約 14,765 件
https://w.atwiki.jp/feri6464/pages/81.html
現在工事中、フェリーシア討伐隊を特徴ごとに分類してみたw キャラクター名 フェリコロ四天王 一応最高幹部wtaka,ディアード、ホリスキー、腐乱doll,Katze。5人いるが弱いので大したことないw キャラクター名 フェリコロ特攻隊 とにかく攻めるが失敗ばかりwサスカ、悠人、やびゃあ キャラクター名 フェリコロ姫プレイヤー 桜雨きりあ、まきゅ キャラクター名 フェリコロ十二神将 人選てきとーなんであとで変えるかもwそこら,まんた、えりす、しぐ、蒼空、サヤ・リティス、はちくま、清麿、グラノーム、金融屋の娘、サスケ01、巴レミ キャラクター名 フェリコロ工作部隊 ミアマット、takupapa キャラクター名 フェリコロ宗教部 Nobody,lact キャラクター名 フェリコロ広報部 Ferby,棗 キャラクター名 フェリコロ婦人部 ぴくちゃる、いさ子 キャラクター名 フェリコロ隠密部隊 ブレイコ、うぃんてる
https://w.atwiki.jp/pokecharaneta/pages/9891.html
フランケンシュタイン キャラクター コメント タイプ1:ゴースト メアリー・シェリーが1818年3月11日に匿名で出版したゴシック小説『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス』(Frankenstein or The Modern Prometheus)の日本における書名の一つ、あるいは同書の主人公であるスイス人科学者の名前である。今日では1831年の改訂版が出回っている。多くの映像化作品が作られ、本書を原案とする創作は現在も作り続けられている。 キャラクター ミュウツー:フランケンシュタイン コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る 草案 キャラクター コバルオン:ウォルトン 北極探検隊の隊長→劇場版の設定がポケモンたちのリーダー的存在 ビリジオン:サヴィル婦人 カクレオン:ボーフォール フラベベ:キャロリーヌ・ボーフォール レジギガス:怪物 サーナイト:エリザベート -- (ユリス) 2015-05-02 17 37 12
https://w.atwiki.jp/ng3ggc/pages/3487.html
名稱:危亦林 伺服器及顏色:5服綠類型:文 性別:男 生命值:420 武力:31 智力:20 防禦:11 敏捷:43 運勢:84 敘述:危亦林,生卒年不詳,字達齋。祖籍撫州(今江西撫州市西),後遷南豐(今江西南豐縣),出身於世醫家庭,高祖危雲山隨董奉二十五世孫董京習大方脈 (內科),爾後醫道五世不衰。其伯祖危子美專婦人及正骨金鏃等科。其父危碧崖,隨周伯熙習小兒科,進而學眼科,兼療瘵疾。危亦林20歲開始業醫,除繼承祖 傳醫術外,還研究瘡腫、咽喉、口齒等科,醫術全面,而以骨傷科最有成就。於1337 年撰成《世醫得效方》。
https://w.atwiki.jp/hrdlicka/pages/61.html
登場人物 男 癌を患っている、私立校で歴史を教えていた 男の母 癌により死亡、バリ島へ行けなかったことが心残りだった(P100) 男の元妻 同じ街に住んでいる、自分をわくわくするような楽しい女だと考えていたが本当は退屈な人間(P98) 紳士服店の店員の男 のんびりしていて親切(P102)、男とは距離はあるが静かな友人関係を築く エンリーコ・ヴェローニ イタリア人デザイナー(P103) バーで出会った女 短い髪と長い爪を持つ女(P104) 高級婦人服店のバイヤー 生命に溢れた真実わくわくする女(P106) 自分は退屈で目立たなくて中途半端で陳腐だと思っている死期が迫る男の話 登場人物の中でデザイナーだけが名前を与えられていることが象徴的
https://w.atwiki.jp/amizako/pages/540.html
わたしがその不思議なクラブの存在を知ったのは、わたしの友人の井上次郎によってでありました。井上次郎という男は、世間にはそうした男がままあみものですが、妙にいろいろな暗黒面に通じていて、たとえば、どこそこの女優なら、どこそこの家へ行けば話がつくとか、オブシーン・ピクチュアを見せる遊郭はどこそこにあるとか、東京における第一流の賭場《とば》は、どこそこの外国人街にあるとか、そのほかわたしたちの好奇心を満足させるような、種々さまざまの知識をきわめて豊富に持ち合わせているのでした。その井上次郎が、ある日のことわたしの家へやって来て、さて改まって改まって言うことには、 「むろんきみなぞは知るまいが、ぼくたちの仲間に二十日会《はつかかい》という一種のクラブがあるのだ。実に変わったクラブなんだ。いわば秘密結社なんだが、会員は皆、この世のあらゆる遊戯や道楽に飽きはてた、まあ上流階級だろうな、金には不自由のない連中なんだ。それが、何かこう世の常と変わった、 へんてこな刺激を求めようという会なんだ。非常に秘密にしていて、めったに新しい会員をこしらえないのだが、今度はひとり欠員ができたので……その会には定員があるわけだfひとりだけ入会することができる。そこで、友だちかいに、きみのところへ話しに来たんだが、どうだい、はいっちゃ」 例によって、井上次郎の話は、はなはだ好奇的なのです。言うまでもなく、わたしはさっそく挑発《ちようはつ》されたものであります. 「そうして、そのクラブでは、いったいぜんたい、どういうことをやるのだい」 わたしが尋ねますと、彼は待ってましたとばかり、その説明を始めるのでした。 「きみは小説を読むかい。外国の小説によくある、風変わりなクラブ、たとえば自殺クラブだ、あれなんか少し風変わりすきるけれど、まあ、ああいった強烈な刺激を求める一種の結社だね。そこでいろいろな催しをやる。毎月二十日に集まるんだが、一度ごとにあっと言わせるようなことをやる。今どきこの日本で、決闘が行なわれると言ったら、きみなんかほんとうにしないだうが、二十日会では、こっそり決闘のまねごとさえやる。もっとも、命がけの決闘ではないけれどね。ある時は、当番に当たった会員が、犯罪めいたことをやって、たとえば人を殺したなんて、まことしやかにおどかすことなんかやる。それが真に迫っているんだから、だれしも肝をひやすよ。また、ある時は、非常にエロチックな遊戯をやることもある。ともかく、そうしたさまざまの珍しい催しをやって、普通の道楽なんかでは得られない、強烈な刺激を味わうのだ。そして喜んでいるのだ。どうだい、おもしろいだろう」 といった調子なのです。 「だが、そんな小説めいたクラブなんか、今どき実際にあるのかい」 わたしが半信半疑で聞き返しますと、 「だから、きみはだめだよ。世の中のすみずみを知らないのだよ。そんなクラブなんかおちゃのこさ。この東京には、まだまだもつとひどいものだってあるよ。世の中というものは、きみたち君子が考えているほど単純ではないさ。早い話が、あの貴族的な集会所でオブシーン・ピクチュァの映画をやったなんてことは、世間周知の事実だが、あれを考えてみたまえ。あれなんか都会の暗黒面の一片鱗《へんりん》にすぎないのだよ。もっともっとドエライものが、その辺のすみずみに、ゴロゴロしているのだ」 で、結局、わたしは井上次郎に説伏されて、その秘密結社へはいってしまったのです。さて、はいってみますと、彼のことばにうそはなく、いや、それどころか、たぶんこうしたものだろうと想像していたよりも、ずっとずっとおもしろい、おもしろいというだけでは当たりません、蠱惑的《こわくてき》ということばがありますが、まあ、あの感じです。一度その会にはいったら、それが病みつきです。 どうしたって、会員をよそうなんて気にはなれないのです。会員の数は十七人でしたが、その中でまあ、会長といった位置にいるのは、日本橋の呉服屋の主人公で、これがおとなしい商売がらに似合わず、非常にアブノーマルな男で、いろいろな催しも、主としてこの呉服屋さんの頭からしぼり出されるというわけでした。おそらく、あの男はそうした事柄にかけては天才だったのでありましょう。その発案が一つ一つ、奇想天外で、奇絶怪絶で、まちがいもなく会員を喜ばせるのでした。 この会長格の呉服屋さんのほかの十六人の会員も、それぞれ一風変わった人々でした。職業分けにしてみますと、商人がいちばん多く、新聞記者、小説家 それは皆相当名のある人たちでしたーそして、貴族の若様もひとり加わっているのです。かくいうわたしと井上次郎とは、同じ商事会社の社員にすぎないのですが、ふたりとも金持ちのおやじを持っているので、そうしたぜいたくな会にはいっても、別段苦痛を感じないのでした。申し忘れましたが、二十日会の会費というのは少々高く、たった一晩の会合のために、月々五十円〔今の二万円ほど〕ずっ徴収せられるほかに、催しによってはその倍も三倍もの臨時費がいるのでした。これはただの腰弁にはちょっと手痛い金額です。 わたしは五ヵ月のあいだ二十日会の会員でありました。つまり、五たびだけ会合に出たわけです。先にも言うとおり、 一度はいったら一生やめられないほどのおもしろい会を、たった五ヵ月でよしてしまったというのは、いかにも変です。が、それには訳があるのです。そして、その、わたしが二十日会を脱退するにいたったいきさつをお話しするのが、実はこの物語りの目的なのであります。で、お話は、わたしが入会以来第五回目の集まりのことから始まるのです。これまでの四回の集まりについても、もし暇があればお話ししたく思うのですが、そして、,お話しすればさっと読者の好奇心を満足させることができると信じますが、残念ながら紙数に箭限もあることですから、ここにははぶくことにいたします。 ある日のこと、会長格の呉服屋さんがi井関さんといいましたーわたしの家をたずねて来ました。そうして会員たちの家を訪問して、個人個人の会員と親しみ、その性質を会得《えとく》して種々の催しを計画するのが、井関さんのやり口でした。そこではじめて会員たちの満足するような催しができるというものです。井関さんは、そんな普通でない嗜好を持っていたにもかかわらず、なかなか快活な人物で、わたしの家内なども、かなり好意を持って、井関さんのうわさをするほどになっていました。それに、井関さんの細君というのがまた非常な交際家で、わたしの家内のみならず、会員たちの細君連とたいへん親しくしていまして、お互いに訪問し合うような間柄になっていたのです。秘密結社とはいいじょう、別段悪事をたくらむわけではありませんから、会のことは、会員の細君たちにも、言わず語らずのあいだに知れ渡っているわけです。それがどういう種類の会であるかはわからなくとも、ともかく、井関さんを中心にして月に一度ずつ集会を」催すということだけは、細君たちも知っていたのです。 いつものことで、井関さんは、薄くなった頭をかきながら、 エビスさまのようにニコニコして、客問へはいって来ました。彼はデップリ太った五十男で、そんな子どもらしい会などにまるで縁がなさそうな様子をしているのです。それが、いかにも行儀よく、キチンと座ぶとんの上へすわって、さて、あたりをキョロキョロ見まわしながら、声を低めて、会の用談にとりかかるのでした。 「今度の二十日の打ち合わせですがね。ひとつ、今までとは、がらりと風《ふう》の変わったことをやろうと思うのですよ。というのは、仮面舞踏会なのです。十七人の会員に対して、同じ人数の婦人を招きまして、お互いに相手の顔を知らずに、男女が組んで踊ろうというのです。へへへへ、どうです。ちょっとおもしろうがしょう。で、男も女も、せいぜい仮装をこらしていただいて、できるだげ、あれがあの人だとわからないようにするのです。そして、わからないなりに、わたしのほうでお渡ししたくじによって踊りの組みを作る、つまり、ここの相手が何者だかわからないというところが、ミソなんです。仮面は前もってお渡しいたしますけれど、変装のほうも、でさるだけうまくやっていただきたい。一つはまあ、変装の競技会といった形なのですから」 一応おもしろそうな計画ですから、わたしはむろん賛意を表しました。が、ただ心配なのは、相手の婦人がどういう種類のものであるかという点です。 「その相手の女というのは、どこから招かれるわけですか」 「へへへへへ」すると井関さんは、癖の、気味のわるい笑い方をして、 「それはまあ、わたしに任せておいてください。決してつまらない者は呼びません。商売人だとか、それに類似の者でないことだけは、ここで断言しておきます。ともかく、皆さんをアッと言わせる趣向ですから、そいつを明かしてしまっては興がない。まあまあ、女のほうはわたしに任せておいてください」 そんな問答を繰り返しているところへ、おりあしくわたしの家内がお茶を運んで来ました。井関さんはハッとしたように、居ずまいを正して、例の無気味な笑い方で、やにわにヘラヘラと笑いだすのでした。 「たいへんお話しがはずんでおりますこと」 家内は意味ありげに、そんなことを言いながらお茶を入れ始めました。 「へへへへへ、少しばかり商売上のお話がありましてね」 井関さんは、取ってつけたように、弁解めいたことを言いました。いつも、そんな調子なのです。そして、ともかく、ひととおり打ち合わせを済ませた上、井関さんは帰りました。むろん、場所や時間なども、すっかりきまっていたのでした。 2 さて、当日になりますと、生まれてはじめての経験です。わたしは命ぜられたとおり、せいぜい念入りに変装して、あらかじめ渡されたマスクを用意して、指定の場所へ出かけました。 変装ということが、どんなにおもしろい遊戯であるかを、わたしはその時はじめて知ることがでさました。そのためにわざわざ、知り合いの美術家のところへ行って、美術家特有のへんてこな洋服を借り出したり、長髪のかつらを買い求めたり、それほどにする必要もなかったのでしょうが、家内のおしろいなどを盗み出して、化粧をしたり、そして、それらの変装を、家の者たちに少しも悟られないように、こっそりやっている気持ちが、またたまらなく愉快なのです。鏡の前で、まるでサーカスの道化役者《どうけやくしや》ででもあるように、顔にベタベタおしろいを塗りつける心持ち、あれは実際、一種異様の不思議な魅力を持っているものです。わたしははじめて、女が鏡台の前で長い時間を浪費する気持ちが、わかったように思いました。 ともかくも変装を済ませたわたしは、異形の風体を人力車の幌《ほろ》に隠して、午後八時という指定.にまにあうように、秘密の集会場へ出かけました。 集会場は山の手のある富豪の邸宅に設けられてありました。車がその邸宅の門に着くと、わたしはかねて教えられていたとおり、門番小屋に見張り番を勤めている男に、 一種の合図をして、長い敷き石道を玄関へとさしかかりました。アーク灯の光りが、わたしの不思議な格好を長女と、白い敷き石道に映し出していました。 玄関にはひとりのボーイ体の男が立っていて、これはむろん会が雇ったものなのでしょう、わたしの風体をあやしむ様子もなく、無言で内部へ案内してくれました。長い廊下を過ぎて、洋風の大広間にはいると、そこにはもう、三々伍々会員らしい人々や、その相手を勤める婦人たちが、立っていたり、歩いていたり、長イスに沈んでいたりしました。おぼろにぼかした灯光が、広くりっぱなへやを夢のように照らしていました。 わたしは、入り口に近い長イスに腰をおろして、知人を捜し出すべく、へやの中を見渡しました。しかし、彼らはまあ、なんという巧みな変装者たちなのでしょう。確かに会員に相違ない十人近くの男たちは、まるではじめて会った人たちのように、脊格好から、歩きぶりから、少しも見覚えがないのです。言うまでもなく顔面は、一様の黒いマスクに隠されて、見分けるべくもありません。 ほかの人はともかく、古くからの友だちの井上次郎だけは、いかにうまく変装したからといって、見分けられぬはずはあるまいと、ひとみをこらして物色するのですが、わたしのあとからつぎつぎにへやにはいって来た人たちのうちにも、それらしいのが見当たりません。それはまあ、なんという不思議な晩であったことでしょう。いぶし銀のようにくすんだ色の広間の中に、にぶく光った寄せ木細工の床の上に、種々さまざまの変装をこらし、おそろいのマスクをはめた十七人の男と、十七人の女が、ムッツリと黙り込んだまま、今にも何事か奇怪なできごとの起こるのを待ち設けでもするように、ある者は静止し、ある者はうごめいているのです。 こんなふうに申しますと、読者諸君は、西洋の仮装舞踏会を連想されるかもしれませんが、決してそうではないのです。へやは洋室であり、人々はだいたい洋装をしていましたけれど、そのへやが日本人の邸宅の洋室であり、その人々が洋装をした日本人であるように、全体の調子が非常に日本的で、西洋の仮装舞踏会などとは、まるで連った感じのものでありました。 彼らの変装は、正体をくらます点においてきわめて巧みではありましたけれど、皆、あまりにじみな、あるいはあまりに粗暴な、仮装舞踏会という名称にはふさわしからぬものばかりでした。それに、婦人たちの妙にものおじをした様子で、なよなよと歩くふぜいは、あの活発な西洋女の様子とは、似ても似つかぬものでありました。 正面の大時計を見ますと、もはや指定の時間も過ぎ、会員だけの人数もそろいました。この中に井上次郎がいないはずはないのだがと、わたしはもう一度目を見はって、ひとりひとりの異様な姿を調べてゆきました。ところが、やっぱり、疑わしいのが二、三見当たりましたけれど、これが井上だと言いきることのできる姿はないのです。荒いごばんじまの服を着て、同じハンチングをつけた男の肩の格好が、それらしくも見えます。また、赤黒い色のシナ服を着て、ジナの帽子をかむり、わざと長い弁髪をたれた男が、どうやら井上らしく見えます。そうかと思うと、ピヅタリ身についた黒の肉じゅばんを着て、黒絹で頭を包んだ男の歩きっぷりが、あの男らしくも思われるのです。 おぼろなるへやの様子が影響したのでもありましょう。あるいはまた、先にも言ったとおり、彼らの変装がそろいもそろって巧妙をきわめていたからでもありましょう。が、それらのいずれよりも、覆面というものが人を見分けにくくするカは恐ろしいほどでありました。一枚の黒布、それがこの不可思議な、また無気味な光景をかもし出す第一の要素となったことは申すまでもないのです。 やがて、お互いがお互いを探り合い、疑い合って、奇妙なだんまりを演じているその場へ、先ほど玄関に立っていたボーイ体の男がはいって来ました。そして、何か暗唱でもするような口調で、次のような口上を述べるのでありました。 「皆さま、長らくお待たせいたしましたが、もはや規定の時間でもございますし、ご人数もおそろいのようでございますから、これからプログラムの第一にきめました、ダンスを始めていただくことにいたします。ダンスのお相手を定めますために、あらかじめお渡し申しました番号札を、わたしまでお手渡しを願い、わたしがそれを呼び上げますから、同じ番号のおかたが、おひと組みにおなりくださいますよう。それから、はなはだ失礼でございますが、中にはダンスというものをご案内のないおかたさまがおいでになりますので、今夜は、どなた様も、ダンスを踊るというおつもりでなく、ただ音楽に合わせまして、手をとり合って歩きまわるくらいのお考えで、ご案内のないおかたさまも、少しもご遠慮なく、ご愉快をお尽しくださいますよう。なお、組み合わせがきまりましたならば、お興を添えますために、そのへやの電灯をすっかり消すことになっておりますから、これもお含みおきくださいますようお願いいたします」 これはたぶん井関さんが命じたまま復唱したものにすぎないのでしょうが、それにしても、なんというへんてこな申し渡しでありましょう。いずれは気違いめいた二十日会の催しのことですけれど、ちと薬がききすぎはしないでしょうか。わたしは、それを聞くと、なんとなく身のすくむ思いがしたことであります。 さて、ボーイ体の男が番号を読み上げるにしたがって、わたしたち三十四人の男女は、ちょうど小学生のように、そこへいっしょに並びました。そして、十七対の男女の組み合わせができ上がったわけです。男同士でさえ、だれがだれだかわからないのですから、まして相手ときまった女が何者であるか、知れよう道理はありません。それぞれの男女は、おぼろげな灯光のもとに、互いに覆面を見かわして、もじもじと相手の様子を伺っています。さすがに奇を好む二十日会の会員たちも、いささか立ちすくみの形でありました。 同じ番号の縁でわたしの前に立った婦人は、黒っぽい洋服をきて、昔流の濃い覆面をつけ、その上からご丁寧にマスクをかけていました。一見したところ、こうした場所にはふさわしくない、しとやかな様子をしていましたけれど、さて、それが何者であるか、専門のダンサーなのか、女優なのか、あるいはまた堅気の娘さんなのか、井関さんのせんだっての口ぶりでは、まさか芸者などではありますまいが、なにしろ、まったく見当がつかないのです。 が、だんだん見ているうちに、相手の女のからだつきに、何か見覚えのあるような気がしてきました。気の迷いかもしれませんけれど、その格好は、どこやらで見たことがあるのです。わたしがそうして彼女をジロジロながめているあいだに、先方でも同じ心とみえまして、長髪画家に変装したわたしの姿を熱心に検査し、思いわずらっている様子でした。 あの時、蓄音器の回転し始めるのがもう少しおそく、電灯の消えるのがちょっとでも遅れたなら、あるいはわたしは、後にわたしをあのように驚かせ恐れさせたところの相手を、すでに見破っていたかもしれないのですが、惜しいことには、もう少しというところで、一時に広間が暗黒になってしまったのです。 パッと暗やみになったものですから、しかたなく、あるいはやっと勇気づいて、のたしは相手の女の手を取りました。相手のほうでも、そのしなやかな手首をわたしにゆだねました。気のきいた司会者は、わざとダンス物を避けて、静かな絃楽合奏のレコードをかけましたので、ダンスを知った人も、知らない人も一様にしろうととして、暗やみの中を回り始めました。もしそこに、わずかの光りでもあろうものなら気がさして、とても踊ることはできなかったでしょうが、司会者の心づかいで、さいわい暗やみになっていたものですから、男も女も、案外活発に、おしまいには、コツコツというたくさんの足音が、それから、あらい息使いが、天井に響き渡るほども、勢いよく踊りだしたものであります。 わたしと相手の女も、はじめのあいだは、遠方から手先を握り合って、遠慮がちに歩いていたのが、だんだんと、接近して、彼女のあごがわたしの庸に、わたしの腕が、彼女の腰に、密接して、夢中になって踊り始めたのであります。 3 わたしは生まれてから、あのような妙な気持ちを味わったことがありません。それは、まっくらなへやの中です。そこの寄せ木細工のなめらかな床《ゆか》の上を、木の膚をたたいている無数のキツツキのように、コツコツと、不思議なリズムをなして、わたしたちのクツ音が走っています。そして、ダンス伴奏にはふさわしくない、むしろ陰惨な、絃楽またはピアノのレコードが、地の底からのように響いています。目がやみになれるにしたがって、高い天井の広間の申を、暗いためいっそう数多く見える、たくさんの人の頭がうごめいているのが、おぼろげに見えます。それが、広間のところどころに巨人のように屹立《きつりつ》した、数本の太い円柱をめぐって、チラチラと入り乱れているありさまは、地獄の饗宴《きようえん》とでも形容したいような、世にも奇怪な感じのものでありました。 わたしは、この不思議な情景の中で、 どことなく見覚えのある、しかしそれがだれであるかは、どうしても思い出せないひとりの婦人と、手を取り合って踊っているのです。そして、それが夢でも幻でもないのです。わたしの心臓は恐怖とも歓喜ともつかぬ一種異様の感じをもって、はげしくおどるのでありました。わたしは相手の婦人に対して、どんな態度を示すぺきかに迷いました。もし、それが売女のたぐいであるなれば、 どのような無作法も許されるでありましょう。が、まさかそうした種類の婦人とも見えません。では、それを生業《なりわい》にしている踊女《おどりめ》のたぐい ででもありましょうか。いや、そんなものにしては、彼女はあまりにしとやかで、かつ舞踏の作法さえ不案内のように見えるではありませんか。それなら、彼女は堅気の娘、あるいはどこかの細君ででもありましょうか。もしそうだとすると、井関さんの今度のやり方は、あまりにご念の入った、むしろ罪深いわざと言わねばなりません。 わたしはそんなことをせわしく考えながら、ともかくも、皆といっしょに回り歩いておりました。すると、ハッとわたしを驚かせたことは、そうして歩いているあいだに、相手の婦人の一方の腕が驚くべき大胆さをもって、スルスルとわたしの肩に延ばされたではありませんか。しかもそれは、決して媚《こび》を売る女のやりかたではなく、といって、若い娘が恋人に対する感じでもなく、少しもぎこちなさを見せないで、さもなれなれしく、当然のことのように行なわれたのであります。 間近く寄った、很女の覆面からは、軽くにおやかな呼吸が、わたしの顔をかすめます。なめらかな彼女の絹服が、なよなよと、不思議な感触をもって、わたしのビロードの服にふれ合います。このような彼女の態度は、にわかにわたしを大胆にさせました。そして、わたしたちは、まるで恋人同士のように、無言の舞踏を踊りつづけたことであります。 もう一つわたしを驚かせたのは、やみをすかしてほかの踊り手たちを見ますと、彼らもまた、わたしたちと同じように、あるいはいっそう大胆に、決して初対面の男女とは思えないような踊り方をしていることでありました。いったいまあ、これはなんという気違いざたでありましょう。そうしたことに慣れぬわたしは、見も知らぬ相手と暗やみの中を踊り狂っている自分が、ふと恐ろしくなるのでした。 やがて、ちょうど皆が踊り疲れたころに、蓄音器の奏楽がハタと止まって、先ほどのボーイの声が聞こえました。、 「皆さま、.次のへやに、飲み物の用意ができましてございます。しばらくあちらでご休息くださいますよう、お願いいたします」 ド声につれて境のドアが左右に開かれ、まぶしい光線が、パッとわたしたちの目をうちました。 踊り手たちは司会者の万遺漏なき心くばりを感じながら、しかし無言のまま、一対ずつ手をとり合って、そのへやへはいるでした。広間には比ぶべくもありませんが、でも相当広いへやに、十七個の小食卓が、純白のクロースにおおわれて、配置よく並んでいました。ボーイの案内につれて、わたしとわたしの婦人とは、すみのほうのテーブルにつきました。見ると、給仕人はなくて、おのおののテーブルの上に、二つのグラスと二本の洋酒のびんが置かれてあります。 一本はボルドウの白ブドー酒、ほかの一本は、むろん男のために用意せられたものですが、シャンパンなどではなく、なんとも知れぬ不思議な味の酒でした。 やがて、奇怪な酒宴が開かれました。堅くことばを発することを禁じられたわたしたちは、まるでおしのように黙々として、杯を満たしては飲みました。婦人たちも勇敢にブドー酒のグラスをとるのでした。 それはかなり強烈な酒であったとみえ、まもなくわたしは、激しい酔いをおぼえました。相手の婦人に、ブドー酒をついでやるわたしの手が、おこりのように震えて、グラスの縁がカチカチと鳴りました。わたしは思わず変なことをどなりそうになっては、あわてて口をつぐみました。わたしの前の覆面の女は、口までもおおった黒布を片手で少し持ち上げて、つつましく杯を重ねました。そして、彼女も酔ったのでしょう。覆面をはずれた美しい皮膚は、もうまっかになっておりました。 そうして、彼女を見ているうちに、わたしはふと、わたしのよく知っている、ある人を思い浮かべました。彼女の首から肩の線が、見れば見るほど、その人に似ているのです。しかし、そのわたしの知っている人が、まさかこんな場所へ来るはずはありません。最初から、なんとなく見たようなと感じたのは、おそらくわたしの気の迷いにすぎなかったのでしょう。世の中には、顔でさえもうり二つの人があるくらいです。姿勢が似ていたからとて、うかつに判断を下すことはできません。 それはともかく、無言の酒宴は、今やたけなわと見えました。ことばを発するものこそありませんけれど、室内はグラスの触れ合う響き、きぬずれの音、ことばをなさぬ人声などで、異様にどよめいて来ました。だれもかれも、非常に酔っているように見えました。もしあの時、ボーイの口上が少しでもおくれたなら、だれかが叫びだしたかもしれません。あるいはだれかが立ち上がって踊りだしたかもしれません。が、さすがは井関さんのさしずです。もっとも適当な時機にボーイが現われました。 「皆さま、お酒が済みましたら、どうか踊り場のほうへお引き上げを願います。あちらではもう、音楽が始まっております」 耳をすますと、隣りの広間からは、酔客たちの心をそそるように、前とはガラリと変わった快活な、むしろそうそうしい管絃楽が響いて来ました。人々は、その音楽にさそわれるように、ゾロゾロと広間に帰りました。そして、以前に数倍した物狂わしき舞踏が始まるのでした。 あの夜の光景をなんと形容したらよいのでしょう。耳もろうせんばかりの騒音、やみの中に火花が散るかと見える無数の乱舞、そして意味のない怒号、わたしの筆ではとうてい、ここにその光景を描きだすことはできません。のみならず、わたし自身も、四肢《し》の運動につれて発した極度の酔いに正気を失って、人六が、またわたし自身が、どのような狂態を演じたかを、ほとんど記憶しないのであります。 4 焼けるようなのどの乾きをおぼえて、わたしはふと目をさますと、わたしは、わたしの寝ていたへやが、いつもの自分の寝室でないことに気づきました。さてはゆうべ踊り倒れて、こんな家へかつぎ込まれたのかな。それにしても、この家はいったいぜんたいどこだろう。見ると、まくらもとの手の届くところへ、ベルのひもが延びています。わたしはともかく、人を呼んで聞いてみようと思い、そのほうへ、手を伸ばしかけて、ふと気がつくと、そこのタバコ盆のわきに、一束の半紙が置かれ、そのいちばん上の紙に、何か鉛筆の走り書きがしてあるのです。好奇心のまま、読みにくいかな文字を、なにげなく拾ってみますと、それは次のようにしたためてありました。 「あなたはずいぶんひどいかたです。お酒の上とはいえ、あんな乱暴な人とは、知りませんでした。しかし、いまさら言ってもしようがありません。わたしはあれは夢であったと思って忘れます。あなたも忘れてください。そして、このことは井上には絶対に秘密を守ってください。お互いのためです。わたしはもう帰ります。春子」 それを読んで行くうちに、寝ぼけていた頭が、一度にハッキリして、わたしは何もかも悟ることができました。 「あれは、わたしの相手を勤めた婦人は、井上の細君だったのか」そして、言いがたき悔恨の情が、わたしの心臓をうつろにするかとあやしまれました。 泥酔《でいすい》していたとはいえ、夢のように覚えています。ゆうべ、やみの乱舞が絶頂に達したころ、例のボーイが、そっとわたしたちのそばへ来てささやきました。 「お車の用意ができましてございます。ご案内いたしましょう」 - わたしは婦人の手をたずさえて、ボーイのあとにつづきました。 (どうしてあの時、彼女はあんなに従順に、わたしに手を引かれていたのでしょう。彼女もまた酔っていたのでしょうか)玄関には一台の自動車が横づけになっていました。わたしたちはそれに乗ってしまうと、ボーイは運転手の耳に口をつけて、 「十一号だよ」とささやきました。それがわたしたちの組み合わせの番号だったのです。 そして、たぶんここの家へ運ばれたのです。その後のことはいっそうぼんやりして、よくわかりませんけれど、へやへはいるなり、わたしは自分の覆面をとったようです。すると、相手の婦人がアッと叫んで、いきなり逃げ出そうとしました。それを、夢のように思い出すことができます。でもまだ、酔いしれていたわたしは、相手が何者であるかを推察することができなかったのです。すべて泥酔《でいすい》のさせたわざです。そして、今この置き手紙を見るまで、わたしは彼女が友人の細君であったことさえ知らなかったのです。わたしはなんというバカ者でありましょう。 わたしは夜の明けるのを恐れました。もはや世間に顔出しもできない気がします。わたしはこのつぎ、どういう態度で井上次郎に会えばいいのでしょう。また、当の春子さんに会えばいいのでしょう。わたしは青くなって、とつおいつ返らぬ悔恨にふけりました。そういえば、わたしは最初から相手の婦人に、ある疑いを持っていたのです。覆面と変装とにおおわれていたとはいえ、あの姿は、どうしても春子さんに相違なかったのです。わたしはなぜ、もっと疑ってみなかったのでしょう。相手の顔を見分けられぬほども泥酔《でいすい》する前に、なぜ彼女の正体を悟りえなかったのでしょう。 それにしても、井関さんの今度のいたずらは、彼が井上とわたしとの綿密な関係を、よく知らなかったとはいえ、ほとんど常軌《じようき》を逸していると言わねばなりません。たといわたしの相手が、ほかの婦人であったにしても、許すべからざる計画です。彼はまあ、どういう気で、こんなひどい悪だくみをもくろんだのでありましょう。それにまた、春子さんも春子さんです。井上という夫のある身が、知らぬ男と暗やみで踊るさえあるに、このような場所へ運ばれるまで、黙っているとは。わたしは彼女がそれほど不倫な女だとは、今の今まで知りせんでした。だが、それは皆わたしの、えてか・ってというものでしょう。わたしさえあのように泥酔《でいすい》しなかったら、こんな世間に顔向けもできないような、不愉快な結果を招かずとも済んだのですから。 その時の、なんともいえぬ不愉快な感じは、いくら書いても足りません。ともかく、わたしは夜の明けるのを待ちかねて、その家を出ました。そして、まるで罪人ででもあるように、おしろいこそ落としましたけれど、ほとんどゆうべのままの姿を車の幌《ほろ》に深く隠して、家路についたことであります。 5 家に帰っても、わたしの悔恨は深まりこそすれ、決して薄らぐはずはありません。そこへ持って来て、わたしの女房は、彼女にしてみれば無理もないことでしょうが、病気と称してひと間にとじこもったきり、顔も見せないのです。わたしは女中の給仕でまずい食事をしながら、悔恨の情をさらに倍加したことであります。 わたしは、会社へは電話でことわっておいて、机の前にすわったまま、長いあいだぼんやりしていました。眠くはあるのですが、とても寝る気にはなれません。そうかといって、本を読むことも、そのほかの仕事をすることも、むろんだめです。ただぼんやりと、取り返しのつかぬ失策を、思いわずらっているのでした。 そうして思いにふけっているうちに、わたしの頭に、ふと一つの懸念が浮かんで来ました。 「だが、待てよ」わたしは考えるのでした。 「いったいぜんたい、こんなばかばかしいことがありうるものだろうか。あの井関さんが、ゆうべのような不倫な計画を立てるというのも変だし、それにいくら泥酔《でいすい》していたとはいえ、朝になるまで相手の婦人を知らないでいるなんて、少しおかしくはないか。そこには、わたしをして、しいてそう信じさせるような、技巧がろうせられてはいなかったか。だいいち、井上の春子さんが、あのおとなしい細君が、舞踏会に出席するというのも信じがたいことだ。問題はあの婦人の姿なんだ。ことに、首から肩にかけての線なんだ。あれが井関さんの巧妙なトリックではなかったのか。遊里のちまたから覆面をさせなければ春子さんと見違うような女を捜し出すのは、さほど困難ではないだろう。おれはそうした影武者のために、まんまと一杯食わされたのではないか。そして、この手にかかったのは、おれだけではないかもしれない。人の悪い井関さんは、意味ありげな暗やみの舞踏会で、会員のひとりひとりをおれと同じような目に会わせ、あとで大笑いをするつもりだったのではないか。そのだ、もうそれにきまった」 考えれば考えるほど、すぺての事情がわたしの推察を裏書きしていました。わたしはもう、くよくよすることをやめ、先ほどとは打って変わって、ニヤニヤと気味のわるいひとり笑いを漏らしさえするのでした。 わたしはもう一度外出のしたくをととのえました。井関さんのところへ押しかけようというのです。わたしは彼に、わたしがどんなに平気でいるかということを見せつけて、ゆうぺの仕返しをしなければなりません。 「オイ、タクシーを呼ぶんだ」 わたしは大声で女中に命じました。 わたしの家から井関さんの住まいまでは、さして遠い道のりではありません。やがて車は、彼の玄関に着きました。ひょっと店のほうへ出ていはしないかと案じましたが、さいわい在宅だというので、わたしはすぐさま彼の客間に通されました。見ると、これはどうしたというのでしょう。そこには、井関さんのほかに二十日会《はつかかい》の会員が三人も顔をそろえて談笑していたではありませんか。では、もう、種明かしが済んだのかしら。それとも、この連中だけは、わたしのような目にも会わなかったのかしら。わたしは不審に思いながら、しかし、さも愉快そうな表情を忘れないで、設けられた席につきました。 「やア、ゆうべはお楽しみ」 会員のひとりが、からかうように声をかけました。 「なあに、ぼくなんざだめですよ。きみこそお楽しみでしたろう」 わたしは、あごをなでながら、さも平然と答えました。 「どうだ、驚いたか」という腹です。ところが、それにはいっこう反響がなくて、相手から返って来たことばは、実に奇妙なものでありました。 「だって、きみのところは、われわれのうちで、いちばん新しいんじゃありませんか。お楽しみでないはずはないや、ねえ、井関さん」 すると、井関さんは、それに答えるかわりに、アハアハと笑っているのです。どうも様子が変なのです。が、彼らはわたしの表情などには、いっこうおかまいなく、ガヤガヤと話を続けるのです。 「だが、ゆうべの趣向は確かに秀逸だったね。まさか、一あの覆面の女が、てんでんの女房たあ気がつかないやね」 「あけてくやしき玉手箱か」 そして、彼らは声をそろえて笑うのです。 「むろん、最初札《ふだ》を渡す時に、夫妻同一番号にしておいたんだろうが、それにしても、あれだけの人数がよくまちがわなかったね」 「まちがったら大変ですよ。だから、その点はじゅうぶん気をつけてやりました」 井関さんが答えるのです。 「井関さんがあらかじめ旨《むね》を含めてあったのといえ、女房連、よくやって来たね。あれが自分の亭主だからいいようなものの、味をしめて、ほかの男にあの調子でやられちゃ、たまらないね」 「危険を感じますかね」 そして、またもや笑い声が起こりました。 それらの会話を聞くうちに、わたしはもはや、じっとすわっているのに耐えられなくなりました。たぶん、わたしの顔はまっさおであったことでしょう。これですっかり、事情がわかりました。井関さんは、あんなに、自信のあるようなことを言っていますが、どうかしたつこうで、わたしだけ相手がまちがったのです。自分の女房のかわりに、春子さんと組み合ったのです。わたしは運わるくも、偶然、恐ろしいまちがいに陥ってしまったのです。 「だが」わたしはふと、もう一つの恐ろしい事実に気づきました。冷たいものが、わたしのわきの下をタラタラと流れました。 「それでは、井上次郎はいったい、だれと組んだのであろう?」 言うまでもないことです。わたしが彼の妻と踊ったように、彼はわたしの妻と踊ったのです。おお、わたしの女房が、あの井上次郎と? わたしはめまいのために倒れそうになるのを、やっとこらえました。 それにしても、これはまた、なんという恐ろしい錯誤でありましょう。あいさつもそこそこに井関さんの家をのがれ出したわたしは、車の中で、ガンガンいう耳を押さえながら、どこかにまだ一縷《る》の望みがあるような気がして、いろいろと考え回すのでありました。 そして、車が家へつくころ、やっと気づいたのは、例の番号札のことでした。わたしは、車を降りると家の中へ駆け込み、書斎にあった変装用の服のポケットから、その番号札を捜し出しました。見ると、そこには横文字で十七としるされています。ところで、ゆうべのわたしの番号は、わたしははっきり覚えていました。それは十一なのです。わかりました。それは井関さんの罪でも、だれの罪でもないのです。わたし自身の取り返しのつかぬ失策なのです。わたしは井関さんから前もって、その札を渡された時、まちがわぬようにと、くれぐれも注意があったにもかかわらず、よくも見ておかないで、あの会場の激情的な空気の中で、そぞろ心に札を見たのです。そして1と7とをまちがえて、十一番と呼ばれた時に返事をしたのだす。でも、ただ番号のまちがいくらいから、こんな大事をひき起こそうとは、だれが想像しましょう。わたしは二十日会などという気まぐれなクラブに加入したことを、いまさら後悔しないではいられませんでした。 それにしても、井上までがその番号をまちがえたというのは、どこまでいたずらな運命だしょう。おそらく彼は、わたしが十一番の時に答えたため、自分の札を十七番と誤信してしまったのでしょう。それと、井関さんの数字は、7を1とまちがえやすいような書体だったのです。 井上次郎と、わたしの妻のことは、わたし自身の場合に引き比べて、推察にかたくありません。わたしの変装については、妻は少しも知らないのですし、彼らもまた、わたし同様、狂者のように酔っぱらっていたのですから。そして、なによりの証拠は、ひと間にとじこもって、わたしに顔を見せようともせぬ妻のそぶりです。もう疑うところはありません。 わたしはじっと書斎に立ちつくしていました。わたしにはもはや、ものを考える力もありませんでした。ただ焼きつくように、わたしの頭を襲うものは、おそらく一生涯消え去る時のない、わたしの妻に対する、井上次郎に対する、その妻春子に対する、唾棄《だき》すべき感情のみでありました。
https://w.atwiki.jp/talesofdic/pages/18868.html
イゾルデ(いぞるで) 概要 デスティニー2に登場した斧系の武器。 登場作品 + 目次 デスティニー2 関連リンク関連品 ネタ デスティニー2 悲しみという名の騎士が愛用した斧槍ある婦人の名を冠している ロニ用の武器、両手の一種。 攻撃+352、命中+5、クリティカル+30でカタストロフ5の固有スロットを持つ。 ダイクロフトで拾える。 分類 両手 アイテムLv. 攻撃 352 命中 5 クリティカル 30 詠唱速度 0 買値 売値 リファイン変化 固有スロット カタストロフ5 装備者 ロニ 入手方法 拾 ダイクロフト(2回目) ▲ 関連リンク 関連品 ネタ イゾルデ(英:Isolde)とは、中世に宮廷詩人たちが広く語り伝えた恋愛物語「トリスタンとイゾルデ」または「トリスタン物語」に登場したマルク王の妃の事。 ▲
https://w.atwiki.jp/m3a-wiki/pages/31.html
【HawkB救出事件】; ほーくえーすかのじょきゅうしゅつ - じけん 倉庫作業で傷だらけになってしまったメガネの替わりを アピタ松任店で受け取り、帰って現実世界で狩りでもするかと意気込みながら帰る途中。 三十苅の踏切付近で溝にはまっている車を発見。 FIREとMALCOLMは救出を決断し、現場へと足を踏み出した。 「ひょっとして…りゅーのす君?」 驚きの表情を浮かべるMALCOLMと少女。 まったく状況が飲み込めないFIREとご婦人。 車を溝にはめて困っていたのはなんと、HawkAの彼女とその母親だったのだ。 そんなこんなでFIREとHawkA彼女、まさかのファーストコンタクトなエピソード。 尚、車は無事救出に成功している。 最終更新日 2012/05/04
https://w.atwiki.jp/aion20memo/pages/1233.html
妻のための最高の料理1 遂行地域 サルファン - 南東の封印の地 適正レベル 取得 58 / 遂行 58 報酬 経験値 4,060,013 / 266,256 ギーナ+ 選択報酬最上級 物理クリティカル向上スクロール(5)最上級 魔法クリティカル向上スクロール(5)高級 衝撃緩和スクロール(5) -の中から1つ選択 関連クエスト 1.具合の悪い婦人の頼み2.昇級を望む旦那3.不可能な成果4.目を疑う成果5.妻のための最高の料理16.妻のための最高の料理27.すでに遅い牛骨スープ 進行順序 1.NPCジョウビスと会ってクエスト獲得2.サリバドの背骨を見つけてNPCジョウビスのところへ戻れ-サリバドの背骨(15)・・・ラフ スケイル サリバドからドロップ3.NPCジョウビスと会ってクエスト完了
https://w.atwiki.jp/dzuka/pages/2309.html
天真みちるをお気に入りに追加 天真みちるとは 天真みちるの74%は海水で出来ています。天真みちるの19%は赤い何かで出来ています。天真みちるの5%は根性で出来ています。天真みちるの1%は知恵で出来ています。天真みちるの1%は睡眠薬で出来ています。 天真みちるの報道 TVアニメ『ワッチャプリマジ!』第7話 先行場面カット・あらすじ到着!れもんの歓迎会で、みゃむは魔力を暴走させてしまう - アニメイトタイムズ 【フォロー&RT】祝・結婚!天真みちるさんチェキプレゼント | FRIDAYデジタル - FRIDAYデジタル 元宝塚の「おじさん役」天真みちるが語った結婚秘話 | FRIDAYデジタル - FRIDAYデジタル 元宝塚の「おじさん役」天真みちるが語った結婚秘話(FRIDAY) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 越乃リュウ、宝塚音楽学校2年目、本科生として自由の身に。幻の芸名「新 海」は、青い衣装がよく似合う!?(婦人公論.jp) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 史上最高倍率を突破した元タカラジェンヌ「家族」「離婚」の葛藤 | FRIDAYデジタル - FRIDAYデジタル 高橋みなみが「あーん」するクロちゃんに冷静ツッコミ「それよりも…」 - ニコニコニュース 「AirPods 3」のケースもう発売 あれっ?アップル正式発表してないよ (2021年10月18日) - エキサイトニュース 妖精40年 涼風真世には歌がある これからも伸びやかに [宝塚歌劇団] - 朝日新聞デジタル 元タカラジェンヌ・天真みちる結婚「10年来の友人」 タンバリン芸で一躍有名に(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース おじさん役でタンバリン芸の元タカラジェンヌ・天真みちるが結婚 - ニッカンスポーツ 元タカラジェンヌ、天真みちるが結婚 「おじさん役をやり続け」異色の存在として話題に(ENCOUNT) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 元宝塚歌劇 天真みちる結婚「10年来の友人」 タンバリン芸で一躍有名に - デイリースポーツ 橋本環奈の辛辣ツッコミに浅川梨奈「やめい!」 ファン爆笑 (2021年10月14日) - エキサイトニュース クリスティーナ・リッチが再婚 (2021年10月13日) - エキサイトニュース 大人気YouTuber東海オンエア・てつやが8周年を報告 (2021年10月13日) - エキサイトニュース 越乃リュウ、宝塚の芸名は家族会議で決定。いつも聞かれる「寒梅の娘?」「酒豪?」に、実際は「嗜む程度です」(婦人公論.jp) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 元宝塚・七海ひろきの「スタイリッシュ体操」カッコ良すぎる理由(FRIDAY) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 越乃リュウ、勢いと負けず嫌いで始まった宝塚人生。緊張のあまり、本科生の問いかけに出た「へぇ」(婦人公論.jp) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 礼真琴にスマホでズーム 宝塚歌劇で初配信、8K動画の楽しみ方 - 毎日新聞 - 毎日新聞 【本ナビ+1】クリエイティブディレクター 佐藤可士和 異色の脇役スターがゆく『こう見えて元タカラジェンヌです』 - 産経ニュース 越乃リュウ「〈あなたは背も高いし、宝塚を受験したら?〉バレエ一筋の私に、先生がくれたアドバイス」(婦人公論.jp) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース タカラジェンヌの「その後」を支援 宝塚歌劇団前理事長の次の狙い - 毎日新聞 - 毎日新聞 越乃リュウ「8月15日に退団した月組のトップスターであり可愛い後輩。実直な人、珠城りょうさん」(婦人公論.jp) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 元トップ霧矢大夢「舞台が楽しい」 宝塚時代の病気越え - 朝日新聞デジタル 40代でビジネス数字を学び始めた女性役員は、「営業ノート」に何を書いたか | PRESIDENT WOMAN Online(プレジデント ウーマン オンライン) - PRESIDENT Online アニメ 『進撃の巨人』調査兵団の軌跡をたどる、初の公式メモリアル 「ステッカー&ポストカードブック」発売!(2021年8月12日)|BIGLOBEニュース - BIGLOBEニュース 越乃リュウ「史上最年少で、宝塚歌劇団月組〈組長〉に! 理事長から言われた衝撃の一言」(婦人公論.jp) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 元タカラジェンヌ・天真みちる、宝塚を愛するトラックメイカーアイドル・眉村ちあき、念願の初トーク!(2021年8月3日)|BIGLOBEニュース - BIGLOBEニュース 「元宝塚歌劇団OG×神戸のレストラン」コラボ企画 アーカイブ配信へ - 神戸経済新聞 元タカラジェンヌと共にお届けする“明日へのエナジー”ライブイベント!『TOOTH SIENNE』2021年8月6日(金)アーカイブ配信開始! - valuepress トーク:天真みちる エッセー刊行、元“おじさん役”タカラジェンヌ 自分の道を自分らしく行く - 毎日新聞 トーク:小芝風花 ドラマ「彼女はキレイだった」でヒロイン役 「あなたも主役に」背中を押す - 毎日新聞 コロナ禍の苦境にも負けない「東大ラクロス部のスゴい挑戦」(FRIDAY) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 宝塚で「おじさん役」を究めた天真みちるの第2の人生 | FRIDAYデジタル - FRIDAYデジタル 宝塚で「おじさん役」を究めた天真みちるの第2の人生(FRIDAY) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「宇宙一かっこいい」トップの去り際とは 宝塚歌劇・珠城りょう - 毎日新聞 - 毎日新聞 『激レアさんを連れてきた。』出演で話題の元タカラジェンヌ・天真みちる、初のエッセイ4刷が決定 - http //spice.eplus.jp/ 「宝塚の佐藤二朗」“おじさん役”を極めたタカラジェンヌの異色経歴とは?(きのうのテレビ)(QJWeb クイック・ジャパン ウェブ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 佐藤二朗が「宝塚の佐藤二朗」を称賛 おじさん役の開拓者・天真みちるとは の要約 - fumumu 宝塚トップスター2人の対照的な「退団後」 明日海りお&柚希礼音に象徴されるキャリアの多様化 - J-CASTニュース 「俳優をバカにした表現」「演技のプロが俳優なんだよ」 佐藤二朗、一部番組の紹介方法にうんざり - J-CASTニュース 宝塚ワールド:「パイプの吸い方勉強」 宝塚宙組・真風涼帆がホームズ役に挑戦 - 毎日新聞 - 毎日新聞 宝塚歌劇×ディズニーコラボグッズ 星組トップ・礼真琴コレクションも - おたくま経済新聞 ガラコンの92期 蘭乃はな 公式ブログ - lineblog.me 宝塚ワールド:宝塚歌劇「ほんものの魔法使」原作が復刊 「ヅカ部」の説得実る - 毎日新聞 - 毎日新聞 夢が突然消えた…元タカラジェンヌが葛藤を経て辿り着いた境地 | FRIDAYデジタル - FRIDAYデジタル 宝塚ワールド:珠城りょう「力量試される」 宝塚月組「桜嵐記」で集大成の熱演 - 毎日新聞 - 毎日新聞 天真みちる「こう見えて元タカラジェンヌです」3度目の重版 - ナタリー 宝塚ワールド:美園さくら「やってきたこと間違いじゃなかった」宝塚月組退団公演 - 毎日新聞 - 毎日新聞 元宝塚・七海ひろきミニアルバム「FIVESTAR」3種のジャケ写・収録内容公開 - おたくま経済新聞 宝塚ワールド:朝美絢、華やかに軽快に 宝塚歌劇雪組公演「ほんものの魔法使」開幕 - 毎日新聞 - 毎日新聞 宝塚ワールド:宝塚歌劇・月組トップコンビのサヨナラ公演開幕 3週間ぶり観客 - 毎日新聞 - 毎日新聞 宝塚ワールド:宝塚歌劇団、華優希らサヨナラショー 初の無観客千秋楽 - 毎日新聞 - 毎日新聞 宝塚ワールド:極めた「おじさん役」 元タカラジェンヌ天真さんがエッセー出版 - 毎日新聞 - 毎日新聞 宝塚ワールド:宝塚歌劇、12日から公演を順次再開 イベント制限など緩和受け - 毎日新聞 - 毎日新聞 遅くなりましたが 蘭乃はな 公式ブログ - lineblog.me まるで「タイムスクープハンター」? NHK新番組「歴史探偵」の「潜入取材」演出に視聴者反響 - J-CASTニュース TV アニメ「かげきしょうじょ!!」の校歌音源&里美星のボイス公開 - おたくま経済新聞 歴代エリザベート出演の豪華キャストが集結『エリザベートTAKARAZUKA25周年スペシャル・ガラ・コンサート』をU-NEXTでライブ配信決定 - PR TIMES 宝塚版「エリザベート」25周年記念コンサートの出演者発表、歴代出演メンバーがずらり - ナタリー NHK「おちょやん」でも変わらぬオーラ 宝塚元トップスター・明日海りお「現役時代」の伝説を振り返る - J-CASTニュース 田中美佐子のコメディエンジンに火が付いた!『よみがえる明治座東京喜劇-ニッポン放送「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」全力応援‼-』開幕! - http //spice.eplus.jp/ 【公演 / 会見レポート】田中美佐子ら出演「よみがえる明治座東京喜劇」開幕に高田文夫「感動しました」 - ナタリー 上田晋也、初のエッセイ発売決定「10年間に経験した“非成長”の記録」 (2021年1月18日) - エキサイトニュース 【新刊】宝塚の名バイプレイヤー、天真みちる初のエッセイが3月下旬に刊行決定! - PR TIMES 男子演じる宝塚を漫画化 名古屋・東海中高がモデル - 中日新聞 花組トップ娘役華優希が退団会見 「幸せ強く感じて」 [宝塚歌劇団] - 朝日新聞デジタル 宝塚を愛する漫画家が元タカラジェンヌと「男の宝塚」を描くまで(デザート編集部) - 現代ビジネス はいからさんが通る 蘭乃はな 公式ブログ - lineblog.me 歌劇団の音楽学校舞台にした「かげきしょうじょ!!」アニメ化決定 - おたくま経済新聞 宝塚歌劇団を引退した「男役OG」が抱く第2の人生への不安 | FRIDAYデジタル - FRIDAYデジタル 元タカラジェンヌが盛り上げる「#エアはいからさん初日」 公演中止で沈むファンら励ます - 毎日新聞 - 毎日新聞 魅惑のタンバリン芸やピアノ弾き語りなど、多彩な魅力が満載!元宝塚歌劇団花組天真(てんま)みちるディナーショーホテル阪神大阪にて2020年4月26日(日)開催 - アットプレス(プレスリリース) “音楽の女神”と称され、抜群の歌唱力を誇る 元宝塚歌劇団花組 芽吹幸奈(めぶきゆきな) 退団後初のランチ&ディナーショーを開催 2020年2月1日(土)第一ホテル東京シーフォートにて - PR TIMES 元宝塚・真琴つばさ、遼河はるひの結婚祝福 “被り”発表も「そこがあなたらしくて好き」 - ORICON NEWS 真琴つばさがMC、妃海 風がアシスタントを務める特別音楽番組が「歌謡ポップスチャンネル」で11月3日放送 - うたびと 元タカラジェンヌのトークショー、第4回のゲストは桜咲彩花 - ナタリー 天真爛漫(てんしんらんまん)に歌い踊る、誰をも魅了するエンターテイナー 元宝塚歌劇団花組 天真(てんま) みちる ランチ&ディナーショー 第一ホテル東京シーフォートにて 2019年3月31日(日)開催 - PR TIMES 成田 逆転で今季3勝目、宝塚退団の友人天真みちるに花添えた - スポニチアネックス Sponichi Annex 天真みちるのウィキペディア 天真みちる 天真みちるの掲示板 名前(HN) カキコミ すべてのコメントを見る 天真みちるのリンク #blogsearch2 ページ先頭へ 天真みちる 宝塚歌劇団 このページについて このページは天真みちるのインターネット上の情報を時系列に網羅したリンク集のようなものです。ブックマークしておけば、日々更新される天真みちるに関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
https://w.atwiki.jp/dangerousss4/pages/103.html
逃亡のコニャポニャ 街の明かりを遠く見下ろす山腹の展望台に、一台の高級車が停車した。 運転手が降り立ち後部座席のドアを開くと、中から上品なスーツを着た婦人が現れた。 歳のほどは30台後半だろうか。その肌は少女のように瑞々しい。 「さあ二人とも、車を降りて」 婦人の呼び掛けに応じて車内から二人の少年が怯えた様子で出てくる。 一人はパステルブルー、もう一人はパステルグリーンの、フワフワしたファーが付いた服を着ており、瓜二つだ。双子なのだ。 そして、二人の栗色の髪からは、猫の耳がはえており、半ズボンの後ろからは尻尾が伸びている。 身長120センチほど。 『噛ませ犬派遣協会』の技術を転用して造られた愛玩用の人造魔人だ。 首輪には「Cognac」「Pognac」と刻印されており、これが二人に与えられた名である。 能力は二人でひとつの“動物語通訳”だが、これは今夜この山で起きる出来事とは無関係なので詳細は割愛する。 「お逃げなさい。この山を無事に越えることができれば、あなた達は自由です」 「はい……!」 コニャックとポニャックは表情を硬くしながらも、強く頷いた。 婦人は闇のオークションで二人を競り落とし、ここで逃がすことにしたのだ。 「さあ、お行きなさい。そして、精一杯生きなさい。あなた達にはその権利があるのです!」 婦人は、関西全域の蟹流通を支配するコングロマリット『金満寺グループ』の一員であり、金と暇を持て余した人間である。 戯れに人間オークションに参加しては、このようなことをしているのだ。 だが、これを慈善行為と呼ぶことはできない。 真に猫耳少年たちのことを思うのならば、然るべき施設に預けて教育を施すのが筋である。 これは、持たざる者の運命を弄ぶ金持ちの道楽に過ぎないのだ。 「ねえ荒巣、あの子達、上手く逃げることができるかしら?」 婦人は執事兼運転手の男に、問いかけた。 「はい。あの子達は強い子です。きっと、奥様の願う通りに」 彼は表情を変えずに言った。 もとより、主の行為に意見するような権利は彼にはないし、そうしたいとも思っていない。 「ふふ、そうね。そうなるといいわね」 婦人はにっこりと微笑み、手を繋いで駆けてゆく二人の少年の背中を見送った。 そして、二人の姿が見えなくなると、左腕の『時計』を見て溜め息をついた。 荒い息を吐きながら、二人の猫耳少年が走る。 三日月の照らす薄暗い山道。残忍な追跡者はすぐ近くまで迫っていた。 コニャックとポニャックの速度は、走り疲れてかなり鈍ってきている。 追い付かれるのは時間の問題だ。銃声が響く。 「あぐっ!」 青い服の少年の左足を、激痛が貫く。 銃弾が貫通したのだ。転倒。坂を転げ落ちる。 もうすぐで、山を抜けることができたのに。 「くそっ! よくも兄ちゃんを!」 緑の服の少年は足を止め、背後の追跡者に向き直る。 無謀にも、戦う気だ。 「やめろポニャック! お前だけでも逃げろ!」 「できるかよ!」 再び銃声。ポニャックは精神集中して追跡者の方向を睨む。 猫の遺伝子を組み込まれたポニャックの動体視力と運動能力は、常人を遥かに上回る。 冷たい月の光を反射した弾丸が飛んでくる様子がはっきりと見えた。 避けられる! ポニャックは大きく左に跳躍した。 ポニャックにはよく見えた。 真っ直ぐに飛んでいたはずの弾丸が方向転換して、自分の方へと向かってくる様子が。 銃弾は、宙を舞うポニャックの腹部を正確に貫通した。 「ぐぅあああっ!」 痛みで着地に失敗し、斜面を転がり落ちるポニャック。 そして、兄の上に重なりあうように止まった。 「んもう、駄目じゃない立ち向かってきちゃあ。逃げろって、言ったでしょ?」 追跡者がゆっくりと姿を現した。 魔人富豪、金満寺相楽。能力は弾丸に必中属性を付与する『全弾命中弾勢』。趣味は、人間ハンティング。 ただしここ数週間は単なる趣味ではなく、とある必要に迫られて戦闘トレーニングとして頻繁に狩りを行っていた。 「でも、今までの子の中では一番頑張ったかしらね。お疲れ様。今、楽にしてあげるね」 二人に銃口が向けられる。 「あのね、兄ちゃん」 ポニャックは兄の手を握りしめながら弱々しく言った。 「こんなのって変かもしれないけどさ、今夜は、兄ちゃんと一緒に外の世界をいっぱ走れて、ちょっと嬉しかったんだ」 「ああ」 コニャックは弟の手を強く握り返した。 「天国に行ったら、ふたりでいっぱい、いっぱい走ろうな」 コニャックとポニャックは、冷たく光る死神の鎌のような月を見上げた。 それは、研究所の中で想像していたよりも、ずっと大きくて、鋭くて、美しかった。 鮮血が迸り、金満寺相楽の左腕が肩口から斬り離されて地面に落ちた。 「なっ……えっ……?」 突然の出来事に、痛みを感じるのも忘れて相楽は後ろを振り向いた。 赤いナタを持った、背の高い怪人が立っていた。 乱れた髪に隠れて目付きは窺えないが、その口は鋭い犬歯を顕わに、三日月のように笑っていた。 シシキリ、と呼ばれる怪人である。 「エ……獲物……久し振りだァ……コ……殺すゥ……」 シシキリは、嬉しそうにニタニタと口元に笑みを浮かべた。 「うわあああああっ、あああ、うぐああああっ!」 痛覚の存在を思い出した相楽が、左腕切断の激痛に叫び、鮮血を噴き続ける肩の断面を押さえてうずくまる。 シシキリは、ゆっくりとナタを振り上げる。 「荒巣っ! 何をしている荒巣ゥーっ!」 主の呼び掛けに、執事が現れ間に割って入る。 「おおおおおっ! 『無敵の軍身』っ!」 全身の皮膚を高質化し、降り下ろされるシシキリのナタを交差した前腕で受け止める。 金属質な衝突音が響き、ナタが弾き返される。 「ム、ム……無敵なァ……」 シシキリは腰にぶら下げた袋から何らかの粉を取り出して、荒巣の顔へぶちまける。 荒巣の眼に激痛が走り、視界が奪われた。 「おのれっ、毒草かっ!」 荒巣は前進しながら闇雲に拳を数発繰り出したが、当然当たるはずもない。 シシキリは既に荒巣の背後を取っていた。 ナタを口に咥え、荒巣の両腕を掴んで怪力で捩る。荒巣の肩がミシミシと悲鳴を上げる。 『無敵の軍身』による硬化は表皮のみ。関節技は有効なのだ。 銃声。銃声。銃声。続けざまの銃声。 左腕を失った相楽が片手で銃を連射する。 当然狙いは定まらないが『全弾命中弾勢』の効果によって次々にシシキリに着弾する。 しかしシシキリは被弾を意に介さず、腕を捻り上げたまま荒巣の背に蹴りを加える。 一発。両肩の骨が外れる音がした。 二発。ブチブチと腱の切れる音。 三発。荒巣の両腕が、胴体から完全に引きちぎられた。 シシキリは二本の腕を投げ捨て、硬化の解けた荒巣の後頭部をナタで一撃し致命傷を与えると、ようやく銃撃者に興味を示した。 「来るなっ! 来るな化け物ぉーっ!」 銃撃。銃撃。銃撃。片手リロード。銃撃。銃撃。銃撃。 全弾シシキリに命中するが、シシキリは平然と相楽に向かって歩いてくる。 血塗られた赤いナタが、月光を反射してぬめぬめと輝く。 『全弾命中弾勢』には重大な欠点があった。 必中の弾丸は標的の質量的中心目掛けて飛んでゆく。 つまり、対人射撃のほとんどは腹部付近に着弾し、脳や心臓のような即死部位にはまず当たらないのだ。 シシキリとて、不死身ではない。 首を切り落とせば死ぬし、心臓を抉れば長くは動けない。 だが、胴体を銃弾が貫通する程度の些事に何らかの感慨を抱くような繊細な情緒は、既に喪っている。 「ン、ンンー……二本目ェ……」 相楽の右腕が斬り落とされる。 「あ、ああぁ……やめ、やめて! お金なら幾らでもあげるから……やめて! 殺さないで!」 ガクガクと震えながら相楽は命乞いをするが、当然シシキリに通用するわけもない。 「オ、お金……お金なァ……三本目ェ」 作業的にナタが降り下ろされ、相楽の左脚が切断される。 「ぐ、ぐうう、何で……何で私がこんな奴に……」 「アー、……最後のいっぽんンー」 相楽の右脚を斬り落とし、顔面にナタを叩き付け息の根を止める。 その瞬間、相楽の身体は消え失せ、そこには小さな達磨があるのみとなった。 「ア、アハハァ……コロンダァ……」 シシキリは嬉しそうに達磨を腰の袋に納めると、荒巣の死体を達磨化する作業に移った。 コニャックとポニャックは何が起きたのか理解できず、ただ震える手を握りあっていた。 「さァて……ア、後は……餓鬼どもかァ……」 二個目の達磨も袋に納めると、シシキリは二人の猫耳少年達の方に顔を向けてニタリと歯を剥いて笑った。 少年達は、シシキリの目を見た。 その目は、研究所の狂った科学者達の誰よりも暗く、澱んでいた。 思えば僕は、弟に守られてばかりだった。 少ない配給の食料を取られた時に、怒ってくれた。 凍える冬の夜に、強く抱き締めてくれた。 痛い注射をいつも先に受けて、笑って「痛くなかったよ」と言ってくれた。 そして、さっきだって。 僕はポニャックに、兄らしいことをしてやったことが一度もない。 ポニャックは、僕を守って腹を銃で撃たれて動けない。 僕も脚を撃たれたけど、まだ動ける。 血まみれのナタを持った怪物が、笑いながら坂を降りてくる。 三日月は冷たく光っている。 「兄ちゃん……逃げて」 ポニャックの掠れるような声。 こんな時まで、僕を守ろうとしている。 「そんなのできない!」 僕は戦う決意をした。 最期に。最期だけは。兄貴らしいことをしてから死にたいんだ。 地面に落ちている石を、枝を、手当たり次第に怪物に投げつける。 そんな攻撃で止められるわけはなく、怪物はゆっくりとした足取りで降りてくる。 かかってきやがれ。 そんなナタは避けてやる。引っ掻いてやる。噛みついてやる。 死を覚悟した僕に、怖いものはなかった。 死ぬより怖いことなんて、あるはずないんだから。 だけど、怪物に向けて最後に投げたモノが何だったのかに気付いた時には流石にぎょっとした。 掴んだ時には太い木の枝だと思ったけど、その軟らかさが奇妙だった。 それは、シシキリが切り落とした金満寺相楽の左腕だった。 左腕がシシキリに命中すると、相楽の腕に着けていた『時計』が閃光を放った。 「ウ……?」 シシキリは小さな呻き声を上げ、雷に撃たれたように動きを止めて崩れ落ちた。 コニャックとポニャックは知るよしもないが、『迷宮時計』が新たな所有者の意識を一時的に奪いチュートリアルを開始したのだ。 「え……倒した……? 何だか解らないけど……今のうちに逃げよう!」 コニャックは弟に呼び掛けた。 「駄目……身体に力が入んないんだ……兄ちゃんだけで逃げて……」 腹部を貫通した銃創の痛みで、ポニャックは立ち上がることもできない。 「そんな話はなぁ……もうさっき終わっただろ!」 コニャックは動けない弟を背中に背負った。 銃で撃たれた脚が痛む。でも、ポニャックはもっと痛いんだ。だから、こんなのは痛くない! そして、コニャックは痛む脚を引きずるように山道を降りてゆく。 ふもとの温かい街の灯りは、まだ遥かに遠い。 コニャックの脚がどこまでもつのかわからない。 ポニャックの怪我は、ひょっとしたらもう手遅れなのかもしれない。 目を覚ましたシシキリが、背後からまた襲ってくるかもしれない。 死神の鎌のような三日月は何も言わず、二人の猫耳少年に鋭利な光を投げ掛けるだけだった。 このページのトップに戻る|トップページに戻る