約 458,878 件
https://w.atwiki.jp/sdora/pages/324.html
早かったらストーリ1日でコンプリします - 名無しさん 2015-12-04 18 45 31 復活の足音のカリスマドロップで[防御]ギガハピネスでたわ - ( ω `) 2015-10-18 18 54 34 大災害の化身ハードを経験値稼ぎの為に行ったらクリアボーナスに光帝石ドロップしました - 名無し 2015-09-05 17 10 12 途絶えた希望でも出ました - 名無しさん 2018-01-16 19 07 02 反映しました。 - 名無しさん 2018-01-17 06 16 54
https://w.atwiki.jp/ooorowa/pages/248.html
押し寄せた闇、振り払って進むよ ◆nXoFS1WMr6 空は明るく、本来彼女ぐらいの年の子供ならば外で遊び走り回るのが普通の時間。 だが少女、美樹さやかは室内にいた。 ならば一人でパソコンやらテレビゲームにでも勤しんでいるのだろうか、いや彼女はあろうことか密室で異性と共に――、 「うおりゃあああああああああああああ!!」 修行に励んでいた。 そしてまた彼女の持つサーベルが男に向かって振り下ろされる。 常人であれば一刀両断されてもおかしくないレベルのスピードで放たれたはずのその攻撃を男は余裕の表情でかわす。 次の瞬間さやかは男の放つであろう反撃を予想し、腹に剣を持っていない左手をガードとして潜らせた。 だがそんな彼女を襲ったのは、あろうことか後方からくる男のエルボーだった。 予想外の角度からの攻撃にさやかの体は大きく吹っ飛ぶ。 本来ならば歓楽施設であるはずのこの建物に設置された、ショーか何かを行うような舞台にさやかが落下する。 そして落下の衝撃で少し崩れてしまったその舞台に向かって、先ほどさやかにエルボーを喰らわせた本人がゆっくりと歩いて来た。 「流石だなぁ、この短時間で俺の攻撃を予想し、ガードを作るレベルまでいくとは……、だが攻撃は一種類だけじゃない。俺が腹を狙うと予想した段階で安心しきってるようじゃまだまだだ」 男の名は大道克己。 先ほどさやかのコーチを買って出た男の顔は言葉とは裏腹にどこか嬉しそうだった。 そう、彼は嬉しかったのかもしれない、自分を必要としてくれる人間の存在が。 大道克己は、ある意味では孤独といってもよかった。 戦場において信頼のおける仲間がいるという時点で孤独とは程遠いという人もいるだろう。 だが、彼という存在を心から求め、もっと言えば彼がいなければ生きていけないような存在は彼にはいなかった。 同じNEVERである仲間たちは二度目の生を与えてくれた克己に恩返しのつもりで(中には生き長らえるのに必要な酵素のために、という者もいるが)戦場で共に戦ってくれている。 が、言い方を変えれば、もし彼らを生き返らせた後に生き返らせた人物が克己ではなく、酵素も必要が無いと伝えたとしたらたとえそれが嘘でも彼らはいなくなってしまうのではないか、そんな不安はいつだって克己の中を渦巻いていた。 本当はそんなことないのかもしれない、生き返ったのが克己のおかげでないとしても生きるのに酵素が必要ないとしても彼らは克己についてきたのかもしれないが、克己は信頼が置ける仲間といえる存在が自分の元から去り、また母と子二人になってしまうのは残った自分自身すら見失ってしまいそうで恐ろしかったのだ。 母は死人ではない。故に共にいても、彼の心を満たす存在にはなり得ないだろうと、克己は半ば確信していた。 ――だからこそ、彼はこの場でも共に戦ってくれる仲間を無意識のうちに探していたのかもしれない。 そんな時に出会ったのが、本当の意味で自分がいなければまともに戦場にも出られないようなか弱い少女、美樹さやかだったということだ。 無論、彼とてこの場でずっと修行をつづける訳にはいかないことは重々承知。 だからこそ、最早目と鼻の先にあるステージに目を向け、中からさやかが起き上がってくるのを待っているのだが……。 (さっきの攻撃で伸びちまったか?全治3カ月ってぐらいには抑えてやったつもりなんだが) 美樹さやかは、自分自身で他の魔法少女に比べても耐久力と回復力はあると語っていた。 なんでも、やり方さえ分かれば魔法少女ならだれでもできる痛覚遮断能力と、自身の願いによって生み出された癒しの力が絶妙にシンクロし、相当なことが無い限りは戦闘不能の事態には陥らないと述べていたのだ。 だからこそ彼はさやかに痛覚遮断をアレと同レベルの切り札として設定し、少なくともこの場では使用しないように言っておいた。 彼女ならばそんな小細工に頼らずとももっと高みに行けると思ったからだ。 ――そんなことを考えた直後、また無意識のうちに彼の顔に笑みが浮かぶ。 当の美樹さやかがその体に与えたダメージを殆ど感じさせない様に立ちあがったため。 その体に刻まれた数多の傷は痛々しいが、しかしNEVER以上のスピードでそれらは次々と治っていく。 やはり同じゾンビといえども、魔法の力と科学の力では得意分野が違うのだなと克己は再確認するが直後さやかがまたも剣を構え突貫してくる。 その一撃を克己は上体を反らすことで軽々と避け、そのまま左フックを放つ。 一応はさやかの視覚外からの攻撃のつもりだったが彼女はそれを確実に見切り、身を屈めて攻撃をかわしつつ追撃を喰らわないため、軽やかなステップで克己の射程圏内から外れた。 なるほど、流石だと思う。 彼女ぐらいの年齢、つまり第二次成長期の人間のそのなんでもすぐさま吸収できる柔軟な体や思考には驚きを隠せない。 なんせさやかは、自身がNEVERとしての呑み込みの速さは凄まじいと称した羽原レイカと同等、或いはそれすら上回るスピードで成長を遂げているのだから。 だが、まだ足りない。 彼女はまだ、伸びることができる。 もしかしたら彼女は"アレ"を使う戦闘を視野に入れたらこの年にして自分達NEVERを超えるかも知れないポテンシャルを持っているのではと、克己は感じているのだから。 自分の直感が間違っていなければまだこんなものではさやかは終わらない。 ならばどうすればいいのか。 答えは簡単、感情を揺さぶればいい。 もっと簡単に言うならば、怒らせるということだ。 この年齢の、ただでさえ気持ちの浮き沈みの激しい少女の怒りを爆発させたなら、その際のさやかの戦闘力は克己も測定しきれない。 ただでさえ怒りという感情は人を一時的とはいえ進化させる。 もちろんこの戦場で彼女は更に進化するだろう。だが今は、さやかの限界を一瞬でもいいから見てみたい。 溢れ出そうな好奇心を抑え、先ほど聞いた情報を整理しどのような言葉が彼女に一番効くのか、考える。 (さぁ見せてくれ、さやか。お前の全力のほんの一欠けらを) またしても無意識にニヤリと口角を歪めた克己は、さやかの攻撃をかわしながら隙を見計らっていた。 ◆ 分かってはいたものの、やはり痛覚遮断なしでの戦いは、それを一度知ってしまった身としては辛いものがあった。 全身に迸る痛みは確かに〝生きていた"ころに比べれば圧倒的に薄く、しかも新しい傷ができたとしてもそれは目を向けた瞬間には閉じ始めている。 先ほど自分と同じような境遇の大道克己という男に会ってどこかこの体も悪くないのではと思いもしたが、やはり忌々しいことに変わりはない。 その苛立ちをそのまま彼に向けるが、しかしこの男は自分の攻撃を難なくかわしていく。 それによって更にいら立ちが募るも、そのストレスを発散する場所は見つからぬ故、さやかは剣を振り続ける。 ゾンビになったこの"体"は疲れを知らないが、いつ終わるともしれないこの特訓にさやかの"精神"はうんざりしてきていた。 ――だがその瞬間、彼女に好機が訪れる。 克己がさやかの連続攻撃に追いつけなくなったのか、足をふらつかせて彼女でもわかるほどの明らかな隙を見せたのだ。 チャンスだと確信したさやかは一気に間合いを詰めて自前の剣を突き出す。 だが、流石地獄の傭兵軍団リーダーというところだろうか、克己は肩に向けられたその攻撃を一瞬で察知し上体のみを反らすことで肩を掠める程度に抑える。 しかしそれでもダメージは通っている。証拠に克己の顔には苦痛の表情が浮かんでいた。 このまま押し切れば、いける。克己とて疲労が無いわけではないのだ、自分にも疲労は押し寄せているが、この特訓とやらがあと少しで終わるならば、気にはならない。 そんなことを考えたさやかは本当の意味で一瞬気を抜いてしまった。 ――目の先にある克己の顔が苦痛から笑顔に変わり、それこそが罠だったと気付くまでの、ほんの一瞬だけ。 不味い、と判断した時には鋭い痛みが腹部を襲っていた。 恐らくは克己が自分の体を思い切り蹴り上げたのだろうと理解するより早く、さやかは自前の剣をも落として床に落下していた。 油断していた。奴が今の今まで攻撃を一切受けようとしなかったのは自分が初のヒットに喜ぶその瞬間の隙を大きくするためだったのだ。 そして自分はまんまとその罠に引っ掛かり、今は痛みが消えるのを待ってただ床に這いつくばることしかできない。これが実戦なら間違いなく死ぬだろう。 だが、そんなことすら構わずに、それでもさやかは立ち上がろうとする。先ほど克己をぎゃふんと言わせてやると決意したのだから。 しかしその瞬間彼女の耳に聞こえてきたのは克己が接近してくる足音ではなく。 先ほどまでと同じ場所にいる克己から発せられた深いため息であった。 「……ったく、こんなもんか、お前の実力は。正直期待外れだぜ」 その声音から読み取れる克己の感情は、失望の類だと理解できた。 「余計な、お世話よ……!」 「全く、こんなもんで街一つ守ろうとしてたなんざ、思い上がりも甚だしいな」 その言葉に、未だ腹痛に悩まされながらさやかはムッとした顔をするが、しかし克己はそれを無視して言葉を続ける。 「それとも、こんなもんでも倒せるぐらい、その魔女とやらはぬるい存在なのか?或いはお前は本当には街を守れてないのに守ったつもりになってるだけじゃないのか?」 「……うるさい!」 自分は街を、見滝原を守れていなかったのか?そんな疑問が彼女の中に浮かぶも、それを否定する。 自分は魔法少女としてやれることをやってきたはずだ。マミさんにはまだまだ及ばないけどそれでも私なりに必死に――! 「こんなお前でも倒せる魔女ばっかお前の街にいるなら、長い間街を守ってきたそのマミとかいう魔法少女も実はたいしたことないんじゃないのか?」 脳裏に浮かべたその人を馬鹿にされ、何かがさやかの中でドクンと高鳴った。 こいつは今何て言った?私やまどかが何も知らずのほほんと暮らしてた間ずっと魔女や使い魔と独りで戦い、感謝されることなく皆を守り続けてきたマミさんを、大したことないだと? 「ついでに言うならお前についてってるまどかとかいう奴も、実は友達のために身を呈してる自分に酔ってるだけだったりするんじゃないのか?死ぬかもしれないのに友達の心配する私健気、みたいなことを腹の底じゃ思ってるかもしれないぜ?」 ――やめろ。 まどかやマミさんを、馬鹿にするな。 私のことなら、いくらでも罵るがいい。私は馬鹿にされてもしょうがない奴なんだから。 でも、そんな私すらも労り優しくしてくれたまどかやマミさんを馬鹿にするやつは許さない。 二人は克己が思っているような人間とは、違う。 マミさんは本当に強かった。憧れるぐらいに。 まどかは本当に優しかった。呆れるぐらいに。 だから、そんな二人を馬鹿になんかさせない。 私の最高の友達たちを馬鹿になんて、絶対にさせない。 馬鹿にするやつらは、私が潰す。 そう思った途端、先ほどまで収まらなかった腹痛がピタリとやんだ、気がした。 もう這いつくばる理由は無いとばかりに、いつの間にか立ちあがっていた私はそのまま右手に魔法の剣を具現化する。 今は特訓とかどうとか関係ない。今はとにかく克己にまどか達のことを謝らせる。 私の強さがそのまままどか達の評価にも繋がるのなら、やってやろうではないか。彼女たちの力は、私の力で証明するとも。 根拠はないが、どこかから溢れ出る力が、それをできると確信させてくれる。 今ならばどんな敵でも打ち倒せると、そう錯覚させてくれるほどに。 ――そんな思いを胸に、さやかは床を思い切り蹴って駆け出した。 ◆ 大道克己は自分の思惑通り事が進んでいると確信して、不敵に笑った。 今自分の前に立っている齢14の少女から発せられる威圧は、先ほどまでとは比べ物にならなかった。 隠そうともしていない殺意と敵意が克己の体を突き抜ける。 そういう類の物は戦場で浴び飽きていると思っていたが、なるほどこの年で考えれば、自分が今までに感じた威圧の中でも上位に入るだろう。 そんなことを考えていると、さやかがいつの間にか新しく作り出した剣を右手に構えて突貫してくる。 この特訓が始ってから幾度となく目にした光景のはずだったが、しかし今のさやかのスピードは先ほどの比ではなかった。 刹那の内に克己の眼前にまで迫った彼女は、一気にその剣を振り下ろす。 威力も、剣を振ることに対しての迷いのなさも先ほどとは比べ物にならない。 自分もさっきまでのような余裕は持ち続けられないかも知れないな、と心の中でぼやく。 先ほどまでの人を見透かしたような笑顔をやめ、克己はさやかの剣の軌道を正確に読み取ってかわす。 それにしても、とふと思う。 さやかの成長ぶりは最早黙視できないレベルになっていた。最初はガキのチャンバラ遊びのようだったが、今は実戦でも通用するようなキレが少しながら出てきたように思える。 元々剣の才能があったのだろうか、そういえば彼女が魔法少女になった際の願いと剣は全くもって関係ないことに気づく。 もしかしたらさやかの話に出ていたキュゥべえとやらが契約した少女それぞれが使いやすい武器を選んでデフォルトでプレゼントしているのかもしれない。 なればこの短期間でのさやかの伸びも納得ができるというものだ……、そんなことを考えつつも克己はさやかに反撃を加えようとして――。 ――それを察知したさやかが一気に後ろに飛んだことでそれをやめる。 成程先ほどの教訓を生かし、持ち前の素早さで反撃を喰らう前に逃げるという近接武器を使う際には当然ともいえる戦術を取り始めたということか。 だが、逃げていてばかりでは何も始まりはしない。あんな読みやすい剣の軌道では幾らスピードが乗っていても避けることなど容易い。 そう考え再び余裕の笑みを取り戻しかけた克己に、さやかは自前の白いマントに身を屈めて隠れるという行動で応える。 一見すれば意味が無い行動だ。エターナルローブのように攻撃を無力化する能力など、ないだろうに。 だが、その疑問はすぐさま消える。マントの中から立ち上がったさやかの周りに魔法の剣が数本突き刺さっていたため。 マントの中で瞬時に形成したその剣をさやかはあろうことか投げつけてくる。それも一本や二本どころではなく、一気に五から六程の数を一斉に克己に向かって。 「ハッ!下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるとでも思ったか?狙いが甘すぎるぜさやか、こんなもんじゃ百発飛んでこようが余裕で避けれらぁ!」 魔法さえあればいくらでも作れる剣を利用した戦法には驚いたが、しかしその程度。 確かにスピードも乗っていて、そこまで大きく外れていた物もなかったが、しかしこれしきで俺がやられると思ったら大間違いだ。 そんな言葉を胸中で吐きながら迫りくる剣の雨をよけ切り、先ほどまでさやかがいたところを見上げた克己の眼には、しかしさやかは映っていなかった。 驚きと共に辺りを見回すも、彼女を見つけることは叶わない。またも不思議な魔法を使っているのか? そう考え改めて周りを見回しても右にはいない、左にもいない。背後からも気配はしない、ではいったいどこにいるのだろう? 「――!まさかっ……!」 「はあああぁぁぁ!!」 まさかと思い頭上を見上げた克己の眼に映るのは、雄たけびを上げ、すでに眼前にまで迫っているさやかだった。 チッと舌打ち一つ鳴らして、克己が後ろに下がると同時、相当の威力を持っていたのだろうその剣の一撃が床を砕いた。 もちろん下の階にまで貫通してはいないものの、それでもかなりの破壊力があったのは誰の目にも明らかだ。 もしかしたら自分はとんでもない物を目覚めさせてしまったのかもしれない。何処か背筋にぞくりとする物を感じながら、克己は一旦距離を置くために後ろに一歩ステップを踏んでその後に来る攻撃に対して回避を試みる。 だがそれはお見通しとでもいうのだろうか、さやか自身が発生させた土煙りの中から、彼女は勢いよく飛び出してくた。 またもや舌打ちをしながら克己はもう一歩大きくバックステップをする。逃がすまじと言わんばかりにさやかが勢いよく剣を振り下ろすが――。 ――しかしその剣は、克己の目前を掠る程度で終わった。 なるほど今の攻撃にも力はこもっていたが、外してしまったら何の意味もありはしない。それ故に克己は一瞬油断し気を緩めてしまった。 ――それこそがさやかの狙いだとも知らずに。 気がつけば、自分の胸にさやかのサーベルが突き刺さって、自分の体も大きく後ろに吹っ飛ばされていた。 突然の出来事に驚きを隠せない克己は、しかしそれでも懸命に今の一瞬で何があったのか把握しようと頭を回転させる。 そして、すぐに理解した。何故自分がかわしたはずのさやかの攻撃を喰らい、大きく吹っ飛んでいるのか。 ――話はさやかのサーベルをかわしきったと思った克己が、一瞬気を緩めてしまったところまで戻る。 あの瞬間、確かにさやかの攻撃は克己には届いていなかった。だが、さやかには今の様な隙をもう一度作るのは難しいと判断できた。 詰まる所これが最後のチャンスだと、そう考えたのだ。故に今克己が気を攻撃をかわし気を抜いているであろうこの瞬間を手放すわけにはいかないと、考えるではなく理解した。 何が何でも、すがりついてでも、喰らいついてでも攻撃を続けなければならない。その一心でさやかがとった行動は――。 手に持ったサーベルの、投合。それだけだった。振り下ろす途中のサーベルには遠心力が乗っている。 なれば自分はそれを利用してこの剣を手から離せば、後はサーベルが自動的にターゲットに命中してくれると、そう考えてのだ。 結果彼女の狙いは実にうまくいき、克己にダメージを与え、更には先ほど以上の隙を作らせることにも成功した。 ならば、今度こそ決めてやる。克己がまだ事態を把握できていないうちに一気に叩く!その思いでさやかは三度右手に魔法の剣を具現化させ――。 ――(これで終わりだ!) 今度こそかわせない間合いと絶妙なタイミングでその剣を振り下ろした。 手加減など一切ない。これで死んでしまったとしても──もう死んでいるが──その時は運が悪かったとしか言いようがない。 こいつ自身がまどかやマミさんを馬鹿にしたうえ、最初にこいつは言ったはずだ。全力で来いと。 なればその全力に余裕ぶって戦って死んだとしても結局は自業自得だ。怨むなら自分の無駄な余裕ぶった態度を改めてもらう他ない。 そして克己の体を一刀両断するつもりで放たれたその一撃は──、しかし克己の持つさやか自身の剣に止められていた。 ◆ 間違いなく渾身の力を込めたその一撃を、克己はさやかの剣で以って受け止めた。 何故だ。近くに剣は落ちていなかったはずだが。そう思考するさやかだが、しかしすぐに答えを見つけた。 克己の胸に刺さっていたはずのサーベルが、そこに開いた大きな穴と引き換えに無くなっていたため。 詰まる所、あの一瞬で攻撃が来る方向を読み取り、胸から剣を引き抜いてさやかの剣を受けとめ新たに傷がつくのを抑えたということだ。 渾身の攻撃は受け止められてしまったが、ならばまだ胸の痛みが引けない今の内に一気に攻めきるのみ。 その思いで一度剣を引き抜いたさやかがもう一度それを構えた時──。 不意に、克己が手に持った剣を地面に落した。 ――それは確かに明らかな隙。だがさやかはその隙を攻める前に、驚愕で動きを止めてしまった。 しかしすぐにハッとする。もしもこれが今の自分にできる隙まで計算した行動だったならば、次の瞬間には攻撃を喰らってしまう。 それを警戒したさやかはヒュンと後ろにジャンプするも――。 ――しかしそれを見た克己は敵意すら見せることなく背を見せる。 「なっ、あんた一体何のつもりなのよ!」 「何のつもりって、もうこの場で俺が教えられることはないと思っただけだ。お前だってずっとここで愚図愚図してたくはないだろ」 「え?そりゃ、そうだけど」 「なら、ここに居続けるのは無駄が多すぎる。十分後にここを出る。それまで少し休んでおけ」 「え、うん……じゃなくて、あんた他に言うことが――!」 あまりにも温度差がありすぎる克己の対応にさやかは怒りを隠せない。 こいつはマミさんやまどかを馬鹿にしたのだ。それをすっとぼけようというのか、そんなの私が許さない――! 再び剣を強く握り克己に切り掛ろうとしたその瞬間、しかしそれは中断させられることとなる。 「――あぁ、それとお前の友達のこと、悪く言って済まなかった。幾らお前の実力が見たかったからってやり方が汚すぎた。謝る」 そうして人には絶対に謝らないタイプだと思っていた克己が、本当に悲しげな声で謝ってくる。 克己らしくないとすら言えるその行為にさやかは怒ることも出来なくなり、ただ戸惑うのみしか出来なくなってしまう。 「言いたいことはそれだけか?なら下で待ってるからな、十分後には下に来い」 そして克己はそれだけ伝えて再び歩き出す。外の世界に向かって。 それを見たさやかもこれ以上克己に謝らせようとしても無駄だと判断し、変身を解いた。 修行が始まる前より自身のメダルが明らかに減っているのを感じるが、まだ十分に戦えると判断し、そのまま床に寝転がった。 そして目を閉じて思い切り体を休めようかと考え、しかしふとあることに気づいてデイパックを開く。 先ほどは大まかなことしか把握できなかったから、余裕がある今のうちにもしもの時に備えてマニュアルだけでも読んでおこうと思ったのだ。 詰まる所克己が痛覚遮断と同程度の切り札として設定したさやかの最期の支給品のマニュアルを。 彼女がマニュアルを探している途中でデイパックから〝ソレ″が零れ落ちる。それに気づいたさやかはそれを受け止めた。 さやか自身の切り札になりえるかもしれないとまで克己が称賛した"ソレ"は、さやかの手の内で怪しく銀に輝いた。 ◆ 時間はさやかと克己がお互いの支給品を確認していた時にまで溯る。 「俺の支給品は今のジャケットで最後みたいだな、お前のとこにはほかに何か入ってたか?」 「うん、ちょっと待ってね……」 そうしてさやかはデイパックに手を突っ込み、がさごそと基本支給品ごと中身をかき回していたが、やがて目当ての物を探し当てたのか笑顔になり、ジャーンと口に出しながら〝ソレ″を取り出した。 だがそれは、外見のみで判断するならあまりにも地味な銀色のベルトだった。 「なんだそりゃ。腰に巻いてオシャレでもしろってか?」 「私もまだ説明書見てないからよくわかんないんだよねぇ、えっとどれどれー?」 そう言いながら再度デイパックに手を突っ込み今度はあっさりと恐らくは付属だったのであろう説明書を取り出す。 さて目を通そうとさやかが両手でそれを持った時、上からひょいと克己がそれを引っ手繰った。 「ちょっとあんた、人のものを無言で盗るんじゃない!」 「お袋みたいなこというな。にしても・・・・・フン、良かったなさやか。この説明書の厚さならただ腰に巻いてオシャレしてくださいなんてこと以外にも何か書いてあるかもしれないぜ?」 さやかの文句は軽く無視して、克己はそんな冗談を言いながら説明書に目を通していく。 それを見ていたさやかも、騒ぐことをやめて克己の言葉を待つ。 やがて詰まらなさそうに説明書を眺めていた克己の目がいきなり驚愕に染まる。それを見たさやかも何かいいことが書いてあったのかと期待せざるを得ない。 「どうだった?使い道ありそう?」 先ほどとは打って変わって真剣な顔で説明書を読み進める克己は、これを読めと言い、あるページを開きながらそれを手渡してくる。 そこには大きな文字で"概要"と書かれており、恐らくはそのベルトについての説明が書かれていることは誰の目にも明らかだった。 細かい字で長々と書いてあるその内容にさやかは目を細めあからさまに嫌そうな顔をするも、克己の真剣な様子に押されて嫌々読み進めだした。 「えーと、何々~、このベルトは『カブトの世界』に存在する秘密組織ZECTが開発した『マスクドライダーシステム』の一種、仮面ライダーガタックに変身するのに必要なベルトです……?」 そこから先には変身後に出来るクロックアップシステムなる物の説明などが長々と書かれていたが、さやかには難しくてよくわからない。 マスクドライダーシステムとは何なのか、ZECTという組織は何が目的の物なのか、そもそも『カブトの世界』という括りには一体何の意味があるのだろうか。 自分の中に次々と湧き上がってくる疑問に悶々としながらさやかは頭を抱える。結局のところ克己は何が大事だと思ってあんな真剣な顔をしていたのだろう。 沸き上がる疑問に頭を抱えつづけるさやかを見兼ねたのか、ハァと克己がため息をつく。 「お前、本当にこれの何が重要なのか分からないのか?」 「う、うるっさいわねぇ。ちょっと黙ってなさいよ!」 少し強がってみたが、しかしさやかには何が大切な情報なのかなど見当もつかない。 それを見透かしているのか、克己は先ほどよりも強い溜息をついた。 「アポロガイストが俺の変身したエターナルを見たとき、何て言ったか思い出してみろ」 「え?うーんと確か……」 ――「貴様っ……! 仮面ライダーだったのかっ!!」 それを思い出して、ハッとする。 あいつは確かに言った。仮面ライダーと。 ようやく勘付いたらしいさやかの様子を見て、克己はまたあのニヒルな笑いを浮かべて話しだす。 「そういうことだ。エターナルが本当に仮面ライダーとやらかどうかは俺には分からんが、そのベルトを使えば、その仮面ライダーとやらになれるらしい」 「ってことはつまり……!」 「あぁ、奴は仮面ライダーを恐れてるようにも見えた。てことは仮面ライダーになればアポロガイストにも匹敵する力を得れるかもしれないってことだ」 アポロガイストに匹敵する力。 それは確かにさやかが熱望するものの一つでもある。 ベルトへの関心が一気に引き上げられるのと同時に、さやかの中に新たな疑問が浮かんだ。 「あれ?でもこれどうやって変身するの?なんかを入れるっぽい場所はあるけど、特に他の物は入って無かったよ?」 「あぁ、それに関する事も書いてあった。そのベルトを使って変身するには対応するゼクターとやらが必要不可欠らしい」 ゼクター?とさやかがパクパクと口を動かすと、克己はニヤリと笑う。 「ゼクターとやらはそのベルトを持っている参加者を資格者かどうかを自分で認めて、そいつが資格者たる人物だと判断したら必要に応じて力を貸すらしい」 「それじゃもしかしたら変身できないってこともあるんじゃ……?」 「いや、恐らくはユニコーンと一緒だ。お前のことを資格者だと見初めて、主催者がわざわざお前に渡したんだろ」 つくづく悪趣味だと思う。 個人にしか使えない道具を渡して、わざわざ対主催を掲げる者に力を与える主催者には虫唾が走る思いだが、しかしそれならばこの力を自分に渡したことを後悔させてやる。 そうしてさやかが再び主催者への怒りを再燃させていると、すくと克己が立ち上がり――。 「よし、俺がお前を鍛えてやる」 そう言って、特訓のコーチを申し出たのだった。 ◆ 数十分前のことをぼんやりと思い出しながら、さやかは銀のベルト――説明書によればライダーベルトというらしい――及びそれを使って変身できる仮面ライダーに関しての情報をある程度把握する。 中に書いてあったことは難しいこともあったが、これが悪を打ち砕く自分の力になるのだと思うと、多少の努力など苦でもなかった。 そうしてふと時計を見ると、ちょうど十分が経つ所だった。さやかは慌てて周りに置いてあったベルトやその説明書をデイパックに詰め込み、いつの間にか高く上がっている太陽に向かって歩き出した。 ◆ 外に出たさやかはすぐに風都タワーの前の、来た時には気にも留めなかった謎の自販機の前で屈みこみ、大量に何かを買い込んでいる様子の克己を発見する。 「あんた、一体何やってんの?まさか水分補給のために呑気にミネラルウォーターでも買ってたんじゃないでしょうね」 「ふん、それでも悪くなかったんだが、残念ながら外れだ。いつか役立つだろうと思って便利グッズを買っておいた」 そう言いながら自販機から吐き出された缶ジュースの様なものを取り出す。 赤く彩られた外見はあまり中身を飲みたいと思わせはしない。訝しげにそれを見つめるさやかを克己はさほど気にせず、新たに自販機に硬貨を投入する。 次はこれだな、などとぼやきながら克己は別の色の缶ジュース(?)を購入する。それをただ突っ立って見届けるさやかだが、しかし彼女がみてから通算三本目になるそれを購入しようした克己の手に握られているものを見てびくりとする。 「ちょっとあんた、それセルメダルじゃないの!そんなもんでそれ買えるの!?」 「逆ださやか。これじゃなきゃ買えないんだよ、特訓中お前は変身してたが、俺は生身だったからな、これでメダル数に大差はないだろ」 そう言いながらまたも缶ジュースを購入すると思われたその手は真ん中の黒い大きなボタンに触れていた。 「え、なんで?そこに触って何の意味があるのよ」 「黙って下がれ、怪我するかもしれないぞ」 さやかには克己の言っている言葉の意味が半分も理解できないが、しかし従っておいたほうがいいのだろうと判断し、数歩後ろに下がる。 すると、あっという間に目の前の自販機は変形を始め、一瞬のうちにバイクになってしまった。 「す、凄い……!」 「さて、これで移動手段は手に入れた」 そう言いながら克己はバイクに跨り、ヘルメットを渡してくる。 一瞬どういうことなのか図りかねたさやかが疑問の眼差しを向けると克己は鼻でフンと笑った。 「後ろに乗れって言ってんだよ。早くしないと置いてくぞ」 言われて少しだけさやかは照れるも、克己からはそんな思いを毛ほども感じない。 それに少しだけがっかりしてしまったさやかは、克己に少しだけそういうものを期待していた自分が馬鹿だったと思いなおし、そのままヘルメットを被って克己の後ろに乗り込む。 それを見届けた克己も、しっかりとヘルメットを被りエンジンをかけた。 「さぁ、行くぞさやか。次の行先は警視庁だ」 呟くようにぼそっと言った克己は次の瞬間、アクセルを踏み込んだ。 ◆ (マミさん……あなたは本当にあの巴マミさんなんですか?) バイクによる風と揺れを感じながらさやかは物思いにふける。 それは自分がこの非日常に連れ込まれる原因になったとも言える憧れの先輩のことだった。 巴マミは理想の先輩だった。学生としても、魔法少女としても。 勉学は軒並み平均点以上を取り続けていたし、彼女の戦いは舞いでも踊っているようで、自分が命の危険に晒されていることすら忘れるほど華麗で優雅で、そしてなにより力強かった。 だからマミさんが魔女なんかにやられるわけない。そう何かテレビの中のヒーローでも見る感覚で、自分とまどかは彼女の負担を増やしているなどと思いもせずに、彼女についていったのだ。 ――それが結果的にグロテスクな彼女の死をトラウマとして植えつけられることになるとは、あの頃の自分は思わなかったのだから。 自分達が付いていかなければ、彼女は死ななかったのかもしれない。 彼女が死んでから、何度そんな意味のない考えを巡らせたのか分からない。 死んでしまった人は永遠に戻ってはこないのだ。ましてやマミさんは結界の中で死んでしまったから、死体も残っていないし、葬式も執り行われてはいない。 あまりにも大きすぎる自分達の責任は無くせるとは思わないが、しかしそれでも少なくとも彼女の守ろうとした街を魔女や使い魔から守るために、自分は魔法少女になったのだ。 だから彼女の死は自分にとって忘れられない物として今も胸にしまっている。例えどんな残酷な死に方でも、自分だけは彼女の最期を覚えていたいから。 ――なのに彼女は、この場における参加者として、名を連ねている。 一体どういうことなのだろうか。 もしかしたらあの時マミさんは死んでいなかったのだろうか? いや、これはない。ソウルジェムという本体ごと魔女に喰われ、あまつさえその後魔女が爆散したその中から生存することなど、百パーセントあり得ないからだ。 では、同姓同名の赤の他人か? これも一瞬考えたが、ないだろう。自分やまどかを惑わせる材料にはなるかもしれないが、そうそう同姓同名の人間がいるとは思えない。 ではどういうことなのか。さやかが考えた仮説はこうだ。 ――マミさんはあの場で死んでいて、主催者がそれを蘇らせたのではないか……? これが一番ピンとくる。 もしくは死ぬ前から連れてきたというのもあるかもしれない。 どちらにせよ死者への冒涜だ。主催者に対するさやかの怒りは膨れ上がるばかりだが、しかしマミさんがいるのなら、これより心強い味方はいない。 彼女は間違いなく殺し合いを潰すほうに動くだろう。今の、魔法少女となった自分と彼女が力を合わせれば、きっとどんな困難でも越えて行ける。 だが同時に懸念もある。彼女はキュゥべえを家族同然に思っていた。そのキュゥべえが自分を騙していたと知った時、どんな行動に出るかはさやかも予想できない。 (でも、マミさんはマミさんだ。頼りになるのは間違いない!) 憧れの先輩を、今度こそ死なせはしない。共に戦って今度こそ一緒に元の世界で楽しく暮らす。 その決意を固めた時、さやかの中に二人の親友の姿が浮かぶ。 (まどか、仁美。死なないでね……、あんたたちとは、まだまだ友達でいてもらうんだから) その二人は自分やマミのように特別な力を何一つ持たない。 故にこんな場所では狩られる側でしかない。せめて誰か対主催を掲げる人に保護してもらえればいいが――。 仁美は護身術を習っていると言っていたが、そんなものがアポロガイストなどに通用するはずもない。 まどかは、それすら持っていない。だが仁美にも、さやかにも無かったある種の絶対的な切り札が存在する。 ――それはつまり、彼女の魔法少女としての素質。 だが、それはさせてはならない。 魔法少女となった自分がこんなに後悔しているのだ。だが彼女はこんな場ではすぐに他人を守るために簡単に契約を交わすだろう。あの悪魔と。 (駄目だよ、まどか。あんたは人間でいて……。ちゃんと考えずに馬鹿みたいな理由付けて軽々しく契約したら後悔するのは私が一番知ってるから) 自分の願いが馬鹿馬鹿しいとは思わないが、しかしもっと慎重になってもよかったのではないかという思いは多少ある。 叶った願い自体には後悔していない自分でさえこんな思いを抱くのだから、誰よりもやさしいまどかは他人のために祈ったらもっと様々なことを考えてしまうだろうと、そんな不安を抱いた。 そして次の瞬間に脳裏に過るのは、恐らくはこの場でも戦うことになるであろう二人の魔法少女の顔。 (佐倉杏子、それに転校生、暁美ほむら……あんた達はここでも、誰かを犠牲に自分だけ得しようとするんでしょうね) それは先ほど参加者名簿を見た際に見つけた、自分の利しか考えない、さやかとは敵対関係にある者たちだった。 彼女らは恐らく殺し合いの打破などの前に、自分が生き残り得をすることを最優先に考えるだろう。 故にさやかは、状況によっては勝ち目がなくても戦わなければならないだろうと、決意を固めていた。 と、その時ふとあることが頭をよぎり、顔を上げる。 (こいつ、行先は警視庁だって言ってたよね……、でもあのタワーから一番近いのって園咲邸ってのじゃなかったっけ?) ◆ 彼は風都タワーから一番近い建物が、園咲邸だと知っていた。だが彼には園咲邸に行きたくない理由があったのだ。 (園咲冴子……、お前は俺の敵だ。〝園咲″である以上俺はお前を潰す) それは自身が昔NEVERの研究結果として財団Ⅹに材的支援を要求しに行った時のこと。 あの時に自身が戦った小道具、ガイアメモリ。それを提供していたスポンサーが園咲琉兵衛という男だったのだ。 自身はあれ以来、打倒ガイアメモリ、及び打倒園咲家を目標にやってきた。 そして、母マリア・S・クランベリーの情報によれば園咲冴子は園咲家の長女であるらしかった。 母の情報が間違っていた試しはないから、恐らく正確だろう。ならばそれを潰すいい機会だ。 だが今はまだ早い。奴らの家でもある園咲邸を潰すのは元の世界に戻ってからだ。 ここにあるレプリカを潰しても何の意味もない。それに園咲冴子がそこを目指すとしても、まだ今のさやかでは園咲の者と戦うのは早いだろう。 故に今は園咲冴子は後回しだ。だがいつかは宿敵の娘を倒すことを胸に誓いながら、彼は別のことを考える。 (さやか、お前は気付いてないかもしれんが、あの時のあの一撃の時、俺は本気だったんだぜ?) あの時というのは、さやかの意外な一撃に自身がひるみ、その一瞬を逃がすことなく攻撃してきたあの時のことである。 あの瞬間、自身の胸に刺さっていた剣を引き抜き、さやかの一撃を受け止めるまで、自分は間違いなく本気で対応していた。 結果として攻撃は与えられなかったとはいえ、まさかさやかに本気を出させられるとは思ってはいなかったのだ。 (さやか、お前はまだまだ伸びる。お前が本当の意味で一人で戦場に出られるその時を楽しみにしてるぞ) そう心の中で克己はポツリと呟いた。 この先は安全地帯ではない。どんなことが起こっても不思議ではない。 だが、今のさやかならきっと大丈夫だ。挫けることもあるかもしれないが、しかしきっとそれを乗り越えていくだろう。 溢れ出るさやかへの期待を抑えもせず、克己はこれすらどこかで見ているのであろう主催に向かって言った。 (見てろよ真木清人。誰かの明日を奪うような行為をしたことは絶対にゆるさねぇ。いつかお前の首を掻っ切ってやる!) ◆ そんな二人を空から見守る青いクワガタが一匹。 その名をガタックゼクター。 現在さやかが持っているライダーベルトに対応する自律行動型ユニットだ。 先のアポロガイスト戦の際にデイパックから抜け出し、それ以来さやかを上空から見守り続けている。 彼はさやかの頑張る姿に自分が元の世界で資格者に選んでいたアラタという男にも似た物を感じていた。 だがそれだけではまだガタックゼクターがさやかを認めたかどうかは誰にも分からない。 ただ彼はさやかの更なる活躍に期待して、ライドベンダーを追って飛び続けていた。 ――希望を持った二人の男女と、資格者を求める一匹の虫。 ――彼ら彼女らが向かう先に何が待っているのかは誰にもわからない。 ――その先に待つのは、希望か、絶望か。 【一日目-午後】 【G-5/道路】 【大道克己@仮面ライダーW】 【所属】無 【状態】健康 、ライドベンダーを運転中。 【首輪】50枚 0枚 【コア】ワニ 【装備】T2エターナルメモリ+ロストドライバー+T2ユニコーンメモリ@仮面ライダーW、 【道具】基本支給品、NEVERのレザージャケット×?-3@仮面ライダーW 、カンドロイド数種@仮面ライダーオーズ 【思考・状況】 基本:主催を打倒し、出来る限り多くの参加者を解放する。 1.さやかが欲しい。その為にも心身ともに鍛えてやる。 2.T2を任せられる程にさやかが心身共に強くなったなら、ユニコーンのメモリを返してやる。 3.機会があれば、T2ユニコーンメモリでのマキシマムドライブを試してみたい。 4.T2ガイアメモリは不用意に人の手に渡す訳にはいかない。 5.園咲冴子はいつか潰す。 【備考】 ※参戦時期はRETURNS中、ユートピアドーパント撃破直後です。 ※回復には酵素の代わりにメダルを消費します。 ※仮面ライダーという名をライダーベルト(ガタック)の説明書から知りました。 ただしエターナルが仮面ライダーかどうかは分かっていません。 ※魔法少女に関する知識を得ました。 ※NEVERのレザージャケットがあと何着あるのかは不明です(現在は三着消費)。 ※さやかの事を気に掛けています。 ※加頭 順の名前を知りません。ただ姿を見たり、声を聞けば分かります。 【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】 【所属】青 【状態】疲労【中】、ライドベンダーに乗っている。 【首輪】40枚 0枚 【コア】シャチ 【装備】ソウルジェム(さやか)@魔法少女まどか☆マギカ、NEVERのレザージャケット@仮面ライダーW 【道具】基本支給品、克己のハーモニカ@仮面ライダーW、ライダーベルト(ガタック)@仮面ライダーディケイド 【思考・状況】 基本:正義の魔法少女として悪を倒す。 0.克己を乗り越えてより強くなる。 1.克己と協力して悪を倒してゆく。 2.勝つ為なら自分の身体はどうなっても構わない。 3.T2ガイアメモリは不用意に人の手に渡してはならない。 4.仮面ライダーっていったい何なの? 5.マミさんと共に戦いたい。まどかや仁美は遭遇次第保護。 6.暁美ほむらや佐倉杏子とは戦わなければならない。 【備考】 ※参戦時期はキュゥべえから魔法少女のからくりを聞いた直後です。 ※ソウルジェムがこの場で濁るのか、また濁っている際はどの程度濁っているのかは不明です。 ※回復にはソウルジェムの穢れの代わりにメダルを消費します。 ※NEVERに関する知識を得ました。 ※さやかの最後の支給品は、ライダーベルト(ガタック)@仮面ライダーディケイドでした。 ※ガタックゼクターがさやかを認めているかどうか不明です。 ※ガタックの性能を大体把握しました。 063:大事な友達 投下順 065 愛憎!! 061:目前のデザイア 時系列順 071 仲【あらわれたきけんなおとこ】 042:Uの目指す場所/ボーダー・オブ・ライフ(前編) 大道克己 081 Kの戦い/閉ざされる理想郷 美樹さやか
https://w.atwiki.jp/ressenrowa/pages/101.html
結論から言えば、全身に激しい損傷を負い、 両足が崩壊したしのぶの惨状はDIOに非がある、 自分は人間の血肉を養分とする類いの怪物ではある。 しかし少なくともこの殺し合いに乗る気がないことを まともに説明できなかったDIOの落ち度は小さくは無い。 コミュニケーションにさえ成功していれば 共に殺し合いとサカキに対抗する協力者を得ることができたはずなのだ。 しのぶは姉のカナエの鬼とも仲良くしたいという願いを継ぎ 元の世界でも憎悪の対象であったはずの鬼とも一応対話を試みていた。 そしてついに珠世、愈史郎という穏やかな理性を保ち 人々を喰らうこと無く生きている鬼と手を取り合うことができた。 本来人を踏みつけにする種族の鬼でも完全な例外があると知っているしのぶに対し 真っ当に対話すれば組んで共にサカキとこのバトルロワイヤルに対処できたはずだった。 DIOの正体を鬼に近い怪物と見抜いたゆえに 臨戦態勢を崩すこと無く、言動の奇怪さやこちらを舐めきった態度を理由に そのまま闘いに踏み込んだしのぶ、 スージィを危うく殺害しかけた反省があるにも関わらず滅殺に掛かったことには さすがに問題かもしれないが、しのぶをはじめをした鬼殺隊にとって、 鬼とは悲劇のひたすら種をまく存在であり、 その鬼に近い習性を有する時点でDIOを怪しむのは当たり前であり、 その上にわけのわからぬ愚弄するような振る舞いをただ続け、 まともに会話する意思が見られず、ついには人間の殺戮をほのめかすような言葉まで出てきた。 そんな言葉を聞いた時点で葬り去る理由としては十分であった。 確かにDIOは過去にただの人間をゾンビにさせるなど 親友のジョナサンの命を奪い首から下を乗っ取るような 尋常では無い所業に手を染めた過ちが多々あった。 しかし根は間違いなく優しさを持った良い奴なのだ。 疲れてるであろう配下においしいジュースを差し入れたり、 既に亡き養父のジョージがかつて病で 床に伏せた際にくすり(じつは青酸カリ)を善意で渡したり、 お正月にはギスギスせず過剰な気遣いや隔たりなんかも無く 部下のみんなでたのしく過ごしたりと、 コミュ力や慈悲深さ、器のでかさもあるにも関わらず クセなのかふざけてしまい、しのぶとまともに対話せず DIOも襲われた正当防衛として、殺し合うハメになった。 時計の針はたとえ止められても彼らに戻す方法はない。 繰り広げられたのは悪鬼と 悪鬼をこの世から滅ぼす生業の者との 血みどろの死闘であった。 「情けない様だぞ、だからいっただろう検討などせず すぐに我が力を使うべきだとな、さすればあの大仏や この黄色男も一ひねりにできたろうに」 (知性の…神…さきほどすぐそばに置いた日輪刀はあなたが?それにどうして姉さんの羽織を?) 服装は鬼狩りの体服に姉のカナエが纏っていた羽織、 これだけを見て幻覚の正体がカナエと思い込んでいた だが違った。 「その通りだが?お前はあのレイピアがなければ 一切戦えぬようだからな、わざわざ運んでやったのだ。 ちなみに私の見た目についてだがこれは知らん、 どうやらお前の願望が無意識に反映されている気はするが…」 願望、確かに自分には窮地に立たされたると 励ましてもらいたい願望、頼もしい人たちに背を支えてもらいたい、 それが自分に根付いていたのだろう、 くじけそうな時に励まされ背を叩いて欲しいと思うようになっているのだ。 無限城で姉さんに発破をかけてもらったように。 自分もまだまだということの証明だ、 一人で戦えて、柱になっても本心では他人の支えを欲して… とくに最愛のねえさんの助けを求めていたようなものだから。 さすがに知性の神にそういった願望が反映されるのは意外、 というより心外だったが。 海岸に不自然にも突き刺さっていたしのぶの日輪刀、 あれはやはり偶然ではなく、知性の神が 船から飛ばされた日輪刀をわざわざ回収して用意してくれたらしい。 「しかし今、そんなことはどうでも良いだろう、 幸い手はどうにか動かせるだろう、 髑髏の徽章を身につけ寄生虫サタンクロスを飲み込め!」 「頭の優れたしのぶよ、お前になら当然わかるだろう、 今なにもしなければお前は姉にも死んだはず2度と会えず この殺し合いに引き込まれた憎き童磨とやらが我が物顔で好き放題してしまうのだ。」 「…言われるまでも無いですよ。」 「そうだそうだ良くわかっているのだろう、ではすぐにはじめよ、」 (…本当に私はそれで良いの?) 迷う、鬼殺隊は無辜の者たちを鬼の猛威から守ること そして人として鬼に立ち向かうことを誇りとしている。 知性の神の誘いに乗ればおそらく超人の力、 そして一億パワーとかいう謎の力を手にすることができるはずだろう。 その誘いに乗れば力は支配できるが間違いなく自分は人をやめてしまう。 人という存在から転げ落ちることになってまで、 そんな手段で強くなるのは本当に正しいのか? 人をやめてまで絶大な力と能力を物にしてもそんなことは人としての尊厳、誇りを投げ捨てる愚行ではないのか? もしやこれは神の提案では無く、人として越えてはならない一線からはみ出させる悪魔の誘惑ではないのか? しのぶは姉の仇、上弦の弐に死を与えるために藤の花の毒を肉体に蓄え続け 来たるべき上弦の弐との決戦のときにあえて、 毒に満ちた肉体を喰らわせて殺す策を持っていた。 この策は自分の死を前提としたある殺意と保身を投げ捨てたに満ちた狂気の策略だ。 そうだ、自分はとっくのとうに死滅を受け入れ、一度は死を体感した身。 超人となり邪神のパワーを受け入れ人をやめることくらいなんだというのだ、 仮にその提案に乗っても 必ず人々に害悪と破壊を振りまく化け物に成り果てるよ決まったわけでは無い。 あくまでも強くなり敵を滅ぼすための一応真っ当な提案だ。 超人になるといっても先ほどであったMr.VTRという超人は とくに人を襲うような存在では無かった。 だからなにも誤りではないし問題もないのだろう。 (……) 不安を拭いきることはできない、 VTRの反応からして正真正銘の神であることは確からしい、信じがたいが。 神と言うものの、知性の神は邪神に属する悪神のようなありがたくない神だろう。 不適さ、怪しさに溢れた神とやらを信じ切るほどしのぶの目は節穴ではない。 しのぶを単に強化して殺し合いを乗り切ることだけが 知性の神の目論見ではないように感じる。 (もし人を食い潰すような化け物になれば… それにこんな私でもあるんですよ、人として生きて、 これ以上鬼のせいで苦しむ人を減らす誇りが…。) 「案ずるな、人間を主食にする超人などおらんわ」 「このまま私とサタンクロスを受け入れず、 無意味に死に絶え童磨やDIOとかいうやつが暴れ放題になっても構わんのであればそのまま寝てても良いのだがな~~っ」 「仮にお前が想像しているような怪物になってしまったとしよう。 だがそれがなんだというのだ、力を手にして悪行をしでかす輩を殺すことより、 自分だけの満足感を与えるひとの誇りとやらがそんなに大切か? 私にはそんなものがあっても何かを守れなければ無駄ではないか~っ」 正論もここまで非が無いと腹立たしく聞こえる、しかし知性の神の主張に間違いは一つも無い。 人として肉体や尊厳を失うこと比較すれば、DIOを自由にさせることで 消えゆく人々の命を守れるならそれはそれで圧倒敵に正しい。 その事実の前では人では無くなるためらいや恐れ、尊厳や誇りは単なる自己満足でしかない。 不本意だがやるしかない、やるんだ、人をやめるよりこのまま命を落として DIOをのさばらせるほうが遙かに重い事態だ、きっとこれは正しいことだ。 筆舌に尽くしがたい傷痍を受けてもどうにか動いた手でバックから 髑髏の徽章を取りだしたしのぶは額に装着した。 身につけた瞬間今までに感じたことの無い底なしの気力が湧き上がるのを感じる。 この瞬間しのぶは人をやめて超人という上位の存在へ生まれ変わった。 鍛錬の末に全集中の呼吸を初めて思うがままにした時と 似たような活力が膨れ上がりみなぎる感触だ。 あまりの高揚感で逆に恐ろしくなっていく。 「フフフ…ようやく決意が固まったな。」 しかしこれだけではあのDIOとそいつが 操るザ・ワールドという悪霊には到底及ばないことがわかる。 底上げの強化はされたもののまだまだ足りない、 それに加えほぼ殴り削られた下半身をはじめとした全身の傷や深すぎる。 「では続いてはサタンクロスだーっ」 今度はうねうね動き、目の点の無い寄生虫サタンクロスを口に飲み込む、 劇物を摂取することは藤の花でとっくに慣れている、 奇怪で醜悪な幼蟲を飲んだところで生理的な嫌悪など今更感じることは無かった。 「では仕上げにこのけいけんのアメとやらを喰らえ、 これでサタンクロスを急成長させよ!」 けいけんアメを口にしてかみ砕き喉から下へ通らせる。 あめはいがいにも真っ当でおいしいふつうのアメであった。 急成長させる劇薬同然のあめだから味も薬じみてとてもお菓子にできるような ものではないと思っていたが予想に反した、簡単に食べられるくらいにはおいしいアメだ。 しのぶの肉体の鼓動が大きくそして早まる。 波打つ鼓動が力と進化を思い起こさせる、 苦痛から徐々に離してくれるような 回復感が心地良い、体中の痛みと全身の損傷が少しずつ引いていく。 「あ、もしかして自分吸血鬼ですか?…おいふえてねぇか?」 在る、数え切れないほどの打撲で失われた足が元通りになっている。 いや、正確には元通りではない、臀部から胴体は新たに生えて 本来二つしか無い足は四つになっていた。 しのぶの下半身は馬のようになった。 そして腹部には青白いのサタンクロスの邪悪な顔面が浮かび上がってきた。 唐突に両足が再生したしのぶを目の当たりにして 実は吸血鬼だったのかと疑うDIO。 その上に2本だった足がどういうわけか4本に増殖、 これをみてしのぶをただの人と思い込むほど頭脳はまぬけではない。 ダメージが完全に治癒した しのぶは起き上がり両手を握りしめ 軽く足踏みをして2本の手、新たに増えた足を動かし軽く足踏みをして 甚大な傷痍を受けたはず身体が正常に動くのを確かめる。 超人に生まれ変わったことによって湧き上がる絶大なちからと 4本に増えた足はしのぶがもう人間をやめたことを 如実に証明していた。 これが邪神に魂をうった代償であれば構わない仕方ない事だ。 新たに有したこの力で鬼たちを思うがまま殺し尽くせるなら正しいはずなのだ。 「ようし、サタンクロスを完全にものとしたようだな では最後に神の偉大な力、1億パワーを授けよう!」 ◆ 先ほどこの世から消した熊虎次郎の支給品をグノンは物色していた 役に立ちそうな支給品はあった、その中でも最も目を引いたのが このスカウターというグノンの知らない文明によって造られた機械だ。 このスカウターにはスカウターを装備した者同士ならある程度の遠距離でも会話可能、 それに加え一定範囲に座する生物の気というエネルギーをキャッチして その位置を装着者に伝える機能を備わっているという。 自分以外の参加者を探す機能は中々よい、この機能をフルに活用し、 蛆にも満たない愚劣な人間どもを手早く見つけ出し より効率的に屠り尽くせるでは無いか。 「これさえあれば退屈にはならん、 人間どもが見つかるのもよほど離れていない限り手早く見つけられるはずだ。」 さっそくグノンはスカウターを頭部に装着し、起動させた。 いきなりスカウターは猛烈な反応を起こす、南西に強い反応があるらしい。 ただの人間がこれほど莫大なエネルギーを有するとは考えがたい。 そう、ただの人間ならではだ。勇者アルスたちのような平凡な人間を遙かに上回る 聖戦士のような熟練の腕を持つ者であれば これほどエネルギーを宿しても特に矛盾はないだろう、 ほかにもし自分と同じ魔に属する存在であれば とりあえず争うことはよほどの事態にならない限りはせず、 ともに人間どもに地獄を見せなくてはならない。 グノンを地を蹴とばして飛翔し、反応を起こした地点へ移動した。 ◆ (ほんと~になにも喋んないろ…) ロトム図鑑は何もいわずなにも考えなず たださまよう猗窩座に早くも苦手意識を抱いている。 道中、殺し合いという状況のため さすがに気楽なおしゃべりができるとは 全く思ってはいないがそれにしたって無口すぎる。 ロトム図鑑じしんももうほとんど何も語っていない 名簿を読んで以降も軽く話そうとしたが つねにぼんやりとして、猗窩座が何を考えているかわからず 適当に話をかけているうちに、やかましいと 訴えかけているかのような目で睨まれ萎縮し どうしても必要なとき以外は沈黙するようにした。 猗窩座の今の思考は非の光を凌げる場所はどこかだろうか、その一点のみ 鬼に死を与える日光はとりあえずさけなくては。 ボーっとしている猗窩座だが、鬼という種族はごく一部の例外を除いて生存本能が肥大化している。 ついさっきまで鬼の領域で愉快に勧誘していても、日が昇る時が近づけば 思考を一瞬で切り替え、日光から離れることで体と頭がいっぱいになり 脱兎がかわいく見えるほどの早さでその場から逃走する。 それほど悪鬼の生存本能は固く大きくブレがたい。 日が直接当たらない建てももの内部や、日光が刺さらないほど深い森林や洞窟を探し求めていた。 隠れ家をさがす猗窩座に突如全身にしびれを走らせるような衝撃が巻き起こる。 あの方角からだ、あそこから“なにか”を感じる。 破壊殺 羅針を展開していない段階でも如実に伝わってくる。 「…破壊殺。羅針」 それでもなにかの間違いを考慮して、羅針を再度展開する。 「あの~どうしたロ?」 「黙ってろ…これは!?」 やはり気のせいなどでは無かった。 羅針の発動と同時に身体の内の外も焼け付かせるような悪寒が猗窩座を覆い尽くす。 至高の領域に上り詰めた鬼殺隊ですら発することはありえないような あまりに不気味で感じたことの無い禍々しく、邪悪さと獄卒がわいている冥府、地獄を思い起こさせる謎の闘気、 おそらく鬼の闘気か、正解があるとすれば確かにそれだろうが、 既に亡き鬼たちの頂点、無惨様ですらここまで悍ましく、 破壊的なものを猗窩座に感じさせたことは無かった。 かつて炎柱の煉獄を殺害時に報告した際に、 残りの隊士を殺し損ねた失態を 叱責されたときがあった。その際に無惨様が起こした怒りや圧力がまだぬるく思えるほど ドス黒く暴力的ななにかを否応なしに感じさせ身震いする。 緊張と旋律がある、しかし好奇心もまた芽生える。 これほどの闘志を巻き起こす人物はなにものか、 特に願いも野望もない猗窩座にとってこの殺し合いにおいて 目標が創られる。 この絶大な戦意を放つのは何者か。 知りたい、何者か確かめてみたい。 思考の直後に風を切るほどの速度で走り抜ける。 「早っ!!ちょっとどこにいくロか~!?」 唐突駆けて置いてけぼりにされるロトム図鑑 おとなしすぎると思っていた主人がいきなり また足下に雪の結晶のような結界を張り巡らせたら なぜか猛ダッシュして去ってしまいただ困惑した。 ◆ 「ふははははは~~!今ここに新たなる神の子! 胡蝶しのぶの生誕だ~!!」 黒煙のようなオーラに変化した知性の神がしのぶに激突しするりと中に入り込む。 火災のような燃え盛るオーラを台風のように 巻き起こししのぶは偉大な力を宿し、まるで狂喜を表すような雄叫びをあげる。 その雄叫びとともに徐々に肉体はかわりゆく、 全身の筋肉は一億パワーによって隆起を繰り返し、 かつて鬼の頸も切れないほど膂力が足りないと 言われたのが信じられないくらいパワー化け異常な成長を遂げる。 顔面も著しく化けていく、しのぶの面はかつて我妻善逸に顔だけで 食べて行けそうと評されるほど美麗で端正の娘であった。 その麗しい顔立ちの面影は影も形も無い。 初めて知性の神に憑依されたフェニックスマンと同じく 歌舞伎のような独特で規則性を感じさせる紋様が顔に刻まれ ぶたばなとたらこ唇に様変わりし、 お世辞にも美が含まれているとは誰も称しないであろう 醜女と罵られても仕方の無い顔立ちと化した。 胡蝶しのぶは今までの胡蝶しのぶをではなく 再生の蟲と全知全能の神を宿した、知性の超人として生まれ変わった。 「キモ」 飛行中のDIOからすればぶちのめした小娘が なぜか再生し、ぶっ飛ばした足が4つになり おまけに超マッスルなブサイクに堕ちた。 こんなわけのわからない状況は奇怪そのものであった。 気味が悪く2文字で罵倒する以外、何も感想などは無いDIO。 そのとき、1億に達する偉大なちからに引き寄せられた異形の鬼が現れる。 「一つ問わせて貰おう、人のままでは決してありえぬ気迫と妖気…お前もまた鬼なのか?」 羅針の反応のままにE-9地点へ向かった猗窩座が到着した。 目の前の4本腕、4本足の異形の女はまず人ではない。 腹部には不吉な面まで浮かび上がっている。 知らぬ未知の化け物を前に幾度となく死闘を繰り返し 上弦の参に上り詰めたほどの能力を誇るあかざでも 神の化身を目前として戦慄を隠すことはできなかった。 「…魔の頂点に近い圧力…もしや貴様…。」 邪神の猛り溢れる戦意に引き寄せられた人間の敵が上空よりもう一人 獣王グノンもスカウターの反応を頼りにE-9にたどり着いた。 グノンたちモンスターの首領、異魔神を彷彿とさせる妖気とまがまがしさを 巻き起こしている、この魔物は頭目の異魔神と同じく もしや魔に属する異形の神なのか? 平凡な魔物ではまず用いられぬ威厳と底が一切見えぬ際限の殺意。 これほどの禍々しいパワーを宿すのは異魔神さまいがい知らぬ。 もしそれほど魔力があるのは文字通り神くらいしかありえない。 スカウターも効果音がやかましいほど反応している 戦闘力の分析機能が過剰に感じるくらいに稼働し、 対象がいかに異質で次元が違うのかを表現していた。 神の名をもつ、我らモンスターたちの頂点異魔神。 異魔神と同等並みの威を備えたこの魔物、 もし真に魔の領域に立つ神であれば、 到底自分の力と技術では太刀打ちできないが…。 今まで体感したことの無い極上の気分だ。 今まで数え切れないほど膂力不足を恨めしく嘆いてきた。 鬼たちの首を切れない貧弱な筋力のため 藤の花の毒を開発に執念を燃やした。 毒をもって鬼に死を与えられるようになったのは素晴らしいことだが それでも鬼と戦う中で、力の足りなさを痛感する憂いと口惜しさには何度も直面してきた。 もう少し力があればまだ早めに倒せて無駄な消耗を避けれたかも知れない。 そのように悔しく無念に感じることは毒を開発したあとでも避けられなかった。 これらは裏を返せば自分の力が以下に足りなかったのかを物語っている。 たった今自分の苦悩の要因であった覆しがたい無力感から解き放たれた。 神の力を意味する1億パワーによって。 しのぶの精神面は異様なまでにハイになっていた。 かつての人間ジェロニモの同じく、 初めて人間から超人に進化したことによって 副作用染みた激しい興奮状態に至っていた。 温厚で正義感のジェロニモも超人に進化したばかりの頃は慕ってくれた子供を 問答無用で突き飛ばすほど獰猛化している。 残忍で冷徹に徹する悪魔超人たちも人間、 ましてや子供に手を上げるような蛮行をしでかしたことは一度もない。 極悪な悪魔でもやらかさないような非道な暴力をしてしまうほどの大興奮。 同じ過ちをしのぶは再現しようとしているのか。 加えて邪悪五神の筆頭、知性の神が取り憑かれ邪悪さが増大。 フェニックスマンも知性の神を受け入れたことによって 妬みと憎悪に起因する邪心が増大化し、 外道の域に手をだし、ビビンバへの所業などあまりに卑劣漢としか称しようのない超人になったことがある。 超人による獰猛化、邪神憑依による凶悪化。 この二つの影響しのぶの精神は歪み理性はあまりに薄れていた。 穴ぼこで血まみれの吸血鬼、 主も目的も何もかも失った鬼、 獣系のモンスターを束ねる獣王、 かわいさを磨かんとする首から下が埋められたポケモン、 非常に強靱な精神を宿したモンスター。 多数の集まった怪物たちは誰もが一同、 知性の神に魂を売り渡し、 力と獰猛性を肥大化させた胡蝶しのぶへ警戒、 あるいは戦慄と動揺の眼差しを向けていた。 【E-9/早朝/一日目】 【胡蝶しのぶ@鬼滅の刃】 [状態]サカキや童磨への怒り、複雑だが姉が生きている事への嬉しさ、髑髏の徽章を装着(超人化)、知性の神が憑依(一億パワー取得)、異様な興奮。 [装備] [道具]基本支給品、ランダム支給品0~1(確認済み) [思考・状況] 基本方針:殺しあいの破綻が目標 1:急激な強化による異様な興奮? 2:鬼どもを潰し殺す。 ※備考 他の世界にいる超人やモンスターという種族について知りました。 【DIO@うろ覚えで振り返る 空条承太郎の奇妙な冒険】 [状態]全身穴ぼこの大出血、しのぶ(知性の神憑依しのぶ)にドン引き [装備]特になし。 [道具]基本支給品、ランダム支給品0〜2 [思考・状況]基本行動方針:脱出したい。 1:この娘(知性の神憑依しのぶ)…きもい。 2:テレンスどこにいるのかなぁ? 3:ジョースター一行とは話し合って協力したい。 4:車壊してがっくり 5:運転とはこんなに楽しいもんだったのか…。免許とりたい。 [備考] 参戦時期はPART59終了の直後です。 制限により空は短時間しか飛べません。 太陽光に晒されたら死にます、展開上死なないみたいなことにはなりません。 ザ・ワールドの時間停止が2秒になっています。 【猗窩座@鬼滅の刃】 [状態]驚愕。 [装備] [道具]基本支給品、ランダム支給品0~2ロトム図鑑@ポケットモンスターウルトラサンムーン [思考・状況] 基本方針:……… 1:鬼…なのか、この女(知性の神憑依しのぶ)は…。 【グノン@ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章】 [状態]:驚愕。 [装備]:グノンのハーケン、スカウター@ドラゴンボール超 ブロリー [道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2、熊虎次郎の基本支給品とランダム支給品0~2 [思考・状況] 基本方針:蛆(人間)を皆殺しにしてレインボーロケット団の技術を奪い尽くす。 1:この魔物(知性の神憑依しのぶ)はもしや神なのか…? 2:蛆(人間)を探して殺す。 3:レインボーロケット団の技術を奪い尽くす 4:あの小童(研)の使った武器は一体… 5:モンスターの参加者については基本は保留、しかし襲われるか気分を害されたら殺す。 【しびれくらげ@DRAGON QUEST -ダイの大冒険-】 [状態]健康、DIOへの困惑と警戒(中)、しのぶ(知性の神憑依)への警戒(大) [装備]特になし。 [道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3 [思考・状況]基本行動方針:脱出したい。 1:今はただ生き延びる方法を考えなくては。 [備考] 参戦時期はチウをマヒさせて立ち去った後です。 【コダック@ポケットモンスターオメガルビー】 [状態]:健康、しのぶ(知性の神憑依)に動揺。 [装備]:なし [道具]:基本支給品、ポロックキット(あか、あお、みどり、きいろのポロック1つずつ)@ポケットモンスターオメガルビー、ランダム支給品0〜2 [思考・状況] 基本方針:ももいろポロックで可愛さを上げてサファリゾーンに帰る 1:こいつ(知性の神憑依しのぶ)を相手にどうすれば良いんだ、(逃げられるのかなあ…?) 2:ももいろポロック、またはももいろポロックを作れるきのみを探す [備考] 殺し合いの舞台にいるということは理解していますが、自分が可愛くないから連れてこられたと思い込んでおり、可愛くなれば免除されて脱出できると思っています 【支給品解説】 スカウター@ドラゴンボール超 ブロリー フリーザ軍の軍員に支給されるメカ、 対象の分析機能や索敵機能など多くの機能がセットされている。 フリーザ軍の技師、キコノが開発したという。 PREV 038 NEXT パンドラボックス/デンジャラスマシンTYPE-13 投下順 [[]] パンドラボックス/デンジャラスマシンTYPE-13 時系列順 SurpriseDrive DIO しびれくらげ 回転2万回転 胡蝶しのぶ 何もないさすらい 猗窩座 恐怖!極悪な獣人! 恐怖!極悪な獣人! コダックはそのままで充分可愛いよ コダック
https://w.atwiki.jp/llnj_ss/pages/906.html
元スレURL 侑「歩夢に押し倒された」 概要 侑ちゃんつよい タグ ^高咲侑 ^上原歩夢 ^短編 ^ゆうぽむ 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/mtgflavortext/pages/3834.html
人々は目から砂をぬぐって、毒づいた――そして、自分たちの土地をあきらめて、ハイエナと毒蛇に明け渡すことにした。 ――アファーリー「語り」 "The people wiped the sand from their eyes and cursed――and left the barren land to the hyenas and vipers." ――Afari, Tales ミラージュ 【M TG Wiki】 名前
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/4413.html
【検索用 ほくとほく 登録タグ 2009年 AVTechNO NexTone管理曲 VOCALOID ほ 初音ミク 曲 曲は 鏡音リン 鏡音レン】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 歌詞(M-Only版) コメント 作詞:AVTechNO 作曲:AVTechNO 編曲:AVTechNO 唄:初音ミク・鏡音リン・鏡音レン 曲紹介 曲名:『僕と僕』(ぼくとぼく) ボカロ作品では多分19作目(公開リスト内のみ)。 アップテンポのテクノ。 途中で延々と続く早口の歌唱が圧巻。 誰か歌ってみろ。 アレンジ版「Boku-Boku .β」は殿堂入りを果たしている。 歌詞 [ミク] 目を閉じて 穏やかに 落ちつかせて 深く深く [レン] 心の扉を開くたびに 不安と孤独が僕に押し寄せ どこまでも付き纏う白い影 何かを得るまでは目覚めることのないこの世界は… [リン] 今にでも崩れてしまいそうな 繊細な心のカタチだけ 崩さずに残しておきたいよ これが僕らしさの証だから 誰にでもひとつはあるもの 大切にしているものが 見つけ出す時間が今の 目を閉じて深く沈むときで [全員] 君が君らしく君でいる限り 君は君らしい君にもなれるし 僕は僕なりの僕を演じることで 僕の僕らしい僕を見つけることが出来る 当たり前のことを当たり前のように 感じてしまう毎日だけど それでも僕は僕らしくいられる場所を探しだして 君の側に少しでも近づけるように 太陽と月と星みたいに輝ける事ができる僕を 君に見せられるまで探すし 君は君の明るさで君の周りを照らす事で 君のそばにいる人たちも元気にさせる 僕も君みたいに振舞うことができるように 目を閉じて探しているけど それでもなかなか見つけることは難しいよ 君の見ているものが僕にも見えるようになれば 僕の探し物は見つかるのかも知れないけど それが見える人と見えない人がいるとしたら 今の僕には見えない人だと思うよ。 目を閉じている間だけ僕を見ることができるけれど それは一人としての僕を もう一人の僕が話しかけるみたいに お互いが孤独の中から話をする事なんだ。 多分みんなも同じように自分を見直したりして 自分らしい自分を見つけていると思うし そんな事ばかり考えているから前に進めないのでは? なんて考えたりもするけど 少しはこういう時間も大切でしょ 流れ星も気まぐれで流れているモノじゃないのと同じだし 山の小鳥も海の鯨もシロクマも 蟻も狐もふんころがしもみんな… 決して無意味な事なんかないことだけど それだけを見ていては見つかるものも 見つからないけど、その事を君に話せることで 僕も少しは心が落ち着いてまた明日も頑張れるように 僕は僕の君は君の時間があることを 知ることもできたんだよ…。 [リン] 見つめなおす事も 大切なことだけど それだけを見ていても何も始まるわけでもないし 時間が経てば気づくこともあるから今は 心配しないで前を向いて歩いて行くことが大切でしょ だから今は目を開けて 深い眠りから覚めて僕と手を繋いで行こう 嫌なこともあれば 楽しいこともある それをともに感じて 楽しい思い出を作ろう… [ミク] 落ち着いて… 目を開けて… 歌詞(M-Only版) ※元と違うのは 「蟻も狐もふんころがしもみんな…」 が 「アリ も キツネ も ダンゴ虫 もみんな…」 になっていること。 コメント もっと評価されるべき。レンの早口がかっこよすぎる -- 名無しさん (2009-08-02 22 59 08) もっと評価されるべき -- 名無しさん (2009-08-22 18 52 17) かっけー。 -- 名無しさん (2009-08-22 19 10 58) 君が君らしくからってレンじゃないの?全員? -- 名無しさん (2009-09-12 23 50 34) 緻密なリズムがかっこいい。よすぎる -- パックマン (2010-01-15 04 53 35) 良い -- 名無しさん (2010-04-06 20 43 13) 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
https://w.atwiki.jp/ikenumayui2/pages/168.html
女が店に押し入り、商品を略奪─京都市 昨日、京都市の店に女が押し入り商品を略奪する事件が起こった。 事件があったのは、京都市左京区のコンビニエンスストア・いけぬマート桜ヶ丘店。 午後2時過ぎ、一人の女が「うんたん♪うんたん♪」と奇声をあげて入ってきて、アイスクリーム売り場の棚を荒らし、アイスクリームを勝手に食べ始めた。 店員は女を取り押さえよとしたが、突如暴れ出し脱糞。 その有様に店員が怯んだが、女は突如苦しがり床に転がりだし嘔吐。 その隙に、駆け付けた警察官に女は逮捕された。 警察のその後の調べで、この女は市内の桜ヶ丘特別支援学校に通う平沢唯(19歳)と判明。 重い知的障害を患い、近所で度々似たような事件を起こしていたという。 店には損害はあったものの、幸い怪我人は無かった。 池沼唯SS第一保管庫に戻る
https://w.atwiki.jp/ressenrowa/pages/100.html
← 自立し殺意を持って掛かる大仏、 そんな奇怪な存在に襲われどこかに飛ばされた私はどこかの浜辺で目を覚ました。 全ての元凶無惨の滅び、鬼以外の人外であるスージィにVTR、 そして私の最愛の姉、父さんと母さんの亡き後、 ともに鬼殺隊に入隊しいつだって一緒に頑張り続けた最愛の姉、 胡蝶カナエの蘇生の可能性。 常識では計れない存在や事象に触れ続けているのか 大仏に飛ばされても私は少し不思議なほど冷静でいられた。 混沌とした状況が連発しても慣れれば 嫌でも平気でいられる…慣れとはある意味スゴイものですね。 その他欠かせない道具が収納されたバッグも 掛け手を掴み続けていたので紛失することはなかった。 さらに日輪刀も、大仏の振り回しに耐えきれず手放ししまったが どういうわけか目の前の地に突き刺さっていた。 あのとき確かに離してしまったはずなのに、 こんなにも都合良く日輪刀があることに 疑問を隠せません、…これもあの知性の神とやらが関係しているのでは…? 武器を失わなかったのは良しとできますが。 そして同行していたスージィとVTRの姿は私に見えない。 どこか別の場所に飛ばされたのでしょう、 あのまま放り出されて打ち所が悪ければ人なら死に至る可能性もありうる、 でもあの二人は違う、人ではなく あの程度で命を落とすほどの生命力では無いはず 加え闘い慣れしているスージィとVTRなら少なくとも 大きく飛ばされた程度で死ぬとは考えにくい。 いずれ合流しなくては。 そのとき唐突に豪快に風を切る音が耳に入る。 バトルロワイヤルが開始されて以来、再び一人になった私の目に映ったのは なぜか飛んできた廃車だった。 誰がなんのために飛ばしたのか、 思考を巡らせる間もなく飛び道具と化した廃車を避ける。 背後の海に廃車は落ちて沈み 浮かぶことはなかった。 このような強引な力技が可能なのは少なくとも鬼のような異形だろう、 それかスージィとVTRのように私の知らない未知の種族か、 こちらへの投擲は優勝に近づくため私の殺生が目的でしょうか。 飛んできた方向を見ても私にはなにも見えない。 ここまで性格に投擲をしたということは下手人の視力は 常識では思いもつかぬほど優れていると見て良いはず、 相当の遠距離からの攻撃、桁外れの視力に遠距離でも余裕で届かせる投力。 馬鹿正直に投げてきた方角に向かっても 書けて近づきながら投擲物を回避できる保障はない、 今、回避ができたのはぶつかる数秒前に気づけたのも大きい。 「効力が本当にあるかはわかりませんが一度試す余地はありますね。」 飛び道具に対処しつつも近づく手段があった。 支給品の一つ、このみかわしスカーフという特殊な布を身につければ 投げられた道具がなんと一切当たらなくなるという。 …正直言ってあまり信じられない、 どんな原理なのかしら? 少なくともここまで特殊な道具を人の手では作り出せないと思う。 鬼の血鬼術のような人に使えない手段で想像した道具…? 記載されているように 当たらなくなる効力があるのかは疑わしい。 スカーフを腕に巻いてから 地面に転がっている小石を拾い、 真上に投げる。 そのまま小石はおちますが 動かずそのままでいてみる。 …結果、小石は私の頭部に当たることなく通り抜けて足下に落ちた。 これで一応当たらないことがハッキリと確信できた。 廃車を飛ばした者はいったいなにものか、 鬼か未知の存在か、意外にも力に溢れた人間か。 正体はこれから明らかになるはず。 ◆ 「人は…滾る欲のままに利便性を追求して 快適な道具を数え切れんほどつくった」 先ほど壊れたタクシーにとどまらず、人間の願望や利便性の探求に限度はない。 「しかし…快適な道具に頼りすぎた結果が…人の弱体と思われる」 使い勝手の優れた道具を利用しすぎた末路は人そのものの弱体であるのだ、 時には己の肉体をフルに活用し、己自信を磨かねば人は前に進めない これは魔物でも同じと言えよう。 「時に俺らは…自らの足で進まねばならない その意味では先ほどのタクシーは崩壊して正解だったのだ オレの見解がお前にわかるか?」 妙にかっこいいこと行ったつもりだろうが スクラップと化したタクシーが使えなくなっても これはこれで良いのだみたいな強がりを言いたいみたいだ。 「あんなポンコツがなくても我らは歩めるのだよ」 速度は落ちるだろうが。 「お取り込み中のようですが失礼します。」 下手人と思わしき人物にまで近づいた私の目に映ったのは 黄色く見たことがない服装の男性と もう一人…じゃなくてもう一匹は…くらげ? このくらげは人ではないとしても 鬼または血鬼術で想像された怪物なのかは…わからない。 勝手に鬼と決めつけてはダメ、 スージィと初めて邂逅したあのときのように 無用な争いを始めてしまう。 ですので保留としましょう、万が一殺し合いに乗っていれば無力化させるまで。 問題は…。 「失礼されます、さきほどの…投げたのことでむかついてんの?」 「あの投擲はあなたの仕業だと?」 「すまん、いらついてヤケクソになっちゃてやらかしちゃった、誠にごめんなさい。」 廃車を簡単に投げ飛ばしたこの珍妙な黄色の男は…肌が青白い、 まるで長きにわたって日の光を受けていないような… それに口元に牙が見えた。 鬼殺隊に入り、長年修羅場をくぐり抜けた私のカンが告げている。 この男は鬼またはそれに近く、 血肉を糧として食い潰す異形の権化。 それでも…一応殺し合いに乗っていない平穏主義、 また未知の種族の可能性やカンが間違っていることわずかにあり得る。 だから私はいつものように問いかけなくてはならない。 まともではなさそうな上にヤケを起こして 車を投げるという無駄すぎる愚行を躊躇なくするような人格ですから 望んだ答えはほぼ期待できないけど。 「私は胡蝶しのぶという者です、 不躾なことをお聞きしますが…あなたは今まで人を食べたことがありますか?」 「丁寧に紹介どーも、どっちかつーと飲む派です。」 喰らうのではなく飲むと表現する理由がわかりませんが やはり人々の血肉を糧としているらしい。 「あとこっちの名前はDIOです、デブとかつったら貴様を意地でも殺すぞ。」 やはり人を食べない仲良くできる鬼はあまりに少なく稀少。 共に無惨を弱らせる多数の薬を作り上げた すごい人の珠世さん、 その珠世さんが造るのに成功した無惨を祖としない唯一の鬼、愈史郎さん。 最後に…炭治朗くんの妹の竈門禰豆子さん。 人を喰らわず眠ることで活力を増幅させ、 あらゆる鬼の死の根源となる 日輪のきらめきを浴びても滅ばぬ異例の鬼。 私が今まで仲良くできたの結局この三人だけでした。 …愈史郎さんとはかなりギクシャクしてしまいましたが。 それでも姉さんの願い、鬼と人が手を取り合う奇跡を私は叶えることにできた。 「そんで…味は鉄でして…亜鉛も豊富のが…」 「誰も味のことは聞いていません、この催しの場でも血肉を求むのでしょう?」 「そりゃもうぐびっと行きたいけど………ッヴェッ」 ――蜂牙ノ舞 真靡き 力を込めた踏み込みで一気に距離を縮めて 額目がけて日輪刀を私は突き刺す。 奇跡はあくまでも奇跡、本当に滅多に飽きない珍しい出来事。 ごく僅かにともに歩める鬼がいても 鬼は人々を苛ます厄の化身というのが苛烈でありながらも虚しい法則、 これを忘れたことは大切なみんなを殺されて以降私たちは決して忘れない、 わすれてなるものか。 犠牲が広がる前にここで片付けなくては。 「つゥゥゥゥ……いたい。ちっくりするよ。」 見慣れない服装のこの男はやはり外見に違わず鬼、もしくは同等の生物。 頭部を貫通させてもまるで死に絶える気配がない。 人を餌扱いする怪物は一刻も早く排除せねば。 突き刺した日輪刀を鬼の額から抜き取り後ずさる。 鬼の隣にいたくらげは唐突に幕を開けた命の取り合いに動揺しているようだが 次の瞬間には離れはじめた。 どこへ逃走するのかはわかりませんが くらげへの対応はこいつを始末してからですね。 「ふういたい。」 痛みを感じているようですが藤の花の毒への反応は…。 「どうして次のちくちくしないの?ターン制か? このままぐりぐりやってたら良い線行けたかもなのにな。」 少し立ち止まり毒の効力を見るも…まるで意味を成していない。 上弦の弐すらも少しは効き目を発揮していたのに。 この鬼の免疫力はいったい…? 上弦すらも凌ぐ免疫性か、または鬼そのものではなくあくまでも 鬼に似ているだけの近類種だから通じないだけなの? 「稚拙で意味をなげすてたような 破綻まみれの戯言も 神経を逆撫でくれますね。 その妄言しか垂れ流さない口を自分であごでもちぎって 使えなくしたほうが、 あなたも無駄なことを言わなくて済みますので得ですよ。」 挑発か、または煽りか、それとも素でほざいているのか とにかく吐き散らかす言葉の意味が理解できず、 耳を傾けるだけ無意味としか思えない、DIOの言葉は無視しても問題ないだろう。 「はい、ターン制なら次こっちからやりますね。」 両出を伸ばしあくびをしたまま 緊張感のかけらのない人を食った態度で行動を宣言してきた。 「ザ・ワールド!!」 前振りもなく、その叫び声を上げると 鬼の背後から筋骨隆々かつ強靱さと威厳を放つ異形の存在が現れる。 人型ではあるが、人間には全く見えない存在。 気がつくと私は羽交い締めにされて身動きがとれ無くされた。 あの白いくらげが背後から触手で巻き付いていると思いきやそれは間違いだ。 まだくらげは鬼の隣にいる、その鬼も私の視界に立っている。 なら今締め付けているのは、今出現させた存在か? (この化け物は一体?) 少なくとも人間ではないのは確実、 ならば鬼か?それは一応あり得る。 しかし不可解なのは今まで現れる予兆や 前触れなどなく、瞬間移動の如く1秒かからず 目の前に現れたのだ。 全参加者、あの巨大な大仏にすらにはめられている首輪はみえなかった。 そのため他の参加者が宣言に反応していきなり乱入したとは違う。 ならば血鬼術やVTRが使いこないしている特殊な能力、 この人型の存在はその類いの能力そのもの…? 「どんなヤツもザ・ワールドの前では無力なものよ。ほれほれ。」 人型はザ・ワールドと呼ぶらしい。 そのザ・ワールドとやらの頑強な四肢が私の四肢を締め付けている。 一体何が…? それにしても何故一瞬で? 後ろをいつの間にかとられたことより、 羽交い締めにされた瞬間がわからない。 基礎的な筋力が柱の中で最も劣っている私にとって 四肢を振り払い脱出するのは不可能。 それも体を全く動かさずに一瞬で拘束するとは。 『ターン制なら次こっちからやりますね。』 その宣言を耳にしたのとほぼ同時に化け物を繰り出し 羽交い締めにされていた。 ザ・ワールドの視認は一応できているが 羽交い締めにされる瞬間などまるで認識できなかった。 「いまからさー」 伏線や前兆など一切無く唐突に変貌しゆく状況。 「まさか時間を…?」 時間を操る能力はVTRのことで体感済み、 そのため察しがついた、思わぬ予習だった。 「へ、ぬぅえわだ!?ぴったんこかんかん!!!」 能力を見抜かれた衝撃のあまりか ヤツは間抜けで滑稽で知能と理性の破片も感じさせない雑音を喋りただ狼狽える。 もしVTRさんとの邂逅がなければわけもわからぬまま殺されていた。 「早い早い!」 判断と理解が早い! さすがッ!さすが柱ァとDIOは思った。 「そんでこの能力がわかったところでおめぇいに なにができるってんだい?」 だが私は依然として身動きがとれない。 このままではすぐに命を潰されてしまう。 急に羽交い締めにされたことがわかろうが 現状のままだと死ぬことは間違いない。 あまりにも早く詰みの一手を賭けられた。 「このままぐさぐさのぶさぶさ宣誓にしても良いんだけど、あっソーダ。」 何を思いついたのか分からないがバッグの中身をあさりはじめる。 「おしおしおし牛あった。」 取り出したのは…筒? まるで缶詰を引き延ばし、 先端に鉄砲の引き金ような装置を付けた妙な外見の筒だった。 「これ、むしよけスプレーって言ってねえ…これを貴様にっふっかけます!!」 ◆ いきなりびっくりだなあ、なんの音だろう? なにかがこの建物にぶつかったらしいけど 争いに撒き困られたくはない、 ちょっとチラ見したらさっさと逃げなきゃ。 逃げるのはサファリパークで慣れっこだ。 捕まえようとしたり泥をなげかけるトレーナーたちのせいで 逃げることはとっても得意になったんだ。 ドアをあけてっと… 外でうるさくしているのは誰なのさ。 「スプレーはぁぁをっ!!相手のこーないにシュゥゥゥーッ!!」 ぱっと見よくわからないし、ジックリ見てもわからないと思う光景だった。 女の人が黄色い変な男にむしよけスプレーを口内にシューされている。 ぼくたちポケモンはあのスプレーなんか大嫌いだけど 人間たちポケモントレーナーもあの臭いが嫌いなんだね。 いや、こんな考え事してる場合じゃ無いぞ。 隠れなきゃ。 こんな危険で意味の分からないやつに狙われたら大変だ。 泥を投げられるどころじゃ済まない目に遭わせられちゃう。 「こんばんわです。」 どうしてもう目の前にいるのお? ◆ 口内に薬くさいような、なんとも言えぬ微妙で 受け入れ難い香りがあっという間に広がっていく。 姉の仇の上弦の息の根を止めるため摂取し続けた藤の花の味の方が全然まし。 それほど虫除けスプレーの味は劣悪であった。 少なくとも藤の花よりもひとの口に入れていいものじゃあない。 間違いなく…私に入れられたのは猛毒だ。 噴射口を口に直接挿入され、噴射されるスプレーの味にもだえ苦しむ。 呼吸も実質封じられ酸素はみるみる不足し、 時間がたつほど吐き気も込み上げていく。 「わらあ!空っぽの星!」 じたいをゼロから始めよう、虫除けスプレーはもうすっからかんとなり、 からのスプレーをディオは投げ捨てた。 みんなは使い終わったらゴミ箱に捨てようね。 ザ・ワールドは羽交締めを解いてしのぶを サッカー試合のフォワードのキックよりもさらにパワフルに蹴飛ばした。 転がされたしのぶは大きくむせ込み口内の唾液がこぼれ 腹部に入れられたキックで臓器に衝撃が込められ 胃液の逆流が止まらず、吐き気も一層催し耐えきれず 臓器にたまった液状のものをたまらず嘔吐した。 「いぇーいルええええい!駆除ジョジョジョ。」 しょうもないスプレー攻撃が効果抜群で愉快になったのか、 DIOはザ・ワールドとニヤけながらハイタッチをする、 ハイタッチできる友達が自分のスタンドくらいだなんて虚しくならないのか。 ゆーいつの友達のジョジョナサンは自分で殺したも同然、所詮ひとりぼっちだった。 「ほらやっぱお前じゃこのDIOをやっつられなくて…善戦もできず…あるからして…DIOは強くて…負けなくて…重機関車がトラウマで…ブランドーの名をぶん投げて…」 背後から呆れ顔で観戦してるしびれくらげは おめーなにが言いたいんだよと言わんばかりの目線をDIOに向ける。 他人に何かを伝えるときは頭の中で情報をまとめ、わかりやすく伝えるべくある程度喋ることを整理してから言わなくてはいけない。 そんな常識的なこともできないDIOなんかが、 しのぶにこのDIOは強いんだ降参しろー的なことを伝えられるわけがなかった。 口内と腹部のむせ返るような気色悪さと蹴りの苦痛に耐えつつ私は起き上がる、 腹部に脚技を打ち込まれただけだ。 この程度ならまだまだ問題ない。 上弦の弐に致命傷を追わされてもなお 立ち上がったあのときの激痛に比べたこの程度平気だ。 「こんばんわです。」 やつは私への興味を完全になくしたのか 唐突にきのこの建物から現れた黄色いアヒルに なれなれしく挨拶をしていた。 舐められている、私如きもう眼中に無いのは間違いなかった。 そのふざけて他人への敬意なぞ微塵も無く、 ひたすら貶す振る舞いは上弦の弐を嫌でも思い出させる。 「いま忙しいくてだるいからまた後にしようか。」 コダックは持ち上げられると地面に突き刺され 頸から下が埋められた。 何が起きたのかわからないというのが 表情に現れ目を丸くして唖然としている。 「おまえなにゲボってんだよ、汚いしグロイ注意だよ、 あんなノロイキックでバテてんなら底が見えているな、 言っとけどさ、ギブアップなんてさせんからな。」 「ほんれ、ここもう一回ブスんと狙えよ、刺してからグリグリすればいけるかもしれんぞ。」 額に親指を当てて、腹立たしい薄ら笑いを浮かべている。 逆上せずにはいられないがあんなわかりやすい挑発に乗るほど 私は単純ではない。 血鬼術に近い異能の技なのか、 金色の背後霊を出現させて意のままに操る術を持っている。 実質2対1の不利な局面を私は強いられている。 真っ正面からぶつかっても2体にあらがえる術はない。 ならばここは不意打ちを試みるしか無い。 「おい!?どこ行く!!?」 私はあっけにとられるあいつを放置してきのこの建物に入り込んだ。 入ったのとほぼ同時に扉をしめる。 「貴様あ…そっちからケンカを売っておいて 逃げかくれるとは…やる気が無いみたいだな、やる気無いなら帰れよ!」 ドアノブに手が触れ、開くために手をひねる。 開く音が聞こえる。私はこの瞬間を狙っていた。 ――蜻蛉ノ舞 複眼六角 建物に入ってからすぐ左の位置に待機していた私は 日輪刀をすかさずあの憎たらしい顔面にすれ違いざまに飛び刺し込む。 「げおっ」 DIOの背後に回り込めた私は猛撃の手を緩めること無く 背中を狙いさす。 ――蜻蛉ノ舞 複眼六角 「ぬ“ん”っっ」 今度は正面に立ち、さらに刺し込んでいく。 ――蜻蛉ノ舞 複眼六角 さきほどつついていた額、 緑色の眼球、口部、鼻部、頬、上半身、下半身を、 怒りと憎悪しか煽らないやつの存在そのものをとにかく刺し続ける! 「いくら不死身の力を持っていても 痛みと出血にはどれほど耐えられるのですか?」 私には鬼の頸を真横に切断する力は無い、 要するに振るう膂力が未熟なのだ。 しかしまっすぐに付く筋力にはそれなりに恵まれている。 突きの速度では相応の自身がある。 腹立たしい奴の全身は瞬く間に蓮根のような小さな穴ぼこまみれとなった。 体中の穴から多量の血液が流れ落ち、 真下は鉄の臭いが絶えない血沼と化す。 「ぉっ……ぐぉっっ…か、考えてんじゃん、不意打つの痛い。」 苦痛を動揺を与え込むことにはできたが、 おそらく鬼の近類種、多量の流血では怯むようだが死に至ることはないだろう。 それでも少しでも体力を奪い、突き刺しをまだまだ続ける。 「そうかあ…ラッシュの早さ比べがそんなにやりたいか…」 まだ終わらせない、さらに複眼六角を放つ。 「ザワルドォォォ!!」 痛みにも慣れ、ある程度まともに動けるようになったのか 後退し、あの金色の悪霊が再び現れる。 「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無 駄無駄無駄無駄駄無無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無 駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄 無駄駄無無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」 悪霊は私の6連続の突きに抵抗するかのように拳を連続で繰り出す。 拳速の乱れ打ちは一撃一撃が大砲すらも超えるような 馬鹿げた速度で打ち出され、日輪刀を瞬時かつ粉々に粉砕する。 突きの早さ比べるどころか鉄拳の 連突き開始時の異様な速度に放たれる打撃を前に 私はなにもできなかった。 特に下半身を執拗に撃たれ、みるみる両足が削れていく。 「おめーのうごき見てっとなんか踏み込みとか スピードとかやたらすごい感じだから足奪っとくね」 蟲の呼吸の舞には両足の膂力による瞬発力が命と言っても過言では無い。 もし両足が使い物にならなくなれば私にとって致命的だ。 強靱な踏み込みによる俊敏性も毒と同じく私にとって欠かせない武器なのだから。 それを全て見抜かれ、恐るべき速度の連殴打を両足を中心に狙ってきたのだ。 分析の的確さと判断力も上弦の弐に負けず劣らずだった。 これでもかと打たれた下半身だけではなく、全身を凄まじい痛打が襲いかかり、 とどめの一発で天井目がけて上空にに殴り吹っ飛ばれ、 衝突のあまりの速度に天井は粉微塵に砕かれ、 「無ゥゥゥゥ駄ァァァッァァァ!!」 奴も跳躍し、私を正確に狙い蹴り飛ばす。 「ぶっこわすほど…グレート!!」 耐えがたい早さで私の体は外の大地に擦りあわされる。 背中は隊服もろとも肉が削られ、内部の筋肉が剥き出しになっている。 他に、肺、肋骨、その他多数の人骨がぐちゃぐちゃに、 原型を留めないほど粉砕されたらしい。 両足に至っては、潰れた果実のように見る影も無くなり とても動くことできない体にされた。 上弦の弐に肺や肋骨を破壊された致命傷がかすり傷に思えてしまうほど 拳撃によって追わされた苦痛と致命傷は絶大であった。 「だいぶあらくなったな、」 やべぇー、やりすぎたーこえーからしゃーないもん、DIOはキレて怖いしのぶを なんとかしたい一心で、殴りまくった。 恐怖に駆られてて少々取り乱したのが理由でボコボコに殴った。 ここまでやる必要はあったかなぁと思った。 「もうこれにておわりということで良いらしいな、 いや~がっかりなんだけど、好き勝手に調子に乗り突撃して 返り討ちは…いけないと思います。」 頭に血が上り怒りで視界が赤く染まるほどの憤怒を覚えるが 概ねこいつの言うとおりだ、こちらから挑んでおいて ほぼ一方的に負けるとは…。 「その足に…キャビンアテンダントがスチュワーデスをサービスするかの如く 新しいキレイな足をプレゼントして、くっつけてやりたいが、正直に言ってできないの。 とれた足がまた付かないというのも人間と吸血鬼の差だ。」 奴の言うとおり、人は四肢を失っても義足義手で補うことぐらいしかできず、 新たに再生することは決してない。 再生力の差という不利条件は覆せず、今のままでは私は間違いなく殺されるだろう。 しかしそれでも、僅かでも良いから、ほんの小さな報いを与えてやらねば気が済まない。 私の二度目の人生はもうまもなく潰えようとしている。 その潰える時まで一矢報いなくては…。 抵抗の手段を考えはじめたのと、ほぼ同時か、 目の前に、蝶の羽の如く煌びやかな羽織を纏った 鬼殺隊士の隊服を身につけてた人物が見える。 上弦の弐に致命傷を負わされた際と同じだ、 亡き姉、カナエ姉さんが私の背を再び押してくれるために 姿を見せてくれたのか、 でもね、姉さん、私なら大丈夫よ。 もう弱音なんて吐いたりしない、 あのときはくじけそうになったけど どんなことになっても負けることを考えたり 諦めてなにもしないなんて絶対にありえないから。 今目に映っている光景は度しがたい苦痛による 衝撃で見えた幻覚かも知れないがそれでも姉さんが また励ましてくれるのがとても嬉し… 『だから言ったであろう!』 姉さんの声とは何もかも似ていない渋く低い声が耳に響いた。 今のは… 私の鞄の中には… 胡散臭くてどう考えてもまともに助ける存在とは思いがたく… 『素直に我を受け入れればよいのにと!』 仮に神に属する存在だとしても 邪神に含まれるのは間違いない存在 知性の神が入っている。 面を上げきっておらず、目の動きだけで上を見ていた私は 隊服と羽織の時点でカナエ姉さんと一方的に判断していた。 しかし、実際は。 真に私の瞳に入っていたのは、 面を上げると見えたのは隊服と 姉さんの羽織を身につけた知性の神だった。 ◆ 原理は知らないがDIOに知性の神は視認できない ゆえに、目の前の小娘が唐突に上を見上げたとしか 判断できなかった。 「何、なにさ?上に…なんかあんの?」 しのぶの視線先の上空になにかあるのか判断するために 空を飛びてきとうに旋回した、 翼も無いのに自在に飛べるのもDIO特有の能力だ。 ぶんぶんぶうぶん。 ハエっぽい。
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/2364.html
619 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2007/10/31(水) 22 35 18 ID ??? GMに押しつけられた設定で身動き取れなくなることもあるけどな! 626 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2007/10/31(水) 22 47 25 ID ??? 619 あるあるw 最初にお前は企業の工作員だ○○の警護が今回の任務だ、とか言われたんで 企業の忠実な犬みたいなキャラで遊んでたのに ○○は実は悪人で他のPC全員の敵だよ なんて展開になっても困るっちゅーねん しかも他PCとの合流とか企業を裏切るきっかけとか丸投げしやがるし、糞GMが・・・ 658 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2007/11/01(木) 02 55 50 ID ??? 603 いーなその鳥取・・・T Tてぇ・・・5版?7版? 619 似たような経験をコノ間コンベであったよ 脱出物だったんだけど、話を聞くと本格的な感じか?と思いがんばろうと臨んだんだが 始まってみるとコレがろくすっぽシナリオが練られてない感じでまいった コンベなのにやたらキャラクリ時間長いわ一人だけ知る秘密とやを握らされるわでゲームスタート 俺なりに、まじめに取り組んでいつ暴露してやろうかと考えてたら 時間的余裕あるにも関わらずGMが巻きをいてれ、強制でボスの間へ連行 で終わってみたら1時間強時間が残ってる・・・ まーオレが久々のTRPGで調子悪かったてのもあるかもだけど・・・ その後アフタープレイもおざなりで、後はコンベスタッフと長い討論して 他のプレイヤーほったらかし なんかね、テストプレイしたらしいけど戦闘バランスだけ見たんじゃないかと思う・・・ あと一言、久々のコンベなんで、自分の趣味は撃ち殺して なり手の無いGMがシナリオ進行に必要だ!て役やったのにコレかよ!とこ、れは愚痴スレいきかな・・・ 2ch見てるらしいし、心当たりあったらちょっと考えてください>GM さすがに、あんときコンベで愚痴をぶつけるのは無理だったんだスマンネ 660 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2007/11/01(木) 06 30 06 ID ??? 658 日本語で 661 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2007/11/01(木) 06 54 09 ID ??? 658 お前TRPG下手だろ。 スレ142
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/280.html
103 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/05/06(火) 23 39 10 ID Gfq8pbjd0 ゼシカに対してのみ余裕なしの必死ククいいねえw ククールって理性強そうな気がするけど実際はどうなんだろう 主人公とヤンガスが不在の状態でククゼシを二人きりで宿屋に押し込めたい 104 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/05/07(水) 00 32 08 ID hG22m5og0 自分は案外情緒的だと思う>クク 彼は認めたがらないけど 105 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/05/07(水) 00 51 02 ID Yh7tRoCB0 押し込めたいって普通に言うなwww やっぱゼシカにその気がなけりゃ本気でてごめにしたりはしないんじゃないかね 本気で嫌われることを無意識に恐れてる人な気がする 相手の拒絶とかにすごい敏感そうだし ものすごい警戒するゼシカに少し悲しそうな表情で安心しろよって言ってあっさり背を向けて寝始めたククに、 ゼシカは「え…っ」ってあっけにとられ、急に不安になって駆け寄り 「う、ウソよ!ホントはあなたのこと、ちゃんと信じてるわよ。…だから、…怒らないでよ」 真っ赤になりつつククの服のすそを握るゼシカ。今度はククがあっけにとられ、「怒ってないよ」と苦笑する… そのあといい具合に情事にもつれこめばいいと思うんだ 106 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/05/07(水) 03 01 51 ID HswIkE/H0 情熱的だけど理性もある程度効くキャラだと思っている。 衝動に駆られて思わずゼシカを押し倒してしまうのだけど、 本気で手を出す前に我に返り押し止まりそう。 でもキスくらいはしてしまうかもしれない 107 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/05/07(水) 17 31 01 ID JWkKwjpYO 105 何その素敵シチュ SSや漫画で見てみたいわw 105のゼシカが可愛すぎてククの理性の糸が切れてそのまま押し倒してしまいそうにも思うんだけど、 ククが欲望のままゼシカとどうこうってのは泥酔しているかメダパニ食らっているか 兄貴関係で相当打ちのめされているかでもない限りなさそうな気がする。 しかもそんな状態でも寸止めになりそうな気がする。 最後までいってしまったら(いかなくてもだけど)後悔の念で自分を激しく責めそうだなクク。 108 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/05/07(水) 20 06 57 ID 6YYP0vKlO ゼシカだけには絶対に嫌われたくないと臆病になり手を出せず悩むククールと、 逆にこれ以上大切な存在になってしまったら失った時に耐えられないと あえて無理矢理手を出すようなふりをしゼシカが自分を嫌うように仕向け 突き放した後に余計傷つき苦しむククールとの間で悩む。 しかしどっちにしろククール生き地獄… 109 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/05/08(木) 00 30 06 ID IQ0jIQ4w0 ここまで来といてなんですが、エロ関係において完全に優位に立つククと 完全に無知で劣勢に追い込まれるゼシカも好きです。 や、鬼畜とかじゃなくて、すでにラブラブになったあとのギャグ的な展開としてね。 ソッチ方面では何をどうしてもかなわないことにキーーッ!!悔しーー!!バカー!! って半泣きになりながら必死で抵抗しつつも好き放題されちゃうというね…ククの独壇場でしょうベッドでは… 110 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/05/08(木) 01 00 29 ID xvn1p5MQ0 ソッチ方面どころか全部かなわない気がする…>ククには 生きるすべから何から何まで。 111 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/05/08(木) 02 07 38 ID K9hvF80QO 109 自分も好き。 ククはそれまで受難の日々を送ってきただけに一旦ラブラブになったら止まんなくなったりしてねw 110 ゼシカが一見全然適わない感じに見えてくやしい~となっている一方で ククもゼシカには適わないみたいに思っているといいな。個人的に。 ただお互い相手に適わないと思っている部分が微妙に異なる感じで。 112 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/05/08(木) 20 03 21 ID WR2kMac/O なんかククールが幸せオーラ全開にゼシカを羽交い締めにしている図が突然頭に浮かんだ