約 2,072,092 件
https://w.atwiki.jp/yamadakun/pages/91.html
#blognavi 10日ぶりに更新。 ダメだなぁ。 ダメといえばA代表。 3年前に逆戻りだA代表。 あまりのショックに今日はずっとブルー。 なるほど。これがサムライブルーの真の意味か…… 次2-0。その次1-1でなんとかいかんかなぁ。 カテゴリ [日記] - trackback- 2006年06月13日 21 34 10 #blognavi
https://w.atwiki.jp/fro2018/pages/66.html
白昼の京都に流星が轟いた。 天にて屈折し、地へ降り注ぐ神秘の星。 日常の裏側から着々と表側の世界を食い潰しつつある〝かの儀式〟について無知な者達は、この光をそう認識したことだろう。 だが言わずもがな、現実は違う。 これは星などではない。 一つのヒトガタが擲った、一振りの槍である。 本来は刺突武器であるところの槍を敢えて投擲することで、武器そのものに込められた神秘を外部出力しているのだ。 無論、そんな真似は人間の手ではまず不可能。 必然的に、この流星を作り出した者は、人外の存在であるということになる。 サーヴァント。 男はそう形容される存在であった。 人類史に刻まれる偉業を成した、誉れも高き無双の英雄。 今は時空を超えて仮初の主の下に現界し、主の願いを叶えるべくこうして戦いに明け暮れている。 願い持つ召喚者(マスター)達と、彼らの呼び声に応え英霊の座より馳せ参じたサーヴァント達による血塗られた戦い。 ――聖杯戦争。それが、この古都を舞台に繰り広げられている儀式の名だ。 サーヴァントは人間の規格を超えている。 曰く、英霊一体の戦力は戦略爆撃機にも匹敵するという。 そんな存在が意思を持って武力を振るってくるのだから、人間ではまず敵わない。 槍兵(ランサー)のクラスで現界した彼は、誰にでも胸を張って己の強さを誇ることの出来る極限の強者だ。 サーヴァントであるからという、それだけの理由ではない。 彼自身が生前に積み重ねた研鑽、踏んできた場数、成し遂げた功績。 その全てが今、力となって彼を支えているのだ。 弱い筈がない。これで弱いと謗られるなら、世界中に強者の形容を受けるに足る者が一体どれだけ存在するのだ、という話になってしまう。 だが。 「――弱いな、お前」 傲岸不遜に、そう吐き捨てる者があった。 英雄と相対する、巌の如き肉体の巨漢が声の主だ。 その身長は、敵の倍ほどもある。 三メートルオーバーというどう考えても現実的でない身長は、この男が人間由来の英霊ではないということを如実に物語っていた。 英雄が目を瞠る。 バカな、とその口が動く。 英霊の癖に情けないと貶すのはあまりに酷だ。 巌の巨人が彼の必殺に対して行った行動を見れば、誰であれ彼と同じリアクションに到達する。 もしも例外があるとすれば――この巨人と同じレベルの化け物か、敵の力を理解出来ない頭抜けた馬鹿かのどちらかである。 「ランクはB……いや、B+というところか。 見た目だけは美麗だが、しかしそれだけよ。 武具は落第、そして振るう貴様も落第さな。 これしきの技、儂(オレ)の軍では一兵卒でも当たり前に使うていたわ」 巨人の右腕には、盾が握られていた。 彼は先程、敵サーヴァント……ランサーが放った宝具真名解放による投擲をこれで受け止めた。此処までは、良い。 問題はその後だ。真名解放の一撃を受け止めておきながら、一体どれほど力が余っていたのか。 おもむろに受け止めた腕に力を込め、盾を振り抜けば。 野球で言うところの場外ホームランのように、ランサーの得物を遥か彼方まで〝打ち返して〟しまった。 彼方の空に消えていく自分の得物を、ランサーはただ見送るしか出来ない。 やがて彼の口から、絞り出すような声が漏れた。 「……何者なのだ、お前は」。それは事実上、英霊としての敗北宣言にも等しい。 自分にはお前の底は推し測れない。正体に、見当も付かない。 言わずもがなそれは屈服だ。自分はお前より下だと、認める行い。 そうしてでも、ランサーは……無双を誇った英傑は知らねばならぬと思った。 己を完膚なきまでに圧倒し、誇りの一投をゴミのように吹き飛ばし、未だ無傷で君臨するこの暴君が何者なのか。 それを知らぬまま敗残者として舞台を去るなんて、それこそ己の矜持が許さない。 何者なのだ、お前は。何故にそうも強い。何故に、それほど恐れを知らぬ。 その問いかけに、巨人は獰猛な笑みを浮かべて答えた。 盾を握った右腕を天高く振り上げながら――握った盾を機械細工のように、全く別な武器へと変形させながら。 「神だ」 巨人は名乗った。 己を意味する言葉を、堂々と。 聖杯戦争のシステム上、神霊が呼ばれることなどあり得ない。 だが、この巨人を前にすれば理屈抜きに納得してしまう。 少なくとも、ランサーはそうであった。 ああ、そうか――神であったのか、この男は。 そんな納得のままに、これから訪れる運命を受け入れてしまった。 英雄が見せた潔さ。 彼は負けを認め、それを承服した。 その決断に対し巨人が示した反応は―― 「……相手が悪かったと諦めるのか。 己の誇りが、研鑽が、芥子粒のように磨り潰されようとしているというのに。 貴様は、拳を握ることもせんのか」 心からの、失望であった。 笑みは消え、隠そうともしない軽蔑の色が双眼に宿る。 業火のような紅を宿した瞳は、しかしながら一切の熱量を持っていなかった。 ぞわりと、英雄の背筋が凍る。歯の根が合わず震え出す。 敗北を認めたのだから恐れるものなど何もない筈なのに、目の前の巨神が恐ろしくて堪らない。 「道理で弱いわけだ。口では英雄を名乗りながら、その性根は匹夫のそれであったとは。 ――お前、もう二度と英霊の座から出撃(で)て来るなよ。 闘争を司る者として、戦火を愛する一戦士として、実に不愉快だ」 振り上げた右手の武器は、戟と呼ばれるそれに変化していた。 戟を扱う武人といえば、やはりかの呂布奉先が一番に挙げられるか。 呂布は方天画戟というこの戟の派生武器を握り、数多の敵を薙ぎ払って群雄割拠の時代にその武勇を轟かせた。 しかしながら、呂布奉先も、その他凡百の武将達も、元を辿ればこの巨人が成した功績の恩恵に預かっているに過ぎない。 それは何も、戟の使い手に限った話ではない。 戦斧、盾、弓矢。誰もが当たり前に握ったそれらの武器は、全て一人の神の発明品なのだ。 中華神話にて語られる原初の反乱者。 戦神にして軍神。偉大なる黄帝が心底恐れ、殺した後ですら一瞬も油断を見せなかったという恐るべき暴力装置。 戦乱を愛し、戦乱に愛された男。理想郷の破壊者。人類発展の礎たる、闘争の理を象徴する存在。 「――『戦神五兵(ゴッドフォース・プロトタイプ)』。雑魚は雑魚らしく、惨めな屍を晒すがいい」 ――その真名を、蚩尤。六の腕を持ち、魑魅魍魎の軍勢を統べる兵主神である。 蚩尤の一閃は空を切り裂く。 そして、愚かな槍兵の身体を頭頂部から股にかけて両断した。 その余波のみで地面が裂け、木は千切れ、空を飛んでいた小鳥が八つ裂きになって地面に墜ちる。 更に言うなら、腰を抜かして見ていることしか出来なかったランサーのマスターも、ついでのように斬殺死体に変えられていた。 痛みを感じる暇もなく天に召されたのは、せめてもの救いだったと言えよう。 彼らは感謝するべきだ、蚩尤が加虐の趣味を持っていなかったことに。 否――彼が今、その必要性を感じていなかったことに。 「……手応えがない。総じて、ぬるい。 聖杯を持ち帰る為の作業工程とはいえ、あまりに退屈が過ぎるわ。 こんなものかよ、人類史。こんなものかよ、聖杯戦争。 世界は儂の想像以上に、糞にもならん腑抜けで溢れ返っているようだな」 蚩尤に話は通じない。 蚩尤に理屈は通じない。 蚩尤に情は通じない。 蚩尤に、常識は通じない。 この荒ぶる神はそうした諸般の軛の外にある存在だ。 冗談のように強く、冗談のように単純で、冗談のようなことしかしない。 そのことは、彼がマスターを伴うことなく単独で戦いを行っているという事実からも察せるだろう。 そも、蚩尤は召喚のプロセス自体を踏んでいないのだ。 誰もが等しく通るべき行程を丸ごとパスして此処に存在している。 無論、聖杯戦争を仕組んだ者達が狙って呼び出したわけでもない。 ではどうやって、この傍迷惑な神格は異界の聖杯戦争に割り入ったのか? 答えは単純明快。それ故に、いっとう悪夢じみている。 ――単独顕現。 誰かに召喚されるのではなく、自ら現世に顕れるスキル。 彼はそれを用いて聖杯戦争へ割り込んだ。 招かれざる客として、堂々と扉を蹴破って。 聖杯を取るのは儂だと、挨拶代わりの蹂躙を振り撒き出したのである。 ……とはいえ、流石に何十という平行世界の因果が混線した都へ押し入るのはさしもの彼でも至難だった。 結果的に成功こそしたものの、蚩尤の霊基は大きく劣化し、本来のクラスからも外れてしまっている。 平たく言えば弱体化しているのだった、今の蚩尤は。 「だが、管を巻いても仕方のないこと。 どうせやらねばならぬのなら、楽しんだものが勝ちよ。 まだまだ戦争も序盤。弱者と腑抜けの淘汰が進めば、あの黄帝めに肉薄する強者も出て来るやもしれん。見限るには、ちと早計だな」 蚩尤は何も嗜好品として聖杯を求めているわけではない。 彼もまた、願い抱く者の一人なのだ。このナリと、この性格で。 彼には誰にも譲れない願いがある。 そして彼は、自分の願いこそ最も尊く切実なものであると確信していた。 聖杯を使わなければ、全知全能の神でもない限り決して叶えられない理想。 創り出したい景色。成し遂げたい――勝利(リベンジ)。 「儂は蘇ったぞ……黄帝よ。我が唯一無二の好敵手よ」 蚩尤は、再戦がしたいのである。 かつて自分を激戦の末に破り、処刑した男。 偉大なる黄帝と再び相見え、今度こそあの男を破りたい。 しかし黄帝は不死身ではない。蚩尤が朽ちたように、黄帝もまた時代の流れと共にこの世を去った。 そして恐らくは英霊の座に登録され、安らかな時を過ごしているのだろう。 それでは困るのだ。 まず黄帝には、己と同じく現世に蘇ってもらう必要がある。 もう、お分かりだろう。蚩尤の願いとは――黄帝の受肉。 自分を打ち負かした好敵手を、聖杯の力で蘇らせることに他ならない。 「儂とお前の戦が不格好なものであっていい道理はない。 武器も、軍勢も、全て儂が揃えよう。望むならば現代に雌伏した神秘も引きずり出して来よう。 その上で――心置きなく再戦と洒落込もうではないか! 星の全てを巻き込みながら、空前絶後の大戦争を楽しもうぞ!!」 たとえそれで地上の全てが更地になろうと、構わない。 慣れ親しんだ得物から現代の戦場を席巻する兵器の山、核爆弾なる大量殺戮兵器、その全てを使った決戦を始めるのだ。 戦争などという言葉では足りない。 ――大戦争を。 ――どちらかが斃れるまで終わらない、史上最大の大戦争を。 それこそが、蚩尤の願い。 零落した獣が持つ、恋する生娘のように純粋な願望だ。 それだけに救いようがない。 混じり気のない純粋な願いは歪まない。 蚩尤が京にある限り、その願いが揺らぐことはあり得ない。 これはまさしく全ての英霊にとっての悪夢。 七十二の宝具を持つ闘争の化身は、高らかに哄笑の音色を響かせた。 ▼ ▼ ▼ 闘争――それは人を殺す。文明を壊す。 積み上げてきたものを真っ平らに変えて、ゼロの地平を作り出す悪徳だ。 土地の奪い合い、宗教間の対立、果てには個人同士の諍いから。 人類は数え切れない回数の闘争を繰り返してきた。 人の歴史は、闘争の歴史だ。そう断じたとして、一体誰が異論を唱えられようか。 しかしながら、目を背けてはならない。 人を育ててきたのは、常に闘争であった。 闘争は人に教訓を与え、技術を与える。 人類は闘争から幾度となく恩恵を受け取ってきた。 ゴミのように散乱する人命と引き換えに、多数の幸福を成り立たせてきた。 蚩尤は弱者を嫌うが、人類の可能性を愛している。 かつて黄帝が自分にしてみせたように、人にはどんな強大な壁も打ち壊す力が備わっていると信じている。 闘争から生まれる勝利、敗北、犠牲――その他あらゆるものを糧にどこまでも強くなれる生き物であると、確信すらしているのだ。 以上の本性を以って、彼のクラスは決定される。戦の神など偽りの名。 其は人間が倣った、人類史を最も肥え太らせた大災害。 その名を―――― 【CLASS】ライダー 【真名】蚩尤 【出典】中国神話 【性別】男性 【身長・体重】350cm・325kg 【属性】混沌・悪 【ステータス】 筋力A 耐久A 敏捷C 魔力A++ 幸運C 宝具EX 【クラス別スキル】 対魔力:A A以下の魔術は全てキャンセル。 事実上、魔術ではライダーに傷をつけられない。 騎乗:EX 軍神としての特権。 戦乱のある場所を仔細に感知し、流れに乗り損ねるということがない。 戦の波を乗りこなすという特性故にランクは規格外。 性質としては、戦乱限定の高ランク千里眼に近い。 【固有スキル】 神性:A+ 神霊適性を持つかどうか。高いほどより物質的な神霊との混血とされる。 サーヴァントに型落ちしているとはいえ、ライダーは最高ランクの適性を持つ。 単独顕現:E 単体で現世に現れるスキル。並行世界や時間逆行等の攻撃にも耐性を持つ、いわば運命即死耐性。 ライダーはそもそもこのスキルによって聖杯戦争に参戦している為、マスターを必要としない。 獣の権能:D とあるクラスのスキル。対人類、とも。そのクラスの時はAだが、ライダーに変化するとDランクまで落ちる。 ネガ・アルカディア:A 争いのなき世界を、絶対に実現させない存在。 秩序属性と善属性のサーヴァントに与えるダメージが常に上昇し、〝戦闘を行わせない〟スキルや宝具の全てを自動で無効化する。 反骨の相:EX 中華神話において、初めて反乱という行為を行った存在とされる。 相手が保有するカリスマや魅了などのスキルをランクに関わらず完全に無効化する。 魔力放出(気象):A+ 黄帝との戦いで用いた気象操作能力。 桁外れの魔力を自在に放出、操作して〝天〟を味方に付ける。 霧、煙、雨、雷と手札の数は非常に多いが、唯一太陽光を操ることだけは出来ない。 勇猛:A 威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。 また、格闘ダメージを向上させる効果もある。 【宝具】 『武神蚩尤七十二柱(エルダーフォース・ウォーゴッド)』 ランク:EX 種別:概念宝具 レンジ:不定 最大捕捉:不定 ライダーには、自身と全く同じ姿・技を持った72人の兄弟が居たとされている。 だが、これは間違い。彼らはライダーが自身の闘争心を72等分に切り分け、分離させ、一つ一つの塊に命と人格を吹き込んだ戦闘人形(オートマタ)に過ぎない。 これらは今はライダーの内へと戻り霊基と合一化しているが、〝72の兄弟を率いた逸話〟と五大兵器を開発した〝武器の創造主としての権能〟が混ざり合うことで、一つの凶悪な概念宝具として成立するに至った。 ライダーは任意で英霊の座に登録されている英霊を選択し、その宝具を自身の武器として使用することが出来る。一度登録した宝具は聖杯戦争が終結するまでの間、魔力さえあれば何度でも使用可能。 ただしEXランクの宝具は選択出来ず、それ未満のものでも、用途が攻撃以外の宝具は登録しても扱えない。これはあくまで蚩尤という神が戦神、闘争を司る神格である為。 また、宝具に付随する追加効果が発動するか否か、その効力がどの程度かはライダーと元の所有者の相性によって決定される。この相性はライダーの完全な主観で決まるから質が悪い。 登録できる宝具の限界数は彼が作り出した人形の総数と同じ72。一度登録した宝具は削除出来ず、スロットが埋まってもその上から上書きして別な宝具を使う、といった芸当も不可能。更に特筆すべき点として、聖杯戦争が行われている時代、舞台となる世界に持ち主が存在する宝具はそもそも選択不可能となる。 間違いなく反則級の性能を誇る宝具だが、ライダーはステータスの通り非常に高いステータスを持つサーヴァントである為、低ランクサーヴァントの宝具を持ち出そうが自動的にトップサーヴァント級の出力となるなど性能に一切穴が存在しない。偉大なる武器を生み出し、大いなる闘争を司る神が保有する〝人類史の弾薬庫〟。 『戦神五兵(ゴッドフォース・プロトタイプ)』 ランク:A+ 種別:対人・対軍・対城宝具 レンジ:1~40 最大捕捉:1~50人 ライダーが開発したとされる五つの兵器群。 彼は神としての姿では六本の腕を持ち、その全てにそれぞれ異なる武器を持っていたとされる。 サーヴァントとして現界した彼は二本の腕しか持たない為、それに合わせて武器の形状も変化。 デフォルトでは戈の形を取っているが、彼の意思一つで戟、鉞、楯、弓矢に変形する。 状況や敵に応じて使い分けることでライダーは常に膨大な選択肢を有し、そこから極限の技量を以って繰り出される攻撃はいずれも敵にとって恐るべき脅威となる。 真名を解放することで対軍宝具としての威力を発揮。五種全ての性質を内包した大火力砲撃を行い、敵陣を殲滅する。 余談だが、自由自在に形態を変化させるマルチプルウェポンというコンセプトは彼が一から考え出したものではなく、さる超軍師がとある英傑の為に考案した中華ガジェットの仕組みを参考に再設計したものである。本人曰く、『是非とも儂の傘下に加えたい頭脳とセンス』らしい。 【マテリアル】 蚩尤。中国神話に登場する軍神。銅の頭に鉄の額を持ち、人の身体に牛頭と鳥蹄が備わっているという。 中国神話における最初の〝反逆者〟であり、五兵と呼ばれる兵器を開発した武具の祖でもある存在。 その性格は勇猛の一言に尽きる。いかなる苦痛も障害も無視して、全部終わらせた後でようやく後ろを振り返るたぐいの人物。 だが善性の存在では決してなく、戦いに無辜の民を巻き込もうが一切斟酌しない。それで相手が憤り、更に力を増すなら喜んで虐殺に走る。 古代中国の帝であった黄帝から玉座を奪うべく帝楡罔の代に乱を起こし、自身の漲る闘争心を外部に出力することで生み出した72体の兄弟と数え切れないほどの魑魅魍魎を率いてかの皇帝と戦った。 互いに手を尽くしての激戦の果て、蚩尤は黄帝に敗れて処刑されたが、黄帝は蚩尤が蘇って再び戦を仕掛けてくるのではないかと恐れ、彼の首と身体を遠く離れた別々の場所に埋めさせたという。 彼の行動原理は闘争。全てはそれに集約される。黄帝に反乱を起こしたのも、実は彼と後先を考えない総力戦がしてみたいからというだけの理由であった。 そんな気性は処刑されてなお微塵も変わっておらず、それどころか敗北の味を知ったことでより一層闘争への欲求が高まっている始末。 彼は好き勝手に聖杯戦争を荒らし回るだろうが、その最終目的は唯一無二の好敵手・黄帝との再戦。聖杯を使ってお互いが過去、現在、未来から取り寄せた至高の兵器と軍を有する状態を作り出し、その上で空前絶後の大戦争を行う気でいる。もちろん、黄帝の意思は聞いていない。 今回の聖杯戦争では単独顕現スキルによりマスター無しで現界。複数世界の因果が混線した京都に入り込む負担は大きく、霊基の劣化とクラスの強制変更というある種の損傷を負っている。その為、前述した神としての異形の姿ではなく、人間に近い姿と身なりでの現界となっている。 【Weapon】 『軍神五兵(ゴッドフォース・プロトタイプ)』 【外見的特徴】 くすんだ黄金色の逆立った頭髪が特徴的な、人外じみた背丈の巨漢。 肉体は巌のように引き締まっており、軽く小突いただけでも鉄が罅割れる。 両肩部分にそれぞれ牛の頭蓋骨があしらわれた、真紅の外套を着用。 【聖杯にかける願い】 黄帝を蘇らせ、互いに最高の戦力を持った状態で、空前絶後の大戦争と洒落込む
https://w.atwiki.jp/srpgbr/pages/128.html
(さて、これからどうしろってンだ?) ガフガリオンは考えた。 饒舌なじいさんの臨終の言葉も聞き、荷物整理も終えた。 とりあえず、こんなに見晴らしのいい平原にいつまでもいる理由はない。 弓や銃を持った人間がいれば、自分を殺すことなんぞわけもないだろう。 吹き矢こそあるが、あいにく忍者の修行はしていなかった。 「森に行くか、城に行くか、だな」 その周辺に、どれほど人が密集しているかなぞはもちろん知る由もない。 だが、今の自分は無力だ。素直に認める。 窮地で生き残るのは現実主義者だ。 誇り高い奴や勇者気取りの奴は華々しく勝手に散っていく。 冷静に状況を見極め、するべきことをした人間は生き残れる。 そういうふうに、世界はうまくできているのだ。 事実、敵――ラムザの力量を見誤った結果が、自分の死だった。 状況を見極めることができれば死ぬことはない。 まず必要なのは自分の扱える武器―――特に剣だ。 剣を手に入れることができれば、簡単には死なない自信がある。 敵の体力を自分のものできる、闇の剣。 剣があればこれが使える。数々の修羅場をこの技で生き延びてきた。 それだけの自負がある。 剣が手に入らなかったとしても、仲間が欲しい。 先程のじいさんと違い、最低限の戦力を持った仲間が。 自分を守ってくれる仲間。戦闘員として――状況次第では囮として。 だからこそ、誰かと接触する必要がある。 「森に行くか、城に行くか、か」 先程つぶやいた言葉と同じようなことをもう一度つぶやき、自問自答する。 分隊長をしていた身とすれば、偵察なり捨て駒なりを配置して様子を見たいところだが、 あいにくと手駒は自分のみだ。 「………森に行くとするか」 城は入り口が限られている。万が一、待ち伏せされた場合、 逃げることができるかは分からない。 森ならば隠れながら逃げることは容易だ。慣れている。 運良くチョコボにでも遭遇すれば手なずけることもできる。 うまく潜めば、街道で城を目指す参加者と会えるかもしれない。 「………会った後、オレがどうするかはオレも知らンがな」 「はぁ、はぁ、はぁ……………ふぅ…」 森を随分と行ったところで、レシィはようやく立ち止まった。 両腕には自分の支給品と絶対勇者剣を抱えている。 剣はあのちょっと狂ったニンゲンの青年から奪ったもの―――― いや、自分のご主人様であるマグナが愛用していたものだ。 「こ……ここまでくれば大丈夫ですよね?」 周りを見渡してみても、人の気配はない。 ようやく緊張を解いて、近くの木の根元に腰掛ける。 「…ご主人様」 剣をみつめながら、屈託のない笑顔を浮かべる自分の大切な人を思い描く。 名簿を見て、知り合いが何人かいるのは確認した。 争いをしたくないレシィとしては好都合だ。 (うまくネスティさん達や、心優しい人達と合流して… まずはご主人様と無事に会わないと。) それから先のことを考えるのは後だ。 まずは身体を休める。 その後、みんなを探そう。 幸いにも、みんなのにおいはしっかりと覚えている――――― ………ん、これは…? 風向きが変わったのだろうか、先程までしなかったにおいがする。 しかもこれは―――血の匂い。ニンゲンの血の匂いだ。 そうと分かった瞬間、レシィは心臓を鷲掴みされたような感覚に陥った。 (もし、この血がご主人様の――いや、そうでなくても仲間の誰かのものだったら?) もしかしたら、出血はしているけど応急手当すれば問題ないような怪我かもしれない。 でも、今すぐにでも治療しなければならないような怪我なら…。 気付いたときには、レシィは荷物を抱えて血臭のするほうへと走り出していた。 街道に近い木の上に潜んでいたガフガリオンはすぐに気配を完全に消した。 自分のいる方へと一直線に向かってくる足音があったのだから、当然だ。 だが、気配を消したところでにおいが消えるはずもない。 「……木の上に誰かいますね?」 「よく分かったもンだ」 声の主はわざわざ顔を見せることはしない。もちろん、木の上から降りるなんてこともしない。 戦場では高さがアドバンテージになることはレシィもよく分かっている。 (…知ってる人じゃない) レシィはすぐに判断した。声はもちろん、匂いも知っているものではなかった。 「オレに何か用か?」 そう言いつつ、木の上のガフガリオンは手の中の吹き矢を握りなおす。 「あなた、怪我していますか?」 「…………なンでそンなことを聞く?」 (俺が手負いだったとしたら、攻撃してくるつもりなのか?) どちらにせよ、自分の情報をわざわざ教える義理もない。 「あなたから、血のにおいがします」 「…………なるほど、それは気付かンかった」 葉の隙間から下を一瞬だけ見る。 緑の髪の毛―その中の、白い塊が目を引く少年がこちらを見ていた。 (俺ですら気にならン血のにおいを遠くから嗅ぎ取ったことといい、あれは…角……か? 人間じゃねぇ…魔物みたいなもンか?) とはいうものの、その少年は――魔物というにはあまりにも……迫力が無い。 風が吹き、木の葉がざわめく。 レシィの喉が鳴る。次の言葉を出すのに、相当の勇気を使った。 「………………誰かと戦ったんですか?」 「一応、な」 心臓が、ドクン、と膨らんだ。 もし、その血が――――ご主人様のなら。 血の気が引き立ちくらみそうになるが、そこは踏みとどまり上を見上げた。 「ど、どんな人と戦ったんですかっ!!?」 声を荒げて慌てて問いただす。 もし、それが自分の知ってる人なら、すぐにでもそこに行かないと。 「…………じいさンだ。ヒゲたっぷりのな」 ガフガリオンは動揺しまくりの少年を冷静に吟味していた。 一瞬見ただけだが、見るからに気の弱そうな顔をしている。 さっき、こちらまで走ってきたときの速度からするに、足はかなり速そうだ。 そしてなにより、その少年が腕に抱いているもの。 剣だ。 見たところ、十分な性能の剣のように思えた。 どうにかして手に入れたい。どんな方法でも。 一方のレシィは内心では安心していた。 おじいさんということはとりあえずは自分の仲間ではないだろう。 だが、そこで一旦頭を冷やしてみると――― なるほど、明らかに自分が危険である。 なんといっても、わざわざ高い位置を確保している 誰かを傷つけた男のもとに自分から来てしまったのだから。 (に…逃げたほうがいい…?) だからといって慌てて逃げたところで、遠距離からの攻撃を受けないとも限らない。 それ以上に、自分ひとりでは心細すぎる。 もし、この人がいい人ならば一緒に仲間を捜してくれるかもしれない。 と、なると――レシィがすることはただ一つ。 「あ、あなたはこのゲームに乗っているんですか!!?」 尋ねながら、今更ながらではあるが いつ攻撃されても避けれるようにレシィは身構えた。 戦う気はさらさらない。対話による解決こそが最善の道だ。 身構えた青年を見て、ガフガリオンは内心、驚いていた。 (単なる甘ちゃンかと思ったら……) その顔と気配から、こちらに対してかなりの警戒と少しの恐怖を持っているのは分かる。 構えているわりに、殺気は全く無い。こちらを襲ってくる気はないようだ。 しかし、そんなことに驚いたのではない。 スキがない。 少年、しかも素手の相手で、ここまでスキのない構えをする奴とは会ったことはなかった。 いや、少年という括りをしなくとも、ここまでスキのないモンク(格闘家)は 片手で数えられる程度しか相対したことはない。 手に自然と力がこもる。 ガフガリオンも、ある程度なら拳術も使える。 今、体術にこの吹き矢と辞典に、支給品を駆使したところで、 この少年―――いや、この男に勝つことができるか? うまく剣を奪えれば勝機はあるだろう。 だが――剣を奪えるかどうかだ。 剣を奪える確率も考慮すれば勝率は贔屓目に見たところで3割ぐらいか。 この男からは殺気を感じない。と、いうことは友好的に接すれば戦闘になることはない。 「いや、オレも殺し合いなンて好きじゃないしな、ゲームに乗る気はないンだ」 そう言って、ガフガリオンは木の上から飛び降りた。 慌てて緑の髪の男は後ろに跳ね、ガフガリオンとの間を取る。 「じゃあ、その血のにおいは一体なんなんですか…!?」 「襲われたから反撃しただけだ。殺しちゃおらン」 もちろん、嘘である。 だが、わざわざ殺したと宣言して事態が好転するとは思えなかった。 「そ、そうなんですか?」 「ああ。ったく、こんな訳の分からン所に突然放り込まれて殺しあえだなンて、 まったくもってやっとれン」 オイゲンに対する皮肉なのか、つい先程と同じセリフを言う。 「ふぅ~…悪い人でなくてよかったです…」 やっとのことで緊張を解き、レシィは気の抜けた笑顔を見せた。 だが、それでもスキはなかった。 「ボクの名前はレシィといいます。あなたは?」 「ガフ・ガフガリオンだ。」 近くの木陰に並んで座り、二人は話を始めた。 「ところでガフおじいさん、ご主人様と会いませんでしたか? 20歳くらいのニンゲンの男性なんですが…」 「……おじいさン…まぁいいが…。さっき言ったじいさン以外ではお前が始めて会ったヤツだ」 「…そうですか。」 心底残念そうに肩を落とした後、再びレシィはガフガリオンを見た。 「ガフおじいさんは、参加者名簿………見ました?」 「ああ」 再び、沈黙。またしても、木の葉がざわめく。 「ガフおじいさんも知ってる人…大切な人が、参加者の中にいたりしますか?」 神妙な顔をして、レシィが聞いてくる。 自分の命すら危ない状況で人の些細なことにまで心配してくる。 なんとなく、アイツに似ている気もする。 「いや…何人か知り合いはいるけどな」 だからといって味方かどうかは別だ。 ラムザはともかく、アグリアスは自分を許さないだろう。 「お前はこれからどうするンだ?」 ガフガリオンはレシィを見やって、尋ねた。 「とりあえずはご主人様を捜します。その後のことはそれから、ご主人様と話し合って決めます」 「ご主人様、ねぇ…。マグナとかいったな。そうか……」 少し間を空けてから、再びガフガリオンは口を開いた。 「よかったら、その剣とオレの持ち物を交換しないか? お前は剣を使えンのだろ?」 剣さえ手に入れば、レシィを始末するにしろ野放しにするにしろどうでもいい。 正直なところ、仲間は欲しいが危険人物が何人いるかも分からないこの状況で 人捜しという面倒な上に危険なことはしたくはなかった。 いや、他の参加者と接触していくのはどちらにせよ避けれない。 単純に、甘々のレシィと一緒にいることがハイリスクと感じたのかもしれない。 だが、そう簡単には事は進まない。 「ダメです!この剣はご主人様の剣、ボクの物じゃないのに物々交換なんてできません!」 自分の抱えていた剣を慌てて背中に回して、ガフガリオンを見つめるレシィ。 (チッ、面倒だが…。仕方ないな) 内心で舌打ちしながらも、ガフガリオンにできる最大限の友好的な表情で次の言葉を言う。 「それじゃあ、お前のご主人が見つかるまではお前と一緒にいるから、その間だけでも貸してくれンか? もちろん、こっちもオレの持ち物でお前が欲しいものがあれば貸すぞ」 その言葉を聞き、レシィは下を向いて考え始めた。 (この人は悪い人ではなさそうだし……貸すだけなら…) レシィはそう考え始めてた。それが後々、天国と地獄、どちらに転ぶかは今は誰にも分からない。 「わかりました。でも、ご主人様に会えたら絶対に返して下さいよ!?」 かなり不安そうな、ちょっと泣きそうな顔でレシィがガフガリオンを見つめる。 「オレはこれでも傭兵だ。契約は守るから安心するンだ」 (ま、傭兵が口約束を守るとは限らンがな) ここで老練な傭兵でなければ、口の端でも吊りあがってたかもしれない。 ガフガリオンはレシィから剣を受け取ると、自分の荷物袋を掴んだ。 「ほらレシィ、オレの荷物袋だ」 ガフガリオンはレシィのほうへと自分の荷物を放り投げた。 両手でしっかりとキャッチするレシィ。 「武器でもなんでもいい、好きなもンを選ンでいいぞ」 「は、はい。では失礼します…」 ちょっと申し訳なさそうにレシィは荷物をあさり始める。 「…二人分ありますね」 「じいさンを撃退したときに奪ったやつだ。何か厄介なものを持っていたら困るしな」 「た、確かに…」 そんなこんなの会話をしつつ、レシィはガフガリオンの荷物の中からとあるものを見つけた。 「これは!サモナイト石が入ってました!!しかも誓約済みです!!」 レシィが嬉しそうにガフガリオンの荷物から取り出したのは、 カッティングが施してある灰色のクリスタル。 「なんだ、知ってるものなのか?」 「はい!これはボク達の世界でサモナイト石と呼ばれているもので、 異世界のモノを召喚することができるんですよ!」 「…召喚?その石を使ってか?」 訝しげな顔をして、ガフガリオンがレシィを覗き込む。 「はい。ガフおじいさんの世界では違うんですね」 「ああ、オレ達の世界では召喚師が………って、『ボク達の世界』、だと?」 訝しげな顔のまま、首をひねってガフガリオンはレシィを更に覗き込む。 「……な…何か変なことを言いました?」 当のレシィは、本当に特別なことを言ったつもりはないらしく、 ガフガリオンの視線に気圧されて引いている。 レシィは先程の会話を、異世界が存在するという前提で話をしていた。 ガフガリオンの中では異世界というものは召喚師を介してしか関わる機会がないものだ。 「なるほど、な…。そういう世界もあるンだな」 レシィからリィンバウムの簡単な説明を受け、理解し難いが納得した。 召喚というものがメジャーな世界もあるらしい。 ということは、自分達は、ラムザが食って掛かっていた相手に召喚されたのかもしれない。 どちらにせよこのゲームの招待客とやらは異世界からの客も多いようだ。 「大体わかった」 と言いつつ、ガフガリオンはあごに手を当て考え始めた。 (つまり、オレの常識が全く通じないようなヤツがいるかもしれない…ということか) 窮地で生き残るのは現実主義者だ。 常識に捕らわれずに、冷静な判断を下すのは容易なことではないが―――― 「レシィ、北の城に行くぞ。」 「ええ!?危険じゃないですか!!?」 「かもしれンが、同じ場所にずっといるのは危険だ。 お前も腕は立つようだし、危なくなったら逃げればいいだけだ。 城なら人も集まるだろうし、何か使えるものがあるかもしれン」 もしかしたら、逃げれないようなヤバい敵が出てくるかもしれない。 だが、それでも自分だけは生き延びる。 目の前の男を犠牲にしてでも。 【F-2/森/一日目・昼】 【レシィ@サモンナイト2】 [状態]: 健康 [装備]: サモナイト石[無](誓約済)@サモンナイト2or3 [道具]: 支給品一式 (支給されたアイテム・武器共に不明) [思考]1:ガフおじいさんと城に向かう 2:マグナ達と合流する。 3:マグナにガフおじいさんに貸している剣を渡す。 4:殺し合いには参加せず、極力争いごとは避ける。 [備考] サモナイト石[無](誓約済)は武器として支給されたのではないため、 おそらくは攻撃系の召喚獣と誓約したものではないと思われます。 【ガフ・ガフガリオン@FFT】 [状態]:健康 [装備]:(血塗れの)マダレムジエン@FFT、ゲルゲの吹き矢@TO、絶対勇者剣@サモンナイト2 [道具]:支給品一式×2 (支給されたアイテムは不明) [思考]:1:(どんな事をしてでも)生き延びる 2:とりあえずレシィとE-2の城に向かう。 3:一応、マグナとやらは捜してやる。 4:必要があれば、もしくは足を引っ張るようならレシィでも殺す。 5:アグリアスには会いたくない。 [備考] 1. 闇の剣:ガフガリオンの固有ジョブ『ダークナイト』のアビリティ『暗黒剣』の一つ。 闇の力で相手にダメージを与え、与えたダメージの分だけ自分の体力を回復できる。 今は制限により、回復能力が若干落ちている。 基本的には剣がないと使えない(素手でできないこともないが殺傷力は皆無)。 アンデッドの敵に使うと、逆に体力を吸収される。 2.ここはおそらく異世界で、異世界の参加者が多数いるであろうと推測しています。 029 希望の先へと 投下順 031 もつれあう現実 029 希望の先へと 時系列順 031 もつれあう現実 009 家畜にガムはいらないッ レシィ 038 進むは時間、止まるは… 013 作者さんタイトル入れて ガフガリオン 038 進むは時間、止まるは…
https://w.atwiki.jp/whitecomic/pages/197.html
名前 糸色望 題名 さよなら絶望先生 属性 笑い 技名 種類 精神力 詳細 気力 備考 絶望したっ! ノーマル 80 相手の精神力を30下げる 可符香のポジティブツッコミ ×2コンボ 320 相手の精神力を54下げる自分の精神防御を40上げる 60 フレンド(可符香)使用不可 ×3コンボ 合体技名 共演する相手 精神力 詳細 気力 100年に1度の絶望だ!! 勝改蔵 380 相手の精神力を50下げる自分の精神防御を80上げる 90 ハートブレイクコンビネーション 綾崎ハヤテ 630 相手の体力を1540下げる自分の友情を25上げる 160 サポート 持続ターン 精神力 詳細 5ターン 全体精神力×30% 精神力攻撃を20%軽減する フレンド フレンドキャラ 詳細 風浦可符香 自分の技の効果が30%上がる相手の技の効果が%下がる 音無芽留 自分の技の効果が25%上がる相手の技の効果が%下がる 木津千里 自分の技の効果が40%上がる相手の技の効果が%下がる 小森霧 自分の技の効果が20%上がる相手の技の効果が%下がる
https://w.atwiki.jp/students-rowa/pages/54.html
ようこそ絶望学園(後編)◆AJINORI1nM 「いやっほうっ!! エクストリ───────ムッ! アドレナリンがぁ───染み渡る───ッ!!」 体育館のモノクマは、酷く興奮しているようだった。 「うっひゃっひゃっひゃ! ぶっひょっひょっひょっひょ!! そう言えば、一京なんちゃら個のスキルを持ってるなんて言っていましたねぇ。 そんなもの、全然意味無いのにドヤ顔で語っていましたねぇ。 笑っちゃうよねーッ! 時を止めるだとか、全ての攻撃を反射するとか、 万象、宇宙の理を操り、永劫の回帰を繰り返すとか、そんなスキルも持っていたのかな? なんなんでしょうねそれ。なんで、どうしてそんなに小賢しいんでしょう。 弱いから、つまらないから、物珍しげな設定をひねり出して、頭が良いとでも思わせたいの? せせこましい、狡猾すからしい、理屈臭く概念概念、意味や現象がどうだのと、呆れて物も言えないよ。 そんなもので、卵を立てた気にでもなってるの? 能力に名前? 馬鹿臭い。 力を使う時の危険要素? アホじゃなの? 質量の桁が違えば相性に意味なんてないし、使用に危険を伴う力なんてただの使えない欠陥品じゃない。 少し考えれば幼稚園児だって分かる事を、自分の矮小さを誤魔化すためにみっともなく誤魔化してるんだよね。 絶望が足りない。怒りが足りない。強さにかける想いが純粋に雑魚なんだよ。 能無しのくせに、クマを素手で撲殺する程度の膂力もない分際で、際物めいた一芸さえあれば山さえ崩せると迷妄に耽ってさ。 そんなもの無駄無駄無駄ッ! 徹頭徹尾最強無敵! 誰であろうと滅尽滅相!! 力、ただ力! レベルを上げて物理で殴ればそれで充分、特殊な能力なんて何も要らない! 必要ないんだ白けるよ!! これをつまらないなんて思うなら、それは、その人がつまらないだけなのです!」 ここまで言い切り満足したのか、ご満悦の表情でふぅー、と一呼吸入れる。 が、次の瞬間にはモノクマの顔は怒りを滲ませた表情に変わり、先の言葉に短くこう付け加えた。 「ただしラスリベ、テメーはダメだ。 ボクは怒りの日を決して忘れない」 何に対する怒りなのか、えらくどすの利いた声であった。 「あ、そうそう。安心院さんには言い忘れてたけど、 実はボクことモノクマには、超魔王プロテクトが施されちゃったりしています。 更に、超魔王カルトも積まれているんですね~。 ………え? なぁに? 超魔王プロテクトの事、知らないの? 本当に? しょうがないなあ。じゃあ、特別にどんなものかを教えてあげるね」 超魔王プロテクトと超魔王カルトについての説明を、モノクマはもじもじしながら語り始める。 きっと、自慢したくて仕方なかったのだろう。 「超魔王プロテクトは、一回だけあらゆる攻撃を無効にしてしまいます。 ですので、核攻撃だって、一回だけならへっちゃらです。 超魔王カルトは、超魔王カルトを持つ仲間の数だけ、超魔王プロテクトの効果を持続させてくれる優れ物です。 ここまで言えば、後はもうわかりますね? そうです! ボクに対する攻撃は、モノクマの数だけ無効となるのです! どうです? すごいでしょう?」 モノクマはそう言って、えっへんと体を逸らしている。 力こそ全て、特殊能力なんて馬鹿馬鹿しいと散散言っておいてこれである。 ふざけているとしか言いようがない。 実際、ふざけているのだろう。 自分が面白ければ、他はどうだっていいのだ。 「うぅん……」 「あ、委員長。気が付かれましたか?」 プリニーに介抱されていた凶育委員長が、ここでようやく目を覚ました。 辺りを一度見渡してから、モノクマに問いかける。 「……あら? 先程の侵入者は、どうしたんざますか?」 「ご安心ください。今し方、おしおきを実行したところです。PTAの皆様の仇は討ちました!」 「まあ! 流石はモノクマ先生ざます! ナガレイシざます! あなたを凶師として迎え入れたアタクシの目に、狂いはなかったんざますね!」 「当然ですよ! ボクを誰だと思っているんですか。 なんてったって、ボク、モノクマですよ?」 凶育委員長はモノクマの見事な手腕に思わず涙ぐんでしまった。 モノクマ先生ならば、きっとアタクシの理想を実現してくれるに違いない。 「モノクマ先生!」 「凶育委員長!」 「モノクマ先生!」 「凶育委員長!」 「先生!!」 「委員長!!」 「あの~……お取り込み中のところ悪いんスけど……、 時間が押してるんで、そろそろ授業説明に入らないとやばいと思うッス」 モノクマと凶育委員長が感動的に抱き合っているところへ、側に居たプリニーが一言物申した。 確かに、授業開始時刻までもうすぐだ。 流石にこれ以上は茶番を続けるのも難しいだろう。 「おっと、そうでしたそうでした。 それではッ! 改めましてこれからオマエラが受けてもらう授業について説明させていただきます! 授業内容はいたって簡単! オマエラには今から、殺し合いをしてもらいます!!」 …………え? コロシアイ? のび太の思考が一瞬停止する。 「コロシアイってなんだよ……、何言ってるのか……全然わかんないよ……!」 「殺し合いは殺し合いだよ。 殴殺刺殺撲殺斬殺焼殺圧殺絞殺惨殺呪殺… 殺し方は問いません。 『お互いに殺し合って最後の一人になった生屠だけが外に出られる…』 それだけの簡単なルールだよ。 自分以外のクラスメートが全員死んだら、それで授業終了です。 単位取得となり、この酷立絶望学園から卒業する事ができます。 最悪の手段で最良の結果を導けるよう、せいぜい努力してください。 うぷぷ…こんな脳汁ほとばしるドキドキ感は、鮭や人間を襲う程度じゃ得られませんな…。 超、ドキドキする~!」 モノクマの言葉に、のび太の背中がゾワリとした。 コロシアイ……殺し合いだって? 画面越しとはいえ、ついさっき人が殺される場面を見たばかりだった。 冗談で言っているとはとても思えない。 「何言ってるんだよ! そんなこと……やっていいわけないじゃないか! ドラえもん! 殺し合いなんて悪い冗談なんでしょ? さっきの人達だって、実は生きてるんだよね? ねえ、ドラえもん! ドラえもん!」 「うるさいうるさいうるさーい!!」 なんなんだよさっきっからうるさいな! ぐだぐだ言わずにさっさとちゃっちゃと殺し合えって言ってんの!! それにボクはモノクマだって何遍言えばわかるの!? ドラえもんドラえもんって誰なんだよそもそも誰だよそれ誰なんだー!!」 のび太の叫びに応えるかのように、モノクマの怒号が画面から大音響で鳴り響いた。 両手を高く上げ、怒りの形相を作っている。 そんなモノクマの様子にたじろいだのび太は、思わず後ずさり尻餅をついてしまった。 「ドラえもん……、ああ、今日の黎明辺りにここに侵入してきた青い狸が、確かそんな名前だったざます。 その時撮った映像を使って、立ち入り禁止区域に入ったらどうなるかを生屠達に教えるとおっしゃってたじゃないざますか」 ドラえもんが、ここに侵入していた? 一体、どうして? そんなの、決まっているじゃないか。 さっきテレビに映っていた、安心院さんと言う人と同じ理由だ。 モノクマと凶育委員長に誘拐されたのび太を助けるために、未来の世界から来てくれたんだ。 そう思ったのび太だったが、心に湧き起こった感情は嬉しさではなく不安だった。 のび太が目を覚ます前にドラえもんがやって来ていたと言うのなら、今ドラえもんはどうしているんだろう。 不法侵入者は、“おしおき”の対象となる。 だったら……まさか………。 「あー、はいはいそうでした、そうでした。 あれがドラえもんかぁ。 いやあ、ずっとアオダヌキって名前だとばかり思ってましたよ。 でも、古臭い名前ですね。 いつの時代の名前だよって感じ? しかも名前が“ドラ”えもんって……うぷぷぷ。 そもそも“ドラ”ってどういう意味なんでしょう。 オマエラ、気になるりますよね? そこで図を用意しました。ちょっとこれを見てください」 まるで何かの解説者のように振舞うモノクマの後ろに、打楽器の描かれたフリップが出現した。 クレヨンで描かれた、下手糞な絵であった。 「ドラというのは打楽器の銅鑼から来ていましてね、鐘を突いて音をだす事から、 金を尽く、お金を使い果たす、と言う意味が込められているんですよ。 つまり、働かないくせにお金ばかり食らうぐうたらの穀潰しって事ですね。 ドラ猫も同様で、悪さをする猫という意味で付けられました。 そんな言葉を名前に付けるなんて、なんというDQNネーム! モノクマは驚きを隠せません。 ちなみに、ボクの名前の由来はモノクロのクマだよ。 シンプル・イズ・ザ・ベストってやつ? 最近は捻り過ぎてないわぁって名前が大変多いですけど、 見てる方は面白いんで、 ペットやゲームのキャラに名前を付ける感覚でじゃんじゃん奇天烈な名前を自分の子供に付けちゃってください」 「モノクマ先生は大変物知りなんざますね。アタクシ、感心するばかりざます」 「そんなぁ。これくらい常識ですよ。じょ・う・し・き。 自慢するような事じゃありませんって」 てれてれと頭をしばらく掻くと、モノクマは“おっと、授業の説明がまだでしたね”と授業内容の説明を再開した。 だが、のび太の胸中はそんなことよりもドラえもんの安否の方が心配だった。 「授業内容は、さっきも言った通り、クラスメート同士で殺し合って最後の一人を目指してください。 クラスメートは、後で名簿を渡すので確認してくださいね。 それでは、ルールの細かい説明に移りたいと思います。 殺し合いと言っても、何も素手で殴り合えなんて言いません。 別にそれでも良いんですが、それだとなかなか相手は死んでくれませんよね? そこで、ボクから入学祝いとして、ささやかなプレゼントをご用意いたしました。 オマエラには、これから大きめのバッグを支給します。 中には、殺し合いに役立つ……かもしれない道具をいくつか入れてあります。 全員に最初から配られる支給品は、一日分の水と食料、 クラスメートの名前が書かれた学生名簿、学園の案内図、 コンパス、暗闇を照らす懐中電灯一つ、腕時計一本、包帯と三角巾、筆記用具とメモ帳、 それと電子生屠生屠手帳です。 水と食料は、ちゃんと個人個人の一日分を支給します。 小柄な人の食糧は少ないですし、大柄な人の食糧は多いです。 電子化された生屠手帳、その名も電子生屠手帳は、学園生活に欠かせない必需品だから、 絶対に無くさないようにね!! それと、起動時に自分の本名が表示されるから、ちゃんと確認しておいてね。 単なる手帳以外の使い道もあるんだけど、それは後で説明します。 ちなみに、その電子生屠手帳は完全防水で、水に沈めても壊れない優れ物! 耐久性も抜群で、十トンくらいの重さなら平気だよ。 詳しい“校則”もここに書いてあるんで、各自、じっくりと読んでおくよーに! 何度も言うけど、校則違反は絶対に許さないからね! えーと、あとは……そうそう! 支給品は他にもあるんだよ! 全員に平等に支給される基本支給品以外に、一つか二つか三つ、 プリニーが適当に選んだ支給品を各々のバッグに入れています。 きっと殺し合いに役立つ道具が入ってると思いますが、外れ支給品も多かれ少なかれ存在しますね。 説明書を付けてたり、面倒で付けていなかったりもしますが、そこら辺は運も実力の内って事で、どうかあしからず。 支給品についての説明は以上です。 次は、星階級制度についての説明を致します。 星階級制度とは、いわゆるランク付けの事ですね。 オマエラは最低ランクの星なし(ナッシング)から始まって、 他の学生を殺すごとに星一つ(シングル)、星二つ(ダブル)、星三つ(トリプル)、 と星が増えていき、階級が上がって行きます。 三人殺せば星三つ! 当然、階級が上がればそれだけ恩恵が与えられます。 優等生なんですから当然ですね。 積極的に殺って殺って殺りまくる優等生には様々な特典が用意されています。 最高階級の幹部生になるには、星三つの状態から更に二人殺しちゃってください。 合計五人殺せば、幹部生(スペシャル)になれる計算ですね。 あ、星なしがトリプルの生屠を殺したからって、通常より星が多く貰えるとか、そんな事はありませんよ? 一人殺したら、貰える星は一つだけです。 なので、こっそり隠れて、優等生が疲れ切ったところを襲おうなんて考えても無駄です。 ちゃんと、積極的に授業に参加しましょうね。 オマエラ、わかったかな? それでは、次の説明に移ります。 就寝場所についてです。 オマエラにはこれから授業を受けてもらうわけですが、就寝は寄宿舎内の個室でのみ可能です。 他の場所での故意の就寝は居眠りと見なし罰します。 ただし、これは星なしの場合です。 シングルは施設内ならどこでも就寝可能、 ダブルは施設以外でも建物内なら就寝可能、トリプルは建物の外でも就寝可能です。 スペシャルには、耐寒、耐熱、防音、衝撃にも耐える高性能な寝袋を進呈しちゃいますよ。 これを使えばどこでも安心して眠れますね。 寄宿舎の個室の鍵は基本支給品の中に入れていますが、最初はどこの寄宿舎も鍵が開いた状態です。 部屋の中に入ったらしっかりと鍵を閉めましょう。 建物はどこも防音性が高いので、隣の部屋でマシンガンをぶっ放しでも隣の部屋に聞こえることはありません。 安心して殺れる時に殺っちゃってください。 でも、耐衝撃性はそこそこなので、籠城作戦を実行しても扉や壁なんかを壊される可能性がありますね。 あまりおすすめはしません。 窓はご覧の通り頑丈な鉄板で塞いであるので、窓から中が見えたり侵入されたりする事は、多分ありません。 次は、校内放送についてです。 朝六時、昼十二時、夕方十八時、深夜零時、一日に四回の校内放送を行います。 校内放送では、誰が死亡して、残りの生屠が何人になったか、そして立ち入り禁止区域になる場所をお伝えいたします。 絶望学園はとても広い学園です。 そのため、殺し合いが進んで生屠の数が減って行くと、なかなか他のクラスメートを見付ける事が難しくなっていきます。 そこで登場するのがこの禁止区域です! 禁止区域に入る事は校則違反となります。 ですので、禁止区域に入る生屠にはおしおきが待っています。 第一放送から一時間ごとに禁止区域を増やしていって、どんどんオマエラの行動範囲を狭くしていくからね。 これで、他の生屠達と出会い易くなりますね。 だからオマエラ、積極的に動き回ってよね。 そう言えば、禁止区域に入ったらどうなるか、おしおきを録画した映像を流す予定だったのでした。 でも、もうおしおきの映像は生放送で流しちゃったしなぁ。 どうしよっかなぁ。 ……うん、決めたぞ! せっかくなんで、これも放送しちゃいましょう! 夜中にこの学園に侵入した奴がどうなったのか、オマエラに見てもらおうと思います! 映像、スタート!」 モノクマの掛け声と共に画面が乱れると、テレビはどこかの森の中の映像を映し出した。 画面中央には青い狸の置き物がある。 夜に撮影されたものなのか、辺りは真っ暗闇だ。 「やい! のび太くん達を返してもらうぞ!」 青い狸の置き物が突然喋り出した。 いや、これは置き物ではない。 ドラえもんと名付けられた、子守り用のネコ型ロボットである。 声はモノクマと同一のものだが、不思議とモノクマのような不快感は感じられない。 感情を露わにするドラえもんの前に、森の奥から何者かが近付いてきた。 絶望学園の学園長、モノクマだ。 「なんですか騒がしい。ここは関係者以外立ち入り禁止ですよ」 「お前がのび太くん達を誘拐した犯人だな!!」 「誘拐なんて人聞きの悪い、いや、クマ聞きの悪い? まあいいか。 これは誘拐じゃなくて、入学だよ? 絶望学園に入れるなんて、大変名誉なことなんですからね」 「うるさい! パパさんやママさんにあんなことをしておいて、その上のび太くんを誘拐するなんて、ただじゃ済まさないぞ!!」 「あんな事ってどんなこと? ボク、わかんないなぁ」 「とぼけるな!! タイムテレビで一部始終を見たんだ!! 絶対に……絶対に許さない!!」 ドラえもんの目は血走り、怒りで我を忘れている雰囲気さえあった。 のび太くん達を救うためならなんだってやってやる。 そんな決意の下、ドラえもんは腹部に装備している四次元ポケットに手を突っ込んだ。 「きゃあ! 何をする気なの!? 怖いよ~! こうなったら、対侵入者用のおしおきに頼るしかないね! 召喚魔法を発動する! 助けて! グングニルの槍ッ!!」 ドラえもんがポケットの中から何かを取り出そうとした次の瞬間、 ドラえもんの体はいくつもの槍に貫かれていた。 それは刹那の出来事。 人間離れした動体視力の持ち主でも、ドラえもんの体が槍に貫かれる瞬間を視認できなかった。 モノクマの言葉が言い終わったその直後に、何の前触れもなく、 入れ換わるように串刺しのドラえもんの姿がそこに出来上がっていたのだ。 「ボクと同じ声って……キャラ被っちゃってるじゃん。 やめてよね、そういうの。 マスコットは、ボクだけで充分なの!」 そう言い残すと、モノクマは元来た道を引き返し、闇の中に消えて行く。 後に残されたのは、全身を槍に貫かれた子守りロボットのなれの果てが一体だけ。 「の……び太……くん………ご……め………」 その言葉を最後に、特定意志薄弱児童監視指導員ドラえもんは機能を停止した。 グングニルの槍は、正確にドラえもんの中枢を破壊していたのだ。 ドラえもんが機能停止してから数秒後、画面は暗転し、元の体育館を映し出す。 「ドラえもん……そんな………何で……何で!!」 今の映像がフェイクだという発想はのび太にはない。 小学生特有の純粋さで、今の録画映像は本物だと思いこんでしまっていた。 実際、本物なのだから間違っていないのだが、これは嘘だと疑えていたら、どれだけ彼の心が救われていたろうか。 ドラえもんは、一緒に暮らした大事な家族で、かけがえのない親友で、そして大切な……大切な………。 「うっ……ひっく……ドラえ………」 ドラえもんが、死んだ。 もうドラえもんと会えなくなると知った時は、確かに悲しかった。 それでも、ドラえもんは未来の世界で生きている。 未来の世界で元気にやっているんだとばかり思っていた。 死ぬだなんて、考えもしなかった。 生きていればもしかしたら、もしかしたらいつか奇跡が起きてドラえもんと再開できる日が来たのかもしれない。 だけど、ドラえもんが死んでしまってはその奇跡も起こらない。 死は、永遠の別れを意味するから。 のび太の両目からは、涙が止めどなく溢れていた。 「おわかりいただけただろうか。 立ち入り禁止区域に入るとそうなるか、これでオマエラ理解してくれたと思います。 時間も押してることだし、後はちゃちゃっと終わりにしちゃいますか。 お次の映像はこちら! 今度の映像は凄いよう。 なんてったって、オマエラ一人一人の為に撮った特別な映像だからね! これを見れば、きっとオマエラ、卒業したくなると思うよ! それでは、はりきっていってみましょう!!」 ドラえもんと同じ声が響いてくる。 懐かしい声。 でも、違う声。 こんなの、ドラえもんじゃない。 まともに聞く価値もない。 それなのに、どうしてもちゃんと聞いてしまう。 もう聞く事の出来ない、たった一人の親友の声だから……。 「のびちゃ~ん。聞こえてる?」 突然聞こえた声に、のび太は驚いてうつむかせていた顔を上げた。 今の声はママの声だ。 顔を上げたその先に、テレビ画面にパパとママの姿が映っている。 二人が居るのは野比家の居間。 そこで二人は、この映像を見るであろう自分達の息子に向けて語りかけている。 「のび太、突然の事で驚いたが、国立の学園に数日間入学するそうじゃないか」 「誰でも優等生になって卒業できる、新しい学園らしいわね。 今日突然そんなお話を受けて、ママ驚いちゃったわ」 パパもママも、どこか嬉しそうな顔でカメラに向かっていた。 “二人とも騙されているんだ”。 のび太はすぐにわかった。 そうでなければ、パパもママもこんな顔をしているはずがない。 両親からのび太へ向けたメッセージは続く。 二人の姿を見ていたら、悲しくなってさらに涙が溢れてきた。 と、唐突に映像が乱れ始める。 しかし、それも数秒で収まった。 再び映像が鮮明になると、のび太は絶句した。 言葉が詰まって出てこない。 画面からは両親の姿は消えていた。 それだけではない。 居間の様子もがらりと変わっている。 部屋の中は滅茶苦茶に荒らされ、人間同士が揉み合ったような跡がある。 壁も床も一面傷だらけで、窓ガラスも割られていた。 どう見ても、両親に何かあったとしか思えない。 『絶望学園に入学した野比のび太クン… そんな彼を応援していたご家族のみなさん。 どうやら…そのご家族の身に何かあったようですね? そして聞こえる、あの懐かしい声。 違う。これはドラえもんの声じゃない。 モノクマの……絶望学園の学園長の声だ。 『では、ここで問題です! このご家族の身に何があったのでしょうかっ!?』 モノクマの声が終わると、画面には 『正解は“卒業”の後で!』 という文字がでかでかと映し出された。 のび太の体は震えていた。 ドラえもんだけじゃなくて……パパと……ママまで……。 映像が終わると、モノクマの居る体育館に画面が切り替わる。 「うぷぷぷ……。 どうですオマエラ? 俄然、殺る気が出てきたでしょう? 先生、信じてるから。 オマエラなら優等生になって卒業できるって、信じてるから。 だから…… 殺りたい放題、殺らして殺るから、殺って殺って殺って殺りまくっちゃってくーださーいねーッ!! それでは、これからチャイムと共に授業開始です。 豊かで陰惨な学園生活をどうぞ楽しんでください! それじゃあ、まったね~!」 『キーン、コーン…、カーン、コーン…』。 殺し合いの始まりを告げるチャイムが絶望学園に響き渡る。 同時に、時空ゲートがのび太の体を包み込み、学園敷地内のどこかへと瞬時に転送した。 【安心院なじみ@めだかボックス】 死亡確認 【不知火半纏@めだかボックス】 死亡確認 【ドラえもん@ドラえもん】 死亡確認 主催者 【モノクマ@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】 【凶育委員長@魔界戦記ディスガイア3】 【学生バトルロワイアル】────授業───開始 投下順で読む 前へ:ようこそ絶望学園(前編) 戻る 次へ:シゴフミ 時系列順で読む 前へ:ようこそ絶望学園(前編) 戻る 次へ:シゴフミ キャラを追って読む ようこそ絶望学園(前編) 野比のび太 [[]] ようこそ絶望学園(前編) 安心院なじみ 死亡 ようこそ絶望学園(前編) 不知火半纏 死亡 ようこそ絶望学園(前編) ドラえもん 死亡 ようこそ絶望学園(前編) モノクマ シゴフミ ようこそ絶望学園(前編) 凶育委員長 ▲
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/5757.html
前ページ次ページ絶望の街の魔王、降臨 ジルが甲高いエンジン音と共に帰ってくると、怒髪天を突かんばかり形相のルイズが出迎えてくれた。 「ジルぅぅぅぅぅ……ご主人様に黙ってぇぇぇぇぇぇぇ……」 「ギーシュに伝言を頼んだ筈だけど」 「そういう意味じゃない!それに、その娘誰よ!?」 ギャーギャー騒ぐルイズを軽くあしらい、コルベールの研究小屋へ向かう。 「話を聞けェェェェェェェェェェェェ!!」 「コルベール、いるかしら?」 呼び捨てである。いつの間にそんなに親しくなったのか。しかし、ファミリーネームなのは何故だ。 「おお、ミス・ヴァレンタイン。どうでしたかな、その……Y2Kは?」 夢溢るる少年の瞳輝く満面の笑顔で現れたコルベールは、真っ先にY2Kの心配をした。容姿以前に、これはもてない。ミス・ロングビルへの恋はブレイクアウト間違いなしだ。 「ガリアまで行ってみたけど、問題なかったわ。燃料が切れないのは魔法かしら?」 「はて?燃料ですか」 首を傾げるコルベール。乗り物であることはジルに教えられたが、それに『燃料』が必要なのは知らなかった。 「軽油……といっても判らないわよね?」 「それが燃料ですかな?」 「そう。もしもの時のために、増産しておいてくれると嬉しいわ。暇な時は手伝うし……あ、それよりも」 四次元サイドパックから、輸血パックを取り出す。 「これを複製して欲しいのよ。なるべく早く」 「これは……血の様にも見えますが」 「ご名答。中身は私の血。重傷の時、流れた血の補填に使うのだけど……」 そこでジルは言葉を切り、小屋の外に出る。日陰でルイズと話していたエルザと、ついでにルイズを呼び込む。 「さて、ここから先は他言無用よ。いいかしら?」 何がなんだか判らないまま連れてこられたルイズはともかく、コルベールは頷く。 「この娘、吸血鬼」 「…………」 世界は、確かに止まった。 「便利そうだから従えてみたの」 そして時は動き出す。 「ななななんあなななななななんあななんななあななん……」 あまりの事に混乱し奇声をあげるルイズと、好奇心で冷静にエルザを眺めるコルベール。断じてロリータ・コンプレックスではない。 「成程、だから血が必要なのですな?」 「そうなの。血さえ定期的にあげれば基本的に無害だし、魔法を使えるし、外見は子供だし、とっても役に立ちそうだから」 「な、なんで吸血鬼を!?」 やっとある程度頭の冷えたルイズが、人間語を話す。 「何でって、前述の通りよ。意志の疎通もできるし、なんら問題は無いわ」 「ありまくりよ!!よりにもよって、この世で最も忌むべき存在、吸血鬼を!!」 「ああもううるさいわね。エルザ、眠らせて」 「らーじゃーだっと!」 「なにをする!?」 ジルの命で眠りの魔法を唱えるエルザ。その従順さに、コルベールは感心する。 「ほう……いったいどうやって従えたのですかな?」 「飴と鞭よ。言う事を聞いたら安全と血を保障する、だけど悪さをしたら殺す。それだけよ」 静かに寝息を立てるルイズを負い、エルザの頭を撫でる。エルザは眼を細めて、嬉しそうに笑う。 「それに、マスターの血は美味しいの。人間が私を狩らないなら、殺す必要もないし、マスターの近くなら安全なの」 確かに、これ以上安全な場所は無いだろう。 「それで、できるかしら?」 コルベールは、渡されたそれがもたらす苦悩を、今はまだ知らない。 その夜。 ルイズはジルの真摯な『説得』により、エルザを部屋に置くことに消極的同意をせざるを得なかった。 「何か変な事したら、容赦なく爆殺すること!いいわね!」 過程と手段はともかく、了承してしまったのだ。それを違えることは貴族としての沽券に関わる。 「じゃあ、明日からジルと一緒に仕事すること。いいわね?」 ルイズの命に、エルザは反応しない。 「ねえ、聞いてる?」 「何故?ルイズはマスターじゃないのに、私に命令するの?」 結論は簡単。ルイズはエルザにとってマスターか、それ以上の存在ではない。それだけだ。 「なっ……」 「エルザ、働かざる者食うべからず、よ。一応、普通の食事をくれるのはルイズなんだから」 ルイズの堪忍袋の緒が切れる寸前に窘める。 「わかりました、マスター」 これではっきりした。エルザは、ジルの言う事しか聞かない。 「わかればいいのよ」 「何故偉そうなの?ルイズ」 「ご主人様と呼びなさい!!」 「嫌よ。私のご主人様はマスターだけ」 「くぬう……」 迂闊に文句を言って血を吸われてはかなわない。にらみつけるルイズとどうでもいいといった様子のエルザ。その状態は、意外なことで終了した。 「?」 最初に気づいたのはジル。窓を開け、外を伺う。 「どうしたのよ……な!?」 外で生徒と教師が何人か騒いでいる。彼らの視線の先には、三十メートルはあろうかという土人形、ゴーレムだった。 「もしかして……フーケ?」 「何?そのフーケってのは」 「泥棒よ!」 ルイズがそう口にした瞬間、頭を押さえつけられる。 「何すんのよ!!」 「エルザ、耳を塞いで伏せて」 「はい!」 既に手にはM134。非常識な連射速度を誇る、ガトリングガンである。 「ルイズも!」 「え?」 戸惑っていたのが痛かった。瞬間、ルイズの視界は途切れぬマズルフラッシュで真っ白に染まり、鼓膜は爆音に叩かれる。反射的に眼と耳を塞ぐが、もう遅い。ズキズキと痛む眼と耳を押さえ、床を転げまわる。 「眼が!耳がぁ~」 「駄目ね。なら」 最終手段、ロケットランチャー。バックブラストが部屋に吹くために使いたくなかったのだが、効果が確認できない以上、これで爆破するしかない。泥棒を逃がすくらいなら、これくらいの対価、安いものだ。 「You lose big guy!(貴方の負けよ、デカブツ)」 同僚の妹の台詞を借りて、トリガーを引く。 「――――というわけです」 翌日の学院長室での報告では、フーケの犯行現場を目撃したキュルケとタバサ、そしてゴーレムを破壊したジルとルイズ、役立たず共(教師達)が呼び出された。もっともルイズに関しては、部屋での小火騒ぎの件が大きい。 バックブラストの煙を目撃した生徒が火事と勘違い。寮からの総員避難命令が出た。 「結果としては良かったの。あのゴーレムが暴れでもしたら事じゃったからな」 学院長のオールド・オスマンが慰めるように言う。小火騒ぎの責任はルイズに無いと。 「しかし、破壊の杖は盗られたままです」 「当直は誰だ!?」 「ミス・シュヴルーズ!あんたって人は!」 「そんな……」 「よさんか!!」 オスマンの一喝で、場は収まる。動じなかったのはジルくらいか。 「誰も真っ当に見回りなんぞやっとらんだろうに。ミス・シュヴルーズを責めるのはお門違いじゃ」 その場の教師全員が、ばつの悪そうな顔をする。全てその通りでございます、と言わんばかりに。 「それよりも……ミス・ロングビルはどこかの。朝から姿が見えんのじゃが」 「そういえば……いつもなら真っ先にここに来そうなものですが」 と、タイミングよく扉が開かれる。 「遅くなりました」 何食わぬ顔で現れたのは、件の人物だった。 「おお、ミス・ロングビル。今までどこにおったんじゃ?」 「早朝から、周囲の聞き込みにいっておりました。近隣の村人から、森の奥の小屋にフーケらしき黒いローブの人物を見たという情報を入手しましたので、その報告を」 「なんと!?」 再びざわざわと騒がしくなる学院長室。 「ええい、静まれ!」 二度目のオスマンの一喝でまた静かになる。 「で、それは何処じゃ?」 「ここから馬で四時間ちょっとの場所です。……!?」 ゾクリ。 背筋に嫌な、冷たい汗が流れた。一瞬だが、絶対的な存在感を持つ殺意に似て非なるもの。恐らくそれは自分にのみピンポイントで放たれたらしく、他の者は気付いた風に見えない。そして、誰が放ったのかも判らない。 「どうしたのかね、ミス・ロングビル?」 「いえ、何でもありません……」 すぐに平静を取り繕って、オスマンににこやかに返す。 「ふむ、そうかね。では……討伐隊を出す!我こそはと思うものは杖を掲げよ!」 「は!?王室に連絡して衛士隊に……」 ギトーが『はぁ?何いってんのこのジジイ』という内心を押し隠して提案するが、 「バカモン!!間に合うものか。衛士隊が着くころには逃げられてしまうわ。それに、大恥を大々的に曝そうというのかね?」 「ぐぅ……」 たかがコソ泥に振り回されて、王室に泣きつく。これほどの恥がどこにあろうか。 「さあ、誰かフーケを捕らえて名を上げようというものはおらんか?」 しかし教師連中は微動だにしない。所詮彼らは魔法を使えるだけのチキンだ。一部例外はいるが。 と、その並んだ役立たずの頭の上に、異形のものが掲げられる。 「は?」 「ちょ、ちょっとジル!?」 杖の代わりになりそうなものを適当に掴んだらこれが出ただけで他意は無い。六銃身の回転式機関銃を掲げるのは、ゴーレムを爆破した女、ジルだった。 「泥棒を捕まえるのは警察の仕事よ。手段が過激であるなら尚更私の出番ね」 その場の誰よりも誇り高く、貴族然とした態度に、しかし無能どもは口汚い。 「平民は黙っていろ!」 「貴族の決め事にしゃしゃり出るな!」 「平民ごときに何ができる?」 ああ、こいつらがこうだから生徒もああなるのか、と納得したジルは、実力行使に出ることにした。 「レビテーション」 最初に文句を言った教師、ギトーに、渾身の力を篭めたアッパーをぶちかます。 それは確かにギトーを空中浮遊させた。ほんの一瞬、滞空した後、学院長室の天井に頭をめり込ませ、静止。そして瓦礫と共に落ちてきた。 気絶している。生きているのが不思議だが、世界の鉄則、ファンタジーというものはそう簡単に人を死なせてはくれない。死亡フラグさえ立てなければ、エピローグまで生き残れるのだ。 「私の『魔法』、ご覧になったかしら?」 地獄の『ぢ』の字も見たことの無い教師達は、ジルがいったい何をしたのか、それすら理解できなかった。ただ、『ギトーが飛んで、天井を破壊して、落ちてきた』、それだけ。 得体の知れない、明らかに魔法じゃないその『力』に、恐れ戦くだけ。 「ま、まあよかろうて。フーケのゴーレムを破壊した彼女なら、全く問題ない」 野郎が一人傷だらけになろうと、オスマンには関係ない。一見派手だが、命に別状はないのもスルーに拍車をかける。 「しかし、一人では……」 杖が、三本掲げられた。 「ミス・ヴァリエールに、ミス・ツェルプストー、それにミス・タバサまで……」 「貴方たちは生徒じゃないですか!?ここは彼女と我々に……」 「誰も上げないじゃないですか。それに、使い魔に先を越された上、使い魔だけ送り出すなんて真似、それこそ恥もいいところです」 「ヴぁリエールに負けられませんもの」 「心配」 そこに、テルミットを注ぐようなジルの一言。 「役立たずで腰抜けの貴方たちよりよっぽど強そうだけど」 ジルの言い放った一言で、その場の温度が一気に下がる。 「よろしい。ならば決闘だ!」 「だが断る。帰ってきてからにして。今は面倒だわ」 「貴族の誇りを賭けた決闘を……面倒だと?」 「あーあー。エルザ」 ジルは面倒臭そうに――――本当に面倒臭そうに指を鳴らす。 「きしゃまは……」 ジルに反抗的だった教師達が、バタバタと倒れる。残っていたのは、討伐隊候補の四人と、シュヴルーズとコルベールを含む数人の良識的(親ジル派)教師、そしてロングビルにオスマンだけだった。 「あー、ミス・ヴァレンタイン。いったい何を……」 オスマンが恐る恐る訊いてくる。 「どうせこうなると思ったので、少し仕掛けを。『スリープ・クラウド』の亜式だと思ってくだされば結構よ」 「そ、そうかね。ならばいいが……」 数百年の軌跡をここで途切れさせたくないオスマンは、追及をやめる。あと百年は、まだ見ぬ美女とキャッキャウフフしたいのだ。このエロジジイ。 「……ま、まあ、ミス・ツェルプストーは優秀な軍人を輩出している家系での出で、彼女自身の炎の魔法も優秀と聞いておる。ミス・ タバサは若くしてシュヴァリエの称号を持つ騎士じゃ。ミス・ヴァリエールは……」 言葉に詰まるオスマン。褒めるべき箇所を必死で探している。 「あの爆発の威力は素晴らしいわ。少なくとも、狙われて避けられる者なんていない。対人戦闘で右に出るものはそういないはずよ」 「そうじゃ!それにミス・ヴァレンタインという優秀な使い魔を召喚したのじゃ、文句はなかろう!」 苦しいが、ジルのフォローに乗る。 「よし、では……魔法学院は、諸君の努力に期待する」 「杖に賭けて!」 メイジの三人は直立し唱和。ジルは無言で敬礼した。 前ページ次ページ絶望の街の魔王、降臨
https://w.atwiki.jp/saigonotubasa/pages/104.html
2009/3/29 未練と焦燥 1920*1080のモニタを購入。 凄く大きいんですが元々酔いやすい自分はこの画面でAVAすると1時間で酔ってしまいました。 大は小をかねるといいますがもうちょっと自分にあった買い物をすべきだなと思い知らされました。 それはともかく皆さん大会がんばってくださいね。 1回戦が終わった後名言集がどんな風に更新されているか今から楽しみでしょうがないです。 2009/3/29 スカイフィッシュ 今日の夜7時ぐらいからの予選一回戦一応うちのクランも 出るらしいですけどみんな頑張って勝ちましょうね|*'ヮ') 今日の大会が終わればHBからはおさらばできるぞっ! 2009/3/19 slv AK74拾って使ってみたけど守り強すぎWAROTA 47と74とG36を守りに使って攻めはM4か16が安定じゃねーのって言う僕の中でのライフルマン武器総評 最近攻めでAK47には不満ばっかり出てくるようになったでござる。武器買いたいでござる。 2009/3/14 スカイフィッシュ 今日vsゲスト部屋に入ったらかーのふぁーじのAcE11さんとAkhさんなどの豪華な人たちがゲスト側にいたので勝ち馬に乗りたく一緒にやらせていただきました。 さすがかーのふぁーじということもあって、守りでのシフトの早さが半端なかったです。 DS防衛側のときに、私が2中で敵と交戦状態に入ってピンチのときにすぐこちらにシフトしてきてくれたAcE11さんには惚れてしまいそうでした|*'ヮ') ゲスト側で一緒にやらせて頂いた人たちはみんな上手いので、参考になる点が多いのでゴースト視点になっても退屈はしませんでした。 VCなどを使わずともお互いのやりたいことが通じ合うものを感じて凄く楽しかったです。 2009/3/11 はどうほう はじめてFさまとそうぐうしました。 Fさまにふらぐとっぷとられました。 でも「うぜー」がきけたのでよかったです。 2009/3/10 maturi とりあえずこいつを見てくれ2→Plus2 まーた護衛で新品の耐久ユーロプラス使ってみたの図なんですが、 これと前回の結果を平均してみると100%使いきりで11375ユーロの予定 次があったら初戦は爆破でやってみようそうしよう あとのまねさんをTKする作業はこれからも積極的に狙っていきます 2009/3/8 スカイフィッシュ 今日TKありのクラン戦をしていたらmaturiって人に「俺の獲物とんな!!しねやあ!!!」って叫びながら殺されました。 maturiさんはうちのチームの頼れる赤階級なんですが、時々このようにはっちゃけてしまうことがあります。 のまねさんも殺されかけてましたが、さすがに爆弾解除中ということもあり殺しはしませんでした。 うちのクランは怖い人(maturi、slv様、現行犯など)がいっぱいで毎日がガクブルです。 2009/3/6 maturi とりあえずこいつを見てくれ→Plus 護衛でチョイっと新品の耐久ユーロプラスを使ってみた結果なんですが、 1戦で2.2%耐久値が減り249ユーロ支給。→1%で大体113ユーロ。 「使い切った時点で貰えるユーロの合計額が決まっている」って前提で行くと (誤差とか希望込みで)12000ユーロ前後貰えるんじゃねえの!!!! 500円でそれだと他(覆面wWw)と比べてお得じゃないですか? というお話だったのさ… 2009/3/4 maturi 東方クランのナントカ魔理沙さんに「私東方同人作家だけど、その名前超キモイ」 的な事言ったら「嘘つくなこのカス野郎」的な事を言われたわけですが ところがどっこい嘘じゃねえから!!!!今年の例大祭には出ないけど… あとついでにカン高い声のB0B様…じゃなくてスカ?さん?晒しときますね→SKY 2009/3/4 slv せっかく芋ろうと思ったのにメンテじゃねえか! 2009/3/3 http //www.albinoblacksheep.com/flash/shoot お遊び感覚で毎日やってればAIMが良くなるかも! 2009/3/1 のまね 日記でも適当に書いてみましょうな企画 何も考えてない。更新は他人任せなんでよろしく。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/bzspirit/pages/680.html
さよなら絶望先生(さよならぜつぼうせんせい)は、久米田康治による日本のギャグ漫画。また、そのアニメ化作品、OAD作品。 B'zネタが登場する回が存在する。 作中に登場するB'zネタ 12話「まだ開けそめし前髪の」(単行本1巻) |単行本20ページ2コマの張り紙に、「食べ合わせ注意!! 合わない例 キウイ ビーズ」と書かれている。これは、B'z「愛のバクダン」がゼスプリ ゴールド・キウイのCMソングになったことを指す。 アニメ版では、張り紙には何も書かれていない。(『【俗・】さよなら絶望先生』2話「まだ明け初めし前髪の」) 「発禁抄」(単行本15巻初回限定版に付属のOAD『【獄・】さよなら絶望先生』上巻) |主人公である糸色望(いとしき のぞむ)が「世の中、常に見えない部分で激しい戦いが繰り広げられているのです!」と発言した後に、「ミエナイブブン~INVISIBLE PART~」という文字が映るが、これはB'z「ミエナイチカラ 〜INVISIBLE ONE〜/MOVE」のジャケットのパロディである。 原作版には登場しない。(単行本11巻 109話「発禁抄」) アニメシリーズ テレビアニメさよなら絶望先生(第一期) 【俗・】さよなら絶望先生(第二期) 【懺・】さよなら絶望先生(第三期) OAD(OVA)【獄・】さよなら絶望先生(第二・五期) 【懺・】さよなら絶望先生 番外地(第三・五期) 関連商品 コミックス 1巻 コミックス 15巻初回限定版 関連項目 大槻ケンヂ「大槻ケンヂと絶望少女達」という名義で出演声優と共に主題歌等を担当している。 かってに改蔵同じく久米田康治による漫画作品。 外部リンク 週刊少年マガジン さよなら絶望先生 スターチャイルドレコード さよなら絶望先生 アニメ公式ページ 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/36229.html
【検索用 まほろはしょうねんたん 登録タグ GUMI NexTone管理曲 VOCALOID Youtubeミリオン達成曲 ま ユリイ・カノン 初音ミク 曲 曲ま 殿堂入り 片井雨司】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:ユリイ・カノン 作曲:ユリイ・カノン 編曲:ユリイ・カノン 動画:ユリイ・カノン 絵:片井雨司 唄:初音ミク・GUMI 曲紹介 #00 ネオジャパネスク少女譚歌明るくて可愛いの作りました。昨日の明日。過去になる一秒前。 曲名:『まほろば少年譚』(まほろばしょうねんたん) ユリイ・カノン氏の7作目。 歌詞 (作者ブログより転載) いついつ出やる 籠の外 抜き足差し足じゃ おいてけぼりだ 倦まず弛まず歩けども おぼつかない足取り ないものばかりほしがって 探し疲れて続きはいつかとか でも 手をこまね つっ立っているよりはまだいいな あめ あめ 降れやもっと 蛇の目の傘さしたいの 絢爛な模様のぼんぼりたちも ただそれだけじゃ物足りないな 灯してよこころごと まどかな月がのぼる今宵は あまねく世に響くように謳え 巡るぐるり かりそめのいま 生き死になんて忘れちゃって 夢の道すがら 覚めないままで その手を取って 闇夜だって駆ける ちとせ流れても憶えていて少年の日の夢 これも誰かの掌の上 死にそうなくらい退屈な夜に 足音は言葉よりも雄弁に 躍る感情を響かせていた 今この瞬間でさえも 一秒後にはもう過去になるけど 逆らえない時の中で昨日の明日を生きる 花曇りの空だった 日に咲く暈が見たいの 息を止めても心臓は打つ 立ち止まっても地球は回る 時間は待ってくれない まどかな月がのぼる今宵は うたかたの物語を紡げ 満ちて欠ける 心模様に 字余りな思いを乗せて 命はまたたき 歌はとこしえ 未来世まで走り出せ少年よ 終わりのない永久にはない 夜明けを見ていたい あー 何回 何千 何万回と生きてみても わかんないなこの難問 解答なんて出ないや なあ「もしも」だとか空論は昨日に捨てて明日を始めようか コメント ユリイさん来たーッ! -- 名無しさん (2017-05-05 21 04 51) おどりゃんせと比較されるけど結構違うベクトルの曲だよね。好き。 -- 名無しさん (2017-05-06 07 26 33) まほろばしょうねんひょう大好き❤これからも応援します。 -- ボディーガードc (2017-05-15 22 03 25) しょうねんたん だよ -- 名無しさん (2017-05-16 21 07 17) ユリイさんの曲全部好き‼︎□ -- メデューサ (2017-05-21 13 32 03) PVサイコー! ミクもGUMIも可愛い(*^-^) -- さかちゃん (2017-06-03 20 50 12) 全てが好み!!! -- にゃお (2017-07-16 21 49 45) リズムもユリイさんの曲もいいですね。一番上の匿名さん、お疲れ様です(*´▽`*) -- なみねこ (2017-10-25 17 07 56) ユリイ·カノンさんの、曲が、大好きなんです!!!!PVも、カワイイですね!! -- 祈月 永真 (2017-12-30 11 41 56) サイコー以外言葉が出ない -- 名無しさん (2018-09-11 23 26 52) 神 -- 名無しさん (2019-08-07 09 43 41) めちゃくちゃいい!大好き! -- ねこ (2020-11-06 21 42 54) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/482.html
ここは現在、日本列島でもっとも多くのゆっくりが生息しているとされる香川県。 そこに一人の少年がいた。 彼の両親は毎日喧嘩ばかりしていた。 返す当てのない大量の借金がある上、互いに浮気相手がおり、家庭は破綻寸前だった。 少年は省みられず、疎んじられていた。 辛い現実を忘れるために非行に走っていったのも必然と言えよう。 彼の非行はゆっくりを虐待することだった。 力弱く、情緒豊かな生物であるゆっくりを虐待することはそれだけでも低劣極まる見下げ果てた行為だが、 彼の場合は飼いゆっくりを集中的に狙うという点でより劣悪さを増していた。 「こいつは金バッジじゃないか!今日はついてるなぁ!」 「ゆぎゃああああああああああああああああ!!!!!あじゅいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」 少年のお気に入りの虐待道具は「火」だった。彼はゆっくりを焼くことが大好きだった。 見た目が派手な上により多く悲鳴をあげるからである。 「あはははははははは!ほらほらもっと踊れ!もっと踊れ!」 「あじゅいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!だじゅげぢええええええええええええええ!!」 香川県ではゆっくりを庭で飼う家が少なくなかった。留守中の家の庭に侵入してはゆっくりをかどわかし、虐待した。 公園で離されたゆっくりを飼い主が友人との会話に夢中になっている隙などに連れ去って虐待することもあった。 焼き殺すことも少なくなかったが、足や顔だけ焼き潰して解放することも多かった。余裕があるときは髪を引き抜いて頭皮を焼くのも好んだ。 大抵の飼いゆっくりは避妊されていたが、幸運にもそうでないゆっくりに出会ったときは必ず性器を焼き潰した、 不具となり変わり果てた姿になった大切な飼いゆっくりを見た飼い主の悲痛を想像するとそれだけでいつでもどこでも幸せになることができた。 「どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」 「楽しいからに決まってんだろうが!餡子脳のゆっくりはそんなこともわからないの?馬鹿なの?死ぬの?」 少年にとって飼いゆっくりとは幸せな家庭の象徴だったのだろう。特に金バッジのゆっくりは高価であり裕福な家でなければ飼えなかった。 言うまでもなくこれらの行為は犯罪である。 読者諸氏は絶対に真似をしないように! 繰り返す、絶対に真似をしないように! 繰り返す、絶対に真似をしないように! 繰り返す、絶対に真似をしないように! 大事なことなので四回言いましたっ! 特に少年は虐待したゆっくりを解放することが多い。これまで捕まることがなかったのは奇跡としか言いようがなかった。 だがある日の夜、いつものように飼いゆっくりを虐待し、こそこそと逃げている最中に、怪しげな二人組みの男たちに捕まってしまった。 「な、なんなんですかあなたたちは!離してください!警察を呼びますよ!」 「警察を呼ばれると困るのはボウヤのほうじゃないのかい?」 少年ははっとした。男の嘲笑交じりの言葉には言外に恐ろしいほのめかしがあった。 「なんだっていうんですか!僕はやましいことなんて……」 「しらばっくれても無駄だぜ。おまえの「仕事」は随分前から見学させてもらっていたんだぜ?カメラ持ってなぁ」 「今日の饅頭は銀バッジだったなぁ。九日前には金バッジをやったっけ?値段を知ってんのか?まったくガキのくせして豪儀なもんだぜ」 少年の犯行はすべて見られていたようだ。 「あ……あ……そんな……ぼ、僕をどうしようっていうんですか!」 少年はかつてない恐怖に締め上げられた。この男たちは少年を恐喝しようというのだろうか。 少年は貧乏な家の子だ。ずっと前からストーキングしているならそのことを知っているだろう。ならば何をせしめようというのだろうか? 「どうもしねえよ、なぁ?」 「ああそうとも。むしろ手伝ってやろうってんだ」 「ええ!?あ、あなたたちはなんなんですか!?」 「そうだな、同好の士とでも言っておこうか」 「明日もこの時間にここに来いよ」 「逃げたらサツにタレこむぞ。こっちはおまえちも知ってんだからなぁ」 「うっ……ううっ……」 それから少年にとっての恐怖の日々が始まった。 飼いゆっくりたちに恐怖を与えていた者が逆に恐怖で支配されることになるとは皮肉であった。 しかも行為自体はまったく変わっていないのだ。 「ゆぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」 「でいぶばがいゆっぐりなんだよ!やざじぐじないどだめなんだよ!もうおうぢがえるううううううううううううううううううううううううう!」 「げすにんげん!はんざいしゃ!おまえなんかたいほされてせいさいされろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」 かつては心地よく聞こえていたゆっくりの怨嗟の声も、今では少年の心を削るヤスリだった。 今更になっていずれ報いが来る時を自覚させられたからだ。 強制されてるか否かで同じ行為でもまったく正反対の感覚を受けるのだ。 「これから毎日ゆっくりを焼こうぜ?」 男たちの誘う声が少年の耳から離れない。 男たちは現場に現れることはなかった。直接会うこともほとんどない。 だが、その視線は常に感じられた。 男たちが虐待派なのだろうか?少年に飼いゆっくりを虐待させることでなんらかの利益を得ているのだろうか? 少年がもっとも危惧するのは彼らの罪までこちらに押し付けられることだった。少年を恐喝して利があるとするならそんなことぐらいしか思いつかない。 いずれにせよ、このまま虐待を続ければ遠からず警察に捕まり、少年の人生は暗澹たるものになるだろう。まさしく「制裁」を受けることになる。 そうはいっても男たちから逃れる方法などなかったのだが。少年には相談できるような友人もいなかった。 「よう!今日もたっぷりと饅頭どもを焼いたな!」 「ぺにぺに焼かれたありすの喚き方がたまらなかったな!あいつ絶対影でレイパーやってたぜ間違いない」 「……」 その日は珍しく男たちが少年に話しかけてきた。おそらく何らかの指図を与えるためであろう。 「ところでよお、いい飼いゆっくりを見つけたんだ」 少年の予想通りだった。 「そいつはなんとゆうか種なんだぜ!希少種のゆうかだ!」 「ええ!?」 「希少種を虐待できるなんておまえはついてるな!もちろん嫌とはいわねえよな?」 「場所は○○って家だ。明日必ず来いよ」 「○○家って!そ、そんな!」 ○○家はこの街では名士として知られている富豪だ。逆らってはこの街で生きていけないというのは言いすぎかもしれないが、 不興を買いたくない相手であろうことは間違いない。 「ムリです!もう僕には……」 「ああン!てめえ!」 「この甘やかされたガキが……ちょっと痛めあわせるか?」 「そこまでだおまえたち!」 男たちのものでも少年のものでもない声がした。 「だ、だれだおまえ!?」 その声の主は……ブリーフ一枚の半裸男だった。頭にはゆっくりれいむを模した被り物を被っている。 「なんだこいつ!」 「俺の名はゆん虐マン鬼!正義の虐待お兄さんだ!」 「この変態野郎!俺たちに何のようだってんだ!?」 「ゆん虐条約第十二条!」 と叫びながらゆん虐マン鬼は突然男を殴りつけた。 「あべし!」 「飼いゆっくりを虐待してはならない。間接的な人間虐待になるからである!」 「野郎やりやがったな!」 「ゆっくりなんぞ飼う糞金持ちのことなんか知るか!虐待にルールなんざねえんだよ!」 「ゆん虐条約第七条!」 鬼はブリーフに手を突っ込み、なにかを取り出した。……それは銃だった。 鬼はその銃でまったく躊躇せずに男を撃った。 「うぎゃあ!」 「こ、こいつマジで撃ちやがった!本物のキ○ガイだ!」 「希少種は虐待してはならない。希少種は優遇されるべきものである」 「た、助けてくれえぇ!!」 射殺されなかった方の男はわき目も振らずに逃げ出したが、すぐさま鬼に追いつかれた。 鬼はむんずと男の後頭部をわしづかみにし、中空に持ち上げる。 「あひ!あひ!こ、これは夢だ……悪い夢だ……」 「ゆん虐条約第一条、頭部を破壊されたものは、死ぬ」 「げぼばぁ!」 男の頭部がトマトのように潰された。血と脳漿が噴出して鬼の手と辺りを赤く染める。 「少年よ、清く正しい虐待道を歩むのだぞ。さらばだ……」 ゆん虐マン鬼は去っていった。 その数日後、少年は逮捕された。 男たちの殺害も含めたすべての罪は少年が被ることとなった。