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優男菌? ユミル 傭兵? 傭兵ギルド ヨルムンガンド?
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幸せになろうよ! リオン・ラファールは今、幸せの絶頂にいた。 今置かれている状況はクリスマスイブ生まれの彼にとっては一足早いクリスマスプレゼントなのかもしれない。 早くも日本人の高校生の少女、白川由美とも意気投合し順調そのもの。 このままなんとか恋愛関係に発展させたいところなのだが……。 「リオン、楽しそうね」 「ああ。今年のクリスマスは初めて父様や母様の束縛から逃れられそうだからね」 「そんなに厳しいんだ?確かにラファール家って世界有数の名家だもんね」 「厳しいなんてもんじゃないよ」 ハリウッドスターともやりあえる甘いルックス。 世界有数の類い稀な財力と家柄。 飛び級で大学に入ったり、格闘トーナメントに出られるだけの能力。 それだけ持っているのにも関わらず、ラファールの呪縛のせいで彼は今まで若者らしいクリスマスを送ってきたことがなかったのだ。 いつしかリオンの中で12月24日から25日にかけての二日間は実家主催のパーティでおエラい中年に媚を売らされ、 興味のない難しい話と自慢話に長々と付き合わされる、めんどくさい日という認識になっていた。 両親にもちゃんとした形で誕生日を祝福された記憶すらない。物品は貰えるが、ただそれだけであり愛情を感じたこともない。 この両親のせいでリオンは18歳にして、まだ誰とも本格的な男女交際を経験していない。 好きな女の子がいたとしても親に「家柄を考えろ」だのなんだのとケチをつけられ、付き合えないのだ。 でも今は違う。ここにはうるさい両親はいない。しかも25日まではずっとここにいられるのだからラッキーだ。 このチャンスを大事にしなくてはとリオンは思っていた。 「あれ?一年生の赤根沢玲子じゃない…」 座って話せる場所を探そうとしてたどり着いたハンバーガーショップの席で、由美は見知った少女の姿を見つけた。 「知り合い?」 「うん。金持ちのお嬢様。男子にコアな人気があるのよ」 「へえ…」 リオンが噂のお嬢様の方を見る。彼女はメガネを外して泣いていた。 彼女と向かい合って座っているのは神妙そうな表情をしている優男。 なぜかハチマキに法被という恰好をしているがフランス人のリオンは、 「へー日本人ってああいうファッションがやっぱり好きなんだ」 とあっさりとした考え方しかできなかった。普通に考えたらハチマキに法被なんて今時ありえないのだが。 「あの優男が玲子を泣かせたみたいね」 由美が細い眉をつりあげ、優男を睨み付ける。 「女の敵だわ」 「ゆ、ユミ!?」 リオンが止める前に由美はその優男めがけてすっとんでいった。 格闘技の達人のリオンですら由美の行動には驚かされるのだからあの優男なんてどうなってしまうのだろう。 「乙女の怒り!メガユミアトミーックお・し・お・きパァーンチ!」 「いきなりなんだ貴様は!」 由美の怒りの鉄拳を食い止めた優男。なよなよした体つきからは想像も出来ないがこの優男もただ者ではなさそうだ。 「ちょっとあんた、あたしの後輩に何をしたのよ!?」 「拙者は何もしてない!」 「嘘つき!玲子が泣いてるじゃない!このイケてる顔で何人の女を泣かしてきたのよ!え!え?」 「やめて下さい。白川さん!違うんです。真田さんは…」 泣き止んだ赤根沢玲子が由美を止める。 「そうだよユミ。せめて話を聞いてからにしなよ」 リオンも続いて止めるがあまり威厳がない。 「何よ!こいつがなんだっていうのよ!どうせ玲子のことをたぶらかす悪い男なんだから庇うことはないわよ」 「あの…真田さんは女の人なんです…」 「え!?マジで!?」 由美が慌てて真田と呼ばれた優男から手をはなした。 「道理で男のわりに細くて綺麗だと思ったらそういうことだったのか…」 すっかりかやの外の扱いになったリオンが呟いた。 「ごめんなさい!」 由美が深々と頭を下げる。 「お主は…いや、あなたは友達が悪い男に傷つけられたと思って拙者に攻撃を仕掛けてきたのだろう?ならば仕方があるまい」 真田は怒っていないようで、由美に顔をあげるように促した。 「でもそれじゃあレイコちゃんは泣いてたの?」 リオンが素朴な疑問をぶつける。 「もしかして玲子、男の人だと思って告白して玉砕したの?」 「違います!真田さんのお兄さんのお話を聞いてたら悲しくなっちゃったんです」 「お兄さん?」 玲子と真田がほぼ同時に頷いた。 「真田さん…香織さんには双子のお兄さん…小次郎さんがいたそうです」 「拙者、いや私と兄上は、いつも一緒にいた。両親を亡くしてからはそれこそずっと夫婦のように寄り添いあって生きてたんだ」 由美もリオンも黙って話を聞いていた。 「兄上は新撰組の組長として務めを果たしていた。しかし私は兄の気持ちも考えずに、 任務が忙しいあまりに家に帰ってこなくなった兄を次第に恨むようになっていった。 兄がたまに帰ってきても辛くあたるようになり…本当に私はわがままで愚かな妹だったんだ」 「でもわかるな。僕だって両親に同じような感情を抱いていた時期があったし…今は束縛の方がウザいけどさ」 「…あの日の朝も兄上と大喧嘩をしたんだ。一方的に私が兄上に文句をぶつけただけなんだが。 『私と任務、どっちが大事なの?どうせ兄上は私よりも任務が大事なんでしょう?』って私が言ったら、 兄上は、今までにない泣きそうな顔で『今日は早く帰ってくるから』って……」 「それで…真田さんのお兄様は帰ってきたの?」 由美が聞くと、真田は首を横に降った。由美もリオンも言葉を失った。 「真田さんは、それからは本名の香織という名も、女性であることも捨て、『真田小次郎』さんとして新撰組で毎日頑張ってるんです。 私や白川さんたちの生まれる前の、過去の世界で…」 玲子が真田の代わりに答える。 「仲直りも出来ずに…兄を傷つけたまま終わってしまったから、私は一生を兄に捧げることで罪を償おうと思っているんだ」 「でもそれじゃ恋愛や結婚は?」 「若い頃は幸せな家庭を築くことに憧れていた。だが私にはそんな資格はない」 「そんなのおかしいよ!」 リオンが声をあげる。由美も玲子も真田もリオンの方を見つめた。 「お兄さんは、真田さんに、普通に恋して普通に結婚して幸せになってもらいたいって思ってるはずだよ。 『幸せになる資格なんてない』なんて妹が思ってるのを知ったら天国のお兄さんも悲しむよ」 リオンの言葉に真田香織の瞳が潤む。 「兄さんの分も幸せにならなくちゃだめだよ。大事な妹の幸せを願わない兄さんなんていないよ」 リオンはなんでここまで本気になってるのか自分でもわからなかった。 それでも言わなければならない気がした。 「あなたには妹さんがいらっしゃるんですか?」 玲子がリオンに聞く。 「いないけど、知り合いですごく妹思いな人がいるんだ。その人は妹の幸せのためならなんだってする人なんだ」 「…でも、世の中そんなに出来たお兄様ばかりじゃありません。 世の中には、妹がいなくてはダメになってしまう兄もいるんです。 私の兄がいい例です。真田さんのお兄様やあなたの知ってる方と違って、私の兄は私がいないとダメになってしまうんです。 だから…今、東京に一人でいるであろう兄を置いて私一人で幸せになることなんて出来ません」 玲子が再び泣き出してしまった。 男勝りのお姉さま・セクシーなギャル・妹系優等生。 タイプの違う女の子三人に囲まれて幸せなクリスマスまでのカウントダウンを過ごせそうなはずだったのに。 早くも自分は女の子を泣かせてしまった。人それぞれ事情があるとは考えずに、わかったような口をきいてしまった。 「それでもやっぱり、誰かのために自分の幸せを犠牲にするなんて変だよ…」 重苦しい雰囲気が漂う深夜のハンバーガーショップで、リオン・ラファールは思った。 真田さんに、レイコちゃんに、ユミ。目の前にいる三人の女の子を幸せにしたい。 恋愛ができれば一番いいけど、恋愛抜きにしても彼女たちを幸せにしてあげたい。 それは自分のエゴなのかもしれないが、自分のまっすぐな気持ちでもあった。 【無人のハンバーガーショップ/深夜二時】 【リオン・ラファール@バーチャファイター5R】 [状態]:健康 [道具]:支給品一式・ランダム支給品 [標的]:ユミ?レイコちゃん?真田さん?それ以外の誰か? [思考]1:最高のクリスマスを迎えたい 2:恋愛の有無は関係無く、三人を幸せにしてあげたい 【白川由美@真・女神転生if…】 [状態]:健康 [道具]:支給品一式・ランダム支給品 [標的]:? [思考]1:リオンはもちろん、玲子たちとも出来れば一緒に行動したい 2:今は玲子と真田さんのことを気遣いたい 【赤根沢玲子@真・女神転生if…】 [状態]:健康 [道具]:支給品一式・ランダム支給品 [標的]:東京に残っている兄(狭間偉出夫)が気になってそれどころじゃない [思考]1:イデオを置いて私だけ幸せになることなんて出来ない 2:真田兄妹の話をイデオと自分と何処かで重ねてしまっている 【真田小次郎(本名:真田香織)@幕末浪漫月華の剣士シリーズ】 [状態]:健康 [道具]:支給品一式・ランダム支給品 [標的]:? [思考]1:自分は『真田香織』としての幸せを求めてもいいのだろうか? 2:兄に対する罪悪感が残っている
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「ゆゆ!まりさをつかまえられる?」 「あははは、こいつぅ!」 「ゆ~♪おにいさんくすぐったいよ!」 男とゆっくりまりさが野原で追いかけっこをして遊んでいた。 男は飄々とした優男といった風な面持ちでまりさと楽しく走り回っている。 まりさを捕まえた男はまりさをこしょこしょとくすぐってじゃれあう。 まりさはきゃはきゃはと笑って身を振るわせた。 優男はさっき摘んだかわいらしい花を頭につけた。 「ゆ!すてきだよ!とってもゆっくりしてる!!」 「気に入ったみたいでうれしいよ、帰ったら加工して枯れないようにしてあげるからね」 優男とまりさは共に微笑みあった。 春の風が二人を優しく撫でる。 二人はとても幸せそうだった。 そんな二人を強い閃光が包み込みカシャリ、と音が鳴った。 カメラのシャッターが下りる音だった。 外の世界から流れ着いた品で、少々値が張ったが優男は即断で買った。 幸せそうな二人をレンズだけが見ていた。 まりさは子どもの頃からずっと男に飼われていた。 優男は優しくてまりさを大事に育ててくれて、まりさはとてもとても幸せに過ごしていた。 いつの日か、優男においしく食べてもらうか、優男のために結婚してかわいいあかちゃんを見せてあげよう まりさはそんなことを夢見ながら暮らしていた。 そんなある日のこと。 「ここはまりさのおうちにするよ!ゆっくりでていってね!」 野良まりさが、優男の留守中に家に侵入した。 優男は人がいいぶん無用心なところがあった。 「ゆ!ちがうよ!ここはまりさとおにいさんのおうちだよ! かってにはいってくるわるいまりさはゆっくりでていってね!」 まりさはぷんぷんと頬を膨らませて侵入者を威嚇した。 しかし野良まりさはまりさの必死の啖呵を意にも介さないでソファーにのってくつろぎ始めた。 ソファーは男が外の世界の品を買ったものだった。 「ゆ~、そっかそっか おにいさんとすんでるんだね、ふーん…」 そういいながら野良まりさは値踏みでもするかのように辺りを見回した。 調度品や、家の中の間取り、以前まりさと男が撮った写真などをじっくり見ていた。 「こんなまぬけそうなまりさをかってるなんてよっぽどばかなおにいさんなんだね!!」 そしてまりさをソファーの上から見下ろして野良まりさは勝ち誇ったように言った。 「ゆうううううううううううううううううううう!!」 まりさはおにいさんのことを悪く言われて顔を真っ赤にして倍になるのではないかというくらい 大きく頬を膨らませて怒った。 「おにいさんはばかじゃないよ!!おにいさんはとってもやさしいんだから!! ちゃんときいてね!!えーっとね、まずね、まりさのことをね…」 まりさはおにいさんにしてもらったことをたくさん話して優男の汚名を晴らそうとした。 野良まりさは真剣な顔でひたすら耳を澄ましていた。 「それでね!このおはなもおにいさんにもらったんだよ!」 「そ、でもぐずなまりさじゃまりさみたいにここまでのぼってこれないでしょ! ばーかばーか!」 「ゆっぐううううううううう!!」 まりさは野良まりさの安い挑発に乗ってソファーの背もたれの上に居る野良まりさの 所へとさっさかさっさか上っていった。 「ゆ!こんなのかんた」 「ゆっしゃ!」 まりさがソファーに登りきろうとした瞬間、野良まりさがまりさの頭に付いた花を丸ごと食い千切った。 「ゆ゛あ゛あ゛あああああああ!?な゛に゛を゛ずるのおおおおおおおおお!?」 まりさは優男から貰った大事な大事な花を奪われて大声で叫んだ。 ぐちゃりと花の形が崩れてくしゃくしゃになる。 気付くとまりさはニヤリといやらしく笑う野良まりさに体当たりをかました。 野良まりさは何の抵抗も無く叩き落された。 その時、ドアの開く音と共に男が部屋に戻ってきた。 「な、、なんだこれ!?」 優男は二匹居るまりさを見て面食らった。 「おにいさ」 「お゛に゛い゛ざああああああああん!!」 まりさが男に話しかけようとするよりも早く野良まりさがおお泣きしながら 優男に縋り付いていった。 「がっでに゛や゛っでぎだま゛り゛ざがああああああああ!!!」 「ど、どういうことだいまりさ!?」 優男は体を打ちつけた痕を野良まりさに見つけて慌てて擦り始めた。 「ま゛り゛ざががっでにお゛に゛い゛さんのお゛う゛ぢにはいっでぎでええええ!! ぞれ゛でま゛り゛ざがは゛ら゛っばでお゛に゛い゛ざんにも゛ら゛っだだいじなお゛は゛な゛ををををお!!」 野良まりさは自分でくしゃくしゃにした花飾りを男に差し出しておんおんと泣いた。 野良まりさはさっきまでの会話と観察で巧妙に男とまりさの関係を聞き出し さらに慎重に辺りの音を聞いて、優男が帰ってくる際の足音を聞き分けて 絶妙のタイミングでまりさの花を奪い叩き落されたのだ。 呆然とその光景を見ていたまりさははっと気が付いて叫んだ。 「ちがうよ!そのまりさがかってにやってきてまりさとおにいさんのおうぢびゅええええええ!?」 「この野良ゲスまりさああああああ!!よくも俺のかわいいまりさをおおおおおお!!」 男の蹴りがまりさの顔面を打ち抜いた。 「ぢ、ぢがううううううう!ま゛り゛ざがお゛に゛い゛ざんのま゛り゛ざなのおおおおおお!!!」 「嘘付けええええええ!!俺があげた花のことを知ってるのは俺のまりさだけだああああああ!!」 「ぞれはま゛りざがおじえぎゃああああああああああああああああ!?」 この優男は非常に優しくて人のいい男だったが、残念ながら少々頭が弱かった。 森近霖之助の下手糞なセールストークにもあっさり騙されてよく外の世界の品を買ってしまう程度の頭の弱さだった。 ボロくずのように叩きのめされて、まりさは男に家の前のゴミ捨て場に放り投げられた。 殺されなかったのはひとえに優男の優しさというか甘さゆえである。 「お゛に゛い゛ざああん…お゛に゛い゛ざあああああん…!!」 まりさはゴミにまみれながらぼろぼろと涙をこぼした。 まりさは一晩中優男が真実に気付いて迎えに来てくれることを信じて呼びかけ続けたが 結局男はやって来はしなかった。 まりさはそれから数日、男の家の周りでゴミをあさりながらうろうろしていた。 ひょっとしたら男が気付いてくれるかもしれないと思ったからだった。 直接男に訴えるのは、また男に暴力を振るわれるのが恐ろしくってまりさにはできなかった。 結局、その行為はまりさを酷く酷く傷つけた。 数日間、遠めにあの野良まりさと幸せそうに遊ぶ男を見つめることになったからだ。 「おにいさん……ゆううううう…お゛に゛い゛ざああああん…」 それを見るたびに路地の隅に隠れながらまりさは泣いた。 まりさは男に自分のかわいい赤ちゃんを見せたり、おいしく食べてもらうことを夢見た日々を思ったが その日々は二度と帰ってきそうには無かった。 まりさは耐えられなくなり、ボロボロになりながら当ても無く彷徨った。 偶然か、ゆっくりとしての本能か まりさは気が付くとゆっくり達の住む森の中に居た。 「もっと…おにいさんとゆっくりしたかったよ…」 ろくに餌も取らずに彷徨っていたまりさはばたりとその場に倒れこんだ。 辛かったが、もう涙も枯れ果てていた。 もうまりさはただ黙して死を待つだけとなった。 「ゆ!??ど、どうしたの!?ゆっくりしていってね!」 その時、通りすがったゆっくりれいむがまりさを覗き込んだ。 まりさは天国からお迎えがきたのかと思って幸せそうに微笑んで目を閉じた。 気が付くと、まりさは野生のゆっくり達の巣の中に居た。 まりさは行き倒れていたところを野生のれいむに助けられてその群へと連れられて治療されたのだ。 まりさはそれからはその群の中で過ごすことになった。 最初は、野生の生活に逃げ出したくなるほど辛かったのだがだんだんと適応していき そのうち群の中でも頭角を現して群で一二を争うほど優秀なまりさになった。 成長期の食生活がよかったのがその一因だろう。 それに男はよく外で遊ぶ性質だったのもよかった。 とにかくまりさは群の中で一目置かれる存在となった。 「ゆっ…」 あるゆっくりした日のこと。 まりさは森の秘密の場所であの時助けてくれたれいむと一緒にゆっくりしていた。 そよそよと頬を撫でる風が心地よく二人を包んだ。 「きっと、こんどのむれのおさはまりさがなるよ」 れいむは言った。 恐らく本当にそうなるだろう。 まりさも既に群の長となるであろうという自覚を持ち始めていた。 思えば夢のようである。 よそ者のまりさがここまでこれたのもれいむが必死に助けてくれたからだろう。 まりさはどん底から救い出してくれたれいむに心から感謝し、またそれ以上の感情を持っていた。 「れ、れいむ…あのね」 「ゆ?なぁにまりさ」 まりさは、心臓が高鳴るのを感じた。 饅頭のどこに心臓があるのかは非常に疑問だが。 「まりさがむれのおさになったら…まりさと、けっこんしようね!」 「…うん、いいよまりさ」 れいむの体がまりさにもたれかかった。 本当に、夢のような時間だった。 数日後、まりさが群の長に就任することが決まった。 就任式は次の日に迫っていたがまりさは精力的に仕事をした。 「ゆうううううう!!はなぢでええええええ!!!」 「ゆ!もうにがさないよ!このゲスまりさ!!」 まりさは大逮物を演じて、群を荒らすゲスまりさを捕まえた。 「ゆふぅ…」 蔓で動けないようにしっかりしばるとその場に転がして一息ついた。 標的のゲスまりさもすっかり観念してしゅんとなって黙り込んだ。 かなり激しく体を動かした上にここのところ群の長の引継ぎで非常に忙しく疲れ果てていた。 標的を捕まえた安心感も手伝って、まりさはその場でうとうとと眠り始めた。 「…ん?」 そんなまりさの前を、森で遊んでいた里の子どもが偶然通りかかった。 「無用心だなぁ、ぐっすりねむってやがるの」 じっとしているゲスまりさと眠りこけるまりさを見て子どもはふといたずらを思いついた。 「帽子いれかえちゃえ♪」 ささっと二匹の帽子を摘み上げるとゲスまりさの帽子をまりさに、まりさの帽子をゲスまりさに乗せた。 「おーい、何してんだ!はやくこいよー!」 「あーわかったー!」 その子は友達に呼ばれてまりさ達を放って走っていった。 「すーや…♪すーや…♪」 まりさはまだ眠っていた。 「ゆ…ゆ…!?」 まりさが気が付くと、まりさの体は蔦でぐるぐる巻きに縛られていた。 まりさは訳が分からずに体を必死に動かすがどうにもならない。 口にもしっかりと猿轡がされて喋ることもろくにできない。 「ゆ…!?ゆっ!?ゆ…!?」 慌てて目の前を見ると、まりさの帽子をかぶったゲスまりさがれいむと前の里の長の老まりさを脇に従えて笑っていた。 「ゆ~、まりさのかえりがおそいからしんぱいしてみにいったらげすまりさにつかまっててびっくりしたよ!」 れいむがぷくーっとふくれながら言った。 「ごめんね、ちょっとゆだんしちゃったんだよ れいむたちがこなかったらあぶなかったよ!」 そう言ってまりさの帽子をかぶったゲスまりさはちゅっと口付けした。 「ゆっ…むちゅっ…まりさのちゅっちゅ…いつもよりとってもはげしいくてすてきだよ…」 れいむはその激しい口付けに目をとろんとさせながらうっとりした。 「ゆへんゆへん」 老まりさが咳払いして二匹を嗜めた。 「ゆ~ごめんなさいおさ」 「めんごだよおさ」 「ゆ、もうおさってよばなくてもいいよ おさはそのまりさだからね それじゃまりさ、おさとしてのさいしょのしごとにこのげすまりさのしょぶんをきめてね!」 「ゆ!がんばってねまりさ!」 れいむ達は、ゲスまりさとまりさの帽子が入れ替えられたことにより完全に二匹を逆に認識していた。 ゆっくりは頭の飾りで個体識別を行う。 帽子や飾りを取り替えられると往々にしてこういったことになった。 「がんばるよれいむ! ……ゆ」 れいむ達との会話を打ち切り、ゲスまりさはにやりと笑いながらこちらに顔を向けた。 その顔には憎たらしい笑みが張り付いている。 「ゆううううううううう!ゆうううううううううう!!」 喋れないながらもまりさは必死に訴えかけた。 そのまりさがゲスなんだ。 まりさが本物のまりさなんだ。 気付いて 誰か気付いて れいむ!れいむ!れいむ! まりさの脳裏に怒りの形相でまりさを蹴り倒すお兄さんの姿が浮かんだ。 「ゆがああああああああああああああああああああああああああああ!!」 「こんなあぶないまりさはがけからたたきおとすよ!」 ゲスまりさが冷酷に長としての判断を下した。 まりさは今まで仲良くして慕われていた群の連中に乱暴に崖の上まで運ばれていった。 「まったく、こいつにはひどいめにあわされたよ!」 「ほんと、これでやっとゆっくりできるよ!」 「はやくおとしちゃおうねまりさ!」 「まりさ!やっちゃってね!」 「うん!」 れいむがまりさを叩き落すことを促した。 ゲスまりさは見事にまりさを演じながら頷く。 最後に崖から落とすのはゲスまりさの仕事だった。 周りが固唾を呑んで見守る中ゲスまりさはこっそりとまりさだけに聞こえるように言った。 「れいむのまむまむもむれもみんなまりさのぶんまでまりさがたっぷりたのしんであげるから、まりさはじごくでゆっくりしていってね!」 「ゆ゛ぐごがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」 どん、と押されてまりさの体が中に浮いたと同時に 獣のようなまりさの叫びが天を割くかのように激しく辺が轟いた。 まりさの脳裏をまりさの人生が走馬灯のように駆け巡っていく。 お兄さんと遊んだこと お兄さんに花を貰ったこと れいむに助けられたこと 群のみんなとがんばって生活したこと れいむと愛し合ったこと お兄さんが野良まりさに騙されて、まりさを酷い目にあわせたこと れいむも群のみんなも、誰も帽子を取り替えられたまりさに気付かなかったこと まりさは自分の一生の間に誰もまりさのことをちゃんとした個として認めてないことを知り 全てを呪った。 そんなまりさを神様が不憫に思ったのかはわからない。 だが奇跡が起こった。 崖から転げ落ちたまりさは岸壁に生える枝に衝撃を受け止められて辛うじて一命を取り留めた。 縄も綺麗に千切れて、まりさは自由の身になった。 しかし心までは神様もどうにもできなかったのか まりさの心はドス黒く染まって、ゲスのそれと同じになってしまっていた。 群の長に成るほど優れたゆっくりだったまりさがゲスになったらどうなるか。 その悪行はそれまでのゲスの悪行とは一線を画すほど酷いものだった。 瞬く間に、辺りの群の食料はめちゃくちゃにされた。 まりさは奪うためではなく、ゆっくりを苦しめるためだけに群の食料を台無しにしていったのだ。 だからその悪行は際限というものを知らない。 食べ物に困った森のゆっくり達は仕方なく人間の畑に侵入し、里との関係はどんどん悪化していった。 まりさはそこに目をつけ、今度は人間を罠にかけてからかうようになった。 ゲス捕り物で鍛え上げたまりさのトラップは間抜けな人間なら簡単に引っかかってしまうほど巧妙だった。 ソレを見て、まりさはげらげらと笑う。 里とゆっくりの関係は最悪といっていいほどこじれた。 まりさはそれでも捕まらずに、罠を仕掛け人間を馬鹿にした。 ある夜のこと、少年が森の近くの、里へ続く道を必死に走っていた。 その道は近道だがゲスが出て人間に悪さをするというのであまり人通りは少ない道だった。 まりさはそこに落とし穴を仕掛けていた。 元々あった凹みを利用して巧妙に隠して落とし穴としたものである。 明日辺りこの落とし穴を使って悪さをしようと思っていたのだが 偶然走り行く少年の足音に気が付いて様子を見に来ていた。 少年はとても急いでいて周りへの注意を欠いており、あっさり引っかかってしまった。 「いてっ…あ、あれ!?」 少年は転んだ際に落とした紙袋を慌てて探した。 まりさはにやりと笑って少年が落とした紙袋を口に咥えて森へと隠れていった。 「!?待て!待てええええええええ!!」 少年は慌ててまりさを追った。 枝が肌を切り裂いて、体中が血だらけになるのも省みずに少年は必死にまりさを探した。 しかし、地の利のあるまりさを見つけ出すことはできなかった。 「どこだよおおおおおおお!うわあああああああああああ!!!」 少年の叫びを尻目に、まりさはゆっくりと巣に帰った。 「ゆっゆっゆ、きっとおかしにちがいないよ」 まりさは少年の無様な姿を思い出してニヤニヤ笑いながら袋を開け、包みの中身を飲み込んだ。 「むーしゃ、むーしゃ、にげえええええええええ!?」 中身はとてもとても苦い粉だった。 まりさはぺっぺと吐いて、紙袋を放った。 「ゆー、ぜんぜんおいしくないよ!まったく!おくちあらう!!」 まりさは舌を出しながら近くの川へと口を濯ぎに行った。 「ゆふぅ…」 巣に戻ったまりさは、目障りな紙袋を見て どこかに捨ててしまおうと外に出た。 どこに捨てようかと適当に歩いていると、あの少年がボロボロになりながらまだ森の中をうろついていた。 「!?返せ!返せ!返せええええええええ!!!」 少年は鬼の形相でまりさに走り寄ると袋を奪った。 「ゆ!そんなにがいのいらないよ!ばーかばーか!!」 まりさはその姿に少し怯えながらも悪態を突いた。 少年は憎しみを込めた目でまりさを睨み付けたが すぐにきびすを返して森の外へと走っていった。 少年は走った。 心臓がはちきれんばかりに走った。 里のハズレの自分の家に着くとすぐに自分の家に一目散に走っていく。 ガシャン、と大きな音を立てながら戸を開いた。 「……ご臨終です」 戸を開いた瞬間に、床に伏せた母に寄り添った里の医者が厳かに呟いた。 「うわああああああああああああああああああ!!!???」 それを聞いて、少年は床に伏せている母の躯に縋り付くと崩れ落ちるかのように泣き叫んだ。 「!?坊主、一体どこにいっていたんだ!?」 岩のような体躯の男が少年に問いかけた。 少年は母に付き添っていた里の大人に問い詰められても首を振るばかりでただただ母の躯と紙袋を握り締めていた。 「これは…永遠亭の…」 少年の母を診ていた医者がその紙袋を見て驚いた。 「!!馬鹿野郎!こんな夜中にそんなとこまで行って…妖怪に襲われたらどうするつもりで」 「もういいでしょう、彼が今一番辛いんだ」 危険な行為をした少年をしかろうとした里の男を奥に控えていた老人が嗜めた。 「す、すみません里長…」 里の男はぺこりと頭を下げた。 奥に控える老人は里の長その人であった。 少年の母親は、その日の昼過ぎに急激に持病を悪化させて倒れた。 里の医者が手をこまねいている中、少年は母親を助けるために永遠亭へと走った。 少年は里から竹林まで走り抜けて、幸運にも竹林の中で出逢った因幡てゐに頼み込んで永遠亭へと導かれ 八意永琳に母の病状を話すと少年の熱意が彼女の心をうったのか、それとも永遠に生きる蓬莱人の暇つぶしか 薬はすぐに調合されて少年の手に手渡され、また因幡てゐに手を引かれて竹林を出た。 これほどうまくことが進むことは里の大人が束になって行っても無理だっただろう。 まりさの罠に引っかかったのは、そこまでで幸運が尽きたのか それもとそういう運命だったのかはわからない。 「僕が…僕が薬をゆっくりなんかに奪われずにもっとはやくついていれば母さんは… うわああああああああああああああああ!!」 少年は大人達の話も関係無しに泣き喚いて自分を責めた。 「それは違うぞ、お母さんのことは君のせいではない 君は勇気を出して本当に良く頑張ったんだ、君のお母さんだってわかってくれているよ」 里の長が少年の傍によってそっと背中を撫でた。 「そうです、君のお母さんの病気はもうどうしようもなかったんですよ」 医者も里の長の言葉を肯定して少年を慰めようとした。 「あのお姉さんはこの薬さえあれば母さんの病気は治るって言ったんだ!!治るはずだったのに!!! 僕が…僕がああああああああ!!うわああああああ!!母さん!!かあさあああああああああん!!」 大人達の言葉は少年には届かず、ただただ泣き叫ぶ少年を黙して見守ることしかできなかった。 それから一月ほどが経っただろうか。 「このゲスやろう共が!!!」 「ゆびぃ!?」 「やべでええええ!!!」 あの時、彼女の臨終に立ち会っていたあの男は怒りを露にして畑に侵入してきたゆっくりを木の杖で叩き潰していた。 男は少年から永遠亭から薬をもって来た際の事情を聞いて以来今まで以上にゆっくりへの怒りを強くしていた。 「お前らさえいなきゃああの坊主の母ちゃんは…!」 「口を慎みなさい!」 スパン、と近くに居て畑の見回りをしていた里の長の木の杖が男の頭を叩いた。 「あ…すみません、口が滑りました」 男は頭を抑えてなみだ目の姿を見せながら謝罪した。 屈強な体躯の男がとるそんな仕草は少し滑稽だった。 「気をつけなさい、彼の前では間違っても今のような迂闊なことを言わないように」 少年の母の死をゆっくりの責任にするということは つまり彼がもっと早く着いていれば母親は助かったという風に言うことになる。 そう言えばきっと少年はまた自分を責めて、苦しむことになるだろう。 だから里長は男の発言を厳しく戒めた。 「あの、すみません 僕にも手伝わせてくれませんか」 どこからともなく現れた少年の姿に、男はびくりと体を震わせた。 「あ、坊主…」 「もう調子はいいのかね」 里長は少年をいたわるかのように尋ねた。 「その、仕事をしてないと逆に気が滅入りそうで」 「そうか、無理をしない程度にやりなさい」 里長は男にしっかり彼を見張っているように言うとまた別の仕事をしに去っていった。 「あーそうだなぁ、それじゃ坊主 畑に入ったゆっくりを捕まえるの手伝ってくれるか? 別に叩き潰しちまってもいいが」 男は腫れ物を触るかのように彼なりに慎重に仕事を頼んだ。 「それじゃあ袋を一つ借りますね」 「おう、頼んだぞ 襲われたときのためこの棒も持ってけ」 「ありがとうございます」 男はそっと木の棒を少年に手渡した。 男は少年がゆっくり相手に憎しみを露に叩き潰すのだろうと思ってそっと少年を眺めた。 男はそれでいいと思った。 何かで母を失った悲しみを発散しないと少年は押しつぶされるだろう。 ゆっくりを潰すことで済むなら安いものだと思った。 「ゆっ!はなしぎゅう!?」 「ゆー!せまいー!!」 「だぢでええええええええ!!」 しかし男の予想とは裏腹に少年は淡々と畑を荒らすゆっくりを麻の袋に詰めていった。 棒で叩くなどということは全くしない。 別に袋にしまうときも痛めつけたり傷つけたりするでもない、慈悲深い対応だった。 「お、おい坊主」 男は驚いて少年に尋ねた。 「あ、なにかまずかったですか?」 「いやいやいい筋だよ まあそれはいいんだけど…いいのか その、俺はお前がゆっくりが憎くってこの仕事を手伝おうとしてるんじゃないかと思って… あ、いやそのなんていうか」 迂闊なことを聞いたと、言ってから思って男は慌てて手振りでフォローしようとしたが しどろもどろで何がなにやら分からない。 そんな男に少年は凛としてこたえた。 「別にゆっくりは憎くはありません 僕が憎いのはあのゲスまりさだけです それで、こういう仕事をやってたらあのゲスまりさに遭えるかとおもって… すみません、私情を交えて仕事の邪魔をしてしまって…」 男は少年の子どもとは思えないほど立派な答えに感動した。 「邪魔だなんてとんでもねぇ!大助かりだよ! しかしゆっくりの顔なんて見てそのゲス野郎がわかるのかい? 袋の中にはまりさも結構居るみてぇだが?」 「母の仇…みたいなものですから… あの顔だけは絶対に忘れません 見れば、絶対にわかります」 少年の鬼気迫る表情に男は少し気おされたが、そういうものかと頷いた。 「そっか、俺もそれらしいゲスまりさを見つけたら潰さずにお前に見せるようにしてみるよ ちったぁ役に立つかい?」 「あ、ありがとうございます!助かります!!」 男の申し出に少年はぱぁ、と表情を明るくして男に礼を言った。 そしてそのうち少年の母の墓参りに一緒に行こうと誓い合うと 二人は畑を荒らすゆっくり退治をまたし始めた。 続き このSSに感想を付ける
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イケメン・優男・超絶童貞・超絶ベーシスト 肩G
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身長175cm スポーツ万能イケメン優男 ネットの大会では何度も優勝しているダブルバトルの専門家。 曲がったことが大嫌い
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【クラス】 ライダー 【外見】 鮮やかな緑の上位と白い裳。腰の左右に双剣を差したタレ目気味の優男 +霊基再臨LV1 鮮やかな緑の上位と白い裳を包む筩袖鎧。両足は膝までを覆う脚甲 +霊基再臨LV3 +最終再臨 【真名】 +???クリアで開放 【性別】 男性 【属性】 中立・善 【ステータス】 筋力C 耐久C 敏捷B 魔力C 幸運A++ 宝具C 【クラス別スキル】 騎乗:B 自身のクイックカードの性能をアップ 対魔力:C 自身の弱体耐性を少しアップ 【固有スキル】 皇帝特権:C 自身にさまざまな効果をランダムで付与(3ターン) 仕切り直し:B 自身のHPを回復&弱体回復 ???(*****クリアで解放):A 味方全体の攻撃力をアップ(3ターン)&属性が善の味方サーヴァントの攻撃力をアップ(3ターン) 【宝具】 『??????(*****クリアで解放)』 ランク:C 種別:対軍宝具 種類:Airts 敵全体に強力な攻撃 敵全体に確率でスタン付与+敵全体の攻撃・防御ダウン(3ターン)(OCで効果アップ) 【マテリアル】 常に穏やかな表情と物腰の優男 一見頼りなさそうに見えるが、人を引き付ける魅力を持っている 逃げ足の速さと人を見る目が何よりも自慢とは本人の弁 +絆LV1で開放 +絆LV2で開放 +絆LV3で開放 +絆LV4で開放 +絆LV5で開放 +???クリアで開放 【絆礼装】 +絆LV10で開放
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「ゆゆ!まりさをつかまえられる?」 「あははは、こいつぅ!」 「ゆ~♪おにいさんくすぐったいよ!」 男とゆっくりまりさが野原で追いかけっこをして遊んでいた。 男は飄々とした優男といった風な面持ちでまりさと楽しく走り回っている。 まりさを捕まえた男はまりさをこしょこしょとくすぐってじゃれあう。 まりさはきゃはきゃはと笑って身を振るわせた。 優男はさっき摘んだかわいらしい花を頭につけた。 「ゆ!すてきだよ!とってもゆっくりしてる!!」 「気に入ったみたいでうれしいよ、帰ったら加工して枯れないようにしてあげるからね」 優男とまりさは共に微笑みあった。 春の風が二人を優しく撫でる。 二人はとても幸せそうだった。 そんな二人を強い閃光が包み込みカシャリ、と音が鳴った。 カメラのシャッターが下りる音だった。 外の世界から流れ着いた品で、少々値が張ったが優男は即断で買った。 幸せそうな二人をレンズだけが見ていた。 まりさは子どもの頃からずっと男に飼われていた。 優男は優しくてまりさを大事に育ててくれて、まりさはとてもとても幸せに過ごしていた。 いつの日か、優男においしく食べてもらうか、優男のために結婚してかわいいあかちゃんを見せてあげよう まりさはそんなことを夢見ながら暮らしていた。 そんなある日のこと。 「ここはまりさのおうちにするよ!ゆっくりでていってね!」 野良まりさが、優男の留守中に家に侵入した。 優男は人がいいぶん無用心なところがあった。 「ゆ!ちがうよ!ここはまりさとおにいさんのおうちだよ! かってにはいってくるわるいまりさはゆっくりでていってね!」 まりさはぷんぷんと頬を膨らませて侵入者を威嚇した。 しかし野良まりさはまりさの必死の啖呵を意にも介さないでソファーにのってくつろぎ始めた。 ソファーは男が外の世界の品を買ったものだった。 「ゆ~、そっかそっか おにいさんとすんでるんだね、ふーん…」 そういいながら野良まりさは値踏みでもするかのように辺りを見回した。 調度品や、家の中の間取り、以前まりさと男が撮った写真などをじっくり見ていた。 「こんなまぬけそうなまりさをかってるなんてよっぽどばかなおにいさんなんだね!!」 そしてまりさをソファーの上から見下ろして野良まりさは勝ち誇ったように言った。 「ゆうううううううううううううううううううう!!」 まりさはおにいさんのことを悪く言われて顔を真っ赤にして倍になるのではないかというくらい 大きく頬を膨らませて怒った。 「おにいさんはばかじゃないよ!!おにいさんはとってもやさしいんだから!! ちゃんときいてね!!えーっとね、まずね、まりさのことをね…」 まりさはおにいさんにしてもらったことをたくさん話して優男の汚名を晴らそうとした。 野良まりさは真剣な顔でひたすら耳を澄ましていた。 「それでね!このおはなもおにいさんにもらったんだよ!」 「そ、でもぐずなまりさじゃまりさみたいにここまでのぼってこれないでしょ! ばーかばーか!」 「ゆっぐううううううううう!!」 まりさは野良まりさの安い挑発に乗ってソファーの背もたれの上に居る野良まりさの 所へとさっさかさっさか上っていった。 「ゆ!こんなのかんた」 「ゆっしゃ!」 まりさがソファーに登りきろうとした瞬間、野良まりさがまりさの頭に付いた花を丸ごと食い千切った。 「ゆ゛あ゛あ゛あああああああ!?な゛に゛を゛ずるのおおおおおおおおお!?」 まりさは優男から貰った大事な大事な花を奪われて大声で叫んだ。 ぐちゃりと花の形が崩れてくしゃくしゃになる。 気付くとまりさはニヤリといやらしく笑う野良まりさに体当たりをかました。 野良まりさは何の抵抗も無く叩き落された。 その時、ドアの開く音と共に男が部屋に戻ってきた。 「な、、なんだこれ!?」 優男は二匹居るまりさを見て面食らった。 「おにいさ」 「お゛に゛い゛ざああああああああん!!」 まりさが男に話しかけようとするよりも早く野良まりさがおお泣きしながら 優男に縋り付いていった。 「がっでに゛や゛っでぎだま゛り゛ざがああああああああ!!!」 「ど、どういうことだいまりさ!?」 優男は体を打ちつけた痕を野良まりさに見つけて慌てて擦り始めた。 「ま゛り゛ざががっでにお゛に゛い゛さんのお゛う゛ぢにはいっでぎでええええ!! ぞれ゛でま゛り゛ざがは゛ら゛っばでお゛に゛い゛ざんにも゛ら゛っだだいじなお゛は゛な゛ををををお!!」 野良まりさは自分でくしゃくしゃにした花飾りを男に差し出しておんおんと泣いた。 野良まりさはさっきまでの会話と観察で巧妙に男とまりさの関係を聞き出し さらに慎重に辺りの音を聞いて、優男が帰ってくる際の足音を聞き分けて 絶妙のタイミングでまりさの花を奪い叩き落されたのだ。 呆然とその光景を見ていたまりさははっと気が付いて叫んだ。 「ちがうよ!そのまりさがかってにやってきてまりさとおにいさんのおうぢびゅええええええ!?」 「この野良ゲスまりさああああああ!!よくも俺のかわいいまりさをおおおおおお!!」 男の蹴りがまりさの顔面を打ち抜いた。 「ぢ、ぢがううううううう!ま゛り゛ざがお゛に゛い゛ざんのま゛り゛ざなのおおおおおお!!!」 「嘘付けええええええ!!俺があげた花のことを知ってるのは俺のまりさだけだああああああ!!」 「ぞれはま゛りざがおじえぎゃああああああああああああああああ!?」 この優男は非常に優しくて人のいい男だったが、残念ながら少々頭が弱かった。 森近霖之助の下手糞なセールストークにもあっさり騙されてよく外の世界の品を買ってしまう程度の頭の弱さだった。 ボロくずのように叩きのめされて、まりさは男に家の前のゴミ捨て場に放り投げられた。 殺されなかったのはひとえに優男の優しさというか甘さゆえである。 「お゛に゛い゛ざああん…お゛に゛い゛ざあああああん…!!」 まりさはゴミにまみれながらぼろぼろと涙をこぼした。 まりさは一晩中優男が真実に気付いて迎えに来てくれることを信じて呼びかけ続けたが 結局男はやって来はしなかった。 まりさはそれから数日、男の家の周りでゴミをあさりながらうろうろしていた。 ひょっとしたら男が気付いてくれるかもしれないと思ったからだった。 直接男に訴えるのは、また男に暴力を振るわれるのが恐ろしくってまりさにはできなかった。 結局、その行為はまりさを酷く酷く傷つけた。 数日間、遠めにあの野良まりさと幸せそうに遊ぶ男を見つめることになったからだ。 「おにいさん……ゆううううう…お゛に゛い゛ざああああん…」 それを見るたびに路地の隅に隠れながらまりさは泣いた。 まりさは男に自分のかわいい赤ちゃんを見せたり、おいしく食べてもらうことを夢見た日々を思ったが その日々は二度と帰ってきそうには無かった。 まりさは耐えられなくなり、ボロボロになりながら当ても無く彷徨った。 偶然か、ゆっくりとしての本能か まりさは気が付くとゆっくり達の住む森の中に居た。 「もっと…おにいさんとゆっくりしたかったよ…」 ろくに餌も取らずに彷徨っていたまりさはばたりとその場に倒れこんだ。 辛かったが、もう涙も枯れ果てていた。 もうまりさはただ黙して死を待つだけとなった。 「ゆ!??ど、どうしたの!?ゆっくりしていってね!」 その時、通りすがったゆっくりれいむがまりさを覗き込んだ。 まりさは天国からお迎えがきたのかと思って幸せそうに微笑んで目を閉じた。 気が付くと、まりさは野生のゆっくり達の巣の中に居た。 まりさは行き倒れていたところを野生のれいむに助けられてその群へと連れられて治療されたのだ。 まりさはそれからはその群の中で過ごすことになった。 最初は、野生の生活に逃げ出したくなるほど辛かったのだがだんだんと適応していき そのうち群の中でも頭角を現して群で一二を争うほど優秀なまりさになった。 成長期の食生活がよかったのがその一因だろう。 それに男はよく外で遊ぶ性質だったのもよかった。 とにかくまりさは群の中で一目置かれる存在となった。 「ゆっ…」 あるゆっくりした日のこと。 まりさは森の秘密の場所であの時助けてくれたれいむと一緒にゆっくりしていた。 そよそよと頬を撫でる風が心地よく二人を包んだ。 「きっと、こんどのむれのおさはまりさがなるよ」 れいむは言った。 恐らく本当にそうなるだろう。 まりさも既に群の長となるであろうという自覚を持ち始めていた。 思えば夢のようである。 よそ者のまりさがここまでこれたのもれいむが必死に助けてくれたからだろう。 まりさはどん底から救い出してくれたれいむに心から感謝し、またそれ以上の感情を持っていた。 「れ、れいむ…あのね」 「ゆ?なぁにまりさ」 まりさは、心臓が高鳴るのを感じた。 饅頭のどこに心臓があるのかは非常に疑問だが。 「まりさがむれのおさになったら…まりさと、けっこんしようね!」 「…うん、いいよまりさ」 れいむの体がまりさにもたれかかった。 本当に、夢のような時間だった。 数日後、まりさが群の長に就任することが決まった。 就任式は次の日に迫っていたがまりさは精力的に仕事をした。 「ゆうううううう!!はなぢでええええええ!!!」 「ゆ!もうにがさないよ!このゲスまりさ!!」 まりさは大逮物を演じて、群を荒らすゲスまりさを捕まえた。 「ゆふぅ…」 蔓で動けないようにしっかりしばるとその場に転がして一息ついた。 標的のゲスまりさもすっかり観念してしゅんとなって黙り込んだ。 かなり激しく体を動かした上にここのところ群の長の引継ぎで非常に忙しく疲れ果てていた。 標的を捕まえた安心感も手伝って、まりさはその場でうとうとと眠り始めた。 「…ん?」 そんなまりさの前を、森で遊んでいた里の子どもが偶然通りかかった。 「無用心だなぁ、ぐっすりねむってやがるの」 じっとしているゲスまりさと眠りこけるまりさを見て子どもはふといたずらを思いついた。 「帽子いれかえちゃえ♪」 ささっと二匹の帽子を摘み上げるとゲスまりさの帽子をまりさに、まりさの帽子をゲスまりさに乗せた。 「おーい、何してんだ!はやくこいよー!」 「あーわかったー!」 その子は友達に呼ばれてまりさ達を放って走っていった。 「すーや…♪すーや…♪」 まりさはまだ眠っていた。 「ゆ…ゆ…!?」 まりさが気が付くと、まりさの体は蔦でぐるぐる巻きに縛られていた。 まりさは訳が分からずに体を必死に動かすがどうにもならない。 口にもしっかりと猿轡がされて喋ることもろくにできない。 「ゆ…!?ゆっ!?ゆ…!?」 慌てて目の前を見ると、まりさの帽子をかぶったゲスまりさがれいむと前の里の長の老まりさを脇に従えて笑っていた。 「ゆ~、まりさのかえりがおそいからしんぱいしてみにいったらげすまりさにつかまっててびっくりしたよ!」 れいむがぷくーっとふくれながら言った。 「ごめんね、ちょっとゆだんしちゃったんだよ れいむたちがこなかったらあぶなかったよ!」 そう言ってまりさの帽子をかぶったゲスまりさはちゅっと口付けした。 「ゆっ…むちゅっ…まりさのちゅっちゅ…いつもよりとってもはげしいくてすてきだよ…」 れいむはその激しい口付けに目をとろんとさせながらうっとりした。 「ゆへんゆへん」 老まりさが咳払いして二匹を嗜めた。 「ゆ~ごめんなさいおさ」 「めんごだよおさ」 「ゆ、もうおさってよばなくてもいいよ おさはそのまりさだからね それじゃまりさ、おさとしてのさいしょのしごとにこのげすまりさのしょぶんをきめてね!」 「ゆ!がんばってねまりさ!」 れいむ達は、ゲスまりさとまりさの帽子が入れ替えられたことにより完全に二匹を逆に認識していた。 ゆっくりは頭の飾りで個体識別を行う。 帽子や飾りを取り替えられると往々にしてこういったことになった。 「がんばるよれいむ! ……ゆ」 れいむ達との会話を打ち切り、ゲスまりさはにやりと笑いながらこちらに顔を向けた。 その顔には憎たらしい笑みが張り付いている。 「ゆううううううううう!ゆうううううううううう!!」 喋れないながらもまりさは必死に訴えかけた。 そのまりさがゲスなんだ。 まりさが本物のまりさなんだ。 気付いて 誰か気付いて れいむ!れいむ!れいむ! まりさの脳裏に怒りの形相でまりさを蹴り倒すお兄さんの姿が浮かんだ。 「ゆがああああああああああああああああああああああああああああ!!」 「こんなあぶないまりさはがけからたたきおとすよ!」 ゲスまりさが冷酷に長としての判断を下した。 まりさは今まで仲良くして慕われていた群の連中に乱暴に崖の上まで運ばれていった。 「まったく、こいつにはひどいめにあわされたよ!」 「ほんと、これでやっとゆっくりできるよ!」 「はやくおとしちゃおうねまりさ!」 「まりさ!やっちゃってね!」 「うん!」 れいむがまりさを叩き落すことを促した。 ゲスまりさは見事にまりさを演じながら頷く。 最後に崖から落とすのはゲスまりさの仕事だった。 周りが固唾を呑んで見守る中ゲスまりさはこっそりとまりさだけに聞こえるように言った。 「れいむのまむまむもむれもみんなまりさのぶんまでまりさがたっぷりたのしんであげるから、まりさはじごくでゆっくりしていってね!」 「ゆ゛ぐごがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」 どん、と押されてまりさの体が中に浮いたと同時に 獣のようなまりさの叫びが天を割くかのように激しく辺が轟いた。 まりさの脳裏をまりさの人生が走馬灯のように駆け巡っていく。 お兄さんと遊んだこと お兄さんに花を貰ったこと れいむに助けられたこと 群のみんなとがんばって生活したこと れいむと愛し合ったこと お兄さんが野良まりさに騙されて、まりさを酷い目にあわせたこと れいむも群のみんなも、誰も帽子を取り替えられたまりさに気付かなかったこと まりさは自分の一生の間に誰もまりさのことをちゃんとした個として認めてないことを知り 全てを呪った。 そんなまりさを神様が不憫に思ったのかはわからない。 だが奇跡が起こった。 崖から転げ落ちたまりさは岸壁に生える枝に衝撃を受け止められて辛うじて一命を取り留めた。 縄も綺麗に千切れて、まりさは自由の身になった。 しかし心までは神様もどうにもできなかったのか まりさの心はドス黒く染まって、ゲスのそれと同じになってしまっていた。 群の長に成るほど優れたゆっくりだったまりさがゲスになったらどうなるか。 その悪行はそれまでのゲスの悪行とは一線を画すほど酷いものだった。 瞬く間に、辺りの群の食料はめちゃくちゃにされた。 まりさは奪うためではなく、ゆっくりを苦しめるためだけに群の食料を台無しにしていったのだ。 だからその悪行は際限というものを知らない。 食べ物に困った森のゆっくり達は仕方なく人間の畑に侵入し、里との関係はどんどん悪化していった。 まりさはそこに目をつけ、今度は人間を罠にかけてからかうようになった。 ゲス捕り物で鍛え上げたまりさのトラップは間抜けな人間なら簡単に引っかかってしまうほど巧妙だった。 ソレを見て、まりさはげらげらと笑う。 里とゆっくりの関係は最悪といっていいほどこじれた。 まりさはそれでも捕まらずに、罠を仕掛け人間を馬鹿にした。 ある夜のこと、少年が森の近くの、里へ続く道を必死に走っていた。 その道は近道だがゲスが出て人間に悪さをするというのであまり人通りは少ない道だった。 まりさはそこに落とし穴を仕掛けていた。 元々あった凹みを利用して巧妙に隠して落とし穴としたものである。 明日辺りこの落とし穴を使って悪さをしようと思っていたのだが 偶然走り行く少年の足音に気が付いて様子を見に来ていた。 少年はとても急いでいて周りへの注意を欠いており、あっさり引っかかってしまった。 「いてっ…あ、あれ!?」 少年は転んだ際に落とした紙袋を慌てて探した。 まりさはにやりと笑って少年が落とした紙袋を口に咥えて森へと隠れていった。 「!?待て!待てええええええええ!!」 少年は慌ててまりさを追った。 枝が肌を切り裂いて、体中が血だらけになるのも省みずに少年は必死にまりさを探した。 しかし、地の利のあるまりさを見つけ出すことはできなかった。 「どこだよおおおおおおお!うわあああああああああああ!!!」 少年の叫びを尻目に、まりさはゆっくりと巣に帰った。 「ゆっゆっゆ、きっとおかしにちがいないよ」 まりさは少年の無様な姿を思い出してニヤニヤ笑いながら袋を開け、包みの中身を飲み込んだ。 「むーしゃ、むーしゃ、にげえええええええええ!?」 中身はとてもとても苦い粉だった。 まりさはぺっぺと吐いて、紙袋を放った。 「ゆー、ぜんぜんおいしくないよ!まったく!おくちあらう!!」 まりさは舌を出しながら近くの川へと口を濯ぎに行った。 「ゆふぅ…」 巣に戻ったまりさは、目障りな紙袋を見て どこかに捨ててしまおうと外に出た。 どこに捨てようかと適当に歩いていると、あの少年がボロボロになりながらまだ森の中をうろついていた。 「!?返せ!返せ!返せええええええええ!!!」 少年は鬼の形相でまりさに走り寄ると袋を奪った。 「ゆ!そんなにがいのいらないよ!ばーかばーか!!」 まりさはその姿に少し怯えながらも悪態を突いた。 少年は憎しみを込めた目でまりさを睨み付けたが すぐにきびすを返して森の外へと走っていった。 少年は走った。 心臓がはちきれんばかりに走った。 里のハズレの自分の家に着くとすぐに自分の家に一目散に走っていく。 ガシャン、と大きな音を立てながら戸を開いた。 「……ご臨終です」 戸を開いた瞬間に、床に伏せた母に寄り添った里の医者が厳かに呟いた。 「うわああああああああああああああああああ!!!???」 それを聞いて、少年は床に伏せている母の躯に縋り付くと崩れ落ちるかのように泣き叫んだ。 「!?坊主、一体どこにいっていたんだ!?」 岩のような体躯の男が少年に問いかけた。 少年は母に付き添っていた里の大人に問い詰められても首を振るばかりでただただ母の躯と紙袋を握り締めていた。 「これは…永遠亭の…」 少年の母を診ていた医者がその紙袋を見て驚いた。 「!!馬鹿野郎!こんな夜中にそんなとこまで行って…妖怪に襲われたらどうするつもりで」 「もういいでしょう、彼が今一番辛いんだ」 危険な行為をした少年をしかろうとした里の男を奥に控えていた老人が嗜めた。 「す、すみません里長…」 里の男はぺこりと頭を下げた。 奥に控える老人は里の長その人であった。 少年の母親は、その日の昼過ぎに急激に持病を悪化させて倒れた。 里の医者が手をこまねいている中、少年は母親を助けるために永遠亭へと走った。 少年は里から竹林まで走り抜けて、幸運にも竹林の中で出逢った因幡てゐに頼み込んで永遠亭へと導かれ 八意永琳に母の病状を話すと少年の熱意が彼女の心をうったのか、それとも永遠に生きる蓬莱人の暇つぶしか 薬はすぐに調合されて少年の手に手渡され、また因幡てゐに手を引かれて竹林を出た。 これほどうまくことが進むことは里の大人が束になって行っても無理だっただろう。 まりさの罠に引っかかったのは、そこまでで幸運が尽きたのか それもとそういう運命だったのかはわからない。 「僕が…僕が薬をゆっくりなんかに奪われずにもっとはやくついていれば母さんは… うわああああああああああああああああ!!」 少年は大人達の話も関係無しに泣き喚いて自分を責めた。 「それは違うぞ、お母さんのことは君のせいではない 君は勇気を出して本当に良く頑張ったんだ、君のお母さんだってわかってくれているよ」 里の長が少年の傍によってそっと背中を撫でた。 「そうです、君のお母さんの病気はもうどうしようもなかったんですよ」 医者も里の長の言葉を肯定して少年を慰めようとした。 「あのお姉さんはこの薬さえあれば母さんの病気は治るって言ったんだ!!治るはずだったのに!!! 僕が…僕がああああああああ!!うわああああああ!!母さん!!かあさあああああああああん!!」 大人達の言葉は少年には届かず、ただただ泣き叫ぶ少年を黙して見守ることしかできなかった。 それから一月ほどが経っただろうか。 「このゲスやろう共が!!!」 「ゆびぃ!?」 「やべでええええ!!!」 あの時、彼女の臨終に立ち会っていたあの男は怒りを露にして畑に侵入してきたゆっくりを木の杖で叩き潰していた。 男は少年から永遠亭から薬をもって来た際の事情を聞いて以来今まで以上にゆっくりへの怒りを強くしていた。 「お前らさえいなきゃああの坊主の母ちゃんは…!」 「口を慎みなさい!」 スパン、と近くに居て畑の見回りをしていた里の長の木の杖が男の頭を叩いた。 「あ…すみません、口が滑りました」 男は頭を抑えてなみだ目の姿を見せながら謝罪した。 屈強な体躯の男がとるそんな仕草は少し滑稽だった。 「気をつけなさい、彼の前では間違っても今のような迂闊なことを言わないように」 少年の母の死をゆっくりの責任にするということは つまり彼がもっと早く着いていれば母親は助かったという風に言うことになる。 そう言えばきっと少年はまた自分を責めて、苦しむことになるだろう。 だから里長は男の発言を厳しく戒めた。 「あの、すみません 僕にも手伝わせてくれませんか」 どこからともなく現れた少年の姿に、男はびくりと体を震わせた。 「あ、坊主…」 「もう調子はいいのかね」 里長は少年をいたわるかのように尋ねた。 「その、仕事をしてないと逆に気が滅入りそうで」 「そうか、無理をしない程度にやりなさい」 里長は男にしっかり彼を見張っているように言うとまた別の仕事をしに去っていった。 「あーそうだなぁ、それじゃ坊主 畑に入ったゆっくりを捕まえるの手伝ってくれるか? 別に叩き潰しちまってもいいが」 男は腫れ物を触るかのように彼なりに慎重に仕事を頼んだ。 「それじゃあ袋を一つ借りますね」 「おう、頼んだぞ 襲われたときのためこの棒も持ってけ」 「ありがとうございます」 男はそっと木の棒を少年に手渡した。 男は少年がゆっくり相手に憎しみを露に叩き潰すのだろうと思ってそっと少年を眺めた。 男はそれでいいと思った。 何かで母を失った悲しみを発散しないと少年は押しつぶされるだろう。 ゆっくりを潰すことで済むなら安いものだと思った。 「ゆっ!はなしぎゅう!?」 「ゆー!せまいー!!」 「だぢでええええええええ!!」 しかし男の予想とは裏腹に少年は淡々と畑を荒らすゆっくりを麻の袋に詰めていった。 棒で叩くなどということは全くしない。 別に袋にしまうときも痛めつけたり傷つけたりするでもない、慈悲深い対応だった。 「お、おい坊主」 男は驚いて少年に尋ねた。 「あ、なにかまずかったですか?」 「いやいやいい筋だよ まあそれはいいんだけど…いいのか その、俺はお前がゆっくりが憎くってこの仕事を手伝おうとしてるんじゃないかと思って… あ、いやそのなんていうか」 迂闊なことを聞いたと、言ってから思って男は慌てて手振りでフォローしようとしたが しどろもどろで何がなにやら分からない。 そんな男に少年は凛としてこたえた。 「別にゆっくりは憎くはありません 僕が憎いのはあのゲスまりさだけです それで、こういう仕事をやってたらあのゲスまりさに遭えるかとおもって… すみません、私情を交えて仕事の邪魔をしてしまって…」 男は少年の子どもとは思えないほど立派な答えに感動した。 「邪魔だなんてとんでもねぇ!大助かりだよ! しかしゆっくりの顔なんて見てそのゲス野郎がわかるのかい? 袋の中にはまりさも結構居るみてぇだが?」 「母の仇…みたいなものですから… あの顔だけは絶対に忘れません 見れば、絶対にわかります」 少年の鬼気迫る表情に男は少し気おされたが、そういうものかと頷いた。 「そっか、俺もそれらしいゲスまりさを見つけたら潰さずにお前に見せるようにしてみるよ ちったぁ役に立つかい?」 「あ、ありがとうございます!助かります!!」 男の申し出に少年はぱぁ、と表情を明るくして男に礼を言った。 そしてそのうち少年の母の墓参りに一緒に行こうと誓い合うと 二人は畑を荒らすゆっくり退治をまたし始めた。 続き このSSに感想を付ける
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わかっていても文(あや)を文(ふみ)と読んでしまう。 -- (Jiyu) 2009-06-02 23 54 55 最近スレがちょっとゆっくりし過ぎて怖いと思ってたけど、そんな事はなかったぜ…… ここのペースが速いのね -- (名無しさん) 2009-06-02 23 57 29 とにかく乙です -- (名無しさん) 2009-06-02 23 57 42 四天王で思いついた 風のきめら丸 水のにとり 火のもこたん 土のゆうかりん(フラワーマスターなので) or土のやまめ(土蜘蛛) -- (名無しさん) 2009-06-03 00 00 07 風のさなえ 水のさなえ 火のさなえ 土のさなえ 駄目か・・・ -- (名無しさん) 2009-06-03 00 02 04 月のリリー 土のイクさん って手もあるぞ -- (名無しさん) 2009-06-03 00 05 24 天のてんこ 風のさなえ 火のもこー 水のにとり 月のかぐや 山のかなこ 地のやまめ 雷のいくさん で、八卦ゆっくりとか -- (名無しさん) 2009-06-03 00 12 49 風はあやや(きめぇ丸)の方がしっくりくるかな どうして風と来ると早苗さんが浮かぶんだろう -- (名無しさん) 2009-06-03 00 16 40 東風谷 早苗だからでは? -- (名無しさん) 2009-06-03 00 20 55 四天王…… 激動のすいか とか 衝撃のしゃめいまる(本来はあややなわこだが) のようなゆっくり十傑衆 -- (名無しさん) 2009-06-03 00 33 18 この展開は… 首ちょんぱ状態だったてるよが復活して オメガもこたん相手によのかぜ、やみどうこくで対抗する夢を 昨日見たのを思い出したじゃないか(笑) -- (名無しさん) 2009-06-03 08 10 09 四天王 いく、こまち、ぱちゅ、うどんげ -- (名無しさん) 2009-06-03 12 12 49 オワタ四天王かw -- (名無しさん) 2009-06-03 12 17 02 幼稚園の頃から不満だったが、水=少女or優男 土=筋肉質 風=長髪(?)ってのばかりなのは何でなんだ -- (名無しさん) 2009-06-03 12 21 44 水は液体であり形状が決まってない つまり柔らかいイメージ。あるいは水は大切 →優しい→優男、少女 土は大地の雄大なイメージ →お母さん風、筋肉質 風は気まぐれとか方向音痴とか 長髪だと髪が風になびく演出のためかな? 攻撃の火 回復の水 補助の土 ……の風(特に決まってない) こんなイメージだな -- (名無しさん) 2009-06-03 12 34 14 ゆっくリレーの戦慄でも土属性はアレってのが言及されていて吹いたなw 水属性は主人公のライバル(ほぼ美形)ってイメージもあるし優遇されてるイメージだが、 土属性の優男、もしくは主人公のライバルポジションって今まで見てきた漫画やゲーム全部合わせても 三人もいないと思う -- (名無しさん) 2009-06-03 12 43 45 土属性は名脇役なんだよ 地味なんじゃなくて主人公の顔を立ててるんだよ、多分 -- (名無しさん) 2009-06-03 15 07 49 土といったらサカキだろjk -- (名無しさん) 2009-06-03 15 11 50 主役張る水と土がみたけりゃもえカンでもプレイするが良い -- (名無しさん) 2009-06-03 17 06 04 土で単純な強さなら、封神演義(ちゃんとした原典の方)の終盤に、全キャラ最強クラスの奴が出てくるよ -- (名無しさん) 2009-06-03 17 35 51 土属性の優男、もしくは主人公のライバルポジション 地属性なのに美少女のミオは流石です -- (名無しさん) 2009-06-03 19 15 21 ミオ師匠は中身がイロモノすぎだろw 大好きだけど -- (名無しさん) 2009-06-03 19 22 27 だがやっぱり前任者は優男ではないものの色男のブラジル人 -- (名無しさん) 2009-06-03 19 51 17 チル裏過去ログ92で河城飯店を舞台にしたいと言った者です 失礼いたしますが 「KUNERI GURU」を舞台にした作者の方に質問があるのですがよろしいですか? 「KUNERI GURU」を舞台にした作品は企画期間中のいつ頃に投下されますか? 自分は7日の20時頃に投下しようと思っているのですが、 それよりもそちらの作品の投下が早かったら軽いクロスオーバーのようなものを入れてもよろしいですか? クロスオーバーといっても電撃文庫のMW号の悲劇みたいな「隣のお店はどうなってるんだろうね~」程度の当たり障りのナイものです もし一方的にまくしたててすいませんが、もしよろしかったらお返事いただけますか? 不都合があるのなら遠慮なくおっしゃってください よろしくお願いします -- (名無しさん) 2009-06-03 20 21 35 2009-06-03 20 21 35 作者です。ありがとうございます 正直、時刻は自信が無くなって来たので何ともいえないのですが……大丈夫です 好きに使っていただけると嬉しいです 加えて、お心遣いと舞台を使って頂けて光栄です! -- (名無しさん) 2009-06-03 20 45 30 2009-06-03 20 45 30 お返事ありがとうございます 無理言って申し訳ありませんでした お心遣い感謝いたします 企画ss楽しみにさせていただきますね それでは -- (名無しさん) 2009-06-03 21 43 04 色々あるけど、やはりここの話題(四天王とか)に今回も助けられたわ… -- (名無しさん) 2009-06-03 23 02 59 天狗のメモよりも役に立つなw -- (名無しさん) 2009-06-03 23 05 53 いや、天狗のメモも参考になる。 それを元にできた話もあるし。 チル裏は、段々変な方向に膨らんでいくから、色々ネタも広がりやすいけどね -- (名無しさん) 2009-06-03 23 07 58
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東京、浜松町駅。昼の歩道橋の上で、ふたりの男が隣り合ってタバコを吸っている。 一方は長身痩躯の優男、もう一方は見上げるような偉丈夫だ。 優男の目元と口元にはホクロ。憂いを帯びた切れ長の目には長い睫毛。 癖のある黒髪、上等なスーツと靴、豹柄のネクタイ。 女のようだとは言えないが、なんともいえずセクシーで、色気のある男だ。 偉丈夫の頭髪は後ろに撫でつけられ、額の上に大きく盛り上がっている。 両腕には剣呑なデザインの手甲、筋骨隆々たる上半身に纏うのは、金糸を織り込んだシャツ。 口元は金属製のマスクで覆われているが、タバコはその隙間から差し込まれ、唇に届いている。 ズボンの腰に黒帯、靴はワニ革。どちらも、どう見ても、カタギではない。 「嗚呼……聴こえらあ……」 優男が、駅から吐き出される群衆を見下ろし、つぶやいた。 「聴こえる―――とは、何がだ」 「"大人(オトナ)"になり切れねー、大人達の断末魔……。 耳をすませば――……ホラ。 『大人はつれえ』……『大人は退屈だ』……! ってさ」 偉丈夫は一息でタバコを吸い尽くし、灰にして、地面に落とす。 「ンなものァ、どこ行ってもそうだ。知らねえのはガキだけさ。 バカで、幸福で、この世の王様みてえに思い上がった、世間知らずのな」 「違いねェな。アンタは……大人だ。割り切ってる」 「テメエはガキか? いいトシしてるがよ」 優男は黙って笑う。偉丈夫は灰を踏みにじり、歩道橋の柵にすがる。 「ケッ。こんなとこまで来て、ヤクザの手先になるたァな。 しょうがねえ、俺はどこ行ってもヤクザだからな」 「あんたがガキの頃は、他にも夢はあったのかい」 「忘れたぜ。とっくの昔だ。思い出せやしねえ」 「オレにはあった。つっても、暴走族(ゾク)やってただけだがな。 暴走(はし)ってる間だけは、いろんなことを忘れられた……。 あれが、オレたちの黄金時代(オウゴン)だった」 「くだらねえ。大人になったんなら、ンなもん卒業しろや」 優男は、偉丈夫へ二本目のタバコを差し出す。火がついている。 偉丈夫は受け取り、吸い始める。 「それが、聖杯にかける願いか?」 「まさか。その気になりゃあ、いつだってやれるさ。 やって、死んで、地獄に落ちて、昔のダチもいねえ。十分だ。オレは自由だ」 「それなら、どうする。願いはありませェん、もう殺したくないんですゥ、とかぬかすか? まあ俺も今さら大した願いはねえし、テメエの指図に従ってやるがよ」 優男は、ふっと遠くを見つめる。青い空、白い雲の上。 偉丈夫のいた街では滅多に見られなかった、ニルヴァーナめいた光景。 右手首のブレスレットが、チャリと音を立てた。 「娘がさ……いたんだ。花奈(はな)って。不幸な子だった。 あいつの母親ごと、組長(オヤジ)に取られてよ。 忍者のカチコミに遭って、三人とも死んじまった。まだこんなに小さくてよ」 「…………そうか」 「オレが心から愛するのは、あいつだけだ。育児は大変だが、幸せだった。 あいつのためなら何でもできた。あいつが幸せなら、何も不要(いら)ねえ。 今は……あっちに、居るんだろうな。幸せに―――」 優男はタバコを揉み消す。 「何でもひとつ、望みがかなうなら。オレが望むのはそれしかねえ。 あいつをこの世に呼び戻す。今度こそ、幸せにしてみせる。命を賭けて」 偉丈夫は、二本目のタバコを吸い尽くし、灰にした。 ◆ 【クラス】 アーチャー 【真名】 ソニックブーム@ニンジャスレイヤー 【パラメーター】 筋力B 耐久B 敏捷B 魔力C 幸運D 宝具B 【属性】 秩序・悪 【クラス別スキル】 対魔力:D+ 一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。魔力避けのアミュレット程度。 単独行動:C マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。マスターを失っても1日は現界可能。 【保有スキル】 ニンジャ:B ニンジャであること。常人の三倍以上の脚力、超人的な筋力や機敏さ、第六感、カラテ(戦闘力・魔力)などを併せ持つ。 カゼ・ニンジャクランのグレーターニンジャソウル憑依者で、大気中のカラテやエテル(魔力)の流れを操って様々な現象を起こす。 スリケン生成はできないが、代わりにソニックカラテ衝撃波を射出する。 「風除けの加護」「魔力放出(風)」、低位の「気配遮断」「気配感知」も含む。 スシを食べると体力が急速に回復する。 極道育成:B ヤクザ・バウンサーあがりのニンジャとして、数多くのソウカイ・ニンジャを育成した逸話から。 「カリスマ(Cランク、ソンケイ)」と「英雄作成(Dランク)」の複合スキル。 ヤクザの素質を持つ者を見出し、思い上がった心を折って服従させ、 ダーティな世界で生き抜くためのインストラクションを与える。 それを受けた者が英雄になるかチンケなヤクザで終わるかはその者次第である。 いかなる異世界に転移しようと、彼はヤクザネスを貫く。 心眼(真):C 修行・鍛錬により培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す"戦闘論理"。 逆転の可能性が数%でもあるなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。 いわば状況判断……真の男が持つべきスキルだ。 【宝具】 『衝撃空手(ソニックカラテ)』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:2-20 最大捕捉:10 彼のニンジャソウルが与えた異能を鍛錬したもの。 正拳突きや膝蹴り、手刀や裏拳などを超音速で繰り出し、間合いの離れた相手に強烈な衝撃波を飛ばしてダメージを与える。 ジャブを放つことで連射も可能。その威力はニンジャをも数発でズタボロにし、屋台などを粉砕する。 単なる物理攻撃ではなく、風のエテル(魔力)を近接攻撃に纏わせた魔術的な攻撃とも思われる。 超至近距離で放つと衝撃波のダメージが自分にも来るという弱点を持つが、 彼は至近距離に適応したカラテのワザマエを磨いて克服している。ノー・カラテ、ノー・ニンジャだ。 【Weapon】 鍛え上げられた己の肉体とカラテ。棘付きのブレーサー(手甲)を装備。 【人物背景】 小説『ニンジャスレイヤー』第一部「ネオサイタマ炎上」に登場するニンジャ。CV:黒田崇矢。 ネオサイタマを牛耳る悪のニンジャ組織「ソウカイ・シンジケート(ソウカイヤ)」に所属し、 威力部門シックスゲイツ、及び野良の新人ニンジャを捕獲・育成するスカウト部門に所属する。 身長192cm。金糸を織り込んだニンジャ装束とシャープなメンポ(面頬)、戦闘用ブレーサー(籠手)を装備する。 頭髪は威圧的なポンパドール&リーゼントヘアー。サラリマンめいた姿に変装もする。 元ヤクザ・バウンサー。ソニックカラテやジェットカラテの訓練を積み、格闘能力は高い。 ヤクザスラングを多用し、短気で凶暴なサディストであるが、冷静な判断力をあわせ持つ。 油断ならぬ敵には雑魚戦闘員をぶつけて戦闘力を推し量り、弾切れを起こさせるなど、組織力を活用した慎重さも見せる。 【サーヴァントとしての願い】 特になし。 【方針】 マスターに従う。 【把握手段】 原作小説「ラスト・ガール・スタンディング」。コミカライズやアニメイシヨン版もある。 ◆ 【マスター】 殺島飛露鬼(やじま・ひろき)@忍者と極道 【Weapon】 ピンク色の大型回転式拳銃(リボルバー)。銃弾は高熱に強いタングステン合金製。 二挺拳銃を操り、戦闘時は複数の予備の拳銃を服の裏に仕込む。 【能力・技能】 跳弾芸を極めし極道技巧「狂弾舞踏会(ピストルディスコ)」の使い手。 自在に銃弾の軌道を操り、予想外の方向からの銃撃で敵を倒す。 複数の銃弾を走行する自動車の燃料タンクにブチ込んでカチ合わせ、 火花を起こして引火爆発させるなどは初歩のうちである。 【人物背景】 漫画『忍者と極道』に登場するヤクザ集団「破壊の八極道」のひとり。 講男會傘下長澤組の若頭。39歳。身長183cm、体重78kg。セブンスターが好きな愛煙家。 男女ともに好かれる絶世の美貌と、「神」と崇められる高いカリスマの持ち主。 期待以上のものを与え、要領よく立ち回り愛される男。 生花店を営む母子家庭に育つが、中学時代に母は病死。 その保険金を元手に友人を誘って暴走族「聖華天」を結成し、 たちまち10万人の兵隊を従える巨大暴走集団の総長となり「暴走族神(ゾクガミ)」と崇められた。 彼らにとって暴走は日々の辛さや退屈をブッ飛ばす夢の世界であり、 邪魔する者は殺戮し破壊し、周囲の家々に放火して警察を撹乱することまで行っていた。 のち聖華天は忍者に「半殺し(半分を殺害)」されて解散。 殺島は生き延びて暴力団に就職、トントン拍子に出世し結婚。 娘も生まれ、忙しい日々を送っていたのだが……。 【ロール】 極道。独身。 【マスターとしての願い】 娘・花奈を蘇らせる。 【方針】 聖杯狙い。邪魔する者は殺す。 目的は隠して仲間を増やし、うまく戦い合わせて数を減らす。最後まで生き残れば勝ち。 【把握手段】 原作。4巻で死亡。 【参戦時期】 死亡後。
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大阪城のアイドル的存在。 大人しく見られがちな優男の外見をしているが、その闘志と秀頼に対する想いは大阪城内でなら誰にも負けない。 潔い性格は敵も認めるほど。