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ラノで読む 騒がしい保健室の事件記録 『真贋考察』 前編 ■1 「起きろ」 そんな大声が耳に届き、意識が次第に覚醒していく。 わずかに動かした身体がミシミシと音を立てる。痛みに近いけだるさ。 「おい、起きろって」 なおも声が耳を打つ。大きな声だ。うるさいなぁ。そう思考すると、鈍い痛みが頭の奥で騒ぎ出して呻き声を出してしまう。 今度こそ身体が痛みを感じた。 「起きたか?」 貴方の随分と大きな声のおかげでね。心の中で皮肉を呟く。どうやら私は寝ていたらしい。 背中を預けているのがベッドではない事から、普通の状態ではないようだ。 この硬さからして床の上か。 「……ここはどこ?」 そう口にしてから、私はまだ目蓋を閉じたままだった事に気がついた。真っ黒な世界を切り開き、眼球に光を呼び込む。 最初に飛び込んだのは白。それが瞬時に現実を帯びると、何処かの建物の天井が見えた。 「大丈夫か? メチャ間抜けな奴だな」 四角い顔をした少年が、私の顔を覗き込んでくる。言葉の割に心配している様子はない。 「……誰?」 「おいおい」 本当に大丈夫か、と少年は眉を下げた。 そんな事を言われても困る。さっぱり状況が分からないのだ。 とりあえず自分がどんな現状にあるのか確認しようと上体を起こす。 後頭部に鋭い痛みが走った。 「あたたたたたっ」 思わず右手で後頭部を抑える。ぬるり、といやな感触があった。うわ、これはまさか。 身体が震え、右腕に伝播する。ゆっくりと手を視界へと持っていく。 「お前、血が出てるじゃないか」 言わずもがな事を、四角い少年が口にする。 そう、私の右手に血が付着していた。大量ではないが、指先を赤く染めるほど。 私は後頭部に怪我をしていたのだ。 「え?」 周囲を見渡す。私は机の傍に倒れていたらしい。その近くでは、ブレザーの制服を着た少年少女達が忙しそうに動いている。いくつも机が並び、その上にパソコンが置いてある。 やや離れた場所にいる大人達が、こちらを心配そうな顔で眺めている。 床を見る。私から少し離れた場所に、何枚もの書類が、あちらこちらに散らばっている。 それらを女子学生が写真に収める。彼女の腕には「風紀委員」という腕章が飾られていた。どうやら此処は学校、職員室らしい。 視線を前に移すと、開きっぱなしの金庫。 そのすぐ前で倒れていた私。 え、ちょっと待って。 まさか、ひょっとしなくても。 「状況が飲み込めたか?」 広範囲に散乱している書類を、目を凝らしてよく見るとテストの用紙だった。 職員室の奥には開いた金庫。 現場で倒れていた私。 現状をひとつずつ確認していくと、自分の立場と現実が明確になっていく。 どうしようもないくらい、私は第一容疑者ではないか。 ああ、いや、それ以前に問題なのは。 「あの」 「あん?」 おずおずと話しかけると、四角い顔の肩眉が跳ね上がる。 「此処は何処で、私は誰なんでしょう?」 四角い少年の口が、あんぐりと丸く開く。 そう。 どうも私は記憶喪失になったようだった。 ■2 「顔写真で確認した、君は瑞樹奈央。双葉学園高等部1-Aの生徒、風紀委員だ」 四角い男子高校生に見張られながら、私は自分が何者なのかを知らされた。名前や所属を聞かされてもピンとこない。むしろ困惑と不安が増すばかりだ。 私は保健室に身柄を移されていた。後頭部の手当てと、被疑者(つまり私だ)の隔離が目的だそうだ。 記憶がないので当然『見覚え』はないけど、たぶん利用した事もあるのだろう。保健医用の事務机と薬品棚。体重計と身長計。ベッドが二つに人体模型。 ごくごく普通の保健室。 そんな場所に、頭を怪我した私が(風紀委員に護送されながら)来たものだから、女性の保健医さんが目を丸くして驚いていたのも無理ないんじゃないだろうか。 保健医さんに傷を確認してもらい、写真で撮影ののち、ようやく手当てをしてもらえた。 消毒液を傷口に吹きかけられると、針で刺されたような痛みが全身を襲って涙が出る。 続いて保健医さんは「他に怪我はないか」と、身体のあちこちをチェックしてくれた。 ちょっとセクハラな感じもしたけど、異常があっては嫌なので彼女に任せる事にする。 ふと見ると、ベッドのひとつはカーテンで仕切られていた。誰か寝ているのだろうか。 私の視線に気付いた保健医さんから「アレの事は気にするな。もうお前には関係ない」とだけ言われたので、それ以上は聞けなかった。 そして包帯を巻き終えた頃に、私の身元が取れたのである。女子用のブレザーを着ていた事から、私も同じ学校の生徒なのは分かってはいたけれど。 「成績は上の中。風紀委員会に所属している事から、クラスの中では少し微妙な立ち位置にある。だが対応に柔軟性があり、風紀委員にしてはウケがいい。 下校途中の買い食いが珠にキズだが」 「それが私ですか」 「それが君だ」 私の問い掛けに、ファイルを持ってきた女子生徒(私と同い年ぐらいだろうか)が同意する。自分の事なのだから私に聞くな、という視線を投げてよこしつつ。 そんな目をされると、ますます不安になるばかりだ。言い様のない水みたいな塊が、胸の中でブヨブヨと蠢いている感覚。生気を失くしたネズミが、脳の中でスカスカになって横たわってる様な感覚。 それが脊髄を通じて一体化している、漠然とした不安感。 それが私を構成する全てであり、私が唯一分かる自分自身についてであった。 「本当に何も覚えてないんですか?」 少年が私にではなく保健医に尋ねる。 「憶えてないよ」 私に代わり、保健医が確信を持って断言してくれる。腰まで伸びた長い髪は、手入れをしていないみたい。それを無造作に後ろで括り、ポニーテール風にしている。ここまで長いと、ポニーテールというより「黒い滝」みたいだ。 「なんだ、能都(のと)は私の診断を疑うのか?」 余った包帯を救急箱に片付けながら、保健医がジロリと男子生徒を睨みつけた。ナイフみたいに鋭い目をした先生だ。本当に見られただけで斬られそうな凄味がある。 そんな感想を抱いたのは正しかったようで、能都と呼ばれた生徒は、両手を激しく振って否定した。 「いやいや! 疑ってませんってば! や、やだなぁ。堀衛(ほりえ)先生の診断が間違いだなんて天地がひっくり返ってもありえませんって! なぁ、夏鈴(かりん)!」 同意を──というよりも助けを求める様に女子生徒の方を向く能都君。 「混乱に乗じて私を下の名で呼ぶな、痴れ者め。他人行儀に田邑(たむら)と呼ぶといい」 救援要請の返答は言葉の砲弾だった。 「えーと」 そんな三人に囲まれて、私は孤立していた。 「ん? ああ、すまん。本人不在で関係のない話を進めても仕方がないな。自己紹介をしよう。私は風紀委員の田邑夏鈴という」 記憶を失う前の君とは親友だった、と。 私にとって見知らぬ他人がそう言った。 堀衛先生がナイフなら、この人は鈍器だった。理性に対する野生とでも云おうか。 意識して出している訳ではないのだろう、にじみ出るワイルドさが釘バットを連想させる。ベリーショートの髪型も、そんな印象に拍車をかけているのではないか。四方八方にはねる髪が特徴的な人である。 そういう髪型にしているのか、天然パーマなのかは分からないけど。 とりあえずデコキャラだった。 「で、君の傍らで『むっつりスケベ』な本性を隠しきれていない四角い顔の男子が能都麻太郎(あさたろう)。 蔑称は『立方体』や『大人のおもちゃ箱』『輝くスケベなペドロン』等々、好きな様に蔑んでくれて構わない」 釘バットが一塁ベースを指し示す。 「ちょっ!? なんのイジメだ、それは!? いくらなんでも、その紹介は……っ!」 「そして君を手当てしてくれたのが保健医の堀衛先生だ。ケガ人の多い風紀委員は、世話になりっぱなしだ」 「世話への謝礼は現金が一番嬉しいな」 可哀相に、能登君の抗議は完全に無視され、そのまま紹介が進行された。私にとって三人が三人とも赤の他人だったので、スムーズに紹介されていくのは有り難い。 「ちなみに。瑞樹奈央と私達三人は、全員が顔見知りだ」 堀衛先生が注釈を入れてくれる。 「はぁ……すいません、憶えてません」 「ふん、まぁ仕方がない。打ち所が悪かったからな。外因性ショックによる部分的な記憶障害だよ」 自分用の回転椅子に座り、堀衛先生は白衣のポケットから缶コーヒーを取り出した。 ノンシュガーなブラックコーヒー。それを面倒臭そうに開封して喉に流し込む。 「せっかく上手くいきかけていたというのに、災難だったな」 そして流し目と呼ぶには鋭すぎる視線で私を一瞥し、そんな事を言う。 どうしよう、超怖い。 「ああ、そうだった。お前にはテスト用紙の盗難未遂の容疑がかかっていたんだった」 酷すぎる紹介のショックから立ち直ったのか、能都君が四角い顔で睨みつけてきた。 本当に高校生なんだろうか、この子。 暴力団の抗争で発砲事件を起こした犯人としてニュースに顔写真が流されても違和感が全然ない顔してるんだけど。 こんな怖い顔の人と友達だったのか、私。 すごいや、自分。 「……なんか、名誉毀損の容疑が追加された気がするんだが」 わ、しかも結構鋭い。 「ともかく、君には嫌疑がかけられている。親友としては信じたくないが、これも風紀委員としての職務なのだ。許せ」 脱線しかけた能都君の話と私の思考を、田邑さんが軌道修正してくれた。頼もしい人だ。 まさに風紀委員って感じがする。 けれど忘れてはいけない。今の私は、その田邑さんに疑われる立場なのだった。 私の事を『親友』と呼んでくれる人から疑われるのは、記憶が失われていても……やっぱり少し寂しかった。 ■3 「状況を整理しよう」 近くにあったパイプ椅子を広げると、田邑さんは出入口付近に布陣した。私が逃走するのを防ぐ意味があるんだろう。 「2月20日の早朝、午前6時ごろ。朝錬に来ていた陸上部の女子生徒が、職員室前を通りかかった時、異常を発見した」 私の身元資料と一緒に持ってきていたファイルを開き、田邑さんが事件の概要を説明し始める。それはつまり、私が失くした記憶の一部でもあるのだ。聞き漏らさぬよう、私は懸命に記憶していく。 「鍵の管理当番になっている教師が来るまで施錠されているはずの職員室で入口が、わずかに開いていたという」 陸上部の生徒は職員用のトイレを使おうとして通りかかったらしい。生徒用トイレは職員室よりも手前にあるのだが、生徒用のものより設備が違うんだとか。 そりゃあ、ウォシュレット機能が付いているかいないかなら、私だって付いている方を選ぶ。 「不審に思った生徒が、早朝の巡回をする為に登校してきた風紀委員に報告。これを受けた風紀委員が職員室へ確認に行った」 田邑さんは、音を聞いた生徒と風紀委員の名前を挙げるが、やはり憶えはない。彼らは既に取調を終えて、事件と無関係である事が証明されたらしい。 「女子生徒の報告通り、職員室の扉が開いていた。後で確認したところ、ピッキングによる開錠だったことが判明している」 針金などを使って鍵をこじ開ける技術や、その行為の事だ──と解説が入る。 いや、ピッキングという言葉は知ってる。 記憶は失くしても、言語や知識まで忘れた訳じゃない。 「風紀委員は職員室に侵入した人物がいると判断し、職員室を探索。すると、職員室奥にある金庫が開いていた。その中に保管されていたと見られるテスト用紙が、金庫の近くに散乱していた」 意識を取り戻してから見た、職員室の光景が思い出される。 「そこに、奈央。君が倒れていたのだ」 慌てた風紀委員は、風紀委員長に連絡したそうだ。そして委員達に招集がかかり……現在にいたるという事になる。 「なんで最初に病院とか警察に連絡しなかったんですか?」 そこまで話を聞いて、まず思い浮んだ疑問を投げかけてみる。 「ああ、ラルヴァや能力者関連の記憶も失っているのか」 田邑さんが視線を私に向けた。 ラルヴァ? 能力者? なにそれ。 そこで記憶喪失な私の為に、能都君が簡単にラルヴァなどの事を説明してくれた。その話の荒唐無稽さに驚くよりも呆れたけれど、三人の表情があまりに真剣だったから、とりあえず信じる事にした。 「その関係で、おいそれと通報できないんだよ。まぁ学園内での事は、ある程度なら学園側で処理できるようにはなってるんだが」 そう能都君は説明してくれた。 「だが今回はラルヴァ事件じゃない」 そして田邑さんは否定した。 「そりゃあ」 先生がコーヒーを飲みながら頷いた。 「職員室の鍵をピッキングして、金庫を開けてテスト用紙を盗もうとするラルヴァなんて普通じゃ考えにくいからな」 うん、私もそう思う。その事件の容疑者が言うのもなんだけど。 「奈央が犯人だと仮定した上で、以上の事実から考察するに──」 私を見ながら、鈍器が厳かに喋りだす。 「午前6時前に双葉学園の職員室に侵入。 ピッキングで開錠し、テスト用紙が保管してある金庫を開け、持ち出そうとしたところ誤って転倒」 ずきり、と包帯の下の傷が痛む。 「事務机の角に頭をぶつけて失神。風紀委員に発見されて、現在に至る、というわけだ」 デジカメで撮影した現場写真を見せてくれる田邑さん。その中に、先生達が使用するスチール製の机の角を撮影した物があった。 血液が付着している。 もしかしなくても、私の血なんだろう。 その写真を横から覗き込んで、堀衛先生が口を尖らせる。 「ホラ見ろ、能都。こいつの傷口と一致するじゃないか」 教師を疑うとは反社会的な奴だな、と能都君を見る。彼は「だから疑ってないですって」と弁明するけど、学生からすると途方もない額の慰謝料を請求されていた。 「──というか、ですね」 話を聞き終えた私は、思いついた可能性をそんな風に切り出してみる。 「そのテスト用紙……ですか。本当に、私が盗もうとしたんですか?」 「ああ?」 チンピラみたいな相槌を打つ能都君。 だから怖いって。 「ええとですね、過去の記憶という物がバッサリ無くなっているんで、状況証拠を並べられてもピンとこないんですよ」 理屈と物証による包囲網が完成されていれば「ああ、犯人は私しかいないんだな」と、納得もできるんだけど…… 「もしかしたら別に犯人がいて、私はその人に突き飛ばされて頭を打ったのかも」 「……ああ」 虎の様な唸り声を上げて、四角い人が腕を組む。あの状況じゃ仕方ないけど、私以外の犯人を想定してなかったらしい。 「なるほどなぁ」 何故かニヤニヤしながら先生も頷いた。 けれど私の親友であるはずの田邑さんだけが、その可能性をキッパリ否定した。 「それはないな」 「即答しますね」 「というのも──職員室の扉と金庫、テスト用紙から奈央の指紋が検出されているんだ」 あちゃあ。 物証で包囲されてしまった。 自分自身に「私が犯人である」という記憶がないので、追い詰められているという感覚に乏しいけど、やはり物証があると返答に窮する。 「なんだ。やっぱり犯人じゃないか、お前」 「自覚ないんですけどねー」 そう。 物証がある以上、私が犯人なのだろう。 しかし犯罪を犯したという記憶がない以上、今の私が置かれている立場が「冤罪」である様に感じてしまうのも事実なのだ。 それに。 「根拠はないんですけど、私の中の何処かで『瑞樹奈央は犯人じゃない』という確信めいた何かがあるんですよね」 「なんだそりゃあ、巫山戯んなよ」 非を認めない私に、能都君はあからさまに不機嫌な声を上げてみせる。ひいい。この人ブレザー脱いで同じセリフ言ったら、本気でヤクザの恫喝にしか見えないよう。 「そう言われてもな、奈央」 ここで初めて田邑さんが表情らしい表情を見せた。彼女は困惑していた。 そりゃそうだ。状況証拠と物的証拠に対し、根拠レスで冤罪を主張されても困るだけだ。 でも時間が経つにつれて、私の中の冤罪意識は増すばかり。このまま自分が犯人である事を受け入れるのは享受できなかった。 「私は親友をこんな所で失いたくはない。 風紀委員としても、君のような優秀な人材を失いたくはない。だけど──だけど」 君がした事は犯罪なんだ、と。 田邑さんは苦しそうに、本当に苦しそうに呟いた。よく見ると、腕を組んだままの能都君も辛そうな表情を浮かべている。 職員室の扉にある指紋程度なら証拠にはならない。私も風紀委員だそうだから、職員室には毎日入っていただろうから。 けど、金庫とテスト用紙の指紋は、冤罪を主張する上で致命的な矛盾の壁となる。 記憶を失う前の私は、こんな見苦しい言い訳をするような人間ではなかったのだろう。 田邑さんも能都君も、親友として素直に罪を認めて欲しいに違いない。 「ふうん」 急に先生が大きな声で頷いた。私と、風紀委員二人の視線が白衣の先生に集中する。 若輩三人の視線を一身に浴びた年上女性は 「お前ら、瑞樹を失ったら困るのか」 などとのたまった。 「……当たり前でしょう」 「当然だ」 立方体の親友は絞り上げるような声で。 鈍器な親友はフルスイングで即答した。 「なんだ、それならそうと早く言え」 ナイフが獲物を見つけた様にニヤリと笑う。 先生は飲み終わった缶コーヒーを、分別も気にせずゴミ箱へ投げ棄てると、再び白衣のポケットから缶コーヒーを取り出した。 「てっきり瑞樹奈央がいなくなっても困らないから、そのままソイツを犯人にしようとしているんだと思ってたが」 違ったのか、と言葉を加え。鼻でフンッと息をした。 そして保健医・堀衛遊は、スパスパと良く切れそうな笑顔を浮かべ、こう言ったのだ。 「瑞樹奈央は犯人じゃないぞ」 (後編へ続く) トップに戻る [[作品保管庫に戻る 投稿作品のまとめ]
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出展元:Fate/EXTRA(岸波白野、デフォルトネーム) スレ内での呼称:ザビ子、白野、ハクノン 真名候補 備考 登場回 登場回(回想) AAまたは、声のみ DATA更新 [] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][]\ ≧s。 ゙ , i! ) __ `ヽ._.... ̄`ヽ. ゙ ,.../ V . ヽヽ.  ̄ ̄`ヽ\ .〉 ;!*' ≫=- ノ、 V ァ゚ , V ≧s。_ \ }/ ≧=―=≦ フ ==- ヲ ` ,./ }ヽ 、、 `ヽ .`ヽi!ゝ., /. /. _, 。ャi´ / リ } ゙ ,. `'≪ \ , \ ∠,,_ ノ ∠、 _ _,.ノ / /} リ i V `; ヽ \ ≧s。._ -=彡 ,f .ィッ、∠ _ _/ *゙7 リ ! V □CLASS ー ハイサーヴァント、_ i! 〕ト、 ≧=-  ̄ / t.にリ =-ュ., , /;! ノ / } . `i! }-=彡’ ,イ! レ’ i んiミァ、/ / / / ム ├─ □真名:聖杯戦争の優勝者達の概念 弋 ゝ._ { | / 弋.ツ 彡 / /. / ハ`'≪ `'≪ ≧s。._ ヽ.ゝ.,_ ̄i t 、 _,.+'’ /. , ├─ □性別:女`ー≪ `'≪  ̄`'≪ゝ ,____ . 。ャi´. /. / ,ヽ. `'≪ `'≪  ̄ , ,.。ャiア / / | , └─ □属性:中立・善  ̄ ̄ ̄ ̄`'≪ ≧s。. ̄ ̄ ̄ `ヽ ̄ ̄ ,.+^ / / | l } `'≪ \+'’ ≫'’ ! / /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 。r≦ ≫'´ ̄i! `'≪ i / / □ステータス -=≦ ≫'’. . . l. . .ハ ≧=-=≦ ≫'’ ̄ ̄ ̄`ヽ. 。r≦ `ヽ/ ̄`ヽ. ≫'’ └─ (戦闘能力は持たない) \ 。r≦ ≫'’ ̄ ̄ ̄/i! . . . . . . .i! ,`'ー─一''’`'≪ ≧=‐=≦ / . .. . / . . l. . . . . ./ i! . .. . . . . i!. , `'ー───────≫'. . . . /. . . . .l . . . . .i. . .i!. . . . . . .i!. i r'´/.. . . . . i. . . . . . l. . . . λ i!. . . . . . . i!.l /|. . l. .. .. . . l. . . . . . l. . . /. . Vi!. . . . . . . i!l /. /.! . . ! .. . .. .l. . . . . . .l . /. . . . } i}. . . . . . . i} ! r'. . . /.. .! . ..! . . ... ..l. . . . .. /. . . . .イ. i}. . . . . . . i}! i. . . .{ . .λ. ヽ. . . . .ヽ /. l. . . . . 人. i}. . . . . . . i}! ゙ , . . .l/ . `'ー─; . . . .l. . . l. . . ././ i!. . . . . . . .i!! ゝ*. .l. . . . . l . . ... . . . l. . . l . /./ i!. . . . . . . . i!! {!. . l. . .. . .l. . . .. . . . l. . . | .{ { i!. . . . . . . . i!l[] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] ___ , ' ´ ミ ー-、 / ¨ヽ / / 、 / ./. .', ,' ./ / ! ', i ,' ! , ! . | ! □クラススキル ! i ! ! { { | ! | | ! ,| | !斗弌 | | |斗 | ! ! └─ □管理者特権:Ex { }. / ! 从笄芋}乂从;イ笄リムイ / 全管理者の中で最弱の管理者特権。 |/ 人| | 弋ヒツ 弋ッ 从;{' 範囲と操作権限において、最も狭く弱い。 / { . | | , ,' {. / _ _ _| ト 人! 全ての管理者権限の最下位でありながら、 / ;_イ ̄', | ` ' .イ! ! 特級階級となっている。なぜならば、 /. ;_イ.--、 ', ト、_/}> n< i . | このスキルは、ムーンセルの事象に干渉できない。. / / ∨ ', . ト }y{.{_ |.| | | だが、他の管理者特権を無条件で封印できる。 / .〃 .! ', ! 仆、 ` ;「} | {,. / ./ | ', V八 ハ | |n ! ', アンチ管理者特権。ジョーカーに対するジョーカー。 /. / ! / ハ .', | } n |. V | i ! このスキルは、全ての管理者への優位性を持つ. / ∥ .| ! \ 〈 ! .V Ⅳ | U〉 ∨} | ;!,' ∥ | ! レ' | レ'}} i リ / }! | ! {. {{ | ! ! | .!∥/ } ) }'} ヾ | ', ! .ムイ !/ { /(( /| ! )、 | ', ! )ソ _} / )从 仆 | ', ', , イY^! 〃 \{ √ ', >' ´ い ,イ´ / \ ∨ >'{[] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] / . /. . /. . . . ./. / . . . . . . . . . . . . . . . . ‘,. . . . . / . /. . /. . . . ./ / . . . . . . . . . .| . . . . . . | . . |. . . . . . / . /. . .′. / / . . . . . . . . . . | . . . . . . | . . | . . . . | .′.′ |.  ̄/「i「` . . . . . . . //__. . . . . /. . . | . . . . | l . . |. . . . | . / |八. . . . . . . . // / ` / |. . .l | /| . . |. . . . |ィf竿ミメ\\/厶イ///∨. /. . . | | / | . . |. . . . | |しハ/} ,ィf竿ミメ、/. / . . . .| | / . | . . |. . . . | .戈ヒシ |しハ/,ハl/ . . . . .| | / . /| . . |. . . . | ,,, 戈ヒシ /| . . . . | | / . / | . . | . . | ′ ,,, /ノ|. . . . . | | □固有スキル / . / . | . | . . | .. //| . . . | | / . /. . . . | . . | . . | \ ° /´.. /| . . . | | └─ (彼女はスキルを取得していない). / . / . . . /. . . .| . . l___」 ` . .,____,,. . . ´ . / |. . . . | | // . / . . . / . . /| . . |_,ノ / . /.. . | . . . | | / / . / . . . / . . //| . ./|〉 /. / . . /| . . | | /. . . / . / . . . / /V/. . / |∧ ./|〉/.. . . . //| . . . | |. /. . . / . / . / / ///. . / . |/∧\ .|∧. . . //. .| . | |. | / . / / //////. . /. . /'//∧ |//`77´ / / . . | . . l. | /. . . / /'//////. . /. . ∧'///∧ .| ///// l /. . . / . . . . 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' / . .{. .| .{ . { l ヽ i! , i { { | { { | ヽ i! , | .{ _ _{‐- _ 」 」_ -‐ .i | , |{{_| fッァ ヒア 〉 ! ! ,. i! .////// .| | ゝ □解説 i! 人 _ u | |\___ \. i! l≧ `_ < .| |//////{7ヽ \ ├─ □聖杯への願い i! .|∨777{. | |////// {'//∧. .\ 今回の騒動の停止、または沈静化。. i! | ∨//,{` | |/// .//,{ ///∧ \ 管理者の七柱の全てが悪性ではない。 /i! | ∨'/,{ i! |/ ///,{ ////∧ .\ 強大すぎる絶望の運命に収束にする危機から、. / i! i!ヘ _\∧ /i! |_//// {'//////\ ヽ 抑止力が“黒幕”の召喚に干渉している / i! i! ∨'777□ i! i!/////// \ //////\ ) { { i! '{'/// { |'i! i!/////////\////// \ ( . 八 ゞ { }ゝ/ .! |/ゝ ヽ ///////,ゝ\ /////∧⌒. ) ) )/{ /}/ ./| |///) ) ////////ヽ ∨////,∧ / }/ {/ }i /,'| |/// / ////////// ノ ∨////∧ ├─ □過去 }| //∧ |//´///////////// {/∨////∧ 存在しない。彼女は聖杯戦争の優勝者のモデルケース。 }}/// ∧!////////////{////{/ ∨////∧ .謂わば、優勝者達を平均化した者である。 /////// ̄777,l 77}7i7,//'{////{//,∨////∧ 最も勝率が高い能力であり、姿であり、性格である。. /////// //// // }/}/// {////{///∨/////} //////// //// // / /}///,{,'///,{/// ∨////,} .抑止の後押しの為に、彼女は本来最強スペックのはずであった. 〉― 、{ \//// // / //}'///{////,{////`ー‐ ´ }_ が…………“黒幕”の手によって、スキルが消滅している。 /-‐-、.} ム__/ // / ///} //∧///∧, -‐' ∨__ノ ヽ { ヽ .}/-‐/ `>' ,,_/_,, 〉 -‐ ´ l‐-{ ,、ヽ } //l}_/= ニニニニニニニニニニニニニニニニ =={/. \ヽ. '‐ ' | | / ' | l `´ ` ./ / | l. / | l / / | l. / | l / / | l[] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] -= ^ー 、 ,イ . . .ヽ /. / .! /. ! ヘ 、 , /. /. | |ト、 ! ヾ. i! }. }、 / . ;{ l |芯テ从ソ-ル' / }! 〈〉 / ̄\ ,イ . | 从ヾ. ¨ 乞/ / 八 〈〉 / ̄\_ / . 八 {、 _ ' /イ /. ̄\ ∧ ├─ □人格 \_/ ./ ; ∥ { ヽ \ ¨ .イ {...\_/ .access 『正義』の絶望を担う性質を持つ。 / ̄\ / / / }_ _| ノ ヾ ≧ニ´_ |ヾ ヽ./ .∧ ∧ 正義感に溢れ、正しい事を遂行する。. __ \ _, イ /. /. /\//\ } i! 〉 ´ V、 } ! 〉. _ SE.RA.PH. _/ \ __/ ̄\ / i{ /. / /////}X///y ノ{._ヽ }/} /../ \ ..∨ ∨ 管理者の絶望とは、それぞれの能力に依存する。. / \__/ / \ / ̄\. 〃 / / |/////ハ/≧{ {! |//≧v//ヽ}\\_/ ..∧. 権能であり、異才であり、役割であり、崇拝である。 \_/ \ \__/ ̄\_/ {{ / /. ∧////1///∧ハ!///.八///} ≧=--z_ ∨ 〈〉 .人々が持つ普遍的な事象であり、天災こそが絶望。. _\__/__/ \_/ \..}! / / . } i| ////|/////y;}/// }!ヽ/{≧- _ . 〈〉 .. / \__/ \__/ \_/..i| { { .イ.八////ト、///ζ//,′イ|.i .}∧///≧==- __ ,、_ .`ヽ だが、彼女の絶望は、人格にこそ依存している。. \_/ \__/ \_.r一,ィ|≧ル\ {!/ミ、//| |\/////{ i / |ル'/∧/////i}!/////}!} ^マ_⌒) 能力に依存するのではなく、彼女が彼女であるが故の / \_/ \__/.. .| / ∧ \___V//X//.ル ! 〈////∨./////∧ー―---==´ ̄⌒ー´ .決してぶれない『正義』の絶望である。 |\/ \ .ヾ./ / ヾミz ×//}.イ ソ\ }/////////////_ゝ \|\ / __ .\ ∨i!}///У ///⌒ー=≡=-≦_{ 優しく、正しい者が報われる。正しくあろうとする者が、. \|__〉‐〈__〉‐、  ̄|≧=}Z/⌒´ j/7777///////.N! その恩恵を預かると信じている。 ヽ-' ヽ-' ////////{///////ハ 善良性は疑うまでもない。だが、忘れてはならない。 /∥/////八/////////≧=-z__ .彼女の、その人格性そのものが絶望という事。 , ル/////八//.≧=-//////⌒ヽ≧=―--ァ ///////////\//////≦//// }/////// .正義である彼女を敵に回した時、 /⌒ヽ////{////八≧=-'////// 八///./ それは、万人が真に絶望する瞬間である。 { {///八//./⌒)//// ,. イ__ノヽ ./_ _ノ λ V////〉イ ヽ ̄ | / `ー--|`⌒~´ __.‘, ___ !=---イ ∧ ,.ィ .〈 | 〃. ., . ! 丶. ., . ! ヽ. , . ![] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][]. rn n ノ)川 lⅱ{j |{ r1 . -‐=‐- . ヽ ; ∨/ ,≠´ ソ i / // ,..-‐-ミ、 j / _,.∠.,_/ 〆. ⌒%⌒ヾ, } f´ / `' / /. / / i}! ; ! , ゙. /'⌒ ∨. 〃 ,′ n ; ⅰ | . ; /. .V i{! i{ 乂_ノ ├─ □サーヴァントとの関係 ⅰ i{! {./ /⌒% Ⅵ ! 不明。懐かしいような、遠いような。 ⅰ i '; i{ ∥ 、.\ .‘, 父のような。娘のような。他人のような。 l ! 乂 , ' .∨八 \ ヾ .、_ 誰もその関係を知らない。 l ,' ,′ 〃 \ ヽ  ̄”¨ニ''=-. .. { 丨 ; φ 丶 `寸 ≡=‐-o。;. .`ヽ . .-‐-ミ、 ! { { `ヾ、 . .`'マ~ ̄”¨≧x \ / ⌒ =‐-ミ i ! | 杙、 . . i}ハ⌒丶 \ `ヽ `、 ゚。 〃 / ァ'⌒ソ. 丿 } ! ! _ , リ }}\ \ ` 、 V ハ . └─ □聖杯戦争での活動 i{! ;.'. / ‘, `¨¨´ ! ‘, ‘ { r ^´  ̄(_≧x(. ∥ .゚ 。 .゚。 i}! i}! } 聖杯戦争で綻びを作りだしていた。. ∨ { .≧=‐-. . 。...,,_ ! L. _」_. り 低ミ゚゙ー ゙ '.く { ゚。 ゚。 ‘ ,' ; 管理者権限を無効化して、工作しており、 ! .`ミ辷 ニ=-‐=''ニ¨” ̄} ! ミ .、、≧ ニ `彡゚⌒ヾ; .i}! } },/. , ′ .その工作の内容は不明。 `ミ辷 -‐= ニ _. ニ=-‐ ‘三≧x ,_ー=`ゞー 。 ‐=彡メ i} ノ リ 丿 i|! ,′ ` ‐-=-‐ ゚~´ ,.、___ i V∧ ≧ _ ノ/ リ _彡仏イ リ. / / モッピーにより敗北の運命を背負わせられ、 〃フ'⌒゙} .斗≦ //,| ,√ . .i}!. .〃 r' ´ i}! 自らの消滅を悟る。その後、後に託す為、 ム{{) , / ,x≦-‐==ニ云=弋辷 _彡'. `ミ辷彡'. /. / ./ .最も正しくあろうとする少女と衝突する。 {^|K / , .-‐= ァ. /i{ .rn ;≠´ /. . .; ' /ニV__/ / //ハi{ 弋乂 . .ー-=≦ _;.≠´ / 正義感に強い少女に向かわなかった理由は、 ,.。_-┐ ,'ニニ∨ / __,,... / / 圦 ≧=‐--‐=≦ r f´ 自らの絶望と相性が良すぎて、危険であるから。 ∠ニ=。i7 j二ニニ{/ {x , i{! レ' { ゚ o . ゞ⌒ヽ ノリ 反して、正しくあろうとした少女は、語っていない。 く‐=、三/ '二ニニ { マ≧xrヘ {^ヽ. \ `'ーi}! .}li、 ‐-=-‐ _彡' 自らが正義と絶対に語らない。それ故に託した。 /) ソ={`i《 ./二ニニ圦 `守{ `` \ \/ ノ√ =‐‐‐= ニ゚~. 〈=`三´ニ},リニ厶寸二二仝x ≧=‐‐…==≒≦ `マ彡'′ n ノ心、 月の海で彼女は様々な事を残していった ,仝マ⌒'< 《ニヲニ寸ニニニ斧、ー-====-‐云''゚~´ `` 。,_L´ `ヾ、__ それが絶望の中で芽吹くかは神のみぞ知る。. !二}ニ,ハ,ニ`寸ニ二{二ニ≧ノリヾ\ ノ )ー- 。..,,_ ` /⌒¨´ ‘、ニリ/二ヘ、f⌒'マニ人二二二≧二ニ≧ニΞニ≧≦,゜ `¨¨゚´ `¨¨¨¨⌒ソΞノ'辷ニヾ二二ニ≦λニニニア二ニニノリ `マ⌒三´二ニニ}={、乂三`寸i)_アニアこ_r =彡'゚[] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] [][] 出展元:Fate/EXTRA(岸波白野、デフォルトネーム) スレ内での呼称:ザビ子、白野、ハクノン 真名候補 絶望の一角“正義” 岸波白野、原作そのままの、2032年のムーンセル優勝者であろうと予想されている。 本編で、歴代のムーンセル優勝者の残骸であると公開された。 名前 コメント 備考 保険室担当のハイサーヴァント 他の6騎と違い、穏便にムーンセルを終えたいように見える。 ホライゾン、金糸雀との係わりが気になる。 モノクマとのやり取りで、黒幕を自ら告発してこの聖杯戦争を終わらせるつもりだった。(黒幕が誰か知らない) 賭け対象参加者:きらきー、柴崎、ホライゾン、ルイズ、自身の望みに近い目的を持っている?(この4人は黒幕候補から除外しても良いのでは?との意見がある) ふなっしーと面識がある? 4回戦での障壁侵食役を任されることに。その見返りとして、次の『調整者』製作の権限を与えられた。 干渉するための参加者は「ホライゾン」と思われる。 もっぴーと戦い死の運命を確定させられたが、死ぬまでの時間で全力抵抗をするらしい。 描写内でドッペルたちと遭遇、サーヴァント(モデレーター?)を持ち、参加者の権利を欲しているらしい。 きらきーに自分の思いを託して消えていった。 名前 コメント 登場回 1回戦:4日目:昼 裏切り者の至福絶頂 3回戦:1RF#$%T 悪巧みの前哨戦 3回戦:1RF#$%T 悪巧みの前哨戦 その2 3回戦:4日目:昼 デット・ブレッド 3回戦:5日目:夕方 幻想の戦場記 その3 3回戦:7日目:決戦 慟哭 その4 3回戦:7日目:決戦 雪花の薄命 その3(モノクマの偽装) 4回戦:?日目:? 神柱の悪逆 4回戦:3日目:朝 Fateと戦う者 4回戦:4日目:昼 悪性カウント 4回戦:5日目:早朝 神は堕ちない 5回戦:1日目:朝 安らぎの臨終 5回戦:2日目:朝 闇の底で笑うその3 5回戦:2日目:朝 闇の底で笑うその4 登場回(回想) AAまたは、声のみ 3回戦:7日目:決戦 雪花の薄命 その4(モノクマの偽装) DATA更新
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こんにちは -- (明日葉) 2012-05-19 20 43 11
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ラノで読む 騒がしい保健室の事件記録2 『質量考察 後編』 ■4 「え、どういう事ですか!?」 堀衛が発した言葉に対し、数秒間の空白を空けたのち、困惑を隠せない声で能都が聞き返す。奈央も激しい戸惑いを感じ、泡を食った様に取り乱す。 「い、いいい、一体その結論をドコからどーやって引き出したんですかっ、先生ぇっ!?」 サスケェみたいな口調で唾が飛んだ。 「うむ、冗談にしては度が過ぎると思う」 やや非難めいた視線を夏鈴が向けてくる。 「そうだな、どう説明したものやら」 問われた保健医自身も、上手く文章表現ができない様子だった。 「じゃあ順番に整理していくか。 深夜まで時間も在るしな。さて──全ては瑞樹が思い出した言葉、その中にある」 結論を話すよりも段階的に促した方が楽だと踏んだのか、彼女の逡巡はすぐに終わった。 持っていた箸を茶碗の上に置くと、顔に疑問符を浮かべたままの三人を見る。 そして彼女は、文字にしてみると二八文字しかない謎の文章を、するりするりと紐解いていった。 「まず最初の推論」 そう口にする堀衛の目に、鋭い眼光が灯る。 「話し手はうんざりしている」 「まぁ……確かにそうだな。推論というか、文章の中に含まれているわけだが。それでも短い文章の中にある、確かな情報だ」 幼馴染の返答と指摘に「その通り」と能都も賛同する。 「第二の推論。彼はこの七キログラムという重さを想定していなかった」 白衣のポケットから缶コーヒーを取り出し、プルタブを開けて口をつける。 「でなければ『ましてや』なんて演技がかった単語を使わず、ただ単に『明かりが無い所で七キロ運ぶのは重すぎる』──とか言えばいいだけの話だ」 「うーん……その辺りは分かりきった感じがしなくもないですねー」 「推論というのは、まず『分かりきった事』を積み重ねていくものだぞ、瑞樹」 ふん、と鼻を鳴らす。 「次の推論だが……能都、何か分かるか?」 ぐびり、とコーヒーを喉の奥へ流し込むと、今度は四角い男子生徒へと矛先を向けた。 「ええっ、ここで俺に振るんですか?」 動揺しながらも、その視線の刺突を受け止める能都の形をした立方体。唸りつつ、何とか彼女の期待に応えようと頭をひねる。 やがて「たぶん……」と、自信が無さそうに前置きをした上で、二八文字から推測できる事柄を口にする。 「彼はスポーツマンではないと思う。 アウトドアを趣味にしていたり、土木作業とかの職業でもないんじゃないかな」 「うーん。それは説明してくれないと分かんないよ、麻太郎」 「えーっとだな。これも『ましてや』という部分がヒントにして考えてみたんだけどな」 当惑して口を尖らせる女装少年に、能都は微笑んでみせた。目尻が下がっており、夏鈴が冷たい視線を送ってくる。 保健医は無言でそれを制し、そして同様に言葉無く続きを促した。 「スポーツをしている人間にとって、筋力のトレーニングは必須だ。屋内だろうが屋外だろうが、とにかく激しい運動に耐えるには筋力とスタミナが必要なんだ」 奈央は、ふと視線を下方修正する。能都の腕は太い。自分は当然の事ながら、同年代の男子と比べてもサイズが違う。さらに胸板も厚い。肥満体型などではなく、幼少の頃から空手を習い、純粋に鍛え上げてきた筋肉によるものだ。 なるほど、彼の言《げん》には説得力がある。 「ああ、成る程、分かったよ麻太郎。 身体を鍛えているはずの人間が、七キロの荷物で愚痴を漏らすはずないもんね!」 「ああ。七キロといえば、普段の鍛錬で使うベンチプレスよりは軽いんだ。 そりゃあ一般的なダンベルよりは軽いだろうけど、それでも愚痴るほどの重さじゃない。 七キロよりも重いものを運んだりする機会が多い職業の人間や、普段から身体を鍛えている人間なら、ただ持って運ぶだけで文句を言ったり、それこそ『ましてや』なんて言葉も出てこないと思う」 「さすが鍛えてる『だけ』の事はあるな」 セリフの一部を強調しつつも、夏鈴は素直に感心する。 「ふむ。しかし能都。男は後半で『明かりが無い』と言っているぞ。いくらスポーツマンでも、重い荷物を抱えて暗い夜道を進むのは大変じゃないか?」 しかし堀衛が、すかさず鋭い指摘を入れる。 夏鈴の感嘆が急停止した。 「言われてみればそうだな」と少女は落胆と侮蔑の視線を能都に注ぎ込む。 「い、いや、でも、それなら『暗い』って事だけに愚痴を言うと思うんですよ先生」 相変わらず刃物的な保健医に対し、能都も負けじと言い返す。 「夜中にマラソンをして鍛える人もいるし、夜間作業する作業員もいる。 そういう人間にとって、少しぐらい重い荷物を持って夜に移動する程度、屁でもないと思うんだ」 「麻太郎、レディが二人も前にいるんだよ?」 「おおっと」 「いや瑞樹、きっとこいつは私達の事を女性だなんて思ってないぞ?」 四人の間に、緊張が緩んだ様に笑いが漏れた。この辺りの話術は、さすが年長者と云うべきか。 まぁ少なくとも、と能都は空気を改めた。 「この二八文字しかない文章から推測するに、アウトドアを趣味とする人間じゃないな」 「うむ、そういう根拠があるならなら、私も筋肉立方体に同意見だ」 アウトドアを趣味とする夏鈴が大きく頷く。 それを見た堀衛が、今度はデコの広い少女に質問を向ける。 「では、次は田邑だな。これまでの事から、何か分かった事はある?」 「難しい問題だな」 鼻で溜息を吐《つ》きながら、大仰に腕を組んでから答えた。降参を意味する返答ではなく、思案をまとめているジェスチャーだった。 少し前に彼女が奈央を勧誘した様に、彼女の家は剣道道場を開いている。当然ながら、夏鈴も道場の門下生だ。 幼い頃から祖母と母に厳しく鍛えられ、剣とは『読み合い』であると教えられてきた。 場合によって、相手の実力が未知数なまま戦わなくてはならない。そんな時は、相手の心理を正確に読み取り、的確に動かなくては勝てないのだ。 攻撃も防御も、相手の性格を探り、裏の裏の裏まで読まなくては、凶刃の餌食となってしまう。 つまるところ推測《これ》は剣術と同じなのだ。 夏鈴は、そう解釈した。 「──この荷物を運ぶ者達は、商店街の近辺に住んでいるな。 堀衛先生が仰った通り、七キロという重さが想定外であったとしても、遠くから買い物をしに来る場合は、自転車か自動車を使うのが一般的だろうからな」 夏鈴達は学生なので運転免許を持っていないが、自転車ぐらいは持っている。買い物で荷物がかさばる事が予想されれば、当然ながら徒歩ではなく自転車を使う。 例え軽い荷物であったとしても、長い距離を徒歩で移動するのが辛い事を知っている。 「麻の字が推測した、重い物を使って運動しない人なら尚更だな。 仮に自転車や自動車を持っていなくとも、徒歩で買い物に行ける距離に拠点がある……という事になる」 「なるほどー。確かに夏鈴ちゃんの言う通りだねっ。ということは、徒歩で活動する範囲内の端っこが商店街付近だと仮定したら……そうだなぁ、半径にして五〇〇メートル程度に住んでる場所があるという事になるかな?」 夏鈴の指摘に、神社の跡取りが脳裏で地図を思い描き、四番目の推測を重ねていく。 能都も夏鈴も同じ様な地図を思い浮かべたらしい。奈央の言葉に従って、地図上の商店街を端に捉えつつ、赤い線で円形を描き込んでいく。その中には銀行や郵便局、駅もある。 とりあえず「生活する」だけなら、それほど苦労しなさそうではあった。 「ほほう」 空になった缶コーヒーが、堀衛の手によって賞賛のダンスを踊る。素直に三人が推察した内容に感心したらしい。 「揃いも揃って問題児のクセに、風紀委員が務まっているだけはあるな」 「……素直に生徒を褒めるという行為は教師の仕事だと思いますが」 「それに相応する金銭的報酬が確約されたら即座に実行してやる」 鈍器少女の殴打的な要求に、ナイフ眼鏡が世知辛《せちがら》い現実で切り返す。 微笑みは、そのままに議題を真面目な方向へと軌道修正させる。 「ではここから五番目の推測。 唯一、はっきりとした情報である『質量』から導き出されるのは、彼らの購入した物が、綿密に計算された計画的な行動に使用される……という事だ」 ■5 「綿密な計画?」 「ここで重要なのは『一〇キログラムぐらい』や『七、八キログラム』でもなく、荷物を運んでいた男性がはっきりと『七キログラム』と述べているところだ、瑞樹。 つまり彼らは園芸店に行って、こう店員に言ったはず」 ○○を七キログラムくれ、と。 そう言われて、奈央は思わず「ああ」と声を上げる。確かに中途半端な数字ではある。二八文字の言葉に居心地の悪さを覚えたのは「7」が孤独な数字だったからかもしれない。 しかしその数字が必然であったとすれば、七と言い切る事に納得できた。 「だが先生、先生は最初にこう言ってたではないか。七キログラムという重さを想定していなかった、と。これは矛盾していないか?」 「七キログラムも用意しなければならない事が予想外だったとしたら? だからこそ、その荷物を運ぶ男性が思わず『重過ぎる、ましてや~』などと漏らしたのだと推測できる」 「なるほど。つまり彼らは、事前に購入するものがどれだけ必要か計算していたって事になりますよね。 それが最初の予測より量が多くなった、と」 ううむ、と能都が虎の様に唸りを上げる。 「そうなると、何を買ったかが問題になってきますねー」 奈央の記憶によると、彼らは園芸店から出てきたらしい。園芸店で七キログラムも何を購入したというのだろう? 「普通に考えれば、鉢植えの花を買った──という事になるんだろうけどねー」 「しかし奈央、彼が抱えていたのは紙袋だったのだろう? 鉢植えを紙袋に入れて運んだりしないと思うぞ」 「そもそも園芸店で買い物をしたなら、一鉢二鉢とか一株二株って数えるだろ。 ってーと、キログラムで計る商品を買ったって事になるんじゃないか?」 三人が頭をつき合わせて考え込む。 それを見た堀衛が「じゃあ六番目の推測」と、次のステージへ促がした。 「これも唯一の手がかりから推測される事だ。 彼らは明かりのない時間帯で、それを使用するつもりでいる」 思考のスイッチを切り替えさせられた奈央が「後半のセリフの事ですね」と頷いた。 「明かりのない場所で重い荷物を運ぶとなると、大変そうですもんねぇ」 二番目の推測、能都が提示した時にも出てきた情報だ。足下や進行方向が見えないのは、当人にとって不安でしかない。 そんな状態で重い荷物を抱えていれば尚更であろう。想像上の行為ではあるが、そんな作業をしなければならない人物に奈央は同情する。 「では何故、明かりを用意しない?」 「え?」 その通りだ。暗いのであれば懐中電灯等を用意すればいい。 「つまり、だ。彼らがしようとしている事は『明かりを必要としない』作業であるか──もしくは『明かりを使用してはならない』類の作業である可能性が高い」 「つまり、夜に作業するのだな?」 ビンゴ、と保健医は二本目の缶コーヒーをポケットから取り出し、教え子に投げ渡した。 正解に対する景品のつもりらしい。 夜に作業するにもかかわらず、照明を用意しない作業。そんな堀衛と夏鈴の言葉を受け、能都は弾かれたように手を叩く。 「そうか、つまりそれは『泥棒』か」 「冴えてるな能都。多分それが正解だ」 口端を吊り上げて微笑み(それを微笑と称するのが許されるのなら。そうだ)三本目の缶コーヒーを正解者へ投げてよこす。 奈央は実際に泥棒という存在を見た事などないが、イメージ的に煌々と明かりを灯して活動する泥棒はいないように思える。 泥棒が目立つ事は自殺行為そのものだ。 「あれ、でもちょっと待って。じゃあ、その泥棒達は、園芸店で7キログラムも何を購入したのかな? ひとつの店で7キロも何かを買うと、逆に目立っちゃわない?」 「奈央の言う事も尤《もっと》もだが──逆に考えれば、そうまでして入手する必要があり、かつ多少目立ったとしても、泥棒と関連付けられ難い物、という事になるな」 さらに矛盾を指摘する奈央に対し、選択肢の幅を狭める指摘が返された。 むむっと純白の少年は言葉につまり、能都は保健室の天井を仰ぎながら考え込んだ。 「泥棒するのに園芸店で必要なものかぁ」 待てよ、と彼は視線を保健医へと戻す。 「そもそも、そいつらは何処に忍び込もうとしてるんだ?」 当然の疑問である。 しかし、二八文字の中に場所を示す情報は見当たらない。それに気が付いた奈央の首がますます傾き、瞳に「?」マークが浮かぶ。 「彼らが泥棒である可能性が高い。 スポーツマンの様に身体を鍛えてはいないから、あまり大きな物や重い物を盗もうとはしないだろう。 そんな彼らが、思わず愚痴ってしまいたくなる場所といえば?」 つまりそれは『車両などが使えない距離を移動する状況がある』という事に他ならない。 車を使いたくても使えない場所。照明器具を使うと目立ってしまう場所。 「銀行や民家、双葉学園……じゃないよなぁ、車を使える場所にあるし」 「となると、車両では入れない道を移動した先にある場所という事だな」 「う~ん、車が入れない場所かあ。……湿原とか密林とか岩山とか砂地とか獣道とか階段とか地雷原とか?」 「双葉島はどんなサバイバル地帯なんだよ」 そう口にして。能都の脳内に居候している『閃き』が、奈央の挙げた候補から、ひとつ選び出した。 「……階段」 以前、何処かでその単語を思い浮かべた様な気がした。つい最近、さっきも口に出していたはず。四角い頭の脳内で、脳がフル回転して球状になる。 「あ、双葉神宮か」 しばしの熟考の末、能都はその言葉を導き出した。その場所の名を耳にすると、奈央も夏鈴も息を呑む。 「確かに。双葉神宮には緩やかだが長い階段があり車では入れないな!」 「双葉神宮に参拝する人は多いから、賽銭もかなりの額になるよっ! それに、本殿には文化財も沢山あるっ! 泥棒が狙うとしたらソレだよ麻太郎っ!」 喉につかえていた餅が取れたような表情で能都が照れる。 「この双葉島で泥棒が注目する所といえば、銀行と各研究機関、双葉学園、神社仏閣辺りだろうからな」 食卓として使っている机に肘をつきながら、堀衛も彼の考察を認めた。 「おお、先生のお墨付き! 来た! ついに我が世の春が来た! 俺の時代なのか!?」 滅多に褒めない教師であるから、これには能都も舞い上がる。 「だが惜しいな、五〇点だ」 、しかし教師当人が、それを対空砲で無慈悲に撃ち落した。撃墜され、机に突っ伏す箱型少年。 「ええぇぇ ち、違うんですかぁ~」 てっきり双葉神宮で「正解」だと思っていた奈央は、叫び声を上げようとして失敗した。 妙に脱力して裏返った声になってしまう。 「落ち着け奈央。今ので『惜しい』という事は──先生、まさか」 「うん、双葉神宮ではないと思う。あそこは、アレでなかなか警備が厳しいからな。 何を『守護』しているのかまでは知らんが、まぁ今は関係がない。 私が泥棒なら、もう少し楽な場所を狙う」 自分専用の椅子に深く沈み込み、背もたれを軋ませる。左右の指を組み、生徒達を見渡した。 「彼らが狙うのは、十中八九──」 わずかに、言葉を溜めた。 「増糸神社に奉られている『宝刀』だ」 ■6 堀衛の言葉を受けて、奈央の記憶がスパークする。青白い電流にも似た思考が、点と点を線で結んだ。 「テレビの取材!」 「そうか!」 今度こそ叫び声をあげる事ができた奈央に、夏鈴も叫んで同調した。 泥棒に入るのだから、可能な限りリスクを減らすものだ。ならば、わざわざ厳重な警備がされている場所を狙って忍び込む事はないはずである。 人目がない場所で、セキュリティが大甘で、しかも盗む価値がありそうな場所といえば、確かに増糸神社しかない。 「取材を申し込み、わざわざ下見までしたにもかかわらず、それ以後は一切の連絡が取れなくなった取材スタッフ。 これは露骨に不自然だろう?」 オカルト番組の取材ではなく、窃盗する為に下見をしていたのだ。 奈央も親から話を聞いただけで実際に目にしたわけではないが、おそらく「それらしい」 装備をして来たに違いない。 増糸神社に行くためには、どうしても角度が急なあの階段を登らねばならぬ。明かりも灯さず、重い荷物を持って暗闇を移動するとなれば、愚痴のひとつも言いたくなろう。 「じゃあ──園芸店で買ったものって?」 「猫だ」 「え?」 顔を上げた能都の疑問に、奈央は呟きで応えた。 「神社の境内には、たくさんの猫がいる。 その猫達が、深夜の集会中にニャーニャー大合唱して、近所の人達を起こす騒ぎがあったって言ったじゃないか麻太郎!」 「あ、え、じゃあ、その騒ぎって」 能都が思い浮かべた事を、夏鈴が代弁する。 「過去に一度、奴等は宝刀を盗みに来たが、猫達に騒がれて退散したんだ」 単に騒いだわけではなかったのだ。 猫達は、大切な仲間である奈央達に、神社の危機を報せてくれていたのだ。 「園芸店で買った物が、泥棒するの必要だったとすれば、夜中の境内に集まっている猫をどこかに移動させる為の物なんだ!」 「なるほどなぁ。……神社の外にある場所にバラ撒くなりして、穏便に猫を排除できる物といえば」 双葉島は双葉区であり、立派な東京都内に含まれる首都の街だ。これが都心等であれば外での出来事に無関心な人間が多い為、リスクは少なくなる。しかし同じ都内でも、こうした島の中ではそうもいかない。 島で暮らしていると、田舎にも似た相互の絆が自然と形成されていくものだ。騒ぐ猫を不審がって様子を実に来る近所の人間がいないとも限らない。 となれば、猫たちが騒がない様にしてやるしかない。つまり。 「そうか! 奴らが園芸店で買ったのは、マタタビの葉か! それならキログラムで換算できる!」 「草葉でも七キロもあれば、かなりかさばる物だし、あの急な階段を暗闇の中で歩くのは確かに大変そうだ!」 「あわわわ。ボクの家に、どど泥棒なんて、た、大変だあっ!」 三〇文字にも満たない言葉が解きほぐされていく。その事実に、三人の顔が興奮で紅潮している。 しかし保健医は、ここで初めて苦笑いを浮かべた。 「細かい事なんだがな、私はマタタビじゃあないと思んだ」 「え、どうしてですか? 猫にはマタタビって昔から決まってるじゃないですか?」 「ここまで計画を立てるんだから、逆に大量のマタタビを買うのは不自然だろ。 神社から一時的に猫達がいなくなり、そのせいで誰にも気付かれずに泥棒が入ったとしたら──当然、マタタビを買い込んだ奴らが疑われるだろう?」 「あー、そうか。そう言われるとそうだなあ」 奈央が投げた疑問に、的確な答が打ち返し、それを氷解させる。 「じゃあ、なんなんです?」 「おそらく、イヌハッカだろう」 イヌハッカ(英名『キャットニップ』)は、シソ科ネペタ属の多年草で、ハーブの一種である。肉料理の香り付けに用いたり、サラダに入れたり、ハーブティーにしたりする。 英語名である『キャットニップ』は「猫が噛む草」という意味であり、その名の通り、猫はこの草を好む。 これはこの草の精油に「ネペタラクトン」という猫を興奮させる物質が含まれている為である。 「おおかた『パーティーの料理に使うんだ』とでも誤魔化したんだろうな」 鍋パーティーではなくて、もっと立派な奴だ……と保健医はスープだけになった鍋を指差す。 「この辺では見ない顔でも、引越パーティーをやるとか何とか適当な事を世間話レベルで言い含めておば、それほど警戒されんだろ? そもそもハーブの一種なんだから、犯罪と結び付けて考える人のほうが稀だろう」 そこまで流暢に喋っていた保健医の口が、ピタリと止まる。 「どうしたんですか?」 「なぁ瑞樹。ちょっと聞くんだが」 真剣な表情で声を潜めるものだから、つられて瑞樹の顔も神妙なものになる。 「……その宝刀だが、こんな手間隙(てまひま)まで掛けて盗む価値のあるもんなのか?」 「泥棒に代わって何をする気ですかっ!?」 教師の瞳の奥に、不穏な濁りを感じ取った神社の息子が思わず大声を出す。 「ああいや? 勘違いするなよ瑞樹? 単純にカネ、いや金銭的な付加価値が如何ほどのものか気になるだけでな?」 「言い直す必要あったんですか、今の」 白無垢の巫女ならぬ白ゴスロリの少年は、深く溜息を吐いて「父さんからの聞きかじりですが」と前置きをする。 「稲荷というのは字の如く、古来より稲作と非常に深い関わりがあるそうなんです」 雷の事を『稲妻』と書くのは、雷光が激しくなる季節と稲が実る時期が重なるので、雷が豊作をもたらすのだと信じられた為だ。 「で、この雷──稲妻が『雲の中を走る蛇』にも見える事から、稲妻と稲作と蛇とを関連付け、神格化したのが稲荷神の起源とする説もあるそうなんですよ」 「ほほう」 福岡地方にある稲荷神社の中には、蛇を奉る所もある。 これは、その地方を統治していた豪族が豊作を祝う餅で射的をしようとしたところ、餅が蛇に変化した。するとその蛇は村に凶作の呪いを掛けたので、蛇(神)を鎮める為に神社を建てて奉った──という説話に基づいたものである。 「ウチに奉られてるのは、千年ほど前、この稲荷神の原型に当たる神様に奉納した刀らしくてですね。 無銘なんですが、なんでも稲荷神……蛇神様の御力が授けられてるんだとか」 その刃を田へ振るわば、稲妻と共に稲は豊かに実り。 その刃を邪へ振るわば、雷光と共に悪しきは天罰を受ける。 奈央は父に教えられた一節を暗証してみせる。本当かどうかは知りませんけどね、と話を結ぶ 「お前、それ本物なら国宝級じゃないのか」 驚くよりも、呆れた口調で堀衛が言う。 神力が宿っているかどうかは別にして、千年前というのが本当であれば、その歴史的な価値は相当なものだ。 「元は双葉神宮の物らしいですし、お姉ちゃんが欲しがってたから、たぶん本物ですよ」 なるほど、と堀衛は納得する。 そういう逸話がある刀ならば、裏ルートでかなり高く売れるはずだ。それが、小さくて小汚い神社に保管されているなどと知ったら、泥棒をしようと考える輩も出てくるだろう。 「とにかく、能都。この推測が考え過ぎならいいんだが、念のために警察に連絡を入れておけ。私の名前を出せば話は通るはずだ。 神社の方には瑞樹が連絡しとけ。いくらなんでも、親御さんも起きてるだろ」 言いながら時計を見る。夜の八時を少し過ぎた頃だ。能都は既にモバイル学生証で警察に連絡を取っている。 奈央も慌てた様子で、家に連絡を取ろうと学生証と格闘していた。 「杞憂に終わればいいのだが」 そんな幼馴染達の様子を眺めながら、夏鈴がポツリと漏らす。ポケットから煙草を取り出し、一服していた保健医はカセットコンロの火を点火した。 「風紀委員が学園外で風紀粛正するわけにもイカンだろ。後は警察に任せておけ」 泥棒も能力者やラルヴァの類じゃないだろうしな、と彼女はスープをかき混ぜていく。 「能力者の泥棒ならば、もう少しスマートな方法をとるのでしょうが…… ところで先生、何故に火を?」 クツクツと煮えだしたスープを眺めながら、保健医の目が光った。 「馬鹿たれ、決まってるだろうが。 ──おじやの用意だよ」 鍋ジェネラル、堂々の復活であった。 ■7 翌日。 朝のHRを終え、能都は保健室を訪れた。 「先生、聞きましたか」 部屋に入るなり、彼は保健医に呼びかける。 「五月蝿いな。聞いてるよ。泥棒が捕まったんだろう? 比良乃《ひらの》刑事から連絡があったよ」 不機嫌そうに堀衛が睨みつけてくる。 スチール製の灰皿には、何十本もの吸殻が山積みになっていた 「あ、あれ? なんか不機嫌ですね……?」 「同じセリフを朝から聴かされてな。お前で三人目だよ」 よく見れば、ベッドに奈央と夏鈴が腰掛けている。どうりで教室を覗いても姿が見えなかったわけである。 「あ、麻太郎ー、おはよー」 「朝から随分と一八禁な顔面だな」 二人が挨拶をしてきたので、能都は片方に優しく、もう片方には歯を剥き出しにして威嚇した。 「そうそう、麻太郎。昨日初めて警察の捕物を見ちゃったよ! 本当に泥棒が来たんだよ、深夜の二時過ぎに!」 帰宅後、どうやら寝ないで待機していたらしい。実に眠そうな目をしている。いつもなら保健室のベッドで爆睡するところだが、どうやら能都に昨夜の事を話したくて待っていた様だ。 「警察の人達は半信半疑だったけど、比良乃さんって刑事さんが堀衛先生の言う事を信用してくれてね。物陰とかに隠れて見張っててもらってたら……これがドン☆ピシャリ!」 何故かここでVサイン。 「堀衛先生の推理通り、何人かの男の人達がやって来て、神社にいた猫に葉っぱをバラ撒いて大人しくさせたんだ」 そこまでで終わっていれば、ただの悪戯で済んだのだろうが……奈央の言葉を受けて、辟易した表情で堀衛が言葉をつなぐ。 「さすがに神社の鍵を壊したところで、現行犯ってわけだ」 「比良乃刑事が言うには、連中は捕まったというのに、悔しがるよりも先に不思議そうな顔してたらしい」 「そりゃそうだろうなぁ」 続いて夏鈴がリレーで説明をつなぐ。 当然の結末に、能都も大きく頷いた。 「あぁっ、もうっ! 先生も夏鈴ちゃんも、なんで先に言っちゃうんですか!」 眠そうな目を必死に見開いて、女装少年が激しく抗議する。 「黙れ。お前から寸分違わぬ説明を、三回も聞くのは御免なんだよ!」 事務机を「ドン!」と叩いて、それ以上の抗議活動を弾圧した。しょぼくれる奈央の頭を夏鈴が幸せそうに撫でて慰める。 「まぁ犯人の気持ちは分からんでもないがな」 そうして警察が先回りしていたのか、理解できなかっただろう。聞けば、彼らが双葉島で拠点にしていたのは、商店街の近くにある駅前の安ホテルであった。 能都や夏鈴が推測した範囲内に、そのホテルは存在していたのである。 「神社に奉納してある宝刀を盗んで、海外に売り飛ばそうとしてたらしい。比良乃が言うには、最近では、本土の方でも同様の犯罪が増えてるそうだから、もしかしたら同一犯かもしれんとさ」 煙草がなくなったのだろう、缶コーヒーをポケットから取り出してガブ飲みする。 「やけに手口が手馴れてるらしいからねー。 けしからんって、父さんも母さんもカンカンだったよ」 復活した奈央は腕を組み、何度も小さく頷いてみせる。 「ともあれ被害が未遂でよかったな、奈央。 もしも盗まれてたら、七日さんが残念がるろうし」 「お姉ちゃんなら──」 犯人を探し出して肉団子にすると思うよ。 奈央は姉の人となりを、そう表現した。 残念がるどころの話ではなかった、むしろその性格の方が残念だと言わざるを得ない。 「しかし隻眼大将たちには感謝しないとな」 夏鈴は、ふてぶてしい顔の猫を思い出しながら、そんな事を口にする。 「そうだねー」 隻眼大将をはじめとする猫達が騒いでくれたおかげで、最初の犯行を防げたのだ。それが結果的にイヌハッカを買う事になり、奈央が例の二八文字を耳にする結果となった。 因果とは不思議なものである。 「なにか、お礼をしてあげないとねー」 「うむ、久し振りに私も遊んでやるか」 「委員長が知ったら飛んでくるだろうなあ」 三人は重い思いに口を開く。 「猫相手に律儀な事だな。感謝するなら私にもしておけよ。金銭的な感謝を」 予鈴が鳴る。 モゾモゾと奈央がベッドに潜り込む。 「奈央、一限目からサボる気で満々か」 「うんー。だって寝てないんだもんー」 能都の諌言に、奈央はうつぶせになりながら眠そうな声で弁解する。こうなると、もうベッドから動かない。 「眠いなら仕方がないな」 「うむ、仕方がない」 「お前ら瑞樹を甘やかし過ぎだ。ロクな大人に育たんぞ」 引きずってでも連れて行け、と教師は注意するが、字面ほどの口調ではない。 完全に諦めているので、お決まりの文句の様なものだ。 「どうせなら寝てる間に、猫への礼でも考えたらどうだ」 奈央の方には目もくれず、書類にボールペンを走らせる保健医は、そんな提案をしてみせる。うーんと唸った奈央は、半分まどろみの中で、悪戯っぽく微笑む。 「ネコ缶、七キログラムは重過ぎるかなー?」 考察終了 トップに戻る 作品保管庫に戻る
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21 59 【京】 目の前で、濃紺と白のB-Kの腕が弾けた 22 01 【京】 【?】「……大丈…だ、だか…二人は……」録音の悪いテープのように言葉が所々途切れる 22 01 【京】 だから思う。ああ、コレは記憶なのだと 22 01 【京】 でも、それでも 22 02 【京】 眼前で自分に背を向けた男は、過去の記憶同様に。いや、ソレ以上鮮明に、真っ赤に染まっていく 22 02 【京】 やめろ!やめろ……こんなもの見せるな! 22 02 【京】 そう思っても映像は続く 22 03 【京】 その背中の向こうには銀髪の男が見える。これまではぼやけていた像は、今では鮮明に。そして、それが人を超えた恐ろしい姿に変化する様も、コレまで以上に鮮明に分かった 22 03 【京】 そして 22 04 【京】 逆光のなか、かすかに振り向いて、そして、確かに、笑ったのだ。それは多分、安心させるためだったんだと、今ならわかる 22 04 【京】 ぞぶん 22 04 【京】 鈍い音を立てて、その男の背に鋭利な何かが生えて…… 22 05 【京】 「ぉさん……っ!」何かを掴むように手を伸ばし、目が覚める 22 05 【京】 目の前には、多分天井だろう。そして、薄暗い雰囲気と 22 05 【京】 「んぐっ」鈍い痛みが現実へと引き戻す 22 06 【京】 「……くそっ」痛みを覚えながら身を起こす。ふとんがぱさりとめくれるが気にしない。ただ、膝を抱えた。 22 06 【京】 今あるのは敗北感と、それを超える冷たく重い、何か 22 06 【京】 ▽ 22 09 【一真】 「ん?」ベットが動いた音に気づいて、ポーションやら包帯やら京の着替え(自分の制服)を持って、京の寝ているだろうベットに行く。「…よ、起きたか」この一週間で見たこともないこいつの姿を見てどうすればいいのかもわからずに近づいて、とりあえず傍にあるパイプイスに座る 22 12 【一真】 「あー…とりあえず、飲んでおくか?」そう言いながらポーションをポイッと投げて、京の目の前に置く。 22 12 【一真】 ▼ 22 13 【京】 「……」ぎぎぎ、とそっちを向いた。その目尻には涙が浮かんでいて「……っ」とっさに枕をぶち当てた「テメェ、なんでここにいる!?」理不尽な反応 22 14 【京】 「うぐっ」その瞬間全身に痛みが走りうずくまる。ダボダボのワイシャツから覗く包帯に包まれた膨らみが痛々しい 22 14 【京】 「くそ、負けたの、かっ、くそ、くそっ」その痛みを味わいながらも、ふとんをボスボスっと殴る 22 14 【京】 ▽ 22 16 【一真】 「ぶっ」枕が見事に顔面に直撃するが、そんなに痛くはない。傷のせいだろう。「お前がボロボロになったからここまで運んだんだよ。まだ傷だらけなんだから無理するなよ。」そう言って枕をベットの上に投げる。 22 17 【一真】 「だから落ち着けって!そんなにやったら治るものも治らないだろ!」布団を殴る京に向かってそう怒鳴りつけてやる。 22 17 【一真】 ▼ 22 19 【京】 「っせぇ、テメェが……っ」とまで言いかけるが、邪魔をしたわけでもなく、完敗したのはわかってるため、口ごもり「ちくしょっ」小さくつぶやいてふとんに顔をうずめた 22 19 【京】 ▽ 22 22 【一真】 「ったく…」そう言いながら自分の頭を掻いて、こういう時どうするかっと思って試行錯誤する。「…なあ、お前どうしてあいつに対してそんなになってるんだ?あいつと何があったんだよ。」そう言いながら京のことを見る。 22 22 【一真】 ▼ 22 23 【京】 「うっせぇ、テメェに関係ねーだろ」顔を背け、ワイシャツの袖で顔を拭う。カズマにはわかるだろう、涙を拭っている 22 23 【京】 ▽ 22 25 【一真】 「あのなぁ……?」涙を拭う京の姿を見て、少し視線を逸らして…さきほど聞いた言葉を思い出す。「さっき、お前父さんって言ってたが、それと関係があるんだな?」京の方を見て、直球で言う。 22 25 【一真】 ▼ 22 26 【京】 「っ!?」聞かれていた、その瞬間に真っ赤になる、が。夢を思い出し、また渋い顔へ「……」無言で顔を背ける。それが肯定の証 22 26 【京】 ▽ 22 33 【一真】 「あー…悪い。少し聞こえてた。」少し頭を掻きながらそう言う「一お前とお前の親父さん。そしてあの銀髪野郎と何があったんだ?」先へ進むには聞くしかない こいつのことを知らないといけないと思ったからそう京に向けていう。 22 33 【一真】 ▼ 22 35 【京】 「……」じとっと、少し潤んだ目でカズマを見て、そして顔を背け「オレのB-K、元は親父のなんだよ」ぽそり、と口にした 22 35 【京】 ▽ 22 36 【一真】 「B-K…ってさっきお前が使ってたのか。」さっき京が使ってた箒を思い出しながら「親父のってことは…お前の親父さんもウィザードなのか。」それを聞いて少し驚きながら京を見ている。 22 36 【一真】 ▼ 22 38 【京】 「悪ぃかよ」バツが悪いからか、だんだん返答が子供じみてくる。そういえばあのB-K、妙にでかくて不釣り合いに思えるだろう「正確にはだった、だけどな」自嘲気味に笑う 22 38 【京】 ▽ 22 40 【一真】 「なんでそこで怒るんだよ!?」正直に言えばカッコいいとも思った。そして頼れる奴とも思っていた…女だと知ったのを思い出して…顔を左右にブンブン振って煩悩を去らせて「で、だったって…?どういうことだよ…」答えは見えているけれど、それでも先へ進もうと尋ねる。 22 41 【一真】 ▽ 22 41 【京】 「……お前、頭悪いだろ」ヒドイこと言った「オレがなんであの糞野郎仕留めたいか考えりゃわかんだろ」さっせよ、と 22 41 【京】 ▽ 22 43 【一真】 「っ…悪い」素直に謝る。察したことは察した。でも違うと信じたかったから「……仇討ちってことか」 22 43 【一真】 ▽ 22 43 【京】 「……」片膝を立て、顔を露骨にそむけた。 22 43 【京】 ▽ 22 46 【一真】 「……そうか、悪い」京に辛いことを思い出させて口に出させようとした自分の愚かさと浅はかさから、京に向けて謝る。「なら、京。やっぱり手伝わせてくれ。あいつを倒すのを」顔を背ける京のことを見て言う。こいつを助けてやりたいと思いながら。 22 46 【一真】 ▽ 22 47 【京】 「お前に関係ねーじゃん」ちらっとそっちを見た「それにお前、素人だし」 22 47 【京】 ▽ 22 50 【一真】 「ある。俺もあいつのやり口は絶対許せねえ。人を…あんなふうに扱う奴をそのまま野放しになんてできない。それに、仲間だろ俺達。同じ部活のな」軽く笑いながら、京に向けて言う「それと、素人だからって舐めるなよ。あいつを思い切り斬ったのは俺なんだからな!」にぃーっと京を煽るように言ってやる。 22 50 【一真】 ▽ 22 54 【京】 「こいつ……っ」最後の煽りにイラっとした「へぇ?ガードがお留守でスカッスカだったくせにかよ?」身を起こして「仲間?仲間ねぇ、せいぜい舎弟じゃね?」こちらもニヤっと笑った 22 54 【京】 ▽ 22 56 【一真】 「ぐっ…攻撃は最大の防御。それが俺のスタイルだ!」ぐっと拳を握り締めて言う「舎弟~?同い年の奴でしかも………」こいつの舎弟なんてっと思いながら女なのをまた思い出して頭の煩悩が動いて首を左右に振ってもっかい追い出す「……と、とにかく仲間でいいだろ!それに俺だけじゃないし紫雨先輩や先生や会長、今はいないけど麗花もいるんだから。ほら仲間だろ?」そう言いながら京の周りにいる人(おもに部活メンバー)を挙げていく。 22 56 【一真】 ▽ 22 58 【京】 「あん?」怪訝な顔をして「なんだ?どうした?」顔を近づけて覗き込んだ。ダボダボワイシャツの胸元ダイレクトな角度だった「あー……まあ、あー……」他の皆の名前も出されると弱い。さらに言えばプロなのである。仲間の大事さはよくわかっているつもりなわけで「……ちっ」悔しいので舌打ちした 22 58 【京】 ▽ 23 02 【一真】 「~~~~~!?」煩悩去れとかやってる最中に顔が近づいてきビクっと驚き、、胸元に目が入って首を即座に真横に向く。「よし、今回の口論は俺の勝ちだな。」軽く笑いながら言い「それに、いつもらしくなってきたじゃないか。」さっきと違って笑ってしかも喧嘩を売っている京の姿を見て、いつもどおりの姿を見て安心して笑っていう 23 02 【一真】 ▽ 23 03 【京】 「#」言い方にムカっときたので「てい」パチキいっぱつ。鼻っ面に頭突した。胸元は、包帯に包まれた膨らみの先っぽ、わかったかも、しれない 23 03 【京】 ▽ 23 05 【一真】 「ぐえっ!」顔面直撃したあとにてっめぇ・・・っと拳を震わせながら京の方を見て…その膨らみを見て「・・・・・・・・・・・・」顔真っ赤にしてる。「だああ!と、とにかく!俺もあいつと戦う!そんで次は絶対勝とうぜ、京。」そう言いながら手を差し出す。握手しようとしてるのがわかるだろう。 23 05 【一真】 ▽ 23 06 【京】 「なんだぁ?熱でもあんのか?」じとーっと怪訝そうに見て「へ、足ひっぱんなよな」握手で返した。その手は思ったよりもちっちゃい 23 06 【京】 ▽ 23 09 【一真】 「べ、別に熱なんてねえよ。」握手しながら、京を見て……胸をちょっと見たり、握った手を見たりしている「いつかギャフンと言わせてやるくらい強くなってやるよ。」そう言いながら笑って、握った手をもう一度強く握る。 23 09 【一真】 ▽ 23 10 【京】 「ぎゃふんって古くね?え、お前年齢詐称?」ヒドイこと言って茶化した。こう、真っ向から仲間意識ぶつけられるのって、照れる 23 10 【京】 ▽ 23 11 【一真】 「うっせぇほっとけ!」がーっ!といつものように京に向けて叫ぶ一真だった。 23 11 【一真】 ▽ 23 13 【一真】 ~FIN~
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「保健の先生なのに・・・」 薔薇水晶「今日は水銀燈先生が風邪で休みです。 ・・・はいそこ保険の先生なのに風邪で休んでるとか言わない」 クスクスクスクス・・・ ・・・それでまあ保健の先生がいないと大変なんです・・・ 生徒A「せんせー.JUM君が包丁で指切りましたー」 翠星石「まったくJUMはいいかげんにしろですぅ」 雛苺「今日は水銀燈先生いないんだから自分でなんとかしなさいなの!」 JUM「そりゃないぜせんせ~」 翠星石「とっととなんとかしろですぅ!」 JUM「とほほ・・・」 昼休み 生徒B「せんせーJUM君が転んでメガネ割れてそれが手にささって痛くて起き上がったら後頭部が柱にぶつかってとにかくたいへんなことになってます!」 薔薇水晶「・・・なんとかしてあげて」 その後 みんなは水銀燈のありがたさがみにしみたとさ