約 2,251,481 件
https://w.atwiki.jp/shonan-gomicolle/pages/19.html
ノーマルゴミコレクション出現表 海岸毎に出現するゴミが違う 大磯海岸 やかん 「お湯がもれるやかん」 ごみ袋 「透明じゃないと回収されない」 カン 「100円で買えなくなった」 乾電池 「充電式じゃないほう」 サンダル 「夏に活躍」 タバコ 「心の日曜日」 辻堂 スプレー缶 「最後まで使いきってね」 ビデオテープ 「何度でも上書き録画できた優れもの」 蛍光灯 「割れ物危険」 タイヤ 「パンクすると進まなくなる」 ペットボトル 「キャップは世界の子どもにワクチンを届けます」 びん 「カンじゃない」 七里ガ浜 なべ 「焦げると洗うの大変」 フライパン 「飛ぶパン」 靴下 「夏は短くて冬は長い方が良い」 段ボール 「結構あったかいよ」 紙パック 「開いて中は洗って」 バケツ 「ぐるぐる回しても水がこぼれないコント」 由比ヶ浜 骨類 「綺麗に食べられたね」 バナナの皮 「踏むとすべる」 リンゴの芯 「ワイルドだろ~」 紙コップ 「健康診断でよく使われてる」 靴 「これ捨ててどうやって帰った?」 軍手 「ゴミ拾いに来て軍手捨てたらイカン」 茅ヶ崎 電球 「割れ物危険」 鏡 「映っているのは誰だ?」 長靴 「雨の日は便利」 網 「穴あいていたら捕れないよ」 ハナビ 「夏の風物詩」 ボロ布 「雑巾に早変わり」 江の島 CD 「いまどきCDって」 サングラス 「頭の上に乗せちゃうよ」 なべのふた 「盾になる時がある」 ティッシュ 「花粉の時期は必需品」 ハイヒール 「排水溝に引っかかることがある」 丸型蛍光灯 「これからはLEDかもね」
https://w.atwiki.jp/tokyocorn/pages/162.html
神奈川県内でマルガタゴミムシ並みにどこでも見かける普通種。灯火にもよく飛んでくる。 水田周辺の農道や河川敷の湿地状の所など。 捕食性。鱗翅類幼虫など[李2009]。水田周辺、畑、河川敷などで普通に見られる。冬期間でも活動していることがある[森正人2015a]。 2016年11月 神奈川県開成町産
https://w.atwiki.jp/whodoneit/pages/14.html
文字とは 音素または意味を表す図形。 地球ことば文字 音素文字(発音記号) アルファベット IPA国際音声記号 ひらがな カタカナ ルーン文字・・・ゲルマン人がゲルマン諸語の表記に用いた古い文字体系であり、音素文字の一種である。 サンスクリット フォニック文字・・・テイルズオブブレイク 意味文字 ベヌファスの魔法陣メーカー 漢字(発音可) 絵文字🥺 文字を連結させて意味を持たせた文字 発音可熟語(場合によっては発音が変化するものも 九十九(ツクモ)等) ギャル文字 英単語(apple)(発音変化) 発音不可顔文字(^_-)-☆
https://w.atwiki.jp/wiki11_library/pages/71.html
書籍ライブラリ 日本語1 普遍性と格調 伝統的な表現は、進歩とか個性と云った強迫観念から人を解放し、ユーモアを以って普遍性の豊穣へと導く。 私の国語教室 福田 恒存 昔の文章って、和みを感じませんか。格調高く解り易い文章を書くエッセンス。 全部読む 2006.7.7 明治時代の文筆家の様な、格調高く解り易い文章を書くエッセンスが詰まってゐます。 筆者の福田氏は言語学者で、戦後の「日本語ローマ字化論」を源流とする「表音文字(かな)全面採用論」、完全かな文字化まで当面は使って良い「当用漢字」の制定、そして何よりも伝統的なかな使ひの廃止即ち「現代かな使い」の制定に何よりも反対した人です。 表音文字と表意文字 例えば英語は表音文字であるアルファベットを使ってゐますが、時代に連れて徐々に発音が変わったからと言って其の綴りを発音に合せて修正したりはしない。だから実際の綴りと現在の発音は大分異なる事が多い。皆さんもご存知だと思う。だから読み書きが出来るようになろうと思えば、ある程度の時間をかけて勉強をする必要がある。 「アメリカ人の赤ちゃんは生まれた時から英語が喋れるの、すごいわねー」 なんて冗談がありますが、読み書きに関しては我々同様、一語一語綴りを覚えるのであります。(その御蔭で同音異義語も綴りにすれば一目瞭然に判別できます。) 「此れが敗戦と言ふものか」 ところが我が邦は、戦後のドサクサに紛れて、其れを「子供達の学習の便宜のために」やつて仕舞った。何も其の様な事をしなくても、当時日本の文盲率は世界屈指の低さだった筈である。其れに加へて上記の様々な改変。 そして、我々は古典に親しむ事が出来なくなって仕舞った。何たる愚策か。 文法に疎くてもいい、少々漢字に弱くてもいい。先人たちが気品と拡張のある言葉を使っていたこと、もっと限定すれば、真剣に言葉を使うという事があり得るということが伝わるだけでいい。先人への敬意こそが子供達を育てる。 その結果は如何に 伝統からの隔離は、恒久なるものへの畏怖の念を醸成する大切な機会を奪うことに成ってはゐないか。 更には「読み書き」を厳しく教えると言ふ事が無くなって仕舞った為に、文章を安易に書いて良いと言ふ誤解を敷衍して仕舞った。安易な文章への過信は、話し言葉の次元でも稚拙な意思疎通をもたらしてゐないだらうか。疎通で在る筈のものが単なる奔言となっていないだらうか。謂く「ダルい」「キレた」。 そしてその愚策を推し進めたエネルギーは姿を変え、今は、男女差を無くしましょうと言って思春期の男女を同じ部屋で着替えさせ、「価値観の多様化の為に」育児施設を増やしてまで、家で子供を育てたいという母親達を職場に引っ張り出そうとしている。 かくして、我々は伝統というアイデンテティーを失い、男或いは女、家族としてのアイデンテティーをも失いつつある。 唯物論が招く荒廃は彼岸の出来事ではない。 目次 「現代かなづかい」の不合理 歴史的かなづかひの原理 歴史的かなづかひ習得法 国語音韻の変化 国語音韻の特質 国語問題の背景 詳細 発行|文春文庫(文藝春秋) (2002/03) 引用されている文献 日本近代二百年の構造 (1976年) (講談社現代新書) (謝 世輝 (著),講談社現代新書) 祖国とは国語 藤原 正彦 内容(「BOOK」データベースより) 国家の根幹は、国語教育にかかっている。国語は、論理を育み、情緒を培い、すべての知的活動・教養の支えとなる読書する力を生む。国際派の数学者だからこそ見えてくる国語の重要性。全身全霊で提出する血涙の国家論的教育論「国語教育絶対論」他、ユーモラスな藤原家の知的な風景を軽快に描く「いじわるにも程がある」、出生地満州への老母との感動的な旅を描く「満州再訪記」を収録。 語彙をちゃんとしようと思います。コンパクトな満州物語としても。 全部読む 2007.10 著者は満州生まれ。新田次郎の息子であり数学者。 「国語教育絶対論」 「満州再訪記」収録 語彙をちゃんとしようと思います。 「国語=心の語彙」。言葉が貧困になると言う事は心が貧困になるという事。だから漢字の制限=語彙の制限=心の制限なのであります、という漢字制限反対論。 語彙=心の豊富さ、という意味では2chあたりの皆さんは心が豊かなのかもしれない。 コンパクトな満州物語としても 非常に良くできてます。終戦時、母に手を引かれて満州から命からがらの引き上げ、そして今度は老いた(失礼)母を説き伏せて孫と共に満州を訪ねる旅。数学者だけあって、主観を排すべく体験した事実の描写に徹しています。 詳細 出版社 新潮文庫 (2005/12) ISBN-10 4101248087 ISBN-13 978-4101248080 発売日: 2005/12 文章読本 三島 由紀夫 気品と格調、完成と未完成 全部読む 2006.9.14 完成とは 「デザインに於ては、付け加えるものが何も無くなつた時ではなく、むしろ何も取り去るものが無くなつた時が「完成」である。」アントワーヌ・サンテグジュペリの言葉であります。彼は「星の王子さま」の著者として有名ですが、本来は生粋の飛行機乗り・設計者でありました。 完成への鍛錬 この言葉が成る程と思わせる重みを持つてゐると感じたとすれば、その向かうに見えているのは、試行錯誤の中から「完成」を見出す現場、其の臨場感と真実の確かな手応えで在りましょう。 同じ手応えが本書からも伝わつて来ます。好い文章を生み出す為に、試行錯誤と鍛錬を続ける三島氏。 気品と格調:個性を表現するための普遍性 氏は文章に於いて「気品と格調」を何よりも大切にしてゐると述べてゐますが、最終的に目指したのは、個性的な文章では無く、「何も取り去るものが無い」普遍的な文章であつたのだと思ひます。 言葉は、お互いに共通で在るからこそ成り立ちます。思想も亦同じです。従って個性と意思疎通・伝達は根本の処で相反してゐます。その観点から見ると、三島氏にとつては後者が大切でありました。 周知の様に非常に豊かで在つた氏の個性や思想は、言葉使いで演出して飾り立てる必要など更々無く、むしろ「人々に価値を伝え、共に生きて行きたひ」と云ふ切迫した願いを言葉の普遍性に託す他無かつたのであります。 目次 この文章読本の目的 文章のさまざま 小説の文章 戯曲の文章 評論の文章 翻訳の文章 文章技巧 文章の実際―結語 発行 中公文庫(1995/12) 川端康成・三島由紀夫往復書簡 内容(「BOOK」データベースより) 東大在学中の三島由紀夫は、処女小説集『花ざかりの森』を川端康成に送り、昭和20年3月8日付の川端の礼状から、二人の親交が始まる。文学的野心を率直に認めてきた三島は、川端のノーベル賞受賞を機に文面も儀礼的になり、昭和45年、衝撃的な自決の4ヶ月前に出された永訣の手紙で終止符を打つ…「小生が怖れるのは死ではなくて、死後の家族の名誉です」恐るべき文学者の魂の対話。 そんなものすごい本だとは思いませんが 丁寧な手紙の書き方の勉強にはなります 書籍データ 詳細 文庫 254ページ 出版社 新潮社 (2000/10) ISBN-10 410100126X ISBN-13 978-4101001265 発売日: 2000/10 他ジャンル 三島由紀夫の著書 葉隠入門 携帯字典・四字熟語辞典など 清水書院ほか 侮る無かれ携帯字典。パソコン時代だからこそ。 全部読む 2006.7.7 字典と言ふのは、字を調べる為のもので、簡易な辞書としても使えます。二字成句が主体。説明は簡便、多く携帯サイズと成ってゐるのは其の用途からして当然。私が使ってゐるのは左の写真の 最新版 日用字典 (清水書院)と言ふものです。さすがに得意分野だけあって、使いやすい様に色んな工夫を積み重ねています。亦基本と成る「用字」の頁の他、書き間違い易い熟語一覧、昭和21年制定の「かな書きが望ましい語」(逆に使うと良い)、書簡文・商用文の書き方、西暦年号対応表、季節毎の挨拶文など、日本語のエッセンスがギッシリ凝縮されて約800円。信じられません。 四字熟語の豊穣 四字熟語辞典は何処の会社のものか失念しましたが、何れでも良いので実際に店頭でご覧になって見て下さい。日本の先達は実に含蓄深い言葉を培って来てゐる。これを使わない手は無い。そして何と多くの場合ユーモアを伴っているか。好い事も悪いことも自分だけの身に起こるのでは無いのが解る。其れを智慧を持って解釈する言葉が目の前にある。実に有り難い。感謝の後には、人々の積み重ねに対して尊厳と愛着の念を持つ事確実です。 上級編 同類に「ことわざ辞典」と言ふのも在るのですが、いきなりこっちに行って仕舞ふと、ユーモアよりも冷やかしやら妬みの様な感情も結構表面に出てくる上に、四字熟語の様な推敲の積み重ねによる凝縮感、転じて快活さが不足しているので、 「こんな言葉を使っていたのでは、徒然なるままにさぶらう隠居爺いになってしまう」と思う様なのも多いし、日本の思想及び文学に於ける価値観についても 「どうせ庶民は翻弄されるしかないのさ、諸行無常ケセラセラ、ああ、侘び寂び。」 と云った具合に間違って理解して仕舞ふ事に成ると思ひます。呉々もお買い間違い無きよう(編者の方御免)。 電子辞書 2006.12 電子辞書を買いました。SIIの高校生用です。漢和辞典が入っているのがポイント。いやはや便利です。 こんなのもあります。 [429] Client error `POST https //webservices.amazon.co.jp/paapi5/getitems` resulted in a `429 Too Many Requests` response { __type com.amazon.paapi5#TooManyRequestsException , Errors [{ Code TooManyRequests , Message The request was de (truncated...) 三省堂 慣用句便覧 倉持 保男 (編集), 阪田 雪子 (編集) 内容(「BOOK」データベースより) 日常の言語生活で使用頻度の高い慣用句、4500項目を収録した慣用句便覧。配列は五十音順。 詳細 出版:三省堂 (1998/09) サイズ:150 x 110 ご感想などお寄せ下さい。 お名前 コメント 私の国語教室 祖国とは国語 三島由紀夫文章読本 川端康成・三島由紀夫往復書簡 携帯字典・四字熟語辞典など 慣用句便覧
https://w.atwiki.jp/wiki6_sumomo/pages/4.html
英熟語 単語 前置詞 意味 例文 bring about ①(人・事が)を引き起こす。 What brought about your change in attitude ? (どうして態度を変えたのですか) back ①のことを思い出させる②(物)を返す Seeing the couple walking hand in hand brought back memories of his own first love. (そのカップルが手に手をとって歩いているのを見ると、彼は自分の初恋のことを思い出した) out ①を出版する Professor White brought out his first book last year. (ホワイト教授は昨年彼の処女作の本を出版した。) to ①(人)を正気づかせる②(船)を停止させる She said she couldn t bring herself to count on me. (彼女は私に頼る気になることはまずないと言った。) up ①を育てる His uncle brought him up. (彼の叔父さんは彼を育てた。)
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2361.html
朝のゴミ捨て場で 4KB 日常模様 野良ゆ 赤ゆ 都会 現代 本当にちょっとした小ネタです 車のエンジン音も人の声もしない、 雀たちの鳴き声だけがチュンチュンと響く早朝の町、の片隅。 「ゆ゙っ!!」 という珍妙な音と感触に彼が足下を見ると、 そこには一匹のゆっくりれいむが居て 彼の右足がその頭頂部を踏んづけていた。 「……疲れてるんだなあ」 そこはゴミ捨て場の前。 れいむの周囲には、そのれいむの十分の一ほどの大きさの、 いわゆる赤ゆのれいむ種やまりさ種が数匹ほどいた。 見れば、このゆっくりたちはゴミ漁り── 彼らの言うところの『狩り』のさなかであったらしい。 となれば、いちいち自分の行動を口にしなければ気の済まない連中のこと。 「れいむのごはんさん、ゆっくりしないででてきてね!」とか、 「きゃわいいれーみゅのすーぱーむーしゃむーしゃたいみゅ、はじまりゅよー!」とか、 色々と騒がしくやっていたはずなのに、男はまったく気付けなかった。 「そりゃ疲れるよなあ」 というのも、彼はここ数日職場に缶詰になっていて、 今は始発に乗ってきて一週間ぶりに自宅に戻るところだったのである。 しかも昼にはまた職場に戻らねばならない。 疲れるよなあ、と言いながら彼の右足は 半ば無意識にれいむをぐっぐっと踏んづけていた。 半ば無意識なので、意識して潰そうともしていないが 手加減なども一切していない。 あえて言えば右足が勝手にれいむの体の反発感を楽しんでいる状態。 「ゆぎっ、ゆぎぎぎぎぎっ、ゆぎぎぎぎっ」 圧迫されて、今し方食べたものと一緒に餡子を吐き出しながら、 れいむはもみあげをキュートにぴこぴこさせながらうめいていた。 ユンヤァー、オキャーシャーン!! ヤメルンダゼクソジジイ、オカーサンガイタガッテルノゼー!! レーミュガプキューシュルヨ!! プキュー!! 空の青をぼんやりと眺めて心をどこかへとやっていた彼には、 れいむの子供(たぶん)の赤ゆたちの言葉も届かない。 その間にも彼の足は、彼の意思とは関係なくれいむを“ぐっぐっ”し続けていた。 ついに身体構造が圧力に耐えきれなくなって、れいむは 「ゆぷゅうっ!!」 という悲鳴とともにブチュッと潰れる。 「……あ」 足にかかっていた反発感がなくなって、 彼はようやくれいむの体を踏み抜いていたことに気付いた。 「あー……靴が」 足はれいむの餡子に足首のところまで埋まっていて、 引き抜いてみれば生ゴミの汚汁混じりの餡子まみれになっていた。 位置的に中枢餡も潰れてしまっているのだろう。 れいむはうつむいた体勢で一言も声を発さず、 ぴくっ、びくんっ、とおそらく肉体の反射だけでの痙攣をしていた。 ……………、とぽかーんとした顔でれいむ(の残骸)を見つめる赤ゆたち。 彼の靴の、甲の部分に乗っていたひとかたまりの餡子が、べちゃりと地面に落ちた。 ユギャァァァァァァァァァァァァエレエレエレエレッ!! オギャージャァァァァァァァァァァァガババァッ!! プキュゥゥュブブッ!! ブッブブゥゥゥーーーッッ!! 絶叫とともに餡子を口から噴出してパタパタと赤ゆたちが倒れた。 人間にしてみれば、突然、親が物言わぬ骸になった上に その臓物やら脳漿やらを取り出して見せられたようなものだろう。 ただでさえ精神的に脆いゆっくりの、その子供。耐えきれるわけがない。 「あー……。ごめんなー」 ぱっと見でどの赤ゆたちも致死量の餡子を吐いていたが、 まだ吐き出した直後のせいか死んでおらず ユ゙ッ…ユ゙ッ…ユ゙ッ… と痙攣して苦しげな声をもらしていた。 「ごめんなー、お兄さん疲れててなあ」 と謝罪しながら、彼は赤ゆたちを汚れた靴でプチッ、プチッ、と踏み潰していく。 深い考えがあったわけではない。深く考えるほどの思考力も今はない。 ただ、苦しませるよりは今すぐに息の根を止めてやったほうが 彼らとしてもありがたいだろうと、ぼんやりと考えた結果だ。 十匹ほどいた赤ゆたちを潰し終えると、 早朝のゴミ置き場は完全に静かになった。 清涼な空気の中に、餡子の甘い香りがほんのりと立ち上る。 「あー、もー、ほんとごめんなー、ごめんよー」 とぶつぶつと呟きながら、彼は足で れいむたちの死体をゴミ置き場のほうへどかしていった。 もとより潰れてぐちゃぐちゃに崩れていた体、 路上から死体を片付け終えるころには 餡子と皮の入り交じったよくわからない固まりになっていた。 「足で片付けるとか、ほんとごめんなー、でも邪魔なんだよなー」 仕上げに、そのままでは見た目が悪いと思って 彼は親れいむと赤ゆたちの死体を靴の裏でぎゅっぎゅっと ひとつの山の形にやるように踏み固めてやった。 皮と餡子の山の中に、いくつか潰れずに済んでいた目玉、 無数の歯の破片、黒髪や金髪の残骸、 そしてそれらを彩るように固まりからはみ出る紅白や白黒のお飾りお帽子。 なかなか綺麗にまとまったと思う。 最後に(おそらく)大好きだったであろう親子で 文字通り一緒になれて、彼らも嬉しいだろうと彼は思った。 これがせめてもの報いになればいい、と思いながら 彼はなんとなくポケットとから携帯をとりだした。 自宅への到着予定時刻から推測するに、 この一連の出来事の間に驚くことに5分ほどかかっていた。 「ふぁっきん!」 怒声とともに彼の足が高々と蹴り上げられたかと思うと、 ゴミ置き場の壁にひとかたまりの餡子がべちゃりと叩きつけられた。 昼に職場へ向かう途中に 栄養補給用に饅頭をたくさん買っていこう、 とうまく回らない頭で考えながら彼は帰宅を再開した。 なお、れいむ親子(推測)の残骸である半壊餡子玉は 舌打ちと「またかよ…」という言葉とともに ゴミ収集車のお兄さんによってとどこおりなく片付けられた。 END
https://w.atwiki.jp/hutaba_ranking/pages/227.html
朝のゴミ捨て場で 4KB 日常模様 野良ゆ 赤ゆ 都会 現代 本当にちょっとした小ネタです 車のエンジン音も人の声もしない、 雀たちの鳴き声だけがチュンチュンと響く早朝の町、の片隅。 「ゆ゙っ!!」 という珍妙な音と感触に彼が足下を見ると、 そこには一匹のゆっくりれいむが居て 彼の右足がその頭頂部を踏んづけていた。 「……疲れてるんだなあ」 そこはゴミ捨て場の前。 れいむの周囲には、そのれいむの十分の一ほどの大きさの、 いわゆる赤ゆのれいむ種やまりさ種が数匹ほどいた。 見れば、このゆっくりたちはゴミ漁り── 彼らの言うところの『狩り』のさなかであったらしい。 となれば、いちいち自分の行動を口にしなければ気の済まない連中のこと。 「れいむのごはんさん、ゆっくりしないででてきてね!」とか、 「きゃわいいれーみゅのすーぱーむーしゃむーしゃたいみゅ、はじまりゅよー!」とか、 色々と騒がしくやっていたはずなのに、男はまったく気付けなかった。 「そりゃ疲れるよなあ」 というのも、彼はここ数日職場に缶詰になっていて、 今は始発に乗ってきて一週間ぶりに自宅に戻るところだったのである。 しかも昼にはまた職場に戻らねばならない。 疲れるよなあ、と言いながら彼の右足は 半ば無意識にれいむをぐっぐっと踏んづけていた。 半ば無意識なので、意識して潰そうともしていないが 手加減なども一切していない。 あえて言えば右足が勝手にれいむの体の反発感を楽しんでいる状態。 「ゆぎっ、ゆぎぎぎぎぎっ、ゆぎぎぎぎっ」 圧迫されて、今し方食べたものと一緒に餡子を吐き出しながら、 れいむはもみあげをキュートにぴこぴこさせながらうめいていた。 ユンヤァー、オキャーシャーン!! ヤメルンダゼクソジジイ、オカーサンガイタガッテルノゼー!! レーミュガプキューシュルヨ!! プキュー!! 空の青をぼんやりと眺めて心をどこかへとやっていた彼には、 れいむの子供(たぶん)の赤ゆたちの言葉も届かない。 その間にも彼の足は、彼の意思とは関係なくれいむを“ぐっぐっ”し続けていた。 ついに身体構造が圧力に耐えきれなくなって、れいむは 「ゆぷゅうっ!!」 という悲鳴とともにブチュッと潰れる。 「……あ」 足にかかっていた反発感がなくなって、 彼はようやくれいむの体を踏み抜いていたことに気付いた。 「あー……靴が」 足はれいむの餡子に足首のところまで埋まっていて、 引き抜いてみれば生ゴミの汚汁混じりの餡子まみれになっていた。 位置的に中枢餡も潰れてしまっているのだろう。 れいむはうつむいた体勢で一言も声を発さず、 ぴくっ、びくんっ、とおそらく肉体の反射だけでの痙攣をしていた。 ……………、とぽかーんとした顔でれいむ(の残骸)を見つめる赤ゆたち。 彼の靴の、甲の部分に乗っていたひとかたまりの餡子が、べちゃりと地面に落ちた。 ユギャァァァァァァァァァァァァエレエレエレエレッ!! オギャージャァァァァァァァァァァァガババァッ!! プキュゥゥュブブッ!! ブッブブゥゥゥーーーッッ!! 絶叫とともに餡子を口から噴出してパタパタと赤ゆたちが倒れた。 人間にしてみれば、突然、親が物言わぬ骸になった上に その臓物やら脳漿やらを取り出して見せられたようなものだろう。 ただでさえ精神的に脆いゆっくりの、その子供。耐えきれるわけがない。 「あー……。ごめんなー」 ぱっと見でどの赤ゆたちも致死量の餡子を吐いていたが、 まだ吐き出した直後のせいか死んでおらず ユ゙ッ…ユ゙ッ…ユ゙ッ… と痙攣して苦しげな声をもらしていた。 「ごめんなー、お兄さん疲れててなあ」 と謝罪しながら、彼は赤ゆたちを汚れた靴でプチッ、プチッ、と踏み潰していく。 深い考えがあったわけではない。深く考えるほどの思考力も今はない。 ただ、苦しませるよりは今すぐに息の根を止めてやったほうが 彼らとしてもありがたいだろうと、ぼんやりと考えた結果だ。 十匹ほどいた赤ゆたちを潰し終えると、 早朝のゴミ置き場は完全に静かになった。 清涼な空気の中に、餡子の甘い香りがほんのりと立ち上る。 「あー、もー、ほんとごめんなー、ごめんよー」 とぶつぶつと呟きながら、彼は足で れいむたちの死体をゴミ置き場のほうへどかしていった。 もとより潰れてぐちゃぐちゃに崩れていた体、 路上から死体を片付け終えるころには 餡子と皮の入り交じったよくわからない固まりになっていた。 「足で片付けるとか、ほんとごめんなー、でも邪魔なんだよなー」 仕上げに、そのままでは見た目が悪いと思って 彼は親れいむと赤ゆたちの死体を靴の裏でぎゅっぎゅっと ひとつの山の形にやるように踏み固めてやった。 皮と餡子の山の中に、いくつか潰れずに済んでいた目玉、 無数の歯の破片、黒髪や金髪の残骸、 そしてそれらを彩るように固まりからはみ出る紅白や白黒のお飾りお帽子。 なかなか綺麗にまとまったと思う。 最後に(おそらく)大好きだったであろう親子で 文字通り一緒になれて、彼らも嬉しいだろうと彼は思った。 これがせめてもの報いになればいい、と思いながら 彼はなんとなくポケットとから携帯をとりだした。 自宅への到着予定時刻から推測するに、 この一連の出来事の間に驚くことに5分ほどかかっていた。 「ふぁっきん!」 怒声とともに彼の足が高々と蹴り上げられたかと思うと、 ゴミ置き場の壁にひとかたまりの餡子がべちゃりと叩きつけられた。 昼に職場へ向かう途中に 栄養補給用に饅頭をたくさん買っていこう、 とうまく回らない頭で考えながら彼は帰宅を再開した。 なお、れいむ親子(推測)の残骸である半壊餡子玉は 舌打ちと「またかよ…」という言葉とともに ゴミ収集車のお兄さんによってとどこおりなく片付けられた。 END
https://w.atwiki.jp/houji/pages/351.html
■2012-01-31 bookmark_hatena(show=none) 更新 山墅 丫鬟 囁囁のページを追加。 本年度第2回の試験は随分と難易度が高かったのですが、 今回の試験も、同等かそれ以上に難しかったですね。 今回は好感触の手応えでしたが、これは知っている問題を確実に正解できたからこそです。 ほんの数問、つまらないミスするだけで合格が一気に遠のくのが1級試験。 予想外の所で点を落とすことはままあれど、予想外の所で点が拾えることは少ないですからね。 もう一つ、手応えを掴めた要因を挙げるとすれば、 過去問に依存しない学習スタイルだったからかもしれません。 1級試験には毎回新出問題が3割程度出るので、 過去問を100%おさえても合格の8割には届かない、という話を聞いたことがあります。 というわけで、私は学習の際に過去問をほとんど利用せず、 1級配当のすべての四字熟語や、漢検漢字辞典に載ってる熟字訓を網羅的に学習しました。 ここまでやれば新出語など恐るに足らず!(^^ もっとも、過去問に触れてないおかげで、 普通の熟語における語彙不足に随分と苦しめられたのですがね(--; しかし、四字熟語の学習は本当に重要だと実感できました。 学習時間のかなりのウェイトを四字熟語に割いていたので、四字熟語問題の失点は0。 配点が30点もある設問ですから、これは非常に大きなアドバンテージになりました。 一方、大きく失点したのは諺・故事成語と文章題でした。 前者は設問にある故事を知らないと解答が困難ですね。 今回は初見のことわざ・故事成語が3問も出題されましたが、 これは偏(ひとえ)に自分の古典にたいする学習が不足している証左でしょう。 また、文章題では前後の文脈もヒントに、解答を連想しなくてはなりません。 1級試験だからといって、難しい漢字を使うわけではなく、 たとえば「シュウショ」を「衆庶」と解答させるようなこともありますから、 やはり語彙力、あるいは、連想力が無いと太刀打ちできないでしょう。 いずれにしても、まだまだ安定して得点できる実力ではないということで。 今後も1級試験は受験し続けるつもりなので、まずは安定して合格できる 地力を身につけていきたいですね(^^ 名前 コメント すべてのコメントを見る ←他の漢検ブログもチェック!
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/3191.html
現在手掛けているロワ ≪長編≫ 四字熟語バトルロワイヤル四字熟語にちなんだ能力バトル風味なオリロワ。 完結させたロワ ≪短編≫ うるう年バトルロワイアル2012(外部リンク)うるう日にツイッターで即興で書いた記念日擬人化ロワ。 ≪中編≫ 第297話までは『なかったこと』になりました(外部リンク)ロワのクライマックス3話のみを書く「あと3話で完結ロワ企画」参加作品。めだかボックス単一。全3話+α。 ≪長編≫ なし 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kakiteseihai/pages/96.html
友だちにならないかと差し伸べられた手に、最高の友達Pも起承転結も自らの手を重ねることはできなかった。 あの吐き気を催す邪悪ことDIOの書き手を称する者の友だち発言を、誰がその通りに受け取れようか。 原作の花京院や漫画ロワの刃牙のように、洗脳されることを危惧してしまうのは当たり前だ。 それでいてすぐに手を跳ね除けることもできなかった。 警戒されるのも厭わず――どころか、まるで警戒させたいのだと言わんばかりにDIO書き手と名乗るセイヴァー。 その狙いは明白だ。 つまりは、脅迫。 こちらには洗脳という手段もあるのだぞと示すことにより、それならまだ自ら軍門に下るほうがましだと思わせるようにしているのだ。 『……起承転結、これって』 『ええ。洗脳をチラつかせた上で、こちらを引き入れようとしている。 つまり、できればボクたちに意思は奪いたくはないということ。 彼らはボクたちに単なる操り人形にする以上の価値を見出しているのかもしれません』 ルルーシュの姿をしたDIO書き手。 いささか偏見かもしれないが、いわば洗脳のプロフェッショナルだ。 そもそもが隠れ潜んでいた家を消し飛ばされた今、ばっちりと目を合わせてしまっている。 ギアスをかけようと思えばかけ放題な上に、それを避けようと目を瞑れば致命的な隙をさらしてしまうことになる。 強硬手段に出られた場合、状況としては詰んでいると言っても相違はないのだ。 相手がこちらに価値を感じているというのなら、それは不幸中の幸いだ。 武力を盾にしてきているとはいえ、相手ができれば比較的穏便に済まそうとしてきている以上、交渉次第では切り抜けられるかもしれない。 ただ、最高の友だちPにも起承転結にもセイヴァーたちが自分たちの“どこに”価値があると捉えているのかが分からない。 まずはそこから探らなければ交渉を始めることさえできない。 『……マスター、前にはボクが出ます。 考察も手伝います。 ただ、交渉の主導権はマスターに任せてもよいでしょうか?』 そのための探りを入れるのを、起承転結は最高の友達Pに任せることにした。 何もそれはサーヴァントとマスターという関係を重んじてということだけではない。 セイヴァーに目をつけられた先の失敗を省みて、交渉という他の書き手との探り合いには、リレー書き手である最高の友達Pの方が向いていると判断したからだ。 非リレーロワには非リレーロワで、非リレーロワチャットという文化もあったのだが、あくまでも非リレーロワ内のそれぞれのロワ書き手による雑談チャットだった。 一つの企画でしのぎを削る書き手同士による交渉とはまた別物なのである。 『わ、私は加蓮なだけあって見知らぬ他人とのコミュニケーションは上手ってわけじゃないんだけど。 やってみる。でもその分補助はお願いね。 モバマスロワって一般人ロワな分、生きたり殺したりに精一杯で、考察や探り合いってロワでもないから』 マスターに頷きを返すと同時に、起承転結は前に出る。 眼鏡をかけた青年だった姿は、一瞬にして軍服めいた服を着た大男へと変じていた。 元となっらキャラクター名を“傍若無人”。 まわりに他人がいないかのような自分勝手な振る舞いをする、という意味の四字熟語だ。 一望千里が千里眼を得ていたように、傍若無人もまたあるルール能力を得ている。 ただしそれは一望千里のようなメリットではなく、デメリット能力だ。 即ち、傍若無人と化した起承転結は《人をモノとしか見れない》。 人を人としてとらえられない、などというかわいらしいものではない。 四字熟語ロワにおいて傍若無人の目には人の姿は映らず、当人が自分の一部として認識している服とかさえも見えなかった。 傍若無人が認識できたのは、能力が起こす現象や武器、デイパック、そして首輪だけという重すぎるデメリットだった。 ある種の制限とさえ言ってもよいだろう。 今の起承転結も大体は原典の傍若無人と一緒だ。 彼に見えるのは敵の武器・宝具、及びそれらが起こす現象、デイパック、そして令呪だけなのだ。 「ほう……。変身スキル、或いは宝具かな?」 「さあな。己の手口をモノどもに教えてやる言われはない」 それだけのデメリットを背負ってまでこの姿に変身する意味はもちろんある。 一つはハンデをものともしない戦闘力。 傍若無人は制限を課して尚、起承転結が変身できる四字熟語の中では最強戦力の一つだ。 並ぶのは東奔西走と切磋琢磨くらいだが、前者は移動制限が重く傍若無人に敗北し、後者は成長型のため、今はまだ弱いままだ。 ……とはいえ、敵バーサーカーが見せたチートの前ではその最強戦力でさえ勝ち目はあるかどうか。 なので今、この姿に変じたのは、単純な戦力とはまた別の目的だ。 デメリット能力“傍若無人”は極めて限られた相手にのみ、有利に働くことがある。 見たものの顔をずたずたに引き裂く“破顔一笑”が通用しなかった逸話から、視覚に訴えかける能力を無効化できるのだ。 『マスター、奴の令呪はどこに刻まれている?』 『眼、眼だよ。ギアスとは別側の右目に令呪を宿しているみたい』 それでいて視覚制限がかかるとはいえ、まったく認識できないわけではない。 全ては計算によって補える。 起承転結が認識できる令呪と武器、宝具を元に、一望千里で覗き見たセイヴァーとバーサーカーの容姿を脳裏で掛け合わせていく。 令呪が右目にあるというなら、等間隔の位置に左目――ギアスがある。 あとは令呪の傾きなどから、右目の視線を推測。 最高の友達Pがギアスに晒されないよう、盾になれる位置に陣取り続ければいい。 「 それで。友達にならないかとのことだけど。アンタの言う友だちって どういうものなのよ。 私、友達にはうるさいんだからね。伊達に最高の友達Pなんて呼ばれてはいないの」 「ふむ、君のあだ名は最高の友達Pというのだね。 なるほど、確かにそのような称号を冠する存在に、友達を語るというのはいささか緊張する話だな。 よければまずは君の方から、この私に友達についてご教授願いたい」 どの口が言うか。 そう思いつつも、ぐっとこらえる。 今は交渉を成り立たせることが先決だ。 会話の糸口を与えられた以上、乗らないわけにはいかない。 「奇跡を、分かち合えた人」 この広いネットの世界で出会えたこと、そこだけをとっても一体どれだけの確率だろうか。 ましてや一緒に小説を書くだなんて奇跡としか言いようがない。 だから少女にとって、友達とは奇跡を分かち合えた人。 それ以上は必要なく、それだけで十分だった。 「なるほど、いい答えだ」 心底聞き入るように大きく頷く。 大仰な仕草ではあるが、そこには少女を馬鹿にするような響きは一切なかった。 少女の語った奇跡を大袈裟だと笑う書き手などいはしまい。 盛況だ、完結だと騒がれているロワでさえ、主力とされる書き手の数はそう多くはないのが常だ。 十を超える作品を投下した書き手が、十人以上いるロワは果たしてどれだけあるだろうか。 企画主やトップ書き手が一人で黙々と作品を書き続けるロワや聖杯とて珍しくはないのだ。 ならば信頼できる書き手と共にリレーをし続けられたならそれは確かに奇跡という他にないだろう。 そう納得した上でセイヴァーは口を開いた。 「ならば私も答えよう。私にとっての友とは即ち強敵と書いて“とも”であると」 ルルーシュの顔には似つかない、しかし魔王ゼロのマッチョボディにはこれ以上無くマッチした世紀末理論を口にするセイヴァー。 「殴られるままではない。すぐに折れる根性なしでもない。 殴り返してくるような、自分から殴りかかってくるような、そんな強敵。 殴られる覚悟をもって殴ってくる相手。 それこそが私の言う友だちなのだよ」 初代二次聖杯書き手らしいめまいを覚えそうになる答えではある。 そう起承転結は思ったのだが、意外にも最高の友達Pは感じ入るところがあったようだ。 「殴り合うのは嫌だけど……分からなくもないよ。書き手は、友達で、でも、共に高め合えるライバルなんだ。 私の友達は最高の仲間だけど。……私だって書き手だもの。 私の作品が一番おもしろいんだって。自負も誇りもあるよ」 「ふ……っ、そうか。なるほど、君は確かに書き手聖杯に喚ばれるだけのことはあるみたいだ。 よく分かっているじゃないか」 「まあねー♪」 ふふふ、くくくとにこやかではないものの、笑い合う二人。 リレー書き手同士、どこか通じ合うところのある様子に、起承転結はもやもやして、浮かび出た疑問を横から口にする。 「待て、セイヴァー。己がモノどもにとっての強敵になれると? 買いかぶりすぎではないか。モノどものサーヴァントはいわば究極の一。 対する己は無限どころか有限しか用意できぬ。 モノどもを相手取るにはいささか役不足だと思うが、如何に?」 笑い合っていた最高の友達Pもはっとなり口を抑える。 書き手としては自分こそが一番面白いんだという自負はるが、それとこの場における強さとはまた別だ。 モバマスロワは一般人ロワである以上インフレバトルには程遠く、四字熟語ロワもどちらかというと理屈や解釈、策略がものをいう能力者バトルだ。 正面からのごり押しチート相手にやりあえるかと言われれば難しい。 「ふむ、確かに私のバーサーカーは素晴らしいサーヴァントだよ。 書いていいのは書かれる覚悟がある者だけだ。殺していいのも殺される覚悟がある者だけだ。 そう言わんばかりの偉業を成し遂げた書き手だからな。 私のサーヴァントとして、強敵として、これ以上なく相応しい一騎だと自負するよ」 唐突なマスターや敵対者からの賞賛に、まるで恐縮ですとでも言わんばかりに縮こまるバーサーカー。 そんなサーヴァントに謙遜は止せと告げてからセイヴァーは起承転結へと向き直る。 「だが、私のサーヴァントが如何に強力だとはいえ、君が自分を卑下する理由にはなるまい。 私は知っているぞ、起承転結。 四字熟語ロワが無事、完結したということを。おめでとう、正真正銘君は我々と同じステージに立った」 ぱちぱちぱちと拍手を贈るセイヴァーとバーサーカー。 口調こそ尊大だが、そこには確かに、たった一人でロワの全てを書き上げた存在への敬意があった。 「そんな君なら、ガチバトルだけがパロロワの華でないことは知っていよう。 四字熟語ロワは最後の最後までネタばらしが強烈なロワだったそうじゃないか」 ぶんぶんと首を大きく縦に振るバーサーカーを尻目に、セイヴァーは自らの要求を口にする。 「つまり、だ。君にはこの書き手聖杯戦争のネタばらしをして欲しいのだよ! 有り体に言えば考察だよ」 最高の友達Pは納得する。 確かに考察なら戦力に関係ないなく可能だ。 まあ殺し合いに乗っていない所謂考察キャラがほぼいないモバマスロワでは、実はこれもまた縁遠いことなのだが……。 そもそも一般人ロワの極致であるモバマスロワは、誰も彼もが“アイドル”や“ヒロイン”をするのに必死であり、考察なんてする余裕が無いのだ。 当時未登場だった一ノ瀬志希はともかく、池袋晶葉辺りが参加者にいれば話は別だったかもだが……。 まあ同じモバマスでも参加者面子の違うシンデレラガールズロワも阿鼻叫喚なことになっているのを見るに、そう上手い話はないか。 「考察、だと? モノどもは己等と拳を交えるのではなく、どちらが早くこの書き手聖杯戦争の謎を解き明かせるのか、それを競おうとでも言うのか?」 一方、そこでまだ納得できていないのが起承転結だ。 バトルではなく考察ならば相手になるというセイヴァーの理屈自体は理解できる。 しかし考察というのなら、何を考え、何を解き明かすのか、その対象は必要不可欠だ。 そしてことパロロワにおける考察対象と言えば相場は決まっている。 それは首輪解除の方法であり、それは殺し合いからの脱出方法であり、更には殺し合いそのものの謎――主催者の正体や目的、倒し方の解明だ。 書き手聖杯は聖杯企画の常として首輪はないが、大筋では大差ないはずだ。 ……これはことを穏便に済ませられる可能性も出てきたかもしれない。 考察を競うというのは非リレー書き手である起承転結にはやはり分からない感覚ではあるが、つまるところリレーだ。 セイヴァーたちはリレーを望んでいる以上、起承転結たちを殺して終わりにはしないだろう。 競う対象が考察だというのなら、ギアスによる洗脳も免れれるかもしれない。 洗脳により思考を縛られれば、真っ当な考察なんてままならないからだ。 うまくそう話を持っていきさえすれば……。 「そうだとも。私が見るに、君ならば私たちにかなり踏む込み食らいつける敵になれる……っ!」 だがことはそう甘い話ではなかった。 灯りかけた希望は、セイヴァーの発した一言により、一気に闇へと呑まれていく。 「……“私たちに”、だと? どういうことだ。まるで自分たちこそが解き明かされる側だと言わんばかりのその口調……まさか」 セイヴァーたちの奇妙な言い草に、何かを察した起承転結が、自らの手足に目を向ける。 今、自分が変身している傍若無人は四字熟語ロワにおける最強格の一人であり、ラストマーダーでもあったが、それ以上に大きな役割を負っていた。 参加者でありながらも主催者の手のものでもあるその役割とは、即ち―― 「モノどもはジョーカーだと言うのか……?」 「Exactly(そのとおりだよ)」 起承転結と友達Pに戦慄が走る。 ジョーカー――参加者の中に紛れている主催者側の刺客であり、パロロワの華の一つだ。 最初から主催者側の人間のこともあれば、主催側から話を持ちかけられるなどして通常の参加者がジョーカーになるパターンなどもある。 得てして主催者側の補助を受けていたり、元から強いキャラクターが選ばれることもあって、作中では猛威を振るいがちだ。 四字熟語ロワとモバマスロワにおいてもそれは変わらない。 四字熟語ロワのジョーカー、傍若無人。彼は四字熟語ロワ終盤の立役者にして、四字熟語ロワそのもののキーキャラクターの一人であった。 モバマスロワのジョーカーはとにかく派手だ。 なんと強力な支給品を配られたジョーカーが5人もいた。 どころか主催の手により念入りに特訓させられた真のジョーカーとも言える“悪役”が一人。 更には追加の“悪役”がまた一人と明かされた程の大盤振る舞いだ。 『まさかジョーカーからの接触だなんて……。 ううん、でもこれってチャンスなのかな。 主催者側との取引って得てして情報や装備の優位を得られるものだし……』 驚愕しつつも前向きに算段を進める友達P。 優勝狙いの主従にジョーカーから自軍に引き込もうとするかのような取引を持ちかけられたのだ。 そう考えてしまうのも無理はない。 けれども起承転結はセイヴァーたちの言い草に引っ掛かりを覚えてならなかった。 四字熟語ロワにおいてジョーカー傍若無人が持ちかけてきた謎の考察は、書き手聖杯を解き明かすことであり、主催者側を不利にする対主催的な行いだ。 ジョーカーがわざわざ主催者に不利になる取引を自分たちに持ちかけるとは腑に落ちない。 セイヴァーが言うように単に敵を求めているだけなのか。 それとも主催者たち自身が、謎を解き明かされることを望んでいるのか。 はたまた傍若無人がそうであったように、セイヴァーたちにも主催者の思惑とは異なる独自の狙いがあるというのか……。 「やれやれ、そう難しく考える必要はあるまい」 起承転結の疑念を感じ取ったのだろう。 セイヴァーは肩をすくめると、あっさりとジョーカーとしての使命を明かしにかかる。 「私たちはジョーカーであり、物語の進行を促すのが使命ではある。 だがそれは一般的なパロロワのように最後の一人になるよう殺し合いを促す、というものではないのだよ。 優勝ルートでもいい、脱出ルートでもいい、対主催ルートでもいい。それ以外でも構わない。 書き手聖杯を完結させる手助けをする。それが私たちの任務なのだよ」 なるほど、書き手聖杯戦争ならではの使命だ。 書き手としてこれ以上の説得力を持つ使命はあるまい。 起承転結は納得し、だからこそ、警戒の度合いを極限まで引き上げる。 物語の起点である主催者側や聖杯戦争を考察させることは、核心へと迫る行為であり、書き手聖杯戦争を推し進めることに間違いはない。 ただ、単に考察させたいだけなら、わざわざ聖杯狙いであり何の考察もしてこなかった自分たちを捕まえて考察を迫る必要はないはずだ。 それらしい考察をしている主従や、対主催の主従を見つけてヒントを与えるでもしたほうが手っ取り早い。 まさか自分たち以外の全員が全員かの勝利エンドで有名な漫画ロワ書き手で、考察を他人に丸投げして好き放題になぐり合ってるわけでもあるまい。 なのにセイヴァーたちはわざわざ起承転結たちに会いに来た。 千里眼を察知したからいい機会だと思った? 起承転結たちが聖杯狙いだとは知らなかったから? はたしてそんなたまたま偶然の話だろうか。 セイヴァーからは強い確信が感じられる。 起承転結たちなら書き手聖杯の謎を解き明かせるという強い確し――待て。 奴は、セイヴァーはなんと言った? “起承転結たち”ならば? 違う、さっき彼はこう言ったのだ。君ならば私たちにかなり踏む込み、食らいつける敵になれる、と。 “君”ならば。 瞬間、最悪の想像が脳裏をよぎる。 起承転結の中でパズルのピースが噛みあっていく。 まさか、そんな、いや、けれど。 待て、はやるな、まだそうと決まったわけではない。 決めつけるにはあと一押しが足りない。 その一押しが本当に自分にあるのか。それを確かめるために起承転結は考察へと没頭する。 セイヴァーたちが望んだように、書き手聖杯の謎を紐解いていく。 『……起承転結? どうしたの押し黙っちゃって。ねえ?』 不安そうなマスターの声も。 「ようやく気づいたか……」 面白がるセイヴァーの声も置き去りにして思考を走らせていく。 考えて、考えて、考えて、考えて……。 「ああ、そうか、そうなのか」 起承転結は己が最悪の予想に逃れようのない裏付けを得てしまった。 「確かに“己”は書き手聖杯戦争を紐解ける位置にいるのやもしれぬ。 何故ならこんなにも書き手聖杯戦争と四字熟語ロワは似ているのだから」 あるアプリを開いて見てしまうことで参加させられてしまう殺し合い。 名前と記憶を奪われた書き手たち。 代わりに与えられた参加者たちの存在そのものとなる意味のある文字列。 書き手としてのトリップ。 所属ロワでのあだ名。 そのあだ名や作品を解釈することで得た容姿と能力。 似ている、なんてものじゃない。 こんなにも四字熟語ロワと書き手聖杯には参加者たちのあり方に類似点が存在していた。 少し考えれば気付けたはずだ。なのに起承転結はそうしなかった。 何故か――。何が起承転結に考察させなかったのか。誰が起承転結から考察の機会を奪ったのか。 その存在に思い至るや否や起承転結は脇目も振らず絶叫した。 「逃げろ、マスタアアアアアアアアアアアア!」 え? と呆けた声を出す最高の友だちP。それこそが起承転結の思考を制限したものの正体。 例外も多々あれど、基本、純粋な優勝狙いのマーダーは主催者やロワの謎について考察する必要がない。 主催を乗っ取ろうだとか、主催者の力を手に入れようだとか考えないなら、優勝狙いにとって主催者は敵ではない。 主催者について考えるよりも、敵である他の参加者対策を練るなど、殺し合いに勝つことに全力を注ぐ方がずっと有意義だ。 それこそ考察なんて全くしないでただただ他の参加者を殺したっていい。 パロロワにおいて優勝ルートの方がずっと簡単だとか言われるのはこの辺りが原因だ。 だからこそ、起承転結に書き手聖杯戦争を考察させたいセイヴァーたちにとって聖杯狙いのマスターである友だちPは邪魔なのだ。 人質にとるなり脅して令呪で命じさせるなり手段がないわけではないが、どれも問題が残る。 友だちPが存命かつ危機となれば焦りや心配のあまり、肝心の考察がおざなりになりかねない。 思考制限のかかる洗脳なんてもってのほかだ。 なら、起承転結の枷であり、不確定要素にもなりえる現マスターには消えてもらった方がいい。 普通のサーヴァントならマスターの消滅=自身の消滅だが、起承転結は非リレー書き手だ。 単独行動の上位互換スキルを持っており、マスターを失っても、現界を維持できるどころか、各ステータスに補正がかかる。 起承転結に四字熟語ロワ書き手だからこその真価を発揮してほしいセイヴァーたちからすれば至れり尽くせりである。 「交渉決裂か」 やれやれと肩をすくめるセイヴァーたちが動き出すよりも前に、彼らの思惑を察知した起承転結は打って出ていた。 友だちPに逃げろと警告しつつも、抜き放った武器の名は『蟷螂之斧』。 四字熟語ロワにおいては四字熟語の解釈より生まれた各ルール能力に僅かながら抗える特殊な武器だ。 書き手聖杯戦争では効果対象が拡大され各書き手の能力にも幾らか対抗できるその武器を。 起承転結は力の限り、セイヴァーたちの立つアスファルトの大地へと投げつける。 するとどうしたことか。大地は罅割れ、大きな崩落を起こす。 起承転結が変身している傍若無人は、強マーダーだったとはいえ、チートパワーの持ち主というわけではない。 ただ、傍若無人は原典においてこれと同様の現象を起こしていた。 四字熟語ロワの会場もまた、ルール能力で生み出されていたが故に、蟷螂之斧で干渉できたのだ。 起承転結はその原作再現が起きることに賭けた。 書き手聖杯戦争が四字熟語ロワと似ているというのなら、この会場もまた何らかの書き手の能力で生み出されたものではないかと推測してのことだ。 結果、彼は賭けに勝った。 期待していた以上に大きな地割れが起き、セイヴァーたちを呑み込んでいく。 けれどもこの程度で終わる相手だとはどうしても思えなかった。 だからこそ起承転結はバーサーカーがセイヴァーを抱え、奈落の底から大跳躍してくるよりも早く、追撃に移る。 「 はぁ………っ! 」 変身するのはギャルっぽい女子大生こと青息吐息。構えるのは拡声器。ルール能力は氷の吐息。 今の起承転結の吐息は凍える吹雪だ。 そしてその射程距離は息を吐く音の聞こえる範囲まで拡大することができる! 「 永久、凍土! ぐずぐずしてないで、早く逃げてよ、マスター!」 氷竜のブレスの如き全力の吐息は見る間に世界を真白く覆い、凍りつかせていく。 青息吐息を用いた狙いは三つ。 一つ、セイヴァーたちが昇ってくるよりも早く、地割れの裂け目を氷で塞いで閉じ込めること。 二つ、閉じ込めるのに失敗したとしても極低温により、敵の動きを鈍らせること。 特に生身のマスターであるセイヴァー相手には効き目があると願いたい。 三つ、温度差から生じたこの真っ白な蒸気で、敵の視界を奪うこと。 これら三つのどれもが言ってしまえば時間稼ぎだ。 友だちPを少しでも遠くへ逃がすための。いや、それ以前に―― 「嫌! 逃げない、逃げられるわけないよ、起承転結。 起承転結を置いて逃げるだなんて、私にはできないよ」 マスターに逃げるよう説得する、そのための時間稼ぎだ。 「あたしは大丈夫だから。あいつらにとってあたしは生かす価値があるの。 だからマスターを逃がしてもあたしだけでも捕まえれればあいつらの気は済むかもしれない」 あくまでもセイヴァーたちの目的は、起承転結に考察させることだ。 念には念をと友だちPの排除に乗り出してはいるが、友だちPを逃がしたうえで、 友だちPの無事と引き換えに考察を買って出れば、妥協してくれる可能性がないわけではない。 「マスター。お願いだからあたしを使ってよ。何も死ねって言わせたいんじゃないの。 盾にしたりしてもいい。無茶な指示をしてもいい。あたしはそれもリレーだと思って全部受ける。 だから、必ず生き延びて。 マスターの心の痛みもあたしのせいにしていいから。実際あたしの蒔いた種に、マスターを巻き込んじゃったんだし」 一望千里で覗き見たから、セイヴァーに感知され、目をつけられた。 四字熟語ロワと書き手聖杯戦争の類似点から、考察役として見込まれた。 起承転結なんてサーヴァントを引き当ててしまったから、友だちPは命の危機に晒されている。 全部が全部、自分の責任だ。 だからこそ起承転結は覚悟を決めて一人で全てを背負おうとする。 「違うよ、そんなのリレーじゃない! そりゃたまにぶん投げることもあるけど、リレーは友だちに押し付けることでも強要することでもないよ! 補い合いだって、分かち合いだって、私、言ったじゃない……!」 そんな起承転結の覚悟が、最高の友だちPには哀しかった。 違う、そうじゃない、そうじゃないのだ。 起承転結に教えてあげたかったリレーをすることの楽しさは、こんなんじゃない。 「たまたま、たまたまだよ。リレーにはよくあることなんだよ。 誰かが気づかぬ内に大事なフラグを折っちゃったとか。 自分の書いた話が思わぬ解釈をされてリレーされちゃったとか。 オリジナルの支給品が想定外の火力に設定されてしまったとか。 そんなのよくあることなんだよ!」 書き手は、エスパーじゃない。ミラクルなテレパシーは使えないし、熊本弁だって誰もが翻訳できるわけではない。 行き違いだってあるし、間違いだってある。 だけどそんな時、そこで終われない、終わらないのが書き手なのだ。 書き続ける限りいくらでもフォローできる。後付けだってできる。 こんな理由があったんだとか。こういう心情だったんだとか。 折れたはずのフラグを拾って。ずれてしまった展開を活かして元のプロットよりも劇的な方向へと持って行って。 時に自分でやってそれ見たことかと悦に浸り。 時に誰かの頑張りを目にしてその手があったかと感嘆して。 それがリレーなんだ。繋がり続ける限り、いくらだって未来がある。物語を続けていける。 「それにね、起承転結。私には、分かるの。 もしもここで起承転結を置いて逃げたとしても、絶対に戻ってきちゃうって。 起承転結は知らないかもだけど、そういう話を私、書いたんだよ?」 それはある愛の話のひとかけら。 友に夢を託され逃がされた少女が、それでもと自らの我侭を貫きに戻ってくる話。 ……戻って来た時にはもう、全ては終わりへと向かっていた、そんなお話。 「もう少し早く来てたら……。そんな後悔を私はしたくない。 安易な二度ネタや原作再現なんて御免よ。 せっかく自作を三次創作するというのなら、目指せ原作越えよ!」 どうせ戻ってくるのが分かっているなら、最初から最後まで連れ添いたい。 最後まで、なんて言ってるけど負ける気なんてさらさらない。 相手は確かに超が付くほどの強敵だけど。 こっちは一般人でしかないけれど。 それでも同じ書き手だ。書き手という土俵でならいくらだって戦えるはずだ。 大丈夫。大丈夫。大丈夫。 リレー書き手としての経験がある。令呪だってある。足を引っ張るだけにはならない。 最高の友だちPは起承転結に手を差し伸べる。 「一緒に戦おうよ/リレーしようよ、起承転結。 私たちはマスターとサーヴァントである以上に、友だち、なんだから。 どんな強敵でも、ふたり、いっしょなら、こわくなんて、ない。でしょ?」 泣きそうな、それでいて決意の籠った眼差しと共に差し伸べられた手は小さく、けれど確かに震えていた。 それは命懸けの戦いへの恐怖か、はたまた起承転結に拒絶されることを恐れてか。 どちらにせよ、起承転結がその手を取れば、最高の友だちPの震えは止まるであろう。 今、この少女を、最高の友だちPに勇気を与えられるのは起承転結だけだ。 でもそれは、終わりを意味する。 この手を取った時、起承転結と最高の友だちPに待ち受けるのは避けようのない別離だけだ。 それでも。 その震えを止めたいと思った。 この少女だけはなんとしても生かしたいと願った。 だから。 起承転結は。 「ありがとう、マスター。あたしの、最高の友だち」 手に、手を重ね、そのまま最高の友だちPを引っ張り抱き留め、 「え、ちょ、起承転結、顔、顔が近い!」 顔を赤くする親友の胸元にそっと手を添え、 「それとごめんよ。実は私も書いてたんだ」 おかっぱ頭にモノクロの服を着た男へと姿を変える。 「本当に大切な人を守るために、その大切な人さえも騙し続けた、そんな男や女の物語を」 それで、終わり。 重ね合った掌は、もう二度と、交わることはない。 何故ならそれが今の起承転結の能力だから。 ルール能力“心機一転”。 効果は、胸元を触れた相手のスタンスの反転。 ヒーローを志した少女は善人を殺し悪を守るようになり。 殺し合いから目を背けていた優柔不断な青年は、最善の行動を取って生き残ろうと決意する。 なら、絶体絶命の危機を前にして尚、サーヴァントとの友情を掲げ、共に戦い抜こうとしていた少女がどうなるか。 「起承転結」 言うまでもない。 「令呪を以て命じる。死んでも私が逃げる時間を稼いで」 自分が生き残るために、サーヴァントを平気で死地へと赴かせる、そんな友情マン@ジャンプロワの出来上がりだ。 ああ、全く。我が所業ながら反吐が出る。 大切な人の心を歪めて思い通りにする。なんて吐き気を催す邪悪だろうか。 けどそれは自ら望んで踏み出した修羅の道なのだ。 起承転結は事の発端であるセイヴァーたちへの当て付けのように、歪な笑みを浮かべて主命を頂戴する。 「イエス・ユア・マジェスティ」 返事は、なかった。 自分のために死ねと命じたサーヴァントに一切の謝罪も労りの言葉もなく、最高の友だちPは全速力で戦場を後にする。 その様を悲しく思う資格も寂しく感じる権利も今の起承転結にはなかった。 あるのはマスターが逃げ切るまでの時間をなんとしてでも稼ぐという義務のみ。 起承転結は未だ大地に呑まれたままの敵手へと語りかける。 「待たせたね」 「構わんよ。別れのシーンを邪魔するほど、我々は無粋ではないさ」 轟音と共に裂け目を覆っていた氷が砕け散り、きらきらと乱反射する光を浴びて漆黒の主従が地の底より帰還する。 やはり、この敵相手では地割れも極低温も足止めにさえならないか。 いつでも出てこれたであろうに今の今まで大人しくしていたのは、本人たちが言うように単に空気を読んでくれていただけなのだろう。 セイヴァ―たちは低温対策に使っていたらしいホッカイロと栄養ドリンクの空き瓶をわざわざゴミ箱に分別して捨てる余裕さえ見せている。 舐めやがってと思う気持ちがないわけではない。 ただ、どこまでもリレー書き手である彼らの矜持こそが起承転結が付け入ることのできる唯一の隙だ。 絶大なチートを誇ろうとも、書き手としてリレーを求める限り、無茶苦茶な展開を押し付けてはくるまい。 リレーに長けているからこそ、戦力差の激しい今からの戦いにおいても、リレー初心者のこちらに合わせてくれるはずだ。 そのリレー書き手としての優秀さを最大限に利用して、非リレー書き手としての傍若無人さで自らの願いを押し通すしかない。 願い――最高の友だちPとの再会。 自分は彼女の友情を踏みにじる最悪なことをした。謝って許してもらえるとは限らない。 それでも、自分が捻じ曲げてしまった少女を、元に戻す責任がある。 “心機一転”は不可逆な能力ではないのだ。 もう一度能力を行使すればスタンスが再度反転し、結果一周りすることになり、元に戻るのだ。 起承転結の姿が、セーラー服の少女へと変わる。 鈴型髪留めのおさげを翻すその姿の元ネタこそ、四字熟語ロワにおける“心機一転”の被害者で。 正気に戻った少女が、反転していた間の自らの行いをどれほど引きずったかを知るからこそ、起承転結は最高の友だちPをこのままにしておけない。 自分でやっておきながら虫のいい話だとは理解している。 それがどうした。 本当は義務だとか、責任だとか、そんなのはどうでもいい。 自分がそうしたいから。自分が最高の友だちPのサーヴァントでありたいから。 失敗を恐れず。危険も恐れず。勇ましく気力を振り絞って、最強の敵へと立ち向かう。 「《りんりんソード》ッ!!」 二度と交わらないなんて運命は、力ずくでこじ開ける! こうして起承転結は剣を手にし、結末の決まりきった戦いへと挑む。 勇気一つを友にして。 【一日目 午前 TV局付近】 【起承転結(◆YOtBuxuP4U)@四字熟語バトルロワイアル】 [状態]健康、勇気凛々、ステータスアップ [装備]凛々ソード@四字熟語ロワ [道具]なし [所持金]大判小判 [思考・状況] 基本行動方針:非リレーに回帰してでもマスターを守る 1.マスターが逃げれるよう時間を稼ぐ 2.相手のリレー書き手故の心理を利用して優位に立ちたい [備考] ギアスをかけられているかもしれません。 『連鎖反応』内の戦況に関する情報を得ました。あくまでも視覚情報のみです。 【最高の友達P(◆j1Wv59wPk2)@モバマス・ロワイアル】 [状態]心機一転 [令呪]残り二角 [装備]ピストルクロスボウ [道具]なし [所持金]アイマス 10周年ライブで使い果たした [思考・状況] 基本行動方針:友だちを利用して一人生き延びる(友達の元へ帰る。そのためならばなんだってする) 1.セイヴァーたちから逃げる 2.心機一転が死んだ時用に盾になる新しいサーヴァントを探しておきたい 3.(……早く……向かわないと………) 4.(……起承転結の……所、に………) 5.(私……謝って………) 6.(もう、一度…………――――) 【 零に還りし人間 セイヴァー(◆l3N27G/bJU)@二次キャラ聖杯戦争】 [状態]“ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア”(仮面なしのゼロ)、魔力消費(大) [令呪]残り二角 [装備]槍王イルバーン@私の救世主さま、転輪する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)@Fate/EXTRA [道具]なし [所持金]ルルーシュなので沢山ある [思考・状況] 基本行動方針:ジョーカー。初代二次聖杯を終わらせた者として書き手聖杯戦争を加速させることに尽くす 1.起承転結と友達になる [備考] ※ザ・ゼロ、及びザ・ギアスをそれぞれの右と左目に宿しています。ハドロン砲ももちろん発射できます。 【バーサーカー(よっみー)@書き手ロワ2nd】 [状態]魔力消費(中) [装備]永遠神剣第一位『空気』@書き手ロワ2nd [道具]なし [所持金]書き手2エピローグ的にお金は持ち込めていないため無一文 [思考・状況] 基本行動方針:ジョーカー。かつての書き手ロワ書き手として書き手聖杯戦争を加速させることに尽くす。 1.遅くなったけど四字熟語ロワ完結おめでとう! [備考] ※宝具の力で永遠神剣を投影したり、令呪の助けさえあればメタにも干渉できるようです。 狂化していますが経験と本能で書き手を察せれます。 029:■■■■■、■■ 投下順に読む 031:[[]] 024:連鎖反応 最高の友達P :[[]] 024:連鎖反応 起承転結 :[[]] 024:連鎖反応 ≪零に還りし人間≫セイヴァー :[[]] 024:連鎖反応 よっみー :[[]] ▲上へ戻る