約 4,467 件
https://w.atwiki.jp/malicestella/pages/192.html
デュークさんとエルシフルさんが再会する話です。 ちょっとだけ注意書きを失礼して……。 ※ いつものことながら模造・捏造っぷりがひどい ※ 便宜上固有名詞が付いてるモブキャラが多数出演 ※ モブキャラだけど男女間で数行だけ性描写がある ※ 人死に・流血表現がある ※ 嘔吐表現がある ※ デュークさんがヤニ食ってる 大したことはないのでソッチのセン(笑)で期待?されると肩透かしかも知れませんが、 一応免罪符として注意を促しておきます~。 下町の一画、赤い街頭に彩られたその通りが売春街と称されるようになったのは十数年ほど前のことだった。メゾン・クローズ(閉じられた家)乃至はメゾン・ド・トレランス(認可の家)と呼ばれる娼家の語源はクルノス十四世即位と前後して芽生え、アレクセイ・ディノイアの騎士団長就任を期に完成を見た規制主義(レグルマンタリスム)にある。 規制主義は、どんな厳罰を以ってしても、またどれほど精神的な教育を徹底させても売春を根絶させることは出来ないという現実的な認識に起因していた。一方に強い需要があるなら、もう一方に自ずと供給が発生する。故に完全に禁じることは不可能であり、ならばこれを必要悪として容認した上で厳重に監視し、法の網を被せて規制しなければならないという考え――これが規制主義の根幹にあたる。 それまではボルデルやリュパナールなどと呼ばれていた娼婦の家が、近年メゾン・クローズやメゾン・ド・トレランスの呼称を得たのは規制主義の原則によるところが大きい。つまり、「子供、娘、貞淑な妻たちの目の届かない隔離された場を設けることが重要である。囲ってしまえば、婚外性交渉を世間から最も遠くに追いやり、この囲いの中に閉じ込めてしまうことが出来る。囲いは風紀の乱れをことごとく防ぐ防波堤となる(※1)」という考え方だ。 「囲う」も、「閉じ込める」も語源を同じくしており、メゾン・クローズを示し合わせるには打って付けだった。つまり、メゾン・クローズとは良風美俗の支配する世間一般の目――とりわけ、真っ当な女性の目に触れない範囲に「囲い込まれ」、娼婦が中に「閉じ込められ」て、外には出てこないようになっている家という意味になる。 しかし、囲い込み、閉じ込めて、絶対に外部の目にさらされないようにするのは、あくまで監視と規制・管理という行政目的の為だった。この娼家を「行政の監視下」に置くというもう一つの原則から生じたのが、メゾン・ド・トレランスというもう一つの呼び名だ。 この規制の主軸は法律が認める娼家であり、その理想とするところは、指定区画のみに営業を許可することだった。そうすることで垣根は一層強固になり、一般の女性から建物自体を隠すことが出来る。このように、十数年前に突如として出現したメゾン・クローズだとかメゾン・ド・トレランスといった娼家の呼び名は、娼婦を一定の家に囲い込み、閉じ込めた上でこれを容認・許可し、監視を厳しくして、無秩序と混乱とを回避しようとする風俗行政側の発想から来たものだった。 これらの下町に設けられた区画(売春街)と規制とは、人魔戦争の勃発とその後のクルノス十四世崩御――正確には、皇位の空白による混乱がもたらした財政難の到来と共に廃止されるまで、二十年以上にもわたり守られ続けていた。 わたしの神よ、わたしの神よ なぜわたしをお見捨てになるのか。 なぜわたしを遠く離れ、救おうとせず 呻き声も聞いてくださらないのか。 ダビデ 「詩編」 いらないもの One and Only 20100531 騎士養成学校に在学していた最後の年の夏のことだ。デューク・バンタレイは実に十数年ぶりに、懐かしい友との再会を果たした。 その男を友と形容するのは、もしかすると語弊があるのかも知れない。現に彼はデュークを友だとは思っていないことが後に知れたし、デューク自身あまり自信を持って断言は出来ない。だが、親子以上に歳も離れ、共に育った兄弟程には気心の知れた、それでも一滴の血も繋がらなければ種族意識すら大きく隔たれたあの男が、己にとってどのような存在であったのか、そこに名を与えなければならないとしたら、それは友で正しいのだと思う。例えそれが一方的な思い込みでしかなく、双方の意図するところが見事に掛け違われていたのだとしても、それでも、デュークとあの男とは友だった。 晴れ渡った青い空と、そびえ立つ雲堤の白さとのコントラストが美しかったのを覚えている。夏のこの時期ともなるとありふれた青と白の比率が、この日に限っては強く記憶に残っていた。或いは、この日であったからこそ、強く記憶に刻まれたのかも知れない。 夏期休暇に入って三日も経つと、学生寮は普段の喧騒がまるで嘘のような静けさに包まれる。外界の熱気から隔絶され、魔導器[ブラスティア]の恩恵から清涼な空気と温度とが保たれた寮内はその静けさも相まって奇妙に季節感を欠いていた。ただ虫の忙しない鳴き声だけが外の暑さと季節とを伝えてくるだけだ。 夏期休暇とは主に避暑を目的とした、主に上流階級の慣習でデュークも今の養父母に引き取られ、騎士養成学校に入ってからその概念を知った。寮も学院も郊外とはいえ帝都内にあり、そう実家も遠くない生徒たちの大半がそれでも帰省する理由は避暑によるところが一番大きい。一週間もすれば、寮内の魔導器は完全に止められてしまうからだ。それでも、貴族の子息のような贅沢な習慣のないデュークは、毎年のことながら人気のない寮にだらだらと居座り続け、寮母から帰省を促されると漸く重たい腰を上げた。 「騎士試験、一般の方で受かったんでしょう?良かったじゃない。親御さんも喜んでるわ」 だからとっとと出て行って部屋を空けろ、と笑顔のまま寮母は付け加えた。彼女自身、デュークが騎士試験に合格したことを嬉しく思っているのだろう。帰省時期になってもずるずると居座る厄介者が漸く出ていくのだから、嬉しくない筈がない。 「それと、少しずつだけどね、寮の改装をすることになったの。今のままだと維持費が掛かり過ぎるんですって」 どうせ貴方のことだから掲示板も通知書類も見てないのでしょ、と寮母はデュークの背中を叩いた。貴族らしからぬ彼女のこうした所作には好感が持てる、とデュークは痛む背中をさすりながら思った。 一言、二言と実のない言葉を残して彼女が消えた後、デュークはおもむろに荷造りを始めた。だが、学校側から指定され、支給された鞄を開けてすぐに諦めた。騎士学校の必須科目の殆んどは実技であり、生来の不精も手伝って学舎の友である鞣し革の黒々とした鞄は、デュークにとっては持ち運び自由な道具入れと化していた。名ばかりの教科書は折れ曲がり、粗雑に入れ込んだ書類の類いは鞄のそかしこでくたびれて丸まっている。極め付けはいつ食べたのかも定かではない、かじりかけのパンの存在がデュークに鞄を捨てる決意をさせた。確かに、高等部も半ばを過ぎた頃には鞄を持ち歩くことをしなくなっていたし、実家に帰るにしても、いつも身一つだった。今回はたまたま寄宿舎の改装工事があり、また漸く騎士試験に合格したこともあって、荷物を今からでも少しずつ持ち帰ろうとしたのだが、それがいけなかった。心なしか、うっすらと鞄周りを白い粉のようなものが覆っている。 どうせ後は卒業するだけなのだ、とデュークは読みかけの本と紙煙草の包みだけ一緒くたにしてズボンのポケットにねじ込んだ。それから、黴の生えた鞄は適当な袋に放り込むとすぐ様その口を閉じてしまう。寄宿舎を出るときに、ついでに焼却炉へ投げ入れていこう、とデュークは考えた。 魔導器の加護から外れると、そこにはうだるような暑さが横たわっていた。堅苦しいばかりの騎士服は部屋に置いてきたので、今デュークが身に付けているものは、下町でも流通している既製品の麻のシャツと木綿のズボンだった。風通しの良いものではあったが、それでも袖の長いシャツが肌に張り付く感触は暑さを一層強く意識させる。肘の辺りまでべたつく袖口を捲り上げるとデュークは正門とは逆の、裏庭の焼却炉へ向けて歩きだした。 人の出入りの少ない裏庭は、鬱蒼と生い茂る人工林と寄宿舎の陰とで風のない炎天下でも心なしか空気が澄んでいるように思えた。あまり手入れが行き届いているとは言えない、延び放題の芝生を踏み締めて、苔むした石造りの塀に手を突いたそこに、焼却炉はひっそりと在った。脇には脚の腐った椅子や黴臭い毛布、果ては残飯の類いまでが一纏めに置かれていたので、デュークもまた先客に倣い手荷物を放った。寄宿舎の改装ついでに不要になった尽くを処分してしまおうという算段は、皆同じであるようだった。 黴びた鞄を手放してしまえば、いよいよ身一つになったデュークはその足で正門へと向かうことはせずに、塀によじ登った。学校側からの立ち入りは禁止されていたが、人工林を通った方が正門まで引き返すよりも大通りに近かいからだ。 陽樹の立ち並ぶ明るい林を足早に突っ切ると、すぐに緑と静寂は薄れて大通りの賑わいが耳に届く。雑貨屋のすぐ裏手に林は続いていて、大人の背丈程の高台から飛び降りて石畳の上に着地すれば、そこはもう大通りだった。 靴底にこびり付く湿った土や苔の類いを、意図的に石畳に擦り付けるようにして歩きながらデュークは雑貨屋の脇を抜ける。長期休暇とはいえそれらは貴族の、それも一部にだけ言えることだったので商店街や市街地には目立った変化はなく、正午が近いこともあってか人数はまばらだった。貴族のように道楽まがいの避暑など出来ない帝国市民は、暑さも盛りを迎えるとあまり外には出なくなる。良質の魔導器が設備されている家など先ずなかったが、それでも日差しを凌げる分、外を出歩くよりはましなのだろう。 閑散とした大通りを歩きながらデュークは下町へと延びる下り坂にまで来て足を止めた。売春街も下町を抜けたその向こうにある。揺らめく逃げ水を眺めたまま、そう短くはない時間逡巡した後、デュークは踵を返して坂道に背を向けた。まだこの時間では「母親たち」は眠っているだろうし、先に実家へ顔を出すべきだろう、と思ったからだ。 デュークの家は貴族街にある。 「今日からここが貴方の帰る家になります」、と異母兄の遣いだという騎士に連れられて来たのは十二歳になる少し前のことだ。そのときの印象は薄い。興味がなかったせいもあるが、目の前の非現実的なまでに絢爛な邸よりも、「母親たち」にぶつけられたトマトや生卵を兜から滴らせる騎士の頭の方に気が向いていた為なのだろう、と思う。 それからデュークは邸の中へと招き入れられ、酔狂にも「貴族の不始末」の受け入れを申し出たという養父に引き合わされた。先の戦で名誉の負傷をし、騎士爵の爵位と共に騎士団を退役したという下級貴族のこの男は、哀れな私生児を喜んで引き取る慈善家にはとても見えなかった。初対面のときの印象は今でも変わらない。退役の直接的な原因となった傷の後遺症からなのか、車椅子に乗った姿も、白髪混じりの頭髪も、枯れて痩せ衰えた四肢も、か弱い老人を演出するには充分な筈なのに、彼はそうした一切の弱さから最もかけ離れた人種であるように思えた。火傷で爛れ、皺のくっきりと刻まれた顔にはしみすら浮かんでいたが、落ち窪んだ眼孔からは何か執着のような、意地のような野心的なものを感じ取ったりもした。世襲制の爵位を持たない彼の息子が尽く戦死したことや、後に聞いた話だが末の息子(どうやら三人兄弟だったらしい)がこの養父に反発して家を出ていってしまったことが、養父にデュークを引き取らせるきっかけになったらしい。だが、幸いなことにそうして相手の手の内が知れてしまうと、却って気持ちは随分と楽になった。下心のある相手は扱いが簡単だったし、総じて先手も打ち易くなる。少し違うかも知れないが、「母親たち」と彼女たちに言いよってくる男とのやり取りを見ているとそう思えてしまう。 寧ろ問題は、多少の煩わしさを感じるだけの養父とは別に在った。 「まあ!やっと帰って来てくれたのね、ゴードン」 磨き上げられた大理石の廊下を歩きながら、養父の居るであろう執務室へ向かう背中に、自分のものではない名前を呼ぶ、しかし明らかにデュークに向けられた声に足を止める。振り替えれば、白髪混じりの赤毛を緩く結い上げた女が少女のようにヘイゼルの瞳を瞬かせていた。弾む足取りデュークへと歩み寄ると、レースに縁取られたクリーム色のドレスの裾が窓から差し込む光の中で煌めいて見える。 この邸の主――つまり養父の妻なのだから、デュークにとっては養母にあたる女性だ。息子二人を立て続けに亡くし、末の息子は家を飛び出したという状況で、養父のように縋る野心もなく、また生粋の貴族でしかなかったこの母親という生き物は、デュークを末の息子と思い込むことで正常さを保とうとしていた――更に正確に言うならば、デュークが引き取られた当時既に彼女は「壊れて」いたので、出ていった息子が帰ってきたということになっているらしい。因みに、肖像画を見た限り、彼らの息子は三人共に母親譲りの赤毛をしていて、デュークとは似ても似つかなかった。 デュークは養父以上に、彼女のことが苦手だった。本来ならば自分ではない相手に向けられる筈の好意に多少の腹立たしさのようなものを感じていたのは最初の内だけで、今では「母親たち」とはまた異なるかたちの無償の愛というものをどう扱えば良いものか、デュークは決めかねていた。その戸惑いが養母への苦手意識へと繋がってはいるものの、別段彼女を嫌っていたり、憎悪の念を抱いているわけでもない。 デュークの手を取って、デュークのものでない名前を呼んで、養母は朗らかに笑う。「フィナンシェを焼くわ。好きでしょう貴方」と嬉しそうに養母が告げれば、デュークの鼻腔には甘いバターとアーモンドの香りが蘇る。好きでも嫌いでもない皿いっぱいの焼き菓子を平らげるのは、毎度のことながらそれなりに苦痛を伴う。それを解っていて尚、彼女の申し出を断われないのだから、空いた皿を目の前にしたときの嘔吐感など自業自得以外の何ものでもない。 彼女からの好意或いは愛情のようなものを本来甘受すべき会ったこともない「誰か」を憎悪し続けるには七年という年月は長く、また持続させるに足るだけの理由もない今、デュークには不満も胸焼けも飲み下して、ただ口をつぐむことしか出来ない。それら苦痛と比較すれば、養父の可愛らしい自尊心や小言など然したる苦ではないのだった。 開け放した窓から吹き込む風に、音もなくカーテンが揺れる。魔導器による空調をきってしまった部屋の中は暑かったが、不快ではない。 寝台に仰向けになったまま、立ち上る紫煙越しにデュークは天井を見上げていた。寮から持ってきた本は半ばまで読み進めたところで目が滑り出したので、今は枕元に放ってしまった。しおりも何も挟まずに投げ出してしまったので何処まで読んだのか判らないだろうな、と思ったのは咥えた煙草に火を着けて暫く経ってからのことだった。 白地に、金色の唐草が渦巻く天井には、均一な模様が規則正しく連なっている。真四角に程近い部屋は騎士道や帝王学、宮廷作法などの蔵書が多く本棚に納まっているのは、デュークにあてがわれるより以前の部屋の主の趣向だ。デュークがそれらの本を手にしたことこそ一度もなかったが、だからと言ってたまの休みでもなければ利用しないこの部屋に私物を置く気にもならないので、わざわざ労力を割いてまで故人の遺物を処分しようとも思わない。 所有するものなど何一つない部屋の中、帰省の度に少しずつヤニの色を濃くしていく天井だけが、確かにこの部屋におけるデュークの存在を主張している。年老いた夫婦に仕えるのは同じように年老いた使用人ばかりであったから、どうしても手が行き届かないところが出てしまうのは仕方がないのかも知れない。それでも自身の痕跡が目に見えて明らかに残る様子は、デュークをひどく落ち着かない気持ちにさせた。 誰かに必要とされる生き方は楽だ。誰かに道を指し示され、望まれ、期待されるのは、自身の思考を放棄するというのは、責任の多くを他者へと押し付けてしまえる生き方だ。名前らしい名前も持たず、血縁もなく、幾らかの金銭で以って容易に受け渡しが出来てしまう程度の重さしかない存在には誂え向きだ。それでも優しい「母親たち」の日々の糧の足しになれば喜ばしいことではある、と十二の冬にデュークが思ったのは確かだ。自己犠牲だとは思わなかった。だから「母親たち」の内の何人かが泣き喚きながら引き止めようとする理由がデュークには解らない。壊れた養母が代替品に愛情を注ぐように、彼女たちも消耗品と割り切ってしまえば楽だろうに、と不思議に思うばかりだ。 咥えることをやめ、指先に挟んでいた煙草から灰が落ちる。死んだ花弁のような白い灰は、窓から吹き込む風に舞い上がって、何処へともなく攫われていった。その行方を視線で追うこともなく、デュークは紙煙草を唇に寄せて、吸う。たったそれだけで元から随分と短かった煙草は、それだけで持っていることが難しくなった。上体を起こしてサイドボードの上の灰皿に押し当てて潰してしまうと、そのままの手でシガレットケースを開ける。だが、中身が空だと知ってデュークは小さく舌打ちをした。これで暇を潰すものが何もなくなってしまった。自分のものでない本棚の中身も、何処まで読んだのか分からなくなってしまった男女間のセックスをただひたすらに綴った本にも、手にする気にはなれない。 寝台から足を下ろして立ち上がると、デュークはそのまま扉へと向かった。まだ日は高いが、そろそろ「母親たち」が起きだしても良い時間だ。煙草を買い足しがてら彼女たちの顔を見に行っても良いかも知れない、とデュークは空調の効いた廊下を歩きながら考えていた。 外に出て一番、手を翳して空を仰ぎ見る。天頂から僅かだが傾いた太陽に、熱気も幾らか和らいだように感じた。門をくぐり屋敷を後にするとき、水を撒く使用人と目が合う。あまりに暑いものだから仕事に格好をつけて水に触っているのだ、と言われてデュークは納得した。 使用人たちにあてがわれた部屋は何処の貴族の屋敷にも言えることだが、あまり質の良い魔導器が備え付けられていない。寧ろ使用人の部屋に魔導器を備え付けている貴族の方が稀なくらいだが、生ぬるい風ばかりが流動する室内よりもこうして外で水に触れている方が涼まるらしい。デュークが屋敷内の自室の魔導器を使用しないのも似たような理由なので、使用人の言い分は何となく解る気がした。 使用人と別れて、デュークは閑散と静まり返った貴族街を歩く。このまま大通りの商店街に行こうかとも思ったが、今日は週に一度の露天が下町で開かれている筈だ。この時間帯ならばまだ幾らか商品も残っているだろうし、どうせ後で立ち寄ることになる。歩きながら判断すると、雑貨屋の前を素通りしてデュークは下町へと続く下り坂へと向かった。 貴族街とは違いひしめき合うように乱立する下町の町並みに挟まれるようにして伸びる、不揃いな石畳を踏み締める。建物と建物との間を吹き抜ける、特有の強い風が青い空を背にした頭上の洗濯物を揺らしていた。そうやって上を眺めながらデュークが歩いていると、坂道を駆け上がってきた子供とぶつかりそうになる。遅れて坂を上ってきた、どうやら父親らしい男が謝罪の言葉を口にして子供を嗜めると、デュークもまた自分がよそ見をしていたことを告げて謝った。子供は父親に怒られたことが気に入らなかったのか、始終口を尖らかせて黙り込んでいた。 親子連れとすれ違い、デュークは下町の広場へと出た。広場の中心に位置する水道魔導器[アクエブラスティア]から汲み上げられる流水が、陽の光を照り返して輝いている。その周りには露天での買い物も一段落して、紙袋から駄菓子を取り出して休憩する人々で賑わっていた。 水道魔導器の更に外周に展開する出店を、デュークは暇を持て余す者の足取りで見て回った。目当ての紙煙草を見つけると、それを一箱買うことにした。店を出す男は五箱買えば安くなる、とデュークに勧めてきた。だが、外を出歩く口実は多い方が良いのだといううまを伝えて丁寧に断ると、違いない、という同意の言葉と共に男は煙草の入った紙袋にファッジを二つ投げ入れ、寄越してきた。 「お兄さん、今日の用事はこれで終わり?」 「いや、もう少し外に居る」 売春街を快く思わない者は下町にも多いので、行き先を濁してデュークは答えた。 「……どんな用事かは知らないが、さっさと家に帰った方がいい。最近は物騒だからな」 男の言葉を否定する要素はなかったので、デュークは軽く顎を引いて同意し紙袋を受け取った。 煙草の他、「母親たち」の手土産にと、デュークは異国の絵柄が描かれた葉書を数枚と、シガリロを一箱を買って店を離れると、広場から少し離れた植え込みへと向かい腰を下ろした。まだ売春街へ行くには少しばかり陽が高い。「母親たち」の中にはぎりぎりまで眠っている者も多く居るので、デュークはその少しばかりの時間をここで潰すことにした。 紙袋から手探りで煙草を出そうとすると、ファッジの包み紙に触れた。口寂しささえ誤魔化せれば何でも良かったので、デュークは包み紙を取り出すとミルクとバターの塊を口に放り込んだ。ファッジはチョコレート味だった。 夜気を帯び始めた生温い空気に融けるようにして、忙しなく鳴くばかりの蝉たちも大分静かになってきた。聞き慣れない虫の鳴き声に戸惑っていると、今年の夏は十三年の周期蝉が一斉に地表に這い出て来たのだ、とデュークが盾持ちをしていた騎士に教えられたことを思い出す。それから騎士は、十三年毎のことだと慣れようもなく耳障りなことこの上ない、とも言っていた。 口の中のファッジを舌先で転がしながら、デュークは虫の鳴き声に耳を傾ける。騎士の言うように耳障りだとは感じない。ただ、もう随分と昔にこの虫の鳴き声を、誰かに手を引かれて聴いていたことが思い出される。それが「母親たち」の誰かだったのか、もっと別な誰かだったのか、それは分からない。デュークはまだ物心をつくかつかないかの頃、血の繋がる「母親」と共に帝都を出た。その頃の記憶は酷く曖昧で、「母親」と別れた(状況から察するに死に別れたようだが、その時の記憶に至っては全て抜け落ちてしまっていた)後、奇妙な集団に保護されたことは何となしに覚えている。その奇妙な集団というのは、人間の男やクリティアの女のみならず、人語を解する鳥や獣まで居て、彼らは入れ代わりたち代わりデュークの前に現われては、世話を焼いたりよく解らない言葉を投げ掛けて来たりした。彼らの言葉の大半は幼いデュークに理解出来るものではなかったが、そこに悪意のようなものを感じて取ることはなかったので然したる不安もなく彼らと共に居たのは覚えている。中でも、何かにつけて構い倒してくる黒い男――黒い髪と褪えた眼を持つ奇妙に浮ついた男の存在は強く、印象に残っている。 奇妙なコミュニティ、或いは入れ代わりたち代わる保護者と過ごした時間がどれほどのものだったのか、正確には分からない。一週間にも満たない短い時であったような気もするし、半年以上共に在ったような気もした。時の流れをまるで感じさせない彼らと過ごすことで、幼いデュークの感覚もまた停滞するような錯覚があったのかも知れない。 今でも、こうしてふとしたきっかけに、彼らを思い出すことがある。そこに悪い感情はなかったので、苦はなかった。ただ――物事の分別のつく歳になって思うところが増えたのもまた確かだった。例えば、彼らは人ではないものではないのだろうかとか、彼らは何故デュークを保護したのだろうだとか、一転して何故人の環に還されたのだろうかとか、そういった様々な疑問が答える者のないままに浮かんでは消えていく。非生産的だとは思うが、不毛だとは思わないのは記憶の中の彼らが優しく暖かく、特に黒い男がいつも笑っていたからなのだとデュークは思う。例え他者から理解が得られなくても、夢のように曖昧なそれらの記憶はデュークの中で確かに良い思い出に分類されるものだった。だからこそ、何故彼らと共に在ることが適わなかったのか、疑問はいつもそこに帰着するのだった。 太陽は地平に沈み、人々と虫の喧騒から解放された町並みは周囲が闇に包まれるにつれ、静けさを取り戻していった。入れ替わるようにして家々に灯る明かりを横目に、デュークは腰を上げる。 夏の陽は、高く長い。薄く暮れた帝都の外周を人波に逆らって歩いて行くと、やがて下町から更に外れた売春街に出る。社交の家の立ち並ぶこの通りこそデュークの故郷であり、また帰省の際に帰るべき家でもあった。 市街地や下町が静けさを取り戻すこの時間、デュークの故郷は息を吹き返すかのように賑わう。立ち並ぶ家々からは絶えず色とりどりの花弁が降り注ぎ、足元の石畳一面に広がると、路上の至るところから歌声が響きだした。 歩いていると「お帰り坊や」、とバルコニーから身を乗り出して見知らぬ女から声を掛けられる。デュークが向こうを知らなくても女の方が「母親たち」の「息子」を知っていることは珍しくはない。だからデュークは肩越しに高い位置のバルコニーを一瞥すると、特に言葉を発することなく手だけを振った。 その後も歩く程に見知らぬ誰かから声がかかったり、中にはデュークを男娼だと勘違いしたのか腰に腕を回してくるような「紳士」に遭遇したりもした。勿論、帰省する度に似たようなことはあったので今回もデュークは、足払いを掛けて「紳士」をひっくり返し丁重に誘いをお断わりした。以前、まだデュークが幼かった頃同じような調子で身なりの良い「紳士」に路地裏に引きずり込まれ、訳も分からない内に衣服を剥かれたとき、駆け付けた「母親たち」の手で「紳士」が半殺しにされ身ぐるみを剥がされたことがあったので、以来そうした二次被害を防ぐ為にも必要最低限の危機意識は持つようにしている。 ビロードのスーツに安い足跡を着けた「紳士」の背中を見送ると、デュークの周囲にはいつの間にか人集りが出来ていた。石畳をガルド硬貨が叩く軽い音までする。悪乗りし過ぎたか、と手にした紙袋を持ち直すデュークの耳に、聞き覚えのある女の笑い声が届いた。 「相変わらずモテるのね、高位貴族(デューク)さま」 振り向くと、散り始めた人集りの中に見知った女の姿を見留める。ブラウンの髪を結い上げた女は、赤いドレスの裾を軽くつまみながら前屈みに石畳の硬貨を拾い上げた。大きく開いた胸元から、白い谷間が覗いている。 「全くだ。いつまでも巻き毛のかわいこちゃんで通るのは問題だな」 「そう思うなら、少しは危機意識を持って。騎士候補生はこんなとこをうろついてちゃ駄目」 「前にも言ったが俺を引き取ったバンタレイは、世襲制からはみ出た成り上がり貴族だぞ。お前の言うような公爵(デューク)からは程遠い」 今でこそ当たり前のようにデューク・バンタレイの名前で呼ばれているが、そもそもが娼婦の私生児であり帝国の市民権を持たなかったデュークは、実のところ自分のはっきりとした本名というものが分からない。デューク自身も覚えていなかった為、「母親たち」は皮肉と親しみとをない交ぜにして、高位貴族の爵位を当てはめ愛称のような感覚でデュークを呼んだ。それが、騎士爵であるバンタレイの家に引き取られる際、いよいよ名前がないのは不便だということになり、デュークは正式にデューク・バンタレイになったのだった。 「それでも、私から見たら雲の上のお人ね」 落ち掛かる前髪を掬い上げながら女が笑うと、結い上げた髪の花飾りもつられて揺れた。暗に再度釘を刺されたことには、気が付かないふりをする。 女の名前はロクサーヌといった。家名は分からない。バンタレイの家に引き取られる一年ほど前に、周旋屋(クルティエ)に連れられてデュークが身を寄せるメゾン・クローズにやってきた。そばかすまみれのすきっ歯に、痩せぎすの身体の少女は当初「商品」には向かず、デュークと共に裏方を担うことが多かった。歳が近いこともあってすぐに打ち解け、こうしてお互いの立場が酷く違えてしまった今でも気安い言葉を交える程度には親交も深い。ただ、彼女はデュークが売春街に出入りすることを快くは思っておらず、顔を合わせる度にこうして苦言を呈するので、デュークもまたそんなロクサーヌの物言いを聞き流すのは一種恒例の挨拶のようなものなのだ、と割り切ることにしてしまった。 「俺のことをどうこう言う前に、お前の方こそその手癖の悪さをどうにかすべきだろうに」石畳の上に光る最後のガルドをロクサーヌが拾い上げたのを見計らい、デュークは言った。「物乞いであるまいに」 だが、デュークの苦言を彼女は小さく肩を竦めただけで躱してしまう。 「いいじゃない。店の前だわ」 彼女のしなやかな指先が指し示す先には、ガス灯の赤々とした明かりの下、「ムーサ・パラディシアカ」と綴られた看板が宵闇に浮き彫りになっていた。店の名前の書かれた看板を堂々と掲げていられるのは、このメゾン・クローズが居酒屋(エスタミネ)を兼ねているからだ。 「チップなら尚のこと、メトレスに見つかったら事だろうに」 「見つからないでしょ。貴方、黙っていてくれるもの」 悪戯っぽく片目を瞑って微笑むと、ロクサーヌは最近ザーフィアスで流行り始めたという、ヒールの高い靴を片方脱いでガルド硬貨を隠した。バランスを崩さないように、と手を貸してやる。 「ありがと。で?本日はどのような赴きかしら高位貴族(デューク)様?」 差し延べたデュークの手から、女の指先は然したる未練もなく離れていった。 「何、貢ぎ物を幾らか」 「相変わらずまめな男ね。入るなら裏口から入って。今、丁度馬車が入ったばかりなの。初めての客みたいだったから、今頃『ぐず』は片隅のサロンで酒代ばかり搾り取られてるわ」 デュークが「家」に居た頃にも何度か鉢合わせた光景が目に浮かぶ。メトレスの「ドアを閉めて」という甲高い叫び声と、波が引くような娼婦たちの大移動を思うと、自然と笑みがこぼれた。 紙袋を振ってからロクサーヌに寄越すと、彼女は袋の中身を早速物色し始める。中身は露天で購入したシガリロとポストカードだ。 「あら、ハルルの樹ね。こっちはカルボクラムかしら?建物が綺麗……一度本物を見てみたいわ」 「河岸変えしたらどうだ?お前ならもう、ここでなくても稼げるだろう」 現に彼女は「ムーサ・パラディシアカ」の台帳に名前を記載されてはいたが、原則である「住み込み」に反し「通い」で働いている娼婦だった。私娼同然だが政府から交付される鑑札があった為、合法的な街娼として認められている。 「簡単に言ってくれるわね。結界の外に出ようにも、ガルドが掛かるって解ってるのかしらこのお貴族様は」 「護衛の騎士なり、ギルドなり、雇う蓄えくらいはあるだろう。愛人もヒモも居ないわけだし」 遠ざかる赤いガス灯の明かりを背にデュークが言うと、裏口の前に立つロクサーヌは笑う。 「言わないでよ。メトレスにも枯れ女呼ばわりされてるんだから!」 確かに、愛人なりヒモなりに貢ぐ方が、娼館としては商売の回転が良くなるのが解っているデュークは、メトレスの言い分は尤もだ、と思った。ロクサーヌの言い様に一向に言葉を返さないデュークに、彼女は快活な笑みの中に苦笑のようなものを忍ばせる。 「いっそ貴方が恋人のふりをしてくれたらいいのよ」 「高位貴族が売春街をうろつくなと苦言を呈したその口で、良家の子息を誑かすな。第一に、俺が相手じゃすぐにバレる」 彼女とデュークが、それこそ姉弟のように同じ時を過ごしてきたことを「母親たち」は当然知っている。何より「母親たち」はデュークを「男」としては決して見ないことを、暗黙の了解にしているようでもあった。その鉄則は自らの肉体――性器を商売道具とせざる得ない彼女たちなりの、矜持に基づいているようにデュークには感じられた。 ロクサーヌは曖昧な笑みを浮かべるばかりで、それ以上は何も言わなかった。重厚な鉄製の扉を開け、デュークに道を開ける。 「入らないのか?」 「私、もう帰るとこだったのよ。新顔に興味がないから。家に帰りがてら、楽そうなのが居たら適当に相手するわ」 手渡した紙袋から、花の咲き誇る大樹の描かれた絵葉書を一枚抜き取ると、彼女はデュークの胸元に袋を突き返してきた。 「……通いは関心しないな。最近物騒だと聞くぞ」 露天の主人が言っていた言葉が思い出され、デュークは紙袋を受け取りながら呟いた。 「ここらが物騒なのは今に始まったことじゃないわ。娼婦の失踪に子供の誘拐、物取りなんて日常茶飯事でしょう?色ボケ陛下の御前試合で優勝しただか何だか知らないけれど、新しく騎士団長になったええっと……アレックス・ディ、何だったかしら?」 「アレクセイ・ディノイア」 「そう、それよ。その騎士団長閣下が規制主義(レグルマンタリスム)気取って変に頑張るから、周りが大袈裟に騒ぐようになっただけでしょう。こっちにしてみたらいい迷惑」 確かに、昨年の御前試合で優勝が皇帝クルノス十四世の目に止まり、首席隊長としての数々の功績も手伝った質実剛健と貴族にも平民にも評判の良い騎士の、異例の若さでの騎士団長就任は記憶に新しい。そういえば娼婦の取り締まりが厳しくなったのも、その頃からだったかも知れない。 「貴方からも言って頂戴。身に余る肩書き貰って気張るのも結構だけれど、それで私たちみたいなのが皺寄せ喰うのはごめんだわ」 「馬鹿を言え。俺だって遠目に何度か観たことがある程度だ。向こうは名前どころか、俺の顔も知りやしないさ」 デュークが言ったことは本当だ。年齢的には間に合ったが騎士学校に入るには他の貴族の子息に比べ幾らも学力――特に字の書き取りの遅れていたデュークは、半年遅れての中途入学だった為に当時既に首席隊長であったアレクセイ・ディノイアが入学生へと送った激励の言葉とやらは聞きそびれていたし、そうでなくても時の皇帝クルノス十四世と同じ程に遠い存在だ。彼女の言うように、気安い言葉を交わすような間柄では決してない。だからデュークはロクサーヌの軽口を、そのまま彼女の得意とする冗談として受け取った。 「それに、身に余る肩書きだなんてこともない。それこそ俺なんて及びもつかないだろうよ」 「そんな消極的なこと言ってないで出世しなさい」 「私生児上がりの成り上がり貴族の養子が出世出来るようなとこじゃないだろ、騎士団は」 規制主義にとどまらず新任の騎士団長が意識改革を進めているという噂はデュークも何度か耳にするものの、保守派とも言える貴族至上主義の塊である評議会の発言力は騎士団内にも及ぶ。だからデュークは、彼女の期待するような出世は無理だろう、と思っていたのでそのままを口にした。 けれどふと、何処かで彼女の抱く期待と同質のものを、確かにデュークも彼に抱いていたということを思い出す。言葉を交わしたことも、遠目にしか姿を垣間見たことしかない程度の、雲の上の男に、それでも確かに、自分は期待をした。だが、それがいつ何時、どのようなきっかけの下に成されたのか、そこまでは思い出せなかった。 「……まあ、いいわ。大丈夫よ、貴方は強いわ。見てる人はちゃんと見ていてくれる」 「そいつはどうも。……それより、」 「解ってるわ。住み込みの件でしょう?……考えておく」 「……ロクサーヌ」 妙に聞き分けの良い素振りを見せる彼女に、デュークはつい低く唸るような声で名前を呼んでしまう。 「本当よ。最近変なのが増えたのは確かだし。この前だって、店に気味悪い男が来たとかでちょっとした騒ぎになったらしいし」 「冷やかしか?」 「酒代も絞り取れない文無し。何か、前に店で働いてた女に会わせろ、とかそういう、ね。私はその場に居なかったから、詳しいことはよく知らないんだけど」 「別に、大して珍しくないんじゃないか?そういうのは」 寧ろ、デュークが店に居た頃には日常ともいうべき光景だったように思う。 「規制が厳しくなったのは、何も私たち娼婦の側ばかりじゃない、ってことよ」 ロクサーヌは言いながら、白く剥き出しになった華奢な肩を竦めて見せた。自然と、デュークの視線は今は遠い、表通りの赤い街灯へと向かう。そういえば、昨年店を訪ねた頃と比べると、騎士の姿が心なしか目立つようだった。 「他にも、シュイヴールと見せ掛けた奴がそのまま素人娘が連れ去ったり、色々聞くわ」 「で、そんな危険な噂が行き交うようになっている今でさえ、通いをやめないわけか」 「仕方ないでしょう。メゾン・クローズだとどうしたって店側に差っ引かれちゃうし、住み込むとなると借金だって増えるもの」 言い張る彼女は頑なだ。店の女たちが諦観とある種の絶望から現状の不条理なサイクルに甘んじているのに対し、ロクサーヌには今の生活から抜け出そうという貪欲な意志がある。それが彼女の、子供の頃から抱く慎ましやかな夢に起因することをデュークは知っている。また、他者の指し示す道を外れようという意欲も、何ものにも変えがたい夢も持たないデュークは、そんな彼女を羨ましく思う。だからこそ、金に汚いとすら取れる彼女の物言いにも、それ以上何も言えなくなり口をつぐむしかないのだった。 赤い街灯に細い影が溶け込むのを見届けると、デュークもまた社交の家の扉をくぐる。裏口なので勿論仕事場やサロンに面しているわけではないが、独特の匂いはすぐに鼻腔へと届いた。女たちの好むミント酒やシゾンタニア・リキュールの香り、ザーフィアスで流行りのハルル産の香水に、シガリロの紫煙が混じる。 手土産は「母親たち」に手渡すより、メトレスかスー・メトレスに渡すべきだろうか、と逡巡していると、積み荷を抱えた男が今し方デュークの入って来た裏口から顔を覗かせた。彼は「ムーサ・パラディシアカ」専属の周旋屋だ。 「おっと。デュークか。驚いた」 両手が塞がり不自由な男を手伝って、中から扉を開けてやる。すると、背の低く、気の良さそうな笑顔を張り付けた小太りの男がデュークに礼を言いながら入ってきた。積み荷を抱える無骨な左手の薬指に納まった指環が、シンプルなデザインに反して恐ろしく値が張ることをデュークは知っている。指環だけでなく、男が身を包む一見してシンプルな衣服の全てが一級品だ。それもその筈で、多くの同種の男がそうであるように、彼もまたメトレスの伴侶にあたる。この店で働く数少ない「男」であり、ヴィシー・フレーズが好物であることから皆親しみを込めて、彼をフレゼットと呼んでいた。フルネームはデュークの記憶にない。 「こんばんは、フレゼット。夏期休暇に入ったので挨拶に。……でも、忙しそうなので手土産だけ置いて帰ろうかと」 デュークがサロンへと目配せをすると、男は漂う酒気と喧騒に得心がいった、という様子で苦笑を浮かべる。手土産を渡す相手もフレゼットなら心配はないだろう、とデュークは判断し、漸く紙袋を手放すことが出来た。 「少しくらいゆっくりして行って、顔を見せていけば良いのに。その方が女たちも喜ぶ」 「誘惑しないでくれ。帰りたくなくなるから」 「相変わらず上の生活には馴染めない、か。なぁに、そのお綺麗な顔がありゃ何処ででも上手くやっていけるさ」 「フレゼット、あんたいつもそれだ……」 養子に出る前はフレゼットもデューク本人も、何れは周旋屋として生計を立てて行くことになるだろう、と考えていた。特にフレゼットは、デュークには才能があるのだと、多大な期待を寄せているようだった。その期待がメトレスや女中たちのみならず、「母親たち」も褒めちぎるデュークの顔立ちに起因しているのは先ず間違いない。彼自身はこのような職に就いているとはいえ、決して悪い男ではないのでデュークも特に何を思うこともなかった。 軽快に声を上げて笑う男に、悪怯れた様子はない。だからデュークも小さく笑みをこぼして返した。 「でもまあ、やっぱ早く帰った方がいいだろうな」 笑みをひそめて、フレゼットは呟いた。それから最近物騒だと、露天商やロクサーヌが言っていたのと同じようなことを話した。 「店にも変なのが来たって?」 ロクサーヌの言葉をなぞり伝えると、フレゼットは大したことはないさ、といつも通りの人の良い笑顔で言った。 「余所者なら、規制が厳重になったことに疎い奴も少なくはない。現にそいつも、随分前に居なくなった女を訪ねてきた。大方ギルドの人間か何かが、昔遊んだ女の顔を見に来たとかそんなとこじゃないか。デュークも知ってるだろ、ユーリヤだよ」 「ユーラ……」 よく知っている。濃い鳶色の髪に、珍しい菫色の眼をした娼婦だ。一度は帝都を離れたデュークを、以前店で働いていた娼婦の子供だ、と覚えていたのも彼女で率先して幼いデュークの世話を焼いていた。「母親」と称するには歳が近かったので、デュークは歳の離れた姉のようにユーラを慕っていた。だが、デュークがバンタレイの家に引き取られた翌年、彼女は姿を消した。 「あれから、もう八年か……」 フレゼットの呟きに、デュークは言葉を返さなかった。それが彼の独り言だということを、知っていたからだ。 ユーラは、デュークの前から姿を消した。店にも、仲間にも何も告げることはなく、僅かばかりの借金と、男たちからせしめた高価な装飾品の類いに、使いかけの香水、それから安物のブローチと、誰が父親とも知れない子供が一人、残されていた。 デュークがユーラの子供に会ったのは一度だけだ。子供が出来てからは彼女もロクサーヌと同じに、店には通いで勤めていたので、借金の返済にあてる為に遺品を整理しに行ったときに会った。本当の目的は彼女が失踪した、その真相の手掛かりを求めてのことだったが、結局何の成果も得られなかった。 記憶の中、ユーラの部屋は生活感に溢れてはいたものの質素で、そこに夜の女の気配は一切持ち込まれてはいない。その部屋の、陽の当たる窓際に置かれた寝台に子供は寝かされていた。母親の失踪などまるで意に介した様子もなく、ただ微睡む子供は酷く奇怪な生き物あるように思えてならなかった。また父親の髪がそうなのか、柔らかなブルネットから、ユーラを思い浮かべるのは無理だろうな、と思ったのは覚えている。 部屋にあった衣服や装飾品を手持ちの袋に納め、母子が暮らす仮屋の管理人に合鍵を渡す頃には陽は大分傾き始めていた。ユーラの子は、子供の居ない管理人夫婦が引き取るらしく店側もその申し出を受け入れている。彼らは下町の人間だが市民権を持つ、まっとううな帝国市民だ。デュークがかつて母親と共に追われたようなことにはならないだろう。 デュークは合鍵を渡すとき、一緒に店から預かったガルド袋を管理人に渡した。その金で部屋に残る家財や、使いかけの日用品の処分を頼み、下町を後にした。ただの一度も子供に触れることをしなかった、とデュークが気付いたのは店にユーラの私財を受け渡し、気鬱な帰路に着いたときだった。 八年経つ、とフレゼットが呟くものだから、デュークはついあのときの子供は何歳になっただろう、と考えてしまう。そして、その不毛さに我に返り、眉根に皺を寄せながら思考を中断すると、何故かフレゼットに思いきり強く、頭を掻き混ぜられた。 店から出ると、外は宵の口からすっかり陽が暮れて番地を示す赤い街灯もいよいよ鮮やかに、デュークの目に映りだした。 来たときと同様に裏口から出ようとしたデュークを引き止め、サロンへと通したのはフレゼットだ。客を放り出した「母親たち」に抱擁され、化粧の施された白い頬に唇を落とし、もみくちゃにされ、言葉を交え、酒をすすめられそれを断り、シガーを差し出されそれを制し、卓上の葡萄を一粒摘むことでやっと解放されたと思ったら、随分と時間が経っていた。「ムーサパラディシアカ」を覗くといつもこれだ、とデュークは小さく溜め息を溢す。溜め息を溢すと同時に、こうも誘惑が多いとロクサーヌの忠告を聞き入れないわけにはいかないような気がしてきた。訪問を重ねる度に、家路に着く足取りは間違いなく重くなっていたからだ。それでもデュークの家は確かに貴族街に在って、養父母が息子の帰りを待っている。屋敷の窓からは暖かな灯りが溢れ、甘いバターとアーモンドの薫りが仄かに漂っている様子を脳裏に浮かべることは容易だった。 帰らなくては――そう胸の内で呟くと、デュークは石畳に敷き詰められた花弁を踏み締めて歩きだした。それでも足取りは緩やかで、何か適当な理由を付けては自身に言い訳をしながらデュークは度々その足を止めた。以前訪れたときには工事中だった建物が香水屋になっている様子を外から眺めたり、夕食時が重なっているせいか飲食店の前に出来た行列を見遣ったりした。それでも帰路に着いた時点で、どれだけ時間が掛かろうと何れ通りは切り替わる。気が付けば赤い街灯も疎らに、デュークはあと数歩も歩を進めれば下町に差し掛かるところにまで来ていた。自覚したのは、そこで声を掛けられたからだ。 メゾン・クローズを出てから何度目になるかも分からないが、帰宅を先延ばしにしたいデュークは特に何を思うでなしに足を止めた。呼び掛けがあったのは、通りの脇にある串焼きの出店の傍らからだった。小太りの男が、魚介の串焼きを片手にデュークへと手を振っている。デュークは僅かに顎を引き、それから半歩、男に歩み寄った。男の名前は知らない。だが、顔は分かる。 「やあ、お兄さん。広場ではどうも」 広場で店を出していた露天商の男だ。 「確かに、あの時間じゃあこの界隈はちょっとばかし寂びれてるだろうなあ」 広場では濁したデュークの行き先を邪推(間違ってはいないが)し、男は酒気を帯びた息を吐きながら笑う。だが、見たところ男もまたこの通りに居る目的はメゾン・クローズにあるようだった。だからデュークはわざわざ気を遣って行き先を濁す必要はなかったかも知れないな、と思いはしたが男の物言いには特に何を思うことはなかった。 「しかし、だとしたらちょっと帰りが早くないか?まっさか俺みたくアバタージュ通い、ってわけでもないんだろ?」 「知人を訪ねた」 間違ってはいない。端的な事実だ。だが、口に出してみるとどうにも言い訳じみた響きになってしまった。 デュークの言葉に、男は「ははあ」と奇妙に一人納得した様子を見せた。だが、問い質す気にはなれずそのまま男から離れようとすると腕を掴まれる。そこで漸く男が何かしらの勘違いをしているのではないか、という所謂「危機感」というものに思い当たる。だが、デュークが行動を起こすより先に男の方が口を開いた。 「ちょっと待ってろ」 そう言って男はデュークをその場に留まらせると、出店の方に足を向けた。男はすぐに戻ってくると、両手に一つずつ持ったボックの一つをデュークへと差し出した。 「奢りだ。遠慮すんな」 デュークは先ず男の手の中のボックを見、それから男の顔を見て、また視線をボックへと戻した。グラスの中の麦酒は夜空と街灯の赤色とを映し込んで、ゆらゆらと揺れている。 「……貰う理由がない」 「目の保養」 アバタージュで性病持ちの女を掴まされて、金だけは支払わされ店を出てきたのだという。田舎者だから馬鹿にされたのだ、と言って憤る男に、デュークはボックを受け取りながらその店は不認可――非合法である可能性がある、と言った。 「へぇ。そんな規制があるなんて知らなかったよ」 「一応前々からあることはあったんだが、騎士団の上が新しくなった」 「新任の騎士団長閣下は潔癖なベイガンってことかね」 ボックを呷る男に、デュークは何も言わなかった。ただ、政府が社交の家を必要悪として認めている以上、性病の管理なども兼ねて「安全な娼婦」を提供するには規制はなくてはならないものだ。近年おざなりにされていた娼婦登録制度の見直しというのは新任の騎士団長の着眼点としては、悪くないようにデュークは思う。ただそれを、例えば文明社会のバロメーターとしての必要悪――娼婦の提供のからくりを一から十までこの男に説明してやるのは面倒だったので、結局デュークは男の言葉を否定も肯定もせず手の中のボックを早々に飲み干すと男に礼を言い、その場を後にした。 男と別れてから幾らも歩かない内に、下町の広場に出る。貴族街や市民街と違い、下町には街灯の魔導器が備え付けられていない(売春街の街灯もみなガス灯だ)ので、家々の窓から溢れる灯りしか光源のない広場は暗く沈んでいるように見えた。特に、今の今まで売春街の赤い街灯の下に居たので、余計に強くその沈んだ様子が意識されてならなかった。それでも全く人が居ないわけでなく、広場のシンボルとも言うべき水道魔導器の周辺には夕食用の野菜を洗う女たちの姿が入れ代わり立ち代わり見て取れた。 水仕事に勤しむ女たちの脇を抜け、市民街へと続く坂道に差し掛かる。夕方、親子連れとすれ違った坂道の頭上の洗濯物は、全て取り込まれており邪魔をするもののない夜空には誰そ彼星を筆頭に、星々が瞬いて見えた。 空を見上げるデュークは、少し離れたところから聞こえた子供の声に意識を引き戻された。これが昼間の喧騒にあってのことだったら、気にも留めなかっただろうが、時間が時間だった。更に、今日は行く先々で最近物騒だと忠告を受けたばかりだ。 子供の声がした方――広場の水道魔導器の方を見遣ると水仕事をしていた女たちの姿はいつの間にか消えており、代わりに十に届くかどうかの年頃の子供とその傍らには、男が一人、立っていた。男はデュークの立つ坂に対して背を向けていたので顔は見えなかったが、麦わら帽子から覗く髪が傍らの子供と同じに、濃いブルネットだったので親子かそうでなくても血縁関係にある二人なのだろう、とデュークは遠目ながらもすぐに判断し、安堵した。だから、デュークがいつまでもその二人組へと視線を向けていたのは、陽が沈み、夜もふけて大分経つというのに、男が陽射し避けの帽子を深々と被っていることが気になったからだ。そうして、眺めている内に違和感を覚える。例えば子供――少年は、デュークがそうであるように夏の暑さに耐え得る、風通しの良さそうな薄手の着衣を身に纏っているのに対し、麦わら帽子を深々と被ったその男は鳶色の羽織りの下に、重ね着をしているようだった。 季節感がないな、とデュークは思った。すると、また別な子供(こちらは貴族以外には珍しい、明るい髪色をしている)が現れて、男と言葉を交えると傍らに居たブルネットの少年の手を取り、連れて行ってしまった。残された男はというと、ゆるゆると手を振って二人の子供を見送り、そうして、踵を反して市民街へと続く坂の方へと向き直った。 そこで、男はデュークの存在に気が付いた。帽子の下から覗く、暗い色をした眼と視線が絡み、そうしてある記憶が呼び起こされる。昔の記憶だ。照りつける陽射しと、虫の鳴き声ばかりが鮮明で、そこに時折、調子外れの奇怪な歌が男の声で混じる――遠い過去、それでも確かに、デュークはその男を知っていた。今の今まで、顔も思い出せなかった記憶の中の男は、今こうして目の前にした途端、確信を以って断言出来る程に鮮明に実像を結ぶ。 だが、名前が思い出せない。知らないのかも知れない。それすらも判らない。だが、それでもデュークは男に呼び掛けようと口を開いた――瞬間、男はデュークに背を向けて、赤い光の溢れる売春街の方へと歩いて行ってしまった。 その場に一人残ったデュークは開き掛けた口もそのままに、男の背中を見送っていたが、我に返ると遅れて売春街へと引き返した。 赤い光の中、街並みは賑わい人々で溢れている。その中に、遠目に見ただけの男を見つけ出すのは困難であるように思えた。だが、風変わりに奇怪な麦わら帽子は人々の波に紛れるには目立ち過ぎた。 鳶色の薄汚い背を見留めると、デュークは人混みを縫い、掻き分けるようにして歩を進める。呼び止めて、どうするのかそこまでは決めていない。分からない。何を問う訳でなく、思い出話に花を咲かせるつもりもない。自身の出自も、男が――彼らが何者であるのかも、どうだって良かった。ただ、会って何か、何でも良い。言葉を交してみたいと思った。 赤い光の中、人混みの向こうの背中に距離を詰めることはなかなかに難しかった。見失わずに後を追うだけ精一杯だった。そんなとき、視線の先の男が僅かにだが麦わら帽子を被りこんだ頭を傾けた。肩越しに背後を伺ったのだ、とデュークは思った。思った途端に、再び確信する。彼は追う者の存在――デュークに気が付いている。気が付いた上で、こうして人混みに紛れる、追う者をまき、逃げおおせようとしている。 思い至ると、何故だか無性に業腹であるように思えてならなくなったデュークは、歩を進める足を早め、半ば強引に人混みを押し退けた。非難の声が幾度となく上がるが、耳を傾けている暇も余裕もデュークにはなかった。男が脇道に入ったからだ。デュークも慌てて男の消えた脇道へと入るが、暗く細い道の奥、角に翻る鳶色の裾を僅かに視界に留めただけだった。後を追い、路地裏を突き進み角を曲がると、走る男の背を見留めた。 気付いている。そして、逃げている。デュークは自身が先刻感じた怒りを正当なものとして、追う者の速さで暗がりへと駆け出した。だが、最初から男とデュークとにはかなりの距離があり、また男の足は速かった。複雑に入り組み、時には資材や生活用具の積み上げられた細い道を、男は器用に走り抜け、時として通り抜け様に傍らの樽を倒し、走って行く。 騎士学校では比較的不名誉な謂われで有名なデュークだったが、足に関しては速さも持久力も群を抜いている。その自分が、全力で追っても一向に距離が縮まらないどころかどんどん引き離されていくという事実に、デュークは焦りと共に素直に驚きを感じていた。そしてばか正直に後を追うばかりでは距離を詰めるどころか見失う――判断し、デュークは男の背から視線を外すと、路地裏を抜け出て赤い街灯の下へ舞い戻った。 人混みを分け入り、二ブロック先の居酒屋に入る。カウンターの中でグラスを磨いていた主人が何事か、と顔を上げるとデュークは視線を合わすことなくただ片手を上げた。店の主人はデュークの顔を見留めると、特に声を掛けることもせずグラスを磨く作業へと戻る。その前を突っ切り、整列した座席の間を縫いデュークは裏口へと向かった。デュークが娼館で下働きとして住み込んでいた頃から顔馴染みの主人は「厄介ごとも程々にな」、と背中に声を掛けてきた。 裏口から外へ出ると、また薄暗い路地裏へと抜けた。そのまま扉の脇の積み荷に足を掛け、二階の窓枠を掴むと壁を蹴り上げて一息に屋根の上によじ登る。それから隣の集合住宅のバルコニーに飛び移ると、今度は手摺りに足を掛けて上り立ち、更に上の階へと向かった。 眼下に赤い街並みを見下ろし、それから路地裏の暗がりへとデュークは目を向ける。幼少時の山育ちもあって、夜目には自信があった。 「見つけた……」 暗がりの中に、小走りする男の背中を見留めるとデュークはバルコニーから身を乗り出し、滑り落ちる勢いをそのままに裏手の木に飛び移った。枝を鷲掴みにし、勢いを殺すと路地裏の向こう、売春街より一層高い市民街の裏地に降り立つ。 正直に真後ろから追って追い付けないのなら、地の利を生かすしかない。デュークは判断し、市民街から回り込むことに決めたのだった。幸い、この帝都は上層から下層にかけて、多段状に展開している。騎士学校が貴族街と同じに上層に位置しており、市民街の表通りに出るには裏手の人工林を突き抜ける方が正門に回るより距離的に近いというのと同じ理屈だ。お陰で、赤い街灯の点る売春街の大通りへと出るには、男が必ず通らなくてはならない地点の見当がついた。 市民街の裏手を抜け、下層を逃げる男を先回りすると植え込みと積み荷との陰にデュークは身をひそめた。眼下では、通りの喧騒を避けた私娼が客の男と睦み合っているので、逃げる男は彼らの営みの脇を擦り抜けることになるのだろう。 ぬるい夜風が黒々とした木々や、植え込みの葉を揺らす。その傍らで、デューク乱れた呼吸を整え、頬から顎にかけてを流れ伝う汗を拭った。だが、視線は下層――買収街の路地裏から離さなかった。やがて、幾らか速度を落とした小走りの男が角を曲がり、現れる。既に私娼の背中を石壁に預け、事に及んでいた男女を見留めると男は何事か謝罪の類いを小声で告げ、脇を通り抜けようとした。その、男が彼らの営みの脇を擦り抜けたところを見計らい、デュークは自身が身をひそめる傍らの積み荷を男の進行方向――大通りへの行く手を遮るようにして蹴り落とす。 男の動きは素早かった。もともと男の上に積み荷を落とす気はなかったが、それでも緩やかに半歩、後退してから身を翻すと、そこで漸く男を銜え込んだまま悲鳴を上げた女に「失礼」、と微笑み掛け来た道を引き返した。だが、その行く手にデュークが下り立ち遮ったと知ると、またしても素早く踵を返し、派手に散乱した積み荷を飛び越えて大通りへと駆け出す。 往生際の悪い男を舌打ちの後、デュークは再び追跡した。だが、その背中は酷く近く、また道が入り組んでいることもあって手を伸ばせばすぐに届きそうな距離に在るように思えた。届くのは、手でなくても良かった。言葉一つ、男を呼ぶ声が届く、ただそれだけでのことでこの馬鹿馬鹿しい追跡劇が終わるように思えた。 手を伸ばす。指先は宙をきる。それは解っていた。だから、デュークは喉を震わせ、声を引き絞った。記憶の海に沈む、男の名前を引き上げて、呼んだ。 「――エルシフル!」 そしてもう一度、と伸ばした手は今度は宙をきることはなかった。デュークの伸ばした手は確かに男の手首を掴み、捕らえた。 デュークも、男も、互いに肩で息をしていた。そして、正面から見据えた男は矢張り、周期蝉の鳴く最中にデュークの手を引いていた男――エルシフルに、間違いなかった。 「ひ、人違いです!」 息も絶え絶えな中、引きつって悲鳴じみた声で男は言った。 「……この期に及んで何を言い出すんだ、貴様」 怒りを通り越して半ば感心していたデュークだが、それが声に出ないように意図したところ酷い言い様になってしまう。それには男も気が付いたようで、わざとらしく眉根を寄せると右側の眉だけを器用に上げて、目を細めた。 「口の利き方のなってないガキだね、君。あのね、おれはそんな舌噛みそうな名前じゃなくって、ニコライ・ハーティっていう親から貰った立派な名前がだね……」 「よし解った。いいだろう、ニック。向こうで詳しく話を聞いてやる。来い」 男の言い分もそこそこに聞き流し、デュークは掴んだ手首を引いて表通りへと向かう。追跡が終わったのなら、いつまでも薄暗い路地裏に居る必要はないからだ。 「痛い!痛い痛い痛い!」 「お前が大人しく着いて来れば痛くないだろう」 「お、大人しく着いてっていかがわしいトコ連れてく気なんだろう!騙されないぞ」 暴れる男は本当に性質が悪かった。 「お前、少し黙らないか。……第一に、やましいことがないのなら逃げる必要はないだろう」 「だってお兄さん、すごい形相で追っ掛けて来るから……」 「……お前が逃げるからだ」 「違います。君が追っ掛けて来たからです。……都会って怖い」 そう言って男は溜め息混じりに俯いてしまったが、大分大人しくなったのでデュークは言葉を返さず黙って男の手を引いて歩いた。 表通りの赤い街灯の下は相変わらずの賑わいだ。その道の隅で男の手首を掴み上げたまま、デュークは逡巡していた。この男から話を聞くとして一体何処で問い詰めたものか、と考えあぐねたのだった。最初から屋敷へと連れ帰る選択肢はなかったので、そうなると顔見知りの居酒屋か、「ムーサパラディシアカ」の一室を借りるかの二択だが、どちらにせよエルシフル――自称ニコライ・ハーティが騒ぎそうな話ではある。 考えながらも歩きながら決めれば良い、そうデュークが判断し一歩を踏み出したところに、突然女の悲鳴が上がった。デュークと男とが騒ぎを起こした後方の路地裏でなく、声は正面向かいの別な路地裏から聞こえた。 実際のところ、売春街において老若男女問わず悲鳴は然して珍しくもなく、すぐさま喧騒を前に掻き消えてしまう類いのものだった。それは物取りや誘拐が日常茶飯事であることからの人々の「慣れ」は勿論、何よりそれらの犯行は一瞬の内に済んでしまう為に悲鳴も罵倒も継続はしない。 だが、今聞こえたものは違った。「誰か来て」、と叫ぶ声が暗がりから聞こえた。何度も、繰り返し繰り返し、聞こえた。何より、普段から悲鳴や罵倒を聞き慣れたデュークたち売春街の「住人」だからこそ、その質が常とは大きく掛け離れていることにもすぐに気が付いた。 「……血の臭いがするな」向かいの路地裏へと視線を向けたデュークの傍らで、男が呟いた。「引き裂かれた雌猿の臓腑の臭いだ」 薄ら笑いすら浮かべて、男もまたデュークと同じに暗がりを見遣っていた。だが、その目にはデュークとはまるで違うものが映っているようであり、男の言うような臭いも嗅ぎ取ることは出来なかった。ただ、男が悪戯に冗談を口にしているわけではないことだけは直感的に感じ取れた。だからデュークは酷く端的に、暗がりの向こう――デュークには見えず、男には見通すことの出来た先の闇で血が流されたのだ、という事実だけを把握した。 「腹を割かれてるかなぁ。それに――獣臭い」 「ザーフィアスに野犬は居ない」 男は口に出すと、今度は明らかに喉を鳴らして笑った。だが、デュークは何も言わなかった。それどころか、既に男の方を見てもいなかった。 「だったら野猿かな……って、あれ?」 男の手首を掴んだまま、デュークは向かいの暗がりへと歩を進める。デュークだけでなく、ただ事ではない悲鳴を聞き付けた人々が吸い寄せられるかのように一人、また一人と路地裏へ足を向けた。 「え?見に行くんだ?」 後に続く男は不満というよりかは、意外だというような様子で声を上げたが、先程までとはうって変わって素直な足取りで着いてきた。 辿り着いた暗がりの奥の路地裏は、既に小さな人集りが出来ていてその中心まではデュークの背丈では見通すことが出来なかった。だが、踏み締める石畳には点々と血の跡が続き、人集りのその向こうに拡がる惨状を想像させる要素としては充分だった。何より、ひしめく人々が密やかに囁き合うその声が、全てを雄弁に語っていた。 「娼婦が殺されたみたいだな」 すぐ前で背伸びを繰り返し、何とか人集りの向こうを垣間見ようとしていた男がデュークに肩越しに言った。知らない顔だが、同類だとでも思われたのかも知れない。 「騎士団には?誰か通報したのか?」 「さあ?ま、これだけの騒ぎだ。その内来るだろ」 それだけ言うと、諦めたのか男は身体を退いて人集りから離れた。その分空いたスペースに、デュークはすかさず滑り込む。人一人分とはいえ先程より幾分も距離を縮めた為、見通しは随分良くなった。 血の流された路地裏は袋小路になっている。表通りの喧騒も明るさも、殆んど届いてはいない。石畳と同じ色の石壁にも血が飛び散っているようだったが、灯りもなく見通しの悪い暗がりでは鈍く黒光りするばかりだ。 結局、デュークの立つ場所からでは何も見えず、判らない。だからデュークに出来ることと言えば、店の方に忠告をし、出来ればさっさとこの男から話を聞いて、そして一刻も早く屋敷へと戻って知らぬ存じぬを貫き通すことくらいの筈だった。だがふと、壁に飛散した血飛沫や、路地裏の暗さばかりに気を取られ向けていた視線を足元に落とし、気が付く。デュークの足元には、娼婦の流したらしい血が石畳の目に添い、流れだしていた。その、滲む血溜まりの中に踏み荒らされ、薄汚れた花弁を見付けた。売春街に溢れかえる色とりどりの生花の花弁とは違う、それは作り物の白い花だった。 声もなく、デュークは目の前の人集りに分け入った。動作は緩慢で、ただ行く手を遮る人間を押し退ける力だけが酷く意識された。決して離すものか、と強く握り締めていた筈の男の手首は気が付けば手の内から失われていたが、そのことに構っている余裕はデュークにはなかった。 辿り着いた人集りの向こうには、血の海とでも形容すべきなのだろう、黒い水溜まりが拡がっていた。その中心に、肉塊が転がっている。かつては女の形をし、命を宿していただろう肉の塊は顔を潰され腹を引き裂かれていた。腐食したホースのような臓物が、娼婦特有の薄布と割れた肉の間からはみ出て周囲にだらしなく散らばっている。そんな中その薄布の、元の色も判別出来ない程に流された血の海に在って、デュークは、肉の纏っていた着衣の色を鮮明に思い出し、言い当てることが出来た。 色は、赤い。鮮やかでない、乾いた血の色にも似た鈍い赤色のドレスだ。胸元が大きく開いていて、始めて着たときに酷く恥ずかしそうな様子だったのも覚えている。だからデュークは花を――常に生花を髪に飾る程の金の無かった彼女に、白い花をかたどった髪飾りを送った。もう随分前のことだ。今ではそれなりの蓄えもあって、自分で花を買う余裕もある筈なのに彼女が髪に作り物の花を飾り続ける理由を察していなかったわけではなかったが、それでもその理由に触れたことは一度もない。 目を逸らすことも、その場から立ち去ることも出来ず、デュークはただ肉塊と成り果てた女の、潰れた顔の辺りを凝視し続けていた。小さく見える、白いものは歯だろうか、頭蓋か顎の骨が砕けたものだろうか、などとも考えた。だから、手を離した筈の男がいつの間にかすぐ傍らに立っていて、デュークと同じものを見ていたことにも気が付かずにいた。 「あらら。これまた随分と潔い脱ぎっぷりだ。商売女冥利に尽きるね」 小さく口笛を吹き、男は言った。だが、デュークは言葉を返さなかった。聞こえていないわけではなかったが、出来なかった。 だからなのか、男は血溜まりの中心へと向けていた視線だけをデュークの方へ向けた。そして、小さく抑揚を何処か欠いた声音で問うて来た。 「……知ってる顔か?」 その問い掛けにも、デュークは答えなかった。ただ、自分でも気が付かず震えていた唇で、肉塊に成り果てた女の名前を形作ろうとし、遮られた。遮ったのは隣に並び立つ男の言葉に因ってではなく、行動に因ってだった。先程とは立場を逆に、男がデュークの手首を掴み、人集りに分け入り、血濡れた肉塊から遠ざけたのだった。それから、人混みも疎らになると、自身の被り込んでいた薄汚い麦わら帽子をデュークに被せ手を引いて走りだした。「離せ」とも、「何をする」とも言えずにデュークはただ男に手を引かれて走った。 手を引かれ、走りながら、最初は死んだ女のことを――ロクサーヌのことを、考えていた。何故追っていた筈の、そして逃がすまいと手を離した筈の男に、手を引かれ走っているのだろうとか、何処へ向かっているのだろうとかという、今自分の置かれている状況には全くといって気が回らずにいた。脳裏に浮かび、思い出されるのは、血や肉の赤みを帯びた黒やドレスのエンジ、白い花と乳白色の骨のコントラストと鼻の奥にこびり付くようにして残る臓腑の臭いばかりだ。それらはデューク自身の抱く感情のどれとも程遠い、事象の反復に過ぎない。 混乱しているのだろう――そう、自分の現状を断じようとして、すぐ様に「否」と声には出さずただ頭を振った。混乱は、していない。現状も把握している。顔見知りの女が死んだ。名前はロクサーヌだ。デュークと歳が近くて、仲が良かった。いつか身体を売る商売から抜け出して、小料理屋をやるのが夢だと言っていた。そのときには、デュークの贈った白い花飾りを髪に飾る、とも言っていた。そんな安物やめてくれ、とデュークは言った。彼女は笑っていた。けれど、それももう叶わない。訪れない未来だ。彼女は死んでしまった。デュークは男に手を引かれるままに、逃げていた。 不意に、デュークは気が付く。走る自分は、逃げているのだった。そう、明確に男の意図を理解する。理由は知れない。だから、デュークはそこで漸く男に問おうとした。流れていく見知った筈の風景から目的地を察することも放棄して、ただ男に声を掛けようと口を開いた。けれど、言葉にはならなかった。デュークの手を引く、男の力があまりにも強くて、強くて言葉を詰まらせた。言葉にするべき考えが、何一つ纏まらないまま、ただデュークは男に手を引かれて走った。 自分が全力で走っていたのだということに気が付いたのは、足が縺れて男の手を逆に強く引き返した為だった。肺を引き絞り、全身を使って呼吸をしているような錯覚を起こしながら、デュークは肩で息をした。掴まれていた手はいつの間にか解放されていて、すぐ傍らに立つ男は息一つ乱さず、街灯の少ない夜道を眺めていた。呼吸が落ち着きを取り戻したデュークも、男が見つめる先へと視線を向ける。そこには、男の姿を見留めた為に結局上ることをしなかった、下町と市民街とを繋ぐ細く曲がりくねった下り坂が伸びていた。デュークは男に手を引かれるまま、この坂道を駆け上がって来たのだった。 「君、このまんまお帰んなさい」 男が言った。デュークが視線を戻しても、男は坂道へと目を向けたままだった。 「……馬鹿を、言うな」 舌先が縺れる。理由は呼吸が乱れている為だけではないのだと、解っている。「馬鹿なことを言うな」、とデュークは繰り返した。 「……もう逃げないから、今日は帰れ」 的外れであるようにも聞こえる男の言葉が、言葉通りの意味合いだけでないということはデュークにも解っていた。だから、デュークはそれ以上男の言葉を切り捨てることをせず、ただ人気のない、下町へと伸びる坂道を見下ろした。 「戻るなよ。それくらいの頭はあるだろ」 背後から聞こえる男の声は硬い。反論を許さない強さで男はデュークの腕を掴むと、下町へと続く坂から引き離し、市民街の半ばにまで引き摺ってきた。男は突き放すようにして掴んでいた腕を解放し、デュークはその反動でよろめいた。だが、そんなデュークを気にする風でなく男は帝都の更に高みを指し示して言った。 「行け」 デュークはのろのろと顔を上げ、男の示した方を見上げた。帝都の高みには連なる貴族街と、城とがあった。宵闇を過ぎた空を背に、家々に灯る魔導器の強い光が揺れている。その光景に以前、まるで煌びやかに飾り付けられた焼き生菓子のようだ、と思ったことがある。下層で暮らしていた頃には飾り付けのされた菓子の類いとは無縁であったので、デュークがそうした連想をするようになったのはバンタレイの家に引き取られて以降だ。ロクサーヌに話したら「そんな大層なものがあるなら、今度食べさせてよ」、と言われたことがあった。あの時、自分は彼女に何と答えたのだったか、そんなことを考えながらデュークは随分と長い間、帝都の煌びやかな上層を眺めていた。気が付けば男の姿はなく、頭に被せられていた、薄汚れた麦わら帽子だけがデュークの手元に残った。 それからは、ロクサーヌの殺された現場に戻ろうという気も起きず、デュークは漸く屋敷に戻る為、貴族街へと続く階段へと足を向けた。階段を上り切った先には売春街のような喧騒や、下町の沈んだ静寂もなく、安穏として閑静な空間が広がっていた。あれほど煩く空気に融けていた虫の鳴き声も鳴りを潜めている。風にそよぎこすれる木々の騒めきと家々から洩れ聞こえる談笑だけが降り注ぐ、そんな静けさの中にデュークは在った。 屋敷に戻ったところで食事をする気も起きず、使用人には体調の不良だけを告げた。本当は意識も足取りも薄情なほどにしっかりとしたものではあったが、今養父母と顔を付き合わせたところで上手く噛み合う会話など出来そうになかった。その程度にはデュークは疲弊を自覚していたし、また自己分析が出来る冷静さもあったので、そう思うとまた知人一人死んだ後だというのに何て自分は酷薄で打算的なのだろう、と笑みすら浮かんだ。 部屋に戻り、湯を使うと一日の疲れは幾分も和らいだ。洗面所には精油の小瓶が置かれていたが、デュークがその蓋を開けたことはない。透明な容器の中の液体は、誰に使われるわけでもなく無為に蒸発していくばかりだ。そのことについてメゾン・クローズの女達に話したこともある。すると彼女達は勿体ないだの、宝の持ち腐れだのと口煩くデュークを責め立てたので、以来屋敷内のことは口にしないことにした。ただ、いつかはこの精油を正しく役立てることの出来るらしい彼女達に譲ってしまおう、と思いはしたものだ。 塗れそぼった髪もそのままに、デュークは緩慢な動作で部屋を見渡した。いつもの部屋だ。デュークの私物とも言える物の何一つない部屋は、不思議に浮ついた頭をゆっくりとだが確実に現実へと引き戻していく。手を付けたことのない本棚の中身や、極力触れないようにしている机の上の細々としたもの、引き出しの中のこと、使われない精油の小瓶、読みかけの借り物の本――そうした諸々をなぞり、そこに何一つ自分のものがないことにデュークは安堵した。そして最後に、天井の隅から少しずつ広がっていくシミを思う。それで終わりだ。終わりの筈だった。床の上に点々と脱ぎ散らかした衣服に目を落としたその時に、煙草の箱を見留める。この部屋に在って唯一、与えられるでなくデュークの意思で以って持ち込まれた私物だ。その傍らに、落ちたデュークの物でない借り物の帽子に視線は釘付けになる。私物など皆無に等しいこの部屋において「他者の物」と括ってしまえるだろうその薄汚れた帽子に、デュークは急に先程までの熱病に侵されたかのような浮つきとは真逆の、けれど言い知れない底冷えにも似た不安を覚えた。その感覚を、デュークは知っている。知っていた筈だ。 手繰り寄せようとした感覚は記憶の海に沈んでから久しく、それでも尚デュークは帽子を凝視したまま思考を巡らせ続ける。何としてでも思い出さなければならない――そんな強迫観念にも似た落ち着きのさを覚えた。だから、デュークの思考が中断されたのは自発的なものでなく、外部から干渉を受けた為だ。 四回、丁寧に扉を叩く音がする。弾かれたようにデュークは顔を上げ、それから反射的に床の上の帽子を拾い上げる。そのままの勢いで脱ぎ散らかした衣服を掻き集めながら扉の向こうへと声を返した。 「ゴードン、具合が優れないと聞いたのだけれど大丈夫?」 養母だ。その声は我が子を案じる母親そのものの調子で、他意を感じさせはしない。だから余計にデュークは、今一番聞きたくない声だ、とも思った。 丸めた汚れ物の中に帽子を押し込み、寝台脇に投げる。備え付けのクローゼットからいつの間にか補充されている清潔な衣服を無作為に選び取り手早く身に付けると、漸くデュークは養母を迎えるべくドアノブへと手を掛けた。 「お待たせしてすみません。私なら問題ありません、お母さん」 開いた扉の隙間から先ず覗いたのは息子の不調を心底案じる母親の顔で、次いで目が合うと安堵からか養母は硬かった表情を崩し、少女のように笑った。帰りも遅かったようだし、食事にも顔を出さないから心配していたの、と言う彼女にデュークはそこでやっと、外で食べてきた、と言ってしまえばいいだけの話だったのだと思い当たり出掛かった舌打ちを口元を覆うことで誤魔化した。 「お父さまは放っておけと仰っていたのだけれど、それではあまりにもゴードンが可哀想。だって貴方は、まだこんなにも小さいんですもの。お父さまは厳し過ぎるのだわ」 彼女の細く華奢な指先がデュークの頬を辿り、そのまま幼子をあやすような手つきで背中に腕を回される。ただ、成人男子の平均よりやや高めの身長を持つデュークの背中に腕を回すとなると、小柄な養母は半ば背伸びをし縋るような格好になってしまった。それでも彼女にとってデュークは「小さなゴードン」以外の何ものでもなく、その事実に対してデュークもまた思うところは何もない。ただ、手入れの行き届いた養母の髪から漂う甘い香りが鼻腔をくすぐり、それが花や石鹸といった類いのものでなく彼女が「息子の為」に焼く菓子の匂いだとそう意識された途端、デュークは縋る女の身体を丁寧に押し遣った。 「ゴードン?」 訝しげな彼女の視線を避けるように、デュークは顔を反らす。大丈夫です平気です問題ありません、その何れかの語を唱えようとして、声にはならずに口を覆った。飲み下した傍から胃液が迫り上げる感覚に、口元を覆う手の力が強まる。 「ゴードン、貴方……」 「……大丈夫、です。本当に」 そう絞り出して言うのが限界だった。 デュークは養母の肩を極力丁寧に、しかしはっきりと拒絶の意を示して押し遣ると扉を閉め、鍵を掛けた。扉の向こうからはデュークのものでない名前でデュークを呼ぶ声がする。その声に応えるだけの余裕は最早なく、また己のものでない名前を呼び続けられる異質さを気に留めることすら出来ず、デュークはバスルームに駆け込んだ。 浴槽の脇に備え付けられた便器を抱え込むようにして蹲ると、迫り上げる衝動に任せて胃の内容物を吐き出す。胃液に喉が焼ける感触と、唾液が鼻に回る感覚とに、目の前が薄ら白く染まった。胃の中身を全て吐き出しても嘔吐感は収まらず、透明な胃液ばかりをデュークはその後も吐き続けた。 半ば意識も薄れかけ、衝動に任せて抱え込んだ便器に胃液を垂れ流す中、脳裏に浮かんだのは養母の顔でもなければ、引き裂かれて死んだ幼馴染みの肢体でもなく、況して十数年ぶりに再会した男の姿でもかった。陽の沈みかけた色味の薄い青空と、一日の終わりを名残惜しむように鳴く周期蝉の鳴く声が、目蓋の裏と耳の奥とで頼りなく甦る。男に手を引かれ、帝都への道を歩いた。 そんな些細な情景を鮮明に覚えている自分に呆れ、それから空の手の平を握ると、デュークは口の端を吊り上げ意識を手放した。完全に意識がなくなるその瞬間、何故かデュークは手を繋いで歩いた男に、文句を言いたくなった。手放して棄ててしまうのなら、最初から手の平のぬくもりなどくれてくれるな、と思ってしまった。 一日の始まりは最悪だった。 先ず、意識を手放した最後の記憶をそのままに、デュークはバスルームで目覚めた。頬に感じる床の冷たさと、異様な姿勢で眠った為に痺れる手足に舌打ちしながらデュークは上体を起こしに掛かる。吐き出したものは便器に溜まったまま、一晩中悪臭を放っていたらしい。一瞥してから水で流し、口の周りに付着したままだった吐瀉物を手の平で拭った。蛇口を捻り手をすすぐと、洗面器に水を張って顔を洗うと拡散していた意識が少しずつまとまっていく気がした。今更ながらに彼女が、ロクサーヌが死んだのだとそう、現実味を帯びて自覚に至った。だが、思考は自覚に至るだけで、そこに付随する筈の嘆きも憤りもデュークに喚起させることはなかった。その事実を、デュークは何故か少し残念に思いながら首を傾けた。 いつまでもバスルームに閉じこもっているわけにいかず、デュークは手早く顔に剃刀を当ててしまうと部屋に戻った。ダイレクトに足の裏へと伝わる石の床の冷たさに、履き物を履いていないことに思い当たる。部屋の中を見渡すと、寝台から少し離れたところに左右ばらばらに脱ぎ散らしたブーツを見留め、次に寝台の脇に綺麗に揃えて置かれた室内履きの靴を見付けた。だからデュークは昨夜、あれからこの部屋に入った者が居なかったのだとそう判断し、窓際に程近く寝台を挟み、扉側からでは死角にあたる方へと歩いて行った。揃えて置かれた靴を素通りし、窓を開けると熱気と共に乾いた風が部屋の中に吹き込んできた。まとわりつくカーテンを脇へ退け、腰を屈めると丸められた衣服へと手を伸ばす。一緒くたに丸め込まれた帽子を取出し、窓際のサイドテーブルへと放ると、デュークは身なりと衣服とをそこそこに整えてから漸くブーツを履き込んだ。部屋履きにしなかったのはサイドテーブルに置かれた時計の示す時間から、部屋で長居をしている暇は無さそうだと踏んだからだ。斯くしてデュークの投げ遣りな見当は的中しノックの後、扉一枚隔てた向こうから名前を呼ばれた。その声が使用人の声であることに安堵する自分がおかしく思え、デュークは笑みを噛み殺しながらドアノブへと手を伸ばした。 使用人の伝えた内容は至って簡潔なもので、デュークに客人があったことを報せるものだった。今は応接室に通され、「旦那様」――つまりはこの屋敷の主である養父が対応している、とのことだ。身支度は殆んど済んでいたので、デュークもまた客人が通されたという応接室へと足早に向かった。 昨日の今日だったので自分を訪ねてきた、という客人にデュークは心当たりがあった。早ければ昼、遅くても明後日には来るだろう、と踏んでいたデュークは職務怠慢で有名な彼らがこの時間にやって来たことは快挙だな、と思いながら応接室の扉を開けた。中には車椅子に座ったこの屋敷の主である養父と、ソファに座る二人の騎士とが居た。一人はフルフェイスで顔は見えず、もう一人は褪せたブルネットとエフミドの丘から見下ろした海の色に似た眼の、デュークとそう歳の差のなさそうな男だったが見覚えはなかった。 部屋に入るなりソファから立ち上がった二人を片手で制し、デュークも机を挟んだ向かい側のソファへと腰を落ち着ける。机の上には三人分のティーカップが置かれていたが、中身が減っているのは顔を曝している騎士のものだけだった。 客人の用向きは概ねデュークが予想した通り、昨夜売春街で起きた娼婦――ロクサーヌの殺害に関する事柄だった。話をする黒い髪の騎士(話は始終彼がしていたので、フルフェイスの騎士の上官なのかも知れない)の口振りに澱みはなく、養父も口を挟んだり驚きを顔に出す様子がなかったのでデュークが部屋を訪ねる前に既に大まかな話は通ってしまっているのかも知れない。騎士は昨夜、現場付近でデュークの姿が目撃されていると言い、デュークは彼の言葉を否定しなかった。それから、自分がバンタレイの家の養子であることと、娼館で幼少時過ごしたこと、昨日から騎士学校が夏期休暇に入り、昔馴染みである彼女たちを訪ねたのだということを、簡潔に伝えた。 「概ね、事前に仕入れた情報と一致はしていますね」 一通りデュークの言い分を聞き終えた騎士は、特に表情を動かすことなく言った。同意を求めるような内容でもなければ、相槌を打つのも適当ではない気がしたデュークは、ただ黙って視線を騎士から机の上のティーカップへと移した。 「こちらへ来る前に、私どもも聞き込みの真似事は一通り終えていましてね」 そう言って、騎士は「ムーサ・パラディシアカ」の娼婦の名前をあげ、それからボックを奢ってもらった露店商の名前(こちらは聞いても分からなかった)をあげた。 「良かったですね。取り敢えず、娼婦殺しの犯人候補から貴方は外れそうです」 デュークが騎士学校に在籍していることを知っているのか、騎士は気安い調子で笑う。それから、養父の方に向き直り「すみません」、と言いながら頭を掻いた。養父は何も言わす、ただ目を伏せただけだった。 「……もとから、私に疑いなどかけられていなかったのではないですか?」 デュークが声を発すると、養父に向かっていた騎士の視線が引き戻された。 「分かりますか?いえ、全く疑いが掛かっていなかったわけじゃないんですがね。何せ、貴方は被害者の知人だ」 被害者の知人、と騎士はデュークを指して言った。そこには他意はなく、また悪意のようなものも感じては取れなかった。だからデュークは文字通り被害者の知人として、その言葉を肯定し頷いた。ただ、例えば友人であったり、例えば恋人同士であったり、そこに強い絆があっても全てが知人という一言で済まされてしまうのだろうな、と思った。不要なもの、無駄を略いた便利な言葉だ。そうした思いと同じくらい、随分と素っ気ない関係に落ち着いたものだな俺たちは、と死んだ女に言ってやりたくなった。 「今回が初めてではないんです。もう何人も、似たような手口で殺されている」 「だが、下町や売春街での失踪や殺人はそう珍しい話じゃない」 「……そうです。お恥ずかしい話ですが、一部の上の者など見て見ぬふりをする始末です」 有力貴族を筆頭に、上層の腐敗は騎士団にまで及んでいる。今まで黙っていた養父が小さな声で「腐ったものだ」、と呟いた。 「ただ、今回は目撃者が多過ぎる……だから、騎士団が調査に乗り出したということですか?」 「それもありますが、一番はやはり閣下のご意向ですかね」 「騎士団長が?」 「ええ。過去十数年前にまで遡って色々と見直しているようです。するとですね……いや、これ以上はマズイですね、流石に。すみません」 騎士は何か核心に差し迫ることを言い掛けたが、結局それ以上言葉を続けなかった。デュークも養父も、彼らにも守秘義務があるのだろうと察し、深く追求することをしなかった。ただ、騎士が応接室を退出し少し広くなった部屋で天井を見上げながら、騎士団長が上手く真相を明らかにしてくれたのならロクサーヌも浮かばれるのかも知れない、とデュークは思った。或いは、失踪したユーラの行方も知れるものかも知れない。 「……デューク」 養父に名前を呼ばれ、思考は中断された。「何です?」と返すと、黙る子供も堰をきったように泣き出しそうな相貌を歪めに歪め、言った。 「お前が外で何をしようと構わないが、厄介ごとを家に持ち込むな」 今度は返事をしない代わりに、デュークは胸中で養父に罵りの言葉を吐いた。 それから、デュークは少し遅い朝食を摂った。昨日の今日なので胃の不快感は消えなかったが、焼きたての白パンと目玉焼き、ブラック・プディング、焼きトマト、レンズ豆のスープを目の前にすると何の苦もなく口にすることが出来た。養父母は客人が訪ねてくる前に朝食は済ませていたようだが、養母は「息子」と食卓を囲みたいらしくデュークの座る向かい側(彼女の定位置だ)に座り、紅茶を飲んでいた。食事をする息子の姿を見守る彼女の、何処か掴み所を欠いた微笑みはあまりにもいつもの通りだったので、養母の中で昨夜の「息子」の異変はなかったことにされているのだろうな、とデュークは思った。 一通り出されたものを胃に詰め込んでしまうと、待っていたかのように運び込まれた養母の焼き菓子を珈琲で流し入れ、デュークは早々に自分の部屋へと戻って行った。甘いバターとアーモンドの香りが漂っても、昨夜のような吐き気はなかったな、とデュークが思ったのは履いていた靴を脱ぎ捨てて寝台に寝転んだそのときだった。 陽の高くなり始めた外では、一層虫たちが煩く鳴いている。鳥の囀りは、塗り込めるような虫の声の合間に僅かに聞こえる程度だ。今日は暑くなりそうだな、とデュークは思った。 清潔なシーツの上に手足を投げ出すと、不意に節々の痛みが強く意識された。一晩中、変な寝方をしたせいだろう。そこまで考えてから、昨日追いかけた男のことを思い出した。もしかしたら、彼を追う過程で何処か痛めたのかも知れないと思い、すぐにそれはないか、と思い直した。 騎士たちに、デュークは男のことを話さなかった。理由はない。上手く説明出来そうになかったからなのかも知れないし、変な疑いを持たれたくなかったからなのかも知れない。言わずにいたことが良かったのか悪かったのか、それも分からない。ただ、知人とすら形容することの難しい男のことを不用意に話すのは躊躇われた。 知人ですらない、ならばあの男は何なのだろう――そう考えかけて、デュークは不意に奇妙な違和感を覚えた。寝台に寝転んだまま、思わず詰めた息をそろそろと吐き出す。それから、身体は極力動かさずに視線だけを彷徨わせた。特に変わったところはない。それでも明確に覚えた違和感を探る為にデュークは神経を尖らせ、目を凝らし、耳を澄ませながら上体を起こし掛けて、気が付いた。 音がしない。正確には、虫の鳴き声と、合間に聞こえていた筈の鳥の囀りとがやんでいた。代わりに、吠えたてる犬の声が外から幾重にも鮮明にデュークの耳に届き、それを諫める飼い主らしい女の声がした。時計が秒針を刻む音は、部屋の中に滞りなく正確に響いている。外から聞こえる喧騒も、風が木々を揺らす騒めきも、生活音も、何もかもが正常であって、異質だ。 人々の多くは十数年に一度だけ、夏に鳴く虫の声を「雑音」としてしか捉えていない。だから、この異常に気が付いたのはこの帝都において、デュークだけかも知れない。勿論、デューク自身にも確信があるわけではない。ただ、何か、酷く異質なものが付近に在って、周囲はその「何か」に怯え、奇妙な沈黙に沈んでいるのだということは解った。まるで隠す気のない露骨な気配は、周囲を怯えさせると同時に自身の到来を予告しているかのようでもある。 起こし掛けた上体を今度こそ明確に起こし、デュークは迷わず窓辺へと視線を遣った。開け放したままの窓から入る風に、カーテンが揺れている。その絶えず揺れ動く衣由羅の合間に、前触れなく人影が踊った。デュークはそこで、視線を反らす。反らした先には、薄汚れた帽子があった。 「……あれ、寝てた?ごめんごめん」 手を伸ばし、無造作に帽子を掴むと窓辺から声がした。無言で掴んだ帽子を投げて寄越すと、声の主は危なげない手つきで受け取ってみせた。風に揺れる濃いブルネットを受け取ったばかりの帽子の下に押し込め、血管の色の透ける色味の薄い目を細めて笑うその様子に、記憶の中、逆光で顔の知れない、幼いデュークの手を引く男の姿が重なる。 お前は一体何者だ――当たり前の疑問を声に出さず胸中でデュークは呟いた。その声にならなかった疑問に重なるように、窓辺の訪問者が口を開く。 「会いに来たよ、愛しい子(アストロソス)」 ※1) アラン・コルバン著、杉村和子監訳 「娼婦」より 風呂敷を広げるだけ広げたけれど、回収するかどうか予定は未定。。。 (20100531)
https://w.atwiki.jp/kolia/pages/77.html
従軍慰安婦の正体へ戻る 戦前から戦中・戦後まで 明治5年(1872)10月2日 大政官布告第295号『人身売買同様ノ所業ヲ禁シ娼芸妓年季奉公人一切解放』 この布告により、江戸時代から続いた人身売買の慣習を禁じて、娼妓(しょうぎ)を解放しました。※1 ―― ―― やがて、娼妓は建前として、貸座敷業者から部屋を借りて売春を営むようになります。 ―― ―― そして、国際的な世間体のために、国家が関与するのを避けようとして、取り締まりや保護などの細部を地方自治体に委ねました。 ―― ―― その後、終身拘束を無くし、前借金(ぜんしゃくきん)と返済のための年季契約を導入しました。政府は登録・検診による精微な法体系や統制方式を作り上げてゆきます。 ※2 ―― ―― 官として統制しやすいように集娼方式が好まれました。集娼によって娼妓が1つの地域に集まった所を「遊郭」と呼びます。※3 ―― ―― しかし、娼妓が自由を奪われている現状は変わらず、救世軍による廃娼運動が盛り上がりました。 明治33年(1900)10月 内務省令第44号『娼妓取締規則』 全国的な統一基準を制定。この規則によって近代公娼制度の確立となった。前借金が残っていても廃業の自由が認められる、居住・営業場所の制限、検診の義務化、18歳という年齢制限等が定めました。 ―― ―― しかし、必ずしも実態が改善した訳ではありませんでした。年齢制限などは有名無実になります。取り締まりを強化するほど私娼が繁昌し、検診制度の効果を低下させました。 ―― ―― この規則は狭義の娼妓しか対象とせず、地方自治体に委ねた部分が少なくありませんでした。そのため、法の目をかいくぐろうとする売春業者、廃娼運動家、その中で板ばさみになる警察との間で泥沼状態になってゆきます。※4 大正時代(1912~) ―― 酌婦(しゃくふ)といって「料理店で飲酒の接待をする」という建前で売春をする人が出現しました。 昭和時代(1926~) ―― 酌婦は年齢制限がゆるく、前借金が安いので、大正から昭和までに激増しました。 ―― ―― この時期、カフェ・バーの女給やダンサーなどが売春予備軍とされました。実際に娼妓などへ転向した人も少なくなかったのです。 昭和31年(1956)5月24日 法律第18号『売春防止法』 これにより売春は完全に禁止されました。 ※1、吉原の娼妓の事を花魁(おいらん)といいます。 ※2、藤目ゆき助教授(フジメユキじょきょうじゅ)によると、これは欧州の近代公娼制を参考にした物であるといいます。実際にフランスの警察制度を学んだ初代警視総監、川路利良の影響が大きいと評しています。 ※3、散娼と集娼という種類があり、前者は娼妓が個々に諸処へ散在して売淫する、後者は表に書いてある通りです。 ※4、娼妓以外には、芸妓(げいぎ)という「芸を売る」人がいました。実際には娼妓と芸妓を兼務する人が多かった。その人たちは2枚の免許を持つので「2枚鑑札(にまいかんさつ)」と呼ばれました。地方自治体の中にも「芸娼妓取締規則」というように、両者まとめて規則を設けました。 戦後から現在まで 昭和47年(1972) 女性史研究家の山崎朋子が、山崎朋子 著『サンダカン八番娼館 底辺女性史序章』(筑摩書房 刊)を出版する。 海外に渡って娼婦になった日本人の女性たち、「からゆきさん」を取材した書籍。 昭和48年(1973) 千田夏光 著『従軍慰安婦 “声なき女"八万人の告発』(双葉社 刊)が出版される。 「慰安婦」という言葉に勝手に「従軍」などという接頭語をつけたのはこの書籍が初めてであり、この造語の作者が著者、千田夏光である。 昭和49年(1974) 千田夏光 著『従軍慰安婦 続(償われざる女八万人の慟哭)』(双葉社 刊)が出版される。 〃 昭和50年(1975) 禾晴道 著『海軍特別警察隊 アンボン島BC級戦犯の手記』(太平出版社 刊)が出版される。 ―― 昭和51年(1976) 金一勉 著『天皇の軍隊と朝鮮人慰安婦』(三一書房 刊)が出版される。 ―― 昭和52年(1977)3月 吉田清治 著『朝鮮人慰安婦と日本人 元下関労報動員部長の手記』(新人物往来社 刊)が出版される。 労報に入るまでの苦労話と、下関での朝鮮人慰安婦調達に関わる体験談という内容。 12月 金一勉 著『軍隊慰安婦 戦争と人間の記録』(現代史出版会 刊)が出版される。 ―― 昭和53年(1978)12月 山田清吉 著『武漢兵站』(図書出版社 刊)が出版される。 ―― 昭和57年(1982)6月26日 『朝日新聞』が「日本の教科書が『華北への侵略』を『進出』に書き換えさせられた。」と報道する。 この記事を韓国の新聞が引用したときに「中国・韓国への侵略」と勝手に「韓国」を追加して報道した。 9月・11月 第一次サハリン裁判にて、吉田清治氏が済州島(チェジュとう)における朝鮮人の「奴隷狩り」を原告側の証人として証言した。 ―― 昭和58年(1983)7月 吉田清治 著『私の戦争犯罪 朝鮮人強制連行』(三一書房 刊)が出版。 ―― 12月 吉田清治が韓国に謝罪碑を建てるために訪韓する。 天安市の国立墓地に「元労報徴用隊長」の名義で建てた。 昭和59年(1984)5月26日 元慰安婦でタイ在住の朝鮮人が42年ぶりに韓国へ里帰り ―― 昭和60年(1985)8月15日 「かにた婦人の村」(館山)に城田すず子の発意で慰安婦の碑を建立。 『朝日新聞』8月19日付け 昭和62年(1987)2月 ペ=ポンギの一代記である、川田文子 著『赤瓦の家 朝鮮から来た従軍慰安婦』(筑摩書房 刊)が出版。 ―― 昭和63年(1988)2月 韓国女性グループ{尹貞玉(ユン=ジョンオク)ら}の沖縄調査、元慰安婦ペ=ポンギと会見。 ―― 平成元年(1989)5月 朝鮮と朝鮮人に公式謝罪を百人委員会事務局の青柳敦子局員が『朝日ジャーナル』(朝日新聞社 刊)に隔週で15回にわたって意見広告を掲載。 青柳敦子は大分県在住で勤務医を夫に持つ40歳の3児の母親、そして、朝鮮と朝鮮人に公式謝罪を百人委員会の宋斗会代表は在日朝鮮人です。要するに朝鮮人が自ら「私達に謝れ」と、青柳局員を通じて言っているのです。しかも15回にわたって。 8月 吉田清治 著『私の戦争犯罪 朝鮮人強制連行』(三一書房 刊)が韓国にて朝鮮語に翻訳されチョンゲ研究所から出版。 ―― 8月14日 『済州新聞(チェジュしんぶん)』の許栄善記者が吉田清治の著書に関する現地調査をし、そのルポを発表。さらに郷土史家の金奉玉氏が追跡調査した。 これにより、吉田清治の著書がでたらめであると判明した。憤慨した金奉玉はこう言った。「この本は日本人の悪徳ぶりを示す軽薄な商魂の産物と思われる」と。 11月19日 青柳敦子・宋斗会の両氏が韓国において「慰安婦裁判の原告募集というビラをまく。 このビラには「訴訟費用を負担する」という条件が書いてある。ということは「勝訴すれば賠償金をもらえ、敗訴してもリスクはない。」、ノーリスクハイリターンという事になる。 平成2年(1990)1月4~24日 『ハンギョレ新聞』にて、韓国の梨花女子大学の尹貞玉教授が、「“挺身隊”怨念の足跡取材記」を連載。 ―― 3月 ソウルで遺族会とともに説明会 ―― 5月 韓国女性団体、訪日する盧大統領へ補償、謝罪を求める声明を発表 ―― 6月6日 参議院予算委員会において、日本社会党の本岡昭次議員が朝鮮人の強制連行に関する質問をする。 『参議院予算委員会会議録』平成2年6月6日付け 7月10日 韓国において「挺身隊研究会」が決済される。 後の「韓国挺身隊研究所」である。 10月17日 韓国の37の女性団体が当時の海部俊樹総理大臣に公開書簡を送付する。 この書簡には、6項目の要求が書かれていた。 11月16日 韓国において韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)が発足する。 このときから毎週水曜日に慰安婦問題に関してデモを行うようになった。通称「水曜デモ」 平成3年(1991)4月1日 日本社会党の本岡昭次議員が再び質問する。 これに労働省の政府委員は「手がかりになる資料がない」という旨の答弁をする。 4月24日 在ソウル日本大使館が挺隊協の尹貞玉(ユン=ジョンオク)代表を呼び、「6項目の要求を拒否」を回答する。 ―― 5月22日 『朝日新聞』大阪版にて「木剣ふるい無理やり動員」という見出しで記事が掲載される。 内容は、吉田清治の慰安婦狩りの証言と、それに関する写真を掲載した。 8月11日 『朝日新聞』ソウル支局の植村隆記者が「元従軍慰安婦 戦後半世紀重い口開く」との見出しで記事を掲載する。 ―― 8月14日 元慰安婦とされる金学順(キム=ハクスン)氏が記者会見を開く。 ―― 8月15日 『ハンギョレ新聞』の報道により、金学順(キム=ハクスン)が「親に売り飛ばされた」と証言していた事が発覚する。 ―― 10月10日 『朝日新聞』大阪版が井上祐雅編集委員による吉田清治のインタビューを掲載する。 ―― 12月6日 金学順(キム=ハクスン)ら3名の元慰安婦を含む32人の原告が日本政府を相手取り東京地方裁判所へ提訴する。 このときの原告の主任弁護士は高木健一弁護士である。 12月末~年始 中央大学の吉見義明教授が防衛庁防衛研究所図書館に行って慰安所関係を中心に資料を探す。同じ頃、千葉大学の秦郁彦教授は旧知の吉見教授から「資料の発見」と「近く新聞に出る」という事を聞いていた。 吉見が『世界』1992年3月号 (岩波書店 刊)にこの「資料発見の経緯」を載せた。 平成4年(1992)1月11日 『朝日新聞』朝刊の1面にて、辰濃哲郎記者が「慰安所、軍関与示す資料」という見出しで報じる。 辰濃記者が吉見教授から情報を入手したのは12月24日ごろなので、2週間以上も寝かされていたと思われる。 〃 韓国の報道機関が『朝日新聞』から引用して報道する。 『朝日新聞』夕刊より引用。 〃 韓国の当時の李相玉外相が韓国記者らに語る。 「韓日首脳会談では元従軍慰安婦問題に関する日本側の適切な立場表明があると考えている(後略)」『朝日新聞』夕刊より引用。 1月12日 朝日新聞社が朝刊に「歴史から目をそむけまい」と題した社説を載せる。 「16日からの宮沢首相の訪韓では……前向きの姿勢を望みたい」 1月13日 当時の加藤紘一官房長官が談話を発表。 通称「加藤談話」。これは事実調査をせぬままに『お詫びと反省』という内容を盛り込んでしまった談話であった。 〃 英字新聞『Japan Times』が当時の外務省の渡辺美智雄大臣の発言を誇張させて報道する。 11日夜のTV番組で「50年以上前の話、はっきり証拠ない」「何らかの関与は認めざるを得ない」という旨の発言をしたが、記事では「この発言は政治家が『日本軍がWWⅡ中に何10万人ものアジア人に対する強制売春に加担した』と初めて認めた」と、『朝日新聞』にさえ書いてないような事を付け加えた。 1月14日 韓国のマスコミが、「国民学校の生徒まで慰安婦にさせた」などと報道した。 これは慰安婦と挺身隊の混同による誤報である。挺身隊を“勤労動員した”と書いたのが原因と思われる。 1月16日 当時の故宮澤喜一総理大臣が韓国を訪問する。11日の『朝日新聞』の報道の影響により、反日デモのお出迎え。首脳会談では8回謝罪し、「真相究明」を約束した。 本来なら「真相究明」をしてから、謝罪するのかしないのかを決めるべきでしょう。有罪か無罪かも分からぬまま謝罪するなどという蛮行を行ったのが、故宮澤喜1である。 1月23日 『朝日新聞』夕刊「窓」欄のインタビューにて、吉田清治氏が「強制連行した女性はすくなくみても950人」と発言 ―― 2月17日 日本弁護士連合会(日弁連)の戸塚悦郎弁護士が、国連人権委員会において、慰安婦問題を人道上の罪だとして国連の介入を求める。 ―― 5月25日 『朝日新聞』が吉田清治氏が韓国に「謝罪の旅」に出る予定と紹介する。 ―― 5月 『正論』6月号(扶桑社 刊)で、秦郁彦教授が済州島での実地調査を発表する。 これにより、吉田清治氏の嘘が暴かれた。 7月6日 日本政府が吉見義明教授の資料発見を受けて行った慰安婦問題に関する調査結果を発表する。100を超える関係資料を公開した。 内閣官房の加藤紘一長官は「強制連行の資料はなかったが、慰安所の設置や運営監督に政府が関与していた」ことをはじめて公式に認める。 7月31日 韓国政府が『日帝下の軍隊慰安婦実態調査中間報告書』で「日本政府による慰安婦の威圧的連行があった」と主張する。 ―― 8月12日 吉田清治氏が訪韓する。金学順(キム=ハクスン)に頭を下げて謝罪する。 ―― 12月 吉見義明 編・解説 『従軍慰安婦資料集』(大月書店 刊)が出版される。 このときから「広義の強制」という言葉がでてきた。 12月 『週刊新潮』(新潮社 刊)に吉田清治氏のコメントが載る。 吉田氏「私が書いた事は全部事実」 12月25日 韓国釜山市などの元慰安婦ら10名が、日本政府に公式謝罪と賠償を求めて山口地方裁判所に提訴する ―― 平成5年(1993)2月1日 韓国挺身隊問題対策協議会、挺身隊研究会「強制連行された朝鮮人『慰安婦』たち」が刊行される。 この本の日本語版は10月に、韓国挺身隊問題対策協議会・挺身隊研究会 編、従軍慰安婦問題ウリヨソンネットワーク 訳『証言-強制連行された朝鮮人軍慰安婦たち』として出版された。 2月 『現代コリア』2~3月号(現代コリア研究所 刊)で、現代史研究家、加藤雅夫氏が、千田夏光 著 講談社文庫『従軍慰安婦』(講談社 刊)の中の嘘を暴露する。 この本は千田夏光 著『従軍慰安婦』(双葉社 刊)の文庫版である。千田を問い詰めたところ、「従軍慰安婦」という言葉は千田が勝手に作ったものであり、内容も島田俊彦 著 中公新書『関東軍 在満陸軍の独走』(中央公論社 刊)を参考にしたもので、直接取材はしていない事が判明した。 2月 ソウル大学の安乗直教授ら「挺身隊研究会」が慰安婦40数人に本格的な聞き取り調査をする。 ―― 3月29日 韓国政府が国内の元慰安婦約135名に対して約74万円の支給などの支援策を発表する。また、日本の教科書に慰安婦に関した記述をするように求める。 ―― 4月2日 フィリピンの19人の元慰安婦らが日本政府の謝罪と保証を求めて東京地裁に提訴する。 原告は、最終的には46名となる。 4月5日 元慰安婦の宋神道が、「7年間も従軍慰安婦とされ、肉体的精神的苦痛を受けた。」として、日本政府を相手取り東京地裁に提訴する。 ―― 6月310日 高校日本史の検定済み教科書7社9種類すべてに、従軍慰安婦に関する記述が掲載される事が判明する。 ―― 6月11日 韓国は「日帝下日本軍慰安婦に対する生活安定支援法」を制定する。同年8月から元「慰安婦」に一時金、生活費の支給を行う。 ―― 8月4日 日本政府が「慰安婦問題に関する第二次調査報告結果」を公表する。それに関連し、当時の河野洋平官房長官が日本軍の強制連行を認める、いわゆる「河野談話」を発表する。 河野談話の全文と解説は河野談話を参照してください。 月日不明 高木健一弁護士ら、13人の弁護士がインドネシアの地元紙に「日本政府に対して保証を求める裁判のために元慰安婦は名乗り出て欲しい」という内容の広告を出す。 ―― 平成6年(1994)5月3日 当時の法務省の永野茂門大臣が記者会見で、「慰安婦は当時の公娼であって、それを今の目から女性蔑視とか、韓国人差別とかは言えない」と述べ、中国、韓国を初め、アジア諸国の激しい反発を招く。4日後、永野大臣は謝罪し、就任からわずか10日で引責辞任した。 ―― 8月31日 日本社会党の村山富一総理大臣が、「平和友好交流計画」に関する談話の中で、従軍慰安婦について謝罪した。 ―― 11月23日 「国際法律家委員会」が、「慰安婦被害者には個人補償請求権がある」とする報告書を発表した。 ―― 平成6年(1995)1月 『週刊新潮』1月5日号(新潮社 刊)が、吉田清治氏の証言は事実無根である事が判明したとの記事を掲載した。 ―― 1月24日 日本弁護士連合会(日弁連)が「従軍慰安婦問題に関する提言」を政府に提出。立法措置などにより、元慰安婦らに補償するよう求める。 ―― 7月19日 日本政府の主導で「財団法人 女性のためのアジア平和国民基金」が発足する。 ―― 8月15日 日本社会党の村山富一総理大臣が、いわゆる「村山談話」発表する。 ―― 8月22日 韓国で、元「慰安婦」および支援35団体が、「民間基金構想撤回と被害者個人への謝罪と補償を求める共同声明」を発表する。 ―― 平成7年(1996)4月19日 スイスのジュネーヴで開かれた国際連合人権委員会で、女性のクマラスワミ特別質問者が「女性への暴力特別報告(通称 クマラスワミ報告書)」と題する報告書を提出する。 付属文書で「慰安婦」を「性的奴隷」と規定し、日本の行為を「『人道に対する罪』、奴隷制度を禁じた国際慣習法に違反する」と断定。採択はされるが、評価基準は最下であった。 5月 『週刊新潮』5月2日号(新潮社 刊)で、でのインタビューで、吉田清治は著書の記述に一部創作があったと認める。 ―― 6月4日 元法務大臣で自民党の奥野誠亮議員が「従軍記者や従軍看護婦はいたが、『従軍』慰安婦はいない。強制連行はなかった。」と発言した。韓国人元慰安婦(73歳)が参議院で自民党の板垣正議員と面会。「1部の日本人が強制がなかったとか妄言を吐く」と訴える。対価としてお金をもらっていないとの元慰安婦の話に板垣は「そういう例があったとはまったく信じられない」と疑問を呈した。 ―― 6月末 当時の故橋下龍太郎総理大臣が韓国の金泳三大統領との首脳会談後、慰安婦問題を謝罪した。 ―― 6月27日 教科書を発行する7社が一斉に「強制連行の一環として「慰安婦」問題を掲載したと判明する。 ―― 8月 『SAPIO』8月7日~2月26日号(小学館 刊)内、小林よしのり 著『新・ゴーマニズム宣言』にて、慰安婦問題を取り上げる。 ―― 9月20日 日本を守る国民会議が、教科書からの「慰安婦」関連記述の削除を求めて、1ヵ月の全国縦断キャラバンを開始した。 ―― 12月2日 藤岡信勝、西尾幹二、小林よしのり、坂本多加雄、高橋史郎ら9名の呼びかけで「新しい歴史教科書をつくる会(つくる会)」が結成される。 ―― 平成9年(1997)1月31日 『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)で吉見義明教授が「植民地での奴隷狩り的強制連行と挺身隊が慰安婦にさせられた例は確認されていない」ことを認める。 ―― 1月310日 「つくる会」が文部省の小杉隆文大臣に教科書の慰安婦についての記述の削除を申し入れる。 ―― 2月27日 当時の安倍晋三議員の主導で「日本の前述と歴史教育を考える若手議員の会」が結成される。 ―― 3月9日 元内閣官房副長官の石原信雄氏が『産経新聞』のインタビューで、日本側のデータには強制連行を裏付けるものはなかったことなど『河野談話』発表に至る経緯を明かす。 元官房長官の河野洋平は、『産経新聞』のインタビューを断ったが、3月末の『朝日新聞』のインタビューには応じた。 3月10日 櫻井よしこ氏が『文藝春秋』4月号(文藝春秋 刊)の「密約外交の代償」と題する論文で、証拠に基づかずに、政治的判断・妥協で強制連行を認めた政府の外交を批判した。 ―― 3月12日 内閣官房内閣外政審議室の平林博室長は、参議院予算委員会で「政府の発見した資料の中には強制連行を直接示す記述は見当たらなかったが、総合的な調査の結果についての総合判断により、一定の強制性を認めた」旨の答弁をする。 ―― 3月31日 『朝日新聞』が吉田清治氏の証言に関し、「真偽は確認できない」と掲載した。元官房長官の河野洋平氏のインタビューも掲載した。 自分から火に油を注いでおいて、あまりにも無責任ではないだろうか。 4月 平成3年度用社会科教科書の検定に合格した7種すべてに慰安婦に関する記述があることが判明した。 ―― 5月 中学校教科書の慰安婦の記述削除を求める請願が各地の地方議会で相次ぐ ―― 6月17日 河野洋平氏が「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」主催の講演で「強制連行をしたという資料はなかったことは事実。しかし資料がなかったからと言って(強制連行も)なかったと決められるかどうか」と発言した。 「真実は神のみぞ知る」。たしかに資料がなかったからといって、強制連行が無かったとは必ずしも言えない。しかし、人間は神ではない。資料や裏づけのある証言がすべてである。資料がないのに何でも分かるのならば、「どこに邪馬台国があったか」なんかでもめるはずが無い。 平成10年(1998)4月27日 元慰安婦3人と元挺身隊員7人の計10人の韓国人女性が日本政府に総額5億6千4百万円の損害賠償と公式謝罪を求めた訴訟(通称、関釜裁判)で初の司法判断(河野談話が強制連行の証拠と認定されるが、最終的には慰安婦側の敗訴が確定) ―― 7月31日 農林水産省の中川昭一大臣が就任直後に「中学校の教科書に従軍慰安婦の記載があるのは疑問」と述べ、中韓からの反発。翌日撤回 ―― 8月 国連人権委員会差別防止・少数者保護小委員会で、「マクドガル報告書」が採択された。 ―― 8月 韓国で「日本軍慰安婦歴史館」が開館した。 ―― 8月4日 『読売新聞』が「『慰安婦』問題をもてあそぶな」と題した社説で『朝日新聞』を暗に批判した。 ―― 8月11日 『読売新聞』が「国連の権威損なう『慰安婦』報告」と題し、慰安婦強制連行説を捏造した者とそれを追認した『河野談話』を厳しく批判した。 ―― 9月2日 秦郁彦教授が吉田清治氏に電話する。「著書は小説だった」という声明を出したらどうかと進めたら、「人権屋に利用された私が悪かった」とは述べたが、「私にもプライドはあるし、85歳になっても今さら……このままにしておきましょう」との返事。 ―― 10月 『諸君!』11月号(文藝春秋 刊)において、秦郁彦教授が吉田清治氏本人が自著をフィクションであることを認めたと述べる。 ―― 11月 改訂版として出版された新村出 編『広辞苑』第五版(岩波書店 刊)に、初めて「従軍慰安婦」の語が収録される。 ―― 平成12年(2000)4月 『戦時性的強制被害者問題解決促進法案』を野党が参議院に提出した。 ―― 12月8日から12日 VAWW-NETジャパンを初め、日本とアジアの非政府組織(NGO)が東京にて女性国際戦犯法廷を開いた。 ―― 3月1日 『読売新聞』が社説で慰安婦問題は捏造であると指摘した。 ―― 5月8日 韓国政府が日本政府に対してつくる会の中学校の歴史教科書などの記述修正を要求した。 ―― 5月16日 中国政府が日本政府に対し、つくる会の歴史教科書の8項目について記述修正を要求する。 ―― 7月9日 文部科学省が韓国・中国政府の修正要求に対して、つくる会の歴史教科書に対する訂正は求めない方針を示す。 ―― 7月 VAWW-NETジャパンが「女性国際戦犯法廷」のNHKの番組編集に不満、提訴した。 ―― 平成14年(2002)1月 アメリカとイギリスで田中ユキ 著「Japan s Comfort Women」という英文の書が出版される。 田中ユキは正体不明である。 2月23日 韓国女性省が、慰安婦問題に関して教育に力を入れる方針を発表した。 ―― 2月24日 「東アジアの平和と人権」国際シンポジウム(朝日新聞社 後援)で金貴玉教授が、朝鮮戦争時の韓国軍にも慰安婦制度があったと発表した。 ―― 3月218日 在日韓国人で唯一元慰安婦であると名乗り出た宋神道(80歳)が日本政府を相手取り、謝罪と賠償を求めていた訴訟で敗訴が確定する。 ―― 平成15年(2003)1月31日 民主党の岡崎トミ子議員らが「戦時性的強制被害者問題解決促進法案」を参議院に再度提出する。 ―― 2月12日 日本の国会議員が挺身隊集会に初参加と中央日報が報じる。参加したのは岡崎トミ子議員、当時の田嶋陽子議員など ―― 3月24日 「関釜裁判」の上告が棄却され、慰安婦側の敗訴が確定した。 ―― 9月2日 ソウル大学経済学部の李栄薫教授が、慰安婦を売春業になぞらえたような発言で、韓国で批判される。 ―― 11月27日 文部科学省の中山成彬大臣が歴史教科書について「やっと最近、従軍慰安婦とか強制連行といった言葉が減ってきて本当に良かった」と述べ、反発を招く。 ―― 12月 金完燮(キム=ワンソプ)氏が平成8年に19万部のベストセラーとなった「娼婦論」に慰安婦制度を肯定する最終章を加えた日本語版、金完燮 著『娼婦論』(日本文芸社 刊)を出版した。 「日本軍用女性性奴隷」という用語は、「日本の国家的イメージを失墜させようとする意図が見え隠れする」と指摘した。 平成17年(2005)1月12日 『朝日新聞』が「安倍、中川両氏がVAWW-NETジャパン主催の『女性国際戦犯法廷』NHKの番組改編に圧力」と報じる。 ―― 4月6日 中学歴史教科書では、「慰安婦」の記載は申請段階で帝国書院1社となる。 ―― 6月12日 中山成彬大臣が「従軍慰安婦という言葉は当時無かった」と発言し、韓国から反発を招く。 ―― 8月10日 第2次世界大戦終結60周年世界60都市同時集会・デモが、東京、ソウル、マニラ、サンフランシスコなどで開かれ、日本政府に対し、国連勧告に従い元「慰安婦」への賠償を訴える。「アムネスティ=インターナショナル」が、「水曜デモ」を機に、慰安婦とその支援者らに賛同することを発表する。 ―― 平成18年(2006)4月10日 アメリカの合衆国代議院(アメリカ下院)の対日非難決議案を審議する際の資料とされた同議会の調査局の報告書に「日本軍による女性の強制徴用」の有力根拠として、「吉田清治の証言」が明記されている事が判明した。 ―― 9月13日 アメリカ下院国際関係委員会が「慰安婦問題」で日本政府を非難する決議案を議決 ―― 10月5日 安倍晋三首相が「河野談話」を「私の内閣で変更するものではない」とし、政府として引き継いでいく事を明言する。 ―― 10月25日 内閣官房の下村博文副長官が講演で、「河野談話」について、「もう少し事実関係をよく研究し、客観的に科学的な知識を収集し考えるべきだ」と述べる。 ―― 平成19年(2007)1月31日 アメリカにて、民主党のマイク=ホンダ議員ら6人の民主党の下院議員が共同署名で慰安婦問題に関する対日非難決議案を提出する。 ―― 2月15日 下院外交委員会アジア太平洋・地球環境小委員会における公聴会で、李容洙、金君子、ジャン=ラフ=オハーンの3人の元慰安婦が証言した。 ―― 2月19日 当時の外務省の麻生太郎大臣が慰安婦をめぐる対日非難決議案に対して不快感を表明した。 ―― 2月25日 『報道2001』(フジテレビ)でマイク=ホンダ議員は、強制連行があった根拠を「被害者の証言」や「アジア女性基金による支援」、「河野談話」、「総理の謝罪」と主張した。 ―― 3月1日 自民党の「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」が「慰安婦に対して、日本軍の強制連行はなかった」との見解を表明した。安倍晋三首相が「河野談話」に関する記者の質問に対して「旧日本軍の強制性を裏付ける証言は存在していない」と語り、国内外から波紋を呼ぶ。 ―― 3月5日 安倍晋三首相が、「(アメリカ下院)決議案は客観的事実に基づいていない」、「決議があっても謝罪する事は無い」と答弁した。 ―― 3月11日 当時の麻生太郎大臣が対日非難決議案について「日米(関係)を離間させる有効な手段だ」と発言した。 ―― 3月16日 日本政府は「政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示す記述は見当たらなかった」とする答弁書を出す。 ―― 3月23日 元首相で元海軍将校だった中曽根康弘氏がボルネオ島で「慰安所」を設営したと回顧録で述べていることに対し、外国人ジャーナリストらが追及する。 ―― 3月24日 『ワシントン=ポスト』が「安倍晋三の2枚舌(Shinzo Abe s Double Talk)」と題する社説を掲載した。 ―― 3月28日 アメリカで最も使われている歴史教科書「伝統と出会い 過去に対する世界的展望」に、日本軍が当時、最大30万人に達する女性たちを慰安婦として強制連行したとの記述があることが判明した ―― 3月31日 元従軍慰安婦への償い事業を12年間行ってきた「アジア女性基金」が解散する。国民の浄財5億円が集められ、15年間で40億円の事務費は税金から支払われた。 ―― 3月31日 『ニューヨーク=タイムズ』が国際面の1ページを使って吉見義明のインタビューを掲載した。 ―― 4月3日 アメリカ議会調査局の専門家らが「日本軍の『慰安婦』システム」と題する、議員の審議用資料の報告書を作成した。 ―― 4月17日 関東学院大学の林博史教授が外国特派員協会における記者会見にて、「従軍慰安婦」問題に関する新資料7点を発表。戦後の東京裁判でオランダ、フランス、中国の検察団が提出した尋問調書や陳述書が旧日本軍が強制連行し、性行為を強要したことを示していることを指摘した。 ―― 4月26日 『ワシントン=ポスト』が「慰安婦問題ワシントン連合」(徐玉子会長)をはじめとする在米韓国人団体の「慰安婦の真実」と題した全面広告を掲載した。「日本はこの犯罪に全面的な責任を取ったことは1度も無い」と非難し、慰安婦問題に関し日本政府の謝罪を求める下院対日決議案の採択を求める。 ―― 4月27日 総理として初訪米した安倍晋三首相はブッシュ大統領との会談と連邦議会における上下両院幹部との階段で、元慰安婦らに対する同情とお詫びを表明。幹部との会談では自ら「せっかくの機会なので一言、念のために申し上げたい。私の真意や発言が正しく伝わっていない。」と発言。これを受けて日系のダニエル・イノウエ上院議員は「残念なのは慰安婦問題をめぐる米国内の動きだ。これまで7人の首相が謝罪しているのにもかかわらず、こういうことが今後も続くのかと思うと、疑問を感じる」と発言した。 ―― 6月14日 作曲家のすぎやまこういち氏らが従軍慰安婦に関する意見広告を『ワシントン・ポスト』に掲載した。 ―― 6月26日 アメリカ下院の「慰安婦決議案」が外交委員会で可決された。 ―― 7月31 アメリカ下院の「慰安婦決議案」が本会議で可決された。 この日の決議は、手続きを簡略化し、下院(定数435)の定足数(218)未満でも審議できる「議事規則の適用停止」が適用された。実際に出席した議員は10人で、発声による投票で異議は出されず、議長が可決と認定した。
https://w.atwiki.jp/buta_mane/pages/24.html
編集ルール的なもの 新しい行を追加するときはどこかの行の編集を押してもらって『新しい行として追加』にチェックを入れて更新を押してください。上書き防止のため、編集前にチェックを入れとくといいと思います。 わかる範囲の加筆をお願いします。わからない場合は空白でOK。シーン数など曖昧でも後からちゃんとわかる方が直してくれると思うので、大胆に記入していいと思います。 ダウンロード版とパッケージ版で発売日が違うものは一番早いものを表記。 一つの作品で複数の声優が豚マネをしている場合、色は指定しませんのでキャラ名とCVの色を同じにして頂けると幸いです。 シーン概要や備考の欄は特に書き方は決まってないのでわかるように書いて貰えればなんでもいいです。 作品タイトル ブランド 発売日 キャラ名 CV 鼻を鳴らしているか シーン数 シーン概要や備考 編集 巨根で種付け牧場になる町~名門母娘たちを片っぱしから孕ま征服!街そこそこの牝穴が俺の家畜になりたがる!~ Miel 14/07/25 藤島咲姫藤島あやめ 今谷皆美美美月華恋 あり 7 ①咲姫を巨根でハメ堕とす!②あやめを巨根でハメ堕とす!③あやめと咲姫の豚親子を受精孕ませ!④あやめを繁殖家畜豚扱いで繁殖ハメ!⑤咲姫を牝豚がに股ダンスで受精ハメ!⑥孕み豚母娘、あやめと咲姫を家畜ハメ!⑦臨月牝家畜達を侍らせ種付けパレード!・声優名は公式未発表・⑦はあやめの豚マネで短め・鼻鳴らしは咲姫のみ 編集 淫堕の姫騎士ジャンヌ2~美姫転生~2つの世界でオーガの仔種を注がれ続ける物語~ catwalk 13/08/30 アナスタシア・ジゼェル 韮井叶 四つんばいにされてブヒブヒ鳴きながら豚の嫁宣言 編集 SEXティーチャー剛史~純情乙女が濡らしちゃう秘密の性感授業~ シルキーズ 13/11/29 清泉愛純 東かりん なし 1 ①校外実習2・鼻フックありだがボリュームは少な目 編集 魔法少女ルキフェル桜花 BLACK LILITH 12/09/20 リナリア=フェーデルハイド 蒼桐かこ なし 鼻フック豚マネ 編集 VenusBloodHYPNO DualTail 14/11/28 シルヴィア・ハマルティアアノーラ・アルクノアジュリア・フォン・アークロンドリーゼ・フォン・アークロンド 御苑生メイ青葉りんごヒマリ星空ユメ シルヴィア、アノーラ、ジュリア、リーゼの4人が鳴らしてる 編集 えろげー! ~Hもゲームも開発三昧~ CLOCKUP 10/06/25 姫乃きさら サトウユキ あり 鼻フックシーンのBGVで鳴らしてる、セリフには良いのなし 編集 VenusBloodGAIA DualTail 13/11/29 メアリー・ドレーク 柚木サチ 編集 超昂天使エスカレイヤー・リブート ALICESOFT 14/07/25 エスカレイヤー 鷹月さくら なし 公式のCG欄の怪人敗北Hの一番後ろにサンプルがある 編集 沈黙の女学園~阿鼻叫喚の肉欲の宴は終わりを見せるのか~ ANIM 12/12/28 藤原莉奈 渋谷ひめ なし 1 ①抗う莉奈・鼻フックあり・そんなにセリフが多いわけではない 編集 DropOut 巨乳露出調教学園 アトリエさくら 露出遊戯 12/12/28 早乙女静香 南沙耶 なし 1 ①フェラチオ・鼻フックあり・セリフ短め抵抗ありで無理矢理言わされている感じ 編集 墜落人生 ~清楚お嬢様のヤクキメタコ部屋売春ライフ~ ピンポイント 14/11/28 四ノ宮真由美本条藍子 和葉こたつみやこ あり 2 ①藍子のゲロマチオ②売春彼女・①も②も鼻フックありでそれぞれ藍子のみ、真由美のみのシーン・①は短め・鼻を鳴らしているのは藍子のみ 編集 駄作 CYCLET 14/11/28 凛藤華愛美 木多野あり 編集 監獄戦艦3 ~熱砂の洗脳航路~ ANIME LiLiTH 13/12/25 ベアトリス・クシャナキラ・クシャナ 有賀桃片倉ひな なし 3 ①最期の渉外任務②堕ちた死神(鼻フックなし)③堕ちた死神(鼻フックあり)・①は二人の鼻フックあり脱糞シーン・②と③はキラのシーンで回想モードでもちゃんとわかれていて、鼻フックありの方は声がくぐもって聴こえる。 編集 寝取られ熟母夏子(41)~若い男との変態セックスにハマッた本当はドスケベだったお母さん~ ピンポイント 12/11/30 神尾夏子 長原杏子 あり 1 ①ヤリ部屋になってしまった我が家・鼻フックあり 編集 種憑け村 ~白濁神、念仏講ノ儀~ Guilty 11/02/25 折原菜々子小森 リカ猪狩 美里 有栖川みや美榎津まお野々村紗夜 あり 2 ・菜々子の強姦シーンとリカ&美里の強姦シーンで両者鼻フックあり・鼻を鳴らしているのは菜々子のみ 編集 TRIPLE×SADISTIC ~ドSなオレと令嬢たちの14日間~(サイト消滅なのでリンク先はげっちゅ屋) BlackLUNA 12/11/30 あり 編集 装甲戦姫プリズムレイカー ~正義のヒロイン屈辱の洗脳催眠調教~ ピンポイント 13/08/30 新道初音 榊木春乃 あり 1 ・短めで鼻鳴らしもそこまで露骨ではない 編集 Lock-ON エンドレス調教喫茶 アトリエさくら DARKNESS 13/03/29 宮原穂純 犬飼あお あり 1 ①精液飲み・皿に出された精液を精飲するシーン・鼻フックあり 編集 輪姦媚薬中毒 ~逃げ場無し! 1428人の生徒全員にSEXされる令嬢沙也香~ ピンポイント 13/03/29 秋宮沙也香 ヒマリ あり 1 ①廊下ファックリレー・①では豚以外に犬と猫のマネもしている・他の回想の『無限強姦地獄』では豚マネではないし短いが、鼻フックに開口器を付けられて鼻を鳴らしている場面がある 編集 自称硬派のオレが女になったら思いのほかすげぇビッチだった(*/∇\*)キャッ ~援交から肉便器まで~ ピンポイント 12/04/20 国澤カオル 御苑生メイ あり ・TSモノ 編集 信じて送り出したフタナリ彼女が農家の叔父さんの変態調教にドハマリしてアヘ顔ピースビデオレターを送ってくるなんて… みさくらなんこつハースニール 10/04/30 山口明日奈 サトウユキ あり ・サトウユキはあかしゆきの別名義 編集 黒獣 ~気高き聖女は白濁に染まる~ Liquid 10/04/23 あり 編集 NTR彼女はいじめられっ娘 ~隠れ巨乳で眼鏡っ娘の彼女が、知らない間に×××の○○○にされてたなんて…~ ANIM.teamMM 11/12/16 塚田美希 花南 なし 1 ①覗き見エンド。文字通りメス豚となった美希を、見守るという名目で覗き見る信高だった…・鼻フックあり 編集 セーラー服美人妻戦士 アヘアヘムーンR ORCSOFTteamGOBLIN 14/12/05 れい 葉南 なし 1 ①期待してたのに・CV 葉南は花南 編集 裏教師 ~背徳の淫悦授業~ BISHOP 11/08/05 黒澤沙織 氷室百合 なし 1 ・鼻フックあり・ED後の腹ボテシーン 編集 豚の如き山賊に捕らわれて処女を奪われる巨乳姫騎士 女戦士 ~絶対チ●ポなんかに負けたりしない!!~ エレクトリップ 13/07/26 姫騎士/アンリエッタ 佐々木あかり なし 1 ①豚耳と鼻フックと処女喪失 編集 セイント~あぁ主よ、教え子達に堕とされた私をお許しください~ 黒雛 10/12/10 山路百合乃 木梨樹里 なし 1 ・豚マネのシーンは短め、犬や猫も混じってる・木梨樹里は飯田空または長原杏子などの別名義 編集
https://w.atwiki.jp/mainichi-matome/pages/204.html
The story below is originally published on Mainichi Daily News by Mainichi Shinbun (http //mdn.mainichi.jp). They admitted inventing its kinky features, or rather deliberately mistranslating them from the original gossip magazine. In fact, this is far from the general Japanese behavior or sense of worth. このページは、毎日新聞事件の検証のための配信記事対訳ページです。直接ジャンプして来られた方は、必ずFAQをお読みください。 ※ この和訳はあくまでもボランティアの方々による一例であり、翻訳の正確さについては各自判断してください。もし誤訳(の疑い)を発見した場合には、直接ページを編集して訂正するか翻訳者連絡掲示板に報告してください。 Gray generation puts 'pink' economy back in the black灰色の世代がピンク産業を黒字に戻す 拡散状況 関連ページ Gray generation puts pink economy back in the black 灰色の世代がピンク産業を黒字に戻す 0 Gray generation puts pink economy back in the black Spa! (7/24) By Ryann Connell 灰色の世代がピンク産業を黒字に戻す 2007,07,23 1 Officially, Japan s economy is on the way back, but that s according to regular, respectable businesses. To get a true indicator of whether there s a resurgence of Japan Inc., the most accurate way is to look at Japan Pink, according to Spa! (7/24). 表向きは、日本の経済は後退中だが、それはまともで立派な業界によって考えた場合である。 SPA!(7/24)によると、株式会社日本(ジャパン・インク)の復活があるかどうかの真の指標を得るための、もっとも正確な方法は、ジャパン・ピンクに注目することである。 2 "Business is definitely getting better," Spa! hears from a call girl performing enjo kosai, the euphemistic term to describe prostitution that literally translates as "compensated dating." "At least it s become a lot easier to pick up clients in Tokyo through matchmaking sites, And I think business has really gotten better since April. I ve got a steady flow of repeat customers and even some customers who offer me pretty good money if I agree to meet them regularly. Some girls are getting paid as much as 100,000 yen just for going to a love hotel once!" 「商売はあきらかによくなっていってます」と、SPAは、援助交際(逐語的には「報酬が支払われてデートすること」と訳される、売春を表現する表現)を行っている売春婦がいうのを聞く。 「少なくとも、出会い系サイトを通じて東京で客を拾うことはずっと簡単になりました。そして4月から仕事は本当に上手くいっていると思います。 リピート客、さらには定期的に会うことに同意すればかなりいい金額をくれる客の獲得は、安定した流れとなっています。 ラブホテルに1回行くだけで10万円ももらう女の子たちもいます!」 3 Across the industry, however, feelings are a little mixed. 0f 28 women engaged in enjo kosai, 43 percent felt that the economy was improving, with regular users continuing their patronage and growing numbers of salarymen joining the game. しかしながら、業界全般にわたっては、感想はいささか複雑である。 援助交際に従事する28人の女性のうち、43パーセントが、常連客が愛顧を続け、このゲームに興じるサラリーマンの数が増大していることもあり、景気は改善していると感じていた。 4 Also with mixed feelings about Japan s economy are nightclub hostesses. ナイトクラブのホステスもまた、日本の景気について複雑な感想を持っている。 5 "Traditional nightclub districts like Kabukicho, Roppongi and Akasaka have peaked. Some places in Tokyo are doing all right, but a lot of clubs have been shut down and chains are downsizing. There aren t as many great hostesses as there used to be and I don t think you could really say business is doing well in the capital," Takahiro Marui, managing editor of nightclub guidebook Club After, tells Spa! 「歌舞伎町や六本木、赤坂といった従来のナイトクラブ街はピークを迎えました。 東京の数箇所ではうまくやっていますが、多くのクラブは閉店しチェーン店は縮小しています。 かつていたほどの多くの素晴らしいホステスはおらず、商売が都内でうまくいってるとはとてもいえないでしょう」と、ナイトクラブのガイドブック「クラブアフター」の編集長・丸井貴博はSPA!に語る。 6 Marui says it s a different story when it comes to the suburbs, where the nightclub caper is flourishing. It s an argument borne out by a hostess working at a suburban club, "There s definitely been an increase in customers who really throw the cash around," she says. "Some of them will put 500,000 yen in cash on a table and pay for drinks all around. I heard one customer gave a girl a million yen in cash to go for a drive with him after she d finished work and he bought her a really expensive Hermes handbag and stuff from a Don Quixote store." 丸井は、郊外では事情がことなり、そこではナイトクラブのどんちゃんさわぎが盛んに行われているという。 これは、郊外のクラブで働いているホステスによって裏付けられた主張である。「本当に現金を浪費する客が明らかに増えています」と、彼女はいう。 「彼らのうちある人たちは、テーブルに現金で50万円を置いて、ありったけの飲み物の代金を払います。」 「ある客が女の子に、仕事を終えた後一緒にドライブに行くため現金で100万円を渡して、とても高価なエルメスのハンドバッグやその他をドン・キホーテで買ってやったと、私は聞きました」 7 High class soapland brothels are also seeing an improvement in their fortunes. 高級ソープランドもまた、彼らの運勢が改善していると考えている。 8 "Soaplands are not just about the (sexual) services we offer. One of our sales points is the importance we place on human relations. And it s the customers who have realized this that are the ones that are still using high class soaplands now. Shooting straight, I m talking about old guys. We get some old gentlemen come into our soapland just to have a chat and a bath and they go home without doing anything sexual," a sex worker from Tokyo s Yoshiwara soapland district says. 「ソープランドで私たちが提供するのは(性的な)サービスだけではありません。 私たちのセールスポイントの一つは、人間関係を重視していることです。 今も高級ソープランドをまだ使っているのは、このことを理解している客です。 率直にいうと、おじいさんのことです。 お客様には、ソープランドにきておはなしをして風呂に入るだけで、性的なことは何もせずに家に帰る老紳士がいます」と、東京のソープランド街吉原の風俗店従業員はいう。 9 An operator of a high-class call girl service also agrees the graying population is making business good. 高級デリヘルサービスの経営者もまた、人々の高齢化が商売を良くしていると同意する。 10 "All my regulars are retirees. The guys who try once just to see what it s like are always young and it s the old guys who keep coming back," the operator says. "This business is splitting between ultra-high class services and ultra-cheap stuff. The foreign girls are doing all the cheap work. There was a rush of arrests late last year, but things are now back on track. We pull in about 13 million yen a month now. Whether the economy is good or bad, old guys will always make sure the cash keeps flowing in." 「私の常連客はすべて退職者です。 どんなものなのか一度試してみるだけの男たちはいつも若者で、何度も利用するのはおじいさんです」と、経営者はいう。 「この商売は超高級サービスと超低級のものに分かれています。 安い仕事をするのは外国人の女の子です。 去年の終わりごろに一斉検挙がありましたが、今では状況は元通りです。 私たちは今ひと月あたり約1300万円稼いでいます。 景気が良かろうが悪かろうが、おじいさんはつねに現金が入りつづけるようにしてくれるでしょう」 11 The Yoshiwara soapland brothel worker also has little time for younger clients, regardless of how much they may flash the cash. 吉原のソープランドで働くこの人はまた、いかにたくさん彼らが現金をみせびらすかにもかかわらず、若い客に割く時間がほとんどない。 12 "We have rich young clients who come in and throw their money around, offering hefty sums if I agree to go out with them after l finish work," the brothel worker tells Spa! "What a nerve! I m not so cheap as to be lured by a wad of cash." (By Ryann Connell) 「仕事が終わった後に彼らとデートするよう私が同意するなら相当な金額を払う、店に来て金をばら撒く金持ちの若い客はいますが、」と、この売春宿の労働者はSPA!に語る。 「なんてずうずうしいんでしょう!私は現金の札束で誘惑されるほど安くはありません」(ライアン・コネル記) 13 (Mainichi Japan) July 23, 2007 (毎日 日本) 2007年7月23日 拡散状況 Asian Sex Gazzete http //www.asiansexgazette.com/asg/japan/japan06news84.htm Barely 18 Movies http //www.barely18movies.com/blog/?p=679 Nigihara http //www.nigihana.com/forum/showthread.php?t=2418 The Black Ship http //www.theblackship.com/forum/japan-tabloid-news/1296-gray-generation-puts-pink-economy-back-black.html 英語サイト http //1obn.sauce-dan.com/2007/08/07/214 http //sgfrag.net/2007/07/28/sugar-daddys-are-back/ 海外ブログ 部分転載:http //freexxxblog.thumblogger.com/home/log/2007/35/japan-pink-economy-back.html 関連ページ Barely 18 Movies Nigihara The Black Ship WaiWaiの記事を転載した英語サイト:S WaiWaiの記事を転載した英語サイト:数字 元記事一覧 毎日新聞英語版から配信された記事2007年(7月 - 12月) 海外ブログに記事が及ぼした影響
https://w.atwiki.jp/savagetide/pages/17.html
Champion s District 街の北西に位置する、戦士・傭兵・剣闘士の区。ノーブル区と仲が悪い。 最初の市長、コード司祭テラニアンを輩出した自負から、サッセリンの主導権を握っているのは自分たちだという思いが強いため。 代表貴族はロチェスター家。 特色 大聖堂で祭られているのは力の神コード。 闘技場(アリーナ)があり、剣闘士の公開試合が毎週のように開かれている。また、年に1度の決闘大会も行われている。 緋色団の大使館がある。 出身者用特技:闘技場の血、不動の忠誠 大きい地図はこちら 1 Six Swords Tavern 六剣亭 酒場 2 Rumblegut s ランブルガッツ亭 酒場/宿屋 3 Sasserine Sendings サッセリン逓信 伝言・通信サービス 4 Lorchester Manor ロチェスター館 区の代表貴族 5 Zelkarune s Hall ゼルカルーン・ホール 闘技場の付属資料館 6 Redwall Stable レッドウォール厩舎 馬小屋 7 Sasserine Arena サッセリン闘技場 闘技場・アリーナ 8 The Trophy Hunter トロフィー・ハンター 骨董品屋 9 Moneylender s Guildhall 質屋ギルド 質屋/金貸しのギルド 10 Gladiator s Best グラディエイターズ・ベスト 見目良い武器の店 11 Toregson Manor トレグソン館 貴族の屋敷 12 The Tipsy Troglodyte ほろ酔いトログロダイト亭 酒場 13 Three Dwarves Digging 3人ドワーフ穴掘り亭 酒場/賭博場 14 Champion s Corner Stable チャンピオン区角の厩舎 馬小屋 15 Aunt Kylie s キリエ伯母さん家 売春宿 16 Lanternlighter s Guildhall 点燈夫ギルド グランツ! 17 Champion s Garrison チャンピオン衛兵詰所 士気も高く給料も高い 18 Museum of Mayhem メイヘム美術館 闘技場由来の品の展示場 19 Shrine of Norebo ノレーボ神殿 博打の神 20 House of Kord 偉大なる力の神コードの館 区の大聖堂 21 Shrine of Llerg ラーグ神殿 力と野獣の神 22 Fendal s Pets フェンダル・ペット店 変わったペットと番犬(犬に限らない)の店 23 Liomar s Links リオマーズ・リンク 見目良いチェインメイルの製造所 24 Vildivar s ビルディヴァーの店 弓矢・射出・投擲武器の店 25 Bee in the Bottle 蜂瓶屋 薬品 26 Kord s Quencher コードの一杯亭 酒場 27 The Catapulter カタパルター 酒場/賭博屋 28 Champion s Lighthouse チャンピオン灯台 灯台 29 The Hidden Vortex “隠されし渦” 占い屋 30 Snaver s Kennel スナバー家畜訓練所 家畜訓練所 31 Spells for Swords “呪文は剣のために” 魔法屋 32 Kord s Market コード市場 雑貨・武器・鎧・金属製品 33 Scarlet Embassy 緋色団大使館 緋色団の外交官(モンク)が駐留 34 Shrine of Kelanen ケラネン神殿 剣の中立神
https://w.atwiki.jp/kolia/pages/292.html
海外の反日活動を監視するページ <目次> ◆世界の反日活動(新しい物を上に記載) 国会議員、中央官庁の暴走は国会監視所へ。 地方議員、地方自治体の暴走は地方監視所へ。 中国と朝鮮は数が多すぎるので別に監視所を作った方がよいかも。 ◆世界の反日活動(新しい物を上に記載) 韓国 2009年よりEUにて「日本海」を「東海」と記述するように工作活動を開始http //headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090128-00000032-yonh-kr ソウル28日聯合ニュース】欧州連合(EU)執行委員会のウェブサイトに東海が「日本海」と表記されている問題と関連し、外交通商部当局者は28日、「東海に表記を変更するか、最低でも日本海と東海を併記できるよう努力している」と述べた。同部は昨年、全世界の独島・東海関連の表記を検討する過程でEU執行委ウェブサイトの誤記も把握し、訂正に向け努力を続けてきた。しかし、全世界の主要地図とウェブサイトの8割が東海を日本海と単独表記しており、そのほかも大半が東海と日本海を併記しているため、これを短期間で変えるのは容易でないとみられる。 韓国 2009年よりアメリカにて教科書の「日本海」を「東海」と記述するように工作活動を開始http //mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-596.html http //headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090129-00000008-yonh-kr 【ワシントン28日聯合ニュース】米国の多くの公立学校が使用している教科書が東海を「日本海(Sea of Japan)」と単独表記しているなか、メリーランド州で「東海(East Sea)」との併記を進めるキャンペーンが始まった。米国内韓人市民団体協議会(CANGO USA)は28日、メリーランド州議会ビルで8人の州下院議員が出席するなか記者会見を行い、米国教科書東海表記キャンペーン着手を宣言した。州議会に東海表記の正当性と当為性の理解を促し、議員らの支持署名を集めるほか、州政府と教育局に対しては「東海」「日本海」の併記を要請すると説明した。 現在、米国の教科書の約80%が東海を「日本海」と単独表記しており、学校で使用する地図も「日本海」の単独表記となっている。CANGOのチェ・ジョンボム共同委員長は「このキャンペーンは単純に誤記を正すだけでなく、われわれ韓国人の子どもたちに歴史的真実と価値観を与える良い機会となる」と主張した。 イギリス ロンドン 戦地売春婦・英国大学で講演http //killkorea.iza.ne.jp/blog/entry/784328 アメリカ カリフォルニア州 自伝的小説で日本人の少女と家族が第二次大戦直後韓国を脱出する過程を描き韓国人が日本婦女子を強姦・暴力行為を描いた「洋子話」を韓国系校長がカリフォルニア州の教材から排除を求める。(この話は実際に当時よくあった話です。半島からの帰還者の婦女、数万人が強姦により妊娠した為、福岡や山口で中絶手術が行われた記録が残っています)http //killkorea.iza.ne.jp/blog/entry/779679
https://w.atwiki.jp/mother_original/pages/18.html
PSI犯罪者(Psi-Criminal)又はPSI容疑者(Psi-Suspecion) 大まかな定義としては、PSI規制法によって定められた規則を違反した者が対象とされ、その罪の重さにより定められた法により処罰される。しかしPSIが絡む犯行はどうのような事例においても、被害が甚大な事が多く、ほとんどがPFBIによる制圧対象なる事例が多い。また、本人が無自覚のPSIの発動、所謂PKの暴走はまだPSI規制法の対象とはなっておらず、調査・尋問の後に、免罪又は要観察人物として処理される。 レオナルド・ジェームズ・トリック -Leonald James Trick 20X6年5月超能力事件の犯行グループ2人組の内の一人。PSIを用いた初の犯罪事例として一時期、有名となった。 犯行時、「年齢20歳くらい。高身長。グレーの作業服にサングラスの男」と目撃されており、後に自首した為に事実が発覚した。 攻撃分類PK FIREが発現しており、PSIを利用しライトバンへと放火したと思われる。現在、身柄はイーグルランド州立刑務所に収監されている(捜査報告書より) マシュー・ミットン -Matthew Mitten 20X6年5月超能力事件の犯行グループ2人組の内のもう一人。本名はマシュー・ディノ・ミットン(Matthew Dino Mitten)。レオナルドと同じくPSIを用いた初の犯罪事例となった事件の共犯者である。「20歳ぐらい。高身長。グレーの作業服。爆発の際に顔に火傷を負っていた」という目撃情報があるだけで、レオナルドの尋問時も、もう1人の行方は既に分からない。と答えたのみで完全に行方不明となっており、指名手配している。 スターマン -Star Man 20X8年1月オネットビル事件の首謀者。PSI規制法に対してPSIの自由化を唱い、人質を取りPSI犯罪者の解放を要求した。しかし、本当の目的やその経歴、正体までもが不明だが、オネットビルでの一件以来、その行動が過激派のテロリスト集団からは支持を得ており、身柄の受け渡しが交渉条件として上がる程である。また、それらの過激派集団が引き起こす数々の殺人、強盗を獄中で楽しんでいる様子がある。 強力なPSIが発現されていると思われるが、尋問前に司法省へと引き渡された為にその実態は不明のままである。 現在は終身刑を宣告され、重要参考人としてアメリカ合衆国司法省管轄のイーグルランド州立刑務所に収監されている。 ジョン・アダムス -John Adams 20X8年5月猟奇殺人事件の犯人。"血塗りのジョー(Bloody Joe)"の異名を持つ猟奇殺人犯。PSIを利用し無差別に殺人を繰り返す事からそう呼ばれるようになった。スリーク郊外のホテルにて5人の売春婦が弾丸のようなもので殺害されているのが発見され、その犯行現場に"私はジョン・アダムス(I m John Adams)"と血で描かれていたことから犯人の捜索が開始した。容疑者と思われる2人の人物が上がっているが、確証はなく、未だPFBIによる捜索が続いている。
https://w.atwiki.jp/isekaiorirowa/pages/90.html
【名前】秋野 直樹(あきの なおき) 【所属】現地人/異世界転移者 【種族】人間 【年齢】18歳 【職業】D級冒険者 【外見】黒目黒髪の純日本人。よく言えば素朴で優しげ、悪く言えばひ弱な印象の顔立ちをしている少年。 【趣味】アニメ視聴、アニソン歌唱(地味に歌が上手い)、売春宿通い 【好きなもの】仕事後のビール、女遊び、道具の整備、故郷 【嫌いなもの】孤独、大型トラック、ゴブリン(異世界生活が安定した頃、調子に乗って受けた依頼でガチ死にかけたから) 【性格】 欲望には素直だが、値は真面目で良識がある善人。これまでの異世界生活でこなれており、荒事にもしっかり対応できる。 世渡りが上手く、聞き上手。勘が鋭く、突発的な対応力にも優れる。 一人称「俺」 【能力】 『原作知識』 異世界の王国に起こる『異変』、その渦中に起こる魔王と勇者の戦いを描いた一つの物語の知識を持つ。 メインとなる勇者と魔王、そして多数の登場人物の個人情報を把握しているが、ガチのファンではなくアニメから入ったにわかなので情報の精度は宛にならない。 『冒険者』 Dランク冒険者。ランク相応に薬草収穫や害虫駆除、どぶ掃除など危険度の低い依頼をメインに活動している。 掛け持ちしている肉体労働のバイトで鍛えられており、割と肉体派。 はぐれゴブリン程度なら難なく殺せる。 とは言っても元が一般人なので、そこらの村人に多少毛が生えた程度の実力。 『聖剣ファイナルソードと星砕きのグレートスターズ』 直樹の愛用する武器。短い直剣(ショートソード)とサブ武器の混紡(クラブ)。 打撃と斬撃が合わさって最強に見える。 素寒貧だった直樹を見かねたある善良な商人が、多少まけた値段で売ってくれた品で、かなりの愛着がある。 ホームシック諸々で寂しい夜はこの二つに話しかけて気を紛らわしていた。 【詳細】 ある日登校中に大型トラックに轢かれたと思ったら異世界に居た高校生。 身元の保証もない世界で途方にくれていたが、やがて直前まで視聴していたアニメ『異世界戦争-プシュコマキア戦記』とこの地の情報が酷似していることに気づく。 以後、アニメ知識を頼りに何とか冒険者ギルドに身元を登録し、難易度の低い依頼と日雇いのバイトを掛け持ちしながら生活基盤を構築、来る『原作』に備えていた。 【備考】 転移したのが『異変』発生前の一年ほど前だったため、準備期間はあり、何とか序盤の生存に成功。 以後、原作知識で頼れそうな勇者との合流を目指し行動している。 なお、彼の知る『異世界戦争-プシュコマキア戦記』のメイン主人公は『希望』の勇者となるが、実際の所、現実の勇者や魔王が彼の知る原作のキャラクターと一致しているかは不明。 仮に一致していたとしても、直樹は中盤あたりしかアニメを視聴していないため、これから起こるイベントや、魔神の正体、魔王の権能の攻略方法等は把握していない。
https://w.atwiki.jp/dreamself/pages/651.html
235 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/09/21(木) 16 58 30 [ RV88V78. ] ホントに「東方のキャラが出てきただけ」みたいな夢。展開が痛いので注意。 はじめの方は東方関係ないので要約すると、殺人犯のいるマンションに潜入して証拠をつかんだは良いものの、脱出手段を考えてなくてどうしようと物陰に隠れながら考えている俺。 そうしているとチルノと何かアメリカ人のダンディなオッサンがハネムーンと称してやってきて二人でバスルームへと入っていく。しばらくすると風呂場からチルノとオッサンの甘い声が…オイ貴様何やってやがる。 声が止んでから、浴室を、のぞいて見ると、湯船の中で、チルノが、オッサンにもたれかかって、ぐったりしてました。 …ああ、事g(検閲 ここで場面が変わって、今度はルイージになってる俺。 マリオとルイージ(俺)とで何故か咲夜さんにさらわれたリグル?を助けに行く展開だったらしい。 リグルの身柄を確保した直後、罠だったのかそこにノコノコ赤・緑とハンマーブロス・ブーメランブロスが現れ、マリオVSノコノコ赤・緑、ルイージVSハンマーブロス・ブーメランブロスという組み合わせで戦うことに。 何とかブロス×2を倒し、マリオの方を見てみると、何か、負けて洗脳されてました。待てマリオ。 それからルイージ・リグルVS咲夜さん・マリオという戦いになってルイージVS咲夜さん、リグルVSマリオという組み合わせで戦うことに。リグルはマリオに対して劣勢だったがルイージは咲夜さんが何故か時止めを使わなかったために互角に戦えてた。 「これは勝てるかも」と思ってたらいきなり咲夜さん覚醒。「やばい!」と思った瞬間今度はリグルが覚醒。マスタースパーク級の極太レーザーでマリオを消し飛ばし、その勢いでルイージもろとも咲夜さんを消し飛ばしてた。 薄れ行く意識の中「ああ…何だこれ…?」と思いながら… ここで目が覚めた。展開が痛すぎる…。 236 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/09/21(木) 17 44 11 [ DGcUJu9w ] ちょ、チルノ売春wwww 237 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/09/21(木) 18 43 39 [ ijWnvxU2 ] 235 おまwww ショックだったろうな・・・OTL 238 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/09/21(木) 22 23 46 [ jfprOy1Y ] 235 オッサンの灼熱レーヴァンテインがチルノの中に まで読んだ。 239 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/09/21(木) 22 44 37 [ fnfANpqE ] 231 それがキャラリセットの原因だったのか! 235 そう・・・。そのまま飲みこんで。おっさんのエクスカリバー・・・ まで読んだ。 240 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/09/21(木) 22 48 08 [ EIsLSs76 ] 238 フランちゃんのレーヴァンテインが 238を呑み込む まで読んだ カオス
https://w.atwiki.jp/veirostan/pages/53.html
フルネーム:リビー・ベケット 英名:Libby Beckett 性別:男 外見年齢:27 髪の色:茶色 瞳の色:青色 肌の色:白色 身長:175cm. 体重:63kg. 誕生日:8月25日 外見: 職業:帝国の騎士 趣味・特技: 存在状態:死亡 背景:高貴なる出自 目的:野心 宿命:覇者 クラス:ファイター レベル:2 クヴェル:剛力のクヴェル 形状:剣 X=2 異教の神殿に飾られてあった剣。異教徒達にとっては儀式に使われる神聖な道具だったらしいが、帝国の騎士達にとっては邪悪な異教徒の武器に過ぎず、異教徒征伐の際に彼が戦勝品代わりに拝借していった。案外使い勝手もいいし、この剣を使用してからは心なしか幸運が相次いでいるように感じるので愛用している。 体格:17 敏捷:16 知性:11 魔力:6 魅力:9 財産:13 ヒットポイント:236 マジックポイント:36 アーマークラス:52 レジストクラス:24 行動力:3.7 技能:670 軽武器(100) 労働60 運動80 保安60 生存術60 隠密60 情報通60 商取引60 貴人70 荒事60 荒事 魔法:(使用不可能) 装備: 中型武器/クヴェル(剣) 盾 プレートメイル 馬 従者 白ポーション 縁故:180 クヴェルへの縁故:20 精神的変異: 肉体的変異: 設定: とある地方の有力貴族の次男として生まれた。有名貴族の次男といっても封建時代のことだから相続権はすべて長男が有し、その事に気がついた彼は子供の頃から騎士としていきぬく事を決意した。有力貴族の次男というコネに加えて、地方の小さな反乱や異教徒征伐で活躍した事により、現在はとある地方都市に駐留する帝国の直轄の騎士団の中隊長を勤めている。 何事に対しても落ち着いており、平然と部隊を指揮する事ができる図太い神経を持っている…ようにもえるが本質的にはかなりの小人物で、自身の危機的な状況に対する笑いがこみ上げてきてしまうような被虐的感性が周りの人々からは落ち着いているように見えるだけである。それでも、一応は部隊を指揮する事が出来るのはやはり地方の有力貴族の出身がなせる業であろうか。とはいえ、地方の小さな反乱や異教徒征伐で活躍した実績は本物であり、その性格の過大評価も相まって部下や上官達からは信頼されている。普段は騎士道精神を訴える一方で、それほど自覚しているわけではないが、同じ両親で生まれたのに兄だけが莫大な財産を相続した事を妬んでおり、何時か自分だけの領土を持ちたいと考えている。 外見は正直に言って格好いいとは言えず、彼自身も自分に接してくる女性は売春婦か敵の女スパイぐらいだと自嘲気味に話している。 セッション履歴: プレイログ/ヴェインドリームの庭園 プレイログ/あるゾンビ村の光景(前編) プレイログ/あるゾンビ村の光景(後編) プレイログ/ロゼの復讐(前編) プレイログ/ロゼの復讐(後編) イメージBGM: