約 187,199 件
https://w.atwiki.jp/earthruinfes/pages/2475.html
ニコニコ動画/【実況】いい大人達が星のカービィSDXを本気で遊んでみた。 2013-07-11 【実況】いい大人達が星のカービィSDXを本気で遊んでみた。完結編 【実況】いい大人達が星のカービィSDXを本気で遊んでみた。part2 【実況】いい大人達が星のカービィSDXを本気で遊んでみた。part1 ◇◆『ニコニコ動画/いい大人達』へ ◇◆『ニコニコ動画』へ
https://w.atwiki.jp/fantomdorapoke/pages/40.html
前へ 空き地の激闘 のび太の部屋が徐々に明るくなり始めた。さっきまで真っ暗だったというのが嘘のようだ。 完全に光を取り戻したのび太は部屋をくまなく見た。しかし、何の変化も感じられない。 騙されたのか?のび太は急に不安になってきた。なぜかというとこれと言った変化が無かったからだ。 窓から見る風景も何の変哲もない。ふと、ズボンの腰の辺りに何やらボールが三個付いていた。 それは上が赤色で下の部分が白になっている。 間違いない、それはポケモンが入っているモンスターボールだとのび太は確信した。 「これは絶対にモンスターボールだ! きっと、強力なポケモンが入っているに違いない」 のび太はモンスターボールを手にとって喜びの声を上げた。 嬉しい――この瞬間はのび太にとって至福の時だった。長年憧れつづけていたものが手に入ったのだ。 強力なポケモンが入っている証拠はどこにもなかったが、ポケモンには絶対の自信を持つ自分が、 弱いポケモンを持っているとは夢にも思わなかった。 「ようし、早速家から飛び出してみよう。もう引きこもりはやめだ。 僕はこの世界に来た瞬間から最強のポケモントレーナーなのだ!」 奇声を発しつづけながら、家から飛び出した。もう落ちこぼれとは言わせない。 いきなりこの世界にやってきたドラえもん達の慌てふためく顔が目に浮かぶようだった。 特に聡明で底の知れない出木杉の慌てる顔が見ものだった。 のび太は出木杉とは比較的仲の良い関係を築いていたが、心の中では底の知れない奴と思っていた。 (ふふふ……出木杉め、今頃大慌てでいるだろうに……) ニヤリとほくそ笑みながら階段を駆け下りる。そして大急ぎで靴を履いて玄関のドアを押しあけると、 まだ見ぬ世界へと駆けだしていった。 のび太の街の空は既に夕闇を迎えていた。それでも満面の笑みを浮かべながら歩を進める。 目的の場所は特に決まっていなかったが、心が躍って歩きださずにはいられなかった。 とりあえず空地にでも行ってこようか?もしかしたらジャイアンとスネ夫辺りがいるかも知れない。 (あの二人に僕の最強のポケモンを見せつけてやろう) のび太の心臓の鼓動がさらに大きくなり、胸が高鳴る。 自分はこの世界では王様のようなものだ。そうのび太は感じている。 通りすがりの人達が好奇な目で自分を見ている。 今に自分の強さを目の当たりにし、尊敬の眼差しに変えてくるだろう……。 のび太の夢は膨らむばかりだった。 そしてようやく目的の空地に着くとのび太は愕然とした。 空地は土管が三つ積み上げられている。その積み上げられた土管にふんぞり返っている者が一人。 それに土管の傍らに突っ立っている者がいた。 空地にふんぞり返るとまず思いつくのはジャイアンだったが、 今――空地にふんぞり返っているのはまったく別の男だった。 のび太はその顔を知っていた。ポケモンのゲームに登場する確かハヤトという人物だった。 もう一人はセンリという物静かな雰囲気を纏った男だ。 ハヤトはこちらに敵意を持った目をぎらつかせて 「何だ? お前は。ここは俺達の縄張りなんだが」 明らかにのび太に警戒心を持った口調で言った。 「僕は野比のび太だ。この世界の主だ」 のび太は負けないように言い返した。少しの沈黙の後、ハヤトは大笑いした。 「ははははーっ! 馬鹿め! この世界の主だと!? ホラ吹きめ! この世界の主はレッド様だ! 貴様などではない! 貴様は反乱分子として最強の飛行ポケモンの使い手である、 このハヤト様がポケモンバトルに勝利した後に国王レッド様が住まわれる王宮に突き出してやる! センリ、いいよな?」 ハヤトは大笑いしながら横にいるセンリに問いかけた。 「良かろう……だが、お前の手に負えないようなら俺が挑むがいいか?」 落ち着き払った口調でセンリは言った。 「馬鹿め! このハヤト様がこんなへなちょこ野郎にやられるかってんだ。 それより、こいつのランキングが知りたい。俺はあれをもっていないのでな」 ハヤトは再びセンリに問いかけた。センリはポケットの中から何やら 黒いゴーグルのようなものを取り出した。 「このトレーナーランキングゴーグルを使えば相手の強さが分かるが 使う必要はなかろう。俺の予想ではあいつのランキングは3000位程度と見ている。 1603位のお前の相手ではなかろう。測るまでもない……」 厳しい目でのび太を観察するように見ながらセンリは述べた。 既に夜になり、暗闇に包まれてよく相手の表情は窺うのが難しかったが、 あの二人が自分が軽く見て、馬鹿にしている様子なのが見て取れる。 完全に舐められているのだ。のび太は二人のやり取りを聞いて、 この世界には相手の強さを把握するアイテムがあるのを知った。 あの二人は自分を3000位などと言ったが、のび太は自分のランキングは1位だと思うことにした。 (今に見ていろ。あの二人をぎゃふんと言わせてやる) 内心ではそう思っていたが、不安だった。それはハヤトが言ったレッドのことだ。 しかし、そのことは頭から離すことにした。それがいいのだ。 「勝負だ! かかってこい、野比のび太! ゆけっ、ピジョン!」 ハヤトは勢いよくボールを投げて大型の鳥の形をしたポケモンを繰り出した。 暗闇を自由自在に飛んでのび太を睨み付けている。羽を大きく羽ばたかせ羽毛を飛び散らす。 戦闘意欲は十分だった。それを見てのび太は不安になった。 のび太が持っているポケモンは何が入っているのか分からないのだ。 事前に調べれば良かったのだが、のび太はポケモンの世界にやってきた喜びで肝心なことを忘れていた。 (もしも弱いポケモンだったら……) コテンパンにされるだろう。 落ち着け、大丈夫だと自分に何度も言い聞かせながらモンスターボールを投げた。 ボールは眩い光を放ちながら地面に転げ落ちる。 そして中から青色を基調とした巨大なポケモンが姿を現した。 それはさながら特撮の怪獣のようなフォルムをしている。 鋭い爪や牙を備えていて、顔は特に鮫の中で最も獰猛と言われるホオジロザメに似ていた。 まるで鮫が立って歩いているかのようだ。それに加えて無駄な贅肉をそぎ落としたような姿は圧巻だ。 (大当たりだ) とのび太は内心思った。そのポケモンはガブリアスと言い、ドラゴンタイプ最強と言われている。 まさかガブリアスが入っているとは驚きだった。 もしも、事前にガブリアスが入っていることを知っていたらハヤトにビビることはなかっただろう……。 「ガブリアス、逆鱗だ!」 のび太はガブリアスに最強の技『逆鱗』を命じた。 のび太の命を聞いたガブリアスは突如狂ったように暴れ出し、体を回転させジャンプをして 空高く飛ぶピジョンに攻撃した。 ピジョンは一瞬にして飛翔する力を失い、急降下して血しぶきと共に地面に落下する。 「馬鹿な!? 俺様のピジョンが……」 呆然と立ち尽くしてハヤトは自分のピジョンを見ていた。 そして我に返って戦闘不能に陥ったピジョンをボールに戻すとその場にガクッと膝を落とした。 のび太は勝利したにも関わらず、ガクガクと体を震わせていた。 自分のガブリアスが一瞬にしてピジョンを戦闘不能にするのを見て恐怖すら感じた。 ポケモンバトルとはこんなにも恐ろしいものだっただろうか? それともガブリアスとピジョンのあまりの戦闘力の差か? どちらにしてものび太はピジョンを倒して主人である自分に褒めて貰おうとしているガブリアスの目を見て、 嫌悪感を抱かずにはいられなかった。恐ろしかった。 それでも徐々に優越感が込み上げてくる自分が嫌になった。 (これがポケモンバトルか……僕は甘く見ていた) のび太は罪悪感に苛まれつつ、絶望の表情を見せているハヤトに向かって言った。 「ハヤト、ピジョンは大丈夫かい?」 「心配は無用だ。このぐらいポケモンバトルでは良くあること。 ポケモンセンターに行けばたちどころに治る」 ハヤトは吐き捨てるように言った。ハヤトの敗北を目の当たりにしたセンリがのび太の前に出た。 「……ハヤトでは駄目だったか、ならば俺が相手になろう。 ちなみに俺のランキングは189位だ。いつもハヤトとつるんではいるが、 俺の実力はハヤトを遥かに凌ぐ。いくんだ、ケッキング!」 そう言ってセンリはボールを投げ、超巨大な類人猿の姿をしたポケモンを繰り出した。 その巨体は立ち上がると2メートルは下らないであろう。 しかし、なぜかそのポケモンは地面に横たわっていた。 「ケッキング、ギガインパクトでガブリアスに攻撃!」 「ガブリアス、逆鱗!」 のび太は逆鱗を再び命じる。ガブリアスはのび太の命令を聞くと再び狂ったように暴れ出す。 鋭い爪を突き立ててケッキングの腹部に突き刺した。途端にケッキングの鮮血が飛び散る――。 唯、ケッキングもやられっぱなしではなかった。 ケッキングは巨大な体躯を起き上がらせて立ち上がった。 立ち上がるとはるかにガブリアスよりも大きかった。 ケッキングは巨体を生かしてそのままガブリアスに突撃する。 ガブリアスはケッキングの一撃をくらってよろめいた。 やばい、このままギガインパクトを続けられたらガブリアスは持たない。 のび太がそう思った時、ケッキングは何を思ったのかまた地面に横たわった。 「ガブリアス、今だ! 反撃だ!」 のび太が叫ぶのと同時にガブリアスは横たわったケッキングに渾身の逆鱗を与えた。 ケッキングは悲痛の叫びの声を上げるとわずかにピクピクさせるだけでほとんど動かなくなった。 「トレーナーランキング189位のセンリが負けた? 野比のび太……いったいランキングはいくつなんだ?」 センリが敗れたのを見て更に絶望するハヤト。 「慌てるな、今……調べる」 センリはケッキングをボールに戻すと、上着のポケットから黒いゴーグルを取り出して 顔に付けた。すると、センリの額から汗が流れ出てきた。 明らかに脅えている。震えながらセンリは言った。 「トレーナーランキング127位だ!」 その言葉にハヤトは凍りついたようになった。 「127位だと!? いくらなんでもこんな間抜けな野郎が127位なわけないだろ! 何かの間違いじゃないのか?」 「確かに127位を示している。だがトレーナーランキングゴーグルの故障かもしれん。 最近、手入れしていなかったし、旧型でもある……」 闇夜の空地の周辺には既に街灯の明かりが灯され、 ポケモンバトル終了と同時に静けさも戻りつつある空地に忍びよる足音が聞こえた。 のび太が振り向くとそこには長身だが、頭が禿げあがっている老人が姿を現した。 トレーナーランキングゴーグルという、この世界独特の相手の強さが分かるアイテムをしている。 「センリとハヤトに勝利した君はなかなかのものだ。今度は私と勝負してくれないか?」 現れるや否や、突然のび太にポケモンバトルを仕掛けてきた。 「あなたは?」 ビックリしながらものび太は尋ねた。 「私はカツラ、唯の老いぼれだ。ほう、確かにランキング127位。 138位の私より数段上だ。だが、油断しない方がいい。 数々の修羅場をくぐりぬけ、長年鍛え抜かれた私のポケモンの力を侮らない方が身のためだ」 カツラの言葉とともにカツラの気迫と闘志がひしひしと伝わってくる。 (今度の相手は一筋縄ではいかない。気を引き締めなければ) カツラが発する百戦錬磨のオーラをのび太は敏感に感じ取った。この人は強い。 「カツラさんの登場か……。これで野比のび太の真価がわかる」 センリは二人の勝負に注目しながら言い放った。 空地は熱いポケモンバトルのフィールドと化し、戦う両者の気迫が支配した。 緊迫感が空き地全体に漂う。夜風を受けて草がゆれる。 のび太は気を振り絞ってモンスターボールを投げた。 手持ちの三匹の内、一匹はガブリアスだと確定したが、残りは不明だったので別のボールを投げた。 出てきたポケモンは二足歩行でヒト型に似るが、なによりキノコの笠を被った外見が特徴のキノガッサだ。 (やった、これまた大当たり!) キノガッサはかなり強力な部類のポケモンで、人気が高い。 「キノガッサか……。確かに強力なポケモンだが、私の炎ポケモンの前では無力。 ゆけえっ! ゴウカザル!」 喜んだのも つかのま、カツラが繰り出してきたのは最強の炎タイプの呼び声高いゴウカザルだ。 弱点である草タイプを持っているキノガッサでは相当不利だ。 のび太はカツラのことをゲームで知っているので炎タイプの使い手であると知っていた。 しかし、すっかり忘れてキノガッサが出てきたことを喜んでしまったのだ。 のび太は浅はかな自分を呪った。こんな調子でこの先勝ち抜いていけるだろうか? 「ゴウカザル、フレアドライブで焼き尽くしてしまえ!」 カツラの一言でゴウカザルが元々身に纏っている炎を強くし、 激しく燃え出させてキノガッサに情け容赦なく襲いかかってきた。 のび太はキノガッサをボールに戻そうとするが、まだポケモンバトルに慣れていなく、 あまりにもゴウカザル凄まじい勢いに咄嗟に対応出来なかった。 (ああ……どうしよう) 万事休すかと思われたその時であった―― 突然、空き地にゴウカザルの灼熱とも言える炎すらも いとも簡単に消し去る程の雨が降りしきる。 これこそ天の助けであった。ゴウカザルが突然攻撃を止めて苦しみ出した。 ゴウカザルの元々纏っていた炎すらもかき消える。 (ゲームとは違って良かった) のび太は内心思った。これがゲーム通りであったならば、 雨が降っていようがゴウカザルのフレアドライブによって一瞬にして倒されていただろう。 のび太はこれこそ天の助けとばかりに歓喜した。 反対にカツラは天を睨みながら、雨を呪っているように見えた。 「………雨かね。これでは私の炎ポケモンは成すすべがないね。 君は本当に運がいい。天に感謝しなさい、雨が降らなければ君は負けていたのだから。 私には分かるよ。君はランキングが私より上でもポケモンバトルに慣れていない。 あの時、咄嗟に別のポケモンに交代させることもできたのだ。 なのに君はポケモンを交代させることをしなかった。これ以上続けても恥をさらすだけだよ。 もしも、このまま続けていたら……。 私のポケモンは一匹も倒されずに君のポケモン三匹を倒していただろう。 私には分かる……君は素人だ」 カツラは淡々と言葉を続けた。冷静な語り口だった。 のび太はその言葉に怒りを覚えた。 ポケモンのゲームを何百時間もプレイした自分を甘く見られるのが許せなかった。 「ふざけるな! 僕は誰よりもポケモンに詳しいし、誰よりも強いはずだ!」 のび太は激高してカツラに怒鳴った。のび太のどなり声が雨の中、周辺近所に響き渡った。 「意地を通さずに認めなさい、君は弱い。 まず自分の弱さを認めない限り、強くはなれないよ。 それより雨が強くなってきたから、皆帰ろう。さらば」 カツラは大人びた口調で子供を諭すかのように言った後に背を向けて去ろうとする。 センリとハヤトもそれに従う。 「待て、お前ら! お前らには僕の強さが分からないのか!? それに僕はこの世界を作った創造主なんだぞ! 僕はこの世界で一番偉いんだ!」 のび太は去ろうとする三人に向かって怒声を浴びせた。 それを聞いたカツラは去ろうとする足をピタリと止めて言った。 「……二度とその言葉を口にしない方がいいよ。 反乱分子としても捉えられかねん、この世界の主は宮殿に住まわれる国王レッド様だ。 それを肝に銘じたまえ、青年よ」 カツラは何やら遠くを指さして言った。その指先には見たこともない宮殿が立っていた。 のび太は今まで気づかなかった。あんなところに宮殿が建てられていたなんて……。 「カツラさん、そう言えばさっきもこいつ……『この世界の主だ』とか言ってましたぜ」 ハヤトは思い出したかのように言った。それにセンリも無言でうなずく。 「そうか、それは危険だな……」 カツラの表情が険しくなる。 「カツラさん、こいつを捕らえて王宮に連れ出した方がいいかもしれません」 冷静にセンリがカツラに意見した。 「いや、その必要はないだろう。我々が捕らえなくても レッド様の命を受けて反乱分子を見つけ出す者がこの街にたくさん潜んでいる」 そう言うとカツラはセンリとハヤトと共に空き地から姿を消し、 のび太はしばらく呆然と空地の中央に立ちつくしていた。 次へ
https://w.atwiki.jp/88dfjn288/pages/2.html
メニュー トップページ メニュー お気に入り ナラカミーチェのファン ここを編集
https://w.atwiki.jp/fantomdorapoke/pages/44.html
前へ 絶望の再会 のび太は自分が作ったポケモンの世界の欠陥を思い知らされた。 この世界の支配者は自分じゃない『レッド』なのだと―― 降りしきる雨の中、のび太はフラフラとそんなことを考えながら歩いた。 空地を出て、レッドが住んでいる王宮の方角を目指した。 会いたい、会ってレッドの存在を確かめたい。そんな気持ちが募る。 腹立たしい、自分を差し置いて王気どりなのが許せなかった。 (この世界を作ったのはレッドじゃない、この僕だ) その気持ちだけが心を支配した。 しかし、雨は止むことはなく、のび太に容赦なく降りかかる。 それはのび太がこの世界の支配者じゃないことを暗示しているかのようだった。 寒い、傘もささずに夜道を歩いていれば当然だ。 何か、雨を凌ぐものがあれば…… のび太はどこかにコンビニでもないかと探したが、見つからなかった。 今の世の中、コンビニはどこにでもあるはずだったが、この世界にはコンビニ一つもない。 このままでは風邪を引いてしまう。せめて厚着を着てくれば良かった。 のび太が絶望に浸っていると誰かが傘を自分に差し出してくるではないか。 (ラッキー!) のび太に傘を差し伸べてくれた人物は、 170センチ前後ののび太と同じくらいの背丈の長身の女性で、のび太は見覚えがあった。 幼き頃からの友人、源静香だ。 「のび太さんね。傘もささないで歩いてびしょぬれじゃないの!」 のび太は開口一番から怒られた。 でも嬉しかった。やっと見知った人と巡り合えたのだ。 「静香ちゃん、久しぶりだね。僕が作ったこの世界はどうだい?」 のび太は調子良く、静香に問いかけた。 「………のび太さん、最低!」 静香は顔を下に向き、一瞬悲しげな仕草をした後、のび太の頬をひっぱたいた。 のび太は不意をつかれてよろめいた。 「のび太さんのせいよ! のび太さんが作った世界はめちゃくちゃよ! この世界に来て一年経つけど、レッドとかいう独裁者が国民を苦しめているだけじゃない! 罪もない善良な多くの人たちがちょっとでもレッドを批判したりしたら、 捕らえられて王宮の地下深くにあるという牢獄に閉じ込められるのよ!」 静香は泣きながら怒気を含んだ声で言った。 その顔は悲痛で様々な苦しみを経験してこなければ出来ないような顔だった。 「この世界に来て一年だって? 今日作ったばかりの世界だよ。僕は今日この世界を創造してやってきたのさ!」 確かに静香とのび太の言っていることには食い違うことがあった。 のび太は今日この世界にやってきたのだ。また、静香も同様のはず…… (どういうことだ? 何らかの拍子で時間軸がずれたのか?)のび太は疑問に思った。静香は一年前にこの世界に来たと確かに言っているのだ。 「確かに、のび太さんを見かけたのは今日が初めてだわ! のび太さんだけ、この世界に来たのはおかしいわね。 でも、のび太さんがこの世界を作って皆を苦しめたのは確かなの! 早く元の世界に戻しなさい!」 静香は既に頭に血が上っている様子だ。怒りに我を忘れそうにさえなっている。 そんな静香を見たのは初めてだった。 「うるさいなっ!」 のび太は逆切れして静香を殴り飛ばした。 はっとしたときには静香の体は地面に横たわっていた。 のび太は後悔した。怒ったとはいえ、まさか自分が手を挙げるとは予想出来なかった。 (しまった……僕はなんということを……) 後悔しても遅い。静香は悲しんでのび太を見上げている。 まさか自分の心がこんなにもすさんでいたとは思いもよらなかった。 「昔ののび太さんとは違う。どうしてなの!? どうして!」 静香は酷く失望した目をしていた。 「ごめんよ……悪気はなかったんだ。ついカッとなって口より手が出てしまった。 今は反省している。けがはしていないかい?」 のび太は反省の色を見せ、静香に近寄ったが、その手を静香が払いのけた。 「近寄らないで! もう知らない!」 そう言って静香は痛みをこらえた様子で立ち上がった。 そして豪雨の中駈け出して行ってしまった。 その瞬間――突然凄まじい落雷が落ちた。静香の方だ。静香の悲鳴が聞こえる。 民家が建ち並ぶ歩道の数軒先からのものだった。 のび太は傘を手に急いで数軒先の民家の近くへと走り出した。 息を切らしながら静香にたどり着くと、 ガクガクと震えている静香を漆黒のジャンパーにフードを被り、 ゴーグルを身につけた男が、静電気を全身にまとったポケモンを従えて見下ろしていた。 「静香ちゃん、この男は?」 問いかけても静香は返事をしてくれなかった。 のび太に対しての嫌悪感とはまた別な理由からのようだ。 それ程この異形の男が恐ろしいらしい。 謎の男が従えているポケモンはトゲが全身を覆っているサンダースだった。 「源静香……トレーナーランキング56位、ゴミめ。 お前のことは知っているぞ王国の反乱分子だ。 レッド様に忠誠を誓わない者は女だろうと容赦はせん」 謎の男はそう言い放つと静香の胸倉を掴んだ。 静香は苦しみもがくが女の力では振りほどくことができない。 「待て! お前は何者だ! どうして静香ちゃんを狙う!」 のび太は鼻息を荒くして謎の男に突っかかった。 「ずいぶん威勢がいいな、だが、調べてみると野比のび太、 トレーナーランキング127位。やはりゴミだな。 俺の相手ではない。俺は王国警備隊員のデンジだ」 「王国警備隊員? 何だそれは」 「王国警備隊とは、王国中のトレーナーの中から選りすぐりのエリート5人で構成された。 王国の秩序を守る部隊だ」 デンジは雨の中、フードと相手の強さが分かるゴーグルを外し、端正な容姿を露わにした。 「丁度いい、この女をかばうのであれば貴様も反乱分子だ。 この俺の電気ポケモンの力を思い知るがいい、いけっ、サンダース!」 「静香ちゃんは僕が助ける! いけっ、キノガッサ!」 二匹のポケモンが睨みを利かせる。互いに主人の命令を今か今かと待っている。 しびれを切らして先に攻撃したのはサンダースだった。 「サンダース、目覚めるパワー氷」 目覚めるパワーとは使うポケモンによって技のタイプが違う特殊な技である。 このサンダースが使う目覚めるパワーは氷。キノガッサの弱点だ。 サンダースの全身から凄まじい冷気が襲いかかる。 あっと言う間にキノガッサはダウンした。 あまりのサンダースの強さにのび太は一瞬何が起きたか分からなかった。 「クソっ、戻れ! キノガッサ!」 のび太は舌打ちをしながらキノガッサをボールに戻して、 まだどんなポケモンが入っているかわからないボールを投げた。 中から出てきたのは期待を裏切る水、飛行タイプのギャラドス―― 闘いの最中、降り注いでいた雨はいつのまにかやんでいた。 しかし、電気タイプのポケモン相手にとっては絶望的なギャラドスが出てくると 悲壮感も出てきた。ギャラドスは中国の龍を思い浮かべる姿で見かけは強そうだが、 現に強いのだが、電気タイプ相手には致命的という弱点を持つ。 何しろ弱点が重なっているのだ。 「俺のサンダースの格好の餌食だ。サンダース、10万ボルトを浴びせてやれ」 デンジの声とともに稲光が走り、凄まじい雷撃がギャラドスを無残にも黒こげにした。 これでのび太は瞬く間に二匹のポケモンを失い、デンジのあまりの強さに驚愕せざるを得なかった。 (レベルが違いすぎる。でも、最後まで諦めない) まだのび太は諦めなかった。諦めやすいのび太でもまだ諦めるのは早い。 のび太には最強のドラゴンポケモン――ガブリアスが残されているのだ。 「いけっ! ガブリアス! もうお前しか残されていないんだ! 絶対勝てよ!」 「いくら強力なポケモンを出してきたところで、 俺のサンダースには勝てない。サンダース、目覚めるパワー氷!」 サンダースは全身を震わせて冷気を放出する。 その威力は極めて高く、ガブリアスを凍りつかせる程だった。 「サンダース、とどめだ。目覚めるパワー氷! 絶望と共に散れ、野比のび太」 デンジは容赦なくサンダースに目覚めるパワーを命じた。 サンダースは凍りついたガブリアスにも容赦せずに冷気を浴びせる。 もはやガブリアスは戦闘不能となっていた。 (この僕がストレートで負けた!?) 気がついたら負けていた。デンジのあまりの強さにのび太は絶望すら覚えた。 「口ほどにもなかったな。さてと……」 デンジはサンダースをボールに戻すと、別のボールを掴み、投げた。 黄色の体色をした鳥が大空を飛翔しながら現れた。 「伝説の鳥ポケモン、サンダーだ。 そして俺の切り札でもあるが、今はこの女をレッド様の元へ送るために使う。 だが、のび太……お前は弱すぎる。虫けらに過ぎないお前は哀れだ。見逃してやる」 そう言うとデンジは横で震えている静香を捕まえると強引にサンダーに乗せて 飛び去ろうとする。静香は必死の抵抗を試みるも屈強なデンジに成すすべもない。 のび太はポケモンを使って何とかしないのかと疑問に思ったが、 静香の腰にはモンスターボールが付いていないのに気付くと ――ああ、ポケモンを持っていないんだなと悟った。 きっと、これまでの戦いで奪われたのかもしれない。 「静香ちゃん!」 のび太は叫んだ。 「のび太さん! 助けて!」 静香は涙ながらに訴える。静香の悲痛な叫びがこだました。 静香の叫びは近所中に届いているはずなのだが、誰も助けようとしない。 辺りを見回してみると不思議なことに、 通行人は誰も気にも留めていない様子なのに気づいた。 路上を歩いている会社帰りのサラリーマン風の男達。 彼等は一人の女性が大男に連れ去られようとしているのに見向きもしない。 のび太は静香を助けようと思案するものの、 デンジと静香を乗せたサンダーははるか上空へと消えていった。 のび太はさっきまで激闘を繰り広げた路上で絶望に打ちひしがれていた。 静香ちゃんを勝手にこの世界に巻き込み、デンジに何も出来ずにあっという間に 静香ちゃんを奪い去られてしまった。静香を助けることができない自分にいら立ちを覚える。 デンジが静香を連れ去るのを阻止できなかった。 阻止するどころか足が震えて何も出来なかった。例えようのない恐怖が支配していた。 (元の世界に戻そう。この世界は何か変だ) のび太は元の世界に戻す決心をした。意を決して自宅へと駆け出す。 自宅へと走りながらのび太はデンジの言葉を思い出した。 『お前は虫けらに過ぎない』 とても腹立たしかった。でも何も出来ない、どうすることも。 もしもボックスを使ってこの世界の存在そのものを消してしまえば忘れるだろう。 しかしその言葉が頭から離れられない。デンジの嘲笑った表情が脳裏によぎる。 でも、のび太は駆け出すのをやめなかった。自分はとても臆病な人間だと思った。 「ふん、言いたい奴は言えばいい」 のび太はそう吐き捨てた。自宅までもう少しだ。これで何もかも終わる。 そう思った時であった。路地を曲がった直後、とても懐かしい見知った者が姿を現した。 その人物は非常に整った端正な美しい容姿の青年だった。 背がのび太よりはるかに高く、見上げるだけで精一杯だ。 190センチは確実にあるだろう長身を持て余してこちらを見下ろしていた。 その人物こそ出木杉英才――のび太の青年期における最高の親友だ。 出木杉とは少年時代はそれほど親しい間柄でもなかった。 しかし、中学校に上がると周りの環境は変わった。 静香やスネ夫など受験して私立中学に通う者が多くなり、 小学校時代に遊んでいた友達は激減してしまった。 出木杉も当然、私立に通うのだと思っていたが、なんとのび太と同じ公立の中学になった。 しかも、クラスも同じ。これは信じられないことだった。 だが、これが出木杉と親しくなるきっかけとなったことは間違いない。 今、その出木杉が自分の前に立っていると思うと激しい動悸がした。 のび太は嬉しかった。すぐにでも今までの経緯を話して謝りたい気持ちでいっぱいだ。 「出木杉、久し振りだな」 そう言いながら出木杉の肩をポンと叩いた。 「愚かな奴だ……」 出木杉はのび太の手を払いのけながら呟いた。 冷徹な視線がのび太の胸を突く。出木杉の目は驚くほど冷徹だった。 かつての優しい出木杉の面影はない。のび太はショックを受けた。 「出木杉、どうしたんだ?」 「のび太、お前はこの世界を元の世界に戻そうとするが、無駄だ。既に手は打ってある」 出木杉が話し終えると、のび太の家の方角からまたも懐かしい人物 ――いや、人ではない猫型ロボットのドラえもんが空を飛ぶ道具『タケコプター』を 頭に装着し、プロペラを回転させながら猛スピードでこちらへと向かってくる。 そして、出木杉の右隣に着地してタケコプターをしまうとのび太へと目を向けた。 「のび太君は相変わらず馬鹿だね。まんまと僕と出木杉君の罠に嵌まるなんて」 ドラえもんが腹を抱えて大笑いしながら言った。 一方、隣の出木杉は眉一つ動かさない。 「どういうことだ、ドラえもん!」 のび太は憤りを隠せなかった。どうして未来へと帰ったはずのドラえもんが 出木杉と一緒にいるのだ? その答えを知りたかった。 「簡単なことだよ。僕は未来へなんか帰っていない。 君と喧嘩したあの日……僕はすぐに出木杉君のロボットになったんだよ」 ドラえもんが高笑いしながら、のび太の問いに答えた。 のび太はその言葉にショックを受けた。 (まさか……そんなことが?) あまりの衝撃に頭の中が真っ白になりそうだ。ドラえもんが出木杉のロボットに? 「その通りだ。ドラえもんは何年も前から俺のロボット。 せいぜい絶望するがいい……愚かなのび太よ」 さらに追い打ちをかけるような出木杉の冷酷な言葉が胸を刺した。 だが、のび太はまだ言い返すだけの気力は残っていた。まだ奥の手があるのだ。 「ふははははははーーっ! それで僕を罠に嵌めたつもりか! 君達はもしもボックスに細工を施して僕に都合の悪い世界を演出させたつもりだろうが、 勘違いしてるぞ! 今から僕が家に戻って元の世界に戻せばそれで終わりだーっ!」 狂ったような叫び声をあげた。そうだ、家に戻って元の世界に戻せば全て終わるのだ。 「………のび太、やはりお前は愚かだ。 たった今もしもボックスはドラえもんが回収したばかりだ。残念だったな」 出木杉の一言にのび太は発狂して叫んだ。 「うああああああああーーっ!」 のび太の絶望が頂点に達し、どん底に落とされたような悲痛な叫びがこだました。 その場に膝をついて拳で雨で濡れたアスファルトを叩いた。両目から涙が流れ落ちる。 「この世界でお前が生き残る道はただ一つ、国王レッドを倒すことだ。 国王レッドにポケモンバトルに勝てばドラえもんは元の世界に戻してくれる。 デンジとのバトルで己の非力さを思い知っただろう。 這い上がれ……のび太」 出木杉はそう言い残すとドラえもんと共にその場を後にした。 レッドの王宮 平凡な街に似つかわしくない威容を示している宮殿。 それはこの国が民主主義ではなく、専制君主による支配を現していた。 この圧倒的存在感を誇る宮殿に仕えているトレーナーはおよそ三百名。 彼らはエリートであり、一般市民の羨望を集めていた。 唯一無二の絶対君主『レッド』の手足のごとく働き、どんな命令も遂行する。 もはや神にも等しい、その絶対君主レッドは背もたれの高い玉座に座り、 片手にワイングラスを持って口に運びながらモニターに映し出された青年の映像を眺めていた。 煌びやかな王冠を被り、華美なマントをはおっている。 「のび太って言ったっけ? この間抜け面に勝てば永遠にこの世界を支配できるんだな?」 レッドは注がれたワインを飲み干しながら、視線を正面に立っている奇妙なロボットに言った。 「約束は守る。お前がのび太君に勝てば、この世界はお前にやる。 でも、お前が負ければこの世界を元に戻す」 ロボットは淡々とした口調で返した。 「ドラえもん、俺がこんな奴に負けると? 冗談はやめてくれ。 俺は地上最強のトレーナー、レッドだ。俺に敵うトレーナーは存在しない」 レッドは自信たっぷりに言い返した。 それもそのはず、レッドは自分が選ばれた存在だと改めて認識する出来事が 一年前に起こったのだ。それは正に彼の人生を大きく左右することだった。 その出来事をレッドは思い返した。一年前――レッドはシロガネ山に居た。 偶然持ち合わせていたラジオで名のあるトレーナーが謎の失踪をするという事件を耳にした時、 レッドの視界が真っ暗になり、意識を失った。 次に目が覚めたときにはなぜかレッドは玉座に座っていたのだ。 レッドは一時混乱状態に陥ったが、頭のいい彼は自分が別の世界に来たことを察知し、 恐らく名のあるトレーナーが失踪したのと深く関連性があるに違いないと考えた。 レッドはこの国では国王として崇められているのを認識すると失踪したトレーナーの行方を捜させ 王宮に集めさせた。それはとても簡単だった。なにしろ服装がこの国の人間と違うからだ。 なんとか失踪したトレーナー全員を王宮の広間に集めさせるとレッドは演説を行った。 『皆さん、我々は見知らぬ世界に迷い込んでしまいました。 しかし、幸運なことにこの世界は我々が居た世界と同様のポケモンの世界です。 この世界で生活することは容易なはず、なぜなら私はこの世界では国王として崇められているのです。 だから心配せず、私にお任せください。皆さんの生活は保証します』 突然、訳のわからない世界に連れてこられ、 平常心を失っているトレーナーの誰もがレッドの言葉に耳を傾けた。 混乱し、パニックに陥っているものが多かったのも幸いして、 元の世界から来たトレーナー全員をいとも簡単に掌握できた。 それからしばらくしてドラえもんと名乗るロボットが訪ねて来た。 ドラえもんはこの世界に自分達を連れてきたのに関与しているという。 『この世界を永遠に支配したいのならば、一年後にやってくるのび太に勝て』 レッドはドラえもんの言葉に承諾し、のび太が現れるのを待った。 そしてドラえもんの言うとおり、のび太はこの世界にやってきた。 レッドはドラえもんが用意したモニターを使ってのび太をどんな人物か見ていたが、 たかがデンジ如きに無様に負けるところを見て拍子抜けしてしまった。 (……のび太は弱い。俺がのび太に負けることは現時点では百パーセントありえない。 だが、潜在能力はかなりのものだ。頂点を極め、多くのトレーナーを見てきた俺には分かる 成長したら相当強いトレーナーになることは明白だ) 心の内でのび太が後々の脅威になることを予感した。 「ドラえもん、のび太は潜在能力だけは計り知れない。 俺はあえて今勝負せず、のび太が成長した時に相手してやる。 それまでこの玉座でひたすら待つ。RPGのラスボスになったような気分だな」 言ってからレッドは腕組みしながら深く目を閉じた。 「………」 ドラえもんは沈黙しながらレッドの言葉に耳を傾けていたが、やがてレッドがそれ以上話さなくなると どんなところでも行くことができる秘密道具『どこでもドア』を四次元ポケットから取り出した。 どこでもドアはピンク色で塗られているだけで、 ドアノブの付いたごく平凡なドアにしか見えない。だが、その性能は素晴らしく、 一度行ったことのある場所ならドアをくぐるだけで瞬時に行くことができるのだ。 ドラえもんはどこでもドアのドアノブをゴムまりのような手でくっ付けて押しあけてからくぐった。 出た場所はとても薄暗く、ひんやりとした牢獄だった。 例えれば刑務所のような場所で鉄格子の中、 多くの囚人たちが手錠をかけられ、身動きできずに固いシーツの上で苦しそうに寝そべっている。 ここはレッド王国の地下にある牢獄だ。 国王レッドに反乱分子として見なされた者達は容赦なく牢獄へと放り込まれる。 そして強制的な労働を強いられ、どんな屈強な者でも音をあげるという。 ドラえもんがこの地下牢に来た理由は二つある。 その一つが労働を強いられた者達を密かに秘密道具で治療するためだ。 それはドラえもんの義務でもあった。なぜなら自分とレッドとの賭けにこの世界の住民は関係ない。 例え仮想世界の住民でも巻き込みたくはなかった。 ドラえもんは手際良く未来の最先端の医療道具で囚人たちを一人一人治療していった。 「すまねえ、いつも助かるぜ」 囚人の誰もがドラえもんに感謝の言葉をかけていた。 それともう一つ、ドラえもんがここに来た本当の目的 ――それはデンジにここに連れてこられた静香に会うためだった。 静香が閉じ込められている檻はさらに奥深くにあった。 屈強な男たちが閉じ込められている牢獄の最後に地下に降りる螺旋状の階段があり、 そこを降りた先に小さな鉄格子が付いた檻が見えた。 静香はドラえもんに目を向けると明らかに敵意むき出しで 「ドラちゃん! いったいどういうことよ! この世界を元に戻して!」 と喚いた。静香の精神状態は極限にまで達していることが窺えた。 ドラえもんは静香を哀れむような目で見つめる。 静香は涙もとっくに乾き切った様子で、身も心もボロボロだった。 「静香ちゃん、ごめん。のび太がレッドに誰にも頼らず一人で勝つまで元の世界には戻せない。 この計画はずっと前から出木杉君と考えていたんだ。 この方法しか駄目だと分かった時から、僕と出木杉君はのび太君に対して厳しく接すると決めた。 例え鬼といわれようとも……僕と出木杉君は目的を達成する」 ドラえもんの目は涙で溢れかえっていた。 「ドラちゃん……」 静香はそれ以上言わなかった。 「本当にごめん……」 それだけ言うとドラえもんは後ろを向き、またどこでもドアを取り出してその場から消えた。 レッドはドラえもんと話を終えた後、自らを補佐する最高幹部達五人を広間に集めた。 最高幹部五人が一度に集結するのは久々のことである。 集まったのは、レッドの代わりに全指揮権を任せている総司令官のクロツグを筆頭に 出木杉、シロナ、リラ、そしてレッド王国警備隊長のワタル。 出木杉意外、いずれも元の世界で名を馳せたそうそうたる顔ぶれだ。 皆、レッドの座っている玉座より一段低い床に深く平伏している。 しかし、出木杉だけは立ったままで冷徹な眼差しをレッドに向けていた。 「出木杉、控えよ! レッド様に無礼だぞ!」 一番に総司令官のクロツグが怒りをあらわにして注意した。 「クロツグ、別に良いではないか。出木杉は厳密にいえば余の配下ではない、 余の協力者が使わした客人なのだ」 レッドはドラえもんと話している時の口調とは違い、威厳たっぷりに言った。 幹部達と接するときは一人称を『俺』から『余』に変え、威厳を示すのだ。 「ははーっ」 クロツグは面白くないといった態度を示しながらも従った。 「皆、立ちあがって良い。いつまでも平伏しているのは窮屈であろう」 レッドが立ち上がるように促すと、幹部全員が立ち上がった。 「余がお前達を呼んだのは他でもない、 余に反目し半年も小競り合いをしてきた『ジャイアン一派』についてだ」 ジャイアン一派とはレッドの独裁体制に不平不満を持つ者達を集めた組織―― いわば反乱分子の寄せ集めといっていい。 規模は三十人程度に過ぎないが、トレーナーランキング5位のリーダー、ジャイアンに 『達人』と呼ばれる9位の骨川スネ吉、それにスネ吉の従兄で11位の骨川スネ夫は侮れない。 その上位三名を除いてもランキング二桁台の強者が多い。1位のレッドには恐れるに足らないが、 幹部達は大いに苦しめられてきた。ランキングが僅差だと戦い方次第では負けてしまうこともあるのだ。 「良く聞くがよい、もうジャイアンとの遊びは終わりにしたい。 新しい遊びを思い付いたのでな。クロツグに命ずる、ジャイアンとそれに与する者は 余に対する反逆とみなし、徹底的に捕らえるのだ」 レッドはクロツグにジャイアン一派との遊びの終わりを告げた。 今までの小競り合いとは違い、徹底的にジャイアン一派を潰す決断を下した。 新しい遊びとはもちろん、のび太のことである。 「ははーっ、ジャイアン一派は必ずや総力を挙げて壊滅して見せます」 クロツグはさっきまでの不機嫌な表情とは打って変わり、満面の笑みを見せて答えた。 それに続いて、他の幹部達も大喜びといった様子だ。 特にクロツグはジャイアン一派のことを面白く思っていなかったのをレッドは知っている。 「お待ちください!」 突然、クロツグの後ろに控えていたワタルが前に進み出た。 「レッド様、ジャイアン一派に制裁を加えるのはこの王国警備隊の精鋭で十分でございます。 ぜひ、私めにお任せください」 「何? 王国警備隊などお前を入れても僅か五人ではないか! そんな少数で何ができる」 すぐにクロツグが反論した。シロナ、リラ、出木杉は沈黙を保っている。 「クロツグ様、少数精鋭と言った言葉をご存じか? 王国警備隊は我々の世界で名の知れたジムリーダー、チャンピオンで構成されています。 この世界の軟弱なトレーナーなど五人で十分でしょう。レッド様、ぜひ私めに」 ワタルの意志の強さについにクロツグは閉口した。 「………良かろう。この件はワタルに全て一任するとしよう」 レッドはしばしの沈黙の後、了解した。 「ありがとうございます。必ずやジャイアン一派を壊滅して見せます」 議論に収拾がつくと幹部達は広間から出て行った。 レッドはワタル一人には手に負えないのではないかと思ったが、 王国警備隊が壊滅したら、また別の者達で結成させればいいと考えた。 非情だが、レッドにとって部下達は使い捨てに過ぎないのだ。 (俺さえ、この王国に君臨出来ていれば他はどうでもいい) レッドはモニターに映された自分に対する現時点ではとても小さな脅威――のび太を見ながら思った。 この小さな脅威もいずれは大きな脅威となるに違いない。 それを恐れつつも、レッドはなぜか楽しみでもあった。自分を脅かすトレーナーの存在を 心のどこかで待ち望んでいたのだ。 (でも最後に勝つのは俺だ。 最強のトレーナーの称号とトレーナーが君臨する世界の支配は俺のものだ。誰にも渡さん) こうしてレッドの支配する王国の夜はふけていった。 次へ
https://w.atwiki.jp/88dfjn288/
ナラカミーチェのファッション ファッションに興味のある人々を魅了し続けている、話題のファッションブランドの、ナラカミーチェに関しましての、説明をさせて頂きたいと思います。 ナラカミーチェとは、イタリアのミラノにおいて、モンテナポ社による、ウォルター・アナラトーネ氏による、ブラウスやシャツのみだけに、アイデアの焦点を絞って、発表して誕生したのですが、様々な斬新なセンスに富んだ商品を、提供して販売しております。
https://w.atwiki.jp/earthruinfes/pages/2477.html
ニコニコ動画/【実況】いい大人達がサマーカーニバル 92烈火を本気で遊んでみた。 2013-07-11 【実況】いい大人達がサマーカーニバル烈火を本気で遊んでみた。完結編 【実況】いい大人達がサマーカーニバル 92烈火を本気で遊んでみた。part18 【実況】いい大人達がサマーカーニバル 92烈火を本気で遊んでみた。part17 【実況】いい大人達がサマーカーニバル 92烈火を本気で遊んでみた。part16 【実況】いい大人達がサマーカーニバル 92烈火を本気で遊んでみた。part15 【実況】いい大人達がサマーカーニバル 92烈火を本気で遊んでみた。part14 【実況】いい大人達がサマーカーニバル 92烈火を本気で遊んでみた。part13 【実況】いい大人達がサマーカーニバル 92烈火を本気で遊んでみた。part12 【実況】いい大人達がサマーカーニバル 92烈火を本気で遊んでみた。part11 【実況】いい大人達がサマーカーニバル 92烈火を本気で遊んでみた。part10 【実況】いい大人達がサマーカーニバル 92烈火を本気で遊んでみた。part9 【実況】いい大人達がサマーカーニバル 92烈火を本気で遊んでみた。part8 【実況】いい大人達がサマーカーニバル 92烈火を本気で遊んでみた。part7 【実況】いい大人達がサマーカーニバル 92烈火を本気で遊んでみた。part6 【実況】いい大人達がサマーカーニバル 92烈火を本気で遊んでみた。part5 【実況】いい大人達がサマーカーニバル 92烈火を本気で遊んでみた。part4 【実況】いい大人達がサマーカーニバル 92烈火を本気で遊んでみた。part3 【実況】いい大人達がサマーカーニバル 92烈火を本気で遊んでみた。part2 【実況】いい大人達がサマーカーニバル 92烈火を本気で遊んでみた。part1 ◇◆『ニコニコ動画/いい大人達』へ ◇◆『ニコニコ動画』へ
https://w.atwiki.jp/earthruinfes/pages/2490.html
ニコニコ動画/【実況】いい大人達が風来のシレンGB2を本気で遊んでみた。 2013-07-11 【実況】いい大人達が風来のシレンGB2を本気で遊んでみた。完結編 【実況】いい大人達が風来のシレンGB2を本気で遊んでみた。part14 【実況】いい大人達が風来のシレンGB2を本気で遊んでみた。part13 【実況】いい大人達が風来のシレンGB2を本気で遊んでみた。part12 【実況】いい大人達が風来のシレンGB2を本気で遊んでみた。part11 【実況】いい大人達が風来のシレンGB2を本気で遊んでみた。part10 【実況】いい大人達が風来のシレンGB2を本気で遊んでみた。part9 【実況】いい大人達が風来のシレンGB2を本気で遊んでみた。part8 【実況】いい大人達が風来のシレンGB2を本気で遊んでみた。part7 【実況】いい大人達が風来のシレンGB2を本気で遊んでみた。part6 【実況】いい大人達が風来のシレンGB2を本気で遊んでみた。part5 【実況】いい大人達が風来のシレンGB2を本気で遊んでみた。part4 【実況】いい大人達が風来のシレンGB2を本気で遊んでみた。part3 【実況】いい大人達が風来のシレンGB2を本気で遊んでみた。part2 【実況】いい大人達が風来のシレンGB2を本気で遊んでみた。part1 ◇◆『ニコニコ動画/いい大人達』へ ◇◆『ニコニコ動画』へ
https://w.atwiki.jp/kokigame/pages/578.html
瑞本つかさ先生の[エッチ]を覚える大人の性教育レッスン! 844 :名無したちの午後:2006/11/28(火) 12 20 07 ID 29s4e5hY0 瑞本つかさ先生 詩織先生 手コキ1 足コキ1 唯子先生 手コキ2 太ももコキ2 パンツと尻の間に差し込むケツコキ1 場合によっては部分アニメあり。唯子先生オススメ。 関連レス
https://w.atwiki.jp/nintendods-adventure/pages/126.html
いづみ事件ファイル - 名無しさん 2009-10-30 10 43 49
https://w.atwiki.jp/88dfjn288/pages/3.html
カウンター 今日 - 人 昨日 - 人 合計 - 人 現在-人が閲覧中。 更新履歴 取得中です。