約 531,814 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1803.html
注意書き あまり虐待してません。 家にゆっくりが現れた に似たタイトルですが全然話のつながりはありません。 夜、家に帰ってくると、扉が半開きになっていた。 まさか、鍵をかけ忘れた?そんなバカな、鍵をかけ忘れてもドアを閉め忘れるバカはいまい。 まさか、泥棒?そんなバカな、泥棒だったらちゃんとドアぐらい閉めてる。 とりあえず自分は万が一のために、用心しながらドアを開けて中に入って行く、やっぱり俺の予想、読者さんの予想は当たった。 だが、中で起きていることは俺の予想外だったし、読者さんの予想外だったと思う。 「ゆっくりしね!!」 「はやくしぬんだね!!すくなくともゆっくりしないでねー!!」 「ちね!!ちね!!」 「おねーちゃんのかちゃきなんだゃよー!!」 「もうやべづんだぜ!!じんじゃぶんだべ!!」 「いやあああ!!どかいばらじぐないいぃぃぃ!!」 居間では夫婦と思われるちぇんとれいむ、その子供数匹が、これまた夫婦と思われるまりさとありすを攻撃していた。 まりさ達が抵抗したのか周囲につぶれた個ゆっくりらしきものが見えるが、数の暴力に押されたのか二匹とももうぼろぼろでろくに抵抗もできないようだ。 しかしなぜこんなことになっているのだろう?同じ家を自分の家宣言したため喧嘩になったのだろうか? そんな考え事をしている俺に気がついたのかまりさが俺に向かって叫んだ。 「お、ぼにーざん!!ばりざをだずけでほじぃんだぜぇぇ!!」 するとどういうことだろう?今までまりさとありすを攻撃していたゆっくり達が攻撃をやめ、二匹から離れた。 「さて、お前ら、俺の家で何をやっているんだ?」 「な、なにをいってるのかしら?ここはとかいはなありすとまりさのあいの…「だまってねー!!」げぶっ!!」 ありすが自分の家宣言する前にちぇんに妨害される、やっぱり自分の家争いだろうか? 「おにいさんのいえにこいつらがかってにはいったからこらしめてたんだよー!!」 「ゆっくりできないやつだったからみんなでゆっくりこらしめてたよ!!」 「しょーだよ!!このまりしゃおねーしゃんとありちゅおねーしゃんはゆっちゅりできにゃいやつだよ!!」 つまりこのれいむとちぇんは俺の家を守ろうとしていたのか?居間の惨状を見た限りではこいつらが介入したから散らかったようにも見えるが… 「れいむとちぇんはこう言っているが…こいつらの言う通りなのか?」 とりあえずまりさとアリスの意見も聞いておく、裁判はお互いの意見を聞かないとね。 「う、うそはっぴゃくだぜ!!」 「そうよ!!いなかものよ!!」 「ここはだれのおうちでもないからまりさとありすのあいのすにしようとおもっただけなのにこいつらがよこどりしてこようとしたんだぜ!!」 はい、確定。 「そうか…お互いの言い分は大体わかった、確かに人のゆっくりプレイスを奪うのは悪いことだよな!!」 そういった瞬間、まりさとありすの顔が百万ドルの夜景みたいな笑顔になる。 俺はそれを無視して窓を開けた。 「でもな」 「ぜっ!?」「んほっ!?」 ガっ!!という効果音をつけて二匹の頭をつかんだ、力は加えているけどゆっくりが死ぬほどの強さじゃない。 「残念だがここは俺の家、俺のゆっくりプレイス、つまり悪いのは俺の家を奪ったお前たちだ、そしてぇ!!」 俺は思いっきり両手を振りかぶり… 「愛の巣ってのは二人で一緒に作るから愛の巣なんだぜ!!」 思いっきり外に放り投げた。 「それなんてとかいはなのおぉぉぉぉぉ…」 「わかったんだぜえぇぇぇぇぇ…」 二匹はきれいな放物線を描き夜の闇の中に消えていった。まあ、あそこらへんは草地だったはずだから変な落ち方しない限りは死にはしないだろう。 「さすがおにいさん!!ゆっくりしてるね!!」 「せいぎはかつんだね!!わかるよー!!」 「ゆっちゅりー!!ゆっちゅりー!!」 れいむ、ちぇん、そしてその子供たちも俺を祝福してくれた。 「じゃあゆっくりしているおにいさん!!おにいさんのおうちをまもったれいむたちにごはんちょうだいね!!」 なんだそれ?お前らがいたから話がややこしくなったんだが…まあ、実際守ってもらったのは事実だから適当にクッキーでもやってお引き取り願おう。 「そしてごはんをあげたらこのいえをちぇんとれいむにわたしてねー、わかったねー?」 あん?なんだって? 「まったく、じぶんのいえをあんなわるいゆっくりにとられるなんておにいさんはばかだね!!」 「じぶんのいえをまもるぎむもはたせないおにいさんにこのいえはまかせれないから、いまからこのいえはじぶんでまもれるちぇんたちのものになったんだよー!!」 「わかったらゆっくりごはんをよういしてね!!よういしたらでていってね!!」 「でていっちぇね!!」 わぁお、ついにゆっくりずむもここまできたのか… 「良いよ、お前たちに最高のご飯をご馳走してやるよ…」 俺は手に持っていたクッキーの缶を棚にしまうとフライパンに油をひき、コンロに火をつけた。 続きません あとがき 子供の純粋さと大人の汚さ、醜さを集めたもの、それがゆっくりだと思うんだ。 なんか連続で似たような作風になってる気がする…何とかしなきゃ。 10月2日 1813 セイン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2884.html
投棄所かな、これ?判断しにくいんですがどうでしょうか? ゆっくりは大根一本で一家族が3日間楽に生活できるとしてください。 虐待成分薄いです。描写はあえて飛ばしました。 騎馬めーりんがチョイ役で使われています。 た、たまには虐待お兄さん方が怒られてもいいよね! 近年突如現れた謎生物(なまもの)ゆっくり。 山林で主に数を増やしたこやつ等は人里に降りては村の畑を荒らしたりした。 野菜が生活の糧である農家にとっては洒落にならない事態であったので、即座にあ奴らは駆除すべきだ!という意見があがった。 が、しかし長は言った。 「いや、待て。あ奴らをつぶすのは容易い。だが、ゆっくり達と共存できる方法もあるはずだ」 「きょ、共存!!あ、あの野菜泥棒とぉ!?」 唐突過ぎるその発言に皆は色めき立つ。 「待て待て、あ奴らを野菜泥棒と決め付けるのは早いぞ」 と、若い農夫が声を上げる。村の長の息子だ。 「早いってどういうことだ?」 「あいつらは野菜を勝手に生えている、と思っている。それで俺達はそれを独占している、と思っているみたいなんですよ」 「なお悪いわ!」 「つぅか、人の苦労も知らずにあんたもあいつらも……」 この青年、あまり畑仕事をせずに山を登ったり、文書を遠方から送ってもらったり、と日頃汗水たらして働いている村人から見れば遊んでいるようにしか見えなかった。 「いや、だからさ。独占している、と思っているんならさ。何かと交換で野菜をやれば文句は無い、と思うんですよ」 「何かと交換~?あいつらが持ってるのはどうせ草やら葉っぱだろ?」 「だから、その草ですよ」 青年がいうには村の西にある台地に珍しい薬草があった。これは竹林に最近やってきた医師からのお墨付きを得ている。 しかし、この台地に行く細道はかなりもろく人一人通ることもできなかった。 そう人間ならば。 青年はゆっくりに薬草を持ってきてもらい、その代償に野菜を渡す、という物々交換を行うという提案だった。 「あいつらに野菜を持っていかれるのは……」 と村人は当初は渋っていたが 「だけど、ゆっくりに少量の野菜を渡すことでより高価な品を手に入れることができるんですよ?」 という青年の一言に屈した。 「まぁ、急にこうしろなんて言っても無茶な話です。ここは試しにやってみましょうよ」 青年はニコニコしながら話を結んだ。 「と言うことですから明日ゆっくりの群れにこの話してきますんで」 『まだしてなかったんかい!』 さすがにそれには皆がツッコミを入れた。 翌日のこと。ゆっくりの群れに数人の村人がやってきていた。 青年は長であるぱちゅりぃに例の薬草を見せて語りかける。 「コレを見たことはあるかい?」 「むきゅ、あのゆっくりぷれいすにあるにがいくささんね!」 「コレは人間にとっては凄く大事な草でね。それを持ってきてくれれば私達のゆっくりプレイスに生えている野菜さんを少しだけど分けてあげるよ」 「むきゅ!そ、それはほんとなの!?」 それを聞いてぱちゅりぃは顔色を変える。今までは美味しい野菜を手に入れるには命がけで、しかも手に入れることができるのは少量だった。 しかし、苦い草をある程度持っていけば、野菜をほぼ安全に一定の量が手に入る。この違いは大きい。 「ああ、本当だよ。その代わり畑からは勝手に野菜を取らないでくれ。もし盗った場合は そのゆっくりが何をされても文句は言わないでほしい。 その代わり、コチラも君達を苛めたりはしない」 「むきゅぅ……」 少し、ぱちゅりぃは考えて 「わかったわ! そのじょうけんでいいわ!」 「納得してくれて何より。 じゃあ明日からお願いするよ? この草以外でも交換できるものがあるからそれは交換所においておくからね。それを持ってきてもいいよ」 「むきゅ! まかせてね!」 さっそくこの提案を群れに伝達させてもらう。反対するゆっくり達もいたが、少しずつ理解してもらうことにしよう。 「じゃ、村の外れに交換所を作るからね?そこに草を持ってきたら野菜をあげるよ」 「わかったわ!」 実をいうとこれは、かなり穴がある提案だった。 交換所の村人が強欲で目盛りに細工をすれば多めに薬草を奪うこともできるし、 ゆっくりの側でも草を自分から取りに行かずとも草を採取し、 こちらに持ってくる途中に奪って自分が採ってきたと報告すれば野菜がもらえるからだ。 村人の側は青年が細工をすることを止めさせた。 「それで大量に持ってこられても薬草の値崩れ起こしますし、第一肝心の薬草が生えてこなくなったら大変じゃないですか」 「野菜の数は数えてるんで纏まった量を持ってきたらちゃんと渡してあげてくださいね?」 断っておくが青年は別に愛護派ではない。しかし、一度決めた約束はどんな動物にでも履行すべきだ、と考えてるだけである。 ゆっくりがいなかったら別の何かを探して、別の方法で契約をしていただろう。 ゲスゆっくり対策はゆっくり達の泥棒をなんとかしてほしい、という訴えが来てから対策に着手した。 まず被害にあったゆっくりまりさを交換所にこっそり配置してそのゲスが来るのを待つ。 そして「あいつだよ!」とまりさが叫んだゆっくりを即座に確保・即刻加工所か不当に得た野菜×規程の日数分人里で働くか(生ゴミ程度だが食事は出す)を選んでもらう。 人里でゆっくりが働けるものなどあるまい、とお思いだがある程度の大きさのゆっくりならば案外いろいろ働ける。 (監視は付くが)畑の雑草取り、狭いところの掃除などで案外使えるものだ。また、こういった制裁を受けたゆっくりには飾りにそれを示すマークを付け、再犯を防止する。 一度目は人間の手で裁くが、二度目は群れで裁いてもらうことになるわけだ。 そんなこんなで体制が整ってきたら村とゆっくりは比較的他より友好になった。 畑泥棒の頻度は大きく減少し、逆に手伝うようにまでなったのだからまぁ普通そうなる。 しかし、それが面白くない者たちも当然いた。虐待お兄さんである。 「くっそぉ、長のとこの放蕩息子のせいで俺らの楽しみが無くなっちまった……」 今までは畑泥棒のゆっくりを仕置きする、という大義名分を振るってゆっくり達を思う存分虐めることができた。 しかし、今ではそんなことをしたら村八分、そんな風潮が出来上がっていた。 こちらからダメならゆっくり側から仕向けさせようと目盛りに細工をしたが青年に釘をさされてそれもオジャンだ。 「面白くねぇ……うん?」 たまたま、森ですぃーに乗った騎馬めーりんの群れを見つけた。 「そうだ……」 虐待お兄さんの唇の端がニィと吊りあがった。 数日後 「え?いつも来るはずのゆっくり達が来ない?」 「はい、この時期は冬篭りが近いですから食料は多いに越したことはないはずなのに……」 交換所のお姉さんはオロオロしている。 「う~ん、じゃ、ちょっと群れの方を見てくるよ、もしかしたら纏めて持ってくるのかもしれないし」 そうして青年は数人ほどの村人を連れて森に向かった。 「こ、これは一体……!」 群れのいた場所はコレでもかというぐらいに荒らされていた。 長のぱちゅりぃだろう遺体も殆ど原型が残っていない。 すぃーの後があった事から騎馬ゆっくりの犯行と見られる。だが、 「騎馬ゆっくりは逆方向に向かっていたはずだ……、急に方向を転換するなんておかしい」 「若ぁ、まだあいつ等この辺にいるみたいです!」 「そうか………探し出すぞ」 数十分後、すぃーを止めて、休憩をしている騎馬ゆっくりの群れを発見した。 「ジャ、ジャオ!?」「い、いきなり人間が何の用だ!?と申しています」 「君達は逆の方向に移動していたはずなのに、なぜこちらに向かってきた?」 「ジャオォン!ジャオジャオ!」「ここらで悪さをするゆっくりがいるから懲らしめて欲しい、と人間に頼まれた、といっています」 「馬鹿な!? あの群れのゆっくりと私達の村は友好関係があったんだぞ!!」 「ジャ、ジャオン!?」「そ、それはどういうことだ!と言っております」 「君達は騙されたんだよ……、その人間に」 「ジャオ……」「ゴメンなさい、と言っております」 「………子供達は残っているかい? 確か君達は奴隷制があるから子供と赤子は残しているはずだ」 「ジャオ……ジャオジャオ」「ちゃんと残っている、とのことだ」 「その子達を返してくれ、それで君達の件はチャラにする」 「若!? いいんですか?」 「いいんだ、彼等は良かれ、と思ってやっただけだ。それに子供達にも薬草採りの手伝いをしていたものがいたはずだ」 薬草と交換制度を教えれば来年もこの友好関係を続けることはできる。 「ジャォォン……」「誠申し訳ない、とのことです」 「悪いのは君達じゃない、騙した人間だ。それと悪いと思っているなら一つ頼みがある」 「ジャオ?」 翌日虐待お兄さんが捕まり村八分に処された。 後書き どんなにいい提案でも遅かれ早かれこのプランは破綻してたんだと思います。 今回はたまたま人間側が引き金をひいただけなんです..
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2191.html
※人間がゆっくりに感謝してます。 ※一部愛でられているゆっくりがいます。 「今日は記念すべき、10年目を迎えたゆっくりの日です。 ここに、我らを窮地より救ったゆっくりの銅像を立てました!」 都立ゆっくり公園。 10年目を迎えたこの記念式典。 拍手と共に白幕が剥がされる。 そこにはみるからにゆっくりしているれいむの銅像が立てられていた― 環境問題・飢餓問題・エネルギー問題。 幾多の問題を救った存在がある。 どこからともなく現れた人の頭だけのような存在。 しかも呼んで字の如く饅頭な存在―そう、ゆっくりである。 「んほぉぉぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」 ゆっくりはたちどころに数を増やした。 その結果、世界に餡子―食料が溢れ人類は食べ物に事欠かなくなった。 「We have many food!!! Ya-ha-!!!!!!」 「どぼじででい゛ぶの゛あがぢゃ゛ん゛だべる゛の゛ぉ゛ぉ゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛」 それだけではない。 「むーしゃ、むーしゃ、ここはたべものさんがたくさんおちてくるね!!!」 「ここはまりさのさいこうのゆっくりぷれいすだよ!!!」 ゆっくりは何でも食べた。 その結果、ゴミ問題が一気に解決した。 その上多くのゴミを燃やさなくて済むようになり、CO2の大幅な削減に繋がった。 また、そこで大量に増えたゆっくりはバイオ燃料に最適だった。 いつ切れるとも知れぬ化石燃料の代替の役目を十二分に果たしてくれたのだ。 「ばでぃ゛ざの゛お゛がぁ゛ざん゛がづぶざれじゃ゛っ゛だよ゛ぉ゛ぉ゛お゛おぉ゛ぉ゛」 ゆっくりの恩恵は留まる事を知らない。 「すっきりー!すっきりー!!すっきりー!!!」 「も゛っ゛ど……ゆ゛っ゛ぐり゛…じだがっ゛だ・・・・・・」 子供を作りきれずに黒ずんだゆっくりはかなりの保水力を持った。 それを元に草木が育ち、砂漠化の問題が解決された。 「あ゛り゛ずばずっ゛ぎり゛じだぐな゛い゛の゛に゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛・・・・・・」 更にはこんなこともやってのけた。 「ゆっくりちーちーするにぇ!!!」 ゆっくりはどんな汚水でさえ砂糖水に変えてしまうのだ。 これによって水質汚濁の問題があっさり解決されたのだ。 「にゃんでちーちーとみゃらないのぉぉぉぉ!!!」 ゆっくりの貢献は何も環境や食料、燃料だけでは無い。 「わからない、わからないよー」 ゆっくりはイライラのぶつけ先に最適だった。 そのお陰でストレスを溜め込んだ末の犯罪行為の件数が大幅に縮小された。 「ひゃっはー!もっと泣き叫べー!!!」 「わからな…ゆびぇっ!!!?」 勿論、ストレス発散だけではない。 「このゆっくりのトレンドポイントは…」 ゆっくりはペットとして飼い易く、一種のステータスになった。 近所話から芸能人の真似まで、よい交流や商売のネタとなった。 「あら、そちらのみまちゃんは可愛いわねぇ」 「お宅のゆめみちゃんだって大切にされてますわね」 何も若い人達だけがゆっくりの恩恵に預かっている訳ではない。 「むきゅ、おばーちゃんだいじょうぶ?」 ゆっくりは人と会話を交わすことができた。 そのため、老人の相手をする存在にもなった。 「ええ、ええ、げんきですよ。またごほんをよんであげるからね」 「むきゅぅん、ありがとね」 勿論、その存在に救われているのは人間だけではない。 「このもりはとってもゆっくりできるね!!!」 「ちーんぽ!!!」 ゆっくりは森に山に、自然の色々な所に住み着いた。 そのため、沢山の野生動物が餓えなくなり、生態系の修復にも繋がった。 「がま゛ぎり゛ざん゛や゛め゛でぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛」 「ゆ゛っ゛ぐり゛でぎな゛い゛ぃ゛ぃ゛い゛ぃ゛い゛ぃ゛」 そう、この世界はゆっくりによって成り立つようになったのだ。 まさに救世主である。 そしてこれからもゆっくりはその全てを余す事なく世界の為に使うだろう。 人間はそのことを忘れないよう、年に1度ゆっくりの日があり、式典を開くに違いない。 ・・・ゆっくりがゆっくりする?そんな事ができるはずがない。 何故なら世界を支える為にゆっくりは存在するのだから。 ※最近の食料事情のニュースを聞いててピンときました。 世界をいいように作り変えてきた人間です。これ位は何ということ無いでしょう。多分。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/786.html
※現代にゆっくりがいたら、という話です。 ※某ゆっくりの飼い方のマンガに影響を受けてます。 ※虐め分はいつも通り軽いです。 『ゆっくりペットショップ』 ゆっくりペットショップの朝は早い。 部屋の明かりをつけ、窓のブラインドを上げる。 そして店内に並んでいるゆっくりの入ったケースに掛った暗幕を外していく。 「ゅ…ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりしていってね!!!」 光に反応してケースの中のゆっくり達が目を覚まして鳴き声を上げた。 れいむ種とまりさ種がほとんどだが、他のゆっくり種も大抵取り揃えている。 レティ種やゆゆこ種、もこう種などのレア種はさすがに高価なので入荷できてない。 成体のゆっくりは基本二匹組でケースに入れ、子ゆっくりは最低でも5匹以上セットでケースに入れてある。 赤ちゃんゆっくりはある程度育つまで親ゆっくりと一緒に倉庫の飼育用ケースの中だ。 ゆっくりはさびしがり屋なので一匹だけではゆっくり出来ないし、 赤ちゃんゆっくりに至っては親がいないと食事もままならなず死んでしまうのだ。 「ゆっゆっゆっゆ」 「ゆっゆ~」 「ゅ~」 「ゆゆゆーっ」 ケースの中のゆっくり達は鳴きながらケースの中を自由に飛び跳ねている。 中に入れてあるボールで遊んでいるゆっくりもいる。 「ゆっくりしていってね!!」という定番の挨拶は感情が高ぶった時や挨拶時にしか言わない。 普段は「ゆっ、ゆっ」と鳴く。 インコみたいに簡単な言葉なら覚えるのだが記憶力の良い生物ではないので数日で忘れてしまう。 餌を持った皿をケースの中に入れてあげると中のゆっくり達は皿に殺到して餌を食べていく。 満腹になると幸せそうな表情を浮かべ、体を震わせて喜びを表現する。 この時に食べカスが散らかるが、放っておけばゆっくり達が舐めとるので掃除する必要がなくて楽だ。 後は給水器の水を取り換えて店内のゆっくり達の準備は完了だ。 次は倉庫の飼育ケースへ向かう。 倉庫の飼育ケースにはゆっくり家族のケースと子ゆっくりだけを集めたケースが複数あってこちらも皆ゆっくりとしている。 私がケースに近づくと親ゆっくりはこちらを向いて鳴いてくる。 「ゆっくりしていってね!!!」 それに続いて赤ちゃんゆっくり達も親を真似て鳴く。 「「「「「「ゆっくりちていっちぇね!!」」」」」」 まだ舌足らずな鳴き声だが、何度か繰り返すうちにちゃんと鳴けるようになる。 赤ちゃんのいる方のケースに餌を持ったお皿を入れると、お皿へは親ゆっくりだけが近づいてくる。 赤ちゃんゆっくり達はまだ親ゆっくりが咀嚼して柔らかくなった餌しか食べられないのだ。 「ゆむゆむゆむ…ゆぺっ」 親ゆっくりがお皿に柔らかくなった餌を吐き出すと今度は赤ちゃんゆっくりがお皿の周りに集まって食事しだした。 赤ちゃんゆっくりが食事する様子を親ゆっくりは優しい笑みを浮かべて見ていたのでこの時に親ゆっくりにも餌を手渡しで食べさせてあげる。 何せ親ゆっくりがいないことにはこの商売が成り立たなくなるので特に大事にしている。 まずゆっくりを大量生産出来ないし、赤ちゃんゆっくりを育てるのも親ゆっくりが一番上手い。 その調子で他のゆっくり家族にも餌を与え、水を取り換えてあげる。 次は親離れさせたばかりの子ゆっくりだけを集めたケースの世話する時間。 ゆっくりをペットとして売り出す以上、気性の荒いものや傷モノは店に出すわけにはいかない。 なので店に出す前に子ゆっくりだけのケースを作って生活させ、『選別』を行う。 この時間が何よりの楽しみである。 最初にれいむ種とまりさ種の入ったケースを見ると隅の方で震えているゆっくりれいむがいた。 特に外傷は見当たらない。親と離れたばかりで寂しいのだろう。もう数日待ってもこの調子なら処理が必要になる。 他を見ると複数のまりさが一人のれいむに飲み水を吹きかけて虐めていた。 ゆっくりは水に弱い。飲むのならば良いが体に長く吹きつけられると皮がふやけ、最終的に皮が破れて中身の餡子が漏れて死に至る。 水をかけられたれいむはというと起きてからずっと水を吹きかけられたのか皮がぶよぶよになって今にも千切れそうだ。 「ゅ…ゅ…」 体を小さく震わせて声にも元気がなくなっている。餡子が外に漏れ出してないが放っておけば死ぬだろう。 「ゆー!」 「ゆっゆ~」 対してまりさ達は弱い者いじめをして楽しんでいる。 ゆっくりは大抵親から離れたストレスからこうして他のゆっくりにストレスを発散することがある。 しかし周りのゆっくりもその様子を見て怯えているし、許せるレベル悪戯でもないのでまりさ達と死にかけのれいむをケースから取り出した。 小型のケースにまりさ達とれいむを分けて入れておいてまずはこのケースの餌と水を取り換えておく。 「ゆっゆっゆ」 「ゆむゆむゆむ…」 怯えていたゆっくり達もその原因のゆっくりがいなくなったので元気に食事を始めた。 小型のケースに入れたゆっくり達だが、残念ながらここまでだ。 悪戯するまりさ達はこのまま育っても気質は変わらないだろうし時間を割いてまで更生させるつもりもない。 れいむも同じでわざわざ治療する時間も勿体ないので『ミキサー』と書いてある箱の中に放り込んでおく。このれいむが死んでも代わりは居るもの。 まりさ達はミキサーする前にすることがある。 まりさ達を倉庫の水道近くへ運んでいく。 そこには子ゆっくりが入るぐらい直径のあるメスシリンダーを複数置いてある。 これは水を使って他のゆっくりを虐め、商品価値を無くさせた悪いゆっくりを処刑するための道具だ。 いくつかのメスシリンダーには水が満杯で、底には生気のない瞳をしたゆっくり達が沈んでいた。 棒でも差し込めばゆっくりの体は抵抗なく棒を通すことだろう。 試しにパチンコ玉を落としてみたらメスシリンダーの中が茶色に染まった。 このメスシリンダーの中に悪戯したまりさ達を一匹ずつ別々に入れる。 「ゆっ! ゆっ!!」 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆゆゆっ!!」 十分に動くことのできない場所に入れられてご立腹のようなので早速頭を冷やしてあげよう。 メスシリンダー上部にある蛇口の栓を少しだけ緩める。水滴が一滴ずつゆっくりと滴るように緩める。 ポツン 「ゅ?」 ポツン 「ゆー?」 水滴が帽子にかかって不思議そうにするまりさ達。 まりさ種にとって幸せなのはメスシリンダーの底に水が溜まり始めるまで自分の危機に気付かないことか。 しかし最後には例外なく同じ結末を辿る。 まりさの帽子に落ちた水滴は帽子の傾斜に従ってまりさの背中側へ流れていく。 「ゅ?」 背中に冷たい何かが当たってまりさはきょろきょろし始めた。 また水滴が落ちる。また背中側へ流れる。 まりさ達がその正体に気が付いたのはメスシリンダーの底に水が薄く張ってようやくだった。 「ゅゅ…? ゆゅーっ」 「ゆー! ゆー!」 ゆっくりにとっての足である体の底が濡れて危機感を覚えたらしく いつも餌をあげている私に向かって激しく鳴いてくる。 瞳には涙が浮かび、足元をひどく気にしている。 「ゆっ、ゆっ、ゆっ」 一匹のまりさがジャンプし始めた。 ジャンプすることで少しでも水に浸り続けるのを避けようとしたのだろう。 だがそれは時間稼ぎにすらならない。そうしている間にも水滴が天から落ちてきて徐々に水かさは増していく。 時間さえあればずっと眺め続けていたいものだが、他の子ゆっくりの世話もあるのでこの場は放置しておく。 後でまた見にくることとする。 次はぱちゅりー種のケースを見る。 数匹中身を吐いて死んでた。 しかし体の弱いぱちゅりーにはよくあること。これ以上他のぱちゅりーにストレスを与えないためにも手際よく死体をミキサーの箱に放り込んだ。 ぱちゅりーはペットに申し分ない性格をしてるが体の弱さが玉に瑕(きず)だ。 ありす種のケースは安全だった。今日は、何事もないようだ。 というのもありす種は基本的に大人しい性格なのに荒れるときは激しく荒れる。 ひどいときはケース内のありす種が全滅していたこともあった。 なのでデリケートな飼育が必要だ。 れみりゃ種のケースには体無しのれみりゃが数匹いる。体ありのれみりゃは希少なので個人経営のこの店にはおいてない。 「うー、うー」 と上機嫌なれみりゃ達の中、一匹のれみりゃが他のれみりゃに噛みつかれていた。 牙は危ないので幼少のときに抜いているのだが、そうとう強く噛まれたようで中身が流れ出ている。 「う"ー、う"あー」 噛まれた方は顔をゆがませ、涙を流しながら逃げようと必死だ。 だが逃げるにはこのケースは狭すぎて逃げられずに何度も噛まれて体中至る所に噛み傷があった。 再生力の高いれみりゃ種なのでこの程度の傷は放っておいても治る。 噛まれた方は放っておいても良いとして、噛んだ方の悪いれみりゃをケースから取り出す。 「うー! うー!」 楽しんでいる所を邪魔されて不機嫌そうに唸り声を上げる。 そんなれみりゃを店の裏へと運んでいく。 店の裏にはすでにカラスが獲物を狙って待っていた。 他のゆっくりを噛む悪いゆっくりは啄まれて死んでもらう。 店の裏にある柵に囲まれた中にはリボンや帽子の残骸が散らばっている。ここがれみりゃの最後のおうちとなるのは言うまでもない。 「うー、うー♪」 柵の中に放たれたれみりゃは初めて味わう外の気持ちよさに機嫌が直っていた。 朝の暖かな日差しとケースの中では味わえない自然の風。そして見たことのない生き物。 「うー、うー、うあうあ♪」 これがれみりゃ式の挨拶だ。れみりゃは満面の笑みを浮かべて柵の中に降り立ったカラスへ飛び跳ねて近づいていく。羽は飾りなので飛べないのだ。 「うーう"っ!?」 再び楽しそうに鳴き声を上げたれみりゃの頭にカラスの鋭い嘴が刺さった。 二羽目のカラスが後頭部をつつく。三羽目は頬だ。 「う"っ、う"あ"っ!? ぅ"……ぁ"っ…」 瞬く間にれみりゃはカラスたちの波に飲み込まれた。苦しそうな鳴き声も徐々に聞こえなくなる。 たまに帽子の切れ端や髪の毛が辺りに散らばる。 5分もしないうちにれみりゃの生きていた証は帽子の切れ端と少しの髪の毛だけしか無くなっていた。 そんな調子で倉庫のゆっくり達の世話と処理を終えた。 後は店の出入り口の鍵を開けて扉にかかった看板を裏返し、『営業中』を表にして開店だ。 開店後しばらくするとお客さんがバラバラと来客してくる。 買いに来たもの3割。見に来ただけのもの5割。残りの1割は「うちのゆっくりが~なんですけど」と飼育方法を聞きにくる人だ。 誰もお客のいない時間はゆっくりを苛めていたいけどそんな所を見られたらイメージダウンもいいところ。 外ではゆっくり好きの店長さんで通っているのだ。 いや、内でもゆっくりは大好きだ。ただゆっくりのいろんな顔を見たいだけ。 愛なのだから仕方がない。 「ゆーっ! ゆーっ!」 「ゆっゆっゆ~」 「ゆゆゆ~」 昼時になると店内のゆっくり達が騒がしくなる。 飯はまだかと俺の方を向いて飛び跳ねるゆっくり達の元へ餌を持っていく。 後は朝と同じように餌を分け与えていくがここでもゆっくり達は悪さを行う。 「ゆー! ゆっくりしていってね!! ゆっくりしていってね!!」 「ゆゆゆゆ~♪ ゆっくりしていってね!!!!」 れいむ種がまりさ種の分まで餌を食べてしまったので涙ながらに抗議するまりさ。 そんなまりさに対してれいむは見せつけるように食べカスも舐めとっていた。 「ゆ"~! ゆ"~!」 悔しそうに泣くまりさとは対照的にれいむは勝ち誇って胸、いや顎を張っていた。 このケースのれいむとまりさのペアは、ここ数日いつもれいむがまりさを押しのけて餌を奪っていた。 ゆっくり種の食事の取り合いは珍しいことではないので一々処罰してもキリがない。しかし何度も餌を奪うようなら処罰せざるを得ない。 れいむをケースから取り出し、残ったまりさには餌を与える。 食事を奪ったれいむは倉庫へ連れていく。 ちょうど見ていたお客さんに「そのゆっくりをどうするの?」と聞かれたので、 「悪い子は躾をやりなおすんですよ。明日にはケースに戻ります」とだけ言っておく。 だが明日ケースに入るのは別のれいむだったりする。 倉庫の隅、仕切りで囲まれた中に大きめの机がある。 机の上には釘を脳天から貫かれて机に固定された数匹のゆっくりがいた。 「ゆ"っ…」 「ゅっゅっ……」 「ゅ"、ゅ"、ゅ"」 体を貫かれた痛みに苦しんで涙を流すもの、体をなんとか動かそうともがき続けるもの、焦点の合わない瞳で空を見ているだけのもの。 この机にいるゆっくりはどれも餌を奪った悪いゆっくりだ。餌を与えず運動も出来ない状態にしてゆっくりと餓死させている。 釘で刺して机に張り付けなくても透明な箱に閉じ込めれば済む話だが、釘で貫いたのは単なる趣味だ。 「ゆ、ゆゆ…ゆっくりしていってね!!」 れいむは腕の中で恐怖で震えながら鳴き声を上げた。仲間の苦しそうな姿が怖いようだ。 そんなれいむを机に設置させて釘を頭に打ち込む。柔らかい体なので釘は簡単に貫通する。 「ゅゅーっ!? ゆっゅゅぃ!」 突然の痛みに暴れだすれいむを押さえつけ、金槌で釘を打ちつけてれいむを机に固定した。 「ゆぅぅ…ゆっぐりじでいっでね…!」 泣きながら脱出しようと体をよじる。 「ゆ"っ!?」 動こうとすると貫かれた部分を中心に激痛が走り、悲鳴をあげる。 ここでれいむは痛みをかき消そうとしたのか体をさらに激しく動かした。 「ゆ"ゆ"ゆ"ゆ"ゆ"!! ゆ"ゆ"っ、ゆ"ゆ"っ!!!?」 少し動いただけでも激痛が走るのに激しく動けばどうなるのかは想像に難くない。 ここでれいむはやっと大人しくなった。 それでも断続的な痛みに苦しそうな顔をしてプルプルと震えてはいたが。 後はこれを放っておけば周りのゆっくりのように体の痛みよりも空腹感の方が苦しくなっていくのだ。 店を長く開けるのも良くないのでそろそろ店に戻ろうとしたが、空腹のゆっくり達が物欲しそうな顔でこちらを見ていることに気が付いた。 そう言えば自分の昼飯を食べていなかった。 せっかくなのでこのゆっくり達の目の前でおにぎりを食べることにした。 「ゆ、ゅ…」 「ゅっぐりじで、いっでね…」 「………」 「ゆぎ、ゆぎぃっ! ゆゅ」 ゆっくり達の反応は様々だ。 痛みで目の前のおにぎりどころではないゆっくり。 羨ましそうにおにぎりを見つめて涎を垂らすゆっくり。 おにぎりを見ているものの声も出せないほど衰弱したゆっくり。 そんなゆっくり達を見ながらの食事はなかなか乙なものだった。 お礼に動けないゆっくり達の目の前にご飯粒を置いてからその場を離れた。 最後に振り返ると、舌を必死に伸ばしてご飯粒を食べようと無駄な努力をしていたのでつい微笑ましくて笑ってしまった。 店に戻る前に、朝にメスシリンダーへ入れておいたまりさ達の様子を見ることにした。 「ゅ"…ゅぶぷ…!」 「ゆっぷっ! ゆっ…ぶくぶく」 「ゆっ……ゆっ……ゅっ…」 メスシリンダーに溜まる水はまりさの下半身ほどの高さまでになっていた。 ゆっくりの体型上そのままでは口が水の中に沈んでしまうので、まりさ達は必死に跳ねていた。 しかしその跳ねる高さは低い。 足代わりでもあるゆっくりの底がふやけたのも一因だし、そもそも水の中で飛び跳ねるのは相当体力を使うので子まりさには飛び跳ね続けるのは辛いだろう。 まりさ達のうち一匹なんかは跳ねて息を吸い込もうとして水も一緒に飲み込んでしまったらしい。 跳ねることが出来なくなり暗い瞳で宙を見ていた。 水滴が帽子に当たるとピクリと反応するからまだ生きているみたいだが、こんな状態ならもう沈めてやってもいいだろう。 そのゆっくりの上にある蛇口を緩めて一気に沈めてやることにした。 数秒もしないうちにそのまりさの入ったメスシリンダーは満杯になり、底には完全に光を失った瞳でこちらを見続けるまりさの姿があった。 そんな仲間の様子を見て隣のまりさ二匹は泣きながらジャンプしつづけていた。 しかしそんなまりさ達の努力は報われる訳もなく、一分もしないうちにまりさ達は水の底の住人となった。 店に戻るとちょうどゆっくりが喧嘩していた。喧嘩と言っても一方的なものだ。 子ゆっくり達の入っているケースでちぇん種がありす種に体当たりしている。 「わかるよー。わかるよー!」 「ゆっ、ゆ"っ! ゆ"ゆ"っ」 ちぇん種は他のゆっくり種とは違って「わかるよ」「わからないよ」の二通りの鳴き声を発する。 快適なら「わかるよー」と鳴き、不快なら「わからないよー」と鳴くだけで実際には何も分かってない。 ありすは涙をこらえながらちぇんの体当たりを受け続けている。 見るとちぇんの尻尾が荒れていて、床には尻尾の毛がハラハラと散らばっていた。 どうもありすがちぇんの尻尾を噛んだのが原因らしい。しかしひどいことをする。 尻尾が汚いちぇんはそれだけでも価値が下がる。このちぇんは尻尾の一部が禿げているのでもはや価値は無いに等しい。 よって処分だ。 体当たりしているちぇんを取り出してまたも倉庫へ連れていく。 ありすも処分しようかと思ったが今はありすの在庫が少ないので我慢する。 ちょうど来客したがきっと冷やかしだろうと決めつけてイソイソと奥へ。 過剰な暴力をしていたちぇんには体罰こそふさわしいだろう。 「わからないよー! わからないよー!!」 ちぇんは私の手に捕まえられて不満そうな声をあげてジタバタする。 尻尾をパタパタさせながら私の手の中でもがくちぇんが可愛いのでデコピンで顔を打つ。 「わか……わからないよ! わからないよぉぉぉ!!!」 デコピンされて一瞬何をされたのか分からず固まったちぇんだが、すぐに顔に響く痛みに泣き出してしまった。 二本の尻尾をピーンと立たせて泣きわめくちぇんの姿にに苛めたい感情が刺激され、さらにデコピンを続ける。 「わからな、に"ゃ!? わがらないに"ゃ!? わ"がっ!? に"ゃっ」 ちぇんが泣く暇もないほどのデコピンの連続。泣く隙はなくとも猫のような悲鳴で鳴いてくれる。 なおもデコピンを続けるととうとう人間で言う鼻の辺りから餡子が漏れ始めた。 「わ"がら"っ、な"い"…っ!!」 デコピンにも飽きたので今度は尻尾を握る。 尻尾の感触をいくらか楽しんだあと、二本ある尻尾のうち一本を引きちぎった。 「わ"、わ"がら"な"い"よ"!?」 大事な尻尾を千切られて、デコピンで潰れかけた顔をさらにゆがませて苦しそうな鳴き声をあげた。 もう一本の尻尾も引きちぎる。再び悲鳴が響く。 ちぇんの尻尾の生えていた部分からは中身が少しずつ流れ出てしまっている。 「わがら、わがらない…よ……」 尻尾が無くなって途端に元気、というよりも生気を失っていくちぇん。 そろそろ終わりにしようか。 左右の手の平でちぇんを潰していく。 「わ"っ、がっ、ら"っ、な"い"ぃぃぃ!!」 おてての皺と皺を合わせて幸せとはまさにこのこと。 手の平で押し潰したちぇんはもうわかることもわからないことも無くなった。 ちぇんの処理の終わり、もう用はないのでミキサーの箱に放り込んだ。 夕方の六時にゆっくりペットショップは閉店する。 店の出入り口を施錠して窓のブラインドを下げてゆっくり達の餌を替える。 この時にも喧嘩したり他のゆっくりの分まで餌を食べるゆっくりは処分する。 例えば他のゆっくりを押しつぶそうとしたありすは万力で押しつぶし、 ゆっくり苛めに参加した冷たい性格のゆっくりは冷凍庫に入れたりと色々だ。 ケースの中のゆっくりがゆっくりし始めたらケースに暗幕をかける。 「ゅ…」 「ゆっくりしていってね…」 「ゆー…ゅー…」 ゆっくり達は暗くなればすぐに眠りだす。暗幕をはずせばすぐに目を覚ますだろうけどゆっくりのストレスになるのでやめておく。 倉庫のゆっくり達も同じように寝かしつける。 ゆっくり親子のケースでは、私を見て寝る時間だと気づいた親ゆっくりが赤ちゃんゆっくりを自分の傍へと呼びよせる。 赤ちゃんゆっくりが集まると私の方を向くと合図の鳴き声を発する。 「ゆっくりしていってね!!!」 「「「「「ゆっくりちていってね!!!」」」」」 暗幕をかけると中からは早速寝息が聞こえる。 そんな感じで他のゆっくり親子も寝かしつけると倉庫には幸せそうな寝息と、苦しそうなゆっくりのうめき声だけが響いた。 ゆっくり達を寝かしつけたが私の仕事はまだ残っている。 明日のゆっくり達の餌を寝る前に準備するのだ。 ミキサーと書かれた箱の中には数匹のゆっくり達が詰まっていた。 大半は死んでいるが何匹かは力の無い鳴き声を上げて何とか生きている。 言うまでもないが、この箱に入ったゆっくりの結末はミキサーで刻まれることだ。 タイ焼き屋や工場なんかで見られる巨大なミキサーに箱のゆっくり達を放り込んでいく。 中に放り込まれたゆっくり達は明日の朝までゆっくりとかき混ぜられて他のゆっくりの餌になる。 一説には遺伝子が取り込まれるとかなんとか。 少なくとも恐怖を味わわせただけあって美味しい餌になるのでゆっくり達は残さず食べてくれている。 とにかくこれで今日の業務は全ておしまい。 自分の時間を過ごしたらもう寝よう。 何せゆっくりペットショップの朝は早い。 明日も問題を起こすゆっくりが出ることを願いつつ、私は眠りについた。 終 by ゆっくりしたい人 キャラに個性を出さないように虐めようかと思ったけど難しいものですね。 個人的には机に刺したゆっくりを一日中ゆっくりと眺めたいなぁと自分で書いてて思ったり。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1637.html
ゆっくりとニダーの共通点 「ここはまりさとれいむのゆっくりプレイスだよ! ゆっくりできないおじさんはおいしいおかしをもってこないならとっとと出て行ってね!」 「この駅前の一等地は戦勝国のウリ様達のパチンコ屋にするニダ! 敗戦国のチョッパリはとっとと権利書渡して死ぬニダ!(暴行→死亡者多数)」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「ゆゆっ!にんげんごときがむれでさいきょうのまりさにかとうなんてばかだね!ゆっくり死ね!」 「チョッパリなんかが半万年の歴史と輝かしい文化を誇るウリ達に勝てるはずないニダ!10年後には余裕で追い越してるニダ!」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ゆ「むーしゃ!むーしゃ!しあわせー!」 鬼「ああっ!お前ら人のうちで(ry」 ゆ「ゆゆっ!おじさんばかなn(ry」 ニダ「キムチとマッコルリ食べるニダ!」 店員「お客様、当店への食事の持ち込みはおやめ下さい 特に臭いの強い食べ物を持ち込まれますと他のおky」 ニダ「ニダァァァァァ!ウリ達が何持ち込もうと勝手ニダ! これはシャベツニダ!謝罪と賠償を要求するニダ!」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「お前らのせいで餓死者が出そうなんだよ糞饅頭が!」 「ゆ?でもにんげんがしんだってれいむたちにはなんのかんけいもないよ!ばかなの?しぬの?」 「子供が怪我を(ry」 「へー、子供がケガしたのか…でも日本人でしょ」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「ま゙り゙ざがわ゙いいよぉぉぉぉ!!!ん ほ お お お お お お お !!」 「70歳のババアでも構わんニダ!萌えるニダ!レイープするニダ!」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「ま゙り゙さぁぁぁぁ!ここからだじでぇぇぇぇ!」 「おお、みじめみじめ。まりさはここでゆっくりするかられいむはそこでずっとくるしんでてね! まりさはおじさんからもらったおかしでゆっくりするよ!むーs(ry」 「韓国のことわざ:川に落ちた犬は棒で叩け」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 他にも腐るほどありそうだね。吐き気がするね! このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1186.html
人間じゃない生き物が主人公です。 そいつの独白とかはありませんが、それでも難点があるでしょう。 「ハチにそんな知能あるのかよwwww」とか「成長はええwwwwww」とか「毒は?wwww」とかですね……。 気になる方は多いと思われます。若干胸を悪くするような描写もあります。 また昆虫嫌いの方にはお勧めいたしません。それでもよろしければ、 色々と見逃しつつお楽しみください。 そのハチは困惑していた。そろそろ産卵しようと決めていたが、 未来の子供達のための、あたたかな寝床を見つけあぐねていたのだ。 ようやくしつこい雨があがって、涼やかな秋の風が吹き始めたため、 『彼女』はようやく、ねぐらを抜け出したのだった。 幻想郷の森にも、多様なハチが生息している。 大きなクマンバチから、猛毒を持つスズメバチまで。 一般にハチの巣というと、見慣れたあの形を思い起こすだろう。 人家や、樹木にぶら下がるようにしてある、球形のアレである。 しかし、このハチの場合は少し違っていた。 壮大な巣を地道につくりあげていくのではなく、 自らより弱い生き物をとらえ、毒を注射し、そこに産卵するのだ。 犠牲者はすなわち、幼虫達の寝床であり、食料でもあるのだった。 神経毒によって麻痺した獲物は、ハチの住処に引き摺りこまれ、 じわじわと、生殺しにされるというわけである。 体長2cmほどの小さなハチではあったが、捕食者としての能力には、 並外れたものがあると言ってよいだろう。 そして、そのハチ――ジガバチは、どこからともなく漏れ聞こえてくる、 ハチにとっても「間抜け」に思われる、珍妙なリズムを感じ取った。 「ゆっゆっゆ~♪ゆっゆゆ ゆっゆ ゆっゆ~♪」 「「「わぁおかあさん、おうたがじょうず!!!」」」 それはどうやら、巷で噂の「ゆっくり」の家族であるらしい。 『彼女』はたぐるようにして、いびつな調べの発生源へと向ってゆく。 あくまで静かなその様子は、まるでステルス戦闘機のようである。 「ゆっ!そろそろおゆうはんのじかんだね! ゆっくりごはんにしようね!!」 「「「ゆっ! おゆうはん!おゆうはん!」」」 『彼女』がたどりついたのは、大樹の根元にかまえられた、ゆっくり一家のねぐらである。 遠巻きに、一家団欒の様子をながめ、家族構成を調べる。 親れいむとまりさが一匹ずつ、子れいむとまりさがそれぞれ三匹ずつ。 計八匹の、中規模のゆっくり家族であることがわかる。 「きょうのごはんは そとにころがってた むしさんだよ! まるまるふとっておいしそうだね! ゆっくりあじわってね!!」 「「「ゆ~っ!おいしそう!!!」」」 「うっめ!これメッチャうっめ!」 「むーしゃ♪むーしゃ♪しあわせ~~~!!」 ゆっくりたちの晩餐がはじまる。あたりかまわず、食いかすをまき散らし、げっぷを連発。 小さな子供たちはまだしも、親である二匹まで、この有様である。しかし。 何より『彼女』の神経を逆撫でしたのは、昆虫にとってもクズに等しい「ゆっくり」どもに、 『彼女』の眷属たる、ハチや、たっぷりミツを湛えたミツアリたちが、既に絶命しているとは言え、 むさぼり食われ、はずかしめられているという事実であった。 にわかに『彼女』の心の中に、「こいつらに産み付ければ一石二鳥」という名案が浮かぶ。 普段狙いをつける動物よりも、その図体は何倍も大きいというリスクこそあったが、 連中は何より、理想的な栄養源たる、餡子のかたまりなのである。 動きは極めて鈍く、昆虫に対する警戒心も果てしなく薄い。思考力も乏しい。 むしろ、いつもより「ゆっくりとした」狩りになるのではないか。 『彼女』は、見苦しい食事を続ける一家の巣穴へ、ふわりと舞い込んでいった。 「ゆっ!? おかあさん、はちさんがはいってきたよ!!」 「ゆゆゆっ、ほんとう!こんなおそくに、まよっちゃったのかな?」 「はちさん、ゆっくりしていってね!!」 『彼女』の侵入に気付いた子まりさが、驚きの叫び声をあげる。 しかしながら、そこはゆっくりブレインである。まずはお決まりの文句をぶつけた。 「ゆぅ~っ、おうちをまちがえてるね!!」 暢気なゆっくりたちは、どうやら揃って満腹したようで、『彼女』を捕らえるつもりはないらしい。 むしろ、一人合点して、心配する素振りをさえ見せ始める。 「はちさん、こんやはまりさたちのおうちでゆっくりしてもいいんだぜ!」 「ゆっ、そうだね!ここはれいむたちのじまんのおうちだからね!!」 「「ゆっ!おきゃくさん!まりさたちのおうちにゆっくりとまっていってね!!」」 一日精一杯ゆっくりして、あたたかい巣に帰り、腹もふくれ、すっかり安心しきっているのだろう。 連中の言葉でいえば、まさしく「ゆっくりしている」状態だった。この状況を『彼女』は冷静に分析する。 「油断しきっているな」と。 「ゆっ、そろそろねるじかんだね!こどもたちはゆっくりおへやにもどってね!」 「ゆ~~っ、もっとはちさんとあそびたいよ!!」 だだをこねる子ゆっくりたち。しかし、遊び疲れた様子で、渋々自室へかえってゆく。 部屋といっても、扉などない、わずかなくぼみに過ぎないものではあった。 「ゆぅぅ~っ、すりすり♪れいむのほっぺはあったかいね!!とてもゆっくりできるよ!!」 「まりさだってとってもゆっくりしてるよ!!いっしょにゆっくりできるね!!」 そんな、あたたかいお部屋のなかで、ほっぺたをすり合わせ、今日一日の楽しかったできごとを反芻する。 こうしたスキンシップや回想も、ゆっくりたちにとって重要な作業なのである。 次第に夜はふけてゆき、まどろみ始めるゆっくり一家。 空高くにきらめく星たちが、一層輝きを増す頃、一家は完全なるノンレム睡眠のさなかにあった。 そして、狩人の時間が代わりに訪れる。積まれた枯れ枝の陰に息を潜めていた『彼女』が、静かに舞い上がる。 翌朝。小鳥たちの騒ぐ声で、いつものように、一番最初に目覚めたのは、母れいむだった。 数日前の悪天候もどこへやら、外はすっかり、爽やかな秋のムードに包まれているようだ。 ――だが。同時に母れいむは、自らの後頭部(?)に、言いようのない異物感をも感じていた。 「ゆっ!みんな、ゆっくりおきてね!きょうもはれたから、ぴくにっくにいくよ!!」 「…ゆぅ~っ」 「…ゆっ!ぴくにっく!」 「ゆゆっ、まだゆっくりねてたいよ…」 奇妙な感覚を忘れ去ろうとするかのように、母れいむは夫と子供たちを起こしにかかる。 その反応は様々だったが、「ぴくにっく」という、とてもゆっくりした単語を耳にし、むくり、むくりと起きはじめる。 母れいむが、夢心地の子供たちを引率し、おうちの外に連れ出していく。 しかし、「おへや」の隅にむこうを向いて寝転がったまま、ぴくりとも動かない、末っ子れいむに気付く。 「ゆっ?れいむ、どうしたの?ゆっくりおきてね!おいていっちゃうよ!!」 親まりさの呼び掛けにも、微動だにせず、眠りこける子れいむ。その後も、親の呼び掛けは続いたが、 一向に目覚める気配がない。痺れを切らせた親まりさが、子れいむに近付き、リボンをぐいぐいとひっぱり始めた。 「ふぇいふ!ふゃっふゃひょほひはいほほいへふほ!(れいむ!さっさとおきないとおいてくよ!) 親まりさが子れいむのリボンを引っ張った為、自然、ぐるりと体の向きが入れ替わる。 しあわせな夢を見て、実にゆっくりとした表情で眠っているのであろう。 いくばくかの微笑みを湛えて、わが子の安らかな寝顔を想像していた親まりさ。――しかし。 「れいむ、はやくおきな―――ゆ゛っっ゛!?れいむ゛?れ゛いぶっっ!??」 ごろん、と、力なく転がり、こちらを向いた子れいむの表情は、「安らかさ」とはかけ離れたものだった。 白目をむき、その目を見開き、歯茎をむきだしにしつつ、歯を食いしばっている。 よく見れば、その歯と歯のすきまからは、餡子色をした泡をさえ吹き出し、にじませているではないか。 いくら知能が低く、状況を認識・把握する能力を欠いたゆっくりでさえ、この、常識外れの苦しみを味わい尽くし、 地獄の大鍋の鍋底をさえ舐め尽したとでもいうような、苦悶の表情をうかべるわが子の様子からは、 異変を感じ取らざるを得なかった。 「でい゛ぶ!!!でい゛ぶぅぅぅぅっ゛!!!どぼぢだの゛おぉぉぉおっっっ゛!!!べんじじでよ゛ぼぉぉぉ゛っっ゛!!」 巣穴の奥からの、けたたましい悲鳴に驚いたのは、ピクニックの準備をすませ、 おうちの前で、ゆっくりと母と姉妹を待っていた、残りのゆっくり家族たちだった。 「ゆっ!?おかあさんのこえだよ!!」 「ゆぅっ、ふつうのこえじゃないよ!!なにかあったの!?」 にわかに、騒ぎ始める子ゆっくりたち。それを制する母れいむ。 「ゆっ、みんな、おかあさんはなかのようすをみてくるよ!おうちのいりぐちで、ゆっくりじっとしててね!!」 「「「ゆっくりみてきてね!!!」」」 いったい、何があったというのだろう。まりさは普段、とても温厚で、声を荒げたことなど一度もなかった。 「これからもずっと、ゆっくりとして生きていきたい」という思いに、影を落とすような不安を振り払うかのように、 母れいむは懸命に跳ね飛び、大きな、立派なおうちの奥、こどもべやを目指して駆けた。 そこで繰り広げられていたのは、想像を絶する惨状だった。 大切な、大切な子供たちの、ちょっと手狭で、寄り集まってゆっくりするには最高のおへやのなかでは、 同じくらい大切な、配偶者のまりさが、見たこともない泣き顔で、喉も裂けよと言わんばかりの声を張り上げ、 わんわん泣いていた。そのかたわらに転がっていたのは、すっかり冷たくなった、わが子の亡き骸であった。 見れば、尋常ではない表情を浮かべているではないか。急速に、母れいむのゆっくりブレインに、 「泣きわめきたい」という衝動がわきあがってくるが、家族のためを思い、必死にそれを制する。 「ばり゛ざ!!どう゛じだの゛!どう゛じでれい゛むのこどもがじんじゃったの!!!ゆ゛っぐり゛せつめ゛いじでね!!!」 「ゆっ…ゆ゛っ…ば…ばがら゛な゛びよおお゛ぉほぉぉっ!!!!い゛づまでもねてるから゛、ゆっぐりおごじだだげなぼびぃぃいっ!!!」 駄目だ、とても会話ができる状況ではない。母れいむは、こみ上げる涙に潤んだ瞳で、わが子を見つめる。 つい昨日までは、みんなで仲良く飛び跳ねて、とてもゆっくりと暮らしていたはずだったのに。どうして。どうして。 母れいむの頭のなかにぎっしり詰まった餡子の分だけ、この末っ子との思い出も詰まっている。 ゆっくりという種族は、記憶力が乏しいとは言え、家族間の絆は、極めて強固なのである。 母れいむの餡子脳が、楽しかった思い出を求めて、ぐるぐると回り始める。どうして。どうして…! 「ゆ゛うぅ゛っ……!!…………ゆ゛っ??」 泣きわめいていた母まりさが、しゃくり上げると同時に、ぴたりと泣き止んだ。死んでしまったとばかり思っていた、 子れいむの体が、ぴくりぴくり、とうごめきだしたからである。母れいむのほうも、空想に耽るのをやめて、 わが子に駆け寄った。 「れいむ!れいむ!!まだいきてたのね゛!!!よがっだ!!!」 「よ゛がっだあああぁぁあぁ!!でい゛ぶううっっ゛っ!!!」 助かった。子れいむは助かったんだ。二匹の心やさしい親ゆっくりは、ない胸を撫で下ろしたい気持だった。ところが、である。 ぴくぴくと、子れいむは、確かに動いているようである。しかし、おかしいのは、浮かべた苦しみの表情にまるで変化がなく、 自発的に「動いている」というよりは、むしろ誰かに「動かされている」という感じなのだ。訝しげな両親。 「ゆぅぅっ…れいむ、どうしちゃったの……」 もっと近くで、と母まりさが子れいむに近づいた、その時。母まりさは、わが子の皮膚の下でうごめく「何か」を見て取った。 「ゆ゛っ゛っっ!!?」 「ど、どうしたの、まりさ!!!ゆっくりれいむにもみせてね!!」 母れいむが飛び跳ねて、近寄り、うごめく「何か」凝視する。それは―― まさしく、子れいむの中に詰まった、餡子をむさぼるっていた。しきりに、もぞもぞと動いていた。 「ゆっぎゃぎゃああああああ゛あ゛あ゛ああああああああああああ゛ああああ゛!!?」 奇声ともいえる、珍奇な悲鳴を、大音声をあげる両親の目の前で、子れいむは何かに「食われて」いた。 それがいる部分の皮膚が大きく盛り上がって、そこから、音がしそうなほどの勢いで、ベコン、ベコンと、 愛しい娘の餡子が吸い取られ、むさぼられていた。丸々と肥えて、元気なゆっくりに育ちつつあった愛娘は、 見る見るうちに、皮とリボンと、つやのない髪を残して、その存在を消し去られてしまった。 「でい゛ぶの゛ごどぼ!!!!だびじな゛ごども゛があ゛あ゛ああああ゛あ!!がら゛っぼに゛な゛っじゃっだあ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「でい゛ぶ!でびぶぶぶっっぽおおおお゛おお゛がががあががががが!!!」 堰を切ったように、両親の目から涙があふれ出した。さながら滝のようである。こどもべやをマイナスイオンが満たしてゆく。 「ゆ゛っぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!でびぶぼごどぼ!!!でびぶのあ゛がじゃ゛ん゛!!!」 「ばびざぼごどぼ!!!!ゆ゛がががああがががが!!!!どぼじでええええぇぇえ!!!」 泣き叫ぶゆっくりたちを尻目に、成果を見届けた『彼女』は子供部屋を後にする。 そう、『彼女』は、油断しきったゆっくりたちが爆睡していた真夜中に、一匹一匹、ゆっくりと、麻酔を注射し、産卵していったのだ。 そうした卵は、遅かれ早かれ、数日と経たぬうち、孵化して、中から獲物を食い破ってゆくのである。 今回は、一晩で、一匹だけが犠牲となった。若干のタイムラグは、致し方ない。――そうこうしているうちに。 「おかあさんたちおそいね!ゆっくりしすぎだよ!!」 「ほんとだね!!まりさたちまちくたびれちゃったよ!!」 「…ゆぅっ…ゆぅっ……」 「おうちのいりぐち」で、待ちぼうけを食らっていた子供たち。中には、退屈してしまい、先刻の夢の中へ舞い戻っているものもある。 そんな子ゆっくりたちにも、むろん、分け隔てなく、卵は産み付けられているわけである。現在進行形で、卵は孵化しつつあるのだ。 「おうたでもうたおうね!!!」 「ゆっくりうたおう!!」 「「「ゆ~ゆ~ゆ~♪ゆっゆ~ゆっゆゆっゆ♪」」」 「ゆ~ゆ~……ゆごぺっ!!?」 突如、一匹の子まりさが、ゆっくりの生命にも等しい餡子を、もりもりと吐き戻しはじめた。顔面蒼白、餡子色の涙を流して。 「ゆっ!?お゛ねえぢゃん、あ゛んごはいじぢゃだめ゛えええ゛ぇぇ゛っ゛!!!!」 「ゆぅぅっ!?どうぢだの゛!!!!!????」 「ゆ゛ぎっ!!ごわい゛よ゛おぉぉおおっ゛!!!!」 泣き叫ぶ姉妹をよそに、子まりさは痙攣しながら餡子を吐き出し続ける。僅かだった体内の異物感が、ある瞬間を境目に、 爆発的に膨れ上がる、おぞましい感覚。猛スピードで、体内の餡子を食い荒らされて、ものの数分で、子まりさは息絶えた。 「ゆ゛あ゛っ゛!!ぼね゛い゛ぢゃん゛がじんじゃっだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」 「ゆぐぐっ゛!!!ごわ゛いごわ゛いごわ゛いごわ゛いいいい゛いいい゛!!!」 当然のように姉妹たちは泣き叫ぶが、既に、それぞれの体にも、致命的な変化が起こり始めていた。 「ゆ゛ぎゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!ぼね゛え゛ぢゃ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!…ゆ゛!!ぶっ゛!???」 「ゆぎゃぴゆぴぃ゛ぃゅ゛ぃぃ゛!!!!!ぎゃ゛い゛い゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!…ゆっく ぶびびるっ!!!!??」 「ゆ゛ぴっ!?ぶべるびばぼごぺっっっっっ!!!!!!ぶり゛ゅりゃ゛っ゛!!!!」 「おうちのいりぐち」は、もはや阿鼻地獄、叫喚地獄の様相を呈していた。子ゆっくりたちは皆、餡子を噴き出して、 滝のような涙を流し、思い思いに泣き叫び、両親の名前を呼び続けた。無慈悲に、ジガバチの幼虫たちが、 子ゆっくりたちを食べ尽くし、いりぐちは静まり返っていた。 「ゆ゛っ゛…ゆ゛っ゛…ゆ゛…お゛があ゛ざん、でい゛ぶを゛ゆ゛っぐり゛だずげで…!!!」 虫の息の子れいむが、両親のいるはずの、こどもべやへと這いずっていた。 どうやら、体内の幼虫の数が少なく、致命傷には至っていない様子である。その懸命さは、ゆっくりにあるまじきものだった。 こどもべやについたら、おかあさんたちに、きもちわるい虫を取って貰おう。 そして、おいしいごはんを沢山もらって、いっぱいほおずりをしてもらって、傷がなおるまで、 ずっとずっと、ずっとゆっくりしていよう。 子れいむの餡子脳の奥に、母と言う名の希望の光が燃えていた。 その輝きを原動力に、満身創痍で、ボロ雑巾のような体で這いずってゆく。 おへやの直前の角を曲がった、子れいむの目に飛び込んできた光景は―― 餡子脳が凍りつく、恐ろしいものを見たかのような、驚愕の表情を浮かべた、姉れいむの残骸と、 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!……」と、餡子のつまった頭部をむき出しにし、 うわごとのように、意味をなさない言葉を繰り返し続ける、母まりさの姿。 床には、餡子の海が広がっており、その中央には、既に絶命し、苦痛に歪んだ顔をした、母れいむの死骸が転がっていた。 あまりの惨状に、言葉を失った子れいむ。 小刻みに震え、白目を剥いてうわ言を繰り返す、母まりさの頭頂部から、すぽん、と音を立てて、丸々と肥えた、 『彼女』のいとし子が、勢いよく顔をだした。 ある意味滑稽なその音は、絶望の淵にいた子れいむを一押しして、地獄の底へと転げ落ちさせるのには、十分すぎるものだった。 母まりさのうわ言が断絶し、完全な沈黙が、幸福だったゆっくり一家の「おうち」の支配者になり代わる。 『彼女』は満足げな羽音を立てて、最良の繁殖法を見出したことを、喜ばしく思った。 若干、ゆっくりどものせりふが少なかったと後悔しています。 至らないことばかりで、申し訳ありません。 お読みいただいて、ありがとうございました。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1399.html
あっさり短編集『妖怪とゆっくり』 幻想郷にいつの間にか大量発生したゆっくり。 それは人間の住処だけではなく、妖怪の住処にもよく姿を現すようになった。 人間も近寄らない妖怪の領域に入ったゆっくりはどうなるのか。 case1:つるべ落とし 暗く静かな森の中をゆっくり霊夢の姉妹が跳ねまわっていた。 まともな思考を持った者なら森の異様な雰囲気に恐怖や不安を持ちそうなものだがこの二匹は呑気なもので、 「しずかでゆっくりできるね!」 「よるになるまえにおうちをゆっくりさがそうね!」 などと和やかに話していた。 と、その時だった。 木の上から何か大きな物が落ちてくる。 「ゆっ?」 「ゆっくりおどろいたよ! なんなのもう!」 見るとそれはゆっくりと同じで生首だった。しかし見た目はごつく恐ろしい男の顔ではあるが。 「ゆゆ? はじめてみるゆっくりだね!」 「すっごくおっきいよ!」 「「ゆっくりしていってね!!」」 ゆっくり霊夢姉妹はゆっくり特有の挨拶をするが男の生首は何も言わず、品定めをするようにれいむ達を見ている。 「ゆ? ゆっくりしていってね!!」 何度言っても挨拶を返してこない。 それもそのはずだろう。 この男の生首は妖怪・つるべ落とし。 カヤや松の木の上に棲んでいるといわれている妖怪で、人が木の近くを通りかかると、木の上から落ちてきて、人を引っ張り上げて食べてしまうという妖怪だ。 つるべ落としからすれば、目の前のゆっくり達が体の無い人間に見えていた。 となれば食べるしかない。妖怪は人間を襲ってこそ妖怪なのだ。 「あいさつしないなんてゆっくりできないね!!」 「れいむたちのじゃまだからどっかいってね!!」 れいむ姉妹はつるべ落としをゆっくりできない認定すると途端に攻撃的になる。 だがそれも一瞬だった。 つるべ落としは口を大きく開き、れいむ姉妹に噛みついた。 「ゆぎぃぃぃぃぃぃ!?」 「いだっい"!! なにずるのぉぉぉぉぉ!!!」 れいむたちの声を無視してつるべ落としは木の上へとするすると上がっていく。 正常な状態なら「おそらをとんでるみたい!」なんて言ったかも知れないが、自分と同じぐらい大きな歯が体を挟んでいてとてもじゃないがそんな余裕はない。 「あ"あ"あ"あ"!! はなじでええぇぇぇ!!!」 「だずげで!! い"だい"よ"!! ゆるじでえぇ!!!」 れいむたちは必死に命乞いをするがそれに応じるぐらいならば最初から襲ってなどいない。 つるべ落としはガツガツとれいむ姉妹を咀嚼し飲み込んでしまった。 人間ってこんなに甘かったか? とつるべ落としは疑問に思ったが、美味しかったのでまあいいかと眠りについた。 case2:牛鬼 れいむとまりさ、そしてぱちゅりーの仲良しゆっくり三人組はゆっくりできない人里を遠く離れ、知らぬうちに妖怪の森へと来ていた。 「ここまで来ればもうにんげんたちはこれないね!」 と勝ち誇ったようにまりさ。 「にげみちをあらかじめかんがえておいてせいかいだったわね」 と当然とばかりにぱちゅりー。 「そろそろ暗くなってきたからおうちさがそうね!」 と過去を(本気で)忘れて未来を考えるれいむ。 三匹は見慣れない森の中をおうちを見つけるために跳ねまわるうちに崖の下にある大きな洞窟を見つけた。 入口が大きく捕食者が入ってくるかも、とぱちゅりーは思ったがその時すでに日は暮れていた。 とりあえず今夜だけでもと三匹は洞窟の中でゆっくり眠ることにした。 だが三匹は選択を誤った。 洞窟の中にはすでに凶悪凶暴な捕食者がいたのだから。 洞窟に入ってまもなくするとそれは現れた。 ズンッ 「ゆ? なんのおと?」 「しらないわ。かみなりかなにかじゃない?」 「おくになにかいるよ!」 圧倒的な威圧感でそれは三匹の前に姿を見せた。 牛の首に蜘蛛の胴体を持つ妖怪・牛鬼である。 その性格は非常に残忍で獰猛、毒を吐き人を食い殺すことを好む普通の人間では到底敵わない強力な妖怪である。 「な、なんなのこれ! こわいよ!!」 「だいじょうぶよれいむ。これはただのくもよ」 異様な姿に怖がるれいむだがぱちゅりーは冷静だった。 「ここはまりさたちのおうちだよ! ゆっくりでてってね!!」 まりさに至ってはこの態度である。 しかし牛鬼は気にしない、というより人の言葉などそもそも理解できない。 牛鬼はまず、獲物を逃がさないために麻痺する毒を吐いた。 霧状の毒なのでまず避けられない。 「ゆ? なにこれ?」 「しってるわ。すなけむりね」 「ぱちゅりー、たぶんちがう…よ……?」 牛鬼の痺れ毒を吸い込んだゆっくり達はたちまち体がしびれていく。 「な、ん、な、の? か、らだ…がおか、し…い……よ」 「ま、ひね。しび、れるこ、と、を…まひ、ってい、う、のよ」 しゃべることすらままならなくなった三匹を牛鬼はギョロリと大きな眼で睨みつける。 「ゆ"、ゆ"っぐり、だず、げ…で、ね!」 人を食い殺すのが好きな牛鬼である。 首だけの人間に見えるゆっくり達はもはや食い殺されるしか無い。 まずはずっと的外れの事ばかり言っているぱちゅりーからだった。 「む、むぎゅ…うぅぅ!」 牛鬼はぱちゅりーの帽子の上からがぶり付き、体の上半分だけ飲み込んだ。 やろうと思えば一口ですべて飲みこめるのだが、苦しむ表情を見るためにあえてこうした。 「むぎゅっぁぁあぁぁあぁっ!!!」 人で言う鼻より上の部分を噛み千切られて残った口が苦しみの悲鳴を発する。 「ば、ばぢゅ、りぃぃぃ…!!」 「あ"あ"あ"あ"、あ"あ"、あ"、あ"!!!」 親友の悲惨な姿に残った二匹は悲鳴をあげる。 牛鬼はさらに、先の尖った足でパチュリーの餡子をかき混ぜる。 「むっぎゅっぎゃっぎょっぎぇっ!!!」 ぱちゅりーは今までに聞いたことがないほど大きな声を出した。それが声と呼べるのかどうかは別だが。 十分かき混ぜた後、牛鬼は残るぱちゅりーの下半身をぺろりと飲み込んだ。 「う"あ"…ああ"ぁ」 「もうおうぢがえじでぇぇぇ!!」 だが気分の乗ってきた牛鬼は次にまりさを標的にしたようだ。 まりさは鋭い牙で穴をあけ、そこから餡子を吸いだしていく。 「や"め、やめでぇぇぇ! ずわないでぇぇぇ!!」 じゅるじゅるとまりさの中身が吸われていく。 徐々に干からびるまりさをれいむは泣きながら見ている。 「…! …!!」 完全に中身を失ってもはや声も出ないらしい。 皮だけになったまりさは地面の上に捨てられた。 次はれいむの番だ。 牛鬼はれいむににじり寄る。 れいむはただまりさのデスマスクに助けを求めるような視線を向けていたが、次の瞬間体に緑の粘液にまみれた。 「ゆ"っ!? な"に"ごれ"…!」 それは牛鬼の毒。先ほどの痺れ毒とは違って苦しませて緩やかに殺すための毒。 だが牛鬼にとって誤算だったのは相手が人間ほど大きくなく、さらに毒の耐性も最低レベルだったこと。 「ゆ"っぐり"でぎな"い"……んぐ、う、うぼぉぉっ!!」 牛鬼の毒はすぐにれいむの全身を侵し、れいむは餡子を吐きだしていく。 れいむの小さな体から吐き出された餡子はすでに全体の2/3。それは致死量だった。 「ゅ"……ゅ"…」 毒に反応してうめき声を出す口もその後すぐに止まってしまった。 牛鬼はあっけなくれいむが死んでつまらなさそうにしたが、その後すぐにれいむを腹に収めた。 牛鬼は驚いていた。 しばらく振りに食べた人間はいつの間にこんなに甘くなっていたのか。 牛鬼は次の獲物を求めて洞窟の外へと出かけていった。 case3:毛玉 タンポポが黄色い花から白い綿になる頃、ゆっくり霊夢の家族は野原でゆっくり遊んでいた。 母ゆっくりの「あまりはなれないでね!」という忠告を守って5匹の子れいむが辺りを飛び回っている。 子れいむ達は次から次へとタンポポに息を吹きかけて種がゆっくり飛んでいく様子を見て楽しんでいた。 その中、子供たちはふわふわと浮かぶ白い毛玉を見つけた。 それは妖精の一種で、何を考えてるのか分からないがただ浮かんでいるだけである。 ただし、自分を敵意を向けるものに対しては妖弾を撃って反撃してくるし、隊列を組んで襲ってもくるという謎の性質を持っている。 easy毛玉なら一般人でも弾に当たりさえしなければ勝てる。 Luna毛玉となると激しい弾幕を放ってくるので鍛えていても油断はできない相手となる。 まぁ、博麗の巫女や恋色魔法使いであれば画面に出てきた瞬間に倒せてしまう相手でもあるが。 しかしそんな生物をゆっくり達は知らない。 異変がない時に毛玉が姿を現すことは稀だったから。 子れいむはゆっくり浮かぶ毛玉に愛着を持ったらしく親しげに話しかける。 「ゆっくりしていってね!」 「こっちでゆっくりあそぼうよ!!」 「ゆっくちおりてきてね!」 しかし毛玉はゆっくり達の声などどこ吹く風。 ゆっくり以上にゆっくりしていた。 反応のない毛玉に子れいむ達は怒り出した。 「ゆっくりおりてきてっていってるでしょ!」 「きこえないの? ばかなの?」 「ゆっくりさせてほしいならはやくおりてきてね!!」 「おりてきたらゆるしてあげるよ!」 「いってもむだだよ! あたまわるいんだよ、あれ!」 子れいむ達の罵倒に毛玉は振り返った。 ようやく聞き入れたのかと子れいむ達はやれやれと言った感じだ。 だが次の瞬間毛玉の口から青い妖弾が放たれる。 自機狙いの弾だ。 「ゅ"!」 この一発で子れいむ一匹は潰れて死んだ。 「ゆぅぅぅぅぅ!?」 「なにずるのおぉぉぉぉ!!」 「ゆっくりできないよ!」 「いやぁぁぁぁぁ!!!」 子れいむ達はパニックになった。 その様子に蝶々を眺めていた親れいむが寄って来た。 「あ"あ"あ"あ"あ"あ"!! れいむのあがじゃんがあぁぁぁ!!」 「おかーしゃん、あいつがやったんだよ!」 「ゆっくりしないでこらしめてね!!」 「やっちゃえやっちゃえ!!」 「ゆう"ぉぉぉぉぉっ!!」 親れいむは怒りを込めて毛玉に突進する。 地面近くに降りていた毛玉は再び弾を発射する。 「そんなのあたらないよ!!」 「ゅべっ!?」 しかし親れいむの後ろにいた子れいむが潰れた。 毛玉が狙っていたのは今潰れた子れいむだったのだから親れいむに当たらないのは当然だった。 「まだあがじゃんを! ゆっぐりじねぇぇぇ!!」 親れいむの体当たりが毛玉に炸裂し、毛玉は何も言わずに霧散した。 「こどもをつぶしたばつだよ! ゆっくりしんでってね!!」 親れいむは勝ち誇った顔をする。 「よわかったね! さすがおかーしゃんだ!!」 「これでまたゆっくりできるね!!」 「ゆっくりちようね!!」 残る子れいむ達もまた自分がやったかのように勝ち誇っていた。 「この子たちの分までゆっくりしようね!」 潰れて死んだ子れいむ二匹のお墓を作った親れいむはそう言った。 その声に応えようとする子れいむだったがそれは叶わなかった。 「うぶっ!?」 突然飛んできた赤色の発光体に一匹の子れいむが潰された。 「ゆっ!? あ"ぁ"ぁ"!! れいむのごどもがぁぁぁぁ!!!」 「ゅぅぅぅ!! ぉねぇちゃぁん!!!」 「ゆゆゆ!!! おそらにしろいのがいっぱいいるよ!!」 子れいむの言葉に空を見上げる親れいむともう一匹の子れいむ。 そこには20~30の毛玉が隊列を組んで浮かんでいた。 そして何を言うでもなく始まる毛玉達の弾幕。 親れいむが倒した毛玉はeasyの毛玉だった。 だから自機狙いの弾を一発ずつしか撃てずに親れいむでも倒せた。 しかし今回現れた毛玉たちはLunaticの毛玉。 数十の弾を連続して放つことができる毛玉で、それも1匹でなく20~30匹もいる。 辺りは弾幕で包まれた。 体の大きな親れいむは体中を穴だらけにして即死した。 子れいむのうち一匹は弾の一発で潰れて死んだ。 残る一匹は一発目は避けることが出来た。 続く二発目はグレイズして頬を削られた。 三発目で体を貫かれた。 そして続く四発目以降の弾で跡形もなくなった。 そして後に残ったのは潰れた饅頭だけ。 毛玉はゆっくり家族が力尽きたことを確認するとどこかへフワフワ飛び去っていった。 終 by ゆっくりしたい人 名無しのお兄さん・おじさんでは無く、名無しの妖怪で実験的にゆっくりを虐めてみた。 このSSを書くにあたって妖怪について調べたけど妖怪多すぎ。 毛玉って何よって人のために補足。 毛玉は東方のステージ途中に出てくる雑魚敵の愛称です。 基本的に一瞬で屠れる雑魚なのですがゆっくりにとっては強敵だよな。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/444.html
注意 この話には俗にいう「良いゆっくり」と「悪いゆっくり」が出てきます またゆっくりをペットとして飼っている人が出てきます そういうのが嫌いな人は読まない方がいいかもしれません また、まだ虐待的な描写もありません あと東方キャラも出てきます そこも注意 「ひゃっはー!!勝手に人の家に入ろうとするような屑は消毒だぁ!!」 「ゆゆっ!!」 「ゆっ!!にんげんだよ!!ゆっくりできないよ!!」 「ゆゆ、おにいさん!ゆっくりしていってね!!」 「だが断る」 プチン!! 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!ま゛り゛さ゛のあか゛ち゛ゃんがあ゛ぁ!!」 「さぁーて、次はどの子を潰そうかなぁ?」 「ゆゆ!?まりさはわるくないよ!!わるいのはこのこたちだよ!!このこはころしていいからまりさはゆっくりたすけてね!!」 「お゛か゛あ゛ぁーん゛!?!?」 「どぉじでぞんな゛ごとい゛う゛の゛ぉお!?!?」 「そうかそうか、じゃあ悪い子供から潰してあげよう」 「れいむ!にげて!!」 「れーむおねえちゃん!!れーむもいっちょにゆっちゅりちたいよ!!」 「だめだよ!!れいむだけでもゆっくりしていってね!!」 「おねえちゃん!!どおちてみじゅにおちょすのお!?」 「あ!!…あーあ、川に落としやがった…ま、いいや、どうせ助からないだろうし!!」 「そんなことないよ!!あのれいむはれいむのぶんまでゆっくりしてくれるよ!」 「うるさいよ!!れいむはおかーさんをたすけるためにゆっくりにんげんにつぶされてね!!」 「まあ、親子共々つぶすんだけどね、そぉい!!」 「どぉじでぇ!だすげてく゛れ゛るん゛じゃないの゛ぉお゛!?!?」 「れいぶー!!べいむのぶんまでゆっぶげっ!!」 「ゆゆゆっ!おねえちぁーん!!!」 「よお、れいむ、お早いお目覚めだったな」 俺の飼っているれいむがいつもより起きるのが遅いと思ったら急に叫びだした、またあの夢を見たのか 「ゆっ、ゆっ、ゆっ…」 あーあ、また泣き出しちゃったよ 「どうした?また怖い夢でも見たのか?」 「お、おにいざん!!こわいよ!!ゆっくりできなかったよぉお!!」 「あぁ、大丈夫だ、俺がいる間はお前は守ってやるから、な?」 「う、うん、ゆっくりできるよぉ…」 このゆっくりを飼い始めたのはちょうど1年ほど前だ 庭で草むしりをしていたら家のすぐそばの小川の岸でぐったりしていたところを発見、保護したのだ 自分はゆっくりは嫌いではない、だからと言って必要以上に溺愛したりもしない ただ、害を加えるゆっくりには断固とした態度で制裁すべきだとは思っている れいむの家族は人間の家に侵入しようとして石でガラスを割ったところを人間に見つかり攻撃された 親に裏切られ、死ぬかと思ったが姉に川に突き落とされたことで何とか助かったらしい 最初は自分と目を合わせようとしない、餌を出しても食べようとしない、毒見しても食べようとしないので無理やり口移しで飲ませた なにもただのゆっくりにそこまでしてやる理由はなかった ただの偽善とか独善だったのかもしれない ただ、このれいむは回復した後俺を慕ってくれるようになった、最初のころはゆっくり独特の傲慢さも目立った。 俺が仕事から帰ってきた直後に 「ゆゆっ!!おにいさんおかえりなさい!!いのちのおんじんのおにいさんはきょうもれいむのいえでゆっくりさせてあげるよ!!」 とか言ってきたときは本気で殺したくなったがその場は押さえ、ゆっくり関連の本を読んで何とかしつけることに成功した そしてついに先週、飼いゆっくりの最高峰「ゆっくりゴールドバッチ」を手に入れた 最初は怪我が治るまで世話してやろうと思ったがれいむの願いで餡子を食べたこともある今ではそれなりに大切な相棒になってきている 「じゃ、俺は仕事に行ってくる、お前は何か用事があったっけ?」 「ゆゆっ?、わすれたのおにいさん!きょうはおさのいえでゆっくりしゅうかいのひだよ!!」 「すまん、忘れてた、じゃあ先に出てくれ、帰ったときに俺がいなかったら外の小屋で待っててくれ」 「しっかりりかいしたよ!!じゃあ、ゆっくりいってくるね!!」 ゆっくりしゅうかいとは里の長の飼いゆっくりが始めた飼いゆっくり達の会議のことである 会議といってもどこのゆっくりが亡くなった、そうしきをひらこう。とか やせいゆっくりがはたけをあらしてたよ、おお、おろかおろか。とか そんな話を各地区の代表が集まって話をするらしい そして俺は役場で仕事だ 外の世界から来た自分に幻想郷で生活ができるのかという不満があった だが識字率の決して高くないここでは漢字も読み書きでることが重宝され、里の役場で書類整理の仕事をしている あと学生時代の経験を生かして河童と外のコンピューターをいじくるのもいい副収入になっている 今日のゆっくり集会もいい感じにゆっくりできた そうれいむは思いながられいむは帰り道の途中で捕まえたトンボを食べていた お兄さんはいつもおいしいごはんを作ってくれる、だが万が一のことも考えて自分で餌を取ることもやめてはいない お兄さんもそれは理解していてご飯の前に今日はどれくらい食べるかと聞いてくれるので外で食べすぎてお兄さんを心配させることもない 「ゆゆっ!おにーさん!れいむがかえってきたよ!中に入れてね!!」 すぐにドアが開いた、今日はお仕事は早く終わったらしい 「おう、お帰り、俺はこの後酒場で飲みに行くけどお前も来るか?」 「ゆ…きょうはすこしつかれたからおにーさんのおうちでゆっくりするよ!ごはんはそとでたべたからきにしないでいいよ!!」 「そうか、わかった、棚の中にゆっくりフードがあるから腹が減ったらそれを食べてくれ」 酒場はみんなが優しくしてくれるから大好きだでもゆっくりを料理するしその声が聞こえてくることがあるから気分が乗らない日は行きたくない それはお兄さんも知っているからそれ以上はいってこない 周りの人間は目つきが怖いとかいうけどこのお兄さんは本当にいい人だ、この人に飼われて良かった 男が「じゃあ行ってくる」といって戸を開く ゆっくりが「ゆっくりきおつけてね!!のみすぎはだめだよ!!」と返事 「わかってるよ」と言いながら戸を閉め、鍵をかける男 道路わきの茂みの中からその光景を見る一対の目があった 続く? おまけ ゆっくりバッチについて 飼いゆっくりには飾りにバッチをつける決まりがある(飾りがないゆっくりには新しく髪飾りをつける) 最初のころはただの飾りだったが今ではブロンズ、シルバー、ゴールドの3種類のバッチがある。 ブロンズ これはただ人が飼っているゆっくりであることを証明するだけの飾りである 虐待お兄さんが一時的に甘やかすためだけに一時的につけることもあるのでこのバッチの付いているゆっくりは躾がなっていないことが多い そのため通常他人の飼いゆっくりを攻撃することは器物損壊に当たる犯罪だがブロンズバッチのゆっくりは被害をこうむった場合殺しても罪にならない シルバー ある程度人間と暮らすためのルールを覚えたゆっくりにつけられるバッチ、普通に可愛がりたい場合は最低でもこれがないといけない なお、ペットショップで売られる餡子増量型ゆっくりは無条件で付けることができ、通常のゆっくりもペットショップで試験を受けることで付けることができる ゴールド 最高のペットゆっくりにつけられるバッチ、このバッチをつけられたゆっくりは飾りのないゆっくりでもゆっくりと識別し攻撃しないなど、ゆっくりの常識を超えた行動ととることができる 当然試験も厳しい このバッチをもったゆっくりは労働力としてもある程度貴重でゆっくりを働かせているところではゆっくりの教育係として重宝している そのためこのバッチを持ったゆっくりがほかの所に出稼ぎに行くこともある ちなみに最低条件に「飾りのないゆっくりでもゆっくりと識別」することがあるがこれは過去に起きた事件に由来する 過去に起きた事件について 里周辺に住むあるゆっくりの群れが人里の飼いゆっくりのことを 「人間を飼いならし、おいしいものを独占する悪いゆっくり」として飼いゆっくりに対して執拗な攻撃を仕掛けてきた事件 その手口は飼いゆっくりの飾りを盗んでしまうというもの そのため飼いゆっくりによる飼いゆっくりの殺害が続出した だが飼いゆっくりの飾りをつけたゆっくりが人間に餌をねだった挙句つかまったため事件が発覚 その後飾りがなくても識別可能なゆっくりの育成、人間が区別できるように焼印によるマークによりゆっくりによるゆっくり殺害は激減、事件は沈静化した 現在でも飾りをなくしたゆっくりがゴールドゆっくりか里の人間に焼印を見せながら助けを求めることがある ちなみに加工所で売られている予備飾りをゆっくりの餡子で特殊加工することで飾りをなくしたゆっくりも社会復帰ができる ちなみに後に造られた飾りの方が優位性が高いため同じ飾りをもったゆっくりが現れて混乱が起きることはない あとがき どうも、セインでございます 飼いゆっくりに起きた悲劇…的なことを書こうとしたらまだ悲劇は起きませんでした…ごめんなさい 幻想郷は識字率が低い 幻想郷の文化レベルは戦国時代から江戸時代程度だと思ったのでこういう設定を作りましたが実際江戸時代の識字率は高かったらしいです… それにけーねが寺子屋で授業してたりAQNが本書いたりしているので識字率は高いのかも…ごめんなさい 8月10日 2339 セイン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2800.html
■注意事項 大半のゆっくりが生き残ります ゆっくりが人間に勝ち(?)ます ゲスまりさは死にます ■正義の味方のゆっくり 悪い人間からゆっくりを助ける「正義の味方のゆっくり」が居るらしい。 ゆっくりが虐められている畑に颯爽と現れて、 人間を倒してゆっくりを助けるのだと言う。 「む~しゃ、む~しゃ、しあわせ~!!」 「ゆっくりおやさいおいしいね!」 「まだあるからね!ゆっくりたべていってね!!」 本来であれば、瞬殺、全滅モノの光景が広がっている。 しかし、ここはゆっくり選ばなければ成らない。 どのゆっくりを潰すか、どのゆっくりを逃がすか、どのゆっくりを痛めつけるか。 「ゆっ?にんげんさん?ここはれいむのゆっくりぷっぷぴゅぷぷぷぷぷぶぷぶぶべぇ」 比較的身体の大きな成長したれいむを足で踏みつけて圧力をかける。 口や目や、何の為の器官なのか余り想像したくない穴っぽい部分から 餡子がムニュ~っと押し出される。 一気に踏むと皮が破れて汚くなるが、圧力を徐々に掛ける事で中身が穴から流れ出し、 皮の部分の損傷を抑える事が出来る。 「ゆぅぅ!!れいむがぁぁぁっぁ!!!」 「にんげんはしね!ゆっくりしないでじね!!」 その恩恵は大きく、ゆっくりはれいむが殺された事を正しく一瞬で理解した。 以前一気に踏み潰したり、叩き飛ばして爆裂飛散させた際には、 「ゆっ?れいむがいなくなったよ?」 とか 「ゆゆっ!こんなところにあまあまさんがあるよ!」 「ゆっきゅりたべりゅよぉ~!!」 「ぺ~ろぺろ!ちあわちぇー!」 とか言い出したので非常に計画が困った。 「れいむはしねばいいんだぜ!まりささまはにげげげげぇぇぇぇ!?」 「コレは駄目だな。さっさと潰すか」 「どうじでまりざのほうにくるんだぜ!?!?・・・ゆべぇぇ!!」 周囲をゆっくり観察し、ゆっくり選ぶ。 真っ先に仲間を見捨てて逃げ出した大きい固体から叩き潰す。 あの大きさまで育っていると今後も考え方は変わらないだろうし、 畑荒らしを繰り返す可能性も高い。 何より仲間より大きいくせに、見捨てて真っ先に逃げる所が気に入らない。 「ゆぅ~!!ちにちゃくにゃいよぉ~!!」 「れいむ・・・ごめんね!ゆるしてね!」 「まっててね!たすけをよんでくるからね!!」 小さいヤツや、仲間を気にしながらも恐怖で離れていくゆっくりは 今はまだ見逃してやる。まだ役目が残ってるからな。 「ゆっくりたいへんだよ!!」 「れいむたちがにんげんにいじめられてるんだよ!!」 「ゆっくりしないでたすけにいくんだねー!わかるよー!!」 命からがら逃げ果せたゆっくりは、群に戻って仲間の救出を訴えた。 ゆっくり達はこの期に及んで仲間の救出を諦めては居ない。 普通に考えれば、ゆっくりが人間に勝つのは無理であるし、 畑から群の住処までゆっくり移動する間に皆殺しである。 だが、このゆっくり達は希望を捨てていなかった。 「ゆっくり助けてね!ドス!!」 畑では既に潰されて息絶えたゆっくりが散見されたが、 意外な程に死んでいる者は少なかった。 「ゆぐぐぅぅ・・・いだいよぅ」 「だずげて・・・だずげてくだざい」 「おきゃ~さ~ん!いちゃいよぉ~!!」 しかしゆっくり達は、自力では逃げられぬ程に痛めつけられ、 しかし瀕死と言う程のダメージは負わず致命傷も与えられず、 そして心地よい悲鳴が良く聞こえる程度に元気良く弱っていた。 「まりさ・・・もうたすからないのかな?」 一匹のまりさが弱気な台詞を吐く。 「しっかりして!あきらめるなんてとかいてきじゃないわ!」 「でも、もうだめだよ・・・」 何とか仲間を励まそうとするが、言葉が浮かばない。 それ程絶望的なまでに人間は強かった。 「だれか・・・だれかたすけて・・・」 もう駄目かと諦めかけたその時。 「ゆっ!ソコまでだよ!!」 何処からともなく声が響く。森の中からゆっくりの援軍が現れた!! 「ゆっくりを虐める悪い人間さんは絶対に許さないよ!」 「みんな!今助けるから待っててね!!」 勿論助かる訳はない。 威勢の良いゆっくりが数匹人間に襲い掛かるが、返り討ちにあう。 苦しむ仲間、殺されたゆっくりの死体。返り討ちにあう、腕自慢のゆっくり達の姿。 援軍として現れた筈の、群のゆっくり達は恐怖の震える。 飛び出した最初の数匹に続くものは居ない。 「ゆっ!ソコまでだよ!!」 再び声が響く。皆一斉に声の方を振り返ると、ソコには額に正義の味方と書かれた ゆっくり達が居た。 良く見るとヒーローマスクっぽい意匠や、眼帯風やら、何がしかのラクガキが顔に 描いてある。 「やっぱり助けにきてくれたんだね!!」 「せいぎのゆっくりがたすけにきたよ!!」 「なかまたちのかたきはとるよ!!」 「何だお前ら?人間に勝てると思ってるのか俺は一回刺されただけでしぬぞうわー!!」 現れた正義のゆっくりの活躍によって、人間は倒された。 しかし犠牲も大きい。中間達の多くは傷つき、殺された者もいる。 その光景を間近で見ていたゆっくり達のショックは大きい。 「ゆ!人間は危険だから近づいちゃいけないと教えた筈だよ!!」 群のゆっくりに話しかけているのはドスまりさである。 額に肉と書かれているが、幸いな事に笑うものは居ない。 昔ドスが、人間と戦って付いた傷である為、皆ドスを信頼していた。 正義のゆっくり達の顔に油性マジックで刻まれた傷跡も、多くの戦いを潜り抜けてきた 証である。 「今回はコレだけの犠牲で済んだけど、助けに来るのがもう少し遅かったら」 「皆殺しにされてたんだねー!判るよねー!?」 「ゆ、ゆぅ・・・」 畑に来て殺されかけて傷を負ったゆっくり達は皆うな垂れている。 助けに来た森のゆっくり達も、人間に敵わなかった事や、目の前でゆっくりが 殺されている事を見ている為、ドスには逆らえない。 「他の人間が来る前に早く森へ戻るよ!!」 「ドスが人間からお野菜を手に入れたわ!運ぶの手伝って!!」 「動けるゆっくりは怪我をしたゆっくりに手を貸してね!!」 ドスと、正義のゆっくりの指揮の元で迅速に撤退作業が開始される。 ドスは皆から信頼されていた。 群の危機を何度も救っている実績がある。人間とも戦った。 人間を倒して野菜を手に入れた事もあるし、冬に備えて食糧の備蓄が必要だからと その大事な野菜を自分は食べずに群の皆に分けてくれる。 普通のドスと言えば、人間に逆らうな!だの、畑に行くな!だの、命令ばかり。 畑に行った仲間を助ける事もせずに、逆にルールを破ったからと制裁したりする屑だ。 群の集めた食料を、備蓄と称して自分だけで独占したりもする。 ドスが居るとゆっくり出来ないが、この群のドスは格が違う。 今回だって人間に殺されそうな仲間を助けてくれた。 群のゆっくりは皆、肉ドスの事を心から信頼していた。 だが、そうは考えないゆっくりも居た。 ゲスまりさである。 このまりさは、こう考えていた。 「ドスがにんげんに勝てたのは、にんげんがよわいからだぜ!!」 まりさは一匹のゆっくりぱちゅりーと対峙していた。 「むきゅ!まりさ、なんのつもりなの?」 「もうおまえたちのいうことはきかないんだぜ!!」 ぱちゅりーの顔には眼帯のラクガキがある。 群の中では正義の味方のゆっくりとして慕われているゆっくりだ。 「むきゅ!群のルールは守って貰わないと困るわ!」 「そんなひつようはないんだぜ!まりささまはつよいんだぜ!!」 突然まりさが飛び掛り、ぱりゅりーを突き飛ばす。 人間と戦った勇者である正義のぱちゅりだったが、まりさは一撃で倒してしまった。 「やっぱりまりささまのほうがつよいんだぜ!!」 まりさ種がぱちゅりー種を倒す事など珍しい事ではないが、 顔にラクガキのある正義のゆっくりを倒したと成れば話は別だ。 まりさの実力は周囲の認める所となり、群でも一目置かれるだろう。 群のルールに不満を持っていた一部のヤンチャ者達は、増長したまりさに率いられて 人間を討伐に畑へ出かけていった。 「ゆへへ!にんげんをたおせばドスにでかい顔はさせないんだぜ!!」 自分も人間を倒して力を誇示し、野菜を奪って食料を握れば 群のゆっくりを掌握できる権力の座に就ける。 もう誰かに従う必要も無い。森で一番偉い存在になれるのだ。 「たいへんなんだよー!わからないよー!!」 「むきゅ~ドス・・・ごめんなのだわ」 この異変は直ぐにドスの耳にも入る。 (ドスとは勿論、額に肉の文字がある哀れなアレである) 正義にゆっくりに手を出したまりさが、群のルールを破って人間の畑へ行った。 「大変だね!何匹付いていったの?」 「むきゅ・・・3匹よ。前から問題のあった子だわ」 「この前助けてあげた畑を襲ったゆっくりだよー!」 「仕方ないね・・・群の皆を集めてね」 「“助け”に行くんだねー?わかったよー!」 「ゆぐぅっ・・・こんなはずがないんだぜ!?」 畑に横たわる三体のゆっくりは既に動く力も残っておらず、 うめき声を上げるばかりである。 まりさだけはまだ闘争心を捨てずに挑みかかるが、自惚れの激しいまりさでも それが遊ばれて居る事ははっきりと感じていた。 だが、敵わないと悟ったとしても、頭に血の上ったまりさには逃げ出す事も、 諦めて命乞いする事も選択肢には無かった。 「今回はスパンが短かったな。まぁ数が少ないし離反者か?」 「まりささまがさいきょうなんだぁー!!」 「ほれ!」 飛び掛ったまりさをボレーシュートした所で、声が聞こえた。 「ゆっ!ソコまでだよ!!」 声のした方を振り返ると、ソコには額に肉と書かれたドス達が居た。 「ふっバカな奴等だ!勝てると思ってるみたいだな」 「ゆっ、群の仲間を虐めるお兄さんは絶対に許さないよ!!」 「いけぇぇー!ドスゥゥ!!」 「ドスバックブリーカーだぁ!!」 「さぁ来い!ドス!実は俺は一回さされただけでしぬぞうわぁぁぁっぁぁぁっぁ!?」 「そこだよ!いまだよ!」 「ジャイアントドスバスターを出すんだ!!」 「くそっ!危なかった・・・直撃なら死んでた、ってうわぁぁぁっぁぁ!?」 「とどめよ!あいてはむしのいきだわ!!」 「でるよ!ドスのキメワザ!空中真空ドスチョップが!!」 「ヘルメットが無かったら即死だった・・・まだ死ぬわけにうぎゃあぁぁぁっぁぁ!!」 「ありえないんだぜぇぇぇぇーーー!?!?!?」 自分は正義のゆっくりよりも強い筈だ。ドスや人間にだって負ける筈は無い。 でも人間には敵わなかった。人間はケタ外れに強かった。 自分が勝てなかった事は悔しかったが、だが、ドスも死ぬ。 人間より強いと自惚れ、本当は強くないくせに群のボスとしてイイ思いをして 今までまりさ達を騙して来た報いに、この超強すぎる人間に殺されて思い知るがいい。 そう思っていたのに、目の前の光景は理解を超えていた。 「なぜなんだぜ?」 本当を言えば、今現在自分が人間に負けて死にかけてる事実でさえ、理解したくは無い。 しかし目の前で自分が勝てない人間が、ドスに負ける光景など、 今のまりさの餡子脳をフル回転しても到底判らない事であった。 「うぐっ!!こんな筈ではぁぁぁー!!ドサッ!バタン!キュゥー!」 人間はまりさの直ぐそばに倒れてしまった。最早虫の息である。 「なぜ・・・どうして・・・なぜ・・・」 「ん?知りたいのか?まぁいい。明度の土産だ」 幾ら人間がゆっくりを殺して、怖いと思い知らせても、ゆっくりは直ぐに忘れる。 それに、畑で仲間が殺された事を見ていない、森のゆっくりは 人間の怖さなど直接見ていないから知らないのだ。 命からがら逃げ延びたゆっくりは、野菜の美味しさと、生き延びた自信だけを学習する。 そこで、八百長を演じるのである。 ゆっくりに畑を襲われた場合に、ワザと殺さない程度に痛めつけ、数匹は逃がす。 逃がすのは、ゲスではなく出来るだけ賢く仲間思いのヤツが良い。 森に逃げたゆっくりが、群に緊急事態を知らせる。 畑で人間に虐められていると。 そうしてドスや、正義のヒーローゆっくり達が助けに来るのだ。 群のゆっくり達も、仲間の危機に畑まで駆けつけて、その惨状を目にする。 目の前でゆっくりを殺して人間がとても怖く危険な存在である事を見せつけるのだ。 その後でドスや正義のゆっくりにワザと負けて、生ゴミや屑野菜を渡す。 冬篭り用の貴重な食料だが、人間が直接渡すとゆっくりは増長するし、 食べ尽くしてもまた人間から貰えば良いと考えるようになる。 人間を倒した強いドスと正義のゆっくりの功績を、判り易い形で見せる事で、 群のゆっくり達に、ドスに従う気持ちを起こさせるのだ。 畑を襲ったゆっくりを、ドスが制裁しては群のゆっくりの心象も悪くなる。 野菜が食べたいのに畑は駄目だと意地悪するドスの命令も聴かなくなる。 理解出来るゆっくりも居るが、知能の低いゆっくりも多いのだ。 畑に行っては行けないと言う理屈を、仲間を目の前で殺される所を見て学習させる。 ドスが制裁するのではなく、人間に殺される所を実際に見せる事の意味は大きい。 そしてソレをドスが助ける事で、畑は危険であるので近付いては駄目だと言う事と ドスはゆっくりを守っている事を、バカでも判り易く教育する。 駄目だと叱ったり、○○するなと教えたり、暴力で制裁しても 奴等は逆恨みする上に教えた事は直ぐに忘れる。だからドスの群の教育は大抵失敗する。 ドスは叱る役ではなく、助ける役に徹する事で、群の信頼を得るのだ。 実際、ドスと言えど人間に敵わなかったり、冬篭りの食料管理を、 「群が集めた食料を独占してる」と勘違いしたり、群の維持は楽ではない。 ドスの力を判りやすく誇示し、ドスのお陰で手に入った食料だと認識させる事で 群のゆっくり達に、ドスや正義のゆっくりに従う事が正しいのだと教育するのだ。 正義のゆっくりを演じているのはドスと人間が選んだ幹部ゆっくりで、 比較的知能の高い個体を宛がっている。 幹部ゆっくりは、通常は群の為に高い知能を生かして助言などをするのだが、 知能の低い一般のゆっくりの中には、目先の事しか考えない余りに 言う事を聞かない者も居る。 「すっきりするな」「食べたいだけ食べるな」など、ゆっくりに反する教えを 敵意と誤解し攻撃するケースさえある為、幹部ゆっくりが弱いと群の規則が 維持できない。正しい助言を暴力で返り討ちにされるぱちゅりー種などがその良い例だ。 全てを悟り、己の浅はかさと無力さを知ったまりさは怒っている。 「なぜなんだぜ!?なぜこんなことするんだぜ?」 人間が強いのは判った。でも何故こんな真似を!? あのドスや正義のゆっくりに勝たせてやって、あいつ等は良い思いをしてるのに! 何故自分はこれ程苦しめられて、殺されるのだ?まりさの怒りも最もである。 「まりさを騙して・・・こんな目に合わせて!!」 まりさはゲスだが、バカではなかった。自分より強い相手には逆らわず、 命の危険は回避して生きてきた。 そしてゆっくりの中では比較的上位の強さを持っていた。 人間がこれ程強い事を知っていれば、迂闊に戦いを挑んだりはしなかっただろう。 故に、群のドスや正義のゆっくりが理不尽な理屈をかざして自分達に圧政を強いて 良い思いをするのが納得行かない。 事実、連中は人間より弱い筈だ。今、人間に殺されかけている自分よりも弱かった。 森のゆっくりを騙して人間より強いと思わせ、訳の判らない規則を作って自由を奪い、 奴等の性で人間が弱いと勘違いして死に掛けてるのだ! 「どぼぢで・・・ごだえろぉぉ・・・!!」 「強いて言えば、そうだなぁ~・・・お前がゲス、だからかな?」 ゆっくりは人間の近くに住むとゲス率が高く成ると言う統計がある。 情報の信憑性や精確性に疑問もあるが、一説によると人間に接する事で 本来のユックリズムに変調をきたしてしまう可能性があるらしい。 他にも、人間の浅ましさや他者を出し抜こうとする汚さを学だとか、 人間の良い生活を知って森の生活に満足出来なくなるとか、 森の自然が人間に破壊されている影響だとか、諸説ある。 とにかく、森のゆっくりのゲス率を下げて、無害化する方法もあるかもしれない。 その調査の一環として、ゲスを駆除し、賢いゆっくりに群を統率させ、 人間の怖さを学習させる実験をしているのだ。個人的に。 普通に潰しているとゲスは大抵逃げて生き延びるし、 賢いヤツもゲスに潰されたり、周りに流されるだけの無知なゆっくりに殺されたりで 悪循環していくと予想している。 今回のまりさのような強いゲスは人間が殺して、周りに流されるゆっくりは群に管理させ 賢いヤツを選んで八百長で権力を持たせて群のトップにおいた場合、果たして森の ゆっくり達がどう変化するのか見てみたかった。 「ぐあぁぁっぁ!!まさかこんな強いドスが居るなんてぇぇぇ!!!」 「ゆっ!?」 説明を終えて突然大声を上げる男にまりさは一瞬驚く。 「だがタダでは死なんぞ!!畑を荒らしたまりさも道連れだぁぁぁぁ!!!」 「ゆ!?ゆゆゅっ!?ゆっ!!ゆー!!」 男の手がゆっくりとまりさの方に伸び、その口を塞ぐ。 最早叫び声も、真実を語る事も出来ない! 天高く掲げられたまりさは、群のゆっくり達の眼前で握り潰された。 「ゆっ!人間さん、いつもありがとうね!!」 結果としては、ドスの話では群の統率力は格段に良くなって、群のゆっくりも ドスや幹部の言う事を聞くように成ったらしい。 すっきり制限も冬の食料も、以前よりは管理しやすくなったそうだ。 一方で今回クーデターを起こそうとしたまりさの様なゆっくりも定期的に現れるし、 ゲスも少なくなりつつあるとはいえ、その数が一定数以下には成らない。 ゲスがゲス化するのは、ゆっくりが全滅しない為の、種としての多様性の確保ナンタラ なのかもしれない。 まぁ群の管理体制が崩壊して、畑にゆっくり波状お食事されてはコッチも堪らないので ドスには今後も頑張ってもらいたい。 肉に対する負い目もあるし、出来るだけ協力するつもりだ。 どうせ新陳代謝で消えるだろうと安易な気持ちで書いた額の肉は 時間が経っても一向に消えることは無かった。 「額の肉、似合ってるぞ」 「ゆへへ~ん!」 最初遊びで描いてやった時は子供みたいに一日中凄い泣き喚いて困ったものだ。 八百長で一回勝たせてやると言って何とか宥めたが、結果的にはこの演出も ドスが群れを纏めるのに役立っているのだから無駄ではなかったのだろう。 別に群の幹部の連中にまでラクガキする必要は無いんだが、ドスを気遣って 人間と戦った時の傷設定を吹聴したら、なんか顔にラクガキされたがる様になった。 しかし、まぁ、いい加減毎回死んだ人間が生き返って畑で八百長試合してるんだから バレそうなモノだが・・・ いや、冬篭りの餌の備蓄も出来ない連中にそのレベルの知能は無いか。 それに気付く位賢いヤツはドスの真意も判ってるって事なのかね・・・? 「じゃ、ドスたちは森に帰るね」 「ん?あぁ・・・って、ゲスに付いてきた奴等まだ生きてるけど良いのか?」 ゲスまりさに唆されて畑に来たゆっくりが三匹ほど居たが、 皆そそくさと帰り始めている。 気が付くと、ドスと数匹の幹部しか残っては居ない。 「そのこ達は再犯だから仕方ないよ。良かったら食べてあげてね!」 「あぁ、じゃ、非常食にでもするか」 ドスが駄目なゲスを見捨てるのは珍しい事ではないだろう。 八百長の正義の味方ゴッコも、畑の危険性を教えるのが本来の狙いなので、 畑を襲ったバカなゆっくりを無傷で帰すつもりも無いのだが。 しかし群のゆっくり達は仲間を助ける為にドスを呼びに行ってココに駆けつけた筈では? なんかドスの活躍見て屑野菜貰って満足して帰って良いのか? 本当に忘れてるのか?もしかして最初から助ける気ねーだろ・・・ 「ドス・・・タイガーマスクって知ってるか?」 「ゆ?お兄さん、そのマジックで何する気なの?」 「キイロとクロだからまりさにはよく似合うと思うんだ」 「や、やめてね!!考え直してね!!」 人間からゆっくりを守る英雄「タイガーまりさ」の試合は大人気で 噂を聞きつけ一目見ようと遠くから訪れるゆっくりも増えた。 ドスまりさの群れは見物料の興行収益で大層潤ったそうな。 作者当てシリーズ http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/11995/1227272050/ このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/483.html
ゆっくり飾り2 2匹の異端ゆっくりを捕まえてから、はや1ヶ月が過ぎた。 俺はその間、農作業の合間を縫って、畑から少し離れた場所に落とし穴を掘った。 直径約2m、高さ約3mもある。 俺は穴の底に大きめの木の板を敷き、穴の壁には細長い木の板を貼り付けていく。 おまけに、隙間には水を含んで柔らかくなった粘土を敷き詰める。 乾けばカチカチに固まるだろう。 これは、穴に落ちたゆっくりが、土に穴を開けて逃げられないようにするためだ。 俺は、里へ出掛ける度に廃材を集め、 休日ともなれば香霖堂で使えそうなものを物色した。 作業を終えた俺は、落とし穴にぶら下がったロープを伝って外にでる。 「これだけ掘れば十分だろ。」 そう言って感慨深げに穴を見下ろす。 これだけ深いと、ロープでも無い限り人間でも脱出は困難だ。 次に俺は、穴のすぐ近くに木で出来た塔を建てた。 塔のてっぺんには、横に伸びた木の棒がくくりつけられている。 ここに異端ゆっくりを吊るすのだ。 これが俺特製の「ゆっくりホイホイ」。 ゆっくりが、死んだゆっくりの飾りをつけた者を襲う特性をいかした罠だ。 畑を荒らしにやってきたゆっくり達は、野菜に目もくれず目の色を変えて異端ゆっくりに襲い掛かる。 しかし、ゆっくりの跳躍力では届かず、そのまま穴に真っ逆さまに落ちる寸法だ。 この「ゆっくりホイホイ」を掘っている間は、何度かゆっくりに畑を荒らされそうになったが、 その度に甘言でそいつらを家に誘き寄せ、異端ゆっくり達に始末させた。 人間が味方についている異端ゆっくりに、普通のゆっくり一家が歯が立つ訳が無かった。 穴が完成した翌朝、俺は香堂で手に入れた透明な箱に1匹の異端ゆっくりを入れると塔に吊るした。 まるで首吊りの処刑場みたいだな。 「おにーさん、どーしてれーむをこんなところにとじこめるの?ゆっくりできないよ!だしてよ!つかまっちゃうよ!」 こうして罠をセットし終わると、ギャーギャー喚く異端ゆっくりを尻目に家に戻った。 夕方になり、様子を見に穴の傍にやって来た。 「おお、いるいる」 既に穴には、10数匹のゆっくりたちが底で騒いでいた。 中には、落ちてきたゆっくりに潰されて既に絶命しているものもいる。 また、全てのゆっくり達に言えることだが、皆ダメージを負っているようだった。 こんな3mの高さから落ちれば当然か。 「さっさとまりさたちをだしてね!」「れ”ーむ”のごどもがああ!!!」「こんなところじゃゆっくりできないよ!」 「お”があ”さ”ん”い”だい”よ”お”!!」「せまいよー、くらいよー、こわいよー!!」 「ここはれーむたちのおうちだよ!ゆっくりできないひとはでていってね!」 それでもどこかの漫画で聞いたような台詞や、既に自分家宣言して叫んでいるゆっくり達をよせに、 俺は大きな声でこう言った。 「1匹だけ助けてあげるよ!助かるのは1匹だけだよ!親も子供関係ないよ!」 しばらく、互いに顔を見合わせていたゆっくり達だったが、突然魔理沙が隣にいた子霊夢に襲い掛かると様相は一変した。 傷ついた身体にムチを打ち、生存本能にしたがって生き延びる為に殺し合いを始めたのだ。 魔理沙にいたっては、自分の子供と思わる他のゆっくり達にも平気で噛み付いていた。 「お”があざんや”めでいだいよ!!!れ”い”む”のあ”ん”ごがああああ!!!!!」 そこで親霊夢が魔理沙に渾身のタックルを仕掛ける。 どうやら霊夢は自分の命より子供の命を優先して戦っているようだ。 もっとも、とうの子供は既に絶命しかけているが... また、ボディプレスを仕掛けて自分の方が割れてしまうものもいた。 「ゆっくりしね”え”え”え”え”え”え”え”、がらだがあ”あ”あ”!!!!!!!い”だい”い”だい”だい”い”い”い”い”!!」」 最初に穴に落ちた時点で、身体に少し亀裂が入っていたのだろう。無茶しやがって... 阿鼻叫喚の絵図が繰り広げられている穴を尻目に、俺は吊り下げられていた異端ゆっくりの箱を地面に下ろしてた。 そして手に持っていた風呂敷を箱にかけ、家に戻った。 何故風呂敷を掛けたのかというと、異端ゆっくりが俺の家に入る様子を他のゆっくりたちに見られては困るからだ。 聞いた話によれば、異端ゆっくりを飼っていたことが他のゆっくり達にバレ、 家を大量のゆっくりに襲撃された例があるという。そうなってはかなわない。 何にせよ、単純なあいつらは1匹になるまで殺しあうだろう。 次の日の朝、早速穴の中の様子を見に行く。周りには、何匹かのゆっくり達が叫んでいた。 珍しくゆっくりちぇんやパチュリー、アリスもいた。 「ゆー!いまたすけるよ!!」「ゆっくりまってね!だしてあげるよ!!」「ちーんぽ!!」 夕方から今朝にかけてあれだけ騒いたので、近くを通りかかったゆっくり達が気づいたのだろう。 助けようとはしているが、どうにも出来ないでいる。 俺は後ろから無言で近づくと、穴の周りにいたゆっくり達を1匹残らず蹴り落とした。 「いたいよ!おじさんなにするの!!」「どうしておとすの!!」「ゆっくりしんでね!!」 そんなゆっくり達の抗議の声を無視し、中の様子を観察してみる。 「大分少なくなって来たな。」 中にいる、昨日穴に飛び込んだゆっくり達は見るも無残な姿をしていた。 穴の底に張られた板には、夥しい量の餡子が張り付いており、ゆっくり達の皮や毛髪や飾り等が散らばっていた。 その上をさっき蹴り落としたゆっくり達が跳ね回っていた。 生き残ったと思われる、ボロボロのゆっくり魔理沙は、端っこでうずくまっている。 相当過酷な戦いだったのだろう。自慢の帽子はよれよれで、餡子だらけだ。 そんな生き残ったゆっくり魔理沙は、俺に向かってこう叫んだ。 「おにーさん、一人になったよ!!おなかすいたよ!もうだしてよ!やくそくだよ!」 「一匹じゃないじゃないか!そいつらも殺さないと出してあげないよ!お腹がすいたら、殺して食べれば?」 昨日の戦いで吹っ切れたのだろう、ゆっくり魔理沙は底にへばりついた餡子を少し頬張ると、 周りにいる新しいゆっくり達に喰い付き始めた。 この「ゆっくりホイホイ」において、最後の1匹なるというのは並大抵のことではない。 なぜなら、日中は殺しあっている最中にも、次から次へと新しいゆっくりが落ちてくるからだ。 そえに加え、食べ物は与えられない為、どんなに仲の良かったゆっくり達も、最終的には共食いを始める。 おまけに俺がけしかける。 それでも、穴からは出られないし、食料は無いので新しく落ちてきたゆっくり達を襲う。 何もしらない新しいゆっくりたちは、訳も分からず殺されたり、パニックに陥ったり、 生き延びようと反撃を試みたり、逃げ出そうとする。 そうして、ある程度淘汰されると、彼らはようやく状況を理解するのだ。 「殺らなければ、殺られる!」 おまけに、この穴は直径が2mしかなく狭い。 だからずっとライバル達と一緒にいなくてはならないので、ゆっくり眠ることも出来ないのだ。 よって、絶対にゆっくりするこはできない! もちろん、喰いつかれたゆっくり達からすれば、冗談ではない。 あれだけ助けるといっていたのに、落ちた途端攻撃されたからだ。 「痛いよ!ゆっくり止めていってね!」「まりさどーしてこんことするの!」「きけんなまりさはゆっくりしんでいってね!!」 既に体力を使い果たしていたゆっくり魔理沙は激しい反撃にあい、壁に叩きつけられるとゆっくり永遠の眠りについた。 「おーい。お前達!最後の1匹だけになったら助けてやるぞ!でも新しいゆっくりが落ちてきたら、殺さないと無効になるぞ!」 俺はそう叫ぶと、異端ゆっくりを取りに家に戻った。 俺は昨日とは違う片方の異端ゆっくりを透明な箱に入れ、風呂敷を被せると穴に戻り、 穴のそばにある木の塔に箱を結びつける、俺は家に戻っていった。 穴の中からは、口汚い罵りあいや、悲鳴が聞こえてくる。 畑で農作業をしながらたまに落とし穴の方を見ると、ゆっくり1家が異端ゆっくりに攻撃しようと近づき、あわれにも穴に落ちていった。 こんな光景が日に何度も起きていた。 このゆっくりホイホイを作ってから、ゆっくりによる畑襲撃はピタリとなくなった。 効果は抜群だった。 Part.2に続く witten by 御湯栗 このSSに感想を付ける