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< 【back】 【next】 > 委員長の冗談 3 四時間目の技術家庭の時間は、久々に男女合同での家庭科の授業だった。 各班六名ごとに決められたレシピをつくり、それを昼食としてみんなで食べようということだった。 俺の班は、俺と委員長と長岡を含んだ六人。 作る料理は鶏肉と野菜のトマトシチュー他数品。 仲が良い分さくさくと作業は進む。 俺と委員長はシチューの担当だったので、水を入れた大鍋を火にかけつつ、材料を包丁で切っていた。 俺を含めた男子連中がわりと大食いな分、鶏肉は六百グラムと多めに持ってきた。 その大量の鶏胸肉を、エプロン姿の委員長が鮮やかな手つきで次々と捌いていっていた。 「委員長、上手だな」 「え? 何がですか?」 「いや、包丁の扱いが。俺が肉を切ろうとすると、ほら……」 筋の部分がなかなか切れなくて、途中途中で詰まりながら切ることになってしまう。 やはり、委員長のようにうまくはいかなかった。 「ちょっとしたコツがあるんですよ」 委員長は、笑いながら実演して見せてくれた。 「お肉は、要は筋肉なわけですから、筋繊維でできていますよね」 「うん、そうだな」 「だから、その流れを見るわけです。でたらめに刃を入れるのではなく、繊維の流れに平行な方向と、垂直な方向をきちんと見ます。平行な方向は小さな力で切れますから、とりあえず切ってしまいます」 委員長は説明しながら、また板に乗った大きな胸肉を、細めの固まりに切っていった。 「こうなると、あとは垂直な方向に切ればいいです。垂直方向は少し力が要りますが、切る距離が短くなっている分、適当に切っても何とかなります」 タン、タン、と、まな板と包丁のぶつかる音を小さく響かせながら、委員長は肉をさらに小さく切り分けた。 「お肉の繊維の流れさえ見れば、大抵うまくいきますよ」 「なるほど……委員長、料理上手なんだな」 「え? り、料理ですか?」 委員長は慌てたように手をぶんぶんと振った。 「委員長、包丁包丁、危ないから」 「ああ、すみません」 包丁を置いて、改めて委員長は胸の前で手をぶんぶん振った。 「私、料理は全然駄目なんですよ」 「え? でも今みたいに、料理のこと良く知ってるみたいだし、上手だったし……」 「私ができるのは、お肉を捌くことくらいなんですよ。それ以外はからっきしで……お恥ずかしい話ですが……」 委員長は、どちらかというと家庭的な印象がある。 からっきし、というのは、謙遜なのではと思ってしまうが、どうなのだろう。 「いえ、本当に、お肉を捌くのは私の唯一の得意技と言ってもいいくらいでして」 「と、得意技っすか」 「味付けなんかは、もう絶望的なんです」 「絶望的……」 そんなにひどいのか。 しかし、肉を捌くのだけ上手くて他が駄目とは、またアンバランスな技能に育ってしまったものだ。 「その……私は、家で料理とかをしていたわけではないので」 「そうなの? じゃあ、その包丁捌きはどこで習ったんだ?」 「こ、これはですね……」 委員長は一瞬唇に指をあてて、困ったように笑った。 「その……昔手伝わされた名残ですね」 「手伝いって、やっぱり料理?」 「いえ、その、解体の……」 少しばつが悪そうに、委員長は小さな声で話し始めた。 「その、大きな生き物の死体があったとして、そのお肉を処理するのはとても大変なことなんですよ」 「んー……まあ、そうかもな」 「なので、小さくする必要があるわけです。関節を外して、切り分けて、太い部分はそぎ落として、といった作業をすることになるんですね」 委員長はいちいち関節を外す仕草や、何かをそぎ落とす仕草を織り交ぜて説明してくれた。 「小さく分けたものは、鍋でどろどろになるまで数日間煮込みます。鍋に入らないものは冷蔵庫に入れて保存して、また後で煮込むことになります。この時、臭いをごまかすために適当な味付けをしますが、本当に何も考えず、大雑把に調味料を入れるだけなんです」 「なるほど」 「最後にどろどろに煮たものを、トイレに流して終わりとなります。……こんなことをして身についた技術なので、包丁捌きは上達しても、味付けの方は全然で……」 委員長は恥ずかしそうに顔を伏せた。 「話はわかったけど……トイレに捨てちゃうの? せっかく調理したのに、食べないの?」 「そんな、食べるなんてとんでもないですよ」 だって、と委員長は小さな声で続けた。 「その生き物って、人間なんですから」 「へ……」 思考が止まる。 何を言っているのか。 「えっと……人間を、切るの? 煮込んで、流すの?」 「はい」 「それを手伝ってたの?」 「はい……本当、こんなことばかり得意になって……駄目ですよね、私って」 しょんぼりとした様子の委員長。 あまりの話に、頭がくらくらと揺れた。 「藤宮君?」 「あ、ご、ごめん。ちょっと落ち着くから」 委員長が心配そうに顔を覗き込んでくる。 思わず目をそらしてしまった。 「……あの、藤宮君……冗談ですよ?」 「え……?」 委員長の表情を見る。 力なく、あははと笑っていた。 「すみません……料理下手が恥ずかしくて……冗談でごまかしてしまいました」 「冗談……なの? 今の全部?」 「はい。いつものジョークです。笑いでごまかそうと思ったのですが、失敗だったようですね」 いつものジョークか。 確かに笑えない、いつも通りのジョークだ。 「まあ、あれだ、その……真に迫ってて、刺激的だったよ」 「……お気遣いいただき、すみません」 結局、料理の材料を切る段階だけ手伝っていたということらしい。 相変わらず委員長の冗談のセンスは絶望的だと思う。 まあ、それもまた委員長らしいと言えばそうなのだが。 委員長はまた鮮やかな手つきで肉を捌いていき、俺が煮込みと味付けを担当した。 料理は順調に進み、見事我が班は大量の鶏肉と野菜のトマトシチューにありつけた。 しかし、赤色のシチューの中に浮く肉片を見て、つい委員長の冗談が思い起こされてしまい、いつもより食欲が湧かなかった。 結局、せっかく作ったシチューは、長岡の腹に大量に収まることになった。 < 【back】 【next】 >
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第58話 またまたご冗談を この俺、ジェストーナ様は何とかセリーヌを使って殺し合いを円滑に進めていきたいと考えている。 だが聞くところによると、セリーヌが知る人物は彼女を除いて14人、うち関係の深い奴は実に11人もいるそうだ。 これだけ仲間が多くては、彼女を殺し合いに乗せるのはかなり難しい。 俺に洗脳術でも使えれば楽勝なんだが、残念ながらそんなものは使えない。 さて、どうしたものか…。 それにしても11人も仲間がいるのか…。 俺の知っている奴はこの殺し合いに6人ほど参加しているが、そのうち4人は敵対していた人物である。この違いはなんなんだ。 しかもデミテルもダオス様も、とても安心して身を預けられる人物では無い。 ダオス様は問答無用で自分を殺しにかかってくるだろう。 デミテルもいきなり殺しに来るとは考えにくいが、やはり心から信用できるわけではない。 ああ、俺にも信頼できる仲間がここにいてくれたら…って、元々俺にそんな奴いねーじゃねえか、チクショー! 『ヨシヨシ』 頭の上に乗った無人くんが俺をなでてくれる。 ああ、俺が信頼できるのはお前だけだよ…。 俺達二人は山から少し離れた場所で待機する事にした。 あの山で起きた出来事はただ事では無さそうだが、一応もう少し様子を見ておこうと考えたからだ。 待つこと数時間、再び神塚山の方から巨大な音が響いてきた。 一体あの山で何が起こってるってんだ…? 「…何やらとんでもない事になっているようですわね。やはり近づかないで正解でしたわ」 セリーヌが安堵の声を出すが、その表情はかなりびびっているように見える。 それからちょっとした時だった。主催者の放送が流れたのは…。 またまたご冗談を。 それが放送を聞いた俺の率直な感想だった。 ダオス様とデミテル。二人が死んだ。 あのダオス様がやられるとは。ありえないだろ…常識的に考えて。 ダオス様の性格からいって、油断するような人でもない。不意を突いただけで勝てるような強さじゃない。 デミテルだって実力はあるし、頭も切れる。そう簡単にやられるような奴じゃないはずだが…。 ダオス様が死んだって事は、ダオス様より強い奴がこの殺し合いに参加してるって事だ。全く冗談じゃねえよ。 ますます生き残る自信が無くなってきたぜ…。 セリーヌはというと、放送を聞いた後暗い表情で俯いてしまった。 「え、えーと、お知り合いの方が亡くなったんですか?」 この様子を見れば分かったのだが、とりあえず聞いてみる。 「ええ、一人…。ジェストーナ、あなたは?」 「お、俺は…まあ、上司と同僚みたいな奴が…。それほど親しかったわけじゃないんですけど…」 「そうですの…」 溜息をつくセリーヌ。 うーん、俺には死んで涙するような仲間もしてくれるような仲間もいないからなあ…。こういう時何て言えばいいのか分からん。 ともかく、これで俺の知り合いは早くも全滅してしまったということだ。 もう頼れる奴は、セリーヌと無人くんだけ。 後はセリーヌの仲間だって奴に期待するしかねえな。11人もいれば何か打開策が出てくるかもしれない。 三人寄れば何とかの知恵、とも言うしな。 ここから北のエリアが禁止エリアに指定された為、俺達は道に出るまではとりあえず南下することにした。 ダオス様が死んだのは予想外だが、逆に言えば自分を殺す可能性が少し減ったと思えばいい。 とにかく俺の目標は生き残ること。最後の一人になるでも、殺し合いからの脱出に便乗するでもいいんだ。 俺は死なんぞ。 まだまだ、俺の戦いはこれからだぁ! 【F-7/真昼】 【ジェストーナ】[MP残量:100%] [状態:正常] [装備:無し] [道具:無人くん@SO2、荷物一式] [行動方針:何でもいいから生き残る] [思考1:セリーヌに付いていく] [思考2:セリーヌとその仲間を利用する] [思考3:道に出るまで南下] [現在位置:F-7 森] 【セリーヌ・ジュレス】[MP残量:100%] [状態:ややショック] [装備:スターネックレス@SO2] [道具:???←0~2個 本人確認済み、荷物一式] [行動方針:仲間を探す] [思考1:ジェストーナは信用しない] [思考2:道に出るまで南下] [現在位置:F-7 森] 【残り48人】 第57話← 戻る →第59話 前へ キャラ追跡表 次へ 第26話 ジェストーナ 第64話 第26話 セリーヌ 第64話
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SMP/W60-061 カード名:“冗談話”蒼 カテゴリ:キャラクター 色:赤 レベル:1 コスト:1 トリガー:0● パワー:2000 ソウル:1 特徴:《サマポケ》・《双子》 【自】あなたがこのカードの「助太刀」を使った時、あなたの《サマポケ》のキャラが2枚以上なら、あなたは自分の控え室の「“妹想い”藍」を1枚選び、思い出にしてよい。 【起】●助太刀2000 レベル1[①手札のこのカードを控え室に置く](あなたは自分のフロントアタックされているキャラを1枚選び、そのターン中、パワーを+2000) あんたはあたしに惚れちゃった? なんちゃってね~、ははは~ レアリティ:U Summer Pockets収録 ・関連カード カード名 レベル/コスト スペック 色 備考 “妹想い”藍 0/0 2000/1/0 青
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【毛利元就の使える冗談講座】 大谷「ぬしの事を案じておるぞ 州゚д゚)「…貴様の冗談は笑えん 大谷「ぬしに武運を 州゚д゚)「…………………… 大谷「長曾我部の使いを蚊のように叩きつぶした 見たかったであろ? 州゚д゚)「上手くなってきたな 大谷「遅いぞ毛利 首が折れるかと思ったぞ 州゚д゚)「首の一つや二つ惜しくはあるまい 完 成
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冗談のつもりが幻想入り 動画リンク コメント・レビュー 冗談のつもりが幻想入り 736人目 作者 及び主人公 カツヲ ひとこと どうも、カツヲという者です。他の方々の作品を見て感動し、CGの練習を兼ねて自分も幻想入りしてしまいました。宜しくお願いします。 ◇一先ずは忙しくなくなったので通常の作業ペースに戻ります。お待たせして申し訳ありません。(3/24) 動画リンク 新作 一話 コメント・レビュー 名前 コメント すべてのコメントを見る ※この作品のレビューを募集しています。レビューについては、こちらをご覧下さい。
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「お~い、おまえ~。冗談は顔だけにしろ。」 概要 へまをすると言われてしまう。クラスの中で言われる人が大体決まっているようだ。 「人の事言えるのかよ!」というツッコミはしてはいけない。タブーです。 関連項目
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41 名前:前995[sage] 投稿日:2008/04/22(火) 19 27 31 ID LIZe7meI 更衣室でじゃれる女性陣 キリノ「ひゃははは、やめてよサヤ~」 サヤ「キリノって昔っから腰触られるの弱いよねぇ。ほらほらみんなもつついてみ~」 タマ「…失礼します」(つんつん) キリノ「きゃー!うひょー! ミヤ(お…面白いわ、これ) キリノ「ぬはー!うひゃはは」 サトリ「あわわ、あわわ」 キリノ「はぁ…はぁ…こうなったら…反撃だっ!」 サヤ「なっ!?あっ…やっ…だめっ…」 キリノ「ここか、ここがええのんか?」 サヤ「み、耳たぶ…噛むとか…っ…アンタどこでこんなん…」 キリノ「ん?せんせーのうち」 「「「「な゛っ…!?」」」」 キリノ「え?あれ?冗談だよ?」 サヤ「あ、あのエロ顧問っっ!」 ミヤ「先輩…私黙ってますから…安心して下さい(きらきら)」 タマ(お…大人だ…(ドキドキ)) サトリ「あわわ、あわわわわわ」 キリノ「…おーい」 60 名前:41の続き。[sage] 投稿日:2008/04/22(火) 21 05 00 ID yBZ+ATkT コジロー「おーっす。お、みんな揃ってるな」 ---じー… コジロー「な、なんだよ。俺の顔になんかついているか?」 サトリ「み、みみみ…みみが」 コジロー「耳?……なんともなってないぞ?」 タマ「…なんでもありません」 コジロー「なんか変だな…」 コジロー「サトリ、顔が赤いぞ。風邪か?」 コジロー「ミヤミヤはなんかキラキラしてるし…」 コジロー「サヤは…のわっ!? な…なんか肉食獣のような殺気を感じるな。やる気あるのは結構だが…」 サヤ「レンシュウハジメマショウヨ…ジッセンケイシキニシマショウ、ソウシマショウ」 サトリ「ひぃぃ…」 サヤ「きぇぇぇぇぇぇ!」 ---パシーン コジロー「うおっ、凄い気迫だぞ、サヤ!」 サヤ「ケキャァァァァァァァァ!」 ---バシーーィン! コジロー(これは…!本気を出さなきゃ負ける…!? …よしっ!) サヤ「ぶるぁ!ぶるぁ!!ぶるぁぁぁぁぁぁ!!!」 ---バシン、バシン、ズバシーーーィ!! ユージ「あ、あれ…何かあったの?サヤ先輩」 タマ「えっと…」(キョロキョロ) タマ「耳かして」 ユージ「うん?」 ミヤ「…はっ!?」 ダン「どしたミヤミヤ?」 ミヤ「タマちゃん!それはダメぇぇ!」 タマ「…!?」 タマ「やっ、ちがっ…」 ユージ「え?え?どしたの?タマちゃん?」 タマ「こっち見ないで…////」 ダン「ちっちっち。ユージぃ、だからお前はあほなのだぁ」 キリノ「みんな何やってんだか」 サヤ「アンタがゆーなっ!!!」
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< 【back】 【next】 > 委員長の冗談 2 駅前から南北に伸びる大通り、さらにそこから枝になって分かれるアーケード街は、この町では中心街と呼ばれている。 大概の種類の店は並んでいて、何か買い物があるといったら、町の人はまずここに来る。 娯楽施設も色々と揃っていて、適当に遊ぼうかという時は、とりあえずこの中心街に来ることが多かった。 俺が今日来たのも、一応娯楽が目的だった。 ポケットの中には、映画のチケットが一枚入っている。 とは言っても、一緒に見に行く人はなく、一人で映画を見に行く予定だった。 「ちょっと寂しいものがあるけどな……」 何も好んで一人で映画を見に行くわけではない。 昨日の夜、期限ギリギリのチケットを見つけて、友人に電話をかけたもののつかまらず、チケットを無駄にするのももったいないということで、こうして一人で来ることになってしまったのだ。 こんな冬の日でも、さすがに中心街はにぎわうようで、アーケード街にはたくさんの人が溢れている。 カップルの姿も少なからず見受けられ、一人映画を見に行く自分が、どうにも惨めに感じられた。 「うーん……やっぱりやめとけば良かったかな」 ポケットからチケットを出し、改めて見てみる。 『恋愛大戦争』と題されたその映画は、少し妙な作りだが、一応恋愛物の映画らしい。 ひょっとして、一人で見に行くのは、思った以上に恥ずかしいことなのではないのだろうか。 そんなことを思っていると、ぽん、と肩に手を置かれる感触があった。 「藤宮君、こんにちは」 振り向くと、そこには委員長が立っていた。 相変わらずの、少し暗めの色合いでそろえた私服に身を包み、にこにこと笑っている。 どこかで買い物をしてきたのだろう、小さな紙袋の包みを、胸に抱くようにして持っていた。 「何だか浮かない顔をしていますね」 「そうかな?」 「はい。人ごみの中で私がこうして気付くくらいには、落ち込んだ様子でしたよ」 それは少し恥ずかしいかもしれない。 「何かお困りですか?」 「困っていると言うか……」 手に握った映画のチケットを再び見る。 ひょっとしたら、ここで委員長に出会ったのは、天恵ではなかろうか。 「委員長は、映画とかって好きかな?」 「映画ですか? 長らく見ていないので、何とも言えませんね」 「もし良かったら、俺と一緒に映画を見に行かないか? ここに丁度映画のチケットがあるんだ」 「それはなかなか……突然ですね」 委員長は眉の端を下げて、困ったような顔をした。 まずい。 下手なナンパみたいだし、引かれてしまったのかもしれない。 「いや、違うんだ! これは妙な下心とかじゃなくて、チケットの期限が今日までで、誰もつかまらなかったんだけど面白いらしくて、今委員長に会えたのは幸運と言うか、一緒に行けたらありがたいというか……」 慌ててフォローしようとするも、何だか焦ってしまって、うまく口が回らない。 我ながら何を言っているんだろうという説明に、委員長はくすくすと笑い出した。 「い、委員長?」 「わかりました。よくわかりませんが、抜き差しならない事情があるんですね」 「まあ、そう、そんな感じ」 「では行きましょうか。私なんかでよろしければ、ご一緒しますよ」 委員長は、その胸を軽く叩いて、頷いた。 「ただ、私と一緒に映画を見に行って有意義な時間が過ごせるかどうかは保障しかねますよ。私は、楽しいお喋りはあまりできませんから」 「大丈夫だよ。委員長と一緒にいて、つまらないと思ったこと無いし。それに、映画見てる時は普通喋らないから……」 「言われてみればそうですね」 そうして、俺は委員長と恋愛大戦争なる映画を一緒に見ることになった。 内容としては、やはり男女の恋愛が中心の話で、最後はさくさく人が死んでいって、残った二人が結ばれる話だった。 面白かったとは思う。 恋愛モノということで、カップルで見に来ている人たちが大半だった。 映画を見終えて、劇場近くの喫茶店で、二人でお茶を飲んだ。 付き合ってもらったお礼にと、委員長には好きなものをおごることにした。 初めは遠慮していた委員長だが、今はおいしそうにフルーツカルピスをストローで吸っていた。 「恋愛、か……」 何となく滑り出た言葉に、委員長がストローを口から離して、問いかけてきた。 「恋愛がどうかしましたか?」 「今日の映画を見に来てた人たち、カップルが多かったなと思ってさ」 「確かにそうでしたね」 「俺……今まで恋人がいたことって、無いんだよな」 委員長は、何を言い出すのかという顔でこちらを見ている。 自分でも何を言ってるんだろうと思った。 「俺たちの年頃だと、恋人つくる奴って結構いるよな」 「そうですね。私たちの学年でも、それなりにいるとは思いますよ」 「やっぱり、俺たちくらいの年頃で恋人がいないのは、負け組なのかなあ……」 少し落ち込んでしまう。 映画館に溢れていた幸せそうな空気は、俺の心に少なからず虚しさを残していた。 「そんな、藤宮君ならきっといい人が見つかるでしょうし、気に病むことでもありませんよ」 「そうかなあ……」 ふと気になって、委員長に尋ねてみた。 「委員長は、恋人っていたことあるの?」 「え……わ、私ですか?」 委員長は人差し指を唇に当てる、いつもの考える仕草の後で、恥ずかしそうに言った。 「恋人はいたことはありませんが、恋ならしたことはありますね」 「おお……」 ちょっと意外だった。 けど、いかに真面目な委員長とはいえ、やはり人間、恋の一つくらいはするのだろう。 「どんな人だったんだ? その、委員長の好きだった人」 「……中学校の頃、ちょうど今くらいの季節でした」 頬を赤くして、委員長は話し始めた。 「学校からの帰り道に、窓の張り出した大きな家があったんですよ」 「ふむふむ」 「この時期は日が沈むのが早いので、帰り道はいつも急いでいたんですけど、ある日、ふとその家の二階を見上げたら、張り出した窓の向こうに男性が一人椅子に座っているのが見えたんです」 その時のことを思い出しながら話しているのだろう。 委員長はどこか遠くを見るように、視線を宙に向けていた。 「その男性は、窓の外、空を見上げて、椅子に座っていました。何を見ているのだろうと、私もつられて見ると、そこには夕闇の空に冬の星々が浮かんでいたんです」 「星か……」 「何故か私は胸がドキドキしてしまいました。あの人は、どんなことを思ってこの星空を見ているんだろうと、妙に気になってしまって、その夜は眠れませんでした」 「一目惚れ、だったのか?」 「そう……なんでしょうね。次の日も、その次の日も、私は学校からの帰りに、その家を見上げました。あの人はいつも、物憂げな表情で空を見ていました」 委員長の声に、いつにも増して感情がこもっているのが分かった。 「そして、四日目の夕方、またその家の前を通ると、パトカーと救急車が止まっていました」 「んん? 何で?」 「窓を見ると、あの人の姿はありませんでした。ひょっとして、あの人に何かあったのではと……私は気になって、遠巻きに見ていた近所の方に話を聞きました」 「ど、どうなったんだ」 気になって、思わず身を乗り出して続きを促してしまった。 「……結論から言うと、私の知っているあの人自身には何もありませんでした。ただ、死体が一つ、家から運び出されて行きました」 「どういうこと?」 「私が見たあの人は、既に亡くなっていたんです。心臓の発作で、椅子に座ったまま」 「え……えーと……」 「つまり、私が恋をしたその人は、初めから死体だったんです。死体に恋をしていたんですよ、私は」 言葉が出ない。 委員長は淡々と続けた。 「夕暮れ時に、距離をおいて窓越しに見ていたのでわからなかっただけで、あの人の体はかなり傷んでいたそうです。回収に部屋に入ったときは、それは酷い臭いだったとかで……」 「そ、そうなんだ……」 隣のテーブルで食事をしていた人が、顔をしかめてフォークを置いた。 委員長は、軽く笑いながら続けた。 「まったく、おかしいですよね。初恋がよりによって死体かよー、て感じです」 「そう、かもね。少し困っちゃうね」 「生きてる人間じゃなくてもいいのか、お前は、と自分が情けなく思えました」 どう言ったらいいんだろう。 返答に困って、黙り込んでしまった。 委員長はカルピスを飲みながら、こちらをじっと見つめてきた。 「……あの」 「ん? な、何だろう」 「面白くありませんでしたか?」 おずおずと聞いてくる。 また今度は何を言っているのか、よく分からなかった。 「いえ、冗談だったのですが……」 「はい?」 「先ほどの話です。有名な都市伝説を改変したものなんですよ」 それはつまり……。 「死体に恋とかは全部嘘だったってこと?」 「はい。その……いわゆる一つのジョークです」 「またジョークっすか」 隣のテーブルの人は、食事を半分以上残して、既に席を立ってしまっていた。 「藤宮君が落ち込んでいたので、笑っていただければと思ったのですが……不発だったようですね」 「はは、は……や、まあ、面白かったよ」 力が抜けて、テーブルをがくんと揺らしてしまう。 フルーツカルピスのグラスが揺れ、委員長の眼鏡に白い飛沫が飛んだ。 「あ……」 いそいそとハンカチを取り出して拭こうとする委員長。 曇った時とどう違うのか知らないが、今度は停止することは無かった。 委員長は実は、ちょっとおかしな人だと思う。 前回のことといい、とりあえず、冗談は笑えないことがはっきりした。 < 【back】 【next】 >
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290 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/04/27(月) 20 39 00.49 ID 0z+QpZEt0 致命的に空気が読めず、失言を繰り返しサークルの雰囲気を悪くする困を追い出した 自分もそう稼いでない癖に派遣社員のメンバーを下に見る発言をしたりとか 特定の職を悪気なくさらっと下に見たりもする ゲーム中でもいらんときにいらん発言してミッションを失敗に導くのも得意だった 最大の問題が、自分が追い出されたって事を理解せず、冗談と思い込んでいる事 何で絶縁を言い渡した翌日にしれっと「次回のセッションいつにする?俺は5月の連休と~」と送って来れるんだクソ 294 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/04/27(月) 22 03 17.29 ID b+olyZZK0 [1/2] 290 報告乙。こういう他人のことに気を使わないガサツな奴は追い出しても 本気だと理解させるまで無駄に労力使うから連休中は性根括っといた方が良いな 295 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/04/27(月) 22 08 51.63 ID zaYe5B1E0 [1/2] サークルの意思統一が出来てないと、しつこさに負けて妥協する人が出て来るので要注意 ここで誰かが妥協すると、次追い出そうとしても「前回も戻してくれたし」と深刻化する 296 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/04/27(月) 22 15 04.91 ID ettgt9VE0 [2/2] 290 そういうのは放置するしかないなあ… しばらくは会場も変えた方が良いかも 297 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/04/27(月) 22 29 08.02 ID E7fi4Xtx0 [1/4] 会場変えても気が弱いやつに凸ってそいつが漏らしたりするしな 箝口令とかきっちりしないと スレ413
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じょうだんをげんぞうしたらば【登録タグ し 初音ミク 娘細胞P 曲】 作詞:時田 作曲:娘細胞P 編曲:娘細胞P 唄:初音ミク 曲紹介 時田がとある曲に焦がれて(本人談)書いた歌詞に娘細胞Pが曲をつけたもの ピアノのみのやわらかい音に独特の絵柄がよく合っていてそっと評価されている 歌詞 (ピアプロより転載) 午前6時前の 待ちぼうけの部屋が 寝間着をきたままで まばたきをしたので 君がうつらなくなり 僕もうつらなくなり 薄暗がりの浴槽に まばらに横たわり 抑揚のないあくび 陽射しに散らして 非稼働性の君 温度の底で ご冗談を 「再就職したいな」 つって 振り向けば吊り下がる くるぶしがあった場所 あどけなく拡がる空洞 疚しさの欠片もなく 92点の笑顔の荒野で 奥歯を鳴らして ふるえてみせて コメント そっと評価されてるなwww -- 名無しさん (2010-02-07 17 39 07) すごく好き -- 名無しさん (2010-05-01 19 57 22) 本当に本当にこの曲大好き。 ボカロ曲の中で一番好きといっても過言ではない。 -- 名無しさん (2010-11-27 22 54 53) 一番好き -- 名無し (2012-01-08 21 17 40) これ聴くと落ち着く -- ゆゆ (2012-03-24 19 21 29) 大好き。 -- 名無しさん (2012-08-12 06 48 28) 私はずっと大好きです -- かのん (2017-03-29 04 29 08) いい曲だ -- 名無しさん (2022-01-13 17 27 17) これって首吊り自殺の歌なのかな?だれか背景分かる? -- 名無しさん (2023-11-20 00 01 39) 名前 コメント