約 113,855 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/3023.html
神崎が『龍騎』のデッキと才人を魔方陣に落としたそのころ もうひとつの鏡のなか 異世界ハルキゲニアのトリステイン魔法学院では、2年生の使い魔召喚が行われていた。 「我の運命に従いし使い魔を召喚せよ!」 爆発が起こった… また失敗した…… この儀式だけは失敗できないのに… 家族から見放されたくないのに、失望させたくないのに… 今まで私のことを馬鹿にしたみんなを見返したいだけなのに… そのために苦手な先生にでも、召喚のとき心がける事などを聞きにいった。 授業が終わった後も夜遅くまで魔道書を読んだりもした、いつもよりたくさん勉強した。 なのに… なのに…なんで一回も成功しないの? 「あ~、ミス・ヴァリエール。もうそろそろ…」 監督のコルベール先生が私を呼ぶ。 「もう一回!もう一回だけやらせてください!」 必死に頼み込む、先生は少し悩んでから。 「分かった…だがあと一回だけだ、これ以上は後の授業に差し支えるのでね」 「はいっ!」 何とか許可してくれた。 魔法の使い過ぎで、もう魔力も殆ど残ってない、使えたとしても後1回か2回が限度。 もしこれで失敗すれば『コントラクト・サーヴァント』のときの魔力は残らない… 「早くしろよ、ヴァリエール!」「もう待ちくたびれたぞ!」とあちこちから野次が飛ぶが気にしない。 気にしてたら失敗するし、何よりもいつもの事だ。 「五つの力を司るペンタゴンよ…」 己の使い魔となる者とそれをここまで導く門をイメージする。 イメージしたのは最強のドラゴン あとは詠唱を終えるだけ… 「我の運命に従いし使い魔を召喚せよ!」 爆発が起こる、また失敗したと思った、その時煙の中に影があった それは人だった、この国では珍しい黒髪に、見たこともない服装。 どうやら気絶しているらしい。 「う…」 あ…気がついたみたい とりあえず誰なのか聞かないと・・・ 「あんた誰?」 気がつくと桃色がかったブロンドの髪の『美少女』に分類される女の子が倒れている俺の顔を覗き込んでいる。 周りは…見たこともない光景だ。 「平賀…才人」 まだ覚めきってない頭で答える。 「何処の平民?」 平民?平民って何だ? 意味が分からん… とりあえず状況整理だ。 まず目覚めたら見知らぬ場所、これはたぶんあの男の仕業だろう。 場所は周囲の建物は石造りだし…ヨーロッパあたりかな? でもって周囲の服装は…目の前の子は黒いマントの下に、白いブラウス、グレーのプリーツスカートか… 他の人も俗に言う『魔法使い』の格好をしている、 だが人生の曲がり角を曲がったと思われる『某磯野家の家長-1本』な男性までそんな格好をしているから、もう訳が分からん。 人種は肌の色から推測しておそらく欧米人か? 結論、情報が足りないから断定できないけど、何かの新興宗教かコスプレ集団! そうでなかったら、夢の中か、異世界にでも呼ばれたか何かだ! と状況整理(?)をしていると。 「ルイズ『サモン・サーヴァント』で平民を召喚してどうするんだ?」 人垣のなかから誰かがそう言うと周囲から笑い声が上がる。 「ちょ、ちょっと間違えただけよ!」 とルイズと子が反論するが 「間違いって、いつもそうじゃん」「流石はゼロのルイズだ!」 と今度はどっと爆笑する。 「ミスタ・コルベール!」 彼女が怒鳴るとさっきの波平…じゃなかった中年男性に「もう一回だけ」とか「お願いです」とか必死に捲し立てている。 「なんだね、ミス・ヴァリエール」 「あの!もう一度召喚させてください」 召喚?さっきも言ってたけど召喚ってモンスターとか精霊とか呼ぶあれか? 「それは駄目だ、ミス・ヴァリエール」 「なぜですか?」 「決まりだよ、二年生に進学する際、君達は使い魔を召喚する。 そして現れた使い魔で今後の属性を固定しそれぞれの専門課程へと進む。 望む望まざるに関わらず、君はその少年と契約するしかない。 それにあと一回だけと約束した、約束は守られなければならない」 どうやら、やんわりと断られたようだ、ルイズががっくりと肩を落とす。 コルベールと呼ばれた男が続ける。 「では、儀式を続けなさい」 「えーと、彼と?」 「そうだ、もう時間がないんだ、早く契約したまえ」 ルイズが困ったような顔をしながらこっちを見る。 「ねぇ」 「はい?」 「貴族にこんなことされるなんて、普通は一生ないんだから、感謝しなさいよね」 貴族?なんだそれ?こりゃマジで異世界にでも喚ばれたか? 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え我の使い魔となせ」 彼女が呪文を唱え、俺の額に持っていた杖の先を置いた。 そしてゆっくりと彼女の顔が近づいて…っておい、契約ってまさか… 「ちょっと待った契約ってキ、んむっ」 あ…ああ俺のファーストキスが… ルイズが唇を離す微妙に顔が赤くなっている 「終わりました」 「ふむ、ちゃんと『コントラクト・サーヴァント』は成功したようだね」 「そいつが平民だから契約できたんだよ」 「そいつが高位の幻獣だったら失敗していたさ」 また、彼女を馬鹿にする声 「馬鹿にしないで!私だってたまには上手くいくわよ!」 「本当にたまによね、あなたの場合は」 「なんですって!?『洪水』のモンモランシー」 「誰が『洪水』よ!『ゼロ』のルイズ!」 ルイズは立ち上がり巻き髪の女の子と口論を始めてしまった。 ってなんだこれ?体が熱いっ… 「ぐっ、ぐがぁぁぁぁぁぁ」 「少し黙ってなさい、使い魔のルーンを刻んでるだけよ、すぐに終わるわ」 「んなもん…勝手に刻むな…がぁぁぁぁぁ!」 手が…両手が痛いっ! 暫くすると痛みは治まったが、左手には見たことない文字が、右手には黒い箱に刻まれたのと同じ紋章が刻まれていた。 あ、そういえば箱は? …黒いやつしかない、どうしよ。 「ふむ、珍しいルーンだね…。君、それを写させてくれないかな?」 「……どうぞ」 どこから取り出したんだろう、コルベールはスケッチブック片手にルーンと紋章をスケッチし始めた。 ちょうどいい、この人に聞くか… 「ところで、ここはどこですか?」 「ん、トリステイン魔法学院だよ、知らないかね?」 「目が覚めたら、こんな所にいたから混乱してるんです」 「はは、君も災難だねぇ」 「第二次世界大戦、冷戦、核兵器これらの言葉を聞いたことは?」 「ないねぇ、なんだいそれは?」 「いえ…何でもありません。」 やっぱりここは…はは、まさかな… 「これで…よしっ、と」 「終わりましたか?」 「あぁ、終わったよ、ありがとう」 そして、コルベールは人垣に向き直り 「さて…皆、教室に戻るぞ」 そういうと彼はふわりと浮き上がった。 周りを見渡すと皆、飛んでいる。 まぁ、召喚だの魔法学院だのといった言葉で予想はしていたが… 実際に見せられると『気が狂ったんじゃないか?俺』とか思うな。 そういえばルイズは浮いてないな… 「なぁ」 「なによ?」 「アンタは飛ばないのか?」 「ご主人様にむかって、アンタって「ルイズ、お前は歩いてこいよ」「アイツ『フライ』どころか『レビテーション』さえまともに使えないんだぜ」」 「…すまない」 どうやら苦手な事らしい… 「と、とにかく行くわよ、さっさと着いてきなさい」 「はぁ…了解」 ふと近くの建物の窓に目をやると 「なっ!なんであいつが?」 『グガァァァ』 窓の中であの紅い龍が何かを威嚇するように翔んでいた。 同じ頃、学院の本塔の屋根の上でこの光景を見ていた者が二人いた 「へぇ、あれが…」 一人はフードを被っていて顔は見えない、そしてもう一人は 「そうだ、奴が『龍騎』の契約モンスター『ドラグレッダー』だ」 よれよれのコートを着た男、神崎士郎 「ふーん、結構強いんでしょ。」 「あぁ、もっとも今回の奴がその力を使いこなせるとは限らんが…」 「ところでデッキの方は?」 「そちらの方も抜かりは無い。多少予定外の事も起こったが、殆どは配布済みだ」 「で、私のデッキは?」 「あぁ、受け取れ」 フードの人物に、カードデッキを渡す神崎 「ありがと、それじゃ」 「そういえば…」 「なに?」 「『オルタナティブ・ゼロ』がこの世界に来ているらしい」 「オルタナティブ?あぁ、あの偽者か」 「もう死んではいるらしいが、デッキは破壊されてない」 「後継者が現れるかもしれないってこと?」 「そうだ」 「ふーん、一応気を付とく」 (もっとも、私の邪魔をするならば、殺すだけなんだけどね) そう言うと彼(?)は消えた。残った神埼は一人呟く。 「さぁ、踊れライダー達よ、俺の掌の上で!全ては優衣を救う為に」 そう言うと本塔の屋根から消えた…
https://w.atwiki.jp/pandorapyxis/pages/34.html
【認知症対応型共同生活介護】* サービス種別 基準種別 項目 質問 回答 QA発出時期、文書番号等 番号 1201 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 医療保険の訪問看護の利用 医療連携加算算定時に、契約の上で訪問看護ステーションを利用することが句能となったが、急性増悪時等において、医療保険による訪問看護の利用は可能か。 診療報酬の算定要件に合致すれば、利用可能である。 18.2.24 全国介護保険担当課長ブロック会議資料 Q A 101 1125 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 医療連携体制加算 要支援2について算定できるのか。 要支援者については、「介護予防認知症対応型共同生活介護費」の対象となるが、これについては、医療連携加算は設けていないことから、算定できない。 18.5.2介護制度改革information vol.102 事務連絡 指定認知症対応型共同生活介護等に関するQ A 5 1126 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 医療連携体制加算 看護師の配置については、職員に看護資格をもつものがいればいいのか。看護職員として専従であることが必要か。 職員(管理者、計画作成担当者又は介護従業者)として看護師を配置している場合については、医療連携体制加算を算定できる。訪問看護ステーション等、他の事業所との契約により看護師を確保する場合については、認知症高齢者グループホームにおいては、看護師としての職務に専従することが必要である。 18.5.2介護制度改革information vol.102 事務連絡 指定認知症対応型共同生活介護等に関するQ A 6 1127 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 医療連携体制加算 看護師としての基準勤務時間数は設定されているのか。(24時間オンコールとされているが、必要とされる場合に勤務するといった対応でよいか。) 看護師としての基準勤務時間数は設定していないが、医療連携体制加算の請求において必要とされる具体的なサービスとしては、 ・利用者に対する日常的な健康管理 ・ 通常時及び特に利用者の状態悪化時における医療機関(主治医)との連絡・調整 ・ 看取りに関する指針の整備 等を想定しており、これらの業務を行うために、当該事業所の利用者の状況等を勘案して必要な時間数の勤務が確保できていることが必要である。(事業所における勤務実態がなく、単に「オンコール体制」としているだけでは、医療連携体制加算の算定は認められない。) 18.5.2介護制度改革information vol.102 事務連絡 指定認知症対応型共同生活介護等に関するQ A 7 1128 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 医療連携体制加算 協力医療機関との連携により、定期的に診察する医師、訪問する看護師で加算はとれるか。連携医療機関との連携体制(連携医療機関との契約書で可能か)による体制で加算が請求可能か。 医療連携体制加算は、環境の変化に影響を受けやすい認知症高齢者が、可能な限り継続して認知症高齢者グループホームで生活を継続できるように、看護師を配置することによって、日常的な健康管理を行ったり、医療ニーズが必要となった場合に適切な対応がとれる等の体制を整備している事業所を評価するものであるため、看護師を確保することなく、単に協力医療機関に医師による定期的な診療が行われているだけでは、算定できず、協力医療機関との契約のみでは、算定できない。 なお、協力医療機関との契約を見直し、契約内容が、看護師の配置について医療連携体制加算を算定するに足りる内容であれば、算定をすることはあり得る。 18.5.2介護制度改革information vol.102 事務連絡 指定認知症対応型共同生活介護等に関するQ A 8 1129 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 医療連携体制加算 同一法人の他事業所に勤務する看護師を活用する場合、双方の常勤換算はどのように考えられるのか。(他事業所に常勤配置とされている従業者を併任してもよいか) 算定の留意事項(通知)にあるとおり、併任で差し支えない。常勤換算については、双方の事業所における勤務時間数により、それぞれ算定する。 18.5.2介護制度改革information vol.102 事務連絡 指定認知症対応型共同生活介護等に関するQ A 9 1130 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 医療連携体制加算 算定要件である「重度化した場合における対応に関する指針」の具体的項目は決められるのか。また、加算の算定には、看取りに関する指針が必須であるか。 算定の留意事項(通知)にあるとおり、医療連携体制加算の算定要件である「重度化した場合における対応に係る指針」に盛り込むべき項目としては、例えば、①急性期における医師や医療機関との連携体制、②入院期間中におけるグループホームの居住費や食費の取扱い、③看取りに関する考え方、本人及び家族との話し合いや意思確認の方法等の看取りに関する指針、などを考えており、これらの項目を参考にして、各事業所において定めていただきたい。 また、この「重度化した場合における対応に係る指針」は、入居に際して説明しておくことが重要である。 なお、指針については、特に様式等は示さないが、書面として整備し、重要事項説明書に盛り込む、又は、その補足書類として添付することが望ましい。 18.5.2介護制度改革information vol.102 事務連絡 指定認知症対応型共同生活介護等に関するQ A 10 1151 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 医療連携体制加算 医療連携体制加算について、看護師により24時間連絡体制を確保していることとあれが、同一法人の特別養護老人ホームの看護師を活用する場合、当該看護師が特別擁護老人ホームにおいて夜勤を行うときがあっても、グループホームにおいて24時間連絡体制が確保されていると考えてよいか。 医療連携体制加算は、看護師と常に連携し、必要なときにグループホーム側から看護師に医療的対応等について相談できるような体制をとることを求めているものであり、特別養護老人ホームの看護師を活用する場合に、当該看護師が夜勤を行うことがあっても、グループホームからの連絡を受けて当該看護師が必要な対応をとることができる体制となっていれば、24時間連絡体制が確保されていると考えられる。 18.9.4 介護制度改革information vol.127 事務連絡 介護老人福祉施設及び地域密着型サービスに関するQ A 51 1198 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 医療連携体制加算 医療連携体制加算について、 ①看護師は、准看護師でもよいのか。 ②特別養護老人ホームが併設されている場合、特別養護老人ホームから看護師を派遣することとして差し支えないか。 ③具体的にどのようなサービスを提供するのか。 医療連携体制加算は、環境の変化に影響を受けやすい認知症高齢者が、可能な限り継続して認知症高齢者グループホームで生活を継続できるように、日常的な健康管理を行ったり、医療ニーズが必要となった場合に適切な対応がとれる等の体制を整備している事業所を評価するものである。 したがって、 ①利用者の状態の判断や、グループホーム職員に対し医療面からの適切な指導、援助を行うことが必要であることから、看護師配置を要することとしており、准看護師では本加算は認められない。 ②看護師の配置については、同一法人の他の施設に勤務する看護師を活用する場合は、当該グループホームの臓員と他の事業所の職員を併任する識員として配置することも可能である。 ③医療連携体制をとっている事業所が行うべき具体的なサービスとしては、 ・利用者に対する日常的な健康管理 ・通常時及び特に利用者の状態悪化時における医療機関(主治医)との連絡調整 ・看取りに関する指針の整備 等を想定しており、これらの業務を行うために必要な勤務時問を確保することが必要である。 18.2.24 全国介護保険担当課長ブロック会議資料 Q A 98 1199 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 医療連携体制加算 医療連携体制加算における「重度化した場合における対応に係る指針」の具体的内容はどのようなものか。 医療連携体制加算の算定要件である「重度化した場合における対応に係る指針」に盛り込むべき項目としては、例えば①急性期における医師や医療機関との連携体制、②入院期問中におけるグループホームの居住費や食費の取扱い、③看取りに関する考え方、本人及び家族との話し合いや意思確認の方法等の看取りに関する指針、などが考えられる。 18.2.24 全国介護保険担当課長ブロック会議資料 Q A 99 1131 43 認知症対応型共同生活介護事業 3 運営 運営推進会議 認知症高齢者グループホームの運営推進会議においては、活動状況としてどのような報告を行う必要があるか。 運営推進会議において報告を行う事項としては、「認知症高齢者グループホームの適正な普及について(平成13年3月12日老計発第13号老健局計画課長通知)」別添2に掲げる「認知症高齢者グループホームに係る情報提供の項目」や、自己評価及び外部評価の結果などが考えられるが、運営推進会議の場においては、当該グループホームにおける運営やサービス提供の方針、日々の活動内容、入居者の状態などを中心に報告するとともに、会議の参加者から質問や意見を受けるなど、できる限り双方向的な会議となるよう運営に配慮することが必要である。 なお、運営推進会議の実践例については、「認知症グループホームにおける運営推進会議の実態調査・研究事業」((社)日本認知症グループホーム協会(平成20年度独立行政法人福祉医療機構「長寿・子育て・障害者基金」助成事業))等を参考にされたい。 18.5.2介護制度改革information vol.102 事務連絡 指定認知症対応型共同生活介護等に関するQ A 11 1194 43 認知症対応型共同生活介護事業 1 人員 介護支援専門員の配置 諮問書には、介護支援専門員の配置について言及されていなかったが、配置義務がなくなったということか。 平成18年1月26日に、社会保障審議会介護保険部会介護給付分科会に提出した諮問については、今般の改正により新たに規定される又は改正される事項を記載したものであり、介護支援専門員の規定については、従来どおりであるため、諮問には記載しなかったものである。 したがって、平成18年4月1 日以降は、全事業所において、介護支援専門員を配置することが必要である。 18.2.24 全国介護保険担当課長ブロック会議資料 Q A 93 1119 43 認知症対応型共同生活介護事業 3 運営 外部評価 外部評価の実施について 当該事業所において提供するサービスの質について、過去1年以内に、都道府県の定める基準に基づき、自ら評価を行い、その結果を公開し、かつ、過去1年以内に、各都道府県が選定した評価機関が実施するサービス評価(外部評価)を受け、その結果を公開していることを要するとされている。 外部評価は、自己評価が完了している事業所において実施が可能となるものであり、ユニットを新設又は増設した事業所については、初回の自己評価は新設又は増設の時点から概ね6月以上経過している場合に実施されることに留意する。 15.5.30 事務連絡 介護保険最新情報vol.151 介護報酬に係るQ A 3 1137 43 認知症対応型共同生活介護事業 1 人員 管理者研修・実践者研修 認知症対応型サービス事業管理者研修の受講要件として認知症介護実践者研修があるが、同時受講が可能であるか。(H17年度は実践者研修と管理者研修の同時開催であったが、実践者研修の修了が条件となると研修は別途開催と考えるがいかがか。) 実践者研修と管理者研修は、その対象者、受講要件並びに目的が異なることから、双方の研修を同時に開催することは想定していないため、同時受講することはできない。 18.5.2介護制度改革information vol.102 事務連絡 指定認知症対応型共同生活介護等に関するQ A 18 1139 43 認知症対応型共同生活介護事業 1 人員 管理者研修・実践者研修 現に管理者として従事していない認知症介護実務者研修修了者が、管理者として従事することになる場合は新たに認知症対応型サービス事業管理者研修を受講する必要があるのか。 受講が必要である。ただし、平成17年度中に、都道府県が実施した「認知症高齢者グループホーム管理者研修」を受講している者については、認知症対応型サービス事業管理者研修を受講した者と見なして差し支えない。 18.5.2介護制度改革information vol.102 事務連絡 指定認知症対応型共同生活介護等に関するQ A 19 1110 43 認知症対応型共同生活介護事業 3 運営 グループホームにおける家賃 家賃等の取扱 痴呆対応型共同生活介護の報酬には、いわゆる「ホテルコスト」は含まれていない(利用者の自宅扱いである)ため、一般に借家の賃貸契約として必要となる費用は利用者の負担とすることができる。したがって、家賃のほか、敷金・礼金、共益費といった名目のものも含まれる。なお、これらの費用については、痴呆対応型共同生活介護のサービスとして提供されるものにかかる費用ではないことから、「その他の日常生活費」とは区分されるべきものではあるが、こうした費用についても、利用料等の受領と同様、予め利用者又はその家族に対し、当該費用について説明を行い、利用者等の同意を得ることが必要である。 12.3.31事務連絡 介護保険最新情報vol.59 介護報酬等に係るQ A Ⅰ(1)⑦1 1181 43 認知症対応型共同生活介護事業 1 人員 グループホームの管理者、及び計画作成担当者 「痴呆性高齢者グループホームの適正な普及について」(平成13年3月12日老計発第13号計画課長通知) において、グループホームの管理者及び計画作成担当.者は、都道府県等の実施する痴呆介護実務者研修.(基礎課程)を.受講することとされているが、平成13年度より開始された同課程を必ず受講しなければならないという趣旨か。 1 ご質問の義務づけは、グループホームの管理者又は計画作成担当者としての知.見を備えるためには、都道府県等において責任を持って実施している研修である痴呆介護実務者研修(以下「実務者研修」という。)の基礎課程を最低限受講していることが必要であるという趣旨であり、「痴呆介護研修事業の円滑な運営について」(平成12年10月25日老計第43号。) にお.いて示した標準的なカリキュラムと同等かそれ以上であると都道府県等が認定した上で責任を持って事業を委託している場合でない限りは、他団体等の実施する痴呆介護に関連する研修を代替として認めることはできない。 * 実務者研修専門課程の受講資格においては基礎課程の修了者又は「それに相当する知識技能を有する者」としていることからその者も基礎課程を修了したとみなしてはどうかとの意見があるが、これは、受講者を基礎課程修了者に限定すると平成13年度は専門課程受講者は誰もいなくなること等の理由から研修受講資格について例外的に基準を緩和するために設けられたものでありサービスの質を担保するために設けられた管理者等の研修受講義務とはそもそもの趣旨が異なるため、「相当する知識技能を有する者」とみなされた場合であったとしてもそのことをもって基礎課程の修了者とみなすことはできないので御留意願いたい。 2 なお、従来都道府県等が行っていた痴呆性老人処遇技術研修等の修了者については、次の条件を満たす場合には、実務者研修基礎課程を受講した者とみなして差し支えない。 (1)上記1の通知において示された標準的なカリキュラムと同等かそれ以上の研修を受講したと当該都道府県等において認定していること。 (2)上記研修の受講後も引き続き痴呆介護の実務に従事していること。 3 また、実務者研修専門課程及び痴呆介護指導者養成研修の修了者については、実務者研修基礎課程を受講した者とみなして差し支えない。 13.9.28 全国介護保険担当課長会議資料 Q A 4 1109 43 認知症対応型共同生活介護事業 3 運営 計画作成担当者の要件 認知症対応型共同生活介護における計画作成担当者の要件について 計画作成担当者は、介護支援専門員をもって充てることが望ましいが、特別養護老人ホームの生活相談員や老人保健施設の支援相談員等として認知症高齢者の介護サービスに係る計画の作成に関し実務経験を有すると認められる者をもって充てることができることとしているところである。 この場合の「特別養護老人ホームの生活相談員や老人保健施設の支援相談員」は、あくまで例示であって、適切に計画作成を行うことができると認められる者であれば、病院の看護職員、認知症対応型共同生活介護に相当する事業の介護従業者、特別養護老人ホームの介護職員等実態に応じて弾力的に取り扱うことについては差し支えないこと。 また、「認知症高齢者の介護サービスに係る計画の作成に関し実務経験を有する」とあるのは、あくまで、「認められる者」であれば足りるものであり、計画作成の実務経験を有していなくても、認知症高齢者の介護サービスについて十分な実務経験があることから、認知症高齢者に対して適切な計画を作成することができると認められる者を含むものであること。 12.2.3 事務連絡 介護保険最新情報vol.35 認知症対応型共同生活介護における計画作成担当者の要件について 1 1140 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 減算(所定単位数の100分の70)関係 認知症対応型共同生活介護、介護予防認知症対応型共同生活介護、小規模多機能型居宅介護及び介護予防小規模多機能型居宅介護について、計画作成担当者や介護支援専門員が必要な研修を修了していない場合や介護支援専門員を配置していない場合の減算(所定単位数の100分の70)に対応するサービスコード等がないようだが、どのように減算の届出や請求を行ったらよいのか。 1 認知症対応型共同生活介護や小規模多機能型居宅介護等について、計画作成担当者や介護支援専門員が必要な研修を修了していない場合や介護支援専門員が必要な研修を修了していない場合や介護支援専門員を配置していない場合など減算対象となる場合の①減算の届出に係る記載②請求に係るサービスコードについては、以下のとおり取り扱うこととする。 <介護給付費算定に係る体制等状況等一覧表> ①小規模多機能型居宅介護及び介護予防小規模多機能型居宅介護の場合 ・「職員の欠員による減算の状況」欄の「3 介護職員」に○印をつける。 ②認知症対応型共同生活介護(短期利用型含む)及び介護予防認知症対応型共同生活介護の場合 ・「職員の欠員による減算の状況」欄の「2 介護従業者」に○印をつける。 <介護給付費単位数等サービスコード表> ①小規模多機能型居宅介護及び介護予防小規模多機能型居宅介護の場合 ・「算定項目」欄の「介護・看護職員が欠員の場合×70%」欄に対応するサービスコードを使用する。 ②認知症対応型共同生活介護(短期利用型を含む)及び介護予防認知症対応型共同生活介護の場合 ・「算定項目」欄の「介護従業者が欠員の場合×70%」欄に対応するサービスコードを使用する。 ※ なお、「厚生労働大臣が定める利用者等の数の基準及び看護職員等の員数の基準並びに通所介護費等の算定方法」(平成12年厚生省告示第27号)等の告示における職員の欠員による減算の規定が不明確との指摘があったことから、官報の一部訂正により対応することとしている。 2 小規模多機能型居宅介護事業所の介護支援専門員については、登録者についての小規模多機能型居宅介護以外の居宅サービスを含めた「ケアプラン」の作成や、当該居宅サービスを含めた「給付管理票」の作成・国保連への提出など、居宅介護支援事業所の介護支援専門員が通常行っている業務を行う必要があることから、欠員が生じた場合には、減算にならなくとも、速やかに配置するようにすること。 なお、月の末日に小規模多機能型居宅介護事業所に介護支援専門員が配置されていない場合は、小規模多機能型居宅介護事業所の登録者に係る給付管理票の「担当介護支援専門員番号」欄は「99999999」と記載すること。 18.5.25介護制度改革information vol.106 事務連絡 指定認知症対応型共同生活介護等の減算に関するQ&A 1141 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 減算(所定単位数の100分の70)関係 認知症対応型共同生活介護事業所における計画作成担当者及び小規模多機能型居宅介護事業所における介護支援専門員が必要な研修を修了していない場合の減算(所定単位数の100分の70を算定)について、職員の突然の離職等により研修修了要件を満たさなくなった場合、必要な研修は年間3,4回程度しか実施されていないにもかかわらず、研修が開催されるまでの間は減算の適用を受けることになるのか。保険者の判断により、研修の申込を行っている場合は減算対象としないといった取扱いをすることは可能か。 (1)減算の取扱いについて 1 認知症対応型共同生活介護事業所における計画作成担当者等が必要な研修を修了していない場合の人員基準欠如については、その翌々月から人員基準欠如が解消されるに至った月まで、利用者全員について減算されるが、翌月の末日において人員基準を満たしていれば減算されないこととなっている。 2 職員の離職等により、新たに計画作成担当者等を配置した場合であっても、研修修了要件を満たしていないときは、原則として、研修の開催状況にかかわらず、減算の対象となる。 3 しかしながら、都道府県における研修の開催状況等を踏まえ、職員の離職等の後、新たに計画作成担当者等を配置し、かつ、市町村からの推薦を受けて都道府県に研修の申込を行い、当該計画作成担当者等が研修を修了することが確実に見込まれる場合は、当該研修を修了するまでの間は減算対象としないこととする。 4 なお、受講予定の研修を修了しなかった場合においては、通常の減算の算定方法に基づき、(人員基準欠如が発生した翌々月から)減算を行うこととする。 (2)研修受講上の配慮 5 市町村においては、「認知症介護実践者等養成事業の円滑な運営について」(老計発第0331007 厚生労働省老健局計画課長通知)に定める研修受講に当たっての都道府県への「推薦書」(別紙3)の余白等を活用して、「当該事業所は職員の離職等により人員基準欠如となったが、当該職員に代わる新たな職員を配置しており、新たな職員に対して早期に研修を受講させる必要がある。」旨を明記し、都道府県がその状況が確認できるようにすること。 6 都道府県においては、市町村から上記「推薦書」が提出された場合には、新たに配置された職員に早期に研修を修了させて、実務に活かされるようにする観点から、当該職員を優先して、最も近い研修を受講させるよう配慮させたい。 18.6.8介護制度改革information vol.110 事務連絡 指定認知症対応型共同生活介護の計画作成担当者の欠員等に係る減算に関するQ&A 1197 43 認知症対応型共同生活介護事業 1 人員 研修の義務付け 認知症対応型共同生活介護事業所において実施する短期利用共同生活介護の要件として、職員の研修受講が義務付けられているが、経過措置はないのか。 一般的な経過措置を設けることは想定していない。ただし、構造改革特区における認知症高齢者グループホームの短期利用事業として今年度内に事業が実施されている場合には、一定の経過措置を設けることについて検討しているところである。 18.2.24 全国介護保険担当課長ブロック会議資料 Q A 97 1113 43 認知症対応型共同生活介護事業 3 運営 サービス利用提供前の健康診断の費用負担とサービス提供拒否 サービスを提供する前に利用申込者に対し、健康診断を受けるように求めることはできるか。また、健康診断書作成にかかる費用の負担はどのように取り扱うべきか。(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、認知症対応型共同生活介護、特定施設入所者生活介護) 介護老人福祉施設、介護老人保健施設、認知症対応型共同生活介護、特定施設入所者生活介護については、利用者が相当期間以上集団的な生活を送ることが想定されることから、健康診断書の提出等の方法により利用申込者についての健康状態を把握することは必要と考えられ、主治医からの情報提供等によっても必要な健康状態の把握ができない場合には、別途利用者に健康診断書の提出を求めることは可能であり、その費用については原則として利用申込者が負担すべきものと考えられる。また、こうした求めに利用申込者が応じない場合はサービス提供拒否の正当な事由に該当するものとは考えられる。 13.3.28 事務連絡 介護保険最新情報vol.106 運営基準等に係るQ&A Ⅱの1 1146 43 認知症対応型共同生活介護事業 3 運営 市町村の独自指定基準 市町村が定める独自の指定基準において、グループホームのユニット数を1ユニットに制限することができるか。 市町村は介護保険法第78条の4第4項及び同法施行規則第131条の9の規定に基づき、独自に定める指定基準において、グループホームのユニット数を1ユニットに制限することは可能である。 18.9.4 介護制度改革information vol.127 事務連絡 介護老人福祉施設及び地域密着型サービスに関するQ A 46 1112 43 認知症対応型共同生活介護事業 5 その他 指定にあたっての事前実地調査 「指定痴呆対応型共同生活介護の適正な普及について」(平成13年3月12日付け老発第83号厚生労働省老健局長通知)により、グループホームの指定に際し、必要に応じて実地調査を行うこととされたが、他のサービスについても、申請書類等の書面審査のみでは基準が満たされているか、また、適正な運営を実施する体制が確保されているかなど、指定を行い得るかどうか確認が行えない場合は、グループホームと同様、実地調査を行うこととして差し支えないか。 また、そうした実地調査を申請事業者が拒否する場合は、基準が満たされているか、また、適正な運営を実施する体制が確保されているかが確認できないため、指定をしないという扱いでよろしいか。 前段、後段とも貴見のとおり取り扱って差し支えない。 13.3.28 事務連絡 介護保険最新情報vol.106 運営基準等に係るQ&A Ⅰの8 1174 43 認知症対応型共同生活介護事業 1 人員 常勤換算の考え方 グループホームにおける、直接処遇職員の常勤換算の考え方如何。 直接処遇職員(兼務も含む)の労働時間の合計を、常勤職員の勤務時間で除したものが常勤換算数となる。 例えば、職員10名、常勤職員の勤務時間が1週40時間のグループホームにおいて、 ①管理者1名(常勤、介護職員兼務)、 ②サービス計画作成担当者1名(常勤、介護職員兼務) ③介護職員4名(常勤) ④介護職員3名(非常勤、週3日、1日4時間…週12時間) ⑤事務職員1名(兼務無し) と配置されている場合は、 ((①+②+③)×40 時間+④×12時間)÷40 時間=6.9(常勤換算人数)となる。 なお、この場合事務職員は算定されない。 上記を参考に、各事業所における常勤職員の勤務時間等を考慮して算定されたい。 21.3.23 介護保険最新情報vol.69 平成21年4月改定関係Q&A(vol.1) 123 1203 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 初期加算 認知症高齢者グループホームにおいて短期利用している利用者が当該認知症高齢者グループホームに引き続き入居することになった場合、初期加算は何日間算定することができるのか。 認知症高齢者グループホームにおいて短期利用している利用者が日を空けることなく引き続き当該認知症高齢者グループホームに入居した場合、初期加算は、30日から入居直前の短期利用の利用日数を控除して得た日数に限り算定できるものである。 19.2.19全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料 介護老人福祉施設及び地域密着型サービスに関するQ A 16 1111 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 初期加算 痴呆対応型共同生活介護の初期加算の取扱については、介護老人福祉施設等と同様、当該入所者が過去3ヶ月間(ただし、「痴呆性老人の日常生活自立判定基準」の活用について」(平成5年10月26日老健第135号厚生省老人保健福祉局長通知。)によるランクⅢ、Ⅳ又はMに該当する者の場合は過去1ヶ月間とする。)の間に、当該痴呆対応型共同生活介護事業所に入所したことがない場合に限り算定できることとなるのか。 貴見のとおり 12.4.28事務連絡 介護保険最新情報vol.71 介護報酬等に係るQ A vol.2 Ⅰ(2)1 1145 43 認知症対応型共同生活介護事業 3 運営 他市町村の住民が入居するみなし指定 他市町村の住民が入居するみなし指定を受けたグループホームは、その住民が退居した場合、他市町村に事業所の廃止届を提出する必要があるのか。廃止届が出ない場合には、事業所台帳が残ったままになるがどうか。 1 みなし指定は、入居している他市町村の住民にのみ効力を有するため、退居した時点で指定の効力はなくなることから、事業所は他市町村の住民が退居したことに伴い、他市町村に事業所の廃止届を提出する必要はない。 2 当該他市町村において、事業所から連絡を行ってもらうなどの方法により住民が退居したことを把握し、事業所台帳から抹消するとともに、この旨都道府県を通して国保連へ情報提供する必要がある。 18.9.4 介護制度改革information vol.127 事務連絡 介護老人福祉施設及び地域密着型サービスに関するQ A 45 1196 43 認知症対応型共同生活介護事業 5 その他 他市町村の利用者 既存の認知症対応型共同生活介護事業所で事業所所在地市町村以外の市町村の長から指定があったものとみなされた利用者が、入院等でグループホームを退居した場合、退院後、再度入居するときには、改めて事業所所在地市町村の同意を得て指定を受けないといけないのか。 入居時の契約に基づき、入院した場合にも居住にかかる費用の支払い等が継続し、当該利用者の個室が確保されている場合については、みなし指定の効力が継続しているものと取り扱って差し支えない。 18.2.24 全国介護保険担当課長ブロック会議資料 Q A 96 1200 43 認知症対応型共同生活介護事業 1 人員 短期入所介護事業 認知症対応型共同生活介護事業所において、3年以上の経験を有する者が、新たに認知症対応型共同生活介護事業所を開設する場合は、開設当初から短期入所介護事業を実施できるか。 3年の経験要件は、事業所に求められる要件であるので、当初から実施はできない。 18.2.24 全国介護保険担当課長ブロック会議資料 Q A 100 1149 43 認知症対応型共同生活介護事業 3 運営 短期利用 短期利用の3年経過要件について、事業所の法人が合併等により変更したことから、形式上事業所を一旦廃止して、新しい会社の法人の事業所として同日付けで指定を受けた場合、事業所が初めて指定を受けて3年は経過しているが、新しい会社の事業所としては3年経過要件を満たしていない。この場合、短期利用を行うことは可能か。 1 グループホームで短期利用を行うための事業所の開設後3年経過要件については、職員や他の入居者との安定した人間関係の構築や職員の認知症ケアに係る経験が必要であることから、事業所の更新期間(6年)の折り返し点を過ぎ、人間関係など一般的にグループホームの運営が安定する時期に入っていると考えられること等を勘案して設定したものである。 2 事業所の職員に変更がないなど事業所が実質的に継続して運営していると認められる場合には、短期利用を認めることとして差し支えない。 18.9.4 介護制度改革information vol.127 事務連絡 介護老人福祉施設及び地域密着型サービスに関するQ A 49 1150 43 認知症対応型共同生活介護事業 3 運営 短期利用 グループホームの短期利用については、空いている居室等を利用しなければならないが、入院中の入居者の同意があれば、入院中の入居者の居室を短期利用に活用することは可能か。 入院中の入居者のために居室を確保しているような場合であっても、入院中の入居者の同意があれば、家具等を別の場所に保管するなど、当該入居者のプライバシー等に配慮を行った上で、その居室を短期利用で利用することは差し支えない。 18.9.4 介護制度改革information vol.127 事務連絡 介護老人福祉施設及び地域密着型サービスに関するQ A 50 1123 43 認知症対応型共同生活介護事業 5 その他 地域密着型サービス 認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護及び地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護は事業者のみなし指定があるが、認知症対応型通所介護は新たに指定の申請を行う必要があるのか。 1 現在認知症高齢者専用の通所介護の報酬を算定している通所介護事業所については、政令において、認知症対応型通所介護の指定を受けたものとみなすことを検討しており、新たな指定の申請は不要とする予定である。 2 また、他市町村の被保険者が上記の通所介護を利用している場合の当該他市町村のみなし指定は、平成18年3月中に当該被保険者が利用した場合に当該被保険者に限って認める方向で検討している。 17.12.19 全国介護保険・老人保健事業担当課長会議資料 地域密着型サービスに関するQ A 1 1116 43 認知症対応型共同生活介護事業 3 運営 特別養護老人ホーム等における入居者の調理行為等 今般の基準省令の改正により、小規模生活単位型特別養護老人ホームは、「入居者の日常生活における家事を、入居者が、その心身の状況等に応じて、それぞれの役割を持って行うよう適切に支援しなければならない」と規定された。この「日常生活における家事」には「食事の簡単な下準備や配膳、後片付け、清掃やゴミだしなど、多様なものが考えられる」ことが通知で示されている。 こうした取組みは、今後、従来型の施設でも進んでいくものと考えられるが、特別養護老人ホームについては、調理室に食器、調理器具等を消毒する設備を設けること、調理に従事する者の検便を行うことなどが示されており、調理室以外の場所で入居者が調理等を行うことは、食品衛生に関する諸規則に照らして問題があるのではないか。 また、痴呆性高齢者グループホーム(認知症対応型共同生活介護)において、入居者が調理等を行うことについても、同様の問題はないのか。 1 特別養護老人ホームにおける衛生管理については、運営基準に包括的な規定を設けるとともに、特に高齢者は食中毒等の感染症にかかりやすく、集団発生や重篤な事例が懸念されることに照らし、累次にわたって関係通知により食中毒予防の徹底を図っているところである。 2 したがって、当該施設において、運営基準及び関係通知に従った衛生管理上の措置が講じられていれば、入居者が調理室以外の場所で簡単な調理(米を研ぐ、野菜の皮をむく等)、盛りつけ、配膳、後片付け(食器洗い等)などを行うこと自体には、食品衛生上の規制に照らして問題があるわけではない。 3 なお、「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」(平成9年3月31日衛食第110号生活衛生局食品保健課長通知「家庭を原因とする食中毒の防止について」の別添)を添付(→このQAには添付なし)するので、衛生管理上の措置を講じる上で活用するよう指導されたい。 また、入居者が調理等を行うのを支援する介護職員は、検便を行う必要はないので、留意されたい。 4 前記については、痴呆症高齢者グループホーム(認知症対応型共同生活介護)も同様である。 15.3.31 老計発0331003 1177 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 認知症高齢者の日常生活自立度を基準とした加算 「認知症高齢者の日常生活自立度」を基準とした加算について、医師が判定した場合、その情報は必ず文書で提供する必要があるのか。 医師が判定した場合の情報提供の方法については特に定めず、必ずしも診断書や文書による診療情報提供を義務づけるものではない。 21.4.17 介護保険最新情報vol.79 平成21年4月改定関係Q&A(vol.2) 39 1147 43 認知症対応型共同生活介護事業 5 その他 認知症対応型共同生活介護 グループホームを経営するNPO法人が社会福祉法人となる場合は、事業者の名称変更等の届出ではなく、新たな事業者指定を受ける必要があるのか。新たな事業者指定を受ける必要があるとすれば、当該NPO法人が他市町村から指定(みなし指定を含む。)を受けていれば、当該他市町村からも新たに指定を受ける必要があるのか。 1 お尋ねのケースの場合、原則として、NPO法人は事業の廃止届を提出し、新たに設立した社会福祉法人がグループホームの事業者として新たな指定を受ける必要がある。また、他市町村から指定を受けていれば、グループホームが所在する市町村の同意を得た上で、他市町村からも新たな指定を受ける必要がある。(みなし指定の適用を受けていた場合も同様) 2 この場合、他市町村から指定の同意の申し出があったときには、グループホームが所在する市町村は、当該グループホームの入居実態には変化がないことを踏まえ、原則として、同意を行うこととし、円滑に当該他市町村による事業所指定が行われるようにすることが求められる。 18.9.4 介護制度改革information vol.127 事務連絡 介護老人福祉施設及び地域密着型サービスに関するQ A 47 1152 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 認知症対応型共同生活介護 「指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準及び指定地域密着型介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項についての一部改正について」(平成18年6月20日 老計発第0620001号)厚生労働省老健局計画課長通知)において、認知症対応型共同生活介護事業所の計画作成担当者の研修未修了に係る減算猶予について示されたが、平成18年4月前(介護支援専門員配置の経過措置終了前)から介護支援専門員を配置しているものの研修を受けていない場合であっても、今後の研修修了見込みがあれば減算対象とならないと考えてよいか。 1 同通知では、「研修を修了した職員の離職等により人員基準欠如となった場合に、・・・指定認知症対応型共同生活介護事業所にあっては計画作成担当者を新たに配置し、かつ、市町村からの推薦を受けて都道府県に研修の申込を行い、・・・当該計画作成担当者が研修を修了することが確実に見込まれるときは、当該研修を修了するまでの間は減算対象としない取扱いとする」としたところである。 2 お尋ねのケースのように、平成18年4月前に介護支援専門員である計画作成担当者を配置したものの研修を受けていない場合も、留意事項通知に定める「職員の離職等」に 18.9.4 介護制度改革information vol.127 事務連絡 介護老人福祉施設及び地域密着型サービスに関するQ A 52 1118 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 認知症対応型共同生活介護利用者への訪問看護 認知症対応型共同生活介護の利用者が急性増悪等により訪問看護を利用した場合の取扱いについて 急性増悪等により訪問看護が必要となり、医師の指示書および特別訪問看護指示書の交付を受けて、訪問看護ステーションから訪問看護を行った場合は、指示の日から14日間を上限として、医療保険において訪問看護療養費を算定できる。医療機関においては在宅患者訪問看護・指導料を算定できる。 15.5.30 事務連絡 介護保険最新情報vol.151 介護報酬に係るQ A 12 1148 43 認知症対応型共同生活介護事業 5 その他 法人形態の変更 指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準附則第7条において、指定認知症対応型共同生活介護事業者とみなされた者が設置している事業所で現に2を超える共同生活住居を有していれば、引き続き2を超える共同生活住居を有することができるとされているが、法人合併や分社化等により法人の形態が変わった場合、当該事業所はこの経過措置の適用の対象となるのか。 平成18年4月1日に指定認知症対応型共同生活介護事業者とみなされた事業者が設置している事業所で、現に2を超える共同生活住居を有しているものであれば、その後、法人合併や分社化等により法人の形態が変わったとしても、経過措置の適用を受ける事業所の対象となり、当分の間、当該共同生活住居を有することができるものである。 18.9.4 介護制度改革information vol.127 事務連絡 介護老人福祉施設及び地域密着型サービスに関するQ A 48 1169 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 夜間ケア加算 加配した夜勤職員は、夜間及び深夜の時間帯を通じて配置しなければならないか。また1ユニットの事業所も2ユニットの事業所も加配するのは常勤換算で1名以上か。 1ユニット、2ユニットの事業所とも、夜間及び深夜の時間帯に常勤換算1名以上を加配することとし、夜間及び深夜の時間帯を通じた配置は要しない。 21.3.23 介護保険最新情報vol.69 平成21年4月改定関係Q&A(vol.1) 118 1170 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 夜間ケア加算 夜間帯における常勤換算1名以上の考え方如何。 夜間及び深夜の時間帯において、通常の常勤職員の勤務時間以上のサービスを提供することをいうものである。 21.3.23 介護保険最新情報vol.69 平成21年4月改定関係Q&A(vol.1) 119 1171 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 夜間ケア加算 2ユニットで1名の夜勤配置に常勤換算で1名を追加配置した場合は対象となるか。 当該配置は、基準省令第90条第4項に規定する、利用者の処遇に支障がない場合の例外措置であり、本加算制度においては通常の配置を超えて夜勤職員を手厚く配置していることを評価しているものであることから、ご質問の配置では加算対象にならない。 21.3.23 介護保険最新情報vol.69 平成21年4月改定関係Q&A(vol.1) 120 1172 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 夜間ケア加算 どのような夜勤の配置が対象になるのか、具体例を示していただきたい。 本加算制度は、基準省令第90条第1項に規定する「当該事業所を構成する共同生活住居ごとに、夜間及び深夜の時間帯を通じて1以上の介護従業者に夜間及び深夜の勤務(宿直勤務を除く。)を行わせるために必要な数以上」の基準を満たした上で、1事業所あたり常勤換算で1名以上の追加配置をした場合に対象となる。よって、対象となる夜勤職員の配置事例は以下のとおりである。 ・事例1(1ユニットの場合)夜勤職員1名+夜勤職員常勤換算1名 ・事例2(2ユニット(ユニット毎に夜勤職員を1名配置)の場合 夜勤職員2名(ユニット毎1名)+夜勤職員常勤換算1名 ・事例3(2ユニット(2ユニットに夜勤職員1名を配置)の場合) 夜勤職員1名(2ユニットで1名)+夜勤職員1名(人員配置基準を満たすための夜勤職員)+夜勤職員常勤換算1名 事例3は問120で回答したとおり、加算対象となるためには原則の夜勤体制にする必要があることから、夜勤職員1名の追加配置を要するものである。 21.3.23 介護保険最新情報vol.69 平成21年4月改定関係Q&A(vol.1) 121 1173 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 夜間ケア加算 留意事項通知において、「全ての開所日において、夜間及び深夜の時間帯の体制が人員配置基準を上回っているものとする。」とあるが、加算対象の夜勤職員も全ての開所日において配置が必要か。 加算対象の夜勤職員の配置については、一月当たりの勤務延時間が当該事業所の常勤換算1以上であれば足りるものである。 21.3.23 介護保険最新情報vol.69 平成21年4月改定関係Q&A(vol.1) 122 1193 43 認知症対応型共同生活介護事業 1 人員 夜勤体制 夜間及び深夜の時間帯の勤務について、宿直勤務を廃止し、夜勤体制とするとされているが、平成18年4月1 日の時点で、夜勤体制がとれない場合、どのようになるのか。経過措置はないのか。 今回の基準改正による夜勤体制義務付けについては、経過措置を設けることとはしていない。平成18年4月1 日以降、厚生労働大臣が定める夜勤体制の基準(認知症対応型共同生活介護事業所ごとに1以上) を満たさなかった場合は、介護報酬が減算(所定単位数の97%) される。 18.2.24 全国介護保険担当課長ブロック会議資料 Q A 92 1195 43 認知症対応型共同生活介護事業 1 人員 夜勤体制 3階建3ユニットのグループホームで、2ユニットについては夜勤体制で職員を配置することとしているが、残り1ユニットについて宿直体制として職員を配置することは可能か。 痴呆対応型共同生活介護の報酬には、いわゆる「ホテルコスト」は含まれていない(利用者の自宅扱いである)ため、一般に借家の賃貸契約として必要となる費用は利用者の負担とすることができる。したがって、家賃のほか、敷金・礼金、共益費といった名目のものも含まれる。なお、これらの費用については、痴呆対応型共同生活介護のサービスとして提供されるものにかかる費用ではないことから、「その他の日常生活費」とは区分されるべきものではあるが、こうした費用についても、利用料等の受領と同様、予め利用者又はその家族に対し、当該費用につ 18.2.24 全国介護保険担当課長ブロック会議資料 Q A 95 1114 43 認知症対応型共同生活介護事業 3 運営 要介護者以外の人と定員の考え方 例えば要介護者の夫に自立の妻がいる場合、同一居室に夫婦で入居することは可能か。また、可能と解した場合、設備基準にいう入居定員の算定に関し、自立の妻も定員の中にカウントするのか。 これまでの生活歴等から勘案して、同居することが適当と考えられる場合にあっては、同一居室へ自立の妻を入居させて差し支えない。また、この場合は、設備基準にいう入居定員の算定に関し、妻を定員としてカウントしない。 13.3.28 事務連絡 介護保険最新情報vol.106 運営基準等に係るQ&A ⅩⅠの1 1120 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 外泊の期間中の取扱 痴呆症対応型共同生活介護を受けている者の外泊の期間中の居宅サービスの利用について 外泊の期間中に居宅サービスを利用するためには、当該サービスについて、居宅介護支援事業者により作成される居宅サービス計画に位置付ける必要がある。この場合、当該居宅支援事業者に対して居宅介護支援費が算定される。当該グループホームの計画作成担当者は作成できない。 なお、外泊の期間は初日及び最終日は含まないので、連続して7泊の外泊を行う場合は、6日と計算される。 (例) 外泊期間:3月1日~3月8日(8日間) 3月1日 外泊の開始・・・・・・痴呆症対応型共同生活介護の所定単位数を算定 3月2日~3月7日(6日間)・・・・・・居宅サービスを算定可 3月8日 入院又は外泊の終了・・・・・・・痴呆症対応型共同生活介護の所定単位数を算定 なお、特定施設入所者生活介護の利用者についても同様の取扱である。 15.5.30 事務連絡 介護保険最新情報vol.151 介護報酬に係るQ A 7 1121 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 外泊の期間中の取扱 痴呆症対応型共同生活介護を受けている者の外泊の初日における夜間ケア加算の算定について 夜間ケア加算は、アセスメントの結果に基づいて、夜間及び深夜の時間帯におけるケアの必要性が痴呆症対応型共同生活介護計画に位置付けられている利用者について、実際に痴呆症対応型共同生活介護を行った場合に算定するものである。外泊の初日は痴呆症対応型共同生活介護を算定できるものの、当該日の夜間及び深夜の時間帯に当該利用者は外泊先に宿泊しており、当該事業所において実際に痴呆症対応型共同生活介護は行われていないため、夜間ケア加算は算定できない。 15.5.30 事務連絡 介護保険最新情報vol.151 介護報酬に係るQ A 8 1115 43 認知症対応型共同生活介護事業 1 人員 管理者及び計画作成担当者 「痴呆性高齢者グループホームの適正な普及について(H13.3.12老計発第13号計画課長通知)」において、グループホームの管理者及び計画作成担当者は、都道府県等の実施する痴呆介護実務者研修(基礎課程)を受講することとされているが、平成13年度より開始された同課程を必ず受講しなければならないという趣旨か。 1.ご質問の義務づけは、グループホームの管理者又は計画作成担当者としての知見を備えるためには、都道府県等において責任を持って実施している研修である痴呆介護実務者研修(以下「実務者研修」)の基礎課程を最低受講していることが必要であるという趣旨であり、「認知症介護研修事業の円滑な運営について(H12.10.25老計第43号)」において示した標準的なカリキュラムと同等かそれ以上であると都道府県等が認定した上で責任を持って事業を委託している場合でない限りは、他団体等の実施する痴呆介護に関連する研修を代替として認めることはできない。 2.なお、従来都道府県等が行っていた痴呆性老人処遇技術研修等の修了者については、次の条件を満たす場合には、実務者研修基礎課程を受講した者とみなして差し支えない。 ①上記1の通知において示された標準的なカリキュラムと同等かそれ以上の研修を受講したと当該都道府県等において認定していること。 ②上記研修の受講後も、引き続き痴呆介護の実務に従事していること。 3.また、実務者研修専門課程及び痴呆介護指導者養成研修の修了者については、実務者研修基礎課程を受講した者とみなして差し支えない。 14.3.28 事務連絡 運営基準等に係るQ A Ⅳ 1132 43 認知症対応型共同生活介護事業 1 人員 計画作成担当者の配置 計画作成担当者は、他の事業所との兼務は可能か 介護支援専門員である計画作成担当者は、当該共同生活住居における他の職務を除き、兼務することはできない。(指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準第90条第6項) 18.5.2介護制度改革information vol.102 事務連絡 指定認知症対応型共同生活介護等に関するQ A 14 1133 43 認知症対応型共同生活介護事業 1 人員 計画作成担当者の配置 計画作成担当者は非常勤でよいか。その場合の勤務時間の目安はあるか。 非常勤で差し支えない。勤務時間は事業所によって異なるが、当該事業所の利用者に対する計画を適切に作成するために、利用者の日常の変化を把握するに足る時間の勤務は少なくとも必要である。 18.5.2介護制度改革information vol.102 事務連絡 指定認知症対応型共同生活介護等に関するQ A 15 1134 43 認知症対応型共同生活介護事業 1 人員 計画作成担当者の配置 計画作成担当者のユニット間の兼務は可能か 各共同生活住居(ユニット)に、それぞれ配置することとなっているので、他の共同生活住居と兼務はできない。(指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準第90条第6項) 18.5.2介護制度改革information vol.102 事務連絡 指定認知症対応型共同生活介護等に関するQ A 16 1135 43 認知症対応型共同生活介護事業 1 人員 計画作成担当者の配置 例えば、2ユニットの場合、2人の計画作成担当者が必要となるが、2人とも介護支援専門員であることが必要か。 計画作成担当者のいずれか1人が、介護支援専門員の資格を有していれば足りる。 18.5.2介護制度改革information vol.102 事務連絡 指定認知症対応型共同生活介護等に関するQ A 17 1157 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 若年性認知症利用者受入加算 一度本加算制度の対象者となった場合、65歳以上になっても対象のままか。 65歳の誕生日の前々日までは対象である。 21.3.23 介護保険最新情報vol.69 平成21年4月改定関係Q&A(vol.1) 101 1159 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 若年性認知症利用者受入加算 担当者とは何か。定めるにあたって担当者の資格要件はあるか。 若年性認知症利用者を担当する者のことで、施設や事業所の介護職員の中から定めていただきたい。人数や資格等の要件は問わない。 21.3.23 介護保険最新情報vol.69 平成21年4月改定関係Q&A(vol.1) 102 1168 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 退居時相談支援加算 退居時相談支援加算は、グループホームのショートステイ利用者は対象となるか。 本加算制度はグループホームを退居後の居宅サービスの利用等について相談を行ったことを評価するものである。ショートステイ等既に居宅サービスを利用している者の相談援助は居宅サービスのケアマネジャー等が行うものであるため、当該加算の対象とはならない。 21.3.23 介護保険最新情報vol.69 平成21年4月改定関係Q&A(vol.1) 117 1117 43 認知症対応型共同生活介護事業 1 人員 認知症高齢者グループホームにおける夜間及び深夜の勤務の取扱い 認知症高齢者グループホームは、夜間及び深夜の時間帯を通じて1以上の介護従業者に宿直勤務又は夜間及び深夜の勤務を行わせなければならないこととされ、また、夜間及び深夜の時間帯を通じて1以上の介護従業者に夜間及び深夜の勤務を行わせることは、夜間ケア加算の算定要件ともされたところである。 一方、労働基準法においては、使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならないこととされている。 以上を踏まえると、認知症高齢者グループホームにおいて、夜間及び深夜の時間帯を通じて1以上の介護従業者に夜間及び深夜の勤務を行わせるためには、夜間及び深夜の勤務に従事する介護従業者を1人確保するだけでは足りず、夜間及び深夜の勤務に従事する介護従業者を2人確保するか、夜間及び深夜の勤務に従事する介護従業者を1人、宿直勤務に従事する介護従業者を1人確保することが必要となると解するがどうか。 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)及び厚生労働大臣が定める基準(平成12年厚生省告示第25号)の中の認知症高齢者グループホームにおける夜間及び深夜の勤務に係る規定の取扱いは以下のとおりである。 ①認知症高齢者グループホームにおいて夜間及び深夜の勤務に従事する介護従業者には、労働基準法第34条の規定に基づき、少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。 ②この場合において、次に掲げる条件が満たされていれば、夜間及び深夜の時間帯を通じて1以上の介護従業者に夜間及び深夜の勤務を行わせているものと取り扱って差し支えない。 「当該介護従業者は、休憩時間を事業所内で過ごすこと。仮に、当該介護従業者が休憩時間中に当該事業所を離れる場合にあっては、あらかじめ、十分な時間的余裕をもって使用者にその意向を伝え、使用者が当該時間帯に必要な交替要員を当該事業所内に確保できるようにすること。」 ③なお、認知症高齢者グループホームにおいては、夜間及び深夜の勤務に従事する介護従業者が労働基準法に則って休憩時間を取得できるようにする必要があるが、労働基準法第89条において、休憩時間については、就業規則に明記しなければならないこととされているため、常時10人以上の労働者を使用する認知症高齢者グループホームにあっては、就業規則において、夜間及び深夜のうち休憩時間とする1時間以上の時間帯をあらかじめ明示的に定めておく必要がある。就業規則において休憩時間を一義的に定め難い場合にあっては、基本となる休憩時間として夜間及び深夜の時間帯のうち休憩時間とする1時間以上の時間帯をあらかじめ明示的に定めるとともに、休憩時間については具体的には各人毎に個別の労働契約等で定める旨の委任規定を就業規則に設ける必要があり、さらに、個別の労働契約等で具体的に定める場合にあっては、書面により明確に定めておく必要がある。なお、常時10人未満の労働者を使用する認知症高齢者グループホームにあっても、労働条件を明確化する観点から、就業規則を作成することが望ましい。 また、当該時間帯は当該介護従業者が就労しないことが保証されている時間帯であるが、仮に入居者の様態の急変等に対応して当該介護従業者が労働した場合には、当該労働に要した時間に相当する時間を当該夜間及び深夜の時間帯の中で別途休憩時間として取得する必要があるため、別途の休憩時間を取得した場合にはその旨を記録しておく旨の取扱いを定めておくことが望ましい。 15.3.31 老計発0331002他 1160 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 認知症行動・心理症状緊急対応加算 緊急短期入所ネットワーク加算との併算定は可能か。 緊急短期入所ネットワーク加算は、地域のショートステイ事業者がネットワークを組み、空床情報の共有を図るための体制整備に対する評価であり、認知症行動・心理症状緊急対応加算は受入れの手間に対する評価であることから併算定は可能である。 21.3.23 介護保険最新情報vol.69 平成21年4月改定関係Q&A(vol.1) 109 1161 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 認知症行動・心理症状緊急対応加算 入所が予定されており、入所予定期間と実際の緊急入所の期間が重なっている場合であっても、本来の入所予定日前に緊急に入所した場合には、7日分算定が可能か。 当初の入所予定期間も含め、認知症行動・心理症状により緊急に入所した日から7日間以内で算定できる。 21.3.23 介護保険最新情報vol.69 平成21年4月改定関係Q&A(vol.1) 110 1162 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 認知症行動・心理症状緊急対応加算 入所予定日当日に、予定していた事業所に認知症行動・心理症状で入所した場合は算定できるか。 本加算制度は予定外で緊急入所した場合の受入れの手間を評価するものであることから、予定どおりの入所は対象とならない。 21.3.23 介護保険最新情報vol.69 平成21年4月改定関係Q&A(vol.1) 111 1163 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 認知症専門ケア加算 例えば、平成18年度より全国社会福祉協議会が認定し、日本介護福祉士会等が実施する「介護福祉士ファーストステップ研修」については、認知症介護実践リーダー研修相当として認められるか。 本加算制度の対象となる認知症介護実践リーダー研修については、自治体が実施又は指定する研修としており、研修カリキュラム、講師等を審査し、適当と判断された場合には認められる。 21.3.23 介護保険最新情報vol.69 平成21年4月改定関係Q&A(vol.1) 112 1164 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 認知症専門ケア加算 認知症専門ケア加算Ⅱの認知症介護指導者は、研修修了者であれば施設長でもかまわないか。 認知症介護指導者研修修了者であり、適切に事業所又は施設全体の認知症ケアの実施等を行っている場合であれば、その者の職務や資格等については問わない。 21.3.23 介護保険最新情報vol.69 平成21年4月改定関係Q&A(vol.1) 113 1165 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 認知症専門ケア加算 認知症日常生活自立度Ⅲ以上の者の割合の算定方法如何。 届出日の属する月の前3月の各月末時点の入所者又は利用者数の平均で算定する。 21.3.23 介護保険最新情報vol.69 平成21年4月改定関係Q&A(vol.1) 114 1166 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 認知症専門ケア加算 認知症介護に係る専門的な研修を修了した者を配置するとあるが、「配置」の考え方如何。常勤要件等はあるか。 専門的な研修を修了した者の配置については、常勤等の条件は無いが、認知症チームケアや認知症介護に関する研修の実施など、本加算制度の要件を満たすためには施設・事業所内での業務を実施する必要があることから、加算対象施設・事業所の職員であることが必要である。 なお、本加算制度の対象となる施設・事業所は、専門的な研修を修了した者の勤務する主たる事業所1か所のみである。 21.3.23 介護保険最新情報vol.69 平成21年4月改定関係Q&A(vol.1) 115 1167 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 認知症専門ケア加算 認知症介護実践リーダー研修修了者は、「痴呆介護研修事業の実施について」(平成12年9月5日老発第623号)及び「痴呆介護研修事業の円滑な運営について」(平成12年10月25日老計第43号)において規定する専門課程を修了した者も含むのか。 含むものとする。 21.3.23 介護保険最新情報vol.69 平成21年4月改定関係Q&A(vol.1) 116 1178 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 認知症専門ケア加算 加算対象となる者が少ない場合でも、認知症専門ケア加算Ⅱを算定するためには認知症介護実践リーダー研修修了者1 名と認知症介護指導者研修修了者1 名の合計2 名の配置が必要か。 加算対象となる者が10 名未満の場合、認知症介護実践リーダー研修と認知症介護指導者研修の両方を修了した者が1 名配置されていれば認知症専門ケア加算Ⅱを算定できるものとする。 21.4.17 介護保険最新情報vol.79 平成21年4月改定関係Q&A(vol.2) 40 1179 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 認知症専門ケア加算 グループホームのショートステイ利用者についても認知症専門ケア加算の算定要件に含めることが可能か。 短期利用共同生活介護及び介護予防短期利用共同生活介護を受ける利用者は当該加算の算定要件に含めず、本加算の対象からも除くものとする。 21.4.17 介護保険最新情報vol.79 平成21年4月改定関係Q&A(vol.2) 41 1180 43 認知症対応型共同生活介護事業 4 報酬 認知症専門ケア加算 認知症介護実践リーダー研修を修了していないが、都道府県等が当該研修修了者と同等の能力を有すると認めた者であって、認知症介護指導者養成研修を修了した者について、認知症専門ケア加算における認知症介護実践リーダー研修修了者としてみなすことはできないか。 認知症介護指導者養成研修については認知症介護実践研修(認知症介護実践者研修及び認知症介護実践リーダー研修)の企画・立案に参加し、又は講師として従事することが予定されている者であることがその受講要件にあり、平成20年度までに行われたカリキュラムにおいては認知症介護実践リーダー研修の内容が全て含まれていたこと等の経過を踏まえ、認知症介護実践リーダー研修が未受講であっても当該研修を修了したものとみなすこととする。 従って、平成21年度4月17日発出のQ&A(Vol.2)問40の答において示したように加算対象となる者が10名未満の場合にあっては、平成20年度以前の認知症介護指導者養成研修を修了した者(認知症介護実践リーダー研修の未受講者)1名の配置で認知症専門ケア加算Ⅱを算定できることとなる。 なお、平成21年度から行われる認知症介護指導者養成研修については、認知症介護実践リーダー研修の受講修了を前提としたカリキュラムとして見直しが行われたところである。しかしながら、平成21年度については既に募集が開始されていることから、当該研修中に一定のプログラムを補うことにより、認知症介護実践リーダー研修修了者とみなすこととする。 平成22年度以降については、認知症介護指導者養成研修の受講者を認知症介護実践リーダー研修修了者に限定する予定であるので、留意されたい。 21.5.13 介護保険最新情報vol.88 認知症専門ケア加算に係る研修要件の取り扱いについて
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4605.html
前ページ次ページ鋼の使い魔 目を覚ました時、彼は清潔に整えられた一室のベッドに横たわっていた。彼は傷づいていた。深い火傷と、切り傷と、煙を吸って肺を焦がしていたのだ。 しかし、今目を覚ました彼は、自分の体にそのような瑕疵がないことに気付いた。飛び起きる彼はさらに、自分が鎧を脱いでいる事に気付く。 「……此処は……どこだ…」 仕切りの向こうから人が入ってきた。少女一人と、頭髪の薄くなった男性が一人。 「目を覚ましたようですね」 男は彼に話しかけてくる。 「ここはトリステイン魔法学院。貴方はこのミス・ヴァリエールにサモン・サーヴァントでよび出されたのです」 時間は遡る。 トリステイン魔法学院、春の使い魔召喚の儀式。それは二年次に進級する学生達が使い魔を召喚、契約し、自身の魔法属性と専門課程を決める大事な儀式である。 しかし彼女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、既に使い魔召喚の口上を数十回繰り返していたが、辺りには爆発によって地面に穿たれたクレーターが散見されるばかりで、使い魔に相応しいような生き物は影も見当たらなかった。 「ゼロのルイズは使い魔も召喚できないのか!」 「しょうがないよなぁ、だってゼロのルイズだしさー」 ギャラリーの心無い声にルイズの心は張り裂けそうだった。 杖を握る指が震える。忸怩とした気持ちと絶望が顔を覆う。 生徒たちを見守る役目を受けた教師コルベールは、ルイズを囲む生徒たちを下がらせ、ルイズの傍に立った。 「ミス・ヴァリエール。気負ってはいけませんよ」 「ミスタ・コルベール……」 己の無能に落胆するルイズに、あくまでも優しく、しかし強い心を込めてコルベールは説く。 「使い魔は、主人の半身ともなる大事な友です。そんなにしょげていては、やってきてくれませんよ」 「でも…私は…」 「無心に願いなさい。さすればきっと、始祖ブリミルの導きで、貴方にふさわしい使い魔を呼び寄せることができるはずです」 コルベールの説得にルイズは呼吸を整え、再び杖を掲げた。 「宇宙の果てのどこかにいる……わたしの僕よ。神聖で美しく、そして、強 力な使い魔よ。わたしは心より求め……訴えるわ。我が導きに……答えなさいッ!!」 ルイズは願った。自分にも使い魔を、誰にも侮られない使い魔をください。魔法が使えない私にせめて胸を張れるような使い魔を……。 振り込んだ杖の先の地面が、光を放って爆発する。巻き上がる土煙は、これまでの失敗よりもずっと激しく立ち昇り、広場を包んだ。 「ケホ、ケホ……つ、使い魔は……?」 土煙が収まらないまま、ルイズとコルベールは爆発の中心を覗く。カチャリ、と金属が擦れるような音がする。 徐々に収まっていく土煙の中に倒れていた、一人の男。煤に汚れた金髪と肌、精巧さと合理性を合わせたような見事な鎧をつけた意丈夫の男が、そこに倒れていたのだ。 「私達はひとまず、貴方の体の怪我や火傷を治すために、学院の医療室に運ばせていただきました」 「……」 男は言葉もない。目を芝立たせ、コルベールの説明を聞いていた。 「貴方の意思を聞かずに、コンクラクト・サーヴァントを行わせたことについては、ミス・ヴァリエールに責任はありません。ひとえに教師として私が指示した事です」 コルベールは男の左手に記されたルーンを指す。 「これは使い魔として契約したものに記される使い魔のルーンです。使い魔に関する詳しい話は、そこのミス・ヴァリエール本人に聞くのが良いでしょう」 話を振られたルイズは、コルベールと男の顔を交互に見るが、何を口出していいのかわからず、顔を背けてしまった。 「ひとまず此処は引き払いましょう。身に着けていたものはミス・ヴァリエールの部屋に送らせて頂きました。ではミス・ヴァリエール。私はこれで」 男はルイズにつれられてルイズの部屋に移った。部屋の隅に男が身に着けていた鎧や装飾品、そして「剣の抜かれた鞘」が積まれていた。 男は鞘を手に取りルイズに聞いた。 「これに収まる剣があったはずなんだが、知らないか」 「知らないわよ。あんたが召喚された時、最初から剣なんで入ってなかったわ。あんたが身に着けていたものは、そこにおいてあるので全部よ」 ベッドに腰掛け、男をまじまじと見るルイズ。 「使い魔の契約もしちゃったし、今日からあんたは私の使い魔よまず……」 「月が二つある……」 話を切るように男が呟く。男は窓から見える大小の月を見ていた。 「どうして月が二つあるんだ?変じゃないか」 「何言ってるのよ。月は二つに決まってるじゃない」 そう答えると、男の顔色が変わったのがルイズにも判った。どこか険しい色を含んでいる。 「グラン・タイユという地名を知っているか」 「グラン・タイユ?知らないわね。……何、月も見えないような田舎から来たって言うの?」 「ナ国は?ヤーデ伯というのに聞き覚えは?」 「なにそれ?知らないわ」 ルイズが質問に答える度に、男の顔に何か濃いものが挿していく。 「……アニマと術がわかるか?」 「アニマって何?術って魔法の事でしょ。あんた一体どれだけ田舎者よ」 質問が途切れた。男は座り込んでうつむいてしまったのだ。 「……ちょっと、あんたさっきから質問ばっかりして。なんなのよ……」 ルイズにしてもたまったものでなかった。やっと呼び出した使い魔は、傷だらけの平民で、傷を治してやったら、今度はよく分からないことを色々と聞いてくるのだから。 「……ルイズ、と言ったな、お前」 「お前とは主人に対して失礼ね。ルイズ様、とかご主人様、とかいえないの」 「俺はお前がどんな人間か判らないからな。敬語をつかうべきかどうか知らないね」 とりあえず、と、男は言葉を一旦切る。 「俺は随分と遠くにやってきてしまったらしい。術もない、アニマも知らない。そんな場所があるなんてな……」 「……はぁ、どうしてこんな田舎者を使い魔にさせたのでしょうか。始祖とコルベール先生を恨みます」 ルイズと男はお互いに別々の理由で、どこか悲嘆にくれていたが、ルイズは改めて向き直して、男に話しかけた。 「まぁお互い色々と思うところはあるけど、あんたは、私の、使い魔になったんだから。やるべき事はやってもらわなくちゃいけないのよ」 男もルイズに顔を向けて話を聞く。 「じゃあ、何をすればいいんだ。言っておくけど俺は何もできないぞ」 「使い魔はまず、主人と感覚の共有ができるはずなんだけど……無理みたいね」 みたいだな、と男は相槌。 「次に、使い魔は主人に望むものを見つけてくるのよ。秘薬とかね」 「薬草の類なら知らなくもないが、あんまり当てになりそうにないな」 そう、とルイズが相槌。 「最後に使い魔は主人の身を守るんだけど……鎧と鞘着けてたんだから、腕の覚えはあるんでしょ」 「まぁな。……そうでなければ今まで生きていなかっただろうしな」 「……まぁいいわ。とりあえず私の護衛兼、小間使いとして置いてあげる。ありがたく思いなさい」 ひとまず話すことは話したのでルイズは気持ちの整理がつき始めていた。もう使い魔として契約してしまったのだから、こいつを使いこなさなければならないと、そう腹に決め始めていた。 「……元の場所に帰る方法はないのか?」 「ないわ。サモン・サーヴァントは呼び出すだけ。そもそも人間が召喚されるなんて、今まで聞いたことも無いし」 「でも俺は此処に呼び出された。しかも俺が気を失っている間に、こんなものまでつけて」 左手の甲をルイズに見えるように男は掲げた。 「ぐ……仕方なかったのよ!使い魔召喚を失敗したら、私はここを追い出されてしまうわ。領地に戻されても、お母様やお父様に合わす顔もないし……」 顔を背けてぽつぽつと声にならない呟きが漏れていくルイズ。 「……本当に帰れないのか」 「ええ……やっぱり帰りたいわよね」 「そうだな。向こうにはたくさん、遣り残した事があるんだ」 男の眼は静かに前を見ている。ルイズは少しだけ、そんな男がまぶしい。 「しかし帰れないんじゃ仕方が無いな…。使い魔、やればいいんだろ」 「……そうよ。やってもらわなくちゃ、困るわ」 あくまで男に対し主人として命令する立場に立ちたいルイズはしかし、男が身の処遇に納得してくれたことに安堵したのだった。 「……とりあえず、今日はもう遅いから寝るわ」 ベッドの上で服を脱いで下着姿になったルイズは、男に服を投げつける。 「洗濯物。明日洗っておいて頂戴。後、朝になったら起こしてくれる?」 男は目の前に投げつけられたルイズの服に唖然としていた。 「男に自分の服を洗わせて恥ずかしくないのか?」 「だってあんたは使い魔だもの」 おやすみ、とベッドにもぐりこんだルイズは、気付いたように男を見て、 「そういえば、名前を聞いてなかったわね」 「俺も教えた覚えが無いな」 床に毛布を敷いて寝床を作っていた男も答えた。 「名前は?田舎者でも名前はあるんでしょう?」 ごろりと横になったまま、 「名前か……」 男は自らを名乗った。 「俺の名前は、ギュスターヴ」 前ページ次ページ鋼の使い魔
https://w.atwiki.jp/kurogiri_all/pages/116.html
部品構造 部品定義部品 あマ指師とは 部品 あん摩マッサージ指圧とは 部品 治療作用 部品 作用への理解 部品 3年間の養成課程と国家試験 部品 医学の知識と理解 部品 清潔と消毒 部品 禁忌症とその対応 部品 四診能力 部品 コミュニケーション能力 部品 自身の健康管理 部品 リスク管理 部品 手ぬぐい 部品 清潔な衣類 部品 生涯研修 部品 数々の臨床経験 部品 包括的な思考 部品 地域社会との連携 部品 身近な存在 部品 継続的な治療 部品 応急手当の知識と能力 提出書式 インポート用定義データ ページ作成 あご 部品構造 大部品 あん摩マッサージ指圧師 RD 21 評価値 7部品 あマ指師とは 部品 あん摩マッサージ指圧とは 部品 治療作用 部品 作用への理解 部品 3年間の養成課程と国家試験 部品 医学の知識と理解 部品 清潔と消毒 部品 禁忌症とその対応 部品 四診能力 部品 コミュニケーション能力 部品 自身の健康管理 部品 リスク管理 部品 手ぬぐい 部品 清潔な衣類 大部品 信頼される施術者 RD 6 評価値 4部品 生涯研修 部品 数々の臨床経験 部品 包括的な思考 部品 地域社会との連携 部品 身近な存在 部品 継続的な治療 部品 応急手当の知識と能力 部品定義 部品 あマ指師とは あん摩マッサージ指圧師は「あマ指師(あましし)」もしくはそれを更に縮めて「あまし」と俗称される。 「あん摩」「マッサージ」「指圧」それぞれの頭文字をとった略称である。 あん摩マッサージ指圧師は、「あん摩マッサージ指圧」の国家資格を持つものの名称である。 部品 あん摩マッサージ指圧とは あん摩とは、術者の手指を用い、薄い衣服の上から遠心性(中心部から末梢にかけて)の刺激を強弱をつけて与える手技療法である。 主として筋肉へとアプローチし、筋組織の循環を向上させ生体の機能調節を図る。 マッサージとは、術者の手指を用い、生体の皮膚に直接求心性(末梢から中心)への刺激を与える施術である。 求心性の手技により、血液・リンパ液の還流を促し、新陳代謝機能の向上を図る。 指圧療法とは徒手を用いて、全身の体表に定められた部位を主に漸増、漸減の垂直圧の一点圧を遠心性(中心から末梢)に与える手技療法である。 押圧操作による圧反射機転により、生体に備わっている自然治癒力の働きを促進し、神経・筋の機能を調整する。 あん摩マッサージ指圧師はこれらあん摩・マッサージ・指圧それぞれの意義と効能の違いを理解し、その施術を使い分けることにより、患者の状況に合わせた適切な治療を選択し、行う。 部品 治療作用 あん摩マッサージ指圧により「興奮作用」「鎮痛作用」「反射作用」の3つの効果が期待できる。 「興奮作用」とは、病的に機能が減退した神経・筋に対して、その機能を高め減退している機能を回復させる作用のことである。 この手技は弱い刺激を与え、時間も短く行う。 運動麻痺、知覚鈍麻、知覚脱失などに対して治療効果があるのは主としてこの興奮作用によるものである。 「鎮痛作用」とは、病的に機能が亢進している神経や筋に対してその機能亢進を抑え、沈静させる作用のことである。 この手技は強い刺激を与え、時間も長く行う。 神経痛・筋痙攣・筋緊張・知覚過敏・筋肉痛などに対して治療効果があるのはこの鎮痛作用によるものが大きい。 「反射作用」とは、疾病部位から離れた部位に対して施術を行い、反転機能を解して神経や筋、内蔵などに刺激を与え、異常機能の調整を図る作用のことである。 興奮的効果と鎮痛的効果の両方が期待できる。 部品 作用への理解 あん摩マッサージ指圧師は、「その施術を行うことにより期待できる作用」への理解が必要である。 まんぜんと揉むだけ、押すだけではなく、如何なる目的でどこにどれくらいの刺激を与えるかを思考、選択することが大切だ。 生体の反応を観察し、適切な刺激量を与えることで十分な治療効果を挙げることができる。 部品 3年間の養成課程と国家試験 あん摩マッサージ指圧師になるためには、あん摩マッサージ指圧師の国家資格が必要である。 国家試験の受験資格は、あん摩マッサージ指圧の専門課程のある養成学校で3年以上養成課程を修了することで与えられる。 国家試験で一定基準に達する点数をとり、合格した者のみがあん摩マッサージ指圧師を名乗り業することを許可される。 部品 医学の知識と理解 あん摩マッサージ指圧師は、患者の生体へ触れることを業とする。 そのため、筋・骨格・内臓・神経・脈管・感覚器などを主とした解剖学的知識や生理学への知識は基本となる。 また患者の病態を正しく把握するためにも病理学や臨床医学への理解も求められる。 部品 清潔と消毒 手指を用い患者の体表に触れる施術のため、特に手指の清潔には注意しなければならない。 汚れが入らずまた患者の皮膚を傷つけぬよう指の爪は短く切り、ヤスリなどを用いて丸める。 施術開始前には石鹸水でよく洗い、クロルヘキシジン、含水アルコールなどを用いて消毒する。 部品 禁忌症とその対応 あん摩マッサージ指圧を行っても効果のない、あるいは施術により病状が悪化するものがある。 これを禁忌症と呼び、その施術は禁止されている。 もし患者が治療を求めてきた場合でも施術を行わず、上記のことを説明した上で適切な医師や病院に行くよう誘導、指示し、施術者もまた医師の判断を仰ぐ。 医師から施術するよう指示を受け、また施術者自身もその治療が適切であると判断した場合はこの限りではない。 以下に禁忌症の一例を示す。 急性の伝染病、熱性病 悪性腫瘍 急性中毒(昆虫毒・蛇毒など) 急性炎症(虫垂炎など) 出血性疾患(喀血、吐血、脳出血直後) 外傷(創傷部、骨折、脱臼直後) 重症の内臓疾患 部品 四診能力 四診とは「問診」「望診」「聞診」「切診」を表す言葉である。 「問診」とは患者本人から訴えや既往歴、全身の状態などを聞くことである。質問用紙に記入してもらう方法もあり、両方を併用することもある。 「望診」とは目で観察することである。顔色、全身の動きや姿勢、舌の状態などをよく診て病態の把握に努める。 「聞診」とは呼吸の状態、声の張りなどの音を聴くことと、口臭や排泄物の匂いをかいで判断することである。 「切診」とは患者に直接触れて診断するものをいう。脈の状態を診る脈診や腹を診る腹診もこれに含まれる。 あん摩マッサージ指圧師は患者の状態を正しく把握し、治療に活かすためこの四診の能力が求められる。 部品 コミュニケーション能力 患者と対話する必要があるためコミュニケーション能力は必須である。 それは上手な問診や説明ができるというだけではなく、良好な信頼関係を築くための力である。 患者のメンタルケアや術後の満足感にも深いつながりを持つ。 部品 自身の健康管理 患者を健康にするためにも、まずは自分自身が健康であることに気をつけねばならない。 自身のコンディションは治療の質にも影響するため、自己マネジメント能力が必要である。 部品 リスク管理 施術における医療事故には十分気をつけ、危機意識を持つ。 万が一事故が発生した時は速やかな処理対応をを行い損害を最小限にし、再発防止に努める。 部品 手ぬぐい 施術の際は清潔な手ぬぐいを使用するため、常に何本かの手ぬぐいを所持している。 およそ33センチ×90センチの綿でできた白地のものが一般的だが、意匠をこらしたものや染めがはいった手ぬぐいを好んで使用する施術者もいる。 いずれにせよ清潔を心がける。 有事の際は引き裂いて包帯や三角巾の代用にもなる。 部品 清潔な衣類 服装に定めはないが、動きやすく清潔な衣類を着用する。 医師との区別をつけるため、淡色のケーシー型の白衣を着用するものが大半である。 外気温に応じて下にシャツを着る、上にパーカーを羽織るなどして調整する。 部品 生涯研修 免許を取ったからそれで終わりというわけではなく、むしろ免許を取得し、臨床の現場に出てからが学修の本番である。 目の前の患者をばくぜんと治療していくだけではなく、症例ごとに真摯に向き合い生涯の研鑽を怠らないことが信頼に足る施術者への道筋である。 部品 数々の臨床経験 ベテランと呼ばれるあん摩マッサージ指圧師は、多数の症例を経験している。 書物や講義で学んだだけではなく、実際患者に触れ、治療し、その結果を診ることで更に次に活かせる。 一連の試行錯誤と経験は、治療の大切な指針である。 部品 包括的な思考 施術中に治療するだけではなく、患者をとりまく環境を幅広くとらえケアできることが期待される。 養生法の指導や健康づくりのアドバイスなど、単に症状だけを診るのではなく包括的に患者の生活を考えられてこそのベテランである。 部品 地域社会との連携 信頼できる施術者となるためには、地域の医療、福祉との連携が欠かせない。 患者を紹介する際には、患者について把握している内容を整理して正確に示した紹介書を書くことが推奨されている。 また逆に患者の紹介を受けた場合は、依頼された事項に対する反応や経過報告を行うことにより双方向性の医療、福祉が築かれる。 部品 身近な存在 施術者は、尊敬される存在であると同時に身近な存在であることも大事である。 治療に関する話だけではなく、少しの身体の変化や心に抱える悩みなども気軽に相談できるような信頼関係の構築に努める。 また負担なく治療に通える環境を作ることも大切だ。 部品 継続的な治療 悪化した症状を緩和させるだけではなく、継続的に治療を受けてもらうことで身体を健康な状態で保つことも大切である。 しかし、実際は症状が出てから治療を求める患者が多い。 継続的な治療を推進するためには、治療の必要性の十分な説明や、施術に対する満足感、爽快感、施術中の心地よさなど総じて高い水準が要求される。 それらをクリアし、病気の時も健康な時も継続的な治療を提供できてこそ信頼に足る施術者であるといえるだろう。 部品 応急手当の知識と能力 医療従事者として応急手当及び救命手当の知識と人命を救う勇気、つまり実行能力がある。 有事の際は傷病者や周囲を観察し、協力を求めることはもちろん、気道確保、心臓マッサージ、人工呼吸、止血などの手当てを状況に応じて適切に判断し、実行する。 提出書式 大部品 あん摩マッサージ指圧師 RD 21 評価値 7 -部品 あマ指師とは -部品 あん摩マッサージ指圧とは -部品 治療作用 -部品 作用への理解 -部品 3年間の養成課程と国家試験 -部品 医学の知識と理解 -部品 清潔と消毒 -部品 禁忌症とその対応 -部品 四診能力 -部品 コミュニケーション能力 -部品 自身の健康管理 -部品 リスク管理 -部品 手ぬぐい -部品 清潔な衣類 -大部品 信頼される施術者 RD 6 評価値 4 --部品 生涯研修 --部品 数々の臨床経験 --部品 包括的な思考 --部品 地域社会との連携 --部品 身近な存在 --部品 継続的な治療 -部品 応急手当の知識と能力 部品 あマ指師とは あん摩マッサージ指圧師は「あマ指師(あましし)」もしくはそれを更に縮めて「あまし」と俗称される。 「あん摩」「マッサージ」「指圧」それぞれの頭文字をとった略称である。 あん摩マッサージ指圧師は、「あん摩マッサージ指圧」の国家資格を持つものの名称である。 部品 あん摩マッサージ指圧とは あん摩とは、術者の手指を用い、薄い衣服の上から遠心性(中心部から末梢にかけて)の刺激を強弱をつけて与える手技療法である。 主として筋肉へとアプローチし、筋組織の循環を向上させ生体の機能調節を図る。 マッサージとは、術者の手指を用い、生体の皮膚に直接求心性(末梢から中心)への刺激を与える施術である。 求心性の手技により、血液・リンパ液の還流を促し、新陳代謝機能の向上を図る。 指圧療法とは徒手を用いて、全身の体表に定められた部位を主に漸増、漸減の垂直圧の一点圧を遠心性(中心から末梢)に与える手技療法である。 押圧操作による圧反射機転により、生体に備わっている自然治癒力の働きを促進し、神経・筋の機能を調整する。 あん摩マッサージ指圧師はこれらあん摩・マッサージ・指圧それぞれの意義と効能の違いを理解し、その施術を使い分けることにより、患者の状況に合わせた適切な治療を選択し、行う。 部品 治療作用 あん摩マッサージ指圧により「興奮作用」「鎮痛作用」「反射作用」の3つの効果が期待できる。 「興奮作用」とは、病的に機能が減退した神経・筋に対して、その機能を高め減退している機能を回復させる作用のことである。 この手技は弱い刺激を与え、時間も短く行う。 運動麻痺、知覚鈍麻、知覚脱失などに対して治療効果があるのは主としてこの興奮作用によるものである。 「鎮痛作用」とは、病的に機能が亢進している神経や筋に対してその機能亢進を抑え、沈静させる作用のことである。 この手技は強い刺激を与え、時間も長く行う。 神経痛・筋痙攣・筋緊張・知覚過敏・筋肉痛などに対して治療効果があるのはこの鎮痛作用によるものが大きい。 「反射作用」とは、疾病部位から離れた部位に対して施術を行い、反転機能を解して神経や筋、内蔵などに刺激を与え、異常機能の調整を図る作用のことである。 興奮的効果と鎮痛的効果の両方が期待できる。 部品 作用への理解 あん摩マッサージ指圧師は、「その施術を行うことにより期待できる作用」への理解が必要である。 まんぜんと揉むだけ、押すだけではなく、如何なる目的でどこにどれくらいの刺激を与えるかを思考、選択することが大切だ。 生体の反応を観察し、適切な刺激量を与えることで十分な治療効果を挙げることができる。 部品 3年間の養成課程と国家試験 あん摩マッサージ指圧師になるためには、あん摩マッサージ指圧師の国家資格が必要である。 国家試験の受験資格は、あん摩マッサージ指圧の専門課程のある養成学校で3年以上養成課程を修了することで与えられる。 国家試験で一定基準に達する点数をとり、合格した者のみがあん摩マッサージ指圧師を名乗り業することを許可される。 部品 医学の知識と理解 あん摩マッサージ指圧師は、患者の生体へ触れることを業とする。 そのため、筋・骨格・内臓・神経・脈管・感覚器などを主とした解剖学的知識や生理学への知識は基本となる。 また患者の病態を正しく把握するためにも病理学や臨床医学への理解も求められる。 部品 清潔と消毒 手指を用い患者の体表に触れる施術のため、特に手指の清潔には注意しなければならない。 汚れが入らずまた患者の皮膚を傷つけぬよう指の爪は短く切り、ヤスリなどを用いて丸める。 施術開始前には石鹸水でよく洗い、クロルヘキシジン、含水アルコールなどを用いて消毒する。 部品 禁忌症とその対応 あん摩マッサージ指圧を行っても効果のない、あるいは施術により病状が悪化するものがある。 これを禁忌症と呼び、その施術は禁止されている。 もし患者が治療を求めてきた場合でも施術を行わず、上記のことを説明した上で適切な医師や病院に行くよう誘導、指示し、施術者もまた医師の判断を仰ぐ。 医師から施術するよう指示を受け、また施術者自身もその治療が適切であると判断した場合はこの限りではない。 以下に禁忌症の一例を示す。 ・急性の伝染病、熱性病 ・悪性腫瘍 ・急性中毒(昆虫毒・蛇毒など) ・急性炎症(虫垂炎など) ・出血性疾患(喀血、吐血、脳出血直後) ・外傷(創傷部、骨折、脱臼直後) ・重症の内臓疾患 部品 四診能力 四診とは「問診」「望診」「聞診」「切診」を表す言葉である。 「問診」とは患者本人から訴えや既往歴、全身の状態などを聞くことである。質問用紙に記入してもらう方法もあり、両方を併用することもある。 「望診」とは目で観察することである。顔色、全身の動きや姿勢、舌の状態などをよく診て病態の把握に努める。 「聞診」とは呼吸の状態、声の張りなどの音を聴くことと、口臭や排泄物の匂いをかいで判断することである。 「切診」とは患者に直接触れて診断するものをいう。脈の状態を診る脈診や腹を診る腹診もこれに含まれる。 あん摩マッサージ指圧師は患者の状態を正しく把握し、治療に活かすためこの四診の能力が求められる。 部品 コミュニケーション能力 患者と対話する必要があるためコミュニケーション能力は必須である。 それは上手な問診や説明ができるというだけではなく、良好な信頼関係を築くための力である。 患者のメンタルケアや術後の満足感にも深いつながりを持つ。 部品 自身の健康管理 患者を健康にするためにも、まずは自分自身が健康であることに気をつけねばならない。 自身のコンディションは治療の質にも影響するため、自己マネジメント能力が必要である。 部品 リスク管理 施術における医療事故には十分気をつけ、危機意識を持つ。 万が一事故が発生した時は速やかな処理対応をを行い損害を最小限にし、再発防止に努める。 部品 手ぬぐい 施術の際は清潔な手ぬぐいを使用するため、常に何本かの手ぬぐいを所持している。 およそ33センチ×90センチの綿でできた白地のものが一般的だが、意匠をこらしたものや染めがはいった手ぬぐいを好んで使用する施術者もいる。 いずれにせよ清潔を心がける。 有事の際は引き裂いて包帯や三角巾の代用にもなる。 部品 清潔な衣類 服装に定めはないが、動きやすく清潔な衣類を着用する。 医師との区別をつけるため、淡色のケーシー型の白衣を着用するものが大半である。 外気温に応じて下にシャツを着る、上にパーカーを羽織るなどして調整する。 部品 生涯研修 免許を取ったからそれで終わりというわけではなく、むしろ免許を取得し、臨床の現場に出てからが学修の本番である。 目の前の患者をばくぜんと治療していくだけではなく、症例ごとに真摯に向き合い生涯の研鑽を怠らないことが信頼に足る施術者への道筋である。 部品 数々の臨床経験 ベテランと呼ばれるあん摩マッサージ指圧師は、多数の症例を経験している。 書物や講義で学んだだけではなく、実際患者に触れ、治療し、その結果を診ることで更に次に活かせる。 一連の試行錯誤と経験は、治療の大切な指針である。 部品 包括的な思考 施術中に治療するだけではなく、患者をとりまく環境を幅広くとらえケアできることが期待される。 養生法の指導や健康づくりのアドバイスなど、単に症状だけを診るのではなく包括的に患者の生活を考えられてこそのベテランである。 部品 地域社会との連携 信頼できる施術者となるためには、地域の医療、福祉との連携が欠かせない。 患者を紹介する際には、患者について把握している内容を整理して正確に示した紹介書を書くことが推奨されている。 また逆に患者の紹介を受けた場合は、依頼された事項に対する反応や経過報告を行うことにより双方向性の医療、福祉が築かれる。 部品 身近な存在 施術者は、尊敬される存在であると同時に身近な存在であることも大事である。 治療に関する話だけではなく、少しの身体の変化や心に抱える悩みなども気軽に相談できるような信頼関係の構築に努める。 また負担なく治療に通える環境を作ることも大切だ。 部品 継続的な治療 悪化した症状を緩和させるだけではなく、継続的に治療を受けてもらうことで身体を健康な状態で保つことも大切である。 しかし、実際は症状が出てから治療を求める患者が多い。 継続的な治療を推進するためには、治療の必要性の十分な説明や、施術に対する満足感、爽快感、施術中の心地よさなど総じて高い水準が要求される。 それらをクリアし、病気の時も健康な時も継続的な治療を提供できてこそ信頼に足る施術者であるといえるだろう。 部品 応急手当の知識と能力 医療従事者として応急手当及び救命手当の知識と人命を救う勇気、つまり実行能力がある。 有事の際は傷病者や周囲を観察し、協力を求めることはもちろん、気道確保、心臓マッサージ、人工呼吸、止血などの手当てを状況に応じて適切に判断し、実行する。 インポート用定義データ [ { "title" "あん摩マッサージ指圧師", "children" [ { "title" "あマ指師とは", "description" "あん摩マッサージ指圧師は「あマ指師(あましし)」もしくはそれを更に縮めて「あまし」と俗称される。\n「あん摩」「マッサージ」「指圧」それぞれの頭文字をとった略称である。\nあん摩マッサージ指圧師は、「あん摩マッサージ指圧」の国家資格を持つものの名称である。", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "あん摩マッサージ指圧とは", "description" "あん摩とは、術者の手指を用い、薄い衣服の上から遠心性(中心部から末梢にかけて)の刺激を強弱をつけて与える手技療法である。\n主として筋肉へとアプローチし、筋組織の循環を向上させ生体の機能調節を図る。\nマッサージとは、術者の手指を用い、生体の皮膚に直接求心性(末梢から中心)への刺激を与える施術である。\n求心性の手技により、血液・リンパ液の還流を促し、新陳代謝機能の向上を図る。\n指圧療法とは徒手を用いて、全身の体表に定められた部位を主に漸増、漸減の垂直圧の一点圧を遠心性(中心から末梢)に与える手技療法である。\n押圧操作による圧反射機転により、生体に備わっている自然治癒力の働きを促進し、神経・筋の機能を調整する。\n\nあん摩マッサージ指圧師はこれらあん摩・マッサージ・指圧それぞれの意義と効能の違いを理解し、その施術を使い分けることにより、患者の状況に合わせた適切な治療を選択し、行う。", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "治療作用", "description" "あん摩マッサージ指圧により「興奮作用」「鎮痛作用」「反射作用」の3つの効果が期待できる。\n\n「興奮作用」とは、病的に機能が減退した神経・筋に対して、その機能を高め減退している機能を回復させる作用のことである。\nこの手技は弱い刺激を与え、時間も短く行う。\n運動麻痺、知覚鈍麻、知覚脱失などに対して治療効果があるのは主としてこの興奮作用によるものである。\n「鎮痛作用」とは、病的に機能が亢進している神経や筋に対してその機能亢進を抑え、沈静させる作用のことである。\nこの手技は強い刺激を与え、時間も長く行う。\n神経痛・筋痙攣・筋緊張・知覚過敏・筋肉痛などに対して治療効果があるのはこの鎮痛作用によるものが大きい。\n「反射作用」とは、疾病部位から離れた部位に対して施術を行い、反転機能を解して神経や筋、内蔵などに刺激を与え、異常機能の調整を図る作用のことである。\n興奮的効果と鎮痛的効果の両方が期待できる。", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "作用への理解", "description" "あん摩マッサージ指圧師は、「その施術を行うことにより期待できる作用」への理解が必要である。\nまんぜんと揉むだけ、押すだけではなく、如何なる目的でどこにどれくらいの刺激を与えるかを思考、選択することが大切だ。\n生体の反応を観察し、適切な刺激量を与えることで十分な治療効果を挙げることができる。", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "3年間の養成課程と国家試験", "description" "あん摩マッサージ指圧師になるためには、あん摩マッサージ指圧師の国家資格が必要である。\n国家試験の受験資格は、あん摩マッサージ指圧の専門課程のある養成学校で3年以上養成課程を修了することで与えられる。\n国家試験で一定基準に達する点数をとり、合格した者のみがあん摩マッサージ指圧師を名乗り業することを許可される。", "expanded" true, "part_type" "part" }, { "title" "医学の知識と理解", "description" "あん摩マッサージ指圧師は、患者の生体へ触れることを業とする。\nそのため、筋・骨格・内臓・神経・脈管・感覚器などを主とした解剖学的知識や生理学への知識は基本となる。\nまた患者の病態を正しく把握するためにも病理学や臨床医学への理解も求められる。", "expanded" true, "part_type" "part" }, { "title" "清潔と消毒", "description" "手指を用い患者の体表に触れる施術のため、特に手指の清潔には注意しなければならない。\n汚れが入らずまた患者の皮膚を傷つけぬよう指の爪は短く切り、ヤスリなどを用いて丸める。\n施術開始前には石鹸水でよく洗い、クロルヘキシジン、含水アルコールなどを用いて消毒する。", "expanded" true, "part_type" "part" }, { "title" "禁忌症とその対応", "description" "あん摩マッサージ指圧を行っても効果のない、あるいは施術により病状が悪化するものがある。\nこれを禁忌症と呼び、その施術は禁止されている。\nもし患者が治療を求めてきた場合でも施術を行わず、上記のことを説明した上で適切な医師や病院に行くよう誘導、指示し、施術者もまた医師の判断を仰ぐ。\n医師から施術するよう指示を受け、また施術者自身もその治療が適切であると判断した場合はこの限りではない。\n以下に禁忌症の一例を示す。\n\n・急性の伝染病、熱性病\n・悪性腫瘍\n・急性中毒(昆虫毒・蛇毒など)\n・急性炎症(虫垂炎など)\n・出血性疾患(喀血、吐血、脳出血直後)\n・外傷(創傷部、骨折、脱臼直後)\n・重症の内臓疾患", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "四診能力", "description" "四診とは「問診」「望診」「聞診」「切診」を表す言葉である。\n\n「問診」とは患者本人から訴えや既往歴、全身の状態などを聞くことである。質問用紙に記入してもらう方法もあり、両方を併用することもある。\n「望診」とは目で観察することである。顔色、全身の動きや姿勢、舌の状態などをよく診て病態の把握に努める。\n「聞診」とは呼吸の状態、声の張りなどの音を聴くことと、口臭や排泄物の匂いをかいで判断することである。\n「切診」とは患者に直接触れて診断するものをいう。脈の状態を診る脈診や腹を診る腹診もこれに含まれる。\n\nあん摩マッサージ指圧師は患者の状態を正しく把握し、治療に活かすためこの四診の能力が求められる。", "expanded" true, "part_type" "part" }, { "title" "コミュニケーション能力", "description" "患者と対話する必要があるためコミュニケーション能力は必須である。\nそれは上手な問診や説明ができるというだけではなく、良好な信頼関係を築くための力である。\n患者のメンタルケアや術後の満足感にも深いつながりを持つ。\n", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "自身の健康管理", "description" "患者を健康にするためにも、まずは自分自身が健康であることに気をつけねばならない。\n自身のコンディションは治療の質にも影響するため、自己マネジメント能力が必要である。", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "リスク管理", "description" "施術における医療事故には十分気をつけ、危機意識を持つ。\n万が一事故が発生した時は速やかな処理対応をを行い損害を最小限にし、再発防止に努める。\n", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "手ぬぐい", "description" "施術の際は清潔な手ぬぐいを使用するため、常に何本かの手ぬぐいを所持している。\nおよそ33センチ×90センチの綿でできた白地のものが一般的だが、意匠をこらしたものや染めがはいった手ぬぐいを好んで使用する施術者もいる。\nいずれにせよ清潔を心がける。\n有事の際は引き裂いて包帯や三角巾の代用にもなる。", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "清潔な衣類", "description" "服装に定めはないが、動きやすく清潔な衣類を着用する。\n医師との区別をつけるため、淡色のケーシー型の白衣を着用するものが大半である。\n外気温に応じて下にシャツを着る、上にパーカーを羽織るなどして調整する。", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "信頼される施術者", "part_type" "group", "children" [ { "title" "生涯研修", "description" "免許を取ったからそれで終わりというわけではなく、むしろ免許を取得し、臨床の現場に出てからが学修の本番である。\n目の前の患者をばくぜんと治療していくだけではなく、症例ごとに真摯に向き合い生涯の研鑽を怠らないことが信頼に足る施術者への道筋である。", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "数々の臨床経験", "description" "ベテランと呼ばれるあん摩マッサージ指圧師は、多数の症例を経験している。\n書物や講義で学んだだけではなく、実際患者に触れ、治療し、その結果を診ることで更に次に活かせる。\n一連の試行錯誤と経験は、治療の大切な指針である。", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "包括的な思考", "description" "施術中に治療するだけではなく、患者をとりまく環境を幅広くとらえケアできることが期待される。\n養生法の指導や健康づくりのアドバイスなど、単に症状だけを診るのではなく包括的に患者の生活を考えられてこそのベテランである。", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "地域社会との連携", "description" "信頼できる施術者となるためには、地域の医療、福祉との連携が欠かせない。\n患者を紹介する際には、患者について把握している内容を整理して正確に示した紹介書を書くことが推奨されている。\nまた逆に患者の紹介を受けた場合は、依頼された事項に対する反応や経過報告を行うことにより双方向性の医療、福祉が築かれる。", "part_type" "part" }, { "title" "身近な存在", "description" "施術者は、尊敬される存在であると同時に身近な存在であることも大事である。\n治療に関する話だけではなく、少しの身体の変化や心に抱える悩みなども気軽に相談できるような信頼関係の構築に努める。\nまた負担なく治療に通える環境を作ることも大切だ。", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "継続的な治療", "description" "悪化した症状を緩和させるだけではなく、継続的に治療を受けてもらうことで身体を健康な状態で保つことも大切である。\nしかし、実際は症状が出てから治療を求める患者が多い。\n継続的な治療を推進するためには、治療の必要性の十分な説明や、施術に対する満足感、爽快感、施術中の心地よさなど総じて高い水準が要求される。\nそれらをクリアし、病気の時も健康な時も継続的な治療を提供できてこそ信頼に足る施術者であるといえるだろう。", "part_type" "part", "expanded" true } ], "expanded" true }, { "title" "応急手当の知識と能力", "description" "医療従事者として応急手当及び救命手当の知識と人命を救う勇気、つまり実行能力がある。\n有事の際は傷病者や周囲を観察し、協力を求めることはもちろん、気道確保、心臓マッサージ、人工呼吸、止血などの手当てを状況に応じて適切に判断し、実行する。", "part_type" "part", "expanded" true } ], "expanded" true, "part_type" "group" } ]
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/5426.html
前ページ次ページゼロ 青い雪と赤い雨 雪が降っている。 淡く、青く、光る雪が。 あの日、私が初めて魔法に召喚に成功したあの日。 今思い返して見れば、あの日が全ての始まりだった。 トリステイン魔法学院では現在春の使い魔召喚の儀式の最中。 それは二年次に進級する生徒達が使い魔を召喚、契約し、自身の魔法属性と専門課程、 そして何よりも儀式の成功の如何によって進級も決まる。 その為、私ことルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールにとってとても重要な儀式なのである。 「なんで!!なんで!!何でなのよっ!!!」 周りを見渡せばみんな自分が召喚した使い魔と笑顔でスキンシップを取っている。 なのに私は、呪文を何度唱えても爆発が起きるだけ・・・使い魔どころか召喚ゲートすら現れない。 今日の為、しっかり予習もしたし自信はあったはずだった。 「いつまで待たせんだよ!!!」 「メイジとは違うのだよ、メイジとは!!」 「悲しいけど、これって失敗なのよね・・・」 「ルイズにつきあっていられるか! 」 「ゼロのルイズは伊達じゃない!」 「聞けば誰もが思うさ!君の様で在りたくないと!」 容赦の無い罵声や嘲笑が飛んでくる 普段なら気にも留めないけど、今は言い返さずには居られなかった。 「うるさいわね!見てなさい!あなたたち全員でも及ばないほど神聖で美しく そして強力な使い魔を呼び出してみせるわ!」 「大見得切った以上次こそこの子より凄い子を召喚できるのよね、ルイズ」 キュルケが嫌な笑顔でこっちを見ながら言う。 その手で撫でているのはサラマンダー、火の魔法が得意なキュルケにお似合いの使い魔だ。 悔しいけど『大物』の部類に入る。 「当然でしょ」 いよいよ引き下がれなくなってしまった。 虚栄や見栄ではなく、本当に召喚してやる!と思って言った事だったのだが 今までの十に届くであろう儀式の結果、爆発しかしていないのである。不安は拭えない。 (お願い・・・!) 強く念じて杖を上げ、呪文を詠唱する。 「宇宙の果てのどこかに居る私の僕よ!神聖で・・・美しく、そして強力な使い魔よ! 私は心より求め、訴えるわ!・・・我が導きに応えなさい!」 何度目かの爆発、その目に見えるのは立ち上る砂塵。 その耳に聞こえるのは轟く爆音とその反響、それに続いて嘲笑。 (なんでなのよ!勉強だって、練習だって頑張ってるのに!なんでなのよ!!!) 立ったまま俯き涙が出そうなのを必死に堪える。 泣いてしまえるのならどんなに楽だろうと思う。 でもここで泣いてしまったら、心が折れてしまいそうだった。 二度と杖を握れなくなるような気さえした。 徐々に霧の深くなる彼女の心境とは真逆に、爆発で巻き上げられた砂塵が徐々に晴れていく。 そしてそれに伴って嘲笑に驚愕の声が混じってゆく。 何事か、と顔を上げて見てみれば青い雪が降っていた。 今は春である。目を擦ってもう一度見たがやはり降っている。 淡く光る季節外れの雪。 その中に細身ながらも身長190サントはあろうかという人間がいた。 フード付きの黒いマントを纏っている、メイジなのだろうか。 フードを被っている為長く延びた金髪が覗く以外は顔を見る事はできない。 しかし、明らかにこちらに対して警戒心を露わにしている。 (成功した!!!!でも・・・・・・) 魔法が成功した事は素直にうれしかった。我慢していた涙が溢れてしまいそうになる程。 しかし、人間の使い魔等聞いた事も無いし、何よりあまり体のいい物では無い。 (やり直しがしたい・・・) コルベール先生を呼んで必死に掛け合ってみたが、結果は良くなかった。 (私だって決まり位解ってる。でも人間の使い魔だなんて・・・) 諦めに心を浸しながらも「どうしよう・・・」と頭を抱えていると、不思議な音が響いた。 ビリビリと細かく空気が震えるような、痺れるようなその音のした方へに目を向ける。 すると、フードを取っていたその人間、いや男が酷く不機嫌そうな表情で私を見下ろしていた。 「俺をここ連れてきたのはお前かよ、ガキ・・・」 (ハァ・・・、これからこれが私の使い魔なのね・・・。) 「そうよ!あんた貴族?ご主人さまにそんな口聞いていいと思ってんの?」 (これから私がご主人さまなんだから!立場の差と言う物を解らせてやるんだから!) 「どういう事だよ」 「あんたは私に召喚されたの、だから私の使い魔になるのよ!」 腰に手を当て男を指を刺し、堂々と言ってやった。 しかしその男は鼻で笑い、そして言った 「ふざけるなよ」 ―――空気が変わった 男から危険な空気を感じた。 ドクン――――と心臓が強く脈打つ。 胸を抑える。 怖い。 逃げたい――――でも怖くて体が動かない。 その時、私と男の間にコルベール先生が割って入った。 何か話している。 何を話しているかなんて耳に入らない。 ただ、怖くて、あの男から目が離せなかった。 自分が情けない。 進級なんてもう無理だ。 怖い。 涙が溢れてくる。止まらない。 ――――助けて。 「チィ・・・泣くなよ。うざってぇ」 ハッ・・・と我に還る。 私の頭に、誰かの手が置かれる。 優しい、暖かい感じがした。 見上げると、私が召喚したあの男。 表情が和らいでいる様に見えた。 さっきまでの危険な空気はもう感じない。 「俺はもういつ消えるか解らねぇが、お前の使い魔とやらにになってやるよ」 ぶっきら棒にそう言い放った男の表情は、困っている様で、それで居てどこまでも優しかった。 コントラクト・サーヴァントは無事済んだ。 なんと一発成功である、私だってやれば出来るんだから! 契約方法には戸惑っていたようだが、諦めた表情をした後屈んでくれた。 (何なのよ!!私がキスしてあげるっていうのにその態度は!!) と少しムカッとしたがここは抑えた。 終えた後何か驚いた表情をしていたが、きっと左手にルーンが刻まれたせいだろう。 名前はアトリと言うらしい。 なんだか可愛らしい名前に少しニヤけてしまう。 「さてと、じゃぁ皆教室に戻るぞ」 先生の号令がかかる 「ルイズ、お前は歩いてこいよ!」 「あいつ『フライ』はおろか、『レビテーション』さえまともにできないんだぜ」 みんなそう言って私を笑いながら帰っていく。 一人で歩いて帰る時間が嫌いだ。 とてもみじめな気持ちになる。 何より今は召喚したばかりの使い魔に情けない姿を見せたくない。 でも飛べないのだから歩いて帰る他無い。 「行くわよ」 使い魔にそう告げて寮へ歩いて向かう。 「お前、飛べないのか?」 (ご主人様に対してお前・・・!?) 口の利き方もそうだが、いきなり一番言われたくない事を言われて少しムッときた。 「う、うう、うるさいわね!練習中なのよ!!」 「そうかよ」 そう言うか言わないか という所でアトリは私をマントに包んだ。体が浮き上がる。 「え?」 アトリはあたしを抱いて、空に一気に上昇した。 「えええええええ~!」 みんなの姿があっと言う間に小さくなる。 私の叫び声に振り替えった人も居るみたいだが遥か上空に居る私達に気付かない様だ。 風を受けながら空を行く。 初めて空から学院を見た。 ハルケギニアを美しく照らす夕焼け。 その光を受けて森はきらきらのビーズを零したように輝いている。 私は空からの眺めに夢中になった。 「部屋、どこだよ」 もう少し空からの景色を見ていたかったが、 心無しか機嫌が良さそうな私の使い魔に、部屋の位置を説明する。 するとゆっくりと下降して、開けっ放しにしていた部屋の窓に向かう。 そして体重なんて無いみたいに、部屋の中にふんわりと降り立った。 先ほどの不思議な音を短くした様な音が響く。 どうやらこの音は彼の足音だったらしい。 「あんた飛べるの?魔法が使えるの?」 「消えちゃうって何よ!」 「あんたの足音なんなのよ!あんた人間じゃないの?」 「あんた何なのよ!」 部屋についてまずアトリに言いたかった事、聞きたかった事全て言った。 アトリはやれやれと言った表情を浮かべたが、すぐに穏やかな表情で答えてくれた。 しかし、その内容はとても信じられない物ばかりだった。 『ラクリマ』という名の異世界から来た事。 特殊な存在ではあるが、人間である事。 貴族などでは無く、軍人である事。 飛べるが、魔法は使えない事。 理由は聞けなかったが、しばらくは消える心配は無さそうである事。(しばらくって事はいつか消えるってことなの!?) と説明してくれたが、とてもじゃないが信じられない。 しかし、足音といい姿といい、飛べる事といい。 何もかもがハルケギニアの常識とかけ離れている使い魔の姿を見ると信じる他は無かった。 ―――なんて物を呼び出してしまったのだろう。 考えれば考えるほど思考の袋小路に追い込まれていく。 あー!もう! 頭を抱え髪をぐちゃぐちゃにする。 とこういう時は寝るに限る。 どんな悩み事も寝て起きたら意外と何でも無かったりする物だ。 私は使い魔に「おやすみ」と告げて夢の世界へエスケープするのだった。 前ページ次ページゼロ 青い雪と赤い雨
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8122.html
前ページ罪背負いし双子の使い魔 あ、ありのまま、今起こったことを話すわ。 「わたしは春の使い魔召喚の儀式で使い魔を召喚した。 と思ったら、いつの間にか目の前にふたりの赤ん坊がいた」 何を言ってるのか分からないと思うけど、わたしも何が起こったのかわからなかった。 頭がどうにかなりそうだわ…… 捨て子だとか、コウノトリが間違えて運んできたとか、そんなチャチなものじゃ断じてない。 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったわ…… わたしことルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、目の前の惨事に手をこまねいていた。 人間、しかもこんな赤ん坊。それもふたりも! どうしたらいいか、わたしに分かるわけないじゃない! 「ミスタ・コルベール……」 この状況に耐えられなくなったわたしは、監督官のミスタ・コルベールに救いを求めた。 「なんだね。ミス・ヴァリエール」 「もう一回召喚させてください!」 もう一回! 次は必ず成功させられるはずだから! でも、ミスタ・コルベールの言葉は非情だった。 「それはダメだ。ミス・ヴァリエール」 「どうしてですか!」 「決まりだよ。二年生に進級する際、君たちは『使い魔』を召喚する。今、やっているとおりだ」 それはもちろん分かってます。だからこんなに頑張ってるんです! 「それによって現れた『使い魔』で、今後の属性を固定し、それによって専門課程へと進むんだ。 一度呼び出した『使い魔』は変更することが出来ない。何故なら春の使い魔召喚は神聖な儀式だからだ。 好むと好まざるにかかわらず、この子達を使い魔にするしかない」 それも分かってます! でも、だからって! 「こんな赤ちゃんを使い魔にするなんて聞いたことがありません!」 そうわたしが言ったら、あたりのクラスメイト達からどっと笑い声が上がった。 ムカつく! 先生がいなかったら一人残らず爆発させてやるのに! 「これは伝統なんだ。ミス・ヴァリエール。例外は認められない。この子達は……」 ミスタ・コルベールはふたりの赤ん坊を指差した。 「確かにただの赤子かもしれないが、呼び出された以上、君の使い魔にならなければならない。 古今東西、人を使い魔にした例はないが、春の使い魔召喚の儀式のルールはあらゆるルールに優先する。 この子達には君の使い魔になってもらわなくてはな」 「そんな……」 わたしの最後の希望が断たれた。 「それに、だ。 君がもしこの子達を使い魔にすることを拒否したとする。そうしたら、この子達はその後どうすればいい? いまの時勢、見ず知らずの赤子を引き取って育ててくれる奇特な人間もそういないだろう。 まさか、このまま捨て子にするなどという非人道的な行為に及ぶわけではあるまい?」 まさか。仮にもヴァリエール公爵家のわたしが、そんなことするわけないじゃない! 「確かに、君が望んで召喚したわけではない。いわば事故のようなものだ。 だが、君が召喚した以上、君はこの子達に対して責任があるはずだ」 それを言われると弱い。わたしだって別にこの子達が憎いわけじゃないし。 「わかったかね。では、儀式を続けなさい」 「はい……」 仕方なく、わたしはふたりの赤ん坊に向き直った。 ピンクと青の産着に包まれて、穏やかな顔で眠ってる。私の葛藤のことなんてまったく分かってないだろう穏やかさだ。 「ねぇ」 わたしにこんな声が出せるんだと、自分でも驚くくらい優しい声で、語りかけた。 「あんたたち、感謝しなさいよね。貴族にこんなことされるなんて、普通は一生ないんだから」 そして、 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」 呪文を唱え、ゆっくりと顔を近づけ…… そっと、口付けた。 「おわりました」 ふたりの赤ん坊との契約が済んで、わたしはそっと顔を離した。 赤ちゃんとのキスなんて愛情表現みたいなものよ、ノーカウントよね。 「『コントラクト・サーヴァント』はきちんとできたようだね」 当然よ! と言おうとしたら、あたりから盛大な野次が飛んできた。 「相手がただの赤ん坊だから、『契約』できたんだよ」 「そいつらが高位の幻獣だったら、『契約』なんかできないって」 「バカにしないで! わたしだってたまにはうまくいくわよ!」 「ほんとにたまによね。ゼロのルイズ」 そういってわたしのことを笑っているのは、『香水』のモンモランシーだ。 「ミスタ・コルベール! 『洪水』のモンモランシーがわたしを侮辱しました!」 「誰が『洪水』ですって! わたしは『香水』のモンモランシーよ!」 「あんた小さい頃、洪水みたいなおねしょしてたって話じゃない。『洪水』の方がお似合いよ!」 「よくも言ってくれたわね! ゼロのルイズ! それとも子持ちのルイズ、コブ付きルイズとでも呼んだ方がいいかしら!」 「なんですって!!」 「こらこら、貴族はお互いを尊重しあうものだ」 ミスタ・コルベールがわたしたちの仲裁に入ってきた。 もともと悪口を言ってきたのはむこうなのに。こっちは被害者よ。 その時、突然赤ん坊たちが泣き出した。どうやら使い魔のルーンが刻まれる痛みのようだ。 「大丈夫よ。『使い魔』のルーンが刻まれてるだけだから」 そういって赤ん坊たちをあやす。さっきまで言い争っていたのが嘘のように穏やかな声で。 ……少しずつ、この子達に情が湧いてきた気がする。 そのうちに泣き声が小さくなってきた。どうやらちゃんと刻まれたようだ。 ……胸に。 ミスタ・コルベールがふたりのルーンを確かめる。 「ふむ…… これは珍しいルーンだな。それもふたりとも同じものか」 わたしには使い魔のルーンの種類なんて分からないけど、やっぱり普通とは違うんだろうか。 「さて、これで春の使い魔召喚の儀式は終了です」 すっかり忘れていたけど、今は使い魔召喚の儀式の最中だった。 「じゃあ皆教室に戻るぞ」 そういって『フライ』の呪文で空に飛び上がった。 というか、この子達を連れて教室に戻るの? 「ミスタ・コルベール! わたしはどうしたら?」 「そうですね…… このあとは授業もないし、あなたは一度寮に戻りなさい。 その子達の世話のことも含めて、いろいろ考えたほうが良いでしょう」 「はぁ……」 それだけ言ってさっさと飛んでいってしまった。ちょっと無責任すぎませんか、先生…… 「じゃあな、子持ちのルイズ! 子育て頑張れよ!」 「早く父親見つけてやれよ! 子供がかわいそうだぞ!」 「バーカ、ゼロなうえにコブ付じゃ相手なんて見つからないだろ」 クラスメイトたちも言いたい放題言いながら行ってしまった。 「……」 すっかりあたりから誰もいなくなって、わたしは目の前の赤ちゃんを抱えながら途方にくれた。 「……これから、どうすればいいのかしらね」 誰にともなく呟いて、結局わたしは一人で寮に戻った。 「あら、ミス・ヴァリエール。どうしました?」 寮に着いて、自分の部屋に戻ろうとしたところで、一人のメイド-名前は確か、シエスタ-に会った。 「ちょうど良かった。ちょっとこの子持って頂戴」 「へ? あ、はい……」 ずいぶんと間抜けな表情をして、青い産着の子を受け取るシエスタ。 その視線は、わたしと、わたしが抱えてる子と、彼女が抱えてる子の間をせわしなく行き来している。 「なに、何か言いたいことでもある?」 「えっと…… おめでとうございます?」 ……は? 「利発そうなお子さんですね。それで、この子達の父親はどなたで……」 どうやら壮大な勘違いをされているらしい。まあ無理もないか。 「ちょっと落ち着きなさい。あんたとわたしは昨日も一昨日も、一年前からずっと会ってるでしょ? いったいいつ子供を生めるってのよ!」 「は、はい! すみません! それじゃあこの子達はいったい?」 「使い魔よ」 「え?」 「だから、わたしの使い魔! 今日が使い魔召喚の儀式だってことは知ってるでしょ?」 「ええ。知ってます」 「で、召喚したらこの子達が出てきたわけ! 以上、なにか問題ある?」 「い、いえ、問題なんてそんな……」 ふぅ、叫んだらちょっと落ち着いたわ。 ちょうどいいからこのメイドにいろいろ手伝ってもらうことにしましょう。 「そういうわけだから、これからはこの子達の面倒を見てかなきゃいけないの。あんた、子育ての経験は?」 「えっと、はい。実家では弟たちの面倒を見てきましたが……」 「なら、この寮にいる間はあんたに手伝ってもらうから、よろしく」 「え、ええ!?」 よし、協力者一人確保。これで何とかなるでしょ。 「あの、ミス・ヴァリエール」 「なによ?」 今更協力できませんなんてのは無しよ。 「この子達の名前です。ミス・ヴァリエールが親代わりになるなら、名前をつけてあげないと」 名前。そういえばすっかり忘れてたわ。 でも、子供に付けるに相応しい名前なんて思い浮かばない。 「名前ね。どんなのがいいのかしら」 一応、尋ねてみる。 「それは私には答えかねます。ミス・ヴァリエールが考えてあげるべきです」 答えを期待はしていなかったけど。なんだか、ますますプレッシャーが強くなった気がする。 ついさっき会ったばかりの子の名前を決めるだなんて、無理に決まってる。 「うーーん……」 今気づいたけど、こっちのピンクの方は女の子で、青の方は男の子ね。 しばらく唸っていたわたしだったけど、ふと、雷に打たれたような閃きを感じた。 これが天啓というものかしら。 「メルとディオ…… そう、女の子がメルで男の子がディオ!」 前ページ罪背負いし双子の使い魔
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4138.html
前ページ自由人ZERO 第一話 焦っていた、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは焦っていた それもそのはず、今回の召還の儀式はどこかおかしかった。 召還の儀式は次の学年に進むための試験であり召還した『使い魔』で今後の専門課程を決めるためのものだ 普通は梟や土竜、サラマンダーなどの野生生物などが召還されるはずであった。 もちろん大多数の生徒はそういった物を召還していたのだが… しかし…今回は一部の生徒…そう五人程が問題だった。 ~ギーシュの場合~ 「鳥?」 「鳥だ…」 「鳥だよな?」 「でも…あんな鳥は見たこと無いぞ?」 「なんかあの鳥キョロキョロしてないか?」 なんだか他の生徒が騒いでいるが気にしないでおこう、本当はモグラとかがよかったんだけどなぁ… しっかし…なんとなくだけども…モテそうに無い鳥だなぁ… そんなことを考えながらもギーシュ・ド・グラモンは契約を済ませた と、同時に…「何すんじゃあぁぁぁぁぁーーーー!!」その鳥が喋った……というか…叫んだ 「何だあれ!?」 「韻鳥!?」 「なんだよそれ?聞いたこと無いぞ!」 またも生徒達が騒いでいる、がさっきとは違い大騒ぎだ 「何が悲しゅうて男とキスなんぞせにゃならんのだ…」 そして件の鳥は泣いていた というか雄だったのか…まあ、あの言い分には自分も同感なのだが。 そう考えていると『ボン』ん?なんの音……あれ? 鳥がいたはずの場所を見てみると上半身裸の男がいた。 「よくもやってくれたなぁ…一体何のつもりだ?」 「い…いったい君はなんなんだい?」 表面上は冷静だが内心はパニック状態の自分がそこにいた 「あぁ?俺様は鳥人界のナンバーワンバード様だよ、で?ここは何処だ? 見たところ七世界のどこでもないみたいだが…天上界か?」 「七世界?天上界?」・・・・・使い魔の話を聞いているとまた生徒達が何かを騒いでいた。 ~タバサの場合~ それは一見大きな蛇に見えた 「蛇…?」 「蛇じゃねえよ竜だ」 普通に返してきた 「今喋ったのは…アナタ?」 「俺以外に誰がいンだよ」 まあ、言われてみればそうなのだが 「あぁ、リュウじゃねぇかよ」 ギーシュの使い魔が割って入ってきた 「知り合い…?」 「「まあな」」 ~~~~~~ 「フーン、使い魔?べつに良いぜ」 やはり、そのリュウと呼ばれた(自称)ドラゴンはバードと同じように人型になっていた 「良いのかよおっさん!?」 「長い人生だ、ツチノコになることもあれば異世界で使い魔になることもあるさ」 《だからアンタはあと何年生きる気だよ…》 バードはそんな表情をしていた。 ~通称マルコメの場合~ お…女!? しかもかなりの美人だ 「ゲッ!サクラ!?」 「マルコメが平民を召還したぞ」 「本当だ、平民だ」 いや、こんな美人なら兵民でもかまうものか!いくぞっ! 「あっ!かまわずコントラクト・サーヴァントに持ち込んだぞ!」 「あー…蹴り飛ばされてる…」 「あれ?あのロープみたいな物何処から出したんだ?」 「こころなしか嬉しそうだな」 「あー…蹴り転がされてる…」 「あれ?手から茨みたいなの出してないか?」 「ああ、やっぱり鞭として使うのか」 「あっギ-シュの使い魔とさっきのドラゴンが止めに入った」 「でも、マルコメはやっぱり嬉しそうだ」 「あいつ…変態だな…」 ~キュルケの場合~ 「早かったな…」 「ああ…」 「なんか内二人は『道連れにしてやる』って顔で一人は『おもしろそうだ』って顔だったな…」 「ちょっと可哀想だったなあの虫…」 「絶対パシられるな」 ~モンモランシーの場合~ 「やっぱり知り合いだったのか…」 「あの美形のにーちゃんなんであんなあっさり了承したんだ…」 「あのギーシュの使い魔の言ってた『忍』って誰なんだろうな?」 「さあ?でもその名前が出たとたんに青ざめてたな」 「なんなんだろうな?」 そんなことがあったのだ あれだけすごい使い魔が団体で召還されているのだからあれほどでなくとも とりあえず召還だけは成功させなければいけない… しかし、ギーシュの使い魔は『七世界』と言っていた…七つの世界に『ナンバーワン』が一人づついるのなら『ナンバーワン』は全員で七人召還されたのは今のところ五人 残った『ナンバーワン』はあと二人 そのどちらかが自分の使い魔として出てくるかもしれないそう思っていたのだが… ~~~~~ 「まだなのかよゼロのルイズ!」 「もうすぐ日が暮れちまうぞ」 「いい加減にあきらめたらどうだ?」 ああ、うるさい!いい加減にして欲しい 自分がゼロなのは自分が一番分かっている、だがこの儀式は次の学年に進むために必要なものなのだ。 だから…何度失敗しようと諦める訳にはいかないのだ。 しかし…「ミス・ヴァリエール…まことに残念なのですが…日没を期限に儀式を終了したいと思います」 教師コルベールはルイズにそう告げた、儀式の終了…それはルイズの留年を意味する言葉であった 「……っつ…分かりました…絶対に日没までに成功させて見せます!」 そしてあとすこしで完全に日が落ちると言う時、教師コルベールは告げる 「ミス・ヴァリエールそろそろ日没ですまことに残念なのですが次の召還で今回の儀式は終了とさせていただきます」 「…っ…ハイ…」 これが最後のチャンス…これを逃してしまえば文字通り後が無い… 《大丈夫だ今度こそ成功する、絶対に失敗なんてしない…》 ルイズは自分にそう言い聞かせた 「宇宙の果てのどこかにいる私の使い魔よ! 神聖で美しく、そして強力な使い魔よ! 私は心より求め、訴えるわ! 我が導きに答えなさい!」 今までと違う、長い詠唱を唱え杖を振り下ろす その瞬間、いままでで一番大きな爆発がおこった。 「ケホッ…どう…私は成功したの?…早く確認しなけれ…ば…」 とても濃い土煙のせいで他の生徒は見えない、だが…そこには…明らかに生徒とは違う人物がいた 蝙蝠のような翼が背中から生えている、年齢はおそらく自分と同じ程だろう、顔立ちもなかなか… いや…見とれている場合ではないこれはサモン・サ-ヴァントが成功した証… ならば早く契約の儀式コントラクト・サーヴァントを実行しなければ すでにルイズには使い魔を選んでいる余裕は無かった 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」 ルイズはそう早口でまくし立て、その使い魔候補に走りより 契約の口づけをした 「い…一体何を?…熱っ!手が熱い!なんだコレ」 ルーンが刻まれたようだ、コレでコントラクト・サーヴァントが成功した事が分かった 「大丈夫よ危険はないわ」 「危険は無いって…あっつい!」 その時一陣の風が吹き辺りの土煙を吹き飛ばした、と同時に日が完璧に沈んだ 「ミス・ヴァリエール?どうでした?結果は?」 コルベールがそう、ルイズに聞いてくる 「成功しました!見てください」 そう言いながら振り返るとそこには先ほどの少年が………いなかった!? 「あれ?ミ…ミスタ・コルベール違うんで「おめでとうございます、ミス・ヴァリエール」え?」 おめでとう?何故? 「子供と言えど召還には成功しました、これであなたも次の学年に進めます。ああすいませんね、おや?コレは珍しいルーンだ…」 子供?一体何処に… そう思いつつルイズが視線を下げると「やーほー」 ちみっこがいた 「ねえ、アンタさっきの人知らない!?こう蝙蝠みたいな翼生えてて…」 ルイズは鬼気迫る表情で問い詰めていく 「知ってるぞ」 「どこ!?」 そしてそのちみっこは自分を指差した 「冗談言わないでよ!にゃ!?」 ルイズは気付くといきなり後ろから摘み上げられていた、そしてルイズが振り返ると『ナンバーワン』達がいた 「たぶんそれはコイツで間違いねぇよ、日も沈んじまったしきっと変身が解けたんだろう。まあ、詳しい説明は本人から聞きな」 とバードがルイズを摘みながら言う 「ちょっと借りるぞ、色々と説明しておくから」 そう言いながらバードはヒーローを連れて行く 『ナンバーワン』達は生徒たちから少し離れた場所で話し合いをしている 「さあ、儀式も終わりましたし皆さん学校に帰りましょう」 その言葉を待っていたかのように生徒はそれぞれ『フライ』の魔法で飛んで行く 『ナンバーワン』たちも話が終わったようでそれぞれの主の所へ向かっていた。 「みんな帰ったけどルイズは戻らないのか?」 「…私は飛べないのよ…って…あんた飛んでない?」 ルイズはヒーローの背中に翼があるのを発見していた、確かにさっきの少年の翼と似ていると言えば似ている 「もしかして本当にさっきの?いや…確かにルーンはあるけど「じゃあいくぞー」え?」 その瞬間ヒーローはルイズを持ち上げ空高く飛んでいた 「キャァァァァァァァァァァ!!」 何も知らされずに飛んだルイズは悲鳴を上げていた 「びっくりした…アンタ凄いのね」 「で、どっちに行けば良いんだー?」 「今日はもう疲れたから部屋にもどるわ…あっちよ」 そう言ってルイズは自分の部屋の方向を指差した ~第一話Fin~ おまけ 「おーいだれかー…」 「嘘…縛られっぱなし?」 「いや…これはコレで…」 夜は更けてゆく… 因みにサクラはリュウに乗ってました 前ページ自由人ZERO
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1840.html
この作品を 故 石ノ森正太郎先生 ヤマグチノボル先生に捧ぐ いや、ダメって言っても投下するけど。(マテ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ディスプレイを見るときは、部屋を明るくして 画面に近づきすぎないよう注意して下さい 少女は焦っていた。 もう自分以外は、既に自分の使い魔となるものを召喚し終わっていた。 なのに、彼女一人だけ、未だに召喚出来ていなかった。 何度となく召喚の呪文を詠唱すれども、起こるのは爆発、爆発、これまた爆発の連続。 何度か召喚できない事を囃し立てた奴を、爆発に巻き込ませたりして、やり場のない怒りの溜飲を下げたりもしたが、どんな人間であれ、おのずと限界はある。 召喚呪文の詠唱のせいで、極度の精神的な疲労から桃色がかったブロンドの髪の毛先まで汗だくとなっているのにも気がつかず、少女は召喚呪文を成功したいが一心に、詠唱を続けるところに、頭髪がやや寂しいメガネを掛けた中年の男性が声を掛ける。 「……ミス・ヴァリエール、もうすぐ日が暮れる。一先ず切り上げ明日にしてはどうだろう? 何も今日呼び出さなければ駄目、というわけでもないのだから」 どうやら、彼女を指導する師なのであろう。その中年の男性が声を掛けるも。 「ミスタ・コルベール、あと一回! あと一回だけお願いします!」 少女は呪文の詠唱を一旦中断し、懇願するように中年の男性に言った。 「いや、しかしだね……」 中年の男性……コルベールは彼女がこれ以上召喚を行ったとしても無理だと判断していたが、少女がこれまでもなく必死であるか判っているだけに、止めるに忍びなかったのだろう。 しかし、物事にはなんでも終わりがある。一人の生徒にだけかまけていられるわけでもない。 コルベールはしかたないと首を振ると、少女にその終わりを告げた。 「分かりました。しかし、次が本当の最後。これ以上は次の授業に差し支えかねない」 コルベールの言葉に、嬉しいような、そしてがっかりしたような表情を浮かべつつも、少女は詠唱を再会する。 (もう、失敗できない。今度こそ!) 少女、ルイズは心の中で強く誓い詠唱の一言一句、すべてに持てる精神力を注ぎ込む。 「来なさい! 私だけの、神聖で、美しく、強力な使い魔よ!!」 召喚の呪文の最後の句が終わり、ルイズは叫ぶ。 瞬間、魔力がルイズの前に凝縮したかと思った瞬間、今度は今までにない規模で爆発が あたり一面に広がった。 それはまさに、新しい伝説の始まりだった。 それはまさに、すべてゼロからの始まりだった。 「伝説」は塗り替えられる。 いま、その伝説のアクセルは解き放たれた! 一様にむせ返る粉塵に咳き込むつつ、煙をはらう中で、生徒の誰かが爆発の中心に何かが蠢くのを見た。 「おい、何かいるぞ!」 「ゼロのルイズが成功した!?」 「この世の終わりだー!」 爆発で巻き上がった粉塵が晴れ、何かが召喚されたと気付いた生徒たちは、パニックに陥った。 「成功した、本当に、成功し……た……?」 召喚した本人ですら、最後の爆発に呆然としながら目の前で蠢くものを唖然としてみていた。そう、文字どおり「唖然」として。 煙の中から姿を現したのは一人の男だ。 黒い髪のやさしそうな雰囲気を持つ青年。二つの輪を持つ銀色の馬のようなものに跨り、黒い兜をかぶっている。 背丈はルイズよりもおそらく上、どんな素材かはよく判らないが、滑らかそうな黒い上着に埃にまみれた淡い青のズボンを穿いている。足元は、これまた固そうで素材のよく判らないブーツ。 その青年もむせ返りながら両手でパタパタと仰ぎながら何事かを喋っているようだが、爆発の中心にいたルイズには爆発の残響が耳を劈いていて、ききとれなかった。 ルイズは、しばらく呆然としていたが、やがて目の前の男を認識するに至り、ようやくのことで言葉を搾り出した。 「……あんた、誰?」 A New Hero.A New Legend. [[2000の技を持つ使い魔]] A New Hero.A New Legend. EPISODE01 召喚 五代雄介は呆然としていた。 ついさっきまで、大切な仲間からもらったビートチェイサーに跨って、南米の荒れ果てた大地を疾走していたはずだった。 それが突然、霧に巻かれて速度を落としたところに、銀色の鏡のようなものが目の前に出現し、避けるまもなくその中に飛び込んでしまった。 気がつけば、落下の衝撃と共に煙の中にいた。 そして煙が晴れたかと思えば、周りの風景が違った。 さっきまでの南米の荒涼とした大地はなくなり。中欧のあたりのような風景に、雄介よりもまだ若い少年少女がこれまた唖然としながらこちらを見ている。 さらに、目の前には桃色がかった長い金髪の少女が、これまた雄介のほうを見て唖然として立っていた。 さすがに様子がおかしいと思った雄介は、ビートチェイサーから降りてヘルメットを脱ぐ。 改めて深呼吸して空気の匂いがさっきまでとは違っている事や、足元の感触がごつごつとした砂と岩ではなく草原である事を確めていると、ようやく目の前の少女の口が開いて、雄介に尋ねてきた。 「……あんた、誰?」 と日本語で少女から問われた。それも完璧な現代日本語の標準語でだ。雄介は聞いていて目をぱちくりさせていた。 「あれ? 日本語?」 「なによそれ? 呆けてんの? 私はあんたが誰かって聞いてるの。まったく、どこの平民よ?」 とりあえず言葉が通じそうだし、制服姿の生徒がいっぱいいる事から、霧に巻かれて移動するうちに、どこかの寄宿舎の庭に転がり込んだかと軽く思い込み、深い事は後で聞くとかにして、とにかく質問には答えようと、自作の名刺を取り出して、目の前の少女に渡しながら言う。 「俺、五代雄介。冒険家で『2000の技を持つ男』。本当はもうちょっと技を持ってるんだけど、語呂が良いからとりあえず」 名刺を手渡されたルイズはというと…… もちろん日本語はおろか、世界数カ国の言語で書かれた雄介の名刺を見ても、なんの文字だかさっぱり判らず、眉根を寄せていた。 「技って…… 魔法?」 目の前の少女が、多少難しそうな顔をしてか、勤めて雄介は明るく笑いながら言う。 「魔法って…… こう、呪文を唱えて火の玉を出したりするのとか? 残念だけど、そう言うやつじゃなくって、こう………」 と、懐にしまってあったボールをいくつか取り出して、ジャグリングをはじめる雄介。 そんな彼を見た生徒達が、大爆笑の後一斉にルイズの召喚を揶揄する声を上げ始めた。 「ルイズ、『サモン・サーヴァント』で平民を、しかも奇術師なんか呼び出してどうするの?」 「さすがはゼロのルイズ、ゼロは愚者に相当するから奇術師か」 「やっぱり失敗じゃない」 そんなみんなの爆笑に拳を震わせながら、目の前の少女(どうやらルイズと呼ばれているらしいと雄介は理解した)は、この中で雄介以外の唯一の大人である人物に向かって懇願するかのように叫ぶ。 「ミスタ・コルベール! 召喚のやり直しを要求します!」 「それは駄目だ、ミス・ヴァリエール。これは決まりだよ。二年生に進級する際、君達は使い魔を召喚する意味はわかるね?」 コルベールと呼ばれた男性は、ちらりと雄介を見ながら、ルイズに向かってそう告げる。 「それによって呼び出した使い魔によって今後の属性を固定し、それにより専門課程へと進むんだ。一度呼び出した使い魔は変更することは出来ない。何故なら使い魔の召喚は神聖な儀式だからだ好む好まざるに関わらず、彼を使い魔にするしかあるまい」 コルベールの口からは、雄介の知らない言葉がっぽんぽん出てくる。 召喚? 使い魔? 神聖な儀式? 雄介には何か嫌な予感を覚えるのだった。 「さぁ、コントラクト・サーヴァントを」 と、コルベールに言われてしまっては、取り付くしまもないルイズ。意を決してルイズはビートチェイサーの脇で立つ雄介に歩み寄った。 「感謝しなさいよ。貴族にこんなことされるなんて、普通一生無いんだから」 といったルイズは、雄介が逃げ出さないようにわっしとその左手を掴む。 「はい?」 一方の雄介は、事態が自分の予想外のところで進行中であることに、ようやく気がついた。しかし、すでに逃げ出せない。左手はルイズにつかまれてしまっていた。 だが、不思議と腰に備わっている筈のあるものは、そんなルイズの行為になんら反応すらしなかった。 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我が使い魔となせ」 詠唱を終え、きょとんとしている雄介の額に杖をちょん、と当てたあと、顔を引き寄せその唇に自らの唇を押し当てる。 「!? わあっ!?」 突然ルイズからキスされた雄介は混乱のあまりに顔が真っ赤になった。心臓がばっくんばっくんと音を立てている。 「って、いきなり何を…… 熱っ!」 唇が離され、まだパニックに陥っていた雄介の左手の甲に、紋章が浮かび上がる。 使い魔のルーン、コントラクト・サーヴァントによって刻まれる使い魔の証。 雄介は左手を押さえ、顔を苦痛に歪ませる。やがてその痛みが消えると、雄介の左手には非常に見慣れていたものが証として浮かび上がっていた。 「!? これ、クウガのマークだ」 ツツ ヅツ クク
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/7779.html
前ページ次ページルイズと無重力巫女さん ルイズ・フランソワーズにとって、今体験している不可思議な出来事は一生忘れられないだろう。 別の世界で巫女さんをしている霊夢を召喚してからというものの、色々な事があった。 ギーシュの決闘騒ぎやフーケ退治、挙げ句の果てには戦争中の他国にまで行く始末。 しかもその出来事の全てに霊夢も関わり、いつの間にか全部霊夢が片づけてくれた…気がする。 そして全てが終われば霊夢は学院の外へ飛んでいき、気が向けば自分の部屋にいてお茶を飲んでいる。 きっとそんな光景は、いずれ終わるだろうと。ルイズは思っていた。しかし… (だからといって、これは不可思議を通り越して摩訶不思議ね…) ルイズは心の中でそう呟き、大きな溜め息を盛大についた。 今彼女は霊夢の家――――つまりは博麗神社…の外れにある社務所の居間にいた。 先程寝かされていた部屋と同じような感じの造りをしており、初めて見る物である。 居間の丁度真ん中には大きな机が置かれており、その周りには座布団が三枚ほど敷かれている。 そしてその座布団に崩し正座で座っているルイズの他にはきちんと正座で座っている霊夢と、先程からルイズの顔を見てニヤついている紫がいた。 数分前――― 先程の自己紹介の後、まず紫はルイズに色々と話したいことと聞きたい事があると言った。 ルイズは紫の能力と不気味な笑顔をみた後では強気な態度は出せず、コクリと頷くことしかできなかった。 頷いたルイズを見た紫はウンウンとひとり頷くと二人を連れて居間へと移動した。 それほど長くもない廊下を歩いている最中に、窓から外の景色を見ることが出来た。 まず最初に目に入ったのが、見たことのない造りをした建物であった。 あんな形の建物はハルケギニア中何処を捜したって見つかりはしないだろう。 「アンタ、何を見てるのかと思えば私の神社を見てたのね」 ルイズの後ろにいた霊夢は、窓から自分の神社を見ているルイズに気づいたのか、さりげなくそう言った。 一方のルイズは、聞いたことのない単語にキョトンとした。 「ジンジャ…って何よ」 「う~ん、なんと言ったらいいか。とりあえずアンタたちで言う教会みたいな所かしら」 霊夢はそこまで言った後、何かを思い出したのだろうか。「そういえば、しばらく見てないわねぇ…」と呟いていた。 彼女の呟きが何なのか判らないルイズはとりあえず肩を竦めるともう一度窓から外の様子を見ることにした。 その時になって気づいたことは、まだ外は薄暗いがどう見ても夜中でなく明け方の時間帯であるという事だった。 (私が意識を失ったのは夜中だから…もしかしたら五、六時間ぐらい過ぎてるのかしら?) そんな事を思っていると、今まで黙っていた紫が突然ルイズに話し掛けてきた。 「突然こんな所へ連れてきて申し訳なかったわね。本当ならもっと時間を掛けて接触しようと思ったのだけれど… 時間が無かったから少し予定を変更して、博麗の巫女と一緒に無理矢理連れてくることにしましたの。」 クスクスと笑いながらそう言う紫を見て、霊夢は呆れた表情になった。 「全く、それならそうともっと早く来れなかったの?アンタぐらいならすぐでしょうに」 「あら?随分と買いかぶられているようですね。所詮私の力は境界を操る゛程度゛なのよ」 「よく言うわねぇ…」 紫の言葉に霊夢は肩を竦めつつも移動し、居間に到着した。 この間わずか一分ぐらいであったが、ルイズにとってはその一分が少しだけ長く感じられた。 居間へついた三人の内一人(霊夢)は、最初から居間に座布団が敷かれている事に目を丸くした。 (おかしいわね…召喚される前には座布団を三枚敷いてた覚えは無いんだけど) 不思議そうに座布団を見つめる霊夢を見て、紫はテーブルの右側に敷かれた座布団に座りつつも霊夢に説明した。 「心配ご無用。藍に敷いておくよう言っておいたのよ。『向こうの世界』で随分のんびりしてたからね」 紫の言葉を聞いた霊夢は安心したのか「あっ、そう」とだけ呟き、左側の座布団に座った。 そして残った一枚は先に座った二人から見れば上座の位置に敷かれている。 ルイズは二人が座ったのを見て、崩し正座ながらも残った一枚に座る事にした。 そして時間は今に戻る――― 紫はルイズが座ったのを確認すると口を開いた。 「まずは、貴方に聞きたい事が一つあるのだけれど、よろしくて?」 そう問いかけた紫の言葉に、ルイズは不安そうな顔で頷いた。 「そう。じゃあ最初に聞くけど、貴方が霊夢を召喚したのね?」 うっすらと笑顔を浮かべつつ紫はそう言い、ルイズはその質問に対し、どう言おうか迷った。 先程の隙間――つまりは紫の能力――を見た限り、相手がタダ者では無いことは確かである。 そんな未知の相手を前に、下手なことを言えばどんな目に遭ってしまうのかわからない。 (それに…自己紹介の時に人攫いが趣味って言ってたし…) どう答えようかと悩みつつも心の中でそう呟いた時、突然紫がクスクスと笑い、ルイズに向かってこう言った。 「フフフ…人攫いと言ってもそんな無闇に人を攫うような事は致しませんわよ?」 「―――!?」 その言葉にルイズは驚きを隠せず、目を見開くとビクッと体を震わせた。 一方の霊夢はそんな二人のやり取りを見て、何が何だかわからず首をかしげる。 「どうしたのよ突然驚いちゃって…?」 「別に何でもないわ霊夢。ただこの娘、考えることが全部表情に浮かんじゃうだけよ」 霊夢にそう言った後、驚くルイズに「で?質問の答えは…」と言った。 ルイズは目を見開いたまま先程の質問に答えた。 「ぇ…え、ぇ…そう、私よ。私がレイムを召喚したのよ。は…春の使い魔召喚の儀式でね」 「使い魔の召喚…ね。だとするとアレは不慮の事故って事かしら?」 思い切ってそう言った後、紫は真剣な顔つきになると手に持っていた扇子を机に置いた。 一方のルイズは「不慮の事故」という言葉を聞き、首をかしげる。 それを見た紫の口元に笑みが浮かび上がり、口を開いた。 「どうやら意味がわからないようね。まぁこれから色々と説明するから、その合間に話すことにするわ。」 紫はそう言い、ルイズにここは一体何処なのか、そして今どういう状況になっているのかを話しはじめた。 ◆ 紫の丁寧な説明を聞きつつ、私は驚くことしかできなかった。 まず最初に伝えられたこと。それは、ここが「ハルケギニアとは全く違う異世界」だという事。 当然私は驚愕したのだが。驚く暇すら与えず紫はこの異世界について淡々と説明し始めた ここは幻想郷と呼ばれているところで。人間…それに「妖怪」という聞いたこともない種族や「妖精」といった伝説上の存在が住んでいるらしい。 彼らはこの幻想郷でしか住むところが無く。回りから大妖怪と一目置かれる紫がこの世界を創ったというのだ そして博麗の巫女である霊夢がその世界を結界(私も何度か見てきたあの光の壁みたいな物)で覆い、守っていると言うことも。 私はその説明を聞いたとき、自分の目の前にいる紫が人間ではなく「妖怪」と呼ばれる存在なのだと気づいた。 (でも…今になって思い出してみると。あの変な隙間とか不気味な笑顔で人間じゃないって気づけたんじゃないのかしら?) そんな風に心の中であの裂け目の中の目や不気味な笑顔を思い出し、ブルッと体を震わせた。 しかもこの世界を創造したと言っているのだ。もはやそれは妖怪というより神に近い存在では無かろうか。 更に今まで私の部屋で一緒に過ごしてきた霊夢はその世界を維持する結界を張っているというのだ。 私の世界で例えれば、始祖ブリミルとロマリアの教皇に謁見しているのと同じ事である。 (イヤでも…この二人ってそれ程堅苦しい性格には見えないし…何より始祖ブリミルに失礼ね。 どっちかというと名のある土地の領主様とそこの治安を守る腕利きのメイジとの会合ってところかしら?) そんな風に考えている私の心を読んでか、紫はクスクスと笑いつつ、説明を再開した。 次に紫が話したことは、私の行った召喚の儀式で霊夢が私の世界に喚ばれてしまったという事。 結果、幻想郷全体を覆う「博麗大結界」が不安定な状態となり、幻想郷崩壊の危機に陥ったというのだ。 つまりは、今目の前にいる霊夢は、この世界の中枢と呼ばれる存在なのだ。 その話を聞いた私は、自分の顔色がどんどん悪くなっていくのを直に感じていた。 「もしかしたら私は、この世界の住民に…大変なことをしちゃいました。…ってところ?」 私は自分の顔が青くなっていくのを自覚しつつ、確認するかのように紫に向かってそう言った。 何せ今目の前にいるのはこの世界の中枢とも呼べる存在が二人もいる。霊夢はともかくきっと紫はかなりご立腹に違いない。 そんな風に思いつつ、私はどんどんと顔色を悪くしていく最中…紫は言った。 「別にあなたが悪いとは私は言ってないわよ?むしろ好都合だったわ」 「……えっ?―え―え、えぇ~…?」 てっきりキツい罵声が飛んでくると覚悟していたルイズは拍子抜けしてしまった。 拍子抜けするのも無理はない、何せこの世界の創造者は怒りもせず、更には好都合だと言ったのだ。 「好都合?ちょっとどういう事よ紫、私にはサッパリなんだけど」 ワケがわからないのは霊夢も同じだったようで、顔を顰めている。 「まぁそうよね~。私にとっても降って沸いた偶然なのだから。まぁ話しておいた方が良いかしら?」 そう言うと紫は良くわかっていない霊夢に説明をした。 少女説明中――――― 寄せ鍋(ヨシェナヴェ)でも食べながら待っていてください。 「…ふーん。妖怪達の生活向上ねぇ」 紫からの説明を一通り聞いた霊夢は興味が無いと言いたげな表情でそう言った。 一方の紫は霊夢とは真逆に嬉しそうな顔である。 「えぇ…。あの世界を調べていく内にわかったのだけれど、向こうの技術は幻想郷と相性が良いのよ」 「だから今回の件は無かったことにするって事ね。私は別に良いけどレミリアとかはどうなのよ?」 霊夢の言うとおり、レミリアのようにプライドがあって尚かつ自らの住処を荒らされるのを良しとしない者が黙っているはずが無いのだ。 今回のことを許せば貴方達の生活はもっと良くなりますよ、と言って素直にはいそうですかと言うワケがない。 幻想郷に住む妖怪達にとって此処でしか住む所が無いのだ。 しかし、霊夢の質問に紫はその顔に微笑みを浮かべつつ言った。 「流石の私もあの娘の説得には骨が折れそうだったけど何とかなったわ。 後のことはもう一度会ってみなければわからないけど…まぁ多分何とかなるわね。」 紫はその言葉でふぅ…と一息つくとルイズの方へと向いた。 何が何だかわからず、今まで置いてけぼりだったルイズは何故か身を強ばらせてしまう。 ◆ ガリア王国―― ハルケギニア大陸のほぼ中央に位置するその国は人口約1500万人を抱える魔法先進国である。 日々職人達が様々なマジックアイテムを作成しているのだ。 中でも人形作りに関しては特筆すべき所があり、各国から届く注文の手紙は絶えない。 平民達も満足した生活が出来ているその国の宮殿は首都リュティスから離れた所に建てられていた。 ヴェルサルテイルと呼ばれる宮殿の中に青いレンガで作られたグラン・トロワという宮殿がある。 そのグラン・トロワの一番奥の部屋には、この国の王がいた。 その男の名はジョゼフ。現ガリア王国の国王である。 青みがかかった髪と髭に彩られた顔は、見る者をハッとさせるような美貌に溢れていた。 均整のとれたがっしりとした長身が、そんな彫刻のような顔の下についている。 今年で四十五になるのだが、どうみても三十過ぎにしか見えない若々しさ。 そのような美髯の美丈夫は自らの寝室に一人の女を招き入れていた。 黒い艶やかな髪が特徴的なその女は、あのシェフィールドだった。 「あなた様の指示を受け、クロムウェルが神聖アルビオン共和国の初代皇帝となるようです」 シェフィールドは、クロムウェルやボーウッドの前でとった時とは180度違う態度でジョゼフにそう報告した。 その報告に満足したのか、ジョゼフはその美しい顔に微笑みを浮かべると口を開いた。 「どうやら、世界は俺の読み通りに動きつつあるな」 誰に言うとでも無くジョゼフはそう呟きつつ、部屋の真ん中に設置されたテーブルの上に置かれている一本の杖へと目を向けた。 騎士が使うようなレイピア型のそれには、どす黒く変色した゛血゛が大量にこびり付いている。 ジョゼフはその杖を手に取ると既に固形化している血液を指先でツンツンとつついた。 「確か、これをやってくれたのは…トリステインの元子爵、だったかな?」 「ハイ。今現在は重傷を負い寝たきりの状態ですが後一週間もすれば回復するとのことです」 シェフィールドは淡々と報告しながらも、ジョゼフの顔をジッと見つめていた。 その報告を聞いたジョゼフはウンウンと頷きつつ、手に持っていた杖をシェフィールドに手渡した。 「良し、その子爵には俺の財布で新しい杖を買い与えてやろう。これ程の偉業は無いからな」 「了解しました。して、この杖…もとい付着している血液は゛実験農場゛に送れば宜しいのですね」 言いたいことを先にシェフィールドに言われてしまったのか、ジョゼフは目を丸くした。 「さすがは余のミューズだ。もう心を読まれてしまったか!」 大げさに驚いているジョゼフを見て、シェフィールドは薄笑みをその顔に浮かべた。 「そうでなければ。貴方様の使い魔として生きてゆけませぬ」 「相変わらず可愛い奴だ!とにかく、それぐらいの量なら科学者共の力で充分作れるだろう」 ジョゼフはそう言うと窓の方へと近寄り、遙か空の上にある双月を仰ぎ見た。 「俺は作り出してやろう。埋もれた歴史の墓場に佇んでいた伝説の存在を…」 そう言った瞬間、ジョゼフはバッと両手を広げ大声で叫んだ。 「そして今の時代をその伝説で壊してやる!俺がこれから指してゆくゲーム盤の上に潜ませてな!!」 ◆ 「さてと、次は貴方に聞きたいことがあるのだけれど…」 その言葉に、ルイズはとりあえず頷いた。 「まずはあなたがさっき言ってた春の使い魔召喚の儀式について質問だけど。それには一体何の意味があるのかしら?」 これが本題だと言わんばかりに興味津々な眼差しで紫はルイズに聞いた。 突然そんな事を言われたルイズは戸惑いつつもその質問に答えた。 「あれは、私たちが二年生になる為の必要な行事よ」 「成る程…進級行事というわけね。それで、使い魔を召喚したその後は?」 少し机から身を乗り出し、紫は更に詳しい説明を要求した。 「そのあとは…召喚した使い魔によって今後の属性を固定し…それぞれの専門課程へと進むのよ グリフォンや風竜の子を召喚したら『風の属性』の専門課程へ。サラマンダーを召喚したら『火の属性』の専門課程。という風に」 そこまで聞いた紫は満足したかのようにウンウンと頷いた。その顔はまるで昔話を聞いて喜ぶ子供のようである。 「成る程、貴方の世界ではそういう行事があるのね。聞いてて飽きないわ」 更にその後、紫からの質問が何度か行われた。 貴方が住んでた世界は一体どんな所で、どんな国があるのか。 どんな種族がいて、どのようにして暮らしているのか。 マジックアイテムのような特殊な道具はあるのか。 製鉄や造船などの技術がどれくらい進んでいるのか。とか等々c… 座学においてはタバサと一、二を争うルイズは数々の質問に、とりあえず知っている限りの事を教えた。 そんなこんなで軽く一時間が過ぎ、(ルイズにとって)長い長い質問攻めは…突然腰を上げた霊夢によって終わりを告げた。 二人のやり取りの合間に淹れてきたお茶を眠たそうな顔で飲んでいた霊夢の表情は、真剣なものになっている。 紫の質問に答えていたルイズはどうしたのかと霊夢の方へと顔を向けた。 一方の紫も、ルイズの゛記憶゛の一部からでしか見れなかった異世界の話を楽しんでいたのだが、ふと霊夢と同じく表情を変えた。 しかしその表情は真剣な顔つきの巫女とは違う。面白い物が見れるといった感じである。 一体何なのかとルイズはキョトンとしたが、辺りを見回してもおかしい所は何もない。 ルイズは首をかしげつつも霊夢の方へと顔を向けたその瞬間―― 「ハァッ!」 キ イ ィ ン ッ ! ! 威勢の良い霊夢の声と共に金属特有の甲高い音が直ぐ傍から聞こえてきた。 突然のことにビクッと体を震わせつつルイズはその音の方へと視線を向ける。 そこには、いつの間にか青白い結界を張っている霊夢がいて――その結界にはナイフが刺さっていた。 ナイフと言ってもかなりの大きめの物である。刺さればかなりの深手を負う事間違いなしである。 ただ、その刃先はルイズ本人には向いてはいない。 霊夢が結界を張っていなければ丁度彼女の頬を掠って背後の壁に突き刺さっていただろう。 「ひっ…ひぇぇ……」 気づかぬ間に自分のすぐ傍に刃物があった事に気がついたルイズは気を失ってしまった。 「はぁ~…全く、相変わらず手の込んだ事をするわね。挨拶ならもうちょっと工夫しなさいよ」 霊夢は気絶したルイズを見て溜め息交じりにそういうと結界を解除し、そのナイフを手に取った。 そして部屋の中を見回し、いつの間にか開いていた窓に気づくとそちらの方へとナイフを投げ捨てた。 放射線を描きながらナイフはそのまま外へと飛んでいき、勢いよく地面に刺さった。 それから間もなくして、メイド服を着た銀髪の女性が突然現れ、地面に刺さったナイフを抜きそれを手に持っていた鞘に収めた。 鞘に収めたナイフを腰に差すと、メイド服の女性、咲夜は窓からこちらを睨み付けている霊夢に話しかけた。 「どうせ貴方が防ぐと思ってしたまでの事よ。それに直撃もしなかったと思うし」 平然と言う咲夜に霊夢は嫌悪感丸出しの態度で返事をした。 「だったら刃物なんか投げないで頂戴。壁に刺さってたらどうしてくれたのよ」 「それは面白そうね。当たったら何か景品でもくれるのかしら?」 「はいはいそこまでにしときなさいな。戦いたいのなら後にしなさい」 霊夢の横からちらりと顔を出した紫が突如二人の会話に割り込んだ。 咲夜は肩をすくめながらも今度は紫に話し掛ける。 「私は別に戦いたくはないわ。ただお嬢様から一足先に軽い挨拶をして来いって言われただけよ」 「成る程…やっと交渉が成立したと思ってたけどまだ根に持ってるようねあの我が侭お嬢様は」 「何なら今ここでお嬢様の開放できない怒りを貴方にぶつけても良くってよ?」 少し危なっかしい会話の最中、今度は霊夢が割り込んできた。 「ちょっと紫ー。ルイズが気絶してるんだけど」 霊夢はそう言うと気を失って倒れているルイズの頭を小突きながらそう言った。 咲夜も近づいて窓から覗き込み、本当に気を失っているのを見て「あらら、子供には刺激が強すぎたかしら」と呟いた。 あの後、霊夢は気絶したルイズを再び客間へと移し、寝かせることにした。 咲夜はレミリアが今夜にでもルイズへ挨拶しに来ることを伝え、そさくさと帰ってしまった。 「ホント、あっという間に帰っていったわね」 紅魔館へと飛んでいくメイドの後ろ姿を神社の境内から見ながら、霊夢はポツリと呟いた。 同意と言わんばかりに横にいる紫も頷き、口を開いた。 「そのようね…さてと、私も一旦帰ることに致しますわ」 紫はそう言うと隙間を開きその中へ入ろうとしたが、思い出しかのように突然こんな事を言ってきた。 「そうそう霊夢、結界の事について話したいことがあるから今夜辺りにもう一度来るからそれだけ覚えておいて頂戴」 それだけ言うと紫は隙間の中へとその身を入れ、その隙間もまた消滅した。 結果、一人神社の境内に取り残された霊夢は溜め息をつき、頭上にある空を仰ぎ見た。 薄暗いが、いつも見慣れている幻想郷の空を見て、霊夢は幻想郷へと帰ってきた直後の出来事を思い出していた。 ◆ ルイズと一緒に幻想郷へと戻ってきた直後 紫はすぐに霊夢へ結界の異変について一通りの事を話した。 霊夢がいなくなって暫くした後、まるで白紙に描かれた絵の上に更に絵を描いたように、結界の上に未知の力が覆い被さったという。 調べてみたところ、霊夢を連れ去った召喚ゲートとよく似た性質だったという。 その未知の力が、驚くべき事に幻想郷を覆う博麗大結界を浸食しているらしい。 「大結界を飲み込んでるって…それじゃあ全部飲み込んだらどうなるのよ」 紫と共に境内に佇みながら霊夢はそんな質問をした。 一方の紫は、いつになく真剣な表情で、こう答えた。 「こんな事は私にとっても今まで生きてきて初めての事だわ…つまり」 「つまり…?」 霊夢は首を傾げた。 「私にも予測がつかない、という事よ」 とりあえずは応急処置と言うことで浸食されていた部分を元通りにする作業が始まった。 結界に小さい穴が空いたり、結界が脆くなってしまうのは良くあることである。 そんな部分を見つけるたびに修復する紫(最近は藍に任せっきりだが)。そして結界を創り、補強する博麗の巫女の手に掛かれば… 浸食してしまった部分を元に戻す作業は、わずか四時間で済ますことが出来た。 紫だけでも結界を直す事は可能だが、下手にそんな事をすれば結界は崩壊していただろう。 こうして、たった四時間を費やしとりあえずは未知の力から博麗大結界を守ることに成功した。 ◆ 「…まぁ応急処置だけだったから、ついでにあちこち補強するんでしょうねぇ」 あぁヤダヤダ、と呟きながら霊夢は大きな欠伸をした。 そういえば今日はまだ寝てなかったな~と思いつつ社務所へと戻り始めた。 「久しぶりの布団…あぁはやく横になりたいわ」 眠たそうに目を擦りながらそんな事を呟き、また一つ大きな欠伸をかました。 それから大体四時間が経過しただろうか。 太陽もようやく顔を出し、布団で横になっていた霊夢も起きて朝食(久しぶりの和食)を食べた後。 社務所の縁側で途中からやってきた二人の知り合いと一緒にお茶を飲んでいた。 未明頃に考えていた事など、すっかり記憶の片隅に追いやって談笑している。 「…そんなこんなで、今も寝てるというワケよ」 霊夢は横でお茶を飲んでいる二人に、今までの出来事もとい思い出話を丁度語り終えたところであった。 「ふ~ん。つまり、そのルイズとかいうのは異世界があるのを知ってビックリして気を失ったというワケか」 いつも被っている帽子を傍らに置いてある魔理沙はお茶を飲みつつもそう言った。 魔理沙の言葉に、隣にいたショートヘアの少女――アリス・マーガトロイド(以後アリス)―が突っ込んだ。 「あんた全然霊夢の話聞いてなかったでしょ?どう聞いてもメイドの挨拶が原因でしょうに」 ◆ 霊夢が幻想郷に帰ってきたことは未だに多くの者が知らない。 知っているのは八雲紫やレミリア、それと紅魔館で話し合っていた者達だけである。 当然部外者であるアリスや魔理沙は霊夢が帰ってきた事等全く知らなかった。 それなのに何故、この二人が偶然にもこの神社へ一目散に来たのだろうか。それに対し魔理沙が勝手に答えてくれた。 「どうだアリス、霊夢はやっぱり帰ってきてたぜ。この賭は私の勝ちだ!」 霊夢を指さしながら嬉しそうに言う魔理沙とは正反対に、アリスは不機嫌であった。 「ふぅ…全く、お陰で昼食を奢る羽目になっちゃったわ。ま、とりあえずおかりなさい。とでも言っておこうかしら」 どうやら、魔理沙の運勢がただ良かっただけらしい。 結果、魔法の森に住む普通の魔法使いと人形遣いは紫と咲夜の次に霊夢と顔を合わせた。 ◆ アリスのさりげない突っ込みに、魔理沙はコロコロと笑った。 「確かにそれもあるが、ホラ何だっけか?確か外の世界から来た大抵の人間も幻想郷に来たらすぐに気絶するんだろ」 それと同じようなもんだぜ。と言った直後、ふと横の方から写真機のシャッター音が聞こえてきた。 外の世界では゛古物゛と呼ばれている写真機はある程度流通している幻想郷では少し珍しい音である。 更に、人里から充分離れたこの神社でシャッター音を鳴らす者を、三人は良く知っていた。 「いやはや、聞き慣れた声が耳に入ったので飛んできてみれば…これは正に一大ニュースですね」 元気そうな声の主はそう言いいつつ首からぶら下げていた写真機から手を放す。 白いブラウスに黒のショートスカートは、一見すれば魔法学院の制服とよく似ていた。 黒髪のショートヘアがよく似合う頭の上には小さな赤い帽子(いわゆる天狗帽子)を被っている。 何よりもまず目にはいるのが背中から生えている黒い翼であった。 幻想郷ではまずもってそんな翼を生やしているのは、「鴉天狗」と呼ばれる者達だけだ。 「よぉ文。相変わらずこういう事にはえらく速いんだな」 「あっ、魔理沙さんじゃないですか!それにアリスさんも…こんなところで出会えるなんていやはや、奇遇ですねぇ」 魔理沙は微笑みつつ片手を上げつつ、神社にやってきた鴉天狗に挨拶をする。 次いで文と呼ばれた鴉天狗も人を喜ばせれる笑顔で魔理沙とアリスに挨拶した。 「誰かと思ったらアンタか、一体何の用よ?」 一方の霊夢はというと、半ば呆れた感じで目の前にいる鴉天狗に声を掛けた。 「いえいえ、私はただ風の噂で貴女が゛異世界人゛と一緒に帰ってきたというのでつい…あぁ、後コレを」 丁寧な口調で鴉天狗――射命丸 文(以降 文 )――はそう言うと左手に持っていた新聞をポイッと霊夢の方へ放った。 ほぼ反射的にその新聞を受け取った霊夢はしかめっ面になった。 「ちょっと、何勝手に放り投げてるのよ」 「貴方がいなかった時の文々。新聞です。どうぞ読んでみてください」 嬉しそうに言う文に勧められ、霊夢は嫌々新聞を広げ最初に目についた記事のタイトルを読んだ。 「紅魔館一同、来るべき日に備えて戦闘訓練…―――って、何よコレ?」 デカデカと新聞の一面を飾るタイトルと槍を持った紅魔館の妖精メイド達の写真を見て霊夢は驚いた。 紫の話を聞き幻想郷が結構大変な事になってたと知っていたが、まさか自分がいない間にこんな事があったとは全く知らなかったのである。 (まさかレミリアの奴、本気で異世界にまで行くつもりだったのかしら?) そんな事を思っている霊夢の隣から新聞を見ていた魔理沙はつい先々日のレミリアを思い出して目を細めていた。 「あぁ~そういえばこんな事もあったわね。あの時は本当に戦争が起きるのかと思ったわ」 一方のアリスはというとまるで他人事のようにそう言いお茶を啜っている。 「でしょでしょ?さてと、折角お会いしたことですし一つお話を聞かせて貰ってもよろしいでしょうか?」 その時、ふと誰かが霊夢に声を掛けてきた。 「あら?なんだか社務所の方が騒がしと思ったら…随分とおそろいの様ね」 その大人びた雰囲気の声に霊夢は顔を上げると、予想通り永遠亭の薬師である永琳がいた。 彼女の後ろには弟子の鈴仙・優曇華院・イナバ(以降 鈴仙)がおり、赤十字が目立つ白い薬箱を両手で抱えている。 「あら、お久しぶり。永夜異変の時以来じゃないのかしら?こうやって顔を合わすのは」 「久しぶり。…というのは貴女の物理的視点から見ればでしょう。私はもう何百回も貴女の顔を見てるわ」 永夜異変以来に見た永琳と鈴仙の姿に霊夢は素っ気ない挨拶を送った。 一方の永琳は良くわからないことを言い、ふと辺りを見回した後霊夢に話しかけた。 「ねぇ、貴女と一緒にやってきたという異世界の少女は何処にいるのかしら?周りには知ってる顔しかいないんだけど」 「ルイズの事…?それなら奥の客間にいるけど――まずは先に何をするのか聞かせて貰いたいわね」 そう言って疑いの眼差しで睨み付けてきた霊夢に、優曇華は後ずさったが一方の永琳は涼しげにこう答えた。 「疑ってるようね?私はあの吸血鬼と違って痛い目に遭わしてやろうなんて思っちゃいないわ。ただ八雲 紫から軽い検査をしておくよう頼まれただけよ」 霊夢は薬師の口から出た大妖怪の名前に目を細めた。 「紫が?なんか怪しいわね。…でもまぁ、特別変な事しなけりゃあ私は何も言わないけどね」 先程文が渡してくれた新聞を見た所為か霊夢は少し永琳を疑っていたが、それはただの勘繰りすぎだったようだ。 「ご理解感謝致ししますわ。じゃ優曇華、後の方はよろしく頼むわ」 「あ、はい。わかりました」 巫女の了承がとれ、永琳は自分の弟子である鈴仙に検査をしてくるよう指示した。 鈴仙は丁寧に縁側で靴を脱ぐと薬箱を抱えて客間の方へと歩いていった。 自分の弟子が行ったのを見届けた後、永琳は魔理沙の横に座り霊夢の顔を見た途端、大きな溜め息をついた。 「…全く。幻想郷は大変だったというのに朝からお茶を飲んで談笑しているなんて、暢気な巫女さんねぇ」 永琳の口から出たその言葉に、霊夢は一瞬だけ目を丸くしたのだが、すぐに反論した。 「私だってただ紅茶とか飲んでぐーたらしてたワケじゃないのよ。色々大変だったんだから」 霊夢はそう言いつつ、ハルケギニアでの出来事を思い出そうとしたが、突如魔理沙が割り込んできた。 「どうせその大変な事だって、お前はタダ見てただけなんだろ?」 ワルドやギーシュとの戦いを思い出そうとして妨害された霊夢はムッとした表情になった。 「何言ってるのよ魔理沙、むしろ見てたのはルイズの方よ。本当あっちの連中はそれなりに強かったんだから」 ま、もうこれで終わりだけどね、と呟いた後お茶を飲もうとしたが、今度は永琳が話し掛けてきた。 「貴女、もしかしてこれでめでたしめでたし。とか思ってるんじゃないでしょうね?」 「―――――――――――は?」 緑色の渋い味がする液体が後一歩で口にはいるという時に耳に入ってきたその言葉に、霊夢はキョトンとした。 そんな霊夢の表情を見て、永琳は呆れた表情をその綺麗な顔に浮かべると霊夢にこう言った。 「今夜にでも教えられると思うけど。多分もうしばらくは向こうの世界で過ごす事になるわよ」 カチャン! 永琳がそう言った後、ふと横から甲高い音が聞こえた。何かと思いそちらの方へ顔を向けると… 湯飲みを取り落として割ってしまったのにもかかわらず、キョトンした表情のまま硬直した霊夢がいた。 前ページ次ページルイズと無重力巫女さん
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/5836.html
前ページゼロと黒蛇 春の使い魔召喚 それは、ここトリステイン王国トリステイン魔法学院にて行われる神聖な儀式である。 それを行うのは2年生への進級を控えた魔法学院に通う生徒であり、この儀式によって己の使い魔を召喚し、専門課程へと進むのである。 そして、今一人の少女が使い魔召喚に挑んでいた。 トリステイン魔法学院近くの草原、ここで春の使い魔召喚は行われている。 すでに多くの学生が召喚を終え、使い魔との契約―コントラクト・サーヴァントも済ませていた。 そして、まだ召喚の終わらぬ生徒の周りに、半円を描くように立ち、全員が終えるのを待っている。 昼過ぎから始まった使い魔召喚の儀式であるが、日が傾く頃になっても、召喚を終えていない生徒が一人いた。 生徒達に囲まれているのは、桃色がかった髪と、透き通るような肌を持つ少女である。 彼女の名は、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 通称、「ゼロのルイズ」 全く魔法が使えない彼女は、現在22回目の召喚を失敗したところであった。 「……ケホッ」 ルイズは、自分の魔法の失敗によって起こった爆発の煙で咳き込んだ。 「また失敗かよ、ルイズ!」 「何度失敗したら、気が済むんだよ!」 周りの生徒達から野次が飛ぶ。 言い返してやりたいが、実際に召喚に失敗している以上何も言えない。 自分が彼らを待たせているのは確かなのだから… そんな悔しさから、ルイズは唇をかみ締めた。 「ミスタ・コルベール!ルイズは放っておいて、授業を終わりましょう!」 そんな声が生徒の中からあがった。 それは困る、とルイズは焦った。 なぜなら、この儀式は必修であり、これを無事に終えられなければ2年生に進級できないのだ。 もしも、留年ということになってしまえば、名門たる自分の実家から、何を言われるかわからない。 何か言われるだけならばまだいい。 おそらくそれだけでは済まず、恐ろしい母と姉にお仕置きされてしまうだろう。それだけはなんとしても避けたい事態であった。 ルイズは慌ててコルベールと呼ばれた男に振り返った。 コルベールは黒のローブをまとった、髪が薄い中年の男である。この場で唯一の教師であり、召喚の儀式を監督している身であった。 コルベールの判断によっては、ルイズの使い魔召喚は打ち切られ、留年ということになってしまう。 だからこそ、ルイズは不安と焦りが混じった目でコルベールに訴える。 だが、ルイズの心配は杞憂であった。 コルベールは芯から教師であり、自分から儀式を打ち切って生徒を留年などさせるつもりはなかった。 また、彼は、魔法が使えない分誰よりも努力しているルイズを高く評価している一人でもあった。 「ミス・ヴァリエール」 コルベールは不安を与えないように、なるべく優しい声で語りかける。 「心配することはない。納得するまで続けなさい。仮に時間がかかっても、生徒達を帰して、最後まで私が見ていよう」 その答えにルイズは安心する。 そして、そこまで言ってくれたコルベールのためにも、早く召喚を成功しなければならないと、改めて決意をした。 (次があると思っちゃだめよ……これで最後だと思ってやらなきゃ……) 召喚される使い魔とは、自分に最もふさわしい者が召喚に応じるという。 では、召喚できない自分はなんなのだろうか? どんな動物も幻獣も虫でさえも、自分の使い魔になんてなりたくないというのか? (そんなことない!きっと私にふさわしい使い魔がいるはず!) ルイズは願う。 (お願い!絶対大事にする!あなたにふさわしい主人になってみせる!だから応えて!) そして、自分の全精神力を費やすつもりで呪文を唱える。 「宇宙の果てのどこかにいる私の僕よ!神聖で美しく、そして強力な使い魔よ!私は心より求め、訴えるわ!わが導きに答えなさい!」 ドン!! と、いつもと同じ爆発が起こる。 また、失敗か…と落ち込むルイズ。 しかし、今回の爆発は今までと違っていた。 爆発がおきたところには、いつものように抉られた地面ではなく、代わりに人が倒れていた。 「……人?」 自分の目が信じられず、ルイズは思わずつぶやいた。 使い魔召喚とは、基本的には動物や幻獣等が召喚されるものであり、他の生徒達の使い魔も例外なくそれらであった。 しかも、ルイズが召喚した人間は、ローブもマントも身につけていない―現代で言うところの、カットソーとジーンズを着ていた。 どう見ても平民の格好である。 爆発の衝撃で気絶しているのか、ピクリとも動かないが、背格好をみるとどうやら女性のようである。 ルイズが予想外の事態に立ち尽くしていると、周りから再度野次が飛んだ。 「おいおい!平民を召喚してどうするんだよ!」 「失敗するからって、金で雇ったんじゃないか!」 静かに、と野次を注意して、コルベールはルイズに歩み寄った。 「おめでとう、ミス・ヴァリエール。使い魔召喚は成功だ」 やっと努力が報われた生徒を慈しむように、ルイズに声をかける。 「で、でも!ミスタ・コルベール!あれはたぶん平民です!しかも、女性ですよ!」 「そのようだ。しかし、君は彼女と契約をしなくてはならない」 「平民が使い魔なんて聞いたことがありません!もう一回やり直させてください!」 しかし、その頼みにコルベールは残念そうに首を振った。 「それはできない。この召喚の儀式は神聖なものだ。例え何を召喚しようとも、やり直すことは認められない」 「そんな……」 「安心しなさい、ミス・ヴァリエール。使い魔は貴女に最もふさわしい者が召喚されます。今思うことは色々とあるかもしれませんが、きっとこの事を後悔はしないはずです」 「さぁ、コントラクト・サーヴァントを」とコルベールが促す。 コルベールにそこまで言われると、ルイズとしては反論ができない。 やり直しが認められない以上は、彼女と契約をしなければ留年となるため、ルイズに選択肢は無かった。 ルイズは、己が召喚した使い魔に歩み寄り、顔を覗き込んだ。 (うわ……この人、すごい美人) 呼び出された女性は、年は20代前半であろうか、黒く艶やかな長い髪を持つ、どこか冷たい雰囲気が感じられる美人であった。 目が閉じられているため瞳の色は見えないが、例え何色であったとしてもこの美貌を引き立てはしても、損なうことは無いだろう。 そんなことを考えているうちに、ルイズは気持ちが落ち着いてくるのを感じた。 あまりに、予想外の使い魔を召喚してしまったため取り乱してしまったが、今では自分が召喚した使い魔に納得していた。 なにしろ、生まれてから今まで魔法に成功したことがないのである。 「ゼロ」とさえ揶揄されている自分の召喚に応じてくれた使い魔に、感謝の気持ちさえ抱いていた。 例え平民だろうが、自分の召喚に応えてくれたのだから…… しかし、それでも、こう思わずにはいられなかった。 (私のファーストキスが女の人となんて……) せめて美人でよかった……などとよくわからないことを考えながら、杖を振りコントラクト・サーヴァントの呪文を唱える。 「わが名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。5つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」 そして、杖を額の上に置き、口づけをした。 (さよなら、私の初めて……) などと、内心落ち込んでいると、ルイズの成功を喜んでいるのか、コルベールがうれしそうに話しかけてきた。 「おめでとう。ミス・ヴァリエール。コントラクト・サーヴァントは上手くいった様だね」 「はい」と、ルイズは答えた。 今になって、召喚に成功した喜びと、安心感が湧いてきていた。何はともあれ、これで進級はできるし、平民とはいえ、使い魔を持つことができるのだ。 「ルーンが刻まれたら、この人を起こさなければならないね」と、コルベールが、女性の顔を見ながら言った。 「特に外傷も無いから、そのうちに目が覚めるだろう」 「ミスタ・コルベール、使い魔のルーンはまだ刻まれないのですか?」ルイズが尋ねた。 「すぐに刻まれるはずだが……ほら、刻まれ始めた」と、コルベールは女性の左手の甲を指差した。 確かに、左手の甲にルーンが刻まれている。これで、後は女性が目を覚ませば全て解決となる。 すると……女性から「うっ」と声が上がり、うっすらと目を開けた。意外と切れ長の、翠の瞳をしている。 使い魔のルーンが刻まれるときには痛みを伴う。おそらく、そのショックで目が覚めたのであろう。 女性は、上半身を起こすと辺りを見回した。自分がどうしてここにいるのかわかっていない様子である。 そして、立ち上がり、最も近くにいたルイズに話しかける。 女性はだいぶ長身のため、自然とルイズを見下ろすような感じになった。 女性が何かを尋ねるように口を開こうとするが、 「はじめまして、ミス」 と、ルイズがそれより先に声をかける。 相手はおそらく平民である。 しかし、それでも、初対面の身分もわからぬ明らかに年上の同姓に、乱暴な態度を取るような教育をルイズは受けていなかった。 「私は、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールと申します。どうぞお見知りおき下さい」と、スカートの裾をつまみ、恭しく礼をする。 自分の召喚に応じてくれた使い魔に感謝をこめて、せめて礼だけでも尽くしたいと思ったのだ。 それに対して、女性はあっけに取られたようであった。 しかし、それも一瞬。すぐに口元を手で隠し、フフフと妖艶に微笑んだ。 そして、表情を改め、ルイズに向かって言った。 「丁寧な挨拶痛み入る。聞きたいこと、言いたいことはいろいろあるが、名乗られたからには、こちらも名乗らなければならないだろう」 そして、姿勢をただし、まるで執事のように右手を胸に当てて礼をした 「はじめまして、人の子よ。私の名は、カサンドラ・ジル・ウォーロック。以後、見知りおきを願う」 前ページゼロと黒蛇