約 6,170 件
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/9778.html
原村和は土下座していた! 深夜の松実館の一角で、松実京太郎、松実宥、松実玄、憧、穏乃に見つめられながら、職業柄幾度か見てきた土下座を決めていた! 困惑する京太郎と宥、膝で潰れる爆乳を見つめる玄、また嫁を増やすのかと嘆息する憧、懐かしさに喜ぶ穏乃。 五者五様の反応を見ることもなく、和は土下座しながら訴えていた。 即ち─── 「私もッ!須賀君のお嫁さんの一人にッ!みんなの仲間に入れてくださいッ!」 「でも、俺が告白したときには鼻で嘲笑って馬鹿にしたのは原村さんだよな」 決着である。 というか、『和』ではなく『原村さん』と呼んだあたり、京太郎は愛妻たちに気遣いもしているらしい。 「あの時は須賀君、笑って『そっか』って帰っちゃったじゃないですか!?」 「ヤバいぐらい泣いたけどな。玄さんと電話してる最中にガチ泣きキメて心配されたし」 「あ、あのときのことだね。あのお陰で京太郎くんがうちに傷心旅行にきて、お姉ちゃんと私で一生懸命慰めたんだよね」 「懐かしいね」 ごく自然に三人で笑い合う松実家の三人。 穏乃は三人の仲間になろうと京太郎に甘えるが、一方憧の眼差しは厳冬を思わせる冷気を以て和に降り注ぐ。 「アウト」 「そんな!」 「まぁ、四人もいるなら一人ぐらい増えても変わらない気もするけど」 「憧!」 「でも、京太郎をフッたのは和でしょ?」 「あの頃の須賀君と今の須賀君は違います」 でも、と和は一人の日々を思う。 ネットサーフィンしている最中、たまに見るアダルトサイトの漫画で、告白してフラレた男が逆恨みして……というアレ。 万一京太郎があぁいうことをしていたら、私は今、どうなっていたのだろうかと。 潤んだ眼差しを京太郎に向けると、京太郎は三人の妻を身に纏い、いちゃついていた。 確かにフッたのは自分だけど…! 原村和が結婚し、子を授かれる日は来るのか…!
https://w.atwiki.jp/animerowa-3rd/pages/1071.html
主催にさえなれば俺だってラスボスになりますよ猿渡さん! ◆mist32RAEs 真っ白な牌が閃光となる。 「カン!」 深緑色に輝く羅紗の上を、白い輝きとなって切り裂いていく。 「――もいっこカン!」 広い空間にたったひとつの雀卓。 そこで闘牌を繰り広げる四人のほかは無人。 遠隔操作のカメラだけが、キリキリと微かな機械音を放ちながら彼らを見つめている。 空間の中央に鎮座する卓を囲んでサングラスにスーツ姿の男たちが三人、そしてたった一人の少女がいる。 過酷にして卑劣なハンデキャップマッチであった。 男たち三人と少女一人の不公平極まる決闘。 通しサインなどイカサマもアリアリの、少女に対して徹底的に不利な条件だが、それは互いに合意の上だ。 さらなるハンデ――少女の服装。 白いフリルが付いたシースルーの下着姿。 ハーフカップのブラから覗く、僅かにふくらんだ乳房の先端の形がはっきりわかる。 色を揃えたガーターベルトが付けられた両太ももの結合部、そして下腹部についてもいわずもがな。 年端もいかぬ少女の羞恥を煽り、勝負への集中力を削ぐ趣向だ。 「――――もいっこ、カンッ!!!!」 だがそれはつまり、そこまでしなければ勝てないと考えているからだ。 それほどまでにこの少女を恐れているからだ。 こと麻雀というギャンブルに関しては唯一無二、絶対無敵の魔王に等しいと暗に認めているということだ。 この小細工は最初は有効だった。 ペースを握り序盤の対局は男たちが有利に進めることができた。 しかし――、 「……!」 三人の息を飲む音。 もはやそれはハンデになっていなかった。 少女が覚悟を決めたからだ。 このゲームは命がけのギャンブル。勝った方が負けた方を殺して生き残る。 相手を殺して自分が生き残るという、その覚悟をついに決めたからだ。 少女の希望は愛する者との再会。 自分の都合のために他者の命を奪うと決めたのだ。 (だからといって今更引けるかっ……! こっちはリーチ……先に引けばっ……!) 少女のトイメンに座る男――遠藤勇次は考える。 リーチからあがれば裏ドラが乗る。 カン三回でドラが増えたということは裏ドラも三つ増えるということ。 今のところこっちが点数は上……引き離すチャンス。 すでに半荘も半ばをすぎて終盤、ここをしのげば逃げ切れる可能性は大……! ――たんっ 少女の指先が綺麗な動作で捨牌を河に置く。 こちらがリーチをかけているはずなのに、アガリに近く有利な立場であるはずなのに、三人の男たちは少女の動作から目が離せない。 露出の激しいコスチュームに無遠慮な視線を投げかけ、彼女の羞恥を煽っていたのはつい先程のことだった。 だが、先ほどと同じく彼女を見る彼らの表情には、もう恐れしかない。 すでに呑まれていた。 少女の――本気の宮永咲が纏う得体の知れないオーラに。 ――たんっ ――たんっ ――たんっ 遠藤とその脇に座る二人の黒服――遠藤のサポート役。 負ければ一蓮托生、彼らも必死。 だがツモれない。リーチをかけた遠藤への差し込みもできない。 彼女以外の誰かがカン出来ればスーカン流れだがそれも無理。 己の生命を削る闘牌のさなか、祈るようにツモり、だが無為な結果が残り、しかし相手に対して有利にならぬよう慎重に捨牌を置いていく。 ――――ざわり 何か寒気がした。 少女のツモ番だ。 可憐な指先がヤマへと伸びて、すっと音もなくひとつの牌をつまみあげて引き寄せる。 その表情が、その眼光が、もはや少女のそれではない。 「――――カンッ!!!!」 熾烈な声が有象無象共を震わせる。 四つ目のカン。 役満スーカンツ確定。 その四つ――白、東、南、八萬。 「馬鹿な……!」 遠藤の呻く声など一顧だにせず。 冷酷に、残酷に、死刑執行の手順を踏んでいくその右手。 四つのカンによって半ばまで崩された王牌へと手を伸ばす。 滑らかな仕草で一切の躊躇いなどなく。 勝負の前にデータを眺めて知った宮永咲という少女の特異な能力――リンシャンツモ。 今それがまさに行われることを遠藤は理解した。 自分の死がすぐそこに迫っていることを半ば確信。 それでも殴りかかって止めるなどということはできない。 帝愛に止められるとかそういった思考の次元ではなく、ろくに考えることすら出来ずにすくみあがっていた。 蛇に睨まれた蛙のように、すでに卓上における格が違いすぎたと理解してしまったのだ。 「……!」 天江衣は水に映った月影をすくいとる月の御子だ。 ならば咲は? 天江衣を破りし力は、天嶺の山々を切り裂いて全てを照らし上げる天の力。即ち太陽に他ならない。 そう、これが――嶺上開花。 月の光すら切り裂く、天の道を往き、全てを司る煌めきの大輪――!! 「ツモ! スーカンツ、16000オール!!!!」 勝負の決着を告げる一撃は、まさに日輪の如き真円を描いた牌を引き寄せた。 イーピン単騎ツモ。圧倒的な逆転劇。 もはや遠藤勇次という男には、そして二人の黒服には、一片の勝機すら見当たりはしない。 点数がどうのという話ではない。 すでに勝負の流れは決定的なまでに偏り、そして何より心そのものをこの一撃によってへし折られている。 次局、直撃によってトバされて敗北が確定するまでの間、三人の哀れな男たちには一片の救いもなく慈悲もなかった。 ただひたすら死の恐怖に怯えるだけの、ほんの僅かな時間があるだけだった。 圧倒的な存在感を示す少女の姿をした魔王にとっては、そんな彼らは生贄にすぎない。 僅か五巡目で、遠藤がふらふらと河へ捨てた牌に冷たい声が突き刺さる。 「ロン。リーチ東ドラ5で18000の一本場は18300。トビで終了ですね」 【遠藤勇次、及び黒服二名@逆境無頼カイジ Ultimate Survivor 死亡】 ◇ ◇ ◇ 乱雑に積み上げられた資料がなければ、一見して誰もが機能美あふれるオフィスルームという感想を抱くだろう。 ディートハルト・リートの執務室。 ここで彼は黒服たちを操り、バトルロワイアルの情報管理/機密に関する指揮を取っていた。 そして部屋に備え付けのモニターには、三人の男と一人の少女が卓を囲んで麻雀を打つ映像が映し出されている。 その画面右下のウインドウには、 遠藤勇次 34400 黒服1 24000 宮永咲 16100 黒服2 25500 という、現在の点棒状況が表示されていた。 ディートハルトは激務の僅かな合間を縫って、コーヒーを片手にそれを眺める。 その横で話し声。 「わかりました。遠藤勇次は退場。後任は貴方ということでよろしくおねがいします」 「ああ、よろしく頼む。だが私には元々裏方としての仕事もあるので、あまり表に出るつもりはない。 放送などはディートハルトと協力してそちらが中心でやってもらえると有り難い」 「……わかりました。ではそのように」 この部屋には彼の他に二人の人間がいた。 ここは教会でもないのにシスターと神父がワンセットで椅子に座っている奇妙な光景。 シスター姿の一人はインデックスだ。 遠藤が死んだことに対して、この少女は感情の揺らぎを微塵も見せない。 平易な口調で、平坦な声で淡々と、その隣に座る神父らしき男と今後の打ち合わせを行っている。 その神父――名は言峰綺礼と言うらしい。 ディートハルトは彼の事を東洋人と聞いていたが、それにしてはやたらと体格のいい偉丈夫で彫りの深い顔立ちだ。 重みを込めた低い声は貫禄充分。 何年か老けた後なら自分はこんな風に喋っているだろうかと思わせるほど、自分に似た声の持ち主だった。 「さて……それではそろそろ放送の準備を始めます。私はこれで」 見れば執務室に備え付けられた高級感ただよう置き時計の針はそろそろ18時に近づこうとしている。 最低限の会釈すらせず完全に用件のみといった風情で、小さなシスター姿の少女はドアを開けて部屋を出ていった。 残されたのはディートハルトと神父言峰の二人。 軽くため息をついてコーヒーをすすっていると、麻雀勝負の映像に目をやった神父がモニターを見ながら話しかけてきた。 「スポンサーにはなかなか好評だったよ。ご苦労だったな、ディートハルト・リート」 彼の言葉から察せられる通り、この麻雀勝負はディートハルトの演出によるものだった。 いやもっと正確に言えば彼の、さらには遠藤やこの自分の上に立つスポンサー連中の希望によって企画したものなのだ。 「随分と勝手な頼みであることは承知だが、なにぶん全て初めてのことだらけゆえに手探りで企画進行せざるを得ないのでな」 「いえ、こちらこそ承知していますよ。スポンサーのご機嫌取りはマスコミの仕事のうちですから」 苦笑いとともに返答する。 スポンサーとはその名の通り、この殺戮遊戯の企画進行役たる帝愛グループへの資金提供者たちである。 すでに死亡してしまったがカイジや利根川たち、元帝愛の関係者ならば心当たりはあっただろう。 自らのセーフティを確認するために、命がけのギャンブルに挑む者たちを高みから眺める下卑た金持ち連中のことだ。 今回、初めて行われたバトルロワイアル――魔法を用いて異世界の住人、異能の者共を集めて殺し合わせる殺戮サバイバル。 これについても連中は資金を提供し、安全な場所から参加者たちが苦しむ様を見ては、優越感に浸っているのだ。 そもそもディートハルトのメインの仕事は彼らが喜ぶ映像を撮影・編集し、残虐なエンターテインメントに加工して提供することだった。 そして一見殺し合いにそぐわないギャンブルやゲーム的な要素の導入は、元々彼らのアイディアによるもの。 「純粋な暴力でぶつかれば勝てない相手でもギャンブル・ゲームならば勝機はある……考えは悪くありませんがルールに欠陥がありましたね」 「うむ。そもそも力に勝る者たちがギャンブルという土俵にわざわざ上がるメリットがない。直接、殺しにかかった方が手っ取り早いからな。 こちらで強制的に上がらせるようなルールを作ってやらねば、わざわざ強者が敗北の可能性を広げるような真似はすまいよ」 「遠藤さんはこのことを……」 「わかっていても断れなかったのかもしれんな。だが、どちらにしても大した影響はないと考えたか……」 だが、自分たちのアイディアが無碍に放置されることに苛立ったのか、ならば参加者でなくともよいから殺人ギャンブルが見たい、と言い出すなどとは予想しなかったろう。 様々な要因が重なり、追加人員として言峰たちがやってきたのもタイミングが悪かった。 参加者には世界中の闇の住人から【誰が優勝するか】というトトカルチョの莫大な賭金がかかっている。 スポンサーといえどもいまさら無理やりギャンブルをさせるようなことは八百長行為に等しい。 ゆえに白羽の矢が立ったのは、スポンサーたちに主催進行スタッフのなかで換えのきく人材と見られた遠藤であった。 相手は原村和を抑えるための人質である宮永咲という少女。 現場責任者でありながら魔術的な結界を破壊され、忍野メメや言峰の手をわずらわせることになった責任をとれということだったが、それが表向きの口実でしかないことなど誰でもわかる。 要するに彼らは愉しみたいのだ。 力なき者共の苦しみを、死の断末魔を、何よりも自らの安全を。 スポンサー連中にとってはバトルロワイアルの参加者も、主催陣営として働く自分たちも、所詮ゲームの駒でしかないというわけだ。 「まったく……こんなことが原村嬢に知れたら裏切れといっているようなものではないですか?」 溜息と共に言峰に向かって呆れたように問う。 彼女は宮永咲の安全のためにこちらに協力している。 その約束をないがしろにされて黙って従う道理などあるわけがない。 だがその質問に言峰綺礼という男は愉悦を隠そうともせず言い放つ。 「勝負の場に立つと、そう決断したのは宮永咲自身だよ。ほんの少し背中を押しはしたがな」 「は? ……意味が測りかねますな。人質の彼女が何故わざわざそんなことを」 「原村和は元々進んでこちらに協力しているわけではないのだ。知ってか知らずか忍野メメも彼女を保護するようなスタンスをとっている」 「……」 そうだ。 このまま行けば、原村和は故あれば裏切る獅子身中の虫となる。 忍野メメ――掴みどころのない男だが、その力は戦国武将やサーヴァントを相手にしても引けをとらぬという情報がある。 この二人が組んで反旗を翻すとすれば、それは充分な脅威となり得るだろう。 「かいつまんで説明すると、私はこう話しただけだ。 ――原村和は会場の電脳ネットワークをある程度は掌握できるポジションを担っている。 その気になれば我々帝愛側の不利益になる行為に手を染めることは容易だろう、とな。 そして彼女は君――つまり宮永咲――のために、すで間接的に人を殺めてしまったも同様だと。 そこであの遠藤との麻雀勝負の件をそれとなく話した。それだけのことだ」 「……原村和を見逃す、という交換条件と引換に?」 「なるほど、察しがいいな。まあそのあたりだ」 ディートハルトはそこで、目の前の男の『背中を押した』という言葉の意味を理解した。 つまり――何故、宮永咲はあの勝負に進んで身を投じたのか。 この男が唆したのだ。 ――自らの手を汚してまでお前を守りたいと願っている原村和のためにお前も手を汚せるか、と。 もちろん原村和が具体的にこちらを裏切るような真似をしたわけではない。 だが人質さえいなければ裏切る動機は充分過ぎるほどだ。 帝愛側にとって、そんなことは重々承知の上。 もし下手に動けばすぐに察知できるよう、情報管理役のディートハルトも彼女をマークしてある。 それを宮永咲に話せば、居ても立ってもいられぬ精神状態に追い込まれるであろうことは想像に難くない。 誰かのためということは、裏返せば誰かのせいという意味にもなる。 原村和が宮永咲のために戦うということは、原村和が宮永咲のせいで戦わされているという意味にもなるのだ。 二人が固い友情で結ばれているとすれば、その情が深ければ深いほど良心の呵責がその心を追い詰める。 そこに巧妙につけこみ、言質を引き出して協力させたのか。 「しかし宮永嬢の安全は保証しなければ約束が……」 「死ぬわけではない。宮永咲が負けた場合のリスクは片目を潰すか、片耳を切り落とすだけだった。 なにせ彼女は企画の協力者であり大事な人質だからな、刑を執行される立場の遠藤とは違う。 それに自ら望んで危険を引き受けたのだ。我々の責任ではない」 詭弁だ。 アルカイックスマイルを崩さず語る言峰を呆れ気味に見やる。 それを受け、神父姿の偉丈夫は目を僅かに細めて諧謔に満ちた笑みの表情を浮かべた。 「ふふふ、愛する二人の哀しきドラマを演出したつもりだったのだがな。いささか安っぽ過ぎたようだ。 お涙頂戴はプロデューサー殿のお気には召さなかったかな」 「あ、いえ、そういうわけではありません。スポンサーの御機嫌伺いには充分でしたし」 「それは何よりだ。さてそろそろ放送が近い。私も仕事に励むとしよう」 再び穏やかな笑みに戻り、言峰綺礼はゆっくりと腰を上げる。 執務室の扉を開け、静かに閉めて出ていった。 カツカツという足音が遠ざかっていく。 ディートハルトと山積みの書類だけが執務室に残った。 そういえば放送用に、遠藤が死亡したことを参加者に気取られぬための、彼の生前の音声を編集したテープを渡すのを忘れていた。 頼まれたわけではなく、こちらで気を利かせたつもりだったのだが、まあ後で黒服に届けさせればいいだろう。 インデックスや言峰が使うかどうかは向こうの自由だ。 冷めたコーヒーをすすり、こちらも仕事を再会すべくデスクに向き直った。 【?-?/???/1日目/夕方(放送直前)】 【言峰綺礼@Fate stay/night】 [状態]:健康 [服装]:神父服、外套 [装備]:??? [道具]:??? [思考] 基本:??? 1:サーヴァントの死体(魂)を回収する。 2:荒耶宗蓮に陰ながら協力する。 3:この立場でバトルロワイアルを楽しむ。 【ディートハルト・リート@コードギアス 反逆のルルーシュ】 [状態]: 健康 [服装]:普段着(セーターにジャケット) [装備]:??? [道具]: ??? [思考] 基本:カメラを回せ!全ての責任は俺がとる! 1:当面はディレクター作業に専念 2:言峰への密かな恐れ [備考] 参加者の情報をかなり詳しく知りました。 【インデックス@とある魔術の禁書目録】 [状態]:ペンデックス? [服装]:歩く教会 [装備]:??? [道具]:??? [思考] 基本:??? 1:バトルロワイアルを円滑に進行させる。 ◇ ◇ ◇ 咲さん。 待っていて下さい。 今はその方法も、そのきっかけも見えないけれど。 きっと、きっと助けてみせますから。 だから。 私、頑張りますから。 約束のために。 あなたとの約束のために、私は――。 【???/飛行船・原村和の部屋/1日目/夕方(放送直前)】 【原村和@咲-Saki-】 [状態]:健康 [服装]:私服 [装備]:エトペン@現実 [道具]:デスクトップPC×数台、会場監視モニタ×数台、質問対応マニュアル(電子ファイル) [思考] 基本:帝愛に従い、咲さんを救う 1:役割(麻雀・サポート窓口)をこなす 2:咲さんが心配。一目だけでも無事な事を確認したい 3:どうせ打つなら守る為の麻雀を打ちたい 4:忍野メメを警戒。従ってはいるものの、帝愛は許せない [備考] ※登場時期は最終回の合宿終了後です。 ※基本的に自分の部屋から離れられません。 ※監視されていること、異世界から集められていることを知っています。 ※以下の事柄はSOA!と思っています。 ・死者が蘇る。 【質問について】 判明している質問 参加者の居場所 ※但し一回の放送ごとに利用できるのは一人までで、居場所が分かるのも二人までです。 殺し合いに巻き込まれた理由、殺し合いの目的 ※但し起動してから四回目の放送以降なので第六回放送以降ではないと聞けません 原村和についての質問 ※但し起動してから三回目の放送以降なので第五回放送以降ではないと聞けません 時系列順で読む Back それぞれの願い Next 第三回定時放送~世界の外から眺めたるもの~ 投下順で読む Back それぞれの願い Next 第三回定時放送~世界の外から眺めたるもの~ 173 第二回定時放送~クビワリサイクル~ 遠藤勇次 GAME OVER 211 建物語 インデックス 229 第三回定時放送~世界の外から眺めたるもの~ 192 パンドラを抱きし者 ディートハルト・リート 229 第三回定時放送~世界の外から眺めたるもの~ 206 愛物語-閉ざされた空と乙女の心- 原村和 246 鬼門 宮永咲 262 ディートハルト・リートの戸惑い 217 黄金ノ剣 言峰綺礼 229 第三回定時放送~世界の外から眺めたるもの~
https://w.atwiki.jp/ocltslyrkyo/pages/83.html
江崎 仁美 羊先輩 須賀京太郎、辻垣内智葉、弘世菫、原村和、新子憧、小瀬川白望と同じ大学(T大) なんもかんも政治が悪いから政界に打って出た。市長になる 野望の王国。この世は荒野だ
https://w.atwiki.jp/otomadstar/pages/1362.html
▽タグ一覧 ぬいぐるみ サムネ統一 ツインテール ピンク髪 ペンギン 咲-saki- 巨乳 音MAD素材 ニコニコで【エトペーーーン!!!シリーズ】タグを検索する 概要 原村和が蹴り飛ばされたエトペンの前で泣くシーンを使った音MADシリーズ。
https://w.atwiki.jp/saki-anime/pages/18.html
ページ編集について 編集したいページを開き、 最上段メニューより「編集」「このページを編集」を選択 AAを貼る場合、#aa{{ ここにAA }}とするとズレ無くきれいに貼る事が出来ます 区切りをつけるのは ---- で出来ます AAに{や}が使われている場合は、#aa{{{ }}}で囲むとズレがなくなります AA作成依頼の方法 AAの作成依頼はこちら 画像持って行けばAAを作ってもらえます 流れが速いのでスレ一覧から依頼で検索しましょう ◆★[AA作成依頼専用スレ]★◆part73 http //love6.2ch.net/test/read.cgi/kao/1233670312/ ◆◆AA作成依頼専用スレ@AAサロン Part53◆ http //love6.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1237820479/ 職人さんが自発的にアニメAAを作って投下するスレはこちら コピペ転載は基本的に荒らし行為なのでご注意 流れが速いのでスレ一覧からアニメで検索しましょう アニメA.Aスレッド 75th session http //love6.2ch.net/test/read.cgi/kao/1238246430/ ページ一覧 AA/高鴨穏乃2 その他 その他女 その他2 タイトル ネタ 二条泉 井上純 加治木ゆみ 原村和 原村和2 吉留未春 国広一 園城寺怜 天江衣 天江衣2 妹尾佳織 宮永咲 宮永咲2 文堂星夏 新子憧 杉乃歩 東横桃子 松実宥 松実宥2 松実宥3 松実玄 松実玄2 染谷まこ 染谷まこ2 染谷まこ3 永水女子 江口セーラ 池田華菜 池田華菜2 池田華菜3 池田華菜4 沢村智紀 津山睦月 深堀純代 清水谷竜華 片岡優希 片岡優希2 白糸台高校 福路美穂子 竹井久 竹井久2 船久保浩子 蒲原智美 複数 複数(清澄) 複数(風越) 複数(鶴賀) 複数(龍門渕) 複数2 須賀京太郎 高鴨穏乃 鷺森灼 龍門渕透華 龍門渕透華2 龍門渕透華3
https://w.atwiki.jp/sakibr/pages/42.html
参加者名簿 ■ 殺し合いの参加者一覧 ├ 五十音順(配布名簿での記載順) └ 所属学校順(順序は独断と偏見) ※独断と偏見による 参加者(配布された名簿順・五十音順) 01 天江衣(龍門渕高校) 02 池田華菜(風越女子高校) 03 井上純(龍門渕高校) 04 加治木ゆみ(鶴賀学園高等部) 05 片岡優希(清澄高校) 06 門松葉子(今宮女子高校) 07 上柿恵(千曲東高校) 08 蒲原智美(鶴賀学園高等部) 09 国広一(龍門渕高校) 10 久保貴子(風越女子高校) 11 沢村智紀(龍門渕高校) 12 須賀京太郎(清澄高校) 13 杉乃歩(龍門渕高校) 14 妹尾佳織(鶴賀学園高等部) 15 染谷まこ(清澄高校) 16 竹井久(清澄高校) 17 田中舞(今宮女子高校) 18 津山睦月(鶴賀学園高等部) 19 東横桃子(鶴賀学園高等部) 20 南浦数絵(平滝高校) 21 ハギヨシ(龍門渕高校) 22 原村和(清澄高校) 23 深堀純代(風越女子高校) 24 福路美穂子(風越女子高校) 25 文堂星夏(風越女子高校) 26 宮永咲(清澄高校) 27 室橋裕子(高遠原中学校) 28 夢乃マホ(高遠原中学校) 29 吉留未春(風越女子高校) 30 龍門渕透華(龍門渕高校) 【プログラム担当教官】 藤田靖子 サンフランシスコ・ザフィケル 参加者名簿(学校ソート) 【清澄高校】 宮永咲 / 原村和 / 片岡優希 / 竹井久 / 染谷まこ / 須賀京太郎 【龍門渕高校】 天江衣 / 龍門渕透華 / 国広一 / 井上純 / 沢村智紀 / ハギヨシ / 杉乃歩 【風越女子高校】 福路美穂子 / 池田華菜 / 吉留未春 / 文堂星夏 / 深堀純代 / 久保貴子 【鶴賀学園高等部】 加治木ゆみ / 東横桃子 / 妹尾佳織 / 蒲原智美 / 津山睦月 【高遠原中学】 夢乃マホ / 室橋裕子 【平滝高校】 南浦数絵 【今宮女子高校】 門松葉子 / 田中舞 【千曲東高校】 上柿恵 【プログラム担当教官】 サンフランシスコ・ザフィケル / 藤田靖子
https://w.atwiki.jp/yaranaioheroine/pages/19.html
TOPに戻る ヒ→ バーヴァン・シー(妖精騎士トリスタン) 背徳者サロメ 萩原雪歩 博麗霊夢 羽衣狐 バサルモス 八九寺真宵 パチュリー・ノーレッジ 初音ミク 羽入 浜風 ハム子(ペルソナ3ポータブル 女主人公) 速水厚志 薔薇水晶 原村和 バラライカ 灰流うらら ハンナ・ユスティーナ・マルセイユ
https://w.atwiki.jp/narumiayumu/pages/18.html
第一回放送までの死者 時間 名前 殺害者 死亡作品 死因 凶器 深夜 岡崎朋也 春原陽平 001 親友 射殺 Sturm Ruger Blackhawk 深夜 宮永咲 杉崎鍵 007 迷いと決断 射殺 IMI デザートイーグル 深夜 三千院ナギ 棗恭介 017 紅く染まれ――愛/哀の傷跡 斬殺 冥加 深夜 棗恭介 直枝理樹 017 紅く染まれ――愛/哀の傷跡 射殺 S W M60 チーフスペシャル 深夜 蟹沢きぬ アイズ・ラザフォード 019 スカーレット・オラトリオ 射殺 コンポジット・ボウ 深夜 結崎ひよの アイズ・ラザフォード 019 スカーレット・オラトリオ 射殺 コンポジット・ボウ 深夜 津村斗貴子 人吉善吉 024 コワレモノ~血飛沫に狂え~ 撲殺 左手用リボルバーナックル 深夜 竹内理緒 人吉善吉 024 コワレモノ~血飛沫に嗤え~ 撲殺 左手用リボルバーナックル 深夜 リシアンサス 高町亮子 026 L enfant de la punition 毒殺 毒薬入りの水 深夜 那波千鶴 三枝葉留佳 028 マガイモノ~Lunatic Girl~ 射殺 SIG Sauer SSG-3000 深夜 原村和 桜庭優 031 この少女に――救いはない 刺殺 ボウイナイフ 深夜 山田妙子 高嶺悠人 032 剣と銃のセレナーデ 斬殺 誓い 深夜 笹塚隆平 高嶺悠人 032 剣と銃のセレナーデ 斬殺 誓い 深夜 朝日奈さみだれ 美樹さやか 052 壊れた少女の選んだ道 刺殺 剣 黎明 クロノ・ハラオウン 春原陽平 038 死神様に最期のお願いを 射殺 Sturm Ruger Blackhawk 早朝 ネギ・スプリングフィールド 高町亮子 041 終ノ少女 刺殺 白楼剣 早朝 高嶺悠人 ユーノ・スクライア 047 泣き叫んだ少年少女――今日ここに、神はいない 絞殺 バインド 早朝 ネリネ 高山浩太 059 ウソの始まり 刺殺 コンバットナイフ 早朝 高山浩太 綺堂渚 059 ウソの始まり 刺殺 銀のナイフ 最期の言葉 名前 最期の言葉 岡崎朋也 「とりあえず移動しようぜ。早く他の知り合いと合流しねぇと。お前は芽衣ちゃんを探さ……っ!」 宮永咲 ――――お姉ちゃん―――― 三千院ナギ 「ありがとう――――シン」 棗恭介 「り……き……や…………め」 蟹沢きぬ 「おーい、オメーも当然乗ってね――」 結崎ひよの 「――――――」 津村斗貴子 「カズキのために!貴様を殺す!!」 竹内理緒 「まだ、死にた」 リシアンサス 「うん……亮子ちゃ……っ……あ」 那波千鶴 (生きたい。もっと生きていたい、なぁ) 原村和 「ゆっ……う……さ…………」 山田妙子 「無事か……さ、さづか……」 笹塚隆平 「ごめん、修史くん――仇討ち、できなかった」 クロノ・ハラオウン 「貴方のおかげで僕は――――救われた」 ネギ・スプリングフィールド (本当の亮子さんは笑っていないっ!) 高嶺悠人 「がっ…………ォ、………………ィ」 朝日奈さみだれ 「ゆー、くん」 ネリネ 「稟さま!」 高山浩太 「な……に…………?」 第一回放送までの殺害数 順位 人数 該当者 このキャラに殺された人 生存状況 スタンス 1位 2人 アイズ・ラザフォード 蟹沢きぬ、結崎ひよの 生存 奉仕(鳴海歩) 2人 人吉善吉 津村斗貴子、竹内理緒 生存 ?? 2人 高嶺悠人 山田妙子、笹塚隆平 死亡 優勝狙い 2人 春原陽平 岡崎朋也、クロノ・ハラオウン 生存 奉仕(春原芽衣) 2人 高町亮子 リシアンサス、ネギ・スプリングフィールド 生存 無差別 2位 1人 杉崎鍵 宮永咲 生存 奉仕 1人 棗恭介 三千院ナギ 死亡 奉仕 1人 直枝理樹 棗恭介 生存 優勝狙い 1人 三枝葉留佳 那波千鶴 生存 無差別 1人 桜庭優 原村和 生存 優勝狙い 1人 ユーノ・スクライア 高嶺悠人 生存 ?? 1人 美樹さやか 朝日奈さみだれ 生存 無差別 1人 高山浩太 ネリネ 死亡 無差別 1人 綺堂渚 高山浩太 生存 ??
https://w.atwiki.jp/007110/pages/141.html
姉帯豊音 天江衣 池田華菜 井上純 エイスリン・ウィッシュアート 臼沢塞 鹿倉胡桃 加治木ゆみ 片岡優希 蒲原智美 国広一 久保貴子 小瀬川白望 沢村智記 須賀京太郎 杉乃歩 妹尾佳織 染谷まこ 竹井久 東横桃子 津山睦月 南浦数絵 原村和 深堀純代 福路美穂子 藤田靖子 文堂星夏 宮永咲 吉留未春 龍門渕透華
https://w.atwiki.jp/yurirowa/pages/46.html
「私……人なんて殺せないよ」 森林地帯で、一人の少女がすすり泣いている。 彼女の名前は宮永咲。 清澄高校に通うどこにでもいる気弱な文学少女である。 麻雀が強くその姿さながら魔王のリンシャンマシーンという風潮もあるようだが、 少なくとも肩を震わせる今の咲からそのようなことは想像できない。 「殺すとか、殺されるとか、そんなオカルトありえません」 すすり泣く咲の正面に座っている一人の少女。 体育の時間に男子がふざけてボールを体操着に仕込み「おっぱいwwwwwきょにゅーwwwww」と遊んだ時のような胸の膨らみを持つ少女の名は原村和。 咲と同じく清澄高校に通う、麻雀大会全中王座のおっぱいさんである。 しかも御両親は検事さんと弁護士さん、男子にもモテモテだじぇ。 「宮永さんは、私が守ります」 「原村さん……」 「宮永さんを、泣かせたりなんかしません」 和にとって、咲は大切な友人だった。 ――否。友人なんて関係をすっ飛ばしてしまいたいほどの相手である。 和が咲に抱いている感情は、友情なんて言葉で片付けられるものではなかった。 和にとって咲は初めて自分の誇りを傷つけた少女であり、また対抗心を燃え上がらせた少女でもある。 いつしかその存在は和の中で大きくなり、とうとう親友だった片岡優希よりも大きくなった。 チームメイト全員分の応援よりも、咲一人のエールの方が力を与えてくれたように。 宮永咲という存在は、和にとって、掛け替えの無い存在となっていた。 「駄目だよ……原村さんが危ない目にあうのも……」 「大丈夫ですよ……私は、常に冷静ですから」 「でもでも、こんな状況だし……」 雨に震える子犬のような瞳で見上げる咲の体を、唐突に和の体が抱きしめる。 二人の距離を近付けるのを、豊満すぎる巨大な胸が邪魔をしているが、気にせずそのまま咲を抱き寄せた。 球状の胸が咲の平らな胸に押し付けられて楕円に歪んでいく。 その柔らかなあ感触と伝わってくる体温に咲の頬が赤く染まった。 「は、原村さん……!?」 「心配入りません。どんな状況でも、どんな敵が来ても、私は負けません」 和は、ありふれた言葉を使って表現すると、咲のことを愛していた。 その感情は、本来ならば異性に抱く感情だが、同性である咲に対してその感情を抱いていた。 しかしそれを、口にしたことは一度もない。 咲の指が触れた己の指を口に含んだことはあれど、愛の言葉を囁くことにその口を使ったことなど一度もない。 和はいつも冷静で、客観的な思考をすることができたから。 女性同士の恋愛が、世間でどういう目で見られるかは分かっていた。 厳格な父に祝福されないだろうことも、咲が好奇や侮蔑の目には耐えられないであろうことも。 だから決して和は想いを口にしなかった。 きっと咲なら愛の言葉を受け入れてくれるということも、和は知っていたのに。 「だって――――宮永さんが傍にいてくれるんですから」 「え……?」 少しだけ体を離して。 涙を浮かべた咲の表情がよく見えるくらい顔を離して。 そして、笑んだ。 今まで言えなかった言葉を口にして。 「だって私は、宮永さんが、大好きですから」 驚愕を通り越し、咲の脳はしばし言葉の意味を理解できなかった。 しばし惚けるも、ようやく言葉の意味を理解する。 それでもそれが、自分がずっと夢見ていた愛の告白とすんなり認めることは出来ずにいた。 ただの友情ではないか、自分を落ち着かせるためだけの言葉ではないか―― そんな若干の不安が、咲が素直に喜ぶことを阻害している。 「気持ち悪いと思うかもしれません。重たいと思うかもしれません。 それでも私は、原村和は、宮永咲さんのことを、一人の女性として誰よりも愛しています」 再度告げられる愛の告白。 その言葉は咲の心にしっかりと届き、咲の瞳に再び涙が溢れてきた。 しかし今度は恐怖や不安からくる涙などではない。 幸せになるために、様々な感情と共に溢れでてきた涙だ。 「私も……原村さんのことが好きだよ……」 グスグスと泣き始めた咲を、再び和が抱きしめる。 愛しい我が子を慰めるようにそっと頭を撫でながら、友人から恋人となった人の体温を感じる。 「ずっと……一緒ですよ……」 ここは、無法な殺し合いの場。 脅されたから、死ぬ前にせめて――そんな大義名分のせいで無法が罷り通ってしまいかねない巫山戯た場所。 殺人すら容認される、常識の無い狂った世界。 そんな世界に一つだけいいところを見出すとすれば、それはやはり法も常識も世間の目もないことだろう。 人を殺しても法的機関に責められぬのと同様に、盗みをしても強姦しても生還後に自ら告白しない限り“世間”から責められぬのと同様に、 この世界では女性同士で愛しあっても、責めてくる“障害”はない。 歪んだ愛を選んだことで父の胸を痛める心配もない。 確かにここは、最低最悪の世界。 しかしその世界の中に、ひっそりと二人だけの世界が作り上げられていた。 「うん……きっと、何とかなるよね……」 「ええ……二人だったら、何だってできますよ」 「そうだよ……ここからだって帰れるだろうし、それに――」 「帰っても、幸せになれますよね」 「うん……だってこんな非常事態でも切り抜けられたら、もう怖いものなんてないもん……」 ひしと抱き合う。 そして決意を口にする。 絶対に、二人で生きて帰ろうと。 周囲を気にしなくていい世界で得た幸福な関係を、世間の目がある日常でもきっと維持していけるだろうと。 「ええ、頑張りましょう、二人一緒に!!」 「うん……原村さんと二人なら、きっと何だって出来るよね……!」 「あーもー悪かったな二人っきりやなくて!」 なお、二人だけの世界なものの、この場にいるのは別に二人だけではない模様。 「……空気が読めませんね貴女」 「もうえらいこと黙って目をそらしたったやないか!」 「うう……恥ずかしいから席外して欲しかったよぉ……」 「何殺し合いの最中に単身放り出そうとしとんねん!!!」 見張りとして望遠鏡を覗いていたのは、姫松高校に通う愛宕洋榎。 彼女は高校こそ違えど、咲や和と同じく麻雀部に所属している。 そして彼女は“ポジション”の都合上和や咲と直接対決をしたことはないのだが、清澄高校とは対戦したことがあった。 その時に同卓していた咲達の先輩でありこの島にいる竹井久と、洋榎は浅からぬ仲になっていた。 「多分何とかなってたんじゃないですか。あ、それと離席するなら斧は置いていってくださいね」 「どんだけ自分の都合のいいよう動かそうとしとんねん!! 島中丸っとお前らの世界か!!!」 「ふ~たりのぉため~~~せ~かいはあるぅの~~~~」 「歌い上げんなや!!」 殺し合いの場だというのに緊張感が欠如しているように思えるが、暗く塞ぎこむよりはいいだろう。 元より三人に殺し合いをする気なんてないのだから、前を向いていた方がいいに決まっている。 「あーもうはよ帰ってこいや朝倉ァ!」 「まぁ実はとっくに戻ってきてて覗いてたんだけどね」 「ふざけんなお前」 そして今出ていったのが、朝倉和美。 シャッター商店街を移動している際、洋榎達に声をかけた少女だ。 まぁ、声をかけると言っても、銃を向けてという形ではあったけど。 今じゃまるでそんなことはなかったかのようにふざけあっている。 「さすがの私もあれだけ二人の世界に入られていたら空気くらい読みますからね~」 「ウチの助けを求める空気を読んだってくれや……」 和美の横から、葉加瀬聡美が顔を出す。 和美と共に商店街の探索を担当していただけあって、その手には工具が抱えられている。 「ああ、そうそう、首輪解析の資料探しで入った古本屋にこんなものあったけど」 「なんだろう、これ……?」 「使い方としては、こうやってスイッチを入れると振動するからコイツをアンタの愛しの孕村さんの股間に」 「み、宮永さんに変なこと教えないで下さいっ!」 宮永咲。 原村和。 愛宕洋榎。 朝倉和美。 葉加瀬聡美。 総勢5名の大所帯となるパーティが、殺し合いから3時間ほど経過した時点で結成されていた。 商店街という人の目を引く場所のおかげというのもある。 各々が情報や道具を求めてここを訪れ、そして合流してきたのだ。 「ちなみにこんなのもあったわ。カカオ99%の」 「チョコレートですか?」 「いや、コンド――」 「あああ朝倉さんっ!」 「つーか使えんのかソレ」 「というか女性だらけのこのメンバーでいつどう使う気なんですかねぇ」 店先からスタートし、蹲って泣いていた咲を、洋榎が保護したことからこのチームは生まれた。 毒気を抜かれたのもあって、洋榎は咲を泣き止ませ、とりあえずと商店街の適当な店に拠点を設ける。 遮蔽物が多いのもあって、ペンキ屋を拠点にすることに決めた。 そして情報交換を進め、咲以外にも人がいるかもしれないと考えるに至った。 しかし、咲を安心させるためにそのことは一旦伏せ、とりあえず身の安全を確保することを優先する。 釣具店があったことを思い出し、映画や漫画で見た記憶のある釣り糸と空き缶を使った警報装置を作ろうと考えた。 そして釣具店に向かおうと道路に出、そこで和と聡美のチームに遭遇したというわけだ。 再会の喜びの余り往来で抱きしめ合う咲と和。 歓喜からくる号泣と相手の名を呼ぶ声量は些か無用心に思えたが、洋榎は咎めなかった。 自分がもし妹の絹恵や姫松高校の友人とこんな場所で再会したらあのくらいはなるだろうし、そのくらいは許されてもいいだろうという甘い考えの元だ。 聡美は冷静に注意しようとしたが、洋榎に静止されてしまう。 そして今までどうしてたのかといったような情報交換を洋榎に求められたため、抱きしめ合う二人をよそに、聡美は洋榎と情報交換をした。 といっても、やけに冷静な二人がばったり遭遇して、争う理由もなかったのと、互いに役立ちそうな物がありそうな商店街を目指していたのがあって、共に行動したということだけしか、与えられる情報などなかったのだが。 冷静で感情をあまり出さないタイプに見えていたから意外、と聡美は泣きじゃくる和を見てそう言った。 その場で洋榎は「いやいやあの超有名人・原村和かて一応普通の女子高生やねんで」とツッコンだ。 それからすぐに、二人の頭に些細な疑問が浮かんできたが、その声は茶化すような「BANG!」という声によって霧散した。 声をかけたのは、和美だった。 咲と和の声を聞き、銃を構え、いつものように不敵な笑みをたたえていた。 和美の声にビクリとした咲をからかうように見て(実際からかっていたのだろう、ケラケラと笑っていた)銃を下ろす。 そして、和美は言った。「こんな往来で大声出すと危ないわよ」と。 それで結局全員揃って洋榎が拠点に選んだペンキ屋に移動することになった。 それから、和美と聡美の提案で、二人が何か使えそうなものを探して商店街を見て回ることになる。 咲と和は色々と話したいこともあるだろうしと満場一致で居残りが決まり、 聡美と和美もクラスメートということで同時に行動することが決まり、消去法的に洋榎が見張りと護衛役として手斧片手に留守番することになったというわけだ。 「とりあえず、一旦腰を落ち着けましょう」 そうして時間は現在に戻る。 聡美の提案で、とりあえず休憩を取ることになった。 かっぱらってきた缶詰による超簡単なメニューだが、一応料理をつくることができる状況ではあるので、和と咲の二人を調理班に回した。 名目上は休憩していた二人が料理を作り、周囲の探索をしていた聡美や和美が入れ違いに休憩に入るというものだ。 勿論“名目上”なので、実際の所は違う。 いつ死ぬか分からないので咲と和は極力一緒にいさせてやろうという計らいもあったし、聡美と和美にのんびり休む気などなかった。 勿論腰を落ち着けてのんびり喋る、という形ではあるのだが、その内容は至って真面目。 この世界の考察である。 既に物資調達の際に二人でしてきたソレを、洋榎にも聞かせ、彼女にも意見を聞く。 それこそが、この時間で一番やりたいことである。 考察を聴かせるのなら、咲と和がいる方が効率がいいように思えるが――――同時に大勢を混乱させるのは下策という考えがあった。 それほどまでに、受け入れがたいであろうコトを告げるのだ。 「は?」 当然、告げられた洋榎もポカンと口を開ける。 それから、笑うべきかどうか困りかねたかのように言葉を足す。 「それ、冗談か何かか?」 「いえ。マジです。大マジです」 「いやそれにしても……平行世界て」 平行世界。 なんかもうSFやら何やらでお馴染みの単語である。 洋榎にはざっくりした知識しかないが、さほど大きな問題にはならない。 深い知識が要りそうなことは和美と聡美で既に話した後なのだ。 洋榎に求めているのは、平行世界に関する考察ではない。 「出会った直後に、言ってましたよね。ええと、『西の天才美少女雀士・愛宕洋榎』でしたっけ」 「滑ったネタ掘り返すのやめーや……」 洋榎が恥ずかしそうに目を背ける。 聡美への自己紹介時に、そうやってボケて見事に滑っていたのだ。 「あれは冗談にしても……その後言ってた、自分のことをホントに知らないのか、といったことは、冗談でなく聞いてましたよね」 「ま、まあ……」 一応洋榎は、高校麻雀を嗜む者だったら名前くらいは聞いたことがあるだろう程度に有名人である。 だからこそ、名前も知られていないのが少しだけショックで、「え、ホンマに知らんの」など、少々しつこく聞いたのだ。 勿論「知らないですね」と返され、今では消したい過去である。 「そして、原村さんも超がつく有名人、と」 「ま、小生意気な胸のせいやろうけどなあ」 洋榎は、和に対し何の反応も示さなかった聡美達に「おいおい、あの原村和がおるっちゅーのに」云々と言っていた。 それに、あの「あの超有名人・原村和」という言葉。 そして和の功績を説明した後、中学生という身分を明かした聡美と和美に洋榎が言った言葉。 中学生なら、普通は1年前に中学大会で旋風を巻き起こした原村和は知ってる――それが、決め手となった。 「確かに、私は世俗に疎いので、最初は私が無知なだけかと思っていました。ですが……」 「私も聞いたことないんだよねぇ」 「朝倉さんはマスコミ志望ですからニュースなどは常にチェックしていますし、学生の大会なども積極的に取材していますが……」 「テレビ中継のある学生麻雀大会だなんて、私の知る限りでは存在していない」 洋榎にとって、麻雀は超絶人気競技であり、大会は全国中継され、スター選手は認知度抜群である。 だがしかし、聡美と和美にとってそんな事実はない。 「だから平行世界、と……確かにまあ、それなら説明がつくけどなぁ……」 いくら何でも飛躍しすぎ。 そう言いたげに洋榎が言葉を濁す。 まあ無理もない。 普通、そうあっさりと受け入れられないものだ。 「ええ、普通に考えたら、これだけで平行世界の存在を断言することは出来ないでしょう」 そう言って、聡美は眼鏡を正す。 一呼吸置いて、言った。 「白状します。私は、この殺し合いの主催者の友人です」 「な……!?」 超鈴音。 主催者の一人である彼女は、聡美や和美のクラスメートであった。 いや――クラスメートなどという、浅い関係ではなかった。 「ざっくりと、言いましょう。 彼女はタイムマシンで時をさかのぼり、望む平行世界を生み出すために暗躍したこともあります」 聡美と和美は、その作戦に加担していたことがある。 だからこそ、真っ先に並行世界という可能性に思い至った。 そして、既にその存在を知っていたからこそ、受け入れることも洋榎ほど難しくはない。 「いやいやタイムマシンて……マジなん?」 「マジです」 「ついでに魔法使いや魔法世界なんてものもあるのよ」 ポロッと漏らす和美に、少しだけ聡美は眉をひそめる。 しかしすぐに真顔に戻り、洋榎に告げた。 「しかし、平行世界から集められたとしたら、その目的がわかりません」 「確かに、わざわざそないなことする理由はあんま浮かばんわなぁ」 「どうせ平行世界から引っ張ってくるのなら、魔法を知らない世界の私を連れてきた方が有利なのに、です」 おそらく、何の意味もないということはないだろう。 相手はあの超鈴音。 意味のない布陣ということは考えられない。 「ですのでその意図を探るため、お話を伺いたいと思いまして」 「なるほど、麻雀人気の世界の情報提供担当っちゅーわけか」 「そうなりますね」 まだ半信半疑であったが、洋榎は自分の日常について語ってきかせた。 そして麻雀大会のこと、姫松高校のこと、原村和と宮永咲のこと…… 後半はあまり世界と関係がないように思えたが、和美が色々聞いてきたので喋った。 単なるゴシップ記者魂から聞いてきただけじゃないのか、と思ったが、洋榎はそういう下世話なライターも嫌いじゃないので割りとペラペラ喋っていた。 「なるほど、ねぇ」 「どうやら、やはり平行世界で間違いないでしょうね。 魔法世界のような異世界と考えるには、土地名や風習などがあまりに似すぎていますし」 ある程度、情報交換は終わった。 聡美は、それじゃあ次は首輪の解析でも進めるかと、持ってきた工具セットを開け始める。 洋榎は、漫然とそれを眺める。 和美は、脇においていたソーコムピストルを弄り始める。 「しっかし、平行世界なあ。どうやったら帰れるんやろ」 「それなら多分何とかなりますよ。 おそらく今回もカシオペアというタイムマシンが使われてるんでしょうし、それを使えば……」 「……ま、使いこなせるかわからないし、超リンに使ってもらうのが一番なんだけどねぇ」 クスクス笑う和美に対し、「友情パワーで改心やな」とボケて返そうとして。 洋榎が、固まる。 「おま……何やって――――」 間の抜けた音が響き渡る。 大きくはないが、それは確かに和美の手にしたソーコムピストルから発せられた音で。 聡美後頭部につきつけられた筒から飛び出た銃弾は、脳味噌の中に侵入し、右目周りを爆散させつつ飛び出した。 ひしゃげた眼鏡が吹き飛んで、カシャンと音を立てたとほぼ同時くらいに。 顔の一部を喪失した聡美の体が前のめりに倒れた。 「……悪いね」 冷めた目で、和美は銃口を動かす。 聡美の頭部があった位置から、洋榎の薄い胸元へと。 「……ッ!」 殺される。裏切られた。仲間が殺された。 こんな馬鹿げた催し物に乗っかる気か。何考えてるんだ。 言いたいことは、たくさんあった。 ありすぎて、普段饒舌なはずなのに言葉がうまく出なくって。 「友達だったんやろ……ッ!」 出てきたのは、そんな言葉。 多分それが、一番気に入らなかったから。 初対面だった自分を裏切り殺すことよりも、ふざけた脅しに屈してしまったことよりも。 信頼し合っていたはずの友人を、あっさり殺したということが、何より納得できなくて。 「そうだよ。だから、苦しんだりしないよう、何も分からないように、真っ先に殺したんだ」 洋榎の頭に血が上る。 感情のままに言葉をぶつけようとした。 けれどもそれは叶わない。 腹から出るはずだった言葉は、口に出る前に潰えてしまう。 腹と口との中間地点に穴が開いてしまったから、口まで辿り着くことが出来ない。 頭に上るはずだった血も、途中に空いた穴から吹き出してしまう。 頭部と違い即死かどうか、和美には判断出来ない。 だから近づいて、しっかりと額に銃口を押し付けて、引き金を引く。 今度こそ確実に、洋榎の生命活動が終わりを告げた。 「ご飯できましたよー」 タイミング悪く、そこで咲が呼びに来る。 渡されてからしばらく持ち上げ狙いを定める練習はしていたが、すぐに完璧になるものではない。 今から銃口を向けて確実に撃ち抜くのは難しいだろう。 「え!?」 だから、頭部を撃ち抜くため腰を落とした状態のまま、低空タックルを見舞う。 転倒し、混乱した咲の首を腕で固定し、無理矢理引きずり和のいるキッチンへと歩いていった。 (まったく、嫌になるわ) 聡美達には黙っていたが、和美は既に死体に遭遇している。 死体の主は、春日美空。 クラスの中ではイタズラ大好き少女として、魔法使いとしては野次馬根性丸出しの謎のシスターとして。 それなりに、つるんでいた仲である。 ちょっとだけ、「こいつとなら、付き合うのも悪くないよなぁ」なんて思ったことだってあった。 ――その美空が、死んでいた。 死因はおそらく転落死。 商店街の屋根を飛び回っていて、うっかり落下したのだろう。 (でもここでは、そんな想いをこれからもしなきゃいけないんだ) だがしかし、普通にいけば美空がそんな間抜けなことをするはずがない。 そして美空をそんな目にあわせた奴がいるのなら、美空の死体なんていう絶好の囮にかかった和美を見逃すはずがない。 となると、こうなったのは、主催である超が一枚噛んでいるのではと考える。 魔法には、魔法の仕様を制限させるものがあると聞いたことがある。 おそらく、アーティファクトに何らかの制御がかかっており、それに気付かずいつものノリで飛び回ろうとして墜落したのだろう。 (ごめんね、美空。弔ってもやれなくて) 美空の支給品をこっそりもらい、どうすべきか考えた。 最初は、正義感に燃えていた。 美空の仇を絶対に取ってやろうと。 だがその決意は、聡美との遭遇で、見事に打ち砕かれる。 (ごめんね、ハカセ。無事に帰ったら、今回の件で知ったデータ、持ち帰ってやるからさ) 聡美に会って、クラスメートの安否を心配した時。 聡美はこう言ったのだ。 ――大丈夫ですよ、相坂さんなら幽霊ですし、多分ここにはいませんから。 確かにさよとは仲がよかったが、幽霊であるし、和美としてもあまり心配はしていなかった。 だからこそ、その言葉が少しだけ引っかかった。 そして、そう口にした意味を説明するかのように、聡美は言った。 ――ま、私とて、恋人を心配する気持ちくらい、理解できないでもないですから。 さよと、恋人。 冗談めかしていうならともかく、この場面で言われるには不適切だ。 何せ自分は、クラスメートの長谷川千雨に冗談めかしつつアプローチをかけている。 それは聡美も、クラスの皆も知っているはずのこと。 ――平行世界かもしれません。 だから、平行世界と言われて、合点がいった。 聡美の世界と、自分の世界は別なのだと。 聡美は聡美・和美と洋榎・和・咲が同じ世界だと考えていたようだが、そうではなかったのだ。 二人で物資の調達中に、様々な情報を引き出したが、やはり細部が自分の知っている世界とは違った。 「宮永さん!?」 だから、殺すことにした。 だってここに居る皆は、自分の知る皆とは違うから。 自分が優勝し、超に頼み、皆が生きてる自分の世界に戻ればハッピーエンドなのだ。 心は、痛い。 けれど、その先のハッピーエンドを思えばどうということはない。 「逃げ……!」 和を逃がそうとする咲の背中をドンと押し、和の方に倒れこませる。 和は当然、咲に駆け寄ってきた。 銃口が向けられていても、まるで咲しか視界に入っていないかのように。 「……ごめん」 引き金を、引く。 予備弾薬があるから、ちゃんとすぐに死ねるよう、ありったけの銃弾を吐き出させる。 和と咲の体にいくつもの穴が開き、折り重なるようにして倒れた。 「ちゃんと帰った世界線では、幸せになるよう祈るわ」 ゆっくり弾丸を装填し、和の頭部に銃口をつける。 そして引き金を引いて、顔の確認をしがたい有様にした。 「……せめて、二人一緒に死ねるようには配慮したから。 まあ、それで、許してくれとは言えないけど」 そう言うと、ペンキの棚から適当なペンキを取り出し、和と咲にぶちまける。 狙いすましたかのような真っ赤なペンキに、思わず苦笑いが出た。 それから洗面台に向かい、軽く血を洗いながら作業に入る。 (大丈夫、ちゃんと観察はした) 4人の殺害を決めても、しばらく泳がせた理由。 それは勿論情報収集のためだ。 それでも殺害しやすい別行動中に行動を起こさなかったのは、平行世界があるという確信を得る目的とは別に、和の情報を得るためである。 美空のデイパックには、使い慣れた“変装道具”が入っていた。 取材の際、数多の人間になりすますのに使った道具。 それを使い、“朝倉和美”を辞めるために。 聡美との物資調達で別行動を取った際、こっそり制作しておいたのだ。 (……救いようのないクズだなぁ、ホント) 鏡の中に映るのは、原村和の顔をした殺人鬼。 この中で変装できる対象が、胸の都合で和だけだったというのもあり、変装相手に彼女を選んだ。 口調・交友関係はある程度頭に叩き込んだし、微妙なミスは平行世界関係ということで乗り切る。 (自分のままで人を殺すのに、耐えられないんだもんなぁ) 洋榎の言葉や和の行動、咲の視線は、和美の心に傷をつけていた。 そこまで無敵の精神力など持っていない。 責められれば、胸が痛い。 ましてや正しいなんて自分でも思っていないことなのだから。 (さて……行こうか。今から私は原村和。殺人鬼、原村和だ) まずいと思ったら、集団に溶け込む。 いけると思ったら、殺しにかかる。 どう行動したっていい。 最悪詰みかけたら、“朝倉和美”になればいいだけの話なのだ。 (死亡者が呼ばれた後は溶け込み作戦は難しくなりそうだし、さっさと行動移らないとね) もう一度、鏡の中を覗き込む。 鏡越しに見た世界はどこまでも狂っていて。 現実とは思えない光景が広がっていた。 (そう、ここは現実じゃない) 鏡の世界だとでも思おう。 似たような、けれども違う人達のいる世界。 ここから帰れば、夢オチだったかのように、今まで通りの日常が待っている。 「……サヨナラ」 仲間だった4つの骸に別れを告げ、“原村和”は歩き出す。 元いた正しい世界へと帰るために。 鏡の中から出てきたような参加者達を滅ぼすべく。 道を外れた哀れな迷子が、歩き始めた。 【春日美空@魔法先生ネギま! 死亡】 【葉加瀬聡美@魔法先生ネギま! 死亡】 【愛宕洋榎@咲-Saki- 死亡】 【宮永咲@咲-Saki- 死亡】 【原村和@咲-Saki- 死亡】 【1日目・黎明】 【E-01/商店街】 【朝倉和美@魔法先生ネギま!】 【状態】原村和に変装中 【装備】サイレンサー付きソーコムピストル@現実 【所持品】手斧@現実、那波千鶴の望遠鏡@魔法先生ネギま!、カセットコンロ@現実、葉加瀬聡美の不明支給品(確認済) 【思考・状況】 1.生き残って、“クラスメートが全員生きている世界”に帰る 2.そのために原村和として人を殺して回る ※商店街の路地裏に腕を胸で組まされた春日美空の転落死体が放置されています。 ※ペンキ屋の中、キッチンに顔に赤ペンキをぶちまけられた原村和と宮永咲の銃殺死体が放置されています。 ※ペンキ屋の中、寝室に愛宕洋榎と葉加瀬聡美の銃殺死体が放置されています。 【サイレンサー付きソーコムピストル@現実】 朝倉和美の支給品。 12発装填出来るが、サブマシンガン並に重い。 また、サイレンサーとはいえ完全に音を消せるわけではない。 正式名称はサプレッサー付きH K MARK 23、もしくはサプレッサー付きMK23 MOD0である。 【手斧@現実】 愛宕洋榎の支給品。 女子には若干重いが、使い方がシンプルでわかりやすく物を壊すのにも使える汎用性が高い武器。 威力も上々で、頭に当たれば「大丈夫、大丈夫」なんて言うまもなく命を落とすであろうくらいには強力。 【カセットコンロ@現実】 宮永咲の支給品。 これでどこでも簡単に火を起こせるし、料理もできるぞ! 【那波千鶴の望遠鏡@魔法先生ネギま!】 原村和の支給品。 天文部員・那波千鶴愛用の望遠鏡。 別に特殊な効果があるとかそういうことではない。 千鶴の家の財力を考えると、それなりに上質のものと思われる。 【朝倉和美の変装用具@魔法先生ネギま!】 春日美空の支給品。 朝倉和美が取材の際別人になりすますため使用していたマスク作成材料一式。 原作では簡単に破けるマスクで源しずなに変装していた。 麻帆良特有の超技術の結晶なのかは不明。 原村和に変装する際材料を使い切ったため、パテなどの道具はボロを出さぬため放置していった。 016 Honey, please lead me. 投下順 018:大変だ!ソーニャが土管にはまってしまった! 016 Honey, please lead me. 時系列順 018:大変だ!ソーニャが土管にはまってしまった! GAME START 朝倉和美 [[]]