約 156,108 件
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/4469.html
梢(不味いです不味いです不味いですっっ!!!) 梢(全裸の須賀くんがロッカーに近づいてきますっ!) 梢(このままでは見つかってしまいますっ!) 梢(ど、どうすれば!) スタスタ 京太郎「このロッカーか、開けてみるか」 梢(ああっ!もう駄目ですぅ!) 梢「神様……」 ガチャ 京太郎「……梢部長?」 梢「す……須賀くん」 京太郎「……何してるんですか?」 京太郎「こんな蒸し暑いところで」 梢「こ、これはですね……色々と訳があ、ありまして」 梢「そ、それよりも須賀くん……」 京太郎「?」 梢「ま、前!前!」 京太郎「?……!?」 京太郎「すいませんっ!!」 京太郎(何でおれが謝ってるんだ……) 京太郎(男子更衣室に女の子がいるなんて考慮できるかっ!) 京太郎「着替え終わりましたよ」 梢「うぅ……すいません」 京太郎「……すごい汗ですけど、大丈夫ですか?」 京太郎(汗だくの梢部長はエロいな……) 梢「は、はい……何とか」 京太郎「そうですか……で、本題なんですけど」 梢「はい……」 京太郎「何であんなところにいたんですか?」 梢「え、えとですね、それは……」 京太郎「それは……?」 梢「あ、あのですね……」 京太郎「教えて下さい」 梢「うぅ……」 京太郎「部長!」 梢「うぅっ……ひぐっ、ごめんなさぁい……」ポロポロ 京太郎「え、ぶ、部長!?何泣いてるんですか!?」オロオロ 梢「うわぁぁん……すいませぇん……」ポロポロ 京太郎(ヤバイ、どうしよう) 京太郎「す、すいません!教えなくていいですから!」 京太郎「だから泣き止んでください!」 梢「うぅ……ほ、ほんとですか……?」 京太郎「ホントです、ホントですから……」 梢「うぅっ……ひっ……そ、そうですね」 梢「ご、ごめんなさい……少し、取り乱してしまいました……」 京太郎「いえ……良かったです」ホッ 梢「本当にすいません……」グスッ 京太郎「大丈夫ですよ、もう気にしてないですから」 梢「そ、そうですか、良かった」 京太郎「じゃあ、部活行きますよ、さあ」 梢「は、はい」 その後、何事も無かったように6人で部活を行う。 そして部活終了後、京太郎だけ帰宅。 部室には女子5人が残った。 美幸「……須賀くんは帰った?」 澄子「はい、帰りましたよ」 友香「うっし!」 莉子「……」 美幸「で、梢ちゃん?」 梢「は、はいっ!」 美幸「どうだった?撮れたの?」 澄子「見つかりませんでしたか?」 梢「あ、あのっ……」 友香「早く見せて!見せて!」 莉子「友香ちゃん落ち着いて……」 梢「……」 美幸「?、梢ちゃんどしたの?」 梢「写真を撮ることはできたんですが……」 梢「須賀くんに見つかってしまいました……」 美幸「ファッ!?」 澄子「え、それは……」 友香「?、どゆこと?」 莉子(あぁ……) 美幸「み、見つかったって……」 美幸「話したの?この全裸会のこと」 梢「い、いえ!大丈夫です!」 梢「この会の事はばれてません!」 澄子「そ、それは良かったです……」 友香「??」 莉子(須賀くんは盗撮犯を見逃した……?) 美幸「ば、バレテないなら問題ないね……セーフ」 莉子(アウトでしょ。) 美幸「では、早速写真を拝見するよ、カメラをこっちに」 梢「は、はい……どうぞ」 澄子「楽しみですねぇ」 友香「わくわく」 美幸「ふむふむ……結構な枚数だね」 美幸「……あれ?」 一同「?」 美幸「……おかしいな」 美幸「……変だな」 梢「え?」 澄子「どうしたんですか?」 美幸「……んとね」 美幸「写真は撮れてることは撮れてるんだけど」 美幸「全部ぶれてて何写ってるかわかんないよもー!!」 梢「え!?そんな」 澄子「うわ、ホントですね」 友香「なんでー……がっかり」 莉子(逆にモザイクがかかったほうがエロいですね) 美幸「梢ちゃん、しくじったね」 梢「え……私は……」 澄子「これは教育ですね」 友香「だねー」 美幸「ともかく入会は白紙だよ」 梢「そ、そんな……ひどい」 梢「あんまりです!せっかく頑張ってきたのに!」 梢「ひどいです!ひどいです!うぅ……」 莉子「お、落ち着いて下さい……」 梢「あ……すいません」 美幸「……梢ちゃん」 梢「は、はい……」 美幸「ともかく失敗は失敗だよ」 美幸「私たちを失望させた罪、償ってもらうよ」 梢「そ、そんなぁ……」 友香「ふふふ……」 澄子「ふふふ……」 梢「や、やめて……来ないでぇ……」 美幸「ふふふ……」 梢「い、嫌ぁ……助けて……」 莉子(ゲス過ぎますね……) 京太郎(なぜ、部長が男子更衣室にいたのか) 京太郎(少なくとも、部長が自分の意志でいたとは思えないな) 京太郎(何か裏がありそうだ……) カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6226.html
特別編 side千里山 京太郎と竜華が付き合ってます △月□日 竜華さんと付き合い始めてしばらく経つ 色々な面でパーフェクトな竜華さんだが、最近あまり膝枕をしてくれなくなった 付き合い始めはよくしてくれたし、今もそれ以上のことは…… という訳で今日は竜華さんに膝枕をしてもらうために、色々やってみた ちょっと横になって枕が無いなー、と言ったり ウチ、病弱やから……と言ってみたり ストレートに膝枕してほしいと言ったり しかし、どうやっても竜華さんは膝枕をしてくれなかった せめて理由を聞きたいと言う、竜華さんは真っ赤になって俯いてしまった なんだ?何かやったか?この前の新しいプレイか?と考えていると、竜華さんが何か小さくつぶやいた 聞こえなかったのでもう一回と聞くと、 「や、やから!胸が大きくなりすぎて膝枕したら顔が見えへんから嫌なんや!!」顔を真っ赤にしてそう言った おもちが大きくなった……俺のせいだ つまり、自業自得? しかしそんなことで諦める訳にもいかない 本当にそうなのか試すため、と必死に説得し、なんとか膝枕してもらった 久しぶりの膝枕、そう思って横になったが……すごかった やばい。ちょっと竜華さんが体倒したら、おもち俺の顔に乗るわ おもちで窒息死がガチでできそうだった 流石に今回のことは反省しつつ、今後解決手段を探していこう、ということになった 今後、おもちいじるのは控えよう 怜「ほほー、ウチにもしてくれんのは京太郎のためや思うとったけど、違ったんやなー」 セーラ「まー目に見えて大きくなったしなー」 泉「あの、おっぱい星人、一体どんだけ胸を大きくしたんですかね」 浩子「ちょっとデータ取ってええですか?」 竜華「ひ、他人事やと思ってー!!真剣な悩みなんよ?」 怜「どこがや」 セーラ「ノロケやん」 泉「自慢やないんですか?」 浩子「自分が一番大きいからってなぁ……」 竜華「冷たない?なぁなんか方法考えてや?」 4人「自分で考えや(てください)」
https://w.atwiki.jp/buono-boreas/pages/346.html
鼓太郎 国籍 性別 生年月日 職業 冒険Lv 交易Lv 戦闘Lv 得意技 副官 成分分析 鼓太郎の36%は怨念で出来ています。鼓太郎の32%はハッタリで出来ています。鼓太郎の27%は鉄の意志で出来ています。鼓太郎の3%は欲望で出来ています。鼓太郎の2%は海水で出来ています。 ※分析結果は自動出力です メッセージ 以下ツッコミ 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/2301.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1363393348/ ――3月某日・須賀家―― 京太郎「もうすぐホワイトデーか……」 京太郎(咲達にはクッキー辺りでも渡すとして優希にはどうすっかなあ……) 京太郎「バレンタインの時はあいつから貰ったポッキーでポッキーゲームして、その後俺が渡すはずだったチョコで……」 ――…… 優希『あっ、み、耳噛んじゃ、や……』 優希『はぷっ、ちゅっ……』 優希『はっ…ぁ…ひょうたろー……』 優希『……最後は、いやじゃなかったじょ』 ――…… 京太郎「……」 京太郎「今思うと俺、よくあの時あのままあいつを襲わなかったな」 京太郎「とにかく、ホワイトデーは暴走しないように注意しよう……師匠の言葉を借りるなら男は紳士であれってな」 カピ「キュー」スリスリ 京太郎「おっ、お前もそう思うかカピ。 よしよし、今度は頑張るから応援頼むぞ」ナデナデ カピ「キュー♪」 ――同時刻・片岡家―― 優希「もうすぐホワイトデーかあ……」 優希「京太郎はなんかくれるだろうし、やっぱり私もお返しするべきなのか?」 優希「直接貰ったわけじゃないんだけどな。 あの時は……」 ――…… 京太郎『なんのことだ? ここにチョコレートがついてるのはお前がこぼしたからだろ?』 京太郎『ここも甘いな……もしかしてお前砂糖で出来てんのか?』 京太郎『口の中に、チョコレート残ってるだろ?』 京太郎『優希……お前、すっげえかわいいな』 ――…… 優希「……」 優希「あの時の京太郎、ちょっと怖かったけどかっこよかったじぇ」 優希「……また、あんな風にならないかな」 優希「……って、私は何を考えてるんだ!?」 優希「さっさと寝て変な事は忘れるじぇ……」 ――ホワイトデー当日―― 咲「京ちゃんいるー?」 京太郎「よぉ、咲。 なんか用か?」 咲「バレンタインのお返しを持ってきたんだけど……」 優希「んっ、どうした咲ちゃん?」 咲「ううん、相変わらず仲いいなあって思っただけ」 咲(もう皆慣れちゃったのか何も言わないしね……優希ちゃんが京ちゃんの膝に座って休み時間過ごしてるの) 男A「須賀のやろう、ニヤニヤしやがって……こっちはホワイトデーに返す宛もないのに」 男B「羨ましいぞ、こんちくしょう」 男C「死ねばいいのに」 咲(あ、あはは……気にしてないわけじゃあないんだね) 京太郎「じゃあ先にこっちの渡しとくか……ほら、クッキー」 咲「ありがとう、京ちゃん。 はい、私からもクッキーだよ」 京太郎「サンキュー」 優希「……」ジー 優希(見るからに手作りだな……むむむ、咲ちゃんに限ってそれはないとは思うけどなんか落ち着かないじぇ) 京太郎「んっ、なんだよ優希?」 優希「なんでもないじぇ……」 京太郎「んー?」 咲「あはは……そうだ、京ちゃん知ってた?」 京太郎「何をだ?」 咲「ホワイトデーって返す物によって意味があるんだよ」 京太郎「へぇ、そうなのか」 咲「たとえばキャンディーなら【好き】、マシュマロなら【嫌い】、それでクッキーは【友達でいよう】なんだよ」 京太郎「なるほど、だからお前もクッキーくれたのか」 咲「まあね。 京ちゃんは大切なお友達だから」 京太郎「俺としては咲は保護対象みたいなもんだけどなー」 咲「むっ、どういう意味かなそれ」 京太郎「迷子のお前を探す的な意味だ」 咲「……いつもお世話になっております」 京太郎「うむ、くるしゅうない」 優希(友達でいよう、か……じゃあクッキーが手作りなのに深い意味はなさそうだじぇ、ふふっ)モゾモゾ 京太郎「ちょっ、おい優希」 優希「なんだー?」 京太郎「人の膝の上で身体揺らすなよ」 優希「どうして?」 京太郎「どうしてってそりゃ……まあ、何というか」 咲「京ちゃん……」 京太郎「な、なんだよ、そんなかわいそうなものを見る目で見るなよ! しょうがないだろ、俺だって男なんだから!」 京太郎(ただでさえ最近優希を変な風に見ちゃう時があるっつうのに、こんな風にもぞもぞされたらヤバいに決まってんだろう!) 優希「ほほう、なんだかよくわからないけど京太郎の弱点を見つけたじぇ!」モゾモゾ 京太郎「だから動くな、やめろ、色々ヤバいから! 咲からも何とか言って……おいこら、逃げるな薄情者ー!」 男A「リア充爆発しろ」 男B「リア充不幸になれ」 男C「リア充に呪いあれ」 ――放課後―― 京太郎「ったく、さっきはひどい目にあった……優希のやつ、自分のしてる事にたいして無防備過ぎて困るっつーの」 ガチャッ 京太郎「ちわーっす」 咲「あっ、京ちゃん。 さっきぶりだね」 京太郎「さっきはよくも人を放置して逃げてくれたな、咲~」 咲「だ、だってチャイム鳴ってたし。 私にはどうしようもなかったんだもん」 京太郎「……はあ、いや別にいいんだけどさ。 ところで他にはまだ誰も来てないのか?」 咲「うん。 和ちゃんと優希ちゃんは来てすぐまた出ていっちゃったけど」 京太郎「ふうん、じゃあそんなにしない内に帰ってくるか……」 ガチャッ 和「今戻りました」 優希「ご帰還だじぇー!」 咲「おかえり、和ちゃん、優希ちゃん」 和「ありがとうございます、咲さん」 優希「おぉ、元気にしてたか、京太郎!」 京太郎「つい一時間前まで一緒だっただろうが。 よっ、和」 和「こんにちは、須賀君。 あっ、そうそう、バレンタインのお返しを持ってきたので受け取っていただけますか?」 京太郎「おっ、サンキュー。 和もクッキーかなんか?」 和「いえ、ホワイトデーというくらいですから白い物がいいかなと思いまして……はい、どうぞ」 京太郎「」 咲「あ」 優希「じょ?」 和「あ、あら? お嫌いでしたか……マシュマロ」 ――少女事情説明中―― 和「す、すいません、まさかマシュマロにそんな意味があったなんて……」 京太郎「いいんだ……お嬢様の和が知らないのも無理はないのわかってるし、わざとじゃないのもわかってるから……」 優希「のどちゃんだったらこんな回りくどい真似しないで、はっきり『あなたなんか嫌いです』って言うからな!」 和「ゆ、ゆーき! それではまるで私が血も涙もない冷血漢みたいじゃないですか! というか今の変な裏声は私のまねですか!?」 咲「あっ、そういえば私、昔和ちゃんに退部を迫られたような……」 和「咲さんまで何を言うんですか!?」 咲「クスクス、大丈夫だよ和ちゃん。 和ちゃんはちょっと生真面目なだけで優しい子なのは知ってるから」 和「もう……いたずらにしては悪質過ぎます!」プイッ ガチャッ まこ「相変わらず賑やかじゃのう」 優希「あっ、染谷新部長のご到着だじぇ!」 咲「新部長って……普通に部長でいいんじゃないかな」 和「染谷部長、こんにちは」 まこ「おう。 で、そこでうなだれてるのはどうしたんじゃ?」 京太郎「ああ、気にしないでください。 予想以上にショックがでかかっただけですから……」 まこ「ん? よくわからんが、まあこれでも食べて元気を出しんしゃい」 京太郎「これは?」 まこ「バレンタインのお返しじゃ。 ホワイトデーじゃから白い物がいいと思っての」 咲「あれ、なんかデジャヴ……」 優希「さっきもこんな光景があったような……」 和「まさか……」 まこ「ほれ、マシュマロじゃ」 京太郎「」 ――再び少女事情説明中―― まこ「いやあ、すまんすまん! マシュマロはよくホワイトデーに使っとるからそんな意味だとは思いもせんかった」 京太郎「普段そういうの見せる事少ないから、はっきり言う和よりダメージがでかくなりそうなんですけど」 咲「確かに和ちゃんと部長なら部長の方がショックかも」 優希「のどちゃんはクールビューティーだからな! やっぱり違和感がないんだじぇ!」 和「須賀君も咲さんもゆーきも私をなんだと思ってるんですか……!」 京太郎「それにしてもお菓子業界もわざわざ嫌いだなんて意味をお菓子につけんなよな……モグモグ」 まこ「確かにの。 まあそれはさておいてそろそろ練習を始めるとするか!」 咲・和・優希・京太郎「はい(だじぇ)!」 まこ「よし、それじゃあ一年組は卓につけ。 わしは京太郎を後ろから見ておくからのう」 京太郎「あっ、ありがとうございます」 まこ「気にする必要はないぞ。 京太郎には夏の雑用ばかりさせていた期間を取り戻す勢いで教えていくつもりじゃからな」 京太郎「はい!」 まこ「和、対局が終わったらわしと交代して京太郎を見てやってくれんか。 咲と優希は感覚型の打ち手じゃから教えるのは不向きじゃしの」 和「わかりました」 まこ「咲と優希はとにかく打って実力を高めていけ。 去年全国三位の辻垣内や チャンピオンの宮永照とやり合ったお前さんらは互いを相手にするだけでいい経験になるじゃろう」 咲「はい」 優希「……」 まこ「それじゃあ始めるぞ!」 ――…… 京太郎「えっと、これは……この牌かな」タンッ まこ「うむ、それで正解じゃな」 京太郎「やった!」 優希「……」タンッ 和「ゆーき、それロンです」 ――…… 和「須賀君、ここはこうした方が……」 京太郎「あっ、そうか……ありがとな、和」 和「いえいえ、どういたしまして」 優希「……」タンッ 咲「優希ちゃん、ロンだよ」 ――…… 京太郎「……よし、リーチ!」 咲「ごめんね、通らないよ京ちゃん」 京太郎「ぐへぇ!」 咲「が、頑張って!」 京太郎「おう……よっしゃ、仕切り直しといくか!」タンッ 咲「ふふっ、その調子だよ京ちゃん!」タンッ 優希「……」タンッ まこ「優希、それロンじゃ」 ――…… まこ「うーむ」 部内対局総合結果(半荘5回) 宮永咲……一位3回、二位2回 原村和……一位1回、二位2回 染谷まこ……一位1回、三位1回、 須賀京太郎……二位1回、三位4回 片岡優希……四位5回(その内二回はトビ) まこ「まさかの結末じゃなあ……」 優希「」チーン 京太郎「俺が一回もラスにならなかったなんて初めてだぞ……」 咲「ゆ、優希ちゃん、調子でも悪いの?」 優希「大丈夫、だじぇ」 和「……どこか対局に集中出来てないようでしたが?」 優希「っ……」 まこ「なんじゃ、何か気になる事でもあったのか?」 優希「それは……」チラッ 京太郎「ん?」 咲(あっ、もしかして……) 和(まさかゆーき、あなた……) まこ(ああ……そういう事か) まこ「京太郎」 京太郎「はい、なんですか?」 まこ「今思い出したんじゃが、今日わしは店に出なきゃいけないんじゃ」 京太郎「はあ」 まこ「じゃから後の事を頼んでもいいか? これ部室の鍵じゃ」 京太郎「あっ、はい」 まこ「じゃあまた明日な。 クッキーはありがたくもらっておくからのう」 ガチャッ、バタンッ 京太郎「なんなんだ、いきなり……」 咲「あー!」 京太郎「おわっ、なんだよ咲!?」 咲「図書館で借りてた本、返却日が今日までだったんだ! ごめん、私も帰るね!」 京太郎「はっ、おい、待てよさ……」 ガチャッ、バタンッ 京太郎「本当になんなんだ……」 優希「……京太郎」 京太郎「ん?」 優希「のどちゃんも用事があるって帰っちゃったじょ」 京太郎「はあああああ!?」 京太郎「……」 優希「……」 京太郎(なんかすっげー気まずいんだけど) 京太郎「優希」 優希「えっ、な、なんだじょ!」 京太郎「いや、なんでもない……」 優希「そ、そうか……」 京太郎「ああ……」 京太郎(なんでこんな空気になってんだ、おい) 京太郎「あー……ネト麻でもやるか」 優希「……」ピクッ 京太郎「優希、前みたいに先生やってくれるか? 調子悪いなら今日は終わりにしてもいいけど……」 優希「や、やる! 喜んでやらせてもらうじょ!」 京太郎「お、おぉ、そうか。 じゃあよろしく頼む」 京太郎(急に元気になったな……さっきまでのあれはなんだったんだ?) 京太郎「……」カチカチ 優希「……」ジー 京太郎「えっとここは……なあ優希」 優希「……」ジー 京太郎「優希?」 優希「えっ」 京太郎「いや、えっじゃなくてここはこれでいいよな?」 優希「あ、ああ、うん」 京太郎「よし、じゃあ……」ロン 優希「あ」 京太郎「あっちゃあ、地獄単騎かよ。 竹井部長みたいな事しやがって……」 優希「ご、ごめん」 京太郎「いや、謝らなくてもいいって。 これはさすがに予想外だったしな」 優希「うん……」 京太郎「気を取り直して続き、続きっと」 京太郎「そういえばさ」カチカチ 優希「じょ?」 京太郎「久々にこうして2人きりになれたな」 優希「なっ!?」 京太郎「元部長……竹井先輩が卒業してから皆今まで以上に気合い入れて活動してたから、 あんまり2人きりで過ごせてなかっただろ?」 優希「……確かに京太郎の指導は染谷先輩とかのどちゃんばっかりがやってたな。 私は咲ちゃんとひたすら打たされてたじぇ」 京太郎「まあ、お互いに麻雀上手くなるために必要な事だったんだろうけどさ。 俺としては少し寂しくもあったわけだ」 優希「……のどちゃんにデレデレしてたくせに」 京太郎「それは誤解だぞ!? そりゃ確かに和が魅力的なのは認めるけどデレデレなんか……」 優希「ジトー」 京太郎「そ、そんな目で見なくてもいいだろ! ああ、じゃあ証拠にこれやるから!」 優希「これは……」 京太郎「部活前に急いで買ってきたキャンディーだよ。 お返しどうしようかなーって ずっと考えてたけど咲に教えてもらったし、そういう意味もこめてそれにしてみた」 優希「そういう意味……」 咲『ホワイトデーのお返しには意味があるんだよ。 キャンディーなら【好き】』 優希「……」 京太郎「しっかしわかんねえよな。 なんで一番安そうなキャンディーなら好きなんだ?」 優希「……」ガサガサ 京太郎「よし、これで今日は終わりっと……なんだかんだで7時近くなっちまったな」 優希「……」パクッ 京太郎「遅くなって悪かった、優希。 じゃあ帰るか……」 優希「んっ」チュッ 京太郎「」 京太郎「……は?」 優希「んんっ!」コロン 京太郎(なんか優希の口から転がってきた……ああ、さっきやったキャンディーか、これ……って!) 京太郎「ちょ、ちょっと待て待て、待って!」 優希「わわっ!?」 京太郎「い、いきなりなんだよお前! 別にするなとは言わないけどこっちにも心の準備って奴が必要だろ!」 優希「……甘かっただろ?」 京太郎「えっ、ああ……レモン味だったな」 優希「そういう事だじぇ」 京太郎「はい?」 優希「キャンディーが好きだって意味の理由。 キスはレモンの味だって言うからな!」ドヤァ 京太郎「……」 優希「京太郎?」 京太郎「っ!」グイッ 優希「えっ」ドサッ 京太郎「……」 優希「京太郎……?」 京太郎「お前さ、ちょっと警戒心低すぎだろ」 優希「な、なんの話……」 京太郎「いつも暇さえあれば人の膝の上に座って、抱きついてきて、挙げ句にこれ…… 俺が人畜無害なんかじゃないのはバレンタインの時に理解したんじゃないのか?」 優希「それは……」 京太郎「それでも我慢したよ。 ああ、我慢したさ。 お前を傷つけたくないし、 二度とあの時みたいな暴走だけはしないって心に誓ったから、 お前をこうして押し倒してやりたい気持ちをずっと押さえ込んできたんだ」 優希「……」 京太郎「なのにそんな事されたら我慢なんか出来るかよ! なんなんだよ、お前誘ってんのかよ、これ以上俺を勘違いさせないでくれよ……!」 優希「……」 京太郎「……変な事して悪かった。 悪いけど落ち着きたいから少しだけ1人にして……」 優希「勘違い、じゃない」 京太郎「……えっ?」 優希「私が、軽い気持ちでこんな事してると思ってたのか? 私が何にも考えないでこんな事出来る子供だとでも思ってたのか? 京太郎こそ、私を甘く見るな……!」 京太郎「優希、お前」 優希「恥ずかしくないわけない! 京太郎が狼な事なんか理解してるに決まってるじょ! それでも、それでも私は……」 京太郎「はは、じゃあなにか? お前、ずっとこうさせるために誘ってたのか?」 優希「……そんな事、言わせるな、バカ!」 京太郎「ああ、なんだよ……本当にバカみてえだ。 必要もない我慢だけずっと繰り返してたとかよ……」 優希「京太郎……ひゃっ!?」 京太郎「……もう、我慢なんかしねえ。 今さら泣き事言っても、止まってなんかやらねえからな」 ――…… 優希「んん、んっ!」 我慢なんかしないという言葉の通りなのか、今日初めての京太郎からのキスはバレンタインの時のような激しいもので。 最初は自分の中に入ってくる舌に優希も自分のそれで拙く対抗していたが、 そんなものはまるで通じずいつしかただ蹂躙され翻弄されるだけになってしまっていた。 優希「はふっ……はあっ……」 京太郎「っ……!」 京太郎はキスの勢いを弱めると、自分の首に回した優希の腕の力が 離さないと言うかのように強くなる事に気付き心の中で驚喜する。 自分は目の前の少女に求められているのだ、それだけで胸が熱くなり下手をすれば涙すらこぼれてしまいそうになる。 京太郎(……ああ、誰かに求められるってこんなに嬉しいもんだったんだな) 今年は雑用としてしか部の力になれなかった自分。 来年もやめずに麻雀部に残ると決めはしたものの、新入生も入部してくるだろうそこに はたして自分の居場所はあるのか……もうすぐ二年生となる京太郎は漠然とした不安を抱えていた。 優希「京太郎っ……京太郎ぅ……」 だけどもう、そんな不安はほとんどない。 わかるからだ、彼女は自分を必要としてくれている、どんな理由だとしても他でもない須賀京太郎を欲してくれているのだと。 優希「京太郎……なんで泣いてるんだ?」 京太郎「えっ……」 優希「もしかして、これから私とそういう事が出来るから感激のあまり涙が出てきたのか!?」 京太郎「……」 優希「なーんて冗d……」 京太郎「……ああ、そうかもな」 優希「うえっ!?」 自分で言い出したのに慌てふためいている優希がたまらなく可愛く見えて。 京太郎は一年近く前なら考えられなかったな、などとのん気に思いつつその小さな身体を抱きしめた。 優希「あの、京太郎」 京太郎「どうした?」 優希「あんまり見ないでほしいじぇ……」 部室にあるベッドに場所を移し、制服の上着を脱いでから急にそんな事を言い出した優希に京太郎は疑問符を頭に浮かべる。 はて、自分は何かマズい事でもしただろうか……少しばかり考えて、ふと優希が胸を必死に腕で隠してる事に気付いた。 優希「京太郎が大きいの好きなのは知ってるじょ……いずれはのどちゃんみたいになるけど、今はまだ小さいから」 優希が本気で将来和みたいな胸を手に入れるつもりなのかよくわからないが、 少なくとも今は小さい胸にコンプレックスがあるのだろう。 目をそらしながらそんな事を言った優希に、大きい胸が好きなのが周知の事実である京太郎の出した答えは…… 優希「ひゃああ!?」 優希の腕を半ば無理やり引き剥がし、その起伏の乏しい胸を愛撫する事だった。 京太郎「柔らかいな……」 優希「やっ、ダメ、そこはぁ……!」 その小さな身体に見合ってるとも言えるなだらかな丘に手を這わせれば、優希は常の彼女からは考えられないような声を漏らす。 物理的に小さく、また普段は精神的にも幼く感じられる優希の女の声に京太郎は頭の理性が2、3本焼き切れたような気さえした。 京太郎「優希っ……!」 優希「はっ、あぅ……!」 もう人などほとんどいないだろうとはいえ学校で、しかもいつも皆で過ごしている部室で こんな事をしているという事実は予想以上に2人の心を熱くさせる。 心臓は痛いくらいに鼓動を鳴らし、視界はお互いしか入らず、口を開けば出るのは睦言と互いの名前のみ。 京太郎「あっ……なんか硬くなってきた」 優希「い、言うんじゃない、バ……ああっ!」 手のひらで全体に愛撫を繰り返していた京太郎は優希の胸に起きた小さな異変にすぐ気付き口に出す。 酷く羞恥を刺激するそれに当然抗議しようとした優希だったが、 その言葉は京太郎が硬くなったその突起を指で摘まんだ事によって出た嬌声にかき消されてしまった。 京太郎「さっきより声出たな……な、なあ、ここがいいのか?」 優希「そんなっ、ふあっ、い、言えるわけ……ひうっ!」 京太郎「あー……大丈夫、態度でだいたいわかるから」 このままいっても問題ないと判断したのだろう、京太郎は重点的にそこを攻めていく。 指の腹で擦り、赤ん坊のように吸い、舌を這わせ、軽く歯を立てる……その度に身をよじらせ、 掠れた声を吐き、切なげに目を潤ませる優希に京太郎の興奮はますます高まっていった。 優希「はぁ、あうっ、んんっ!」 京太郎「……」 片手で胸を弄りながら京太郎は空いた手で優希の肌を撫でていく。 腹部から脇腹、さらに太ももに優しげな手付きで腕を滑らせていき、 一瞬迷うようにその手を止まらせた後……意を決したように下腹部へと手を動かした。 優希「えっ……あっ、そこは!」 ようやく優希も京太郎が何をしようとしているのかを察し、慌てて制止するが時すでに遅し。 優希が本能的に脚を閉じるよりも、京太郎の指先がスカートの下にある秘裂に触れる方が早かった。 京太郎「ん……?」 優希「うっ、あっ……」 優希が誰にも触らせた事のない場所への接触に身体を縮こませる一方で京太郎は違和感を感じていた。 京太郎(触ったの初めてだからよくわからないっちゃわからないけど……もしかして) 京太郎「濡れ、てる?」 優希「~~~!!///」 思わず零れた声に優希は顔を真っ赤に染め、手で見られたくないと言わんばかりに隠してしまう。 その反応と指先を濡らす汗とは違うだろう水に、京太郎はようやく納得した。 京太郎「感じてたのか、胸だけでこうするくらいに」 優希「聞くな、聞くなあ! うう、恥ずかしくて死んじゃいそうだじぇ……」 京太郎「悪い。 だけどさ……」 優希「ひあうっ!?」 京太郎が指で入口をほんの少し触るとそれだけで優希の身体が跳ね、腰が浮く。 指に漏れだした愛液を絡ませながら、何回も何回もピッタリ閉じた割れ目を 擦りあげてみれば全身の産毛が逆立つような感覚が襲いかかり、優希は身体を大きく震わせた。 京太郎「俺は、嬉しいぜ?」 優希「はっ、んっ、な、なにが、ああっ!」 京太郎「お前が、感じてくれててだよ!」 経験などない自分の、おそらく下手であろう愛撫に気持ちよくなってくれているという 事実は、男としてのプライドもある京太郎にとっては嬉しい事この上ないもので。 さらに自分がこうして触る毎に水音が大きくなり、手を濡らす愛液の量が 増しているというのも、京太郎に自信を与えてくれていた。 優希「やぁ、京太郎、私、なんか、変……!」 京太郎「いいぜ、イッてくれて!」 ガクガクと身体を一層大きく震わせる優希に限界が近いのを見て取った京太郎は、指での愛撫にラストスパートをかけていく。 優希「ああぁあぁぁっ!!」 そして人差し指を浅く秘裂の中に入れ、親指で入口の上にある小さな突起を 刺激すると優希は一際高い声を上げて絶頂を迎えた。 優希「はあっ、はあっ、はあっ……」 京太郎「……すご」 京太郎は初めて自分が絶頂させた女の肢体に半分見とれていた。 それが普段からはこんな姿を想像出来ない優希である事も相まって既に自分の下腹部は痛いくらいに熱を帯びている。 京太郎(おいおい、指だけでこんな風に出来るならこの先はどうなるんだよ……) 優希「京、太郎っ……」 京太郎「続き、いいか?」 優希「……いいじぇ」 許可は出た、だけど焦ってはいけないと京太郎は今すぐにでも襲いかかってしまいそうな自分の心を戒める。 指を浅く優希の中に入れた時、京太郎はそのあまりの狭さに一瞬凍り付いていたのだ。 京太郎(俺の方は比較対象がいるわけじゃないからなんとも言えねえけど……こいつが小さいのは間違いない) はたして優希が自分を受け入れられるのか……それに疑問すら浮かぶ2人の体格差。 だからこそ先に進むためには入念な準備が必要だろうなと、京太郎は優希の肉体を解すべく再び指を浅く中に沈めていく。 優希「痛っ……!」 だがそういう時に限って失敗するものなのか、少し深めに指を中に進めてしまったらしく、優希が痛みを訴える。 京太郎「あっ、悪い! 大丈夫か?」 優希「だ、大丈夫だじょ……」 口では大丈夫だと強がっている優希だが、その目は痛みで涙を浮かべ顔は少し強ばっていて。 京太郎(少し深め、それも指でこれか……これ以上は無理、だな) 今の優希はおそらくこの先の行為にまで進む事は出来ない、やったとしてもそれはきっとお互いに禍根を残す結果になるだろう。 残念ではあるが時間も時間だ、部室の鍵も返さなければならないしここいらが潮時だったのだ…… そう判断した京太郎は学ランを脱ぐとそれを優希に渡した。 ――…… 優希「えっ、京太郎?」 京太郎「ここまでにしとこうぜ、優希。 お前、もうこれ以上出来ないだろ?」 優希「っ……そんな、事」 京太郎「震えてるのにか?」 優希「あ……」 京太郎「無理、なんだろ?」 優希「……ごめんだじょ」 京太郎「いいって。 じゃあ俺ちょっと外出てるから服着といてくれるか?」 優希「……わかった」 京太郎「また、後でな」ガチャッ、バタンッ…… 優希「……」 優希「……ごめん、京太郎」グスッ 京太郎「あー、これどうすっかなあ。 トイレでも行くしかないか……」トボトボ ――…… 京太郎「すっかり遅くなっちまったな」 優希「おー……」 京太郎「明日も練習頑張らないとなー。 見てろ優希、今年こそ俺も全国出場してやるからな!」 優希「おー……」 京太郎「……」 優希「……」 京太郎「優希」 優希「じょ?」 京太郎「んっ」ギュッ 優希「じぇ!?」 京太郎「本当俺は気にしてないから、お前も気にすんなって。 別に今すぐしなきゃ死ぬわけでもないんだから」 優希「……」 京太郎「な?」 優希「……うん」 京太郎「よし、それでいい!」 優希「だけど京太郎も変な奴だじぇ」 京太郎「どこがだよ?」 優希「こういう時男はがっつくものなんじゃないのか?」 京太郎「あー、そういうことか。 それはだな……」 優希「それは?」 京太郎「やっぱりちんちくりんだとがっつく気が起きな……」 優希「ふんっ!」ゴスッ 京太郎「ごふっ!?」 ――1ヶ月後―― ガヤガヤ…… 京太郎「うわあ、随分たくさん来たな」 咲「あわわわ、人がいっぱい……せ、先輩として恥ずかしくないようにしなきゃ……」 京太郎「……咲」 咲「な、なに京ちゃん」 京太郎「イメージを崩したくないならお前がやる事はただ1つ……何もするな」ポンッ 咲「ひどいよ京ちゃん!?」ガーン 和「たくさん来てくれたのは嬉しいんですけど、ミーハーなだけの人も多そうですね」 京太郎「全国優勝校だからなあ……まあ、有名税って事で諦めるしかないだろ」 和「さっきから胸元にチラチラと視線も感じますし……」 京太郎「あはは……」 京太郎(俺も元々そういう目的だったから責めらんねえや……ってあれ?) 京太郎「なあ、優希は?」 和「えっ、さっきムロと話した後タコスを買いに行きましたけど……」 京太郎「なんだよ、別に買いに行かなくてもちゃんと用意してあんのに」 咲「……京ちゃんって優希ちゃん大好きだよね」 京太郎「な、なんだよいきなり」 咲「いえいえ、なんでもありません」 優希「だーかーら、私は別にそういうのはいいじょ!」 京太郎「んっ?」 和「ゆーき?」 優希「あっ、京太郎、のどちゃん助けてほしいじょ!」 京太郎「どうしたんだよ?」 優希「さっきからあいつがしつこいんだじぇ!」 後輩A「い、いや僕はただ同級生同士交流を深めようと……」 京太郎「……あのな、こいつこれでも二年生だぞ?」 後輩A「ええっ!? こんなにロリっぽいのに」 和「……全国にはゆーき以上の年でもっと幼そうな人もいますけどね」 咲「衣ちゃんとかね……」 後輩A「だ、だけど年上だろうと関係ありません! 僕はあなたに一目惚れしました!」 優希「じぇ!?」 京太郎「……あ?」 優希「そ、そんな事言われても困るじぇ!」 後輩A「そんな、せめて携帯の番号だけでも!」 京太郎「……」 優希「だから私には彼氏がいるって何回言ったら……」 後輩A「略奪から始まる愛もありますよきっと!」 京太郎「……」ブチッ 優希「ううっ、こいつあの副会長より危険な匂いがするじょ……」 後輩A「はあはあ……先輩ー!」 京太郎「おいこら待て」ガシッ 後輩A「え」 京太郎「お前も麻雀部に入るつもりならさ、麻雀で話を付けようじゃねぇか」 後輩A「えっ、でも僕初心者……」 京太郎「安心しろ」 京太郎「俺達がたっぷり教えてやるからよ……なあ、咲、和?」 咲「そうだね、歓迎も込めてちょっと打とうか」ゴッ 和「……まあ、少々手荒くなってしまうかもしれませんがいいでしょう」ゴッ 後輩A「えっ、ええっ?」 京太郎「まぁ、頑張れ。 運がよければトバないから」 後輩A「ま、まさか片岡先輩の彼氏って……」 京太郎「俺だよ」 後輩A「」 京太郎「さあ早く打とうぜ、後輩君」 京太郎「ようこそ、清澄高校麻雀部へ」 咲(この後、私達と打った後輩A君が麻雀部に来る事はありませんでした) 咲(私と和ちゃんと京ちゃんの3人がかりでなにもさせないで散々トバしたからかも…… ちょっと危なそうな人だからってやりすぎちゃったかな?) 咲「反省してます」ペッコリン カン!
https://w.atwiki.jp/pokecharaneta/pages/367.html
桃太郎 桃太郎 犬 猿 雉 お爺さん お婆さん 鬼 場所川 山 お爺さんとお婆さんの家 鬼ヶ島 鬼桃太郎苦桃太郎 毒竜 狒 狼 鰐魚 コメント 主人公の桃太郎が犬・猿・雉をおともに鬼退治に行く、おなじみの日本に古来より伝わるおとぎ話。 通信対戦で味方側(桃太郎)と敵側(鬼)に分かれて対戦すると物語らしく再現できる。 桃太郎 ストライク モモワロウ:桃太郎をモチーフにしたヤツといえばコイツ。 エルレイドorネギガナイト 刀を武器に戦うので。 バルビート 無理がある ルカリオ 〃 キリキザン 〃 ピカチュウ 岡山のポケモンストアのクリアファイルの表のイラストより+主人公繋がり。 クチート 備考:ブルンゲルやアマカジはピンクだが♀しかいないのでNG。 犬 ポチエナorグラエナorガーディorヨーテリーorトリミアンorワンパチorパピモッチ イイネイヌ:桃太郎の犬をモチーフにしたヤツといえばコイツ。 ウインディ かみつく かみくだく等覚えているとGJ ライボルトorムーランドorヘルガーorイワンコorルガルガン(まひるのすがた) 同上。 フシギダネ 「トキワジム!さいごのバッジ!」で犬の配役をやったので ヤドンorスリープorキリンリキ エスパータイプで統一するなら。 ライコウorエンテイorスイクン 伝説のポケモンで統一するなら。 猿 マシマシラ:桃太郎の猿をモチーフにしたヤツといえばコイツ。 オコリザル ひっかく みだれひっかき等覚えているとGJ ゴウカザルorバオッキorエテボースorヤナッキーorヒヤッキーorナゲツケサル:同上。 ゼニガメ 「トキワジム!さいごのバッジ!」で猿の配役をやったので。 ケーシィ エスパータイプで統一するなら。 レジロックorレジアイスorレジスチルorジラーチorデオキシスorレジギガス 伝説のポケモンで統一するなら。 マンキー 無理がある 雉 キチキギス:桃太郎の雉をモチーフにしたヤツといえばコイツ。 オニドリル つつく みだれづき等覚えているとGJ エアームド 技はドリルくちばしあたりで ケンホロウorオオスバメorツツケラ 見た目 ピジョン 「トキワジム!さいごのバッジ!」で雉の配役をやったので。 ネイティオ エスパータイプで統一するなら。 ドードリオ 同上。 フリーザーorサンダーorファイヤー 伝説のポケモンで統一するなら。 ヤミカラス あくタイプで統一するなら。 お爺さん ジジーロンorジュカインorカットロトム 山へ芝刈りに… お婆さん バクガメスorフローゼルorウォッシュロトム 川へ洗濯に… 鬼 オニゴーリ:鬼のポケモンといえばコイツ。 オーガポン:桃太郎の鬼をモチーフにしているが、♀しかいないのが難点。 ブーバーン:赤鬼 ダイケンキ:青鬼 エレキブル:黄色鬼 ボスゴドラ:黒親分 ドサイドンorランドロス:鬼大将 場所 川 トージョウの滝 山 トキワの森orお月見山 お爺さんとお婆さんの家 主人公の家or研究所 鬼ヶ島 アクア団アジト:悪役の住処+海関係。 海神の穴:なみのりを使わないと行けないため。 鬼桃太郎 尾崎紅葉による桃太郎のパロディ。 苦桃太郎 ボルトロス やきつくすで火焔を再現 ダイケンキ つるぎのまいで外道舞 毒竜 レックウザ そらをとぶで飛行自在の術 ハクリュー 湖に棲むという記述から。技はまきつく アーボック 竜ではないが、毒タイプということで。こちらもまきつくを ハブネーク 〃 狒 ヒヒダルマ 狼 グラエナ 鰐魚 オーダイル コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る キタカミ英雄獣??? -- (名無しさん) 2023-03-02 22 35 58 鬼(6匹) オニゴーリ -- (史也だよ) 2022-07-10 13 13 48 キュウコン 犬 ナゲツケザル 猿 -- (キバニア) 2022-07-10 13 12 37 ジクザクマ 犬 アチャモorワカシャモor 雉 -- (史也) 2022-07-10 13 11 47 ポチエナorグラエナ 犬 マンキーorオコリザルorヤルキモノor猿 -- (カポエラー) 2022-07-10 13 09 59 桃太郎はダイケンキでも合いそうです。 -- (ユリス) 2018-03-29 19 10 13 サンムーン監禁後 アマカジ:桃太郎 果物繋がり イワンコ:犬 ナゲツケザル:猿 ツツケラ:雉 ウルトラビースト(筋肉の方):鬼 見た目重視 -- (名無しさん) 2016-09-24 15 37 55 桃太郎ピンクプルンゲルは? -- (名無しさん) 2013-05-17 16 26 28 桃太郎はフタチマルがいいと思いますよ。 雰囲気が似てる。 -- (名無しさん) 2012-03-30 17 33 29 ↑反映させました。 -- (名無しさん) 2011-02-21 10 20 03
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3468.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377983742/ ガラス製の丸テーブルの上にはアップルパイにチョコレートケーキ、エクルズケーキ、シュークリーム、マカロン、クッキー、 スコーンとその添え物の生クリームとストロベリージャムが所狭しと並び、それから人数分のミルクティーが置かれている。 咲「わぁすごいね」 京太郎「まぁな。ちょっといろいろ奮発してみた」 半分は買ってきたものだが、もう半分は俺の手作りだ。 京太郎「照さんも遠慮せずにたくさん食べてくださ、……」 照「……」サクサクサクサクサクサクサク 言う前から、すでにマカロンやクッキーを頬張っていた。はえぇよ。 ちょっと用意しすぎたかとも思ったが杞憂だったようだ。 咲「お姉ちゃん……」 京太郎「あ、はは……まぁ咲も遠慮せずに食べてくれよ」 咲「えっと、京ちゃんが作ったのはどれかな?」 京太郎「ん~っと、アップルパイとシュークリームとクッキーかな。後そのイチゴジャムは俺の自作」 咲「じゃあシュークリームを」 そういって咲がシュークリームに手を伸ばそうとした瞬間、まるで小動物を強襲する猛禽類のような速度で照さんの手が翻る。 一瞬早く、照さんが菓子を掻っ攫っていく。 双眸には猛獣の眼光。 咲「……」 京太郎「てい」 指先で照さんの額を弾く。 照「あう」 京太郎「まったく。大人気ないことしおって」 京太郎「ほら、咲」 咲「あ、うん。ありがと京ちゃん」 照「京ちゃん。酷い……」サスサス 京太郎「あんたが悪い」 用意したお菓子の半分が照さんの手によって消費された頃、ようやく一息つく。 咲「美味しかったよありがと京ちゃん」 京太郎「どっちが?」 咲「どっちも、と言いたいところだけど、身内贔屓で京ちゃんかな」 京太郎「花を持たせてもらったって感じがするけどまぁ良いか。俺も久々に思いっきり料理が出来て楽しかった、ありがとな」 咲「うん」 照「……」サクサク 京太郎「照さんは……うん、まぁ作り甲斐があってよかったです。うん」 照「?」 照「ふぅ……」 ようやく照さんも一息。 咲「なんだか久し振りだね。この雰囲気」 京太郎「3人で集まったのはインハイの決勝の後だったっけ?」 咲「そうだけど、なんかそれよりももっと長く感じる」 京太郎「まぁ実際そうだしな」 照「……」ジー 京太郎「? どうかしました? 照さん」 こちらをジッと見ている照さんを疑問に思いつつミルクティーの注がれたカップに口をつける。 照「京ちゃんは、今好きな人っているの?」 京太郎「ぶふぅっ!?」 吹いた。盛大に。 咲「ちょ! おおおお、お姉ちゃん、いきなりなに聞いてるの!?」 京太郎「ゴホッ、ゴホッ!」 いかん、気管支に入った。苦しくて涙が滲む。 咲「京ちゃん、大丈夫?」サスサス 京太郎「ゴホッ、ああ、うん。すまん咲、ありがとう。ゴホッ」 咲に背中をなでてもらってなんとか持ち直す。 京太郎「あ、えー照さん?」 照「なに?」 京太郎「なんでいきなりそんな話に?」 照「京ちゃんは清澄の人たちはもちろん、うちや阿知賀のみんなと仲が良い。だからどうなのかなって」 もしかしてこの人この間ずっとそのこと考えてたのか? 京太郎「それ答えないとダメなの?」 照「ダメ」 京太郎「言い切ったな」 京太郎「大体なんでこんな話を、咲からもなんか言ってやってく、」 咲「……」モジモジ わーお。君もそっち側なの? 咲は俺と目を合わせないように、けどチラチラこちらを伺いながら早く話せと無言で続きを催促してくる。 京太郎「好きな人ねぇ。好きな人……いません」 照「京ちゃんは私たちのこと嫌いなんだって咲」メソメソ 咲「ええ!? そうなの京ちゃん!」 京太郎「なんでそうなった!? どんな飛躍だよ!」 照「じゃあ好き?」 咲「///」 京太郎「はぁ……究極の二択ですね。もちろん好きですよ」 照「だって、やったね咲」 咲「わ、私は別に……///」 京太郎「あの、ゆっときますけどそんな深刻な意味じゃないですよ?」 照「にやり」 京太郎「おい、その『してやったり』みたいな顔やめろ」 照「でも今好きって言った」 京太郎「いいよそういう言葉のマジック!」 照「京ちゃん、うちの淡や阿知賀の玄ちゃんとも仲いいよね」 咲「!」ピク 京太郎「あの、もうちょっと会話の前後の繋がり重視してもらっていいですか?」 京太郎「そりゃまぁいいですけど、別にそんな、そういうアレじゃないですよ」 照「付き合いたいとか、そういった考えはないの?」 京太郎「俺だって別にそういった願望がないわけじゃないですよ。たとえばその2人に限らずに」 京太郎「ただ、俺のポンコツ許容量は君ら2人で本体、予備、緊急用、来世の前借分までいっぱいなんでそういった隙がないだけです」 ポンコツの姉とポンコツの妹、両方面倒を見なくちゃいけないのが中間管理職の辛いところだ。 咲「ホッ」 照「よかった」 照「好きな人がいないなら、じゃあ好きなタイプとかは?」 京太郎「好きなタイプ~?」 照「たとえば年上と年下ならどっち?」 京太郎「俺、どっちかって言うと同い年か年下がいいんだけど」 咲「ホント!?」ガタッ 京太郎「お、おう?」タジ 照「ちなみにどうして?」 京太郎「俺が主導権を握りたいから……」 京太郎「っと最近まで思っていたんだけどどうも俺は年齢に関わらず女性に頭が上がらない気質らしく、正直これはどっちでも良くなった」 照「じゃあ次の質問」 京太郎「あ、これ続くのね」 照「家事は出来るほうがいい?」 京太郎「家事ねぇ、別にどっちでも。最初は出来なくてもやってくうちに上手くなるだろうし」 京太郎「最悪、俺が自分でやるし」 咲「京ちゃん……」ホロリ 照「では最後の質問です」 京太郎「へぇ」 照「胸は小さいほうがいいよね?」 京太郎「なにその質問」 京太郎「おも、胸は大きいほうが……いや待て今のは無しだ。なんで幼馴染の女の子2人に俺の性癖暴露せにゃならんのだ」 照「そもそも京ちゃんのその趣向はおかしい」ズビシ 京太郎「ほう、言ったな。一席打つか?」 照「たとえば人の価値観って育ってきた環境に影響さえたりするよね」 照「たとえば、お金持ちの人から見たら価値のないものでも、貧しい人から見たら価値があるとか」 京太郎「はぁ」 照「京ちゃんは、私たちの一緒に育ってきたんだから、私や咲みたいなポンコツで胸の無い娘を好きになるはず」 京太郎「いやむしろその環境にあったが故のというか。後、自分で言ってて悲しくありません?」 照「少し」 咲「私! 私はまだこれから大きくなるよね! 牛乳だって飲んでるし」 照「……」 京太郎「……」 咲「お姉ちゃん!? 京ちゃん!?」 京太郎「なぁ咲、遺伝学的に考えてこの先そんなことが起こりうると本気で思ってるのか?」 咲「それは……」チラッ 照「」テルーン 咲「ふえぇぇぇぇぇぇ、京ちゃぁぁぁぁん!」 こうまで科学的な証拠を提示されてはさしもの咲も納得せざるを得ない。 咲は止め処もなく、失意の涙を滂沱と流した。 照「2人とも失礼」ムゥー 咲「やっぱり京ちゃんは胸が大きいほうがいいんだ!」 咲「だから和ちゃんとか渋谷さんとか松実さんのお姉さんとかには対応が妙に優しいんだ!」 京太郎「ん? ん、まぁそうだけど」 けどそれ宗教上の理由であって、いやまあ可愛いと思うしぶっちゃけ結婚するならああいった人たちがいいけど。 京太郎「それがすべてじゃないから、な? なんで泣いてるかわかんないけど泣き止めよ。お前が泣いてると俺も悲しい」 照「咲を泣かせるなんてダメだぞ。京ちゃん。お姉ちゃんは憤慨します」 京太郎「あの、ちょっと黙っててもらっていいですか?」 照「胸なんて飾りです! 京ちゃんにはそれがわからんのです!」 咲「そうだ! そうだ! 胸はなくても人権はあるぞ!」 京太郎「ちょっと落ち着け! っていうかなんか会話の方向性おかしくない? 後、俺ばっか質問されてて釈然としない」 京太郎「逆に聞きたいんだけど、2人はどうなの? 好きな人とかいるの?」 照「黙秘権を行使します」 咲「お、同じく……」 京太郎「まぁ絶対そういうと思ってたけどね!」 この俺ルールっぷり。これについては我々はもう熟知してるのでね、最早なんの感慨もないですが。 京太郎「淡はいるかあああああああっ!!!」バーン! 白糸台の面々が泊まっている部屋の戸を盛大にブチ開ける。 何故俺がこんなに怒り心頭なのか。昼飯の後サロンのソファーで昼寝をしていた俺は、 目を覚ましてから洗面所で顔を洗おうとして鏡を覗き込んで驚愕した。 それはもうなんか、なんかすごいとんでもなく面白い顔になっていた。噴飯ものである。 根拠はないがこんなことをするのはきっと淡だ。俺の本能がそう言っている! 菫「!?」 部屋にいたのは弘世先輩だけ。突然の不躾な訪問に驚いているようだ。そういえばノックするのを忘れていた。 普段、礼節を重んじる俺だがそんな精神的余裕は存在しなかった。 菫「す、おま、……!?//////」 京太郎「?」 真っ赤になりながら口をパクパク開閉させる。弘世先輩。 よく見れば服の胸元が肌蹴ている。微かな違和感。 一瞬で状況把握。 はっはっはっ。な~んだ、今日は俺の命日だったのか。…………っておいぃぃ!? 京太郎「すんませんっした!? さーせんっした!!」 即座に土下座した。有史以来最も美しい形だったと自分でも思う。 菫「いいからさっさと出ていってくれ!」 曰く至言。 俺は速攻で回れ右をし、部屋を出て行こうとする。 パタパタパタ 響いたのは足音、しかも複数。おそらくこの部屋に向かってきているらしい。 京太郎「」 ちょっと待て、この状況はすごくまずいんじゃないか? 菫「くっ! 来い!」 弘世先輩に襟首を掴まれ、次の瞬間世界が回転。 暗闇の中に放り込まれる。背中には柔らかな感触を感じ、 次いで身体の前面にも背中に感じるものとは違う柔らかくまた仄かに温かななにか。 ガラッ 淡「あれー? スミレいないねー」 誠子「どこかに出かけたのかな」 尭深「別の場所も探してみよう?」 パタパタパタ 声と足音が遠ざかっていく。っていうかちょっと待て! そこにいるのは世界の根源悪である淡か! ちくしょう! そこを動くな! 菫「おい須賀! モゾモゾ動くな!」ボソボソ かなり近い位置から弘世先輩のこれが聞こえる。 まさかこのあったかくて柔らかいものは……。 京太郎「弘世、先輩……だと」モゾリ 菫「こらだから動くなと、あ、ん……」 なにか手のひらに一際やわっこいものが掠めた。 一瞬だが弘世先輩の声に色が混じった。 これはもしや……おもち!? 玄さん、俺やりましたよ。初めておもちに触れました。今晩は赤飯だな。 ようやく理解できた。 ここはどうやら備え付けの押入れの中で、布団やその他の雑多なものに紛れて俺と、 俺に抱えられるようにして弘世先輩が押し込まれているようだ。 菫「くっ、いいか須賀。とりあえずいったんここから出るぞ。貴様を尋問するのはその後だ」 そういって身を捩るが完全にはまり込んでしまっており俺達は抜け出せない。 菫「どういうことだ? 無理矢理とは言え入れたなら出れるはずだろう!?」 京太郎「……」 菫「そんな短時間で人間の体積が大きくなるわけ……」 暗闇に慣れてきた目に弘世先輩の顔が薄ぼんやりと映る。その顔には極大の嫌悪感。 菫「おい、この腰の辺りに当たる硬いものはなんだ?」 京太郎「えっと、その……リー棒とか、じゃないでしょうか?」 菫「こんな大きなリー棒があるか!?」 京太郎「いやいや、わかりませんよ? 大判トランプとかありますし、それにほら悪魔の証明ってあるでしょう?」 京太郎「まずは存在しないことを証明しないと」 京太郎「案外、大きなリー棒とかジョークで作られたりとかも痛たたたったたたっい!?」 弘世先輩が遮二無二にでも出ていこうとして俺の下半身に凄まじい荷重が加わる。 菫「うるさい! こんな不愉快な状況1秒たりとも我慢できるか」 京太郎「ちょっ! ホント、ホントに痛いんですって! 悪魔? 悪魔は実在したの!? 弘世先輩自身が悪魔なの!?」 俺は這い出そうとする弘世先輩の身体をガッチリ抱きしめる。 菫「あ、こら! なにを抱きついている! 離さないか!」 京太郎「いや、もうホント勘弁してください。ホント、マジで」 菫「じゃあこの状況をどうしてくれるんだ?」 京太郎「少しだけ時間をくれませんか? 時間が、そう優しい時の流れだけが僕らを癒してくれるんです」 菫「よし、わかった。君を気絶させよう。そうすればその超局部的体積膨張も解消され、ここから抜け出せる。そこから改めて君を処刑しようか」 京太郎「ひぃ!? なんでそんな実力行使なんですか!?」 菫「心配するな、これでも私は武道の心得があるし人体急所もきちんと把握している。顎を出せ、一瞬で昇天させてやろう」 京太郎「死にますよね!? それ死んでますよね!?」 菫「いいから早くしろ。私はあまり気が長いほうではない」 京太郎「あの、えっと……そうだ! そもそも弘世先まで一緒にここ入る必要なかったですよね!? 必死に捻り出した俺の疑問をぶつけると、押し入れ内に充満していた凄まじいまでの怒気が収まっていく。逸らせたか!? 菫「須賀。貴様、私の胸に触れたな。どう思った?」 京太郎「すみませんだした! お願い殺さないで! 俺まだ命が惜しい……」 菫「いいから答えろ」 京太郎「えっと、なんていうか。やんごとなき手触りで。いやすいません、正直思ってたより小さいというか」 菫「そうか……」 先輩の声には落胆。 京太郎「弘世先輩?」 菫「実は普段のあれはパットだ」 京太郎「」 最初に感じた違和感の正体はこれか。 ってかマジかよ。世界は嘘と欺瞞に満ちていた。もう、もう俺は誰も信じない。世界なんて信じない。 菫「……」 京太郎「あの……じゃあここに一緒に入ったのはそれを他に人にバレないようにってことですか?」 菫「……」コクン 京太郎「隠すくらいならなんでそんなこと……」 菫「元からこうだったわけではないんだ。ある日突然、朝目が覚めたら小さくなっていて……」 京太郎「」 どゆこったい。 アレか? 世界の修正力か? いや知らんけど。 玄さんがいっていたのはこれか。さすがおもちソムリエ、その審美眼に一点の曇りなし。 京太郎「だからってそんな隠さなくても」 菫「だって……」 京太郎「だって?」 菫「恥ずかしいじゃないか///」 京太郎「」キュン 可愛いなぁもう! 菫「だから須賀、できればこのことは他言無用で」 京太郎「わかりました。誰にも言いません」ナデナデ 菫「お、おい//////」 気付けば俺は弘世先輩の頭を撫でていた。 京太郎「は!? すみませんつい」 菫「いや、いい……ちょっとビックリしただけだ」 京太郎「そ、そうですか……」 菫「その、続けてもいぞ……?」 京太郎「え?」 菫「だから、頭、撫でてもいいぞ///」 京太郎「クスッ、はい」 なんだか腕の中に納まる弘世先輩の身体が一回りだけ小さく感じられた。 おおよそ四半刻が経ったころ。ようやく俺達は狭苦しい押入れから抜け出した。 菫「い、いいぞ」 背中越しに声。肌蹴ていたブラウスを正した弘世先輩に向き直る。 京太郎「あの、いろいろすみませんでした」 そしてありがとうございました。 菫「いや、いい。もう……///」 いつもハキハキとした弘世先輩にしては歯切れが悪い。 京太郎「そうですか? けどそれじゃあ俺の気が済みません。いずれこのお詫びは必ず」 菫「君の気が済むのなら、じゃあそれで」 京太郎「はい!」 菫「いいか、念を押しておくがこの件は絶対に他言無用だぞ」 京太郎「はい! 2人だけの秘密ですね」 菫「2人だけ、そうか2人だけの秘密か。ふふ」 京太郎「?」 なにやら嬉しそうだ。ぶっちゃけ玄さんにもバレてたし、案外知ってる人いそうだけども。 菫「頼むぞ京太郎」 京太郎「!? はい! 菫先輩」 いろいろあったが少しだけ弘世、いや菫先輩と仲良くなれた気がした。 ――――― ――― ― 淡「そういえばスミレって胸小さくなったよねー」アハハハ 照「知ってた」テルーン 菫「貴様らあああああああああ!!!」 それはそれは凄まじい折檻だったという。 京太郎「ってなんで俺まで!?」 菫「連帯責任だ!」 京太郎「理不尽だ!?」 みんな忘れてると思うけど、この合宿はインターハイ後の8月中旬から下旬にかけての期間に行われている。 8月といえば我々学生は夏休みの真っ最中なわけだが、っとくれば日本全国の学生諸君の大敵である、 そう夏休みの宿題も当然あるわけである。 優希「うあ~なんでこんな遠出してまで宿題なんてやらないといけないんだじぇ~」 京太郎「そら、お前がぜんぜんやってないからだろ」 優希「こちとらインハイ優勝チームなのに!」 和「たとえそうでも学生の本分は勉学ですよゆーき」 京太郎「事実そうなんだけど、ちょっとその意見には同意しかねる」 京太郎「そっちも悪いね。付き合わせちゃって」 玄「あはは、いいよ。ぜんぜん」 憧「まぁこっちも同じようなのがいるからね」 穏乃「あ~なんでこんなことしなきゃいけないの~」 どこも苦労するな。 そしてもう1人……。 淡「む~ん」 こいつ……。 京太郎「ペンくらい持てよ。やる気ゼロだな」 淡「だって~つーまんないー」アワーン 優希「大体京太郎! なんでお前はそんな呑気にしてるんだじぇ!」ガタッ 穏乃「そうだそうだ! 京太郎はどう考えてもこっち側の人間だ!」ガタタッ ぎゃーぎゃー騒ぎ出す。いいから口じゃなくて手を動かせ絶頂バカ2人! 京太郎「は? そりゃお前俺は時間だけはあったからな。コツコツやってたんだよ」 京太郎「まぁ大半テキトーに埋めただけだけど」 和「それもどうなんでしょうか」 優希「くっ、のどちゃんや咲ちゃんはともかく京太郎はこっち側だと思って高を括っていたのに」 穏乃「酷い裏切りだよ! こんなのってないよ!」 京太郎「ちょっとその俺も同じタイプ認定やめてくれる? お前らが仲良いのわかったからさぁ。俺そっちのグループ入りたくないんだけど」 優希「春は曙、曙って?」 京太郎「明け方ってことだ」 優希「やうやう白く、やうやうって?」 京太郎「徐々にとか、だんだんととかってことだ」 優希「なりゆく山際、山際って?」 京太郎「山と空の境界線の、っていうかあのさぁ」 優希「なんだじぇ?」 京太郎「一節ごとに聞いてくるのやめてくれない。なんかそういう規約でもあるの?」 優希「そんなのこの文章に言ってほしいじぇ! なんでこんな読みにくいんだ、そういいたいなら最初っからそう書けばいいのに!」 京太郎「いや、うん、まぁ、そうだけどさ、これ古典だし。言い回しってのも覚えると結構便利なんだぞ?」 優希「知らないんだじぇ! 私には関係ないんだじぇ!」 京太郎「だじぇだじぇ言いやがってこいっつぅ~」 穏乃「なんで英語なんて勉強しなくちゃいけないの~」ムーン 憧「なんでって」 穏乃「大体私達は日本人なんだから! 日本語だけで十分じゃん!」 京太郎「地球人だろ地球語勉強しろ」 京太郎「それに日本語の勉強って、それはそれでアレだぞ」 俺はうんうん唸っている優希の方を指差す。 優希「のどちゃ~ん、これ教えて~」 和「この『たなびきたる』の『たる』は、助動詞『たり』の連体形止めで、これは体言止めと同じ働きを」 穏乃「日本語って難しい……」 京太郎「英語といえばさ。俺、以前部長の指令で姫松に遠征に行った事があるんだけど」 憧「ふぅん、それで」 京太郎「そこの主将の洋榎先輩が英語の授業で『I can fly』のlがrになってたらしく」 憧「ぷふっ」 察した憧が小さく噴出す。 京太郎「これって直訳すると『私はからあげになるぞ!』って意味なんだよな」 京太郎「主将これは痛恨のミス! 末原先輩達にしばらくネタにされてたんだわな」 玄「それは、なかなかのなかなかだね……」アハハ 玄さんのリアクションに困ったかのようなぎこちない笑い。わかります。 京太郎「今どうしてんだろな、からあげ先輩」 ――――― ――― ― 洋榎「はっ! 今ガースーがうちのこと考えてるような気ィする」 絹恵「おねーちゃん頭大丈夫?」 恭子「あかんやろなぁ」 淡「クロー、これはー?」 玄「あ、えっとね。これは3ページ前の……これ。この公式に数字を当て嵌めて」 京太郎「あなたそれ20分くらい前にも聞いてなかった?」 淡「だって忘れちゃったんだもーん」 博士の愛した数式かよ……4分の1しか保ててないけど。 京太郎「淡って得意な科目とかあんの?」 淡「ありまへん」 京太郎「え、じゃあ苦手な科目は?」 淡「恋?」アワ? ぶ、ぶん殴ってしまいたい……。 優希「淡ちゃんがんばるんだじぇ! 私も痛みに耐えてがんばるから!」 淡「ユッキーがそこまで言うならがんばる!」ムン 和「痛みに耐えて?」 京太郎「なんか政治みたいな話になってきたな」 玄「け、けど。京太郎くんって意外と真面目なんでね」 間を取り持とうと話題を振ってくる玄さん。 京太郎「俺って基本どんな風に見られてんだろうな?」 憧「見た目通りでしょうよ」 京太郎「左様で」 和「そういえば咲さんが、須賀君は赤点の補習でインターハイ一緒に行けるか、なんて話を以前してましたよ」 優希「ほら見ろ! ほーら見ろ! やっぱり犬は所詮犬だじぇ!」 京太郎「うっせ! 俺だって真面目にやれば赤点なんて取らねぇんだよ!」 憧「じゃあ不真面目にやったらどうなるのよ」 京太郎「実は中2の一学期にな、クラスの奴と赤点チキンレースなるものをやってな」 憧「なにその聞くからに頭の悪そうなレース」 京太郎「まぁその名の通り、いかに赤点ギリギリを多くの科目で取れるかという過酷な競技でな」 和「あ、大体察しました」 京太郎「まぁ予想の通り盛大にオーバーランしたんだわ俺、その数なんと7つ。で、補習で夏休みの大半を消費しちまってな」 京太郎「咲と約束していたプールだとか夏祭りだとかをほとんどぶっちぎってしまい」 京太郎「これには普段温厚で通ってる咲さんもぶち切れてね」 京太郎「機嫌を直すまでしばらくかかってな、二学期になっても1週間くらい口利いてくれなった」 優希「アホだじぇ」 穏乃「アホだ」 憧「アホね」 和「アホですかあなたは」 淡「アーホー!」 ぼろくそ言うなこいつら。 玄「でもほら、今年は大丈夫だったみたいだし合宿もこうして一緒に参加出来てるから良かったよね!」アセアセ 京太郎「さすが玄さん! 俺のことをわかってくれる高徳の聖者はあなただけだ!」ニギ 俺は身を乗り出し、対面に座る玄さんの手を握る。 玄「はわわわわわ!?///」 急に顔を赤らめる玄さん。熱かったのだろうか。冷房の設定いくつだったっけ? 京太郎「玄さん……」ジッ 玄「京太郎くん……///」ポォ しばし見詰め合う俺達。 淡「むぅ~いつまで見詰め合ってんの!」ピシッピシッ! 小さく刻んだ消しゴムの欠片を指先で弾いて跳ばしてくる淡。 京太郎「くっ、地味な攻撃ながら心にズンとく来る!?」 玄「……」ニギニギ ガチャ 晴絵「ん……お! 雁首揃えて何してるかと思ったら」 扉が開き、そこから顔を覗かせたのは赤土先生。 晴絵「ほぉ、宿題とは関心関心」 憧「やだハルエ、そんな教師みたいなこと言って」アハハ 晴絵「教師ですが」 穏乃「センセー! なんで学校ってこんな勉強しなくちゃいけないんですか!?」 晴絵「なんでってそりゃ、将来のためとかいろいろあるでしょ」 穏乃「学校の勉強なんて将来役に立つわけないじゃないですか!」 晴絵「先生もそう思ってた時期があったんだけどね」 晴絵「社会に出てから、これが案外使うから困り物なのよ」 京太郎「先生も苦労してるんですね」 晴絵「ありがとよ」 心底嫌そうにお礼を言われた。 京太郎「どういたしまして」 憧「ハルエはこれから?」 晴絵「灼とちょっとドライブ」 和「そういえば、小学校の頃から気になっていたんですが憧は何故先生に対して呼び捨てなんですか?」 晴絵「私が許可してんの。気安いほうが私も楽だし、年功序列は年寄りに悪しき風習だからね」 穏乃「私は先生は先生って感じだな~」 晴絵「穏乃は良い子だね!」グリグリ 穏乃「あはは、やーめーてーよー!」 口では拒否しつつも決して振り解こうとはしない穏乃。師弟、微笑ましい光景である。 京太郎「ふむ……気安い感じか」 優希「どうしたんだじぇ?」 京太郎「よっしゃ、ハルエちょっと焼きそばパン買って来い!」ピッ! 晴絵「調子に乗るなよ青二才」 先生が去って再びここ。 京太郎「なぁ、俺、今どんな顔してる?」 穏乃「んとね、ストⅡの負けたキャラの顔グラみたいな顔」 京太郎「マジか。ちょっと写メ撮っとこうかな」パシャ 憧「はいはい。横槍入ったけどほら、宿題の続き」パンパン 手を叩いてその場を仕切り直す憧。 優希「ちぇ~このまま煙に巻けるかと思ったのに」 穏乃「憧は容赦ないな~」 憧「このまま見限ってもいいのよ?」 穏乃「やるよ! ゆーき!」 優希「合点だじぇ! しずちゃん!」 淡「スピー……」Zzzz 全員「え?」 玄「寝ちゃってるね」 憧「やけに静かだと思ったら」 京太郎「あの、もうホント俺こいつもう見放したいんだけど」 和「大星さんは寝てしまったようですし、どうしましょうか?」 京太郎「起こす? 起こす!? 鉄拳で!」 俺は右の拳を硬く握り締める。淡を叩き起こせと轟き叫ぶ。 玄「可哀想だよ~こんな気持ち良さそうに寝ちゃってるのに」ナデナデ 淡「ふにゃ……」Zzz 京太郎「じょうがねぇなぁ」ガタ 悪態をつきながら俺は席を立つ。 穏乃「どかしたの?」 京太郎「そのまま寝てて風邪でも引かれても寝覚めが悪いからな」 京太郎「なんかかけるもん取ってくる」 ガチャ、バタン 穏乃「なんだかんだいって優しいよね、京太郎って」 玄「だね~、気配り上手だよね」 和「そうですね。須賀君自身はなんでもないことのように振舞ってますけど」 優希「それがあいつの良いところだじぇ」フンス 和「特にゆーきは日頃からお世話になりっぱなしですよね」 和の声に僅かにからかいの要素が含有されていた。普段の彼女からは珍しい行為である。 優希「ちょ、違うじょ! 私は犬の飼い主として普段から躾を」 憧「とかなんとか言って~ホントは構ってもらいたいだけのくせに~」ニヤニヤ その空気に便乗し、ここぞとばかりに優希を弄りだす。 玄「あはは、仲良しさんだ~」ニコニコ 一緒になって笑う玄。この人に関しては本気でそう思っているんだろう。 ガチャ 穏乃「お、帰ってきた」 京太郎「ただい、……なにこの雰囲気?」 帰ってきてみると、女性陣はなんともいえない雰囲気に包まれていた。 和と玄さんは楽しそうにニコニコと微笑み、憧は訳知り顔で朗笑している。穏乃だけは平常運転。 優希だけがなにやら納得いかないといった顔で俺を睨んでくる。心なしか顔も赤い。何故だ? 京太郎「なに怒ってんのお前?」 優希「なんでもないじぇ!」 怒鳴られた。不合理だ。 憧「それよりかけるもの取ってきたんじゃないの?」 京太郎「おっとそうだった」 憧の指摘で本来の目的を思い出す。 京太郎「タオルケットみたいな手頃なものが無かったからダンボール持ってきた」 憧「何故そうなる」 俺は畳んであったダンボールを広げ、底辺だけをガムテープで止めると即席で箱を組み上げる。 京太郎「そうだ、名前も書いといてやろう大、星、淡っと」 油性マジックで側面に超前衛的な字で署名をしておいてやった。 京太郎「どうだこの特別仕様感。きっと喜ぶぞこの天然記念物バカは!」 ダンボールといえば咲のアイデンティティーだが今回は同い年のよしみで見逃してもらおう。 俺は机に突っ伏して寝ている淡の上にそっとダンボールを被せる。 うん、完璧。 和「あれは絶対根に持ってますね」 憧「淡が起きた後がさぞ見ものね」 不穏当な会話が聞こえるが華麗にスルー。 ___________ .... -‐'''¨´ .... -‐''''¨^| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | | | |__ | | 大星淡. | / <Zzz… | | .. ''´ |________|_.. -‐'''¨´ / / '――――――――' 京太郎「『だよー』、『なのよー』、『ですよー』……『三よー』!!」 和「なにを言ってるんでしょうか彼は」 憧「あたしに聞かないでよ」 穏乃「わかった! つまり『よー』の部分がかかってるんだ」 京太郎「さすが穏乃! よくわかってくれた、俺のこの難解なギャグをよくわかってくれた」 玄「わかる?」 優希「さすがに無理だじぇ」 穏乃「understand、う、うんだー……?」 京太郎「アンダースタンドな」 穏乃「意味は?」 京太郎「理解する」 穏乃「ほうほう。り、か、い、す、る……っと」 京太郎「ちなみにアンダー(下)がスタンド(勃つ)するって意味じゃないぜ! アンダスタン?」 憧「ちょっと、京太郎ちょっと」 京太郎「なんじゃらほい」 憧「黙れ」 京太郎「はい」 穏乃「さぁいい具合に場が白けてきたところでなんかして遊ぼう!」 憧「いやシズは宿題やりなさいよ」 優希「今日はもう十分やったよ! もうそろお開きでいいと思うじぇ」 京太郎「そんんだからお前らは、今この結果があるんだろうが」 厳然たる事実がそこには横たわってますよ? 京太郎「そんなんで休み明けのテストとか大丈夫なんか?」 穏乃「大丈夫! 私、本番に強いタイプだから」 優希「私も私も!」 京太郎「ホントか~」 自信満々で言ってのける穏乃に怪訝な視線を向ける。 穏乃「ホントだよ!」 京太郎「じゃあ得意な科目は?」 穏乃「ずがこーさく!」 『折り紙』とは、 正方形の色紙を決まった手順で折り動植物や生活用品などを形作る日本伝統かつ、日本起源の遊び。 古くは千代紙と呼ばれる和紙を使用した。 もっとも一般的な正方形の紙を使用する不切正方形一枚折り。 いくつかの部分に分けてそれを組み合わせる複合折り。 紙に切り込みを入れて角の数を増やしたり一部を切り取ったりする切り込み折り。 形作ったものを動かせる玩具として作られた仕掛け折りなのどがある。 憧「ってなんであたしたち折り紙なんてやってるのよ」 京太郎「そらお前、穏乃が工作得意だって言うから」 完成した風船を机に置く。 京太郎「まぁいった本人はアレだが」 穏乃「うにゃ!? またズレた!」 和「…………」バババババババババ 玄「和ちゃんは折り紙を見た瞬間、折鶴職人みたいになってるね」 和の周りには出来上がった折鶴が群舞となって散乱する。 京太郎「ああ……いるいる、クラス1人はこういう女子」 和「ふぅ……」 一段落したからか洗脳が解けたのか、和は忙しなく動かしていた手を止め額を拭う真似をする。 京太郎「和はなんていうか、……すごいね」 俺が賛辞を送ると、和は今で見たこともないような朗らかな顔で笑う。 和「そうですか!? 私、折鶴には少し自信があるんです!」 やや興奮気味に詰め寄ってくる。こんな和かつてないな。 和「実は『秘伝千羽鶴折形』も愛読してまして」 なにそれ? 魔導書? 和「これは原本はもう手に入らないんですが、改訂版が出版されてて」 なんだこいつの目。目が離せねぇ、キラキラ輝いてまるで星みたいな……。 玄「そういえば和ちゃんがまだ吉野にいたころ」 玄「赤土先生のお誕生日会をやろうってなった時もこんな風に折り紙で飾り付けとかしたよね」 憧「やったやった。色紙切って連環にして飾ったりね」 穏乃「花とかも作ったよね。紙だけど」 和「懐かしいですね」 言葉の通り、昔を懐かしむように和が目を細める。 玄「またこうやってみんなで集まれたらなってずっと思ってたから、とっても嬉しいよ」 憧「ま、それもシズの行動力のおかげかしら」 穏乃「憧は最初、断ったくせに~」 憧「もう! そのときの話はもういいでしょ!」 玄「あははは」 幼馴染組が仲良く談笑しているのをよそに俺は何かに没頭している優希を観察する。 京太郎「それ、さっきからなにやってんの?」 優希「これか? ふふふ、見ろ! 折り紙で作ったタコスだじぇ!」 優希はドヤねん顔でその白と緑と赤と橙の色紙を重ねて折っただけの物を俺に突き出してくる。 眼前の物体を反芻するがやっぱり白と緑と赤と橙の色紙を重ねて折っただけの物にしか見えない。 京太郎「いやどう見ても色紙を重ねて折っただけの物にしか見えんのだが?」 優希「犬の目は節穴か! よく見るんだじぇ!」 そういって優希は同じ物を大量に作り出す。 なんだこの不毛な生産光景……。 京太郎「よし! お前のそのタコスに対する飽くなき執着心はわかった。ちょっと待ってろ!」 それだけ言い残すと俺は再び部屋を出て行った。 穏乃「またどっか行ったね」 和「ゆーき。まさかまたなにか無茶を言ったんですか?」 優希「言い掛かりだじぇのどちゃん! 私はなにも言ってないじょ」 憧「どうせいつもの発作でしょ? 放っておけばその内戻ってくるわよ」 玄「て、手厳しいね……」アハハ トン 憧「あ、玄それ……バラ?」 玄「うん!」 穏乃「へぇーよく出来てますね」 憧「これ難しい? 簡単?」 玄「簡単だよ。慣れれば2分もかからないくらい。良かったら教えようか?」 玄「他にもアサガオ、アジサイ、コスモスとかもあるよ」 穏乃「教えて教えてー!」 憧「玄先生教えてくださーい!」 和「この感じ……」 園児『のどか先生ー!』ワーワーキャッキャッ 和「~~~///」ポワァー 玄「和ちゃん?」 憧「なんか咲いてる」 ガチャ 京太郎「待たせたな!」 穏乃「遅かった じゃないか」 俺は開いた片手で後ろ手に扉を閉めつつ、もう片方で持っていたトレイをテーブルの上に置……こうとしてその異常性に気付く。 京太郎「って、うお!? なにこの薔薇園? ちょっと退けて退けて」 俺が手で横に退けるようにジェスチャーを送ると、女性陣によってテーブルにスペースが作られそこに持ってきたトレイを今度こそ置く。 穏乃「なにして来たの?」 京太郎「これよ!」 トレイの上の皿に山積みにされいていたのは、 優希「タコスだじぇ!」 言うが早いか、優希の手がサッと翻り我先にとタコスを頬張る。 後、ついでにみんな喉渇いたんじゃないかと思ってお茶淹れてきた。 京太郎「どうよ優希、これが本物のタコスだ」 優希「ん、ん~?」 咀嚼しながら、自身が先ほど作っていた良くわからない紙の集合体に目をやる優希。 優希「んぐ、なんだぁ!? この紙切れはぁ!!」 そういって紙切れをテーブルに叩きつける。 京太郎「いや、それお前が作ったんだろ」 穏乃「これ私たちも貰っていいの?」 京太郎「おう! たくさん作ったからいっぱい食ってくれよ」 和「ありがとうございます♪」 玄「いただきます!」 憧「それにしても見事な手際ね」 京太郎「慣れりゃ簡単なもんよ」 憧「高1の男子が料理に慣れって……」 京太郎「いや~、実は1学期の家庭科の調理実習と裁縫の実技でA評価を貰ってしまってな」 京太郎「これは喜んでいいのかどうか……」 和「ま、まぁ成績が上がるのは良い事ですよね?」タジ 京太郎「そういうそっちはどうなんだよ。一応、女子高だろ?」 憧「あたしはそれなりには出来るわよ」 玄「旅館のまかないは私の担当ですのだ」 優希「タコスうまー!」バクバク 穏乃「これなら毎日でも食べたいよー!」バクバク こいつらはダメそうだ。 優希「やはり犬のタコスは絶品だじぇ、まぁそこにこそ価値があるからな!」 京太郎「お前は俺を全自動タコス製造機かなんかと勘違いしてないか?」 憧「前脚の使い方がお上手だものね」 そう言いながら憧が俺の右手の甲を摘んでくる。それを振り払いつつ、俺も負けじと言い返す。 京太郎「お前もさり気無さを装うことなく俺を犬扱いするんじゃねぇ」 憧「そうね、犬の方が賢い物ね」プクク 京太郎「玄さん! あいつが、あいつがー!」 悪びれる素振りを見せない憧を指差しつつ、玄さんに泣き付く俺。 この上なく情けない光景だが、そんなん知るか! 俺は味方がほしい。 玄「もう! そんな言い方ダメだよ憧ちゃん」ナデナデ 京太郎「そうだよ! 憧ちゃん!」 憧「ちゃっとなにいきなりちゃん付けで呼んでんのよ!」 京太郎「だって~」 玄「女の子だも~ん」 京玄「「ね~♪」」 そういって笑い合う俺と玄さん。うん、見事なコンビネーション。 憧「しゃぁぁ~~らくっせぇぇぇぇ~~……(巻き舌気味)」 穏乃「ぶふぅ!? ちょ、憧! 顔、顔!? すごいことになってる!」 放送コードに引っ掛かりそうな凄まじい、筆舌し難い憤怒の形相を浮かべる憧。 マジで怖いんだけど。 京太郎「よっと、これで完成」 玄さんに教えてもらった通りにバラを折る。 顔に真っ赤な紅葉を浮かべながら赤いバラを折る俺。う~ん、マンダム。 京太郎「ちょっとよれてるかな?」 玄「そんなことないと思うよ?」 和「須賀君は本当に器用ですね」 京太郎「こういうチマチマした作業は昔から得意なんだよ」 京太郎「なんか俺の人生そのものみたいで」 和「嫌な表現ですね」 京太郎「しかし、これはちょっと作り過ぎじゃないか?」 穏乃「調子に乗って遊びすぎたね」 俺と穏乃は今やすっかり忘れ去られた眠れる淡、 その淡が被るダンボール箱に作った花や鶴、連環や切り紙のレリーフを糊で飾り付けている。 なんか邪教の祭壇みたいになってきたな。 淡「ふにゅ……」Zzz 俺は細く切った紙に花やレリーフをくっ付け即席の花冠を作る。 それをソッと、穏乃の頭に載せる。 京太郎「結構似合うじゃん」 穏乃「任しといて」フフン 京太郎「うん?」 溢れかえる折りバラの中に1つ珍しい物を見付ける。 京太郎「なんか青いバラが混じってるぞ」 玄「ホントだね」 玄「そういえばブルーローズは自然界には存在しない花という事で、花言葉には『不可能』や『奇跡』って意味があるらしいよ」 玄「後、『神の祝福』とか」 玄「もっとも今は品種改良が進んで実在するそうなんだけどね」 和「なんだかロマンチックですね」 京太郎「玄さん詳しいですね」 玄「おねーちゃんがお花とか好きで、一緒に見てたら自然とね」 あー、なんか納得。 憧「へぇ。で、誰がこれ作ったの?」 穏乃「あ、それ私」 なんでもない事のように普通に穏乃が手を挙げる。 京太郎「え”」 憧「しししし、シズがバラを創造した!?」 和「しかしこれはなんとも見事の川崎ローズ!」 京太郎「まさに奇跡!」 穏乃「いや、それアサガオのつもりだったんだけど」 京太郎「え、なに? お前んち実は錬金術師の家系なの? とうとう摂理超えちゃったの?」 穏乃「いえ家は代々和菓子屋ですが?」 穏乃「だって私、山登りばっかりしててこういうのあんまりやったことないんだもん」ブーブー お前さっき得意科目は図画工作って言ってたですやん。 京太郎「なに、じゃあそんな小さい頃から山に登ってたのか?」 穏乃「そうだよ! 吉野の街の子は5歳も過ぎればみんな山で修行して育つんだよ!」 京太郎「……」チラッ 俺はさり気無く穏乃の同郷の友に視線を送る。 憧玄「「」」ブンブンブンブンブンブン!! すげー勢いで首を左右に振る阿知賀メンバー。 さすがにそのレベルはお前だけらしいぞ。 穏乃「いやー、うち、おかーさんがさぁ『穏乃はもっと女らしくしなさい! 山は危ないから無闇に入っちゃダメ!』って」 穏乃「その抑圧された感情が、ね? だから私、日頃からいかにして山に行こうかってそればっかり考えてたよー!」タハー 京太郎「猛獣かお前は」 和「花言葉って面白いですよね」 憧「いろいろあるわよね。しかも大体2つ通りで、意味が反転してたりするの」 京太郎「タロットに通じる物があるな」 玄「たとえばこの黄色いバラだと、『友情』または『誠意がない』とかかな」 京太郎「なんか今日の玄さん格調高いね」 憧「友情、誠意がない……」 憧「京太郎は後者かしらね~」 したり顔でそんなことを言う憧。 京太郎「どーゆー意味かなそれ?」 憧「言葉通りの意味だけど」 京太郎「おいおい俺は誠実さと爽やかさと透明感でここまでやってきたんだ」 憧「ああ、モテない男が大事にしてそうな語群ね」 京太郎「言ったなこの野郎っ!! ちょっと澄ましたキャラ気取りやがって実はこっそり絵日記つけてるくせに!」 憧「ななな、なんであんただそんなこと知ってるのよ!? 見たの!? 読んだの!?//////」カァァァ 京太郎「穏乃に教えてもらった」ケロ 憧「シィィィィィズゥゥゥゥアァァァァァァ!!」 穏乃「うわぁぁこっちに振るなぁ!?」 和「もう! どうしてあなたあなた達は仲良く出来ないんですか」バン 机を勢いよく叩きさすがに和が仲裁に入る。 京太郎「い、いや待て和。これは俺と憧なりのスキンシップなんだよ!」アセアセ 憧「そうそう、仲の良さって別にベタベタするだけじゃないと思うのよね!」ワタワタ 和「本当ですか~?」ジトッ うろんげな表情でこちらを伺う和。 あ、これぜってー信じてねぇ。 京太郎「憧もほら、嘘でもいいからいっぺん俺のこと好きって言ってみ?」 憧「え~しょうがないな~」 まさに不承不承を絵に描いたような表情である。 憧「コホン」 _. .-. . . . ̄. .゙. . . 、 , '´ . . . . /. . . . . . . . . .ヽ / ;ィ´ / . . . .ヽ. .\ _,-─tァヽゝL _/_ ,' | . . .゙ . . ヽ ,〃,r‐'7ハ レ!__,'_ ;イ | /!! ヽ. l . . .、 / 〃 l ト、| .| ハ Tハ! | { || .| | ゙. .!_l |ミヽ、 ,' ./ ! | | LL_ヽ| ! || ! |'T ‐ -|、 | ト、 !| \ ヽ ,' / .| . | | ハチ≧ト、|ハ !土_ヽ | | ! .|. .ヽ!! ヾ.、 ,'/ λ .r=| |.{ ;; Cヾ ヽ|チ不≧!/! | !. ./,'| ヾ 、 |l ハ | (! !`ー'' { {゚ ;; C | | .! .|, './|j ヽl 好きよ、京太郎。 || | |ヽト、! .!xxx ' ` ー'' ,イハ| | /. l || | !. |N l .ミト、! .| 、 xxx /ノノ ! .| _;| | ! | l r、 .N .ト {ヽ !、 ー ,イf.l´. . | .j//ハ l .| i! | \\ | ゙、| | ヽ | 、_ .... -≦| . . .| ! . . .|,.'/ . ∧ .| .|. 从! l\\ | | l ! | |ヽ| ! . . .| | / ,イ| ゙、 ヘ ! .| ハ ト l Lf~ヽ `_ヽ_ !|ヽ ||、-、ヽ _L`_r"∠! ! ∧ | . ! ,' | !ミ、 | 、ゝ.|´ヽ ヽヽ ヽ-、 ,.r! >‐'{ | |ノ|ノ7 | . .ヘ. ,' . |! |,' |!| ヾ,へ.ヽハノ、/ ̄`ヽヾ´ ̄`| \_ヽ_!__! .| /| .! . ∧ ./ . . !i! |i| ! | |\,ゝ | ヽ | /´ /` ̄ヽ | . .∧/ . . . ||i! 言わせておいてなんだけど凄まじく疑わしい。 京太郎「本当かよ」 憧「いや、嘘だけど」 京太郎「嘘とか言うなよ」 憧「いや、だって嘘でも言えっていったじゃない」 京太郎「憧ってもしかして俺のこと嫌いのか?」 憧「好かれてるとでも思ってるんなら京太郎の頭はおかしい」 京太郎「」 なんだこの一連のやり取り。 和「嘘をつきましたね。嘘をついた須賀君には罰を下します」 京太郎「え!? 嘘ついたの俺じゃなくね!?」 和「言い訳は聞きたくありません。罰として原稿用紙3枚分の反省文を書いてください」 和「もしくは『将来の夢』をテーマに作文を書いてください」 京太郎「うう、僕の将来の夢は~……」カリカリ 俺の将来の夢か。 やはりそれを語るに当たって欠かせないのが俺の中学生の頃の話だろう。 それは遡ること3年前……ブツブツブツブツ ガチャ 咲「こんにちわ~」 和「咲さん?」 優希「んぐ、いや~食べた食べた」 穏乃「まだ食べてたんだ……」 憧「あれ? 咲ってチャンピオンと出掛けてたんじゃなかったっけ?」 咲「うん、そうなんだけど。今帰ってきて聞いたらみんなここだって」 玄「おかえり、紅茶飲む?」 咲「あ、ありがとうございます」 玄「どういたしまして♪」 咲「ところでさっきから京ちゃんはなしてるの?」 京太郎「ん? おお、咲か。今ちょうどお前の自叙伝書いてたところだ」 咲「なにしてるの!?」 京太郎「タイトルはこう、単純に『咲』と」 京太郎「いや、これは過去話に当たるわけだからなんか副題つけるか『咲~過去編~』。いや、『咲~中学生編~』 京太郎「ん~『咲-Saki-中学生編 episode of Once Upon a Time 在りし日の二人』ちょっとくどいかな? いやいいか」 京太郎「これは面白い! これは売れる!」 京太郎「皆さんも是非、お茶の間の皆さんも是非これ買ってくださいこれ。全国の書店にて絶賛発売中!」 和「誰に向かってしゃべってるんですか?」 憧「壁のほう向いてることはだけは間違いないわね」 京太郎「あれ? 俺今なにしゃべってた? なんか一時のテンションに身を委ねてわけのわからないこと口走ってた?」 咲「うん。そこだけは間違ってないね」 京太郎「まぁいいや。どうせここ編集でカットするし」 憧「残念これはライブ中継」 和「人生に編集点なんてそんなオカルトありえません」 僕の将来の夢は本の印税で優雅に暮らすことです。 咲「なにこれ?」 咲が怪訝な表情を向けたのは邪神崇拝の祭壇。……ではなく淡が被るダンボール箱。 京太郎「バカ! 不用意に近付くなその下には世界によって封印された暴虐の邪神が眠ってるんだ」 京太郎「静かに、静かにこっちに来い」 咲「う、うん……」 頷くとゆっくりと戻ってくる。……と。 ガタッ 咲「あ……」 咲が淡の座っている椅子に脚を引っ掛けた。 京太郎「あ……」 淡「う、う~ん」 呻きを零しながら、ダンボールがモゾモゾと鳴動する。 淡「あわ!? なにこれ暗い!?」 淡「なにこれ? なにこれ!?」 ガタガタと動くダンボールもとい、淡。 優希「京太郎の仕業だじぇ」ボソ あこらバカ! 優希てめぇなに火ぃくべてんだよ!? 動きがピタリと止まる。 ダンボールの天面に貼られたガムテープが白磁のような10本の指で押し上げられ、 張力限界を超えて剥がれ落ち、蓋の部分がゆっくりと開かれる。 淡「キョォォォォォォタロォォォォォォォ…………」 地鳴りのような底冷えする声。現れたのは髪を大きく逆立て、口元は憎悪に痙攣し、眼球には毛細血管が浮かんでいる、 これでもかというほど装飾のあしらえられたダンボールを胴体とし、赫怒の炎を背景効果に纏った異形の邪神がそこにいた。 麻雀の対局中ですら、こんな激烈な殺気を放っている奴になどいまだかつて出逢ったことがない。 京太郎「なぁ、俺、今どんな状態になってる?」 穏乃「んとね、わかりやすくいうと小説版デビルメイクライのギルバ」 京太郎「つまり包帯でぐるぐる巻きってことだな?」 和「わかりにくいネタ持ってこないでください」 淡「ふんだ!」バクバク 京太郎「ちくしょう、愚かしいほどの真摯な善意でやったことなのになんでこうなるんだ」 淡「そりゃ寝たのは私だけどさ! ダンボールは無いでしょダンボールは!」 京太郎「だから手頃なもんがなかったんだって」 淡「じゃあ、……その、上着とかでもいいじゃん」ボソボソ 京太郎「え? なんだって?(難聴)」 淡「なんでもないもん!」 優希「すまんじぇ淡ちゃん、うちの僕用犬が」 淡「ううん。ユッキーは悪くないよ」フルフル 京太郎「わかるぞ、その『ぼくよう』って字が牧羊じゃなくて『しもべ』って意味の僕ってことが俺にはわかる」 優希「うっさじょ犬」 淡「そーだそーだ犬~」 京太郎「なにこの仕打ち。ちくしょう淡まで俺を犬扱いしてきやがる」 淡「犬~犬犬犬犬犬!」 京太郎「あ? 俺が犬ならじゃあお前は猫か?」 淡「私のどこが猫なのよ!」 京太郎「その自分勝手なところとか、気分屋なところとか、後エサやってるとき以外はまったく可愛げないところだろうが!」 淡「ふ~んだ、猫らしさっていうのは自分でルールを決める自由さ。飼い犬とは違うのよこの首輪ヤロー!」 京太郎「こっの……はぁ、なんか疲れた。これやるから機嫌直せよな」 俺は手元に残っていた折りバラの中から白いバラを1つ取り上げ淡の頭に載せる。 淡「ふん、こんなんで誤魔化されるわけ、」 玄「淡ちゃん、淡ちゃん」チョイチョイ 淡「なぁに? クロ」 玄「白いバラの花言葉はね、『私はあなたに相応しい』って意味なんだよ?」ボソボソ 淡の目が見開かれる。玄さんがなにやら耳打ちしているが俺の位置からでは聞き取れない。 淡「もうもう! しょうがないな~キョータローは~」アワアワ え?! なんか一瞬で機嫌が直ってるんだけど? 白いバラを手に握り360度どこからどう見てもニコニコ顔である。 視線を向けると、玄さんが指でOKの形を作りサインを送ってくる。 よくわからんがさすがベスト・オブ・マイフレンズ。 京太郎「そういえば、一番代表的な赤いバラの花言葉ってなんなんですか?」 玄「え?」 俺の質問に、玄さんは一瞬虚をつかれたような顔になる。 玄「え、え~とそれは……///」 口ごもる玄さん。 え? そんな言いにくいことなん? 映画や小説でもよく贈り物とかになってるし良い意味なものだとばかり思ってたけど実は不吉な意味があるとか。 和「あ、それなら私も聞いたことありますよ。確か……」 ___ ,. ' ´ . . ` ヽ___ ,.-、r/ ; ; . . , . . .;. ヽ `〈 i | / / / / . /i i ! i ハ 、 . ゙、 ..、゙、 { } i . i . i. i| . | .! | . | .|_!_゙、、 . i| . |. .! |、 ,! | || || ;!-‐!ハ ! !ハ-!`|iヽ!| . i .|‐'ヾゝ ∠/ i. | |.! .|リ!_」_!、_ヽ、!ゝィ=‐、リ! ノノ!_,、_〉 ーァ|、!、!、! /!、 i` ト; ! 〉i;イノ | | .`ヽ!゙、ヽゞ-' ,  ̄ |ノi | | . .| |ゝ、 '''''' __ ''"" / | ! ! 私を射止めてください! とか i / リ/i \_ ´ー ′ /| . | |. | r-、 // / .ハ!__!__/ノi ー--‐' |_ | ./ .! ヽヽ.// / ./ァ' ̄/ r' |; \/ i| | .,)┴'ヽ/ ./' . . / ト、 __/ |. || | ;' 、ヽノ|./ . . / ト--へ/ | || ト、 |ヽJ┘ノ/ . . /\ | / |... || | | /⌒ _>、/⌒ Y¨¨¨ 、 /´> ´ , } \ , ´ / 、 ヽ / / ' | | ∨ . ー‐イ' / / | | l } | | | . / ' ' / |{ | / /| } l | | // / { |-+-|、 | ,-}/-}/- / } { / ,..イ , 从,ィ=从{ l / ィ=tミ}イ/ /_ 从  ̄´ |∧ { Vリ ∨' Vり /' /- } / } / 从ム , ム,イ-、/l , . r ' /|/ 八 __ _ / / 、 イ Ⅵ \___ イ |ヽ 「 、 | r <///| |/}_」 |//(_)//|_ , <///〈 ,」////イ////> 、 r--- <////////∧ /////////////////> 、_ //////////////〈/ }---{///////////////////////ハ {//|////////////Ⅵ |////////////////////////} |//|//////////////| /////////////////////////l| |//|//////////////{__/////=====///イ///////| ,...-‐ ‐-.、 / `ヽ /. . . . . . . . . . . , . . . . . . . . . . . . . \ / . . . .. . i. . . i . . . | . . . . . . . . . . . .、 . . . ヽ / . . . . . .; . .| . . i| . . . | .i . ... | . i i ゙、 . . ゙、. / . . .i . i .| |_;. !.| . . . | .| .-‐ト-、|_ . .| . . i . . . .i / ||. . 、'´!、 |丶 . . i、!ヽ . !_\!.i` | . . . ! . .. . | i i .;ノ! .i . . .`、≠ヾ、\! '!_  ̄ヽイ . . / . . . . | レリ''"ト、!、 . .V.r' ! r' ;、 } '! . /ヘ . . .! | | . . . ヽi゙ 、;ン └-‐' レ'∫ } . /リ | .i、 . . .| " " ' " " _,..イ /. V \ .ト、 __ ,.ィ' .;. .ノレ′ ` ` 、_ ´ / И/ ` i' ´ !_,..、 / フi / \ ノ 〔 ′_/ ,,=≧ー-、 ,ィi" |_ / ;; '"/ `ヽ i i i、!i | / ;; " // ,; ===| |i !.\=、 ! /; = " / ./ / | |.i ヽ __ヽレ'― . ' " , .イ / ! |. |. V 「`T´ ̄ ̄ | / i | |. | /1'{ ======i、l!/ ヽ { /! i i . | . ゙、 、 、V `i / | i | . .! . . .゙、 \ / | ,........-――--....、 ,. ´ `ヽ、- 、 / , \ \ \ , ' , / / { ヽ ヽ、 ヽ 、 / / , // / / ∧ ヽ ', | | ヽ , ∧ . / / / // / / / マ |_ |__ | | l ∨ , | . | ' / //  ̄|`|' | ´} ∧ } , } | / } ', { { {l | {从_ {__{ }/イ__}/ イ/ / } / / . 从 八 {ム,イ _斧` イ _)斧ヽ} イ/_ / . \{从{ Vり Vzソ | / Y | | } ' | l 'ノ | |圦 _ , ,ィ| |イl | | / . イ_,/イ | | }' `__-r-=≦__」'/ } | | | _,/ 「 ̄ _/|__| | / / | `=={j====イ / `ヽ , ∧ \ l| イ ∧ / -r‐ /.. ../.. .. .. .. .. ./. .. .. .. .{.. .. .. .. 、.. ヽ.. .. .. ∀ニ=- 、 /... '⌒7.. ../.. .. .. .. .. ./.. .. .. .. .. |.. .. .. 、 ゚。.. ..゚, .. ..} ゚, \ .. ヽ /.. .. / /.. .. .′.. .. . /./′.. .. .. .. |.. .. .. .i.. ..゚。.. .゚ ..イ .. 。 丶 . .、 /.. .. / / ! l.. .. .. './ ! l.. .. .. ..|..|v .. ..|.. .. .}.. ..i/ } .. . ゚。 .. 。 /.. .. / ′ .. .. |..ト-. .、l |..l, .. .. .. |..| ゚。,.斗-‐.|.. ..|/j. | 。. . 。 .. .. ..′ !.. .. .. ..|..|リ、. {リ\ { ゚。.. .. {..{/\{ }ノ|.. ..| . .. . | ∨ハ i.. .. . |..! .. .. .|..|,.イ芹℡x{ \..{リxrf芹ミト│.. | .′ | | .. |.. .. | リ!.. .. .l..代{ .トil刈 ` { .トil刈 〉.. .j} ゚. ..,| | .. |.. .. | |i. .. .|.. 弋こ,ノ 弋こ,ノ |.. ..′ .゚ .| | .. |.. .. | |i. .. .|..| . . . . , . . . |.. 。.. .。l | .. |.. .. | |i. .. .|..「} /|.. ′. ゚ . . l | . . |.. .. | |i. .. .|..|人 ー‐ イ .゚./.. .. 。. .! |. .. |.. .. | |i. .. ハ..゚。 .i.≧o。.. .。o≦ | . //.. .. . ゚ . .l | .. |.. .. | 小.. . . .ハ.゚。! . . .-r| ` ´ |=ミ . | //.. .. ./ . . l | .. . .. .. .| / |.. .. . . .∧{<=「ノ }`iニ/イ.. .. .. ___ . .l | .. . .. .. .. | f¨¨~}.. .. . ./ 乂二|___ ____|=/=′ .{ニニニ>ュ. | .. / .. .. ..| ∧ .′. . .′ニニ=|_, -―‐- ,_|ニニj .. .. ..|/ニニニ/、 .. / .. .... .. | / ∨.. .. ./二ニニニl lニニ{.. .. .. |ニニニ// } } .. ......-‐……‐-..... .......................................................、 /...........................................................\ /......................... . . . .... . . ..............................\ ................. . . . . . . . . . . . ....\.................... /......./... . | . . ...ヽ ..................,. /............ . | | . . ... . ................′ ........... . l l | | _ i ;..../| i | i斗‐| { i 「\ \ i | | i | / | i l| i | |八 i | \ \| | l | | |i | l l| iΝ \ ∨ ≫ぅ弌ミj| | l | | {; | |八 i≫ぅ斥 \ r' ノrい》 Ll | | | ヽ《 r' ぃ ∨ .(ソ | ト| | , | l V(ソ | | ! | ′ | i 小 ,,, , '''' | |j | 乂j い | | l [_] { i 人 ー ' | } } | / { {i i >... / } // / | | { 八 { i ≧ァr / // / | | \|\ i /{_j _/厶イ, | | ∨\;;| i \ / // 廴厂〉 | l\ | | i 厶イ /| | /∧ | | ニ=- |/ / ∨ | | 厶=ーx' | | \ / / 厂 ̄ ̄ア7゙ ノ | | ⌒` .. i / 〉 《__jヽ | | | / . | | | { ノ八 | | i |. / i | | | ∧_/ /| \__,ノ | i || / | | | | / // | } | i || , | ______ ,r─ 、 ≠ ¨ ̄ ̄ ̄ ̄¨¨ 丶 __ ,r┤ } \)⌒`ヽ / ゝ _ ノ \ 、 \ ′ 「 l | | ヽ ヽ X x ヌ | |l j| } | | j ヽ ぃ ヽヌ | ′ j| 从/ /}I j| } ハ ぃ リ | ′ 〃 孑天らリ ノノ ノ「乏らメ、 } ぃ | / // |ィ爪示らヽ イ示うヽル ハ .ノxイ{l ! |{ |i ℃| ! ℃} || j| ! |l ! l刈 弋辷 ソ 弋zソ !| l| 八} || jI jl ハ⊂⊃ r──‐v⊂⊃ 从ハリ ヽ .ノヽ八从乂> . _ ゝx‐'x ノ _ .≠ _ ≪. . . . ア二二ニフ" つ ま ~ / ≫/⌒} {⌒ヽ、 / /{ ( ) ( )} 〈 \ヽ/ー===ゝ=彡′ -‐==‐- ´ ` / ヽ / , ! | | i. / |i , ‐‐i| . ト、_|‐‐ | i| | l / |i | |/八 . | | | i| | |/ 〔!| N ○ \| ○ |ノ ,リ. 〔 八! l圦 ,, ' ,, l // | N | . ワ . ∨/ . | ヽ| | l_≧=ァ≦ト /_,′ 八 ノ厂| l 〔, / / `丶、 ` /∧ i| | 「⌒ / / /∧ / イ′ j ト、∧ / ′´ .イ ' / | |\ハヒ/| |ニニ/ 〉 / ノ〈 i i ニ| | ´y' ! | .' / 〉 / j / ノ i| | 〔___! ト、〕. 〔′| `ー‐' /// | | i| Υ─| | .′ /`ヽ . - ─ ─- . /`ヽ . - ───<_人 _ .┼ ./ /´ __.rr.─‐┐ノ ´Y´ . _ 人 _ \し ' r<´ |ll | /. .`Y´. ヽ } └ .─ ┴‐─ ┴,. // / ! _人_、 .斗 ‐‐─ァ── < ./ / / / / . / i .`Y´ > ´  ̄ フ./ / .// ./_ /_ / _ /. / / ! ∧___..斗< / /i { / / / /`ヽ. ./ / i .! / ∧. / /´ ! . 从 芹竿ミx. | ./ / `メ .! / / .∧ / /!/ | |人{弋 _メckj / / /. ム リ / / / .∧. / /人.N | ⌒ ー '' 「笊ckくj / / ./ / .∧ / // ヽ! .| """" 辷..ソXl| / / / .∧. / //__人_ j | , """ノリルイ⌒ `ヽ/ .∧ / // .`Y´.| ト、 、_ /. i . | `マ}ー/ // _人_ .j . | .|\ ー ' . イ. 人_ | i∨`Ⅴ「ー`Y´─.! | .|. \ . イ .! .`Y´. ! ___ 人 ___ \ \ ! l .|  ̄「 i j . | l . l `Y´ \ \ 从 .j .| |N\ l ! .リ . .リ l ト、\ 人 l .| } jト、 \j リ / / | .\ \ ヽ j\ _ _j ハハ ` <' ./ | \\ \ \ ⌒ } i `<}ト、 | \\ \ \ .N // ト、 たぶん今の俺達は外人四コマの2コマ目みたいな顔してるんだろうな。 和「ああああああああああ//////」 和「だったような気がするんですが、咲き方とかによってもいろいろ違うみたいでえええ///」 京太郎「へぇ」 和「あの、須賀君」 京太郎「ん? なんだ和」 和「人生の編集点ってどこで入れれば良いんでしょうか?」 京太郎「そうさな、やらかしちゃった時点から大体10秒前くらいに血痕が落ちてるから。まず、それを回収して……」 照「……」タコスー
https://w.atwiki.jp/jidai/pages/117.html
孫太郎の略歴は↓こちら 孫太郎 - wikipedia 作者名 発行日 作品名 シリーズ 時代 ジャンル 受賞歴 文庫化 映像化 電子書籍 安部龍太郎 1999/09/01 海神 孫太郎漂流記 全1巻 江戸時代 歴史小説 ○
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/39052.html
登録日:2018/03/14 Wed 03 08 34 更新日:2024/08/18 Sun 07 31 21 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 EH500形 Fateサーヴァントネタ元項目 au まさかり まさかりかついだきんたろう キンタロス キンレンジャー ツキノワグマ トリビアの泉 三太郎 仮面ライダー電王 坂田金時 坂田銀時 山姥 平安時代 日本昔話 昔話 気は優しくて力持ち 源頼光 濱田岳 熊 相撲 神奈川県 英雄 親孝行 説明できないストーリー 足柄山 野生児 金太郎 金太郎あめ 鉄道 銀魂 頼光四天王 鬼灯の冷徹 突然ですが、ここでクイズです 「金太郎」の正しいストーリー、説明できますか? 制限時間は3分。よーい、スタート! ……たぶんこう言われても戸惑う人が大多数だろう。 それもそのはず、 この物語は異説が非常に多く、クライマックス以外のほぼ全てが語られている媒体によって異なっている のである。 「足柄山に住むまさかり担いだ金太郎がクマと相撲したりクマに跨って御馬の稽古をする」以外ほとんど何もわからない、という人も多いだろう。 桃太郎、浦島太郎と並ぶ日本三太郎の一角であり、EH500形の愛称(ECO-POWER金太郎)で有名であるが、 桃と浦島は細部は多少異なっても大筋のシナリオは日本人全員が共通のはずなのに、金太郎はまず誰も説明できない。 テレビ番組『トリビアの泉』では「どれくらいの日本人が昔話「金太郎」の大筋のシナリオを話せるのか」という検証がされたが、正確に話せたのは4700人中67人、割合だとなんとたった1.4%という散々な結果だった。同時に行われた桃太郎は91%、浦島太郎は73%だったのに対し明らかに少な過ぎる。 というわけで、ここでは「金太郎」について少しばかり説明したいと思う。 そもそも金太郎とは? 金太郎とは、坂田金時(さかたのきんとき)の幼名である。 ……決して銀魂の主人公ではない。元ネタではあるけれど。ついでにパロディキャラの偽者が元ネタと同名という訳の分からない事態も起きたけど。 坂田金時とは、源頼光の部下である「頼光四天王」の一角。 他の三人は恐ろしくマイナーだが、渡辺綱、碓井貞光、卜部季武。 しかも筆頭格とされるのは渡辺綱で、金時ではない(*1)。 江戸の和泉太夫が語り始めた古浄瑠璃のひとつ『金平浄瑠璃』では 息子である坂田金平(公平)が主役で人気となった。 実在性についてだが、「恐らくは架空の人物、ただしモデルはいる」と言ったところか(頼光の方は実在の人物である。ただし酒呑童子退治はさすがに創作)。 「下毛野公時」(しもつけのきみとき/きんとき)という人物がモデルになったと思われる。 次代が下るにつれて「公時」がいつの間にか「金時」となり、その幼少時の名前として「金太郎」が創作されたと思われる。 なお、この時代としてはむしろ「○○太郎」は元服後に良く見られる名前である。 (*2) 活躍としてよく知られるのは、大江山の酒呑童子退治。というかむしろこれしか活躍がない……。 なお、退治した方法は「眠り薬入りの酒を飲ませて不意打ち」でトドメを刺したのも主人の頼光なので、ぶっちゃけここでも大した活躍はしていない。 ただ、流石にこれではアレなので後世の金太郎伝説では大幅に脚色されて、金太郎が鬼たちを相手にちぎっては投げの大立ち回りを演じることが多い。 おとぎ話によくみられる金太郎 昔々、足柄山というところにお母さんと二人で暮らしている金太郎という元気な男の子がいました。 金太郎はいつも元気いっぱい。重い鉞を背負っては、山の動物たちを相手に相撲を取って遊んでいました。 金太郎は熊(*3)相手にも負けたりしません。とうとう彼は山一番の力持ちに育ちました。 谷の向こうに動物たちが渡ろうとして橋がなくて困っていた時は、木を倒して橋にしてやることもありました。 ある日、「源頼光」という偉いお侍さんが金太郎のことを見て、彼を武士にしてやろうと言いました。 それを受けた金太郎は「坂田金時」と名を改め、とても立派な武士になったそうです。 ……というのが比較的一般的な金太郎のストーリーである。 とりあえず、これだけでも説明できれば立派なものだろう。 ちなみに「少年時代の金太郎に頼光が出会ってスカウトした」というのが良く見られる金太郎伝説だが、 実際の金太郎伝説では、頼光と金太郎が出会ったのは 数えで18歳の時 であり、どう考えてもこの時代なら成人である。 この歳になって腹掛け一枚というのはただの変態でしかない…… 色々と異説の多いストーリーであり、ぶっちゃけ「金太郎という力自慢の少年が頼光にスカウトされる」という大筋以外に共通点はないと言っても過言ではない。 ざっと上げるだけでも…… 母親の正体は山姥 母親の名前は「八重桐」 父親は赤い龍or雷神 山の動物たち全員と綱引きして負けなかった 池の主である巨大な鯉を捕まえた 烏天狗と遭遇 卜部季武がきこりに扮して金太郎と相撲を取り、彼の力を見定めてスカウトする ……など、種々多様なエピソードが挿入されるため、人によって知っている話がまるで異なるという事態が頻発するのである。 そもそも、この話には桃太郎の「桃から生まれた男の子がきび団子で犬と猿と雉を仲間にして鬼ヶ島で鬼退治をする」、浦島太郎の「助けた亀に乗って海底にある竜宮城に行っておもてなしを受け、お土産の玉手箱でおじいさんになってしまう」といったわかりやすいインパクトのある個性がなく、童話としてはあまり印象に残らない側面もあるのかもしれない。イマイチ「教訓」的なものが足りないため子供の教育に役立てにくいのも理由の一つか。 基礎となる物語も上述したようにプロローグというかキャラ紹介というか、そういう物語としてもある種完成している構成とも言えないことも大きな理由だろう。 こうした理由からか、学校などでのお芝居や紙芝居では桃太郎や浦島太郎などのメジャーな昔話と比べて金太郎はあまり行われず、漫画やアニメで登場人物が昔話の芝居をする話でも金太郎はほとんど見かけない。バラエティ等で金太郎の童話がネタにされた場合、「物語として面白くないからあまり伝わっていない」と言われる場合も。 ただ、金太郎とその息子のキャラクター自体は国民に大変愛されるものとなり、 五月人形のモチーフになったり、「金太郎あめ」「金平牛蒡」などの日本文化の一端を担うこととなった。 ちなみに『今昔物語』には、頼光四天王がアホをやらかすというエピソードがある。 今昔物語集巻二十八第二『頼光の郎等共、紫野に物見たる語』がそれである。 古典の教科書に載っているので、学校の授業で触れた人も多いだろう。 頼光四天王は賀茂祭の見物に行こうとするが、馬に乗っていくのは見苦しいし、牛車に乗っていくと貴族に因縁をつけられるかもしれない。 じゃあ牛車を女性風に仕立てて乗って行こうという話になった。 しかし、普段乗り慣れない牛車に乗ったものだから、ひどい乗り物酔いになってゲロを吐き散らかし、見物どころではなかった。 帰りも牛車に乗って行くのはもう嫌だということで、人通りが少なくなるのを見計らって、顔を隠しながら徒歩で帰ったという話である。 なお、この話では四天王のうち、リーダーの渡辺綱は参加しておらず、ゲロ吐かずに済んだ。 今日のサブカルにおける金太郎キャラクター ストーリーがうろ覚え、という人は多くとも、そこは日本三太郎の一角、知名度は抜群であり、金太郎をモチーフとしたキャラクターも存在する。 銀魂 前述したとおり、主人公「坂田銀時」の元ネタは金太郎こと坂田金時。 何でも屋を営む無気力でギャグ時空を生きる二十代(アラサー?)だが、かつては白夜叉と恐れられた攘夷志士で、今でも決めるべきときはカッコよく決めてくれる。 平安時代の侍が何で宇宙人の蔓延るヘンテコ幕末で侍志望のツッコミメガネと毒舌チャイナ娘を率いて主人公を張ってるのかは不明。 鬼灯の冷徹 衆合地獄のガードマンとして登場。CV 羽多野渉。 立派な成人男性だが、イメージを守るため(ファンサービスも兼ねて)幼少期の前かけ(+褌)スタイルを貫いている。 困っている人を放っておけないお人好しなため、地獄の女性たちの憧れの的。 お香からも「優しい人」と思われており、鬼灯も彼のお人好しぶりに感心していた。 桃太郎と一寸法師、芥子ちゃん(*4)とは日本昔話の主役同士で意気投合している。 仮面ライダー電王 主人公・野上良太郎の仲間イマジンズの一人が金太郎(とクマ)をモチーフとするキンタロス。 関西弁で浪花節が好きな人情家であり、居眠りの常習犯(時の列車の中でもだいたい寝ている)。 その怪力を活かし、イマジンズ4人の中で最もパワフルな戦い方をする。 スピンオフのミニアニメ「イマジンあにめ」においては「金太郎の内容を知ろう」と称してWikipediaのスクショを丸々引用した。 Fateシリーズ 坂田金時名義で登場。 むっきむきマッチョの大男で金髪&サングラスというヤクザかチンピラにしか見えない風貌だが、中身はヒーロー然とした快男児。 auのCM「三太郎シリーズ」 演じるのは濱田岳。桃ちゃん(松田翔太)、浦ちゃん(桐谷健太)とは幼少期からの親友。 たまにお金絡みで興奮すると銭ゲバムーブを始めるため、「金太郎というよりカネ太郎」と呆れられたことも。 Wonderland Wars 「怪童丸」として登場。CV 小西克幸。 基本コンセプトはまさかりを担いだSUMOU相撲取りで、移動速度は遅いが各動作は敏捷である。 豪快な性格をしているがそれは元々の気質もあるが実は身体に雷神を飼っており、弱気や臆病風を考えれば一瞬で食いちぎられてしまう為である。 ifを書いたアナザーキャストとして宿敵の酒天童子に身体を貸した(もしくは乗っ取られた)「邪道丸」も登場しているが、こちらは人格者…いや鬼格者となっている。 にゃんこ大戦争 超古代勇者ウルトラソウルズの一体として登場。 エリート社員きんちゃんとして働いており、進化すると獣達を引き連れ、バズーカに合体する乗り物に乗る猛銃戦隊キンレンジャーになる。 天使を鈍足にしつつ渾身の一撃で叩く遠方範囲キャラクター。 なに?全然金太郎関係ない?まあにゃんこだし。 追記・修正は熊と相撲を取りながらお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 水曜日のダウンタウンでも金太郎のストーリー知ってる人0人説やってたな -- 名無しさん (2018-03-14 06 53 46) あくまでも金太郎は「頼光の鬼退治伝説エピソード0」であって、単体で語られるべき話ではないって事なんだろうなあ。だからピンだとヤマもオチも意味もない話になっちゃう。 -- 名無しさん (2018-03-14 11 37 21) ↑1,2,3って続いたシリーズの前日譚みたいなものだよね、確かに。しかも単体で話がきちんと完結してるとも言い難い構成 -- 名無しさん (2018-03-14 11 39 30) 今なら「人気に乗っかって作られた感で正直必要性が見出せない。こういうのばかり作られてはシリーズ人気も落ち込みそう」とかレビューされそうだな -- 名無しさん (2018-03-14 12 03 52) 言ってみれば本の冒頭のキャラクター紹介の部分だよね。「オッス、オラ足柄山の金太郎。母ちゃんはヤマンバで父ちゃんは知らねぇ。毎日クマと相撲をとるぐれぇ強えんだ。ワクワクすっぞ」←ここまでしか書いてなくてブルマが出てこないんだから独立した話になる訳がない。 -- 名無しさん (2018-03-14 12 57 58) 頼光四天王を描いた絵画では、山姥とのハーフらしく坂田金時だけ鬼みたいな赤色の肌のゴリマッチョとして描かれる事が多い -- 名無しさん (2018-03-14 14 07 01) 鯉の話は小さい頃読んだ絵本にあったな。しかもそれを見た頼光が鯉のぼりを作りそれが端午の節句になったとかとんでもないことが書いてあったような・・・ -- 名無しさん (2018-03-14 18 57 56) 絵本によっては一休さんのように武勇伝を纏めた短編集みたいな構成になってる。 -- 名無しさん (2018-03-14 19 06 21) 月曜から夜ふかしでも現地の人はストーリーを正しく説明できるのかって検証があったね。んで鬼退治に行ったっていう回答が不正解だったけど酒呑童子討伐にも参加してるから実は不正解じゃないんだよね。 -- 名無しさん (2018-03-14 19 51 32) JR貨物の電気機関車が真っ先に思い浮かんでしまう -- 名無しさん (2018-03-14 20 42 02) ↑2 なんだその検証する側が答えを正しく把握してないって…。ちなみに自分が昔読んだ絵本ではむしろ酒呑童子退治の方がメインだった -- 名無しさん (2018-03-14 23 29 40) ↑5 ちなみに背中に金太郎が取り付いた鯉のぼりは実在する。 -- 名無しさん (2018-03-15 06 50 40) 大抵の昔話は地域ごとに差異が見られるし場合によっては別の話と混交してるケースすらあるんだから何処のが正しいなんて口が裂けても言えないわ -- 名無しさん (2018-03-17 20 04 32) イマジンあにめで同じネタでもめていたな。 -- 名無しさん (2018-03-29 09 47 19) 物語によっては金太郎スカウトしたのは「卜部末武」ということになっている。 -- 名無しさん (2018-03-29 09 48 51) ↑ 碓井貞光の方じゃね? 山の中を探索する話(金太郎、温泉、大蛇)は碓井、弓と産女が卜部 -- 名無しさん (2018-03-29 09 55 34) 子供の頃に読んだ絵本では、木を倒して橋にする様子を頼光の家来が見ていて、それが縁で頼光にスカウトされたことになっていた。 -- 名無しさん (2018-03-29 11 17 10) 教えてFGOでも、ぐだ夫がろくにストーリー覚えていないのはネタにされてたね -- 名無しさん (2019-03-03 20 02 30) 自分が見た話では、オヤジがクマなんて大した事ねぇと嘯く>実際に相撲でクマすら圧倒した>このままではDQNになると危惧したオヤジが”馬”を恐るべし動物に設定>頼光が馬に乗って訪問>金時頼光を尊敬し部下になるって流れだった -- 名無しさん (2019-06-03 18 29 16) 「まさかり担い“だ”」じゃなくて「まさかり担い“で”」だよ!間違えないで! -- 名無しさん (2019-06-03 19 25 25) ↑ だ だとずっと思ってたので衝撃 ありがとう -- 名無しさん (2019-10-17 15 11 40) モンストでは例によって女体化してるが、神化形態のインパクトが凄まじいんだよな…(個人的に) -- 名無しさん (2020-05-01 21 02 59) ヒグマより小さいとは言え、ツキノワグマも生身の人間ではまず太刀打ちできないような相手だよな。ツキノワグマが人を襲った事故の話を聞くたびに金太郎さんパネェ…と思ってしまう -- 名無しさん (2021-07-31 22 29 10) 永井豪の「手天童子」の事も追記したいけど、コンパクトにまとめるのが難しい。 -- 名無しさん (2023-07-02 19 05 49) 絵本としては令和の今も出版されてるんかな -- 名無しさん (2023-07-17 20 46 31) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/4462.html
(初めての入部試験の時) ガラガラ 美幸「みんな、おっはよー」 京太郎「失礼します」 京太郎(変わった和風の部室だなぁ) 京太郎(部員はみんな裸だな) 京太郎(……てか、お茶を点ててる人もいるし) 京太郎(ここ、ほんとに麻雀部なのか?) 京太郎(………ん?) 京太郎(裸……?) 京太郎(裸?) 京太郎(……) 京太郎「えええええええええええ!!!」ウワアアア 京太郎「ちょっと、椿野先輩!何でみんな裸なんですか!」オロオロ 京太郎「って、なんで先輩も服脱ぎ始めてるんですか!!」アセ 美幸「?、なんでって普通だよね~、梢ちゃん」 梢「そうですね」 梢「私たち麻雀部では、伝統的に裸で部活を行っているのです」 京太郎「」 梢「裸はいいものですよ」 梢「人間は生まれた時の姿に立ち返ることにより」 梢「極限まで集中力を高めることが出来ます」 梢「私たちが最大限の力で麻雀を打つためには」 梢「裸になることが不可欠なのです」 梢「本来なら公式試合でもそうしたいのですが……」 梢「残念ながらそれは叶いませんでした」 京太郎(当たり前だろ) 梢「そもそもなぜこの麻雀部が裸で部活動を行うことになったかというと……」ブツブツ 美幸「あ~、この状態になった梢ちゃんの話はかなり長いんだよね~」 美幸「ほっといてさっそく麻雀しよっ!」 京太郎「」 ~対局前~ 澄子「よろしくお願いします」 澄子「……その」 澄子「遠慮せずにもっと見てもいいんですよ?」 京太郎「」 友香「よ、よろしくで~」 友香「お、おい……」 友香「恥ずかしいから……あんまり見ないで……」カアッ 京太郎「」 莉子「あ、ああ……ああ…」カタカタ 莉子「わ、わわたし……お、男の人にからだ……」カタカタ 莉子(で、でも……決まりだし……し、仕方ないよね……) 京太郎「ああああああああああああああ!!!!!」 京太郎「集中できねえええええ!!」 京太郎「もうだめだああああああああ!!」 京太郎「うわあああああああああ!!!」 翌日、部室で冷たくなっている京太郎が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3471.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377983742/ 京太郎「…………ん」 まどろみの中で寝返りをうつ。 ふにゃりと、なにか柔らかいものに触れた。 なんかいい匂いもする。クン、クンクン! 京太郎「んあ?」 その微かな違和感に、腑抜けた声を上げながら目蓋を開く。 玄「スー……スー…………」Zzz なんだぁ、玄さんか。なぜか俺の布団に潜り込む、ピッタリと引っ付いて眠る玄さんがそこにいた。 ドラゴンが あらわれた ドラゴンのむれはこちらにきづいていない。 どうしますか? 京太郎「どうするって、あーた。そりゃもちろんこうげき……ぐへへ、フヒヒwww」 むにゅっと、こう……。 京太郎「ちげーよ!」ガバッ 京太郎「え、ちょ、なに?」 急激に意識が覚醒。 現状把握。場所はマイハウス(仮)、時間は……ケータイの液晶を確認すると、うわぁまだ3時半じゃん。 なにがどうなってんだってばよ。 玄「ん~……」 京太郎「なんでこの人ここいんの?」 考えられる可能性として一番高いのはトイレかなにかに起きて、そのまま部屋を間違えたとかだよな。 京太郎「いや、間違えねぇだろ」 俺の部屋と阿知賀の人達の部屋どんだけ離れてると思ってんねんな? いや、でもなぁ~玄さんだしなぁ~。 そもそもつい最近こんなのことあったよな。夜中に誰か訪ねてきたことが。 京太郎「これもしかしてまた俺が都合の良い夢を見てるんじゃないだろうな」 もしそうだとさすがに恥ずかしいぞ。 検証実験に移ろうか。 俺は身を起こして胡座をかき、寝ている玄さんに向き直る。 右の人差し指を立てると、玄さんの頬に触れるか触れないか、産毛一本分くらいの間を開けて指先を添える。 ぷに。 玄「ふにゃ」 可愛い。 なるほど。 京太郎「ユメジャ、ナイヨー!」←すごくネイティブ 夢ではなく現だった。 ナンテコッタイ。 時間は遅く、部屋は密室。しかも狭い。 これってつまりそういうことだよな。 ちょっとこれからどう行動するか、オーディエンスを使ってアンケートを取りたい。 玄「ん~」ムニャムニャ 京太郎「……」ズリズリ 座ったままにじり寄る。 鼻梁、唇、顎、首筋、うなじ、浴衣の襟元ぉぉぉぉぉ!! 俺は伸びかけていた右手を左手で押さえる。 落ち着け俺。 誂えられたようなこの状況。 誰かに誘導されてるみたいでなんか嫌だろ。 再び人差し指で玄さんのほっぺをフニフニとつつく。 玄「ん、うにゃ」Zzz 気持ち良さそうに寝やがって。 なんかこいつと真剣に戦ってる俺がバカみたいじゃねぇか。 視線が自然と下へ。浴衣とシーツを押し上げる双丘。 これはこれは立派なものをおもちで。 憧とかがいたら「おい、どこ中心の視野よ。この変態」と謗られそうだ。 すんませんもうホント、こういう構造なんです男の子。 ちょ、ちょっとくらいなら触ってもいいかな? そもそも男が1人の部屋に間違って入ってきて、あまつさえ一緒の布団に潜り込んでくるとか自己責任っしょ? ………………いや、みんなは俺を信頼してこの合宿に呼んでくれたんだ。その信頼を裏切ることは出来ない。 鎮まれ俺の右腕! 力は制御出来る、何故なら、そう! 俺の力だからだ。 ぜんぜん別の事を考えよう。そうだ、イメージしろ! ふんどし一丁で大胸筋を躍動させながら、ビルドアップ状態で迫ってくる大沼プロの姿を。 ………………………。 うっわ、なんだこれくっそ萎えた。死にてぇ……。 俺の苦悩など知らぬ存ぜぬで、玄さんは俺から見て向こう側に寝返りをうつ。 もう一人の僕が機能不全になるかと思った。 けどおかげで冷静になれた。 玄「スピー……」 なんだこうやって見ればただの可愛い残念な手のかかるおねーさんじゃないか。HAHAHA! 風邪を引いてもいけないので、俺はシーツを掛けなおそうと手を伸ばす。 だが俺は松実玄という人間を甘く見過ぎていた。阿知賀の竜の王手はまさにこの瞬間だったっ!! 玄「んゆ」ゴロン 再び寝返りをうって真上に向いた玄さんの浴衣の胸元が大きく肌蹴て なんか白い柔らかそうなマシュマロみたいのが見えてるぅぅぅーーー!? 京太郎「」 なんかこれもう、いいんじゃないかな? ここでゴールしても、いいんじゃないかな? 見ろこれ! この白磁器みたいな綺麗な肌、血色のいい薄いピンクの唇。 こういう経験からはじまる関係もあるだろ。 夜這いから始める……プログラミング言語。 俺は上を向いて眠る玄さん顔の両側に手をつき、覆いかぶさるように身を乗り出す。 そっと顔を近づける。 玄「……」 規則的な呼吸。徐々に迫る安らかな寝顔。いや迫ってるのは俺だけど。 後、目算で10cmくらい。 8cm。 6cm。 玄「ん」パチ 4……。 目が合った。 玄「う~ん……」 大きく伸びをし、上体を起こす。 玄「ここ、あれ? 私たちの部屋じゃない?」 目を擦りながら周りをキョロキョロ見回す玄さん。 その視線が俺を見付ける。 玄「京太郎くん?」 京太郎「はい」 玄「なんで壁際で、決定的瞬間にゴールを逃したサッカー選手みたいな佇まいをしていますのだ?」 京太郎「気にしないでください」 久「ふっふっふっ」 京太郎「なんですか部長。気持ち悪い」 久「あら、そんな口を利いていいのかしら?」 京太郎「な、なんですか?」 久「明日は海水浴よ!」 京太郎「な、なんだってーっ!?」 久「もちろん嘘よ」 京太郎「なんだ嘘か」 久「というのは嘘で本当は本当よん♪」 京太郎「イヤッッホォォォオオォオウ!」ガタッ 京太郎「ウィー、ウェ、ウェイー! ヒュー!」 _, ,_ パーン 京太郎→ ( ‘д‘) ⊂彡☆))Д´) ←京太郎 久「はいはい。そう1人でハッスルしないの」 京太郎「あ、さーせん」 久「というわけで、明日の朝に荷物の積み込みやるから少し早めに起きてきてね」 京太郎「了解です」 京太郎「ところで、この近くに海なんてあったんですか?」 久「あったじゃない。来る時にあなたも見たでしょ?」 京太郎「え、どうだったかな? なんかその辺の描写カットされた気がするからな」 京太郎「なんか近くに山があったり海があったり、よくわからない地形ですね。瀬戸内?」 久「まぁ彼岸島みたいなのを想像してくれたらいいわ」 久「その内、砂漠とか雪山とかも出てくるかもね」 京太郎「やめてくれるそういうの? 往々にしてありえるから、この世界観だと」 久「とりあえず、伝えたから。それじゃあまた明日。おやすみなさい」 京太郎「はい、おやすみなさい」 その夜 京太郎「海水浴かぁ~」 京太郎「この走り出したくなる衝動をどうしようか」 京太郎「取り敢えず、電話するか」 prrrr 嫁田『はい、もしもし』 京太郎「おう、嫁田か? 俺だけど」 嫁田『おう、ちょっと振りだな。今、合宿って聞いてるけどどうした?』 京太郎「うちの麻雀部さ、インハイの決勝で戦ったじゃん?」 嫁田『おう! 学校でみんなで応援してたぜ』 京太郎「ありがとな。みんなを代表してお礼を言うぜ」 嫁田『そんなことの為にわざわざ電話してきたのか?』 京太郎「いや、ちょっとお前と話したくてた」 嫁田『なんだよ気持ち悪いな。まぁ俺でよかったら話くらい付き合ってやるよ』 京太郎「決勝でさ、うちが戦った3校のなかに白糸台と阿知賀っていたじゃん?」 嫁田「おお、いたな。麻雀強いだけじゃなくてみんなすげー可愛い娘ばっかのな」 京太郎「俺、明日その娘たちと海水浴に行くんだ」 嫁田『は? 死ね』 プツッ ツーツーツー 翌日 バタン 京太郎「ふう、こんなもんかな」 晴絵「悪いねー朝っぱらから」 京太郎「いやぁ、お互い様ですよ」 晴絵「あはは、まぁね」 京太郎「それに思ったほど荷物もなかったですし。パラソルとかは向こうで借りるんですよね?」 晴絵「そだよ。運ぶのはもっぱら人間だけ」 京太郎「なるほど。ところで17人も乗れるなんてこれもうちょっとしたバスですね」 晴絵「そうよぉ、この為にわざわざ借りてきたんだから」 京太郎「え、そうなんですか? そんな話聞いてないですけど、お金とか」 晴絵「♪」b グッ 京太郎「先生……」 晴絵「あの子たちには感謝してるんだ。まぁこれくらいは、ね?」 晴絵「それに宥や、他の3年の子たちも今年で卒業だし、進路のこととか考えたらホントに今しかないからさ思い出作りとか」 晴絵「ちょっとくらい、年上らしいことしてやりたいじゃん?」 晴絵「あ、これあの子らには内緒な」 京太郎「ふふ、はい。わかってますよ」クスッ 移動中 淡「東京♪」 優希「神田♪」 穏乃「秋葉原♪」 京太郎「御徒町♪」 玄「上野♪」 咲「う、鶯谷♪」 憧「日暮里♪」 淡「西日暮里♪」 優希「田端♪」 穏乃「駒込♪」 京太郎「巣鴨♪」 玄「大塚♪」 咲「池袋♪」 憧「目白♪」 淡「高田馬場♪」 優希「新大久保♪」 穏乃「新宿♪」 京太郎「代々木♪」 玄「原宿♪」 咲「渋谷♪」 尭深「!?」ピク 憧「恵比寿♪」 淡「目黒♪」 優希「五反田♪」 穏乃「大崎♪」 京太郎「品川♪」 玄「田町♪」 咲「浜松町♪」 憧「新橋♪」 淡「有楽町♪」 優希「東京♪」 晴絵「なにこの歌のチョイス」 晴絵「うえ、ちょっと込んできたな」 穏乃「えー! もうちょっとなのにー!」 優希「この車、マシンガンとかミサイルとかついてないのか!? 前の車蹴散らそうじぇ!」 憧「いや、そんなボンドカーじゃないんだから」 照「ダークジェイカーじゃないんだ」 京太郎「俺はそこで敢えてFAB-1を推すね」 まこ「お前さんなかなかやるな。ペネロープ号のが通りがいいはずじゃが」 京太郎「それほどでも」 淡「空とか飛べないの!? こう、ビューンッ! って」 菫「いやまだ車が空を飛ぶ時代ではないだろう」 京太郎「空飛ぶ車なら、龍門渕の技術班が開発したそうですよ」 全員「え?」 京太郎「なんでも今、特許と生産認可の承諾待ちだとか」 穏乃「龍門渕って龍門渕さんとか天江さんのいる龍門渕!?」 淡「空飛ぶ車とかすごーい! 私も乗ってみたい!、ね、ねキョータローそれホント!?」 京太郎「お、おう。こないだ透華さんがすげー自慢気に電話してきたからたぶん本当。あの人、見栄は張るけど嘘はつかないから」 和「本当に空を飛ぶんですか? オカルトとは言いませんがちょっと信じがたいですね」 京太郎「デジタルの和に説明するとだな」 京太郎「なんでも、酸化剤として過酸化水素、還元剤としてヒドラジンアミドとメタノールを混合液として」 京太郎「使用したロケットエンジンを内蔵してるらしい」 和「結構真面目に開発してるんですね」 京太郎「それで爆発的な加速力を生み出すらしいんだが、空気力学的形状上バランスを取るのが難しく」 京太郎「燃料が非常に発揮性が高くて飛行中に分解爆発する可能性があるらしい」 全員「うわぁ……」どん引き 京太郎「今度、地元の先輩が試運転させてもらうらしいんだが」 久「ねぇ、その先輩って……」ボソボソ まこ「十中八九そうじゃろう」ヒソヒソ 京太郎「そん時は是非相乗りさせてもらいたいな」ウンウン 咲「ダメだよ! 京ちゃん、絶対行っちゃダメだからね!」グイグイ 京太郎「うおお!? 落ち着け咲、いきなりどうした!?」 ブゥオーン 晴絵「お、動いた」 灼「ん、外。見えてきた」 穏乃「おお、ホントだ!」 ガラ 淡「私も!」 ガラ 誠子「2人とも、ちゃんと座ってないと危ないぞ」 京太郎「まぁ気持ちはわかりますけどね」 優希「そうだ、これは叫ばずにいられないじぇ!」 「「「海だぁぁぁぁぁぁーーーーーーッ!!」」」 晴絵「じゃあ私は車止めてきちゃうからみんなは着替えてきてねー」 全員「はーい」 京太郎「……」 咲「あれ、京ちゃんはいかないの?」 京太郎「いや俺は荷物運ばないと。その後でも男の着替えなんてすぐだし」 優希「うむ、なかなか殊勝な心掛けだじぇ」ウンウン 和「ゆーき、そんな言い方はダメですよ。須賀君もすみません、いつもいつも」 京太郎「いいっていいって、これくらいしかやれることないからな」 京太郎「なんにしても、やることがあるってのはいいね」 和「そうですか? では、すみませんがまた後ほど」 咲「また後でね京ちゃん」 優希「おい犬。いくらこの優希様が恋しいからって着替えを覗きにくるなんて不埒なことはするなよ!」 京太郎「バカか貴様は?」 優希「は?」 京太郎「俺は別にみんなの裸が見たいとか、着替えが見たいとかじゃないんだよ」 京太郎「俺はみんなの水着姿が見たいんだよ」 京太郎「卵生む前の鶏絞めてどうすんだよ?」 優希「お、おう……」 優希(真剣すぎてちょっと気持ち悪いじぇ) 優希「ならこのゆーき様の水着姿をしかと見せてやろう。楽しみにしておけよ」 京太郎「おう! 待ってるぜ」 京太郎「と、大見得切ったものの」 京太郎「この流れだと絶対みんなから『どう? 須賀君、これ似合うかな?』みたいなことを聞かれると思うんですよ」 晴絵「はぁ……あ、クーラーボックスはそっち置いといてね」 京太郎「あ、はい」 ドン 京太郎「で、ですね俺の語彙力じゃあ全員を褒めちぎることなんて出来ないと思うんですよ」 晴絵「シートのそっち側持って」 京太郎「あ、はい」 バサッ 京太郎「そういえば先生は水着に着替えないんですか?」 晴絵「私はパス。帰りの運転もあるからあんまり疲れるようなことしたくないし」 京太郎「ブーブー!」 晴絵「ブーイングは受け付けません」ツーン 京太郎「話が逸れました。で、この危機を乗り越えるべく作戦を立てたんですよ」 ゴソゴソ、キュキュキュ 京太郎「ホワイトボードに書いて一括で処理するってのはどうでしょうか?」 『みんな違って、みんな可愛い』 晴絵「ナイス屁理屈」b グッ 京太郎「シーズン真っ只中にしては思ったより空いてますね」 晴絵「そうね。もっと混んでるかと思ったけど。まぁそっちの方がいいでしょ」 京太郎「そうですね。人が多くても鬱陶しいし、少な過ぎても寂しいし」 晴絵「それなりには賑わってるけど苦にはならない程度で」 京太郎「浜辺は綺麗だし」 ワイワイ、ガヤガヤ <オイ、ミロヨアノグループ <ウオ、ムネスゲェ <オレ…コエカケテミヨウカナ 京太郎「なんか向こう騒がしいですね」 晴絵「あーそりゃ多分あれよ」 久「お待たせー」 バーンッ!! 晴絵「ほら、ビーチクイーン達のお出ましだ」 京太郎「先生なんか親父くさい」 晴絵「……」 スパーンッ! 京太郎「いってぇ!?」 目の前にはのは水着の天使たちだった。 正直、先生をバカにしたことを申し訳なく思う。 ビキニ、ワンピース、セパレート、スクール水着……。 スクール水着!? 優希「どうだ京太郎!? 私のスク水は」フンス その自信はどこから来るのだろう。 京太郎「通過儀礼として一応聞くけどなんでそれをチョイスしたんだ?」 優希「部長が男はこれが好きだといっていたじぇ。部長のアドバイスは絶対だじぇ」フフン 視線を移すと、必死に笑いを噛み殺す部長の姿が。いや、最早なにも言うまい。 優希「どうだ? 似合ってるか?」 俺は無言で先程のホワイトボードを翳す、 スパーンッ! 途中で後から頭をどつかれた。 振り返ると厳しい視線の赤土先生。顎で示してくる。 京太郎「ああうん。似合ってるんじゃないかな、歳相応で」 憧「歳相応って……」←同い年 和「言わないであげてください」←同い年 周りからなにか聞こえるが黙殺。 優希「可愛いか?」 京太郎「可愛い可愛い」 優希「そうか!」パァァ う、純真な笑顔が胸に突き刺さる。 淡「どうキョータロー? 淡ちゃんの水着姿は」 京太郎「セパレートか」 ツーピースであるがビキニよりも露出の低いセパレートタイプ。 淡い青の布地に花柄が映える。 淡「あんまり可愛過ぎて心奪われるなよー!?」 京太郎「うん。普通に可愛いな」 淡「ふぇ?」 京太郎「え?」 淡「あ、あわわわわわ///」カァァ 淡「あわー!」ダダダ 走っていってしまった。なんか知らんが勝った。 京太郎「さて……」クル 咲「///」モジモジ 和「///」ウツムキ 憧「……」プイ 玄「///」ソワソワ 宥「……」ガタガタガタガタガタガタ 照「……」テルーン なんか順番待ちみたいになってるんですが? 京太郎「」 晴絵「……」ポン 先生は軽く俺の肩を叩くと、未だに手に握られていたホワイトボードをそっと取り上げた。 疲れた。 改めて俺のボキャ貧具合を確認させられた。 まぁ眼福なこともあったので差し引きしてもプラスだろうか。 誠子「……」ソワソワ、ワクワク 一団の後方に一人ひときわ異彩を放つ人が。 京太郎「あの亦野先輩」 誠子「ん、なにかな? 須賀君」ソワクソワク 京太郎「いやなんていうかその格好」 誠子「え、変かな? この水着」 京太郎「いえ、水着はよく似合ってますが」 丈の短めなタンキニにボーイレッグ。 活発な亦野先輩の肢体によく似合っていた。 けど三点だけ、三点だけ突っ込みたいところが。 京太郎「その背中に背負った釣竿と、肩に提げたクーラーボックスと、腰に巻いたヒップバッグは……」 誠子「せっかく海に来たんだから、もちろん釣りだよ」 ですよね~。 誠子「じゃあ私はあそこに見えてる岩場にいるからなにかあったらケータイで!」ドヒューン 行ってしまった。 後で少し様子を見に行くか。 そういえばさっきから気になることが。 京太郎「なぁ、穏乃はどこにいるんだ? さっきから姿が見えないけど」キョロキョロ 憧「シズならそこにいるけど」 指で示された方向に顔を向ける。 晴絵「……?」 腕組みをして事態を見守っていた先生と視線が衝突。 よく見ると、その背後からちらちらとこちらを伺っておる者ありける。 穏乃「//////」 メイドだった。いや、厳密には穏乃だった。 ハート型のエプロンを模したストラップレスのトップ。帆前掛を合わせたスカート型のボトム。 赤いスカーフと付け襟、カフス、黒のニーソックス、白い太ももに僅かに見える帯はガーターだろうか? ネコミミにも見えるカチューシャの両端にはアクセントとしてスカーフと同じ色のリボン、ご丁寧にパンプスまで用意していやがる。 京太郎「」 今日、何度目かの絶句。 さすがにこれはやり過ぎだと思……。 穏乃「うううう//////」ウルウル なにも言えないでいる立ち尽くしていると、穏乃の顔が羞恥に染まり瞳は徐々に水気を帯びてくる。 憧「なにやってんのよ! なにかいいなさいよ」ボソボソ 俺の小脇に肘打ちを突き立てながら憧が先を促してくる。 玄「京太郎くん。ファイトなのです!」グッ、タユン あ、揺れた。 和「あ、ははは」 困った笑いを浮かべながら様子を伺っている和。 一応、指摘しとくとあなたの普段着も結構負けてないですからね? 京太郎「あー、どうしたんだその水着」 穏乃「これ、憧が……」 憧だと? 俺は件の少女に視線を水平移動。 憧「……」フイ 亜音速で目を逸らしやがった。 改めて穏乃の格好を見直す。 え、これヤバくない? 京太郎「あのさこれヤバくないこれ? これ犯罪じゃないのこれ?」 こんな小さな子にこんな格好。けしからんもっとやれ。 穏乃「私、学校の水着しかなくて、だからこういうのよくわからなくて……」モジモジ 胸元で合わせられた両手の先、人差し指の先を弄っている。穏乃の感情に感応してネコミミまでうな垂れて見える幻覚。 京太郎「え? それ学校指定の水着なの?」 京太郎「そんな学校、あって、たまるかってんだ!! どこだよその学校俺も通いてぇよ」 憧「単語だけ拾って頭の中で適当に再構成するのやめなさい。お年寄りじゃないんだから」 穏乃「やっぱり変、かな……似合ってない?」 不安げに俺を見上げてくる穏乃。俺はその細く震える薄い肩に優しく手を置く。 京太郎「いいかよく聞け穏乃」 穏乃「?」 京太郎「めちゃくちゃ可愛い。すげー似合ってるよ」 瞳の奥に感情の揺らぎ。そして光明。 穏乃「ホントッ!?」 京太郎「おう! 俺はバカだが嘘はつかない」 穏乃「そっか、可愛いか。…………可愛いかぁ、えへへへ///」 照れ隠しだろうか頭を掻く穏乃。それに合わせて結い上げたポニーテールが揺れ、ネコミミも機嫌良さ気に反応している。 え? ちょっと待って、どうなってんのこれ? 京太郎「それで前提としてよく似合ってるし可愛いけど、それを踏まえたうえで敢えて言うけど」 京太郎「やっぱヤバくないこれ? 犯罪臭が」 穏乃「えへへ、可愛いって褒めらちゃった///」テレテレ 和「よかったですね。穏乃」 憧「まぁ似合ってないとかいったら、八つ裂きにして海に撒いてたけどね」 玄「けどホントに可愛いね」 最早、誰も俺の意見など聞いていなかった。 なにがおかしいって男と女の感性の違いというか、あの格好を誰もおかしいと思わないということが一番おかしいと思う。 いや可愛いんだけどね。 あるいは、俺の前だけでとかにしてくれるとおにーさん嬉しいよ? 晴絵「まぁあんな格好出来るのも若いうちだけさね」ポン 先生がいうと説得力が違いいますね。 【おまけ】 玄「京太郎くん!」 京太郎「はいなんでしょう」 呼ばれて振り返る。 おうふ……。 視界に収まるホルターのトップ。薄い桜色のシンプルなビキニだ。 清楚で大胆というまさに玄さんの為のデザイン。 あの夜の過ちが脳裏をよぎる。 俺は熱い砂浜に額を叩きつける。 玄「い、いきなりどうしたの?」ビクビク 俺のいきなりの奇行にビビり気味の玄さん。 京太郎「いえ今、自分の中の自分という存在を徹底的にブチ滅ぼそうと」 玄「そ、そうなんだ……」 京太郎「それより玄さんこそどうしてんですか? てっきりみんなと泳ぎに行ったのかと」 玄「そう大変ですのだ! オペレーション・おもち発動ですのだ!」 京太郎「な!? オペレーション・おもちですって!?」 オペレーション・おもち かつてはクロチャーの地球降下作戦のことをそう呼んだ。 クロチャーの回転速度を上昇させ、ラグランジュポイントでドラを爆発、均衡を破壊し地球に落とす。 その後、混乱に陥った地球を降下してきたクロチャーで制圧する。 これがオペレーション・おもちの全容である。 次回、キョウタロウ閃光に散る ダイジェスト 菫「……」キュピーン 玄「ふぁ!?」 京太郎「ふぁ!?」 菫「ん? どうしたんだ2人とも」 玄「おもちが……」 京太郎「……ある?」 菫「ふ、これか」ポヨン 菫「レギュレーション変更だ」ドヤァァ 玄(なにがなんだかわけがわからない) 京太郎(いい加減な設定にしやがって) 玄「しかし!」 京太郎「我々で協議」 京玄「「した結果」」 京太郎「おもちがあれば細かいことなんてどうでもいいよね!」 玄「ですのだ!」 菫「まさか君たちはそれを締めのセリフにしようというのではないだろうな?」 穏乃「海だー!!」 優希「青いー!!」 淡「すごーいー!!」 3バカ「「「行くぞーっ!!」」」 京太郎「おーい。気を付けろよ!」 咲「あはは、みんな元気だね」 優希「咲ちゃんも京太郎も早く来るんだじぇ!」 ガシッ 咲「わわっ!?」 淡「テルーも行こう!」 ガシッ 照「えっ!? ちょ、待っ」 ダダダダダ 京太郎「海はにげねーから落ち着けってー」 憧「まったく子供なんだから」ヤレヤレ 和「そういう憧も、走り出したくてウズウズしてるように見えますけど」 憧「そ、そんなわけないでしょう!?」アセアセ 玄「じゃあ憧ちゃんが待ちきれないみたいだし私たちも行こっか?」 憧「もう、玄まで!」 京太郎「はははは」 憧「笑ってんじゃないわよ!」 ダッパーン 京太郎「ん?」 優希「おおおお、京太郎っ!!」 淡「たいへんたいへん! テルーとサキが波にのまれた!!」 京太郎「なにやっとんじゃあのアホ姉妹は!?」 ザザッ… 京太郎「はぁ……はぁ……ああ、くそ、マジ疲れた……」 咲「」 照「」 和「2人ともぐったりしてますが、ケガもないようですし呼吸も安定してますから、すぐに気が付くと思います」 玄「もう、優希ちゃんも淡ちゃんも無理矢理連れまわしちゃダメだよ?」 優希「反省してるじぇ」 淡「むしろ猛省」 憧「気のせいかな? あんまり反省してるように見えないけど」 穏乃「京太郎。大丈夫?」 京太郎「なんとか。ああ、ちょっと海水飲んじまった」 穏乃「はい、水」 京太郎「おお、すまん」 京太郎「あー生き返る」プハァ 和「これからどうしましょうか?」 京太郎「ああ、この2人なら俺が見とくからみんな泳いできてくれよ」 玄「そんな、悪いよ」 京太郎「いや、っていうか少し休ませてください」 京太郎「まさかものの数分で体力使い切るとは思わなかった」ハァ 玄「でも……」 京太郎「いいんですよ。せっかく海に来てるのにこんなとこで固まってても仕方ないですよ」 淡「よし! じゃあ行こうクロ!」ガシ 玄「え、あ……待って待って淡ちゃん!」 ダダダダ 憧「ぜんぜん反省してないわね」 京太郎「まぁあいつらしいっちゃあいつらしい」 憧「……」ウーン 憧「あたしも泳いでこよっと」 タッタッタッ 穏乃「あ、ちょっと憧!」 タタタタ 京太郎「憧は察しがよくて助かるね」 優希「のどちゃん、私たちも行くか?」 和「私は……私はそうですね、よろしければ須賀君の話し相手になりましょうか」 京太郎「え? いや、俺は別に」 優希「……」ジィイ 優希「わかったじぇ、じゃあまた後で」 タッタッタッ 咲「」ウーン 照「」ウーン 京太郎「よかったのか? 行かなくて」 和「身体を動かすのはあまり得意ではないので。隣、失礼しますね」 ポスッ 和「どちらかと言えば見ている方が好きなんです」 和「須賀君と一緒ですね?」ニコ 京太郎(リアクションに困るな……どう答えるべきなんだ?) 京太郎「へぇ。そうなんだ。和はもっと率先して動くタイプだと思ってたけど」 和「そんなことないですよ。割と内向的なので」 京太郎「そうか」 和「そうです」 京太郎「ははは」 和「ふふ」クスクス 京太郎「それで内向的な和さん。久し振りに旧友と遊べる感想は?」 和「懐かしい、と言うのが本音ですね」 和「海ではないのですが穏乃や憧、玄、赤土先生といろいろなところに行きましたから」 和「と言っても吉野の、小学生が行ける範囲でですけど」 京太郎「和は転校が多かったんだっけか」 和「はい。父も母も忙しい方なので。昔は、それが辛かったんですけど」 京太郎「……」 和「けど、悲しいことばかりでもないって最近になって気付けたんです」 京太郎「?」 和「清澄の皆さんに出会えましたから」 京太郎「……」クス 和「ゆーき、部長、染谷先輩」 和「そして咲さん」 京太郎(俺は?) 和「もちろん須賀君も」ニコ 京太郎「っ!?///」ドキ 和「覚えてますか? わたし達が始めて会ったときのこと」 京太郎「ん~、どうだったかな? あんま覚えてないな」 和「私、須賀君がいたから麻雀部に入ったんですよ?」 京太郎「え?」 咲「う、う~ん……」 京和「「!?」」 ムクリ 咲「あれ? 私……」 京太郎「お、おお。咲、目が覚めたか!?」 咲「確か、優希ちゃんに連れられて海に入って……」 京太郎「気分はどうだ? 水飲むか?」 咲「うん。ありがとう……」 咲「あ! おねーちゃんはっ!?」 照「」 咲「おねーちゃん、おねーちゃん!?」ユサユサ 京太郎「おいおい、そんな乱暴な」 照「う……ん~」 咲「よかった目が覚めて」 照「海怖い海怖い海怖い海怖い海怖い海怖い海怖い海怖い海怖い海怖い」ブツブツ 京太郎「すっかりトラウマになったな」 和「どうしましょうか」 京太郎「う~ん、」 京太郎「照さん? 照さ~ん!」 照「海怖い海怖い海怖い海こわ、あ、え? なに?」 京太郎「そんなに海が怖いなら浜辺で俺らと遊びませんか?」 照「あ、えっと……」 咲「……」ウンウン 和「……」コクコク 照「じゃあちょっとだけ」オズオズ 京太郎「はい」クス 京太郎「じゃあ砂上の楼閣でも作ろうか」 咲「す、すぐ壊れそうだね」 和「まぁまぁ」 京太郎「じゃあちょっと水汲んでくるからこっちはよろしく」 3人「「「はーい」」」 ――――― ――― ― 和「~♪」シャッシャッ 咲「和ちゃんすごい!?」 和「ふふ、私の計算にかかればこのくらい造作もないですよ」 京太郎「いやしかしこれは凄いな。まさかこんな片田舎のビーチにサグラダ・ファミリア・カテドラルを創造する奴がいるとは」 京太郎「照さんそっちは、」 照「ぱーぱぱーん、ぱぱぱぱーん、ぱーぱぱぱぱーぱぱーん♪」 京太郎「」 京太郎「あの、照さん」 照「ん、なに? 京ちゃん」 京太郎「なんで反対側にマジ○ガーZの顔が付いてるんですかね?」 照「え? だってお城って」 京太郎「それは鉄の城です」 照「あれ?」 咲「ぷっ、あはははは。もう、やだおねーちゃん」 和「ふふ」クスクス 京太郎「まったく、照さんは。ははは」 照「………………ふふ、ははは」 ――――― ――― ― 和「出来ましたね」 京太郎「反対側おかしいけどな」 照「むぅ、京ちゃんしつこい」 京太郎「いや、だってこれは」 咲「まぁまぁ。これはこれで面白いから」 京太郎「ん~、まぁそうだな」 4人「「「「完成! 聖家族贖罪教会Z!」」」」ワーイ ダッパーン! 咲「あ、高波……」 グチャ~ 4人「「「「…………」」」」 【おまけ】 宥「気持ちいいね~」ガタガタガタガタ 灼「気持ちい」 尭深「あの、お茶飲みますか?」 宥「あ、ありがとう~」ガタガタガタガタ 尭深「鷺森さんも、よかったら」 灼「どうも」ペコ 灼(熱い……) 宥「ずず~」 尭深「ずず~」 宥尭「「ほぉ……」 宥「あったか~い」ニコニコ 灼(熱いけど、お茶) 灼「美味し……」ズズ 尭深「……」ニコリ 灼「///」 宥「こんな日は、お鍋とか食べたね~」 灼尭「「うん」」 「「……………………え?」」 【次回予告】 京太郎「鍋やるべー!!」 穏乃「鍋やるべー!!」\>ワ</ 次回 夏だ!海だ!水着で鍋パーティーだ!