローの邪魔になるって」 菫「それは事実だろう」 淡「でも……一緒に遊びたかったんだもん」ジワッ 照「以下同文」 菫「朝にも言ったと思うが、これは合宿であって……」 京太郎「まぁまぁいいじゃないですか菫さん」カタポン 菫「しかし」 京太郎「今日は結構みっちりやったんで。明日は少しくらい出かけても大丈夫ですよ」ニッ 照「……本当?」 京太郎「竜華さん、いいですか?」オソルオソル 竜華「……」 コンマ安価↓3 ゾロ目でラキスケ 00~29 竜華「ダメや!」 30~89 竜華「まぁ、多少はね」 90~99 竜華「う、うちも……連れてってくれるんやろな?」ウワメヅカイ 534 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/13(金) 00 09 09.30 ID sfEesBUSo [1/6] 竜華「まぁ、多少はね」 京太郎「本当ですか!?」 竜華「折角大阪来たんやし、見て回らなバチ当たるわ」プイッ 照「やった!」キラキラ 淡「いいとこあんじゃん!!」キラキラ 咲「京ちゃん、明日は一緒にいられるね!」 京太郎「ああ、そうだな」 優希「やったじょー!」ワーイ 和「ふふっ、須賀君とデート……//」モジモジ 菫「ちょっと待って欲しい」ズイッ 煌「あれ? 何か問題でもあったんですか?」 菫「いくらなんでもこの人数で人の多い大阪を移動するのは大変じゃないか?」 はやり「言われてみれば確かにそうかも☆」 ハギヨシ「はぐれる人が出てもおかしくはないですね」フム 照「余計な事を……」 菫「はぐれる候補筆頭のお前が言うな」ペシッ 淡「じゃあどうすんの? みんなで腰紐でも結ぶ?」 透華「班分けするというのはどうですの?」 京太郎「あ、それいいですね!」ポンッ 一同「「「「!?!?」」」」 京太郎「じゃあ俺アミダくじ作ります」カキカキカキ 一同「……」 京太郎「えーっと」カキカキ 538 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/13(金) 00 23 59.88 ID sfEesBUSo [2/6] 京太郎「できましたよー」 照「(南無大慈大悲救苦救難広大霊感白衣観世音……)」ブツブツブツ 煌「(こ、これは……!)」ギラッ 咲「(京ちゃんと同じ班に入れるかどうかが鍵!!)」ギュッ 優希「(京太郎と同じ班に……!)」ゴゴゴッ 淡「(このアミダくじを支配する……)」ゴゴゴゴッ 透華「(個人的には見物よりもレッスンをしたいですわ)」フゥ ハギヨシ「(荒れなければいいんですが……)」シンパイ はやり「(京太郎君と大阪で……ふふっ)」ニヤリ 竜華「(取ったる!! 絶対に取ったる!)」ギュッ 菫「(運に任せよう)」フッ 和「(須賀君とデート須賀君とデート須賀君とデート)」ポワー 京太郎「じゃあ、皆さん! くじ引いてください!」ニッコリ 女性一同「「「「「「うぉぉぉぉぉぉ!!!!」」」」」」 京太郎「」 コンマ安価 獲得コンマが高い順に班分け ※ゾロ目は確定(二人以上の場合は数値の高い方) 同数値はおもちの大きい方の勝ち 京太郎 A班 確定 照 A班 確定 A班 二人まで B班 四人まで C班 四人まで ↓1 煌 ↓2 咲 ↓3 優希 ↓4 淡 ↓5 透華 ↓6 ハギヨシ ↓7 はやり ↓8 竜華 ↓9 菫 ↓10 和 556 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/13(金) 00 33 49.64 ID sfEesBUSo [3/6] 【A班】 京太郎 照 煌 菫 【B班】 淡 優希 透華 咲 【C班】 はやり ハギヨシ 竜華 和 京太郎「こんな感じですね」 照「出そうと思えば(王者の風格)」ドヤァッ 煌「すばらっ!! すばらっ!!」ヤッター 菫「これは……私にも運が向いてきたらしい」フフッ 淡「」ガタガタガタガタ 優希「じぇぇぇぇぇぇ!?」 透華「不安なメンバーですわ」ズツウ 咲「」フニャッ はやり「男前さんと一緒でうれしいかな?(本当は京太郎君しか見えないけどね☆)」 ハギヨシ「B班が心配すぎます」キリキリキリ 竜華「」バタリッ 和「ふぁ……?」ウルウル 京太郎「明日が楽しみですねー」ニコニコ 567 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/13(金) 00 50 22.09 ID sfEesBUSo [4/6] 咲「お姉ちゃんずるいよ! なんか能力使ったんでしょ!?」 照「勝てばよかろうなのだァー!!」 優希「朝なら……朝にやっていれば勝てたじょ」ワナワナ 菫「また射抜いてしまったか……自分の腕が怖くなるな」フフッ 透華「は、ハギヨシ……交換を! チームの交換を希望しますわ!」 ハギヨシ「それはこちらこそ申し出たいのですが、しかし……」 透華「え?」チラッ 和「こ、こんなオカルト……」ドタプン 竜華「夢や……夢なんや」バヨエーン はやり「京太郎君と一緒がよかったな♪」ボイーン 透華「キャッカデスワ」ギギギギギギッ ハギヨシ「そう仰られると思いました」クッ 淡「ねぇ、テルー……その権利、頂戴?」ニコッ 照「ウィンウィンウイン(WINだけに)」 淡「は……?」ユラァ 照「やる気? 手加減しないよ?」ゴゴゴゴゴゴッ 菫「また縛られたいのか?」ギロリ 照・淡「「……」」アクシュ 菫「よろしい」 京太郎「??」 こうして、チームはある意味均等に分けられたのである 【Aチーム(チーム京太郎)】 【Bチーム(チーム貧にゅ…ぽんこつ)】 【Cチーム(チームおもちWith執事)】 今回、照がBチームの透華と入れ替わっていたのならば…… それは麻雀界にとって多大なる損失を出す大事件へと変貌していただろう コンマ神よ、これが貴方の望んだことなのか 京太郎「楽しくなりそうだなー」フフッ ここ大阪の街で京太郎待ち受ける運命とは――?」 ぽぽぽぽぽ ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ 574 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/13(金) 00 55 01.63 ID sfEesBUSo [5/6] 【大阪】 ぽぽぽぽぽぽ , -―- 、 /二二二∧ -=ニニニニニマニ{ / / / { 、\ / /\ / ノ ̄ / /⌒ヽ/ ´ _ ぽぽぽぽぽぽ _..... 彡 { / \/ ) ___ -‐ l l .ノ、_Y __ -‐ l l/ / 〉 / ∧ 〉/--彳 / / / ∨´ ! , / / / ,ノ .| , / // // / /_ . .| , // / / / / / /二\ リ l / / / / / | / /ニニ二>--┤ | / / / / / 八 { /ニニニニニ二| | { / / i / )ノニニニニニニ二|. 八 . l / |l /ニニニニニニニニ|. \廴,l廴__ 八__ /ニニニニニニニ二二| \ /ニニニニニニニニ二二二二| `ー―  ̄)ニニニニニニニニ二二二二| \ニニニニニニニニニニニ二|  ̄\__ニニニニニ二二| ノ ̄/,777‐┬┘ /// / l///,| ////' ‘'//,'| //// '///| //// ‘//,| _////. ‘,/,| ぽぽぽぽぽぽ / ヽ / i \ \ i ヽ ヽ | } '; . | / l | ト、 l . | / } l | ! } lト、 }i . /_/ /斗 / l } ハ | / / イ ;シ ' ヾ レ / }j / / ,斗f笊` .{ ハ / 〃 / { ヽ. Vソ V / . } / / 八 ´ ” 乂 / / { } /' / ハ ハ . _ノ''" { { | } ´ノ/ ぼっちじゃないよー }> リ / / / リ /i { /≧=ァ' { / ∧} / 八 | ザワザワ ガヤガヤ / / ヽ ヽ / / ヽ ', / ∧ ヽ ', { {i ハヽ ヽ ヽ_ ハ ', | ハ (__ヽヽ V \ ハ ヘ { ハY´ ヽ \ \__ィ ヘ ハ. V ゝ ゝ_ノ ヽ ヽ \ 川 ヘ ハ 迷子だよー…… V ハ (__ノ ヽ 、`ヽ三ミ \ ヽ ヽ V ハ ` / /\ \ \ ヽ i ii ヽi ⊂つ ( (ィ ヽ ) ヽ \ V jj j >..._ /ヽ{ i / / \ \ ヽ カンッ!! 670 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/15(日) 22 45 53.01 ID VFsGtm+Ko [2/6] 【合宿二日目 早朝】 管理人「ふっ! はぁっ!!」シュバババッ テクテク 京太郎「おはようございます」ペコリ 管理人「あ、須賀さん。早いですね」ニッコリ 京太郎「管理人さん凄いですね。まるで闘神の気迫でしたよ」 管理人「ふふっ、お世辞でも嬉しいものですね」 京太郎「(むしろ謙遜してるレベルなんだけど……)」ヒヤアセ 管理人「あっ、そろそろ朝餉を用意しましょうか?」 京太郎「いえ、まだ寝起きなんでゆっくり散歩でもしてます」 管理人「そうですか。では、気が済んだら教えてください」 京太郎「はい。お邪魔してすみませんでした」 管理人「……あの人も、早起きしてくれればいいのに」ボソッ 京太郎「え?」 管理人「あ、いえ! なんでもありません!!」アセアセ 京太郎「じゃ……じゃあ、俺行きますね」スタスタ 管理人「うぅっ、私ともあろうものが……不覚」 ~~~数分後~~~ 管理人「ふぅっ!! はぁっ!!」シュババッ ダダダダダッ!! 管理人「ん?」チラッ バンダナの男「どこや!! どこにおるんやぁぁぁぁ!!!」キキィィィ!! 管理人「よ、横●さん!?」 バンダナの男「え? 小●姫様!?」ビクッ 管理人「こんなに早くからどうして……?」 バンダナの男「あ、えーっと、あの須賀ってやつに起こされて……」 ~~~京太郎「稽古場で絶世の美女が●島さんを待っていますよ?」 バンダナの男「そう言われて来てみた……のに……」アセダラダラダラ 管理人「あら? 私では不足ですか?」ニコニコ バンダナの男「い、いややぁぁぁぁ!? どうせ修行の相手させられるんやぁぁぁ!!」ダダダダ 管理人「ふふっ、逃しませんよ!!」チョウカソク!! オシタオシ!! バンダナの男「ふぎゃっ!?!」ズテッ 管理人「じっくり……楽しみましょうね」クスクス バンダナの男「(こんなんばっかし……)」ショボーン 管理人「(須賀さん、ありがとうございます)」カァッ 671 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/15(日) 22 56 39.10 ID VFsGtm+Ko [3/6] 京太郎「結構広いなぁ……まるで異空間にあるみたいだ」キョロキョロ まだみんな寝てるみたいだし……もう少し寝てればよかったかも 京太郎「最近忙しかったから、一人になるのも久しぶりなんだよなぁ」 テクテクテク 京太郎「でもたまには一人でいるのも悪く……」ピタッ 本当にそうか? 俺は…… 京太郎「……」 ゴゴゴゴゴ 京太郎「ん? なんだこの音は……」 照「……」 __ ´ ``ヽ / ∧ / ⌒. /\ i | | | | . i ′ ̄| | | ト、 |人 | | . | /_| | ̄ |_,.\| えア ヽ ... |  ̄ | | | えア r' | | | | 人 '. - / | i | |i ト、 . >─┐ {ノ. / ノ. 八 | \__ rァ'´ /\ ヽ /∨|/⌒/-‐= \ r' 人V_.∠-‐='/ \ 人__く_) ̄ ̄ | _ / 〉、_ //| _./─〈_∨ 三=/ / | 〈 | |. 三∧ / / '. | | 三Ξ∨/ ′ | | 三Ξ _.∧ | | ノ/ニニニニ[]ニニニニ∧フ| | / / . i i / / _〉 / . ̄. / . / i .′ | \__ } \ ̄ ̄| ̄ `\ / \ | |二二==‐-ィ ー|ニニニニi| | | |ニニニニi| |ニニニi| 京太郎「あれは照さん……?」 照「……」 京太郎「(照さんが早起きしてるだなんて……)天変地異が起きる!!」ハラハラ 照「京ちゃん、声が漏れてる」ジトーッ 京太郎「あ、あはは。冗談ですって」 照「……もう」 京太郎「すいません。でも、こんなに早くからどうしたんですか?」 照「ちょっと……ね」トオイメ 京太郎「?」 673 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/15(日) 23 12 35.04 ID VFsGtm+Ko [4/6] 京太郎「(これはシリアスモードの照さん……?)」 照「……」 京太郎「何か悩みでもあるんですか?」 照「……ううん、その逆。悩みが無くなったの」 京太郎「え?」 照「だから、どうしていいのか分からない」 京太郎「それは、どういう……」 照「私は……京ちゃんに再会する為にこれまで生きてきた」 京太郎「俺に?」 照「……咲とも喧嘩別れして、麻雀で強くなって」 京太郎「……」 そうすればきっと京ちゃんに気づいてもらえると思って…… 勝って、勝って勝って勝って。 有名になって――気がつけば全国で一位になっていた 照「取材の時には少しでも京ちゃんに見られることを思って、外面をよくしてたんだ」 京太郎「はい。最初見た時は……その、別人かと思いました」 照「麻雀はそれなりに楽しかったし、京ちゃんを感じることが出来たら……頑張れた」 京太郎「照さん……」 照「でも……埋まらなかった」 京太郎「埋まらなかった?」 照「菫達と知り合って、共に過ごしてきて」 京太郎「……」 照「どれだけ有名になっても、強くなっても……京ちゃんだけがいない」 悲しかった 寂しかった 辛かった 照「……心が枯れていくように、砂時計の砂が落ちていくように」 水の無い砂漠のような生活―― 照「私にとっては地獄の日々だった」 676 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/15(日) 23 31 13.45 ID VFsGtm+Ko [5/6] 京太郎「……」 照「だけど、京ちゃんに再会できて私の砂漠に雨が降った」トオイメ 京太郎「雨?」 照「抑えようの無い感情が雨になって……乾いた心を潤してくれたんだ」 京太郎「……買いかぶりすぎですよ」 照「ううん。京ちゃんに会えたから、私は心の底から笑えるようになった」 抜け落ちたピースをはめ込んだみたいに絵が完成した 溢れ出た想いはいつの間にか、大海原になっていた 照「私ね。京ちゃんが好きだよ」 京太郎「照さん……」 照「京ちゃんの事を知れば知るほど元気になれるし、京ちゃんの事を思えば想う程幸せになれる」 京太郎「だけど……俺は」 照「それで、私気づいたの」 京太郎「気づいた?」 照「これから何を目標に生きていけばいいんだろう? なんの為に麻雀をすればいいんだろうって」 京太郎「それは……」 照「本当はね、分かってるんだ。私の想い……京ちゃんに届いていないこと」 京太郎「っ!」 照「きっと……それはこれからも変わらないってことも」 京太郎「そんなことは……!」 照「私の頑張りは全て……無駄だった」ウツムキ 京太郎「……それはちが――」 照「だからこれを最後に、したいんだ」 京太郎「最後……?」 照「ねぇ、京ちゃん。今日だけ……今日だけは」 / .. .. . . | ! / . / / . ゙、 ! | ,.. '´. . .... . . . ..../ ......../ . ../ /| .... | ..| ! | . | / .... _/ . / / / /_,. ノ ! ;ハ | i i ! /'´--― '´/ . / ∠-‐/ ´ i ー/-|、 /! ! i |. レ'´ / . / / //  ̄ / /- ! / ! ∧ ゙、! / /;ィ^i , r==ミ、 ,!/,;ニ二レ、 i ノ i . ! // / |ヽ! ヾ p 。| b 。l メ ′ ;ィ ! l /イ . ; イ ! i  ̄ ̄ ´フ'"´ // ;ハ人  ̄/ / / / ヽ ! """ ; / /!. / / リ `、 i / | / λ _ i / / /,ノ / / 、 i ! / Y / 丶 `┴―' リ / ノ '"´ / ハ ト ! ヽ i | ;イ `>、 Vイ / ノ | ! ! i ` ! / | / ̄ ト、 `ー--‐' ´,.ノ i イ /-‐ ´ | ノ レ /  ̄Τ  ̄ ヽ、 _,,...-‐ i´ || |`ー-..、 照「京ちゃんの彼女じゃ……ダメかな?」 【てるてるガール の 巻】 679 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/15(日) 23 33 52.08 ID VFsGtm+Ko [6/6] 玄「凄いことに気づいてしまったのです」 .. ---- . . ≦ ミ . / . . . . . . . . . . . . \ / . . . . . . . ヽ . .... .. . ./. . .. .. .. ..\ .. .. ヽ ∨‘, / ./../.. . . ./ ./ . . . . . .i . . . . . .ヽ . . .. Vヽ . ∨ハ / \′ . . . .' . ′ . . . . | . . . . . . . . . . . . .Vハ ....ノ i / .7T..ト.... . i i| i . . . .{ .|、 { . . . . ハ . . . ト .i一 . . | ′/.. |.. |、 . ./| .|{ | . . . .ト { \ .、 . . / ヽ | . .. i .| / .. i|.. { .\ | ハ {、 . . .廴__ 斗< . | . . .| . | . .. | .. | il . . ii 八 { { |≧十\ ∨ ,. `| . . ..ト | . . | .{. | |!.. . ,| .. .トド\ _, ` z.、__レ| . . .|´j . . ..| . ( \ / ) {_.}_} r‐ ,| { . /l| . 小≧==' '^ ´` ̄´`! . . |' } . . ..| . { \ \/ / _| |_/ ) 八| ハ| . . { .i xxx , xxx | . . . |_,} . . ..| . .i . / (__ __ ヽ __ (__) | . . 八 | . . . }V . . .. . . { / 〃 | | ) } (_ ヽ .イ i! . . | i .. 丶 ノ , . . ./ i . . . i . . { {____. | | (_ ノ ) } 〃{ .} . .{ | i >... イ/. . /i ,′ . .八 .l 乂 ___ ) ._ノ (__ノ { i. { ハ . . V |l . . .} .r } ̄ __ ノ/ . ./ ./ . . . . i{ . . {. 八从 , .∧ .{ リ ノ 入_/'i{ /ィ / / . . . . / { . . . . ∨ . . . .\V‐≦ムイ /》___.ノイ 7 . . . . /廴 .. . .八 /;.. . . . . ./ \}! r‐〉ォ´ ̄ }ノ / . . . ./ , ヽ .∧. / / . . / ノ{{ '介′ i{ ./ . . . ./ / ∨. ∧ ノイ .. . . ./! く 廴. / .|乂 __人/ . . . ./ / i . . . __ノ/ .. .. 厶}/ \ ノ{ /j__ 斗-/ . . .. / i / { . ∧ 照「ねぇ、京ちゃん。今日だけ……今日だけは(京だけに)」 デデーン ___ 〃 ´ `丶、 ヾ / \ ヽ / / │ ヽ . / /l | |ヽ │ . {{ | i ト匕|\ ト-\| ト | | | { } |八{{ ̄ `}}_{{ ̄`}| 「 | | | }} |汁===介===1| |ノ| |リ プルプル | |} -〈┼‐ . }} |ノー弌 | 个ー‐_ァ==≦l |_______}、 |i人___ _リ 厂 ̄__}\ /{ ̄ ‐‐==厶イ__彡⌒ヽ \ { { \_______彡 i |/{{ }\ ハ { }} ∨ 人__∧人__| i | {{/ |∨} } }}. |八_/ { | i | /{{ | 〈/ /l〃l{ o} \乂/ i{ リ \ } //イ 八 {、 / }} ,゙| \ {{ /〃 | ヽ oヘ / /{{/│ \ { / 〃 │ -=い 丶/ /}八 \}} / {{. 八 〉 o/´ / {{ }\ \. / .}}/ ∨ } ,′ / }} \.\ 687 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/15(日) 23 53 29.63 ID g809xdifo [1/2] 【二日目 大阪の街並】 竜華「ここが大阪やで!!」デーン ガヤガヤガヤ ザワザワザワ 和「賑わっていますね」 透華「人ごみのバーゲンセールですわね」 はやり「うわぁ、美味しそうな匂いがするねっ☆」 菫「ダイエット中の身には少しばかりキツイな」フフフ 京太郎「(照さん……朝のアレは本気なのか?)」 照「むふふー」ギュッ 竜華「ちょ、こらこら! くっつきすぎや」ピピーッ 照「違う班は入ってこないで欲しいんだけど」プイッ 竜華「ほう……?」ビキビキ 煌「ま、まぁまぁ! 少し落ち着いた方がいいかな?」アセアセ 和「(私も須賀君と腕組みしたいです……)」ポワー 菫「照、あまりやりすぎるなよ? 京太郎君はアイドルなんだ」 照「うん、分かってる(照だけに)」 竜華「心配や……」 ハギヨシ「……」 透華「ハギヨシ? ずっと黙ってどうしましたの?」 ハギヨシ「透華お嬢様、非常に申し上げにくいのですが……」 透華「?」 688 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/15(日) 23 55 14.30 ID g809xdifo [2/2] ハギヨシ「B班がすでに……透華お嬢様以外がロストしています」 透華「」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 伝斗ゃ'で~ ̄ ̄ ̄¨功ァュ。 _. <. ,....-..、 `丶、. /.,.rf厂―''ッ''"゛ ! 劣ix /. ×←咲チャン..ゞ゙l l゙´゙!、.....\ Ⅹ....} ,,..′ .{゙゛ ,,/゙'‐゙ブ゙ヽ .ヽ. ヽ Ⅸ.. ゙l .く、 ゙^"'ーく ! ! .!... Ⅹ / __,ノ .\ ! / ,/ .|. Ⅸ.. ∧. / 兵庫 `゙'''、 京都 ..l | .../ !´`'-,,-. Ⅵ. ,′. / /-,、 !,.,ミ゛滋賀 〉 .,ゝ Ⅶ. φ ! ゙!、`t,,、 l. | ./. Ⅷ.. i. 、 ___ │ ゙.l ゙'-/'' '" ./. キ |.¨^^゛.r¨^^゛ ゙''-、_ __,,,,,,l゙●←タコス __} |. | l _7''''" 大阪./ `"'"" | '|. l ←発信器. キ. _/ / ,,ノ | ヽ, .`'--、, i. Ⅷ. / ! ,/★←淡 ,./ 三重 ,!.゙√ ,r'´ ̄ ̄ ヽ. Ⅶ. く ゙l ..i''ヽ-‐'''''''" .ヽ 奈良 | __, ,/. ,' /丶 _//∧ l'⌒ヽ-、_. Ⅵ. ゝ.../ `j ,ノ | ... ‐''゛ .`''゙..∨ / .|ヽヾ、7/ i| ヘ_/^ヽヘヘ Ⅸ / ./ ,〉 | Ⅸ.... / |,⊥ミ∨/l| ト、 └ユ Ⅹ | 和歌山 ヽ , '" /. Ⅹ ! .i ト、 ヘ ヌ二¨ ヽ ! ヽ ヽ, .(,_, ./ ,r'".. ≠. l |L_ ゝヽ_/ ャ=ヽャ‐ \-、 \. \  ̄ヽ. / / i '7_,.≧=- }} ′ ` ヘ. \ヽ ヽ、. | / ,.ィ{ j ff'"⌒ヽ ノ 、_,.ィi レ、 l ヘ! `ミ<. ヽ..、 ./ rf〔 ノ 7弋 , , 爪从 . i l `≧=‐-=ニ二二ニ=孑≦ イ ハ tt彳′ u l j ∧━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━.. // ! ト、 _ ‐ュ /7 ∧ヘ /,ハ ヽヽヘ f二´-‐'' " / / / ヘ ヘ { { ヘ 丶 ゝ _ /∨ / ヘ ヘ ヘ! ゝ \ ` ┬-‐' /! ィ′ ヘ ヘ 丶、_ \ 广弌irく l l 〉────'┼‐-、 !| \ Y/ /V ≦ヽl ∨ l ト !| ハ l| ィイ' 7ソトミ、 ヽヽ ヽ. l l 厶イ j ∧/ //ハヽ\∨lルl l f´ i ノ/ ∧∨// ヾ 、 ゝ'.ノ l 透華「いやぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!」 ハギヨシ「おいたわしや……」ホロリ 京太郎「おいおい、まだ宿を出て十分だぞ!?」 菫「侮ったか、奴らのポンコツ力を」 和「……咲さん、ゆーき」ホロリ 694 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/16(月) 00 06 17.31 ID XbGCGpORo [1/10] 透華「み、見つけ出しますわ! 龍門渕の全てを賭けてでも!!」フラフラ . ヾ 、 丶 . . 、 . ‘,ヽ . . ヽ . . ;,;ヽ . ',== 、 . ヽ .. ,;才"´ ‘, . ', 丶 . ‘,.イ _- . ‘, ハ ‘, . ', ,.ィ"´ . . . .‘, . i ', '; イ . ,,;。-≦='; lミ≧=-} . . . , ィ升''"´ _', ! ` '''l . ィ匁'" ,+±-, . l、 l i 才 rTlllllllllli, l+ l .! 丈llllllllllllli ll 八 . .ハ 于+lllllllllllli, .! .ヽ . ヘ 、 '±┼十´l .l ヽ . ', ミ爻x、 l l ,ィx .ベ''爻≧ト.,,_ l ! _,,.。ャ爻彡ム ` 、ヾミミ=爻三圭ニ圭非圭圭彡''"- ', ` ー` ‐=ニ 三三三ll三ニ≠二 ‐ !  ̄ - l!=ニ= ´ .! ハギヨシ「かしこまりました。すぐにでも手配を!」 竜華「そないなことせんでも、うちらで探したらええって」 和「そうですね。二人が心配ですし、私達も手伝います」 はやり「面白そうだね、はやりも手伝うよ!」 ハギヨシ「しかし、よろしいのですか?」 和「大阪見物はまたの機会がありますから」 竜華「土地勘ならうちが一番やし」ドヤッ はやり「こういうのって大人の役目ですからね」 ハギヨシ「ありがとうございます!」ペコリ 京太郎「じゃあ、オレ達も……」 菫「あー、それなんだが京太郎君」 京太郎「はい?」 菫「A班まで捜索に出れば、照が迷子になる可能性が高い」 照「そんなことはない」 菫「なので、今日は京太郎君が照のお守りをしてくれないか?」フフッ 京太郎「菫さん?」 菫「頼む……元気づけてやってくれ」ポンッ 京太郎「……はい!!」 菫「うん。いい返事だ」クスッ {{{ ,r‐─===‐- _ / ´ `ヽ \ `ヽ . "/ . / / / . . / / / / |i | li } . //イ /⌒i | | |i l⌒|i } i .'/ ∨ ,,__|i_| 」_八_/i リ } | . 〔// 〔 ̄` =ミ、/ } . //| | ′ "" / リ ′ /_ | 从 / / / / / 〔 |_ /ハ t ァ /___ / _/ ' / .*゚ / . ./ , |i ′ ゚+'. . / / ーr‐ ´/ ハ |i | '% / ' _.ノ〕 . //> | . 〔´ / ' / `ヽ ' 〃 / / ' \ . / | ∧_/ / /⌒\ / | .′/ / / ヽ }} 菫「さて、私は淡の行きそうな場所を探すとするか」 699 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/16(月) 00 18 51.87 ID XbGCGpORo [2/10] 【一方その頃 通天閣付近】 淡「ねーねー、こいつどう思う?」つ京太郎の写真 大阪のおばちゃんA「あらぁ~、えらい男前の兄ちゃんやねぇ!」 大阪のおばちゃんB「アイドルみたいやん! うちがもう10歳若うかったら手出すんやけどなぁ」 大阪のおばちゃんC「あほ! このお嬢ちゃんの彼氏に何言うとんねん」 淡「違う、彼氏じゃないもん!!」ムスッ おばちゃんA「せや! どう見ても兄妹やろ! せやな?」 淡「えへへ……うん!」パァァ おばちゃんB「ほんまそっくりやん!」 おばちゃんC「美男美女やなぁ……ほら、アメちゃんやるで!」スッ 淡「……」ニマニマ 【一方その頃 道頓堀付近】 優希「おー! これは中々の中々だじぇ!」モグモグ タコス職人「OH! 喜んで貰えてベリーハッピーねー!」 優希「だけど京太郎のタコスには敵わないじょ!」 タコス職人「Whats? KYOUTAROU?」 優希「日本一のタコス職人の名前だじぇ……覚えておけ」キリッ タコス職人「GOOD! その名前、必ず覚えておきマース!!」 優希「……そう言えば、京太郎はどこだじょ?」モグモグ 【一方その頃】 ドガァァァァン!! ガラガラ タタタタッ バンッ! バンッ!! バターン!! 赤い外套の男「やれやれ、こりゃまた……とんだマスターに引き当てられたものだ」ドヤッ 咲「あ、えと……」 ~~ ~~ -―――- ~ ~ ..... . `丶 / \ } } . . { { / / . . │ |\ |\ | . } } / | / | | ト- |--∨\ | { { / /| |ノ| 八 | _..斗-=ミ\| | | / | /-匕-=ミ\|\| 〃⌒゙ヾⅥ | | } ココどこ…  ̄ ̄ | | イ /〃⌒ヾ {{ }} }|/| | | { { | 八ハ{ {{ }} ゞ==(⌒) | / | } |/| {. ハ (⌒)=='' /// |/} | | ヽ_| /// __,ノ | }. { レヘ 八 _.. ‐~‐-、 イ / { } ∨个 .._ (_,,.. ‐~~' イヘ /|/∨ \| _≧=一ァ 〔/⌒T iT7ス r=Ti i i i i i 7____/i i i i i i i/ ∧ } { ∧i i i i i i i i | /i i i i i i i/ / ∧ { } / {\/⌒)_∠二二/| / ∧ / ゙T{ 二(__ `ヽ _ヽ / ∨ハ. {_ / \/ _〉. { /\ _ | ノ _) 人._ |_/|/ } } \_____,|/ /i i\  ̄ ̄`ヽ j { ∨ / /|i i i i i|\ | / /´|i i i i i| 丶 ... ______丿 赤い服の金欠ツインテール「(なんか変なのがいる!?)」ガビーン 【現在地 冬●市】 703 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/16(月) 00 33 27.70 ID XbGCGpORo [3/10] 【そして大阪】 照「……」 煌「……」 京太郎「さて、残ったのはオレ達だけですね」 煌「まさかたったの十分で三人になるなんて」 照「何の為の班分けだったんだろうね」トオイメ 京太郎「ですよねー」 煌「うーん。とりあえず、私達だけでも色々と見て回ればいいんじゃないかな!」 京太郎「それもそうですね。折角の大阪なんですし」 照「くいだおれ!?」キュピーン 京太郎「ちゃんと夜ご飯の事も考えてくださいよ?」 照「分かってる。それに、夜ご飯はまた別腹」ワクワク 京太郎「大丈夫かな……?」 ~~十数分後~~ ,;r────ーュ ; |l| \`l . | ;γ´ 'ヽ γ´ 'ヽ , ,, || ̄ ̄|| ̄ ̄|| |l|,、 . i | . | ; || ̄ ̄|| ̄ ̄|| || ̄ ̄|| ̄ ̄|| ;,. ',; . " || ||// || ~; |l| \i | . | || ||// || ,";; || || // || ,' γ´ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ; .,;||==||==|| /三三 三 三三\ =||==|| .; , ||==||==|| /.lニニニΨニニニl.ヘ ;;|| //|| ||゙/三三三三三三三三\..|| || ||// || || .; ' ,|| ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄ ̄|| ; , , '{ニニニニ.. /三三三三三三三三三三\..  ̄'| ;. | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄'| ||___||___|| ; , lllll、| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄|.゙ ̄ ̄ ;  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ . '',.; || ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄ ̄||_______________.゙l三三l タ | コ .| や _|. き | 屋 | . ____________||___||___||___,|__|_......|三三|__|__|__|__|__|\l゙ || ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄ ̄|| ,__|__|......ヽ三ノ .|| ∧_∧. \ ..| || | ||___||___|| _,|__|__|__|..||(;・∀・ ) \|__......||.._________,. - ――-- 、゙______,|| ゙||O づ .゙|| . . , -、´ - 、 、..゙ , . {二二二二二二二二二二二二二二二二二〕.゙/三/三/三/..,. / \ \ /三/三/三 ゙| ____________| . / ' | 、 \ \ ヽ..... ,===============.-| | ヽ;;;; ;;;ノ | | =========.゙/ | | | ヽ l ヽ . |゙========= / _,∧{ | _|__,从 | |-、 l | _,. -─……─-.  ̄ / ∧ {'Ⅵ___ ヽ、 l ノィ { ∧{ { /ィ从\ Vソ ' ∨| |、 从{ \ モグモグ!! ´........................................................\. 〃 u /イ}/ } /∧ もう、口にこんなにつけて…… /.......................|........ト、..............................ヽ ` ー、 _ //////{ ガツガツ!! ../....................| |...i|........| \...........|....| `ヽ`_....イ /////`> 、 /.........../ .....|.._|_八......| \__....|............i ,__ _}/∧ \/////////>  ̄  ̄ ̄|...|....| [ \| \|....|............| _人_ ,ィ////////〈 「//////////////> 、 |...|....| 三三三 三三三 |............| `Y...////////////{ ///////////////////} |...ト..| xxxxxxx xxxxxx |............|. l//////////// Y////////////////////| i|...|....| |............|.. i//.///////// (_)////////////////////| ||...|..人 。 。o 人.......l..| |i... と,..--ィ `¨¨ヽ、//////////////|////////| 八Λ |lY⌒Yli===( .<......../|/. |//|/ ,ィ,- \////////////////////| / ̄ .|l| `ニ´l| / / / \ ヾ |〈∨ // ,.--、 /⌒\//////// |////////| /. \ |i(´ )l||./_/ / ハ |/`{ノ l{ノ///`>/////\////// |////////| /... l|l ¨´l|!フ /. ', 〃 l.////.|//////.{////////\//// }////////} / i|l !|!'⌒Y!|l,'⌒Y⌒Y⌒; ハ ; |////..|///////\////////\/_ノ/////// / \ !lゝ._ノ、 二二二二二(_ノ/ i|l |/////i./////////\////////////////// 京太郎「ほら、こっち向いてください」フキフキ 照「んー」 京太郎「ほら、綺麗になりましたよ?」 照「えへへ……// ありがとう京ちゃん!」パァッ 京太郎「もう、世話が焼けますね」クスッ 照「……うん」ギュッ 707 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/16(月) 00 45 43.71 ID XbGCGpORo [4/10] 【とある公園のベンチ】 照「うぅ……」 京太郎「だから食べ過ぎちゃダメだって言ったんですよ」プンプン :_,. -─……─- : . ´........................................................\: :/.......................|........ト、..............................ヽ: : /....................| |...i|........| \...........|....|............:/.........../ .....|.._|_八......| \__....|............i : ̄ ̄ ̄|...|....| [ \| \|....|............|: :|...|....|┬─┬ ┬─┬ |............| |...ト..| 乂 ノ 乂 ノっ|............|: :i|...|....| |............|: ||...|..人 , _ 人.......l..| 八Λ.....> _ . <......../|/ \|\_,ノ⌒ 〈___/ ⌒ ‐-ミ ;/ ̄ | \ ∧ / / / \; / | \ ∨_/ / ハ :/ \ Χフ / /  ̄/ Τ  ̄ ',; ;\ | 〈 ∧ 〉 | / 照「おなか痛い……ぽんぽんさすって」ウルウル 京太郎「いや、それは流石に。煌さんにお願いすれば……」 煌「ちょっとお花を摘みに行ってきますね。ついでに正●丸でも買ってきます」フフフ 京太郎「うぇっ!?」 煌「……(宮永さん、今日は貸しにしておきますよ)」フフフ タタタタタッ 京太郎「煌さぁぁぁぁん!!! 貸しにしすぎじゃないですかぁぁぁ!!」 照「うぅぅ……いたぁい」ポロポロ 京太郎「ああもう!!」 スッ サスサスサスサスサス 照「ふぁっ……」ビクンッ 京太郎「くすぐったいですか?」 照「……ううん。気持ちいいよ」ポワワン 京太郎「ここらへん、かな?」サスサス 照「んぁ!? そ、ソコはダメ、だよぉ……」ハァハァ 京太郎「え? じゃあ、ここですか?」サスサス 照「っ!!」ビクビクッ 京太郎「あ、痛かったですか!?」アセアセ 照「……ほぼイキかけました」キリッ 京太郎「は?」ピタッ 照「うぅぅぅ、痛いよぉ」ポロポロ 京太郎「あ、すいません」サスサスサス 照「あふー」ポワワワーン 710 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/16(月) 00 54 59.35 ID XbGCGpORo [5/10] サスサスサスサス 照「……」ポーッ 京太郎「落ち着きました?」 照「……うん、ありがとう」 京太郎「これからは気をつけてくださいね」 照「……」ウツムキ 京太郎「照さん?」 照「ねぇ……京ちゃんは、どうしてそんなに優しいの?」 京太郎「え?」 照「昔からそう。バカみたいに他人の事ばっかり」 京太郎「それは……」 照「アイドルだってそう。元々は誰かの為だったんでしょ?」 京太郎「……そうです」 今だってそうなのかもしれない。 優希には自分の為にやっていることが楽しいって言ったけど…… 俺が本当にアイドルを目指す理由は、今でもきっと…… 照「そしてそれは……」 コンマ安価↓3 京ちゃん【覚醒】 00~29 照「私の為、でしょ?」 30~89 照「……」 90~99 照「私の為じゃ……ないんだよね」 717 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/16(月) 01 07 42.55 ID XbGCGpORo [6/10] 照「……」 京太郎「照さん……?」 照「ううん。なんでもない、ごめんね変な話しちゃって」スッ 京太郎「あっ……」 照「もう大丈夫。それよりも、次どこに行くか決めておこう?」 京太郎「でも、お腹は……」 照「折角、今日だけは京ちゃんの彼女になれたんだから……寝てばかりもいられないよ」フフフ 京太郎「照さん、俺は……」 照「それ以上はダメ。だって、まだ魔法は解けてないんだから」 京太郎「……」 照「……まだ私は」 ,.. ' ´ ̄Τ ̄`丶、 / \ / / .. .. ... ... ... `、 ./ ./ i | / i 、 ..、 ! / ! .| | | . | . |、 ! .. | | i /! | | | | ハ i | | | .! i . / | |、| | | | !| i i| i| ! | !/ | { 、!ハ !| ヾ |i | | /i / ! | `ー、ヽ! ,ヽ!V ´ ノィ / |∧ ヽ、 _ __ / / / r、 ´ ̄ ヽ 、 リ `ー--イ/w/ / / \゛、 `、 ! i リ ! / ` ヽ,、 / ! \、 `ヾニー-ニ/ ソ /∧|( \ !ヾ、 `、 / /イ ゙、. ヽー‐-、 ヽ! ヾ、、 ヽ / /イ ノ i 京太郎「(俺は、どうすればいいんだ……?)」 どうすれば、この人の気持ちに応えられるのだろう? 京太郎「……」 720 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/16(月) 01 19 28.03 ID XbGCGpORo [7/10] トテトテトテ 煌「おや、具合はもう大丈夫なんですか?」 京太郎「煌さん……」 照「……」 煌「……ふむ」ジーッ 照「……」ウツムキ 煌「ダメですね。やり直し」バッサリ 京太郎「え?」 煌「ちょっと私用事を思い出したので、後はお二人で大阪見物してください」プイッ 照「!?」 京太郎「で、でも!?」 煌「腕立て1000回と腹筋1000回、外郎売100回をやりたいんですか?」ニコニコニコ 京太郎「イエ、ナンデモナイデス」ギギギッ 煌「……京太郎君?」スッ 京太郎「あ、はい!」 /........................................\ ............... ∧ ヽ........ヾ¨ニ=-...、 /....../ / ‘, _ < V \ _j 7 i ー/ ‘.´ i i ヽ|l ⌒ヽ ハ ..=ニ7/ | 从 }ト /i /i ..|l У..... / / V \r'W {=ミ 斗劣气イ /リ / i. 〃 / ゝ 、 「斗劣气 に 刈 》イ__/ / ハ / ヾヘ《 に 刈 `¨ i > /. {.. ¨ニ=---=≦ rヘ `¨ ' 〃 | ノ `¨¨¨¨ \ /乂 〃 r‐ ^ヽ ノ ` ー=≦ ゝ ゝ __ ノ / r‐、 /¨二ヽ_ ≧= イ ` V / r―-ヘ 八}__ _八______ ヽ ゝi /¨`7 }  ̄ ̄ ̄〈 /└i / ヽ 八 ⌒ / / }o 入__rへ_/ i r=〉 、__ / i }/、 { _ } / i 川 i =-〈} / Ⅵ ヽ} |/ /___彡/ .川 i i i/ /ニ=- ,_ }| | l| V三三/ { / ミ=ミ У | l| 〉⌒7 ノ 煌「アナタ、細かい事考えるの苦手でしょう?」 京太郎「!!」ドクンッ 煌「だからいいんですよ京太郎君は。何も考えずにバカみたいにいてくれれば」クスクス 京太郎「ば、バカですか?」ガビーン 煌「見てみてください。京太郎君が気持ちよくいてくれれば――」 照「あっ……」 煌「みんなもつられて笑っていますから」ニッコリ 京太郎「煌さん……」 煌「じゃあ、後はお若い二人で楽しんでもらおうかな?」 照「あの、その……」 煌「いいんですよ。困った時はお互い様ですから」フフッ 照「ありがとう……」 725 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/16(月) 01 35 46.85 ID XbGCGpORo [8/10] 京太郎「行っちゃいましたね……」 照「うん」 京太郎「これで二人っきりですけど、どうします?」 照「京ちゃんと一緒なら、どこだっていい」 京太郎「そうですか。なら、俺が決めてちゃいますよ?」 照「え?」 できるわけ、ないと思ってた 京太郎「もう、引き返せませんよ?」 ずっと逃げてきたんだ 照さんの想いに応えることから…… 俺には受け止められねェ……そう思ってた…… ~~「……風邪、引くよ」~~ あの人と、出会うまでは 京太郎「……」 灰色に染まりかけた俺の人生を、あの人が変えてくれた 俺を、暗い闇の底から救い出してくれた だから、だから今度は俺が…… 誰かの為にこの手を差し伸べたい! 京太郎「照さんは、俺に想いをぶつけてくれました」 悩みながらも、苦しみながらもこんな俺を好きでいてくれた 俺を想い続けてくれた 京太郎「だから、やらなきゃ……やってやる!」キッ 照「京、ちゃん?」 / / | | | | | l l | | | | | / / | |__ | | | | | l l /| | | | |. /// | |\ |‐\八 | | | |__,l /-|‐ リ リ | | / / - 、 | x===ミx|‐-| | `ー /x===ミノ// / ∧{ / | .八 _/ { { 刈`| | l /´{ { 刈\,_| イ /ー―‐ ..__. / / | |/ \{^ヽ 乂辷ツ八 |\| /' 乂辷ソ ノ^l/ } / . . . . . . . . . . `「⌒ .. // /| l、 ー‐ \{ | / ー‐ j/ /}/ . . . . . . . . . . . . . .| . . . . . / _,/ . ..| | \ ! j/ ′/ . | . . . . . . . . . . . . . . .| . . . . . . / . . . . { |\ハ_, ノ ,___/{ . .| . . . . . . . . . . . . . . .| . . . . .∧. / . . . . . . . ′ | . .|\圦 / j/l/. . ′ . . . . . . . . . . . . . . . ./ . . .∧. /. . . . . . . . . . ′_,ノ⌒ヽ | 、 、 _ -‐' / . / . . . . . . . . . . . . . . ./ . / . . / . /\ . . . . . . r‐ ' ´ ∨\/ ̄ )  ̄ ̄ / /. ./ . . . . . . . . . . . . . . / . / . . ./ . . / . . . . . .\ . .ノ ----- 、 ∨/ / 、 / ,/ . / . . . . . . . . . . . . . . / . / . / . . . . . . . . . . . . . / ‘, ‘, ./、 \ / /. . / . . . . . . . . . . . . . . ./ . // . . . . . . . . . . / . . . . .{ ---- 、 ‘, } / . . } ̄ \ ̄ ̄ ̄/ ̄ / .{/ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . -<⌒ . . . . . ./ . . . . ./ ‘, ‘,「l /⌒^\________/}/ . . . . . . . . . . . . . . . . . /´ \ . . . . / . . . . . .{ . . ‘, 人U{ . . . . . . .| \ / .| . . . . . . . . . . . .―‐┐ / \ . . . . . . . . } -- /\ . ノ r/ / . . . . . .| . . . \ ,/ . . . | . . . . / . . . . . . . . . . . ./ 京太郎「悪りぃな! 今日のデート、荒れるぜ!!」 照「!?」 続く…… 730 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/16(月) 01 44 20.52 ID XbGCGpORo [9/10] 【テルテルガール 後編 予告】 照「そんなの、分からないよ――」 迷いの中に生まれる葛藤 照「だって私の心は……こんなにも、暗い暗い深海のように沈んでしまったんだから」 照を包み込む深い絶望 京太郎「もし、その想いが溢れるなら、絶えずに降り注ぐなら!!」 照の想いを知った京太郎が取る、驚くべき行動とは!? 照「京……ちゃん?」 そして12時の鐘が鳴り響くその時―― 京太郎「永遠に解けない魔法を……知ってますか?」 果たして京太郎は照を救えるのか!? 京太郎「虹だ!! 虹を出してくれ!!!」 【テルテルガール 後編】 To Be Continued…… 765 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/16(月) 22 56 31.35 ID bhO0MyZro [2/7] ~~前回までのあらすじ~~ 唐突に京太郎への想いを告げた照 困惑する京太郎に照は「今日一日だけ京ちゃんの彼女になりたい」とお願いする 承諾した京太郎――だが、本当にこのままでいいのだろうか? 今日が終われば京太郎への想いを諦めると宣言する照に対し京太郎が出した答えとは!? 京太郎「悪りぃな! 今日のデート、荒れるぜ!!」 照「ふぇ!?」 京太郎「ということで、さぁ行きましょうか」スッ 照「あ、え? で、デートって、その……//」カァァ 京太郎「俺から離れないでくださいね、お姫様」ニッコリ 照「うん……//」コクッ ギュッ 京太郎「……」ゾクッ 久しぶりに触った照さんの手は昔とは違って恐ろしく無機質で、冷たくて―― 京太郎「っ!」ギュッ その心の奥に、どれだけの絶望を抱えているのか――俺には分からない 照「にへへ……」 でも、それでも俺は……  ̄ ̄ ̄ ´ `ヽ / . ∧ / .,. / 〔 / ! | ト、 | | i ′(京ちゃんの手あったかい……) ′ ∨ | i| | ´ ̄ } i| }i | . . | 〔´⌒ヽ八 | ∨リ | 八_| .. / | i{ __ \{ ,イ庁不、〕/ } . /__! ト、 {ィ芹示、 乂 ソ ′ 人 八| \{ 乂ソ //// ,r ´ | / ∧//// ` / i | i .′ / . _ _ | j ! l| . / 个 ` イ〔_ リ /| | リ l/ i| ! ≧. . .-r ´ ヽ\/ ! ノ,イ /. / | / { ∧ ト、=´〕 / =‐- .,_ ' 〔′ ヽ〔 _,. -‐ ' | / γ⌒ヽ ∧ |__,. イ / / 丶 | /' / i この人を救い出してあげたいと、思ったんだ <<てるてるガール 後編>> 769 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/16(月) 23 06 57.44 ID bhO0MyZro [3/7] 【大阪の街】 ガヤガヤ ザワザワ 京太郎「照さん、どこか行きたい場所とかありますか?」テクテク 照「ううん、どこもない」ギュッ 京太郎「え? 折角の大阪なんですよ?」 照「こうやって京ちゃんと歩いているだけで楽しいから」フフ 京太郎「そ、そうですか……」カァッ 照「ん? 赤くなってる?」クスッ 京太郎「うっ!」ギクッ 照「かわいーね」ツンツン 京太郎「ほ、ホーンで攻撃するのはやめてください」 照「京ちゃんのホーンもなかなか」 ガキィィィイン!! 京太郎「……ムシ●ングみたいですね」 照「うん。そうだね」 ザワザワ ガヤガヤ 京太郎「行きましょうか」 照「うん」コクリ くそっ! すっかり照さんのペースにはまっちまってる! 京太郎「(このままじゃ……照さんを苦しめている理由すら分からないまま――)」 照「にゅひゅひゅ……//」スリスリ 考えろ。 照さんはどうして急に――あんなことを言い出したんだ? 京太郎「(その答えを、なんとしても今日中に見つけるんだ!)」 照「んにゃぁ~」ギュゥゥゥ 京太郎「(むっちゃいい匂いする)」ポワワーン 選択安価↓3 1 ゲーセンに行く 2 浪速の虎の試合を見に行く 3 世界のイチョウの大阪公演を見に行く 4 その他 可能な範囲の行ける場所(ダメだと判断したら安価↓) 777 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/16(月) 23 21 18.38 ID bhO0MyZro [4/7] とにかく、時間を稼がないと どこか時間をつぶせるような場所は…… 京太郎「それじゃあ、ゲーセンにでも行ってみますか?」 照「うん、いいよ」コクリ 京太郎「はい。UFOキャッチャーでもやりましょう」 照「得意なの?」 京太郎「お任せあれ!! ってほどには」アハハ 照「あっ……(察し)」 京太郎「と、とにかく行きましょう!!」スタスタ 照「あ、待って!」テクテク 京太郎「(ゲーセンならゆっくり考える時間が持てる筈だ!!)」 映画とか演奏会とかボクシングの試合を見ながら考え事は難しいし、きっと大丈夫 ゲーセンでそうそう何か起こるわけ―― 【大阪 某ゲーセン】 ザワザワ ガヤガヤ 西の高校生探偵「こりゃ殺人っちゅうことや!」 隣の女「ほんまなん、ヘイジィ!!」 メガネの坊主「あれれ~♪おっかしいぞ~?」 京太郎「」 照「事件?」 京太郎「こ、これは……!!」 選択安価 1 逃げる 2 とりあえず逃げる 3 走って逃げる 京太郎「って、逃げるしかないでしょ!」スタコラ 照「坊や可愛いね」ナデナデ メガネの坊主「あはは、ありがとうお姉さん(なんでオレ撫でられてるんだ?)」コンワク 京太郎「照さんんんん!? その子に関わったらダメですってばぁぁ!?」ガビーン 783 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/16(月) 23 33 27.33 ID bhO0MyZro [5/7] 色黒探偵「なんや兄ちゃんら、この坊主は見せもんやないぞ」 隣の女「ええやん。可愛い子をなでたくなる気持ち分かるで?」 色黒探偵「このどアホ!! 殺人現場で何言うとんねん!!」 隣の女「なんや! そんな言い方することないやん!!」 メガネの坊主「(おいおい、お前らもなー)」 京太郎「とりあえず、今のうちに……」ソローリソローリ 照「ねぇねぇ、容疑者は誰なの?」 メガネの坊主「え?」 京太郎「」 照「この事件は私が解く」ムフーッ! 京太郎「あ、ダメだこりゃ」ガビーン 色黒探偵「ど素人が口挟むんやないで」 照「いーからいーから」 隣の女「そんじゃ、うちが知っとること教えたるよ」ニコッ 照「ありがとう」 隣の女「まず、犯人候補の容疑者なんやけどな?」チラッ 容疑者T(十一番隊隊長)「違う! オレじゃない! オレが刺そうとしたのはアイツだ!!」ビシッ 容疑者G(三番隊隊長)「そないなこと言われてもなぁ……ボク、身に覚えあらへんもん」 容疑者S(五番隊隊長)「私はそこのGが怪しいと思うね」 容疑者G(三番隊隊長)「かなわんなぁ……ボク疑われとるやん」 容疑者K(十番隊隊長)「オレはただ強い奴をぶった切れりゃあそれでいい」 メガネの坊主「ちなみに凶器を持っていたのはTさんだよ!」 照「ふむふむ」 色黒探偵「ちなみに被害者はこの子や」 被害者M(五番隊副隊長)「」 京太郎「可愛い子なのに……(幸薄そうだな)」ガビーン 792 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/16(月) 23 43 51.90 ID bhO0MyZro [6/7] 788 素でミスった ゴメンなしゃい 照「……」 色黒探偵「ほら、嬢ちゃんらはとっとと帰れや」 京太郎「そう言ってますし、ご厚意に甘えましょうよ」 照「凶器……殺人のすり替え」ブツブツブツ ピシュゥゥゥゥン! 照「そういうことだったんだ!」テコリンッ! 京太郎「照さん?」 照「謎は……全て解けた!!」 京太郎「!?」 メガネの坊主「!?」 色黒探偵「なんやて工藤!?」 メガネの坊主「おい!」 色黒探偵「せやかて工藤……」 メガネの坊主「おい」 照「Mを差した犯人……【鏡花水月】はこの中にいる!」 京太郎「」 一同「「「ザワザワザワ」」」 照「犯人は……!!」 選択安価↓3 1 容疑者T(十番隊隊長) 2 容疑者G(三番隊隊長) 3 容疑者S(五番隊隊長) 4 容疑者K(十一番隊隊長) 5 容疑者T・K(オサレ漫画家) 806 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/16(月) 23 56 58.39 ID bhO0MyZro [7/7] 照「この人!!」 容疑者T・K「!?」 色黒探偵「ホンマか姉ちゃん!?」 京太郎「ちょ、ちょっと!? どうしてこの人なんですか!?」 照「なんかサングラスしてるし怪しい」 容疑者T・K「え、それは……」 京太郎「そんな理由あるわけないでしょ」 色黒探偵「……」 メガネの坊主「……」 京太郎「ほら、探偵さんたちも怒って……」 色黒探偵「せや! こいつが犯人やで工藤!」 メガネの坊主「奇遇だなハットリ! 俺もそう思ってたぜ!」 京太郎「あるぇー?」 容疑者T・K「ち、違う! 私じゃない!」 ごつい刑事「覚悟しろ! 話は署でゆっくり聞かせてもらうで!」 容疑者T・K「」 休 載 不 可 避 ファンファンファンファンファン 照「事件が解決して……よかった」ホッコリ 京太郎「いや、何かすごくまずいことをしてしまったような気が」アセダラダラ 容疑者S(五番隊隊長)「(バカばかりで助かったよ)」ニヤリ 名探偵の孫「おい、アンタ」ガシッ 容疑者S(五番隊隊長)「!?」 名探偵の孫「なーんか、キナ臭いんだよね」 チャリで来た警部補「んっふっふー、アナタ何か嘘を仰っていませんかぁ~?」 容疑者S(五番隊隊長)「」 後日 ヨン様そっくりの犯人が捕まったとか捕まってないとか 名探偵の魔の手からは絶対に逃れられないっ!!! 811 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/17(火) 00 04 26.57 ID iVBhIvx7o [1/16] 京太郎「結局、ゲーセンでは遊べませんでしたね」 照「でも楽しかった」 京太郎「(まぁ、あの人の容疑はすぐに晴れるだろう)」 照「ねぇねぇ京ちゃん! 今度はどこに連れてってくれる?」ワクワク 京太郎「じゃあ……」 ~~~~犯人外したのでキング・クリムゾン!!~~~~ 【一方 その頃のまこさん】 , -‐'´\__/ \ / /ミ\/彡| \_ | /ミヾ;;彡' | | \ _,..-´ | / | ゙、 ( ; /-、 、_\ \ ! _,! / _  ̄\ |; | 京太郎達、楽しくやっとるかのぅ…… ,'イ 、| ̄ `! !´ ̄ ̄`|ィ! ヾ| | ゙、|\| |'⌒| 〉 / | ノ ヽ...........ノ, \_............/ !-、' !、 / ィ |"""" """" ⌒} !、 lハ/l' 、 r――ゥ ,__.ノ } リ \ \ `ー‐' _ / ノ ノハノ|ノ>―-〔_|_, イ ; ; ; w; ; ;/ ー'二> ゙、. ヒ-、 _, -‐‐├ ',. | /.. ..`ー-、 「|| .. .. .. .. ..ノ´ェ、 ト、. .. .. .. .. .. .,`ー-、 ∧.゙、.. .. .. ..ト'´ | | , \ ;,. - .', -‐<| ∧.|\\.. ..| /|\/ / ∧ /,.! / | / Y―-、\|,/-‐ 、 / / .ハ | / | r┴' / \イ-‐ ´ |、 ノ / \ | / / // | \ | / L_ /「ト、 ゙、 ゙、 \‐- | / ! >' / | \ 、 `ー| / /|/ / | `!ー'´ \ |i´ ,イー-、| |_, --、_゙、 \ /゙、 `-、_, 〈 | ` / \ /.゙、 `‐-' /| / \ / \__.ノ ゙、 V 〈. ! / ) | | ゙、 | , -/ ゙、 ト-'´,.-ト----- 、______ , -―| \__/`ー―――------------― '´| | .| | | | | | | | |/ | | | | | | | iヽ-| | | | | | | | `ー/ | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |. | | | | | | | | ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【夜 妙神山 前】 京太郎「今日は楽しかったですね」 照「うん! まさかあんな事があるなんて思わなかった」 京太郎「そうですよね」アハハ 照「もう、あんなこと……ダメだからね?」マッカッカッカ 京太郎「あ、あはは……」 照さんと裸でロッカーに閉じ込められた時は……どうなるかと思ったぜ 819 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/17(火) 00 14 02.31 ID iVBhIvx7o [2/16] 京太郎「ただいま戻りましたー」 管理人「あら、須賀さん。おかえりなさい」 京太郎「あれ? 他の皆さんは?」 管理人「あ、それでしたら――こんな手紙が届いてますよ」カサカサ 京太郎「手紙?」パラッ 手紙「京太郎君、すまん。うちらはとんでもないもんに巻き込まれてもうたわ」 京太郎「竜華さんかな?」 手紙「今日中にカタをつけて、明日には戻ったるから……待っといてや」 京太郎「一体何に巻き込まれたんだ!?」 手紙「追伸」 京太郎「……」ドキドキ 手紙「聖杯戦争(牌だけに)」 京太郎「は?」 管理人「とりあえずお食事を用意しますね」 京太郎「わ、分かりました」 照「じゃあ、今日は二人きり?」 京太郎「みたいですね」 照「やった……!」 . ´ ` 、 イ / / . ニlニ / ,イ ∧ | / / | l / | |! | | , イ  ̄ ̄ ̄| N /__ | ト、__| | | ′ i| | ∨ 八 ト、 | N リ |l |. 八 { l ____ ` \| ___|/ | 八 |l / リ \N '~⌒`` ´⌒``〕/ ;__ 八. / / ハ """" ' """" '// / 〔、 、 . / __ 圦 lヽ r ┐ // / /) \ / l l\\ | .! ノ . '_/ 厶 "/ ト、 ヽ .' |八 \\__| .!> __ . イ´ 、__フ‐ ヽ. | \ |. .′ V.rヽ _|___ | /_〔 ̄ | V 〕 //.へ`ー- .、Υ 八 l | |{/´ ̄〕 !、___/ヽ /' \. 八 '′ l / ∧ 〈 、 \ / \ .'. / /_ ∨´ \ / -‐== / ∧ / / _ ./⌒ヽ. \............./ =- V / -‐=' ._ ∨ヽ__/ Υ⌒/ .′. 〔二〕´ ._ V´/ |ニ/ ∧〔\ 八 ∨ |_V .! / N' \ 个 、_/ 827 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/17(火) 00 22 46.51 ID iVBhIvx7o [3/16] 【部屋 食事】 カチャカチャ モグモグモグ 京太郎「みんながいないと部屋が広いですね」モグモグ 照「うん。十人以上いないからね」モグモグ シーン さて、どうしたもんか? いきなり核心をついても……はぐらかされるかもしれないし ここは外側からせめてみるか 京太郎「……あの、照さん」 照「ん?」 京太郎「今日は俺達……恋人同士、なんですよね」 照「……うん」モジモジ 京太郎「だったら、その……」 照「だ、ダメ!!」ガタッ 京太郎「え?」 照「え、えっちなのは……まだ早いと思うの」カァァァァ 京太郎「」 照「で、でも……京ちゃんがどうしてもって言うなら……」 ~~ ~~ -―――- ~ ~ ..... . `丶 / \ } } . . { { / / . . │ |\ |\ | . } } / | / | | ト- |--∨\ | { 私を好きにして―― { / /| |ノ| 八 | _..斗-=ミ\| | | / | /-匕-=ミ\|\| 〃⌒゙ヾⅥ | | }  ̄ ̄ | | イ /〃⌒ヾ {{ }} }|/| | | { { | 八ハ{ {{ }} ゞ==(⌒) | / | } |/| {. ハ (⌒)=='' /// |/} | | ヽ_| /// __,ノ | }. { | 八 _.. ‐~‐-、 イ | {. } | 个 .._ (_,,.. ‐~~' イヘ | レヘ _≧=一ァ 〔/⌒T iT7ス / ∨\ /r ̄ ̄ ̄7____/ / ∧/ } { ∧ | / / / ∧ { } / {\/⌒)_∠__/| / ∧ / ゙T{ 二(__ `ヽ _ヽ / ∨ハ. {_ / \/ _〉. { /\ _ | ノ _) 人._ |_/|/ } } \_____,|/ /i i\  ̄ ̄`ヽ j { ∨ / /|i ハ i \ | / / i i i ハ i i i i 丶 ... ______丿 〈 i i i i/ i i i i i| | } 、___/ i i i i/ Ⅵ i/ | { 照「いいよ?」ドキドキ 京太郎「よくねぇよポンコツ」バッサリ 833 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/17(火) 00 30 50.30 ID iVBhIvx7o [4/16] 照「冗談なのに」ムスッ 京太郎「そういう冗談はやめましょう」 照「……じゃあ、何?」 京太郎「え?」 /. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .\ /. . . . . . . . . . . . . . . . . . . \ . . . . . . . . . . 丶 /. . . . . . . . . . . . . . ト、. . . . . . . . ヽ. . . . . \. . . `、 /. . . . . . . . . . . . . . . . . | \. . . . . . . } . . . . . . .ヽ. . . `、 /. . . . . . . . . . . . . . l . . . . . | -─. . }、. . . . . . . . . . . . 、 .//. /. . . .. . . .l . . 八. . . . .| ´ ∨ }. ハ. . . |. . . . .| . . . .丶 /. ′|. . . . |. . . |'⌒ \. .{ ,.斗==ミ|. . .} . . . . |. . . . . . . ./. .i{. . |. . . . | . . .| \ " 乂ソ |. ./. . . ハ. . . . . . . . . 聞きたい事、あるんでしょ?. / . 八 . {. . . . ト. i .| 斗=气 ´ "" }/ }/ |!. . . . . . .丶 . . . . . . . . .イ. . i| 乂〃 Уソ リ. . . . . . . . |./. . '" |i . .リ. . . ハ ´"" ′ __/ }. . . . . | . .|´ |i /. . . . . . / i| /. . . . .i|. . | /. . . . . . . . . 込、 ´ ' イ リ/. . . . . 八 i| i . . . . . |. . . . . | ..... /| /. . . ./ リ |. . . . . .ト. . . . .| >.、_ | /. . ./ ′ 八. . . |. | \ | |i _, く} ト/. / \{──<´ ̄ \\ | イ \_ /⌒ \ \ | | } =- .,_ / 丶 、 、 } } } 、. / / / / `、 ∨ / ∧ 京太郎「あ、えと……」ビクッ なんだこの感覚……? 照さんが照さんじゃないような―― 照「言っておくけど、私の気は変わらないよ」 京太郎「!?」 照「残り四時間。それを過ぎたら、私はもう……」 京太郎「……なんで、ですか?」 照「……」 京太郎「どうして、急にそんな……!」 照「じゃあ、逆に聞くけど」 京太郎「は、はい!」 照「京ちゃんは誰かを好きになったことあるの?」 京太郎「それは――」 ~~「これは、わしとお前だけの秘密じゃ」~~ ごめんなさい 約束、破っちゃいます 京太郎「ありますよ。その人の事――誰よりも好きでした」 照「でも今はもう、好きじゃないんでしょ?」 京太郎「……そうですね。多分、恋愛感情はもう」トオイメ 照「なら……一緒だね」 京太郎「え?」 照「私はきっと……京ちゃんに恋愛感情を抱けないのかもしれない」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3470.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377983742/ 会いたい。 ただ、ひたすらにそう想う。 私は諦めたつもりでいた。 でも、それは嘘だった。 だって私の心は、こんなにも彼に惹かれ続けていたんだから。 胸を締め付ける郷愁の甘さと温かさ。 それ以上の苦しさと切なさ。けれど、それを感じる自分は嫌いじゃなかった。 もしこの世界が私と彼の恋物語なら、私は最後に彼の隣で笑っていられるの? けれどそれは誰にもわからない。 私達はいつも現実という物語の途中で立ち尽くす。劇中人物に物語の結末は見通せないのだから。 見上げる青空より光の花弁が舞い落ちて、光は想いと共に溢れ逆流する。 奈良と長野。その茫漠とした隔たり。 この空の向こう、最短空路約368.7kmを時速2000kmで翔ればあなたに会える? 「会いたい。会いたいよ……頭、撫でてほしいよ」 いつでも探しているよ。こんなに君の姿を、交差点でも夢の中でも、そんなところにいるはずもないのに。 もしまたもう一度、君に会えるなら今度こそ「好き」って伝えるから。 だから……。 次回、『合同合宿~京玄編~時速2千キロメートルの恋』 今、その想いは音速を超えてオゾン層を引き裂く。 今、俺は大きく身動きが取れずほぼ黙って座っているだけになっている。 下手に動いたりして変な言い掛かりをつけられると俺の命にかかわる。 憧「えへへ、きょ~たろ~」スリスリ 椅子に腰掛けた俺の膝に乗り、身を寄せて頬擦りをしてくるのは阿知賀女子麻雀部中堅新子憧さん。 普段とはかけ離れた言動に正直戸惑っている。 京太郎「あの、出来ればどいてほしいんだけど」 憧「やーだー。ここがいいのー」 え~。 穏乃「……」 玄「……」 宥「……」 灼「……」 針の筵か。 晴絵「あっははは」 あんたはなんでそんな楽しそうなんだよ。 事の起こりは十数分前。 時は晩刻。最早その意義は失われたかのような和気藹々とした空気が旅館全体を包んでいるが、 一応この集まりは部活の合宿という名目でここまで来ている。 その為、時間を見ては他校の生徒ともこうして雀卓を囲んだりするのだが。 京太郎「どうぞ宥さん。ホットココア、ミルク多めです」 宥「ありがとう。京太郎君」 俺の手からマグカップを受け取り、そのまま口に運ぶ宥さん。 宥「あったか~い」ニコニコ 嬉しそうに微笑むのへ、俺も小さく笑い返す。 穏乃「京太郎、こっちも~」 京太郎「はいはい。お嬢様方」 俺はトレイに乗せていた他のメンバーの分のカップを他の面々の前へ置く。 穏乃「美味しい!」 玄「美味しいね」 憧「悔しいけど、美味しい……」 灼「さすが京太郎」 晴絵「須賀君、ちーとこっち来てお酌しなさい」 阿知賀の面々から賛辞を貰っていた俺を、顧問の赤土なにがし先生が呼び付ける。 俺は先生の座る机に置かれた酒瓶を手に取り、先生の掲げた空の酒杯に酒を注ぐ。 京太郎「あんまり飲みすぎないでくださいよ」 晴絵「もーおかーさんみたいなこと言わないでよ!」 アルコールが入っているからか、微妙に精神年齢が退行している。 酒瓶のラベルには奈良吉野が秘蔵の地酒『悶絶チュパカブラ』と記されている。 酒とか言う以前に人類が口にしていい液体なのか甚だ怪しいが、面倒なので敢えて突っ込まない。 摘みになにか作ってこようかと考えた時点ではたと気付く。 腰が砕け、その場に頽れる。 穏乃「うわ!? どうしたの京太郎?」 京太郎「ちょっと待って今俺なにしてた?」 玄「えっと、みんなに飲み物淹れてくれたりしてたけど……」 京太郎「ですよね~。俺、最近気付いたら掃除したり給仕したりしてるんだよ」 京太郎「無意識で身体が動いてた。なるほど、これが第二の天性って奴か……」 俺の悲嘆の独白、俺以外の全員の顔が引きつるのを俺は見逃さなかった。 玄「えと……そうだ! 京太郎くんが淹れてくれたこのココアとっても美味しいよ!」 灼「玄。それはあんまりフォローになってな」 憧「あんた。無意識でこれだけ働くってどれだけ奴隷根性染み付いてるのよ」 呆れを多分に含有した憧の言葉が突き刺さる。 ちょっとは容赦しろよ。 京太郎「俺だって好きでこうなったんじゃねぇよ!」 自分で自分を再確認してまた悲しくなってくる。 憧「なんだったら将来、うちの給仕係で雇ってあげてもいいけど?」 京太郎「い、ら、ねぇ!」 こいつは何かにつけて俺をおちょくってきやがる。しかも優希や淡なんかと違い下手に頭の回転が速いだけになかなかの難敵だ。 手近な椅子を引き寄せ座り直す。俺と憧の舌戦は続く。 京太郎「とにかくもうちょっと、俺のこの努力と忍耐力をもうちょっと認めていく方向にしろ。じゃないとそろそろ泣く」 憧「あんたがそんな繊細だなんて初めて聞いたけど」 京太郎「なぁ憧。礼儀って知ってるか? 噂で聞いたんだが本当に実在するらしいぞ」 憧「ねぇ京太郎。そう思っても口にしないのが本当の礼儀なんじゃないかしら?」 売り言葉に買い言葉。顔を付き合わせればこの繰り返しというのはちょっと我ながら進歩がなさ過ぎる気がしなくもない。 晴絵「まぁまぁ2人ともそう熱くならないでこれでも飲みなって」 間に入ってきたのは赤土先生。俺たちはそれぞれ透明な液体の注がれたグラスを手渡される。 冷えた液体の冷たさが指先から伝わり、幾分か冷静さが戻ってくる。 渡されたそれをなんの疑いもなしに口に運ぶ。 舌先にわずかな苦味。そこで気付く。 京太郎「ってこれ酒じゃねぇか!?」ダン! 俺はグラスを勢いよくテーブルに叩きつけるように置き、これを渡してきた張本人に食って掛かる。 京太郎「あの先生。一応、この国には未成年飲酒禁止法ってのがあってですねぇ」 晴絵「まぁまぁそんな硬いこと言わずにさぁ。あははっは」 ダメだこの酔っ払い。 カラン。 ガラスの乾いた音。見れば空になった酒杯がテーブルの上に転がっていた。 …………………………はっ? 空? 酒杯を空けた当人は顔を俯かせ、前髪で隠れたその表情はこちらには窺えない。 ガタッ ゆっくりと立ち上がる憧。 テーブルを迂回し、俺の元まで歩いてくる。 あまりに事態に他の人間も固唾を呑んで状況を見守っている。 京太郎「あの、憧さん?」 ポフ 柔らかな衝撃。 京太郎「は?」 女の子特有の温かさと柔らかさが膝から胴、背中にかけてを包む。 仄かに香る甘い香気が鼻腔をくすぐり、薄桃色に紅潮した頬と艶やかに濡れた双眸が俺を見上げてくる。 憧「えへへ、きょ~たろ~」スリスリ そして止めに甘えたような声。 舌識を除く五感のうち、視識、鼻識、耳識、体識の四感を貫き第六感である意識すら吹き飛ばしそうだった。 っていうか、え~と…………あなた誰? 憧「えへへ、きょ~たろ~」スリスリ なんだろう。 可愛い、の、だが。普段とのギャップが激し過ぎてむしろドン引きなんですけど。 京太郎「……」 穏乃「……」 玄「……」 宥「……」 灼「……」 心なしかみんなの視線が冷たい。 京太郎「あの、これ皆さんこれ勘違いしちゃダメですよ?」 京太郎「ボクの意思じゃないですよ?」 晴絵「あはははははっははははは」 っんだこの女。腹立つなぁ。 穏乃「憧! いっつも私が京太郎にくっついてると、そういうのよくないって言うじゃん!」 最初に言い放ったのは穏乃。さすが切り込み隊長。 憧「え~? んー知らな~い」 穏乃の言葉などどこ吹く風といった体で軽く受け流す。 穏乃「ぐぬぬ」 悔しそうな穏乃の顔。ちょっと面白い。 穏乃「う~!」 憧には歯が立たないと悟ったのか俺の方に視線を送ってくる。 いや、そんな目で見られても。 玄「あの、あの憧ちゃん! 憧ちゃんもそういうの人前でするのよくないと思う!」 2番手は玄さん。初めから勝負は見えていなくもない。 憧「なに~もしかして~くろもこうしたいの~」 挑発を含んだ間延びした声。 玄「ふぇ!? あ、いや別にそんなのことは、えと、あの……」 相変わらずコロコロと表情が変わる。見ていて飽きない人だ。 玄「い、いいの……?」モジモジ 微かに頬を赤らめながら上目遣いに憧に伺う。 俺の膝上という限られた土地の利権を巡って抗争が起きているようだ。 どゆこったい。 憧「ゆずってあげな~い」 玄「ぐぬぬ」 宥「あったかそうだけど、あったかくない」ブルブル 語義矛盾ですか? 灼「京太郎……」 感情が欠落したような深淵の双眸が俺を見据える。 京太郎「はい!?」 灼「ボーリングの玉って人間の頭部と同じくらいの重さなんだよ」 京太郎「え、ちょっ」 その情報を今出して俺をどうしたいんですか? 超怖いんだけど……。 逆三角形に配置された点を見るとボーリングの玉の穴に見えてくる逆シミュラクラ現象? 京太郎「あのだからこれ俺が原因じゃなくて憧が勝手に」 この騒動の当事者ではあるが主要原因ではないという事実をこの場で明らかにしておかないといけないだろう。 俺の今後の身の安全の為に。 京太郎「憧も、そろそろ降りてくれよ」 俺の理性もオーバードライヴよ? いまだに俺の膝の上で擦り寄ってくる憧を押し退けようと、軽く肩を押す。と……。 憧「や、もう……きょーたろーのエッチ///」 肩しか触ってねぇよおおおおおおおおおおおおおおお!!! 穏乃「なぁっ!?」 玄「え、ええええエッチなのはおねーさんいけないと思いますのだ!?」 京太郎「なんもしとらんわぁボケェッ!!」 京太郎「ってかなんだよ、もうめんどくせぇよこの板ばさみ!?」 なんかもう全部ブチ撒けてやろうか! 憧「ん~」スンスン 憧「えへへ、きょ~たろ~の匂い~」クンカクンカ 京太郎「なに人の匂いかいでんだよ!? なんか、あの……あれ、恥ずかしいだろ!」 無理矢理引き剥がそうと、強く肩を押す。 憧「黙ってろ低脳タラシ金髪。毎日三食ココナッツジュースとカブトムシ食べてるような顔してるくせに」 京太郎「え……?」 さっきまでの若干舌足らずなソプラノではなく、すべての感情が払拭された氷点下の声音。 さしもの俺もこれには硬直。 っていうかあなたキャラぶれ過ぎな気やしませんか? 実は正気だったとかってオチは。 憧「~♪」 大人しくなった俺に機嫌を良くしたのか、再度俺の胸板に鼻先を宛がい深く吸い込む。 熱病に中てられたかのような頬の紅潮が、なんか……エロい。 穏乃「む~」 玄「うう~」 視線を巡らすと穏乃と玄さんがまるで試合後のボクサーのような格好で互いに肩を貸し合いながらテーブルに凭れ掛かっていた。 宥「寒い」ブルブル 見てるこっちが凍えそうなほど震えている宥さん。 え? 俺が原因なの? いや違うよね? え? 灼「……」 憮然としたままの先輩。表情からは内心が読み取れない。 ただ、今の状況を快く思ってないであろう事だけは辛うじてわかる。不甲斐ない俺を赦してください、ボス。 晴絵「タ、ラ、シ! タラシは辛いねぇ。あははっは」 先生は相変わらず爆笑の渦だった。もういいわあんた。 なんもう、もうどうにでもなれだ。くそなんか自暴自棄になってきた。 スッと俺の両頬に左右五指、計十本の指が添えられる。 ひんやりとした感触が僅かに心地いい。 憧「余所見しちゃダ~メ」 京太郎「あっはい」 もう逆らう気力もない。 潤んだ瞳がまっすぐ見上げてくる。 吸い寄せられるかの如く見詰め返し、俺と憧の視線が絡まる。 憧「あたし、ね?」 口ごもる憧。これ以上なんだというのだ。 憧「あたし……///」 /. . . . . . . . . . . .\ /. . . . . . . . . . . . . .ヽ / . / . . . ,. . . .i. . . . .ヽ . ', , 'ニ/. . ,'. . . . i . . . |. . . . 、. ! ._{_}ミ ヽ // /. . i .,' . . ,' /! . . . |. . . . . i .| イ | \ \. // .,' / . | | ./ . |/ | | ノ .ヽ、 | . . . . .| |r { .| \ \. / , ' / /! . .| .|/| | | ,|イ . . ト 、{ i . | i | |/| | \ `. 、 / / ! | | i . ! .∧.斗匕 圦 . ト | ヽ`{ 十t} } | ! i | ヽ . i. / / | !| | . |. | {x示㍉xミヽ\ { ヽ{xテヤ示xV! !,'. .| | ヽ .| ,' i {! .|∧ ! 圦 {トイ_刈` ´{トイ_刈 灯 . | . | | |. | | | | i ヾ| {c乂こソ 乂こソっ| !|. . l | ! | | | |.| . | 从 xx //////xx | |ノ . . | .| |. | | | |l.| . | .{ム "゙ ' ""゙ | | . . | | | | 「あたしはいつでも準備OKなんだよ?///」 | | i| i! . .| | . ヽ. __ イ .| |. . . | | |.| | | l| . | . | | .| > . ´ ` イ . ..!. | | . . . | | |. | | | l| . !. . ..| i . | . r‐|` -‐ ´ |入. .| .| |. . . l | ! | | | l| | . !_ l _| _/ \ / \j ! . . . | | | | | | | , |. . |ヽ{ | /`Yバ ノ/|. . . . l | ! | | | | , イl . . .| ヽr──ミ、__彡──y' |. . . /ヽ ! | | | | / /. . .j { { } } | . . ./ \ ! | /⌒ _>、/⌒ Y¨¨¨ 、 /´> ´ , } \ , ´ / 、 ヽ / / ' | | ∨ . ー‐イ' / / | | l } | | | . / ' ' / |{ | / /| } l | | // / { |-+-|、 | ,-}/-}/- / } { / ,..イ , 从,ィ=从{ l / ィ=tミ}イ/ /_ 从  ̄´ |∧ { Vリ ∨' Vり /' /- } / } / 从ム , ム,イ-、/l , . r ' /|/ 八 __ _ / / 、 イ Ⅵ \___ イ |ヽ 「 、 | r <///| |/}_」 |//(_)//|_ , <///〈 ,」////イ////> 、 r--- <////////∧ /////////////////> 、_ //////////////〈/ }---{///////////////////////ハ {//|////////////Ⅵ |////////////////////////} |//|//////////////| /////////////////////////l| |//|//////////////{__/////=====///イ///////| __,.ィ ̄ ̄`ヽ/ヽ__ > ´ ̄ / ` `、 、、 - ´ / ' } ヽ ヽ\ \ `  ̄ >' / , | ∧/! | } ヽ ヽ /,ィ / ' / /| _/,.ム斗}-/ ハ . {/.' ,| ,.|-}/-{ | / ,ィチ斧ミ }/ } | . / イ/{ ! ィ斧从}/ Vzソ ノ /イ , <__ ´// 从{ Vソ / / イ- 、 | {'{ { , ' /' ⌒ } | 从Ⅵ /. ノ | 叭 v_ ̄ヽ ,rー' 从 、 イj / / . < |' /}/ 、__ ´ } イ从/ | |/ 「 ̄| 「 ̄ ̄ ̄ ̄} |//l| |//////// 、 ,. <// ∧ |//////////> 、 / | |.. . ゙、 . ゙、゙、. \ |. i | i |. ∧ 、.i. .i . ` 、. ! | |、 | | i | ! | | | 、 > | | i 「! ヽート!、 リ ! |ハ ト | ̄ ̄. ,..-、| i | !゙、 _、!二゙、-| イ リ ! |ヽ | / へ.゙、 丶ヾヽ ´{ i` ヽ! 1!| /| !ノ゙、リ ヽ \ !丶  ̄ Vイ ハ |\ i. 丶 \゙、 ` リ `ヽ `┬ 、 ヾ / 「なにがッ!?」 i ;ィノ U ,....-ィ /,, ‐レリ _  ̄ /゛=!_ \ `ー-、_ _/ ゛== 、 \ / ̄ヽ、 ゛===-、 ポフッ 再び俺の胸元に顔をうずめる憧。 憧「……」 京太郎「おい? おーい、憧さーん?」 憧「ん……」Zzzz ね、寝てらっしゃる……。 あまりにもあんまりな展開に口角が引き攣る。 散々場を引っ掻き回して最終的に寝落ちって……どんだけフリーダムなんだよ。 晴絵「じゃあ憧も寝ちゃったみたいだし私たちも部屋に戻ろっか」 京太郎「え!?」 突如、謎のリーダーシップを発揮しだした阿知賀のレジェンド(独身)。 灼「賛成」 晴絵「じゃま、憧のことは任せた! おやすみ須賀君」 灼「おやすみ須賀君」 穏乃「おやすみ~須賀君」 宥「おやすみなさい須賀君」 あれ~? なんかみんな友好度下がってない!? 京太郎「あの、誰か憧も連れて帰ってくださいよ! ちょ、誰か、ねぇ」 チラリと、一瞬だけ玄さんと視線が衝突。 / . . . . . . . . . . \ , . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . ..ヽ . . . ヽ / . . . . . . . . . . ′. . . . . i{ . . . . . . . . . .. . ..‘. ∧ / / / / .. . . . . . . .| . . . . . . | . . . . . . . . . .∨. ‘.. . / .イ ′ . . . . . { . . . ,| ... . . . {∧ . . . . . . . . . i . . . :. i ././ ′ !. .|....... 小 . .ハ__ . . . . iハ 斗 十 .ト . .| . ... i . i .′} . |. ! . . 斗{ . 「 丁i . . . .ト .V ヘ .{\ . .`! . . . | | |′.′ l . |.ト . . | ヽ 气{\ . { \ ヽ. \} . | { i . . .| 八. .|ヽ{ _ \ ,z≦ミ、| . .! . |! | /|. . . . ! ,ァ= =ミ ´ `'^| . | .小 |. / ! . . . .ハ ′ /i/, | . | .|i | ′ } . . | ∨ /i ' . . . .! . l { ○ ′. . .ト. . , 八 . .. } . l .‘ / .{ | . . . . { 込 ` ´ /} . . ./ . ! . ‘ / ; .| . | . . . . | 个 ..... .イ ∨ . . / /. .′ ∧ i /{ .! . | . . . . | / ノ}≧ - ´ {入 /. . ./i/ . .′ . . ‘. |{∧{.. .i . { . . ‘ . . / 乂 / / . . /V . . .{ . . . . . ‘. 「おやすみ須賀君」 .′.. .八 !ム .七¨⌒} >t_ん / ./「/ . . 厂 ̄ ≧ 、 / . rヘ´ ヽ \ | ∧ ∧'ィ斗v′ . / ヽ. / . ′ 八_{ ̄≧ V__/イ´ {'リ . . . ′ / } / . . {⌒ヽ 八 z__{ }___, {.' . . ./ / | .′. . | \ 《 ハ下 . /. . . .′ , 小 / . . . .{ ヽ } ∧__/ }ハ ≧7. . . ./ / { ∧. / . ./.. . } . | く / } ; . . . . ′ .′/ { . .‘. / . ./.. . . .i ∨ } `≧-ヘ ∧ノ} . . . .{ . { .′ } . . ‘. / . /′ . . .} ‘. V| ∨ | ノ} . } j / / { . . . ‘. 京太郎「」 戸は無情にも閉められた。 他の面々が去って憧と2人。 憧「……」Zzzz 静かな寝息だけが室内に響く。 正直、無理矢理叩き起こしても良いんだが。 憧「ん……」Zzzz こう呑気に無垢に寝られるとそんな気力も失せてくる。 そういえばここに来て憧の寝顔を見るのは二度目だなと、どうでもいい事を思い出した。 俺のすべては諦観に達しもうこのまま一夜を過ごす覚悟で四肢を投げ出した。 人生も投げ出したい。 結論。憧に酒を飲ませるな。 翌日。 憧「ハルエ! 昨日あたしが寝ちゃった後になんかいろいろ京太郎が触りまくったり嗅ぎまくったってマジ!?」 晴絵「もちろん大マジ」 憧「きょうううううううううううたろおおおおおおおおおお!!!」 京太郎「俺は悪くねぇ!」 憧「犯人はみんなそういうのよ!」 京太郎「冤罪だチクショウ!!」 京太郎「冤罪だけど、冤罪だけどなにかが気に障ったなら謝るからとりあえず落ち着け!」 憧「ごめんで済んだら呪いとか暗殺とかないのよ!」 京太郎「チクショウ昨日から俺がなにしたってんだよぉ!!」 ダダダダダ 憧「逃げるなぁ! 待てぇぇぇぇ!!」 ダダダダダ 晴絵「あはははは、今日も仲良いなぁあの2人!」 【おまけ】 咲たんいぇい~- 京太郎「咲。改めて誕生日おめでとう」 咲「ありがとう京ちゃん」 京太郎「バースデーパーティー楽しかったか?」 咲「うん! すっごく。こんなにたくさんの人から祝ってもらったのなんてはじめてだから、少し戸惑っちゃったけど」 京太郎「そっか」 咲「あーあ。もうすぐ今日も終わりかー」 京太郎「ご不満ですか?」 咲「かも。もうすぐ魔法が解けちゃうからかな」 京太郎「はは、1日限りのシンデレラだったな」 咲「それ、普段は私がモブだって言いたいの?」ジト 京太郎「さぁ? どうだか」 咲「む~」 咲「……」 京太郎「……」 咲「あのね。京ちゃん」 京太郎「ん?」 咲「まだ、魔法が効いてるなら最後にもう一つだけ、お願い事していいかな?」 京太郎「はぁいつもはこれでもかってくらい遠慮がちなくせに」 京太郎「いいよ。なんなりと申し付けください。お姫様」 咲「その……///」モジモジ 咲「今晩、京ちゃんの部屋に行ってもいいかな?」 京太郎「…………は?」 咲「っ///」 京太郎「お前、それ意味わかってるのか?」 咲「わ、わかってる! わかってるよ……」 京太郎「はぁ~」ガシガシ 京太郎「なんでそんな話になるわけ? 第一お前、親父さんにはなんていうんだよ」 咲「おとーさんには和ちゃんの家に泊まるっていって来てから……」 京太郎「根回し済みかよ」 咲「///」 京太郎「あのさ、それってつまりそういうことなの?」 咲「うん……私、ずっと京ちゃんのこと……」 京太郎「咲……」グッ 京太郎「うん。そうだよな、いつまでも半端なまましといちゃダメだよな」 京太郎「俺もはっきり答え出すわ」 咲「京ちゃん?」 京太郎「咲。俺は、俺も咲が好きだよ」 咲「! うん……うん!」ポロポロ 京太郎「って、おおい。なんで泣くんだよ」 咲「だってぇ~」グシグシ 咲「ずっと、そう、言ってもらい、たくて……だから嬉しくて」 京太郎「ああもう! 可愛い奴め!」ダキッ 咲「はわわ! き、京ちゃん!?」 京太郎「咲! 好きだ、大好きだ!」 咲「わ、私も、好き……だよ!」 京太郎「あ~あ、これで咲と恋人同士かぁ~」 咲「嫌なの?」 京太郎「うんにゃ。むしろなるべくしてなったというべきか」 咲「なにそれ」 京太郎「あのさ……」 咲「なに?」 京太郎「マジで家来るの?」 咲「あ、そ、それは……その///」 京太郎「いや、別に無理しなくていいんだぞ? 告っていきなりってそれもなんかなって思うし」 咲「ううん。大丈夫、だから」 咲「不束者ですが、よろしくお願いします」ペッコリン 京太郎「その言い回しもなんか違くないか?」 咲「あれ?」 京太郎「まさかシンデレラはシンデレラでもお泊りコースのシンデレラとは」 京太郎「このムッツリさんめ」 咲「やっぱり帰る」スタスタスタ 京太郎「すんませんした! 謝りますんで戻ってきてください!」 咲「もう、京ちゃんのバカ」プイ 京太郎「いやだから悪かったって」 咲「私だって、ホントはすごく恥ずかしくて、怖かったんだもん」 咲「だけど、もたもたしてたら、誰かに取られちゃうって思って、だから」グスグス 京太郎「咲。もういいよ、それ以上言わなくていい」 京太郎「俺はどこにも行かないし、咲以外の誰かのものにもならないよ」 京太郎「だからそんな顔すんな」 咲「うん」 京太郎「咲。ちょっとこっち向いてくれ」 咲「なに、」 チュッ 京太郎「へへ、咲の唇ゲットー!」 咲「う、あ…………っ//////」カァァァー 京太郎「あれ? あの咲さん?」 咲「あう、あう……//////」パクパク 京太郎「おーい咲さーん!」フリフリ 咲「もう! 恥ずかしいからこれからは今みたいのは無しだからね!」プンシャカ 京太郎「うう、だからわかったってのぉ。いい加減機嫌直せってば」 咲「……い…か…」ボソボソ 京太郎「あん?」 咲「もう一回、ちゃんとしてくれたら、許す」 京太郎「……はは、了解。お姫様」 咲「ん……」 京太郎「……」 チュッ 京太郎「な、なんか改めてやると照れるな///」 咲「……」ギュー 京太郎「咲?」 咲「私ね? 京ちゃんを好きになってよかった」 咲「あなたと出逢えて本当によかった」 京太郎「咲……。ああ、俺もだ、咲に出逢って、咲を好きになってホントによかった」 咲「京ちゃん」 京太郎「うん?」 咲「いつもありがとう。大好き!」 カンッ! 敬語あわあわ- 和「私は黒糖ポンデなどが好きですね。黒糖は想像より甘さも控えめで」 京太郎「あ~、なんかわかる。実は俺、周りに甘党が多いけど俺自身甘いのはそんな得意じゃないんだ」 和「確かに須賀君はコーヒーなどもそのまま飲んでいますね」 京太郎「けど最近、無性に高速回転するフレンチクルーラーが食べたくてな」 和「では、長野に戻ったら皆さんと一緒に行きましょうか」 京太郎「おう」 淡「……」ジー 玄「こういう民間伝承があるのです。女性ホルモンのプロゲストロンが減ると、乳腺が萎縮しおもちが小さくなるのです」 玄「しかし、昆布や若布、寒天やヒュジk……コホン」 玄「ひじきに含まれるボロンというミネラルが、プロゲストロンの分泌を高め、おもちの脂肪と乳腺を増やすのです」 玄「煮る、焼く、湯通しするとボロンが減るのでそのまま召し上がるのがいいかな」 玄「つまり海草サラダなどは女性のおもちの味方なのです!」 京太郎「なるほど」フム 京太郎「つまりうちの胸囲平面民族たちにもそれらを食べさせれば……」 玄「そうなのですのだ」 玄「それでは京太郎くん、楽しいおもちライフをば!」 淡「……」ジー テクテク 京太郎「チェケダーン!! Cuz it s a lyrical power crash. that tries to make me last. He s burnin the microphone.~♪」 京太郎「He takes that smash, finally. The nitty gritty? He d be the one to get to say it and then you d highway it.~♪」 京太郎「He bails on the next way to the top ten. Started lookin to be faster than lightning.~♪」 淡「……」ジー 京太郎「ん……?」 淡「……」サッ 京太郎「気のせいか?」ポリポリ (´・ω|チラッ ←淡 チラッ|ω・‘) 京太郎「!」バッ 淡「!?」 京太郎「……」 淡「」 京太郎「なにやってんの?」 淡「ああ!? 須賀君だぁ偶然ですね?」 京太郎「須賀!? 君!? ですね!?」 淡「どうかしました?」 京太郎「お前、どうした? ちょっと見ない間にえらい真人間になったな、人格改造でもされた?」 淡「うっさいハゲ」ブチ 京太郎「ちょ!? おま……抜くか普通ッ!?」 京太郎「なにこれ、いってぇこれ……」 淡「キョータローってああいうタイプの娘が好みなの?」 京太郎「ああいうタイプとは?」 淡「えっと、だからノドカとかクロみたいな丁寧なしゃべり方というか、そういうの」 京太郎「そんな事より若年者の若ハゲ問題について話し合わない? 俺、今そっちの方向に興味津々丸なんだけど」 淡「いいから答えてよぉ」グイグイ 京太郎「そうねぇ、うんまぁそうなんじゃね? 知らんけど」 淡「なるほど」 京太郎「あの、俺もう行っていいかな? あんまお前と親しくしてると関係各位からお叱りを受けるんだけど」 淡「じゃあじゃあ今日から丁寧なしゃべり方するね!」 京太郎「なんだいつも通りの淡か」 京太郎「けどお前、敬語とか使えんの? ちょっと思想的に無理がある気がするけど」 淡「ふっふっふっ。キョータローはどれだけ私を可愛くて麻雀が強くて賢い白糸台の超新星だと思ってるの?」 京太郎「ふぇぇ? そんな事ちっとも思ってないけど……」 淡「インターハイより前、まだ全国の淡ちゃんファンが私というキャラクターを掴みかねていたその頃」 淡「テルーの真似をして雑誌の取材で真面目系キャラを演じてたんだからね! 侮ってもらったらヤだよ?」 京太郎「……」 淡「あれ? 喝采は?」 京太郎「え? あ、ん、ごめん。なんか、そんなあんま興味ない」 淡「むむ、よーし! じゃあ見ててよ」 淡は自分の顔を五指を広げた両手で覆い、それをすばやく上下に振ってみせる。 淡「人格チェェェェェーーーンジ!!」シュシュシュ 京太郎(救いようのないバカだな) 淡「ほッ!!」キュル~ン 鮮やかなターンで一回転。 京太郎(今、人として出しちゃダメな音が聞こえた気がする) 淡「とう!」 淡「改めてまして、こんにちわ。今日もいい天気ですね? 京太郎君」ペッコリン 京太郎「え? 誰こいつ」 京太郎(見た目は淡そのものなけど……) 淡「♪」ニコニコ 京太郎(背筋を伸ばし、両手を前で合わせてピシッと立っている) 淡「あの、そんなに見詰められると照れちゃいます///」モジモジ 京太郎「あ、おう……すまん」 京太郎「……」ジー 淡「っ//////」モジモジ 京太郎(なんだろうこの可愛い生き物) 京太郎(この名もなき花になんと名付けようか) 京太郎「えと、淡……さん?」 淡「普段通り、呼び捨てでいいですよ? 淡、って」 京太郎「あ、じゃあ淡。立ち話なんだし、食堂かサロンでも行くか? お茶入れるぞ」 淡「あ、はい!」 京太郎「そんじゃ、」 淡「あの……」 京太郎「ん?」 淡「手、繋いでいいですか?」 京太郎「お、おう……どうぞ」スッ 淡「ありがとうございます」ニコッ ギュゥ 京太郎(なんか照れる!) 淡「///」ニコニコ 京太郎(この空気はダメだ! なんかわからんけど、なんか……ダメだ!) 京太郎(会話で誤魔化そう) 京太郎「なぁあわ、」 淡「……」ツー 京太郎「い?」 淡「」 京太郎「あの、なんか口元から血が垂れてるけど」 淡「ゴフッ!!」 京太郎「吐いたぁぁぁぁっ!?」 淡「」フラ 京太郎「危ない!」ダキッ 京太郎「おい、淡! どうしたしっかりしろ!」 淡「実はこれ、3分くら、い、しか、持たないんだ、よねぇ」ゴホゴホ 京太郎「なんだって?」 淡「私の、精神崩壊を、防ぐために、全身が、拒否反応、起こして……」ゴホ 京太郎「バカ野郎! 無茶しやがって」 淡「えへへ、けど、ちょっとは可愛かったしょ?」 京太郎「ああ! ああいう淡もいいと思うよ。だからしっかりしろ!」 淡「あは、ねぇキョータロー……」 京太郎「なんだ?」 淡「私、ね? キョータローのこと、大好きだよ……」ガクッ 京太郎「うん、俺もお前のことそこそこ好きだよ」 淡「そこそこってなによッ!?」ガバッ 京太郎「生き返るのかよッ!?」 ギャーギャー!! 菫「お前たち、今日も仲良いな」アキレ ←通りすがり カン キツい- ____ ,. ´ __ `¨¨ヽ ,  ̄` / ヽ `ヽ / _ , ∨ 、 . / /,´ / | ヽ . / //' ' / ' / l| | ∨ l// / , / ' l| | | | | | | | | _/ ィ / { l |__|_{ |∧ }/ ' / l | ∧  ̄ {〃 Ⅵィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧} / , 从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | ' / イ从 l ム Vり ム' ノ/}' ´ \∧ ' ,r ' / 小鍛冶プロってすごいですよね 、 v ァ / 从/ 史上最年少でプロ八冠、世界ランク2位! \ `こ イ _|、 俺、すげー尊敬してます ` r ´ //∧ /| /////∧ 「 | //////////> 、 , </∧ / {///////////////> 、 , </////// ∨__∨//////////////////>、 / . . . . . . ./ . . /. . . . . . . . .| . . . . . . . .| . . . . . . . . \ / . / . / . / . . | i | | . | . . | . . . | . . . . . . . . . . . .ヽ. / . i. . ハ . ./}ノ\|八|\| . N\ . | | . | . . . . . . . . . . . . . . . ′ . |/{ V ヽ{ Vレ'}ノ| . . . . . . | . . . . . . . i i . . . .| | . . . . . . | . . . . . . . | | . . . .| __,ノ´ 廴___ | . . . . . . | . . . . . . . | | . . . .| __ ___ l . . . . . . . .| . . . . . . . | | . . . .| ィfチ芋ミ ィfチテテ芋ミ . . . . . . . . | . . . . . . . | | . . .爪〈 し i} し i} 〉 . . . . . . . .| . . . . . . . | | . . . .| 弋辷ソ 乂辷ン | . . . . . . . . | . . . . . . . | | . i . .| .| | . . . . . . . . | . . . . . . . | | . l . .| .|/ / / / ' / / / / | . . . . . . . . | . . . . . . . | ふぇ? そ、そうかな? | . | | .} / . . . . . . . | . . . . . . . | | . | . . 人 r‐ 、 / . . | . . . . . | .. . . . . . | | . |i . . . . .\ ー' ′ | . . . . . | . . . . . | | | . |l . . . . . . . . ヽ ィリ | . . . | . . . . . | . . . . . | | | .八 . . . . i . . . . .个ー‐┬ ´ | . .| . . . | . . . . . | .| . . | | | . | \ . |\{ヽ从 . | . .| | .i | . . . | . i . . 八{ /八| | . | \| ヽー } | 八 . . .|/}/ ヾ ,. -‐ァ…'厂 ′ ノ \| `丶、 / / ./ / // /⌒トミ -‐- ''"´. . . . . . `ヽ /. . . . . . . . . . . , '. . . . . . . . . . . . . /. . . . '; . . . .‘, / . . \ .i . . . ,' . .;' __ .'; . | . . .i i. !. ! γ´\ .i .| . . .! |i| i / iヾ、_i\ i | . . .i. i !l ト、 / ,rf'斧 ‘, i l |i . .八 !| i iハ ヽ Vリ ! ! | !| . . \ ! i .! Vハ. ´ ,! ! i 从 . . ._`ニ== == 、 __人_! ∧く / ! ! ;' .〃 ヽ. . . ` ミヽ ). / \ V | i i\` ー';' / / . . . \' 、 / 丶 \ Vl l i __>'" / ./i ヽ } } おいおい京太郎、私のことは尊敬してないんか? /≧=x \ \= i,/(_i, ィ≦7 ; ' ノハ } ヽノ ノ 確かにすこやんは強いねぃ。序盤、中盤、終盤、隙がないよねぇ /三≧=- ≧ ニ ,' /Vl/ / /イく)ぅ\__ _ ト、 i でも私も負けないよぃ? 〉三三二ニ==‐-i{ ! / / イ_)  ̄\ . .(_乂_)|`ヽi ) >‐――‐-=ニ二>'つ/i 〃乂_) . . . (_\ . . . ..i ∠) . . j) . . .. .\/ ,fクぅ// ;' . .. . . ..∧ .. . . | !ヽ .. . .. . . ..\ /ソ' / % _,.. .. . ..(_ハ. . !__. ‘,o) .. () . . (⌒). ....\{イ! .. x8''" . く)ノ) . . . . }. i|//∧ |ソ) . . . . .(⌒○⌒) . Y%"゚ .. . . .(フ〈) . . % i| }//! ! . . ノ). ...(__乂__) ... . .|ミメ⌒Y⌒) . . . . ... ./ /_,///i i .._ .... . {\ Oく . ... . . . _r‐ |////,'. V 〉 .... . . ヽ人_) .. . . }/ !//// //. !_) . . .(V) . & .. (ハ .. . . . |//!/// //! ! .. .. .. . . く)O(フ. ..\ .. . .. . .. .. )( }ニコ!/////| | . . . ... (人) . . 人 .ヾrt?.. )( .`i/ | /////! l く)ノ) .. . . .. . . . ⌒ . . . . Y⌒ .. . . . . .///!/////」 | (フ〈) . . ,ノ) .. . . . . .. .. . .. . . . . ... . . .l// | /// `! .. . . . .⌒′ .. .(乂) . .. . . ... . . . x≦\/!l/\ __,.ィ ̄ ̄`ヽ/ヽ__ > ´ ̄ / ` `、 、、 - ´ / ' } ヽ ヽ\ \ `  ̄ >' / , | ∧/! | } ヽ ヽ /,ィ / ' / /| _/,.ム斗}-/ ハ . {/.' ,| ,.|-}/-{ | / ,ィチ斧ミ }/ } | . / イ/{ ! ィ斧从}/ Vzソ ノ /イ , <__ ´// 从{ Vソ / / イ- 、 | {'{ { , ' /' ⌒ } | え? いやいやそんなことないですよ 从Ⅵ /. ノ | みんな同じ道の上の人。余さず尊敬してます 叭 v_ ̄ヽ ,rー' 从 、 イj / / . < |' /}/ 、__ ´ } イ从/ | |/ 「 ̄| 「 ̄ ̄ ̄ ̄} |//l| |//////// 、 ,. <// ∧ |//////////> 、 . -‐…‐- . ´ ` 、 / \ / .. .. .. .. .. .. .. .. .. 丶 . . . . . . . . \ . . . . . . . 、 / . . | . . . . . ¦ . . \ . . \ . . ` . . . . .| . . . . . | i . , . . . . . . . , ; . . . . . .| . . . 、_|__j_|ノ|ハ . . |i . . l i. .. .. |. . .| i . . . . ..| i | 人 ⅰ . |i . . i | | | . i. |. . .|八 . . . . ∨i,x圻幵竹, . |i . . | | お、言うねぇ。これはおねーさん口説かれちゃってるんかな? | | . i. |/l ∧ . ___ノ 〃 トィ/f心| . |i . . | | 知らんけど | | . i. | . ァヒ扞ト′ _)ツ| . |i . . | | | i . . i. | 爪 トィ心 ,,, | . l/ . .. | 八 | | . i. | . |i' )ツ | ; ′ . . | \ /㍊i | i ’. ,. | . || 、 ,,, ′ ィ / . . . ノ| / ㍊i |/ V/, |i . 〈癶 ーく ノ / . . . / |/ ㍊i V 八 . . V .ゝ / . . . ィ/ / ァ㌻¨ \ \ . \i . \ . ≧=ー/ . . ≠≪'/ / ,ァ㌻¨。 ゚xヘ \ }≧=\------辷r< //。※゚l/ ァ㌻¨ ※/。※ハ ` / ;冖冖冖冖/ i/ `X升ォt/ ァ㌻¨ 。※゚/。※゚。※゚| | / / /。※゚.。※゚/ {※゚/ ゚| | ァ㌻¨ /。※゚〃※。※゚。※゚| |. / イ/ /※|。/。※/ {/。※゚| |¨l /※/゚/゚。※゚。※゚。※゚| ノ ___ , . . .´ . . . . . . . . . .`丶 / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . \ / . . . / . . . / /| . . .ハ . . . . . . . . .ヽ ′ . . | . ./}/ |/ V}∧ . . . . . . i . | . . .Ⅳ ノ` ー-、__.Ⅵ . | | . | . . .| ー‐'_ __ | . . | | . | . . .| ,ィfチ芋 斧テ式.| . . | | . | . . .|《 V ソ V ソ 》 . . .| | . | . . .ハ , } . . .| ええ!? 今のってそういうことなの? | . | . . .l .{ ノ . . | l . . . . | . ヽ. ⊂⊃ / . . . . | | i| . .i . . | . . .i ___ ..ィ .i . i . | . .| {八 . . | . ..| . i .| | . }ノ ./| . | .,′ ヽ{\|斗' ー i/._|/|/ -┬┬'、__ ̄`___´ ̄_/⌒7⌒ヽ / | |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ / / } / | |.. . ゙、 . ゙、゙、. \ |. i | i |. ∧ 、.i. .i . ` 、. ! | |、 | | i | ! | | | 、 > | | i 「! ヽート!、 リ ! |ハ ト | ̄ ̄. ,..-、| i | !゙、 _、!二゙、-| イ リ ! |ヽ | / へ.゙、 丶ヾヽ ´{ i` ヽ! 1!| /| !ノ゙、リ ヽ \ !丶  ̄ Vイ ハ |\ i. 丶 \゙、 ` リ ` い、いや……そういう事じゃ……ヽ `┬ 、 ヾ / それに皆さん美人なんですから俺なんかよりもっといい人すぐ見付かりますよ i ;ィノ U ,....-ィ /,, ‐レリ _  ̄ /゛=!_ \ `ー-、_ _/ ゛== 、 \ / ̄ヽ、 ゛===-、 /........................................\ ............. ..................ヽ /...........i l l l ............ハ ′ / i | | |ト ............ i......i i i | | '⌒ヽ i i........i |..... 匕丁j |/ ハ =- ヾ ヾ | | ......| |i ...| i { |{_V⌒" ´_斗=tV ハ... |l |i ...| 从i |⌒ r七ぅ j | {.....Ⅵl いやいや、京太郎も十分いい男だよ |ト..1 ハ」ト=彡 乂_ ソノ 廴7... |l !{ ヽ / ヘヾ とつ/....... }|l |{ vヘ 从}} `~' /....... /八 _ ヾ {ト=- r=≦.............__彡 / \ / \ />=ミ=彳 ニ=- ¨/ 人 \ . / ※ i ∨ / /※r 7´ ̄/\/〃⌒ヽ ヽ 「i ※ 1※V{ / 〃 _У r=' ※ .\ ※ ト- |入 ※ ノ ヾ f´/`7//ト\ j ヽ. | |{ 〉 イ ※ ※ | {/イ※i 〉〉※ / ※ \! _,.. -- 、__, 、___ ⌒> ´ ´ ヽ `ヽ、 _,. ´ , , 、 | 、 、 ヽ  ̄7 / / 从 、 | | | . /イ / /l/ | | | l}从} | { _/_ { 从ヽ、 { | |/ イ´∨}  ̄´ {∧ { ○ 从{ ○ }'⌒}、{ {从 r-く| \ え? お、俺がですか? 叭 __ 八}イ 、 └―┘ ィ/∨ 「¨>-- rく「 ̄ } , ------ ∨_」 , ∨]/|ィ¨7ー-- 、 ////////「//| ー- 」 }ヽ// ///////} {/{////// \∧ r' ヽ }' {/////// |l∧////////Ⅵ,〈 | |///////| |/∧/////////|l∧ ,l |///////| |//∧/////////() \//∧}/////// |////}////////// 「/////∧/////{ |////|///////////∨()////\/// | |////|////////////\///// ∧/ / |////|//////////////\//////,イ |////|//////// ()/////| .\//// .| / . . . . ./ . . . . . . .| . . . . . ハ . .iヽ. . . . . . . . . . ', . . . . . . . | . . . ./l . .レ'| . ./ } . | V . ∧ . |. . . . ', ′ . . . |八 / V ヽ{ レ' V }/ヽ . . . . . . i . . . . . .| V i . . . . . .i | . . . . . .|/ ̄ ̄ ̄` ´ ̄ ̄ ̄`ヽ| . . . . . .| | . . . . . .| __ __ | . . . . . .| | . . . . . .| 斗ぅ芋ミ 抖ぅ芋ミ. | . . . . . .| | . . . . . .l. {{ rJ ハ rJ ハ }}. | . . . . . .| 確かに京太郎君。よく気が付くし優しいし | . . . . .小 V ソ V ソ ′ . . . . | それに、その……カッコいいし(ボソボソ | . . . . . .| ', /.i . . . . . .| | . . . . . .ト、} ' 厶 | . . . . . .| | . . . . . .| 八 / . . | . . . . . .| | . . . . . .| . . . \ r‐ 、 イ . . . .| . . . . .| | . . . . . .| . . i . . . .ゝ、 ィ . . . . | . . . | . . . . .| | i| . . . | . . | . . . | . . | ー l . i. .| . . . . | . . . . .| |八 . . 八 l . | . | . . l |/| . l . / . | . . . . ./ \ . .乂人ィ¨ノ >乂|/|/ . ./V ,. -‐ァ{ `¨''┬<_ rく´ / / \ /ヽ ヽ¨ヽ、 /{_ . ヽ ヽ _ ハ / _/ニ=- | . . . .| ‐=ニ _. ′´. .∧__. . . . .|. . -┼…‐- | | . `ヽ | i|. . .|´ {. | . . . .ト、 |\ | . . | | | i|. . .| _ヽト、 | _\|_`ヽハイ . . | | |八 . {乍i苅ミ\{ '乍r苅¨ア | . . .. | ., |\弋cソ 弋cソ ' | . . .. | . . ,′ | .「´. . . , . . . .. | . . .. ! . . .,′ | . .i . | . ,′. / | .从 r───┐ ,′. /. . . ./ おや~小鍛治プロもしかして須賀君のこと? | . 込、 ヽ ノ / . /. . / 人 . \丶、`¨¨´ イ . , イ / ト、 \ ヾノ>-‐ァf´ / { /. . |人. ト、 | `ー=≫彡'. /'∧ i \__|_》>イ. イ_____. |. . `¨¨ ./| {{ { ¨¨´ . ノ 厂`ヽ \ / l| ゞ=ヘ . . . . . / /`ヽ i ___ , . . .´ . . . . . . . . . .`丶 / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . \ / . . . / . . . / /| . . .ハ . . . . . . . . .ヽ ′ . . | . ./}/ |/ V}∧ . . . . . . i . | . . .Ⅳ ノ` ー-、__.Ⅵ . | | . | . . .| ー‐'_ __ | . . | | . | . . .| ,ィfチ芋 斧テ式.| . . | | . | . . .|《 V ソ V ソ 》 . . .| え?ち、違うよ! そうじゃなくて一般論というか客観的な評価であって | . | . . .ハ , } . . .| 私個人は別に…… | . | . . .l .{ ノ . . | l . . . . | . ヽ. ⊂⊃ / . . . . | | i| . .i . . | . . .i ___ ..ィ .i . i . | . .| {八 . . | . ..| . i .| | . }ノ ./| . | .,′ ヽ{\|斗' ー i/._|/|/ -┬┬'、__ ̄`___´ ̄_/⌒7⌒ヽ / | |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ / / } . /{_ . ヽ ヽ _ ハ / _/ニ=- | . . . .| ‐=ニ _. ′´. .∧__. . . . .|. . -┼…‐- | | . `ヽ | i|. . .|´ {. | . . . .ト、 |\ | . . | | | i|. . .| _ヽト、 | _\|_`ヽハイ . . | | |八 . {乍i苅ミ\{ '乍r苅¨ア | . . .. | ., |\弋cソ 弋cソ ' | . . .. | . . ,′ | .「´. . . , . . . .. | . . .. ! . . .,′ | . .i . | . ,′. / そうですか~? | .从 r───┐ ,′. /. . . ./ 確かすこやんは | . 込、 ヽ ノ / . /. . / アラフォーですよねー? 人 . \丶、`¨¨´ イ . , イ / もう少し能動的になっていいのでは~? ト、 \ ヾノ>-‐ァf´ / { /. . |人. ト、 | `ー=≫彡'. /'∧ i \__|_》>イ. イ_____. |. . `¨¨ ./| {{ { ¨¨´ . ノ 厂`ヽ \ / l| ゞ=ヘ . . . . . / /`ヽ i / .. ト、 . . . / // // ノ (_.,′. .. . /| /| /| | } ト、 | | i / / ) ー┬ァ ( . | | / j/ j/ j/ V ∨イ i| / } ノ || . | |/ u | i| | ニニ, || . | | ト .___,ノノ 廴___,.| i| | _,ノ {| . | | |≫笊气ミ ィ笊气ミ i| | ┼┼ || . | | | 乂゚ノ 乂゚ノ | i| } 丿 {| . | | | `'ー一'′ , ー一 | 八 〈 │ || . | | | /ハヽ /ハヽ{ ト、\ } ┼〃 │| . | ∧ | /`¨¨¨´| u ノ │ ヽ ヽ | ノ こ || . | |ーi ト . {. . . . . . .ノ イ i| } } │ ├ {| . | | ∧∨ `> . `¨¨¨´ . イ | リ | | } c!、 {|_ 」 i |-‐ヘヽ `ァ‐ャ┬‐- 、 |イ. / | | | rv‐, {. . ..| | ! _乂 ,′ V》.. .. .ハノ. / j ;′ | |/l/ |. . ..乂 ト、| ` ´ ̄ }..》.. . . .V /'′ } o o (. . . . .《{. | |..》. .{. j .} \ ) (. . . . . 《{`Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y´|..》.. .Y..│ \\ \ \`Y⌒Y⌒Y´. . . . . . 《{ 爻=====} {====|.》 . . } . | \ \\ \ \ . -‐…‐- . ´ ` 、 / \ / .. .. .. .. .. .. .. .. .. 丶 . . . . . . . . \ . . . . . . . 、 / . . | . . . . . ¦ . . \ . . \ . . ` . . . . .| . . . . . | i . , . . . . . . . , ; . . . . . .| . . . 、_|__j_|ノ|ハ . . |i . . l i. .. .. |. . .| i . . . . ..| i | 人 ⅰ . |i . . i | | | . i. |. . .|八 . . . . ∨i,x圻幵竹, . |i . . | | | | . i. |/l ∧ . ___ノ 〃 トィ/f心| . |i . . | | | | . i. | . ァヒ扞ト′ _)ツ| . |i . . | | | i . . i. | 爪 トィ心 ,,, | . l/ . .. | 八 | | . i. | . |i' )ツ | ; ′ . . | \ /㍊i え? アンサラー? | i ’. ,. | . || 、 ,,, ′ ィ / . . . ノ| / ㍊i |/ V/, |i . 〈癶 ーく ノ / . . . / |/ ㍊i V 八 . . V .ゝ / . . . ィ/ / ァ㌻¨ \ \ . \i . \ . ≧=ー/ . . ≠≪'/ / ,ァ㌻¨。 ゚xヘ \ }≧=\------辷r< //。※゚l/ ァ㌻¨ ※/。※ハ ` / ;冖冖冖冖/ i/ `X升ォt/ ァ㌻¨ 。※゚/。※゚。※゚| | / / /。※゚.。※゚/ {※゚/ ゚| | ァ㌻¨ /。※゚〃※。※゚。※゚| |. / イ/ /※|。/。※/ {/。※゚| |¨l /※/゚/゚。※゚。※゚。※゚| ノ i⌒i i⌒i | | rt. rt. | | | | || || | | | | || || | | | | || || | | | | || || | | r┴┴i || | | r┴┴i ┌―冊-冊-冊-冊-冊-冊-/_二二_\______rl li___| |/_二二_\-冊-冊-冊-冊-冊-冊-冊―┐ |[三||三||三||三||三||三||三ゝ_____ノ/|二二二/ /|__| ̄ ̄ゝ_____.ノ.三||三||三||三||三||三||三||三]| └―lムマllムマllムマllムマllムマll;;;;;;;,-=ニ/-=ニニ==-, -、/;;;;;;;;|_ゝ、-_};\\.└lムマllムマllムマllムマllムマllムマl―┘ ,-=ニニ,/-=ニニニ=-_( ;;;;;;/;;;;;;;;;;;_) }ニ==-\\.\ ///./-==-/_/_/_/ ;;;;/;;;;;;;;;;;;∨ノニ=-|_∧\ \.\ ///., '/_/_/_/_/_/_/;;;;;;;;;;;;;;;;| |;;;;∨ニ=-_|_|_∧;;;\ \.\ //// /_/_/_/_/_/_/.,.;;;/;;/;/;;|.|;;;;;;∨;-|_|_|_|_|_∧;;;;;\ \.\ //// /_/_/_/_/_/_/ |/ |/;W/;||;W;;;∨_|_|_|_|_|_|_∧;;;;;; \ \.\ //// /_/_/_/_/_// / //\{ ∨_|_|_|_|_|_|_|∧;;;;;; \ \_\ //// . ̄/ ̄/ / /;;;| |\ ∨|_|_|_|_|_|_|/;;;;;;;,, `.) \_\ //// //⌒´ / /ヾ;;;;;;| |;./ \. ヽ ;;;;;;;;;;;;;; \ >.\ //_/ ∠.ノ(. // };;;;;| |.{ \| ;;;;;;;;;;;;;; \___/ ∠,_/ / / ´ -=;;;;;;;;;| .|;;;=- ;;;;;;;;; / / 彡;;;;;;||;;ミ '';;' {/ 从从;| |从 | |.|| | | /从 /从从 从从从 (*) { } | .| | | |.| || | /´〉,、 | ̄|rヘ l、 ̄ ̄了〈_ノ _/(^ーヵ L__」L/ ∧ /~7 /) 二コ ,| r三'_」 r--、 (/ /二~|/_/∠/ /__」 _,,,ニコ〈 〈〉 / ̄ 」 /^ヽ、 /〉 '´ (__,,,-ー'' ~~ ̄ ャー-、フ /´く// `ー-、__,| '' ,. -──……──- . / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .、 / . . . . . . . /. . . . . . . . . . . . . . . . i . . . . \ / . . . . . . . . ./ . . . . . . ./ . /. . . } . . | . .} . . . ヽ ′ . . . . . . ./ . . . . . . //}/∨ハ/レ'ヽ . . i l i i . . . . . . . . i . . . . . . . | V从| | . . . . |. . . . | . . . . . . . | ー ─'´ ^ー-| . | | . . . . |. . . . | . . . . . . . | | . | | . . . . |. . . . | . . . . . . . | 〃⌒ヾ 癶{ . | え? | . . . . |. . . . | . . . . . . . | {{ }} {{ }} . | | . . . . |. . . . | . . . . . . . | ゞ=='" ヾリ | | . . . . |. . . . | . . . . . . . | | . | | . . . . | . . . .| . . . . . i . | /⌒⌒} | . | | . . . . | . . . .| . . . . . i . | { / / . .| | i . . | . . .i | . . . . . i . |`  ̄⌒,.ィ . | . . . .| |/{ . ..| i | | | . . . . . i . | 厂| . . . .| . | . .i. .| /⌒\{从| 乂 . . . Ⅳ '⌒ l/}/Ⅵ 八| / ヽ | l\ \i/ __ /| |ノ}/ / } | l ヽ _____________,ノ .| l i | { { | | | | / | __,.ィ ̄ ̄`ヽ/ヽ__ > ´ ̄ / ` `、 、 、 - ´ / ' } ヽ ヽ\ \ `  ̄ >' / , | ∧/! | } ヽ ヽ /,ィ / ' / /| _/,.ム斗}-/ ハ . {/.' ,| ,.|-}/-{ | / ,ィチ斧ミ }/ } | . 死んだはこれ……(汚染で) / イ/{ ! ィ斧从}/ Vzソ ノ /イ , <__ ´// 从{ Vソ / / イ- 、 | {'{ { , ' /' ⌒ } | 从Ⅵ u /. ノ | 叭 v_ ̄ヽ ,rー' 从 、 イj / / . < |' /}/ 、__ ´ } イ从/ | |/ 「 ̄| 「 ̄ ̄ ̄ ̄} |//l| |//////// 、 ,. <// ∧ |//////////> 、 ヽ` ´ ´. __,, ======== ,,__ ...‐''゙ . ` ´ ´、 ゝ ''‐... ..‐´ ゙ `‐.. / \ .................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ´ ヽ. ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;................. .......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙ .' ヽ ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;...... ;;;;;;゙゙゙゙゙ / カン ゙ ゙゙゙゙゙;;;;;; ゙゙゙゙゙;;;;;;;;............ ;゙ ゙; .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙ ゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;.......;............................. ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙ ゙゙゙゙i;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;l゙゙゙゙゙ ノi|lli; i . .;, 、 .,, ` ; 、 .; ´ ;,il||iγ /゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li ' ; .` .; il,.;;. ||i .i| ;il|l||;(゙ `;;i|l|li||lll|||il;i ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `, ,i|;.,l;; `ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ ゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;, ,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙ ´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii ;゙|lii|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´`゙ ´゙゙´`゙``´゙`゙´``´゙`゙゙´´