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前ページ次ページデモゼロ 馬鹿力のルイズ フーケの隠れ家で悪魔の種を取り返した しかし、どうした事だろう 悪魔の種は、ルイズの手の上で消えてしまった ………否 ルイズの中に、吸収された そして、聞こえてきたのはロングビルの悲鳴、それと 獣のような、何者かよくわからぬ、雄叫び 「…ロングビル!?」 ただ事ではない、この悲鳴 …まさか、フーケが現れたのか!? ルイズたちは杖を構え…ルイズだけは、デルフリンガーを逆手に持って…小屋から飛び出した そこに広がるのは、目を疑うような状況 囲まれている この小屋が…見たこともないような化け物に、囲まれていた 人間を歪に肥大化させ、裂けた皮膚から筋肉繊維が露出しているような、醜い化け物 鋭い牙や爪をもったその姿は、まるで人を傷つけるために、食らうために存在しているように見えた それが、ざっと四、五体 「っつ……」 ぽたり その化け物共を睨みつけ、杖を構えるロングビル ぽたり 左肩の服が破け、血に染まっていた 右肩の上では、モートソグニルが必死に肩に掴まって、そこから化け物たちを睨みつけている 「ミス・ロングビル!こ、これは一体…!?」 「わ、わかりません…気がついたら、もう、囲まれていて…」 キュルケの問いに、荒く息を吐きながら答えるロングビル 見た目ほど酷い怪我ではないようだが…とにかく、早く治療するべきだろう …だと、しても まずは、この化け物共に囲まれているこの現状だから、脱出しなければならないのだが 「な、何よ、あれ…あんな化け物、見た事もないわ…」 「……初めて見た」 勉強熱心で、様々な魔物に関する知識も持ち合わせているルイズも 図書室の本は、学生が読むことを許可されている物ならほぼ読み終えているはずのタバサでさえも、初めて見た化け物 こちらに向けてきているのは、敵意、殺意 剥き出しのその殺意に、ルイズはぞくりと体を振るわせた 「あ、悪魔の、種は?」 油断なく化け物たちを睨みつけ、杖を向けたまま、尋ねて来るロングビル 化け物たちは、こちらの様子を窺っているのか…ひとまず、飛び掛ってくる様子はない 「そ、それが…消えて、しまって」 「え?」 「相棒の体ん中に、入っちまったんだよ!!」 うまく答えられないルイズに変わって、デルフリンガーが叫ぶ な、とロングビルは、驚愕の表情を浮かべた 「は、入ってしまった、って…」 「わかりません。でも、私が手に持ったら…消えて、しまって。でも…わかるんです。悪魔の種が、私の体の中に、入ったって」 そうだ ルイズは、今もその存在を感じる事ができる …あの、悪魔の種は ガルムハンマーとやらは、自分の中にある そして…自分は、それを「使える」のだと、漠然と理解できた だが、何故だ? 何故、そんな物が自分の中に入ってきて それを、扱う事が、できるのだ? わからない、わからない、わからない、わからない 理解しているはずなのに、理解できぬ現状に、ルイズの思考は混乱していた 「…とにかく、この場は逃げるべきね。タバサでも正体のわからない化け物がこんなにいるんじゃあ。私たちじゃ、対処しきれないでしょうし」 「私も、そう思います。あの化け物…恐ろしい怪力です。油断したら、私たちなどあっと言う間に粉みじんでしょう」 キュルケとロングビルの声で、思考の渦から引き上げられるルイズ タバサが口笛を吹いて、待機していたシルフィードを呼び寄せようとした きゅいー!と声をあげ、シルフィードがルイズたちの頭上まで飛んでくる 幸い、シルフィードが隠れていた辺りには、化け物たちがやってこなかったらしい とにかく、シルフィードに回収してもらって… 「え?」 ルイズの、視界に 何かが、シルフィードに向かって、跳び上がったのが…見えた 「っ駄目、逃げて!!」 「きゅい!?」 がし、と 跳び上がったそいつは、シルフィードの背中に張り付いた きゅいいいいーーー!?とパニックに陥ったのか、シルフィードは暴れ出す 「きゅい!きゅいぃーー!」 ぶんぶんぶん!! 必死に振り落とそうとしているが、そいつはしっかりとシルフィードの背中にしがみ付いているようで、離れない 遠めだからよく見えないが……あれは、タコ? いや、違う タコのように見えるのは上半身だけで、下半身は人間のように見えた どちらにせよ、あれも見た事もないような化け物だ 空から逃げる、と言う選択肢が…失われた 嫌なのねー!ぬるぬるして気持ち悪いのね、離れるのねー!!とか聞こえてくるような気がするが気のせいだろう シルフィードは韻竜ではなく風竜なのだから喋るはずがない、混乱しているせいで、変な幻聴が聞こえてきているようだ 「…どうしましょうか」 「………」 す、と タバサが、決意した表情で杖を構える それを見て、キュルケもまた、杖を構えた ロングビルも、構えた杖を下ろそうとしない 「相棒、覚悟決めるしかないんじゃねぇのか?」 「……そうね」 あぁ、そうだ もう、この選択肢しか、ないではないか すなわち…この化け物共を、倒して ここから、生きて帰る それしかないじゃないか 杖を、デルフリンガーを、握り緊める タタカエ タタカエタタカエタタカエタタカエタタカエ!! 頭の中で響く声 煩い、わかっている 言われなくたって、もう、戦うしかないのだから 「ファイヤーボール!!」 キュルケが発した火球が、化け物たちに向かってまっすぐに飛んでいった シャギャァ!と奇声をあげて、化け物たちは火球の直撃を避けるべき動き出す 爆音と共に、一体が吹き飛ばされ、二体が直撃を避けて横に跳ぶ タバサの放ったエア・ハンマーがその片割れを吹き飛ばしたが、それらの攻撃で、相手もまた、動き出した 奇声をあげながら、地を蹴り、こちらに向かってくる グロテスクな化け物が、迫ってくる恐怖 しかし、ルイズはその恐怖を押し殺す 震えている場合ではない、恐怖している場合ではない …戦わなければ! 「ファイヤーボール!」 どごぉん!! キュルケのように魔法を放とうとして、しかし、発生したのは爆発 が、その爆発はむしろキュルケの火球以上に圧倒的な威力を持って化け物を吹き飛ばした 吹き飛ばされた化け物が、太い木の幹に激突し、動かなくなる 「…っ走りますよ!」 ロングビルの掛け声を合図に、四人は走り出す この化け物共相手に、律儀に相手をする必要はない 逃げ出し、魔法学院に、この事を報告しなければ シルフィードを置いていくのは心が痛むが…無事に生き延びてくれる事を祈るしか、ない 逃げ出そうとするルイズたちの姿に、化け物が咆哮をあげる びりびりと空気を振るわせる、まるで遠吠えのような声 まるで、その咆哮を聞きつけたかのように…新たに、化け物たちがルイズたちの目の前に立ちふさがった 「っく…まだいるの!?」 再び魔法を放とうと、杖を構えるキュルケ しかし、魔法は放たれること、なく 「………っ!?」 「…キュルケ!?」 声にならない悲鳴をあげるキュルケ キュルケの魔法で吹き飛ばされた化け物が、何時の間にか背後まで近づいてきていて その鋭い牙が…キュルケの右肩に、深く、食い込んでいた 「っこの!」 助けなければ! 左手に構えていたデルフリンガーを、化け物に振り下ろすルイズ しかし、化け物は即座にキュルケを放し背後に飛びのき、デルフリンガーは宙を切る ぱ…と、キュルケの肩から噴出した血が、ルイズの視界を埋め尽くす 「キュルケ…キュルケ!」 「…だい、じょうぶ」 気丈に声を絞り出すキュルケだが…血は、とどまる事なく溢れ続ける ロングビルが受けた傷よりも、ずっと深い 「タバサ!」 「…水の秘薬がないから、簡単な治療しか、できない」 いつもの無表情ではなく、苦虫を噛んだ表情で答えながら、タバサが呪文を唱え、杖を振るう とにかく…とにかく、出血だけでも止めなければ、命が危ない 荒く呼吸をするキュルケを、ルイズはじっと見つめた …許さない 許さない!! 内側から湧き上がる怒り フーケが、キュルケとシエスタを危険な目にあわせた時と同じような いや、それ以上の怒りが、ルイズの内側から湧き上がってくる ざわり、ざわり 怒り、だけではない 体の内側から、何かが湧き上がってくるような衝動 びき、と…爪が伸び始めている事に、ルイズは気づいていない 「ちゅ……」 …そして キュルケが負傷した、その姿を、見て っとん、と ロングビルの肩から、モートソグニルが、飛び降りた 次の、瞬間 四人の目の前で、目を疑うような光景が映し出された ロングビルの肩から飛び降りたモートソグニル その姿が掻き消え…代わりにそこに現れたのは、端整な顔立ちをした青年 質の良さそうな服に身を包んだ青年は、き、とルイズたちを囲む化け物たちを睨み付けた 刹那…化け物の一体が、シャギャ!?と何か恐ろしいものでも見たような悲鳴をあげ、後ずさる 「…ここから、逃げるのでちゅ! 青年に、そう声をかけられても 思考が、追いついてこない 「早く、早く逃げるのでちゅ!ここは僕に任せるのでちゅ!」 青年は叫ぶ じゅる、と、その青年の服の袖口から、植物の蔦のような… いや、一言で言うならば、触手のようなものが現れ、すぐ傍の木に向かって伸ばされる ……ぼごっ 触手が木を引っこ抜き、化け物たちに向かって投げつけられる 一体が逃げ遅れて押しつぶされ、ギャアと悲鳴をあげた 「早く!早く、逃げるのでちゅ!」 …逃げる? 何を、言っているんだ こいつらは、ロングビルを傷つけたではないか キュルケを、傷つけたではないか …逃げる? 冗談じゃない!! 私は、こいつらを絶対に許さない この手で……ギッタンギッタンにしてやる!! 「…ルイ、ズ?」 ざわり ルイズの髪の毛が、ざわざわと、逆立っている 何かの比喩などではなく…本当に、逆立ってきているのだ びき、びき、と 杖を、デルフリンガーを掴む手の、爪も、伸び始めていて 「相棒…おい、どうなってんだ、相棒!?」 デルフリンガーの叫びは…果たして、ルイズの耳に届いているのだろうか? メキメキ、と聞こえてきた音は、何の音だ? 出血のせいか、視界が霞む中…それでも、キュルケは必死に、目の前のルイズを見つめていた 許さない 許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない!!! 怒りに染まる思考 内側から湧き上がる衝動を、ルイズは抑えようとしなかった 衝動に任せ…体に起こる変化に、途惑いながらもそれを止めようとはしない めきめきと音をたて、筋肉が肥大化していく 服がそれに耐えられなくなったのだろう、ビリビリと裂けていくが、気にもとめない 体中が毛で覆われていっている、爪が、牙が伸びている 顔の形も、変わっているような気がした タバサは、目の前で起きている光景を、信じられない、と言った表情で見つめていた 目の前で、ルイズの姿が変化していっている それは、まるで人狼が、人の姿から元の姿へと変わっていくような変化 …しかし、桃色の毛並みをした人狼など、果たして存在するのか? モートソグニルは、あぁ、やっぱり、と思った やはり、彼女は自分と同じようになっていたのだ、と 何故、もっと早く彼女に伝えなかったのだろう 何故、もっと早く気づけなかったのだろう 後悔しても遅いのだ 変化を終えて…ルイズは、吼えた 二つの月が見下ろす下、吼えるルイズの姿は 彼女が夢の中で見た桃色の毛並みの獣人、そのものだった 前ページ次ページデモゼロ
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318 :v3yaa ◆d4WtKA.Zvs :04/02/02 23 27 ID W68/aWE3 麻帆良学園都市の奥に位置する湖の上にぽっかりと浮かぶ巨大建造物、図書館島。 地上部分は大学の図書館として賑わいを見せているものの、地下区域は一般の来館者は訪れる事もほとんどなく、専ら、本の魅力に取り憑かれた者達-図書館探検部の巣窟と化していた。 しかし、部員の多くは、広大な敷地の中を埋め尽くす書架の群れの中に散開し、黙々と本を読んだり、本の整頓に熱中したりと、各々が自分の世界に入り込んでいるため、部活動中にお互いが顔を合わせる事は、ほとんどなかった。 宮崎のどかも、本の整頓好きが高じて、図書館探検部に入部した一人であり、ほぼ毎日のように図書館島へ通いつめていた。 今日も、のどかは、地下三階にある書架の一画に本の山を運び込んでいた。 だが、彼女の両手に抱えられていた本の山は、まだ整頓される事なく、床の上に積み重ねられたままになっている。 そして、今、彼女の両手に抱えられているモノは… 「ネギせんせー…、ビクビク、脈打ってますー…」 「は、恥ずかしいです、のどかさん…」 書架にもたれかかったネギの足元近くに、のどかがしゃがみ込んでいる。 のどかの両手には、ネギのズボンのファスナーから勢いよく飛び出し、根元まで皮を剥かれた逸物が抱えられていた。 「きれいな色、してますねー。」 「よ、よく洗ってきましたから…」 ネギの視点からは、のどかの目は彼女の長い前髪に隠れて見えなかったが、艶っぽい笑みを浮かべた口元から、どんな表情をしているのかは推測できた。 「あのー、いいですかー、ネギせんせー…?」 やや冗長なのどかの問いかけに、ネギがこくりと頷く。 「それではー、いただきますー…」 のどかの口が、はむっ、と、ネギの逸物を咥え込んだ。 「あっ!!」 のどかの舌の先端が、ネギの尿道を直撃する。 のどかは、ネギの逸物を咥え込んだまま、ネギの先端を舌で舐めまわした。 程なく、のどかの口の中に唾液が満たされ、淫猥な水音が聞こえ始めてくる。 「あうぅ…、きも、ち、いいですっ、のどか、さん、あぁっ…」 紅潮したネギの顔に、切なげな表情が浮かぶ。 どこかに飛んでいってしまいそうな気分から逃れるかのように、ネギは両手でのどかの頭を抱え込んでいた。 のどかの舌の動きが、少しずつ加速していく。 「の、のどか、さぁん、も、もうっ…、あっ、あっ、あぁっ…、ふ、ふあぁっ!!」 一際高い雄叫びをあげ、ネギは絶頂に達した。 のどかの口の中で、ネギの逸物が大きく脈動する。 しばらくして脈動が収まり、のどかがネギの逸物から口を離した。 「はうー…、やっぱり、まだ、射精[で]ませんかー…」 ネギの逸物が、へなへなと萎れて、子供らしいサイズに戻っていく。 「ご、ごめんなさい…」 「謝ることなんか、ないですー…、それより、つ、続きを、お願い、しま、す…」 次第に消え入るような声になりつつも、のどかはネギに懇願しながら、スカートの前裾を掴んで、するすると上げていく。 ネギの目の前に現れたのどかの白いショーツは、既にしっとりと湿っていた。 萎れていたネギの逸物が、再び硬度を取り戻し、みるみる膨張していく。 「じゃあ、いきますよ、のどかさん…」 ネギが、ズボンのベルトに手を掛けた、その時… 「お待ちなさいっ!!」 突然、聞き覚えのある声が、辺りに響き渡った。 ネギとのどかは、その声が聞こえてきた方向…、通路側に顔を向ける。 「ゆ、ゆえー…!!」 「夕映、さん…!?」 そこには、のどかの親友であり、同じく図書館探検部に所属する、綾瀬夕映が立っていた。 「ど、どうしてー…」 「最近、のどかの本の整頓ペースが落ちてきていたので、心配になって見に来たのです。そうすれば…」 夕映が、つかつかと二人の所へと歩いていく。 「のどか、あなたという人は…!!」 夕映の表情は、普段のポーカーフェイスからは想像もつかないほど、烈火のごとく怒りを露にする様子がうかがえた。 「まだ精通も来ていないネギ先生を篭絡した上、情欲に溺れて仕事を怠るなどっ…!! しかも、人が来ないのをいいことに、よりによってこのような場所でコトに及ぶとは、それでも栄えある図書館探検部員ですかっ!! 恥を知りなさいっ!!」 「はわわっ、あ、あのっ…」 「ゆ、夕映さん、それは、言い過ぎでは…」 「お黙りなさいっ!! ネギ先生っ!!」 「ひっ…!!」 のどかを庇おうとしたネギは、夕映に一喝されてしまった。 「ネギ先生もネギ先生ですっ!! 京都でのどかに『お友達から始めませんか?』と言った舌の根も乾かぬ内に、のどかとここまで懇意になるなどっ…!! 見損ないましたっ!! 大体、教師の身の上で教え子に手を出すなど、言語道断ですっ!! せめて、のどかが中等部を卒業するまで、待てなかったのですかっ!! あなた方二人には、もっとゆっくり、時間をかけて、愛情を育んでほしかったのに…、こんなことでは、せっかくのどかのためを思って、けじめをつけようとした私の…」 「ゆ、ゆえっ…!?」 次々と矢継ぎ早に繰り出される夕映の言葉を、のどかの切なげな叫び声が遮った。 「はっ…!!」 我に返った夕映は、そのまま何もしゃべれなくなってしまった。 びしっ、と勢いよくネギを指差していた夕映の右手の人差し指が、次第にぷるぷると震え出す。 「(わ、私は、一体、何をしているですか? のどかとネギ先生には、コトの成り行きを最後まで見届けてから、後で忠告しようと決めたのではなかったですか? なのに、二人がコトに及ぼうとする瞬間に飛び出して二人をなじるなど…、アホの極みです。それに、私、今さっき、何を口走ったですか? けじめって何ですか? 確かに、私は、ネギ先生には好意を持っていますが、それは恋愛感情と呼べるレベルのものなのでしょうか? いえ、そんなことより、一体、私はどうすれば…)」 自ら作り出した険悪なムードを断ち切ることができずに、自問自答しながら立ちすくむ、夕映。 三人の間を、しばし、重苦しい空気が包み込む。 やがて、沈黙を破るように、恐る恐る、ネギがしゃべり始めた。 「す、すみません。のどかさんの一番のお友達である夕映さんには、話しておくべきでしたね…。」 ネギの言葉を聞いて、やや緊張の解けた夕映が、静かに右手を下ろしていく。 だが、次にネギの口から出た言葉は、意外なものだった。 「実は、僕…、魔法使い、なんです…」 「…な、何です…?」 「僕は、立派な魔法使い…、マギステル・マギを目指しています。ここ(麻帆良学園)に教師として赴任してきたのは、修行の一環なんですが…」 「な、何を唐突に、そんな事を言い出すのですか!? それとのどかを抱く事に、一体、何の関係があるというのですか!?」 話の前後が全く見えず、夕映がネギに抗議する。しかし、ネギはお構いなしに話を続けた。 「僕には、マギステル・マギになって、成し遂げたい事があります。それには、魔法使いの従者…、ミニステル・マギと呼ばれる、パートナーの協力が必要なんです…」 「…それが、のどかだと、言うのですか?」 夕映の問いかけに、ネギがこくりと頷く。 「まだ、のどかさんとは仮契約の身ですが…、いずれ、本契約できるようになったら、正式なパートナーになってもらうつもりです。」 「ならば、その時まで、待てばよいではないですか?」 「いえ、正式なパートナーとなった瞬間に、お互いを思いやる心が最高潮に達すれば、より強固な力を得る事ができるんです。そのためには、将来を誓い合ったパートナーと常日頃から愛情を高めあっておくことが必要だと、ある方から教わったんです…」 夕映が、ネギが言った「ある方」というのが、人ではなく、オコジョの姿をした妖精である事を知るのは、しばらく後の事であった。 「ゆえ…、そういう訳なの…。私、ネギせんせーを助けてあげたい…、ネギせんせーと一緒に、未来を築きたいの…。だから、お願い、ゆえ、ネギせんせーを、信じてあげて?」 のどかの懇願を聞いて、夕映がふぅっと溜息をつく。 「のどかの気持ちは、よく分かっているつもりです。のどかがそこまで言うならば、信じてみる気になってもいいかもしれません。ですが…」 夕映が、再びネギの方に顔を向ける。 「ネギ先生、やっぱり私は、あなたがのどかの事をどれほど想っているのか、はかりかねます。あなたが魔法使いであるという事に加え、あなたがのどかをどれほど愛しているのか…、具体的な証拠を見せて下さい。 そうでなければ、到底、信じられないです。」 「しょ、証拠、ですか…」 またもや、三人の間に、沈黙の時が訪れる。 「(う…、ま、また、やってしまいました…。他人が誰かを想っている度合いなど、常識で考えても、分かる訳がないではないですか。そういう無理難題を押し付けてこの場を取り繕おうなどと、私はいつから、そんな姑息な女になったですか? これだから、恋愛というものは苦手なのです。下手に首を突っ込むより、想いを秘めておく方がよい事だって、あるはずです。そうすれば、私以外、だれも傷つかないで済むのですから…)」 次第に陰陰滅滅な思考に陥っていく夕映に、ネギが回答する。 「…わかりました、夕映さん。あなたがそこまでおっしゃるなら、証拠を示しましょう。」 「え…?」 やや戸惑いの表情を浮かべた夕映の目の前で、ネギが傍らに立て掛けてあった杖を握り、呪文を唱え始めた。 「ラス・テル・マ・スキル・マギステル…、風の精よ、彼の者達に等しく喜びと苦しみを与えよ…、感覚共有!!」 「ひゃうっ!!」 「な、何事ですかっ!?」 ラテン語の呪文の詠唱が終わった瞬間、一陣の風が、のどかと夕映の間を吹き抜けていった。 「…何も、起こらないでは、ないですか。所詮、こけおどしなのですか、魔法というのは?」 拍子抜けした夕映が、ネギに文句を垂れる。 「そんな事、ありませんよ、夕映さん…」 ネギは、夕映を見ながらのどかの方に近づき、のどかの左肩に自らの右手を掛けた。 「!!」 その瞬間、夕映の左肩に、何かが触れたような感覚が襲ってきた。 「な、何ですか、今のは…!?」 驚きの声を上げた夕映に、ネギが答える。 「夕映さん…、今のあなたは、ぼくの魔法によって、のどかさんと神経が繋がっています。」 「なっ…!!」 「ぼくが、のどかさんをどれほど愛しているのか、言葉で語っても、到底信じてもらえるとは思えません。 ですが、せめて、のどかさんがどのように感じている事を知る事ができれば、少しは信じてもらえるかと思います。」 「ま、まさか、ネギ先生、このまま、あなたは…」 うろたえる夕映をよそに、ネギはのどかの方に振り返った。 「のどかさん…、今日は、ぼくに全てを任せて下さい。」 「で、でもー…」 のどかの右肩に、ネギの左手が掛けられる。 「お願いします、のどかさん。」 ネギが、のどかの肩に置いた手に、ぐっと力を込める。 「は、はいですー…」 ネギの真剣な眼差しに魅入られ、のどかはゆっくりと床の上に膝をついた。 「あ…、うっ…」 夕映の膝から下にかけて、軽い板でも押し付けられたかのような感触が走る。 ネギは、のどかの正面からやや右よりに立つと、右手をのどかの肩から後ろに回して上体をやや後ろに反らせ、そのままのどかの唇に自らの唇を重ねていく。 「(む、むぐっ…!!)」 夕映の唇にも、生暖かい感触と軽い圧迫感が伝わってきた…。 今日は、ここまでです。
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「HWOOOO――OOO――」 登場話 第一部 「柳の剣のソウジロウ その1」 「柳の剣のソウジロウ その2」 略歴 読み:みかい、ナガン 種族:機魔(ゴーレム) 魔王自称者、軸のキヤズナによって作成された迷宮(ダンジョン)にして機魔(ゴーレム)。 これまでずっと機械仕掛の巨大迷宮だと思われていたが、突如として活動を開始(*1)、遠い鉤爪のユノの住むナガン市を半日足らずで廃墟に変えた。 その同日、攻撃を仕掛けた柳の剣のソウジロウと交戦、破壊された。 二つ目の名は不明であったが、エイプリルフール企画である虚実侵界線のガチャによって判明したという珍しい経緯を持つ。 人物 まともな台詞はなく、鍵括弧でくくられていたのは唸り声や金管による詠唱くらいである。 しかし、一見原始的なようで高い思考力を持ち、相手に応じて詞術も使う。 外見 全長50mにもなる山のような巨体の人型。 両肩に尖塔が乗っており、作中では鋼の腕、岩と鉄の装甲、神殿の柱より太い頸、巨大な青い単眼、と描写されていた。 能力 この迷宮機魔は防衛機構として、無数の機魔を生産・貯蔵する能力を持つ。実際に左肩の尖塔は生産された機魔達の貯蔵庫であった。 機魔として動き出してからも他の防衛機構は健在で、作中では機械仕掛けの弓矢が使われた。 胸部装甲の下には詞術を用いた火炎放射器となっており、一撃必殺の火炎放射を放つ。一撃で川を蒸発させ、市街を火の海に変える威力を誇る。 すばしこいソウジロウに体に取りつかれるが、体表に機魔達を放つことで足止めし空中に放り出した。 しかし、放った機魔達を逆に利用されて火炎放射を回避されてしまう。 戦闘中に弱点を見抜かれ、首を刎ねられ盲目の状態で繰り出した拳を誘導・切断され、自分の拳で右肩を粉砕、そこに存在していた命の詞術が破壊され、崩壊した。 魔王自称者の恐ろしさを、そしてそれを倒した"客人"の凄まじさを読者に伝えるには十分な手合いだっただろう。 名前 コメント
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「クリア!クリア!クリア!」 【名前】 恐竜鬼 【読み方】 きょうりゅうき 【声】 湊竜也 【登場作品】 暴太郎戦隊ドンブラザーズ 【登場話】 ドン16話「やみおちジロウ」 【分類】 ヒトツ鬼 【憑依された人間】 ゲーマーの若者 【欲望】 ゲームを圧倒的にクリアする 【素体】 ベニツ鬼 【モデル】 恐竜モデル 【スキン】 時をかける化石 【蟾ィ螟ァ蛹】 恐竜鬼ング 【ドロップ】 ジュウレンジャーギア 【文字化け】 諱千ォ懈姶髫 【むかしむかし…】 若者はコメントも気にせず自由にゲームをプレイしていたそうな… 【モチーフ】 化石、鬼 【名前の由来】 恐竜戦隊ジュウレンジャー+鬼 【詳細】 「ゲームを圧倒的にクリアする」という願望を抱くゲーマーの若者から生まれた恐竜モデルのヒトツ鬼。 錆びついた鉄を思わせる色合いの様々な古生物の化石が組み合わさった「時をかける化石」スキンを纏って実体化したヒトツ鬼。 頭部はティラノサウルス、胸部はトリケラトプス、右肩はサーベルタイガー、左肩にプテラノドン、背中にはマンモスの頭蓋骨が確認できる。 アーマーは古代文字のような装飾が刻まれた金色の縁取りがされており、さながらトロフィーを額縁に収めたような見た目をしている。 ゲームクリアの証、あるいはゲーム大会の商品としてとして送られる表彰楯のイメージだろうか。 このヒトツ鬼は人を超えたゲーム攻略の鬼となり、ダイノ大人ながら欲望のままにどんどんとゲームに熱中していく。 実体化しモンスター化することで伝説のハウリングビームで街の人々を完全クリアしていった。 「むかしむかし…」にも書かれているようにゲーマーの若者は周りの評価を気にせずゲームを楽しんでいたが、動画サイトを使ったゲームのプレイ動画を配信するようになってから歯車が狂ったのか、コメントを気にするあまりキー操作がはかどらず配信に寄せられるコメントは辛辣なものばかり。 ついに限界を迎えたことでモンスター化した。 【余談】 モチーフとなったのは「恐竜戦隊ジュウレンジャー」。
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ブルデュエルガンダム 出典:【機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER】 形式番号:GAT-X1022 所属:地球連合軍 全長:16.89m 重量:84.24t 盾:ある(対ビームシールド)変形:ない 換装:ない 抜刀:ある 連ジコスト:300 連ジ耐久力:600 連ザコスト:450 連ザ耐久力:650 GvsGコスト:2000 装甲材質:ヴァリアブルフェイズシフト装甲 DP:ミューディー・ホルクロフト 更新情報・・・2009年11月15日 新設。 2022年8月17日 画像をアップ。 装備は一部デュエルガンダムとは違うし、連ジとガンガンコストが違う。盾は右肩から防ぐ。 ただし、デュエルガンダム・アサルドシュラウドの時とは違って、アーマーパージアタックはない。 ■射撃 メイン射撃【リトラクタブルビームガン】 弾数:12 リロード:2発につき5秒(オート)ダメージ:90 両腕から撃つ2丁拳銃。 メインCS【スコルピオン機動レールガン】 チャージ:1.4秒 ダメージ:150 ASよりも若干威力がやや高くなっている。 サブ射撃【バルカン「トーデスシュレッケン」】 弾数:60 リロード:全弾6秒(打ち切り式)ダメージ:1発につき5 特殊射撃【スティレット投擲噴進対装甲貫入弾】 弾数:3 リロード:特殊(戻るまで)ダメージ:20×3=60 左肩にあるクナイを取り出して、3本一斉に投げる。 ■格闘【ビームサーベル】※格闘体勢に入ると、両足からサーベルを取り出す。 Nメイン格闘【裂袈斬り→振り下ろす】 ダメージ:50×4=200 前メイン格闘【シールドタックル→薙ぎ払い】 ダメージ:50×3=150(盾がない時は50+50=100) 横メイン格闘【横斬り→返し→回し蹴り】 ダメージ:50×4=200 後メイン格闘【打ち上げ斬り→ドロップキック】 ダメージ:50+50=100 特殊格闘【突進串刺し】 ダメージ:60 基本戦術 具体的には おすすめ精神コマンド おすすめアシストパートナー タッグと組むなら CPUとボス攻略
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【作品名】るろうに剣心 【名前】緋村剣心 【属性】剣士 【大きさ】小柄、150くらい 【攻撃力】斬鉄ができる。(逆刃の方では無理) 刃を返して木砲を真っ二つに切る。 天翔龍閃:超神速の抜刀術。 神速の自分でも速すぎて視認出来ない移動をする相手にも当てられる。 球状の真空を発生させるほど剣速が速く、 例え1撃目が外れても その真空に相手の体が引きこまれ2撃目の回避が困難になる。(射程2m前後) 4m程度の人の入った戦闘機械人形が上空十数mに浮いている気球に届くまで吹き飛ぶ威力。 【防御力】鍛えた達人並み。鎖で縛られて何度も地面に叩きつけられまくっても平然としている。 【素早さ】神速:相手が銃を出したことに気が付いた状態で、 4mほどの距離から撃たれた銃弾を刀の柄で受け止めた。 一流の剣士でも目で追うことの出来ない移動と斬撃速度。十数人を数秒で切り伏せる。 10数m先で十人の銃撃部隊が銃口を向けて構えた状態から、 引き金を引く暇を与えない速度で加速して距離を詰め、瞬時に5人を倒す。 また神速で突進しながら、一瞬で9つの斬撃を急所それぞれにほぼ同時に叩き込むことも可能。 作中で神速より遅いキャラ(番神)の反応: 4人の警官による4mぐらい先からの銃撃4発(右腰、左わき腹、右肩、左肩に向かって発射) に対して両手で手を動かしながら片手で二発ずつ弾いている。要するに同時に発射された 二発の弾丸の一発目を弾いた後もう一発が体に到達する前(10センチ手前くらい)にまた弾くことが それぞれの手で同時に可能な反応。(拳銃は明治の物なので秒速200m程度の弾速と思われる) 超々神速>超神速(不可視の壁)>神速>>上記の番神含むその他のキャラ 【特殊能力】常に相手の動きを先読みして行動できる。 【長所】神速の移動と反応。超神速の抜刀術。 【短所】刀が逆刃刀であること。防御力 131 :マロン名無しさん:2008/09/09(火) 14 35 08 ID ??? 緋村剣心考察 ○九頭龍もも子 天翔龍閃勝ち ×黄猿 レーザー負け 黄猿>緋村剣心>九頭龍もも子
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111 インヴォーク ◆QO671ROflA その男・魏志軍は、極端なまでに疲弊していた。 あの突飛な殺し合いの開幕宣言から数時間足らずの間にも、彼は数々の戦闘行為を繰り広げて来たのだ。 少なくともここまでの戦績としては上々と謂えよう。 現に彼はここまでに全参加者72人中2人の殺害に成功し、数多くの所持品の確保にも成功している。 尤も今日の朝方に流れた広川の《定時放送》によれば、魏が1人殺害した時点での死者数は16人であり、少なくとも15人が魏以外の何者かに殺されているのだが。 そんな魏も自身の本命にして憎き仇敵であるBK201こと《黒の死神》との遭遇は依然として果たせずにいた。 (今頃あの男は一体何処で何をしているのだろう。 このままでは黒の死神との遭遇以前に野垂れ死ぬかもしれない) 疲弊しきった魏志軍の脳裏に倦怠感にも似た不安が過った。 ■ 彼の第三の支給品にして先の戦闘で最大の戦力となった《水龍憑依ブラックマリン》なるこの指輪は、水と接する事で本領を発揮するらしい。 しかし魏の手元には、既に攻撃に転用出来るだけの飲料水など残っていなかった。 飲料水は大部分を飲み干し、その上、奪った飲料水の1つは容器ごと破裂してしまっている。 魏の契約能力“物質転送”の本質は「自傷行為」にある。 その自身の血液を媒介とした特殊な能力が故に、考えなしの無暗な契約能力の連続使用は出来ず、彼としてはこのブラックマリンを戦闘で重用する事を決めていた。 そうともなれば彼の目標は容易に定まる。 それは彼の脳裏を過った最も合理的なプランであり、疲弊を押し切り黒に対する執念が勝ったが故の判断。 一刻も早く水源を見つける事だった。 ■ 水源の発見は案外容易なものだった。 どうやらここは地図で見たF~H南部を流れる河川の下流に位置するらしい。 辺り一面には雑木林が生い茂り、まさに自らの位置情報のカモフラージュも可能な休養を取るには最適のスポットであり、同時に死角の多い奇襲を仕掛けるにも最適のスポットであった。 しかし、それは当然の事ながら逆のパターンも有り得る。 いくら水源付近と言えど、既に満身創痍同然の魏が他のゲーム賛同者と対峙したなら高確率で敗北。すなわち殺されるであろう。 ましてやその相手が《黒の死神》ならば、それこそ最も忌避すべき事態だ。 契約者・魏志軍はただただ途方に暮れる。 ひとまず辺り一面に生い茂る樹木に腰かけた魏は、ふと先の戦闘で手に入れたあの《黒の死神》に良く似た男の支給品らしき帝具に目をやる。 先の戦闘の様子から察するに、この帝具は能力研究所にあったワープ装置と同じような効果を持つのは間違いない。 使用用途さえ分かれば彼の契約能力とブラックマリンの特性上、最大の防具に変貌するだろう。 魏はその帝具に手をかける。 しかし何ら変化は現れなかった。やはりこの支給品の説明書が奪ったディバックから発見出来なかったのは痛かったようだ。 (この帝具が転移現象を引き起こす直前に紫を帯びた対極図が見えましたね……) 魏はその帝具シャンバラをスタンプを押すかのように空中で軽くプッシュする。 どうやら魏の読みは的中したらしい。 その場に滔々と浮かび上がった対極図はあの時視認した物に相違ない。 (これは一度セット出来ればこの対極図のポイントまで瞬間移動出来るのではないか) この魏の推測は、その直後から何度も繰り返された数多の実験で明確なものとなった。 ■ この瞬間転移の帝具の使用用途を理解した魏は歩みを進めた。 コンパスによる位置関係的にも、やはり現在位置は支給された地図に書かれている河川の下流と見て間違いない。 そうともなれば、この付近にはカジノがあるはずなのだ。 仮に進行方向が間違っていたとしてもこの付近はジュネス等の相当数の施設が密集している。 この転移帝具さえあれば、カジノ・もしくは他の施設で休養を取ったとしても、万に一つ敵に侵入された際にはさっきセットした水源の対極図のポイントまで瞬間転移すればいいのだ。 休養を取って万全のベストコンディションを整えた上で水源まで移動出来れば、たとえ相手が大人数だとしても彼には十二分に勝機はある。 魏は不釣り合いながらも、先の戦闘で疲労しきった右足を引き摺りながらカジノを目指した。 予想に反してカジノはすぐに見つかった。 寧ろこの短距離でカジノを発見出来た事は、シャンバラに長距離制限が設定されている事実など気付ける筈もない彼にとっては好都合なのかもしれない。 いざカジノの室内に入ると、そこには魏の想像していた光景とは全く異なり、賑やかさには欠ける物静かなアミューズメントエリアが奥へ奥へと広がっていた。 どうやら照明こそ付いているものの、デジタル系統のアミューズメント機器に電力は1つたりとも供給されていないらしい。 それ以前に、誰一人として他者がいない現状こそがこの不気味な空間に拍車をかけていた。 魏は少しずつ歩調を早めていく。 道中で発見したビリヤードのキューやダーツの矢など戦闘で使用出来そうな備品は全てディバックに詰めた。 ただでさえより殺傷能力の高い武器を欲する彼にとっては、有効価値のある物は何であろうと確保しておきたかったのだ。 ■ 長い1階の連絡通路の小径を駆け抜け、魏はようやくエレベーターを発見したが、どうやらこれにも電力は供給されていないらしい。 魏は溜息も吐きながらも、やもなく足を引き摺りながらも隣にあった階段を上る。 それ以外にも上の階に上がる方法はあったのだろうが、疲弊して思考が鈍っていようと曲がりなりにも“契約者”の端くれである魏は合理性を重んじたのだ。 ようやく辿り着いた2階は、1階以上の静けさの漂う謂わばスタッフルームのようだった。 ここでも魏に些細な幸運は訪れていた。 真っ先に魏の目に入ったのは「救護室」のプレートである。 彼は即座に救護室のドアノブに手をかける。 幸いにも能力研究所とは違い、鍵はかかっていないようだった。 尤も万が一鍵がかかっていても魏の契約能力を持ってすれば、この扉の破壊は容易そうであったが。 救護室内には運良く照明とその他の電気も供給されているらしく、更には簡易な医療器具と薬品が揃いに揃っていた。 所詮はカジノの備品だと思っていた魏だったが、自分の想像以上に充実する医療用のショーケースを目にし、若干ながらも感心した。 マフィアの幹部であった魏には当然ながら最低限の医療知識は備わっている。 薬品のショーケースをその場にあった懐中電灯で叩き割った魏は、数々の戦闘負った傷に応急処置を施していく。 (ここにある医療器具もおそらく今後の局面で役に立つかもしれませんね… 特にこの鎮痛剤は確保しておきたいところ) 魏は量こそ多くはないものの、1階の備品よろしく医療品を全てディバックに詰め込んだ。 大量に完備されていたビタミン剤を服用した魏は、救護室のベッドに寝そべり、今後の計画を練り始めた。 少なくともこの時、魏志軍はこのカジノこそが歴戦を勝ち抜いて来た対主催者達の集合場所となっていた事など知る由もない。 【H-7/カジノ2階救護室/1日目/午前】 【魏志軍@DAKER THAN BLACK‐黒の契約者-】 [状態]:疲労(大・回復中)、黒への屈辱、鎮痛剤・ビタミン剤服用済み、背中・腹部に一箇所の打撃(ダメージ 中・応急処置済み)、右肩に裂傷(中・応急処置済み)、右腕に傷(止血済み)、顔に火傷の痕 [装備]:DIOのナイフ×8@ジョジョの奇妙な冒険SC(魏志軍の支給品)、スタングレネード×1@現実(魏志軍の支給品)、水龍憑依ブラックマリン@アカメが斬る(魏志軍の支給品)、次元方陣シャンバラ@アカメが斬る(セリム・ブラッドレイの支給品)、黒妻綿流の拳銃@とある科学の超電磁砲(星空凛の支給品) [道具]:基本支給品×3(魏志軍・比企谷八幡・プロデューサー・一部欠損)、テレスティーナ=木原=ライフラインのIDカード@とある科学の超電磁砲(比企谷八幡の支給品)、暗視双眼鏡@現実(比企谷八幡の支給品)、アーミーナイフ×1@現実(武器庫の武器)、ライフル@現実(武器庫の武器)、ライフルの予備弾×6(武器庫の武器)、パンの詰め合わせ@現実(プロデューサーの支給品)、流星核のペンダント@DAKER THAN BLACK(蘇芳・パブリチェンコの支給品)、参加者の何れかの携帯電話(蘇芳・パブリチェンコの支給品・改良型)、カマクラ@やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(星空凛の支給品)、うんまい棒@魔法少女まどか☆マギカ(星空凛の支給品)、医療品@現実(カジノの備品)、鎮痛剤の錠剤@現実(カジノの備品)×5、ビタミン剤の錠剤@現実×12(カジノの備品)、ビリヤードのキュー@現実×6(カジノの備品)、ダーツの矢@現実×15(カジノの備品)、懐中電灯×1@現実(カジノの備品) [思考・行動] 基本方針:全ての参加者を殺害し、ゲームに優勝する 0:まずは全身の疲労を回復させる。万が一、休養中に攻撃を受けた場合はあらかじめセットした水源にシャンバラで移動する。 1:BK201(黒)の捜索。見つけ次第殺害する。 2:強力な武器の確保。最悪、他のゲーム賛同者と協力する事も視野に入れる。 3:合理的な判断を怠らず、少なくとも休養中の現在は消耗の激しい戦闘は絶対に避ける。 [備考] ※テレスティーナ=木原=ライフラインのIDカードには回数制限があり、最大で使用できる回数は3回です(残り1回)。 ※上記のIDカードがキーロックとして効力を発揮するのは、ヘミソフィアの劇中に登場した“物質転送装置”のような「殺傷能力の無い機器」・「過度な防御性能を持たない機器」の2つに当てはまる機器に限られます。 ※暗視双眼鏡は、PSYCO-PASS1期10話で槙島聖護が使用したものです(魏はこれを暗視機能の無いごく一般的な双眼鏡と勘違いしている)。 ※スタンドの存在を参加者だと思っています ※閃光を放ったのは誰かは知りません。 ※シャンバラの説明書が紛失している為、人を転移させる謎の物体という認識です。 ※シャンバラは長距離転移が一日に一度で尚且つランダム。短距離だとエネルギー消耗が激しいですが、通常通りに使用できます。 ※ブラックマリン・シャンバラ共に適正を持ち合わせており、特に後者については出典元であるアカメが斬る!での所持者・シュラと同等の高い適正を誇っています。 ※シャンバラの大まかな使用用途を理解しました(長距離制限には気付いてない)。 ※あらかじめ水源付近(H7北部の河川)にシャンバラでマーキングを行っています。 時系列順で読む Back No brand people Next パラサイト・イヴ 投下順で読む Back ぼくのわたしのバトルロワイアル Next バラサイト・イヴ 101 間違われた男 魏志軍 133 汚れた指先で
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《混沌(こんとん)の廃(すたれ)/Chaotic Filth》 アイコン ゲスト 種族 正体不明 『カオスドラマ消滅編』に登場する謎の生命体。 ケイオスが誕生した瞬間からその裏側に存在する、所謂混沌の影。名称はなく、これはLにより便宜上付けられた名前である。 カオスマスターとカオスメイドが生み出した新人類の失敗作の成れの果てという諸説もあるがその真偽は不明。 少なくとも何らかの理由でケイオスの裏世界に誕生した謎の生物であり、それは決して表の世界に現れることの無い存在だった。 しかしマーシィがカオスルームで世界の理を破壊したことで表と裏の世界の境界が崩壊し、初めてその姿を現す。 激しい闇に包まれた様な黒い身体を持ち、変幻自在に姿を変える能力を持つ。 知性や感情を持たない殺戮の権化であり、視界に入った者たちに容赦なく襲いかかる獰猛な性格をしているが、 人間以上に急激な進化を遂げる驚異の能力を持つ。 劇中では明かされなかった真実 +... しかし知性を見に付けた混沌の廃は類稀なる力を手に入れ、それは遥か大昔の神々さえも畏怖するほどの強大にして脅威の存在となる。 『歪みの遊人』はその先駆者であり、例外的な力とそれに相応しい肉体を手に入れ神々もろとも世界を蹂躙したが、青いドラゴンボールに封印される。 「世界の象徴の負の部分」とレインドに揶揄された『混沌の魔獣』もまた混沌の廃の亜種に近しい存在。 歪みの遊人は封印される寸前に自分に代わる「遊人」に己の意思を投影した宝玉を残すが、それが星を護る力を得ようとした混沌の守護神の手に渡ってしまう。 結果、宝玉(歪みの遊人)を取り込んだことで混沌の廃と化した守護神は禍々しい姿へと変貌を遂げ、混沌の魔獣となる。 劇中では明かされなかったが、『新世界編』(永久に眠れ古き混沌編)で起きた腐食現象の原因は、『大戦争編』で勃発した第二次カービィ(ティンクル)族反乱の戦でシルヴィが強大な力で世界を震撼したことから始まった。 それが世界の裏側にまで影響を及ぼし、混沌の廃の逆鱗に触れて暴走を促すこととなり、その暴走による負荷にケイオスが耐えきれず腐食現象が発生したのである。 このように、混沌の廃は遥か昔から現在に至るまで、ケイオスにとって脅威の存在として恐れられている。 《諧謔(かいぎゃく)の歪(ひずみ)/Jokeless Warper》 アイコン ゲスト 種族 正体不明(混沌の廃) 歪みの遊人同様に急激な進化を遂げた混沌の廃の変異体。歪みの遊人とは似て非なる存在だが、前者よりも凶暴な存在。 基本的には人の形をしているが、あらゆる姿に変形できる決めらの様な姿をしている(下記の参考画像を参照) 歪みの遊人と同じ能力を持ち、かつて英雄や戦士たちが対峙してきた悪の存在の力を行使する。 マーシィが世界の理を破壊したことで割れた空(世界の境界)を介して混沌の廃と共にケイオスに君臨。 住人との戦闘でダメージが蓄積され、それにより身体に突然変異が起き醜悪な変貌を遂げる。 一回り巨大化した身体と異常なまでに肥大化した右腕を持ち、右肩には大きな重瞳が覆うように出現した。 初めから言語能力は皆無だったが、住人たちを捕食することで言語能力と知能を手に入れ、憤怒か悲愴か判別しがたい感情までも覚醒する。 荒廃した街の中で住人たちと交戦する中で急激な成長を遂げ、圧倒する。 その後はレインドとモララーがフュージョンして誕生したレイラーと一騎打ちになり、世界そのものを巻き込む天変地異の大激突を繰り広げる。 レイラーとの交戦で無敵の身体を超越する程の凄まじいダメージが蓄積したことで完全圧倒され、最後は自爆したと思われたが、 実際は己の身体の破片と精神で時空間を憑依し、世界もろともレイラーを滅ぼそうと最後の強硬手段に出る。 しかしレイラーの限界を越えた"不可能を可能に変える力"により斬り崩され、最後は真裏の星へ縋るように断末魔を上げながら完全消滅した。 余談だが、製作者の黒い羊曰く、戦闘力は歪みの遊人の20倍以上を誇るとのこと。 技一覧 +... 不滅の肢体 オロチとミズチを意識した力。 不死身の身体を得ることで、あらゆる攻撃を無効化する。 しかし“不可能を可能に変える力”を持つレイラーの攻撃だけは防げなかった。 罪障の傷痕 クロリアーを意識した力。技の中で唯一武器から引用。 罪剣を模した武器を生成し、黒い斬撃波を放つ。 斬撃によって裂けた空間から混沌の廃を召喚できる。 崩壊の死重 ゼウルスを意識した力。 四つの巨大な紅弾を上空に生み出し、対象に目がけ降り注がせる。 紅弾一つで大地を滅ぼす凄まじい破壊力を誇る。 断罪の兆域 メフィレスを意識した力。 対象の真下から黒い棘を突出させ串刺しにする。 逆鱗の撃滅 シルヴィを意識した力。 撃ち放った瞬間肥大化する業火球で大地を焼き尽くし焦土にする。 被弾すると巨大な火柱が上がり、遠方に火炎弾が四方八方へ飛んでいく。 黄泉の祭典 カメザードを意識した力。 異次元を介して傀儡を召喚する。この力で歪みの遊人を四体も召喚した。 鳴動の大地 サカキを意識した力。 拳を振り上げた勢いによる衝撃で大地を盛り上げ、地面から棘岩を突出させ攻撃する。 闇夜の凶弾 シングを意識した力。 指先や口から殺傷力の高い紅弾を発射する。 厭忌の戦慄 ペニーを意識した力。 周囲に鎌鼬を生み出し、対象に目がけて放ち攻撃する。 復讐の狼煙 追跡者を意識した力。 激しい光と共に鼓膜が破れるほどの奇声を放ち、相手の視覚と聴覚を奪う。 善悪の彼岸 正義の霊長を意識した力。 無数の灰色の光刃を天より降り注がせ対象を串刺しにする。 光刃は着弾と同時に爆発し、串刺しの餌食となった者や回避した者に追撃を仕掛ける。 劇中では腕に纏って直接斬撃を見舞う描写も見られた。 革命の咆哮 ロバートを意識した力。 無慈悲の連撃を炸裂させた後、大地そのものを穿つ凄まじい衝撃波を放ち、吹き飛ばす。 覇者の鉄槌 大覇王クッパを意識した力。 発達した剛腕による、重力を纏った強大な一撃を炸裂させる。 空間を越えて繰り出すことも可能。 禍害の輪廻 災厄の魔女を意識した力。 数多の黒い稲妻を落とす。 裁判の閃光 ナナシアを意識した力。 右肩の重瞳からすべてを破壊し尽くす破滅の閃光を解き放つ。 森羅の揺籃 サタナエルを意識した力。 異空間から呼び寄せた無数の鎖を自らに打ち込み、異空間の歪エネルギーを抽出し、己の糧として還元する。 天蓋の絶念 ザキラを意識した技。 異空間より無数の隕石を呼び起こし地上に落下させる。 永劫の悪夢 カイズを意識した技。 膨張した身体を爆発させて時空間を"憎悪"で包み込み、あらゆる全てを腐食させる。 《背徳(はいとく)の肢(あし)/Immoral Spider》 アイコン ゲスト 種族 正体不明(混沌の廃) 巨大な蜘蛛の姿をした廃の群体。その正体は真裏の星(下記)が死の間際に生み出した「最後の廃」。 背中に幾つもの黒い十字架が突き刺さり、体中を鎖で拘束されている。 8本の足は移動手段だけでなく、万物をも切断する刃となる。 《真裏(まうら)の星(ほし)/Mastermind》 アイコン ゲスト 種族 正体不明 混沌の廃を生み出す母なる元凶。 外見は激しい闇に覆われた黒い巨球だが、その正体は大彗星ギャラクティック・ノヴァに酷似している。 顔面を囲む様にドラゴンボールと瓜二つの形をした七つの宝玉が埋め込まれている。 劇中では明かされなかったが、どんな願いも叶えるノヴァとドラゴンボールの濫用によって、それらに蓄積された人々の願いの記録が膨張し、 やがて人々の欲望を具現化した負の感情が暴走したことで誕生した唯一の存在。 つまり、混沌の廃、そしてそれを生み出す真裏の星は、人々の底知れぬ欲望から誕生した邪悪な存在であり、"大罪"そのものである。 誕生した瞬間より、裏側の世界『渾屯の渦』からケイオスとそこに住まう人々を静観していたが、 欲望にまみれた世界に憎悪を抱いたことで表の世界に自らの分身体とも呼べる黒い生物(後の『混沌の廃』)を送り出し、混沌を齎した。 神々によりケイオスと裏世界の間に境界線を張られたことでケイオスへの干渉を阻止され、以来進撃できずにいた。 しかしマーシィが世界の理を破壊したことで世界の境界が破られ、それを機に混沌の廃の大群をケイオスに送り込み、表と裏の世界の統一化を図った。 渾屯の渦へ侵入してきたメタナイト一行を迎撃するために無数の混沌の廃を召喚、自らも閃光を放つなどして彼らを攻撃し絶望の淵に陥れるが、 世界を救うために全力で抗う彼らの最後の"一弾"に沈み、割れた空と共に消滅した。 関連ページ 歪みの遊人 混沌の魔獣 カオスドラマ消滅編 参考画像 諧謔の歪 カオスドラマ消滅編へ戻る コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
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▲前のページへ 1 / 7 ページ 前回までのあらすじ ムショ仲間のケネディの助けによりようやく刑務所からの脱獄を果たしたルークは、看守の追跡を躱しながらようやく日本行きの貨物船へ乗り込み、米国から逃亡することに成功。 だが、そこでルークを待ち受けていたのはバウンティ・ハンターたちの容赦なき追跡であった。 闘いの中で自暴自棄になってゆくルーク。そうして遂に―――― 警官A「いるんだよねー。あんたみたいに酔った拍子にとんでもないことする外人さんがさー」 ルーク「オイ聞こえてんぞこら」 警官B「おい通じてんぞお前」 ルークは、バーで酒瓶でマスターの頭を殴り、傷害罪で当局に逮捕されていた。ちなみにバーから逃げだしたところ、50mと離れていないコンビニの駐車場で、9時12分。捕縛される。 警官A「名前は?」 ルーク「ルーク・レオナルド・ディフォレスト・ヒギンズ」 警官B「ミドルネームまで言わんでいいよルーク・ヒギンズ。何だってアンタみたいな日本語を流ちょうに喋れる頭のいい外人さんがショボいことして捕まってんだ」 ルーク「酔ったからだよ。もう呑まなきゃやってらんねえご時世だからな」 警官A「ここはアメリカとァ違うぞ」 ルーク「そうだなァ。で・俺は強制送還されんのか?」 警官B「知らんね。それに興味もねえ」 2 / 7 ページ ルーク「ああそうかい」 ルーク「日本人は肌は黄色いのに心は真っ黒と聞く」 ルーク「そんな民族と同じ檻ン中に入んのはごめんだね」 警官A「オイ言わせておけばッ!」 警官B「やめろッ! 下らん挑発に…」 ルークが警官を挑発した直後に、駐車場に微風が吹き 『パトカーが消えた』。 警官A「おいどうなって……」 矢継ぎ早に警官Aも消え去る。 ルーク「ヤバいな。もう新手が来たか」 黒服の女性「ルーク・ヒギンズ。アンタの首もらうわよ」 ルーク「はあ…………六時間前も似たような因縁をふっかけられたな……勘忍してくれよ」 警官B「な……何だお前は! 公務執行妨害でたい」 黒服「黙んなさい」 警官Bが拳銃を構えたところ、再び警官の耳元で微風が吹く。 するとやはり、警官Bも、構えた拳銃を地面に落とし、姿かたちもなく消え去る。 黒服「さあ次はアンタよルーク・ヒギンズ。いや……『クール・ハンド(すご腕)・ルーク』」 ルーク「ああ……もう。何か何もかも面倒くせえなあホント」 黒服の女が、そう叫ぶと彼女のすぐそばに黒いスーツを着た男性型の像が出現した。 3 / 7 ページ 黒服「『Gone With The Wind(風と共に去りぬ)ッ!』」 男性型の像。『GW2』が手をルークに向けて翳すと、先ほどの微風とは比較できないような風圧の『竜巻』が巻き起こる。 ルーク「どこへ吹っ飛ばすのか分からんが、証拠を残さんでいいのかい? 金を受け取れないかもよ」 黒服「お互い『スタンド使い』でしょう? 証拠なんて残る方がおかしい」 ルーク「…………」 ルーク「そうだなッ!」 ルークが、足元に転がっていた銃を足で拾い上げると、それを躊躇なく黒服の『GW2』に向けて発砲する。 するとどうだろう。右脚の太腿に「着弾した」のだ。 黒服「うぐあっ!?」 ダメージのフィードバックにより、黒服の女の右太腿にも穴が空く。 黒服「くそ……『スタンド』は『スタンド』でしか攻撃できないはず…………! 何で『スタンド』ですらない「拳銃」なんぞで私の『GW2』に風穴が空くんだぁああ」 ルーク「あん? そんなモン『スタンド』だからに決まってんだろ」 ルークがそう言うと、黒服の女同様に背後に人型の像が出現する。 極めて「本体」に似た容姿の『スタンド』 ルーク「『クール・ハンド・ルーク』」 「拳銃」を構えた『C・H・L』が、姿を現した。 4 / 7 ページ ルーク「見たところお前の『スタンド』……『Gone With The Wind』…………銃弾を弾く破壊力はねえらしい」 ルーク「見たところお前「南部女」だろ。その『スタンド』の名前からして「スカーレット・オハラ」気取りのトンチキ女か? とにかく鼻につく喋り方をしやがる」 黒服「アンタ……それで勝ったつもりかい?」 ルーク「そうだな。詰めが甘え」 冷淡に言い放つと、今度は黒服自体の左脚に銃弾をお見舞いする。 黒服「う……うぐああっ!」 ルーク「ああうるせえなあ……」 コンビニの店員は、気付かない。拳銃による銃声は、すでに二回響き渡っているが、店員は全くこちらに目も向けない。 ルーク「趣味じゃあねえがチョイとイライラしてんだ。次は眉間を狙うぜ」 黒服「アンタはバカだねえ……」 黒服「『スタンド使い』と戦うときは、まず足じゃなく手を潰しなよ」 至近距離で銃口を向けるルークの『クール・ハンド・ルーク』の脚を、『GW2』の右手が掴む。 5 / 7 ページ ルークが気が付くと、そこは草木の生い茂る森林地帯となっていた。 少し前の方向に何やら岩のような巨大なものが見えたが、別に気に止めはしなかった。 ルーク「うーん。やられちまったか」 本当に面倒くさい。そんなことを思いながら、ルークは引き続き大の字で寝る行為を続行した。 ルーク「はぁ…」 腕時計を見ると、時間は9時15分 警官とのいざこざに約1分。『GW2』との交戦にもこれまた1分。いや、今16分になったから2分だ。 ようするに、時間がほとんど立っていないのだ。 それに何よりも。 ルークは『日差し』を浴びている。 6 / 7 ページ ルーク「オイオイオイオイ……こりゃあどうしちまったんだホントによお……」 見たところ同じく飛ばされた警官やパトカーはそこにはなかった。それだけあの『BW2』は精密動作性が低いってこった。 ルーク「F○ck…………思った以上に厄介だなあ……」 ルークは、ない頭を絞って日本と時差が最低9時間はある国を思い浮かべるが、アルゼンチンとメキシコの、二つの国名しか頭に出てこない。 ルーク「F○ck……F○ck! どっかの島国かここァッ!」 「そこにいるのは誰?」 ルークがさらに驚いたのは、後ろからひびいた「日本語」。 振り向くとそこには、日本人とは思えないほど肌が白い、着物の少女が立っていた。 「あなたは誰? 南蛮人」 ルーク「はあ? バンバンジー? チャイナタウンで週3で喰ってんよ」 「外海の言葉を喋ってないけど……何か口調が変。それに眼の色もおかしい」 「ちょっと信繁様のお城まで私と来てもらうよ」 やっぱりか。ルークは心の中で悪態をつき、再度『クール・ハンド・ルーク』を発動させる。 最も、恐らく彼女に『スタンド』である『C・H・L』は見えていないし、攻撃は通らないだろう。 そう、ルークはタカを括っていた。だがいとも簡単にそれは打ち砕かれる。 彼女の手刀が、『C・H・L』の右肩を突き刺したのだ。 ルーク「何ッ!?? これは……」 ダメージのフィードバックにより、右肩に浅い刺突痕を負ったルークは、それを不可解に思いながらも、『スタンド』を突き刺した『右手』を観察する。 何て事はない。ただの籠手を装着しているだけ。 ルーク「その籠手が『スタンド』かァ?! お嬢ちゃんよ!」 「これは信繁様から頂いた大事な籠手よ。あなたが言う『すたんど』とは何の関係もないっ!」 ルーク「俺のコイツも見えてんだろッ?!」 『C・H・L』で直接拳撃を浴びせる。だが少女は、正確に右手でこぶしを受け止め、そのまま『C・H・L』ごとルークを、柔道の背負い投げよろしく投げ飛ばす。 ルーク「うおおああ?!」 一瞬にして地面がひっくり返ったルークを襲ったのは、直後に少女から「踵落とし」を腹にモロに喰らう。 ルーク「っはぁッ!!?」 血反吐を吐きながら、背中から地面にたたきつけられる。 「口ほどにもないわね。南蛮人」 ルーク「…………」 ルーク「誰が……誰がバンバンジーだコルアア」 7 / 7 ページ ルークはピンピンしていた。『C・H・L』の懐からあるものを取り出した。それはひとりでに「うねる」牙の生えた生物。 「なっ!?」 ルーク「アンタにァちょいと聞きてえことがある。だから俺はアンタを殺したくねえ」 ルーク「『毒蛇』だ……管理に困る「代物」だが、連れてきた甲斐があったぜ。何より俺自身よりも速ェ……」 横たわる少女を上からしゃがみ込んで見下ろしながら、『C・H・L』が薬品の入った瓶を片手にチラつかせる。 ルーク「『解毒剤』だ……俺の能力下に置かれた蛇毒はこいつでしか治せねえ。逆に言えばコイツを飲んでくいっと眠れば元気百倍だ……」 「こ……殺せ…………信繁様に迷惑は……」 ルーク「その信繁様のとこまで案内しな」 『C・H・L』は少女に当て身を喰らわせ、そして昏倒した隙に口を開かせて瓶の薬を一気に流し込む。 少女は少し咳き込んだあと、すぐに再び気を失う。 ルーク「さて…………」 ルークは、辺りを見渡す。そうして、それを見つけたのだ。 ルーク「おおう……俺って奴ァいくつ罪を重ねりゃあ気が済むのかね」 まるで、誰かが意図的に配置したかのように、ルークが元いた場所から10mと離れていないところにそれはあった。 いや、ルークは最初から気付いていた。やや不自然なそれを。 まるで誰かが意図的に配置していたかのように、それはあった。 苔が生い茂り、すでに動くかどうかも怪しい『パトカー』が。 ★ 使用させていただいたスタンド No.1734 クール・ハンド・ルーク No.2360 Gone With The Wind ▼単発SS一覧へ戻る
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閃光のもたらすもの【side two】 「うわっ!何だ!?」 ロイドが驚愕の声を漏らす。その選考を目にすれば当然の反応だった。 「マズイな、かなり近い。ここにいては巻き込まれる可能性が高いな」 ジューダスは一人推測を立てる。メルディはなにやらあらぬ方向を向いていた。 「どうしたメルディ」 ロイドが不思議に想って声をかける。だがメルディは閃光とは少しずれた木々の奥をみつめていて返事はしない。 どうしたんだろうとロイドが思ったとき、ジューダスの結論は出た。 「よし、ここからを離脱しよう。城への行路は変更だ」 「もと来た道に戻るのか」 ジューダスはマントを翻して言う。 「あぁ。ここは危険すぎる。東のほうに村があったハズだ。一先ずそこに・・・」 「バイバ!ちょっと待ってよ!」 メルディが徐に叫ぶ。だがその視線はまだあらぬ法を向いたままだ。 「さっきからどうしたんだよメルディ。ここは危険だってジューダスが言ってたろ」 ロイドが半ば呆れてメルディを諭す。だがメルディはそのあらぬ方へと走り出す。 「メルディ!?」 「メルディ!勝手な行動は慎め!置いていくぞ!」 ジューダスが叫ぶが、メルディの口からは意外な言葉が返ってきた。 「あっちに人が倒れてるよ!助けなきゃ!」 「「何だって!?」」 二人は同時に叫び、顔を見合す。 「メルディ!俺も行くぜ!」 ロイドも駆け出す。ジューダスはその場で「好きにしろ」と言って、急いで後を追った。 そこには、完全に石化した青年が倒れていた。 「バイバ!ひどいよぅ」 「こりゃ完全に行動不能だな・・・」 二人はその姿を見るなり感想を漏らした。 後ろからジューダスが追いつき、その光景を一通り見てから口を開く。 「どうやら、こいつがヴェイグとかいう男のようだな」 「え!?」「バイバ!」 二人は驚きの色を隠せない。そしてようやっと先ほどの放送でヴェイグという名をどのように扱っていたかを思い出した。 「そうか、完全に死んでないっていうのはこのことだったのか」 「その通りだ・・・が、メルディ」 ジューダスは一度メルディへと視線を向け、再び石化した青年を見下ろす。 「本当にこいつを助けるのか」 メルディはムっとなってジューダスに言い返す。 「助けられる人を放っておくなんて、そんなのメルディはイヤ」 「こいつが起きた時に襲い掛かってきたらどうする」 間髪入れずにジューダスが紡ぐ。流石にメルディは後ずさりしたが、「でも・・・」と続く。 しかし、 「こいつが良人だなんて証拠がどこにある。僕達に何かメリットはあるのか。そもそも・・・」 「ジューダス!」 ロイドが口を挟む。何とかそれでジューダスの怒涛の質問攻めは息をいれてくれた。 ロイドが続けて言う。 「俺も助けてやりたいんだ。だから頼む、ここは見逃してやってくれ」 パンと両手を合わせてお願いする。もう諦めたのか、ジューダスは「ふん」とだけ漏らし、その場でたたずむ。 「好きにしろ。ただし、己の責任は己で負うんだぞ。判ったな」 ロイドとメルディは顔をあわせ、二人同時にジューダスにお礼を言った。 僕も丸くなったな・・・そう思い、先ほどの選考が放たれていた空を見る。 知らずして閃光は止んでいた。戦闘が終わったのかとジューダスは思考を巡らせる。 そしてメルディは青年と向き合う、が、ここで重大なことを思い出してしまう。 「大変!リカバー使えないよ!」 「え!?本当かよ!?」 「はいな・・・補助系の晶霊術はクレーメルケイジがないよ使えない・・・」 二人して慌てる。そして行き着く先は決まっている。二人は同時にジューダスのほうを向いた。 「エリクシールはやらないぞ。これはもしもの時だけだ」 の言葉に一蹴された。 「ケチケチすんなよせこい奴だな」 「あのな、こればっかりは譲れん。自分たちで何とかしろ」 「くっそ~(人でなし)」 「何か言ったか」 「いやべっつに~」 二人のやりとりをメルディはオロオロしながら見つめていた。 ふと、ジューダスの脳に一つの単語が引っかかっていた。 「メルディ、クレーメルケイジとはなんだ」 聞かれたメルディはおずおずと説明を始める。 「えっと、コレぐらいの形しててここに持つところがあって。そこに大晶霊を入れるよ」 メルディはジェスチャーで説明したが、とても判断できるような出来ではなかった。 が、ジューダスは”これぐらいの形”という動作で何かわかったのか、ザックの中をあさりだした。 「これのことか」 ジューダスの手には先ほどのメルディの説明が具現化したモノがあった。 「ワイール!それだよぅ!」 「え!?これかよ!?」 ロイドも驚く。まさかこんな形で巡りあうとはメルディは思いもしなかっただろう。 ジューダスからクレーメルケイジを手渡されたメルディは、今度こそ術を施す。 『リカバー』 幸いなことに中に入っていた晶霊達はみなセレスティア属性のものばかりだった。 故に、ノームとヴォルトの力でリカバーが使えたのだ。 青年の体は土色から徐々に本来の色を取り戻し始める。 頭から回復がはじまり、今ではすっかりその色がもどっていた。 「まだ寝てるよ・・・生きてるか」 「メルディ、助けておいてそれは不謹慎だぞ。さて・・・」 ロイドは辺りを見回す。これから村に行くと言っていたが、今は静かになっている。 「どうするんだ?村に行くのか?」 ジューダスに質問を投げかけ、ゆっくりと応えを返す。 「確かに閃光は止んだが、戦闘が終わったと決めるのはまだ早い。ここはさっきもいった通り村に向かおう」 二人は返事をする。そして、当然の如くその疑問は浮かぶ。 「こいつ、どうするんだ・・・」 今は眠っている青年に指差し、疑問をぶつける。 ジューダスとメルディは不敵な笑みをしてロイドを見つめて口を開く。 「己の責任は己で・・・な」 「メルディ重いのだめよ。ロイドよろしくな!」 がっくりと方を落とすロイド。 「また俺が背負うのか・・・」 一目見るだけで自分より大きいであろうその青年を背負い、ロイドはもう歩き出している二人の後を追った。 「でも、何でジューダスはクレーメルケイジ持ってること、言わなかったか」 「お前たちが聞かなかったからだ」 「そっか~」 【ジューダス:生存確認】 状態:健康 所持品:アイスコフィン、忍刀桔梗、(上記2つ二刀流可)、エリクシール 基本行動方針:ミクトランを倒す 第一行動方針:シースリ村に向かう 第二行動方針:協力してくれる仲間を探す 第三行動方針:ロイド、メルディと行動 【ロイド:生存確認】 状態:健康 所持品:ウッドブレード(自作)、トレカ、カードキー 基本行動方針:皆(Sの仲間及び協力してくれる仲間)で生きて帰る 第一行動方針:シースリ村に向かう 第二行動方針:協力してくれる仲間を探す 第三行動方針:ジューダス、メルディと行動 【メルディ 生存確認】 所持品:スカウトオーブ、リバヴィウス鉱 状態:TP消費(小) 背中に刀傷 左腕に銃創 (小) ネレイドの干渉はほぼ皆無 基本行動方針:元の世界へ帰る 第一行動方針:シースリ村に向かう 第二行動方針:ロイド、ジューダスとともに行動する 第三行動方針:仲間と合流する 【ヴェイグ 生存確認】 所持品:スティレット チンクエデア グミセット(パイン、ミラクル) 状態:右肩に裂傷 意識不明 基本行動方針:不明 第一行動方針:不明 現在位置:B7森林地帯 前 次