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第7章 殲滅戦 a war of extermination 毒島が電話をよこす数分前、安田は参加者の二名と合流して、一階の敵の殲滅を行い、 今ようやく最後の一人を狩ろうとしていた。 参加者の一人はスキルアウトの男に向かって右手をかざし、もう一人は支給された銃を向ける。安田は彼ら二名とは少し距離を置いて、部屋の出口近くの壁に寄りかかってその様子を見届ける。 「はぁ~、もう狩りも終わりか・・・結局4人しか狩れなかったわ」 「それだけ狩れれば十分でしょうに、自分なんか2人ですよ。なのでこの最後の奴は僕に狩らせて頂きますよ」 「ちょちょちょっ!!ちょ~っと待て、せーので一緒に狩らないか?俺も正直狩り足りねぇんだよ!」 「何小学生みたいな我儘言ってるんですか・・・人数的に僕が狩るのは当然でしょう?それでも足りない位です」 と、まるでおもちゃを取り合う子供の様に言い合いをする。 その目の前で、スキルアウトの男はさも恨めしそうにその様子を見つめる。 自分はこいつ等の趣味で殺される、抵抗したくとも能力という厚い壁がそれを阻む。 男は自分の才能の無さ、学園都市の体制とそれにより生じる影の部分、とにかく自分の周りの環境全てを恨む。 目に涙を浮かべ、血を流しすぎて動かない身体をぶるぶる震わせながら、 「・・・お前等タダで済むと思うなよ」 と、か細い声でそう言った。 その言葉を参加者二人は見逃さない。 右手をかざした方の参加者はニヤつきながら、 「残念ながら、タダで済むんですよねコレが」 「なッ・・・これだけ大規模な戦闘が起きて警備員が動かない訳が無いだろ!そうしたらテメェ等の事なんて直ぐに知られる。そうしたらお前等の人生も終わりだ!!ざまぁねぇな!ハハッ」 「バレないから、只の高校生である僕もこうして参加できてるんですよ。この無能力者狩りは僕等みたいな危ない趣味した、優等生の皮を被ったような人間達にとっては有名でね、絶対に足がつかないよう手配してくれるんですよ」 「なんでも上の人間と繋がりがあるとか、弱みを握っているとからしいですよ?」 「そ、そんなのありえねぇだろ普通!」 男は顔に絶望を浮かべる。その様子に参加者の一人は恍惚の表情を浮かべる。 銃を持っている方の参加者は男を鼻で笑うと 「俺等は明日もいつも通りの生活に戻って、いつも通り学生生活を送って、お前の何倍も幸せな生活を享受するさ。残念だなぁ、ここでお前の人生はお・わ・り♪誰にも悲しまれず恨みも晴らせないまま死ぬのさ」 その言葉を聞いて、男は顔を歪ませ今にも掴みかからんとしようとする。 しかしもはや意識を保つのが精いっぱいなのか、立ち上がる気配はない。 男は理不尽さに、残り少ない血液が沸騰しそうなほどの怒りを覚えながら、 「クソッたれがッ・・・!!」 と恨みごとを言う。 (流石に追い詰めすぎ、殺すなら早く殺した方が・・・) 三人のやり取りを眺めていた安田は、それ以上の会話を止めて止めを刺すよう促そうとした、その時 ドッガシャアアアァァァァン!!!!!!と、安田と参加者二名の横にある壁が急に爆散する。 無数の瓦礫が一斉に安田達に襲い掛かり、これらを辛くも回避する。 スキルアウトの男はまともに体を動かせない為回避できず、瓦礫が頭に直撃し、即死する。 「なっ、何が・・・!?」 何が起こったか誰もが理解できない中、巻き上がった砂埃の中から声が響く。 「おぉ~今ので死ななかったか。良し良し、そうじゃなきゃあ面白くねぇ」 ブーツが床を踏み鳴らし、舞い上がる砂埃をかき分け、男は姿を現す。 黒のタンクトップに着古したアーミージャケット、タイガーストライプ調のズボン、軍用ブーツ。身体は見事に鍛え上げられている。 学生と言うより軍隊の兵士と言われた方がしっくりくるその男の名前は東海林矢研。 長月学園の頂点に位置する長月四天王の一人。 彼らは何故この状況に陥ったのか理解できないといった表情を浮かべて東海林と対峙する。 本来ならば午前3時までには殲滅を終わらせ、東海林との接触を避けるはずだった。 しかし彼らの目の前には最も会いたくなかった男、東海林矢研がいる。 東海林は彼らの表情から彼らの今の気持ちを察したのか、 「お前等さぁ、何もかもが順調に行き過ぎてたとは思わなかったのか?」 無能力者狩りの参加者二名と安田は彼の発言の意図を掴み切れなかった。 「どういう意味だ・・・?」 「どういう意味も何も、言葉通りの意味だって」 そう思い返してみると、どこか順調に事が運びすぎていた感も否めなかった。 彼らには思い当たる節が一つだけあった、 それはスパイがああも簡単に見つかった事。 安田は殺されたスパイ二名の行動を思い返してみる。 彼らは一人はメールを用いてスキルアウトと連絡を取り、もう一人は直接スキルアウトの溜り場に訪れて報告をしていた。 果たしてスパイをする人間が潜伏期間中に敢えて自分の本拠地に向かって報告するだろうか? スパイ役がただの間抜けであったと言えばそれまでだが、それでもどこか違和感が残る。 安田の頭の中で一つの仮説が立てられる、 スキルアウトの中で新参者にわざと慣れないスパイ役を任せ、その中の一人に潜伏期間中に必ず本拠地に訪れて報告するよう命じる。 そのままバレなければ内側から組織を崩壊させ、スパイがバレて殺されたとしても最初に無能力者狩りが指定していた時間よりも前に東海林を呼び出す。 それだけで相手の奇襲を失敗に終わらせ、逆に一気に返り討ちにできる。今の状況にも十分説明がつく。 それより後の時間というのも考えられないことも無いが、それは東海林と遭遇するリスクが生じる為わざわざその時間にする訳が無い、なので前の時間に限定される。 要するに二重に策を講じていたのだ。完全に無能力者狩りの作戦負けである。 東海林は退屈そうに頭を掻くと、 「まぁ、スキルアウトの連中が雑魚すぎるからそれでもボロ負けなんだけどな」 足元に転がるスキルアウトの死体を踏みつけながら三人の元へ歩み寄ってくる。 腰のホルダーからガスガンを取り出し、まっすぐ参加者達の方へ向かう。 徐々に歩みのスピードを上げ、早歩きから小走り、そして参加者との距離数メートルの時点ではダッシュになっていた。 参加者の一人は手に大きな炎を纏い東海林の方に手をかざす。 「長月四天王も所詮ただのレベル4、実力差はそれ程無いはず!!!」 手に纏う炎はみるみる大きくなり、東海林に噴出しようとする。 東海林はガスガンをその男の足元に数発打ち込むと、床がガスガンの威力ではあり得ない程大きく抉れ、破片が参加者の顔に当たる。 「くッ!!」 参加者は思わず顔をそむけ、照準を逸らす。炎の砲弾は東海林のはるか上方を通り過ぎる。 東海林はそこから更に速度を上げ数歩で懐へ飛び込むと、拳を強く握り、参加者の顔面に叩きつける。 参加者の顔は至る所から亀裂が生じ、血液が吹き出し、悲鳴を上げる間も無くまるでガラス細工の様に粉砕する。 頭部を失った身体は殴られた衝撃に身を任せ、赤い液体を噴出しながら仰向けに倒れる。 「あっけねぇな」 足元で土留色の血溜りを流し痙攣する大能力者に一瞥をくれると、近くの新たな敵に視線を移す。 その目線の先にいる参加者は、手にしていた銃を持ち、東海林に銃口を向ける。 「あ、あぁあ寄るな、寄るんじゃねぇ。死にたくねぇ」 「何言ってやがる」 参加者の言葉を聞いた瞬間、東海林は心底苛立ったような顔をする。 「お前がついさっきしてた事と同じじゃねぇか」 東海林の右手により一層力が籠められる、 「う、うるせぇ!俺はこいつ等とは違う!!俺は大能力者、学園都市でも優れた人間・・・お、俺はこ、こんなトコで死ぬわけにゃあいかねんだよおおおおおおおおおおおお」 男は銃のトリガーを思い切り引き、東海林に銃弾を浴びせようとする。 しかし―――― カッシャアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!!!! 「・・・・え?」 参加者の男は一瞬状況を理解できず、東海林の方を見る。東海林は何の傷もないまま、一歩一歩、少しづつ参加者の方に歩み寄っている。 男は改めて銃の方に目をやる、彼の手元には銃の持ち手の部分しか残っておらず、そこから先は跡形もなくなくなっていた。 その代りに彼の手は何十もの銃の破片が突き刺さり、手首から上が真っ赤に染まる。 「お、おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!?」 溢れだす血を男はどうする事も出来ずにひたすら絶叫する。 その姿は先程まで彼が狩っていたスキルアウトの姿と被って見えた。 東海林は何ともつまらなそうな顔で、痛みで膝から崩れ落ちた参加者の前まで近づくと、 何の躊躇いもなく顔を蹴り、頭部を粉々に吹き飛ばす。 惨劇の一部始終を見ていた安田は、レンズの裏の目を絶望に染める。 彼女が絶望している理由は、大能力者二名が数秒で無力化された事、 次の標的は間違いなく自分である事、 そして彼女の主力武器である銃が、彼の前では何の役にも立たないという事実に対して、である。 安田は参加者とは違い戦闘に関与していなかったため、参加者の銃が勝手に破裂したトリックを見破った、見破ってしまった。 (銃本体を弱体化させて射出の衝撃で自壊させている。これじゃあどんなに強力な武器を使ったって勝ち目がない) 東海林は首を安田の方に向け、下品に笑みを作る。 「よぉ、お前は楽しませてくれんだろうなぁ?ヒャハッ」 ゆっくりと歩を進め、近づく。不敵な笑みを浮かべながら。 純粋に戦闘というものを楽しみ、渇望している、彼に対してそう安田は感じた。 それは無能力者狩りの参加者が理由とする一方的な殺しではなく、 同じくらいの実力者同士の混ざりっ気のない、純粋な戦闘、所謂“決闘”という類のもの。 安田は東海林から滲み出るその感情が理解できず、恐怖する。 『・・・くッ!!』 安田は走ってその場からの逃走を図る。予備動作のない動きに東海林は一瞬だが初動を遅らせ、安田を逃がしてしまう。 東海林は数歩で走ることを辞め、実に期待外れと言った感じで、 「はぁ、つまんねぇな。もっと骨のある敵だって聞いたぜ?」 「まいった、戦う気のねぇガキンチョ虐めるのは興味ねぇんだがなぁ・・・帰ろっかな」 金色に染められた頭をボリボリ掻きながら、鼻で大きく息をする。 「ん?そういやぁ敵は五人いるっつってたな。ってこたぁアイツ追えば残りの奴とも合流出来るかもしれねぇな」 東海林は安田が向かった方向に走り、次第に速度を速める。 (残りのメンバーは少し骨のある奴が居るとイイんだがなぁ!!!!) 安田は東海林と距離を取りながら、彼に対しての対抗手段を考える。 (よくよく考えれば素手での戦闘もアイツに身体をぶつけただけで自壊するかもしれない。ナイフの類も同様。―――――これじゃあ対策の使用もないじゃないッ!!) 安田はいつになく思考が空回りするのを感じた。 目が泳ぎ、無駄な考えが無意識に介入し、思考を鈍らせる。追い詰められた時の独特の感覚を明確に意識するようになる。 自分たちが今まで狩ってきたスキルアウト達も同じような気持ちの中死んでいったのだろうか?自分も最期には彼らの様に理不尽を感じながら死ぬのだろうか? ふとそう考えて、考えるのを辞めた。 無駄な思考は判断能力を鈍らせる、初動を遅らせ、結果死へと結びつけるからだ。 安田は雑念を振り払い、勝利の為に思考を続けようとした。 ブブブブブッ!とポケットの方から振動音が聞こえた。 どうやら携帯電話に電話があったようだ。安田は急いでポケットから携帯を取り出す。 携帯電話の先は毒島拳、話の内容は大体読める、東海林の事だろう。 安田は走りながら電話に出る。 『もしもし』 『もしもし、俺だ!!そっちはどうなってる!?』 電話先の彼は明確な情報を欲しているのかどこか焦りが感じられる。 時折息を吐く音が聞こえているので、恐らく彼も走っているのだろうと安田は思った。 『東海林が襲撃、参加者は私以外全員殺されたよ』 『やっぱりか、チクショウッ!!・・・で、今お前はどうなってる?』 『東海林から逃れる為に西側の回廊を走ってる、東海林の姿は・・・見当たらない』 『そうか、じゃあそのまま東海林をまいた後、そうだな・・・東側の倉庫で待ち合わせよう。十分で来なかったら置いていく、イイな?』 『了解』 そういうと電話先の男は一方的に電話を切った。余りにも事務的で素っ気なくも感じるが、彼女にとってはもう慣れっこだった。 むしろ、人間扱いし、その実力を頼ってもらえるだけ現実よりはマシだとすら思えた。 一旦走る足を止め、改めて安田は後ろを振り返る。 東海林の姿はどこにもなく、自分の呼吸音以外は何も聞こえない。廊下から追ってきている気配すら感じられない。 安田は、東海林に対して全く効果がないのを分かっていながら、掌に拳銃を転送する。 それは攻撃の為ではなく、武器を持つ事で心を落ち着かせようとした為だ。 拳銃を握りしめ、張り裂けそうな胸を無理矢理抑えようとする。 静まる所内、無音の部屋の中、少女は全速力で駆け抜ける。 『はっ、はっ、はっ、はっ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁっ、はぁっ』 徐々に息も荒くなり肩で呼吸するようになる。肺が張り裂けるように痛い。 それ程遠い距離を走ってはいないはずだが、嫌に体に疲労が溜まる。 追われる者になるとこうも違うものか、と安田は身を以て実感する。 そして遂に安田はその足を止め、膝に手を付き、肺に酸素を送り込むために深く呼吸をする。 安田は呼吸を整えながら辺りを見渡す。そして自分が今、先程戦闘を繰り広げたホールにいる事に気づく。 安田は研究所の大まかな構造を思い返し、 自分が今いる位置と落ち合う場所の位置を思い返す。 (距離的にあと、半分位・・・?) 安田は気を引き締め、残り半分の道のりへ一歩踏み出そうとした。 「ヒャハハッ!!見つけたぜぇガスマスク野郎」 という言葉と同時に、安田の目の前の壁一面が爆砕する。 ドッバガアアァッァァァァアァァンッ!!!!!!! 太い柱が木の棒の様に崩れ、強化ガラスが飛び散り、瓦礫が弾丸の様に吹き飛ぶ。 壁が壊れた時の風圧で、軽い安田の身体はいとも容易く吹き飛び、床に乱雑に叩きつけられる。 喉の奥の方から鉄臭いものが込み上げる。 まともに受け身を取れなかったのか背中を打ち付け呼吸が苦しくなる。思わずガスマスクを外してしまいそうな衝動に駆られる。それと同時に後頭部を強く打ちつけ意識が明滅するが、辛うじて堪え、爆散した壁の方を見た。 ホールの三分の一は崩れさり、外からホールが丸見えになってしまっている。 東海林はもう目の前で、安田を見下ろすようにして立っていた。 顔は先程のつまらなそうなものとは違い、何かお楽しみを見つけた少年のような、血に飢えた獣のような、そんな顔をしていた。 『――――くっ!!』 安田は痛む身体を無理矢理動かし、戦闘態勢に入る。 先程持っていた拳銃をどこかへ転送し、両手に重機関銃のパーツを転送すると 眼にも止まらぬ速さでパーツを組み立て、重機関銃を東海林に向け、放つ。 何重ものの弾幕が彼の元へ、音速を超え飛ぶ。何百もの弾丸が全て彼に襲い掛かる。 しかし、重機関銃から放たれた弾丸は東海林の身体を貫くことはなかった。 弾丸は何もない空間で、自らの速度に耐えきれず崩壊する。 「そんな玩具きかねぇんだよ」 東海林はまっすぐ安田の方へ歩み出す。 彼が距離を縮めるのと同時に、弾丸が崩壊する場所も銃口に近くなっていく。 そして東海林が安田の目の前に来るころには、弾丸は銃口の数センチ先で破裂するようになっていた。 『そ、そん、な』 安田はもはや驚愕する事しか出来ずにいた。 正真正銘の化け物を目の前にして、彼女の中には戦意というものは残っていなかった。 勝てる気がしなかった。 『あ、あぁ』 安田はトリガーを握る手を離し、必至で繋ぎ止めていた何かが千切れるように、無力に倒れこむ。 東海林は安田の頭を片手で掴みあげると、そのまま近くの壁に押し付ける。 「お前の仲間はどこだ」 東海林は頭を掴む力を増していく。 『ぐ、あああっ』 「お前は俺に対してもはや戦意が感じられない、だからお前にはもう興味はねェ。だがタダで逃がす訳にはいかない、それ位ならお前をチャチャッと殺してしまった方がいい。だからこその交渉だ」 東海林は続ける 「残っているであろうメンバー二名の場所を教えろ。そうすりゃ命は助けてやる」 こうして話している間も握力をどんどんあげていく、能力を使っているのか顔面の骨にヒビが入るのを感じる。 ガスマスクの淵からは痛さを堪えて出た涙が垂れる。 「聞いたぜ?お前等ネットで集まっただけの仲なんだろ?だったら迷う必要なんてねぇじゃねぇか――――裏切っちまえよ。そうすりゃお前は救われる」 東海林はそう囁くように語りかける。 無能力者狩り霧の盗賊はネット上に集っただけのほぼ他人のような人間の集まり。 本来そこには味方意識や信頼なんてものは存在せず、そういったものを嫌う者が多く集いがちだ。 なので彼女は真っ先にこの交渉を承諾し、自分の命の安全を確保するのが当たり前の判断であり、 東海林もそうなるであろうと考えての交渉だった。 しかし、安田の返答は、その期待を大きく裏切るものであった。 『お、教えない・・・!』 「・・・お前馬鹿か!?普通どう考えても裏切るだろうが」 東海林には彼女が交渉を拒む理由が分からなかった。 痛めに痛めつけられ、自分から殻に閉じこもり、自分を曝け出せない。 助けて欲しい、でも誰も救いの手など差し伸べてくれはしない。 無能力者狩りという唯一のはけ口が無くては精神的に壊れてしまいそうな安田にとって、 霧の盗賊はなくてはならないもので、失ってはならない彼女の数少ない居場所。 なので例えそれが希薄なコミュニティだったとしても、 彼女が只のコマの一人でしかなかったとしても、 それを裏切る事など彼女には到底できなかった。それでもその共同体に縋り付くしかなかった。 彼女は居場所を失うことを心底恐れたのだ。 『離し、て・・・た、まるか』 『現実に何の不満も無いようなお前には、分かる訳が無い。意味もなく虐げられ、仲間を卑屈な目でしか見れない、劣等感と嫉妬心に汚れた自分が唯一認められ、辛い現実を考えずに済む。そんな二つとない居場所を、絶対手放したくないって気持ちが!!』 目から大粒の涙を零しながら、安田、もとい春咲桜は叫ぶ。 その涙は、頬に着いた汚れを吸い込んで黒く見えた。 東海林は何かを見定めるように眉を顰めると、 「・・・そうか、じゃあ残念ながらこれで終わりだ」 頭を掴んでいない右の手に力が入る。安田は自分の顔面の隅々に何かが染み込んでいく。 身体を構成する分子の結合間に何かが割り込んでいくような、そんな感覚。 恐らく彼は一撃で顔面を粉砕するのだろう、参加者たちと同じように、と安田は推測する。 「なんか辞世の句でもあるか?」 『・・・』 頭を掴む指の力で、安田の顔にヒビが入る。そこから何筋もの血が流れ、ガスマスクから垂れる。 あぁ、もうすぐ終わってしまう。そう安田は思った。 安田はガスマスクの中で唇を噛みしめ、固く目をつむり、覚悟を決める―――― しかし、いつまで経っても一撃が来ない。 その代り、東海林が掴む手が離れ、それと同時に超速度の何かが通った気がした。 何が起こったのか、安田は理解できなかった。 余りに不自然に思った彼女は、恐る恐る瞼を開ける。 彼女の目の前には東海林の姿はなく、彼は視界の端の方まで吹き飛ばされ、何回も床に跳ね返り、壁を突き抜けるのが見えた。 『ッ!!?』 彼女は東海林が飛ばされた方を見る、研究所の外へ放り出された彼は仰向けに倒れているのが見えた。 安田は視線を先程の方へ戻す、そこで彼女の目の前に姿を見せたのは、巨大な砂嵐だった。 『こ、れは・・・ッ』 舞い上がる砂埃、飛び散る破片、安田はレンズ越しに見ているにも関わらず、思わず目を凝らさずにはいられなかった。レンズに当たる砂粒の音がガスマスクの中にノンストップで響き渡る。 それ程の強風。これがマスク無しで巻き込まれたとしたら目を開く事さえままならないだろうと安田は身を以て感じた。 目を細めて見つめる先には、微かなシルエットとしてしかを確認できないが、この砂と瓦礫のあらしの中心に、確かに人間がいた様に見えた。 砂埃はその中心にいる者に付き従うかのように、その者を包み込み、いかなる外敵の侵入も拒む。 そしてその者の感情に呼応するかのように、更に荒々しく、爆発的にその風圧を上げていく。 風の化け物は部屋の中でみるみる大きくなり、遂には部屋全体にその勢力を広げんとする。 部屋の窓が今にも張り裂けんと悲鳴を上げ、部屋の嵐は生きているかのようにあらゆる物を飲み込んでゆく。 まるで風の化け物。 気を抜くと身体が吹き飛んでしまうのではと錯覚してしまうような強風に煽られながら、 動かない足を無理矢理動かし安田は逃げる為に壁伝いに立ち上がる。 (この砂嵐の主が自分の味方であるかどうかは良く分からないが、少なくとも今の標的は東海林で、自分ではないはず) 安田は風に舞い上がりそうになりながら懸命にその場からの脱出を図る。 ずりずりと身体を壁に押し付けるようにゆっくりと、しかし今の彼女にとっては全速力で、部屋の出口を目指す。 風は部屋を後にしようとするガスマスクの少女を襲おうとはせず、その矛先を東海林に向けたままにしている。 (この嵐。わざと、私を逃がそうとしている―――――?) そう安田は思わずにはいられなかった。しかし今はそれが何のために、そして風の中心にいる者が一体“誰”であるのかを考える余裕などなかった。 「あーあ、いっちゃったか。ま、アイツの事は鉄枷と一厘が何とかしてくれるかね」 嵐の主はそう独り言を呟く、 部屋から安田がいなくなった事を確認すると、風の化け物は漸く風の力を弱め、その姿を東海林に晒した。 明るい茶髪に戦闘の場には似合わない整った顔立ち、 身体のラインがはっきりと見えてしまう黒のライダースは、彼女の悩ましく魅力的な身体をこれでもかと強調する。 そして彼女の右腕には盾と三本の線が特徴的な、風紀委員の腕章。 ロールの巻かれた茶髪を棚引かせ、女は、 「そんじゃアタシはコイツを足止めしとくかぁ、汚れ役はアタシにお任せってね――――よぉ、立てよチンピラ」 と、急に声色をどすの利いたものに変え、部屋の外まで吹き飛ばされた男を呼ぶ。 すると東海林は巻き上がる砂埃の中ゆっくりと立ち上がる。空気の大砲に直撃し吹き飛ばされたにも拘らず、怪我などしている様子は何処にも見当たらない。 東海林は更に闘争心を滾らせ、本当に楽しそうな顔で目の前の女を見ると、 「ひゃはは、いいねいいねぇ何か楽しくなりそうだ。精々数分は持ってくれそうだ」 と、軽く舌舐めずりをする。獣の目をギラギラさせる。 一方でその眼の先にいる女、破輩妃里嶺は憮然とした態度で腕を組み、獣のような男を鼻で笑うと、 「冗談、数分で沈むのはテメェの方だ害獣。ウチの者を傷つけた借りはデケェぞ」 一気に風速を上げ、彼に対しての明確な怒りを露わにする。 第8章へつづく
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パーティ会場になっているのは芝公園のそばにあるホテルの大広間だった。小さな体育館ほどの大きさがあり、収容人数は160名ほど。 パーティが始まっても、すぐに葉月たちコンパニオンの出番は来ない。創設10周年記念パーティということもあって、数名の来賓の挨拶などのあと、支社長の挨拶、そしてターゲットの周がコンパニオンとともに壇上に上がって乾杯の音頭を取る。 基本的には立食パーティであるが、周などのVIPは上座のボックスシートに収まることになっていた。 コンパニオンとして集められたのは葉月を入れて10名だった。 「みゆきさん、て初めて見る顔だよね。いつもはどこに勤めてるの?」 そう葉月に声をかけたのは、人なつっこそうな顔立ちをした、ゆかりという名札をつけた年上のコンパニオンだった。 「わたし、今はどこのお店でもないんです。もうやめちゃってたんだけど、手が足りないからどうしてもって頼み込まれて」 「へえー。アンタだったら、どこのお店でも引っ張りだこだと思うんだけどねえ」 「色々あって、疲れちゃって」 適当な言い訳を葉月が口にすると、ゆかりは得心したような表情になって、葉月の肩をぽんぽんと叩いた。 「まぁ、色々あるもんねえ、この仕事してるとさぁ。私もいつもやめたくなるんだけど、やめれないんだよねえ……」 おしゃべり好きなたちらしく、際限なくしゃべり続けるゆかりに閉口しながらも、葉月は適当に話を合わせて出番を待った。 ややあって、ノックのあと、かちゃり、と控え室のドアが開き、コンパニオンのマネージャーが出番を告げる。 「皆さん、もうすぐ出番ですので移動してください」 マネージャーの誘導に従って、舞台の袖まで全員で移動する。警護の”壁”に周りを取り囲まれた周大栄の姿がそこにあった。写真で見た印象よりも背が高い。 「皆さん、ご苦労様です。広華物産の会長をしております、周大栄です。本日はどうかよろしくお願いします」 ”壁”をかき分けるようにして、葉月たちの方に歩み寄ってきた周は、そう言って深々と礼をした。 意外にも腰の低い周の物腰に、コンパニオンたちも意表をつかれたのか、やや慌ててそれぞれに挨拶をする。一番最後になってしまった葉月は、周に印象を深くしてもらうため、ややゆっくり目に周に歩み寄ると、微笑みを浮かべて深く頭を下げた。 「初めてお目にかかります、周会長。美雪、と申します。本日はよろしくお願い致します」 広東語で挨拶をしてから、もう一度微笑みを浮かべて周をじっとみつめる。ゆかりたちコンパニオンたちもそうだが、さすがの周もなめらかな広東語で話しかける葉月に目を丸くする。 「驚いた。広東語がおできになるんですか」 「少し、だけです。以前習ったことがありまして」 葉月の謙遜に周は笑顔で首を振った。 「とんでもない。素晴らしくお上手ですよ」 「ありがとうございます。光栄です」 深々と礼をする葉月に周はにこにことして、その肩をぽんと叩いた。 セレモニーが終わり、パーティーが始まった。 周たちがいるVIP席に行く前に、葉月にはすることがあった。ハンドバッグに収められたグロックの弾倉を手に入れなければならない。段取りでは、安田は会場のフロアマネージャーとして潜入する手はずになっていた。先刻のセレモニーの時に、安田の位置は確認してあった。 「ごめんなさい、わたしちょっとお手洗いにいってきます」 ゆかりにそう声をかけ、葉月は素早くコンパニオンたちから離れる。 「すみません、ちょっとおたずねしますが……」 会場の隅で、そっと佇むタキシード姿の安田に声をかける。いかにもベテランの初老フロアマネージャー然とした安田の姿に葉月は軽く目を見張った。 「なんでしょうか」 「お手洗いはどちらでしょう?」 「そちらの入り口を出られて左です。ああ、申しわけありません、2番目は故障しておりますのでその他をお使いください」 一礼する安田に微笑みかけて、葉月は礼を言った。 「2番目ですね。分かりました、ありがとうございます」 教えられた女子トイレに飛び込み、あとから来る者がいないことを確認してから、葉月は”故障中”と張り紙をされた2番目に個室に近づき、後ろ手にドアを開ける。もう一度周囲を確認してから、葉月は個室に滑り込んだ。 汚物入れの蓋を開け、丁寧に紙で包まれた弾倉を取り出す。ハンドバッグに収められたグロック本体を取り出し、弾倉を納めてから、遊底を引いて初弾を装填した。続いて、別の紙に包み込まれた、新開発の小型サイレンサーを銃口にねじ込む。従来の三分の一ほどの長さしかないが、消音性能はまったく変わらない。しかし、グロックに合わせてプラスチックを使うというわけにはいかず、金属製となったためにこうして入手する羽目になった。 会場のセキュリティは、思っていたよりは甘かったが、それでもホテルの入り口で金属探知ゲートをくぐらされた。しかし、客に合わせて金属探知のセンサーが甘く設定されている上に、一度ホテルの建物に入ってしまえばそれ以上のチェックはなかった。 元通りグロックをハンドバッグに収め、上からハンカチをかぶせるとバッグの蓋を閉める。 人の気配がないことを確認してから、葉月はそっとドアを開けた。周囲を充分に確認してから個室を出て、後ろ手にドアを閉める。 会場に戻った葉月は、先刻同様隅に佇む安田に会釈してから、それぞれに談笑する人の群れをかき分けすでにコンパニオンたちがいるはずのVIP席に向かった。 VIP席の周囲をぐるりと隙間無く囲む”壁”が葉月に気付いて道を空ける。 目ざとく葉月の姿を見つけたゆかりが、手を振って葉月に呼びかけた。 「あ、戻ってきた、戻ってきた! みゆきさん、周会長が待ってるよぉ!」 「ごめんなさい、お手洗いの場所が分からなくて」 ゆかりに小声で詫び、周に向き直って一礼する。 「お待たせして申しわけありません、会長」 葉月は詫びの言葉を口にしてから、わざわざ葉月のために空けられているスペースに腰掛ける。 「いやいや、私がわがままを言ったんだ。気にしなくてもいい」 笑顔でそういう周に葉月は恐縮したような表情をつくって頭を下げた。 「そう言って頂けると助かります」 「いいんだ。それより、君も何か飲みなさい」 「……ありがとうございます。それでは……」 葉月の頼んだカシスオレンジが来たところで、周が音頭を取って2回目の乾杯となった。 「いただきます、会長」 アルコールに耐性のある葉月はこの程度では酔いもしない。それでも、ほろ酔い程度に見えるくらいには、肌が紅潮する。 周の周囲にすらりと並んだ日本支社の上層部はそれぞれコンパニオンを侍らせてなにやら会話をしている。ゆかりも、周の隣の日本支社長を捕まえてけたけたと笑いながら相手をしていた。 「広東語で話をしてもいいかね?」 シャンパングラスを傾けながら周がそういうと、葉月は笑顔で頷いた。 「出来る限りお付き合いいたします」 「うん。それでかまわん」 早くも酔いが回ったように見える周は大きく息を吐いた。 「お疲れですのね」 「そう見えるかね」 葉月は周が葉巻をくわえたのに気付いてライターに火をつけ、差し出した。 「ありがとう。香港に帰ってもゆっくりする機会がなくてな。酒を飲みに行くこともなかなか出来んかった」 手のひらで顔を拭って、周はおかしそうに笑った。 「日本語も分からんわけではないが、やはり自分の国の言葉でもてなしてもらいたいからね。あんたが広東語が話せると分かってうれしかった」 「そうでしたか。憶えておいてよかったです」 葉月が笑顔でそういうと、周はさらに意味深な表情になった。 「それに、あんたはとてもきれいだ。はっきり言えばわたしの好みなんでな。もし香港で出会っていたら必死で口説き落とそうとしていただろうね」 「……光栄です、周会長」 口調とは裏腹に真剣な周の眼差しに、葉月はなぜかいつものように笑って流すことが出来なかった。一瞬言葉に詰まり、あからさまな作り笑顔で周に笑いかける。 そんな葉月の表情を見て、周は快活に笑い声を上げた。 「冗談さ。好きな男がいるようだね。だが、うまくいっていない感じだな」 今度こそ葉月は心臓が止まりそうな衝撃を覚えた。表情がこわばる。 「……うまくいっていない、というのとは少し違うかも知れません。わたし自身の事情があって、彼のことをあきらめざるを得ない、というところでしょうか」 周の表情が微妙な物になった。 「それは、どうしようもないことなのかね」 「はい。詳しくは言えないのですが、わたしの生まれ育ちも関わってくることですので……」 葉月はそう言ってから背筋を伸ばして周に向き直った。 「個人的な話をお聞かせしてしまって、申しわけありません」 「いや。こちらこそ、詰まらない冗談を言った。すまなかった。そうか……。あきらめたくはない。けれど、あきらめなければならない。君の表情がそう物語っているように見えたが。違うだろうか」 「……いえ、会長のおっしゃるとおりです。わたしには選択肢がありません」 葉月がきっぱりとそういうと、周は遠くを見るような視線になった。 「私にもそういうときがあった。もう随分昔の話だが」 紫煙を吐き出しながら、周はそうつぶやいてシャンパングラスを傾けた。 沈黙が漂ったが、二人ともしばらく無言で消えていく紫煙の動きを眺めていた。 「私にはかつて親友がいた。私と違って真っ直ぐな、素晴らしい男だった。ある日、二人とも同じ女性を好きになった。長身ですらりとして、そうだな。君とよく似たタイプの女性だった。聡明でしかもとても美しい。私も彼も彼女の虜になった」 周はそう言ってから葉巻を灰皿にねじ込んで火を消した。 「もし、恋敵になったのがどこの誰とも知らない男なら、私はどんな手を使ってでも、彼女を自分のものにしていたことだろう。だが、かけがえのない親友が彼女を好きだと、愛していると分かったとき、私にも選択肢は一つしかなかった」 シャンパングラスを呷り、空のグラスをテーブルに置いた。葉月は空いたグラスにシャンパンを注ぎながら周の次の言葉を待った。 「……私は、告白することすらなく、自分から黙って身を引いた。もちろん、彼にも彼女にも、私のことは何一つ言わなかったさ。もし言っていれば、彼も私と同じようにしただろうし、彼女は……そうだな。私たち二人の目の前から、姿を消していたかもしれん」 葉月は、しばらく無言だった。 「……とても……素晴らしいお話です。それぞれがそれぞれの方のことを思いやっておいででしたのですね」 なんと言っていいか分からず、ようやくそれだけを言うと葉月は周を見つめていた。 「……ありがとう。親友はその後、彼女と結婚して、そして幸せな家庭を築いた。だが、彼はその真っ直ぐさゆえに詰まらぬいざこざに巻き込まれて命を落とす羽目になった。 皆は彼のことを愚かだと嘲笑したが、私はそうは思わなかった。私は少なくとも、彼のように生きたいといつも思っていたよ。それは私にはけしてできない道だったが」 周はそう言ってしばらく無言になった。 「彼女はその後とても苦労して、彼との間に生まれた男の子を懸命に育てて、そして病に倒れた。 もし私と一生をともにしてくれれば、そんな苦労はさせなかった、未だにそういう後悔に悩まされることがある。だが、人の幸せというものは、その人自身にしか分からないものなのだろうな。 彼が亡くなってから、何度か援助を申し出たが、彼女はいつも笑顔で私の申し出を断ったよ。その気持ちだけで充分だ、とね。そして彼との間にできた男の子を抱きしめながら、いつかこの子が大きくなったときに、まだその気持ちが残っていたなら、ほんの少しでいいから、手助けをしてくれれば、見守ってくれればそれでいい、彼女はそう言ったよ。 ……今にして思えば、彼女は自分がそう長くは生きることができないだろう、そういう覚悟があったのだろうね」 周はそこまで言って目を伏せた。一段と疲れが増したように見える表情で、深々とソファに身を沈めてゆっくりと息を吐いた。 葉月は、そんな周を見ながら、己の胸中に湧き起こった不可解な感情に戸惑いと、そして全身の力が抜けるような感覚を感じていた。 今まで仕事をしてきて、こんな感情にとらわれたのは初めてのことだった。かすかに感じるためらいのような、重苦しい何かがじわじわと増幅していく。 ターゲットと話をすることなど、今までにも何度もあったことだ。なのに、こんなにも胸を逆立てられることなどなかった。 「……どうか、したのかね?」 黙りこくった葉月に、周は不思議そうな表情になった。 「いえ……とても、感動的なお話を聞かせていただいたので。何を言っていいのか分からなくて」 慌てて取り繕うと、周は満足げに頷いて、新しい葉巻を取り出し、口にくわえた。 葉月は周の葉巻に火をつけると、ブレスレット風の意匠が施された腕時計に一瞬視線を落とした。襲撃決行の予定時刻をわずかに過ぎていた。 だが、まだ何の動きもない。 ”……まさか? 何か不測の事態が起きたということなの……?” その時だった。パーティーの喧噪が支配する会場の中、かすかに聞こえた小さな音を、葉月は聞き逃さなかった。それは、手榴弾のピンを引き抜く音に、酷似していた。 ”来た!” 葉月はとっさに、手にしていたカクテルグラスを手から滑らせ、床に落とした。 「きゃっ、すみません……」 詫びの言葉を口にし、慌てて片づける振りをして、テーブルの下に潜り込んだ。目をきつく閉じ、隠し持っていた耳栓を耳に押し込んだ。 耳をつんざくような爆音と、目を閉じていても分かるほどのまばゆい光が、会場を瞬時にパニックに陥れた。女たちの悲鳴と、男たちの怒号が混じり合い、阿鼻叫喚となった。 市販の打ち上げ花火の発射音に似た音が、次々と起こり、もうもうたる煙幕がパーティ会場を包み込む。そして、それに紛れた黒ずくめの襲撃者たちが、短機関銃の軽快な発射音と、青白い銃撃の閃光を伴いながら、パーティ会場になだれ込んだ。 無差別な銃撃は、逃げまどう者たちに容赦なく撃ち込まれた。視力と聴力をスタングレネードで奪われ、何が起きたのかも分からぬままに血とうめき声をまき散らして、その場にくずおれていく。 襲撃者の存在に”壁”たちが慌ててVIP席の周囲を隙間無く固めていく。しかし、スタングレネードによって半数が視力と聴力を失っていた。もがきながらのろのろと”壁”を作ろうとするが、襲撃者たちの銃撃に晒されて、瞬時にその数を減らしていった。 「会長を守れ!」 ”壁”の一人が悲痛な叫びを漏らし、周とすぐ傍にいた葉月を包み込む。 「他の者も守らんか!」 顔を歪ませた周が”壁”に向かって怒号を浴びせる。 「無理です、我々もこれ以上は……」 そこまで言って、その”壁”も猛烈な銃撃を浴びて絶命した。血をまき散らし、ばたりと倒れ込んだ。 「バカな……」 苦虫を噛み潰したような周がうめくように言った。見る間に、”壁”たちがその数を減らしていく。 葉月は、決断を迫られていた。早く周を撃ち、この場から脱出しなければならない。ハンドバッグに手を滑り込ませ、ハンカチの下に隠したグロックを握りしめた。 「いかん、このままではやられてしまう。こっちに隠れよう」 周は葉月にそうささやくとソファを少しずらして、その後ろにかがみ込んだまま身を潜り込ませた。葉月も、周に伴ってソファの後ろに身を隠す。 「会長、これで顔を覆ってください」 床に転がっていたおしぼりを葉月は周に手渡した。煙を吸い込まぬよう、という配慮ではもちろんない。周に声を上げさせないためだった。 「すまんな」 葉月も、おしぼりを拾い上げて口を覆った。 まさに今、この瞬間が葉月にとって最大のチャンスだった。周を撃つなら、今をおいて他にはない。 葉月は、もう一度バッグの中のグロックを握りしめた。周を撃たねばならない。だが、なぜかそれをためらう何か、が葉月の胸を締め付ける。逡巡が葉月の行動を遅らせた。 最後まで生き残っていた”壁”の数人が至近距離からの銃撃を受け、一斉に倒れ込んだ。 「引き上げろ!」 広東語の叫びが、遠くの方で聞こえ、銃声が止んで襲撃者たちが退却していく気配があった。 「引き上げた……?」 周がささやき、ソファの向こうの様子をうかがう。血と硝煙の匂いが立ちこめ、負傷者の苦しげなうめきが幾重にも重なって聞こえる。 「もう……大丈夫なんですか?」 葉月はそうささやくとソファの影から顔を覗かせた。積み重なるように倒れている”壁”たちと、日本支社の男たち、そしてコンパニオンの女たちが鮮血にまみれて床に転がっているのが見えた。 「……無事なのは、わたしたちだけ、のようです」 無感情につぶやいて、葉月はゆっくりと立ち上がった。 「いかん、まだ危ないぞ」 言いながらも、周も葉月の後に続くようにソファの影から身を起こした。 「なんてことだ……。まさか、日本で、東京でこんなことになるとは」 予想外の場所で襲撃されたことの衝撃からか、よろよろと歩く周の姿は、香港を闇で牛耳る大ボスには見えなかった。葉月の横を通り抜け、倒れている死傷者の姿にがっくりと肩を落とす。 煙幕の煙が、徐々に晴れて行きつつあった。もはや、これを逃せば、葉月にチャンスはない。 目を閉じ、ためらいを懸命に打ち払って、葉月はゆっくりとグロックをバッグから取り出した。 ”これが、わたしの仕事なんだ、わたしは、ずっとこうやって生きてきたんだ!” 「会長……申しわけ、ありません」 グロックを構え、銃口を周に向けて葉月は吐き出すようなうめきを漏らしていた。 「なに……」 葉月の声に、視線を向けた周は驚愕の表情で立ちつくした。 「……君は、君は一体……」 自身の胸を締め付ける重苦しい感覚に葉月は軽い吐き気を覚えた。グロックを握る手に必要以上の力が入っていることに気付いて、一度だけ、葉月はグロックを握りなおした。 「申しわけ、ありません、会長」 もう一度ささやいて、葉月は二度引き金を引いた。サイレンサーが装着されたグロックが、人が咳き込むのにも似た発射音を立て、火を噴いた。 「がっ……」 周の腹部に、赤い鮮血の花びらが二つ咲いた。腹部を押さえ、膝を折った周がその場にひざまずく。 後一発。とどめの銃弾を撃ち込めばいい。葉月の銃口が周の額に狙いを定めた。 「動くな」 クールな男の声。そして視界の端に映った鈍く、黒光りした物に気付いて、葉月は身動きが取れなくなった。その気配をまったく感じ取れなかったことに驚愕する。 「銃を床に置け。手を挙げてゆっくりとこっちを向くんだ」 葉月は、その男に視線を向けぬまま、ゆっくりとグロックを床に置いた。声のする方に背を向けたまま、葉月は両手を挙げて頭の後ろで重ね合わせた。そして、振り返りながら髪留めを引き抜き、スナップさせる。まとめられていた長い髪がふわりと広がり、仕込まれた刃が鞘走るかすかな音と合わせるように、身をくねらせて背後の男に斬り掛かった。 見えない銃口をイメージして、避ける。 乾いた炸裂音と、弾丸が身体のすぐ傍をすり抜ける音が葉月の背筋を凍らせる。それはまさに奇跡の瞬間だった。葉月の反撃に、背後の男はとっさに銃でその刃を受け止めた。 金属と金属が擦れあう鋭い金属音、そして。 「ん……!」 「くっ!」 衝撃で葉月の振りかざした髪留めが跳ね飛んだ。だが、その隙に葉月は床に転がり、先ほど置いたグロックを再び掌中に収めていた。かすかに煙幕が残る中、片膝立ちで男に銃口を向ける。 背後にいたのは、ウェイター姿の長身の眼鏡の男だった。殆ど同じタイミングで、互いに銃口を向けあう。 そして、二人の動きが止まった。 その時初めて、葉月は自分が銃を向けているのが誰なのかに気付いた。 驚愕に目が見開かれ、得体の知れぬ恐怖感に苛まれて、葉月は無意識のうちにその相手の名をつぶやいていた。 「潤……雄」 なぜ、なぜ彼がここにいるのか。 あり得ない事態が目の前に展開することの驚愕と衝撃に葉月は全身から力が抜けそうになった。そしてそれは恐らく、潤雄も同じだっただろう。 「葉月……? 葉月なのか? なんで……」 呆然とつぶやいて、ずれた眼鏡を潤雄は銃を構えたまま自分の顔からはぎ取った。 「なにをしている、撃て、撃て!」 あの咳き込むような独特の発射音とともに、2発、着弾が潤雄の足下に起こった。 葉月も潤雄も、我に返ったように声がした方を見た。少し乱れた服装の安田が、銃口を向けながら恐ろしい形相で飛び込んでくるのが見えた。 潤雄は床に転がりながら、安田に向けて銃を撃った。 「やめて……やめて、潤雄、やめて!」 叫びながら、葉月は闇雲にグロックの引き金を引いた。咳き込むような音の後、遊底が中途半端な位置で止まった。 ”ジャミングした?” 狙いを定めなかったのと、倒れていたテーブルの陰に潤雄が隠れたために弾は当たらなかった。葉月はグロックをその場に捨てると脱兎のごとく走り出した。 「オーガストムーン!」 怒りに満ちた安田の叫びが葉月の背を打った。が、安田もすぐに葉月に続いて、会場を抜け出した。 これ以上この場にとどまることは得策ではなかった。”ハンター”は潤雄だけではないはずだ。 襲撃の混乱に乗じて二人は無事に地下の駐車場までたどり着いた。 「すみません、すみません、でも、わたしには、わたしには……」 安田の車に飛び込むように乗り込んで、葉月はうわごとのようにつぶやき続けた。甲高いスキール音とともに安田のスカイラインが急発進した。安田は何も言わず、車を走らせ続けた。 Nシステムを避けるように裏道を幾度も曲がり、走り続けて20分ほどで、安田の車は古びたマンションにたどり着いた。 虚ろな表情の葉月は、安田に促されるままにそのマンションの一室に入った。 安田は後ろ手にドアを施錠すると、ふらふらと室内に入った葉月には目もくれず、キッチンに入っていった。 ややあって、コップに注がれたアイスコーヒーを二つ持って現れた安田は、その内の一つを部屋の中央に立ちつくす葉月に渡すと、勢いよく飲み干した。葉月も、からからに渇いた喉を潤すため、安田ほどの勢いではないがコップの中身をほとんど飲んだ。 疲れ切った表情の安田は、しばらく何も言わず、タバコに火をつけて深々と吸い込んだ。 「……なぜ、あの男を撃たなかった? あの男は”ハンター”だった。なぜだ」 安田の言葉に、葉月は虚ろな表情のまま顔を上げた。 「……答えられないか。そうだろうな。あの男が、お前が言っていた”友達”なのだな?」 安田の問いに葉月は何も言えなかった。脚が震え、力が抜ける。へなへなとその場に座り込んだ。 安田はタバコを灰皿にねじ込んで消すとつかつかと葉月に歩み寄った。見下ろすようにしている安田は、10年は老け込んだような顔になった。 「だから、言ったろう。お前に、友達などは必要ないと」 静かな口調でささやきながら、安田はへたり込んだ葉月の頬を平手打ちした。鋭く、熱い感触と痛みが走る。勢いで手にしていたコップが転がり、中のコーヒーが床にこぼれる。声を噛みしめて、葉月は打たれた頬を押さえた。 「まさか……。あの男に作戦のことを話したのではないだろうな? 作戦のことを嗅ぎつけてお前に近づいた可能性だってある。どうなのだ!」 安田の咆吼に葉月は何も言えず、首を振るだけで精一杯だった。声を荒げたことで少し冷静になったのか、安田はすぐに視線を落とした。 葉月が潤雄と知り合った時点ではこの作戦のことなど突き止めようもないはずだと気づき、安田は一人呆れたような表情になった。 「こんな馬鹿なことが起きるとはな。偶然というのは……恐ろしいものだ」 つぶやいて床にへたり込んだ葉月を虚ろな視線で見つめる。 「……結局、周大栄にとどめを刺すことはできなかった。しかもお前と私は奴に顔を見られた。作戦は失敗した」 安田は冷徹な口調でそう言うと、上着のポケットから銃を取り出し、葉月に銃口を向けた。葉月が使用したものと同じグロック26だった。 「我々はもう終わりだ。周の組織は徹底的に我々を追うだろう。面の割れた暗殺者など、何の役にも立たん」 そう言って、安田は力なく笑った。 「……いや、お前にはまだ価値はある。まだお前は顔をいじったことがなかったな。だが、あの男と出会って壊れてしまったお前を今のまま使い続けることなど、あり得ないことだ」 虚ろな口調でささやく安田の姿を葉月は何も言わず凝視し続けていた。 「壊れてしまった人形は、ちゃんと元に戻さねばな。それが私の最後の仕事のようだ」 ぐるぐると、安田の言葉が葉月の頭を巡る。だが、葉月の思考能力は衝撃的な事態の連続に耗弱して、正常な思考能力を失っていた。 ぱくぱくを口を動かし、死神のように眼前に立つ安田を呆然と見上げることしかできなかった。 もう一度、安田の平手が葉月の頬を打った。口の中が切れ、血の味が口中を支配する。 「オーガストムーン。お前の心を空っぽにしてやろう。自分がただの人形だということを、お前の身体にもう一度たたき込んでやる。あの男のことなど、忘れるほどにな」 安田は冷酷な口調でつぶやくと銃口を直接葉月の頭に突きつけた。固く、冷たい感触が触れる。 「あっ……ああぁ」 怯えた子供のように両手で口元を覆った葉月は、身動きすることもできず、しゃがみ込んだ安田に怯えた視線を向けることしかできなかった。 葉月の頭に銃口を突きつけながら、安田は空いた片手をへたり込んで露わになっている葉月の太ももと太ももの間に滑り込ませた。 「いやっ……」 かすかに抵抗の意志を言葉で表したものの、銃口を突きつけられている葉月は指一本動かすことができなかった。滑り込んできた安田の手のひらが、それでも閉じようとする葉月の太ももをこじ開け、下腹部にあてがわれる。ひんやりとした安田の手の感触に、自然と身体が震えた。 「さっき飲んだコーヒーに何が入っていたか考えなかったのか?」 安田の口調はあくまでも冷静だった。口調と同様、冷静な指の柔らかく巧みな動きが、刺激となって葉月の身体に襲いかかった。 「えっ……! あっ、んんぅ」 すぐさま起こった自分の身体の変化に葉月は安田の言葉の意味を悟った。下腹部を中心に身体がかっと熱くなり、葉月の中の”牝”の部分が頭をもたげて目覚めていくのが分かった。 任務のときいつも使用していたあの”クスリ”を飲まされたと気付いたときにはもはや手遅れだった。秘所のあたりを這うようにうごめく安田の指先は、ショーツ越しでも的確に葉月の快楽を引き出しはじめていた。 「くうん……っ、あぁ、あ、あんっ」 ビクン、ビクンと身体が震え、快感に反応して腰が揺れてしまう。 「いつもより効き目がいいだろう。いつもの3倍の量だからな」 安田の指先が秘所を中心にえぐり込み、なぞるような動きに変わっていた。下腹部がその動きに反応して、ぎゅぎゅ、と幾度も収縮し、奥底から熱い官能のしるしが溢れそうになるのが分かった。 「四つんばいになるんだ」 安田の命令に葉月はのろのろと従った。”クスリ”の効果が引き出した”牝”の本能に葉月は抗うことができなかった。 「今から、お前を犯し尽くす。快楽と屈辱にまみれて、人としての心など幻なのだということを自分の身体で思い出すがいい」 ドレスの裾がめくりあげられ、葉月の下半身が剥き出しにされた。”クスリ”の効き目なのか、拒絶しようとする葉月の心は安田の冷酷な言葉とせめぎ合い、そしてそのことがかえって被虐の性感に葉月を落とし込んでいた。 ショーツが引き下げられ、葉月のすでに淫裂と化した亀裂と、淡いチョコレート色のすぼまりがさらけ出される。 あてがわれた安田の指先が、葉月の淫裂をさらに拡げて、弄ぶ。淫液をかき混ぜる水音に被虐心を揺すぶられ、葉月は子犬のようにうめきをあげた。早くも腫れ上がりはち切れそうになった秘心がこね回され、指先で弾かれる快感が閃光のように葉月の身体を駆けめぐる。 「やっ……やめて、くださ……いっ、あ、あ、ああっ」 かろうじて拒絶の言葉を漏らすものの、それを打ち消すような熱い感覚が葉月の下半身の奥底を幾度も収縮させた。 「やめる? こんなに淫らに身体が反応しているのにか?」 ぬめり気を絡ませた安田の指が、2本同時にねじ込まれた。 「あああっ」 鈍い痛みはすぐさま激烈ともいえる快感に変換された。緩やかに曲げられた指の腹が、一番感じるポイントを探し当て、押しつけるように擦るのが分かった。 「あっ、あっ、ああっ、やっ、んっ、くぅぅ」 吐息混じりの鳴き声を上げながら、力が抜けて腕で上半身を支えきれなくなっていた。自然と腰を突き出し、掲げるような体勢になってしまう。 「いい格好だな。そうだとも、お前はこういうことをするために生まれてきたんだものな」 朦朧とする葉月の意識の中に、呪文のような安田の言葉がくさびのように打ち込まれていく。 「いやぁ、ああ、あぁんっ、あっあっ……!」 そして、葉月は自然と快楽の頂点に導かれていた。安田の指を受け入れた部分がじんじんと痺れて熱い感覚が広がっていく。腰が鋭く震え、そしてたぎった肉壺からは熱い淫潮がほとばしっていた。 「あっ、あ、あぐぅぅぅ」 床に顔を押しつけるようにして、獣のように声が漏れる。 すっと安田の指が引き抜かれるのが分かったが、葉月は力なく、そのはしたない姿勢のまま快楽の余韻に包み込まれていた。 ”わたしは……” 安田の言葉がぐるぐると頭を駆けめぐり、他には何も考えられなくなっていた。 「お前を、こうして抱く羽目になるなど、思いもしなかった。お前が、お前が悪いのだ、オーガストムーン」 葉月が冷静であったなら、安田のつぶやく言葉に隠された悲痛な響きに気が付いただろう。だが、今の葉月にはそれを理解することすらかなわなかった。 ”わたしが、わ、た、し、が、わ、る、い” かちゃかちゃと慌ただしく安田が服を脱ぐ音が聞こえた。ややあって、熱く固い肉の塊が葉月の淫裂にねじ込まれ、差し貫かれる。ぷちゅっ、と淫液が溢れる感触と、葉月の中の”牝”が待ち望んでいたものの到来に全身が震える。 「あ、あんっ!」 一気に葉月の奥底まで押し込まれたものを、葉月の淫裂が絡みついて受け入れる。柔らかな安田の手のひらが、力強く葉月の突き出された腰を抱え、そして揺すぶった。 「はあぅ……んっ、あっあっあっ、あああっ」 リズミカルで規則正しく、力強い抽迭が葉月の淫裂を突き上げる。かき混ぜられた淫液の水音が、泡立つほどの激しさをその淫らな音で表していた。 ビクン、ビクビクンッ……と小刻みに葉月の身体が震え、そして快楽のるつぼに落ち込んでいく。 「私も、”クスリ”を飲んだからな。でなければこれほどに……んぅ」 かすかに熱を帯びた安田のささやきが背後から聞こえる。荒い呼吸音が、葉月のそれと混じり合い、重なり合って空間を支配する。 初めて受け入れた安田の分身の熱く固い感触に全身を貫かれる錯覚を覚えながら、葉月は数回、小さく達していた。 「あ、あ、ああっ! あっ! あっ!」 ビクンッ、ビクビクンッ、と身体を震わせ、顔をのけぞらせて葉月は絶頂の悲鳴を漏らしていた。 「いい声だな。あの男にも、その声を聞かせたのか?」 安田の言葉は、葉月の脳裏に潤雄の笑顔を思い出させた。 かすかに蘇る理性が拒絶の意志を現そうと身体をもがかせる。 「ンくぅ……」 荒々しく息を吐き出しながら、葉月は身をくねらせた。しかし、のろのろとした動きは何の抵抗にもならなかった。 「いやっ……んぁぁっ! あ、あん……あんっ!」 葉月のささやかな抵抗をものともせず、安田は引き続き葉月を犯し続けた。激しく、鋭さを増した抽迭にリズムを合わせるように、自然と吐き出される葉月の絶叫にも似たうめきが漏れ続ける。 「あ、あ、あんっ、やっ、あ、あああっ」 淫裂の奥底をえぐるように突かれ、幾度も痙攣する安田の分身を実感して、葉月の”メス”の本能が肉体を震わせる。絡みつき吸い付く肉の顫動は、深い快楽の頂点に二人を導いていた。 「ぅおおぅ」 「んあ、あ、ああああっ」 安田の放つ精が葉月の奥底で爆発する。熱いものが広がって、そして熔けるように消えていく感覚。 「はぁ……ん」 ぐったりとなった葉月から、安田の熱いものが抜き取られる感覚があった。汗なのか、淫液なのか分からぬ何かがぽたり、と垂れ落ちる音が幾度も重なり合う。 「惨めなものだな。お前がなにを思おうと、お前はこうやって男たちに犯され、嬲られて人を殺す。それがお前の人生だ。男たちの血と精にまみれて生きるしかないんだ」 安田の声は、荒い息づかいにまみれていた。 「分かるか? オーガストムーン」 再び、安田の分身が葉月の下半身にあてがわれる気配があった。だが、そこは今まで安田の分身がねじ込まれていた部分とは、違う場所だった。 「あの男にも、ここを使わせたのか? ふふ……そうか。普通の女は、ここをそういうことには使わないものな」 淫裂のすぐ傍にある排泄のための器官。淡いチョコレート色をしたすぼまりに熱く固いものが触れる感触に、葉月は朦朧としたまま安田に顔を向けた。 怯えが、葉月の全身に走り身体をもがかせる。だが、脱力した身体は葉月の思い通りには動いてくれなかった。 「……ぁ、い、いや……」 かすかに拒絶のうめきを漏らしたが、それは何の意味もなかった。 「言ったはずだ。お前を犯し尽くすとな」 安田の冷酷な声は、すぐさま行動に移されていた。 「あ、ああ、あぐぅぅぅっ!」 淫液にまみれた安田の分身は、鈍い痛みとなって葉月のすぼまりにねじ込まれた。悲しいことに、そんな異常な行為に慣れていた葉月の身体はそれを易々と受け入れていた。 「あっ……ああああっ」 まさに内臓をえぐり込まれる感覚は、痛みと熱い快感に変化して葉月に襲いかかった。コツを心得た安田の落ち着いた抽迭は、葉月の身体に背徳の快楽を与えて狂わせる。 「気持ちいいか? そうだろうな。お前の身体はこんなことすらこなすように訓練されているのだからな」 荒い息づかいにまみれた安田の冷酷な言葉に嬲られ、葉月は何も言えずただ、苦痛と快楽の混じったうめき声を漏らすことしかできなかった。 「ああ、ああ、あ、あぁんっ、あんっ!」 排泄の器官を犯されてなお、快感に酔う自分を呪うこともできない葉月の頭が真っ白になる。長い髪が床に垂れ、顔にまとわりつく。 「はぁぅ、あぅ、あぐぅ、あ、あ、あああああっ!」 腹の底から絞り出されるような自分の声が、ほこりくさい床に吸い込まれる。 「これで、分かった、だろう、お前は、こういう存在なのだ。あの男が、あの男がこんなお前の姿を見てもなお、お前に愛をささやくと思うか」 遠くの方から、朦朧とした葉月の耳に安田の声が聞こえる。視界がぼやけ、熱い何かが目の端から溢れていくのが分かった。 ”わ、た、しは、わたし、は……” 頭を支配する白いなにかが全身を包み込んだように思えた。全身が痺れ、思考能力が失われていく。 過去の思い出が、鮮やかに蘇っていく。 (いい名前が思いつかない? そうか。では、葉月、と名乗るがいい) (お前のコードネームから取ったものだ。日本では八月を古い言い方でそう言う) (葉月) (葉月) (いい名前だね。僕は、李潤雄) (普通じゃないなんて思わないよ) (君が過去に何をしてたって、僕には関係ない) (こういうことが出来る分だけ、嫌な思いや悲しい思いをしたんだろうなって。僕はそう思った) (気にしなくてもいいよ。僕は) (僕は) (君を愛してるんだ。だから、もう泣かないで) 安田と潤雄の優しい言葉が葉月の脳裏にこだまし、そしてあの優しい笑顔が、見えた。 ”潤雄……! 潤雄、ゆんふぉん!” 「あ、あ、あああああああああああっ!」 葉月の絶叫と身体のうごめきが一体化した。安田の分身を締め付ける動きが一段と激しくなる。 「んんっ、おおおっ」 安田のうめきが鋭さを伴った。戸惑ったように抽迭が一瞬やみ、そしてびくびくと分身が震える。 「おおお、っぁああ」 次の瞬間、安田は頂点に達していた。再び、熱い何かが葉月の中で爆発する。 そして、その瞬間が隙となった。失われかけていた葉月の中の、何かが鮮やかに蘇る。 頂点に達し身体を震わせる安田から身体を引きはがすと、葉月は脱力した安田からグロックを奪い取った。 「……わたしは、わたしは人形じゃないっ」 うめく葉月の手の中で、咳き込むような音が2回、連続した。 「何ッ」 下半身を剥き出しにしたまま、信じられない物を見る表情の安田の胸に、赤い鮮血の花びらが二つ、咲いた。 「……バカな。お前は……」 大量の血を溢れさせながら、安田はゆっくりとその場にへたり込んだ。胸を押さえ、口からも血を噴き出す。 「安田……さん」 震える声で、葉月は安田の前に跪いた。とっさのこととはいえ、自身のしでかしたことの重大さに気付き、呆然となる。 「ごめんなさい……。わたしは、でも、わたしは……」 つぶやく葉月に、しかし安田は穏やかな表情に変わっていた。 「ふふふ。やはり、こう……なったな」 葉月は驚いて顔を上げた。安田の顔は、真っ青になっていた。 「安田さん! すぐに、医者に」 「馬鹿な、ことを言うな。どのみち、私はもう助からん」 葉月の言葉に安田は苦笑して首を振った。 「ここから、急いで立ち去れ。そこのデスクの上に……ノートパソコンがあるのが見えるな? それも……持って行け。……これからの、お前の戦い、に役立つデータが入って、いる」 「安田……さん」 すこし冷静さを取り戻した葉月は表情を歪ませた。訳の分からない喪失感に苛まれて言葉が出ない。 「”ルージュ”……と”ノワール”の所に行くがいい。……彼女たちは、CIAとは、何の関係もない。彼女たちなら……お前の力になれるだろう。これからの」 葉月は、立ち上がるとデスクの上の黒いノートパソコンとACアダプタをそばにあったバッグに詰め込んだ。もう一度安田に視線を向ける。だが、なぜか歪んでぼやける視界はそれを許さなかった。 ”わたしは……泣いている、のか” 熱い涙が溢れる。手のひらで拭って、葉月はきっぱりと顔を上げた。乱れた服装を直し、髪を手で梳く。 「待て。忘れ、物だ」 息も絶え絶えの安田が葉月に何かを差し出した。車のキィだった。 「早く、行け。スカイラインは……CIAのデータベースに、登録されて、いないはずだ。しばらくの間なら……使えるだろう。行け」 安田はそう言ってすっと目を閉じた。 安田からキィを受け取り、葉月は振り返らず、マンションを出た。早足で階段を駆け下りた。 部屋に一人取り残された安田は、のろのろとポケットに手を入れた。血まみれの手で携帯電話を取りだし、開く。 待ち受け画面には、小学生くらいの少女の姿が映っていた。その笑顔を見て、安田は穏やかに微笑んだ。 アドレスを開いて、ある番号を発信する。それは、携帯電話を利用した自爆装置のスイッチだった。 スカイラインに乗り込んだ葉月は、エンジンをスタートさせるとシフトレバーを操作して車を発進させた。マンションの駐車場を出たその時だった。 腹の底まで響くような、重い振動と爆発音がした。思わず車を止め、背後を振り返る。さっきまでいた部屋のあたりから、夜の闇に煌々と輝く爆炎のきらめきと、そしてもうもうたる黒い煙、飛び散る破片が地上に降り注ぐのが分かった。 「……安田、さん」 一瞬絶句して、葉月は呆然とそれを見つめていた。すぐに、思い直したようにハンドルを握り直し、スカイラインを発進させた。 (AugustMoon・第3話 終)
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共通事項 放送時間…火曜15 50~19 00 カラーバナー表示 ネットセールス + ... 固定スポンサー 17時台中盤 パターン1 FUJIFILM(富士フイルムビジネスイノベーション・2022年4月) Kowa(2022年5月) 三菱UFJモンガン・スタンレー証券(2022年6月) パターン2 KIRIN(キリンビール・PT扱い) 17時台後半 パターン1 P G 高須クリニック アイリスオーヤマ パターン2 P G YAMADA(ヤマダ電機) 小林製薬 18時台前半 明治安田生命 2022年4月5日 17時台中盤 0'30"…FUJIFILM(富士フイルムビジネスイノベーション) 17時台後半 1'00"…P G 0'30"…アイリスオーヤマ、高須クリニック 18時台前半 0'30"…明治安田生命 2022年4月12日 17時台中盤 0'30"…KIRIN(キリンビール・PT) 17時台後半 0'30"…P G、小林製薬、YAMADA、アサヒビール(PT) 18時台前半 0'30"…明治安田生命 2022年4月19日 17時台中盤 0'30"…FUJIFILM(富士フイルムビジネスイノベーション) 17時台後半 1'00"…P G 0'30"…高須クリニック、アイリスオーヤマ 18時台前半 0'30"…明治安田生命 2022年4月26日 17時台中盤 0'30"…KIRIN(キリンビール・PT) 17時台後半 0'30"…P G、YAMADA、小林製薬、アサヒビール(PT) 18時台前半 0'30"…明治安田生命 2022年5月3日 17時台中盤 0'30"…Kowa 17時台後半 1'00"…P G 0'30"…アイリスオーヤマ、高須クリニック 18時台前半 0'30"…明治安田生命 2022年5月10日 17時台中盤 0'30"…KIRIN(キリンビール・PT) 17時台後半 0'30"…小林製薬、P G、YAMADA、政府広報(PT) 18時台前半 0'30"…明治安田生命 2022年5月17日 17時台中盤 0'30"…Kowa 17時台後半 1'00"…P G 0'30"…高須クリニック、アイリスオーヤマ 18時台前半 0'30"…明治安田生命 2022年5月24日 17時台中盤 0'30"…KIRIN(キリンビール・PT) 17時台後半 0'30"…YAMADA、P G、小林製薬、SUNTORY(PT) 18時台前半 0'30"…明治安田生命 2022年6月7日 17時台中盤 0'30"…KIRIN(キリンビール・PT) 17時台後半 0'30"…小林製薬、YAMADA、P G、SUZUKI(PT) 18時台前半 0'30"…明治安田生命 2022年6月14日 17時台中盤 0'30"…三菱UFJモンガン・スタンレー証券 17時台後半 1'00"…P G 0'30"…高須クリニック、アイリスオーヤマ 18時台前半 0'30"…明治安田生命 2022年6月21日 17時台中盤 0'30"…KIRIN(キリンビール・PT) 17時台後半 0'30"…YAMADA、小林製薬、P G、LION(PT) 18時台前半 0'30"…明治安田生命 2022年6月28日 17時台中盤 0'30"…三菱UFJモンガン・スタンレー証券 17時台後半 1'00"…P G 0'30"…アイリスオーヤマ、高須クリニック 18時台前半 0'30"…明治安田生命
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職業 櫻井財閥『エージェント』、魔法使い 属性(ヒーローor悪役など) お調子者魔法使い 能力 魔法、魔術の行使。 詳細説明 櫻井財閥のエージェントに属する魔法使い。魔法使いの家に生まれ、赤ん坊の頃から魔法と共に生きてきた。 さくらの生まれた家は「魔法使いは隠遁するべき」と言う古臭い習慣を未だに守っており、 それが嫌だったさくらは、世間に聞くヒーローに憧れ、無計画に家を飛び出し、見事に路頭に迷う。 そんな折に能力者をスカウトしていたサクライに保護され、その縁でサクライの元で働く事になったらしい。 主な仕事は魔法関係全般の調査。嫉妬の蛇龍の発生時、呪詛の痕跡を見抜き、サクライに伝えたのは彼女。 ただ勉強はあまり好きでないので魔法や魔術の行使は大雑把な感覚でやってる。 夢は物語に出てくるような派手でカワイイ魔法少女。 ・『広域型回覧式口跡探知魔法』 さくらの習得している魔法。村松の家が編み出した探知魔法の一種。 村松が独自に開発した魔法だが、単純な基本魔法の重ねあわせであり、 魔力とやり方さえ分かれば誰でも似たようなことはできるらしい。 過去に世界(周辺地域)に発された言葉を収集し、液体を媒介に視認出来る文字へと変換して、 魔法陣の円周上に浮かび上げ、漂わせる事で一つの情報スクロールとする魔法。 発動には、魔法陣と、中空に文字を描くための触媒となる液体が必要とする。小規模な儀式魔法に分類される。 魔法陣には言葉を集めるための魔法式、集めた言葉を液体に混ぜて繋ぎ留める魔法式、液体を中空に浮かべるための魔法式、etc...が描かれている。 触媒となる液体は色の付いた液体なら何でも良い、が用意出来るなら『魔法使いか魔族の血を混ぜた黒インク』がベスト。 ただそれらは適量集めるのも、後片付けも大変なので、さくらは牛乳を使った。 村松の探知魔法は地味なものが多いが、この魔法はその中でも派手な部類なのでさくらは気に入ってる。 詠唱と魔法の名前は、さくらが勝手につけ足した物で特に意味は無い。 関連アイドル 三好紗南 並木 芽衣子 関連設定 櫻井財閥 エージェント
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《天嶺院 麗央(てんりょういん れお)》 アイコン ゲスト(黄) 年齢 16 性別 女性 種族 人間 身長/体重 163.6cm/53.2kg 3サイズ 91.3(G)/58.8/86.4 誕生日/血液型 不明/O型 特技 剣技 趣味 昼寝 容姿 金髪ロングのやや大人びた少女 性格 冷静/プライド高い/好奇心 癖 腕組み/足組み 好きな人 不明 好きな物 不明 嫌いな人 不明 嫌いな物 不明 武器 不明 能力 不明 二つ名 不明 近頃の悩み 不明 アライメント(属性傾向) 秩序・善 本質 不明 Profile 私立光耀高校に所属する高校2年生であり、伐刀者。 更には世界に冠たる大財閥、天嶺院財閥の令嬢。財閥の総資産は数百兆に上る。 非常に長く美しいブロンドヘアを持ち、顔立ちは幼さの残る部分があるものの美形そのもの。 セレブの余裕からか教育の成果か落ちついた物腰を持っており、口調も落ちついたもの。少々男っぽいが公的な場ではお嬢様口調。 大学卒業後はグループ内の会社を継ぐことになっているお嬢様だが のんびり屋の母親からの遺伝で天然気味であり、父親の放任主義により高校生になった今は割と自由に行動する。 また、昼寝が好きでありちょっとした暇ができると頬杖をつき居眠りをする様を見せる。居眠りなのにどことなく気品を感じさせる。 家柄、地位に見合わず好奇心旺盛。今まで生きてきた世界が狭かったため色々なものを体験したがる節がある。 天然気味なところがあるものの成績優秀。文武両道、花実兼備。 文字通り武芸の心得もあり、剣技はかなりの腕前。 BattleStyle Physical 特性:《伐刀者(ブレイザー)》 およそ千人に1人、特異体質を得て誕生する。 己の魂を具体化させた《固有霊装(デバイス)》を顕現させ、魔力を用いて異能を操り戦う力を持つ。 これには『実体形態』と『幻想形態』が存在し、実体形態での攻撃には肉体的ダメージが伴い、 幻想形態での攻撃では肉体に傷をつけることなく、相応の痛みを与えながら対象の体力のみを削ぎ落とすことができる。 《伐刀者(ブレイザー)》にはその生まれ持った異能の強さ、自身が有する総魔力量によって、魔導騎士国際連盟の規約に則りF~Aまでのランク付けがなされている。 Skill 関連ページ 関連イラスト イメージ キャラクター紹介?|キャラクター紹介 【ゲスト】? コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
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I Loveみんなのどうぶつ園 I Loveみんなのどうぶつ園 2020年10月~20年12月 共通事項 放送時間…土曜19 00~19 56 ネットセールス + ... 共通事項 絨毯の上に 東芝ライフスタイル 以外カラー表記 固定スポンサー unicharm ユニ・チャーム 明治安田生命 Hisamitsu(久光製薬) サカイ引越センター 東芝ライフスタイル P G DAIHATSU AsahiKASEI 旭化成ホームプロダクツ(2020年11月~20年12月) 2020年10月10日 後半 0’30”…unicharm ユニ・チャーム、SUNTORY、明治安田生命、LOTTE、Hisamitsu(久光製薬)、サカイ引越センター、東芝ライフスタイル、P G、DAIHATSU 2020年10月17日 後半 0’30”…Hisamitsu(久光製薬)、サカイ引越センター、LION、P G、DAIHATSU、東芝ライフスタイル、KIRIN(キリンビール)、明治安田生命、unicharm ユニ・チャーム 2020年10月24日 後半 0’30”…東芝ライフスタイル、P G、DAIHATSU、unicharm ユニ・チャーム、KIRIN(キリンビール)、明治安田生命、LION、Hisamitsu(久光製薬)、サカイ引越センター 2020年10月31日 後半 0’30”…SUNTORY、明治安田生命、unicharm ユニ・チャーム、Hisamitsu(久光製薬)、サカイ引越センター、KIRIN(キリンビール)、P G、DAIHATSU、東芝ライフスタイル 2020年11月14日 後半 0’30”…P G、DAIHATSU、東芝ライフスタイル、TAKARA TOMY、明治安田生命、unicharm ユニ・チャーム、Hisamitsu(久光製薬)、サカイ引越センター、AsahiKASEI 旭化成ホームプロダクツ 2020年11月28日 後半 0’30”…unicharm ユニ・チャーム、Hisamitsu(久光製薬)、サカイ引越センター、東芝ライフスタイル、P G、DAIHATSU、AsahiKASEI 旭化成ホームプロダクツ、LION、明治安田生命 2020年12月5日 後半 0’30”…DAIHATSU、東芝ライフスタイル、P G、明治安田生命、unicharm ユニ・チャーム、TAKARA TOMY(タカラトミー)、サカイ引越センター、AsahiKASEI 旭化成ホームプロダクツ、Hisamitsu(久光製薬) 2020年12月12日 後半 0’30”…AsahiKASEI 旭化成ホームプロダクツ、TAKARA TOMY(タカラトミー)、明治安田生命、unicharm ユニ・チャーム、Hisamitsu(久光製薬)、サカイ引越センター、東芝ライフスタイル、P G、DAIHATSU 2020年12月19日 後半 0’30”…Hisamitsu(久光製薬)、サカイ引越センター、AsahiKASEI 旭化成ホームプロダクツ、P G、DAIHATSU、東芝ライフスタイル、SUNTORY、明治安田生命、unicharm ユニ・チャーム @鹿児島読売テレビ + ... 2020年11月28日 前半 0’30”…フジパン(後クレのみ・ヒッチハイク扱い)
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順不同 やなせなつみ やぶさきえみ 八十川真由野 八千草薫 八木かおり 八木亜希子 八木田真樹 八武崎碧 八百坂万紀 安井絵里 安原聡美 安原麗子 安士百合野 安永沙都子 安永英子 安田亜希江 安田成美 安田早希 安田未央 安田美和 山ノ内小百合 山ノ内真理子 山下亜矢香 山下夏生 山下絵利架 山下絵里香 山乃音子 山像かおり 山内奈緒 山内小百合 山内花梨 山内菜々 山口みなこ 山口優子 山口奈々 山口朱美 山口浩子 山口瑞恵 山口由里子 山口眞弓 山口立花子 山口繭 山口茜 山咲ちはる 山岡慶子 山岡葉子 山崎なつき 山崎みちる 山崎バニラ 山崎依里奈 山崎和佳奈 山崎咲 山崎幸 山崎美智 山川亜弥 山川琴美 山戸めぐみ 山戸恵 山本えりな 山本千鶴 山本博子 山本嘉子 山本圭子 山本奈美 山本彰子 山本愛子 山本有紀 山本杏美 山本百合子 山本直 山本直子 山本真奈美 山本真悠子 山本結花 山本緑 山本美由紀 山本舞衣子 山本道子 山本郁子 山本雅子 山本順子 山本麻里安 山田きのこ 山田ふしぎ 山田みほ 山田めぐみ 山田ゆき恵 山田ゆな 山田優 山田妙子 山田悠未 山田栄子 山田礼子 山田美穂 山田花子 山田茉莉 山縣里美 山脇小径 山花千花 山路清子 山野さと子 山野美嶺 山門久美 弥永和子 弥生みつき 柳井久代 柳井流海 柳原みわ 柳川慶子 柳愛美 柳沢三千代 柳沢真由美 柳瀬なつみ 矢作紗友里 矢原加奈子 矢口アサミ 矢島和葉 矢島晶子 矢崎えりい 矢沢泉 矢津田美恵子 矢澤喜代美 矢野明日香 矢野裕子 矢野陽子 谷中麻衣 谷戸由李亜 鎗田千裕 ページ先頭へ
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有吉ゼミ 有吉ゼミ 2022年10月~22年12月 共通事項 放送時間…月曜19 00~20 00 備考 2022年10月3日は2時間SP(19時00分~21時00分) 2022年10月10日、2022年11月7日、2022年12月12日は休止 2022年11月14日は2時間SP(19時00分~21時00分) 2022年12月26日は3時間SP(19時00分~21時54分) ネットセールス + ... 共通事項 全社絨毯の上にカラー表記 固定スポンサー SUNTORY P G Panasonic 小林製薬 M(McDonald's) LION 明治安田生命 SoftBank 2022年10月17日 後半 0’30”…SUNTORY、P G、Panasonic、小林製薬、M(McDonald's)、KIRIN(キリンビール)、LION、明治安田生命、SoftBank、明星食品(PT) 2022年10月24日 後半 0’30”…日清食品、LION、アサヒビール、M(McDonald's)、P G、明治安田生命、SoftBank、SUNTORY、Panasonic、小林製薬 2022年10月31日 後半 0’30”…P G、明治安田生命、SUNTORY、LION、SoftBank、日清食品、Panasonic、小林製薬、SUBARU、M(McDonald's) 2022年11月21日 後半 0’30”…SUNTORY、小林製薬、SoftBank、日清食品、LION、TAKARA TOMY(タカラトミー)、P G、M(McDonald's)、明治安田生命 2022年11月28日 後半 0’30”…M(McDonald's)、LION、Panasonic、SUNTORY、小林製薬、明治安田生命、日清食品、SoftBank、SUBARU、P G 2022年12月5日 後半 0’30”…明治安田生命、P G、TAKARA TOMY(タカラトミー)、LION、SoftBank、M(McDonald's)、SUBARU、Panasonic、小林製薬、SUNTORY 2022年12月19日 後半 0’30”…M(McDonald's)、小林製薬、♪TikTok、P G、SoftBank、SUNTORY、明治安田生命、LION、Panasonic、SoftBank
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『そうだ 日本、行こう。』/Mitchell Carroll レジーナ「暑ぅ~い…」 六花「そんな格好してるからよ」 真琴「ねぇ、なんでこんなに暑いの?」 六花「インドネシアとかマレーシアとか、東南アジアの木をみんな伐(き)っちゃったからよ」 マナ「熱を吸収するものが無くなっちゃった、って訳か…」 レジーナ「なんで伐るのよ、バカ!」 ありす「国立競技場の材料にする為です」 セバスチャン「なお、四葉財閥は一切関わっておりません」 亜久里「ほら、あそこに見えるのがそうです」 ダビィ「オランウータンが群がってるビィ」 アイちゃん「おさぅさん、きゅぴ~」 シャルル「自分たちの棲みかに在った木を求めて、遠路はるばる、やって来たシャル」 ランス「野性の力は凄いでランス~」 ラケル「僕だって、六花の為なら太平洋の一つや二つ、泳ぎきってみせるケル!」 セバスチャン「繰り返し申し上げますが、四葉財閥は、例の事案とは一切関わっておりません」
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製作者:いぷしろん 水無月隆司(みなづきたかし) 年齢:34歳 身長:182cm 体重:78kg 一人称:僕 二人称:君 所属:SRC島統轄理事会 設定: 水無月京夜の従兄弟に当たる。 退魔士としての素養に恵まれなかったため、水無月財閥副CEOとして 財閥を支えるインテリ肌。 【以下、ローカル設定含みます】 本来、SRC学園は社会的に能力者をサポートする為に作られたものなのだが、 近年になって学園内部の腐敗が進み、心無い者による能力者の利用が増加していた。 それらを一掃し、SRC学園をあるべき姿に戻すべく、SRC島にやってきたのが 彼なのである。 非能力者である彼を、そのように走らせる理由は現在不明であり、 その目的も公にしていない。 性格は、柔軟で温和。しかし、目的の為には彼に組する者すら 背筋が寒くなるほどの冷徹さと狡猾さを見せる。 # 非戦闘系キャラです。 # むすすだ式さんのアイコン、Etc_05(Family).bmp(オリジナル5関連) を、パイロットアイコンに指定しています。