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ここまでの行程を見る限り、娘―かすがと言った―の力量は並と言った所か。 問題は如何に感情的にならず冷静でいられるかだ。若いだけに難しいが、いざとなれば当て身でもして連れ戻せば良い。 今回は戦忍の戦を見せるだけだ。 「なぁ、覚えてるか分からないけどさ」 道程の八割を来た所で、緊張をほぐすべく佐助は軽い調子でかすがに話し掛けた。 「俺、前に一度かすがと会ったよな?」 「……え?」 だがかすがは覚えていなかったようで、眉根を寄せて考え込んでしまっている。五年も経てば当然だ。 愚問だったと気付いた佐助は慌てて取り繕った。 「あの、気にしないで」 「申し訳ありません猿飛様」 真面目な返答と慣れない「猿飛様」という呼び方に背筋がむずかゆくなる。 最も自分の方が四、五歳年上だから敬称で呼ばれるのは当然だが。 「佐助でいいよ」 「はい佐助様」 (生真面目だな) 僅かな言葉の端と仕草を読みながら佐助は考える。 「頭領から聞いているだろうが、今回お前は見るだけだ。俺の後ろを離れるなよ。危なくなったらさっさと退散しろ」 「はい佐助様」 かすがの表情が些かムッとなったのを佐助は見逃さなかった。 夜明け前6
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「ねぇ、旦那ぁ…」 すでに夜着に着替えていた幸村の胸元に手を添えれば、正しく意味は伝わったらしい。 見る間に幼さを残した顔が真っ赤に染まり、破廉恥な、と佐助の手を払った。 傷つくなあ、とぼやきながら佐助は幸村の膝に乗り上げ、震えるくちびるに自分のそれを重ねた。 「あっ…痛いじゃない」 突き飛ばされたもののそこは忍び、上手く受け身を取り、くちびるをこする幸村に抗議をする。 「なにをする!」 「だからあ、しよ?」 「ははは破廉恥な!」 「いいじゃない。俺様もうあそこが濡れちゃって我慢出来ないのよ。旦那の童貞貰ってあげるよ」 気持ちよくしてあげるからと嘯けば、幸村は困った顔で佐助を見つめる。佐助は、幸村のこの顔が大嫌いだ。 何も知らない子供の癖に、その表情だけはいやに大人びていて、まるでこちらが子供扱いされている気がするのだ。 「ねえ旦那。旦那は知らないと思うけど、俺ってばすげえ淫乱なのよ、色狂いなの。ずっと子育てで忙しくて禁欲してたからもう限界、抱かれたくてしょうがねぇのよ。ね、旦那。お願い」 自分の着物の前を開いて、白い肌を幸村に見せつけた。 息を呑んで見つめる姿にすら興奮し、もじ、と佐助は股を擦り合わせる。 「お、俺でなくもっと慣れた男のところに行けばいいだろう…」 「そうだね。誰でもいいんだ。でもさ、誰でもいいなら俺は旦那がいい」 幸村の反応に手応えを感じて、佐助は笑った。 飄々としたものではなく、幸村が見たことのない女としての笑いだ。 まるで猫のように、また膝に乗り上げ、幸村の耳を舐めしゃぶる。 着物の襟口から手を差し入れ、まだ厚みは足りないが鍛えられた胸板に手を這わせた。 抵抗のない様子に、このまま抱いてもらえるのだと思った佐助の耳に、幸村の信じられない言葉が届いた。 「お前は抱かない」 真意を探ろうと見上げた幸村の表情は、長年共にいた佐助も見たことのないものだ。 めくらの恋10
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860 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 22 42 34.12 ID oQZw67t8O 佐助「ハッハッ」 …結果オーライ、ではないぞ。 今回はたまたまうまく言ったとはいえ、狩猟は単独プレーでやるもんじゃない。 連携が大事なのだ。 調子に乗って己の力を過信すると、やがて痛い目に遭うぞ。 佐助「クゥーン」 これはお前のために言っているんでもあるんだぞ。 敵を深追いするあまり、危険な地形に迷い込み、転落したり戻ってこられなくなったらどうする。 もしくは、アライさんの罠に誘い込まれ(まあ、ないとは思うが…)、袋叩きにされたらどうする。 その時は、お前が死んでしまうのだぞ。 未来の相棒よ、早死にするような真似はよせ。 後でたっぷり躾し直してやる。 こいつらの死体を材料にドッグフードを作った後でな。 862 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 22 47 13.27 ID 2Lyz+TXpo だが、その前に。 せっかくお前を連れてきたのだ。 ま だ や っ て お く こ と が あ る だ ろ う ? 俺は、動かなくなった子供アライさんを佐助の眼前に置く。 「佐助、嗅げ」 佐助「クンクン…」クンクン 佐助は子供アライさんの匂いを嗅いでいる。 「佐助、探せ」 佐助「ハッハッ、クンクン…」ザッザッ 佐助は、地面の匂いを嗅ぎながら、森の奥へ進んでいく。 俺は籠を持って佐助のあとを追う。 864 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 22 52 37.19 ID 2Lyz+TXpo 俺は籠へ、動かなくなった子供アライさんを入れ、佐助の後を追っている。 佐助の進むペースは、徐々に遅くなってきている。 筋肉に疲労が溜まっているのが見て分かる。 やがて、佐助は岩の下にある穴を見つけ、そこを嗅ぐ。 佐助「ワン!ワンワン!」 俺に向かって吠えた。 さて、どうすべきか… ここまで来たのだ。やらせてやろう。 「佐助、捕らえろ!」 佐助は、岩の下の穴へ顔を突っ込んだ。 865 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 22 56 36.38 ID /7e0sCDZO 佐助「…」ゴソゴソ 「けものなのだー!」 「こわいのだー!」 「のだああぁ!?はなすのらああ!」 佐助が穴をゴソゴソしてると、うるさい声が聞こえてくる。 佐助「ワン!」ズルゥ アライちゃん1「のあぁぁ!はなすのだああぁぁ!」ジタバタ オーケー、上出来。 あの母親の巣穴が見つかり、生き残ってたガキを捕らえたというわけだ。 866 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 23 05 18.98 ID /7e0sCDZO 佐助が獲物を捕らえてこっちへ来る。 佐助「クゥーン…」ブラン アライちゃん1「ひ、ヒトなのだ!よかったのだ、ヒトしゃん!あらいしゃんをたすけるのだ!このけものをやっちゅけてほしいのだぁ!」ジタバタ あ゛ぁ゛!? てめえどのツラ下げて我が優秀な愛犬より偉くなった気でいるんだ地上を穢すクソ虫共が!! 佐助、そいつを地面に落とせ。 佐助「ハッハッ」パッ アライちゃん1「のあぁっ!?」ボトッ アライちゃん1「よかったのだ、たすかったのだ!これでおうちに帰れるのだ」ヨチヨチ 帰すわけねーだろウジ虫。 ハエの幼虫を逃すと思うか? 俺は弾丸装填済みのエアライフルをアライちゃん1の背中に押し付け、 引き金を引いた。 アライちゃん1「びっ!」グチャアァ アライちゃん1は、派手に内臓を撒き散らして宙を舞った。 869 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 23 15 32.38 ID 2Lyz+TXpo さて、今のやつが最後なのか? 佐助「ハッハッ」ザッザッ 佐助は巣穴に顔を突っ込む。 どうやら、まだ獲物がいるようだ。 佐助「クゥーン」ザッ 顔を穴から出す。 そう、佐助は若いとはいえ大型犬。 アライさんの巣穴に潜り込むことはできない。 じゃあどうするか? …ここからは、俺の出番だ。 まずは巣穴のそばに、姉の死体を置く。 「くんくん…おねーしゃんのにおいなおだ!」 「おねーしゃんがかえってきたのだ!」 「のあー」 「ちのにおいなのだ!とりをつかまえてきてくれたのだ!」 870 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 23 18 00.15 ID 2Lyz+TXpo 俺は釣り竿の先へ、錘とスルメをくくりつける。 そしてそれを巣穴へ投げ込む。 「のだっ!?」 「たべものなのだぁ!おねーしゃんがくれたのだ!」 「これがとりなのか?」 「たべるのだー」ガシッ 手応えあり。 俺はリールを巻く。 「にげるなー!」 アライちゃん2「のだー!」スポッ 出てきた。 バカみたいなやり方だが、これが通じるのがアライさんなのである。 873 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 23 28 25.41 ID 2Lyz+TXpo アライちゃん2「かたいのだー」アギアギ アライちゃん2は、スルメをかじっている。 俺はエアライフルへ弾を込めると、アライちゃんの脳天をスコープの照準に捉え、静かに引き金を引く。 アライちゃん2「」バチャアッ 頭が吹っ飛んだ。 アライちゃん2「」ビグンビグンッビグビグガグッガグッビククッバッタタッタバタタッ 次の弾をエアライフルへ込める。 そして、巣穴を注視する。 アライちゃん3「たべものー?」ヨチヨチヨチヨチ 続いて、巣穴からもう一匹アライちゃんが現れた。 877 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 23 33 38.35 ID 2Lyz+TXpo アライちゃん3「?おねーしゃん?なんでうごかないのら?」ユサユサ アライしゃん「」ガクガク 巣穴の前に置いといた子供アライさんに近寄っている。 アライちゃん3「おねーしゃん?どちたのら?なんでへんじしないのらぁ?おかーしゃんは、とりは?」クイクイ まあいい。 アライちゃん3の頭を照準に捉え、引き金を引いた。 アライちゃん3「」グチャアァ 頭がガクンと動いた。 アライちゃん3「」ビグビグガクガクバタッバタッタタタッビグビグ ゴキガイジムーブした。脳を破壊することに成功したようだ。 879 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 23 37 51.27 ID 2Lyz+TXpo もういないのだろうか? 俺は巣穴に再びスルメを投げ込む。 「のぁー?」 「ぁー」 …かからない。 だが、声が聞こえる。 恐らく、残りは乳児だろう。放っておいてもそのうち死ぬだろう。 佐助「ウゥウゥ……」シッポブンブン 佐助が尻尾をブンブンと振っている。 これは、尿意、便意が近いというサインだ。 まいったな。 猟犬の匂いがこの辺につくと、他のアライさん達に警戒される恐れがある。 どこか、便を出しても匂いが漏れないところはないだろうか…? 881 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 23 39 25.94 ID 7+yui2zzO …そうだ。 俺は巣穴を指差し、こう言う。 「佐助、シーシー」 佐助はそれを聞くと、巣穴の前へ歩いていき、尻尾を上げた。 882 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 23 41 47.66 ID 2Lyz+TXpo 佐助「ハッハッ」ジョボボボボボ 佐助は、アライさんの巣穴の中へ排尿していく。 今までよほど我慢していたのだろう。すごい量だ。 「ぴいいぃいぃ!!?」 「やぁなああ!」 巣穴の中から乳児の声が聞こえるが、構うもんか。 続いて、佐助は尻を巣穴の上へ近付ける。 884 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 23 46 22.18 ID 2Lyz+TXpo 佐助「フゥー」ブリブリブリブリブリブリ ボトッ 佐助は、巣穴の中へ排便した。 こちらも相当我慢していたのであろう。 「びぎゃぁああああ!」 「ぴぃいいぃいぃい!!」 悲痛な叫びだ。 …俺はスコップを出すと、 土を掘って巣穴へ落としていく。 「ぎぴいぃ…」 「おがーしゃ…」 土を落としていくと、そのうち声が聞こえなくなった。 …やがて、巣穴は完全に埋まった。 これで他のアライさん共が、佐助の小便と大便のにおいに気付くことはないだろう。 俺達は、獲物の死骸を持って森を後にした。 886 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 23 51 04.85 ID 2Lyz+TXpo … 翌日。 今日はみっちり躾直すぞ。 訓練が済んだら戦利品として、アライさんで作ったドッグフードを佐助へくれてやろう。 俺は犬小屋へ向かう。 佐助!訓練だ、起きろ! …しかし、呼んでも佐助は出てこない。 どうした?佐助… 889 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 23 52 57.48 ID 2Lyz+TXpo 俺は犬小屋の中を覗く。 佐助「…ゥウゥ~…ォフゥ…」グッタリ 明らかに疲労困憊し、筋肉痛に苦しんでいる。 …あんだけの怪力で暴れたのだ。今度は回復するのはいつになるやら… 891 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 23 58 26.33 ID 2Lyz+TXpo … ハンター達が去った後、森の中では…。 アライさん1「うぅ、また知り合いのアライさん一家がいなくなったのだ…」ザッザッ アライさん2「きっとヒトにやられたのだ……」ザッザッ アライさん3「うぅ…なんでヒトはアライさん達を殺すのだ。仲良くしようとは思わないのか…」ザッザッ ??「やあやあアライさんたち。ヒトと仲良くしたいなら、いい方法があるよ」 アライさん1「!?」 突然、帽子を被った少女がアライさん達に声をかけてきた。 894 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/28(月) 00 04 14.04 ID UavrjrOjo アライさん2「だ…誰なのだ!?」 アライさん3「この声、アライさんの仲間じゃないのだ。ヒトなのか?」 ??「いーや、違うよ~。私はアライさんの友達。フレンズさ」スッ そう言った少女は帽子を脱いだ。 黄色く大きな2つのけもみみが現れる。 ??「ヒトと仲良くするなんて簡単だよ~。戸籍をとればいいんだからねー」 アライさん1「こ…こせき?」 アライさん2「なんなのだそれ?お宝なのか?」 ??「うーん、ある意味お宝かな。ヒトと共存できる権利。うん、間違いなくアライさんにとってお宝だね」 アライさん3「欲しいのだ!」 アライさん1「探すのだ!どこにあるのだ?」 896 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/28(月) 00 10 03.56 ID UavrjrOjo 大きな耳のフレンズ「そうだな~。明日の朝、日が出るとき、できるだけたくさんアライさんの仲間をここへ連れてきてくれるかな?」 アライさん1「わかったのだ!」 アライさん2「アライさんにお任せなのだ!」 大きな耳のフレンズ「…」 アライさん3「みんなで宝探しなのだ、わくわくするのだ!」 大きな耳のフレンズ「…そういうところ、やっぱ君達もアライさんなんだね」 アライさん1「?何を言ってるのだ?アライさんは元々アライさんなのだ!」 大きな耳のフレンズ「うん…うん。そうだ、言っておくけど、戸籍を取得するには、とっても簡単なテストを1個だけやる必要があるよ」 アライさん1「テスト?難しいのか?」 898 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/28(月) 00 15 15.59 ID UavrjrOjo 大きな耳のフレンズ「簡単だよー。私なんて、10秒もせずテスト終わったからねー。アライさん達もすぐ終わるはずだよ」 アライさん2「戸籍を手に入れると、どうなるのだ?」 大きな耳のフレンズ「ヒトとおんなじ暮らしができるんだ。普段、ヒトがどんな美味しいもの食べてるか分かる?…野菜の丸かじりなんかより、ずっと美味しいよ」 アライさん3「楽しみなのだぁ!」 アライさん1「戸籍を取って、天下を取るのだ!」 大きな耳のフレンズ「それじゃあ、また明日ねー」スタスタ アライさん2「待つのだ!お前の名前は何なのだ?」 大きな耳のフレンズ「…」 899 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/28(月) 00 16 43.74 ID UavrjrOjo 大きな耳のフレンズ「…キツネ。キツネって呼んでくれる?アライさん」 アライさん1「わかったのだ、キツネ!」ザッザッ アライさん2「恩に着るのだ!」ザッザッ アライさん3「仲間をたくさん集めてくるのだ!」ザッザッ 大きな耳のフレンズ「…」 900 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/28(月) 00 17 10.91 ID UavrjrOjo つづく 戸籍取得の案内人、キツネその1 パート1へ戻る
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お市 No.3694 レア度 6 レベル 1 最大Lv99 スキル 賢徳姫の祈念 究極進化 覚醒お市 コスト 25 HP 2928 ターン(最短) 18(13) 知慮の賢姫神・お市 タイプ 神/回復 攻撃力 1295 Lスキル 木瓜の護紋 主属性 木 回復力 605 進化元 なし 編集 副属性 木 EXP 400万 4,000,000 進化先 究極進化(2種) 覚醒 バインド耐性 / バインド耐性 / スキル封印耐性 / スキル封印耐性
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佐助が歩み寄る。 無表情で繋がれている政宗の腕を取り、布で擦った。 幸村も離れ、そっと布で擦った。 胸は布で擦るたび形を変え、たゆたゆと揺れる。思わず念を入れて擦ると恥ずかしげに体が捩られる。 佐助が脇の下を擦りあげる。寄せられる眉根。 力を入れれば赤く痛々しい色に染まり、入れなければ政宗がくすぐったげにする。 折れそうに細い腹から、丸みを帯びた腰、伸びやかな両の脚は白く、形よく、持ち上げると淫靡な影が差す。 足指の合間を布で丁寧に擦った。ぴくりと膝に震えが走る。 政宗の顔が赤い。呼気が忙しない。 「政宗……」 心の中で殿、と付ける。 「なんだよ」 うっすらと笑っている。解っていると言いたげに。 全裸でつるし上げるなど犬畜生にも劣る行い、しかしこの方は何事もないように首をもたげ、 怒りに震えることなく屈辱に泣くこともなく冷静さをたもっている。 「やはり、ご立派なお方だと」 「止めな」 「うん止めてね旦那」 言葉と共に、政宗の体が引きずり上げられた。滑車がきしむ。 全身から水滴が飛び散って、ほのかな灯りにきらめく。 やはり足がつくか付かないかの高さで、佐助、と窘める声を出す前に、手のひらに小さな刃物を落とされた。 「毛ー剃り上げるよ、旦那ぁ、自分でやりたいでしょ?」 どこか残忍な声音にようやく佐助を見据える。 自分に向かいこんな声をかける男ではなかった。 「ひげを剃る?朝方確かに剃ったが」 「違うよ、蚤とか虱とかね、一度の湯浴みで撲滅できるもんじゃないし。 脇のしたも陰毛も全部剃る。それとも旦那、俺がやろっか?慣れてるしねー、剃刀の扱い」 佐助は言いながら脇に生えた毛をつまみ引き抜いた。 恥辱を極める物言いに、だが政宗は無表情だ、おっくうそうな視線で暴れ出しもしない。 「さすけ?」 「ホラ早く旦那。独眼竜の体は押さえてて上げる、腰掴んで、傷つけないようにして剃ってあげてよ」 胸の下に佐助の腕が回る。政宗は一本の棒のように身じろぎ一つしない。 歩み寄って、止まった。 裡から輝くように白い肌。黒々とした茂み。 「そーいや旦那、そこだけよく洗ってなかったんじゃない?可哀想だねー独眼竜、触りたくないってさ」 政宗はやっと目を動かした。感情のこもらない視線が覗き込む佐助のそれにかち合い、 どうしてか佐助の方がかっとした風に見えた。 そのまま政宗は目を伏せた。 じっと己の茂みを見下ろしている。 「政宗殿……」 呼ぶと僅か表情が戻る。 「好きにしな。幸村サマがやらなくてもコイツはやるさ、早いか遅いかの差だ」 加虐的な佐助を見やる。 「ならば佐助にさせるわけには行きませぬ。恨みなら、お受け致す」 「旦那、解ってるだろうけど刃は寝かせて、あんまり深い傷にならないようにね」 あんまり? 不思議に思った瞬間政宗の体が僅か震えた。押し当てた刃が肌を切りそうになる。 「ああ御免ね旦那、手元狂ったよ」 佐助は、手のひら全体で政宗の胸を揉みしだいていた。柔いそれが指の動きに連れて形を変える。 かっと脳裏に血が上る。 「離れろ佐助!」 「いやあやっぱ支えてなきゃねえ?大丈夫、旦那がきっちり腰捕まえてたら、だけど」 「佐助!」 佐助は白々とした目で政宗を見る。 「旦那が止めても俺はやるよ、お仕事だから」 「先ほど外すと言った」 「お館様からの仕事だもーん」 減らず口を! 叫ぶ直前に物憂げに伏せられていた政宗の目が開かれるのを見た。 「ha!それが下郎の料理の仕方ってヤツか、Coolじゃねぇか!いーだろう、やりな、受けて立ってやるぜ幸村サマ!」 「某は!」 「恨みやしねぇよ、それがオレの矜持だ。だが愛しもしねえ、come on Mother Facker, 拷問にかこつけてでも欲しいなら──来な!」 あまりにきらきらしい、誇り高い言挙げは幸村を圧倒した。それでも、 「愛おしい人を拷問するなど、」 「その位拷問じゃねえよ、playってヤツさ」 誇り高く輝く目。促す眼差し。 佐助。お前、俺の目の前で、俺をも使って、弱音を吐けぬ政宗殿を追い詰めているのだな。 上田城の虜20
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かすがが動いた。帯のうちに仕舞った短刀を佐助の首に這わせる。左手を締め付ける力がゆるむと後ろに跳び退った。泥を踏む鈍い音がする。 「まったく、何のつもりでわざわざ使いなぞよこしたんだ。理解できん」 かすがが本当に言ったことかどうかもわからない。そんな下らないたわごと、通用するはずがないと知っている男だ。 「たまにはかすがの顔でも見ようかなと思ってね。その着物似合うねー」 佐助がの唇をゆがめた。笑みにならない。ある一つの予感がかすがの頭をかすめた。 殺してきたか。佐助の細められた目に血と殺戮の匂いがした。かすがにくれた話とて、暗殺の仕事の戦利品の一つかもしれなかった。 「仕事の後か」 尋ねるかすがに、佐助はただ微笑した。この男はいつもそうだ。血を流すと、戯れを演じにやってくる。 「いやならば里に願って役を変えればいい。甲斐の虎とて無下にはしないだろう」 「俺の仕事が嫌だと思ったことなど一度もないよ。真田の旦那にも大将にもずっとついてゆくつもりだぜ」 「ならば、何の問題がある」 重ねて問うかすがに佐助はへへっと笑って頭をかいた。なぜだかかすがはいらいらした。 「不愉快だ。下らんことで二度と呼び出すな」 へらへらと笑う佐助を一瞥して、かすがは天へと跳躍した。佐助の姿が視界から消える。重く迫った灰色の空をかすがは見つめた。 「軍神の旦那に差し出す前に、俺がそれやったこと忘れないでね」 「私はそこまで忘れやすくはない。またな」 佐助がかすがに手を上げた。古寺の瓦でかすがは二度目を踏み込む。隣の屋敷の屋根へと飛び移った。辺りに怪しい気配はない。かすがは歩を進めた。 雨空の下、屋根から屋根へと伝っていった。濡れた瓦が黒光りする。足を滑らせないように体重を加減してかすがは跳んだ。 上越で一向宗に手こずっている主君に顕如の情報を渡せるかと思うと、かすがの顔はほころんだ。 早く京での勤めを終えて、春日山城に帰りたいと思う。 遠回りをして上杉の屋敷に近づき、かすがは路地で着地した。両足をふんばって衝撃を吸収した時、振り上げた左手に微かな痛みを覚えた。 袖をめくると、手首から少し離れた辺りに赤い痣ができている。佐助に握られた時についたものだろう。 ――俺が協力してる理由、わかってるか。佐助の言葉がかすがの脳裏に浮かび上がった。 佐助の腕が、骨ばった指が、声が、思い出される。かすがは頭を振った。なぜそんなことを思い出すのかわからない。 かすがは右手で痣をなでた。この痣が消えるまでは、帰れない。謙信様に知られたくない。耳たぶが熱くなった。 不意にこわくなって、かすがは駆け出した。気づいてはいけないことに、気づいてしまいそうだったから。
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※運営がコンプガチャを卒業した模様。 期間中に6種類のカードをガチャで獲得するとSSレアカードが報酬として獲得できるガチャ。 関東風雲録以降はコンプリートが何度でも可能、複数枚コンプリート報酬が貰える仕様へ変更。 コンプリート報酬を受け取ると、新たにガチャを引けるようになる。 ↑旧 ↓新 ▼乱世の姫物語 ▼三方ヶ原合戦絵巻 ▼くノ一忍法帖 ▼九州群雄争覇 ▼関東風雲録 ▼ひな祭り ▼百花繚乱・名臣列伝 ▼風雲乱世・下克上 乱世の姫物語(姫ガチャ) コンプリート報酬 コンプリート武将 「太閤の側室」茶々 「小谷の方」お市 「神の恵みを受けし者」細川ガラシャ 「浅井三姉妹」初 「文武兼備の女丈夫」まつ 「越後の大慈母」綾姫 「徳川秀忠の正室」江与 三方ヶ原合戦絵巻(絵巻ガチャ) コンプリート報酬 コンプリート武将 「苦悩の女大名」徳川家康 「堅陣不抜の才女」高坂昌信 「公平無私の才女」内藤昌豊 「紅将軍」山県昌景 「颯爽たる艷将」武田信玄] 「甕通槍の豪傑」酒井忠次 「蜻蛉切の女傑」本多忠勝 くノ一忍法帖(くの一ガチャ) コンプリート報酬 コンプリート武将 「槍舞忍姫」服部半蔵 「変装無双のくのいち」風魔小太郎 「家康の密偵」初芽 「冷静なる女仕事人」海野六郎 「多彩なる女術士」猿飛佐助 「霧幻美人」霧隠才蔵 「妖艶なる歩き巫女」望月千代女 九州群雄争覇(九州ガチャ) コンプリート報酬 コンプリート武将 「三国一の女将軍」島津義弘 「肥前の猫娘」鍋島直茂 「眉目秀麗なる雷姫」立花ぎん千代 「孤立無援の女傑」高橋紹運 「冷酷無比なる大将」龍造寺隆信 「奔放自在なる大名」大友宗麟 「薩摩の女大名」島津義久 関東風雲録(関東ガチャ) コンプリート報酬 コンプリート武将 「八面六臂の女大将」北条氏康 「忍城の女傑」成田甲斐 「左衛門大夫」北条綱成 「竜を防ぎし女傑」佐竹義重 「関東無双の大将」里美義堯 「神出鬼没の乱破」風魔小太郎 「結城少将」結城秀康 ひな祭り(ひな祭りガチャ) コンプリート報酬 コンプリート武将 「従一位の女傑」寧々 「お東の方」義姫 「仙洞院」綾姫 「浅井三姉妹」江与 「雅なる女流文化人」三条夫人 「豪奢なる令嬢」茶々 「疑心暗鬼の姫君」瀬名姫 百花繚乱・名臣列伝(百花繚乱ガチャ) コンプリート報酬 コンプリート武将 「忠君愛国の女執政」直江兼続 「奥羽の知将」片倉景綱 「龍造寺の女家老」鍋島直茂 「譜代の女家老」酒井忠次 「最怖の鬼姫」義姫(おまけ) 「逃げ弾正」高坂昌信 「太閤検地施行者」石田三成 「怜悧なる才女」明智光秀 風雲乱世・下克上(風雲ガチャ) コンプリート報酬 コンプリート武将 「女太閤」豊臣秀吉 「大器晩成の英傑」北条早雲 「出雲の女統治者」尼子経久 「肥州の女熊」龍造寺隆信 「乱世の寵児」織田信長 「稲葉山城主」斉藤道三 「北陸転戦の女大将」長尾為景 「津軽の謀略姫」津軽為信 「下克上の勇将」陶晴賢 Copyrights © 2011-2012 Grenge, Inc.All rights reserved. 関東風雲録からコンプ報酬が複数枚もらえるようになった、って注意書きあるといいかな -- 名無しさん (2012-03-09 09 13 56) ↑情報ありがとうございます!知らなかった・・・(笑 -- 名無しさん (2012-03-09 16 57 31) 絵巻ガチャは美虎じゃなくて艶将じゃないか? -- 名無しさん (2012-03-12 16 36 17) ↑ありがとうございます!調べてみますね。なにせ情報源がmixiの公式コミュの雑談遡って探してたので、途中でごっちゃに…(`ロ´;) -- 名無しさん (2012-03-15 03 30 34) 画像荒いけどjpgなのかな?まぁ拘りすぎたらダルいだけか・・・。 -- 名無しさん (2012-03-16 17 01 10) 画像は無断転載だから、訴えられたらそもそもアウトだし…。 -- 名無しさん (2012-03-16 17 10 12) またサンタかよ -- 名無しさん (2012-03-19 13 25 14) 関東風雲録・・・コンプでもないカードがなんで2枚はいってんの?島左近&真田昌幸→結城秀康&里見義堯じゃないの? -- 名無しさん (2012-03-20 00 36 40) ↑ありがとうございます。修正しました。 -- 名無しさん (2012-03-21 12 17 27) 名前 コメント Copyrights © 2011-2012 Grenge, Inc.All rights reserved.
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登録日:2011/12/11(日) 23 04 14 更新日:2020/12/20 Sun 23 36 38 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 公式コミック 少女漫画 戦国BASARA 浅井夫婦 戦国乱世に今、大輪の絆が咲き誇る! 戦国BASARA2〜落花流水の章〜は、2007年〜2008年に月刊Asuka増刊ビーンズエースで連載されていた公式コミック。全4話。 作者は綾瀬マナ。 ゲームやアニメ等で大体悲劇的結末を迎える事の多い浅井夫婦の幸せな様子が描かれている数少ないコミカライズ。 話数こそ少ないが、少しずつ距離を縮める浅井夫婦の姿は浅井夫婦ファン必見。 また前田夫婦も1話だけだがゲームのノリで活躍するので前田夫婦ファンにも嬉しい仕様。 因みに戦国BASARAのメディアミックスで大抵メインを張ってる伊達軍・武田軍は1コマで語られる程度(後述)。 逆に他のメディアで大抵扱いが不遇な慶次が目立っている。 【登場キャラクター】 ●浅井長政 本作の主人公。ゲームよりツンデレ2割増。 お市の事を大切に想っているが故に厳しい事を言ってしまうのに過保護という不器用さん。 しかしお市を助ける姿はまさしく少女漫画のヒーローそのもの。 ●お市 本作のヒロイン。やや気弱な女の子として描かれていて、特に自虐的でもなければヤンデレない。 1話目から不器用ながらも優しい長政に惹かれている姿は、少女漫画補正もあってか可愛らしい。 本作の黒い手はお市が気絶すると発動する為、「是非もなし!」とか言わない。高笑いもしない。 ●前田慶次 ゲームの主人公。影薄いけど。 本作では雪の中行き倒れてた所を保護され、春が来るまで小谷城に居候させてもらう事に。 ツンデレな長政をたしなめたり、お市の手助けをしたりと出番は多い。 小谷城に来る前に各地で迷惑をかけまくっていた。その辺りの描写は2の慶次ストーリー及び利家ストーリーを反映させていると思われる。 ●前田利家・まつ 戦国BASARAきってのおしどり夫婦。各地を遊び回る慶次を追いかけて、手土産を持って小谷城へ来た。 お市に厳しく当たる長政の姿を見て、浅井夫婦の仲を良くしようと奮闘する。 お市の黒い手を何故かイキの良い昆布と勘違いして城で大暴れした。 ●織田信長 毎度お馴染み第六天魔王。最終話で浅井領に攻め込んできたラスボス。 一喝しただけで兵卒をバタバタ倒す等、相変わらず人間じゃない。 第2話で織田家雪合戦の図が描かれている。但し織田ではみんな雪玉に石を仕込んでいるので危険極まりない。 ●伊達政宗 1コマのみの登場。慶次に城で散々暴れられた。 ●真田幸村 1コマのみ(ry 慶次に上田城を荒らされた挙句蕎麦を食べられた。 ●島津義弘 1コマ(ry 慶次と三日三晩酒盛りをした。 花に嵐が咲くように 二人の幸せも 永久(とこしえ)とは限りませんが 今はただ 花を 春を 愛でるといたしましょう―― 追記・修正宜しくお願いいたします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 名前 コメント
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主達に注目されているうちに、またじわじわと淫水が滲み出てくるので 「ここで、遊んで欲しそうじゃな…ええ?」 (…あ…あっ…こんなはずじゃ…) 信玄はその部分をもっと弄ってやることにした。 潤んだ陰裂を中指ですぅ、と割り、割れ目に沿って指を滑らして往復させる。 しばらくそうやっているうちに、滑りの良さが増していく。 「んっ…んっ…んんぅ…」 かすがは、覆われた口元が蒸れてしまうくらいに熱い息を吐くようになっていく。 たっぷりと淫水を陰部全体に塗りのばしてから指先を立て、濡れた膣口の周辺で 遊ばせる。指を離す時にぴちゃ、と淫猥な音が鳴る。信玄はこれを繰り返し、 ぴちゃ、ぴちゃ、と断続的に音を鳴らす。 (はああぁ…虎殿…!そんなに音を立てては…) 「…んんぅ!…んぅっ!」 かすがはなんとか後ろを振り向いて目線で信玄に制止を乞うが、まったく 取り合って貰えない。 (佐助が…気づいてしまう…) 意識するとますます、かすがの中から淫水が漏れ出ていってしまい、水音が 派手になっていく。そして、そのなんとも癖のある水音が、佐助の意識を 呼び覚ましてしまう。 「……う……うん…?」 ぴちゃぴちゃぴちゃ…という水音がだんだん耳に付いて離れなくなり、それを 気にかけるうちに佐助の暗くぼやけていた視界もだんだんはっきりとしてくる。 (…あぁ…何だ、この音?…うるさ…) 頭を持ち上げた瞬間、 「いぃぃぃっ!?」 眼前に広がるかすがと信玄の痴態にたまげて固まる。 「…おや、さすけ?」 「気が付いたか」 (あああぁぁ…虎殿の…意地悪っ……) かすがは落胆のあまりにうなだれる。 「あ…はぁ…」 起き抜けの佐助には刺激が強すぎたらしい。 謙信は、再び意識が遠のきかけた佐助の後頭部を片手で持ち上げる。 「なぁぁ…何…すんの……ん?」 脱力感に満たされた佐助の目には覇気が無く、声もへなへなになってしまっている。 まだ余韻が抜けきっていない様子だというのに、そんなことなどお構いなしで 「では、下の方は佐助に任せようか」 「ええ、そうですね」 勝手に佐助の役を割り当ててしまう主達。 「ん、んなっ…」 謙信は佐助の鼻と口をかすがの股の間にむぎゅ、とめりこませてみる。 「んっ」 かすがが声を上げる。佐助は一瞬どきっとするが、ぎゅっと目をつぶって誘惑をこらえる。 顔を横に倒して、謙信に目を向け、 「…よして…くれる?」 ムスッとした顔で、首を小さく左右に振る。 武田軍×上杉軍40
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雲一つない晴れた空を見上げ眩しげに手をかざす。 「ああ~、これは花見日和だねぇ」 猿飛佐助は庭先で鍛錬をする己の主へと視線を移し、小さく苦笑した。 「ま、旦那には花より団子って感じかな」 若々しい虎の若子の姿に、佐助の頬も自然と緩む。 「何か言ったか、佐助!」 素振りをしていた手を止め、真田幸村は縁側で武器の手入れをしていた佐助に話しかけた。 「んー、天気が良いから花見なんてどうかと思ってさ、どう?」 小首を傾げて柔らかく笑む彼女の姿に幸村は何故か頬に血が上ってくるのを感じた。 戦場で見せるぴんと張り詰めた表情も凛々しくて好きなのだが、普段の何気ない仕草の中にふと見惚れてしまう。 「…今からでは間に合わないぞ」 何とか返事をすると、訳もなく恥ずかしくなって視線を逸らした。 「じゃあ、ここからでも良いんじゃない、ねえ真田の旦那!」 確かに、この館の周囲にも桜は咲いており、塀の向こうからひらひらと薄紅の花弁が舞い込んでくる。 「うむ…そうだな」 「決まりだね、何か持ってくるからちょっとここで待ってて」 ぱん、と手を鳴らすと、佐助は広げていた武器を手早く片付け、腰を浮かす。 「待て、佐助」 頭で考えるよりも先に幸村の手が動き、彼女の体を後ろから抱きすくめた。 「もう子供じゃないんだから、ね?」 細い体を抱きしめる主の腕にそっと手を添えると、佐助は首だけ振り向いて幸村の顔を伺った。 「…何も要らぬ、その…二人で桜を眺められれば」 「まーた、何言ってんだろうねぇ、この人は」 力の緩んだ腕を外すと、くすくすと笑みを零し、幸村の方へと向き直ろうとした。 「佐助!」 再び強い力でがっしりと抱きしめられた。 「…どうしたの、真田の旦那?」 ぎゅっと抱きついてくるのはいつもの事だが、少しばかり様子が違うようだ。 駄々を捏ねる子供をあやすように、佐助の手が幸村の髪を優しく撫でた。 「……また、来年も一緒に花見をしてくれるか?」 ぼそり、と照れ混じりの言葉に佐助は僅かに驚いたように目を見開いた。 「大丈夫、ずっと居るから、ね?」 「では再来年もその次の年も…」 「そうそうずっと一緒に花見しようよ、皺くちゃの爺さん婆さんになってもね」 だが、その言葉も確かなものではないと二人とも分かっている。 いつ戦いで命を落とすか分からない、あるいは暗殺されないとも限らない。 せめてこの一時だけはそれを信じたいと思い、しばらくそのまま動かなかった。