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236 :笑ってアミーゴ 1/9:2005/05/26(木) 21 13 42 ID ??? 『網野 吾一アワー 笑ってアミーゴ!』はタレント・網野 吾一(アミノ ゴイチ)が 司会を務める、富士テレビ系列の平日お昼の生放送バラエティー番組である。 日替わりで訪れるゲストとのトークコーナーが人気。ゲストは最後に友人・知人を紹介し、 その場で本人に電話をかけてアポを取る。紹介された人物が翌日のゲストになるのだ。 網野の「明日来てくれるかい、アミーゴ?」という問いに、 スペイン語で「クラーロ!(=もちろん!)」と答えるのがお約束となっている。 「じゃあ奏江ちゃん、そろそろお友達を紹介してくれる?」 観客:えぇ―――!?やだぁ! 「ふふ、ありがとうございます。えーと、同じ事務所で同期の京子を…」 「おっ、京子ちゃん!京子ちゃんといえば“未緒”だね(笑)」 観客:えっ―――…!? 未緒、怖ーい!! 「大丈夫ですよ、皆さん。来るのは“未緒”じゃなく京子ですから(笑) あっ、繋がった」 『モー子さぁ~ん!! やっぱり私のことを大切な親友だと思ってくれていたのね!』 「この番組はね、友人・知人を紹介するのよ。分かる? 知人もありなの。 電話をかけたからと言って親友とは限らないのよ。じゃ、網野さんに代わるわね」 『何よぉ~、モー子さんの意地悪ぅ~!!』 「酷いなぁ、奏江ちゃん(笑)京子ちゃんお久しぶり~」 『あっ、お久しぶりです、網野さん。京子です』 「と言うわけで、明日のお昼なんだけど、大丈夫かな?」 『親友のモー子さんの紹介ですからね! 何があっても行かせていただきます!』 「あはは。相変わらず面白いなぁ。じゃあ、明日来てくれるかい、アミーゴ?」 『クラーロ!』 「じゃあお待ちしてまーす」 「では。本日のゲスト。『DARK MOON』の本郷未緒役でおなじみ、京子ちゃんでーす」 「どうもこんにちは。お久しぶりです。 あの、ポスター持ってきたんですけど…」 「あっ。『DARK MOON』だね」 観客:きゃぁぁぁぁぁ!! 欲しいぃぃぃぃ!! 蓮―――――っ!! 「おいおい。蓮は居ないから。 でもこのポスターいいよね~。俺も好きだなぁ、これ。おーい、ちょっとこれ貼っといて~。 あっ、花束沢山きてるよ。『DARK MOON』スタッフ一同、カインドーさんに黒崎監督、 新開監督、あっ、松内瑠璃子ちゃんからもきてるね~」 「みなさん、ありがとうございますっ!」 「それからねぇ、蓮からも…」 観客:きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 欲しいぃぃぃぃぃぃぃ!! 蓮――――――――っ!! 「だから蓮は居ないって!」 「うふふ」 「どうぞどうぞ、おかけください」 「失礼します」 「それにしても京子ちゃんの“未緒”はすごいね~。 俺、初めて見た時、怖くてトイレ行かれなくなっちゃったよ」 「やだ、人をお化けみたいに言わないでください!」 「いやぁ、あそこまでいけば、頑張ればきっと生霊出せるよ、京子ちゃん(笑)」 「もぅ!」 「いやいや、それくらい京子ちゃんの表現力が凄いって事。褒めてるのよ、俺」 「ほんとですかぁ?あまり褒められてる気がしませんが…(笑)」 「ホントだって。でもさぁ、ドラマってこれが初めてだったんでしょ? とても初めてには見えないよ~。演技の勉強はしてたの?」 「LMEの養成所では基礎かなりみっちりと勉強しましたね。今も通ってます。 それとは別に、運よく撮影現場を見学できる機会があったので、 先輩の演技を間近で拝見する事で、かなり勉強になりました」 「ふふふ。情報によると、その先輩ってのが蓮の事だって話なんだけど」 観客:え―――っっっ!? 「なんでも、蓮のドラマ撮影現場には京子ちゃんが常にいるとか(笑)」 「…話がなんだか脚色されてますよ、それ(笑) 多分、代マネをした時の事が変な風に伝わってるんだと…」 「代マネ?」 「はい。以前、事務所の事情で敦賀さんのマネージャー業務を代理で担当した事が あったので、その時の事だと思います。でもあれって、数日間だけなんですけどね。 その後すぐ『DARK MOON』で共演させていただいてるので…」 「な~んだ。つまんなーい。俺としてはもっと色っぽい話を期待してたのになぁ。 でもさぁ実際に蓮の演技は勉強になるでしょ?」 「そうですね。色々な俳優さんの演技から勉強させていただいてますが、 拝見する機会が一番多いこともあって、敦賀さんからは物凄く…」 「ふふ。それって演技だけじゃないんじゃない?」 「へっ?」 「だって現場で拝見する機会が一番多いって、会う機会が一番多いって風にも 受け取れるでしょ? だったら実はプライベートでも会ってるってのもありかなぁ、 とか 思うわけよ、野次馬としては」 観客:嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!! 「もぅ!“現場で”って言ってるじゃないですか! 網野さんは何でもそういう方向に話を持っていくんですから」 「あはは。まぁ俺も司会者という立場上、話を引き出さないとね(笑) っと残念、時間切れ。続きは後で二人っきりになって聞き出すとして、お友達を…」 観客:えぇ―――!? やだぁ! もっと聞きたぁーい! 「ふふふ。次の瞬間には皆さん『明日来れば良かった』って後悔しますよ」 観客:えっ!? 「『あぁ、なんで観覧希望日を明日にしなかったのかしら。わざわざ有給取って 来たのに、よりによってこんなポッと出の新人がゲストの日に当たるなんて!』 とか思うに違いないわ。ふふ。いいんですよ、正直に言って」 「きょ、京子ちゃん。なんだかどす黒いオーラを感じるんだけど…」 「あっ。すみません。(つい未緒モードが…) えっとですね。事務所の大先輩で、私が最も尊敬する俳優の敦賀 蓮さんを…」 観客:きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 「ほらね。言ったとおりでしょう。くっくっくっ」 「いやだから京子ちゃん、黒いオーラが…。あっ、電話繋がったみたいね」 『もしもし』 観客:きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!! きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 「あっ、敦賀さん、お疲れ様です。京子です。今、お電話よろしいでしょうか」 『大丈夫だよ。相変わらず、ビジネスマンみたいな電話の話し方だね』 「失礼な! ビジネスマナーとして当然の対応ですよ」 『そうか。そうだね。じゃあ俺もこれから見習うとするか』 「もう! 馬鹿にしてますね!? じゃあ、今度テストしちゃいますよ?」 『楽しみにしてるよ。ところで、…なんだかすごいね、後ろの声が』 「誰のせいだと思ってるんですか。全部敦賀さんに対する歓声ですよ! うふふ、でもさすがですね。なんていったって、抱かれたい男 No.1ですからね~」 『君もそう思ってくれてるのかな?』 観客:きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 抱いて――――――っ!! 「もぅ、また! 悪趣味な冗談、言わないで下さい。あっ網野さんに代わりますね」 『あぁ、じゃあまたね』 「もしもし、お久しぶり」 『ご無沙汰してます。お元気ですか?』 「おかげさまで。未緒の黒いオーラと会場の黄色い悲鳴にやられてるよ(笑)」 『未緒のオーラは目まいと動悸と身体の震えを引き起こすので、気をつけて下さいね(笑)』 「二人ともひどーい!!」 「えぇ、じゃあ俺、倒れて明日の収録来られないかも!?」 『じゃあ、明日は番組中止にしますか?』 「だめだめ!そんな事されたら、明日見に来る予定のお客さんが暴動起こすから。 お願いだからちゃんと来て! 俺も這ってでも来るから(笑) ってことで、明日来てくれるかい、アミーゴ?」 『クラーロ! 「いやもう、今日はほんと、すごい人。朝から局の前が。まぁ気持ちは解るよ。 俺もコイツにだったら抱かれてもいいって思うから…って、んな訳ねーだろ! とにかく、抱かれたい男No.1の俳優・敦賀 蓮でーす!」 観客:きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!! きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 「どうも。網野さん、ご無沙汰してます」 「ほんと久しぶりだよな。まぁ、座って座って。もう花束多すぎるんで、以下略」 「皆さん、どうも有難うございます。…で、網野さんは何故ニヤニヤしてるんですか?」 「えっ!? いやぁ、京子ちゃんからも届いてるなーと思って」 「そりゃぁ、俺も昨日彼女に贈りましたからね。そのお礼でしょ」 「ふーん。(ニヤニヤ)まぁ、その話はこれからゆっくりとね、うん」 「なんなんですか、本当に」 「だってさぁ。初めてに等しいわけよ、お前をこーいう具体的なネタで 弄れるってのは。 嬉しくって、そりゃ顔も緩みますよ」 「具体的なネタって?」 「とぼけちゃってぇ~。京子ちゃんだよ、京子ちゃん。 お前、京子ちゃんとプライベートで電話する仲だろ?」 観客:え―――――――っっっ! 「そんなことないですよ。業務連絡ぐらいですよ」 「嘘だね。お前、京子ちゃんの電話の話し方を『相変わらず』って言っただろ? って事は、昨日以前にも何度か電話でやり取りをして、その度にあの口調だった筈だ。 お前の言う“業務連絡”なら、話し方がビジネス口調でもおかしくないのに、 お前はそれを話のネタにした。という事は、ビジネス口調でない方が適切な電話、 つまりプライベートな電話のやり取りがあるに違いない!」 「あなたは探偵ですか(笑) でも仕事の電話でも、部長と新入社員などでなく、 同じ課の先輩後輩の仲なら、もう少しくだけてるでしょ? そういう意味ですよ」 「くぅ。屁理屈こねやがって! だけど、ネタはこれだけじゃないぜ! お前、さりげなく、と言うよりどさくさに紛れて自分に抱かれたいかどうか聞いただろっ!?」 観客:嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 私を抱いてぇ―――――!! 「嫌だなぁ、網野さん。京子ちゃんも言ってた通り、冗談ですよ、冗談」 「てゆーか、お前じゃなかったらセクハラで訴えられるぞ、あれ」 「大丈夫ですよ、誰にでも言ってるわけじゃありませんし」 「ほらな、京子ちゃん相手にしかそーいうこと言わないんだろ? しかも! 京子ちゃんが『もぅ、またっ!』って言っただろ?って事は お前はいつも、京子ちゃんにあの手の悪趣味な冗談を言ってるって事だ。 どうだ、そうだ、そうに違いない! それになぁ、俺は電話を代わる直前にお前が『またね』って言うのを聞いた! しかと聞いた!」 観客:え―――――――っっっ! 「そんなの普通の挨拶じゃないですか」 「馬鹿だなぁ、お前は。普通の挨拶だったら、それこそ『代わります』『あぁ』だけでいいじゃん! それを『またね』って事は、だ。『また電話してね』とか『また電話するよ』 とか『またご飯食べに行こうね』とか『また映画に行こうね』とか…」 「…網野さん、『またね』から妄想広げすぎですよ(笑) 今日は妙にテンション高いですね。…もしかして、また夫婦喧嘩とかしました?」 「わぁ――――――っっっ!お、俺の話はどーでもいいんだよ! 話をはぐらかしやがって!問題はお前だ、お前! そもそも、京子ちゃんだって昨日、『一番会う機会が多い』って言ってたぞ!」 「だからそれは、彼女も言った通り“現場で見る機会が一番多かったのが、俺の演技”って事でしょ。 どこぞの怪しい週刊誌のように、話を捻じ曲げないでくださいよ(笑)」 「つまんねぇ―――!どーしてお前はことごとく恋愛ネタを潰すんだよ! 俺がこう、些細なネタを一生懸命トーク向けのネタに面白おかしくアレンジしてるのに! トーク番組なんだから、話をこう、もっと広げろよ!」 「そんな何でもない事を色恋沙汰に無理やりアレンジしないで下さいよ(笑) 大体、そんな風に自分の事をネタにされたら、普通誰も乗ってこないでしょう。 いや、でもある種の才能ですよね、そーいうところ」 「あっ。お前、俺を馬鹿にしてないか。世の中、まずは愛だろ、愛! どんな些細な仕草だろうと、何気ない言葉だろうと、俺はそこに愛を見出すね! 愛があれば、年の差だって身分の差だって、関係ねーんだよ!」 「―――…っでも、年の差や身分の差…いや、そういうものも関係なく、 報われない愛もありますよね」 「愛がすべて報われると思ってるから駄目なんだよ。 報われなくても、愛そのものはそこにある筈だ。そもそも報われるってなんだ? 自分の相手への気持ちに対して、それに見合う気持ちが欲しいって事だろ? 自分の愛の見返りに、相手の愛を求めてるんだろ。それだけじゃ駄目だよ。 気持ちが通じ合えばベストだけどよ。 報われなくても、自分の中に愛があることで、心を豊かにできる筈だ。 確かに報われない愛を抱え続ければ、つらいかもしれない。 それでも。それを一生抱え続けていくって愛し方もあるんじゃねぇの? だからよ、愛があれば、年の差だって身分の差だって、関係ねーんだよ。 自分の心の問題だ。違うか? って。なんで俺がこんな真面目に恋愛論を語ってんだよ! おい、蓮!そもそもお前が変なこと言い出すからだぞ!」 「―――…」 「おーい、蓮?」 「あっ、いや、とても心打たれるお話でした。 さすが業界一のオシドリ夫婦。だから早く仲直りを…」 「うっ、うるせ―――っ!俺のことはどうでもいいんだよ!って、また時間切れじゃねぇか。 蓮、今日はこの後オールで飲みだぞ!逃げんなよ! はい、じゃあ友達紹介して」 「切り替え早いですね(笑)あんまり毎晩飲んでるとまた夫婦喧嘩に… って、クッション投げないで下さいよ、大人気ない。分かりました。もう言いません(笑) じゃあ、ドラマの中で俺の想い人を演じている、百瀬 逸美ちゃんを…」 さて、その日の夜。 「で。どうなのよ。蓮。ホントのところはよぉ」 「なんですか、網野さん。そのチンピラみたいな口調は…」 「はっはっはっ。網野君の言うとおりだぞ、蓮。 お前もそろそろ本音で話をしてみろ。社だって心配してるぞ」 「…だから、どうして、社長までいらっしゃってるんですか」 「ん?俺か?テレビを見ていたら、網野君が愛について熱く語っていたからな。 甚く感動して、こうして馳せ参じたわけだ」 「さーすが、天下のLMEの社長! そうですよね、世の中、愛ですねよね、愛!!」 「そう。愛あればこそだぞ、蓮。 お前も嘉月役で一皮向けたかと思ったが、まだまだ甘えなぁ」 「大体、お前は昼間のトークで俺様の愛の説教中、一瞬固まったよなぁ。 年の差だの、身分差だのに拘ってるみたいだしよぉ…なんかあんだろ!?」 「いやだなぁ、そんなことありませんよ、網野さん」 「そうだ! 社さんなら何か知ってるんじゃないですか? ねぇ、社さん?」 「い、いや、お、俺の口からは、その…」 「ははは。社。それじゃあ『何かありました』と言ってるようなものだぞ」 「やっぱり何かあったなぁ! 蓮、吐け、吐けよ、このヤロー!!」 「―――…はぁ。どうしてこんな事に…」 まだまだ夜は始まったばかりなのであった―――…。 終わり
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595 :天然コケコッコー 1:2005/06/14(火) 20 43 52 ID ??? ここはTBM。 ロビーを颯爽と歩く人物がひとり・・・。 そして、その人物に声をかける人物が・・・ 。訂正、動物が一匹。 「敦賀くん!」 「君は・・・・」 ここはTBM 裏倉庫。 先ほどロビーを颯爽と歩いていた人物、芸能界一いい男 敦賀蓮と 声をかけた・・・動物、TBM「きまぐれロック」マスコット、鶏の坊が肩を並べていた。 「ドラマ見たよ!いい感じじゃないか!」 「ああ・・・見てくれてるのか・・うん、なんとかね役をつかむ事ができたよ。 あの時はありがとう。 ちょうど君にお礼を言わなければと思ってたところだったんだ」 その言葉に感動する坊(=キョーコ) しかしすぐさま『気になるあの事』について触れてみた。 「あの・・・前に言ってた子とうまくいったのかい?」 愛の演技に行き詰ってた蓮、実際に好きな子がいるならーーとけしかけた後 見事に役を掴み復帰。 蓮が役を掴むことができたのは『自分が練習相手をしたから』ということには 全く気づいてないキョーコは、好きな子とうまくいったからなのでは?と勘ぐっていた。 「いや、うまくというか・・・確かに彼女のおかげで役を掴むことができたけど 別に何もないよ。・・・・これからもどうこうなる気はないし・・・。」 そういって寂しげな表情を浮かべる蓮を見てキョーコも胸が痛くなる。 「・・・そうだ!君の好きな子!イニシャルだけでも教えてくれないかなぁ? あれから気になって気になって仕方ないんだよぉ。 いいだろう?君と僕の仲じゃないか!!!!」 「君と僕の仲・・・ってどういう・・・。」 「いいじゃないか!イニシャルだけ!絶対に他に漏らしたりしないからさぁ~」 しつこく聞いてくる鶏に蓮は少々あきれながらイニシャルぐらいなら・・と考えた。 どうも、この鶏には自分は何でも話せる気がする。 人じゃない(鶏)だからだろうか・・・。 「イニシャル・・ね、イニシャル・・・K・・・かな?」 「K・・かな?・・かなってなんだよかなって・・・・」 そういいつつ、自分の知る範囲での蓮の周りの人間で イニシャルKの女子高生を思い出す。 と、突然立ち上がり 「も!!!!!!!」 鶏の発した「も」という言葉に一瞬、ビクリと蓮の肩がゆれる 「も・・も・・・・・も!!!!」 「(・・・まさかこの鶏、最上さんの事、知ってる・・・・?)ど、どうした?」 キョーコのことだとわかったのだろうかと焦る蓮。 「も・・モー・・じゃなくて・・・もしかして、琴南奏江・・・とか・・?」 蓮の周りでイニシャルKを持つ女子高生、キョーコの知る範囲では 自分の親友、モー子さんぐらいしか思いつかないキョーコ。 自分もイニシャルKを持つ女子高生、ということには全く気づいてない。 -モー子さんだったらヤバイわ!モー子さん、絶対に敦賀さんに恋愛感情なんて 持ってそうにないもの。敦賀さん玉砕じゃないの!- と、キョーコが余計な心配をしていると 「琴南さんではないね。って君、琴南さんの事、知ってるんだ?」 -ホ。モー子さんじゃないのか。良かった。- 「あ?ああ~~~ファン!そうそうファンなんだよ~~」 実は親友です、なんて口が裂けてもいえない。 ある意味、ファンというのも間違いではないので嘘ではない。 しかし、モー子さんじゃないとなると、それ以外キョーコは思いつかない。 「ねぇ!やっぱりイニシャルだけじゃなく、名前教えてよ。 下の名前だけでいいからさぁ~~」 「君ねぇ・・。知ってどうするの。というか、これ以上はノーコメント!」 「いいじゃないか~君と・・」 「僕の仲はただの知り合いだ!」 「・・・・・。わかった。」 やけにあっさり引き下がる鶏だな・・と思った瞬間 「敦賀蓮は『てんてこ舞い』の意味がわからなかった。って週刊誌に売ってやる。」 売るべきものが違うだろ・・と思いつつ、さすがにソレ(てんてこ舞い)については あまり他言してほしくない。 やっぱり、自分はなんだか鶏に弱いなぁと思いつつ 「・・・きょうこ・・・・」 ボソリとつぶやく。 名前を口にするだけでも何だか気恥ずかしい。 -本当に・・・なんて重症なんだ、自分は・・・ー ボソリとつぶやき、キョーコを思い浮かべ赤くなってる蓮を見ながら -敦賀さん、なんて顔するんだろう・・・って、ちょっと待て?- 何か今、重大なことを言ったような気がする。 「・・ゴメンもう一度いいかな・・?」 「何度も言わせるなよ。・・・・・キョウコ・・・・」 -・・・・・・・・・・!? ぬぁああああああああああんですってぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!- 鶏の着ぐるみの中で、驚愕のキョーコ。 驚きすぎて声も出ない。 と、背後から蓮を呼ぶ社の声がした。 「蓮!時間!」 「あ、はい。今いきます。」 そう社に返事をし、いまだ(中身は)固まったままの鶏に向かって 「それじゃあ、また・・。今の話、絶対に秘密だから!」 そういって蓮は去っていった。 ぷきゅ。ぷきゅ。ぷきゅ ここはTBM。 一人・・いや、考えながら歩く鶏が一匹。 -敦賀さんの好きな子が『きょうこ』 まさか私と同じ名前だなんて・・・・ なんだか変な気分だわ。 そうだ!明日、社さんに会ったらそれとなく聞いてみなくちゃ- 激しく勘違いしているキョーコ。 次の日、衝撃の事実を知ることとなる。 翌日、LMEにて 「え?蓮の知り合いで『キョウコ』っていう名前の女子高生? う~~~ん俺の知るところでは、キョーコちゃん!君しか居ないと思うよ? -------って、え?え?え----? キョ、キョーコちゃーーーーーーーーーーーん! しっかりーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 倒れるキョーコを支える社の絶叫がこだましていた。 キョーコが目を覚ますまで、あと少し・・・・・ =おわり。お粗末さまでした~=
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306 :305:2005/05/29(日) 15 30 56 ID ??? どうしたらあの人にもっと近づけるかしら? どんなに願ったってすぐに大人になれるわけがない そんな事百も承知だわ あの人は私のことをまるで妹のように可愛がってくれるけど そんなのは嫌だわ 私はあの人の「特別」になりたいのよ いつまでもパパに愛されてるママのように 私にとってあの人が「特別」なように―――… ねぇ、どうしたら私あなたの特別な女の子になれるの? 教えて、蓮さま――――。 「ねぇ、お姉さま?年上の男性を誘惑するいい方法知らない?」 事務の仕事の手伝いをしているピンクのつなぎの少女―――最上キョーコは自身が所属している芸能事務所の社長の孫―――宝田マリアの質問に声を詰まらせた。 「ゆ………誘惑ってマリアちゃん!?」 「あっ、年上の男性って蓮さま限定ね。他の男なんかひっかけたってしょうがないもの。」 「まりあちゃん…なんの話を…」 不自然な笑顔で応対するキョーコにかまわずマリアは続ける。 「独身・一人暮らしの男は手料理で攻めろって事務所のおばさんたちが話してたけど、 私まだ小さいからパパに包丁を使うの禁止されてるのよね。 10や20の年の差なんて気にしないけどこういう時自分が子どもである事実には 辟易するわ。」 ため息を吐きながら近くの椅子に腰をかけるマリア。どう考えても小学生の言動ではない。 (相変わらず大人びてるというか、耳年増というか…。 それにしても独身男は手料理で落とせ、ね。…って、ええぇ!!?) つい最近とある俳優の自宅に料理を作ったり、お弁当を作ったりしている自分の行動を振り返り 「私そんなつもりで料理作ったわけじゃ…」 と思わずつぶやいてしまい、キョーコはしまったと思った。 マリアがそれを聞き逃すはずもなかった。 「お姉さま、誰かに料理作ってあげたことあるのね?? ねぇねぇ!どんな方なの?」 すかさず興味津々の顔で聞いてくる少女にキョーコはしどろもどろになりながら答えた。 「えーーと……」 (さっき思い浮かんだのは敦賀さんだけど そんなこと正直にマリアちゃんに言ったら、、、そ…想像するのも恐ろしいわ!! 他に誰かに料理を作った経験といえば…――) キョーコの脳裏には別の男の顔が浮かんでくる。と同時にマリアは部屋の空気が黒く澱むのを感じた。 「むかぁ~~~し、え~~と家庭の事情で知り合いの男に作ったこともあったけど、 そいつは私と同い年だからマリアちゃんの参考にはならないわ。 それにね、好意を持った相手に真心を込めて料理を作ったら 相手が振り向いてくれるなんていうのは紛れもなく幻想よ。」 にっこりと微笑んでキョーコは言い放った。 有無を言わさぬキョーコの背後に以前も感じたことのある不穏な気配を感じて マリアは適当な口実を使い、その場を離れた。 (お姉さまって過去に何があったのかしら。いつも聞けなくなるのよね。 まぁ言いたくない事を無理に聞くような無粋な真似はしないようにしなくっちゃ。) マリアは腕を組み、下を向いたまま廊下を歩き続けた。 「マリアちゃん!?」 グイッと誰かに腕を引っ張られてマリアは顔をあげた。 目の前には白い壁が迫っていた。 振り返ったマリアの瞳に映ったのは 「蓮さま!!」 満面の笑みを浮かべてその首筋に手を伸ばし、いつものように抱きあげてもらう。 「前を向いて歩かないと壁にぶつかるよ?どうしたの?」 「えへっ。ちょっと考え込んでたの」 心地よい蓮の腕の中でマリアは照れながら答えた。 「何を?」 「え~~とね、、、」 お姉さまの、といいかけた口を一旦閉じマリアは言いなおした。 「蓮さま?男の方って年下の女性と年上の女性、どちらに弱いものだと思う?」 「え?そうだなぁ。やっぱり人それぞれ違うものだと思うよ。 年上に憧れる人もいれば、年下に甘えられたいって思う人もいるし…」 (ってオレは何を真剣に答えてるんだ。) 「じゃあ蓮さまは?どっちが好き??」 「オレ?オレは…」 蓮の脳裏にはキョーコの顔が浮かんだが、蓮はフッと笑ってマリアに向き合った。 「オレは年は関係ないかな。その人自身が魅力的であるのなら年上とか年下とかは 関係ないんじゃないのかな?」 「ほんと??」 蓮の腕から降ろしてもらうとマリアは少し蓮から小走りで離れ、振り返った。 「蓮さま!私絶対にいい女になるわよ。 そこらの女なんか目じゃないわ。 今の自分に満足したりしないで、ずっと自分を磨き続けるわ。 ママよりも誰よりも輝けるようにね。 だから、楽しみにしててね。」 そこまで言うとマリアは走り去って行った。 残された蓮は少し呆然として 「まいったな。将来がこわいなぁ」 と微笑を浮かべてつぶやいた。 その日の夜、マリアがLMEの事務所にいると蓮のマネージャー、社が入ってきた。 「あれ?マリアちゃん。こんな時間にどうしたの?」 「おじい様を待ってるの。ちょっと聞きたいことがあるから。 まだお仕事終わりそうにないからこっちで待ってるの。 社長室なんて誰も来ないから暇なんだもの。社さんは?お仕事?」 「うん。ちょっと今日中に蓮に渡しとかないといけない資料があったから 取りにきたんだ。さっきから探してるけど見つからないんだよなぁ」 「蓮さまは?」 「あぁ、隣の部屋で仮眠取らせてる。 昨日ロケが長引いたからほとんど寝てないんだよ、あいつ。」 それを聞くとマリアは反射的に走り出した。くるっと振り向き 「起こさないように気をつけるから。」 社にそういい残し、蓮のいる部屋の前まで来るとそっとドアを開けた。 中に足を踏み入れ、電気のついてない部屋を見回すと、ソファに横になっている蓮が目に入った。 パタンとドアを閉め、蓮の眠っている傍まで足音をたてないように気をつけながら近づく。 相変わらず端正な顔立ちをしており、微かな寝息をたてている蓮をみてマリアは微笑んだ。 (こんな場面に遭遇することほとんどないものね。なんだか嬉しいな。) ソファの前にしゃがみこみ、まじまじと蓮をみつめる。 さらさらと微かな風にもなびきそうな黒い髪、目を伏せていると一段とわかるほど長い睫毛、そしていつも笑みを絶やさない唇―――…。 (やだ…なんだかドキドキしてきた…) 愛しい男性を見つめすぎたせいか、マリアは顔が赤くほてるのを感じた。 (だって、眠ってる蓮さま見るの初めてなんだもの。 それにしても疲れてるのかな?全然起きそうにないわね。 なんだか意外な感じ。 隙のない蓮さまのことだから人が近づいただけで飛び起きそうなのに。) その時、蓮にかかっている毛布がずり落ちそうになっているのに気づいた。 (風邪引いちゃうわ。ただでさえ空調が効いてるのに。) 掛けなおそうとして手に取った毛布は蓮の体温で温ためられていた。 (こんなことでドキドキしたりしないの!) マリアは目を閉じて自分自身に言い聞かせ、動悸を止めようとするが、いつもと違う暗闇がなにか、今まで感じたこともない衝動をマリアに教えていた。 この部屋にはマリアと眠っている蓮の二人きり。明かりは窓から入ってくるネオンと月明かりだけだった。 毛布を掛けなおし終えると片手をソファに置き、もう一方の手で蓮の髪に触れる。 (ほんとにさらさらね。) 横向きに寝そべっている蓮を上から見下ろす形でそっと頭を撫でる。マリアはそのまま頭を下に降ろして無防備な蓮の横顔にキスをした。 マリアの長い髪が少し蓮の顔にかかったが深い眠りに落ちているからか微動だにしない。 (いつもなら蓮さまの子どもだからしょうがないって少し困って笑う顔が 見れるんだけどな。) 何の反応もないことに一抹の寂しさを覚えるとともに、マリアの視線は唇に移る。 (い…いけないかな?いけないよね。 寝込みを襲うなんて立派なレディのすることじゃないもの。 …でも、誰も見てない…) ますます早打つ鼓動を抑えられず、マリアはそっと自分の唇を蓮のそれと重ねた。 すぐに離れたものの唇に蓮の体温や頬とは違う少し濡れた感触、蓮の吐息を直に感じて、 マリアはこれ以上ないほどに赤面し、熱い頬を両手で押さえてその場にしゃがみこんだ。 数分間うずくまっているとドアを軽くノックする音が聞こえた。 (誰か来たのかしら。) 一瞬大きく跳ねた心臓の音に気づかないフリをしてドアを開けると、 そこには自分の祖父・LME社長の姿があった。 「遅くなって悪かったな。それにしてもこんな暗いところで… あぁ、蓮が寝てんのか。 最近いつもに増してハードスケジュールだからな。 で、オレに聞きたい事ってなんだ?」 自分の赤い顔を気づかれていないことに安堵し、廊下に出る。 蓮のいる部屋の扉を閉めるとマリアは祖父に向き合い言った。 「ねぇ、おじい様。ママよりも誰よりももっともっと素敵な女性になるためには どうしたらいいと思う? どんなタレントより女優よりもよ。」 「そりゃぁ、いい恋愛をするこった。 いい恋愛は…」 その後も祖父の恋愛論を聞きながら、マリアは家路に着いた。 今日のことは自分だけの胸にしまっておこう。いつかちゃんと蓮を振り向かせられるようになる日まで。 「・・・ん、れん、蓮っ!!」 社の声で目を覚まし、体を起こす。 寝なれないソファで眠ったからか、体が少し痛い。 「あっ、すいません。本気で眠ってしまってたんですね。」 まだ少しぼうっとした頭をはっきりさせようと髪をかきあげながら話す。 「全然いいって。最近ハードスケジュールだったもんな。眠れたならよかったよ。」 (・・・) 眩しすぎる照明にまだ目が慣れないため、目をつぶると瞼の裏に女性のシルエットが浮かぶ。 (あれは誰だったんだ―――…?) 少し考えにふけってしまった蓮を訝しく思って社が訊ねてくる。 「どうした?蓮。」 「いや、さっき珍しく夢を見てたんですけど、見たこともない女の人が出てきたもんだから…」 「へぇ~~。そんな事いいながらキョーコちゃんだったんじゃないのーー??」 社が嬉しそうに聞いてくる。 (どうしてこの人は何でもかんでもあの子に結び付けるんだ…。) 「違いますよ。髪の長い、ウェーブのかかった女性でした。モデルみたいな体型の。 どこかでみたことがあるような、ないような、、、」 既に消えかかっているその女性のイメージを思い出そうとしたが、もうほとんどわからなくなっている。 「まぁそんなこともあるって。そんな気になるの?」 「いえ…別に。」 そういうと蓮は立ち上がり、その部屋を後にした。 その女性とはいつか会うことになる。 そんな予感を少しだけ感じながら―――――。 FIN
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107 :呪い人形 1:2005/05/18(水) 21 35 10 ID ??? 蓮はLME事務所のロビーを歩いているマリアを見つけ声をかけた。 「やぁ、マリアちゃん久しぶり。何か良い事でもあった?」 不意に声をかけられ驚いた様子を見せるマリアであったが、すぐに「蓮様だぁ~♪」と いつもと同様の態度を見せ駆け寄った。 「ごめんね、マリアちゃん。突然声をかけたりして驚かせちゃったかな?」 マリアが蓮を見て一瞬驚いたのには、実は理由があった。 念願だったキョーコお手製の「呪い人形」を手に入れる事が出来て上機嫌で 歩いていたのだが・・・・。 「これに念を込めれば、私と蓮様の仲はバッチリね、うふふ~v」などと邪まな事を 考えていたものだから、急に声をかけられ慌てたのである。 ちなみにその呪い人形は、マリアの為にキョーコが新たに作ったものだ。 蓮はある物に視線を注いでいた。マリアが抱えている人形である。 「そのマリアちゃんの抱えている人形って、もしかして・・・俺?」 「ピンポーン!これ、お姉さまの手作りなの。蓮様にそっくりでしょう?」 マリアは嬉々として答える。 「お姉さまって・・・。最上さんの事・・・だよね?」 マリアは終始、お姉さまと称するキョーコの事を褒め称えて去って行った。 「まいったな・・・。」 まさかキョーコが自分の人形を作っているとは思ってもいなかったのである。 胸中複雑な想いを抱える蓮であったが、まさかそれが『呪い』人形であった事は 知らないでいた。マリアが賢明にもその事実を言わなかったのである。 隣に居る社は「へぇ~。キョーコちゃんのお手製かぁ。良かったなぁ~蓮!」 と意味深なんだか意味不明なんだかよく分からない事を言っていたが・・・。 蓮の耳には届いていなかった。 その頃――――――。キョーコは蓮のマンションで夕食の準備をしていた。 社から「予定が空いている時だけでいいから、蓮の食事の面倒をみてくれないかなぁ~」 と頼まれていたのだ。しかし本来なら部屋の主であるハズの蓮がいなければ入る事は出来ない。 キョーコがここにいられる秘密は・・・『合鍵』。キョーコは蓮から合鍵を渡されていたのである。 夕食の準備を済ませ、蓮の帰りを待つキョーコ。「相手の帰りを待つ」という行為は、 昔の自分を思い出させるのには充分であった。 「アイツは私がいくら待ってても全然帰って来てくれなかったのよね・・・・。」とポツリと呟く。 でも敦賀さんはアイツとは全然違う!遅くなる時には必ず連絡を入れてくれるし・・。 突然何かを思い出したキョーコは、鞄の中から「ある物」を取り出した。 出てきたものは・・蓮そっくりの呪い人形。(傍目にはプリティード-ル) 人形を抱えながらキョーコは蓮から預かった合鍵を見つめる。 うーん。敦賀さんは「ずっと君が持っててくれて構わないから」って言ってたけれど・・。 敦賀さんの”好きな人”に誤解されちゃうわよねぇ・・・。やっぱり返したほうがいいわよね? 人形に向かって「私達、別に恋人同士って訳じゃないんだから―――・・・」と言うと 急に後ろから抱きしめられる感触に驚き振り返った。 「つっ、敦賀さん、なんで?何でいるんですかぁ~~~?///////」 キョーコの態度を見た蓮は「俺が自分の家に居ちゃいけないのかい?」と苦笑い気味に 答える。キョーコは自分の考えに没頭し過ぎていて、蓮の帰宅に気付かなかったのだ。 キョーコは焦った。自分の手には蓮には絶対に見られたくない呪い人形。 そして敦賀蓮という男に抱きしめられているというこの現状。キョーコの頭の中はパニック状態である。 「最上さん・・・。寂しかったら俺が傍にいてあげるよ・・・。」蓮はキョーコの耳元で囁いた。 (いや~~耳元でささやかないでぇ~~//////)キョーコは声にならない声で叫んでいるが蓮の言葉は まだ続く。 「・・・人形の俺じゃなくてね。」 「!!!」キョーコは人形が見つかった事を知り、焦って自分でも訳の分からない事を口走った。 「この人形、敦賀さんに差し上げます!!念じると願いが叶うんですよ!」 そして蓮を突き飛ばし、いきなりその場を逃走。つまり帰ったのである。 「え?ちょ、ちょっと最上さん・・・?」自分の姿をした人形を渡され、しばらくポカンとしていたが・・・。 人形を見つめ(少しは意識してくれたのかな?)などと考えていた。 帰宅したキョーコは別の(蓮の姿をした)呪い人形に悪態をついていた。 「・・敦賀さんのばかぁぁーーー」 初めこそは「打倒・敦賀蓮!」を掲げて人形を製作していたのだが、途中から別の気持ちを込めて 製作していた事にキョーコは気付いていない。 キョーコ自身さえも気付いていない本当の想い。 それは呪い人形だけが知っているのだが・・・。 「あ、鍵!返しそびれちゃったぁぁ~。ぜっんぶ、敦賀さんのせいなんだからねぇぇ~。」 などと未だに人形は悪態をつかれまくっていた。
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295 :仲直り 1:2005/07/06(水) 15 14 21 ID ??? 「もう……知りません」 瞳に涙を浮かべた彼女はそう言って去っていった。 事のおこりは、そうほんのささいなこと。 食事に気を使わない俺と、それを心配して声をかけてくれる彼女。 いままで幾度となく繰り返してきたやり取り。 世話をやいてくれる彼女の気配りが、正直うれしくもあって、 最近はわざとそういう風に話をもっていっていたことも否定はしない。 そんな、いつもどおりのやり取りのはずだった。 仕事が多い時期で、お互いピリピリしていたこともあるかもしれない。 売り言葉に買い言葉で、ついきつめのやり取りをしてしまった。 だからって……どうしてこうなってしまうんだ? なんとか話をしたくて、仕事のわずかな合間に電話をかける。 いつもなら、多少遅めでもあわてて出てくれる彼女の声が聞こえない。 無機質なコール音と、そのしばらく後に続く留守番センターのアナウンスだけ。 そわそわした空気が伝わるのか、社さんにもだいぶからかわれるし……。 はぁ~~~、どうしたものか。 結局、悶々とした気分のまま仕事を終え、事務所に報告に立ち寄ったその日の夜。 仕事が残っているという社さんと別れ、駐車場へと向かって歩いているときだった。 ―――…目の前に、彼女がいる。 「お疲れ様です、敦賀さん……」 少し気まずい表情を浮かべながらも、丁寧にお辞儀してくれる彼女。 「お疲れ様…どうしたの、最上さん?」 会えた嬉しさと、まず何から言ってよいものか分からない気持ちが混在する。 女の子、しかも年下相手にケンカなんて、我ながら大人気ない……。 君と会ってから、君への想いを自覚してから、俺は驚かされっぱなしだよ。 今まで知らない自分がどんどん出てきて、制御できなくて。 こんなにも、他人に心動かされる日が来るとはね―――…。 「朝のこと、ごめん。俺のこと心配して言ってくれたのに」 「いえっ、そんな……。こちらこそ、すみませんでした。お忙しくて 他に考えたいこと、いっぱいあるんですよね。それなのに、しつこくしてしまって」 一日考えていた色々な謝罪の言葉も、彼女の前では意味はなく。 どうしてだろう、彼女の前では嘘がつけない。 どんなに飾り立てた言葉も、完璧に作り上げた笑顔も、いかに無意味なものか 思い知らされる。 「それで…その。もし、ご迷惑でなければ、お夕飯ご一緒しませんか? 私、おごります!」 きゅっ、と右こぶしを握り締め、力強くこう誘ってくれる彼女がもう、なんというか……。 愛おしくってしょうがない、とはこういう気持ちか。 また新たな感情を知ってしまった……。 上目使いでこちらの様子を伺う彼女の目線に耐えられず、思わず顔をそらして 一つため息をつく。それが彼女にまた誤解をあたえてしまったようで。 「すみません、ずうずうしいですよね……。ごめんなさい、お忙しいのに呼び止めてしまって」 すごすごと引き返そうとしている彼女をあわてて呼び止める。 「最上さんっ!いや、違うから……その、ありがとう」 振り向いて微笑んだその顔に、またも軽いめまいを覚える。 まいった…―――。だから、なんなんだろう、この気持ちは。 一緒に駐車場に向かいながら、夕飯について相談する。 いくら誘われたとはいえ、女の子におごらせるなんてできないし。 かといって、君が提案してくれるように、今、俺のマンションで作ってもらうのも……。 わかってる?俺も一人の男だってこと? 何を誰とどこで食べようか、こんなに思案している自分がなんだかおかしい。 君に出会ってから、新しい自分にもどんどん出会って。 その状況が、楽しくもあり、興味深くもあり、そして、怖くもある。 それでも、出会ってしまったら、もう戻れない。戻る気もない。 だから……いつか君に伝えよう。俺のそばに、いてほしいと。
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飛鷹 537607
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256 :ショータローの場合1/2:2005/05/27(金) 22 47 14 ID ??? ふと、TV局に貼っていた新作のポスターが目に留まって。 いや、普段はそんなことないんだけどな? 俺は自分の作品の出来しかチェックってしないし。 でも、なんとなく、目に入っちまったんだ。 え、コレ・・・キキキョーコじゃねーか? おま、そのビキニはナニよ? 「日焼け止め」? あぁ、化粧品会社の宣伝なぁ、 あいつ喜んで受けたんだろうな・・・ にしても・・・スタイルいいのは認めるけどよ、 その小さい胸でよく受けたな? ・・・ん?ひょっとして少し胸大きくなったか? ・・・まさか、揉ませる男でも出来たのか・・・? 『キョーコ、ひょっとしてブラきつくなった?』 『えへ、敦賀さんのおかげです~(ハァト』 そこのバカップルいちゃいちゃしてんじゃねーーー!!! ・・・ついついポスターの脇の壁を殴ってしまって、 拳の痛さで我に返った。 ・・・は、しまった・・・また妄想炸裂させちまった・・・ 祥子さんや通りすがりの何人かが不思議そうにこっちを見てる。 やっちまった・・・こんなのカッコイイ俺様じゃないぜ。 いらねぇ恥かいちまったじゃねーか! 覚えてろキョーコ!!
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279 :ROLL 1/3:2005/05/28(土) 06 12 20 ID ??? 今の俺では、大切な存在は作れない。 だから、誰とも恋愛をする気はない。 今はまだ―――… けれど。 どうしても溢れてくる、君への想い。 心に幾重にも鍵を掛けても、溢れ出してくる。 消し去らなければ。 溢れてくるのは、閉じ込めるという形で、 まだ心の中に想いを残しているから。 ならば。心の中から想いそのものを消し去ってしまえばいい。 追憶の過去も、夢想する未来も、すべて剥がし落とせばいい。 君との出会いを無かったことにすればいい。 けれど。 どれほど消し去ろうとしても、 心は君に辿りついてしまう。 瞳は君を探してしまう。 大切な存在は作れないというのに。 何も報われないというのに。 そう。 君を愛していると認めたくなかったのは、 叶わぬ願いと解っているのに、 君にも愛されたいと願ってしまうからだ。 俺が君を愛している。 それだけで充分なのに。 報われる必要など、ないというのに。 …バカだな、俺は。 ―――…すむセカイが…ちがうから それでも。 今、君と俺は同じ空の下に立っている。 君は俺に笑いかけてくれる。 俺の信用を失いたくないと言ってくれる。 俺の力になりたいと言ってくれる。 それでいいんだ。それだけで充分なんだ。 今はそれで―――… ―――…行かないでぇ 遠い夏の日、君の頬をつたう涙を止める術を持たない俺は、 せめて君の涙の数が減るようにと まほう をかけた。 ―――…いまの まほうだよ 君は信じてくれた。笑顔を見せてくれた。 そして俺のかけた まほう を今でも信じていてくれたから。 とても愛おしいそうに、とても大切そうに、掌に包んでいてくれたから。 だからもう迷わない。 今はまだ 君を愛しているとは言えないけれど。 君に愛して欲しいとも言えないけれど。 ―――俺は 君が 好きなんだ いつか君に伝えられる日が来たら。 その時は 君に触れさせて。 君のぬくもりを、君の呼吸を、感じさせて。 君の苦しみも、君の悲しみも、すべて抱きしめるから。
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社 32663877
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314 :あめふり:2005/07/06(水) 16 17 13 ID ??? 目を覚ますと、外は既に明るくなっていた。 昨夜ここに来たときには真夜中近くて 眠ったのは…何時だったのかな? 時計を見る余裕なんてなくて。 隣を見ると、敦賀さんはまだ夢の中。 無防備で穏やかな笑顔が、胸のあたりをくすぐる。 思わずほっぺたにそおっと口付けてしまった。 「ん…」 敦賀さんは、私の唇が触れた瞬間だけ身動きして、 すぐにまた眠りに戻っていく。 こういうときの敦賀さんは、本当に可愛い。 …起きてるときは…なんだけど。 本人に言うと、ちょっと怒られそうだ…。 人の寝込みを襲うのが趣味なの?と 逆に迫られそう。 あらためて、カーテンの隙間から外を見ると 同時に窓を叩く水音がかすかに聞こえる。 「あ…雨降ってるんだ…」 隣で眠る敦賀さんに聞こえないように呟いた。 晴れてたら、ドライブだったのに。 「天気予報外れちゃったな…」 ドライブは残念だけど、一緒にいられるだけでも幸せ、かも。 「オフが合うなんて本当に久しぶり…だもの」 ね、敦賀さん。 もう一度ベッドにもぐりこむ。 こっちを向いて寝ている敦賀さんの腕の中に 身体を収めた。 伝わるぬくもりが、ゆっくりと眠気を呼び起こす。 雨の日は、こうやってくっついて過ごすのも 悪くないよね…。