約 113,855 件
https://w.atwiki.jp/runaway/pages/4.html
学士の学位を取得 家出人(または失踪人)が独立行政法人大学評価・学位授与機構で学士の学位を取得する方法です 大学中退でも学士の学位を取得できる可能性があります。学士の学位を取得すると、大学卒業と同様に扱われます。 学士の学位を授与できる組織を学校教育法で確認する 独立行政法人大学評価・学位授与機構で学士の学位を取得する方法 関連項目 外部リンク 出典 投票 コメント 学士の学位を授与できる組織を学校教育法で確認する 学校教育法の学位授与に関する箇所を引用します。 第68条の2 大学(第69条の2第2項の大学(以下この条において「短期大学」という。)を除く。以下この条において同じ。)は、文部科学大臣の定めるところにより、大学を卒業した者に対し学士の学位を、大学院(専門職大学院を除く。)の課程を修了した者に対し修士又は博士の学位を、専門職大学院の課程を修了した者に対し文部科学大臣の定める学位を授与するものとする。 《改正》平11法160 《改正》平14法118 《改正》平17法083 2 大学は、文部科学大臣の定めるところにより、前項の規定により博士の学位を授与された者と同等以上の学力があると認めるの者に対し、博士の学位を授与することができる。 《改正》平11法160 3 短期大学は、文部科学大臣の定めるところにより、短期大学を卒業した者に対し短期大学士の学位を授与するものとする。 《追加》平17法083 4 独立行政法人大学評価・学位授与機構は、文部科学大臣の定めるところにより、次の各号に掲げる者に対し、当該各号に定める学位を授与するものとする。 1.短期大学若しくは高等専門学校を卒業した者又はこれに準ずる者で、大学における一定の単位の修得又はこれに相当するものとして文部科学大臣の定める学習を行い、大学を卒業した者と同等以上の学力を有すると認める者 学士 2.学校以外の教育施設で、学校教育に類する教育を行うもののうち当該教育を行うにつき他の法律に特別の規定があるものに置かれる課程で、大学又は大学院に相当する教育を行うと認めるものを修了したもの 学士、修士又は博士 《改正》平12法010 《改正》平11法160 《改正》平15法117 5 学位に関する事項を定めるについては、文部科学大臣は、第60条の政令で定める審議会等に諮問しなければならない。 《改正》平11法160 《改正》平11法160 とある。つまり、日本において学位を授与できるのは大学及び独立行政法人大学評価・学位授与機構のみである。よって、日本において学士の学位を取得するには大学を卒業するか独立行政法人大学評価・学位授与機構から学士の学位を授与されるかしかない。大学を卒業して学士の学位を取得する方法については特に書くことは無いので、次項で独立行政法人大学評価・学位授与機構で学士の学位を取得する方法について説明する。 独立行政法人大学評価・学位授与機構で学士の学位を取得する方法 独立行政法人大学評価・学位授与機構の重要な箇所を引用しながら説明します。 機構は,高等教育段階の様々な教育機会における学習の成果を評価し,大学卒業者・大学院修了者と同等の学習を修め,かつ同等以上の学力を有すると認められた方に対して学位の授与を行っています。 現在,機構が行う学位授与には以下の2つの種類があります。 短期大学・高等専門学校卒業者を対象とする単位積み上げ型の学位授与(学士) 機構認定の教育施設(各省庁大学校)の課程修了者への学位授与(学士・修士・博士) 機構認定の教育施設(各省庁大学校)の課程修了者への学位授与(学士・修士・博士)については大学校の課程修了者へとなっており特殊であるのでここでは説明しない。詳しくはリンク先のページを確認して下さい。ここでは短期大学・高等専門学校卒業者を対象とする単位積み上げ型の学位授与(学士)について詳しく説明する。 機構では,短期大学および高等専門学校の卒業者など,高等教育機関において一定の学習を修め,その「まとまりのある履修の成果」(基礎資格)をもとに,さらに大学の科目等履修生?制度などを利用して所定の単位を修得し,かつ機構が行う審査の結果,大学卒業者と同等以上の学力を有すると認められた方に対して,学士の学位を授与しています。 機構では,学士の学位を取得するにあたり,高等教育機関における一定の「まとまりのある履修」の成果をもとにして,さらに大学等で学習を修めること(単位の修得)を求めています。この「まとまりのある履修」のことを機構では基礎資格と呼んでいます。したがって,この制度を利用して学士の学位を取得しようとする方は,以下のいずれか一つに該当しなければなりません。 短期大学卒業 高等専門学校卒業 専門学校修了( 専修学校の専門課程を修了した者のうち,学校教育法第82条の10の規定により大学に編入学することができる者) 大学に2年以上在学し62単位以上を修得 旧国立工業教員養成所卒業 旧国立養護教諭養成所卒業 外国において14年間以上の学校教育課程を修了 ここで家出人(または失踪人)が注目するべき項目は 大学に2年以上在学し62単位以上を修得 です。なぜなら、62単位以上取得するのは1年半あれば十分に可能であり2年目の学費を全て納入(多くの場合は2年次後期の学費を納入)した直後(多くの場合は10月末)に、退学する日付を在学2年間に達する日付(多くの場合は年度末)にして退学届けを出せば基礎資格を得られるからです。つまり、実質1年半大学に通った後、家出(または失踪)しても基礎資格が得られます。さらに家出(または失踪)に都合の良いことに多くの場合はこの年度で成年となります。 基礎資格のいずれかに該当した後,大学の科目等履修生?制度などを利用して単位を修得します。この基礎資格該当後に修得すべき単位のことを機構では「積み上げ単位」と呼んでいます。積み上げ単位は,大学の科目等履修生?制度によるほか,機構が認定した短期大学・高等専門学校の専攻科,大学の専攻科,大学院などでも履修することができます。 この制度を利用して学士の学位を取得するためには,単位の修得とともに,専攻に係る特定の課題(テーマ)について,「学修成果」と呼ばれるレポートを作成することが必要です。なお,専攻分野「芸術学」においてはレポートのかわりに,作品や演奏の記録などを学修成果とすることもできます。 学位授与の申請は,毎年 4月と10月の年2回受け付けています。単位修得得状況の申告書,学修成果とともに,基礎資格を有することの証明書(短大,高専の卒業証明書等),単位修得証明書など各種の証明書類の提出が必要となります。 試験は,提出された学修成果の内容が申請者の学力として定着しているか,また,専攻に係る学士の水準の学力を有しているかを審査するために行います。 学修成果としてレポートを提出した方には,レポートの内容に関連する事項について小論文の形式で課されます。また,専攻分野「芸術学」で,レポート以外の学修成果を提出した方については,小論文試験に代えて面接試験を行います。 合否の判定は,「修得単位の審査」及び「学修成果・試験の審査」の結果に基いて,総合的に行われます。 両方が「可」と判定された場合に「合格」となります。 審査の結果,「合格」と判定された方には「学位記」が授与されます。学位記は学位の授与についての証書です。 関連項目 学業? 教育施設 大学通信教育 科目等履修生? 退学 外部リンク 学校教育法 独立行政法人大学評価・学位授与機構 出典 出典元 タイムスタンプ URL 学校教育法 宝庫 改正平成17・7・15・法律 83号(未)(施行=平19年4月1日(未)、平17年10月1日(済)) http //www.houko.com/00/01/S22/026.HTM 独立行政法人大学評価・学位授与機構 http //www.niad.ac.jp/ written by 679 投票 投票をお願いします 選択肢 投票 役立った (10) 役立たなかった (0) コメント 投稿をお願いします 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/uragakuf/pages/19.html
【教職課程】 教職課程とは、卒業生が任意で先生として裏学に採用できるまでのレベルまで裏方力を鍛える課程です。教職課程修了の条件は以下のコミュニティ、裏方PT組めます!@Eネツ http //fesns.com/?m=pc a=page_c_home target_c_commu_id=7099 のコミュニティ承認条件をクリアすることです。 教職課程を修了した者のサブキャラは教師として招き入れることが出来ます。 教職課程は就職先の部隊で勉強を行って下さい。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/3435.html
ゼロの魔人――1話 少女は、爆風に乱れ、焦げてしまった、 桃色の艶やかなブロンドを気に留めるでもなく。 振り下ろした杖が消し炭と化し、 爆裂四散した事に気を病むでもなく。 爆発の衝撃で煤に塗れ、割れてしまった綺麗な爪の痛み、 ボロボロの衣服に気が立つでもなく。 まして、幾人かの親しくも無い学友が、 先の爆発に巻き込まれ昏倒している事に気が差すでもなく。 唯、目前に広がる結果に嬉嬉と、不安をない交ぜした様な、 何とも形容しがたい感情に囚われ、戦慄いていた。 今日は、トリステイン魔法学院に於ける春の使い魔召喚の儀式その日であり、 今後の魔法使いとしての属性を固定。専門課程への移行。 更には、二年への進級試験も兼ねる重要な役割を担うものである。 例年通り執り行われたそれは、稀に見る優秀な成果を呈し。 一抹の心配事を内包するも、つつがなく儀式は進行していった。 そして、此度の担当教員、額の後退も著しい中年の男コルベールは、 召喚儀式最後となる生徒の名を呼び上げる。 「ではミス・ヴァリエール、前へ」 「はいッ!」 呼ばれて少女は、桃色のブロンドを揺らし、その鳶色の瞳を決意の炎に燃やして、 意気揚々と広場の中央に踊り出た。 そして、同時に蔑みと嘲笑が巻き起こる。 しかし少女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、 外野の物言いを燃料に殊更燃え上がり、朗々と召喚の呪文を詠唱した。 “ゼロのルイズ” つまりは、魔法成功率ゼロの蔑称。 コルベールは喧騒を諌めながら、それを見守っている。 (見てなさいッ! アンタ達なんかとは次元の違うッ! 神聖でッ! 気高くッ! 美しいッ! ハルケギニア史上最強にしてッ! 至高の使い魔を喚んでやるんだからッ!) 唱え上げる呪文に、あらんかぎりの願望と欲望を練り込め、 掛け声と共に力の限り杖を振り下ろす。 ――ルイズは正気を取り戻した。 失敗かと思われた禍禍しく、青黒い放電を纏った大爆発は漸く静まり、 突き出していた、脈打ち疼く指先を意識せず庇いながら、面前に佇むそれを値踏みする。 (成功……した? なにこいつ? 平民? あの身体中の斑紋様はなに? なんで上半身裸なわけ? 何処の辺境から来た部族よ? えっ? 首の後ろ……ツノ? えっ? オーク? 亞人なの? こんな幻獣や魔獣、見た事も聞いた事も……あぁーもぉーッ!!) 「アンタなんなのッ?!」 言葉尻もぶっきらぼうに、沸き立つ怒りを、己が目睫の先に立ち尽くすそれへぶつけた。 一見すれば青年の様であるそれは、その肢体を覆い尽くす呪咀的なラインの刺青。 首の後ろから飛び出る黒く不気味な、鋭い突起物。 そして全体から滲み出る妖婉な雰囲気が、正体の判別を更に難航させる。 ルイズは、何も応えないそれにやきもきしながら、次いで言葉を投げつけようとして阻まれた。 「僕の名は人修羅……魔人、人修羅」 「ッア……なんだ、ちゃんと喋れるんじゃない。“ヒトシュラ?”って、変な名前。 アンタ魔人なの? 通りで見た事も聞いた事も無いはずだ……わ?」 油断していたのだろう。 地を丸出しに、自然と受け答えながらルイズ。 月まで吹き飛びそうな意識の手綱を引き絞り、 今し方聞いた言葉の意味を、自慢の頭脳総動員で以て咀嚼する。 (良かったぁ、平民じゃ無いのね。 ヒトシュラって、なんかダサいけど、この際まぁ良いわ。平民じゃ無いんだし。 ところで平民じゃ無かったらなんなの? ……そう魔人よ。コイツが自分で、そう云ったじゃないッ! じゃあ魔人ってなに? そのくらい知ってるわ。神話や伝承に登場する神にも近しき存在よッ! じゃあ、この目の前に居るコイツはなに? そんなの決まってるわッ! 私が呼び出した神にも近しき使い魔よッ! 嘘……でしょ?……) 「ミスタ・コルベ――」 ルイズは、己の許容量を容易く崩壊させる事態に助力を求めるべく、 教員の名を呼びかけて、周囲の異変に気付いた。 突如として現れた伝説的存在に、羨望と疑惑入り乱れる喧騒の最中、 魔人を中心として、一触即発の空気が立ちこめているのだ。 実力上位の生徒は然る事ながら、コルベールに至っては、日頃の温厚な表情を忘れる程に、 険しい表情で顔をしかめ、今にも飛び掛からんばかりである。 ルイズは唐突に理解した。 己の喚びだした魔人を御せなかった後、訪れるであろう惨劇を。 魔人と云う強大で未知な存在に、気後れてる場合では無い事を。 (チョチョチョ……チョット皆、私の使い魔をどうする気よッ! だッ……大丈夫よルイズ。自分で喚びだしたんじゃないッ! きっと上手くいく。神にも近しき存在がなによッ! カカカ軽く、傅かせてみせるんだからッ!) 「ちょっとアンタッ!」 一際大きな声を上げ、魔人との距離を一気に詰め寄ると、 視界の隅で狼狽する、頭髪寒々しい教員の事は歯牙にもかけず、言葉を続ける。 「アンタは私が喚びだした使い魔なんだからッ! 早く私の前に跪きなさいッ!」 一部の生徒とコルベールは凍り付いていた。 触れてはならぬ逆鱗に、剰えド級の破壊魔法を打ち込んだのだ。 天に御座す神も許してはくれまい。魔人ならば尚更の事だろう。 しかし、皆々の不安は良い意味で裏切られ、一同は愕然とした。 魔人が跪いたのだ。 その赤く揺らめく漆黒の瞳からは、憤り、憂い、共に無い事が窺い知れる。 ルイズは気を落ち着かせると、徐に予備の杖を抜き出し、召喚時と同様の調子で、契約の呪文を詠じた。 (マッ……魔人に初めてのキスを捧げるなんて、 なんだか凄い悪い事してるみたい) 胸中の検討違いな考えとは裏腹に、主従を契る口付けも滞り無く終り、 魔人の左手には、契約の証し足るルーンが刻まれる。 「終りました」 水を打った様に静まり返った広場に、儀式終了の言葉が響く。 唖然としつつも顛末を認め、いち早く我に返ったコルベールは、 しどろもどろにルーンを確認した。 「ふむ……こッ……これは珍しいルーンですね。その刺青も……あぁーいゃ失礼ッ! さッ……さぁ皆さん、儀式は終了です。速やかに教室へ――」 責任者である職務を全うするコルベールの声を受け流し、 ルイズは再び、使い魔に目を向けようとする。 しかし、己が全身から、赤い光の粒を噴き出している事に気付き、 手足を見やり、それを観察した。 「なに……これ?……」 徐々に収束されたそれは、魔人の佇む其処へ光の川となり流れ、 少女の視界は突如、暗転する。 朦朧とする意識の中で凛とした声を聞きながら。 「僕の名は魔人、人修羅……今後とも宜敷く……ルイズ」
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1050.html
少女―――ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールはメイジであった。 魔法を行使し、その力をもって力を持たない人々、平民を治める特権階級。 この世界の大陸、『ハルケギニア』の「トリステイン」という国ではそういう制度であり、事実、メイジと平民の間に横たわる壁であった。 ここはその中にあるメイジを養成する魔法学院の進級試験を兼ねた使い魔召喚の儀式が執り行われていた。 (今度こそ、今度こそ成功してみせるわ・・・!) しかし、彼女は魔法の発動と行使を今まで正しく行えたことは一度たりともない。 故に、「ゼロ」という不名誉な二つ名を与えられ、雌伏の時を過ごしてきた。 先程も使い魔召喚の魔法『サモン・サーヴァント』を幾度も失敗させ、爆発現象を起こし、周囲の同期の生徒達の笑いものになっている。 それでも、彼女は諦めなかった。 自身の「ゼロ」を否定し、乗り越えるために、今一度『サモン・サーヴァント』の呪文を唱える。 「宇宙の果てのどこかにいるわたしの下僕よッ。神聖で美しく、そして、強力な使い魔よッ! わたしは心より求め、訴えるわ……我が導きに、答えなさいッ!!」 その呪文に応え、現れる鏡にも似た次元の扉。 そこまでは今までとさして変わることはない。また爆発を起こし、失敗するだろう。 周囲の生徒達はそう思っていた。 しかし――― 『私に呼びかける者へ、問います。』 「えっ!?」 「な、なんだ!?」 「声!?」 「嘘だろう!?」 「まさか、精霊かなにか!?」 「『ゼロ』のルイズが!?」 「ありえないわ!」 『扉』の向こうから神聖さに満ちた声が聞こえてきたことで、ルイズと、周囲の生徒が驚きの声をあげた。 『私を呼び、望むものは何ですか?』 「嘘・・・。どうして、声が・・・?」 その問いかけに暫し呆然とするルイズ。 もし、神や精霊のような上位存在ならば、この契約は今までのようなただの使い魔とのものとは一線を隔する。 自身の返答次第ではこの契約は反故になるだろう。 だからこそ、少女は答えた。 「我が名、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの名にかけ、ここに誓うわ! 私の望みはあなたと共に在り、共に生きること! だから、私の呼びかけに応えてッ!!」 自身の精一杯の誠意と敬意を込めて。 『そう。それが答えなのね。』 慈愛に満ちた『声』がこちらに返って来ると、『扉』がいっそうの輝きを増す。 『あなたの召致に応じましょう。』 その宣言と共に『扉』は一際強く輝き、その場にいたすべてのメイジ、彼らに呼び出されたであろう使い魔達はその眩さに目を閉じた。 光が晴れ、目を開けると、一人の女性が瞳を閉じ、そこに姿を現している。 白銀の髪は太陽の光を受け、その身にまとう装束と相まって、神話にある女神を彷彿とさせる。 双眸が開かれると、そこには闇夜を晴らすかに見える金色。 そして、『女神』はルイズを目に映し、名乗った。 「私はミカヤ。貴女の呼びかけに応えた者。 貴女と共に在り、共に生きることを誓いましょう。」 ファイアーエムブレム外伝 ~双月の女神~ 第一部 『ゼロの夜明け』 序章 『召喚(ルイズの章)』 「嘘だ・・・。」 「『ゼロ』のルイズが『サモン・サーヴァント』に成功した・・・。」 「メイジ? いや、あれはきっと女神様よ・・・。」 「いや、いずれにしてもありえない・・・。」 ルイズの召喚したミカヤと名乗る女性を見て、騒然とする生徒達。 彼らの監督役としてその場にいた壮年のメイジ、コルベールも前代未聞の事態の収拾をはかりかねていた。 『扉』越しに対話をしたことも、人間の姿をした―――神聖な気配を漂わせているが、おそらく人間のメイジであろう彼女。 いずれにしても、人間を召喚したことは前例にないことであった。 「ミ、ミスタ・コルベール。」 おずおずとした口調でうかがいを立てるルイズの声にコルベールは意識を戻す。 「何かね? ミス・ヴァリエール。」 「わ、私、あ、あのお方と『コントラクト・サーヴァント』しても良いのでしょうか?」 ミカヤの雰囲気に当てられ、動転しているのか、彼女を『あのお方』と言ってしまうルイズ。 「う、うむ。確かに恐れ多いとは思うが、決まりだよ。」 コルベールもまた、ややどもりつつもルイズに説いて聞かせる。 「二年生に進級する際、君達は使い魔を召喚する。それによって今後の属性を決定し、それにより専門課程へと進む。一度呼び出した使い魔は 変更することはできない。何故なら春の使い魔召喚は神聖な儀式だ。好む、好まざるに関わらず、あのお方、ミス・ミカヤを使い魔にするしかない。」 「で、でも・・・。」 ルイズは恐縮しつつ、ミカヤを見る。 すると、二人の話を黙して聞いていた彼女は、鈴を転がすような美声で、口を開いた。 「事情は概ね理解しました。」 二人、否、その周囲を取り巻く生徒達もがミカヤと正対する。 あたかも、神の啓示を受けるかのように。 「ヴァリエールさん、いえ、ミス・ヴァリエールと呼んだほうがいいでしょうか? 私は貴女の呼びかけに応え、ここに現れました。私が貴女と共にあることに使い魔になることが必要であるならば、それに応じます。」 「で、ですが、ミス・ミカヤッ。い、い、いいのですか?」 「ええ。私は先程の誓いを必ず果たします。」 「・・・・・・。」 ミカヤの言葉に沈黙するルイズ。 そこへコルベールが言葉をかける。 「ミス・ヴァリエール。ミス・ミカヤがこう申しているのだ。それに、これは伝統であり、例外は認められない。何回も何回も失敗しつつも、ミス・ミカヤのようなお方を召喚できたことは、まさに僥倖。儀式を続け、契約を。」 「そうだそうだ!」 「叶うなら僕が契約したいぐらいだ!」 「ミス・ミカヤとの契約拒否なんて始祖ブリミルの罰が下るぞ!」 「『ゼロ』のお前には勿体無いんだ!早くしろ!」 コルベールの促しに続き、周囲―――主に男子生徒からそんな野次が飛ぶ。 もはやこうなっては、ルイズも後には退けない。 「・・・わかりました。ミス・ミカヤ、屈んでいただけますか?」 「分かりました。」 ルイズの言葉に従い、彼女の背と同じ高さに屈むミカヤ。 「では、目を閉じてください。」 「ええ。」 ミカヤは目を閉じ、ルイズの次の行動を待つ。 それを見たルイズはミカヤにほんの木の棒程の長さの杖を振り、使い魔との契約の魔法、『コントラクト・サーヴァント』の呪文を唱える。 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン、この者に祝福を与え、我の使い魔と為せ。」 そしてミカヤの頬に手をそえ、契約の口付けを交わした。 ―――後に、『双月の女神』と呼ばれることになる、二人の伝説のメイジはここに契約を果たした。
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/516.html
しばらくして、朝食を終えた生徒達が教室へ移動を始めた。 キレた目をしているルイズもディアボロを連れて教室へ向かった。無言なのが怖い。 教室には、生徒達が召喚した様々な使い魔が居た。 しかし、教室の椅子は貴族の席であり、ディアボロが座る席など存在しない。 仕方なしに、ディアボロは教室の一番後ろに行き、壁を背に立ち続ける。 その後シュルヴルーズという土系統のメイジの教師がやって来て、 生徒達が一年生の時、学んだ魔法の基礎をおさらいさせる。 魔法には四大系統というものがある。 『火』『水』『土』『風』 そして失われた伝説の『虚無』 等の話はディアボロの興味を心地よく刺激しており。 それに、教師が石ころを真鍮に変えた時はさすがに目を剥いた。 (そう言えば…使い魔が選ばれる理由は…) 召喚された直後にU字禿教師が言っていた事を思い出す。 『…現れた『使い魔』で、今後の属性を固定し、専門課程へ進む・・・』 キュルケのサラマンダーはどう見ても『火』以外ありえない……ならばキュルケは『火』の系統なのだろう。 (どおりで嫌な感じがしたわけだ) とすると、あの教師の言う通りならば。 ここに召喚されている生物は、ほぼ全てが四系統の属性に分類されるはず。 (では……私は何系統なのだ?) 火・水・土・風・虚無。ディアボロの持ち物はほぼ全ての系統に当て嵌まっていて。どれか一つに分類する事が出来ない。 「ふむ」 ディアボロが考え込んでいる最中、教室が突然騒がしくなった。 その原因は、ルイズが前に出て錬金をやる事になったからである。 (……あれが何系統なのか判断できれば、私の系統も逆説的に分かるはずだ) ディアボロのちょっとした興味。 何系統として呼ばれたのか。ほんのちょっとした好奇心 だが、ルイズの一挙一動を見守るディアボロは、生徒達や使い魔達が机の下に入ったり、教室から飛び出たのを見えていなかった。 ルイズは石に向かって杖を振り―――― ドッゴオォン! 爆発が起きた。 反応が遅れたディアボロは、その爆発をまともに……くらわなかった。 起きた爆風は、ディアボロの体に到達する前に和らぎ。 散弾銃のような小石は体に接触する寸前、燃え尽きた。 ほんの掠り傷程度ですんだディアボロだが。 彼は呆然としていた。 「な、んだと?」 爆心地はルイズ。 それを見た彼は、記憶の中のトラウマの一つが浮かんできた 『何かのアイテムが爆弾になったかも…う~むどうだったかな……?自信がない…』 この後、ディアボロはルイズの二つ名を脳裏に刻み込む事となった。 ドット!ライン!トライアングル!スクウェア!そのランクの中で、 一番下のドットにすら及ばない、魔法は使えるが何時も爆発を起こすメイジ。 成功率ゼロ!だから『ゼロ』のルイズと呼ばれている事。 そして――メイジの実力は召喚される使い魔にも反映されるらしい事。 それを聞いたディアボロは、何故ルイズに召喚されたのか納得した (私も最初は無能だったからな) ディアボロは、奇妙なダンジョンに初めて潜った時の事を思い出した。 無装備状態で手探りしながら迷宮を進み、罠や敵の手、それに自分のちょっとしたミスで何回も何回も死んだ記憶。 …………それでも、遅々とした足取りの中で実力を着け、ダンジョンを制覇した誇らしい記憶。 (これからの成長に期待と言う事か) 授業終了後、ディアボロがキュルケからそのルイズの話を聞いていると、 噂をすれば影とばかりに、その本人が不機嫌ですと顔に書いてやってきた。 「ちょっと!私はキュルケに近付いちゃ駄目って言ったわよね!?」 「硬い事言わないでよルイズ、私はアンタの二つ名を懇切丁寧に説明して上げてただけだから」 「よ、余計な事しないで!こいつは私の使い魔!あんたは関係無いでしょ!」 自分の不名誉な二つ名が知られた事を知って、顔が赤くなるルイズ。 面白そうな顔でそれを見つめていたキュルケだが。 さすがに、飽きたのか颯爽とその場を離れて行った 「じゃあね、食事に遅れるから私はそろそろ行くわ」 そして残されたルイズは、いきなりディアボロの足に蹴りを入れた しかし、その一瞬、ディアボロの周囲に砂が集まって、ルイズの蹴りを明後日の方向に受け流した。 ズダン。 滑ったルイズは華麗に転倒した。 「…何をする?」 「うるさいッ!」 不思議そうに尋ねるディアボロに罵声を返すだけのルイズ。 頭に血が昇ったルイズは、さっきの砂が集まった異常な事には気付いていない。 何も無いところで滑って転んだと言う無様な記憶だけである。 そのまま、体の埃を払うと教室を出るルイズとディアボロ。 食堂への途中、ルイズはディアボロの表情の変化に気付いた。 含み笑いをしている。それがルイズの勘に更に障った。 「なに笑ってんのよ!」 「何も笑ってはいないが?」 「笑ってた!」 「ふん?……まあ、いい。話は変わるが… お前は昨日メイジの誇りを熱心に語ってくれていたな…… それでだが、自分が魔法を使えないのはどう思っているんだ?」 言葉に詰まるルイズ。 「魔法が使えない無能の癖に、お前が言う平民で変態の私から貴族として尊敬されると思っているのか?」 「私だって…私だって努力はしてるわよ!ディアボロ!あんた、ご飯抜きだからね!覚悟しときなさいよ!」 涙が滲む目を向けながらも、捨てゼリフを残すとそのまま目の前の食堂のドアに飛び込んで行った。 「さっきの言葉は流石に厳しかったか?」 ディアボロなりに発破をかけたつもりだが、ルイズは想像以上に痩せ我慢をしていたようだ。 そしてディアボロは、食堂に入らなくては昼食を食べられないという事に溜め息をついた。 このままだと餓死する。さりとて、DISCの無駄な消費は避けたいとディアボロが悩んでいる時。 「あの……どうかなさいました?」 声がかけられた。 振り向くと、そこには夜空に輝く無数の星と同じ数ある男のロマンの一つメイドさんの姿をした少女。 「何でもないが……」 「もしかして、貴方はミス・ヴァリエールの使い魔になったって噂の平民の変態の……」 平民の変態発言を軽くスルーするディアボロ。指摘してもどうにもならないって事もあるが。 「お前もメイジなのか?」 「いえいえ、私は違います。普通の平民です。 貴族の方々をお世話するために、ここでご奉仕させていただいてるんです」 普通のと言う所を強調して発言するメイド。 そこまでして、ディアボロと同じだと思われたくないのだろうか。 「…………」 「私はシエスタっていいます。貴方は?」 「ディアボロだ」 「そうですか…それで、ディアボロさん。 こんな所でどうしたんです? 本当に何もお困りでないんですか?」 シエスタの目を見るディアボロ 腹に一物を隠し持ってはいないようだ。純粋な親切心から彼に声をかけたのだろう。 (これは、昼食の代わりを用意してもらえるか?) 「昼食を抜かれてしまってな」 「まあ!それはお辛いでしょう、こちらにいらしてください」 ディアボロがこっちに来て初めて出会った貴族以外の人間。 シエスタの対応を見て、何となく利用できそうだと外道チックな事を考え始めていた。 <<前話 目次 次話>>
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/2499.html
おれは…死ぬのか…吸血鬼にもなれず…無様な姿をジョジョに晒して…死ぬのか… ……いやだ、そんなのは嫌だーーーッ!!!! おれは使い魔になるぞジョジョーッ!第一話 ふと我に返るとおれは地面に仰向けに寝ころんでいた。抜けるような青空が眼前に広がっている。 周りからは太陽の光を浴びた青草の匂いがかすかに漂ってくる。 おれは死後の世界など信じていない。だが、もし本当に死後の世界があったのだとしたら… まさかおれは天国に来たのか? 反省も後悔もする気はないが自分の行っていた事が良い行いだとは到底思えない。 だとしたら神という奴はとんでもない―馬鹿野郎だと言うことだッ! と、いきなり視界に少女の顔が写る。おれを覗き込んでいるらしい。 「あんた…誰?」 変な髪の色だ―それがディオの第一印象であった。幼さを残しながらも顔立ちは整っている。 だが髪の色が桃色がかっているのはどういう事だッ!天使というのはまさかピンク色の髪をしているのか? それにあのスカート!ボヘミアン(*19世紀の自由人)の踊り子でもあんな短い丈ではないぞッ! 顔を上げてあたりを見回すと、似たような格好をした人間が沢山いることに気がついた。 遠くには中世を思わせる城もある。どうやらここは天国でもあの世でもないようだ。 「あんた誰って聞いてんのよ!」 先ほどおれを覗き込んでいた少女(ガキ)がまた尋ねてきた。まずは状況を把握する必要がある。 「ここは…どこだい?」 「質問を質問で返すなーっ!!疑問文には疑問文で答えろと、教えられてるのか!?」 どうやら怒らせたらしい。フン、自分から聞いてきて勝手に怒り出す。これだからガキは。 手で草を払いながらできるだけ丁寧に対応する。 「失礼した、ぼくはディオ・ジョースター…」 ここで考える。おれはジョースター卿を殺そうとした。また、あのジョナサンと同じ姓でいる事にももはや耐えられなかった。 そろそろジョースターの名を棄ててもいい頃合いだろう。 「すまない、言い間違えた。ディオ・ブランドーだ。」 「どこの平民?」 胡散臭い目で見つめてくる。それよりも平民だとッ!?このディオの格好はどう見ても貴族の格好だ。 少なくともよほど裕福な庶民でない限り間違える事はないだろう。 だが、こいつは今おれの事を平民だと断定した。よく聞くと周りからも 「ゼロのルイズが平民を召還した…」 「やっぱりルイズはルイズだ…」 という声が聞こえてくる。ところどころから笑い声も聞こえる。どうやらあのガキはルイズというらしい。 だが奴らの目――まさかこのディオを笑っているのか!?年端もいかないガキどもが――ッ! 「フン、どこに目がついているのかは知らないがこれでもぼくは貴族でね」 「はぁ?マントも杖もないのにどこが貴族なのよ?」 杖?マント?何を言っているんだ、こいつは。 よく見ると周りの奴らも全員マントに杖を持っている。 するとおれは死んだのではなく黒魔術かなにかでここに召喚されたというのか…? よく見ると奴らの足下には様々な動物がいる。まさかおれがあいつらと同じだというのかッ! このディオがッ! ルイズはショックを受けていた。今まで魔法は失敗だらけ、この春の召喚に失敗したら ひと思いに退学…させて…NO!NO!NO! りゅ…留年?NO!NO!NO! りょ…両方ですかぁーっ?YES!YES!YES! もしかして家門の恥として絶縁ですかぁーっ!YES!YES!YES!OH!MY!GOD! な結果になるのは目に見えている。だからこそ爆発の後、なにかが倒れているのを見た時は喜びで泣きそうになった。 だが現れたのはドラゴンはおろかネズミでも蛙でもない、一介の平民だった。 そ、そりゃちょっとハンサムだけど今私が欲しいのは使い魔であってイケメンの平民じゃない! だからこそルイズは詰め寄る。 「ミスタ・コルベール!もう一度召喚をやり直させてください!」 だが現実の壁は非情だった。 「ミス・ヴァリエール、それはできない。二年生に進級する際、君達は『使い魔』を召喚する。今やっているとおりだ。 それによって現れた『使い魔』で、今後の属性を固定し、専門課程へ進むんだ。一度呼び出した『使い魔』は 変更する事はできない。何故なら春の使い魔召喚は神聖な儀式だからだ」 「でも…」 「ミス・ヴァリエール。今君の選べる選択肢は二つだ。あの青年と契約するか、それとも留年するかだ。」 「くっ…」 「あら、よく見るといい男じゃない。ねえ、タバサ」 「…。」 この一連の流れを外野は楽しんでいた。 「あの」ゼロのルイズが使い魔召喚に成功したと思ったらよりによって平民を召喚したのだ。 『全く期待していなかったサーカスを見に行ったら意外と面白かった』その場の空気の殆どがそんな感じであった。 特にキュルケは楽しんでいた。ルイズはツェルプストー家にとって今、最低限張り合うに値する人物となったのだから。 タバサは…見ていなかった。本を読む方に既に意識を移していたのである。 視界の片隅で先ほどのガキが禿の男と揉めている。話の内容から察するにどうやら本当におれは奴らに『召喚』されたらしい。 吸血鬼だってこの世に存在するんだ、今では召喚だってあり得る話だ。ディオがそう考えていると 男との口論を終えた少女はディオに歩み寄ってきた。 「あんた、感謝しなさいよね。貴族にこんなことされるなんて、普通は一生ないんだから!」 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。 この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」 またも意味のわからない事を畳みかけてくる少女に反論しようとした瞬間、ルイズの唇がディオのそれと重なる。 ズキュウウゥンッ!! どこからともなくそんな音が聞こえてきた。 「やった!さすがゼロのルイズ!俺たちにできないことを平然とやってのける!そこに痺れるあこがれるぅ!」 とは後に当時の事を語るマリコルヌの弁である。 (ど…どうなのかしら…?) ルイズがディオの顔を見ると、ディオは醜悪な顔――はっきりと人間の表情でいえば怒っていた。 「貴様!このディオに対していきなりなんの真似だーッ!」 ディオの拳がルイズに迫る。避けられない!ルイズは思わず目を瞑った。だがいつまでたっても殴られる気配はない。 恐る恐る目を開けるとディオは左手を庇うようにして屈み込んでいた。 「ぐっ……貴様…何をした……ッ!」 そこにははっきりと使い魔のルーンが刻まれていた。 (も…もしかして成功した?) 「ミス・ヴァリエール、進級おめでとう」 ふと気がつくと後ろでコルベールが微笑んでいた。 『ゼロ』のルイズ、魔法が生涯で一度も成功した事がないと揶揄されたルイズであったが使い魔の儀式は成功したのだ。 今まで張り詰めていた気が抜けたルイズはへたへたと座り込んだのであった。 to be continued…
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/77.html
契約! クールでタフな使い魔! その① 「あんた誰?」 日本とは思えないほど澄んだ青空の下、 染めたものとは思えない鮮やかなピンクの髪の少女が彼を覗き込んでいた。 黒いマントをまとい手には杖。まるで魔法使いのような格好だ。 いぶかしげに自分を見つめるその表情に敵意の色はない。 だから、とりあえず周囲を見回した。 ピンクの髪の女と同じ服装をした若者達が囲むように立っていた。 共通する事は全員日本人ではない事。欧米人が多いようだ。 するとここは…………ヨーロッパのどこかだろうか? なぜ、自分はこんな所にいる。 そう疑問に思ってから、ようやく自分が草原の中に仰向けに倒れていると気づいた。 ヨーロッパを舞台にした映画に出てくるようなお城まで遠くに建っている。 「…………」 事態がいまいち飲み込めず、しかし警戒心を強めながら彼はゆっくりと起き上がった。 少女は、男が自分よりうんと背が高く肩幅も広い事でわずかにたじろぐ。 「……ちょ、ちょっと! あんたは誰かって訊いてるのよ! 名乗りなさい!」 「やれやれ……人に名前を訊ねる時は、まず自分から名乗るもんだぜ」 「へ、平民の分際で……ななな、何て口の利き方!?」 少女が顔を赤くして怒り出すのとほぼ同時に、周囲に群がっている連中は笑い出した。 「ルイズ、『サモン・サーヴァント』で平民を呼び出してどうするの?」 誰かが言う。笑いがいっそう沸き立ち、少女は鈴のようによく通る声で怒鳴った。 「ちょ、ちょっと間違っただけよ!」 どうやら、この少女の名前はルイズというらしい。 ルイズ……名前から察するにフランス人だろうか。という事はここはフランス? となると、この訳の解らない状況にも説明がつくような気がしてきた。 あのトラブルメーカーの友人が関係しているかもしれない。それはさすがに被害妄想か。 (しかし……スタンド攻撃にしては妙だ。 俺をここに瞬間移動させたのはこのルイズという女らしい……。 だが周りにいる奴等の言動を見ると、どうにもスッキリしねぇ) とりあえず彼は、一番近くにいるルイズを見下ろして訊ねた。 「おい、ここはどこだ。フランスか?」 「フランス? どこの田舎よ。それに使い魔の分際で何よその態度は」 「使い魔……?」 先程聞いた『サモン・サーヴァント』という単語を思い出す。 そして、見渡してみれば黒いマントの少年少女達の近くには、様々な動物の姿があった。 モグラであったり、カエルであったり、巨大なトカゲであったり、青いドラゴンであったり。 「………………」 ドラゴン? 集団から少し離れた所で、髪が青く一際年齢の低そうな少女がドラゴンの身体を背もたれに読書をしている。 ファンタジーやメルヘンでなければありえない光景だ。 もし、これが夢や幻でないとしたら、つまり……現実に存在するファンタジーといったところか? 約五十日ほどの旅でつちかった奇妙な冒険のおかげで、非現実的な事に対する耐性ができたというか、 そういうものを柔軟に受け入れ理解し対処する能力を磨いた彼は、 持ち前の冷静さと優れた判断力のおかげもあって取り乱すような事はなかった。 周囲をキョロキョロ見回している平民の姿に腹を立てたルイズはというと、 教師のコルベールに召喚のやり直しを要求していた。しかしあえなく却下される。 「どうしてですか!」 「二年生に進級する際、君達は『使い魔』を召喚する。 それによって現れた『使い魔』で、今後の属性を固定し、専門課程へ進むんだ。 一度呼び出した『使い魔』は変更する事はできない。 何故なら春の使い魔召喚は神聖な儀式だからだ」 「でも! 平民を使い魔にするなんて聞いた事がありません!」 ルイズとコルベールの会話をしっかり聞いていた彼は、ある仮説を立てる。 つまり自分はルイズの能力によって、元いた場所からここに『召喚』された。 そしてそれは周囲にいる全員が行っているようであり、スタンド能力ではなさそうだという事。 さらにここはドラゴンがいる事からヨーロッパどころではなく、 ファンタジーやメルヘンの世界だという……突飛で奇抜で冗談のような話。 『召喚』されるのは本来――動物やあのドラゴンのような神話の生物等であり、人間ではない。 しかし彼女ルイズは人間を『召喚』してしまった。 『召喚』された生物は、『召喚』した人間の『使い魔』であるらしい。 『使い魔』という単語からだいたいどのようなものかは想像できる。 (俺が……この女の使い魔だと? やれやれ、冗談きついぜ) とにかく、彼にとって今必要なのは現状把握をするための情報だ。 話をするのに一番適しているのは……少年少女達を指導しているらしいハゲ頭の中年。 さっそく彼に声をかけようとしたところで、彼と話をしていたルイズがこちらを向いた。 ルイズは自分が召喚した平民を見た。 身長は190サントはあろうか、黒いコートに黒い帽子をかぶっている。 顔は……なかなか男前だが、それ以上にとてつもない威圧感があって、怖い。 でも、自分が召喚したんだから。自分の使い魔なんだから。 だから、しなくちゃ。 「ね、ねえ。あんた、名前は?」 恐る恐るもう一度訊ねてみる。まただんまりかと思った矢先、男は帽子のつばに指を当てて答える。 「承太郎。空条承太郎だ」 「ジョー……クージョージョータロー? 変な名前ね」 本当に変な名前だった。聞いた事のない発音をする名前だ。 ルイズは彼の奇妙な名前を頭の中で暗唱しながら、彼に歩み寄り、眼前に立つ。 そして彼の顔を見上げて、届かないと思った。承太郎は鋭い双眸で自分を見下ろしている。 やる、やってやる。こうなったらもうヤケだ。 ルイズは、ピョンとジャンプして承太郎の両肩に手をかけて自分の身体を引っ張り上げ――。 CHU! 一瞬だけ、ついばむようなキス。 さっきから鉄面皮を崩さない承太郎もこの行動には驚いたようで、目を丸くしている。 ストン、とルイズは着地した。ほんの一秒かそこらの出来事。 心臓がバクバクする。だだだだって、今のはファーストキスだったから。 頬が熱くなる。周囲の視線が気になる。 承太郎はどんな顔をしてるんだろうと思って、見上げて、ヒッと息を呑んだ。 ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ なんだろう、これ。承太郎はただ立っているだけなのに、地響きが起きているような錯覚。 あまりのプレッシャーに、ルイズは思わず一歩後ずさり。 その瞬間、承太郎が叫んだ。 「いきなり何しやがる、このアマッ!」 「キャッ!」 重低音の怒鳴り声のあまりの迫力にルイズは尻餅をついた。 続いて、承太郎も膝をつく。左手の甲を右手で覆い隠しながら。 「グッ……ウゥ!? こ、これは……」 使い魔のルーン。 承太郎の左手に刻まれたものの正体を、ルイズは恐る恐る教えた。 こうして――ルイズは奇妙な服装をした奇妙な平民を己の使い魔としたのだった。 今日召喚された使い魔の中で一番クールでタフな使い魔がこの承太郎だとも知らずに。 目次 続く
https://w.atwiki.jp/greenplan/pages/22.html
農作物は天候に大きく影響を受ける。従って、家庭菜園といえども気象情報が欠かせない。 天気予報をただ聞くだけでいいのか?より深い知識を身につけるために気象予報士の勉強などしてみる。 役に立つかどうかわからないが、天気予報を今までと違った見方ができるようになるだろう。 wikiではちょっとだるいので、ここに引っ越しました ■試験レベル 学科・一般知識・・・高校の理科レベル+α 学科・専門・・・これ以降は未知の世界。。 理系の人なら、気象学の用語、概念、しくみを理解できれば難しくないかも? ここの問題を解いた限りでは学科一般は簡単ですね。 と思っていたのですが、難しくはないものの、 必要とする知識が多い あやふやな理解では合格は難しい ではないかと思います。 予報士試験はある回からぐっとレベルが上がったようで、上記の過去問は昔のものであるためそのレベルだと思ったら大間違いです。 現在の私は最近の過去問を解いた限りでは50%程度の正解率という程度ですが、現時点でのレベル、学習レベルを主観的に見ると、 学科・一般・・・「一般気象学」をしっかり理解+法規の要点をしっかりおさえる、でだいたい70点以上は取れる 学科・専門・・・気象学関連の書籍やサイトをしっかり読んで理解。(ただし大学専門課程レベルのものは不要) 実技・・・専門の延長 科目合格制度があるのでとりあえず学科の勉強だけして、合格したら実技、っていうやり方は無駄です。専門科目と実技は共通しているところも多いため、科目合格だけを狙うとしても実技も含めて勉強した方が良いです。実技レベルの問題が専門科目に出ていたり、専門科目レベルの問題が実技で出題されているためです。また、学科・一般をとりあえず科目合格してから専門・実技試験を、っていうのもオススメしません。なぜなら学科・一般があやふやだと専門・実技も理解が難しくなるためです。 最近の試験問題はしっかり理解できていないと解けない、いやらしい問題が出題されることが多いので、何となく覚えた程度では正解できなくなっています。(昔の計算問題は本当に簡単だったのに。。) ただ、問題が難しくなったわけではなく、しっかり理解できているかどうかがポイントです。 ■受験の予定 2011年1月に受験する予定。受験地は今のところ東京。(旅行ついでに沖縄っていうのもいいかなぁ) もちろん一発合格。そのため、2010年は一年間、天気図とにらめっこして気象予報をやってみる。 従って、2009年中は基礎的な知識・技術はある程度学んでおく必要有り。 ■書籍 こちら ■天気図 気象情報 HBC専門天気図 ARGOS気象センター エマグラムを見よう♪ 気になる団体 http //www.yoho.jp/katsudou/chart-info/index.htm 天気図を入手するにはお金がかかるらしい。税金でやっているのになぜ使えないの? いまどき国家機密情報なんてことはないんだから、こういう情報を公開して気象予報に関心をもらったり、予報技術の向上につなげるべきだと思うのですが?? インチキ予報がばれるといけないから公開していないとか ・・・ 実は下駄を投げて予報しているという噂あり(笑) どうもこの世界は閉鎖的なような気がする。 http //www.jmbsc.or.jp/hp/kokai/kokai.html しかし理事がやたらと多いね~天下っている奴もいるし。役員の給料も月額最低80万円、最高115万円!さらにボーナス有り。退職金も月当たり給料の12.5% 恐らく役員のほとんどは、誰も見たことがない幽霊役員ばかりだろう。 収支計算書を見ると、給料は「一般管理費」か?ここに税金は投入していないのか?だったらそんなに文句は言えないな。。主たる収入が「気象情報提供事業」とあるので、天気図を不正配布したら訴えられる?これが幽霊役員の収入源のわけだから、天気図無料配布なんて絶対にありえないな。。 ここも民主党にばっさりとやって欲しいところだ。 こんなのを見ていると、気象学の勉強は良いとしても、気象予報士を何度も受験するのは馬鹿らしくなってくる。やるなら一発合格。 ウェザーアトラス こんな素晴らしいソフトが「昔」存在していた!! しかし、2005年で情報配信を終了。やはり、某財団法人が牛耳っているせいではないのか??と勘ぐってしまう。。 ■リンク 学科 - 一般・専門 タマの気象学 説明がわかりやすい!まずはこれから。 空気の上昇と雲の発生ここも図解入りでわかりやすい。フェーン現象を自力で計算してみると良い。 Jacso Palace 用語の解説がかなり詳しい 解説付き過去問題 過去問がある http //www.geocities.co.jp/CollegeLife-Club/2195/hp/kisyou/ippann1.html ここをすべて理解し、答えられるようになれば学科は大丈夫? (ただし問題文に間違いがあるので注意!) 天気図と気象理論 書籍やサイトを色々巡ったけど、理解したつもり・何となく理解できていない、と言う人はここを読むとなるほど~と思うかもしれません。なぜ今まで良く理解できなかったのか理由を考えると、気象学のソースが限られているため、説明が似てしまい、肝心なところが欠けてしまうためではないでしょうか?(同一人物が書いた書籍が非常に多い、狭い世界) 学科・専門 気象情報気象学に関する基礎的な説明がある 気象のお部屋 天気図の読み方など基本的な解説 天気予報のできるまで PDFファイル・天気予報技術の実際的で基本的な説明 - 「実況補外型」で検索するとこれに関係する資料がたくさんヒットする 気象庁が運用するアンサンブル 予報とその利用 アンサンブル予報や、確率予報の検証など http //wwwsoc.nii.ac.jp/msj/kyoikuhukyu/resume/2009/Suzuki.pdf ここも 気象庁より こんにちは!気象庁です! 最新の数値予報 数値予報研究開発プラットフォーム 天気図 高層天気図 説明がわかりやすい 天気記号 総合・その他 チーム森田の天気で斬る! 気象・歳事・防災コラム! 日々の気象関連の出来事や情報をわかりやすく説明しています。 BioWedther service 様々な気象情報あり。右側の読み物も参考に。 気象予報士試験ガイド 日本気象学会 論文のabstractなどがあります。 路地裏測候所 読み物など 山武 湿度計などの装置、長所・短所など http //www.ny.airnet.ne.jp/satoh/index.htm専門家の方のよう 世界の気温と降水量 http //www.harenet.ne.jp/seiden/c_hrpt_report.html NOAAの受信を自前でやっている、すげぇ 気象以外の便利そうなサイト keisan 色んな数式の計算が出来る 他人のノート系 http //homepage1.nifty.com/weather/yoho-note/ippanmenu.html ここの、 法規は参考になるかも? 気象ノート ■用語 温位について 森田さんの説明 温位の計算 エマグラム http //airman.tuzikaze.com/ema/ema.htm ここの説明が非常~にわかりやすい。 コリオリの力と台風の渦 http //www.geocities.jp/tentvcam/2003-06-corioli/coriolis.htm ここの説明は理路整然としてわかりやすい。 一方、上昇した空気は上空で中心から吹き出す。それは右巻きに吹き出すのである。 左巻きで入ってきた空気は、上昇した後、そのまま左巻きで出て行くのかと思ったら、出た後は逆巻きになるんですね。。(高気圧と同じ) 竜巻 http //www.geocities.jp/tentvcam/2006-11-tornado/tornado.htm これもまたここの説明がわかりやすい。 竜巻の発生原理、なぜ北アメリカに竜巻が多いのかなど。 ここのサイトの方、かなりのお歳でした。 水蒸気の重さ http //www.tim.hi-ho.ne.jp/jackie/ex/ex02-03.html ここの問題を解くとわかるように、乾燥空気より、水蒸気を含む空気のほうが軽いんですね。へぇ ロスビー波とカルビン波 ケルビン波、ロスビー波、そしてMJO ■へぇ~と思ったところ 傾度風、慣性振動 一般気象学p.143 図6.12は傾度風の式をグラフにしたものであり、二次関数のグラフになっている。 これはB-C-Dは式から導かれる仮想的なグラフ化と思っていたら、なんと自然に存在する。 気圧傾度がないのに強い風が吹くという、まったくナンセンスな領域。 これを慣性振動という。 ■人類が解明できていない問題 ■メモ 気圧傾度力 気圧傾度力に対してコリオリ力と摩擦力が生じ、コリオリ力と摩擦力の合力は気圧傾度力と釣り合う。→参考 end
https://w.atwiki.jp/teikokuss/pages/1506.html
10年ぐらい前の原稿を発掘しました。多少手直ししただけなので今の情勢から見ると食い違いなどもあると思います。 これはこれ、という事で。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― アウルス・ヴァレリウス・ロムルスは手紙を読み終えると目線を上げた。 仕事が終わった後でようやく読む事が出来た、学院にいる妹からの手紙だった。 「アドルファス一門の娘が学校でいじめられていたため、これに介入したケイロニウスの方伯が、セルウィトス宗家のお姫様と生死を賭けた決闘を起こした挙句、それを教師だったアムリウス卿が腕一本を代価に収めた。」 誰に聞かせるでもなく一人ごちた。部屋の時計の針をじっと眺めている。 「危ない、なんという危ない話なんだ。ぞっとするよ。」 学院はカタリナ教皇猊下にして皇太子殿下が長を務める修道会の下にあるが、彼女の補佐官を務める自分としても、こんな話に好んで係わり合いになりたいとは思わない。仕事で関わらされるのも出来ればご遠慮したい。 「アムリウス卿が学院で物理学の教師をしているとは聞いていましたが。」 彼を直接見たのは内戦が終結した後の式典で、列席する中にいたのを互いに一瞥しただけだ。内戦中は顔など見えなかったし、そもそもニアミスはあっても直接的な交戦がほぼなかった。 あれが「北方の白い悪魔」かと思うと同時に、相手もこちらを見ていた。多分これが「黒い悪魔」と北方軍から呼ばれていた奴かと思っていたのだろう。 教皇がヨハンヌス司祭を学院に差し向けたのは知っている。彼を表舞台に引っ張り出して手駒として使いたいようだ。 「さて……。」 機密文書を保管している金庫から何枚かの紙を引っ張り出す。そのうちのいくつかの紙には炎と煙、それに逃げ惑う人の姿が上から見下ろしたように写されている。いくつかの紙には野営している軍の姿もある。残りの紙に書かれている報告書の添付資料だ。 「トイトブルグ。」 先日、自分自身で飛んでいって偵察してきて、情報報告まで自分でやった場所だ。内戦中では珍しくもなかった光景がそこら中で広がっていた。つまり戦闘と破壊と略奪なわけだが。 心は痛むが、同時に突き放して見てもいる。この程度でいちいち人間に失望するほど純粋でもない。 事態の全容など把握できはしないが、トイトブルグが内戦に突入しつつあり、連合王国から兵力が流れ込み、さらに副帝と教皇がそれぞれのゲームをプレイしつつ、そこに介入しようとしていることは見える。なにしろ自分はその目の一つの代わりに現地の上を飛んできたのだから。 ひとまず介入の口火を切るのは西方辺境候、さっきのセルウィトスのお姫様のお父上で、軍も旅団を出す準備をしているらしいという話は伝わってきている。元老院でも色々と動きがある事は、一門の議員が教えてくれた。 そんな中に、いずれアムリウス卿は放り込まれる。本人が早々同意しない事は想像がつくが、この事件の事もあるし、おそらく押し切られるだろう。 「鉄火場入りだ。」 彼が行くことになれば、嫌でも現地で目を引く事になるだろう。その間に帝国は何をするのか。 アウルスは机の「未決済」の箱から新たな紙を取り上げると、無表情にそれを見つめた。その紙には自分の今後の偵察予定が記載されている。 「南方諸国。」 自分にもいささか縁のある場所だ。内戦の中で時折向こうで任務についたし、自分の家臣になった4人の古人の故郷でもある。 内戦中もアル・レクサやエル・コルキスは何かと介入を掛けてきた。現在の南方が安定しているのは当時南部軍司令官で、今は南方辺境候になったフェルヌス・ユリウス・マキシムス公の功績だ。 「そういえば……。」 そのマキシムス公の養女が妹と同じ学院に入学していたはずだ。機神を受け継いだ結果として901大隊に入っていた筈。その閣下がキュリロス将軍を引き連れて第2中隊に行かれた後、色々慌しくなったと噂が伝わってきた。元老院院内総務が機甲総監を引き連れて近衛軍の部隊に視察に行ったから、中身はともかく視察自体は内々にとはいえ素早く広まる。 あの部隊にはクラッスス・バジルス公爵がいたが、彼女と騎士プロヴィウシアが気合を入れて人を集めようとしていると噂が伝わってきている。もしかすると人手が足りていなかったのかもしれない。内戦後の軍縮で帝国軍はどこの部隊でもとにかく人材が足りず、かなり大変な事になっている。。 例えば自分の一門――ヴァレリウス一門の軍に関していえば、まず実戦部隊が急激に縮小しており、特に内戦中に拡張増大した各種連隊の削減度合いときたら、実戦で大敗してもここまで減らないと思える程だ。 一方、内戦末期には一門の軍の顔だった医療部隊は、部隊自体の縮小もさることながら、治癒術師と軍医が内戦終結と共に一斉に市井に出て行って開業し始めたため、医官を確保したい帝國軍各部隊の、特に古参兵の顔を青くさせている。 今の彼らは長年にわたる内戦で経験を積んだ腕のいい術者、あるいは医者である。実はその中で外科医は、少し前の時代まではそもそも医者とみなされていなかった。ギルドも医者とは別の理容・外科医ギルドの所属だったのだが、内戦でそれが一変した。既に今のギルドから分離した外科医ギルドの設立と、それと医師ギルドとの統合の話が聞こえてきている。 帝國の歴史の中で、軍医がここまで組織的・体系的かつ大量に養成された事は初めてだったため、内戦が終わって民間に移った彼らのおかげで、帝国のかなり辺境まで医師が開業し始めている。民間に行けば軍医とは収入が段違いとなるため、腕のいい医者はいくらでも稼げる状況だ。逆に現在腕のいい医官(と看護士)は軍において魔術師並に貴重な存在になりつつある。なおその魔術師の一部である治癒術師は、その特性上増やす事が内戦中でも困難だった類の人材であり、抱えている部隊があれば絶対離そうとはしない存在だ。これが軍大で教育を受けた軍医か術師になると、医療方面の専門参謀ぐらいは期待されるし、学院か他の教育機関の専門課程で教育を受けた専門医ともなると、民間では押しも押されぬ存在になる。 その状況の為だろう。モリアの軍医学校は内戦終結と共に廃校かと言われていたのだが、存続する模様である。旧来の大学の医学部では外科医の養成が大きくは行われていなかったため、外科部門の増設も提案されているらしい。なにしろ医者という奴は、内戦中の短期促成コースでも教育に3年、学士資格者向けのコースでも2年かかった代物なのだ。あれでも後で再教育することを前提に、通常は6年もしくは4年かけるところを半分まで縮めていたし、それは正規の教育を受けた医者達からは軍民問わず大不評だったのだが。 と、一門の軍でもこのような変化がおきているわけで、近衛軍のそれも機神部隊である901大隊第2中隊に人手が足りないのもむべなるかな、である。そこらの人材を入れて埋めるわけにも行かない重要な部署なのが逆に仇になっている。また彼女達の元締めであるカメリア・シリヤスクス・シルディール元帥はこの件であまり頼りになるまい。彼女は旧来の近衛騎士団閥に嫌われすぎている。 アウルスはそんな考えを巡らせながら、先ほど思い出した書類を片付けた。 「今度こそ終わったか。」 とんとん、と肩を叩く。改めて時計を見れば既に日付を超えている。 「やむをえないが、実に忙しいな。」 下手すると内戦中より忙しいかもしれない。政府中枢から下された戦略偵察任務を行いつつ、補佐官としての職務も果たすのは中々に激務である。当時は少なくとも軍務に専念していた。 「まあ仕方ないが。」 帝国は内戦が終わり、政治の季節を迎えている。それがもたらす再編は軍に限らず教会や行政府、元老院や宮中にも及んでいる。 そして多分、自分はその再編の一つの極の間近にいるのだ。
https://w.atwiki.jp/kurogiri_all/pages/139.html
ページ作成 あご 部品構造 部品定義部品 あはき師とは 部品 3年間の養成課程と国家試験 部品 あん摩マッサージ指圧とは 部品 あん摩マッサージ指圧の治療作用 部品 鍼灸術とは 部品 鍼灸の成り立ち 部品 鍼灸治療による作用 部品 医学の知識と理解 部品 作用への理解と適切な選択 部品 東洋医学への理解 部品 リスク管理 部品 禁忌部位 部品 安全刺入 部品 鍼灸治療の禁忌 部品 清潔と消毒 部品 あん摩マッサージ指圧における禁忌とその対応 部品 四診能力 部品 コミュニケーション能力 部品 自身の健康管理 部品 清潔な衣類 部品 手ぬぐい 部品 鍼灸道具 部品 生涯研修 部品 数々の臨床経験 部品 包括的な思考 部品 地域社会との連携 部品 身近な存在 部品 継続的な治療 部品 応急手当の知識と能力 提出書式 インポート用定義データ 部品構造 大部品 あはき師 RD 29 評価値 8部品 あはき師とは 部品 3年間の養成課程と国家試験 大部品 あん摩マッサージ指圧師 RD 2 評価値 1部品 あん摩マッサージ指圧とは 部品 あん摩マッサージ指圧の治療作用 大部品 鍼灸師 RD 3 評価値 2部品 鍼灸術とは 部品 鍼灸の成り立ち 部品 鍼灸治療による作用 部品 医学の知識と理解 部品 作用への理解と適切な選択 部品 東洋医学への理解 大部品 施術上の注意点 RD 6 評価値 4部品 リスク管理 部品 禁忌部位 部品 安全刺入 部品 鍼灸治療の禁忌 部品 清潔と消毒 部品 あん摩マッサージ指圧における禁忌とその対応 部品 四診能力 部品 コミュニケーション能力 部品 自身の健康管理 部品 清潔な衣類 部品 手ぬぐい 部品 鍼灸道具 大部品 信頼される施術者 RD 6 評価値 4部品 生涯研修 部品 数々の臨床経験 部品 包括的な思考 部品 地域社会との連携 部品 身近な存在 部品 継続的な治療 部品 応急手当の知識と能力 部品定義 部品 あはき師とは あはき師とは「あん摩マッサージ指圧師」「鍼師」「灸師」の3つの国家資格をもったものの俗称である。 「あん摩マッサージ指圧師」「鍼師」「灸師」それぞれの頭文字をとった俗称であり、医療従事者としての活躍が期待される。 部品 3年間の養成課程と国家試験 あはき師になるためには「あん摩マッサージ指圧師」「鍼師」「灸師」の3つの国家資格が必要である。 国家試験の受験資格は、「あん摩マッサージ指圧師」「鍼師」「灸師」の専門課程のある養成学校で3年以上養成課程を修了することで与えられる。 3つの専門課程は大部分で重なっており、国家試験も同日に開催されるため、同時に取得することが可能である。 国家試験で一定基準に達する点数をとり、合格した者のみが「あん摩マッサージ指圧師」「鍼師」「灸師」を名乗り業することを許可される。 部品 あん摩マッサージ指圧とは あん摩とは、術者の手指を用い、薄い衣服の上から遠心性(中心部から末梢にかけて)の刺激を強弱をつけて与える手技療法である。 主として筋肉へとアプローチし、筋組織の循環を向上させ生体の機能調節を図る。 マッサージとは、術者の手指を用い、生体の皮膚に直接求心性(末梢から中心)への刺激を与える施術である。 求心性の手技により、血液・リンパ液の還流を促し、新陳代謝機能の向上を図る。 指圧療法とは徒手を用いて、全身の体表に定められた部位を主に漸増、漸減の垂直圧の一点圧を遠心性(中心から末梢)に与える手技療法である。 押圧操作による圧反射機転により、生体に備わっている自然治癒力の働きを促進し、神経・筋の機能を調整する。 あん摩マッサージ指圧師はこれらあん摩・マッサージ・指圧それぞれの意義と効能の違いを理解し、その施術を使い分けることにより、患者の状況に合わせた適切な治療を選択し、行う。 部品 あん摩マッサージ指圧の治療作用 あん摩マッサージ指圧により「興奮作用」「鎮痛作用」「反射作用」の3つの効果が期待できる。 「興奮作用」とは、病的に機能が減退した神経・筋に対して、その機能を高め減退している機能を回復させる作用のことである。 この手技は弱い刺激を与え、時間も短く行う。 運動麻痺、知覚鈍麻、知覚脱失などに対して治療効果があるのは主としてこの興奮作用によるものである。 「鎮痛作用」とは、病的に機能が亢進している神経や筋に対してその機能亢進を抑え、沈静させる作用のことである。 この手技は強い刺激を与え、時間も長く行う。 神経痛・筋痙攣・筋緊張・知覚過敏・筋肉痛などに対して治療効果があるのはこの鎮痛作用によるものが大きい。 「反射作用」とは、疾病部位から離れた部位に対して施術を行い、反転機能を解して神経や筋、内蔵などに刺激を与え、異常機能の調整を図る作用のことである。 興奮的効果と鎮痛的効果の両方が期待できる。 部品 鍼灸術とは 鍼術とは、鍼を用い身体の一定部位に接触または穿刺刺入し、生体に機械的刺激を与える施術方式である。 灸術とは、一定の方式に従い艾(もぐさ)を燃焼させ、またはそれにかわる物質を用いて身体表面の一定部位に温熱的刺激を与える施術方式である。 どちらも施術によって起こる効果的な生体反応を利用する。 生活機能の変調を矯正し、保健及び疾病の予防または治療に広く応用できる施術である。 部品 鍼灸の成り立ち 鍼灸治療の生まれは経験療法である。 原始的な人間が外傷を受けたり痛みを覚えたとき、本能的にその部に手を当て圧したり、舐めたり、泥や葉をつけるなどした。 やがて文明が進歩し火を利用するようになると、暖めることで局部の温熱が疼痛を軽減することを経験し、局所的温熱刺激である灸法が生まれた。 また、細くて鋭い石器で皮膚を切り、膿を排出させたりして疾病の治療ができることを経験し、以降道具の発達に従い金属製の鍼が治療に応用されるようになった。 そしてどちらもより効果的な場合に応じた治療が選択されるようになり、時間の経過とともにそれらの経験が集積されたと考える。 部品 鍼灸治療による作用 鍼灸治療によって以下の治療作用が期待できる。 「調整作用」 組織、器官に一定の刺激を与えて、その機能を調整する。 「興奮作用」 知覚の鈍麻や消失、運動麻痺などの神経機能の減弱及び内蔵諸器官の機能減退に対して興奮を促す。 「鎮静作用」 疼痛や痙攣のような異常に興奮が起きる疾患に対して鎮静を促す。 「誘導作用」 局所の血行障害に対し、患部に施術して血流を他の健康部から誘導する。もしくは局所の充血や炎症の際に少々隔たった部分に施術し、血液をそちらに誘導し患部の血流を調整する。 「鎮痛作用」 内因性モルヒネ様物質の発生あるいは下行性抑制などの機序により鎮痛作用を発現させる。 「消炎作用」 施術により白血球が増加し、施術部位に遊走する。血流改善により病的滲出物などの吸収を促進させ、生体の防衛能力を高める。 「転調作用」 自律神経失調やアレルギー体質を改善し、体質を強壮にする。 「反射作用」 痛み刺激あるいは温熱刺激による反射機転を介して組織、臓器の機能を鼓舞あるいは抑制する。 特に灸術においては施術後の血液像(赤血球、血色素量など)、血液凝固時間の短縮などの循環器系の作用が認められ、 「増血作用」「止血作用」「強心作用」があるとされている。 部品 医学の知識と理解 あはき師は、患者の生体へ触れることを業とする。 そのため、筋・骨格・内臓・神経・脈管・感覚器などを主とした解剖学的知識や生理学への知識は基本となる。 また患者の病態を正しく把握するためにも病理学や臨床医学への理解も求められる。 部品 作用への理解と適切な選択 あはき師は治療するにあたって、「その施術を行うことにより期待できる作用」への理解が必要である。 まんぜんと施術するだけではなく、如何なる目的でどこにどれくらいの刺激を与えるかを思考、選択することが大切だ。 生体の反応を観察し、適切な刺激量を与えることで十分な治療効果を挙げることができる。 部品 東洋医学への理解 東洋医学とは、人とは自然の一部であるという考え方のひとつである。 「陰陽学説」「気血津液の仕組み」「五行学説」「五臓のはたらき」「経絡経穴」などに基づく人体の捉え方と治療方法も、治療にとって大事な選択の一つである。 部品 リスク管理 施術における医療事故には十分気をつけ、危機意識を持つ。 環境、器具、作業方法、手順などを点検し適切な対策を行う。 常に安全に関する知識・技術の水準を一定に保ち、細心の注意を払い治療にあたらなければならない。 万が一事故が発生した時は速やかな処理対応をを行い損害を最小限にし、再発防止に努める。 部品 禁忌部位 刺鍼を避けるべき部位として、外生殖器、臍部、眼球、急性炎症の患部、新生児の大泉門などがある。 また、肺、胸膜、心臓、腎臓、脊髄および延髄などの中枢神経系、大血管などは刺鍼により障害が起こった場合は重篤な問題になりやすいので、特に注意が必要である。 灸術においては顔面部や化膿を起こしやすい部位、浅層に大血管がある部位、皮膚病の患部などへの直接灸は避ける。 部品 安全刺入 過剰な刺激や事故を防止するため、刺入深度と角度には細心の注意を払う。 解剖学構造を十分に理解し、患者の体格を考慮して、部位によっては刺入方向を横刺、斜刺などにして対応する。 部品 鍼灸治療の禁忌 鍼灸療法は生体の反応性を応用した治療であり、病態や症状の改善を目的に施術が行われてきたため、疾患名で絶対的な禁忌を定めることは難しい。 しかし、一般には 安静が必要な場合 刺激を与えることで有害な作用を起こす場合 免疫機能が低下し、感染の危険性が高い場合 は鍼灸治療を避ける。 また、 妊娠中 救急救命や手術を必要としている場合 出血性の疾患 悪性腫瘍の腫瘍部への治療 も治療の選択をすべきでないとされている。 部品 清潔と消毒 手指を用い患者の体表に触れる施術のため、特に手指の清潔には注意しなければならない。 汚れが入らずまた患者の皮膚を傷つけぬよう指の爪は短く切り、ヤスリなどを用いて丸める。 施術開始前には石鹸水でよく洗い、クロルヘキシジン、含水アルコールなどを用いて消毒する。 感染症のリスクから、用いる道具も清潔と滅菌を心がける。 滅菌されていない道具を生体に用いることは禁止されている。 可能ならばディスポーザブル(使い捨て)タイプの道具を用いることが推奨されている。 部品 あん摩マッサージ指圧における禁忌とその対応 あん摩マッサージ指圧を行っても効果のない、あるいは施術により病状が悪化するものがある。 これを禁忌症と呼び、その施術は禁止されている。 もし患者が治療を求めてきた場合でも施術を行わず、上記のことを説明した上で適切な医師や病院に行くよう誘導、指示し、施術者もまた医師の判断を仰ぐ。 医師から施術するよう指示を受け、また施術者自身もその治療が適切であると判断した場合はこの限りではない。 以下に禁忌症の一例を示す。 急性の伝染病、熱性病 悪性腫瘍 急性中毒(昆虫毒・蛇毒など) 急性炎症(虫垂炎など) 出血性疾患(喀血、吐血、脳出血直後) 外傷(創傷部、骨折、脱臼直後) 重症の内臓疾患 部品 四診能力 四診とは「問診」「望診」「聞診」「切診」を表す言葉である。 「問診」とは患者本人から訴えや既往歴、全身の状態などを聞くことである。質問用紙に記入してもらう方法もあり、両方を併用することもある。 「望診」とは目で観察することである。顔色、全身の動きや姿勢、舌の状態などをよく診て病態の把握に努める。 「聞診」とは呼吸の状態、声の張りなどの音を聴くことと、口臭や排泄物の匂いをかいで判断することである。 「切診」とは患者に直接触れて診断するものをいう。脈の状態を診る脈診や腹を診る腹診もこれに含まれる。 鍼灸師は患者の状態を正しく把握し、治療に活かすためこの四診の能力が求められる。 部品 コミュニケーション能力 患者と対話する必要があるためコミュニケーション能力は必須である。 それは上手な問診や説明ができるというだけではなく、良好な信頼関係を築くための力である。 患者のメンタルケアや術後の満足感にも深いつながりを持つ。 部品 自身の健康管理 患者を健康にするためにも、まずは自分自身が健康であることに気をつけねばならない。 自身のコンディションは治療の質にも影響するため、自己マネジメント能力が必要である。 部品 清潔な衣類 服装に定めはないが、動きやすく清潔な衣類を着用する。 医師との区別をつけるため、淡色のケーシー型の白衣を着用するものが大半である。 外気温に応じて下にシャツを着る、上にパーカーを羽織るなどして調整する。 部品 手ぬぐい 治療家として、手ぬぐいを所持しているものが多い。 およそ33センチ×90センチの綿でできた白地のものが一般的だが、意匠をこらしたものや染めがはいった手ぬぐいを好んで使用する施術者もいる。 いずれにせよ清潔を心がける。 有事の際は引き裂いて包帯や三角巾の代用にもなる。 部品 鍼灸道具 鍼灸師は鍼灸治療のために「鍼」「もぐさ」「線香」「消毒用品」「灰皿」などを適切な範囲内で持ち歩く。 鍼は鍼体が1寸(30ミリ)から3寸(90ミリ)の長さで、太さが1番(0.16ミリ)から5番(0.24ミリ)のものが一般的である。 針先の形状は鍼尖の少し上方から細く鋭利になっている。刺入しやすく、疼痛も少ない。 材質は金・銀・ステンレスが主流であり、ステンレスのものはディスポーザブル(使い捨て)が推奨されている。 また、刺入する鍼以外でも円鍼や鍉鍼といった皮膚刺激を主体とした鍼もあり、小児や刺激量の少ない施術に利用される。 艾(もぐさ)は蓬の葉を乾燥させ、石臼でひいて篩にかけ、不純物を除去し作られる。 柔らかで芳香のよい、熱刺激の緩和なものが上質である。 線香は樹皮や葉などの粉末を原料とし、着色料や香料などを適量混ぜて練り、乾燥させたものである。 灸に着火する際に用いる。 部品 生涯研修 免許を取ったからそれで終わりというわけではなく、むしろ免許を取得し、臨床の現場に出てからが学修の本番である。 目の前の患者をばくぜんと治療していくだけではなく、症例ごとに真摯に向き合い生涯の研鑽を怠らないことが信頼に足る施術者への道筋である。 部品 数々の臨床経験 書物や講義で学んだだけではなく、実際患者に触れ、治療し、その結果を診ることで更に次に活かせる。 多数の症例の経験と一連の試行錯誤は、治療の大切な指針である。 部品 包括的な思考 施術中に治療するだけではなく、患者をとりまく環境を幅広くとらえケアできることが期待される。 養生法の指導や健康づくりのアドバイスなど、単に症状だけを診るのではなく包括的に患者の生活を考えられてこそ信頼のできる施術者であるといえる。 部品 地域社会との連携 地域の医療、福祉との連携も大事なことである。 患者を紹介する際には、患者について把握している内容を整理して正確に示した紹介書を書くことが推奨されている。 また逆に患者の紹介を受けた場合は、依頼された事項に対する反応や経過報告を行うことにより双方向性の医療、福祉が築かれる。 部品 身近な存在 施術者は、尊敬される存在であると同時に身近な存在であることも大事である。 治療に関する話だけではなく、少しの身体の変化や心に抱える悩みなども気軽に相談できるような信頼関係の構築に努める。 また負担なく治療に通える環境を作ることも大切だ。 部品 継続的な治療 悪化した症状を緩和させるだけではなく、継続的に治療を受けてもらうことで身体を健康な状態で保つことも大切である。 しかし、実際は症状が出てから治療を求める患者が多い。 継続的な治療を推進するためには、治療の必要性の十分な説明や、施術に対する満足感、爽快感、施術中の心地よさなど総じて高い水準が要求される。 それらをクリアし、病気の時も健康な時も継続的な治療を提供できてこそ信頼に足る施術者であるといえるだろう。 部品 応急手当の知識と能力 医療従事者として応急手当及び救命手当の知識と人命を救う勇気、つまり実行能力がある。 有事の際は傷病者や周囲を観察し、協力を求めることはもちろん、気道確保、心臓マッサージ、人工呼吸、止血などの手当てを状況に応じて適切に判断し、実行する。 提出書式 大部品 あはき師 RD 29 評価値 8 -部品 あはき師とは -部品 3年間の養成課程と国家試験 -大部品 あん摩マッサージ指圧師 RD 2 評価値 1 --部品 あん摩マッサージ指圧とは --部品 あん摩マッサージ指圧の治療作用 -大部品 鍼灸師 RD 3 評価値 2 --部品 鍼灸術とは --部品 鍼灸の成り立ち --部品 鍼灸治療による作用 -部品 医学の知識と理解 -部品 作用への理解と適切な選択 -部品 東洋医学への理解 -大部品 施術上の注意点 RD 6 評価値 4 --部品 リスク管理 --部品 禁忌部位 --部品 安全刺入 --部品 鍼灸治療の禁忌 --部品 清潔と消毒 --部品 あん摩マッサージ指圧における禁忌とその対応 -部品 四診能力 -部品 コミュニケーション能力 -部品 自身の健康管理 -部品 清潔な衣類 -部品 手ぬぐい -部品 鍼灸道具 -大部品 信頼される施術者 RD 6 評価値 4 --部品 生涯研修 --部品 数々の臨床経験 --部品 包括的な思考 --部品 地域社会との連携 --部品 身近な存在 --部品 継続的な治療 -部品 応急手当の知識と能力 部品 あはき師とは あはき師とは「あん摩マッサージ指圧師」「鍼師」「灸師」の3つの国家資格をもったものの俗称である。 「あん摩マッサージ指圧師」「鍼師」「灸師」それぞれの頭文字をとった俗称であり、医療従事者としての活躍が期待される。 部品 3年間の養成課程と国家試験 あはき師になるためには「あん摩マッサージ指圧師」「鍼師」「灸師」の3つの国家資格が必要である。 国家試験の受験資格は、「あん摩マッサージ指圧師」「鍼師」「灸師」の専門課程のある養成学校で3年以上養成課程を修了することで与えられる。 3つの専門課程は大部分で重なっており、国家試験も同日に開催されるため、同時に取得することが可能である。 国家試験で一定基準に達する点数をとり、合格した者のみが「あん摩マッサージ指圧師」「鍼師」「灸師」を名乗り業することを許可される。 部品 あん摩マッサージ指圧とは あん摩とは、術者の手指を用い、薄い衣服の上から遠心性(中心部から末梢にかけて)の刺激を強弱をつけて与える手技療法である。 主として筋肉へとアプローチし、筋組織の循環を向上させ生体の機能調節を図る。 マッサージとは、術者の手指を用い、生体の皮膚に直接求心性(末梢から中心)への刺激を与える施術である。 求心性の手技により、血液・リンパ液の還流を促し、新陳代謝機能の向上を図る。 指圧療法とは徒手を用いて、全身の体表に定められた部位を主に漸増、漸減の垂直圧の一点圧を遠心性(中心から末梢)に与える手技療法である。 押圧操作による圧反射機転により、生体に備わっている自然治癒力の働きを促進し、神経・筋の機能を調整する。 あん摩マッサージ指圧師はこれらあん摩・マッサージ・指圧それぞれの意義と効能の違いを理解し、その施術を使い分けることにより、患者の状況に合わせた適切な治療を選択し、行う。 部品 あん摩マッサージ指圧の治療作用 あん摩マッサージ指圧により「興奮作用」「鎮痛作用」「反射作用」の3つの効果が期待できる。 「興奮作用」とは、病的に機能が減退した神経・筋に対して、その機能を高め減退している機能を回復させる作用のことである。 この手技は弱い刺激を与え、時間も短く行う。 運動麻痺、知覚鈍麻、知覚脱失などに対して治療効果があるのは主としてこの興奮作用によるものである。 「鎮痛作用」とは、病的に機能が亢進している神経や筋に対してその機能亢進を抑え、沈静させる作用のことである。 この手技は強い刺激を与え、時間も長く行う。 神経痛・筋痙攣・筋緊張・知覚過敏・筋肉痛などに対して治療効果があるのはこの鎮痛作用によるものが大きい。 「反射作用」とは、疾病部位から離れた部位に対して施術を行い、反転機能を解して神経や筋、内蔵などに刺激を与え、異常機能の調整を図る作用のことである。 興奮的効果と鎮痛的効果の両方が期待できる。 部品 鍼灸術とは 鍼術とは、鍼を用い身体の一定部位に接触または穿刺刺入し、生体に機械的刺激を与える施術方式である。 灸術とは、一定の方式に従い艾(もぐさ)を燃焼させ、またはそれにかわる物質を用いて身体表面の一定部位に温熱的刺激を与える施術方式である。 どちらも施術によって起こる効果的な生体反応を利用する。 生活機能の変調を矯正し、保健及び疾病の予防または治療に広く応用できる施術である。 部品 鍼灸の成り立ち 鍼灸治療の生まれは経験療法である。 原始的な人間が外傷を受けたり痛みを覚えたとき、本能的にその部に手を当て圧したり、舐めたり、泥や葉をつけるなどした。 やがて文明が進歩し火を利用するようになると、暖めることで局部の温熱が疼痛を軽減することを経験し、局所的温熱刺激である灸法が生まれた。 また、細くて鋭い石器で皮膚を切り、膿を排出させたりして疾病の治療ができることを経験し、以降道具の発達に従い金属製の鍼が治療に応用されるようになった。 そしてどちらもより効果的な場合に応じた治療が選択されるようになり、時間の経過とともにそれらの経験が集積されたと考える。 部品 鍼灸治療による作用 鍼灸治療によって以下の治療作用が期待できる。 ・「調整作用」 組織、器官に一定の刺激を与えて、その機能を調整する。 ・「興奮作用」 知覚の鈍麻や消失、運動麻痺などの神経機能の減弱及び内蔵諸器官の機能減退に対して興奮を促す。 ・「鎮静作用」 疼痛や痙攣のような異常に興奮が起きる疾患に対して鎮静を促す。 ・「誘導作用」 局所の血行障害に対し、患部に施術して血流を他の健康部から誘導する。もしくは局所の充血や炎症の際に少々隔たった部分に施術し、血液をそちらに誘導し患部の血流を調整する。 ・「鎮痛作用」 内因性モルヒネ様物質の発生あるいは下行性抑制などの機序により鎮痛作用を発現させる。 ・「消炎作用」 施術により白血球が増加し、施術部位に遊走する。血流改善により病的滲出物などの吸収を促進させ、生体の防衛能力を高める。 ・「転調作用」 自律神経失調やアレルギー体質を改善し、体質を強壮にする。 ・「反射作用」 痛み刺激あるいは温熱刺激による反射機転を介して組織、臓器の機能を鼓舞あるいは抑制する。 特に灸術においては施術後の血液像(赤血球、血色素量など)、血液凝固時間の短縮などの循環器系の作用が認められ、 「増血作用」「止血作用」「強心作用」があるとされている。 部品 医学の知識と理解 あはき師は、患者の生体へ触れることを業とする。 そのため、筋・骨格・内臓・神経・脈管・感覚器などを主とした解剖学的知識や生理学への知識は基本となる。 また患者の病態を正しく把握するためにも病理学や臨床医学への理解も求められる。 部品 作用への理解と適切な選択 あはき師は治療するにあたって、「その施術を行うことにより期待できる作用」への理解が必要である。 まんぜんと施術するだけではなく、如何なる目的でどこにどれくらいの刺激を与えるかを思考、選択することが大切だ。 生体の反応を観察し、適切な刺激量を与えることで十分な治療効果を挙げることができる。 部品 東洋医学への理解 東洋医学とは、人とは自然の一部であるという考え方のひとつである。 「陰陽学説」「気血津液の仕組み」「五行学説」「五臓のはたらき」「経絡経穴」などに基づく人体の捉え方と治療方法も、治療にとって大事な選択の一つである。 部品 リスク管理 施術における医療事故には十分気をつけ、危機意識を持つ。 環境、器具、作業方法、手順などを点検し適切な対策を行う。 常に安全に関する知識・技術の水準を一定に保ち、細心の注意を払い治療にあたらなければならない。 万が一事故が発生した時は速やかな処理対応をを行い損害を最小限にし、再発防止に努める。 部品 禁忌部位 刺鍼を避けるべき部位として、外生殖器、臍部、眼球、急性炎症の患部、新生児の大泉門などがある。 また、肺、胸膜、心臓、腎臓、脊髄および延髄などの中枢神経系、大血管などは刺鍼により障害が起こった場合は重篤な問題になりやすいので、特に注意が必要である。 灸術においては顔面部や化膿を起こしやすい部位、浅層に大血管がある部位、皮膚病の患部などへの直接灸は避ける。 部品 安全刺入 過剰な刺激や事故を防止するため、刺入深度と角度には細心の注意を払う。 解剖学構造を十分に理解し、患者の体格を考慮して、部位によっては刺入方向を横刺、斜刺などにして対応する。 部品 鍼灸治療の禁忌 鍼灸療法は生体の反応性を応用した治療であり、病態や症状の改善を目的に施術が行われてきたため、疾患名で絶対的な禁忌を定めることは難しい。 しかし、一般には ・安静が必要な場合 ・刺激を与えることで有害な作用を起こす場合 ・免疫機能が低下し、感染の危険性が高い場合 は鍼灸治療を避ける。 また、 ・妊娠中 ・救急救命や手術を必要としている場合 ・出血性の疾患 ・悪性腫瘍の腫瘍部への治療 も治療の選択をすべきでないとされている。 部品 清潔と消毒 手指を用い患者の体表に触れる施術のため、特に手指の清潔には注意しなければならない。 汚れが入らずまた患者の皮膚を傷つけぬよう指の爪は短く切り、ヤスリなどを用いて丸める。 施術開始前には石鹸水でよく洗い、クロルヘキシジン、含水アルコールなどを用いて消毒する。 感染症のリスクから、用いる道具も清潔と滅菌を心がける。 滅菌されていない道具を生体に用いることは禁止されている。 可能ならばディスポーザブル(使い捨て)タイプの道具を用いることが推奨されている。 部品 あん摩マッサージ指圧における禁忌とその対応 あん摩マッサージ指圧を行っても効果のない、あるいは施術により病状が悪化するものがある。 これを禁忌症と呼び、その施術は禁止されている。 もし患者が治療を求めてきた場合でも施術を行わず、上記のことを説明した上で適切な医師や病院に行くよう誘導、指示し、施術者もまた医師の判断を仰ぐ。 医師から施術するよう指示を受け、また施術者自身もその治療が適切であると判断した場合はこの限りではない。 以下に禁忌症の一例を示す。 ・急性の伝染病、熱性病 ・悪性腫瘍 ・急性中毒(昆虫毒・蛇毒など) ・急性炎症(虫垂炎など) ・出血性疾患(喀血、吐血、脳出血直後) ・外傷(創傷部、骨折、脱臼直後) ・重症の内臓疾患 部品 四診能力 四診とは「問診」「望診」「聞診」「切診」を表す言葉である。 「問診」とは患者本人から訴えや既往歴、全身の状態などを聞くことである。質問用紙に記入してもらう方法もあり、両方を併用することもある。 「望診」とは目で観察することである。顔色、全身の動きや姿勢、舌の状態などをよく診て病態の把握に努める。 「聞診」とは呼吸の状態、声の張りなどの音を聴くことと、口臭や排泄物の匂いをかいで判断することである。 「切診」とは患者に直接触れて診断するものをいう。脈の状態を診る脈診や腹を診る腹診もこれに含まれる。 鍼灸師は患者の状態を正しく把握し、治療に活かすためこの四診の能力が求められる。 部品 コミュニケーション能力 患者と対話する必要があるためコミュニケーション能力は必須である。 それは上手な問診や説明ができるというだけではなく、良好な信頼関係を築くための力である。 患者のメンタルケアや術後の満足感にも深いつながりを持つ。 部品 自身の健康管理 患者を健康にするためにも、まずは自分自身が健康であることに気をつけねばならない。 自身のコンディションは治療の質にも影響するため、自己マネジメント能力が必要である。 部品 清潔な衣類 服装に定めはないが、動きやすく清潔な衣類を着用する。 医師との区別をつけるため、淡色のケーシー型の白衣を着用するものが大半である。 外気温に応じて下にシャツを着る、上にパーカーを羽織るなどして調整する。 部品 手ぬぐい 治療家として、手ぬぐいを所持しているものが多い。 およそ33センチ×90センチの綿でできた白地のものが一般的だが、意匠をこらしたものや染めがはいった手ぬぐいを好んで使用する施術者もいる。 いずれにせよ清潔を心がける。 有事の際は引き裂いて包帯や三角巾の代用にもなる。 部品 鍼灸道具 鍼灸師は鍼灸治療のために「鍼」「もぐさ」「線香」「消毒用品」「灰皿」などを適切な範囲内で持ち歩く。 鍼は鍼体が1寸(30ミリ)から3寸(90ミリ)の長さで、太さが1番(0.16ミリ)から5番(0.24ミリ)のものが一般的である。 針先の形状は鍼尖の少し上方から細く鋭利になっている。刺入しやすく、疼痛も少ない。 材質は金・銀・ステンレスが主流であり、ステンレスのものはディスポーザブル(使い捨て)が推奨されている。 また、刺入する鍼以外でも円鍼や鍉鍼といった皮膚刺激を主体とした鍼もあり、小児や刺激量の少ない施術に利用される。 艾(もぐさ)は蓬の葉を乾燥させ、石臼でひいて篩にかけ、不純物を除去し作られる。 柔らかで芳香のよい、熱刺激の緩和なものが上質である。 線香は樹皮や葉などの粉末を原料とし、着色料や香料などを適量混ぜて練り、乾燥させたものである。 灸に着火する際に用いる。 部品 生涯研修 免許を取ったからそれで終わりというわけではなく、むしろ免許を取得し、臨床の現場に出てからが学修の本番である。 目の前の患者をばくぜんと治療していくだけではなく、症例ごとに真摯に向き合い生涯の研鑽を怠らないことが信頼に足る施術者への道筋である。 部品 数々の臨床経験 書物や講義で学んだだけではなく、実際患者に触れ、治療し、その結果を診ることで更に次に活かせる。 多数の症例の経験と一連の試行錯誤は、治療の大切な指針である。 部品 包括的な思考 施術中に治療するだけではなく、患者をとりまく環境を幅広くとらえケアできることが期待される。 養生法の指導や健康づくりのアドバイスなど、単に症状だけを診るのではなく包括的に患者の生活を考えられてこそ信頼のできる施術者であるといえる。 部品 地域社会との連携 地域の医療、福祉との連携も大事なことである。 患者を紹介する際には、患者について把握している内容を整理して正確に示した紹介書を書くことが推奨されている。 また逆に患者の紹介を受けた場合は、依頼された事項に対する反応や経過報告を行うことにより双方向性の医療、福祉が築かれる。 部品 身近な存在 施術者は、尊敬される存在であると同時に身近な存在であることも大事である。 治療に関する話だけではなく、少しの身体の変化や心に抱える悩みなども気軽に相談できるような信頼関係の構築に努める。 また負担なく治療に通える環境を作ることも大切だ。 部品 継続的な治療 悪化した症状を緩和させるだけではなく、継続的に治療を受けてもらうことで身体を健康な状態で保つことも大切である。 しかし、実際は症状が出てから治療を求める患者が多い。 継続的な治療を推進するためには、治療の必要性の十分な説明や、施術に対する満足感、爽快感、施術中の心地よさなど総じて高い水準が要求される。 それらをクリアし、病気の時も健康な時も継続的な治療を提供できてこそ信頼に足る施術者であるといえるだろう。 部品 応急手当の知識と能力 医療従事者として応急手当及び救命手当の知識と人命を救う勇気、つまり実行能力がある。 有事の際は傷病者や周囲を観察し、協力を求めることはもちろん、気道確保、心臓マッサージ、人工呼吸、止血などの手当てを状況に応じて適切に判断し、実行する。 インポート用定義データ [ { "title" "あはき師", "children" [ { "title" "あはき師とは", "description" "あはき師とは「あん摩マッサージ指圧師」「鍼師」「灸師」の3つの国家資格をもったものの俗称である。\n「あん摩マッサージ指圧師」「鍼師」「灸師」それぞれの頭文字をとった俗称であり、医療従事者としての活躍が期待される。", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "3年間の養成課程と国家試験", "description" "あはき師になるためには「あん摩マッサージ指圧師」「鍼師」「灸師」の3つの国家資格が必要である。\n国家試験の受験資格は、「あん摩マッサージ指圧師」「鍼師」「灸師」の専門課程のある養成学校で3年以上養成課程を修了することで与えられる。\n3つの専門課程は大部分で重なっており、国家試験も同日に開催されるため、同時に取得することが可能である。\n国家試験で一定基準に達する点数をとり、合格した者のみが「あん摩マッサージ指圧師」「鍼師」「灸師」を名乗り業することを許可される。", "expanded" true, "part_type" "part" }, { "title" "あん摩マッサージ指圧師", "part_type" "group", "children" [ { "title" "あん摩マッサージ指圧とは", "description" "あん摩とは、術者の手指を用い、薄い衣服の上から遠心性(中心部から末梢にかけて)の刺激を強弱をつけて与える手技療法である。\n主として筋肉へとアプローチし、筋組織の循環を向上させ生体の機能調節を図る。\nマッサージとは、術者の手指を用い、生体の皮膚に直接求心性(末梢から中心)への刺激を与える施術である。\n求心性の手技により、血液・リンパ液の還流を促し、新陳代謝機能の向上を図る。\n指圧療法とは徒手を用いて、全身の体表に定められた部位を主に漸増、漸減の垂直圧の一点圧を遠心性(中心から末梢)に与える手技療法である。\n押圧操作による圧反射機転により、生体に備わっている自然治癒力の働きを促進し、神経・筋の機能を調整する。\n\nあん摩マッサージ指圧師はこれらあん摩・マッサージ・指圧それぞれの意義と効能の違いを理解し、その施術を使い分けることにより、患者の状況に合わせた適切な治療を選択し、行う。", "part_type" "part" }, { "title" "あん摩マッサージ指圧の治療作用", "description" "あん摩マッサージ指圧により「興奮作用」「鎮痛作用」「反射作用」の3つの効果が期待できる。\n\n「興奮作用」とは、病的に機能が減退した神経・筋に対して、その機能を高め減退している機能を回復させる作用のことである。\nこの手技は弱い刺激を与え、時間も短く行う。\n運動麻痺、知覚鈍麻、知覚脱失などに対して治療効果があるのは主としてこの興奮作用によるものである。\n「鎮痛作用」とは、病的に機能が亢進している神経や筋に対してその機能亢進を抑え、沈静させる作用のことである。\nこの手技は強い刺激を与え、時間も長く行う。\n神経痛・筋痙攣・筋緊張・知覚過敏・筋肉痛などに対して治療効果があるのはこの鎮痛作用によるものが大きい。\n「反射作用」とは、疾病部位から離れた部位に対して施術を行い、反転機能を解して神経や筋、内蔵などに刺激を与え、異常機能の調整を図る作用のことである。\n興奮的効果と鎮痛的効果の両方が期待できる。 ", "part_type" "part", "expanded" true } ], "expanded" true }, { "title" "鍼灸師", "part_type" "group", "children" [ { "title" "鍼灸術とは", "description" "鍼術とは、鍼を用い身体の一定部位に接触または穿刺刺入し、生体に機械的刺激を与える施術方式である。\n灸術とは、一定の方式に従い艾(もぐさ)を燃焼させ、またはそれにかわる物質を用いて身体表面の一定部位に温熱的刺激を与える施術方式である。\nどちらも施術によって起こる効果的な生体反応を利用する。\n生活機能の変調を矯正し、保健及び疾病の予防または治療に広く応用できる施術である。\n\n", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "鍼灸の成り立ち", "description" "鍼灸治療の生まれは経験療法である。\n原始的な人間が外傷を受けたり痛みを覚えたとき、本能的にその部に手を当て圧したり、舐めたり、泥や葉をつけるなどした。\nやがて文明が進歩し火を利用するようになると、暖めることで局部の温熱が疼痛を軽減することを経験し、局所的温熱刺激である灸法が生まれた。\nまた、細くて鋭い石器で皮膚を切り、膿を排出させたりして疾病の治療ができることを経験し、以降道具の発達に従い金属製の鍼が治療に応用されるようになった。\nそしてどちらもより効果的な場合に応じた治療が選択されるようになり、時間の経過とともにそれらの経験が集積されたと考える。", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "鍼灸治療による作用", "description" "鍼灸治療によって以下の治療作用が期待できる。\n・「調整作用」 組織、器官に一定の刺激を与えて、その機能を調整する。\n・「興奮作用」 知覚の鈍麻や消失、運動麻痺などの神経機能の減弱及び内蔵諸器官の機能減退に対して興奮を促す。\n・「鎮静作用」 疼痛や痙攣のような異常に興奮が起きる疾患に対して鎮静を促す。\n・「誘導作用」 局所の血行障害に対し、患部に施術して血流を他の健康部から誘導する。もしくは局所の充血や炎症の際に少々隔たった部分に施術し、血液をそちらに誘導し患部の血流を調整する。\n・「鎮痛作用」 内因性モルヒネ様物質の発生あるいは下行性抑制などの機序により鎮痛作用を発現させる。\n・「消炎作用」 施術により白血球が増加し、施術部位に遊走する。血流改善により病的滲出物などの吸収を促進させ、生体の防衛能力を高める。\n・「転調作用」 自律神経失調やアレルギー体質を改善し、体質を強壮にする。\n・「反射作用」 痛み刺激あるいは温熱刺激による反射機転を介して組織、臓器の機能を鼓舞あるいは抑制する。\n\n特に灸術においては施術後の血液像(赤血球、血色素量など)、血液凝固時間の短縮などの循環器系の作用が認められ、\n「増血作用」「止血作用」「強心作用」があるとされている。", "part_type" "part", "expanded" true } ], "expanded" true }, { "title" "医学の知識と理解", "description" "あはき師は、患者の生体へ触れることを業とする。\nそのため、筋・骨格・内臓・神経・脈管・感覚器などを主とした解剖学的知識や生理学への知識は基本となる。\nまた患者の病態を正しく把握するためにも病理学や臨床医学への理解も求められる。", "expanded" true, "part_type" "part" }, { "title" "作用への理解と適切な選択", "description" "あはき師は治療するにあたって、「その施術を行うことにより期待できる作用」への理解が必要である。\nまんぜんと施術するだけではなく、如何なる目的でどこにどれくらいの刺激を与えるかを思考、選択することが大切だ。\n生体の反応を観察し、適切な刺激量を与えることで十分な治療効果を挙げることができる。 ", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "東洋医学への理解", "description" "東洋医学とは、人とは自然の一部であるという考え方のひとつである。\n「陰陽学説」「気血津液の仕組み」「五行学説」「五臓のはたらき」「経絡経穴」などに基づく人体の捉え方と治療方法も、治療にとって大事な選択の一つである。\n", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "施術上の注意点", "part_type" "group", "children" [ { "title" "リスク管理", "description" "施術における医療事故には十分気をつけ、危機意識を持つ。\n環境、器具、作業方法、手順などを点検し適切な対策を行う。\n常に安全に関する知識・技術の水準を一定に保ち、細心の注意を払い治療にあたらなければならない。\n\n万が一事故が発生した時は速やかな処理対応をを行い損害を最小限にし、再発防止に努める。\n", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "禁忌部位", "description" "刺鍼を避けるべき部位として、外生殖器、臍部、眼球、急性炎症の患部、新生児の大泉門などがある。\nまた、肺、胸膜、心臓、腎臓、脊髄および延髄などの中枢神経系、大血管などは刺鍼により障害が起こった場合は重篤な問題になりやすいので、特に注意が必要である。\n灸術においては顔面部や化膿を起こしやすい部位、浅層に大血管がある部位、皮膚病の患部などへの直接灸は避ける。", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "安全刺入", "description" "過剰な刺激や事故を防止するため、刺入深度と角度には細心の注意を払う。\n解剖学構造を十分に理解し、患者の体格を考慮して、部位によっては刺入方向を横刺、斜刺などにして対応する。", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "鍼灸治療の禁忌", "description" "鍼灸療法は生体の反応性を応用した治療であり、病態や症状の改善を目的に施術が行われてきたため、疾患名で絶対的な禁忌を定めることは難しい。\nしかし、一般には\n・安静が必要な場合\n・刺激を与えることで有害な作用を起こす場合\n・免疫機能が低下し、感染の危険性が高い場合\nは鍼灸治療を避ける。\nまた、\n・妊娠中\n・救急救命や手術を必要としている場合\n・出血性の疾患\n・悪性腫瘍の腫瘍部への治療\nも治療の選択をすべきでないとされている。", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "清潔と消毒", "description" "手指を用い患者の体表に触れる施術のため、特に手指の清潔には注意しなければならない。\n汚れが入らずまた患者の皮膚を傷つけぬよう指の爪は短く切り、ヤスリなどを用いて丸める。\n施術開始前には石鹸水でよく洗い、クロルヘキシジン、含水アルコールなどを用いて消毒する。\n感染症のリスクから、用いる道具も清潔と滅菌を心がける。\n滅菌されていない道具を生体に用いることは禁止されている。\n可能ならばディスポーザブル(使い捨て)タイプの道具を用いることが推奨されている。", "expanded" true, "part_type" "part" }, { "title" "あん摩マッサージ指圧における禁忌とその対応", "description" "あん摩マッサージ指圧を行っても効果のない、あるいは施術により病状が悪化するものがある。\nこれを禁忌症と呼び、その施術は禁止されている。\nもし患者が治療を求めてきた場合でも施術を行わず、上記のことを説明した上で適切な医師や病院に行くよう誘導、指示し、施術者もまた医師の判断を仰ぐ。\n医師から施術するよう指示を受け、また施術者自身もその治療が適切であると判断した場合はこの限りではない。\n以下に禁忌症の一例を示す。\n\n・急性の伝染病、熱性病\n・悪性腫瘍\n・急性中毒(昆虫毒・蛇毒など)\n・急性炎症(虫垂炎など)\n・出血性疾患(喀血、吐血、脳出血直後)\n・外傷(創傷部、骨折、脱臼直後)\n・重症の内臓疾患", "part_type" "part", "expanded" true } ], "expanded" true }, { "title" "四診能力", "description" "四診とは「問診」「望診」「聞診」「切診」を表す言葉である。\n\n「問診」とは患者本人から訴えや既往歴、全身の状態などを聞くことである。質問用紙に記入してもらう方法もあり、両方を併用することもある。\n「望診」とは目で観察することである。顔色、全身の動きや姿勢、舌の状態などをよく診て病態の把握に努める。\n「聞診」とは呼吸の状態、声の張りなどの音を聴くことと、口臭や排泄物の匂いをかいで判断することである。\n「切診」とは患者に直接触れて診断するものをいう。脈の状態を診る脈診や腹を診る腹診もこれに含まれる。\n\n鍼灸師は患者の状態を正しく把握し、治療に活かすためこの四診の能力が求められる。", "expanded" true, "part_type" "part" }, { "title" "コミュニケーション能力", "description" "患者と対話する必要があるためコミュニケーション能力は必須である。\nそれは上手な問診や説明ができるというだけではなく、良好な信頼関係を築くための力である。\n患者のメンタルケアや術後の満足感にも深いつながりを持つ。\n", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "自身の健康管理", "description" "患者を健康にするためにも、まずは自分自身が健康であることに気をつけねばならない。\n自身のコンディションは治療の質にも影響するため、自己マネジメント能力が必要である。", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "清潔な衣類", "description" "服装に定めはないが、動きやすく清潔な衣類を着用する。\n医師との区別をつけるため、淡色のケーシー型の白衣を着用するものが大半である。\n外気温に応じて下にシャツを着る、上にパーカーを羽織るなどして調整する。", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "手ぬぐい", "description" "治療家として、手ぬぐいを所持しているものが多い。\nおよそ33センチ×90センチの綿でできた白地のものが一般的だが、意匠をこらしたものや染めがはいった手ぬぐいを好んで使用する施術者もいる。\nいずれにせよ清潔を心がける。\n有事の際は引き裂いて包帯や三角巾の代用にもなる。\n", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "鍼灸道具", "description" "鍼灸師は鍼灸治療のために「鍼」「もぐさ」「線香」「消毒用品」「灰皿」などを適切な範囲内で持ち歩く。\n\n鍼は鍼体が1寸(30ミリ)から3寸(90ミリ)の長さで、太さが1番(0.16ミリ)から5番(0.24ミリ)のものが一般的である。\n針先の形状は鍼尖の少し上方から細く鋭利になっている。刺入しやすく、疼痛も少ない。\n材質は金・銀・ステンレスが主流であり、ステンレスのものはディスポーザブル(使い捨て)が推奨されている。\nまた、刺入する鍼以外でも円鍼や鍉鍼といった皮膚刺激を主体とした鍼もあり、小児や刺激量の少ない施術に利用される。\n\n艾(もぐさ)は蓬の葉を乾燥させ、石臼でひいて篩にかけ、不純物を除去し作られる。\n柔らかで芳香のよい、熱刺激の緩和なものが上質である。\n線香は樹皮や葉などの粉末を原料とし、着色料や香料などを適量混ぜて練り、乾燥させたものである。\n灸に着火する際に用いる。\n", "part_type" "part" }, { "title" "信頼される施術者", "part_type" "group", "children" [ { "title" "生涯研修", "description" "免許を取ったからそれで終わりというわけではなく、むしろ免許を取得し、臨床の現場に出てからが学修の本番である。\n目の前の患者をばくぜんと治療していくだけではなく、症例ごとに真摯に向き合い生涯の研鑽を怠らないことが信頼に足る施術者への道筋である。", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "数々の臨床経験", "description" "書物や講義で学んだだけではなく、実際患者に触れ、治療し、その結果を診ることで更に次に活かせる。\n多数の症例の経験と一連の試行錯誤は、治療の大切な指針である。", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "包括的な思考", "description" "施術中に治療するだけではなく、患者をとりまく環境を幅広くとらえケアできることが期待される。\n養生法の指導や健康づくりのアドバイスなど、単に症状だけを診るのではなく包括的に患者の生活を考えられてこそ信頼のできる施術者であるといえる。", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "地域社会との連携", "description" "地域の医療、福祉との連携も大事なことである。\n患者を紹介する際には、患者について把握している内容を整理して正確に示した紹介書を書くことが推奨されている。\nまた逆に患者の紹介を受けた場合は、依頼された事項に対する反応や経過報告を行うことにより双方向性の医療、福祉が築かれる。", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "身近な存在", "description" "施術者は、尊敬される存在であると同時に身近な存在であることも大事である。\n治療に関する話だけではなく、少しの身体の変化や心に抱える悩みなども気軽に相談できるような信頼関係の構築に努める。\nまた負担なく治療に通える環境を作ることも大切だ。", "part_type" "part", "expanded" true }, { "title" "継続的な治療", "description" "悪化した症状を緩和させるだけではなく、継続的に治療を受けてもらうことで身体を健康な状態で保つことも大切である。\nしかし、実際は症状が出てから治療を求める患者が多い。\n継続的な治療を推進するためには、治療の必要性の十分な説明や、施術に対する満足感、爽快感、施術中の心地よさなど総じて高い水準が要求される。\nそれらをクリアし、病気の時も健康な時も継続的な治療を提供できてこそ信頼に足る施術者であるといえるだろう。", "part_type" "part" } ], "expanded" true }, { "title" "応急手当の知識と能力", "description" "医療従事者として応急手当及び救命手当の知識と人命を救う勇気、つまり実行能力がある。\n有事の際は傷病者や周囲を観察し、協力を求めることはもちろん、気道確保、心臓マッサージ、人工呼吸、止血などの手当てを状況に応じて適切に判断し、実行する。\n", "part_type" "part" } ], "expanded" true, "part_type" "group" } ]