約 2,824,150 件
https://w.atwiki.jp/gwend/pages/7.html
RSSを取り込んで一覧表示(rss) #rss(ここにRSSのURL) もしくは #rss(ここにRSSのURLを入力) と入力することで指定したRSSを取り込んで一覧表示します。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //www1.atwiki.jp/guide/pages/269.html#id_a0e79757 たとえば、#rss(http //www1.atwiki.jp/guide/rss10_new.xml) と入力すると以下のように表示されます。 #showrss plugin Error showrssプラグインでのatwiki.jpのRSSの取り扱いはできません。#recentなどをご利用ください。
https://w.atwiki.jp/jyoshimecha/pages/149.html
赤 青 黄 緑 黒 バンブーセットが免許皆伝しましたセット。 格闘メインだがサブに銃撃を持つ。すべてレアで集まりそうで集まらない。 スーパーアーマーもあり高い耐久力を持つ。 カウンター持ちの格闘に目が行きがちだが、クリティカル持ちの銃撃も侮れない火力を誇る。 ステータスはレベル20の時のものです。 セット名称 皆伝セット セット効果 攻撃--- 命中100耐久200 回避---格闘強化+100 入手エリア エリア4 名称 レアリティ 属性 攻撃 命中 耐久 回避 特殊能力 ヘッド 八段面 レア --- --- 220 900 --- 格闘強化+100 ボディ 八段胴 レア --- --- --- 1300 240 スーパーアーマー メイン武器 皆伝剣 レア 格闘 920 80 --- --- カウンター25% サブ武器 鬼殺し レア 格闘 1140 60 --- --- 銃撃武器破壊 アシスト武器 三杯弾 レア 銃撃 730 80 --- --- クリティカル30%
https://w.atwiki.jp/tarowa/pages/319.html
寝・逃・げでリセット! ◆ew5bR2RQj. 前原圭一は地図でいうFー6の部分を歩いていた。 異常なほど周囲を警戒し、ベルトに差した拳銃を強く握り締めながら。 拳銃は拾ってから片時も手放していないため、汗がべっとりと滲んでいる。 手では拳銃の機械的な感触と汗の粘ついた感触が交わり、独特の不快感を生み出している。 それでも彼は拳銃を離そうとはしなかった。 何故なら彼は肉体的にも精神的にも、ただの男子学生だからだ。 彼にはアルターのような特異な能力もなければ、ライダーデッキなどの強力なアイテムが支給されたわけでもない。 身を守る手段は効力が不明のデスノートを除けば、鉄パイプと拳銃のみ。 故に臆病なほど慎重に行動しなければならないのである。 (次は何処へ行くか……) 支給された地図を眺めながら考える圭一。 彼は図書館を出た後、水族館に向かった。 そこにした理由は、単純に一番近い施設だったからである。 こんな時に呑気に魚を見に行く奴がいるのかと疑問を浮かべたが、派手に動きたくないためそこを目的地に定めた。 だが疑問通り水族館に悟史はおらず、ひび割れたショーケースがあったくらいであった。 (水族館を出た後はずっと北に行ったから……一番近いのは公園か) Fー6の周辺にある施設は公園、図書館、水族館。 後者の二つは既に訪れたため、残りは公園だけになる。 公園は市街地と小島を結ぶ架け橋にもなっているため、人が通りやすい。 そのため水族館よりは、訪れる価値があるように思えた。 (よし、次は公園に…………ッ!?) 目的地を決定し、いざそこへ向かおうとした瞬間。 彼の瞳には、信じられない物が映った。 彼が今まさに向かおうとしていた公園の上空から、緑色の光線が注がれたのだ。 それから数秒後。 激しい爆音が轟き、公園から煙が上がり始める。 「な、なんだよ、あれ!?」 先ほど遊園地の方角から起こったものに比べれば、ずっと小規模な爆発。 しかし爆発するまでの過程が異常であった。 彼が今まで身に付けてきた常識の中に、緑色の光線を放つものは存在しない。 そういった類が存在していいのは、アニメや漫画の中だけなのだ。 「ひぃっ!」 反射的に圭一は恐れを抱き、公園とは逆方向に逃げ出す。 あそこには危険が存在すると、直感で理解したのだ。 「ハァッ、ハァッ……」 先ほどの慎重さが嘘のように走り抜ける圭一。 コンクリートの地面に足音を立て、乱れた吐息は早朝の澄んだ空気の中に馴染んでいく。 理性や知性をかなぐり捨て、ただ危険から逃げ切るため。 彼はただひたすら走り続けた。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 世の中には才能など存在しないという人がいる。 でも俺――――北岡秀一は違うと思ってるんだ。 なんでだか分かる? うん、分からないよね。 しょうがないから特別に教えて上げるよ。 どうしてそう思ったかっていうと、俺自身が才能に恵まれたスーパー弁護士だからさ。 俺の才能の素晴らしさは、俺の普段の生活を見れば分かるかな。 弁護士としての腕前は、大手企業からも依頼が殺到するほど。 取材が来ることも珍しくなく、世間での認知度もかなり高い。 さらに自宅は小洒落た一戸建てで、高級車を三台も所持。 おまけにイケメンで、超一流の秘書の吾郎ちゃんまでいる。 これを勝ち組と言わないなら、なんて呼べばいいんだろうね。 でも神様は全ての才能を俺に与えてくれなかった。 確かに俺はスーパー弁護士であり、頭脳労働ならかなりの自信がある。 けど肉体労働に関しては、お世辞にも優秀と呼べるものじゃあない。 端から運動に関する才能がない上に、俺を取り巻く環境がそれに拍車を掛けていたんだ。 まず第一に職業、弁護士業はデスクワークが中心であり基本的に運動はしない。 移動も吾郎ちゃんが運転する車が中心であることが、さらに俺から運動との接点を遠ざけていた。 次に年齢、一般的に人間の体力は二十五歳を過ぎると低下していくと言われている。 俺の年齢は三十歳、俗にいう三十路だ。 最後に病気、俺は不治の病に侵されている。 この病気によりどんどん身体の機能は低下していき、最後はまともに歩けなかったほどだ。 はっきり言おう、俺は運動音痴だ。 だから―――― 「そろそろ代わってくれない? 五ェ門」 俺は背中で眠るつかさちゃんの顔を見て、五ェ門に提案した。 「断る」 隣を歩く五ェ門は、振り返らずにそう返す。 最初からこう返されるのは分かっていたものの、消沈せざるを得なかった。 浅倉から逃げ切った北岡達は、体勢を立て直すために森を出ることにした。 ゾルダのデッキを持っているであろう金髪の男からは、一度離れることになるだろう。 だが金髪の男を深追いすることは、北条悟史が作り出した危険地帯に残ることを意味する。 そこには浅倉のような危険人物が、大量に集合しているだろう。 命からがら逃げ出してきたのに、すぐ再会したら笑い話にもならない。 生身でライダーと互角に渡り合える五ェ門でも、次は生き延びられる保証はないのだ。 故に一度体勢を立て直し、再び森に入る必要がある。 悟史を見捨てるのは五ェ門にとって苦渋の決断だったようだが、了承してもらう他なかった。 そこで目的地に選択したのが、設備の整っている総合病院。 Hー4にわざわざ小病院と記述してあることから、ここはかなり設備が整っているのだろう。 到着したらまず負傷した五ェ門とつかさを治療。 その後に院内を探索し、使えそうな道具を入手。 可能ならばデルフリンガーに代わる新たな刀剣類の確保も行う。 これが五ェ門と相談した末、出した結論だった。 そうして彼らは移動を始めたのだが、一つ問題があった。 それは浅倉との交戦の直前に保護した少女、柊つかさである。 彼女は現在熟睡中であり、当然のように歩くことはできない。 山中に放置していく訳にもいかず、交代でどちらかが背負って歩くことになった。 だが人を背負って歩くというのは、想像以上に辛い。 森林部は既に過ぎていたため、歩くこと自体は随分と楽になっている。 だがここで、北岡の運動不足が響いた。 五ェ門と交代してから大分経過したが、足にかかる負担が非常に大きいのだ。 しかも五ェ門は歩く速度を緩めないため、おちおち休憩することもできない。 一歩踏み出すたびに足に鈍痛が走り、ふくらはぎが張り詰めていく。 足が棒のようだとはこの事だと、痛感させられる北岡であった。 (ったく、これが城戸とかだったらとっくに置いてってるよ……) 背中で寝息を立てているつかさの顔を見ながら、心中で呟く北岡。 今の彼にとって、背中で眠っているのが美少女であることが唯一の救いだった。 彼だって男である。汗臭い男より可愛い少女の方が好みなのだ。 それに危険地帯であるD-7は、既に五ェ門が背負って通過している。 だから危険人物に遭遇する可能性は低く、精神的な負担は五ェ門よりもずっと軽い。 それでも辛いものは辛いのだ。 「ホントに頼むよ五ェ門、もう足がパンパンでさ」 「最初に約束したであろう、交代して背負うと、それに……」 「それに?」 「もし拙者が背負っている時に、誰かに襲われたらどうする?」 「ぐっ……」 確かに五ェ門の言う通りである。 北岡自身もブローニング・ハイパワーを所持しているため、戦えないわけではない。 しかし予備のマガジンはないうえに、残弾数も三発だけ。 これでは消耗戦になった場合、圧倒的不利に陥ってしまう。 そもそもライダーのような銃の効かない相手では、太刀打ちする事できないのだ。 従って事前の契約どおり戦闘では五ェ門を頼ることになるが、つかさを背負っていては初動が遅れる。 その間にもし五ェ門が倒された場合、北岡の命も無いのだ。 (五ェ門の癖に……) 理路整然としていて、付け入る隙の無い理論だ。 己の生存確率を上げるにも、やはり自分がつかさを背負うしかないのである。 (こんなことならもう少し運動しとけばよかったよ、はぁ……) 自虐的に笑みを浮かべ、溜息をつく北岡。 その時同時につかさの位置がずれ、慌てて直した。 「すぅ……すぅ……」 「…………」 つかさは穏やかな寝顔を見せながら、規則正しく寝息を立てている。 その様子から彼女は当分目覚めないだろうと、北岡は推測した。 (……そろそろあの事を言った方がいいかな) 北岡は五ェ門とつかさの顔を何度も見比べた後、つかさが起きていないか再度確認する。 そして熟睡しているのを見て、五ェ門に切り出した。 「なぁ、五ェ門……」 「何度も言っているだろう、代わらぬと」 「いや、そのことじゃないんだ」 北岡がつかさを背負うのをまた変わってほしいと懇願すると思ったのだろう。 五ェ門は切れ長の目をさらに細め、睨むように見つめてくる。 「では何用か?」 「その前に一つ約束してほしいんだが……これから言う事を聞いても冷静でいてほしいんだ」 突然北岡が態度を変えたからか、五ェ門は首を傾げている。 だがそれでも、首を縦に振ってくれた。 「えっとさ、ほら、ルルーシュって奴を覚えてるか?」 「うむ、最初にあのV.V.とかいう輩に啖呵を切った男だな、あと……確かつかさ殿がその名前を口ずさんでたはずだ」 「そのことなんだけど……浅倉が襲ってきた時に俺はずっとつかさちゃんといただろ? その時に彼女から聞いたんだけど……」 そこまで言いかけ、北岡はまたつかさの顔を見る。 彼女は相変わらず気持ちよさそうに眠っていた。 「つかさちゃんがさ、ルルーシュを殺しちゃったって言ってたんだ」 刹那、風が吹き、五ェ門の着物を揺らした。 「……それは真か?」 「ああ、本人が言ってたし間違いないよ」 信じられない言葉を聞かされ、思わず五ェ門は足を止めてしまう。 彼自身最初につかさの姿を見た時、多少不自然さを感じていた。 しかし彼女が人を殺しているとは想像もしてなかったのだ。 (五ェ門の奴……やっぱり動揺してるな) 神妙な顔で俯いている五ェ門を見れば、誰でも分かるだろう。 五ェ門は目に見えて動揺している。 こうなると分かっていたからこそ、北岡はずっとタイミングを測っていたのだ。 「それをどうして早く――――」 「これはさ、不幸な事故なんだよ」 早口で捲し立ててきた五ェ門を遮る北岡。 その妙な迫力に押され、五ェ門は閉口してしまう。 「つかさちゃんは元々ただ学生だったんだ、こんなところに連れてこられなければ血生臭いことには無縁だったはずなんだ」 北岡は僅かに明るみ始めた空を仰ぎ、ゆっくりと喋り続ける。 「悪いのはつかさちゃんじゃない、こんなところに彼女を連れてきたV.V.なんだ」 黙りこくる五ェ門、つかさも北岡の背で眠り続けている。 だからこの場に響いているのは、北岡秀一の声だけだ。 「だからさ、五ェ門、つかさちゃんを許してやってくれないかな?」 「……………………」 北岡の言葉が終わり、静寂に包まれる二人。 その間北岡は若干緊張した面持ちで、目を閉じた五ェ門を見つめる。 そうして十数秒経った後、五ェ門はゆっくりと口を開いた。 「……そもそも拙者には、つかさ殿をどうこうする気はない ただ北岡殿がそれを拙者に黙っていたことが、少々気に入らなかっただけだ」 そう言って、再び歩き始める五ェ門。 前と変わらず北岡のことをまるで考慮しない素早い歩調で、つかつかと歩き出す。 その様子を見て、北岡はほっと胸を撫で下ろした。 若干の不安はあった。 五ェ門は非常に正義感の強い性格である。 故に殺人という禁忌を犯したつかさに対して、どういったリアクションを取るか読めなかったのだ。 つかさを捨てていけと言うかもしれないし、契約を反故にされる可能性もあった。 五ェ門に報告しないとのも考えたが、それではつかさが起きた時に面倒事が起きる可能性がある。 この件で揉め事を起こすのは、双方にとっていい方向へは働かない。 だったら先に自分が告げて、自分達だけで解決してしまえばいい。 それが北岡の考えだった。 「それは悪かったよ、でも走っている時にいきなり言われても迷惑だっただろ?」 数メートル先を歩く五ェ門に追いつこうと、北岡は小走する。 心無しか先ほどまで重かった脚は、随分と軽く感じた。 「……確かに、北岡殿の言う通りだ」 「だろ? だからタイミングを測ってたんだよ」 浅倉から逃げた直後は、危険地帯から脱出するため小走りをしていた。 その時にこの件を告げても、まともな対応はできなかっただろう。 「そうか、それでは拙者の見当違いだったということだな」 「そういうこと、あともう一つ――――」 「つかさ殿にはこのことを言うな、か?」 今度は北岡の言葉を遮り、ふっと笑みを浮かべる五ェ門。 してやったり、と言いたげな表情だ。 「ああ、分かってるならそれでいいよ」 北岡がそう返すと、五ェ門は前を向いてまた歩き出す。 その態度を見るからに、最初から五ェ門は北岡と同じ考えだったようだ。 やはり五ェ門は超が付くほどのお人好しらしい。 (あれ? でもそれじゃあ俺もお人好しってことになるんじゃないの?) 五ェ門の考えをお人好しというのなら、同じ考えに至った自分もお人好しということになるのではないだろうか。 (いや、これはチーム内の空気が悪くなるのを防いだだけなんだ、だから城戸や五ェ門みたいになったわけじゃ……) 「北岡殿」 「え? ……ん、な、なに?」 考え事をしていたため、北岡は僅かながら返事が遅れてしまう。 「あれは図書館ではないのか?」 五ェ門が指さした先にあるのは、一際目立つ建造物。 彼らは方位磁石に従いずっと南下していたため、あれは図書館で間違いないだろう。 「お、本当だ、あそこで少し休憩にしない?」 「拙者達の目的地は総合病院だったはずだが……」 「少しくらいいいじゃない、つかさちゃん達の知り合いもいるかもしれないしさ」 「……仕方がない、ただし少しだけだ」 「さすが五ェ門ちゃん! 話が分かって――――」 北岡が休憩したいと申し出て、渋々五ェ門が了承する そしてやっと休憩できることに、北岡が舞い上がった瞬間だった。 「伏せろッ!!」 五ェ門が怒声を発すると同時に、ぱぁんと乾いた音が響く。 そして五ェ門が鞘からデルフリンガーを抜きつつ、宙へと飛び上がり―――― 「せぇいッ!」 迫ってきた弾丸を、たたき落とした。 「な……」 五ェ門の言葉で咄嗟に伏せていた北岡が、この一瞬の出来事を理解するのには数秒を要した。 足元に真っ二つに切断された銃弾が無ければ、もっとかかったかもしれない。 簡単に説明しよう。 先ほど北岡が舞い上がった瞬間、彼の背後に一人の少年――――前原圭一が忍び寄り、 彼らを射殺しようと発砲した。 が、剥き出しの殺気を発砲直前に五ェ門が気付き、即座に対応。 神風のような速度で北岡の背後に回り、銃弾を一刀両断したのだ。 「貴様!」 銃弾を両断した勢いで、今度は圭一へと飛び掛る五ェ門。 彼の鬼のような形相に驚き、圭一は二発目を発射する。 だが狙いもまともに定めていない上、手を震わせながら発射した銃弾など届くはずがない。 銃弾は空に消え、同時に彼と圭一の間にあった十数メートルの距離も無くなっていた。 「ひっ!」 急いで拳銃を構え直す圭一だが、あまりにも遅すぎる。 五ェ門ーの一振りで、拳銃は背後へと弾け飛んでいった。 「せぇいっ!」 返す刀で今度は圭一のデイパックを切り裂く五ェ門。 するとデイパックの一部分が裂けて、中身が散乱した。 次から次へと起こる出来事に、混乱する圭一。 それでも抵抗せんと手段を模索しようとするが、喉元に冷たい感触がそれを停止させた。 「次は斬るぞ」 ドスの利いた声を出し、五ェ門は圭一を脅迫する。 錆びた剣を押し当て、圭一の柔らかい肉を圧迫する。 そのまま数秒、世界中の時が止まったかのような緊迫した時間が流れていた。 ――――これだけすれば抵抗はしてこないだろう。 五ェ門は刃物のように目を尖らせ、圭一を見下ろす。 殺気を隠せていないことに、拳銃を握った手が震えていたこと。 これらを考慮するからに、目の前の少年は戦い慣れていない。 おそらくこの場の空気に精神を蝕まれ、凶行に走ったのだろう。 五ェ門は前原圭一について、このように考えていた。 無論彼を斬り殺すつもりはなく、交渉を請け負う北岡にその後の采配を委ねるつもりでいた。 だが―――― 「うがあああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!」 斬首された死体を見たばかりの圭一には、死を意識させるには十分過ぎたのだ。 「ッ!?」 腹の底から繰り出したかのような、低く大きな悲鳴。 底冷えするようなその声は、咆哮といったほうが適切だろうか。 圭一の予想外の行動に気圧され、一瞬だけ発生する五ェ門の隙。 ただ生き残りたい。 生物の本能ともいえる行動原理は、その隙に圭一に行動を起こさせた。 「ちぃっ!」 穴の開いたデイパックに手を突っ込み、何かを取り出す圭一。 しかしそれを見逃す五ェ門ではない。 すぐに自らのすべき事を思い出し、デルフリンガーを振るう。 それにより取り出された何かは弾き飛ばされ、宙へと舞い上がる。 それが、引き金となった。 「なんだこの音は……?」 彼らを包み込むのは、澄んだ鐘の音。 緊迫した状況に似合わぬその音は、彼らの意識を奪い取ってしまう。 そう、圭一が咄嗟に取り出したのは、手の平ほどの大きさを持つ鐘であった。 「こりゃあ……まずいッ! この音を聞いちゃいけねぇ! すぐに耳を塞げ! このままじゃ……」 「だから戦ってる間くらいは静かにしていろ……と……」 突然声を上げるデルフリンガーに、露骨な嫌悪を示す五ェ門。 しかしデルフリンガーは口を塞ごうとせず、必死に何かを伝えようとする。 そして異変はすぐに訪れた。 「ぐっ……なんだ……これは……?」 「だから言ったのによぉ……」 眼球の奥から急速に迫ってくる倦怠感。 頭に靄がかかり始め、やがて全身をそれが包んでいく。 首の力が抜け、肩の力が抜け、腕の力が抜け、ついには足の力が抜けて立てなくなる。 「おい、五ェ門!」 急に膝を着き始めた五ェ門の身を案じ、銃を構えながら接近する北岡。 だが彼の心配も虚しく、ついに五ェ門はその場に倒れ込んでしまう。 「うわああぁぁぁっ!」 剣による脅迫がなくなったことで自由になり、脱兎のごとく逃げ出す圭一。 「お、おい、ま……なんだ……?」 逃げて行った圭一を目で追おうとするが、急に視界が歪んでいく。 スーツの裾で目を擦るが、歪みは止まらない。 やがて歪みは彼の全身を侵食し、ついには意識すらも歪めていく。 それでも気力を振り絞り、力の入らない手で銃を向けた時。 彼の意識は、歪みの中に墜ちていった。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 「ぜぇ……ぜぇ……」 圭一は五ェ門達から逃げ出した後、彼らの姿が見えなくなっても走り続けていた。 どれだけ息が乱れても、足が痛くても止まらない。 ずっと五ェ門が錆の浮いた剣を構え、自らを迫っているような気がしたのだ。 「うわぁっ!」 段差に足を引っ掛け、前のめりに倒れる圭一。 すぐに起き上がろうとするが、体に力が入らないため起き上がれない。 それでも起き上がろうと力を入れるが、体は言うことを聞いてくれない。 圭一は泥塗れの身体を草原に埋めながら、傷ができたばかりの足を擦りつけることになった。 「ちくしょぉ……ちくしょぉ……」 悔しくて、涙が止まらない。 無様な自分がが情けなくて、涙が止まらない。 震えていた。 北岡に銃を向けた時、手が震えていたのだ。 生き残るためなら、どんなことだってすると決めたのに。 ただ銃を向けただけで、手はどうしようもないほど震えていた。 彼は人を殺すことは初めてではない。 かつて親友だったレナと魅音を、金属バット撲殺した。 肉が千切れ、骨が砕けるまで、金属バットで殴り続けた。 なのに今更どうして、手が震えてしまうのか。 (あいつらも……レナや魅音と同じ――――) ――――人殺しのはずなのに。 公園から逆方向に逃げた圭一は、Dー7から南下してきた北岡達を発見した。 この会場で初めて遭遇した人間を警戒し、圭一は民家の影に身を潜める。 周囲は無音、少しでも音を立てれば見つかってしまう。 故に一切の音を遮断し、呼吸すらも最小限に抑えようとした。 だから彼の耳には、二人の会話がよく聞こえたのだ。 「えっとさ、ほら、ルルーシュって奴を覚えてるか?」 「うむ、最初にあのV.V.とかいう輩に啖呵を切った男だな、あと……確かつかさ殿がその名前を口ずさんでたはずだ」 会話の内容は当たり障りのない普通の内容。 なにか情報が引き出せるかもしれないと思い、圭一は会話を聞き続ける。 「その時に彼女から聞いたんだけど……」 一瞬だけ北岡と呼ばれた男が口籠もる。 そうして次に放たれた言葉は、彼に衝撃を与えた。 「つかさちゃんがさ、ルルーシュを殺しちゃったって言ってたんだ」 (なっ!?) 衝撃のあまり、圭一は声を出してしまいそうになる。 すぐさま口元を抑えたため、なんとかそれを防ぐことができた。 「……それは真か?」 「ああ、本人が言ってたし間違いないと思うよ」 呼吸が荒くなりそうになるのを必死で堪える圭一。 そんな彼を尻目に、北岡と五ェ門は次々と言葉を交わしていく。 だが彼の耳には、もはや二人の会話は届いていなかった。 (あんな子が……人を殺すなんて) 無防備に人の背中で眠っている少女が、既に人を一人殺している。 誰かに言われなければ、そんな発想に至ることすらなかっただろう。 (いや、そんなことをいったらレナや魅音だって……) かつての彼が雛見沢に転校してきたばかりの頃、レナや魅音はとてもよく接してくれた。 登下校を共にし、放課後は部活に励み、休日は村中を駆け回った。 だがだんだんと彼女達は豹変していき、ついには彼を殺そうとしたのだ。 外見や表面の性格などまるでアテにならない。 つかさという少女もレナや魅音と同じ、本質は冷酷な殺人者に違いない。 そして殺人者を保護している北岡に五ェ門も、その殺人者と同類だ。 いや、ひょっとしたら彼ら三人は徒党を組んで、参加者を殺しまわっているのかもしれない。 殺人者を保護するメリットなど、最初から無いのだから。 そうだ、そうに違いない。 (じゃあどうする!?) あのままあの三人組を放置し、逃げるのは簡単だろう。 向こうはこちらに気付いていないのだから、足音を立てずに逃げればいい。 だが連中を放置すれば、確実に自分や悟史の障害になるのではないだろうか。 北条悟史はかつて彼と同じ末路を遂げたため、唯一敵ではないと分かる。 この場で唯一信頼できる人間を、安々と失うわけにはいかないのだ。 ならば、この場で抹殺するしかない。 幸い圭一は拳銃で狙撃するには最適の位置にいる。 絶好の機会とはこのことを言うのだろう、やるなら今しかない。 そう思い、圭一は拳銃を向けた。 結果は惨敗で、無様に逃走する羽目になったわけだが。 (くそ、くそぉッ!) 圭一は強く拳を握り締め、地面に叩きつける。 だが自分の想像以上に力が入ってないことに気付き、そのまま拳を地面に置いた。 「…………」 逃亡時に辛うじて回収したベレッタを、虚ろな目で見つめる圭一。 早朝の薄暗い配色の空が、薄い色の太陽と一緒に彼を見下ろす。 彼は五ェ門が倒れたとき恐怖心から逃走したが、冷静に考えれば心当たりがあった。 あれは首を切断された男のデイパックから出てきた支給品の効果だ。 最初に説明書を見た時は半信半疑だったが、効力は本物だったらしい。 もし最初からあれを使っていれば、簡単に全員を殺すことができたのではないだろうか。 そう考えると、悔しさが蘇ってくる。 あれはあの場に落としてしまい、もう手元には残っていなかった。 だがあそこで五ェ門達から逃げたのは、間違った判断では無かっただろう。 声しか聞こえなかったが、彼らには四人目の仲間がいたのだ。 どこに隠れていたかは分からなかったが、北岡や五ェ門とは違う男の声が確かに聞こえた。 あのまま油断して五ェ門達を殺そうとしたら、その仲間に返り討ちにあっていたはずだ。 (……覚悟を決めろ、そしてクールになれ、前原圭一) 今回の件で学んだことが二つある。 一つ目は五ェ門のような規格外の実力を持った者が、このゲームに参戦していること。 二つ目はデスノートのような超常的な道具が、各々に支給されていること。 いきなり人を眠らせる道具があるのだから、デスノートが本物でも決して不思議ではない。 おそらく主催者はこれらの道具を支給することで、弱者でも強者を蹴散らせる可能性を作ったのだろう。 だったら主催者の思惑通り、支給品を活用すればいい。 こちらには最強のカードがあるのだから。 どんな手段を駆使してでも、ここから生還する。 己の命を狙う者がいれば、容赦なく殺害する。 ただし無理はしない、五ェ門のような実力者とは真正面から戦わない。 わざわざ自分が相手をしなくても、他の実力者同士で勝手に潰し合ってくれればいいのだから。 それに名前が分かれば、デスノートを使用することができる。 堅実に、そして確実に生き延びるのだ。 「絶対に……絶対に生き延びてやる!」 もうすぐ時計が六時を刻もうとしている頃。 一人の少年が偽物の力を信じ、自らの生を望んだ。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 「……た……さん! ……たおかさん!」 「…………うぅ」 何かを叫ぶ声に頭を揺すられ、ゆっくりと覚醒し始める意識。 靄の掛かった視界がだんだんと晴れていき、身体の感覚が少しずつ戻り始める。 しばらくして北岡は、声の主が自分の名前を呼んでいることに気づいた。 「きたおかさん! きたおかさん!」 「つかさ……ちゃん?」 そうして完全に意識が覚醒した時。 初めて視界に映ったのは、今にも泣きそうな柊つかさの顔であった。 「あ、やっと起きた、よかったよぉ……」 瞳を潤ませながら、つかさは北岡を見下ろしている。 余程自分のことを心配してくれていたのだろう。 素直に感謝の意を示したい反面、どこか気恥ずかしさも感じてしまう。 いい大人が女子高生に心配されてしまったのだ、それも当然というものだ。 「心配してくれてたんだ、ありがとね、つかさちゃん」 簡単なな礼を述べ、北岡は体を起こす。 今の彼にとって、それが精一杯の照れ隠しだった。 「あれ、そういえばつかさちゃんいつの間に起きたの?」 「えーっと……さっき気が付いたらここに倒れてて……」 「ああ、そうか、背負ってた俺が倒れちゃったからそれで起きちゃったんだ、ごめんね」 「い、いえ! 大丈夫です……」 つかさがそう告げたきり、会話は途切れてしまう。 正確には北岡が会話を打ち切り、自分が突然倒れた原因を考察し始めたからだ (一体俺は何をされたんだ……) 見たところ新しい傷が出来た訳でもなければ、身体に異常があるわけでもない。 強いて言うとすれば全身を気怠いことと、先ほどから欠伸が止まらないことくらいだ。 そこから北岡は自分が眠らされたと推測するが、一体何をされたのだろうか。 意識が途切れる直前の記憶を探り、原因を振り返る北岡。 (確かあいつが逃げる前に五ェ門が倒れて……って) ここに来て、ようやく五ェ門のことを思い出す。 見ると十メートルほど奥の方で、五ェ門がうつ伏せに突っ伏していた。 「五ェ門!」 急いで北岡は五ェ門に近寄る。 最初は死んでいないかと心配したが、どうやら杞憂に終わったようだ。 彼から少し離れた位置にいるデルフリンガーが、何度も叫んでいたのだから。 「おい、兄ちゃん! 起きろぉー……って、そっちの兄ちゃんは起きたのかい」 「ああ、ようやくな、五ェ門はまだ起きないのか?」 「おうよ、そもそもあの音を聞いて簡単に起きれるはずがねぇんだ」 「あの音……って、そういやお前、さっきなんか言ってたよな、なんか知ってるのか?」 デルフリンガーは五ェ門が倒れる直前、この音を聞くなと五ェ門に忠告していた。 それを考慮するからに、デルフリンガーはなにか知っている可能性が高い。 「ああ、こいつは間違いねぇ、眠りの鐘の仕業だ」 「眠りの鐘だって? まさかその鐘の音を聞くと人が眠るとか言わないだろうな?」 「全くその通りだぜ、兄ちゃん」 思わず目眩がしそうになる。 喋る剣の次は、人を眠らせる鐘。 ライダーデッキも相当な代物だが、この二つはあまりにもファンタジック過ぎる。 自分は魔法の世界に来てしまったのではないだろうかと、北岡は本気で疑い始めていた。 「眠りの鐘って……これのことですか、デルフリンガーさん?」 北岡の背後からつかさがひょっこりと現れ、金色に光る鐘を差し出してくる。 「実際に見たこたぁねぇが、多分それで間違いないだろうよ」 「あとこんな物が落ちてましたよ」 そう言ってさらにつかさが差し出したのは一枚の紙。 北岡が受け取り中身を見ると、それは眠りの鐘の説明書だった。 「なになに……」 眠りの鐘。 この鐘を鳴らすことで、周辺にいる人間を浅い眠りの誘う。 ただし一度使ったら、二時間は使うことができない。 そんなあまりにも馬鹿げたことが、説明書には記されていた。 「こいつはおでれーた、眠りの鐘が弱くなってやがる!」 「え、どういうことですか?」 「眠りの鐘は本来もっと強力なマジックアイテムでな、一度使ったら数時間は絶対に起きねーはずなんだ」 デルフリンガーの説明が本当なら、北岡はまだ夢の中にいるだろう。 だが現実に北岡は起きていて、説明書にも浅い眠りに誘うと書いてある。 (デルフリンガーの言う通り、効果が弱くなってるのか?) 考えられない話でもない。 あまりにも強すぎる道具は、時にゲームのバランスを壊す。 数時間も人を眠らせる道具などは、その典型的な例だ。 「でも使えそうな道具だし拾っといて損はないよね、つかさちゃんのバッグに入れといてもいいかな?」 「は、はい、どうぞ」 北岡はつかさからデイパックを受け取り、眠りの鐘を収納する。 そうして地面を見下ろした時、他にもいくつかの道具が落ちていることに気付いた。 「落ちてるのは水と……予備のマガジンか、お、俺のと同じ弾だ」 マガジンに入っていたのは9mmパラベラム弾。 北岡のFNブローニング・ハイパワーも同じ銃弾を使用していたため、銃弾の補充が可能であった。 さらに北岡はデイパックを失っていたため、飲料水を入手できたことも嬉しい誤算である。 「っと、こんなことしてる前に五ェ門を起こさないと」 五ェ門が倒れていたことを、すっかり忘れていたことに気付く北岡。 五ェ門は先ほどと変わらず、うつ伏せのまま眠りこけている。 「でもデルフリンガーさんが起こしても起きなかったのに、私達がやって起きるかなぁ」 「俺は兄ちゃんから少し遠いところに飛ばされたから、声が届かなかったのかもしれねぇ」 確かに五ェ門とデルフリンガーの距離は、一メートルほど離れている。 おそらく五ェ門が倒れた時に、滑り飛んでしまったのだろう。 「兄ちゃん! ちょっと俺をそっちの兄ちゃんに近づけてくれねぇか!」 「さっきから言おうと思ってたんだけどさぁ、兄ちゃん兄ちゃんって分かりづらいのよ 俺には北岡秀一って名前があるし、そっちで呼んでくれないかな?」 「しょうがねーなぁ、じゃあ嬢ちゃん! 俺をそっちまで運んでくれ!」 「え? わ、私ですか!?」 「こら、お前、怪我してる子にそんな重いもの運ばせるな」 「じゃあ兄ちゃんが運んでくれればいいじゃねーか」 「こいつ……」 屁理屈をこねるのは俺の専売特許なのに。 そんな感情を視線に込め、北岡はデルフリンガーを見下ろす。 「あの……喧嘩する前に早く五ェ門さんを起こさないと」 「もうとっくに起きたぞ」 突然の声に驚いたつかさが横を見ると、五ェ門が仏頂面で立ち尽くしていた。 「い、いつの間に起きたんだ、五ェ門?」 「あれだけ近くで騒がれれば、誰でも起きるに決まっておるだろう」 「はは、それもそうだ!」 「ところであの少年はどこに行った?」 あの少年というのは、銃で襲ってきた前原圭一のことだ。 北岡は意識が途切れる直前に、彼が背を向けて逃げて行くのを目撃していた。 「どうやら逃げちゃったみたいだ、追うのか?」 「いや、つかさ殿がいる以上、万が一のことがあったら申し訳が困る」 「私のことは別に気にしなくても……」 「同感だ、それに俺は浅倉と決着をつけなきゃならない、だから寄り道をしてる暇はないんだ」 北岡と五ェ門の意見が一致したため、圭一を追うのは断念することにした。 つかさもそこまで圭一に執着する必要はなく、言葉を挟むのをやめる。 「では当初の予定通り、まずは図書館に向かうとするぞ」 「ああ、そうだな、五エ――――」 そう、北岡が言いかけた時だった。 彼らの背後にある森林の奥地、Cー7にて。 世界の終わりの引き金が引かれ、破壊の渦が発射された。 「きゃあ!」 つかさの発した悲鳴が、強大な爆音に飲み込まれる。 爆風と爆炎が内部の木々を包み込む光景を、二人の男は放心して見続ける。 「こりゃあ……おでれーた」 そう、デルフリンガーが呟いた時、ようやく衝撃は収まった。 炎は残り、木々を焼き尽くし始めていたが。 「これは酷い、こんな爆発があったら北条殿は……」 紅く燃え盛る炎を瞳に映し、五ェ門は悔しげに表情を歪める。 あの方向は、ちょうど北条悟史が呼び掛けをしていた場所だ。 もし彼があの爆発に巻き込まれていたら、確実に命を落としているだろう。 「北岡殿、もし拙者たちが向かっていれば――――」 「これは……俺の……ゾルダのデッキだ……」 「北岡殿?」 顔を落としながら北岡に話し掛けようとする五ェ門。 だが北岡がそれよりも早く、独白のようにぽつりと呟き始めた。 「間違いないんだ……あれは絶対に俺のデッキの……」 爆発の際に感じた音、光、震え、感覚。 それはかつて北岡が何度も使用したゾルダのファイナルベント、エンド・オブ・ワールドのものであった。 「あれが……北岡殿が言っていた力なのか」 炎が周囲の木々を巻き込み、さらに強く轟々と燃え上がっていく。 破壊の力、そう比喩するに相応しい光景だ。 「ああ、間違いない」 その一言を簡潔に告げる北岡。 拳を強く、強く握り締めながら。 「これで確信したよ、俺のデイパックには絶対デッキが入ってた」 浅倉が王蛇のデッキを持っていたことからも間違いはないだろう。 金髪の男が北岡のデイパックを入手し、北条悟史の呼び掛けを聞く。 そこからCー7へと向かい、呼び掛けに集まった参加者にエンド・オブ・ワールドを使用。 辻褄もあっているし、納得もできる答えだ。 「俺は絶対にあいつからデッキを取り返す、そして浅倉と決着をつける」 「うむ、拙者も強力しよう、そういう契約だからな」 「私も……なにかお手伝いします」 北岡がそう決意すると同時に、五ェ門とつかさが声を掛けてくる。 今の彼はライダーデッキが無いため、デッキを奪い返すのは困難を極めるだろう。 だがそれでも、なんとなく取り返せる気がした。 「おーい、兄ちゃん達、俺を忘れてねーか」 今まで口を挟む暇が無かったデルフリンガーが、寂しそうに言葉を発する。 「悪い悪い、お前のこともちゃんと覚えてるさ」 そんな様子のデルフリンガーを見て、北岡は思わず笑みを浮かべてしまった。 【一日目早朝/F-7 図書館周辺】 【北岡秀一@仮面ライダー龍騎(実写)】 [装備]レイの靴@ガン×ソード 、FNブローニング・ハイパワー@現実(13/13) [所持品]予備マガジン(5/15) [状態]健康? 、疲労(大)、数か所の擦過傷 [思考・行動] 1:図書館で休憩した後、総合病院で体勢を整える。 2:金髪の男(レイ)からデイパックを奪い返す。 3:2を達成し、もしデッキがあれば浅倉と決着をつける。 4:戦闘は五ェ門、交渉は自分が担当する。 5:デルフリンガーに兄ちゃんと呼ぶのを改めてほしい。 ※龍騎勢が、それぞれのカードデッキを持っていると確信。 ※一部の支給品に制限が掛けられていることに気付きました。 ※ルパン勢について把握しました。 【石川五ェ門@ルパン三世】 [装備]デルフリンガー(錆び)@ゼロの使い魔 [支給品]支給品一式(水を消費)、確認済み支給品(0~2)(剣・刀では無い) [状態]疲労(中)、左手のひらに大きな傷、右肩に刀傷(共にサラシで止血済み) 軽い裂傷が数か所、サラシ無しで腹が寒い… [思考・行動] 0:北岡、つかさを護衛する。 1:図書館で休憩した後、総合病院で体勢を整える。 2:浅倉と決着をつける気があるなら、北岡のカードデッキを奪い返す手伝いをしてもいい 3:早急に斬鉄剣、もしくは代わりの刀か剣を探す 4:ルパン、次元、銭形と合流し、脱出の手だてを探す ※錆びた剣であるデルフリンガーを折らないよう、加減して戦っています。 ※龍騎シリーズライダーについてはほぼ正確に把握しました。 【柊つかさ@らき☆すた】 [装備]なし [支給品]支給品一式(水のみ二つ)、眠りの鐘@ゼロの使い魔(二時間使用不能)、確認済み支給品(0~2) [状態]疲労(小)、腕と脚に数か所の擦過傷、左足首にねんざ(五ェ門のサラシと木の枝で固定済み) [思考・行動] 0:北岡、五ェ門と協力する。 1:図書館で休憩した後、総合病院で体勢を整える。 2:かがみ、こなた、みゆき、みなみに会いたい 。 【一日目早朝/E-7 最南端】 【前原圭一@ひぐらしのなく頃に(ゲーム)】 [装備] 鉄パイプ@現実、ベレッタM92F(10/15)@バトルロワイアル(小説) [所持品] 支給品一式×2(水を一本紛失) デスノート(偽物)@DEATH NOTE、予備マガジン3本(45発) 雛見沢症候群治療薬C120@ひぐらしのなく頃に、不明支給品0~1(銭型に支給されたもの) [状態] 健康、疲労(中)、右膝に擦り傷、雛見沢症候群L3 [思考・行動] 0:どんな手段を駆使してでもこのゲームを生き残る。 1:悟史に会う。 2:悟史以外のひぐらしメンバーを警戒、他の人間も信用ならない。 3:実力者相手には無理をしない。 4:デスノートを試したい。 [備考] ※破損したデイパックを捨て、銭形のデイパックに全ての荷物を入れ替えました。 ※柊つかさ、北岡秀一、石川五ェ門の三人をルルーシュ殺害の犯人だと認識し、 さらにデルフリンガー(声だけしか知らない)を剣だと知らない上、四人目の仲間だと思っています。 時系列順で読む Back 二人の超人 女の意地 Next 命の価値 投下順で読む Back 二人の超人 女の意地 Next 命の価値 049 I ll be Back 北岡秀一 099 どんな辛さも流れ星 ─the last job─ 石川五ェ門 柊つかさ 059 月の残光 前原圭一 上田次郎は二人の狂人を前に気絶する
https://w.atwiki.jp/armoredcore4/pages/30.html
対戦攻略 基本的な対戦の攻略です。 あくまでも基本ですので、自分なりの応用をして下さい。 距離については近距離が0~150、中距離が150~300、遠距離が300以上として書いています。 対戦の前に知っておきたい情報 ダメージレースの基本 相手を撹乱する方法とそれに対処する方法 地形戦の基本 MAP その他の意識すべき点 脚部別立ち回りの基本 軽2 中2 重2 逆関節 4脚 タンク
https://w.atwiki.jp/srwogskouryaku/pages/193.html
統合、重複のため使用していません。 編集しないようにしてください。
https://w.atwiki.jp/hakikewomoyo-sujyaku/pages/581.html
▽メニュー一覧 オリジナルヴィラン マリオシリーズ アメリカ連邦警察の要請を受け、ポリス王国の科学者・ボク・サー博士により開発された警察ロボット。 ウォルターとバイカーとは兄弟の様な関係。 ボク・サー博士の助手である天才科学者・Dr.ドーベルマンの無差別国民襲撃計画に利用された。 ディック ウインスパーキー軍団の1人で、レッドカラーの警察ロボット。 気障で礼儀正しい性格。 一人称は「アタシ」で、語尾に「~ざんス」を付ける。 マチルダ ウインスパーキー軍団の1人で、ブルーカラーの警察ロボットの女性。 他の警察ロボットに比べれば女子高生の様な体型。 一人称は「わたくし」で、語尾に「~リョン」うぃ付ける。 ウェスリー ウインスパーキー軍団の1人で、イエローカラーの警察ロボット。 博打打ちが毎日の生き甲斐。 一人称は「おれッチ」で、テンションが高く、少しお調子者。チャラ男の様な口調で話すも、感情が高ぶると関西弁に変わる。 エドワード ウインスパーキー軍団の1人で、パープルカラーの警察ロボット。 マッチョな体でヤンキーの様に乱暴な性格。 一人称は「オレっち」で、乱暴な言葉遣いで話す。 ジェレミー ウインスパーキー軍団の1人で、グリーンカラーの警察ロボット。 冷酷で生意気だが割と仲間思い。 一人称は「ボク」で、幼稚な口調で話す。 ヴィンセント ウインスパーキー軍団のリーダーで、ブラックカラーの警察ロボット。 5人より強い。 一人称は「ボク」で、青年の様な口調で話す。
https://w.atwiki.jp/1548908-card/pages/2277.html
マシンナーズ・ピースキーパー:Peacekeeper ユニオンモンスター 星2/地属性/機械族/攻 500/守 400 フィールド上に存在するこのカードが破壊され墓地へ送られた時、 自分の[[デッキ]]からユニオンモンスター1体を手札に加える事ができる。 1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に装備カード扱いとして 自分フィールド上の機械族モンスターに装備、 または装備を解除して表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。 (1体のモンスターが装備できるユニオンは1枚まで。 装備モンスターが破壊される場合、代わりにこのカードを破壊する。) 解説 関連カード ユニオン マシンナーズ ゲーム別収録パック No.78349103 DS2010パック:パック:-(P)10 WiiDT1パック:パック:-(P)DT1 XBOXLiveパック:パック:-(P)XBL1 DS2009パック:パック:無し PSPTF4パック:パック:無し DS2008パック:パック:無し PSPTF3パック:パック:無し DS2007パック:パック:無し DS SSパック:パック:無し DS NTパック:パック:無し PSPTF2パック:パック:無し PSPTF1パック:パック:無し PS2TFEパック:パック:無し OCGパック:パック:マシンナーズ・コマンド(SD)
https://w.atwiki.jp/cfvg/pages/4252.html
かげろう - フレイムドラゴン グレード〈3〉 ノーマルユニット (ツインドライブ!!) パワー 11000 / シールド - / クリティカル 1 起【(V)】【LB(4)】:[CB(1)]すべてのファイターのリアガードをすべて呪縛し、呪縛カード1枚につき、そのターン中、このユニットのパワー+1000し、あなたはこのターン中、全てのコールができなくなる。そのターン中、この能力は使えなくなる。 永【(V)】 あなたのソウルに「ドラゴニック・ロウキーパー」がいるなら、このユニットのパワー+2000。 永【(V)/(R)】 盟主 フレーバー:さぁ、決闘を始めようか。 順位 選択肢 得票数 得票率 投票 1 使ってみたいと思う 0 (0%) 2 弱いと思う 0 (0%) 3 強いと思う 0 (0%) 4 面白いと思う 0 (0%) その他 投票総数 0 コメント
https://w.atwiki.jp/bride/pages/91.html
皇久遠(シンプルモード)対戦攻略 シンプル久遠は性能が高く、使いやすい技が揃っているため、 距離別に重要な技だけをとりあえず覚えてしまおう。 これらの技を効果的に使えるようになれば、 デモンブライドの基本、久遠の基本を覚えることが出来るぞ。 遠距離:弾幕で牽制する 久遠の5C、ジャンプCは非常に高性能な射撃。 まずはこれを適度に撒くだけで、射撃戦が苦手なキャラクターの 動きを封じることができる。 これら射撃を止められないようならそのままガンガン撃ってしまってもよい。 慣れてきたら5C→キャンセル6C(ラブセイバー)を撃って弾幕を増やしても良いし、 射撃をダッシュでキャンセルして、自分の動きたいように飛び回ろう。 近距離:相手のジャンプを許さない! 近距離で重要な行動はまず1つ。 4A初段キャンセル2C だ 最初に出る攻撃は上方向に強く、また空中ガード不能になっている。 この初段攻撃が当たっていれば2Cがそのまま連続ヒットし、 空中コンボを繋げることが可能。 たとえガードされていたとしてもそのまま2Cが出て、 これをジャンプキャンセルすることで、 前ジャンプからさらに攻めを継続することも、 一旦バックジャンプで距離を取ることも可能だ。 さらに外れたとしても4Aの2段目が出る。 これはリーチの長い中段攻撃になっていて、 奇襲効果が高く、相手からすれば面倒極まりない。 近距離で何をするか悩んだら、まずはこの連携をとりあえず 振ってみるといい。 もし慣れてきたら、相手がジャンプしている時なんかは 4Aを省略して、2Cで直接対空攻撃を出せるようになると、 さらに近距離戦が強くなるぞ。 中間距離:ローリスク・ハイリターンに攻める ぎりぎりお互いの通常技が届かないような距離。 これはシンプル久遠の強みを最大限に活かせる距離だ。 この距離で強さを発揮する技は B(ヘブンスラスト) だ この技は ・リーチが非常に長い ・攻撃判定部分に食らい判定がない ため、 たとえ相手が打撃を出していようと射撃を出していようと 問答無用で動きの出かかりを潰すことができる。 しかもガードされても反撃を受けないので、迷わずガンガン振っていこう。 さらにこの技はスーパーキャンセルで超必殺を出すことが可能なので、 フォースゲージが3ゲージたまっている時、エンゲージクライマックスを発動している時は 迷わず超必殺技に繋いでしまおう。相手の体力を4割近く奪うことができるぞ。 この連続技をA+Bのお手軽入力で出せて、初心者でも簡単にヒット確認連続技を できるのがシンプル久遠の強みだ。 相手はヘブンスララストを警戒すると、うかつに攻撃を出すことができなくなる。 そのため、相手が固まるようなら、 ステップから投げや2A、4Aで攻め込んだり、 後ろへ下がって自分の有利な距離を取って射撃戦をしたり、 好き放題やってしまおう。
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4500.html
『リセットさん』 23KB 観察 自業自得 実験 虐殺 全滅 二次創作 群れ 赤ゆ ゲス こっそり投下するよ、ゆっくちー #15 ゆっくりの額にトランプのカードが張ってある。その日の番号は各ゆっくりには知らされていない。 「今日はごはんさんのはいぶん、どう決めようか?」にんげんさんが問いかける (カードの)数字が強いものの総どりと、あるまりさが主張した。 「さいっきょうのものがごはんさんを ひとりじめするべきなんだぜ。 よわいやつらは、さいっきょうのゆっくりのあしもとにあたまを こすりつけておすそわけしてもらうのがとうぜんなんだぜ。 それもたーだ、わけあたえるのじゃだめなのぜぇー? つよさにおうじてわけられるべきなんだぜっ! さいっじゃくのやつは、おなかぺーこぺーこでしねばいいんだぜ げーらげらげらっ」 「まりさぁ、それはやめたほうが。もっとみんながしあわせぇ~になれる ほうほうがあるとおもうのだけれど。それをかんがえましょ?ねっ」 ゲームのルールをおぼろげながら理解している聡いぱちぇなどは、まりさの発言を なんとか撤回させようとする。 他のゆっくり達も、とりあえずまりさの額の数字は理解したようで、 「そうなんだよー、やめたほうがいいんだねー」 「そうだみょん、つよさとか かんけーないみょん」 自らが真に強くなければなかなか言い出せない台詞をみょんが吐いた。 みな同情しているような、心配しているような口ぶりだが、顔には蔑みのにやにや笑いが 隠せないのがゆっくりという生ものの人(ゆん)格の低さを如実に物語っている。 他ゆんの不幸を見て、めしうまぁー!と思わないほどのゆっくりにはなかなかお目に かかれたためしがない。 さいっじゃくのやつは、おなかぺーこぺーこでしねばいい、そう言いきったまりさは、 その日、なにもごはんを分けてもらえなかった。額の数字が最弱の2だったからである。 おなかを鳴らしながら、まりさはつぶやいた。 「なんでなんだぜ、まりさはさいっきょう!のはずなんだぜ?どぼじでこーなるのー?」 残念な餡子脳では、ゆっくり固体の強さとカードの強さが何の関係もなく独立して決まること、 そしてこの場でもっとも意味を持つのがカードの強さであるというゲームのルールにまだ気づけて いないようである。 ちなみに言えば、まりさはさいっきょう!というのもまりさの思い込みに過ぎず、最強は、順当に みょんかちぇん(除く、れいぱー化したときの強化ありす)ではないか、というのは誰もが うすうす気づいている事なのだが、まりさのことを慮って誰もそれを口にしないだけである。 『ゆっくりポーカー、ヴェールと愛のむち。』(副題) ルールをある種の生き物とみなして、人間が関与することでその進化を促そうという社会実験の ごときものがこの実験棟ではゆっくりの群れを使って行われている。実験のプロジェクト名を 「無知のヴェール・プロジェクト」という。 上の文章の人間を神、ゆっくりを人間に置き換えれば、その位置づけはよりはっきりするだろう。 人間が神の領域に迫るための、いわば超人計画だ。 この実験のコンセプトを一言で言えば、公正・正義に関する思考実験である。 ある社会集団の中に自生的に公正なルールを発生させるためにはどうすればいいか。 自分の強さがわからない(=無知のヴェール)という状況をつくってやれば、もし自分が最弱でも 生き延びられるように、ルールは進化・改変されていくだろう、と。 理念型のモデル上は、最弱のものが一番利益を得られるようなシステムに進化するはずだ。 詳しくはナナシ氏の「都会の自然公園 子ありすの選択」をご一読いただく方が早い、と思う。 ぐgるより早く、深くその本質的理解に到達できる。既読の方で覚えてはいるが詳しくは・・・と いう方はanko3881の中編だけでも本SSをご一読後、さっと読み返すと良い。 100平米ほどの実験モジュールの中に60頭ほどのゆっくりの群れが起居している。三面は 打ちっぱなしのコンクリート、一面は強化ガラス張りで、その面にだけ人の出入りが可能な、気密性の 高いドアがあつらえられている。実に殺風景で寒々とした風景だが、人工太陽ともいうべき明かりと 森林を模した植樹が、あたかもPC上のゆっくりウムを想起させる。 部屋の隅には、箱舟が置かれている。いや、箱舟であるという言及がなされなければ、このいかだが ある種の舟であると気づくものはいないかもしれない。長ぱちぇはなんとなくこの舟の名前と役割を 知っているような気がしていた。この舟の名は「"のいらーと"のふねさん」。ゆっくりたちが信じ、 やがてたどりつくはずの約束の地、伝説のゆっくりプレイスへとぱちぇたちゆっくりをいざなって くれる、ゆっくり神からの預かり物。 これは大切に手入れをして、後代に守り伝えなくてはならない。この木に蟲食うもの、菌糸を生や して徐々に蝕もうとするものは長の威信にかけて全力で排除しなくてはならない。 長の手入れに余念はない。 しかし誰もが長の労苦を認めるわけではない。非協力的どころか、中にはあからさまに不平や不満を 口にするものさえいる。 「なんでまりささまのきちょうなじかんが そんなめんてなんすさん とやらにうばわれなくちゃいけないんだぜ? ばーかばかしいのぜっ!」 群れの総意は、やるなら、ぱちぇ1ゆんでやれということらしい。あぁ、ただでさえ群れ運営の 通常業務だけでも忙しいのに身体がいくつあっても足りないのだわ、むっきゅん。 長はひとりため息をつく。それでも長は1ゆん黙々と作業をこなす。 群れの日々の生活は安定していた。毎日、朝晩の2回に分けて、上手く配分されれば優に群れ全体が 飢えの恐れなく過ごしていけるだけの安定した分量のごはんさんを、にんげんさんが運んでくれる。 長の仕事はといえば、「今日はどうやって、分ける?どういうルールにするの」 というにんげんさんの問いかけに応えて、群れの話し合いで今日の配分ルールを討議し、 一定の結論へと導くことである。 それも、長の独断ではなく、なるべく群れ全体の意思と議論の流れを踏まえた、まとまった 1つの方向へそれとなく誘導しながらである。ぱちぇ自身の意見は極力抑える。もちろん、立場のない 立場など存在しないので、時には自説を強く押し出すこともある。だが、議論のマナーを弁えない ものなどが議論を荒らしたときなどの限られた場合にしかそういう品のないことはしない。ぱちぇは 自ゆんを黒子だと思っている。 ある朝、声のでかいまりさがにんげんさんにかみついた。いや、物理的に噛んだのではなく、 文句をつけたのだ。 「やい、くそじじぃ、ごはんさんがすくなすぎるんだぜぇー?」 ネコと呼ばれる手押し車のようなものに山盛りっ!でごはんさんは毎日運ばれてくる。 朝3杯、夜4杯。もっとも3より大きい数を認識できないゆっくりにとっては微妙に絶妙な 数字ではあった。 だめっ!潰される。群れの被害をせめて最小限にしないとっ。まりさ、ゆっくりして逝ってね。 さいあく、ぱちぇも ゆん柱になって、にんげんさんの怒りを沈めないと。長は覚悟を固めた。 だが、にんげんさんは怒りもせずに、一見折れたような態度を示す。 「むーん、わかった、こうしよう。いままでは朝3ばい、夜たっくさんはい、だったけど。 明日からは朝にたっくさん持ってくるよ『ゆぉーー!!やったのぜ』そのかわし、夜は 3はいにするよっ!」 「むきゅ、それは"ちょ-さんぼし"といって、てんけいてきな だましなのだわ・・・」 だが、ぱちぇの賢明な声は声の大きな集団の前ではかき消されてしまうのだった。 「ゆふふっ。まりささまのこうっしょうじゅつ!のおかげで、ごはんさんのわりあて がふえたのぜ!これでどんどんおちびをそだてることができるんだぜぇぇー! もっともっとすっきりして、もっともっともーっとゆっくりするんだぜぇ!」 「「「「ゆんゆん、やぁー」」」」 「まりさ、すてきっ!」 「それほどでも・・・、あるのぜぇー!もっとまりさをたたえてねっ!」 「ばかにつけるくすりはないのだわっ。むっきゅん」 一週間後、まりさは頭を悩ませる。(おかしいんだぜ、ごはんさんのわりあては たしかにふえたはずなのに。あたらしいおちびのぶんがぜんっぜん まかなえない んだぜぇ?) 当たり前だ。馬鹿なの?死ぬの?餡子脳なの? * 毎日の配分ルールを決定する朝会が今日も開かれる。一日の最初に必ず行われるのが、にんげんさん たちによるナンバリングと呼ばれるものである。ゆっくりの額にトランプのカードを貼り直す作業だ。 一日ごとにトランプAとトランプBの組を交互に使い分ける。中身は寸分変わらない。 単に作業の便宜上。 カードの数字は毎日入念にシャッフルされたカードから切り出され、その日ごとに成体ゆっくりの額に 貼り改められるのでランダムであり、階層が固定化されるという心配は確率上はない。 このところ、ルールの決まり方に1つの変化が現れてきた。 すなわち、自ゆんの額の数字を推し量った上で、自ゆんの属する階層ぎりぎりで配給がストップされる ようなルールをそれぞれのゆっくりが主張しだしたのである。 カードの数字は相手ゆっくりの自ゆんへの侮り具合でおおよそ知ることができる。 ゆっくりには、相手がゆっくりしているか、ゆっくりしていないかを本能的に察知する高性能な ゆっくりセンサーのようなものが標準装備されているようで、自分の額のカードを見せたときの相手の リアクションを見て、こいつは舐めた態度をとった。ならば、今日のカードはだいぶ悪かったな。 低階層だ、と判断。逆にふつー、それなりーの反応だと中階層、相手がびびった態度を見せたら高階層 のカードであると予想がつく。 ちなみに、たいがいのゆっくりに数は数えられないのに、どうしてこんな芸当が可能かというと、トラ ンプには数字に加えて、スペードやハートのマークが書き込まれているからである。 地が多くのマークで埋め尽くされていればいるほど、強いカードであるということは、ゆっくりにも 認識可能なのだ。絵札などはお手の物。 ゆっくりはビジュアル処理に関しては並の人間を凌駕するほどのスペックを発揮することはお飾りの 微細な違いで固体識別している事実からも明らかである。そういうことだ。 声のでかいまりさの数日間を観察することで、その様子を素描してみよう。 ある日のまりさは、7のカードを引いた。まずまずの位置である。まりさは群れのみなにちらちらと 額のカードを見せ付ける、が、さして目だった反応はない。これでまりさは自ゆんの数字の強さは 中くらい。とあて推量ができた。 まりさの今日の主張はこうである。 「まりさはこうおもうのぜ。やっぱりこのよは じゃくにっくきょうしょっく!なんだぜ! さいじゃくのやつらは、とうたされるほうがむれぜんたいのためなんだぜぇええええ!!!!!」 「まぁ、いちりなくもないみょん。ぶげいはたしなむべきだみょん」 「わかるよー、かりははやいものがちなんだよー。おくれを とるものがだんだん、ちからをなくしていくのはしかたないんだねー わかれよっ!」 こうして、武闘派ゆっくりのシンパたちを説得するのである。 結果、今日のルールは数字の大きさに比例して分配、という形に落ち着いた。 低階層にも広く厚く行き渡るはずの分配を最小にすることで、自ゆんの取り分が増える。 そういう計算である。 またある日のこと。今日のまりさのカードは最悪の2であった。まりさを見る他のゆっくり の目が明らかに、ゆっくりしていない。誰もが道端におちたうんうんを見るような目で自分を にやにやみている。やばい、今日は最下層だ。 こんな日のまりさは、シンパとこそこそ密談である。やがて、比較的いいカードを引いたちぇんが 口火を切る。カードの強さはそのまま意見の説得力に、いつのまにかなっていた。 「このまえは、よわいゆっくりはとうたされてもしかたない、なんていっちゃったけど どうしてそんな ひゆんどうてきなこといっちゃったのか、わっからないんだよー!!」 「みょん?どういうこころがわりなんだみょん?」 「ちぇんははんせいしたよ、もっとほかのゆっくりにもやさしくしなくっちゃって。 みんなもちぇんのきもち、わかるよねぇー?」 「ッ! ありす、かんどうしたわっ。ちぇんのえんぜつにこころをうたれたわ。 そうなのよっ。よわいものどうし、さべつされたものどうしがてをむすんで ささえあうべきなのよ」 「ゆー、れいむもおおむね さんっせいだね。やっぱりきめてはぼせいだよっ!」 「むー、みながそういうみょんか。しかたないみょん。そういうひもないとよわいのが さすがにうえじにしてしまうみょん。それはさすがにやりすぎかもしれないみょん」 「(ゆぷぷっ、まりささまのすじがきどおりなのぜっ。これできょうもおまんまさんに ありつけるんだぜェぇええええええ!!!!!!!!)」 朝の分配のあと、まりさは軽くちぇんに親愛のこづきであいさつを交わす。 「ちぇん。おかげでまりさ、おおだすかりだったのぜ」 「わかるよー、こまったときはおたがいさまなんだねー」(ニヤリ 「わかってるんだぜぇ。こんどちぇんのすうじがよわいとき、 このかりはかならずかえすんだぜ」 「わかってるとおもうけど、これでまりさへのかしかりは、ちぇんの "かしかた"2、なんだねっ、わかれよー」 「まりさにたいして"かりかた"3のれいむから、ちぇんがかわりに 2だけとりたてるのは、ありなのかぜ?」 「むー。めどくなるから、わからないってこたえるよー」 相撲の星の貸し借りにも似た八百長的な世界になってきた。これって、ひょっとして談合? やっぱり、少しでも知恵がつくとゆっくりは穢れるものなのだなぁ。 つくづくエデンの園からは出たくないものだ。 純朴なるものよ、ゆめゆめ知恵の実などお齧りなさいますな。 アップルシンジャニナッチャダメッ! まぁ、ゆ虐コンテンツに手を出した時点で純朴なるものなどどこにもいないとは思うのだが。 ゆっくりが育んでいるルールの進化は明らかに、実験者側の望まない方向へと変化を続けている。 その日の午後、実験棟の会議室に責任者以下、実験に携わる主要なスタッフを集めた緊急集会が 開かれた。 「・・・いけませんなぁ、これは失敗ですぞ。そろそろやりますか?」 「已むを得んでしょう」 「では、そういうことで。散会っ」 その夜。どどどどどっ。なにかのすたんどさんが出てきそうな効果音が実験棟を襲う。 「な、なんなんだぜ? ものすごくゆっくりできないよかんが びんっびんするんだぜぇぇーー!」 「むっきゃー、あれをみるのよ、まりさ!」 「「ゆっぎゃぁぁーー!」」 そこには、天井の隅のパイプさんから滝のように水が流れ落ち、みるみるリノリウム張りの 床とその上のカットじゅうたん式天然芝を黒々と覆っていくという怖ろしい光景が拡がっていた。 どどどどどどっ。 「ゆっ、おちびちゃんはおかーしゃのおくちにゆっくり はいってね。おかーしゃのおくちはてっぺきだよっ」 「ゆっち、ゆっち、ゆっゆーん。おかーしゃのおくちはゆっきゅりできるにぇっ」 「まちゅのじぇー、ま、まりちゃがのりおくれちぇりゅんだじぇー?」 「さぁ、のりおくれた『れいみゅ』はいないねっ。ゆっくりひなんするよーっ!」 「「「ゆん、ゆん、やー!」」」 「だきゃら、まりちゃをかずにいれるのじぇー、このくじゅおやー。 れいみゅはしねっ!ちんでしまえっ。おとーしゃ、どきょー?」 とっくにお食べなさいをさせられた父まりさが、もやーんとまりちゃの視界に浮かび、お空の ゆっくりぷれいすからきらーん☆とうぃんくを送った。 「(おちび、つよく、たくましくいきのびるのぜぇー!)」 「むりっ、ムリゲーなのじぇー」 「ゆぷぷっ、うまくまりちゃをやっかいばらいできたよっ!おくちのていいんは かぎられているからねぇ、わるいのはれいむじゃないよっ。ていいんいっぱいまで れいみゅをつくった やりにげくずまりさのせいなんだよぉぉーー!!!」 このゆっくりたちは、いったい、どこへ向かっているのだろう。冒頭で言及したノイラートの舟、 といういかだを読者諸兄は覚えておられるだろうか。そう、大洪水の際のノアの箱舟のように ゆっくりたちを伝説のゆっくりプレイスへと運んでくれると、賢者ぱちぇだけは信じていたアレだ。 信心の厚い長だけは日頃のメンテナンスを怠っていなかった。 普段は馬鹿にして、まともに取り合わなかった長の話を、いざ危機が目前に迫ったときにだけ都合 よく思い出すというのが、いかにも餡子脳で腹立たしいが、ゆっくりはいまひとつの大きな流れを 作りながら棟の一角に向けて一斉に移動を始めた。 どどどどどどどどどどどどどどっ。 「ずーり、ずーり、ゆふー、どうやらゆっくり まにあったよっ!」 「むっきゅーん。よく、ぶじだったわね、れいむ。おちびちゃんは?」 「ゆっ?おくちのなかだーよ。おちびちゃん、ゆっくりしないででてきてねっ!」 あんぐりと口を開けたれいむの口からは、どろどろとしたもはや生きたゆっくりどころかそれぞれが 何なのだか見分けのつかないパーツや物体どもが流れてきた。白い葛餅のような半透明な中に黒餡の ような漆黒が塗り込められたものは、かろうじてれいみゅのおべべだと見分けがついた。 溶け残っているのは、こういう場面の定番どおり、やはりお飾りさんであった。 「ゆひっ?こ、これは、おちびちゃんの、おりぼんさんっ!どぼじで~!」 「・・・・ざんねんだけど、おくちのなかにおちびちゃんをかくまっていられる あんぜんなじかんは、とてもかぎられているのよ。まりちゃもれいみゅたちも、 おきのどくさまなのだわ」 「まりちゃ?・・・ゆーっ」 とたんにれいむが気まずそうな顔をする。ぱちぇは気づく余裕がなかったが、一応れいむには これでもやましい気持ちがあったようだ。 長がみなに指示をてきぱきと与える。 「みんな。じゅんびはよくって?そろそろ、ふねがじめんをはなれるわ。しょうげきに そなえて、みんな、ゆかさんにしっかりしがみついてね?」 「「「「「「ゆっく(きゅ)り りか(きゃ)いしたよ!!!!」」」」」」 そのときだ。遅れて先のまりちゃが必死で飛び跳ねてきた。よくぞ溶けずにここまでこれたものだ。 「まつのじぇ~。かんじんのまりちゃちゃまがまだなのじぇー」 ゆふふ、千両役者は遅れて登場するんだじぇ?などとのんきなことを考えていたまりちゃの 頭頂部に、ゆっくりと動き出したいかだが乗り上げた。ざぶんざぶんと出航まぎわの不安定さで いかだが上下に波打っていたせいもあるのだが。 「いじゃ・・・やべっt!!」 ぐりぐりとあっという間に赤ゆが潰された。偶然のアクシデントである。 あまりにも気分の悪い、幸先の悪い光景を見てしまったことについてはみんな、精神衛生上 よろしくないので、見なかったことにしようと決めたようである。だれもなにも言わない。 特に見ものだったのが、母れいむの表情の変化である。 彼女の顔の変化から、ゆっくりの内心の動きを想像してみようと思う。 最初、地平線と思われるほど遠くからまりちゃの姿をとらえたとき、れいむの顔が醜く歪んだ。 まるで、犯罪を暴く検察官にこれから告発されるような、苦々しい顔。 恐らく、(まずいよぉぉ、まりちゃをみすてたことがむれのみんなにばれてしまうよっ?) ではないか。 次に、まりちゃが、丸太ん棒にどーん、ぐちゃっ!されたとき、宿便に悩まされていた人間が 踏ん張ってうんうんしゅっきりー!した後のような、爽やかな笑顔がぱーっと拡がった。 直後、世間体を気にするように一瞬悲しそうな顔を作るが、まわりの空気を読んで、別に悼まなく ても大丈夫そうと気づいて、表情を緩める。能面のような無表情。 これは多分(ぷぎゃぁー、れいむさまをおびやかす くそまりちゃは、やっぱり、てんばつで しんじまったよぉぉーー!さっすがれいむさまだねぇ、いっしゅん かんねんしかかっちゃったよ。 おっと、しおらしいかおをしないと、こころのこえがだだもれだーよ? ゆっ?みんなそれどころじゃないみたいだねぇ、れいむ、ちょっとゆっくりさせてもらうよっ) まぁ、こんなところか。 最後に、乱れた髪やおリボンさんなどの身づくろいを始めたのは、 (ゆぷぷっ、これでれいむは はれてどくっしんだね?こんかつせんせんになぐりこみをかけるよ。 すーぱーれいむたいふーんたいむ、はっじまるよぉぉーー!!!れいむのみりょくに きゅんじに してねっ?みばえのいい、べんりなまりさに いろめをつかうよっ!?)ではないのか。 どどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどっ。 舟はゆっくり波間をゆらゆらと漂う。 「むきゅー、せまいのだわ。みんな、もっとみをよせて。でも、まんなかのぱちぇは おしつぶさないでほしいのだわ」←死亡フラグ すごくまわりくどくて、相矛盾するオーダーを長が出してきた。ざわざわ。どうするんだぜ? はしっこのゆっくりは、さっきからぴちゃぴちゃと跳ねる返り水に顔を濡らして、早くも溶ける 一歩手前である。 「とりあえず、おくへ。なかのほうへいっぽずつ つめるみょん」 屈強なみょんの指示に皆が従う。 ゆーえす、ゆーえす。わーわー。おすな、おすな。 「むきゅー、ちゅ、ちゅぶれりゅー」 四方八方から寄ってたかっておしくら饅頭されたものだから、中心の長ぱちぇはたまったものでは ない。えれえれえれー。予想通り、ぱちぇがえれ死にをした。 これでこの舟は船頭を失ったようなものである。群衆を襲うパニック心理のようなものが ゆっくりたちを襲う。 そんななか、いち早く舟からの離脱を図るものがいた。声のでかいまりさである。 「ゆっがぁぁーーっ! まりささまにはおふねなんてチンケなものはひつようないのぜ。 さいっきょうのあかしをいまこそみせつけるんだぜぇ~」 舟なしで自律して移動できる、ただそれだけのことがどうして最強の証になるのか。ゆっくりの 餡子脳の中のロジックなど、とても知る由もないのでわからないしわかりたくもないが、ともかく、 まりさは自殺したいようだ。死亡フラグがありありと見える。 「ゆふん、まりさごう、はっしんっ!なのぜぇ~」 逆さにしたうぃっちはっとにぴょ-んとまりさが飛び乗る、手馴れたものである。 通常、水上まりさでもない限りはある程度の訓練を要する水上移動モードにやすやすと 移行してみせた。 まりさ帽の浮力の源は大きく2つ。1つは幅広な"つば"自体が生み出す上方への力。もう1つは、 お帽子さんの空洞部分の空気が生み出す浮き輪効果である。お尻をすっぽり帽子にはめ込むことで 空気の漏れをふさぎ、その密閉空間に充満する空気を浮きに水面を移動するのだ。 もちろん、実験責任者がこの理に対して手をこまねいていたはずがない。 「ゆぴっ。あにゃるさんのあたりが、なんだかちべたーいんだぜ?」 そう、実験前に、全てのまりさ帽には先端に切れ目ないし穴が加工されている。 そこから容赦なく水攻めをされたというわけだ。 ゆらゆらとまだ水面をキープしていたまりさが、徐々に波間に沈む秒数を増やしていく。 先ほどはコンマ半秒ほどの沈み込みで浮かび上がったまりさが、次には3秒ほども波を被って 浮上しない。 「ぶはぁー、ぷぴゅーっ。だだれか、まりささまをたすけるんだぜぇ?」 飲み込んだ水をマンガのようにぴゅーと吐き出しながら、まりさが最後の鳴き声をあげた。 「ちーんぽ。ばかにつけるくすりはない、じごうじとくなんだみょん」 とぷん、という音を最後にまりさは床の方へとゆっくり沈んでいった。水中を沈むまりさの姿が 水面に屈折して朧に映る。救いの手を伸ばすようにまっすぐ天へと向けられたおさげさんが 憐れさをいや増している。ざまぁ。いや、なんでもない。つい心の声が漏れてしまった。 水中にはやがて餡子椿の花が咲くであろう。 天からごうごうと滝は流れ続ける。この神の怒りはいったいいつ収まるのだろう。気づくと 天が大分近づいてきたような気がする。 残りのメンバーの中では恐らくもっとも知能が高いありすがこう問うた。 「このまま、すいいがあがりつづけると、いったいありすたち、どうなっちゃうのかしら」 ある程度の知性がないと、破滅的な未来を直視することはできない。嫌な未来は見たくない という本能の縛りから逃れて直視するのは大変な克己心がいる。だが、群れのみなが恐らく うすうす気づいていながら、あえて口にしなかった確定的未来に関する推論をついにありすが 口にしてしまった。 「ちっくしょぉぉー!!!わかってたよっ!このままだとれいむさまもてんじょうといかだの あいだでぺっちゃんこさっ。それがいやなら、おぼれじぬんだね、おまえもぉ、おまえもぉー、 みんな、みんな、みんな、ゆっくりしねぇぇぇぇぇぇぇええええぇえっぇえーーーー!!!」 巫女のように、なにかの霊を自ゆんへ降ろしたかのように、れいむがおたけびをあげた。 洗脳効果が高いのが、まだ自我が弱く幼い子ゆ・赤ゆである。 「「「「「「ゆっきゅりりかいしちゃよっ!」」」」」」 レミングのペンギンのように舟の縁から次から次へと水面へダイブする。 「まってぇー、ありすのかわいいおちびちゃん、と、とかいはぁあー!」 「くっ、ちぇんはきょうほどちぇんたちの あんよのはやさをうらめしく おもったことはないんだねぇーー!おちびちゃんのダッシュがはやすぎて、ちぇんでも つかまえられなかったよー。らんしゃまぁー、ごめんなしゃいぃー」 「おばえがぁぁー、おばえがぁぁああ、だぎづげだがらだあああ! むのーなでいぶは はくろーけんのさびになれみょん!!!」 「ゆぎゃぁぁぁーーーー!」 脳天から中枢餡へ向けてまっすぐ刺さるように頭頂部から一突き。しかる後にポジションを上手く 調整して迫りくる天井自体が剣を押し込むように位置取りをさせる。 いわば突っ張り棒と処刑装置が一体化したようなものである。 「ゆ"っゆ"っゆ"っゆ"っゆ"っゆ"っゆ"っ・・・・」 「おまえのつみはそぉんなあまいものじゃすまされないみょん。でも、せめて、つっぱって てんのくずれをすこしでもおくらせるみょん。それがせめてものおまえにできるつみ ほろぼしなんだみょん」 足から溶けるのが先か、天井に押しつぶされるのが先かはもう誰にもわからない。 いかだの上には余命短き成体ゆっくりしか乗っていない、この先の未来を託すべき希望の子らは、 我先にみな舟を降りてしまった。これから、いったい何を希望に生きていけばいいのだろう。 どどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどおくまんっ。 やがて、じゃっじめんと・たいむが厳かに全てのゆっくりの元へ訪れる。くぇっーくぇくぇ。 桜○花道より、ぼかぁ青田赤道の方が好きだなぁ。リビドー出し切ってるとこが好感持てる。 なぎら健Ⅰとかさいこーっ。 「「「「「(ちんぽっぽぉー)ちゅぶれりゅーーー!!!!!」」」」」 溶け残ったわずかな生き残りを容赦なく水神が屠る。先ほどまでぎりぎり突っ張っていたはくろー けんは、とうに折れてれいむの亡骸を真っ二つに裂いている。 ぺしゃんっと、裂けたあにゃるから放屁したような気の抜けた音を最後に水の流れがせき止められた。 単にもはや水が流れ込む余地が微塵もなくなったからだ。神が怒りを静めたわけではない。 * 「いやぁ。いつ見ても、このリセットさんは最っ高だねぇ。私はこれが見たくて、こんな『社会実験』 なんてご大層な名目をつけて、本局から予算を分捕ってくるんだ。大掛かりなグラン・ギニョールを タダで特等席に座って見ているようなものだからね、こんな役得はないよ」 バスローブを羽織った「責任者」がワイングラスを片手で回しながら、ゆっくりとくつろいだ表情を 見せている。 天からの降り止まぬ雨。それは最初から最重要項目として工事計画に密かに埋め込まれていた。 でなければ天井に水道パイプを後付けで工事するなどという、およそ不可能な工事や、水漏れのしない 気密性の高いドア一式をはめ込みなおすなどという、とんでもない面倒なことを後からしなくては ならなかっただろう。大抵の人は遅れて気づく。そして後から賛辞の声を上げるのだ。 「だれの言葉だったかな。増長したまりさの出現は、群れの死亡フラグだと。だから、まりさは 増長しないよう活かさず殺さずでいぶが絞りつくさないとね。奥で家を守るのはれいむ、陰で群れを 守護するのはでいぶだって。いや、これは将来語られるSSの台詞だったかもしれないな」 増長したゆっくりどもを一瞬でリセットする、しかも神のごとき圧倒的な立場から無力なゆっくりに 徹底的に無力感を味わわせながら。無慈悲な天使による一瞬の圧殺を断行する。 今回は巫女れいむがなにかに乗っ取られたかのように神言をほざいたから、だいぶ乗組員が途中で 減ってしまったが、本来ならもっと最後の一瞬でカタルシスが高まっていたはずだ。 「まったく、れいむというやつは、どこまでもむのーで、われわれの足を引っ張ろうとするなっ。 れいむ種はぜんゆん死ねばいいよっ!」 終) 【書いた人・兵庫あき】