約 27,622 件
https://w.atwiki.jp/thmugen/pages/755.html
夢と伝統を保持する巫女「博麗 霊夢」 夢と伝統を保持する巫女「博麗 霊夢」 キャラクター シンボル:白 必要コスト<白:2 無:X> 攻撃力:4 耐久力:4 属性:人間 閃光 《自動》:このカードの無色コストのXの値は2以上とする。 《誘発》:このカードがプレイされて場に出た場合、 目標のキャラクター1枚は、ターン終了時まで+X/+Xを得る。 「さあいらっしゃい、貴方だけの幻想郷へ。」 illus:michi コメント 博麗の巫女が神の力のような能力を内蔵した。 ただし誘発効果なので、連鎖処理の一番最後に発動するため、火力に割り込んで救済するのは不可能。割り込んでも破壊が乗ってしまい、いくら耐久値を上げてどうしようもない。 キャラクター同士の戦闘、ダメージ判定前に使う分には問題ない。 関連
https://w.atwiki.jp/yumetogenjitu/pages/34.html
メンバーリスト コメント 晴れと雨とたまに夢気分 メンバーリスト キャラ名 職業 Lv 複 備考 ※夢と現実のはざまで ふよよ ハイアコライト 30~ ギルドマスター ふよよIr るーれ アークビショップ 90~ ● ふよよIr ろぃん クルセイダー 90~ ● ふよよIr HAKUMEn シャドゥチェイサー 90~ HAKU=MEN, チップ_ ギロチンクロス 120~ ♪サレス♪ ハイウィザード 60~ 御刹 修羅 100~ カイル・ロッド ウォーロック 90~ ● 李 果 パラディン 90~ 水 晶 拓 榴 水 蜜 桃 ロードナイト 90~ ● 水 晶 拓 榴 Akina_H ウォーロック 90~ ☆makoto♪☆ アサシンクロス 80~ ミルフィリー ジェネティック 90~ ● 湖月 蒼 バード 90~ リーズ・エンド ミンストレル 100~ *紅月*Fo チェイサー 89~ こはぎ♪ スーパーノービス 90~ シャイニング・キルス ルーンナイト 90~ ☆キルス★彡 クラウン 80~ ● 魔術師 みー ハイウィザード 60~ 阿修羅 みー 修羅 90~ ● *紅茶* スナイパー 90~ †ルビィ† シャドウチェイサー 90~ ∮琉々∮ 蒼野 雷兎 ハイプリースト 80~ コーリ スーパーノービス 90~ 寝こ、 モンク 80~ 黒雪姫. アークビショップ 110~ sewiria 柚木断冴 レンジャー 100~ 読:ゆきだんご ⅴハ ルⅴ スナイパー 80~ ハ ル アークビショップ 90~ ● mint@ルー ウィザード 60~ ★Tellia★ ローグ 80~ Tellia しろまさ. 忍者 80~ しろまさ priscilla アルケミスト 90~ [edit] 名前
https://w.atwiki.jp/shosensyojodokusen/pages/312.html
212 :名無したちの午後 [↓] :2019/03/02(土) 22 37 28.95 ID CtKCgrr20 [PC] 夢と色でできている ttp //www.feng.jp/feng8th/ 処女 飛鳥井 姫色 黒羽 かもめ 乙原 恋 刻乃 雲 七夕 紫織 非処女 無し 備考 姫色と紫織のみ出血差分あり。
https://w.atwiki.jp/tukinokaze/pages/178.html
夢と現実の世界~第一話~ 【僕の名前はテルキ。年齢は15才。普通に学校へ行って普通の生活をするただの学生。 僕は学校から帰ると、ピクミン2をつける。】 テ(テルキ)「さてと、今日は何をしようかな?」 【DATA1はお宝回収済み。DATA2はヘラクレスオオヨロヒグモの階でとまっている。 なぜかというと、僕はオオヨロヒグモを倒すことにスリルを覚えていたからだ。 普通のボスでは、僕はもう飽き飽きしていたのだ。 例えば、クイーンチャッピーは顔を攻撃すれば楽だし、 ダマグモキャノンは隠れれば犠牲ナシで倒せる。 だから普通のボスではもうスリルがないのだ。 その分オオヨロヒグモは、どのピクミンでも安全とはいえない。 あえてお宝を回収しないことにより、スリルが味わえる。 それもとびっきり危険な方法で倒す。 赤ピクミンで挑むなら、先に炎をとり、他のは強化されるまで叩く。 こうすると、とんでもなく危険な敵になる。 電気が流れながら飛び交い、連続で放出される水、そして、4方向に放たれる毒… これを全部よけながら倒す。これほどのスリルは味わえない。そう思ってた。が、 それすらも最近はスリルがなくなってきたのだ。 今ではどの攻撃も隙を見つけ、無傷で倒すことが出来るようになってしまった。 そして今日は、DATA3をすることにした。 DATA3はまだ1度もしたことがない。】 しかし、DATA3を選んだことにより、 これからとんでもないことが起こるなど、 この時は知りもしなかった。 ピコッ テルキはDATA3を選んだ。その時、 テ「っ…!」 急に頭痛がしたのだ。 テ「なんだろう…毎日ゲームのしすぎかな…?」 そんなことを考えているうちに頭痛はどんどん激しくなる。 テルキは耐え切れず、その場に気絶してしまった。 テ「う~ん…」 テルキは気がつくと、とても寒い気がした。 テ「寒っ!」 目をあけると、そこには一面の銀世界が広がっていた。 続く
https://w.atwiki.jp/yamamura2/pages/8682.html
【TOP】【←prev】【PlayStation】【next→】 Othello World II タイトル Othello World II 夢と未知への挑 オセロワールド 2 機種 プレイステーション 型番 SLPS-00136 ジャンル テーブルゲーム(オセロ) 発売元 ツクダオリジナル 発売日 1995-12-8 価格 5800円(税別) タイトル Othello World II 夢と未知への挑戦 復刻版 機種 プレイステーション 型番 SLPS-01174 ジャンル テーブルゲーム(オセロ) 発売元 ツクダオリジナル 発売日 1999-3-4 価格 2800円(税別) オセロ 関連 Console Game SG オセロ FDS Othello FC Othello SFC Othello World PS Othello World II PS2 インターネットオセロ オセロワールド24 Handheld Game GB Othello Othello World オセロ ミレニアム 駿河屋で購入 プレイステーション
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/200.html
autolink() DC/W01-052 カード名:お手製弁当を持つ音夢と由夢 カテゴリ:キャラクター 色:赤 レベル:1 コスト:0 トリガー:0 パワー:5000 ソウル:1 特徴:《魔法》?・《お弁当》? 【起】[③ このカードを控え室に置く]あなたはレベル2以下の相手の前列のキャラを1枚選び、控え室に置く。 兄さん・・・これ、お弁当 レアリティ:RR illust.たにはらなつき 時を越えた競演。 お弁当の破壊力はバッチリ受け継がれている。 ノーコストながら5000という十分なサイズに加え、コストは重いものの自分よりレベルの高いキャラを控え室に送る能力を持っている。 さらに、カード名に「音夢」と含まれているため【ミハネム】デッキならば是非採用すべきカードである。 起動効果は、早出し効果のある「主人公&タナトス」や各種セイバー?辺りを吹き飛ばすとなかなか良い感じ。 さらに最近はチェンジを持つキャラが増えてきておりこのカードの起動効果の価値もあがってきたといえるだろう 「贅沢な悩み」等のアンコール無効のカードを使えば早出しでストック、手札を使い切った相手はかなり嫌だろう ノンコストなので、赤さえ入っていれば採用の余地は十分にあるといえる 発売からかなり経つがずっと高額を保っているRRでありD.C.でのトップレアである。 ・関連ページ 「音夢」? 「由夢」?
https://w.atwiki.jp/oyatu1/pages/850.html
あの子は一人ぼっちだった。 まるで他人を受け入れないかのような様相をしていて。 まるで一人でいる事が当然かのような振る舞いをする。 眼は、冷たく。 まるで他者の全てを拒絶するかのような目をして‥。 ――どうして、そんなに悲しそうな眼をしてるの‥? 私には、 なんだかそれがとても寂しそうなものに見えたんだ..... …『夢と幻を越えて』… 静かな静寂‥。 家族の寝静まった夜に、こっそりと明かりが灯る。 立ち込める甘い匂い。錯乱するボウルやら泡立て器。 深夜の台所で一人、慣れない事を始める。 私には、妹みたいな器用さはない。 同じように作っているのに同じように出来やしない。 上手くいかない型取り。上手く冷えない固まり方。 ようやく綺麗に仕上がったと思っても、口に入れてみると味がイマイチだったり。 ‥私はどうしてこんなに不器用なんだろう? この手も、この心も…素直になれないでいる。 自分の気持ちを正直に渡せないから、妹のチョコレートに便乗して。 …妹が作ってたから、私も作っただけという言い訳を用意して…‥ 何度目か解らない冷やしてる間の時の間。 型取った物が冷蔵庫の中で固まるのを静かに待つ。 時計の針が、カチ、カチ、と規則的なリズムを作り、静寂の中に響き渡る‥‥ 全てが暗く寝静まった台所で一人、椅子に座りながら物思いに深く耽る。 ――『ねぇ、かがみ。ずっと一緒にいてくれる‥?』 あの言葉には、どれくらいの意味があったのだろう? こなた、大丈夫だよ‥。私は何処にも行かないよ‥。 何度目かの失敗の後、 それは、ようやく綺麗に出来ていた‥。 ‐‐‐‐‐ 朝の陽差しが眩しい。 青く澄み渡る大空に、真っ直ぐ射し込むような太陽の直線光。 寒波は未だ消えず、コートを脱ぐ季節には早い。 凍える空気が吐息を白くする。 眩しさに溶け込んで息が霞んで見えてる。 吐息は、そして消えて行く‥。 ――私は、一人の女の子を見付けた。 でもその子は、誰も寄せ付けない眼をしていた。 そこから・・・私は・・・ ――何をしたんだっけ・・? 「かっがみーん♪」 「のわっ!!」 急に抱き付いて来た親友に、私の身体は大きく反り返る。 同時に迫り来る、甘い匂いと…暖かい感触の温もり。 私たちの朝。いつもの通学路のやり取り。 「かがみん、おはよ~♪」 「まったく、いきなり飛び付かないでよ‥」 こなたの顔が綻んでいた。 白く小さな吐息を出しながら、小さな身体で私に構ってきていた。 朝日が眩しく、空が澄んでいる中で、私達は戯れている。 青空に、私達の笑い声が弾み上げている... 「でね、その女の子がね………」 「まったく、あんたはアニメの話ばかり……」 あの日から――約束を交わした日から…コイツは私にとても懐くようになった。 私の教科書を借りに来たり、帰り道を一緒に合わせようとしたり、、。 いつも私の傍にいるようになり、私といる時間を作ろうとしていた。 『寂しいんだったら、いつでも甘えて来ていい』 『私が傍にいてあげるから――‥‥』 そう言ったから。 こなたは、本当は寂しい想いを隠してるんじゃないかと、私は思ったから。 私達は、特別な約束を交わして、世界で1番の親友だと誓っていた。 ‥だけど、本当はもっと違う思いもあったのかもしれない。 私は素直に自分の気持ちを表せなかった。 今だって、抱き付くこなたの腕を振り解こうとしている。 嬉しい癖に、口では仕方ないといった事ばかり言っている。 やれやれ、といった態度ばかり取っている‥。 ‐‐‐‐‐‐ 「ハッピーバレンタイン、こなちゃん!はいコレ♪」 異様な程に作り込まれたハート型のチョコがこなたの手に受け取られていく。 つかさの凝り性は天下一品で、市販の物なんかより遥かに出来がいい。 ラッピングだけで心が暖まるような、そんな仕上がりになっている。 「つかさ…義理でも男の子にはあげない方がいい。絶対勘違いされるから!」 全く同意見だ。見ただけで心が篭ってるのがわかる。 きっと中身も…私のなんかよりずっと美味しく作っているのだろう。 やっぱり駄目だ、私には・・・・ 「とりあえず、ハイこれ」 タイミングは今しか無かった。 つかさのついでだと、言い訳できるタイミング。 今この瞬間を逃すと渡せる勇気はもう無いだろう。。 「かがみが!?私にチョコぉ!?」 私が見せたのは、形も悪く、バラバラになっているチョコだった。 ラッピングも適当だった……… それでも、目を輝かせて嬉しさを表現するこなた。 「つかさがやってたから、ついでに作っただけよ」 言い訳は完璧だった。 そう…それが私の限界だった。 …そのチョコは、ついでに作ったものだ。 本当に時間を掛けたハート型のチョコは、鞄の中に眠っている…。 ――こんなに、つかさが渡せる雰囲気を作ってくれているのに… ――私はそれでも、渡す事が出来なかった… …… 「お~~~……」 私のチョコをまじまじと見つめるこなた。 一体何を考えているのだろう‥? 『柊が作ってくれたってのが大事なんじゃないか』 『バ、バカ…だからそんなんじゃないってば』 「・・とかいうのは無いの?」 「ねーよ。いいから黙ってしまえって!」 ……あるわけないでしょ、このバカ。 ‐‐‐‐‐‐‐ 夕焼けが赤く溶けた空に、綿飴の雲が浮かぶ。 いつもの帰り道、長い影が2人の足元から伸びている。 遠くで踏切の音が聞こえ、慣れた音を響かせていた。 ――こなたの声が聞こえる。 「かがみ~!今日の宿題写させてー!!」 「少しは自分でやりなさいよ!まったく、もぅ…」 空が澄んでいた。 黒い何かが襲うように、空を包み込んでいた。 夕日が精一杯の抵抗をしていて、赤く染まる空を作っていた。 それがいつか終わる色だとしても、私の眼にはこの瞬間を焼き付けているだろう。 「私はね~‥…」 「はいはい、またあんたの事だから‥…」 遠くで車の走る音も、遠くの電車の音も、全てが夕焼けに溶けていく。 隣のコイツが、夕日に溶け込む中で笑いかける。 ――何か、とても懐かしい…。 私は、あんたがいて本当に良かった。 つまらない日常を輝かせる太陽のような存在。 この学校に来て、あなたと出会わなければ…私は‥‥ 「ねぇ、こなた」 「なにカナ~?」 ‥コイツはオタクで、不真面目で、勉強嫌いで… 宿題もやらなければ授業もノートに写さないでいる。 ゲームを沢山やりたいのならば、もっと別の高校でも良かったはずなのに…‥ 「あんたは、さ・・・なんでこの学校に来たの‥?」 少しだけ、緊張が私の身体を走り抜けていた。 一瞬だけ景色が止まったような感覚に襲われる。 吹き来る風が止み、聞こえていた雑音が、遠くなる.... 「…‥かがみに会うためだよ~?」 コイツは、そう言った。 そう、小さく微笑みながら。 …同じ質問を、昔に尋ねた事がある。 入学して間もない頃に聞いた答えも、そうだった。 コイツがこんな進学校に来る理由なんて何一つ無かったのに。 本当は、どんな理由で…… 「かっがみーん?もう別れ道だよ?」 「うん、あのね…こなた‥」 ――どうして私は素直になれないんだろう。 「また、明日ね!」 「うん、またね~!かがみん♪」 ‥‥‥。 ――私は結局、あのチョコを渡せないでいた‥‥。 ‐‐‐‐‐‐ ‥寂しかった。 一人で帰る道は、虚ろな物しか映らせない。 全ての景色が無になったように、何も感じない。 こんな事、前にもあったかもしれない・・・・ 私は忘れている、何かを。 でもそれが何なのか、わからないでいる。 沈みゆく太陽の光が、私に最後の夕焼けを映し出す。 氷のような大気が、やがて空を支配するだろう。 凍える冬風に紺色のコートを身に纏い、それを防ぐための着こなしをする。 ‥私は、家に帰らない。 アイツの元に、向かう。 恥ずかしくても何でもいい。 このチョコを、受け取って貰おう。 ――深い意味なんてなくていい。 ――ただ、私が寂しいから。 ――受け取ってくれないと、私が壊れちゃいそうだから‥…… ..... 「こなたなら、まだ帰って来てないよ」 こなたのお父さんが玄関で呟く。 「そう…ですか‥‥」 私はそれを聞いて、肩を落とした。 暗闇の星空の下で、玄関から零れる光が微かに広がっていた。 どこの家も、明るさを灯していて、家族で賑わっている。 こなたは、この暖かい家の中にいるはずだった。 外の寒い空気から逃げて、ここに辿り着いているはずだった。 ――あなたの帰る場所は、何処なの・・? 「かがみちゃん」 明るい玄関から、そうじろうさんが言葉を紡いでいく。 それはとても大事な事のような話、あるいは意味のある話。 私は、それを一言も逃さないように聞き耳を立てる。 「こなたは…かがみちゃんの事をずっと待っていた」 穏やかな声で、諭すように。 そうじろうさんの話は、 よくわからなかったけれど・・・ 「今もきっと、待っている…。 だから、探して来てくれないか‥?」 でも私は、ただ「ハイ」と答えるだけだった‥。 ‐‐‐‐‐‐ 探していた。 夜の街に、彩るネオンの灯り…そして笑い声を上げる人々。 真っ暗な世界に街の電気が溢れ、飲食店が賑わいを見せている。 信号が青く点灯すると、昼間とは違う人々が横断している。 逢いたい人は幻のような遠い、途方も無い彼方にいるような気がした。 ――こなた、あんたは何処にいるの…? 一緒に連れていかれた場所を思い出す。 アニメショップ、ゲーマーズ、ゲームセンター… 2人で来た場所に、順を追って探し始める。 煌めく街を駆け抜けて、人々の喧騒を掻き分けて…。 ……こなた、お願いだから――私の前に現れて… 思い当たる場所を手当たり次第探し、逢いたい人を探す。 想う気持ちが、この街を巡り馳せていく。 私の身体が、走り抜けていく――。 …‥遠い昔にも、同じような事をしていたような気がする。 こうやって、誰かを探すのはたぶん初めてじゃないのだろう。 あの時はアテも何も無かったけれど・・・。 アテといえば…… 「もしかして…」 私は財布に取り付けたキーホルダーを見る。 たとえ世界が崩壊しようとも、離れ離れにならないように… そんな想いが込められた、大切なキーホルダー... もしかして・・・ アイツは、あの場所にいるのかもしれない。 ‐‐‐‐‐‐ 空は黒く、街の灯りが遠く離れた世界に感じた。 公園には、誰もいない。 この前は、雪が積もり広がっていた。 だから夜でも白く染まっていて、視界はぼんやりとしていたけれど‥‥ 今は、どうしようもないくらい暗闇が深い。 街灯だけが規則的に光を並び、道を誘う標となっていた。 小さな灯りの導かれるがままに歩みを委ねていく。 その先に、アイツがいると信じて――‥‥‥ 冷たく、凍てつくような大気が夜空に澄んで透き通っていた。 ざわめく木々が身の毛をよだらせ、静けさを余計に感じさせる。 肌寒く、物悲しい静寂が辺りを支配している。 灯りの導く先には、小さな光が溢れていた。 そして浮かび上がる小さなシルエットの影。 それは……私の逢いたい人の姿形をしていた... こなたが、いた。 噴水の光に背を向けて、座っていた。 まるでこの世界に独りぼっちでいるかのように… まるで、全てを虚ろに見るような冷たい眼をしていて――…‥‥ こなたの、隠していた悲しみを垣間見た気がした…。 「かがみ…?」 こなたが、私に気付く。 信じられない、といった表情をして。 「あは…‥私は夢でも見ているのカナ‥」 私を見て、こなたが呟く。 …何よ、なんであんたはこんな場所で独りぼっちでいるのよ。 「夢じゃないわよ‥!」 …許せなかった。 私達は親友だと、誓っていたのに。 目の前に寂しそうにしているこなたがいる事に。 「だったら、幻でも見てるのカナ‥?」 「幻なんかじゃ、ないわよっ・・!」 こなたの元へ駆け寄る。 小さな体を抱きしめる。 その姿が、何処かへ消えてしまわないように…。 「かがみ…! 私、私は…かがみに凄く会いたかった…!! そしたら、かがみが現れてくれた…。 奇跡でも起きたのカナ‥」 「ばかっ…何が奇跡よ‥‥」 ぎゅう、と体を包み込む。 あなたは、一人ぼっちじゃないと伝えるために。 この寒い世界から、あなたを守るように‥。 ‐‐‐‐‐‐‐ 夜空には星が輝いていた。 月が小さな円を描き、彼方に浮かんでいる。 「あんたの家に行っても、帰って来てないから…そうじろうさんに頼まれたのよ」 冷たい風が吹いていた。 まだ春には遠く、凍てつく大気が肌を震わせる。 「そっかー、それで此処まで捜してくれたんだね‥」 こなたの身体は酷く冷えていた。 いつもはもっと暖炉のように温かい身体をしている。 それが今は、とても冷たく落ち着いてしまっている…。 「バカね……親友なんだから、捜すのは当たり前じゃない」 手を取って、はぁ…と息を吹き掛けた。 こなたの顔が少し紅くなって、とても可愛かった。 「バカね…こんなに冷たくしちゃって‥」 氷のように近付いた体温の手を暖める。 小さな手が、感覚を取り戻せるように。 私の両手で包み、手の平の熱を分け与える。 「…かがみは、やっぱり優しいね」 顔を赤らめたこなたが、そう言った。 私もそれに連られて、頬に紅い色が染まり浮き出る。 …今なら言えるだろう。もう恥ずかしいものは無い。 「あのね、コレ…作ったのよ」 ハート型のチョコを鞄から取り出す。 『こなたへ』とデコレーションしてあるチョコレート。 私が時間を掛けて作ったチョコレートだ。 「つかさが作っていたから…私もハート型で作ってみたのよ」 …恥ずかしかったから渡せなかったけどね、と付け加えて。 「そっか、つかさが…」 こなたは、胸を一杯にしたような笑みを浮かべる。 その瞳には、幸せに満ちた表情が描かれていた。 …渡して良かったと思う。 「‥よく考えたら、私とあんたの間柄で遠慮なんてする必要無かったよね」 その表情を見ていると、恥ずかしがっていたのが馬鹿らしくなってくる。 わざわざ偽物のチョコレートを用意して、街を捜し回って・・・・ 一人で勝手に寂しい思いを募らせて……… 「かがみ、はいコレ」 こなたが私の手に小さな箱を差し出してきた。 『かがみへ』と書かれた紙が添えてある。 中身を推測するには、それは充分すぎる箱だった。 「私もね、作ってたんだけど…恥ずかしくて渡せなかったんだよネ‥」 頬を掻きながら、こなたが言う。 真っ赤に染まりながら照れている様子だった。 私の胸が満たされていく……。 「バカね……そんなの、さっさと渡しなさいよ・・」 『バカ』と、もう一度だけ小さく呟いた。 本当は、寂しかった。 自分だけがチョコを作っているのかと思っていた。 こなたも、私のために作ってくれていた。 それが嬉しくて、溢れて零れてしまいそうになる。 ――本当は、私は・・・ 「食べると太っちゃうかもね」 「ふん、ちょっとぐらい構いやしないわよ!」 胸が溢れるほど、愛おしいと思う。 コイツが傍にいる事が、私にとって特別な事だった。 だけど、私は素直になれない…… 「かがみ…」 「‥何?」 チョコをくれた事に対しても、素直にありがとうと言えない。 いつも私に構ってくれる事も、感謝してるのに気持ちを伝えられない。 この感情も、伝えることは出来ない…… 「踊ろうか?」 こなたがクルッと回る。 まるで猫みたいな身のこなしで。 私の好きな、その愛しい仕草を魅せてくる。 「あんた、踊れるのか?」 噴水が湧き上がる。 色の付いた様々な光を漏らしている。 こなたは、星空を眺めていた。 髪が靡く。 月の光に溶け込むように。 ――雰囲気が、変わった‥? 「私はバイト先でいっつも踊ってるんだよ」 そう云うこなたは、とても綺麗だった。 まるで景色を背景に、自分の存在を魅せるように。 その姿に、私は惹かれていく…。 「ダイエットのためにちょっと運動しようよ」 それは一種の魔法のように見えた。 本当は、もしかして何かの特別な力を使っているんじゃないだろうか。 私がプレゼントしたOVAのアニソンを口ずさみながら、私に手を差し出す。 「まったく…あんたのバイト先とやらを一度見てみたいわね…」 私はその手を、掴んだ‥ ‐‐♪♪‐‐♪♪‐‐♪‐‐♪♪‐‐♪♪‐‐♪‐… …かがみ、私に合わせて。 …こ、こうかな? …うん、そう‥その調子。 …あ、ありがとう‥。 …ホラ、回るよ? …ちょっ、ちょっと‥!! ――私の手を取って、私を導くように踊っている。 ――私達の髪が軌道に乗りながらクルッと舞い廻った。 …くるーり、くるーり。 …はぁ、あんた踊るの上手いんだな‥。 …ふふ、バイト先だとコスプレしながら踊ってるんだよ。 …なんだそりゃ‥。 …かがみも今度、来てみるといいよ。 …そうね、お邪魔じゃないのなら‥。 ――輝く星空に見守られていた。 ――寒い空の下で、私達は踊り続ける。。 ――こなたは、私を見つめて語りかけてくる‥。 …この場所にはね、昔、大きな木が立っていたんだ。 …木? …そう、でもね‥木は消えちゃった。 …………。 …代わりに、この噴水が出来たんだよ? …そう、なんだ‥。 ――その話は、なんだか胸に染みるような話だった。 ――なぜだろう、私はその木を知っている気がする‥。 …噴水の色が変わって、水の勢いが増す。 …それに合わせるように、私達のステップも早くなる。 ‐‐♪♪‐‐♪♪‐‐♪♪♪‐‐♪♪♪‐‐♪♪‐… …あのチョコね‥。 …うん。 …ほんとは、つかさがチョコをくれた時に、私も出そうと思ったんだ。 …そう、なんだ‥。 …つかさは、不思議な子だね。 …そうかもね‥。 …いつか、ちゃんとお礼しなくちゃ。 …お礼、ね‥。 ‐‐‐♪♪♪‐‐♪♪‐‐‐♪♪♪‐‐♪♪‐‐‐… …いつか、さ。 …うん。 …こうやって、みんなで踊れる日が来るといいね。 …また、あんたって奴は‥。 …だって楽しそうジャン? …ふふ、そうかもね‥。 ――こなた、本当はね・・ ――私は、つかさがいなくても、あなたにチョコを作っていたよ。 …放課後にみんなで残ってさ、ワイワイと練習とか。 …いいわね、そういうの‥。 …そうだ、チアガールのコスプレをしようよ! …おい、それはコスプレって言うのか‥? …はっちゃけた音楽を流してさ、大勢の前で踊るの。 …まったく、あんたといると退屈しないわね‥。 ――私は、あなたのお父さんに頼まれていなくても、あなたを捜していた。 ――あなたがいないと聞いた時から、捜そうって決めていた。 ――あなたは、私の大切な人だから・・・・ ‥星空が遠く遥かに無数の点線絵画を描く。 暗闇に包まれた世界に、小さな噴水の輝きがこの場所に溢れている。 まるで私達だけが、この世界にいるような感覚になる。 こなたは、この瞬間を奇跡みたいだと言う。 私は、その言葉を深く胸に刻み込んだ‥。 氷のように…に続く コメントフォーム 名前 コメント (≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-05-03 00 45 52) 凄く心を打たれました! -- 名無しさん (2010-11-15 22 20 55) じんときた…なんだろう、この儚げで温かいようなSSは… -- 名無しさん (2008-11-20 13 26 29) なんて素敵な関係の二人。かがみは昔こなたと会っていたということを思い出せるのかな…氷の結晶のような美しい文章に引き込まれました。 -- 名無しさん (2008-11-14 13 59 24)
https://w.atwiki.jp/cwcrpg/pages/142.html
夢と妄想のかけら ~砕け散ったアイディア達~ CWCRPGは世界観やシステムが自由とあって、時に今までに無かった新しい物を生み出したり実装する事が間々ある。 しかしそれらが安定して登場するまでには多くの議論やテストに打ち勝たねばならなかったのだ。 ここでは実装に至れなかったアイディアの数々をボツになった理由と共に綴って行きたいと思う。 -ひっそりと問題を抱えたまま正式実装状態にあるスキルやアイテムも存在していることは忘れては成らない。 -全てのボツネタが載ってるわけでもありません。 -あくまで後発組が過去と同じ議論をしないで済ませるため、もしくは何らかの刺激を受けて貰うためにこのページはあるのかも。 アイテム編 技能編 Q,武器の二刀流を是非実装したいです! Q,やっぱり二刀流を実装したいです! Q,それでも二刀流を実装したいです! Q,どうしても二刀流を実装したいんですってば! Q,これでもダメなの?二刀流・・・ システム編 Q,武器の切り替えを簡単にする妙案を思いつきました! アイテム編 技能編 Q,武器の二刀流を是非実装したいです! ある日の昼も過ぎた頃ドケチキン(以降チキン)がなにやら閃いたらしい、思いつくなりチキンは親父にその自信たっぷりのアイディアを披露した。 チキン「俺たちが良く使う武器って片手で扱える武器と、両手で扱う武器がありますよね。」 親父 「ああ、大体その二種に分類されるな。」 チキン「ですよね、片手で扱える武器って事はですよ、案外片手に1本ずつ持てば便利なんじゃないですか?」 親父 「…それってーと、二本の剣でボコボコにするのか?」 チキン「そうですよ?(何か問題があるの?」 親父 「メタい話をすると現実世界なら問題ないかもしれねーが、ゲーム的にそれはねーよ」 チキン「…!(現実世界…だと…」 まとめ 片手で扱える武器を2本同時に装備出来る様にしてみてはどうか。 A,ロングソード2本でAT8はねーよ Q,やっぱり二刀流を実装したいです! 翌る日の事、俺が暇そうにしているとドケチキンが嬉しそうな表情で歩み寄るなり喋りかけてきた。 チキン「高火力が問題なんですよね、だったら威力を半減させちゃえばいいんじゃないですかね?」 親父 「えっ?半減?」 チキン「そうです、性能の半減ですよ親父さん。そうすりゃ例の問題点は解消出来そうな気がするんですが」 親父 「うーん…、それ良さそうに見えて結構微妙だぞ?」 チキン「マジですか…?」 親父 「正味な話…金の無駄になるんじゃないかというレベルだ。」 チキン「そんなにですか…」 まとめ それぞれの武器性能を半減させればどうか A,ロングソード2本でもAT4になるからバランスが取れると思ったんだろうが大間違いだ。 これじゃあ魔剣の効果まで半減されて効果が薄まってしまうだろう。 仮に魔剣等を除外したとしても、特定の武器しか効かない敵と当たってしまったときが非常に辛いんだ。 まだまだ実装するにはほど遠い。 Q,それでも二刀流を実装したいです! 数日後、またもチキンは性懲りもなくニヤニヤと俺に話しかけてきた。 チキン「二刀流だからって同時攻撃出来ないという条件にしたらもしかしてバランス取れるんじゃないですかね?」 親父 「ほう、確かにそれなら高火力じゃ無くなるな。」 チキン「ですよね!これで念願の二刀流だ!」 親父 「…確認するがそれは…二種の武器を任意に使えるっていう事か?」 チキン「えっ?そうですけど(嫌な予感がするなぁ…)」 親父 「…あまい、まだ問題点があるぞ。技能はどうするんだ」 まとめ それぞれの武器で同時攻撃出来無くしてみてはどうか。 A,ロングソード対策は出来てるけど他に問題ありまくりでよ…例えば… サブ武器にメイルブレイカー(AT3 命中+2)装備して命中合計+4のフェイントがいつでも撃てるのは非常にまずい。 Q,どうしても二刀流を実装したいんですってば! チキン「サブ武器でフェイントですか…、そんなに駄目ですかね…?」 親父 「大体お前さんは二刀流を甘く見てるぞ、二本の武器を持つだけで二種の攻撃が出来るなんて…甘い…!」 親父 「それこそ相当の修業が無ければ実用に足らんわっ!」 チキン「ひぃっ、つまりアレですか、経験点…経験点を捧げればいいんですか!」 親父 「そりゃ初期作成の冒険者が使えちゃ不味いから経験点は要るだろうが、問題は仕様だよ」 チキン「そうですか…」 親父 「二本の剣を自在に操るなんて普通は無理だ、両手とも利き腕同然でやってのける奴は居るかもしれんがそうそうそんな奴は居ない。」 チキン「うーん…、もう無理なのかなぁ」 親父 「そうだな、これは俺のアイディアなんだが…(ry↓のまとめにて」 まとめ 成熟したPC用の能力にしたらどうか。 A,発想は悪くないんだが、いっそのこと妥協してツインソード(仮名)って武器実装じゃ駄目か? 盗賊のダークネスクローみたいな性能でAT2~AT3x2っていう感じの。これで気分は二刀流だぜ Q,これでもダメなの?二刀流・・・ 暫くの静寂の後、ドケチキンが何かを思いついたようだ。 チキン「初期性能PCじゃ無理、装備はメイン武器とサブ武器っていう概念にしてしまうんです、ここまではいいですよね?」 親父 「お、おう」 チキン「ここはサブ武器にデメリットを設けるんですよ!」 親父 「ほう、どんなだね?」 チキン「まず、技能はメインのみに限定してサブは命中を-2補正にするんです。」 親父 「なるほど、フェイントは完全に潰せるし、バランスも壊れなって訳だな。」 チキン「でしょでしょ、武器によってはかなり有効になるじゃないかと考えてますよ。」 親父 「あとは二刀流条件をどうするかだな。」 チキン「ああ、それなら別案である『多重装備システム』に組み込む形にして実装出来るかもしれません。」 親父 「なるほど、ここまで来ると流石に反論も難しくなってきた、…いいぞ、夢に向かって突き進めチキンよ。」 まとめ メインとサブを明確にし、サブは技能不可で命中-2と設定するのはどうか。 A,ここまで来たら実戦投入して調整していけば現実になるかもしれん。 ※ここまでのチキンの台詞は中の人と一切無関係です、ご了承下さいませ。 Q,とある熟練者の憂鬱 ――同じ武器でも・・・ いつもの冒険者の宿にて―― 依頼人A「う~ん上手く書けねぇなぁ」 親父 「読めれば問題無いですよ」 依頼人A「やっぱり丁寧で綺麗な依頼書の方が良いと思うんですよ…。」 依頼人B「ちょいとかしなA、俺が書こう…」 依頼人A「流石B!俺にはこんな文面とても書けないよ!」 親父 「んじゃま、仕事を引受けてくれるモンが来たら、早速其方に寄越しますんで」 依頼人B「どうぞ宜しくお願いします。」 そんな依頼人と親父のやり取りを偶々眺めていた男が1人、彼は依頼人が宿を出て行くと口を開いた。 ディアス「なぁ親父さん、ちょっといいかな?」 親父 「どうした?ディアス、さっきの依頼ならお前がやるほどの仕事じゃあないぞ?」 ディアス「ああいや、仕事の話じゃないんだ。例え同じペンを使ったとしても使った人次第で別物になるのは当たり前だよな?」 親父 「そういうモンだと思うがどうした」 ディアス「俺はこうして道場を構えるまでずっとロングソード1本で頑張ってきた、それが俺の剣の道だし誇りなんだ。」 親父 「武器の力に甘んじることなくその剣1本でここまで来た事が逆に伝説になりつつある位だしな。」 ディアス「褒めすぎだ。」 親父 「ああ、すまん。」 ディアス「そんな俺がロングソードで攻撃するのと、新米冒険者がロングソードで攻撃した事による結果が同等なのは何故なんだろうな…」 親父 「確かにすこし気持ちは解るがなぁ・・・ さっきの物書きの場合技の達成値が高かったから結果が良かったのさ、ディアスの太刀筋は新米じゃ見切れんと思うぞ?」 ディアス「ただ…威力が同じというのはやはり解せぬのだ…。」 親父 「つまりは何かい?熟練した武器にはダメージボーナスが欲しい、と。そういう訳か? ディアスよ、確かにその気持ちは解るんだがな・・・。メタな話をさせてもらうと、それは少し厳しい。」 ディアス「そうか…。」 親父 「このゲームは攻撃力における1点の価値が尋常ではないんだ。戦士はただでさえ火力がインフレ気味だしな。 例えばだ、どの武器も一律に経験点20点消費で熟練度アップし攻撃力+1なんて仕組みにしてしまうとしよう。」 ディアス「それって結構良い感じのシステムの様な気もするんだが…」 親父 「問題は、やはりさっき触れたようにインフレにあると思うんだ。」 ディアス「だれでも平等に与えられているなら問題ないのでは?」 親父 「既に存在している武器改造システムで攻撃力+1で熟練して+1 更に魔剣をかけるだけでロングソードの基本ダメージが8点になるんだぞ。」 ディアス「ぐ…」 親父 「それにだ、このゲームの基本理念に新人とベテランでも一緒に遊びたいという物があるのだ 行為判定の優劣こそあれ、与えるダメージにそこまで大きな差異は無いようにしたいんだ。」 ディアス「たしかに…、そこを忘れてしまうとは迂闊だったな」 親父 「言いにくい話だが、武器改造システムそのものが同じ武器を使い続ける人の為に生まれたシステムだったって事を忘れるな」 ディアス「し、しかし未だに改造を完遂させた武器を持つPCは2人だけだ!その辺なんとかしてくれ!」 親父 「そうだな、すまん!」 親父 「まぁ、あれだ。経験点を消費しないと装備出来るようにならない武器とか 経験点消費で成長する武器なんていうのをピンポイントで実装するのはアリかもしれんぞ。」 ディアス「そうか!その手が!」 まとめ 経験点を消費して特定の武器の熟練度を上げてダメージなどにボーナスを付けたい。 A,ダメージのインフレは避けたい、既存の武器改造を活用すべし システム編 Q,武器の切り替えを簡単にする妙案を思いつきました!
https://w.atwiki.jp/ekiconwiki/pages/14.html
作曲者 内藤淳一 1997年度全日本吹奏楽コンクール課題曲 難易度3 阪神淡路大震災や父の病気などがあって、自分とか家族を勇気づけるために「夢と勇気、憧れ、希望」っていう、ちょっとワクワクするようなマーチを作ったんです。 4725円
https://w.atwiki.jp/dote69on96touhou/pages/106.html
この東方バトロワごっこで一番不幸な参加者がいるならそれは自分だろう。 八雲藍は溜息を吐いた。 暗く冷たい――落とし穴の中で。 思えば、このゲームに関わったてから碌なことがない。 そもそも参加の経緯からして、 紫さまに無理やりエントリーを決められてしまったのだ。 主催者推薦枠とやららしいが、人の都合も知らないで困ったものである。 『別に無理に参加しなくてもいいのよ。 推薦枠と言っても、どうせ半分盛り上げ役みたいなものだもの』 という言質を得たので、これ幸いとどうやって断ろうか考えていたら、 どこから聞きつけてきたのか佐渡の古狸が殴りこんできて、 『ふーはははっは。貴様も参加するそうだの八雲藍! さぁこのバトロワごっこで長きにわたる狸と狐の確執に決着をつけようぞ!』 『いえ、その話でしたら今からお断りしようとしていた所で……』 『フン。――おい、そこの猫よ。おぬしの主人はどうやら儂との勝負に臆したようだの』 『そ、そんなことないです! 藍さまは貴女なんかに負けたりしません!』 そうですよね!? と期待を込めた眼差しをキラキラ向けられた。 頷くしかなかった。 翌日、文々。新聞の一面に藍とマミゾウの積年の対決なる大見出しで二人の参加が報道され、 もう完璧に後に引けなくなった。 なおその記事の片隅では紫さまが『主人として心から藍を応援するわ』と それはそれはいい笑顔でインタビューに答えていた。 どこかハメられたような気がするのは、きっと気のせいではないだろう。 参戦が決まってしまった以上は全力を尽くそうと心に決めたが、 紫さまのお手伝いで結界構築やらアバター作成やらおやつの買い出しやらで大いに忙しく、 対策を立てる時間も殆ど取れないまま開催当日を迎えてしまった。 (もっともそれで他の参加者に大きく溝を開けられたかというと、 そこはそれ、幻想郷の暢気な住人の中に開催前に入念な準備や修行を行うような殊勝な者など、 藍の知る限り数人しかいないのだが) ゲームが始まったら始まったらで、オープニングセレモニー中に神奈子の撃った弾が偶然 (碌に狙いをつけていなかったから本当に偶然だろう) 自慢の尻尾を掠めて毛並みが一部焦げてしまった。 この体はアバター……仮初めの紛い物だと分かっていても、ちょっとどころではなくショックだった。 更に最初に飛ばされた場所はF-6でミニ幻想郷の端っこも端っこ。 このゲームはバトルロワイヤルという名が付いていながら、 他の参加者と組んだ方が生存率が上がるのは周知の通りである。 できれば、ゲーム開始後にはすぐ最寄りの主要施設(アイテムガチャが引き出せる場所)に行き、 共闘できそうな仲間を探すつもりだったのだが……。 そもそもそこに着くまでに時間がかかり、 他の参加者はそれぞれで仲間を作ってしまう可能性大である。 気を取り直して一番近い施設である博麗神社を目指した。 久しぶりに足で走る山道(空を飛ぶのは危険なのだ)は新鮮で楽しかったが、 途中うっかりセンダンの藪の中に突っ込んでしまい、 自慢の尻尾がくっつき虫だらけになってしまった。アバターと分かっていても以下略。 更にこの落とし穴である。 ようやく辿り着いた博麗神社には人の気配がなく、 それでも一応用心して裏手にから入ろうとした所、不意に足元の地面が消えたのだ。 「不幸だ……」 落とし穴の直径は約1m。 深さはその十倍ほどで底には落ち葉が敷き詰めてあった。 お尻から落ちた藍には窮屈で溜まらず、殆ど身動きできない。 しかも体勢を整えようともがけばもがくほど体が沈んでいく。 どうやら落ち葉は敷き詰めてあるというよりも水瓶の水のように溜めてあるようで、 本当の底はもっと深いらしい。 まるで底なし沼である……底に竹槍の刃がズラリと並んでいるよりはマシだけど。 だがより深刻なのは落ち葉で自慢の尻尾以下略……。 ここから出た後に目にするであろう我が尻尾のことを思うと、 不覚にもこみ上げてくる涙を押さえずにはいられない。 と。唐突に上から声が降ってきた。 「うわ。本当にかかってるとは思わなかった」 (っ! ……まずい) 落ちた時の音を聞きつかたのか。 誰か穴を見つけて近づいてきた者がいるようだ。 この落とし穴を仕掛けた張本人だろうか。 誰にせよ、こんな無防備な状態では迎え撃つこともままならない。 藍の支給品は武器、それもFN P90・サブマシンガンという、 全支給品の中でも指折りに強力な代物だったが、 落ちた時にうっかりお尻の下の尻尾の下に敷いたままだったりする。 「ああ、あんまりジタバタ動かない方がいいわよ。余計に沈むから」 (この声は、博麗の……) 楽園の巫女。博麗霊夢だ。 幻想郷全体では、どちらかと言えば平和的・穏健的な部類である。 よく日の当たる縁側で、緑茶と羊羹を与えておけば害はない。 と同時に異変解決のスペシャリストであり、 どちらかと言えば超々々好戦的な部類に入る。 所詮は人間であるため純粋な力勝負では妖怪に敵わないものの、 弾幕ごっこなど一定のルールがある勝負の下では圧倒的な強さを見せる。 味方にすれば心強い。ただし敵に回すと厄介至極。 それが博麗霊夢だ。 「その落とし穴は魔理沙の作品でねー、 タヌキだかイノシシだか知らないけど裏の野菜を荒らされて困ってるって話を先週したら、 じゃあ捕まえて鍋にしようぜっとか言っちゃって、 竹林の兎やにとりや天子まで巻き込んでこんな大層なのを拵えてくれたわけよ」 (道理で! 無駄に凝ってるわけだ!) 底の落ち葉もそうだが、土の壁も崩れないようにしっかり固めてある。 よく見れば落とし穴の口は  ̄\ / ̄ という風に漏斗状になっていた。 入り口は大きくて中に入る(落ちる)のは簡単だが、 外に出ようとすると今度は口が小さいため非常に出にくい。 おそらくこの落とし穴は竹籠を地面に埋めたような作りになっているのだ。 これでは地面を掘って逃げるのも難しいだろう。 ……にしても、よりによって「狸用」の罠にかかるとは何たる不覚! 「ちなみに底に落ち葉が溜めてあるのは、 火種を放り込めばそのまま蒸し焼きにできるようにしてあるんですって。 十分に乾いてるから弾幕の一発も撃ち込めばよく燃えるそうよ」 つまり、こちらから弾幕を撃っても同様に引火する可能性があるわけで。 藍はほぼ全ての攻撃手段を封じられたことになる。 「さて、ゲーム開始早々、妖精の吃驚の不注意で落とし穴に引っかかったお馬鹿さん。 名前を教えてもらえるかしら」 とても楽しそうに霊夢が言った。 なお、博麗の巫女は代々意地が悪いことでも有名である。 (くそっ全く以ってついてない……いや、これはむしろチャンスだろうか?) 唇を噛んだ藍だったがすぐに思い直す。 確かに現状は絶体絶命まな板の上の鯉そのものだが、 しかし同時に霊夢と(割と平和的に)接触を持てたとも言える。 敵に回すと厄介至極。ただし味方にすれば心強い。 ここで妖怪退治の霊夢とダッグを組めればマミゾウ打倒も難しくないだろう。 博麗霊夢のスタンスは今の所不明だ。 だが問答無用で攻撃を仕掛けてくるようなことはないようなので、 無差別なマーダーということはないだろう。 もしかしたら自分と同じように仲間を求めているかもしれない。 ならば向こうから自然と助けるように誘導できないだろうか? ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ 「――その声は霊夢か?」 霊夢は驚いた。落とし穴の中から聞こえてきたのがよく知っている声だったからである。それも、 「魔理沙? あんた自分で作った落とし穴に嵌ったの?」 「こんなものまで再現されてるとは思わないだろー」 思わず吹き出しながら言うと、穴の中からふてくされた声が帰ってくる。 それは確かに悪友であり、異変解決のライバルである霧雨魔理沙のものだった。 「そりゃそうだけど……でも自分が掘った落とし穴くらい注意しなさいよ」 ミニ幻想郷は、オリジナルの幻想郷を規模を小さくして再現したものだと聞いている。 実際、霊夢はスタート地点である命蓮寺から博麗神社まで普段の半分の時間で来れてしまった。 それでも博麗神社や紅魔館などの建物はできるだけ原寸サイズに仕上げているらしいのだが。 (先週作ったばかりの落とし穴まで再現するなんて、紫も律儀よねぇ) 「おーいー。笑ってないで引き揚げてくれないかー?」 「あー、あんた箒ないと飛べないもんね。ちょっと待ってなさい……」 霊夢は支給品のロープを取り出し、手近に結べる木はないか探し始めた。 友達を助ける。霊夢は自分の行動に何の疑問も思っていなかった。 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ (よし、やった!) 遠のいていく声に魔理沙(藍)は心の中でガッツポーズした。 藍は今、幻想郷のもう一人の英雄、霧雨魔理沙に化けていた。 化けると言っても、体の組織からなにから完全に変異する変身術ではない。 幻想的な能力が制限されるミニ幻想郷では、 そこまでの高度な術は消耗もハンパなく長時間続けていられないため、実用的ではないのだ。 藍がいま使っているのは簡単な幻術の一種。 女の声で旅人を惑わす『狐の声真似』と呼ばれる術の応用版だ。 霊夢には今、藍の声は魔理沙の声に聞こえるはずだ。 穴の中を覗きこめば落ち葉の中に魔理沙の姿に見ただろう。 相手の記憶の中にある知り合いの姿と声を自分のそれに被せているだけなので、 『それっぽく』見せる・聞こえさせる程度の術でしかなく、 化けた相手の口調や態度は自分の演技で誤魔化すしかない。 効果範囲はせいぜい100mだし、他人に触れられただけで術が解けてしまうなど、 化け方としてはお粗末もいいところであるのだが、 しかしこれなら体力消費も少なく長い時間術を維持できる。 魔理沙に化けたのは、親しい相手ならば助けてくれるだろうと思ったのだが、 どうやら目論見通りいったようだ。 正直、落ちていたのが『八雲藍』だったらこんなあっさり助けてもらえなかったかもしれない。 コンガリな焼き狐は冗談としても、最悪このまま生き埋め。 助けてもらえても、見返りとしてオーブの1つや2つは巻き上げられていただろう。 ……などと失礼なことを考えていると霊夢がひょこっと顔を出した。 「ほら。ロープ持ってきてあげたからこれに掴まりなさい」 「悪いな。恩に着るぜ親友」 上からロープがするすると降りてくる。 が、しかしそれは、あともうちょっとで手が届くという所で止まってしまった。 見上げると、霊夢の晴れやかな笑顔。 釣られて魔理沙(藍)も微笑む。若干引き攣り気味に。 「霊夢?」 「んふん。あんたもタダで出してもらえるとは思ってないでしょ?」 「感謝の言葉もないぜ」 「そう言ってもらえると私としても嬉しいわ。 オーブ1個で勘弁してあげる」 どうやら友達であっても見返りは要求するらしかった。 藍は食い下がる。 「おいおい。私とお前の仲だろう?」 「そうね。戸棚の中に仕舞ってあったお団子を勝手に食べられても、 笑って許してあげられるくらいには仲いいわよね私たち」 ……化ける人選を誤ったかもしれない。 ――魔理沙(藍)は迷った。 2個と言わずに1個という所が霊夢なりの優しさなのだろうが、 マミゾウに勝つためにできれば1個でもオーブを節約したかった。 一方で可能ならば霊夢とダックを組みたいという思惑もあるが、 それもここで助けを断ればそれはまず叶わないだろう。 (オーブを渡さずに霊夢を納得させるには……) 騙し欺くは狐の本領。魔理沙(藍)は妙案を思いついた。 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ 「あー。それなんだがな霊夢。俺、じゃない私は今オーブ持ってないんだ」 「え?」 穴の外の霊夢は、話が見えない、と首をかしげた。 穴の中で魔理沙(藍)はさも困ったというように肩をすくめる。 「失くした、というより消されたんだ、きっと」 「? どういうこと?」 「神奈子の奴だよ。アイツ、セレモニーで銃を撃ってきただろ。 私、自分のしっ……足元を撃たれて、カッとしてちゃってさ。 ふざけるなって啖呵を切っちゃったんだよな」 「それで?」 「それが、反逆行為と見做されたたんだろうな多分。 私のオーブ、デイバックを開封した時にはすべて破砕されちまってたんだ」 「なるほどなるほど」 咄嗟に思いついたにしては、我ながらよくできた嘘である。 なお、一応宿敵であるマミゾウが殆ど同じ台詞で魔理沙(本物)をだまくらかしたのを藍は知らない。 「というわけだから、やるのは支給アイテムで勘弁してくれないか?」 ヌケヌケと言う魔理沙(藍)。 強力な武器はちと惜しいが、この後に霊夢と組めれば実質的には失ったことにならない。 武器はオーブを交換すればまた手に入る。 だが、予想に反して霊夢が首を縦に振ることはなかった。 「残念だわぁ魔理沙。 あんたがそんなせこい嘘つくなんて」 「え」 「せめてもの情けでここに放置で許してあげる。 私以外の親切な誰かが通りかかるのを願うことね」 ロープを引きあげて立ち去ろうとする霊夢に、魔理沙(藍)は大慌てで弁明する。 「へ? い、いやちょっと待て! 私は嘘なんてついてない!」 「だってあんたオーブ持ってるじゃない」 「だから持ってないってば! 第一なんで嘘ついてるって分かるんだ!?」 すると霊夢は不思議そうな顔をして言った。「あんた、原作読んでないの?」 藍はもちろん読んでいる。読んでいるから正確に予測できた。 「探知機か!」「あったり~」 探知機。原作バトル・ロワイアルに登場する支給品の一つ。 参加者全員に架せられている首輪の位置を大まかに把握できる道具だ。 バトロワごっこでは首輪はないからおそらくオーブの位置がわかるのだろう。 つまり霊夢にとって今の話は嘘八百だと一目瞭然なのだ。 魔理沙(藍)は顔を青くした。 「わ、私が悪かったんだぜ! だから引き上げてくれ~」 「えー。どうしよっかなー」 悲鳴を上げる魔理沙(藍)。 それを見て霊夢は悪戯っぽくアハハと笑った。 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ 結局、魔理沙(藍)は武器に加えてオーブ2個とも巻き上げられてしまった。 ただし仲間にはなってくれるようだった。 その証拠に今、炬燵でおまんじゅうとお茶を出されている。 「さ、下僕一号。これで疲れた体を癒しなさい」 「下僕かよ」 「出会い頭に詐欺を働こうとした自称親友をあんたは仲間と呼べるかしら?」 「もっともでございます」 平伏する魔理沙(藍)。 それを見て霊夢は「ま、一回までなら許すわ」とお茶を啜った。 「これは一種の取引よ。あんたは下僕として私を助け、手に入れたオーブは全部私に捧げる。 ただし捧げたオーブが2個になった時点で下僕解除。そこからは完全に対等な同盟よ」 「異存はないぜ。ご主人様」 ただ、と魔理沙(藍)は続ける。「お前はまだオーブを集めるつもりなのか?」 そう言った魔理沙(藍)の目は炬燵の上に注がれる。 茶柱の立った湯呑。皿に盛られて紅白まんじゅう。……そしてオーブが6個。 霊夢の脇に目を移せば、かつて魔理沙(藍)のものだったワルサーP90。 オーブ探知機。更に黒い棒状の打撃武器らしきもの。 都合3人分のオーブと装備があるわけである。 「もちろんオーブ集めは続行するわ。 競争相手を減らす意味もあるけど、オーブは幾つあっても困るもんじゃないし」 「でも6個あれば半日くらい隠れてるか、逃げ回ってるだけでもいいんじゃないか? 無駄に危険に飛び込む必要もないだろうし。敵の自滅を待つのも立派な戦略だぜ」 「霧雨魔理沙とは思えない後ろ向きな発言ね。 そんなのつまんないわ。こっちから蹴落としに行かないと。 ……それに、あんたの分のオーブも集めないとだしね」 「霊夢……」 化けて騙しているのが少し申し訳なくなる魔理沙(藍)。 もっとも痛む良心は生憎と持ち合せがないし、 霊夢にはこれからもせいぜい役に立ってもらわなければならない。 当面はこのまま霊夢とともに他の参加者を狩り、オーブを増やしていくことになるだろう。 途中、本物の魔理沙に出会うと少々厄介なことになるが、まぁそこは上手くやるしかない。 「私は基本的に優勝を目指すけど、魔理沙、あんたは?」 「私も……」優勝、と答えかけて、魔理沙(藍)はふと閃いた。 いや私も最初は優勝を狙うつもりだったんだけどな、と続ける。 「実は懲らしめたい相手がいてさ。そいつをやっつけるのが優先だ」「へぇ。誰?」 「二ッ岩マミゾウ」「あの狸」 「そうそうその狸。この前あいつにうっかり化かされてさ。 それが聞いてくれよ、あいつ、よりによってお前に化けてたんだぜ」 「ふぅん……」 聞き流すようでいて、霊夢の目がゆっくりと座っていく。 おぉ怒った怒った、と魔理沙(藍)は内心喜んだ。 ……これが嘘八百だとばれた時が恐ろしいがそれは今は考えないでおく。 「そういうことなら私も協力するのは吝かではないわ」 「助かるぜ。私とお前ならあの糞狸を懲らしめるのだって簡単だぜ」 パン、と手と手を打ち合せる霊夢と魔理沙(藍)。 「そうと決まれば行動開始だ」 「待って。その前に他の参加者の情報の擦り合わせをしましょう」 地図と筆記用具を取り出しながら霊夢は言った。 「現時点で居場所が特定できるのは紅魔館にいるっていう神奈子だけだけど、他に見かけたのはいる?」 「んー。私は最初F-6だったんだけど、ここに来るまでは誰も見てないな。 あなた、コホン、お前が初めて会った相手だぜ」 「? そう、私の方は3人ね」 「そのうち1人をもう仕留めたわけか。さすがだぜ」 「仕留めたというかねぇ……不意を突いたようなものだし」 「そういや誰なんだ。その可愛そうな奴は」 「話を聞かない方の尸解仙よ」 「尸解仙ってのは話を聞かないものだろう」 霊夢の話によれば。 スタート地点である命蓮寺(E-4)で、さてどうしようかと考え込んでいたら、 寺の本堂から不気味な笑い声がしてきたので覗いてみると、 物部布都が怪しげな独り芝居をしていたらしい。 それを支給品であった黒い棒で後ろから殴って気絶させ(棒状の武器には相手を失神させる効果があるそうだ)、 身ぐるみ剥がし、グルグル巻きにして吊るして来たそうだ。 「で、とりあえず一服しようと思ってこっちに戻ってきたわけよ」 「バトロワごっこの最中に家に帰って一服、なんて思いつくのは霊夢、お前だけだろうぜ」 「あら、レミリア辺りもきっとそうじゃないかしら。 三時のティータイムは紅魔館のテラスで、とか。咲夜だっているんだし」 「いやそれはさすがに……(ないとも言いきれないか)」 「そうそう、レミリアと言えばフランを見たのよ。 それが聞いてよ。フランってばあの外の世界の人間と一緒にいたのよ」 「外の世界の人間?」 魔理沙(藍)は首を傾げたが、 (そう言えば紫さまがゲストだとか言って外の少女を呼ぶんだとか言ってたな)と思い出した。 ただその少女は霊夢と同じただの人間だったはずだ。特に脅威にはならないだろう。 「ふーん。その2人とはどこで会ったんだ?」 「会ったというかすれ違ったの。こっちに来る途中の道でね。木蔭に隠れてやり過ごしたけど」 「ということは連中は命蓮寺を目指してたわけだな。以上3人ってわけか」 「あとは……多分気のせいだけど、 なんか南の方の空を飛んでく影を見たような気がするのよね」 「え、霊夢もか」 「って言うことはあんたも見たわけか」 実は魔理沙(藍)も博麗神社に向かう途中、同じような影を見ていた。 その時は見間違いかと思ったのだが……。 「おそらく、人里か、香霖堂の方へ向かってたみたいだけど……」 「それにしても夜ならともかく、白昼堂々とは恐れ入ったわね」 (*1) 奇しくも二人の心の声が一致。 「私はそれ以外に見た他の参加者はいないぜ」 「じゃ、当面の目標はこの二人かぁ……」 情報を地図にメモしていた霊夢は、命蓮寺の横に書かれた二つの名前に丸を付けた。 ○ フランドール・スカーレット / ○ 斑木ヴェロニカ(仮名) 「? そんな名前なのか?」 「仮名よ仮名。本名は私も知らないわ。自己紹介してる暇なかったから。 ……なんとなく付けただけだけど、それっぽくない?」 「私からは何ともコメントしづらいぜ……。それより霊夢。いきなりフラン達でいいのか」 「さっきは私一人だけだったから交戦は避けたけど、今はあんたがいるから同数よ。 それに私達2人が組めば、勝てない相手なんて殆どないわ」 「頼もしい言葉をありがとう。しかし霊夢。忘れているぞ」 「何を?」 「話を聞かない方の尸解仙」 「あ」 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ 物部布都は元気だった。 命蓮寺の本堂でグルグル巻きにされたまま天井から吊るされていても元気だった。 とにかく元気いっぱいだった。 「ん? もしや助けの者か。おお、おお、よくぞ参った。 さぁさ、急いでこの縄を外してくれ。 いやしかし本当に困っておったのだ。 あの山の神がなにやらやかましい音を出した途端、目の前が真っ暗になってな。 なに、我が驚きのあまり目を閉じてしまっただけなのだが、 気付いたらこの場所に飛ばされていたのだ。 それほど知らない場所でなかったのが幸いだったが。 ああ分かっておるぞ。我がどうしてこのような格好をしておるのか気になるのだな。 それについては仔細に説明してしんぜよう。まずはこの縄を解いてくれ。 それでだな、ここに飛ばされた我はまず、荷物の確認からすることにしたのだ。 太子さまが仰るには、この『芸舞』では一人につき一つずつ武器が配られるらしいのでな。 我はそれが楽しみでな。なんでも近頃の武器はみな鉄で出来ていて火を吐くのだとか。 五行に従えば、金は水を吐くもの。または火気は金気を犯すもの。 それがどうして金が火を生ずるようなことになるのか。 相生、相剋の理に反するとは全く以って不可思議千万だ。 はっ、もしや我が眠っている間に反剋の外法が完成していたと言うのか!? なんとも恐ろしいことよ。しかし安心して良い。 我に配られたものはそのような物騒な代物ではなかった。 箱のような形でな。『竜霊駄亜』とかいう名前だそうだ。 慌てるな。その道具の使い方も説明してやろう。だからこの縄を解いてくれ。 それで同封されていた書によればだな、 我らにそれぞれ2個ずつ配られた『王武』とやらの場所を探知するための道具とあった。 箱の表面が小さな地図になっていてな、『王武』がある場所が点で表わされ、 自分が持つ『王武』は青色、他の誰かが持つのは赤色に点が光るのだそうだ。 ところが聞いてくれ、我が最初に見た時、なんとそこには紫色の点が光っていた。 青でも赤でもない。実に奇っ怪。真に不可解。 なれど我の千四百年の時を刻んだは脳髄はすぐに明確な答えを導き出した。 すなわち、青と赤、この二つの色が重なって別の色に見えているのだと。 この道具はな、突端を押すことで縮尺が変えられる。 すなわちより詳細な地図を表すことが可能なのだ。 我は早速より細かい地図を出してみた。 するとどうだ、真ん中に我の持つ『王武』を示す点がちゃんと2つ現れたのだ! もちろんそのすぐ下に赤い点がこれまた2つあったぞ。 ……そしてそこで頭に衝撃を受け、我の記憶は再び途切れた。 また目覚めればこうして天井から吊り下ろされておったというわけだ。 いま思えば、我の気付かぬうちに誰かが忍び寄っておったのだろう。 おのれ卑怯な。そうと知っていれば返り討ちにしてやったものを。 『竜霊駄亜』や他の袋も消えておったし、おそらく持ち去られたのだろう。 誰だか知らぬが盗人猛々しいとはこのことだ。 いや待て。記憶の端に引っかかるものがある。 そう、一瞬だが相手を見た気がするな。 そう赤い衣を着ていたような……駄目だ思い出せぬ。 ああ、それにしても太子さまが心配だ。 太子さまは太子さまゆえ、多少のことでは御身が危ぶまれるようなことはないだろうが。 いやいや、それでも万が一ということがある。 ええい、こうしてはおれん。一刻も早く駆け付けねば。 そなた達も見てないで疾く我の縄を外すのだ。 いや尸解仙として肉体を捨てた身であるのだが、 こたびはこの『芸舞』に参加するために一時的にまた肉体を得ており、 それが故に少々自由が利かぬ。 普段ならばこの程度の縄、一呼吸の間にぱらりと抜けて見せるのだが。 む、嘘ではないぞ。その目は疑っているな。いいや言い訳はいらぬ。 その目は信じていない者の目だ。ならば見せてくれよう。 力を封じられていようとも……痛っ! あ、脚がツったぁっ!」 「面白いからもう少し見ていましょうか」 「悪趣味だよ蓮子」 呆れたようにフランドールが言った。 博麗神社を出た二人はそのまままっすぐ山を下りた。 途中、分かれ道があった。片方は人里へ。もう片方は命蓮寺に続く道である。 『妖怪が仏を崇めている寺? 行ってみたい!』 という蓮子の強い希望にこちらに来たのだが。 そこで二人はこの人の話を聞かずにしゃべりまくるミノ虫と遭遇したわけである。 「ちなみにこの人はなんて妖怪なのかしら?」 「んー。確か妖怪じゃなくて仙人の一種だよ。シカイセンって言ったかな」 「シカイセン、ってもしかして尸解仙? っていうと抜けがらを残して仙人になるっていうあの? すごい! 蛇の脱皮は見たことあるけど尸解仙は初めてだわ!」 フランの説明を聞いて目を輝かせる蓮子。 そこまで喜ばれるとフランとしてもなんだか嬉しい。 ちなみに蛇と比較された布都は、 「おお博識ではないか。そなたならばこの縄の解き方も知っていよう。 できるだけ早く解いてくれると我も喜ばしい。 そろそろ全身の血があらぬ方に偏り始めたのでな。 というか腕が、手首がっがっが」 と、なぜか笑顔のまま逆さまになってもがいていた。 フランは隣にいる蓮子に尋ねる 「どうする? 助ける」 「あら、サーチ&デストロイじゃなかったの?」 「じゃ、殺す?」 「いいえ、助けましょう」 「この人が言ってた道具と、それを持ち去った人物が気になるしね」 【F-5 博麗神社 朝】 【博麗霊夢】 [状態]:気力体力充実 残り体力(100/100) [装備]:FN P90・サブマシンガン(予備弾倉数不明) スタンガン付き特殊警棒 オーブ探知機『竜霊駄亜』 [道具]:オーブx6 ディバック(「開催場所の地図」「方位磁石」「時計」「写真付きの参加者名簿」「筆記用具とノート」「ロープ」「保存食2日分」「飲料水2日分」「懐中電灯」)x2 [思考・状況] 基本方針:とりあえず優勝(願い事:???) 1.命蓮寺に向かう 2.フランたちとの対決するかは未定 3.布都の分の荷物はどうしようかしら? ※ 藍が魔理沙に化けているの気付いているかどうかは不明 【F-5 博麗神社 朝】 【八雲藍】 [状態]:霧雨魔理沙に化ける術を使用しているため疲労が進行中。 残り体力( 90/100) [装備]:なし [道具]:オーブx0 ディバック(「開催場所の地図」「方位磁石」「時計」「写真付きの参加者名簿」「筆記用具とノート」「ロープ」「保存食2日分」「飲料水2日分」「懐中電灯」) [思考・状況] 基本方針:マミゾウに勝つ(優勝は二の次) 1.なんでもいいから武器が欲しい 2.術が意外と疲れる 3.魔理沙には遭遇しないようにしないと 【E-4 命蓮寺 朝】 【フランドール・スカーレット】 [状態]:ちょっと歩き疲れた 残り体力( 95/100) [装備]:妖怪の花傘(風見幽香の花傘の劣化品) [道具]:オーブx2 ディバック(「開催場所の地図」「方位磁石」「時計」「写真付きの参加者名簿」「筆記用具とノート」「ロープ」「保存食2日分」「飲料水2日分」「懐中電灯」) [思考・状況] 基本方針:出会ったものから殺す 1.宇佐見蓮子と行動する 2.最初に出会ったのがミノ虫ってゆうのはどうなの? 【E-4 命蓮寺 朝】 【宇佐見蓮子】 [状態]:尸解仙だって!? 疲れてる場合じゃねぇ! 残り体力(100/100) [装備]:脇差 [道具]:オーブx2 ディバック(「開催場所の地図」「方位磁石」「時計」「写真付きの参加者名簿」「筆記用具とノート」「ロープ」「保存食2日分」「飲料水2日分」「懐中電灯」) [思考・状況] 基本方針:道中最大限に楽しむ 1.フランドールと行動する。 2.布都を助けて情報を得る 3.探知機は要注意 【E-4 命蓮寺 朝】 【物部布都】 [状態]:吊るされ疲れ 残り体力( 95/100) [装備]:なし [道具]:オーブx0 [思考・状況] 基本方針:??? 1.太子さまの許に行かねば! 2.あと狼藉者に天誅を下すのも忘れないように 3.狼藉者に見覚えがあるようなないような? 【武器解説】 「FN P90・サブマシンガン(短機関銃)」 人間工学に基づいて設計されているという設定と、とてもそうには見えない外見で有名 多くのゲームや漫画に登場しており、 『GUNSLINGER GIRL』では第一話でヘンリエッタがこの銃を乱射している。 他にも『HELLSING』のバレンタイン弟、『ヨルムンガンド』のカリー社長、 『スパイラル ~推理の絆~』のカノン・ヒルベルトなどが使用している。 重量:3kg 弾丸:5.7x28mm 射程:200~1,800m 弾倉:50発箱型弾倉 ドットサイト付き 他、詳しいことはWikipediaで。 「スタンガン付き特殊警棒」 打撃武器としてはそこそこ優れている。 スタンガン機能は補助的なもので威力は低い。ON/OFFが切り替えられる。 他にもまだ知られていない機能があるかもしれない(?) 「オーブ探知機」 愛称:『竜霊駄亜』 ある程度の範囲にあるオーブを探知して表示する。 自分のオーブは青。他人のオーブは赤。範囲切り替え可。 他にもまだ知られていない機能があるかもしれない(?) 「藍の使ってる変化術(仮称)」 体力消費 5/30分 相手の記憶の中にある知り合いの姿と声を自分のそれに被せる術 姿が知り合いの誰かっぽく見えて、声が知り合いの誰かっぽく聞こえるだけ 良く観察すると不自然な点が多い(あと藍さまは演技が上手くない) 効果範囲は100mほどで、それ以上離れた所からだと普通に藍の姿が見える 体の大きさを変化させているわけではないので、 例えばあるはずのない尻尾が草を揺らしたりするかもしれないし ハイタッチした時に霊夢が(いつもより手の感触が大きいような)と思ったかもしれない 他にもうっかり正体がばれる可能性高し もうひと組の霊夢と魔理沙 (了) ページをめくる(時系列順) Back 幻想郷の見届け人 Next 瑕疵なき要塞陥落す