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武道用心記 山本周五郎 ------------------------------------------------------- 【テキスト中に現れる記号について】 《》:ルビ (例)建野《たての》 |:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号 (例)命|覚束《おぼつか》 [#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定 (数字は、JIS X 0213の面区点番号またはUnicode、底本のページと行数) (例)※[#「火+(麈-鹿)」、第3水準1-87-40] ------------------------------------------------------- [#8字下げ]一[#「一」は中見出し] 建野《たての》竜右衛門は備前岡山藩の大横目《おおよこめ》で、三十五六歳の頃から銀白になった髪の毛と共に、家中きって横髪破りの定評があった。 息子の新十郎は江戸詰になって七年、妻は既に亡く、この岡山の屋敷には娘の双葉《ふたば》がいるきりで、近年いささか身辺が淋しい様子だ。……しかし横髪破りは相変らずで、いま甥《おい》の真之助を叱っている有様にもよくそれが表われている。 富安真之助は三年前に江戸詰となったのだが、持前の癇癖《かんぺき》が祟って江戸を失策《しくじ》り、いま国許へ帰って来たところである。「……今年になってからも是だ」 竜右衛門は書面を手にしながら、 「正月に沼田一郎次とやり、二月に村岡太兵衛、古河仁右衛門、三月が無事だと思うと四月にはまた沼田とやり、林忠平、六所久之進に鈴木文吉とやっている」 「…………」 「どうしてこう喧嘩《けんか》をするんだ」 「…………」 「この調子ではいまに岡山藩の家中はみんなおまえの喧嘩相手になってしまう、いかん、是ではいかんぞ真之助」 「なにしろ……癇に障《さわ》るのです」 「癇はおまえの持病だ」 「そうかも知れませんが……江戸は駄目なのです叔父上、人間の気風も悪いし、それに天気も悪いし」 「天気が悪い、……天気が悪くったって仕様がないじゃないか。そんな風だから何事も旨くゆかないのだ、第一おまえは我慢というものを知らぬ、人間はなにより我慢が大切だ。例えばいま梅雨でじとじと雨が降っているだろう、……おまえ是をどう思う」 真之助は庭の霖雨《りんう》をちらと見やって、 「鬱陶《うっとう》しいです、むしゃくしゃして来ます」 「それその気持が癇の起る種だ」 竜右衛門はしたり顔に云う。 「鬱陶しいと思うからむしゃくしゃして来る、ああ良い雨だ、こう見ていると腹の底までさっぱりする、百姓はさぞ喜んでいるだろうと考えてみろ、物事は気の持ちようでそう思えば鬱陶しさなどすっ飛んで了《しま》う」 「……そうでしょうか」 「また不愉快なことが起ったらこう思え、いい気持だ、なにも不平はないじゃないか、ああさばさばした気持だ……こう三遍云ってみろ、そうすれば自然と心が明るくなる。他人に対してもそうだ、あいつは厭な奴だと思うからいかん、あの男にも良いところはある、誰がなんと云っても己《おれ》はあの男が好きだ、なかなか好人物じゃないかと考えるがいい、つまりそれが堪忍であり我慢というものだ」 「……申上げます」 襖《ふすま》の向うで家士の声がした。 「源吾か、なんだ」 「御役所より使者がござりました」 「よし直ぐ参る」 と云って竜右衛門は手にした書面を巻きながら、 「国許の役目は大番組だ、このまえと違って気風の荒い連中が揃っているから、いま云ったことを忘れずに、熟《よ》く熟く堪忍して勤めなければならんぞ」 「はい、出来るだけそう致します」 「出来るだけではない、出来ないところも堪忍するのが真《まこと》の武士だ、もし是から喧嘩をするようなことがあったら、理非を問わず勘当する、よく心得て置け」 真之助は神妙に低頭した。……竜右衛門は立ちながら言葉を柔げて、 「一番町の家は掃除をさせて置いたが、井戸の具合はどうだ、後ろの土塀は直さぬといかんな、あのままでは手が附けられん」 「はい、梅雨でも明けましたら早速」 「全くこの雨にはくさくさする」 と云いかけたが慌てて空咳《からぜき》をしながら、 「役所から使が来たから今日は是で、……また参れ」 そう云い捨てて廊下へ出た。 別間へ行ってみると、下役の者が汗を拭《ふ》いていた、よほど急いで来たらしい。 「どうした、なにか急の御用でもあるか」 「一大事が出来《しゅったい》致しました」 下役はまだ息を喘《あえ》がせながら、「昨日から西大川の河口沖に大阪奉行所の流人《るにん》船が船繋《ふながか》りを致して居ります」 「知っている知っている」 「その船の流人共が暴《あば》れだし、警護の役人を斬って船破りをしたうえ、御領内へ逃込んだこの急報にございます」 「そ、それは。……よし直ぐ行こう」 竜右衛門は慌てて立った。 [#8字下げ]二[#「二」は中見出し] 大横目の役所はごった返していた。 仔細《しさい》を聞くとこうである。 その前日、つまり安永七年六月二日に、大阪奉行所の流人船が城下から二里南、西大川の河口へ碇泊《ていはく》した。 これには七人の重罪人が囚《とら》われていた。 一人は出雲《いずも》の者で鯛目《たいめ》の鬼七、四人は大阪者で、生首《なまくび》の佐平、伝吉、観音新助、それに獄門《ごくもん》鉄五郎、二人は京の者で重右衛門、弥介という。……いずれも隠岐島《おきのしま》へ流される途中の者であった。 ところが今朝、まだ未明の頃。 この七人が不意に船牢を破って、警護の役人や船夫たちを斬伏せたうえ、小船を奪って逃亡したのである。 この事件が河口にある福島の船番所へ知れたのは午《ひる》に近い頃であったが、それは流人船の側を通りかかった荷足舟《にたりぶね》が、人の呻《うめ》き声を聞きつけて初めてそれと分ったので、それからようやく騒ぎが広まったという訳なのだ。 「斬られた役人たちはどうした」 「動かせる者だけ城下へ運びまして、すぐさま手当をさせて居りますが、大丈夫と思われる者五名、あとは存命|覚束《おぼつか》なしという医者の診《み》たてでございます」 「厄介な事が起ったものだ」 竜右衛門は舌打をして、 「それで、罪人共が御領内へ逃込んだというのは、見た者でもあるのか」 「彼等が乗って逃げました小舟が、七日市の三岐岸《みつまたぎし》に捨ててございましたし、つい先刻、内田村の農夫弥次郎と申す者が、今朝まだ暗いうちに獄衣姿の七名づれが城下の方へ走って行くのを見たと訴え出て居ります」 「城下へ……、なんで城下へなんぞ」 竜右衛門は益々不機嫌だった。 備前領で船破りをしたのなら、そのまま少し行って備中領へ逃込むべきだ、そうすれば僅か三里か五里のところで捜査の手はよほど暇取る、なぜそうせずに備前領へあがったのか。……しかも城下の方へ入込んだというのだからなんとも解せなかった。 「奉行へは達してあるな」 「はい、街道口も手配を致しました」 「町廻りの人数《にんず》倍増しだ」 と云って竜右衛門は立ちかけたが、 「ああ作事方へ使を頼もう、すぐに仮牢を作って置かなければならぬ」 「……牢を?」 「捕えても大阪から受取りに来るまでは日数が掛る、そのあいだ当藩の牢へ入れて置くという訳にもいかんじゃないか、福島の船番所の近くへでも建てることにしよう、……急ぐぞ、どんなに遅くとも日暮れ前には出来上るようにするんだ。儂《わし》はちょっと出て来る」 竜右衛門はせかせかと出て行った。 城下街は次第に殺気立って来た、……横目の出役の他に足軽が二百人あまり出た、町々村々でも警戒の人数を要所要所へ出した、海上には船手を配った。 日が暮れてから間もなく、美作口《みまさかぐち》から越智《おち》孫次郎が馬を飛ばして来た。 孫次郎はまだ二十七歳であるが、大阪蔵屋敷で抜群の腕を認められ、去年国詰になるとすぐ大横目の筆頭心得に任ぜられたもので、竜右衛門がひどくお気入《きにい》りの若者だった。 「船破り二人を召捕りました」 「やったか!」 家へも帰らず、役所で弁当をつかっていた竜右衛門は、孫次郎の急報に箸《はし》を投出して現われた。 「何処で捕えた」 「美作道の高津へかかるところでした、いま曳《ひ》いて参りますが、取敢えず調べたところに依りますと、京の者で弥介、重右衛門という二名、他の五名とは北ノ庄で別れたと申します」 「お手柄、お手柄であった」竜右衛門は機嫌よく頷いて、 「其奴らを責めたら同類の行先も見当がつくであろう、ぬかりなきよう頼むぞ」 「承知仕りました」 孫次郎は端麗に微笑した。 間もなく捕えられた二人が曳かれて来た。竜右衛門が自ら訊問に当ったが、京の者で重右衛門に弥介ということは相違なく、しかし五人とは北ノ庄で別れたまま行先は全く知らなかった。ただ、遠国する様子はみえなくて、どうも城下へ入るらしかったということだけが分ったのである。 「なんのために城下へ入るのか」 竜右衛門は忌々《いまいま》しげに呻《うめ》いた。 「人騒がせな奴等だ、山伝いに備中へ行けばよいに、訳が分らぬ。……ともかく近辺にいるとあれば手配を厳重にして出来るだけ早くひっ捕えろ」 横目役は徹夜を命ぜられた。 [#8字下げ]三[#「三」は中見出し] 明る日も朝から霖雨であった。 一番町の富安真之助の家には、朝から双葉《ふたば》が客に来ていた。……客というより、女手がないので帰国の荷解きを手伝うためである。 双葉は十八歳、美しいというより愛くるしいという感じの娘だ。 「うん、いい雨だ、いい雨だ」 真之助は縁側に立ち、庭の緑をけぶらせて降る雨を眺めながら、恐ろしい渋面を作って呟《つぶや》いていた。 「なんていい雨だ、気持がさばさばする、己は雨が好きだ、大好きだ、雨は大好きだ」 「……なにを仰有《おっしゃ》ってるの」 双葉が不審そうに出て来た。 「雨が大好きだなんて、変ねえお従兄《にい》さま、先《せん》にはあんなにお嫌いだったのに、いつからこんな鬱陶しい雨がお好きになりましたの」 「うん、なに、……江戸ではみんな、その、こんなことを云うんだ」 「お禁厭《まじない》ですの」 「まあ、つまり、そんなものだ」 真之助は急いで話題を変えた。 「ときに船破りの流人共はどうした」 「ゆうべ二人|捉《つかま》えたのを御存じでしょう、あれからまだなんの事もない様子ですわ、父はお役所へ詰めたきり戻りませんの」 「もうこんな処にはいやせん」 真之助は眉をひそめて、 「捉れば命のない罪人が、それでなくてさえ危険な城下町などにいつまでうろついているものか、それより早く他領へ手配をするがいい、叔父上も案外手ぬるいことだ」 「そんなお話はもうたくさん」 双葉は甘えるように従兄を見上げた。 「ねえお従兄さま、それよりわたくし御相談したいことがありますの」 「いやに改まってなんだい」 「本気で聞いて下さらなければいやですわ」 「……云ってごらん」 双葉はまたちらと従兄を見上げたが、今度の眸子《ひとみ》は見違えるほど艶《つや》やかな光をもっていた、乙女の眸子がそういう光を帯びて来る話題はひとつしかない、真之助は武骨者であるがその視線を見逃すほど鈍くはなかった。 「ははあ、そうか」 「なんですの、……いや、お従兄さま」 双葉は自分で恥ずかしいほど赤くなるのを感じた。 「縁談だな、そうだろう」 「……ええ」 「誰だ相手は、まさかこの真之助ではあるまいな」 「わたくしもうお話し致しませんわ、そんなことを仰有るなら、……本気に御相談したいと思っているんですのに、ひどいお従兄さま」 「よし、それなら今度こそ本気に聞こう」 「本当に真面目に聞いて下さる」 「心配なんだね、……その縁談の相手が」 「どう云ったらいいのでしょうか」 双葉は襷《たすき》をそっと外した。……二の腕の羽二重のような肌を、紅絹裏《もみうら》が舐《な》めるように滑って落ちるのを見て、真之助の逞しい胸が微かに波をうった。 「向うの方はお従兄さまも御存じの越智孫次郎さまですの」 「……越智、それは意外だな」 「去年の秋に大阪から岡山へお帰りで、それから間もなく父のすぐ下を勤めるようになり、折々うち[#「うち」に傍点]へもお見えなさいますの。……お如才のない、よくお気のつくいい方ですし、父がたいそうなお気入りですから、わたくしにも文句はないのですけれど」 「……けれど、どうしたというんだ」 「なんですかわたくし」 双葉の声は此処へ来てひどく迷わしげになった。 「どことなくあの方が好きになれませんの。初めはそうでもなかったのですけれど、三|度《たび》五たびとお会いするうちにだんだんそんな気持がし始めたんです、……ではどこが厭かと云われるとべつに是と云って取立てて厭なところはないのですが、性《しょう》が合わないとでも云うのでしょうかしら。此頃ではなんだかお顔を見るのも気味が悪いように思いますわ」 「それはなあ双葉、嫁入り前の娘たちが誰でもいちどは考えることじゃないのか、相手が嫌いなのではなくて、嫁に行く、人の妻になるということが不安になり、まだまだ娘でいたいという隠れた気持がそう思わせるのじゃないのか」 「富安のお従兄さまはそうお思いになって」 「孫次郎は頭の良いやつだ、あの若さで大横目の筆頭心得になるくらいだから、将来の出世のほども思われる。……それに男振もなかなか好いじゃないか」 「お従兄さま迄そんなことを仰有るとすると分らなくなりますわ」 「もっと落着いて熟《よ》く思案してごらん、嫁入り前には気持ち動揺するものだ、ひとつの事を思詰めると他が見えなくなる、とにかく……」 云いかけて真之助は庭の方へ振向いた。 卒然と、人の走廻《はせまわ》るけたたましい跫音《あしおと》が起り、垣の破れる音に続いて、なにか罵り騒ぐ切迫した叫声が聞えて来たのだ。 「……なんでしょう、お従兄さま」 双葉はそっと従兄の体へ身を寄せた。 [#8字下げ]四[#「四」は中見出し] 叫声は近づいて来た。 「船破りだ」 「流人共が逃込んだぞ」 「御油断あるな」 走廻りながら、附近の屋敷へ知らせる声であった。 「きゃっ[#「きゃっ」に傍点]」 と云って双葉が真之助の腕へ縋《すが》り付いた。……横庭からふいに下僕《しもべ》の勘助が現われたからである。 「旦那様、流人の奴が此方へ逃込んで来たと申します」 「なにか見違いだろう」 「否《い》え秦野様の薪《たきぎ》小屋に隠れていたのだそうで、刀を振廻しながら此方へ逃込んだということでございます」 「では裏木戸を明けて置け」 「……明けるのでございますか」 「旨くゆけば逃込んで来るだろう、おまえたちは部屋へはいってじっ[#「じっ」に傍点]として居ればよい」 勘助は雨のなかを跳んで行った。 「お従兄さま」 双葉は恐そうに、 「逃込んで来たらどうなさいますの」 「そんなことはいいから片付け物の方を頼む、早くしないと午食《ひる》になるぞ」 双葉が部屋へ入ると、真之助は大剣を取って来て縁先へ坐った。 「よく降りやがる」 舌打をしたが直ぐに、 「だが百姓は喜んでいるだろう、……いい降りだ、いい雨だ、己は雨が大好きだ、大好きだ、雨は大好きだ」 ぶつぶつ口の内で呟いていた。 しかし何事もなかった、走廻っていた人たちもやがて遠くへ去り、再び無限のように雨滴《あまだ》れの音が家の四方を取巻いてしまった。……その静かさのなかで、不意に、真之助はきりきりと胸が痛みだすのを感じた。 ――喰物でも悪かったのかな。 初めは本当にそう思ったほど、肉体的な痛みでさえあったが、間もなくその原因は朧《おぼろ》げながらかたち[#「かたち」に傍点]をもって来た。 ふしぎな自覚である、今日まで會て一度もそんな感じはなかったのに、今しがた嫁にゆくと聞いてから、自分にとって従妹の存在がどんなに大切なものであったかということに気付いたのでる、真之助は狼狽《ろうばい》した。……嘘も隠しもなく本当に今まではそんな感じで従妹を見たことはない、年も八つ違いで、まだ彼女が自分のことを双葉と云えず、舌っ足らずにおた[#「おた」に傍点]、おた[#「おた」に傍点]と云っていた頃から殆ど朝夕一緒に育って来た、従妹というよりは実の妹のような気持で可愛がって来たのである。 それが今、……他人の嫁になるという事実にぶっつかって、初めて、今日まで自分の胸のなかに育っていた愛情が、いつかぬきさしならぬものに変っていたことを知ったのだ。 片付け物を終って双葉が帰るとき、真之介はもう平気で従妹の顔を見ることが出来なくなっていた。 それにしても、 ――わたくしあの方が好きになれませんの。 と云った双葉の言葉は大きな誘惑である、孫次郎が好きになれないと訴える言葉の陰になにか表白しようとするものがあったのではないか。……そう思うと真之助の心はぐらつき始めた。 ――若しや双葉も。 という気持さえ起って来る。 「いかん、なんという馬鹿な!」 真之助は我に返って吐出すように云った。 「もう話も凡そ決っているという今になってなんだ、そんな未練がましいことを考えるなんてうろたえ過ぎるぞ、……確《しっか》りしろ」 確りしろと何度も呟くのだった。 「頭の芯にまで黴《かび》が生えるような雨と、生れて初めて感ずる懊悩《おうのう》のうちに二日経った。 このあいだにも船破りの流人騒ぎはまだ片がついていなかった、厳重な手配にもかかわらず、四日の夜には西川町の備前屋伊右衛門という大きな雑穀問屋へ押入って、金子五十両あまりと米、味噌などを盗んだ者があった。……それが例の流人たちの仕業であるか、それとも騒ぎにつけこんで他の者がやった仕事か、備前屋の者がひどく狼狽していたので何方とも分らなかったが、城下街の恐怖はそのため一層ひどくなって来た。 六月六日の夜のことである。 帰国してから初めて登城した真之助が、夜になって下城して来ると、片側屋敷の河岸でふと怪しい人影を認めた。……侍屋敷のながい築地《ついじ》のはずれに、ぴったり身を寄せていたのが、真之助の姿を見ると鼬《いたち》のように暗がりへ消えたのである。 「――勘助」 気付かぬ風で四五間行ってから、真之助は提燈を持って供をしていた下僕にそっと云った。 「おまえひと足先に行け、怪しい奴がいるから見届けて来る、向うの橋の袂で気付かれぬように待っていろ」 [#8字下げ]五[#「五」は中見出し] 真之助は穿物《はきもの》を脱いでいた。 曲者のひそんでいた小路を、逆の方から忍足に近寄って行くと、さっきと同じ場所に同じような恰好で凝乎《じっ》と身を跼《かが》めている姿が見えた。 なにかを狙っているらしい。 真之助があいだ二間ほどに近寄って、呼吸を計る刹那、相手はふっと振返って、 「――あっ!」 叫びながら立つ、 「動くな」 真之助は大声に、 「動くと斬るぞ」 云いつつ詰寄った、気合の籠った態度に圧倒されたか、相手は一瞬そこへ立竦《たちすく》んだが、真之助の手が伸びようとするとたん、 「わっ!」 というような喚《わめ》きと共に、いきなり抜打ちに斬りつけて来た。……しかしそれは法もなにもない無茶なもので、真之助が僅に体を躱《かわ》すと、そのまま雨水の溜った道の方へ烈しく転倒した。 「おのれ、手向いするか」 「――畜生」 「やめろ、神妙にせぬと本当に斬るぞ」 相手は肩で息をしながら、抜身を構えて起上ると、窮鼠《きゅうそ》の勇で再び突っ掛けて来た。 「えい!」 真之助はひっ外しながら、たたらを踏む曲者の背へぱっと拳《こぶし》を当てた。 「――あっ」 はずみを喰って道へのめり伏す、踏込んだ真之助は利腕《ききうで》を逆に捻上げた。すると曲者は狂気のように、 「助け、助けて下さい」 と喉も裂けんばかりに悲鳴をあげた。 「お手向いは致しません、妹の仇が討ちたいのです。仇さえ討てば名乗って出ます。どうかそれまで見逃し下さい、お慈悲でございます、お慈悲でございます」 意外な言葉だった。 「……妹の仇。それは真か」 「お疑いならなにもかもお話し申上げます。その代りどうか、どうか見逃してやって下さいまし、妹の仇さえ討てば此世に望みのない体です。必ず名乗って出ますから」 「……起て」 真之助助は手を放して云った。 「仇討ちという言葉は聞捨てにならぬ、しかし偽って逃げでもしたら斬るぞ」 「は、はい、もう決して逃げは致しません」 「この暗がりではどうにもならぬ、拙者の家まで参るがよい、仔細を聞くまで決して無慈悲なことはしないから安心しろ」 「……あ、有難うございます」 男は泣いている様子だった。 真之助は男を導いて、元の場所へ戻り、穿物を拾って鶴見橋の袂まで行った。……待兼ねていた勘助は、近寄って来た主人が、泥まみれになった獄衣の男を伴れているので、 「あ、――だ、旦那様」 と思わず驚きの声をあげた。 真之助も提燈の光で、初めて男が船破りの一人であるのを知った。 「騒ぐな勘助」 「……へえ」 「おまえの合羽《かっぱ》を脱いで貸してやれ」 勘助は訳が分らぬという顔で合羽を脱ぎ、命のままに男の背へ掛けてやった。 家の裏手から入り、濡れた着物を着替えさせて、居間の燈をあいだに向合って坐ったのはそれから半刻ほど後のことだった。 男はまだ二十八九であろう、栄養の悪い痩せた体つきで、身ごなしや眼の動きにも永い囚獄生活を経て来た者の落着かぬ色が焼着いていたが、頬から唇許へかけて、どことなく育ちの良い俤《おもかげ》がうかがわれた。 「おまえは船破りの流人だな」 「……はい、名は、伝吉と申します」 「妹の仇を討つと云ったが、相手はこの城下の者なのか」 「仰有る通りでございます」 「拙者は富安真之助という者だ、次第に依っては仇討の介添もしてやる、精《くわ》しくその訳を話してみろ」 「有難う存じます」 伝吉という若者はきちんとへ手を重ねて、 「それではお聞き苦しゅうございましょうが、お情けに甘えて申上げます。……唯今も申上げました通り私の名は伝吉、家は大和屋と申しまして大阪|天満筋《てんますじ》に数代伝わる米問屋でございました」 と話しだした。 [#8字下げ]六[#「六」は中見出し] 大和屋は天満筋でも一流の米問屋として、明和末年までは指折りの豪商で、諸藩の蔵屋敷にも多くの顧客《とくい》を持っていたが、伝吉の父伝左衛門が相場で失敗を続け、安永四年の夏に急死すると俄に家運が傾きはじめた。 この傾きかかった家を継いだ伝吉は、どうかして昔の大和屋に立直そうと思い、そのためにはあらゆる無理を冒して働きだしたのである。……ところがそのとき、岡山藩の蔵屋敷から、 ――当家の廻米仕切を一手に任せてもよい。 という話が持込まれて来た。 その当時、岡山藩が大阪蔵屋敷へ廻した米は一年に凡そ五万俵を前後し、加賀、薩摩に次ぐ大出廻りを持っていたのである。 これだけの廻米を一手に仕切ることが出来れば、大和屋の家運を盛返すことも難事ではない。しかしそれには条件があった。……その話を持込んで来た蔵屋敷|留守役《るすやく》が、伝吉の妹お津多を嫁に貰いたいというのである。 家運の挽回に狂奔していた伝吉は、このすばらしい餌《え》を前にして理性を失っていた。 「……正式の祝言は国許へ帰ってから、然るべき仮親を立ててするという、相手がお侍様ですからその言葉を疑いもせず、ふたつ返事で妹をお屋敷へ差上げました。ところが廻米仕切の話は一向に運ばず、そのうえ上役に道を通すのだからと云って三十両、五十両と金の無心ばかり続きまして、……遂には身動きの出来ぬようなことになったのです。これはいけないと気がついた時はもう手後れでございました。……身重になった妹のお津多と一緒に、なにもかも思惑違い、忘れて呉れ……というたった一本の縁切り状が届いて来たのでございます」 伝吉の拳は膝の上でわなわなと震えた。……若し本当に人の眼から血の涙が出るとしたら、いま伝吉の頬に溢れる涙は鮮血に染まっていたに違いない。 「みんな初めから企んだ仕事でした、そのお侍は私から捲上げた金で出世の道を明けたのです。私たちは阿呆のように騙《だま》されたのでございます。……妹は、妹は。……捨てられた身重の体を恥じて縊《くび》れて死にました」 「……死んだ。……」 「私はその晩、夢中で池田様の蔵屋敷へ押込みました。ひと太刀でも恨んでやろうと思ったのです。けれど町人の悲しさ、たあいもなく手籠めにされて奉行所へ曳かれ、……そのまま一年の牢舎暮しをしたうえ、こんど隠岐島へ流罪と定ったのでございます」 「その、その、相手は誰だ、相手はなんという奴だ」 堪りかねて膝を乗出した真之助は、伝吉の返事を聞いてあっ[#「あっ」に傍点]と声をあげた。「……越智孫次郎と云いました」 「越智! 越智孫次郎」 「御存じでござますか」 真之助はさっと色を変えた。 伝吉の話は熱鉄のように真之助の肺腑《はいふ》を刺した。このような複雑な事情の下には、町人と武士との差があらゆる条件を蹂躪《じゅうりん》する、どんなに非人情であっても、孫次郎のしたことが確然と罪を構成しない限り伝吉の理窟は通らないのだ。……さればこそ、島送りの途中、この岡山へ船繋りしたのを命のどたん[#「どたん」に傍点]場に、脱走して仇を討とうとしたのだ、恐らく七生を閻王《えんおう》に賭したことだろう。 真之助はしかし、相手が孫次郎であると聞いた刹那《せつな》、燃えあがっていた義憤が一時に冷えあがるのを感じた。 従妹の婿に定ったと聞いた許《ばか》りである。 これが他の者だとしたら、首に縄をかけて伝吉の前へ引摺り出したであろう。 だが孫次郎ではそれが出来ない。 真之助は自分が双葉に愛情を持っていることを自覚して了った。孫次郎を除いて双葉を自分の妻にしようという避け難い考えが、胸の底にひそんでいるのも知っている、……伝吉に力を貸すことは、自分の未練な慾望を遂げる手段になるではないか。 「……他の者はどうしたのだ」 「はい、岩井村に丸山とかいう丘がございますが、その丘の蔭の小舎に隠れて居ります」 「いまの話はみんな知っているのか」 「みんな無頼漢《ならずもの》ばかりでございますが、私の身の上に泣いて呉れまして、船破りの手助けをしたうえ、一緒に孫次郎を覘《ねら》っていて呉れるのでございます」 真之助は黙って立上ると、 「真に気の毒な話だ。本来なれば助太刀もすべきだが、残念ながら出来ない事情がある」 「……はい」 「いま着替えの衣服を持たせるから姿を変えて行くがいい、一心岩を徹す、人間と人間だ、死ぬ覚悟ならきっとやれる」 「……はい」 「神明の加護を祈っているぞ」 そう云い捨てて、真之助は外向《そむ》いたまま部屋を出て行った。 [#8字下げ]七[#「七」は中見出し] その翌々日の朝のことである。 久し振りに雨がやんで、雲の切目から時々青空が覗くのを、食事のあとののびやか[#「のびやか」に傍点]な気持で、縁の柱に凭《もた》れながら呆《ぼ》んやり眺めていた真之助は、 「……旦那様、到頭やりましたぞ」 と喚くような声に振返った。勘助が汗を拭きながら庭先へ入って来る。 「なにをやったんだ」 「中山の辻で船破りの流人めが一人斬られたのでございます。今朝明け方のことだったそうで、肩から胸へこう……」 「勘助、おまえ見たのか」 「否え、話に聞いた許りでございますが……」 云いかけて下僕は、はっとその口を噤《つぐ》んでしまった。主人の顔色で前々日の夜のことを思出したのである。 「……斬ったのは誰だ、聞かなかったか」 「越智さまだという噂でございます」 「……やっぱり、そうか」 斬られたのは伝吉だ。 ――落着かなくてはならない、己は癇持だからな、落着くんだ。 真之助はふくれあがる忿怒《ふんぬ》を抑えながら、手早く身仕度をして、すぐ戻ると云い残したまま家を出た。 役所へ行ったが、ゆうべ徹|宵《しょう》の出役で家へ帰っていると聞き、斬られた流人が伝吉であることを確かめてから、その足で西川町の越智の屋敷を訪れた。……孫次郎はいま寝ていたところだと云って、渋い眼をして客間へ出て来た。 「邪魔をして済まなかった」 「いや、貴公とは久方振りだ。帰国したことは建野老から聞いていたが、知っての通りつまらぬ騒ぎで訪ねる暇もない」 「それはお互いのことだ」 真之助は努めて静かに、 「騒ぎというので思出したが、貴公ゆうべはお手柄だったそうだな」 「手柄どころかお叱りを蒙った、流人共は必ず生捕りにしろと建野老からの厳しい申付けなので、出来るなら抜くまいと思ったのだが案外|手強《てごわ》く向って来られたため、つい抜いたのがはずみで斬って了った」 「しかしその方が貴公には好都合ではないか」 「……好都合だって」 「拙者はそう思うがなあ」 孫次郎の端麗な顔が、疑わしげな色を帯びて来た。真之助はその隙を逃さず、 「実はなあ越智、拙者の許へ貴公に会わせて呉れと訪ねて来た者があるんだが、会ってやって呉れぬか」 「……どんな者なのだ」 「女だ、子供を抱いている」 「…………」 「大阪の者でお津多というそうだ」 総髪が逆立つとはこのことであろう、孫次郎の顔から一時に血がひき、頬から額へかけての皮膚が眼に見えるほど痙攣《ひきつ》った。 「どうだ、会ってやらぬか」 「知らぬ、左様な女は知らぬ、貴公は」 「孫次郎!」 真之助は拳を握った。 「貴公どうしてそんなに震えるんだ。お津多という女が会いたいというだけじゃないか、知らぬなら知らぬでいい、なにかの間違いだろうから会えば済むことだ、……向うでは抱いている子を貴公の胤《たね》だと云っている、捨てては置けないぞ」 「いや、会う必要はない」 孫次郎の声はしどろ[#「しどろ」に傍点]であった。 「しかし貴公は建野の双葉と婚約をしているそうじゃないか、そういう話があるのに、妙な女が貴公の子だという者を抱いてうろうろしたらまずかろう、……会ってやれ」 「いや、な、なんと云っても、そんな素姓も知れぬ女などに会う必要はない」 「素姓は知っているよ」 真之助の眼はきらりと光った。 「ゆうべ中山の辻で貴公が斬ったろう、大阪生れの伝吉、大和屋伝吉の妹だ」 「……富安!」 「ちょっと待って呉れ」 真之助は不意に相手を遮り、空を向いてぶつぶつと呟きだした。 「……己は孫次郎を嫌いじゃない、嫌いじゃない、嫌いじゃない、こいつにも良いところはある、なかなか良いやつだ。己はちっとも癪に障ってなんぞいない、胸はさばさばしてる、こういう話も時には面白い、面白い、頗《すこぶ》る面白いくらいのものだ、殴りたいとなんぞは思わない、ちっとも殴りたくはない」 語尾はぶるぶると震えて来た。どうやら竜右衛門の教えの禁厭《まじない》も利かないらしい。 「拙者は帰る!」 真之助は卒然と立上った。 「邪魔をしたな、孫次郎。……だがひと言だけ断って置く。双葉との縁談はこの真之助が不承知だ、理由は云わぬ方がいいだろう。貴様に若し少しでも武士の血があるなら、死ぬ時期と場所だけは誤るなよ」 「富安、……その女は、貴公の家にいるのか」 孫次郎は蛇のように光る眼をあげて云った。 [#8字下げ]八[#「八」は中見出し] 「いたらどうする」 「いろいろ誤解があるようだ、会っ熟《よ》く話してみたら拙者の気持ち分ると思うが」 「そして斬るか、伝吉のように」 真之助は叩きつけるように、 「だがその手数には及ばぬ、会いたかったら仏壇へ香を※[#「火+(麈-鹿)」、第3水準1-87-40]《た》いてやれ、お津多は貴様の子を腹に持ったまま縊れて死んだぞ」 「…………」 「重ねて云うが死ぬ時期を誤るなよ」 そう云って部屋を出た。 真之助は癇持である、これまでそのために何度も喧嘩をした、彼の腹の虫は、彼の意志に反して随時随処に暴れだす、数々の失敗は多くその胸の虫のせいであったが、時には本心から怒りを爆発させたこともないではない……しかし今日ほど、今はど怒ったのは初めてである。彼は伝吉の愚直さを怒り、お津多という娘の不甲斐《ふがい》なさを怒り、孫次郎の狡猾《こうかつ》無慙《むざん》さを怒り、その孫次郎に一指も出さずして帰る自分を怒った。 彼を一本のギヤマンの壜《びん》とすると、いま中に填《つま》っているのは忿怒だけなのである。骨も肉も血も、引裂け、爆発したがって沸騰している忿怒そのものなのだ。 家へ帰った真之助は、昼なかだというのに酒を呷《あお》って寝床へもぐり込んで了った。 ――いくら孫次郎が卑劣者でも、ここまで悪事が露顕したら覚悟をするだろう。 念ずるのはそれだけだった。 孫次郎が自決して呉れれば、恥ずべき事は凡て闇に葬ったまま解決することが出来る、どうかそうなって貰いたい、……けれど、真之助のそう念《ねが》う心は、その夜のうちに叩き潰された。 夜の十時頃であったろうか、飲み直した酒がまたしても酔いそびれて、夜具のなかを輾転反側《てんてんはんそく》していると、 「旦那様、お起き下さいまし」 と勘助の唯《ただ》ならぬ声がした。 「なんだ、起きているぞ」 「建野様からお使で、お嬢様が此方へみえなかったか、行先を御存じなさらぬかという……」 半分も聞かず真之助はとび起きていた。着替えもそこそこに玄関へ出ると、建野の若い家士が外へ馬を置いて待っていた。 「どうしたのだ」 「あ、御無礼を仕ります。実は日の暮れがたに大横目役所から使がありまして、旦那様がお召しだと申し、お嬢様を案内して行ったままお戻りがございませぬ」 「使に来たのは慥《たし》かに役所の者だったか」 「私も見知りの近藤太兵衛と申す者なのですが、……余りお帰りが遅いので役所へお迎えに参りましたところ、旦那様はそんな使を出した覚えはないという仰せ、直ぐ使に来た者を探しましたが、……」 「いなかったのだな、其奴!」 「はい、それで近藤にはすぐ手配を致し、こうして念のために」 「遅い! 馬鹿げているぞ」 真之助は草履を突掛けながら、 「大横目が役所へなんの用で娘を呼ぶか、そのくらいの事は三歳の童児でも分るぞ」 「しかし旦那様はあれからずっと役所にお詰切でございましたし」 「やかましい、無駄口を叩くひまに貴様は越智の家へ行って見て来い、いるかいないか確と見届けて役所へ知らせるんだ、馬は借りる」 言葉の半分は門の外であった。 ――あの野郎! あの悪魔外道野郎。卑劣漢。犬侍。人非人の畜生の破廉恥漢め。真之助はそれが当の相手でもあるかのように、馬へぴしぴし鞭を当てながら大横目役所へ煽《あお》り着けた。 「……叔父上!」 呶鳴りながらとび込むと、 「真之助か、双葉の行衛が知れたぞ」 と竜右衛門が叫び返した。 「分りましたか、何処、何処です」 「孫次郎めが拐《いざな》い居ったのじゃ、あの越智の痴者《しれもの》が……」 「そんなことは分ってます、何処ですか、双葉は何処にいるんですか」 「まだそこまで分らんのだ」 「なにを仰有る、双葉の行衛は分ったのですか分らないのですか」 「いま近藤太兵衛を捕えたのだ、本町はずれの三岐《みつまた》に倒れているのをみつけたのだそうだ。調べてみると孫次郎めと共に双葉を伴れて備中へ脱走しようとしたが、その三岐で不意に四人の暴漢に襲われ、太兵衛は其場へ打倒されたが、孫次郎と娘はそのまま四人のために何処かへ連去られたという話だ」 「四人、……若しや、それは船破りの流人たちではありませんか」 「太兵衛もそう申して居る。慥かに四人とも」 「叔父上、双葉は取戻して来ます」。 [#8字下げ]九[#「九」は中見出し] 真之助は凱歌《がいか》のように叫んだ。 「双葉は必ず取戻して来ます、その代り叔父上、改めて真之助が妻に申受けますぞ」 「なにを、この……」 と云ったときは、もう真之助は脱兎のように走りだしていた。 四人というのは船破りの一味だ、彼等は伝吉の話に同情し、その仇討のために力を藉《か》していたと聞いている。伝吉が殺されたと知って、彼等は不幸な友の遺志を継ぎ、飽くまで孫次郎を跟覘《つけねら》っていたに違いない、……孫次郎はその罠《わな》のなかへ自らとび込んで行ったのだ。 彼等の目的は孫次郎にある。 しかし、だからといって双葉が安全であるとは云えない、命を投出している無頼漢四人、美しい乙女を前にして黙っているか。 「ああ八|幡《まん》!」 真之助は苦痛の呻きをあげた。 岩井村まで二十丁足らず、丸山の丘は夜目にも著《しる》くこんもりと森のかたちを見せている。馬は丘へ駆登り、森のなかへとび込んだ。すると一|段《だん》あまり行ったところで、ちらちらと灯の動くのが見えた。 ――まだいる。 半分救われた気持で馬をとび下りると、光をめあてに走った。 丘が北側へだらだら下りになる、その窪みの蔭に一棟の古い小屋が建っていた。もと森番でも住んでいたか、雨露に曝《さら》されて朽ちかかってはいるが、丸太で組上げた頑丈な造りである……灯の光はその南側の小窓から漏れているものだった。 真之助は忍足に近寄った。 小窓から覗くと、月代《さかやき》も髭《ひげ》も茫々と伸びた男が四人、土間にあぐらして、蝋燭の灯を囲みながら冷酒を呷っている。……そのすぐ後ろに、孫次郎と双葉とが、手足を縛られ、猿|轡《ぐつわ》を噛まされたまま壁際へ身を凭《もた》せていた。 真之助は静かに戸口へ廻った。……そして押戸をぱっと明けながら、 「やあ、みんな揃っているな」 平然と声を掛けつつ一歩入った。……不意を衝かれて四人があっ[#「あっ」に傍点]と起とうとする。 「騒ぐな!」 と真之助は絶叫した。 神髄に徹する気合である、起とうとしたまま四人は思わず居|竦《すく》んだ、その隙を寸分ものがさず 「おまえたちに用はない、伝吉から聞きはしなかったか、拙者は富安真之助だ」 「……あああの」 「船破りの罪は重いが岡山藩の知ったことではない、拙者は伝吉から仔細を聞いた、不幸な友達のために命を張って力を貸したおまえたちは、そこらの卑劣者に比べると遙《はる》かに立派な人間だ、……拙者は自分の眼の前でおまえたちを縛らせたくない、立退いて呉れ」 「……あなたが、富安さんなら」 と一人が恐る恐る云った。 「改めてお願いがございます。伝吉からお情深いことは熟く聞きました、どうか肯《き》いてやって下さいまし」 「出来るなら協《かな》えてやる、云ってみろ」 「伝吉の仇を討たせて下さいまし、私共の手でこの越智孫の野郎を斬らせて下さいまし、この通りお願い申します」 四人は土間へ手をついた。 真之助は無言のまま、つかつかと踏込んだと思うと、素早く双葉の足の縛《いましめ》を切放って抱起した。……四人は気を呑まれて身動きもしなかった。 「願いというのはそれだけか」 「……へえ、もう、もう一つございます」 別の一人が云った、「私共はもう覚悟を決めて居ります、これ以上逃げ隠れしたところで仕方がございません、伝吉の仇を討ちましたら旦那の手でどうかお縄にして下さいまし」 「無礼者! なにを申すか」 真之助は大声に呶鳴《どな》った。 「拙者は不浄役人ではないぞ、その願いは筋違いだ、ならん! 第一……おまえたちには礼をいわなくてはならんのだ、この娘は拙者の妻になるべき者で、そこの卑劣者に誘拐されたのだ、おまえたちはそれを救って呉れたんだぞ。……それ、寸志だ」 真之助は懐中から紙入を取出して四人の前へ投げた。……四人は呆れて、 「それでは伝吉の仇も討てませんか」 「拙者が云うのは、おまえたちを縛る手は持たぬということだ、無礼な! 二度とそんなことを申すと捨置かんぞ。……それから、こんな小屋は焼払う方がいいな。分ったか、分ったらさらばだ」 云い捨てて、真之助は双葉を抱くようにしながら小屋を出た。……外はまたしとしとと霖雨が降りだしていた。 真之助は確りと従妹の肩を抱き寄せた。 「いまの言葉を聞いたろうな」 「…………」 「おた[#「た」に傍点]は真之助の妻になるのだぞ、孫次郎は悪い奴だ、いや、いやあながち[#「あながち」に傍点]悪いとも限らぬかな、いいところもあるよ、なかかなか愛すべきところもある、己だって嫌いじゃない、けれども双葉の良人としては真之助の方に分がある。そうだろう、違うか、……返事をしないのか」 双葉の肩が、温かいまるみを真之助の腕のなかで悩ましげにもだえた。……両手の縛と猿轡が脱ってないのである。 「よし、返事をしないならしないでいい、真之助はきっとおた[#「おた」に傍点]を妻にしてみせる、孫次郎のように美男子ではないが腕は強いぞ、みろ」 真之助は腕に力をいれた。……猿轡を取って呉れと訴えるように、双葉は豊かな胸を従兄の体へぐいぐい押付けた。 「みろ苦しいだろう、苦しいなら返事をするんだ、否か応か、どうだ、どうだ」 闇のなかへ遠退《とおの》いてゆく真之助の声が、全く聞えなくなったとき、……窪地の小屋がめらめらと赤い※[#「陷のつくり+炎」、第3水準1-87-64]《ほのお》を吐きだしていた。 底本:「武道小説集」実業之日本社 1973(昭和48)年1月20日 初版発行 1979(昭和54)年2月15日 新装第七刷発行(通算10版) 底本の親本:「講談倶楽部」 1939(昭和14)年10月号 初出:「講談倶楽部」 1939(昭和14)年10月号 入力:特定非営利活動法人はるかぜ
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怒る新一郎 山本周五郎 ------------------------------------------------------- 【テキスト中に現れる記号について】 《》:ルビ (例)孕《はら》 |:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号 (例)奔|不羈《ふき》 [#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定 (数字は、JIS X 0213の面区点番号またはUnicode、底本のページと行数) (例)※[#「火+(麈-鹿)」、第3水準1-87-40] ------------------------------------------------------- [#5字下げ]一[#「一」は中見出し] その日もまた朝から小ぬかのような雨が降っていた。 どんよりした春の空は、この三、四日、降りみ降らずみ、重い雨雲を孕《はら》んで一向さっぱりとした青い色を見せてくれないのである。 「うん、いい雨だ、いい雨だ」 谷沢《たにざわ》新一郎は縁側に立ち、両方の握り拳《こぶし》に恐ろしく力を入れる、庭の若緑を煙らせる雨を眺めながら、言葉とは反対に焦《じ》れた渋面を思いきり顔に浮べていた。 「なんていい雨だ。気持がさばさばする。おれは雨が好きだ。大好きだ。雨は大好きだ」 「……なにを仰有《おっしゃ》ってるの」 従妹《いとこ》の荻江《おぎえ》が、不審そうに立ってきた。 備前岡山藩の大横目役、谷沢十兵衛の一人娘である。十八歳、美しいというより愛くるしいという感じの娘であった。 「雨が大好きだなんて、変ねえお従兄《にい》さま、先にはあんなにお嫌いだったのに、いつからこんな鬱陶《うっとう》しい雨がお好きになりましたの」 「うん、なに……江戸ではみんな、その、こんなことをいうんだ」 「お禁厭《まじない》ですの」 「うむ、まあ、つまり、そんなものだ」 谷沢新一郎は三年前に江戸詰になったのだが、持前の癇癖《かんぺき》が祟《たた》って江戸を失策《しくじ》り、つい先ごろ国許《くにもと》に帰ったばかりである。 雨にたたられてまだ荷物もほどいてない。女手のない不自由さを見かねて、伯父の谷沢十兵衛が娘の荻江を手伝いによこしたのも、昨日の激しい叱責《しっせき》を幾分和らげてやろうという思いやりが含まれているのかも知れない。 この老人には、藩内で横紙破りの定評のある、がむしゃらな半面の裏に、案外そんな人情にもろいお人好しな一面が匿《かく》されているのである。 それでなければ、放奔|不羈《ふき》な新一郎が、いくら父|亡《な》き後の親代りといっても、ただ恐れかしこまってお叱言《こごと》を聞くだけでいる筈《はず》はなかった。 昨日も、彼は、はいはいと一々頭を下げるばかりであった。 「今年になってからもこれだ」 苦々しげに十兵衛は長男の治左衛門がよこした江戸からの書簡を取りあげると、 「正月に沼江一郎次、村田仁右衛門、古崎太左衛門、二月に入ってからも林忠平、十崎《とざき》文之進とやっている」 「…………」 「どうしてそう喧嘩《けんか》がしたいのだ」 「…………」 「この調子ではいまに岡山藩の家中はみんなおまえの喧嘩相手になってしまう、いかん、これではいかんぞ新一郎」 「はい」 「お前の親爺《おやじ》も癇癪《かんしゃく》持ちだったが、悪い所が似たものだ」 藩内では伯父上の癇癪も有名でといいたかったが新一郎はまた「はい」といった。 「何がそう癪にさわるのか、今日は一つ儂《わし》に説明してみろ」 「はい」 「はいでは判《わか》らん」 「はい、いえ、何しろ江戸は駄目なのです伯父上、人間の気風も悪いし、それに天気も悪いし」 「天気が悪い、……天気が悪くたって仕様がないじゃないか。そんな風だから何事も旨《うま》くゆかないのだ。第一おまえは我慢というものを知らぬ。人間はなにより我慢が大切だ、例えばいまも春だというのにじとじと雨が降っているだろう、……おまえこれをどう思う」 新一郎は庭の方にちらと眼をやって、 「鬱陶しいです。むしゃくしゃしてきます」 「それその気持が癇の起る種だ」 十兵衛はしたり顔に云う。 「鬱陶しいと思うからむしゃくしゃしてくる、ああ良い雨だ、こう見ていると腹の底までさっぱりする、百姓はさぞ喜んでいるだろうと考えてみろ、物事は気の持ちようでそう思えば鬱陶しさなどすっ飛んでしまう」 「……そうでしょうか」 「また不愉快なことが起ったらこう思え、いい気持だ、なにも不平はないじゃないか、ああさばさばした気持だ……こう三遍云ってみろ、そうすれば自然と心が明るくなる。他人に対してもそうだ。あいつは厭《いや》な奴だと思うからいかん、あの男にも良いところはある、誰がなんといってもおれはあの男が好きだ、なかなか好人物じゃないかと考えるがいい、つまりそれが堪忍《かんにん》であり我慢というものだ」 その時十兵衛はそんな風に叱言をいったのである。 だが、いくらさばさばすると口ではいってみても、頭の芯《しん》が重くなるような鬱陶しさは拭《ぬぐ》い切れない。 それよりも、あまり荻江に追求されて伯父に叱言を食ったことまで露見しては具合が悪いので新一郎は急いで話題を変えた。 「そうだ、伯父上は昨日|流人《りにん》船の罪人たちが逃げたというので急いで役所に出てゆかれたが、どうなったかな」 「まだ捕まらないらしいのです。父はお役所へ詰めたきり戻りませんの」 叱言の途中でそんな報《しら》せが役所から来たので新一郎は助かったのである。でなければまだ、じっくりと痛めつけられるところであった。――うむ、こんな雨だというに面倒なことだ。くさくさする――と十兵衛はその時云いかけたが慌てて空咳《からぜき》をしてごまかし、 「もしこれから喧嘩をするようなことがあったら、理非を問わず勘当する、よく心得ておけ、役所から使が来たから今日はこれで、……また参れ」 そう言捨てて出掛けていったのだ。 「未《ま》だ帰られないのか、だが、もうこんな所にうろうろしている訳はないさ」 新一郎はにやにやして、 「捉《つか》まれば命のない罪人が、それでなくてさえ危険な城下町などにいつまでいるものか、それより早く他領へ手配をするがいい、伯父上も案外手ぬるいことだ」 「そんなお話はもう沢山」 荻江は甘えるように従兄《いとこ》を見上げた。 「ねえ、お従兄《にい》さま、それよりわたくし御相談したいことがありますの」 「いやに改ってなんだい」 「本気で聞いてくださらなければいやですわ」 「……云ってごらん」 荻江はまたちらと従兄を見上げたが、今度のひとみは見違えるほど艶《つや》やかな光をもっていた。乙女のひとみがそういう光を帯びてくる話題はひとつしかない。新一郎は武骨者であるが、その視線を見遁《みのが》すほど鈍くはなかった。 「ははあ、そうか」 「なんですの、……いやな、お従兄さま」 荻江は自分でも恥しいほど赤くなるのを感じたのか、両手で頬をおさえた。 「縁談だな、そうだろう」 「……ええ」 「誰だ相手は、まさかこの新一郎ではあるまいな」 「わたくし、もうお話いたしませんわ、そんなことを仰有るなら、……本気に御相談したいと思っているんですのに、ひどいお従兄さま」 「よし、それなら今度こそ本気に聞こう」 「本当に真面目《まじめ》に聞いてくださる」 「心配なんだね……その縁談のことが」 「どう云ったらいいのでしょうか」 荻江は襷《たすき》をそっと外した。……二の腕の羽二重のような肌を、紅絹裏《もみうら》が舐《な》めるように滑って落ちるのをみて、新一郎の逞《たくま》しい胸が微《かす》かにふるえた。 「向うの方はお従兄さまもご存じの瓜生紺之輔《うりゅうこんのすけ》さまですの」 「……瓜生、それは意外だな」 「去年の秋に大阪から岡山へお帰りで、それから間もなく父のすぐ下に勤められるようになり、折々うち[#「うち」に傍点]にもお見えなさいますの。……如才のない、よくお気のつくいい方ですし、父がたいそうなお気に入りですから、わたくしにも文句はない筈なんですのに……」 「なのに、どうしたと云うんだ」 「なんですか、わたくし」 荻江の声はここへきてひどく迷わしげになった。 「どことなくあの方が好きになれませんの、初めはそうでもなかったのですけれど、三度五たびとお会いするうちにだんだんそんな気持がしはじめたんです。……ではどこが厭かと云われるとべつだんこれと云って取立てて厭なところはないのですが、そんなのは性が合わないとでも云うのでしょうかしら、この頃ではなんだかお顔を見るのも気味が悪いように思いますわ」 「それはう荻江、嫁入り前の娘たちが誰でもいちどは考えることじゃないのか、相手が嫌いなのではなくて、嫁にゆく、人の妻になるということが不安になり、まだまだ娘でいたいという隠れた気持がそう思わせるのじゃないのか」 「新一郎従兄さまはそうお思いになって」 「瓜生紺之輔は頭の良い奴だ。あの若さで大横目の筆頭心得になるくらいだから、将来の出世のほども思われる、……それに男振りもなかなか好いじゃないか」 「それじゃあお従兄さまはわたくしが嫁《い》った方がいいと仰有るのですね」 怨《えん》ずるように荻江が云った。真剣な瞳《ひとみ》でにらむようにじっとこちらを見詰めている。 「もっと落着いてよく思案してごらん。嫁入り前には気持も動揺するものだ。ひとつの事を思詰めると他が見えなくなる。とにかく……」 云いかけて新一郎は庭の方へ振向いた。 卒然と、人の走廻るけたたましい跫音《あしおと》が起り、垣の破れる音に続いて、なにか罵《ののし》り騒ぐ切迫した叫びが聞えてきたのだ。 「なんでしょう、お従兄さま」 荻江はそっと従兄の方へ身を寄せた。 叫び声が近づいてきた。 「船破りだ」 「流人共が逃げ込んだぞ」 「御油断あるな」 走廻りながら、付近の屋敷へ知らせる声であった。「あっ」 と云って荻江が新一郎の腕へ縋《すが》りついた。 横庭からふいに下僕の勘助《かんすけ》が現われたからである。 「旦那様、流人の奴らがこちらへ逃込んできたと申します」 「なにか見違いだろう」 「いいえ、秦山《はたやま》様の薪《たきぎ》小屋に隠れていたのだそうで、刀を振廻しながらこちらへ逃げ込んだということでございます」 「では裏木戸を明けておけ」 「……明けるのでございますか」 「旨くゆけば逃げこんでくるだろう、おまえたちは部屋へ入ってじっとしておればよい」 勘助は雨のなかを跳んでいった。 「お従兄さま」 荻江は恐そうに、 「逃げ込んできたらどうなさいますの」 「そんなことはいいから片付け物の方を頼む、早くしないと夜になるぞ」 荻江が襷をとって部屋に入ると、新一郎は大剣を携えてどっかりと縁先へ坐った。 「よく降りやがる」 舌打をしたが、すぐに、 「だが百姓は喜んでいるだろう、いい降りだ、いい雨だ、おれは雨が大好きだ、雨は大好きだ」 ぶつぶつと口の内で呟《つぶや》いた。 [#5字下げ]二[#「二」は中見出し] 大横目の役所はごった返していた。 ここ数年このような大きな事件はなかったので、昂奮《こうふん》したように出入りする係りの役人たちばかりか、城下街全体が異様に殺気立っているようだった。 横目の出役の他に足軽が二百名あまりも動員されている。町々村々でも警戒の人数を要所要所に出して往来を見張った。海上には船手が出動していた。 事件と云うのは次のようなことであった。 安永六年(一七七七)四月二日、大阪奉行所の流人船が城下から一里南、西大川の河口に碇泊《ていはく》した。 これには十数名の重罪人が収容されていた。いずれも犯した罪禍により隠岐島《おきのしま》へ流される途中の者たちであった。 半日の寄航の予定が沖が荒れたために一日出航を延期したその未明、彼等の中でも最も兇悪《きょうあく》だと見做《みな》されていた五名の囚人が船牢《ふなろう》を破って逃亡したのである。 この事件には、まことに奇妙に思われる一つの謎《なぞ》が最初からつきまとっていた。 備前領で船破りをしたのならば、そのまま少し行って備中領へ逃げこむべきであった。 そうすれば、僅《わず》か三里か五里のところで捜査の手はよほど暇取る筈である。藩から藩に連絡して手配ができるまでに充分脱走囚たちは逃亡する余裕がある筈であった。ところが彼等はただ真一文字に浜辺にこぎ寄せて、そのまま備前領に上陸している。……しかも城下の方へ入りこんだというのだから、なんとも解《げ》せないことであった。 「厄介なことだ」 手配の衝に当った十兵衛は舌打して、 「罪人共が御領内へ逃げこんだというのは、確かな証拠でもあるのか、そう見せかけて備前領へ逃げたのではないのか」 「彼等が乗って逃げました小船が、七日市の三岐岸《みつまたぎし》に捨ててございましたし、つい先刻、内田村の農夫弥右門と申す者が、今朝まだ暗いうちに獄衣姿の五名づれが城下の方へ走っていくのを見たと訴え出ております」 「城下へ、なんでまた城下へなんぞ」 十兵衛はますます不機嫌だった。 「奉行へは達してあるな」 「はい、街道口も手配をいたしました」 「町廻りの人数倍増しだ」 と云って十兵衛は立ちかけたが、 「ああ、作事方へ使を頼もう、すぐに仮牢を作っておかなければならぬ」 「……牢を?」 「捕えても、大阪から受取りにくるまでには日数が掛る、そのあいだ当藩の牢へ入れておくという訳にもいかんじゃないか、福島の船番所の近くへでも建てることにしよう、……急ぐぞ、どんなに遅くとも日暮れ前にはでき上るようにするんだ。儂はちょっと出てくるからな」 十兵衛はせかせかと出ていった。 日が暮れてから間もなく、美作口《みまさかぐち》から瓜生紺之輔が馬を飛ばしてやってきた。 紺之輔はまだ二十六歳であるが、大阪蔵屋敷で抜群の腕を認められ、去年国詰めになるとすぐ大横目の心得筆頭に任ぜられた。 女のようななめらかな肌と薄い赤い唇が印象的であった。切れ長の眼をしていたが、時にそれは異状な激しさを表わした。 いまも馬を下りるなり、駆け寄った足軽の一人を突き飛ばすようにして、 「船破り一名を召捕りました」 と奥にまで聞える大声で怒鳴った。 「やったか」 家へも帰らず、役所で弁当をつかっていた十兵衛は、紺之輔の急報に箸《はし》を投出して現われた。 「どこで捕えた」 「美作道の高津へかかるところでした。いま運んで参りますが、仲間割れをしたらしく後ろから袈裟《けさ》がけに斬《き》られておりました。未だ呼吸はありましたが、どうやら一人で備中に逃げようとしてやられたようです」 「呼吸がある中に同類の行方を聞かねばならぬが」 十兵衛は憂《うれ》わしげに眉《まゆ》をひそめて云った。 「それは白状させました」 紺之輔は当然と云うように微笑して、 「他の四名は城下へ向ったと申しておりました」 「なんのために城下へ入るのか」 「それまでは……城下へという一言で落入りましたので」 「死んだのか」 十兵衛は忌々《いまいま》しげに呻《うめ》いた。 「人騒がせな奴等だ。山伝いに備中に行けばよいに、訳が判らぬ。……ともかく近辺にいるとあれば手配を厳重にしてできるだけ早くひっ捕えろ」 しかし騒ぎはその後二日たっても三日たっても納まらなかった。 厳重な手配にもかかわらず、五日の夜には西川町の備前屋嘉右衛門《びぜんやかえもん》という大きな米問屋へ押入って、金子《きんす》二十両あまりと米、味噌《みそ》などを盗んだ者があった。 それが四人組の流人たちの仕業であるか、それとも騒ぎにつけこんだ他の者がやった仕事か、備前屋の者がひどく狼狽《ろうばい》して、見極めていなかったためにどちらとも判らなかったが、城下町の恐怖はそのため一層ひどくなってきた。 こうした周囲の緊張と恐怖の中で谷沢新一郎だけは特別であった。と云うのは彼にとってはそれよりも大きな心配事が心を占めているので、そうした騒ぎはすべて上すべりして、妙に気持の中に爪跡《つめあと》を残さないのである。 ぽかぽかと暖かくなった陽気に悪くなった喰物にでも当ったのかな。 初めは本当にそう思ったほど、肉体的な痛みでさえあったが、間もなくその原因は朧《おぼ》ろげながらかたちを持って彼自身にもはっきりと掴《つか》めるようになってきた。 ふしぎな自覚である。今日まで曾《かつ》て一度もそんな感じはなかったのに、今しがた嫁にゆくと聞いてから、自分にとって従妹《いとこ》の存在がどんなに大切なものであったかということに気付いたのである。 新一郎は狼狽した。 嘘《うそ》も隠しもなく本当にまだそんな感じで従妹を見たことはない。年も六つ違いで、まだ彼女が自分のことを荻江と云えず、舌っ足らずにおた[#「おた」に傍点]、おた[#「おた」に傍点]と云っていた頃からほとんど朝夕一緒に育ってきた、従妹というよりは実の妹のような気持で可愛《かわい》がってきたのである。 それがいま……他人の嫁になるという事実にぶつかって、初めて今日まで自分の胸のなかに育っていた愛情が、いつかぬきさしならぬものに変っていたことを知ったのだ。 新一郎はもう以前のように虚心|坦懐《たんかい》に荻江の顔を見ることはできないような気がした。忙しく、主人は家を明けているに違いない本家の谷沢家を見舞わねばならぬと知って、なおあれから一度も顔を出さないのも、そうした理由からだった。 それにしても、 ――わたくし、あの方が好きになれませんの――と云った荻江の言葉は大きな誘惑である。 紺之輔が好きになれないと訴える言葉の陰になにか告白しようとするものがあったのではないか。……そう思うと新一郎の心はぐらつきはじめた。 ――もしや荻江も。 という気持さえ起ってくる。 「いかん。なんという馬鹿な」 新一郎は我に返って吐出すように去った。 「もう話もおよそ決っているに違いない今になってなんだ。そんな未練がましいことを考えるなんてうろたえ過ぎるぞ……しっかりしろ」 しっかりしろと何度も呟くのだった。 生れて初めての感情だけに始末が悪かった。何か痛烈な刺激にでも会ってそうしたくだらぬ懊悩《おうのう》をきれいさっぱり忘れられたら、と夜など屋敷の付近の暗がりを大剣を腰にぶらついたりした。船牢破りの流人たちにこちらから求めてぶつかりたい気持であった。 そうしたある日、帰国してから初めて登城した新一郎が、夜になって下城してくると、片側屋敷の河岸でふと怪しい人影を認めた。 侍屋敷のながい築地のはずれに、ぴったり身を寄せていたのが、新一郎の姿を見ると鼬《いたち》のように暗がりに消えたのである。 「――勘助」 気付かぬ風に四、五間行ってから、新一郎は提燈《ちょうちん》を持って供をしていた下僕にそっと云った。 「おまえひと足先に行け、怪しい奴がいるから見届けてくる。向うの橋の袂《たもと》で気付かれぬように待っていろ」 新一郎は穿物《はきもの》を脱ぎ棄てた。 曲者《くせもの》のひそんでいた小路を、逆の方から忍足に近寄っていくと、さっきと同じ場所に同じような恰好《かっこう》でじっと身をかがめている姿が見えた。 なにかを覘《うかが》っているらしい。 新一郎があいだ二間ほどに近寄って、呼吸を計る刹那《せつな》、相手はふっと振返って、 「――あっ!」 叫びながら棒立ちになった。 「動くな」 新一郎は大声に、 「動くと斬るぞ」 云いつつ詰寄った。気合の籠《こも》った態度に圧倒されたか、相手は一瞬そこへ立ちすくんだが、新一郎の手が伸びようとするとたん、 「わっ!」 というような喚《わめ》きと共に、いきなり抜打ちに斬りつけてきた。……しかしそれは法もなにもない無茶なもので、新一郎が僅かに体をかわすと、そのまま雨水の溜《たま》った道の上へ烈《はげ》しく顛倒《てんとう》した。 「おのれ手向いするか」 「――畜生」 「やめろ、神妙にせぬと本当に斬るぞ」 相手は肩で息をしながら、抜身を構えて起上ると、窮鼠《きゅうそ》の勇で再び突っ掛けてきた。 「えい!」 新一郎はひっ外しながら、たたらを踏む曲者の背へぱっと拳《こぶし》を当てた。 「――あっ」 はずみを喰って道へのめり伏す。踏込んだ新一郎は利腕《ききうで》を逆にねじ上げた。すると曲者は狂気のように、 「たすけ、助けてください」 喉《のど》も裂けんばかりの悲鳴であった。 「お手向いはいたしません。妻の仇《あだ》が討ちたいのです。仇さえ討てば名乗って出ます。どうかそれまでお見のがしください。お慈悲でございます。お慈悲でございます」 意外な言葉だった。 「……妻の仇。それは真《まこと》か」 「お疑いならなにもかもお話し申上げます。その代りどうか、どうか見逃してやってくださいまし、妻の仇さえ討てばこの世に望みのない体です。必ず名乗って出ますから」 「……起《た》て」 新一郎は手を放して云った。 「仇討ちという言葉は聞捨てならぬ、しかし偽って逃げでもしたら斬るぞ」 「は、はい、もう決して逃げはいたしません」 「この暗がりではどうにもならぬ。拙者の家まで参るがよい、仔細《しさい》を聞くまでは決して無慈悲なことはしないから安心しろ」 「あ、有難うございます」 男は泣いている様子だった。 新一郎は男を導いて、元の場所へ戻り、穿物を拾って鶴見橋の袂まで行った。……待兼ねていた勘助は、近寄ってきた主人が、泥まみれになった獄衣の男を伴《つ》れているので、 「あ、だ、旦那様」 と思わず驚きの声をあげた。 新一郎も提燈の光で、初めて男が船破りの一人であるのを知った。 「騒ぐな勘助」 「……へえ」 「おまえの合羽《かっぱ》を脱いで貸してやれ」 勘助は訳が分らぬという顔で合羽を脱ぎ、命のままに男の背に掛けてやった。 [#5字下げ]三[#「三」は中見出し] 家の裏手から入り、濡《ぬ》れた物を着替えさせて、居間の燈をあいだに向合って坐《すわ》ったのはそれから半刻ほど後のことだった。 男はまだ二十八九であろう、栄養の悪い痩《や》せた体つきで、身ごなしや眼の動きにも永い囚獄生活を経てきた者の落着かぬ色が焼着いていたが、頬から唇許《くちもと》へかけて、どことなく育ちの良い俤《おもかげ》がうかがわれた。 「おまえは船破りの流人だな」 「……はい、名は伝七と申します」 「妻の仇を討つと云ったが、相手はこの城下の者なのか」 「仰有《おっしゃ》る通りでございます」 「拙者は谷沢新一郎という者だ。次第に依《よ》っては仇討の介添もしてやる。詳しくその訳を話してみろ」 「有難う存じます」 伝七という若者はきちんと膝《ひざ》へ手を重ねて、 「それではお聞苦しゅうはございましょうが、お情に甘えて申上げます。ただ今も申上げました通り、私の名は伝七、家は高知屋と申しまして大阪|天満《てんま》筋に数代伝わる米問屋でございました」 と話しだした。 それによると、高知屋は天満筋でも一流の米問屋として、明和末年までは指折りの豪商で、諸藩の蔵屋敷にも多くの顧客《とくい》を持っていたが、伝七の父伝左衛門が相場で失敗を続け、安永三年の夏に急死するとにわかに家運が傾きだした。 この傾きかかった家を継いだ伝七はどうかして昔の高知屋に立直そうと思い、そのためにはあらゆる無理を冒して働きだしたのである。これには同じ天満筋の問屋から嫁にきた妻の夏も身を粉にしても夫を助けて、もはや良い顔をしない実家の人々を見返してやろうと誓い合ったという。……ところが、そのとき、岡山藩の蔵屋敷から、 ――当家の廻米仕切を一手に任せてもよい。 という話が持込まれてきた。 その当時、岡山藩が大阪蔵屋敷へ廻した米は一年およそ五、六万俵に上り、加賀、薩摩に次ぐ大出廻りを持っていたのである。 これだけの廻米を一手に仕切ることができれば、高知屋の家運を盛返すことも難事ではない。しかし、この巧《うま》い話には二つの障害があった。その話を持込んできた蔵屋敷留守役が、嫁入る前は天満小町とうたわれたほどの美貌《びぼう》であった妻の夏に眼をつけたのである。 家運の挽回《ばんかい》に狂奔していた伝七は、このすばらしい餌《えさ》を前にして理性を失っていた。 「どれほど悔んでも悔み足りないのは、妻の嘆きを見て見ぬ振りをしていたことです。ところが廻米仕切の話は一向に運ばず、そのうえ上役に道を通すのだからと云って三十両、五十両と金の無心ばかり続きまして、ついには身動きのできぬようなことになってしまったのです。これはいけないと気がついた時はもう手後れでございました。なにもかも思惑違い忘れてくれという一本の書簡が届きました時には妻の夏はその男の子供を宿しておりました」 伝七の拳は膝の上でわなわなと震えた。……もし本当に人の眼から血の涙が出るとしたら、いま伝七の頬に溢《あふ》れる涙は鮮血に染っていたに違いない。 「みんな初めから企《たくら》んだ仕事でした。そのお侍は私から捲上《まきあ》げた金で出世の道を明けたのです。私たちは阿呆《あほう》のように騙《だま》されたのでございます。妻は……妻の夏は……捨てられた身重の体を恥じて縊《くび》れて死にました」 「うーむ」 「私はその晩、夢中で池田様の蔵屋敷へ押込みました。ひと太刀でも恨んでやろうと思ったのです。けれど町人の悲しさ、たあいもなく手籠《てご》めにされて奉行所へ曳《ひ》かれ、……そのまま一年の牢舎暮しをしたうえ、こんど隠岐島へ流罪《るざい》と決ったのでございます」 「その、その相手は誰だ、何という奴だ」 堪《たま》りかねて膝を乗り出した新一郎は伝七の返事を聞いてあっと声をあげた。 「瓜生紺之輔と云いました」 「瓜生、瓜生紺之輔」 「ご存じでございますか」 新一郎の顔色は変っていた。 伝七の話は熱鉄のように新一郎の肺腑《はいふ》を刺したのだ。このような複雑な事情の下には、町人と武士との差があらゆる条件を蹂躙《じゅうりん》する、どんなに非人情であっても、紺之輔のしたことが確然と罪を構成しない限り、伝七の理窟《りくつ》は通らないのだ。……さればこそ、島送りの途中、この岡山へ船繋《ふながか》りしたのを命のどたん場に、脱走して仇を討とうとしたのだ。恐らく七生を閻王《えんおう》に賭《と》したことだろう。 新一郎はしかし、相手が紺之輔であると聞いた刹那、燃えあがっていた義憤が一時に冷えあがるのを感じた。 従妹の婿《むこ》に決ったと聞いたばかりである。 これが他の者だとしたら、首に縄をかけても伝七の前へ引摺《ひきず》り出したであろう。 だが紺之輔ではそれができない。 新一郎は自分が荻江に愛情を持っていることを自覚してしまった。紺之輔を除いて荻江を自分の妻にしようという避け難い考えが、胸の底にひそんでいるのも知っている。それだからこそできないのである。伝七に力を貸すことは、自分の欲望を遂げる手段になるではないか。 「他の者はどうしたのだ」 「はい、岩井村に丸山とかいう丘がございますが、その丘の蔭《かげ》の小舎《こや》に隠れております」 「いまの話はみんな知っているのか」 「みんな無頼漢ばかりでございますが、私の身上に泣いてくれまして、船破りの手助けをしたうえ一緒に紺之輔を狙《ねら》っていてくれるのでございます。手前勝手に逃げ出そうとした一人は秘密が露見するというので、私が知らぬ間に仲間の者に斬り殺されてしまいました」 「存じておる。だが真に気の毒な話だ。本来なれば助太刀るすべきだが、残念ながらできない事情がある」 「……はい」 「いま着替えの衣服を持たせるから姿を変えてゆくがいい、一心岩を徹す、人間と人間だ、死ぬ覚悟ならきっとやれる」 「……はい」 「神明の加護を祈っているぞ」 そう云い棄てて、新一郎は顔をそ向けたまま部屋を出ていった。 その翌々日の朝のことである。 久し振りに雨がやんで、雲の切れ目から時々青空が覗《のぞ》くのを、食事のあとののびやかな気持で、縁の柱に凭《もた》れながら呆《ぼ》んやり眺めていた新一郎は、 「旦那様、到頭やりましたぞ」 と喚くような声に振返った。勘助が汗を拭《ふ》きながら庭先へ入ってくる。 「なにをやったんだ」 「中山の辻で船破りの流人めが一人斬られたのでございます。今朝明け方のことだった。そうで、肩から胸へこう……」 「勘助、お前見たのか」 「いいえ話に聞いたばかりでございますが」 云いかけて下僕は、はっとその口を噤《つぐ》んでしまった。主人の顔色で前々日の夜のことを思出したのである。 「……斬ったのは誰だ、聞かなかったか」 「瓜生さまだという噂《うわさ》でございます」 「……やっぱり、そうか」 斬られたのは伝七に違いない。 ――落着かなくてはいけない。おれは癇癪《かんしゃく》持ちだからな、落着くんだ。 新一郎はふくれあがる忿怒《ふんぬ》を抑えながら、手早く身支度をして、すぐ戻ると云い残したまま、家を出掛けた。 役所へ行ったが、ゆうべ徹宵《てっしょう》の出役で家へ帰っていると聞き、斬られた流人が伝七であることをたしかめてから、その足で西川町の瓜生の屋敷を訪れた。……紺之輔はいま寝ていたところだと云って、渋い眼をして客間に出てきた。 「邪魔をして済まなかった」 「いや、貴公とは久方振りだ。帰国したことは谷沢老から聞いていたが、知っての通りつまらぬ騒ぎで訪ねる暇もない」 「それはお互いのことだ」 新一郎は努めて静かに、 「騒ぎというので思出したが、貴公ゆうべはお手柄だったそうだな」 「手柄どころかお叱《しか》りを蒙《こうむ》った。流人共は前にも一人死なせているので必ず生捕りにしろと谷沢老から厳しい申付けだったのだが、案外|手強《てごわ》く向ってこられたので、つい抜いたのがはずみに斬ってしまった」 「しかしその方が貴公には好都合だったのではないか」 我慢し切れなくなって新一郎は鋭く云った。 「……好都合だって?」 「拙者はそう思うがなあ」 紺之輔の端麗な顔が、疑わしげな色を帯びてきた。新一郎はその隙《すき》を逃さず、 「実はなあ瓜生、拙者の許《もと》へ貴公に会わせてくれと、訪ねてきている者があるんだが、会ってやってくれぬか」 「……どんな者なのだ」 「女だ、子供を抱いている」 「…………」 「大阪の者でお夏というそうだ」 総髪が逆立つとはこのことであろう、紺之輔の顔から一時に血がひき、頬から額へかけて皮膚が眼に見えるほど痙攣《ひきつ》った。 「どうだ、会ってやらぬか」 「知らぬ、さような女は知らぬ、貴公は」 「紺之輔!」 新一郎は拳を握った。 「貴公どうしてそんなに震えるんだ。お夏という女が会いたいというだけじゃないか、知らぬなら知らぬでいい、なにかの間違いだろうから会えば済むことだ。……向うでは抱いている子を貴公の胤《たね》だと云っている。捨てては置けないぞ」 「いや、会う必要はない」 紺之輔の声は乱れていた。 「な、なんと云っても、そんな素姓も知れぬ女などに会う必要はない」 「素姓は知っているよ」 新一郎の眼はきらりと光った。 「ゆうべ中山辻で貴公が斬ったろう、大阪生れの伝七、高知屋伝七の妻だ」 「……谷沢!」 「ちょっと待ってくれ」 新一郎は不意に相手を遮《さえぎ》り、空を向いてぶつぶつと呟《つぶや》き出した。 「……おれは紺之輔を嫌いじゃない。嫌いじゃない。ちっとも嫌いじゃない、こいつにも良いところはある、なかなか良いやつだ。おれはちっとも癪に障ってなんぞいない、胸はさばさばしてる、こういう話も時には面白い、すこぶる面白いくらいのものだ。殴りたいとなんぞは思わない、ちっとも殴りたくはない」 語尾はぶるぶると震えてきた。どうやら十兵衛の教えた禁厭《まじない》も利《き》かなくなるらしい。 「拙者は帰る!」 新一郎は卒然と立上った。 「邪魔をしたな、紺之輔、……だがひと言だけ断っておく、荻江との縁談はこの新一郎が不承知だ、理由は云わぬ方がいいだろう。貴様にもし少しでも武士の血があるなら、死ぬ時期と場所だけは誤るなよ」 「谷沢、……その女は本当に貴公の家にいるのか」 紺之輔は蛇のように光る眼をあげて云った。 「いたらどうする」 「いろいろ誤解があるようだ。会ってよく話をしてみたら拙者の気持も分ると思う」 「そして斬るか、伝七のように」 新一郎は叩《たた》きつけるように、 「だがその手数には及ばぬ、会いたかったら仏壇へ香を※[#「火+(麈-鹿)」、第3水準1-87-40]《た》いてやれ、お夏は貴様の子を腹に持ったまま縊れて死んだぞ」 「…………」 「重ねて云うが死ぬ時期を誤るなよ」 そう云って部屋を出た。 新一郎は癇癪持ちである。これまでそのために何度も喧嘩《けんか》をした。彼の腹の虫は、彼の意志に反して随時、随所に暴れだす。数々の失敗は多くその癇の虫のせいであったが、時には本心から怒りを爆発させたこともないではない……しかし今日ほど怒ったのは初めてである。彼は伝七の愚かさを怒り、夏という妻の不甲斐《ふがい》なさを怒り、紺之輔の狡猾《こうかつ》無慙《むざん》さを怒り、その紺之輔に一指も出さずして帰る自分を怒った。いま彼の身体の中に填《たま》っているのは忿怒だけなのである。 ――いくら紺之輔が卑劣漢でもここまで悪事が露見したら覚悟するだろう――念ずるのはそれだけだった。だがその心やりは間もなく叩潰《たたきつぶ》された。 [#5字下げ]四[#「四」は中見出し] 夜の十時頃であったろうか、飲み直した酒がまたしても酔いそびれて、夜具のなかを輾転《てんてん》反側していると、 「旦那様、お起きくださいまし」 と勘助のただならぬ声がした。 「なんだ、起きているぞ」 「谷沢さまからお使で、お嬢さまがこっちへみえなかったか、行先をご存じなさらぬかという……」 半分も聞かず新一郎はとび起きていた。着替えもそこそこに玄関へ出ると、谷沢の若い家士が外へ馬をおいて待っていた。 「どうしたのだ」 「あ、御無礼を仕《つかまつ》ります。実は日の暮れがたに大横目役所から使がありまして、旦那様がお召しだと申し、お嬢さまを案内していったままお戻りがございませぬ」 「使にきたのはたしかに役所の者だったか」 「私も見知りの今井兵太郎と申す者なのですが、……余り帰りが遅いので役所へお迎えに参りましたところ、旦那様はそんな使を出した覚えはないという仰《おお》せ、すぐ使にきた者を探しましたが……」 「いなかったのだな、そいつ!」 「はい、それで今井にはすぐ手配をいたし、こうして念のために」 「遅い! 馬鹿げているぞ!」 新一郎は草履を突掛けながら、 「大横目が役所へなんの用で娘を呼ぶか、そのくらいのことは三歳の童児でも分るぞ」 「しかし旦那様はあれからずっと役所にお詰きりでございましたし」 「やかましい、無駄口を叩くひまに貴様は瓜生の家へ行って見てこい、いるかいないか確《しか》と見届けて役所へ知らせるんだ。馬は借りる」 言葉の半分は門の外であった。 あの野郎! あの悪魔外道野郎。卑劣漢。犬侍。人非人の畜生の破廉恥漢め。新一郎はそれが当の相手ででもあるかのように、馬へぴしぴし鞭《むち》を当てながら大横目役所へ煽《あお》り着けた。 「……伯父上!」 どなりながらとび込むと、 「新一郎か、荻江の行方が知れたぞ」 と十兵衛が叫び返した。 「分りましたか、どこ、どこです」 「紺之輔めが拐《さら》いおったのじゃ、あの瓜生の痴者《しれもの》が……」 「そんなことは分ってます。どこですか、荻江はどこにいるんですか」 「まだそこまでは分らんのだ」 「なにをおっしゃる、荻江の行方は分ったのですか、分らないのですか」 「いま今井兵太郎を捕えたのだ。本町はずれの三岐《みつまた》に倒れているのをみつけたのだそうだ。調べてみると紺之輔めと共に荻江を伴れて備中へ脱走しようとしたが、その三岐で不意に三人の暴漢に襲われて兵太郎はその場へ打倒されたが、紺之輔と娘はそのまま三人のためにどこかへ連去られたという話だ」 「三人、……もしや、それは船破りの流人たちではありませんか」 「兵太郎もそう申している。たしかに三人とも」 「伯父上、荻江は取戻してきます」 新一郎は凱歌《がいか》のように叫んだ。 「荻江は必ず取戻してきます。その代り伯父上、改めて新一郎が妻に申受けますぞ」 「なにを、この……」 と言ったときは、もう新一郎は脱兎《だっと》のように走りだしていた。 三人というのは船破りの一味のことだ。彼らは伝七の話に同情し、その仇討のために、力をかしていたと聞いている。伝七が殺されたと知って、彼らは不幸な友の遺志をつぎ、あくまで紺之輔をつけ覘《ねら》っていたにちがいない。……紺之輔はその罠《わな》のなかへ自らとび込んでいったのだ。 彼らの目的は紺之輔にある。 しかし、だからといって荻江が安全であるとは言えない、命を投出している無頼漢《ならずもの》三人、美しい少女を前にして黙っているか。 「ああ、八幡《はちまん》」 新一郎は苦痛の呻《うめ》きをあげた。 岩井村まで二十丁足らず、丸山の丘は夜目にも著《しる》く、こんもりと森のかたちをみせている、馬は丘へ馳登《かけのぼ》り、森のなかへとび込んだ、すると一段あまり行ったところで、ちらちらと燈の動くのがみえた。 ――まだいる。 半分救われた気持で馬を下りると、光をめあてに走った。 丘が北側へだらだら下りになる、その窪《くぼ》みの蔭に一棟の古い小屋が建っていた。もと森番でも住んでいたか、雨つゆに曝《さら》されて朽ちかかってはいるが、丸太で組上げた頑丈な造《つくり》である……燈の光はその南側の小窓からもれているものだった。 新一郎は忍足に近寄った。 小窓から覗くと、月代《さかやき》も髭《ひげ》も茫々《ぼうぼう》と伸びた男が三人、土間にあぐらをかいて、ろうそくの燈を囲みながら冷酒を呷《あお》っている。……そのすぐ後に、紺之輔と荻江とが、手足を縛られ、猿轡《さるぐつわ》を噛《か》まされたまま壁|際《ぎわ》へ身をもたせていた。 新一郎は静かに戸口へ廻った。……そして押戸をばっと明けながら、 「やあ、みんな揃《そろ》っているな」 平然と声をかけつつ一歩入った。……不意をつかれて三人があっと起《た》とうとする。 「騒ぐな!」 と新一郎は絶叫した。 神髄に徹する気合である。起とうとしたまま三人は思わず居すくんだ。そのすきを寸分ものがさず、 「おまえたちに用はない、伝七から聞きはしなかったか、拙者は谷沢新一郎だ」 「ああ、あの……」 「船破りの罪は重いが岡山藩の知ったことではない、拙者は伝七から仔細を聞いた。不幸な友達のために命を張って力をかしたおまえたちは、そこらの卑劣者に比べるとはるかに立派な人間だ、拙者は自分の眼前でおまえたちを縛らせたくない。立退《たちの》いてくれ」 「あなたが、谷沢さんなら」 と一人が恐るおそる言った。 「改めておねがいがございます。伝七からお情深いことはよく聞きました。どうかきいてやってくださいまし」 「できることなら協《かな》えてやる、云ってみろ」 「伝七の仇を討たせてくださいまし、私共の手でこの瓜生の野郎を斬らせてくださいまし、この通りおねがい申します」 三人は土間へ手をついていた。 新一郎は無言のまま、つかつかと奥へ踏込んだ。 三人は気を呑《の》まれて身動きすらしなかった。 「願いというのはそれだけか」 「……へえ、もう、もう一つございます」 別の一人が云った。 「私共はもう覚悟を決めております、これ以上逃げ隠れしたところで仕方がございません、伝七の仇を討ちましたら旦那の手でどうかお縄にしてくださいまし」 「無礼者! なにを申すか」 新一郎は大声にどなった。 「拙者は不浄役人ではないぞ。そのねがいは筋ちがいだ、ならん! 第一……お前たちには礼を云わなくてはならんのだ、この娘は拙者の妻になるべき者で、そこの卑劣者に誘拐《ゆうかい》されたのだ、おまえたちはそれを救ってくれたんだぞ。……それ、寸志だ」 新一郎は懐中から紙入を取出して三人の前へ投げた。……三人は呆《あき》れて、 「それでは伝七の仇も討てませんか」 「拙者が云うのは、おまえたちを縛る手はもたぬということだ、無礼な! 二度とそんなことを申しては捨置かんぞ。……それから、こんな小屋は焼払ってしまう方がよい。分ったか、分ったらさらばだ」 云いすてると新一郎は訴えるような眼を猿轡の間から出して全身で彼に呼びかけていた荻江の縛《いましめ》を手早く切りはらい肩を抱くようにしながら小屋を出た。 淡い朧《おぼろ》な春の月が、そのときようやく切れた雲の間からしっかりと肩を寄せ合って歩き出した二人を照らしていた。 [#地から2字上げ](発表誌不詳) 底本:「怒らぬ慶之助」新潮社 1999(平成11)年9月1日発行 2006(平成18)年4月10日八刷 底本の親本:「婦道小説集」実業之日本社 1977(昭和52)年9月 入力:特定非営利活動法人はるかぜ
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前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第48話 あの闇の中へ進め 深海竜 ディプラス 根源破滅天使 ゾグ(幻影) 登場! この世界の行く先を左右するであろうトリスタニアでの戦いを、全ハルケギニアや東方のエルフたちも注視している。 しかし、確かにそれは過去数世紀来の大事件であろうが、同等の重要さを持つ戦いが同じトリステインですでに始まっていることを知る者は少ない。 高次元捕食王アークボガール。惑星すら軽く食い尽くす恐るべき宇宙の悪魔を止めるべく、東方号は異世界からの救援を求めにラグドリアン湖の底へと潜行した。 だが、ラグドリアン湖の底はいまだハルケギニアの何人もたどり着いたことのない未知の領域である。どんどんと深さを増していく中で、水圧という悪魔は少しずつ東方号を握る手を強めていっていた。 深度千メイル、二千メイル、三千メイル。まだ東方号はビクともしない。だが、本当の地獄はまだこの先に待っているのだ。 ミシリ…… 東方号の耐圧装甲から、はじめて恐れていた音が皆の耳に響いた。 空耳ではない。それは一度ではなく、続いて、ミシリ、ミシリと連続して響いてくる。それまで水の精霊とのおしゃべりに夢中になっていたキュルケたちは、とうとう来るべきときが来たことを察し、コントロールパネルを扱っていたティラに目を向けた。 「現在、ラグドリアン湖の水面下一万メイル。ここから先は、鉄の塊を紙くずみたいに握りつぶす死の領域よ。メイジのみんな、お楽しみは終わりよ、用意して!」 ティラの叫びで、メイジは全員杖を握り締めて息を呑んだ。 これより先は、この耐圧区画の外に出ようものなら人間など一瞬でグシャグシャにされてしまう、水圧の支配する絶対領域。海棲人パラダイ星人でも耐えられないほどの完全に未知の暗黒水域だ。 そこを目指し、東方号はひたすら沈んでいく。本来ならば、最深部でも耐えられるように念入りに建造されるはずだったのが半分もいかず、耐えられるのはここまでが限界だ。ここから先は、不足する強度を補うために中から魔法で補強してやらねばならない。 『念力』 手を触れずにものを動かす魔法の応用で、中から力をかけることで水圧を相殺する。キュルケとドゥドゥーが魔法をかけたことにより、不穏な音がやんだ。 「やった! 成功ね」 キュルケが、どんなもんだいとでも言うかのように得意げに叫んだ。だが、コルベールは目つきを緩めることなく釘を刺す。 「いや、こんなものは序の口だ。ここから先、水圧は比べ物にならないほど強くなってくるはずだ。皆、精神力の使いすぎには注意するんだ。少しの油断が、この先はそのまま死につながることになる」 コルベールの警告に、ドゥドゥーとジャネット以外は気を引き締めなおした。ここからが本番、力を試されるのは、ここからだ。 そのとき、外を観察していたティアが引きつった声で言った。 「みんな、下を見てみて。これ、すごいわよ」 「なんだい? お、こりゃあ……たまげたね」 ドゥドゥーも、その光景には思わず息を呑んだ。ティアが映し出した東方号の周囲の光景、それを赤外線処理で昼間のように明るく映し出したところには、ようやく見えてきたラグドリアン湖の湖底と、湖底を裂くように広がっている巨大な亀裂が見えたのだ。 亀裂の幅は少なく見積もっても五リーグほど。それが湖底からさらに深くへと断崖のように沈みこんでいる。底は深すぎてとても見えない。コルベールは、その地上では決してありえない光景を見て、ぞっとしながらつぶやいた。 「大水崖だ……とうとう見えてきたぞ」 「だい……なんですの、それは?」 「かつて、優れた水の使い魔を使役していたメイジが歴史上唯一観測したという、ラグドリアン湖の底に広がる巨大な谷のことだ。別名は、青い地獄の淵。これより深くは、いかなる使い魔も到達することはできず、その底はハルケギニアの永遠の謎と言われてきたんだ」 「と、いうことは。わたしたちが、向かうべき目的地は」 「そう、水の精霊の都は、この大水崖の底にあるということだ」 ついに、ついに目的地が見えてきた。この先は、完全なる人跡未踏の魔境。ハルケギニア永遠の謎に挑むこととなる。 覚悟を決めるのを待つまでもなく、東方号は大水崖の中へと沈んでいく。左右に見える景色は、断崖の両側の壁のみ。垂直に切り立ったその岸壁の険しさは、火竜山脈とて比較にもならないだろう。 下はまったく見えない。まるで、無限永劫に続いてるかのようだ……いったい底などあるのか? 息を呑む彼らに対して、水の精霊が短く言った。 「よくここまでやってきたな、単なる者たちよ。道のりはあと半分だ」 「あと半分? ということは、あと……一万メイル、ですか」 コルベールが額で輝く汗をぬぐってつぶやいた。あと一万メイルの深さに、この東方号は耐えられるのだろうか。外でタバサの姿で浮いている水の精霊はすました様子だが、普通の生き物にとってはここはまさに地獄そのものだ。 と、そのとき外の様子を水質や温度なども含めて観察していたティラがいぶかしげに言った。 「おかしいわね。水中の塩分濃度がすごい勢いで増えてる。この成分分布だと、まるで海の中じゃない。精霊さん、もしかして」 「そうだ。異世界への門の先は、ときおりどこかの世界の海とつながることがある。我らもそうして来た者であり、ここより深くは深海と変わらない世界が広がっている。心せよ」 言われてみれば、外を泳いでいる魚の様子も変わっているようだ。まさか、湖の中に海があるとは誰も思わなかった。日本のとある湖は地底で海につながっていて、そこから大ダコが出てきたことがあるというが、これは文字通りスケールが違う。 だが、見とれている場合ではなかった。再び、船殻がミシミシときしみだしたのだ。キュルケとドゥドゥーに加えて、今度はジャネットも『念力』をかけてようやく収まるが、安心した者はいなかった。 「水の力が、強くなってきているのね」 「そうだ。スクウェアクラス三人で、ようやくギリギリだと言っただろう。ミス・ファーティマ、このぶんだと水中呼吸の魔法も早く必要になるかもしれん。準備を頼むよ」 「わかった。わたしもこんな海で水練などしたくないからな。しかし、なんという不穏な海だ……この下に精霊の住まう場所があるなどと、とても信じられない」 こんな海に沈んだら永遠に死体も浮いてこないだろう。深度はすでに一万メイルを軽く突破し、エルフの水軍もこんな深さまで潜ったものはいない。 すべてにおいて、世界初のことを自分たちはやっている。しかし偉業を成しているという実感はまったくない。 ひたすらに、下へ、下へ、下へ。光ではなく闇の方向へと、ひたすらに降りていく。その先に、本当の希望の光があると信じて。 しかし、深度一万三千メイルを超えたときだった。水の精霊が、突然慌てた雰囲気で言ってきたのだ。 「まずい、来る。あれがこっちに向かってくる」 「なんですって? なにが、何が来るっていうんですか」 「悪意に満ちた生命。幾万と月を重ねた過去に異なる海からやってきて、湖底に眠り続けていた、我の力も及ばぬほど凶暴な獣がやってくる」 なんだいったい? 水の精霊の抽象的な言い方に、皆はいぶかしるが、何か危険が迫ってきているのだけは確かなようだ。 いったい何がどこから来る? そのとき、レーダーを睨んでいたティラが叫んだ。 「右、下方からなにかが接近してくるわ。なにこれ大きい、それに速過ぎる。普通の生物じゃありえないわ。気をつけて!」 「気をつけてって、いったい何に気をつければいいんだい!?」 ドゥドゥーが困惑して叫び返すと、キュルケは「あ、この子なんかギーシュに似てるわね」と思った。 けれども危機は遠慮も容赦もなしにやってくる。ティアの言ったとおりの方向から、東方号を目掛けてすごい速さで黒いヘビのような物体が近づいてきたのだ。 「な、なにあれ? 竜? 海蛇?」 「海竜か? いや、大きすぎる! まずい、ぶつかるぞ。避けろコッパゲ蛮人!」 ファーティマがコルベールに怒鳴るが、もちろんコルベールにそんなことをすることはできない。 「誰がコッパゲ蛮人だね! せめてコッパゲか蛮人かどちらかにしたまえ。避けるなど無理だ! この船は沈むしかできないと言ったはずだぞ。くっ、奴はぶつける気だぞ。みんな、なにかに掴まれ!」 そして皆が慌てて手近にあった何かに飛びついた瞬間、ヘビのような巨大ななにかは東方号に頭から突っ込んできた。とたんに激震が走り、彼らのいる耐圧区画の中もミキサーのように揺さぶられる。それでも念力の魔法は使い続けたままでいたが、あちこちに体をぶつける羽目になって、鈍痛が皆の顔をしかめさせた。 だが、ぶつかってきた何者かがすれ違って行ったときに、相手の姿ははっきりと見えた。東方号の巨体と比較しても遜色のない長さの。 「巨大なウミヘビ? いえ、あの大きさはもう怪獣ね。水の精霊! なんであんなのがいるのに黙ってたのよ」 「奴は、今日この日までじっと眠り続けていたのだ。だが、邪悪な波動を受けて突然目覚めて動き出した。だがお前たちとはかなり離れた場所で暴れていたので、気に止める必要はないと思っていた。急にこちらに方向を変えて襲ってきたのだ」 「邪悪な波動? それって、もしかして」 アークボガール……そう察するのに時間はいらなかった。奴の出現が、ラグドリアン湖に眠っていた古代の怪獣をも蘇らせてしまったというのか。 しかし、なぜ東方号を狙ってくる? エサに見えたのか? 縄張りを荒らされたと思ったのか? いや、考えるだけ無駄だ。今の東方号は逃げられないし、武器もないのだ。このままでは、間違いなくやられてしまう。かといっていくらメイジでも船の中ではどうしようもなく、キュルケたちはコルベールに詰め寄った。 「ミスタ・コルベール、なんとかならないの? ほら、いつもあなたが自慢してる秘密道具とか」 「発明品は基本ができあがってから取り付けるはずだったんだ。今の東方号に戦う術はなにもない。奴があきらめるか飽きるまで、耐えるしかない!」 「そんな、耐えるって言っても」 東方号が頑丈とはいっても怪獣の攻撃には持ちこたえられないことはわかっている。ましてや今の東方号はただでさえボロボロの状態なのだ、そんな耐久力がはるかに下がった状態で怪獣が飽きるまで耐えろというのか。 船体から装甲や武装がはがれて水中に散っていく。今の一撃だけでも相当なダメージになっている、これ以上の攻撃を受けたらそれこそ。 だが、怪獣はこちらに考える余裕など与えてはくれなかった。東方号に体当たりして、そのまますれ違っていった怪獣が反転してこちらを向いたとき、怪獣の頭部に生えている一本の触角の先端が黄色く光り、稲妻状の光線が発射されたのだ。 「うわあぁぁぁっ!」 大爆発が起こり、耐圧区画の中もさらに激しく揺さぶられた。 部品が砕けて水中に舞い散り、船体ががくりと傾く。中にいた人間も無事では済まず、折り重なって壁だった床に投げ出され、魔法のランプが叩きつけられて砕け散り、明かりが消えて室内は漆黒の闇に包まれた。 大量の水泡を吐きながら沈んでいく東方号。だが、怪獣、深海竜ディプラスはなおも敵意を揺るまさせずに、沈んでいく東方号をめがけ牙をむいて襲い掛かっていった。 大ピンチに陥った東方号。しかし、危機は彼らだけでは済んでいなかったのだ。 湖の上で、東方号の帰りを待つ仲間たち。その彼らの前で、信じられない光景が空に浮かんできたのである。 「み、見ろ! 空が、空が割れて何かが出てくるぞ!」 「あれは、まさかアークボガール? ばかな、いくらなんでも早すぎる!」 小型船の上から望み、一同が慌て、ダンの驚愕する声が響く。 そう、まだアークボガールが出てくるまでには数時間は必要なはずだ。なのに、いったいどうして! 納得できない一同とダンを見下ろして、アークボガールは勝ち誇ったように告げた。 「馬鹿めが! 確かに貴様の念力で痛い思いこそしたが、ディナーの邪魔をされた我の怒りと飢えの嘆きが糧となって傷は癒えたのだ」 「よく言う。要するにお預けに耐えられなくなっただけではないか、お前のようにマナーのはしくれもわきまえていない奴に食わせるものなど、この世界のどこにもない」 「負け惜しみを。この宇宙のすべては我の胃袋を満たすためにあるのだ。もはやお前に我に対抗する力などはないことはわかっているぞ。さあ、覚悟するがいい。今度こそ、このちっぽけな湖ごと我の腹におさめてやるわ」 次元の裂け目から湖畔に降り立ち、アークボガールは高らかに勝ち誇った。 奴を見るのが二度目のベアトリスたちだけでなく、初めて見るギーシュたちや銃士隊の皆も、人間とまったく同じレベルで流暢に話すアークボガールを見て驚いている。超獣以外にもこれほど知能の高い怪獣がいたとは、なんということだ。 アークボガールの再出現で、空気が震え、湖が波打ちだす。奴は蘇っただけではなく、飢えに耐えかねてパワーが漏れ出しているのだ。余波だけでこの威力とは、ハルケギニアを食い尽くすという言葉にももはや疑う余地はない。 しかも、悔しいが奴の言うとおり、もはやこちらに打つ手がないのも事実だ。奴が吸引を始めれば、ものの数秒で全員が船ごと飲み込まれてしまうだろう。そして我慢の限界に来ている奴に、もう言葉で時間を稼ぐという手は使えない。 もはやこれまでか、しかしアークボガールが腹の吸引器官に力を込めようとした、そのとき。 『ナイトシュート!』 空から降り注いできた一条の青い閃光がアークボガールの足元を撃って爆発し、驚いた奴は体勢を崩して空を見上げた。 そしてそこから降り立ってくる、青と赤のふたりの巨人。 「すまないセブン、遅くなってしまった」 「ヒカリ! お前たち、無事だったのか」 「なんとか、飛んで帰ってこれるだけの体力は取り戻せてきた。アークボガール、私の命が続く限り、貴様の思うとおりにはさせんぞ」 ウルトラマンヒカリとウルトラマンジャスティスのふたりのウルトラマンがアークボガールの前に立ちはだかり、闘志を込めて構えをとる。 次いで、小船の上から湧き上がる水精霊騎士隊の歓声。ウルトラマンがふたりも助けに来てくれた。これならば勝てると、期待が巻き上がる。 だが、ダンは険しい表情を崩さず、アークボガールはまるで脅威を感じていないというふうに笑った。 「フハハハ、馬鹿め。おとなしく星屑のように待っていれば長生きできたものを、お前たちは文字通り、戻ってこれただけの体たらくではないか。そんなしなびた野菜のような姿で、我を倒せると思っているのか?」 そう、ヒカリとジャスティスは回復が追いついていなかった。アークボガールから受けたダメージは残ったままで、その証拠にカラータイマーが赤く点滅し続けている。 ふたりとも万全にはほど遠い。それでも、ハルケギニアの危機を見過ごせずに来てくれたのだ。 完全に余裕を示すアークボガールに対して、ヒカリとジャスティスはもう後がない状態だ。ジャスティスはクラッシャーモードにチェンジする余力はなく、ヒカリもこれ以上光線技を使う余裕はなく、ナイトビームブレードにすべてを託した。 勝ち目はほとんどない。そのことを水精霊騎士隊も気づいて、表情が一転して不安に変わる。しかし、ヒカリとジャスティスはあきらめてはいない。 「アークボガール、お前にはウルトラマンのなんたるかがわかっていない。決してあきらめないことの強さを、お前に教えてやる」 「お前がどんなに強さを誇ろうとも、力に頼る者に待つのは滅びのみだ。お前も、すぐに知ることになるだろう」 「ほざきおったな。この星を喰らえば、もはやこの宇宙に我に敵うものはいなくなる。だが、さんざん我をじらさせた貴様らをもう許しはせんぞ。少しだけ遊んでやる、そして心の底から後悔しながら死ぬがいい!」 アークボガールも戦闘体勢をとり、ふたりのウルトラマンを迎え撃つ。 駆けるジャスティス、斬り込むヒカリ。だがそれは、なぶり殺しにも似た一方的な殺戮劇になるであろうことは、もはや誰の目にも明らかであった。 そして、急変はラグドリアンだけではなく、いよいよトリスタニアでも起ころうとしていた。 トリステイン・アルビオン連合軍と、ガリア・ロマリア連合の激戦が続くトリスタニア。戦局は防戦につとめるトリステイン側の厚い防御陣に阻まれたロマリア側が足踏みを強いられていたが、トリステインの指導者層でこんなダラダラした戦況がこのまま続くと楽観している者はいなかった。 王政府の人間は、おおむねがアンリエッタに賛同して王宮に残っている。信仰心からロマリアを選び、去った者も少なからずいたが、アンリエッタは追うことも処罰することもせずに、財産も持たせて行かせた。信仰を強制せずに、信じる対象は自由意志に任せるというのがトリステイン側の大義名分であるので、ここだけは譲れなかった。ただし、もしも戦場で敵として相対した場合は一切の容赦はしないと釘を刺すことも忘れてはいない。 そのおかげで、幸いにもトリステイン人同士で相打つといった状況はほとんど起きていない。去っていった者たちも、昨日までの主君に杖を向けることを忌避する感情があったし、ロマリア側もトリステイン人同士を戦わせて、後で問題が起きることを望まなかった。 もっとも、少数ではあるが、ロマリア側に情報を売り渡したり、積極的に参戦することでロマリアに自分を売り込もうとする恥知らずな元トリステイン貴族も存在した。もっとも、そういう連中は信用が置けないことは特にガリアの軍人はよくわかっており、情報を引き出された後は様々な方法で秘密裏に始末されたらしい。 戦闘自体は局地戦でも、戦争の醜愚の光景は例外なく、今後も絶えることはないだろう。それらの内容はアンリエッタにもそのまま報告され、今日もまた彼女はマザリーニ枢機卿から手渡された戦況報告の書類を読んで表情を曇らせた。 「戦況は硬直状態ですか。一応は、こちらが想定したとおりに状況は流れているようですね。しかし、犠牲はどうしても出てしまうのですね。今日もまた、始祖のためにと戦い、始祖の元へ行った方々がそれぞれの陣営で生まれてしまいました」 「女王陛下、これは陛下が始めることを決めた戦争ですぞ。もっとしゃんとなさいませ……と、私も言うだけならば簡単ですな。王たる者、戦との縁は切っても切れませぬ。味方だけでなく、敵の兵卒の死にも心を痛める陛下の御心はさぞつらかろうと思います」 心身ともにまだ若すぎるアンリエッタの心労をいたわって、マザリーニは優しげに告げた。 しかし、アンリエッタの表情は晴れない。それに、気落ちしているのは彼女だけではなかった。王宮にかくまわれているティファニアもまた、戦場に近い場所にさらされていることでの圧迫に耐えていた。 「ティファニアさんも、大丈夫でしょうか?」 話題を変えて、アンリエッタは尋ねた。彼女とティファニアは遠縁に当たり、ふたりとも仲を深めたいと思っていたが、これまではなかなか二人でゆっくりと話す機会もなかったのだが、マザリーニは首を振った。 「今はそっとしておくべきでしょうな。陛下の察しのとおり、あまりよくはありませぬが、彼女にとって、世界で一番安全なのはここなのですから仕方がありますまい。彼女には、できるだけ凄惨な状況は伝えまいとしていますけれども、それでも感じるものは感じてしまいます。彼女のことは、あの方にまかせましょう。あの方の頼もしさは、陛下もよくご存知のことでしょう」 マザリーニにそう言われて、アンリエッタは無言でうなづいた。本音を言えば、ティファニアとは語り合いたいことは山ほどある。しかし戦時で神経が張り詰めた今の自分が行けば逆効果だということはわかっている。 指導者とは孤独だ、とアンリエッタは思った。 「女王など、ならなければよかった」 「王になる者は、たぶん皆そう思うのでしょう」 ガリアのジョゼフ王もだろうか? と、アンリエッタは思った。権力を私物化し、国政を省みずに好き放題しているというあの男もまた、王という器に苦しめられているのだろうか。 いや、考えてもせんなきことだろう。王家と言えば、ティファニアにもアルビオン王家の血が流れているが、彼女にはとても女王などは務まるまいとアンリエッタは思った。自虐するわけではないが、彼女は自分と比べても純粋で優しすぎる。 わたくしの姪のことを頼みますわと、アンリエッタはティファニアの護衛についているトリステイン最強の騎士に祈った。 ティファニアは、王宮の一室が与えられて休んでいる。部屋には窓はないが、外からは兵士の叫び声や軍隊の喚声が漏れ聞こえてくる。最初は『サイレント』の魔法で、それらもシャットアウトしようかとされたがティファニア自身が断った。外の情報を遮断しすぎてしまったら、外に出ることになったときの覚悟ができなくなってしまうからだというのが理由だった。 しかし、覚悟を決めたつもりでいても、漏れてくる声で想像できる外の惨状は彼女の神経をすり減らさせた。以前ティファニアといっしょにウェストウッド村に住んでいて、今はトリスタニアの孤児院に預けられている子供たちは安全な場所に疎開させたから、その点だけは安心できたが、ティファニアは見知らぬ誰かでも人死ににそ知らぬ顔を続けられるほど強くはなかった。 数少ない心を許せる相手はロングビルことマチルダやルクシャナであったが、猫の手も借りたい状況では、マチルダはロマリアに不審な動きがないかを監視するため、ルクシャナは先住魔法の力を買われているために、常に彼女といっしょにいれるわけではない。せめてカトレアの手が開いていればよかったのだろうけれど、彼女ほどの腕利きのメイジを遊ばせておけるほどトリステインには余裕はなかった。 今、ティファニアの心を安定させられているのは、護衛についているカリーヌによるところが大きかった。 「今日もまた、なんの罪もない人たちが死んでいっているのですね……」 「そうだな。まあ、よくあることだ」 嘆くティファニアに、カリーヌはそっけなく答えた。トリステインの切り札、『烈風』は通常の戦闘で出すには強力すぎ、こうして待機がてらティファニアがロマリアに狙われるのを防いでいる。なお、もしも外で異変があった場合には、彼女の使い魔が即座に視界を共有して知らせるので出遅れる心配はない。 が、ティファニアはどうにもこの怜悧な貴婦人が苦手であった。まず話が合わないし、そもそも部屋でじっと瞑目していることが多くて、恐る恐るお茶を淹れていったときも無言で飲んだだけだった。 怖いです……ルイズさんのお母さんというから、こういう人なのは納得できますけど、空気が重すぎます。 悪い人ではないのはわかるけれど、こういう状況に慣れていないティファニアにはつらかった。しかし互いに嫌っていたわけではなく、犠牲者が増えることにいたたまれなくなったティファニアに、カリーヌはこう言ったのだ。 「嘆くのはけっこうだが、あまり自分を追い詰めすぎるな。女王陛下と教皇のどちらが正しいにせよ、この戦場に集った者は皆それぞれの意志で戦っている。死ぬのもまた、彼らが選んだ結果ゆえだ。お前を含め、ほかの誰のせいでもない」 「でも、兵士の皆さんだって人間です。それぞれの人生があり、家族がいるはずです。でも、わたしはここで守られているしかできません」 「それで罪悪感を感じる必要はない。お前は、孤児を十人ほど育て上げたそうだな。仮にこの戦で千人が死んだとしても、お前の子供たちは十年後には子供を作って二十人に増える。さらに十年後には、兄弟ができて五十人に増える。百年後には、その子供たちに子供や孫ができて、さらに何百年後には一万人を超えるかもしれない。それで吊り合いは十分だ。想像してみろ、その未来を」 「わたしの、ウェストウッド村の子供たちが……いつか一万人に、ですか」 ティファニアは、カリーヌに言われた光景を思い浮かべた。大人になり、多くの家族を持つ子供たち。その子供たちがさらに多くの家族へと広がっていく……そこまでの未来を、考えたこともなかった。 「そうだ。千の人命が失われるのは確かに悲惨だ。だが、十人を生かすことはもっと尊い。時を経れば、十万にも、百万人にもなるからな。私は騎士として多くの敵をこの手で屠った。しかし、その代わりに守るべき者は守り、なにより三人の娘を育て上げた。それだけで、私は己の価値を万人に誇れる。戦いに倒れた者たちも同様だ、同情されるべきなにものもない!」 カリーヌにがんとして言われて、ティファニアは心臓をわしづかみにされたような衝撃を覚えた。 「はい、わかりました。いいえ、わかったような気がします。わたしは……傲慢だったのかもしれません。ただ、命があるかないか、それだけが価値だと思い込んでいました」 「実際は、そこまで単純ではないが、それはいずれ学んでいけばいい。だが、常に己の心に誇りを持ち続けることを忘れるな。戦う誇りのある人間は、どんな苦境でも心が折れることはない」 その言葉は、ティファニアの胸に深く染み入ってきた。戦う誇り……自分は、とても戦士にはなれない。しかし、今の自分の中には戦うことのできる力が眠っている。 思い浮かんだのは、救えなかったエルザの最期。もし、あのときの自分にカリーヌの言うような誇りがあれば。過ちは、繰り返してはいけない。 きっと、自分と、自分の中に眠るもうひとりの力が必要になるときが近くやってくる。 ”そのときには、わたしも……” 避けられない戦いがすぐそこまで来ていることを、ティファニアは懐の中に仕舞いこんであるコスモプラックを握り締めて思った。コスモスは、アークボガールのことをティファニアには伝えていない。彼女への負担が大きすぎることになるだろうと判断したからだが、彼女の力を借りねばならない事態がすぐにでも訪れかねないことを彼も覚悟していた。 そして、同じように重圧に耐えているアンリエッタにも、マザリーニが諭す言葉をかけていた。 「陛下、腐っても神に仕える身であるこの私も、いまや教皇聖下公認の異端者です。が、私もなによりも女王陛下を信じたくてトリステインに残った次第、だから申し上げさせていただきます。犠牲に涙する陛下のお優しさは宝石よりも貴重だと思いますが、陛下がそうして悲しまれてばかりおられては、少なくとも女王陛下のために散った我が軍の兵たちのためにはなりませんぞ」 「非才なわたくしめには、少しでも犠牲が少なく済むようにと、祈ることくらいしかできませぬ。それでも、何かできることがあるというのですか?」 「そうですね。なら、たとえ話をしましょう。女王陛下が将来結婚して子供が生まれたとしましょう。その子供に命の危険が迫って、女王陛下が犠牲になる代わりに、その子が助かったとします。陛下は、生き残ったお子さんにいつまでも悲しみ続けていてほしいと思いますか?」 「いいえ、わたくしでしたら、自分の死などは乗り越えて、より強く立派に育ってほしいと思います」 「でしょう? 兵たちもそれと同じです。悲しむことは大事ですが、散った者の思いを無駄にしてはいけません。あなたは散った者たちに「よくやった、見事でした」とお褒めの言葉をおかけになり、その者の名を覚えていればよいのです。それでもつらいのでしたら、戦争が終わった後の処理のことを考えていなさい。そうすれば、兵たちも安心して天国に行けることでしょう」 「ありがとうございます、マザリーニ枢機卿。少し、気分が楽になった気がします。ですが、恐らくはもう長くは続かないと思います。そろそろ教皇もしびれを切らしてくる頃でしょうからね」 彼女の勘が言っていた。戦線は固まり、消耗戦の体をなしてきている。それにこれ以上長引けば、兵たちの士気も下がる一方である。 教皇がなにかを仕掛けてくるならタイミングは今しかない。そしてそれは完全に的中していた。 トリスタニア郊外のロマリア軍陣地で、戦況を見守っているヴィットーリオは、まったく進まないトリスタニア攻略戦を焦るでもなく静観していたが、ついに腰をあげようとしていた。 「さて、頃合ですね。もう皆さん、じゅうぶんに戦争ごっこは楽しんだことでしょう。まったく人間という種は、ほかの生き物を平気で殺戮するだけでなく、同じ種でもなんの疑いもなく争う。我々の慈悲ももはや限界……ジュリオ、用意はいいですか?」 「はい、すべてとどこおりなく。今は我が軍とトリステイン軍がほどよく離れています。アルビオンの艦隊もいらっしゃっていますし、観客は申し分ないかと」 「よろしい。今日を持って、このくだらない戦争を終わらせましょう。彼らの信ずる神の加護の元に」 ヴィットーリオは空を見上げ、トリスタニアの真上の空に視線を集中させた。すると、虫の雲に覆われた空に黒い渦巻きが現れ、その中心に不気味に笑う顔が一瞬現れて消えた。 その間にも、街では戦闘が続いている。魔法騎士隊、銃士隊、名もない兵卒たちが死力を尽くしてトリスタニアを守ろうとしていたが、少しずつ異変の予兆は始まっていた。 それにもっとも早く気がついたのは地上で戦っている銃士隊だった。 「全員気を張れ! もうじきアルビオン艦隊の援護がはじまる。そうすれば敵は引いていくぞ!」 「待てミシェル、なにか様子がおかしい。なにか……なにか聞こえないか?」 「え? そういえば……なんだ、波の音のような……鈴の音のような」 アニエスとミシェルに続いて、銃士隊の隊員たちも、ふと聞こえだした奇妙な音に耳を済ませた。 いったいなんだ? 空耳ではない。皆に聞こえている。いや、遠巻きに対峙している敵兵も聞こえ始めたようで、耳を立てているのが見えた。 とっさにアニエスは全員を固めて防御陣をとらせた。戦士としての勘が言っている、戦場で理解不能な出来事に直面したときには、必ず悪いことが起きると。 「おい! 空を見ろ」 誰かが叫び、見上げた誰もが言葉を失った。 空を、まるで砂金のような金色の粒子が舞っている。いったいなんだ、敵の策略か? 両軍ともにそう疑い、身構える。 いつの間にか、トリスタニア全域が金色の光に照らし出されていた。人々は例外なく空を見上げ、王宮でも事態の急変にアンリエッタがバルコニーに現れていた。 「何事ですか? これは、敵の魔法攻撃なのですか」 「わ、わかりませぬ。女王陛下、なにが起こるかわかりません。どうか中に」 「かまいません。何が起ころうと、わたくしにはすべてを見届ける義務があります……思ったとおり、仕掛けてきましたね」 来るべきときが来た。彼女はそう確信した。 これまでの戦いは、いわば目くらまし。この世ならざる力を持つ教皇は、必ずや奇跡という名目でトリステインをつぶそうとしてくるはず。 ならば、この見るからに神々しい光景は演出にふさわしいではないか。そして、次に来るものこそ……アンリエッタは、切り札の使用も含めて覚悟を決めた。 光溢れる世界、それは神の領域。神は天上の光溢れる世界に住まい、ときおり光と共に光臨して人々に祝福を与えるという。 神話に伝えられる救世の時。それはかつてロマリアで現実となり、そして再びトリステインのここでも再来する。 「て、天使だ。天使さまだぁーっ!」 大気を揺るがす喚声とともに、それは空から降りてきた。 光をまとった、数百メイルの大きさはあるのではという巨大な白い天使。それが人々の見上げる前で、ゆっくりとトリスタニアへと降りてくる。 「天使だ、天使さまだ」 「なんとお美しい。おお、また天使さまのお姿を拝むことができるとは」 ロマリアの兵たちは、かつて光臨して怪獣を消し去り、教皇聖下に祝福を与えた天使の再来に感動してひざまづいて涙を流している。 一方で、トリステイン兵たちのあいだには動揺が広がっていった。 「なんなんだ、あれは!」 普通の人間にとっては理解を完全に超えた範疇の出来事に、頭がついていかなかったとしても仕方ない。 トリステイン側で理解できているのは、かつて見たことのある銃士隊の面々のみだった。 「隊長、あれです! あれがロマリアに現れた天使です」 「そうか、なるほどな。これは確かに、見るからに見るからな奇跡だ。奴ら、本気で神を気取っているのか。馬鹿馬鹿しい!」 アニエスは吐き捨てた。ロマリアがどういうところか、彼女もよく知っている。あんなところに、間違っても神の祝福などあるわけがない。 だが、神々しい天使の姿は両軍ともに理性を失わせるほどのインパクトを与えたのは間違いない。兵たちは戦いを忘れて天使を見上げ、ひざまづいて祈りをささげている者も少なくない。 白磁でできた天使像のように、純白の天使はゆっくりとトリスタニアの町並みに降り立った。その姿はほんとうに巨大で、王宮すら見下ろすほどに背丈が高い。 「天使さま」 「天使さま……」 もはや戦争のことなどは誰もが忘れていた。チクトンネ街ではスカロンたちが啞然としており、近くまでやってきていたアルビオン艦隊の将兵たちも言葉を失っている。 ロマリアの人間たちは、教皇とともに祈りの姿勢をとり、神の御心にすべてをゆだねようとしている。 しかし、あれが天使だなどと信じない者もいる。 アンリエッタは最初からあれが天使だなどとは思っていない。あれが現れたとき、ルイズはその消息を絶った。自分の大切な親友を奪うものが、天使などであるはずがない。 バルコニーから憎憎しげに巨大天使を見上げるアンリエッタの視線にも天使は動じない。だが、天使はついにその腕を抱きかかえるように動かし、手のひらのあいだに波動球を作り出すと無造作に街に向かって投げ下ろしたのだ。 「うわあぁぁっ!?」 波動球が爆発を起こし、トリスタニアの街と共にトリステイン兵たちが吹き飛ばされていく。 攻撃!? 天使が!? 人々が状況を納得することもできぬまま、天使は次々に波動球を撃ちはなってトリスタニアを火の海にしていった。 頭上からの攻撃には兵士たちもどうすることもできない。さらに天使から撃たれたということはトリステイン兵たちの士気を激減させ、逆にロマリア兵たちの士気を最大にあげた。 「おお! 天使が、天使さまがトリステインを撃っておられるぞ。天罰だ、神に逆らった異端の徒に天罰が下されているのだ」 「やはりこの戦の正義は教皇聖下にあり! これぞ奇跡だ。いや、必然なのだ」 逃げ惑うトリステイン軍を見て、ロマリア軍はあざ笑った。そして、そこに魔法で増幅されたヴィットーリオの声が響いたのだ。 「我が信仰深き神の使途の皆さん。今こそ立つ時です! 天使は、我々の信仰を守る必死の思いに答えて再び降臨されました。今こそブリミル教徒はひとつとなり、異端の徒を打ち倒すのです!」 その声が引き金となり、ロマリア・ガリア軍はときの声をあげて総攻撃に打って出た。もはや戦術もなにもあったものではないただの突撃だが、迎え撃つトリステイン軍は士気が崩壊しかけている。 このまま激突すれば鎧袖一触でトリステイン軍は蹴散らされて勝敗は決まってしまうだろう。統制を保っているのは銃士隊くらいだが、そんな少数ではどうしようもなかった。 そしてついに、天使の波動攻撃が王宮のアンリエッタに向けられたときだった。 『エア・カッター!』 特大の空気の刃が波動球を両断し、そのまま聳え立つ天使に直撃させて大きく揺るがしたのだ。 「なっ! て、天使が」 天使をのけぞらせるほどの攻撃に、発狂の一歩手前にまで進んでいたロマリア兵たちも足を止めて振り返った。 そして、天使と王宮のあいだに舞い降りてくる巨鳥が人々の目を引き、その背に乗る騎士の放った声が戦場に響き渡った。 「トリステインの戦士たちよ、臆するな! たとえ目の前に何が立ちはだかろうと、お前たちが信じると決めたものはなんだ? 忠義、信義、故郷、家族、信仰、我らの正義は少しもゆらいではいない! それらを思い出し、誇り高く立ち直れ! あんなものを恐れるな。我らの街を土足で踏みつけ、人間を蹂躙するものが果たして天使か? 皆のものよ、偽りの天使は私が叩き潰す! 勝利を信じ、我に続け! 我が名は烈風、我ある限り敗北はない!」 トリステイン軍すべてから怒号のような喚声が沸きあがった。 そうだ、あんなものは天使ではない。正義は変わらず我らにある。 対して、一歩も進めなくなったのはロマリア軍だ。天使を揺るがすとてつもない魔法……あれが生きる伝説、ハルケギニア最強のメイジ、烈風に違いない。 けれど彼らに後退は許されなかった。引けば、始祖への信仰心が揺らいだことを自白することと同じになる。完全に機能を取り戻したトリステイン軍の防御陣に突撃するしか道は残っていなかった。 戦いは、まさにこれが最終局面。それを理解し、アンリエッタもヴィットーリオも声を枯らさんばかりに自軍に激を飛ばした。 だが、ヴィットーリオは烈風の力の強大さは想定外だったものの、まだまだ余裕を崩してはいない。 「烈風カリン……アルビオンでの戦いでの実力を基準にして考えていましたが、それ以上を隠していましたか。ですが、いくらあなたが強くてもそれに勝つことはできません。それの秘密を解かない限りは、決してね。そして、それはこの世界の人間には絶対に不可能なのですよ」 結果は揺るがない。予定は狂わない、それを確信して、ヴィットーリオは聖人面をしてロマリア軍へと激を飛ばしていった。 明日の夜明けすら待たずに、今にも滅亡のカウントダウンとなろうとしているハルケギニア。 さらに、それを覆せるかもしれない唯一の存在である東方号もまた、最大の危機に陥っていた。 「圧力がさらに上がったわ! これ以上はもう船が持たない。バラバラにされちゃうわよ!」 ラグドリアン湖の底へと沈んでいく東方号。その船体にはディプラスが長い体を巻きつけて締め上げており、今にも押しつぶしてしまいそうな力をかけ続けていた。 「これじゃ、湖底に着くまでに海の藻屑にされちゃうわ。ミスタ・コルベール、ほんとになんとかならないの?」 キュルケが悲鳴のように叫んだ。ドゥドゥーやジャネットも必死に念力の魔法で支え続けてくれているが、もう何分も持たないことは明白だ。しかしコルベールは苦しげに首を振った。 「だめだ、本当にもう手がない。打てる手は尽きた。浮上しようにも、もう間に合わない。すまない、後はもう、始祖に祈るくらいしかない」 「そんな……」 コルベールすらさじを投げてしまったのでは、もはやキュルケたちに手段があろうはずがなかった。 湖底まで、あと数千メイル。それまでを耐えるなど、とても不可能だ。 だが、そのときティラがつぶやくように言った。 「いいえ、まだひとつだけ。打てる手があるわ」 「なんだって、それは本当かい!」 全員の視線が刺すようにティラを向く。そして、ティラはゆっくりと語り始めた。 「この船のエンジンのエネルギーを、電気ショックにして奴にぶつけるの。あなたたちにわかりやすく言うと、ライトニング・クラウドのすごいやつに変えてぶつけるの。うまくいけば、奴は驚いて離れていくかもしれない」 「なんだい、そんないい方法があるなら早く言いたまえよ。ぼやぼやしてないで、早く早く」 ドゥドゥーが急かすようにティラに言う。しかし、ティラの苦悶に満ちた表情に、他の皆は気づいていた。大きな代償を伴うであろうことに。 「ただし、それをすればエンジンに残ってるぶんのエネルギーは底を尽くわ。つまり、もう二度と浮き上がることはできなくなるでしょうね」 続く 前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔
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大貝獣物語 17-284~303・315・317 284大貝獣物語 その1:オープニングsage2005/08/06(土) 05 19 18 ID d48MtN15 大貝獣物語の舞台となるのは、我々の住む地球とは異なるシェルドラドという世界です。 この世界には人間の他、背中に貝殻をもつ不思議な生き物「貝獣」をはじめとする さまざまな種族が共存しています。 かつて、シェルドラドでは「大魔王ファットバジャー」という強大な魔物が現れ、 世界全体が闇と恐怖のどん底にたたき落されそうになったことがありました。 その時には異世界からやってきた火の貝の勇者と勇気ある貝獣たちが協力し、 冒険の末ファットバジャーを打ち破り封印することに成功しました。 これが前作「貝獣物語」のお話です。 かくてシェルドラドには再び平和な時代が訪れたのですが、最近になって 封印された大魔王ファットバジャーが復活の兆しを見せていることがわかりました。 貝獣たちの長・貝獣仙人はこの事態を重く見て、前の時と同じように、異世界から 火の貝の勇者を召喚してファットバジャーを再び打ち破ろうとしました。 貝獣仙人らの召喚の儀式によって呼び出された地球人の少年──シェルドラドの住人は 我々の住む地球を異世界と呼んでいるようです──が、今回のお話の主人公となる 火の貝の勇者です。 貝獣仙人はさっそく火の貝の勇者にシェルドラド様式の服装と武装をさせると、 大魔王を封じ込めるためのオーラの玉、大魔王の魔力を抑えるための火の貝・水の貝・ 大気の貝・大地の貝の4つの貝を与え、前回でも活躍した貝獣の3人組、バブ・ クピクピ・ポヨンをお供につけて、さあゆくがよいと船に乗せて送り出しました。 …有無を言わさず別世界に連れてこられてお前は勇者だ魔王を倒してこいと言われ、 小船ひとつで海のまっただ中に放り出された主人公の少年の心中は察するに余りある ものがあるのですが、なおも災難は続きます。 一行は南の海に浮かぶ貝獣島からファットバジャーが封印されているドラドシティーに 向けて大海原を北上していたのですが、ろくすっぽ進みもしないうちに嵐に遭遇。 船は木の葉のごとくに翻弄され、勇者たちは海に投げ出されてしまうのでした。 285大貝獣物語 その2:チクリー~サンドサイドsage2005/08/06(土) 05 23 58 ID d48MtN15 火の貝の勇者が目を覚ましたのは、シェルドラドの北西の大陸のはずれにある チクリーの村でした。介抱してくれていた村人の話によるとずいぶん長い間意識が もどらなかったようです。ふと気付くと一緒にいた貝獣もいませんし、持ち物も 勇者が身につけていた火の貝をのぞいて全てなくなっています。 村人にきいてみてもそんなものは最初からなかったと言うので、嵐に巻き込まれた時に 離ればなれになったり紛失したりしてしまったのでしょう。 そしてがっくり気落ちする暇もなくここでも非常事態が発生します。突然空から ロボットのようなものが何体も降ってきて村を攻撃しはじめたのです。 彼らはそれを防ぎに出た村人を軽くひねると、マユのようなものに包んで連れ去って しまいます。 ロボットのようなものが去った後、火の貝の勇者は村人のすすめに従って チクリーの村を後にしました。目的地はこの地方の中心的な町、サンドサイドです。 この町でなら旅の支度もできるし、何か有力な情報が得られるかもしれません。 サンドサイドの町でいろいろ聞き込みを行った結果、思わしくない話が耳に入りました。 出発してすぐになくしてしまったオーラの玉は、いま現在奴隷商人のドグラーという 人物の手元にあり、しかも彼はそれを使ってファットバジャーの復活を企んでいる らしいのです。サンドサイドではドグラーの配下をふん捕まえて尋問を行おうとして いましたが、そいつは口封じのために殺されてしまいます。しかし、一味の活動の 範囲から、ドグラーの拠点はサンドサイドから南東の方角にある砂漠地帯にあると 見当がついています。それからいい話もあって、サンドサイドの首長がドグラー討伐の ために世界各地から募った有志を火の貝の勇者に同行させてくれるというのです。 そしてその中には嵐で離ればなれになってしまっていたバブもいました。しかし、 クピクピ・ポヨンの行方についてはバブも知らないようです。以降、サンドサイドの 「勇者の館」で、最大4人までのパーティーを自由に編成することができます。 286大貝獣物語 その3:滝の洞窟~ドグラー砦sage2005/08/06(土) 05 27 37 ID d48MtN15 サンドサイドからドグラーの拠点がある砂漠地帯へ行く途中、滝の流れる大きな洞窟を 抜けていく必要があります。実際に行ってみたら薬売りの行商人がいて、洞窟は モンスターがいるからと言って勝手についてきます。旅は道連れ世は情けといいつつ 何だかうさんくさい雰囲気が気になるこの薬売り、やっぱり敵でした。洞窟の最深部で 本性を表し、サンドサイドで仲間の口を封じるのにも使った吹き矢を手にして 襲いかかってきます。 こいつを退けると洞窟の奥に捕らえられていたピッギーというオーク族を助けることが できます。何でもドグラーに協力するのを拒んだために捕らえられていたとか。 怪力で岩をぶん投げるのが彼(彼女?)の得意技。さっそく洞窟内の通路を塞いでいた 岩をどかして、砂漠地帯へと通じる道を切り開いてくれます。 洞窟を抜け砂漠を越え、ついに火の貝の勇者たちはドグラーの居城にたどり着きました。 城内各所に仕掛けられた砂のトラップを突破し、最上階でドグラーと相まみえます。 ドグラーは同情の余地なき悪党、全力でたたき殺しましょう。 …火の貝の勇者らの活躍によりドグラーの野望は潰え、大魔王ファットバジャーへの いけにえとして捕らえられていた娘達も無事に解放されました。もちろんオーラの玉も 火の貝の勇者のもとに戻りました。一刻も早く世界に平和を取り戻すべく、勇者たちは ドグラーの居城に隠されていた地下通路を通って新しい大陸を目指します。 287大貝獣物語 その4:ラミール~シーマン神殿sage2005/08/06(土) 05 30 44 ID d48MtN15 火の貝の勇者たちが新しい大陸で最初にたどり着いたのがラミールの町です。 この町で聞き込みを行ったところ、南にあるシーマン神殿に珍しい貝が流れ着いたとの 情報が手に入りました。もしかしたら旅立ちの時になくしてしまった3つの貝の どれかかもしれません。 シーマン神殿は半人半魚の姿をした海の民、シーマン族の聖地です。シーマン族の 長老に会って話を聞いてみたところ、神殿に流れ着いた貝はやはり3つの貝のうちの ひとつ、水の貝であることがわかりました。水の貝を取り戻したと思ったのも束の間、 巨大な魚が突如として神殿の中に乱入し、ひとしきり暴れ回った後長老と水の貝を 飲み込んで地下水脈へと逃げ込みます。火の貝の勇者たちも巨大魚を追って地下水脈に 踏み込み、魚を〆て長老を助け出します。 今度こそ、水の貝をしかと取り戻しました。 さて先ほどはさらっと流したラミールの町ですが、実はなかなか愉快なことになって います。まず、地震に見舞われて町全体に被害が及んでいます。この地震はラミールの 東にあって大魔王ファットバジャーが封印されているドラドシティーが震源地で、 ファットバジャーの復活が近いのではないかと町では噂されています。この地震のため ドラドシティーとラミール地方を結んでいる橋が崩壊してしまい行くことができません。 また、それ以外にも地震の影響で崖崩れや土砂崩れが発生し、北のマーナリー、 南のサンドラといった周辺地域との交通がことごとく遮断されている状態です。 さらに、ラミールの町はチクリーの村に現れたのと同じロボットのようなものによる 攻撃を受けており、地震とのダブルパンチで町はボロボロ。住民の一部はロボットに 拉致されることこそまぬがれたものの、マユのようなもので梱包されたまま町の一角に 安置されています。中の人は死んではいないようですが、マユのようなものは めっぽう固く町の人達には開封できないままでいます。 そんなところにやってきた勇者ご一行、あんた勇者なんだから何とかして下さいよと 町の人達に泣きつかれるもやっぱり開封できません。こりゃどうすりゃよかんべ、 と知恵を出し合った結果、コスモストーンという希少な鉱物で作った剣なら何とか できそうだ、ということになりました。ところが、コスモストーンがあるという 北の山──コスモストーンを加工できる鍛冶屋が住むマーナリーの町へとつながる 唯一のルートでもあります──の入口は崖崩れで塞がってしまっているのだとか。 288大貝獣物語 その5:ガル山脈~コールドリバーsage2005/08/06(土) 05 34 11 ID d48MtN15 北の山に行ってみると、町の人の話どおり入口が大岩で塞がれていました。ここは 滝の洞窟の時と同じように、ピッギーの怪力で岩をどかしてもらう必要がありそうです。 入口の大岩をどかして山道を進むと、崖崩れによって立ち往生していたとおぼしき おっさんがいました。彼はマーナリーの鍛冶屋で名はラバン。希少な鉱物である コスモストーンを求めて山に入り手に入れたものの、崖崩れによって山の中から 出られなくなってしまったのです。 コスモストーンを手に入れた勇者一行はラバンを伴って山を下り、マーナリーにある 彼の工房でコスモストーンをコスモソードという剣に加工してもらいました。 コスモソードを手にしてラミールに戻ってきた火の貝の勇者は、腰の入った回転斬りで ばっさばっさとマユのようなものをぶった斬っていきます。中の人もろとも斬り捨てて しまいそうな勢いです。…普段は言葉少なな彼ですが、やはり別世界での戦いの旅で ストレスがたまっていたのでしょうか。 とまあそんなワケで、凄惨な二次被害を出しそうになりながらも町の人達を助ける ことができたのですが、その中にミルミーというおばあさんがいました。 彼女はグレートノーム四姉妹と呼ばれる、大賢者グレートノームの4人の娘の ひとりです。火の貝の勇者がファットバジャーを打ち破るために旅をしていることを 知ると、南のサンドラに行ってみることを勧めます。しかし、ラミールからサンドラに つながる道は土砂崩れで遮断されています。正確に言うと、ラミール地方と サンドラ地方を隔てている川にかかる開閉式の橋を動かすための施設が土砂崩れで 埋まってしまい、橋が開いたままになっていて川を渡ることができないのです。 もぐらみたいに土を掘れたらいいのになぁ、と思っていたら本当にもぐらが助けて くれました。ミルミーおばあさんのお友達のもぐらが土砂に埋まった施設に潜り、 橋の開閉装置を動かして川を渡らせてくれます。 289大貝獣物語 その6:サンドラ~ゼニム屋敷sage2005/08/06(土) 05 37 40 ID d48MtN15 かくて火の貝の勇者一行は川を越え、鬱蒼とした森を抜けてサンドラに到着しました。 サンドラはラミール地方と同様にドラドシティーと橋で結ばれていましたが、今は 地震のため橋が崩れて行き来ができない状況です。 サンドラに入ると、この町を取り仕切っている名士のゼニムの使いだという男が 勇者一行の前にあらわれました。火の貝の勇者の噂を聞いたゼニムが是非とも 会いたがっていると言い、勇者一行を屋敷に案内します。 …ところがこの招待は罠でした。勇者たちはオーラの玉を奪われてしまった上、 仕掛け部屋に閉じ込められて命までも失いそうになります。 この窮地を救ったのは、忍び術の使い手のキラーという男でした。彼はゼニムが オーラの玉と火の貝の勇者の命を狙っていることに気付いており、単身屋敷に潜入して 勇者たちを助け出し、町の一角にあるスラムにかくまったのです。 キラーの話によると、ゼニムは私兵を使って町の出入口を封鎖し、火の貝の勇者の行方を 血眼になって捜し回っている模様。何としても勇者を抹殺するつもりのようです。 ここまでされて黙っているわけにはいきません。屋敷に乗り込んでゼニムを締め上げて やりたいところですが、さすがに正面突破は分が悪い。というわけでここは、スラムの 地下にひそかに掘られていた秘密の通路からこっそりとゼニム屋敷に忍び入りましょう。 屋敷に入り込んだ火の貝の勇者たちは、ゼニムの魔法で動くモンスターや私兵の攻撃を かいくぐりゼニムを追い詰めます。ゼニムもしぶとく抵抗しますが、最終的には 勇者たちの力が勝り、彼は屋根から落ちて絶命しました。諸行無常とか盛者必衰とか、 そのへんの言葉をそのまんま体現したかのようなゼニムの最期に仲間たちも複雑な 心境のようで、ゼニムに同情するようなセリフもちらほらと口をついて出てきます。 …ところでこの人、死体がいつまでたってもきれいなままなんですがどうしてなんでしょう。 それはともかく、こと切れたゼニムの懐から蔵の鍵を失敬し、オーラの玉を取り戻すと ともにたくさんのお宝、さらに船まで手に入れました。 …仲間たちがゼニムに同情するようなセリフを言ったのは、実はこの行為が後ろめたくて 言ったんじゃなかろうかという気もしてきました。 290大貝獣物語 その7:モスウッド~グレートノームの家sage2005/08/06(土) 05 40 35 ID d48MtN15 船を手に入れて行動範囲が大きく広がった火の貝の勇者一行の次なる目的地は、大賢者 グレートノームが住むという北の大陸です。この大陸は中央に険しい山脈が走っていて、 北方には雪と氷の大地が広がり、南方は穏やかな気候で人も住んでいます。 グレートノームは物好きにも北の雪原地帯に住んでいるので、会いに行くには南から 山脈を越えていく必要があります。しかしこの山脈は年がら年中嵐が吹き荒れて しかも落雷が絶えない難所、備えもなく挑んだのでは命がいくつあっても足りません。 そこで、南の森サワサという場所に生えている電気を帯びた草を手に入れ、これを 南の集落モスウッドの仕立て屋に持ち込んで雷を防ぐ服を作ってもらいました。 その名も「耐電ガッパ」、道具袋に放り込んでおくだけで雨も風も雷もしのげる 優れものにして、使うとなぜかなくなってしまう不思議アイテムであります。 かくして火の貝の勇者一行は山脈を越え、大賢者グレートノームの家を目指すのでした。 火の貝の勇者がグレートノームの家をたずねあてると、彼は病気になって床に伏せって いました。それでも話ができるぐらいには元気なのでいろいろ聞いてみたところ、 次のようなことがわかりました。 大魔王ファットバジャーが封印されているドラドシティーは現在周辺地域との交通が 遮断されている状態にあるのですが、実はこの雪原地帯と秘密の地下道でつながっていて そこを通って行くことができるそうです。しかし、その地下道の入口は雪崩で埋まって しまっています。グレートノーム曰く、ワシが病気でさえなければそんな雪なんぞ チョチョイのチョイ、ということなんですが動けないジジイはただのジジイです。 ベッドにへばりついたままウダウダされても何にもならないので、いい薬があるという アイスマンの村を目指して勇者一行はさらに北へ向かうのでした。 291大貝獣物語 その8:アイスマンの村への洞窟~アイスマンの村sage2005/08/06(土) 05 43 26 ID d48MtN15 山に囲まれたアイスマンの村に行くには山腹に開いた洞窟を抜けていく必要があるの ですが、複雑な構造はしていません。大したことないお使いイベントかと思っていたら 思わぬハプニングが発生します。 なんと、オーラの玉に突然ヒビが入ってしまったのです! …思えばこのオーラの玉、物語の根幹をなす最重要アイテムでありながら、2度も 敵に奪われるわ、火の貝の勇者が持っていた時は歩くたびに地面を引きずられるわで 不憫にしてぞんざいなことこの上ない扱いを受けていたのですが、事ここに至って ついに損傷してしまったのです。 オーラの玉が失われてしまっては大魔王ファットバジャーの復活を止める手立ては ありません。一刻も早くドラドシティーに急行しファットバジャーを打ち破るべく、 勇者たちは不吉な予感をおぼえながらも再び歩き始めます。 …オーラの玉を引きずって。 急ぎ足で洞窟を抜け、アイスマンの村に着いてみると動くものが何一つありません。 実はこの村の住民は中央の広場に立ち並ぶモアイのような頭だけの石像で、 人の姿はしていませんがちゃんと言葉が通じますし、グレートノームのために薬を 作ることも快諾してくれます。ですが彼らは石像なので動くことができず、薬の 材料となる5種類のアイテムを持ってくるよう要求します。特に入手困難なものは ありません。 言われた通りのアイテムを持ってくると、彼らは今度はそのアイテムを口の中に 入れるよう要求します。5種類全部を石像の口の中に入れたらさっそく薬作り開始。 口の中のアイテムをぐっちゃぐっちゃと噛み砕き、舌でこねくり回したあげくに カァーッペッと吐き出して完成です。 …あまりに豪快(?)な作業風景に、幾多の戦いをくぐり抜けてきた仲間たちも ド肝を抜かれた様子、というか、完全に引いています。 洞窟の中でオーラの玉にヒビが入ったときの緊迫感も、完膚なきまでに打ち砕かれて しまいました。 こうして大賢者グレートノームの病気を治す薬が出来上がりましたが、仲間の誰も 持ちたがらないため仕方なく火の貝の勇者が持つことになりました。 …こんなところで仲間に見捨てられるとは、彼も夢にも思っていなかったでしょう。 292大貝獣物語 その9:ふたたびグレートノームの家~ラミールの湖sage2005/08/06(土) 05 46 28 ID d48MtN15 火の貝の勇者たちは急いでグレートノームの家に戻りました。ファットバジャーを 一刻も早く打ち倒すためで、決してエンガチョな薬をさっさと処分してしまいたかった からではありません。早速グレートノームに薬を渡し、グレートノームは薬をのんで 元気になりました。知らぬが仏とはよく言ったものです。 元気になったグレートノームから地下道の入口を塞ぐ雪を溶かすためのアイテム、 ヒートボンバーを受け取ります。この物騒な品を使えば地下道を通ってドラドシティーに 行けるようになるのですが、その前にやっておくことがあります。 それは未だ行方の知れない大気の貝と大地の貝を見つけ出し、火の貝・水の貝とそろえて 合体させ、四大元素の力の結晶「合体貝」とすることです。この合体貝がなければ ファットバジャーを打ち破ることは不可能です。 そして、大気の貝・大地の貝の行方も、グレートノームの力により判明しました。 その場所は、ラミールの町の近くの湖と、東の海に浮かぶ孤島です。 火の貝の勇者たちはまずラミール近くの湖にやってきたのですが、やはり貝は湖の中に 沈んでしまっていて、漁師にでも頼まないと探し出すのには無理がありそうです。 ここで助けになってくれるのはマーナリーの漁師ゲンジ。自らシェルドラド一の漁師と 豪語する彼はちょっとおだてられるとすぐに湖の探索を引き受け、ものすごい速さで 船を出しあっという間に大きな魚を釣り上げます。 …網で底を曳いてくれるんじゃなかったのかと思っていた勇者一行でしたが、ゲンジが 釣り上げた魚から都合よく大気の貝が出てきました。それだけでなく、旅立ってすぐの 嵐で離ればなれになっていたクピクピも一緒に魚の腹の中から出てきました。クピクピは 嵐のあと大気の貝を握りしめたままラミール地方に流れ着き、さまよっているうちに 魚に飲み込まれてしまったそうです。 こうして、クピクピが仲間に加わり大気の貝を手に入れました。 293大貝獣物語 その10:ポグー島~みたびグレートノームの家sage2005/08/06(土) 05 49 05 ID d48MtN15 4つの貝のうち3つを再び手中にした火の貝の勇者一行は、最後の1つ、大地の貝を 取り戻すべく船に乗って東の島に向かいました。この島はポグー島と呼ばれる火山島で、 島全体が囚人を収監する流刑地になっていますが、どうも様子が変です。 いろいろ話を聞いて回ったところ、この島に収監されていたギルダーという囚人が 反乱を起こし、警備を突破して島内の洞窟に立てこもったというのです。そして、 老人である彼が反乱を起こし警備を蹴散らすほどの力を手に入れたのには、この島に 流れ着いた大地の貝が関わっているらしいことが分かりました。 そういうことで溶岩が顔を覗かせる火山洞窟に踏み込み、ギルダーと対面した火の貝の 勇者一行。やはりギルダーの力は大地の貝によってもたらされたものでした。 パワーアップしたギルダーは徹底抗戦の構えを見せ、勇者たちとの戦闘が始まります。 一度倒されても大地の貝の力で復活するギルダーを撃破し、大地の貝を取り戻しました。 こうして火・水・大気・大地の貝すべてがそろい、4つの貝は大賢者グレートノームの 力で合体して合体貝となりました。これで大魔王ファットバジャーの魔力を抑えることが できるようになったので、秘密の地下道を通ってドラドシティーに乗り込みましょう。 294大貝獣物語 その11:秘密の地下道sage2005/08/06(土) 05 52 58 ID d48MtN15 ヒートボンバーで雪を吹っ飛ばし、地下道を進んでいくとおばあさんがモンスターに 襲われています。モンスターを倒して助けてあげたところ、彼女はグレートノーム 四姉妹のひとり、コリコットと名乗りました。コリコットおばあさんは病に倒れた グレートノームに代わってドラドシティーの様子を見に行っていたのですが、地下道の 入口は雪崩で埋まるしモンスターに熱烈に追いかけ回されるしでさんざっぱらな目に 遭っていたとこぼします。と、ここで彼女は火の貝の勇者が引きずっているヒビ割れた オーラの玉に気付きます。そしてオーラの玉にヒビが入るなんてあり得ないと主張し、 いや実際にヒビ割れてるじゃないかと勇者も反論します。そんな言い争いをしていると、 急にオーラの玉が光を放ってふるえだし、景気のいい音を立てて爆発してしまいました… …オーラの玉が弾け飛んでしまって現れたのは大魔王ファットバジャー……ではなく、 1体のロボットでした。ロボットであるからには何かの任務があって作られたの でしょうが、それを感じさせるような動作も見せず、それどころかアヒルのひな鳥が 生まれて初めて見た動くものを親と思うがごとくに火の貝の勇者になつく始末です。 ところがロボットを見てコリコットの顔色が一変、さっさと破壊してしまえと強い口調で 言い募ります。何でもこのロボットはチクリーやラミールなど世界の各地に現れて 町を攻撃し人々を拉致しているロボットと同型なんだそうです。 これを聞いた火の貝の勇者、こんなになついてるんだから連れていってもいいじゃん、と 一歩も引きません。このノリはそのまんま犬を拾ってきた子供vs捨ててきなさいと怒る親 なんですが、案外彼は地球で暮らしていた時にも同じ経験をしているのかもしれません。 結局コリコットが折れて、晴れてロボットは火の貝の勇者の仲間になりました。ただ、 普通に連れ回していたんじゃ町の人に何を言われるか分からん、ということで適当に 変装をさせ、勇者たちの旅に同行させていくことになります。 295大貝獣物語 その12:ドラドシティーsage2005/08/06(土) 05 56 16 ID d48MtN15 地下道を抜けてやってきたドラドシティーは地震のためあちこちが崩れていて、町や城の いたるところにモンスターが徘徊しています。大魔王ファットバジャーは城の中心部に 結界によって封じられており、結界を破るにはかつての勇者が大魔王との戦いに使った 伝説の武器「愛の剣」が必要です。城の一室で愛の剣を手に入れた火の貝の勇者たちは 愛の剣と合体貝、そして世界に平和を取り戻すという強い意志をもって大魔王との戦いに 臨みます。 結界が破られ、地の底から姿を現した大魔王ファットバジャーは圧倒的な巨体と威圧感で もって火の貝の勇者たちに襲いかかります。全力で立ち向かう火の貝の勇者たち。 闇の力を吸収してその力を増す大魔王ファットバジャー、しかし、ついに伝説の剣の力と 勇者たちの勇気が勝り、ファットバジャーは倒れました。 長い戦いの旅が終わったことを知り安堵する火の貝の勇者と仲間たち。 彼らを祝福するように空から白い光が降り注ぎ、その光に包まれてファットバジャーが 昇天していきます。そして勇者たちのもとに天からの声が届きました。 ──我が名はギャブ・ファー。 宇宙の侵略王! そう、実はシェルドラドは外宇宙からの侵略者に狙われていて、 ファットバジャーが光に包まれて天に昇っていったのはUFOのトラクタービームだったのです! 「な、なんだってー!!」と驚くひまもなくギャブ・ファーのUFOはファットバジャーを 収容して飛び去り、地上全体に砲撃を仕掛けました。砲撃の凄まじい威力により 大地は裂け山は砕け、幾多の町や村が海の藻屑と消えていきました…。 296大貝獣物語 その13:ドラドシティー~潜水艦sage2005/08/06(土) 05 59 41 ID d48MtN15 大賢者グレートノームと四姉妹がドラドシティーにやって来ました。サンドサイドの 勇者の館にいた仲間たちも、新たなる侵略者あらわる、の知らせを聞きドラドシティーに 集結しています。 ドラドシティーは少しずつ人が集まってきて復興しつつあり、サンドラ・ラミールに つながる橋も再建されたのですが、ギャブ・ファーの存在は一般の人々には伏せられて います。ファットバジャーの脅威が去った今、人々をいたずらに絶望させたくないと グレートノームが判断したのでした。 とはいえ、外宇宙からの侵略者という正体不明にして前代未聞の脅威がシェルドラドに 迫っていることは事実。せめてその姿の片鱗だけでもなんとかつかみたいものだと いうことで、火の貝の勇者が連れているロボットに白羽の矢が立ちました。世界各地を 襲い人々を拉致した同型のロボットはギャブ・ファーの尖兵であると思われたからです。 天才科学者ディープ博士の協力を得てロボットの中身を解析してみたところ、ご丁寧にも プロモーションビデオが収録されていました。再生してみると、基地やらロボット軍団を バックにギャブ・ファーの演説が流れます。どうやら産めよ増やせよ地に満てよの精神で 星々を蹂躙、侵略している様子、なんてはた迷惑な奴なんでしょう。 この征服キ○ガイに対抗する策としてグレートノームが出した答えは、シェルドラドの 守護者であり、火・水・大気・大地の四大元素の力を司る「貝竜」の力を借りること でした。絶海の孤島「ガーディアン島」に4頭の貝竜のリーダー格、レッドドラゴンが いることがわかっています。波の荒い外洋を通ってこのガーディアン島に行くには ディープ博士の作った潜水艦が必要。ところが、潜水艦はギャブ・ファー配下の魔物に 奪われて行方知れずになっているのでした…! 餅は餅屋という言葉があります。奪われた潜水艦のことを海に詳しい人に聞いてみよう、 ということで海の民シーマン族の神殿を再び訪れたところ耳寄りな情報がありました。 なんでも、シーマン神殿の近くの入り江で潜水艦らしきものが目撃されていて、しかも 三方を山に囲まれたその入り江に出られる地下通路の入り口がなぜかシーマン神殿に 開通しているというのです。 地下通路を通り入り江に出ると、おあつらえむきのタイミングで潜水艦が登場しました。 さっそく見張りをぶちのめして殴り込み、ナメック星人そっくりの魔物の親玉と 対決します。こいつは一度倒してもよみがえるのですが、そういう復活タイプのボスは 食傷気味の今日このごろ、さくっとやっつけましょう。 297大貝獣物語 その14:ガーディアン島・風の塔・溶岩洞ランドン・水の洞窟アクアンsage2005/08/06(土) 06 04 44 ID d48MtN15 潜水艦を奪還した火の貝の勇者一行は一路ガーディアン島へ。この島はレッドドラゴンの 眠る遺跡を守る使命を帯びたガーディアン族が住んでいますが、たてつづけに人間が やってきたというので皆驚いた様子です。勇者たちのこともそうなんですが、実は先客が きていたのです。それはクシューラという少女で、火の貝の勇者と顔を合わせたことも たびたびあります。彼女はファットバジャーへのいけにえとして奴隷商人のドグラーに 捕らえられていて、ドグラーから解放された後も身寄りがないので生きるため奴隷に 逆戻り、この度は宇宙から侵略者がやってきたことに絶望して入水したんだけれど結局 死にきれずガーディアン島まで流れ着いてしまった、と恐るべき不幸っぷりです。 火の貝の勇者たちはクシューラをお見舞いしてから遺跡に入り、その最深部で レッドドラゴンと対面します。話を聞いたレッドドラゴンは勇者たちに試練を与え、 これを突破したら力を貸すと約束します。その試練とは、レッドドラゴン以外の3頭の 貝竜に会い、戦って力を認めてもらうというものです。 風の吹き荒れる塔に居を構え大気の力を司る、ウインドドラゴン 溶岩の流れる洞窟にひそみ大地の力を司る、ランドドラゴン 海底の神殿に鎮座し水の力を司る、アクアドラゴン 火の貝の勇者たちはこの3頭の貝竜と戦い、力を認められて各貝竜の協力を取り付けました。 ガーディアン島の遺跡で再びレッドドラゴンと対面し、最後の試練、レッドドラゴンとの 戦いに挑みます。 火の貝の勇者たちは見事この試練を乗り越え、四貝竜の力がすべてそろいました。 298大貝獣物語 その15:カメレオン村~氷河洞窟sage2005/08/06(土) 06 08 02 ID d48MtN15 遺跡の外に出ると勇者たちの前にクシューラが現れ、衝撃の事実を口にします。 彼女は人間の少女クシューラなどではなく、侵略者ギャブ・ファーの実の娘、グジューで あること。人間のふりをして火の貝の勇者の行く先々にあらわれ動向を監視し、さらに ドグラーやゼニムを操ってオーラの玉や勇者の命を狙っていたこと。 そしてグジューは本来の姿を表すと火の貝の勇者をとらえ、UFOのような飛行体に乗って 東のほうへ飛び去ってしまいました。 仲間たちはグジューの飛行体を追って東に急行しますが、途中でばかでかい植物の根が びっしりと地面を埋めつくしている場所があって、そこで足止めをくらってしまいました。 勇者を連れ去ったグジューの基地はこの向こう側にありそうなんですが、空でも飛ぶか 植物の根をなんとかしないことには先へ進めません。 とりあえず仲間たちは根っこ地帯の手前にあるカメレオン村を訪れました。その名の通り 住民はみんなカメレオン。いたって友好的な彼らですが、カエルが一番のごちそうという 食習慣なため宿屋の食事に不安が残ります。 物知りな長老に会って根っこの話をすると、その植物ははるか古代のものだと言います。 そして当時はその植物を食べる巨大昆虫も存在していて、今でも北方の氷河地帯では その卵が見つかるかもしれないと言うのでした。 それを聞いた仲間たちは北方の氷河洞窟を探索し、巨大昆虫の卵を見つけて発掘しました。 この巨大卵をカメレオン村に持ち込むと、長老はじめ村の一同が巨大卵を村の奥の祭壇に そなえて一心に祈りを捧げました。すると巨大卵から巨大幼虫が孵りました。エサの 気配をかぎつけた巨大幼虫は村を破壊しながら巨大植物に突撃し、あっという間に 根っこを食べつくしてしまいました。満腹した巨大幼虫は巨大サナギへと姿を変えます。 こうして、グジューの基地に襲撃をかける用意が整いました。 299大貝獣物語 その16:バイオベースsage2005/08/06(土) 06 10 53 ID d48MtN15 グジューの基地は有機体で構成されたバイオベースです。ここは新桃太郎伝説の 新しい村と並ぶハドソンRPGの双璧。壁や床には気色悪い細胞や触手がうじょうじょと うごめき、改造とか合成で生まれたグロいバイオモンスターがひしめき合っています。 そしてここにはシェルドラド各地から拉致されてきた人々が捕らわれていて、緑色の マユのようなものにくっつけられて生命力を吸い取られています。彼らに話しかけると かえってくるあまりに衝撃的な言葉は、いつのまにかレゲー板貝獣物語スレッドの テンプレになってしまいました。 奥に進むと生命力を吸い尽くされてマユのようなものと完全に同化してしまった人たちを 発見したり、血まみれの手術室に迷い込んだりと陰惨さ具合はさらに加速。仲間たちの 憤りとプレイヤーの吐き気も最高潮に達します。 基地の中枢までやって来た仲間たちが目にしたのは、カプセルの中に浮かぶ火の貝の 勇者とその前に立つグジューでした。グジューはさらってきた火の貝の勇者を自軍に 引き入れようと試みましたが、いくら痛めつけても勇者が首を縦に振らないのに業を 煮やし薬漬け作戦を実行していました。火の貝の勇者を取り戻すべく、仲間たちと グジューの決戦の火蓋が切って落とされます。 仲間たちがグジューを破り、火の貝の勇者は無事に助け出されました。グジューは 飛行体に乗って逃走し、バイオベースは捕らわれていた人々もろとも崩壊します。 しかし悲しんでいる暇はありません。一刻も早くギャブ・ファーを止めなければ、 同じ悲劇が繰り返されることは明らかです。 決意を新たにする一行の前に、巨大植物の根を食べつくして巨大サナギになっていた 巨大昆虫が羽化し、巨大成虫のクロム蝶となって飛んできました。火の貝の勇者たちは 大空を自由に駆けるクロム蝶の背に乗り貝獣島を目指すのでした。 300大貝獣物語 その17:貝獣島~失われた大陸sage2005/08/06(土) 06 14 27 ID d48MtN15 貝獣島に降り立った火の貝の勇者は貝獣仙人と再会します。勇者たちから事情を聞いた 貝獣仙人は、シェルドラドの守護者にして四貝竜の上に立つ「大貝竜」の力を借りる ことを提案します。貝獣仙人らの召喚の儀式に応えて現れた大貝竜は火の貝の勇者への 協力を承諾し、さらに失われた大陸を目指しオーラの玉を手に入れろ、と助言します。 「失われた大陸」というのはシェルドラドの地底に広がる大陸のことを指しており、 そこにある「永遠の谷」という場所でオーラの玉を手に入れられるそうです。 そして、大貝竜の力で貝獣島から地底世界へ続く穴が開きました。 勇者一行は貝獣島に開いた地底へと続く穴を下り、さらに男のロマン・ドリル戦車をも 使って地底世界へと突き進みます。最初に火の貝の勇者たちがたどり着いたのは、 「失われた神殿」というだだっ広い建造物の中でした。失われた神殿は失われた大陸 よりも上層に位置し、ここから失われた大陸に行くのには鍵となるアイテム、 メスタファイアが必要らしいです。勇者一行は神殿を奔走してメスタファイアを入手し、 失われた大陸への道を開きました。 火の貝の勇者たちは失われた大陸の中央部の祭壇にやって来ました。この祭壇は 永遠の谷の入口でもあるのですが、今は封印されていて中に入ることはできません。 この封印を解くには、失われた大陸のどこかにある神殿にあるという呪文が必要です。 勇者たちはまたしてもだだっ広い大陸を奔走し、谷の入口を開く呪文を入手しました。 再び永遠の谷の入口にやってきた火の貝の勇者たち。尾行してきていたギャブ・ファーの 手下を蹴散らし、封印を解いて中に足を踏み入れます。 谷の中で勇者たちを待ち受けていたのは、オーラドラゴンと名乗る巨竜でした。 オーラドラゴンは試練を乗り越えることでオーラ力の結晶であるオーラの玉が得られると 言い、勇者たちの力を試すべく戦いを挑んできます。 戦いの末オーラドラゴンは勇者たちの力を認め、自らの体をオーラの玉に変化させます。 こうして火の貝の勇者たちはオーラの玉を手にしました。ちなみに今回のオーラの玉は 小ぶりなので引きずって歩く必要もありません。 301大貝獣物語 その18:ラストダンジョンsage2005/08/06(土) 06 16 34 ID d48MtN15 失われた大陸から帰還し、あとはギャブ・ファーの本拠地に攻め込むだけです。 ところがその本拠地の場所がわかりません。陸を探しても海を探しても見つからなかった のですが、まだ探索していない場所がひとつありました。それは海の底のさらに底の 深海底で、すさまじい水圧がかかるために潜水艦でも行くことができなかった場所です。 そこで水圧に耐えられるよう潜水艦を改造し、ドラドシティー近くの海溝を下って 深海底を探してみたところ巨大な建造物が発見されました。 これこそが、ギャブ・ファーの宇宙船兼要塞です。 こうして火の貝の勇者たちの最後の戦いの舞台が幕を開けました。強力なモンスターとの 戦いを繰り広げ、強力な武具の入った宝箱をあさり、強力に配置されたトラップを くぐりぬけ、強力にグロい光景に吐き気をもよおしつつ、勇者たちは要塞の奥へ奥へと 進んでいきます。 途中、砲撃戦仕様に改造されたファットバジャー、大幅にパワーアップしたグジューとの 再度の対決が待ち受けています。勇者たちはこれらの激戦を制し、ギャブ・ファーの もとへと急ぐのでした。 要塞の最深部で遭遇したギャブ・ファーは醜怪な巨体をもつ化け物でした。そして、 その前にはグジューがこちらに背を向けて立っていて、何かを必死に訴えているようです。 実はグジューは2度にわたる戦いの中で火の貝の勇者の勇気や仲間たちの絆に触れ、 力で相手をねじ伏せ侵略していく自分たちの行いが不毛であると思うようになり、 父ギャブ・ファーに侵略行為をやめるよう説得していたのです。 しかしギャブ・ファーは耳を貸さないどころか、邪魔だとばかりにグジューを踏みつぶし 火の貝の勇者たちに襲いかかってきました。 ギャブ・ファーと火の貝の勇者たちとの戦いは熾烈を極めました。禍々しいまでに強大な 力をもって勇者たちに迫り来るギャブ・ファー。火の貝の勇者と仲間たちは、 傷つきながらも立ち上がり、果敢にギャブ・ファーに挑みかかっていきます。 死力を尽くした戦いの中でギャブ・ファーは真の姿を表し、その攻撃はさらに激しさを 増します。火の貝の勇者と仲間たちもまた、世界の命運、シェルドラドに生きるすべての 生命の未来をかけ、全身全霊で立ち向かいます。 …そして長きにわたる死闘の末、ついにギャブ・ファーは倒れました。宇宙の侵略王、 ギャブ・ファーの野望はここに打ち砕かれたのです。 302大貝獣物語 その19:エンディングsage2005/08/06(土) 06 18 50 ID d48MtN15 しかし、戦いに敗れ自らの滅びをさとったギャブ・ファーは、最後の力を振り絞って 要塞の自爆装置を作動させます。たとえ火の貝の勇者たちが脱出できたとしても、 シェルドラドのど真ん中で爆発されたら甚大な被害が出ることはまぬかれません。 それこそ、シェルドラドがギャブ・ファーの道連れに滅んでしまいかねないのです。 この危機を回避する方法はただひとつ。それは、宇宙船を兼ねるこの要塞が爆発する前に 誰かが操縦してシェルドラドを離れ、宇宙空間で爆発させることです。 しかし、この方法では操縦者の命はまず助かりません。今になって誰かが命を 捨てなければならない事態が発生したことに火の貝の勇者が躊躇していると、ロボットが その役を買って出ました。 驚く一同を前にしてロボットが語り始めます。勇者たちに秘密の地下道で出会って以来、 本来はギャブ・ファーの尖兵である自分に分け隔てなく接してくれ、仲間としてずっと 一緒に旅をすることができたことを本当にうれしく思っている。そしてロボットの自分は 人間と接するうちに自分にはない人間の心にあこがれるようになり、それを理解しようと してきたが、今、大切な人のために自分を犠牲にできる人間の心がわかった気がする…と。 そしてロボットは要塞の中に捕らわれている人たちを助け出して脱出するよう言い残すと、 勇者たちの制止を振り切って操縦室へ向かっていきました。 火の貝の勇者たちは要塞内の生存者を救出し、潜水艦で脱出しました。その後ろで、 ギャブ・ファーの要塞は海底を離れ宇宙へと飛び立っていきます。 そしてついに要塞は爆発し、ロボットもまた宇宙に散りました。 火の貝の勇者たちはドラドシティーの海岸に上陸しました。彼らが見上げている空を 大きな流星が横切っていきます。勇者たちは共に旅をし、助け合った仲間を失った悲しみに 包まれ、いつまでも空を見上げています。 そしてまた、シェルドラドを救うという使命を果たした火の貝の勇者にも、この世界を 去らねばならない時がきていました。別れを惜しむ仲間たちの前で火の貝の勇者の体は 天からの光に包まれ、彼は元いた世界へと還っていきます。 こうして、シェルドラドにまたひとつ新たな物語が刻まれることになりました。 世界を救った勇者たちの伝承はいつまでも忘れられず、シェルドラドに語り継がれて ゆくことでしょう……。 303大貝獣物語 補足sage2005/08/06(土) 06 22 14 ID d48MtN15 ※実際には火の貝の勇者がシェルドラドから消えてしまった後、最終決戦に同行していた 仲間たちのその後が描かれるのですが、コレをきれいさっぱり忘れてしまったので 書くことができません。 orz あと、仲間の個別EDはキャラごとに用意されたイベントをクリアしているかどうかで 変化するようです。基本的にこのイベントはストーリーの大筋とは無関係です。 このキャラごとのイベントものちのち投下する予定です。 315名無しさん@お腹いっぱい。sage2005/08/07(日) 03 20 02 ID 8o4P3CJB 貝獣の人乙です ただポヨンが嵐で流されてから再登場してないのですがどうなったのですか? 317名無しさん@お腹いっぱい。sage2005/08/07(日) 05 37 22 ID zzjqTie3 315 自分は貝獣の人ではありませんが ストーリーの途中で主人公が町を作る(復興させる?)というイベントがあるのですが、 町をある程度成長させると、ポヨンがその町に出現し、再び仲間にすることができたと思います。 うろ覚えなので間違っていたらすいません。 320大貝獣物語の中の人sage2005/08/07(日) 12 19 24 ID bG/bDZoC 315 ポヨンの件は仲間のイベント紹介で書こうと思ってたのですが、 317さんの言う通り町作りのイベントで特定の施設を作ると再登場します。 大抵の人は気付かないままゲームを終えるのですが… あと、 305さん ED特攻ガンガンいっちゃって下さい
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遊戯王/オリカ/海賊の宴-1 2007-11-10 FOP-JP001「海賊船 シー・サーペント号」 レア 水属性・★7・ATK2400/DEF2200 【戦士族・効果】このカードはフィールド上に「海」が存在する場合、2000ライフを払う事でデッキから特殊召喚できる。このカードと同名のモンスターは自分フィールド上に1体しか存在できず、後から同名のモンスターが自分フィールド上に召喚・反転召喚・特殊召喚された場合、それを破壊する(同時の場合、全ての同名モンスターを破壊する)。「ブルー・アロー海賊団」と名の付いたモンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚される度、自分ライフは500ポイント回復する。 <髑髏に青き矢が刺さったシンボルを持つB・A海賊団の船。白と青をメインカラーとしている為、海軍の船と間違われる事も。> FOP-JP002「B・A(ブルー・アロー)海賊団 船長―海竜のアレク」 スーパー 水属性・★7・ATK2800/DEF1800 【海竜族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。フィールド上に「海」が存在する場合、このカードは手札から特殊召喚する事ができる。お互いのバトルフェイズ時、2000ライフを払う事で、このターンのエンドフェイズ時までこのカードの攻撃力または守備力は2000ポイントアップする。 <西の海「ネアゲア」を統べるB・A海賊団の船長。人間と海竜のハーフで、基本は人型だが海中では海竜ならではの機動力・戦闘力を見せる。> FOP-JP003「B・A(ブルー・アロー)海賊団―黄金剣のシキ」 レア 水属性・★6・ATK2000/DEF2200 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。相手ライフが回復する度、このカードの攻撃力は400ポイントアップする。このカードが攻撃力または守備力2000以上のモンスターと戦闘を行ったターンのエンドフェイズ時、デッキからカードを2枚ドローし、その後デッキの1番上のカードを1枚墓地に送る。 <B・A海賊団の副船長。全て純金で作られた剣を所持し、それを振りかざす様は神々しささえ漂わせる。> FOP-JP004「B・A(ブルー・アロー)海賊団―破骨のオーブレズ」 ノーマル 水属性・★5・ATK1400/DEF2700 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手フィールド上の「海賊船」と名の付いたモンスターの守備力は1000ポイントダウンする。相手ターン中、フィールド上のこのカードの元々の攻撃力と守備力は入れ替わる。 <その巨体から放たれる斧により、船の骨組みをボロボロにしてしまう事から「破骨」と呼ばれるようになった。> FOP-JP005「B・A(ブルー・アロー)海賊団―瞬刃のゼティーア」 ノーマル 水属性・★4・ATK1650/DEF1700 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。フィールド上に水属性モンスターが反転召喚・特殊召喚されたターン、このカードは相手フィールド上の全てのモンスターに1回ずつ攻撃する事ができる。 <瞬速で繰り出される偃月刀(ファルシオン)の連続斬りは芸術と賞される。> FOP-JP006「B・A(ブルー・アロー)海賊団―ルクツ」 ノーマル 水属性・★4・ATK1800/DEF1300 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。1ターンに1度、自分エンドフェイズ時に自分のデッキの1番上のカードを1枚墓地に送る事ができる。この効果によって墓地に送られたカードがモンスターカードの場合、自分のデッキまたは墓地から「B・A海賊団―リシアス」「B・A海賊団―ミーティー」をそれぞれ1体ずつ特殊召喚する事ができる。 <リシアス、ミーティーと共にB・A海賊団の砲撃部隊を指揮している。> FOP-JP007「B・A(ブルー・アロー)海賊団―リシアス」 ノーマル 水属性・★4・ATK1400/DEF1800 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。1ターンに1度、自分エンドフェイズ時に自分のデッキの1番上のカードを1枚墓地に送る事ができる。この効果によって墓地に送られたカードが魔法カードの場合、自分ライフを2000ポイント回復する。 <B・A海賊団の第二砲撃部隊を指揮している。敵船の旗を撃ち抜いた者には肉をプレゼントしてくれる。> FOP-JP008「B・A(ブルー・アロー)海賊団―ミーティー」 ノーマル 水属性・★4・ATK1100/DEF2000 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。1ターンに1度、自分エンドフェイズ時に自分のデッキの1番上のカードを1枚墓地に送る事ができる。この効果によって墓地に送られたカードが罠カードの場合、自分のデッキからカードを2枚まで選択し、墓地に送る事ができる。 <B・A海賊団の第三砲撃部隊を指揮している。敵船の砲門を破壊した者には酒を飲ませてくれる。> FOP-JP009「シー・サーペント号の海賊達」 ノーマル 水属性・★3・ATK1000/DEF1500 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。フィールド上のこのカードはカード名を「ブルー・アロー海賊団」としても扱う。このカードが手札・デッキから墓地に送られた時、自分または相手ライフを500ポイント回復する。 <B・A海賊団の海賊船、シー・サーペント号の乗組員達。> FOP-JP010「海賊船 アンゴッド号」 レア 水属性・★7・ATK2000/DEF2500 【戦士族・効果】このカードはフィールド上に「海」が存在する場合、2000ライフを払う事でデッキから特殊召喚できる。このカードと同名のモンスターは自分フィールド上に1体しか存在できず、後から同名のモンスターが自分フィールド上に召喚・反転召喚・特殊召喚された場合、それを破壊する(同時の場合、全ての同名モンスターを破壊する)。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分フィールド上の「ダーク・クロス海賊団」と名の付いたモンスターの攻撃力は300ポイントアップする。 <闇の十字架を背負った髑髏がシンボルのD・C海賊団の船。この一味に所属する者は体の何所かに必ず黒き十字の刺青を施している。> FOP-JP011「D・C(ダーク・クロス)海賊団 船長―我神のゼオ」 スーパー 水属性・★7・ATK2500/DEF2500 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した時、相手のデッキの上からカードを3枚めくり、その中から1枚を選択し手札に加え、残りのカードは墓地に送る(この効果によって手札に加えられたカードは、このデュエル中自分のカードとして扱う)。 <東の海「バルシ」を拠点とするD・C海賊団の船長。背中一面に施された黒十字は神をも恐れない事を表しているのだとか。> FOP-JP012「D・C(ダーク・クロス)海賊団―弾薬庫 ピーアテン」 レア 水属性・★6・ATK1500/DEF2500 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードの攻撃力は自分の手札の数×500ポイントアップする。このカードは自分の手札が2枚以上ある場合、1度のバトルフェイズ中2回攻撃する事ができ、相手ライフに戦闘ダメージを与える事ができない。 <D・C海賊団の副船長。全身に50以上もの銃火器を常備しており、中距離戦では圧倒的な物量を持つ。> FOP-JP013「D・C(ダーク・クロス)海賊団―海狐(うみぎつね) バウンディード」 ノーマル 水属性・★5・ATK2000/DEF2000 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。速攻魔法が発動された自分・相手ターンのエンドフェイズ時、このカードは墓地から特殊召喚する事ができる。この効果は自分フィールド上に「D・C海賊団―海狐 バウンディード」が表側表示で存在する場合は発動できない。 <D・C海賊団の戦闘隊長。殺られたと見せかけて海から奇襲を仕掛けて来る戦法を使う。> FOP-JP014「D・C(ダーク・クロス)海賊団―海蛇(うみへび) ブラッブ」 ノーマル 水属性・★4・ATK1750/DEF1850 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分の墓地に速攻魔法が3枚以上存在する場合、このカードは手札から特殊召喚する事ができる。フィールド上のこのカードを生け贄に捧げる事で、自分の墓地から速攻魔法カードを1枚選択し手札に加える。 <海上を高速移動できる小船を操り、単独で敵に速攻を仕掛ける。> FOP-JP015「D・C(ダーク・クロス)海賊団―海烏(うみがらす) エッサル」 ノーマル 水属性・★4・ATK1800/DEF1700 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードが守備表示モンスターを戦闘によって破壊し墓地に送った時、相手の墓地から速攻魔法カードを1枚選択し、手札に加える(墓地に送られる場合は元々の持ち主の墓地へ送られる)。 <逃げる者も執拗に追いかけ仕留める残忍さは、敵船を恐怖に包む。> FOP-JP016「D・C(ダーク・クロス)海賊団―アーラント」 ノーマル 水属性・★4・ATK1650/DEF1200 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分フィールド上の「ダーク・クロス海賊団」と名の付いたモンスターの攻撃力は100ポイントアップする。このカードが相手モンスターの効果によってフィールドから離れた時、自分のデッキから「ダーク・クロス海賊団」と名の付いたモンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する。 <船長不在時のD・C海賊団の指揮を取る役目を担う。> FOP-JP017「D・C(ダーク・クロス)海賊団―スレイ」 ノーマル 水属性・★3・ATK1700/DEF1000 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードは通常召喚できない。相手がカードの効果によってデッキからカードをドローした時、手札から特殊召喚される。この効果によって特殊召喚に成功した場合、自分のデッキから「宝」と名の付いたカードを1枚選択しデッキの1番上に置く。 <普段はノンビリとしているが、宝を見つけると我先にと行動する。> FOP-JP018「アンゴッド号の海賊達」 ノーマル 水属性・★3・ATK1500/DEF1100 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。フィールド上のこのカードはカード名を「ダーク・クロス海賊団」としても扱う。相手フィールド上にセットカードが存在する場合、このカードは罠の効果によっては破壊されない。 <D・C海賊団の海賊船、アンゴッド号の乗組員達。> FOP-JP019「海賊船 プロミネンス号」 レア 水属性・★9・ATK2800/DEF3100 【戦士族・効果】このカードはフィールド上に「海」が存在する場合、2500ライフを払う事でデッキから特殊召喚できる。このカードと同名のモンスターは自分フィールド上に1体しか存在できず、後から同名のモンスターが自分フィールド上に召喚・反転召喚・特殊召喚された場合、それを破壊する(同時の場合、全ての同名モンスターを破壊する)。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、「フレイム・エンパイア海賊団」と名の付いたモンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚される度、相手ライフに300ポイントダメージを与える。 <深紅の髑髏をシンボルに持つF・E海賊団の船。大国に匹敵する程の統治町村を持ち、海賊王亡き今では世界最強の海賊団とされる。> FOP-JP020「F・E(フレイム・エンパイア)海賊団 船長―紅帝ベレイ」 スーパー 水属性・★9・ATK2700/DEF2900 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。3体の生け贄を捧げてこのカードを生け贄召喚した場合、相手ライフに3000ポイントダメージを与える。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、コントローラーへのカードの効果によるダメージを0にする。 <北の海「ビッグネル」を拠点とするF・E海賊団の船長。元々海賊によって滅ぼされた国の王族の娘で、自身も海賊となり再び国を立ち上げようとしている。> FOP-JP021「F・E(フレイム・エンパイア)海賊団―灰原のクィマント」 レア 水属性・★7・ATK2700/DEF2000 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードの生け贄召喚は1~3体のモンスターを生け贄に捧げる事で行う。このカードが生け贄召喚に成功した時、生け贄に捧げたモンスターの数だけ魔法・罠カードゾーンのカードを破壊する。 <F・E海賊団の副船長。戦いで失った右腕の代わりに重量級三連火炎放出義手を装備している。> FOP-JP022「F・E(フレイム・エンパイア)海賊団―奇操のゲイム」 ノーマル 水属性・★4・ATK1300/DEF1850 【悪魔族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分フィールド上のパイレーツモンスターが破壊される場合、手札からこのカードを墓地に送る事で、その破壊を無効にし相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターを2体まで守備表示にする(この効果は相手ターンでも発動できる)。 <F・E海賊団の操舵手。悪魔ならではの腕なのか、巧みな舵捌きは他のどの海賊達も舌を巻く。> FOP-JP023「F・E(フレイム・エンパイア)海賊団―双弓のバウォー・ブラザーズ」 ノーマル 水属性・★4・ATK1500/DEF1800 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。相手フィールド上にモンスターが召喚・特殊召喚される度、相手ライフに400ポイントダメージを与える。この効果が1ターンに3回発動されたターンのエンドフェイズ時、相手フィールド上の魔法・罠カードを1枚破壊する。 <F・E海賊団の狙撃兄弟。止め処無く放たれる炎の矢は敵船を徐々に燃え上がらせる。> FOP-JP024「F・E(フレイム・エンパイア)海賊団―水狼オーヴェン」 ノーマル 水属性・★5・ATK2300/DEF1200 【獣戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードは墓地に存在する限り、元々の攻撃力・守備力が0になる。このカードが墓地から特殊召喚された場合、このカードの攻撃力は500ポイントアップする。 <幼い頃から海辺で育って来た為、泳ぎが非常に得意な狼人間。> FOP-JP025「F・E(フレイム・エンパイア)海賊団―イッセン」 ノーマル 水属性・★4・ATK1850/DEF1000 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、自分フィールド上に存在するカードを1枚破壊する。その後、相手フィールド上に表側表示で存在するこの効果によって破壊したカードの種類(魔法・罠・モンスター)と同じ種類のカード1枚を選択し破壊する。 <バトルアックスを振り回す豪傑。その力強い攻撃も味方に少なからず被害を及ぼしてしまうのが玉に瑕。> FOP-JP026「F・E(フレイム・エンパイア)海賊団―ハンマン」 ノーマル 水属性・★4・ATK1750/DEF1450 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊したターンのエンドフェイズ時、フィールド上のこのカードを裏側守備表示にする事で、相手ライフに800ポイントダメージを与える。 <殺した相手の体内に爆弾を仕掛けて去って行くという鬼畜さは海賊の中でも恐れられている。> FOP-JP027「プロミネンス号の海賊達」 ノーマル 水属性・★3・ATK1500/DEF950 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。フィールド上のこのカードはカード名を「フレイム・エンパイア海賊団」としても扱う。このカードが戦闘によって破壊された時、相手ライフに300ポイントダメージを与える。このカードが相手カードの効果によって破壊された時、相手ライフに600ポイントダメージを与える。 <F・E海賊団の海賊船、プロミネンス号の乗組員達。> FOP-JP028「海賊船 ビジランス号」 レア 水属性・★6・ATK2000/DEF2400 【アンデット族・効果】このカードはフィールド上に「海」が存在する場合、1500ライフを払う事でデッキから特殊召喚できる。このカードと同名のモンスターは自分フィールド上に1体しか存在できず、後から同名のモンスターが自分フィールド上に召喚・反転召喚・特殊召喚された場合、それを破壊する(同時の場合、全ての同名モンスターを破壊する)。自分フィールド上に「ヘル・ゴースト海賊団」と名の付いたモンスターが特殊召喚されたターン、フィールド上のこのカードと水属性のアンデット族モンスターはモンスターの効果によっては破壊されない。 <ボロボロになった骸骨をシンボルに持つH・G海賊団の船。一年中何時何所に現れるか分からない神出鬼没さから『不眠症』と名付けられた。> FOP-JP029「H・G(ヘル・ゴースト)海賊団 船長―悪夢のエジール」 スーパー 水属性・★6・ATK2200/DEF2500 【アンデット族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードは通常召喚できない。相手バトルフェイズ開始時、手札からモンスターカード1枚を墓地に送る事で、自分の墓地に存在するこのカード1体を特殊召喚する。1ターンに1度、手札から魔法・罠カード1枚を墓地に送る事で、自分の墓地から水属性のアンデット族モンスター1体を特殊召喚する。 <世界の中央に位置する海「ムーンロス」を拠点とするH・G海賊団の船長。海に散った海賊達の霊を従え、復活の秘宝を求め彷徨う。> FOP-JP030「H・G(ヘル・ゴースト)海賊団―死令ディーロビー」 レア 水属性・★6・ATK2200/DEF2000 【アンデット族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。相手スタンバイフェイズ時、手札からモンスターカード1枚を墓地に送る事で自分の墓地に存在するこのカード1体を特殊召喚する。フィールド上のこのカードがカードの効果によって墓地に送られた時、自分のフィールド上に「海の亡霊トークン」(アンデット族・水・星1・攻/守0)を守備表示で5体まで特殊召喚する。このトークンが生け贄に捧げられた場合、ターンプレイヤーのデッキの1番下のカードを墓地に送る。 <H・G海賊団の副船長。人骨で作られた笛より発せられる不気味な音色が霊達を呼び寄せる。> FOP-JP031「H・G(ヘル・ゴースト)海賊団―テイム」 ノーマル 水属性・★3・ATK1500/DEF1700 【アンデット族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分フィールド上の「ヘル・ゴースト海賊団―死令ディーロビー」が墓地に送られた時、このカードは墓地から特殊召喚される。自分フィールド上の「海の亡霊トークン」2体とこのカードを生け贄に捧げる事で、自分の墓地から「ヘル・ゴースト海賊団―死令のディーロビー」1体を特殊召喚する。 <H・G海賊団ディーロビーの息子。死してもなお親子で海賊とは神すら想像しなかったかも知れない。> FOP-JP032「H・G(ヘル・ゴースト)海賊団―ハイサル」 ノーマル 水属性・★4・ATK1600/DEF1900 【アンデット族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分フィールド上のアンデット族モンスターの攻撃力は100ポイントアップする。1ターンに1度、自分の手札からカードを1枚墓地に送る事で、自分または相手フィールド上に「海の亡霊トークン」(アンデット族・水・星1・攻/守0)1体を特殊召喚する。このトークンが生け贄に捧げられた場合、ターンプレイヤーのデッキの1番下のカードを墓地に送る。 <H・G海賊団の参謀。その指揮・統括力で亡霊達をも従える。> FOP-JP033「H・G(ヘル・ゴースト)海賊団―フィランジス」 ノーマル 水属性・★3・ATK1600/DEF900 【アンデット族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードは通常召喚できない。フィールド上に「亡霊海―ムーンロス」が存在する場合、このカードは相手フィールド上にモンスターが存在していても相手に直接攻撃をする事ができる。 <磨きぬかれた短曲刀(カトラス)による華麗な早斬りは彼が死者である事さえ忘れてしまう。> FOP-JP034「H・G(ヘル・ゴースト)海賊団―ロッソ」 ノーマル 水属性・★3・ATK500/DEF2000 【アンデット族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分スタンバイフェイズ時、自分のデッキ枚数が30枚以下の場合、このカードをデッキから墓地に送る事ができる。フィールド上の「ヘル・ゴースト海賊団」と名の付いたモンスターが効果によって破壊された時、このカードは墓地から守備表示で特殊召喚する事ができる(この効果は自分フィールド上に「ヘル・ゴースト海賊団―ロッソ」が表側表示で存在する場合は発動できない)。 <一日の殆どを海中で送るH・G海賊団の異端者。船上にいるのは戦う時くらいだ。> FOP-JP035「H・G(ヘル・ゴースト)海賊団―アルビー」 ノーマル 水属性・★4・ATK1800/DEF100 【アンデット族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。フィールド上に攻撃表示で存在するこのカードが戦闘によって破壊された時、自分のデッキからパイレーツモンスターを3体まで選択し墓地に送る事ができる。 <勝ちに執着する彼は、例え倒されようが仲間と共に必ず恨みを晴らしに来る。> FOP-JP036「ビジランス号の海賊達」 ノーマル 水属性・★2・ATK1300/DEF200 【アンデット族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。フィールド上のこのカードはカード名を「ヘル・ゴースト海賊団」としても扱う。自分フィールド上に水属性のアンデット族モンスターが3体以上存在する限り、相手フィールド上の永続魔法・永続罠カードの効果は無効になる。 <H・G海賊団の海賊船、ビジランス号の乗組員達。> FOP-JP037「海賊船 イリュージョン・ミスト号」 レア 水属性・★5・ATK1700/DEF2400 【魔法使い族・効果】このカードはフィールド上に「海」が存在する場合、1000ライフを払う事でデッキから特殊召喚できる。このカードと同名のモンスターは自分フィールド上に1体しか存在できず、後から同名のモンスターが自分フィールド上に召喚・反転召喚・特殊召喚された場合、それを破壊する(同時の場合、全ての同名モンスターを破壊する)。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分フィールド上の「ジャグル・イリス海賊団」と名の付いたモンスターは相手魔法カードの効果の対象にはならない。 <虹色に輝く髑髏をシンボルに持つJ・I海賊団の船。帆柱の先より放出される魔法の霧が蜃気楼を発生させ敵の砲撃を狂わせる。> FOP-JP038「J・I(ジャグル・イリス)海賊団 船長―千里眼のオング」 スーパー 水属性・★5・ATK1900/DEF2100 【魔法使い族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分または相手が魔法を発動する度に、このカードに魔力カウンター1個乗せる(最大5個まで)。このカードに魔力カウンターが乗っている限り、自分フィールド上のパイレーツモンスターは相手の永続魔法・永続罠の効果を受けない。自分フィールド上の魔力カウンターを5個取り除く事で、相手フィールド上のカードを2枚破壊する。 <世界の南に位置する海「レフォルズ」を拠点とするJ・I海賊団の船長。荒くれた船員にも魔術を伝授できる程の魔導の才を誇る。> FOP-JP039「J・I(ジャグル・イリス)海賊団―地獄耳のイールメット」 レア 水属性・★5・ATK2000/DEF1800 【魔法使い族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分または相手が魔法を発動する度に、このカードに魔力カウンター1個乗せる(最大4個まで)。相手はカードを手札からフィールド上にセットする場合、そのカードを公開してからセットしなければならない。フィールド上のこのカードは相手の魔法カードの効果によっては破壊されない。 <J・I海賊団の副船長。船長のオングとは古くからの付き合いで、共に魔導の道を学んでいる。> FOP-JP040「J・I(ジャグル・イリス)海賊団―巨砲のジーザ」 ノーマル 水属性・★4・ATK1000/DEF2000 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分または相手が魔法を発動する度に、このカードに魔力カウンターを1個乗せる(最大3個まで)。1ターンに1度、手札からカードを1枚墓地に送る事でこのカードに乗っている魔力カウンターの数×500ポイントダメージを相手ライフに与える。 <J・I海賊団の砲撃手。3メートルもある巨大な魔導砲を単独で正確に扱えるのは彼くらいだろう。> FOP-JP041「J・I(ジャグル・イリス)海賊団―ヤエヌ」 ノーマル 水属性・★4・ATK1300/DEF1700 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分または相手が魔法を発動する度に、このカードに魔力カウンターを1個乗せる(最大2個まで)。このカードが反転召喚に成功した時、自分のデッキから「ジャグル・イリス海賊団―グーグ」を1体フィールド上に特殊召喚する。このカードに乗っている魔力カウンターを2個取り除く事で、相手の罠カードの発動と効果を無効にし破壊する(この効果は相手ターンでも発動できる)。 <J・I海賊団、グーグの妻。彼とは敵対する海賊として出会ったが、その戦いで惚れてしまいそのまま元いた海賊団を抜け出してきたという。> FOP-JP042「J・I(ジャグル・イリス)海賊団―グーグ」 ノーマル 水属性・★4・ATK1600/DEF1100 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分または相手が魔法を発動する度に、このカードに魔力カウンターを1個乗せる(最大2個まで)。このカードが特殊召喚に成功した時、自分のデッキから「ジャグル・イリス海賊団―ヤエヌ」を1体フィールド上にセットする。このカードに乗っている魔力カウンターを1個取り除く事で、相手の速攻魔法カードの発動と効果を無効にし破壊する(この効果は相手ターンでも発動できる)。 <J・I海賊団、ヤエヌの夫。夫婦喧嘩をしている時の船内の盛り上がりは戦いの時以上と噂される。> FOP-JP043「J・I(ジャグル・イリス)海賊団―ドゥーエム」 ノーマル 水属性・★3・ATK1400/DEF1600 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分または相手が魔法を発動する度に、このカードに魔力カウンターを1個乗せる(最大2個まで)。自分フィールド上に魔力カウンターが3個以上存在する場合、このカードは相手フィールド上にモンスターが存在しても、相手プレイヤーに直接攻撃をする事ができる。 <船長、オングの力によって多少の魔法力を身に付けたが、才能が無いのか今一上手く利用できないらしい。> FOP-JP044「J・I(ジャグル・イリス)海賊団―オウフ」 ノーマル 水属性・★3・ATK1600/DEF1000 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分または相手が魔法を発動する度に、このカードに魔力カウンターを1個乗せる(最大2個まで)。ダメージステップ時、このカードに乗っている魔力カウンターを2個取り除く事で、このカードの攻撃力は700ポイントアップする。 <装備する高熱を帯びた鞭は時として制裁や拷問にも使われ、彼自身もそれを多少楽しんでいるようだ。> FOP-JP045「イリュージョン・ミスト号の海賊達」 ノーマル 水属性・★2・ATK500/DEF1600 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。フィールド上のこのカードはカード名を「ジャグル・イリス海賊団」としても扱う。自分または相手が魔法を発動する度に、このカードに魔力カウンターを1個乗せる(最大1個まで)。相手バトルフェイズ開始時、自分フィールド上の魔力カウンターを1個取り除く事でこのカードを手札から特殊召喚する。この効果によって特殊召喚された場合、そのターンのエンドフェイズ時に持ち主の手札に戻る。 <J・I海賊団の海賊船、イリュージョン・ミスト号の乗組員達。> FOP-JP046「見習い海賊」 ノーマル 水属性・★2・ATK1000/DEF800 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分または相手エンドフェイズ時、このターン戦闘を行ったこのカードを生け贄に捧げる事で、自分の手札・デッキ・墓地から「半人前海賊」を1体フィールド上に特殊召喚する。 <海賊になり立ての少年。> FOP-JP047「半人前海賊」 ノーマル 水属性・★3・ATK1450/DEF1000 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分または相手エンドフェイズ時、このターン戦闘を行ったこのカードを生け贄に捧げる事で、自分の手札・デッキ・墓地から「一流海賊」を1体フィールド上に特殊召喚する。 <仲間の海賊達と共に成長し続ける青年。> FOP-JP048「一流海賊」 ノーマル 水属性・★4・ATK1700/DEF1400 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。相手モンスターを戦闘によって破壊した時、自分の墓地から「見習い海賊」を1体フィールド上に特殊召喚する事ができる。 <数々の航海を経て一人前の海賊になった。> FOP-JP049「伝説の海賊船 ゴールデン・トライデント号」 スーパー 水属性・★12・ATK3000/DEF4500 【戦士族・効果】このカードは通常召喚できない。フィールド上に「海」が存在する場合、4000ライフを払う事でのみ手札またはデッキから特殊召喚できる。このカードと同名のモンスターは自分フィールド上に1体しか存在できず、後から同名のモンスターが自分フィールド上に召喚・反転召喚・特殊召喚された場合、それを破壊する(同時の場合、全ての同名モンスターを破壊する)。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分の手札・デッキ・墓地に存在するパイレーツモンスターの星の数は4つ少なくなる。 <海賊王ログエルがその生涯を終えた船。歴史上最も巨大で雄大な海賊船と称えられる。> FOP-JP050「ディナビアン・ガーディアン」 ノーマルパラレル 地属性・★7・ATK2050/DEF2050 【植物族・効果】このカードは通常召喚できない。フィールド上に「古代の秘宝島―ディナビア」が存在する時、2000ライフを払う事でのみ手札または墓地から特殊召喚するこのカードは装備カードの効果を受けず、装備カードを装備していないモンスターとの戦闘によっては破壊されない。自分スタンバイフェイズ時、フィールド上のこのカードを生け贄に捧げる事で、手札またはデッキから「ディナビアの瞳」1枚を発動する。 <ディナビアの森に根着く神木。彼に認められた者にしか秘宝は与えられないという。> FOP-JP051「ディナビアン・ビースト」 ノーマル 風属性・★4・ATK1860/DEF1340 【獣族・効果】フィールド上に「古代の秘宝島―ディナビア」が存在しない場合、フィールド上のこのカードは持ち主の手札に戻る。このカードがデッキから手札に加えられた時、フィールド上に特殊召喚する事ができる。相手エンドフェイズ時、フィールド上のこのカードを手札に戻す事で、自分のデッキから「ディナビア」と名のついたモンスターを2体まで選択し、フィールド上に特殊召喚する。 <ディナビアの森に棲む生物達を指揮する巨大な犬型の獣。> FOP-JP052「ディナビアン・キラー」 ノーマル 水属性・★4・ATK1870/DEF1230 【魚族・効果】フィールド上に「古代の秘宝島―ディナビア」が存在しない場合、フィールド上のこのカードは持ち主の手札に戻る。このカードがデッキから手札に加えられた時、フィールド上に特殊召喚する事ができる。自分・相手バトルフェイズ開始時、相手フィールド上にカードが4枚以上存在する時、フィールド上に表側表示で存在するこのカードを手札に戻す事で自分のデッキまたは墓地から「ディナビアン・キラー」を除く星4以下の「ディナビア」と名の付いたモンスターを1体選択しフィールド上に特殊召喚する。 <ディナビア島内の海を回遊する魚。口の先は剣の如く鋭い。> FOP-JP053「ディナビアン・フレーバー」 ノーマル 炎属性・★4・ATK1880/DEF1120 【植物族・効果】フィールド上に「古代の秘宝島―ディナビア」が存在しない場合、フィールド上のこのカードは持ち主の手札に戻る。このカードがデッキから手札に加えられた時、フィールド上に特殊召喚する事ができる。罠カードが発動した時、フィールド上のこのカードを手札に戻す事で、そのカードの発動と効果を無効にし破壊する(この効果は相手ターンでも発動できる)。 <ディナビアの森に生息する不思議な香りのする熱気を放つ雑食植物。> FOP-JP054「ディナビアの死霊海賊」 ノーマル 闇属性・★3・ATK1750/DEF0 【アンデット族・効果】このカードがデッキまたは墓地から手札に加わった時、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体に装備カードとして装備する。装備モンスターの効果はフィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない限り無効になる。このカードがフィールド上から離れた時、自分フィールド上のカードを1枚選択し手札に戻す。このカードの効果はフィールド上に「古代の秘宝島―ディナビア」が存在しない場合、無効になる。 <ディナビアの秘宝を求め、この島で命を落とした海賊。> FOP-JP055「ディナビアの亡霊」 ノーマル 闇属性・★1・ATK500/DEF1000 【アンデット族・効果】相手フィールド上にモンスターが召喚・反転召喚された時、墓地に存在するこのカードを自分または相手フィールド上に特殊召喚する。このカードがフィールド上から離れた時、自分フィールド上のカードを1枚選択し手札に戻す。このカードの効果はフィールド上に「古代の秘宝島―ディナビア」が存在しない場合、無効になる。 <かつてこの島に辿り着いた人間達の亡霊。上陸者が現れると森の奥深くから飛んで来る。> FOP-JP056「ディナビア海の魔物」 ノーマル 水属性・★9・ATK3000/DEF3000 【水族・効果】このカードは通常召喚できない。相手フィールド上に表側表示モンスターが2体以上存在する場合、1000ライフを払う事のみ墓地から守備表示で特殊召喚する。フィールド上に「古代の秘宝島―ディナビア」が存在しない場合、この効果は発動できない。 <ディナビア島周辺の海に棲む海月と海栗を合わせた様な異形の巨大生物。> FOP-JP057「ディナビア海の巨貝」 ノーマル 水属性・★9・ATK0/DEF4500 【水族・効果】このカードは通常召喚できない。相手フィールド上に表側表示モンスターが2体以上存在する場合、1000ライフを払う事のみ墓地から守備表示で特殊召喚する。フィールド上に「古代の秘宝島―ディナビア」が存在しない場合、この効果は発動できない。 <この巨大な貝を突破しなければディナビア島へ上陸する事は叶わない。> 058~123 戻る
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遊戯王/オリカ/海賊の宴-1 2008-01-26 058~123へ FOP-JP001「海賊船 シー・サーペント号」 レア 水属性・★7・ATK2400/DEF2200 【戦士族・効果】このカードはフィールド上に「海」が存在する場合、2000ライフを払う事でデッキから特殊召喚できる。このカードと同名のモンスターは自分フィールド上に1体しか存在できず、後から同名のモンスターが自分フィールド上に召喚・反転召喚・特殊召喚された場合、それを破壊する(同時の場合、全ての同名モンスターを破壊する)。「ブルー・アロー海賊団」と名の付いたモンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚される度、自分ライフは500ポイント回復する。 <髑髏に青き矢が刺さったシンボルを持つB・A海賊団の船。白と青をメインカラーとしている為、海軍の船と間違われる事も。> FOP-JP002「B・A(ブルー・アロー)海賊団 船長―海竜のアレク」 スーパー 水属性・★7・ATK2800/DEF1800 【海竜族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。フィールド上に「海」が存在する場合、このカードは手札から特殊召喚する事ができる。お互いのバトルフェイズ時、2000ライフを払う事で、このターンのエンドフェイズ時までこのカードの攻撃力または守備力は2000ポイントアップする。 <西の海「ネアゲア」を統べるB・A海賊団の船長。人間と海竜のハーフで、基本は人型だが海中では海竜ならではの機動力・戦闘力を見せる。> FOP-JP003「B・A(ブルー・アロー)海賊団―黄金剣のシキ」 レア 水属性・★6・ATK2000/DEF2200 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。相手ライフが回復する度、このカードの攻撃力は400ポイントアップする。このカードが攻撃力または守備力2000以上のモンスターと戦闘を行ったターンのエンドフェイズ時、デッキからカードを2枚ドローし、その後デッキの1番上のカードを1枚墓地に送る。 <B・A海賊団の副船長。全て純金で作られた剣を所持し、それを振りかざす様は神々しささえ漂わせる。> FOP-JP004「B・A(ブルー・アロー)海賊団―破骨のオーブレズ」 ノーマル 水属性・★5・ATK1400/DEF2700 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手フィールド上の「海賊船」と名の付いたモンスターの守備力は1000ポイントダウンする。相手ターン中、フィールド上のこのカードの元々の攻撃力と守備力は入れ替わる。 <その巨体から放たれる斧により、船の骨組みをボロボロにしてしまう事から「破骨」と呼ばれるようになった。> FOP-JP005「B・A(ブルー・アロー)海賊団―瞬刃のゼティーア」 ノーマル 水属性・★4・ATK1650/DEF1700 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。フィールド上に水属性モンスターが反転召喚・特殊召喚されたターン、このカードは相手フィールド上の全てのモンスターに1回ずつ攻撃する事ができる。 <瞬速で繰り出される偃月刀(ファルシオン)の連続斬りは芸術と賞される。> FOP-JP006「B・A(ブルー・アロー)海賊団―ルクツ」 ノーマル 水属性・★4・ATK1800/DEF1300 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。1ターンに1度、自分エンドフェイズ時に自分のデッキの1番上のカードを1枚墓地に送る事ができる。この効果によって墓地に送られたカードがモンスターカードの場合、自分のデッキまたは墓地から「B・A海賊団―リシアス」「B・A海賊団―ミーティー」をそれぞれ1体ずつ特殊召喚する事ができる。 <リシアス、ミーティーと共にB・A海賊団の砲撃部隊を指揮している。> FOP-JP007「B・A(ブルー・アロー)海賊団―リシアス」 ノーマル 水属性・★4・ATK1400/DEF1800 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。1ターンに1度、自分エンドフェイズ時に自分のデッキの1番上のカードを1枚墓地に送る事ができる。この効果によって墓地に送られたカードが魔法カードの場合、自分ライフを2000ポイント回復する。 <B・A海賊団の第二砲撃部隊を指揮している。敵船の旗を撃ち抜いた者には肉をプレゼントしてくれる。> FOP-JP008「B・A(ブルー・アロー)海賊団―ミーティー」 ノーマル 水属性・★4・ATK1100/DEF2000 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。1ターンに1度、自分エンドフェイズ時に自分のデッキの1番上のカードを1枚墓地に送る事ができる。この効果によって墓地に送られたカードが罠カードの場合、自分のデッキからカードを2枚まで選択し、墓地に送る事ができる。 <B・A海賊団の第三砲撃部隊を指揮している。敵船の砲門を破壊した者には酒を飲ませてくれる。> FOP-JP009「シー・サーペント号の海賊達」 ノーマル 水属性・★3・ATK1000/DEF1500 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。フィールド上のこのカードはカード名を「ブルー・アロー海賊団」としても扱う。このカードが手札・デッキから墓地に送られた時、自分または相手ライフを500ポイント回復する。 <B・A海賊団の海賊船、シー・サーペント号の乗組員達。> FOP-JP010「海賊船 アンゴッド号」 レア 水属性・★7・ATK2000/DEF2500 【戦士族・効果】このカードはフィールド上に「海」が存在する場合、2000ライフを払う事でデッキから特殊召喚できる。このカードと同名のモンスターは自分フィールド上に1体しか存在できず、後から同名のモンスターが自分フィールド上に召喚・反転召喚・特殊召喚された場合、それを破壊する(同時の場合、全ての同名モンスターを破壊する)。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分フィールド上の「ダーク・クロス海賊団」と名の付いたモンスターの攻撃力は300ポイントアップする。 <闇の十字架を背負った髑髏がシンボルのD・C海賊団の船。この一味に所属する者は体の何所かに必ず黒き十字の刺青を施している。> FOP-JP011「D・C(ダーク・クロス)海賊団 船長―我神のゼオ」 スーパー 水属性・★7・ATK2500/DEF2500 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した時、相手のデッキの上からカードを3枚めくり、その中から1枚を選択し手札に加え、残りのカードは墓地に送る(この効果によって手札に加えられたカードは、このデュエル中自分のカードとして扱う)。 <東の海「バルシ」を拠点とするD・C海賊団の船長。背中一面に施された黒十字は神をも恐れない事を表しているのだとか。> FOP-JP012「D・C(ダーク・クロス)海賊団―弾薬庫 ピーアテン」 レア 水属性・★6・ATK1500/DEF2500 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードの攻撃力は自分の手札の数×500ポイントアップする。このカードは自分の手札が2枚以上ある場合、1度のバトルフェイズ中2回攻撃する事ができ、相手ライフに戦闘ダメージを与える事ができない。 <D・C海賊団の副船長。全身に50以上もの銃火器を常備しており、中距離戦では圧倒的な物量を持つ。> FOP-JP013「D・C(ダーク・クロス)海賊団―海狐(うみぎつね) バウンディード」 ノーマル 水属性・★5・ATK2000/DEF2000 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。速攻魔法が発動された自分・相手ターンのエンドフェイズ時、このカードは墓地から特殊召喚する事ができる。この効果は自分フィールド上に「D・C海賊団―海狐 バウンディード」が表側表示で存在する場合は発動できない。 <D・C海賊団の戦闘隊長。殺られたと見せかけて海から奇襲を仕掛けて来る戦法を使う。> FOP-JP014「D・C(ダーク・クロス)海賊団―海蛇(うみへび) ブラッブ」 ノーマル 水属性・★4・ATK1750/DEF1850 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分の墓地に速攻魔法が3枚以上存在する場合、このカードは手札から特殊召喚する事ができる。フィールド上のこのカードを生け贄に捧げる事で、自分の墓地から速攻魔法カードを1枚選択し手札に加える。 <海上を高速移動できる小船を操り、単独で敵に速攻を仕掛ける。> FOP-JP015「D・C(ダーク・クロス)海賊団―海烏(うみがらす) エッサル」 ノーマル 水属性・★4・ATK1800/DEF1700 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードが守備表示モンスターを戦闘によって破壊し墓地に送った時、相手の墓地から速攻魔法カードを1枚選択し、手札に加える(墓地に送られる場合は元々の持ち主の墓地へ送られる)。 <逃げる者も執拗に追いかけ仕留める残忍さは、敵船を恐怖に包む。> FOP-JP016「D・C(ダーク・クロス)海賊団―アーラント」 ノーマル 水属性・★4・ATK1650/DEF1200 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分フィールド上の「ダーク・クロス海賊団」と名の付いたモンスターの攻撃力は100ポイントアップする。このカードが相手モンスターの効果によってフィールドから離れた時、自分のデッキから「ダーク・クロス海賊団」と名の付いたモンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する。 <船長不在時のD・C海賊団の指揮を取る役目を担う。> FOP-JP017「D・C(ダーク・クロス)海賊団―スレイ」 ノーマル 水属性・★3・ATK1700/DEF1000 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードは通常召喚できない。相手がカードの効果によってデッキからカードをドローした時、手札から特殊召喚される。この効果によって特殊召喚に成功した場合、自分のデッキから「宝」と名の付いたカードを1枚選択しデッキの1番上に置く。 <普段はノンビリとしているが、宝を見つけると我先にと行動する。> FOP-JP018「アンゴッド号の海賊達」 ノーマル 水属性・★3・ATK1500/DEF1100 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。フィールド上のこのカードはカード名を「ダーク・クロス海賊団」としても扱う。相手フィールド上にセットカードが存在する場合、このカードは罠の効果によっては破壊されない。 <D・C海賊団の海賊船、アンゴッド号の乗組員達。> FOP-JP019「海賊船 プロミネンス号」 レア 水属性・★9・ATK2800/DEF3100 【戦士族・効果】このカードはフィールド上に「海」が存在する場合、2500ライフを払う事でデッキから特殊召喚できる。このカードと同名のモンスターは自分フィールド上に1体しか存在できず、後から同名のモンスターが自分フィールド上に召喚・反転召喚・特殊召喚された場合、それを破壊する(同時の場合、全ての同名モンスターを破壊する)。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、「フレイム・エンパイア海賊団」と名の付いたモンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚される度、相手ライフに300ポイントダメージを与える。 <深紅の髑髏をシンボルに持つF・E海賊団の船。大国に匹敵する程の統治町村を持ち、海賊王亡き今では世界最強の海賊団とされる。> FOP-JP020「F・E(フレイム・エンパイア)海賊団 船長―紅帝ベレイ」 スーパー 水属性・★9・ATK2700/DEF2900 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。3体の生け贄を捧げてこのカードを生け贄召喚した場合、相手ライフに3000ポイントダメージを与える。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、コントローラーへのカードの効果によるダメージを0にする。 <北の海「ビッグネル」を拠点とするF・E海賊団の船長。元々海賊によって滅ぼされた国の王族の娘で、自身も海賊となり再び国を立ち上げようとしている。> FOP-JP021「F・E(フレイム・エンパイア)海賊団―灰原のクィマント」 レア 水属性・★7・ATK2700/DEF2000 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードの生け贄召喚は1~3体のモンスターを生け贄に捧げる事で行う。このカードが生け贄召喚に成功した時、生け贄に捧げたモンスターの数だけ魔法・罠カードゾーンのカードを破壊する。 <F・E海賊団の副船長。戦いで失った右腕の代わりに重量級三連火炎放出義手を装備している。> FOP-JP022「F・E(フレイム・エンパイア)海賊団―奇操のゲイム」 ノーマル 水属性・★4・ATK1300/DEF1850 【悪魔族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分フィールド上のパイレーツモンスターが破壊される場合、手札からこのカードを墓地に送る事で、その破壊を無効にし相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターを2体まで守備表示にする(この効果は相手ターンでも発動できる)。 <F・E海賊団の操舵手。悪魔ならではの腕なのか、巧みな舵捌きは他のどの海賊達も舌を巻く。> FOP-JP023「F・E(フレイム・エンパイア)海賊団―双弓のバウォー・ブラザーズ」 ノーマル 水属性・★4・ATK1500/DEF1800 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。相手フィールド上にモンスターが召喚・特殊召喚される度、相手ライフに400ポイントダメージを与える。この効果が1ターンに3回発動されたターンのエンドフェイズ時、相手フィールド上の魔法・罠カードを1枚破壊する。 <F・E海賊団の狙撃兄弟。止め処無く放たれる炎の矢は敵船を徐々に燃え上がらせる。> FOP-JP024「F・E(フレイム・エンパイア)海賊団―水狼オーヴェン」 ノーマル 水属性・★5・ATK2300/DEF1200 【獣戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードは墓地に存在する限り、元々の攻撃力・守備力が0になる。このカードが墓地から特殊召喚された場合、このカードの攻撃力は500ポイントアップする。 <幼い頃から海辺で育って来た為、泳ぎが非常に得意な狼人間。> FOP-JP025「F・E(フレイム・エンパイア)海賊団―イッセン」 ノーマル 水属性・★4・ATK1850/DEF1000 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、自分フィールド上に存在するカードを1枚破壊する。その後、相手フィールド上に表側表示で存在するこの効果によって破壊したカードの種類(魔法・罠・モンスター)と同じ種類のカード1枚を選択し破壊する。 <バトルアックスを振り回す豪傑。その力強い攻撃も味方に少なからず被害を及ぼしてしまうのが玉に瑕。> FOP-JP026「F・E(フレイム・エンパイア)海賊団―ハンマン」 ノーマル 水属性・★4・ATK1750/DEF1450 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊したターンのエンドフェイズ時、フィールド上のこのカードを裏側守備表示にする事で、相手ライフに800ポイントダメージを与える。 <殺した相手の体内に爆弾を仕掛けて去って行くという鬼畜さは海賊の中でも恐れられている。> FOP-JP027「プロミネンス号の海賊達」 ノーマル 水属性・★3・ATK1500/DEF950 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。フィールド上のこのカードはカード名を「フレイム・エンパイア海賊団」としても扱う。このカードが戦闘によって破壊された時、相手ライフに300ポイントダメージを与える。このカードが相手カードの効果によって破壊された時、相手ライフに600ポイントダメージを与える。 <F・E海賊団の海賊船、プロミネンス号の乗組員達。> FOP-JP028「海賊船 ビジランス号」 レア 水属性・★6・ATK2000/DEF2400 【アンデット族・効果】このカードはフィールド上に「海」が存在する場合、1500ライフを払う事でデッキから特殊召喚できる。このカードと同名のモンスターは自分フィールド上に1体しか存在できず、後から同名のモンスターが自分フィールド上に召喚・反転召喚・特殊召喚された場合、それを破壊する(同時の場合、全ての同名モンスターを破壊する)。自分フィールド上に「ヘル・ゴースト海賊団」と名の付いたモンスターが特殊召喚されたターン、フィールド上のこのカードと水属性のアンデット族モンスターはモンスターの効果によっては破壊されない。 <ボロボロになった骸骨をシンボルに持つH・G海賊団の船。一年中何時何所に現れるか分からない神出鬼没さから『不眠症』と名付けられた。> FOP-JP029「H・G(ヘル・ゴースト)海賊団 船長―悪夢のエジール」 スーパー 水属性・★6・ATK2200/DEF2500 【アンデット族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードは通常召喚できない。相手バトルフェイズ開始時、手札からモンスターカード1枚を墓地に送る事で、自分の墓地に存在するこのカード1体を特殊召喚する。1ターンに1度、手札から魔法・罠カード1枚を墓地に送る事で、自分の墓地から水属性のアンデット族モンスター1体を特殊召喚する。 <世界の中央に位置する海「ムーンロス」を拠点とするH・G海賊団の船長。海に散った海賊達の霊を従え、復活の秘宝を求め彷徨う。> FOP-JP030「H・G(ヘル・ゴースト)海賊団―死令ディーロビー」 レア 水属性・★6・ATK2200/DEF2000 【アンデット族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。相手スタンバイフェイズ時、手札からモンスターカード1枚を墓地に送る事で自分の墓地に存在するこのカード1体を特殊召喚する。フィールド上のこのカードがカードの効果によって墓地に送られた時、自分のフィールド上に「海の亡霊トークン」(アンデット族・水・星1・攻/守0)を守備表示で5体まで特殊召喚する。このトークンが生け贄に捧げられた場合、ターンプレイヤーのデッキの1番下のカードを墓地に送る。 <H・G海賊団の副船長。人骨で作られた笛より発せられる不気味な音色が霊達を呼び寄せる。> FOP-JP031「H・G(ヘル・ゴースト)海賊団―テイム」 ノーマル 水属性・★3・ATK1500/DEF1700 【アンデット族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分フィールド上の「ヘル・ゴースト海賊団―死令ディーロビー」が墓地に送られた時、このカードは墓地から特殊召喚される。自分フィールド上の「海の亡霊トークン」2体とこのカードを生け贄に捧げる事で、自分の墓地から「ヘル・ゴースト海賊団―死令のディーロビー」1体を特殊召喚する。 <H・G海賊団ディーロビーの息子。死してもなお親子で海賊とは神すら想像しなかったかも知れない。> FOP-JP032「H・G(ヘル・ゴースト)海賊団―ハイサル」 ノーマル 水属性・★4・ATK1600/DEF1900 【アンデット族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分フィールド上のアンデット族モンスターの攻撃力は100ポイントアップする。1ターンに1度、自分の手札からカードを1枚墓地に送る事で、自分または相手フィールド上に「海の亡霊トークン」(アンデット族・水・星1・攻/守0)1体を特殊召喚する。このトークンが生け贄に捧げられた場合、ターンプレイヤーのデッキの1番下のカードを墓地に送る。 <H・G海賊団の参謀。その指揮・統括力で亡霊達をも従える。> FOP-JP033「H・G(ヘル・ゴースト)海賊団―フィランジス」 ノーマル 水属性・★3・ATK1600/DEF900 【アンデット族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。このカードは通常召喚できない。フィールド上に「亡霊海―ムーンロス」が存在する場合、このカードは相手フィールド上にモンスターが存在していても相手に直接攻撃をする事ができる。 <磨きぬかれた短曲刀(カトラス)による華麗な早斬りは彼が死者である事さえ忘れてしまう。> FOP-JP034「H・G(ヘル・ゴースト)海賊団―ロッソ」 ノーマル 水属性・★3・ATK500/DEF2000 【アンデット族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分スタンバイフェイズ時、自分のデッキ枚数が30枚以下の場合、このカードをデッキから墓地に送る事ができる。フィールド上の「ヘル・ゴースト海賊団」と名の付いたモンスターが効果によって破壊された時、このカードは墓地から守備表示で特殊召喚する事ができる(この効果は自分フィールド上に「ヘル・ゴースト海賊団―ロッソ」が表側表示で存在する場合は発動できない)。 <一日の殆どを海中で送るH・G海賊団の異端者。船上にいるのは戦う時くらいだ。> FOP-JP035「H・G(ヘル・ゴースト)海賊団―アルビー」 ノーマル 水属性・★4・ATK1800/DEF100 【アンデット族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。フィールド上に攻撃表示で存在するこのカードが戦闘によって破壊された時、自分のデッキからパイレーツモンスターを3体まで選択し墓地に送る事ができる。 <勝ちに執着する彼は、例え倒されようが仲間と共に必ず恨みを晴らしに来る。> FOP-JP036「ビジランス号の海賊達」 ノーマル 水属性・★2・ATK1300/DEF200 【アンデット族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。フィールド上のこのカードはカード名を「ヘル・ゴースト海賊団」としても扱う。自分フィールド上に水属性のアンデット族モンスターが3体以上存在する限り、相手フィールド上の永続魔法・永続罠カードの効果は無効になる。 <H・G海賊団の海賊船、ビジランス号の乗組員達。> FOP-JP037「海賊船 イリュージョン・ミスト号」 レア 水属性・★5・ATK1700/DEF2400 【魔法使い族・効果】このカードはフィールド上に「海」が存在する場合、1000ライフを払う事でデッキから特殊召喚できる。このカードと同名のモンスターは自分フィールド上に1体しか存在できず、後から同名のモンスターが自分フィールド上に召喚・反転召喚・特殊召喚された場合、それを破壊する(同時の場合、全ての同名モンスターを破壊する)。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分フィールド上の「ジャグル・イリス海賊団」と名の付いたモンスターは相手魔法カードの効果の対象にはならない。 <虹色に輝く髑髏をシンボルに持つJ・I海賊団の船。帆柱の先より放出される魔法の霧が蜃気楼を発生させ敵の砲撃を狂わせる。> FOP-JP038「J・I(ジャグル・イリス)海賊団 船長―千里眼のオング」 スーパー 水属性・★5・ATK1900/DEF2100 【魔法使い族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分または相手が魔法を発動する度に、このカードに魔力カウンター1個乗せる(最大5個まで)。このカードに魔力カウンターが乗っている限り、自分フィールド上のパイレーツモンスターは相手の永続魔法・永続罠の効果を受けない。自分フィールド上の魔力カウンターを5個取り除く事で、相手フィールド上のカードを2枚破壊する。 <世界の南に位置する海「レフォルズ」を拠点とするJ・I海賊団の船長。荒くれた船員にも魔術を伝授できる程の魔導の才を誇る。> FOP-JP039「J・I(ジャグル・イリス)海賊団―地獄耳のイールメット」 レア 水属性・★5・ATK2000/DEF1800 【魔法使い族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分または相手が魔法を発動する度に、このカードに魔力カウンター1個乗せる(最大4個まで)。相手はカードを手札からフィールド上にセットする場合、そのカードを公開してからセットしなければならない。フィールド上のこのカードは相手の魔法カードの効果によっては破壊されない。 <J・I海賊団の副船長。船長のオングとは古くからの付き合いで、共に魔導の道を学んでいる。> FOP-JP040「J・I(ジャグル・イリス)海賊団―巨砲のジーザ」 ノーマル 水属性・★4・ATK1000/DEF2000 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分または相手が魔法を発動する度に、このカードに魔力カウンターを1個乗せる(最大3個まで)。1ターンに1度、手札からカードを1枚墓地に送る事でこのカードに乗っている魔力カウンターの数×500ポイントダメージを相手ライフに与える。 <J・I海賊団の砲撃手。3メートルもある巨大な魔導砲を単独で正確に扱えるのは彼くらいだろう。> FOP-JP041「J・I(ジャグル・イリス)海賊団―ヤエヌ」 ノーマル 水属性・★4・ATK1300/DEF1700 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分または相手が魔法を発動する度に、このカードに魔力カウンターを1個乗せる(最大2個まで)。このカードが反転召喚に成功した時、自分のデッキから「ジャグル・イリス海賊団―グーグ」を1体フィールド上に特殊召喚する。このカードに乗っている魔力カウンターを2個取り除く事で、相手の罠カードの発動と効果を無効にし破壊する(この効果は相手ターンでも発動できる)。 <J・I海賊団、グーグの妻。彼とは敵対する海賊として出会ったが、その戦いで惚れてしまいそのまま元いた海賊団を抜け出してきたという。> FOP-JP042「J・I(ジャグル・イリス)海賊団―グーグ」 ノーマル 水属性・★4・ATK1600/DEF1100 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分または相手が魔法を発動する度に、このカードに魔力カウンターを1個乗せる(最大2個まで)。このカードが特殊召喚に成功した時、自分のデッキから「ジャグル・イリス海賊団―ヤエヌ」を1体フィールド上にセットする。このカードに乗っている魔力カウンターを1個取り除く事で、相手の速攻魔法カードの発動と効果を無効にし破壊する(この効果は相手ターンでも発動できる)。 <J・I海賊団、ヤエヌの夫。夫婦喧嘩をしている時の船内の盛り上がりは戦いの時以上と噂される。> FOP-JP043「J・I(ジャグル・イリス)海賊団―ドゥーエム」 ノーマル 水属性・★3・ATK1400/DEF1600 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分または相手が魔法を発動する度に、このカードに魔力カウンターを1個乗せる(最大2個まで)。自分フィールド上に魔力カウンターが3個以上存在する場合、このカードは相手フィールド上にモンスターが存在しても、相手プレイヤーに直接攻撃をする事ができる。 <船長、オングの力によって多少の魔法力を身に付けたが、才能が無いのか今一上手く利用できないらしい。> FOP-JP044「J・I(ジャグル・イリス)海賊団―オウフ」 ノーマル 水属性・★3・ATK1600/DEF1000 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分または相手が魔法を発動する度に、このカードに魔力カウンターを1個乗せる(最大2個まで)。ダメージステップ時、このカードに乗っている魔力カウンターを2個取り除く事で、このカードの攻撃力は700ポイントアップする。 <装備する高熱を帯びた鞭は時として制裁や拷問にも使われ、彼自身もそれを多少楽しんでいるようだ。> FOP-JP045「イリュージョン・ミスト号の海賊達」 ノーマル 水属性・★2・ATK500/DEF1600 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。フィールド上のこのカードはカード名を「ジャグル・イリス海賊団」としても扱う。自分または相手が魔法を発動する度に、このカードに魔力カウンターを1個乗せる(最大1個まで)。相手バトルフェイズ開始時、自分フィールド上の魔力カウンターを1個取り除く事でこのカードを手札から特殊召喚する。この効果によって特殊召喚された場合、そのターンのエンドフェイズ時に持ち主の手札に戻る。 <J・I海賊団の海賊船、イリュージョン・ミスト号の乗組員達。> FOP-JP046「見習い海賊」 ノーマル 水属性・★2・ATK1000/DEF800 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分または相手エンドフェイズ時、このターン戦闘を行ったこのカードを生け贄に捧げる事で、自分の手札・デッキ・墓地から「半人前海賊」を1体フィールド上に特殊召喚する。 <海賊になり立ての少年。> FOP-JP047「半人前海賊」 ノーマル 水属性・★3・ATK1450/DEF1000 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。自分または相手エンドフェイズ時、このターン戦闘を行ったこのカードを生け贄に捧げる事で、自分の手札・デッキ・墓地から「一流海賊」を1体フィールド上に特殊召喚する。 <仲間の海賊達と共に成長し続ける青年。> FOP-JP048「一流海賊」 ノーマル 水属性・★4・ATK1700/DEF1400 【戦士族・パイレーツ】フィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない場合、このカードの効果は無効となり、ルール上通常モンスターカードとして扱う。相手モンスターを戦闘によって破壊した時、自分の墓地から「見習い海賊」を1体フィールド上に特殊召喚する事ができる。 <数々の航海を経て一人前の海賊になった。> FOP-JP049「伝説の海賊船 ゴールデン・トライデント号」 スーパー 水属性・★12・ATK3000/DEF4500 【戦士族・効果】このカードは通常召喚できない。フィールド上に「海」が存在する場合、4000ライフを払う事でのみ手札またはデッキから特殊召喚できる。このカードと同名のモンスターは自分フィールド上に1体しか存在できず、後から同名のモンスターが自分フィールド上に召喚・反転召喚・特殊召喚された場合、それを破壊する(同時の場合、全ての同名モンスターを破壊する)。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分の手札・デッキ・墓地に存在するパイレーツモンスターの星の数は4つ少なくなる。 <海賊王ログエルがその生涯を終えた船。歴史上最も巨大で雄大な海賊船と称えられる。> FOP-JP050「ディナビアン・ガーディアン」 ノーマルパラレル 地属性・★7・ATK2050/DEF2050 【植物族・効果】このカードは通常召喚できない。フィールド上に「古代の秘宝島―ディナビア」が存在する時、2000ライフを払う事でのみ手札または墓地から特殊召喚するこのカードは装備カードの効果を受けず、装備カードを装備していないモンスターとの戦闘によっては破壊されない。自分スタンバイフェイズ時、フィールド上のこのカードを生け贄に捧げる事で、手札またはデッキから「ディナビアの瞳」1枚を発動する。 <ディナビアの森に根着く神木。彼に認められた者にしか秘宝は与えられないという。> FOP-JP051「ディナビアン・ビースト」 ノーマル 風属性・★4・ATK1860/DEF1340 【獣族・効果】フィールド上に「古代の秘宝島―ディナビア」が存在しない場合、フィールド上のこのカードは持ち主の手札に戻る。このカードがデッキから手札に加えられた時、フィールド上に特殊召喚する事ができる。相手エンドフェイズ時、フィールド上のこのカードを手札に戻す事で、自分のデッキから「ディナビア」と名のついたモンスターを2体まで選択し、フィールド上に特殊召喚する。 <ディナビアの森に棲む生物達を指揮する巨大な犬型の獣。> FOP-JP052「ディナビアン・キラー」 ノーマル 水属性・★4・ATK1870/DEF1230 【魚族・効果】フィールド上に「古代の秘宝島―ディナビア」が存在しない場合、フィールド上のこのカードは持ち主の手札に戻る。このカードがデッキから手札に加えられた時、フィールド上に特殊召喚する事ができる。自分・相手バトルフェイズ開始時、相手フィールド上にカードが4枚以上存在する時、フィールド上に表側表示で存在するこのカードを手札に戻す事で自分のデッキまたは墓地から「ディナビアン・キラー」を除く星4以下の「ディナビア」と名の付いたモンスターを1体選択しフィールド上に特殊召喚する。 <ディナビア島内の海を回遊する魚。口の先は剣の如く鋭い。> FOP-JP053「ディナビアン・フレーバー」 ノーマル 炎属性・★4・ATK1880/DEF1120 【植物族・効果】フィールド上に「古代の秘宝島―ディナビア」が存在しない場合、フィールド上のこのカードは持ち主の手札に戻る。このカードがデッキから手札に加えられた時、フィールド上に特殊召喚する事ができる。罠カードが発動した時、フィールド上のこのカードを手札に戻す事で、そのカードの発動と効果を無効にし破壊する(この効果は相手ターンでも発動できる)。 <ディナビアの森に生息する不思議な香りのする熱気を放つ雑食植物。> FOP-JP054「ディナビアの死霊海賊」 ノーマル 闇属性・★3・ATK1750/DEF0 【アンデット族・効果】このカードがデッキまたは墓地から手札に加わった時、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体に装備カードとして装備する。装備モンスターの効果はフィールド上に「海賊船」と名の付いたモンスターが存在しない限り無効になる。このカードがフィールド上から離れた時、自分フィールド上のカードを1枚選択し手札に戻す。このカードの効果はフィールド上に「古代の秘宝島―ディナビア」が存在しない場合、無効になる。 <ディナビアの秘宝を求め、この島で命を落とした海賊。> FOP-JP055「ディナビアの亡霊」 ノーマル 闇属性・★1・ATK500/DEF1000 【アンデット族・効果】相手フィールド上にモンスターが召喚・反転召喚された時、墓地に存在するこのカードを自分または相手フィールド上に特殊召喚する。このカードがフィールド上から離れた時、自分フィールド上のカードを1枚選択し手札に戻す。このカードの効果はフィールド上に「古代の秘宝島―ディナビア」が存在しない場合、無効になる。 <かつてこの島に辿り着いた人間達の亡霊。上陸者が現れると森の奥深くから飛んで来る。> FOP-JP056「ディナビア海の魔物」 ノーマル 水属性・★9・ATK3000/DEF3000 【水族・効果】このカードは通常召喚できない。相手フィールド上に表側表示モンスターが2体以上存在する場合、1000ライフを払う事のみ墓地から守備表示で特殊召喚する。フィールド上に「古代の秘宝島―ディナビア」が存在しない場合、この効果は発動できない。 <ディナビア島周辺の海に棲む海月と海栗を合わせた様な異形の巨大生物。> FOP-JP057「ディナビア海の巨貝」 ノーマル 水属性・★9・ATK0/DEF4500 【水族・効果】このカードは通常召喚できない。相手フィールド上に表側表示モンスターが2体以上存在する場合、1000ライフを払う事のみ墓地から守備表示で特殊召喚する。フィールド上に「古代の秘宝島―ディナビア」が存在しない場合、この効果は発動できない。 <この巨大な貝を突破しなければディナビア島へ上陸する事は叶わない。> 058~123へ 『遊戯王』へ
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太公望(SR) 基本情報 名前 太公望(たいこうぼう) 種族 海種 ジョブ マジシャン 召喚コスト 40 <タイプ> 大仙 タイプ 崑崙仙(こんろんせん) HP 450 ATK 70 DEF 60 覚醒 可 超覚醒 可 アーツ 無 CV 西田 雅一 アビリティ 召喚 なし 覚醒 なし 超覚醒 打神鞭(だしんべん) 攻撃力と防御力が上がる。さらに、自身の周囲に召喚コストが一定以上の自ユニットがいると効果が上がり、ファイタースタイル時に射程距離が延びる。 +エラッタ前のステータス 閉じる Ver3.100~Ver3.403 No 1-004, 2-007 種族 海種 名前 太公望 ジョブ マジシャン 召喚コスト 40 タイプ 大仙 クラス 崑崙仙 HP 450 ATK 40 DEF 40 覚醒 可 超覚醒 可 アーツ 無 アビリティ 召喚 なし 覚醒 なし 超覚醒 グロスコストアップW ステータス 状態 HP ATK/DEF 召喚 450 70/60 覚醒 500 90/80 超覚醒 550 180/170〔近くに70コスト以上がいない場合〕220/210〔近くに70コスト以上がいる場合〕 DATA・フレーバーテキスト +Ver3.1 Ver3.1 身長 知ってどうするんだい あぁ!そうだった、そうだった。確かに、封神台に三百と六十五の神仙たちを封じたのはあたしだったね。いやぁ、懐かしい。そんなこともあったなぁ。う~ん、困ったね。だからと言って、あたしが、あんたの期待するような強い仙人か?って言われるとそんなことはないんだよなぁ。きっと。そもそもあたしは、面倒事も、荒事も苦手でね。ここでこうして、ほけ~と釣り糸を垂らしているのが似合いの、さえない男なのさ。うん。あらら、そんな顔しなさんな。いやいや、あんたの話に全く興味がないってわけじゃないんだよ?そちらの世界からは、ナタの坊やの気配もするし、懐かしい顔たちに逢いたい気持ちもあるんだよ…あぁ、いけないね。あたしとしたことが。結局、暇は潰してこその暇ということなんだった。…うん、決めたよ。紅色眼のあんた。あんたの船にのせとくれ。ひとつ、また封神を始めてみましょうか。 体重 笹の船にも乗れるよ 生息域 崑崙山 異名 姜子牙 趣味 釣りってことで 性格 つかみどころがない イラストレーター タイキ +Ver3.2 Ver3.2 身長 知ってどうするんだい おやおや そこにいるのは竜吉のお姫さんじゃないか。いやぁ懐かしい。元気だったかい?あんたには随分助けられたからね。元気そうで嬉しいよ。夫君は一緒じゃないのかい? そうかい、残念だねぇあたしもこちらの世界に来たばかりでね。まぁ、ナタの坊やの気配があって、あんたも封神台から出てるってことは、他に封神したやつらもいるんだろうねぇ。ん? あたしかい? あたしはちょいと頼まれ事でね。お暇つぶしのお手伝いさ。なにやら物騒なのがいるっていうんで、封神のひとつでもしましょうかってね。あれま、妲己さんを見かけた?おやおや、それは大変だ。またどこぞの美人さんに成りすましてるのかね…まぁ、封神榜も真っ白なことだし、どするかは会ってみてからで良いんじゃないかい?また悪さをしているようなら…フフ、まぁ、もう一度封神されてもらいましょうか。 体重 笹の船にも乗れるよ 生息域 崑崙山 目的 悪仙の封神…でどうだい? 宝貝 打神鞭 心の教示 覆水難収 イラストレーター 新村 直之 +Ver3.5 Ver3.5 身長 知ってどうするんだい ひゅんと風を切る『打神鞭』。鞭先が空気を斬る度に、宙より飛び出す矢のような水弾がマッドオークを跳ね飛ばす。「やれやれ面倒だねえ… 何でまたこんなときに悪鬼どもにでくわしちまうんだか」数刻前、川で話をしているうちに、気づくと姿を消してしまった竜吉公主を探して、太公望は川辺を下流へと下っていった。そこで、怪物の群れに出くわしてしまったのだ。「こんな調子じゃあ、あの人の願いを叶えるのも、思ったより難儀なことかもしれないねぇ」太公望は、自身をこの世界へといざなった紅い瞳の女人の言葉を思い出しひとり苦笑する。「…っと、これじゃあきりがない、それ!」長い竿のようなの鞭先が地面を叩くと、そこから大水が勢いよく溢れ出し、太公望を囲むマッドオークたちをまとめて押し流していく。しかし、どれだけの群れにあたってしまったのか、木立の奥からさらに怪物が飛び出してくる。ここ最近、こうした悪鬼に出会う頻度が増えているように思える。今この世界は、思ったより悪い方に傾いているのかもしれない。竜吉公主にしても、この程度の悪鬼どもにやられることはそうそう無いだろうが、いつまでも一人にしておくというのも考え物だ。さっさと片付けて、迎えに行かなくては――そう思い、再び宝貝を振りかぶったその時、群れの奥から、素っ頓狂な声があがった。「ひゃああ…! 何よあなたたち、私を誰と心得ますか! うぅ…お腹がすいてなければあなたたちなんて…あなたたちなんて…誰か…助けてーーーー!!」助けを求める女人の声。すぐさまそちらへと向かい、再び大水をおこして群がる怪物を一掃する。水が掃けた後を見ると、そこには白い衣を纏った、なんとも神々しい女人が、きゅうと目を回し倒れていた。* * * *「…んぐんぐ… ふう、助けてくれてありがとう。か弱き美女を捨て置けぬ、あなたの正義を称えます。そしてこのお魚も…もう一尾ほど頂けたりすると、もっと称えてあげられるのだけれど」目を覚ました白い衣の女人が、焚き火の前で、太公望が釣った魚を両手に数尾持って食べている。「あいにく魚はそれきりなんだが… 何にせよ、怪我がなくて良かったよ。それはそうとお嬢さん、こんな所でいったい何をしてたんだい?」「お嬢さんではありません。私は正義の天秤の女神アストレイア… (グゥ…) はぐっ、はなはのせーひをほいにひはのほ(あなたの正義を問いに来たのよ)」アストレイアと名乗った女神は、魚をほおばりながら言った。「――ふむ、あんたは、あのドゥクスという人の知り合いなのかい?」「あぁ… そうね、知ってはいるわ。でも、今回の話はそれとは関係ないの…全くなくもないけれど… でも、ドゥクスを知っているなら、話は早いわね」全ての魚を食べ終わった女神は、居住まいを正し話し始めた――世界の命運にかかわる話を。――この滅びへと向かう世界の裏で、ある企みが進んでいること――その企みを止めるには、13人の、闇を打ち払う『剣』となる者たちの力が必要であること――女神は、その者たちを集めており、太公望にこそ、その資質があるということ――。「――なるほどねぇ… そりゃあ難儀だ」「そうななのよ! ほんとに、世界のあちこち飛び回って、なんだか一筋縄じゃいかないやつらばっかりでね… 本当に、みんな正義をなんだと思ってるのかしら?」「そうかいそうかい、あんたも大変だねぇ」「まぁね。それでも着実に『13の剣』は集まってるわ。さぁ、それでは行きましょう!」「うん、あたしはお断りさせていただくよ」太公望はにっこり笑ってそう言った。女神は耳を疑った。「…へ? ちょっと待って… あなた、太公望さんよね? 本人よね? あの仙界大戦の大功労者の…」「功労者かどうかはしらないが、いかにもあたしは太公望だね」「じゃあ、なんで…」太公望は立ち上がり、広げた荷物を仙力でひょいと小さな巾着にまとめると、すました顔で焚き火の始末を始める。「あたしはあのドゥクスって人に声をかけられてこの世界にきたが、それだけじゃあないんだ。あたしには、ここで他にもやらなきゃならないことがあってね」「やらなきゃならないこと?」「うん――あたしはきっと、ある人を泣かせてしまったんだよ。それでね、あふれた水が、盆にかえらないか、もう一度ためしてみたいのさ」長い黒髪がさらりと顔にかかる。その表情はうかがい知れない――。「……あるお人って、誰なの?」「う~んそれを正義の女神さまには言えないねぇ… 言うなれば、世界を滅ぼそうとした悪~いお人だ」「………ならますます」「ごめんよ、お嬢さん。そもそもね、あたしは別に正義の仙人とか、そういうのじゃあないんだ。その悪い人と同じでね、結局あたしも自分の好きなことしかしない。ただ、それがちょいとばかり、良いことの方に傾いているだけなんだよ」アストレイアは立ち上がり、太公望に厳しい視線を送る。「本心から言ってるの? ――きっと、後悔するわよ」「あぁ… そうだね。確かにあたしは後悔しているよ」女神の言葉に、太公望はそう答えた。しかしその言葉と共にある笑顔は、とてもさみしげで、悲しみに満ちているようにも見えた。「けど、だからこそ、あたしはあんたの企てには乗れないんだ。さて、そろそろあたしの封神を進めないといけない」「そんな…」「ごめんよ、向こうさんもきっと力をつけているから、ちょいと仲間をあつめなきゃいけないんだ。竜吉さんも探さなきゃいけないし。ナタの坊やとの待ち合わせ場所にもいかなきゃあいけない――そうそう、もちろん、ドゥクスさんのお願いはしっかり果たさせていただきますよ。あんたのお話は――そうだね、こっちが全部終わって、それでも間に合うようなら聞かせておくれ。それじゃ、頑張ってくださいな」そう言うと、太公望は、胸元からとり出した笹の葉を、ポンと打神鞭でひと叩きした。すると笹の葉が人が乗れるほどの小船へと変わる。小船は、すすぅっと宙へと浮かび上がり、後ろ手を振る太公望を乗せて消え去った。 体重 好きに決めていいよ 酒飲み友達 竜吉公主 昼寝友達 太上老君 釣り友達 楊戩 義兄弟 哪吒太子・武吉 イラストレーター Tomatika +SP SP 身長 知ってどうするんだい 『崩天楼』 見渡す限りを覆った灰色の雲が、落ち着かない様子でぐにゃぐにゃと形を変えながら気忙しげに流れていく。 その様子が今の自分の心を映しているようで、女は美しい形の唇に小さく自嘲の笑みを浮かべた。 いくつもの気流が収束するこの島の空はいつもこのような雲で覆われていたが、そのことに気付いたのは今が初めてだった。「……きっと、もうすぐ終わるからかしら」 “異界”より渡ってきた後、それなりの時間をこのアルカニア島で過ごしてきたが、常に秘めた想いに苛まれ続けてきた彼女には、このようにゆっくり世界の景色を眺める余裕など無かった。しかし、もうすぐ全ての煩瑣から解放されるであろう今の状況が、彼女の心境にそんな変化を及ぼしたのかもしれない。 女は、命をほとんど感じることのない歪な火山岩の海岸を、じゃりりじゃりりと鳴く足音に耳を傾けながら、一歩一歩踏みしめるように歩いた。そしてひと際高い崖へと登り、足を止めた。 そこからは、巨大な塔が見えた。 曇天を貫かんばかりにそびえ立つ塔――『紅蓮の塔』の天辺を、女はじっと見つめた。 雲を押し流す強い風が、塔と同じように微動だにせず見続ける女の黄金色の髪をはたはたと揺らす。 思慮深く、それでいて決してその心の内を誰にも語ることは無いと思わせる冷たい瞳――今、仄かに潤いを帯びているそれは、そこからは見えていないはずの、塔の主に向けられているのだろうか――。 不意に、ひと際強い風が吹いた。 同時に絶え間なく吹き続けていた風が、何かに恐れをなしたかのようにしんと凪ぐ。 女は風で乱れた髪を片手で整えると、もう一方の手の平をじっと見つめ、きゅうっと小さく拳をつくった。「――無粋だわ。せっかく綺麗に整えたのに、髪が乱れてしまうじゃない」 そう言って落胆とも、安心ともとれる複雑な吐息を吐くと、「でも……お前たちなら、どうでもいいか」 ゆっくり肩越しに後ろを見やった。 その視線の先には、がしりと組んだ両腕に、喜楽を塗った破顔の笑み――。「ははは! やっと会えたぞ女狐め!」 派手な立ち姿にもかかわらず音なく宙に立ち浮くは、蓮華の化身・『ナタ太子』――降魔転じて『流謫の蓮華』。「はぁ~~ 『妲己』かぁ~~ 面倒じゃの~~ わしはま~~ったくやる気ないんじゃがの~~」 そしてその後ろに浮かび、万象宿した異様な頭を掻いてうなだれるは、仙界の長が一人――太清境の大神仙・『太上老君』。 女――妲己は、突然現れた二人のちぐはぐな気勢など全く興味なしとばかりに、眉一つ動かさず尋ねた。「それで、何かご用かしら? 仙人ども」「何かとは挨拶だな! いや挨拶なのか? 女狐よ、今さら語る言葉もないぞ! ならば撃にて応えよう! お前を訪ねてやってきた! さぁさぁ、ひとつ勝負といこうじゃないか!」 地に降り立ち、大きく腕を振ってぐんぐん妲己に迫る化身。一方太上老君は高岩の上にどかりと座りこみ「そうそう、そいつとやってくれい。わしは絶対戦わんからの~~~」と頬杖をついて眺め下ろす。 妲己はふんとひとつ鼻を鳴らし、「お前らのふざけた調子に合わせるつもりはないの」 どう収まっていたものか、するりと胸元から長扇子を抜き放ち、あと数歩と迫る化身の鼻線にびたりと合わせた。その無表情から放たれる異様な気迫を感じ取り、思わず化身が足を止める。「――それで、“あいつ”は何処なのかしら?」 その問いに、化身はキョトンとした目で小首をかしげたが、すぐに「ああ」と手を打った。「あはは! かはは! 兄ぃのことか? なぁになに、兄ぃは“遠くて近いところ”にいる! 何にせよ、オレ様などにはとんとわからぬ大層な考えがあるのよ! 然らば答えられるはずもなし! であるからな、まずは俺様が遊び相手というわけだ!!」 化身は再び進もうとしたが、妲己はすぅっと目を細め、仄かな気炎を発した。「そうなの――でも、お前と遊ぶのは嫌ね。餓鬼の相手は疲れるもの」 そして閉じた扇子を目にかざし、横に引く。その陰より現れた紅い瞳を見た太上老君が「ひょっ!」と頓狂な声を上げた。「お~~い、糞坊主ぅ~~。ちぃと離れた方が良かろうな~~~ そりゃ『ロード』とかいうやつだぞ~~い」「ろ~ど……ろぉど? “灯ろう”のまがい物か何かか?」「阿呆~~い! お前、な~~んの因果で『降魔』になったんじゃ~~い! そやつは“紅蓮の力”を持っとるっちゅうこっちゃ~~!」「ぐれん……“紅蓮”? ……ああ! “あるかな”の“赤目”!!」 化身はまたもや手を叩き、「アレか! その迫力に合点がいった! それはいい!」と一人かははと笑ってみせる。「お前はいつも楽しそうね、ナタ太子。でも妾は楽しくないわ。お前みたいな化け物が、さらに『降魔』になっているだなんて冗談じゃないもの。だから、こいつと遊んでなさい」 そう言って妲己が扇子を広げ、二度三度と大きく振る。すると紅色の風が巻き起こり、何ということか、風が通った何もない宙空に紅い亀裂が次々刻まれていくではないか。――ピシリ。 亀裂から欠片が一つ零れ落ち、裂け目の“穴”からにょろりと何かが這い出した。 それは指――その指先には鋭く長い牙のような爪が付き、その指を付け根から咥えこんだ鱶(ふか)を思わせる白い腕がずるりと伸びて裂け目の端を掴む。それが一つ――二つ――三つ――四つ――最後に現れたのは、燃えるような朱の髭を蓄えた巨大な顔と異様な体――。 化身は「ほう」と声を上げ、老君は皺がれた顔をさらにくしゃりと皺寄せた。 ずしんと地を揺らし化身の前に降り立った異様の怪物は、呆けた顔で自分を見上げる二人の仙人を見やると、ぐるりと長い首だけ後ろに向けて、妲己に尋ねた。「――妲己よ。契約は覚えておるだろうな? こやつらを喰らった後には、今度こそ“あやつら”に会わせてもらうぞ?」「覚えているわ。でもちゃーんと残さず骨まで平らげたらね、妾の“使い魔”殿」 物騒な二匹の妖(あやかし)の会話をよそに、太上老君が長い耳をたぶをたぷたぷと弄びながら呑気な声を上げる。「ふあ~~ な~んともめんどくさ~~いのが出て来おったのぉ~~ ナタ太子、ありゃあ『共工』だぞい」「何だ? 老子のご同胞か?」「愚か者。このわしの美麗な面と見比べて、どうすりゃあれが同胞に見えるんじゃい」「そうか? ほとんど同じに見えるがな……それにしても『ろ~ど』だ『きょ~こ~』だ、知らぬ言葉ばかりだぞ、老子。寂しいじじぃは無駄に知識にひけらかしたがって敵わんな」「だ~~れが寂しいじじぃじゃ! せっかく忠告してやっとるっちゅうに……ありゃお前さんが蓮の玉っころであった更に更にの大昔、天地の形がまだ定まっておらん頃の怪物だぞい!」 それを聞いた化身は、怖気づくどころか目を爛々と輝かせ、口の端をつつぅと吊り上げた。「あっはは! かっはは! なる程な! これは素敵なご褒美だ! さすがは兄ぃ、俺が退屈していたものだから、全てを見越しこのよう玩具を用意してくれたに違いあるまいよ! そぉれそれ! 行くぞ参るぞ、大鱶釣りだ!」 叫ぶとともに気を放ち、ダンと地を蹴り飛び上がる。それを合図に共工も四つの腕をくねらせて、迫る化身に気をむける。かくして二つの勇猛は闘気と化してぶつかり合った。 まずは共工、化身の四肢を喰い千切らんと、まさに獲物を狙う鱶が如き高速でその腕を無軌道にくねり走らせる。化身はそれを「よいさ」「ほいさ」と踊るように寸でで躱し、「かっははは! なかなかに速いな! だが速さで負けぬが『流謫の蓮華』よ!」 と、躱す合間にパンと胸元で両手を打った。 すると化身の足元に、双なる炎輪『風火二輪』が現れてギュルルと風火を巻き起こす。化身は風火の轍を轟轟引いてうねる巨腕を滑るように駆け上がり、そのまま肩口で跳ねると、破顔一笑、共工の横面にドカンと拳を叩き込んだ。「――おろ?」 手応えはあった――しかし、撃ち込んだ拳は振り抜くことが出来ずにぴたりと止まる。共工は頬に拳を乗せたまま、ギョロリと化身に目を向けた。「軽いぞ、ちび仙人。天地の柱を折るこの頭蓋、貴様の打突など儚き蚊蜻蛉の如きよ」 語るや否や、いつの間にやら迫っていた鱶の巨碗が化身の横腹をズンと薙ぐ。「なんとぉ!!」 化身は瞬時に殴りつけられた方へと跳んで、ままの衝撃を殺してみせるが、四本ある巨腕は数十集まった鱶の群れの如く次から次へと迫りくる。化身は風化二輪を猛回転させ、器用にそれを避け続けるがどうにも突破口が見当たらない。「うむむ、こりゃあなんともやりづらい! この俺様が、近くは不利と思わされるとはな! だがまだまだよ、近くが駄目でこれならどうだ!」 化身は腰に下げた円環状の宝貝『乾坤圏』を手に取ると、大きく振りかぶって投げつけた。 ヒィィィィンと空を切って飛翔する圏の軌跡――しかし共工はニタリと笑みを浮かべて鱶の四つ腕を正面に構えると、その腕口より大量の液体を吐き出し『乾坤圏』に浴びせかけた。「かはは! そんなもので止まるものか!」 圏は斬波の勢いで液体を切り裂き、肉よ裂けよ、骨よ砕けろとばかりに共工の体に吸い込まれた――かに見えたが、それはつるりと表皮を滑り、明後日の方へと飛び去った。「何だそれは!? お前は鱶ではなく鰻であったというわけか!?」「ふふん、何故に解させてやる必要があるかよ!」 * * * *「ほあ~ こりゃ~~すごいの~~。じゃが坊主もあの共工相手によう持っとるわい。し~~かし、ありゃ“油”か? 相手にぶち当たるまでどこまでも飛んでく『乾坤圏』も、当たった後にぬるりとされちゃあ如何ともできんわな~~。“鱶の肝油”とはこれまた……ん~~? 油、油かぁ~~ んあ? それで“共工”っちゅう……」 太上老君は呟きながら、もはや頬杖をつくどころか物見遊山を楽しむように、ごろりと高岩に寝そべり両雄の戦いを眺めやる。「随分と余裕のようだけど、お前は戦わないのかしら?」「んあ~~?」 寝転びながら首だけ後ろに倒すと、逆さ目に妲己の姿が映った。「じゃ~~から、わしは戦わんとゆ~たろうが~~。面倒なことは、だ~~い嫌いなんぞい」「お気楽な爺様ね。でも妾の目は節穴ではないの。お前が何かを企んでいることくらいはわかるわよ?」「ほっほっほ、面白いことを言う狐じゃの~~ わしがわからんことをお前さんがわかると言うか。確かにわしは“待ってはいる”が、それが果たして企みなのか――企みだとして、それが何のための企みなのかはさ~~ぱりわからん」 そうからからと笑って、再び二人の戦いに目を向ける。「ナタの坊主も言うとったがの、お前さんのお目当ての“あの男”は、何を考えておるのかい~~っつもさ~~っぱりじゃ。じゃがその分、あやつはだ~~~れも思いつかんことを、い~~~っつも、た~~んと考えておる。あやつの企てに乗せられたら最後、こっちはな~~んも考えずに“その時”を待つだけぞい――あ~~! ま~~た『乾坤圏』かい! ナタの坊主も一つ覚えが過ぎるぞ~~い」「待つって、何をかしら?」「お前さんも待つがええて。おのずとわかるぞ~~い」「……そう、なら別の質問にするわ。“あいつ”のいる“遠くて近い場所”とはどこなの?」「んあ~~? 説明するのもめんどくさいの~~ ほ! ま~~た油を出しよった~~! ほれ、ナタ! そこじゃ! あ~~~何をやっとるか!」 手足をばたつかせて観戦に興じ、まるで取り合う気のない太上老君に、妲己はふぅと息をついて顔を上げる。その視線の先には『紅蓮の塔』が――。「つき合うもりはないと言ったわ。崑崙の長の一人であるお前を殺せば、さすがの“あいつ”も顔を出すのじゃないかしら?」 言いつつ広げた扇子の刃は、ぴたりと太上老君の首筋に当てられていた。「なんじゃい、怖いの~~。じじい労われ狐の子――そんなに“あの塔”が気になるかいの?」「……何?」「塔の上を気にしたり、“あの男”を探してみたりと、我らを前にどうにも気がそぞろじゃて」「………!」 妲己の顔が気色ばむ。「ほっほっ、狐の顔に朱がさしたわい……お、や~~っと、ナタの坊主も気付いたか、んじゃそろそろじゃな~~」「何をする気か知らないけど――」 その時、妲己の目に映ったのは、共工の吐き出す油に抗せんと、化身に呼び出された“巨大な腕”。それは一対揃ってぐんと真っ直ぐ伸びると、握る大きな拳の先にちろりと“赤い舌”をのぞかせた。「あれは……」「わかったかいの? そうじゃ、油との“相性”はばっちしじゃわい。ありゃあ仙界に名高い宝貝の一つ、一吹きすれば全てを燃やす――」 化身が練気を込めて大きく叫ぶ。「烈火灰燼――『火尖鎗』!!!」「なっ……!?」 叫びと共に灼熱の炎が迸り、共工の噴油とぶつかった。 地を揺さぶる轟音。目を覆う眩い赤、赤、赤。瞬時に広がる黒、黒、黒。 大爆発より巻き起こる炎と煙が辺りを満たし、音に遅れて熱波が襲う。「くぅっ……!!」 堪らず扇子で身を隠した妲己がその隙間より見たものは、炎の中で天地上下の印を組む、太上老君の涼しい笑顔――。「そんじゃあひとつ、ご招待といこうかの」 * * * * 不意に途絶えた熱気を訝しみつつ、妲己はゆっくり扇子を下ろした。 見渡す限り、赤く輝く炎の壁と、真っ黒な煙の天蓋で囲われた空間――。 だがしかし、揺らめくはずの炎も、蠢くはずの煙も、その全てが動きを止めて熱さもまるで感じない。「……どういうことかしら? 見た目はそのままだけど、まったく異質な世界ね」 その問いに、炎と煙の中心に座した空間の主が答えを返した。「ほっほっほ。ここはな、ここであってここでなし――『太極図』、わしの思うと~~りになる、わしだけの“宇宙”じゃよ。数百年に一度しか使えんし、すっご~~~~く疲れるからあ~~んまし使いたくはないんじゃがの~~」「ふぅん……」 妲己は、そう告げた太上老君に背を向けて炎の壁に近づくと、指を立ててちょんと触れる。それは熱くもなく質量もない、しかしそこには絶対に破壊不能な“結界”が確かにあった。「こんなめちゃくちゃな“宝貝世界”……さすがは『太清大帝』というところなのかしら?」「褒めるな褒めるな。こんな便利な世界でも、お前さん程の大妖ともなると“気を抜いた一瞬”にしか引きずり込めんでな。その機会を待っとった~~っちゅうわけぞい」「……あっそ。それで、妾をこんな世界に引きずり込んでどうするつもりかしら? 戦わないんじゃなかったの?」「戦わんよ? わしの役目は“ここまで”じゃて」「それじゃ何のため?」「じゃっからわしもわからん言うとろ~~に~~ まあ、ひとつ思ったことといやぁ――お前さんのその『ロード』の力”、そりゃ“あの塔の主”から授かったもんなんじゃろうなぁ」 太上老君の指摘に、妲己の頬がヒクと揺れた。「どんな関係かは知らんが、お前さんはあの“赤い皇帝”の目が気になって仕方がないようじゃったからの。じゃから、一旦隠して心の内を聞いてやろう、とな。お前さん、胸に何を抱えとる? いや……それだけではあるまいな。他の何か、それとも誰かが背後にあるものか……そもそもお前さんは如何にしてこの世界にやって来――ぐぇぇっ!」 瞬きの間だった。遠く三間は離れていたはずの妲己が、気付けば、調子良く語っていた太上老君を押し倒し、馬乗りになってその喉笛を鷲掴んでいた。「年寄りの冷や水ね。女心を詮索する爺さんなんて質が悪いわ。無限の寿命が一気に縮まるわよ?」 そう言ってにこりと笑う。「……お前さん、そうやって偽もんの笑顔を張っつけちゃいるがな、どうにも心が駄々漏れだぞい……。噂に聞いとった化け狐は、それこそそのような質ではなかったようじゃがの~~?」「どうでもいいわ。何にせよ、よ。わけもわからず滅多なことはするものじゃないわね。ここにはお前と妾の二人だけ――お前を助ける者がいなくなっただけではなくて?」「あ、ほんとうじゃ……やばいの~~ ま~~た“あやつ”に嵌められたかの~~~ …ぐぅっ!!」 飄々と話すその首を絞める指に力が入る。「食えない爺さんね。うそぶくのは止めなさいな。本当は、まだ“ここ”に“誰か”が来るのでしょう?」「ほっほっほ、賢しいのぉ~~ わかっておるなら“引っ掛け”は止めんかい。確かにお前さんの相手は別におる――」 太上老君の目がすぅっと細まり横を向く――。「――と思っとったんじゃが……来んの……」 が、すぐに見開かれ、首を左右に振り振り周囲を見渡した。「あっれ~~? おっかし~~の~~?? 『双輪』の娘々どもにゃ“入口”を伝えておいたんじゃがぁ……」「あはは、見捨てられたの? それとももうろくかしら?」「え~~~そんなわけ……いやしかし、“あやつ”のやることじゃからなぁ、こりゃ本当にわしを嵌め……ぐへぇぇ!!」 太上老君が更に締め上げられるその後ろ、不意に炎の壁がぐにゃりと歪み、 ――ザザン。 と一つ、足音が落ちた。 ザン、ザン、ザン、ザン。 次いで足音は、力強く二人の方へと近づいてくる。 急いて振り向いた妲己の前に現れたのは――。 纏う空気は流麗明媚、揺蕩い流れる薄衣――そのたおやかさに似つかわしからぬ、快活な笑みと力強い眼力――。「ふふふん、待たせたでありんすなぁ。さぁ、再戦でありんすよ!!」 そこに立つは、万神たる『天帝』と女仙王たる『西王母』が一子、生まれながらの生粋仙人『竜吉公主』であった。 公主を目にした妲己は一瞬鼻の上に皺をつくり、「……今さら、“お前”? 前に『相手はしない』と言ったはずだけど――こう“すかされ”続けると、いい加減腹も立ってくるものね」 むせ上げる太上老君から飛び降りると、姿勢を正し、余裕の笑みを浮かべて優雅に立つ。 対して公主は両足を広げ、拳を握って仁王立った。「ぬしの言葉なら覚えておるわ。だからこうしてやって来た。嫌でも――もう一度相手にしてもらうでありんすよ!!!」 闘いの気勢と共に、竜吉公主はザンッと地を蹴り駆け出した。 だが見ると、いつも放さぬ愛用の宝貝――『霧露乾坤網』がその手にない。 素手とは何の冗談か。つまらぬ冗談ならば一瞬で払い終わらせよう――妲己は扇子を広げたが、どうしたことか、それには“刃”も宿らず“炎”が燈る様子もない。「あ~~ そういや言うの忘れとったの~~~ ここじゃ一切の仙力、妖力の類は使えんぞ~~い。“紅蓮の力”であってもなぁ。“皇帝に見えん”っちゅうのはそういうこっちゃ~~」「……なっ!」 先程の醜態はどこへやら、肘を枕に喜楽に寝転ぶ太上老君の言葉に気を取られたその隙に、妲己の目の前に至った公主が長い脚を翻し、ビュホンと鋭い回し蹴りを放った。 妲己は後方に反り飛んでそれを避け態勢を整えようとしたものの、その隙与えぬとさらに間を詰めた公主が矢継ぎ早に拳を打ち込む――が、確と見切った妲己は上体を揺らしてそれを避け、「ちっ」と一つ舌を打ち、下から掌底をかち上げた。 強烈な一撃をもろに顎に受けた公主は、吹き飛び背中から地に落ちる。「どうしたのかしら“妾様”? いつも楽しそうにへらへらと、雅遊楽(みやびゆうらく)が信条のお前ではないみたいじゃない」 腕を組んで斜に構え、公主を見下ろす妲己。 竜吉公主はペッと赤い唾を吐くと、口から垂れ落ちるそれを袖でぬぐって身を起こす。「――いい機会と思ったのでありんすよ。『双輪様』にこの“企て”を伝え聞いたとき……妲己、あのとき妾はぬしの“力”に負けたのか、その“心”に負けたのか、それをはっきりさせるまたと無い機会であるとの……」「あら、“妲己”? “化け狐”と呼ばないの? 嬉しいわ。お偉い仙人様のお前が、妾を名前で呼んでくれるだなんて」「呼びもするでありんす。妾はぬしに負けた。妾の誇りは挫かれた。ぬしの言葉は、妾の驕りを打ち砕いて、妖力も、仙力も、紅蓮の力も纏わぬまま、こうして身ひとつでぬしに挑む闘志をくれた……ぬしは悪かもしれんがの――妾はぬしを“認める”でありんすよ!!」 竜吉公主が立ち上がり、再び駆けた。「認める……?」 にわかに気色ばんだ妲己は、瞬時に手近な岩の後ろに回ると、それを思い切り蹴り砕いた。 迷いなく真っ直ぐに突っ込んだ公主は無数の石礫を避けきれず、堪らず腕で身を防ぐ――が、まずいと思い開いた腕の隙間には、ぐんと迫った妲己の顔が――。 ズン――と鈍い音が響き、腹に打ち込まれた拳に公主の体がくの字に曲がって浮き上がった。 落ちて後、むせる口から飛沫を散らせ、堪らず地を這いうずくまったその目に、ゆっくり近づく妲己の足が映り込む。「妾は千年生きた狐精――ごらんの通り仙力や妖力などなくても、この身の力だけで十分お前らを殺せる恐ろしい化け物よ? 清らかで美しい神の血を引く仙人様が、そんな妾を“認める”と……? そんなことがあるかしら。結局それは、お前らの“傲慢”よ」 妲己は公主の前にしゃがみ込むと、美しい黒髪を引っ掴み顔を上げさせた。 その顔は――。「何を、笑っているの?」「……嬉しいのでありんすよ……妾などつまらぬ、相手にしないと言ったぬしが、そうまで必死な顔を見せてくれるのが……」「何を言って……」「おかしいでありんすか……? 妾はぬしを取るに足らない妖風情と見下しておった……そんなぬしに手も足も出なかった自分が情けなくて、悔しくて、消えてしまいたいと思った……。でも、ぬしの言う通りかもしれぬと思うたら……“空っぽ”でくだらなかったのは妾なのかと、そう思うたら……それなら、これからなれば良いと思えたでありんすよ……これから、信じた自分になればと……。それには人も獣も、仙人も妖も関係ない……妾はぬしを認めた上で――」 公主はすがるように妲己の胸元を掴むと、「――ぬしに勝ち、ぬしにも妾を“認めて”もらう!!!」 ダンと足を踏み込んで、力の限りぶん投げた。「かはっ……!!」 思い切り岩に叩きつけられて息がつまる。妲己がかひゅうと吸えぬ息を無理やり吸い込んで前を向くと、そこには迫る公主の足――。 強く蹴り上げられた頭が、赤い弧の糸を引いて重力とは違う方向に流れる。 ほんの束の間意識が飛びそうになったが、妲己は唇を噛んで強引にそれを繋ぎとめると、瞬時に後方に飛び退り、膝をついて鼻より流れる赤色を拭った。「顔を……よくも!!」「認めた以上、妾も本気でありんすよ!! いつまでも舐めた態度でいるのであれば、ぬしを認めた妾の誇りにかけて、その命――この場で頂くでありんす!!」 竜吉公主の啖呵が異空間に木霊する。 妲己は垂れ落ちる赤を抑えつつ、顔を下に向けたまま目だけ爛と公主を睨みつけた。 そのまましばし、身じろぎせずにそうしていたが――「命……? 頂く……? お前が? この妾の?? ……おかしいわ仙人。そんな言葉は数えきれない程の奴らが妾に吐いて来たけれど、誰も成し得た者はいないのよ? つまりね――」 上げた顔は、目を見開き、歯を剥き出し、握った拳は大きく開かれていた。何かを掴みとらんとばかりに、必死の力がその指に籠められていた。「――誰が、死んでなどやるものか!!!」「――それが聞けて良かった」 すぐ傍で声がした。「怒りでも、なんでもね」 不思議かな。その柔らかな色がついたような艶ある声に、心抜かれたかの如くすぅっと妲己の怒気が消える。そしてゆっくり、首を横に向けると――。 そこには、いつの間にやら声の主が、彼女の顔を覗き込むように顔を傾けしゃがみ込み、流れる清水を思わせる長い黒髪を横に垂らしてにこりと微笑んでいた。「……太……公望……」「お久しぶりだね、妲己さん」 予想だにしない時に現れたその姿に面食らい、固まる妲己――。 竜吉公主は興奮冷めやらぬ様子ではあったが、“企て”の首謀者の登場に、ここが納め時かと悟ったようで無理やり息を鎮めて数歩下がった。 妲己はしばらく何を語ればいいかわからぬといったように、その場でぺたりと座り込んだまま、何やら口を開け閉めしていたが、やっとのことで絞り出すようにかすれた声を出した。「何を……しにきたのよ」「何を、かい? そうだねぇ――」 太公望は妲己の手を取り引っ張り上げる。何の抵抗もなくその手を受け入れてしまう自分に驚いた。「――とにかく、遅くなったね。どうにもバツが悪くてね」「よく言うわ……全てお前の企て通りでしょうに」「うん、そうなんだけどね」 そう臆面もなく、にこりと笑う。「今すぐに、お前を炎で焼いてやりたいわ」「あはは、そりゃ困った。でも、この『太極図』の中じゃできないし、無理して捻り出した腕力も竜吉さんとの果たし合いであと少しといったとこだろう?」「その通りよ……上手くやったわね」「うん、上手くやれた――」 太公望は笑みを残したまま、目を閉じる。「――これで、『あたしに殺される』というあんたの計画は潰れたわけだ」「………」 妲己は、赤く汚れた唇を噛み下を向く。「あんたは、自ら滅ぶつもりだったんだろう? “あの時”と同じように、あたしの手にかかって」「………」「しかも、今回は魂を『封神台』に封じるなんて生易しいもんじゃない……だから、すぐに会うことはできなかったのさ」 下を向いたままでいる妲己を、「“赤い瞳の皇帝”さんの話ならあたしも知っているよ。あんたがかつてのその人に救われたこともね。『ドゥクス』という女の人に教えてもらった」 太公望は優しい瞳で見つめる。「誰に聞いたのか――その時あたしがドゥクスさんから『アルカナ』の力を貰ったことを、あんたは知ったんだね。それであんたは、同じように身に『アルカナ』を宿してあたしに殺されようとした――完全なる終わり、『絶対死』というのを迎えようとしたんだ。違うかい?」「………」 太公望の言葉に、逡巡するように下を向いたまま黙する妲己――しかし、「……そうよ。悪い?」 顔を上げてそう言った。それは何かを堪えるような素の表情――そこにはもう、得意の作った笑みはない。 「……うん」「それで、今回のお前はどうするの? また妾を封神するのかしら?」「そうだねぇ――」 太公望は顎に手を当て、時の止まった天蓋を見上げる。「――あたしはね、ずっと考えていたんだ……あの時、どうすれば良かったのか、ってね。本当にずっと考えていたよ。それでね、こうしようと思った――」 ばさり、と衣を翻す音がした。 同時に妲己の視界から太公望が消え――いや、消えてはいない。視線を下げると、そこには低く跪き、深々と手と頭を地につける姿があった。「すまなかった!!」 その場の誰もが、その意外な行動に目を剥いた。「情けない話だが、あの時、世の中のあの状況で、あたしがどうすれば良かったかは今でもわからない。でもこうしたい――そう思ったんだよ」 太公望は頭を下げたまま続ける。「表でやり合ってるナタにね、気付かされたんだ。どうやらあたしもあんたも、考えすぎるきらいがあるようだ。あたしは色々考えて正義についた。あんたも色々考えて悪になった。でもあたしたちの根っこは同じ、ただの欲しがりで、大事にしたがりなだけなんだ」 妲己は黙って太公望の下げた頭を見つめたまま聞き続ける。「あんたがあたしを解ってくれていたように、あたしもあんたを解っていた。なのに、あの時のあたしは色々考え過ぎて、沢山のものに囚われて、自分がどうしたいかを後回しにしちまった。あんたが最後、悲しそうにあたしに笑いかけてくれた時、差し出せる手はあたしの方にあったのに……」「………」「……でもね、今なら素直に自分の思っていることを伝えて、受け入れてもらえるよう努めることができる。そして今のあんたになら、それを聞いてもらえると信じて――」 ガツン――と、「あ痛!」 妲己が太公望の頭を蹴った。「そんないっぺんに……よくわからないわ。それに――」「………」「妾の方が……痛かったわ」「すまない」「やっと来て、そんな話……?」「遅くなってすまなかったよ」「ひどい男……こんな“企て”をするなんて」「普通にやったら、どう話してもあんたは目的を果たしちまうと思ったんだ。本当にすまない」「言葉が軽いわ……ほんと、腹立たしい」「そうかい?」 太公望が首を傾けそっと上を見上げる。「あたしにゃ、あんたが今少し笑って――いぅぅぅ!」 妲己が無言で太公望の頭を踏みつける。「あいたた…」「お前は――ずるいわ」「よく言われるよ」「卑怯だわ」「その通り、あたしは卑怯者さ」 一見無様で滑稽な二人の姿とやりとりではあるものの、包む空気は至極穏やかだった。「――でもね、大事なもんはしっかり腹に持っているつもりだよ。そしてそれはどんどん増えていっている。その中にはあんたもいるんだ。そう思っているのは、あたしひとりじゃないよ」 太公望が横目で竜吉公主を見る。「竜吉さんとやりあって、あんたも肌身で感じたろう? この人もしっかりあんたを理解した。あんたはね、もう誰にも理解されない厄介者なんかじゃないさ」 目の合った公主が恥ずかしそうにぷいと横を向く。「だから、卑怯者ついでに言わせておくれ。“色々”さておき、これがあたしの本心だ。後生だよ。もう、わざと死のうだなんて思わないでくれるかい? あんたはもう、あの時分から――」 一つすぅと息を吸い――。「――あたしの大切なもののひとつなんだ」 「………ふっ……」 人に憧れた。 人になりたかった。 けれど人にはなれなかった。 結局、妖の自分が人になることなどできないのだ。 でも―― 「……ふぅっ……」 でもわかった。本当は人になりたかったわけではなくて、人に受け入れて欲しかったのだ。 誰とも違い、世界のどこにも居場所がなかった。その場所が欲しかっただけなのだ。 「……くふぅ……」 頭を下げる太公望の傍に、大きな雫がぽたりと落ちた。 それは次々降り注ぎ、追って大きな声がした。 それはとても大きく響く、堰を切り、何百年とため込んでいた澱を吐き出すような、子供のようにあられもない、大きな大きな泣き声だった。 皆黙ってそれを聞き、やがて激しい通り雨が過ぎて晴れ間が差し込み始めたように、次第に小さく静まっていった。 後には誰が口を開くかという空気が残り、やっと立ち上がった太公望の様子を見計らい、太上老君がおほんと一つ咳を混ぜ、尋ねた。 「さぁ~~て、そろそろ『太極図』を解いてもいいかの~~? 肩が凝ったわい」「ああ、お願いしますよ、老子――竜吉さんも、気は済んだかい?」「それなりにやれたし、もういいでありんす」「さすが竜吉さん。器は狭いが懐は深い」「……ん? それは褒められているでありんすか?」「そりゃあもう」 竜吉公主はさもありなんと一人首を縦に振り、太公望はそれを横目に妲己の方を向く。「さて妲己さん、『太極図』の力であんたと皇帝の“契約”は解かれちまってるんだが――」 黙する妲己は晴らした目を隠すように、静かに下を向いていた。「――まぁ、“ゆっくり”でいいさね。気が向いたら、あんたの決めた道のかけらでも見せておくれよ」 そう柔らかな声で添え、太公望はゆるりと歩き出すと、時の止まった壁面の前に立った。「さぁ、ナタもそろそろ限界だろう。老子、やっておくれ」 そして腰に下げた巾着より、するりと長い打神鞭を取り出す。「ん~~? どうしたんじゃ、太公望。宝貝なんぞ出して」「うん、まだ終わりではないのさ。このままただ妲己さんに皇帝さんを裏切らせるわけにもいかないし――最後の結末がね、残っているんだ」 誰も気づいていてはいなかった。 皆に背を向けそう言った太公望の紫水の瞳が、決意と悲しみの光を帯びていたことに。 * * * * 太上老君が印を構え『太極図』が解かれると同時に、止まった炎が揺らめきだし、辺りを覆う黒煙がぶわりと昇って消え去った。 視界が開けたその先には、朱の髭を焦がし傷だらけになった共工と、結った髪もざんばらに解け、ぼろぼろの宝貝を構えた化身の姿。お互い息も絶え絶えに、しかし未だ闘志の光は失わずがちりと睨み合っていた。「おーーい、ナターー」 太公望が手を振り声を掛けると、「ほっ?」と振り向く化身の顔に笑顔の蓮華が咲き開く。「おお! 兄ぃだ! そっちは首尾よく終わったか! さすがは兄ぃ、ならば俺様もとっとと終わらせんとなぁ! そんなわけで次で終いだ鱶鰻! 兄ぃが見ていてくれるなら、こちとら千人、万人力よ!」「ぬかせぇ痩せちびが! 貴様の後には我が大願が待っておるのよ! こちらこそ、程なく早々あっちゅう間に終わらせてやるわ!」 拮抗する力と長い戦いがそうさせたのか、闘志満々、言葉も力も火花を散らしてぶつかり合えど、二人の戦う笑顔には仄な絆が感じられ――だがそれもあと僅か、終幕近しと時告がば、互いに次こそ幕を引かんと両雄拳を振り上げたその時、「……共工、もういいわ」「うん、ナタもお疲れ様」 妲己と太公望が、そう告げた。 届いた言葉に、共工と化身が思わず顔を見合わせる。 戸惑う共工は、それはいったいどういう了見かと妲己に大きな顔を近づけるが、よく見ると、常に優雅に整った身なりは大きく乱れ、纏う空気もいつもと違う。それどころか、気が付けばいつの間にやら自身に宿っていたはずの“紅蓮の力”も感じない。更に妲己の隣には、先程は無かった優男の姿――。 共工は焦げ付いた髭を、四本のうちの二本の腕でわしわし撫でながらしばらく思案顔を浮かべていたが、「何が起きたが知らぬがな、“あやつら”に会えるであれば儂はそれでよい」 と拳を納め、「ならばそういうことだな!」と化身も続いて腰を下ろした。「“あやつら”ってのは誰のことでありんすか?」「…………」 竜吉公主の問いに、妲己は言葉を返さず幾分か暗さを増した雲を見上げた。「ああ、それはね――」 太公望もまた、鋭い目で同じように雲を見上げ、「――きっともうすぐここに来る方々だよ」 その刹那、ぶわりと黒雲が盛り上がり、天に瞬光が閃いた。次いで雨のような稲光が無数に降り、最後に轟音と共に極太い雷光が一筋、一同の前にドカンと落ちた。≪――ふぅぅぅぅぅ≫ もうもうと立ち込める砂塵とそこらに振り撒かれた炎の奥に、巨大な影が浮かび上がる。 それは巨躯を誇る共工よりもさらに一回り大きい、人身蛇尾の異様であった。 太公望と妲己を除いた一同は、驚きつつも、一体全体何者かと目を凝らす――が、いち早くその正体を看破し体を震わせたのは共工であった。「お……おお……おおおおおおおお!!!!!」 共工は雄叫びを上げ、長大な尾で大きな体を跳ね上げつつ、影に向かって躍りかかった。「貴様を滅ぼす夢を見て、儂は万年生きてきた――“フッキいいいいい”!!!」 鱶腕を強く後ろに引き、怒気で髭よりも朱に染まった頭を大きくのけぞらせる。そして特段の頭突きを喰らわさんと頭蓋を振り下ろしたところで――ずがんと無様に地に叩きつけられた。 立ち込める砂塵の奥より伸びたど太い“尾”が、惨めに地に埋まる大妖の上をずるりと滑る。同時に共工の体は青い燐光となって、悲し気に次元の彼方へと還っていった。「ほあ~~~、なんちゅうこっちゃ! ありゃ『伏羲』じゃぞい! さすがは始原の妖神っちゅうか、あの共工を一撃とはのぉ……共工に続いて伏羲、ほんにどうなっとんじゃこの世界……天地開闢でも始まるんか……??」「なんと!? “ふき”だか“そっき”だか知らないが、いきなり出てきて何様だ!!」 好敵手を横取りされて猛ったか、怒声を上げて化身も飛んだ。「いかんナタちゃん!」 しかし竜吉公主の静止も虚しく、傷つき動きの鈍った蓮華の華は、あれよという間に妖異の尾に絡め取られてしまう。 そうするうちに、落ち着き始めた砂塵より巨大な男――伏羲の白い顔がぬるりと出でて、一同を見回した。 一同如何したものかと立ちすくむ中――静かに、妲己が前に進み出た。「妲己……どうするつもりかえ……?」 問うた竜吉公主への応え代わりか、黙したまま過ぎざまにちらりと毅然な目を合わせる妲己。そして伏羲の目前に立つと、その場で跪き頭を下げた。「父上様……ご機嫌、よろしゅう」 妲己の発した言葉に、公主が目を開く。≪娘……愛しい娘……機嫌が良いように見えようか? お前は“我ら”を裏切ると、そう申すのか?≫ 不気味にくねる巨躯から、威圧に満ちた声が落ちる。「………」≪返事が無いな、愛しい娘……≫ 伏羲はむぅと口をへの字に曲げると、体をぐるりと捻り始め――ぐるり、ぐるり、綺麗に二つ回った後に、なんとその上半身は、女のそれに変わっていた。≪可愛い娘……一度ならず二度までも、またもや我らを裏切るのかえ?≫「なんでありんすか!? 女になったでありんすよ! どういうことでありんすか!?」「うへぇ~~ 今度は『女媧』じゃ……わしも初めて見るからようわからんが、『伏羲』と『女媧』、“二柱一対”といわれよる所以っちゅうところなんじゃろうな……」「それよりも、妲己はあんなのの娘だったでありんすか!?」「ありんすありんすうっさいの~~ じゃっからようわからんと……じゃが、そうなんかのぅ~~、た~~しかに『伏羲』と『女媧』は多くの妖の祖神と聞いたことはあったが……」 竜吉公主と太上老君がそう話す一方、妲己は身を固くしつつ口を開く。「母上様、私は……」≪ああ……愛しい娘、それ以上言わないで……聞きたくないわ……!≫ 女媧はそう言うと、長い尾をしゅるるとのたくらせ、「んぐ!? んおおお……!?」 化身に絡める尾の先を、ぎゅむぅと力込めて絞めあげた。≪娘よ……可愛い娘よ……その者らがお前をかどわかしたのだね? ならば今すぐその者らを殺しなさい。その方らも、この子の爪を受けることを許そう。逆らえば、この仙人の魂魄は粉々に崩れ去ることになりましょうぞ≫「なに!? そいつはいかんな! 受け入れられん!……しかし参った、これはまずい…!」 むがむがと尾の締め付けに抗する化身だが、どうにもいつもの覇気がない。「お~~い、ナタ太子! 自慢の馬鹿力でどば~~~んと抜け出せんのか~~い!」「それがなぁ老子、鱶鰻との一戦もこたえているが、どうやら“時間切れ”というやつだ。俺様はこの世界の“赤目”に呼び出された『降魔』故、“こうなる”とまったく力が出ない……むしろ本当ならこのまま消えておさらばごめんといくはずなのだがな、何やらこう、あちこちビリビリときて、消えることすらままならぬのよ」「え~~……わしも『太極図』使っちゃたしのぉ……」 流謫の蓮華は戦えず、共工でさえ一撃で黙らせる始原の妖神を相手に、疲弊した一同がいかに抗する手段を持ち得ようか。しかし、ここに来てまた妲己とやり合うことなど――そして、妲己はどう動く――。 その場の視線が妲己に集まる。 妲己はしばし黙したままでいたが、意を決したように立ち上がり――。「やいやいやい!! いい加減にしねぇかい!!!」 聞きなれぬ調子の声が飛び、一体誰かと皆目を奪われた。 その先に立つは、打神鞭を肩に担いだ太公望――しかし先程の啖呵はどこ吹く風か、やはりいつもの飄々とした風を纏って笑うのみ。 太公望はひょいひょいと体を揺らして歩を進め、妲己の横に立つと、打神鞭をびしっと妖神に向けた。「ちょいといいかい? 女媧さん、伏羲さん。娘、娘と、あんたらは確かに妖の祖たる一柱なのかもしれないが、本当の娘なんだったら、ちゃあんと名前で呼んじゃあいかがかな? ご自分のしたいことばかり押し付けずに、子供の気持ちも考えなさいってことさ」「……お前……」 切った啖呵の流れから、このような話をするものか、唖然と太公望を見る妲己。太公望は、その目にそっと横目を合わせ、にっと微笑み話を続ける。「本当に冷たいものさ――妲己さんがあたしを殺せばそれで良し、逆にあたしが妲己さんを返り討ちにすれば、それはそれで“元の予定通り”ってわけなんだろう?」 その言葉に、くねり揺らめく妖神の動きがすんと鈍く止まった。「あたしが死ねば“剣”が折れ、あの子が死ねば“鍵”を生む――違うかい?」≪……ほぅ……≫「ん~~? どういうこっちゃ?」 太上老君が首を捻るも、妖神には何かの合点がいったようで、その目がすすぅと細まっていく。≪ほほほ、なるほど……なかなかにお前は頭が切れるようだ。ならば、その“どちらか”でなければこの仙人の命が無ぅなることもわかるだろう? さあ、“殺すか”、“殺されるか”よ≫ 妖神が尾を振って、ぎゅうぎゅうと絞めつけながら捕らえた化身を見せつける。 太公望が化身を見つめる表情は、長い髪に隠れ伺いしれない。しかし化身は苦しそうに汗を垂らしながらも、太公望ににかりといつもの笑顔を向けた。「うん、わかっているよ」 太公望が一つ答え、次ぐ言葉は――それを待つ妲己は身を固めたまま頭を垂れ、公主と老君は固唾を飲んで身構える。 太公望はそんな一同を見回して目を閉じると、再び打神鞭を肩に乗せ、「だから――どちらも“選ばない”」 そう、言った。≪……何?≫「んあ?」「太公望!! ナタちゃんを見捨てるでありんすか!?」「太公望……妾は……」 予想外の言葉に一同がざわりとどよめきを上げる。「見捨てやしない――見捨てるわけがないさ。けれどね、妲己さん。こんな親の言うことなんて聞いてやる必要なんかないんだ」「……でも……」「だってね、この神さんたちは――あんたの本当の親でもなんでもないんだから」 目を見開く妲己の肩にぽんと手を置き、太公望は妖神に向き直る。 そして薄い笑みとはちぐはぐに、刺すような視線を飛ばし、「それどころか本当の『女媧』でも『伏羲』でもない。いらないことを妲己さんに吹き込んで、この世界に連れて来たのも“あんた”だ。そうだろう?――“混沌の使者”さん」 そう、言い放った。≪ひひ……≫ すました妖神の顔が歪んだ。≪いひひ……いひゃひゃひゃひゃひゃ!!≫ 歪んだ顔をさらに崩してけたたましく笑い上げる。≪……いつから気付いていたのかねぇ?≫「ずっとだよ。けれど“決め手”はさっきかな。弱った共工さんを、わざわざあたしらの前でのしてみせ、いらぬ力を見せつけたのは余計だったね。それ程の力があるのなら初めから出てくればいいさ」≪なるほど……さすがは音に聞こえた天才仙人だ。この『映し魂』はいい出来だと思ってたんじゃが……やっぱりいい男ってのはこうでなくちゃねぇ≫ 言うと共に、妖神の頭上に小さな円光が現れる。それは描かれた紋様を蠢かしながらみるみる大きくなり、妖神の体躯を超える巨大な魔法陣を作り上げていった。次いで魔法陣は妖神の頭上からゆっくり下へと降りていき、触れる体を光の粒子へと崩し変えていく。 そしてその巨大な体がすっかり消え去ったあとには、宙に浮く紫水晶に乗り、まっ白な顔一面に不可思議な紋様を彫り込んだ小柄な老婆が不気味な薄ら笑いを浮かべていた。「貴様……いつから……!!」 それを目にした妲己が、目を剥き、気勢を上げて吠えかからんとするも、太公望は片手で制し、打神鞭を肩の上で揺らしながら首をかしげて老婆に問いかける。「恐らく初めましてだね、ご婦人。良かったら名前を聞かせてくれるかい?」「ひひ、礼儀正しい子は好きだよ――あたしはヒグー・ドレイルさね。覚えておきな、色男」 ヒグーと名乗った老婆は、体の割りにやけに大きな顔、その割にひどく小さな片目をぱちりとつぶる。「さて、ここまでバレちゃあ潮時かね。長年かけて育てた“駒”を奪われたんだ。ちぃと餓鬼臭くて趣味じゃあないが、交換といこうじゃないか。いい使い道がありそうだしね――妲己の代わりに“この子”はもらっていくよ」 “この子”?――そういえば、妖神の姿が消えたのならば、絡め取られた化身の身は――。 見ると化身はいくつもの魔法陣に体を貫かれ、変わらず宙に縫い留められていた。それに気づいた竜吉公主が血気に盛り、「ぐぬぅ……! 太公望! 全てまやかしであったのなら問題ないであろう! 妾が取り返すでありんす!!」 叫んで駆けだそうとする――が、太公望はやはりこれも制する。「何故だ、太公望!!」「竜吉さん、このままでいいんだ――そうでなければならないのさ」 太公望は、しっかと化身を見つめ、「ナタ、すまいないね。あたしはここまで“読んでいた”」 穏やかな声で語り掛けた。「……かっははは……さすがは兄ぃだ。俺様も、兄ぃが“読んでいる”ことを“読んでいた”!」 化身もまた、苦しそうにしながらも、何一つ疑いのない笑みを返す。「それじゃあ、“頼める”かい?」「もちろんだ!――ぐぅっ…!」 化身を貫く魔法陣が輝きを増して回り出し、その身を引き絞っていく。「かはは……兄ぃはな、俺様の全部を解ってくれていて、俺様の大嫌いな暇を次から次へと潰してくれる。俺様は、そんな兄ぃが大好きだ!!」 化身は苦しみながらも笑みを絶やさず、太公望もまた、その笑みから決して目を逸らさない。「あたしもさ、ナタ。暫くかかるが待ってておくれ。“そちら”に迎えに行くよ――必ずだ」「急がなくていいぞ! 三面八臂、ばばんとひとつ大暴れして、こいつらを泣かせて兄ぃを待っ――」 言いかけたところで、回転する魔法陣がパンとはじける。 その後に化身の姿はなく、小さな宝石のような石だけがふわりと浮いていた。 ヒグーがぱたぱたと小器用に足をつかって水晶を回転させると、つつぅと水晶が石のそばに移動する。そしてひょいとそれをつまみ上げると、愛おしそうに覗き込んだ。「ほぉ~、入っとる入っとる。『魂の器』、便利なもんじゃのう。あとでマーリンちゃんに礼を言わにゃ――ん?」 仙人たちの刺すような視線に気づいたヒグーは、いかにも辟易としたように顔を歪めてみせた。「うひぃ~! な~~んだい、悲しいねぇ~~ 真面目に仕事したってのに、ここじゃあすっかり悪者だ。腹いせに少しこいつの記憶をいじっちまうか……」 そうくつくつ笑うと、嘲る様にぐぃぃと伸ばした短い首を、ひと際強い視線の主に向け、「ひひひひ……楽しみだよ、太公望。あんたとは長い付き合いになりそうじゃないか。そいじゃ、今度会ったらチューしておくれよ~~」 そう言ってゆさゆさと体を揺らした。そして再び水晶をぱたぱたと高速で回転させ始めると、次第に水晶が輝きを増していき、光が溢れ弾けると共に――いずこともなく、消え去った。 * * * * 島に静けさが戻り、全てが終わったことを悟ったか、凪いでいた風が恐る恐る再び吹き始めた。「本当に……これで良かったのでありんすか?」 化身と老婆が消えた虚空を見続けたままの太公望――その背に竜吉公主が怪訝な様子で語り掛ける。「な~~に、こやつのやるこっちゃ。な~~んかわしらにはわからん、めんどさ~~~い考えがあるんじゃろうて」 いつの間にやら公主の頭上を飛んでいた太上老君が、重い空気を吹き飛ばそうとするように、からからとした笑みを飛ばす。 太公望は――ふわりとそんな二人に振り向くと、「――老子の言う通りさ、すまないね。『混沌』というのは心を悟る、油断のできない相手なんだ。あたしの考えごときではあるが、そんなもんでも迂闊に誰かに話すわけにはいかなくてね。信じてくれたら嬉しいよ」 と、いつもの笑みを浮かべてみせた。 そして、皆に背を向け、ひとり海に顔を向ける妲己に目をやり、「あたしの“企み”はまだ半ばだが、皆のおかげで、なんとかこうして“新たな今”を迎えることができた。あたしが皆に声をかけた此度の『封神』はこれにてお終い。きっと良い結果に繋がると思っているよ。さて――」 そう言って、皆から数歩離れると、巾着から笹の葉を一枚出してひらりと投げる。 次いでそれを打神鞭でポンと叩くと、宙に小舟が現れた。「――あたしはここでお別れだ」 突然の言葉に、公主と老君がきょとんと顔を崩し、妲己が肩をぴくりと揺らした。「ほあ?」「ど、どこに行くんでありんすか!?」「これからね、とある“女神様”に会いに行かなきゃならないんだ。前にお声を掛けてもらっていてね。あたしの『封神』も終わったし、先約の“お使い”も終わった。暇になったなら無下にするのも可哀そうだしね」 そして、妲己の背を見つめる。「それにその道は、ナタへと続く道で、“まっ赤な皇帝さん”に続く道でもあるんだよ」「………!」 妲己が振り向く。「なら、妾も……!」「すまない、連れてはいけないよ」 太公望が静かに微笑み目を閉じる。「何故……」「そういう“企み”なのさ。それに――あんたはもう、自由に自分の道を見つけるべきだ」「妾の……」 そして太公望は、笑顔でぱんと手を打った。「でもそういえば、だ! 実はね、あんたたちにやってほしいことならあるんだ。あたしはこの世界に来た後、件のドゥクスさんの頼みで方々回って、“反乱軍”を立ち上げるお手伝いをしてたのだけど――」「……ほ~~う」「“反乱軍”……でありんすか……」「良ければだけどね、彼らの力になってくれないだろうか。彼らは皆あたしたちと同じ、『アルカナ』の運命に導かれた子たちなんだ。それと、反乱軍の後ろ盾であるドゥクスさんだがね――」 太公望の長い髪がふわりと横に流れ、次第に風が強くなる。 戸惑う旅人の背を押すほどに――。「――彼女は、おそらく世界で誰よりも“あの人”を救いたいと思ってる人だよ」 妲己は思わず小さく手を握り、再び背を向けた。 その目に映る、見渡す限り灰色の海――それを覆う島の空は相変わらず斑な雲で塞がっていたが、いつの間にか沈みかけていた夕日の光を受け、燈に輝く綺麗な縞模様を描いていた。 もう一度、強い風が吹く――。「……なら、妾はそうするわ」「そう言ってくれると思っていたよ」「でしょうね――」 そして、風に流れる髪を後ろ手に抑え、肩越しにちらりと太公望を見た。「――お前は、妾を“解っている”のだから」 そう言った妲己の姿は、燈色に光る世界の一部に溶け込んで、一枚の絵のようにとても美しく見えた。 目の合った太公望は、気恥ずかしそうにそっぽを向いて鼻先を掻くと、そのまま船の方へと歩いていき、「それじゃあいくよ。お元気で」 とそそくさと船に乗り込む。 太公望が打神鞭を振ると、船はふわりと浮かび上がっていき――「太公望」 妲己が船を見上げていた。「ん?」「……“ゆっくり”でいいと言ったわよね」「うん――言ったね」 吹き続ける風が妲己の柔らかな髪をはためかせてその顔を隠したが、妲己はそれをそっと掻きよけると――。「お前も――お元気で」 太公望はその表情を見て、瞬時目を丸くし、至極満足げな笑みを浮かべた。 太公望を乗せた小舟が、ぐんぐん空高く昇っていく。 妲己は小舟をじっと見上げ続ける。 小舟の影は元の笹の葉よりも小さくなり、どこまでも、どこもまでも昇っていく――。 ――かつて、女が見上げていたものは高い高い塔だった。 その塔は、世界のどこにもいない彼女が、世界に自分をつなぎとめる最後の固い楔だった。 しかし、今やそれはがらがらと崩れ、地に落ちた。 落ちた瓦礫は火に焼かれ、土となり、やがて小さな花を咲かせた。 外せぬ楔と打ち込まれ、最後まで登り切るしかなかったあの塔はもうない。 見上げる先に、もう、行き止まりの塔はない。 どこまで行けるかはわからない。 けれど今は見上げ続けた目を下ろし、まだ見ぬ場所へと続いている道を進もう――そう思えた。――fin 体重 好きに決めていいよ 生息域 崑崙山 師匠 元始天尊 犬猿の仲 太乙真人 好き 山女魚の骨ヒレ酒 イラストレーター タイキ 考察 大型ユニットと組むことを前提とした40コスト中型マジシャン。 かつては周囲に高コストユニットが多ければステータスが強化されるという非常に癖の強いアビリティを持っていたが、エラッタによりある程度形を残しつつより使いやすいアビリティへと改良。 それに応じて素ステータスの若干の変更も行われた。 単体での超覚醒時点でも180/170と中型としてはまあまあの値。しかし70コスト以上のユニットが場に存在し、かつ太公望から一定距離以内にいれば220/210というかなりの高ステータスへ変化する。 これだけでもコスト比として十分な値だが、加えて射程強化効果も付与される。 強化中の射程はシュータースタイルとほぼ同等であり、全盛期の水虎やコノハナサクヤにすら匹敵する。 ただし弾速は通常のファイタースタイルの弾とあまり変わらないため、逃げる敵への追撃はやや不得意。 通常の70コス以上の大型ユニットはもちろん、降魔でも強化判定が入るのも地味な強み。(降魔は内部で70コストユニット扱いの処理をされている) 場所を選ばない高ステータスのアイギス、手数の多さを活かした荒らしを得意とする風澄徹やアルビダと比較すると、アビリティの特性上汎用性やデッキの柔軟性は劣ってしまう。 が、大型と組んだ際の高ステータスと長射程は名だたる競合相手達を凌ぐほど。 特に長射程はディフェンダーに対しての有用性が大きいので、70コスト以上の大型アタッカーとの相性が良いと思われる。 海種トライブサポート前提ならば召喚スペックもATK80以上に簡単に乗せられるため、軽量ディフェンダー荒らしの対処もやりやすい。 上で挙がった使い魔たちが超覚醒からの荒らしで本気を出す一方で、太公望は召喚ステータスの優良さと超覚醒+大型召喚分のマナを回収した後に強い時間帯があることを意識すると使い分けやすい。 キャラクター説明 中国の小説「封神演義」の主人公。またはその主人公のモデルとなった実在した中国の宰相。姜子牙、呂尚の名でも知られる。 封神演義においては崑崙山に住む道士であり、伝説の動物四不像に跨り、打神鞭を奮って356の神を封じる封神の儀を行った。 関連リンク コメント *編集が苦手な方はこちらへ情報提供お願いします 3.5フレーバー ひゅんと風を切る『打神鞭』。鞭先が空気を斬る度に、宙より飛び出す矢のような水弾がマッドオークを跳ね飛ばす。 「やれやれ面倒だねえ… 何でまたこんなときに悪鬼どもにでくわしちまうんだか」 数刻前、川で話をしているうちに、気づくと姿を消してしまった竜吉公主を探して、太公望は川辺を下流へと下っていった。そこで、怪物の群れに出くわしてしまったのだ。 「こんな調子じゃあ、あの人の願いを叶えるのも、思ったより難儀なことかもしれないねぇ」 太公望は、自身をこの世界へといざなった紅い瞳の女人の言葉を思い出しひとり苦笑する。 「…っと、これじゃあきりがない、それ!」 長い竿のようなの鞭先が地面を叩くと、そこから大水が勢いよく溢れ出し、太公望を囲むマッドオークたちをまとめて押し流していく。しかし、どれだけの群れにあたってしまったのか、木立の奥からさらに怪物が飛び出してくる。 ここ最近、こうした悪鬼に出会う頻度が増えているように思える。今この世界は、思ったより悪い方に傾いているのかもしれない。竜吉公主にしても、この程度の悪鬼どもにやられることはそうそう無いだろうが、いつまでも一人にしておくというのも考え物だ。さっさと片付けて、迎えに行かなくては―― そう思い、再び宝貝を振りかぶったその時、群れの奥から、素っ頓狂な声があがった。 「ひゃああ…! 何よあなたたち、私を誰と心得ますか! うぅ…お腹がすいてなければあなたたちなんて…あなたたちなんて…誰か…助けてーーーー!!」 助けを求める女人の声。すぐさまそちらへと向かい、再び大水をおこして群がる怪物を一掃する。水が掃けた後を見ると、そこには白い衣を纏った、なんとも神々しい女人が、きゅうと目を回し倒れていた。 * * * * 「…んぐんぐ… ふう、助けてくれてありがとう。か弱き美女を捨て置けぬ、あなたの正義を称えます。そしてこのお魚も…もう一尾ほど頂けたりすると、もっと称えてあげられるのだけれど」 目を覚ました白い衣の女人が、焚き火の前で、太公望が釣った魚を両手に数尾持って食べている。 「あいにく魚はそれきりなんだが… 何にせよ、怪我がなくて良かったよ。それはそうとお嬢さん、こんな所でいったい何をしてたんだい?」 「お嬢さんではありません。私は正義の天秤の女神アストレイア… (グゥ…) はぐっ、はなはのせーひをほいにひはのほ(あなたの正義を問いに来たのよ)」 アストレイアと名乗った女神は、魚をほおばりながら言った。 「――ふむ、あんたは、あのドゥクスという人の知り合いなのかい?」 「あぁ… そうね、知ってはいるわ。でも、今回の話はそれとは関係ないの…全くなくもないけれど… でも、ドゥクスを知っているなら、話は早いわね」 全ての魚を食べ終わった女神は、居住まいを正し話し始めた――世界の命運にかかわる話を。 ――この滅びへと向かう世界の裏で、ある企みが進んでいること――その企みを止めるには、13人の、闇を打ち払う 名前 コメント すべてのコメントを見る
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カラベルと遭遇、グルルカントと戦闘後飛空艇炎上 ↓徒歩 ルニアの村 唯一ここだけでヒールの魔法が売られている ↓徒歩 フォレスリープ 右奥の露店で無料宿泊券を貰い宿屋に泊まるとイベント進行、コモ離脱、一時的に城兵士が加入 ↓徒歩 竜の牙 ダイゴと合流、以後船が使用可能になりミュルザンヌ(ネストの村)とアスコナ(鬼斬村)を仲間にできる、七苦殺繁縷を倒す ↓船 冒険者学校 イストが強引に加入 ↓船 同盟軍砦 カラベルが一時加入後離脱、ディプス火山、ラグナ氷山、世界樹、大風穴の七苦殺を倒すよう依頼される ↓トンネルを抜ける コルムの村 暇があったらボランティアと悪徳宗教撲滅 ↓徒歩 フレイディア 武闘演舞会開催、シャマルが加入 ↓徒歩 火山 七苦殺五行を倒す、シャマル離脱 ↓徒歩 フレイディア ↓海列車(列車最後尾の箱を調べるとコモ再加入) 港町ストラ ↓徒歩(このあたりでフォレスリープのパブでシャマルと合流できる) アイストス 宿屋に泊まると回想シーンを挟み、一時的にステルビオ視点になる ↓ 氷山 封印された魔獣を倒す、イストを埋葬 ↓簡易転送陣 世界樹 ↓簡易転送陣 同盟軍砦 大風穴に行くのに飛空艇の燃料が必要となり再び鉱山へ ↓簡易転送陣 鉱山 デュランゴ再加入、鉱山地下2階の新エリアでアルティタイト入手 ↓簡易転送陣 同盟軍砦 カラベルの飛空艇完成 ↓二度目の空の旅 大風穴 七苦殺なづなを倒す ↓簡易転送陣 エミルの村 ビアンテと合流 ↓徒歩 ドラゴスケイル ピュイアを倒す ↓徒歩 エミルの村 村崩壊、犯人七苦殺すずしろを倒す ↓簡易転送陣 同盟軍砦 カラベルと会話後、冒険者学校の店商品が一新 ↓小船 魔王城 羅刹、刹那、七苦殺セリ、イスト=繁縷、アクセラシャドウを倒す ↓ クリア ↓ クリア後へ 序章 街の詳細情報はメニューにある各街のページにて紹介してます。 エミルの村 詳しい情報は【エミルの村】ページ参照のこと。 【ビアンテの家】 ここからスタート。まずは村長の家に行こう。 村の外には出られない。 左上の橋を渡ると会話イベント発生。 宿屋上の民家でRイベント「薬草のおつかい」5つ 【村長宅】 隠し通路が子供部屋下の壁にある。 村長に話しかけるとイベント進行。 玄関前でビアンテと合流。100Pくれる。 道具屋へ行くと会話イベント。ダガーを貰える。 おばちゃんに話しかけると「タコの握り」が貰える。 エミルの森 拾得物※隠し通路先 皮の鎧(池左上) 樫の杖(右上)※ アビス・コア(中央) 青い花に接触するとクエストについての説明が始まる 短時間で連続して戦闘すると「チェーン」の説明が始まる 左下に行くと蛍光池があり、行くと会話イベント。 池の光っている部分を調べると体力全回復 宝箱まではジャンプして跳んでいく。 出口で「ラフレシア」と戦闘。 ▲ページ上部へジャンプ▲ 漁村プソ 詳しい情報は【漁村プソ】ページ参照のこと。 ビアンテが居るときに行っても船には乗れない。 波止場の釣り竿そばにいる男性に話しかけるとフィッシングロッドとフィッシュワーム10個くれる。 合成屋のおやじに話しかけると合成の説明イベント 「薬品のレシピ」をくれると同時に「ブルーベリー・アロマ水・フラッドベリー」を各1つずつくれる。 それで合成のチュートリアルをしてくれる。 合成してもしなくても話は進む。 ここ以降メニューコマンドに「合成」欄が追加される。 Rクエスト「魚を燻製しろ」3つ渡す Rクエスト「絨毯の材料」獣皮1枚 クエスト「ハチミツ食べたい」ハチミツ3つ ▲ページ上部へジャンプ▲ グローウェイ城下町 詳しい情報は【グローウェイ城】ページ参照 Rイベント「腰痛の薬?」クロバルの葉3つ 【兵士詰め所】 入ると樽壊しイベント。 ここでは冒険に関係する注意事項を教えてくれる 冷蔵庫からはランダムでアイテムが出る 隠し通路は右奥。 【宿屋&パブ】 客が戦闘に関する情報を教えてくれる 隠し通路は2Fにある 昼間に称号イベント(給仕)あり。 これをクリアすると「高速配達マニュアル」が貰える。 武具屋裏手に流れの防具職人がいる。 ▲ページ上部へジャンプ▲ グローウェイ城 王に話しかけるとイベント進行 ここで「スキル設定・用語事典」がメニューコマンドから使えるようになる 宝物庫からアイテムを貰える。 玉座の間から出ると会話イベント クエスト「レッドキャップ討伐」を騎士から請けられる。 ▲ページ上部へジャンプ▲ 別荘 2Fのベッドで休憩できる 鍵付きドアは今は開けられない。 2Fにいる怪しいローブに話しかけると「テン・グー」と戦闘。 戦闘後に連戦で「魔戒騎士」(図鑑に載らない)とダイゴの一騎打ち。 勝つとシルバーソードがもらえる エミル村へ行けと言われる。 出口へ向かうと兵士と会話イベント。 そのまま船で出港してもいいと言われるが プソに行ってもまだ船に乗れないのでエミルの村へ行こう。 場所 拾得物※罠付き金箱 1F 180P(左下部屋)バーストベリー(左下部屋)※獣皮(左上部屋)アイアンスパーク(中央)※魔道士のローブ(クローゼット) 2F アロマ水(左下部屋)ポーション(左下部屋)きこりの斧(左下部屋)※8P(左上部屋タンス) ▲ページ上部へジャンプ▲ エミルの村2 村長宅前の広場へ行くとイベント進行(セーブ出来る) 回想シーンへ 子供たちと会話の後、北の出口へ向かおう。 謎の屋敷では全員と会話するとイベント進行 記憶が戻った後に村長屋敷NPC達に話しかけると会話の内容が少し変わる。 焚き火を調べるとダイゴの独り言あり。 ビアンテの家で机を調べると「カスタムガン・弾丸6発」が手に入る。 北の出口を守るおやじに話しかけるとドラゴスケイルへ通してくれる。 ▲ページ上部へジャンプ▲ ドラゴスケイル 拾得物 ※罠付き ガンバルンバSポーションアロマ水精霊の涙(金箱)※ 謎の屋敷跡に行くと「蘇ったテン・グー」がいる。 倒すとビアンテが船での出港を見送るという流れになる。 プソへ行き船前の兵士に話しかけるとイベント進行となりビアンテが離脱する。 【奥地について】 敵の強さが尋常では無いので現時点では行かない方がいい。 宝箱も出現していないし、ロックもいない。 序章はここまで。 ▲ページ上部へジャンプ▲ 本章 章がかわって操作キャラ一新 操作メンバーがクレフ・レオーネ・エテルナの3人に切り替わる 飛空都市アルアド 詳しい情報は【飛空都市アルアド】ページ参照 井戸のお金は落ちてる時と落ちてない時があって何度でも取れる 街下部にある釣りキチ親父宅で魚釣りのデータ確認が出来る 飛空艇のりばの船員に話しかけると持ち主ドルマゲに燃料確保を依頼して欲しいとのこと。 ドルマゲ邸に行き話しかけるとイベント進行。 手元に在庫がないので鉱山からとってくる羽目に。 しかし王の許可がいるのでまずは城のあるウィンフィードまで行くことになる。 ドルマゲ邸から出ると会話イベント(簡易転送陣入手) クエスト「赤子の霊を鎮めよ」 インプは夜に出現しクエストクリア後も出現する。 インプクエ(インプABP2貰える)でクラスレベル2にしたらストームゲーの始まり Rクエスト「スギノ採取」 最初にまさかりを買って宿屋のクエ いきなり戦闘、負けるとゲームオーバー ▲ページ上部へジャンプ▲ 風の街ウィンフィード 詳しい情報は【風の街ウィンフィード】ページ参照 カジノの情報は【施設】ページ参照 合成屋の「!」マーク付き親父に話しかけるとクエスト 宿屋の本を調べると用語事典に状態異常アイコンの説明追加 ここから動物から毛がむしれるようになる カジノで荒稼ぎして即死短剣と杖貰うとラスボスまでそれで行ける カジノのお嬢様からコイン100枚(所持コイン0枚のときのみ何度でも) 温泉がある民家の温泉で遠見の水晶球が取れる・・覗きェ・・ クエスト「鍛冶屋の依頼・鉄鉱石」 ▲ページ上部へジャンプ▲ ウィンフィード城 お城の地下牢への途中に隠し通路 王に謁見して地下トンネルの通行許可をもらい鉱山へ。 2Fの兵士からクエスト「盗賊の排除」 場所 拾得物※隠し通路先 地下2F宝部屋 海鳥の羽根※アイアンスパーク※ヒーリングセプター※スチールギア※コットンケープ※チェーンブレスト※ 地下牢 ウィングハットのレシピ 城2F フィフス帝国貨幣(暖炉)王族の服(クローゼット) ▲ページ上部へジャンプ▲ 東の地下トンネル ウィンフィード城へ行く前だと兵士に通してもらえない(ただし、隠し通路へは行ける) 金塊に触れると「守銭怒」という強力なモンスターとエンカウントしまくるので現時点ではスルー推奨。 王の許可を得てから兵士に話しかけると先へ進める。 縄梯子を登ろうとすると岩が落ちてくる。 NPCが隠し通路について示唆する会話をする。 ノートリアスモンスター(以下NM)「ゴールデンバット」が右上行き止まりに居る 隠し通路あるがこの時点では即死短剣ないと勝てなそう 拾得物※隠し通路先 ナイトランス(兵士すぐ右)スパイクバックラー(左上) スクロール:Darkness※ハンマーの化石(罠)※ ▲ページ上部へジャンプ▲ エフェの鉱山 詳しい情報は【エフェの鉱山】ページ参照 入り口の無限つるはし 鉄を集めたらデュランゴの装備を強化 井戸に短剣有り ▲ページ上部へジャンプ▲ 鉱山内 固有敵 暴食ねずみケイブバットアイアンアントアイアンイーター深淵に潜むものソルジャーアント鉄甲蟲スポーンスネークディープスポーンディガーケイブイタチナイトアント 鉱石が採れる 茶岩(鉄鉱石・マグライト・ニドライト・ビスマイト) 銀岩(鉄鉱石・銀鉱石・マグライト・クロマイト・モルダバイト) 金山(銀鉱石・希金鉱・ヒヒイロカネ・マグライト) 鉱山の地下は敵が強いので行かなくてもいい 地下二階までいって金鉱漁るのもよし 地下一階は掘ると雑魚がでるので注意 【1F】 ドワーフに話しかけると会話イベント デュランゴが一時加入。 盗賊に盗まれたヒートタイトを取り返したほうが早いということで 再度城へ戻り情報収集。 大穴の上の線路から下に飛び降りられる。 右上にNM「飛び跳ねるピキチュア」がいる 【B1F】 トロッコに乗り、さらにもう一度乗ると先へ進める。 岩を掘ると「鉄甲蟲」が襲ってくる ここでは「銀鉱石」が採れる 【B2F】 現時点では敵が強いのでスルー推奨。 ここでは「希金鉱」が採れる。 NM「クイーンアント」がいる(黒玉)。 場所 拾得物 鉱山1F つるはし(床)ロングソード(罠付き)アイアンスパーク(壁上)アイアンアーマー(壁上) 鉱山B1F ククリナイフ(大穴下)トルネドベリー(中央)精霊の涙(中央)パルチザン(下部)シルバーギア(下部) 鉱山B2F 謎の壁画(中央)ミラーシールド(罠付き) ▲ページ上部へジャンプ▲ ウィンフィード城2 王と近衛兵に話しかけると新しい情報が得られる。 ちなみにここに寄らなくても直接盗賊のアジトへ行けばイベントは進行する ▲ページ上部へジャンプ▲ 盗賊のアジト(旧ドルマゲ邸) ウィンフィードから左下へ進むと森の中に見える空白地帯がアジト。 クエストの盗賊とは別。 見張りに話しかけると会話イベント 【2F】 コモが仲間になった時点で宝箱の部屋に入れる。 団長に話しかけると会話イベント 「グラップラー&ヒーラー」(図鑑に反映されない)と戦闘し、勝つと「団長」と戦闘。 落とされた先に隠し通路あり、DANGERな敵がいる。 コモ加入後に団長へ話しかけると変身して戦闘へ。 ボスのお頭は強いけど3人がプロテクション連打、ドワーフが攻撃で勝てる ボロボロ死ぬので来る前に蘇生アイテムを買っておこう 倒したら王に報告入れてドルマゲにヒートタイトを渡しに行こう。 【地下】 落ちてすぐ右壁に隠し通路あり。 奥にHNM「ティターン」がいるがスルー推奨 左に行くとイベント進行。 コモが一時加入する。 【1F】 通常敵にヒーラーとグラップラーが追加 ボス戦後は通常敵がいなくなる 場所 拾得物 屋根 ガンバルンバS(*1) 1F フラッドベリー(宝箱)フィフス帝国貨幣(木箱)女帝芋(机)アイスバター(流し台) 2F 武器防具のレシピ1(右上箱)スケイルメイルウエスタンハットバゼラードメッキの剣(罠:1Fへワープ)鉄武器のレシピ(罠:魔物) 地下 疾風の弓※ ▲ページ上部へジャンプ▲ アルアド2 ドルマゲへ話しかけるとイベント進行。 ここでデュランゴが離脱(装備は外れる)。 飛空艇のりばで船員に話しかけるとフォレスリープへ行くかどうか訊かれる。 ▲ページ上部へジャンプ▲ 飛空艇発着所 カラベルがいて話すと会話イベント 商人がいる 道具屋 商品 価格 クルモの実 50 ポーション 150 アロマ水 600 ガンバルンバS 500 バーテンと話すと1杯50Pで全体回復 ピエロと話すと時間経過 外に出ようとすると地揺れがして扉から出るとイベント進行。 「グルルカント」と戦闘(青色の時に倒さないと図鑑に載らない)。 魔戒騎士が登場して会話イベント フォレスリープへ向かおう。 場所 拾得物 井戸 リボン水晶レンズ 右下木箱左 スクロールregist ▲ページ上部へジャンプ▲ ルニアの村 詳しい情報は【ルニアの村】ページ参照 Rクエスト「千年の歴史」 クエスト「形見のブローチ」 ブローチを渡すとお礼にシルバーガードをくれる クエスト「かまいたちのカマ」 クエスト「女の子の捜索」 孫娘&爺&リスに話しかけて再度家に入るとフラグが立つ。 森へ探しに行こう。 ▲ページ上部へジャンプ▲ ルニアの森 固有敵 カマイタチ♂(♀と子供は図鑑に載らない) きのこ類を拾える(まぼろし茸・イライラ茸・バクレツ茸) 奥の面に進み、上へ行くと会話イベント。 さらに左へ行くと女の子がいるので近づくとイベント進行。 リス太が…… リス太とイベント戦闘になり終了後は自動的に女の子の家へ移動する。 かまいたちのレアアイテム「かまいたちハート」は図鑑に載っていないので注意 場所 拾得物 手前面 ローズウィップ(右下)精霊の涙(中央段差上)轟風のオーブ(中央茂み)ガントレット(左)スクロール:Dispel(罠:魔物)(*2) 奥面 神木の鉢金(右下)ルビー(右上)ブラストボム(左下)踏まれた三葉虫の化石(左上) ▲ページ上部へジャンプ▲ 森の街フォレスリープ 詳しい情報は【森の街フォレスリープ】ページ参照 【住宅区】 レオーネの家が住宅街にあり、入ると会話イベントがありそのまま泊まる。 タンスの裏の隠し通路は忘れずに。 エルフ宅は風呂場から隠し部屋へ行ける。 エルフに話しかけるとクエスト「世界樹の葉」 畑のある民家でクエスト「食事の可能性」 右端の怪しい屋台から「宿泊券」が貰える 【商業区】 合成屋にいくとうさぎが新たな竿について教えてくれる。 女将からクエスト「つるはしを届けろ」 魔法屋の左側棚裏に隠し通路あり。 パブに行くと早食いコバシーが息巻いている。 宿屋の女将に話すとイベント進行。 翌朝になるとレオーネが誘拐されており、 コモが離脱する(装備は外れないので必要なものがある場合は事前に剥いでおこう)。 エテルナが攫われないのはなんでだろうか?その理由はいずれ明かされるようだ。 怪しい屋台へ向かってみよう。 すると誰もおらず、寝てるアホがいるだけなので、商業区の左上にある階段で壁伝いにいけば……。 地下に行くと囚われの姫様がいる。レオーネが再加入する。 会話イベント後に「サツ」と「プー」と戦闘 戦闘後、宿屋の女将?に話しかけるとイベント進行。 「ボブ&サツ&プー」と戦闘に。続けて読むと……はっ! ボブだけドロップアイテム「ラッキースター(1/25)」があるので どうしても欲しい人はボブだけは繰り返し倒そう。 ▲ページ上部へジャンプ▲ フォレスリープ城 牢屋に入れられてしまう。 まずは仲間に話しかけよう。 鉄格子を調べるとイベント進行してコモが再加入する。 夜になったら兵士(ハイゼット)に話しかけよう。 ハイゼットが一時加入する 奥へ進み、神官の部屋へ向かおう。 部屋に入ると会話イベント。 竜の牙へ向かうことになる。 下へ抜けると調整神の神殿に出るが転送陣で出たほうが早い。 ▲ページ上部へジャンプ▲ 竜の牙 固有敵 タワーラビット フォレスリープ到着前や城内イベント発生前に行っても塔内1Fの扉が開かない。 ハイゼット加入後に鍵を開けてもらおう。 ところどころに落とし穴がある。 【2F】 左側の通路を通ろう。 【3F】 中央の扉を開けるには左右の像のスイッチを入れる必要がある。 途中の落とし穴の罠に引っかかりつつ通れる道を探して先へ進もう。 【4F】 ここでようやくダイゴと合流(転送倉庫入手。ダイゴの所持アイテムも倉庫に)。 ハイゼットは離脱する(装備を剥いでおこう)。 ダイゴのいた部屋を調べると落とし穴あり(出口は3Fへ一方通行)。 ウロボロスはまだいないが情報が手記に載っている。 奥の部屋に入るとイベント進行。 「サツ&プー」と戦闘になる。 続けて「繁縷」との戦闘へ。繁縷の経典が盗める。 初戦は負けイベントで、二戦目もあるが体力は全回復される。 戦闘後は自動的にフォレスリープのパブへ、 場所 拾得物 2F ポーション(部屋)遠見の水晶球(部屋)ガンバルンバS(部屋) ▲ページ上部へジャンプ▲ フォレスリープ2 【商業区】 会話イベント後、コモが離脱する(装備は外れる) 報告のために王様のところへ行こう。 街のNPCたちのセリフに多少変化あり。 城は開放されている。 ▲ページ上部へジャンプ▲ フォレスリープ城2 元神官の部屋にハイゼットがいて冒険者育成学校でクラスチェンジが出来るという情報を貰える ついでにダイゴにより「船呼びのホルン」が使用可能になる(濃い色の海は強い敵が出るので注意) 冒険者学校はルニアの東にあるようだが、桟橋から乗ったら下へ向かおう。 謁見の間奥の宝物庫を開けるには盗賊にクラスチェンジする必要あり。 王様から「特例卒業認可証」が貰える。 船入手後、新たに行けるところ 鬼斬村=グローウェイ桟橋から北へ。アスコナ加入・マウントフジイベント関連 ネストの村=フォレスリープ桟橋から左上へ。ミュルザンヌ加入・おばあさんイベント関連 冒険者育成学校=ルニアの桟橋から左下へ。クラスチェンジイベント関連 ▲ページ上部へジャンプ▲ 冒険者育成学校パズァードラ 詳しい情報は【冒険者育成学校パズァードラ】ページ参照 【建物内】 食堂・ボッタ商会・校長室がある まずは校長に会って「クラスチェンジ」出来るようにしておこう。 詳しい説明は受付嬢で確認できる。 また、次の目的地は同盟軍最前線砦WoWらしい。 冒険者学校を下に行った先の桟橋から向かう。 用語事典に「クラスチェンジ・ジョブ説明」追加 このタイミングでカジノの景品も増加している。→詳細は【施設】まで。 また、エクストラ職(複合ジョブ)系のクエストも校長イベントのあとに受注できる。 外にでるとイストが加入する。 WoWイベント前だと日本から西へ抜けてアイストス方面へは 岩で塞がれていて行けないようになっている。 【左手】 武器屋・合成屋 NM(ノートリアスモンスター)についてNPCが教えてくれる。 ラーニング技は計50種あるとNPCが教えてくれる。 【右手】 その他 アイストスへの行き方は海列車らしい。 海の魔物の対抗手段は雷や突攻撃が有効らしい。 ▲ページ上部へジャンプ▲ 海上(竜の腹付近) 冒険者学校の南桟橋から下へ行き、峡谷を抜けて左へぐるっと行くと渦に阻まれた入江がある 渦に接触すると場面が船上になる。 船長に話しかけると「リヴァイアサン」と戦闘になるので事前セーブ推奨。 5ターン堪えるか勝てばOK。 別の場所の渦で先に倒していると計2回戦えて両方に勝てば太公望の釣り竿も2本手に入る。 突破したら砦に行かずトンネル抜けてコルムの村やフレイディア方面にも先走って行くことも可能。 ▲ページ上部へジャンプ▲ 同盟軍最前線砦WoW 詳しい情報は【同盟軍最前線砦WoW】ページ参照 【2F】 左側にうさぎがいて敵シンボルのランクをさげる手伝いをしてくれる。 カラベルに話しかけるとイベント進行。 カラベルが一時加入してイストが一時離脱する。 ▲ページ上部へジャンプ▲ 湖のトンネル 小舟で移動する。内部は下りの一方通行。 外に出てからまた入ると砦側に戻れる。 岩に当たると上に戻りやり直し。途中光ってるのは「アビス・コア」。 左1→そのまま→左から4つ目の岩と同じ位置から下へ→突破! ▲ページ上部へジャンプ▲ 魔王城 扉を開けようとするとピュイアが出て来て「グレムリン」4体と戦闘になる。 図鑑を埋める人はドロップアイテム「アビス・コア(1/40)」に注意しよう。 盗めるアイテム「デモンウィング」もあるので忘れずに。 救済措置として、ここでとれなくても地獄の入口で出現するのでその時でもOK。 その後、魔戒騎士も出て来て一時撤退を余儀なくされる。 場所 拾得物 外 ミラーシールド(宝箱)ウェザーブーツ(宝箱) ▲ページ上部へジャンプ▲ 同盟軍最前線砦WoW2 カラベルは離脱。 カラベルとの作戦会議後、1Fへ降りると出入口前にイストが居て再加入する。 ▲ページ上部へジャンプ▲ フレイディアへの洞窟 刀妖術士にクラスチェンジすると洞窟内が見やすくなる。 鉱石が採れる(銀鉱石・モルダバイト・鉄鉱石・クロマイト) 水路上→妖精の森へ 水路左、階段登る→フレイディア方面へ 上へ行く通路を通るとイベント進行。 タイムアタックイベントなので事前セーブ推奨。 またしてもレオーネが囚われの身に。 3分以内にレオーネが倒れている場所まで行く(戦闘込み)。 魔物「プラント」が3体、道を塞いでいる。 隠し通路は最初のプラントが立っているところのちょい右下側の壁辺り。 「ディ=パープル」と戦闘に。 盗めるアイテム「深紫刀」がレアなので忘れずに盗もう。 こいつも地獄の入口に以下略 出入口付近に流れの商人がいる 全体的に他の場所よりかなり安い 商品 価格 クルモの実 10 ポーション 40 パニポタンB 25 ヨキクイークA 50 ガンバルンバS 50 アイアンスパーク 1000 場所 拾得物※隠し通路先 1F手前 指揮官の籠手(下方)カシミアのローブ(右下)グランドシックル※特殊武器(改)のレシピ※デモンウィング(罠)ミスリルブレスト(罠)クイックスクロール:Protection 1F奥 1700P(右下)クレセントロッド(右下)ローズビット(左端)ハイポーション(橋の先)アロマ水(橋の先) 釣場 レイトウイトウ岩食いピラニアブラッドジョウケーブヤビーシザーザリガニパチパチヤマメとんがりブーツ(道具) ▲ページ上部へジャンプ▲ 火山の街フレイディア 詳しい情報は【火山の街フレイディア】ページ参照 フレイディア城で王と会話イベント後、宿屋2Fにある酒場にいくとイベント進行。 ランファとシャマルが初登場。 飛び出したランファは井戸のそばにいるので話しかけよう。 そして夜以外であればシャマルは城前にいるので話しかけると選択肢が出る。 演舞大会開催中はパブには入れなくなっている。 はい(手伝う)→その場でシャマルが加入する いいえ(無言)→砂漠入って戦闘イベント後、シャマルが加入する シャマルがいるうちに途中寄り道してピラミッドなどへ寄るのもあり。 ▲ページ上部へジャンプ▲ フレイディア城 宝物庫の扉は盗賊にクラスチェンジして開けよう。 王に事情を話し、火山に入れてもらおうとするが……。 超魔剣演舞開催まで滞在することになる。 ダイゴの勧めで酒場に行くことに。 場所 拾得物※隠し通路先 宝物庫 遠見の水晶球盗賊のナイフシルクのヴェールミスリルアックス2000P ▲ページ上部へジャンプ▲ 火山側砂漠 麻痺毒クエストは火山や砂漠地帯限定の敵から受けよう。 シャマルが加入した状態で行くとデザートリザード4体と戦闘。 シャマルが1人で先走った場合は上記モンスターを1人で駆逐している。 ▲ページ上部へジャンプ▲ 火山 【登山口】 テントで休める(無料) ランファ&シャマルのイベント発生前は通れなくなっている。 シャマルを伴って兵士に話しかけるとイベント進行。 右隣の穴の先へ進もう。 するとレオーネの様子が…? そんな状態ながらも「ケルベロス」との戦闘になる(図鑑に載らない)。 3つの頭(ABC)は無限復活するので身体(D)を攻撃しよう。 頭の再生速度は1ターンにつき1つ。 「ケルベロスの首輪」が盗めるレアアイテム。こいつも地獄の入口以下略 戦闘後、レオーネが倒れてしまい一時離脱。 【右側ルート】 上まで登ると洞窟があり、中でランファが寝っ転がっている。 叩き起こすと会話イベント。 以後、会話の合間にフレイディア街の演舞会場の様子が映し出される 以前シャマルとレオーネが話していた内容がパーティチャットで窺える。 フォレスリープ大食い…シャマルのフラグですね 下に行くとイベント進行。 リオーネにより落とし穴から短距離転移で脱出できる。 また、レオーネの身を案じたリオーネから「法護壁の札」をもらう。 ここでシャマルが一時離脱。 やること済ませたら、レオーネのところへ戻ろう。 【登山口2】 レオーネに話しかけるとイベント進行。 火山から魔物が溢れてきて大変なので撃退する流れに。 【正面ルート】 固有敵 ファイアエレメンタル(ここ以降も出る) 鉱石が採れる(鉄鉱石・灼炎石:剛・灼炎石:柔) 【洞窟内】 下へ向かい突き当りを右へいくと地下への階段がある。 【最深部】 固有敵 ペンタグラムアルバンテ炎虎 アルファベットのCの字のような道をずっと先に行くと召喚獣「イフリート」がいる その手前のクリスタルを前にしているのが「五行」。 話しかけると戦闘になる。 戦闘後、アイストスへ行くためにフレイディアから海列車で行く流れに。 場所 拾得物 右ルート ヘルファイア(右下)狂戦士のレシピ(罠:MP減少)ミスリルソード 落とし穴 ミスリルシールド(*3) 正面ルート 業火のオーブ 洞窟内 天気玉(中央)クイックスクロール:Strength(上部)ハイポーション(右上)バーニングスピア(右端)フレイムブレストアングリィブーツ(罠:魔物)3000P(左下) 最深部 レヴァンティン(中央)(*4) ▲ページ上部へジャンプ▲ フレイディア2 大会後はパブが再開していてNPCのセリフに変化あり。 海列車駅は演舞会会場からになる 海列車 食堂車で無料で体力回復できる。 後部貨物室で怪しい音がするらしいので調べてみると……? ここでコモが再加入する。 とりあえず車掌にチクリに行こう すると魔物にトレインジャックされていて…! 「パールハーバー」と戦闘。 HPが半分を切ると「ウミノヌシ?」を呼ぶ。 こいつも地獄の入口以下略 流れの商人 商品 価格 クルモの実 15 ポーション 80 ガンバルンバS 100 ゲッコー樹の葉 15 パニポタンB 50 ヨキクイークA 100 スクロール:Dispel 500 スクロール:Regist 350 ▲ページ上部へジャンプ▲ フォレスリープ3 ストラに寄った後、フォレスリープに飛んでシャマルを仲間にいれてあげよう。 宿屋奥のコバシーがいるところに行くと居る。 3万P支払うと仲間になる。 ▲ページ上部へジャンプ▲ 吹雪の街アイストス 詳しい情報は【吹雪の街アイストス】ページ参照 城にはまだ入れないようだ。情報を集めてみよう。 家を10万Pで購入できる 倉庫のほか、栽培もできる。 鬼斬村で神子関係のイベントをクリアしてると 宿屋に神子プリメーラとザガートがいる。 宿屋2Fに怪しげな出で立ちのものがおり、話しかけて了承するとイベント進行。 城内の情報を探ってラルフに報告することに。 斜陽樹公園にある枯れ木を調べて抜け道を辿り城へ潜入捜査する。 枯れ木を右側から調べると階段が現れる。 「グレゴリー」と戦闘。 奥の階段をあがると城のキッチンにある暖炉へ。 ★温泉について★ 3種類制覇すると称号が貰える 昼間=紫ツインテール 夕方=湯船に1人 夜=2人 ▲ページ上部へジャンプ▲ アイストス城 玉座の間にいくと自動的にイベント進行。 情報が集まったら会話で知らせてくれるので集まり次第ラルフに報告しよう。 魔族と会話後になると地下牢のじいさまが反応するので話しかけてみよう。 転送陣で手早く移動すると楽。 場所 拾得物※隠し部屋 1F ゴールドレイピア※守護騎士の勲章※ ▲ページ上部へジャンプ▲ アイストス2 ラルフに報告するとその流れで回想シーンに。 一旦操作するキャラが替わり、氷山内のステルビオサイドに移る。 氷山 固有敵 ウォーターエレメンタル 鉱石が採れる(銀鉱石・永晶石:曲・永晶石:尖) 《ステルビオ視点》 宝箱やHNMはないのでひたすら地下へ進もう。 セーブは歯磨きアイコンを調べるとできる ロープを調べると縄梯子がちゃんと届くようになる。 最深部の中央にあるマナクリスタルに触れるとイベント進行。 ダイゴたちがやってきて「リオーネ」と戦闘に。 戦闘加入メンバーが変化してるのでメニュー画面で編集しておこう。 《ダイゴたち視点》 リオーネ戦後、大風穴へ行く流れになる。 しかしマナクリスタルを破壊したと思ったらイストが…! 「封印された魔獣」に話しかけると戦闘に。 一度開けた宝箱以外でまた蓋がされているのはモンスター。 大風穴の場所はアルアドの右下にある島になる。 ちなみに冒険者学校の校長室にいくとラルフがいる。 また、アイストス各地にいるNPCのセリフに変化あり。 城も正面から入れるようになっている。 場所 拾得物※落とし穴先 1F 1785P癒しのオルゴールインフェルノセプター※ B1F バーストベリー B2F ラッキースタービーストフレア B3F 絶氷のオーブ※フリーズベリー※アイスブレスト(罠) 最深部 天気玉(下部)スクロール:Aura(右上)ガンバルンバS(左下) ▲ページ上部へジャンプ▲ 大風穴 中に入ると強烈な竜巻のせいで奥へ進めなくなっている。 一旦WoWに戻ろう。 同盟軍最前線砦WoW3 カラベルに話しかけるとイベント進行。 新たな飛空艇の燃料がないのでエフェ鉱山で探してみることに。 ▲ページ上部へジャンプ▲ エフェの鉱山2 鉱山入口にデュランゴがいるので話しかけると仲間になる。 どうやら崩落があったらしいので、確認がてら一緒に奥へ進もう。 最深部右端に隠し部屋があり、そこの立柱を調べると「アルティタイマイ」と戦闘になる 戦闘後「アルティタイト」入手。 再度WoWへ行こう ▲ページ上部へジャンプ▲ 同盟軍最前線砦WoW4 カラベルに話しかけると大風穴へ出発するか否か選択肢が出る。 準備ができ次第出発しよう。 アルティタイトのエネルギーの凄まじさで飛空艇は片道しか持たないようだ。 大風穴2 固有敵 エアエレメンタル 降下前に「狂魔石」をカラベルがくれる。 レッツ!ノーバンジージャンプ!! そしてもたなくなった飛空艇とともにカラベルは空の藻屑と消えてしまうのであった……。 【B2F】 ここで竜巻と岩の関係を理解しておくと良い。 【B3F】 内部は常に右から左へ風が吹いている。 右端に召喚獣「サキュバス」がいる 左端にずらっと並んでいる竜巻に巻き込まれるとB2Fへ飛ばされるので 2つ置きに合間にある安全地帯を利用して下方にある下りロープまでいこう。 【B4F】 ここの風は上下左右から吹く。 右上の竜巻で飛ぶとHNM「ヴリトラ」がいる 右下のマナクリスタル前に「なづな」がいる。いざ尋常に勝負! 狂魔石を使わずに倒すと図鑑に載らない(ただし、地獄の入口で再戦可能なのでそこで載せられる) 倒すといっときだけ場面変わって魔王城のステルビオ陣営の様子が映し出される。 これで四霊封陣も解けたのでようやく魔王城に入れるようになったはず。 場所 拾得物 B3F 轟風のオーブ精霊の涙スクロール:Mirageセンチネルアーマー(罠) B4F マテリアルルアーハイポーションパワーガントレット(左下) ▲ページ上部へジャンプ▲ 同盟軍最前線砦WoW5 小舟でさっそく乗り込もうとするが…弾かれる? 砦内で情報を集めてみよう。 するとカラベルがさも当たり前のように鎮座しているので話しかけると ピュイアが原因で結界が解けないらしい。 ドラゴスケイルにいるようなのでエミルの村へ向かおう。 ▲ページ上部へジャンプ▲ エミルの村3 これまで居なかったNPCも増え、他の皆のセリフにも変化がある。 北の出入口にビアンテがいて話しかけると合流する。 レオーネ母もフォレスリープから駆けつけているようだ。 ▲ページ上部へジャンプ▲ ドラゴスケイル2 鉱石が採れる(鉄鉱石・銀鉱石・希金鉱・マグライト・ヒヒイロカネ) 【入口】 これまで居なかったランクの敵が増えている。 【奥地】 NM「ロック」がこの時点で出現する。 左上の巣に卵が乗ってるところに出る。 最奥部に行くとピュイアがいて何やら怪しげなことをしているが……。 すずな、こと「ピュイア」と戦闘になる。 その後、エミルの村までいくとそこで今度は「すずしろ」と戦闘に。 さらに、魔戒騎士ステルビオが現れていろんな事実が判明していく……。 WoWに行こう。 拾得物(奥地のみ) チャンピオンガウン鬼斬破スクロール:Mirage竜の土偶2800P精霊の涙ハイポーション迅雷のオーブビーストフレアねこみみバンド ▲ページ上部へジャンプ▲ 同盟軍最前線砦WoW6 カラベルにエミルの村での顛末を報告しよう。 この段階で冒険者学校が新たな追加要素などが増えたらしい。 その様子を見てきたら再度カラベルのもとへ集まろう。 (とりあえずWoWに再度入り直せばイベント自体は進行する) ▲ページ上部へジャンプ▲ 冒険者育成学校パズァードラ2 新サービス追加で「武器防具の装備強化、合成素材追加、中級百人組手、焼き直し」を始める。 同盟軍最前線砦WoW7 冒険者学校へ行ってチェックしてきたりした後に2Fへ行くとカラベルがおらず代わりにラルフが居る。 どうやらカラベルが先走って魔王城に1人で乗り込んだようだ。 小舟で追いかけよう。 ▲ページ上部へジャンプ▲ 魔王城2 固有敵 モルディバイトマダラークィーンゴモリーナイトメアフォルクスオチュー 入口付近でカラベルが倒れている。 話しかけるとイベント進行。 中に入ると猫になっているリオーネが居て 話しかけるとレオーネと一対一で戦闘になる。 以前より弱っている? 中央扉奥が先へ進む道。 【右扉】 階段上がった先で召喚獣「デス」が死神グラで歩いている。 また、石碑に触れると「羅刹」と戦闘になる。 【左扉】 階段上がった先に召喚獣「ケイオス」が椅子に座っている。 また、石碑に触れると「刹那」と戦闘になる。 【中央扉】 ずっと上に進んでいくとまた扉があり、開けると敵「アスピドケルン」2体と強制戦闘 さらに奥の扉を開けると全回復ののち「セリ」がいる部屋に飛ぶ。 話しかけると戦闘になる ようやく倒せてもまだ何か大きな存在が控えているような… 一旦転移して再度扉の前に移動する。 中へ入ると自動的にイベント進行。 ステルビオ陣営が勢揃いしており、彼らの最終目的が明かされ実行しようとするが……? 突然乱入してきた「イスト=繁縷」と戦闘になる 倒したら奥へ進もう。 仲間が雑魚を引き受けてくれている隙にどんどん先へ(一方通行)。 ついに最後の敵「魔王」が現れる。 「アクセラシャドウ」と「魔王アクセラ」が同時に出現 魔王アクセラを倒すとゲームオーバーになるのでアクセラシャドウだけ攻撃しよう そしてエピローグへ。 お疲れ様でした。 続きは【クリア後】で。 ▲ページ上部へジャンプ▲ 番外編 グローウェイ 民家のおやじからクエスト「海岸の毒草」 ネストの村 寂れた寒村。簡易転送陣にすら反映されない。 おばあさんが病に倒れ、ミュルザンヌは薬となる白露草を採るために雪山へ同行を依頼してくる。 「いいえ」を選ぶとちょっとセリフがグレて可愛い。 承諾するとミュルザンヌが仲間になる。 場所 拾得物 外 天気玉(宝箱) 畑 じゃがいも3つ 婆宅 女帝芋(机)うにしめじ(机)アイスバター(机)フィフス帝国貨幣(クローゼット) ミュルザンヌ宅 シルク(タンス)魔獣の餌3つ魔法剣書:BlizzardFiel(クローゼット) 道具屋 商品 価格 ポーション 80 ヨキクイークA 100 ガンバルンバS 100 魔獣の餌 100 ▲ページ上部へジャンプ▲ 雪山 薬草類を拾える(反魂樹の根・リユの花・ポコタンの花・雪割りの花) 右上の洞穴にHNM「オメガウポッツ」がいる 左の方へ抜けるとイベント進行。事前セーブ推奨 「トリックトーレント」出現 戦闘後はおばあさんのところへ行こう。 ▲ページ上部へジャンプ▲ 東方の村鬼斬 詳しい情報は【東方の村鬼斬】ページ参照 船もしくは飛空艇で来られる場所。 神子という予言者の力が、ある男に盗まれたらしい……。 これはいわゆる「奴はとんでもないものを盗んでいきました。 あなたの(ry」ですね、わかります 神社で話を聞いてから外にでるとアスコナが加入する ▲ページ上部へジャンプ▲ マウントフジ 樹海を抜けて橋を渡り、洞窟へ行く。 左上にNM「守護月天」がいる。 大穴の上は通れるので先へ進むと竜の石像がある。 4人パーティで触れると「アナンタ(爬虫類ランク9)」続けて「ヤマタノオロチ」戦になる。 正方形の穴に落ち、左上の隠し通路をチェックしてからNPCに話しかけよう。 会話イベントののち、神子であるプリメーラがやってきて「酒天童子」と戦闘へ。 ドロップアイテムは無く「天之尾羽根」が盗めるので忘れずに。 とはいえこいつも地獄の入口(ry 下の出口は一方通行になっている。 場所 拾得物※隠し通路先 洞窟1F 武蔵の籠手・真打ち(宝箱) 地下階 バーサーカーヘルム(罠)リフレクトマント※バーミリオクローク※平次の十手※ ▲ページ上部へジャンプ▲ 東方鉱山 鉱物が採れる(ミスリル・アダマン鉱・オリハルコン・エレクトラム・ムーンドロップ・リライト・マグライト) うさぎがいてトロッコの分岐器のレバー操作を教えてくれる。 1F右下の階段を降りて赤スイッチを入れてから下の方へ進むとHNM「ティアマト」がいる 場所 拾得物 B1F ラッシュボウ(赤スイッチ傍)ブルメイル(赤スイッチ傍)つるはし4本(無限) ▲ページ上部へジャンプ▲ 妖精の森 詳しい情報は【施設の「妖精の店」項目】ページ参照 フレイディアへの洞窟から。 敵シンボルは妖精ばかり。 体力回復や武器の合成をしてくれる妖精がいる ウェザリーヌからクエスト「超!天気玉」 拾得物 天気玉(宝箱) ▲ページ上部へジャンプ▲ コルムの村 詳しい情報は【コルムの村】ページ参照 かつては共同墓地に世界中から参る人で賑わっていた村らしいが……。 貧民街で群がる欠食児童たちに札束による往復ビンタをお見舞いつつ、教会にはびこる悪を叩け! 正面の街灯を調べてみるとちょっとした"遊び"が見られる。 【共同墓地】 固有敵 デッドイーター寄桜ネクロベビーコープスリビングデッド 鉱石が採れる(鉄鉱石・銀鉱石) イベントクリア前は共同墓地は夜にしか入れない。 奥を塞いでいるものをどかすには造花を利用して進むようで下の墓標になにかヒントが書いてある。 基本的に十字架の墓標を調べると敵にエンカウント。 ◯造花の在処◯←詳しくはこちら 該当する墓標を調べる 最上段左から2つ目 最上段右から4つ目 上から3段目の右4つ目 上から2段目左5つ目 上から2段目右6つ目 上記5つの場所から造花を持ちだして捧げると……? 奥へ行くと神父が居てイベント進行。 「ネクロソルジャー」2体と戦闘に。 倒すと宿屋からスタート。 村のNPCたちのセリフに変化あり。 NM「王家の守護者」を出す方法 神父イベント後でないと討伐できない。 移動可能なお墓3基に供えてある花の色と同じ色の床タイルに、 墓を移動させて乗せると地下階段出現 盗めるアイテム忘れずに。 だが、こやつも地獄の入口(ry ▲ページ上部へジャンプ▲ 流れる砂漠 夜になるとNM「デザートエンペラー」が現れる この区域にピラミッドがある。 オアシス 釣場だけがある。 釣場 デザートサーモンミミック(敵) ▲ページ上部へジャンプ▲ ピラミッド 固有敵 王家の呪いエディークレイブディガー深きもの牛鬼馬鬼 流れる砂漠側の右下にある。 ランダムで出現。 たまに宝箱に擬態したミミックがいるので注意しよう。 【1F】 棺桶を調べて向きを変えるとトグルスイッチにより交互に扉が開く仕組み 【2F】 4つあるミニ棺桶から出るモンスター「王家の呪い」は図鑑に載らない。 また、大量にある棺桶から出るモンスターも図鑑に載らない。 ドロップアイテム(ピラミッドのかけらとアビス・コア2つを100%)盗めるアイテム無し 小部屋側は上から落とし穴で。 初代王が眠る部屋を開けるにはプレートにある人物の年齢を入力すれば良い。 答えは反転「53・47・78」 NM「イースタンシャドウ」が大部屋内にいる 【3F】 左下角に隠し通路先は落とし穴。 2Fの宝物庫へ行ける。 【4F】 召喚獣「ヴァンパイア」が縄梯子前に陣取っている。 その梯子をあがるとピラミッドの頂上へ一方通行。 場所 拾得物※隠し通路先 1F アストラルリング(右宝箱) 2F 古代魔導師のレシピ(罠) 2F宝物庫(小) 【上段】リライトスクロール:Force水晶の髑髏クイックスクロール:Reincarnation2870Pミラージュセプター【下段】フラッドベリー賢者の羽ペン特攻液マテリアルルアーハイポーションアビス・コア 2F宝物庫(大) 【上段】247Pクエイクベリートルネドベリーデモンウィング鬼哭114P【下段】ハイポーションアビス・コア激昂のドラム98P1147Pハイポーション ▲ページ上部へジャンプ▲ ミスリル島の洞窟 フレイディア南の桟橋から下方へ、そして右へ行くと洞窟のある島がある。 じいさまがいてミスリルの採り方を教えてくれる 歩いている亀シンボルは敵「ランドタートル」か、ミスリルトータス。 ミスリルトータスの場合は背中の黒い部分をつるはしで調べると 当たりならリライト、ミスリルやムーンドロップ、ハズレなら何もなしとなる。 拾得物 ミスリル ▲ページ上部へジャンプ▲ 竜の牙2 雨の日限定で1F左上の隔離された部屋にNM「ヤシの精」がいる。 ドロップ&盗めるアイテム「精霊の樹の実」がクエストアイテムになる。 倒して2回位ザコ敵を倒すと復活するので、 ドロップアイテム「リーフストーム(1/30)」をひたすら狙うのも有り。 研究室に行くとHNM「ウロボロス」がいる ▲ページ上部へジャンプ▲ 世界樹 固有敵 ユグドラシードアースエレメンタル 薬草類を拾える(薬草・クロバルの葉・ポコタンの花・リユの花・世界樹の若葉) 木材が採れる(千年樹原木・霊樹原木・長老の樹木・バイブルブランチ) ◆来訪お勧めタイミング◆ フォレスリープでエルフのクエスト フレイディアで新芽のクエスト ダイゴがパーティに居るとき 「世界樹の新芽」は最上段へ行く途中に光っているのですぐわかる 採る際にユグドラシードと戦闘。 右階段→花畑へ通じる 左階段→最上部へ通じる ダイゴが居る時に花畑へ行くと回想イベント 広い空洞に怪しげなクリスタルが浮いているが現時点では何も起きない。 四霊封陣発動後はクリスタルが消えており、召喚獣「サンダリオ」がいる。 最上部左端にHNM「ニーズヘグ」がいる 場所 拾得物 内2F 豊土のオーブグリモアの杖 外周3F 世界樹の新芽 最上部 世界樹の若葉(右上) ▲ページ上部へジャンプ▲ 港町ストラ 詳しい情報は【港町ストラ】ページ参照 クエストが多いので要確認 ここはアイストスへ行く途中の街という位置づけなので クリアに関する必須要素はない。 海列車でこちら側へ来たので船でも鬼斬村側と行き来できるようになる。 ▲ページ上部へジャンプ▲ ストラの井戸 固有敵 ナイトクラブ 【B1F】 途中階のバケツで水を汲んでも真水は採れないのでB2Fまで行くしか無い。 ただ、クエスト分は町中で拾えるものでまかなえる。 反時計回りに進んで左上に下り階段あり ショートカットのための通路もあるので、先にそこを開通させておこう。 【B2F】 以下の順番は交互しても動作する 右上のレバーを引くとドアが開く 左下の動く木箱をジャンプしてきたところに落とすと? 10匹ナイトクラブを倒すとHNM「キングアースロ」が出現。 一度上の階へ戻るとまた構造が元通りになる。 場所 拾得物※イベント後 B1F ビーストフレア(左)ノスフェラトゥの軟膏(右下)1288P B2F ラッキースター(右下)※亀の甲羅(右下)※ ▲ページ上部へジャンプ▲ 灯台 徒歩ならアイストス領へ入る手前の山を右に沿って北上する。 4Fが最上階で、中央のクリスタルを調べるとイベント進行。 NM「スキュラ」が姿を現す。 場所 拾得物 3F 3000P(右)スクロール:WaterShell(右)天気玉(左)ねこみみバンド(左) 海賊のアジト&海中洞窟 表に見える宝箱は全て空っぽ。 右上の渦から海底に潜れる(5分間経つと上に自動的に戻される) アイテム袋(空気袋)をとると30秒延長される。 B2Fの銀箱を開けると「ゴルドル・キッド」と戦闘になる。 HPが半分を切ると「ザ・ゴルドルグレート」に切り替わる ビキニアーマー入手 もう一回来ると「希金鉱9個」をくれる 何度も宝箱を調べたらダメだぞ! ずっと下の方へいくとHNM「ラミアス」がいる。 場所 拾得物 B1F 日輪の錫(下)クルモの実(下)クィーンティアラ(右)マテリアルルアー B2F ディープシールドのレシピ(罠:?)いにしえの六分儀(左) ▲ページ上部へジャンプ▲ セルケトのいる洞窟 船でアルアドの桟橋から南へ時計回りに行き、 ウィンフィード城周囲の水路を辿って右側の山の側面から入る HNM「セルケト」がいる。 金山に触れると守銭怒がよく出てくる。 拾得物 9999P×3(宝箱)1710P(金山総額) ▲ページ上部へジャンプ▲
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2009-11-28-魔法少女リリカルなのは総合スレ 9 :学生さんは名前がない[sage]:2009/11/29(日) 00 03 15 ID XrGyqm3WP スレが落ちると、ちょう悲しいわ… 17 :学生さんは名前がない[sage]:2009/11/29(日) 17 14 14 ID 0Cwrh5ma0 今日はほんま冷えるなぁ~ 34 :学生さんは名前がない[sage]:2009/12/01(火) 08 02 18 ID TB8F8S2C0 17 はやてちゃん… ぁぁ…僕、はやてちゃんの書き込みに2日間も気付くことが出来なかったなんて…うう… すみません…本当にすみません…本当に… あ…、でも、、謝るなんてことをしたら逆に迷惑ですかね… はやてさんは僕のために書き込んでくれたというわけではないのですし、 僕のことなんて何とも……、ぅぅ… ああ……す、すみません、今のは忘れてください… そんなことよりも、最近はそちらでも冷えるのでしょうかね… 日曜の17時頃…ということは仕事休みの買い物帰り、といった感じでしょうか… しっかり暖かい格好をして体調管理を整えて…って、はやてさんにこんなこと言う必要はありませんかね… けど僕…はやてさんのことが…… ぅう… と、とにかく暖かい格好してくださいね!はやてちゃんは寒がりみたいですから、お腹にカイロでも張って… って、ああ、また僕はへんなこと言って……うう… 35 :学生さんは名前がない[sage]:2009/12/01(火) 09 43 24 ID TB8F8S2C0 9 あれ、ひょっとしてこれもはやてさんの書き込みですか…? 人違いかもしれませんけど、もし 9さんがはやてさんだったとしたら… ああどうか、どうかそんなに悲しまないでくださいね…… この板のスレはたいてい、1ヶ月経過すれば 1000に到達せずに落ちてしまうものですから、 なんていうんでしょう、、仕方のないことなんですよ… はやてさんは優しい人だから、きっとスレのことまで気にかけてしまうのでしょう… ぁぁ、なんてスレが羨ましぃ…… …じゃなくてっ、、 い、板がそういう仕様ですので、そんなに気にすることじゃないと思いますよ… 36 :学生さんは名前がない[sage]:2009/12/01(火) 09 53 09 ID TB8F8S2C0 しかしやはり羨ましいなぁ… はやてちゃんにそこまで想ってもらえるなんて、、なんだかこのスレッドに嫉妬してしまうな… ああ…はやてちゃん… 僕は…このスレを盛り上げてはやてちゃんを喜ばせてあげたいよ… でも、僕はすぐ歯止めが利かなくなって、はやてちゃんのことで変なこといっぱい書いてしまう… 止まらなくなってしまうんだ… だ、だって…ぼく、は、はやてさんのことが……好、、、うううううううううう… 37 :学生さんは名前がない[sage]:2009/12/01(火) 10 04 53 ID TB8F8S2C0 お、落ち着け、こんなときは八神家の皆さんが体に貼っているであろうカイロの数でも数えるんだ… 1位 シャマルさん(6枚) 2位 はやてちゃん(2枚) 3位 シグナムさん(1枚) 同率4位 ヴィータちゃん、ザフィーラちゃん、リインちゃん、アギトちゃん(0枚) シャマルさんはたぶん体のあちこちに貼っているだろうと予想される… 筋肉がしっかりしていそうなシグナムさんは、お腹にペタリと1枚くらい。小さい3人とザフィーさんはたぶん0枚だろう… そ、そしてはやてちゃんは…… うう…、お腹に1枚ぺったんして、あと…うう、せ、背中にも… ああああああ…カイロを貼ってるはやてちゃんめっちゃかわいい…かわいい…かわいいよぉ…はぁぁ… 84 :学生さんは名前がない[sage]:2009/12/04(金) 01 23 20 ID DKjxaawRP 保守おおきになぁー、ありがとう 88 :学生さんは名前がない[sage]:2009/12/05(土) 00 54 57 ID QmlLMK5g0 はああ……すごい… まだこんなにドキドキしちゃってる… はやてちゃんに、「ありがとう」ってちょっと文字で言われただけなのにな…… はやてちゃんの優しさが…その言葉の1文字1文字が…ぼくの疲弊しきった心のなかに沁みこんでいくみたいだ… 101 :学生さんは名前がない[sage]:2009/12/06(日) 00 22 37 ID BIqTbM2vP 今夜もちょう冷えるなぁ… みんな、暖かくして寝なあかんよー 102 :学生さんは名前がない[sage]:2009/12/06(日) 00 32 12 ID 7+LwSNq70 101 氏ねカス 106 :学生さんは名前がない[sage]:2009/12/06(日) 00 54 52 ID jSjWg3ix0 101 はやてさん…… また皆のことを心配してくれるなんて…なんて優しい… ですけど、、悲しいことにまた変な人に目をつけられてますから… あまり書き込まないほうがいいかもです… 少し寂しいですけど、僕のことならもう大丈夫ですので… みんながはやてちゃんのことを叩いても、僕だけはずっと…はやてちゃんのこと……うう… 112 :学生さんは名前がない:2009/12/07(月) 06 40 41 ID XKjeWr6bO 月曜日やでー 120 :学生さんは名前がない[sage]:2009/12/08(火) 08 54 03 ID NqLQCLZc0 112 はやてちゃん…ああどうして…… どうしてまた書き込んでしまったのですか… 叩かれるかもしれないとわかっていてどうしてまたそんな書き込みを… …あ、いえ、、 僕はイヤなわけじゃないんです… 僕は……はやてさんの書き込みがあったら…それは……ぅぅ、嬉しいです… 嬉しくてドキドキして……書き込みがあったその日は気分が高揚しちゃいます…そう昨日だって… 僕ははやてさんの書き込みからいっぱいの勇気を貰っているんです……これでもかってくらいにもらってるんです… ですけどはやてさんは…… はやてさん自身は、叩かれて辛くはないですか…?心を痛めたりしていませんか…? 僕は…心配なんです……自分を顧みずみんなのことを気にかける貴女のことが… あ、心配だなんて、生意気なこと言ってすみません… でも僕…はやてさんのこと……はやてさんの…、ことが…… ぅぅ… そ、それに僕…もしこれ以上優しくされたりなんかしたら……もっと、はやてちゃんのこと……ぅぅ 122 :学生さんは名前がない:2009/12/09(水) 15 25 20 ID Beu5J529P 保守やー 127 :学生さんは名前がない[sage]:2009/12/10(木) 00 18 18 ID wjuurtzb0 122 は、はやてさん…… あ、あのぅ… ひょっとして…、怒ってますか…? 僕が……僕ごときが、はやてちゃんに意見なんかしたから…何で書き込んだ、なんて言ったから… いや、、これはあくまで憶測なのですが… もし、そのようなことではやてちゃんを怒らせてしまったのなら…謝ります…、 ごめんなさい… そうですよね、我慢強いはやてさんがこの程度のことで心を痛めるはずありませんもんね… また現れてくれたってことは、気にしていないっていう証でしょうし… 良かったです…安心することが出来ました… あ…、怒らせておいて何を言うかって感じなのですが、 僕、なんかとっても幸せな気持ちになっちゃいました… これもはやてさんがまた現れてくれたおかげですね、ありがとうござまいます… そ、それに…… 怒ったはやてちゃんも…、か、かわぃ、ぃ…、、ぅう… 222 :学生さんは名前がない:2009/12/14(月) 08 00 34 ID sGjiKb5f0 おっぱいでかすぎやで 230 :学生さんは名前がない[sage]:2009/12/15(火) 00 06 14 ID vObP+guz0 222 あの…はやてちゃん… はやてちゃんはひょっとして… そういうおっきなモノに憧れを抱いたりしてるんでしょうか…? あ、いえ…、、 こんなセクハラ紛いの質問はスルーしてもらってかまわないのですけど…、 もし、はやてちゃんが気にしているのなら…、 こ、これはあくまで個人的な意見なのですが…、 僕は、そういうのはおっきくなくても…、普通のサイズでもいいのではないかって思うんです… むしろただただ大きいよりは普通サイズのほうが絶対に…… いいと、思います…… いや、僕の好みがどうだからとかは、はやてちゃんにはまったく関係のないことなんですけどね…ぅぅ… ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 232 :学生さんは名前がない[sage]:2009/12/15(火) 07 25 41 ID vObP+guz0 今、会いにいくよぉ… 時刻は17 30となり、運命の時を迎えていた。 シャマルさんが予想していた通り、主であるはやてちゃんが夕食の買い物から帰ってきたのであった。 シャマルさんとの有意義?な練習(魔法による対はやてちゃん用コミュ力強化訓練)を終えた僕は、 はやてちゃんを出迎えるため、決戦の地”八神家玄関口”へと向かう。そう、ついに”本番”は開始されたのである。 さぁ、これからどうしようか… 僕は無言のまま玄関廊下に通じる扉の前にて立ち止まり、ドアノブに手をかけたまま、 この先の展開についての考えを頭の中で巡らせていた。 チャイムが既に鳴っているこの状況下で、悠長なことをしてる場合ではないことはわかってる…。 けれど、今の状態のままでは、どうしてもまだ準備不足な気がしてならないんだ…。いくら仮想はやてちゃんと台詞の練習をしたとはいえ、 玄関口に辿り着くまでの筋道や、台詞を言った後のフォローについても前もって考えておかなければ、 僕のことだからどうせまた本人の前でパニックを起こすに決まっている……(我ながら恥ずかしいけど… だから今回はそれをも回避するために、ここは一つ簡潔に速やかに、かつ慎重に少々シミューレションをしていく必要があると思うんだ。 時間ならおそらく大丈夫、30秒とかからないはず。その間、はやてちゃんを玄関で待たせるのは気が引けるけど…、 今は迷ってるときじゃないッ!迅速に行動に移していこう。 まずは、目の前にあるこの扉から。 これを開けると、八神家の玄関口までの距離は確か約10メートルほどあったはず。大まかな間取は下の図1の通り。 ┏━━┓ ┃B ┗ 玄関口 ┃ C ┃ ┃ ┏━━━┛ ┃ ┃ ┃ ┃ ☆:現在地 ┛ ┃ A:二階へ通じる階段 A.. ┃ B:直進した先にある若干のスペース ┓ ┃ C:玄関口前 ┃ ドア.┃ ☆ 図1.八神家玄関廊下間取図 ドアを開いた後は、☆の現在地からそのままC地点まで一気に直進して、はじめに玄関の鍵を開けようと思う。 233 :学生さんは名前がない[sage]:2009/12/15(火) 07 25 58 ID vObP+guz0 玄関の扉を開けたその先には、買い物の荷物を持ったはやてちゃん(天使)が立っているはずなので、 そこで、今まで練習してきた例の台詞を言おうじゃないか。ただし、「今日も可愛いですね」だけじゃ流石に不自然であるので、 「おかえりなさい、今日も可愛いですね」くらいに改変することにしよう。これなら自然だし、シャマルさんも許してくれるはず…。 次に、それを聞いたはやてちゃんは何らかのリアクションをしてくれるはずなので、返事を貰った後は、 B地点まで下がり、はやてちゃんがそのまま通り過ぎるのを待とう。これは3メートルルールを忠実に守るためだ。 (※3メートルルール:僕がはやてちゃんにいやらしいことをしないように制定された僕が守るべき八神家内のルール) B地点まで下がった後は、はやてちゃんのことを後ろから見守りつつ、リビングへと進んでいこうか。 そしてリビングまで戻ってきたら、最後にシャマルさんに結果の報告をして、今回の一件は終了と。 ざっとこんな感じか…。 こうして一連の流れを考えてみると、なんだかいけそうな気にはなってくる。 しかしこれらは全て、順調に事が進めばの話であるということを忘れちゃいけない。順調に進まないパターンだってもちろんあるはず。 例えば、はやてちゃんの返事、リアクション一つにしたって、色々と考えられるだろう。 というのか、はやてちゃんのリアクションについては僕自身も一番気になってるところではある…。 今まで何のアプローチもしてこなかった僕から「可愛いですね」などと言われて、はやてちゃん(本物)は何を思うんだろうか…? 練習のときからなんとなく予想していたのは、 1.シャマルさんとの練習のときのように、「ほんまにぃ?照れてまうぅ~」と可愛い反応をされる。 2.僕の言葉を聞き逃され、「ただいまぁ。寒かったぁ」と笑顔で返事をされる。 3.「ん?急にどぉしたん?」と驚かれる。 この3パターンだ。1はシャマルさんが言うから予想に入れてはみたけどたぶん可能性はほぼ0だと思う…。現実的に考えて2か3だろう。 2の返事は楽といえば楽だけど、単なるスルーってことでちょっと精神的に辛いかもしれない…。 3については聞き返された後のこちら側の返答も考えとかなきゃいけないだろう…。「いえ、何でもないです…」あたりが妥当だろうか。 それ以外に予想される返事についても考えてみたいけど、うーん…はやてちゃんはどんな返事をくれるだろうかなぁ…? まぁいずれの返事にしろ、返事を貰った後は急いでB地点に退避したほうがいいのは確かだ。 喜んでニヤつくにしても欝になって落ち込むにしても、死角のB地点にいれば、はやてちゃんに自分の変な顔を見られずにすむからね…(こそこそと情けないけど… あと気をつけることは何かぁ、うーん、そうだなぁ…、 あぁ、一家の主の出迎えなのだから、ヴィータちゃんたちヴォルケンの方々が現れることも想定しておかなくちゃいけないか。 特にシグナムさんと鉢合わせたら、たぶん今回の件は全ておじゃんだ。(シグナムさんは僕のことをまだ許してくれてないから…) これは出くわさないことを祈るしかないな… 234 :学生さんは名前がない[sage]:2009/12/15(火) 07 26 12 ID vObP+guz0 あとはー考えられることー、何か……、うーーん ピンポーン… 「あ…」 扉(☆地点)の前で熟考していると、2度目のチャイムが屋内に響きわたった。 その音はまるで、僕に”早く玄関に行きなさい!”といわんばかりの催促のようにも聞こえた。どうやらシミュレーションタイムはここまでらしい…。 しかし、これだけ確認しておけばもう何がきても万事OKのはず。可愛いはやてちゃんを目の前にしたって、もういつもみたいに怯まないぞ! よぅし!最後にそうだな、台詞を噛まないように、伝える言葉の確認でもしておこうか…。 ”おかえりなさい、今日も可愛いですね” ”おかえりなさい、きょうもかわいいですね” ”オカエリナサイ、キョウモカワイイデスネ” 3度ほど心中で繰り返す。 ぃよぉし、完璧だ…。じゃあ玄関に急ごう…! 泣いてもワラっても1度きりの真剣勝負…(はやてちゃんにとってはただの帰宅だけど… 小船はいざ大海へと漕ぎ出す。 ああはやてちゃん…待たせてごめんなさい…。僕は今、貴女のもとへ向かいますッ! リビングから廊下に通じる扉を勢いよく開き、廊下に足を踏み入れ、 図1のC地点まで一気に、直進ッ どんっ! 「!?」 ぁ痛ッ。いったたたぁ…。な…、なんだ? 勢いよく廊下に出るや否や、何かにぶつかり一瞬視界がぐるんと回る。 C地点まで直進するはずだった僕の体は何かに妨げられて、その拍子に扉前で尻餅をつく形となった… 「な、な…、へ…?」 思わず口から情けない声が漏れる。 わけもわからず顔を上げると、見上げた先には、まるで虫けらを見るかのような眼で僕を見下した、はやてちゃんが立っていた…… 333 名前:学生さんは名前がない[sage] 投稿日:2009/12/22(火) 03 38 26 ID 04dYlG5t0 [1/3] 本当に伝えなきゃいけない言葉だよぉ… 「ふぁ…、ふえ…?は…、」 シミュレーションも空しく、僕は見事に怯んでしまっていた。 玄関の外で待ってるはずのはやてちゃんが、突然、一瞬のうちにワープしてきたかのようにこのドア(☆)の裏に現れたのである。 二度目のチャイムが鳴ってから、心の中で台詞を三回ほど繰り返して覚悟を決めるまで僅か数秒足らずだったはずなのに…。 まさか、その短い間に、玄関からここまで音も立てずに移動したとでもいうのか?いや、そんなことありえるわけが…… 「は、はやて………、さん……?」 僕は自信無さげな声で呼びかけてみた。 見上げた先にいるはやてちゃんは、気難しい顔をして僕を見下ろしている。 その目つきたるや、いつものクリクリとしたまん丸おめめではなく、 今までに見たことの無いような鋭いものをしている。まるで敵意を示しているかのようだ…。 ……こ、この人。本当に…はやてちゃん、なんだよね…? 自問するも、これは今更考えるまでも無いことだ。 さっきの練習と違ってこれは正真正銘の本番のはず。 それとも、今立っているこの人まで変身したシャマルさんとでもいうのか…?いや、流石にそれはないだろう? 僕は、自分の中の迷いを少しでも断ち切ろうと、尻餅をついたまま上半身を後ろに向けて今一度リビング方面を見返してみた。 そこには、シャマはやてさん(はやてちゃんに変身したシャマルさん)が、期待に胸を膨らませながらソファにちゃんと座っている。 はは…、ほうらやっぱり…。大丈夫じゃないか! 疑いは晴れて確信に変わる。 今、扉を開けた先に立っているこの人こそ本物のはやてちゃん!後ろのソファのほうは偽者(シャマルさん)だ。 何やら、前にも後ろにもはやてちゃんがいて、言うなれば”前門の天使、後門の天使”状態になっているけど、 大事な人を見失うわけにはいかない。例え、おっかない雰囲気が漂っていようと、本物のはやてちゃんは間違いなくこちら(☆扉裏)のほうだ。 計画は前倒しになってしまったけど、練習で培ってきたことを活かす時がやって来たんだ…! 今こそ出し切ろう。全てを…。 334 名前:学生さんは名前がない[sage] 投稿日:2009/12/22(火) 03 38 42 ID 04dYlG5t0 [2/3] そして、はやてちゃんを見るたびに”うぅぅ…”とか言ってた自分とは、これでオサラバしようッ…! 「あの…、あのッ!は、はやて、さん……!」 先ほどより声に力が入っているのを感じる。はやてちゃんは相変わらず、ジッと僕を凝視しているけれど、 練習の甲斐あってか僕は可愛いはやてちゃんを見ても緊張しなくなっていた。 また、その事実が僕に自信を与えた。 なんだかいけそうな気がしてくる。根拠はないけど、…言えそうな気がする、いや。気がするじゃないッ!言うんだ!言う……。 「…ぉ、おお。ぉオカエリナサイッ!きょ、今日も……キョウモカワイイデスネッ!!」 多少片言になりながらもその台詞をぶちまけたのだった。割とあっさり言えてしまったことに自分でも驚いている。 一時の開放感と達成感が僕の中に広がっていった…。 ああやった…。やりましたよシャマルさん…。見てますか?僕、ついにはやてちゃんに可愛いですねって言えましたよ…。 前はあんなにおどおどしてたのに。これも練習のおかげですね…。後は…後は返事を待つだけです…。 「……」 当のはやてちゃんは僕の会心の言葉にも微動だにしていない。返す言葉を選んでいるためだろうか? 僕はただただ結果待ちの心境だ。 ぁぁ、はやてちゃんからどんな返答が来るのかな。予想していた選択肢の1番かな?それとも2番?3?いやそれ以外…? ど、どうなる……?は、はやてちゃん……ッ 「……」 …今か今かと返事を待っているのだけども。はやてちゃんからはそれらしい素振りは見られない。 ひょっとして、戸惑っているのかな?こんな僕から”可愛いですね”なんて言われて…。でも、もしそうならちょっと嬉しい気も……。 「……おい」 「え…?」 「そちらからぶつかっておいて、詫びの一つもないのか」 今まで沈黙を守っていたはやてちゃんがいきなり会話を切り出した。けれど喋り方に違和感が… 335 名前:学生さんは名前がない[sage] 投稿日:2009/12/22(火) 03 38 59 ID 04dYlG5t0 [3/3] 「それになんだ、そこにいられると邪魔なんだがな。早くどいてくれないか」 違和感どころではない。おかしい。このはやてちゃんは、おかしいぞ…? はやてちゃんは標準語では話さないし、こんな高圧的な喋りでもない。見た目と声色がはやてちゃんでもその喋り方はまるでシグナ…? いいや!そんなバカな!さっきの変身魔法練習みたいな事態が、起きるなんてことは…。 「聞こえないのか。避けろと言っているんだ」 「ぇ、ええ?あ…。ぁぅぅ…す、すみません…。すぐに避け、避け……?」 反射的に謝ったところまでは良かった(良くないけど。 尻餅をついたその場所から動こうとしたところ、どういうわけか体がいうことを利かない。うんともすんとも言わないんだ。 この現象は…。そうだ覚えがある。まるでさっきの…シャマルさんとの練習の、腰が抜けたときみたいだ…。 体が重く、棒みたいになっちゃっているんだ。いや、それどころか、これはさっきよりも酷くなってないか……ッ 体から力が抜けていく。それに何となく気持ちが悪い…。 眠くなってい……く…ッ? 僕は自分の意識がじわじわと消えていくのをまざまざと感じていた。 力の抜けた僕の体は、やがて床にぱたりと倒れ込む。 朦朧とする意識の中、何者かが僕の耳元で何かを喋っていた……。 「ぁー、やっぱりこうなっちゃいましたかぁ。 あのーですねぇ、今回のこの魔法の件なんですけどぉ、 実はこれ、変身魔法じゃなくてぇ、幻術魔法だったんです♪あ、どんな幻術かっていうとぉ、 ”対象者の眼に映る人間をぉ、全て意中の人間に変えちゃう”っていう幻術魔法だったのよぉ。だからぁ私以外の人間であってもぉー 貴方の目には全員が全員、はやてちゃんに見えてしまうわけなのねw でもってね、私ってば幻術はあまり得意じゃないから、 今回は貴方の体力に手伝ってもらったのよ♪ふふ、力が抜けていったのはそのためねw 本当は、練習の最後に回復魔法をかけてあげるつもりだったんだけどぉ…、貴方が急いで勝手に行っちゃうからぁ…。あ、もちろん、この幻術は本来……」 壮大なネタバレが、なされた気がした。 ピンポーン… ありえないはずの三度目のチャイムの音がする。音が聞こえたところで、僕の意識は完全に途絶えた。 340 名前:学生さんは名前がない[sage] 投稿日:2009/12/23(水) 07 23 02 ID ZV0QIbiz0 [1/4] 目を覚ますと、見慣れた天井がそこにはあった。蛍光灯の明かりが部屋を照らしている。 ああ、なんだ。ここは僕の部屋じゃないか。 あれ、でも何でこんなとこにいるんだ、僕は今まで何をして………、、 「…ゥあッ!そうだ、本番ッ!!」 フッと我に戻った僕は、ひっくり返ったような声をあげた。 そうだ、本番は?はやてちゃんとの本番はあれから一体どうなってしまった? 確か、ドアを開けた先で衝突して、台詞を言って、……で、肝心なのはその後、また急に力が入らなくなって……、それからえっと…… 「ほぁ。びっくりしたぁ。…起きたんやね。おはよぉ」 記憶を順々に辿っていると、優しい声の持ち主が左のほうから挨拶をしてきた。 声のかかるほうに目を向けてみたら。隣には、なんと、はやてちゃんが座っているではないか。 「え…、ぇえッ、は…、やてち……」 …と。待て待て待て。待つんだ。ここはもう、流石に騙されちゃいけないんじゃないか?思い出すんだこの家のルールを。 3Mルール。そうだった、こいつがある限り、はやてちゃんは僕には近づけない。つまり、今ベットで横になって寝ている僕の隣で、 こうして面倒を見てくれているこの人は、見た目はそうでも、はやてちゃん本人ではなく、変身魔法ではやてちゃんに変身したシャマルさんだ。(ややこしいけど 「なんや、急に倒れてもうたって言うからやなぁ…」 「はは、もういいですよぉシャマルさん、いつまでそんな風に真似して喋ってるんですか。練習はもう終わったんですよ? あ、そうそう。結果なんですけど、僕、一応台詞は言えました!なんだかよくわかんない感じになって終わってしまったんですけどね…」 「…ん?練習?なんの話なん?私シャマルやないよぉ?」 「シャマルやないって…、だからそーいうのもいりませんってw …いやでも、本当に今回はいい夢見させてもらいました!」 「んー…、まだ熱でもあるんかな?」 シャマはやてさんはその手で僕のおでこを触れる。温かみのある手だ。 「熱は無いみたいやけどなぁ」 「はい。気分は結構楽ですよ。ですけど、なんでしょうね、何故か体がまだ重たいみたいで…」 「あ、そうなんか?んー、せやけど、口は大丈夫やんな?喋れてるもんなぁ」 341 名前:学生さんは名前がない[sage] 投稿日:2009/12/23(水) 07 23 17 ID ZV0QIbiz0 [2/4] もういいと言ってるのに、シャマはやてさんはまだ関西弁を使い続ける。 余程気に入ったのか、それとも僕への褒美のつもりなんだろうか…。まぁここまでしてくれるのなら彼女に合わせるのもありか。 見た目も口調もはやてちゃんだから、正直かなり嬉しいしな…。 「はい。口と…あと目は動かせますね。あ、耳も聞こえてます。それ以外の感覚はまだちょっと…」 「そやったら食べれるなぁ?タイミングばっちりや。今な、丁度作って持ってきたとこだったんよぉ」 「え?」 シャマはやてさんは死角からお椀を取り出した。中から白い湯気がほんのり立っている。 「お粥やよ。短時間で作ったから味は雑かもしれへんけど。温まるて思てな…」 「え、えっと…それはひょっとして、貴女が作ったんですか…?」 「そうやぁ。不味かったらごめんやで」 ……。最後にオチがついたというか。ここに来て、シャマルさんの料理を食べるはめになろうとは…。 小さいため息が一つ出た。何もこんなときに、貴女の、残念な料理の腕前を披露しなくてもいいじゃないですか…。 「あーん…」 シャマはやてさんは僕に口を開くように促す。 ぅあぁぁ…もうシャマ料理を食べるしかないのか……。どうせなら、久しぶりにはやてちゃんの料理が食べたかったな… しかし、シャマルさんには沢山お世話になったからなぁ。なんだかんだで練習も役立っていたとは思うし…。 このお粥を全部食べきって、”美味しい”と一言言ってあげるくらい、してもいいのかもしれない…。 「じゃ、じゃあ。いた、だきます…」 「あ、その前にやな…、アツアツやから…、ふぅー…。ふぅー…」 シャマはやてさんは息を吹きかけて湯気を冷ましてくれている。見た目がはやてちゃんの、少し尖がらせたその口の動きはものすごく可愛い…。 「おしっ。では改めてな…」 彼女の持つスプーンが僕の口元へ運ばれた。 342 名前:学生さんは名前がない[sage] 投稿日:2009/12/23(水) 07 23 30 ID ZV0QIbiz0 [3/4] 強烈な味であることを覚悟した僕の口内にじわりと唾液が広がっていく。果たしてこのお粥はお粥足りえることが出来るのだろうか 口の中にゆっくり放り込まれるお粥を、僕は噛み砕きそして飲み込んだ。 ……っ。……ぐっ。………。……ん。…あ、あれ? 「どうやろぉ?」 「……こ、これ。これ!こっれ!普通に美味しいですよ!いやめっちゃ美味しいですよシャマルさん!!」 「あ、ほんまにぃ?よかったぁ。あ、それとな、何度も言うけどやな、私シャマルやないよ?」 「いやぁ、驚きました!はやてちゃんに習ったんですかシャマルさん!?」 テンションを急上昇させる僕とは裏腹に、シャマはやてさんは困った顔をしている。 おかゆは本当に美味しくて、だからこそ絶賛しているというのに、一体どうしたというんだろう? 「んー、これ、ちょぉ重症やないかな。シャマル呼んだほうがええんかも」 「え?呼ぶって、呼ぶも何も、シャマルさんは今…」 「ん、リビングにいるはずやけど…」 なんだ…?何なんだ?さっきからこの人…自分がシャマルさんであることをいちいち否定している……? 「あ、あのぅ……、確認なんですけど、、シャマルさん…、ですよね?」 「もぉう、これ何回目やぁ?笑 せやからぁ、私、シャマルやないよ?君はそないにシャマルのことが好きなんか?笑」 彼女は少し呆れたように微笑んでいる。僕は、その天使のような笑みを見て、まさか、と思った。 そしてそう思った瞬間に、起きてから今までの会話を全て思い返し、急に恥ずかしくなって心が動揺した…。 「……ッ。は、はやてッ、さん……?」 「あー。やっと気を取り戻してくれたんかなぁ?よかったぁ」 彼女の不安げな表情が晴れていく。ということはやはり、この人は……。ああ…なんということだ…。 僕が普通に会話を交わしていたこの人は、お粥を一口食べさせてくれたこの人は……、 シャマルさんではなく八神はやてちゃんその人だったのだ…。 けれど、それなら3Mルールはどうなってしまったんだろう?僕に近づくことを、シグナムさんは絶対に許さないはずなのに…。 343 名前:学生さんは名前がない[sage] 投稿日:2009/12/23(水) 07 23 43 ID ZV0QIbiz0 [4/4] 「あ、の……、どうして…こんなことを…?さ、三メートルのルールがあった、はずじゃないですかっ…」 「あぁ、うん。そのことやけど、君がこんなんになってるゆーときに、何メートルぅなんてしてる場合やないって思てな、シグナム説得したんよぉ」 「で、ですけど…」 「同じ家に住む者同士。私はこの家の主なんやから。君が倒れたら面倒を見る。当然やと思うけどな?」 そうか。そう、だったのか…。はやてちゃんは…ルールを破ってまで…面倒を…… 自然と、目に熱いものが込みあげてくる。 それにバカだな僕は……最初から勝手に決め付けて、彼女を本物と見極めることが出来なかったなんて…。 「ほんならお粥の続き…。ええかなぁ?」 はやてちゃんはお粥の入ったお椀をスプーンで掻き混ぜている。 その仕草はとても可愛くて…本当にとってもかわいらしくて…僕の感情をいとも簡単に揺るがした。そして脳裏に浮かんできたのは、 ”今、あの台詞を言うべきときなのではなかろうか?”ということだった。 ”おかえりなさい”はもう言えないけど、100%確信を持って本物と言えるはやてちゃんがこの場所にいるのだから、 今こそ練習の全てを活かして、例の台詞を言うときじゃなかろうか…。……3度目の正直というヤツだ。 「あの、はやて、さん…」 「んー?」 「きょ……」 ”今日も可愛いですね”と言おうとして僕は口をつぐんだ 今は、そんな脈絡のない言葉を、”可愛い”だの”好き”だの”愛してる”だの、そんなことを言う時じゃない気がして…。 ここまで僕の面倒を見てくれたはやてちゃんに、 僕が今このとき、本当に言わなければならないことは…。それは…… 「あ、ありがとう…、ございます……」 「ふふっ。……はぁい」 彼女は、照れたようにして少し笑った。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 377 名前:学生さんは名前がない[sage] 投稿日:2009/12/24(木) 10 06 49 ID DuQ6n+jZ0 深夜の密会だよぉ… とある平日。その深夜に目覚めた僕は、いつものように雑務を開始しようとリビングを目指していた。 というのも、あの夏の日の事件(通称:はやてちゃん押し倒し事件)以来、例外を除きはやてちゃんに一切近づけなくなってしまったため、 はやてちゃんが家で活動していない時間帯(日中、深夜)に僕が活動することが多くなり(もちろん食事も別々)、 現状を変えてやる!とか意気込んでいた結果、 はやてちゃん:結構前にお粥を食べさせてくれた ヴィータちゃん:最近めっきり会ってない(昔は一緒に休日にゲームとかしてたけど…) シャマルさん:それなりに話したりする シグナムさん:たぶんまだ怒ってる ザフィーラさん:ときどき会う リインちゃん:あれ以来口を利いてくれない こんな感じでほぼ進展も無くそのまま3,4ヶ月経過してしまい、気が付けば12月を迎えてしまっていた。 深夜と日中の活動が多くなって、もちろん皆と話す機会自体はぐっと減りはしたけれど(それでも諦めたくはない…、 こういう夜には、ときどき誰かがソファに座っていたりして、その誰かが雑務をする僕の話相手になってくれたりするのだ。 リインちゃんヴィータちゃんはやてちゃんは仕事帰りに結構早く寝るので、平日深夜に会うことはないのだけど、 シャマルさんシグナムさんザフィーラさんとは何度かお目にかかったことがある。(シグナムさんに会うと物凄い気まずい空気が流れるのだけど… と、そんなわけで、今日もまたソファに誰かが座っているのを発見したのだった。 深夜の3時くらいだろうか。リビングは少々肌寒い。もう冬なのだから当然といえば当然か。 「あの、おはようございます…」 とりあえず挨拶してみた。暗いリビングの中、その人は挨拶に気付いてこちらを振り向く。 「ん…、おはよぉ?なんかな?…そか、」 そのおっとりとした可愛い関西弁の声の主の正体は………。 「うぉあっ!はやて、さん…!?」 「誰かと思ったら…。そぉかぁ、君やったんやな。ふふ、ホンマにこないな時間から仕事しとったんやね 笑」 電気が消えているためその顔ははっきりとは見えない。しかしシルエットと声から八神はやてちゃんである判断することができた。 378 名前:学生さんは名前がない[sage] 投稿日:2009/12/24(木) 10 07 06 ID DuQ6n+jZ0 予想していなかった人物(はやてちゃん)の登場に緊張し始めていた僕は、心の中で、 ああ、ずっと前に行ったシャマルさんと練習の効力はもう無くなってしまったんだなぁ、とか思っていた。 「…せやけど、こないな時間から仕事て、何してるん?笑 雑務の内容についてはシャマルから色々指示されてるんやろうけど…」 「あ、えと…、はい。拭き掃除とか食器洗いとかです…。あっ。あの…音、響いてませんか?深夜だから…」 「ああ、うん。大丈夫やよ。夜は各部屋に防音機能が働くし、非常の際は警報設備がしっかりしとるからなぁ、思念通話もあるし」 な、なるほど。つまり深夜に音を立てても結構大丈夫なのか。道理で前にお皿を割ったとき誰も起きなかったわけだ…。 「そこに立ってるのもあれやし、こっち来て座ってもええんよ?」 「え、ああ、」 ”はい”、と返事をしそうになって僕は思いとどまった。 また同じ過ちを繰り返すところだった…。いくらはやてちゃんからの誘いとはいえ、それはしてはならないことだ。 決められたルールをいちいち破っているようでは、ルールを決めた意味が無くなるからね…。だからここは…… 「あ、いえ。だ、大丈夫です…、ほら、3メートルのルールがありますから…」 「そないなルール、もぉええんやないの…?」 「い、いや…シグナムさんとの約束ですので、破るわけには…」 「そぉかぁ…」 暗い部屋であるため、はやてちゃんのどういう顔で話しているのかよく見えない。 はやてちゃん相手に、今こうやって僕がペラペラと喋れているのは、きっと暗がりの部屋でこうして目を合わさずにいるからなんだろうな…。 …せっかくだから話せるときに沢山話をしておいてもいいのかもしれない。(ずるいかな…? 「あ、あの……」 「ん…?」 「今日は…こんな時間にどう…したんです…?いつもは寝ているじゃ、ないですか…?」 「ん、うん……」 言葉が返ってこない。僕は何か不味いことを聞いてしまったんだろうか。ただ寝付けなくて起きていたと思ったのだけど…… 379 名前:学生さんは名前がない[sage] 投稿日:2009/12/24(木) 10 07 19 ID DuQ6n+jZ0 「ちょぉな…、この時期になると、色々思い出してもうてな…。ほら、今日ってイヴやんか…?」 「え?いぶ?」 「うん、クリスマスイヴやろぉ?」 ああっ、今日はクリスマスイヴだったか…。早いものだなぁ。いつの間に12月も終わりかけていたとは…。 この家の仕事をするようになってからというもの、日付と曜日の感覚がすっかりなくなってしまっていた。 そうか…もう今年もあと1週間くらいなんだ…。感慨深いというか。 「君は…今日くらいは遊んでええんやない?彼女とかおらへんの?」 「え…?」 急に何を聞くのかと思ったらこの人は……。はやてちゃん…。そんなの…ッ。僕の好きな人は変わらずずっと…ずっと……ッ 「…い、いないですよッ!そ、それに…、今日も明日もッ、僕はこの家でずっと働きますっ!!」 「そぉかぁ…」 「は、はやてさんこそっ……!」 「ん…?」 「今日と明日はどうなんですかっ!か、彼氏とか!いないんですか!!」 その場の勢いで、声を荒げて聞いてしまった。下手をすれば数秒後に後悔しかねないことなのに…。 「ふふっ、そんなんおらへんよぉ…。私も今日も明日も仕事や。…お互い頑張ろなっ」 はやてちゃんの声に優しく激励され、僕は内心ガッツポーズだった。 また、これ以上に無いほど歓喜した。理由は言うまでもない。 「あの、なんか!僕!急に!やる気が!出てきちゃいました!すぐにでも掃除を始めようと思います!!」 単純バカといわれても仕方ないかな…。僕は掃除を始めるためリビングの電気のスイッチに手を触れた。 「あ。ダメや……、あかん…。今…電気…つけたら……」 「え?」 380 名前:学生さんは名前がない[sage] 投稿日:2009/12/24(木) 10 07 36 ID DuQ6n+jZ0 急にあかんと言われてもスイッチを押した手は止められず、電気の明かりがリビングを照らしていく。 照らされた先には、もちろんはやてちゃんの姿はあった。けれど様子がどうもおかしい。いつもの可愛らしい顔が…、、な、泣いてる……? 「…はぁ。泣き顔見られてもうた笑 あかん言うんが遅かったかな…」 「は、はやて……さん…?あ、す…、ぅぅ…す、すみません…ッ!」 「んーん…、ちゃうんよぉ。イヴになるとな、昔思い出してな……。 あ、仕事始めるゆーときにこんな話迷惑やろから…私はそろそろ…」 はやてちゃんはソファから立ち上がり、その場から立ち去ろうとする。 僕は泣いている彼女のその後姿を見て、いけないとわかりつつも、とある気持ちで頭の中が満たされていた。 ”抱きしめたい。” ひたすら、”抱きしめたい抱きしめたい抱きしめたい抱きしめたい抱きしめたい抱きしめたい…” 泣いている理由はわからない。だけど無性にこの感情が沸き起こった。変なルール(3Mルール)のせいで余計に… しかしこれこそ我慢しなくちゃいけない。 ここで抱きしめたら今度こそ一発退場だからだ。 ああ…。はやてちゃんを…どうにか元気付ける方法はないんだろうか……? ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 383 名前:学生さんは名前がない[sage] 投稿日:2009/12/24(木) 21 49 30 ID DuQ6n+jZ0 作るよぉ… 12月24日。その夕方時のこと。 僕は、皆がまだ帰宅してないことをいいことに、八神家の台所を勝手に使用していた。 こんなところで何をしているのかといえば、この季節の定番とも言えるクリスマスケーキ作りがその目的である。 というのも、今日の早朝、泣いているはやてちゃんの姿を見て、元気付けたいと単純に考えた結果、コレを思いついたのだった。 材料なら午前中に既に揃えてあるので大丈夫。はやてちゃんが帰ってくるまでに作らなければならないということで、 とにかく時間は限られてしまっている。 早速作業にとりかからなくては…。まずはパンケーキの元になるものを掻き混ぜて、っと。 ttp //uproda11.2ch-library.com/216533HZ2/11216533.jpg 「たっだいまぁー」 製作に取り掛かった矢先のこと、誰かが帰ってきた。この声の主は… 「おお、お前!何してんだ?」 ヴィータちゃんだ。なんだか物凄い久しぶりに会った気がする。 「ああ、うん。ちょっとクリスマスケーキを作ろうって思って…」 「おお!ホントか!?苺を多めに頼むな!うん!」 爛々と目を輝かせるヴィータちゃんは可愛いらしかった。 …おっと、見とれてる場合じゃなかった。焼き時間も考慮して、早めに作らないとね… 数分後、元となる生地が完成する。後はこれを焼いて、その間に生クリームの作成に取り掛かろうか。 ttp //uproda11.2ch-library.com/216535KQe/11216535.jpg 「ただいまでーす」 八神家のでっかいオーブンで焼き始めようとしたところ、またも誰かが帰ってきた。この声は…… 「……」 リインちゃんだ。黙って僕のことをじーっと観ている。マイスターにあんなことをした変態さんだ、とでも思ってるんだろうか…。 「……。…何作ってるですか?」 「ぇえッ?あッ、あ…、うん。ケーキを…」 「そですか…」 リインちゃんは去ってく。あの事件以来初めてリインちゃんと会話を交わすことができた…。正直物凄い嬉しい… しかし、それに浸っている時間は無い。急いで生クリーム作りに取り掛かろう。 384 名前:学生さんは名前がない[sage] 投稿日:2009/12/24(木) 21 49 45 ID DuQ6n+jZ0 ttp //uproda11.2ch-library.com/216536A51/11216536.jpg よし、パンケーキを彩るための生クリームが完成したよ。さぁ、後は焼けた生地にデコレーションするだけだ。 ああ、早く焼けないだろうか… 「たっだいまぁ~♪」 ケーキが焼きあがるのを待っていると、またまた誰かが帰ってきた。この声は… 「あら?いい匂いがしますけどぉ、どうしたんですかぁ?」 シャマルさんだ。シャマルさんと会うのは3日ぶりくらいかな? 「はい、ケーキ作りを!クリスマスケーキです!」 「ふーん、そうやってはやてちゃんのために点数稼ぎですかぁ♪抜け目ないですね♪」 「あ、いや、そんな……つもりは…(いや、事実上そうなるのかな…」 「ふふ、いいんですよいいんですよ♪やっと自分から動く気になってくれたんですね♪頑張ってくださいな♪」 シャマルさんから激励され、俄然僕はやる気が出てきたのだった。 この後、はやてちゃんが帰ってこないまま20分が経過し、やがてケーキが焼きあがる。無事にこんがり焼けているようだ。 ttp //uproda11.2ch-library.com/216537iv2/11216537.jpg 「ようし。ここまではOK。あとは…」 まず焼きあがったパンケーキの横からナイフを入れて半分にする。ここにシロップを塗っていこう。 あとは……。あ、そうだ。 この中身にこっそりメッセージを書いておくというのはどうか…。普段ははやてちゃんに言えないことを。 どうせパンとパンで挟んだら見えないわけだしな…。僕の気持ちの全てを…。ようし…。 ttp //uproda11.2ch-library.com/216538ySR/11216538.jpg 急遽、チョコレートを湯せんして溶かし、文字を入れることにした。 ttp //uproda11.2ch-library.com/216540Yz2/11216540.jpg よし。こんな感じ。あとはそうだ、苺だ苺。冷蔵庫っと… 冷蔵庫から苺を取り出し、戻ってくると、ケーキを前にヴィータちゃんが何かをしていた。 「ん?ヴィータちゃん何してるの?」 385 名前:学生さんは名前がない[sage] 投稿日:2009/12/24(木) 21 49 58 ID DuQ6n+jZ0 声をかけるとヴィータちゃんは何処かへ逃げていった。 どうしたんだろう…?あッ… ttp //uproda11.2ch-library.com/216541UKb/11216541.jpg 目を離した隙にヴィータちゃんにイタズラされてしまった……。 でもまぁ、可愛いイタズラなのでこのまま残しておこう…w じゃあ、あとは苺を挟んで、デコレーションしてっと。さらに午前中に冷やしておいた、特性のチョコプレートを乗せて、と。 ふぅ。完成だ。 ttp //uproda11.2ch-library.com/216542tsr/11216542.jpg 苺の数からして8人分か…。一人分がものすごい細くなってしまったな…。急いだだけに出来もしょうもない。もう少し果物を買っておくべきだったか… 一応、黒いチョコレートははやてちゃんの背中にある羽を表しているのだけど…、まぁみんな気付いてくれないかもな… 「ただいまぁ~」 「ただいま」 そのとき、タイミングよく帰宅の合図が知らされる。聞き覚えのあるこの声は…。 ああ、ついにはやてちゃん(とシグナムさん)が帰ってきたみたいだ。 はやてちゃん…。喜んでくれるだろうか…… (あ、そういや味見してない… ----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
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第5話 南大陸からの訪問者 14811月8日 午後3時 サンディエゴ南西600マイル沖 サンディエゴの太平洋艦隊司令部は、出港している第8、第10、第12任務部隊と補給艦隊に帰還命令を下した。 異変の起きた10月19日以来、この3個空母部隊は、補給艦や給油艦の支援を受けながら、 ひたすら西に進み、集められるだけの情報をかき集めた。 それぞれの艦隊が、サンディエゴまで1500マイルまで離れた11月4日、キンメル司令長官は情報収集活動を一旦終了すると伝え、 各艦隊をサンディエゴまで引き上げさせた。 情報収集に出港した3個艦隊のうち、ウィリアム・ハルゼー中将の率いる第8任務部隊は、時速16ノットのスピードでサンディエゴに向かっていた。 第8任務部隊は、空母エンタープライズを主力に置いている。 これをスプルーアンス少将率いる第5巡洋艦戦隊のノーザンプトン以下の巡洋艦4隻、駆逐艦8隻が護衛している。 護衛艦艇は、エンタープライズと、ある船を輪形陣の真ん中に敷いて、16ノットというゆっくりとした速度でサンディエゴに向かっていた。 その機動部隊の主である、ウィリアム・ハルゼー中将は、艦橋の張り出し通路から右舷側を航行する船をじっと見つめていた。 「なあマイルズ、あの船を見てどう思うかね?」 彼は、傍らで同じく、船を見つめていたマイルズ・ブローニング大佐に語りかけた。 「司令官。その質問、3時間前にも聞きましたぞ。」 「どうも、同じ質問しか頭に浮かばんものでな。 あの船を見るたびに、俺は夢の世界に放り込まれたままなのか?と思ってしまう。」 ハルゼーはブローニング大佐に姿勢を向けた。 「20世紀にも入ったっていうのに、中世のオンボロ帆船と似たような船と出会うなんて、誰が予想したかね?」 「予想は出来ませんでしたな。」 「それは俺達全員、いや、合衆国国民全員が予想できなかったさ。大統領もひっくるめてな。」 そう言って、ハルゼーは肩をすくめた。 この船と出会ったのは、11月4日の事である。 その日の午後3時。ハルゼーは艦橋で、偵察機の報告を待っていた。 出港してから、既に第8任務部隊は1500マイルも航行してきた。 出港してから、何度かドーントレスを飛ばし、サンディエゴのカタリナと共同して索敵に当たった。 10月22日には、アラスカのカタリナが、プリンスオブウェールズ岬沖970マイル付近で対岸を発見したと伝えてきた。 キンメル太平洋艦隊司令長官は、アラスカ海軍区司令官のフィッシャー少将に陸地の索敵を命じたが、 カタリナの航続距離のギリギリの線であったため、満足に偵察は出来なかった。 この間、サンディエゴを飛び立ったカタリナの1機が消息を立ったという知らせがあり、太平洋艦隊司令部をやや驚かせた。 翌日、潜水艦のノーチラスが、サンフランシスコ西方沖300マイル地点で漂流しているゴムボートを発見。 ボートに乗っていた乗員全員は無事救助された。 11月1日にはカタリナ飛行艇が2機、30分ほど新たに見つけた対岸を偵察した。 カタリナからの報告は驚くべきもので、地上にあった家は、ほとんどが木造かレンガ造りであり、 40キロ内陸には中世風の巨大な城を見つけたと報告してきた、 そして11月4日。 エンタープライズを発艦したドーントレス1機が、母艦より240マイル離れた南西の方角に、1隻の木造の帆船を発見したと伝えた。 帆船には国旗らしい、青と幾何学的な模様の混じった旗が翻っており、乗員達が手を振ってきたという。 ハルゼー中将はこの報告を聞くなり、すぐに太平洋艦隊司令部に送った。 「この異変の謎を解くカギだ!ハルゼー部隊をすぐに接触させろ!」 キンメルは報告が届くなり、第8任務部隊に、その謎の帆船との接触を命じた。 それまで18ノットのスピードで航行していた第8任務部隊は、24ノットに増速して、ドーントレスが報告した位置に向かった。 5日の午前7時早朝、第8任務部隊の前衛駆逐艦であるベンハムは、1隻の帆船を視認。 艦隊は、万が一の場合の為、全艦が戦闘配置についた。 もし、この帆船が攻撃してきたら、反撃して行動不能にさせ、乗員を船もろとも拿捕しようと考えた。 しかし、その船の乗員達は、見慣れぬハルゼー部隊の艦艇群を見てただただ、驚きの表情を見せただけであった。 ベンハムが指示を下した時、船の船員達は素直に指示に従った。 驚くべき事に、相手側の言葉はわかった。そして、向こう側もこちらの言葉をしっかり理解していた。 船の名前はブランスゲル号で、所属国はバルランドという王国。船員は54名で、他に7名の客を乗せていると言う。 彼らの目的は、先月の半ばに行った、召喚魔法の成果を確かめる事であった。 「召喚魔法だと?あいつら気は確かなのか?」 最初、ハルゼーはブランスゲル号に乗っていた、魔法使いとやらが言ってきた言葉を疑った。 その後も、同じような内容ばかり言うので、ハルゼーはその魔法使い連中をエンタープライズに連れて来いと命じた。 最初ハルゼーは、ブランスゲル号からエンタープライズに乗艦してきた、7名の黒いローブを身に纏った異国の者達が、 どこか不思議な生き物に見えた。 ハルゼーのみならず、ほとんどの乗員達が好奇の目で見つめていた。 ハルゼーは彼らを会議室に案内し、話を聞いた。 彼らの話によると、この世界には北大陸、南大陸という繋がった大陸と、もう1つ、海を隔てた大陸で主に構成されており、 彼らは南大陸のバルランド王国という国からやってきたのだと言う。 バルランド王国は、南大陸の諸国家と共に南大陸連合を構成し、北大陸で強大な国家となったシホールアンル帝国の侵攻を受けていると言う。 南大陸連合の軍装備は、シホールアンルに劣っており、現状では勝つ見込みは無く、 シホールアンル帝国に飲み込まれるのも時間の問題と話していた。 そこで、彼らは起死回生の作戦として、強大な戦力を持った国を、異界から召喚すると言う策に出た。 そして、その召喚されてきた国が、ハルゼーが籍を置くアメリカ合衆国だというのだ。 これには豪胆なハルゼーも目を丸くした。 だが、やや時間を置いて、ハルゼーは納得してきた。 なぜならば、召喚された瞬間と思われるあの日、ハルゼーはキンメルと飲んでいた時に、急にめまいを感じた。 最初、自分だけかと思っていたが、翌日、夜中に急に異変が起きたとか、なぜか眠くなったとかの噂を耳にした。 エンタープライズの艦内だけで、似たような事を言う兵士達はあちらこちらに見られた。 そして、事態が容易ならざると確信させたのが、急に途絶した各国の海外放送であった。 最初理解できなかったこれらの怪奇現象が、この魔道師たちの言葉によって、おおまかながらも理解できたのだ。 彼らの目的は、その国に行って、全て過程を話す事であった。 ハルゼー部隊からの新たな報告を受け取ったキンメル司令長官は、その船をサンディエゴに連れてくるように指示を下し、 5日午後4時、第8任務部隊はこの船と合流して、帰途に付いたのである。 「わざわざ俺達を呼ぶとは、よっぽど苦しかったのだろうな。」 「シホールアンルという国はやりたい放題やっていると聞きましたが、 あちら側が詳しく言わないので、いまいちわかりませんな。」 「俺も同じだ。」 ハルゼーは頷いた。 「胡散臭いとは思うが、とにかくどうしてこんな状況になったかは、全部とまでは行かないが分かった。 この世界が、アメリカのみじゃないと知る事が出来ただけでも、少しは寂しくなくなったよ。」 「はあ。しかし、逆に寂しいほうがよかったと、後悔しませんかね?」 「後悔するか、喜ぶかは、まずあの帆船の連中をサンディエゴに連れて行ってからだ。」 そう言いながら、ハルゼーはずれかけた制帽を被りなおす。 「それまでは大事な宝船だ。俺達がしっかり護衛せんとな。」 1481年 11月9日 午前7時 バージニア州ノーフォーク フレルは、その後何度も交渉の再開を打診したが、アメリカ政府は1度も回答をよこさなかった。 最初の交渉から3日後の11月7日。シホールアンル本国から魔法通信が届き、至急本国に帰還せよとの命令があった。 それも皇帝直々に。 何かあるなと思ったフレルだが、ここはオールフェスの指示に従い、シホールアンル本国に帰還する事にした。 出港の許可が出たのは9日の午前7時の事である。 レゲイ号は6時30分に出港する予定であったが、急遽、出港が決まった空母ワスプを中心とする艦隊が港を出始めたため、 レゲイ号の出港は7時に伸ばされた。 「両舷前進微速!」 リィルガ船長の声が木霊し、艦の後部から、スクリューから発せられる振動が伝わってくる。 港の入り口に向けられた船首は、ゆっくりと前方に進み始めた。 レゲイ号の隣を、駆逐艦2隻に前後を挟まれた空母のワスプが出港していく。 レイ・ノイス少将が率いる第23任務部隊であるが、フレルらには司令官の名前も、部隊の名前も知らない。 ただ、少し離れた横を、1隻の空母と2隻の駆逐艦が慌しく出港していくだけである。 「今回の交渉は明らかに失敗だった。」 甲板上で、ノーフォークの港を見つめていたフレルは、悔しげな口調でそう呟いた。 「あんな子供だましに引っ掛かるとは!」 彼は、4日の会談の事を思い出していた。 最初、彼はハルを小役人風の男だ、と思ったのだが、それは向こう側がそう見せていただけであった。 これなら大丈夫だと思い、いつもの手で交渉を纏めたと思った瞬間、あちらは急に牙をむき出しにしてきた。 「恥知らずだと?無知だと?ふざけた事を抜かしやがって!」 フレルは、初めて味合わされた屈辱に震えている。 いつもの通り、相手を震えさせてやると挑んだのに、あっさり言い返され、何も出来なかったとは・・・・・・・ ハルに対する怒りと、相手を見極め切れなかった自分への怒りが複雑に絡み合い、彼の心身を大きく憔悴させた。 「どうせなら、もっとこの国を見ておけば良かった。」 内心で後悔したが、もはや後の祭りである。 後戻りは出来ない。 「南大陸と事を構えているのに、この国も相手取るとなると・・・・・・いや、勝てない事は無いか。」 彼は思い直した。 このアメリカという国の陸軍力は分からないが、海軍力に関しては勝っていると確信している。 なにしろ、シホールアンルは新旧の戦艦を15隻も保有しており、これからも6隻の新鋭艦が竣工予定だ。 そして、あちら側が持っていた竜母は3隻、それに対して、こちら側は竜母を7隻持ち、建造中の竜母も8隻はある。 巡洋艦にいたっては34隻を保有し、駆逐艦はゆうに200隻以上を持つ。 建造中の物を加えれば、総合数は1.5倍に膨れ上がる。 もともと、南大陸の侵攻をやりやすくするために始まった大建艦計画だが、シホールアンルの財政は その建艦計画をスムーズに進められるほど余裕があるる。 ワイバーンもスピードは200レリンク(1レリンク2キロ)以上のものばかりだし、相手の航空機がどの ようなものかは分からないが、北大陸にあった小国が持っていた、250レリンククラスのワイバーンにも太刀打ち できたから、アメリカ側の航空機でも充分に相手に出来るはずだ。 近い将来では、250、300レリンククラスの最高速度を誇るワイバーンも育成される予定だ。 「それなりに痛い目に合いそうだが、相手に不足は無いだろう。」 先ほどまでの怒りは引いていき、逆に余裕の表情を浮かべた。 「さて、この国からは一旦出て行くが、また必ず戻ってくる。その時には・・・・・」 フレルは、ある人物の顔を思い出した。それは、あのコーデル・ハルだった。 「あの男に屈辱的な言葉を浴びせてやる。どのような言葉を言うかは、その時のお楽しみだな。」 そう言って、フレルはニヤリと笑みを浮かべた。 空母と駆逐艦が通り過ぎた後、ようやくレゲイ号が速度を上げて、港の出口に向かい始めた。 約4リンル(8ノット)のスピードで、緩やかに航行していく。 来た時と同じように、それぞれの艦艇や船から、好奇のまなざしでレゲイ号を見つめる人がちらほらと出てくる。 フレルはノーフォークの港から目を逸らし、視線を出入り口に向ける。出入口の先に、小さくなっていく空母が見えた。 ふと、彼はとある考えを頭に浮かべた。 「珍客が行ってしまいましたな。」 戦艦プリンス・オブ・ウェールズ艦長のリーチ大佐は、横に立って双眼鏡を見つめるジェームス・サマービル中将に話しかけた。 「珍客ねぇ。」 彼は複雑な表情を浮かべる。 「確かに珍客だったようだが、それでも、あの異色の船には、帰れる場所がある。 それに対し、我々第12艦隊は異国の地で居候のままだよ。」 彼は、ある意味レゲイ号が羨ましかった。 イギリス本国艦隊に所属する第12艦隊は、戦艦プリンスオブウェールズと巡洋戦艦レナウン、空母イラストリアスと 軽空母ハーミズ、巡洋艦ドーセットシャー、カンバーランド、軽巡洋艦ケニア、ナイジェリアと駆逐艦14隻で編成されている。 これらは、PF872船団の輸送船35隻を護衛しながら、10月6日にノーフォークに入港し、物資の積み込みと補給を受けていた。 出港予定日は10月13日であり、それまで待機していた第12艦隊は、突然、この大異変に巻き込まれてしまった。 本来、イギリス本国艦隊の主力は第7艦隊、第9艦隊、第12艦隊の3個艦隊で編成されており、 第7艦隊は戦艦キングジョージV、クィーンエリザベス、レパルス、空母ヴィクトリアスと巡洋艦6隻、駆逐艦12隻。 第9艦隊は戦艦ロドネイ、ネルソン、ウォースパイトと、空母フューリアスとイーグル、それに巡洋艦4隻と駆逐艦13隻で編成されている。 第12艦隊はこの3番目の艦隊を編成していた。 前の2個艦隊が、旧式戦艦と高速艦の入り混じりであったのに対し、第12艦隊は24ノット以上の 中、高速艦ばかりを集めた機動打撃艦隊として活躍していた。 本来は戦艦のフッドもこの第12艦隊に入っていたが、5月のビスマルク追撃戦で、分派された プリンスオブウェールズと共に戦い、ウェールズは中破し、フッドは叩き沈められた。 その後、第12艦隊のイラストリアス、ハーミズの艦載機がビスマルクに攻撃を仕掛けたのを機に、 沿岸航空隊や第7、第9艦隊の各空母の艦載機も総動員され、悪天候の中、ビスマルクを打ち沈めている。 それ以来、ドイツ海軍はキールやノルウェーのフィヨルドに引っ込んでしまい、身動きが取れなくなった。 現在、第9艦隊がドイツ海軍に対して睨みをきかしており、一方で第7、第12艦隊は船団護衛に従事する事になった。 第12艦隊は、この船団護衛から戻った後、第9艦隊と任務を交代する予定であった。 現在、第12艦隊は、ハーミズが不発魚雷を食らって、アメリカ側のドックで修理を受けている意外は、全ての艦が港に係留されている。 帰るべき居場所を失った第12艦隊は、あの日以来、途方に暮れた生活を送っている。 普段の作業では士気の低下は見られないが、作業の合間や作業後には前途を噂する声が絶えない。 11月1日には、空母イラストリアスの乗員が、ノーフォークのとある飲み屋で、米海軍の乗員と大乱闘を起こすと言う不祥事が起きた。 喧嘩の発端は、イラストリアス側の乗員が、相手側の米水兵、空母ヨークタウンとワスプの乗員達を、 「実戦を経験していないヒヨッコ」と罵ったのが始まりである。 見えない所で、士気の低下は確実に進みつつある。 今現在、アメリカ海軍側は、「我が海軍に編入する」等の案を出していないが、 遅かれ早かれ、第12艦隊がアメリカ海軍の一部に組み込まれるのは見えている。 いや、そうしなければ、第12艦隊の艦艇群や輸送船団は、ただ港に浮かぶだけの、役立たずの鉄屑の集まりでしかない。 「早い所、道を決めないといけないな。 このままじっとしているか、植民地海軍の指揮下に入るか・・・・・リーチ艦長、君はどうすればいいと思う?」 サマービル中将はリーチ艦長に顔を向けた。 あの異変からあまり時間は経っていないはずなのに、サマービルの顔は3年ほど年を取った様に感じられた。 「私には、どう答えたら良いか・・・・・・」 リーチ大佐はうまく答えに窮する。しかし、それも一瞬で、すぐに続きを言った。 「しかし、このままではいられないのでは、と思う事は最近よくあります。今では、アメリカ側も何も言ってきませんが、 彼らも思っているかもしれません。ここに浮かぶだけの以外のやるべき事はあるはずだ、と。」 「なるほどね・・・・もっともな意見だよ。」 そう言って、サマービル中将は苦笑した。 「何度も言うのもアレだが。あの船の乗員が羨ましいね。」 彼はうんうん頷きながら呟く。 「植民地海軍。いや、アメリカ海軍の下で働くか。遠くない未来、アメリカ海軍は 我が大英帝国海軍を抜き去るとは思っていたが、その過程を、私は間近で見たいみたいものだな。」 1481年11月10日 午前11時 カリフォルニア州サンディエゴ 「見えたぞ!陸地だ!」 船員の1人が高らかに叫んだ。甲板でそれぞれの作業に当たっていた他の船員達や乗客も、船員の指を指す方向を見た。 今まで、海しか見えなかったが、海の向こうには、うっすらと陸地が見え始めてきた。 バルランド王国に属しているブランスゲル号は、11月の2日にグリンティス公国の港町から、一路東へと向かった。 彼らの目的は、2ヶ月以内に召喚の成果を見つける事だった。 「成果はあったなぁ」 甲板で涼んでいたラウス・クルーゲルは、眠たそうな口調で言った。 「最初は、ただ疲れただけの儀式をやって何になるんだと思ってたけど。 あの陸地や、周りの船を見ると、なんとか仕事は終わらせたと、ホッとするよ。」 同僚のヴェルプ・カーリアンが安堵したような言葉を言う。 「本当に終わったかな?」 「終わっただろ?」 ヴェルプがそう言いながら、あるものに向けて顎をしゃくった。 その方向には、ブランスゲル号の右舷600メートルを航行する竜母のエンタープライズがいる。 アメリカという国では、竜母の事を空母と呼んでいるらしい。 最初、疑問に思ったラウスらだが、飛行甲板を見せられてすぐに理解できた。 あの船には、ワイバーンの代わりに飛空挺を載せている。飛空挺の母艦なのである。 竜巣母艦ならぬ、飛空挺母艦。あるいは航空母艦、それを略して空母と呼んでいるのだ。 「あれが証拠さ。」 「そんな事じゃないよ。」 ラウスは、いささか気の抜けた口調で言う。 「ホラ、俺たちって、あのハルゼーとかいうおっさんの国を勝手に、この世界に呼び出したんだろ? これって、ある意味誘拐と同じじゃね?」 ラウスの言葉に、ヴェルプはハッとなった。 「要するに、俺が言いたいのはさ、あのアメリカという国の人達が、本当はなんでこんな世界につれて来やがったんだ! とか言って怒りまくってるんじゃないかって事さ。 お前だって、訳の分からん内に、知らないとこに連れて来られたら、しまいには怒るだろ?」 「ま、まあ。確かに怒るな。」 「俺らが最初に出会ったあの飛空挺と、次に出会ったこの艦隊。今は俺達に何もしないでいるけど、 陸地に着いて、話が終わった瞬間、連中に袋叩きにされないとも限らない。」 「と、すると・・・・」 「下手すりゃ、シホールアンルよりもおっかない敵を呼び出したかもしれないぜ。あんな船や、飛空挺を持ってるぐらいだ。」 ヴェルプは、背筋が凍るような感覚がした。 今まで、自分達の召喚魔法が上手く行ったからと浮かれていたが、冷静に考えれば、ラウスの言う通りになる。 そもそも、見ず知らずの国の連中に、いきなり自分達と共に協力してくださいと言っても、はい、そうですかとすぐに言うはずが無い。 逆に、何でこのような世界に呼んだのだ!と逆上されて攻め込んで来る、という可能性も有り得るのだ。 敵か。それとも味方となるか。どっちに転ぶかは、まだ判然としないのだ。 「そんな事は既に承知だ。」 背後から聞き慣れた声がした。 振り返ろうとすると、いきなり誰かがラウスとヴェルプの肩にのしかかってきた。 「どっちに転ぶか、それは運次第だよ。」 2人の間から顔を出したレイリー・グリンゲルはそう言うと、ニヤリと笑みを浮かべた。 「グリンゲルさん。」 「レイリーの兄貴。」 同時に2人は言葉を発した。 「あのハルゼーとかいう提督さんの受けは悪くなかった。逆にこっち側に興味津々だったよ。」 彼は自信ありげだった。 「もうすぐでアメリカという国に入る。あの国の住人達がどのような反応を示すかは、私が一番気になっている。 むしろ怖いぐらいだ。」 「ダークエルフでも、怖い事はあるんですねぇ。」 「姿形や寿命が違うだけで、基本的には君らと同じだよ。君達が聖人と言っている自分らやエルフも、 完璧な者はいないからね。私を完璧主義者の冷徹男とか抜かす奴もいるが、自分としては、これでも感情は豊かだと思ってるよ。」 そう言って、彼は微笑んだ。 普段、冷静な彼の表情しか見ていないヴェルプとラウスからは珍しかったが、あまり驚きはしなかった。 11月10日 午後1時 カリフォルニア州サンディエゴ ブランスゲル号は、ハルゼー部隊と共に午前11時50分には無事にサンディエゴに入港した。 ブランスゲル号に乗っていた7人の乗客達は、ハルゼーからの報告によると、バルランド王国の特使らしいとあった。 最初、儀礼的に桟橋で、異界の住人達を迎えた、キンメルら太平洋艦隊司令部だが、彼らを知るには、 まず腹を割って話し合う必要がある。 キンメルは、船旅で疲れているであろうバルランド側の訪問者を一旦休ませて、午後1時から話し合おうと決めた。 そして、約束の時間は迫りつつあった。 太平洋艦隊司令部の会議室のテーブルに、キンメル大将を始めとする太平洋艦隊司令部の幕僚と、 一部の艦隊司令官(捜索作戦に参加したニュートン、フィッチ少将)が参加した。 「ミスタースミス。あの客人達を見てみて、どう思ったかね?」 キンメルは、右隣に座っているスミス少将に語りかける。 「いかにも魔法使いや騎士様、といった格好ですね。あんな、黒いローブや防具に剣を身に付けている人なんて 私は初めて見ましたよ。てっきり中世ヨーロッパに来たんじゃないかと思いました。」 「何よりも驚いたのは、あの浅黒い肌をした、尖った耳の男と女でしょうか。色白と、浅黒い系の2種類がいました。」 航空参謀のケネス・トワイヌ中佐も言う。 「あれは、エルフと呼ばれる人種だそうですよ。エルフと言う種族は、外見は人間よりやや異なり、 寿命が人間より長いそうです。何歳までか、とまではわかりませんが。」 情報部長のロシュフォード中佐が説明した。 「ハルゼーからの報告は私も読んだよ。」 キンメルは頷きながら言う。 「エルフは、元々北欧神話に出てくる人種で、話によっては悪者だったり、善者だったり様々だ。 私はてっきり、少しずる賢そうな奴を想像したんだが、実際に見ると、聞きしに勝るものだ。 ずる賢いどころか、頭が切れますよ、と言わんばかりの感じだった。大雑把な判定だがね。」 その時、ドアがノックされた。キンメルのちょうど向かい側にあるドアから発せられている。 「どうぞ!」 彼がそう言った。ドアの向こうから失礼しますと声がし、ドアが開かれた。 「司令長官、お連れしました。」 「おう、入れてくれ。」 彼は鷹揚に頷いて、士官の後ろにいる客人を中に入れるよう指示する。 1人の黒いローブを付けた男が入って来た。それを機に、残りの6人は続々と入室してくる。 最終的に白人系のエルフの女性が最後に入って来て、彼らは用意されたイスの横で立ち止まった。 「どうぞ、お掛け下さい。」 キンメルは慇懃な口調で席を勧めた。 「はっ、では失礼いたします。」 真ん中の男、ダークエルフのレイリー・グリンゲルが周りに目を配らせる。 7人の特使は席に座った。 「遠い本国からの航海、ご足労痛み入ります。」 「ありがとうございます。キンメル閣下。」 そう言って、レイリーは僅かに頭を下げる。 「さて、聞きたい事は山ほどありますが。」 「はい。なんなりとお聞き下さい。」 レイリーはそう言った。口調はどこか自信ありげだが、キンメルは彼の顔が緊張で固まっている事に気が付いた。 「さて、まずは第1に。なぜ、このアメリカをあなた方の世界に呼んだのか?」 「お答えします。」 そう言って、レイリーは左隣の赤毛の男に目配せをした。赤毛の男も頷き、懐から何かを取り出した。 「机を少し、お借りしてもよろしいでしょうか?」 「構いませんよ。」 キンメルは願いを聞き入れた。失礼します、と言って、彼は長テーブルに巻物を広げる。 その巻物は地図であった。 地図には、広大な海と思われる空白を挟んで配置された、2つの大陸があり、その他にも島国と思しきものも幾つか描かれている。 「これは・・・・・」 「世界地図です。」 レイリーは説明を始めた。 「ここが、自分達が住んでいる国がある場所です。」 彼は指で南大陸を指す。 「この北大陸と南大陸、そして海の向こうにある大陸がレーフェイル大陸です。その間に、あなた方の国があります。」 彼は、空白の部分に指で円を描く。 つまり、アメリカ合衆国は、この2つの巨大な大陸に挟まれた格好で、この世界に呼び出されたのである。 「あなた方を呼び出した発端は、この北大陸にあります。」 「北大陸か・・・・・この北大陸にはどのような国があるのかね?」 「北大陸には元々、9の国がありました。大きい順に答えると、シホールアンル、ヒーレリ、グルレノ、バイスエ、 レスタン、デイレア、ジャスオ、レイキ、ウェンステルとなっていました。 事の発端は、この北大陸一の強国であったシホールアンル帝国から始まります。」 レイリーは、事の経緯を説明し始めた。 シホールアンルが、他の小国を蹂躙し始め、侮れぬ力を持つ国家群を外交戦術で無血開場させた事。 従わぬ国には容赦の無い攻撃を加え、国の人口が半数を割った事もあると言う事。 そして、南大陸に侵攻してきた事等、様々なことを話した。 レイリーの説明はとても分かり易く、太平洋艦隊司令部の幕僚も、容易に話を呑み込めた。 「なぜシホールアンル帝国は、こうも短い時間で北大陸を手中に収めたのかね?」 主任参謀のマックモリス大佐が質問した。 「それは、彼らの軍にあります。陸上軍は、主に剣や盾、それに弓。これに陸軍用のワイバーンや大砲の支援が加わります。 陸軍の装備は、基本的には他の国家群の陸軍部隊と似ていますが、戦意や錬度に関しては、この世界でも トップクラスと言っていいでしょう。しかし、それ以上に優れているのは海軍です。」 「海軍?」 「はい。シホールアンル海軍の艦艇は、他の国の艦艇に比べると、速力や防御力、攻撃力に関して段違いに強く、 保有する輸送船の数も膨大です。シホールアンルの作戦は、まずワイバーンで敵地上部隊を存分に叩いた後、 陸兵を大砲の支援の元、戦場に送り出します。これは主に内陸での戦いです。沿岸部の戦いでは、これに 巨砲を要した戦艦や、艦艇の艦砲射撃が加わり、沿岸部を守る要塞や陣地を叩き潰してから軍を勧めています。 この方法はかなり有効で、北大陸やこの南大陸戦線では、シホールアンルの軍艦が沖に現れでもしたら、 味方はたちまちのうちに砲弾の嵐に巻き込まれます。シホールアンル側は、地上部隊を艦砲の射程内に治める事で 敵の反撃を阻止し、その間に砲弾の傘の下にいる陸軍部隊の戦力を充実させてから敵にぶつけてきました。 この方法を取られると、もはや対処のしようがありません。北大陸戦線では、ワイバーンの空襲や後方撹乱、 砲撃などで戦力を損耗した所へ完全装備の敵軍が攻めて来て、壊乱した軍が多々あります。」 「つまり、そのシホールアンルとやらの海軍は、主に陸軍との共同作戦を取る事が多いのだな?」 唐突に野太い声が広がった。それはハルゼーの声であった。 「その通りです。この手法は南大陸戦線でも取られており、我が南大陸連合軍も非常に厳しい戦いを強いられています。」 「戦艦の射程は、いいとこ20~30キロほどが限度だが」 キンメルは口を開いた。 「1キロほどの距離でも決定的な勝利をもたらしかねない陸戦では、その砲弾の傘は援護される側にとっては有難く、 やられる側にはたまった物ではない。砲撃をまともに食らえば部隊は手痛い損害を被る。しかし、足踏みしている間にも、 砲弾の傘の下にいる敵は補給を終わらせてしまう。なるほど、これなら橋頭堡を固めて、ゆっくりと内陸に侵攻することも可能だな。」 そう言って、キンメルは頷いた。 陸海共同。国としては最悪だが、軍隊は素晴らしいほど綺麗に纏まっている。 それが、キンメルが抱いたシホールアンルの印象だった。 恐らく、シホールアンル陸海軍の意思疎通は見事なまでに取られているのだろう。 「馬鹿な政策を取る割には、いい軍隊を持っているな。」 「シホールアンル海軍や、ワイバーンさえ何とかなれば、せめて北大陸にまで押し戻す事が可能なのですが。」 レイリーの表情はどことなく暗い。 こうしている間にも、強大なシホールアンル軍は、ひたひたと南下しているのだ。 今現在、南大陸の北の小国、スリンデは既に50%の国土を占領されている。 レイリーの母国ミスリアルには、まだシホールアンル陸軍の手は伸びていないが、シホールアンル海軍の戦艦が、 バゼット半島の沿岸都市に傍若無人な艦砲射撃を加えたり、竜母部隊が暴れ回ったり等、少なからぬ被害を与えている。 「なるほど。あなた方の言っている事は分かった。」 キンメルは、視線をレイリーに注ぐ。 「しかし、問題がある。」 「問題、と申しますと?」 「実は、4日の事なのだが。ここアメリカ大陸は、西海岸と東海岸がある。今、我々がいるのは西海岸だ。 時は少し遡って10月の末。東海岸に駐留している海軍の飛行艇が高速輸送船らしきものを見つけた。 その数日後に偵察艦隊をその船に向かわせ、接触を行った。驚くべき事に、その船は、シホールアンル帝国という 今まで聞いた事も無い国の船だったのだ。」 刹那、レイリー表情ががらりと変わった。 (シホールアンル!?まさか・・・・・・) 彼は、まさかシホールアンルまでもが、このアメリカという国に接触していたとは思っていなかった。 最初、このアメリカが接触したこの世界に住人は我々であろうと思っていたのだ。 ところが、先客がちゃっかりいたのである。 (まさか・・・・・・アメリカはシホールアンルと!) 彼は、最悪のシナリオを頭に思い描いた。 それは、数日前に接触した空母という艦を交えて侵攻してくる米海軍と、 シホールアンルの連合軍が、退去して南大陸に押し寄せてくる姿であった。 「いきなり交渉を要求してきた彼らは、11月の4日に、国務長官と会談した。 だがね、その会談はとんでもないものだった。」 いきなりキンメルの口調が変わる。何か嫌な言葉を喋った、という感がこめられていた。 キンメルは側のスミス少将に目配せをし、スミス少将は机の下から何かを取り出す。 「これは、わが国のニューヨークタイムズという新聞社が発行した物だが、この見出しの船には見覚えはあるかね?」 レイリーは、その写真の船が何であるか、すぐに分かった。 「その船は、シホールアンルが所有している高速船、レゲイ号です。主に東のレーフェイル大陸に特使を派遣する際に よく使用していて、形や性能などは既に知っています。ですが、そのレゲイ号がどこにあるか、出港日時等は 未だに分かっていません。」 「知っていたのだね。」 キンメルはニヤリと笑みを浮かべた。 「情報の分野ではいくらか心得があるようだが、それの話は後だ。 問題は、この船に乗って来たグルレント・フレル国外相とかいう要人だ。」 「グルレント・フレルなら知っていますよ。油断のならない相手です。」 「この国外相、わが国の国務長官に対してなんと言ったと思うかね?」 「大体予想は付きますね。」 「ふむ、すぐに予想は付く、か。フレル氏は有名人だな。実は、この国外相。 我がアメリカをシホールアンルの指揮下に組み込むとか言って来たのだよ。」 レイリーには読めなかったが、キンメルが持っている新聞には、 「極めて稚拙な外交交渉、ノーフォークにて行われる!!」と、見出しが大々的に乗っていた。 この新聞記事は、交渉から2日経った6日に発表されたものである。 ハルは、交渉の後、すぐにワシントンにとんぼ帰りし、ルーズベルト大統領に事の経緯を報告した。 「頭に血が上りすぎたせいで、はっきり言うべき所の言葉を間違えてしまいましたが、 大統領閣下、このシホールアンルという国は明らかに異常です。」 「なるほど。よく分かった。ハル、このような相手に平静でいられた君は何も恥じる必要はない。 公職50年を、外交官人生50年に間違えたとしても、その分相手にもインパクトを与えられただろう。 たまには嘘も方便と言うではないか。それに、あれは些細なミスだ。要は、傲慢な相手の鼻っ柱を、 へし折ったか、否かにあるのだよ。」 ルーズベルトはそう微笑みながら、この一部始終を新聞に載せよと指示を下した。 この会談の内容を知ったアメリカ国民は、高圧的な態度でアメリカに屈服を迫ろうとしたシホールアンルを、 外交の初歩も知らぬ馬鹿な国としてせせら笑う者もいれば、面白い、来るなら来いと息巻く者もいた。 だが、同時に、そのような強硬な国があることも確かである。 国民は、嘲笑や呆れを浮かべると共に、シホールアンル帝国という未知の国に警戒の念を強めた。 「と言う事は、アメリカ国民はシホールアンルの性格を知ったのですね。」 「その通りだ。あのような男を外交担当にし、挙句の果てにいつもの特技、それが私達がいた世界ではタブーの脅迫外交とは。 調子に乗りすぎると言うものはどれほど危ない結果をもたらすか、いい参考になったものだ。」 彼の言葉に、太平洋艦隊の幕僚の何人かが頷く。 「そのシホールアンルとやらが、俺達アメリカに立ち向かうと言うのならば、面白い、受けて立ちたいものだ。」 ハルゼー中将も会話に入ってくる。 「レイリー。あんたの話じゃ、シホールアンルとやら。南北大陸を征服するとかぬかしているんだろう?」 「そうです。」 「それを防ぐ楔として、俺達を呼んだのだな?そうならば話が早い。 今すぐにでも南大陸に艦隊や地上軍を派遣して、シホールアンルの陸軍部隊や海軍を綺麗さっぱり消し去ってやる。」 ハルゼーが自信ありげな口調で言ってきた。 (もしかして、協力してくれるのか?) レイリーはそう思った。だが、 「しかし、それは俺だけの一存では決められない。」 ハルゼーはキンメルに視線を向ける。 「では、私が戦争を始めよう、とはできん。なぜだか分かるかな?」 「えっ?そ、それは・・・・・どういう事なのでしょうか?」 「シホールアンル帝国とは、交渉は決裂したが、やっこさんは何もして来ない。あんな余裕たっぷりの 宣言を下した割には、合衆国の沖合いには不審艦どころか、シホールアンル人の乗ったボート1隻も現れない。 つまりこういう事だ。まだ、相手は何もしていないから、我々はおいそれとは打って出れぬのだよ。」 「な、なぜですか!?」 レイリーは珍しく声を荒げた。 「自分達は、南大陸の危機を救う切り札として、あなた方をこの世界を呼んだのです。それなのに・・・・・・」 レイリーは納得できんとばかりに言葉を続けようとした。が、 「グリンゲルさん。このアメリカという国は、誰が主役であるか分かりますか?」 「はっ?」 レイリーは思わず間の抜けた声を漏らした。 「あなた方は、この国に来たのが初めてだから分からないだろう。この国の主役は、国民なのだよ。 アメリカには、大統領と言う立派なリーダーがいる。だが、そのリーダーがかなわない者が存在する。 それが、このアメリカの国民達だ。」 キンメルは、やんわりとした口調で、しかし、相手の頭に深々と刻み込むように言い放った。 「このような対外戦争は、大統領が戦争をやるぞ!と言っても、国民の大多数がやりたくないと言えば、戦争は出来ないのだ。 出来るとしても、その戦争は必ず不本意なものに終わっている。シホールアンルは、我が合衆国に何かしたかね?」 キンメルの問いに、レイリーが答えられるはずも無い。 「はっきり言って、シホールアンルは何もしていない。偵察機を襲いもせず、艦艇にちょっかいを出そうともしていない。 元々、アメリカとシホールアンルが遠い事もあろうが、強大な海軍力を持つシホールアンルなら、既にこの合衆国に 攻めようとしてもおかしくない。だが、11月4日以来張り巡らした哨戒網には何も引っ掛かっていない。」 そう、つまり、アメリカは戦争をやりたくても出来ないのだ。シホールアンルが何もせぬ限り・・・・・・ 「要するにアレでしょ?国民が乗り気じゃないから戦争ができない、ってことでしょう?」 声が上がった。その声はレイリーの物ではない。 どこか気だるそうな感じの声。」 「ラウス!」 レイリーはラウスに目を剥いた。余計な事を言うな!と言いたそうな表情だ。 だが、ラウスは続けた。 「俺らからしたら、かなり厄介ですね。でも、俺としては逆に、このような国は見た事無いから、 それはそれでいいと思いますよ。」 「君は?」 キンメルは、少しばかり老けている感があるする若者に声をかけた。 「ラウス、ラウス・クルーゲルです。」 「彼はバルランド王国からやってきた者で、魔法研究においてはバルランドでも屈指の男です。」 「魔法研究だけじゃなく、意外と度胸もありそうだ。」 キンメルが言う。 「とりあえず、我々だけでは勝手に行動は起こせない。大統領、議会、そして国民の総意が必要だ。 だが、その総意を得るには、今の状況では材料が足りなさ過ぎる。」 「せめて、シホールアンル側が喧嘩をふっかけてくれば、わがアメリカも国民の理解を得やすいから、 行動を起こせるとは思います。でも、今の状況では厳しすぎます。」 参謀長のスミス少将が、厳しい表情で言う。会議室は、重苦しい沈黙に包まれた。 「でも、国民の総意で国の舵取りを決めるのは、いい事だと思いますよ。」 ラウスが、抑揚の無い口調で言う。 「それぞれの国のやり方がありますけど、皇帝や国王が勝手に戦争を始める例は、北、南大陸の歴史の中で多々ありました。 このような国策は、今でも多くの国が続けています。庶民は、突如起こった戦に駆り出され、戦場の恐怖を味わう。 反対でもしようものならば、監獄に放り込まれたり、首を跳ねられたりしました。ですが、この国は違う。 国民の総意で国の運命を左右する戦争の参加可否を決めると言うのは、かなりいい手だと思います。 キンメル提督は、アメリカは民主主義の国とおっしゃっていましたが、このような国こそ、南大陸の 諸国家が目指していた理想の国です。」 「その理想の国を作ろうとした途端、シホールアンルは戦争を始めたんです。それも世界を相手に。」 レイリーの顔が曇った。 キンメルは、シホールアンルが打った手は、彼らにとって寝耳に水の出来事であったのだろうと思った。 (ラウスとかいう若造、アメリカを理想の国と呼ぶか。傍目からは理想の国だろうが、 細部はまだまだ調整中の部分もある。それに国家として、歴史的にはまだ若い。 少し誇張のしすぎだな。まっ、この国の細部を勉強すれば、その考えは変わるだろう) 彼は内心苦笑した。だが、調整中の民主主義とはいえ、悪い部分もあるが良い部分もある。 「わがアメリカを褒めてくれて、礼を言うよ。とにかく君達の言う事は分かった。 明日、首都で大統領も交えた会議もあるから、私が電話で掛け合って、君達も同行させるよう願い出る。 言っておくが、わが国の戦争参加の是非については、あまり期待はしないでくれ。」 「その時は、止むを得ないと判断して別の方法を探します。」 レイリーはそう言って微笑んだが、その笑みはいくばくか引きつっていた。 (すまない。私も南大陸を支援したい気持ちはあるのだが・・・・・) キンメルは、どこか心苦しいように感じた。 1841年11月9日 午後9時 マオンド共和国南西海岸 その日は、雨であった。 夕闇に包まれた港は、降りしきる雨音と、それを遮るように発せられる漣の音で満たされている。 一見、幽霊船しかいないのではないか?と思われる港だ。 その港から、紫色の光が表れ、パッと消えた。 それが合図だったかのように、紫色の光は、別々の所から50回も発せられた。 それが終わると、小さな影が、1隻、また1隻と出港して行く。 その船達は、全長は50メートルも満たぬ小型船で、大嵐に出会えば遭難確実になりそうなものばかりだ。 ブリッジは低く、船に必要なはずの帆は無い。 「哨戒部隊、出港して行きます。」 艦橋の窓から、報告を聞いた人影が頷いた。 「哨戒部隊が出港したら、2時間後に我々も出港するぞ。」 振り向いた人影は、念を押すように後ろに答えた。 小船達は、やや荒れる海なぞ平気だと言わんばかりに、慎重に、そして徐々に外海に出て行った。 これから50隻の哨戒艇は、それぞれ分散し、2000ゼルドまで進んで、飛空挺母艦を捜索する予定である。 1481年11月10日 午前10時 ニューヨーク沖北東770マイル沖 レイ・ノイス少将率いる第23任務部隊は、一路東北東を目指して、時速22ノットのスピードで航行していた。 「司令官、大西洋艦隊司令部より入電です。」 通信参謀が、艦橋の椅子に座って海上を眺めていたノイス少将の元に駆け寄ってきた。 「ご苦労。」 ノイス少将は頷き、通信参謀から紙を渡される。 「「第23任務部隊は、レーフェイル大陸の情報収集を、予定日通りに行われたし。 尚、第25、第27任務部隊は翌11日未明に出港予定なり。もし、シホールアンル艦と遭遇、 攻撃を受けた場合はこれを行動不能にし、艦と乗員を合衆国本土まで回航されたし。 大西洋艦隊司令長官 リチャード・インガソル」」 「レーフェイル大陸?あの大陸はそのような名前だったのか。」 「あの異変以来、合衆国周辺の状況も、少しながら分かって来ましたな」 参謀長のビリー・ギャリソン大佐が言ってきた。 「アラスカの西には見慣れぬ大陸があり、そこはシホールアンルの領土だと分かった。 次に東には、さっき名前の分かったレーフェイルという大陸がある。シホールアンルの高速船は東から来ている。 と、すると。レーフェイル大陸にも、シホールアンルの息の掛かった国があるかもしれない。」 「しかし、宣戦布告はまだ出されておりませんし、アラスカにもシホールアンルはなんら手を出していません。 ひょっとして、連中はこっちを脅すだけ脅しておいて、後は何もしないに徹するのではないでしょうか?」 ノイス少将はさあ、と言って首を捻る。 「あちら側の国に乗り込んで、直接話を聞かん限り、分からないだろう。 それよりも、未発見のレーフェイルとやらの国の情報を集めないとな。それには、あと800マイル進まなければならん。」 脳裏に、もう少し護衛を付ければよかったかな?と考えが浮かんだ。 第23任務部隊は、旗艦の空母ワスプを始めとし、重巡洋艦のウィチタ、軽巡洋艦セント・ルイス、駆逐艦5隻で編成されている。 今は戦時ではないため、手勢は少な目がよいと判断され、このような艦隊編成になったのだが、ここは元いた世界とは違う海だ。 もしかしたら、シーサーペントのような海の化け物もいないとは限らない。 転移から1月近く経つが、そのような報告は出されていない。 しかし、どこに巨大海洋生物が潜んでいるのか分からない為、上空には常にデヴァステーターとドーントレスを 6機上げて上空哨戒を行ったりたり、駆逐艦は対潜哨戒を厳にしたりなど、艦隊はピリピリとした空気に包まれている。 「今更だが、ノースカロライナか、ワシントン辺りを連れて来たかったな。 それがかなわぬまでも、巡洋艦と駆逐艦を1、2隻ずつ増やせば良かった。」 ノイス少将は、なぜか前途を不安に思っていた。 彼はそれを表情に出すまいと彼は心がけた。指揮官たるもの、動揺を見せては、士気に関わるからだ。 艦隊の将兵は、誰もが彼の心情を気付く筈も無く、普通の偵察航海で終わると思っていた。