約 28,893 件
https://w.atwiki.jp/kyoumoheiwada/pages/29.html
番外編 ☆人斬りの涙☆ 提督「ああ! 俺のザクの斧がない!」 加賀「あの小さい斧ですか? 何かのゴミかと思って捨てました」 提督「なんだと!? それじゃあ俺のザクが手持ち無沙汰になるだろうが!」 加賀「知りませんよ。だったらちゃんと持たせてあげてください。 その玩具が持ってるの斧じゃなくてチュッパチャプスじゃないですか」 提督「なんかこっちのほうが強そうで……」 加賀「ああ、それはそうと提督。また横須賀の住民から依頼が来ていますよ」 提督「ザクの斧を探す依頼以外はしない」 加賀「分かりました。では受諾しますね」 提督「そうなの!? 本当に斧探す依頼なの!?」 加賀「依頼内容は人探しです」 提督「はあ? 誰だよ。ザク? それとも斧田さんとかってオチ?」 加賀「違います。ああ、でも人でもないようですね」 提督「やっぱりザクじゃねえか」 加賀「人斬りを探し討伐する依頼です」 提督「人斬り?」 加賀「最近この辺りで噂になっているんです」 提督「へえ……」 加賀「何でも、近いうちにこちらの方に現れるとか現れないとか」 提督「全くどこのるろうに剣心だよ。アホか人斬りなんぞ。 そんなもん流行りもしないっつうの」 提督「要は通り魔事件が横行しまくるかもしれないってことだろ?」 加賀「はい」 提督「そんなのかもしれないの領域だろ。 しかも町民の噂レベルのものだし」 加賀「それもそうですね。すみません」 提督「いやいいさ。ただ警戒しておくことに越したことはない」 この話は私と提督、そして彼女の出会いの話。 無力である私達の前に容赦なく襲い掛かる狂気。 どうすることも出来なくなった私達の前に 皆もよく知っている心優しい彼女はどう動いたのか。 これはそういう、悲しみの上に立つあの子の話。 噂は噂でしかない。 そういう考えがあったが、 あまりにも危険な噂ではあったために 警戒を強化しようという結論に至った私と提督。 しかしやはり噂でしかなかった”人斬り”の話。 私達で調べることは調べたがあまりいい情報は手に入らず。 そんな中で……。 北上「へえ~。それで人斬りってのは出てないんでしょ?」 提督「あったりめえだろ。そんな古臭いアホが出てたまるか」 提督と共に北上ラーメンに行った時でした。 珍しく客が一人だけ入っていたその日、 提督は北上さんに愚痴を溢していました。 北上さんは私と提督以外の唯一の客にも 話を振ることにしたようで……。 北上「お客さんは何か知ってる? 人斬りのこと」 提督「おいおい、こんな普通のお客さんをビビらせたらダメだろ」 北上「ああ、そっか。すいませんね。えへへ」 大井「もう、なんかもう少し明るい話題はないの?」 加賀「本当ですね。すみません」 「知ってるよ。聞いたことある」 提督「マジ?」 「ああ、マジさ。大マジだよ」 この時、私達は初めて出会いました。 服のフードを取るとそこには片目に眼帯をした女性だった。 それが天龍でした。 天龍「ああ、俺も長年追い続けていた奴さ」 提督「何?」 天龍「ああ。この目をやられた時からな。 あいつには仕返しをしなくちゃいけねえってずっと探して歩いてるのよ」 提督「そいつは助かる。何か情報はないか?」 天龍「教えてやってもいい。 だが、こいつは誰にも言っちゃいけねえ。いいな?」 提督「任せろ。そんな必要はねえよ。 そいつは俺が捕まえるからな」 天龍「ははは、そいつは頼もしいぜ。 あんた俺と協力しないか?」 提督「あんたとか?」 天龍「ああ、俺の名は天龍。よろしくな」 提督「いいだろう。協力しよう」 加賀「提督……」 提督「大丈夫さ。こいつは悪い奴じゃない。 俺には分かる」 こうして北上ラーメンで偶然の出会いを果たした 私達はその場で人斬りの情報を交換したのだった。 天龍は北上さんと大井さんに聞かれるのを嫌がる素振りを見せたが 二人は普通に仕事をしている最中だし聞かないようにする、 と言っていたのでそのまま続けた。 得た情報。 最初の人斬りは自身の親と殺したことから始まったそう。 人斬りは親を殺し、その重罪で故郷を追われた。 しかし、自分を追ってくる連中を次々に返り討ちにし殺すうちに 人斬りの異名で呼ばれるようになったとか。 人斬りには最愛の者がいた。 その人を連れ、その人を護るために刀を取り、 そしてついに最愛の者が病気で倒れた時、 救うために必要な薬と金を人から奪うようになってしまった。 追ってくる連中を返り討ちにし殺して逃げ延びていた間に すっかり自分の心を失ってしまい、本当の人斬りとして目覚めた。 今もその逃げの旅の中で人斬りをしながら移動を続けている。 天龍は被害者の一人で目をやられたそうだ。 その仕返しのために今は旅を続けているそうだ。 提督「なるほどねえ……」 加賀「なんだかにわかには信じ難い話ですね」 提督「ああ、人斬りに同情でもしちまうぜ」 天龍「最初俺も聞いた時は笑っちまったぜ」 提督「あんたもこの話は自分で調べたものじゃないのか?」 天龍「ああ、すまんな。信ぴょう性がなくて」 加賀「いえ、情報はいくつあってもいいものです。 ありがとうございます」 提督「心配すんな。俺と加賀がいれば…… きっと捕まえられるさ」 それから天龍と別れたあと提督と二人で鎮守府に帰宅する途中。 提督「しかし偶然もあったもんだなぁ」 加賀「はい。中々有益な情報だと思いますよ」 提督「そうか? まあ人斬りの裏の話は分かったのかもしれないけど、 結局はどうやって止めるか、だよな」 加賀「討伐するんじゃないんですか?」 提督「そうだなぁ~。まあそうなんだけども」 加賀「それより提督―― きゃああああああああ!! 提督「悲鳴!? 行くぞ加賀!」 加賀「!? はい!」 現場まではさほど遠くなくすぐに到着しました。 それがこの事件の始まりでした。 提督「人が倒れてやがる……」 加賀「……提督、この傷は刀で斬られたものです」 提督「マジかよ……。出やがったのか」 加賀「はい。……人斬りでしょう」 倒れていたのは若い女性。 この近辺に住む一般人だろう。 応急処置をし、救急車を呼ぶ。 ちょうど電話で呼び出しているあたりで先ほど別れたばかりの 天龍と再び合流したのでした。 天龍「……遅かったか。この人が殺られた時は見ていたか?」 提督「いや俺達も悲鳴を聞いてから駆けつけたから、その時にはもう……」 天龍「そうか」 加賀「これはやはり先ほど言っていた――」 天龍「ああ、間違いない。こいつは俺が追いかけている人斬りの仕業だ」 提督「とうとうこの町にも来たってことか」 天龍「そのようだな」 提督「やっぱり警戒は強化するに限るな」 加賀「ええ、そうですね」 それから救急車はすぐに現れ、 被害者を乗せていった。 私達は事情を近くにいた野次馬達に 話を聞いてみたところやはり誰も何も見ていないとのこと。 その事件が起きた次の日。 夜になると天龍から電話が。 内容はもちろん人斬りの被害についての電話。 天龍「ああ、今はもう被害者は病院に搬送された。 こんなに早いペースで襲われ続け居ているのは初めてだ」 提督「そうか……すまないな」 天龍「ああ、こっちの動きは任せろ。何かあったらすぐに連絡してやる」 提督「助かるよ」 提督は電話を切ると被害報告があった場所を大きめの地図に丸で印をつけていた。 一つ目の現場の丸と見比べるも結局は何も分からなかったようで、大きくため息をついた。 提督「まだ関連性は見えないか……」 加賀「こういった犯罪者は関連性など無く 無作為に行っている可能性の方が高くないでしょうか?」 提督「確かにそうかもしれない。だが、現場を抑えておくのに越したことはない。 予防線は張れるだけ張っておけ。」 今の所、共通点はどちらも夜になると人通りが少ない裏道であること。 まあ2件目の被害の時も誰も目撃者はいないとのことで、 そこを狙って行っているのだろうけれど。 後日。時間帯は夜ではなく夕方でした。 提督「まだ事件の起きていない夜になると人通りが少ない道に来てみた訳だが」 加賀「ええ、遅かったようですね」 提督「……とりあえず搬送しなくちゃな」 天龍「またか。すまん」 提督「いやいいんだ」 加賀「……提督?」 この時提督は妙に天龍と距離を取っていました。 何かを察したかのように。 いつもの超人的な直感で何かを感じたようでした。 被害者が病院へと搬送されたあと、 私達は現場に残っていた。 提督「……俺こそすまん。まだ日が沈みきっていないから油断していた」 天龍「ああ、今日はイレギュラーかもしれない。 いつもは日が完全に落ちた夜にしかやらないからな」 提督「なあ……天龍」 天龍「ん? どうした。何か分かったことがあったか?」 提督「お前……人斬りが誰なのか知ってるんじゃないのか?」 加賀「……提督、何を」 提督は薄々ではあるが感づいていた。 提督「一番最初に話した時から何か引っかかると思ってたんだよ」 天龍「何が言いたい」 提督「北上ラーメンでお前と話した時。 一番最初に絡んできたのはお前の方だった」 提督「それもちょうど人斬りの話をしている時に」 天龍「そうだったな。それがどうかしたのか? 俺は人斬りを追っているんだぞ。 何か新しい情報がないか普通は知りたいってもんだ」 天龍「それが全然知らない奴の適当な噂話のレベルだとしてもだ」 提督「……まあそれはいいさ。でもよ、あんたちょっと詳しすぎやしないか?」 提督「そしてあんたは確実に現場にいる」 天龍「……」 提督「それだけ詳しくて……どうして捕まえられない」 提督「何か理由があるんだろ?」 天龍「理由? なんだよそれは」 提督「……お前が人斬りだからだよ」 天龍「……」 提督「凶器はどこに隠した」 天龍「俺が人斬り? はははは! 馬鹿だなぁ」 天龍「それは根拠がなくて言ってるんだろ?」 天龍「何を言ってるんだあんたは……」 天龍「あんたは人斬りの現場にも遭遇したことない。 それなのに俺を犯人だと決めつけるのか?」 天龍「ちょっとそいつは早計すぎたな。 捜査ってのはもっと慎重にやるもんだぜ?」 天龍「答えはNOだ。残念ながら違うね。俺は人斬りじゃない」 天龍「だが、そう思うなら捕まえてみろよ。もちろん現場でな」 天龍「今は何も証拠がないんだろ?」 天龍はそれだけ言うと去って行きました。 私達はそれを無理に追わなかった。 ……というよりかは追えなかった。 角を曲がったところですぐに天龍は姿を消していたのだから。 私と提督は鎮守府に帰ってきて作戦を立てることにした。 加賀「どうするつもりですか」 提督「ふふふ、俺に策がないとでも?」 加賀「思ってました」 提督「作戦は単純だ。囮作戦を結構する」 加賀「分かりました」 提督「いや、まだちゃんと……。内容を聞きなさいよ」 加賀「私が囮になるのでは?」 提督「違うよ。俺だよ」 加賀「だめです」 提督「いいんだよ俺で。俺が捕まえるの!」 加賀「そんな子供のわがままみたいに言ってもだめです」 提督「……という訳でさ。加賀の服が欲しいんだ」 加賀「なっ……」 話を聞くとどうやら私の私服を借りて人通りの少ない道を 一人で歩いていれば襲われる可能性があると思ったらしい。 というかそれなら普通に私が私服で歩いていればいのでは? 後日。その作戦を結構する前の日。 私はある情報を手に入れて提督のもとへと走っていた。 加賀「提督っ。重要な情報が手に入りました」 提督「何?」 加賀「被害にあったものは重症ではあるが無事で その後事情を聞いた所、新しい法則がわかったんです」 加賀「それは事前に人斬りの噂話を聞いているということです」 提督「は? どういうことだよそれ」 加賀「ですから、襲われる前日かに天龍との接触があるんです」 提督「じゃあ結局俺達だって狙われる可能性があるってことか。 ますます加賀を私服で歩かせる囮作戦なんかできねえな」 提督「……待てよ。天龍と関わった奴が危ない……」 提督「北上達がやべえ! 急げ加賀!!」 私達は全力で北上ラーメンに走った。 辺りは暗くなり始めていて北上ラーメンはすでに営業中。 相変わらず人は入ってなかった。 提督「北上ぃ!」 北上「わっ、びっくりしたー。どしたの?」 提督「ふぅ無事か」 北上「え? 何が?」 加賀「大井さんは?」 北上「大井っち? 暇だしちょうど切らしてた材料の買い出しに」 提督「どこまで行った!?」 北上「何々さっきからどうしたのさ」 提督「いいから! 大井がやばいんだって!」 北上「えっと、駅前のスーパーまで行ったと思うよ」 提督「加賀はここに残って北上の護衛だ! 俺が行ってくる!」 加賀「はい。気をつけて下さいね」 ここからは提督が行っただけなので後から提督や他の人に聞いた話ですが……。 駅前まで全力で走ってスーパーの方まで行った提督。 そしてスーパーの帰り道を歩く大井さん。 大井「北上さんへのチョコまで買っちゃった。 喜んでくれるかなぁー? ふふ」 大井「ん? 誰?」 大井さんが見たのは黒いコートでフードを深くまで被った いかにもな変質者だったそうだ。 袖からチラチラと見えるのは刃物。 手ぶらだった大井はすぐに何かやばいと感じたらしい。 そして同時に店で提督達が話していた人斬りの噂を思い出す。 いざという時、いきなり自分の命の危機を感じた時 足がすくんで動けなくなるというのは本当らしく、 迫りくる人斬りにその場にへたり込むしかなかった。 大井「な、何あんた……だ、誰」 人斬りは返事もせずただ刃物を振りかざすだけ。 このまま刺されれば見事に新しい事件現場が出来上がる訳だったが……。 忘れてはいけないのは彼女も元軍人。 寸での所で刃物を避けてみぞおち辺りに蹴りをぶち込んだ。 怯んだ隙に刃物を奪わなくては、と思ったらしいが ぶんぶん振り回して近づくに近づけなくなったと。 そこにようやく遅れて登場するのがあの男。 提督「オラァァ!」 人斬りに卑怯にも後ろから羽交い締めにし 提督「大井!! 俺に構わずやれ!!」 あなたはラディッツ戦のピッコロさんですか。と言わんばかりの必死の羽交い締め。 大井「分かった!」 そして即答する大井さん。 躊躇なく蹴りをお見舞いし、提督ごと吹っ飛ばす。 倒れた所に提督が苦しみながらも詰めかけてフードに手を伸ばす。 提督「捕まえたぜ……天龍。ざまあねえな」 大井「危ないっっ!」 近づいた提督の油断を誘い反撃に別の刃物を懐から取り出した。 しかし斬りつけたのは提督ではなく提督を突き飛ばし庇った大井さんだった。 大井「あ゛ぁ゛ぁあ……ッ!!」 軽傷だったらしくまだ大井さんは動ける状態にあった。 そこに人斬りは止めをさしにきたが、それを止めたのは意外な人物だった。 天龍「おい、お前ら……!!さっさと逃げろ!!」 提督「天龍!? お前……お前が人斬りじゃなかったのか?」 加賀「提督……!!」 提督「加賀!? なんでここに!」 加賀「事情を説明したところどうせ人来ないし 閉店にして助けてに行きたいって聞かなくて」 北上「大井っち!! 大丈夫!? 大井っち!」 大井「北……上さん。ごめんね」 加賀「提督……ここで仕留めましょう」 提督「そのつもりだ。死んだ大井のためにも敵は討つ!」 北上「大井っち死んでないし。勝手に殺すなし」 天龍「待て!」 提督「何でお前が止めるんだよ」 天龍「だめだ」 私達と人斬りの間に仲介するようにいる天龍。 人斬りは不思議と天龍が間にいても天龍を攻撃することはなかった。 そしてその隙に人斬りは逃げていった。 提督「おい! 待ちやがれ!!」 提督「てめえ天龍!! どういうつもりだ!」 天龍「すまん。だが、今じゃないんだ」 天龍「あいつを捕まえるのは今じゃないんだ」 提督「……何言ってやがる」 提督「お前あの人斬りについて知ってることがあるんだろ!?」 天龍「何もない」 提督「ふざけんなお前! 俺が必ずなんとかしてやる……だから」 天龍「すまんっ」 それだけ言い残して天龍は走って居なくなった。 提督はすぐに追いかけていったがまたしても角を曲がった所で 姿を消されたらしくすぐに戻ってきた。 もう少し根性見せて追いかけたらどうなのかと思ったが黙っておく。 それから大井を病院に送った。 私達は急遽閉店にした北上ラーメンに戻ってきて、 護衛と称して一晩はそこに泊めてもらうことにした。 次の日の夜。 あの作戦はついに結構された。 天龍の言う捕まえるのは今じゃないという言葉。 次々と被害者が出る中でそんな時期は待っていられなかった。 私は私服に着替えた。 提督の設定だと”OL生活4年目にして早くも仕事に疲れを感じ始めた 木曜の夜の残業終わりで疲労しきった女性会社員”らしい。 一度顔を見られているので分からないように 眼鏡をかけて、髪はほどいていた。 提督たちが遠くから見守る中でハンドバッグに入れたサバイバルナイフ一本で あの狂気じみた人斬りから護身できるか少し不安だった。 ヒールをカツカツあえて大きく鳴らしながら歩く。 周囲の警戒は怠らない。 何も考えずにこの辺をうろつけばいいと言われていたのでそうしていたが 中々現れない人斬り……。 ぐるっと回ってきてこの辺も二周目に差し掛かるかもしれないと 思いながら道を曲がった時、ハッとした。 人斬りが道の真ん中に立っていた。 「加賀じゃねえか」 加賀「……?」 喋った? 前に大井さんが襲われた時は喋りもしなかったのに。 私はすぐに信号弾を発射した。 人斬りは深く被ったフードを取った。 それと同時に提督が現れた。 加賀・提督「……天龍?」 提督「何で……天龍! お前なんだ! 人斬りはお前じゃない! 昨日そう分かったはずだ! そうじゃないのか?」 天龍「いいや。この前にあったあいつこそが偽物」 提督「何言ってんだよお前……!」 天龍「俺が本物の人斬りだ」 天龍「人斬り天龍様だ」 天龍「ふふ……怖いか?」 天龍「一度殺ってみたかったんだよ。現役の将校をよぉ」 提督「狙いは俺か?」 天龍「いいや。お前たち全員さ」 天龍「提督、あんたを殺し、加賀も殺す。 あの仕留め損ねたラーメン屋二人も殺す!!」 天龍は大きな刀を持っていた。 やはり武器が違う。奴……じゃない? 提督「どういうことだ。説明しろ天龍!」 天龍「知られてたら困るんだよ」 提督「人斬りを……か?」 天龍「そうだ。人斬りの存在を知られていたら困るんだよ」 天龍「お前らみたいな奴が追いかけてくるからこっちは安眠もできねえ!!」 天龍「だから知ってる奴を殺す!!」 天龍「俺達の安眠のために!!」 俺達……? 提督「加賀、天龍は俺に任せろ。 お前は後ろを頼む」 天龍「……なっ、何で出てきやがった!! クソ……!!」 後ろを振りむくと……そこには別の人斬りが。 天龍「何で出てきたんだよ! 最悪のタイミングだぜ……龍田!!」 龍田「天龍ちゃんに何しようとしてるの」 天龍「やめろ龍田! 家に帰れ! お前は何も心配しなくていいんだ!!」 提督「そうか……。お前が本物の人斬りだな……」 龍田と呼ばれる女性は懐から刃物を取り出した。 あの時と同じ刃物。だがそれはすぐに形状を変え薙刀のような大きさになった。 刃渡りが随分大きいものだと思っていたら 持ち手の部分が伸びたようだったが仕組みは不明。 龍田「あたしの天龍ちゃんにいいいいいいいいいい!!!!! 何勝手に関わってんだああああああああああああああああ!!!!!!」 提督「加賀ァッッ!!」 提督の投げて寄越した軍刀を受け取る。 正直刀は専門外なのだし、刀で薙刀相手をしたことはなかったのだが…… もうやるしかない。 龍田「どけぇえええええっっっ!!」 一撃一撃が嫌に重い。 本気の殺意を感じる。 その私の背後でも同様に つばぜり合いが続く。 提督「訳を全部話してもらうぜ……」 天龍「チッ……退けよあんた!あいつは俺が止めなくちゃいけないんだ!! 加賀が殺されちまうぞ! いいのか!?」 提督「馬鹿が。うちの一航戦を舐めるなよ」 天龍「違うんだ! あいつじゃなくて本当に俺が人斬りなんだ……!」 提督「もうそんな嘘はやめろ!」 天龍「あいつは……あいつは違うんだ!」 提督「何でそんな嘘をつくんだ!」 天龍「嘘なんかじゃねえって」 提督「だったら何で辛そうに泣くんだ」 天龍「……俺の妹だからに決まってんだろ!!」 提督「……ッ」 天龍「……あいつがああなっちまったのは全部俺のせいなんだ。 だから俺が止めなくちゃいけないんだよ……」 生まれた時から仲の良かった姉妹は近所でも評判だった。 二人は順調に育っていった。仲が良すぎと評判になるほど仲の良さは一層増した。 ある時、天龍には恋人が出来た。 しかし、天龍の彼は軍人だった。 天龍の彼は深海棲艦との戦争で死んだ。 悲しみにくれた天龍を慰めたのは妹の龍田だった。 龍田は姉を溺愛し異常なまでに姉に執着していた。 龍田はそれ以来、天龍を悲しませる者が誰であろうと近づけなくしたのだった。 親も友人も。何もかもから天龍を遠ざけた。 天龍は次第に孤独になり龍田に頼るようになったが、 すぐに天龍もこれが龍田による陰謀だと気付き龍田に猛抗議する。 その時の喧嘩で目を負傷したらしい。 罪の重さから龍田は心に病を持つようになった。 守ろうと思っていた天龍を傷つけているのは自分だったと気づいたからだった。 その時、龍田の心は壊れてしまったらしい。 天龍と離れ次々と天龍と関わっていった人を斬りつけるようになった。 天龍関わった奴が一人もいなくなれば また天龍は自分の所に帰ってくると思ったらしい。 なんとも愚かな考えである。 天龍は龍田を止めるべくあとを追った。 だが、天龍は空回りばかりしていたことに最後まで気がついていなかった。 自分が別の町に行き、行く先々で龍田のことを聞いてまわれば 今度はその匂いを嗅ぎつけ町で龍田が人斬りをする。 そして辿り着いたのが私達のいる町だった。 そこでようやく天龍は龍田に追いつくことができたのはいいが、 取り逃がしてしまった。その後も人斬り行為は続き……。 そして大井が襲われた時、 天龍は思ってしまったのだった。 解放されたい。この呪いから何もかも解き放たれて自由になりたい。 いや、いっそのこと死んでしまいたい。 だが、最後に……龍田だけは何としても助けてやりたい。 その気持ちだけは残っていた。 彼女を救うために彼女を追いかけ始めた最初の心を忘れていなかった。 天龍はついに自分が人斬りとして名乗り出ようと決意した瞬間だった。 幸いにも龍田の顔はバレてなかったみたいだったし。 そして昨晩龍田と合流できた天龍は忠告した。 二度と人斬り行為はしないで欲しいと。 自分はもう大丈夫だから、傍にいてやるから、と。 自分が人斬りだと名乗り出ることで龍田は捕まらない。 龍田の罪を自分が被り、それで終わりにしよう。 姉思いの妹の優しさから生み出された間違いを 妹思いの姉の優しさで何としてでも助けてやりたい。 龍田「ハァ……ハァ……私の天龍ちゃんにぃいいいい!!」 加賀「……予想通り持久戦に持ち込めばこちらのが何枚も上手のようですね……!」 龍田「ハァー……ハァー……あ゛あ゛ああああああッッッ!!!!」 素人の薙刀など動きが読めれば何てことがない。 私は龍田の一振りを完全に見切り、避け、 顔面に拳を4,5発叩き込む。 加賀「ハァァッ!」 龍田「……がっ、あ、ぅぅぅ~……ッッ!!」 隙をついて龍田の関節を決め、薙刀を落とす。 龍田「ざ……触るなぁァアア!! ぐ、うぐゥォエ……」 本気で絞め落としにかかる。 天龍「やめろおおおお!! 龍田に乱暴をしないでくれえええええ!!」 提督「しまった! 加賀!」 天龍に突き飛ばされた私は龍田から手を離し地面に倒れる。 龍田はその場に力が抜け座り込み、その上から天龍が覆いかぶさるように守る。 天龍「本当は龍田はいい奴なんだよ……! 俺のせいで……俺のためにこんなことをしてるんだ」 天龍「もういいんだ……もういいんだ龍田」 天龍「俺は大丈夫だから」 天龍「もうやめてくれ……頼むから」 衰退しきった龍田に涙を流す天龍。 その光景はまるで私達のほうが悪者かのようだった。 天龍「二人で自首するからよ……もう許してくれよ」 提督「罪があるのはその人斬りだけだ。 天龍、お前は釈放される結局は離れ離れにになるのがオチだ」 天龍「だったらいっそのことここで俺達を殺してくれ」 提督「だめだ」 龍田「天龍……ちゃん? だめよ」 天龍「……龍田?」 龍田「ごめんね天龍ちゃん。天龍ちゃんは……ちゃんと生きなきゃだめよ。 罪に裁かれるのは私だけで十分……そうでしょ?」 提督は黙って頷いた。 それに天龍は提督を睨みつけるが提督は怯みもしなかった。 龍田「……提督さん……? 天龍ちゃんのこと……お願いできる?」 提督の返事は言うまでもない。 それから龍田は刑務所に入れられた。 提督の根回し(主に舞鶴さん方面)のおかげで死刑にはならずに済んだ龍田。 天龍は週一、多くて週ニで必ず通っている。今でもそう。 ちなみに根回しとっていもそれは殆ど舞鶴さんがやったらしい。 提督は舞鶴さんの元へ100回以上土下座しに行っただけとのこと。 最初は死んだ彼がいた軍に入るのはどうかと思ったが、 天龍に聞くと 天龍「ああ? んなもんの傷は龍田のおかげで癒えたから別に平気さ。 それに死んでった元カレが守ろうとしていたもんを今度は俺が守る。 あいつの代わりになれたら……それでいいかなって」 加賀「そう。ならいいわ」 こうして私達の鎮守府には提督と私に加わり新しいメンバーが来た。 天龍。 心優しき姉。 彼女の眼帯の下の秘密は私、以外は知らない。 提督も知らない。 今回の後日談。 お風呂の脱衣所でこんな会話が聞こえてきた。 鈴谷「うわぁっ!!びっくりしたぁぁ! 天龍姉の眼帯の下初めて見ちゃったよ~~……」 天龍「ああ? そうだっけか? 別に隠してたわけでもないけど」 摩耶「そうなのか? 思いっきりタブーに思ってたから触れなかったけど」 電「はわわっ痛そうなのです……」 愛宕「それで眼帯してたんだ。知らなかった~」 天龍「何だよそんなに気になってたのかよ。 だったらもっと謎の感じにしたままのが良かったか?」 鈴谷「で、それどこで傷つけたの? 転んだ?」 天龍「そんな訳ねーだろ」 電「摩耶お姉ちゃん膝隠してどうしたのです?」 摩耶「な、何でもねえよ! ほら、電さっさと風呂はいるぞ!」 鈴谷「誰かさんはさっき漫画みたいに転んでたもんねー? 効果音を付けるならずべーって転んでたよ」 摩耶「っっるせえ!!」 愛宕「まあ無理に聞くのも悪いわよ。人に歴史ありって言うでしょ?」 天龍「まあな。そうだなー。強いて言うならこいつは―― 天龍「愛の証かな」
https://w.atwiki.jp/sinnisioisinrowa/pages/299.html
Time Remaining ◆mtws1YvfHQ 鑢七花に在る選択肢は速攻のみ。 よく、その肉体を観察していた。 否。 するハメになったからこそ、真庭蝙蝠は理解した。 理解していた。 故にこそ。 遭遇戦。 その瞬間。 一瞬でケリを付けるつもりだった。 あるいは、鑢七花を――一種の切り札を使い潰す――巻き込むつもりで手裏剣砲改め永劫鞭を使った永劫砲を放つのにも躊躇するつもりはない。 なかった。 水倉りすかが、刃物を構えるのも見るまでは。 「――――七花っ!」 「ああっ!」 弾けるように叫ぶ。 それが合図だった。 『時間』との勝負だった。 「逃げよ!」 「あ――あ?」 驚いた表情を浮かべているのを、無視する。 足を止めた鑢七花を追い抜いて。 「ランドセルランドに――」 心底。 絶対的に。 言いたくなかった言葉を吐き捨てる。 だが、それが間違いなく正解だと頭ではなく体が理解していた。 真庭蝙蝠は。 暗殺者である。 虐殺者である。 殺戮者である。 コト、尋常な果し合いでの実力においては鑢七実と対すれば敗北し、通常の鑢七花と対しても辛勝出来るか出来ないか。 その程度だと、理解している。 しかし。 であるが。 真庭蝙蝠は。 暗殺者である。 虐殺者である。 殺戮者である。 コトが殺しのみであるのなら。 経験が違う。 年季が違う。 回数が違う。 密度が違う。 故にこそ。 鍛え上げられて来た勘がある。 勘があった。 勘が言った。 目の前に居るのは死であると。 大穴のように。 大淵のように。 大空のように。 大海のように。 大地のように。 避けようのない代物であると。 死の数々を見て来た直観が告げる。 ウダウダと何か言いそうなのを眼で制す。 あの女が真庭忍軍を生き返らせると言わないのであれば、こう言うしかない。 「わたしのために行って、勝て! そして」 ここまでは良し。 であるならば。 どうするか。 刃を己の腕に突き立てようとする水倉りすかを眺めながら。 冷静に。 冷徹に。 冷酷に。 瞬時に可能性を計算する。 片方を囮に片方を生き残らせる。 本来なら。 鬱陶しさ極まる鑢七花を切り捨てて己のみで逃げるのが。 正答だっただろう。 正解だっただろう。 正統だっただろう。 だが。 鑢七実が計算を狂わせる。 球磨川禊が計算を狂わせる。 この組み合わせに勝てるのか。 結論。 勝てない。 おれでは、勝てない。 正道も邪道もどちらでも。 だからこその鑢七花だった。 それを此処で捨てるのはどうか。 結論。 一瞬しか持たない。 そして水倉りすかの出来る瞬間移動があるのなら、稼げる時間が一瞬では駄目だ。 一瞬ではいけない。 片方なら納得できた。 片方なら妥協できた。 だが両方なら駄目だ。 両方では、いけない。 勝利と、時間稼ぎを。 その両方を満たせない以上は自分でやるしかない。 絶望的に低い可能性であってもそれに賭けるしかない。 「全員を生き返らせるのだ!」 躊躇い気味に、走っていく姿を眼で追う。 クソが。 遅い。 死ね。 そんな悪態が出て来そうになるが、そんな時間も惜しい。 喉に手を当て、視線を戻す。 『のんきり・のんきり・まぐなあど』 おぞましい光景だった。 血の海。 間欠泉の如く溢れ湧くそれを、見たことがない。 今まで幾十、幾百を殺してきた真庭蝙蝠をして、人体からあれほどの血が出てくる様を知らない。 いや、ハッキリ言おう。 出るはずがない。 だが実際に起きている以上は、あれは水倉りすかが原因だ。 『ろいきすろいきすろい・きしがぁるきがぁず』 何があればああなるのか。 見れば見るほど訳が分からねえ。 理解し難い。 見え隠れする何かが頭蓋骨に染みる。 痛む。 軋む。 『のんきり・のんきり・まぐなあど』 だから。 理解を放棄する。 放棄してただ、考える。 『ろいきすろいきすろい・きしがぁるきしがぁず』 考察の材料は幾つかある。 まず一つ。 瞬間移動の能力だ。 瞬間移動。 瞬間的に移動する。 移動範囲は何処から何処までか。 『まるさこる・まるさこり・かいきりな』 は。 正直、然程に重要じゃあない。 移動。 それには二つの壁が立ちはだかる。 『る・りおち・りおち・りそな・ろいと・ろいと・まいと・かなぐいる』 距離と時間だ。 逆に言えばこのどちらかを解消できれば瞬間移動は可能になる。 『省略』出来る。 だろう。 としか流石に思えない。 『かがかき・きかがか』 そしてもう一つ。 おれ達が近寄らなくなった途端、自分に刃を突き立てた。 自分から近寄らずに、だ。 忍法・骨肉細工で過去に見た姿を真似出来なかったような制限があるはず。 自分から寄ろうとしなかったなら、その能力にあるのは範囲制限じゃあない。 『にゃもま・にゃもなぎ』 恐らくは、骨肉小細工での相乗りで生じたような時間制限。 ならばすべきは時間稼ぎか。 だが、距離を無視できる相手にどれだけ稼げる。 稼ぐ必要が出てくる。 分からないのは、酷く困る。 『どいかいく・どいかいく・まいるず・まいるす』 頭から手を放す。 暴君の頭脳は乗せた。 青く染まる髪を見られたところで気にもしないだろう。 何せ奴は、おれを見ていない。 見ているのは所詮、生き残りの一人程度の価値だ。 己が上位で居ると言う確信だ。 その余裕は利用出来る。 『にゃもむ・にゃもめ――』 賭けは、後に回せれば回せるほどいい。 喉に触れる。 暴君の相乗りはクるが、一分も掛からないだろう。 おれの体とは言え、我慢してもらうとしよう。 痛いのは別に好きじゃあないが仕方ねえ。 『――にゃるら!』 女が、笑った。 いかにも水倉りすかが成長したような女が。 「ふぅぅぅ…………三十秒だけ話に付き合ってやるぜ、真庭蝙蝠」 「きゃは。どんな手妻だ、お嬢ちゃん?」 三十秒。 ならばその倍を稼げれば見込みはある。 逃げさせられる見込みが。 「手妻じゃねえよ、魔法だよ。 色々と世話を掛けた礼もある。 何より冥途の土産ってヤツだ。 薄々勘付いてそうだから言ってやるが…………『時間』だ!」 三十秒。 その重みが増した。 が、口が軽いのはやはり余裕か。 なら虚を突ける。 時間の操作。 なのに三十秒。 ならば操作出来るのは絶対的に流れている時間じゃない。 「属性は『水』。 種類は『時間』。 顕現は『操作』。 成長したあたしの前に、時の流れなんて何の意味も持ちやしない!」 そうじゃなけりゃあ、ずっと今の姿のままのはず。 何の意味も持たないってのは大言だな。 出来るのは自分に関する時間への干渉のみって所か、負荷が大きいか。 ともあれ、おれの時間で三十秒。 その時間。 冥途の土産に、 「っと――ここまで」 貰って行こう。 顔を伏せたまま。 声を発す。 「だッ……?!」 「《跪け》」 三十。 膝を付いた。 隙に喉を弄る。 二十九。 少し驚いた顔をし。 二十八。 力を入れようとして。 二十七。 だが立てない。 「あたしの時間を」 二十六。 小細工する。 二十五。 一瞬でバレて良い。 一瞬だけ騙せればいい。 二十四。 要所は、既に押さえてある。 喉を抑えたまま顔を上げる。 「少し戻したぜ――」 「ぼくを殺すのか?」 二十三。 おれの顔を見て止まり。 二十二。 口から出る、供犠創貴の声。 それを聞いて。 二十一。 驚き。 二十。 固まり。 十九。 歪み。 十八。 歯軋りし。 十七。 憤怒に染まる。 「蝙蝠ィィィィィィィイイイイイ」 十六。 十五。 十四。 十三。 その間だけで十分だ。 叫んでくれて有難う。 喉の調整が済んだ。 出力は怪しいが。 出来る。 「《爆ぜろ》」 十二。 ピー。 と。 鳴った。 「イイ!!!!! ――え?」 『禁止エリアへの侵入を確認』 十一。 誤作動。 望んだ物じゃない。 だが、良い。 十。 意識が逸れた。 九。 おれから、首輪を見た。 八。 この一瞬は想定外。 その一瞬も頂いた。 七。 三秒掛けて吸い上げた空気と。 冥途の土産を、 六。 『30秒以内にエリア外へ』 「――手裏剣砲!!!」 五。 喰らうが良い。 改め、永劫砲。 四。 無闇無数の鞭がバラけながら、水倉り 時間は僅かに戻る。 鑢七花が背中を向けて逃げ出したばかりの頃に。 「とがめ――っ!」 一切の躊躇なく。 鑢七花は走っていた。 全盛の頃より遅い。 それでも走っていた。 何故か。 簡単だ。 命じられたから。 「ランドセルランドに、わたしのために行って勝て」 そう。 命じられたから。 走っていた。 何故。 何故、走っているのか。 鑢七花に疑念が尽きない。 何故、走っているのか。 とがめを置いて、何故。 分かっている。 分かっている。 ランドセルランドには、あの人が居る。 姉ちゃんが、居る。 勝てるのか。 おれに、勝てるのか。 勝てるのか、じゃあ駄目だ。 勝たないといけない。 どうやって。 どうやれば勝てる。 いやそもそも。 とがめがいないのに。 隣にとがめがいないのに。 おれの隣にとがめがいないのに。 勝つ必要が、あるのか。 意味が分からない。 意味が見当たらない。 「おぬしは悪くないのだろうよ」 ああ、そうだ。 おれは悪くない。 そうだろう。 おれは悪くないんだ。 仮に姉ちゃんに勝てないとしても。 初めから、おれじゃあ勝てないって言ってたのに。 だから負けたとしても、おれは悪くない。 悪いのはおれじゃない。 「おれは初めから言ったんだ」 とがめが一緒に居てくれるなら。 そう言ったのに。 だから。 『おれは、悪くない――悪いのは、とがめだ』 【二日目/早朝/E-6】 【鑢七花@刀語】 [状態]右手欠損、『却本作り』による封印×4(球磨川×2・七実×2)、病魔による激痛、『感染』? [装備]袴@刀語 [道具]支給品一式 [思考] 基本:『おれは悪くない。だって、おれは悪くないんだから』 0:『とがめの言った通りランドセルランドに向かう』 1:『とがめのために戦う。そして全員生き返らせる』 [備考] ※時系列は本編終了後です ※りすかの血が服に付いていますが『荒廃した過腐花』により腐敗されたようです ※不幸になる血(真偽不明)を浴びました。今後どうなるかは不明です ※掲示板の動画を確認しました ※江迎怒江の『荒廃した過腐花』の影響を受けました。身体にどの程度感染していくかは後続の書き手にお任せします ※着物の何枚かを途中で脱ぎ捨てました。どの地点に落ちているか、腐敗の影響があるかは後続の書き手にお任せします ※着物は『大嘘憑き』で『なかったこと』になりました ※『大嘘憑き』により肉体の損傷は回復しました。また、参戦時期の都合上負っていた傷(左右田右衛門左衛門戦でのもの)も消えています ※寝てる間に右手がかなり腐りました。今更くっつけても治らないでしょう 「ジャスト――ゼロ秒」 『この首輪は爆発します』 何かが。 抜け落ちる。 鑢七花はそれを見た。 己の胸から突き出、萎びるように細まっていく腕。 その先で脈動している、何かを。 「見れたのは、良い夢だったの?」 『禁止エリアへの侵入を確認』 細まった腕が抜ける。 同時に、その体が崩れ落ちる。 ギリギリのところで、間に合った。 『30秒以内にエリア外へ退避しない場合、この首輪は爆発します』 結論から言おう。 水倉りすかは間に合った。 真庭蝙蝠を消し去り。 鑢七花も殺す。 ギリギリのギリギリ。 高々二人を殺し切るのに三十秒も要らないと侮って。 大半の時間を真庭蝙蝠一人に消耗させられながら。 ギリギリのところで間に合った。 そこで。 前へと倒れた鑢七花とは対照的に。 後ろへと、水倉りすかは倒れた。 「ゥ、ぁァァゥぁァぐァアぁァァああッ……!」 肉体へのフィードバック。 過剰極まった能力の代償。 辛うじて。 周りに聞こえてしまえば危うくなる。 その意識が働いて声を抑えてはいた。 しかしそれも、 『禁止エリアへの侵入を確認。30秒以内にエリア外へ退避しない場合、この首輪は爆発します』 まるで無意味。 鳴り響く首輪の音が、情け容赦なく居場所を知らしめる。 そして悶え苦しむ水倉りすかをそのままに。 『時間』は容赦なく。 三十秒を、超えた。 【真庭蝙蝠@刀語 死亡】 【鑢七花@刀語 死亡】 【水倉りすか@新本格魔法少女りすか 生存】 『禁止エリアへの侵入を確認。30秒以内にエリア外へ退避しない場合、この首輪は爆発します』 『禁止エリアへの侵入を確認。30秒以内にエリア外へ退避しない場合、この首輪は爆発します』 『禁止エリアへの侵入を確認。30秒以内にエリア外へ退避しない場合、この首輪は爆発します』 『禁止エリアへの侵入を確認。30秒以内にエリア外へ退避しない場合、この首輪は爆発します』 『禁止エリアへの侵入を確認。30秒以内にエリア外へ退避しない場合、この首輪は爆発します』 『禁止エリアへの侵入を確認。30秒以内にエリア外へ退避しない場合、この首輪は爆発します』 「…………生きて、る……?」 悶え苦しむこと、暫く。 ようやくそれらを飲み下すことに成功した水倉りすかが呟いた。 同時に。 口から溢れた血が喉に詰まろうとするのを横に向いて垂れ流し、辛うじて気道を確保する。 胸の上下。 それに合わせて出てくる咳と鮮血。 痛みが、まだ生きていることを自覚させた。 何故。 その言葉が過ぎる。 鳴り続けている首輪の警告が、己の死のリミットだと思った。 思ったから、無理矢理にでも殺しに掛かったと言うのに。 生きている。 生きている。 生きている。 生きている、と言うことはつまり。 「間違いなの。この言葉は――?」 『禁止エリアへの侵入を確認。30秒以内にエリア外へ退避しない場合、この首輪は爆発します』 禁止エリアに侵入していない。 以上は、退避する必要がない。 当然の理屈だ。 なら、この首輪が発しているのは、本来は侵入した場合に発せられる警告。 その警告の誤作動。 それだけだった。 何ともなしに首輪を撫でていた手が、血溜まりに落ちる。 気が抜けたのだ。 最早間に合わない。 そう思ってしまったが故の決死行。 一念が、幸か不幸か外れたことに。 気が抜けた。 「は、ぁ゛……ぶ、ぐゥづ」 それでも。 睡眠による逃避も許されない。 全身を蝕む痛み。 腹底から喉元を過ぎていく血の味。 喧しく鳴り続けている、首輪の音。 それらが、僅かな逃避を許さない。 だが水倉りすかはそれを甘受する。 己の身に、限界が近いと察しても。 そう。 水倉りすかは止まれない。 留まるつもりもない。 気怠げに。 泥から身を起こすようにその上体を起こし、足元を見た。 自分とは違って俯せに倒れ、動かない肉。 腹が痛んだ。 空腹に。 「…………」 『禁止エリアへの侵入を確認。30秒以内にエリア外へ退避しない場合、この首輪は爆発します』 立ち上がらぬまま。 躰を捩るようにその背に乗りかかり、ゆっくりと口を開く。 触った感じは、硬い。 筋肉質で、キズタカのように、軟らかくはない。 だけれども。 食べれないほどでは、ない。 「いただきます」 の言葉もなしに。 水倉りすかは大口のまま。 ガブリ、と。 ズブリ、と。 グチリ、と。 食らい。 飲み。 喰らい。 呑む。 キズタカのモノのように効率的ではなくとも。 少しでも。 僅かでも。 木端でも。 ちょっとだけであったとしても。 回復させなければならない。 空腹と言う本能に駆られて。 失った血肉を求めて血肉を貪る。 『禁止エリアへの侵入を確認。30秒以内にエリア外へ退避しない場合、この首輪は爆発します』 もしも――が、あるとするならば。 それはこの時だったかも知れない。 目の前の肉に喰らい付かなければ。 真庭蝙蝠の肉体を残していたなら。 自分の血の匂い以外感じられれば。 己が口を付けようとした死肉から発せられる、病毒と腐敗の薫を感じられていたならば。 鑢七実の『却本作り』によりオマケ感覚で加わっていた『病魔』。 江迎怒江の『荒廃した過腐花』によって塗りたくられた『感染』。 その二つに侵された肉を。 己の腹に詰め込もうなどと、思わなかっただろうに。 「 ぅヴぃぃぐぐがァァああが、ギがァァあォィっが、ァ、ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」 良くて即死。 悪くて悶絶。 その悪を引いたのは偶然とは言えないだろう。 幾度も訪れた死の痛み。 それを乗り越え続けてきてしまったが故の弊害が、恩恵か。 あるいは。 血が独りでに、無意識的に働いているのか。 動けた。 動けてしまえた。 動けてしまえば、動くしかない。 「キズ、タカ……キズタカァ……!」 『禁止エリアへの侵入を確認。30秒以内にエリア外へ退避しない場合、この首輪は爆発します』 痛々しさを乗り越えて。 禍々しさが身を乗り出す。 血涙と血泡を零しながらも。 新本格魔法少女は歩き始める。 向かう先は、ランドセルランド。 終局の『時間』は近い。 【二日目/早朝/E-6】 【水倉りすか@新本格魔法少女りすか】 [状態]身体的損傷(内外両方・中)、魔力回復、経口摂取による鑢七実の『病魔』と江迎怒江の『感染』の両方を罹患 [装備]手錠@めだかボックス、無銘@戯言シリーズ [道具]支給品一式 [思考] 基本:優勝する [備考] ※九州ツアー中、蠅村召香撃破直後からの参戦です。 ※治癒時間、移動時間の『省略』の魔法は1時間のインターバルが必要なようです。 現在の再利用までの時間は約50分です。 なお、移動時間魔法を使用する場合は、その場所の光景を思い浮かべなければいけません ※大人りすかの時に限り、制限がなくなりました ※それ以外の制限はこれ以降の書き手にお任せします ※大人りすかから戻ると肉体に過剰な負荷が生じる(?) ※『感染』しました。腐敗しながら移動しています。 ※肉体が限界を迎えつつあります。 ※首輪から延々と、 『禁止エリアへの侵入を確認。30秒以内にエリア外へ退避しない場合、この首輪は爆発します』 と鳴り続けています。 ※E-5に不自然に繰り抜かれた地面と、その真ん中に真庭蝙蝠の首輪が残されています。 ※E-6に食べ掛けの鑢七花の死体があります。 死亡時に所持していた支給品一式はそのままです。 待ち人は来ず 時系列順 Q&A(12+1) 待ち人は来ず 投下順 Q&A(12+1) 「柔いしのびとして」 水倉りすか Q&A(12+1) 「柔いしのびとして」 鑢七花 GAME OVER 「柔いしのびとして」 真庭蝙蝠 GAME OVER
https://w.atwiki.jp/tohofight/pages/2289.html
「うー……安価指定で取ってもらえたからよかったものの、まさか蒟○畑にこんな攻撃力があるなんてね」 「大丈夫ですかお嬢様? 単純な力では比べるまでもありませんが、相手はあの『サブミッション腕相撲』の開祖です。何か作戦を立てた方がよろしいのでは?」 喉のブツが取れたとはいえ、まだ若干呼吸の荒い主を気遣う咲夜。 しかし、レミリアはゼリーごときに苦しめられたことで失ったカリスマポイントを取り戻すべく大きな声で宣言する。 「よく聞け下々の者よ! 私は生まれながらの王者である! よって、人形師が小手先の技を使ってこようとも、それを力のみでねじ伏せてみせようぞ!! 生まれながらの王者が根本的にお前たちとは格が違うということを知るがよい!! ……っと、カリスマ演説で相手を圧倒したところでお菓子お菓子♪」 大きく(決して大きなではない)胸を張ったレミリアがこっそりと懐からカップ入りゼリーを取り出して口に含む。 今度は詰まらせないようによく噛もう。私は同じ過ちを繰り返したりはしない!(キリッ) 「お嬢様! 蒟○畑が!!」 「むぐっ!?」 咲夜が突然大声を出したことに驚き、反射的に口内のゼリーを飲み込んでしまう。無論、まだ噛んでない。 またやっちゃった……。 またしても喉に詰まらせたことを悟らせないよう、首だけで振り返りアイコンタクトで咲夜に先を促す。 「いえ、館のメイドが喉に詰まらせたら大変なので回収したんですが、何度数えても数が足りないので……」 くだらん。放っておけと言わんばかりに視線を外し、対戦者であるアリスの方を見る。 「技と力の対決ってわけね? 面白そうな趣向じゃない。 うーうー言ってるだけのお子様かと思ってたけど、少し見直したわ」 レミリアは黙ってアリスを見つめ返す。取ってすぐにまたゼリーを詰まらせたことが知られれば、カリスマどころか学習能力ゼロと評されかねない。 下手に呼吸しようとすれば逆に苦しい。レミリアはお風呂に潜るときのように息を止めたまま、黙って台の上に腕を乗せて構える。 「まるで息をしていないかのように呼吸が落ち着いてる……貴女、かなりできるわね」 (息できないんだってヴぁ!! 長引くと苦しいからさっさと始めてよー!!) 「これは油断してかからない方がよさそうね。 気合入ってるところ悪いんだけど、ちょっと王者らしく悠然と構えて待ってもらえる?」 (あーだめだー。なんか視界が霞んで……) 「おぜうさまーー!!」 「待たせたわね。どっちが負けても恨みっこなしで力と技の対決を……って、あれ?」 結果:再度ゼリーを喉に詰まらせたレミリアが、呼吸困難により試合前に脱落。アリスの不戦勝。
https://w.atwiki.jp/83452/pages/11825.html
わぁ、すごいよ 通学路、私の少し前を歩いていた彼女が街頭のオレンジの灯りの下ではしゃぎながら言った 私の目の前でゆらゆらと揺れるマフラーも彼女に従うように空中で踊っている 「もう、唯先輩転んじゃいますよ」 なんて形だけは注意をしてみたりするが、嬉しいのは私も同じだ 雪なんて今年はもう見れるとは思っていなかったから なにより――彼女とこのときを一緒にいられたことが嬉しかった 「でも、珍しいですね。もう3月だって言うのに」 「ほんとだねー。でもこれが最後になるかもしれないね」 そうですね その言葉が喉まで出かかった時、ふと自然に引っ込んでしまった 彼女がまだなにかを伝えようとしていたから 「あずにゃんと今年最後の雪見かぁ……えへへなんだか照れるね」 でもそれは私の言いたかった言葉 彼女が自分の言った言葉に恥ずかしそうに、だが嬉しそうにはにかんだ 恥ずかしいのならば、言わなければいいのに とは言わない おそらく私の顔も赤くなっていて、もし言葉にしたときそれが上擦っていたらもっと赤くなってしまうから 「でも、案外また降ることがあるかもしれませんよ」 照れ隠しには違う言葉が出た きっと、親友の一人はわたしに「もっと素直になればいいのに」というだろう でも私にはまだしばらくそうはなれそうもない 「ふふ、じゃあ、あずにゃん」 彼女がその笑みを保ちながら、振り返る 「そのときも一緒に見ようか」 彼女は卑怯だ。 そんな不意打ちをくらってはどうしようもないではないか ――だから私はゆっくりと頷く 「そうですね」 頬が熱い 雪がさきほどから私の頬にも落ちてきているが、一向にこの熱はとれそうにもない すると目の前にいた彼女の腕が私の頬にのびた と私の頬をさっと撫でるように触れると 「あずにゃん、頬に水滴がついて泣いてるみたいになってるよ」 そのまま水滴を拭うと、彼女はふと思いついた顔をした そしてそのままもう片方の手も伸ばし 「あずにゃんの頬あったかいねー」 私の頬を両の手で挟む 彼女は手袋をしていなかったため、すごく冷たい手をしていた 「もう、やめてくださいよー。ところで唯先輩」 「あったかあったか~、なに?」 「手袋はどうしたんですか?」 「えっとね、憂が忘れてきたって言ってたから、貸しちゃった」 彼女の妹――憂は私の親友の一人だ 本当に仲のいい姉妹だ。 姉は妹を常に想い、妹も姉のことを常に想っている その姉妹の仲の良さに嫉妬を覚える私は、おそらくいけない子なんだろう それを自覚しながらもなお、私はそれがとても羨ましかった 「ねぇ、あずにゃん」 「はいなんですか?」 「知ってる? 手が冷たい人は心が温かいんだよ」 彼女が右手で私の手をとった。 そして私の手袋を器用に脱がせ、自分の手を絡ませる 「つまり、唯先輩は自分の心が温かいっていいたんですね」 少し意地悪な質問をしてみた 「さぁ?あずにゃんにはどう感じるのか教えてよ」 彼女は意地悪な笑みで返した まったく……この人にはかてないなぁ 「唯先輩の手は間違いなく冷たいです」 「その先の言葉もききたいな」 私の素直じゃない心があえて避けた言葉を、彼女は嬉しそうにほしがった 「……唯先輩の心は暖かいです」 今度は自分でも驚くほど素直な言葉がでた それは私が言いたかった言葉でもある 「えへへ、そうかな~」 「もう、自分で言わせておいて照れないでくださいよ!」 本当はもう一つ言いたいことがあった だが、それを言うわけにはいかない 今回彼女の手を握ったのは、たまたま私が一緒に帰り たまたま起こった出来事なだけだ だから――この言葉を言うわけにはいかない 言えば…… ――親友の悲しそうな顔が浮かんだ 「それじゃあね、あずにゃん」 いつの間にか私達はいつものお別れの場所にきていた。雪もすでに止んでしまっている 彼女との帰路ももうおしまいだ すでに卒業してしまった彼女とはもう2度と同じ立場で同じ意味で同じ距離を歩けない 彼女はいつも私の一歩先をいってしまう ……あぁ、そういえば憂もそんなことを言っていたっけ 思い出した親友の顔は、やはりどこか寂しそうだった きっと私も今そんな顔をしているのだろうか 「はい、さようならです。先輩」 本当は さようなら なんて言いたくはなかった だってまるでもう会えないみたいではないか だから、おもいっきり微笑みながら言ってやった たまには私の素直じゃない心も役に立つ 「違うよあずにゃん。またね だよ」 今の私は一体どんな顔をしているのだろうか いや、決まっている。 きっと鏡で見たら、あとから思い出して恥ずかしい思いをするような顔をしているんだ 「はいっ、またです!!」 そうして彼女はまたヒラヒラとマフラーを揺らしながら歩いていく 今度は私とは違う方向へ 梓「―――――――」 言えなかった言葉を彼女には聞こえないように今呟いた ▼ 彼女達にとってそのマフラーと手袋は特別なものだった そんな話を彼女からもそしてまた彼女からも聞いたことがあった 彼女だけは私の気持ちを知っていた。私がそのことを告げるよりも前に それは当然なのかもしれない なぜなら彼女は、私にも彼女にも近い位置にいたのだから 「たまにとても憂のことが羨ましくおもうよ」 ふと何気ない会話の途中、ついそんな言葉がこぼれてしまった 本当は秘めておくべき言葉だった なぜなら、私も本当は彼女の気持ちをしっていたから 「えー?そうかなぁ」 彼女はそれでも笑みを絶やすことはなかった だから、必死にごまかそうと考えていたのに 「でも、私も梓ちゃんがうらやましくおもうよ」 「え?」 予想外の答えに、自分でも驚くほどマヌケな声が響いた 「梓ちゃんって、お姉ちゃんのこと大好きでしょ?」 唐突にきた言葉に私は何もいえない 「私知ってるよ。きっとお姉ちゃんも梓ちゃんが好きだよ」 私はそのとき黙ったままだった いや、黙らざるを得なかった 頭が真っ白になっていたのだから 「私は梓ちゃんがうらやましいよ」 もう一度告げたその顔はやはり微笑んでいた だから、私は何か言わなければいけない気がした 「そんなっ!! 私は憂が羨ましいよっ!! だって唯先輩に一番近いのは憂だもん」 それが本心だった 彼女とこれからも笑うためには、これだけは言っておかないといけない そう思った。だから秘めた言葉を彼女に投げつけたのだ 「そうだね……でもそれは時間制限つきの一番だよ」 そのとき彼女は微笑まなかった 少し悲しそうな眼をして、伏せるようにうつむいていた 「ねぇ、梓ちゃん?」 沈黙のあと、彼女が静寂を破った 「梓ちゃんは私のどこが羨ましかったの?」 「私は……」 あらためて考えてみれば、それはたくさんあった それを自覚した時、自分のことが嫌になった ……あぁ、私はこんなにも憂が羨ましかったんだ そのなかでも一番大きい妬みを心の奥底から引っ張り出す 私が最もうらやましく思い そしてそれは絶対に私が手に入れられないものだ 「私は、二人で仲良くマフラーを巻きあって、手袋を貸し合って……そんな光景がうらやましかった」 それは私の一番汚い部分。 それでも私は吐き出さずにはいられない 「それはきっと唯先輩と憂にしか許されないものだから……」 「そっか……」 憂が珍しく言葉をつまらせた 「でも、あの場所もきっと時限付き。だから……」 それ以上彼女はなにも言わなかった 彼女は困った顔で笑いながら、泣いていた その顔は私の大好きな人が困った顔をしたときにする顔そっくりで 私は次の言葉を失ってしまった 「ねぇ、憂……憂は私のどこがうらやましかったの?」 沈黙を破ったのは、今度はこちらだった 「私はね………きっと梓ちゃんとお姉ちゃんの関係、それ自体が羨ましかったんだとおもう」 彼女の言葉が続く 今度は彼女の番だった 「さっき言ったよね。梓ちゃんはお姉ちゃんが好きで、お姉ちゃんも梓ちゃんが好きって……」 「でも、それは……憂だって……先輩は憂のことが好きだし、憂も先輩のことが」 「違うんだよ、梓ちゃん。だって意味が……」 彼女の声のボリュームが少し大きくなった後、また萎んでいく 「私はできることなら……うんうんなんでもない……」 それは彼女の奥に隠していた本当の気持ちだろう 同時に切実な、それでも叶わないと知っていたからこそ隠していた願いなのだろう そして今一度出かかったそれはもう一度隠れてしまった 「ねぇ……憂はさっき意味が全然違うって言ったよね」 今、私は残酷なことを告げようとしてるのかもしれない きっと私は後から後悔するだろう それでも彼女は優しいからきっと―― 「姉妹同士だからってことだよね。でも、それを言うのなら私だって女だよ。認められないのは私も……」 「……」 「それに憂の気持ちはたぶん私と同じものなんでしょう!? それなら……」 駄目だ。それ以上言葉が出てこない。彼女の顔を見てしまったのならばなおさらだ こんなものは死刑宣告と一緒だ。彼女の胸に刃物をつきたてているようなものだ そしてその刃もとうとう彼女の胸にくいこみはじめている ……私はいったいなにがいいたかったんだろう 彼女自身が理屈ではわかりながらもなお眼をそらしてきたもの、私がこれ以上踏み込むことなどできない いや、もう踏み込みすぎている 「それでもいいの。私とお姉ちゃんの関係は変わることはないから」 それははたして彼女の望んだことだったのだろうか。 それとも彼女のつよがりだろうか それとも彼女の私への気遣いだろうか それとも―― 私にわかるのは、ただ彼女が悲しそうに笑っている その顔が語る真実だけだった ▼ 気付けば、私はベッドに寝転がっていた すでに時計の短針も10の位置を指している ずっと感傷的な気持ちになっていたからだろうか 私は普段襲われることのない虚無感に襲われる その原因はわかっている ……明日も会える、なんてことはないよね 彼女が学校に来ていたのも偶然だ もう来る必要もないのだ。だから次会えるのはいつかはわからない ふと枕元に置いていた携帯を手に取った 操作してだすのはアドレス帳の「ひ」の欄だ そこには上下に並んで彼女達の名前がある 後ボタン一つで彼女に電話がかかる状態までもっていく そこには彼女の名前とメールアドレス、電話番号が記されている 私の指はボタンに向かい―― 「やめた……」 第一こんな時間に電話をかけてなにを話せばいいのだろうか それもさっき別れをつげたばかりの人物に どうしようもなくなった私はゆっくりと携帯を閉じ、瞼も意識も閉じてしまおうとする ~~♪ 同時にお気に入りのメロディが流れてきた 発生源は自分の手のひらの中 私はきっと期待している この電話が彼女からであることを 「はいもしもし」 液晶の画面も見ずに通話ボタンを押した そのほうが私の期待はほんの少し長く続くから 『あ、あずにゃん!! 大変大変』 呆れた…… なんという期待を裏切らない人だろう 私が電話をかけるか迷っていたのが馬鹿らしくなってくる 「なんなんですか、こんな時間に」 『まぁ、いいから外を見てみてよ』 私は言われたとおりにするために、自室の窓へと歩み寄った そしてカーテンに手をかけ、横に引く 「これは……」 『雪だよ!!雪』 「えぇ、そうですね」 もっと言葉したいことはたくさんあったが 今はそれで充分だ 『えぇーあずにゃん、それだけなの?』 彼女のいいたいことは分かっている なぜならば、私も真っ先にそれを思い出したからだ だが、やっぱり素直じゃない私はそれを率直に言う気はないらしい 「ええ、なにかありましたっけ」 『うぅー、あずにゃんの薄情者』 電話越しに彼女が落胆しているのが面白いほどたやすく想像できた ……まったくもうしかたないんですから 「それじゃぁ、唯先輩。どこかで待ち合わせしましょうか?」 『あっ、やっぱりあずにゃん分かってたんだねー』 私は肩と頬に電話を挟むと、ハンガーに掛けていたコートへと手を伸ばす そしてそのまま姿見の前に立ち、自分の小さな体に合わせる ……変じゃないよね 『あ、ちょっとあずにゃんきいてるー?』 「はいはい、聞いてます。 で、場所はどうしましょう」 髪の毛の確認をし、服装を確認し、持ち物を確認する あとはもうこの電話を切り、ポケットの中にしまうだけだろう 「――はい、わかりました。じゃぁ、そこで」 きっと数十分後には私はまた生意気なことをいっているのだろう その場所にはそれを笑いながら受け止めてくれる人もいるのだろう そして私は透明なビニール傘と共に飛び出した 「梓」 了 2
https://w.atwiki.jp/papayaga0226/pages/253.html
何度も続いたカーテンコールもようやく終わり、リゾナンターのリーダー高橋愛と新垣里沙は 名残惜しげに舞台を振り返りながら、劇場を後にした 里沙は愛にせがまれて初めての観劇だったが、愛はこれまでに三回は見に来ていたらしい 最初は小春が芸能界の伝手で入手した招待券を無償で譲ってもらっての観劇だったが、あと の2回に加え、今日の里沙の分も加えて合計4枚以上のチケットの代金は愛にとって馬鹿に ならないものだと思う。 里沙は自分の分の代金は払うと言ったのだが、愛は 「いいよお、あたしが無理に頼むんやから、里沙ちゃんは身体だけ持ってきてくれたら」と取り合わない しょうがないから、観劇が終わってからの食事代は自分が払おうと決めて、今日の観劇となった 最初は童話だと馬鹿にしていたが、進行していくうちにどんどん舞台に引き込まれていった 劇の展開は平坦だと思うが、主演者の演技、歌、踊りの迫力に時間を忘れた もっとも里沙にとっては、舞台の上以上に自分の隣の席で身を乗り出さんばかりに、劇に見入っ ている愛を見ているほうが、楽しかったが 子供のように目を光らせて、歌声に酔いしれて そんな愛を見ていると、もし彼女が超能力を持たずに生まれて、普通の家で育っていたら、きっと 舞台女優を目指したのだろうなと、里沙は思う 劇場の熱気が伝染ってしまったのか、少しお酒でも飲んでいこうという話になった 喫茶リゾナントに居る時、リゾナンターとして行動する時、里沙や愛がアルコールを摂取することは まずない メンバーに小春や愛佳を初め未成年者がいることもあるが、それ以上にいつリゾナンターとして出撃 して戦うかわからない事情が、二人に自分を律することをさせてたのだろう それが今夜こうしてショットバーに入るというのは、やはり楽しさに酔ったのだろう 愛も里沙も お酒を飲むといっても、ほとんど飲んだことの無い二人には、軽いカクテル1,2杯が限界だった その程度の量でも愛は顔を真っ赤にして、先ほど見たばかりの舞台について熱く語り出す いつもの訛り言葉で これさえなければいい女なんだけどね―と可笑しく思いながら里沙はひやひやしていた 酔いに任せていつかのように、ミュージカルの再演をやり出さないかと思ったからだ 「ガキさんが王子さまやよ」 どんなに恥ずかしくても、あの愛らしい表情と声で訴えかけられたら、自分はダンスのパートナー を務めるだろう ただ流石に場所をわきまえたのか、今日は口を動かす方に専念するつもりらしい それはそれで恥ずかしかったが 「なあガキさん知っとーか シンデレラちゅうたら、ほんまもんの原作は結構エグイ話らしいよ 意地悪なお義姉二人は、ガラスの靴が入るように自分の足をのう」…とか 「シンデレラがガラスの靴を落としたんは、やっぱりわざとやないかねえ」とか どこからそんな情報や発想が湧いてくるか、里沙は知っている 愛は意外と読書家だ その守備範囲も広く、恋愛マンガや児童虐待を扱ったノンフィクション ついこの前は「本当は残酷な○○童話」という本が、リゾナントのカウンターの内側に置いてあった のを見た この人も大人の女なんだなあ 着てるものは地味だが、内面から立ち昇る空気は、街を歩いている女性達では及ばない気品を 備えている そんなものが養われるような環境には身を置いたことは殆どないというのにだ 幸せを掴んだお姫様に負けないぐらいの気品を湛えた女性は、少々夢の無いことを口にし出した 「もし魔法が無ければ、シンデレラと王子様は巡り合わんかったんかなあ」 「お城の舞踏会には出れなかったわけだけど」 「やっぱり魔法のお陰かのう」 「でも最後は見つけ出したじゃん」 「けど、ガラスの靴が合わんかったら、どうなんたんやろうな 足がむくんだりとか」 「何、馬鹿なことを言ってるの」 こんな他愛も無いことを言い合って笑える日が来るとは思ってもいなかった あの日、あの時、あの場所では ――愛が施設の娯楽室で、自分を罵倒し攻撃した少年の身体に、光の矢で穴を穿った翌日 施設に入所している”力”を持った子供達は、施設の責任者から説明を受けた 一、少年は負傷したものの、一命を取り止め病院に入院中であること 一、高橋愛は現在も興奮中で、落ち着きを取り戻すまで、別室で安静に暮らすこと 一、君達は今までどおり、既定のカリキュラムを消化すること 一、愛が合流してきたら、優しく受け容れるようにということ その説明を受けているとき、仲間の麻琴は嬉しそうだったが、あさ美は何か侮蔑したような笑みを 浮かべていた 里沙と目が合うと、取り繕ったように、殊勝げな表情を作ったが 自由時間になって、里沙はあさ美と話をする為に、彼女のたまり場、図書コーナーに出向いた 「あさ美ちゃん、さっきのは一体」 「何で、馬鹿にしたような顔をしてたかって? 里沙ちゃん、それを聞いてどうするつもり」 「どうするって、あれは事故だったって あの男の子も無事だって、先生達が」 「はっ、自分でも信じてないくせに 確かに心臓に刃物や、鉄の棒が貫通したって、生存した例は幾つでもあるよ でも昨日のあれはそんなもんじゃない 胸に拳大の穴が開いて、内部の組織が完全に欠落していた あいつは、もうこの世にいないよ」 「でもそれも目の錯覚…」 「里沙ちゃんの気持ちはわかるよ でも私があの時、あいつの足の指に触れたのは見てたよね あの時、わたしは治癒の波動を送った 別にあいつを助けるというよりも、愛ちゃんの為に あと、あの”力”がどういう現象なのか知りたいという好奇心」 「あさ美ちゃん」 そう里沙たちの仲間、紺野あさ美は天才的な治癒能力者(ヒーラー)だった 「でも何の反応も無かった… 私は先生たちがそういう風に事実を歪めて言うことを否定はしない その方が、愛ちゃんが戻ってきやすいからね ただ、私自身は真実に触れていたい、そういうことかな」 常のあさ美からは考えられないくらい、しっかり口調で話し終えると、年下のこども達の玩具にされている 麻琴に笑いかけた 「愛ちゃん、戻ってこれるよね」 「それは、わからない ただここの施設、というよりも組織としては愛ちゃんを、処分したり、警察に引き渡したりとかするつもりは 無いんじゃないのかな」 「愛ちゃんは今もこの施設に」 「居るんじゃないかな 研究室の近くなんか怪しいと思うけどね」 聡明なあさ美と話すことで、不安が減るのではと期待したが、却って増すばかりだった その夜、どうしても愛のことを確かめたくなった里沙は、自室を抜け出した 部屋には外部から施錠されていたが、両親の元を逃げ出してから、社会の底辺を彷徨っていた里沙にとって、 そんな鍵を解除する事はたやすい事だった ――こんな所で、役に立つとは 自嘲しながらあさ美の言っていた研究室付近を捜してみることにする 研究室には里沙も何度か行ったことがある 頭に脳波の測定装置を付けて、”力”を使わせられたり、血液を採取されたり 決して痛いとか辛いとかは感じなかったが、研究員の目が冷たいように感じた この組織の人間は総じてそうだが、それでも毎日顔を合わせ言葉を交わしていれば、親しみが湧いてくるのが 普通だと里沙は思う でも研究室の人間だけはそういうところがなかった 人の出入りを考えれば、愛がずっと研究室に留め置かれる事は無いと思う だとしたら、あさ美の言った周辺の部屋が怪しいのか 研究室から間に一つ部屋を隔てた場所にある小さな部屋 その部屋のドアの前に立った時、里沙は胸騒ぎがした 部屋の番号の下に何かのプレートが掲示してあるのが目に付いた 消灯され、非常灯の薄暗い光を頼りにプレートを見た そこにはこう書いてあった ”i914” ここだ、という気がした 確証は無いし、推定する材料すら無いが 何か心が呼ばれている気がした ドアを開けようとしたが、ロックされていた 手製のツールで解除しようとしたが、通用しない 自室の部屋のセキュリティと比べても、数段厳しいその部屋の様子に触れて、里沙はますます この部屋の中に、愛がいるという思いが募った 何とかしてこの部屋に入りたい 入れないなら内部の様子を見てみたい 自分が透視能力を持っていたら、何の問題もなくその思いは現実のものとなるはずなのに 里沙は研究室を訪れた際の記憶を辿り、解決策を練った やがて出た結論 確か研究室からは隣の部屋がガラス越しに見えた その隣の部屋からも今i914と掲示されている部屋が覗けたような、小さなガラス窓があったような気がする 自分の記憶に間違いが無ければだが i914と掲示された隣の部屋のドアのロックの解除を試みた ……驚くほどあっけなく開いてしまった 高鳴る胸を抑えて入室する 的中だ 大人の背の高さほどの壁の部分、1メートル四方程がガラス仕様になっている 踏み台になる椅子を持ってきて、その上に乗る …見えた 愛の姿が ベッドの上に居た 両手をベッドの上枠に拘束されている 生気のない目 あの長かった髪の毛は短くカットされ、何かの計測用なのかコードが取り付けられている 監視用なのかカメラがベッドの傍にセットされている あるいはガラス越しに自分の姿が捉えられている危険性も忘れて、里沙は愛の名を呼んだ 聴こえないはずがない 今里沙の居る部屋からは、愛の居る部屋に設置されている計器の作動音が聴こえるからだ 構わずガラスを叩いた 愛の顔がこっちに向いた気がする でもすぐに横を向いてしまう 「愛ちゃん!!」 里沙は絶叫しながら、ガラスを椅子で叩いた、それを破壊し愛の居る部屋に押し入る為に 強化ガラスに虚しく阻まれている内に、警報が鳴り響き、職員が駆けつけてきた 里沙はガラス窓から引き離された そんな騒ぎが耳に入っているのか、いないのか 愛は生気の無い目で虚空を睨むばかりだった 「愛ちゃーん」 里沙は自室ではなく、懲罰房に連れて行かれた 「この部屋の壁からはお前達、能力者の”力”を妨害する波長が出ている 何をしても無駄だし、”力”によって外部と連絡をとることも出来ない 詳しくは明日本部から来る調査官によって、事情を聴取することになる 今夜はおとなしくしていろ」 ベッドも毛布すらない懲罰房の硬質の床に腰を下ろしながら、里沙はさっき見た愛の様子を 思い出す あれは、あんな愛ちゃんは普通じゃない とんでもないことが彼女の身の上に起こっている事は事実 里沙は最後の手段を使うことにした ――「本当はいけない事なんだけどね、えこひいきだとか思われちゃうし でももしあんたが辛かったら、連絡しておいで」 自分のことでは決して使おうとは思わなかった安倍さんへ助けを求めるという手段を 「いいかい、もしなっちに助けを求めたくなったら、里沙ちゃんの腕の手首 そこの通信機から、話しかけてきな 母さん、助けて、って」 「はぁー」 「あ、今なっちのこと馬鹿にしたでしょ そういう顔してるよ、里沙ちゃんは ひどいんだ」 「いえいえ、そうじゃなくってですねえ 何というか私の手首に通信機なんか付いてませんし」 「ええ人間って皆付いてるんじゃないの」 今思えば、自分と離れることで不安な表情をしてたであろう里沙を元気付けようとした 冗談だったかもしれない 仮に通信機が有ったって、自分にテレパシーの力が有ったって この懲罰室の厚い壁を透して、外部と連絡をとることなど出来ないに違いない でも、でも今はあの人、安倍さんに助けを求めるしか、あたしには何も出来ない 自分のちっぽけさが、自分の弱さが、これほど憎いと思ったことは、里沙には無かった 安倍さん、お願いします 助けてください 私の事じゃありません 私の友だちのことなんです いえ、本当はまだ友だちにはなってないかもしれません でもあの子のとこが好きなんです まだあの子のことは何にも知りません、だからもっと話して、もっといろんなことを知って、そしていつか 自由に街を歩けるようになったら、いろんな場所へ連れて行ってあげたいんです だから、安倍さん、来てください、来て来て来てください、お願いします、安倍さん ――里沙の哀しい願いが懲罰室に響いた
https://w.atwiki.jp/mooncafe/pages/159.html
ヒルクレスト エリア1 ヒルクレスト エリア2 ヒルクレスト エリア3 ヒルクレスト エリア4 ヒルクレスト エリア5 ヒルクレスト エリア6 ヒルクレスト エリア1 エリアA敵なし 服屋の地下に作業台 E N H S G 崖崩れのエリアのトラック内 TC:ワチュメロ 服屋 台、引き出し 布1/2 地下室の台 アルコール1/4 地下室の台 テープ3/4 地下室の引き出し リボルバー*1の弾 地下室の台 Aライフル*4 地下室の台×3 部品*27 地下室の棚 サプリメント*6 地下室の台 遺物:ボリスの娘の絵 地下室の台 作業台 パン屋 アルコール1/4 自然療法 引き出し 刃物1/2 トイレ アルコール1/2 棚、トイレ サプリメント7+1+1+8 コインランドリー 洗濯物カゴ 布1/2 自販機 容器1/4 事務所:引出 リボルバーの弾×1 事務所:机 遺物:WLF新兵募集のビラ 道にある車内 布1/4 エリアB敵なし E N H S G スプレーで落書きされた青い布 日記:WLFをぶっ殺せ コーヒーショップ トイレ 布3/4 ロックされた部屋 アルコール3/4 ロックされた部屋 テープ1/2 ロックされた部屋 火薬1/4 ロックされた部屋 ライフルの弾*1 ロックされた部屋 部品*4 本屋 引き出し ピストルの弾*1 カウンターの上 遺物:ヨランダのメモ 紙屋 引き出し 刃物1/4 レジ台 容器3/4 レジ台 ショットガンの弾*1 引き出し サプリメント*8 レジ台 サプリメント*2 中央の台の上 遺物:行動を呼びかけるメモ レジ台裏の段ボールの中 TC:サヒール・ザ・ソーサラー ヒルクレスト エリア2 コーヒーショップの屋上から飛び降りた先 WLF兵と軍犬 E N H S G 銀行 引き出し ライフルの弾*1 机 テープ1/2 宝石屋 カウンター裏の部屋 容器1/4 台 布1/4 酒屋 冷蔵庫 アルコール1/4 金網を開けたときに大きな音がする ゴミ箱を動かし屋根へ上がる E N H S G 赤扉の建物:棚 部品 赤扉の建物:棚 火薬1/2 動いたゴミ箱のエリア 容器1/4 動いたゴミ箱のエリア 部品* ヒルクレスト エリア3 自転車屋に作業台 酒場『シャンブラー『ランナー 酒屋の地下『シャンブラー*2 金庫のある小屋にはランナー4~5がいる E N H S G 自転車屋 台 布1/4 左の部屋の冷蔵庫 アルコール1/2 台 回復アイテム 右の部屋の机 部品 自転車の後輪 TC:ナレディ・ザ・ユースフル 右の部屋の机 遺物:お悔やみのメモ 外:泥水の車の下 布3/4 地下:事務所の机引出 ショットガンの弾*1 酒屋 レジ引き出し リボルバーの弾*1 棚 アルコール1/4 冷蔵庫 回復アイテム 地下下りた地点 ショットガンの弾*1 地下下りた地点 布1/4 地下下りた地点 容器1/4 地下 火薬/1/2 地下 部品 地下 ライフルの弾*1 地下棚 Aライフルの弾*6 地下のトイレ サプリメント*11 地下のほふくで進んだエリアの棚 回復 保育園 棚 布1/4 床 精度サバイバルガイド タトゥーショップ 事務所の机の引き出し ハンドガンの弾*1 引き出し上 サプリメント*9 事務所の台 遺物:タトゥーショップのメモ 美容院 カウンター サプリメント*8 カウンター 刃物1/2 ペットショップ 作業部屋 アルコール1/2 作業部屋 刃物1/4 作業部屋 サプリメント*16 作業部屋 遺物:ボリスの引き渡し 酒場 調理場の台 布1/4 調理場の台 サプリメント*16 調理場の壁 遺物:デールの暗証番号 次のエリア行きの階段 矢*2 矢*1 金庫部屋 引き出し ショットガンの弾*1 引き出し上 部品*5 机 サプリメント*7 金庫『308265 Aライフルの弾*4 ピストルの弾*1 リボルバーの弾*1 火薬1/2 部品*9 両手武器ホルスター ヒルクレスト エリア4 ランナー3体ランナーがいる地帯はアイテム何もないのでさっさと柵を越えて無視する 木の柵を越えて裏庭へ E N H S G 室内:引き出し アルコール1/4 室内:台所 布 室内:台所 容器1/2 室内:台所の引き出し リボルバーの弾*1 室内:台所 回復アイテム 室内:テーブル サプリメント*11 庭:犬小屋の裏 TC:ブレインストーム 室内:テーブル 遺物:ボリスの告白 室内:台 遺物:ローズモントのビラ 隙間を抜けた先が-民家のガレージ感染者1体がいるので回避してショットガン 弓の入手 E N H S G 感染者 弓 矢*1 台 部品*9 棚 ピストルの弾*1 ヒルクレスト エリア5 WLF兵と軍犬3~4が複数 E N H S G 民家1 洗濯棚 容器1/2 台 刃物1/4 ソファ横の台 テープ1/4 引き出し上 布1/2 民家2 引き出し リボルバーの弾*1 台 テープ1/4 テーブル 刃物3/4 地下の台所引き出し 刃物1/4 地下の台所 テープ1/2 地下の段ボール アルコール1/2 地下の引き出し ピストルの弾*1 台 布1/2 民家3 ガラス棚 アルコール3/4 電話横 テープ1/2 台所 回復アイテム 民家4 民家4 2階に上がれる家 外のテーブル 容器1/2 台所 布1/4 台所 刃物1/4 台所引出 ライフルの弾*1 車庫の棚 容器1/4 車庫の棚 火薬1/2 車庫の棚 火薬1/4 車庫の棚 刃物3/4 車庫の台 部品*11 2階 布1/4 2階 アルコール1/4 2階の寝室引き出し リボルバーの弾*1 2階の寝室引き出し 布1/4 2階の寝室ベッド下 ショットガンの弾*1 2階の寝室2のベッド下 TC:リバーブ 2階の風呂場 サプリメント×8 2階の風呂場 治療キット*1 民家5 PC机 テープ1/2 台所 容器1/4 台所の引き出し ピストルの弾*1 台所 アルコール1/4 テレビ台 回復アイテム テレビ台の引出 布3/4 小屋:台 リボルバーの弾*1 小屋:棚 火薬1/4 小屋:棚 部品*10 ヒルクレスト エリア6 エリアA車に乗った敵が柵を乗り越えてくる2人 犬1と兵士3 エリアB犬1と兵士3 エリアC金網越しに犬に見つかる すぐに敵兵が来るのでダッシュして無視する エリアD敵の煙幕攻撃 2階から敵が3人降りてくる 2階に上がると敵がもう1人 窓から飛び降りるとジェシーと合流 トラックに乗ってくる敵が3人?倒してトラックを奪う カーチェイスカーチェイス中のハンドガンは無限だが、終わった後は弾がそのときの状況(弾倉の残り?)により減っている E N H S G エリア1 民家1:台 布1/2 民家1:台 アルコール1/4 エリア2 小屋:台 ピストルの弾*1 小屋:台 部品×3 民家2:台 回復アイテム*1 民家2:台所 アルコール1/4 エリア3:煙幕 洗濯機 布1/2 棚 アルコール1/4
https://w.atwiki.jp/nouryokukoukou3/pages/384.html
生徒データ 年齢 17 性別 女 国籍 日本 職業 学生 種族 人間 所属 パーソナルデータ 身長 155~160 体重 あははっ 特技 料理 人称 私 趣味 料理,可愛いもの収集 外見など 一度も染めたことのない黒茶の髪、長さは肩ほどの長さで時折二つにわけている。 比較的おとなしく、めったにため口では話さない。 趣味や特技は料理で、たまに家で作ったお菓子を学校に持ってきているらしいが恥ずかしいのでいつも渡せず 家で日々の反省をしながら渡せなかったお菓子を一人で食べている。 また、普段は自分の能力を酷く嫌っているが、料理時には『便利だしいっか』という感じで使っている。 もし、彼女が料理しているところを見る機会があっても能力なにも言わないほうが良い。 本人が気にしだすと料理を放棄して自己嫌悪をはじめてしまうので気にしないでそのまま『あーこういう時は便利なんだね』 と思っておくのが吉。 能力 刃物精製 自分が知っている刃物ならいつでもどこでも作り出せる。 また、銃剣など、刃物にアレンジが加えられていても作り出せることには作り出せる。 あまりに複雑なもの以外なら、写真や見ただけで作れるようになる。 まあもし大剣を作っても振り回すほどの力はないので、作る刃物はパターン化しているが。 音撃 −Sound attack− 音を具現化し、音そのものを武器として使う。 どんな音でも。という訳ではなく、自分が発した音でないと具現化はできない。 また、音撃の派生もあるようだがまだ習得できていない
https://w.atwiki.jp/vipdetyuuni/pages/16.html
* 近距離系の能力者達 【模倣之剣】視た能力を模倣する 【炎刃千界】炎の大剣 【攻防双剣】大きさの違う剣の二刀流 【裁き下すは十字の剣】異端を討つ為の剣 【葬流無槍】二槍の槍兵 【破壊之剣】叩っ斬る剣士 【傾奇武者】一歩で十歩分移動する能力 【英剣王】剣の人外 【四色闘舞】 【八岐武者】16本腕の人外 【無穢番傘】傘で戦っちゃうよ! 【槍葬猛飛】槍を飛翔させる程度の能力 【震地瓦解】触れた刀剣類の重量を変化させる 【我が心、紅蓮と共に在り】剣という形で顕現する焔の固有結界 【夜光白刀】 【鋒方位相】刃物を使った高速 瞬間移動をする。 【妖刀紅水母】 【雪悲永僧】 【雷神篭手】 【駿慣懐刀】 【豪鳳磊烙】 素早いトンファー使い 【淡羽衣姫】 【透消存在】~You not Fool~空気キャラ 【多重神覚】「赤」が該当 【手晶凶刃】 手から水晶の刃を生み出す 【雲居鸛鶴】 【見習い戦士】最初は最弱だが... 【勇剣慈翼】 【黒田魂槍】 酒乱 【剣魔】妖刀【漆桜】に選ばれた剣士 【煌々たる冑の干城】 -Erde Träne- 【刻一刀流】 【惨殺衝動】鋸片手に追いかけてくるよ 【心通武工】人格をカードに、カードを武器にッ!! 【損失帝達】 【壊防一拳】 【空傘】 【鳳凰焔燐】自身の体に炎を宿すことができる。自身はその炎で火傷するようなことは絶対にない。 【岩男零式】様々な武器を扱う。身体能力高 【真双戒剣】伸縮、属性付与、可変する妖刀を扱う『無能力者』 【白鳳撃突】『勁』と『八極拳』の使い手 【浄化鉄鎚】触れた無生物を分解する鉄鎚を具現化 【漆闇騎士】魔剣と黒鎧を持つ。身体能力は達人クラスで第六感がするどい。 【聖統決戦】自らを囲む結界を発生、結界の中で身体能力up&純銀の装備を召喚 【鎖縛薔薇】自分の半径10mから鎖を好きな所から出せる ただし、使用中は移動できない 【単純明快】刀身3m厚さ30cm質量300kgの大剣を鞘から造り出せる 【矛盾神話】 意思に応じ自動で盾にも矛にも変化する小手を右手に装着する、質量保存則は無視する 【青砲偏移】直径3cm前後の物質を射出できる。1m程度進むと崩壊を始め、威力が減少し始める 【龍殺大剣】龍すら殺す性能の大剣を1本精製、超人 【一刀両断】あらゆる物を斬ることができる刀を持つ。剣術に優れる。 実体が無い物も切ることが可能 【無敗魔剣】鞘にて触れた能力と同じ特性を持つ剣を作る。その剣は非能力者には触れない。攻撃方法は近距離系だが、能力そのものの特質は変化系より 【縛熱掌波】腕に炎を纏い灼熱で焼けた鋼鉄の燃える腕を持つ、肘から炎を噴射し加速したり掌から光線を放てる 【斬編断貫】腕から剣を具現化し、斬撃を衝撃波として飛ばすことができる 【黄金鬼棒】超合金の釘バットを具現化する 【剣拳豪剛】 【無限駆動】手首が高速回転する 【伝説三剣】生命力を消費し三種類の光剣を創り出せる 【切裂刀穿】能力による干渉を一切受け付けない刀を持つ 身体能力↑ 【刀法不敗】掴んだ刀剣を支配下に置き、ダメージを無効化する。 【断罪ノ歌姫】右腕に宿されたギロチンを具現化する事が出来る 【蒼眼狩狼】キレたり、自分に危険が迫ると目つきが鋭くなって冷静になり身体能力が一部上がり、冷気を使う 【開口溢蛮】全身に512の口を生み出し噛み千切る。 【七夜叉鬼】相手の殺意を夜叉の姿で感じ取る。身体能力は高い 【三宝乃釼】三種類の剣を召喚し自在に操れる。高身体能力 【爆熱光剣】 【魔天双銃】 【力量昇華】レスを溜めることでレベルアップができる。 【三途女中】全身を武装したメイドロボ 【首無騎士】いわゆるでゅらはん 【戦鳥聖女】剣と盾を持ち戦う騎士。剣と盾はそれぞれ使い魔に変身する 【二連鎌威】温度が変化する「F」字型の鎌を持つ。 【飛竜殺風】龍の力が宿った小太刀を装備。数秒間宙を移動できる。 【招春七刃】七種類の刃物を召喚出来る。 【字刻黒剣】刀身に窪みがあり、そこに【黒 剣】と書かれた剣を持つ 【速烈雷神】驚異的な移動速度と近接戦闘のセンスを持つまた、雷魔法も扱える。剣、鎌、槍に変化する武器を持ってる 【凍撃蓮華】こぶしで殴ったところを凍らせる。 【癒馬上々】馬上で槍を自由自在に扱う。プロ以上の乗りこなし 【永劫之剣】不壊、切れ味の良い伝説の剣 特定行動で光る 【殴蹴加速】 【篭手裂己】 【舞凍剣劇】剣で切った軌跡を冷やす能力 【万武剣士】 【狂刃凶器】自らの体に刃を生やす事が出来る。身軽。 【口虚乃嘘】嘘を武器にでき、それでダメージを与えた者にその嘘を信じ込ませられる。身体能力高め。 【暗器落刑】自らの身体で円を作り、その円から暗器を出せる 【鉄槌工房】 【藍紅双鉤】性質の違う鉤爪を所持し、自在に扱う 【短命戦神】戦闘が始まってから十レス以内に決着がつかないと死ぬ。異常に身体能力が高い。 【死人兵士】あらゆる武器と戦闘術を使いこなす。身体能力的にはオリンピックの金メダリストを超える超人 【守護剣閃】何でも切断出来る剣と、何でも貫通できない盾を持つ 【武装核金】幻影を操りし剣士 【後断隼剣】実体の在る武器を振った空間に其れと全く同じ判定と軌跡の衝撃をいつでも発動できる。 【絶剣刀技】5レスだけ超人 【単純銘快】純粋な金属で出来た近接武器を、手元に作り出す事が出来る 【風雲黙示録】刀を投げつけて攻撃できる。 【解体神鉈】ダメージを与えずに材質を無視して物質を切断可能な刃渡り1mまでの鉈を具現化できる。 【八俣乃武】全身から八個まで蛇の頭を出せる。 【斬念無念】右腕の肘から先が青白い炎を纏った刀になっている半人外、身体能力かなり高め。 【殺人独楽】 【平々凡人】 【涙剣乃姫】 【浄火颶風】 【絶幻大剛】圧倒的な力と小規模の能力なら無視できる程の強靭な肉体を持つ無能力者 【螺旋回弾】 【燃焼刀痕】刀の軌道に光が残り、それを高温で燃やせる。剣の腕は達人 【剣帝】身体能力が化け物レベル、剣の腕が超一流 【精剣司叡】精神エネルギーを利用した念動力を扱う剣士 【妖々扇砲】 【戦扇踊子】踊ると属性のある玉を精製其れで戦扇強化したり 【箒捌琥珀】居合いが上手い侍女さん 【神話堕天】ものすごく長い刀(体の2~3倍)と闇を操ることができる。 【撲殺拳士】ぴぴるぴ…じゃなくて魔法拳士 【短刀乱舞】ナイフを持つと発狂、身体能力鬼人化 【殴魔鎚打】七つの『印』を操る金槌使い 【斬刀無尽】 【反塁打写】 【一刀微塵】 【魔剣球士】 【剣ノ朋友】自分が装備している刀剣に人格を付与する 【轟断結刃】 【機鎧忍者】全身を機械装甲で覆われた忍者 【剛重肉鎧】微笑みデ(テーレッテー 【剣心一途】 【軍事片鱗】 【殻盾防御】千年の盾とは何の関係もございません 【究極芋虫】リーチに致命的な欠陥を感じる 【魔剣錬成】 【懐鋳殿刀】 【九極打破】 【風塵剣皇】 【蛇眼宿鐔】凍てつく氷の蛇を刃に纏わせる 【超脚古王】 【鎖固迂刺】 【絶天無峰】 【神卸ノ刃】刃にカミサマを卸す 【犬馬之心】 【聖華烈譚】炎の剣を操る 【闘士儀属】 【轟華剣嵐】ツィッター剣士(キリッ 【激炎闘士】 【万術炎手】汚物を消毒する 【虚影刀剣】 【死角視圏】 【身魂縛者】霊魂を身に宿し力を得る 【星核堕地】星の核の力を秘めた槍 【泌慈纏翅】≪Caring Wool Angel≫ヒツジ。もふもふで光る 【鉄機甲拳】機械のガントレットで戦う 【弐丁反斧】龍虎の手斧でコンバット 【承複神掌】掌でレーザーでもなんでも止めるよ! 【恐懼之盾】両手の甲に装着する形の盾。臆病者に力を与える。 【線描施指】指で空中に引いた線を自在に操れる 【美鱗戦士】 【破邪顕正】退魔の木刀を操る 【薬錯英戦】頭痛持ちの超軍人 【魔導剣舞】「…………I am the bone of my sword」 【白天剣】軽身功な人 【水淵絶断】 【最強硬虫】 【華仙龍気】打撃の威力を100%通す 【短剣遣手】ナイフ使いの無能力者 【降霊合身】 【殺害人生】 【鬼神双刃】二つの力を持つ二刀流 【風刃魔剣】 【斬刀残撃】 【神霊加護】 【燦国ノ兵】 【振閃一刀】 【矢曖蹴瞭】 【天視燐剣】異常視力を持つ剣客 【聖刃】自らの正義を、文字通り剣にして振りかざす 【授剣天空】天候の力によって、力を使う能力 【獣破漠迅】 【天禍吾刀】左腕を代償に五つの鬼刀を生み出す能力 +† 近距離系 死亡者、リタイアした者の一覧 【唯斬裂者】防御不能の斬撃を放つ 【妖炎刀】 炎を纏った妖刀を操る。 【鉄ノ闘士】仮面ライダー的な何か 【徒手空剣】 【刃討刀攘】 【暗感炎黒】狂人。変態。やばす。 【再応斬軌】所持している刀剣類を介して時を操る剣士 【無双黒龍】《ダーグ・ドラグナー》 【封火鍜鍛】 【陰陽八極】 【殴慟略弩】 【狂暗ノ魔刃】 【三手参剣】 【装闘機兵】 【黄金魔女】 【快音玩槌】変幻自在のピコピコハンマー(キリッ 【壊奇現象】手に触れたものを破壊してしまう能力 【狂戦士】超人的な身体能力を持つ。石で出来た武器を召喚出来る 【空泳雷蛇】全長50mの電撃を纏った鎖を生成し、自由に操れる 【剣全図書】 【喧嘩番長】殴り合いなら無敵(相手複数でも)《死亡》 【殺人卿】 刃から血を吸う大剣を使い、血の量に応じて「力」が使える 【七凶得物】 【城塞破砕大爆砕】拳が硬い。とりあえず、拳が硬い。 【絶刀細切】斬撃を飛ばす 【肉体之壁】肉弾戦で負けない 右手で相手の特殊攻撃を吸収、攻撃を左手から物理攻撃放出 -後者の能力は操作系 【爆装甲帥】小手が様々な武装へ変形する重甲冑を具現化する(一部遠距離系) 【飛燕絶剣】 【片翼ノ天使】刀の達人で、斬撃を飛ばすことが出来、また一瞬で何発もの斬撃を叩き込むことができる。 【魔銀鉄槌】 【四死転翅】 【妖鋸焔鎖】 【禁固鉄球】 【終焉を希う剱】 -E.N.D.E. H.E.L.D.- 【妖刀万紅】柄にも刃がついた妖刀。刃に付着した使い手の血を強力な麻痺毒に変える。 【六元短刃】刃物に6つの属性を付与できる 【影縫之刀】黒い刀から本体と同じ性質の影を出す
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/3516.html
わたし――――柄部霊歌は殺人鬼である、と前置きしておく。 世間様には『辻斬りハロー』なんて訳の分からない、時代錯誤に挨拶を混ぜたもう滅茶苦茶にふざけきった仇名で呼ばれているけど、全く間違いはない。 というか辻斬りと呼ばれたのも無理のないことだ。 わたしの犯行は過程はどうあれ刃物での斬撃で行う。別に格好つけた意味合いはなく、ただ単に一番音を出さずに殺害出来る凶器は刃物だから、そこに尽きる。 だけどこの時代に辻斬りってワードはないよね。 『ハロー』っていうのは何となく分かるけど、繋げたのはナンセンス。 普段は普通のちょっと小さな高校生で通しているのに、あんな大仰な名前はない。 可愛いぬいぐるみが好きで、流行りのゲームくらいは嗜む普通の女の子。 テストが近付いてくると遊びに走って結局泣くことになる普通の女の子。 亡くした兄のことを想うとつい暴走しちゃう普通の女の子。 兄殺しの犯人を追って殺人を重ねる普通の女の子。 沖崎翔―――あの屑男をぶち殺したあいつを解体したいだけの、普通の。 沖崎はわたしのクラスメイトだった。 わたしが辻斬りを始めた時期に、逃げるように転校されてしまったけれど。 でも諦めない。 地球の果てまでだって追いかけて、必ずあいつを解(バラ)す。 兄を殺したあいつは、少なくとも五体満足で死なせてやるつもりはない。 指を寸断して手首足首を落とし四肢を落とし腹を裂き臓物(ハラワタ)を少しずつ潰し爪を剥ぎ耳と鼻を削ぎ口を裂き舌を切り、最後に頸動脈を斬る。 それでやっと、わたしは辻斬りを完遂できる。 わたしには兄がいた。 柄部霊貴(つかべ・りょうき)という、優しくて格好いい自慢の兄。 柄部霊歌は柄部霊貴が大好きで、まさにべったり依存した状態だった。 シスコン兄貴とブラコン妹ー、なんてよくあるラノベみたいな。 忘れもしない一年前の夕暮れ午後5時45分頃までは。 兄は斬られた。わたしをかばって、短刀で頸動脈を斬られて失血死。 無能な救急隊員が駆けつける前に、兄さんは呆気なく息絶えてしまった。 わたしは犯人を見た。間違いなく、サッカー部主将・沖崎翔の姿。 なのに証拠不十分で警察は動いてくれず、事件はそれから七度繰り返された。 許せなかった。 許せる訳がない。 大好きな兄を殺して尚、のうのうと生きているあの男が。 性的暴行を毎夜のように繰り返す屑が平然と生きている世界が許せない。 ――――――だから。 わたしはこの世界を壊しました。 あいつを殺す為に。 あいつの生きている腐りきった世界への冒涜の為に。 何度も殺して。何度も逃げて。数え切れないほど人を斬った。 わたしは生まれながらに殺しの才能があったらしく、苦戦したことは一度もない。 真っ赤な部屋で刀を携え、世界に向けて言ってやるんです。 ざまーみろ、腐った世界め。 心を消すために何となく『ハロー』と口にしていたら、僅かな躊躇いもなくなった。 昼間は学校の優等生、ちなみに転勤族。 夜間は町の殺人鬼、時代錯誤の辻斬りハロー。 転勤は意外と楽だ。 兄の保険金と死んだ両親の遺産があれば、後は嘘を吐けばいい。 沖崎を殺す為になら金なんて惜しくないしねっ。 さて。 わたしこと柄部霊歌は、大変な目に遭っている。 沖崎の居場所は突き止めた。毎晩嬌声の響く性犯罪の坩堝の廃屋。 殺す手筈も整った。 刀の整備も怠っていないし、たった一振りで斬り殺せる。 でも、それは叶わないかもしれない。 余りにも過酷な運命が、今わたしの道を闇に閉ざしているのだから。 バトルロワイアルなんて最悪にトチ狂った闇が。 闇。世界のふざけた采配。 世界はやはり狂っている。こんな世界は殺す。 辻斬りハローは最後に世界を斬る。 参加者として呼ばれている沖崎翔を殺した後に、楓坂闇薙の首を刈る。 そして手にした世界を無茶苦茶にして、わたしは闇の中で死ぬのだ。 元より兄さんのいない世界など既にわたしのいるべき世界ではないのだから。 当然皆殺し。 殺し『合う』のではなくただ一方的に『殺す』だけ。 適当な刃物でいつもの通りに出会った人間を斬り殺して優勝を目指す。 そうだ、一つ忘れていた。 わたしが殺したくないと思ってしまうような人間が居たなら、困る。 たまにあるのだ。殺しに入った家で自殺志願者に行き遭ったり、家族を逃がすために体を張られたり。今までは何とかそういう人間たちも斬ってこられたが、そう上手くいくかは分からない。 わたしは家族を大切に想う、いわば『大黒柱』のような人間が苦手だ。 兄さんを嫌でも思い出させ、わたしの行為が間違っているように思えてくるから。 兄さんの代わりはいないし、わたしは何も間違っていないはず。 わたしの現実を浸食する『家族愛』が、わたしにとって最悪の敵。 殺されかねない。 家族の為に戦うような輩が相手なら、辻斬りが鈍る可能性もある。 殺意の海に生きる柄部霊歌。 そんなことは許されない。 今まで数え切れない数を殺した殺人鬼に殺意を捨てる権利はない。 あいつに辿り着くまで殺し続ける。 世界に冒涜の雨を降らせるまで滅ぼし続ける。 柄部霊歌が此処に告げる。 辻斬りハローは終わらない。 世界に冒涜の雨―――滅びが訪れるまでは終わらない。 恩師も友達も動物も植物も関係なく、殺し尽くして滅し尽くす。 生ぬるい家族愛には弱いけれど。 わたしの為に世界に殺された兄の為に。ありとあらゆるモノを斬る。 バトルロワイアルに勝利するところから、始めてみよう。 神になる。きっとそれがふざけきった世界への一番の冒涜になるから。 その果てにどんな終わりがあったって、構わない。 優雅に生きる貴族共を。 人々を導く聖職者共を。 貧乏に生きる貧民共を。 傍観するだけの民共を。 わたしの理由で、根こそぎに滅ぼしてやろうじゃないか。 □ いきなり、暗雲が立ちこめている。 空には美しすぎる満月が輝き、見惚れるような星空が広がっているが、少なくとも今のわたしにとっては皮肉以外の何物でもなかったといえる。 飛来する銀色は間違いなくそれを証明していた。 それはナイフ。調理用の殺しには向かない刃物。 でもそれが何本も刺されば、さすがに面倒な事になってしまう。 生憎此処は商店街、喫茶店の一つや二つあってもおかしくはない。 調理用ナイフの数はまだかなりあると見ていいだろう。 的確にわたしの喉元に飛来してくるナイフを自分の得物で落とし、呟く。 「はろー、はろー」 得物は西洋の短剣。斬れ味もそこそこあり、模型でないことは確かだ。 リーチが短いのはいただけないけど、そこは技術で補えば何も問題はない。 殺しの言葉は紡がれた。後は襲撃者を斬るだけ。 しかし、相手は間違いなく素人ではない。この投擲は達人といえるレベル。 速さこそ高くはないが、確実に急所を狙ってくるのは恐ろしい。 いや、これはどう考えたっておかしいな。 楓坂闇薙の言っていた『能力』というやつかもしれない。だとすればかなり厄介な能力者を相手にしていることになる。明らかな暗殺向きの、殺しの能力。 次のナイフも叩き落とし、続く投擲は避けて術者に迫っていく。 「ふむ」 感嘆の息を漏らして相手はわたしにナイフを投擲する。 叩くことは造作もないが、念には念を入れて避けておく。 速度まで変えてこられたりしたら目も当てられない。 「あはっ!!はろーっ!」 我ながら狂った声をあげて、得物を襲撃者の頭上で振り被る。 ああ、これは勝った。 たとえ相手が徒手空拳の達人だろうが、拳より早く頭を裂ける。 未だに能力とやらが何かわからない自分でも、能力者に勝てるんだ。 世界は気持ち悪いくらいに平等で――――――――。 停止した。 わたしの全てが停止して、お得意の冒涜論さえ止まってしまう。 だって。だって、あんなのは。 あれじゃあまるで。蘇ったみたいじゃないか。 あの顔つき。背の高い引き締まった肉体。少し悪い目つき。 「―――――兄さん」 直後。わたしは初めて、人殺しに失敗した。 ■ 「辻斬りハローが………まさかこんなに可愛らしい娘だったとは」 世の中分からないな、と青年・福沢正也は微笑しながら呟いた。 目の前には銀髪の少女、柄部霊歌が目を閉じて横たわっている。 殺してはいない。 あと数分もすれば意識が戻り、また血生臭い殺し合いになるだろう。 鍛えた肉体と我流の武術が活きて、何とか辻斬りを一度は倒せた。 殺すのは楽だ。その細い首に腕を回せばあっさりとその命を断てる。 だが殺す気はなかった。 いや、彼には殺す理由がなかったから。 自殺志願者――――。 福沢正也は『家族愛』をこじらせて『自殺志願者』となった人間である。 事故に遭い、目覚める確率は限りなく零と宣告された妹・福沢沙耶。 血液系の難病を克服してから半月も経っていないのに。 彼は絶望した。 この世の不条理に。 死ぬしかない。 沙耶を殺して心中すれば、この世界から逃げられるから。 自らの不思議な能力。 『調理用ナイフを生み出し、確実な投擲を行う』。 それを用いて自らの眼球越しに脳髄を貫いて自害する寸前で、意識を失った。 バトルロワイアルで最初に辻斬りハローに出会えたのは幸運だと思った。確実に殺してくれるから。 けれど。何故か体は動いた。 肉体を守るために、防衛行動を行っていた。 「………俺は何だ。何がしたいんだ、俺は」 独りごちた時に、辻斬りが言った言葉を思い出す。 『兄さん』。沙耶の呼び方と同じ。妹―――――か。 自分の世界の中心であり、自分が生きていた理由であった少女。 世界に嫌われた、少女。 でも、沙耶のことを考えるのはそろそろお終いにしてしまおう。 もう終わりたい。この下らない世界と決別する為に。 手に、調理用ナイフを発現させる。 眼球の前に刃先を翳し、手付きを投擲するものに。 何も成し遂げなかった半端者への最大の罰として。 迷いは、とうに消えている。 視界には、銀色。 ◇ 「まったく何をやってるんですか兄さんっ!!兄さんが死んだらわたしはどうするんですか、兄さんのいない世界で生きていくなんて御免ですよきっと世界を壊しちゃいますよ!」 えーと。とりあえず『どうしてこうなった』と言っておくか。 俺、福沢正也は今、巷で話題のシリアルキラーに説教を食らっている。 死のうとした時に、手にしたナイフを両断されて。 しかもこの少女、何故か俺のことを兄だと勘違いしているようなのだ。 生憎俺に生き別れの妹が居たとかそんな隠し設定は一切ないはず。 沙耶が何らかの方法で意識を取り戻したとしても、姿が違いすぎる。 何処かゴスロリ調の服に身を包んでいるが、沙耶は派手な服装を好まない。清楚な、白色を基調とした服を揃えていた。いつか退院した日にはこの服を着てお外で遊びたいな、なんて言っていたが。それは結局たった二週間に終わった。 背が低くて色白なのは共通。だが雰囲気が違いすぎる。 こいつは辻斬り。あの怪物じみた身体能力をか弱い沙耶が持っている筈がない。 まあ何より髪だ。 沙耶は黒髪だった。 こいつは銀髪だ。 そういう風に見てみれば、沙耶の鏡写しに見えなくもない。 幼い顔立ちは似てる。改めて見れば髪さえ黒くすればかなり似てるな。 「えーと………霊歌、だったっけ?」 「そうですよ。妹の名前を忘れないで下さいっ、霊貴兄さん」 柄部霊貴。 俺はそんな名前のようだ。 しかし解せないな。今のこいつには、一切の力を感じない。 丸腰だからか?どうにも俺には、霊歌がさっきまでと違う人物に見えて仕方ない。 ブラザー・コンプレックス。 いや――――これは、もはや。 「………兄、さん……お願いですから、霊歌の前からもういなくならないでください………ゆめの中のわたしみたいに、なりたくないんです………」 うん、これまずいな。 夜道で女の子を泣かせてる不審者の構図が見事に完成してやがる。 しっかしなぁ………この娘の兄になったら、それは沙耶への裏切りだ。 霊歌は可愛い。沙耶をこの世で一番愛していた俺としても、つい気が移ろぎかねない。ましてや俺はこの際カミングアウトするが身内には変態なんだ。つまり妹には。 どうせ終わらせる命、最期にこの娘の仮の兄になるのも悪くはないけれど。 救いのない人生だったが―――最期に。 たとえ相手が幾多の屍を生んできた辻斬りだとしても。 俺の安い埃塗れのプライドなんざより背負っているものは重そうだ。 「そうだな、じゃあまず霊歌はどう動くつもりなんだ?」 「決まってるじゃないですか。兄さんとわたしが生き残るために他の参加者たちを殺していくんですよ、もちろんあの主催者もですっ」 当たり前です、と念を押された。 そうか――――乗るのか。 この娘は辻斬りハローだ、もはやそこには微塵の間違いもない。 自分も大概だが、柄部霊歌は間違いなく狂人といえるだろう。 人を殺すことに何の躊躇いも覚えない、生粋の殺人鬼。 だからこそいい。 狂った少女の駒として死ねるなら、それは何とも面白い終わり方だ。 故に、俺は。 命に代えても柄部霊歌を―――俺の義妹【いもうと】を、守り抜く。 「ああ、分かった。皆殺しだな心得たよ霊歌」 霊歌の華奢な体を抱き寄せる。 ひゃっ、という可愛らしい悲鳴。到底殺人鬼だなんて思えないな。 温かくて柔らかい体。綺麗な銀の髪が俺の腕にかかる。 頬を右手の人差し指で撫でると、沙耶のものより少し高い体温がよく感じられた。 傍から見れば変態。しかし俺にとっちゃこれが普通。 クラスでこの世で妹より可愛い人間はいないと発言し伝説になった男をなめるなよ。 顔はどうでもいい。 偶然にも沙耶も霊歌も可愛らしい顔立ちをしているけれど、たとえ不細工だったとしても俺の妹萌えが揺らぐことはありえない。いつだって俺の世界の中心は妹だ。 唇を重ねる。 先刻まで普通ならドン引きもののブラコンっぷりを見せていた少女と同一人物とは思えないほどに慌てふためく霊歌の姿を見て俺は萌え死にそうになる。 「むー!む――――っ、ぷはぁっ!?」 「ははっ、霊歌は可愛いなあ。ただのスキンシップじゃないか。」 「兄さんっ」 ぷーっ、と赤くなった頬を膨らませて睨む姿を見て、俺はまた唇を重ねた。 ああ―――――狂人同士、実に心地良い。 ◆ 狂い狂ったものがたり。 ◆ 【深夜/C-2商店街】 【柄部霊歌《刃物を持つと身体能力が向上する》】 《状態》健康、上機嫌 《所持品》基本支給品、西洋風の短剣 《思考・行動》 0 兄さんと生き残るために皆殺しにする。 1 兄さんっ♪ 2 沖崎翔は必ず、惨たらしく殺す。 ※福沢正也を兄・柄部霊貴と誤認しています ※記憶が混乱していますが、沖崎翔への憎悪と『辻斬りハロー』としての記憶は残っています。ただし後者は記憶はあれど理由は覚えていません 【福沢正也《調理用ナイフを発現させ的確に投擲できる》】 《状態》健康、上機嫌 《所持品》基本支給品、不明支給品 《思考・行動》 0 柄部霊貴として義妹(柄部霊歌)を生かす。 1 霊歌を愛でる。 2 霊歌の方針に従うが、全てが終わったら自害する ※柄部霊歌を《義妹》と認めました。 【柄部霊歌】 15歳、高校一年生。銀髪を腰まで伸ばしており瞳は紫色。 正体は巷を騒がせる連続殺人鬼・辻斬りハロー。兄・柄部霊貴の仇である沖崎翔を殺害するために凶行を重ねてきた。 刃物を持つと身体能力が向上する能力を有し、具体的に言えば飛来する刃物を視認してから叩き落とせるくらい。弾丸も視認してから避けることが出来るが、弾丸ほどになると失敗の方が多い。 【福沢正也】 19歳、大学一年生。黒髪で目付きが悪い長身の青年。 沙耶という妹の為に全てを捧げたが、沙耶の昏睡により自殺志願者に。 妹を愛しており、義妹実妹に関わらず溺愛する。 我流で拳法を修得しているため実は能力を使わなくとも戦える。肉弾戦でのスペックは恐らく参加者中最強クラス。 調理用ナイフを発現させ、狙った場所まで確実に投擲する能力を持つが威力は低いので狙うのは眼球か喉元に絞られる。
https://w.atwiki.jp/clabbit/pages/80.html
4種類 ID バッジ名 価格 所在地 30356 越後与板打刃物 35G 新潟県 30381 金沢箔 20G 石川県 30412 越前打刃物 35G 福井県