約 5,944 件
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/943.html
(13.木曜日16:50) 上条にとって常盤台までの道のりはイバラの道であった。 上条は黒いロングヘアーの美少女を右に常盤台のお嬢様を左にはべらせて歩いている。 その姿を見る街の男どもの視線に「羨望」のみか「殺意」まで含まれるのも仕方のないことであった。 何十本もの「殺意ある視線」に耐えきれず、ついに上条は本日3度目の現実逃避を図った。 そんなわけで、少女達の間で交わされた会話にも上条は気付かなかった。 「あなた。御坂美琴さんでしょ」 「私の名前を知ってんの?」 「あなた。有名だから。私姫神秋沙。上条君のクラスメイト」 「わ、私はコイツとは腐れ縁で、不良に絡まれている所を助けに来てくれたのが出会いかな。 (その時不良と一緒にコイツにも電撃を浴びせちゃったんだけど)」 「私の場合。監禁されてた私を上条君が(ステイルさんもいたけど)助けに来てくれた時かな」 「私達、「ハンディアンテナサービス」でペア登録しているの。夜通し遊んだこともあるわよ。 (コイツをぶっ倒そうと一晩中追いかけ回しただけなんだけど)」 「私は。上条君とお弁当を交換するぐらいかな(その後ボディブローを入れちゃったけど)」 「コイツは爆弾魔から身を挺して私(主に初春さん達だけど)を守ってくれたこともあったの」 「右腕を切り落とされたのに私のために(インデックスさんもいたけど)歯を食いしばってくれたの」 「コイツは(私の電撃で)ボロボロになった身体をおして私を(妹もだけど)助けてくれたの」 「私が大怪我したとき励ましてくれたの(すぐ行っちゃったけど)」 「いつでもどこでも私のピンチには駆けつけるって約束してくれたの(私にじゃないけど)」 「大覇星祭のナイトパレードを一緒に見ようって言ってくれたこともあったかな。(結局無理だったけど)」 「大覇星祭のとき競技中の私を助けに来てくれたりしたの。(本当は別の目的があったみたいだけど)」 どちらの少女に軍配が上がるのか確定するのはまだまだ先の話であった。 (13―2) 一方、現実逃避中の上条は吸血鬼について考えを巡らしていた。 (ヤツは本当に吸血鬼なのか?) (手遅れになる前に警備員(アンチスキル)に通報しなきゃ) (ダメだ。吸血鬼が出ましたなんていっても、笑われてお終いだ) (そもそも撃退する方法ってあるのか?御坂の電撃ですら全く効かなかったのに) (昼間から出てくるような吸血鬼に十字架やニンニクって効かないよな。多分) (「幻想殺し(イマジンブレーカー)」が少しでも効いていたなら、俺が何とかしないと) とりとめのない考えに自問自答する内に、上条から警備員(アンチスキル)という選択肢は消えていた。 (そうなると頼りになるのは魔術(オカルト)サイドの連中か) (そうだ、土御門なら上手く対応してくれるかも) (でもダメだ。姫神と一緒にいる今は下手に土御門に連絡できない) (土御門との会話を聞けば、姫神はきっと土御門の裏の顔に感づいちまう) さらに上条の頭の中は混乱し、解決の糸口すら見つけられないでいた。 (それに姫神のことだ) (ケルト十字をもう一度イギリスから送って貰わないと) (でも、「必要悪の教会(ネセサリウス)」に連絡しようにも、土御門が使えないんじゃ...) 頭の中にネセサリウスの面々が浮かんでくる。神裂、五和、オルソラ、ステイル、インデックス インデックスの顔が浮かんだとたん、昨夜の会話が脳裏に蘇った。 (「明日になったら新しい「歩く教会」が届くって連絡があったんだよ」) (そうだケルト十字は「歩く教会」の一部なんだから「歩く教会」を着せちまえば良いんじゃないか) (そうだよ。なんでもっと早く気付かなかったんだ。早く寮に戻んなきゃ) その時、不意に左手が引っ張られた。どうやら常盤台の学生寮に着いたようだった。 「いちおう言っとくわよ。 今日はありがとう。 でも、あいつは一体何だったのよ?電撃効かないし、消えちゃうし ふん、まあいいわ 今日のことは後できっちり説明してもらうわよ。 そんなわけだから、今度の日曜日は予定を空けておきなさい。 まさか、電話やメールで済まそうなんて思ってないでしょうね。 当然食事付きよ!って、なんでこの世の終わりみたいな顔すんのよ! 心配しなくても、私が奢ってあげるわよ。 だから、アンタはちゃんとお洒落な格好して来なさい。いいわね。」 常盤台の学生寮へ入っていく御坂美琴を見送りつつ、いつもなら (なんで俺が吸血鬼の尻ぬぐいしなきゃなんないんだよ。不幸だーっ) となるところだが、ようやく解決の糸口を見つけた上条にとっては些細なことに思えた。 「姫神、今すぐ俺の部屋に行くぞ」 その言葉になぜか頬を赤らめる姫神秋沙であった。 お約束通り上条はそんなそぶりに全く気付きもせず歩き始めた。当然、姫神秋沙のつぶやきにも。 「今夜。上条君の家で二人っきり」 (14.木曜日17:25) 「いるんだろ!インデックス」 上条はドアを開けるなりに部屋の奥に呼びかけた。 しかし上条の呼びかけに応えたのはインデックスより姫神秋沙のつぶやき声が先であった。 「そうだった。上条君の家にはインデックスさんが。私ってバカ」 一方、インデックスはすごい勢いで奥から玄関までやってきた。 「じゃーん。どうこれ、新しい「歩く教会」だよ。」 インデックスは見て見てって感じで両手を広げている。 いまにもモデルのようにくるっと回り出しそうだ。 「えへへ」っと微笑むインデックスに上条はいきなり左手で拝みつつ頭を下げた。 「インデックス!上条さん一生のお願いです。今すぐその服を脱いで下さい。」 「なっ何を言っているのかな?とうま」 「上条さんは今とっても焦っています。一刻の猶予もないのです。 インデックスさんにはここで一肌脱いで頂きたいと願っているわけです。ハイ!」 一気にまくし立てた上条だが、周りを満たす重い空気に気が付いて顔を上げた。 (あれっ、なんでインデックスさんはうつむいているのでせう? なんか肩が小刻みに震えているようなのですが それにこめかみあたりがヒクヒクして見えるのは何故?どうして?Why?) 頭の中で「インデックス暴発」警報が鳴り響き始めた。 さらに上条の背中にゾクリと悪寒が走った。 (まさか、ここにも吸血鬼が?) 上条は反射的に後を振り返ったが、幸いそこに吸血鬼の姿はなかった。 しかし、視線の少し下にはジト目で上条を見上げる姫神秋沙がいた。 しかもその背からは黒いオーラが吹き出している(ように見える)。 「きみは。こんなときにも」 普段と同じ話し方ではあるが、言葉に含まれる冷気は隠しようもなかった。 「どうしたんですか、姫神さん?あなた様の背後に黒いオーラが見えるのですが。 この上条さんに何か問題でもありましたでしょうか?」 少しうろたえる上条に男の声が追い打ちをかけた。 「君はその子にいつもそんなセクハラをはたらいているのかい?」 声の主は、姫神の背後の廊下から現れた、赤い髪にくわえ煙草のトンデモ神父ステイル=マグヌスだった。 「はあっ?(こいつなにをいってんだ)」 「君はその子にストリップをさせてどうする気なのかな?」 ステイルはルーンを刻んだカードを右手に持ち、(返答次第では炎剣で焼き尽くす)と、殺す(やる)気まんまんで尋ねてきた。 「..というわけで、上条さんはインデックスさんにセクハラしようとしたのではありません」 上条家のテーブルの周りにはセーラー服の上に「歩く教会」を着ている姫神秋沙 再びアイアンメイデンを身にまとったインデックス 口の端でくわえた煙草を細かく揺らすとても不機嫌なステイル=マグヌス そして3人の正面で正座をさせられている上条当麻がいた。 上条は自分の扱いに不満があるらしくブツクサ言っている。 「なんでステイルが学園都市(ここ)にいるんだよ」 「君はバカか!僕達が法王級の霊装を郵便で送るとでも思っていたのかい? それとも、「歩く教会」が名前の通り歩いてくるとでも思ったのか? 僕が持ってきたに決まっているだろ。 前からバカだとは思っていたが、ここまで大バカだったとはね」 「くっ、だって、お前は俺達の後から来たじゃないか」 「君と違って、僕は女の子にストリップをさせて喜ぶような卑劣漢じゃないのでね。 レディーの着替えの最中は退席していたというわけだよ。」 「うっ」 どんどん追い詰められていく上条であった。 (くそっ、こんな事をしている場合じゃないのに。 姫神はもう安心だけど、吸血鬼の方は何も終わっちゃいない。はやく土御門に連絡しないと) 「そっ、それより。ステイル!ここで、姫神とインデックスをみていてくれないか?」 「なんで僕が?はぐらかす気か?」 「頼む、俺がちょっと見てくるだけの間でいいから」 「ん? それは、急ぐのことなのかい?」 「ああ」 何を見てくるのかを知っている姫神は表情に不安の色を浮かべた。 上条の表情からこの状況で警戒すべき相手がいるならそれは何者なのかを察したステイルは目つきを鋭くした。 何も知らないインデックスは敵前逃亡しようとする上条に不満の声を上げた。 インデックスの追求を振り切って部屋を脱出した上条は漆黒に包まれつつあった学生寮の周辺を走り回った。 辺りに吸血鬼の気配が無いことを確認してようやく上条は立ち止まり、土御門の携帯をコールした。
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/507.html
「ははっ…これは流石に驚いたよ、 レベル5決定だな…」 「「「「「「「「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」」」」」」」」 全員文句無しッ!!今夜は宴が決定付けられた。 「…えー、本当ですか…?」 「にゃーに言ってんだにゃー!!レベル5だぜい?八人目だぜい?すっごいにゃー!!」 「そうだよ白雪さん!!私なんか自分がレベル5になった時と同じ気持ちだよ!?」 「そうですわよ!!お姉様と同等の能力を持っているんですよ!?」 「…実感無いよー…面白かったけど」 「にゃー月夜が放心状態だにゃー。」 「当麻に知らせよっと」 そう言って美琴は当麻に連絡した。 『美琴、いきなり何でせうか?』 「白雪さんのレベルが判明したから連絡したの」 『そうなのか。結果はどうだったんでせうか?』 「8人目のレベル5になったんだよ」 『まじですか! スゲー!』 「あ、あとこれみんなに教えといてね」 『分かった……と言いたいけど今はムリです』 「どうして?」 『美琴は分かっていると思うけど、今アクセラと一緒にクラスのみんなを制裁している所なんで』 「そうだったね。じゃあアクセラだけにも言っといて」 『分かった。じゃあな美琴』 そう言って美琴は電話を切った。 「さてと、ってあれ?」 美琴は電話が終わって周りを見ると土御門と黒子も電話していた。 少し経つと、土御門と黒子は電話をするのを止めた。 「みんな、誰に電話してたの?」 「オレは浜面に電話してたにゃー」 「わたくしは○○様に電話していましたの」 どうやら2人とも白雪がレベル5になったことを知らせていたのだ。 そのころ、電話を切った後の上条は… 「アクセラ、白雪がレベル5になったらしいぞ」 「まじかよォ!!あの雪女がかァ、で何位なンだァ?」 「そこまで分からない。多分4位から5位の間じゃねーか」 「その辺りだよなァ。だって瞬時に凍らせるンだろォ?下手するとオメーの彼女より強いかもしれねェぞォ!!」 「そうかもしれないな。そんなことよりアクセラ、こんなアホなことは止めて白雪の為に宴を開かないか?」 「賛成だなァ。じゃあクソガキ達にも連絡しておくかァ」 上条とアクセラは制裁を止め、白雪の宴をすることになった。 またアクセラは、打ち止め達に連絡するのだった。 プル 「もしもし?てミサカはミサカは電話に出てみる」 「はェーなオイ。ンで、元気にしてるかァ?」 「もちろんだよ。遊んでもらってたしってミサカはミサカは報告してみる」 「そーか。ところで、あの白雪っているだろォ?そいつが無事Level5に昇格したんだとよォ」 「おお!てミサカはミサカは素で驚いてみる」 「ンで、そのお祝いをやるそうなのだが・・・」 「いくいくー!てミサカはミサカは大声出してみる!」 「バカッ耳が痛ェだろォーがァ!」 「それじゃ、後で行くねーってミサカはミサカは電話を切ろうとしてみたり」 「場所とかは分かンのかァ?」 「忘れたの?あなたと私は電波(赤い糸)でつながってるんだよ?場所くらい分かるよ」 「それじゃァあとでなァ」 プチ 切り終わったと同時に土御門からメールが・・・ 『みなしゃん!マイハニー月夜の順位がだいたい決まったにゃー 先生方の予想では6位だって言ってるにゃー でも実際、垣根と麦野の分が繰り上がって 実質的な4位だそうだにゃー』 「だとよォ」 「考えてみればすげぇな 俺らの周りだけで・・・ level5・・・3人 level4・・・滝壺も含めて2人 level2~level3一万人を動かせるガキ・・・1人 幻想殺し・・・オレ level5を倒したlevel0・・・1人 大陰陽師・・・1人 守備範囲の広いただの男・・・1人 もいるんだぜ?」 「そうだなァ。このメンバーなら小せェ国ひとつ壊せるぞォ?」 「だな」 冗談半分の世間話?をしながら歩いていると前から・・・ 「ハァ、ハァ、こ、ここまで来れば……ゲッ、上条に一方通行!」 そこに現れたのは当麻と一方通行から逃げていた情報屋こと紫木友で実は彼、当麻をシメる会の最後の生き残りなのだ。 (ま、まずい! ここで下手な動きをしたら確実に死ぬ! どうする? どうやってこの危機的状況を……) 「な、なあ情報屋。別に俺達もう怒ってねえからさ、そんなに警戒しなくても大丈夫だぞ」 「(俺は別に怒ってもいねェンだけどなァ)オラ、もう行けよ。俺はともかく上条の気が変わらねェうちによォ」 当麻と一方通行の二人に見逃してもらえることになった情報屋は自分の幸運っぷりを神に感謝した。 しかし当麻達の後ろから歩いてくる二人を見るや否や、謝罪の言葉を並べまくりながら猛ダッシュで逃げて行ってしまう。 「……アクセラ、お前何かしたのか?」 「いや、何もしてねェぞ」 「当麻お兄ちゃーん、一方通行さーん。こんにちはー♪」 (*1) 情報屋が逃げた理由、それは前日に彼の心に恐怖を刻み付けた初春と神裂の姿を確認したからだ。 当麻と一方通行はその事情を当然知らないが、最近の初春を知っているので何となく納得してしまった。 「こうして会うのはクリスマス以来ですね。お久しぶりです二人とも。それにしても今日は災難でしたね」 「災難って……もしかして二人とも、俺のピンチを知ってたのか?」 「はい。滝壺さんから連絡をもらって力になって欲しいと。今頃は最愛さんも頑張ってると思います。こっちも火織お姉ちゃんがお仕置きしてくれました」 「安心して下さい上条当麻。七閃は使いましたが、加減はしておいたので斬ってはいません。飾利にもきつく言われましたから」 当麻は神裂の七閃の脅威を身を以って味わってるだけに、彼女の言葉にやや不安を感じているがそれ以上に二人のお互いの呼び名が気になっていた。 それは一方通行も同じなのだが、初春がすっかり苦手になった彼にはそれを指摘する勇気など無かった。 「ああ、そういやあ白雪のやつがさシステムスキャンの結果、8人目のレベル5になったんだ」 「本当ですか? それって凄いことじゃないですか!」 「土御門の恋人ですね。なるほど、それは心強いです。これで土御門も少しは大人しくなってくれるでしょう」 「それでさ、今日の夕方から白雪レベル5記念パーティーを開こうって思うんだけど二人もどうだ? 最愛や涙子、それに他の天草式メンバーも一緒に」 月夜のレベル5到達に初春は純粋に喜び、神裂は土御門の抑止力がさらに強くなったことを喜んだ。 当麻はこの二人もパーティーに誘ったのだが、返って来たのは意外な返答だった。 「ごめんなさい。今日、こっちも大事な約束があってその時間に行けそうにないんです。私と火織お姉ちゃん、それに天草式学園都市支部の皆さんは」 「約束があるんならしょうがないな。じゃあさ、そっちの用件が終わってからでも来てくれよ。白雪も喜ぶからさ」 「分かりました。こちらの用件はすぐに片付くでしょうから必ず伺います。魔術の存在を探り当てた者との会談ですが、話が分かる方のようですから揉め事も無く終わるでしょう」 「なァ、そいつってもしかして木山って女じゃねェだろうな?」 初春達の約束の相手を学校でのシステムスキャンで接触してきた時のことを思い返し、予想を立てた一方通行。 それにわずかに驚いて見せた初春の反応は一方通行の予想が正しいことを示していた。 「さすが一方通行さん、その通りです。木山先生、凄いんですよ。自分の力だけで魔術の存在を嗅ぎつけたんですから。今日は木山先生とこれからのことを話し合うんです」 「おいアクセラ。木山先生ってあの脱ぎ癖のある木山先生か? あの人ってそんなに凄いのか?」 「観察眼に関しちゃかなりのモンだ。雪女の能力の強さの振り幅の原因も土御門だって見抜いてたしな。俺達の事情にも何となくだが察しがついてたみてェだぞ」 当麻と一方通行、それに神裂は知らないが木山は過去に『幻想御手』を使って一万人を昏睡状態に陥らせ、アンチスキルと美琴相手に戦闘を仕掛けた過去の持ち主。 魔術のことも学園都市の暗部のことも手段を選ばないモットーのもと、木山が独自のルートで探り当てた賜物に他ならないのだ。 時計を見た初春は名残惜しそうに当麻と一方通行に別れの挨拶をする。 「ではお二人とも、私達はこれからジャッジメントのお仕事がありますからこれで。涙子さんと最愛さんが第一七七支部で待ってますから」 「いや、飾利は分かるんだが神裂もか?」 「私は飾利のお姉ちゃんとしてこの子の仕事ぶりを見学しようと思っているだけです。ついでにジャッジメントの仕事も体験するつもりですが」 (オイオイこの女がジャッジメントになっちまったらとンでもねェことになるぞ……) 一方通行の予想通り、神裂という最強のジャッジメントが誕生するのは先の話だが実はある男がアンチスキルの研修を受けることだけは決定済みだ。 最後に初春は月夜の為のパーティーについて気になったことを当麻ではなく、一方通行に尋ねる。 「そういえば一方通行さん、パーティーのことってアホ毛ちゃんにも教えましたか?」 「ああ、まあな。でもそれがどうかしたってのか?」 「じゃあ食事に関しての準備は万端にした方がいいですよ。だってアホ毛ちゃん、今日はインデックスさん、それにステイルさんと行動してますから」 初春に言われた一方通行は打ち止めの安全を考え、目の前の少女の提案を受け入れステイルとインデックスのいる教会に打ち止めを預けていたことを思い出す。 それを横で聞いていた当麻も顔を青くして、パーティーの食糧危機を予感せざるを得なかった。 「……滝壺さんとステイルさんがいるから大丈夫だと思いますよ? じゃあ私達はこれで。行きましょうか火織お姉ちゃん」 「ええ飾利。迷子にならないように手を繋ぎましょう♪」 別れ際に爆弾発言を投下した初春は神裂と手を繋ぐのを恥ずかしがりながらもギュッと手を握ると、本当の姉妹のような雰囲気を出したまま去って行った。 残された当麻はインデックスのことを考え、憂鬱になったがそれを一方通行がフォローした。 「大丈夫だろ、多分。初春のやつも言ってただろうが。あの暴食シスターを抑えられる滝壺と赤髪も来るンなら、大ピンチにはならねェだろ」 「た、確かにステイルはまだ日が浅いけど、滝壺のインデックスマイスターの力は信頼出来る……けど、対策は立てようぜ」 「ああ、そうだな……。念には念を入れねェとなァ。土御門辺りに連絡入れるとすっか」 実は滝壺、正月の上琴新居での一件以来、インデックスマイスターの名誉ある(?)称号を仲間達から与えられていた(本人は知らない)。 しかしインデックスの食に対する脅威を考え、当麻と一方通行は念の為に土御門に相談することにした。 話は少し遡り、一方通行との電話のやり取りを終えた打ち止めは一緒に行動していたインデックスとステイルにパーティーのことを伝えていた。 「へえ、土御門の彼女がレベル5になったのかい。」 「それってそんなにすごいことなの?」 「そこで疑問形になるあなたにミサカはミサカは驚愕してみたり!!だって学園都市に今のところ8人生存確実なのは6人しかいないんだよ!!ってミサカはミサカはあの人の事を思い出してみたり。」 「生存確実って…ネセサリウスなみに不穏な言葉が出たな。」 「そういえばみことは3番目だよね?」 「そうそう、ただし生存確実な人だけで行くと2番目だよってミサカはミサカは教えてみたり。」 「ところでパーティーと言っていたけどどこでするんだい?この子の食慾は半端じゃないよ。」 「ステイル忘れたの?この街には『喰わせ殺し』があるんだよ。」 「おおっ!!それは良いアイディアかもってミサカはミサカはあの人に電話してみたり!!!」 プルル 『なンだ打ち止め?』 「ふふふっあなたに勝ったってミサカはミサカは電話を取る早さを自負してみたり。」 『切るぞ。』 「ちょっと待って!!インデックスが来るからパーティーを『喰わせ殺し』でやったらどう?ってミサカはミサカはあわてて用件を伝えたりする!!!」 『おっ、それいいなあ。ンじゃ他のやつと相談するわ。決まったらまた電話する。』 「それじゃーねーってミサ」 ブチッ 「最後のあいさつも聞かずに切りやがったってミサカはミサカは膨れてみたり。」 打ち止めとの会話を一方的に終えた一方通行は、当麻に打ち止めの考えを伝える。 しかし当麻は浮かない顔である一つの可能性を示唆する。 「なあアクセラ、『喰わせ殺し』があったのは神奈川でしかも学園都市にオープンするって店長が宣言したのって正月だぞ。いくら何でも間に合わないだろ……」 「……そういやァそうだよな。たかだか一週間程度でオープンなんて出来るわけねェか」 当麻の考えに納得した一方通行は、かねてより考えていた土御門への相談をする為に電話をかける。 『おおアクセラ。実は禁書目録対策のすっげー耳寄りニュースをゲットしたぜよ♪』 「それってまさか『喰わせ殺し』が学園都市にオープンしたとかって話じゃねェよな?」 『ありゃりゃ、知ってたのか。その通りぜよ。しかも今日オープンで場所は第七学区のオレ達の寮からそんなに離れてないというオマケ付きですたい!』 「……普通なら第四学区に店を出すだろ、学園都市の常識からいってよォ」 土御門がゲットした情報は実は木山が昨日街をウロウロした時に、むやみに豪快な男(店長)から貰ったチラシを彼に見せたから。 これには土御門も驚くしかなかったが、インデックスの存在を危惧していただけにこの展開はまさに天の助けとも呼ぶべきものだった。 そのことはその場にいた美琴、黒子、月夜にも伝え、さらには他のパーティー参加者にもその旨を伝え終えていた所なのだ。 『てなわけでアクセラは打ち止め達に『喰わせ殺し』の場所を伝えてくれ。パーティー開始までは自由時間で夕方の5時になったら禁書目録たちの教会に集合も忘れずにな』 「ああ、了解だ」 そう言って、アクセラは電話を切ると当麻に土御門からの情報を伝える。 それを聞いた当麻は一旦寮に戻ることを一方通行に伝え、その場を後にした。 「今は……げっ、もう午後1時か。昼飯まだだったな、仕方ねェがクソガキ達と合流してメシにすっか」 一方通行は打ち止め達と合流し、昼ご飯を食べるついでにパーティーのことを伝えようと考え、打ち止めと落ち合う為に連絡を入れる。 その頃、美琴と黒子も時間が余ったので一度寮に戻ることにする(黒子はこの後でジャッジメントの仕事有り)。 しかし彼女達は知らない、天草式学園都市支部の対馬と浦上が出迎えようなどとは。 初春と神裂が一七七支部に行く途中に白井に会った。 「あら?初春と神裂さんじゃありませんの?」 「あっ、白井さん!!」 「こんにちは」 「そうそう、聞きましたか!?白雪さんがレベル5になったって話!!」 「ええ、知っていますわよ。なんせ、直接この目で見たんですのよ?」 「さ、さすが白井さん!!で、どんな事を白雪さんはしていたんですか!?」 「さすがレベル5と言ったところでしょうか?雪の竜巻なんて作っておりましたわ、しかも3つも!!あれはとても幻想てきでしたわ…」 「見たいです!!すごく見たいです!!」 「まあパーティーをやるようですし、その時に色々見せて貰えるんじゃありませんの?」 「わー!!それは感激です!!」 いつの間にか上下関係が元に戻っていた。 第一七七支部のジャッジメント、固法美偉は頭を悩ませていた。 理由は目の前でお喋りしてる佐天と絹旗にある。 「本来なら私はジャッジメントに超しょっぴかれる側なのにここにいることが不思議です。これも超飾利効果というやつでしょうか」 「そういえば最愛って学校にも行ってないんだよね? 普段は何してるの?」 「フッフッフッ、知ってますか涙子。女は秘密を持てば持つほど超いい女なんですよ。いくら義理とはいえ姉妹にもそれは超秘密です!」 佐天は「おー♪」とはしゃぎ、絹旗も得意気にしているが問題はそこではない。 彼女達二人は固法のムサシノ牛乳を遠慮を知らずにガンガン飲んでいるのだ。 「佐天さんとそこのあなた! 勝手に私の牛乳を飲まないで! 飲むとしてももうちょっと遠慮しなさい!」 「涙子、この人は超何者です? 眼鏡に委員長属性に巨乳、いかにも超あざといこの人は?」 「最愛、否定はしないけど本人の前で言うのはダメだよ。こちらが飾利や白井さんの先輩ジャッジメントの固法美偉さん。固法先輩、この子は親友兼義理の姉妹の絹旗最愛です」 「そうでしたか。飾利の先輩ということは私の超先輩でもありますね。はじめまして固法先輩、飾利と涙子の超親友にして義理の姉妹の絹旗最愛です。職業は超秘密です」 丁寧に挨拶された固法だが、二人の所々の遠慮ない発言に切れそうになりながらも何とか怒りを抑えて冷静に対処した。 「はじめまして絹旗さん。……ところで、あなたはもう少し礼儀を覚えた方がいいわよ。そんなんじゃ将来困るでしょ?」 「それは超心配無用です。私なら超大丈夫ですから、色々と。それよりもその超けしからん巨乳の秘密はこの牛乳ですか?」 「け、けしからんって……! す、好きで大きくなったんじゃないわよ! 佐天さんからもこの子にもう少し言葉を選ぶように注意しなさいよ!」 「まあまあ固法先輩。最愛は基本こんな感じですから。そんなに怒ってると身が持ちませんよ」 佐天がまったく当てにならないことに肩を落とした固法は、早く黒子と初春が来ることを心から祈った。 その祈りが通じたのか初春と黒子、そして神裂が第一七七支部に到着した。 「あら、佐天さんに絹旗さんじゃありませんの」 「こんにちは白井さん」 「久しぶりですね超変態ジャッジメントの白井さん」 「だ、誰に向かって言ってますの? このチンチクリンが……っ」 出会って早々、火花を散らせる黒子と絹旗に胃が開きそうな思いを抱く固法。 初春と佐天が止める気が無いので仕方ないとばかりに神裂が止めに入る。 「二人とも喧嘩は止めなさい。ここでは人の迷惑になりますし、何より飾利が怒ってしまいます」 「う、初春が……そ、それでは仕方ありませんわね。命拾いしましたね、怪力チンチクリン」 「神裂さんがそう言うなら超従うしかありません。飾利に迷惑は超かけたく無いですし」 「あの、喧嘩を止めてくれてありがとうございま……初春さんのお母さんですか?」 黒子と絹旗の喧嘩を止めてくれた神裂に固法はお礼を言うが、その後の不用意な発言に神裂がショックを受けて拗ねてしまう。 「ちょっと固法先輩! 神裂さんに何てこと言うんですか! 確かに教師してますけどれっきとした18歳なんですよ!」 「そうなんですの! わたくしもてっきり20代前半くらいとばかり……」 「まったく超ひどい人ですね。いくら老けて見えるっていっても飾利のお母さんというのは超あんまりです」 フォローに回る3人だが、その発言でさらに拗ねてしまう神裂を初春が宥めていた。 「飾利、みんなが私のことを、私のことを……」 「大丈夫ですよ火織お姉ちゃん。火織お姉ちゃんは立派な18歳ですし、ちゃんと可愛い所もありますから」 「分かってくれるのは飾利だけです!!」 「よーしよーし」 「(初春さんの方がお姉さんに見えるのは私だけかしら…?)」 「「(そんな事(超)ありません…)」」 二人は素直に同意した。 そしてその近くの食堂では… 「おーい、建宮!!今日は帰っていいぞ!!」 「分かりました!!お先に失礼しますのよね!!」 パパッと着替えて巡回。怪しい術式や魔術師のチェックの為だ。そして… (うわっ!!思いっきりいたのよね!!あれは黒曜石のナイフ…?神の右席候補ではなさそうだが一応天草式、他の魔術師に連絡!!あとは人払いなのよね!!) そしてこんな声が聞こえた。 「上条当麻…殺す…!!御坂さんは自分が守る…!!」 「(うわー思いっきりイッちまってるのよね。あっ対馬?怪しい魔術師を見つけたのよね!!天草式、また他の魔術師に連絡なのよね!!)」
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/348.html
【種別】 あだ名 【初出】 一巻 【解説】 土御門元春と青髪ピアスが上条当麻を呼ぶ際に使用するあだ名。 土佐弁で人を「~やん」と呼ぶことからついたのだと思われる。
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/676.html
【種別】 二つ名 【初出】 十二巻 【解説】 これまでに数々のトラブルを起こして来た1年7組の上条・土御門・青髪ピアスをまとめた総称。 発案者は吹寄なのだろうか。
https://w.atwiki.jp/seisoku-index/pages/173.html
常盤台学生寮 自室―― 美琴「絶対成功させるんだから……今度こそ」ブツブツ 黒子「お姉様?」 美琴「まずはアイツを探して…」ブツブツ 黒子「悩み事ですの?」 美琴「……速攻で告白するんだから」ブツブツ 黒子「告白!? 告白ってなんですの!?」 美琴「誰にも邪魔はさせない…」ブツブツ 黒子「ま、まさか、あの殿方に!? 答えて下さいまし!!」ガクガク 美琴「ん? 黒子どうかした?」 黒子「どうかしてるのはお姉様ですの!あの類人猿に告白するなんて、あのような馬の骨にぃぃぃぃぃ!!!」 美琴「はあ?」 黒子「とぼけないでくださいまし! 黒子はばっちり聞きましたの!」 美琴「アイツは馬の骨なんかじゃないわよ!!」 黒子「へ?」 美琴「私を守ってくれる、最高のヒーローなんだから!!」 黒子「」フラフラ 美琴「いくら黒子でもアイツを悪く言うのは許さないわ」 黒子「……おかしいですわお姉様。素直すぎますの」 美琴「意地を張ってもしょうがないでしょ」 美琴「アイツだけは誰にも譲れないもん。だから絶対に振り向かせてみせる!」 黒子「そこまでの決意を……」 美琴「黒子?」 黒子「分かりました。わたくしはお姉様の恋を応援しますの」 美琴「!?」 黒子「お姉様の素直な気持ちを伝えれば、上条さんはきっと応えてくれますの」 美琴「応援してくれるのは嬉しいけど、急にどうしたの?」 黒子「わたくしはお姉様のパートナーです。お姉様の幸せを願うのは当然ですの」 美琴「そっか、ありがとね、黒子…」ギュッ 黒子「お姉様…」ギュッ 美琴「よーし、いってきます!」 黒子「いってらっしゃいませ。お姉様、御武運を」 美琴「まずはアイツを探さないとね」 美琴「とりあえず、何時もの公園に行ってみるか」タッタッタ 例の自販機のある公園―― 美琴「いないわね、此処じゃないのかしら?」キョロキョロ 佐天「御坂さーん!」タッタッタ 美琴「あら、佐天さんじゃない」 佐天「どうしたんですか? 何か探してるみたいですけど」 美琴「えーっとね、人を探してるの」 佐天「風紀委員のお手伝いですか?」 美琴「違う違う、個人的なことだから」 佐天「そうなんですか。あたし暇ですから一緒にさがしますよ」 美琴「ええっ!? だ、大丈夫よ、そんな大した用事でもないし……」ゴニョゴニョ 佐天「……」キュピーン 佐天「はっはーん」ニヤニヤ 美琴「な、なに佐天さん?」 佐天「御坂さんが探してるのって男の人でしょ」ニヤニヤ 美琴「……はぁ、正解よ」 佐天「え? 御坂さんが素直? まさか偽者!?」ガクガク 美琴「何言ってるの、私は本物よ」ヤレヤレ 美琴「素直になるって決めたの」 佐天「なにがはじまるんです?」コンラン 事情を説明中 佐天「なるほど! 上条さんに告白するんですね!!」ダイコーフン 美琴「そ、そうだけど」 佐天「何て告白するか決めてるんですか?」 美琴「…決めてない」ズーン 佐天「それは不味いですね」 美琴「ぶっつけ本番はやっぱり不味いかしら?」オロオロ 佐天「そりゃそうですよ」 美琴「でもどうすれば…」オロオロ 佐天「はいはい! あたしに良い作戦があります!」キラキラ 美琴「えー」フアン 美琴「まあ聞くだけ聞いてみようかな」 作戦説明中 美琴「そっ、そそそんなことッ、ほほ本当にするの!?」マッカ 佐天「当然です」 美琴「でっでもでも、いきなりしちゃったら嫌われない…?」オズオズ 佐天「大丈夫ですって。御坂さんにされて嫌がる人なんていませんよ」 美琴「本当に大丈夫かな。何かおかしい気がするんだけど」 佐天「任せて下さい! 行動派の御坂さんにピッタリな作戦ですって」 佐天「いくら上条さんが鈍感でも、絶対伝わりますよ!」 美琴「そうよね、……言葉より行動よ!」 美琴「ありがとう! 上手くいったらすぐに教えるから!!」タッタッタ 佐天「頑張って、御坂さん!!」ブンブン 夕暮れの河川敷―― 上条「~~~~~♪」ハナウタ 美琴「見つけた! おーい!」タッタッタ 上条「~~~~♪」ウタウ 美琴「ちょろっとー」 上条「~~~~~♪」ハナウタ 美琴「このっ、スルーしてんじゃな…」ハッ 美琴(いけない! ここでビリビリしちゃいつもの繰り返しだ) 美琴(黒子たちが応援してくれたんだもの。冷静にいかないとね) 美琴(ここは佐天さんの作戦通りにいくしかない!) 美琴「それっ!」ダキツク 上条「うおあっ、だ、誰だ!!??」チラリ 上条「みみ御坂さん!? とうして抱きついてるんでせう!?」 美琴「(恥ずかしいぃぃぃ)えーっとね、大切な用事があるんだけど今いいかな?///」ウワメ 上条「わわわ分かったからそんな目でみないで! あと離してくれぇぇぇ!!」ヤワラケエ 美琴「うん///」ドキドキ 美琴(作戦の第一段階はクリア! 流石佐天さんね) 上条「それで用事ってなんだ?」 美琴「えっと、その、アンタに聞きたいことがあるんだけど」 上条「え? 勝負とかじゃないのか?」 美琴「そんなんじゃ……って、そうよね、普段からアンタに迷惑かけてるもんね」 美琴「ごめん。でも今日は…」ペコ 上条「いいって! 変に疑って悪かった。だから頭下げなくていいから」オロオロ 美琴「うん、ありがと」 上条「ロシアの時は世話になったからな。何でも聞いてくれ」キリッ 美琴「う、うん///」ドキッ 美琴(緊張するぅぅぅ!! でもやるしかない、一気に畳み掛けるわよ!) 美琴「アンタ今、恋人いる?」ドキドキ 上条「はあ? そんなのいる分けねえだろ」 美琴「本当!?」ドキドキ 上条「嘘吐いてどうすんだよ。不幸な上条さんに彼女なんてできるはずがねえ」 上条「……自分で言ってて悲しくなるなぁ。あれ? 目から汗が」ホロリ 美琴「彼女欲しいの?」ドキドキ 上条「欲しいにきまってんだろ。俺だって健全な男子高校生だからな」 美琴「欲しいなら///」ドッキンドッキン 上条「どうした?」 美琴「そんなに欲しいならあげるから///」マッカ 美琴「しっかり受け取れやコラァァァァァァァァァァーーーッ!!!!!」ガバッ 上条「なっ、ンン!!!???」chu 美琴「んっ///」chuuu 美琴(きききききキスぅぅ!! あああアイツとキスっ、幸せすぎておかしくなるぅ///)ビリビリバチバチ 上条美琴「んんーーーーーーーーーーーっ!!??」ピシャーーーーン 上条美琴「…………」プスプスプス 美琴「……」グッタリ 上条「……」グッタリ 美琴「…うぅ、痛ってー、何なんだよ何が起きた…」ヨロヨロ 美琴「確か御坂にいきなりキスされて/// ッ!? そうだ御坂は!?」キョロキョロ 上条「……」グッタリ 美琴「」ボーゼン 美琴「俺が…いる?」 上条「…………あれ?」キョロキョロ 美琴「おい、どうした?」 上条「ん? あんたは……シスターズか」 美琴「違う。お前こそ誰なんだ?」 上条「私は御坂美琴だけど」 美琴「」ジブンノカラダミル 上条「どういうこと?」 美琴「」ユビサス 上条「私? 私がどうかし……た」ジブンノカラダミル 上条「なに……これ……」ガクガク 上条「もしかしてアンタ…」ハッ 美琴「…上条当麻だ」ガクガク 上条美琴「……」ブルブル 上条美琴「なんじゃこりゃああああああああああああああーーーっ!!!???」 美琴「とっとにかく介抱しないと」アセアセ 美琴「おいっ! 大丈夫か?」ユサユサ 上条「……大丈夫だ。問題ない」ムクリ 美琴「良かった、気がついたか」 上条「……良かった? そうだな、まさに僥倖だ」ボー 美琴「早速で悪いけど、お前誰だ?」 美琴「まずは落ち着こう」スーハー 上条「これが落ち着いてられるかっ!」コンラン 上条「アンタは何でそんなに冷静なのよ!」 美琴「異常事態には慣れてるからな…慣れたくなかったけど」シクシク 上条「慣れるって、どんだけ愉快な人生送ってんのよ」ウワー 美琴「言わないで!? 鬱になるから!」フルフル 上条「分かったから、状況確認からね」 美琴「…納得いかねえ。それと俺の姿でその喋りかたはキモイぞ」ハア 上条「私とアンタの体が入れ替わったのよね」 美琴「スルーされた!?」ガーン 上条「はいはい、次は能力ね」 美琴「ん? 幻想殺しがあるのに入れ替わってる?」 上条「幻想殺し? …異能の力なら神の奇跡さえ打ち消す能力…ね」 美琴「!?」 上条「効果範囲は右手のみ……ふーん」ニギニギ 美琴「なんで知ってんだよ!?」 上条「なんかね、知りたいって思ったら頭に浮かんできたのよ」 美琴「マジかよ!? つーことは…」ビリビリ 美琴「うおっ! すげー帯電してる!」ビリビリ 上条「落ち着きなさい」パキーン 美琴「あれ? ビリビリできない……もしかして幻想殺し?」 上条「ええ、どうやら知識と手続記憶は体が覚えてるみたいね」 美琴「でもどーするよ。幻想殺しで触れて戻らないってことは」 上条「入れ替わりは通常の法則で起きたんでしょ」 美琴「原因を見つけねーと…」 美琴「不味いな、これからどう…なにしてるんでせう?」 上条「アンタの体凄いわね! 体中から力が漲ってくる!!」シュッシュッ 上条「肉体強化の能力者もびっくりな身体能力じゃない!」ピョーン 美琴「……上条さんは何時の間に神裂みたいなトンデモ人間になっちまったんだ?」ガクガク 上条「これだけの能力なら一方通行に勝てたのも納得だわ」ブオーン 美琴「違うからね!? 幻想殺し以外は一般人だから上条さんは!」ギャース 上条「アンタ何も考えずに体を振り回してるんじゃない?」 美琴「???」 上条「だから、論理的に動かせば凄いポテンシャルが引き出せるってこと」ピョーーーーン 上条「異常なまでの頑丈さも体の動きに耐えるためにあるんじゃないの?」ドスン 美琴「……ありえねぇ」 上条「少しは頭使いなさいよ」ヤレヤレ 美琴「中学生に馬鹿にされた……」ガクリ 上条「今はアンタが中学生じゃない」 美琴「うだー! 遊んでる場合じゃねえだろうが!」 ???「おーい、カミやーん!」 上条「ん?」 美琴「あれは…」 上条「土御門さんであってる?」 美琴「ああ」 上条「……入れ替わったことは秘密ね」 美琴「なんで?」 上条「アンタは学園都市の暗部に狙われてる。ロシアの時に教えたでしょ」 美琴「そうだったな。隙を見せるなってことか」 上条「誰も巻き込みたくないしね」 美琴「分かった。迂闊なことはしない」 上条「お願いね……」 土御門「カミやん呼んでるのに無視とか酷いにゃー」タッタッタ 上条「すまん、話に夢中で気づかなかったんだ」 土御門「まあいいぜよ。そっちは常盤台の超電磁砲かにゃー?」 美琴「は、はい。か…御坂美琴です」アタフタ 土御門「オレは土御門元春、よろしくにゃー」 上条「それより慌ててたけど、どうしたんだ?」 土御門「そうだった、急で悪いがカミやんと禁書目録にはイギリスに行ってもらうぜい」 美琴「!!! 何で!?」 土御門「部外者には話せないにゃー」 上条「…イギリス?」 土御門「おーっと時間がない。カミやん詳しい話は移動中にするにゃー」ガシッ 上条「え?え?」オロオロ 美琴「ま、待て!」 上条「ちゃんと説明し…」 土御門「悪いにゃー。ちょっとカミやんは借りてくぜよ」シュー 上条「」パタリ 美琴「なにしてんだよ!?」 土御門「大丈夫、ただの催眠スプレーだにゃー」ブロロロロ 土御門「迎えの車も来たし、失礼するぜい」ガチャ 美琴「待てよ! そいつはッ」ブロロロ 美琴「くそっ! 車が行っちまう……そうだ!」ビリビリ 美琴「行かせるかぁぁぁぁーーーッ」バチバチ 黒子「駄目ですの!!」シュン 美琴「!?」 美琴「…行っちまった」ガクリ 黒子「お姉様! こんな所で雷撃の槍を使うなんて、どういうつもりですの!!」プンスカ 黒子「常盤台のエースとしての自覚をもっと」クドクド 美琴(御坂を巻き込んじまった……どうしよう) 黒子「聞いてますの!?」ガシッ 美琴「! ……な、何だ?」ビクッ 黒子「上条さんに告白しに出かけたはずでしたのに」プンプン 美琴「告白? 誰が?」 黒子「お姉様に決まってますの!」 美琴「マジか!?」ガビーン 黒子「マジですの」 美琴(だからあんなこと聞いてきたのか……) 黒子「お姉様、さっきから変ですの」 黒子「今日は寮にお戻りになって休んで下さい」 黒子「黒子は心配でたまりませんの…」スン 美琴(不安だらけだが、土御門たちもいるし知識も問題ない) 美琴(御坂が危険な目に……あっても大丈夫だな。……神裂みたいだったし)ガクガク 美琴(これからのこと考えねーとな、なにより) 美琴(こいつに心配かけるのは違うよな) 美琴「分かった。心配かけてごめんな」ナデナデ 黒子「理解していただければ構いませんの///」ドキドキ 常盤台学生寮―― 黒子「到着ですの」シュン 美琴「テレポート凄いな! あっという間に着いたぞ」ワクワク 黒子「?? 何を仰ってるんですの。いつものことですのに」 美琴「そそそーだな。疲れてるのかもな。あはは」タラリ 黒子「いけませんわ! 早くお休みになりませんと」 美琴「そうだな。部屋に行くかーって、うわあああ!!」ステーン! 黒子「お姉様!?」ギョ 美琴「痛ッ、なんでこんなとこに空き缶があんだよ…ん?」シセン? 寮生達「……」ポカーン 黒子「……」ボーゼン 美琴「……」 美琴「あは、あはははは…失礼しましたぁぁぁーーーっ!!」ダダダダ 黒子「……ハッ!?」キョロキョロ 黒子「」イナイ 黒子「お姉様ぁぁぁーーー!!」ダダダダ 常盤台学生寮 自室―― 黒子「お、お姉様? 本当に大丈夫ですの?」オズオズ 美琴「あはは…」ボロボロ 美琴「もしもし御坂か!」pi 上条『当たり前じゃない、アンタの携帯からかけてんだから』 美琴「お前無事だったのか。土御門に拉致られた時はマジで焦ったぞ」 上条『いやー、気がついたらロンドンに着いてたからね。私もビビったわ』 美琴「もうロンドン!? あれから二時間位しかたってないのに!?」 上条『超音速旅客機っていうの? なんか一時間ちょいでついたみたいよ』 美琴「あれか……お前運がいいなぁ。トラウマになる乗り心地だった」アレ? 上条『インデックスが潰れちゃってるけどね』 美琴「インデックス……他は誰がいる?」 上条『神裂さんとステイルの二人ね。今ちょっと離れてるけど』 美琴(部屋につくまでに転ぶこと三回、晩飯は美味かったけど、いつも通り不幸だ)アレ? 美琴(まてよ。今は幻想殺しが無いから幸運は打ち消されないはずだ) 美琴(なのに不幸が止まらない。御坂も不幸体質なのか?)ゲコッゲコッゲコ 美琴(電話か、誰だ? 当麻…って俺!? いや御坂からか!) 美琴「ちょっとトイレ行ってくる!」タッタッタ 黒子「はい?」ポカーン 美琴「神裂たちがいるなら安心だ。不安に思うことないからな」 上条『はあ? なんで不安? 面白そうじゃない!』 美琴「……何が?」ピク 上条『聞いてよ! 私たち遺跡調査に同行するの! 遺跡調査よ! これは冒険の予感がするわ』 美琴「」カタカタ 上条『心配しなくても大丈夫だってば。インデックスは護るし。遺跡の謎も解き明かしてみせるわ!』 美琴「」ガクガク 上条『面倒くさがらずに優しく接すること』 上条『あと黒子を邪険にしないこと。スキンシップも少しくらい認めること』 美琴「ぜ、善処します」 上条『駄目政治家みたいなこと言うな、この馬鹿!』 美琴「だって俺、女の子と遊んだ経験とか殆どないんだぞ!?」 美琴「スキンシップなんて……上条さんは男なんだよ! 狼なんだよ!」 上条『平気だって。そうねぇ、アンタ今すぐエロいこと想像しなさい』 美琴「ぶーーーーーーーーッ!!!」 上条『ちょっと! 私の携帯汚さないでよ』 美琴「なに言っちゃってんですか御坂さん! 変態だ変態だよ変態なんです三段活用!」 美琴「くそっ、どうしてこうなった!?」ダイコンラン 上条『落ち着きなさい』 美琴「落ち着けるかあああああああ!!!」 上条『煩いっつーの。もう結論から言うわ』 上条『アンタは女の子に劣情を催さない』 美琴「」ピタ 上条『精神が肉体との整合性をとろうとしてる』 上条『今アンタは女の子なのよ。だから同性に反応しない。本当よ』 上条『嘘だってんなんら試してみたら?』 美琴「…………………………………………………………………………嘘だ」プルプル 上条『ほ~らね。私の推察通りじゃない』 美琴「嘘だぁぁぁぁぁああああああああああああああ!!!」 上条『知ってる? 私は上条当麻に心底惚れてんのよ。他の男なんか眼中にないほど』 上条『だからね、上条当麻にしか反応しないはずよ。あっははははは』 美琴「自分に欲情!? セルフファッカー!? なにそれ!? なにそれぇぇぇぇ!!」 上条『理解したかしら? 黒子たちの安全は約束されてるの』 美琴「悪魔めぇぇぇぇぇぇぇえええええええ!!!」 上条『怒らない♪ 怒らない♪』 上条『とある冒険家の幻想殺し、みたいな小説が書けるくらい満喫するから』 美琴(駄目だこいつ……早くなんとかしないと…)プルプル 上条『アンタ聞いてんの?』 美琴「へ? ああっ聞いてるさ」ビクッ 上条『アンタも確りしてよ。冬休みだから学校はないけど、友達付き合いがあるから』 美琴「友達……白井、佐天に初春の三人か」 美琴「帰ったら覚えとけ! 久々にキレちまった」 上条『毎日お風呂に入るのよ。清潔にしないと許さないからね』 美琴「またスルーしやがったな!」 美琴「いいぜぇ。お前の体、どうなっても知らねーからなっ!」 上条『……』 美琴「あ~んなことや、こ~んなこと試してやる!」 上条『……』 美琴「フフン、怖くなったのかぁ」 上条『……』 美琴「まあ上条さんも鬼じゃねえ。御坂が謝るなら……」 上条『いいぜ』 美琴「!?」ドキ 上条『アンタにそんな酷いことができると本気で思っているのなら』 上条『まずは、その幻想をぶち壊す!!』 美琴「――ッ!?」ドキドキ 上条『ねえ、どんな感じ?』 上条『自分のアイデンティティを他でもない、アンタ自身から叩きつけられた感想は?』 美琴「ち、違う! お前は御坂だ! 俺じゃ……ない」ドキドキ 上条『どうかしら。私があんなこと言われたらどうなるか……分かるでしょ?』 美琴「分からねえ! わっかんねえよ!!」ドキドキ 上条『嘘ね』 美琴「嘘じゃねえよ! なあ、一体どうしちまったんだ? お前ちょっとおかしいぞ!」 上条『あははっ、さっき教えたじゃない。精神が肉体に適応してるって』 上条『だから今、アンタがどんな状態か手に取るように分かっちゃうのよ』 美琴「それは…っ!? ならお前はどうなんだよ!?」アセアセ 上条『どうって?』 美琴「お前だって上条当麻の体に適応しはじめてんだろっ!?」 上条『お前だって? 認めるんだぁ』 美琴「はぐらかすんじゃねえ!!」 上条『怒んないでよ。私にも影響出てるわ』 美琴「なら何でこんな、俺を惑わすこと言うんだよ」 美琴「俺と似た考え方するなら、協力して問題を解決しようとするハズだろ!?」 上条『そうね、確かにそんな気持ちもあるわ』 美琴「!……それじゃあ」パアー 上条『あるけど微々たるもんよ?』 美琴「え?」 上条『フフ、これはチャンスなのよ』 美琴「御坂?」 上条『今の状況をうまく利用すれば、私の願いが叶う……』 美琴「……願い?」 上条『先に謝っとくわ。これからアンタをいっぱい傷つけるから』 上条『でもアンタも悪いのよ? アンタが八方美人なせいで私だって傷ついてたんだからさ』 美琴「お、俺はただ…」オロオロ 上条『だからもう遠慮しない! 躊躇も! モラルなんか知ったことか!!』 美琴「ッ!?」ビクッ 上条『宣言するわ。上条当麻を私のものにする』 上条『戻ったらたっぷり可愛がってやるからな』 上条『楽しみに待ってろ 美 琴 』ガチャ 美琴「///」ポケー 美琴「…………ッ!?」 美琴「な、なんで///」フルフル 美琴「…そんな分けない///」フルフル 美琴「俺が上条当麻でアイツが御坂美琴だ///」ガクガク 美琴「ありえない…こんなのおかしい///」ブルブル 美琴「……さっき確かに私はッ!?」ポー 美琴「違う!! 俺は俺だ!!」ブンブン 美琴「御坂の様子も変だったし……どうなってんだよ」 美琴「もう寝よう。本当におかしくなっちまう…」フラフラ 美琴「……」フラフラ 黒子「あ、あの、お姉様」 黒子「随分大きな声で話されてましたけど…」オズオズ 美琴「……あー、うるさかったか…ごめんな」 黒子「違いますの!」 美琴「へ?」 黒子「無作法は承知で伺います」 黒子「告白は……うまくいきましたの?」 美琴「!?」 美琴(そうだった。御坂に告白されたんだった) 美琴(異常な状況だったから何も考えてねえ) 美琴(俺は御坂のこと、どう思ってんだ?)ウーン 美琴(いっつもツンツンしてて負けず嫌いで、一人で背負い込む悪癖がある年下の女の子。あの実験のッ!!??)ズキッ (――絶望の底から救い出してくれた私のヒーロー――) (――夏の日に聞いた、あの力強い約束の言葉――) (――大切な後輩を命懸けで助けてくれた、あの頼もしい背中――) (――ボロボロに傷ついても、記憶を失っても揺るがない強固な信念――) (――自分だけの現実を根底から揺るがせるほど大切で、大好きなひと――) (――安心以上に不安、焦燥、嫉妬、悲しみを私にくれる酷いひと――) 美琴「……」ボー 美琴「うまくいったわ。とーぜんでしょ」キッパリ 黒子「そう…ですか」ウツムク 黒子「おめでとうございます、お姉様」ニコ 美琴「ありがとーね、黒子」 黒子「初春と佐天さんにも知らせなくてはいけませんわね」メルメル 美琴「そ、そうね」 黒子「明日は三人で根掘り葉掘り聞くので、お覚悟あそばせ」ニタア 美琴「…お手柔らかに頼むわ」 美琴「疲れたから、もう寝るね」トコトコ 黒子「はい、お休みなさいませ」 美琴「おやすみー」ゴソゴソ 美琴「……」 美琴「……ハッ!?」ビクッ 美琴(何だ! 何が起こった! 何て言った!?) 美琴(告白が成功したって、上条当麻が御坂美琴を受け入れたって) 美琴(確かに言った……はっきり迷い無く) 美琴(けどそれは結果だ。問題はその前、俺が御坂をどう想ってるか考えてた時だ) 美琴(途中までは何ともなかった) 美琴(でも絶対能力進化を、あの鉄橋で御坂の絶望をぶち壊す覚悟を決めた時の感情) 美琴(それを思い出してたら……流れ込んできやがった) 美琴(御坂の上条当麻を想う馬鹿デカい感情が……) 美琴(白井と無自覚に話してたのは、処理しきれない感情が暴走したからか?)ウーン 美琴(駄目だ。御坂みたいに分析できねえ)ガクリ 美琴(分かってんのは俺と御坂の想いが完全に混ざっちまったことか……もう好きってレベルじゃねーな///)テレテレ 美琴(御坂の俺も悪いって言葉、理解できるなあ。期待させるだけさせて放置とか、サド野郎が)イライラ 美琴(……御坂に謝ろう。まずはそこから始めるんだ) 美琴(許してくれっかなー、にしてもさ) 美琴(こんな卵が先か鶏が先かみたいな恋愛とか……) 美琴(マジでついてねーよ) 美琴(御坂と普通の恋愛してーのに……困ったな)ウトウト 美琴(もう……アイツに逆らえる気がしない)スヤスヤ 学園都市第七学区 窓のないビル―― 土御門「こんな朝早くに何の用だ」 アレイ☆「君に一仕事頼みたい」 土御門「こちらに拒否権は無い。さっさと話せ」 アレイ☆「分かった。簡潔に伝えよう」 アレイ☆「超電磁砲の身柄の確保、手段は君に一任する」 土御門「どういうつもりだ!?」 アレイ☆「プランに致命的な狂いが生じた。それを修正する為の措置だ」 土御門「そんなことをすれば、上条当麻が黙ってないぞ」 土御門「上条当麻と超電磁砲を慕ってる連中も同じハズだ」 土御門「どれ程の混乱が起きるか予測できんぞ!」 アレイ☆「そのような些事、今はどうでもいい」 土御門「なっ!?」 アレイ☆「早急に幻想殺しを奪還する必要がある。その為の超電磁砲だ」 土御門「上条当麻なら一週間以内に帰還する。そう決めていただろう!」 土御門「余計なことをする必要は無い!」 アレイ☆「上条当麻は学園都市にいる」 土御門「は?」 アレイ☆「幻想殺しは既に上条当麻の手を離れているのだよ」 アレイ☆「あれは世界を揺るがすほどに危険な存在だ。だから手綱が必要になる」 アレイ☆「その役目は超電磁砲以外には務まらない」 土御門「な、何を言っている?」 アレイ☆「君がこれ以上知る必要はない」 アレイ☆「君にできないなら他を差し向けるだけだ」 暗部組織『グループ』偽装車両内―― 海原「クソっ! 何故御坂さんを!」 結標「確かに妙ね……理事長は何考えてるのかしら」 土御門「オレにもさっぱり分からん」 土御門「上条当麻は間違いなくイギリスにいる」 土御門「だがアレイスターは学園都市にいると言った」 土御門「つまり今、上条当麻が二人いることになる。……アステカは」 海原「それはないでしょう。リスクばかりでリターンが見込めません」 土御門「こちらも同じだ」 土御門「実質のトップを失ったローマと戦後処理に忙しいロシアも同様だろう」 結標「統括理事会のマッチポンプの可能性は?」 土御門「あり得んな。アレイスターは本気で超電磁砲を捕らえるつもりだ」 土御門「焦ってるようだったしな」 結標「あのクソッタレが? いい気味じゃない」 海原「いい気味じゃないですよ!? こうなったら自分が御坂さんを…」 土御門「焦るな。お前の妹はどうする?」 海原「ショチトルは妹では……すみません、少し熱くなりすぎました」 土御門「一方通行を欠いて戦力が低下してるんだ。無茶はできん」 結標「そうね。まったくどこにいるのやら」 海原「そう簡単に彼が死ぬとは思えません。アレイスターに反抗する機を窺っているのでは?」 土御門「……さあな。とにかく鍵は超電磁砲が握ってる」 土御門「上条当麻がイギリスに発つ直前に会っていたし、オレたちに無い情報をもっている可能性が高い」 海原「自分らが接触するわけにはいきませんよ?」 結標「あの恐い電撃女には近づきたくないわ」 土御門「安心しろ。助っ人を手配してある」 海原「助っ人……ですか」 土御門「超電磁砲と同じ女子中学生だ。大能力者だから戦力も申し分ない」 土御門「そいつを護衛も兼ねて超電磁砲に接触させる。グループとは無関係にな」 結標「信用できるの?」 土御門「ああ、成功報酬だからな。必死にやってくれるさ」 土御門「連絡事項は以上だ。歯がゆいだろうが自重してくれよ」 海原「ええ……」 常盤台学生寮 自室―― 美琴「……んあ?」パチ 美琴「……」キョロキョロ 美琴「やっぱ夢でしたってわけねーよな」ハア 美琴「んーっと、時間は…朝飯まで結構あるな」ノビー 美琴「よし! 風呂に入ろう。昨日はそれどころじゃなかったし」 黒子「…おねえさま」ボソ 美琴「あ、ごめん。起こしちまっ…ん?」 黒子「」スースー 美琴「何だ寝言かよ」フフッ 黒子「ぐふふ、お姉様の純潔はわたくしのものですの。類人猿なんかに……」ジュルリ 美琴「……御坂も大変だな。さっさと風呂に行こう」トコトコ 常盤台学生寮 大浴場―― 美琴「おー! すげー広い! 流石お嬢様学校、モノが違うぜ」カポーン 美琴「先ずは体を洗って……オイマテ」ゴシゴシ 美琴「何気に脱いで、何気に女子風呂入って御坂の体洗ってる……なのに」プルプル 美琴「何も反応しねえ。そもそもナニがねえ」ガクリ 美琴「なんつー喪失感だよ……イギリスに出張中の上条さんの息子は…///」マッカ 美琴「///」フルフル 美琴「……自分のナニを思い出して興奮する日がくるなんて///」ドキドキ 美琴「御坂の言った通りだ。ハハ、セルフファッカー一直線ですかぁ///」モジモジ 美琴「とか言ってるうちに、慎ましい胸の先っちょがおっきしてる!?///」ピクン 美琴「くっそ、どうすりゃ落ち着くんだ!? 抜けばいいのか!?」アタフタ 美琴「でも倫理的に不味い気がする……ッええい!!」ダイコンラン 美琴「間違ってるのは俺じゃないッ、御坂のエロボディのほうだ!!」キリッ 美琴「いざ!無毛の割れ目に///……」ソー 寮生A「誰か入ってるんですか?」カラカラ 美琴「!!!???」ギクッ 寮生A「御坂様?」テクテク 美琴「」ガタガタ 寮生A「こんな早くにいらっしゃるなんて驚きましたわ」トナリスワル 美琴「そそそそうか!?」ビクビク 寮生A「ええ。いつもは朝食の少し前くらいだったと記憶していますわ」 美琴「い、いやー今日は早く目が覚めちゃってね」 寮生A「そうでしたか」 美琴「あはは、朝風呂はキモチイイナー」カタカタ 寮生A「うふふ、そうですね」 美琴「……ナンカノボセテキチャッター」カタカタ 寮生A「え?」 美琴「オレモウアガルネ」ピューーーー 寮生A「??」オレ? 常盤台学生寮 庭―― 美琴「ハアハア……」 美琴「あっぶねー。おっぱじめる前で助かった~」ダラダラ 美琴「朝っぱらから何やってんだよ俺は……いや昼も夜も駄目だろ」ブンブン 美琴「御坂痴女疑惑なんて笑えねーからな」 美琴「まあ慌ててる間に妙な興奮も収まってるし結果オーライ?」 美琴「もっと自重しねーと……女体の神秘は上条さんには荷が勝ちすぎてます」ハア 美琴「……でも俺は御坂の信じる上条当麻(ヒーロー)じゃねえか」 美琴「こんな情けないことしてる場合かよ……」 美琴「何か泣きたくなったけど、気のせいだよな! うん」 美琴「あー、御坂に会いてーなぁ……」ポケー 美琴「早く謝りたいけど向こうは真夜中だしな……」ゲコッゲコッゲコ 美琴「……もしもし」pi 上条『おーっす。元気してる?』 美琴「え、御坂?」ドキッ 上条『そうだけど。アンタ寝てたの?』 美琴「ち、違っ…」アタフタ 上条『規則正しく生活すんのよ? まったく』 美琴「早寝早起きしてるよ!」 上条『ん、よろしい』 美琴「くそ、子供扱いすんな!」プンスカ 上条『あはは……少しは元気でた?』 美琴「へ?」 上条『今朝、いやそっちは昨日か』 上条『これでもか!ってくらい、アンタを追い詰めちゃったじゃない』 上条『今更だけど心配になってさ……ごめんね』 美琴「……」ジワ 美琴「……ごめんなさい」グスッ 上条『ど、どうしたの!?』 美琴「お、俺のほ、ほうがッ、悪いのッ、に」ヒックヒック 美琴「ごめッ、ごめんなさいぃ……」ポロポロ 上条『アンタ、泣いてるの?』 美琴「な、泣いてないッ」ポロポロ 上条『強がっちゃって、可愛いなぁ~もう』 美琴「ううううううううっ///」グスグス 上条『今はちゃんと私のこと想ってくれてる?』 美琴「うん……俺が泣いたんじゃねえよ。御坂ボディが泣いたんだ」スンスン 上条『はいはい』 美琴「……御坂、本当にごめん」 上条『だからもういいってば。お互い様じゃない』 美琴「でも、お前が割に合わないじゃねーか」 美琴「だから俺に挽回のチャンスをくれよ」 上条『確かにそうね。私の乙女心を散々踏みにじってくれたしねぇ……例えば』 上条『携帯のペア契約なんてあからさまなアプローチを無視したり』 美琴「ぐっ」 上条『あまつさえ妹にプレゼントをやる始末だし』 美琴「むぐぐ…」 上条『お前なに勘違いしてんの?って言われたみたいで悲しかったなぁ~』 美琴「すみませんっしたぁぁぁぁ!!」ドゲザ 上条『それじゃあ誠意をみせてもらおうかしら』 美琴「ど、どうすればいいんでせう?」ビクビク 上条『今朝から気になってたんだけど、アンタ男言葉で生活してない?』 美琴「そうだけど、不味かったか?」 上条『不味いに決まってんでしょうが! 一応お嬢様なのよ!』 美琴「で、でも…」オロオロ 上条『言い訳しない! いいわ、アンタ女言葉で生活しなさい』 美琴「待って! それは無理だって!」イヤイヤ 上条『はあ!?』 美琴「思考が女になってんだぞ! 行動まで女っぽくしたら戻れなくなっちまう!?」アセアセ 上条『…ちっ』 美琴「舌打ち!? 何で舌打ちすんの!?」ガーン 上条『じゃあ難易度を下げるか』 美琴「本当!? ありがとうございます御坂様! 犯罪以外なら頑張ります!」 上条『男言葉で話していいけど、私を名前で呼んで』 美琴「えっと、美琴?」オズオズ 上条『違うわ。私は今、上条当麻よ』 美琴「じゃあ、と、当麻?」 上条『いいぜ。俺もお前のこと美琴って呼ぶからな』 美琴「まあ、この程度ならなんとか……ってなにその口調?」 上条『あのなあ、入れ替わったことは内緒だろうが』 上条『なのに俺が女言葉で話してたら周りはどう思う?』 美琴「……気が狂ったのかと」ガクガク 上条『分かってんじゃねーか。だからイギリスに来てからずっとこんな感じだ』 美琴「……凄い適応力ですね御坂さん」 上条『こんくらい当然だろ? あと当麻!』 美琴「自分の名前呼ぶって変な感じなんですけど……」ウーン 上条『それが嫌なら女こ…』 美琴「やだなー当麻さん! 冗談ですことよ!?」アセアセ 上条『ったく、あとは美琴が男言葉で話す理由か』 美琴「……別に理由なんていらねえだろ。本物もがさつだし」ボソ 上条『ああん!?』 美琴「ひっ!?」ビクッ 美琴(ガラ悪っ! こんなの上条さんじゃねーよ) 上条『一々茶々いれんのは美琴の悪い癖だな』 美琴(もっと優しくできねーのかよ) 上条『あー理由だけどな、適当でいいから』 美琴「投げやりだー」 上条『美琴は超能力者だからな。能力開発の一環ってことで済まされるだろ』 美琴「さっきと言ってること違うんじゃ……」アレ? 上条『佐天さんと初春さんはそんな細かいことをとやかく言わないと思うし』 美琴「またスルー!?」ガーン 上条『黒子は口煩いけど……すぐ慣れるさ』 美琴「そんな適当でいいんかよ。元に戻ったとき困るのはお前だぞ?」 上条『別に構わねーよ。…………戻らねーし…』 美琴「何だ? よく聞こえない」 上条『それより美琴に言いたいことがあるんだけど、いいか?』 美琴「なんだよ改まって」 上条『俺はお前が好きだ』 美琴「……好き……って、ええええええええ!?///」マッカッカ 上条『結局ちゃんと告白できてなかったからな。きっちりしたかったんだ』 美琴「そそそ、その、おお俺もッ///」 美琴「すすす好ッ――!? ――――ッ!?」ガチン! 上条『美琴、落ち着け』 美琴「……ひたひ」カンダ… 上条『返事は俺が学園都市に帰ってからでいいよ』 美琴「ふえ? れ、れも…」オロオロ 上条『答えなんて分かりきってるしな』 美琴「にゃ、にゃにゃに///」プルプル 上条『明日も朝早いし寝ますかね。おやすみ美琴』pi 美琴「///」テレテレ 美琴「///」ポー 美琴「……好き、か///」ポケー 美琴「知ってたけど……うれしいなぁ///」ギュ 美琴「なんて返事すればいいんだろ///」フルフル 美琴「恋愛経験なんてねーし、変なこと言っちまいそうだ♪」 美琴「あはは、調子がいいな俺」 美琴「ちょっとアイツに優しくされただけなのに、不安なんか吹っ飛んじまった」 美琴「困ってたら颯爽と助けてくれるなんて…」 美琴「……アイツ、ヒーローみたいだ///」 黒子「お姉様ぁぁぁーーっ!」シュン!ガバッ 美琴「な、何だ!?」ビクッ 黒子「グヘヘ、最っ高の抱き心地ですの!」スリスリ 美琴「黒子!? はっ離れッ…」 美琴(そうだ。スキンシップとれって、アイツが言ってたっけ) 黒子「離しませんわ! まだまだお姉様分が足りませんの」ギューー 美琴「……ったく、少しだけだぞ」ギュ 黒子「え?」ピタ 美琴「ん? どうした?」 黒子「それはこっちの台詞ですの。いつもなら電撃がくるはずですのに……」 美琴「電撃って……そんなことしねーよ」 黒子「……マジですの?」ジュルリ 美琴「うん、マジですの」 黒子「ふ…ふふふふふふふふふふふふふうふ」ギラギラ 美琴「く、黒子さん?」カタカタ 黒子「言質はとりましたのおおおおォォォォォーーーーッ!!!」ガバチョ 美琴「ひっ!?」 たっぷり三十分後―― 黒子「ふぅ…」ツヤツヤ 美琴「……酷い目にあった」ヨロヨロ 黒子「堪能しましたわ~」 美琴「もうやんねーからな!」 黒子「あらあら、そんなこと仰るなら…」ワキワキ 美琴「や、やだ…」アトズサル 黒子「」ゾクゾク 美琴「く、黒子?」 黒子「ハッ! もう少しで新たな嗜好に目覚めるとこでしたの」オシイ 美琴「こんなに変態だったなんて……不幸だ」ガクリ 黒子「少しばかり、ねちっこく抱きついただけですのに大袈裟ですわ」 美琴「あれの何処が少しなんだよ!」 黒子「あの程度で騒ぐようでは上条さんを満足させられないかも、ですわ」ヤレヤレ 美琴「あ、ああアイツを満足って、そんなの///」テレテレ 黒子「冗談ですの」シレ 美琴「!? 何なんですかぁ! 御坂さんをいじめてそんなに楽しいんですかぁ!?」 黒子「そろそろ待ち合わせの時間ですの」 美琴「え? お前もスルーするの!?」 黒子「初春たちを待たせないよう急ぎましょう、お姉様」 ファミレス Joseph s―― 初春「白井さんたち遅いですね」 佐天「そうだねー。なんかあったのかな」ウーン 初春「それなら連絡が…」 黒子「お待たせして申し訳ありませんの」トコトコ 初春「あ! 白井さん遅いですよ」 佐天「……あの、なんで御坂さんそんなにボロボロなんですか?」チラリ 美琴「あはは…」ボロボロ 初春「うわっ、コート破けてますよ!」 美琴「ちょっと不幸なことが…」 黒子「道端で転倒すること三回、スキルアウトに絡まれること二回、極めつけに…」タンタン 美琴「ぎゃああああ!! 言わないで! お願いします黒子さん!」ドゲザ 黒子「添い寝を要求しますわ」 美琴「それは過剰請求なのでは……」 黒子「妥当ですの!」 美琴「原告の変態性は常軌を逸してるので要求は却下します。以上!」 初春佐天「……」ボーゼン 黒子「先程お姉様は犬に追い回されて半べそ掻いてましたの」シレ 美琴「ちょ!?」 初春「!? ……」パソコン、ソウサ 佐天「……あっはっは! 白井さ~ん、いくらなんでもそれ無理がありますって」 佐天「御坂さんは超能力者の第三位ですよ?」 佐天「犬に泣かされるなんてあり得ないですよ」ヤレヤレ 美琴「そ、そうなんだよ。あり得ねーっつーの!」 初春「佐天さん! これ見てください!!」 監視カメラの映像―― 犬「Bowwwwoww!!!」タッタッタ 美琴「ぎゃああああ!! 追いかけてくんなぁぁぁーーーっ!!」タッタッタ 美琴「尻尾踏んだの謝るからッ!!??」ステーン! 犬「Guuuuu……」ニジリヨル 美琴「痛たた…ひぃ!?」シリモチ 犬「Bowwwwoww!!!」イカク 美琴「こ、こっちくんなぁ…」ナミダメ 犬「Gaaaaa!!」 黒子「お姉様!」シュン! 美琴「!?」シュン! 初春「……」ゾクゾク 佐天「……あれが犬!? 怪獣じゃなくて!?」 美琴「……」ガクガク 黒子「ご覧の通りですの」 美琴「早速ばれるなんて……不幸だ」ガクリ 初春「怯えてる御坂さん……かわいい」ボソ 美琴佐天「え?」 初春「はい? どうかしました?」 美琴佐天「な、なんでもないよ!」フルフル 黒子「初春はよく分かってますの」 初春「当然じゃないですか」 美琴佐天「……」カタカタ 初春「なんか御坂さん雰囲気変わりましたね」 黒子「ええ。隙だらけになったというか…」 初春「…いじめるとかわいい?」 黒子「そうですの! グッとくる反応をしますの!」 美琴「おい!」 佐天「……そう言われてみれば」チラ 美琴「へ?」 初春「素晴らしいですけど、何かあったんですか御坂さん?」 黒子「恋人ができましたの」 美琴「ちょっ!?」 初春佐天「彼氏!?」 黒子「ええ、今日二人を呼んだのはそのことを伝えるためですの」 佐天「それより相手は上条さんですよね!」 黒子「はいですの。お姉様の変化には上条さんが関係してると睨んでますわ」 美琴「なあ…」 佐天「確かに御坂さん、昨日とは別人みたいですよ」 美琴「おい…」 黒子「凛々しいお姉さまも素敵ですが…」 美琴「あのな…」 初春「今の御坂さん最高ですよ! ……泣かせてみたいなぁ」ワクワク 美琴「…無視すんなぁぁぁ…」グス 黒子初春佐天「……」ゾクゾク 美琴「みんなして俺を無視しやがって」プンスカ 初春「ごめんなさい。でも御坂さんを見てるとつい…」 美琴「つい…じゃないんだよ!」 佐天「まあまあ、それよりも御坂さん、言葉遣いが荒くないですか?」 黒子「そうですの。そんなことでは殿方に愛想つかされますわよ」 美琴「んなことねーよ。アイツに認めてもらったし」 佐天「へー、寛容なんですね」 初春「やっぱり上条さんって優しいんですか?」 美琴「う、うん」 佐天「例えば!?」 美琴「ええっとな、(鈍感な性格を)激しく責められて、わけ分かんなくなって、ずっと泣きそうだったんだ」 美琴「でも一晩明けたら優しく慰めてくれて、そのまま(告白)してくれたんだ///」テレテレ 黒子初春佐天「え?」 美琴「思い出すだけで幸せだなぁ///」ポー 初春「…泣くほど激しい責め? しかも一晩中?///」イヤンイヤン 佐天「上条さんって鬼畜だったんだ……」サイテー 黒子「今朝起きたらお姉様がいなかった……まさか…まさか」プルプル 黒子「お姉様!!」 美琴「な、なんだ?」ビクッ 黒子「調教されたんですの!? 既に調教済みなんですの!?」 美琴「調教って……もうアイツに逆らえないし、そうなのかな///」テレテレ 黒子「あんの腐れ類人猿がああああああああああ!!!」 初春「白井さん落ち着いてください!」 黒子「落ち着けるわけねーですのぉぉぉ!」 初春「上条さんが調教したおかげで、私たちは御坂さんを弄れるんですよ?」 黒子「!!??」 初春「だから上条さんGJが正解なんです!」 黒子「た、確かにそうですの。今日のお姉様は何をしても反撃してきませんの」 初春「きっと泣いちゃうくらい厳しく躾けられたんですよ!」ダイコーフン 佐天「…初春」マワリノシセンガ 初春「やっぱり上条さんの功績は計り知れないです」pipipipipi 初春「あ、メールが…! 白井さん、風紀委員の緊急招集です!」 黒子「了解ですの!」シュン! 佐天「えっ!? ちょっ、……いっちゃった」 佐天「切り替え速いのは頼りになるけど…」キョロキョロ 客A「調教って…」ヒソヒソ 客B「風紀委員に通報…」ヒソヒソ 客C「あの子、常盤台の制服…」ヒソヒソ 客D「御坂って言ってたし、超電磁砲じゃない…」ヒソヒソ 佐天「こんな状況で置き去りにするなぁぁぁーーーーッ!!!」 美琴「!?」ビクッ 第七学区 ゲームセンター―― 佐天「初春の…馬鹿野郎ォォォーーー!!!」バコーン! 美琴「…95点って、凄いな」 佐天「自己ベストですね。初春たちへの怒りを込めたからな~」 美琴「あはは……」 佐天「次は御坂さんの番ですよ」 美琴「よしっ、いっちょやってみますか」 美琴(以前は180点くらいだったっけ?) 美琴「おおおおぉぉらぁッ!!」パコン! 佐天「…70点、やった! あたしの勝ちです」キャッキャッ 美琴「本気で殴ったのに…」ズーン 佐天「御坂さ~ん、もう降参ですかぁ?」ニヤリ 美琴「まだだ! 御坂さんの力はこんなモンじゃねえ!」 佐天「じゃー次はアレで勝負だ!」ビシッ 美琴「はっ、吠え面かくんじゃねーぞ!」 佐天「完・全・勝・利!」 美琴「完敗……だと……」ホエヅラ… 美琴「パンチングマシーン、エアホッケー、ガンシュー、格ゲー、音ゲー……」 美琴「全滅だ……何をやっても佐天さんに勝てねえ」 佐天「素敵な吠え面ありがとうございました」 美琴「うぐ…」 佐天「弱すぎて期待はずれだなあ~」 美琴「うぐぐ」 佐天「御坂さんの実力はこんなモンですかぁ」 美琴「…いいぜ」 佐天「んー?」 美琴「俺の実力がこの程度だと、佐天さんに勝てないって言うのなら」 美琴「まずは、そのふざけた幻想をぶちこ…」ゲコッゲコッゲコ 佐天「電話鳴ってますよ?」 美琴「……もしもし」pi 黒子『お姉様、今よろしいですか?』 美琴「よろしくねえ! スルーだけじゃなくカットまでするとか御坂さんに恨みでもあるんですかあ!!」 黒子『な、何にお怒りなんですの!?』 美琴「てめえにだよ黒子さん」 黒子『まあ、それはいいとして』 美琴「全然よくねえ!」 黒子『風紀委員の仕事が長引きそうなので、帰宅は夜遅くになりますの』 美琴「言ったそばからスルー!?」ガク 黒子『ですから先にお休みになってください。それでは』pi 美琴「……」プルプル 佐天「御坂さん?」 美琴「……俺の話聞けよぅ」グス 佐天「」ゾク 美琴「絶対わざと無視してんだ…」ジワ 佐天「」ウズウズ 美琴「佐天さんは……違うよな?」ウワメ 佐天「もももちろんですよ!!」ウズウズ 美琴「……本当?」オズオズ 佐天「はい、あたしは御坂さんの味方です!」ウズウズ 美琴「…そっか」ニコ 佐天「ああもう無理!!」ガバチョ 美琴「わぷっ」 佐天「御坂さんかわいい~~~」ギュ 美琴「んう~」スリスリ 佐天「ほっぺすりすり!? も~~~っ、どんだけキュンキュンさせるんですか!?」キュンキュン 美琴「ん、あったかい…」ホッコリ 佐天「もって帰ったら駄目かな……」シンケン 第七学区 とある公園―― 佐天「っていう感じで三十分くらいかな? 御坂さん、幼児退行してたんですよ」 美琴「……不幸だ」ガクリ 佐天「ここまで連れてくの大変だったんですから」 美琴「ごめんな、迷惑かけちまってさ。けど幼児退行はねーよ…」 佐天「大丈夫ですよ!」 美琴「…なにが?」 佐天「御坂さん、すっごく可愛かったんですから!!」キッパリ 美琴「は?」 佐天「ゲーセンにいた人達も絶賛で、いーーーーーっぱい写メってましたもん♪」 美琴「もん♪、じゃねぇぇぇーーーーっ!!!」 美琴「いっぱいって何人くらいに撮られたんだよ!?」アタフタ 佐天「さあ?」 美琴「だいたいでいいんだよ!」 佐天「御坂さんは通りを歩く人を、いちいち数えてますか?」ヤレヤレ 美琴「……」ガクガク 佐天「そんなことより、ほらっ! 可愛く撮れてるでしょ!!」ケイタイ 美琴「不幸だああああぁぁぁぁぁーーーーーーッ!!!」 佐天「はいっクレープ。機嫌なおしてくださいよ~」サシダス 美琴「…機嫌が悪いんじゃねー、不幸を嘆いてるんだ」ウケトル 佐天「不幸って…確かに今日の御坂さんついてないですね」 美琴(もしかして俺の不幸に幻想殺しは関係ない?)モグモグ 美琴(いやそんなまさか……)モグモグ 佐天「でも能力を使えば犬?だろーがスキルアウトだろーが、御坂さんの敵じゃないのに」 佐天「どうして使わなかったんですか?」 美琴「え? ああ……能力ね」 美琴「使う必要がなかったから、かな」 佐天「??」 美琴「犬に追いかけられたのは尻尾を踏んだ俺が悪いし」 美琴「スキルアウトだって怪我させていいわけじゃないだろ」 美琴「だから能力を使う必要がねーんだよ」 美琴(使い方は分かるけど、人に向けていい能力じゃないしな) 佐天「理屈は分かりますけど…でも御坂さんが危ない目にあったら意味ないですよ」 美琴「あはは、そうかもしんねーけどさ、もう決めちまったからな」 佐天「まったく、御坂さんは頑固だなぁ」 美琴「まあ怪我しないように気をつけるから、それで勘弁してくれ」 佐天「しょーがない。それで納得してあげます」 美琴佐天「ごちそーさま」 美琴「佐天さん、クレープの包み紙くれ。捨ててくるからさ」 佐天「お願いしまーす」ポロッ 美琴「ん? 何か落とし―ッ!?」ピタ 佐天「ああ、それですか。さっきクレープ屋で貰ったんですよ」ヒョイ 美琴「…アヒルのマスコット」ジー 佐天「ただのマスコットじゃないです。ここを押すと…」ポチットナ アヒル「おはようございます。初期設定をはじめます」 美琴「!?」 佐天「もう一回押すと」ポチ アヒル「……」シーン 佐天「たしか…AI搭載型多目的サポートツール、だったかな」 美琴「……」ジー 佐天「新商品のデータ収集のために配ってるみたいですよ」 美琴「可愛い…」 佐天「そーかなぁ。なんかムカつく顔してません?」 美琴「そんなことねえよ! 愛嬌あるじゃん!」 佐天「あたしには分かんないなあ」 美琴「こんなに可愛いのに…」 佐天「そんなに気に入ったんならあげますよ」 美琴「マジで!?」 佐天「マジです」ハイ 美琴「いいモン貰った! さんきゅーな佐天さん!」ウケトル 佐天「いえいえ。じゃあ初期設定しちゃいましょう」ペラペラ 美琴「説明書?」 佐天「そうです。なになに…まず所有者の登録…次に名前をつける…最後に…」ペラペラ 美琴(名前か、どんなのがいいかな?) 美琴(愛嬌のある顔……ん? どっかで見たことあるような…) 美琴(ムカつきはしないが、ちょっと偉そうな…) 美琴(そうだ! こいつフィアンマに似てる! よし、名前はフィアンマにしよう) 佐天「御坂さん、アヒルのお腹を押してください」 美琴「おう、ここか?」ポチットナ アヒル「おはようございます。初期設定をはじめます」 アヒル「所有者の名前を教えて下さい」 美琴「み、御坂美琴」 アヒル「御坂美琴でよろしいですか?」 美琴「はい」 アヒル「私の名前を決めてください」 美琴「お前の名前はフィアンマだ」 アヒル「フィアンマでよろしいですか?」 美琴「はい」 アヒル「最後にあなたは私にとって、どんな存在ですか?」 美琴「え?」 美琴(存在? 家族とか友達とかそういうのか?) 美琴(ん~、普通に友達でいいか) 美琴「えっと、友だ…」 青ピ「奴隷!! ボクは小萌センセの奴隷になりたいわ~」 土御門「義妹こそ至高なんだにゃー。バイトも終わったし舞夏に会いにいくかにゃー」 アヒル「初期設定を完了しました」 美琴「へ? 確認は?」 佐天「…奴隷って」ヘンタイ? アヒル「登録情報をもとに最適化します。しばらくお待ち下さい」 美琴「ま、まあ登録し直せば大丈夫だろ」 佐天「……これ一度登録したら変更できないっぽいんですけど」ペラペラ 美琴「マジ!? ど、どうすんだよ!?」アタフタ 佐天「大丈夫ですって。所詮、無料配布のおもちゃですよ?」 美琴「そうだけど……嫌な予感がする…」 アヒル「最適化を完了しました。これよりフィアンマは起動します」 美琴佐天「……」ドキドキ フィ「おい貴様、俺様が直々にサポートしてやるんだ。光栄に思え」フフン 美琴「」プルプル 佐天「…なにこれ」アゼン フィ「奴隷の分際で俺様を無視するとは、いい度胸だ」 美琴「だ、誰が奴隷なんだよ!」プンスカ フィ「貴様だ」 美琴「てめえ、おもちゃのくせに…?」オレサマ? 美琴「…お前フィアンマなのか!?」 フィ「そうだ。……なるほど、マニュアルを正しく把握してないな?」 美琴「??」 フィ「しかたない。貴様に理解できるよう説明してやる」 フィ「俺様はオリジナルのフィアンマではない」 美琴「見た目ただのアヒルだしな」 フィ「貴様の記憶を読み取り、フィアンマなる人物の人格を擬似的に再現しているだけだ」 美琴「記憶を読むって、なんだよそれ!」 フィ「読心能力の応用だ。要するに俺様は貴様がイメージするフィアンマということだ」 美琴「無駄に高性能だ…」 フィ「普通は家族、友達、恋人の名前をつけるようだが、俺様を選ぶとは」 フィ「貴様、目が高いな」 美琴「……」チラリ 佐天「あ、本当だ。それっぽいこと書いてる」ペラペラ 美琴「佐ぁぁぁぁ天さぁぁぁぁぁん!! 今頃なに言っちゃてるんですかあ!?」 佐天「…てへ♪」ペロ 美琴「可愛く誤魔化しても駄目だからね!?」 フィ「煩い黙れ。まだ説明が終わっていない」 佐天「人の話はちゃんと聞かないと」 美琴「…その通りなんだけど、納得いかねぇ」 フィ「俺様の機能については適時教えてやる。…それより」 フィ「いつまで俺様を鷲掴みにしているつもりだ。無礼だろう」 美琴「はあ?」 佐天「えーっと…御坂さん、そのアヒルを…」ペラペラ フィ「アヒルではないフィアンマだ」 佐天「はいはい、フィアンマを肩に置いてください」 美琴「肩に…うわっ、くっついた!」ピタ フィ「ふむ、これでいい」 佐天「あっはは、似合ってますよ」 美琴「…嬉しくねー」 フィ「俺様を肩に乗せられるんだ。奴隷には身に余る贅沢だろう」 美琴「奴隷じゃねーし」 美琴「くっそ、こういうのは浜面のポジションのはずなのに…」 佐天「浜面? 誰ですか?」 美琴「イギリスにいる知り合いだよ。少し前まで学園都市に住んでたけどな」 佐天「へえー、その浜面さんも奴隷扱いを?」 美琴「うん、麦野さん…まあ女王さまみたいなひとに毎日顎で使われてる」 美琴「あいつの場合は望んでそうなった、って言うと思うけどなー」 フィ「俺様も負けていられないな」 美琴「変なとこで張り合わなくていいから!」 佐天「そんなこと言って、実は満更でもないのでは~」ニヤニヤ 美琴「んなわけあるか!……もうつっこみ疲れたんですけど」グッタリ 佐天「午前中から弄られっぱなしですもんね」 美琴「…俺は先輩なんだぞ…偉いんだぞ」 佐天「全然先輩って感じしませんけど、親しみやすくていいと思うな」 美琴「そ、そうか?」 佐天「はい。だから安心して弄られてください」 美琴「…え?」 佐天「日も落ちてきたんで帰りますね。御坂さんの写真、初春たちに送らなきゃ♪」スタコラサッサ 美琴「……フィアンマさん」 美琴「後輩たちが俺をいじめて遊ぶんですが、どうすればいいですか?」 フィ「ドMになればいいだろう」 美琴「変態は嫌だ! まじめに答えろよ!」 フィ「割とまじめなんだが? 受け入れれば楽になれる」 美琴「受け入れたくねー。…アイツに相談するか」 美琴「もう日も暮れたし帰ろう」トコトコ 第七学区 常盤台学生寮への帰り道―― 美琴「さみー。コートが破けてるせいで風を防げねえ」ブルブル フィ「情けない声をだすな。俺様は裸だというのに」 美琴「お前寒さとか感じねーだろうが」 フィ「感じるぞ」 美琴「はあ?」 フィ「俺様には各種センサーが搭載されているからな」 フィ「寒さも暑さもわかる」 美琴「どんだけハイスペックだよ…誰が造ったんだ?」 フィ「知らんな。そんなことより貴様、尾行されているぞ」 美琴「へ?」 フィ「後方十メートル、小柄で髪の短い女だ」 美琴「なんで尾行されてるって分かるんだよ!?」 フィ「公園にいた時から貴様の半径十メートル以内から離れない」 フィ「気づけ馬鹿が」 美琴「馬鹿って言うほうが馬鹿なんですぅ…あれか」チラ ??「……」 美琴「…お前、レーダーついてる?」 フィ「ここは撒くよりも接触したほうがいいだろう」 美琴「てめえもスルーしやがりますか」 美琴「つーか尾行される心当たりなんて……結構あるな」 美琴「用心してかかるか…」ゴクリ フィ「不意打ちを仕掛けて確実に仕留めろ」 美琴「なに物騒なこと言ってんだよ!?」 フィ「ではどうする?」 美琴「……普通に話しかける」 フィ「考えなしか。無能め」 美琴「無能!? …もういい。お前は喋るな。絶対だぞ」 フィ「分かった」 美琴「おい、ちょっといいか?」 ??「私ですか?」 美琴「単刀直入に言うが、何で俺をつけた?」 ??「えっと、勘違いじゃないですか」 美琴「公園にいた時から監視されてたのは知ってんだよ」 ??「意味がわからないんですけど…」 美琴「惚けても無駄だ。ネタはあがって…」キリッ フィ「俺様が教えてやらねば尾行されていた事すら気づかなかったくせに偉そうにするな」 美琴「おまっ、ばらすなよ! あと喋んなって言ったよね!?」アタフタ ??「……」ポカーン フィ「貴様が俺様の功績を横取りするからだ」 美琴「そんなつもりねーよ!」 フィ「どうだろうな」 美琴「なんてムカつく野郎だ。佐天さんの言う通りだったぜ」 ??「……」ポカーン 美琴「見ろ! お前のせいで呆れられてるぞ」 フィ「どうだろうな」 美琴「…この野郎」 ??「あ、あの…」オズオズ 美琴「ん? ああ、ごめん。こっちが話しかけたのに無視しちまってさ」 ??「…そんなことより、あなた…超電磁砲ですよね?」 美琴「あ、ああ」 ??「聞いてた話と全然違います…」 美琴「何か言った?」 ??「いえ、なにも」 美琴「まあ尾行うんぬんは置いといて、何かあるなら手貸すけど?」 ??「……え?」 美琴「お前、何か困ってる事あるんだろ? 経験則から御坂さんはお見通しですのことよ」 ??「はぁ…」ヤレヤレ 美琴「えっ? もしかしなくても勘違い!?」ハズイ ??「いいえ、超電磁砲が超お人好しだと分かって安心しただけです」ニコ 美琴「そんな、それほどでも…」テレテレ フィ「馬鹿にされているんだがな。残念な奴だ」 ??「早速ですけど、超電磁砲に教えて欲しいことがあるんです」 美琴「いいけど、話は寮で聞いてもいいか? マジで寒くなってきたし」ブルブル ??「私は構いませんけど…」 フィ「危機管理って知ってるか?」 美琴「知らねーよ。さっさと帰るぞ」 常盤台学生寮 自室―― 美琴「あったけー、常時空調がきいてるとか最高じゃないかー」 フィ「気を抜きすぎだ」 美琴「はいはいわかりましたよっと。んじゃ自己紹介すっか。俺は御坂美琴、お前は?」 ??「私は絹旗最愛、絹旗でいいです」 美琴「よろしくな絹旗。あとこれはフィアンマっつームカつくアヒルだ」 絹旗「…アヒルのマスコット? さっきから超喋ってますけど」 フィ「俺様は超高性能だからな。あとアヒルじゃないフィアンマだ。訂正しろ小学生」 絹旗「なっ!? 超失礼ですねこのアヒル! 私は中学生です!」ムカッ フィ「どちらにせよお前がちんちくりんな事に変わり無いだろう」フフン 絹旗「…真剣にムカつきました。御坂、これぶっ壊してもいいですか?」 美琴「喧嘩すんな。はら絹旗、話を聞かせてくれ」ヤレヤレ 絹旗「そうでした。…御坂は上条当麻さんと親しいんですか?」 美琴「は?」 美琴(何で俺の名前が出てくるんだ!? 絹旗とは初対面のはず……絹旗? そーいやどっかで…)ウーン 絹旗「御坂、どうかしました?」 美琴「なんでもない、と、当麻ね。うん、友達だけど…それで?」 絹旗「私に上条さんを紹介してほしいんです」 美琴「はぁ?」イラッ 絹旗「み、御坂? どうしたんですか」ビクッ 美琴「あ……ごめん」 美琴(俺、何でこんなにイラついてんだ?)イライラ 美琴「紹介するのは構わないけど、今は無理」 絹旗「何でですか?」 美琴「海外に行ってんのよ。その内帰ってくるけどさ」 絹旗「そうですか……」 美琴「…当麻に会ってどうするの?」イライラ 絹旗「相談したいことがあるんです」ン? 美琴「…私も相談に乗るくらいできると思うけど」イライラ 絹旗「上条さんじゃないと駄目なんですよ」キッパリ 美琴「…ッ!?」ズキッ 絹旗「…なるほど」ピーン 美琴(なんだよ…なんなんだよ。助けが必要なら誰にだって手を貸してきたじゃねえか…)ズキズキ 美琴(なのに、なんで……)ズキズキ 絹旗「……御坂には全部話しちゃいますけど、私には会いたい人達……いえ、友達がいるんです」 絹旗「ずっと探してようやく上条さんに、その友達と接点があるって分かったんですよ」 美琴「…え?」 絹旗「だから私は上条さんに渡りをつけてほしいだけです。……御坂が超心配するようなことはありませんから」ニコ 美琴「し、しし心配!? なにが!?」アタフタ 絹旗「御坂は上条さんのことが超好きってことです」シレ 美琴「好きって、あの、その……うん///」テレテレ 絹旗「御坂の反応が超乙女です。…同じ超能力者でも麦野とはえらい違いですね」 美琴「乙女とかいうなぁ/// ……むぎの?」 絹旗「はい、御坂は戦ったことがあるはずです」 絹旗「第四位、原子崩しの麦野沈利、容赦のない鬼ババアです……リーダーのくせに」ウツムク 美琴「ババアって……」 絹旗「あんなヒステリックで超後先考えない女、ババアで十分です」ドンヨリ 美琴「そーかなぁ、結構優しいと思うけど……あー、浜面には容赦ないわね、うん」 絹旗「!!?? 浜面を知ってるんですか!?」 美琴「知ってるけど…ああそっか」ピコーン 絹旗「何ですか!? どんなことでもいいから教えてください!」コーフン 絹旗「お願いします! 浜面たちを探してるんです!!」 美琴「落ち着いて。浜面と滝壺、それに麦野さんはイギリスにいるわ」 絹旗「イギリス…そんな、遠すぎます…」ガクリ 美琴「絹旗の名前に聞き覚えがあるわけよ。麦野さんが絹旗のこと心配してたからね」 絹旗「え……麦野が?」 美琴「一人だけ学園都市の糞溜めに置き去りにしてしまった。何とかこっちに連れて来れないか、とか」 美琴「謝りたい、とかね」 絹旗「う、嘘です! 麦野に限って……そんなことあるはず…ないです」 美琴「嘘じゃないわ。浜面と滝壺も心配してたけど、麦野さんが一番絹旗のこと気にかけてたもの」 美琴「妹を心配するお姉さんって感じだったわ」 絹旗「……フレンダが、死んで…浜面が裏切って…麦野は、アイテムを、捨てた…はず、なのに」グス 絹旗「もう…私の居場所なんて、ないって…死ぬまで一人だって、我慢…してたのにッ」 絹旗「そんな…私のこと、気にかけて、くれっ、て、た…」ヒックヒック 絹旗「…会い、たい。会いたいよぅ、むぎのぉ…」ポロポロ 美琴「大丈夫だから。絶対会わせてあげるから」ギュッ 絹旗「本当…ですか?」 美琴「ええ、御坂さんにまかせなさい! コネだけは充実してるんだから」ニコ 絹旗「うぐっ、うぅ…」 美琴「だから、もう悲しいこと我慢しなくていいから…」ナデナデ 絹旗「…二回もっ、置き去りになるっ、の、いやだっ」ヒックヒック 絹旗「ひとり、ぼっちはッ、嫌、です…うぁぁぁぁぁあああ」ポロポロ 美琴「……」ナデナデ 絹旗「……」スースー 美琴「泣き疲れて寝ちゃった…」 フィ「張り詰めていたものが切れたんだろうな」 美琴「…ったく、本当に救いようがないわね、学園都市は」 フィ「思いもよらぬ展開になったな」 美琴「そうね。でも決めたから」 美琴「絶対に絹旗をイギリスまで、麦野さんたちの所へ連れていってみせる」 フィ「……」 美琴「まずは当麻と話さないとね」 フィ「……」 美琴「それから…? どうかした?」 フィ「俺様は貴様の思考、記憶、イメージを基に構築された人格だ」 美琴「??」 フィ「だから貴様の精神が上条当麻だと知っている」 美琴「読心能力を応用してるんでしょ。なら知ってて当然だけど…」 フィ「自身の変化に気づかないのか?」 美琴「ん? なんか変わったかしら…?」 フィ「……口調だ」 美琴「…!!??」 美琴「わたッ…俺は、いつから…?」 フィ「そこで寝ている小学生が上条当麻に会いたいと貴様に頼んだときからだ」 美琴「…よく覚えてる。滅茶苦茶イラついてたんだ」 美琴「当麻と絹旗が仲良くしてるとこを想像して、それで…」 フィ「深く考えるな。今の上条当麻にとって御坂美琴の想いは猛毒だ」 美琴「どういうことだよ」イラッ フィ「貴様が上条当麻のことを想う度に、貴様本来の人格は侵食されていく」 フィ「女に嫉妬したりすると爆発的に侵食が進むんだ」 美琴「侵食ってなんだよ。このままだと、どうなっちまうんだ」 フィ「どうもならんさ。ただ…」 美琴「…ただ?」 フィ「現状を受け入れてしまうだけだ」 フィ「そうなれば貴様が上条当麻に戻ることは不可能になるだろう」 美琴「そんな…完全に御坂になっちまうのか?」 フィ「そうじゃない。似て非なるものだ」 フィ「上条当麻と御坂美琴、それぞれが理想とする相手になると推察できる」 美琴「…つまり俺は、俺にとって理想の御坂美琴になるのか?」 フィ「そうだ」 美琴「冗談じゃねえ! 俺は上条当麻だ。絶対もとに戻ってやる!」 フィ「強く自己を意識できるうちは大丈夫だろう」 フィ「バイタルもメンタルもモニターしているからな。異常を検知したら教えてやる」 美琴「…マジで万能だな」 美琴「そうだ! アイツにも教えてやんねーと…」pipi 美琴「……だめだ、でねえ」オカケニナッタデンワハ… フィ「イギリスとの時差は約九時間だ。明日の早朝にするほうがいい」 美琴「そうだな。ちーっとばっか早いけど寝るか……って!?」 絹旗「……」スヤスヤ 美琴「俺のベッド…絹旗が寝てるんだった」 フィ「広いベッドだ。二人で寝ても十分じゃないか」 美琴「…そうだ、今の俺は人畜無害な御坂さんだ。女の子と一緒に寝てもなんともないぜ」ゴソゴソ フィ「俺様もシャットダウンするか…電池は大切にしないとな」 美琴「え!? お前電池で動いてたの!?」 フィ「……」シーン 美琴「無視か……ムカつくけど、お前がいてくれて助かったよ。さんきゅーな、フィアンマ」 美琴「明日は忙しくなりそうだな。……おやすみ」スヤスヤ next
https://w.atwiki.jp/stellamedia/pages/30.html
プロフィール バサラ◎/マヤカシ●/マヤカシ△ PL えのきの第二のキャスト 御門忍は、死霊王ハクが付与していた"死の印"が経年劣化により消失したことで、三度の生を得てこのキャンペーンに戻ってきました。 PL えのきのアオサギに代わる第二のキャストとして、キャンペーンを盛り上げてくれることでしょう。 概要 公式ルルブの時点でカムイST☆Rの代表であった予知能力者です。彼女は既に死亡しています。 彼女は北米喪失以前に、事故により死亡しました。魔王の数を4名にまで減らし、カムイST☆Rをアヤカシが支配する街へと変えてしまった大戦争「逢魔刻」はその時から始まったのだという歴史解釈も存在します。 逢魔刻 「逢魔刻」は、厳密には3つのフェーズに分割されます。 魔王二柱が結託して獣王クンネカムイを襲撃した第一次魔王戦争。魔会の2大勢力、天使の血脈と悪魔の血脈が正面衝突し、魔王の数を四柱まで減らした第二次魔王戦争。 そして、そのすべての発端となった出来事が、狭義の「逢魔刻」です。 魔会と御門忍らST☆R上層部による定例会議の際、死者の血脈の魔王である死霊王(デスロード)、ハクが乱心し、御門忍に対し密やかに死の印(デスマーク)の呪いを付与しました。 そして、これを即座に察知した獣王クンネカムイは、間髪入れず死霊王ハクを噛み殺してしまいます。 そして、御門忍は数日後の死の印の完成により死亡します。 公の場で、魔王が魔王を殺すという実績となってしまったこの事件を契機に、二度に渡る魔王戦争、広義の「逢魔刻」が始まってしまったのです。 アクト内で開示された情報 御門忍の現在 御門忍は、"死の印"が経年劣化によって消失したため、コールドスリープで保存されていた肉体が蘇生したと、蘇生のあらましを説明しています。これが事実であるかどうかを証明する方法も無く、ST☆Rでは御門忍が統治者となることを認めざるを得ない状況です。 また、獣の血脈と協力関係にあり、獣王クンネカムイを後ろ盾に持つ以上、武力による制圧も困難な状態にあります。 カナギによる調査 御門忍の変化 13:御門忍は、かつてST☆Rをアヤカシと人間が調和した都市とすべく尽力していました。一方、復活してからの御門忍は、獣王クンネカムイを代表としてアヤカシの統一を進めようとしており、これには違和感を感じている者も多いようです。 23:御門忍の変化を事細かに追った結果を総合するに、御門忍はかつての御門忍とは本質的に別人と言わざるを得ません。死者の血脈のアヤカシの力を調査した結果としても、死の印が経年劣化により解除され蘇生した、という説明もカバーストーリ―に過ぎないと断言できます。 御門忍の目的 コネ:???で判定した場合のみ22 8:御門忍の目的は、獣の一族とともにST☆Rを統一し、再びST☆Rを統治して人間とアヤカシが調和したST☆Rを取り戻すことです。 18:御門忍の計画では、コッペリア陣営を打破することが第一とされています。ST☆R最大勢力であり、ST☆Rの在り方を歪めている人形の一族を許してはおけないのでしょう。次いで予想される龍の一族との衝突については、ST☆Rにおける人間とアヤカシの調和が取り戻されるなら、決着をつけて完全な統一を果たす必要はないと考えているようです。 23(22として獲得):その背景は不明ですが、御門忍の計画の裏にはST☆Rに魔王戦争とそれによる混乱をもたらそうとする意図があるようです。つまり、龍の一族との全面戦争すら辞さないというのが真相のようです。 御門忍、そしてアオサギの正体 10年前に死んだはずの御門忍に成り代わり、第三次魔王戦争を引き起こそうとした人物。そして、かつてアオサギという男としてツシマFORTЯЭSSに太平洋を封鎖させようとした人物。"それ"らは同人物です。 エトランゼ●/カゲムシャ▼、『ジャック』。火星からやってきたその男は、他人を乗り継ぐことが出来る宇宙人です。 関連情報 カムイST☆R メニューに戻る
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/1036.html
【初出】 禁書SS自作スレ>>480-482 1 「んで・・・何でお前がいるんだ、ステイル」 追尾していた魔術師三人をわざと入り組んだ道を通って攪乱した土御門と上条はとりあえず土御門の提案で上条の家に行くこととなった。当初、上条は魔術関連ならインデックスが危ないと反対したのだが、土御門は 「今回はインデックスが必要なんだ。」 そう言っただけで結局それ以上重要なことは何も話さず、そうこうしている内に我が家へと帰還した上条だったのだが、どうも部屋が焦げ臭い。というより、なんか部屋から煙が出ている。んで、慌てて飛び込んでみたらそこには何故か 「ふぁー、ほふぁへりとうま(あー、おかえりとうま)、ほひくほひひひよ(お肉おいしいよ)」 口いっぱいに焼肉を含んだインデックスとひたすら目の前の女の子の為に肉を焼く魔術師の姿があった。何で、ステイルを勝手に部屋にあげて、勝手に肉食ってんだ、とも突っ込もうとしたがインデックスがあまりにも幸せそうなのでやめた。というよりも、肉を買うのならもちっと高いのを買ってくれ。肉がおいてある袋には『スーパー玉○、100g××円のお買い得商品』と大々的な広告が張り付いていた。 「遅かったな上条当麻。・・・お、土御門も一緒か。」 「にゃはは。なんだかお楽しみのところ悪いけど、こちらとしては電話の手間が省けて嬉しいねぇ」 にゃははは、と笑いながら肉を焼くステイルとひたすらに肉を食い続けるインデックスの間に鎮座する。仕方ないので上条も余っている席に腰を落ち着けた。安物の肉のやける微妙な臭いが鼻に入っては抜けていく。 「で、話ってなんだよステイル。ローマ正教が関係あんのか?」 その言葉にピクっと体を震わし、上条の方を見つめるインデックス。彼女はしばらくそのまま上条を見つめていたが、 次にはその視線はステイルに向いていた。その視線を受けてステイルは肉を焼いている火を止めると、小さく息を吐いて言葉を発した。 「さっきは話の途中で切られたから最初から説明するけど、一度しか言わないし、質問も受け付けない。真実をありのままに受け取ってくれ」 真実をありのままに受け取れ、その不吉な言葉に上条の喉が音を立てる。 「結論から言うと、学園都市と教会の戦争になる・・・と言えば分かりやすいかな」 「なっ!?」 思わず立ち上がり、座ったまま立ち上がった上条に対して目で威圧する。だが、引き下がってはおけない。 「どういうことだよ、ソレ」 言葉に覇気がない・・・と自分で分かる。それほどステイルの言葉は重みがあった。信じているわけではない。ただ、本物の魔術師に言われる言葉にはたとえ嘘であったとしても本当と思わせるような魔力がある。彼らは言葉を魔術として紡ぐからだ。言葉に対してステイルはもう一度、今度は深いため息のような息を吐くと、 「いいか、よく聞け、上条当麻。さっき君はローマ正教と何か関係があるのかと聞いたな。今回のこの事件、ローマ正教だけじゃない。ロシア・イギリス・ローマ・ギリシア・アンティオキア・アレクサンドリア・・・全ての教会が一冊の魔導書を、この学園都市にあると言われている魔導書を狙っている。土御門が驚いたのはローマ正教が動いたっていう事実にだけだ。君だって聞いたことぐらいはあるはずだ。悪魔の書 ―ネクロノミコン の名前ぐらいはね。」 「有り得ないよ!!」 今度立ち上がったのはインデックスだった。 その眼は驚きというよりも怒り。まるで親の仇でも見たかのようにステイルを睨みつけている。 「有り得ない。あの魔導書は伝説だよ。わたしの10万3000冊の中にもネクロノミコンだけは存在しない。あれはあってはならない書。伝説の中だけで伝えられてきた架空の魔導書でしょ?有り得ないよ!!」 言葉を聞いて眉をひそめたステイルは感情を押し殺したような声で続けた。 「僕も聞いたときは信じられなかった。しかし、あの悪魔の書が実在すると分かった以上、各教会が狙わないはずはない。間違いなく、学園都市にネクロノミコンを狙った魔術師たちが潜伏しているはずだ。」 「ちょ、ちょっと待てよ。学園都市には簡単に踏み込めないってお前、前言ったよな。」 「意味が違う。入り込むことはたやすい。ただ、学園都市と正式な取り決めがない教会が侵入した場合、他の教会も同様に侵入し内部で戦いが起こるだろう。」 言われて上条の頭の中に最悪の情景が巡っていく。 「まさか・・・いや、嘘だ。ありえねぇよ。何なんだよ魔導書一冊の為に戦争を起こすってのかよ!?」 「嘘じゃないぜぃ、カミやん。実際に俺達は尾行された。もう数百人単位の魔術師が入り込んでいると見て間違いない。今はまだ消光状態なんだろうが・・・いつ戦闘が起こるか分からないぜい。分かるだろ?それほどヤバイんだよ、ネクロノミコンって魔導書は。」 4人の間に長い沈黙が走る。上条の頭の中で様々な幻想が思い浮かんでいく。 ネクロノミコン。戦争。魔術師。たった一冊の魔導書。危機にさらされる200万以上の命。 「何なんだよネクロノミコンって・・・・何が書いてあんだよ」 ひねり出すような上条にインデックスは平静を装って答えてくれた。 「私もよく知らないけど、ネクロノミコンには『この世の終わりと始まりを繋げる魔術』が書かれてると言われてるの。この意味はよく分かってないけど・・・・伝説ではこの書はギリシアのミケーネ文明を滅ぼしたとも言われているし、ジャンヌ=ダルクが農民の身分でオルレアンを解放し、シャルル7世を励まして百年戦争に勝利したのもこの魔導書のお陰だといわれているの。だけど、そういうのはは全て伝説。結局、誰も分からないの。ただ伝説だけが一人歩きして魔導書になった。だから、言ってしまえばネクロノミコンは、本当は魔導書なんかじゃないかもしれない。けど、これだけは事実。ネクロノミコンは歴史を変えるような力を持ってる。歴史を変える悪魔の書。だから、誰にも渡しちゃいけない。世界が終わってしまう可能性があるの」 歴史を変える。世界が終わる。あまりにもスケールが大きすぎて想像出来ないし、したくもない。たった一冊の魔導書にそんな力があるなんて信じられない。 「今更信じられないってのはナシだぜ、カミやん。俺達は『使徒十字』を知ってるだろ?アレだって十分信じられないものだが効果は絶対だ。まぁ、発動されなかったから実感は湧かないだろうけどにゃ」 「っ・・・・」 何がなんだか分からなかった。否、分かっているのに分かろうとしない。夢だったらいいのにという甘い幻想。 「方法は・・・ないのか?」 だからこそ聞いた。世界を敵に回してでもこの戦争を回避できる方法があるのなら、これを自分の悪夢ですませることができたなら。結局、他人の幸せは守れた事になるのだから。 「正気かい?僕は今回ばかりは君の手に負えないから学園都市を出ろ、と言いに来たんだけどね。戦争は魔術師の仕事だ。」 「ふざけんな!ここまで知らされて逃げることなんてできるかよ!!」 胸の中が燃えている。ここまで知って逃げることなんてできるはずがない。拳を握る。 「俺が止めてやる。戦争なんてくだらない真似はさせない。たとえ、ステイル。お前が戦争に参加して学園都市をめちゃくちゃにするってんなら、今、ここで止めてやる。お前だってイギリス清教の魔術師だろ」 右手を座っているステイルに突き出す。それを 「ふぅ」 と間抜けなほど軽い溜息で返された。 「やめておくよ。ソレに僕はもうイギリス清教の魔術師じゃない。」 あまりにも明るい口調に上条は拍子抜けし 「なんだ・・・イギリス清教じゃない・・・って、えぇぇぇぇぇぇぇっっっっ!!?」 上条だけじゃなく土御門やインデックスまで声を上げていた。ほんと、どうなってんだろいったい・・・。
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/351.html
【種別】 あだ名? 【初出】 四巻 【解説】 上条が義妹ラブな土御門を呼ぶ際に使用した言葉。 この名で呼んだ所ヤタラと焦りだし、リアル義妹に手を出した可能性を読者に匂わせた。 真面目な話、少なからずlike以上のLoveを義妹に抱いているようだ。
https://w.atwiki.jp/m-jinbutu/pages/78.html
『玉蘂』嘉禎元年正月二十三日 十日晴、除目入眼也、午刻摂政来、任人事有沙汰、経高卿辞退八座、為長卿望申也、希代事也、仍以頭弁、仰含人々、前左府、右府、内府、土御門大納言、各々申公卿有難也、但内府申子細、晩頭参内了、
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/912.html
願いを叶える魔法の箱 本日は雨。昼休み中、インデックスによる財政難で昼飯抜きの上条にデルタフォースが声をかけた。「カミやん、今朝面白いものを見つけたにゃー。」「面白いものって?・・・ただの箱じゃないか。」「驚くなかれ、これを見るぜよ!!」土御門は箱のフタを見せた。『願いを叶える魔法の箱』と書いてあった。「・・・なんだこれ、女の子が書いたような字じゃないか。胡散臭いにも程があるぞ。」「せやろ胡散臭いやろ?これを不幸体質のカミやんで試そうと思って拾ってきたんや。」「拾ってきた?どこで拾ったんだよ」「学校に行く途中の公園のベンチだにゃー。普通に置いてあったから興味本位で持ってきたわけだぜい。」「興味本位と言ってもどう見たって科学とは無関係みたいだし魔術とかでもなさそうだな。」「だからカミやんの力が必要やねん。何かお願いしてみいや!」「そうだな~、女の子にモテモテになりますように・・・」この瞬間、上条は土御門と青髪にパンチを喰らった。一方常盤台中学のとある教室。学園都市第3位の御坂美琴は自分の席で絶望な顔をして大変困った顔をしていた。(どうしよう・・・まさかアレをなくすとは・・・たまたま持ち運んでどこかに置き忘れたなんて・・・アイツの手にいっていたら私死んじゃう・・・その可能性は低いと思うけどこの嫌な感じは何なのかしら・・・これがアイツの言っていた不幸指数ってヤツかしら・・あー!もうどうすればいいのよ!)思い悩んでも仕方がないと考えた美琴はとりあえず居眠りして今は忘れようと机に顔を伏せた。しかしやはり居眠りできる精神状態ではなく、何か行動をとらないと落ち着かなくなった。(そうだ!アイツにアレが渡らないように先手を打っておかないと・・・)携帯電話を取り出しカーソルを上条に合わせ、メールを打ち始めた。『今日の放課後、持ち物全て持って公園で待っていなさい。約束を破ったら死ぬわよ?』・・これでよし、万が一アイツが持っていたとしても取り返せるし持ってなければそれだけで良し。中身を見られてもアイツ以外の人は私だとわからないハズだから・・・多分・・・でも誰であろう中身を見られたら・・・・・結局放課後になるまで美琴は一日落ち着きがなかった。話は戻って上条の高校の教室。「カミやん、既に叶えられてる願いやなくて他にもあるやろ~?」「そうだぜい、これ以上ふざけたらもう一発鉄拳をお見舞いだにゃー。」「意味わかんねえよ。じゃあお前らが願い事言えばいいじゃないか。」「だからカミやんが最初じゃないとダメなんだぜい。願いが叶った後死ぬハメになったらシャレにならないにゃー。」「それで俺に願いをってか・・・友達を好きに扱ってくれるね君たちは。それにしても、願いね~・・・」今の上条に得に願いはない。あるとしたら生活費がもう少し豊かになるくらいだ。贅沢言えば美琴からの電撃をやめてほしいとか。無能力からレベル1へ上がりたいとも願ってないし、不幸体質がなくなってほしいとも願ってない。むしろもう自分の不幸体質に慣れてしまったとこもあるのだが。う~んと考えていた上条はふと外に目をやる。雨が降っていてとても止みそうにない。「じゃあ、早く雨が止んで晴れてほしい。」「なんだカミやん、そんなくだらない・・・・・・・・・・・・・・」暗かった外がみるみる明るくなっていくのを感じてデルタフォース三人はバッと外を見た。先程までザーザー降りだった雨はどこへやら、太陽まで出ていた。太陽が出たのを見た三人は今度は『願いを叶える魔法の箱』をバッと見た。「・・・青髪、今のはカミやんが言ってから晴れた。ということで間違いないにゃ?」「間違ってないで土御門。さっきまで横殴り土砂降りやった!」「おい!これが本当に願いを叶えたっていうのかよ?」「試す価値は大アリぜよ!!目の前にフリフリゴスロリメイド出てこいにゃー!!」「「・・・・」」当然フリフリゴスロリメイドは現れなかった。「にせものぜよ、これ。」「その願いはどうかと思うで土御門・・・」「そういえばこの箱の中身は何が入っているんだ?」「まだ見てへんねん。もしかしたらおっそろしい御札とかビッシリ入っとるかも・・」「そうだったら恐ろしいな。まあ、晴れたのは偶然って事で・・・」「カミやん青髪、俺は真実を突きとめるぜよ!!」土御門は箱を奪い、フタを開けてしまった。「んな!何やってんだ馬鹿!!」「・・・んにゃ~開けてがっかり中身は空っぽではないぜい。紙切れ一枚入ってるぜよ。」どれどれと三人は綺麗に折りたたまれた紙切れを手にとって書いてある文章を読んだ。『願いを叶える魔法の箱に願いをすると願いが叶う但し地獄の使者が願い事相応のリスクをいただきに参上するであろう』三人同時に固まった。土御門と青髪は上条を見る。「「カミやん・・・・」」「ど、どうしよう、俺、願い事した・・・・」「お、落ち着け、こんなの非科学的で魔術関連でもないにゃー」「じ、地獄から使者が来て、お、俺の魂を持って行くんだ・・・」「いや、そこまで書いてないぜよ・・・」「ど、どどどうしよう青髪!」「心配すなカミやん。確かに少し気持ち悪いけどただの箱やって」「けど、今にも扉が開いて地獄の使者が・・・・」ガラッ!!「「「うわあああ!!!出たあぁぁ!地獄からの使者!!!!」」」「はーい、午後の授業始めるですよー。ところで地獄からの使者とは誰ですか上条ちゃん?」地獄の使者は小萌先生の授業だった。「いや、決して小萌先生だとは俺も土御門も青髪も言ってないです、はい・・・」「・・・・ひっく、教え子に地獄からの使者扱いされるなんて私は教師失格です」泣かせた。泣かせた。お前が小萌先生を泣かせた。クラス全員が何故か上条だけを冷たい視線で睨みつけた。「何で俺だけ・・・不幸だ。」その後学校が終わるまでクラス中から批難を浴びた上条だった。放課後「とりあえず魂を奪われる事はなかったにゃーカミやん。だがこの気持ち悪い箱はカミやんにあげるぜい。」「俺たちは充分楽しめたからその箱は持って帰ってくれていいで~。」「はあ、飽きたからって俺に突きつけるのはやめろよ。」無理矢理箱を渡され土御門と青髪はさっさと帰って行った。上条は箱をもう一度開けてみた。地獄の使者の手紙だけが入っている。ように見える。入っているように見えるとは底に何かを見つけたからだ。見つけたというのはおかしいが、何か変なのだ。底の角を触ってみるとなんと箱の底からまた底が出てきた。どうやら二重底になっていた。二重底にもまた紙が入っていた。今度は何枚も。上条は恐る恐る紙を開いて読んだ。『目指せレベル5!!』「何だ可愛らしい目標じゃないか・・・」安心した上条は次々と紙を読み上げた。『生意気な研究者全員虐殺』・・おいおい凄い事書いた人間がいたもんだ。『同僚の変態行動が収まりますように』こいつは寮生で同僚に困ってんのか。かわいそうに・・・『自分の能力が効かないあの馬鹿に勝てますように』あれ?能力が効かないあの馬鹿ってもしかして・・・・『あの馬鹿が早く私の気持ちに気づいてくれますように』変態の同僚、能力が効かない馬鹿。本当にもしかして・・・『上条当麻と付き合えますように』ビンゴ。俺だ・・・・俺をあの馬鹿と呼ぶ相手は・・・・「御坂・・・?」誰もいない教室で一人ドキドキしてきた上条。「マジかよ・・御坂が俺の事。嫌われてると思っていたのに・・・うわあ、どうしよう・・」焦った上条はおもむろに携帯を手にとった。「あれ?御坂からメールだ」『今日の放課後、持ち物全て持って公園で待っていなさい。約束を破ったら死ぬわよ?』(ということは土御門たちが拾ったこれは御坂のものだったのか?俺に渡ってないか確認って事か?)鈍感な上条にしては珍しく頭が冴えていた推理である。「メールは朝送っているな。やべっ、もしかしたら御坂もう待っているのか?どっちみちビリビリは確定か・・・不幸だ」上条の予想通り、美琴は公園にいる。かれこれ30分程上条が来るのを待っている。(早く来なさいよあの馬鹿!一日気になって担任にまで心配されたんだから!)さすがに30分待つのも疲れ、自販機に蹴りでも入れるかと思い自販機の前に立ち、回し蹴りを放った。ガコン・・「相変わらず自販機に蹴り入れるのはやめねえんだな。その自販機、上条さんの次に不幸かもしれませんよ?」「な!アンタいつの間に来たのよ!」「ちぇいさー!って叫んで自販機を蹴ったくらい?」「・・・・・・」「あっ、悪い悪い!それでわざわざ上条さんを呼び出してどうしたんだ?」「・・・アンタの鞄の中身見せなさい」「そんな鞄の中まで見せなくてもな、御坂が探しているのはこれじゃないか?」そう言って上条は鞄から箱を取り出した。美琴は箱を見て一気に顔を赤らめた。美琴の顔を見て上条は全部見たと告げたら電撃だけでは済みそうにないと思い、話を大きくしないように心がけた。「ななななん、何でアンタが持ってるのよ!?」「クラスメイトが拾ったらしく俺に押し渡したんだ。」「うぅ・・・・」美琴はヘナヘナと座り込んだ。「まさか中身を見てないでしょうね?」「地獄の使者の手紙か?」「ホッ・・・そ、そうよ!それは私が作ったヤツなんだから!」「また何故お嬢様のお前がこんなガキみたいな事やってんだ?」「その中には私の願い事が入っていて、もし見つかっても地獄の使者の手紙を見たら脅しになるでしょ?」「お前さあ、自分で墓穴掘ってるの気づいてるか?願い事入れてるって頭に言っちまったぞ。「・・・・・・・」ボン!美琴は絶望な顔をした。好きな人に自分の恥ずかしい所を見られているような感覚で。「アンタ・・・・・まさか・・・・」「・・・・ごめん、見てしまった。」「死ねええええええ!!!」「うわあああああ!!!」過去上条にもあまり放ったことのない全力の電撃を上条に向けて放った。もちろん上条は右手で塞いだのだが。「お前!俺を殺す気か!?」「殺す気よ!よくも見やがったわね!!」「やめろ!!やめてくれ!!やめてください!!」「アンタが死ぬまでやめないわよ――!!」「俺が死んでしまったら付き合えないんだぞ!?」「!!!」ピク上条は攻撃をやめた美琴にゆっくりと近づいた。「箱の中にあるもの見てわかったんだよ。御坂が俺に強く当たったり電撃飛ばして来るのは愛情の裏返しってヤツだとな。どんだけツンデレなんだよと突っ込みたいとこだが、そんなお前が可愛く思えてきた。」「わ、私が可愛い?」カアァァ「だけど今まで俺は御坂に嫌われていると思っていたから御坂の気持ちには気づかなかったよ。そこは俺が謝るとこだな。」「そんな、謝るなんて・・・」「もし、御坂が謝ってほしくないなら箱の中にあった御坂の願いを叶えてあげたい」「え・・・?」「もれなく地獄の使者という不幸な上条さんがついてきますが?」「ぐす、ふええぇん・・・」美琴は大きな声で泣き始めた。「え?ちょっと御坂さん?これはもしかして俺のとんでもない勘違いだったのでせうか?こんなダサイ台詞吐いた俺が大馬鹿野郎って事ですか?」「ホント、大馬鹿野郎よアンタは。私の今日一日を返してよ!」「そこは俺に言われてもな・・・そもそもお前がこれを忘れたからだろ?」「うぅ・・それを言われると痛い・・」「まあ、お互いの願いが叶ったということでハッピーエンドじゃないか。」「何よお互いって。アンタが何を願ったのか知りたいわね。」「やれやれ、鈍感とみんなに言われている俺だが、御坂も結構鈍いんだな。」上条は箱のフタを開けて一枚の紙を取り出し、美琴に見えるように折りたたまれた紙を広げた。『御坂美琴と付き合えますように』「・・・・・・アンタ、もれなく地獄の使者という私がついてくるけど?」「上条さんからすれば天の使者ですけどね。」「ホント、ホントに馬鹿。」美琴は上条の胸に顔を埋めた。上条は優しく美琴の頭を撫で、包み込むように抱きしめてあげた。その後、この箱は二人の宝物として大切に保管された。一方、この出来事を木に隠れて目撃していた人物が二人いた。「青髪、どうやらあの箱は本物だったみたいだにゃー。」「せやな、しかしカミやんは何でいっつも可愛い女の子とあんななるんや?」「「ブチ殺し確定だにゃー(やで)」」