約 23,518 件
https://w.atwiki.jp/shintouzyo/pages/438.html
唐書巻一百一十九 列伝第四十四 武平一 李乂 賈曾 至 白居易 行簡 敏中 武平一は、名は甄で、字(あざな)で世に知られた。潁川郡王武載徳の子である。博学で『春秋』に通じ、文章を巧みにした。武后の時、禍を恐れてあえて武氏と事を共にせず、嵩山に隠れて仏教を修行し、しばしば詔があったが応じなかった。中宗が復位した時、武平一は母の喪に服していたが、迫まられて召還されて起居舎人に任じられ、喪に服することを願ったが、聞き入れられなかった。景龍二年(708)、修文館直学士を兼任した。当時の天子は暗愚で君主の器ではなく、韋后は密通乱交し、外戚の勢いは盛んであった。武平一は重ねて直言して過失を責め、そこで自ら母系の一族郎党を抑えることを願い、上言した。「去年、熒惑が羽林に入り、太白が天を再度めぐり、太陽が欠け、月が大角を犯しました。臣は、災害というのはむやみに生じるわけではなく、上を見れば下は必ずそれに応じており、信は影や響きが形や声に応じるようなものだと聞いています。詩経に、「文王は慎み深く細かいことにも気を配り、天の神につかえ、その結果、周に多福をもたらした」とあります。陛下の資質は孝行で慈愛があり、外戚は外家に属しているのに、恩恵はあまねく獲得することになりました。臣もそのうちの一宗族で、階は三等にのぼり、家はしばしば侯となり、王侯貴族が乗る豪華な車に乗り、許氏・史氏・梁氏・鄧氏といった漢代の外戚ら遠い時代よりもさらにその恩恵が深いのです。恩崇は批評を重ねることになり、位が厚ければひび割れるのも速く、そのため月が満ちれば必ず欠け、太陽は日中に移動し続け、時は二度とやってこず、栄えるのは難しいのにしばらくすれば凋落するのです。昔、永淳年間(682-683)以降、王室は多難で、先聖は権に従い、そのため臣の家は宗室の子であるという理由によってひそかに分封を禄としていました。今上陛下が復辟され、本来なら退いて家や庭を守るべきであったのですが、再び恩寵をいただき、爵封ははじめのようになり、高位高官となって、遂に極みを超えたのです。だから陰気は陽をなぞらえ、黄河や洛河が氾濫したのです。昔、漢の王氏一族はおごりたかぶった時、梅福は上書しました。竇氏が専横を極めると、丁鴻は諫言を奉りました。また后妃の家は、恩寵は過分にも深く、一朝にして覆没させてしまえば、遂に生きている人間はいなくなってしまいます。願くば謙譲の時宜、長期の策を思い、長い時間をはかるのなら、親戚は全うするでしょう」と述べた。帝は慰めはげましたが、許さなかった。考功員外郎に遷った。 当時、太平公主・安楽公主はそれぞれ党派をたてて互いに排斥しあっており、貴族もせめぎあっていた。帝はこれを憂い、あつく和させたいと思い、武平一を訪ねた。そこで上書した。「病には四体があり、表面で跡が判明すれば対処はたやすく、内臓にあれば、症状が突然あらわれるから治すのが難しいのです。刑罰や政務が乖離していれば、それは四股の病と同じなのです。親族が権力を握れば猜疑心がおきてわだかまりがあり、内臓の病気と同じなのです。『書』に、「よく徳に優れた者を引き立て任用され、かれらを使って九族の間の親睦を計られた。九族がなごやかになると、次いで百姓の間を和らげた」とあり、『詩経』に、「隣人と仲良くつとめれば、親戚大いに楽しまん」とあります。これによって親族は和睦するのが最善であることを知るのです。この頃権力者や貴顕は疑って警戒しあい、表面上は融和しているようにみえてその内実は離間しており、怨みは親類に結び、疑っては骨肉に争いが生じるのです。栄達を求める者は、偽って忠誠を示しています。饒舌の輩たちは、いやしくも讒言や謀略をつくすのです。邸宅の中では敬い恐れるようにしながら、媼や宦官の側で私語しているのです。そのため訪問者は絶え、嫌疑を構えられ、親愛の情にそむき、党派が発生するのです。霜のような小さなものでも、積もると大きな氷になるのですから、小さな禍でも見過ごすことはできません。願わくばことごとく近親の貴人を召集し、内殿にて宴会し、和睦の意思を告げ、慈愛と慰労を仰せになられて、奸人を退け、讒言の道を塞ぐのです。もしそれでもなお止まなければ、そこで近きを棄てて遠きをはかり、慈愛を抑えて厳を示しされるのは、陛下のご命令なのです」と述べた。帝はその忠節をよしとしながらも、ついに用いることはなかった。 それより以前、崔日用は『春秋左氏伝』を諸侯や官僚に講義していた。ある日、学士を大いに集まったが、崔日用は武平一を責めて、「君の文章はもとより優れているが、もし経を述べたのなら、駄目なのだろう」と言った。その時崔湜・張説はもとより武平一がこれらを学んでいることを知っていたから、問答することを勧め、武平一はそこで疑っているところを言うよう求めた。崔日用は、「魯の三桓、鄭の七穆とはなんだ」と聞くと、「慶父・叔牙・季友が、桓公の三子である。孟孫氏は仲孫彘に到るまでおよそ九世で、叔孫舒・季孫肥まではおよそ八世だ。鄭の穆公には十一子あり、そのうち子然および子孔・士子孔の三族は滅び、子羽は卿にはならなかったから、だから七穆というのであり、子罕・子駟・子良・子国・子游・子印・子豊がそれである」と答えたから、一坐は驚き敬服した。武平一は崔日用に、「あなたは斉の桓公・楚の荘王の時のことを言っているが、諸侯が斉もしくは楚に属していたのはどれくらいであったのか。平公・霊王の時、諸侯が晋や楚に属していたのはどれくらいであったのか。晋六卿や、斉・楚の執政はどれくらいの人がいたのか」と問うと、崔日用は謝って、「私は知りません。あなたは知っているのですか」と聞くと、武平一はすべて答えて言って、言葉はとどまることはなかった。崔日用は、「私に弟子の礼をとらせてください」と言ったから、そこにいたすべての人が大笑いした。 後に両儀殿で宴し、帝は武后の兄の光禄少卿の武嬰に命じて監酒とした。武嬰は滑稽かつ敏捷で、学士に詔してこれをからかわせたが、武嬰はよく数人をあしらった。宴も盛り上がって酩酊となる中、胡人の襪子・何懿らが「合生」と唱えたが、歌声は浅くかつ穢わしく、そのため傲慢で気まま勝手となり、司農少卿の宋廷瑜の賜魚を奪い取ろうとした。武平一は上書して、「楽は天の和で、礼は地の秩序です。礼は地に配び、楽は天に応じるのです。そのため音は心を動かし、声は物を形作り、心によって楽は哀みとなり、物に感じて変化に応じるのです。楽が正しければ人民の風化は正しく、楽が誤っていれば政治や祭祀が誤っているので、先王たちが興廃に通じていた理由なのです。伏して考えてみますに、胡楽は声律をめぐらせ、もとより四夷の数を備えていますが、この頃日増しに放浪し、変わった曲や新しい唄は、哀しみを思いおこし淫靡に耽溺させます。王公から巷の人々に及ぶまで、妖しい伎をつかう胡人、街ゆく童や市井の子、あるいは妃や公主の容貌をいい、王公の名実を列挙するといい、歌を詠い舞き踊るのを、「合生」といっているのです。昔、斉が衰えると、「伴侶曲」が流行し、陳が滅びようとするとき、「玉樹後庭花」の曲がありました。急にはしって志を労したり、罪を軽んじて志を奢らせるような音楽は、すべて亡国の音なのです。礼において減損して進まなければ消衰し、楽が流れて本にかえらなければ放縦となるのです。臣が願いますところは、放蕩で速い音楽を退け、慎み深い音楽を崇ぶのなら、だいたい胡楽は、四夷の外にあるのですから、すべてなくなることでしょう。ましてや両儀殿・承慶殿は、陛下が朝政をとられ訴えを聴かれるところで、群臣を大饗するならまだしも、芸人どもによって荘重さが失われて国法を汚すのを受け入れることができません。もし聴政の暇に、いやしくも耳目を弄ばれるのでしたら、私の奏上の後に後宮でなされるとよいでしょう」と諌めたが、受け入れられなかった。 玄宗が即位すると、蘇州参軍に左遷され、金壇令に移された。武平一は中宗に寵愛され、当時宴にあずかったとはいえ、かつて詩頌によって戒めたが、しかしひときわ抜きん出ているのに自ら引き去ることができなかったから、流謫されたのである。流謫されても名声は衰えなかった。開元年間(713-741)の末に卒した。孫の武元衡・武儒衡は別伝がある。 李乂は、字は尚真で、趙州房子の人である。若くして父を失った。十二歳のとき、文章をつくるのに巧みで、中書令の薛元超が、「この子はまた海内に名をはせるだろう」と言った。進士・茂才異等に及第し、万年県の尉に任じられた。長安三年(703)、雍州長史の薛季昶に詔があって官吏で御史となるべく才能がある者を選ばせ、薛季昶は李乂を上聞したから、監察御史に抜擢された。弾劾奏上を忌諱することはなかった。景龍年間(707-710)初頭、葉静能が権勢をたのんでいるから、李乂はその邪なことを並べ立てたが、中宗は受け入れなかった。中書舎人・修文館学士に遷った。 帝は使者を江南に派遣して、所在地の財貨を出して捕らえられた魚を贖って放生しようとした。李乂は上疏して、「江南の魚には、衣食を助けることができる利があります。江湖に生きる魚は果てしなく、府庫の財には限りがあり、魚を救おうとすれば、民間を憂慮させる結果となります。また魚を生かそうと彼らを利させたところで、金銭を受けて取っても網は使う範囲はだんだん大きくなり、これを施せば、百倍に利益を得ようとさせるだけになります。もし贖うところの財貨を他に回せば、困窮の徭役は減り、恩沢は多くなるでしょう。」と述べた。 韋氏の変で、詔令が厳しく切羽詰まったが、多くは李乂が草稿を作成した。吏部侍郎に昇進し、知制誥となった。宋璟らとともに同典選事となったが、謁見を願い出て実行されなかった。当時の人は語って、「李下に蹊徑(小道)なし」と言った。黄門侍郎に改められ、中山郡公に封じられた。制勅に不都合があれば、ただちに反駁して糾した。寵臣が官位を求めた時に、睿宗は、「朕が物惜しみしているのではない。李乂に振り返ったときに官位の案件が通過できないと思ったからだ」と言った。金仙観・玉真観の建立をやめるよう諌めたが、帝は従わなかったものの寛容であった。太平公主が政務に干渉すると、李乂を自陣営に引き込もうとしたが、李乂は深く拒絶した。 開元年間(713-741)初頭、姚崇が紫微令となると、推薦されて侍郎となったが、表向きは人物に重みがあるため引き抜いたとされたが、内実は弾劾して誤りを糾す権を奪うためで、李乂を明白に恐れたからであった。しばらくもしないうちに刑部尚書に任命された。卒した時、年六十八歳であり、黄門監を追贈され、諡を貞といった。薄葬を遺言とし、郷里に戻ることはなかった。 李乂は温厚かつ正直で、国を治める要領を識っており、当時の人は宰相の器があると称した。葬送の日、蘇頲・畢構・馬懐素は参列し、哭して、「公のために歎くのでなければ、誰に歎くというのだろうか」と言った。李乂は兄の李尚一・李尚貞に仕えること、非常に孝順にして恭謹であり、またともに文章で名を現した。兄弟で一つの文集をつくり、『李氏花萼集』といい、李乂が著した部分が非常に多かった。李尚一は清源尉で、尚貞は博州刺史で終わった。 賈曾は、河南洛陽の人である。 父の賈言忠は、容貌魁偉で、母に仕えることは孝行者で知られ、万年県の主簿に任じられた。蓬莱宮の護役となったが、ある者がその厳格さに異議を申し立てたから、高宗は宮廷で詰問したが、弁舌は理路整然として詳細に述べたから、帝は優れた人物であると思い、監察御史に抜擢された。まさに遼東で事がおこり、使を奉って補給の任につき、帰還すると山川道里を奏上し、あわせて高麗を打ち破るべきの状を述べた。帝は、「諸将の人材はどうか」と聞くと、「李勣は旧臣で、陛下がご存知のところです。龐同善は闘将ではありませんが、軍律を厳に保っています。薛仁貴は剽悍なこと軍の筆頭であり、高偘は忠誠かつ果敢でありながら謀略にすぐれ、契苾何力の性格は冷静沈着で、前線を嫌うとはいえ、統率の才があります。しかしながら一日中心を細やかにして、身を忘れて国を憂いるのは、李勣に及ぶ者はおりません」と答え、帝はそうだと思って認め、多くの者も知見のある話だと思った。吏部員外郎に累進した。李敬玄が尚書を兼任すると、賈言忠は気概があり、選部をつかさどるにおよんで、部下となることはできず、邵州司馬に左遷された。武懿宗に嫌われると、獄に下されてほとんど死ぬ所であったが、建州司戸参軍に左遷されて、卒した。 賈曾は若い頃から有名で、景雲年間(710-712)、吏部員外郎となった。玄宗が皇太子となると、宮僚に選ばれ、賈曾を舎人とした。太子はしばしば使者を派遣して采女楽を、率更寺につかせて練習させたが、賈曾は諫めて、「楽をつくって徳を崇ぶことは、人と神が和することにあります。韶・夏の音楽には容があり、咸・英の音楽には節がありますが、女楽はそれらの間と同じではありません。昔、魯で孔子が用いられるとしばらく隆盛となり、戎に由余という賢臣があらわれると強勢となりましたが、斉・秦が女楽を魯・戎に遣わすと、そのため孔子は出ていき、由余は出奔しました。本当に艶めかしく淫らな音楽は、意思を喪失させ、聖賢の病の最も甚しいものとなるのです。殿下は聖賢の道を渇望するという美名がいまだにあらわれていないのに、伎楽を好むという噂が先に聞こえてきており、殷の啓王や周の成王誦を追い、堯、舜の偉業を継ぐ理由とはならないのです。余暇の間に私的に宴したり、後宮で伎楽を楽しんだりすることは、古にもまたありましたが、秘匿すべきものであり、人に示すことはありませんでした。ましてやこれを役人に検閲させ、群臣に明示するなんてことはありましたでしょうか。願わくば俳優や女子を退けられ、諸使者に採用されることを、一切止められますように」と述べた。太子は手ずから嘉答された。 にわかに中書舎人に抜擢されたが、職名(中書)が父の名(忠)と音が同じなのを避けたため任命を受けず、諫議大夫・知制誥に遷った。天子が親郊する際に、役人が皇地祇の位座を設けないことを議したが、賈曾は天地を合享し、古制のように従祀等の座を併設するように願った。睿宗は宰相・礼官議に詔して、すべて賈曾の願い出のようにさせた。開元年間(713-741)初頭、再び中書舎人に任命されたが、賈曾は固辞した。議する者が「中書」というのは曹司のことであり、官職名ではなく、名を避けても礼があれば憚りがないと言ったから、そこで職に就いた。蘇晋と同じく知制誥であったから、皆文章を称えて、当時の人は「蘇賈」と号した。後に連座して洋州刺史に左遷された。虔州・鄭州などの刺史を歴任し、礼部侍郎に遷って卒した。子は賈至である。 賈至は、字は幼鄰で、明経科に選ばれて及第し、官職について単父県尉となった。玄宗に従って蜀に行き、起居舎人・知制誥を拝命した。帝が帝位を譲位すると、適宜冊書を撰し、草稿を奉った。帝は、「昔、先天年間(712-713)の誥命は、そなたの父が文辞をつくったのだ。今ここに冊書をつくるよう命じたが、またそなたがこれをつくったのだ。両朝の盛大な儀式は、そなたの家の父子の手から出たものだ。美を継ぐというべきだろう」と言ったから、頓首し、嗚咽して涙を流した。中書舎人に任命された。 至徳年間(756-758)、将軍の王去栄が富平県令の杜徽を殺害したが、粛宗は新たに陝州を回復したばかりで、かつ王去栄の人材を惜しんだから、詔して死を聴し、流人として自ら贖わせることとした。賈至は諫めて、「聖人が乱を誅するのに、必ずまず法令を示し、礼義を崇びます。漢が始めて関内に入ると、法三章を約束し、殺人は死罪としましたが、古今普遍の基本法なのです。思うに将軍の王去栄は、朔方軍の偏将で、数千の兵士を率い、行列を整えることができず、私怨をはさんで県令を殺しましたのは、反抗不服従なのです。ある者は王去栄が防衛に秀で、陝州を新たに下したが、王去栄でなければ守ることは出来ないといいますが、臣はそうは思いません。李光弼は太原を守り、程千里は上党を守り、許叔冀は霊昌を守り、魯炅は南陽を守り、賈賁は雍丘を守り、張巡は睢陽を守っていますが、当初王去栄はいなかったのですが、賊が下すことができたとは聞いたことがありません。一つの才能だけで死を免れるのならば、彼は弓矢に卓越し、剣術は前に出る者はいませんが、能力をたのんで上官に背くのなら、どうやって彼を止めるのでしょうか。もしこの後で王去栄を棄てて、将来誅殺することがあれば、この法はただその一人だけのことではなく罪人を招くことになるのです。王去栄一人を惜しんで、十人の王去栄のような人材を殺すのなら、その傷は思うに大きくなるでしょう。その逆乱の人が、ここでは逆いているのにあそこで従うことがあるでしょうか。富平県で乱をおこして陝州で治めるなんてことがあるでしょうか。県令に背いているのに、君主に背かないということができるのでしょうか。律令は太宗の律令です。陛下は一人の士の小さな才能のために不可とするならば、それは祖宗の大法を廃することになるのです」と述べた。帝は群臣に議するよう詔し、太子太師の韋見素・文部郎中の崔器ら皆、次のように言った。「法は、天地の大典で、王者は敢えてもっぱらにすることはありません。帝王はほしいままに殺さず、小人がほしいままに殺すことができる者は、この権は人主に過ぎたるものなのです。開元年間(713-741)以前、あえてほしいままに殺すことはなかったので、朝廷を尊んだのです。今は国家が弱体している時なのです。太宗が天下を定めたように、陛下は王業を復活させようとしています。そのため王去栄は至徳の罪人ではなく、すなわち貞観の罪人なのです。その罪は祖宗が赦すところではありません。陛下はこれを変えるべきでしょうか」詔して裁可された。 蒲州刺史は河東に賊軍が頻繁に出現したから、出城・家々の五千屋を撤去し、賊が集まって防衛させないようにしたが、民は大いに騒動した。詔して賈至を派遣して慰撫させ、官が造営を補助して完成させたから、蒲州の人はおさまった。微罪に連座して、岳州司馬に左遷された。 宝応年間(762-763)初頭、召還されてもとの官職に復し、尚書左丞に遷った。楊綰が建言して古制によって、県令が孝廉を刺史に推挙し、刺史が天子・礼部に上奏する制度にするよう願い出た。詔して役人に議に参加させ、多くが楊綰の上言を肯定した。賈至が次のように議した。「晋から後、衣冠はさらに改められ、人は多く故郷を離れて客所におり、そのため官吏筋によって、その所在地に籍を入れられて定住しているのです。今、郷里によって人材を選抜してもまだ尽きることはありません。願わくば学校を広め、国子博士の数を増やし、十道大州に大学館を設置し、博士に詔してこれを掌握させ、生徒を招致したいと思います。故郷に居続ける者は、郷里が推挙します。流寓の者は、学校が推挙します」議ではさらに賈至の建議を付した。礼部侍郎、待制集賢院に転じた。 大暦年間(766-779)初頭、兵部侍郎に遷った。信都県伯に封じられ、京兆尹に昇進した。大暦七年(772)、右散騎常侍の職で卒した。年五十五歳。礼部尚書を追贈され、諡を文という。 白居易は、字は楽天で、先祖は太原の人である。北斉の五兵尚書であった白建が、その当時、功績を立てたので、韓城に田地を下賜されて、子孫は代々この土地に住んだ。また下邽に移った。父の白季庚は彭城の県令であったが、李正己が叛乱を起こした時に徐州刺史の李洧を説得して、朝廷側に帰順させた。次々と昇進し襄州別駕に抜擢された。 白居易の頭脳鋭敏さは人の追随を許さず、文章を作るのがうまかった。まだ成年に達していない頃に顧況に面会した。顧況は呉の人で、自分の才能を鼻にかけ、めったに後進を認めない人物であった。が、白居易自作の詩文を見て茫然自失の態で、「私は文章の道はとっくに断絶したものと思っていたが、今再びあなたのような後継者ができるとは。」と言った。貞元年間(785-804)に、進士の試験、続いて吏部の書判抜萃科を受けて、両試ともみごと合格し、秘書省校書郎に任命された。元和元年(806)制挙の対策に第二位で及第し、京兆府の盩厔県尉に任ぜられ、集賢院校理となった。その月中に召し出され翰林院に入り学士となり、官は左拾遺に昇進した。 元和四年(809)、憲宗は、大旱魃に見舞われたので勅を出し、税の免除をして災害を排除した。白居易は詔の文章がまだまだ周到でないと考え、天子に意見を申して、江淮両地方の課税を全面的に免除し、人民の流浪のうきめを救済することと、宮中の女官たちの解放とを乞うた。憲宗は快く意見を聴き入れた。この頃于頔が入朝して、自分がつれていた歌舞のできる女人全員を宮中に入れた。「これは普寧公主を息子の嫁にしたので献上したのだ」と、言う者もいた。于頔の寵愛の女ばかりであった。白居易は、「これらの女どもは本国に帰した方がよい。于頔に不正行為をやらせて天子にとり入るようなことをさせてはならない」との見解を表明した。李師道が自分の私有財産六百万銭を献上して、魏徴の孫の為にもとの邸を買い戻した。白居易は上奏して「魏徴は宰相に任命され、時の天子太宗は宮中用の材木を使用させ、魏徴の邸の正殿を建築されましたが、子孫は維持できませんでした。賢臣魏徴の子孫という理由で、陛下が買い戻しをされて下賜されるのが宜しいと存じます。李師道は臣下の者、手柄をさせるのは好ましくないと考えます」。天子は白居易の言葉に従った。河東節度使の王鍔が、宰相の位を授けられようとした。白居易は、「宰相は国家の人民の注目の的であり、重々しい人望と顕著な功績が無ければ任命するべきではありません。考えてみるに、王鍔は搾取の為にあらゆる手段をつくし、人民の疲弊も憐れまず、手にした財宝を税の「羨余」と称して献上しました。今もし天子が代償として官位を授与されますなら、国中の人はこれを聞いて、皆口を揃えて「陛下は王鍔の献金を受納されて宰相の位を与えられた」と、取りざたしましょう。諸道の節度使連中も、内密で計略をめぐらして、「王鍔などにひけをとってなるものか」と、先を争って人民から過酷な税を取りたてて、自分たちの欲望を達しようとするでしょう。所望する者全てに官位を与えれば国家の規律は大幅に破壊されますし、与えなければ不公平な行賞となりましょう。ものごとは一度失敗すると二度と取り返しがつきません」と考え、天子に申しあげたのであった。この頃、孫璹が宮中警備に功労があったということで、鳳翔節度使に抜擢された。張奉国が徐州を鎮定し、李錡を征伐して功績をたて金吾将軍に昇進した。白居易は天子に上言した。「孫璹を免職にして張奉国を昇進させることで、国家の忠臣たちの気もちを大いにひきしめていただきたい」。財務局関係で囚人となっている者があり、閺郷の獄に繋がれて、三度の恩赦にも浴さず、罪を許されなかった。白居易はまた上奏して、「父が死ぬとその子を閺郷の獄に捕らえ、夫が長く獄に繋がれていると妻は他家に再婚をしてしまって、これでは負債を弁償する時期など無く、拘禁の終わる期日も来ないというものです。こうした未決囚全員を赦免し釈放していただきたい」と上奏文を十数回提出し、ますます有名になった。 成徳節度使の王承宗が叛乱を興した時、天子は宦官の吐突承璀に詔を下し、軍隊を率いて出兵し叛乱軍の討伐を命じた。白居易は天子を諫めて、「唐朝の制度では、敵軍討伐の度毎に全権を将軍に委任し、事の成就を要求するのが恒例になっております。近年になって始めて宦官を都監として配置するようになりました。韓全義が西を討伐した時には賈良国が軍隊を監視し、高崇文が蜀討伐の時には、劉貞亮が軍隊を監視するといった状態です。また、国家が軍隊を動員しようとする大事の時に、宦官に専ら総軍隊を統轄させるなどという先例は、古来より無かったことです。禁軍である左右神策軍に行営節度使を設置していないとなると、吐突承璀は最高総指揮官であり、その上に諸軍招討処置使をも与えられました。これは実質的に全権委任の都統ということになりましょう。恐らく天下にこの真相が伝えられれば、必ずや朝廷を軽視するもとになります。後代にもまた、宦官を総指揮官に任命した事例は、陛下から始まったと伝えられましょう。陛下はおめおめとこの不名誉を蒙るのに耐えられましょうや。それはそれとして、劉済等やその他の諸将たちは、きっと吐突承璀の規律指揮の下に入るのを潔しとせず、心中面白くなくて戦功をたてようなどとはしないでしょう。これでは王承宗の姦邪を応援し、諸将の鋭気を殺ぐ結果になります」と。しかし天子は聴き入れなかった。 すでに軍は疲弊したが勝敗は決することはなく、白居易は上言した。「陛下が討伐に際して、もともとは吐突承璀を頼りにされ、他は盧従史・范希朝・張茂昭を頼りにされました。今、吐突承璀は進軍しましたが、決戦もしていないのに、すでに大将を失い、范希朝・張茂昭は数ヶ月来、賊の境界に入りましたが、その勢いは、想像しても知ることができる程度で、空しく一県だけを得たところで、そのまま軍を進めようとしません。うまくいくことはないでしょう。しばらく出兵を中止すべきです。そしてその害は四つあります。今、国庫の財産器物、人民の汗の結晶を使って河北の諸侯を援助して、ますます彼らを富貴強大にしています。それが一つ目です。河北の諸将は呉少陽が節度留後に任じる命を受けたのを聞けば、王承宗の討伐を願い出るでしょう。このような上奏が再び来たら、許さないわけにはいかないでしょう。そうすれば河北は合従し、その勢いはますます堅固となります。与奪は諸将次第となり、恩義や信頼は朝廷から出なくなります。それが二つ目です。今や天のめぐりはとっくに熱くなり、戦乱の気運が蒸しあがっています。たとえ身を惜しまない気持ちでも、やはりその苦しさに耐えるのは難しいことであります。また神策軍はまちの人を募っていて、戦いに慣れておらず、なかには逃げ出すもののいる有様で、諸軍も必ず動揺します。これが三つ目です。回鶻・吐蕃は常に偵察を送っており、王承宗の賊軍を討伐するだけなのに冬から夏になるまで、まったくまだ勝利を収めていません。そうであれば兵力の強弱や、費用の多少を彼らに一々知られてよいのでしょうか。こちらの準備がないのに付け込んで攻めてきたら、うまくその始末をつけることはできません。戦いが続いて災禍が生じれば、何が起こってもおかしくありません。それが四つ目です。このような事態がおこってから止めたところで、権威や統治能力を失うことになるのですから、ただ予防すべきであって、追って後悔すべきではないのです」と述べた。またたまたま王承宗が罪を請うたから、出兵はついに止めた。 後日、宮中で天子の面前において持論を頑強に主張し譲らなかった。天子はまだまだ納得しなかった。そこで白居易は天子の前に進み出て「陛下はまちがっておられます」と、申しあげたので、天子は顔色を変えてしまった。そして翰林学士の李絳に向かって、「あいつはこのわしが拾いあげて目をかけてやったのに、わしの意に従わず強引にかような事を申す。わしはもう我慢できぬ。きっとあいつを追放してやるぞ」と、仰せられたが、李絳は、「陛下は、言論の道を臣下のためにお開きになられました。だからこそ並み居る群臣どもが、思い切って政治の得失を論ずるようになったのです。もし今、白居易追放の処置をとられましたならば、それは臣下の言論の自由を禁止し、各自分で陰謀を計画させる結果となって、天子のご盛徳を輝かしいものとすることにはならないでしょう」と言上した。天子はやっと自分の誤ちに気づき、白居易に対する待遇は元通りであった。左拾遺の任期が終わり転任する時になって、天子は白居易の資産が乏しい上に家計も貧しいという理由で、白居易自身が次の任官の地位を選ぶことをされた。白居易は姜公輔の例に倣って学士のままで、京兆戸曹参軍を兼任して親への孝養を尽くしたいと願い出た。詔によって申し出が許可された。翌年、母の喪に服するため解任されたが、また入朝して左賛善大夫を拝命した。 この頃、凶漢が宰相武元衡を暗殺し、都長安市中が震えあがるという事件が起きた。白居易はまっ先に上疏して、直ちに盗賊を逮捕して国の恥を雪ぐべきことを要請、必ずやり遂げることを期さねばならないとした。ところが時の宰相は、白居易が東宮官にありながらこのような発言をするのは、越権行為だと悪んで、いい顔をしなかった。そこへ突然、「白居易の母は井戸に落ちて死んだのに、「新井篇」の詩を作ったりする奴で、言語は軽薄、実践行動の裏付けが無く、取るべきものがありません。」と、言い出す者があり、中央から出されて、州刺史になるはずであった。中書舎人の王涯が「一部を治めさせるなどもっての外です」と言上し、更に降されて江州司馬に貶謫の身となった。失意の身となったが、よく自分の境遇に順応して、仏教の道に心を預けて、身体のことなど忘れた境地にあるかのようだった。しばらく経って忠州刺史に転任し、また朝廷に入って尚書司門員外郎となり、次いで主客郎中の職にあって知制誥を兼任した。 穆宗は狩猟が好きであったが、白居易は「続虞人箴」をつくって批判した。「わが唐朝が天命を受けてより、すでに十有二代の聖天子を経たが、失敗をしないように戦々兢々として恐れ慎みつつ、歴代にわたって政務に心力を尽くしてこられた。従って、鳥は深く茂った林に生息することができ、敵も豊かに広がった草原で安住することができたし、春の狩猟や冬の狩猟など四季の狩猟にも、これら鳥獣の捕獲は王道にかなって行われた。その結果、鳥・獣や虫・魚は、それぞれにその生命を全うし、君臣や朝野も、やはり安らかな日々を送ることができた。ところで、むかし玄祖老子は、はなはだ明確にその教訓を述べている。「狩猟に駆けずり回る遊楽は、人間の心を発狂させるものだ」と。何によってこれを実証できるか、と言えば、夏の夷羿と太康とは、全くこの狩猟の遊びを自戒しなかったので、最後には滅亡してしまった。高祖が狩猟をしていた最中に、蘇世長は意見を言上して、「このたびの狩猟は、まだ十旬(百日)にも満たないので、とても躍り上がるほど楽しいとは思えません」と言ったところ、天子は胸中で直感的に自分の心の迷いに気付いて、これを契機として狩猟を中止された。また時代は降って宋璟の時に至り、やはり玄宗の狩猟を諌めたところ、玄宗は温顔をもって彼の諫言を聴き入れ、この臣下の忠言にも決して動揺立腹することはなかったが、やがて宋璟が恐縮して小走りに退出した時には、捕まえていた小鷹は掌中で窒息死していた。ああ、獣を野原で追いかけたり、馬に乗って路上を駆け抜けたりすることは、たしかに気持ちのよいことではあるが、しかし車馬がひっくりかえる危難は常に用心しておいた方がよい。国家の安全と危殆に深遠な思慮を行うのは、いにしえの賢聖の思いなのである。」 まもなく中書舎人に転任した。田布が節度使を拝命し、白居易は天子の使者として宣諭に赴いたが、田布は絹五百匹を贈り物にしたので、天子は詔を下し受納させようとした。白居易は辞退して、「田布は父の仇討ちもせず国家の恥をまだ雪辱しておらぬ身です。他人はかれに物質的援助をしてやるべきなのに、かえって田布から財物を受け取るのは道義に反することでとてもできかねます。諭問の使者がひっきりなしに来ますのに、もし誰にもかような贈り物をしていれば、逆賊どもが絶滅しないうちに、田布の財産は底をついてしまいましょう。」と。詔が下り、贈り物辞退の件が許可された。 この頃、河朔地方でまた叛乱が勃発し、諸道の軍隊を連合して討伐に出たが、ぐずぐずして一向に戦果があがらなかった。賊軍は弓高を奪い取り、食糧輸送路を断った。深州の包囲は、ますます急を告げる状態となり、白居易は意見を言上した。「兵が多ければ用いることは難しく、将が多ければ指揮が統一されません。魏博・沢潞・定・滄の四節度に詔して、それぞれの境界を守らせ、度支からの軍事補給を省くべきです。各道ごとに精兵三千を出して、李光顔に率いさせます。李光顔はもとからの鳳翔・徐・滑・河陽・陳・許の軍およそ四万を率い、賊に肉薄し、弓高県の兵糧の道を開いて、下博県の諸軍に合流させ、深州の包囲を解いて、牛元翼と合流させます。裴度に招討使を復職させ、使悉太原の全軍を統率させて西から敵の境界に迫り、すきを見て挟撃させます。呼び寄せ諭して、その心を動かせば、全部殺戮してしまう前に、自分から変え改めるでしょう。また李光顔は長く戦を経験して、以前から名声があり、裴度は人柄が忠実で勇気があります。一方面にあたらせれば、二人に匹敵する者はおりません」その当時、天子は放縦不法の行為が多く、執政者も無能な程度の低い者ばかりであった。賞罰も妥当性を欠き、賊臣を目の前に見ているだけで為す術も無い状態で、白居易は忠告を進言したけれども聴されなかった。そこで地方勤務を願い出て杭州刺史に遷った。始めて堤防を築き銭塘湖の水を止めて水量をあつめておき、その湖水を千頃の田の灌漑用に役立てた。また以前に李泌が掘った六個の井戸さらえをし、州民はその汲み水を飲料用して大事にした。しばらく経って太子左庶子に任命され、洛陽に分司し、また蘇州刺史を拝命したが、病気のため免官された。 文宗が即位し、秘書監として召され、次いで刑部侍郎に遷って、晋陽県男に封ぜられた。太和年間(827-835)初頭、李徳裕・李宗閔の二李の朋党争いが始まり、讒言の巧みな者たちがこの機会を逃さず、たがいにその権力の座を奪い合った。出処進退や毀誉褒貶などは短期間のうちに目まぐるしく移り変わった。楊虞卿は白居易と姻戚関係にあり、李宗閔と親交があったので、白居易は党派に縁ある者として排斥されるのを嫌って、病気と申し立て、一旦隠退し、洛陽に帰って来た。太子賓客に任命され、洛陽に分司し、一年経って河南尹を拝命、再び太子賓客となり洛陽に分司した。開成年間(836-840)初頭に同州刺史に起用されたが辞退、太子少傅となり、馮翊県侯に封を進められ、会昌年間(841-846)初頭に刑部尚書で致仕し、六年に歿す。享年七十五歳。尚僕右僕射を贈られる。宣宗は詩を贈って白居易の死に対し衰悼の意を表した。遺言により簡素な葬式を行い、朝廷に諡を賜わることを願い出なかった。 白居易は憲宗に知遇を得ていた時、何事にも直言しないことはなかった。政治の得失や弊害をほじくり出して除去しようとし、その意見の多くは聞き届けられた。けれども時の権力者の反感を買ってしまい、遂に排斥される目に遭った。蓄積した才能を実行に移せず、自分の気持ちを詩文や酒に発散させた。再び朝廷に返り咲きはしたが、又何れも幼い天子ばかりが続き傲慢な態度をとるので、以前にましてますます気に染まず、職務をうけても病気届けを出して官界を去り、終には政界での出世を遂げる意志を無くした。弟の白行簡や従祖弟の白敏中と仲が好く、洛陽の履道里に住居し、邸の中に沼をひき樹木を植え石造りの建物を建てた。香山に八節灘の開鑿事業をしたり、「酔吟先生」と自分で号し、その伝記を書いた。晩年は仏道への傾倒が特にひどく、何か月も精進生活をして、自ら、香山居士と名乗った。以前に、胡杲・吉皎・鄭拠・劉真・盧真・張渾・狄兼謨・盧貞らと集まって会合をしたが、どの人物も皆高齢者で、朝廷に出仕していない者ばかりで、世間の人は彼らの行跡を敬慕し、「九老の図」を画いた。 白居易は文章を作るのに精細切であったが、時を作るのが特にうまかった。最初の頃は、極度に政治の是非を糾し諌める詩を作った。多くなると、それより低いものでは、世俗の好尚に合う詩を作り、数千篇を数える。当時の知識階級の人たちは競争で白居易の詩を伝え、鶏林(新羅)の貿易商までが自分の国の大臣に白居易の詩を売り付けて、大体一篇につき一金の代価が支払われた。大臣の方も白居易の詩のひどい偽作は即座に見分けることができたという。当初は元稹と詩の応酬をし、そのため「元・白」と呼ばれ、元稹が歿して後、また劉禹錫とも名声を同じくし、「劉・白」と呼ばれた。生後七か月の頃、書物を開くことができ、乳母が「之」と「無(无)」の二字を指さして教えたが、以後は数百回試験されてもまちがえなかった。九歳で声律を暗記して、その秀れた詩文作製の才能は、天性そのもののようであった。従祖弟の白敏中が宰相となり、白居易のために諡をその筋に願い出て、諡を文という。後年、履道里の邸宅は、遂に寺院になり、洛陽や江州の人は白居易のために祠を建立した。 賛に言う。白居易は元和・長慶年間(806-824)にあって、元稹と並んで有名であった。特に詩に秀れており、その文章の方はまだ称讃を受けるほどではなく、作品の数の多いこと数千篇にものぼり、唐以来今までにこれほど多作の詩人はいなかった。自分で叙べてこう言っている。「賞賛あるいは諷刺に関係する時は、諷諭と呼び、人間の感情を詠いあげた作品を閑適と呼び、事物に触発されたものを感傷と呼ぶ。その他を雑律詩とする。」と。また非難もして、「世間の人が愛唱するのは雑律時ばかりで、彼らが尊重するのは私が軽視するものである。諷諭詩になると、考え方が激烈で表現が質朴であり、閑適詩は情緒が淡白で措辞が婉曲である。質朴と婉曲が重なれば人々から好まれないのも当然であろう。」と、今、彼の詩を見るとなるほど彼の言う通りである。そして杜牧はこう言っている。「繊細艶美で強さなどなく、思想厳正で高潔な人などの作るものではない。世間に流行しているのは、子の親たる者たちが口伝えに教えこむからで、こんな淫らな言葉が人の身体に浸透してしまったら、なかなか取り除けないであろうに」と。 一般の人が思いちがいをしている点を救うためには、一言ふれないわけにはいかない。白居易が政界に登場したての頃を回想してみるに、直言をすることで大いに気力旺盛であり、天子の面前でも誰憚ることなく論争し、功名を立てようと願っていた。中途で排斥されたこともあったが、初志は晩年になっても全然衰えなかった。李宗閔派全盛の時代、その日の出の勢いの如きものがあったが、とうとう最後まで李宗閔に属して立身出世をもくろむこともなく、節義を全うして、高潔そのものであった。それに反して元稹は、中途で危い橋を渡って宰相の地位を手に入れはしたが、名声の方はがた落ちになってしまった。それに比べて何と白居易は賢明だったことか。 白行簡は、字は知退で、進士に選ばれたが、盧坦に招かれ剣南東川府に赴いた。辞職すると白居易とともに忠州から入朝し、左拾遺を授けられた。累進して主客員外郎となり、韋詞に代わって判度郎中に任じられた。長慶年間(821-824)、振武営田使の賀抜志が歳末の営田を過重に報告したため、詔によって白行簡が調査し、実態がないことを暴いたため、賀抜志は恐れて自ら刺して自殺した。白行簡は賢く文辞に優れ、後学が慕い尊敬した。宝暦二年(826)に卒した。 白敏中は、字は用晦で、若くして家族を失ったが、親類の諸兄より学んだ。長慶年間(821-824)初頭、進士に及第し、義成節度使の李聴の幕府に招かれ、会見されると、深謀遠慮さを認められた。右拾遺に移り、殿中侍御史に改められ、符澈によって邠寧副使となり、符澈が卒すると政務に優れたことによって世に知られるようになった。御史中丞の高元裕の推薦によって侍御史となり、再び左司員外郎に転任した。武宗は白居易の名声を聞いて、召して用いたいと思った。この時、白居易は足が病気の後遺症で動けなかった。宰相の李徳裕が白居易が衰えて任にたえないと言い、そこで白敏中の文詞がその兄に類して、かつ見識があることから推薦した。そこで即日知制誥とし、翰林に召し入れて学士とし、承旨に昇進した。 宣宗が即位すると、兵部侍郎、同中書門下平章事(宰相)となり、中書侍郎に遷り、刑部尚書を兼任した。李徳裕を貶しめるのに、白敏中が非常にその力にあったから、論じる者は譏り憎んだ。李徳裕は著書で「恩恵あるものに怨恨で報いるとは予測できたであろうか」と言っているが、思うに白敏中を指しているのであろう。尚書右僕射・門下侍郎を歴任し、太原郡公に封じられた。左司員外郎から、およそ五年で十三回昇進してこの地位に到った。 崔鉉が政務を輔弼するとようになると一人で専任したいと思うようになったが、白敏中が右席にいた。当時、党項(タングート)がしばしば辺境に侵入したから、崔鉉は大臣を鎮撫に用いるべきであると言い、天子はその言を受け入れ、そのため白敏中は司空・平章事兼邠寧節度・招撫・制置使を兼任した。それより以前、帝は万寿公主を愛し、士人に降嫁させようと思った。当時、鄭顥が進士に及第し、門閥であったから、白敏中は彼をその選にあてた。しかし盧氏と結婚していたのが発覚し、夫人を授けられようとしたから盧氏との結婚を取りやめ、心中にはこのことを根に持ったのだった。白敏中が外部に行くことになると、鄭顥の讒言をおそれ、自ら帝に訴えた。帝は、「朕はずっとこのことを知っていたぞ。もし鄭顥の言を用いたとするなら、どうしてお前を宰相に任じたりするだろうか」と言うと、左右を振り返って書が入った一つの函を取り出し、開いて見てみると、すべて鄭顥の上書であり、白敏中は安心した。任地に赴任することになると、帝は安福楼に御して餞とし、璽書を頒布して尉に説諭し、通天帯を賜った。護衛として神策兵を派遣し、幕府を開いて士を招き、その礼遇は裴度が淮西を討伐したときのようであった。寧州に行くと、諸将はすでに党項を破っており、白敏中は軍を説諭したが、皆、兵を辞めて業に戻りたいと願った。そこで南山より并河まで陣地をととのえ、一周千里となった。また蕭関をただして霊威路に通じ、使用したのは農耕具や武器であった。翌年、検校司徒となり、剣南西川節度使に遷り、騾軍(馬が少ないため騾馬を使った騎兵)を増やし、関や防壁の工事を完成させた。蜀を統治すること五年、功により兼太子太師を加えられ、荊南に遷った。 懿宗が即位すると、召されて司徒・門下侍郎に任命され、平章事(宰相)に返り咲いた。数ヶ月して足の病のため謁見にたえず、固く宰相の位を辞職することを求めたが許されず、宦官を慰労の使者として派遣し、別殿で対応させて、拝謁する必要はないとした。右補闕の王譜が奏上して、「白敏中の病は四ヶ月にもなり、陛下が朝廷に出御されて、他の宰相と語るも三刻もせず、ぼんやりとして天下の事を論じることができましょうか。願わくばその願いを許され、何もしない高官を寵愛するという譏りはなくなるでしょう」と述べたが、帝は怒り、王譜を陽翟令に排斥した。給事中の鄭公輿が救おうと上奏したが、聴されなかった。王譜は侍中の王珪の遠裔である。しばらくもしないうちに白敏中に中書令を加えられた。裴度より宰相は勲功によってその地位についたが、白敏中は恩沢によって昇進したのである。 咸通二年(861)、南蛮が辺境を騒がし、白敏中を召集して議させたが、左右に助けさせて昇殿することを許した。もとより固く免職を求めたから、そこで地方に出して鳳翔節度使に任命した。三度奏上して帰って墳墓を守ることを願ったから、東都留守に任じたが、あえて拝命せず、太傅で致仕を許された。詔書が到着する前に卒し、冊して太尉を贈られた。博士の曹鄴は病気でありながら地位を固辞しなかったこと、また諫臣を放逐し、威をたのんでほしいままにおこなったことを責め、諡して「醜」とした。 前巻 『新唐書』 次巻 巻一百一十八 列伝第四十三 『新唐書』巻一百一十九 列伝第四十四 巻一百二十 列伝第四十五
https://w.atwiki.jp/puppet-guardian/pages/262.html
【スケールワーウルフ】 体力: 95 攻撃パターン: ひっかき:2(追加効果:眠り) 飛びかかり:2 噛みつき:1 ドロップ: 銀色の鱗、オオカミの毛皮、オオカミのドクロ(レア) 備考: リジェネレート(回復量:2) 物理・水0.5倍 火1.5倍 傾向と対策 シャスラの峠に出てくるワーウルフとそっくりなモンスター。 物理属性に耐性を持つこと以外はワーウルフと同じ感覚で戦える。 奥義魔法うなれ火炎や火炎の巻物で一掃できるが、眠り攻撃があるので対策が必要。 ワーウルフ族の法則から外れ、犬系の種族ではない。 【キメラサーペント】 体力: 150 攻撃パターン: 噛みつき:2×2 水弾:2×2(水属性100%) ドロップ: ヘビ革、透き通った鱗、幻獣の双骨(レア)、サファイア(レア) 備考: リジェネレート(回復量:2) 火・地1.5倍 雷・水0.5倍 キメラ系100% 蛇系50% 傾向と対策 状態異常を起こす攻撃はない上に、動きもゆっくりだがとにかく攻撃力が高い。 双頭から繰り出す攻撃は大抵2ヒットするので油断するとあっという間に体力が削られる。 どの攻撃もキメラサーペントの影の中に密着していれば当たらない。 リジェネートに注意して火属性で攻めると良いだろう。 【ファントムホーク】 体力: 70 攻撃パターン: 足:1 急降下:2 飛翔:1(ダッシュ) ドロップ: 羽毛、幻影石、小さなドクロ、ヴェズルフェルニルの尾羽(レア) 備考: 物理-9倍(増殖) 火・雷1.5倍 地0.5倍 鳥系50% 傾向と対策 9階層の闇コウモリ、11階層のフィアーミストと同じくして 物理属性が1%でも含まれていると体力が全快する上に増殖してしまうモンスター。 こちらも画面いっぱいに広がってしまう前に倒してしまおう。 火炎の巻物2発、あるいは火炎と毒霧各1発で倒せる。 なおスピードは闇コウモリとフィアーミストを比較すると、こちらが早い。 【ジャイアントモス】 体力: 200 攻撃パターン: パンチ:3 のしかかり:3 キック:3 ドロップ: 鉄鉱石、重鉱石、分解石、銀、ヒカリゴケ 備考: 物理・地・水0.5倍 火1.5倍 傾向と対策 外見はマジカロスのゴーレムに苔が付いた状態。ストーンゴーレムよりは、比較的動きが早い。 群れて襲ってくることもある上にどの攻撃も重く強烈なため、封魔でない場所ならばさっさと片付けておきたい。 封魔ならできる限り精霊たちの協力も得たい。 【ウォーターテイマー】 体力: 82 攻撃パターン: ビンタ:1 噛みつき:1 突進:1(ダッシュ) 津波:3(水属性100%) ドロップ: 珊瑚、トカゲの尻尾、アロエ、真珠(レア) 備考: 火・雷2倍 地・水無効 傾向と対策 極端な耐性を持つマジカロスのトログロダイトに似たモンスター。 津波はダメージが高く範囲も広いので少し厄介。なるべく火や雷で先手を仕掛けたい。 【ヒルディスヴィーニ】 体力: 4800 攻撃パターン: 突き上げ:2 蹴り:1×2 暴れる:2×2 突進:2(ダッシュ) 眠りの鼻息:0(追加効果:眠り) ドロップ: 葡萄の宝箱、巨獣の毛皮、水の宝珠(レア) 備考: 物理・自然・光・水・闇無効 雷・火1.5倍 眠り抵抗高 神話系 傾向と対策 5階層のファフニール、7階層のセーフリームニルと弱点属性は同じ。 リジェネート能力もないので、一見倒しやすいボスに見えるが 眠りの鼻息でプレイヤーを眠らせる上に連続攻撃も仕掛けてくるので油断はできない。 セーフリームニル同様、突進は速度は遅いがダメージが高いので注意。 眠りの鼻息はどの盾でも防げず、左右に範囲が広いので上下に避けると良い。 また、一緒にいるファントムホークと厄介な組み合わせにより苦戦は強いられるが 両方とも弱点が一致しているので、弱点を突きつつ冷静に対処していけば倒すことが出来る。 先にファントムホークを倒してボスを炎上や毒状態にすると楽に戦えるだろう。 2019年4月に種族に神話系が追加されたので、ミョルニル等の神話系特攻武器で与えるダメージが倍になる。 秘密の抜け道 【ブラウニー】 体力: 100 攻撃パターン: 木槌:3 踊り,木槌:3 突進:1(ダッシュ) ドロップ: 石ころ ぼろぬの 備考: 特になし 傾向と対策 試練の洞窟各地に点在する秘密の抜け道に生息している妖精。地味に攻撃力が高いので戦う時は注意。 踊りを繰り出した後の木槌といきなり降り出す木槌のダメージは特に差はない。 秘密の抜け道では魔法が使える他、敵を倒さなくても先に進めるので無視しても支障はない。 同マスからドロップするチョコレートブラウニーを使うことで24時間の間だけ連れ歩く事が出来る。
https://w.atwiki.jp/kinisinai/pages/32.html
2 :Trader@Live![sage]:2008/01/14(月) 21 22 03.58 ID V5llVdci キニシナイ氏、がんばってね 4 :Trader@Live!:2008/01/14(月) 22 20 32.91 ID CEeapo6a キニシナイはどうした? 樹海にいったか?? あるいは生きていても精神崩壊で廃人か… 7 :Trader@Live!:2008/01/14(月) 23 21 32.43 ID 5lvct936 故・キニシナイ氏 プロフ ・40代後半 ・無職 前職不明 ・妻有り 小梨 ・資産1億超 ・ポジ=ドル円 ザール円 ・ISP寄生虫 8 :Trader@Live![sage]:2008/01/14(月) 23 27 24.91 ID u2E5zCWa そうやって特定の人をいじめるんじゃないよ 自分のポジもコテも晒さないなら、なおさら 9 :Trader@Live![sage]:2008/01/14(月) 23 34 37.14 ID JK/aVfzd つか、何が目的なんだ? 資産一億とやらにムカついてんのか? 妻がいるのが許せんのか? ホントかどうかも解らんのに・・・ 10 :Trader@Live![sage]:2008/01/14(月) 23 39 12.47 ID HYS2l0yW 負けすぎて、他人に粘着することでしか自我を保てないんだろう 14 :Trader@Live!:2008/01/15(火) 06 38 51.52 ID 1lcIBR3P つかキニシナイ氏は105~115がレンジっていってたから まだ余裕で生きてるんじゃないか? 15 :Trader@Live!:2008/01/15(火) 08 09 25.07 ID UJG2jeyH キニシナイ氏はこのスレを気にしてないだけでしょ? 16 :Trader@Live!:2008/01/15(火) 08 40 11.35 ID 6hLnhkFh ザーエンはまだプラスなはずだから 余裕でしょキニシナイワケナイさんは けどたまに買い増すからなw 17 :Trader@Live!:2008/01/15(火) 09 17 13.33 ID 6ZVO104z 14 105~115がレンジで、107円にまで落ちてきていたら とてもキニシナイキニシナイとは言ってられないと思うが、どうなんだろうか? 20 :Trader@Live!:2008/01/15(火) 11 11 49.69 ID YTib1Urd 17 普通に考えて種4000万のうち3000万程度は 溶けてるだろ。いくら低レバとはいえ 46 :Trader@Live!:2008/01/16(水) 00 27 52.46 ID OKFBzQiL キニシナイは114と113で買ってホクホクしてたなwww 精神崩壊してるのかな… 48 :Trader@Live![sage]:2008/01/16(水) 01 02 26.59 ID 67Yr3SNI キニシナイ氏降臨マダー? 50 :Trader@Live![sage]:2008/01/16(水) 06 34 34.43 ID lxaDu3LU 一昨日ポジを作った俺はたった2日で2,3円下がって最悪な気分。 56 :Trader@Live![sage]:2008/01/16(水) 09 58 24.44 ID CD4gGCwN 昨年LCされて久々に見に来たが、 キニシナイ氏逝ったのか… 58 :Trader@Live!:2008/01/16(水) 14 07 06.67 ID FlXR2YeU たしかkinishinaiさん111円で150枚とかだったから ザーと併せて最低でも2500万とか3000万は-だよな 60 :Trader@Live!:2008/01/16(水) 16 55 27.16 ID mRbJM/++ 106円割るなw 65 :Trader@Live!:2008/01/16(水) 19 59 27.26 ID U9NKAIfe キニシナイ氏破綻したか… 66 :Trader@Live!:2008/01/16(水) 20 37 58.83 ID mRbJM/++ 無茶しやがって… 834 名前: キニシナイ(^。^)y-.。o○ ◆5bp0Cie7k2 [sage] 投稿日: 2007/06/19(火) 13 45 29.22 ID yCzolh8f みんな若いな(^^ゞ 今年で50歳 種:3300(元は3000) 予備費:7000ぐらい キャピ:+1000ぐらい リタイヤ済み 836 名前: キニシナイ(^。^)y-.。o○ ◆5bp0Cie7k2 [sage] 投稿日: 2007/06/19(火) 14 08 11.31 ID yCzolh8f 妻あり、子なし 賃貸マンション (65歳過ぎたら、都会にマンションか地方に一軒屋の予定、生きてたらだけど(^^ゞ) 940 名前: キニシナイ(^。^)y-.。o○ ◆5bp0Cie7k2 [sage] 投稿日: 2007/06/22(金) 22 05 22.39 ID dA0jdAfk どんに考えて組んでも、負けるときはどうしても負けるでしょう? その時に綿密な戦術で対応するか物流で対応するか、 見ない振りするかしかないので、自分は見ない振りするだけですよ。 67 :Trader@Live![sage]:2008/01/16(水) 20 38 43.99 ID LWSWfnYn >予備費:7000ぐらい 余裕じゃん 68 :Trader@Live!:2008/01/16(水) 20 45 21.00 ID lIBYLtoU 66 これだけ資金あったら大丈夫でしょう、低レバだろうしスワップがたまってる し、下手したらまだ得してんじゃないの? 俺達の希望の星だよ 69 :Trader@Live!:2008/01/16(水) 20 50 23.43 ID 8NDCVdqV リタイヤ済みで3000万を溶かしたら、俺なら正気では いられない。 70 :Trader@Live!:2008/01/16(水) 21 13 32.87 ID FlXR2YeU 人生もリタイヤすれば問題ない 71 :Trader@Live!:2008/01/16(水) 21 19 31.50 ID e4mh4q8L キニシナイ氏は、もう今更後には引けんだろう。 いくら溶かそうが資金追加して 意地でもスワッポウマーと言い続けるだろう。 たまには来て 元気な顔見せて欲しいな。 77 :Trader@Live!:2008/01/16(水) 22 41 10.40 ID qIBKqSLh 71 負けがこむとキニシて逃げ出すなんて最低サイアクだよね。 78 :Trader@Live![sage]:2008/01/16(水) 22 54 05.49 ID CAi7oboM 77 円高になるたびに、特定の人を叩き煽り立てるヤカラがいるから そういうときは引っ込むんだよ 83 :Trader@Live!:2008/01/17(木) 01 17 48.29 ID gJuKNftT でもキニシナイ氏は人事じゃないよね ドル円が120円超えていった辺りは誰もが 少なくともかなりの長い期間は105円なんてとこまで落ちないと予想していた だから大きいレバ掛けてる人もいっぱいいたよ・・・ 85 :47000[sage]:2008/01/17(木) 02 34 52.06 ID NNNcKHbc 今更だがキニシナイ氏の はUSD/JPY 130 ZAR/JPY100で-8円、-1円としても1000万ちょっとのマイナス。 これはスワップ除いた損益だから実損はもっと少ない。 氏の資産から考えても、死んだっていうのはいいすぎだと思うが・・・ 88 :Trader@Live![sage]:2008/01/17(木) 08 27 26.37 ID PKbeZirI キニシナイ氏を妬んでるとしか思えない方がいますね 90 :Trader@Live!:2008/01/17(木) 14 27 26.26 ID YXzUXMzx キニシナイはキャピよりドル利下げが厳しいかも 91 :Trader@Live!:2008/01/17(木) 17 35 32.16 ID Tn8+fUDA キニシナイ氏は1億持ってるのかよ 余裕ジャンw 92 :Trader@Live!:2008/01/17(木) 19 10 18.80 ID tDkz9+4c 544 名前: キニシナイ(^。^)y-.。o○ ◆5bp0Cie7k2 [sage] 投稿日: 2007/06/07(木) 12 18 23.46 ID iDGXH+1J ポジ合計の損益書いてたんですが、マイナス500万とかプラス500万とかの数字を 毎日見ると気分が悪いんで止めれと抗議が来ましたんで自粛したんですが・・・ 書いても良いんですが数分後に数十万動くのですが参考になります? 例えば昨日は100万の変動がありましたが。 550 名前: キニシナイ(^。^)y-.。o○ ◆5bp0Cie7k2 [sage] 投稿日: 2007/07/25(水) 21 48 40.02 ID gpyeS1qY 2種類それもクロス円のみ、 理由は頭使わなくても管理が簡単だから(^^ゞ 571 名前: キニシナイ(^。^)y-.。o○ ◆5bp0Cie7k2 [sage] 投稿日: 2007/07/26(木) 08 21 14.44 ID QpS1WndX スワッポ 20,200 Day タネ 3,400 キャピ + レバ 3.89 スワッポウマー(・∀・) のんびりのんびりキニシナイキニシナイ(^。^)y-.。o○ 98 :Trader@Live![sage]:2008/01/17(木) 21 03 31.22 ID /8cH5NrK なんだ、キニシナイって3000万か4000万のFX以外に7000万の余裕資金があるのか。 ならば含み損が2000万か3000万程度なら、焦り始めてはいるにせよ、 まだ深刻な状況ではないんだろうな。 ただ、ザーはともかくこの環境でドル主体というのは???だけど。 俺だったら紙くずリスク承知でトルコ一本だな。 100 :Trader@Live!:2008/01/17(木) 21 24 48.26 ID gJuKNftT 98 俺が丁度資産7000万なんだが仮に含み損が2000万なんてなったら 深刻通り越してゲロ吐きそうになってるよ 101 :Trader@Live!:2008/01/17(木) 21 28 36.57 ID ZlGDeRwC 92 余裕で生きてるじゃん、スワップだけで月60万年720万、まだ損してねえんじゃね? ってか損してないでほしい、キニしないさんは俺達の希望だから 102 :Trader@Live![sage]:2008/01/17(木) 21 29 19.00 ID 1BEAlUew 俺なんて資産5100万だけど含み損100万でも胃が痛い だからFXの種は500万までと固く決めている 103 :Trader@Live!:2008/01/17(木) 21 53 02.73 ID gJuKNftT 102 だよね?俺も実際はそうだわ 7000万あって2000万含み損でも5000万も残ってりゃいいじゃんみたいな発想は 完全に金持ってない人の妄想だよね 104 :98[sage]:2008/01/17(木) 22 03 23.95 ID /8cH5NrK 100、 102-103 なるほど。さすがに資金7000万の人の心理は理解できてなかった。 103さんのいうとおり資金数百万の貧乏人の妄想だったわけだね。 ただ、もし本当に7000万のうち2000万の含み損になったら、 死亡事故を起こす前の損切りが大切なのかも知れないなと思う。 9割の確率で7000万に戻り、1割の確率で7000万がパーになるなら、 5000万残っているうちに損切りするのが健康によさそう。。 105 :Trader@Live![sage]:2008/01/17(木) 22 04 05.28 ID KKVKChuJ 生臭も来なくなったな。 みんなキャピ損がシャレにならん額になって カキコする気力も失せたか(w キニシナイ氏と美味ですわ たまには来いよ。 キニシナイ氏は1日スワッポ2万だっけ? なら2000万の含み損は2年弱で取り戻せる。 金利が下がったら4年近くかかるかも知れんが。 116 :Trader@Live![sage]:2008/01/18(金) 05 53 56.80 ID 3j6lt+mE 前スレ見えないのだが キニシナイ氏の断末魔はあったの? 117 :Trader@Live!:2008/01/18(金) 06 45 20.50 ID tFhLmhCj キニシナイさんたぶん4000万くらい損してないか? ザーがハンパなく落ちてるからな 118 :Trader@Live![sage]:2008/01/18(金) 06 46 44.97 ID NIdgBFGJ 116 スワッポウマー(・∀・) のんびりのんびりキニシナイキニシナイ(^。^)y-.。o○ 137 :Trader@Live!:2008/01/18(金) 22 31 53.46 ID Hyz/xKA4 単純に計算して、キニシナイ氏がスワポうんまうんま言っていた頃から考えて 高金利通貨は15%ぐらい下がってるからレバ4倍なら種で考えると6割マイナス 3800のタネのうち2300ぐらいマイナス。1500ぐらいしか残ってないはず。 レバ25倍の会社(ジャヌスとか)なら600ぐらいは必要証拠金だろうから、 志望まで残り900ってとこか。 234 :Trader@Live![sage]:2008/01/21(月) 18 55 09.92 ID GucEI7E/ キニシナイ氏逝っちゃったのか また貴重な人物が・・ 寂しくなるなあ・・ おまいら生き残れよ? 239 :Trader@Live![sage]:2008/01/21(月) 19 35 00.40 ID BVuuMr2G キニシナイはアホールドしてるならまだ死んでないと思うが 下手にポジってたりしたら死んでる可能性あり。 それか心が折れて損切りしちゃって みんなにワーワー言われるので報告してないのかも 245 :Trader@Live![sage]:2008/01/21(月) 20 37 22.39 ID Yf+PMKaE キニシナイ氏はナンピンしてると思う。 火に油を注いで丸焼けになったろう。 247 :Trader@Live!:2008/01/21(月) 20 45 26.29 ID fDSwTfdX 239 前回のナイアガラでも113,114で買ってホクホクしてた くらいだし追加投資してないとは思えない。 ポジポジ病に冒されて予備資金の大半食いつぶしてるはず。 301 :Trader@Live!:2008/01/22(火) 09 45 45.53 ID s8KklHm7 キニシナイはいくらなんでももうキニシテルだろw 114くらいにナイアガラった時も余裕でどんどん買い下がる 言うてたしwww 302 :Trader@Live!:2008/01/22(火) 10 08 01.64 ID O7cmlimg 301 そこから1円下がるごとに買い増しでも とんでもなく含み損が膨れ上がってるね・・・ 316 :Trader@Live!:2008/01/22(火) 18 05 22.13 ID z614DX/K キニシナイ氏は嫁にボコボコにされて 2ちゃんどころではないのかな? 318 :Trader@Live![sage]:2008/01/22(火) 18 16 13.74 ID bG/cgZNq キニシナイは板が荒れてた時に もう書かないって去ったような気がする 350 :†ケン† ◆kiM4qXVHAg :2008/01/22(火) 23 18 27.57 ID Q5aGSaNJ キニシナイ出て来い! つうか今後スワップ派のブログ上位のわたぼう氏やケロ氏、はやぶさ氏 の展開が気になるね。 俺もいつか資金の半分はスワップ狙いでいきたいね。クロス円は半分 以下に抑えて、豪ドル60円、キウイ50円、ランド8円、リラ55円ぐらい になってから。 355 :Trader@Live!:2008/01/22(火) 23 31 23.56 ID h5uBbsQz 350 キニシナイは死んだよ。 追加資金も大半喰われた。 356 :Trader@Live![sage]:2008/01/22(火) 23 36 46.91 ID G2TP7l0y そういう本人しかわからんことを平気で書くな おそろしいわ 359 :Trader@Live![sage]:2008/01/23(水) 05 37 45.79 ID lyOV4+b8 キニシナイ氏はスレが多少荒れたぐらいで キニシナければいいのに 360 :Trader@Live![sage]:2008/01/23(水) 07 04 49.22 ID nlTBxNQd 少なくとも老後の人生設計はやり直しだろうな 361 :Trader@Live!:2008/01/23(水) 07 37 32.07 ID 3LTkYOaZ 360 もう老後の心配の必要もないんじゃないか? 362 :Trader@Live![sage]:2008/01/23(水) 07 41 51.06 ID iU0Vk/X6 361 キツイなw 363 :Trader@Live![sage]:2008/01/23(水) 08 52 44.15 ID /tmKvxgn 359 気にしてるのはここの住人だろ 364 :Trader@Live![sage]:2008/01/23(水) 09 06 06.72 ID xaivpNfr お前らキニシナイの話題引っ張りすぎだろ もう来ない奴の事わーわー言うんじゃない 365 :Trader@Live![sage]:2008/01/23(水) 09 15 22.55 ID 50QJhhLR キヤシナイ 401 :Trader@Live![sage]:2008/01/23(水) 21 18 29.02 ID 4Xlpwhhe キニシナイ氏 カムバック! 406 :Trader@Live![sage]:2008/01/23(水) 22 23 41.89 ID 4Xlpwhhe まさか、今日ドルが105割るとは思わんかったわ。407 :Trader@Live!:2008/01/23(水) 22 28 28.87 ID oaD86bCH ここまでくるとキニシナイは予備費7000万も含めて ぶっ飛ばしてる頃だな。 409 :Trader@Live!:2008/01/23(水) 22 42 29.18 ID ++oGDM57 キニシナイに限らずドル円組なんて死亡でしょ http //jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-29909720080122 2.25%まで逝ったら60~70円じゃないの? キニシナイは150枚でも10000円程、ランド100枚なんて4000円程 436 :Trader@Live![sage]:2008/01/24(木) 11 23 51.75 ID M+ffIhAc キニシナイ氏の損益がキニナル 437 :Trader@Live!:2008/01/24(木) 11 44 21.19 ID nx+7JcLr キニシテロ 485 :Trader@Live![sage]:2008/01/25(金) 06 37 11.76 ID YPfL8m4Y ドルのスワポ88円になった。 キニシナイ氏直撃。 488 :Trader@Live![sage]:2008/01/25(金) 08 24 22.96 ID 6TviNkEz キニシナイ氏はタバコ代の捻出すら厳しいだろうなw 60 名前: Trader@Live! [sage] 投稿日: 2007/03/06(火) 08 08 47.87 ID qI9iravr 14800円/Day スワッポウマー(・∀・) レバ6 コワー(^_^;) キャピロス330万 シラネ(^。^)y-.。o○ 64 名前: 60 [sage] 投稿日: 2007/03/06(火) 16 21 08.76 ID qI9iravr LC食わない程度レバなら、外貨預金と同じ感覚 途中経過は、キニシナイ(^。^)y-.。o○ 155 名前: 143 [sage] 投稿日: 2007/03/10(土) 15 48 14.92 ID sGOR5hW+ 153 タネは2000です、 去年FX始めた時は、へたれのため800溶かしました(~_~;) 今回再挑戦です。 もう、なにもキニシナイでいようと思います(^。^)y-.。o○ 219 名前: Trader@Live! [sage] 投稿日: 2007/03/12(月) 20 55 00.61 ID b7OjFHdy USD/JPY 100枚@118.5260 GBP/JPY 1枚@222.22 ZAR/JPY 100枚@15.74 スワッポ 19,190Day スワッポウマー(・∀・) 円高きたけどキニシナイ(^。^)y-.。o○ 490 :Trader@Live!:2008/01/25(金) 10 36 55.82 ID vRJv/QUN キニシナイ氏はスワップ減ったからっていって前みたいにドル円の枚数増やさないといいけどね ナンピン地獄になりそうだしなあ 493 :Trader@Live!:2008/01/25(金) 11 41 29.69 ID TwS9dKBw 490 このカキコ自体古いもんだよ、当時114円辺りで ガツガツ買い増してた。ポジション3倍近くにはなっ てるだろ我慢できそうにないあの性格なら・・。 504 :Trader@Live![sage]:2008/01/25(金) 16 33 32.29 ID czOjspUB 110 名前: Trader@Live! [sage] 投稿日: 2007/05/13(日) 19 09 16.86 ID 8elq8Vx6 口座1:H18年開始 1500万→700万(凹むorz) →H19年追金2300万→3600万(内キャピ400万) 税金考えると後500万ぐらいで原資かな? よほどの事が無いと離隔しないから明日にはキャピマイナスかもね。 口座2:H19年開始 60万→85万 お遊び用です 人それぞれです、のんびりやりましょう。 ちなみに無職です スワッポウマー(・∀・) のんびりのんびりキニシナイキニシナイ(^。^)y-.。o○ 121 名前: Trader@Live! [sage] 投稿日: 2007/05/14(月) 15 46 29.90 ID bfs+CUx7 難しいことは考えずにやってます 一応金融資産1億ちょいで、3000をFXで運用中 賃貸・妻あり子なしのもうすぐ50歳の無職男です。 世間一般で言う負け組みの代表で、運が良かったんで株で少し益がでました。 スワッポウマー(・∀・) のんびりのんびりキニシナイキニシナイ(^。^)y-.。o○ 505 :Trader@Live![sage]:2008/01/25(金) 16 40 00.25 ID 2N5aNGfJ そんなにキニシナイが好きか?506 :Trader@Live![sage]:2008/01/25(金) 16 43 15.86 ID YoErI+vl みんなキニシナイがキニナッテしかたないのか 人の不幸がそんなに好きか 底辺の人間だな 512 :Trader@Live![sage]:2008/01/25(金) 19 36 48.81 ID fOdnbo9e キニシナイ氏 送別会まだやってないのに・・・ 513 :Trader@Live![sage]:2008/01/25(金) 19 37 58.81 ID YoErI+vl 円高になると、 おまえらのような誹謗中傷するヤカラが出るから 出てこないようにする、とレスがしてあったんだよ 517 :Trader@Live!:2008/01/25(金) 19 56 34.44 ID k6PsbZjG 506 50でリタイアしたあげく資産半分以下に減らしたら 普通気が狂うってw キニシナイとかふかしこいてた罰ちゃうん 518 :Trader@Live![sage]:2008/01/25(金) 20 47 36.88 ID YPfL8m4Y キニシナイ氏の大ファンでつ。 LC喰らって 税金払う金無くなったりして(w519 :Trader@Live![sage]:2008/01/25(金) 20 48 34.97 ID fOdnbo9e 脱税してもきにしなーい 520 :Trader@Live![sage]:2008/01/25(金) 20 48 43.61 ID YoErI+vl いまここで特定の人を嘲り笑っている人のほうが 罰を受けるにふさわしいわ 人の本性がわかるスレだよなここは 552 :Trader@Live![sage]:2008/01/26(土) 20 02 38.93 ID gfcue3IT キニシナイ出てこい 557 :Trader@Live!:2008/01/27(日) 00 35 42.94 ID yoFWd50R スワッポ 1520/day 種 140 キャピ -70 累積スワポ 15 レバ3⇒9になってしもたorz 種を毎月+15して行く予定。 キャピマイナスはいっそキニシナイ… 死ぬのか、俺。 559 :Trader@Live![sage]:2008/01/27(日) 00 51 15.35 ID n9MmpC7v 557 よう、キニシナイ二世 576 :Trader@Live![sage]:2008/01/28(月) 10 17 22.99 ID lgD8Oi06 のんびりのんびりキニシナイキニシナイ(|||゚д゚)y-.。o○599 :Trader@Live![sage]:2008/01/29(火) 08 21 36.34 ID h4ciHjuL キニシナイ氏出てこいよ ROMってるんだろw 601 :Trader@Live!:2008/01/29(火) 10 26 29.90 ID MUFmM0xf キニシナイ氏も今つらいだろうし、わかってやろうや。 603 :Trader@Live!:2008/01/29(火) 12 20 02.88 ID KkItg4W+ キニシナイはスキャルパーに転身してショートしてるからもうこないよ 671 :Trader@Live![sage]:2008/01/31(木) 19 47 39.23 ID Y0KScutr キニシナイでてこいやー 689 :Trader@Live!:2008/02/01(金) 08 47 05.56 ID tW+sMFJf キニシナイってもう死んだの? ドルとザーでキャピ-1500以上じゃない? スワップはどれくらい溜まってるかしらんけど 690 :Trader@Live!:2008/02/01(金) 09 11 50.58 ID k4Fqfyb2 キニシニナイはドルとザーだからまさに悲惨だな。 最も買っていると辛い通貨ランキング1位と2位じゃないか。 691 :Trader@Live!:2008/02/01(金) 09 12 45.31 ID dWc1OdPE -3000近く逝ってても不思議じゃないだろw 694 :Trader@Live![sage]:2008/02/01(金) 09 33 05.39 ID XKfnrU6K キニシナイさん今頃再就職先探してるかも・・・ ナンピンしてなきゃ普通に耐えれる資金力あるんだろうけど ドル円114から買い下がってたからなあ もしランドも買い下がってたらほんとにシャレになんないよ 695 :生臭坊主 ◆8aAwmabvRE [sage]:2008/02/01(金) 10 26 45.97 ID AQ1W7Wmk スワップ自慢のスレなんだから、自慢したくなくなったり、自慢できなくなったら 書き込まなくなるのは自然な流れだと思いますよ 自虐、自戒のために書き込み続ける方がレアなんじゃないかと 死亡報告の義務とか無いし 人のこと気にしてても自分の金は増えないし、「出て来い」とか言うのはお門違い 696 :Trader@Live![sage]:2008/02/01(金) 10 42 32.60 ID e9OavI9c ま、そうだな。人が苦しんでるときだけ出てこいとか言うのはどうかと思うわ。 しょせん人の金。気にしすぎる必要ない。 697 :Trader@Live!:2008/02/01(金) 11 00 24.00 ID dWc1OdPE キニシナイをキニスルのはああいうタイプが損切り・LC食らった トコが、相場の底であることが結構あるからでないかな。 俺もとてもキニシテいる 699 :Trader@Live!:2008/02/01(金) 11 37 31.65 ID k4Fqfyb2 695 確かにそうなんだけど、ハンドルネームがね。 ハンドルネームがキニシナイで調子がいいときは 気にしない気にしない言ってたのに、 調子が悪いと気にするんじゃ、多少は叩かれるのも仕方ないと思うよ。 707 :Trader@Live!:2008/02/01(金) 13 46 35.29 ID aRHVh1Gf ランド終わってるよな キニシナイ氏の2枚看板のドルとランドは弱いのぉ~トルコの方が安定しているとはなw 710 :Trader@Live![sage]:2008/02/01(金) 19 37 01.20 ID umjqcttu キニチニャイ 出て恋よ。 まじで気になるんです・・・ 742 :Trader@Live![sage]:2008/02/02(土) 18 12 27.87 ID T/snwBNy キニシナイ氏は確定申告の心配はキニシナくていいなw 743 :Trader@Live![sage]:2008/02/02(土) 18 17 04.64 ID oJxVqbH5 いや、駄目だろ。 スワッポ分引き出してるなら、抱えてるポジの含み損とか関係無しに 引き出したスワッポにかかる税金を納めんといかんのじゃないか。 スワッポだけ引き出せる口座使ってないから詳しくは知らんけど。744 :Trader@Live![sage]:2008/02/02(土) 18 20 41.53 ID T/snwBNy 氏は利益確定してないだろw 損失はキニシナイだから… 745 :Trader@Live![sage]:2008/02/02(土) 19 22 52.06 ID nHFVwwhh いくらなんでも税金対策に糞ポジ切るくらいはやるだろ。 747 :Trader@Live!:2008/02/02(土) 22 13 33.28 ID efYFJlPo 全部糞ポジなんですけど?w 749 :Trader@Live!:2008/02/02(土) 22 33 20.36 ID 19KYcwQI http //live25.2ch.net/test/read.cgi/livemarket2/1194489932/345 345 名前:キニシナイ(^。^)y-.。o○ ◆U7GiV1JBHU [sage] 投稿日:2007/11/14(水) 09 14 07.99 ID /pFbIz6L スワッポ 22,600 Day タネ 4,000(リスク回避で500追加) キャピ - レバ 4.06 スワッポウマー(・∀・) ISP規制解除ですので書き込みます、次は永久規制らしいです(^^ゞ ナイアガラでポジ追加しました、 現在のポジですが、細かく書くのも何なので全体平均です ・USD/JPY 116弱(平均)×150 ・ZAR/JPY 15.8弱(平均)×100 のんびりのんびりキニシナイキニシナイ(^。^)y-.。o○ http //live27.2ch.net/test/read.cgi/livemarket2/1196261490/109 109 名前:キニシナイ(^。^)y-.。o○(ISP規制中)[sage] 投稿日:2007/12/02(日) 19 38 08.93 ID T9kECPPR スワッポ 25,000 Day タネ 4,000 キャピ - レバ 4.25 スワッポウマー(・∀・) 書き込むと、荒れる原因となりますので書き込むのを控えています。 (現在も続いていますが、ISPにも荒らしが多発して書き込み規制を受ける事も副次的な原因です) 自分の戦略としては少なくても1年以上の超長期のレンジで見ていますので、 今現在キャピがマイナスでも、特に気になるものではありません、 と書くと色々書いてくる人がいると思いますので、ここまでにしておきます。 これからは2chは見る事は少なくなると思いますが、皆様の検討をお祈りしています。 のんびりのんびりキニシナイキニシナイ(^。^)y-.。o○ 2007/11/14(水)のポジでドル・ザー合わせて約-1600万 最終書き込みの2007/12/02(日)に若干ポジ増やしてんだよなwww750 :Trader@Live![sage]:2008/02/02(土) 22 51 31.03 ID cd7TxVZY キニシナイは釣りだったのかもw 753 :Trader@Live!:2008/02/02(土) 23 48 53.69 ID dShOKWRw キニシナイはセンタンだから 76x150=11400 39x100=3900 計15300 Day アーメン 754 :Trader@Live!:2008/02/03(日) 00 10 30.56 ID zuDmqWgF どうせあの性格キニシナイのことだから、残りのFX以外の資金も 株買ってたりしてて身動きとれなくなってるんだろ、南無。 ただ俺は114~117円の時点で口を酸っぱくして「一回全てのポジ切れ」 「それ以上ポジを増やすな」と言ってやったので、同情はしない。 760 :Trader@Live![sage]:2008/02/03(日) 01 28 41.18 ID wSD60DrS キニチニャイは去年何度か離隔してたから税金おさめなきゃだめなはずだぞ。 761 :Trader@Live!:2008/02/03(日) 01 30 31.68 ID F3+nVTxW 大丈夫だよ、なんせシュミレーションだから 762 :Trader@Live![sage]:2008/02/03(日) 01 34 44.18 ID eWUE51Dz おまえらキニシナイ気にしすぎ。まあでも俺も、ユロや羊にしとけって何度も言ったんだけどな。 一応本人からも返事もらってるんで貼っとく。残念ながら聞く耳持たずだったが。 最近始めた人のために書いとくと、8月中旬の下落でユロと羊がよさげって書いた時は ㌦111円、ユロ150円、羊90円くらいだった。 945 名前: Trader@Live! [sage] 投稿日: 2007/11/07(水) 20 16 57.16 ID RbulA1b0 944 あ、来た来た。 8月にも聞いた気がするけど、なんでメインのスワッポ口座は米ドル円にこだわるの? あの時もユロや羊買っとけばってコメント、結構あったように思うけど。 煽りじゃなくてマジ質問す。 947 名前: キニシナイ(^。^)y-.。o○ ◆U7GiV1JBHU [sage] 投稿日: 2007/11/07(水) 20 50 24.09 ID d6yoolId 945さん 1.USD/JPYのレンジが決まっている 2.現在のポジを再構築時のリスクが怖い (金額が大きいので失敗すると(^^ゞ) 3.USD/JPYは現在逆風ですが、振り子は必ず戻るはず ブッシュが交代し、1年程度でアメリカは変化しはじめる思います アメリカは好きではありませんが、混乱が収まれば・・・ 4.ユロは現在追い風ですが、実力以上に評価されていると思います 5.資源国も評価されすぎと考えています(評論家がはやし立てていますのが不安要素です) 別口座で羊・キウイは数枚買って、ほとんど離隔しました、 残ポジはキウイが3枚とポンが1枚、ZARが1枚ですね、 日に800円程度スワッポ入っていますが、下で仕入れたので離隔するかどうか考え中です 775 :Trader@Live![sage]:2008/02/03(日) 17 51 55.49 ID wSD60DrS どうでもいいけど キニシナイ出て鯉よ。 俺は待ってるんだぞ 786 :Trader@Live![sage]:2008/02/04(月) 16 31 44.60 ID b9z4Z56n キニシナイ氏は別口座でデイトレやっているのかなぁ 791 :Trader@Live![sage]:2008/02/04(月) 19 02 42.69 ID l9MTa4rJ スワッポ 170,000 Day程度 タネ 4,000 キャピ - レバ 4.19 累積スワップ 800強 USD/JPY 160 ZAR/JPY 120 スワッポウマー(・∀・) 旅行も飽きたのと簡単な相場なので、 もうひとつの口座で毎週5万~10万程稼がせてもらっています 久しぶりにのぞきましたが、相変わらず粘着が多いですね では、数ヵ月後に のんびりのんびりキニシナイキニシナイ(^。^)y-.。o○ 793 :Trader@Live![sage]:2008/02/04(月) 19 27 31.05 ID IPE9e2DE 面倒ならスクリプトで自動的にUPすればOK 粘着キモを相手にすることはない 794 :Trader@Live![sage]:2008/02/04(月) 19 35 37.00 ID c1c6Wzbq 鳥ついてないけど本物くさいと思えるのは俺だけ? 本物なら、12/16の最後報告から米ドルナンピンせず、ランド20枚追加買い してることになる。あとスワポは17,000の間違いだな。 あとキャラ的にいやな人になってるが、こんだけ煽られりゃ無理ないか。 796 :Trader@Live![sage]:2008/02/04(月) 20 00 52.10 ID E2drPO9U 791 キニシナイ生きてたー(・∀・) 797 :Trader@Live![sage]:2008/02/04(月) 20 25 44.10 ID b9z4Z56n キニナルだけなのに粘着ってひどいなぁw 800 :Trader@Live![sage]:2008/02/04(月) 21 00 39.72 ID c6VxidqO 本物のキニシナイさっさと コテつけて出てきてくれ。気になるんだよー 801 :Trader@Live!:2008/02/04(月) 21 11 45.34 ID 98DsvxC9 キニシナイってスワポ3マソ円台だったと思うが 804 :Trader@Live!:2008/02/04(月) 23 05 11.40 ID b9q5naYF 去年の10月を最後に見るのやめてたが どうですかこのスレは? 死人たくさんでた? キニシナイしんだの? 805 :Trader@Live![sage]:2008/02/04(月) 23 08 37.53 ID OYYemS2i 804 少しはログを読む努力しろ。 806 :Trader@Live!:2008/02/04(月) 23 14 40.10 ID PKIlnrdc キニシナイ氏は伝説になった 825 :Trader@Live![sage]:2008/02/05(火) 20 27 42.57 ID u3FtkOeD もうキニシナイネタはいいよ いい加減しつこい つかもう秋田 833 :Trader@Live!:2008/02/06(水) 00 51 32.39 ID w4V6EJat キニシナイ氏は星になった 897 :Trader@Live![sage]:2008/02/08(金) 20 25 32.85 ID tzYx6y0H きにしないまだー? 915 :Trader@Live![sage]:2008/02/09(土) 09 21 10.20 ID 604nRhuZ キニシナイ氏をみんなで気にしてる件について
https://w.atwiki.jp/25438/pages/1037.html
桜高トップランカー達の血で血を洗う凄惨な戦いから一週間が経った。 その間学校は復旧工事の為、休校となっていた。 律「……何だかなぁ」 授業が再開されて初日の朝。 柄にもなく早い時間から登校した律は恥じらいも無く机の上に足を置き、椅子に深く身を預けて窓の外を眺めていた。 あれから律達はさわ子に半ば強制的に病院に搬送され、臨時休暇の大半をそこで過ごした。 学校が恋しくなってはいたものの、唯が居ない今の環境では胸の蟠りも取れそうにない。 そんなネガティブな感情から、律は大きく溜め息をついた。 紬「おはよう、りっちゃん」 いつの間にやら教室に居た紬は机に置かれた律の足を窘めるようにはたく。 律「ムギか、おはよ……」 律はやや伏し目がちに挨拶を返す。 それとは対照的に紬の表情は、見ている方が和むほどに朗らかだ。 紬「……落ち込む気持ちも分かるけど、元気出していきましょ?」 紬はそっと律の頭を撫で、両手で握り拳を作るとガッツポーズを取った。 律「ははっ……。ムギは強いなぁ、私も見習うとするよ」 そんなムギの様子を見て、律は苦笑いを浮かべる。 紬「ふふっ、今日は元気が出るようにおから炒めを持ってきたの。放課後皆で食べましょ」 律「皆、か……」 律は教室を一瞥し、普段ならこの時間には自分の隣に居るであろう二人を思い浮かべた。 唯はいちごに拉致され、生死不明の状態。 澪は幸いにも吹き飛んだ体育館の瓦礫の中から発見され、相応の治療を受けて一命を取り留めた。 律は後にさわ子から聞いた話で、澪がしずかに敗北した事を知っていた。 それもあって澪の精神面を気遣い、今日は澪と一緒に登校しなかったのだ。 律「唯は勿論心配だけど、澪、それに和と鈴木さんの具合も心配だな……」 紬「うん……。私や梓ちゃんの傷は浅かったけど、あの二人は重傷だったもんね」 和と純の二人は誰よりも優先して病院に搬送され、緊急手術を受けた。 だが容態は芳しくなく、未だに面会謝絶状態で入院している。 その『絶対の彼方』を越えた二人さえも叩き潰した憂はあの日以来、家から一歩も外に出ていない。 律「憂ちゃんが一番ショックなんだろうな……。唯を奪われて、いくら頭に血が昇ってたって言っても、幼馴染みと友達を自分で潰したんだから」 紬「…………」 紬は押し黙り、俯く。 律「勿論ムギも、だけどな。家の方は大丈夫なのか?」 紬「……ええ。会社が解体されたと言っても破産したわけじゃないから。それなりの蓄えはあるみたい」 それなりの蓄えとは言ったものの、少なくとも律の両親が一生かかっても稼げない程の金は持っている。 律「……さわちゃんが許してくれさえすればなぁ。今直ぐにでも唯を取り返しに行くのに……」 紬「そうね……」 この混乱した状況の中でさわ子が下した判断は停滞だった。 今の律達の力量では仮にいちごに挑んだところで『沼』に飲まれる。 そう判断しての苦渋の決断だった。 律「どっちにしても。今回の件で自分の不甲斐無さを思い知らされたよ、当面の課題は一つ、だな」 紬「先生に認めてもらえるように強くなる、ね?」 気丈に振る舞って笑う二人だが、その表情の中には深く刻まれた哀しみが見え隠れしていた。 梓「くっ……!」 街の外れにある廃工場にて、梓は銃を乱射していた。 建物の中は硝煙の香りが漂っており、あちらこちらに空薬莢が散らばっている。 壁のあちらこちらに描かれた丸形の的には無数の弾痕が刻まれていた。 梓「こんなんじゃ駄目です……。もっと、もっと強くならないと……!」 くたびれた普段着のパーカーのポケットから予備の弾薬を取り出し、滑らかな動作でセットする。 梓「はっ!」 両腕を突き出し、二つの銃を発砲する。 二つの弾は軌道を重ね、そのベクトルを変え、梓の両脇にある二つの的の中心にめり込んだ。 律達が運ばれた病院の一室の扉が開いた。 ドアの表札には立花 姫子と書かれており、面会謝絶の札が掛けられている。 にも関わらず堂々と部屋の中に入り込んだのは、一人の少女だった。 艶のある漆黒の髪を揺らし、細身のデニムに紫のパーカーという身形。 目深に被った帽子が少女の顔を隠していた。 「…………」 部屋の主である立花 姫子はベッドの上で安らかに眠っていた。 身体中に取り付けられた夥しい量の管とその美しい寝顔は、死にゆく眠り姫を連想させる。 部屋に入り込んだ少女は姫子の顔を見下ろし、歯を食いしばった。 少女の胸の中で殺意が蠢いた。 震える手で腰に差した刀を抜刀し、鈍色に輝く刀身をそっと姫子の首に押し当てた。 「止めなさい、澪」 背後から聞こえた自分を呼ぶ声に驚き、澪は慌てて振り返る。 澪「和…………」 そこには車椅子に座り、点滴を腕に刺した和がいた。 普段かけている眼鏡は外しており、短めの髪の毛は無造作に跳ねている。 和「それだけは絶対にやっちゃ駄目よ。自分の弱さから逃げて人に当たるのは、愚図がする事」 普段の和からは想像もつかないようなずぼらな身形だが、そう言った和の眼光は澪の胸を針の筵のように貫いていた。 澪「……そんな身体で私を止めるつもりか?」 和「あら、見くびらないでくれる? アンタが相手なら目隠しして両腕を縛っても一秒以内をケリをつけられるけど」 和のそれは誇張表現などではない。 澪自身それを重々理解していた。 だがそれでも澪は抵抗せずにはいられなかった。 軽音部の中で一人だけ、敵前逃亡した挙げ句打ちのめされた自分の不甲斐無さを払拭するには、何か行動を起こさずにはいられなかったのだ。 澪「言ってろ」 澪が刀の柄を握る手に力を込めようとしたその時、甲高い音を立てて刀は澪の手から離れた。 和「お願いだから手間をかけさせないでくれるかしら? こっちはまだ病み上がりで面会謝絶も解けてないのに」 和の手には桜の花びらがあしらわれた刀が握られていた。 やはり自分は和の足元にすら及ばない。 それを痛い程に痛感した澪は床に手を当て、俯いた。 澪「……唯がさらわれた時に私は何をしてたと思う? 無様に床に這いつくばってたんだ!!」 声は次第に震えてゆく。澪はリノリウムの床を殴り付けた。 澪「なぁ……私はどうしたら良い? 教えてよ! このままじゃ気が狂っちゃいそうだよ!!」 和「…………」 澪の悲痛の叫びを和は黙って聞いていた。 時折相槌をうちながら聞くその姿勢は、実年齢よりも遥かに大人びたまるで母親のような暖かみを持っている。 澪「うっ……。ひぐっ……」 和は澪が負けたという情報は既に知っていた。 自分の身体が完治すれば発破をかけてやろうと思っていた和だが、そのプランを早める事にする。 和「強くなる事は良い事ばかりじゃないわ。時には恐れられ、軽蔑される」 澪「…………」 和は周りが今まで自分に向けてきていた視線の色を思い返した。 和「アンタには才能がある。もしその覚悟があるのなら連れて行ってあげるわよ? 『絶対の彼方』に」 澪は両目を閉じ、無言で頷いた。 純「よっ……とと……。随分鈍ってるなぁ」 純は病院の屋上の手摺の上を逆立ちで往復していた。 一歩間違えれば即死であるその状況で、純は物怖じもせずに飄々としている。 純「あーきた!」 両手に力を込め、腕の力だけで跳躍する。 空中でくるりと一回転すると、両足でしっかりと着地した。 「鈴木さん! あなたまだ重体なんですよ!! 早く部屋に戻って下さい!」 シーツを干しに来た看護婦に注意され、純はぺろりと舌を出して会釈した。 純(さて、と。退院したら、私もそろそろ立場を固めないとね……) 一瞬だけ柄にもなく険しい顔をして、純はその場を後にした。 澪と和の諍いから三日が経った。 あれ以来一度も学校に行っていない澪は、その重い腰を上げて和が指定した場所に来ていた。 澪「まだかな……」 腰に差した刀の鞘を弄りながら澪は呟く。 『三日後の正午にアンタ達のいきつけの喫茶店に行きなさい。そこにアンタを強くしてくれる人が来るから』 どうにも含みがある漠然とした物言いだったが、今の澪はそれにすら縋りたくなるような心境だった。 胸を圧迫するざわめきをかき消すように、テーブルに置かれた既に冷めてしまったレモンティーを飲み干す。 「ごめんなさい。待たせちゃった?」 声の主を見て、澪は思わず口に含んだレモンティーを噴き出しそうになった。 すんでのところでそれを堪え、平静を装って返事を返す。 澪「曽我部先輩……。何であなたが? 大学は大丈夫なんですか?」 「ふふっ、他ならぬ秋山さんの頼みだもの。そんな事気にしなくても良いのよ?」 そう言うと曽我部 恵は栗色の長い髪をさっ、と払って微笑んだ。 八十四代桜高生徒序列ナンバーツー。『絶対領域』曽我部 恵。 去年の桜高生徒序列において平沢 憂を負かす事は出来なかったものの、真鍋 和を差し置いてナンバーツーの地位を欲しいままにした猛者だ。 恵「早速本題に入っても良いんだけど……。ここでお昼食べちゃおっか。あなたもお昼まだでしょ?」 澪「あ、はい……」 澪は手渡されたメニューをおずおずと受け取り、自分の手持ちを考慮してなるべく安いものを探す。 恵「ここは私が持つから好きなの頼んで良いよ。あ、このトルコライスなんて美味しそうじゃない?」 澪「そんな……悪いですよ。折角遠路はるばる来てもらって、その上お昼まで奢ってもらうなんて──」 そこまで言いかけたところで恵は澪の唇に指を添えた。 そしていたずらな表情でウインクする。 恵「だから遠慮しなくても良いの。 私、まだ秋山さんのファンなんだから」 澪「ふぁ、ふぁんって……」 澪は顔を赤らめて俯く。 だが澪はここで気付いた。 いつの間にか自分の胸の中の蟠りが薄れている事に。 澪「……流石ですね」 澪には恵の凜とした容姿に似合わない茶目っ気溢れる笑顔がやけに眩しく思えた。 恵「これでも元生徒会長ですから」 平沢さんの妹には勝てなかったけどね、と付け加えて、恵は舌を出して微笑んだ。 それから二人は食事を注文し、他愛ない会話をしつつ一時間ほど時間を潰した。 そして喫茶店を出てからある場所へと向かう。 澪「ここは……?」 恵「私の親戚が営む道場よ。しばらく貸し切りにしてくれるらしいから」 桜高から歩いて十数分ほどの距離の古風な道場。 澪は促されるまま恵に着いてゆき、稽古場に入った。 扉を開けるとい草の香りが澪の鼻を突き抜ける。 壁や柱などは質素な造りでありながらも手入れが行き届いており、師範の人格が伺える。 恵「靴下は脱いでおいてね。それと畳に上がる時はちゃんと一礼すること」 澪「は……はい」 ぎこちない動作で一礼し、澪は靴下と上着を脱いで畳の上に上がった。 不思議と穏やかな何かに身を包まれるような錯覚に陥る。 澪「…………」 腰に差した刀に手をかけ、目を瞑って感覚を研ぎ澄ます。 自ずと瞼の奥の世界が見えてくるような気がした。 澪「っ!」 身体の真横に大気の乱れを感じ、澪は即座に抜刀した。 刀同士が鍔競り合う甲高い金属音を聞いて目を開ける。 恵「なかなかね。反応の速さも抜刀時の身のこなしも申し分ないわ。日頃の鍛練を怠っていない証拠ね」 人の良さそうな笑みを浮かべ、恵は抜刀した模造刀を鞘に納めた。 恵「序列は八、九位ってとこかな。剣術使いの中じゃああの子の次に強いんじゃない?」 あの子、が和の事を差すのだと理解し、澪は顔を伏せた。 澪「……序列は十二位だったけど、この間二十位代の人に負けて今は十三位です。それに、和以外にももう一人上が……」 澪は『辻斬り』と呼ばれ名を馳せるもう一人の剣術使いトップランカーを思い浮かべた。 彼女が純の手によってあっけなく打ちのめされた事を澪は知らない。 澪「和は私には才能があると言ってました。『絶対の彼方』生徒序列トップスリーに立つ事なんて……私に出来るんでしょうか」 澪は拳を震わせる。 恵「……今のままじゃあ無理ね」 恵が澪にかけた言葉は安い同情などではなく、辛辣な事実だった。 澪「やっぱり……そうで──」 恵「『絶対の彼方』の概念を誤認している今のあなたでは、という意味よ」 澪の言葉を途中で遮り、恵はぴしゃりと言い放つ。 恵「越えたくても越えられない。自分が人間である限り越える事すら馬鹿らしくなるような壁。ふふっ、私に言わせれば荒唐無稽な話も良いとこよ」 ずばり『絶対の彼方』の意味をそう解釈していた澪は、心臓が跳ね上がる感覚を味わった。 澪「どういう事ですか?」 恵「簡単な事よ。私のように『絶対の彼方』を越えた者とそうじゃない者では、『絶対の彼方』に対する認識に大きな違いがあるという事」 恵の説明は酷く抽象的で、焦らされるような語り口調だった。 恵「私達は『絶対の彼方』を越えた者を『闘気』のコントロールが出来る者と認識しているわ」 澪「闘気……?」 恵「そ、闘気」 恵はほくそ笑みつつ、右手の人指し指の長い爪で左の掌の薄皮を刺した。 そうしてうっすらと滲んできた血を澪に見せつける。 澪「…………」 未だに心の奥で眠る血への恐怖心がざわめき、澪は眉を顰めた。 恵「目を逸しちゃ駄目」 恵は澪の顎に手を添え、更に掌を近付ける。 澪「ひっ……」 思わず身を引こうとした澪だが、がっちりと顎を掴まれてそれもままならない。 恵「闘気とは身体を流れる生命エネルギー。車でいうガソリンのようなものなの」 そっと手を離し、恵は続ける。 恵「つまり闘気自体は誰にでもある。でもそれを自在にコントロールするには才能と強靱な精神が必要なのよね」 澪「…………」 澪は自分の胸に手を添えた。 脈打つ心臓の鼓動が、自分の身体に宿った力を連想させた。 恵「強靱な精神、特にこれが重要なの。闘気はあって当然のものだから、それの存在に気付く事すら難しいんだ。だから……」 恵は一度澪に背を向けた。 そして振り向きざまに神速の抜刀を放つ。 澪の観察眼でも捉えきれないその動きは芸術品の如く洗練されていた。 恵「うふふっ、一回死んじゃったね」 澪「っ……」 ぺろりと舌を出して微笑む恵だが、澪の首に突き付けた模造刀は澪の恐怖心を駆り立てた。 恵「限り無く『死』に近い環境に身を起き、『生』に宿る力を見出だす。今から日付が変わるまでの間、あなたには私の闘気を受け続けてもらうよ」 言い終えて恵は顔つきを険しくした。 その直後に道場全体を澱んだ空気が包む。 大気が震え、窓はかたかたと音を立てている。 澪「うっ……」 澪は思わず目を見開いた。 恵の背後で、煙のようにぼんやりとした姿の獅子が吠えている。 全身に流れる汗の一粒一粒、息遣い、心臓の鼓動。 それら全てを咀嚼するように見つめられている感覚が、澪を恐怖の底へ叩き込んだ。 恵「一秒でも早く逃げたいでしょ? でも、私の『絶対領域』は確実にあなたを強くしてくれるわ」 鬼すら逃げ出す強大な力の絶対領域の中で、澪の孤独な戦いは始まった。 桜高のテニス部部室はひたすらに荒れていた。 床にはビールの缶が散らばっており、煙草の煙が充満している。 「皿が満タンじゃん。吸い殻捨てといてよ」 「でもゴミ箱も溢れかえってんだけどー」 「きゃはははっ、んなもん外に捨てときゃ良いじゃん。今はあのうざったい生徒会長も居ないんだしさ」 部屋の中では数人の生徒が酒盛りをしている。 弱小部であるテニス部は桜高の絶妙な均衡を保っていた和という楔を失い、瞬く間に不良生徒に乗っ取られた。 その結果がこの荒んだ環境である。 「しっかし部長さんのあの時の顔ったら、今思い出してもウケるんですけどー」 派手な化粧をした生徒がけらけらと笑う。 「お願いだから後輩達には手を出さないで下さい! ってね。真っ裸にひん剥かれて何言ってんだっつーの!」 部屋の奥に座っていたきつめの顔立ちの生徒がそう言うと、部室内がどっと沸いた。 「そういやあれから下級生共はどうしたの?」 「あぁあれ? 見てくれが良い奴はオッサンに売っ払ったよ。今頃ヒーヒー言ってんじゃない?」 きつい顔立ちの生徒は財布の中から万札の束を取り出し、首元を扇ぐ。 「さっすがだねぇ! そのお金で呑み行こうよ」 灰皿の処理を任された生徒が部室のドアに手をかけた。その時……。 「え?」 ドアが大きな音を立てて盛大にふき飛んだ。 ドアは部屋の奥の窓にぶち当たり、硝子を打ち砕く。 ドアを開けようとしていた生徒はそれに巻き込まれ、身体のあちこちの骨を砕かれ、倒れ伏す。 部室内は瞬く間に悲鳴で埋め尽くされた。 純「ちわー、三河屋でぇっす」 扉の奥に居たのは純だった。 右手には購買で絶大な人気を誇るゴールデンチョコパンを、左手にはパックのフルーツオレを持っている。 「……アンタ、どこの部だよ。こんな事して五体満足で帰れると思ってんのか?」 きつい顔立ちの生徒が重い腰を上げ、咥えていた煙草を吐き捨てた。 純「…………」 「だんまりかよ。ビビるぐらいならハナッからこんな事すんじゃねーよ!」 派手な化粧をした生徒が純の顔面目掛けて蹴りを放った。 一寸の迷いも無い実直かつ協力な蹴りは、純の顔面に吸い込まれるように綺麗に決まった。 「え……?」 だが純の身体はびくともしない。 それどころかその足を軽く払い、何事も無かったかのようにゴールデンチョコパンを囓る。 純「はぁ……煙草臭いなぁ。あの人いつも一人でこんな仕事やってたのかぁ」 気怠そうな面持ちのままパンを口に咥え、純は蹴りを放ってきた生徒の胸目掛けて掌底を放った。 生徒は咄嗟にそれをガードするが、純の一撃は針の穴を通すように繊細なコントロールでガードを隙間を縫い、胸に突き刺さる。 「ひでぶっ……!」 そのまま部室の壁に叩き付けられた生徒は苦痛に胸を抑え、滝のような汗を流し出した。 純「安静にしてないと死んじゃいますよ。多分今ので心臓おかしくなっちゃってますから」 純はそう言ってゴールデンチョコパンの最後の一欠片を頬張り、フルーツオレで流し込む。 「アンタ早死にしたいの? 私の序列は五十位なんだけど、知ってた?」 部室の奥のきつめの顔立ちの生徒がせせら笑いながら純に問い掛ける。 桜高生徒序列において上位五十位に入っているという事は、一般では例外無く一騎当千の実力を持っている。 その事実に絶対的な自身を持っていての行動だろう。 きつめの顔立ちの生徒は完全に純を格下と見なしていた。 純「五十位かぁ……。そりゃ凄いや」 純は呆れたように溜め息をつき、悠然と部室内に割って入る。 そして序列五十位の生徒の真正面に立った。 純「何が凄いって……」 手に持っていたフルーツオレを生徒の頭上で逆さにする。 液体は重力に逆らわずに盛大にぶち撒けられた。 「なっ……!?」 純「そんな順位で偉そうな態度をとれる事に感心しますよ」 その時純の真後ろで二人の生徒が飛び掛からんとしていた。 純は振り向かずにその二人の頭を掴み、そのまま床に叩き込む。 砕け散ったコンクリートの床から血の噴水がわき出る。 純「ほい。後はあなただけですよ、どうするんですか?」 「う、嘘でしょ……? アンタまさか……トップランカー!?」 きつめの顔立ちの生徒は純を掻い潜って逃げようにも、腰が竦んで動けなかった。 純「私が何位だろうと関係無いじゃないですか。私はあなたより強い、それだけですよ」 純はがくがくと身を震わせる生徒の髪の毛を掴み上げ、顔面に重い突きを捩じ込んだ。 純「まぁ力に数字をつける下らない思考のあなたじゃあ、私の次元に辿り着くのは無理ですよねー」 へらへら笑いながら機械のように生徒の顔面に拳を捩じ込む。 その度に血が吹き出て、純の手が真っ赤に染まる。 純「痛いですか? その顔じゃあもう整形しても戻らないでしょうね。でもあなたに売られた子達はもっと痛かったんですよ?」 骨が砕け、顔の皮膚を突き破って肉が露出しても純は殴るのを止めない。 純「あの中には私のクラスメイトもいたんですよ。許せるわけないですよね。あなたが泣いても殴るのを止めませんよ」 鼻はひしゃげ、肉にめり込んで陥没する。 歯は全てへし折られて唇は別の生き物のように醜く腫れ上がっていた。 既に戦い否、圧倒的暴力は終着している。 純「私が出張った時点であなた達は全員ゲームオーバーなんですよ」 純は何の感慨も無さげにくるりと踵を返す。 そして最後に、誰も反応を示さない狭い部室に向けて呟いた。 純「生徒会執行部副会長『夢幻』鈴木 純。確かに依頼を完遂しましたっと」 9
https://w.atwiki.jp/qanaka/pages/27.html
妙法蓮華経安楽行品第十四 爾の時に文殊師利法王子菩薩摩訶薩、仏に白して言さく、 世尊、是の諸の菩薩は甚だ為れ有り難し。仏に敬順したてまつるが故に大誓願を発す。後の悪世に於て是の法華経を護持し読誦し説かん。世尊、菩薩摩訶薩後の悪世に於て云何してか能く是の経を説かん。 仏、文殊師利に告げたまわく、 若し菩薩摩訶薩後の悪世に於て是の経を説かんと欲せば、当に四法に安住すべし。一には菩薩の行処・親近処に安住して、能く衆生の為に是の経を演説すべし。文殊師利、云何なるをか菩薩摩訶薩の行処と名くる。若し菩薩摩訶薩忍辱の地に住し、柔和善順にして卒暴ならず、心亦驚かず、又復法に於て行ずる所なくして、諸法如実の相を観じ、亦不分別を行ぜざる、是れを菩薩摩訶薩の行処と名く。云何なるをか菩薩摩訶薩の親近処と名くる。菩薩摩訶薩、国王・王子・大臣・官長に親近せざれ。諸の外道・梵志・尼・子等、及び世俗の文筆・讃詠の外書を造る、及び路伽耶陀・逆路伽耶陀の者に親近せざれ。亦諸の有ゆる凶戲の相扠相撲、及び那羅等の種々変現の戲に親近せざれ。又旃陀羅、及び豬羊鶏狗を畜い畋猟漁捕する諸の悪律儀に親近せざれ。是の如き人等或時に来らば、則ち為に法を説いて・望する所なかれ。又声聞を求むる比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷に親近せざれ、亦問訊せざれ。若しは房中に於ても、若しは経行の処、若しは講堂の中に在っても、共に住止せざれ。或時に来らば宜しきに随って法を説いて・求する所なかれ。文殊師利、又菩薩摩訶薩、女人の身に於て能く欲想を生ずる相を取って、為に法を説くべからず、亦見んと楽わざれ。若し他の家に入らんには、小女・処女・寡女等と共に語らざれ。亦復五種不男の人に近づいて以て親厚を為さざれ。独他の家に入らざれ。若し因縁あって独入ることを須いん時には但一心に仏を念ぜよ。若し女人の為に法を説かんには、歯を露わにして笑まざれ、胸臆を現わさざれ。乃至法の為にも猶お親厚せざれ。況や復余の事をや。楽って年小の弟子・沙弥・小兒を畜えざれ。亦与に師を同じゅうすることを楽わざれ。常に坐禅を好んで閑かなる処に在って其の心を修摂せよ。文殊師利、是れを初の親近処と名く。復次に菩薩摩訶薩、一切の法を観ずるに空なり、如実相なり、顛倒せず、動せず、退せず、転せず、虚空の如くにして所有の性なし。一切の語言の道断え、生ぜず、出せず、起せず。名なく相なく、実に所有なし。無量・無辺・無碍・無障なり。但因縁を以て有り、顛倒に従って生ず。故に説く、常に楽って是の如き法相を観ぜよと。是を菩薩摩訶薩の第二の親近処と名く。 爾の時に世尊、重ねて此の義を宣べんと欲して、偈を説いて言く、 若し菩薩あって 後の悪世に於て 無怖畏の心をもって 此の経を説かんと欲せば 行処 及び親近処に入るべし 常に国王 及び国王子 大臣官長 凶険の戲者 及び旃陀羅 外道梵志を離れ 亦 増上慢の人 小乗に貧著する 三蔵の学者に親近せざれ 破戒の比丘 名字の羅漢 及び比丘尼の 戲笑を好む者 深く五欲に著して 現の滅度を求むる 諸の優婆夷に 皆親近することなかれ 是の若き人等 好心を以て来り 菩薩の所に到って 仏道を聞かんとせば 菩薩則ち 無所畏の心を以て ・望を懐かずして 為に法を説け 寡女処女 及び諸の不男に 皆親近して 以て親厚を為すことなかれ 亦 屠兒魁膾 畋猟漁捕 利の為に殺害するに親近することなかれ 肉を販って自活し 女色を衒売 是の如きの人に 皆親近することなかれ 凶険の相撲 種々の嬉戲 諸の淫女等に 尽く親近することなかれ 独屏処にして 女の為に法を説くことなかれ 若し法を説かん時には 戲笑すること得ることなかれ 里に入って乞食せんには 一りの比丘を将いよ 若し比丘なくんば 一心に仏を念ぜよ 是れ則ち名けて 行処近処とす 此の二処を以て 能く安楽に説け 又復 上中下の法 有為無為 実不実の法を行ぜざれ 亦 是れ男是れ女と分別せざれ 諸法を得ず 知らず見ず 是れ則ち名けて 菩薩の行処とす 一切の諸法は 空にして所有なし 常住あることなく 亦起滅なし 是れを智者の 所親近処と名く 顛倒して 諸法は有なり無なり 是れ実なり非実なり 是れ生なり非生なりと分別す 閑かなる処に在って 其の心を修摂し 安住して動せざること 須弥山の如くせよ 一切の法を観ずるに 皆所有無し 猶お虚空の如し 堅固なることあることなし 不生なり不出なり 不動なり不退なり 常住にして一相なり 是れを近処と名く 若し比丘あって 我が滅後に於て 是の行処 及び親近処に入って 斯の経を説かん時には 怯弱あることなけん 菩薩時あって 静室に入り 正憶念を以て 義に随って法を観じ 禅定より起って 諸の国王 王子臣民 婆羅門等の為に 開化して演暢して 斯の経典を説かば 其の心安穏にして 怯弱あることなけん 文殊師利 是れ菩薩の 初の法に安住して 能く後の世に於て 法華経を説くと名く 又文殊師利、如来の滅後に末法の中に於て是の経を説かんと欲せば、安楽行に住すべし。若しは口に宣説し若しは経を読まん時、楽って人及び経典の過を説かざれ。亦諸余の法師を軽慢せざれ。他人の好悪長短を説かざれ。声聞の人に於て亦名を称して其の過悪を説かざれ。亦名を称して其の美きを讃歎せざれ。又亦怨嫌の心を生ぜざれ。善く是の如き安楽の心を修するが故に、諸の聴くことあらん者其の意に逆わじ。難問する所あらば小乗の法を以て答えざれ。但大乗を以て為に解説して一切種智を得せしめよ。 爾の時に世尊、重ねて此の義を宣べんと欲して、偈を説いて言わく、 菩薩常に楽って 安穏に法を説け 清浄の地に於て 牀座を施し 油を以て身に塗り 塵穢を澡浴し 新浄の衣を著 内外倶に浄くして 法座に安処して 問に随って為に説け 若し比丘 及び比丘尼 諸の優婆塞 及び優婆夷 国王王子 群臣士民あらば 微妙の義を以て 和顔にして為に説け 若し難問することあらば 義に随って答えよ 因縁譬喩をもって 敷演し分別せよ 是の方便を以て 皆発心せしめ 漸漸に増益して 仏道に入らしめよ 嬾惰の意 及び懈怠の想を除き 諸の憂悩を離れて 慈心をもって法を説け 昼夜常に 無上道の教を説け 諸の因縁 無量の譬喩を以て 衆生に開示して 咸く歓喜せしめよ 衣服臥具 飲食医薬 而も其の中に於て ・望する所なかれ 但一心に 説法の因縁を念じ 仏道を成じて 衆をして亦爾ならしめんと願うべし 是れ則ち大利 安楽の供養なり 我が滅度の後に 若し比丘あって 能く斯の 妙法華経を演説せば 心に嫉恚 諸悩障碍なく 亦憂愁 及び罵詈する者なく 又怖畏し 刀杖を加えらるる等なく 亦擯出せらるることなけん 忍に安住するが故に 智者是の如く 善く其の心を修せば 能く安楽に住すること 我が上に説くが如くならん 其の人の功徳は 千万億劫に 算数譬喩をもって 説くとも尽くすこと能わじ 又文殊師利、菩薩摩訶薩後の末世の法滅せんと欲せん時に於て斯の経典を受持し読誦せん者は、嫉妬・諂誑の心を懐くことなかれ。亦仏道を学する者を軽罵し、其の長短を求むることなかれ。若し比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷の声聞を求むる者・辟支仏を求むる者・菩薩の道を求むる者、之を悩まし其れをして疑悔せしめて、其の人に語って汝等道を去ること甚だ遠し、終に一切種智を得ること能わじ。 所以は何ん、汝は是れ放逸の人なり、道に於て懈怠なるが故にと言うこと得ることなかれ。又亦諸法を戲論して諍競する所あるべからず。当に一切衆生に於て大悲の想を起し、諸の如来に於て慈父の想を起し、諸の菩薩に於て大師の想を起すべし。十方の諸の大菩薩に於て常に深心に恭敬・礼拝すべし。一切衆生に於て平等に法を説け。法に順ずるを以ての故に多くもせず少くもせざれ。乃至深く法を愛せん者にも亦為に多く説かざれ。文殊師利、是の菩薩摩訶薩後の末世の法滅せんと欲せん時に於て、是の第三の安楽行を成就することあらん者は、是の法を説かん時能く悩乱するものなけん。好き同学の共に是の経を読誦するを得、亦大衆の而も来って聴受し、聴き已って能く持ち、持ち已って能く誦し、誦し已って能く説き、説き已って能く書き、若しは人をしても書かしめ、経巻を供養し、恭敬・尊重・讃歎するを得ん。 爾の時に世尊、重ねて此の義を宣べんと欲して、偈を説いて言わく、 若し是の経を説かんと欲せば 当に嫉恚慢 諂誑邪偽の心を捨てて 常に質直の行を修すべし 人を軽蔑せず 亦法を戲論せざれ 他をして疑悔せしめて 汝は仏を得じと云わざれ 是の仏子法を説かんには 常に柔和にして能く忍び 一切を慈悲して 懈怠の心を生ぜざれ 十方の大菩薩 衆を愍むが故に道を行ずるに 恭敬の心を生ずべし 是れ則ち我が大師なりと 諸仏世尊に於て 無上の父の想を生じ ・慢の心を破して 法を説くに障碍なからしめよ 第三の法是の如し 智者守護すべし 一心に安楽に行ぜば 無量の衆に敬われん 又文殊師利、菩薩摩訶薩後の末世の法滅せんと欲せん時に於て法華経を受持することあらん者は、在家・出家の人の中に於て大慈の心を生じ、菩薩に非る人の中に於て大悲の心を生じて、是の念を作すべし、是の如きの人は則ち為れ大に如来の方便随宜の説法を失えり。聞かず知らず覚らず、問わず信ぜず解せず。其の人是の経を問わず信ぜず解せずと雖も、我阿耨多羅三藐三菩提を得ん時、随って何れの地に在っても、神通力・智慧力を以て、之を引いて是の法の中に住することを得せしめん。 文殊師利、是の菩薩摩訶薩如来の滅後に於て此の第四の法を成就することあらん者は、是の法を説かん時、過失あることなけん。常に比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷・国王・王子・大臣・人民・婆羅門・居士等に供養・恭敬・尊重・讃歎せらるることを為ん。虚空の諸天、法を聴かんが為の故に亦常に随侍せん。若し聚落・城邑・空閑・林中に在らんとき、人あり来って難問せんと欲せば、諸天昼夜に常に法の為の故に而も之を衛護し、能く聴者をして皆歓喜することを得せしめん。 所以は何ん、此の経は是れ一切の過去・未来・現在の諸仏の神力をもって護りたもう所なるが故に。 文殊師利、是の法華経は無量の国の中に於て、乃至名字をも聞くことを得べからず。何に況や見ることを得受持し読誦せんをや。文殊師利、譬えば強力の転輪聖王の、威勢を以て諸国を降伏せんと欲せんに、而も諸の小王其の命に順わざらん。時に転輪王種々の兵を起して往いて討伐するに、王、兵衆の戦うに功ある者を見て即ち大に歓喜し、功に随って賞賜し、或は田宅・聚落・城邑を与え、或は衣服・厳身の具を与え、或は種々の珍宝を金・銀・瑠璃・・・・碼碯・珊瑚・琥珀・象馬・車乗・奴婢・人民を与う。唯髻中の明珠のみを以て之を与えず。所以は何ん、独王の頂上に此の一つの珠あり。若し以て之を与えば、王の諸の眷属必ず大に驚き怪まんが如く、文殊師利、如来も亦復是の如し。禅定・智慧の力を以て法の国土を得て三界に王たり。而るを諸の魔王肯て順伏せず。如来の賢聖の諸将之と共に戦うに、其の功ある者には心亦歓喜して、四衆の中に於て為に諸経を説いて其の心をして悦ばしめ、賜うに禅定・解脱・無漏根・力の諸法の財を以てし、又復涅槃の城を賜与して、滅度を得たりと言って其の心を引導して皆歓喜せしむ。而も為に是の法華経を説かず。文殊師利、転輪王の諸の兵衆の大功ある者を見ては心甚だ歓喜して、此の難信の珠の久しく髻中に在って妄りに人に与えざるを以て、今之を与えんが如く、如来も亦復是の如し。三界の中に於て大法王たり。法を以て一切衆生を教化す。賢聖の軍五陰魔・煩悩魔・死魔と共に戦うに大功勲有って、三毒を滅し、三界を出でて魔網を破するを見ては、爾の時に如来亦大に歓喜して、此の法華経の能く衆生をして一切智に至らしめ、一切世間に怨多くして信じ難く、先に未だ説かざる所なるを而も今之を説く。文殊師利、此の法華経は是れ諸の如来の第一の説、諸説の中に於て最も為れ甚深なり。末後に賜与すること、彼の強力の王の久しく護れる明珠を、今乃ち之を与うるが如し。文殊師利、此の法華経は諸仏如来の秘密の蔵なり。諸経の中に於て最も其の上にあり。長夜に守護して妄りに宣説せざるを、始めて今日に於て乃ち汝等がために而も之を敷演す。 爾の時に世尊、重ねて此の義を宣べんと欲して、偈を説いて言わく、 常に忍辱を行じ 一切を哀愍して 乃ち能く 仏の讃めたもう所の経を演説す 後の末世の時に 此の経を持たん者は 家と出家と 及び非菩薩とに於て 慈悲を生ずべし 斯れ等 是の経を聞かず信ぜず 則ち為れ大に失えり 我仏道を得て 諸の方便を以て 為に此の法を説いて 其の中に住せしめん 譬えば強力の 転輪の王 兵の戦う功あるに 諸物の 象馬車乗 厳身の具 及び諸の田宅 聚落城邑を賞賜し 或は衣服 種々の珍宝 奴婢財物を与え 歓喜して賜与す 如し勇健にして 能く難事を為すことあるには 王髻中の 明珠を解いて之を賜わんが如く 如来も亦爾なり 為れ諸法の王 忍辱の大力 智慧の法蔵あり 大慈悲を以て 法の如く世を化す 一切の人の 諸の苦悩を受け 解脱を欲求して 諸の魔と戦うを見て 是の衆生の為に 種々の法を説き 大方便を以て 此の諸経を説く 既に衆生 其の力を得已んぬと知っては 末後に乃ち為に 是の法華を説くこと 王髻の 明珠を解いて之を与えんが如し 此の経は為れ尊 衆経の中の上なり 我常に守護して 妄りに開示せず 今正しく是れ時なり 汝等が為に説く 我が滅度の後に 仏道を求めん者 安穏にして 斯の経を演説することを得んと欲せば 応当に 是の如き四法に親近すべし 是の経を読まん者は 常に憂悩なく 又病痛なく 顔色鮮白ならん 貧窮 卑賎醜陋に生れじ 衆生見んと楽うこと 賢聖を慕うが如くならん 天の諸の童子 以て給使を為さん 刀杖も加えず 毒も害すること能わじ 若し人悪み罵らば 口則ち閉塞せん 遊行するに畏れなきこと 師子王の如く 智慧の光明 日の照すが如くならん 若し夢の中に於ても 但妙なる事を見ん 諸の如来の 師子座に坐して 諸の比丘衆に 圍繞せられて説法したもうを見ん 又龍神 阿修羅等 数恒沙の如くにして 恭敬合掌し 自ら其の身を見るに 而も為に法を説くこと見ん 又諸仏の 身相金色にして 無量の光を放って 一切を照し 梵音声を以て 諸法を演説し 仏四衆の為に 無上の法を説きたもう 身を見るに中に処して 合掌して仏を讃じ 法を聞き歓喜して 供養を為し 陀羅尼を得 不退智を証す 仏其の心 深く仏道に入れりと知しめして 即ち為に 最正覚を成ずることを授記して 汝善男子 当に来世に於て 無量智の 仏の大道を得て 国土厳浄にして 広大なること比なく 亦四衆あり 合掌して法を聴くべしとのたもうを見ん 又自身 山林の中に在って 善法を修習し 諸の実相を証し 深く禅定に入って 十方の仏を見たてまつると見ん 諸仏の身金色にして 百福の相荘厳したもう 法を聞いて人の為に説く 常に是の好き夢あらん 又夢むらく国王と作って 宮殿眷属 及び上妙の五欲を捨てて 道場に行詣し 菩提樹下にあって 師子座に処し 道を求むること七日過ぎて 諸仏の智を得 無上道を成じ已り 起って法輪を転じ 四衆の為に法と説くこと 千万億劫を経 無漏の妙法を説き 無量の衆生を度して 後に当に涅槃を入ること 煙尽きて燈の滅ゆるが如し 若し後の悪世の中に 是の第一の法を説かば 是の人大利を得んこと 上の諸の功徳の如くならん
https://w.atwiki.jp/shinatuki/pages/338.html
あの後結局やることがなく、得た能力をどんな風に使えばいいのかチェックして時間を潰した。 そして朝食も済ませ、ディアボロは亀の中に戻ってきた。 「(さて、今日はどこに行ってみようか?)」 紫をヘブンズ・ドアーで本にしたときに書かれていた内容を思い出す。 「(迷わず戻ってこれることを考えると、俺が行けるのは限られてくるな……)」 ディアボロは少し考え、そして決めた。 「(少し危険だが、地底に向かってみよう)」 ディアボロがそう思っていたそのとき。突然亀の中に誰かがやってきた。 その者は何が起きたのか分からず周囲を見渡すが、ディアボロを見つけると目を輝かせた。 ディアボロはそれを気にも留めず、その者の容姿を見る。 今まで見たことも無い少女。黄緑色の髪に、髪とほぼ同じ色の目をしているが、身体の何処から出ているのか分からない青い紐のようなもので繋がっている目のようなものが、彼女が人間ではないことを教えている。 その目は閉ざされているが、ディアボロはその目の正体を知っていた。 「(あの目は……確か『見た者の心を読む』目。だが、何故閉ざされているんだ……?)」 ディアボロが考えていると、少女はディアボロに話しかけてきた。 「やっと会えた!」 子供が欲しかった物を手に入れたときと同じ反応で話す少女。 ディアボロは冷静にソファーに座り、少女を見る。 「……名前は?」 名前さえ分かれば、『あの時』の記憶を思い出すことで正体が殆ど分かる。ディアボロはそれを分かっている。 「私は古明地(こめいじ) こいし。貴方を探しに幻想郷を飛び回っていたのよ」 その名を聞き、ディアボロは思い出そうとする。 「(こいし……駄目だ。あまり分からない。『心を読めないこと』と『地霊殿に住んでいること』、そして『姉が居ること』は分かっているが……)」 思わず自分の顔に手を当てそうになるが、それを自制してこいしとの会話をする。 「……どうしたの?」 「いや、なんでもない。それより、どうやって誰にも気づかれずにやってきたんだ?」 他人の記憶から探りだせないのなら直接聞き出すまで。そう判断したディアボロは、こいしに質問をする。 「『無意識』を操ってきたの」 「(……なるほど、こいつは自分の存在を『意識されなくなる』ことができるわけか)」 こいしの一言にディアボロは納得した。確かに自分の存在を『意識される』ことがなければ、簡単にここまで来ることができる。 「わかった。次の質問に移ろう」 こいしの能力を聞き出せたディアボロは、次の質問をする。 「何の為に俺に会いにきた?俺の姿を見たいからという単純なことじゃないはずだ」 ディアボロの質問にこいしは嬉しそうに答える。 「貴方を地霊殿に案内しに来たの。だって、貴方とても強いって聞いているし」 「地霊殿?どんなところだ?」 名前も知っているし、地霊殿がどんなところかも紫の記憶を見て分かっている。 だが、不自然に思われないためにどんなところなのかをこいしに尋ねる。 「行ってみてからのお楽しみ♪」 無邪気に返事をするこいし。 ディアボロは少し困りながらも次の質問をする。 「4つ目の質問だ。俺の存在を知ったのはどのくらい前だ?」 こいしは少し考えて返事をする。 「つい最近。天狗が話しているのを聞いたの」 「(意外だな。地底にはまだ俺の存在が知られていないようだ。情報の交流があまりないということか)」 ディアボロは内心驚きながら、こいしの話を聞く。 こいしによれば、天狗の会話を聞いた後、ディアボロについて天狗の集落で調べたようだ。 その後、何度か会おうとしたものの、ディアボロが亀の中にいたり(どうやらこいしには『亀の中に居る』と思わなかったようだ)、どこかに出かけていたりしていたため、こいしはディアボロに会うことができなかった。 しかし、先ほど偶然にもディアボロが亀の中に入る瞬間を目撃したため、後を追って亀の中に入ったようだ。 「なるほど、お前がここにきた理由はわかった」 ディアボロは腕を組んでこいしを見る。 「それじゃあ、地霊殿に来てくれるの?」 こいしは期待を込めてディアボロに尋ねる。 「ああ。一度地底に行ってみたかったからな」 そう言ってディアボロはソファーから立ち上がり、亀の中からでる。こいしもその後を嬉しそうに後をついていく。 「ここが地底の入り口か」 ディアボロはジャンピン・ジャック・フラッシュで浮遊した状態で、周囲を見渡しながらこいしに尋ねる。 「そのとおり。……気をつけて。私の能力で今貴方は『意識されていない』けど、帰りはそうはいかないよ」 こいしは返事をし、ディアボロに警告をする。 そして二人は地底へと進みだす。 岩を回避し、妖精に当たらないように進み、妖怪のそばを通り過ぎ。 進んでいくと、地底の都市についた。 「……地底にこんな場所があったとは」 紫の記憶で知っていたとはいえ、驚きを隠せないディアボロ。 そしてふと、ぬえが地底について話してくれたことを思い出す。 「ねぇ、ディアボロ」 「なんだ?」 いつものように亀の中に入ってきたぬえ。 ディアボロの隣に座ると、彼にあることを聞いた。 「もし地底に妖怪が住んでいるっていったら……ディアボロはどう思う?」 ディアボロは少し考える。 地底に妖怪が住んでいることも、地霊殿の存在も知っていたが、あえて知らない振りをして会話をする。 「……居てもおかしくないと思うな」 ディアボロの答えに、ぬえは笑顔で会話を続ける。 「私はかつて地底に居たことがあるの」 「…………」 その言葉にディアボロは無言になってしまう。 どうやらぬえはびっくりして無言になったと思ったのだろう。さらに話し続ける。 地底には強力な力を持った妖怪が沢山居ること 『鬼』と呼ばれる妖怪が地底に居ること。 色々なことを話してくれた。 笑顔で話すぬえを見て、何故かドッピオのことを思い出した事も覚えている。 何で思い出したのかは分からないが……。 「(ドッピオは今……どうしているんだろうか……)」 ディアボロは少し考え、「(わかるはずがないな……)」と考えるのをやめる。 そして、こいしに話しかける。 「ここがどんなところなのかは大体知っている。俺の知り合いが教えてくれた」 「だったら、説明は不要ね」 ディアボロの言葉にこいしは納得し、二人は地霊殿に飛ぶ。 旧都から地霊殿に移動するのに、さほど時間はかからなかった。 「ここか」 ディアボロは地霊殿の扉を開き、中に入る。こいしも後からついていく。 「(……今のところ、誰の気配も感じないな)」 そう思いながら地霊殿を歩いていくディアボロ。そしてその後を低空飛行しながら追いかけるこいし。 「(静かだな……)」 ディアボロはスケアリーモンスターズを発動させ、聴覚と嗅覚を強化し、移動を再会する。 「こいし、お前のところはいつもこんな感じ……ん?」 ディアボロがこいしに質問をしようとしたとき、彼は何かの『におい』に気がついた。 「(このにおいは……動物の……犬や猫のにおいか?他にも嗅いだことの無いにおいもする)」 「どうしたの?」 こいしは、ディアボロが途中で台詞を言うのをやめたことに疑問を感じて、彼に質問をする。 すると、ディアボロは振り向いてこいしを見ると、逆に質問をした。 「こいし、お前のところでは犬や猫か何か飼っているのか?」 「うん。猫や鴉や……」 「……ああ、猫みたいな奴は居るな。向こうに見える」 こいしのセリフを遮るように喋るディアボロ。 こいしは不思議そうにディアボロが見ている方向を見ると、猫が向こうからやってきた。 いや、よく見ると普通の猫ではない。人に近い姿をしており、周囲には何か人魂のようなものがいる。 その人型の猫はディアボロとこいしに気づくと、二人に近寄ってきた。 警戒するディアボロ。そしてディアボロはその『猫』に質問をする。 「誰だ?」 「それはこっちが聞きたいんだけどなぁ……」 その『猫』はディアボロの質問に呆れる。対するディアボロは警戒を解かない。 「私はお燐。おじさん、こんなところまでこいし様を連れ帰してきてくれたのかい?」 「こいしに興味を持たれた、と言うのが正しいな」 そう言いながらディアボロはスケアリーモンスターズの能力を解除するが、警戒を解かない。 ディアボロは一枚のDISCをケースから取り出し、装備していたスケアリーモンスターズのDISCと交換する。 「そう!彼、とっても強いらしいよ!」 そう言って無邪気に話すこいしの言葉に反応するかのように、ディアボロの警戒心がさらに強まる。 「へぇ、それは楽しみだねぇ」 お燐の言葉に、ディアボロの警戒心が益々強くなっていく。 「せっかくこいし様に気に入られたんだ、一緒に暮らさないかい?そうだ、『怨霊になれば』こいし様とずっと一緒に居られるよ?」 今のセリフにコメントをするなら、『一言余計だった』だろう。 お燐に取っては冗談交じりだったのかも知れないが、ディアボロからすれば『宣戦布告』と思われてもおかしくない。 「……躾のなっていない猫だ」 ディアボロがそういった直後、彼の雰囲気が一変した。 その突然の変化に、こいしは驚きながらディアボロから離れる。 「こいし。ペットの躾ぐらいきちんとやっておけ。でないと……」 ディアボロがそう言った直後、突然こいしとお燐の目の前からディアボロが消えた。 キング・クリムゾンで時間を消し飛ばしたのだ。 「来客に失礼だ」 自分の背後から声が聞こえたことに嫌な予感を感じたお燐は、とっさに前にジャンプして振り返る。 その判断は正しかった。ディアボロが彼女の背後にいたのだ。 「お前はどうやら俺を殺してその死体をどこかに運びたいらしいが……」 紫の記憶にあった、お燐が霊夢と会話していたときのことを思い出す。 それによるとどうやらお燐は、死体をどこかに運ぶ役割をしているらしい。 ちなみにディアボロが魔理沙を本にしたとき、すぐに命令を書いたために全然本の内容を見ていない。 あの時読んでおくんだったとディアボロは心の中で軽く後悔する。 が、ディアボロはそれを口も表情にも出さずに会話を続ける。 「お前が俺の死体を運ぶことはない」 「おじさん、大した自信だねぇ」 ディアボロの発言に関心を持つお燐。 ディアボロが『死ねない』のをお燐は知らない。だから、お燐はディアボロの発言が『自分の強さに自信があるから』だと思っているようだ。 「だとしたら楽しみだねぇ。おじさんの死体でどれだけ車が重くなるのか!」 お燐はそのセリフの直後、弾幕をディアボロ目掛けて撃つ。 ディアボロはその弾幕をかわすと、反撃するためにウェザーリポートの能力で自分の周囲に雷雲を発生させた。
https://w.atwiki.jp/shinatuki/pages/415.html
氷柱と弾幕が激しくぶつかり合う。 相手は氷柱を回避しつつ弾幕を撃ち、ディアボロは氷柱にぶつからずにこちらにきた弾幕をホワイトスネイクに防御させる。 激しい打ち合いが続くが、ディアボロは高熱を出している。 首筋を冷やすことで強引に抑え込んでいるが、このまま拗らせるとどんな症状が起こるかわからない。 「(確かこの高熱の原因は感染症の類だったはずだ。原因となる菌だけを殺せばまともに闘える)」 ディアボロはメタリカで相手に迫る様に天井から壁を出現させる。 それを見た相手は、壁から逃れるために距離を取りだす。 さらにディアボロに最も近い壁が地面の近くまでせりだしてシャッター代わりになる。 そしてすぐにホワイトスネイクにDISCを作らせて挿入する。 ディアボロが危惧したのは、『高熱』よりも『拗(こじ)らせた場合に起こる症状』。 『退治しても治らない』可能性があるなら、早めに治療したほうが圧倒的にマシである。 「(こいつが別の症状を引き起こすことができなければこれで大丈夫だな)」 ホワイトスネイクのDISCを取り出し、代わりにストレイ・キャットのDISCを装備する。 その後一斉に壁を地中に戻し、ストレイ・キャットで空気を壁代わりに形成して相手への接近を試みる。 それを見た相手は弾幕を撃つが、その全てが空気に阻まれる。 この空気の壁、打撃にはかなり強い。キラークイーンの踏みつけやクレイジー・ダイヤモンドのラッシュを容易に凌げる耐久力がある。 だがそのかわりに斬撃には弱い。仗助がクレイジー・ダイヤモンドを使って水圧カッターのように飛ばした血で切断された前例がある。 キラークイーンも一緒に使えば空気弾を爆弾化できるが、こんな縦に狭いところで使ったら何が起こるかわからない為、今回は使われないだろう。 「……え?」 相手は空気の壁に邪魔されて弾幕が全然ディアボロに当たらないのを目撃するが、今まで見たこともない出来事にしばし呆然としてしまう。 この空気の壁、一見すると壁のある場所が『ただ歪んでいるだけ』にしか見えないため、なおさら理解するのが困難だ。 そしてその隙をついて、ディアボロは空気弾を撃つために狙いを定める。 たかが空気の塊と侮ってはいけない。 人間の女性の右足の爪を引きちぎり、上半身に当たってしまえば血を流して失神させてしまうぐらいの破壊力はある。 狙いを定めたディアボロは、空気弾を壁の向こうから次々と発射する。 『何か撃ってきた』のが分かった相手も弾幕を撃つが、先ほどの氷柱と違って弾幕にぶつかっても簡単は撃墜できない。銃弾のように『抉る』攻撃ではないからだ。 衝撃で軌道を逸らすぐらいはできるだろうが、空気弾そのものを破壊することができない。 更に空気の壁が弾幕を防ぐため、仮に弾幕が空気弾に当たらずにディアボロのほうに向かったとしても、空気の壁に防がれてディアボロがダメージを受けることがない。 つまり……この勝負、相手が弾幕を撃ち続けている限り、相手に一切の勝ち目はないのだ。 相手もそれに気づいたのだろうか。弾幕を撃つのをやめ、ディアボロに接近してくる。 接近戦はディアボロも望むところなので、あえて遠ざけようとはしない。 「こい」 ディアボロはただその言葉だけを発すると、再び空気弾の狙いを定める。 その間に相手の蹴りが空気の壁に命中したのはいいが、その程度では空気の壁を破ることはできない。 それを理解した相手は空気の壁を蹴って、再び天井の近くに戻る。 ディアボロは再び空気弾を発射する。しかし、相手は天井を蹴ってディアボロに接近しつつ(ディアボロから見て)左に移動して空気弾を避ける。 ディアボロが二発目の空気弾の発射体勢に入った瞬間、相手はディアボロめがけてとびかかり、なんと空気の壁に噛みついたのだ。 流石にそれはディアボロにとっては予想外だったが、取り乱すことなく狙いを定める。 しかし、空気の壁は噛み千切られたことにより穴の開いたタイヤのように空気が抜けて萎んでいく。 相手は空気の壁から離れて天井に戻ろうとするが、その瞬間にディアボロが相手めがけて接近してくる。 いや、正確には『何かに引き寄せられているかのように』相手に接近している。しかも空気弾をいつでも発射できる態勢に入っている。 それを見た相手は後ろに下がるが、ディアボロは軌道を変えて相手への接近を続ける。 明らかにおかしい。今のディアボロはジャンピン・ジャック・フラッシュのDISCを装備していないし、仮に装備していたとしても、こんな飛び方はしない。 メタリカで自分を相手に引き寄せていると考えるのが自然だろう。 相手は後ろに下がりながら弾幕を撃つことで離れさせようとするが、その瞬間背中に何か当たったのが感触でわかった。 咄嗟に横に移動しようととするが、左右を空気の壁でふさがれて回避できない。 この状態からして、相手の背中に当たったのも空気の壁だろう。 そのまま(弾幕をくらいながら)距離を詰めながら狙いを定め、腕を伸ばせば相手をつかめるぐらいの距離になった瞬間、空気弾を発射する。 回避と防御が不可能の状態に加え、(あるのかどうかは不明だが)距離による威力の減少は一切ない。 その状態で空気弾をくらったのだから、吐血こそしなかったものの相手はかなり怯んでしまう。 ディアボロはストレイ・キャットの能力を解除してマジシャンズ・レッドを出し、相手は咄嗟に距離を取る。 「……」 ディアボロは無言で相手をにらみ続けながら、装備しているDISCを変える。 マジシャンズ・レッドから…スケアリーモンスターズへと。 そして、迷うことなくスケアリーモンスターズのスタンド能力を発動させる。 スケアリーモンスターズのスタンド能力によって、ディアボロの爪は伸びると同時に鋭利になり、身体能力が向上する。 「……」 顔にヒビが入り、口がある程度裂け、歯は鋭い牙のようになり、爪が伸びて鋭利になっている。 「……」 その『異様』という言葉が似合う姿を見て相手は絶句していた。 初めて会ったときに自分を『人間』だと言っていた男の肉体が、『いきなり変化した』のだから驚くのも当然であろう。 「……えーっと……」 どうすればいいのかわからないらしく、戸惑っている。 だが、ディアボロが無言でこちらめがけて走ってきたのを見て応戦せざるをえなくなる。 ディアボロが右手を相手に突き出す。右手の爪で相手を刺すつもりだ。 相手は咄嗟に(相手から見て)右に回避してディアボロの側面に回り込んで蹴りを入れようとするが、空気の壁で妨害される。 更にディアボロは右手の爪で左上方向へと引っ掻き、相手は咄嗟に後ろにジャンプして回避する。 ディアボロも相手に飛びかかって左手の爪を右下の方向に振り下ろすが、相手はまた後ろにジャンプして避ける。 しかし、ディアボロは相手に走って接近しながら連続で左右の手を交互に相手に突き出す。 普通ならまったく意味のない行為だが、スケアリーモンスターズの能力で手の爪が鋭利になっている今、例えるなら両手に短い刃物を持って刺そうとしているようなもの。 しかも身体能力が強化されているせいで、左右の手を交互に突き出すスピードも上がっている。 「(さっきと闘い方がまったく違う…!)」 相手はひたすら後ろに下がって回避するが、その途中でディアボロが仕掛けた空気の壁に背中がぶつかって下がれなくなってしまう。 そこにディアボロの右足による回し蹴りが襲い掛かるが、相手はディアボロの右足を掴んで踏ん張る。 だがディアボロは氷の槍を作って右手で持ち、自分の右足を掴んでいる相手の右腕の付け根に狙いを定める。 相手が慌てて手を放した瞬間、ディアボロは左足だけでジャンプして氷の槍を投擲した。 それを相手は(相手から見て)左に小さくジャンプして回避すると、弾幕を撃ちながら浮遊して距離を取る。 ディアボロは空気の壁で弾幕を防ぎながら、装備しているホルス神とケース内のDISCを入れ替える。 そのまま右手の人差指で相手を指さすが、それがまるで相手を狙っているようにも見えなくない。 ……次の瞬間、人差指の爪が指から剥がれて円盤状に変形し、高速回転を始めた。 さらに両手首には小さな星型マーク、手の甲には甲虫の背中と思われるもの、その周囲には4本の小さな骨に類似したスタンド像が姿を現している。 タスク……ジョニィ・ジョースターのスタンド能力で、『悪魔の手のひら』と呼ばれる特殊な場所で自身の左腕に『聖人の左腕』が憑りついたことで発現したスタンドだ。 爪を高速回転させ、それを弾丸のように発射できる。しかも発射した直後に爪は再生するため、弾数は事実上無限である。 最初は爪で対象を切りつけた際に切断する力を伝導させたり爪の遠隔操作ができたが、いつの間にやら爪を発射する能力に変わっていた。 やがてはここからさらに進化を遂げ、Act4と呼称された最終進化形態の状態で撃った爪弾に被弾した場合、『体の細胞一つ一つが回転する』という異常事態を引き起こす。 しかもその後色々あって運悪くAct4の爪弾をくらった女性は、瞬時に粉々になって異次元に消失してしまった。 さらに、空間にできた『光』にある隙間を『こじ開けたり』、『止まった時の中を動こうとしたり』と尋常じゃない進化を遂げている。 だが今のディアボロはAct4の存在を未だ知らないし、『黄金の回転』も彼にはできないため、Act2以上の進化は見込めない。 いつの間にか、右手の人差指だけでなく両手の全ての爪が回転を始めている。 爪の回転に気づいた相手はディアボロが右手の人差指で自分を指さしている理由に気づいて咄嗟に(相手から見て)右に移動する。 その直後、ディアボロは右手の人差指の爪を相手に対して発射した! 放たれた爪弾は空気の壁をたやすく貫通し、相手の脇腹を掠る。 その一撃を受けた相手は、反撃といわんばかりに弾幕を撃ちだす。 いくら爪が鋭利になったといえども、爪弾の威力自体にはあまり変化はないようだ。 だが爪弾も弾数は無限だ。連射しながらどんどん相手に接近していく。 相手も爪弾を弾き落とすために弾幕を撃ち続けるが、少しずつ後退していっている。 ディアボロもタスクの射程距離から出させないために接近していく。 しかし、相手は手から放つ爪弾に気を取られて、あることに気づいていなかった。 そう、この状態のタスク(Act1)は…… 足からも撃てる。 両手足の爪の数の合計は20。 つまり、最大で同時に20発も同時に発射できるのだ。 だがそれでは正確に狙えないため、やるとしても片側の手足の爪全てを一度に撃つぐらいだろう。 相手が手から放つ爪弾に気を取られている隙に、ディアボロは足の爪も発射態勢に入らせていた。 右足を見やすいように前に出して、右足の親指をさりげなく相手の左足と直線上になるように位置を調整し、足から爪弾を発射する。 相手はそれに気づけずに左足首に被弾してしまう。 「…ッ!?」 痛みを堪えたものの、その直後に相手が見たのは、両手の爪をタイヤ代わりにして自分に接近してくるディアボロの姿だった。 相手は浮遊することで左足首の損傷による歩行速度の低下を無視できる状態にする。 だがディアボロが相手に接近するスピードは、先ほど走って接近してきた時よりも速い。 更に距離を取ってもタスクで攻撃できるようになったため、もはや遠距離戦も有利とはいえない。 浮遊して距離を取ろうとする相手と、タスクの能力を使って接近するディアボロ。 相手は全速力でディアボロの上を通ってディアボロの背後を取り、ディアボロは両手の爪の回転を止めてスピードを落とす。 だが『徐々にスピードを落とす』のではなく『急に回転を止めた』ため、慣性の法則で前のめりに転んでしまう。 しかし、『前のめりに倒れる』ということは『自分の後ろを見られる』ということ。 前のめりのまま相手の位置とこいしが視界に入っていないことを確認したディアボロは、狙いを定めて両手の人差指の爪を発射する。 相手は爪弾が発射されたのに気付くも、時すでに遅し。予想外の二撃は相手の腹部に命中し、相手は地面に落下する。 ディアボロはそれを確認して起き上がると、爪の回転を維持したまま相手に近づいていく。 「こ……降参!降参だよ!」 これ以上闘ったら殺されるとでも思ったのだろうか。 相手は降参し、それを聞いたディアボロは恐竜化と爪の回転を止める。 「……わかった」 ディアボロはスケアリーモンスターズとタスクのDISCを額から取り出し、そのまま降参した相手に近寄っていく。 「これから爪弾を取り出す。…動くなよ」 ディアボロはケースに先ほどの2枚のDISCを入れ、ダイバー・ダウンとクレイジー・ダイヤモンドを装備してダイバー・ダウンを相手に潜行させる。 『爪弾を摘出しろ、ダイバー・ダウン』 その状態で爪弾を探させ、摘出させるのだ。 「ディアボロが撃ったのって、『爪』だったの?」 こいしはディアボロの側で腹から血を流している相手を観察しながら質問をする。 …といっても、こいしにスタンドは見えないのだが。 「ああ」 ダイバー・ダウンが腹部に撃ち込んだ二発の爪弾を見つけ出し、その二つを腹部の傷から摘出する。 そして再び潜伏すると、今度は左足首から爪弾を一発摘出する。 「これで全部だな」 ディアボロは命中した爪弾を全て摘出したことを確認すると、クレイジー・ダイヤモンドで相手の傷を治す。 「傷は治しておいた」 ディアボロにそう言われて相手は腹部を触って確認する。 彼の言っていることが本当であることを確認すると、自身の血で塗れた爪弾を拾い 「まさか、爪で撃たれる日が来るとはね…」 そう言って爪弾を置いた。 「流石に予想外だったか?」 「まったくだよ……」 ディアボロは軽く笑いながら問いかけ、相手は呆れながら答える。 「そういえば、私が仕掛けた感染症は?」 「殺菌して治した」 「……え?」 相手の問いかけにディアボロはあっさりと答える。 …その予想外の答えに相手は思わず聞き直す。 「殺菌して治した」 「……どうやって?」 「自分の体をいじって」 「……」 相手はディアボロのわけのわからない答えに沈黙してしまう。 だがあの闘いで彼は爪を撃ってきたため、『自分の体を自在に操る程度の能力』の応用だと思って納得したようだ。 「そういうお前はなんで俺に高熱を出させた?」 今度はディアボロが相手に質問をする。 相手を見ながら質問をしたのだが、その眼は相手を睨んでいる。 「あんたを逃がさないためだったんだけど、それが裏目にでたとはね」 「あれさえなければ俺がお前を攻撃する理由はなかったんだがな」 相手はため息をつき、ディアボロは呆れて文句を言う。 確かにあの高熱とその後の相手の発言で、ディアボロは闘わざるを得なくなったのだ。 「地下に落とされた妖怪の力を見せつけるはずだったけど、まさかあんなに圧倒されるなんて思わなかったよ」 相手は知らないが、ディアボロはこの地底でお燐、こいし、さとり、勇儀と4体の妖怪…内一体は鬼と闘って勝利している。 今更土蜘蛛が敵うわけがないのだが、知らないのだから仕方ない。 「だって、ディアボロは私たちや鬼に勝っているんだもんね」 こいしの発言を聞いて、土蜘蛛はびっくりする。 目の前の人間がさとり2体と鬼に勝っていたのを、たった今知ったからだ。 「なるほど、私が敵わないわけね」 だが同時に、相手の強さに納得したようだ。 「さて……そろそろ行くか。いつまでもここで長話しているわけにはいかない」 ディアボロは立ち上がり、風穴の出口の方向を向く。 「そうだね、あんたは人間だからここじゃなくて地上がお似合いよ」 土蜘蛛は座ったままディアボロを見てそう言った。 「…そうだな」 ディアボロは風穴の出口に向かって歩いていき、こいしもその後についていく。 一方の土蜘蛛は、風穴の奥へと進んでいく。 地上に『自らの意思で』生きる『人間』と地下で生きることを『強制された』『妖怪』。 いつしか堂々とお互いが一緒に暮らしていける日が来るのかどうかは、誰にもわからない。 「もうすぐだな」 「そうだね」 ディアボロとこいしは会話をしながら風穴の出口へと進んでいく。 その時、突然上から何か降ってきた。 ……のだが ディアボロの頭にぶつかる直前で空気の壁にぶつかり、さらに空気の壁の中に潜行していたダイバー・ダウンにディアボロの背中側から持ち上げられた。 「………」 桶に気づいたディアボロが動きを止めて無言で上を向くと、桶からこちらを覗く者と目が合った。 ディアボロの後についていっていたこいしも、彼が動きを止めたことを不思議に思う。 「………」 「どうしたの?」 「上から桶が降ってきた。しかもこっちを見ている奴がいる」 ディアボロはこいしの質問に答え、こちらを覗く者と無言で数秒見つめ合った後、黙ったままクレイジー・ダイヤモンドを出す。 そしてクレイジー・ダイヤモンドでダイバー・ダウンから桶を受け取ると、思いっきり風穴の奥目掛けて投げた。 質問の答えを聞いて桶を見ていたこいしは、風穴の奥へと投げ飛ばされていく桶とその中に入っている者を振り向いて見ることしかしなかった。 「よし、行くぞ」 ディアボロはこいしにそう言うと再び出口に向かって歩き始める。 こいしもディアボロの方を向くと、再び後からついていく。 ここまでくれば、出口まであと少しだ。 ……あの釣瓶落としがどうなったかは二人はまったく気にしていない。 だが確実に言えるのは、『ディアボロと闘うことすらなく負けた』ということだけである。 ディアボロとこいしは、とうとう風穴から出た。 地上を照らす太陽の光が、二人の体を照らしている。 「太陽の向きからして……ちょうど昼時か?」 ディアボロは太陽のある位置を見て今の時間帯を推測する。 「こいし、これからお前はどうする?」 「わからないよ。時々私の体は自由が効かなくなるから」 こいしは笑顔でそういっているが、『自分の体を自由に動かせない』というのは相当辛いものだ。 恐らく『無意識を操る程度の能力』の影響だと思われるが、こいし自身はその影響を大して気にもしていないようだ。 「そうか……」 『自分の体の自由が利かない』ことについては、ディアボロも経験がある。 ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムの能力を受けて何度も死んでいたとき、必死で体を動かそうとしても動かなかったことがあるからだ。 そのことをそして二人は出会い、会話し、闘い、交流を深めていった。思い出しても表情一つ変えないところを見ると、今の彼は死に続けていたときと比べて精神的にかなり成長していることがわかる。 「まあ、お前なら心配する必要はないだろう」 ディアボロはそう言いながらクレイジー・ダイヤモンドのDISCとジャンピン・ジャック・フラッシュのDISCを入れ替える。 「……お互いに気づかないうちに、またどこかで会うかもな」 「大丈夫だよ。私が気づいたら声をかけてあげるから」 そう言ってこいしはディアボロの側に移動する。 こいしはディアボロに笑顔を向けると宙に浮き、ディアボロもジャンピン・ジャック・フラッシュの能力で宙に浮く。 「俺はこれから命蓮寺に帰る。どこにいったかわからずに心配されているかもしれないからな」 ディアボロはそう言って命蓮寺の方向へと飛び出す。 「私も途中までついていこうかな」 こいしもその後をついていった。 だが、きっといつの間にかいなくなってしまうのだろう。 他人の心を拒絶したこいしが、再び他人の心を受け入れるようになるのはいつなのかは誰にもわからない。 だが、ディアボロとの出会いは彼女が彼のことを『知りたい』と思ったことから始まったのは事実だ。 そして二人は出会い、会話し、闘い、僅かな時間だけとはいえ、交流を深めていった。 彼との出会いが、彼との交流が、たとえ微々たるものでもこいしの『何か』を変えるきっかけになるのかもしれない。
https://w.atwiki.jp/donoron/pages/61.html
順位の決定方法の優先度 ①勝利数 ②ポイント ③直接対決の結果 となっております。 優勝者コメント 次回も参加させて頂く予定なので健闘できるように頑張ります。 ユグドラシル艦隊 ロキ・サーシェス様 運があっただけです。あとジノビさんが最高すぎますw EV艦隊 Funky様 優勝祝いに、これから各自ぼっちおでんを食べようと思います ぼっちこーい艦隊 ☆elekid☆様 艦隊名 勝利数 敗北数 ポイント ユグドラシル 2勝 1敗 609 ぼっちこーい 2勝 1敗 609 EV 2勝 1敗 609 プリン 0勝 3敗 3 ①勝利数 ②ポイント ③直接対決の結果まで同じですので、3艦隊優勝となりました。 表示順は、艦隊の登録順です。 優勝者コメント メジャーリーグを勝つことが出来てうれしく思います。 これで次回のNALはマスターリーグで抜け忍アリタブを討伐することが出来ます。 ~ 次回 みみ.(ESLで大砲4基) VS アリタブ(CLで人装備裸) 内ゲバ勃発! ~ coming soon!! あやしくない艦隊 キグルミマスター様 艦隊名 勝利数 敗北数 ポイント あやしくない 4勝 0敗 818 La fuerza 3勝 1敗 613 あごにすてぃっくぷるーらりずむ 2勝 2敗 413 模擬っ子クラブ 1勝 3敗 206 Zeal 0勝 4敗 0 優勝者コメント 繰り上がりとはいえ優勝とはびっくりしつつも素直にうれしく思います。 次回参加とかはまだ何も決まっていませんが、よろしくお願いします。 ぺろりーぬ艦隊 えーる様 艦隊名 勝利数 敗北数 ポイント Naglfar 4勝 0敗 417 ぺろりーぬ 3勝 1敗 317 開け!ニードレス! 2勝 2敗 210 ^-^ 1勝 3敗 105 野良艦隊 0勝 4敗 1
https://w.atwiki.jp/houseofhero/pages/3176.html
第十四章-第三幕- 真なる危機を理解せし者 第十四章-第二幕- 第十五章-第一幕- ロバートとイノは隔壁のコントロールを掌握すべく、 施設内のコントロールルームへと向かうルートへ切り替え、 聖剣『エンジェルランプ』の治癒能力を当てに、 持久戦へと作戦を切り替えたのであった。 「……そっちに気配は?」 「無さそうね」 小声でひそひそ話をするロバートとイノ。 兎にも角にも立地に関してはここで育ってきたイノの方が詳しい。 「けれど謁見の間にエッセ教皇がいない事も気にかかる。 わざと様子を見て、泳がせているんじゃないかしら」 「……何のためにだよ?」 「私達に呼応して、潜在的な反逆者がいると仮定した場合、 それらを炙り出し、まとめて始末するためにね」 「つくづく悪趣味な野郎だ。心胆から気に食わねぇ」 先ほどの戦闘で負わされた傷を庇いつつ、 ロバートはエンジェルランプの加護の力にすがる。 この力が、今は本当に有難かった。 「泳がせてくれるつもりなら逆にそれを利用してやる。 イノ。お前の同僚に話の分かりそうな奴はいねぇのか?」 「ソルやターレットならあるいは……!」 「俺をさっきふん捕まえた奴等か……人間性は大丈夫か?」 「彼等は彼等なりに、教義のために、というよりは 打算づくで動いている人達よ……だから信用出来ると思う」 「……ふむ」 「ソルやターレットが味方になってくれるなら、 ゲイリーやサキだって、従わざるを得なくなるはずよ。 二人とも、ソルに大きな借りをいくつも作ってるから」 「よし、運良く会えたら誘ってやるとするか」 ニヤリと笑い、二人はまた歩く。 「この先が気象観測センター。コントロールルームは更に奥ね」 「よし、行くぜ……!」 角を曲がり、一気に駆けようとした二人を ソル=ハイドが阻む。待ち伏せをかけていたのだ。 「やっぱりこっちに来ると思ったよ、イノ」 「ソル……私は自由が欲しいの。邪魔をしないで…… 私なりに、一所懸命に考えた末での事なのよ?」 「悪いが教皇の命令だ、そうはいかんね」 ソルは悪びれもせず、飄々と言い放つと、 蛇腹剣と呼ばれる多間接剣を取り出した。 鞭のように使う、特殊な刃物だ。 「おい、イノ。変な武器はお前等の共通の趣味か?」 「そんなモンよ」 イノも、銃斧を抜き放つ。 「俺としては残念だ、ロバート。 お前さんを最高の右腕にしたかったんだがね」 「ほざけ! これ以上吐き気のする悪行に荷担するなんざ、 俺の反逆と、勇者軍総帥の剣が許しゃしねぇ!!」 「来るか、ロバート、イノ……では、手合わせだ。 その力量、改めて見定めさせてもらうぞ」 ロバートはエンジェルランプを手に、斬りかかる。 ソルは蛇腹剣をしならせ、ロバートの剣を打ち据える。 弾かれそうになったが、何とかこらえる。 ぼごん! すると、そこにイノの砲撃が叩き込まれる。 狙撃モードでソルの膝を狙ったものだ。 「いい狙いだ。だが直線的に過ぎる」 ソルは砲弾を叩き返す。 イノは慌てて、斧の刃を盾にして、砲弾を防いだ。 「隙有りだ!」 だが、その隙を突いてロバートが切り込む。 ロバートにしては珍しい突きによる攻撃だ。 途端にパターンを変えられ、ソルの腕や脚をかすめる剣。 ソルは蛇腹剣で再度牽制し、距離を置いた。 「ほう、見事なものだ」 感心したように呟くと、ソルは蛇腹剣を鞘に収めた。 「では、ここまでだな」 「何がだ!?」 嘆息し、自嘲気味に笑うソル。 「俺はお前達の味方に付かせてもらう。 教皇にはほとほと愛想が尽きた。 元々人の話をあまり聞かない性質だが、 イグジスターの脅威が目前にあるというのに、 教義を優先するようでは、先は見えている」 「最初からそのつもりだったでしょ、ソル」 ジト目で睨むイノに対し、渋くソルは笑う。 「言っただろう? ロバートを駒に欲しかったんだよ。 俺は教義に殉じるための駒が欲しかったんじゃない。 イグジスターに対抗するための駒が欲しかったのさ。 彼が味方に付いてくれるなら、ロバートが下だろうが、 俺が下だろうが、立場なんてモンはどうでもいいのさ」 「随分と物分かりがいいんだな……」 警戒感全開のロバートに、更にソルは笑う。 「真の脅威が何か、真に見えていない者に従う筋合いは無ぇんだよ。 俺は、イグジスターが何をしてきたか、如実に見てきたんだ。 他者を食らい、擬態し、社会に入り込み、また食らい、滅ぼす。 ただそれだけのために産まれてきたかのような異物だ。 あんなのがのさばっていたら教義も出世も関係あるまいよ」 「その通りだ。ソル=ハイドだったか? あんたは物事の真理というものが見えている男のようだな。 それだけにこんな腐った教団に入信する理由が分からんが……」 「俺が若かったんだろうな。教皇の言う事が、 至極まっとうな正義のように聞こえてたんだ。 現実とのギャップには、随分泣かされたがね」 「そういうものだろう……ともあれ感謝するぞ、ソル」 「ああ、まずはコントロールを奪い、隔壁を全て上げよう」 ソルの指示で、一同はコントロールルームを制圧した。 不自然な事に、やはり敵信者は誰もいなかった。 三人でコントロールを奪い、下ろされた隔壁を全て上げた。 ついでに地図もプリントアウトして、ロバートに渡された。 この中では、唯一彼だけが地理地形に精通していない事もあり、 それが唯一の不安材料だったからである。 「ソル。どうせならターレットに ゲイリー、サキも誘えないかしら。 どうせ逃げるならみんなで逃げてやりましょう。 特に無理矢理拉致されてきたターレットは可哀想よ」 「ああ。そうだな……奴はちゃんと説得すりゃ乗ってくるだろう」 イノの提案に同意するソルを眺めつつ、 ロバートは今、このタイミングでイグジスターが来ない事を祈った。 脱出成功の可能性が著しく下がるだろうと推測出来るからである。 同時に、勇者軍主力部隊の到達を待ち望んでいた。 これさえ実現すれば、脱出どころか 教団壊滅さえ実現可能性が見える。 あらゆる可能性を考慮し、苦悩し、悩むロバート。 だが彼の頭は既にフル稼働していた。 あらゆる可能性を考慮し、全ての力を出し切って 絶望を叩き潰し、希望さえも横目に捨て置くほどの 絶対反逆を見せつけるべく、彼は念じ、 エンジェルランプの加護を吸い尽くすような勢いで、 着々と傷を癒し、力を蓄えていたのであった。 <第十五章-第一幕-へ続く>
https://w.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss/pages/1592.html
「一つ屋根の下 第三十四話 JUMと喫茶ラプラス 後編」 「ん~……ねぇ、JUM君。真紅ちゃんのドレスのここはどうしたらいいと思う?」 「真紅姉ちゃんは、ここをこんな感じで……後、ヘッドドレスとかも似合うかも。」 「ふむふむ……きゃー!想像の中でも真紅ちゃん可愛い~!!」 僕は喫茶ラプラスのとある部屋でみっちゃんさんと紙と布に埋もれていた。 ちなみに、姉ちゃんたちは今はまだ普通のメイド服でお店に出てるようだ。白崎さんに言わせれば、イベント 前の客集めに最適だそうで。実際、姉ちゃんたちが入ってから客の入りは伸びているらしい。 「ねぇ、JUM君。JUM君はさ、お裁縫とか、お洋服のデッサンとか嫌い?」 ふと、みっちゃんさんがそんな事を聞いてきた。 「……何ですか?急に。」 「うん。カナが言ってたんだけどね。JUM君って小さい頃はドレスやお洋服のデッサンとかお裁縫得意だったって。 でも、大きくなるに従って全然しなくなったって聞いたんだ。」 「そりゃまぁ……僕は男ですから。」 急にみっちゃんさんは神妙そうな顔で言ってくる。 「そっかぁ……でもね。私率直に言うと、その考え方は勿体無いと思うんだよ。」 みっちゃんさんがペンをクルクル回しながら言う。 「勿体無い?」 「うん、勿体無い。いいかな、JUM君。私は君には才能があると思うんだ。ドレスのデッサン一つとっても、 作る技術一つとっても。私が思いつかないような事をしちゃう。それは才能だと思うんだ。」 「……みっちゃんさんだって、僕は凄いと思いますよ?」 実際、みっちゃんさんは凄い。細かい部分は僕では到底及ばない事ができる。 「私のは専門学校で得た技術だからね。でも、JUM君は天性だと思うんだ。」 みっちゃんさんはそう言うけど、僕には正直苦い過去があった。小学校の時だったか……それが原因で軽い 虐めを受けた事がある。それ以来、僕はこれは男のする事じゃないと思ってしなくなったんだ。 「例えばね、ほら。カナ達のドレスのデッサン一つとってもね。何て言うのかな…カナ達への愛が伝わって来る って言うのかな?JUM君は本当にカナ達をよく分かってるんだなって。そんな気持ちになるの。」 なかなか恥ずかしい事を言うみっちゃんさん。 「そんな大袈裟な……僕はただそういうのが似合うかなって思って…」 「そこなのよ!そこに閃き。実際にそのJUM君の閃きは私が考えてた物より遥かにいい物になるんだから。」 「……買い被りすぎですよ。それに、やっぱりこういうのは男がやる事じゃないんじゃ……」 僕がそう言うとみっちゃんさんは僕の口をスッと指で押さえた。 「例えばだよ、JUM君。テレビとかに出てる料理人や、お菓子作りの人…パティシエだっけ?あれで、女の人 って見る?私、テレビでは不思議と男の人ばかりな気がするんだけど。」 僕は記憶を張り巡らせる。確かに、ああいうのは男の人が多い。いや、それどころか男の人のほうが向く とかも聞くな。料理やお菓子なんて一般的に女の子の趣味なのに。 「あれと同じだよ。男も女も関係ないと私は思うな。だから、その才能を埋めとくのは勿体無いって。 私はそう思うよ?まぁ、JUM君の人生だから私が言っても仕方ないんだけどね。」 みっちゃんさんはアハハと笑う。でも、僕は少しだけ衝撃を受けた。確かにそうなのかもしれない。 これは男のする事。これは女のする事。そんな決まりは世の中にない。だったら……僕はしたい事、好きな事 をしたらいいんじゃないかって。あの虐め以来敬遠してたけど……やっぱり僕は好きなんだ…… それから数日後。明日にはお盆休みになろうかと言う日に、ようやくドレスは完成した。 「やっほ~、JUM君。見に来たよ。」 「私も雛苺に呼ばれて……」 店内には僕と白崎さんとみっちゃんさん。そして、見学に銀姉ちゃんの親友の柿崎めぐ先輩と、柏葉が来ていた。 「みなさん、着替え終わりましたか?それじゃあ……水銀燈さんからお披露目してもらいましょうか。」 「はぁい、分かったわぁ……」 カーテンが開き銀姉ちゃんが出てきた。銀姉ちゃんは漆黒のドレスに、髪には同じ色のレースのリボン。 背中には羽毛で黒い羽をつけてみた。ドレスには逆十字を入れてみたり。 「ぶふっ……可愛いわ、水銀燈……JUM君GJ!」 めぐ先輩がグッと親指を僕に向ける。とりあえず、鼻血を拭いてください。 銀姉ちゃんを皮切りに、次々に姉妹が出てくる。描写が面倒なので、原作通りの服と思ってくれて全く 問題ない。ドレスに身を包んだ姉ちゃん達は僕が言うのもなんだけど、凄く綺麗で人形みたいだった。 「きゃぁーー!!もぉ、さいっこぉーーー!!JUM君のセンスは最高よ~!」 みっちゃんさんが、キャーキャー言いながら写真を取り捲ってる。 「凄い……桜田君がデザインしたの?」 「いや、僕はそんなのにーー」 「そうなのよトモエ!JUMがデザインしてくれたのよ~。JUMったらとっても凄いの~。」 ヒナ姉ちゃんが中学以来のリボンを頭にして言う。フワフワとリボンが揺れる。 「やっぱりJUMの指は魔法の指ね。上出来よ、JUM。」 真紅姉ちゃんがヘッドドレスを調整しながら言う。 「うんうん、素晴らしいですね。それでは、夏のドレスフェスタと行きましょうか!!」 そして、ついにドレスは解禁された。 それから一週間ほどはラプラスは大盛況だった。僕も裏で料理を手伝わされたくらいだ。 「貴方ったらほんとにほんとにおばかさぁん……」 銀姉ちゃんはその妖艶な魅力とカリスマ性で、多くのファンを獲得していた。 「お待たせかしら~!森と兎のハンバーグ……きゃー!転んだかしらー!」 カナ姉ちゃんはそのドジっ子性からか、そっち方面の人に大人気だ。 「おめぇは肉ばかりじゃなくて野菜も食えですぅ。べ、別にお前の為に言ってるじゃねぇですよ?勘違いするな ですぅ、このオタク人間!!」 普通なら間違いなくクビになりそうな翠姉ちゃんだが、清楚な外見とは裏腹に毒舌とツンデレっぷりで 一気に人気者になっている。 「はい、お待たせしました御主人様。お召し上がり下さい。」 蒼姉ちゃんはその真面目さがウリのようだ。蒼姉ちゃんの接客に癒しを求めて今日もべジータを筆頭に 列ができている。 「貴方、紅茶を淹れなさい。」 客に命令するという暴挙を行っているのは真紅姉ちゃんだ。だが、その女王様気質がイイという人も 結構いるらしい……世の中分からないね。 「は~い、じゃあヒナと遊ぶのよ~!」 ヒナ姉ちゃんは当然のようにロリロリ路線で行っていた。まぁ、狙ってる訳じゃなく素だからいいんだろうな。 「では、私と競争いたしましょう。勝ったらキスして差し上げますわ。」 キラ姉ちゃんは客が注文した商品を食っている。が、みんなキスに釣られてついつい頼んでしまうらしい。 「……薔薇しーじゃんけん……じゃんけんぽん……うふふふふふふ♪」 薔薇姉ちゃんは元々この店で働いてるし、固定ファンが多い。まぁ、新規も獲得したようだが。 そんなこんなで怒涛のバイトの日々が終わり……我が家には新型のテレビ君がやってきていた。 「じゃあ、チャンネルつけるわよぉ?」 銀姉ちゃんがリモコンで電源をいれる。ブブッと少しなった後超大型の画面に映像が映し出される。 「奥さん、あーたね、あーたね。」 みの○んたが映る。無事にチャンネルも入ったようだ。 「はい、これ余ったお金。みんなで9等分よぉ~?」 銀姉ちゃんが封筒に入ったお金を切れに9等分する。結局、相当に繁盛したお店から特別ボーナスも出た らしく、テレビを買ってもまだまだお釣りがあったのだ。尚、白崎さんから暇ならいつでもどうぞと、伝言も あったとか。 「へへへっ・・・みんなで働いて買ったこのテレビ君は・・・宝物だね・・・」 薔薇姉ちゃんが言う。そう、このテレビは宝物。僕達みんなの汗が詰まってるから。 「あらぁ?テレビもだけど、こっちも宝物よぉ?」 銀姉ちゃんがバッとそれを見せる。それは、あのドレスだった。 「ぎ、銀姉ちゃん。それは……」 「JUMが私達に似合うように作ってくれたんだものぉ。宝物に決まってるわぁ。」 よく見れば、姉ちゃん達はみんなドレスを持っていた。僕は、なんだか嬉しくなる。確かに、小学校のときは 理解されなかったかもしれない。でも……今の僕には理解してくれる人がこんなにいるんだから…… END