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目次 1.魂の真実とは 2.霊界の実相 3.あの世から考えた死の意味 4.転生輪廻の法則 5.生まれ変わりの方法 6.霊的進化の違い 7.カルマに対する一考察 8.生死を超越せよ (1988年4月28日の霊示) 1.魂の真実とは 谷口雅春です。こうしてまた、地上の皆様に私の霊示集を送れますことを、心より嬉(うれ)しく思います。 第一集の『谷口雅春霊言集』、第二集の『谷口雅春霊示集』共に、なかなかの好評であったとのことを聞いており、私もこちらで大変嬉しい気持でいっぱいです。 さて本日は、前二集に加えて、さらに私自身の言い足しておきたいところ、また、こちらの世界に還って新たに気づいたこと、発見したこと、経験したこと、こうしたことを重ねて話をしていきたいと、このように思う。 さて、まずお話をしたいことは、「魂の真実」ということについてです。 魂の真実とは、言葉ではなるほどそうしたものかと思うかもしれませんが、こちらに還って、これが魂なのだなあという実感は、地上の皆様方にはどのように表現しても、どのような比喩(ひゆ)を使っても、必ずしもわかり得るという感じがしない。 私自身、現象界にあった時に、「本来肉体なし」「本来生命の実相がすべてである」こういうことを説いておりましたが、こちらに還って、その生命の実相というのが、いったいどのようなものであるのかということを、しみじみと、またつくづくと感じたものであります。 もちろん私は、まだ地上を去って日も浅い者ですから、多少人間感覚も残っており、自己認識をするに際しまして、生前の谷口雅春という肉体意識が復活することもあり得ますが、ここに還り、二年、あるいは三年経ってきた今、次第、次第に、魂の真実とは何かということを、霊的実感として感じ始めている今日この頃であります。 もちろん地上にいる皆様も、人間があの世に還った時に、もう何も食べなくとも死ぬこともない、何も飲まなくとも煩(わずら)うこともない、また、病というものもなく、自由自在であるという話は聞いているであろうと思う。しかしこちらに還って来ると、それがどれほど真実味を帯びてくるかということを、つくづくと感じるのです。 また、地上にないようなさまざまな経験というものが、現実にあります。地上にいる時、皆さんは、霊というものは壁を通り越してでも出て来たり、出て行ったりすることができるというようなこととか、あるいはまた幽霊とかというような話でもって、足があるとかないとかいうことを聞いたこともあるであろう。こちらに来ては、まさしくそうしたことが冗談ではなくて、実際のことであるということを感じるようになる。 つまり人間であった私たちも、自由自在に、こちらの世界では透過(とうか)という、通り抜けるということが可能であるし、また地上を歩くのみならず、空中を浮遊(ふゆう)すること、及び飛翔(ひしょう)すること、また空中を移動することもできる。こうしたことは、非常に不思議な感覚であるが現実である。 また、地上の人間であれば、握手するということによって、肉体と肉体との接触ということを深く感じるものであるけれども、こちらの人間となると、握手するということがひとつの実感を伴わないことになる。すなわち、手が手を通り越していくというようなことも十分に有り得る。握手をしているというような気持を持つことはあっても、実際上、握手ということができなくなる。 すなわち、相手の実在というものは結局ビジョンであって、それは立体映画のような存在となって来る。映画のスクリーンの俳優を、つかまえることも握手することもできないように、ちょうどそれが立体映画となっても、その立体映画の像は、つかむこともどうすることもできないでいる。まあそうした感じだと思ってよいかもしれない。これが、私の世界から見た魂の真実です。 2.霊界の実相 さて、そうした魂の真実について話をしましたが、「霊界の実相」について、もう少し話をしておく必要があろうと思う。 霊界と言ってもいろいろあって、一言で肉体を持たない人々の住む世界を霊界と称することもあるけれども、実際は世の書物によく説かれているように、あの世の世界も幾層にも分かれている。そうして、あの世の世界が幾層に分かれているかということは、どのような人間であっても、しかとはわかりかねている。そうしたものだ。 ただ、大きな分け方としては、何層かに分かれているということはできるであろう。そうした何層かに分かれた世界の中で、また地域別や国別、思想、信条別に住み分けているというのが、その真実であろうと思う。 さて、霊界と言っても、私が住んでいるような如来界というところに還って来るならば、これはまたいわゆる狭義の霊界とは、ずいぶん様相が異なっている。私のいる世界におられる人たちは、すべて如来と言われる人類の指導者であった魂ばかりである。したがって、そうした魂たちばかりが集まっているのだから、まあ言ってみれば、これは天上界における国連総会のようなものだ。各国の代表のような人たちが、集まって話をしている。また生活をしている。こうした感じを思い浮かべればよいと思う。 たとえば、国連に出席するような各国の大使であるとか、首相であるとか、こうした人たちが、たとえばスイスかどこかの保養地に別荘を持っていて、夏の間に保養に来ている。そして、いろんな人たちと会って話をしている。まあこうした感じが、私の住んでいる世界の実感に近いのではないかと思う。 ただ違うところは、現在、あるいは現代に生きていた人たちだけではなく、過去の時代に生きていた偉人、天才たちも、数多くこの世界にはいるということだ。地上の皆さんは驚くかもしれないけれども、そうした歴史上の偉人たちが、私の住んでいるこの如来界には数多くいるのです。 主として私の周りには、哲学者と宗教家がおります。最近では特によく私が話をしているのは、アメリカの光明思想の先駆者となったエマソン、こうした人が親友の一人となっております。 またエマソン以外でも、こちらで非常に懇意(こんい)になった人の一人が、まあ皆さん方は、おそらく驚かれるかもしれませんが、これがデカルトと言われている哲学者です。 そしてこれ以外にも、私がこちらの世界において懇意になった方は、宗教家の中では、皆さん方の中にはその名をご存知であるかどうかは知りませんが、今からおよそ五、六百年前になりましょうか。イタリアにて宗教改革を起こしたサヴォナローラという宗教家、まあ悲劇の宗教家でもあるけれども、こうした方も如来界に還ってきていて、私の今、ずい分仲のよい友だちとなっているわけであります。 またこれ以外にも、キリスト教系ではアッシジの聖フランシスコという方とも、こちらでは私は友人になりました。生前、『生命の実相』という書物の中にも、フランシスコのことはずい分語った記憶がありますし、またフランシスコの必ずしも良い面だけを取り上げたとは言いかねるところも私はありました。その悲劇を期待しすぎる性格が、イエスと同じような聖痕(せいこん)を体にもたらし、そして、フランシスコに病と悲しみの中での一生を送らせたというようなことを、私は語ったこともあります。こちらに還って、そのフランシスコ、あるいはフランシスと言ってもよいけれども、そうしたフランシスもまた、如来界の人間であるということを知りました。 こうして私の仲間は、毎日毎日どんどん増えてゆくばかりです。 これ以外にも、もちろん日本の霊団の中での神々と言われる方々とも、もちろん親しく付き合っておりますが、まあいかんせん私自身が、まだこちらに還って日が浅いがために、日本の古代の神々と交わるよりは、むしろ近代に出ていろんな知識を吸収した人たちと話をするのが、まだ面白いという気持があることは真実です。まあそうした世界が、私の住んでいる世界であると言えましょうか。 3.あの世から考えた死の意味 さて、こうした世界に還ってみて、死の意味というのをもう一度、私はとらえ直してみたいと思うのです。 地上にいる人間は、どうしても死というものを、大いなる悲しみととらえがちであります。大いなる悲しみとして、死を恐れている人というのは数多いと思う。百人の人がいたら、おそらく九十九人は死を恐れていると思うし、また死後の世界を十分知っている人であっても、自分の死というものは怖(こわ)いものだろうと思う。なぜ怖いかというと、やはり未知への恐怖心、自分が知らない世界に対する畏怖感(いふかん)、畏(おそ)れというものが、おそらくあるからではないかと思う。 このように死後の世界は、未知である、分からないということでもって、地上の人々に恐怖心を起こしがちでありますが、ただ、死後の世界というものの実相を知った時に、人びとの恐怖心はやがて消えていくしかないのである。そのように私は思います。 もちろん低位霊界において、まだ地獄に迷っているような姿を示しているものもいるが、これらはまだおおいなる魂が迷いの中にあるのであって、真実、地獄というようなものが実在するわけでもなければ、その中にいる人たちの姿が真実の姿でもない。 彼等は生命の実相に気づき、本来の神の子の思想に到達した時に、一躍その世界から逃れることはできるのであるけれども、いまだ地上にいた時の残骸にとらわれ、亡霊にとらわれ、そうした苦しみの世界にいることはいる。けれども、本来、人間は地上にいた時にある程度の悟りを開き、そして神の子として調和された生活を送っていく時に、そうした苦しみや悩みのことは考えなくともよいのです。 こうしてみると、死というものを縁として人間は新たな誕生をするわけですが、この新たな誕生は、地上にありし時に心清く生きた者、心美しく生きた者にとっては、非常な悦びであるということです。それはちょうど羽化登仙(うかとうせん)する蝉(せみ)の如く、ひとつの殼を脱いで自由自在に天地を翔回る姿でもあり、この本当の姿を知った時に、死というものは悦び以外の何ものでもなくなるのです。 つまり本当に迷いを去り、執着を去った人間にとって、死というものは、ちょうど地中からはい出した蝉の幼虫が殼を脱いで大空を飛ぶような、まさしくそうしたものであり、非常な悦びである。こう考えてよいと思います。もちろんこれは早く死ぬことを勧めているわけでもなんでもありませんが、地上にいる時にしっかりとした真理を学び、そしてそれを行(ぎょう)じて生き、やがて時期が来て地上を去った時に、死はおおいなる悦びであるということを、知りなさいということです。 したがって、死に対して一途(いちず)に恐怖心を植え込み、教え込むということは大変残念なことであります。死への恐怖心が弱まること自体でもって、病人たちの多くの病は消えていく。私はそのように思う。病人たちは、いたずらに心にさまざまな恐怖感をいだき、また未来への不安をいだいて病を重くしているのが事実なのである。しかし、死後の世界が歓喜の世界であることを知った時に、やがて彼らもひとつの悟りを得ることができると思います。 4.転生輪廻の法則 さて、世によく言われる「転生輪廻(てんしょうりんね)」ということに関して、話をしておきたいと思う。 転生輪廻というものは、文字どおり生まれ変わるということ。そして輪廻(りんね)という言葉で表されるように、ぐるぐると回っていくということだ。ちょうど水車がぐるぐるとまわっているように、あのように人間は生まれ変わり、生まれ変わり、天国とそして地上界とを輪廻している。このように言われている。 まあこれは、百パーセントの真実と言ってもよいであろう。何人(なんぴと)であっても、この転生輪廻の法則から外(はず)れることはできないでいる。すべての人がその法則の下にある。短い人は数年、数十年の周期で生まれ変わってくることもあるけれども、まあ平均的な人は、数百年、二、三百年、あるいは三、四百年の周期で地上に生まれ変わってくるし、魂として偉大な方は、千年、二千年に一度、地上に生まれ変わってくる。こうしたことをしているようです。 もちろん如来と言われる方々になってくると、この転生輪廻そのものも強制的なるものではなくて、自発的に必要があれば地上に計画を持って出てくるという形になるけれども、大部分の霊界に住んでいる住人たちは、一定の周期が来ればルールとして、地上に生まれ変わらなければならない。そして新たな経験を積まなければならない。そういうふうになっている。 こう考えてみると、地上の存在、この地上界の存在、現象世界の存在というものはいったい何かと言えば、これは「学校教育」であるというふうに考えてよいと思う。 すなわち、だいたい平均的な霊人ならば、たとえば霊界に三百年ほど生活をすることになるが、三百年ほど生活をして魂が退屈をし、生長が止まってくる。そうすると、また新たな学習を受けられるようにその環境を用意されることとなる。したがって、三百年に一度ぐらいはまた地上界に出て来て、数十年の人生を送ることになる。 この地上界というのは、魂にとっては非常にいい学校であり、最高度の学校ということになる。すなわち、三百年に一回生まれ変わるとすれば、三百年経てば、地上の世界はまた一変しており、そこに新たな魂学習の経験が得られるということになる。文明の進歩というようなこともあるが、以前生まれ変わった所とはまた環境が違っており、人びとも違っており、文化も違っている。そうしたことで次なる勉強ができる。こういうことがあるのである。 したがって、地上に生まれるということは、学校に学びにあがるということと同じだと考えてよい。そしてそうした事実があるからこそ、なかには学校に行くのを嫌がる人もいれば、喜んで学校に通う人もいる。また学校にもいろんな学校があって、皆さん進学の時に、あの学校にする、この学校にすると悩まれるだろうけれども、おそらく同じような状況でもって、霊人たちもあの学校にするか、この学校にするかを決めている。このように考えてよいと思う。 この転生輪廻の法則は、まあキリスト教などでは、あまり説かれてはおらぬかもしれぬけれども、真実であるし、また新興宗教の中で転生輪廻を否定しているような宗教も一部にはあると思うが、皆、それを真実否定しているのか、あるいは現代の時代に迎合するために、あえて否定しているのか、その本質を私はよく知らないけれども、これを否定しているものがあるとするならば、これはひとつの誤りであるから訂正しておきたい。あるいは訂正する必要がある。このように私は言っておきたいと思う。 5.生まれ変わりの方法 さて、そうした転生輪廻があるという話とはなったが、では具体的な生まれ変わりの方法は、どのようにするのであるのか。これについて語っておきたいと思う。もちろん、こちらに還って経験した私の範囲もまだ知れているから、すべてを知っているというわけではないが、こちらに来て自分が見もし、聞きもした範囲のことを話しておきたいと思う。 具体的にはどういうことかということであるが、これは、もちろん住んでいる人、霊界に住んでいる人の、その生活様式に合った生まれ変わりということが可能であろう。 それはある程度、近代的なところにおいては、かなり高度に発達した生まれ変わりの組織、仕組みというものもあって、役人のような者が生まれ変わりの順番を待っている人たちを整理し、彼らのしかるべき出所、両親等とを決めていたりするところもある。そうしたところで生まれ変わりをするということ。これも結構、最近は多くなってきているようだ。 これ以外の古典的な生まれ変わりの方法としては、いくつかある。それは、それぞれの次元における霊界村において、生まれ変わりの場所というのがあることがある。 それは何かと言えば、たとえば生まれ変わりの海というようなものがあることもある。その海の中に浸(つか)っていくとやがて意識を失っていって、地上に生まれ変わるというような場所である。あるいは生まれ変わりの井戸というようなものもある。その井戸の中に飛び込めば地上に出てくるというような所である。生まれ変わりの池というようなところもあって、そこの池に飛び込んで地上に出てくるというようなこともある。 いずれにせよ大切なことは、こうした池であるとか、井戸であるとか、海であるとかいうのは、ひとつの象徴でもあるということだ。霊界は物質世界ではないから、実際にそうしたものがあるわけではない。ただ意識の目にそうして、そういうふうに映ずる場所があるということだ。そうしたところに波長を合わせていくことによって地上に出る。こうした地上へのチャンネルとなっている、通路となっている箇所が、霊界のあちらにもこちらにもあるということなのだ。そのように考えていけばよいと思う。 この際に注意すべきこととしては、生まれ変わりにおいて、その準備ということがなされるということだ。地域において、生まれ変わりの仕組みは多少違ってはいるけれども、地上にて両親が結婚し、そして子供として出ていってもよいような状況ができてくる時に、数カ月前から子供たち、出誕する予定となっている者は、その準備を始めることとなる。 すなわち、あの世、この実在界の生活にピリオドを打ち、そして新たなる生活に出ようとする覚悟をまず決める必要がある。次には現在の地上世界の様子というものを、魂的に学習するという段階がある。自分がどういう地域の、どういう文化の、またどういう生活環境に選ばれて生まれていくのかということを、それを学ぶということです。そして次には、やがて意識を切り換えていくという作業がある。 この生まれ変わりの場所はいろいろあるけれども、ある所で私が見てきたものでは、ちょうど蚕(かいこ)の産卵室、養蚕(ようさん)室ではないが、そうした風景もあった。つまり、そこにいる人たちが地上に生まれ変わる準備をして、一堂に寝かしつけられているという状況があった。 すなわちそこで睡眠状態、あるいは催眠状態に陥っていって、次第次第に霊界での覚醒せる意識というものを失っていく。そうして蚕(かいこ)が繭(まゆ)になるように、ちょうどその霊としての意識をやがて停止し、凍結したような状況にて、しばらく、一ヵ月二ヵ月の月日を待つこととなる。 やがて地上から夫婦の和合した合図が送られ、妊娠可能な時期が来るとすると、その養蚕室にいる手伝いの方、役人と言ってもよいが、そうした人の許可が出て、その蚕の繭がひとつひとつと地上に送り出されていく。こうした感じだと思ってよい。そうした繭に入った霊人が地上に降りていって、そして母親のお腹の中に宿るということになる。まあこうしたシステムだということだ。 もちろん、この蚕の繭という表現は私独自の比喩でもあるし、ある程度視覚的に訴えた比喩であって、霊的世界が実際にそういうふうになっているわけではないが、意識の目で見ると、たとえて言えば、そうした感じになっていると言うことができるであろうと思う。 6.霊的進化の違い さて、こうした生まれ変わりの方法がいくつかあるわけだけれども、この際にも、霊的進化の違いということがひとつの問題となってくる。魂において、やはり霊的進化に違いがあるということは、これは歴然たる事実である。地上を魂の学校と考えるならば、霊的進化によって、その学校が違うということは有り得ることだ。いわゆる高級霊などが地上に出て来る際には、やはり時代の変化ということを微妙に察知していて、時代の変革時に数多く出て来るという現象がある。 たとえば国造りの時、こうした時には数多くの光の天使たちが地上に生まれることがある。また国造りが終わり、やがて繁栄、発展していって文化の一大高みになる時にも、また多くの天使たちが地上に出ることがある。またそうした平和が続いた後に、再び一大改革が行われるような時、宗教改革が行われたり、文明の改革が行われるような時にも、また新たな波が起きて、天使たちが数多く出ることもある。 こうした目でもって私が見ていて、天使たち、あるいは高級霊たちと言ってもよいが、そうした者が数多く出ている地域、場所とはどこであるかというと、現時点ではおそらく、日本という国にかなり数多くの天使たちが出ているということが、言えると思う。アメリカなどにも、もちろんかなり出ているけれども、だんだん、量、質ともに日本に出ている高級霊のレベルが上がってきたように思うし、今後とも続々と用意されている。 また、やがて日本の繁栄に続く国々として、日本に近いアジアの国々、韓国であるとか、東南アジア諸国、インドネシア、シンガポール、またオーストラリア、ニュージーランド、こうした所にも、またやがて時を追うにつれて、天使たちが数多く出ることが予定されている。 このように今、日本という地域が非常に注目されていることは事実であるし、日本が注目されている理由のひとつとして、非常に大きな霊的な磁場がこの日本を中心に起きつつあると言うことが、できるのではないかと思う。こうした大きな霊的磁場ができる時に、高級霊は好んで地上に降りていくということになる。 たとえば私も、宗教改革という名目でもって日本に出たけれども、今後も数多くの諸如来、諸菩薩が、この日本の国に出ていくであろうし、現に出ていっている方も数多くいる。その流れの中には、もちろんかつてキリスト教系で活躍した人もいれば、仏教系で活躍した人もいる。また、日本神道の中の偉大な方々も続々降臨の予定を組んでいる。まあこうしたことがあるだろう。 これはいったい何を意味しているかというと、地上にあっても、たとえば優秀な学生諸君というものは、いい大学を目指していったりするであろう。全国各地の勉強のできる子供たちが、たとえば有名高校に進んで共に学んだり、あるいは有名大学、たとえば東大でもなんでもよいが、そうしたところに集まって勉強したがる。これは競争の原理のひとつの面でもあろうけれども、切磋琢磨(せっさたくま)ということを求めて人々が集まってくる。まあそうしたことがあるのではないかと思う。 このように、高級諸霊が競って出てくる理由は、地上において、たとえば田舎の町立の小学校であるとか、中学校であるとか、高校であるとかに大秀才が一人いたとしても、自分の力が実際どの程度なのかということがわかりかねる。こうして、大秀才はやがて都会の学校に行きたがるという風潮があるが、高級霊たちにとっても同じようなことが言えるのであって、自分一人だけが高級霊として、その時代に出ていっても、自分というものを磨くということにおいて、あるいは他人というものの尺度がないということが、非常に不安である。 したがって、大指導霊が誰か出る時に競ってその時代に出て、お互いに切磋琢磨するということがよく行われる方法論であるし、これは単に方法論としてだけとらえるのではなくて、人情として考えてもそうであろうと思う。やはり同時代に生きて自分と互し、あるいは自分を超えていくような方がいるということが、やはりひとつの進化の条件であろうと思う。こういうことにおいて、高級霊たちも同時代に、同一地域に数多く出てくる傾向がある。まあそうしたことが言えるであろうと思う。 霊的進化の違いが、生まれ変わりの時にもこうして影響するということはあるだろう。魂の学習にとって非常にいい時期に、いい地域に限って出て来るということがあるということだ。これに関しては、ひとつ知っておかねばならんと思う。 7.カルマに対する一考察 さて、この霊的進化、あるいは生まれ変わりということの話をしたわけだけれども、いわゆる「カルマ」ということに対しても、考察を加えておかねばなるまいと思う。 カルマとは、仏教では業(ごう)というふうに言われている。人間には宿業(しゅくごう)というものがあって、それは消し難(がた)いものである。そして過去世の業といって、過去世に犯した業ゆえに今世で苦しみが待っている。まあこういうことがよく言われる。 仏教の本質のひとつは、やはりこの業の思想、カルマの思想であり、過去、現在、未来という三世が、このカルマの法則によって握られているという思想だ。まあこれは、キリスト教などでは明確には出ていないけれども、仏教では非常に大きな目玉のひとつであろうと思う。 このカルマの考え方をなぜ釈迦が明確に打ち出したのかと言うと、ここに教育者としての釈迦の本質があったと言ってもよいであろうか。つまり、人間はともすれば今世限り、現在ただ今の環境そのものに対する不平、不満で生きているけれども、その不平、不満を断つ方便のひとつとして、「今、お前がそうやって苦しんでいるのは、実は過去こういうことがあったのだよ。その原因に対する結果が現れているのだ。これを因果応報の法則という。すなわち、その過去悪いことをしたから今世悪い結果が出ているならば、これをなくすためには、むしろ来世の幸福を考えて、今世にいい種を蒔いていくしかないではないか。いい因を残して、来世のよい結果、よい果実を待つしかないではないか」、まあこういうことを、方便として説いたのではないかと思う。 ただ、これは非常にわかりやすい話であったが、事実その通りの話であるかどうかというと、若干疑問になる点もなきにしもあらずと言えようか。確かに、カルマの法則というものも影響は出ていることは事実。特別な生活をした人、極端な魂の傾向のある人たちにとっては、その魂の傾向を打ち消すか、あるいは和らげるか、修正することができるようなところに出ることが数多くあります。けれども、また同じような生活を送る人がいることも事実です。宗教家として生まれて、何回も出て、何回も成功を収めているような方もいれば、いつも政治家に出て、政治家として成功を収めているような方もいる。 したがって、カルマの法則というもので、ある時に僧侶となり、ある時に下等動物となったり、ある時に罪人になったり、また政治家となったり、奴隷となったり、こういうふうに激しく動くというよりは、やはりその人の魂相応のところに出て来るということが現実であり、そして魂の一部の修正のために、今世の意味があるというふうに考えてもよいと思う。 過去世のカルマというものを、すべて引きずって歩くような生まれ変わりではないと、私は言ってよいと思う。たとえば、過去世に人殺しをしたから、今世に自分が死刑台に立つことになった。まあそうした極端なカルマもないとは言えないだろうけれども、ただそうした一点、重大な過ちという一点によって、今世のカルマがすべて支配されるというふうには、私は言い難いと考える。そうではなくて、やはり今世の意味というのは、ひとつの教育であって、人間は生まれつき立派な素地を持っていて、それの磨きをかけるために出ているのだ。その磨きの部分をカルマの修正というのだ。このように考えてよいと思う。 人間はもともと仏性の宿った素晴らしいものであり、また神の子である。こういう神の子であるから、徹底的な悪人がその罪を償(つぐな)うために刑務所で牢獄に入れられるような、そうしたカルマの思想は間違いだと言ってよいと思う。もともとみんな素晴らしい人であるけれども、素晴らしい人であっても、多少見劣りのする部分はある。たとえば大変な秀才であっても、英語の発音がうまくないとか、大変な秀才であっても国語がそれほど得意でないとか、数学にどうも苦手(にがて)意識とかがある、こうした方がいるであろう。この数学に多少苦手意識があるから、家庭教師を付けて数学の勉強せねばならん。この辺がカルマの刈り取り、修正ということであって、大秀才であることは事実なのです。 まあこうしたことで、極端から極端に物事を考えてはならない。やはり人間とは、そうしたものではないのだ。素晴らしい神の子としての恵みをもって、今世に生まれてきているということが前提であって、その前提を外(はず)した議論は不毛である。私はそのように考えます。したがって、カルマということもあり得るけれども、また原因・・結果、作用・反作用ということもあり得るけれども、それはトータルが素晴らしいものであると見た上で、その一部の修正であるというふうに考えていただきたい。 谷口雅春が今世において、「光一元」の思想を説き、「人間神の子」を説いたから、そのカルマの法則による刈り取りとして、来世もう一回出てくる時には今度は人間罪の子、悪の子、二元論を説くとかと言えば、そういうことはない。おそらくこの次に出ても、また光一元論を私は説くであろう。そのように思う。まあそうしたことだ。何事も極端に考えてはならない。 8.生死を超越せよ さて、いろいろと魂の真実とか、転生輪廻の法則、こうしたことを話してきたけれども、私がこうした話でもって、皆さんに伝えたいことは何かというと、「生死をすべからく超越せよ」ということです。 生死、すなわちこの世の生、それからあの世の死というものを、分断されたものと考えるな。生と死は一体となったものであり、一貫したものなのだ。それは、ひとつの学校から次の学校へと移っていくということなのだ。魂の春夏秋冬なのだ。そういう考え方を持ってほしいと思う。 そしてこの世というものは、先はども述べたようにひとつの学校であり、学校としての意味を持っているのだ。学校としての意味を明確に持っている以上、この学校で優秀な成績をあげなければ、今回の学校教育の意味は終わらないのだ。あなた方もそうであろう。小学校六年間の教育を終えて。中学校三年間があるであろう。これを終えて、高校の三年間があるのではないのか。 同じように、人生というこの現実は、皆様にとって小学校であるか、中学校であるか、高校であるかは私は知らない。ただ、それがひとつの学業過程であり、現在自分が置かれている魂修行の場もまた、そうした学びであるということ、学びの材料であることは事実であって、そのように今世を学校と考える立場から見れば、今世の魂修行として学べるものは貪欲に学んでいく、すべてのものを学んでいくという考え方、これが非常に大事であろうと思う。 同じ環境に生まれ変わることは、いくら生まれ変わりがあるとしても、二度とないであろう。今世の日本なら日本に、生まれるということは、おそらく二度とはあるまい。そうであるならば、今回この人生を持った以上、生ある限り学び尽くすということが大事であろうと思う。学び尽くすということ。この環境において、生きれる限りの最大限の力を発揮して、学びに学ぶということ。そしてその学びの内容は、魂の糧となることを選び取っていくということ。これが大事だ。 魂を堕落させ、下落させるようなことに腐心してはならない。魂を向上させ、光らせることのみに力を注ぎ、そして自らを磨いていくことが大事であろうと思う。それがやがて、今世を超えた来世において、皆さんを調和された世界へと連れていくことになっていくのであろうと思う。 谷口雅春は、人々がわが教えを学んで地上を去った後に、如来界に続々と新しい天使として生まれることを望む。私の書物を学んだ方が、続々とわが如来界に還り来たって、ともに手を携(たずさ)えて悦(よろこ)び合うことができることを祈る。きっとそのようになるであろう。 諸君よ、学ぶということに限りはないのだ。 諸君よ、向上ということに限りはないのだ。 根源なる神に向かって、遙かなる旅に向かって、我らは今、修行しているのだ。絶えず、絶えず向上せよ。そのためには、常に光を目指せ。常に光の王国を目指せ。 私は皆様の先導役として、今後も長く活動してゆきたいと思う。どうか、わが振る手の方へついてきなさい。私の背中を見て、山を登ってきなさい。私の行く先には光がある。私の行く先には太陽がある。私の行く先には神がある。どうか、わが言葉を信じてついてきなさい。
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名前:るりま 通称:るりま よく使われるタグ:るりま 歌ってみた 声の特徴:高音曲によく挑む 作品の特徴・傾向 VOCALOIDオリジナルを歌うことが多い。 その中でもデッドボールPの曲を歌うことが多い。 黒パンダと一緒に歌うこともある。ニコ動デビューはコラボ作だった。 人物・その他の特徴 高音に重きを置く。 M@SATOSHI氏の作曲でネットボーカルもやる。 一度歌ってみたら、よほどのことが無い限りうpするらしい。(本人いわく「貧乏性」) 気分が乗ると毎日のように曲を上げ続ける。 動画 公開マイリスト 木枯らしの朝-FULL.ver-を歌ってみました♪(るりま) おてんば姫の歌♪を歌ってみました!(るりま) 関連動画(合わせてみた等) コラボ /hidden 黒パンダ&るりま 1LDK 黒パンダ&るりま 雲の遺跡 るりパン 合わせてみた 合唱 初音ミクオリジナル 『椿の花』 編集業務連絡 -- 名無しさん (2016-11-07 14 46 03) 名前 コメント
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トップページ - 期間限定イベント - 女型の巨人を捕獲せよ! 女型の巨人を捕獲せよ!イベント ここでは期間限定で行われている、女型の巨人を捕獲せよ!イベントの攻略を行います。 開催期間は、2012年06月14日15時~2012年06月25日14時までとなります。 更新日時:2012/08/13 23 57 11 女型の巨人を捕獲せよ!前準備攻略 女型の巨人を捕獲せよ!攻略 期間限定イベントへ戻る トップページへ戻る
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オーダーミッションNo.023【アリーナ変則試合乱入】CASE1「犬は踊りまわる」 難易度:S依頼主:STCC作戦領域:大型水上スタジアム敵戦力:マッド・ブラッドソー、対戦相手(詳細不明)作戦目標:敵勢力の全滅オーバードウェポンを用いたAC同士の変則マッチが行なわれている。本来、アリーナではオーバードウェポンの使用は禁じられている筈だ。参加しているミグラントがどのような経路で入手したか、そしてOVAの連中が何を思って自ら掟を破ったかは不明だが、いずれにせよ野放しにする訳には行かん。お前には会場へ乱入し、参加しているACを破壊して貰う。解っているとは思うが、試合である以上、抹殺対象となるACは2機だ。僚機の随伴を許可しよう。こちらで手配した中から選べ。腕に自信があるなら単機で乗り込んでも構わんが。我々は重大なルール違反を見過ごす程、お人好しではない。万が一失敗した場合は増援を送る。安心して任務に臨んでくれ。作戦の概要は以上だ。我々はこの世の歪みの一片たりとも、見過ごすつもりは無い。 特殊技術取締委員会 作戦報告書より一部抜粋。 本作戦には前線にS-07、S-29、S-32を投入し、さらに傭兵2名が参加。当初予定では、試合中に消耗したところを傭兵により襲撃をかけ、万が一にも失敗した場合は、隊員により破壊を行う手はずであったが、突如として試合会場が変更となった。時刻1024に連絡を受けたS-18が状況把握を命じた。 『こちらドゥンケル、B-47地点へ到着した』 渓谷を飛び跳ねるように、それでいて周囲へは最大限の警戒を払っているところに、通信が入った。俺とヴィハンは機動性があるので先攻していたが、おじいちゃん……ではなくドゥンケルは機動性のないタンクのため、一旦は指定したポイントへと向かったからだ。 「了解。こっちはまだ偵察中です」 『了解、連絡を待つ』 目の前には、やけに澄んでいる水が流れ、廃墟が点在していた。俺は、廃墟へと身を隠し、隙間からカメラアイを眼下へと向けた。簡単に補足されるとは思えないが、それでもACは岩肌へと出来るだけ隠す。こっちは偵察のプロフェッショナルだ、逆にどうすれば見つからないかぐらいわかりきっている。 「こっちにも居たか……」 試合会場は、さらに先に行ったところだが、その前には1機のACが警戒に当たっている。これ以上接近すれば、相手側に感づかれるだろう。試合に乱入する前に、まずはあのACを相手にしなければならない。そして、その相手はOVA所属の傭兵だ。 「こちらカルスキ・オフチャル。こっちはロウツェン・ノルドマンが警備している」 『ランクは? Bでしたっけ? 』 通信を入れると、小さなディスプレイが開き、ヴィハンから落ち着いた声が聞こえている。表情もいつもと変わらずで、軍人なんて似合いそうにない穏やかな表情をしている。本当に、何処まで落ち着いているのかは、何とも言えない。あの男は、外面だけで何をするかを判断することが危険だ。以上、カルスキ・オフチャルによるヴィハン観察日記より参照っと。 「Bだが、実際の実力はAランク級と言われている。そっちの様子は?」 『変わりません。警戒しているだけです』 「そうか、マジでそれ以上は近づくなよ? そっちにいるヒルベルト・グレイブハートもAランクだし……試合一つにこれだけの警備を付けるのか」 分析せずとも本能でわかる。今日の作戦は、おかしいって事にだ。 そもそもだ、そもそもは、水上スタジアムでオーバードウェポンを装備したACが戦う予定だった。マッチングは、ランクSのザイフリードとランクBのパトリオット・チャリオットだ。両者が消耗したところで、傭兵が向かい、駄目なら俺たちがたたみかける予定だった。俺は、ただの偵察屋だから、おじいちゃんに任せることになるだろうけどさ。 そうだったはずだけどね、試合開始間近になってもスタジアムには2機の姿が無かった。代わりに、アリーナ実況者が試合場所の変更を告げる中継を見る羽目になった。それでも、試合開始会場は比較的近いため、傭兵を連れて渓谷へと向かったわけだが、そこにはヒルベルト・グレイブハートがいた。間違いなく、試合が順調に行われるための警備だろう。他をあたってみれば、さらなる傭兵がいたわけだし。 急な会場変更とは言うが、高ランクの傭兵が二人も警備に出ている。しかも、OVAに所属し、OVAが信頼する傭兵だ。つまりは、外部からの妨害に対して万全を計っている。急にこれだけの傭兵を準備できるとは思えない。これは、こちらが襲撃することをOVAが掴んでいたと見て間違いないじゃないか。アリーナ実況者が言うとおりに、急な会場変更ではない。元から、試合会場はこの渓谷だったのだろう。 「とにかく、一度、副長ズに連絡してくれ」 『それですが、急な出撃でベルマレイ副長は居ないと連絡がきています』 「マジか? 」 『隊長と一緒に出ているそうです。どうします? もう片方の副長に連絡したところで、判断が下る頃には試合が終わっていますよ』 「あー、まー、だろうな」 比較的新参のヴィハンですら、副長の片割れの判断が遅いことを把握している。前に、副長ズが揃っているところで、この新参がベルマレイ副長に直接に判断を仰いだときには焦った。いくら何でも、ないがしろにするわけにはいかんだろうよ。いや、一々ベルマレイに確認しているけどさ。 『ドゥンケル。現場では、貴方が一番階級が高い。判断を』 嗚呼、なんでこの新参者はいくら判断が遅いと言っても副長を無視して現場で判断しようとするのか。 『ヴィハンよ。儂でも、上の判断を仰がないのはどうかと思うぞ』 おじいちゃん。そうです。その新参者をしかってください。亀の甲より年の功ってよく言ったものでさ。 『秩序の崩壊が目の前で起ころうとしているんですよ。調停しましょう。傭兵に警備の連中の相手をさせ、僕たちで突撃し、調停をするのです。超過兵装など潰してしまいましょう。このまま退けば僕たちは敵前逃亡の負け犬の役立たずとなってしまいます』 ヴィハンが淡々と、穏やかに言うが、その突撃って偵察屋の俺も入っているんじゃねぇだろうな。敵前逃亡を嫌っているのは判るが、犬死にしたらなんにもならないってわかっているのか、こいつ。 『……ふむ、隊長ならば、現場の判断を信頼するだろう。何かあっても、儂のような老いぼれの首一つで済むなら安いか』 おじいちゃん待って、早まらないで。いくらなんでもそれはね。命を粗末にせず、長生きしてください。目指せ100歳現役ACパイロット。 「ま、待って! 待ってくれ! まずは連絡だろ!? 」 『当初の予定とは違いますが、3対2ですし、行けますよ』 やっぱり、俺も頭数に入っているのかよ。何を勝手に入れちゃってくれるかな。こういうときは仲間はずれにしてくれていいんだよ。 「三人でも、偵察役の俺、サポートのお前、で直接叩くのはおじいちゃんが基本だろ!? 何、突撃しようとしてるの? なんで? 」 情報通で通っている俺に、判りやすく説明してくれ。 『僕の機体構成では、サポートと突撃しか出来ませんからね。だから、突撃しましょう』 「アホか! サポートしろよ! サポート機なのに、レーザーブレードとか装備しやがって!」 『両手に装備したいぐらいですよ』 「マジやめろよ!? それに、俺は直接戦闘が苦手だって言っているだろ!? パルスガンしか持ってないの」 『何の冗談です? ブーストチャージもあるでしょ』 「お前が何の冗談だ! 軽量機にブーストチャージさせんな! 」 全く、こいつは、なんで突撃すればなんでも解決するって思っているんだ。状況に歯がゆいのは俺も同じだが、だからって突撃に至るプロセスがわからねーよ。 「おじいちゃんも、待ってくださいよ。俺一人じゃ、そこの突撃したがる奴を止められないからさ」 『ふむ。確かにな。確かに、状況が奇妙である。ヴィハン、お前はとりあえず連絡を入れろ』 『了解です』 良かった。やっぱり、おじいちゃんは頼りになるよ。マジで長生きしてください。俺の命と胃のためにね。 『さて、状況をどう分析する? 』 そうだ、俺の役割はあくまでも情報収集と解析し、世界の裏側まで知り尽くすことだ。まかり間違っても、偵察機で超過兵装装備ACに突撃することじゃない。……絶対に突撃しないからな。 「とりあえず、会場変更と警備の存在を踏まえれば、別の何かの企てに遭遇したか、こっちの作戦が漏洩していたのではないかと」 どんな企てかは今は情報が少なすぎて判らないが、OVAが大きく動いているのは間違いないだろう。さらに、情報が漏洩していたとすれば、突っ込んでいけば相手の思うつぼだ。超過兵装同士の戦いではなく、俺たちSTCCを倒すための準備をしているとすれば……。いや、それにしては、警備が厳重すぎる。誘い込むにしては厳重すぎるな。と、すれば、情報を掴んだ上で、外部からの試合への干渉を防ぐためかと考えるべきか? 『漏洩したとすれば、傭兵からか? 』 「それは……わかりません。一番怪しいところっすけどね」 おじいちゃんも矢張り、そこに行き着くか。だが、まだ何とも言えない。今は、判らないことが多すぎる。だが、だからこそ、知ることに意味が見いだせるけどよ。 『どの傭兵ですか? 教えてください。まずはそいつを潰しましょう』 ヴィハンが口を挟んでくる。 ……こいつ駄目だ。外面が穏やかな割に、中身は大抵を暴力でしか解決できないと思っている。どういう教育したらこんな壊れているほど凶暴な思想に至るんだ。こっちも調べねーと、俺の命が危ういんじゃないか。 「知るかって」 『なんだ、役立たずですね』 「今、わかるわけねーだろ! お前に言われたくねーよ! それより、連絡は? 」 『状況を伝え、どうせ判断がナメクジよりも遅いから、貴方はしばらく待機と言いますねと言ったところ、暫し間が開いてから『ああ』と返答されました』 勘弁してくれよ。副長を馬鹿にしすぎだろ。副長も、こういう生意気な奴にはガツンと言えば良いんだ。でも、言いそうにないな。今度、ホファヴァルトにでも説教して貰うか。こういった無駄死がでる突撃なんて絶対に止めてくれるだろう。 とりあえず、現在の状況だ。 俺のコックピットディスプレイには、《フリークス・MS》の姿を確認できる。かつては最強と称された傭兵コンビの片割れだ。ある任務で負傷し後遺症をもっていると情報はあるが、それでも、下手な傭兵よりは手強いだろう。 時刻を見れば、あと数分で試合開始時間だ。 「ヴィハン。映像まわしてくれ」 『了解。ずっと警戒しているだけですよ』 《ウルフファング》が映るディスプレイに、小さなディスプレイが開かれ、《フリークス・MS》の姿を確認できる。かつては最強と称された傭兵コンビの片割れだ。ある任務で負傷し後遺症をもっていると情報はあるが、それでも、下手な傭兵よりは手強いだろう。 どうしたもんか、これだけの傭兵を使ってまで警備していることが、ことさらに奇妙に見えてきた。 超過兵装を用いた試合なんて、滅多にあるものではないし、クーデターの後に、俺たちのような組織が作られてもいるが、それでも、警戒しすぎではないだろうか。俺たち以外にも……まさか、バンガードも何か動いていて、それも警戒してのことか。 そうだ、あの2機を確認できているだけで、さらに控えている可能性がある。 「おじいちゃん。俺から進言する。試合を見てから決めよう。何か起きる気がする。だったら、俺たちは最後の最後まで切り札でいるべきじゃないか? 」 すぐには、ドゥンケルから返信はなく、数秒の間が随分と長く感じられる。 『……確かに。確かに、今は、先に動いた方が負けかもしれん』 ずいぶんと重い口調だった。言葉の裏側に、状況事態を疑っていると言われているようだった。 『ヴィハン。目先だけに囚われるな。こらえることも軍人の仕事だ。割り切れとは言わん。ただ、こらえろ』 『……了解です』 一番の悩みの種が、少しばかり間があったが素直に返事をした。どうせ、今日はオーバードウェポンを破壊できると期待し、頭に血が上っていたのだろう。見てくれ通り穏やかでいてくれないもんかな。 それはともかくとして、試合が始まっていた。ディスプレイを少しだけ大きくし、録画の設定もしてある。 ザイフリードの《マッド・ブラッドソー》とパトリオット・チャリオットの《テンペスト》が間に橋を挟み、対峙していた。少し離れた場所で起きているから、邪魔さえなければ俺の《スカウカー》ならすぐに辿り着いて見ることが出来る。それが出来ないのはなお歯がゆい。 『……所詮は、見せ物か』 ドゥンケルから呟くような声が聞こえた。それは、動きにキレがない《テンペスト》を見ての事だろうか。確かに、事前に調べたアリーナでの動きに比べると、《テンペスト》の動きは悪い。『疾風』の二つ名が泣くが、油断を誘っているのか。それとも、こんな時に限って調子が悪いとでも言うのか。 ともかく、おじいちゃんはアリーナだとかそういう最近の流行が嫌いなので、小手先のつまらない策を見て、見せ物程度と呟いたのかも知れない。 試合は、《テンペスト》が一度廃墟の影へと消えていった。仕切り直しか。 『カルスキ・オフチャル』 ヴィハンから連絡が入る。いつも通りの穏やかな声だが、こんな時にこの性格破綻者は何の用だ? 試合が映るディスプレイの横にいるウルフファングには動きはない。 「なんだ? おとなしくしていろよ」 『何故、SランクとBランクがマッチングしているのです? 実力差が有りすぎでは? 』 『所詮は下らん見せ物だ。そういうものなのだろう』 ドゥンケルが、心底つまらなそうに言った。やっぱり、アリーナが嫌いなのね。 「そうそう、それに、傭兵なんて、ランク通りの実力ってわけでもないぞ。極端だが、Fランクにヴェレッタって女がいる……――あ?」 いや、待て、確かに俺もそこは一度は疑問に思った。作戦立案の時点では、見せ物としての面が強いアリーナだから注目を浴びるマッチングにしただけだと判断し、それ以上は深くは考えていなかった。そうだ、そもそも、作戦立案のためのスタートラインであるマッチングがおかしい。急な試合会場の変更、アリーナでの超過兵装の使用、高ランクの警備よりも、根本をもっと疑うべきだったのか? だが、根本への疑いは、ディスプレイに再び姿を現した《テンペスト》によって中断された。 「起動しやがった」 テンペストのコアを覆うように何本ものパルスガンが伸び、火花が散り、小さな爆発が時々起こる。青白い光を放ち、あらゆる意味で規格外の存在を見せつけるように橋の手前で構えた。《マッドブラッドソー》が逃げずに、橋の上で構えてレーザーキャノンを《テンペスト》に向けていた。 一瞬の間、その後にはディスプレイが青白い光に包まれた。 収まったときには、撃ち抜かれ、ブレードが数本欠けたグラインドブレードを対戦者に向けた《マッドブラッドソー》の姿と、パルスガンが数本欠けたマルチプルパルスをパージしている《テンペスト》だった。橋は吹き飛ばされ、溶けたアスファルトが渓谷へと垂れていく。実況者が喚くように言っているが、マルチプルパルスの全方位攻撃を《マッドブラッドソー》はグラインドブレードを盾にして防いだ。盾にする直前に、レーザーキャノンでマルチプルパルスを撃ち抜いた。まとめれば、ただこれだけの事だ。 しかし、壊された。 さらに疑うべき事象が起きた。 もし、定石で行くならば、《マッドブラッドソー》は一度は退くべきだし、せいぜい一度だけ撃てれば良いだけのマルチプルパルスの数本の砲身だけを破壊しに行く必要はない。見せ物としての最高潮を求めるなら、グラインドブレードを起動し突っ込んでいってもおかしくはない。マルチプルパルスが発動する直前に、超過兵装ごと《テンペスト》を抉りにいく展開もあり得る。だが、そのどちらもせずに中途半端な事をして、両者の超過兵装は破壊されている。 『壊れたか。半分は達成したとでも報告しますか? 半分達成なら、OVAに対する警告自体は成り立ちませんが? 』 ヴィハンは、いつもと同じ穏やかな声だった。ヴィハンの役割は、ジェネレータージャマーを使ってのオーバードウェポンの起動阻止を主体とするサポート役だ。両ハンガーにジェネレーターの限界出力に影響を及ぼすジャマーを搭載し、対超過兵装用に特化した機体だ。だから、超過兵装が絡まない作戦なら、今日のようにここまで、突撃したがらない。口が悪いのは相変わらずのままだが、サポート役に徹してくる。時々、突撃することはするけども。 そんなヴィハンは何を思っているのか。自分で破壊したがっていた超過兵装が二つも壊れたことをどう思っているのだろう。超過兵装が消えた事を喜ぶのか、自分の手で壊せなかったことを悔やんでいるのか。 『警備を傭兵に任せて、消耗した2機を我々で仕留めるか? 逆も構わんが、試合はもうさほど長くは続かないだろうよ。しかし、既に大技を失った試合に乱入するか。些か間が抜けているがな……』 続いてドゥンケルが呟いた。 「おじいちゃんの言うことも一理あるし、作戦自体がもう半分は失敗しているようなもんだな。ヴィハン、お前、まだ突撃する気あるのか? 」 『命令であれば。僕は冷静です……少々お待ちを、副長から連絡です』 俺の機体にもガズニからの連絡が入る。小さなディスプレイにSOUND ONRYの文字が浮かぶ。 『こちらガズニ。作戦は中止する。傭兵と一緒に引き上げろ』 落ち着いた声に、俺でも、その指示の全てが遅すぎると思ったが、続いた言葉に納得した。 『隊長とベルマレイの方から連絡が入った。起動している大型兵器を確認したそうだ。そちらの援護へ回る。回収ポイントへ急げ』 そういうことかよ。大型兵器が現れたか。大抵はどこぞのビーハイブだろうけどよ。 「了解。回収ポイントへ急行する」 通信を返し、SOUND ONRYのウィンドウが消える。試合会場へ背を向けて、渓谷を駆け抜けていく。 こんな幕切れか、試合の裏に潜む真実を知りたいが、もうそんな訳にもいかない。結果として、試合会場変更を理由とした待機は正しかったわけだ。カードを伏せたまま終わるなんてつまらないが、別件でひっくり返してやるだけだな。 さて、試合の謎はどこに真実があるかだ。 もう一度繰り返せば、突然の試合会場の変更があり、高ランクの警備、不自然な試合運び、と色々あるが、一番はマッチングか。 なにか仕込まれていたことは確実だろう。それを仕込んだのが、OVAなのかバタリアなのか他のミグラントなのか。それとも、本隊のバンガードなのか。 今は大型兵器の破壊が最優先だろうけど、そいつが終われば改めて調べていけばいい。 誰かは知らないが、面白い謎が出てきたじゃないか。 「ヴィハン。おじいちゃん」 二人に通信を入れた。二人とも、順調に回収ポイントへ向かっていることはディスプレイに現れている。 「何が起きたのか解き明かすからよ。次は、成功させようぜ」 『うむ。いずれ、調停せねばなるまい』 『当然です』 アリーナを嫌うおじいちゃん、超過兵装を嫌うヴィハン、それに俺も、このまま引き下がるようじゃSTCCとしてやってはいけないからな。 誰が仕組んだか知らないが、俺が探り当ててやるさ。 fin. 投稿者:ug 登録タグ:ug 小説 読み切り
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第一話ハンドアウト 今ここに異世界からの来訪者は現れた。 しかし、城は妖魔によって包囲され脱出することは容易ではない。 姫は言う。 この城には秘密の脱出路があると・・・ 冒険者達は生きて包囲網を突破することができるのであろうか? アリアンロッドキャンペーン「異界からの来訪者」第一話 「妖魔包囲網を突破せよ」 冒険が今、始まる。 ギルドハンドアウト キミ達は共通の目的である魔将バラムの復活を阻止して倒すことだ。 そのためには異界の勇者であるPC1を連れて魔都ベルヴェに行く必要がある。 まずはこの妖魔包囲網を突破する必要があるがどのようにしようか? 情報項目 ■敵の総大将について【知力】、【感知】:15 ■味方の増援について【敏捷】、【幸運】:15 ■秘密の脱出路について【知力】、【精神】:15 交渉系のスキルがあれば使用可 ■城の近くにいる妖魔を討伐する【筋力】、【器用】:15 複数回可能 全員が行動することで1日経過することとする
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昨日よりも、明日よりも 第二話 賭場『灰猫』 賭けの胴元であり、またあらゆる賭けの仲介、判定、取立てを行う組織の名前でもある。 その支部兼支店の一つがこの街にあった。 朱風はそこの常連であり 「さて、今日の景気はどうかのう?」 「いらっしゃいませにゃ。ちょうどいい所に来たにゃ。飛んで火にいる夏の虫にゃ」 まぁ、色々とあったりする。 - 1 - 「いきなり物騒な挨拶じゃな」 「う~」 入り口受付にいたのはメスの猫だった。 猫にたまに見られる左右の瞳の色が違う異相貌の娘で、灰色の髪をショートカットにし、 そこに赤いメッシュを入れている。 顔見知り…と言うよりも友人と言ったほうが正しいのだろうか。 「いや唸られても困るんじゃが。そもそも何故ぬしが受付なぞやっておる」 この猫、『レダ』は実はこの支部の長だ。 当然の事ながら受付は本来の仕事の範疇外である。 「う~」 「…また負けたのかの?」 「ぎっくうっ」 このレダ、賭博組織の支部を一つ任されているにしては賭けに弱い。 正確に言えば何故か「金銭以外の賭け」にとことん弱い。 例えば「明日の仕事一日肩代わり」を賭けた勝負などには勝つ事が奇跡とすら言えるほど の弱さだ。 「はぁ…まったく。ぬしは弱いんじゃからあまりそうした勝負はせん方が良いぞ?」 「家一軒を容赦にゃく巻き上げるようにゃ奴に言われたくないにゃ!それに今日は負けた からここにいるわけじゃないにゃ!」 まだ幼い頃の話だが、朱風との「姉が建てたばかりの狐耳国風屋敷」を賭けた勝負にもあ っさり負けていたりする。 多分に朱風がうまく話を誘導したと言うのもあるが、実際は半分自爆に近い形で負けてい た。 直後に受けた姉からのお仕置きは人生観が変わるほどのものだったらしい。 それ以降色々と因縁が生じ、今では遊び仲間というか共犯者と言うか、まぁ仲は悪くない 間柄となっている。 「それよりもっ!」 「なんじゃ突然。今日のわしは賭けに興じに来ただけじゃぞ」 「いいからこっち来るにゃ!」 「いや、受付はどうするつも」 「そんにゃもんどうでもいいにゃ!」 多分、どうでも良くないと言うか後で叱られるのではないだろうか。 副支部長もその他の部下達もこの愛すべき支部長を可愛がってはいるが、厳しくもある。 仕事を放り出す事に関してはある程度諦めている向きもあるが。 (賭け事に関しては特に厳しいからのう) 当然、賭けの代償をほったらかしたとなれば相当な『教育』が待っているに違いない。 事あるごとに奴隷に躾けられる最近の自分を思い返し、同情とも同類が増える昏い喜びと もつかぬ感情を覚える。 結局、二階の事務室の奥、支部長室に連れ込まれてしまった。 ちなみにここの『灰猫』は地上二階、地下三階建てだ。 今日は机の上に小さな樽が一つと無数の玩具のナイフが散乱している。 樽には人形のような物が入っていたり、ナイフが数本突き刺さっていたりと何だかよく分 からない事になっているが、処刑遊びか何かの玩具だろうか。 「あ、それはなんだかよく分からにゃいけど、落ち物の賭け道具らしいにゃ。本部から送 られて来たにゃ。後で一緒に試して遊ぶにゃー♪ 楽しみに…じゃにゃくて昨日の騒ぎは 一体どういう事にゃ!」 「昨日?朝、散歩の邪魔をした馬鹿を運河に叩き込んだ事かの?それとも小賢しいナンパ 野郎共を奴隷にブチのめさせた事かの?」 朝の相手については、なんでも遊ぶ金がないので融通して貰いたいだの必ず返すだのほざ きながら肩に手をまわしてくるような雄猫だった。 見覚えがあるようなないような微妙な感じだったが、覚えていないか忘れているのならそ の程度の相手なのだろう。 たまに早起きした日はふらりと早朝の町を散策するのが楽しみの一つなのだが、それを堂 々と邪魔してくれたので、逆に騙くらかして水に放り込んでやったのだ。 「後半にゃ。…と言うか前半のは初耳にゃよ!?」 「そうじゃったのか。まぁ話題になっておらんのならどうでもええじゃろう」 「んー…まあ、そうにゃんだけど…」 「うむ。元気に溺れておったから大丈夫じゃ」 「それは大丈夫とは言わないにゃ!」 「誰かが助けに飛び込みおったから問題なかろ」 「…それを先に言うにゃ」 その後どうなったのかは興味がなかったのでさっさと帰ったが。 「さて、話は終わったようなので行かせてもらうぞ。それともそこの樽の玩具で遊んでみ るかえ?」 「もちろん遊…って待つにゃ!いくらにゃんでも誤魔化せるわけないにゃよ!」 「誤魔化されかかっておいてよく言うのう」 「違うにゃ!ノリツッコミという奴にゃ!」 「解っておる解っておる。ノリツッコミじゃな?うむ、よう頑張った」 「うぎぎぎぎ…馬鹿にするにゃー!」 「相変わらず可愛いのう、ぬしは」 からかうと面白い、と言うより可愛らしい。 地団駄を踏むという言葉をそのまま体で表現して微笑ましく見えるのは珍しい。 そうした所も気に入っている理由の一つだ。 「それで、なんじゃ?」 「まずはこれを聞くにゃ」 と、机の引き出しから書類を取り出す。 ぺらぺらと数枚めくり、目的の箇所を読み上げ始める。 どうやら昨日の乱闘騒ぎに関する報告書のようだ。 「まず重症にゃのが一人。気管が潰されかけて声が出せにゃくなってるにゃ」 「ああ、あの時のか。足を払われ後頭部から落ちて苦しんでおる所に踏み付け…と言うか 踏み切りかのう、あれは。飛び蹴りの踏み切り台に使っとった。喉を」 「うにゃあああ!言うにゃ言うにゃ!あちしまで痛くなるにゃー!」 頭の上の耳を手で抑えてぶんぶんと頭を振る。 いつもの事だが「痛そうな話」にてんで弱い。 弱いと言うよりも既に恐怖症に近いかもしれない。 痛い話恐怖症。うん、面白い。 と、落ち着いたのかこちらを上目遣いで伺い、特に口を開けていない事を確認すると何事 もなかったかのように続きを読み上げ始めた。 「それと腕や顔の骨を折られたのが三人、うち一人は鼻と言うか顔が折れ曲がってえらい 事になったにゃ」 「耳を掴んで思いっきり頭突きしおったうえに前のめりになった所に肘打ちを入れて、更 に仰向けに倒れた所で踵の追い討ちかけとったからのう。しかも全部顔面。あれは痛そう じゃった」 「ギにゃアアアア!」 今度は顔を覆ってゴロゴロと転がり始めた。 「…ぬし、仮にも裏の人間にも関わらず、それはどうなんじゃ?と言うか自分で話す分に は平気で聞くのだけがダメというのも解せんのじゃがのう」 「痛いのいやにゃー、痛いのいやにゃー」 再び耳を抑えガタガタと震えているのを見て悪戯心が掻き立てられるが、話が進まないの で仕方なく我慢する。 「分かった分かった。解説は控えてやるからはよう本題にうつれ」 「う~」 またもや上目遣いでこちらを睨みつつ唸っているのが可愛くて仕方ない。 「簡単に言えば揉み消しにお金がかかったにゃ」 「どうせぬしらの息がかかってない輩じゃろ。邪魔なのを潰せたんじゃからそれぐらいは 許容をするという取り決めの筈じゃ」 「あと何か勘違いしたのか、お仲間があちしらに喧嘩売ってきてるにゃ」 「…わしのせいではないぞ?」 「いーや、朱風のせいにゃ。最近騒動が多過ぎてそのたんびに庇ってるからこっちが黒幕 と思われてるに違いないにゃ。どうしてくれるにゃ!」 確かに、ここのところ奴隷の暴れっぷりを見るのが楽しくて、ついついそういう輩の集ま りそうな所を好んでうろつき回っていた様な。 「…はしゃぎ過ぎたかの?」 「はしゃぎ過ぎにゃ。あと容赦なさ過ぎにゃ」 「それは奴隷に言うてくれ」 「いにゃいから朱風に言ってるにゃ。そもそも原因作ってるのが朱風だって事ぐらい、調 べはついてるにゃよ」 実際に絡んできているのは相手からだ。 とは言え『そういう場所』に近付いたり無防備にヒト奴隷をついて来させたりと目立つ行 動をしていた事は否めない。 ついでに言えばあまり噂になり過ぎないように場所や時間帯を少しずつずらしていたのも 事実だ。 「それで、どうするつもりじゃ?わしらを突き出すつもりかの?」 「…朱風のようなお得意様を突き出せるわけないにゃ」 「別に金を落としてはおらんぞ。むしろ毟り取っておるぐらいじゃ。付き合いの長さはあ るじゃろうが」 「う~」 考えている事はわかる。 友人を売る気にはなれないのだろう。 組織の長としては大甘ではあるが…それはそれで意味がある。 「ま、よかろう。そういう事ならば少しぐらいは出してやらんでもない。問題は喧嘩を売 られていることじゃろうが、別にそういう事なら灰猫として叩き潰せばよかろう?」 「さすがに本部相手に喧嘩は売れないにゃ」 「本部、じゃと?」 『灰猫』本部。 レダの姉が総代兼本部長を勤める、規模的にも権力的にも『灰猫』中最大の場所だ。 そもそもこの『灰猫』自体が彼女達の祖父が立ち上げた物で、三代に渡ってその組織を受 け継いで来ている。 特に二代目…彼女達の父親は商才もさる事ながら博才もあり、その勢力を大きく広げてい る。 現在は三代目に移ってから数年、それは同時にこの町に灰猫の支部ができ、レダが支部長 になってから同じ時間がたっている事を示していた。 「にゃんか、喧嘩したやつの中に『灰猫』本部の人が混じってたにゃ。ちょうどさっき来 て教育がなってにゃいとかで、治療費とか慰謝料とか請求されてるにゃ」 「…情けないのもおるもんじゃな。と言うか多分あやつじゃな。わしに最初に声をかけた 上に喧嘩になれば即座に後ろに下がり、最後の一人になったら逃げ出しおった馬鹿」 「とことんヘタレ顔をしてるんならそいつで間違いにゃいと思うにゃ。今は皆で接待して るにゃ。人を遣って朱風を呼ぼうとした所にちょうど来てくれて助かったにゃ」 「ふむ」 「ねーちんもにゃんであんな奴雇ってるんかにゃア。あちしの方がまだ頭良いにゃ」 「ぬしより頭が悪いとは、哀れみを感じるほどの極限ギリギリ馬鹿じゃな」 「どう言う意味にゃ!」 ぷんぷん、という擬音付きで怒り出す。 だがその裏で実はかなり困っているのが見て取れる。 レダは支部長とは言え、実際には周囲からはお飾りとして見られていた。 正確にはこの支部以外の支部からは、だが。 それ故に本部やここ以外の支部からは軽く見られ、事あるごとにちょっかいをかけられて いるのだ。 無理もない。 新設のここはともかくとして、他の支部は大半が彼女らの親の代に作られた物であり、レ ダは親の(あるいは姉の)七光りで支部長になったと思われている。 それが面白く思われる筈がない。 「揉み消しの金を払わずともよいのであれば知恵を提供しても良いぞ?」 「うーん…それとしばらく騒ぎを起こすのを自重してくれるなら受けるにゃ」 「乗った」 と言う事で弱みに付け込ませてもらう。 実際問題、手持ちが少なく稼ぐためにここに来た以上、手段は選んでいられない。 騒ぎについては…まあ、そろそろ話題にもなってきた事だし、しばらくは大人しくしてい てもいいだろう。 「ああ、それと先に言うておくが、多分本部から来たと言うのは嘘じゃぞ」 「にゃんで分かるにゃ?」 「ぬしの姉がぬしに害を及ぼしかねぬ者のを雇うわけがなかろう。そういう所では異常な までに鼻が利くからのう、あやつは」 「でも、本部の魔法割符を持っていたにゃ」 「偽物じゃろ。さすがに何年も同じ物を使っておればそんなのも出る」 「そうにゃのかー」 「…ほんに可愛いのう、ぬしは」 「にゃ、にゃ」 眉間のあたりを指でぐりぐりと揉んでやる。 目を細めて気持ち良さそうにしているのが可愛らしいと思うが、あまりにも無防備なので 他の人間がいる場所ではやらない。 特に副支部長がいる場では。 以前副支部長にこの状態のレダの姿を見せた所、レダが夜中に朱風家に逃げ込むという騒 動が起こった事がある。 なぜそうなったのかはレダも副支部長も話したがらないが、察するところどうも副支部長 に『可愛がられた』ために逃げ出したようだ。 そちらの気があるようには見えないのだが、人は見かけによらないという事だろうか。 - 2 - 賭場『灰猫』地下2階 個室 地上一階は多数の客が提供された賭けを行う広間に、地下一階は一種の闘技場となってい るが、地下二階には客同士一対一のような小規模な賭けを行うための個室が用意されてい る。 その個室の一つが接待のために宛がわれていた。 最も金がかかっているVIPルームではないが、それなりに高級な部屋だ。 「別に二階の事務所でもよかろうに」 「うぅ、でももし機嫌を損ねてねーちんにある事ない事吹き込まれたらと思うとお仕置き が恐くて仕方なかったにゃ」 「いやあやつはそう簡単には騙されんじゃろ。なんせわしですら騙すのに一苦労するよう な輩じゃぞ」 などと雑談しながら部屋の前につく。 個室は基本的に完全防音となるように作られているため、扉も分厚く頑丈だ。 とりあえず呼び鈴を押し待っていると中から扉が開かれた。 副支部長だ。 レダと同じくやはり猫で(そもそもここは猫国だ)灰色と黒の混ざったブチ模様の耳と尻 尾をもち、黒髪をショートカットにまとめている。 名前は知らない。と言うよりも頑として明かさない。 名簿にも載っていなければレダですら知らないとの事なので徹底している。 「レダ様…と、朱風様」 「疲れておるな。交代じゃ。少し休め」 「ですが…」 「朱風の言う通りにするにゃ。大丈夫にゃ。あんなのぽぽいのぽいにゃ」 「はい。では、お言葉に甘えまして」 と一歩だけ下がる。 どうやら扉の外で待機するつもりらしい。 それでは休む事にはならないが (レダの心配か。忠義者…とは単純に思えぬがのう) と益体もない事を考える。 何故ならば扉の奥、部屋の中にいたのはニタニタと笑いを浮かべる昨日のチンピラ猫だっ たからだ。 そんな物を見るぐらいならどうでもいい事を延々と考えていたほうが気が楽でいい。 しかしいつまでもそんな事をしているわけにも行かず、部屋に踏み込む。 「ずいぶん待たせてしまったようじゃのう。わしの代わりに支部代表として支部長が謝る そうじゃ」 「にゃ!?そ、そんな話聞いてないにゃ!」 「冗談じゃよ」 「…どういう事ですか?」 目が合った瞬間に一瞬ビクついた小心者が必死に体裁を取り繕おうとしている。 余裕ぶった態度を見せようとしているが、結局そうした態度を『見せよう』とすればする ほど余裕のなさは露呈するものだ。 「ま、なんじゃな。当事者であるわしとこの支部の責任者がおれば話も簡単にまとまると 言うものじゃろう」 「責任者?」 「あー、ぬしは『灰猫』なんじゃろう?」 「え、ええ、そうです。本部の、本部の『灰猫』です。あなたのような支部の『灰猫』と は身分が違います」 「ならここにいるのがここの支部長だと知らぬはずもなかろうに」 「な、し、知っていますとも。もちろん。本部の人間がそれを知らないとでも?ただ、責 任者と言われたので他の方が出てくるのかと思っただけです」 (うっぜえにゃ。朱風の言うとおりこいつ絶対偽物にゃ。つーか『灰猫』を思いっくそ馬 鹿にしてるにゃ) (ぬしより馬鹿なだけの事はあるのう…この程度の者が割符を作れるはずもないとは思う が。どこかの一員にしても安直過ぎじゃ。誰かに乗せられただけのただの雑魚かのう?) (きっと最近『灰猫』にちょっかいかけて来てる奴らにゃ。ねーちんがイラついててもう 少しであちしを襲うところだったから、相当ウザい奴らに違いないにゃ) (そう単純であれば後々楽なんじゃがな) と気付かれぬ程度の小声で囁き合う。 馬鹿を装っているだけかもしれないと思っていたが、見ている限りでは真正の馬鹿だ。 とは言え油断は出来ない。 こちらも相手よりほんの少しだけ頭の良い馬鹿を演じさせてもらうとしよう。 「では、当然受けて貰えるじゃろうな」 「…何をですか?」 「勝負じゃよ、勝負。『灰猫』は『灰猫』らしく賭け事で白黒つけるのが筋じゃろう?」 「い、いや。その前に賠償を」 「もちろん。ほれ、支部長。手付けがわりの分を渡してやれ」 (とりあえずは五百セパタほどでよかろ) (五百?!高過ぎにゃよ!) (見せ餌じゃ。きっちり取り返す。それと取立人を呼んでおけ) (う~…約束にゃよ?) (うむ、約束じゃ) まあ約束を守ると言う保障はないのだが。 「さて、私はこれで…」 「おや、本部の人間が逃げるつもりかえ?それはまた恥晒しな事じゃな」 「なっ」 プライドを刺激する。 入ってくる直前の態度から『本部の人間』である事に(それが事実だろうと虚偽だろうと )快感を覚えているのは間違いない。 ならば、それを方向を考えつつほんの少しだけ弄ってやれば、それは簡単に動機となる。 「ふ…いいでしょう。勝負方法は?」 「簡単なのが良いかの。コイントスはどうじゃろう?」 「構いませんよ」 「賭け金は五百セパタ、勝った方が総取りの一対一で」 「なっ…」 「おや、本部の人間ともあろう者がたった五百の勝負に尻込みとな?怪しいのう。本当に 『灰猫』なんじゃろうな?」 プライドを刺激するついでに疑っている事も伝えてやる。 一度は乗ってしまった以上はもはや降りにくく、それ以上に嘘がバレた時が恐いという事 に気付いた筈だ。 …真正の馬鹿には無意味かもしれないが。 (いや、朱風も『灰猫』じゃにゃいんだけど…) (わざわざ正確な情報を教えてやる事もないじゃろ) 「…受けましょう」 「わしが当てればわしの勝ち、わしが外せばぬしの勝ちの一発勝負でどうじゃ?」 「構いません」 「では念のため記録させて貰うかの」 この部屋は元々客同士、それもランク的には高額を賭ける上流階級や裏世界の人間を対象 とした部屋だ。 故に完全防音であり、またトラブルを防止するための幾つかの仕掛けが用意されている。 その内の一つが猫井技研製の音声記録装置だ。 原理はよくわからないが、音の振動を記録しほぼそのまま再現できるとの事。 そうした『現象を保存する』事に関しては魔法よりも符の方が向いているし、実際に朱風 もそれは使えるが、どうやらそれとはかなり異なる方式らしい。 ヒト世界の蓄音機とかいう物を参考にしたと知り合いから聞いたことがあるが。 「勝負方法はコイントス。チップの『灰猫』の文字が書かれている側を表とし、どちらが 上になるかをわしが当てればわしの勝ち、外せば相手の勝ちとする。賭け金は五百セパタ。 勝った方が総取りで千セパタを得る勝負。受けるか?」 「受けましょう」 気付いているかいないかは解らないが、この時点で天秤はこちらに傾いた。 あとは裏をかかれない限りはこちらの勝ちだ。 そしてここまでのやりとりで確信した事がある。 この相手は正真正銘、真正の馬鹿である、と。 「そう言えばどちらが投げるのかを決めてなかったのう。ぬしはどちらが良い?」 「わっ、私が投げます!」 と言うわけでほんの少し呼び水を差してやれば面白い…否、つまらない程に策に乗ってく る。 正直なところ張り合いがなくて少々つまらない。 (うっわイカサマする気満々にゃ。どうするにゃ?) (無視じゃ) (りょーかいにゃ…勝てるのかにゃ?) (わしを信じよ。こやつ、思っていた以上に馬鹿じゃからな。放っておいても勝てる) 「使うチップは…これで良いか。ほれ」 と、適当に選んだチップを投げるが 「いえ、イカサマの可能性があるので私が選びます」 と拒否される。 (ど、どの口が言うにゃ。面白過ぎて吹き出しそうにゃ) (我慢せい。わしも必死で堪えておる) (つーか馬鹿にゃ。もし朱風が負けても実力で取り返せそうにゃ) (まあ、金銭勝負に持ち込んだ時点でぬしでも勝てるじゃろうがな) 「まあ、よかろ。では投げて貰おうか」 本当は投げる前に賭けるのが正しいのだが、仕込みを生かすためにわざとせかす。 相手もイカサマをしたいのであれば投げてからの方がしやすいだろう、という思惑もある。 いずれにせよ素人。 どう騙すかもこちらの思うままだ。 「ええ…いきます!」 (うっわキャッチした後に感触で確かめてるにゃ。うちの店なら両手の指の関節二倍か半 減かの二択を選ばせるぐらいバレバレにゃ) (イカサマというか小手先の技術じゃなぁ。しかも拙い。しかし二倍はなんとなく解るが 半減?) (切るにゃ) (…なるほど) 「ふむ。イカサマがないようにそこの机の上にでも置いて貰おうか」 「ええ、いいですよ。その代わり私が先に賭けさせていただきます」 「構わんが、わしが賭けるまで開示はなしじゃよ?」 「分かっておりますとも。では、表」 「そうか。ではわしの番じゃな」 この時点でほぼ間違いなくあのチップは表だろう。 だから当然自分はこう賭ける。 「表」 相手もレダも呆気に取られている。 この表情を見るのが実は密かな趣味だったりするのだが、それはともかく。 「…は?」 「ちょ、ちょっと、朱風?表は先にあいつが賭けてたにゃよ?」 「おや、そのようなルールは言っておらんかったが」 「確かに言ってはにゃかったけど…」 「コホン。ま、まあいいでしょう。二人とも当たりという事で、引き分けで。一発勝負で すから賭け金の移動はなしという事で…」 実は『灰猫』ではないという負い目やイカサマをしていたと言う負い目からか特に抗議を せず、とりあえず自分の利益確保に走ろうとするチンピラ。 それを許すとでも思っているのだろうか? 「引き分け?何を言うておる。わしの勝ちじゃ」 悠然と前に進み机の上のチップを確認する。 表だ。 勝利が確定する。 「記録しておいてよかったのう。では聞いてみるか。わしの勝ちの根拠を」 と音声を再生する。 「どちらが上になるかをわしが当てればわしの勝ち、外せば相手の勝ちとする」 まだ何の事だか解っていないようなので、少しずつ重要な部分に絞って再生する。 「わしが当てればわしの勝ち、外せば相手の勝ち」 この時点でレダが気づいたようだ。 さすがにあれだけ自分に騙されていれば、稚拙とは言え今回の仕掛けは見えて当然だろう。 「わしが当てればわしの勝ち」 しかしまだ相手は気づいていない。 これだけ絞っているというのに。 仕方なく解説し敗北を押し付けてやる事にする。 「つまり、今回の勝負はわしが当てるか否かの勝負じゃったという事じゃ。ぬしがどちら に賭けようが関係なく、な。さてレダ。代金を取り立てるがよい」 「さ、さすが朱風にゃ!卑怯この上ないにゃ!詭弁にゃ!外道にゃ!そこに痺れる憧れる にゃ!」 「この程度で褒められるとむしろ馬鹿にされとる気がするのう」 どうおちょくられたのかようやく気付いたのか、肩を震わせていたチンピラが激昂し始め る。 「無効だ!」 「『灰猫』が正式に仲介、判定した賭けの代金を払わぬ、と?」 「ほ、本部に掛け合って無効にしてやる!」 「『灰猫』はたとえ構成員だろうと王族だろうと命の恩人だろうと容赦なく平等に取り立 てるにゃよ。耳と尻尾をぶった切られて見世物小屋に売り飛ばされたくなければ今ここで 払うにゃ。五百」 「あ…ぐ…」 レダにやり込められ言葉を失うチンピラ。 ちなみに実行している場面を見た事はないが、不払いのトラブルで行方不明者が存在する 事は知っている。 そこまでするかどうかはともかく似たような事はやっているのだろう。 レダが取立人を呼び出すと、がくりと肩を落としたチンピラ猫は特に抵抗する事無く引き 摺られていった。 方向からして恐らく『地下三階』に連れて行くようだ。 表向きの事務所である二階とは対極の、裏の事務所とも言える階。 殺される事はなくともそれなりの目にはあうだろう。 「助かったのにゃ~」 レダがへなへなとその場に座り込む。 「割符の変更を申請しておけ。物騒じゃからな」 「もちろんにゃ」 「まあ少し休んどれ。わしは上で少し稼ぐ」 「わかったにゃ。お手柔らかににゃー」 とは言うものの、今日は稼ぐつもりで来たので、手頃な相手がいなければ『灰猫』相手に 稼がざるを得ないのだが。 と、扉を開けたところには相変わらず副支部長が待機していた。 軽く挨拶をし脇を通り抜けようとした時。 「朱風様」 「む」 「割符の事についてお話が…」 やや剣呑な光を瞳に滲ませている。 「ふむ。やはりぬしは誤魔化せぬかのう」 彼女相手に嘘を突き通すのは少々厄介であり、また一つの案が思い浮かんだので正直に話 す事にした。 「やはりあれは本物なのですね?」 「恐らくはな。元にした刻符術はとっくの昔に廃れておるし、文献もほとんど残っておら ん筈じゃ。そう簡単に再現は出来ぬはず」 「となると…」 「裏におるのは別の支部、かの。あやつの鼻が利くのは事実じゃが、先代からの部下まで は掌握仕切れておらんじゃろう」 「すぐに彼の取調べを」 「無駄じゃろうな。止めはせぬが」 「…でしょうね。とは言え喧嘩を売ってきたのです。相応の処理は致しますので、今後は ご迷惑をかける事はないかと」 「むしろわしが迷惑をかけたような気もするがのう」 「裏が『灰猫』である以上、朱風様はきっかけでしかありません。むしろ総代はそれを望 んでおられました」 「それは言うてよいのか?」 「朱風様であれば問題はないかと」 やはり。 レダを支部長にした時から妙だと思っていたが、これで何らかの思惑がある事がハッキリ した。 そしてそれに自分が関わる事も恐らく彼女の想定のうちだろう。 その事に少々ひっかかりを覚えるが、かと言ってきっかけを作ったのは事実であり、無関 係でいる事は出来ない。 また自分のした仕事…割符の基本機能を利用されたのも気に食わない。 が、一応反論はしておく。 「ただの常連で部外者じゃぞ、わし」 「ご冗談を。総代と支部長のご友人で割符の製作者が部外者などと」 「製作と言うても大分前の話じゃし、今回の事であてにならぬと解った筈じゃが」 それは嘘だ。 実際には変更頻度をほんの少し増やすだけで、他支部であっても偽造は格段に難しくなる。 ましてや妹から直々の変更届けだ。 あの激症性姉バカがその願いを出来る限り迅速に叶えようとするのは想像に難くない。 しかし、副支部長は更に札を切ってくる。 「ご助力をお願いできませんでしょうか?」 「む。いくら出す?」 「五千」 五千セパタ。 かなりの額だが。 「八千」 容赦なく吊り上げる。 もっともこの副支部長相手ではあまり駆け引きの必要がないので、とりあえずの希望を出 しただけだ。 「…私どもの出せる分を合わせて七千が限度です」 そして一発で限界額を提示してくる。 この副支部長が限度を口にした以上、どのような交渉を行っても決してその額を超える事 はない。 額面的に増えたとしても、それ以外のデメリットで必ず一定の範囲を超えないように調整 してくるのだ。 「むー…ま、良かろう」 それ以上の交渉は無駄な労力を使うだけなので承諾する。 それに七千もあれば目標額には十分過ぎるほどだ。 今朝の占いはこれを予見したのか、と納得する。 「それにしても愛されておるのう、レダは」 自分達の出せる分を合わせて。 つまり二千は『灰猫』ではなくこの副支部長や他の部下達が出す、と言う事だろう。 「いえ、決してそういう訳では」 「ふむ?」 目を覗き込む。 じっと見つめ返してくる。 何も嘘はついていない、やましい事はないと訴えかける目だ。 だが、だからこそ嘘であると解る。 こうした事で狐を騙せるのは、同じ狐か狸ぐらいなものなのだ。 「ま、そういう事にしておこうかの」 が、あえてそこを指摘する事はしない。 「とりあえず新しい割符の機能を作るのに…2ヶ月じゃな」 「かかりますか」 「うむ、かかるかかる。何せ七千の仕事じゃからな。くく…存分に仕込ませてもらおうか のう」 「よろしくお願いいたします」 久しぶりに大量の符を作らねばならない。 少々キツい仕事ではあるが、楽しみでもある。 今、自分がどこまで師に近付けたのかを知る事もできるのだから。 「…何か?」 「いやなに。仕事はやりがいのある方がより楽しめると思うての」 「頼もしい事です」 と、そこで扉が開かれる。 レダが一休みし終わったようだ。 こちらの姿を見つけるとなぜまだここにいるのかと少し不思議そうな顔をしたが、気を取 り直し 「あっけっかっぜー!…にゃにゃにゃっ!?」 「支部長…お仕事の方は?」 「にゃ、にゃ、あの、その…」 副支部長に見つかり(と言うよりも自分から副支部長のほうへ突進したような気もするが )氷のような視線の威圧を受けている。 さすがに今日会ったばかりの頃の様子と先ほどの様子とを考えて、多少はフォローしてや ろうかと思い、声をかけた。 「あー、今日の相手にレダを指名してよいかの?」 「朱風様…あまり甘やかさないでください」 「いやなに、落ち物があるそうではないか。遊び方を、こう、な?」 「そ、そそそそうにゃ!一緒にあそ…し、仕事にゃ!調査にゃ!」 遊ぶ気満々なのがバレバレなのだが。 もう少し腹芸と言うものを教えてやった方がいいのではないかと思ったが、教えた上で今 の状態だったら逆に怖いのでやめておく。 「はぁ…わかりました。ですが」 「わかってるにゃ。ちゃんと報告書は書くにゃ。でないとねーちんにも折檻され…」 ピタリ、と動きが止まる。 数瞬後。 「明日までに書き上げにゃいと間に合わにゃいっ!?」 絶叫した。 恐らく落ち物の調査報告の事だろう。 「た、た、助けてにゃー!」 「…朱風様」 二人の視線がこちらを向く。 レダはともかく、副支部長もこちらに手伝わせたいようだ。 「わし、忙しい」 さすがに面倒臭い。 …いかん、奴隷の思考が移ってきている。 事あるごとに「面倒臭い」と口に出しているのを聞いているので洗脳され始めたか。 しかしそんな抵抗も 「本日は支部長をご指名との事、先程承りましてございます」 「…しまったのう」 不用意に発していた一言であっさりと覆された。 「はぁ…あやつを連れてくるべきじゃったか」 今頃は草むしりをしているであろう奴隷を想い、ため息を吐く。 あの奴隷がいればもしかしたら即座に遊び方が…いや、それは無いか。 だが、近くにいるだけでも何かと便利なのも事実。 やはり今後は離れるべきではないかもしれない。 「あけかぜ~…」 「わかったから涙目で見つめぬように。あと副支部長もそれを見てトリップするでない!」 「…はっ!な、何の事でしょう?」 - 続 - 一方その頃。 「…暑い」 草むしりをはじめてから3時間。 幾度か休憩を挟んではいるものの、流れ落ちる汗は止まる事を知らない。 如雨露で水を蒔き土を柔らかくしてから雑草を引き抜いているのだが、問題はこの水だ。 打ち水のようなもので気温が下がるかと思ったが、逆に蒸発した水分のお陰でこの辺りだ けやけに湿度が高い。 かと言って水を使わないと根まで抜けず、結局また同じ苦労を背負う事になる。 そんな面倒は御免被りたい。 せめて雲でもかかってくれればと思うが、今日に限って雲一つない快晴だった。 …今日の夕飯は独断で油揚げと肉を乗せた冷やしうどんにしよう、と決める。 それぐらいの自由はあるだろう。 それにしてもあのバカ主人がいないと平和でいい。 今後こうした単独行動が増える事を願いながら、草を抜き続けた。
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会社勤めをされている方は税金の処理はすべて会社がやってくれているので税金に関しては無頓着な方が多いのが事実ですが、FXでの利益にはしっかり税金が掛かります。FXでの収入は雑所得に分類され、年間20万円以上の利益がある場合には、給与所得などと合算して納税しなければいけません。これは勿論会社ではやってくれませんので、各自で確定申告をする必要があります。 給与所得などと合算されますので、同じ100万円の利益が出た方でも給与が多い方と少ない方では税率は違ってきます。でもどれだけ利益を出しても税率が一律20%と優遇されている取引があります。それが公設取引所「くりっく365」です。くりっく365だけ優遇されている明確な理由は見当たらず、資本主義社会ではあり得ないと私は思っていますが、法律上そうなっている以上どうしようもありません。 ただし、税金は利益が出てから初めて課税されるものです。一般のFXでは手数料が無料なのに対しくりっく365では1万通貨あたり往復420円が絶対にかかってきます。つまり1回の取引で4.2銭以上の利益を出さなければトレードとして利益が出ないという事です。デイトレードなどの短期取引の場合は1回の取引の利益が4.2銭以下となることは少なくありませんので、取引スタイルによってはくりっく365よりも一般のFX業者の方が断然有利となります。信託保全のしっかりしている外為どっとコムのような大手であれば、業者の信用性も心配ありませんし。また年間20万円以上の利益が出ない場合は税金を払う必要はありませんので、大きな取引しない方は一般のFX業者でも何ら変わりないでしょう。 投資に関する税制についてはまだまだ不可解な点が多いのが事実で、貯蓄から投資等流れを政府が推奨している以上、税制改革が行われるのはそう遠い話ではないと思います。 詳しくは(税金制度は?)ページを参考にしてください。
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お前等!もっとすごい科学で語りませんか? 1 :名無しより愛をこめて:03/01/07 02 22 ID BoeuCPNL 「すごい科学で守ります」及び 「もっとすごい科学で守ります」に記述の無い作品を すごかが的に共通世界としてでっち上げるスレの2つ目です。 荒し、煽り、 2のうっさいハゲは放置。 前スレ「お前等!すごい科学で語りませんか?」 http //tv3.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1020279330/l50 2 :2:03/01/07 02 31 ID U/ul7aKS やったぜ!ハゲ! 3 :3:03/01/07 02 42 ID gdHyb0qc ガッツだ!ハゲ! 4 :4:03/01/07 16 43 ID X+Mg+ngx もっとすごい!ハゲ! 5 :名無しより愛をこめて:03/01/07 17 15 ID GowXp7Vl 基本ルール 「すごい科学で守ります」と「もっとすごい科学で守ります」を読んだ人が それらのテイストでネタを書き込むスレです。 ただし安易に「特定の役者が演じたキャラは全て同一人物」ネタを出すことは控えること。 基本的に東映作品がメインですが、上手く組み込めるなら他社作品でもOK。 原作者は特に限定しません。 また、アニメ、漫画、ゲーム(スパヒロ等)は今のところNGです。 実写ドラマ、時代劇は各作品ごとに臨機応変に判断しましょう。 設定の優先順位 1、作品の映像で描かれたもの 2、作品の公式設定 3、雑誌等による設定 4、公式ではないが一般的に周知の設定 ではマターリと自説を披露しましょう。 6 :名無しより愛をこめて:03/01/07 17 46 ID pxpvtb1U 1乙彼。 7 :名無しより愛をこめて:03/01/07 22 16 ID PSSohFYn 1 乙也。 そして皆で語るべし 8 :名無しより愛をこめて:03/01/08 03 38 ID DUaF+paI …で、????? えーと終わっちゃったの? このスレ(w 9 :山崎渉:03/01/08 21 08 ID 5G6inBgR (^^) 10 :岩のような瓦斯:03/01/08 23 20 ID 3UklF5ui 1さん、 5さん、御疲れ様です。 ……ところで、漫画版の仮面ライダーもNGですか? 11 :名無しより愛をこめて:03/01/08 23 28 ID 4p8dSR7U 10 それが「すごかが」なので… 使える設定とかはもってきてもいいんじゃないですか? 映像作品世界に矛盾をきたさないものとか… 12 :名無しより愛をこめて:03/01/09 00 26 ID LaEcKWeF 新スレ??! 13 :12:03/01/09 00 28 ID LaEcKWeF 字化け失礼 ついでに、シュリケンジャーの食事についての考証 だれかやりませんか? 14 :名無しより愛をこめて:03/01/10 00 37 ID NntW7CR5 10 ライスピもねぇ。時代背景が「すごかが」とはズレまくってるし。 (村雨良がZXになる以前にノートパソコンや電子メールが普通に存在するのは…) 15 :名無しより愛をこめて:03/01/10 00 44 ID NntW7CR5 龍騎の全プレビデオやシャンゼリオン最終回なんかを見ると、 確かに「すごかが」世界にもパラレルワールドはあると思います。が、 今その話をすると混乱しそうだから止めときませんか? 16 :名無しより愛を込めて:03/01/10 01 18 ID EtRA9z5q 質問なんですが もしも、ガオレンジャーが宇宙に進出して 宇宙の平和を守るために戦ったら 銀河戦士「ギンガマン」の称号が贈られますか? 百獣戦隊ギンガマン・・・ 18 :名無しより愛をこめて:03/01/10 16 44 ID Sde0oWwG これはガイシュツだろうか? クウガドラゴンフォームとダイレンジャーが似ている様に見えるのだが。 後、ロッド状の武器を使うと言う共通点も有る。 172-ゴルゴムは弱くない 192-瞬間移動 272-スーツ考察 402-ミラーワールド 882-ミラーモンスター気伝獣説 912-巽と乾 1042-空白の時代 1362-イナズマンとアギト 1562-シュリケンジャーの正体 1702-邪悪な意思 1822-爆竜 1832-ダイノアース 1852-甲虫と雷 2052-オルフェノクとアギト 2282-忍風館とS.U.P 2352-ネロス帝国 2572-タイムベント 2592-死神博士 2652-轟雷神 2682-ゴルゴム 2682-オルフェノクと蘇生 2852-日常用品モチーフ 3052-宇宙Gメン 3892-ライダーキック 4372-オルタナティブ 4572-ライダーギア 4662-未知の力 4892-ゴレンジャーハリケーン 5142-メタルヒーローと忍者とスパイダー星人 5282-泥人形 5412-ウルトラ族 5572-月の王国 5602-ガオ惑星 5782-大魔神 7022-グランセイザー 7702-フォームチェンジ 8062-早着替え 9432-重力低減装置
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ライフ通販(アイテム) 商品名 価格 解放条件 備考 スタミナウォーター/10P回復 100アメG - スタミナ10P回復(使いきり) スタミナウォーター/20P回復 200アメG 庭Lv11 スタミナ20P回復(使いきり) スタミナウォーター/30P回復 300アメG 庭Lv31 スタミナ30P回復(使いきり) 活力剤/亜麻(リネン)専用 15アメG 交流Lv10 すぐ成長する(使いきり)2011/08/25 20 20~2011/08/26 20 30 活力剤/綿花(コットン)専用 20アメG 交流Lv10 すぐ成長する(使いきり)2011/08/25 20 20~2011/08/26 20 30 活力剤/ピーマン・パプリカ専用 30アメG 庭Lv4 すぐ成長する(使いきり)2011/08/30 10 00まで 活力剤/ヒマワリ専用 30アメG 庭Lv4 販売終了 活力剤/スイカ専用 20アメG - 販売終了 活力剤/ローズ専用 30アメG 交流Lv4 販売終了
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▼こんにちは。正午のニュースです。 ▼安倍総理大臣は、沖縄県の翁長知事と会談しました。 ▼アメリカ軍関係者の男が女性の遺体を遺棄したとして逮捕された事件を受けて、翁長知事が日米地位協定の見直しなどを要請したのに対し、安倍総理大臣は今週行われる日米首脳会談で実効性のある再発防止策を求める考えを示しました。 ▼この中で翁長知事は今回の事件は米軍基地があるがゆえの犯罪であり大きな怒りと悲しみを禁じえない。 ▼綱紀粛正や徹底した再発防止などは、この数十年間、何百回も聞かされたが現状は何も変わっていないと述べました。 ▼そのうえで、翁長知事は今の日米地位協定のもとでは、日本のアメリカからの独立は神話だ。 ▼県民の生命と財産、安全や安心を守るためにオバマ大統領に直接話をする機会を作ってほしいと述べ日米地位協定の見直しなどを要請しました。 ▼これに対し、安倍総理大臣は今回の事件は、あってはならないものであり身勝手で卑劣極まりない犯罪に非常に強い憤りを覚える。ご遺族に心からお見舞いを申し上げたい。政府としても真剣に受け止めておりアメリカ政府に強く抗議したと述べました。 ▼そのうえで、安倍総理大臣はオバマ大統領に対して厳正な対処を求めていきたいと述べ、今週の伊勢志摩サミットに合わせて行われる日米首脳会談でこの問題を取り上げ実効性のある再発防止策を講じるよう求める考えを示しました。 ▼身勝手で卑劣極まりない憤りを覚える。 ▼オバマ大統領に対しても国民の気持ちを踏まえて厳正な対処を求めていかれるものだろうというふうに思います。 ▼そのうえで、翁長知事が求めるオバマ大統領との面会については。 ▼一般論とすれば外交にかかる問題については中央政府間でやるのが当然のことではないでしょうか。 ▼東京小金井市で、芸能活動をしていた女子大学生が刃物で刺された事件で、逮捕された男がことし1月ごろからライブ会場などで女子大学生に付きまとっていた疑いがあることが分かりました。 ▼このころから、男とみられる人物がツイッターで執ような書き込みを始めていて、警視庁が詳しいいきさつを調べています。 ▼警視庁はこの事件で傷害の疑いで逮捕した住所不定の自称岩埼友宏容疑者を容疑を殺人未遂などに切り替えきょう送検しました。 ▼おととい東京小金井市で芸能活動をしていた大学3年生の冨田真由さんがライブ会場の前でナイフで刺され意識不明の重体になっています。 ▼その後の調べで岩埼容疑者がことし1月ごろからライブ会場などに現れて電話番号を聞き出そうとしたり、プレゼントを一方的に送りつけたりしていたことが分かりました。 ▼このころから岩埼容疑者とみられる人物がツイッターで冨田さんに宛てて執ような書き込みも始めていて、警視庁は、ことし1月ごろから付きまとっていた疑いがあるとみて詳しいいきさつを調べています。 ▼冨田さんは事件の前、警視庁にツイッターへの書き込みなどを相談していましたが冨田さんの母親も今月4日、岩埼容疑者が住むとみられる京都市内の警察署に電話で相談していたことが分かりました。 ▼担当の警察官は冨田さんが住んでいる東京都内の警察署に相談したほうがいいとアドバイスしたということです。 ▼警視庁によりますと、母親からの相談について京都府警察本部から連絡はなかったということで警視庁は相談の内容などを改めて確認することにしています。 ▼伊勢志摩サミットの開幕まであと3日となり、各地で警備の強化が進んでいます。 ▼東京駅ではコインロッカーに危険物を入れられるおそれがあるとしてきょうから一部で預け入れを停止するなどテロ対策を強化しています。 ▼東京駅の構内にはコインロッカーの使用停止を知らせるポスターが貼られました。 ▼JR東海では、きょうから東海道新幹線の東京、新横浜、名古屋、京都の4つの駅でコインロッカーの預け入れを停止。 ▼また警備員が新幹線のホームにあるごみ箱の中に不審物がないか確認していました。 ▼JR東海は、サミットが開かれている今月26日からすべての新幹線の車内にあるごみ箱を封鎖するなどさらにテロ対策を強化することにしています。 ▼一方、こちらは三重県志摩市です。 ▼首脳会議が開かれる賢島を通学区域に含む神明小学校の通学路は警備関係の大型車両などが多く行き交っています。 ▼このため地域の人たちなどがけさから登下校の見守りを始めました。 ▼きょうも広い範囲で晴れてすでに気温が30度以上の真夏日となっているところがあります。 ▼こまめに水分をとるなど熱中症に十分な注意が必要です。 ▼気象庁によりますときょうは梅雨の沖縄・奄美を除いて広く高気圧に覆われて晴れ、午前中から各地で気温が上がっています。 ▼このあとも気温はさらに上がる見込みで日中の最高気温は岐阜市で33度、京都市や前橋市、福島市などで32度、東京の都心などで30度と九州から東北南部の各地で真夏日が予想されています。 ▼気象庁は、こまめに水分をとるなどして熱中症に十分注意するよう呼びかけています。 ▼熊本地震の被災地でも気温が上がり、熊本市では最高気温が31度と予想されています。 ▼益城町では、暑さの中、多くの人が自宅の後片づけなどに追われています。 ▼熊本県や大分県では活発な地震活動が続いています。 ▼きょう午前10時8分ごろには、熊本県で震度3の揺れを観測する地震がありました。 ▼気象庁は引き続き激しい揺れを伴う地震に十分注意するよう呼びかけています。 ▼熊本地震で多くの道路に被害が出た南阿蘇村では、大型車も通行できる道路が新たに完成し、きょうから通れるようになりました。 ▼大型車の場合、大津町役場と南阿蘇村の久木野庁舎との間でおよそ25分の短縮につながると いうことです。 ▼いわゆるパナマ文書の問題を受けて、日本とパナマの両国は脱税や国際的な課税逃れを防ぐため金融機関の口座の名義や預金残高などの情報を互いに交換する協定を結ぶことで実質的に合意しました。 ▼財務省の発表によりますと日本とパナマは租税情報交換協定を結ぶことで実質的に合意しました。 ▼この協定は、外国の企業や個人が自国の金融機関に保有している口座の名義や預金残高などの情報を税務当局の間で定期的に交換するもので脱税や不正な資産隠しなどの摘発につなげることが期待されます。 ▼すでに日本を含むおよそ100の国と地域はOECD経済協力開発機構が進めている国際的な枠組みに参加していますが、先月、日本を訪れたパナマのバレーラ大統領は安倍総理大臣との会談で国際的な枠組みに沿って2国間での協定の締結に向けた協議を進めることで一致していました。 ▼財務省によりますといわゆるパナマ文書の発端となったパナマが定期的な情報交換を盛り込んだこうした協定を結ぶのは、これが初めてで今後、条文の細部の調整を行うなどしたうえで署名・発効する予定です。 ▼厳しい財政状況が続くギリシャで、増税を柱とする新たな法案が議会で可決され、24日のユーロ圏財務相会議で次の支援の実行が決まるかが注目されます。 ▼ギリシャの金融支援を巡っては、去年、ユーロ圏各国が最大で日本円で10兆6000億円に上る追加の金融支援を構造改革の進捗に応じて段階的に行うことで合意しています。 ▼ギリシャ政府は付加価値税の税率を23%から24%に引き上げるほか燃料やタバコ、アルコール類の増税などを柱とする新たな財政改革案を議会に提出し、議会は22日、賛成153、反対145で可決しました。 ▼ただ付加価値税は去年引き上げられたばかりで、さらなる増税に対して国民の不満は募っています。 ▼ギリシャは、ことし7月に巨額の国債の償還期限を迎えることから、次の支援の早期実行を求めていて今月9日にも年金削減などを柱とする財政改革案を議会で可決しています。 ▼24日には、ベルギーでユーロ圏財務相会議が開かれる予定で、ギリシャの財政改革の姿勢が評価されて次の支援の実行が決まるかが注目されます。 ▼イラクのアバディ首相は首都バグダッドの西で過激派組織ISイスラミックステートが2年以上にわたって支配を続ける ファルージャを奪還するための軍事作戦の開始を宣言しました。 ▼バグダッドから西におよそ50キロ離れたファルージャはイスラム教スンニ派の住民が多い地域でISはおととしから2年以上にわたって支配下に置いています。 ▼アバディ首相は現地時間22日の夜、テレビで演説を行い、ISに対して大きな勝利を収めるときがきたと述べて、ファルージャを奪還に向けた軍事作戦の開始を宣言しました。 ▼作戦には、イスラム教シーア派の民兵や地元のスンニ派のグループなども加わるということです。 ▼これに先立ってイラク政府軍はファルージャの住民に対しISの戦闘員と区別できるよう白い服を身につけ避難の指示に従うよう伝えていて、住民が避難する経路を確保しながら慎重に作戦を進めるものとみられます。 ▼大相撲夏場所で37回目の優勝を全勝で飾った横綱・白鵬が千秋楽から一夜明けて記者会見し喜びを語りました。 ▼白鵬は今場所、隙のない相撲を続けて全勝で東京では1年4か月ぶりとなる優勝を果たし、みずからが持つ歴代最多の優勝記録を37回に更新。 ▼史上3人目の1000勝まで残り13勝と迫って次の名古屋場所を迎えます。 ▼では為替と株の値動きです。