約 1,924,222 件
https://w.atwiki.jp/keikenchi2/pages/741.html
「こらっ、タブンネ! 好き嫌いしちゃだめだろ!」 「ミィヤァァァァ!」 とある小さな家の中に、飼い主とタブンネの声が響く。 マトマの実を食べさせようとする飼い主と、それを拒否するタブンネの攻防が繰り広げられているのだ。 マトマの実をタブンネに近づければ、ぶんぶんと首を振って拒絶する。 タブンネの頭をがっしりと捕まえれば、「んーっ」と口を閉じて、意地でも口にしない。 辛いマトマの実を何としてでも食べたくないタブンネ。 飼い主もそのことは理解している。彼だって、タブンネをいじめようとしているわけではない。 今の季節は冬。 今年は特に寒さが厳しいようで、日に日に冷え込みが厳しくなってきている。 マトマの実は体の中からぽかぽかと温かくしてくれる効果があるという。 タブンネに少しでも寒い思いをさせたくないという、飼い主の親心だ。 しかし、タブンネにとっては知ったこっちゃない。 どれだけ体があったまろうとも、マトマの実は辛い。そんなものは食べたくない。 モモンやオレンなら喜んで食べるし、オボンの実ならさらに大歓迎だ。 オボンの味を思い出すと、よだれが出そうになる。その拍子に、口がわずかに開いてしまう。 その決定的な隙を飼い主は見逃してくれるはずもなく…… 食べやすいようにと細かく刻まれたマトマの実が口の中に押し込まれる。 タブンネの口の中に刺さるような辛さが広がっていく。 「ミッファァ――ッ!」 食後、ヒリヒリとする口を押さえながらタブンネはテレビにくぎ付けになっていた。 そこには、森の中で仲良く暮らすタブンネたちの様子が映し出されていたからだ。 どのタブンネも笑顔で、さらに、たくさんのオボンの実を頬張っている。 その映像を見ながらタブンネは決意する。 「こんなところ、いつか出ていってやる」と。 どうやって脱走しようかと考えていたタブンネだったが、その機会は案外早くやってきた。 タブンネが家の廊下を歩いていると、飼い主が外で洗濯物を干しているのが見えた。 そして、開けっ放しになっている玄関のドアも。 気付かれないように、そろりそろりと玄関から外に出て、そのまま近くの草むらへと静かに姿を消す。 タブンネ自身も驚くほどあっさりと、脱走することに成功した。 しばらく身を低くした状態で、草むらの中をそろそろと進む。 タブンネが脱走したことに飼い主が気付く様子はない。 タブンネは立ち上がると、転ばないように慎重に走りだし、どんどん家から離れていった。 あこがれていた野生の世界での幸せな暮らしを夢見て。 家から脱走することに成功して約半日。 陽が沈み、辺りが薄暗くなってきた。 どんどん視界が悪くなっていくなかで、タブンネは困り果てていた。 タブンネが食べるような木の実はどこにもなく、お腹はペコペコだ。 気温が下がり、タブンネの体を冷たい風がなでていくと、寒さに体が震えてしまう。 さらに、固くて冷たい地面では、満足のいく睡眠をとることも難しいだろう。 家にいたころは、食べるものも、温かい部屋も、ふんわりとした毛布も、すべてが用意されていた。 脱走したことを後悔し始めながら、タブンネは草むらの中で眠れそうな場所を探す。 「ミシュンッ」 朝になり、クシャミとともにタブンネは目を覚ました。 あのあと、草むらの中で野生のタブンネが作ったであろう巣を発見し、そこで一晩過ごすことにした。 草を寄せ集めてつくった巣の中に温かさなどなく、タブンネは震えながら夜を明かすことになった。冷え切ってしまった体を抱くように丸くなって、なんとか寒さをしのごうとする。 だが、そんなことで寒さが和らぐはずもなく、ただガタガタと体が震えるだけだった。 飼い主にマトマの実を食べさせられた時のことを思い出す。 マトマの実はとても辛くて嫌いだったが、食べた後は体の中からぽかぽかと温かくなっていった。 飼い主のことを思い出し、タブンネは「ミィィ…」と弱々しい鳴き声を上げる。 あの温かかった家に帰ろう。 タブンネがそう決意した時だった。 カサリ…… 遠くの方で草むらが揺れる音が聞こえた。 タブンネとしての本能が大型の肉食ポケモンが出した音だと判断した。 鳴くのをやめ、冷たい地面にべたっと伏せると、周りの音に耳を傾ける。 草でできた巣からのろのろと這い出し、音がした方向とは反対側にそろそろと逃げる。 タブンネというポケモンは俊敏というわけではなく、どちらかといえば動きの遅い部類に入る。 肉食のポケモンに1度見つかってからでは逃げ切ることは難しい。 そのため、優れた聴力をいかして、見つからないようにすることが最も安全な方法なのだ。 タブンネは草むらの中をひたすら移動し続けた。 途中、ミネズミの群れの縄張りに入ってしまったり、ズルズキンたちに囲まれたりといったことがあり、 タブンネの体はすっかりボロボロになっていた。 泥まみれになった全身の毛はボサボサで、ふわふわの尻尾もクシャクシャになってしまっている。 ミネズミたちに噛まれたり、ズルズキンたちに殴られたりしたところはズキズキと痛む。 何も食べていないお腹はくぅくぅと鳴り、涙と鼻水で顔はぐちゃぐちゃだ。 唯一の幸運は、大型の肉食ポケモンに1度も遭遇していないことだろう。 肉体的にも精神的にも限界を迎え、タブンネの気力が尽きそうになったときだ。 タブンネはあることに気が付いた。 景色がどことなく懐かしい気がするのだ。 自分の勘を信じ、ボロボロの体で進んでいくと、見覚えのある光景が見えた。 タブンネと飼い主が住んでいた家だ。 めちゃくちゃに移動していたタブンネだったが、幸運にも自分の住んでいた場所の近くに来ていたのだ。 最期の力を振り絞り、家に向かってずりずりと這って移動する。 優しい飼い主、温かくて安全なおうち、毎日食べることができたご飯。 目の前に見えてきた希望を力に変えて、タブンネは進み、ついに懐かしい家へとたどり着いた。 しかし、家は真っ暗で、あまりにも静かで、誰かのいる気配がまったくしなかった。 「ミィ…?」 どうにか鳴き声を絞り出し、ドアをぺたん、ぺたんと叩いて、自分の存在を伝える。 しかし、家は沈黙を守り続け、タブンネに応えるものは何ひとつとしてない。 タブンネの体を突き動かしていた気力がここで尽きた。 ひんやりとしたタイルの上に力なく横たわり、目からどんどん涙がこぼれてくる。 そんなタブンネに追い打ちをかけるように雪が舞い始める。 風に舞った雪は、屋根に、庭に、タブンネの体に静かに重なっていく。 意識が遠のいていく中、タブンネは飼い主の声を聞いたような気がした。 「……ミィ」 たった1度だけ鳴き声を上げると、タブンネの意識は暗闇の中に落ちていった。 ……………… ……………… ……………… 「帰るよ、タブンネ」 「ミミィ♪」 ここはポケモンセンターの入り口。 人間とタブンネが仲良く手をつないでポケモンセンターを後にする。 「お大事に」という声にタブンネは手を振ってこたえる。 その顔は満開の笑顔で、とても嬉しそうだ。 家出をしたタブンネが命からがら家にたどりついたあの日。 仕事から帰ってきた飼い主は、玄関でボロボロに汚れきっているタブンネを見つけた。 すぐさまポケモンセンターにタブンネを運び込み、タブンネが回復するまで治療してもらい、 今日になってようやく回復したタブンネを家に連れて帰れるようになったのだ。 「ミッ♪ ミィ♪」 ボロボロだったのが嘘のようにウキウキと歩くタブンネ。 飼い主のもとを離れたことで、自分がどれだけ恵まれていたかを身を以て思い知った。 飼い主といっしょに暮らすことが自分にとって1番の幸せだとようやく気付いたのだ。 「なあ、タブンネ」 飼い主から声をかけられて振り向く。その顔はとても幸せそうだ。 「退院祝いに、ごちそうを食べようね」 「ミィッ♪」 もう2度とこの人からは離れないぞ、とタブンネは心のなかで固く決心するのだった。 なお、この後タブンネにふるまわれたのは「マトマの実のフルコース」であり、 それを食べさせられたタブンネは改めて決意する。 「こんなところ絶対に出ていってやる」と。 (おわり)
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/47842.html
【検索用 登録タグ I VOCALOID 初音ミク 志茉理寿 曲】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:志茉理寿 作曲:志茉理寿 編曲:志茉理寿 唄:初音ミク 曲紹介 「あなたが望むのなら」 志茉理寿氏の31作目。 イラストはらさ氏が手掛けている。 YouTube限定公開であったが後にニコニコ動画に投稿された。 歌詞 空蝉の中で溺れただけ 音の届かない深いとこ 醜い姿見せなくていい 暗い海の底に着いて 夏のせいと言わせはしない ため息がね こぼれ落ちて 眠るように静かに朽ちて 冷たいままなんだろ 恋はあなたへと 花は虚ろへと 寄り添うようにいられたなら それでも幸せな夢と 愛の言葉に別れを告げて 億千の塵に変わり果てればいい にじむ色を写し消して 触れて閉じて汚して捨てた 時が許さなくても あなたが望むのなら永遠の愛を誓うよ 恋はあなたへと 花は虚ろへと 寄り添うようにいられたなら それでも幸せな夢と 愛の言葉に別れを告げて 億千の塵に変わり果てればいい コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/keroro00innovator/pages/5793.html
あてもなく あてもなく アーティスト Aimer 発売日 2023年5月10日2023年4月22日(配信) レーベル SACRA CDデイリー最高順位 2位(2023年5月10日) 週間最高順位 3位(2023年5月16日) 月間最高順位 14位(2023年5月) 初動総合売上 12240 累計総合売上 16001 収録内容 曲名 タイアップ 視聴 1 あてもなく 王様ランキング ED 2 空噪wired 3 Life is a song CD/総合ランキング 週 月日 CDシングル 総合シングル 順位 週/月間枚数 累計枚数 順位 週/月間枚数 累計枚数 1 4/25 18 1408 1408 2 5/2 31 780 2187 2023年4月 46 2187 2187 2 5/23 15 1010 6736 1010 15437 3 5/30 224 6960 224 15661 4 6/6 145 7105 145 15806 2023年5月 10 7105 7105 14 13619 15806 5 6/13 119 7224 119 15925 6 6/20 76 7300 76 16001 配信ランキング あてもなく 週 月日 デジタルシングル 順位 週/月間DL数 累計DL数 1 4/25 10 3518 3518 2 5/2 15 1949 5467 2023年4月 17 5467 5467 2 5/16 2 5726 5726 3 12240 14427 王様ランキング ED 前作 次作 Flaremilet あてもなく 関連CD escalate
https://w.atwiki.jp/kairakunoza/pages/800.html
「なぁ~、ふゆき~。結婚してくれー」 ……これで、このセリフを聞くのも今日で五度目。 本当に、ひかるは男性にこのセリフを言うつもりはないのだろうか。 ひかるは、きっと私がそのセリフを聞くたびに胸を大きく高鳴らせて、それを必死に押さえようと している事に気付いていないのだろう。気付いているなら、そんな残酷な事、出来るはずない。 「桜庭先生、もうその冗談は聞き飽きましたよ。」 嘘だ。聞き飽きてなどいない。本当は、もっと聞きたい。本気ではないと分かっていても、 ひかるの私へのプロポーズなのだ。好きな人からのプロポーズを、聞きたくない人などいるだろうか? ……だが、同時に聞きたくないのも事実だ。けして実現しない夢を抱く事ほど、虚しい事 も無い。叶わない夢なら、最初から見せて欲しくない。期待して……しまうから。冗談だと 分かっていても、もしかしたらと、無駄な期待を。 「本当に、異性にプロポーズするつもりはないんですか?」 「ん~?あるわけないだろそんなの。前も言ったと思うが、私の面倒を見られるのは ふゆきだけなんだ。だからふゆき~、結婚~。」 頬をぷぅっと膨らませて、更に結婚を迫ってくるひかる。普段はそんな事しないのに、私の 前でだけ時々見せる子供っぽい仕草。それはひかるの子供のような外見と相まって、とても可愛らしかった。 本当に、ひかると結婚出来たらどんなにいいだろうか。だらしないひかるの世話を焼くのが 私にとってどれほど幸せな事か、ひかるは理解してないに違いない。 「……あんまり軽々しい冗談は良くないですよ。もし、私がそれに応じたらどうするつもりなんです?」 淡々と仕事を続けるフリをしながら、ひかるに訊ねてみる。 実際、そうなったらひかるはどうするのか興味があったのだ。 「そんなの決まってるだろ。こっちからプロポーズしたんだ、結婚するよ。ふゆきと。」 「……え?」 意外な反応。ひかるは、「何故そんな分かりきった事を聞くのか分からない」といった顔で こちらを見つめていた。てっきり、私は「そりゃ困るなー」とか、そういうリアクションを するものだと思い込んでいたのに。 まさか、ひかるは、本当に……? 「日本じゃまだ無理だから、もうちょいお金貯めて海外に行く事になるけどいいよな? ちゃんと調べてるんだぞ、同性婚が認められてる国。ベルギーにオランダ、カナダにスペイン、 それにアメリカのマサチューセッツ州に南アフリカ共和国だ。アフリカは流石にちょいパスだけど、 ヨーロッパならふゆきもOKだろ?」 「え、えっと……」 「パートナーシップ法っつって、夫婦に準じる権利を保障する国なら結構あるんだけどな。 どうせならちゃんと結婚したいだろ?」 「ひ、ひかる……。本気なの……?」 「私はいつでも本気だよ。言っとくが、最初のプロポーズから全部本気だったんだからな?」 ……一瞬、頭が真っ白になった。ひかるの、普段のやる気の無さそうな顔からは想像も 出来ないような真剣な視線が、私を貫く。 本気?本気、なの……?いや、でも、そんな…… 「……それも、冗談、でしょ?」 「だから本気だって言ってるだろう。まぁ、冗談として流されるのには慣れてるけどな。」 タバコに火をつけて、口元に苦笑いを浮かべつつ自嘲気味に呟くひかる。 もしかして、私は、今まで何度も幸せになる最大のチャンスを掴みつつ、それを冗談だと 勝手に諦めて投げ捨てていたのだろうか……? 「……桜庭先生。」 「なんだー?」 「私は、嘘をつく人とは絶対に結婚しません。だから、真剣に聞きます。」 「ん、何でも聞いてこい。」 「さっきのプロポーズ。あれは本当に、本気ですか?私は、あなたと、結婚しても……いいんですか?」 「……どっちの質問も、答えは『当たり前』だ。」 タバコの煙を吐き出しつつ、ひかるは続ける。 「私は、ふゆきと結婚したい。……本気だ。」 その答えに、からかっている響きは微塵も無かった。 だから私も、覚悟を決める。 「だったら、一つ。お願いがあるんですが、いいですか?」 「おう、他ならぬふゆきの頼みだ。何でも聞いてやるぞ?出来る範囲で、だが。」 「…………キス、して下さい。」 あっけにとられた、ひかるの顔。 そのぽかんとした表情を見るのは久しぶりな気がして、何だか笑いがこみ上げてくる。 「してくれたら、結婚してあげてもいいですよ?」 「……マジか?」 「マジです。」 やがて、手元のタバコと私の顔を交互に見比べた後困ったような顔で何かを悩んでいたひかるは、 黙っていても仕方ないと思ったのかその「困りごと」を相談してきた。 「……なあ、ふゆき。」 「どうしました?」 「私、今、タバコ吸ってるんだが。」 「吸ってますね。それがどうかしましたか?」 「……いや。タバコ吸ってたらキスが不味くなるって言わないか?それでふゆきに嫌われたらやだな、って……。」 真剣な顔でそんな事を悩んでいるひかるがおかしくなって、私はとうとう噴き出してしまった。 「ちょっ……笑うなよ!」 「あ、済みません。ふふ……。あんまり下らない事で悩んでるものだから……。」 「下らないって、お前な……」 唇を尖らせて抗議するひかるの不意をついて、私は唇を重ねる。柔らかな心地良い感触が、 唇から伝わってきた。 「その程度の事で、私がひかるを嫌いになるはずないでしょう?」 私の言葉を聞いて一瞬黙った後、それもそうだな、とひかるも笑い出した。 キスの味は少しタバコの味がしたけれど、それでもとっても幸せな味がした。 コメントフォーム 名前 コメント こなた達も 将来こんなふうに…☆ -- 名無しさん (2011-04-28 18 35 59) いいわ~ -- 名無しさん (2009-07-26 11 22 32) いい!めっちゃ好きです、こういう話!GJ -- 名無しさん (2009-02-23 01 14 03) いいですがちょっと私には甘すぎますね(´ω`) -- 名無しさん (2008-11-09 22 35 00)
https://w.atwiki.jp/legends/pages/1201.html
はないちもんめ の 暴走より 「----ううん」 「お目覚めになられましたか?」 かけられた声に、少女ははっ!?と一気に目を覚ました 視界に飛び込んできたのは、黒服の顔 そして、後頭部に感じる感覚は……膝? この状況は、即ち 黒服に、膝枕されている? 「え、あ………え!?」 「ユニコーンの角の粉末を飲ませましたので…アルコール成分は、体内に残っていないはずですが」 大丈夫ですか?と 改めて、尋ねられて 現在の状況がはっきりとつかめないまま、少女は頷いた 「…私…えぇと…?」 「覚えていませんか?」 …何だろう? 何やら、とても幸せな事があったはずなのに…覚えていない そして、何故だろう とても幸せな事のはずだったのだけれども、同時に、恥ずかしいような気がするのは 思い出したいはずなのに、思い出したくないような そんな、奇妙な感覚を少女は覚える 「…アルコール成分、って言ったわね?」 …とりあえず 膝枕状態がどこか恥ずかしくなって、少女は体を起こした はい、と黒服は頷いてくる 「ジュースと間違えて、お酒を飲んでしまわれたようですね…甘い果実酒などもありましたから、そのせいでしょう」 「…そう、なのかしら?」 首をかしげる少女の姿に、黒服は小さく苦笑してきた …酒を飲んだ、という記憶すら、ないのだが 知らないうちに酔ってしまって、黒服に迷惑をかけてしまったのか? そう考え 「…覚えていなくて、申し訳ないんだけど。私、あなたに何かした?」 と、そう、少女は黒服に尋ねた ……… ………… …………… 沈黙が、場を支配する 「……いえ、何も」 「何故視線をそらすのっ!?」 一体、何が!? 何があったと言うのか!? 聞きたいような、聞くのが怖いような…っ!? 少女が、ややパニック状態になっていた、その時 「お?目、覚ましたのか?」 ひょこりっ 2人がいた部屋に、金髪の青年が顔を覗かせて来た …この部屋、調理場のすぐ隣の部屋だったのである 青年としても、少女の事が心配だったので、すぐに様子を見られるよう、介抱場所として、黒服にこの部屋を教えていたのだ 「はい、酔いも醒めているようですし、大丈夫かと」 「そうか。良かったな」 ほっとしたように笑う青年 …その青年の、姿に 何か、とてもいい事を、この青年に邪魔されたような予感がして 少女は、やや剣呑に、青年を睨むのだった 終われ 前ページ次ページ連載 - とある組織の構成員の憂鬱
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/10274.html
356 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/03/16(月) 19 46 34.22 ID YlnQTQgL0 [1/2] スレチと言われそうな報告だが、ここに書かせてくれ 358 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/03/16(月) 19 55 55.65 ID YlnQTQgL0 [2/2] キャラロールを過剰に要求するGMだったんだ 最初はそこまででも無かったんだけど徐々に思考が尖って行った感じで 最後の方はセッション始まるとPL会話もキャラとして言わなければいけないとかを強いられていた 理由はリプレイでもそうなっているから 俺だってリプレイは後から編集されていると言うのは知っているんで、全部キャラロールで会話なんて無理だと言ったんだけど 「だからなんだ」と一蹴された 編集なんかしないでも「市販リプレイ程度のロールや掛け合いはできるものだ」と根拠レスで言うし 「自分は既にプロの書くリプレイ以上のキャラ演技をしている」と真顔で自信満々に言うんだけど セリフ回しがやたら長いだけで、同じ事を何度も言い方を変えて言い直してるだけだから中身スカスカだと指摘したら殴られた アゴに良い感じにフック貰うと本当に足がガクッとなるのね 「TRPGはロールプレイが大事だ」って初期言ってて、それに共感してたから皆ちゃんとキャラ設定とかセリフも考えてやっていたのに いつからか「セッション開始後は終了するまで全てロールするべき」みたいな思考に取りつかれてて 何でそうなったのか縁が切れた今だけど未だに分からない 359 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/03/16(月) 20 00 37.50 ID FHARjRTh0 [3/3] まぁ、リアルで殴られちゃうとロールプレイ以前の問題だわなぁ。 個人的には、RPにボーナスがつく系のゲーム以外で、 常にRPを強制してくるのはじゅうぶん困案件だと思うけど。 360 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/03/16(月) 20 46 15.61 ID SXlm3Sk50 まずキャラロールという言葉はうんぬんかんぬん 365 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/03/16(月) 21 06 40.55 ID Rb/0ktfp0 [2/2] 358乙 ロールプレイを強要しちゃいかんよな 似たようなやつ (暴力や暴言は無いが不満そうな顔をする) が居るけど セリフは長いほど良いと思ってるあたりは共通してるなあ 長さにしかこだわってないから中身が無いのも一緒 そういう人は演劇、即興劇がしたいのかもね 366 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/03/16(月) 21 14 06.95 ID PKlEPk8A0 厨二セリフをべらべら言いたいだけの場合もあるよ 中身はないのは共通してて、セリフの途中で「そう、これは~」と言い換えを多用する 言ってるうちに気持ち良くなっちゃってるからPCのセリフも聞き流す 自分で「もっとロールしようぜ」とは言うがしやすい環境は用意しない こういうGMは実在するのだ スレ409
https://w.atwiki.jp/sinsougou/pages/1401.html
<今日の春香さん~選ばれなくて……~> (のヮの)「あ゛う゛う゛~……」 シン (……すっごい泣いてる) (のヮの)「あ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛~……!」 シン (……しかしいつ聞いても、その、すごい泣き声だな) (のヮの)「オロロ~~~ン!!」 シン 「はぁ、いい加減落ち着けよ春香」 (のヮの)「だって、だってぇ」 シン 「そりゃあんなことがあったんだから仕方ないけどさ」 ・ ・ ・ P 「え~っと、ラジオのゲスト出演のオファーが来てるんだけど……この日空いてるのは美希と春香か」 (のヮの)「はいっ! はいっ! はーーーーーーい!」 P 「お、やる気満々だな春香」 (のヮの)「当たり前じゃないですか! 私はいつだってヤル気マンマンです!」 P 「そ、そうか。でもなぁ……」 (のヮの)「? どうしたんですか?」 P 「……うん、そうだな。やっぱり今回は美希に行ってもらうよ」 (のヮの)「え……?」 P 「ゴメンな、春香。やる気に水差しちゃって。おーい、美希ー?」 美希 「なぁにハニー?」 P 「ああ、今度のラジオなんだけどな……」 (のヮの)「…………」 ・ ・ ・ (のヮの)「ごれがぐやじぐなぐでなにがぐやじいんでずがー?」 シン 「少しは落ち着けって。ほら、これで涙を」 (のヮの)(チーーーン!) シン (……俺のハンカチが) (のヮの)「(ズズッ)うぅ、どうして私じゃなくて美希が選ばれるんですか~」 シン (たしか、ラジオのオファーだっけ……) 春閣下 「逃がさないわ、私の……地 獄 か ら」 春閣下 「カッカッカッカ~! 跪け愚民どもよホホホホホ!」 春閣下 「お・す・わ・り」 春閣下 「千早ちゃんって実は寂しがりやだし、それにMだし!」 シン (……。問題多すぎだからなんじゃ) 春閣下 「何か考えました?」 シン 「いや、なんでも……」 (のヮの)「はぁ、またプロデューサーさんから遠ざかったような気がします……最近は歌も歌ってないし」 シン 「それは考えすぎだろ。ほら、真や千早にグラビアの仕事があんまり当てられないのと同じでさ」 (のヮの)「それって結局私に向いてないってことじゃ……はぁ」 シン (結構深刻だな……いつもの元気が全然ない) (のヮの)「私、いったいどうしたらいいんだろ」 シン 「……自分にできることを、やるしかないんじゃないか?」 (のヮの)「え?」 シン 「ボイスレッスンなりダンスレッスンなりさ。少なくとも、こんなところで落ち込んでるよりはずっとマシだろ」 (のヮの)「シン君……」 シン 「っていうかこっちが調子狂うんだよ。だから早くいつも通りの能天気な春香に……」 (のヮの)「わかりました!」 シン 「うおっ!?」 (のヮの)「たしかにこれくらいでへこたれるなんて私らしくないですよね! うずくまって下を見るより胸を 張って上を見ないと!」 シン 「……うん、いつもの春香に戻ったな」 (のヮの)「はい! ありがとうシン君! それで相談なんですけど……練習、付き合ってくれませんか?」 シン 「え? 俺が?」 (のヮの)「はい。その、他に頼める人がいなくって」 シン 「まぁいいけどさ、何の練習するんだ」 (のヮの)「えっと……とりあえず、マッスルリベンジャーあたりを」 シン 「何 を す る 気 だ お 前 は」 (のヮの)「……泥棒猫超人抹殺?」 シン 「物騒なことを平然と言うな! っていうか俺に何をしろと!?」 (のヮの)「だって耐えられそうな人シン君以外思いつかないし」 シン 「俺に試す気だった!?」 ――ガチャッ P 「お、いたいた。おーい春香ー」 (のヮの)「ぷ、プロデューサーさん!? どどどどうしたんですか?」 P 「後で話そうと思ってたんだけど、来週の音楽番組で出番取れたから。久々に歌えるぞ」 (のヮの)「え……?」 P 「大変だったぞー。どこも千早やあずささんならって言ってなかなかこっちの頼み聞いてくれなくてな」 (のヮの)「そ、それって私のために……?」 P 「ん? あぁ」 (のヮの)「…………」 シン 「……よかったな、春香」 (のヮの)「――はい!」 シン 「あ、プロデューサー。春香がレッスンしたいみたいなんで、せっかくなんで付き合ってくれませんか?」 P 「え? そうなのか?」 (のヮの)「う、えっと、その……」 シン 「久しぶりの歌番組なら、やっぱり声の調子とかチェックした方がいいんじゃないですか?」 P 「それもそうか。春香、今日時間空いてるか?」 (のヮの)「ひゃ、ひゃい!」 P 「それじゃあ昼からレッスン場の予約取っておくな。あ、二人ともこれから昼飯でもどうだ?」 シン 「……魅力的なお誘いですけど、俺は謹んで辞退します」 P 「? まぁいいけど……春香はどうする?」 (のヮの)「い、行きます!」 P 「よし、じゃあ行こうか」 (のヮの)(……ありがとうございますシン君。いつかお菓子作ってごちそうしちゃいますね) シン (いいって。ほら、プロデューサー行っちゃうぞ) (のヮの)「(はい!)待ってくださいよぉプロデューサーさーん!」 シン 「まったく……さて、俺も昼飯を食べ、る……」 千早 「…………(ニコニコ)」 真 「…………(ニコニコ)」 シン 「……あの、お二人はいつからそこに?」 真 「ボクや千早にグラビアの仕事があんまり当てられないのと同じ、ってあたりかな。ね、千早?」 千早 「そうね、大体そのあたりだったわ」 シン 「お、怒っていらっしゃいますでしょうか?」 真 「いい感じで脳内物質が出てくるくらいには」 シン 「……謝罪と釈明の猶予は」 千早 「あると思う?」 シン 「――ですよねー」 二人 『アドレナリン・ブリッジーーー!!』 シン 「ギャァァァァァァァァァァァァ!?」 ……全身の骨が粉砕される寸前までツープラトンをかけられたシンだったが、奇跡的に命に別状はなかった。 (のヮの)「あのそーらへーーーー、わたーしーはー(・3・)トブー」 そして春香の歌唱力も別状はなかった。
https://w.atwiki.jp/kimo-sisters/pages/1232.html
244 :幸せな2人の話 15:2010/12/10(金) 23 12 26 ID AuzlL4T4 白い少女は一人で星を見上げていた。 「あれはこと座、その上にはくちょう座、下にわし座。 あれはさそり座、まっ赤な星がある」 少女は一人で星座を数えていた。 全て昨日、少年に本で教えてもらった。 今まで全然星座を知らなかったけれど、少女は必死で覚えようとした。 今夜、ここで三人で一緒に星を見る為に。 きっと少年が一つ一つ覚えた星を指差して教えてくれる。 それから、一緒におやつも食べる。 だから、今夜ここに来るのがとても楽しみだった。 「つまらない」 少女は呟いた。 けれど、それは誰も聞いていない。 彼女は一人だったから。 「……嫌」 今までは一人で居ると誰の目にも触れないから好きだった。 でも、少年たちと暮らすようになって一人で居るのが嫌になった。 「お兄ちゃん?」 ここに居ない大事な人を呼ぶけれども、やはり返事は無い。 「あれはいて座、となりにへびつかい座……」 しばらくしてから少女はまた星座を数えだした。 寂しさを紛らわしかったから。 245 :幸せな2人の話 15:2010/12/10(金) 23 13 15 ID AuzlL4T4 「しっかし、先生も強引だよな~。 勝手に人の絵を賞なんかに出してくれやがって」 その声で私は目を覚ました。 お兄ちゃんの膝に座ったまま、うとうと眠っていたようだ。 壁に立て掛けてある絵に目を向けた。 あの廃墟で独り佇む私の絵、まるでさっき見た夢のように見える。 でも、絵の中の私は、子供の私じゃなくて今の私。 「とは言え、お蔭様で少し賞金が貰えたのはありがたいか。 シルフ、何か欲しいものないか?」 とっても綺麗な絵だと思う。 青いような夜空に、白い少女がくっきりと浮かび上がっている、でも。 「お~い、シ~ル~フ~?」 お兄ちゃんがぽんぽんと私の頭を叩く。 「え、あ、ごめんなさい、お兄ちゃん」 「おいおい、最近ぼんやりしてる事が多いぞ。 ま、それもシルフらしいのかな?」 「うん、気をつける」 「くす、そっちの方がシルフらしくて可愛いよ。 その絵、気に入ってくれたか?」 「うん、とっても綺麗だと思うよ。」 すると、お兄ちゃんが少し残念そうに笑った。 「気に入ってはくれない、ってところかな?」 「ううん、私も好きだよ。 だってお兄ちゃんが描いてくれたんだもの」 本当はお兄ちゃんには悪いけど、この絵は好きじゃない。 そこにはお兄ちゃんが居ない。 まるで私だけあの時の廃墟に取り残されて、そのまま成長したように見える。 それでは私が本物の幽霊みたいだ。 きっとあの絵の中の私は幸せじゃない、だから好きになれない。 「いいんだよ、無理しなくても」 お兄ちゃんが慰めるような優しい口調で言う。 246 :幸せな2人の話 15:2010/12/10(金) 23 13 36 ID AuzlL4T4 「ううん、好きだよ……」 きっと私の気持ちをお兄ちゃんに悟られた。 お兄ちゃんはそんな答えは求めてなんていない。 求めていない答えなんて言ってはいけないのに。 「私はこの絵が本当に好きだよ」 必死にお兄ちゃんにそう訴えた。 すると、お兄ちゃんは黙って私の頭を撫でてくれた後、立ち上がった。 「え、お兄ちゃん、何処に行くの?」 「ああ、ちょっと大学にな」 「今日は日曜日だけど?」 「夕飯までには戻ってくるよ。 ちょっとだけ絵を描きたくてさ。 そうだな、別に賞を貰ったからとかじゃなくて、 どうしても描きたい物が前からあったんだ。 きっとその絵ならシルフも気に入ってくれると思う」 お兄ちゃんが照れくさそうに笑う。 「うん、楽しみにしてるね」 本当はお兄ちゃんの手を掴んで引き止めたかった。 絵なんてもう描かないでずっと私と居て、って言いたかった。 247 :幸せな2人の話 15:2010/12/10(金) 23 14 05 ID AuzlL4T4 ************************************* お兄ちゃんはまだ帰ってきていない。 今、お兄ちゃんは何処で何をしているのだろう? きっと、学校で、絵を描いている。 私をここに置いてきぼりにして。 違う、そんな訳ない。 お兄ちゃんは私の為にって言っていたのだから。 絵なんかより、私の方が大切に決まっている。 でも最近、お兄ちゃんが分からないって思う事が増えた。 お兄ちゃんの事を知れば知るほど、 お兄ちゃんが分からなくなる、そんな気がする。 決してお兄ちゃんが私を蔑ろにしている訳じゃない。 全く逆、いつもとても大切にしてくれる。 でも、私には何かが不安だ。 大切にしてもらえれば、それだけ嫌な予感がする。 だけど、いつかお父さんやお母さん達みたいに居なくなっちゃいそうで、怖い。 だから姉さんに相談する事にした。 姉さんならお兄ちゃんの事は何でも分かるから……。 お兄ちゃんの大事な妹だから。 248 :幸せな2人の話 15:2010/12/10(金) 23 14 38 ID AuzlL4T4 「珍しいね、シルフちゃんからお姉ちゃんに相談だなんて」 姉さんが私にお茶を淹れてくれた。 「姉さん、私、姉さんに聞いて欲しいの……」 「良いよ、雪風お姉ちゃんに全部話して」 優しい姉さんの表情に心がほっとする。 その姉さんの優しさに勇気付けられて、 私は今まであった事を全部、姉さんに伝える事が出来た。 お兄ちゃんが私が作るよりおいしいご飯を作ってくれた事。 一緒に居てくれるってずっと昔にした約束を覚えてくれていた事。 それから、あの絵が嫌いな事。 私はお兄ちゃんに私の為の絵なんて描いて欲しくない事。 なのに、最近のお兄ちゃんは暇さえあれば私の為っていう絵ばかり描いている事。 そんな事よりももっと私と一緒に居て欲しいって事。 「ふうん、そうだったんだ。 それでシルフちゃん、お姉ちゃんはどうすれば良いのかな?」 姉さんが微笑みながら、柔らかい声で私に問う。 「分からない、でも姉さんに聞いて欲しかったの。 姉さんなら本当の兄妹だから、お兄ちゃんの事、何でも分かるから」 「ねえ、シルフちゃん?」 いつものように姉さんの声は暖かい。 それが不安な今の私にはとても心強く感じられる。 「うん、姉さん」 お願いだから、助けて。 249 :幸せな2人の話 15:2010/12/10(金) 23 15 47 ID AuzlL4T4 「あのさ、シルフちゃんって、 他人の気持ちが分からないんだね、 ってよく嫌われないかなぁ~?」 時間が止まった。 姉さんはいつもみたいに優しく笑っている。 ただ、いつもと違う事を言っただけ。 たったそれだけなのに、私は動けない。 「え、ね、姉さん?」 姉さんは私の戸惑いを無視するかのように淡々と続ける。 「シルフちゃんってみんなに嫌われるのが、 外見のせいだっていつも私達に言っているよね? そんな事無いわ、シルフちゃんは妖精みたいにとっても可愛いよ。 お姉ちゃんだって本当は嫉妬するくらいだもの。 シルフちゃんみたいに可愛かったらきっと兄さんも私に夢中になってくれるのに、 って何回考えたか数えきれない位なんだよ。 なのにシルフちゃんは見た目が不気味だから人から嫌われてるって言うの? 違うよね、本当は今みたいに人の気持ちを大事に出来ないからだよね? だから、シルフちゃんは嫌われるんだよ」 嫌われる、姉さんにそうはっきり言われて胸がずきりと痛む。 別に他の人にならいくらでも嫌われていい。 ただ、お兄ちゃんと姉さんだけには絶対、嫌だ。 なのに姉さんがそんな事を言うなんて、どうして……? 「ふふ、シルフちゃんの言っている事ってね。 お姉ちゃんにはこう聞こえるんだよ? 私だけの為に兄さんが料理を覚えてくれて、 私だけの為に兄さんが絵を描いてくれて、 私だけの為にずっと一緒にいてくれるって、 そんな約束を兄さんが守ってくれて幸せなんだ~。 でも幸せすぎて不安になるから、 もっと幸せになりたいから、姉さんは私の為に何かしてくれないのって。 お姉ちゃんならお兄ちゃんの本当の兄妹なんだから、 お兄ちゃんの大事なシルフちゃんを当然幸せにしてくれるんでしょ、って。 シルフちゃんはそう言いたいのかな?」 「ち、違うの、私は……」 「いいな~、シルフちゃんはそうやって駄々を捏ねて泣き付くだけで、 兄さんが可愛がってくれるんだもんね~」 ただ怖かっただけなのに。 姉さんならきっと助けてくれるって思っていたのに。 250 :幸せな2人の話 15:2010/12/10(金) 23 16 16 ID AuzlL4T4 「シルフちゃん、お姉ちゃんが前言った事、覚えてるかな。 お姉ちゃんね~、もう兄さんから見捨てられちゃったんだよ?」 姉さんの笑顔は私には冷たく、暗いものに見えた。 「兄さんは、雪風よりシルフちゃんの方が大事なんだって~。 それは覚えているよね? この前、シルフちゃんがちゃ~んと聞いてくれたんだもの」 姉さんの追及に胸の鼓動が止まりそうになる。 やっぱり、姉さんは見ていたんだ……。 「でも、姉、さんは見捨てられてなんて……」 「うるさいなぁ」 とても煩わしそうに姉さんが言った。 その言葉に全身がびくりと固まる。 「一つシルフちゃんに教えてあげるね。 そうやって無神経なことをべらべら喋られると いくらお姉ちゃんだからって段々苛々してくるの。 分からないわけないよね?」 私は姉さんの問い掛けに声が出せなかった。 「どうしたの? 何か言ってくれないと、お姉ちゃんは分からないよ?」 「……ごめんなさい」 それだけしか言えない私を睨み付けて、 はぁー、と姉さんが深いため息を吐いた。 「あのさ、もう私も我慢し切れないなから、 今からシルフちゃんに酷い事を言うけど許してね。 良いよね、今までずっと我慢してきたんだし……」 251 :幸せな2人の話 15:2010/12/10(金) 23 16 47 ID AuzlL4T4 ヒトノ気持チナンテ何モ分カラナイシルフチャンハ、 絶対ニ兄サンニ嫌ワレルヨ。 ダカラ、早ク兄サンニ見捨テラレレバ良イイノニネ。 要ラナイワタシミタイニ。 姉さんはそう吐き捨てた。 その時の姉さんの目はいつか見た夢の中の女の子と同じだった。 252 :幸せな2人の話 15:2010/12/10(金) 23 17 26 ID AuzlL4T4 ************************************* 姉さんと話をしてからどれくらいが経ったのだろう。 姉さんはとっくに部屋を出て行った。 お茶は冷たくなってて、外はもう暗くなり始めている。 でも私はずっとここから動けていない。 私は姉さんに嫌われたの? 姉さんは私よりも何でもできるのにいい加減で。 いつも能天気で。 良く私に抱きついてきて。 暑苦しくて。 とってもおせっかいで。 でも誰よりも優しい人で……。 私は、そんな姉さんに嫌われたのかな? 姉さんに言われた、私は嫌われるって。 どうして? どうしてだろう、どうして私は嫌われるの? 253 :幸せな2人の話 15:2010/12/10(金) 23 18 17 ID AuzlL4T4 気が付くと涙が止まらなくなっていた。 動けない位に、独りぼっちなのが怖くて堪らなかった。 その時にお兄ちゃんがやっと帰ってきてくれた。 だから、私はお兄ちゃんに抱きついて泣いた。 お兄ちゃんは困惑しながら、私を優しく撫でてくれた。 どうして泣いているのかを聞こうとしてくれた。 でも私は言えなかった。 きっと、姉さんに嫌われたって知られたら、 お兄ちゃんにも嫌われてしまうから。 そんなの嫌だ、絶対に嫌だ。 嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ。 そんなの、嫌。 お兄ちゃんに嫌われるのだけは嫌だよぅ……。 戻る 目次 次へ
https://w.atwiki.jp/minamikureha/pages/2.html
メニュー トップページ メニュー メニュー2 @ウィキ ガイド @wiki 便利ツール @wiki
https://w.atwiki.jp/mu34maru/
ウィキはみんなで気軽にホームページ編集できるツールです。 このページは自由に編集することができます。 メールで送られてきたパスワードを用いてログインすることで、各種変更(サイト名、トップページ、メンバー管理、サイドページ、デザイン、ページ管理、等)することができます ■ 新しいページを作りたい!! ページの下や上に「新規作成」というリンクがあるので、それをクリックしてください。 ■ 表示しているページを編集したい! ページ上の「このページを編集」というリンクや、ページ下の「編集」というリンクを押してください。 ■ ブログサイトの更新情報を自動的に載せたい!! お気に入りのブログのRSSを使っていつでも新しい情報を表示できます。詳しくはこちらをどうぞ。 ■ ニュースサイトの更新情報を自動的に載せたい!! RSSを使うと簡単に情報通になれます、詳しくはこちらをどうぞ。 ■ その他にもいろいろな機能満載!! 詳しくは、FAQ・初心者講座@wikiをみてね☆ 分からないことは? @wikiの詳しい使い方はヘルプ・FAQ・初心者講座@wikiをごらんください。メールでのお問い合わせも受け付けております。 ユーザ同士のコミュニケーションにはたすけあい掲示板をご利用ください