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※敬称略 年齢順になっています 喫茶『ナルミ』 キャラクター名 年齢 身長 職業 誕生日 血液型 R18 恋愛 属性 参加者名 鳴海 秋一 27歳 180cm 給仕 不明 不明 ○ ○ 攻め そら 居酒屋『光琳』 キャラクター名 年齢 身長 職業 誕生日 血液型 R18 恋愛 属性 参加者名 七瀬 楓 28歳 183cm 居酒屋 不明 不明 ○ ○ 攻め Ree 七瀬 司 28歳 180cm 居酒屋 不明 不明 ○ ○ 攻リバ Ree 料亭『月白』 キャラクター名 年齢 身長 職業 誕生日 血液型 R18 恋愛 属性 参加者名 唐沢 慶介 33歳 188cm 板前(板長) 不明 不明 ○ ○ 攻め Ree 設楽 馨 24歳 174cm 板前 不明 不明 ○ ○ 受 星川 近衛 千春 20歳 156cm 給仕 1/12 不明 ○ ○ 受 麻遊 和菓子店『小浜屋』 キャラクター名 年齢 身長 職業 誕生日 血液型 R18 恋愛 属性 参加者名 小浜 信之助 30歳 192cm 和菓子屋 不明 不明 ○ ○ 攻め 倉餅
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かつてはDQ5並走部の一員だったが、大学卒業とともにRTAから引退・・・ したと思いきや、数週間で復活。 【コミュニティ】 みなみけ好きがなんかやる http //com.nicovideo.jp/community/co1121563 【記録】 DQ5RTA 5 25 06 DQ8RTA 11 16 58 【大会実績】 【関連】 裏 http //www.stickam.jp/profile/chiaki2525
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長門によると、山間の村というものは昭和の雰囲気が残るノスタルジックなものでなければならないらしい。 平成生まれの都会育ちが、昭和だの田舎郷愁だのとちゃんちゃらおかしいが、平成生まれの町育ちだからこそ自分が経験し得なかったものを強く求めるのかも知れない。 人間は誰しも自分にないものを手に入れようとする、とよく聞く。自分にない物を求めるからこそ、異性を好きになったり画面の向こう側のタレントに憧れたりするのだろう。 旅行だってそうだ。未だ自分が訪問したことのない環境へ身を投じるからこそ、見聞が広がって面白いのだ。 普段自分が生活している環境とまったく同じような場所へ、わざわざ労力を費やして出かけても面白いはずがない。旅先は、自分にとって未知であればあるほど楽しいのだ。 だから長門は自分が生まれ育った環境とはまったく異なる、対照的な物事を、長門本人とは縁もゆかりもない村というカテゴリーに期待したんだろう。 時代劇や時代小説を読む現代人のような心境、といえば少し違うかな? 自分に無い何かを求める。一言でいえば、それがロマンなのだ。 漫画なんかでよくある金持ちがインスタントラーメンやファーストフードに憧れるのも、全てはロマンなのだ。 長門は平成生まれだから、昭和にロマンを感じる。都会育ちだから、田舎にロマンを求める。 外食するとしたら料亭かファミレスばかりだから、こんな鄙びた場末の大衆食堂に憧れる。 今、俺たちは村の旧道沿いにある、鄙びたどころか崩れかかった木賃宿みたいな居酒屋に入り、遅めの夕食をとっていた。 長門は大衆食堂で優雅に夕食を食べたかったらしいが、店が閉まっているのだからしかたない。田舎の夜は早い。21時は深夜なんだ。大衆食堂が開いているわけない。夜のこの時間でも営業しているのは、夜泣き蕎麦の屋台に毛が生えた程度の居酒屋くらいのものなんだ。 聞いた話によると、少し離れた国道沿いに最近できたファミレスがあるという。俺としては是非そっちへ行きたかったのだが、ファミレスなんていつでも行けるでしょうという強硬で必死な長門の説得に妥協せざるをえず、嫌々ながらも小汚い飲食店へ牽引されるはめになってしまった。 そりゃ最近は子連れ親子が居酒屋に普通に出入りしたりしてる時代だけどさ。未成年が率先して居酒屋に行こうなんていうのはどうなのよ。おじさんは保護者代理として、非常に遺憾に思うところだよ。と嫌味を言ってみたが、案の定シカトされた。 口には出さないが、勘弁してもらいたいね。人間は誰しも、自分にないものを求めるんだぜ? なのに夕食がボロ居酒屋なんて、これじゃいつもの俺の生活とまったく同じじゃないか。 ~~~~~ 居酒屋のスペックは、カウンター席が3つ、小さなテーブル席が2つだけ、間の通路は横ばいにならないと通れないほどに狭い店内だった。果たしてこんな店にロマンがあるのかね。 しかしそれでも上機嫌そうな長門有希。こいつ別の意味でスイーツ脳なんじゃないだろうか。 俺がそんな心配事を頭の中で考え、長門がうまそうにゆずジュースをちびちび飲んでいると、立て付けの悪い入り口の扉が開いて2人の男女が入店してきた。それを横目で一瞥し、俺は自分の前にあるホッケを箸でつまんで口に放り込んだ。あいつとは不干渉協定を結んでいるのだ。関わり合いになる必要は、このホッケの小骨ほどもない。 「こんばんは、谷口くん。また会ったわね」 やあこんばんは、朝比奈さん。一日に2度も会えるなんて思っておりませんでしたので、非常に感激しているところですよ。 朝比奈さんとキョンが狭い通路に悪戦苦闘した末、ようやくテーブル席に座る頃、隣で長門がうなぎのおこわを注文する声が聞こえた。くそ、高いもんばっか頼みやがって。というか、震度2の地震で倒壊してしまいそうなボロ居酒屋になんでそんな値の張るメニューがあるんだよ。高野豆腐くらいにしとけよ。 「たまにはいいじゃないですか。たまに、なんでしょ?」 うっすら微笑みを浮かべ、カウンターの奥でコンロの火をつけながら喜緑さんがそう言った。 たまにどころの話じゃないですよ。あまりこいつを甘やかすようなことを言わんでくださいよ。 俺たちが初めこの居酒屋に入った時に出迎えてくれたのが、この喜緑さんだった。最初どこかで見たことのある人だなとは思っていたが、すぐには誰か思い出せなかった。よくよく考えてみると、記憶の片隅にちらちら思い浮かぶ面影がある。 まったくもって恥ずかしいことだが、喜緑さんが俺のことを覚えていて自己紹介してくれるまでまったく思い出せなかった。向こうは俺のことを覚えてくれていたのに。 だがしかし、朝倉さんのお姉さんが何故こんな薄ら寒い田舎の飲み屋などで店員をやっているのか。それが分からなかった。 「アルバイトですよ」 喜緑さんは割烹着のまま上品に笑った。アルバイト? こんな廃墟みたいな居酒屋なのに、人を雇う余裕なんてあるんだろうかね。いやはや。田舎、恐るべし。 ~~~~~ 誘蛾灯に誘われる蛾のようにふらふらと長門が後ろのテーブル席へ移動して行った。喜緑さんはテーブル席へ料理を運び終えると、そのまま厨房へ戻らず楚々とした仕草で俺の隣の席に腰を下ろした。 「まさかこんなところで、知っている人に会えるとは思いませんでした」 意外でしたと和やかな声で言うと、喜緑さんは空になった俺のコップにお茶をついでくれた。どうも、ありがとうございます。 なんだか居酒屋じゃない店に来たような気分だ。 テーブル席から聞こえる楽しげな話し声を背に、俺と喜緑さんは無言で肩を並べていた。 長門のご機嫌とりで疲れた1日の凝りを忘れられるような心地よい沈黙だった。2,3本アルコールが入ってふわふわと空まで飛んで行ってしまいそうになった脳みそをあたたかい茶が身体に引き戻してくれるような気がした。 日頃のしがらみや背後の談笑の声もすべてがシャットアウトされ、のんびりと乖離していくようで、非常に気分がいい。この旅行に出て、初めてこんな雰囲気もいいなと思えた。 ほどよい酔いのせいか、現実感が非常に曖昧になっていたから、隣の喜緑さんがしんみりと、私は彼氏にふられた傷心旅行に来たんですよと言ってもさして気にすることはなかった。 まあ、いきなりの爆弾発言で 「ん?」 と反応せざるをえなかったが。言った後で、ん?はないだろうと少々反省した。 「谷口さん、夏祭りの日に涼子と会いましたよね」 ええ。大変お世話になりました。その節はどうも。 「ちょうどその頃かな。花火の始まる直前くらいに、電話で別れを切り出されていたんです」 困ったような表情で、喜緑さんは小首をかしげた。 「地味な女って、ダメなんでしょうかね」 彼女はカウンターの奥に手を伸ばし、小さくどうぞとささやいて、茶を飲み干した俺のコップに日本酒をついでくれた。 ごくごく普通の、自然な仕草だったが、今更ながらそれが余計に気になって俺は正面を向いた。 地味な女がダメなんじゃないですよ。地味な女はダメだなんて言ってる男がダメなんですよ。 その後もぽつぽつと喜緑さんは、彼氏との思い出話や別れに至った経緯などを、誰に話すでもなく宙を眺めながら口にしていた。自分の身の上を誰かに愚痴りたい気分でいっぱいだが、こんな話をしても迷惑なだけだから、せめて独り言として終わらせようと配慮しているのだろう。 面と向かって目を見て話されたら押しつけがましく聞こえて嫌気もさすだろうが、暇つぶしにつけたラジオから流れる歌謡曲のように耳を通って行くだけの愚痴なら、まったく気にならない。負担のかからない世間話は、ある意味聞いていて気分がいい。俺は深刻に考えることなく、話の要所要所でうんうんと相づちを打ってコップをかたむけているだけでいいのだ。 独り言に対して過剰につっこみを入れたり感情移入するのは野暮天というものだ。喜緑さんもきっと、そういう対応を望んでいるに違いない。 「何が原因だったのかは分かりませんけれど、たぶん私が引っ込み思案な性格だったから、彼はそれが嫌になったんじゃないかと思います。そう言っていたこともありますし」 昔を思い出すように、喜緑さんは遠い目で厨房の梁につるしてあるラジオを見つめていた。ラジオからはノイズ混じりのかすれた声で、野球中継が流れていた。 風もないのに、古ぼけたラジカセは梁にぶら下がり、ぶらぶらと揺れていた。 「口の悪い人でした。なにかにつけて毒舌の出てくる人で。付き合い始めた最初のうちはかなり面食らっていたんですけどね。そのうち慣れました。そういうことって、ありますよね? で、次第に慣れていって、最近はそれも愛情の裏返しだなんて勝手に解釈していたんです」 コップの酒をあおり、喜緑さんはふうとため息のように息をもらした。 その横顔は、なんだか感慨深そうに見えた。 何か機知の利いたセリフでも言うべきかと考えていると、喜緑さんは一転あわてた様子で立ち上がり、お客さんに愚痴を聞かせてしまって申し訳ありませんでしたと照れたふうに頭を下げ、店の奥へ引っ込んで行った。 俺としては、個人的に訊いてみたいこともいくつかありはしたが、なんだかこれ以上プライベートなことに首をつっこむのが悪いように思え、愛想笑いを浮かべただけで俺も席を立った。今の俺はただの旅行客で居酒屋の客というだけの存在だが、それでも喜緑さんにとっての俺は、知り合いの探偵さんという認識であることに変わりあるまい。探偵と思われている以上、必要以上の世間話は詮索とも受け取られかねない。 愚痴りたいことを好きなだけ話して、きっと彼女は多少でも気が楽になっているに違いない。ならそれでいいじゃないか。これ以上、余計な気苦労をかけさせるのは気兼ねする。今日はここいらで引き際としておいた方がよさそうだ。 そういう結論に行き着いた俺は、ごちそうさんでしたとおどけて見せ、テーブル席で枝豆の袋を丁寧に割っていた長門の襟首をつかんでポケットから財布を取り出した。 「今日は本当にごめんなさい。せっかくの楽しいご旅行中に水をさすようなことを言ってしまって……」 勘定のおつりを手渡しながら、喜緑さんはまたあの眉を下げた、困ったふうな表情でそう言った。 洗い物をしていたのだろうか。おつりを受け取る時にふれた彼女の指先は、やけに冷たかった。 ~~~~ 音の割れたラジオから、デーモン閣下の高笑いが聞こえてくる。冬の寒さが足音を響かせるこの季節ともなれば、外からは虫の鳴き声も聞こえてこない。店の中はラジオのジングルと、キョンと朝比奈みくるの話し声だけが降り積もる雪のように店内にしんしんと流れていた。 喜緑江美里は、こんな静かな時間が好きだった。騒がしすぎる喧騒はどうも苦手だ。つき合っていた彼に一度、ライブハウスに連れて行ってもらったことがあったが、けたたましい音が絶えずわんわんと嵐のように吹き荒れている空間に圧倒され、無性に恐ろしくなってチケットを返したことがある。 『最高に盛り上がれるのによ』 不貞腐れた顔で、彼が帰り道にそう言っていた。いつもならその不機嫌な顔も舌打ちも、彼の独特の癖のようなもので悪意があるわけじゃないと気にも留めないが、その日は彼の誘いを断ったという引け目もあって、その言葉が 「お前ってつまらないヤツだな」 と言う意味のように感じられ、落ち込んだ心にトゲのように突き刺さったことを覚えている。 あれは癖のようなもので悪意が無かったと判断しているのは自分だけで、本当はあの時の彼の言動は私に対する嫌味の表れだったのかもしれない、と喜緑江美里が思ったのは、彼に一方的に電話で別れを切り出された後のことだった。 彼からの電話は本当に一方的な連絡で、つっけんどんな口調で用件だけを伝えると、喜緑江美里の返答を聞く間もなく切られてしまった。だから喜緑江美里はなぜ突然破局が訪れてしまったのか皆目わからなかったし、その理由も自分で想像するしか手段がなかった。 折り返し電話をかけて、離別の理由を問いただす勇気も持てなかった。 話をしようとすれば、嫌でも彼の口から残酷な言葉を伝えられることになる。その音は、喜緑江美里にとっては自分をおびやかす脅威以外の何物でもない。 ライブハウスでの音は喜緑江美里にとっては相容れぬ異物であり、自分のアイデンティティと相対するものだったため受け入れることができなかった。彼に電話をかければ、それと同じく自分には受けれ入れ難い言葉が返ってくるに違いない。 喜緑江美里はトラウマといっても良いほどに、外部の音に対して神経質になっていた。だから自分はこんなにも静かな村に愛着をもったのだろうか、と考えて喜緑江美里は苦笑した。 「すいません、お勘定をお願いします」 テーブル席に座っていた朝比奈みくるが、伝票を持って喜緑江美里に話しかけた。もうそろそろ店仕舞いの時間だと告げようと思っていただけに、喜緑にとっては実に良いタイミングだった。 俺が払いますよと言いながら、キョンが赤ら顔で足をもつれさせて立ち上がるが、朝比奈みくるはそれを一蹴して先に行ってくれと伝えた。 ほほえましく朝比奈みくるとキョンの問答を眺める喜緑江美里が受け取った代金を引き出しに入れていると、軋んだ音を立てて店の扉が開かれた。 閉店間際の客だろうか。もう店仕舞いであることを伝えようと扉の方に視線を向けたその瞬間、深夜の来客を見て喜緑の手が止まった。 ───ありえない。 頭にぼうっとした靄がかかったように現実感が薄れ、自分が山間の村の居酒屋でなく、頭の中の過去の世界に来たような錯覚を覚える。安定感を欠いた気持ちのまま、喜緑江美里の口から、心に浮かんだ言葉がそのままぽろっと漏れ出していた。 「藤原くん……」 驚いたのは喜緑江美里だけではなかった。見覚えのある人物に面食らったのか、土間口に立つ藤原も目を見開いて固まっていた。 「江美里……?」 面食らった藤原は店内に身を乗り入れてその後に言葉をつなげようとしたが、結局それ以上は何も言わず、目をふせてきびすを返し、後ろ手で店の戸を閉めた。 ほんの一瞬の出来事だった。 藤原は無言のまま、喜緑江美里の視界から完全に消えてしまった。 朝比奈みくるとキョンが不思議そうな面持ちでその様子を眺めていたが、喜緑江美里は呆然とした頭のまま、弛緩したように肩を落として立ちすくんでいた。 喜緑の目の前にある扉は、わずかの隙間もなく、閉じられたままだった。 ふらふらと揺れるラジオから、またデーモン閣下の高笑いがノイズに混じってひびいていた。 ~~~~~ 暖かい布団の中で心地よくまどろんでいると、いきなり氷のように冷たい冷気が俺の顔にめがけて襲いかかってきた。あろうことか、さらに我が勢力化にある布団の中にまで電光石火の勢いで攻め入ろうという勢いだ。俺は突然の急襲に理解不能のクエッションマークを頭に浮かべながらも、寒さに怯えてのそのそとした動作で布団を頭の上に覆いかぶせ、うううと呻きながら穴熊的防御体勢に入った。 なんという敵襲。せっかく平和な睡眠を謳歌していたというのに。一体どこの誰だ、こんな卑劣な侵略行為に出たやつは。 半分寝ぼけた頭で不満をぶちぶち漏らしながら布団から顔だけ出すと、目ぼけ眼の俺の前に、つやつやした顔つきの長門が仁王立ちしていた。 「………寒い」 なんだよお前。んなこと分かってるよ。なんで窓あけてるんだよ。早く閉めろよ。寒いじゃないか。さてはお前シベリア魔人だな。 「………身も引き締まる思いがする。とても良いこと」 うへぇ、と不満を口にしながら、俺はまたもぞもぞと布団の中に頭をつっこんだ。俺にとっちゃ布団の中のぬくもりの方がとても良いことなんだ。そんなに寒いのが好きなら外へ行って来い。俺は寝る。 「………もう朝の10時。いい加減起きるべき」 長門は饒舌にそう言うと、ぐいぐいと手で布団越しに俺の身体をゆさぶった。布団越しだから分からないが、ひょっとしたら足で蹴っているのかもしれない。くそう、兄貴分を足蹴にするとは、いい度胸してるじゃないか。 何故こいつはこうもテンションが高いのか。長門はいきなり有無を言わさず、俺の防御結界である掛け布団をはがしにやってきた。 なにするんだよ、やめろよ、やめろよお。そんなに寒いのがいいなら冷蔵庫の前にでも仁王立ちしてろよ。なんで俺の部屋の窓を勝手に開けちゃってるんだよ。そしてそれだけでは飽き足らず、俺の布団までも剥ぎ取ろうとするなよ。堪忍やで、堪忍やで。お願いしますお願いします。 「………もうすぐお祭りが始まってしまう。お祭りを逃してしまったら、なんのためにススキの路線を抜けてここまでやってきたのか分からない」 理屈は分かるが、人間は正論だけじゃ生きて行かれないんだぜ。俺にはぬくもりが必要なんだよ。温度的な意味のぬくもりも必要だが、人情的な意味でのぬくもりも必要なんだ。見逃してたもれ、頼みますから見逃してたもれ。 「………平安時代の女官の物マネをしてもダメ。さっさと起きるべき」 あらゆる方面から説得したが、しょせんは寝起きで半覚醒状態の頭では本来の50%の能力しか発揮できない。とうとう俺は悪辣なる長門の暴力に屈し、あわれ布団を剥ぎ取られてしまったのだった。 途端に、刺すような寒さが俺の全身を包み込む。今ほど冷凍マグロとチルド食品の気持ちが分かったことはないね。 意味不明の言葉をぐずぐず言いながら布団の上で丸くなる俺の耳たぶを長門が乱暴にひっぱる。 いててててて! いてえって! 身体の末端部分はやめろよ! 痛いってマジで!! 「………起きた?」 上機嫌で無表情な長門が、ふんふんと嬉しそうに鼻息をもらしていた。 起きていないように見えるか? 俺はじんじんと疼く耳たぶを手でおさえ、上機嫌にとことこと部屋を出ていく長門の後姿を見守っていた。もうあいつ置いて、さっさと帰ろうかな……。本当言うと俺は旅行よりもサブカルチャーの方が好きなんだよ。 よく旅行から家に帰ってきた人が安堵心から 「やっぱりうちが一番いい!」 と言ったりするもんだが、まさか旅行に来て24時間も経っていない旅先で 「やっぱりうちが一番いい!」 の心境に到れるとは。 俺、なにしてるんだろう……。 ~つづく~
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夢十夜――第一夜『青木ヶ原の血吸鬼』――◆F0cKheEiqE こんな夢を見た。 ◆ そこでは、一組の武家の男女の祝言が、執り行われていた。 花婿は立派な裃姿の武士であり、花嫁は白無垢姿の妖艶な美女であった。 参列者たちは数も多く、また何れも立派で豪奢な服装に身を包んでおり、 彼らの面前に出された料理、酒の類も、庶民には手の届かぬ贅沢品ばかりであった。 今日、祝福されるこの男女の家の身分の高さ、あるいは財産の豊富さを覗わせる。 見れば、花婿の裃の肩衣には「三つ盛鱗」の紋が白く染め抜かれている。 と、すれば、この花婿は小田原北条氏の一族の一人と言う事であろうか。 それならば、この祝言の盛況ぶりも納得がいくという物である。 よくよく参列者の顔ぶれに目を向ければ、 何れも小田原北条氏の重臣の御歴々であり、 大道寺氏、松田氏、上田氏といった後世に名を残した一族の人々も見え、 花婿の主君である北条氏康公こそ姿を見せぬものの、その代理として弟の北条氏尭公の姿もあった。 来賓達は料理と酒に舌鼓をうち、互いに愉快に話し合い、笑い合ってはいたが、 何故であろう人々の花婿を見る視線には、祝福ではなく、 何処か冷笑・侮り・嘲り・嫉妬と言った陰性の感情を多分に含んでいた。 その理由は、花婿、花嫁の顔を交互に眺めれば一目瞭然だった。 前述したが、花嫁は実に美しかった。 妖艶…否、淫靡とすら言っていい程であった。 男であれば誰もが見惚れ、其れを物にする男を羨む程であった。 一方、花婿はどうであろうか。 花婿の顔に目をやれば、誰であろうとも、 来客達の視線の視線をたちどころに理解できるであろう。 花婿の顔は…あまりに醜かった!滑稽なほど醜かったのだ! 見よ、その飛び出した額! 見よ、その扁平の鼻! 見よ、その左右不揃いの釣り上がった眼! 見よ、その衣裳の裾のように脹れ上がり前歯をむき出した上下の唇! 見よ、その左半面ベッタリと色変えている紫色の痣! 類稀なる美女の花嫁の顔と並べて見れば、その醜さは一層引き立って見える。 参列者達の視線の意味… それは分不相応にも、家中随一の美女たる花嫁―名を「園女」と言う―を娶る、 家中随一の醜男たる花婿―名を「北条内記」―に対する嫉妬と冷笑に他ならない。 なまじ、花婿・北条内記が、家柄だけでなく文武共に秀でおり、 幾つもの恩賞を上げた侍大将の筆頭である事実が、 少なくともその容貌以外が園女を娶るに足る資格を充分に有していると言う事実があるだけに、 人々の北条内記に向ける負の視線はより一層陰湿で、ドギツい。 (なんとまあ、不釣り合いな夫婦である事よ…) (許婚であるとは言え、園女も随分不運な事よ) (それにしても憎いは北条内記奴、不相応なモノに手を出しおって) (貴様は狒々とでも、契っておるのが似あいの面だとわからぬか) 花婿の知る知らずは知らず、 来賓の心に浮かぶのは何れも、このような言葉ばかりであった。 一方、花婿・北条内記の心の内を覗いて見れば… (俺の面相では、正直、園女も嫌になろう…) (しかし、真心で、真心を込めて接し続けていれば…いつかは…いつかは) 成程、花婿も、自分の面相の悪さには気が付いていたようだが、 その心には、自身の力量へのうぬぼれか、どこか楽観があった。 この時はまだ。 宴も酣になったころ、 突如、奥の襖が蹴り破られた。 その音と様子に、一同は驚き、 何事かと皆、目を見遣る。 そこには一人の男がいた。 男は花婿と同じく裃姿だが、 その容貌は北条内記と対称を為すように、 男ならば誰でも羨み、女であれば誰でも溜息を付く、恐るべき美貌の持ち主であった。 男は驚く来客達を一瞥だにすることなく、男は北条内記の面前へと、 どしどし足を進める。 「無礼な!…何用だ伴源之丞!」 北条内記が無粋な乱入者へと向けて、一喝する。 果たして、乱入者の正体は、小田原北条氏家中随一の美男と言われる、 伴源之丞その人であった。 「何用だぁ、だと?……北条内記」 伴源之丞はニヤニヤと笑いながら、睨みつける北条内記の顔をしばし見ていたが、 唐突に耳まで裂けるほど口唇を釣り上げると、 「フフフ」 「ハハハ」 「アハハハハハハハハハハ」 と内記をゲラゲラと嘲笑しながら言った。 「冗談はその面だけにしとけや、北条内記奴!」 「貴様、本気で自分が園女を娶れると、そう思うておるのか!?」 「ナニッ!?」 祝言の席での、常軌を逸した暴言に、 坐していた内記が立ちあがる。 その顔は湯で蛸の如く真っ赤に染まっている。 「貴様の様な醜い男が、園女を娶るなど、園殿があまりに哀れ。 俺が貰って呉れるから、貴様はとく去ね」 「な、何を…キサマっ!」 「よく申して下さいました源之丞さま!」 「園女どの!?」 源之丞のあまりの物言いに、傍らに置かれていた刀を拾うや否や抜かんとする北条内記の隣で、 今まで静かに控えていた花嫁・園女が、突如立ち上がり、予期せぬ言葉を吐いた。 激昂から一転、冷水を浴びせられたが如く、慄然たる心持で、園女を見遣った。 園女は北条内記を見ていた。 その視線と、綺麗な口元は内記への嘲笑で歪んでいる。 園女はスルスルと歩を進めると、 源之丞の首に手を回し、枝垂れ懸る様にその頭を源之丞の胸板に預ける。 源之丞は、勝ち誇った顔で、園女の肩に手を回した。 「ああ…あああ、ああああ…」 「よう解ったであろう、内記。園女は俺の女よ。そうとも知らず、滑稽な男よなぁ」 「全く、侍大将の筆頭が、妻となる女の心にも気が回らぬとは、まこと情けなき輩です」 源之丞、園女、ともに顔を見合わせて、クスクスと内記を嗤うと、 彼に背を向けて、入って来た方へと歩き出す。 余りの出来ごとに、自失していた内記であったが、 正気に返るや、やおら段平引き抜いて、姦婦・姦夫へと叫ぶ。 「止まれ…止まらぬか、姦婦!姦夫!」 口角沫を飛ばし、顔を真っ赤にして叫ぶ内記の様相は、 まさに鬼気迫ると言う言葉そのままで、 源之丞、園女の態度次第では、今にも白刃を煌めかせんといった調子であった。 しかし、源之丞、園女、姦夫姦婦の二人連れは振り向く事すらする様子なく、 スルスル出口へと向かうのみ。 これに正に怒髪天を突く、北条内記、エェーイと一声、気勢を発すれば、 ダダダと踏み込み、右上段袈裟掛け、一刀のもとに姦夫姦婦纏めて斬り捨てんとする。 土子土呂之介直伝、一羽流の見事な太刀筋、姦婦姦夫、すわ血の池に沈みしか、と思えば… 「ヌ!?」 如何なる怪異か、内記の太刀筋はするりと二人の体をすり抜けて、 僅かに畳を髪の毛ほど抉るのみ。 間合いを誤りしかともう一太刀、今度は左の逆袈裟をしかけしも、 またも、太刀は霞を斬るが如く、姦夫姦婦をすり抜けて、空しく空を斬ったのみだった。 「ヌヌヌ、色小姓風情が…おのおのがた、その二人を、止めてくだされ、止めてくだされ!」 自分の太刀が何故かすり抜ける怪異にすら、その怒りにより気の留らぬ内記は、 未だただ控えるだけの来客たちに、姦婦姦夫を留めんと声をかける。 「おのおのがた、いかがなされた!?二人を…」 しかし動かぬ来客達に、再び声をかけんとした内記は、そこでハタと気が付いた。 自分を見つめる、来客達の視線、表情に。 そこにあったのは… ハハハ ヒヒヒ ゲラゲラゲラ 確かに嘲笑と侮蔑であった。 「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」 「ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒッ」 「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ」 「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」 「ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒッ」 「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ」 「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」 「ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒッ」 「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ」 突如湧きおこる哄笑、哄笑、哄笑…! ただ呆然とするしかない内記を余所に、 人々は笑う、嗤う、嘲笑う! 「北条内記の面相なら、連れ添う女房でも厭になろう」 「家中一等の美人の園女を、本当にモノに出来るなどと…笑止千万」 「旨くやったは伴源之丞、あの園女を手中に入れ、内記めを降すとは果報者だ」 「その又伴源之丞と来ては、家中一番の美男だからな。似合いの夫婦というやつさ」 そして人々は立ち上がり、 次々に姦夫姦婦を祝福す言葉を挙げれば、 手を叩きながら二人につられて歩き出す。 「おのおのがた、おのおのがた…お待ちくだされ、お待ちくだされ!」 「福島殿!松田殿!成田殿!」 「大道寺殿!垪和殿!富永殿!」 「上田殿!猪俣殿!清水殿ぉ!」 「左衛門佐様ぁ、左衛門佐様ぁ、左衛門佐様ぁっ!」 「お待ちくだされ、お待ちくだされ!」 「お待ちくだされ、お待ちくだされ!」 「 お 待 ち く だ さ れ っ ! 」 内記は絶叫する。 しかし誰一人振り向かない。 気がつけば、かつての祝言の席には、ただ、“元”花婿一人が残された。 しばし呆然と立ち尽くす北条内記であったが、 刀をごとりと取り落とし、がっくと膝を突くと、 真っ青な顔で呻くように呟いた。 「これは…夢だ…」 「夢を…見ているのだ」 しばし息苦しく喘ぎ、冷や汗を流すと、 発止と落ちた段平、再び握りしめて、内記は再度絶叫した。 「何事も無い!」 「何事も起こっては御座らん!」 「これは夢で御座る!」 「かかる悪夢に惑わされてはならぬ」 「今日、この日、この只今!」 「園女は、園女は!」 「確かに俺の、この北条内記の、妻となったのだ!」 「かような事のあり得ようはずはござらぬ!!」 「夢だ!」 「夢だ!」 「夢だ夢だ夢だ!」 「 夢 で ぇ 御 座 る ぅ っ ! 」 「 否 、 夢 に 非 ず 」 内記の絶叫を打ち消すように、 彼の背後より、冷たい言葉が走った。 内記が、バッと振り向けば。 そこにはいるはずの無い男が居る。 赤茶けた蓬髪、三角形の琥珀色の瞳。 まばらな針みたいな髭、高い頬骨、高い鼻梁―――新免無二斎 否、彼のみに非ず、 男臭い容貌、閉じられた右目―――柳生十兵衛 少女の如き美貌、頬の十字傷―――緋村剣心 剣心の身に枝垂れ懸る美少女―――神谷薫 何れも異様なる御前試合で、北条内記…否、『三合目陶器師』が対峙した人々。 その誰もが、内記を見ている。いずれも、目にこもるのは嘲笑!口元にこもるのは侮蔑! 「夢に非ず、北条内記、否、富士三合目の陶器師!」 「小田原北条の侍大将筆頭が、密夫されて浪人さ!」 「誰も憐れまぬ女敵討ち!哀れ、哀れ、哀れ!」 「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」 「ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒッ」 「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ」 「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」 「ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒッ」 「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ」 「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」 「ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒッ」 「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ」 「笑うな…」 「笑うな!」 「 笑 う な ぁ っ !」 内記は、 否、三合目陶器師は、 嘲笑う人々へと向けて又も絶叫する。 気がつけば、その姿はただ醜い北条内記の姿から、 利休茶の十得に、同色の宗匠頭巾、白皮足袋に福草履、 青白い、幽霊の様な、仮面の様な、 限り無く美しくも、限り無く醜い顔を持つ、陶器師の物へと変わっていた。 陶器師はケェッー、っと奇声を上げながら、 滅茶苦茶に無二斎、十兵衛、剣心、薫へと斬りかかる。 しかしまたも太刀筋はすり抜けて、ただ空を斬るのみ。 その姿を存分に嘲笑って、四人はやおら腰に手挟んだ段平を引き抜いて、 「ギャッ!」 まず十兵衛がその右目を、次いで剣心がその頬を、 次いで無二斎、薫がと、次々白刃を閃かせ、 なますの如く、嗤いながら陶器師の体を斬り苛む。 「ア、ア、アアアアアア」 声にならない悲鳴を上げて、 血だるまになりながら、陶器師はほうほうの体で逃げ出した。 其れを見て、四人、 「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」 「ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒッ」 「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ」 又も嘲笑う。 しかし、陶器師に、それを見返す力は既に無い。 邸より飛びだし、 何も無い暗闇を、悟り無き無明長夜をただただ、ひた走る。 終いには息が切れて、刀を大地に刺し、どっと蹲った。 その傍らに、如何様にしてか、突如人影が出現する。 疲れ切った頭を何とか起こして、その人影を見遣る陶器師。 そこには、 「おおお、月子殿!」 齢三十程の穢れ無き美女、白衣の面造師、月子の姿があった。 「月子殿、直してくだされ、俺の顔を、直してくだされ」 陶器師は月子の足に縋り付き、血まみれの顔で哀願する。 その姿を、月子は、しばし冷たい瞳で見ていたが、 「嫌でございます」 「エッ!?」 「貴方様にはホトホト愛想が尽きました。自力で何とか為されませ」 縋り付く手を冷たく拒絶すると、月子は陶器師に素早く背を向けて、 闇の向こうへと歩き出す。 「待ってくれ、待ってくれ月子殿!」 「待ってくれ、待ってくれ!」 陶器師は、立ち去る月子へと向けて、手を突きだしながら叫ぶ。 「待ってくれ!」 「待ってくれ、待ってくれ!」 「俺を見捨てないでくれぇ~~っ!」 最早、陶器師は泣いていた。 泣いて、泣いて、哀願していた。 しかし、月子は立ち止まらず、振り向かず、一言もかけず、 闇の中へと、闇の奥へと、霞の様に消えて行った。 闇の中に、陶器師が一人残された。 ◆ 陶器師は啜り泣いていた。 蹲って、啜り泣いていた。 まるで女の様に、まるで少女の様に、 情けなく、みっともなく啜り泣いていた。 その背に、 「悔しいか」 ふと、しゃがれた声が掛った。 泣き声が止まり、陶器師が顔を上げると、 そこには、見覚えの無い老人が一人立っていた。 恐ろしく背の高い老人であった。 鶴みたいに痩せた、細長い体躯を、鶯茶色の唐人服で包んでいる。 髪は、墨の様に黒く、艶のある総髪で、顔は恐ろしく長く、かつ天竺人の様に浅黒い。 肌は皺が多い半面、未だ艶やかさを失わず、生命力に溢れている。 口の両はしには、泥鰌みたいな髭が、ちょろりと生えていた。 たいそう年を食っているいる事は確かな雰囲気を持っているが、 反面、髪は黒く、肌には未だ張りがあり、その年齢には見当が付かない。 ただ、目だけは――世にも珍しい翠玉色の瞳だ!――異様に若々しく、むしろ生臭くさえあった。 「悔しいか、北条内記」 老人は再度問うた。 陶器師は答えて云った。 「悔しい、悔しいぞ」 「どれほどまでに」 「斬らねばおれぬほどに、活かしては置けぬほどに!」 陶器師は立ち上がった。 その姿には、先ほどまでの弱弱しさは無い。 むしろ、妖気すら立ち上っているではないか。 「園女を、源之丞を?」 「姦夫姦婦、活かして置けぬ!」 「剣心を、薫を?」 「姦夫姦婦、活かして置けぬ!」 「柳生を、新免を?」 「憎きやつら奴、活かして置けぬ!」 「この試合に呼ばれし男ども…」 「姦夫ども奴、活かして置けぬ!」 「この試合に呼ばれた女ども…」 「姦婦ども奴、活かして置けぬ!」 「みんな殺すか。一体どこまで斬るつもりか?」 「斬っても、斬っても斬り足りぬ!一切衆生、活かして置けぬ!」 「それでは悟りは得られぬぞ、解脱は得られぬぞ」 「悟り?解脱?カ、カ、カ、」 「悟りとは何だ!解脱とは何だ!永世輪廻よ!永世輪廻よ!活き変わり死に変わり人を殺すのよ!」 「そうした果てにどうするかね?」 「そうした果てにか?そうした果てにか?やはり人を殺すのよ。」 「救われぬな、北条内記…しかし」 老人がニヤリと笑った。 「だがそれが良し」 「少し後押ししてやろう、北条内記、否、三合目陶器師…」 「貴様が、ちゃんと人を斬れるように」 「人を斬れよ、陶器師。うんと斬れよ、陶器師」 「屍山血河築くまで、斬って斬って斬り続けよ」 「そして播くのだ、憎悪の種を、殺戮の種を!」 「さすれば、さすれば」 「この世はもっと混沌として面白くなるのだ!」 そこで目が覚めた。 ◆ 「夢か…」 まだ青い稲が風に揺れる水田の土手に、北条内記、否、三合目陶器師はごろりと横たわっていた。 どれくらい寝ていたのか、星の動き、月の傾きから、恐らく一、二時間といった所だろう。 僅かとは言え睡眠をとった為か、体力は、すこしばかり回復をしていた。 そして、身に纏う妖気は、奇怪な夢の為か、より一層、その強さを増している。 ふと、陶器師は気が付いた。 何時の間にか、自分の傍らの地面に突き立っているモノ。 それは… 「おお」 『新藤五郎国重』 彼の富士三合目の住処に置き忘れた、彼の愛刀では無いか。 手に取って二、三度振るうが、手に吸いつくように馴染むこの感覚は、 やはり愛刀に相違あるまい。 ここで、陶器師は、もう一つ、愛刀の傍らに落ちていたモノに気が付いた。 「面…か?」 それは面であった。 面と言っても、能面の様な、造りの立派な物ではなく、 木目もそのままの、のっぺりとした、 両目と口を、ただ横に引いた線だけで表現した様な奇妙な面だった。 しばし其れを眺めていた陶器師だったが、 何を思ったか其れを顔に被ったのだ。 するとどうであろう。 「おおっ!?」 まるで彼の為に造られた様に、 ビッタと嵌ったではないか。 成程、代わりの「顔」を手に入れるまで、 これはこれで悪く無い。 しばし仮面の感触を確かめていた陶器師だったが、 愛刀を右手にぶら下げると、 新たな獲物を求めて、何処かへと歩き出した。 その胸中には、かつてない狂気と憎悪が宿っていた。 邪淫許すまじ。 一切衆生、活かして置けぬ。 【へノ伍 水田/一日目/早朝】 【三合目陶器師(北条内記)@神州纐纈城】 【状態】右目損壊、顔に軽傷、全身に打撲裂傷、疲労小 【装備】新藤五郎国重@神州纐纈城、仮面?@出典不明 【所持品】打刀@史実 【思考】:人を斬る 一:顔を剥いで自分の物にすべく新たな獲物を探す 二:緋村剣心は必ず殺す 三:柳生十兵衛を殺す 四:新免無二斎はいずれ斃す 【備考】 ※柳生十兵衛の名前を知りません ※人別帖を見ていません ※神谷薫と緋村剣心はお互い名前を呼び合うのを聞いており 薫は無事であれば再度狙う可能性があります。 ※仮眠をとった事により、体力が多少回復しました。 ※陶器師が何処へ向かったかは次の書き手にお任せします。 ※【仮面?@出典不明】の装備効果の有無、あるならばその内容は、 次の書き手にお任せします。 陶器師が闇に消えた後、 彼が先程まで横たわっていた場所に、 彼の夢にあらわれた、あの奇怪な老人が出現した。 少しばかり、陶器師が消えた方を眺めていたが、 ニヤリと笑うと、再び、闇に姿を消した。 時系列順で読む 前話 修羅の道行き 次話 夜明け前に 投下順で読む 前話 修羅の道行き 次話 夜明け前に 真宵 三合目陶物師 日の出 OP 果心居士 日の出
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EXH13でいい -- (名無しさん) 2012-08-24 23 49 55 ↑同感です(*^^*)完全に逆詐称 EXH13弱だね -- (名無しさん) 2012-08-24 23 53 17 流石にそこまで弱くないな。14逆詐称~弱ぐらい、ちょうど天邪鬼の下ぐらいに感じた -- (名無しさん) 2012-08-25 00 10 18 ↑個人的に天ノ弱の方がこれより圧倒的にむずいのだがw -- (名無しさん) 2012-08-25 13 30 04 個人的にセツナトリップよりむずいわ あっちはAA安定なのにこっちはクリアすら安定しない -- (名無しさん) 2012-08-25 14 33 08 ↑自分の場合これはAA安定なのにセツナトリップはクリアすらしたことない・・・ -- (名無しさん) 2012-08-25 22 20 50 ↑同じく -- (名無しさん) 2012-08-29 18 30 35 IAをつかった曲が来るのは意外だった -- (名無しさん) 2012-09-01 16 17 50 ↑3つ同じく。 -- (名無しさん) 2012-09-07 17 29 36 これ、サビの途中で青みーつまを直角に回して、元に戻らなくてコンボ切れる箇所があるのは自分だけ?HSは2.7です -- (名無しさん) 2012-09-08 16 18 01 ↑俺もなるけど手動で戻してるぞ、なかなか余裕はないが -- (名無しさん) 2012-09-08 21 28 25 ↑2 HS同じだが普通に戻るぞ。多分回し過ぎじゃないか?直角は触れる程度でも反応するから意識してみるといいぞ -- (名無しさん) 2012-09-08 21 42 54 ↑3の者です ようやく六兆年をUCすることができました。手動で戻して解決です -- (名無しさん) 2012-09-12 20 39 54 EXH逆詐称だろアレ…… -- (名無しさん) 2012-09-30 10 35 31 初めての14クリアがコレだったが、ぶっちゃけ逆詐欺は同意。地力がある程度ついてれば13弱適性でもいける気がする。自分がそうであるように(殴 -- (名無しさん) 2012-12-22 00 03 33 この曲の動画は2013/2/4 8時16分ごろに200万再生を達成しました。 -- (名無しさん) 2013-02-04 21 58 25 ↑7 みんなそうなのか…ここ だ け のせいで何十回やってもUC取れんorz -- (名無しさん) 2013-03-13 14 57 51 ↑の皆さんが言うようなつまみが戻らない現象は無いのに(HS3.5)いつもつまみがプルって1ノート切れるあれなんなの・・・・ -- (名無しさん) 2013-04-25 11 21 27 Lv14初UCがこれだった -- (名無しさん) 2013-05-17 17 19 00 14初クリアがこの曲だったが、これをクリアしてから2ヶ月くらい後まで他の14クリアできなかったw -- (名無しさん) 2013-06-24 01 10 17 lv9がほぼ無理でlv10がほぼ出来るのって壁に当たったって言うのかな -- (名無しさん) 2013-07-19 20 36 23 クリアレートが ADV→68% EXH→90% になってるわけだが・・・ -- (名無しさん) 2013-08-10 12 26 04 13挑戦中だけどできた -- (名無しさん) 2013-10-29 00 29 12 EXH 13にしてINF出して欲しい。 -- (名無しさん) 2013-11-28 22 16 06 なんか最初から青いアナログ失敗する謎現象にずっと悩まされてたんだがそういうことか プレイ中じゃマーカーの位置戻ってるかまでは見れないから気付かなかった -- (名無しさん) 2013-12-27 08 56 18 INF譜面来た -- 名無しさん (2014-05-01 10 17 13) さすがにINF15でも最弱って事はないと思いたい -- (名無しさん) 2014-05-01 17 38 08 ↑ 正しくはINFもLv14でしたので修正しました。 -- (名無しさん) 2014-05-01 18 50 35 何でわざわざ作ったんだよってレベルに簡単さだったな……>六兆年INF -- (名無しさん) 2014-05-03 03 24 31 INFはレベル14中ぐらい。 EXHよりは譜面が楽しい。 -- (名無しさん) 2014-06-01 18 31 29 EXH クリアは逆詐称だが、ノーツ数の関係でAAA難度はそこそこな気が -- (名無しさん) 2014-06-24 09 41 38 INFは14強入門程度。流石にEXHができたらできると言う難易度ではない。 -- (名無しさん) 2014-07-10 01 00 51 14UC、PUC共に最弱レベルかなと思う。14初PUCがこいつだったので -- (名無しさん) 2014-07-14 19 22 53 ↑もちろんEXH 連投申し訳ない -- (名無しさん) 2014-07-14 19 23 45 13への降格があれだけたくさんある中こいつが残留した謎 -- (名無しさん) 2014-11-21 01 10 31 ↑ 確かにイカサマが降格してこれが残ってるのは意味が分からん。 -- (名無しさん) 2014-11-27 12 43 42 ↑降格してない上にスキアナ6のボスになってやがる...まあ選曲素晴らしいから許す。 -- (名無しさん) 2015-03-30 11 33 28 降格しなかったお陰で烈風になれた俺もいるんで… なおADVは逆に詐称級 -- (名無しさん) 2015-05-07 08 15 19 ↑まさに俺じゃないか -- (名無しさん) 2015-05-17 21 16 48 うん確かにADVは10じゃないよね -- (名無しさん) 2015-05-18 21 39 57
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人気商品一覧 @wikiのwikiモードでは #price_list(カテゴリ名) と入力することで、あるカテゴリの売れ筋商品のリストを表示することができます。 カテゴリには以下のキーワードがご利用できます。 キーワード 表示される内容 ps3 PlayStation3 ps2 PlayStation3 psp PSP wii Wii xbox XBOX nds Nintendo DS desctop-pc デスクトップパソコン note-pc ノートパソコン mp3player デジタルオーディオプレイヤー kaden 家電 aircon エアコン camera カメラ game-toy ゲーム・おもちゃ全般 all 指定無し 空白の場合はランダムな商品が表示されます。 ※このプラグインは価格比較サイト@PRICEのデータを利用しています。 たとえば、 #price_list(game-toy) と入力すると以下のように表示されます。 ゲーム・おもちゃ全般の売れ筋商品 #price_list ノートパソコンの売れ筋商品 #price_list 人気商品リスト #price_list
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インスタグラムプラグイン 人気の画像共有サービス、Instagram(インスタグラム)の画像をアットウィキに貼れるプラグインです。 #ig_user(ユーザー名) と記載することで、特定ユーザーのInstagramのフィードを表示することができます。 例)@dogoftheday #ig_user #ig_tags(タグ名) と記載することで、特定タグのInstagramのフィードを表示することができます。 #dogofthedayjp タグ #ig_tag #ig_popular と記載することで、Instagramのpopularフィードを表示することができます。 詳しい使い方は以下のページを参考にしてください! =>http //www1.atwiki.jp/guide/pages/935.html
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メイン職「レベル」 Bo「Lv75」 種族 キャスト女 INする時間 基本は毎日夜8・9~12時 担当 ホームページ制作者 一言メッセージ 大切な人のために力を尽くす!! あだ名 バジ、光心「身内もしくは、このゲームを始める前の人」 経歴 ガジュマルの樹→Over30 s→現在