約 12,009 件
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/38533.html
【検索用 よみち 登録タグ 2018年 VOCALOID ごーぶす よ 曲 曲や 結月ゆかり】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:ごーぶす 作曲:ごーぶす 編曲:ごーぶす 唄:結月ゆかり 曲紹介 夜道は暗いけどなんとかなるよね 曲名:『夜道』(よみち) 歌詞 (piaproより転載) 僕たちはそれぞれ歩く 世界をてくてくと 間違えたり転んじゃったりして 嗚呼 たまに疲れたり 嘆いたり 沈んだりしてさ ららら 絶えず時は流れていく ルリラ 寒さが染み渡る風 暖かさを求めて歩く 暗くて見えない夜道 灯に頼るの それが毎日さ ただ 前を歩くさ なにがなんでもそれしかできないから 例えば道端の石ころに躓いた そのときは 立ち止まってもいいさ 嗚呼 思い出は僕の心を 色々変えていく 傷付けたり 救いだったり 今だけ 僕に出来ることを 今の僕に できる限りのことを ただ 今 僕が生きる術を 見つけていくしかないのさ 前を向いて ただ 月の光に 照らされただけの 薄暗い道をさ 僕たちが持てる術を確かに歩いていけるはずさ だから前を向いてさ 嗚呼 コメント 落ち着いた雰囲気のメロディーと、ところどころ電子音っぽさが残る歌い方が好きでしかない。 -- 想 (2018-11-15 13 33 57) お洒落な曲ですよね -- 浅葱 (2018-11-27 13 03 32) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/39497.html
【検索用 M O N O 登録タグ IA M VOCALOID なゆたP 曲】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:なゆたP 作曲:なゆたP 編曲:なゆたP 唄:IA 曲紹介 当時初IAなトランスです。消しゴムは関係ありません。 曲名:『M O N O』(モノ) なゆたPのボカロ曲4作目。 コンピアルバム『IA THE WORLD ~影~』収録曲。 ミックスやマスタリング等に少し手を入れています。(作者コメント転載) 歌詞 もう怖くないよ 美しい闇に包まれているから こんなにも優しい夜に ひとり霞(かす)む私は 数多(あまた)の残滓(ざんし)を横目に あなたの元へ急ぐの You are lonely'n my love. もう苦しくないよ 時は綺麗な黒に塗られたから こんなにも優しい夜に ひとり霞む私は 数多の影の向こうへ あなたの元へ急ぐの You are lonely'n my love. 嗚呼 夜が明ける 夢が終わる 月が星が 眠るように 私もまた 眠るのだろう 嗚呼 朝が来る 夢が終わる 草が花が 目覚めるように あなたもまた 目覚めるのだろう 嗚呼 光が差す 世界が終わる 風が空が 彩るように 私はまた 願うよ コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/44121.html
とりかげがさす【登録タグ GUMI VOCALOID と モグラ兄弟 曲】 作詞:モグラ兄弟 作曲:モグラ兄弟 編曲:モグラ兄弟 唄:GUMI 曲紹介 同氏12作目の楽曲。 巫泥氏主催VOCALOID企画「奈落荘」参加曲。 歌詞 (動画より書き起こし) 空想の線路が空に跨り 君とあの列車に乗り込めたなら 夕景に降り注ぐ鉄粉が 二人の門出を祝福するだろう 影のない運転手 行先すら分からないまま 音速の"無"が 色彩を剥がしていく 甘やかな斜陽を受けて 童心が蘇る 鳴り響く轟音の中で 静かだね 心だけ 嗚呼 空想の迷宮をふわりふわり 遊びで始めた筈だったのに 夕景に感傷が置き去りになって 二人は心を無くしたみたいだね 虹色屈折して 崩れていく平衡感覚 眩暈のまま光射す海へ 青い波の飛沫を受けて 離陸するグライダー 不確かな痺れの中で 君と手を繋ぐだけ 嗚呼 (間奏) 影踏み遊ぼう 誰も来ないよ ただ 三本足のあの鳥が示す場所へ 薄らいだ二人の姿 郷愁に消える前に 七堂伽藍に祈ろう きっと想いは届くから そして御仏の掌(て)の上で 僕達はキスをした 嗚呼 鈴の音と共に舞う神楽 巨鳥が振り撒く黒い羽 それでも二人で歩き出そう 景色は朧げ膝栗毛 見覚えのある黄泉比良坂 鳥影が射す 鳥影が射す 見覚えのある黄泉比良坂 鳥影が射す 鳥影が射す コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/vocaloidchly/pages/3018.html
作詞:ピノキオP 作曲:ピノキオP 編曲:ピノキオP 歌:初音ミク 翻譯:pumyau 該死的異端及巧克力 這話只在這邊說 隔壁班的老師 和同班的A同學 唉呀-做了不能做的事 不道德的事 流言從蛋殼裡爆了出來 地下 深深埋藏的 用鎖鎖住的 可笑的秘密 現在簡直像在澀谷車站前 脫光光跳舞 「讓我加入吧」「我也要一起聊」 老祖宗流傳下來的以訛傳訛 傳來傳去健全的 Я 啦哩巴巴啦 巴巴巴啦! 沾滿口水的八卦消息 大家全吃得滿嘴黏糊糊的 嗚咽漸漸上了癮 被該死的異端糾纏住 舔拭滿是些有的沒的的甜蜜巧克力 嗚呼 不管是真是假 一大堆添加物 給你好吃的飼料 漂亮話聽起來就很假 俗言俗語的甜蜜才是真的 你也是嗎? 我當然也是啊 還真廉價 這是秘密喔 現在當紅的那個明星 還有那個了不起的大導師 還有假裝為之瘋狂的我們 Я 登登低登 登登低登! 腦袋沸騰 自私自利及嫉妒捲成漩渦 尋找打出王牌的地方 或抱著炸彈露出微笑 將鋁箔紙包覆的內容暴露出來後 人們就簡單易懂的聚成一團 嗚呼 而背後總有某人 在悄悄讓黑雨降下的吧 不過就是順應大部份的需求 把利害關係的一致當作賣點 你也是嗎? 我當然也是啊 比如說那個○○○○的○○○○○ 其實是○○○○這樣 那已經○○○○而且○○○又 ○○○○○!! 留下蟲咬痕跡的殘骸 你的話會填什麼進去? 從內疚中長出的尾巴 我就特別讓你抓一下 不去看會看見的那玩意 卻想看看不見的那玩意 真是謎團 答案究竟是什麼呢 「不知道啦!」 舔拭滿是些有的沒的的甜蜜巧克力 嗚呼 不管是真是假 一大堆添加物 給你好吃的飼料 將鋁箔紙包覆的內容暴露出來後 人們就簡單易懂的聚成一團 嗚呼 而背後總有某人 在悄悄讓黑雨降下的呢 漂亮話聽起來就很假 俗言俗語的甜蜜才是真的 你也是嗎? 我當然也是啊 總覺得討厭死了
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/50634.html
【検索用 うぁんひすむ 登録タグ ATUHI VOCALOID v flower う かごめP ふぁるすてぃ 叢雲紅 奏乃 曲 曲あ】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:ふぁるすてぃ 作曲:ふぁるすてぃ 編曲:ふぁるすてぃ 唄:flower 曲紹介 「呪いの少女と悠久を生きた孤独な始祖の物語」 ──「終焉などないこの俺にさ」── 曲名:『ヴァンピズム』 ふぁるすてぃ(fallstay)氏の9作目。 イラスト:ATUHI(Twitter) 動画:叢雲紅 ピアノソロ:奏乃(Twitter) ミックス:かごめP 『Project.ISΣシリーズ』4作目。 歌詞 (投稿動画概要欄より転載) 嗚呼 愉快愉快 愚かな人間よ 馬鹿で賢く争うのさ どうやらこの森の果てまで 「はぐれ者」が来たようだ 汚らしい姿と憐れなほどの運命 さあ 娯楽に飽いたこのおれにも 嗚呼 聴かせておくれ 終焉など無いこの俺にさ 一雫だけの快楽を 記憶の淵に呑ませて 点滴のようにさ 死の魅力に取り憑かれて 銀の杭を身体に込めても 何一つ変わらない また今日もこの隣人へ 「ハロウ」 嗚呼 愉快愉快 憐れな少女よ 門を叩く音がすれば怯え どうやらこの森の果てでも 暇つぶしには困らんな 数ある娯楽に触れたのさ 気紛れに花に水を与え ハーモニー奏でてやろうか 冗談だ あっち行け 「完全ほど不完全なモノは無いのさ」 そう囁いた赤い悪魔の 不気味な嗤いと弔鐘 冷え切った心の臓 悠久に生きる蝙蝠 痛みなんぞ何千年前から忘れちまったんだ 暇潰しで始めた されど湧いた情だけ情けない よくある噺 血溜まりに喘いでいる「華」 終焉など無いこの俺にさ 一雫だけの快楽を 記憶の淵に呑ませて 点滴のようにさ 四の五の言わずにもう潰した 銀の悔いだけが交差する 何一つ変わらない 哀れな屑(ニンゲン)どもよ! 終焉など無いこの俺にさ 溢れるくらいの愛情を 記憶の淵に溺れるほどに 吸わせて笑った 終演となるこのアニマを 銀の杭で屍肉に込めたら あとは覚醒めるだけさ 嗚呼 もうこの「華」(少女)とも 「BYE BYE」 杯となって 杯となって 愛となって 臓となって 灰となって 灰となって 罰となって 罪となって 地獄へと堕ちる コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/29633.html
いんたーねっとびじねすまん【登録タグ い パイパンP 初音ミク 曲】 作詞:パイパンP 作曲:パイパンP 編曲:パイパンP 唄:初音ミク 曲紹介 与沢某氏の破産追悼うp。 この曲を作ったのが去年の6月,,うp時期伺ってたらこんなに待たされるとは!(作者コメ転載) 動画を まーしー氏 が手掛ける。 歌詞 (動画より書き起こし) インターネットビジネスマン インターネットビジネスマン はいこんにちは、音速で数億稼ぐ男、 根津見光太郎です。 まぁボクはネットビジネスで、 月収1000万稼いでるわけなんですが、 今日はね、そのまったく新しいビジネスモデルをね、 皆さんにね、ご紹介したいと思います。 最近よく見る ネットを賑わす 何とかヒルズ族 ソーシャルビジネス コンサルセミナー マッハで10000000 高級外車に タワーマンション イケてる装飾で 情弱をハメる 素敵な存在 インターネットビジネスマン 嗚呼、ボクもなりたいな 30万でこのノウハウDVDを買えばすぐに貴方も月収1000万 嗚呼、ボクでもなれるかな 一人紹介すると10万入ります ネットビジネス ネットビジネス 月収1000万て どこの通貨単位なの ネットビジネス ネットビジネス Win-Winの関係で インターネットビジネスマン マンション内見 写真を撮影 ここに住んでいます 外車を借りては いつものポーズで キャッシュで買いました インフルエンサーによるソーシャルなスキームでイノベーションをコミットする グローバルなバイラルとプライオリティによってナレッジを利かせシナジーを生みます カタカナ好きの 素敵な連中 インターネットビジネスマン 嗚呼、本当に儲かるの? メルマガに登録して下さい 絶対に儲かります 嗚呼、絶対儲かるの? あとクレジットカード送ってね ネットビジネス ネットビジネス ようつべのプロモ動画 どうしてみんなショボいの ネットビジネス ネットビジネス Win-Winの関係で いつ稼ぐか 今でしょ ネットビジネス ネットビジネス 月収1000万て どこの通貨単位なの ネットビジネス ネットビジネス Win-Winの関係で インターネットビジネスマン インターネットビジネスマン 違うよ。全然違うよ マン コメント おおw -- 名無しさん (2014-06-26 22 48 40) インターネットカラオケマンの使いまわしかと思ったww -- 名無しさん (2014-06-27 21 24 10) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/63166.html
【検索用 かくやひめのせいちょう 登録タグ 2017年 CeVIO canone か さとうささら 曲 曲か】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:canone 作曲:canone 編曲:canone 絵:canone 唄:さとうささら 曲紹介 かぐや姫は中身がクソガキのまま成長したやべーやつ。 曲名:『かぐや姫の成長』(かぐやひめのせいちょう) サークル「北海道大学DTMCにゃんぱす」にて頒布されたコンピレーションCD『かぐにゃ姫』収録曲。 歌詞 (動画より書き起こし) 私 かぐや 竹から生まれたの あと少しで すぐに大人 三か月で すくすくと伸びた その心は 嗚呼 ストレンジ 私 かぐや 世界一美しいと 口説かれては いつも困る だって君が いつも着てるのは 没個性な 嗚呼 ストライプ ダサすぎるよ やだやだやだ! 私 あなた好きじゃないわ やだやだやだ! 私 それならスイサイド やだやだやだ! 私 だれも好きじゃないわ やだやだやだ! 私 プリンセス 私 かぐや 桃から生まれた?と 言われたけど それは別人! お姫様に 失礼じゃないの? 鳴り響いた 嗚呼 ストリング やだやだやだ! 私 あなた好きじゃないわ やだやだやだ! 私 それならスイサイド やだやだやだ! 私 だれも好きじゃないわ やだやだやだ! 私 プリンセス 私だけよ! 私かぐや この世に生まれて 愛したのは 嗚呼 おじいちゃん! コメント 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
https://w.atwiki.jp/puyokei/pages/1070.html
chapter0.果てしなく澄んだ青い穹 宇宙歴752年 夏 名も無き漁村 波止場の繋船柱に鴎が留まる。 船は波の鼓動に合わせ、規則性なく鳴動する。 辺りには磯の香りがどことなく漂い、道行く人は、どこか船乗りの雰囲気を纏わせていた 海に視線を送れば、軽く湾曲した水平線が、星の丸さを小さく誇示している。 海の反対側は、連なる家々の先に小さい山が遥か遠くのように微かに頭を見せていた。 小さな島にある小さな漁村。そんな言葉が浮かぶような名も無き村だった。 水平線の先の世界には夥しい数の大陸があるが、そんな大陸は、ここからはどこか遠い、異国よりももっと離れた何かに思える程、この島は平和だった。 そして、砂浜で一人、海を眺めていると、なんだか自分が酷く小さく思えてくる。 特に、隣に座る幼なじみも口論した後なら尚更だ。 時折聞こえてくる鴎の鳴き声も、気まずさを煽る一つの事象に成り下がる。 かといって、二人ともいつまでもそっぽを向いている訳にはいかない。 話しかけないといつまでもこの空気が終わらないことは相手も気付いてるのだろうが、それでも頑なな態度に思わず笑みが零れそうになる。 しかしそれでも話しかけるのは辛い。 貧乏くじだなあ、とため息が漏れそうになるが、この空気では、それすらも即発の元だろう。 それでも、早々と終わらせたいので、口を開く。 「……ねえ、レナ」 「何よ、バカでマヌケなフェイ」 酷い言われようだが、口論の内容的に、どうして自分が馬鹿なのかわからない。 「やっぱり筏で世界一周は無理だと思うよ」 聞いた途端にレナが再び怒り出して振り向く。 これでどうして自分が悪いと言われるのだろうか。 その発言が再び口論の種火になっているということは、フェイは気がついていない。 「はあ…」 ため息しか出ない。 何せ、隣には、 「なんでため息なんかつくのよっ」 と言って怒る幼なじみがいるのだから。 もう怒りの矛先がどこに向いているのかフェイには見当がつかない。 きっと全知全能の神でさえ苦戦するだろう。 彼女がいよいよ暴れ始めたとしたら、フェイでは止めることは出来ない。 せっかく浜辺で潮風が頬を撫でている素晴らしい環境だのに暴走を始めると全てが台無しだ。 早くどうにかしたい心情が実を結んだのか、目の前の空に変化が現れる。 「雲行きが怪しくなってきたな…」 見れば水平線から垂直に入道雲がみるみる大きくなってきていた。 夕立が近い。 入道雲の影響の早さを知っている二人は、理由が出来たとばかりに漸く立ち上がる。 「じゃあね、今日もつまんなかったわ」 レナはそんな憎まれ口を吐いてとっとと背を向け、家路につく。 そして、フェイはそんな相変わらずな様子を思わず許してしまう馬鹿な自分に呆れながら、海に背を向けるのであった。 フェイは帰りながらやりとりを反芻していた。 レナが世間知らずなのはいつものことなのだが、さすがに筏で世界一周は子供でも無理だとわかるはずだ。 何か他に目的があるのだろうか…。 フェイには、船ではなく筏で、それも二人で旅をするメリットなんてないように思える。 何か隠してるのかもしれないが…。 そこまで考えたところで、ぽつぽつと雨が振り始める。 入道雲の雨脚はやはり早い。 フェイは無駄な思考を中断し、家までの道のりを駆けていった。 † 次の日、雨上がりの快晴。 結局昨日の夕立は夜間を通して降る激しい雨になった。 風は窓を鳴らし、雨は地面に打ち付ける。 雷鳴は轟き、嵐と言っても差し支えがない程の規模だった。 フェイが昨日と同じように浜へ行くと、波が少し高く、砂に湿り気がある以外は昨日のそれと寸分の互いもない光景がそこに広がっていた。 もちろん、レナもいる。 昨日の今日なので少し心配していたが、文字通り雨降って地は固まるものらしい。 なぜか妙に機嫌が良かった。 「おっはよ~♪」 という挨拶をノリノリでブイサイン作って、音符を付けるくらいリズミカルに言われたら逆に悪寒が走る。 「うん…おはよう…」 と、返したら次は「声が小さい!」やら「もっとノリノリに!」とか言われてしまう。 どうして一晩隔てるとこんなに豹変するのだろうか。 とりあえず聞いてみることにした。 「えっと…レナ…?」 「ん?なに?」 「昨日、なんか変なものでも食べた?」 叩かれました。 人を叩いておきながら機嫌が全く変わらない気の大きさには心底驚かされる何かを感じる。 「あ、今日も浜じゃあつまんないから磯に行きましょ」 しかもその後すぐにこんなことを言えるのだから凄い。 そしてフェイは断ることなど出来ずに、半ば無理矢理と言った感じで連れて行かされる。 磯は浜を挟んで港の反対側にあり、港からは岩影にあったり、需要がなかったりといろいろな理由が重なり、人は驚く程少ない。 「ん。今日もここは静かで魅力的!」 昨日浜で喚き散らしていたのは誰だったか。とは言わない。 まあ、確かに、西向きに海を臨む岩場は、潮風が心地よく吹き抜け、港のほうから時折小さく聞こえる鴎の鳴き声が程よい湿り気のある沈黙を齎している。 「滑りやすいから気をつけろよ」 実際、雨上がりの岩場程滑りやすい場所はないのだが、本人は生返事をするだけで全くわかっていない。 空元気ではしゃいで岩場に出来た水溜まりを飛び越えて先へ駆ける。 まあいいか。と思ってしまうのがフェイの甘さだろう。 しかしフェイは歩きでレナは駆け足な訳で。 しかもレナのほうが元々走るのが得意な訳で。 そんなこんなでレナとフェイの間にかなりの距離が開く。 全く無理矢理連れてきたのは誰だよ。とは思うが口には出さず、代わりに、 「おーい、一人がいいなら俺は戻るぞー」 と、大きな声を出して言った。 レナは一人で結構先まで行っていたが、声が聞こえたのか結局戻ってくる。 「まったく…」 と言ってる時に、異質なものが視界の端を過る。 歩みを止めて数歩元来たところを戻ってみる。 それが帰るようにでも見えたのか、後ろからは「待ってよー」など聞こえるが、無視して歩く。 そして、岩に少し隠れた波打ち際に、それはあった。 それは人の形をしていて、つまりは人なのでした。 フェイはそれを見た時、不意に幽霊や人魚の類を連想したのだが、足はちゃんとあった。 きっと昨晩の酷い雨で流されてきたのだろう。 「あれ、何か見つけたの?」 後ろから不意に声がかかる。 「うわっ、何この子誰?」 「そんなこと知らないよ。流されてきたんじゃない?」 普通に返事を返したのだが、レナからの返答は、 「…フェイ、あんたデリカシーないよね」 「えっ?」 再び見れば髪はショートカットでうつぶせだが普通に胸はある。 「アホでスケベでマヌケでドアホなフェイ」 「アホって二回言ってるぞ。っていうか何も…」 「うるさいスケベ」 見てない。って言うつもりだったのに途中で邪魔されて本当にスケベみたいになったので尚更頭を抱えたくなる。 レナは自分の着ていた上着をかけてから言った。 「とりあえずあんたの家に運ぶから」 いや、どうして自分の家じゃないんですかねレナさん。 そして家まで運んだのはいいが、いろいろと無理矢理すぎる。 私運べないからフェイが運んでね。 とか言われてもいろいろ大変だった訳で。 男が運ぶのは当たり前なのかもしれないが、デリカシーがないのはどっちだ。って言いたくなったりして。 さらには、上着は洗ってから返して。とか言われたりして散々な訳である。 フェイが一人暮らしなのを良いことに、風呂場を勝手に使われ、レナは今風呂場で流れてきていた彼女を洗っている。 そしてフェイはその間に服を買ってこいとか言われ、強制的に家から追い出された。 自分の家なのに…。 † 全く、図々しい。 レナもそうだが、目覚めた瞬間に腹が減ったと言って家の冷蔵庫にあった食料を全部食べたらしいのだから図々しい。 食べるだけ食べたら人の布団で眠てるし…。 レナは見てるだけだし…。 帰ってくるなりレナにそんなこんなを言われても…。 とりあえずフェイはダメ元でレナに聞いてみることにした。 「で、この子が誰か聞いた?」 「ん、聞いてない」 全く悪びれる風もなく言うものだから呆れる。 「…じゃあ…、次に起きた時に聞こうか…」 「まあ、私も気になるからね」 それならどうしてさっき起きている時に聞かなかったんだよ…。 結局、次に彼女が目覚めたのはその日の太陽が沈んでから4時間は経った、夜中だった。 レナはレナで帰るのかと思ったら今日はここにいるとか言ってくるし…。 彼女が目を覚ました時、フェイはだらしなく船を漕いでいたのだが、 「あ、起きた?」 というレナの大きな声に喚起され意識が現実に覚醒する。 「…ここはどこ…。私は誰…」 え、まさかのパターンですか。 「…って言うと思ったぁ?」 どうやらレナの右斜め上を行く悪い性格らしい。 「うん。思った」 レナはそれに几帳面に返す。 この二人、気が合うのかもしれない。 「ん、冗談はこれくらいにしといてー…。本当にここはどこぉ?」 寝ぼけ眼のとろんとした瞳でそんなことを訊ねてくる。 妙に間延びしたしゃべり方が尚更イラつく。 「ああ、ここは私の隣にいるフェイの家ね。」 口を開きかけた時にレナがしゃべり始めたものだからフェイがなんとも間抜けな感じになってしまう。 そしてそんなことはお構い無しにレナは続ける。 「ところで、あんたは誰?」 ふぅん。と言って辺りを見回していた彼女は、そこで初めて名乗ってなかったことに気がついたかのようにはっとする。 これが演技なら余裕で女優にでもなれるだろう。 「ん、私ぃ?私はメリルだけどぉ」 「へー。んで、どうして流されてきたの?」 レナは名前が本当に気になっていたのだろうか。 「なんでだろー?コアに不都合でも起きたのかなぁ…」 「コアって何?」 こんな時、単刀直入に聞けるレナが少しうらやましかったりする。 「ああ、コアってゆーのはコアクリスタルのことでー。時間の中の危険分子を発見して運ぶ役割のものなのー」 いきなり話が飛躍しました。 イミフです。 さすがのレナも目が点になっている。 いや、てゆーか本当に点だよ。どうやったんだよその目。 「あ、疑ってるぅー」 当たり前だと思う今日この頃。 「うん。じゃあ決めたー。あんた達二人は旅の伴侶ねー」 「「はあ?」」 話の前後がつながってないようにしか思えないフェイだった。 「ちょ、ちょっと待ちなさい!あんた何なのよいきなり旅の伴侶って!」 こんな時、単刀直入に聞けるレナが以下略。 「何?気に食わないー?でももう無理、私は一度決めたら取り止めないからー」 「丁重にお断りしま…「じゃあ明日までに準備しといてねぇー」」 人の話を聞かないどころか被せてきやがった。 「とりあえず私は絶対行かないからっ」 レナがかなり怒っているんですけど。 後から八つ当たりされるの自分なんですけど。 「あ、でも、家を長期間空けておくことは出来ないんですが」 「ああ、それなら大丈夫。時間を跨いだ旅なんだからぁー、帰って来た時に出発から5分後にここに到着すればいいのー」 ちなみに、この後はレナとメリルの低レベルな言い争いが朝まで続いた。 † 「なにやってんだ。おまえら…」 いつの間にか窓から朝日が差し込む。 フェイがどれだけ眠くてもレナが寝ることを許さなかった。 そして朝が来て入り口から声がかかる。 聞き慣れているが、最近滅法聞かなくなった声。 フェイはゆっくりと入り口へ振り返る。 外からの光の逆光で黄金色した髪しか見えない。 しかしフェイにはそれだけで充分だった。 「ユーク…?」 「おう、久しぶりだな」 島の別の町へ引っ越した、フェイとレナの幼なじみである彼は、逆光に負けない明るさで、そう言ってから不器用に笑った。 「で、何か楽しいことでも見つけたのか?」 「楽しいですって…!」 ユークの発言にレナがいちいちつっかかる。 「ちょうど良かったー。誰かは知らないけどあんたも旅の伴侶ねー」 「ん?いいけど。それよりお前誰だ?」 いいのか。 「メリル」 「なるほど」 ユークが腕を組んでうなずいている。 一体何がわかったのか…。 「お前らも行くんだろ?行くよな?」 ユークとメリルはグルなんじゃないか。と思ってしまう。 「わかった。行くよ」 「えっ」 レナが驚いてフェイのほうを向く。 レナは自分一人だけが仲間外れになることを嫌うことを知っているフェイだ。 フェイは久しぶりに三人で遊びたかったのだ。 不本意かもしれないし、第三者が一人いるが、それでもフェイは三人で一緒に行動出来ることを嬉しく思った。 だからユークがこの漁村に戻って来た理由を聞きそびれたのかもしれない。 それが決定的な間違いになるのはもう少し後の話。 † 「あれぇー?あんまり荷物持って来なかったねー」 待ち合わせ場所の港へ来たフェイはいきなりメリルにそんなことを言われた。 自分が一番最後だったらしい。 レナもユークも苦笑いしているから、きっと同じことをメリルに言われたのだろう。 「じゃ、行くよー」 メリルの隣にはどこから出したのか身の丈程のクリスタルがある。 クリスタルが回転を始める。 四人を包むようにクリスタルから光が溢れ、そして光が四人を完全に覆う。 その光が消えた後には港に偶然いて驚いている人々以外、何も残っていなかった。 フェイが光に包まれる前に見えたのは、故郷のどこまでも果てしなく澄んだ青い穹だった。
https://w.atwiki.jp/puyokei/pages/1069.html
chapter1.焔の狐 宇宙歴689年 冬 リズラスノー 「あぢー…。もうむりー…」 レナがへばってしゃべり方がメリルみたいになっている。 「こうも暑いともう歩けねーよなー」 ユークもだだをこね始める。 フェイは汗を流しながらただただ苦笑いである。 メリルは一人、先まで進んでは振り返りため息をつき、三人のところまで戻る。を繰り返している。 「あんた達若いでしょー?ちゃんと歩きなさいよぉ」 「若いって言われても…」 「お前も同じくらいの年齢にしか見えねぇよ」 フェイがお茶を濁すとユークが堂々と聞く。 この辺はフェイが一番損な性格だなあと痛感する。 「はあ?同じくらいに見えても少なくとも私のほうが数百は年上だからねー?」 「…へ?」「…は?」「は?」 この時ほどフェイは他の二人の思っていることが理解出来た時はない。 つまりは『なんだ、ババアかよ』だろうなあ。と。 「「なんだ、ババアかよ」」 そして言っちゃうのがこの二人な訳で、メリルが二人をリンチにする時に巻き込まれる役割がフェイな訳で…。 「崩落の使徒、輝く紫炎を纏い、戦禍の雷光と成りて、楯突く傲岸不遜な輩の趨勢に光を下せ」 「へ?」「は?」「ん?」 いきなりメリルが意味のわからん詠唱を始めたので三人とも目が点に。 「エクスキューショナー」 静電気を帯びた紫色の魔方陣が足元に現れ、魔方陣の端から上空へと魔方陣を包むような円柱形の結界が張り巡らされる。 魔方陣の中心へとエネルギーが収束していき、そして執行の稲妻となり結界の中で紫電の余韻と空気を焦がす匂いだけを残して縦横無尽に駆け抜ける。 魔方陣の上に取り残された三人は…。 言わずもがな。 「あ、やりすぎちゃったー。まあいいやー」 いや、よくない。 フェイが目を覚ますと、覗き込む2人のシルエットがあった。 1人はユーク、1人はメリル。 蒸し暑い日差しの中、記憶が固まったかのように曖昧で、直前の記憶が思い出せない。 フェイはしばらく黄昏ていた。 ぼんやりしているとメリルが隣の人影の傍に移動した。 フェイが振り向き、それを見た時、記憶は唐突につながった。 黒焦げ。 ユークは反対隣で苦笑い。 メリルはと言うと、 「ヒーリング!」 どこかで聞いたことのある魔法を唱えた。 緑色に光る光の雨が降り注ぎ、光が触れたところから治癒が急速な活性化を見せる。 いくらかの時が経過した後、3人が見守る中、レナは目を覚ました。 「謝罪されてもなあ…」 先程、メリルが謝罪した時にユークが言った言葉だ。 こんな時ユークは寛大な器量で全てを許してしまう。 そのせいでフェイもレナも何も言えなくなるがユークはそれでも独断で許してしまうのだ。 もしかしたらユークが培ってきた、3人でいる時に役立つ豆知識のようなものなのかもしれない。 フェイは自分以外の3人の様子を見ながらそう思うのであった。 そんなこんなで、随所随所に見たことのない骨格の動物の骨が転がる。 恐ろしい。 † 干上がった土地を延々歩いて行くと、霧が薄くかかった先に、人為的な建造物のシルエットが浮かんできた。 氷雪都市リズラスノー。 高緯度の真冬に炎天下という異常な気象に見舞われたこの街は小さくも大きくもない。 しかし、人が如何せん少ない。 今まで歩いてきた荒地との相違点は動物の骨が少ないことと家が並んでいるだけくらいなものだ。 気象の変化に耐えられなかった人々は、土地と共に滅ぶか、または生まれ育った土地を捨てる。その二択しか選ぶ権利は残されていないのだ。 町の中は人が少なく、宿を見つけるだけで苦労した。 最終的に宿は、町の北側のシンボルとなる時計塔を臨む、町の中心街からは離れた場所になった。 もちろん、こんな時期に町やその周辺の観光に訪れる人は少ない。 部屋は驚くほどあっさりと取れた。 強烈に安かった。 人が町を出ていく時に町に入ってくる人は、その理由は殆ど考慮されず、第三者の目には異常に映る。 メリルがどこから出したのかわからないリズラスノー特有の通貨で支払いをしている時には店主は頻りに疑問を口にし、メリルに質問責めにしていた。 「どんな理由で来たんだい?」 「どこから来たんだい?」 「いつまでこの町にいるつもりなんだい?」 「こんな時に町に来るなんて珍しいね」 とりあえずいろいろ聞かれていたが、メリルは全て「えぇ」とか「はぁ…」で返していた。 いろんな意味で驚嘆だった。 部屋に向かう間にメリルが店主に聞こえないように小さく全員にこう言った。 「今日はちゃんと休んでおいてねー。大抵何か起こる前日に飛ばされるからー」 急激に明日を迎える気力がなくなった。 部屋はメリルの配慮か単に安かったのかわからないが、男女別室だった。 部屋に入ったのはいいが、やることがない。 「暇だな」 「うん」 ユークと二人で会話にもならない会話をする。 「そういえばユーク引っ越ししたはずなのにどうしてこのタイミングで戻ってきたの?」 「久しぶりに帰りたくなったからかな…、なんかよくわからないタイミングで帰ってきたことは自負してるさ」 ユークがあのタイミングで帰ってきて訳もわからず承諾しなければこんな意味のわからないことに巻き込まれなかった気がする…。 「いや、タイミングがご都合主義すぎるでしょ」 「まあ、引っ越してから暇だったしな」 そうなのか…。 もう、追及するのは諦めよう。 ご都合主義なんて実際にはよくあることなんだ。 自己暗示をかけるフェイだった。 「お前も引っ越しするって打ち明けた時には凄い怒ってたのに、また会うと素っ気ないな」 「えっ、そうだっけ?」 「泣いて怒ってたぞ。もっと早く言えとかな…そういえば無理矢理約束もさせられたな」 「ああ…うん、そうだった気がする…」 思い出すと恥ずかしいものである。 「変な約束だよなー。今度会ったら二度と…」 「お願いだからそれ以上言わないで…」 フェイがそう言うと、ユークはなぜか笑みを浮かべて自分のベッドに向かう。 「早く寝るように言われたんだろ?これ以上言われたくないなら明日に備えて寝ろよ」 「……そうする」 どうでもいいが、ユークの寝る早さは異常だ。 フェイがベッドに入って寝ようとする頃には既に隣のベッドから健康的な寝息が聞こえていた。 ちなみにユークは大の字だった。 † 翌朝、二人がまだ寝ていたのにメリルとレナが部屋に闖入。 半ば無理矢理叩き起こされた。 時計を見ると7時。準備も終わって起こしに来ている訳だから、女子勢は起きるのが早すぎる気がする。 「こら、起きなさい!」 「眠い…」 ちなみにフェイは、ユークの鼾によって睡眠時間を悉く削られた。 理不尽だ。 その日、午前。 気温が急激に上昇した。 昨日も30度は越えてそうな気温だったがそれよりも酷い。 例えるならサウナである。 室内なのに40度は届きそうである。 普通、旅人が訪れた次の日に気温が急激に上がれば旅人が真っ先に石を投げられるものだが、そうはならなかった。 その理由は簡単だ。 元凶が町の中央に現れたからだ。 町の中央は広場になっているらしいが、もちろん宿からは見えない。 北の端の宿だから町の中央までは走らなければならない。 「ねー、当たったでしょー」 この暑い中そんなことを聞いてくる。 そんなことはこの際どうでもいいのだが。 「あぢー…アイスほしー…クーラーほしー…」 レナが走りながらへばっている。 町の中央に近づく度に気温が上がるから無理はない。 「アイスくらいなら後でいくらでも買ってやるよ」 ユークが言う。さすがである。 「え!本当に!?よーし、頑張るぞー!」 それだけでいきなりやる気になるのだからレナもわかりやすいものである。本当に。 「……っ!」 誰かが息を飲んだ。 角を曲がり、広場が見えるとそこにいたのは限りない炎。 否、炎のように見える狐。 大きさは周りの建物ほど。 その熱さで辺りの水分は乾き切り、燃えやすい物は火を吹き、消し炭になっていた。 相貌は炯々として、静かにこちらを睨んでいた。 空は炎の照り返しで赤く光り、狐の足がついている地面はアスファルトが溶けている。 視界は陽炎。 太陽の光がいつもより強いように感じた。 「暑い…」 周りの温度がおかしい。 汗が自然に蒸発する。 ――こんな奴をどうやって…。 倒せるとは思えない。 しかし、その時、 「くちゅんっ」 「ん?」 超高音のくしゃみが響く。 急いで振り返りレナとメリルを見るが、二人は訳がわからないといった様子で、首をかしげている。 「くちゅんっ!」 もう一度くしゃみが響く。 その直後、 ぼわわわーん。 形容し難い音が背後で響いた。 「まさか……」 振り向いて見ると、先程まで巨大な炎の狐がいたところに普通サイズの狐がいた。 「「「「………」」」」 四人とも無言。 心なしか周りが涼しくなった気がした。 「アレルギーなんだよぉ…ふえぇ…」 狐はまだ泣いている。 全くなんというオチだろうか。 「あー…、わかった、何がわかったかわからないけどとにかくわかったからもう泣くな」 この文章の文法がよくわからない。 それでも狐は泣き止みそうなのはなぜだ。解せぬ。 「……ぐず…」 今思ったらどうして狐がしゃべったり泣いたりしているのだろうか。 クロスゲートかアビスゲートでもくぐっただろうか。 とたんに不安になるフェイであった。 急に辺りを強い光が覆った。 「な、何!?」 レナが驚きの声をあげる。 気温が低下していく中、いきなり閃光が駆けた。 「ああ、ごめん、もう移動みたい」 メリルがいきなりそう言う。 「えっ!?」「へっ?」「はぁ?」 三人はもちろん驚きの声。 「じゃあこの狐どうするの!」 「そんなの知らないしー。次の時代の森に放してもいいしそのまま連れて回ってもいいんじゃなーい?」 そんな無責任な…。 光が次第に強くなる。 四人と一匹を囲み、周りとは隔絶される。 狐はまだ泣き止まない。 † 外は、冬の色を取り戻し、気温は下がる。 しかし四人はそれを知らない。 光が消え、何も残らない。 振り出した雪はアスファルトの焦げ跡を隠し、普遍は不変のまま街に残る。 冬はこれからである。
https://w.atwiki.jp/akatonbo/pages/1446.html
again 作詞/44スレ185 赤い肘掛椅子に 少女が腰掛ける 白い肌の小さな 少女は目を瞑る 「これで4回目……」 赤い肘掛椅子に 少女が腰掛ける そして時計は夜を指す 白い肌の小さな 少女は目を瞑る そして少女は眠った 「これで3回目……」 赤い肘掛椅子に 少女が腰掛ける そして時計は夜を指す 白い小さな 少女は目を瞑る そして少女は眠った 少女が眠ると 父親が現れた 父親は少女を背負い 何処かへ連れ去ってく 「これで2回目……」 赤い肘掛椅子に 少女が腰掛ける そして時計は夜を指す 白い小さな 少女は目を瞑る そして少女は眠った 少女が眠ると 父親が現れた 父親は少女を背負い 何処かへ連れ去ってく 嗚呼...惨劇... 少女は 小さく刻まれて 男は 赤く染まり目を見開く 少女は 何処かへ捨てられて 男は 息を切らし逃げていく 「これで1回目……」 男は新しい妻と 幸せに暮らした 男には新しい 娘が生まれた 男の新しい家族 幸せな日々が 娘の一言で 崩れ落ちた 「今度は私を捨てないで……」 嗚呼...惨劇... 少女は 小さく刻まれて 男は 青く染まり目を見開く 家族は 男に捨てられて 男は 息を切らし逃げていく 「これで0回目……」 嗚呼...惨劇... 悲劇は 巡り繰り返されて 男は 無限の罪へと入り込む 悲劇は 二人に寄り添い 男は 息を切らし逃げられない 「これで何回目……?」