約 3,364,272 件
https://w.atwiki.jp/akatonbowiki/pages/8643.html
このページはこちらに移転しました 信じる星 作詞/にんぢん 奇跡を信じる流星一つ ワイングラスに閉じ込められた 注文するのは勇気を一つ どうやら愛に縛られた 光を信じる子供が一人 閉じた瞼をこじ開けられた 始めてみたのは満月一つ どうやら星に捕まった 流れる星に願いを掛ける 「明日は勇気を一つ下さい」 流れる星はいい迷惑かも 「そんなの自分で用意して」 月は昇るほど白くなる 光を信じた子供が詠う 信じたものは着いて来る 信じれたのは月の声 のんびり流れる花びら一つ 岸の葉っぱに呼び止められた 動けないままの葉っぱが一つ 花に世界を問いかけてみる 奇跡を信じる流星一つ ワイングラスに閉じ込められた 注文するのは勇気を一つ どうやら愛に縛られた
https://w.atwiki.jp/ljksscenario/pages/320.html
殺戮者・アベルの降臨に、その場の誰もが視線を奪われた。 ルーシー・スティールは死期を悟ったが、幸いにもアベルは眼前にいるサーヴァント達にしか興味がない。 指を咥えて、不気味な沈黙を保っていた梟は、大きく目を見開いて呟く。 「アベルくん」 実際、消滅を果たしたとされるアベルが復活し。 正体不明の宝具から出現しただけで異質極まりないのだが、狂った梟や殺人鬼のザックには無意味だ。 だからこそ誰も指摘はしない。 むしろ、アベルの不変の風貌に沙子などは安堵した様子である。 ルーシーは、そんなイカれた彼らを「信じろ」とカインから教えられたからこそ、体が震える。 信じる? あの狂人達を……でも。 信用とかなんかじゃないわ。利害が一致している訳でもない、共感出来ないけども…… ルーシーが荒い呼吸を続けたまま、フラフラとアベルに接近る梟を見届けた。 「アベルくん、生きてたんだぁ。俺、嬉しいぜ。本当に嬉しいよ、アベルくんにもう一度会えて――」 そこから唐突に駆けだす梟。 「あ、ああぁ………アベル―――なんで―――………」 彼の肉体から生やしたブレード状の羽赫が、アベルに振りかざされた。 しかし。 アベルも梟の攻撃を見切っていた。瞬時にブレードを出現させ、残虐な狂気の一撃を防ぐ。 鈍い音が博物館内に響き渡った矢先、梟はそのまま追撃を仕掛けて来る。 沙子も、他の者たちも呆気に取られる中で、梟が絶叫した。 「オメェ、ここに居るんだよおおぉぉおおおぉぉ! 生き返ってるんじゃねええぇえぇ!!」 「―――!」 アベルの方はまるで動じない。 むしろ歓喜を浮かべながら、梟の猛攻と渡り合っていたのだ。 このままでは不味い。と信長はセラスに指示を出そうと構えた矢先。 ザックが鎌を手に動いた。 二人を仲裁するかと思いきや、殺人鬼は強引に殺戮者と人喰いに鎌で斬りつける。明らかに制し目的ではない。 殺害目的の攻撃で、ザックの攻撃を受けた双方は、火ぶたを切られたかの如く。 激しい乱闘が開始されたのである。 「おい! テメェ、邪魔だ!! 俺がアベルを殺すっつってんだろうがぁあぁぁ!!」 「このままザックきゅんのビブレーション響かせようぜ、アベ――なに、殴りやがッ、ふ、ざけんじゃねぇえ!」 獣の遠吠えよりも酷い叫び合いが続けられる。 アベルは、二騎を相手に相変わらず肉弾戦を行い、喚く梟やザックをあしらっていた。 激情により歯止めが効かなくなった梟やザック、そしてアベルのガツガツと生々しい効果音を鳴らす乱闘に。 漸く、信長は声を上げた。 「アーチャー! 止めろ!! 早く止めろ!」 「はっ、はい!!」 婦警・セラスが『影』を伸ばした。 変幻自在のそれは、点となって集中し、ギリギリと三騎のサーヴァントの動きを封じ込める。 ただ。 逆を返せば、魔力を大量に消費しながらセラスは彼らを抑え込んでいる。 同盟だの、仲間だの、やっぱりそんな関係ではない。本気で彼らは殺し合おうと自棄になっているとセラスは気付いた。 「マ……マスター! なるべく、て、手短にッ!! 私も長くは抑えきれません」 「わかっ―――」 瞬間。 信長が反応できたのは、戦国武将たる勘であろう。 無論、信長も事前に情報があったからこそ、警戒はしていた。拳銃を所持する沙子の存在を――! とはいえ。 沙子は躊躇なく引き金を引いたが、巽や豊島区での混戦時とは違い。至近距離から定めた訳ではない為。 信長に命中させることは出来なかったのだ。 ハッとする沙子だが、信長はルーシーに向けていた銃口を沙子へやり。 そして―――発砲。 サイレンサー付きの為、小さな音しか響かない。 沙子の体に命中したものの。それは心臓や頭には命中していない。 胸に受け床に倒れてるが、拳銃を落としてしまった為、少女は文字通りの無防備となった。 「銃を使う子供には死ぬ目に合わせられたわ! 長島、本願寺、雑賀……と、まぁ。これで形成は逆転だな」 「くっ………」 沙子は、胸に手を当てながら、何とか立ち上がろうともがく。 実際に攻撃され、痛みを知ったせいだろう。体が、上手くコントロール出来ない。 だが――― 信長は我に帰る。 あの金髪の少女は―――? そう、ザックのマスターであるメアリーが完全に姿を見失ったのだ。 信長もつい、アベル達や沙子に意識を集中させていた為。メアリーの方は無警戒だった。 否! 違う!! 姿を消していたのは――ルーシーと今剣。 三人が忽然と姿を消していたのだ……! 「マスター! ミセス・スティールが――恐らく地下駐車場の方にッ!!」 「ええい、一々言うでない。こちとら謀反慣れはしとる!」 メアリーがルーシーを逃がす為に……自力で!? それほど行動力があるようには感じられなかったが、彼らの足では満足に博物館から離れる事は不可能だ。 何より。 ルーシーは裏切ったのではなく、アベルから逃れたい意志が強いか。 散々、泣き喚いて拒絶していたのだ。少女には無理がある行為だったかもしれないが……これでは交渉にヒビが入りかねない。 しかし、もう退けない。 信長は何とか動きを封じられたアベルに話しかける。 「ああー……アベル。奴、お前のマスターであるルーシーはこちら側にいる。 相変わらずびびってお前から逃げ出した情けない少女だがな。お前としちゃ死なれちゃ困るだろう」 セラスの『影』で行動が制御されている梟とザック。 彼らを冷静に眺めながら、アベルは小さく呟いた。 「別に」 「よくねぇよ! 俺が殺せねえだろうが!!」 ザックの返答に顔をしかめる信長とセラスだが、アベルは焦る様子なく平静を保っていた。 セラスに邪魔をされたのが、逆に彼を退屈させたらしい。 むしろ、不愉快としか受け止めていないのだろう。 信長は静かに――沙子の方へ近づく。梟はアベルを喰らおうと『隻眼』を剥き出しにし、沙子の危機には反応していない。 「……とか、そこの馬鹿は言うが。お前はそれでいいと」 「仕方がない」 「おい!」 ザックの怒りにすら反応しないアベルは、周囲の気配を辿る。 そうして。何かを感じ取った。 信長は、沙子の方へ銃口を定めている。梟は信長達とは背を向けていた為、何一つ。制止をしない。 ザックも梟と同じだ。 アベルだけが気付き――信長は続けた。 「俺達が用あるのはカインの件だ。奴は普通じゃ倒せない。お前が一番理解している筈だ。 ――同盟とはいかないが、取引をしよう。カインを倒せたら、ルーシーは帰す。俺のアーチャーと戦わせてやる。どうだ」 「…………」 アベルが話しかけたのは、梟。 セラスの『影』を物ともせず、筋力のみで梟の頭を掴む。強制的に視線を合わせられた梟は、無論睨んだ。 酷く、それでいて穏やかな口調でアベルは言う。 「そろそろ合図だ」 「…………」 「沙子(彼女)は『少しはマシ』になった」 そして、博物館は―――『突入された』のだ。 聖杯戦争の最中、介入をしてきたのは、警察! 他にも特殊部隊から自衛隊まで! 皮肉にもそれらは、ザックが神原駿河に「嘘をつくな」と命令した結果による一種の救いだったのだ。 神原駿河の情報を――警察は信用した。 テロリストの信憑性の薄い情報なんて、信用する価値があるかと問われれば、無い。 だからといえ「それが本当でした」だったら尚更問題だ。折角、神原駿河が提供した情報を無駄にするとは。 結局。 警察はこの博物館へ部隊を、自衛隊も派遣される。 しかも……加えて、開館時間でもないのに明かりが灯っており、沙子による銃声が聞こえた。 これでは疑いようも無い。 突入する前に、応援要請もされた。 恐らく、更なる人数がここへ配置される事だろう。 これには、セラスも信長も予想外過ぎた。 正直者が救われるといった文字通りの展開が来ようとは! 何より――この状況では、沙子に銃を向ける信長が『悪人』なのが明白である。 「既にこの建物は包囲されている! 銃を捨てなさい!!」 「なん………だとう!?」 予想外どころではない。 こんなものは、想定外もいいところだ。 まさか、この場にいない神原駿河が馬鹿正直に全てを自白するなんて『奇策』を、信長は考慮不可能! 尤も。 神原駿河や、それを要求したザックはそのような事一ミリも『奇策』になるとすら想像していないが。 何であれ。 またもや形勢は逆転された。形勢どころの問題ですらない。 一瞬。爆発的な魔力を消費し、アベルが『影』を引き裂き、余計な部分は傷を負った。 弾丸並に早いブレードの斬撃を見切ったセラスは、咄嗟に『影』を退かせ。 信長を全力で庇う。 「う………ぐぅぅぅぅ!!」 違う! なんてこと―――最初から! アベルは『影』に抵抗出来たのだろう!! しかし、アベルは待った。最高のタイミングを見計らって……! アベルの鋭い斬撃は、セラスの肉体に何十何百、何千以上も切り刻まれ。 吸血鬼ではない並のサーヴァントならキャベツの千切り状態。あるいは飴色のタマネギのような、ドロドロして――― 「―――――――!!!」 お、追いつけない………! 敗北を悟ったセラスは、兵器を取り出す猶予すら与えられない。 アベルは床に倒れる沙子を一瞥し、信長とセラスを突入してきた警官隊の方へ押し込むように猛攻を続ける。 「………アベル!」 沙子は床に転がった拳銃を再び手に取り。 梟が沙子を抱えて、別方向から突入をし、逃げ道を塞ぐ自衛隊らを睨む。 ザックは奇怪な状況に顔をしかめた。 「なんだ、コイツら」 「ちゃんスル」 「ちゃ……スル? あー! スルガの奴か!! あいつ、マジで喋ったんだな!! ヒャハハ、上出来じゃねえの!!」 「ま……マスター!」 一方の虐殺に巻き込まれていく警官隊の荒波で、セラスが叫んだ。 信長は、どうのかセラスの背後についているが――このままでは……! 意を決して、セラスは警官隊を盾にしようと行動を取る。 「このまま―――離脱します!!」 「待てい、セラス!!」 セラスは信長と共に、そのまま警官隊達の海へ飛び込む。 アベルもかき分けるように人間という人間を虐殺し、前へ前へと前進するばかり。 アーチャーのクラスであるセラスは『単独行動』で、信長が魔術師でなくとも、ある程度の魔力消費を補えた。 だが、限界がある。魔力も有限だ。 事前のライダー(ジャイロ)との戦闘。サーヴァント三騎を抑える為の『影』。 傷は何とか回復するが、これ以上は――無理だ。 何よりも、この状況だ! 信長は再度命令する。 「退くな! セラスゥッ!! こやつらは殺せい! でなきゃ離脱は許可せんぞ!!」 国会議員の織田信長がテロリストだった? そんな噂が広まれば、一瞬にして行動制限がかかる。制限どころではない。そこら辺の通行人ですら敵となる! アベル達も似たような状況だが、世間は聖杯戦争におかまいなしだ。 だから、皆殺すしかない。 目撃者を殺し、セラスも吸血鬼であるなら血を飲んで魔力を補えばいい。 なのに―――…… 「いえ。殺しません」 彼女は離脱だけを望む。 さすがの信長も令呪を使用するしかないと、構えてしまいかけたが……瞬時に推測する。 『単独行動』のスキルを持つサーヴァントは、マスターを逆らえるのだ。 マスターを殺害し、他のマスターと再契約する余裕すら持てる。 最悪、セラスがそうする事も……… セラスは、中途半端に人間の心は失っていない。 無関係であり邪魔であり、聖杯戦争に関わりすらしていない。 生贄でしかない『彼ら』を殺害するほど残虐性を備えていなかった。 容赦はせずとも、快楽的ではない。 何より―――このまま、魔力に満ちた状態のアベル相手にどこまで渡り合えるか。セラスでも確証を得られなかった。 信長を庇う状況が続けば尚更。 まぁ。信長も、令呪で強制は止めた。セラスがいなければ、聖杯を手に出来ない。 アベルは、交渉に応じるどころか。例の報告書通り、対話すらしなかったのだ。 実質、交渉決裂。新たな策を講じなくては…… セラスは信長を抱え、一筋の黒線となって雪のカーテンを靡かせる東京の上空へ走った。 アベルに空を飛ぶ能力は無い。 殺戮を作業のように繰り広げながら、雪が降る外へ姿を現わせば、周囲は警察・自衛隊・特殊部隊が陣を敷き。 彼方より、応援が駆けつけ、周辺のビルからは狙撃手がタイミングを図っていた。 無防備にアベルに続けて館内の人間を粗方喰った梟。沙子とザックが、その光景を目にする。 「アベル! あいつらはどこ行った。逃げやがったのか」 「………」 大気が震える。 生贄でしかない『東京』の住人たる彼らも、アベル特有の殺気を感じ取れたのだ。 殺されるべくして立ち向かうのならば、殺さずにはいられない。 聖杯戦争とは無縁の彼らとの闘争が始まった。 ◇ ルーシーは今剣と、そして金髪の少女・メアリーと共に地下駐車場まで駆け下りていた。 興奮か恐怖による体の震えが続いている。 メアリーが一瞬の隙をついて「早く!」とルーシーの逃亡を叱咤した時は、正直驚いたが。 むしろ、有難味しか感じられなかった。 今剣は戸惑いながらも、ルーシーを心配する。 「だいじょうぶですか……るーしー……」 「え、えぇ……それより…………貴方はどうして?」 ルーシーが不気味な瞳のメアリーに尋ねた。 彼女は、淡白な感情を込めて答えるだけ。 「ザックが困るから。ザックは、アベルって人を殺したいから」 「……本気?」 思わずルーシーが聞き返したのに、メアリーは頷いた。 「約束したんだって。………神様に?」 「たぶん、かみさまがおこってしまうと、ぼくはおもうのですが……」 今剣の困惑した返事にルーシーも同意する。きっと、ザックと呼ばれるアサシンはアベルの逸話や恐ろしさを把握していない。 平然と、イカれた約束なんて交わせる理由の一つなのだ。 それでもメアリーは、ルーシーに申し訳なさを込めているのか。分からないものの。 ハッキリ断言するのだった。 「ザックは嘘をつかないよ」 メアリーの言葉が、その場凌ぎの嘘であったとしても。 ルーシーは少しだけ気が楽に慣れた。 一刻も早く、ここから離れたい。アベルから逃れなくては……! 彼が少しで妙な気を起こせばルーシーだけではない。 今剣や、メアリーだって殺されるだろう。まだ緊張を保った呼吸を続け、ルーシーは立ち上がる。 そこに現れたのは――家政婦のオルミーヌだった。 物々しい騒音が頭上から聞こえ、居てもたってもいられなかったのだろう。 「だ、大丈夫ですかッ!」 「あ………ええと、確かお名前は」 「オルミーヌです。すみません、刺青男の件とか考えこんでたら、なかなか外に出られなくって…… じゃないっ。まだ私の車があるので、乗って下さい! よく分かりませんけど、逃げましょう!!」 「ありがとうございます……」 不味い状況なのはNPCの彼女ですら感じ取れていた。 とにかく車へ乗り込むルーシー達。今剣だけは、浮かない表情をする。 「るーしー……どうして、なんですか?」 恐らく、信長に逆らった事を問い詰めたいのだろう。ルーシーは沈黙を少し流した後、それを答えた。 「今剣……あたしは耐えられない。アベルと行動するなんて無理よ。きっと、信長も終わってしまう…… 彼は甘く見過ぎているの。アベルがどのような所業をしたか、あの報告書だけでは語れないわ」 「でも!」 「信長は聖杯を獲ると言ったわ。あたしは獲れない。獲る前に殺されるからよ、アベルに……!」 「………っ」 今剣は分かっていた。理解していた。 アベルが真の意味で人類を憎悪しているのだ。あの威圧感から逃れたことすら、奇跡ではないかと思う。 実際に直面する瞬間まで、ほんの僅かに良心が残されていると希望を抱いた自分が愚かだったと後悔するほどに。 オルミーヌが乗車をしないメアリーに呼びかけた。 「貴方も乗って!」 「ザックがここにいるから、私は残らないと」 メアリーが、ルーシー達を無理に引き止める様子はない。 小さな少女を相手に、ルーシーは酷く感謝をせざる負えなかった。 オルミーヌの車が発進しようとした矢先だった。 思わぬ障害が立ちふさがる。それは――警察、自衛隊の突入である。 博物館館内の突入と同時に地下駐車場の占拠が開始された。彼らは無論、ルーシーたちの存在に気づく。 しかし、それらの状況をルーシーたちは理解出来ていない。 「人質の少女を確認! 車から降りなさい!!」 自衛隊たちが所持するのは紛れもない、本物の銃火器。 困惑するオルミーヌ。ルーシーは冷静に考えた。 今剣が不安そうな表情を浮かべる中、ルーシーはオルミーヌに告げる。 「指示に従った方がいいです。わたし達は……民間人。道に迷って、ここに来てしまった………そういう事にしましょう」 「そ、そうですね」 警察なるものは今剣も把握していたので、ルーシー達に教えた。 「ごめんなさい。ぼくは……ここでは『こじいん』にいました。そこから、ぬけだしてしまって」 「……わかったわ。今剣は、迷子という事にしましょう」 「はい。すみません……」 何故、警察がここに? という疑問は良い。 先ほどの作戦通り、ルーシー達は車から降りる。 子供である今剣とメアリーは、身体検査もされなかった。 一方のルーシーとオルミーヌは、身体検査と所持品検査をされる。 アベルに関する資料を確認された時は、一瞬肝が冷えたルーシーだったが、結局何も指摘されない。 彼らは、危険物の所持だけを警戒していただけだった。 「どうやら本当に民間人のようです」 「手間をかけさせてしまい、申し訳ございません。ここにテロリストが潜伏している可能性があります、至急避難を」 オルミーヌがおどおどしく尋ねた。 「えっと、あ、あの。車で……」 「外は我々の車両で出入り口が塞がっております。誘導に従って、一刻も早く避難を!」 ルーシーたちが避難を始めた瞬間、頭上からは悲劇は開始されていた。 魔力消費による疲労に、ルーシーは戦慄が走る。 やはり、アベルはルーシーの考慮など一切していない。きっと、ルーシーが警察に捕まろうがどうでも良いのだろう。 誘導に流され、外へ出れば、吐息が白くなった。 そして――博物館の玄関から激しい銃撃が響き渡る。 一閃が煌いたかと思えば、ビルの上階から顔を覗かせていた狙撃手が、顔面にブレードを突き刺し。 体がアスファルトに舗装された地面へダイブしていた。 オルミーヌが悲鳴を上げながら、誘導に従う余裕ではなくなり全力疾走する。 だが、アベル達の攻撃がここにまで及んだ為、警察らはルーシーたちどころではなくなった。 この瞬間を待っていたのである。 ルーシーは、オルミーヌに続くようにして今剣とメアリーを引き連れ、駆け抜けた。 ◆ 「―――では、把握している『マスター』について教えて貰おう」 神原駿河の聴取はまだ続いていた。 警察も、彼女の戯言によく付き合って居られるものだと感心を抱かざる負えない。 何を言おう。駿河が、一から『聖杯戦争』がなんたるかを、彼女の知る限り説明したのだ。 時間がかかって仕方はない。 だが。 女性刑事の様子に、駿河はムッとした表情で、真剣に――それでいてどこか不満と怒りを合わせた表情で答える。 「私、神原駿河。そして、沙子ちゃんとメアリーちゃんについては公となっている以上。 二人がマスターであるのは明白だから、それはハッキリさせておく。しかし、それだけしか話さない」 「それは何故?」 「やはり、貴方は『マスター』や『サーヴァント』をテロリストの共犯者としか見なしていない」 金髪の女性刑事はやれやれと言った風だった。 改めて、彼女は駿河に言う。 「『聖杯戦争』については……概ね信用するつもりだ。我々が『作り物(レプリカ)』というのは受け入れ難いが」 「だったら尚更だ。『聖杯戦争』に関わらないで欲しい」 駿河は、決して馬鹿になってザックの要求通り、正直に話したのではない。 無意味な犠牲を出さない為に、彼女なりの説得をしていたのだ。 それこそ無謀だったが。 警察も、あれだけの犠牲や出来事、戦力差、なにより非現実を目の当たりし、受け入れないほど愚かではない筈。 神原駿河は必死に訴え続ける。 「私がアベルさんたちの居場所を明かしたのは、ザックさんの純粋無垢な精神に感服したのも理由の一つだが。 警察をそこへ誘導したく、明かしたのでは断じてないのだ。 残酷だが、アベルさんもバーサーカーさんも、ザックさんも容赦はしない。『奪う側』の存在だ」 「…………」 「断言しよう。サーヴァント相手に勝機などない。だからアベルさん達に関わるのは止めて欲しい」 「……それは――無理があるな」 「サーヴァントには物理が効かないのだ。銃火器なんて意味はない。それとも、沙子ちゃんやメアリーちゃんを殺すと」 「彼女らは人質だ。そのような事はありえない」 「うむ、そうか。やはり、私はまだ貴方を信用できないし、沙子ちゃん達に手をかければ許しはしない」 故に。 他のマスターの情報。安藤たちについては話さない。 無論、サーヴァント・カインについても、だ。 そんな決意を胸にした駿河の聴取は、ここらで終わりを告げた。 一先ず、続きは昼間に行われる予定となる。 結局のところ、女性刑事や聴取の内容を聞いた他の警察がどのような判断をしたか? 駿河が予想した通り。 聖杯戦争なるものは信用されなかった。ただし、沙子やメアリーが共犯者であるとも判断されなかった。 恐らく非現実じみた話にしか受け止めていない。 警察は引き続き、人質の沙子とメアリーの救出。アベル達の逮捕の為、全身全霊をかける所存だ。 少なくとも――現時点は……… かくして、神原駿河の戦いは続く。 【4日目/未明/千代田区 警察署】 【神原駿河@化物語】 [状態]魔力消費(大)、肉体的疲労(極大)、吸血による貧血、沙子による暗示、サーヴァント消失 [令呪]残り3画 [装備]私服 [道具](携帯電話は警察に押収されました) [所持金](警察に押収されました) [思考・状況] 基本行動方針:生きて元の世界に帰らなくては。 0:沙子の安全を第一に考える。 1:警察に聖杯戦争への介入をしないよう説得を続けてみる。 2:出来るならば、沙子達と合流したいが…… [備考] 参戦時期は怪異に苦しむ戦場ヶ原ひたぎの助けになろうとした矢先。 聖杯戦争について令呪と『聖杯』の存在については把握しておりません。 役割は「不動高校一年生」です。安藤潤也と同じクラスに所属しております。 新宿区で発生した事件を把握しております。 アヴェンジャー(マダラ)の発言により安藤兄弟がマスターであると把握しております。 『レイニーデビル』が効果を発揮するかは、現時点では不明です。 NPCに関して異常な一面を認知しました。 バーサーカー(オウル)のステータスと沙子の主従を把握しました。 アサシン(アイザック)のステータスとメアリーの主従を把握しました。 バーサーカー(アベル)のステータスと真名を把握しました。 安藤(兄)のサーヴァントが『カイン』ではないかと推測しております。 バーサーカー(ジェイソン)のステータスを把握しました。 安藤兄弟自宅の電話番号、遠野英治の電話番号を知りました。 葛飾区にいた主従(カラ松たちと飛鳥たち)の特徴を把握しました。 沙子の暗示により沙子の手助けを優先させます。 このまま吸血行為を受け続けると死に至ります。死後どうなるかは不明です。 SNSでバーサーカー(アベル)の共犯者として情報が拡散されております。 住所など個人情報もある程度流出しています。 警察にはアベル達以外の情報を教えないつもりです。 <その他> 神原駿河が『聖杯戦争』の概要、及びアベル達周りの情報を聴取で説明しましたが。 警察は『聖杯戦争』を信用しておらず。また、沙子とメアリーを危険因子とは判断しておりません。 ■ 東京都江東区、博物館 降り注ぐ雪が地面へ落ちれば赤色へと変色する。 雪が降り積もる前に、死体と血の水たまりで一帯が占拠されてしまっていた。 梟は山のようにある死体から、頭を一つ二つもぎ取る。その傍らで、沙子が警察官の拳銃を漁る。 彼女が梟から貰った拳銃の弾数はわずか。 だから、沙子は銃弾だけを抜き取っていた。 拳銃そのものを複数所持していても、荷物になるだけ。弾は違う。 ちゃんと沙子が所持していた拳銃と合うのを確認し、複数の弾を手提げの鞄に入れた。 悲劇的な惨状を目の当たりにして、ザックはアベルを一瞥する。 何か忘れているような? といった疑問が、一つ解消された。躊躇なくザックが漆黒の鎌をアベルに振り降ろしたが、ブレードで防がれる。 キリキリと金属音が耳につく中、ザックは不敵に笑みを浮かべた。 「テメェを殺すの忘れてたじゃねぇか、アベル! 邪魔も居なくなったし、大人しく死ねよ」 「…………」 至って平静のアベルに対し。 舌打つ梟が、再びザックに襲いかかろうとした。 「ザックきゅんよぉ、調子乗ってんじゃねえぞ。お前―――」 「待って!」 唐突に沙子が声を上げたので、全てが制止をする。 どこか緊張感が広まりつつ、沙子は恐る恐るアベルに尋ねた。 「これから……どうするの? カインの居場所に心当たりがないわ」 少し不愉快そうな表情のアベルだったが、力技でザックの鎌を振り払ってしまうと。 冷徹な声色で答えた。 「あの彼女はどうした」 「……ちゃんスルは捕まったよ」 いつもの狂った調子で梟が答えたのに、アベルは眉間にしわ寄せる。 確かに。神原駿河が『カイン』のマスターを把握している様子だっただけに、重要な情報源ではあった。 無事、ザック達がアベルと合流するフォローは良いものの。 アベルにとっては、カインを抹消出来れば、後はザックと殺し合おうが、梟と死闘を繰り広げようが。 どうなっても良い。むしろ、それを叶えたいほど。 が。 ザックは相変わらず刃を納める気配がない。 「だから! 俺にとっちゃ関係ねえんだよ! 約束を忘れたとは言わせねえぞ」 殺気立つザックに、アベルは何ら感情を込めず至って普通に話した。 「君は――彼女(メアリー)が起きれば真っ先に殺すと言ったが、それは『一番最初に』殺すという意味だ」 「……あ?」 「『彼女(メアリー)が起きた後』は継続している。誰も殺さず、最初に私を殺せば成立する。嘘にはならない」 「…………おー、そうか」 変に納得したザックが鎌を降ろす。 今のは完全に言いくるめられたようなものだった。 ザックにそれを指摘せず、沙子は呆れながらも一安心をする。 そもそも。アベルは本気でザックに殺害される魂胆なのだろうか? 分からない。 だけど――駿河に聞きたい事があれば、沙子が暗示で強引に言わせる事が可能だ。 江東区から千代田区まで移動…… しかも、警察の目を掻い潜り、神原駿河の居場所を突き止めなくてはならない。 何より……沙子は朝になれば眠りについてしまう。 例え、このまま雪が降り続いて、曇りが晴れず、太陽が陰っていたとしても変わなかった。 「私なら神原から話を聞き出せるわ。でも……朝までに出来るかしら」 第一、テロリストに関わっていた駿河を、警察署の一角に収容し続けるとは思えない。 警視庁も崩壊した以上。どこへ搬送されるかも定かではないだろう。 ザックが「大体なぁ」と言う。 「なんで、朝に寝るんだお前。少しは起きる努力しろよ」 いくら嘘を嫌っているザック相手に「朝が弱点だ」と明かすには抵抗があった沙子。 指を咥えて静観する梟が、口を開いた。 「スナコちゃんは、そういう子。夜におはようして、朝におやすみする子」 「へー、変わってんな」 ――――………やっぱり馬鹿なんだわ。 どんな形であれ「変わった少女」として改めて認識するザックに、沙子は言葉を失うだけだ。 首を傾げている梟に、沙子は溜息をついた。 助け舟を出してくれたはいいものの。乱闘ではずれてしまった梟のフードを被せてやりながら言う。 「ちゃん付けは止めて欲しいわ」 「………」 □ あれからどれほど走った事だろう。 ルーシー達は博物館から大分離れた場所で、漸く息を整える事ができた。 だけど……ルーシーは周囲を異常に警戒する。きっとまだ信長とセラスが自分たちを探すに違いない。 信長は銃火器を所持している。 遠くから、パトカーのサイレン音が聞こえた。 「るーしー……やはり、信長さまにあやまって………」 「……今剣。あたしは……無理よ。危険な真似は続けたくない、死んだら元も子もないわ」 アベルに頼らなければ。 だけど、アベルに殺されかねない。 矛盾した状況にルーシーは苛まれていた。今剣も、それを解決したいのに、自分があまりに無力だと痛感する。 オルミーヌも、メアリーも。 途方に暮れた状況だ。しかし、何としてでもルーシーは生き残りたい! 聖杯なんて犬にくれてやって自分は元の世界へ戻る!! 「ちょっと、急いで! 早く!!」 その時。 深夜にも関わらず、一台のワゴン車が路上に停車し、どやどやと人が雪崩れるように現れた。 見慣れぬ機械を所持した彼らを、ルーシーは警戒する。 一人の女性が、ルーシー達に話しかけた。 「その子! 人質になっている女の子じゃありませんか!? 貴方たちは!?」 ルーシーの時代に、このようなものは見かけなかった為。 ただただ動揺する他なかった。 この集団は一体何者か。新手の暴力団なのか? 訳が分からず混乱するルーシーは叫ぶ。 「なッ、なに? そういう貴方たちこそ、何なんですッ?!」 オルミーヌが慌てて答えた。 「テレビ局の人だと思いますよっ、多分。ホンモノの……」 「テレビ……?」 既に撮影は、開始されているのか分からない。 疑心暗鬼なルーシーの態度に、その集団――『お台場』から現れたテレビ局の面々は「失礼な」と無言で訴える。 そうであった。 メアリーはSNSでは、アベル達の人質とされている。 報道ネタの為、巡回していたテレビ局のスタッフが、偶然通りかかったのだろう。 しかし、テレビだの。報道などを知らぬ今剣やルーシーは、どうしたらいいのか混乱していた。 メアリーが自分に向けられるカメラに「これ何?」と淡々に語る。 アナウンサーの女性が「喋れるの?」と心配のフリして、何かを喋って欲しいと言わんばかりの様子だ。 死んだ瞳でメアリーは問う。 「喋ったらどうなるの?」 「え? えっとね、テレビに流れたり、皆に伝わるわよ」 「みんなに? 本当?」 「皆に伝えたい事はあるかしら」 考える。 メアリーは考えた。 そして、沙子たちからの話を断片的に組み上げて、思いつく。 「アベルは『カイン』って人を探している。その人を消したいって。 だから、その人がいなくなれば――アベルはザックが殺してくれるよ」 全員がギョッとするのは言うまでも無い。 だけど、メアリーは考えたのだ。 ザックはアベルを殺したいが、そういうアベルはカインの消滅を望んでいる。 先に――カインを消さなくては、ザックに殺される事はないだろう。 遠くに鳴り響くサイレンで我に帰ったルーシー。 テレビ……情報……… 信長の情報も、一部はSNSというネットの交流サイトで経由されているという。 もし、メアリーの発言が報道されてしまったら……? だけど、ルーシーは理解した。 他人の都合にお構いなしな彼らだ。きっと情報が手に入れば、ある程度は……味方をしてくれる。 ルーシーは、必死に言う。 「早く逃げて――いえ、お願いします! ここから早く連れて行って下さい!! あの車で……もう近くに犯人がいます。ほ、本当に危険ですっ!! さっき警察の人たちが……」 メアリーという人質の存在が、ルーシーの訴えに信憑性を高めたのだろう。 現場スタッフが「どうします?」とアナウンサーに尋ねたが。 やはり報道陣魂に火がついたらしく、現場について問い詰める。 「失礼ですが、現場はっ!?」 「は、博物館……あの。お願いします! 本当に危険なんです!!」 「行くわよ!」 女性アナウンサーは先ほどのメアリーの発言なんて知ったものではないと、言わんばかりにスタッフ総出で現場へ向かう。 残されたスタッフが数名残っただけで、ルーシーの話なんて聞いていない。 それに悲しみしか覚えないルーシー。涙を流し続ける。 流石の今剣も、残されたスタッフたちに訴えた。 「お、おねがいします! るーしーたちを……」 「いや。俺達はここに残らないと……」 「どうする? 警察でも呼ぶか?」 今剣は遣る瀬無い感情ばかりが積み重なった。オルミーヌは項垂れる様子の彼らに、伝えた。 「だ、大丈夫ですよ。警察の人が来てくれればその……きっと………」 サーヴァントのいない今剣とルーシーは、果たしてどうすればいいか。 警察。と聞いて。今剣は隙をついて、短刀を付近に植えられた植物の影に隠した。 短刀は本物だ。 武器がなくなってしまうのは心もとないし、これが破壊されれば今剣の生命に関わる。 だけど、こうしなくては言い訳らしいものが思いつかなかったのだ。 メアリーが、それを眺めながらポツリと言う。 「ザックのところに戻らないと……」 ふと、今剣が思い出した。 「えっと……『ねんわ』は?」 「ネンワ?」 「『サーヴァント』と『ますたー』はこえをださないで、なんというでしょうか、あたまのなかでおはなしできるんです」 「離れていても?」 「そうです!」 「………」 今剣からの情報で、メアリーは決心した。 □ 『―――ザック?』 アベル達が博物館からの撤退を行うが、すでに異常を駆けつけた報道陣や警察がちらほら現れる。 こうなってはキリがない。 騒ぎを立てているのに、肝心のカインや他のサーヴァントすら登場しなかった。 移動し続ける中、ザックがメアリーからの念話を聞き取る。 そこで、ザックは気付いた。 メアリーがいないことを――― アベルの殺害にだけ意識を持って行かれ、重要な事実を逃していたのだ。 『あっ! おい、メアリー!! お前どこに――てか、念話使えるのかよ!』 『教えて貰った』 どこに、と聞かれてメアリーは普通に答える。 『警察に向かってる?』 『はぁ!? なんだよ! スルガだけじゃなくてお前もか!』 『だから……スルガを探すよ。私』 メアリーの言葉に、ザックは明らかな反応を見せた。 『マジかよ。アベルの野郎が、スルガにカインとかいう奴の情報聞き出せって殺されねぇんだ』 『わかった。聞いて来る』 『いや、聞き出せるのかよ。お前』 メアリーは相変わらず死人のように気力もない声色だったが。 確かな意志がある。 まるで綱渡りをするような話であったが、そんなのあの暗闇の世界なんかより大分マシなのだ。 ザックが念話をしているのに気づいたらしいアベルが、僅かにザックの方へ振り返る。 念話では冷静に、メアリーが話を続けた。 『スルガのところに向かってるから』 『じゃあ、そこどこだよ。面倒だから「俺達全員」で行く』 『それでいいの?』 メアリーからの確認に、ザックは返答に躊躇したが――アベルと視線が合う。 何が言いたいんだ。 そう文句をぶつけたいザックだが、何故だか。理解出来る気がする。 指を咥えて移動する梟と沙子は、今はただ追跡してくる有象無象から生きる為に駆けていたが。 最初から、答えは一つしかない。 『あぁ、いいぜ。それまで死ぬんじゃねえぞ』 『―――うん』 □ 「どうしてあの――神原駿河のところに……危険では?」 「あの子が、神原駿河が共犯者かどうか。顔を見ないと分からないと言うんだ…… それに神原駿河の証言は支離滅裂だ。彼女よりも、あの子の証言の方が信憑性がある」 パトカーで移動するメアリーと今剣。 ここにはルーシーとオルミーヌはいないが、後方のパトカーに二人は乗車していた。 今剣は不安そうに尋ねた。 「だいじょうぶですか? めありー」 「うん。来てくれるって」 「そ……そうです、か」 カインとアベルの逸話を知る今剣は複雑な心情だ。 警察と同行している状況下では信長も簡単に手出し出来ない筈。 否、むしろ。 警察がルーシーたちのところへ駆けつけるまで、何事もなかったのは幸運だったのかもしれない。 どうやら、駿河の証言があまりに信憑性に欠けた内容なので、メアリーの証言を警察は頼るらしい。 当然だ。 少年少女二人の前だからだろう。 警察が「聖杯戦争」だの「マスター」だの、そういった情報を口にしていたが。 一瞬。今剣やメアリーも驚いた風であったが、助手席と運転席に居る警察は狂人の戯言だと鼻先で笑っている。 紛れもない事実なのに……今剣は少しばかり憤りを感じてしまった。 彼らが入場する千代田区にある某警察署。 メアリーが、周囲の光景や警察署の名前を睨むように眺め続けている。 それらの情報をザックに伝えている。 警察が嘲笑する正常な神原駿河とは全く異なる。 真の狂人たちが―――狂気を携えて、ここへ現れようとは。 誰も想像していなかった。 「めありーは……どうして、しんじているんですか?」 自分だったら、あの殺人鬼は信用できるか定かではなかった。 今剣は聞かずにはいられない。 メアリーが答えるは、一つ。 「ザックは嘘をつかないから」 友情だとか、愛情なんて。クソったれた価値観は押しつけられているのではない。 狂人たちは相も変わらずあるがままに、子守唄を奏でるかの如く。 殺戮と狂騒を続けるのだ。 【4日目/未明/江東区】 【バーサーカー(SCP-076-2/アベル)@SCP Foundation】 [状態]カインに対する憎悪、魔力消費(中) [装備] [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:闘争を楽しみ尽くしたら、ルーシーを殺害する。 0:駿河のいる警察署へ向かう。 1:アサシン(カイン)をここから抹消する。 [備考] アーチャー(与一)を把握しましたが、戦意がないと判断しました。 アサシン(カイン)の存在を感じ取っておりますが、正確な位置までは把握できません。 NPCに関して異常な一面を認知しましたが、本人は関心がありません。 バーサーカー(オウル)の持つ拳銃について言及するつもりはありません。 駿河がアサシン(カイン)に関しての情報をまだ隠していると判断しております。 【桐敷沙子@屍鬼(藤崎竜版)】 [状態]肉体損傷(回復済)、魔力消費(小) [令呪]残り3画 [装備] [道具]拳銃、『王のビレイグ』、拳銃の弾(幾つか) [所持金]神原駿河の自宅にあった全額 [思考・状況] 基本行動方針:生きたい。聖杯が欲しい。 0:駿河のいる警察署へ向かう。 1:ルーシーと話がしたい。 2:カインとアベルの行く末を見守る。 [備考] 参戦時期は不明。 聖杯戦争について把握しました。 アサシン(アイザック)とバーサーカー(アベル)のステータスは把握しております。 役割は「入院生活を送る身寄りの無い子供」でした。現在はバーサーカー(アベル)らの人質として報道されています。 バーサーカー(アベル)の真名を把握しました。 屍鬼としての特性で日中は強制的な睡眠に襲われますが、強い外的要因があれば目覚めるかもしれません。 バーサーカー(オウル)を介して、神原駿河の部屋に招かれる許可を得ました。 信長とアーチャー(セラス)の主従を確認しました。 【バーサーカー(オウル)@東京喰種 re】 [状態]魔力消費(回復中) [装備] [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:全部殺して、自分が一番だと証明する。 0:駿河のいる警察署へ向かう。 1:スナコ……… 2:アベルくんは俺が喰うっつってんだろ。 [備考] 沙子の屍鬼としての特性は理解しており、彼女の身はある程度考慮しております。 NPCに関して異常な一面を認知しましたが、本人は関心がありません。 【アサシン(アイザック・フォスター)@殺戮の天使】 [状態]魔力消費(小) [装備]鎌 [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:全員殺す 0:駿河のいる警察署へ向かう。 1:一番にアベルを殺す。 2:神原駿河に対しては―― [備考] バーサーカー(アベル)の真名を把握しました。 駿河がアヴェンジャー(マダラ)のマスターであるのを把握しました。 アサシン(カイン)の能力の一部を把握しました。 バーサーカー(アベル)が何らかの手段で蘇ると知りましたが、半信半疑です。 SNSでバーサーカー(アベル)の共犯者として情報が拡散されております。 沙子を変わった少女として認識しております。 【4日目/未明/千代田区 警察署】 【ルーシー・スティール@ジョジョの奇妙な冒険】 [状態]魔力消費(中) [令呪]残り3画 [装備] [道具]携帯電話(電源オフの状態)、バーサーカー(アベル)についての報告書と添付資料 [所持金]少し頼りないくらい [思考・状況] 基本行動方針:生きてスティーブンと再会する。 1:脱出する方法を探す。 2:令呪はむやみに使わない、いざという時まで取っておく。 3:カイン…… [備考] 役割は「東京観光をしに来た外国人」です。 聖杯戦争を把握しました。通達については知りません。 バーサーカー(アベル)に関する情報、またそれらに関連するSCP(アイリス、カイン、SCP-682)の 情報をある程度、入手しました。『財団』がどういう組織かも把握しております。 アーチャー(ひろし)のステータスは把握しておりません。 アダムが財団職員であり、聖杯の収容を目的としていると判断しております。 最悪、自分たちが財団によって処理されると思いこんでいます。 今剣がマスターである事、アーチャー(与一)のステータスを把握しました。 信長には聖杯を手にする為、方針を変えたように宣言しましたが、本人はそのつもりはありません。 →やはり、信長の方針について行けず。脱出手段を探す方針を本格的に試みます。 信長たちと情報を共有しましたが『神隠し』については把握しておりません。 アサシン(カイン)のステータスと真名を把握しました。 アーチャー(セラス)のステータスを把握しました。 アサシン(アイザック)とバーサーカー(オウル)のステータスを把握しました。 【今剣@刀剣乱舞】 [状態]精神疲労(中)、肉体ダメージ(小) [令呪]残り3画 [装備] [道具]なし [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:元の世界に戻る。 1:ルーシーと共に脱出する。 2:カイン…… 3:なるべく人は殺したくない。 [備考] 聖杯戦争については概ね把握しております。 アーチャー(与一)の真名を把握しました。 通達について把握しております。 役割は「孤児院の子供」でした。行方不明となった為、警察に捜索届けが出されているかもしれません。 ルーシーがバーサーカー(アベル)のマスターであると把握しました。 バーサーカー(アベル)の真名と情報をある程度把握しました。 信長たちと情報を共有しましたが『神隠し』については把握しておりません。 アサシン(カイン)のステータスと真名を把握しました。 アーチャー(セラス)のステータスを把握しました。 アサシン(アイザック)とバーサーカー(オウル)のステータスを把握しました。 短刀は江東区の草影に隠しました。 【メアリー@ib】 [状態]肉体的疲労(小)、目が死んでる [令呪]残り3画 [装備] [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:死にたい? 殺されたい? 0:ザックを待つ。 [備考] 役割は不明です。 聖杯戦争参戦前の記憶を取り戻しました。参戦時期はエンディング『ある絵画の末路』後です。 聖杯戦争を把握しました。 バーサーカー(オウル)とバーサーカー(アベル)のステータスは把握しております。 SNSでバーサーカー(アベル)の人質として情報が拡散されております。 信長とアーチャー(セラス)の主従を確認しました。 <その他> 信長邸に出入りする家政婦(オルミーヌ)はルーシーがアダムを殺害した事を把握しています。 オルミーヌはアサシン(カイン)の存在を確認しております。 メアリーの発言がテレビで報道されるかは不明です。 【4日目/未明/江東区】 【織田信長@ドリフターズ】 [状態]魔力消費(大) [令呪]残り3画 [装備] [道具]資料、購入した銃火器 [所持金]議員の給料。結構ある。 [思考・状況] 基本行動方針:聖杯を頂くつもりだが……? 1:今後の策を考える。 2:ルーシーは…… [備考] 役割は「国会議員」です。 パソコンスキルを身につけました。しかし、複雑な操作(ハッキング等)は出来ません。 通達を把握しております。また、聖杯戦争の主催者の行動に不信感を抱いております。 ミスターフラッグから、東京でここ二、三日の内に起きている不審死、ガス爆発、 不動高校、神隠し、失踪事件の分布、確認されているサーヴァントなどの写真を得ました。 セラスからセイバー(フラン)とバーサーカー(ヴラド)の容姿の情報を得ました。 神隠しの物語に感染しました。 江東区の博物館にあるバーサーカー(アベル)の宝具を捕捉しました。 江東区の博物館の館長を脅迫もとい交渉した結果、博物館の警備の強化などの権限を得ました。 正午から夕方過ぎ頃までの情報を『ミスターフラッグ』から入手しました。 バーサーカー(アベル)の真名と情報をある程度把握しました。 ライダー(ジャイロ)のステータスを把握しました。 アサシン(アイザック)とバーサーカー(アベル)、バーサーカー(オウル)のステータスを把握しました。 『カイン』が『東京』に召喚されている事を知りました。 【アーチャー(セラス・ヴィクトリア)@HELLSING】 [状態]魔力消費(大)、肉体ダメージ(極大) [装備] [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:マスター(信長)に従う。セクハラは勘弁して欲しいケド。 1:博物館から離脱する。 2:バーサーカー(ヴラド三世)に通じる存在……? [備考] セイバー(フランドール)とバーサーカー(ヴラド三世)の存在を把握しました。 刺青のバーサーカー(アベル)を危険視していますが…… 神隠しの物語に感染しました。 江東区の博物館にあるバーサーカー(アベル)の宝具を捕捉しました。 正午から夕方過ぎ頃までの情報を『ミスターフラッグ』から入手しました。 バーサーカー(アベル)の真名と情報をある程度把握しました。 『カイン』が『東京』に召喚されている事を知りました。 時系列順 Back 夜は眠れるかい?(前編) Next until death do them part 投下順 Back 夜は眠れるかい?(前編) Next 勝利者への資格 ←Back Character name Next→ 028 夜は眠れるかい?(前編) 今剣 033 until death do them part 織田信長 040 ショーは続けねばならぬ アーチャー(セラス・ヴィクトリア) メアリー 033 until death do them part アサシン(アイザック・フォスター) ルーシー・スティール バーサーカー(アベル) 桐敷沙子 バーサーカー(オウル) 神原駿河
https://w.atwiki.jp/hyakukami/pages/1420.html
依頼主 チャルチウィトリクエ 出現条件 チャルチウィトリクエ解放 クリア条件 10/11 12 00までに以下の神様を解放するチャルチウィトリクエ 成功報酬 豪華パリジャーダとってもジューシーで豪華なステーキ。さっぱりレモンをかけていただきましょう。 依頼時 魔神に力をとられちゃって困ってるの。進化石を手に入れたら一回目の進化ができるんだけど…協力してくれるかな? クリア時
https://w.atwiki.jp/deforpg/pages/28.html
作品名 そこに塔があるから 脳内住民A 作者のコメント ∧,,∧ ∧,,∧ ∧ (;・ω・) (・ω・;) ∧∧ <徹夜が俺を魔物にした。 ( ;´・ω) U) ( つと ノ(ω・` ) 後悔はかなりしている。 | U.(; ´・) (・` ;) と ノ u-u (l ) ( ノu-u `u-u . `u-u 管理のコメント AA貼るの難しすぎたからセンタータグはずした。左下の発想は間違いなく神がかっている。 AAいらないという旨のメール送ったはずなんだけどなんか差し止められてた。もう駄目だ。 -- 作者 (2007-10-07 19 41 43) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/hyakukami/pages/2020.html
依頼主 ネヴィン 出現条件 ネヴィン第二進化後 クリア条件 以下の神様の親密度を上げるネヴィン:親密度55 成功報酬 エリクサー(行動力回復)行動力が完全に回復する薬。味は良くないが効果は抜群。冒険者の必須アイテム。 依頼時 君は私について来てくれるか?君がいてくれれば私も、その、とっても心強いんだ。 クリア時 ありがとう。君は私の軍にも私にとっても、とても重要な役割の人なんだよ。これからもよろしくな!
https://w.atwiki.jp/x9889ub/pages/19.html
どこかへ出かけてちょっと止める駐車場というのはあるんですけど、月極で借りられる駐車場ってのは、あまり利用されてないのかな…<sphere lightのHID>。それにしても、このサイトを探していて気が付いたんですけど、バイクの月極駐車場のサイトって、あんがい少ないんですね<CROSS PLUS>。 ありました、ありました。弟にしてみれば余計な出費かもしれませんけど、駐車違反で罰金を払うことを考えたら、安心してバイクを使えますからね。 私が見つけたのはバイクパークDo という検索サイトです<バイクパークDoで文京区のバイク駐車場>。それはともかく、バイクパークDo を使って「最安値」の駐車場を検索しました。 月2500円というところがあったんです。でも、残念なことに、そこは弟のマンションから結構離れているので、仕方なく3500円のところと契約しました。
https://w.atwiki.jp/hyakukami/pages/1939.html
依頼主 アムピトリーテー 出現条件 アムピトリーテー第一進化後 クリア条件 以下の神様の親密度を上げるアムピトリーテー:親密度50 成功報酬 薬草(HP回復)自分のHPが50%程回復し、仲間のHPも25%回復する。大変貴重な薬草 依頼時 あなたとはゆっくり時間をとってお喋りしたいと思っていたの。付き合ってくれるかしら? クリア時 あらまぁ、あなたって面白い人ね~。もっとあなたの話、聞かせてくれるかしら?
https://w.atwiki.jp/jojoson/pages/1358.html
これ以上ないような出会いに始まり クレイジーなダイヤモンドが弾けるStory 個性が飽和だイカれたParty だけども繋ぐぜ正義のBloody 侃々諤々な関係でGoGo 問題一切 拳で制裁 時にはオフサイドな不利展開 でも 諦めちゃったら 即 No side!(試合終了!) 彷徨う心が導くは 姿無き悪意のバラ 触れる者が傷つく度に 泣き濡れたその魂 歩いてきた道、違えど 瞳に映した 譲れないもの それが 彼らを固くつないでる 新進気鋭の漫画家が捉えたが 真相解明の真ん中で途絶えた 神出鬼没の写真の正体は シーソーゲームに進めの招待 蜃気楼追うよな鬼ごっこSo tight もう無いチャンスは一度だNo-time 脳内沸かせるピンチなど砕けぬ心でブチ破れ! 逆らう事など できぬのが 運命(さだめ)だと言うのならば 抗う勇気で切り開く 奇跡と言う名の活路(みち)を 惹かれあうのが定めでも 仲間とは限らない それでも紡いだ絆は 彼らを真実へ着かす 繰り返される現実逃避は 変わらぬ朝を連日のように もがいた願いが引き出す闘志 掴み往く勝機の連絡届かす 小さな体で震わす鼓動(ビート) 燃やした想いは必ずヒット! 絶望抱かず前のめり!! お前の誤算だ勝ち名乗り!!! 未来を創るのはいつだって誰かの 想いに誰かが応えたときだから 惹かれあうのが定めでも 仲間とは限らない それでも紡いだ絆は 大きな虹を描くだろう 守りたいものがある限り 生まれるのが人ならば その光射す道標は どこまでも続いて往く アレンジ元曲:仲間を求めてのあれんじ 元動画URL【http //www.nicovideo.jp/watch/sm645685】
https://w.atwiki.jp/keroro00innovator/pages/3921.html
雨が降るから虹が出る 雨が降るから虹が出る アーティスト スカイピース 発売日 2018年5月23日 レーベル ERJ CDデイリー最高順位 2位(2018年5月24日) 週間最高順位 10位(2018年5月29日) 月間最高順位 34位(2018年5月) 上半期最高順位 120位(2018年) 初動総合売上 8490 累計総合売上 15230 収録内容 曲名 タイアップ 視聴 1 雨が降るから虹が出る 七つの大罪 OP 2 誕生日おめでとうソング CD/総合ランキング 週 月日 CDシングル 総合シングル 順位 週/月間枚数 累計枚数 順位 週/月間枚数 累計枚数 1 5/29 3 5439 5439 4 8490 8490 2 6/5 10 1425 6864 21 3254 11744 2018年5月 16 6864 6864 34 11744 11744 3 6/12 20 635 7499 26 2028 13772 4 6/19 435 7934 435 14207 5 6/26 311 8245 311 14518 6 7/3 347 8592 347 14990 2018年6月 41 1728 8592 1728 13472 7 7/10 213 8805 213 15078 8 7/17 152 8957 152 15230 配信ランキング 雨が降るから虹が出る 週 月日 デジタルシングル 0 5/29 16 3051 3051 1 6/5 25 1829 4880 2018年5月 37 4880 4880 2 6/12 1393 6273 七つの大罪 OP 前作 戒めの復活 次作神々の逆鱗 HowlingFLOW×GRANRODEO 雨が降るから虹が出る ROB THE FRONTIERUVERworld 関連CD 誓い Sky Flight
https://w.atwiki.jp/butubutuhitori/pages/64.html
自分にとって。。。 参考意見に過ぎない。。。 客観的意見としていろいろ言っていただきたい。 いいか悪いかは、自分が判断する。 自らの行動・言動が自分の価値観に一致するのか。 その問いかけは忘れない。確実にやり続ける。 間違っていれば、痛かろうが自らに課題を科す。。。 修正行動計画を作り確実に実行継続する。 人に伝えるのは、客観的意見として伝えることはあっても。。。 価値観・人間性の否定をするものではない。 なので。。。 「お前間違ってる」ではなく。。。 「自分はここを。こうしたほうがよくなると思う」 って伝えたいって思ってる。 判断は相手がする。。。 責任も結果も相手が受けるのだから。。。 だから自分の損得。。。感情に流されて。。。 相手に意見をぶつける。。。 これも嫌いだ。。。 人にどう思われるのか。。。 自分は。気にし過ぎない。。。 「それでも地球は動く」。。。 ガリレオ・ガリレイ。地動説が正しかった。。。 自分の価値観を信頼する。。。 正直に生き続けたい。。。 自分の問題は、自主的に。。。 自ら認識して克服するもの。。。 自分に厳しく。。。 なかなかできない。。。つい甘えてしまう。。。 それが人間か。。。 でもそこへ行きたい。。。