約 1,796 件
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/4903.html
207: 影響を受ける人 :2017/09/21(木) 21 32 56 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。というか、ほぼメアリー・スー状態です。 オリジナル設定、個人的解釈が入っています。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第百十八話 ―扶桑海事変:裏―01― 天皇陛下と共に銅鏡で遠視の映像を見ていた九曜葛葉であったが、苦戦している味方を見るというのはいつになっても胸が締め付けられる。 天皇家に仕える様になってからは、よほどのことが無い限り、自分が出る事は無くなっていた。 それでも莫大な魔力にモノを言わせ、多数の能力によるゴリ押しは如何にかできるレベルではある。 相手が並ならば。 現場に出ない代わりに技能の充実を図りもしたが・・・ 殆どが漫画の受け売りだったり、夢幻会のヲタク共の会話を参考にしたりと、あまり口に出せないのが多い。 彼女自身が出撃するとなるとヒヨコに戦車を用いるようなモノなので、対外的にもよろしくは無い。 夢幻会メンバーが集まり、九曜葛葉自身も合流した後、ものは試しと運動能力を図った時の表情は忘れがたい。 どの競技、どの記録を計測しても世界新記録を樹立してしまうくらいに凄い。 本気を出しておらず、軽く力を込めただけでこれなのだから、体力自慢の夢幻会メンバーも呆れて笑い声も渇いていたという。 話を戻す。凄惨な戦闘を見ていた天皇陛下であったが、さすがに居た堪れなくなり九曜に映像を切る様に命じた。 いかに精神的に強くとも、人が死ぬという場面は堪えるものだ。 一緒に見ていた皇女陛下も顔を青くしている。 「大丈夫ですか?」 「・・・よい。」 大きく息を吐き、気持ちを落ち着かせているのを見て、九曜は二人に部屋に戻るか尋ねたが首を振られて終った。 「これは朕も認めた事。故に最後まで見届ける義務がある。」 この方は、一度決めた事は決して曲げない。やると言ったら最後までやる。 それが悪い事ならば誠心誠意謝罪をする。そう言う御方であり、九曜自身も若いころから振り回されているが、対した苦ではなかった。 しかしそれでも無茶はして欲しくないと思い。もう無理だと判断したら、強制的にでも部屋に返そうと意思を固める。 再び現場の分体と意識を繋げて巨大銅鏡に映像を映し出す。 「皇女様も、あまり無理はしないでくださいね?」 「む、無論だ・・・」 気丈に返すが、顔は青ざめている。それでもなお視線は外さない。こういう所は親子そっくりだ。 内心で微笑みを作り、外面は冷静は表情を作って置く。これは転生前の首相時代に培われた技能。 何処でも通じるけど、両親と子供達、そして操を立てている夫には通じなかったが。 銅鏡内では回避を続ける戦艦が映っている。現在は第一打撃艦隊を写しているから旗艦の【紀伊】だろう。 上手く回避し続けており、大きな損傷はない。 仲間が無事という事実に、少しだけ安堵した。 このまま何事も無ければいいと思う反面、絶対になにか起きるという確証がある。 これは九曜の能力である【予知能力】の御蔭でもあるが、本来の性能とは変質してしまっていた。 当初能力を得た当時は便利な能力と言う感じで、使い勝手が良かった。 敵の攻撃を読み取り、逆に攻撃が外れてしまう軌道を見たりするのに重宝したのだ。 何しろ九曜葛葉は素の状態だと優秀とはいえない、寧ろ平凡により。それなりに・・・まし程度かしない。 近接攻撃よりも遠距離攻撃、援護射撃の方がメイン。 弓矢鉄砲はもちろん、スリングなどの投擲武器を多用し、近接攻撃は飽く迄防御か時間稼ぎ。 実の父も「前に出るな。」と言うくらいだったと言う。 そこに転機が訪れ、強大な力を手に入れてしまった。 なりたての頃は力の制御が覚束無く、頻繁に茶碗など日用品を破壊していた。 制御が出来ないじゃじゃ馬を連れて行くほど父は甘くは無く、怒鳴られるように言われてその間にニャンニャンしたら子供を儲けてしまった。 そして次女が誕生した際、【予知能力】が暴走。 僅かな先の未来を見る能力が、遥か先の未来を見る能力に変貌していたのだ。 そして、この能力が飽く迄も“悲観的思考”によるものだとわかってしまった。 未来を知るというのは誰しもが夢見るが、見ている者達からすれば予定通りに進むゲームの様な世界でしかない。 それが悲劇で終ると言うのは、どうしても受け入れる事ができなかった。 ましてやそれが、“自分が何もしなければ必ず起こる、文明崩壊レベルの大災害”ともなれば、動かなければならない。 一度だけ、試に監視程度にしていたら未曾有の大噴火が発生、大急ぎで対処しなければならなかった。 その【予知能力】だが、パターンは二種類のみ。 208: 影響を受ける人 :2017/09/21(木) 21 33 37 徐々に予知の風景が鮮明になっていく、時間経過のパターン。 災害が起こる1時間~30分前に、いきなり見せつけられるパターン。 今回は前者の予知が起動していた。どうにもこうにも自分の【予知能力】は、転生した自身に影響されている様にしか見えない。 時間時空を飛び越えた魂の移動。影響がないとは言えないだろう。 ただ、見ている時間が常に眠っているか、暇な時ではなく。仕事中に見る事もある。今回の様に。 「ぐっ!」 急激な頭痛が九曜に襲い掛かった。それは慣れ親しんだ痛みであり、最も感じたくない感覚。 ― 蒼い空、碧い地面。 ― 視線の先、青い地平線の先から黒い怪物が進んできた。 ― 大きい怪物と小さい怪物が、世界を赤く染めながら、黒い煙で世界を覆う。 ― 防人の盾が立ち向かう。双方が接触し、御互いを喰らいあう。 ― 突然、後方からこの世のもとは思えない咆哮が上がった。 ― 視線を後方に向ければ緑の山岳が崩れていく様が見える。 ― それが禍々しく、黒い太陽の様であり、全てに等しく死を与えていた。 ― 燃える、燃える。全てが燃える。 ― 黒い太陽は逃げ惑う者すべてに等しく死を与える。 ― 再び咆哮が上がり、世界を焼き尽くす。 ― 全て。 ようやく鮮明になった予知は、相変わらず不鮮明なくせに脅威を強く主張してくる。 (くそったれ! 俺は富永じゃないんだぞ!!) ついつい男口調の罵声を内心で吐きつつ、短くも強く刻まれた内容を反芻する。 気になったのは黒い太陽。 今まではっきりとしたイメージではなかったそれが、はっきり見えた。恐らくそれが、自分が対処すべき事柄。 そして後ろからというイメージは、別働隊がいるという事だ。 あれほど恐ろしいほどの規模を動かしておきながら、更に別働隊を編成し、見つからずに移動する事が脅威だ。 最初からそうだったのか、偶然そうなったのかわからない。 どちらにせよ。現場の人間達に言っても対処は出来ない。 酷い頭痛の余韻を振り払うように頭を振るい、天皇陛下に急ぎの用事が出来た事を告げようと顔を上げた。 「九曜よ・・・ 今のは?」 「ぇ・・・ あっ!」 呆然とこちらを見ていた。そして気が付く。自分の手が銅鏡に添えられていた事を。 この銅鏡は九曜葛葉と、当時の陰陽士・導術士が天皇家に献上するために作った一品。 当時の技術全てを用いて作った最高級品であり、高性能投影機でもある。 それこそ、触れただけで心の映像を投影できるくらいに。 そして今、タイミングよく見せつけられた予知の映像が、最悪なタイミングで起動したのだった。 内心で苦虫を噛み潰し、顔は平静を保つ。 しかし、ショッキングな映像を見ていた両陛下は顔が青ざめたままだ。 無理もない。黒い太陽が燃やしていたのは・・・臣民なのだから。 「陛下。」 「行くのか?」 説明をしようとしたが、すでにわかっている様子に苦笑してしまう。 「これが、私が生きる意味ですので。」 「あれほどの厄災。払えるか?」 「払わねば。この国は、まさしく業火で焼き尽くされるでしょう。」 「そうか・・・」 目を瞑り、小さく息を整えると陛下は真っ直ぐに九曜を見る。 「侍従長九曜葛葉よ。」 「はっ。」 「この国に迫る厄災を払うのだ。」 「心得ました。」 短くも、しっかりとした指示を受けて一礼し。この部屋から出て行こうとした。 その背中に、 「九曜! 待っておるぞ。必ず生きて帰るのだぞ!」 皇女声を受けて少しだけ振り返り、「わかりました。」と言って出て行った。 外に待機させていた護衛巫女たちに手短に命令を与え、八尾の分体を生成していらない服を脱いでは渡していく。 「お前はそのまま護衛に入れ。繋がりを切っても一月位は大丈夫だ。」 「本体も心配性ですね。昔ほど暗殺の手合いは有りませんよ?」 「どちらかというと皇女陛下の御守だ。心配をかけるからな。」 「心配をかけることが前提ですか。」 「怪我をしない戦場など何処にある?」 「ごもっともで。しかし、前世では机と椅子に向かていて、特に銃は握っておりませんが?」 「お前・・・」 自分で作り出しはしたが、あまりにもペラペラしゃべる為にげんなりする。 不機嫌な視線を向けられた分体だが、まるで辻正信のような胆力でもってニコニコ笑う。 209: 影響を受ける人 :2017/09/21(木) 21 34 27 「呆れてどうするのです? “陽気”に“嫌味”に“お喋り”な私として設定したのは貴方ですよ?」 「わかっている・・・ ただの自己嫌悪だ。」 分体を生成するにあたって、なんだかんだ言いつつも信頼している人物の模倣なのだから仕方がない。 本人が聞けば憤慨すること間違いなしだが。 外の庭に出ると大きく体をほぐす。ついでに小さくしていた尻尾を元の大きさ、大きく長いものに戻した。 「では、行ってくる。」 「夢幻会の方には?」 「・・・詳細は言わなくていい。差し迫った時の対応は「“アレ”が行うと思われます。何時ものごとく」そうだな。」 軽装になり、十分動かしやすくなった服装。武器を持たず、ウィッチの代名詞ともなったストライカーユニットも無い。 銃器も持たずに戦場に赴く姿に、軍人が見たら絶対に静止するであろう。 しかし九曜葛葉には不要。寧ろそれこそが足かせとなる。けして下手だからではない。 足を曲げ、ググッと姿勢を低くする。そして軽く、静かに地面を蹴って垂直に上昇していく。 一蹴りであっと言う間に100メートルほど上昇した。それを何度も行い高度を稼ぐ。 ある程度高度を上げると、今度は背中側にシールドを張り、自らの体を吸着させて固定。 今度は本気の蹴りで上ではなく、前方に向かって自分を発射した。 同時に自分の体を更に強化し、円筒状のシールドを後方に展開する。 その円筒状のシールドは、倉崎翁などといった技術職が一目見ればわかるくらいジェットエンジンに酷似ている。 速さを追求した結果、おのずと似ている構造になったのだ。もっとも、燃料は己の魔力だが。 蒼白い閃光と共に加速していく。音速領域まで加速できるが、さすがに爆音をまき散らすわけにはいかないので、静穏シールドで覆っておくことを忘れない。 このまま直感を頼りに向かう・・・わけではなく、各地に散らばって配置している分体に念話を繋げた。 (分体各自に通達。予知が発現した。場所は不明だが、現在連合艦隊が迎撃している地点ではない事はわかる。 迂回していのだろうな。変に知恵があると厄介極まりない。) 『こちら北九州チーム、了解しました。順次海上に出ます。』 『こちら沖縄チーム。泡盛どうしますか? 陛下が作ってとお願いしていた奴なんですけど。』 『いや、それ。顔が通じる地元民に渡してきなさいよ。あ、こちら中国地方チーム今から出ます。』 『あー・・・中部チームです。行方不明になっていた猟師を発見して保護中。一名残してすぐに向かいます。』 『えー北海道チームです。皇女陛下が所望しているトキシラズを探索中。行けません。』 (『『『『いや、中断しろよ!!』』』』) 『関東チーム。護衛を選抜でき次第、急いで向かう。』 『東北チームだ。くくく・・・我の眼から逃れはせんのだ!!』 冨永設定は一応優秀なんだけど、厨二病発言が自分で言っているようで頭が痛い。 しかも自分が知らない語録を引っ張り出してくるし、任務ほっぽり出して横道にずれるのが痛い。 他にも各夢幻会メンバーの性格を模倣したのがゴロゴロいて、全員本人からツッコミが入りそうだ。 その事を思うと少しだけ微笑む。しかしすぐに真一文字に口を戻す。 そして力の開放を行った。 それは若本徹子同様の変化をもたらしたが、印象はだいぶ異なる。 徹子の方がより獣らしくあり、九曜の方が人に近いと言って良い。 それでも両足は獣そのモノに変化し、両腕は肥大化して延長され、爪はより硬質になって伸びた。 いたるところから白い毛が出ているが、腹部・胸部・顔面は覆われていない。 尻尾も長く伸び、太く、まるで蛇のように蠢く。 最初から本気で殲滅する気である白き獣が、扶桑海を目指して飛翔していった。 誰にも見られない、たった一人の戦場。この世界に生まれ、この姿となってから当たり前となってしまった。 感慨も何もなく、敵意を静かにたぎらせていく。 「障害は全て潰す。そうだ。それが、私が“今”生きている理由だ。」 呟きを聞いた者は誰もいない。分体も、何者も。 以上です。 長らくお待たせしてしまって申し訳ない(涙 これも、マイナスばっかりつくるん部署が悪いんや!(八つ当たり。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4377.html
前ページ次ページゼロのエルクゥ 「ひ、姫殿下、なぜこのような下賎なところに……」 「おともだちに下賎も高貴もありませんわ。懐かしいルイズ! それとも、私の事など忘れてしまったの?」 ルイズは、ぶるぶると盛大に首を振った。 「わ、私などに、もったいないお言葉にございます。アンリエッタ姫殿下」 「もう、おともだちと言ったでしょう? そんな堅苦しい行儀はやめてちょうだい。そんなの、宮廷の中だけでもうたくさんだわ!」 「ひ、姫殿下……」 「ほら、覚えていて? 一緒になって、お庭で蝶々を追い掛け回したじゃないの」 「も、もちろんです。あの時は、お召し物を泥だらけにしてしまって……侍従長様にこってりをお叱りを受けました」 「そうよ! そうよルイズ!」 美少女二人が芝居がかった様子で抱き合うのを、耕一は呆と見やっていた。 「お姫さんてーのも大変だぁなぁ」 「……みたいだなぁ」 ギーシュでだいぶ慣れてはいたが、やはりこういうノリにはついていききれない。舞台上の女二人に、剣と男は完全に観客だった。 ひとしきり昔話で盛り上がると、緊張していた様子のルイズも、アンリエッタとおでこを突き合わせてあははと笑っていた。 「でも、感激ですわ。姫さまが、そんな昔の事を覚えてくださっているなんて……てっきり、もう忘れてしまわれていたものかと」 「忘れるものですか。あの頃は毎日が楽しかったわ。そう、一番楽しかった。今は肩が凝るばっかりよ」 切り揃えられたアンリエッタの栗色の髪が微かに揺れ、一瞬だけその表情に愁いが混じった事に、耕一は気付いた。 それは、彼が特に彼女を注視していたとか、何かしらのシグナルを感じたとか、そういう事ではなく―――単に、その表情の類に、酷く見覚えがあったからだ。 「自由なあなたが羨ましいわ。ルイズ」 「……私にも、悩みはありますわ。姫さま」 「うふふ、そうね。ごめんなさい。そういうつもりではなかったのよ」 「ええ、わかっていますわ」 それは、諦め。 遠い、体験した覚えの無い記憶の中で、彼の二人の妻が共通して浮かべていたものだった。 エディフェルは、程近い自らの死に。リネットは、届かぬ自らの想いに。―――どちらかと言えば彼女のそれは、後者の方に似ている。 ぎり。と、意識せずに耕一の奥歯が鳴った。 「相棒?」 「……なんでもないよ、デルフ」 「……あら?」 瞬間だけ観客の雰囲気ではなくなった男に、ようやく気付いた、という風にアンリエッタが目を向けた。 「あ、あらあら。本当にごめんなさいルイズ。もしかしてわたくし、お邪魔だったかしら?」 「えっ? そんな、邪魔だなんてとんでもない。何故そのような事を?」 「だって、そこの殿方と夜を過ごしていたのでしょう? いやだわ、わたくしったら、とんだ粗相を致してしまったみたいね」 言葉の刹那、ルイズの顔が、瞬間湯沸かし機もかくやというスピードで沸騰した。 「な、ななな、ち、ち、ち、違います姫さま! こ、ここ、コーイチはですね!」 「コーイチ、様と仰るの? 変わったお名前ね。本当に申し訳ありませんわ」 「あ、いや、その」 仰々しく頭を下げられて、一瞬耕一は否定を忘れてしまった。 「つ、使い魔! 使い魔なんです姫さま! コーイチは私の使い魔!」 「もうルイズったら、恥ずかしいからって、おともだちに隠し事はなしよ。人が使い魔だなんて聞いた事がないわ」 「ほ、ホントなんですってばあ! ほ、ほら! 黙ってないであんたからも何か言いなさいよ!」 ちょっと涙目のルイズに、耕一は苦笑しながら左手を掲げた。 「あら……本当、でしたの?」 「使い魔っていうのも、恋人じゃないっていうのも本当ですよ」 その甲に描かれたルーン文字を見て、アンリエッタは目をぱちくりさせた。 「人が使い魔だなんて……ルイズ、あなた、昔からどこか変わっていたけれど……相変わらずね」 「……ちなみに、人じゃなくて、亜人ですわ、姫さま」 「あんまフォローになってねえぞ。娘っ子」 「うるさいわねこのボロ剣!」 もうボロじゃないもんフフーンと余裕で鼻歌を歌うデルフリンガーの言葉の通り、アンリエッタは目だけではなく、顔全体で驚いていた。 「あ、亜人、なのですか」 「まぁ、一応そういう事になってるみたいです」 「は、はぁ。それに、こちらはインテリジェンスソード……それも、かなりの業物のようですわね……」 「へへっ。さすがお姫さま。娘っ子と違って見る目があるねぇ」 カタカタと飾りを鳴らして上機嫌をアピールする剣に、ルイズは頭を抱えた。 じっと見つめてくるアンリエッタの視線に、耕一はぺこりと頭を下げる。 「えーと、どうも。柏木耕一と……あ、いや、コーイチ・カシワギって言うべきなのかな?」 「ミスタ・カシワギ……やはり、珍しいお名前ですね。まるで東方の言葉のよう。どこか遠いところから?」 「ええ。ルイズちゃんの召喚で無理矢理呼ばれてきまして」 「よ、余計な事言わなくていいのよっ!」 「あらあら、まあまあ」 焦った様子を見せるルイズを見て、ころころと笑うアンリエッタ。その表情には、先ほど耕一が垣間見たものは見受けられなかった。 そして、それもまた妻達と同じだった。まったく女という生き物は隠し事がうまいものだ、などと一昔前のハードボイルド小説のような愚痴が頭をよぎった。 「そして俺様はデルフリンガー! ガンダールヴの左手よ!」 「……なんだそりゃ。がんだーるぶ?」 突拍子もない事を言い出した剣に、三人が訝しげな顔を向けた。 「……何か聞いたことあるわね、それ。………そう、確か、始祖ブリミルの率いた4つの使い魔のうちのひとつ、だったかしら」 「よく知っているわね、ルイズ。そう、神の左手ガンダールヴ。始祖の使い魔の1つよ」 「で、なに、まさかあんた、そのガンダールヴに使われてたとか言い出すんじゃないでしょうね」 日頃の勉強のおかげか、辿り着いた真実を口走りながらルイズは問うた。その真実にデルフリンガーは、はっきりと、堂々とした声で――― 「わからん!」 と答えた。 「なんじゃそりゃぁ!」 「いやー、なんか自己紹介っつの? かっこよさげな口上でも言おっかなーとか思ったら、自然と出てきたフレーズなんだわね、これが」 「ああもう、買ったときにも六千年前とか言ってたけど、うさんくさ過ぎて本当なのかデタラメなのかわっかんないわ……」 「うむ。俺にもわかんね!」 「いばるなああああああっ!!!!!」 「うふふ」 騒音が心配になるぐらいの喧騒のなか、アンリエッタは心から楽しそうな笑顔を浮かべていた。 § 「さて、わたくしはそろそろ戻りますわ」 「え、そうなのですか?」 暫しの歓談の後、アンリエッタは静かに、腰を下ろしていたルイズのベッドから立ち上がった。 「ええ。おともだちと友誼を深めに来たのですもの。もっともっと、出来る事なら夜を徹して話していたいのは山々なのだけれど……」 「姫さまはお忙しい身です。明日も早くご出立なされると聞いております」 「そう。そうなの。馬車の中で居眠りなんてしたら、口うるさい枢機卿殿に何を言われるかわかったものじゃありませんわ」 柔らかく笑って、扉に手をかける。 「ありがとうルイズ。今夜は本当に楽しかったわ。また来てもいいかしら?」 「は、はい。このようなところでよろしければ、いつでも歓迎致します」 にこりと微笑みで返事を返し、アンリエッタは優雅に踵を返してちょっとお茶目な様子で黒いフードを被ると、小走りに部屋を出て行った。 「……はぁ。びっくりしたわ。まさか、急に姫殿下がお越しになられるなんて……」 「……ルイズちゃん、ちょっとトイレに行ってくるな」 「え、ちょ、コーイチっ?」 そして、まるで後を追うように、自分の話も聞かず、返事も聞かずに出て行く耕一に、 「な、何なのよ……?」 怒る暇すらなく、呆然としてしまうルイズだった。 「……姫さま」 「えっ? あ、つ、使い魔さん? ど、どうかなさったのですか?」 廊下を出てすぐ、耕一が呼び止めると、アンリエッタは焦った様子で周囲を気にし始めた。 「大丈夫です。周りには誰もいません」 「……何か、ご用なのですか?」 潜めた声で、アンリエッタが耕一に向き直る。 「すいません。お節介かもしれませんが……」 耕一は、先に頭を下げながら、言葉を続けた。 「何か、悩みがあるんだったら、一番話しやすいのは友達ですよ、と」 「えっ!?」 「諦めて……時間が経てば解決する悩みならいいですけど。そうでないなら、早めに誰かに話して手を打たないと、きっと後悔します。……目上の人とかに相談しにくいような事なら、尚更」 「…………」 あんな顔をしている人を、放ってはおけなかった。 お節介でも、余計なお世話でも、放っておくのは、自分の……そう、自分の心が許さなかった。 「それだけです。突然呼び止めてすいませんでした」 耕一はそれだけ言うと、踵を返す。 その背中に、アンリエッタが見せた逡巡は、わずかだった。 「待ってください」 「はい?」 「……少し言い忘れた事があったので、わたくしも戻りますわ」 「……そうですか」 § 「―――つまり、『軍事同盟を兼ねた政略結婚がご破算になるような手紙が、それを阻止したい勢力に今にも滅ぼされようとしている王国の王子が持っている。このままでは手紙がその勢力の元に行ってしまうのも時間の問題だけどどうしよう』と、こういう事ですか?」 「は、はい。そうなります」 知らない人にはそこそこに、知ってる人にはよくわかる要約を聞きながら、アンリエッタは頷き、俯いてしまった。 「……元がわたくしの私情から始まった事ですので、母様にも枢機卿にも話せずにいたのです。ありがとうございます、使い魔さん」 「い、いえ」 見事に、『時間に任せていたらとんでもない事になっていた』悩みに、耕一は冷や汗を垂らしていた。 まさか、そんな国レベルでヤバイ悩みだったとは。 「私がその手紙、取り返して参ります!」 「……ルイズちゃん」 なんとなく予想通りの言葉がルイズから紡がれて、耕一は肩をすくめた。 「だ、だめよ! アルビオンの貴族派は、今にも王党派の篭る最後の城、ニューカッスルを包囲しようとしていると聞きます! そんな危険なところに、学生のあなたが……!」 「姫殿下の御為ならば、トリステインの公爵家であり……そして、そ、その」 ルイズは、かああっと顔を真っ赤にして、俯きながら言う。 「ひ、姫さまのおともだちである私に、否応はありません。力を貸させてください、姫さま」 「ルイズ……」 その言葉に、アンリエッタの瞳がさっと潤った。 「……行ってくれるの、ルイズ?」 「身命に代えましても」 アンリエッタは、潤んだ瞳を隠すように目を閉じると、数秒の後に開く。 その顔は凛々しく整った、王女の顔だった。 「命じます。ルイズ・フランソワ―ズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。アルビオンに赴き、密命を果たしなさい」 「慎んで拝命致します。明朝すぐに出発したいと思います」 ルイズは跪き、頭を垂れる。 アンリエッタはすぐに膝を折り、ルイズを抱きしめた。 「……無理だと感じたら、すぐに戻ってきて。絶対に、命を粗末にしないで、ルイズ」 「もちろんです」 ルイズから離れたアンリエッタは机に座ると、羊皮紙にさらさらと何かを書き付け始める。 一端ペンを置き、文面を眺め……その表情が苦悩に歪んだ後、搾り出すように、最後に一文を付け加えた。 「……始祖よ、お許しください。この手紙もまた、自分勝手なわたくしの恥部となりましょう。しかし、それでも……」 苦い顔をしながら杖を振るうと、くるくると羊皮紙が巻かれ、封蝋がされ、花押が押され……立派な密書の出来上がりとなった。 「この密書を渡せば、ウェールズ王子は手紙を返してくださるでしょう。それから……」 密書と共に、アンリエッタは自らの指にはまっていた指輪を抜き、ルイズに渡した。 透き通るような蒼色の、大きな宝石がはまった指輪だった。 「母から頂いた『水のルビー』です。せめてものお守りに持っていってください……お金が心配なら、売り払って資金に当てても構いません」 それから、少し考えるような仕草をすると、 「……できたらですが、一人、手練の者を護衛につけましょう。明日の朝、正門で貴方達と合流するよう手配しておきます。ですが、力及ばない時は……申し訳ありません」 そう付け加えた。 ルイズが深く頭を垂れる。 「ご配慮に、感謝致します」 「……全てはわたくしの短慮から出た杖の錆です。わたくしが力を尽くすのは当然の事……気にする必要はありません」 目を伏せて首を振り、アンリエッタは、やれやれ大変な事になったと頭を掻いていた耕一に向き直った。 「使い魔さん、わたくしのおともだちを、よろしくお願い致します」 「……ま、そんな大それた悩みだとは知らなかったとは言え、言わせちゃったのは俺ですしね。出来るだけはやってみますよ」 『内戦中の国に侵入して、負けている方の指導者と接触を取り、当国にとって外交上不利になる品物を回収せよ』 まごうことなきスニーキング・ミッション。どこぞの蛇じゃないんだからと一笑に付したくなるが、現実だった。死ぬ可能性バリバリの、"任務"だ。 そして、今、耕一は、間違っても死ぬわけにはいかない。彼は、彼一人だけの体ではないのだから。無事に帰り、楓を安心させてやらなければならない。 それは彼の義務であり、責務であり、責任であり、使命であり……何よりも、願いだった。 しかし、それでも。 断ろうとか、逃げようとかいう気は起きなかった。 ここで、見捨てて逃げてしまったら……きっと自分自身が、胸を張って楓ちゃんに会えなくなる。 エディフェルやリネットと同じ表情を浮かべる、何かを諦めなければならなかった人を、助ける事が出来る。 それらは、耕一が危険に飛び込むのには十分すぎる理由だった。 ―――まあ、王女様に恩を売っておけば、もう少し熱心に元の世界に戻る方法を探してもらえるかもしれない、という打算も、無いとは言えなかったけれども。 「……ありがとうございます」 アンリエッタは目を伏せ、祈りを捧げるように両手を握り合わせた。 「始祖ブリミルよ。今一度、身勝手な貴方の子に加護をくださいまし。アルビオンに吹き荒ぶ猛き風より、彼等をお守りくださいますように」 前ページ次ページゼロのエルクゥ
https://w.atwiki.jp/eirei/pages/617.html
醍醐忠重(だいご ただしげ)日本(東京都千代田区)1891~1947統率:B 武力:B 政治:C 知力:C 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------海軍中将。侯爵。清華家の醍醐家第11代当主。醍醐忠敬の嫡子。父が家督相続で射殺されると、一条家に引き取られる。侍従武官を務め、潜水艦畑を進み、太平洋戦争では、第5潜水戦隊司令官、第6艦隊司令長官を歴任する。戦後はポンティアナック事件の責任者としてB級戦犯として射殺刑に処された。 大正天皇(たいしょうてんのう)、嘉仁(よしひと)日本1879~1926統率:D 武力:E 政治:D 知力:C 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------第123代天皇。明治天皇の子。身体が弱かったが明治天皇の崩御に伴ない即位する。しかし、心労がたたり公務も休みがちになり、皇太子の裕仁親王(昭和天皇)が摂政を務めた。 高木兼寛(たかき かねひろ)日本(日向国諸県郡)1844~1920統率:B 武力:C 政治:C 知力:A 文化:A 魅力:B--------------------------------------------------------------------------------海軍軍医総監。医学博士。男爵。戊辰戦争では薩摩藩の軍医として従軍する。イギリス留学後は海軍軍医の中核を担い、脚気の撲滅に尽力し、海軍にカレーを取り入れるなどして『ビタミンの父』と呼ばれた。東京慈恵会医大の創設者でもある。 高木武雄(たかぎ たけお)日本(福島県岩城郡)1892~1944統率:B 武力:C 政治:C 知力:C 文化:C 魅力:B--------------------------------------------------------------------------------海軍大将。潜水艦艦長や第二潜水戦隊参謀を務め、軽巡洋艦「長良」、重巡洋艦「高雄」、戦艦「陸奥」艦長などを歴任する。太平洋戦争ではスラバヤ沖海戦で艦隊を指揮し、海に投げ出された米兵の救助命令を出した。その後、第六艦隊司令官となるがサイパンの戦いで戦死した。 高橋是清(たかはし これきよ)日本(宮城県)1854~1936統率:C 武力:C 政治:B 知力:B 文化:B 魅力:B--------------------------------------------------------------------------------第20代総理大臣。立憲政友会総裁。子爵。日本銀行総裁。特許局の初代局長。暗殺された原敬の後を継ぎ、総理に就任するが、立て直すことは出来なかった。後に大蔵大臣となるが、ニ・二六事件で、赤坂の自宅で青年将校らに暗殺される。『だるま宰相』として親しまれた。 高橋泥舟(たかはし でいしゅう)日本(江戸)1835~1903統率:A 武力:A 政治:C 知力:C 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------幕末期の幕臣。『幕末の三舟』。山岡鉄舟の義兄。自得院流(忍心流)の槍術を修め、伊勢守に叙せられる。鳥羽伏見の戦い敗戦後、帰京した徳川慶喜に恭順を説き、また、その後も慶喜に従って水戸、静岡へ下った。 財部彪(たからべ たかし)日本(宮崎県都城市)1867~1949統率:B 武力:B 政治:B 知力:B 文化:C 魅力:D--------------------------------------------------------------------------------海軍大将。加藤内閣の海軍大臣。山本権兵衛の娘を妻とし、『財部親王』と陰口をたたかれた。第一艦隊参謀長、第三艦隊司令官、旅順警備府、舞鶴鎮守府、佐世保鎮守府、横須賀鎮守府司令官を歴任した。 滝廉太郎(たき れんたろう)日本(東京)1879~1903統率:C 武力:D 政治:D 知力:C 文化:A 魅力:B--------------------------------------------------------------------------------音楽家、作曲家。多くの作詞・作曲を手がけた。代表作に『荒城の月』、『箱根八里』、『鳩ぽっぽ』、『雪やこんこん』、『お正月』などがある。 瀧川幸辰(たきがわ ゆきとき)日本(岡山県)1891~1962統率:C 武力:E 政治:C 知力:B 文化:B 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------刑法学者。京都帝国大学の教授として講演した時、内容が自由主義的であるとして文部大臣・鳩山一郎から休職処分を受け追放された。この思想弾圧は滝川事件と呼ばれた。戦後は、京都大学の15代総長に就任するが、 学生運動と対立した。学生からの暴行事件は第二次滝川事件と呼ばれた。 竹内綱(たけうち つな)日本(土佐国宿毛)1841~1922統率:C 武力:C 政治:C 知力:B 文化:B 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------土佐藩宿毛領主の重臣。実業家。明治維新後、後藤象二郎と共に実業家として成功する。板垣退助の自由党創立に参加して、衆議院議員となる。竹内明太郎、吉田茂の父。 竹下登(たけした のぼる)日本(島根県雲南市)1924~2000統率:C 武力:D 政治:C 知力:C 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------第74代総理大臣。第12代自民党総裁。田中派の『創政会』を創設する。「ふるさと創生事業」として、全国の市町村に対して一律1億円を交付税措置した。また、強行採決によって消費税導入を可決させた。しかし、リクルート事件が発覚し、政界不信が高まり、内閣総辞職をした。日韓共催W杯の発案者。 太宰治(だざい おさむ)、津島修治(つしま しゅうじ)日本(青森県北津軽郡)1909~1948統率:C 武力:C 政治:C 知力:B 文化:A 魅力:A--------------------------------------------------------------------------------小説家。芥川龍一郎や泉鏡花に傾倒し執筆活動を始める。薬物中毒や自殺未遂を乗り越えて作家活動を続け、坂口安吾、織田作之助らと交流を持ち無頼派と呼ばれた。代表作に『富嶽百景』、『走れメロス』、『パンドラの匣』、『斜陽』、『人間失格』などがある。 多田駿(ただ はやお)日本(宮城県)1882~1948統率:C 武力:C 政治:C 知力:B 文化:B 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------陸軍大将。日露戦争に従軍し、満州国の建国に伴い最高顧問に就任する。日中戦争が始まると、石原莞爾らと共に戦争不拡大を唱えた。蒋介石との和平交渉を行なうが、政府が交渉を打ち切る。戦後はA級戦犯として逮捕されるが、釈放される(すでに胃癌で死去していた)。 立見尚文(たつみ なおふみ)、立見鑑三郎日本(伊勢国)1845~1907統率:A 武力:A 政治:C 知力:C 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------桑名藩士。鳥羽・伏見の戦いで大敗した桑名藩を建て直し、新撰組の土方歳三と連携を取り、宇都宮城の戦い、北越戦争などで活躍するが、長岡山の戦いで敗北した。明治維新後は明治陸軍に入り、西南戦争、日清戦争(特に黒溝台会戦)で部隊を指揮した。陸軍大将。男爵。 伊達宗徳(だて むねえ)日本(伊予国)1830~1906統率:D 武力:D 政治:C 知力:C 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------宇和島藩9代にして最後の藩主。7藩主・伊達宗紀の三男。遠江守。先代の伊達宗城が安政の大獄で隠居謹慎処分となったため藩主となる。宗城の政策を引き継ぎ、専売の強化、軍制の近代化、教育の普及に努めた。しかし、宗城の影響力は強かった。 伊達宗基(だて むねもと)日本(陸奥国)1866~1917統率:C 武力:D 政治:C 知力:C 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------伊達家30代当主、仙台藩13代にして最後の藩主。伊達慶邦の四男。奥羽列藩同盟の盟主だった父・慶邦が罰せられると家督を継ぎ藩主となる。明治維新後、版籍奉還により仙台藩知事となり、廃藩置県の後は従二位、伯爵となる。 田中角栄(たなか かくえい)日本(新潟県柏崎市)1918~1993統率:A 武力:B 政治:A 知力:B 文化:B 魅力:A--------------------------------------------------------------------------------第64代、第65代総理大臣。第6代自民党総裁。貧しい生い立ちより身を起こし『今太閤』と呼ばれた。社会基盤整備に尽力し、「日本列島改造論」を発表する。また、日中の国交を回復させる。しかし、反面で利益誘導型政治を推進したとされ、後にロッキード事件でも逮捕され、総辞職する。 田中義一(たなか ぎいち)日本(山口県)1864~1929統率:C 武力:C 政治:C 知力:C 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------第26代総理大臣。男爵。立憲政友会総裁。軍人でもあり、陸軍大将。日清・日露戦争に従軍。張作霖爆殺事件に際して軍法会議による厳罰を主張するも、軍部の反対にあって果たせず、昭和天皇に叱責され総辞職する。 田中静壱(たなか しずいち)日本(兵庫県揖保郡)1887~1945統率:A 武力:B 政治:C 知力:C 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------陸軍大将。憲兵職を務め、日中戦争では宜昌作戦などで軍功を挙げた。太平洋戦争では東日本の本土防衛を担当する第12方面軍司令官兼東部軍管区司令官を務めた。日本の降伏を阻止しようとする宮城事件では反乱の鎮圧に貢献した。 田中正造(たなか しょうぞう)日本(栃木県佐野市)1841~1913統率:C 武力:D 政治:B 知力:B 文化:B 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------地方の名主の家に生まれる。後に衆議院議員。足尾銅山鉱毒事件に半生を捧げ、天皇に直接、直訴状を渡そうとまでした。この活動は世論を動かし、後の世の公害問題の運動の先駆けとなった。 谷周平(たに しゅうへい)、近藤周平日本(備中国)1848~1901統率:D 武力:C 政治:D 知力:D 文化:D 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------谷三兄弟の三男。近藤勇の養子となるが、兄、三十郎の死後、養子縁組を解消する。新選組の監察職を務める。鳥羽・伏見の戦いの敗走の後、隊を脱走。維新後、山陽鉄道神戸事務所の職員として働いた。 谷千城(たに たてき)日本(土佐国)1837~1911統率:C 武力:C 政治:C 知力:C 文化:C 魅力:D--------------------------------------------------------------------------------土佐藩士。明治初期の軍人、陸軍中将。西南戦争において、熊本鎮台の司令官を務め、熊本城に篭城して援軍到着まで西郷隆盛の攻撃をしのいだ。癇癪持ちで作戦には欠点が多かった。後に、子爵に叙され、貴族院議員を務めた。他に農商務大臣、学習院院長を歴任する。 谷豊(たに ゆたか)、ムスリム名:モハマッド・アリー・ビン・アブドラー日本(福岡県福岡市)1911~1942統率:B 武力:B 政治:D 知力:B 文化:C 魅力:B--------------------------------------------------------------------------------幼い頃に英領マラヤ(現マレーシア)で育つ。満州事変後に妹をマレーの華僑に殺害されると盗賊団を組織し、『マレーの虎・ハリマオ』と呼ばれた。後に日本陸軍の神本利男と出会い、諜報員としてマレー攻略に貢献したが、マラリアに感染して病死した。 谷崎潤一郎(たにざき じゅんいちろう)日本(東京市日本橋区)1886~1965統率:C 武力:C 政治:C 知力:A 文化:A 魅力:B--------------------------------------------------------------------------------小説家。初期は耽美主義だったが、後に時代風俗などと芸術性を融合させた純文学を完成させ『大谷崎』と呼ばれた。代表作に『刺青』、『痴人の愛』、『蓼喰ふ虫』、『春琴抄』、『細雪』などがある。 種田山頭火(たねだ さんとうか)、種田正一日本(山口県佐波郡)1882~1940統率:D 武力:C 政治:C 知力:C 文化:B 魅力:B--------------------------------------------------------------------------------俳人。季語や五・七・五など俳句の定型を無視した独自のリズム感を綴った自由律俳句を多く残す。代表的な句に『分け入っても 分け入っても 青い山』など多く残し、『昭和の芭蕉』とも呼ばれる。 田山花袋(たやま かたい)日本(栃木県邑楽郡)1872~1930統率:C 武力:C 政治:C 知力:C 文化:B 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------小説家。尾崎紅葉に学び、国木田独歩、柳田國男らと交わる。日露戦争では従軍記者を務める。中年作家の女弟子への想いを描いた『布団』や『田舎教師』などを発表して自然主義文学の代表となった。 團琢磨(だん たくま)日本(福岡県福岡市)1858~1932統率:A 武力:C 政治:B 知力:A 文化:A 魅力:B--------------------------------------------------------------------------------実業家。工学博士、技術者。男爵。アメリカで鉱山学を学び、三井三池炭鉱の経営を行なう。三井財閥の総帥となり、日本経済界・財界の旗振り役となる。昭和金融恐慌が起こると、財閥の非難の矢面に立たされ、右翼団体の血盟団の菱沼五郎に銃撃される。 長勇(ちょう いさむ)日本(福岡県糟屋郡)1895~1945統率:B 武力:C 政治:C 知力:A 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------陸軍中将。三月事件・十月事件を画策して処分される。第二次上海事変で上海派遣軍参謀を務め、南京攻略戦にも参加した。参謀経験が豊富ながら戦時国際法の意識が低かった。第32軍参謀長として沖縄戦を戦うが、最後には牛島大将と共に自決した。 珍田捨巳(ちんだ すてみ)日本(陸奥国弘前)1857~1929統率:C 武力:C 政治:A 知力:C 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------外交官。キリスト教牧師。在サンフランシスコ日本領事としてアメリカで日系人の排斥運動を予想して移民制限を促した。ポーツマス条約を裏から支え、パリ講和会議全権の一人を務める。裕仁親王(昭和天皇)の訪欧に随行し、後に侍従長を務めた。伯爵。 塚田攻(つかだ おさむ)日本(茨城県)1886~1942統率:C 武力:C 政治:C 知力:C 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------陸軍大将。日中戦争開戦後、中支那方面軍参謀長を務める。杉山元参謀総長の下で南方作戦の軍政を担当した。後に安徽省で飛行機事故で死亡する。 辻政信(つじ まさのぶ)日本(石川県江沼郡)1902~1961統率:D 武力:D 政治:C 知力:C 文化:C 魅力:E--------------------------------------------------------------------------------陸軍大佐。衆・参議員を務めた。関東軍参謀部へと転出し、ノモンハン事件、シンガポール華僑虐殺事件などに関わった。バターン死の行進では勝手に捕虜の射殺命令を下し、ポートモレスビーやガダルカナル島でも敗北の原因となる稚拙な作戦を行なった。後にラオスで失踪した。 津島壽一(つしま じゅいち)日本(香川県阿野郡)1888~1967統率:B 武力:C 政治:A 知力:A 文化:C 魅力:A--------------------------------------------------------------------------------欧米の駐在財務官を務め、大蔵次官、日銀副総裁、北支那開発総裁などを経て小磯、東久邇宮内閣の大蔵大臣を務める。終戦処理内閣の蔵相として外債処理を担当し、信用回復に努めて支払い期限延長のみを求めた。その後、公職追放となるが吉田茂の要請で日本国主席全権大使としてフィリピンとの賠償交渉を合意に持ち込んだ。 津田梅子(つだ うめこ)日本(江戸牛込町南御徒町)1864~1929統率:B 武力:E 政治:B 知力:A 文化:A 魅力:A--------------------------------------------------------------------------------教育者。日本の女子教育の母。岩倉使節団に随行した日本初の女子留学生。アメリカで英語・仏語・ラテン語や芸術を学び、帰国後、下田歌子の桃夭女塾で英語教師を務める。後に女子英学塾(現在の津田塾大学)を創設し、一般女子の教育に努めた。 津田真道(つだ まみち)日本(美作国)1829~1903統率:C 武力:C 政治:A 知力:A 文化:B 魅力:B--------------------------------------------------------------------------------津山藩士。西周とオランダに留学し、『泰西国法論』を著して西洋の法学を紹介する。福沢諭吉らと明六社を設立する。司法省にて人身売買禁止を建議、外務権大丞として日清修好条規勅の副使を務め、陸軍省では陸軍刑法を作成する。裁判官、元老院議官。初代衆議院副議長。選貴族院議員。男爵。 坪内逍遥(つぼうち しょうよう)、坪内雄蔵日本(美濃国加茂郡)1859~1935統率:E 武力:D 政治:C 知力:B 文化:A 魅力:B--------------------------------------------------------------------------------小説家、評論家、翻訳家、劇作家。日本の近代文学の誕生に大きく貢献し、シェイクスピアを全編翻訳した。『小説神髄』、『当世書生気質』、『細君』、『桐一葉』、『役の行者』などを著す。 鶴彬(つる あきら)、喜多一二(きた かつじ)日本(石川県かほく市)1909~1938統率:D 武力:D 政治:C 知力:C 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------川柳作家。軍国の気運強まる昭和初期において、反戦の川柳を発表し続けた。反戦的である事を理由に警視庁に連行され、後に体調を崩し、赤痢にかかり亡くなる。 手塚治虫(てづか おさむ)、手塚治日本(大阪府豊中市)1928~1989統率:A 武力:E 政治:B 知力:A 文化:A 魅力:A--------------------------------------------------------------------------------漫画家。医学博士の学位を持つ。漫画という日本文化を形成し、『漫画の神様』と呼ばれた。その作品は大量で良質、多岐に渡る。『鉄腕アトム』、『ブラックジャック』、『火の鳥』、『ジャングル大帝』、『リボンの騎士』、『ブッダ』、『アドルフに告ぐ』、『どろろ』、『マグマ大使』、『『三つ目がとおる』などの作品を残す。 寺内寿一(てらうち ひさいち)日本(山口県)1879~1947統率:C 武力:C 政治:B 知力:C 文化:B 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------陸軍元帥。寺内正毅の長男で、唯一の陸海軍通して親子2代の元帥。広田内閣の陸軍大臣を務め、衛生省の設立を提唱する一方で、軍部大臣現役武官制を復活させた。しかし、浜田国松との“腹切り問答”の末、広田内閣は総辞職となった。太平洋戦争では南方総司令官を務めた。 寺内正毅(てらうち まさたけ)日本(山口県)1852~1919統率:B 武力:A 政治:A 知力:C 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------第18代総理大臣。陸軍軍人。伯爵。戊辰戦争では箱根五稜郭まで転戦した。桂内閣で陸軍大臣を務め、日露戦争勝利に貢献した。日韓併合を断行し、第3代韓国統監、初代朝鮮総督となる。第一次世界大戦中に総理に就任し、シベリア出兵を宣言したが、米騒動の責任をとって辞任する。 土肥原賢二(どいはら けんじ)日本(岡山県)1883~1948統率:C 武力:C 政治:C 知力:C 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------陸軍大将。奉天特務機関長 、陸軍航空総監 、陸軍教育総監 、第7方面軍・第12方面軍の司令官を歴任する。溥儀を説得して満州国の皇帝に就けた。欧米では『東洋のロレンス』、中国では『土匪原』と呼ばれた。東京裁判において、満州国建国に関わったとして、絞首刑に処された。 東郷茂徳(とうごう しげのり)日本(鹿児島県日置郡)1882~1950統率:C 武力:D 政治:A 知力:A 文化:B 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------外交官。東條・鈴木内閣で外相を務める。日米交渉に当たるが、太平洋戦争開戦を回避する事は出来なかった。大東亜省設置に反対し、終戦工作にも尽力して日本の本土決戦突入を回避した。しかし、東京裁判においては、開戦当時の外相という責任からA級戦犯として禁固20年の判決をうける。服役中に病没。 東郷平八郎(とうごう へいはちろう)日本(鹿児島県)1848~1934統率:A 武力:A 政治:D 知力:B 文化:C 魅力:A--------------------------------------------------------------------------------海軍大将。元帥。日清・日露戦争で日本海軍を率いた司令官。日露戦争では「丁字戦法」を用いて日本海海戦でロシアのバルチック艦隊を撃破し『東洋のネルソン』として、世界的に名提督として知られた。舞鶴鎮守府司令長官、第3代、4代の連合艦隊司令長官 、第8代海軍軍令部総長を歴任。 東條英機(とうじょう ひでき)日本(東京府東京市)1884~1948統率:A 武力:B 政治:C 知力:B 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------第40代総理大臣。陸軍大将。参謀総長。太平洋戦争開戦時の首相。統制派の軍人で、軍国主義の代表とされるが、和平工作にも尽力し、暮らし振りも質素だった。戦後、A級戦犯として東京裁判で裁かれ絞首刑となる。 東條英教(とうじょう ひでのり)日本(陸奥国)1855~1913統率:C 武力:C 政治:C 知力:A 文化:C 魅力:B--------------------------------------------------------------------------------陸軍中将。陸軍大学校を首席で卒業した。明治維新を経験し、西南戦争に従軍する。日露戦争で歩兵第三旅団長として出征するが、抗命などを理由に解任され予備役に編入された。東條英機の実父。 頭山満(とうやま みつる)日本(福岡県福岡市)1855~1944統率:B 武力:D 政治:A 知力:A 文化:A 魅力:A--------------------------------------------------------------------------------国家主義者、著述家、政治運動家、実業家、篤志家。政治結社・玄洋社を設立し、黒龍会顧問を務めた。アジア主義の立場で、日本の海外進出を訴え、日露戦争開戦を早くから主張した。また、孫文や蒋介石、金玉均、ラス・ビハリ・ボースなど日本に亡命したアジアの革命運動家を支援した。 徳川昭武(とくがわ あきたけ)日本(常陸国)1853~1910統率:A 武力:B 政治:C 知力:C 文化:B 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------水戸藩11代にして最後の藩主。第9代水戸藩主・徳川斉昭の十八男で、徳川慶篤、徳川慶喜の異母弟。禁門の変や天狗党の乱では軍を率いて戦った。将軍・徳川慶喜の名代としてパリ万国博覧会に派遣され、ヨーロッパを見聞する。帰国後に版籍奉還によって水戸藩知事となる。節公。 徳川家達(とくがわ いえさと)、田安亀之助日本1863~1940統率:C 武力:C 政治:C 知力:C 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------陸軍中将。関東軍参謀副長、舞鶴要塞司令官、第16師団長を歴任する。板垣征四郎らと満州事変を実行する。満州においては戦線の不拡大方針を唱えた。二・二六事件では、戒厳司令部参謀を兼務し、反乱軍の鎮圧に当たった。東條英機と対立していたことで、戦後の東京裁判で戦犯の指名から外された。 徳川義礼(とくがわ よしあきら)、松平晨若日本1863~1908統率:D 武力:C 政治:D 知力:C 文化:D 魅力:D--------------------------------------------------------------------------------尾張藩18代藩主。高松藩主・松平頼聰の次男。徳川慶勝の養子となり家督を継ぐ。華族令の制定で侯爵となり、貴族院議員となる。しかし、不品行で旧尾張藩士から養子縁組解消を求められる騒動を起こす。 徳川好敏(とくがわ よしとし)日本(東京府東京市)1884~1963統率:C 武力:C 政治:C 知力:C 文化:C 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------清水徳川家の第8代当主の男爵。陸軍中将。徳川篤守の長男。軍公式の飛行実験で、日本国内で初めて飛行機で飛んだ。(非公式では数日前に日野熊蔵)。陸軍航空学校教官、航空兵団司令官を歴任するが、戦後は公職追放となる。 徳川慶喜(とくがわ よしのぶ)、一橋慶喜日本(江戸)1837~1913統率:C 武力:C 政治:B 知力:B 文化:B 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------徳川第15代将軍で、徳川幕府最後の将軍。一橋徳川家9代当主。徳川御三家、水戸徳川家の斉昭の七男で、一橋家を相続する。大政奉還で政権を朝廷に返上するが、戊辰戦争の鳥羽・伏見の戦いに参加して敗れる。 徳大寺実則(とくだいじ さねつね)日本1840~1919統率:A 武力:C 政治:A 知力:B 文化:A 魅力:B--------------------------------------------------------------------------------公卿。尊皇攘夷派。弟に西園寺公望、住友友純、末弘威麿がいる。国事御用掛、議奏を務める。王政復古の後、明治政府の参与・議定として内国事務総督を兼ね、内国事務局督、内廷職知事、大納言、宮内卿を歴任する。さらに内大臣兼侍従長となり、明治天皇の側近を務めた。公爵。 徳富蘇峰(とくとみ そほう)日本(肥後国水俣)1863~1957統率:A 武力:D 政治:A 知力:A 文化:A 魅力:A--------------------------------------------------------------------------------ジャーナリスト、歴史家、評論家。民友社を創設して『国民之友』『国民新聞』を発刊する。平民主義から国権主義に転向し、松方内閣の内務省勅任参事官に就任する。日米開戦を煽ったとして戦後にA級戦犯容疑を受け、公職追放となった。 戸田氏共(とだ うじたか)日本1854~1936統率:C 武力:C 政治:B 知力:B 文化:B 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------大垣藩11代にして最後の藩主。戸田氏正の五男で、兄・氏彬が病没すると藩主となる。藩論を尊王論に統一して新政府軍に参加した。廃藩置県後は伯爵となり、駐オーストリア全権大使、式部長官などを務めた。 戸田極子(とだ きわこ)日本1857~1936統率:D 武力:D 政治:D 知力:C 文化:A 魅力:A--------------------------------------------------------------------------------岩倉具視の次女で、戸田氏共の伯爵夫人。麗しき貴婦人で『鹿鳴館の華』と持て囃された。あまりの美しさに女好きの伊藤博文が鹿鳴館の庭の茂みで押し倒そうとする事件が起きるほどだった。 富永恭次(とみなが きょうじ)日本(長崎県)1892~1960統率:D 武力:C 政治:D 知力:E 文化:E 魅力:E--------------------------------------------------------------------------------陸軍中将。北部仏印進駐に際して西原・マルタン協定に反して軍を進め、多数の死傷者を出して停職処分となる。東條英機の腰巾着として中央に復帰、陸軍次官、人事局長となる。東條内閣総辞職後は第四航空軍司令官としてマニラに送られるが敵前逃亡し、ソ連で抑留された。 豊田喜一郎(とよだ きいちろう)日本(静岡県敷知郡)1894~1952統率:B 武力:C 政治:B 知力:A 文化:A 魅力:A--------------------------------------------------------------------------------技術者。豊田自動織機の創業者・豊田佐吉の長男。豊田紡織に入社して経営に携わる。トヨタ自動車工業が独立すると副社長、後に第2代社長となる。トヨダAA型自動車を実用化させ、挙母町(現・豊田市)に大規模な自動車工場を建てて、自動車の普及に貢献した。 豊田佐吉(とよだ さきち)日本(遠江国敷知郡)1867~1930統率:C 武力:C 政治:C 知力:A 文化:A 魅力:B--------------------------------------------------------------------------------発明家、実業家。社会の役に立つために手機織機を改良し、豊田式汽力織機、G型自動織機などをはじめ、発明特許84件、外国特許13件、実用新案35件を発明した。その後、豊田紡織、豊田紡織廠、豊田自動織機製作所を創業し、トヨタグループの創始者となる。 豊田副武(とよだ そえむ)日本(大分県速見郡)1885~1957統率:C 武力:C 政治:B 知力:B 文化:B 魅力:C--------------------------------------------------------------------------------海軍大将。前任である古賀峯一の殉職で、第29代、30代連合艦隊司令長官となる。マリアナ沖、レイテ沖海戦の指揮を執り、戦艦・大和の特攻を命じた。後に第19代(最後の)軍令部総長となる。しかし、元々、事務方向きの人物で、日米開戦にも反対をしていた。
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/5409.html
登録日:2010/07/04 Sun 01 07 02 更新日:2024/07/01 Mon 09 24 51 所要時間:約 7 分で読めます ▽タグ一覧 クーデレ サラシ 大和撫子 天然 属性 巫女 清楚 素直クール 緋袴 職業 腋 萌え 萌え属性 萌え要素 触手 黒髪 黒髪ロング ▼定義 広義においてはシャーマンの一形態であり、 「神々や精霊と交流し、その言葉を人間へ伝える」力を持つとされる女性を指す。 宗教・文化人類学上は更に細分化した定義もあるが、とりあえずこれだけおぼえておけばおk。 詳しくは各自で調べて、どうぞ。 日本において巫女と言えば、神社に務め神職の補佐を行う白衣と緋袴―いわゆる「巫女装束」を着た女性を連想するのが一般的だろう。 正月とかに見る巫女のお姉さんたちは大抵バイトなので、正真正銘の本職はかなりレア。まあ我々一般人には関係ないけどね! ▼特徴 巫女属性を持つキャラクターの基本的な特徴として、 黒髪ロング 神社の娘 大和撫子 控えめだが、芯は強い 礼儀正しい 処女(*1) 敵方(ダークサイド)キャラになることが少ない などがあげられるだろうか。 もちろん巫女が登場する作品は数多存在するため、この基本イメージから外れたキャラクターもたくさんいる。 元々宗教的職能者であるため和風ファンタジーやホラー、伝奇といったジャンルと非常に親和性の高い属性である。 霊が見える、祓えるといった軽いオカルト的味付けはもちろん、神道系・陰陽道系の術式を駆使したガチの魔術バトルまでこなしてしまう。 奉られている神様自身が巫女さんの格好をしている作品もある。 このように、創作においては空想的なギミックを絡める際に非常に扱いやすく、応用の利くキャラクター設定が可能である。 また、「メインヒロイン」や「癒しキャラ」としての活躍も忘れてはならない。 既にのべたが、二次元における巫女の基本イメージには、 大和撫子! 大人しいけどしっかりしている! 日本人ならではの礼儀と品格! 処女! ……と、日本人男性から見れば実に完璧すぎる要素が揃っている。 別の言い方をすれば「お嫁さんにしたい女性像」そのままなのだ。 これで心が安らがないはずがない。 最近では一見完璧だがどこか抜けている、という巫女さんが増えている様子。 一例を挙げると、某お稲荷さま。の酒に弱く家事がダメな娘とか。 ビジュアル面でも、日本人の琴線に対して強烈に訴えかけるものがある。 白衣に緋袴という紅白の衣装が醸し出すコントラストはシンプルながら清潔さと神聖さに溢れており、目にした者の心を洗わずにはおかない。 流れるような黒髪も、美そのものである。 ストレートも良いが、一本結びや、 ポ ニ ー テ ー ルにした際にちらりと覗くうなじも、また最高に美しいものである。 そして我々が当然考えるエロ方面……一言で言い表せば無敵の存在である。 清楚にして凜とした雰囲気の巫女様をこの手で汚す・・・考えただけでハァハァするだろう? 加えて巫女様という職業柄、魑魅魍魎の類と絡ませやすく、触手との親和性が大変よろしい。 また注連縄というものがあるからか、「縄による」緊縛もしょっちゅう目にするシチュエーションである。 特に現実には触れがたい存在であるがゆえに、妄想の世界ではなお一層輝くのだ。 この変態どもめ! 俺もか!! そうだよな!!! ▼二次元巫女さん一覧 キャラ 作品 備考 柊みき らき☆すた 柊いのり 柊まつり 柊かがみ 柊つかさ おキヌちゃん GS美神 極楽大作戦!! 日暮かごめ 犬夜叉 最終話以後 桔梗 稗田柚子 朝霧の巫女 稗田倉子 稗田たま 力石征子 崎原いずみ 百合草千佳 御堂志津歌 駒沢菊理 コウ 我が家のお稲荷さま。 知床鈴 ハイスクール・フリート 八木鶫 翠田いのり 神田川JET GIRLS 来栖川姫子 神無月の巫女 姫宮千歌音 クイーンミラージュ ハピネスチャージプリキュア! 元は巫女だった 織部雪乃 東京魔人學園剣風帖 織部雛乃 神無深螺 マテリアルゴースト 清内路清美 世界の危機はめくるめく! 森園芽以 ガールフレンド(仮) 重藤秋穂 神無月環 GJ部 ウマたん えとたま 艶乃姫 筋肉の神マッスル 名護屋河睡蓮 お・り・が・み 古手梨花 ひぐらしのなく頃に 姫巫女 織田信奈の野望 桐島琴音 にゃんこい! 桐島朱莉 トモエ クイーンズブレイド まち ながされて藍蘭島 ちづる やしろ 浅間・智 境界線上のホライゾン 姫神秋沙 とある魔術の禁書目録 フィアナ・レイ・オルデシア 精霊使いの剣舞 始まりの竜の巫女エア Z/X -Zillions of enemy X- 赤の竜の巫女メイラル 青の竜の巫女ユイ 白の竜の巫女ニノ 黒の竜の巫女バラハラ 緑の竜の巫女クシュル 星枷白雪 緋弾のアリア 野原ユリカ ゴーゴー五つ子ら・ん・ど 巫女姫ププル 黒紫の巫女キキョウ 伊原摩耶花 〈古典部〉シリーズ 十文字かほ 嵩月奏 アスラクライン 朝風理沙 ハヤテのごとく! 穂積之宮いちこ ある夏のお見合いと、あるいは空を泳ぐアネモイと。 神代小蒔 咲-Saki- 石戸霞 薄墨初美 狩宿巴 滝見春 新子望 咲-Saki-阿知賀編 雨宿まち くまみこ 有馬鈴香 月陽炎 怨夜巫女 ゲンジ通信あげだま 九鬼麗の変身した姿 篠ノ之箒 IS 三枝祀 かみちゅ! 三枝みこ 東雲初穂 新サクラ大戦 三世院やよい HAPPY★LESSON 立上芹 蒼穹のファフナー EXODUS 火野レイ 美少女戦士セーラームーン サクラ うる星やつら 麻倉茎子 シャーマンキング 土御門夏目 東京レイヴンズ 姫島朱乃 ハイスクールD×D 中国うさぎ 東北ずん子 さくらみこ ホロライブプロダクション ホロライブ0期生 宮水三葉 君の名は。 鬼咒嵐 X 東條希 ラブライブ! 平安名すみれ ラブライブ!スーパースター!! 羅将神ミヅキ サムライスピリッツ 巫女シホ 千年戦争アイギス 鶴姫 戦国BASARAシリーズ 小夜ちゃん 奇々怪界 元祖巫女キャラ 神楽ちづる キングオブファイターズ 天本玲泉 パワプロクンポケット4 蕪崎詩乃 パワプロクンポケット6 みここ pop n music 道明寺歌鈴 アイドルマスター シンデレラガールズ 朝比奈心美 バトルガールハイスクール エリア・ベネット FINAL FANTASY Ⅲ 博麗霊夢 東方Project 東風谷早苗 一条あかり 月華の剣士 結城小夜 式神の城 鎮撫の巫女セツナ 白猫プロジェクト 斎庭の巫女トワ 巫女白魔術士ハルカ 愉快なキツネ巫女コリン 日枝田史緒 女装山脈 宗形巡 女装海峡 氷川菜織 Withyou 神本円佳 星空へ架かる橋 春日舞織 アルカナハート 御代柊花 青空の見える丘 倉木鈴菜 顔のない月 天女目瑛 ヨスガノソラ 神咲那美 とらいあんぐるハート3 東儀白 FORTUNE ARTERIAL 胡ノ宮環 D.C.P.S. ▼巫女に並々ならぬ興味を持つ人 有名なところをいえば、宮沢謙吾(リトルバスターズ!)や李傕(三国志)だろうか。 極稀に、巫女さんっポイ「国家元首」がいたりもする。 もし、将軍クラスの絶世の美少女(ガーベラテトラ似のポニテ殿下)に「求婚」されたら、そのループは捨てよう。 さる、高貴な生まれの「双子姉妹丼」も堪能出来るかもしれんけど? その場合は、素直に「紅くておっかない侍従長」に真っ二つにされよう。 ▼余談 巫女になる為の特に資格はいらず、健康な女性なら誰でもいいそうだ。 つまりそういうこと……。 3月5日を「3(み)5(こ)」と読む語呂合わせの記念日として「巫女の日」なるものが存在するが、 別に制定されたり認定されたりしている訳ではない。 追記・修正は神社の神主になってからよろしくお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 神様的には生娘じゃなくても良いという作品が多い気がするというより推奨してる気がする。 -- 名無しさん (2013-11-30 15 39 07) 東方の霊夢は旧バージョンか新バージョンで意外とこだわりを持つ人がいる。 -- 名無しさん (2013-12-08 09 42 51) 底辺国立大学の就活用資料室にあった就職先に巫女があって笑ったことあるわ -- 名無しさん (2013-12-08 11 42 18) 箒って巫女なの? -- 名無しさん (2013-12-08 12 02 44) ↑神社の娘って設定があったはず -- 名無しさん (2013-12-08 13 16 17) 巫女=処女だなんて方程式聞いたことないが -- 名無しさん (2014-01-15 17 25 03) ↑境内を掃除してるようなのはともかく、斎王見たいな「海外におけるシャーマン」に相当する人は常乙女でないといけなかったはず。 -- 名無しさん (2014-01-15 17 31 39) ナコリム姉妹は? -- 名無しさん (2014-01-15 17 51 32) ひぐらしの羽入とかもいいと思うの -- 名無しさん (2014-02-07 01 29 20) オーネットの結ちゃんもかわいいぞ! -- 名無しさん (2014-02-15 17 39 29) 戦国時代くらいの「歩き巫女」はまず処女いなかったんじゃないかと思う。 -- 名無しさん (2014-02-15 18 08 43) 萌えない巫女さん追加しようぜ -- 名無しさん (2014-02-15 18 19 03) 東方シリーズの霊夢は「貧乏」という属性もあるような・・・。 -- 名無しさん (2014-02-15 19 17 19) エロゲ方面だと陵辱系ばっかで巫女さんとイチャラブする作品が少なくて悲しい。 -- 名無しさん (2014-04-02 23 13 55) 緋弾のアリアには白雪以外にも粉雪を始めとして何人か姉妹がいるけどな… -- 名無しさん (2014-04-02 23 16 45) 武田の歩き巫女は聖職と言うより間諜だし、ある意味くの一なので、そりゃ処女ではないでしょうし、歩き巫女自体、祈祷や札の授与より売春が主な稼ぎであった節があります。 -- 茶沢山 (2014-04-12 12 24 59) 扶桑陸軍がノーカンorz -- 名無しさん (2014-05-06 20 37 15) ↑↑国境をまたぐ女性が関所を通りやすい&怪しまれにくいので「歩き巫女」を名乗ることが多かった。その中には売春婦やら間諜やらもいた…って聞いたんだが。まあ巫女だけじゃ食ってけないから売春婦もしてるってケースが少なくなかったとも聞いたけど。 -- 名無しさん (2014-06-08 01 50 29) ラブライブの東條?とかいうやつは違うのか?確か巫女さんだったよね -- 名無しさん (2014-06-08 02 07 32) ↑×2 だってみんな戦とかで大変な時に、一部権力者以外、祈祷やお札に大枚割かないですよ。普通の寺社仏閣も男昌をして生活した時代です。 -- 名無しさん (2014-06-17 18 08 22) 年末年始以外、あんまり見ないのが悲しい -- 名無しさん (2014-06-17 18 09 35) ↑望月千代女もハニートラップ要員のくの一養成してたって聞くし、非処女でないほうがおかしい。 -- 名無しさん (2014-09-07 16 49 39) まぁ私は巫女好きだが、キャラとしては「のじゃロリで性的な事には恥じらいがあるけど、いざ事が始まるとド淫乱の床上手」がいいですね。 -- 名無しさん (2014-12-15 20 16 21) 二次元巫女さん一覧の一番上が羅将神ミヅキなのは笑いどころなのだろうか。好きな人には申し訳ないが。 -- 名無しさん (2015-05-13 20 41 45) 実際処女か非処女かなんて神道では別にどうでもいいって、近所の神社の神主が言ってたんだけど、結構ほんとみたいだな。 -- 名無しさん (2015-05-13 21 05 29) ニンジャガ、DOA、その他諸々の紅葉がイヤらしくて好きです -- 名無しさん (2015-05-13 21 12 35) ↑2 実際、処女性を重視するような神って日本にはあんまりいないしな。 -- 名無しさん (2015-05-13 21 23 30) うーん、確か日本の巫女が処女である必要があるのは「神の妻の役割だから他の男性と結婚してる浮気になる」って理由の筈で -- 名無しさん (2015-07-02 23 13 39) ↑つづき 「(神の代弁者である)神主と結婚した場合のみ既婚であっても巫女を続けられる」って聞いた。 -- 名無しさん (2015-07-02 23 15 18) 巫女サクヤモンは二次元巫女に含まれないのですか -- 名無しさん (2015-07-22 02 52 31) そいつは二次元の二次元?って感じの奴だな… -- 名無しさん (2015-10-08 17 44 11) いわゆる巫女さんバイトは「助勤」と呼ばれる。雪の日だとバイトの女の子が巫女装束の下にヒートテックとか着込んでるけどあれはあれでなんかいいよね… -- 名無しさん (2016-05-09 17 28 18) 初めの方の巫女さんは紫袴と聞いたけどそれもいいなあ -- 名無しさん (2017-12-17 22 08 01) ↑10 ミヅキ様好きだが初見で思わず吹いてしまったから大丈夫だ しかし二次元巫女の元祖って誰になるんだろうな -- 名無しさん (2018-01-03 01 44 43) 追加 ミヅキ様は敵方ポジの巫女という意味でも貴重だな -- 名無しさん (2018-01-03 01 46 29) 霊夢は割と王道な巫女さんの要素からは外れた要素がおおいよね。芯は強すぎるくらいだけど -- 名無しさん (2019-01-02 18 39 07) 二次のお巫女さん大好き、並んでのんびりと過ごしたい -- 名無しさん (2020-01-01 23 21 33) ↑4 奇々怪界の小夜ちゃんではないだろうか -- 名無しさん (2020-01-01 23 30 39) ファンタジーの巫女さんはやたら露出多いよね… -- 名無しさん (2020-01-02 01 36 28) ↑16 むしろ戦とかで大変な時代だからこそ神仏にすがりたくなるものなのでは。まあ一般人にとっては戦よりも領主が出す税と田畑が豊作になるかのほうが大事 -- 名無しさん (2020-11-18 22 49 49) 銀魂の萌音(巫女)いわく「巫女なんてぐーたら祈ってればいいだけ」で阿音(こちらも巫女)曰く「巫女が好きな男は女にロマンでも持ってるのかしら」とのこと。辛辣な姉妹である。 -- 名無しさん (2020-11-18 23 30 34) 処女懐胎が持て囃されたキリスト教のシスターと違って日本は別に純潔を重んじる神はいなくて姦淫を禁止されるのはもっぱら男ばっかり(山の神が嫉妬するから童貞じゃないと山に入れないとか衆道の流行とかまさしく)。そこが海外の処女信仰と混ざって都合良く巫女=処女の風潮が作られたんじゃね -- 名無しさん (2022-01-13 17 16 37) 一応突っ込んどくけど東方の早苗さんは風祝(かぜほうり)っつー諏訪独特の神職で厳密には巫女ではないことに留意。尤もややこしいから巫女扱いでもいいと思うし属性的には完全にそれ -- 名無しさん (2023-11-03 23 13 25) ポケモンシリーズではモブトレーナーのきとうしが該当するけど、主要人物は後に中国地方をモデルにした作品が出たら登場するかもしれない。 -- 名無しさん (2024-01-13 13 54 30) 女性の和服は身体のラインが出ない作りになっている。ということを踏まえると比較的身体のラインが出る袴姿の巫女、身体のラインはおろか露出も出し放題のくノ一に人気が集まるのは当然なのだった -- 名無しさん (2024-07-01 07 34 12) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/chaos-tcg/pages/530.html
フィーナの侍従「ミア・クレメンティス」 読み:ふぃーなのじじゅう「みあ・くれめんてぃす」 カテゴリー:Chara/女性 作品:夜明け前より瑠璃色な 属性:光 ATK:0(+3) DEF:1(+2) Main 〔【スタンド】から【レスト】にする〕自分のデッキの上から2枚を見て、それらのカードを好きな順番でデッキの上に戻す。その後、カード1枚を引く。この能力は1ターンに1回だけ発動できる。 T:わたしは、フィーナ様のお側に仕えさせて頂いております C:姫さま、それは内緒に…… illust:オーガスト AU-004 T C 収録:トライアルデッキ 「OS:オーガスト1.00」 / ブースターパック 「OS:オーガスト1.00」
https://w.atwiki.jp/chaina_battle/pages/729.html
Template 日本の歴史? 大正(たいしょう)とは、日本の元号の一つ。明治の後、昭和の前。大正天皇の在位期間である1912年7月30日から1926年12月25日までの期間を指す。 改元 明治45年(1912年)7月30日 - 大正天皇即位の為、改元の詔書を公布、即日施行した。 大正15年(1926年)12月25日 - 昭和天皇即位の為、昭和に改元、同日は昭和元年12月25日となった。 出典 「大正」の由来は『易経』の「大享以正天之道也」(大いに享を正すをもって天の道なり)から。「大正」は過去に4回候補に上がったが、5回目で採用された。 大正年間の概要 thumb|300px|竣工当時の[[東京駅。1914年(大正3年)に完成した。]] 本時代は後世から振り返った時、大正デモクラシーに基づいた安定期として見られる事が多い。しかし、同時代的には、近代日本の象徴であった明治天皇の崩御、そして病弱であった大正天皇の即位、という不安感を拭きれない状況から始まったのである。また、大正期を通じて都市に享楽的な文化が生まれる反面、スラムの形成、民衆騒擾の発生、労働争議の激化など社会的な矛盾が深まっていった。 大正年間には、2度に及ぶ護憲運動(憲政擁護運動)が起こり、明治以来の藩閥支配体制が揺らいで、政党勢力が進出した。それは大正デモクラシーと呼ばれ、尾崎行雄・犬養毅らがその指導層となった。大正デモクラシー時代は、大正7年の米騒動の前と後で分けられることが多いが、米騒動後、初めて爵位を持たず、衆議院に議席を持つ平民宰相原敬が内閣を組織した。しかし、原はその登場期に期待された程の改革もなさないままに終わり、一青年により東京駅頭で暗殺された。普選運動が活発化し、平塚雷鳥や市川房枝らの婦人参政権運動も活発となった。大正14年には、普通選挙法が成立したが、同時に治安維持法が制定された。言論界も活況を呈し、天皇制と民主主義を折衷しようとした吉野作造の民本主義や美濃部達吉の天皇機関説などが現れた。大正12年に関東大震災が起こり、首都が壊滅的な打撃を受けたが、程なく復興した。震災後、山本権兵衛内閣が成立した。その後、第二次護憲運動(憲政擁護運動)が起こり、護憲三派内閣として加藤高明内閣が成立した。大正末期には、ベルサイユ・ワシントン体制に順応的な幣原外交(加藤内閣)が展開され、中国への内政不干渉、ソ連と国交回復など、一定の民主的な色彩を示した。 護憲運動と政治 明治末期にかけては軍部や元老山県有朋の下で藩閥政治が続いていたが、大正初期にかけては山県系列の桂太郎と比較的リベラルな西園寺公望が交代で組閣し、桂園時代とも呼ばれていた。明治45年、第2次西園寺内閣の陸軍大臣上原勇作が、内閣が2個師団増設を否決したことに抗議して単独辞任し、陸軍は後任陸相を出さなかったため軍部大臣現役武官制によって陸相を欠いた西園寺内閣は総辞職した。 その後、桂太郎が議会での交代のルールを無視して宮中侍従長から3度目の首相に返り咲こうとした。この桂の返り咲きに対して、都市部の知識階級を中心にその反発は強まった。そして尾崎行雄・犬養毅らによる憲政擁護運動(護憲運動]])が起こり、新聞の批判も起こった外、民衆が国会を取り囲む事態も生じ、ついには僅か数ヶ月で倒閣となった(第一次護憲運動、大正政変)。 このため山本権兵衛(第1次)に組閣の命が下った。立憲政友会の援助を受け、原敬内相の下、安定した政権運営を行った。軍部大臣現役武官制を緩和するなど、政党寄りの姿勢を示したが、シーメンス事件をきっかけに再び世論の反発を受け、最終的には貴族院との関係悪化から倒れた。 次いで元老井上馨の後押しにより、庶民的で大衆に人気のあった大隈重信が組閣した。1914年に勃発した第一次世界大戦では、加藤高明外相が中国に二十一か条の要求を提出した(対華21ヶ条要求)。 大隈内閣退陣後には、二大政党制を目指し、1913年に桂が死の直前に結成した立憲同志会が他党を取り込むかたちで憲政会へと拡大した。 これとほぼ同時に組閣した寺内正毅内閣が成立した。1917年のロシア革命でソ連が成立したが、日本は革命政権の転覆のためシベリアに出兵した。折から、大戦景気によるインフレとシベリア出兵をきっかけとして国内では米価が暴騰し、富山県から米騒動が起こり、全国に広がった。政府はようやくそれを鎮圧したが、シベリア出兵を推進した寺内正毅首相は退陣した。 代わって初めて爵位がなく、また衆議院に議席を持つ平民宰相として政友会の原敬が首相となり、1918年本格的政党内閣として原敬内閣が成立する。しかし、1921年に原が東京駅頭で一青年に暗殺された。 続いて政友会総裁となった高橋是清が首相となったが、政友会の調整能力に欠き、高橋内閣倒閣後は非政党内閣が続いた。 その後、関東大震災や虎ノ門事件の発生は、それまでの藩閥に危機意識を抱かせ、第2次山本権兵衛内閣が虎ノ門事件で倒れた後、枢密院議長から天下って清浦奎吾が内閣を組織しようとした。それに対し憲政会・革新倶楽部・政友会の三派は、普選の採用、政党内閣制の樹立を掲げて、藩閥・官僚勢力を主体とした政友本党に対抗した。護憲三派(憲政会、政友会、革新倶楽部)は選挙で勝利し、護憲三派内閣として加藤高明内閣が成立した(1924年、第二次大正政変)。 加藤高明内閣は1925年(大正14年)、普通選挙法を成立させ、ついに身分や財産によらず成人男子すべてに選挙権を与える普通選挙が実現することになる。普選は、婦人の参政権は認めず、生活貧困者の選挙権も認めないなどの制約があった。またそれは「革命」の安全弁としての役割も期待されていたが、それと同時に治安維持法を成立させ、「国体の変革」「私有財産否定」の活動を厳重に取り締まった。しかし、これによって政党政治が定着するようになった。この後、昭和7年に犬養毅内閣が五・一五事件で倒れるまで、政党政治が続き、明治以来の藩閥政治は一応終焉した。1932年の五・一五事件まで、政党内閣時代が続き(憲政の常道)、政治は、官僚や軍部を基盤にしつつも政党を中心に動いていくこととなった。 第一次世界大戦と景気 1914年には第一次世界大戦が勃発した。日本は直接的戦闘地域は殆どなかったにもかかわらず元老の井上馨はその機会を「天佑」と言い、日英同盟を理由に参戦し戦勝国の一員となった。 発生直後こそは世界的規模への拡大に対する混乱から一時恐慌寸前にまで陥ったが、やがて戦火に揺れたヨーロッパの列強各国に代わり日本と米国両新興国家が物資の生産拠点として貿易を加速させ、日本経済は空前の好景気となり、大きく経済を発展させた。特に世界的に品不足となった影響で造船業・繊維業・製鉄業が飛躍的に発展し、後進産業であった化学工業も最大の輸入先であるドイツとの交戦によって自国による生産が必要とされて、一気に近代化が進んだ。こうした中で多数の「成金」が出現する。また、政府財政も日露戦争以来続いた財政難を克服する事に成功する。 だが、1918年に戦争が終結すると過剰な設備投資と在庫の滞留が原因となって反動不況が発生して景気が悪化した。更に戦時中停止していた金輸出禁止の解除(いわゆる「金解禁」)の時期を逸したために、日本銀行に大量の金が滞留して金本位制による通貨調整の機能を失って、政府・日銀ともに景気対策が後手後手に回った。更に関東大震災による京浜工業地帯の壊滅と緊急輸入による在庫の更なる膨張、震災手形とその不良債権化問題の発生などによって、景気回復の見通しが全く立たないままに昭和金融恐慌・世界恐慌を迎える事になる。 震災復興 1923年(大正12年)には関東大震災が生じた。この未曾有の大災害に東京は大きな損害を受けるが、震災後、山本権兵衛内閣が成立し、その内務相となった後藤新平が辣腕を振るった。震災での壊滅を機会に江戸時代以来の東京の街を大幅に改良し、道路拡張や区画整理などを行いインフラが整備され、大変革を遂げた。またラジオ放送が始まるなど近代都市へと復興を遂げた。しかし、一部に計画されたパリやロンドンを参考にした環状道路や放射状道路等の理想的な近代都市への建設は行われず、日本は戦後の自動車社会になってそれを思い知らされることとなり、戦後の首都高速の建設につながる。一方、この震災に乗じて、暴動が生じるというデマが振り撒かれ、朝鮮人や共産主義者の虐殺が行われた亀戸事件などが起こったことや、震災直後の緊急対策であった筈の震災手形の処理を遅らせて不良債権化させた結果として金融恐慌を招いた事は歴史の負の側面であろう。 大正文化 大正時代前後に都市を背景にした大衆文化が成立した。今日に続く日本人の生活様式もこの時代にルーツが求められるものが多い。 東京においては、震災の影響が総じて少なかった丸の内、大手町地区にエレベーターの付いたビルディングの建設が相次ぎ、一大オフィス街が成立した。下町で焼け出された人々が世田谷、杉並等それまで純然たる農村であった地域に移住して、新宿、渋谷を単なる盛り場から「副都心」へと成長させた。それより先大阪では、おびただしい私鉄網が完成し、なかんずく阪神急行電鉄の巧みな経営術により、大阪平野に広大な住宅衛星都市群が出現した。東京帝大の卒業生の半数が民間企業に就職するようになり、「サラリーマン」が大衆の主人公となった。明治時代まで呉服屋であった老舗が次々に「百貨店」に変身を遂げ、銀座はデパート街へと変貌した。 明治神宮外苑に「神宮外苑野球場」ができたのが大正15年、その前年出発した「東京六大学野球」が愈々隆盛をきわめるようなる。「 b 大阪朝日新聞 /b 」、「 b 大阪毎日新聞 /b 」が100万部を突破して東京に進出、それに対抗した読売新聞も成長を果たして、今日「三大紙」といわれるようになる新聞業界の基礎が築かれた。大正14年3月には、東京、大阪、名古屋でラジオ放送が始まり、新しいメディアが社会に刺激を与えるようになる。震災で鉄道が被害を受けたこともあって、「自動車」が都市交通の桧舞台にのし上がり、「円タク」の登場もあって、旅客か貨物であるかを問わず陸運手段として大きな地位を占めるようになる。都市部では新たに登場した中産階級を中心に“洋食”が広まり「カフェ」「レストラン」が成長、飲食店のあり方に変革をもたらした。又、コロッケなどの登場によりそれまで洋食とは縁のなかった庶民の食卓にまで影響が及ぶこととなった。明治時代まで庶民に縁のなかった「欧米式美容室」、「ダンスホール」が都市では珍しい存在ではなくなり、男性の洋装が当たり前になったのもこの時代である。一方、地方(特に農漁村)ではそういった近代的な文化の恩恵を受けることはまれで、都市と地方の格差は拡大していった。 文学界には、芥川龍之介や白樺派の人道主義(ヒューマニズム)が台頭した。 このころまでに近代日本語が多くの文筆家らの努力で形成された。今日に続く文章日本語のスタイルが完成し、芥川龍之介、有島武郎・武者小路実篤・志賀直哉ら白樺派、中里介山の『大菩薩峠』や『文藝春秋』の経営にも当った菊池寛などの文芸作品が登場した。同時期の大正10年には、小牧近江らによって雑誌『種蒔く人』が創刊され、昭和初期にかけてプロレタリア文学運動に発展した。また大正13年には、演劇で小山内薫が築地小劇場を創立し、新劇を確立させた。新聞、同人誌等が次第に普及し、新しい絵画や音楽、写真や「活動写真」と呼ばれた映画などの娯楽も徐々に充実した。 社会問題 この当時、社会事業をめぐる議論が盛んとなり、米騒動後には政府・地方で社会局および方面委員制度の創設が相次いで行われ、それらの機関によって都市の貧民調査や公設市場の設置などが進められていった。 また大正八年には、第一次世界大戦を契機とした国民の思想・生活の変動に対処するという目的で内務省の主導による民力涵養運動が開始されており、後の教化総動員運動の先駆けともなる、国家が国民の生活の隅々まで統制を行おうとする傾向がこの時期から見られるようになる。 こうして大正時代において社会事業が活発となった原因として、小作争議の頻発や労働運動の大規模化など、地方改良運動に見られるような従来の生産拡大方針では解決不可能な問題が深刻化したことが指摘されている。 略年表 1913年(大正2年) 大正政変 1914年(大正3年) シーメンス事件、第一次世界大戦勃発 1917年(大正6年) ロシア革命 1918年(大正7年) シベリア出兵、米騒動 1919年(大正8年) パリ講和会議、選挙法改正 1920年(大正9年) 国際連盟設立 1921年(大正10年) 原敬首相東京駅で暗殺 1923年(大正12年) 関東大震災 1925年(大正14年) 治安維持法制定、普通選挙法 西暦との対照表 大正元年2年3年4年5年6年7年8年9年10年 西暦1912年1913年1914年1915年1916年1917年1918年1919年1920年1921年 干支壬子癸丑甲寅乙卯丙辰丁巳戊午己未庚申辛酉 大正11年12年13年14年15年 西暦1922年1923年1924年1925年1926年 干支壬戌癸亥甲子乙丑丙寅 その他 明治天皇が崩御して、新元号をスクープしたのが朝日新聞の緒方竹虎である。彼は記者時代の新元号スクープにより出世し、同社編集長、更に後には政治家へと栄転する。 大正を名乗る企業・団体・人物 大正製薬 大正大学 大正火災海上保険(後に三井火災海上保険。現三井住友海上火災保険) 大阪市大正区 日本大正村 大正九年(ミュージシャン) 大正薬品工業 大正薬化工業 家具の大正堂(ルームズ大正堂) 大正銀行 関連項目 大正デモクラシー 大正ロマン(大正浪漫) 阪神間モダニズム 出典 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』_2008年3月13日 (木) 12 21。
https://w.atwiki.jp/nocry/pages/255.html
愛し 「最近アンタ、オレのこと見ないよね」 夕食を終えたあとの、なんの気なしの会話を装って、そんな風に口が動いた。 チャトラがずっと聞きたかったけれど、言い出せなかった一言だった。 言って、テーブルを挟んで斜め向かいに座る相手をじっと見据えた。見つめた、だなんてやさしい見かたはしてやるつもりはない。チャトラの心境的には、睨んだぐらいの意気込みはあったはずだけれど、目の前の相手と違ってあいにく凄みがない。せいぜい見据えた、がいいところだろう。 ――そうかな。 相変わらず涼しい顔をして、心の動きを顔に出さないエスタッド皇帝は、頬杖を突いて窓の外へ目をやった。曖昧にうすく頬をくずしたようにも見えたけれど、微笑んだわけではなくて誤魔化しているだけだということをチャトラは知っている。 ああまただ、と思う。 今アンタは目を逸らしたよ。 そうして、いったいどうしたことなのだろうと思った。もしかすると、知らないうちに皇帝の機嫌を損ねるようなことをしているのだろうかと思った。 チャトラは下町生まれの下町育ちだ。お世辞にも「育ちが良い」とは言えない暮らしをしてきたし、自分でもその自覚はある。 であったから、皇宮のいわゆる建前だの、行儀だの、礼儀だのと言った格式ばったことはほとんど知らなかったし、皇宮に来て一年と少し経つけれど、身に付いたとも思っていない。 覚える気もあまりなかった。 それで良いのだと思っている。 もちろん、侍従長であるとか三補佐や評議会の重鎮といった「生まれ育ちの良い」人間が、自分のことを快く思っていないことも承知している。気付けないほど鈍くないし、気付いてそのまま放っておくほどチャトラは無神経でもない。 これでも皇宮に来たての頃は、郷に入ればなんとやらで、形式を一通り覚えようとしたのだ。たとえこれが皇宮で一番質素と言われようと、下町育ちにしては十分すぎるほどに贅沢を尽くした仕事着に着替え、建物の上から下まで目眩がするほどの模様や摸細工に囲まれて過ごし、その上「宮廷礼儀」とやらを習うことは、チャトラにしてみれば半分以上冗談と言おうか苦痛と言おうか、精神修行に近いものではあったけれど、自分の言動が相手に不快を与えるのならば、それはできる範囲で改めるべきだ。 そう思う。 だのに、習おうとしたとたんに皇帝の機嫌が悪くなった。 咎めたわけではない。あからさまに不快を表したわけでもない。ただ、むっとするとしか表現のしようがないような、不機嫌な雰囲気に陥ったことは確かだ。 「意味が判らん」 その時のチャトラの正直な気持ちである。 詳しく尋ねても応えてくれない。いつもの通りである。不満があるならはっきりと口にしたらいいのにと癇癪も起こしかけた。 その中で、のらりくらりとぼやかす皇帝の口振りから、どうも「宮廷礼儀」を自分が身に付けることを歓迎しているようではないと言うことだけは察した。そのままが面白いのだとそんな風に言っていたようにも思う。 であったから、その後は他の誰が渋い顔をしてもチャトラは極力気にしないできたし、それで良いのだとひとまず結論付けた。 だいじなことは言い方や腰の折りかた、頭の角度ではないと思えたからだ。 これが各国の要人、来賓貴賓の類と接する職務であるなら、やはり自分は態度を改めるべきだ。 けれどチャトラは別段エスタッドの公の場に顔を突っ込むつもりもなかった。皇帝自身もそれを望んではいないだろうと思っている。 と言うより、望まれたところで全く役に立たないと思う。 飛びぬけて知恵が働くわけでもない。多くの兵書を読んでいる訳でもない。実戦経験もない。剣を持たされたところで、及び腰で周りの人間の邪魔をするのがせいぜいだろう。 もちろん、武技の才能がなくとも、皇帝の周りに侍る人間はいる。 書の美しいもの。すばらしく見栄えがするもの。おどけた身振り手振りで皇帝の気晴らしを促す背足らずの道化。笛を吹くもの。弦をつま弾くもの。また、その管楽に合わせて即興で詩をうたえるもの。 そのどれもチャトラにはできない。もとより才能だと思っているので、真似ようとしたこともない。 チャトラが自慢できるものはと言えば、せいぜい掏摸の手先の器用さか、泣いた赤ん坊をあやす経験くらいのもので、この場合皇宮で全く必要とされていなかった。 その、皇宮に於いてまったく取り柄のないチャトラを、遠く離れた町から興味本位で連れてきてぽんと投げ入れたのがエスタッド皇である。 「おもしろそうだったから」 というのがその理由だったらしいが、聞いて呆気にとられた自分の気持ちも、せめて誰でもいいので、一人ぐらいには理解してほしいと思うチャトラだ。 タダ飯を食らうことには納得がいかなかった。自分は皇帝に飼われた犬や猫ではない。 「拾った」 そう言う風に皇帝は言うことが多いけれど、掏摸といえどもきちんと一人で生き延びていたわけで、捨てられていない。別に拾ってほしいと頼んだわけでもない。どちらかと言うと、 「無理やり連れてこられた」 が正解だと思う。当の皇帝はそう思っていないようだけれども。 そうして、何か仕事をくれと言ったチャトラに、皇帝の身の回りの世話と言う、聞いて何とはなしに意味合いが通じるものの、その実何をやっているのかと聞かれると説明に困る仕事を言い渡された。 つまり雑用だ。 皇帝は居住区画へ戻ってくると、自分ではほとんど何もしない。着替えの手伝いから浴場での背流し、居室の掃除、身の回りのものの洗濯、紅茶を淹れたり部屋の火を熾したり、一つ一つはたいした量ではなくとも雑用は意外と多い。それでも、寒さに凍える夜を迎えたり、食べるものにも困ってあたりに生えている草を煮て食べるような、そんな暮らしをしたことのあるチャトラにとっては、生ぬるい湯につかっているような生活だ。そのうちふやけるかもしれないと思う。 そんな、ふやけた雰囲気にひたっている間に、自分は皇帝が何か気分を害するようなことをしたのだろうか。 よく判らないな、と思った。なにしろころころと男の気分は変わったので。 けれど思えば、もうしばらくチャトラは皇帝と目を合わせていない。 自分が男を眺める時は、皇帝はどこか違う方向を眺めている。きっと意図的なものだ。 言いたいことがあるならきちんと口に出して言えよ。 皇宮に来てからもう何度目か判らない愚痴を、心の中で呟いて、なぁ、とチャトラは男に呼びかける。 (オレ、アンタになにかした?) 風に髪をなぶらせ、外を眺めている皇帝は何も言わない。 「……つまりどういうことなんだ?」 何の気なしに訪れた衛兵詰め所に知った顔を見つけて、腰を落ち着けることにしたチャトラだ。たまには愚痴りたい気分になることだってある。相手はラズと言う名のまだ若い騎士。一年前にチャトラが冬山で凍りかけた時にたまたま知り合った。年長者の多い皇宮の中では、割と目立つ若さである。 立ち位置で言うなら、皇帝直属の護衛であるディクスの、直下の部下のさらに下に就く。皇宮勤めであるのだから、一定以上の家柄ではあるのだろうが、爵位はそう高くはない。とは言え、「あの」ミルキィユの部隊に加わっていたこともあるのだから、才覚は決して悪くはなかった。鬼将軍とも呼ばれる彼女の行軍についてゆけずに脱落した、親の七光り、勲章、肩書きだけの人間がどれほどいたかという話である。 皇宮勤めにありがちな、裏の裏を読ませないような物言いもなく、真っ直ぐな気性がチャトラと意気投合した理由だろうか。そのあたりはよく判らない。人間同士が「気が合う」のに、理由は必要ないのかもしれない。直感的なものだ。 「あのひと、雰囲気変わったろ」 「皇帝陛下?」 「そう」 「ああ……どうなのかな、俺はあまりお側に寄ることもないから」 困ったように頬を掻いて、飲むか、と温めた麦酒を差し出された。冷える夜にはありがたい。礼を言ってチャトラは受け取った。 衛兵詰所というものが皇宮には東西南北四方の他にもいくつかあって、交代時間であるとか夜勤までまだしばらくの間があるものが、たむろっている。丁度ラズが準夜勤を終えたところに出くわしたのだった。他にも数人、談笑するものもあれば、黙って机に向かい見張りの報告書を仕上げるもの、軽食を急いで詰め込むもの、寝台のある上の階への梯子を上るものもいた。 万が一、皇都決戦ともなれば、彼らも職業軍人である以上武器を取って戦うのではあるけれど、通常の勤務は、皇都や皇宮の見回りであるとか見張り塔へ登っての監視。つまりは治安維持が主な役割で、その点前線に立ち駐屯地で八割野宿の、ダインたち騎士団とはまた少し空気が違う。 殺気だっていない分、とっつきやすいと言えるのかもしれない。 ある程度の緊張感はもちろん大事ではあろうけれど、治安を守る衛兵らが必要以上にぴりぴりと緊張していては、守られる側の都民であるとか皇宮に生活する人間が逆に安心できないというものである。 皇宮のあちこちへちょこちょこ顔を出すチャトラは、衛兵の中ではずいぶん顔なじみで、彼女が椅子に腰かけラズと壁にもたれて座っていても、対して誰も目にとめない。こうした雑多な雰囲気と、自分を特別視しない衛兵たちであるとか下働きの女たちがチャトラは好きだった。 好きと言うよりは、肩の力が抜けるというのかもしれない。 「たまに、回廊の辺りを散策されているのを拝見することはあるけど、そうそう近くに寄れないな」 「そっか」 麦酒をすすって膝を抱えるチャトラに、重ねてラズが尋ねる。 「どんなふうに変わったと思うんだ」 「……なんだろうな。見た目って言うより、なんか雰囲気が」 「雰囲気な」 「前からぼんやりしてて何考えてるのかよく判んねェ時があったけど、そのぼんやりしている時間が長いって言うか。なんか、オレのこと見てるけど見てないって言うか」 「見ていない?」 公務全部ブン投げて、お前と一緒に二日間一緒にいたのに? 不思議そうに言われて逆にチャトラが目を剝いた。どういう意味だと問う。 「チャトラがこっち戻ってきた日」 「祭りのあった日だよな」 「そう。生誕祭な。あの日、陛下、続きの式典だとか祝宴だとか、次の日の公務とか全部放棄して、部屋にお前と閉じこもってたって聞いたぞ」 ああ、やっぱりブン投げていたのか。 あの時ちらとだけ思った考えが当たっていたことが判ってチャトラは小さく溜息を吐いた。式典も宴も放り投げられて、担当者の涙目の姿が目に浮かぶ。くたびれていた自分は、何も考えず二日間眠ってしまったけれど、やっぱり外では大変なことになっていたらしい。 というか、目覚めてからしばらくも、もしかすると本気で二日間、扉の外も含めて廊下に人の気配がしなかった。来るなとかなりきつく言いつけたのかもしれない。 「よっぽど水入らずで過ごされたいのだなと、若くてヒマな俺は、若干あらぬ邪推をしたわけで」 一瞬好奇の入り混じった目で眺められて、は、とチャトラの喉から息が漏れた。 「ちょっとまて。邪推って何だよ?」 「そりゃお前、男と女が同じ部屋で二人きり、『きのうはお楽しみのようでしたね』ってヤツだろ」 「いや、ない」 ニヤニヤと意味深に笑われて否定した。 ラズは、皇帝が必要以上にチャトラを気に入っていることを知っていたし、チャトラ自身が皇帝を悪く思っていないことも知っている。実は皇宮の中でも、チャトラが皇帝の居室に寝起きしていることを知っている人間は、ごく一部に限られた。これは警護のためであるとか、チャトラの身の回りに危険が及ばないようにすると言った判断ではなくて、単にセヴィニア補佐官による、 「聞こえが悪い」 の一言で緘口されていたにすぎないのだけれど。 「オレ、ねてただけだし」 「寝てたって、」 「本気で、普通に、睡眠の方の。二日間」 「それだけ?」 「それだけ」 うん、と頷くと本当の本当に?と尚もラズが尋ねてくる。 「ご期待にそえなくて残念だけど、本当の本当になんもヤらかしてねェよ」 ああそうだ、と話しながらチャトラは思う。あの時から皇帝は少しおかしかった。彼女に触れるのを恐れるように手前で指をおろし、視線を逸らした。 そうして二日間、眠っている自分を見ていたのだと言った。 消えてしまうかもしれないと。 消えてしまうと言うのは一体どう言う意味なんだろうと思う。目の前から姿を消すと言った意味の?それとも、文字通り掻き消えるとでも思っているのだろうか。 幽霊や幻でもあるまいし、そう思ってからもしかすると皇帝はまさに「そう言う」目で自分を見ているのではないかと言うことにチャトラは気が付いた。 ……生きてるって思ってないんだ。 「そういえば、お前、こんなところでアブラ売ってて平気なの」 一息に麦酒を飲み干したラズが、膝を抱えたまま、ぼんやりと床を眺めているチャトラをちらと眺めて、そう言う。 「迷惑だった?」 「いや。俺はもう宿舎に帰って寝るだけだし、明日は半日非番だから、いくら夜更かししたってかまわないけどさ。この時間だと皇帝陛下が部屋にお戻りになられているんじゃあないのか」 部屋にいなくて平気なのかと、心配してくれたらしい。チャトラはあいまいに笑った。 「……しばらく、いない」 「え?」 「皇帝。一週間前の夜に発作起こして倒れて、医務室に運ばれたまま帰ってこない」 笑ったはずの頬が、明らかにこわばる感触が自分でもよく判った。 隣に座ったラズが、体を起こして覗き込んでくるのが判る。ニヤついた顔を引き締めてチャトラ、と彼女の名を呼んだ。 「よろしく、ないのか?」 「……わかんない。でも、ちょっと調子悪いだけだったら、自分の部屋でグダグダしてるから、運ばれたってことはあんまりよくないんだと思う」 言いながら指先が冷えてくるのが判った。 「そんなに顔色悪いようなカンジじゃなかったんだよ。メシはほとんど食べてなかったけど、別に珍しいことじゃないし、だけど部屋に戻る途中でいきなり倒れて」 皇帝よりも数歩先を進んでいたチャトラは、少し遅れて気が付いた。振り向いても、一瞬何が起こったのか判らなかった。皇帝の側へ膝を着き、呼びかけ様子を窺う護衛の騎士の姿を眺めて、ああ男は倒れたのだなと理解した。 床の上にうずくまる男を目にして、ぞっとする背筋の感覚と共に慌てて駆け寄り、息を呑む。 小刻みに震わせた体。喉を詰まらせたような吃音に似ている呼吸。上着を握った手の甲にまでびっしりと脂汗が浮いていて、触れるどころか声をかけることすら躊躇われた。 おろおろとし、騎士と同じように皇帝の傍らに膝を着きかけ、ここでは彼らの邪魔になるのではないかと立ち上り、やがて駆けつけた医師団が手早く処置を施してゆくのを壁際に下がって眺めながら、一言も声を発することなくただ黙ってチャトラは眺めていた。 皇帝の体は抱え上げられ、こわれものを取り扱うようにひどく丁寧に数人がかりで運ばれ、それも黙ってチャトラは見送った。 まだ皇宮に残って仕事をしていたらしいアウグスタ三補佐官が急ぎ足にやって来て、護衛していた騎士と何人かの従者、それとチャトラに向かって、今のことは公表するまで他言無用、と言い置いて、きた時と同じように去って行った。 黙りこくって見送った。 故意に黙っていたと言うよりは、言葉が出なかったと言う方が正しかったのだけれど、 「ああ……『たごんむよう』って、誰にも言っちゃいけないんだっけ。まずいな、オレ今アンタに言っちゃった」 「チャトラ」 「殴られるかな。アウグスタのオッサンだったら見逃してくれそうだけど、ラズ誰にも言わないでくれると助かるな」 「チャトラ」 この莫迦。怒ったようにラズが呟いて、それから乱暴にチャトラの両肩をごしごしと両手で擦る。 「お前、なんで最初にそっちを言わないんだ」 「……いやだって『たごんむよう』ってそういうことだろ」 「あのなぁ。一人で部屋にいるのが怖いから、お前ここに来たんだろ。陛下の雰囲気が変わったとかどうのじゃあなくて、不安でどうしていいのか判らないって、なんで言わない」 「だってよ」 もう一度無理に笑おうとした頬は、上手く上がってくれなかった。俯いた鼻の奥がつんと痛くなる。ごしごしと擦られた肩が、そこだけ温かかった。 「オレ、すげぇ心配だったけど、どうしていいか判らなくて」 「ああ」 「具合悪いのは知ってたけど、一緒にいるときでそこまでひどい発作起こしたの見たことなくて」 「ああ」 「大丈夫なのかって聞きたかったけど、聞いてもし良くないって言われたらって思ったら、どうしても聞けなくて」 「ああ」 「姉ちゃんみたいに、……姉ちゃんみたいに、動かなくて冷たくなっちゃったらどうし、」 さらに俯く。それ以上は言葉が出なかった。声を出したら、みっともない泣き声になってしまう。 それは嫌だった。 空を眺める。 チャトラの仕事である、「皇帝の身の回りの世話」の世話する当の本人がいなくても、昼間は探せばいくらでも仕事はあった。手伝いに奔走し、くたくたに疲れてそれでも目が冴えて眠れない。 広い寝台で何度も寝返りを打って、どうしても眠れないのであきらめた。 起き上がり部屋を出る。 扉の外に常駐する護衛も、今はその守る主がいないので、空席だ。皇帝が不在なだけで、居住区画はどうにも空ろな感じがする。 部屋を出て皇宮内の落ち着ける場所を探してうろついた。 裏庭の檜に上ったけれど落ち着かない。居住区から後宮へつながる、通路の大きな壺の後ろもいけなかった。厨房横の、木箱の間に座り込んでも駄目。馬房の藁の上も、洗濯場の衣類の山の中も、植物園の温室も尻座りが悪い。どこも、皇宮で見つけたチャトラの気にいった場所だったはずなのに、すうすうと空っ風が通っているような気がするのだ。 中央の見張り塔に上ってみたかったけれど、あいにくあの場所は、皇帝の許可がなければ塔へ通じる扉は開かない。 どこへ行っても落ち着かないのであれば、もうどこでもよいような気がして、半分ふてくされた気分で練兵場へ転がった。練兵場は砂地だ。特に何を敷いた訳でもなく寝転がったのだから、細かな砂粒の感触と共にごつ、と頭が地面にぶつかった。 砂は夜気にすっかり凍っている。 見上げれば満天の星で、よく目を凝らすと冬の空気に薄くぼんやりとした赤や白や青の星が、ちらちらとまたたいている。 チャトラの呼気が真っ白になって空へ上った。 つられて仰け反った瞼に、遠くの皇宮の明かりがしみる。夜は必要以上にあちらこちらで松明が焚かれた。一体どのくらいの油を使っているものか、それこそ燈火の芯を細く紙縒って節約するような暮らしをしていたチャトラにとって、火種ひとつだけでも十分に贅沢である。 大の字に転がる練兵場に訪れるものは誰もいなくて、時折巡回の衛兵の影がちらちらと松明に揺れるばかりだ。 とても静かだった。 「オレ、なんかしたのかなー……」 ここは誰も聞かない。誰にも聞こえない。だからそっとぼやいてみる。 星はたくさん見えたけれど、月は見えなかった。もうすぐつごもりであるから、見えても明け方になってしまうのだろうけれど。 そう言えば、よく空を見たなとチャトラは思った。 皇都から離れていた間の町の暮らしのことである。 皇都から離れて見る空は、どういうわけかやっぱり広くて、しばらくはその広さが嬉しくて日に何度も空を見上げた。 そのうち、広い空にも慣れて、ただぼんやりと過ごしたいときに空を眺めるようになった。 ぼんやりとするうちに、もしかしたら男もこの空を眺めていないかと思うようになった。同じ空を見ていたらいいのにな。 離れていたことに変わりはないけれど。 どうでもいいことを思い出しながら星を眺めていると、寒さで視界がぼやけた。冷えた眼球を守るために涙が滲んだだけ。自己防衛の生理機能。だというのに、チャトラは急いで目を擦った。自分が、泣きぐずっているように思えたので。 男が見たかった。 こんなに胸が痛くなるような気持は知らない。一方通行の片思いでもあるまいし、どうして空を眺めて涙目にならなければいけないのだろうかと悔しく思う。 あらぬ邪推をしたのだとラズが言った。そうだろう。自分だって、好きあっているらしい男女がひとつの部屋から出てこなければ、同じような妄想をする。ニヤニヤしながら「お楽しみのようですね」の一言も言いたくなるだろう。 (アンタ、どうしてオレのこと見ないの) すっかり冷たくなった腰を上げてぱんぱんと尻を叩き、それから唐突に皇帝に会いに行こうとチャトラは思った。 こんな真夜中で、面会の約束の一つも取り付けていない状況で、会わせてもらえないことは十分判っていたけれど。 皇宮内から行くのは端から諦めた。あちらは、「正式な」許可の取り付けがなければ、何ひとつ自由にならない場所だ。チャトラが頼めるとすれば三補佐官か侍従長のどちらかになるが、夜中である。どちらも休んでいる。朝まで待っても良かったけれど、今見たいと思った。 練兵場から、皇帝が運び込まれていった医務室までは割と近い。窓から少し離れて、枝ぶりの丁度良い木が生えていたような気もする。 登れば、部屋の中が覗けるかもしれない。 きっともう眠っているだろうけれど、それでもいいと思った。 近付いた窓は上から見下ろすよりも下から見上げる方が高い。手ごろな木があったはずだとチャトラは辺りを見回した。 植えられていた木は思っていたよりも窓から遠かった。もっと近くに植えられていたような気がしたけれど、中から眺めた光景とずいぶんこれも違う。もっとも、医務室に連れ込まれたのは、破落戸(ごろつき)の棍棒で頭を割られかけた一度きりで、記憶と違うのも仕様がないことなのかもしれない。 昼寝をするのにちょうどいい高さの木は、今は冬枯れによって葉を全て落としていて、ごつごつとした木肌の感触だけが生々しい。とっかかりにつま先を入れながら器用に上って、どきどきとしながらチャトラは部屋の中を覗き込もうとした。 「何をしている」 だのに、覗き込みかけたチャトラの背後から聞こえた声は容赦なく冷徹で、ざっと神経の高ぶりが醒めるとともに、次いでうんざりとした気分が襲ってきた。 どうしてこんなタイミングでコイツがでてくるのだろう。絶妙と言うなら絶妙すぎる。最悪だった。 「射殺されたくなければすぐに降りろ。待たぬぞ」 「……なんでアンタがここにいるんだよ……」 「それは私の方が聞きたいが。何故こんな真夜中にここにいる」 部屋でおとなしく休むことすらできないのか、軽蔑された口調は相変わらずで、しぶしぶチャトラは木からずり落ちた。 補佐官の一人セヴィニアである。チャトラとの相性は絶望的である。言葉の齟齬だとか見解の相違などではなくて、根本的にウマがあわないのだ。 どうしたって目に入るだけでイラつく人種、というものも世の中にはいるのだ。 「娘」 「なんだよ」 「死にたくないなら、次からは無用心に窓から中を覗く行為はやめることだ。衛兵が見咎めたら問答無用で射るぞ」 「……悪かったよ」 反論する気力も今はない。ただ男の顔が見たいと思っただけなのに、見られないどころかこうして最悪な相手と対面して説教を食らっている。言っていることはいちいちごもともだけれど、なんだか悲しくなった。 「……部屋に戻るよ。それでいいんだろ」 「できれば部屋に戻らず、そのまま皇宮を出て行ってくれるとありがたいが」 「容赦なく最低だなアンタ」 「お前に手加減したところで何の恩得もあるまい」 ついてこい、と言外に促され、どこへ向かうか判らないが仕方なくチャトラはセヴィニアの後を追った。逆らえばきっと容赦なく平手の一発も飛んでくる。相手を殴ることにためらいを感じていない人種。 そう言う人間もいるのだ。 「アンタ、こんな時間まで仕事してたのか?」 黙って彼の後ろを付いて行ってもよかったのだけれど、黙っていると落ち込んだ気分がますます落ち込んでいきそうだった。ウマの合わない人間と、話をしたところで頭に来るだけだと言うことはチャトラにも十分判っていたけれど、黙っているよりはマシだと思った。 怒りの方が原動力にもなる。 「……答える義理もないが。緊急事態であるからな。皇帝補佐官とはもともとそうしたものだ」 「アウグスタのオッサンも?」 「アウグスタ公とは、交代で陛下の御部屋に詰めている。一人欠けて……手間も増えた。煩わしい」 「……ノイエさんって、どうなったの」 「聞いていないのか」 ちら、と肩越しに初めてセヴィニアがチャトラを振り返った。うん、と素直に頷くとでは語ることは何もないと返される。 「なんだよそれ」 「陛下が仰られておらぬことを、私の口から告げる訳にもゆくまい」 「聞いても教えてくれねェし。さぁとか忘れたとか」 「……莫迦なことをしたものだ」 吐き棄てるように呟いて、セヴィニアはまた前を向く。その莫迦なことをしたと言う言葉が、自分にではなくノイエに向けてはなったのだと言うことに気が付いて、おやと思った。セヴィニアは存外ノイエを気に入っていたのかもしれない。 いつも穏やかに微笑みながら、どこか寂しそうだったひと。 自分のことを好きだと抱きしめてきたひと。 脅すつもりはなかったのだと言葉と矛盾した刃をかざしながら、すまないと謝ったひと。 「補佐の地位は剥奪されておらぬ。無事に生きている。ただ、都へ戻るのは遠い先になると思うが」 「そっか。……生きてんのか。だったらよかった」 「殺されかけたのだろうに」 詳しい安否を教えてくれる気はないらしい。それでも生きていると聞いただけでどこかほっとした。無事に、と付け足したことがセヴィニアの最大限の親切心かもしれない。 ほっとしたチャトラが気になったのか、不審そうな声音でセヴィニアが尋ねた。 「うん、まぁ、そうなんだけどな」 言われてみればそうかもしれない。 「でも嫌いじゃなかった」 どこかで元気でいてくれるといいと思った。 「陛下に関してもそうだろう。……もしかして、お前は我々の常識から大きく外れた性癖か何かを持しているのか?」 「は?」 「なぜ逃げぬ」 「なんでってどういう、」 言われた意味が判らなくてチャトラは数度まじろいだ。 何しろセヴィニアの言葉は、皇宮特有の「まわりくどい」言い方が多くて、何を指し示して言われているのか、判らないことがある。 「……ダイン卿がお前を引き取った時に事情はあらかた聞いた」 本気で首を捻ったチャトラを見て、またぽつりと肩越しにセヴィニアは言葉を漏らす。 「服毒し、死にかけたお前が皇都を去るのは当然の流れだと思えた。止める気もなかったが、再び戻ってくる神経が理解できん」 「……ああ、まぁ、たしかに……そうだよな……」 苦しいことも痛いこともチャトラは嫌いだ。縛られ、刺されて、明らかにおかしかった人間をただじっと見ていることしかできなかった、自分のみじめさは忘れない。 あの時と同じように皇帝が変貌していってしまったらやはり怖いし、本音を言えば逃げたい。 「そんなに陛下の気を惹きたいのなら」 「え?」 「そんなに陛下の気を惹きたいのならば、紅の一つでも挿せ。しなを作り、後宮に居を構え、媚を売ると良い」 「アンタ、オレが口紅塗ってヒラヒラした服着て色っぽいポーズとって、それ似合うと本気で思ってんの」 「おぞましいな」 「じゃあ言うなよクソ」 からかわれたわけではなく割と本気でぞっとしたらしい。頭を振ったセヴィニアにむっとして、チャトラは舌打ちをする。 舌打ちしたまま、不意に足を止めたセヴィニアの背に、鼻からぶつかりそうになって慌ててつんのめった。 「……っきなり止まんなよ!」 「喋るな。動くな。いっさいの音を立てるな。できることなら呼吸もするな」 腹を立てかけたチャトラへ一切の反論を許さない確固とした口調で、セヴィニアが指を突き立てる。 先を制されて一瞬ひるんだチャトラをそのまま目でさらに押さえて、そうして空気を揺らすことすら怖れるように、セヴィニアは細く扉を開けた。 「なん」 なんなんだよ。 言いかけたチャトラはひょいと開かれた扉の隙間から中を覗き込み、そのまま声を失う。 細く開けられた扉の隙間から見えた、部屋の内部。 明り取りのために炎を絞られて設えられた燭台の僅かな明かりに照らされて、エスタッド皇の姿が垣間見えた。 やわらかな羽枕に埋もれて目を閉じ、死んだように動かない。けれど息を殺してじっと見ているチャトラは、男の胸板が静かに上下していることを見止めた。 (アンタ、いた) 細く開けられた扉は、開けたセヴィニアの手によって同じように手早く閉じられて、それ以上中を伺うことはできなかったけれど、 「二日前に容体が落ち着かれた」 「……うん」 「まだしばらく部屋にお戻りにはなられないとは思うが、このまま安定されるだろうと言うのが医師団の意見だ」 「……うん」 「十分だろう。見たのならとっとと部屋へ戻れ。余計な場所へ顔を出すな」 「……うん。ありがと」 熱くなった瞼をチャトラはこする。 仕事を増やすな。 決して親切心から皇帝を見せたわけではないだろう。釘を刺して去っていくセヴィニア相手に、出来れば何か気の利いた憎まれ口の一つでも叩ければ上等だったのだけれど、それ以上言葉は出なかった。 言われた通り真っ直ぐ部屋へ戻る。 戻った皇帝の居室に、いつも男が付けている練り香水のにおいがした。嗅いでチャトラはなんだか胸がいっぱいになった。 (20111006) --------------------------------------
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/2730.html
315 :ひゅうが:2014/11/01(土) 07 55 47 ※ 本作はフィクションです。実在の人物・団体には一切関係ありません。 戦後夢幻会ネタ―――閑話「その時歴史が動いた~日本放送機構のある番組から~ その3」 昭和20年1月、最高戦争指導会議は本土決戦と、それを可能な限り避けることを目的として日本本土沖合において米侵攻軍の撃滅を図るという二つの方針を決定。 その方法として夜間航空攻撃と潜水艦隊による攻撃、そして水上艦隊による決戦をとることを決定します。 このとき、降伏をも許容する方針が公然とささやかれ、「講和追求」の一文が国防方針に追加されたのが和平派最大の成果となりました。 このとき、どこからともなくささやかれ始めた言葉があります。 「海軍に、もう船はないのか。国民を守ることはできないのか。」 この言葉は、昭和天皇が海軍の不甲斐なさを嘆いていったとされ、陸軍は瞬時に沸騰。海軍もこの言葉に押されて最後の決戦を考え始めます。 ですが、それに疑問符をつけた人物がいました。 宮内省侍従 徳川義寛。 阿部たちの一派と宮中とのつながりを作っていた人物です。 また、彼の縁戚に水戸徳川家の徳川圀順がいたことから彼は政界にも顔が利く人物でした。 そんな彼だからこそ、議会や軍内部でささやかれる噂を気にしていたのです。 彼は、まったくそのようなことを聞いた覚えがなく、入江侍従や藤田尚徳侍従長もまた同様であったのです。 ならば、それはどこで? 答えは意外なところから出ました。 都内の料亭。 あえて阿部たち一派が会合の場所としていたあの場所です。 そこでくだを巻いていたある近衛師団の士官一派が大声で「こういっているに違いない!」と言っていた事柄が伝言ゲームのように隣りの別の士官に伝わり、それがさらに誇張されて広まっていったのです。 陸軍の強硬派の一派はここぞとばかりにこれをあげつらい、海軍が不甲斐ないために苦境に陥っていると宣伝します。 陸軍の多くも、これには口をつぐみました。 事実かどうかを確かめずに。 昭和20年2月のある日、陸相東条英機大将のもとを、阿部は訪ねました。 このときのことを、阿部は記録に残していません。 ですが家人の回顧録によると、彼は憲兵隊の所属らしい士官と民間人を連れて東条宅を訪ね、しばらく誰も通すなと念を押したといいます。 お茶を持って行く前に数分間怒鳴り声が続き、やがて、それから長く一行は話し合ったといいます。 彼らが帰った後、東条は青ざめた顔で考え込んでいたといいます。 この翌日、東条大将は即座に宮中へ参内。 数刻のちに近衛師団長を訪ね、すさまじい剣幕で彼を叱責しました。 「おそれ多くも主上の言葉を捏造し、統帥権を壟断しようとするは何事か! 主上の言葉を借りて外野からはやし立てるとは何事か!!」 東条大将は、陸軍のおさえとしての役割を期待され、その高い忠誠心を評価されて首相となった人物です。 そんな彼にとり、このようなことを利用して政治闘争に使おうとする動きは許せるものではなかったのです。 彼を激怒させたのは、彼が自分の腹心と考えていた人々がこの動きに積極的にかかわっていたことでした。 東条は、決意を固めます。 昭和20年3月31日、憲兵隊は日本全国はもとより占領地においても、強硬派とされた士官や不穏分子の一斉検挙を断行。 同日、この騒動の責任を取り、小磯国昭内閣は総辞職します。 かわって首相となったのは、枢密院議長であった退役海軍大将 鈴木貫太郎。 日露戦争においては海軍随一といわれた武勲を上げた人物です。 陸軍大臣に経戦派ではありながらも政治色が極めて薄い阿南惟幾大将を、引き続き海相兼副総理として米内光正を、そして外相に東郷茂徳、無任所の国務大臣として宇垣一成退役陸軍大将を起用するという陣容は明らかに和平を意図したものでした。 しかし、海軍による最後の米艦隊迎撃計画と陸軍による「本土決戦作戦」を統合した天号作戦はこのときまでにほぼ完成。 さらに、4月4日に米海軍が泊地を抜錨したとの報告は和平を言い出すには極めて不都合なものとなりました。 316 :ひゅうが:2014/11/01(土) 07 57 01 ここで時間を少しさかのぼります。 昭和20年初頭時点で、アメリカ海軍は二つの作戦計画をたてていました。 ひとつは、失敗したフィリピン諸島への再侵攻作戦。 そしてもうひとつは、野心的な沖縄方面への侵攻による日本側抗戦能力の破壊です。 すでに、レイテ沖海戦とほぼ同時に実施されたマリアナ諸島攻略作戦、そしてフィリピン攻略の前線基地となるパラオ攻略作戦はアメリカ側の成功に終わっていました。 撤退を完了したトラック環礁もすでにアメリカの手に落ちています。 この点からすれば、フィリピン諸島を攻略することが定石です。 ですが、日本海軍がいまだ有力な艦隊を有し、さらには台湾の航空隊に加えて後方に日本本土という兵站基地を擁するフィリピン、そして10万名近い犠牲を払ったという事実は再度の侵攻に否定的な意見を特に陸軍に抱かせています。 そのため、アメリカ陸海軍は、マリアナ諸島からさらに北上して小笠原諸島を攻略。長距離護衛戦闘機を戦略爆撃隊に随伴させて日本本土へ爆撃と機雷投下を行うという順当な作戦をたてようとしていました。 しかしここで彼らにとっての誤算が起きます。 アメリカ議会の一部がこの悠長な作戦に疑問符をつけたのです。 なるほど確かにこの作戦を継続すれば、7月までには日本海軍の作戦行動能力は大きく阻害され、日本列島は海上封鎖状態となる。 そこで一気に沖縄を攻略し、返す刀で9月には日本本土に上陸するとなると、必ずやソ連の存在がネックとなるだろうと。 確かにその通りでした。 ソ連がこのとき対日宣戦布告の準備を整えていたことをアメリカ側は知らず、その参戦の可能性について大きな疑問符をつけていたのです。 「下手をすれば、日本軍と死闘を演じる中で単独で友好条約を締結し一気に日本列島を赤化してしまうかもしれない…」 それが、アメリカ国務省の一部や議会の与党民主党の懸念となっていました。 これは野党共和党も同様です。 彼らは逆に、ソ連が日本本土に対し火事場泥棒を働くのではないかと危惧していました。 すでにこのとき、末期症状を呈しつつある欧州戦線において、ソ連は共産党による自治委員会を次々に設立。 ポーランド亡命政府をはじめとする諸国の厳重な抗議を受けていました。 ことにフランス共産党が自由フランスを否認する方針をとったこと、それは反共的なでマッカーサー元帥率いる欧州戦線主力軍の後背を脅かす深刻な事態でした。 このため、海軍の一部では戦争の決着を一気につけるべく、南西諸島から東シナ海を封鎖できる「沖縄侵攻」が俎上に上がります。 いまだに日本本土周辺における通商破壊戦は目立った成果を上げておらず、南方からの輸送船団を直接機動部隊によって航空攻撃することを彼らは考えていたのです。 これを大いに後押ししたのは、合衆国艦隊司令長官 アーネスト・キング元帥。 彼は、「本来海軍の戦争である」この戦争を主導しようとしていたマッカーサー元帥がフィリピン戦の敗北により欧州へ転出することになったことを機会に、一気にこれまでの海軍の敗北を挽回しようとしたのです。 陸軍にとっても、この沖縄作戦は来るべき日本本土上陸作戦の前哨戦となり、また対日戦での失点を回復する機会にもなります。 沖縄本島は小笠原諸島のような海兵隊の戦場と比べて広大で、陸軍の活躍の余地がありました。 台湾という案もありましたが、ここはフィリピンに加えて大陸に近く、日本側が大陸に展開する部隊を増援として送り込んでくることを彼らは警戒します。 この時点でも中国大陸沿岸部はほぼ完全に日本側の手に落ちており、そこへの侵攻は躊躇われたのです。 かといって、素直に海軍に賛同するのも腹立たしい。 そこで、陸軍は護衛戦闘機隊の基地となる硫黄島と沖縄の同時攻略を提案。 キング長官はこれに賛同しました。 ところが、今度はアメリカ海軍がこれに反対します。 「あまりにも日本本土に近すぎる」 というのがその理由です。 確かに、作戦は投機的となります。まだ日本本土の封鎖も万全ではありません。 せめて7月に、というのが彼らの意見でした。 ですが、そうなると日本周辺は台風の通り道となります。 それに9月以降となる日本本土侵攻を前提とすれば、これでは間に合いません。 結局、政治的・軍事的な理由によって作戦発動時期は4月とされました。 さらには、キング元帥はこの一撃により戦争を終結させることができると議会秘密会で力説。 さらには、日本本土において重大な震災が発生し生産力に著しい障害が発生したことが計画を後押しします。 陸軍もこれを支持したことから、作戦案にはゴーサインが出されました。 317 :ひゅうが:2014/11/01(土) 07 57 48 作戦名は「アイスバーグ」。 発動準備段階となった3月、さらにこれを後押しするしらせが入ります。 小磯内閣が崩壊、穏健派といわれた人々が主導権を握る鈴木内閣が成立したのです。 アメリカは、日本国内の戦争継続能力がついに失われたと判断しました。 「1か月後には戦争は終わっている」 南太平洋のウルシー環礁から出撃していった兵士たちはそうささやきあったといいます。 一方、阿部俊雄大佐は意外なことに東京にはいませんでした。 彼は、前年末から、横須賀で建造が進んでいた航空母艦「信濃」の艤装委員長としてその建造に責任を負い、艦長を拝命していました。 6月に予定されていた艦隊への編入を目指して訓練に励む阿部は、4月に予想された小笠原諸島侵攻には間に合わないと覚悟を決めていました。 昭和20年初頭に就役したばかりの「信濃」はいまだ錬成の途上であり、艦隊とともに行動することはできなかったのです。 そして同時に、彼が予想していたように連合艦隊丸ごとが壊滅するような事態となった後で停戦が成立したとしても、それがすんなりいくとは考えていませんでした。 そのため、航空母艦「信濃」とその航空隊は残存艦隊とともに国内の不穏分子やソ連海軍への抑止力となり逆クーデターなどの事態を阻止すべきであると考えていたのです。 そのため、阿部は3月3日付で「信濃」の次期作戦への投入は不可能とする報告書をもって軍令部を訪問。 これを認めさせています。 阿部は「死ぬのが惜しいか」と罵声を浴びせられました。 「ならば、私を第2艦隊参謀に任じてください。小笠原沖で断じて勝利を掴み、立派に武蔵の後を追ってみせましょう。」 このとき、阿部は懐に忍ばせていた信濃艦長解任願いを、軍令部の福留繁少将に叩きつけています。 これには福留少将も目を見張り、「貴官の覚悟を見誤った。御見事である。この上は私もそろって大和艦上にあり、ともに勝利を掴もう」と答えたと、のちの首相であり当時阿部の副官をつとめていた田中角栄中尉は日記に記しています。 このとき、すでに阿部とその一派は公然と上層部の支持を得て終戦の最後の一手を打っており、もはや彼自身がやることは残っていなかったのです。 ですが、米内海相はそれを許しませんでした。 「勝利を得るのはよいだろう。だが、それで責任をとったことにはならぬ。 君は生きて終戦後の日本に責任を持たねばならぬ。 生きて国民からの罵声を浴びつつ、将来の海軍の再建につとめてもらわねばならぬのだ。」 米内は手元の紙をとると、こう書き記します。 「命令 自決を許さず。」 阿部は、それを米内の遺言のようだと考えたといいます。 このやりとりは、米内流の気遣いであったのではないかと田中角栄は述べています。 米内が記したという人物評にはこうあります。 「阿部俊雄 かの者、性極めて狷介孤高。しかして賢友を集む。故、死するに惜しむ。」 極めて頑固であるが賢明な友人が多く、そういう人間が周囲に集まる。 ゆえに、死なせるには惜しい。 米内は、同様の評価をかの山本五十六にも下しています。 そのため、陸軍強硬派の暗殺を恐れて山本を連合艦隊司令長官に親補したという過去をもっていました。 戦前と、終戦前夜、彼は同じ判断を下したのでした。 一方、陸上へ上がった連合艦隊はその司令部を横須賀鎮守府内に置きました。 東京に近い三田の地下壕への移転が取りざたされても、司令長官の南雲忠一大将はそれを容れずに、密かに進行中であった大本営機能の長野県や奈良県への移転構想へ注力させるかわりにこの施設を使い続けたのです。 そのため、訓練中であった空母信濃艦長は、同僚となった源田実や同じく和平派グループを構成していた高田利種連合艦隊参謀長とともに迎撃作戦を練り上げていきます。 作戦は、可能な限りの打撃を米艦隊に与え、かつ陸軍の本土決戦派に自由にこれを使わせないという副次的な目的をもって立案されました。 陸海軍首脳部からどこからともなく出たこの目的に、参謀たちは眉をひそめたものの可能な限りの戦力投入を目指して作戦を煮詰めていきます。 その名目として、海軍が立案中であった本土決戦作戦の名称をとり作戦名は「天号」とされました。 南北朝時代の名将楠正成の旗印からとられたその名称は、作戦の本質を極めて如実に表していたといえるでしょう。 しかしこの名目上、陸軍航空隊をはじめとする人々は全力で海軍に協力する義務が生じます。 とりわけ本土決戦派であった士官たちは、ついに海軍が本土決戦に腹を決めたと考えて無邪気に歓迎し、協力の目くらましとなったといいます。 318 :ひゅうが:2014/11/01(土) 07 58 34 ですが、彼らは米海軍の攻勢正面を絞りきることができませんでした。 なんとなれば、アメリカ海軍の戦力はこの時点ですでに日本海軍を圧倒しつつあり、予想された小笠原方面と沖縄・台湾方面と同時進行すら可能であるのです。 そのため、「天号作戦」は4つの方面について立案が行われました。 このうち、沖縄方面を「天1号」、小笠原方面を「天2号」、台湾・フィリピン方面を「天3号」、本土・北方方面を「天4号」と区分しています。 中でも力が入れられたのが、天1号と天2号作戦でした。 作戦は単純明快。 本土や島嶼の航空隊による全力支援下で、囮艦隊となる空母機動部隊の残存艦隊を出撃。 これの挟撃により一時的に米空母機動部隊の作戦能力を麻痺させ、その間に全力で主力となる戦艦部隊は上陸橋頭保に対して突入。 その過程で水上艦隊を、可能なら輸送船団と敵の陸軍部隊を壊滅させる。 また、後方に潜水艦隊を展開させ、補給・修理能力を奪う支作戦「剣号作戦」も同時に立案されました。 このうち、沖縄方面への天1号作戦はまだ成算がありました。 九州や奄美諸島に展開する航空部隊の攻撃圏内であるためです。 ですが、小笠原方面における天2号作戦は、伊豆諸島という狭い拠点の限界、そして距離が連繋攻撃を困難にしていました。 このことは当然ながらアメリカ側も承知しているはずで、可能性としては硫黄島・小笠原方面へ6割、沖縄方面3割、同時多方面侵攻1割と当時の連合艦隊は考えていたといいます。 今後の成算を昭和天皇の前で問われた古賀峯一大将の言葉が、当時の状況を暗示しています。 「湊川です。」 4月1日、米軍は硫黄島に対し上陸を開始。 連合艦隊は「天号作戦準備」を命令。 本土各地の航空部隊に関東集結を命令します。 呉および佐世保の連合艦隊主力は、直ちに出撃準備に入りました。 「天2号作戦」の第一段階である航空攻撃「菊水作戦」を待ち、連合艦隊は突入準備に入る…はずでした。 ですが、4月7日、思わぬ報告が連合艦隊を揺るがします。 「アメリカ海軍、沖縄に来襲。慶良間諸島に上陸を開始。機動部隊および水上艦隊主力を伴う。」 「いけるかもしれん。」 主力艦隊を率い、沖縄突入を担当する宇垣纏第2艦隊司令長官が呟いたように、日本海軍の絶望的な雰囲気にひとつの炎がともりました。 硫黄島に上陸した戦力は比較的少数であり、艦砲射撃を実施していたのは大型巡洋艦や生き残った旧式戦艦。 対して、沖縄には鉄の暴風雨ともいわれる主力機動部隊による攻撃が加えられていたためです。 この場合、攻撃正面は沖縄方面に限定されます。 困難な防衛戦に備えてマリアナ沖開戦以来延々と続けられていた島の要塞化は完了しており、物資の備蓄を完了していた硫黄島は半年以上の持久が可能と見積もられていました。 対して、疎開が進んでいたとはいえ、急きょ北部への着の身着のままでの避難を実施した沖縄は県民30万と防衛部隊4個師団8万名が救援を待っています。 「行くぞ。沖縄へ。」 宇垣長官の掛け声とともに、「天1号作戦」の発動が宣言されたのは4月10日。 連合艦隊主力の進撃を側面支援すべく、横須賀に残存していた航空母艦「信濃」は、護衛の駆逐艦とともに伊豆諸島沖へ向かい、米艦隊の目を引き付ける命令を受けました。 活気づく連合艦隊司令部をあとにした阿部は、対潜戦の専門家という評価の通りにこの後5日ほどで5隻の米軍潜水艦を護衛部隊とともに撃沈することになります。 さらに関東に展開した航空部隊は九州の航空基地群へと移動を開始し、アメリカ機動部隊による九州空襲に対して防衛戦を開始します。 それは、戦艦大和が沖縄へ到達する、8日前のことでした。
https://w.atwiki.jp/marowiki/pages/1856.html
目次 【時事】ニュースせらせら セラセラ serasera RSSせらせら セラセラ serasera 口コミせらせら セラセラ serasera 【参考】タグ 最終更新日時 【時事】 ニュース せらせら 人権作文コンテスト 東北海道最優秀賞の札内中・佐藤さんを表彰 幕別(十勝毎日新聞) - kachimai.jp 特殊詐欺被害防止へ 大学生ら啓発動画制作 寸劇で分かりやすく(毎日新聞) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース コスプレイヤー・せら、「鬼滅の刃」竈門禰豆子コスを披露!「かっこかわいい」「Perfect」と国内外のファン沸騰 | ニュース - ABEMA TIMES 全国高校駅伝:輝け町の宝、世羅高 応援イルミ点灯 /広島 - 毎日新聞 コスプレイヤー・せら、「かのかり」更科瑠夏コスに「そっくりで可愛い」「表情が完璧すぎる」と反響 | ニュース | ABEMA TIMES - ABEMA TIMES 昭和天皇「顔が紅潮ご興奮」 開戦議論後 百武侍従長日記の主な記述 - 朝日新聞デジタル 山の恵み”ありがたく 里山再生へフル活用 多彩なワークショップ/兵庫・丹波篠山市(丹波新聞) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「命だけは助かるだろう」と思っていた貴族たちを次々と処刑…承久の乱を終えた北条義時が行った“過酷すぎる戦後処理”の実情 - 文春オンライン 冬の高校総体!沖縄県勢へエールを!!ラグビー読谷・駅伝北山 - HUB沖縄 フジ三田友梨佳アナ、自家製パンが「プロレベル」 出来栄えに称賛の声「お店が出来そう」(ENCOUNT) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース つば九郎「かんどうしました」 急きょ神戸参戦の背景に高津監督とのドラマ ノムさん笑顔も見えた(スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 青森山田 FW渡辺星来(せら)がハットトリック シュートに磨き「率直に言って、本当にうれしい」 - スポーツ報知 渋沢栄一は幕末当時「岩崎弥太郎」をどのように見ていたのか?(歴史人) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【生物工学科】醸造責任者として初めて醸したワイン - 福山大学 オートキャンプ場、続々開設 備後地方 絶景、星空を満喫 コロナ禍で需要増 /広島 - 毎日新聞 キリッと冷やして せらワイナリー限定ヌーヴォー /広島 - 毎日新聞 親子で花園、夢の一歩に思い熱く 沖縄・読谷高の島袋法匡監督と世良主将(琉球新報) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 親子で花園、夢の一歩に思い熱く 読谷高の島袋法匡監督と世良主将 - 琉球新報デジタル だいすけお兄さんの「子ども悩み相談室」|日テレNEWS24 - 日テレNEWS24 花園へ!高校ラグビー準決勝 – QAB NEWS Headline - QAB 琉球朝日放送 中電工が悲願の初優勝 中国実業団駅伝、マツダは7連覇逃す(中国新聞デジタル) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 試合中に乱闘騒ぎを起こしたジャズのゴベアら3選手と、ペイサーズのターナーに罰金処分 - Sporting News JP 広島県世羅の米と卵でバウムクーヘン JA全農ひろしま - 47NEWS 世羅高原 大根まつり、おでんの振る舞いも!2日間限定開催 - 広島ニュース 食べタインジャー 世良公則が“1票の重さ”訴え「党首討論立候補者のHPで情報を得て判断する」 (2021年10月31日) - エキサイトニュース コスプレイヤー・せら、「無職転生」ロキシーのコスプレに国内外のファン興奮! | ニュース - ABEMA TIMES 同級生と無料学習塾を立ち上げた早大生 子どもたちのために奮闘中 - waseda.jp 「お客様のために」はアウト。「いい営業マン」は何のために仕事をしているのか?(幻冬舎ゴールドオンライン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『日本沈没』“世良教授”國村隼のメガネに驚きの声「え、そう取るの」「嘘やろ」(クランクイン!) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 世良公則 矢野事務次官の “財政破綻発言” を批判「彼らの理論では『放置』か『大増税』の二択」 (2021年10月18日) - エキサイトニュース ドライ?濃厚?お好みで せらワイナリー 高級白ワイン発売 /広島 - 毎日新聞 【孤高の国母】(121)孤立者に寄り添う 和歌にみる皇太后の仁愛 - 産経ニュース 新型コロナ 終息祈願、花絵に込め サルビアとジニア 世羅 /広島 - 毎日新聞 秋ノキノコミツケテ 10日、観察会 世羅・庄原 /広島 - 毎日新聞 咲き誇る「終息祈願」 サルビアとジニア10万株見ごろ 広島 - 毎日新聞 - 毎日新聞 コウノトリがサギと餌探し 3羽飛来 世羅 /広島 - 毎日新聞 「ドナルドダック」の新作プライズぬいぐるみは「赤いほっぺ」シリーズと「せらぴっと」♪ - 電撃ホビーウェブ 秋の花畑「とにかく豪華」 広島県世羅町の観光農園で見頃(中国新聞デジタル) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 赤く咲いたサルビアで「終息祈願」の花文字 広島 世羅町 - NHK NEWS WEB “ヘビメタ好き”高市早苗氏 ロック界の大物からのエールに感無量「大変嬉しいお言葉」 (2021年9月24日) - エキサイトニュース 日本フェンシング初の五輪姉妹出場 東晟良は3度目Vならず「勝つことを意識したい」 - THE ANSWER 【セラシオへの事業売却、そして協業の可能性を探る】セラシオジャパン最高協業責任者、M&A担当者と直接話せるAmazonストア事業売却オンライン相談会 - PR TIMES 世良公則が尾身会長の発言を疑問視「『ゼロコロナ』の発想か」 (2021年9月15日) - エキサイトニュース 世良公則が緊急事態宣言延長を疑問視「解除目安の500人の根拠は説明なし」 (2021年9月6日) - エキサイトニュース 『日本沈没』地球物理学の権威・世良教授役に國村隼が決定! - WOW! Korea 『日本沈没ー希望のひとー』地球物理学の権威・世良役に國村隼が決定!香川照之演じる田所と対立する教授を演じる - テレビドガッチ 実体験から生まれた、超使える「営業キラーフレーズ」3選【元野村證券YouTuberが解説】(幻冬舎ゴールドオンライン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『異世界の主役は我々だ!』ついに累計100万部突破! コミックス最新9.巻の発売を記念してキャンペーンを実施 - PR TIMES [MOM3565]青森山田FW渡邊星来(3年)_ついに生まれた全国初ゴール。“相棒”との2トップが猛威を振るう - ゲキサカ 「ドラえもん」と一緒ならいつだってゴキゲン!セガプライズの新作ぬいぐるみ4点を一挙紹介! - 電撃ホビーウェブ 話題のマッサージガン「セラガン」をエディターが使ってみた【人気の理由 & おすすめモデルを調査】 - Esquire なぜ保険業界の営業マンは「聞いてもいない自慢をする人」が多いのか(幻冬舎ゴールドオンライン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 元祖ドラえもんのギガジャンボぬいぐるみも!セガプライズ『ドラえもん』グッズ - ニコニコニュース 世良公則がコロナ治療効果が期待されるイベルメクチンに言及「判断はどうなっているのか」 (2021年8月2日) - エキサイトニュース 陸上女子三段跳び 世良(松山北)が準優勝 - 愛媛新聞 「孤独のグルメ Season9」第4話レビュー:食べて個人店を応援! いつも以上に食べまくる五郎さんがすごすぎる(※ストーリーネタバレあり) (2021年7月31日) - エキサイトニュース ドライブインシアター 世羅ワイナリーで「マダガスカル」上映 - 広島ニュース 食べタインジャー フェンシング・東姉妹ら女子フルーレ団体は初戦の準々決勝で米国に敗れる - スポーツ報知 セガプライズの「せらぴっと」ぬいぐるみになった「ポチャッコ」がアナタと一緒に癒しの時間を過ごします♪ - 電撃ホビーウェブ ブッポウソウ保護に寄付も せらワイナリー 1000本限定、白ワイン販売 /広島 - 毎日新聞 絶滅危惧種の「森の宝石」ブッポウソウ 広島の山里で子育て中 - 毎日新聞 - 毎日新聞 「くまのプーさん」は癒しの源♪ブルーホワイトカラーのぬいぐるみと「せらぴっと」がセガプライズに登場! - 電撃ホビーウェブ 猫耳メイドさんが裏ではタバコをスパスパ「スモーキングメイドロマンス」新連載(試し読みあり) - ナタリー 世界最小、見た目はド派手 ハッチョウトンボ 世羅 /広島 - 毎日新聞 橋本祥平、杉江大志ら全キャストが勢揃いした新たなビジュアルなど、新情報が解禁 『舞台「デュラララ!!」~円首方足の章~』 - http //spice.eplus.jp/ 日本女子アマ初日は悪天候で翌日順延 中3の左奈々が暫定首位 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net - ゴルフ情報ALBA.Net フェンシング東晟良選手×みらい住宅開発紀行 オンライントークセッション2021「ともに、みらいへ」を開催。 - アットプレス(プレスリリース) 手越祐也オワコンか、とんでもない事をしでかし手越終了と話題に - ニコニコニュース むつーGM「誰がロックを殺すのか」配信に最俺や『エアーマンが倒せない』作者 - KAI-YOU ヒョウモンモドキ羽化 黄褐色豹紋模様成虫、相次ぎ誕生へ 地域あげ保護 世羅・せら夢公園 /広島 - 毎日新聞 八田原ダムに「ダムカードフォトフレーム」一緒に映って思い出保存 - 広島ニュース 食べタインジャー 東京オリンピック日本代表、フェンシング女子フルーレの東莉央 &東晟良姉妹が相思相愛度チェックでシンクロ!? - フジテレビュー!! Z世代が賞金100万円を目指す、ソーシャルグッドなリアリティ番組「SPINZ」挑戦者と共に課題解決に挑む「Z世代タレント」として、世良マリカさん、やまげカップル、曽野舜太さん(M!LK)らが出演決定 - PR TIMES 「ミッキーマウス」と仲間たちのぬいぐるみアイテム4点がセガプライズに登場!初夏の癒しをお届け! - 電撃ホビーウェブ 世良公則が水際対策を批判 詳細な入国者データ示し「政府は今どう思う」 (2021年4月26日) - エキサイトニュース 五輪代表選手の横顔 フェンシング - 時事通信ニュース 世良公則が東京女子医大病院の医師100人超退職に衝撃「大病院が崩壊する危険性が生じるとは」 (2021年4月20日) - エキサイトニュース NHK今秋朝ドラ「カムカムエヴリバディ」に世良公則、堀部圭亮らが出演決定 - 東スポWeb 「受けた恩 誰かに返す」防災士の大学生がボランティアサークル設立 - 西日本新聞 中国発eコマース「ラブストック」が日本上陸 注目は12人の次世代タレントブランド - WWD JAPAN.com 「シナモロール」のぬいぐるみがアナタを癒す♪新シリーズ「せらぴっと」にも注目! - 電撃ホビーウェブ 青森山田FW渡邊星来 「全員を鼓舞するような強い気持ちでプレーする」 - 高校サッカードットコム エムティーアイの母子手帳アプリ『母子モ』が広島県世羅町で提供を開始! - PR TIMES 大任町長選 現職と新人、一騎打ち 24年ぶり選挙 町議補選は無投票 /福岡 - 毎日新聞 DTx(デジタルセラピューティクス)とは何か。デジタル治療の市場、サービス、課題は - ビジネス+IT 新人世羅氏が出馬表明 大任町長選 現職に次いで2人目 - 西日本新聞 米VLPセラピューティクス、最高事業開発責任者に豊田美和氏が就任 - PR TIMES くら寿司×名探偵コナン クリアファイル第1弾を配布、ビッくらポン!新グッズのクッキー風マスコット・消しゴム・マスキングテープ登場も - 食品産業新聞社 保険代理店の営業マンがYouTuberに。月収100万円も「危機感を抱いている」 - 日刊SPA! 三井情報が注力する「一体感を醸成する風土改革」と「自律的キャリア開発支援」 | 『日本の人事部』 - 日本の人事部 【飲食店関係者集まれ】SNS運用のプロ集団、飲食業のためのTwitter集客セミナーを無料で開催 - PR TIMES <ライブレポート>『ゲーム実況者わくわくバンド 11thコンサート ~77777~』@ LINE CUBE SHIBUYA 開催! - PR TIMES くら寿司「ビッくらポン!」名探偵コナングッズ「のっかるマスコット」「ラバーアクセサリー」「マグネット」を復刻 - 食品産業新聞社 中学からチームメートの5選手が甲子園へ 敦賀気比高 - 中日新聞 「営業マンなら絶対に知っておきたい」買わない人に共通する3つの特徴 損をしてでも縁を切ったほうがいい - PRESIDENT Online SPACと赤石太鼓が共演 「かしわばやしの夜」 - 朝日新聞デジタル きれいごと一切なし! 就活生にオススメ!! これが現場営業論だ - J-CASTニュース 広島世羅「まずいワイン騒動」は何がまずいのか - 東洋経済オンライン 株式会社メタジェン、子会社「メタジェンセラピューティクス」を設立 - PR TIMES シンガーソングライターみゆはんが生み出した「けせらーず」とLINEスタンプで人気の「すこぶる動くウサギ」がコラボスタンプをリリース! - PR TIMES セラセラ 声は出せずとも、音ゲーマーの一体感は健在!想像を超えてくる”異常な”楽しさこそ『イロドリミドリ』のステージ!イロドリミドリ 4thワンマンライブレポート - PR TIMES “国民のお父さんとして活躍” 故ソン・ジェホさん、別れから本日(11/7)で1年…数々の作品に出演&社会福祉活動も(Kstyle) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ミュージックバード、番組ディレクターが激安レコードを探すYouTube企画。「CDの音質改善」考える番組も放送 - PHILE WEB - PHILE WEB 新体制になったニューヤナセ、アルバム「ケ・セラ・セラ」発表 - 音楽ナタリー 桐生麻耶インタビュー『桜咲く夜~歌劇家話』、そしてOSK日本歌劇団トップスター・ラストステージ『レビュー 春のおどり』へ(聞き手:戸部和久) - http //spice.eplus.jp/ 俳優の森川正太さん死去 「劇団ケ・セラ・セラ」主宰 67歳 - 毎日新聞 - 毎日新聞 雪見みと、8月14日(金)リリース、Hi Cheers!の新曲「恋はケ・セラ・セラ」のMVに出演! - PR TIMES Hi Cheers!新曲は「恋はケ・セラ・セラ」、4人のハーモニー響くアカペラ映像公開(動画あり) - ナタリー 「これが人生!ケ・セラ・セラ」第97-104話あらすじ:心を1つに~一人娘の結婚-BS11-予告動画 - navicon [ナビコン] 「なるようになる」 ベイスターズを去る筒香嘉智に伝えたいケ・セラ・セラ - 文春オンライン 高級食パン専門店/神奈川県藤沢市に「君は食パンなんて食べない」 - 流通ニュース 神話 エリック&チョン・ユミ、リメイク版「ケ・セラ・セラ」出演ならず…新たなキャスティングに関心集中 - Kstyle serasera 創業130年目の挑戦 日本盛が日本酒業界初のメークブランド - 日経クロストレンド RSS せらせら #gnews plugin Error gnewsは1ページに3つまでしか使えません。別ページでご利用ください。 セラセラ #gnews plugin Error gnewsは1ページに3つまでしか使えません。別ページでご利用ください。 serasera #gnews plugin Error gnewsは1ページに3つまでしか使えません。別ページでご利用ください。 口コミ せらせら #bf セラセラ #bf serasera #bf 【参考】 タグ 言葉 最終更新日時 2013-08-27 冒頭へ
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/5140.html
700: 影響を受ける人 :2018/02/04(日) 22 08 20 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。というか、ほぼメアリー・スー状態です。 オリジナル設定、個人的解釈が入っています。 流血・グロイ表現が有ります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第百二十五話 ―扶桑海事変―終幕― 〔ズゥゥン・・・・・・〕 とある人気のない海岸線に、巨大な体を投げ出した巨獣がいた。 言わずと知れた九曜葛葉の神獣形態だ。瘴気により、火傷の状態となっていた皮膚表面は癒えていたが、浸透した瘴気毒だけはそのまま。 強大な力を誇り、膨大な魔力を有し、長く生きた経験に裏打ちされた実力をもっていても、浄化能力だけは人並。 いかに常識的なウィッチよりも瘴気に対する耐性が高いといっても、今回の相手は常軌を逸していた。 荒い息遣い、口端に見える血の跡はどす黒い。 体内に取り込んだ瘴気が、深く人体を蝕んでいる様子がよくわかった。 体力を回復するために休憩している・・・わけではない。 戦いの後だからこそ、無理にでもやらねばならない事が残っている。 それを行う為に、断崖絶壁に遮られた人気のない小さな海岸が必要だった。 「本体。」 「■■■■■■■■■■■ゥゥゥゥ・・・・・・・・・」 生み出した総監督をする分体が、フカフカな体毛越しに手を添える。 「歯を食いしばって下さい。」 その言葉と共に、巨獣の呻き声が海岸を振るわせた。 総監督分体と共に同時に生み出された分体達が、負傷した部分の切開を開始したためだ。 負荷魔法を応用した擬似麻酔を掛けてはいるが、それでも巨体故に効き目が薄い。 それでも無いよりはマシ。さらに円柱型シールドを咥えて耐える。 切開した部分が高速で再生しようとするのを無理やりシールドで圧し止め、取り出せなかった砲弾の破片を取り出していく。 幾らなんでも戦闘しながら完全な手術など出来はしない。某無免医者ならやってのけるかもしれないが。 更にへし折れた腕も切開し、少し曲がって接着している骨を、真っ直ぐに直すために切り離す。 肋骨周辺にある砕けた骨も回収し、焼却しなければならないのでこちらも切り開く。 円柱型シールドに罅を入れんばかりに噛み続ける九曜を見つつ、総監督分体が念話による分担作業を効率的にすすめていく。 流れ出した血液は真空立体式シールドで集め、再度体に注入する。 常人よりも強力な再生能力持つ九曜であるが、変な治り方をすれば後々まで影響を及ぼす。 だから早めに、迅速にやらねばならない。 強力な力と言うのも、善し悪しだとわかるのも年のせいだと思ってしまう。 常人で300年以上も生きる人間などいないのだが・・・・・・ 「■■■■■■ゥゥゥゥ・・・」 激しい激痛に、喰いしばる力が増す。 それでも、最初に比べればましだ。あの時は・・・思い出したくもない。 結局手術は1時間掛かった。よろよろと体を起こし、分体を全て戻す。 そしてすぐさま大地を蹴り上げ、飛翔する。 もし、“七支禍皇”が全盛期の力を発揮していたならば、もっと苦戦していただろう。 負傷具合も悪化し、最悪3年は休眠する事になっていた筈だ。 “七支禍皇”が狂暴であった事と、ネウロイの巣が戦力確保の為に質量を削った事が功を奏した。 敵情など知る事ができないが、様々な意味で幸運だった。だが、楽であったかと問われればそうではない。 その際に神獣形態は解除するのだが・・・解除と同時に一気に疲労と気怠さが襲ってきた。 本来の肉体よりも巨大化する為、いかに魔法で肉体を支えていようとも何かしらの不具合は発生する。 ただ単純に巨大化するだけならそれほど疲労はしない。この状態で皇族方の子供達と遊んだこともある。主にアスレチック感覚だが。 しかし戦闘をした後では話が違ってくる。形態維持にも魔力を使うからだ。 話はさておき、飛翔を続けるが髪の毛がウザッタイ程に伸びてしまっている。 これは後で切ろう。一応神獣形態の体毛も使える素材。とっておいて損は無い。 その前に・・・帰り付かなければ。 (体がまだ痛むのに、眠い・・・くそ。黒曜の奴が出たがっているのか?) 己の内に沈む人格を思うが、完治できないし話したことも無い。 黒曜と呼ばれる分体は、九曜が休眠状態にならない限り出てこない。 故に一度も話した事は無いが、彼女こそ己が取り込んだ使い魔の残滓であると。 己の本能と融合した分体であると認識している。 701: 影響を受ける人 :2018/02/04(日) 22 10 05 その為なのか、眠気の感覚が違う。 しかしまだ起きて報告をしなければならない。まだ交代するわけにはいかない。 コントロール可能な分体と違い、黒曜は完全な別人格の独立存在。 制御不能の厄介な相手。九曜葛葉の敵に容赦せず、味方であろうとも対応は塩。 それはともかく。帰路につくことは出来た。 ――皇居:中庭―― 中庭に置かれたテーブルに手をつき、白い高価な椅子に深く座り込んでいる人物がいた。 言わずと知れた天皇陛下である。 つい先ほどまで陛下は大銅鏡のある部屋にいたのだが、気を落ち着けるために、気持ちの整理をつけるためにここにいた。 戦争と言う縁遠い、良く知らない行為を知るために、九曜に命じていた。 血生臭く、命が散花する戦場の光景は、天皇陛下の覚悟を打ちのめすのには十分。 その場にまだ頼れる侍従長がいたからよかったが、いなかったのならばどうなっていたか。本人でもわからない。 その九曜がみた予知を共に見て、気丈に命令を下した。それを最善と判断して。 覆すべく予知した本人が出て行って大銅鏡は使えなくなった。はずであった・・・ 九曜の誤算は、護衛巫女達の能力が思ったよりも高かったことが、大銅鏡を協力し合えば使えた事だ。 出て行ったあと、命令をした責任を全うするために護衛巫女を呼び集めた。 無論、残して置いた分体が苦言を申し入れたが聞く耳を持たなかった。 寧ろ天皇陛下自身が説得したほど。最終的に折れた分体は、余計な魔力消費をしない為に自分は協力はしないことを明言して黙認する事に。 謝りと断りを入れ、護衛巫女たちの協力の元、九曜の戦場を見ることに成功してしまう。 大銅鏡越しに目にしたのは、いにしえの闘争だった。 巨獣と凶獣。御互いの力がぶつかり合う、人が介入できない世界。 神代の世界なら、普通に行われていた戦闘光景。 しかし、最初に見た物が戦争ならば、こちらは決闘ともいうべきモノ。 視てはいけなかったか? そう思ったが、脳裏に刻みつける為に凝視し続けた。 九曜の電波妨害も相まって非常に視難く、霧が発生してからは余計に見えなくなってしまう。 無事を確認できない事に焦りが募り始め、不穏な雰囲気を出し始めた天皇陛下に恐れを抱いた護衛巫女たちは対処に走る。 そうこうしているうちに妙な一団を見つけた。安田艦隊のメンツだ。 サボっている艦隊が有るという事は知らされていたが、まさか九曜の戦場近くにいるとは思っていなかった。 「警告は送れないのか?」 「さ、さすがに無理です。自分達は九曜様ほどの技量は有りませぬ故。」 邪魔になるから退去させようとしたが、思った様な返答にはならなかった。 というか、九曜葛葉の技量等が高い山のように突出しているので、平凡なウィッチではいくら集まっても対抗できない。 しかも柔軟な思考を持っていて、けして思考を硬直させない。 そんな反則級の人材なのだから、比べる方がいけないのだ。むろん天皇陛下はすぐに謝った。 少し喉が渇いたので少しだけ視線を外し、御茶を少しだけ飲んですぐにもどした時。 拘束された九曜が、黒い巨体の怪物と共に靄を突き破って出現する所。 そして同時に、味方に砲撃されるという衝撃的な光景も目にすることになってしまった。 悲鳴を上げる巨獣を見て立ち上がった天皇陛下であったが、すぐさま席に戻る。 別に気を落ち着けたからではない。たとえ派閥争いで作戦外の事をしていようとも、味方であるならば攻撃などしないだろうという思考があった。 しかし結果は味方撃ち。その事実が受け入れがたく、力が抜けたが故に席に戻る結果となったのだ。 その後の推移も何とか見ていた天皇陛下であったが、戦闘終了と共に映像を切った。 今までの中で一番疲労したように思える。 大きく息を吸い、深く吐き出す。 「・・・はぁ。」 護衛巫女達も、沈んでしまった主上に対してどうすれば良いかわからない。 御互いに顔を見合わせるが、まったく解決策が浮かばない。 しばらくの間沈黙が部屋の中を支配していたが、意を決したリーダーが口を開いた。 「へいk「すまぬ。一人にさせてくれ。」・・・心得ました。」 702: 影響を受ける人 :2018/02/04(日) 22 11 06 陛下に命令されてはどうにもならない。大人しく下がっていく。 そして、一人となった部屋の中で気持ちが落ち着くのを待った。 先程の戦闘を思い浮かべ、なぜそうなったのかを考察していく。 考えに考えて、出した結論は・・・〔事故〕。これに尽きる。 なにしろ九曜葛葉の存在は政府上層部、一部の者達しか知られていない。 ましてや巨大な獣になれるという事などは、更に限定された人物しか知らないのだ。 得体のしれない攻撃に警戒するのは当然であるし、咄嗟の行動に止めるすべなどない。 だから、あの行動の正当性は・・・わかる。しかし気持ちがそうは思っていない。 沸々とわき上がる熱い感情。怒りが沸騰した水の様煮えたぎり、淵から零れ落ちそうになっている。 それを自制心で抑えてはいるが、手傷を負った九曜葛葉の前に出て抑えられるかどうか・・・ しばらく部屋の中でジッとしていると、扉を軽く叩く音がしたような気がする。 視線のみを向けると、扉越しに護衛巫女が話しかけてきた。 「陛下。九曜様g「九曜が帰ってきたのか!」・・・え、ええと。」 勢いよく扉を開けて問うと、護衛巫女が困惑と戸惑いの表情で隣を見る。 そこにいたのは確かに九曜葛葉であったが・・・ 「落ち着かれましたか。陛下。」 置いて行った分体の方の九曜であった。 「う・・・む。」 期待が外れ、表情にも表れるほどに気落ちしてしまう。 そんな天皇陛下を気遣ってか、分体は外で御茶をしませんかと聞いてみる。 天皇陛下も気乗りはしないが、気分転換の為に頷いた。 御茶の準備自体は手早く済み、何時もの様に御茶を入れてくれる。 熱く、好みの濃度で入れてくれた日本茶は、内蔵に染み渡り思わずホッと息を吐いた。。 「陛下。本体から連絡が有りました。」 「いつ帰ってくるのだ? 手傷を負った様だし、しばらくは動けんだろう。」 聞きたい事を早く聞きたいが為に、やつぎに質問を飛ばす。 たとえ分体であろうとも、天皇家を尊重するのには変わらない。 しかし回答は、望んだモノではなかった。 「まず・・・本体は帰っては来ません。」 「なっ! ・・・なぜだ?」 「瘴気を飲み込んでいるからです。思ったよりも濃度が濃く、安全に浄化できる事が出来ないそうです。 まあ。その前に、この皇居に瘴気を・・・毒物を持ち込むなどいたしません。」 一瞬激昂しかけたがすぐに気を落ちつけ、分体の話を聞く。 分体の思考が辻正信寄りのせいで、若干無遠慮だ。 「次に手傷ですが。確かに負傷しましたが治療自体は完了しております。」 「ふむ。それは朗報だ。」 「しかし体力低下が思っていた以上の大きく、魔力消費による疲労が溜まっています。 休眠期間は・・・そうですね。大凡ですが、短く見積もっても半年はかかるかと。」 「半年も会えないのか。」 「以前であれば一年以上休眠する事もありました。それに比べれば圧倒的に短いです。」 事実である。最も真相は慣れない力の制御を誤って、自爆しただけなので自業自得なのだが。 703: 影響を受ける人 :2018/02/04(日) 22 12 24 「あの子には何といえばいいか。」 「包み隠さず。教えになられればよいかと・・・」 「・・・海軍が、味方が砲撃した事も?」 「何をおっしゃいますか。 あの場に、皇国海軍はいましたが。“何も”ありませんでしたよ? 思ったよりも強敵でしたが“単独”で撃破に成功しました。 戦闘に巻き込んでしまった事の方が、本体には堪えたようです。」 「・・・・・・」 九曜葛葉は、味方に攻撃されたことを報告しなかった。 むろん分体は全てを知っているが、本体から教えるなと言われているから教えない。 尋ねられても答えないだろう。たとえ天皇陛下であっても。 現時点で大多数を占める堀井派を叩いてしまうと、夢幻会でも手におえないほどに支障が出てしまう。 それを避けるために、ワザと報告しなかった。 「本体は自分の存在を隠したがっています。」 「それは無理であろう。すでに被害は出ているのだろう? だとすれば、覆い隠せるものでもあるまい。たとえ箝口令を敷こうともな。」 「そうですね。しかし、ぼかすことは可能かと思われます。」 「・・・はぁ。わかった。九曜の為に骨を折るとしよう。」 「本体が目覚めたんらば、存分に甘えた方がよろしいかと。」 ――富士樹海:洞窟―― 暗い、暗い洞窟の奥深くに、白い体の女性が胎児の様に丸まっていた。 シールドで作ったカプセル内で、髪の毛を切る間もなく休眠に入った九曜葛葉だ。 髪の毛がさながら羽毛布団のように体を覆い、寒い洞窟内でも暖かそうに見える。 浅い呼吸音のみが音源の世界で、彼女を見守る黒い狐がいた。 「キュゥ。」 小さく鳴いた狐は愛おしそうに白い女性を見続ける。 黒い狐。扶桑皇国において不吉を司る神の一体。 殺戮・無慈悲・理不尽 白い狐と対をなす悪神。理性を持った生存防衛本能。 黒い狐は嗤う。薄く、戦慄を覚えさせる笑みでもって敵を笑う。 「キュゥ。」 不気味なほど可愛らしく。冷たい目線で宙を見つめていた。 以上です。 次は夢幻会中心だぜ!!