約 664,603 件
https://w.atwiki.jp/hakarowa4/pages/112.html
小さなブリリアント ◆auiI.USnCE ―――白鳥はかなしからずや 空の青海のあをにも染まずただよふ 照りつける太陽の光を白い日傘で遮りながら、彼女は歩く。 呟くのは、いつもの変わらない短歌。 彼女自身とも居える、大切な大切な歌を。 たった独りで歩きながら、彼女は歌う。 琥珀色した瞳は、ただ虚空を見つめ。 空の「あを」だけを見つめながら、彼女は歩いた。 行くあてなど無かった。 ただ気の向くままに歩いて。 その先にあるものなんて、彼女は考えもしないで。 何も無かったとしても、それはそれでよかった。 だって、彼女は空白を望んでいるのだから。 だから、たった独りで歩いていた。 彼女――――西園美魚は孤独を望んでいた。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「くそっ……何でこんな事に」 ひとひとりもいない街角で、一つの苛立ち声が響く。 その声の持ち主である青年が苦渋の表情をして、髪をかきむしった。 頭に思い浮かぶのは先程の惨劇。 一人の女の人が無残に死んでいった。 そして、殺し合いをしろと告げられた。 瞬く間にそれらが行われて、正直頭が混乱している。 「………………落ち着け。落ち着くんだ」 青年――千堂和樹は深く深呼吸をして、気持ちを落ち着かせようとする。 けれども、心臓の鼓動は未だ早いままで、息も荒かった。 目の前で人が死んだ事がこんなにもショックだと思わなかったから。 けどそれと同時に、死んだのが知り合いでは無くてよかったと安堵する自分もいる。 (最悪だ……くそっ) そんな自分がどこか嫌で自己嫌悪してしまう。 名簿をざっと見た所、和樹の知り合いは粗方呼ばれているらしいのだ。 いつも傍に居る高瀬瑞希。悪友の九品仏大志。頼れる人の牧村南。その他沢山。 今、この瞬間にも誰か和樹の知り合いが死んでいるかもしれない。 「…………そんな事考えてどうするんだよ!」 頭によぎった最悪の結末を和樹は即座に否定する。 そんな事あってはならない。起きてはならない。 自分達が死んでいい場所はこんな所では無い。 「帰るんだ……皆で」 そう、帰るべき場所がある。 こみっくパーティー。通称こみパ。 あの楽しい同人誌の即売会に。 皆で、誰一人欠けずに。 もう一度、漫画を描く為に。 「帰ろう!」 千堂和樹は皆で帰る事を選択する。 例えそれが無謀な事でも。 例えそれが現実逃避と言われようとも。 迷い無く、和樹はその道を歩む。 そう、誓ったのだ。 「……支給品は…………長いし重いな……」 不屈の意志を持ち、勢いよく取り出したものは長く重いものだった。 男の和樹でも、振るに少しの慣れが必要なほどもので。 長時間使うのは無理かと和樹は少し残念にも思う。 銘がサンライトハートと書いてあったが何のことか和樹にはさっぱりだった。 「よし……まずは皆を探そう…………うん?」 ぶんぶんと槍を振り回して感触を確かめた後、和樹は歩き出そうとする。 まずは知り合いを探そうと心に決めて、ふと耳を澄ますと声が聞こえてくる。 街角から用心深く顔だけ出すと、塀の上に座っている小さい女の子が居た。 聞こえてる声からするに、塀の上から降りられないようだった。 和樹は少女を一瞥しながら苦渋の表情を浮かべる。 (助けたいけど……今は皆が……) 今は、一刻も早く仲間と合流したい。 あんな所で少女を助けたら目立つ可能性だってあるし、時間のロスだ。 ただこみパの仲間を助けたいなら構っている暇は無いはず。 無いはずなのだが…… 「おい、大丈夫か!?」 和樹は感情のまま、飛び出していた。 結局の所、千堂和樹は困ってる少女を見捨てる事は出来ない。 それだけの事だった。 それが、和樹の優しさだった。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「なー……なんでこんなことになってんのや……瑠璃ちゃん……どこやぁ……」 半べそになりながら、髪を団子に結ってる少女が呟く。 彼女が真下に広がる道路を見ながら、憂鬱そうだった。 彼女が居る塀は高さ二メートル以上はありそうで。 少女のとても小柄な体格では飛び降りる事は出来そうも無かった。 だから、彼女――――姫百合珊瑚は双子の半身である瑠璃の名前を呼ぶしかない。 そもそも、よく解らなかった。扉を開けたら其処が塀だった。 凄い嫌な予感がしたが、結局出るしかなかったので、塀に降り立った。 案の定、塀から降りれなくなった。 其処からもう一時間以上立っている気がする。 「あーあかん……トイレいきとうなってきた……」 しかも、尿意まで感じてきた気がする。 正直洒落にならないほど危険かもしれない。 というか大ピンチだった。 「あーうー」 もう言葉になってなかった。 色々としなければならない事は沢山あるのに。 瑠璃や家族である、イルファ達と合流しないといけないのに。 目の前の塀と尿意に思いっきり敗北しそうだった。 何かとても屈辱だった。 ついでに人としての尊厳も無くしそうだった。 「……なー」 ぶっちゃけ、そろそろ限界になってきたかもしれない。 もう思いっきり涙目だった。 どうしようか……と思っていたその時 「おい、大丈夫か!」 自分の真下から、声がかけられたのは。 振り向くと自分より少し年上の青年が手を広げて自分を見ている。 心配そうな表情を浮かべ、珊瑚を見つめている。 珊瑚にとって正しく天の助けだった。 青年が救い主に見えて、泣き声を上げながら、助けを求める。 「降りられへんのや……」 「降りられないのか……といっても、この高さだと昇れそうもないし……参ったな」 青年は辺りを見回すも、自分が登るような段差や場所は無かった。 少し困った風に首をかしげながら、珊瑚を見る。 珊瑚は心配しそうな表情を青年に向けていてた。 青年は直ぐに胸をはり、その胸を叩いて返事をする。 「大丈夫だ。助けるから」 「……おおきにな……ええと」 「和樹、千堂和樹だ」 「和樹、おおきに。うちは珊瑚。姫百合珊瑚や」 「ああ、といってもお礼は助けてからな……」 笑顔を浮かべる青年、和樹がやっぱり珊瑚にとって頼もしく見える。 少し不安が解けて、和樹が自分を助ける方法を考え出すのを待つことにして 「……これしかないか……珊瑚ちゃん!」 「なんや?」 「受け止めるから、飛び降りてくれ!」 「……飛び降りるんか?」 「ああ、信じてくれ」 珊瑚は心配そうに和樹を見る。 和樹の目は自信に満ちていた。 自分を信じろと語りかけるみたいに。 そんな、和樹を見て珊瑚は覚悟を決める。 このままでは埒が明かない。 何より、ちょっと自分も色々やばかった。 「……ええい、ままよ……や!」 なにかよくわからない掛け声で珊瑚は目を瞑って意を決して飛び降りる。 少しの浮遊感とともに、真っ逆さまに下に落ちていく。 ぎゅっと身を縮こまらせ、和樹が受け止めるのを待ち、そして、 「ぐっ!?」 「きゃぁ!?」 和樹は思いのほか勢いがついた珊瑚を受け止めた瞬間、バランスを崩してしまう。 それでも、珊瑚を落とさないように抱きしめて、自分はそのまま後ろに倒れてしまった。 「いてて……珊瑚ちゃん……大丈夫か?」 「うちは大丈夫や~」 和樹は衝撃に目をチカチカさせながら、珊瑚の無事を確認する。 珊瑚から無事の声が聞こえたので、和樹は安堵する。 「和樹……本当におおきにな」 「これくらいは別に……っ?!」 珊瑚の心の篭った感謝の言葉に和樹は返事を返そうとして、目の前の光景に気付く。 視界を真っ白に覆うもの。 抽象的にには綿の布。 有体に言えば白い下着だった。 和樹は珊瑚のスカートの中に頭を突っ込んでいるようだった。 つまり、何らかの弾みで、珊瑚の下半身が和樹の上半身に、珊瑚の上半身が和樹の下半身といった様に逆転していたのである。 瞬間的に和樹は目を反らそうとするが珊瑚が重みになって上手くできない。 「珊瑚ちゃんちょっとどい……」 「……何や和……ふあぁ……息が……」 珊瑚はパンツにかかる息に思わず身じろぎしてしまう。 元々尿意を催していたのだ。 生暖かい息が、微妙にやばかった。 「か、かずき……」 「だからさんごちゃ……」 「ふやぁあ!?」 珊瑚は何か凄い色っぽい声を出してしまう。 かかる息でちょっと駄目になってきた。 和樹は思いっきりそれに困惑しながら、場は膠着するかと思われたその時、 「…………………………変態ですか?」 蔑むような声が響いてくる。 ついでに蔑むような視線も感じた。 「ち、違うんだ!」 「あぅあ?!」 「…………どうみても変質者にしか見えませんが」 「事情が……!」 「んあぅ……あかん……」 「どういう事情があるですか……というか、無実を晴らすならどいてやってください」 弁明をしようとした和樹をその声の持ち主は抑え、和樹をどかそうとする。 珊瑚は何処かとろんとした表情と甘い声をだしながらも、和樹の上からどいた。 何か凄い顔が真っ赤になって、身もだえもしている。 和樹は和樹で凄い気まずい顔を浮かべ、その声の持ち主へ視線を向ける。 声の持ち主は済ました表情をしながら琥珀色の目で蔑みの視線を和樹に向けていた。 彼女を覆う白い傘がとても、特徴的な少女だった。 「違う……珊瑚ちゃんを助けようとしただけで」 「………………」 じっとその女の子は和樹を見ていて。 和樹は何故か悪い事をした気分に陥っていく。 「本当だ…………本当なんだ」 「………………ふっ……ふふふふっ……」 「……え?」 「大丈夫ですよ。最初から見てましたから」 突然笑い出した少女に和樹はきょとんしてしまう。 少女は笑いながら、和樹に答える。 実の所、その少女は事の一部始終を見ていたのだ。 「すいません……余りにも貴方が可笑しかったものですから」 余りにも和樹が可笑しくてついからかってしまったと言いながら少女は笑う。 和樹は肩を落としながら 「……まあそれならいいんだけど……えっと名前は?」 「西園美魚、です」 「美魚ちゃんね。多分もう知ってると思うけど千堂和樹だ」 「珊瑚や~」 「はい、承知しています」 少女――美魚は小さく微笑みながら、挨拶する。 和樹と珊瑚は笑いながら、挨拶をした 「よろしく」 「よろしくね」 「ええ、よろしくお願いします……ところで和樹さん」 「うん?」 「中身は……」 「し…………はっ!?」 和樹が言いかけた所で、美魚は蔑みの視線をまた向けて 「……やっぱり、変態さんでしたか」 そして、美魚の返答に、珊瑚はよくわからずにほんわかとした小さな笑みを浮かべて 「和樹変態なん?」 和樹に向けて無邪気に言った。 和樹は真っ青になりながら 「だから、それは違う!!!」 それが、三人の出逢いだった。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 何故、接触したのだろうと美魚は思う。 孤独を望んでいるはずだったのに。 たまたま見かけただけで、見過ごそうと思ったのに。 そして、独りになって。 あの子を待とうと思ったはずだったのに。 なのに、ふれあいを持ってしまった。 そのふれあいが自分にとって楽しいものと思い始めていたのだろうかと自問する。 この殺し合いに同じく巻き込まれているリトルバスターズのメンバーのせいで。 それは美魚にも解らなかった。 それでも、美魚はふれあいをもってしまった。 少しずつ変わっているのだろうかと美魚は思う。 でも、それは有り得ないと否定した。 だって、それでも、私は孤独だ。 だって、自分には、消せない罪があるのだから。 だから、今回はたまたまだだろう。 一生懸命頑張る和樹が、たまたま彼と被っただけかもしれない。 たったそれだけだ。 それでも、それが、美魚にも解らない、変化だった。 歯車が狂い、何かが変わろうとする……その、瞬間だった。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「ふぅ~やっと落ち着いたわ~」 あの後三人は近くの民家にはいっていった。 珊瑚は直ぐにトイレに直行していき、先程戻ってきたのだ。 珊瑚の顔は何処か晴れやかで嬉しそうだった。 「えっと珊瑚ちゃんは家族と双子の妹を探している……って事でいいんだよな?」 「せや。大切な人たちやから」 「…………双子ですか」 「美魚は妹かなにかおるん?」 「……え? ええと……」 「美魚ちゃんはリトルバスターズというチームの面々を……?」 「いえ、知り合いなだけです」 「そ、そうか」 そして、三人は軽い自己紹介と知り合いなどの情報を交換していた。 珊瑚はぽけぽけと答え美魚は物静かに答えていて、和樹は対照的だなと思い笑う。 「和樹さんは?」 「こみパの仲間を探そうと思っているよ」 「漫画を描いてるというなら……や……」 「うん?」 「い、いえ、なんでもないです」 美魚が何かを呟こうとして、慌てて否定する。 顔を朱に染め何処か恥ずかしそうだったが、和樹は気にせず続けた。 「えっと……君達はどうする?」 「うちは和樹に着いて行くで。首輪も何とかせなあかんし」 「そうか、珊瑚ちゃんいいんだな?」 「ええよ。だって和樹の事信頼してるからや……さっきおおきにな」 「どういたしまして……よろしくな瑠璃ちゃん」 珊瑚は柔らかい笑みを浮かびながら、和樹についていくことを決める。 もう、塀の一軒で和樹の事を信頼していたのだ。 だから、和樹と一緒に行く、そう決めた。 「美魚ちゃんは?」 和樹はそして視線を美魚に向ける。 美魚は口ごもりどうしようかと思って 「……いや、ついて来なよ美魚ちゃん」 和樹が、右手を美魚に差し伸べる。 その顔には笑顔で。 孤独な自分を連れ出そうとする手で。 美魚は、何も言わず、 儚げに微笑んで 何故か、何故か解らないけど 「……はい」 皆と居る事を選択した。 其処には小さな笑みが溢れていて。 無数の小さな輝きが沢山存在していた。 ――――これが、三人のスタートだった。 【時間:1日目午後2時ごろ】 【場所:H-5】 千堂和樹 【持ち物:槍(サンライトハート)水・食料一日分】 【状況:健康】 姫百合珊瑚 【持ち物:不明支給品、水・食料一日分】 【状況:健康】 西園美魚 【持ち物:不明支給品、水・食料一日分】 【状況:健康】 035 Machine Heart 時系列順 037 かつて、光の中にいた 035 Machine Heart 投下順 037 かつて、光の中にいた GAME START 千堂和樹 061 がんばれエルルゥさん 姫百合珊瑚 西園美魚
https://w.atwiki.jp/tiisana_tenohira/
{Ω小さな掌Ω
https://w.atwiki.jp/ronnyuuryuu/pages/605.html
#質疑掲示板根拠URL:http //cwtg.jp/qabbs/bbs2.cgi?action=article id=8823 #祠建設にあたり、特に悪影響や問題は無いとのことでしたが、状況が変わり危険が及ぶようであれば保留でお願いします。 小さな神様方の祠が出来ました 鍋の国天満宮の隣に、小さな神様方をお祀りするための祠が完成しました。 鍋の国には天神様だけでなく、いろいろな神様がおられます。 私達の気づかないところでこっそり守って頂いていたりと、日頃からお世話になっています。 先の襲撃において、そんな小さな神様方も被害に遭われました。 とても悲しい事件ですが、祠にお祀りすることで、小さな神様方の心が少しでも安らいでいただけたらと思います。 また神様達は、私達の信じる心が元気の源ともいわれています。 皆で天神様をはじめ、小さな神様方も大切にお祀りしていきましょう。 (絵:矢上ミサ)
https://w.atwiki.jp/retrogamewiki/pages/9572.html
今日 - 合計 - 眠れぬ夜の小さなお話の攻略ページ 目次 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 名前 コメント 選択肢 投票 役に立った (0) 2012年10月09日 (火) 18時14分55秒 [部分編集] ページごとのメニューの編集はこちらの部分編集から行ってください [部分編集] 編集に関して
https://w.atwiki.jp/legends/pages/4781.html
「……した………の、に……」 住宅街の一角にて 両手を目に当て泣きじゃくる少女 溢れては流れ、拭われる涙は夕陽を反射して美しく輝いていた 「約束、したのに……どう、して……?」 手と手の間から目を覗かせて見た先は、眼前の男 腰を抜かしてキョロキョロと周囲を何度も見回している 「お、おおお、お、おま、お前、今何しやがった!?」 彼の傍で浮いている棒状の身体に大きな鰭のついたものは、恐らく「スカイフィッシュ」 そして彼の周りには、身体の中から大量の縫い針が溢れ出て破裂した「スカイフィッシュ」の死骸が散乱している 光となって消えゆく死骸を目にしながら、男は涙声で訴え始めた 「ふ、ふざけんなよ!? 「スカイフィッシュ」のスピードについて来れる訳ないだろ!? 何だあの針は!? あんなもんいつ細工しやがったんだ―――――」 「昨日約束したのに……人はもう襲わないって、言ってたのに……」 ぐしぐしと、少女は尚も涙を拭って男に歩み寄る ひっ、と情けない声を上げて男は逆に後退った 「く、来るな」 「ちゃんと指切りして、約束したのに……」 「来るんじゃねぇ、来るなっつってんだろ!?」 「指切りしたのに……」 「わ、分かった、もう、人は襲わない!心から誓うから、頼むから許しt」 「嘘吐き」 豹変 少女はアスファルトを蹴って男に急接近し、拳を振り上げる 危険を察知した男は、まだ残っていた「スカイフィッシュ」に指示を与えようとした 「や、やれっ!あいつを切り刻め―――」 「“指切拳万”」 彼が指示を出す前に高くジャンプした少女は、高く振り上げた拳を勢い良く男の脳天に叩きつけた まるで突風にでも煽られたかのように、はたまた鉄の塊にでもぶつかったかのように、 男の身体は強く地面に叩きつけられた 「か、は………!?」 「“嘘吐いたら針千本飲ーます”」 指示を待たずに動き出した「スカイフィッシュ」が、体内から縫い針を剥き出しにして破裂 力尽き、ゆっくりとその小さな身体が落下し始める 少女は男の傍でしゃがみ込み、小ぶりのナイフを取り出すと、 彼の右手を押さえ込んで手を無理矢理に広げさせ、 「“指切った”」 小指に、ちく、と切っ先を刺した じわりと血が溢れだすと同時に、ぷつん、と男の中で何かが切れた と同時に、彼はぐったりと、眠るようにその場で気絶した ぺたん、とその場に座り込むと、少女は再び大粒の涙を溢れさせながら携帯電話を取り出した 「ぐすっ………もし、もし、黒服、さん? 嘘、吐いた、悪い人、殴っちゃった、から……うん、東区…… ちゃんと「ゆびきりげんまん」したのに…………なんでみんなうそつくの?ねぇ、黒服さん……」 泣きじゃくって訴えかける少女の持つ電話の向こう側から、黒服と呼ばれた人物のおろおろした声が聞こえた ...end 「単発もの」に戻る ページ最上部へ
https://w.atwiki.jp/wiki2_350330/pages/16.html
第三章 小さな傭兵団 2 「ほらっ!行くぞっ!!」 無理矢理にでも連れて行こうと、兄貴分の男が少女の手を掴もうとした時だった。 「フロリーナ!?フロリーナでしょ!?」 山賊達に絡まれている少女が自分の親友だと気づいたリンは、大声を上げ駆けつけてきた。 「!! リン!?」 「フロリーナ!あなた、どうしてこんなところに!?」 「リン!本当にリン?私、私・・・」 思いがけず出会った親友に、フロリーナと呼ばれた少女はリンの腕にすがりついて泣きじゃくる。 「もう!ほら、泣かないの!」 「うん」 世話のやける親友を励ましていたところに、あとについて来たケント、セインが、 「お知り合いですか?」 「私の友達よ。イリアの天馬騎士見習いのフロリーナ。この子、ものすごく男の人が苦手で・・・。ね、フロリーナ、私に何があったか教えてくれる?」 ケントの問いに答えたあと、親友に優しく語りかけた。 「・・・あの、ね。私、リンが旅に出たって聞いたから・・・、追いかけてきたの。それでこの村が見えたから・・・、リンのこと聞こうと思って、下に降りたら・・・、この人たちがいるの見えなくて・・・。その・・・・・・」 「ペガサスでふんづけちゃったの!?」 少女は泣き顔でコクリとうなずいた。 「ほらっ、聞いたろうが!悪いのはその女なんだよっ!!アニキを踏みつけた落とし前をつけてもらわねぇとなっ!」 ここぞとばかりに弟分が騒ぎ立てる。 「ちゃんと謝った?フロリーナ」 「うん。ごめんなさいって何度も言ったけど・・・、その人たち、聞いてくれなくて。・・・・・・」 「泣かないで。大丈夫よ」 「リン・・・」 涙目のフロリーナを優しくいたわると、リンは二人の男に向いた。 「ねえ!ちゃんと謝ったんならそれでいいじゃない。見たところケガもないようだし、もう許してあげて」 「そうはいかねぇ。力ずくでも、その女はもらうぞ!」 そう言うと、男は持っていた斧を持ち上げ大声で叫んだ。 「おい!でてこいやみんな!!女は傷つけるな!男はやっちまえ!!」 その号令に呼応するかのように、七人の男が村の奥から集まってきた。どうやら彼らは間違いなく山賊であり、この村を襲った後、めぼしい物がないかどうか物色してたのであろう。 「おれたち、ガヌロン山賊団を敵に回したことを後悔するんだな!」 リンは戦いが避けられないと見るや、すぐさま腰間のマーニ・カティを抜き放ち叫んだ。 「皆!応戦するわよ!!」 「承知しました!」 「任せてください!」 その声にすばやく反応したケント、セインは各々の武器をすぐさま身構え、早くも山賊団に斬りかかっていく。 「リン・・・。私」 「あなたも天馬騎士のはしくれでしょ。戦えるわね?」 「・・・うん!」 リンの一言に一瞬躊躇したフロリーナだったが、覚悟を決めペガサスにまたがり上空へ舞い上がった。 突如に始まったリンたちと山賊どもの戦い。 まだ家の中に隠れていた住民は、家の外から聞こえる怒号や、武器と武器のぶつかり合う音に、ただ身を寄せ合っていることしかできなかった。 そんななか、家の中に身を寄せ合っていた人たちの中に一人の青年がいた。 「・・・みんな、家の中にいてください。俺が見てきます!」 そう言うと青年は、鉄製の矢が入った矢筒を背中に背負いながら家から飛び出した。すると鮮やかな剣技で一人の山賊を葬ったリンの姿が目に映った。 「・・・きみたちは?」 「私はリン、旅の者よ。今この村を襲っていた山賊団と戦っている最中なの。危ないから家の中で隠れていて!」 素早くそう言い捨てて、立ち去ろうとするリンに青年は呼び止めた。 「待ってくれ!おれはウィル。同じく旅の者だ。世話になった、この村を守るためによかったら協力させてくれないか?」 「戦力は多いほうがいいわ!よろしくね、ウィル!」 「おれ、これにはちょっとは自信があるんで援護は任せてくれ」 そう言ってウィルは持っていた弓を見せた。 「そう。じゃぁ援護頼むわね。・・・・・・あ!ちょっと待って。ええっと~~・・・・・・」 リンはある事に気づき、フロリーナを捜した。 ウィルは仲間になったばっかりでフロリーナの顔を知らない。間違って攻撃して親友を失う事になるかもしれない。 「あ、いたいた。あそこの天馬騎士・・・・・・フローリーナっていうんだけど、味方だから攻撃しないでね」 「・・・わかったけど、あの娘危ないん・・・・・・じゃないかな」 「え!?」 ウィルに言われてよく見てみると、敵の攻撃から悲鳴を上げ必死で逃げているフロリーナの姿が目に映った。 「きゃ!あ・・・・・・、いやぁ・・・・・・!」 山賊の中に弓を扱う者がいたらしく、フロリーナはペガサスを必死に操り、何とかその攻撃から逃れようとしていた。 「フロリーナ!早く助けないと!!」 慌てて駆け出したが、リンがいるところからフロリーナがいる位置まで距離がありすぎた。ケントとセインは目の前の敵に集中していて、とてもフォローに回れそうにない。 (お願い!間に合って!!) リンの願いも虚しく、疲労しきったペガサスの動きが鈍った。このままではフロリーナが射殺されてしまう! と、その時‐‐‐‐‐‐、 「大丈夫!おれに任せて!!」 リンと走っていたウィルは力強くそう言うと、立ち止まって弓をつがえた。 ビュン! 風切り音を残し放たれた矢は、寸分の狂いもなく、見事フロリーナを狙っていた山賊の眉間を貫いた。熟練した者の腕だった。 間一髪難を逃れたフロリーナは、ふらつきながらペガサスを地面に着地させた。
https://w.atwiki.jp/2ch_aa_rpg/pages/87.html
【作品名】モナーの小さな冒険 【作者】550 【配布先】2003を全力で応援するサイト http //www.geocities.jp/rpg2003assistance/top 【使用ツール】RPGツクール2003 ■作品解説 ほのぼのした雰囲気の短編RPG。RPGツクール2003製。 特筆すべきは戦闘アニメで、出来は非常に秀逸。 バトルキャラは全て戦闘アニメで表現しており、多彩なアクションが用意されている。 戦闘の他、一部のイベントのキャラクターの動き等も戦闘アニメで表現している。 短編ながらきちんとユーザーサイドに立った製作が成されていて、全体的な作りも丁寧な良作。 ■ストーリー 魔王と勇者の居る世界、ハスカルド。 そんな世界にあって、冒険者の記憶の片隅にしか残らないような田舎の村。 その村の道具屋の息子であるモナーがこの物語の主人公。 ある日モナーは森で薬草を取って来るように母親からお使いを命じられる。 モナーは武器屋で剣を受け取り、森へと進んで行く。その先で彼が出会ったものとは・・・。 ■主要キャラクター <モナー> 道具屋の息子。優しく思いやりがある性格をしている。 まだ幼いながら剣や魔法を扱え、モンスターと対峙しても怯まず立ち向かっていく勇敢な面も併せ持っている。 <ビーグル> ある事をきっかけにモナーが飼う事になった犬のAA。 モナーに懐いており、一緒に戦ってくれたり背中に乗せたりしてくれる。 <勇者> 魔王を倒す旅をしている勇者。金レス鉄で出来た聖剣を携えている。物凄く強い。 後半があっさりしているのが残念な作品だと思う -- 名無しさん (2007-04-05 18 09 59) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/dq10_dictionary/pages/2590.html
概要 Ver.2.1から【ピラミッドの秘宝】に新登場したアイテム。 探索済みの霊廟に未探索のプレイヤーと一緒に再アタックすることで手に入る。 小さな黄金の秘宝は【黄金の秘宝?】と同様に【ヤヨイ】に鑑定してもらうことでアイテムに変化する。 以前のバージョンでは探索済みになると再アタックしても何も手に入らない為、未探索のプレイヤーに同行することは完全なボランティアであり、フレンドやチームからの募集に乗り遅れると野良に募集を出すか、ボランティアのお願いをするしかなかったため、お手伝いにもなんらかのメリットを、という声に応える形での実装となった。 鑑定結果 【ゴルスラのコイン】 魔法の迷宮で使用する 【ちいさなメダル】 ゴーレックが集めている 【きんかい】 職人素材
https://w.atwiki.jp/luckystar-ss/pages/545.html
二人で電車を待っていると、空から白いものが舞い降りてきた。 柔らかで、とても壊れやすい物が私達の頭上で踊っている。 「みなみちゃん。雪だよ、雪!」 「うん。そうだね」 返事と一緒に出た吐息は、無色の空気を一瞬にして白く染め上げ、すぐに透明に戻った。 冬の象徴ともいえる雪には、あまり良い思い出はない。 中学時代にも、学校で雪が降り始めたことは何度かあった。 誰かがそれを見つけて、歓声がクラス中に広がる。 私も同じように窓の外をじっと見て、綺麗だと思う。 それでも私は独りだった。 無邪気に窓から手を出すような性格ではなかったし、その場で誰かと話をするのも苦手。 だから私にとって、雪とは一人で見るものだった。 それが今では二人。隣にゆたかがいる。 「やっぱり溶けちゃうか~。手は冷たいほうだし、大丈夫かもって思ったんだけど……」 気がつくと、ゆたかはいつの間にか手袋を外して、直接雪に触っていた。 慌てて何か温める道具が無いかと探したが、カイロどころか手袋さえない。 「そうだ」 「えっ、みなみちゃん?」 私はコ-トのポケットに入れ続けていた手を出すと、ゆたかの手を握った。 「前に、私の手は温かいと言っていたから」 しかし、咄嗟の思いつきで行動をしてみたものの、やはり素手では熱を保てるはずがなかった。 ポケットに入れていたといっても、ずっとというわけではなく、定期券を出す時などには外気に触れる。 彼女が手袋を着けなおす事を妨害するだけだったのでは、と不安に思っていると、ゆたかは笑った。 「うん。やっぱり、みなみちゃんの手は温かいね」 「ゆたか。気を使わなくても……」 そう言いながら手を離そうとすると、ゆたかの手に力がこもり、引き離せなかった。 「本当だよ。身体は温まらなくてもね、心があったかくなるの」 「ゆたか……」 彼女は私よりもずっと小さな身体なのに、私よりもずっと大きな存在だと感じた。 私が雪ならば、ゆたかは太陽だろう。 優しくされると溶けてしまう 冷たい拒絶は平気でも 温もりには耐えられない 記憶も今の関係も ただ凍らせていたいのに ゆたかがそれを溶かしていく ゆたかと友達になって、田村さんという友達も増えて、学校生活はどんどん楽しくなる。 そして、私はどんどん欲張りになって、弱くなる。 自分が雪だった時には誤解を受けても耐えられたのに、今では少しだけ苦しい。 あの頃はそれが日常で、今ではそれは悪夢の世界。 彼女がいなくなったとしたら、溶けかけの私は、再び雪へと戻る以外にない。 だけど、もうすこしだけ。 もうすこしだけ彼女の隣にいたら、私は溶けて完全に変われるような気がする。 日陰で死を待つ雪ではなく、もっと自由な存在へと。
https://w.atwiki.jp/cfvg/pages/5581.html
バミューダ△ - マーメイド グレード〈0〉 ノーマルユニット (ブースト) パワー 5000 / シールド 10000 / クリティカル 1 自【V/R】:【♪♪】(他のあなたのユニットが同じ縦列に登場した時、そのターン中、双方を【♪♪】状態にする) 自:先駆(同じクランのユニットにライドされた時、(R)にコールできる) 自【R】【ターン1回】【GB1】:このユニットが【♪♪】状態になった時、他のあなたのリアガードを1枚選び、そのターン中、『自【R】:このユニットが、アタックか【ブースト】した、バトルの終了時、このユニットを手札に戻してよい。』を与える。 フレーバー:大きな夢を胸に秘め、彼女は今日も小さく微笑む。 順位 選択肢 得票数 得票率 投票 1 面白いと思う 1 (100%) 2 使ってみたいと思う 0 (0%) 3 弱いと思う 0 (0%) 4 強いと思う 0 (0%) その他 投票総数 1 コメント