約 50,299 件
https://w.atwiki.jp/jyakiganmatome/pages/730.html
5.闘劇の箱庭 前編 『 あなた、だあれ? 』 「…ボクは……えっと………」 『まだハッキリしない? 誰であろうと、私はいいんだけどね』 "自分と同じ"金髪の、成人女性くらいの大きさのモノ それが自分に話しかけてきている よくわからない 自分に名前はある 徐々に思い出してきた 「フラー…テル……」 ゴトッ 「っ!?」 「うるさいなー… どうしたの?フラン」 ベッドから落ちていたフラーテルは、ソロンの声もあったので起き上がる 「変な夢見てたの……」 内容は思い出せないが、夢とはそういうものだ 深く考えずにベッドの上に戻る 「今日は何もないんだ 本でも読もうよ」 義務教育を受けなかったにも関わらず、字を読み書きできるソロンはフラーテルに本を読んであげることが楽しみであった 妹一人では読めない字も、自分なら読める 戦いの面では負けている兄だが、そういう面では全てが上であった 「うん……」 小さく頷き、本を持って兄であるソロンのベッドへ向かう フラーテルも本を読んでもらうのが好きだ。 しかし、頭には他のことが浮かんでいた ―――私のほんの少しのお仕事なの あなたがいるとね 困るの――― やはり、魔女の言っていたことは気になる 明日 つまり今日は箱庭に来るなと言われた 「友達には……なれないのかな………」 「…フラン?」 思っていたことが口に出てしまい、ソロンが心配そうな顔をする 「最近フラン… 夜に部屋を空ける時間が増えたけど… それはいいんだ ただ、何かあるなら僕に相談してよ」 内心感謝しながら、フラーテルは"なんでもない" という風に首を横に振った 自分が今日まで自分でいれたのは、兄の存在があったから 改めて そう思った まだ自我もハッキリと形成されているわけでもない が、他の誰よりも 兄には人間らしさがある とは言っても"人間らしい"という基準が研究員だったり、本の登場人物だったりするが… ―――魔女も、他の人とは違う何かがある 彼女の全てを知ったわけではないけれど とにかく、夜にならなければ何もわからない フラーテルは兄のベッドで本を開いた ――――――――…… ――――――…… ――――…… 「何人目だったか 六… いや、七人目だ 今日で」 部屋の中、自分で自分の質問に答える 短刀「八紘錦」を丁寧に懐にしまいながら 私は言った 廻るように浮かんでくる 約束の会話 本当に信じてもよいのか いや、信じるしか選択は残されていない ……唯一自由な実験体。 これほどまでに滑稽だとは 何が私を自由にしてくれるというのだ いや もう、夜だ あの時だけは 私が自由になれる 今夜も闘劇が始まるんだ
https://w.atwiki.jp/ozawarina/pages/38.html
2-4「追憶」前編 #conttents チャート 簡易まとめ 少年を起こす道具が欲しい 洋館ホールの止まった時計を入手 森町長の横にあるクマの置物を入手 この2つをじいに渡す ネジが見つからない 入手方法はオバケ屋敷体験時にふるえない事です。 博物館概観でガビョウを入手 ガビョウを洋館ホールで使い、すきま風対策をする オバケ屋敷を体験して怖くないを選ぶ @wikiへ ネジをアンティークショップの店員さんに見せる。(必須) 眠っている少年の元へ行く +少年に特製目覚まし時計を使う +ちとせと話す→グミキャンディが手に入る +グミキャンディをちとせに渡す +少年に触る +少年にネジを使おうと試みる→クロちゃん(猫)が持っていってしまう +洋館の中にクロちゃんがいるので追いかける +クロちゃんに和風チョコを使う→ネジを取り返す +少年の所に行き、ネジを巻く 前半終了、後編へ続く… https //w.atwiki.jp/ozawarina/pages/44.html
https://w.atwiki.jp/pokemonsv/pages/2294.html
もくじを見る 商品情報 概要 追加ポケモン 追加わざ 追加とくせい 関連項目 商品情報 商品情報 タイトル 『ポケットモンスター スカーレット ゼロの秘宝』(前編・碧の仮面)『ポケットモンスター バイオレット ゼロの秘宝』(前編・碧の仮面) 配信開始日 2023年9月13日(水) 公式サイト 前編・緑の仮面 概要 主人公がアカデミーと他校が合同開催している林間学校のメンバーとして選ばれ、パルデア地方を出てキタカミの里へと向かう。主人公はそこで新たな仲間やポケモンと出会い、里に伝わる昔話を紐解くことになる。 追加ポケモン いずれもパルデア図鑑に掲載されるようになる。 No. 名前 分類 タイプ 特性 タマゴグループ 性別 備考 通常特性 隠れ特性 ♂ ♀ 0901 ガチグマ(アカツキ) ポケモン じめん ノーマル しんがん - 陸上 50% 50% 1011 カミッチュ ポケモン くさ ドラゴン かんろなミツ くいしんぼう ねんちゃく 植物 ドラゴン 50% 50% 1012 チャデス ポケモン くさ ゴースト おもてなし たいねつ 鉱物 不定形 50% 50% 1013 ヤバソチャ ポケモン くさ ゴースト おもてなし たいねつ 鉱物 不定形 50% 50% 1014 イイネイヌ ポケモン どく かくとう どくのくさり ばんけん 未発見 50% 50% 1015 マシマシラ ポケモン どく エスパー どくのくさり おみとおし 未発見 50% 50% 1016 キチキギス ポケモン どく フェアリー どくのくさり テクニシャン 未発見 50% 50% 1017 オーガポン ポケモン くさ おもかげやどし - 未発見 50% 50% 追加わざ わざ名 タイプ 分類 効果・備考 シャカシャカほう くさ ツタこんぼう くさ ブラッドムーン ノーマル みずあめボム くさ 追加とくせい とくせい名 所持ポケモン おもかげやどし オーガポン おもてなし チャデスヤバソチャ かんろなミツ カミッチュ しんがん ガチグマ(アカツキ) どくのくさり イイネイヌマシマシラキチキギス 関連項目 ゼロの秘宝 コンテンツ 碧の仮面 藍の円盤 番外編
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/3664.html
平成 新・鬼ヶ島 前編/後編 【へいせい しんおにがしま ぜんぺん/こうへん】 ジャンル アクションアドベンチャー 対応機種 スーパーファミコン 発売元 任天堂 開発元 パックスソフトニカ任天堂情報開発部 メディア(NP版) NP版 SFメモリカセットFブロック×6 (24Mbit)+Bブロック×1(16Kbit) ROM版 24Mbitロムカセット 発売日 NP版 1997年12月1日 ROM版 1998年5月23日 定価 NP版 書き換え価格 3,000円→2,000円 ROM版 3,800円 配信 バーチャルコンソール Wii 【前編】2010年5月25日/800Wiiポイント(税5%込) 【後編】2010年6月1日/800Wiiポイント(税5%込) WiiU 【前編】2014年9月14日/823円(税8%込) 【後編】2014年9月14日/823円(税8%込) 判定 良作 ポイント 本編補完ストーリーおまけで本編ほぼまるごと前後編構成ながらどっちからでもプレイ可能ニンテンドウパワー専用ソフト第1号(半年後解除) ふぁみこんむかし話シリーズ新・鬼ヶ島 / 遊遊記 / 平成 新・鬼ヶ島 概要 BS版における旧作からの変更点 BS版からの変更点 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 ディスクシステムで好評を博した昔話アドベンチャーゲーム『ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島』の続編。 SFC向けの衛星データ放送受信用周辺機器「サテラビュー」にて「サウンドリンクゲーム(*1)」として配信されていた「BS新鬼ヶ島」のリメイク版である。 1997年にニンテンドウパワーで前編、後編を分けて配信(*2)された後、翌年に前編、後編を分けてROM単品のパッケージ販売がなされた。 前作の主人公たちの前世とお供の3匹の動物たちの過去を明らかにした外伝ストーリーと、ディスク版の8章、9章をリメイクした鬼ヶ島での最終決戦の4つのエピソードからなる。 BS版における旧作からの変更点 「ひとかえる」コマンドの廃止(BS版では制限時間内に謎解きする必要があったため、フラグ立ての複雑化を回避するためと思われる) ストーリーの進行上、クリア必須のミニゲームが全てのエピソードに用意されている。 選択肢の決定に制限時間が設けられる局面が存在する。 グラフィックウィンドウ内のキャラクターを直接操作するシーンが多くアクション性が高まっている。 SFC音源と生演奏に近い音源でアレンジされている。 BS版からの変更点 ディスク版から変更された設定が移植にあたって再変更された箇所がある 一部、謎解きのプロセスが変更された箇所及び謎解きそのものが移植にあたって変更された箇所がある。 BGMは、SFC音源とラジオ音声で流されていた生演奏音源風のBGMのうち、後者が改めてSFC音源でアレンジされている。 BGMが適材適所で細かく切り替わるようになったため、盛り上げ効果がより一層高まった。 曲調は異なるものになっている。 評価点 前作のほのぼのとした雰囲気は損なわれていない。 前作からシステム面の大幅な改善 前作では、たとえば取れるアイテムは無いのに「とる」コマンドはあるなど、意味のないものが多々あり、加えてメッセージ表示も緩慢であるため、間違えて選択した場合はイライラさせられる事もあった。 また、「いどう」コマンドは東西南北を指定する方式。現実の地図の見方を知らないと移動すら難しくなってしまう。 今作では画面の上下左右に直感的に移動できるようになり、意味のないコマンドはほぼ廃され、メッセージ表示もかなり高速になっているため快適にプレイできるようになっている。 ミニゲームが多いが難易度はさほど高くない。 一部のミニゲームはクリア済なら難しいバージョンに挑戦することが可能になる。 一定条件を満たした上でゲームを全て終わらせると、ROM版の前編、後編にディスク版の前編、後編が遊べるようになる。 セリフの一部の修正、音源の変更に伴うBGMの編曲とステレオ化、幕間のデモの追加などの変更点を除き、テキストや演出周りに大きな変更はなし。 また、平成 新・鬼ヶ島本編で条件を満たした際にいったいさんから攻略のヒントを聞くことができる。 1話3章で、各エピソードはさほど長くはないので、気軽にプレイできる。 原曲を豊かにアレンジしたBGM ディスク版のBGMがSFC版の音源でアレンジされており、情緒あふれる原曲の風情を大事にしたアレンジは好評。 タイトル画面にて黒一色の画面に浮かび上がるタイトルに前作のタイトルBGMのイントロが流れ出し、終わると同時に前作のパッケージイラストを再現した和綴じの絵本のイラストが表示され、そこから「第2章~いえのなか(よる)」が、ピアノとストリングによるより哀愁溢れるアレンジで流れだすという演出は、旧作ファンには感涙ものだろう。これはSFC版移植に伴う新規アレンジであり、BS版とは異なる。 BGM演出の刷新 BS版ではBGNがシーンに沿って細かく切り替わることが少なかったためシリアスなシーンでほのぼのした曲が流れるなどの違和感もあったが、本作ではきちんとシーンの内容に沿ったBGMがあてられるようになった。 賛否両論点 前作のエピソードを補完する一方で、設定変更の影響で矛盾する点が多い。 基本的な設定面の変更についてはBS版を踏襲しているが、いずれも矛盾としては目をつぶれる範囲の変更ではある。 また、ディスク版では草木一本生えない荒野として登場する「しのはら」が本作では自然豊かな大地で地上にやってきた乙姫が一時期を過ごす「竜宮の里」として登場したり、奇怪ヶ森で主人公たちを導くべく待っていた雀の「じゃのう」が本作では偉そうに威張るだけの無能な性格だったりと、相違点が多い。 この点についてはディスク版の過去の物語ということで、シナリオの構築に当たって設定を膨らましているということでもあるが、明確な補足が作中でほとんどなくプレイヤーの想像に任せている部分も多い(なぜ竜宮の里が「しのはら」となってしまったのかなど)。 一方、玉手箱が開放された下りについては改めて設定変更がなされており、ディスク版での設定と照らし合わせると、少々納得しづらい理由に代わってしまっている。 + ネタバレ 「前作の主人公であるどんべは、かつて竜宮城に招かれた後、乙姫から託された玉手箱を持って地上に戻ったところ、数百年近い時間が経過していたため村が跡形もなくなっており、その悲しみから玉手箱を開けてしまった結果、悪を解き放ち罪を償うために生まれ変わった」というのがディスク版における設定である。 BS版では「村自体は数百年後も健在で、どんべは再び村人たちに受け入れてもらえた」という形でどんべ個人に起きた悲劇はそこで完結しているのだが、竜宮城の使者に託された玉手箱を保管している最中、封じられた暗黒の化身に箱を開ければみんなが幸せになれると唆され、貧しい村人たちを思うがゆえに解放してしまい更なる悲劇に・・・」という設定に変わっている。 しかし、本作では「玉手箱を預けられた直後、井戸に落ちかけた子供を見て慌てて駆け出し、転んだ拍子に玉手箱を放り出して地面に落としてしまう。そして何も知らない村人たちが箱を持ち上げた結果、ズレた蓋が落ちて完全に開け放たれてしまった」という、身もふたもない設定になっている。確かに扱い方としてはうかつであったとはいえ、危険にさらされた子供を見たがゆえの反射的な行動である。更に言えば、直接的な開放の原因は、何も知らない村人が箱を持ち上げてズレた蓋を完全に開いてしまったことであり完全な不可抗力である。にも拘らず一方的に罪人扱いされるというのはどうにも釈然としない話しだろう。 竜との最終対決では「我と一つになれば皆が幸せになれるのだ」と嘯く竜に対して「騙されないぞ!」とどんべが返すという、あっさり騙されてしまった過去の経験との対比的なやり取りがあるのだが、設定変更によってあまりピンとこないものになってしまった。 問題点 謎解きの合間のアクションや頭を使うミニゲームなどは気分転換にはなるが、後半になるとアクション一本やりになりがちなので単調。 ディスク版の販売形態をまねてか、ROM版まで前編/後編に分けられて発売されている。 ディスク版も収録されているとはいえ、内容自体はそうボリュームが大きいわけでもないのでややコストパフォーマンスは悪い。 ただ片方だけでSFメモリカセットの最大容量、F*8(32Mbit)のうちF*6(24Mbit)を消費してしまうため仕方ないといえば仕方ないのだが……。 BGMはSFC版の音質でアレンジされているが、SFC版の音源の高さゆえにアレンジが中途半端な感じが否めず、(*3)オリジナル版を再現したグラフィックに対してやや音が弱い。 雰囲気重視か、それともコスト削減か、キャラビジュアルが貧弱 取扱説明書や販促チラシなどに使われるキャラクターのイラスト、90年代後半のゲームともなれば、リファインされ、主役級は何枚かは用意されそうなものだが、このゲームは各キャラ墨絵風の白黒イラストが一枚のみ。おまけに見た目の違う成長後の男主人公の方はイラスト無しという貧相な物になっている。 ゆえに、後の作品にゲスト出演(*4)する場合はディスク版のイラストが30年以上使いまわされる結果に。 + 後編ラストの難点(ネタバレ注意) ラスボスを倒すとディスク版のヒントがもらえるラストのクイズがある。これが40問と長いわりに問題のバリエーションはそこまで多くなく出題はランダムなので同じ問題はほぼ確実に複数回出題されるため、ムダに冗長感が否めない。 問題の中でも「今何問目?」というのは物語に関係なく、そのために最初から数える必要があるだけなので煩わしい。 エンディングは「島が崩れる」+「黒一色の背景に白文字で流れるスタッフロール」とあっさりしすぎて、紙芝居風の1枚絵を交えていたディスク版のような物語の余韻に浸れるような演出がない。 総評 ディスク版のシナリオをいろいろ補足しつつ、整合性が取れてない点や明らかな設定の矛盾はあるが、昔話のほのぼのとした雰囲気を受け継ぎつつ、SFCならではのグラフィックと情緒豊かなBGMのアレンジ、アクションを取り入れた新たなゲーム性を構築した佳作。いずれかしかやったことのない人や両方やったことのない人は、ぜひ触れてみよう。 余談 本作でも名前を入れないでスタートすると公式名「どんべ」「ひかり」が自動で入れられる。 旧作では公式名「どんべ」「ひかり」は「初プレイ時に名前を入れないでスタート」という条件で(*5)だったので、それ自体見た人はレアだったが本作では「記憶を消す(カセットデータの初期化)」という機能があるので、公式名を見られる機会が多くなった。 フィギュアスケートの羽生結弦選手が、好きなゲームの一つとして挙げた事で話題になった。 これを受けて、一時本作の値段が高騰した。ちなみに他のタイトルは、『あつまれ どうぶつの森』と『エストポリス伝記II』であった。
https://w.atwiki.jp/onlinesilkroad/pages/118.html
中央アジアシナリオ#3-サマルカンドNPC(前編の前編) NPCの名前は韓国版仕様です。 トリシア 職業:サマルカンド武器商人 位置:サマルカンド武器商店前 十余年前、ヨーロッパのフランスのあたりには剣術が優れたことで有名な少女剣士がいた。 誰から剣を学んだのか、女性のみでどうしてそんな力を持つようになったのか誰もわからなかったが、フランスの一地方から静かに始まった彼女の歩みは人の口に上り始め、顔が売れ始めた。 牡牛をたった一撃で倒したことから始まり、彼女の冒険譚はどんどんと広がり始め、ついには一人でドラゴンを倒したという話まで出回るようになった。 よく噂が誇張されるように人々はいくら強い彼女でもまさか一人で巨大なドラゴンを倒したことまでは信じなかったが、実は彼女は本当に一人で倒したのである。 無論幼くて傷ついていたドラゴンだったのだが、人間がドラゴンを倒したということ自体がすごい事である。 噂の主役であるトリシアは幼い頃に森に捨てられた子供であった。彼女は母が浮気をしてできた子供であったが、彼女の父が事故死すると家に連れて行くことができずに捨てたのである。そして彼女を捨てながらもそれなりにあった罪悪感を払おうと、赤子にはあまりにも重い剣を一緒に置いておいた。 しかしトリシアは森の中で動物と共に生活をして生き残る。弱肉強食である森の中で負けず嫌いであった彼女は動物達に勝つことができなかったので、母が残した剣を利用して骨をお折るような訓練をし、他の動物と戦いながら実戦経験をつみ、ついには森にいる全ての動物との対決に勝利して森を支配することになった。 しかし人間が森を支配することに不満を抱いたいくつかの動物達が彼女の寝込みを狙って一度に攻撃し、油断していたトリシアは命からがら動物の不意打ちを避けて森を出、人間界に戻って冒険を始めることになった。 自然の中ですんでいた彼女は自分の道を阻んだり気に入らないものは全て倒し、ドラゴンも彼女の行く道の前にいたので何も考えずに倒したのである。 こうして彼女の実力が知られると彼女につく人々が現れ始め、彼女には友達ができ、仲間ができ、トリシアは本格的な冒険をするようになった。 数年が経つと彼女の仲間もトリシアについていけるほどになり、彼らは目標であったドラゴン狩りを始めた。 ドラゴンが住む場所についての情報を集めた後、そこへと訪ねてドラゴンを打ち破り、莫大な利益をもらった彼らはすぐに顔が売れた。史上初のドラゴンスレイヤーだからである。 しかしドラゴンはそんなに甘い存在ではなかった。二度も人に命を奪われたことに対してドラゴンたちはトリシアの仲間へ復讐の刃を磨き、トリシアと仲間が次のドラゴンを襲ったときにその刃は現れた。 完全に落とし穴にはまったトリシアと仲間はドラゴンの範囲攻撃に一人二人倒れ、その生死の狭間でトリシアだけがなんとか脱出することができた。しかし彼女もドラゴンの攻撃によって手負いになり、二度とは剣がもてなくなってしまった。 その後方々を流れて苦労したトリシアはサマルカンドで自分の持っていた宝石を全て売って武器店を購入し、そこで定住することになった。 雅麗顔(アリョアン) 職業:サマルカンド防具商人 位置:サマルカンド防具商店前 雅麗顔は和田で夫と息子と暮らしていた女性である。 あまり良い夫ではなかったがそれでも飢えることは無く、従順なかわいい息子がいたのでその息子のために彼女はそれなりに平凡な生活をしていた。 そんなある日、和田近くの木を売って金を儲けた雅麗顔の夫は博打の借金を返すためにより良い木を求めて一般人が入ってはいけない場所のカラコラムへと入り、そこで木を伐採中にイシュタルの部下に見つかって命を落としてしまう。 夫が死んだことに雅麗顔は涙を流さなかった。ただ幼い息子が空腹になることを心配して悲しくなった。 自分の力で子供を食べさせていくことが雅麗顔には怖かった。今まで家事ばかりして暮らしてきた彼女には何の仕事ができるのかもわからなかった。 そのとき丁度ヨーロッパに住んでいる従弟から連絡が来る。従弟は義理の兄の話を聞いて姉を訪ね、もしよければヨーロッパで一緒にすまないかという提案をした。幼い頃にヨーロッパに渡った従弟はそこで腰をすえて暮らしていた。 雅麗顔は従弟の提案を承諾し、夫の葬式を済ますと息子と一緒にヨーロッパへ行く旅に出た。 ヨーロッパへと行く数人の旅人と一緒に道を進んでいた彼女と息子はカラコラムを通って中央アジアを通り過ぎた。イシュタルの部下が守っているからコラムを通ることで疲れた仲間は中央アジアの広い高原に着くと中間都市のカラコラムまでは楽に旅の道を進む。 しかし彼らは中央アジアでフン族が再び勢力を盛り返したことを知らず、油断していた彼らはフン族に見つかってしまった。 食料と物資の足りなかったフン族は彼らを無慈悲に攻撃した。護衛のために雇った数名のハンターはフン族の矢に耐えられずに倒れ、旅人達は悲鳴を上げた。 旅人達はハンターがしばらく阻んでくれているうちに逃亡を図った。雅麗顔も息子と一緒に持っていた荷物を全て捨てて狂ったように走った。 走り続けてなんとかサマルカンドに近づいたときである。雅麗顔の息子がフン族の矢に足を打たれて倒れた。雅麗顔は息子を助けるために戻ろうとしたが一緒に逃げていた旅人の一人が彼女を捕まえた。今駆けつけると二人とも助からないので彼女だけでも救おうと思った行動であった。 息子を後にして村へと引かれた雅麗顔は息子がフン族に捕まるのを見た。彼女の顔は悲しみの涙と怒りに覆われ、必ず息子を取り戻すという決心だけが頭を満たしていた。 サマルカンドへ入った雅麗顔は兵士とハンターを探して息子を探すのを手伝うことを頼んだ。 しかし兵士達は私用で席を外すことができないといい、ハンターは金を要求した。持ち物を全て捨てて逃げたので彼女は無一文であった。 息子を探すために金が必要だと感じた雅麗顔は金をためるために働き口を探した。こうして彼女は防具商店で仕事をすることになる。 雅麗顔は息子を取り戻すために今日も熱心に働いて金をためている。そして和田を超えてくる商人や旅人達に息子の姿を伝えて彼に対する消息を探している。
https://w.atwiki.jp/rikku0805/pages/135.html
カセドリア連合王国軍アマテラス~修練の書~ 第12話 卒業 前編 スモーキーさんと兵士が戦い始めてもう何十分経っただろうか。 両者の力量は互角の様だった。 それもそうだ。 3年前のスモーキーさんと現在のスモーキーさんなのだから。 しかし時間が経つに連れて、段々スモーキーさんが押されてきた。 不意に兵士が後ろに退いたと思ったら、その場所からスモーキーさん目掛けて突進してきた。 スモーキーさんはそれを待っていたかのようにフェンリルを構えた。 「何人たりとも隊長に触れさせはせん!」 兵士の突進はスモーキーさんに命中しなかった。 正確には、スモーキーさんが空蝉で避けたのだ。 ス「…なるほど。隊長が言ったあの時ってのは、あの時か。」 スモーキーさんがポツリと言葉を漏らした。 ス「お前らもうちょっとさがれ。ここから半径10mは戦闘区域だ。」 言われたとおりに後ろにさがり始めた。 しかしその時、スモーキーさんは兵士の渾身の力が籠められた拳で殴り飛ばされた。 沙「スモーキーさん!」 私が叫ぶと、兵士が私達の方を向いた。 「次はお前達だ。」 兵士がこちらに向かって走ってくる。 ゼ「やばいよ、逃げなきゃ!」 あのスピードから逃げるのは不可能だね。 それなら! 沙「皆は逃げて、私が時間を稼ぐからッ!」 私は盾を構えて兵士の体当たりを防ごうとした。 「その程度の盾でこの俺の攻撃を防げると思っているのか?!」 どんどん兵士の足音が近づいてくる。 しかしその足音は私の手前で止まった。 ス「お前の相手はこの俺だ。関係ない奴に手を出してんじゃねえッ!」 兵士の拳が私に当たる寸前でスモーキーさんが止めた。 そして今度はスモーキーさんが兵士を殴り飛ばした。 「この程度で俺は死なねえぞ!」 ス「うるせえ!」 スモーキーさんが兵士に向かって走った。 そして兵士の近くまで行くと、兵士の攻撃をかわして顔に殴りかかった。 パンチは見事に命中した。 しかし兵士は平然とした顔のままだった。 「軽い、守るべきものを持たぬ者の拳など軽すぎる。」 すると今度は兵士がスモーキーさんに殴りかかった。 「覚えておけ、これが守るものが居る者の拳だ!」 先ほど同様に渾身の力を籠めた拳でスモーキーさんに襲いかかった。 しかしスモーキーさんは微動だにしなかった。 また殴り飛ばされる。 そう思っていたが、スモーキーさんは飛ばなかった。 「何ッ?!」 ス「うるせえぞさっきから守りたいもの守りたいものって。 俺にだってな、守りたいものがあるんだッ!」 そして、スモーキーさんが兵士を殴り飛ばした。 …どうゆう事? べ「おそらく、あれが教官の本気なのでしょう。」 レ「じゃあ今まで本気じゃなかったって言うの?」 ゼ「僕達全員の合否が係ってるって言うのに?!」 沙「…違うと思う。」 私が言うと、皆が私の方を向いた。 私はさっき助けられた時のスモーキーさんの目を思い出した。 沙「あの目は……本気の目だったよ!皆もスモーキーさんを信じようよ!!」 キ「そうね。ここは教官を信じて応援しましょう!」 皆でスモーキーさんに向かって叫んだ。 沙「スモーキーさん、頑張って!」 べ「教官、頑張ってください!」 ゼ「そんな兵士さっさと倒しちゃってください!」 キ「教官の本気を見せてください!」 レ「負けたら承知しませんからね!」 私達の声援が届いたのか、先ほどから兵士と殴り合っていたスモーキーさんが振り向いた。 「戦闘中に余所見をするとは、俺をなめてるのか?!」 兵士の拳がスモーキーさんの顔目掛けて振られた。 しかしその拳をスモーキーさんは片手で止めた。 ス「もういいだろ、そろそろ終わりにしようぜ。」 スモーキーさんはフェンリルを構えた。 「来い、次の攻撃がお前の最後だッ!」 怒声と共に二人が交差した。 そして、兵士だけが倒れた。 ス「お前が背負ってるものの重さは知っている。 だが今の俺が背負ってるものは…それよりも重いんだ。」 そう言うと、スモーキーさんは倒れた。 沙「スモーキーさんッ!」 私は倒れたスモーキーさんの所に駆け寄った。 沙「大丈夫ですかスモーキーさん?!」 すると、スモーキーさんがゆっくりと右手を上げた。 ス「勝ったぞ、これでお前達全員合格だな。」 や「まったくもう、スモーキーさんの省でせっかくの計画が台無しです。 でも賭けは賭けですから、約束通り貴方達全員合格です。」 ゼ「やった!僕達全員最終試験に合格だ!!」 べ「ありがとうございます、教官!」 皆が喜ぶ中でスモーキーさんとやふやふさんは何処かに行こうとしていた。 沙「何処に行くんですか?」 私は不思議に思ったので聞いた見た。 ス「何処ってお前な、試験受けてるのはお前達だけじゃないだろ。」 や「そうですよ。まだまだ生徒さんが残ってるので私達はまだ戻れません。 それにしても…スモーキーさん、やはり貴方は恐るべき人ですよ。」 ス「あれが隊長が創造した俺だから勝てたんだよ。 本物だったら、俺は死んでるぜ。」 や「まったくもう、これで私の護衛が居なくなったじゃないですか。 責任をとって護衛してもらいますからね!」 ス「はいはい、分かってますって。 …っとその前に」 スモーキーさんが私達に近づいてきた。 ス「お前らは先に戻ってろ。」 スモーキーさんがゼノ君の頭に触れたかと思うと、ゼノ君が光となって消えた。 レ「ちょ、ちょっと待ってよ!どうして消されるのよ?!」 ス「元の世界に戻るにはこれしかないからな。」 そう言うとレインさんの頭に触れた。 レインさんもゼノ君同様に光となって消えた。 べ「出口が無いから仕方ないですよ。」 キ「そうね。」 今度は二人同時に光となって消えた。 そして最後に、スモーキーさんは私に近づいてきた。 ゆっくりと私の頭に手が置かれた。 私は、自分の体が光に包まれていくのを感じた。 スモーキーさんが私に向かって何か言っていたが、よく聞こえなかった。 ただ、スモーキーさんが笑っているのだけは分かった。
https://w.atwiki.jp/gundamfamily/pages/1817.html
962 名前:乙女の雛祭り(前編)1/4 :2009/02/20(金) 18 26 44 ID ??? 春一番も吹き、日に日に風の温む季節。 スミルノフ「ふう…」 晴れ渡った空を見上げながら、ため息を漏らす男、一人。 ティファ「………」 ガロード「ん? どうかしたのか、ティファ」 ティファ「あの人…」 ガロード「へ? ありゃあ…“荒熊”のおっちゃんか?」 ティファ「なんだか悩み事があるみたい…」 ガロード「まあ、そりゃ、おっちゃんも大人なんだから、悩み事の一つや二つ…」 あって当然、そっとしておこう――と続けようとしたガロードであったが、 心配そうなティファの横顔に、声を飲み込む。 ガロード「ああ、もう…」ガシガシ 足を踏み出すガロード。 向かう先はそれまでの進路と直交している。 ティファ「ガロード?」 ガロード「気になるんだろ? だったら、話、聞くだけでも聞いてみようぜ。 俺たちに何ができるかわかんねーけどさ」 ティファ「ガロード…」 ガロード「まったく、ティファも人がいいよな。 おっちゃんも大人なんだから、自分で解決できるだろーに」 口ではなんのかんのと言いつつ、 それでも自分の行きたいと思った所へ道をつけてくれるのは誰あろう? “人の良さ”では、前を行く少年も相当なものである。 ティファ「ガロードには、かなわない…」ポソッ ガロード「んぁ? 何か言った?」 ティファ「うん… でも、ナイショ」ニコッ ガロード「い゛っ… ん、そ、そか…」(////) 963 名前:乙女の雛祭り(前編)2/4 :2009/02/20(金) 18 27 54 ID ??? ガロード「雛人形~~?」 ティファ「ソーマさん、ですか?」 スミルノフ「ああ。 私は一応、ピーリス君の親代わりだからな。 この国では親は子の壮健を願って用意してやるものなのだろう?」 ガロード「まあ、それはそうだけどさ…」 ティファ「…」 かつてこの国へ腰を落ち着けたばかりの頃、やはり同様の事で大騒ぎしていた 養父ジャミルを思い出し、なんとも言えない表情になるティファ。 ガロード「けど、それならおもちゃ屋とかで売ってるだろ?」 スミルノフ「それが、ちゃんとしたものは予約がなければ、間に合わんと言われてな」 ものによっては、12月に予約を入れても間に合わないのだという。 スミルノフ「小さいものならまだあるとは言われたが… ――――詳しいことは話せないが、あの子はこういった事とは無縁な生い立ちだ。 親代わりとして、大人として、できる限りのことをやってやりたかったのだが…」 そう言って、深々とため息をつく。 スミルノフ「なんとも情けない親代わりだと思ってね」 ティファ「そんなこと…」 スミルノフ「?」 ティファ「そんなこと、ありません」 スミルノフ「アディール君…」 ガロード「そーだぜ。 いつもそばに居てくれる。 それだけでも、ありがたいもんだ」 スミルノフ「ラン君…」 ガロード「えっと、俺のことはガロードって呼んでもらえる?」ナンカクスグッタイ… ティファ「ガロード、何とかできないかしら?」 ガロード「う~ん、セレーネ姉のは、ジュドーがリィナちゃんにあげちゃったしなぁ… 中古を探すのも、確実じゃねーし。 となると、手は一つか…」 スミルノフ「手があるのか!?」 ガロード「ん。 買えないとなったら、作るしかねーよな」 スミルノフ「作る? …自分で作るのか?」 ガロード「そ。 まあ一流の人形職人が作るようなモンは無理だろうけど、 金だけ出して終わり、ってのよりは、 よっぽどレイケンアラタカってもんだと思うぜ?」 スミルノフ「しかし…私は手先が不器用でな…」 ガロード「誰もおっちゃん一人でやれって言ってないだろ? ティファの友達なら、俺のダチでもあるんだぜ?」 ティファ「ガロード…」 964 名前:乙女の雛祭り(前編)3/4 :2009/02/20(金) 18 28 54 ID ??? ロックオン「話は聞かせてもらった!」ガサッ! ガロード「うわっ!」 ティファ「きゃっ!」 スミルノフ「! …どこから出てくるのだね、君は」 ロックオン「まーまー、細かいことは気にしなさんな。 とにかく、俺も手を貸すぜ、熱血小僧!」 ガロード「ロックオン…」 ロックオン「代わりと言っちゃ何だけど…」 ガロード「え?」 ロックオン「フェルトの分もヨロシク!」 ガロード「あんたもかよ…(脱力」 (♪BGM 「特攻野郎Aチーム」のテーマ) ガロード「台のフレームはアルミで行こうって思ってるんだ」 カミーユ「市販品はスチール製だろう? 強度が足りるのか?」 ガロード「なんでも、あれはちっちゃい子供が登っちゃったりするのを想定してるらしいんだ。 どっちもそんな年じゃないし、最悪今年をやり過ごせれば十分。 それよかは加工の手間と軽さを優先したいワケ」 カミーユ「なるほどな。 それで、その設計図を俺に引けって?」 ガロード「いちおう、強度計算もやっといて頂けたらなーって…」 カミーユ「…まぁ、人助けだしな。 わかった。 ただし、これは貸し一つだからな!」 ガロード「感謝します、お兄様!」 カミーユ「まったく、こんな時ばっかり調子いいんだからな、お前は」 ガロード「いやははは」 ジュドー「ガロードー、あったぜ~」つ【捨てられた雛人形】 ガロード「おお!サンキュー!」 ジュドー「んで? ついにドーラーでびう?」 ガロード「やんねぇ!!」 ウッソ&キラ オイデヨ…コッチニオイデ…タノシイヨ… ガロード「行かねっつってんだろ!」 ジュドー「まぁ冗談はさておいて、どうすんの、そんな壊れた人形」 ガロード「ゼイゼイ…あ、いや、分解して、パーツと構造を調べるんだ。 でないとコピーもできないからな」 ジュドー「……やっぱり」 ガロード「違う! 違うから放せっ! ちょっ、待っ、いっ、いやあああああ!」 965 名前:乙女の雛祭り(前編)4/4 :2009/02/20(金) 18 30 04 ID ??? ロックオン「ティファ、キモノ手に入れてきたぜ」 スミルノフ「上質のシルクに見えるが…ずいぶん安かったな」 ロックオン「言われたとおり、人形を作るからって言ったら、 店のおねーさんが出してくれたんだけど…」 ティファ「多分、どちらも着物としては着れないんだと思います。 …こちらは虫食いの痕がありますし…こちらは目立つ所に大きなシミがありますね」 ロックオン「ほんとだ。 なんとまぁ」 スミルノフ「む…これは気づかなかったな…」 ティファ「でも、生地はいいものを使ってますし、染めもはっきりしてます。 これで人形の着物を作ります」 ロックオン「へぇ… 上手いこと考えるじゃないの」 ティファ「もともと、雛人形はそうやって作っていたそうなんです。 着れなくなった晴れ着でも取っておいて、子供の着物に仕立て直したり、 端切れで人形を作ったり。 だから、ちゃんとした古着屋さんではこんな着物も取ってあるんです」 ロックオン「まさにリサイクル、だな」 スミルノフ「ふむ。 大したものだ」 ティファ「型紙はガロードが用意してくれましたから… こちらの着物はここの柄を生かすようにして…」 スミルノフ「縫い合わせるのは私も手伝おう」 ロックオン「ミスターが?」 スミルノフ「炊事と裁縫、身の回りの整理整頓は軍で徹底的にやらされたよ。 軍服のサイズ直しは自分でやらなくてはならないのでね」 ロックオン「へぇ…なんか意外な特技だな…とか言いつつ、俺も裁縫は得意だったり」 スミルノフ「ふむ。 君も、色々と苦労したようだな」 ロックオン「あっはっは、判りますか。 ま、今となっちゃそれも楽しい思い出ですがね」 ティファ「お内裏様と三人官女、五人囃子、左大臣右大臣が一般的ですから、人形は十二体。 それが二組みで合計二十四体分になります」 スミルノフ「ふむ、それを3月3日までに、か…」 ロックオン「こぉりゃ大変そうだな、どうにも」 ティファ「ええ。 がんばりましょう」ニッコリ
https://w.atwiki.jp/kimo-sisters/pages/1181.html
662 三つの鎖 28 前編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2010/09/11(土) 19 37 13 ID Fs9y37pK 三つの鎖 28 目を覚ましたら、既にお昼前だった。 最悪の気分。たっぷり寝たのに、眠った気がしない。 手を見ると、皺くちゃになったハンカチ。お兄さんのハンカチ。 私はなんて事をしてしまったのだろう。 お兄さんを騙そうとした。それも最低の偽りを。 ため息をついて部屋を出る。足取りが重い。 玄関の前を通る時、見覚えのある靴が視界に入る。 お兄さんの靴。 私は呆然と立ち尽くした。 お兄さん、来ているの。 私はリビングに走り出した。 会いたい。お兄さんに会いたい。 リビングへの扉を開く。お兄さんはいない。 キッチンだろうか。キッチンにもいない。肉じゃががあるけど、これはお兄さんが昨日作ってくれたものだ。 ベランダにも、お手洗いにも、洗面所にも、和室にも、お父さんとお母さんの部屋にもいない。 何で。何でいないの。 靴はあるのに、何でいないの。 私は部屋に戻った。携帯で連絡を取るつもりだった。 携帯を手にすると、お兄さんからメールが。 開くと、短い文章。 靴を忘れたから、また取りに行きます。 私はその場にへたり込んだ。 お兄さんはいないんだ。 それだけじゃない。お兄さんは靴を一足しか持って来ていなかったはず。靴を忘れたってことは、裸足で帰ったんだ。 靴を履き忘れるぐらい、ショックだったんだ。 私、なんて事をしてしまったのだろう。 涙があふれる。私はお兄さんのハンカチで涙をぬぐった。 お兄さんに会いたかった。会って謝りたかった。 お兄さんの作ってくれた料理を食べて、私はぼんやりとしていた。 謝りたい。そう思っても、行動できない。 お兄さんに電話するだけでいい。メールでもいい。それなのにできない。 恐い。お兄さんに嫌われていると思うと、怖くて何もできない。 今度こそ愛想を尽かされたかもしれない。 お兄さんからは何の連絡もない。 部屋に戻りベッドに横になる。 お兄さんのハンカチを握りしめて私は泣いた。 誰かが私を優しく揺らす。 誰かが私の名前を呼ぶ。 まどろみから私は目を覚ました。気がついたら寝ていた。 「夏美ちゃん」 私の名前を呼ぶ聞き覚えのある声。 お兄さん。 目を開けると、お兄さんがいた。起きた私を見て微笑んだ。 これは夢なの。それとも現実なの。 もう何が何なのか分からない。 でも、夢でもいい。 夢の中でも、お兄さんに会えるなら、それでいい。 「お兄さん」 私はお兄さんに抱きついた。 温かい感触。 「昨日はごめんなさい。私、本当にひどいことしました」 怖くてお兄さんの顔を見られない。 もし、許してくれなかったらどうしよう。 例え夢の中でも、お兄さんに嫌われるのは耐えられない。 そんな事を考えていると、私の頭に大きくて温かい感触。 お兄さんが私の頭を優しく撫でてくれた。 663 三つの鎖 28 前編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2010/09/11(土) 19 38 12 ID Fs9y37pK 「気にしないで。僕も夏美ちゃんが不安になっているのに気がついてあげられなかったから、僕にも責任がある」 お兄さんの言葉に目頭が熱くなる。 泣かないって思っても、涙があふれる。 そんな私をお兄さんは優しく抱きしめてくれた。 きっとこれは私の夢。私の願望が見せた幻想。 それでもいい。幻でもいい。お兄さんが優しいのなら、それでいい。 「ひぐっ、ぐすっ、ごめんなさいっ」 「大丈夫」 あくまでも優しそうなお兄さん。 「夢でも、幻でもいいです。お願いです。傍にいてください」 「うん。傍にいる」 「私だけのお兄さんでいてください」 「うん」 私のお願いに素直に頷くお兄さん。 例え夢でも、幻でも、嬉しい。 「夢でもいいです。お願いです。覚めないでください。目を覚ましても、そばにいてください」 「大丈夫」 お兄さんは優しく微笑んだ。 「夢じゃない。僕は傍にいる」 お兄さんの言葉が、ゆっくりと頭に入り込む。 抱きついた感触が、やけにリアルだ。 「あの、夢じゃないのですか?」 自分で言っておいて変な質問。 「夢じゃないよ」 徐々に思考がはっきりとしてくる。 「でも、夢じゃないなら、どうやって入ってこれたのですか?」 「玄関のカギが開いていたよ。インターホンを押しても電話しても出てくれないから心配したよ」 そう言えば、昨日鍵をかけなかったような気がする。 「あの、本当に夢じゃないのですか?」 「本当に夢じゃないよ」 お兄さんは私を抱きしめてすんすん鼻を鳴らした。 そういえば、昨日からお風呂に一度も入っていない。 恥ずかしさで頬が熱くなる。 「わ、私、その、昨日からお風呂に入っていませんし、その」 「大丈夫。夏美ちゃん、いい匂いがする」 そう言って私をしっかりと抱きしめるお兄さん。 やっぱり、夢でも幻でもない。 だって、お兄さんがとっても意地悪だから。 「…お兄さんって時々意地悪です。何だか、好きな人にいじわるする小学生みたいです」 「意地悪されて困っている夏美ちゃんが可愛いんだ」 お兄さんの言葉に頬が熱くなる。 私の頭に顔をうずめ、鼻をすんすん鳴らすお兄さん。 恥ずかしさで頭が爆発しそう。 「お、お兄さん。その、お風呂に入ってきていいですか」 「何で?」 「で、ですから、その、昨日からお風呂に入ってないですから」 身をよじる私をしっかりと抱きしめるお兄さん。 逞しい腕に抱きしめられ、恥ずかしさに頬が熱くなる。 私はお兄さんの肩をそっと押した。 「そ、その、シャワー浴びてきます」 私は着替えを持って部屋を出た。 お風呂場でシャワーを浴びる。 思考が働かない。 さっきのお兄さんは、本当に幻じゃないのだろうか。 分からない。 私の身勝手な願望が作り出した虚像な気がしてならない。 シャワーを浴び、体を拭いて着替える。 部屋に戻ると、お兄さんはいなかった。 私はその場に膝をついた。 やっぱり、幻。 664 三つの鎖 28 前編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2010/09/11(土) 19 38 51 ID Fs9y37pK さっきのお兄さんは、私の作りだした虚像。 悲しさと虚しさに目頭が熱くなる。 「ひっぐ、おにいっ、さんっ」 泣き声がかすれる。 喉がからから。 水分が欲しい。私は涙をぬぐって部屋を出た。 途中、玄関で靴が二足あるのが見えた。 一足は学校指定の男子の革靴。お兄さんの。 もう一足は、革靴の同ぐらいの大きさのスニーカー。 私は弾かれたように走った。 転がり込むようにリビングに入る。 そこに、お兄さんがいた。 「夏美ちゃん?」 不思議そうに私を見るお兄さん。 「お兄さんっ!!」 私はお兄さんに抱きついた。 温かくて逞しいお兄さんの胸。 夢でも幻でもない。 「ひぐっ、ひっく、ぐすっ、おにいさんっ」 涙がとめどなく溢れる。 「大丈夫。僕はここにいるから」 お兄さんは私をあやすように優しく抱きしめる。 「さ、さっきのっ、お兄さんっ、ひっく、幻かとっ」 「僕はここにいる。幻でも夢でもない」 お兄さんの背中に回した腕で思い切り抱き締める。 手を離したら、どこかに行ってしまいそうな気がする。 「落ち着いた?」 お兄さんが私の髪の撫でながら口を開く。気がつけば涙は止まっていた。 「はい。すいません」 声がかすれる。お兄さんはコップに入った麦茶を渡してくれた。 お兄さん、お茶を入れていたから部屋にいなかったんだ。 考えたら、お兄さんが来てくれたのにお茶も出していない。 羞恥心に私はうつむきながらお茶を口にした。 よく冷えていておいしい。 「夏美ちゃん。聞いてほしい」 私は顔をあげた。真剣な表情のお兄さん。 「今日は大切な話をしに来た」 大切な、お話。 お兄さんの言葉が脳裏にこだまする。 まさか。 別れ話。 嫌だ。 嫌だ。嫌だ。 嫌だ。嫌だ。嫌だ。 聞きたくない。 「とりあえず座って」 そう言ってお兄さんはソファーに近づく。 「あ、あの、お兄さん」 無表情に私を見下ろすお兄さん。 「その、私の部屋でいいですか?」 「うん」 お兄さんは素直にうなずいた。 「先に行ってください。飲み物を持っていきますから」 「手伝うよ」 「いえ、大丈夫です。これぐらいさせてください」 お兄さんは頷いてリビングを去っていった。 とりあえず時間は稼いだ。どうしよう。 私はふらつく足取りでキッチンに入った。 お盆の上にコップを載せ、冷蔵庫から取り出した冷えた緑茶を入れる。 手が震える。水面が乱れる。 665 三つの鎖 28 前編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2010/09/11(土) 19 39 57 ID Fs9y37pK お兄さんの大切なお話。 きっと、別れ話。 それ以外考えられない。 今日のお兄さんが妙に優しいのも、最後だからに違いない。 最後だから、うっとうしい私にも優しくしてくれる。 嫌だ。 お兄さんと別れるなんて、絶対に嫌。 私と別れて誰と付き合うつもりなんだろう。 ハル先輩?梓?それとも他の知らない誰か? 私以外の女の人と仲良くしているお兄さんなんて、見たくない。 震える手で緑茶を冷蔵庫に戻す。 お盆に私とお兄さんのコップを載せ、その下に隠すように包丁を持つ。 よく手入れのされた包丁。切れ味の悪くなっていた包丁を、お兄さんは丁寧に研いでくれた。おかげでよく切れる。 もしお兄さんが私を捨てるなら、お兄さんを殺して私も死ぬ。 だって、お兄さんに捨てられたら、生きていけない。 お兄さんだって私の気持ちを知っているはず。私がどれだけお兄さんを好きか知っているはず。 それなのに私を捨てるんだ。 私にはお兄さんしかいないのに。 お兄さんに捨てられたら、生きていけないのに。 ひどい。ひどいよ。 そんなの、許せない。 誰にも渡さない。 お兄さんは誰にも渡さない。 私の手から離れるなら、誰の手にもできないようにする。 例えお兄さんを殺してでも。 お盆と包丁を手にリビングを出る。 もう、手は震えていなかった。 部屋に入ると、お兄さんは立っていた。 私の部屋には椅子は一つしかない。遠慮せずに座ってくれていいのに。 「どうぞ座ってください」 そう言って私はベッドに腰をおろした。こうすればお兄さんは隣に座る。 もくろみ通りお兄さんは私の隣に腰をおろした。 「どうぞ」 私はお兄さんにコップを渡した。中身はお兄さんが作ってくれた冷えた緑茶。 「ありがとう」 お兄さんは笑顔で受け取り、口にした。 私は包丁をお盆の下に隠したまま、私の隣に置いた。いつでも取り出せるように位置を確認する。 妙に頭がはっきりとしている。思考が信じられないぐらいクリアだ。 今から、お兄さんを殺すのに。 もっと動揺するかと思った。 大好きなお兄さんを殺すのに、何でこんなに落ち着いていられるのだろう。 お兄さんと過ごした日々は私にとってその程度だったのだろうか。 「夏美ちゃん」 コップを机に置いてお兄さんは私を見つめる。真剣な表情。 今から、お兄さんに別れを告げられるんだ。 今まで恋人だったのが、他人になる。 そう思った瞬間、胸に痛みが走る。 もう、お兄さんとは恋人じゃなくなる。 そう考えるだけで、耐えがたい痛みが走る。胸が苦しくなる。 「夏美ちゃん?どうしたの?」 私の様子に気がついたのか、お兄さんは心配そうに私を見つめた。 「いえ、何でもありません」 私は無理やり笑顔を作った。泣きそうになるのを必死に我慢した。 落ち着いているなんて、できるわけない。 やっぱり、私はお兄さんを好きなんだ。 どうしようもないぐらい恋している。 別れるって言われたら、殺してしまうぐらいに恋している。 だって、お兄さんが他の女の人のものになるなんて、絶対に我慢できない。 私はお盆の下に手を滑り込ませた。包丁の柄の感触を確かめる。固くて冷たい感触。 666 三つの鎖 28 前編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2010/09/11(土) 19 41 51 ID Fs9y37pK 顔をあげると、お兄さんと目が合う。真剣で誠実な瞳。 「昨日、夏美ちゃんの家を出たあと、自分なりに考えた。どうすれば夏美ちゃんが僕を信じてくれるかを」 胸が微かに痛む。 信じるって何をですか?何を信じればいいんですか? だって、お兄さんはもう私の事を好きじゃないのですか? 私の事を重いって思っているのじゃないですか? 「僕は馬鹿だから、いい方法が思いつかなかった」 何ですか、それ。 私がお兄さんを信じるいい方法が思いつかないから、私と別れるのですか。 そんな言い訳で、私と別れるのですか。 正直に言ったらいいじゃないですか。 もう、付き合いきれないって。 他に好きな人がいるって。 私の事が、嫌いだって。 「これから僕が話す事が変だと感じるかもしれないけど、落ち着いて聞いてほしい」 お兄さんはベッドから立ち上がって膝立ちになり、私と視線を合わせた。 嫌だ。 お兄さんの口から、別れるなんて聞きたくない。 そんな事言われる前に、終わらせる。 私はお盆の下に隠していた包丁を取り出し、お兄さんのお腹に突き刺した。 固い何かに突き刺さる感触。 お兄さんの表情が凍りつく。 「何を、落ち着いて聞けと言うのですか」 私は包丁を握る両手に力を込めた。固い。それでもわずかにお兄さんのお腹に包丁が食い込む。 「別れてなんて、落ち着いて聞けるはずないですよ」 額に汗をびっしりと浮かべるお兄さん。顔から表情は消えうせているけど、私には分かった。お兄さんが痛みを必死にこらえているのを。 私は包丁を握ったままお兄さんに体をぶつけた。包丁が抜け、お兄さんはお腹を押さえて倒れた。 お兄さんはお腹を押さえて立ち上がろうとして立てなかった。膝をついたまま私を見上げる。押さえた手から血が流れる。 私はお兄さんに包丁を向けた。包丁の先っぽはお兄さんの血で濡れていた。 「なつ、み、ちゃん」 顔に汗を浮かべ苦しそうに言葉を紡ぐお兄さん。 私を見上げる瞳には、恐怖と疑問が渦巻いている。 何でだろう。何でこんなことになってしまったのだろう。 ちょっと前まで屈託なく笑うお兄さんを見られたのに、何で今はこんな表情のお兄さんを見ているのだろう。 私はお兄さんを好きだったのに、何で今はお兄さんを刺したのだろう。 傍にいても、お兄さんを遠くに感じる。 刃物で突き刺すほどの距離にいても、お兄さんを遠くに感じる。お兄さんを刺した時の感触だけが生々しく手に残っている。 荒い息をつき震えながら私を見上げるお兄さん。その足元に血の滴が落ちる。 血の滴る音とお兄さんの苦しそうな息遣いだけが私の部屋を満たした。 戻る 目次 次へ
https://w.atwiki.jp/ozawarina/pages/26.html
第2話「失踪」 もしくは偽りの小宇宙に秘められた真実の物語 依頼主:ヨネ子 主な登場人物:里奈、なめこ、じぃ、まなみ、ちとせ、ヨネ子、ルゴール、コペル、ミラ ○事件内容 まなみが失踪して、しばらく戻ってこないとヨネ子さんから知らせが入った。 いつものこと・・・と思いつつも、里奈は捜査する。 ■■■前編■■■ ~探偵事務所~ 手に入る物:合い鍵 ヨネ子の話を聞く。 いなくなった時って? まなみについて思うこと→今回の失踪はいつもと違う? →2つとも聞くと証言追加 お部屋は?→合い鍵もらえる。 ~ローゼンハイム夢見崎(アパート)~ ○まなみの部屋 手に入る物:アルバム、予約券、ハンカチ まなみの部屋は何者かに侵入され、荒らされている。 ヨネ子を呼びに行き状況を伝え、部屋の捜索。 床にアルバムとハンカチ、机の上に予約券がある。 ○メロディさん まなみの部屋のとなりに住んでるメロディさんから話を聞く。 なにか変わったことは? +どんなセリフ? +演劇? どんな感じ? なんでもない… ~ショッピングモール~ 手に入る物:まなみの写真、コイン、バナナ、バナナの皮 噴水前にちとせがいる。横には看板と段ボール。 とりあえずちとせと話す。 なにしてんの? まなみの部屋に侵入者が… 看板にはまなみの写真が。これは持ってるアルバムに貼ることが出来る。 ハンカチを見せると、自分のだと言うが、あとで「自分のではない」と訂正する(アヤシイ) 写真を貼ったアルバムを見せると、心なしか動揺する。 段ボールを調べようとすると何かを隠すので、ちとせにタッチしてバナナを奪い取る。 バナナにはまなみの名前が書いてあるので、確認する。 その事実をちとせにつきつけると、バナナを食べて証拠隠滅しようとする。 が、名前が書いてある「バナナの皮」を捨てるので、拾ってまたつきつける。 すると逃げようとするが、バナナの皮でこける。 そのあと話を聞く。 どうして…まなみの部屋に? また、自販機の釣り銭受けにコインが入ってるので拾い、汚れているのでハンカチで磨く。 ○ネイキッドボーンズ デイジーと話す。 まなみ… +なにか気付いたこと +まなみの様子 どれが似合うかな →お菓子屋さんなら何か知ってるのでは? ○スイートマウンテン プラリーネと話す。 まなみについて 今日のオススメ ブラッドにアルバムを見せる →ルゴールが関係してるかも。でもあんなの芸とは言わないよな? うん わかんない ルゴールって? →ルゴールの情報を得る。プラネタリウムへ行けるようになる。 ~午刻星界研究所(プラネタリウム)~ ベンチに座ってるちいさな女の子にアルバムを見せる →この子はマーガレットだと言って、中に入ってしまう。 →ルゴール(看板付近でオルゴールを持ってる人)が、「その子なら知ってる」という。 ○プラネタリウムロビー 手に入る物:フリーパス 入り口にいるコペルの話を聞く。 まなみ ルゴールさん ちいさな女の子→名前は「ミラ」 +星?→星に興味があるのか? +ある→フリーパスをもらう +わかんない +お人形? +チョコ? コペルにフリーパスを見せる→上映アナウンスが入るので中に入る ○プラネタリウム上映室 手に入る物:名刺 占い師がいるので、アルバムを見せると、上映室からいなくなる。 そのあと、床に占い師の名刺が落ちているので拾う(見つけにくいので注意) ※この地点で制御室には入れるが、コペルにすぐ追い出されてしまう。 ~ショッピングモール~ 月華水晶前の人形(?)に、名刺を見せると中に入れてくれる。 ○月華水晶 手に入る物:ポスター 右側に筒状のポスターがあるので入手。 占い師にアルバム見せ、終わったら退室する。 退室後、時間が遅いので里奈が事務所に戻る ~~~前編終了
https://w.atwiki.jp/kimo-sisters/pages/1133.html
74 三つの鎖 25 前編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2010/08/04(水) 22 05 43 ID wGt7FVol 三つの鎖 25 まどろみの中、誰かが私に触れる。 知っている声。私の好きな人の声。お兄さんの声。 起きてと、私をゆするお兄さん。 困ったように起きてというお兄さん。私の名前を呼ぶお兄さんの声が心地よいい。 その時、ドアが開く気配がした。 誰かが入ってくる。お兄さんを呼んでいる。 聞き覚えのある声。 梓の声。 私は跳ね起きた。 心臓の鼓動がはっきりと聞こえる。全力で走った後みたいに全身に汗をかいていて、呼吸も乱れている。 ふらつく足取りで私はベッドを下りた。汗に濡れたシャツが張り付いて気持ち悪い。 さっき、お兄さんが私を起こしに来てくれた気がした。 薄暗い部屋には私以外誰もいない。 私は部屋を出てリビングに向かった。 薄暗いリビングの電気をつける。私一人には広すぎるリビング。誰もいない。 もしかしたらキッチンかも。お兄さんは私が寝ている間に料理を作ってくれることが多い。 でも、キッチンにもいない。鍋を開けると、肉じゃががある。昨日お兄さんが来てくれた時に作ってくれた。料理は冷たくなっていた。 洗面所かもしれない。もしかしたらお風呂のお掃除をしてくれているのかもしれない。 でも、洗面所にもいない。お風呂場にもいない。 お父さんとお母さんの部屋も、ベランダにも、お兄さんはいない。 玄関に私の靴だけが乱れて置いてあった。昨日、家に戻った時に脱いだままの靴。 お兄さんは来ていないのを思い知った。もしお兄さんが来てくれたなら、きっと靴の位置をなおしている。 私は肩を落としてキッチンに向かった。お兄さんの作ってくれた料理を食べたかった。 途中の和室のドアの隙間から仏壇が見えた。 それを見たとたん、お母さんの事を思い出した。 お葬式の次の日、もう死んだお父さんを探して家の中を探し回るお母さんの姿。 不安と恐怖が私を包み込む。 今の私、お母さんと同じ事をしていた。 「違う!!」 誰もいない部屋に私の叫びは虚しく響く。頭が痛くなるそうな静寂。 答える人は、誰もいない。 この家には、私しかいないのだから。 朝ごはんを食べて、学校に行く準備をしてから私は家を出た。 学校に行くにははやすぎる時間だけど、この家に一人でいる事に耐えられそうになかった。 お兄さんの作ってくれた料理を食べている時だけが、心安らぐ瞬間だった。 マンションの一階に下りた時、昨日の光景が脳裏に浮かぶ。 お兄さんが私の手を振り払って、梓と帰って行った昨日の光景。 二人を追いかけてマンションを出た時、口づけしてたお兄さんと梓。 思い出すだけで泣きそうになる。私は必死に涙を堪えた。 昨日のあの光景も夢だったのだろうか。 恐怖と不安の生んだ妄想だったのだろうか。 考えてもきりのない事を考えながら私は学校に向かう。 通学路には人はまばらだ。時々散歩やランニングをしている人とすれ違うぐらい。登校には早すぎる時間。 学校の中も誰もいない。教室にも誰もいない。 私は自分の席に座ってため息をついた。 お兄さん、来ないかな。 以前、一度お兄さんがすごく早い時間に登校してきた事があった。 あの時、屋上で抱かれた。 顔が熱くなる。 お兄さんに抱かれたい。乱暴に犯されたい。 乱暴に抱かれると、快感よりも苦痛が大きい。でも、お兄さんに必要とされているような気がして、安心する。 少なくとも私を抱いてくれる間は、私の事を必要としてくれているはず。それが例え私の体だけでも。 不安が霧のように私を包む。 お兄さんは私の事をどう思っているのだろうか。 本当に私の事を好きなのだろうか。 お兄さんが私の事を好きになりたいって言ってくれた事は今でも覚えている。顔を真っ赤にして好きになりたいって言ってくれたお兄さんの事を思い出すと、それだけで嬉しくなる。温かい気持ちになる。 75 三つの鎖 25 前編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2010/08/04(水) 22 07 38 ID wGt7FVol でも、何でお兄さんは私と付き合ってくれるのだろう。 私より魅力的な女の子はお兄さんの周りにいる。 ハル先輩。すごく大人っぽくて美人なのに、子供のように輝く瞳と柔らかい笑みのせいかとても親しみやすい人。艶のある長い髪、柔らかそうな白い肌、モデルの様な身長と体形。お料理が得意で文武両道。 梓。私と同じぐらいの身長だけど、細いせいかそうは見えない。無表情でお人形みたいな整った顔。ハル先輩と同じ艶のある長い髪、眩しいぐらい白い肌、細い体。儚い外見の中で、瞳だけが強烈な意志を放っている。ハル先輩と同じでお料理が得意で文武両道。 百人に聞けば、百人が私より魅力的だと答えるに違いない二人。 私が勝っているのは何もない。 せめて綺麗で長い髪の毛だけでも同じになりたくて伸ばし始めたけど、まだ肩にかかるぐらいだし、二人ほど綺麗でもない。鏡を見るたびに惨めな気持ちになる。 二人はお兄さんにたくさんのものを与えられる。お料理もそうだし、怪我の治療とか、お勉強を教えるとか、家事全般も手伝えるに違いない。特にハル先輩は気がきくし、お兄さんと幼馴染だから何でも知っているに違いない。 私はお兄さんに何も与えられない。与えられるばかり。せいぜい、抱かれるぐらいしかない。 それでもいいと思っていた。お付き合いする中で、お兄さんに見合う女の子になればいいと思っていた。 でも、お兄さんはどう思っているの。 私と一緒にいて楽しいの。面倒くさいとか手がかかるとか思ってないの。 お兄さんは私の事を好きって言ってくれる。嬉しいけど、信じきれない私がいる。 だって、どう考えても私よりハル先輩や梓の方が魅力的。 お兄さんと一緒にいたいのに、一緒にいると不安になる。 楽しんでもらえているのか、面倒くさいって思われていないか。 私はかぶりを振った。こんな事を考えても気分がめいるだけだ。 教室の時計を見る。まだはやい時間。あれだけ考え事をしていたのに、時間はほとんど進んでいない。 最近、時間の進みが不規則に感じる。今みたいに時間の進みが遅いと感じる時もあれば、気が付いたら時間がすごく過ぎている時もある。 疲れているのかもしれない。お父さんが死んで、それほど時間もたっていない。 クラスの女の子の陰口が脳裏に響く。 (悲劇のヒロインを気取っているんじゃないの?) (いくら加原先輩でも、付き合いきれないって思っているんじゃないの?) (そーだよねー。いくらなんでも、お父さんが殺されたとか重過ぎだよねー) 全身が震える。熱くもないのに汗が出る。 お兄さん、私の事を重い女だって思っているのだろうか。 思えば、お父さんが死んでからお兄さんに助けられてばかりだ。 お葬式の時も、私とお母さんを助けてくれた。お父さんとお母さんの親戚はほとんどいないし、私達に冷たいから、お兄さんの手助けは本当にありがたかった。何よりもお兄さんが傍にいてくれるだけで安心できた。 でも、お兄さんはどう思っているのだろう。面倒くさいとか、重いとか、そんな風に思わなかったのだろうか。 そんな事を考えていると、声をかけられた。 「夏美ちゃん」 聞き覚えのある声。 柔らかい声。何度もお世話になった人の声。 顔を上げると、ハル先輩がいた。 「こんな朝早くにどうしたの」 「ハル先輩こそ」 「私は生徒会のお仕事を片付けようと思って。それよりも、どうしたの?何かあったの?」 心配そうに私を見下ろすハル先輩。 「何でもないです」 私はそっぽ向いた。 馬鹿な私。ハル先輩にはあれだけ助けられたのに、何も話せないなんて。 ハル先輩に嫉妬している私がいる。 「幸一くんの事でしょ」 ハル先輩の口からお兄さんの名前を聞くだけで心が乱れる。 「ハル先輩には関係ないです」 「不安なんでしょ。幸一くんの心が梓ちゃんに向いているか」 ハル先輩の言葉が胸に入り込む。 「やめてください」 答える私の声は自分でも信じられないぐらい硬かった。 「色々言われているもんね。悲劇のヒロインを気取っているとか、重いとか。幸一くんがどう思っているのか心配なんでしょ」 「やめてください!!」 「昨日ね、梓ちゃんと幸一くん腕を組んで帰ってきてたよ」 思わず息をのむ。 昨日。お兄さんが私の家に来てくれた日。 梓が来たのは夢でも妄想でもないんだ。 「昨日の夜も幸一くんと梓ちゃんのご両親の帰宅は遅かったよ。ずっと家で二人きりで何をしていたのかな」 お兄さんと梓が寄り添い口づけする光景が脳裏に浮かぶ。 「やめてください!!」 76 三つの鎖 25 前編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2010/08/04(水) 22 09 43 ID wGt7FVol 「昨日ね、梓ちゃんと幸一くん腕を組んで帰ってきてたよ」 思わず息をのむ。 昨日。お兄さんが私の家に来てくれた日。 梓が来たのは夢でも妄想でもないんだ。 「昨日の夜も幸一くんと梓ちゃんのご両親の帰宅は遅かったよ。ずっと家で二人きりで何をしていたのかな」 お兄さんと梓が寄り添い口づけする光景が脳裏に浮かぶ。 「やめてください!!」 私は叫んでいた。立ち上がってハル先輩を睨みつける。 「そんな事、聞きたくないです!!」 ハル先輩がハンカチを手に私の目元をぬぐう。気がつけば私は泣いていた。 涙がとめどなく溢れる。 考えたくない。お兄さんと梓が一緒にいて何をしているなんて。 昨日、梓はお兄さんの手を引いて帰っていった。 路上でキスしていた。 家に帰って何をしていたかなんて、考えたくない。 「教えてあげようか」 「何をですか」 「幸一くんの心をつなぎ止める方法」 心臓の鼓動がはっきりと聞こえた。 喉がからからに乾いていく。 お兄さんの心をつなぎとめる方法。 「そんな方法、あるのですか」 ハル先輩はにっこりと笑った。 「簡単だよ。幸一くんの子供を身ごもればいいんだよ」 子供。お兄さんの子供。 「そうすれば夏美ちゃんと幸一くんの間に断ち難い絆ができるよ。二人の血を受け継ぐ子供だからね」 私が、お兄さんの子供を妊娠する。 「だ、だめです。私達、まだ高校生です」 「高校生でも子供は産めるよ」 「違います。そんな事をしたら、生まれてくる子供が可哀そうです」 お兄さんの心をつなぎとめるためだけに子供を産むなんて、いくらなんでも酷過ぎる。 「別に産まなくてもいいよ。堕ろしてもいいよ」 私は自分の耳を疑った。ハル先輩は何でもないように笑顔を崩さない。 「そうすれば幸一くんは罪悪感で夏美ちゃんから離れられなくなるよ。妊娠させた挙句、堕ろす事になったら、幸一くん、責任を感じるよ」 ハル先輩の言っている内容は間違いない。お兄さんは誠実で責任感の強い人だ。もし私が妊娠して、堕ろす事になれば、きっと責任を感じる。 でも、生まれてくる命を犠牲にする事が許されるはずない。 「そんなの、そんなのダメです」 「じゃあどうするの。幸一くんの心がどこにあるのか心配しながら生きていくの」 ハル先輩の言葉が胸に突き刺さる。 お兄さんの心は誰に向いているのだろう。 ハル先輩?梓?それとも他の女の人? 「それにね、これは幸一くんと梓ちゃんのためにもなるよ」 「どういう事ですか」 「もし幸一くんの子供ができたら、梓ちゃんも諦めるよ。幸一くんの子供だもん。梓ちゃんも不幸にはしたくないはずだしね。子供ができれば、幸一くんは梓ちゃんから解放されるよ」 ハル先輩はニッコリと笑う。柔らかい微笑み。 「でも、もし梓が納得しなくて、生まれてくる子供に危害を加えるようなことがあったら、どうするのですか」 「その時は幸一くんのお父さんが梓ちゃんを逮捕するだろうね」 事もなげに話すハル先輩。 「幸一くんのお父さん、厳しくて公平な警察官だからね。実の娘でも容赦はしないよ」 「そんなに厳しい人なら、私が妊娠したらお兄さん怒られます」 「だろうね。そして責任を取れって事になると思うよ。その時に夏美ちゃんが産みたいって言えば、結婚になると思うよ。もちろん、夏美ちゃんが了承すればだけど」 結婚。お兄さんと。私が。 頬が熱くなる。胸が高鳴る。 「でも、でも」 「まだ何かある?」 「もし妊娠したら、私もお兄さんも退学になっちゃいます」 「それは仕方がないよ。でもね、幸一くんは成績がいいから高認でも大丈夫だと思うし、幸一くんのご両親も経済的な支援はしてくれるよ。何せ息子の不始末で一人の女の子が妊娠して退学になるんだからね」 淀みなく話すハル先輩。 「そんなに難しく考えなくていいよ。幸一くんと梓ちゃんのためでもあるんだから。私も協力するよ」 ハル先輩が私の両肩に手を置く。白くてほっそりとした女性らしい手。 77 三つの鎖 25 前編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2010/08/04(水) 22 10 47 ID wGt7FVol 「でも、どうやって妊娠するのですか。お兄さん、必ずスキンを使いますし」 「いくらでも方法はあるよ。今日は大丈夫な日だって言うとか、小さく穴をあけたスキンを渡すとか。未開封でも細い針を使えば目立たないように穴をあけられるよ」 私は呆然としてしまった。確かにハル先輩の言う方法なら、妊娠するかもしれないし、もしそうなれば、お兄さんは私に責任を感じるに違いない。 でも、私の胸の中で罪の意識を感じる。 生まれてくる赤ちゃんを、そんな事のために利用するなんて。 「夏美ちゃんが感じる罪の意識を我慢すれば、全てが上手くいくんだよ。梓ちゃんは幸一くんを諦めるし、幸一くんは梓ちゃんから解放される。夏美ちゃんは幸一くんと一緒にいられる」 何が不満なのと不思議そうに私を見つめるハル先輩。 「でも、やっぱり赤ちゃんが可哀そうです」 ハル先輩の目がすっと細くなる。 「さっきから聞いていたら、綺麗事ばかりだね」 軽蔑したようなハル先輩の言葉が胸に突き刺さる。 「他に方法はあるの?」 方法。 「梓ちゃんは幸一くんを諦めて、幸一くんは夏美ちゃんの傍にいて、みんな幸せになる。そんな都合のいい方法はあるの?」 冷めたハル先輩の視線。 「みんなが幸せになる方法があるなら、その方法をとればいいよ。無いでしょ?無いから幸一くんはあんなに苦しんでいるんだよ」 私も梓も納得する方法なんて無い。 だって、私も梓も同じ人が好きだから。 どちらかが諦めないといけない。 「それなのに夏美ちゃんは綺麗事ばかり言うんだ。赤ちゃんが可哀そうとかいうんだ。夏美ちゃんは何もせずに幸一くんに守られるばかりなんだ」 「…違います」 「どこが」 ハル先輩の言葉に何も答えられない。 「どこが違うの。梓ちゃんと幸一くんが仲直りできるように何かしたの」 「私、梓とお話しようと」 「できたの」 ハル先輩の言葉が私の言葉をさえぎる。 「梓ちゃんとお話もできていないのに、どうやって仲直りさせるのかな」 「その、お兄さんに梓と話さない方がいいって」 「結局、幸一くんに守られているだけだね」 何も答えられない。 全部ハル先輩の言うとおり。 「その調子だと、幸一くんに負担をかけるようなことしてそうだね。幸一くんと梓ちゃんの仲がこじれるような事、してないかな?」 昨日の事が脳裏に浮かぶ。 梓がお兄さんを連れて帰ろうとした時に、お兄さんを引きとめた。 あの時、お兄さんは私の腕を振り払った。恋人の私より、梓といる事を選んだ。 でも、あの時お兄さんが私の腕を振り払わなかったら、どうなっていただろう。 梓は私かお兄さんを傷つけたに違いない。 そう考えると、私の行為はお兄さんを苦しめただけ。 「心当たり、あるんだ」 心底軽蔑したように私を見つめるハル先輩。 「実はね、もっと簡単にできて幸一くんと梓ちゃんの仲を改善する方法があるよ」 「…何ですか」 「簡単だよ。夏美ちゃんが幸一くんと別れたら全てが解決するよ」 私とお兄さんが、別れる。 「そうすれば梓ちゃんも大人しくなるよ」 そんなの、そんなのいや。 お兄さんと別れるなんて、絶対にいや。 「嫌なんだ。幸一くんと別れるのが」 私の気持ちを見透かしたようなハル先輩の視線。 はっきりと怒りと侮蔑を感じた。 「私、そろそろ行くね」 おもむろに立ち上がり背を向けるハル先輩。 「あの!」 その背中に思わず声をかけてしまった。 「何かな?」 「私、どうしたら」 「自分で考えたら?」 冷たく言い捨ててハル先輩は去って行った。 私はその背中を追えなかった。 78 三つの鎖 25 前編 ◆tgTIsAaCTij7 sage 2010/08/04(水) 22 11 54 ID wGt7FVol 結局、私は何もしていない。 お兄さんには守られているだけ。それどころか負担になっている。 そしてお兄さんと別れる事も出来ない。お兄さんと恋人でなくなるなんて、想像する事も出来ない。 ハル先輩が怒るのも無理はない。 「…お兄さん」 思わずお兄さんを呼ぶ。 返事は無い。 教室には、私しかいないのだから。 戻る 目次 次へ