約 159,387 件
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/1515.html
297 :1スレ202:2013/02/06(水) 18 58 09 ネタ 街を歩いていた嶋田は思わぬ人物に出会した。 「これはこれは久しぶりじゃないですか嶋田さん」 垂れ目で七三分け にやつく口元がカンに触るあまり好きではない男 その名も米内光政。 前世から知っている男でこの世界でも以前と変わらない振る舞いをしていた為に夢幻会が危険と判断して失脚させた人物。 そして何を隠そう嶋田の同期。 「ひ 久しぶりですね お変わりありませんか?」 (イヤな奴に会ったな~) 「ええ見ての通りピンピンしておりますよ なにせ隙でしたからね~ 無職なもので」 「は はは それは」 「もう昔のことですから気にせんでください それに自分にも悪いところはありましたからなぁ あんた達に目を付けられても仕方ない」 (恨んでないのか? えらい変わりようじゃないか) 「どうです? 昔のことを水に流すという意味でこれから一杯やりませんか 誘う以上こちらが持たせてもらいますよ」 (う~ん どうする? 奢りというのはいいとして コイツと話すことなんぞ無いからな でも断ってまた恨みがぶり返したら気分悪いし) 「わかりました では御馳走になります」 (モニカさんには遅くなるとメールしておくか) この時間はまだ仕事中の同居人にメールして にこやかに笑う米内に付いていった。 着いた先はクラブ黒の王。 「よ 米内さん ここクラブじゃないですか?!」 「ええ でも飲み屋には違いないでしょう?」 「それはそうですが……」 「ささ 行きましょう 可愛い女の子がお酌してくれますよ」 中に入るとキングと呼ばれているゴリラみたいな顔の支配人にペコペコされて特別室に案内された。 米内は相当なお得意様なのかキングは恐縮しっ放し そして特別室ではまた意外な男と顔を合わせた。 298 :1スレ202:2013/02/06(水) 18 58 45 「山本っ!」 「嶋田っ!」 山本五十六 米内と同じく海軍の同期。 彼も米内に声を掛けられていたらしい。 「驚いたな お前まで来るとは 俺は家にいたとき米内の奴から電話で一杯どうだと誘われたんだが」 「いやここに来る途中偶然嶋田さんと会ってね それでお誘いしたんだ 同期の桜の同窓会みたいで良いじゃないですか」 「いくらなんでもクラブで同窓会はないだろ?」 「酒も旨いし女もいっぱい居て最高じゃないか 何の文句が有るんだね? それに山本さんも女は嫌いじゃないだろう?」 パンパンと米内が手を叩くとバニーガールの若い女の子達が酌を始めた。 (お 俺はこういうの苦手だし好きじゃない さっさと飲んで帰ろう) 山本が嫌いじゃないのは勝手だがこっちはたまったもんじゃない嶋田はピッチを上げて酒を飲む。 「米内 言っておくが嶋田はあまりこういうのは好きじゃない それに俺も今は交際している女性が居てな 見られたらまずい」 「硬いこと言いっこなしだ!」 「大丈夫バレやしないよ! そんなことより二人とも飲んで飲んで!」 完全に他人事な米内 無責任に言い放つ。 「あら こちらのおじさま平凡な空気が新鮮で素敵」 嶋田に絡むのは色っぽいバニーガール。 結構マジで気に入ったらしくほっぺにチュウとかしてくる。 「こらっ やめなさい!」 真っ赤な顔して逃げる嶋田。 「どうぞおじさま」 「おお すまんな」 「ど~お?おいしい?」 「うむ酒は上等だが」 (こんなところアイツに見られたら大変だぞ……) 酒は旨いが交際相手の顔がちらついて気が気でない山本。 可愛い顔して怒らせたら怖いのだ。 「キングくん もっと女の子連れてきなさい」 「は かしこまりましたヨナイ様」 ゴリラ顔のブリタニア人支配人をこき使う米内。 (ふはは愉快愉快!あの嶋田と山本が困っておるわ!!この俺様を長年にわたってないがしろにしおっていい気味だわい!!) 同期の桜の同窓会。 心から楽しんでいるのは鬱憤を晴らし 女の子を侍らせてにやつく米内だけだった。
https://w.atwiki.jp/ratsel02/pages/20.html
今日からまた新学期が始まった。 まだまだ残暑が厳しい中学校へと向かう。 約1ヶ月ぶりに見る校舎は懐かしくも何処か新鮮だ。 久しぶりに会う友達と挨拶を交わしつつ教室へと向かった。 空は雲一つない快晴。 そんな天気に恵まれた中、今日は体育祭が行われるらしい。 らしい、とそんな他人事のように思っても、結局出場するのは自分達生徒なのだから、他人事になるはずもなく。 (それにしても、暑い…) もう9月下旬だと言うのに、この天気の所為なのか8月と変わらないような暑さだ。 それが根こそぎやる気を奪っていくようで、少しうんざりする。 別に体育祭自体が嫌なわけではないのだが、この気候はいかがなものか。 周りを見てみれば、やる気のある者、ない者、それぞれいる。 (でも、まあ、楽しまないと損だよな…) きっと、これも後から振り返れば良い思い出となるのだろう。 そんなこんなで体育祭は始まった。 何が一番体育祭で嫌かと聞かれれば、おそらくほとんどの生徒達が、式で聞かされる先生の長話と答えるだろう。 普段なら長話なんてボーっとただ聞き流してれば終わりなのだが、この炎天下では話は別だ。 何せただ立っているだけで体力が奪われていくのだから。 数人の先生が代わる代わる話をしていき、後はこの理事長の話で最後なのだが、この話が特に長いのだ。 (早く話を終わらせてくれ…) きっとどの生徒も思うことは一緒だろう。 もはや先生の話などは頭に入っていないし聞く気も無い。 ここから見える限りみんなぐったりとしている。 先生は早くこの状況に気づかにのか、それとも気づいた上での嫌がらせなのか。 気を紛らわそうと、いろんなことをぐるぐると頭の中で巡らせていると、何やら後ろの方がざわつきだした。 (……………………?) 気をそちらの方へと集中させてみれば、どうやら誰かが倒れたらしいということが分かる。 ただの朝礼でさえ、たまに貧血などで座り込んだりする生徒がいるのに、この状況なら尚更だろうと思わず納得してしまう。 (ほら先生、みんなもうしんどいんだって!早く話を終わらせてくれよー…) 願いが通じたのか、それともさすがに見かねたのか、その後すぐに話は終わった。 これもさっき倒れた奴のおかげだろうか。 (ところで誰が…) ふと目線をやると、青木先生に抱きかかえられた女生徒の姿が見えた。 (あれ…あれは白雪?) 倒れた生徒と言うのは白雪だったようだ。 確かに身体も弱いし納得がいく。 (心配だな…) さっき僅かにだが喜んでしまった自分に罪悪感を感じた。 倒れたのが、少し気になっていた彼女だったからだろうか。 いや、それにしても本来人が倒れたなんてこに喜ぶのは、誰であっても不謹慎だろう。 (はあ…) 先ほどの青木先生に抱きかかえられた白雪の姿を思い出し、複雑な気持ちになった。 いよいよ競技が始まった。 各クラスの選手たちが入場門の所へと集合している。 先ほどの開会式とは打って変わって、生徒たちにやる気が満ちていた。 やはりこういう対抗戦だと、勝ちたいと思ってしまうのが普通である。 まあ、今から始まるリレーでは、俺は選手ではないので応援のみなのだが。 それでもただの応援にすら何だか熱が入ってしまう。 (…はずなんだけどなあ、普段なら) まだ、さっきの白雪のことが気になり頭から離れない。 俺の出場する予定の借り物競争は、午後の部だ。 まだまだ時間はたくさんある。 (保健室、行ってみるか…) 一生懸命応援しているみんなには悪いと思ったが、それでも自分が出場する競技までに戻れば何も問題はないはずだ。 俺はクラスごとに用意されたテントを抜けると、保健室の方へと足を進めた。 誰もいない静まり返った校舎内。 やけに俺の足音が響く。 保健室の前に着くころには、校庭の騒ぎがずいぶん遠くのことのように感じた。 コンコン… 一応ノックをして保健室へと入る。 主「失礼しま…」 ガラッ 俺がドアを開けるよりも早く、中からドアが開いた。 礼「…○○か。」 主「先生…?」 礼「どうしてここに…怪我でもしましたか?それなら保健の先生が校庭に待機して…」 主「あ、いえ、上城さんの様子を見に…」 礼「あ、そうですか…。…上城さんならまだ眠っています。それでは、私は校庭に戻るので…」 主「え、あ、はい…」 そう言い残すと先生は足早に校庭へと向かって行った。 それとは逆に、俺は保健室へと入る。 薬品の匂いだろうか、その独特の匂いがつんと鼻を突く。 (えっと、白雪は…) 白「…●●…くん…?」 主「白雪?」 ベッドの方に近寄ろうとした瞬間、名前を呼ばれた。 それに反応し目をやると、白雪が上半身を起してこちらを見つめていた。 主「起きてたのか?あ、それとも起したか?悪い」 白「あ、いえ…」 そう答える白雪の顔は真っ青だ。 まだ気分が良くなってないのだろう。 主「大丈夫か?顔色、凄い悪いけど…」 白「はい…大、丈夫、ですよ?」 そう言いながら一目で無理をしていると分かる笑顔を向ける。 その痛々しい表情を見ていると、何故だか胸を締め付けられる思いがした。 主「まだ、少し横になってなよ」 白「でも、でも…せっかく○○くんが来てくれたのに…」 主「俺のことは気にしなくて良いから」 白「…ごめんなさいです」 主「謝んなくて良いって!それじゃ俺、邪魔にならないように校庭戻るから」 白「え…」 主「また様子見にくるよ」 そう言って踵を返す。 白「ま、待ってください!」 主「え?」 突然呼び止められ振り返る。 白「その…行かないで、ください…」 主「……………」 白「傍に、いて、ください…」 主「白雪……」 そう言いながら、今にも泣きそうな表情の彼女。 足が自然と彼女へと近づく。 主「分かったよ。それじゃ、もうしばらくここにいるから」 答えつつ、髪を梳くように優しく頭を撫でる。 白雪は安心したように目を細め笑った。 その顔を見ていると、さっきまでの複雑な気持ちや罪悪感が薄れ、どこか暖かな気持ちへとなった。 (そろそろ、か…) ポケットから携帯を取り出し、時間を確認する。 あと15分ほどで俺の出場する番だ。 白雪はまだ気持ち良さそうに眠っている。 顔色もマシになってきたようで、頬にはかすかに赤みも差していた。 (行くか) 起すのもあれなので、そっと立ち上がる。 しかし、くん、と何かに引っ張られた。 主「白、雪…」 寝ていたと思っていた彼女が服の裾を持ち、こちらを見つめていた。 白「行かないでください…」 主「あ、でも、もうすぐで俺の出場する競技が始まるから…」 白「行っちゃ、ヤ、です…!」 そう縋るように言うと、彼女は半身を起した。 白「あ…う…」 主「あ、ほら!まだ横になってた方が…」 白「………ッ」 主「白雪?」 白「…ぅぇえッ……ゴホッ」 (水音っぽい効果音) 主「!?」 白「あ…あ…」 特有の鼻を突くにおい。 急に起き上がった所為か、白雪は胃の中のものを吐き出した。 そんなに量は多くないものの、服やベッド、布団、シーツが汚れてしまう。 白「…ぅっ…ご、ごめんなさい…です…っく…ひっく…ぅえええええん!」 主「だ、大丈夫だから!」 泣き出した彼女の背中をさすってやる。 主「…大丈夫か?まだ吐きたい…?」 白「…っく、ひっく…もう…だい、じょうぶ…です…っく」 主「そっか。まあ気分悪いときは吐いた方が楽だって言うし…さっきよりは楽になったか?」 白「…はい…ぐすっ、あ、ありがとう…です」 泣いている彼女と汚れたベッドを見て、ポケットの中から携帯を取り出してメールを打つ。 宛先:鉄野 羽生治 件名:悪い 内容:気分が悪くなって、今保健室。悪いんだけど、借り物競争代わってくれないか?今度奢るから。 それだけを打ち込み、送信すると、再びポケットの中へとしまった。 主「とりあえず、着替えないとな。保健室だし予備の服ぐらいあるだろ」 白「でも、○○くん、競技…」 主「いいって。代役立てといたから気にすんな」 それに、こんなひどく弱々しい彼女をここに放っていけるはずがない。 体育祭と白雪、どちらが大切かと言われれば、俺は迷わず白雪を取るだろう。 そこで、ふと気づく。 (そうか、俺…多分、白雪のことが好きなんだ…) 前々から少し気になってはいたものの、はっきり好き、と意識したのは初めてかもしれない。 少し熱を持ったような気がする顔を隠すように、俺は服を見つけるべく棚の中を漁り始めた。 主「お、あった」 予備の体操服は、以外にすんなりと見つかった。 それを白雪に渡す。 主「ほら、カーテン閉めてこれに着替えな。布団は何とかしとくから。」 白「あ、はい…です」 服を受け取ると、白雪は大人しくベッドを仕切るカーテンの向こうへと入っていった。 とりあえず俺は布団をどかせ、服の横に置かれてあった新しいシーツへとかえる。 白「あの、○○くん…」 ふと、カーテンの向こうから不安そうな白雪の声が聞こえた。 主「ん?何だ?俺は、ここにいるから。な?」 白「はい…ありがとう、です」 俺の答えに安心したような声が返ってくる。 その一言一言がとても愛おしく感じる。 (やっぱり、俺白雪のこと、好きなんだな…) 再度確認するように心の中で呟いた。
https://w.atwiki.jp/ratsel01/pages/25.html
今日からまた新学期が始まった。 まだまだ残暑が厳しい中学校へと向かう。 約1ヶ月ぶりに見る校舎は懐かしくも何処か新鮮だ。 久しぶりに会う友達と挨拶を交わしつつ教室へと向かった。 空は雲一つない快晴。 そんな天気に恵まれた中、今日は体育祭が行われるらしい。 らしい、とそんな他人事のように思っても、結局出場するのは自分達生徒なのだから、他人事になるはずもなく。 (それにしても、暑い…) もう9月下旬だと言うのに、この天気の所為なのか8月と変わらないような暑さだ。 それが根こそぎやる気を奪っていくようで、少しうんざりする。 別に体育祭自体が嫌なわけではないのだが、この気候はいかがなものか。 周りを見てみれば、やる気のある者、ない者、それぞれいる。 (でも、まあ、楽しまないと損だよな…) きっと、これも後から振り返れば良い思い出となるのだろう。 そんなこんなで体育祭は始まった。 開会式も終わり、いよいよ競技が始まる。 出番が近くなった各クラスの選手たちが入場門へと集合しはじめた。 開会式での先生方の無駄に長い話の時には、始終ぐったりとしていた生徒達にも活気が戻る。 先ほどの開会式とは打って変わって、やる気が満ちていた。 面倒くさがっていた生徒達も、初めからやる気満々の生徒達も気が付けば一緒に熱中している。 もちろん俺も例外ではない。 やはりこういう対抗戦だと、勝ちたいと思ってしまうのが普通である。 俺の出場する競技は午後からの借り物競争だ。 まだそれまで時間はたっぷりとある。 何となくそれに緊張しつつ、今は応援へと熱を注いだ。 (ふう…) 当たり前だが、どんな時にでも生理現象はあるわけで。 用を足し終わり、またテントへと戻るべく歩く。 その時、ふと視界の端に映ったそれに足を止めた。 (有栖川…?) テントから大分離れた校舎近く、そこの日陰で有栖川が1人ぽつりと立っていた。 何故かそれが気になり近づいてみる。 主「よ」 小「ん?…何だ、あんたか」 主「こんなとこで何してんだよ」 小「別に。ふう…みんな馬鹿みたいね、あんなに騒いじゃって…」 主「何だよ、年寄り臭いこと言って」 小「ほっといてよ」 主「ちぇ、人がせっかく心配してきてやったのに」 小「……………」 主「有栖川?」 小「あ、や、…何でもないわ」 主「?」 小「ごめん、あたしもちょっと嫌な言い方したわね…」 主「……………」 小「何よ?」 主「いや、いつもの有栖川らしくないなと思いまして」 小「いつもの、ね…そうかもしれない」 そう言って少しだけ俯く。 小「何か、おかしいのよね、2学期が始まってから…」 主「……………」 有栖川は、ぽつりぽつりと喋り出した。 そして俺は無言でそれを聞く。 小「2学期始まってからって言うか…、ううん、終業式の日、告白したあの時からかも…何か、自分では大丈夫だって思ってたんだけど、ね…」 そう言うと再び顔を上げた。 その目は何処かと遠くを見つめている。 小「何て言うか、上手く、いかないんだよね…どう接したら良いのか分かんないって言うか…ね。日向君にも、日向君の好きな人にも、それにまったく関係ない人に出すら、何か言っちゃいそうで…」 (日向の、好きな人…) 俺はその時初めて日向に好きな人がいるということを知った。 (そっか、だから有栖川は振られて…) そこまで聞いたところで有栖川はこちらへと振り向いた。 自然と目が合う。 小「ふふ、なんでだろ。何だか分かんないけど、あんたには全部言っちゃうんだよね」 少し困ったような笑顔。 時々羨ましく思う。 こんなに一途で一生懸命な有栖川が、そしてそんな有栖川に思われている日向が。 でも、思うだけ、だ。 多分それを言ってしまえば困ることになってしまうから。 彼女も、俺も。 出そうになる言葉を飲み込み、ぽん、と手を彼女の頭に乗せる。 主「ま、何かあったら俺に相談しろって」 小「…ありがと」 そう言って照れくさそうに笑う。 小「…でも、何であんたに話しちゃうかホントは分かってるんだけど、ね」 主「え…?」 小「あんた、さ…うちの兄貴に、似てるんだよね」 (有栖川の兄貴って確か…) 数ヶ月前のことを思い出す。 そう、確かもうすでに亡くなっていたはずだ。 小「あたしが、みんなの輪から離れて一人でいるときは、いつも傍にいてくれたし、それに…」 主「それに?」 有栖川の手が彼女の頭に乗せた俺の手に重なる。 小「よく、こうやって撫でてくれた」 少し寂しさの感じられる笑顔。 重なっていた手が離れた。 小「…なんてね」 主「有栖川…」 できるだけ、明るい声を作る。 主「…何ならお兄ちゃんって呼んで良いぞ」 小「………っぷ、馬鹿!」 ぺし、と軽く俺の肩を叩く。 もしかすると、この関係が一番良いのかもしれない。 思っていることを素直に言えて、時には甘えて、ふざけ合える。 自分のものには出来ない、しかしかわりにずっと傍にいられる。 (兄貴、か…) できることなら、これからも有栖川といたい。 それならば、この選択肢もありなのだろう。 一番近くでいられる。 もし、彼女に恋人が出来ても永遠に続けられる関係。 欲を言えば、それ以上になりたいのも事実だ。 それでも… 小「…さて、それじゃあテントに戻りますか」 主「え?」 小「ほら、何ぼさっとしてんのよ!あんたも一緒よ!」 主「ふ、はいはい」 二人並んで歩く。 今はこれが十分すぎるほどの関係だ。 この関係のまま、このまま、有栖川の近くにいよう。 そう心の中で誓った。 日「ごめん、みんなー!ちょっと聞いてくださいー!」 その声が響いたのは、ざわざわと騒がしい放課後の教室だった。 少しだけ教室内の音量が下がる。 日「今から空き教室の机の入れ替えがあるんですけど、委員会だけでは手が足りないので、少しだけ勇姿で手伝ってくれる人を募集します!誰か手伝ってくれませんかー?」 また元のボリュームに戻る教室内。 様々なところから「どうしよう」だの「めんどくさい」などと言った会話が聞こえてくる。 (あ…) 回りの様子を見ていたところで、ふと目に入った有栖川。 何ともいえない表情でそわそわと立ち上がったり座ったり、もうすっかり変える準備の整った荷物を弄ったりしている。 (…まったく、こいつは) その様子を見ていると自然と笑みがこぼれた。 近づけばこちらに気付いたようで、ぴたりと動きを止める。 小「な、なによ…!?」 主「ほら、手伝い行くぞ」 小「え?」 主「…お前どうせ暇だろ?せっかくだから人のためになることでもやろうぜ」 小「まあ、そこまで言うならやってやらなくもないわよ?」 言葉とは裏腹にへにゃりと口元がにやけている。 小「さあ!ぐずぐずしてないで行くわよ!」 主「へいへい」 (…なんか、笑えるくらいの張り切りようだな) 有栖川は凄く強そうに振舞うが、それでもやっぱり本当は弱いただの女の子なのだ。 そんな有栖川が、彼女らしく有栖川小兎をやっていけるように、俺がその弱い部分をなくしてあげたいと思った。 常に余裕のある笑顔でいれるように。 ―キーンコーンカーン 羽「あー、メシだメシ!」 チャイムが鳴り、昼休みが始まると共に教室内が一気に賑やかになる。 羽「な、お前今日弁当?」 主「いや、購買か食堂かで食おうと思って」 羽「なら食堂行かねえ?」 主「お、行く行く」 羽「よし、早く行こうぜ。場所なくなっちまう」 主「ああ、ちょっと待てよー…」 ええっと、財布財布、と… がさごそと鞄の中を漁っていると、やけに響く甲高い笑い声が聞こえた。 ち「ね!上城さん、お昼外で食べない?」 小「上城さん、お弁当だったわよね?」 鳥「一緒に食べようよー!」 白「あ、はいです…!」 横目でその光景を見つめる。 有栖川、この前の体育祭の時とか一人だったわりに、けっこうクラスに上手く馴染んでるじゃん。 俺が一緒にいなきゃ、とか思い込んでたけど、案外そんな心配いらなかったかもな。 羽「あいつら、最近仲良いよなー…」 主「え、あ、うん」 突如同じ光景を見ていたらしい羽生治に声をかけられる。 主「なんか良いよな、ああいうの」 羽「あー…まあ、なぁ…」 主「どうした?」 どこか同意しかねるといった曖昧な返事に思わず聞き返す。 羽「いや、別にどうもしないっちゃあどうもしないんだけど…」 主「なんだよ」 羽「んー…前に垂髪、上城さんは苦手だって言ってたのになあ、と」 主「ふーん?」 どうやら俺と違って羽生治の興味の対象は垂髪と白雪だったようだ。 その言葉に先ほどの羽生治と同じように曖昧な返事をしながら、楽しそうに教室から出て行く女子の集団を見送る。 そう言えば、一学期は白雪が誰かと一緒にいるところなんてほとんどみなかったな…。 今じゃあんな風にみんなで楽しそうにしているわけだ。 主「まあ話してみると良い奴だったってこともあるしー…えーと、あれだ。昨日の敵は今日の友って言うじゃん」 羽「…それなんか違くね?」 主「気にすんなって…と、そうだ!食堂、食堂!」 羽「あー!早く行かんと場所なくなるぞ!!急げ!」 主「あっ、ちょ、待てよ!!!」
https://w.atwiki.jp/kontonpsw2/pages/361.html
第四始剣改:プシュケー 制作者:怪獣神ニーナ(大元は三始剣の制作者) 詳細: プロセルシアにて、竜刃星ミセリアとカルディア・コアを、亜真神ニーナが融合させ生み出した新しい第四始剣。 第三始剣カルディアの素体と、魂の管理者となるはずだったミセリアの融合魔剣であるため、 「息」「命」「心」「魂」これらの意味を持つ地球の言葉「プシュケー」の名が与えられることになった。 (三始剣系列の魔剣を素体としているため、フォルトナには分類されない) イメージカラーは青。 物質を司る「ルミエル」「イグニス」に対し、「カルディア」および第四始剣は精神を司る予定だった。 役割と属性が近しいことや、多くの人々の手助けもあり、未熟なニーナでも打ち直すことができた。 第四始剣改と呼んでいるが、カルディアとミセリアの融合なので実際のところ第3.5始剣くらい。 大元の第四始剣には届かないものの、代わりにカルディアの領分にも少し手が出せるようになっている。 自らを創造したニーナを作り手兼主と認識し従っている。 システム自体は三始剣と同系列のものが用いられているが、 ニーナはプシュケーの作り手であるため三始剣系列での神化などの影響は受けることはない。 ニーナ以外の人物であれば神に引き上げることも可能だが、ニーナが望まない限り手にしても神化させることはない。 (そもそもニーナ以外に使われることは一部例外を除いて基本的に認めませんが) プシュケーはミセリアの意識を引き継いでいるが、 プシュケーからすると前世みたいなものでミセリアの抱いた感情や思いはどこか他人事としてとらえている。 プシュケーのソウルアップデート 効果: 死亡したキャラクターを斬った時、対象を蘇生させます。 蘇生条件は通常の【リザレクション】と同じですが、穢れの増加は発生せず、 代わりに総経験点が下がります。 下がった分だけ、その経験点に納まるように、技能レベルも下がります。 (冒険者レベルも合わせて下がり、戦闘特技も失われます。下げる技能は任意で決められます) 経験点の下がる量は、 「(過去に経験した蘇生の回数)+(本来増加するはずだった穢れの数値)」×10000点です。 ※過去の蘇生回数0、穢れの増加が1ならば、総経験点が10000点分失われます。 この総経験点の減少によって数値が0未満になる場合、そのキャラクターは蘇生しますが、 全ての冒険者技能を失い、二度と冒険者技能を習得できなくなります。(生きてるがキャラクターロスト) またすでに総経験点が0未満になっているキャラクターは蘇生できません。 蘇生に成功した場合、死の前後一時間ほどの記憶を失います。 また上記の効果に加え斬った対象を「穢れ:なし」に変更します。(死者生者問わず) 「穢れ:なし」になっても種族や種族特徴、見た目などに変化はありません。(守りの剣の効果は受けなくなります) 「穢れ:なし」になったキャラクターは、以後一切の穢れの増加は発生しなくなります。 「穢れ:なし」となった状態で死亡し、【リザレクション】などの効果で蘇生した場合は、 プシュケーによる蘇生を受けたときと同じ処理が行われます。 上記すべての効果は必中であり、抵抗はできません。 ただし、プシュケーが「ラクシアの『生物』ではない」と判断した対象には一切の効果が発生しません。 (主に魔法生物、魔動機、魔神など。アンデッドは輪廻送り) 詳細: 魂の始剣である第四始剣改プシュケーの権能の一つ。 現在のラクシアの生命の魂を、「深淵」由来の物からプシュケー由来の物にアップデートする。 アップデートされた魂からは一切の穢れが失われる。(蛮族種族の場合、種族や見た目そのままで穢れがなくなる) 副産物として、直近で死亡した対象であればついでに蘇生もしてしまう。 プシュケー的に、ラクシアの全ての魂を浄化し、全ての穢れを祓い深淵の影響を完全に消すことが目標。 なおそれが実現するには万年単位の時間が必要になるとのことだが。
https://w.atwiki.jp/anirowago/pages/105.html
第一回放送 ◆QkyDCV.pEw ダーハラは預かった原稿を斜めに読みながら、これを渡して来た出っ歯の男に問いかける。 「あちゃー、知ってる人いきなり死んでるよ。そっちはどう?」 出っ歯で紫のスーツを着た細身の男、イヤミは不機嫌そうに答える。 「こっちもザンス。まあアイツ等が生き残れるなんてこれっぽっちも思えないザンスから、妥当っちゃ妥当ザンスが」 「うわ、冷たいの」 「しょーじきな話、アイツ等の心配してる余裕なんて無いザンス。ヲタクだってそーでしょーが」 「まあ、ねえ。あそこに放り込まれないだけありがたいと思わないと」 ずいっとダーハラに顔を寄せるイヤミ。 「そ・れ・に! ここできっちり役に立つ所見せておけば、ミー達も良い目が見れるかもしれないザンス! だからダーハラ、お前も気合を入れるザンスよ、わかった!?」 そう言い残し、イヤミは放送室を出ていく。 残されたダーハラは、大きく大きく嘆息する。 「ゲッスいなぁ~。でも、言う通りなんだよねぇ、逆らったって無駄に死ぬだけだし。だったら前向きに考えた方がマシって事かなぁ。いやはや、ハードなやりなおし人生になっちゃったもんだ」 放送室の椅子に座り、原稿に改めて目を通す。 これで失敗なんてしたら何言われるかわかったもんではないので、ダーハラはかなり真剣に原稿を読み上げる練習を始めた。 えー、これより第一回放送を開始します。 ゲーム開始よりこれまでの死亡者の名前は以下になります。 逸見エリカ 若狭悠里 美影ユラ アルベド 霧島董香 虹村億泰 ネコネ 松野トド松 安室透 ガエリオ・ボードウィン シルバーカラス 丈槍由紀 光宗 紅煉 リネット・ビショップ 天海春香 以上、十六名になります。 また禁止エリアはC1、A8、H8の三箇所になります。 次の放送は十二時ちょうどになりますので、聞き逃しの無いように。 では、はりきって殺しあって下さい。 原稿を読み終えると、ダーハラは放送のスイッチを切り、大きく安堵の息をつく。 「あー、緊張した。でもま、これでしばらくは仕事は無いか」 両腕を上にあげ、大きく伸びをする。 ダーハラは欠伸をしながら放送機器のスイッチが全て切れているのをチェックした後、放送室から外に出る。すると、出てすぐの所にイヤミが待ち構えて居た。 「あれ? どうしたの?」 イヤミは小声でありがなら強い口調で、ダーハラの耳元で囁いた。 「こんのマヌケっ! さっきの放送はなんザンスか!」 「え? なんかマズった?」 「名前はもっとゆっくり読んだ方がいいって言われたザンス! 聞き逃す馬鹿が居たらつまらんザンスよ!」 あー、と振り返ってみるに、ゆっくり読み上げるつもりではあったが、緊張してたせいで思ってたよりは早口になっていたかもしれない。 表情を伺うように問うダーハラ。 「……本気でマズそうだった?」 「まあ、怒ってはいなかったザンス……むしろ上機嫌に笑ってたから次気をつければ良いとは思うザンスけど」 「悪趣味だよなぁ」 「ばっ、余計な事言うなザンス! 連中に聞かれたらどうするザンスか!」 「わかってるよ。命は惜しいし、殺さないでいてくれるってんならあの人たちの靴の裏だってなめられる自信あるさ」 「ミーもザンス。ダーハラとはその辺で話が合うからやりやすいザンスよ」 ダーハラもイヤミも、他者に対してドライな部分のある人間であったが、にしても、人死をこうまで日常として受け入れられるような人間でもなかったはずだ。 それがいまや、知人の死すら他人事のように口にし平然としている。 そうなるような出来事が、きっと彼等の身に起こったのであろう。そしてそれはきっと、そんなに難しい事でもなかったのだろう。 時系列順で読む Back Darkninja Look before he leap Next 悪魔 投下順で読む Back Darkninja Look before he leap Next 悪魔 000 オープニング ダーハラ GAMESTART イヤミ
https://w.atwiki.jp/marowiki/pages/1852.html
目次 【時事】ニュースすごすご スゴスゴ sugosugo RSSすごすご スゴスゴ sugosugo 口コミすごすご スゴスゴ sugosugo 【参考】ブックマーク 関連項目 タグ 最終更新日時 【時事】 ニュース すごすご 偶然と勘違いが引き起こすまさかの“必然”…『悪なき殺人』重要シーンの本編映像(cinemacafe.net) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 隣の席の特権! 美少女に忘れた参考書を見せてもらってからの、突然のデレ…/時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん③ - ダ・ヴィンチニュース 美声で吠えかかる マクラーレン765LTスパイダー 手なづけたい最新ロングテール(AUTOCAR JAPAN) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【連載】45:岐阜イチの不良グループに入った福田健悟が憧れた伝説の先輩 | ガジェット通信 GetNews - ガジェット通信 「じゃない方の彼女」第4話レビュー:深すぎる怜子(山下美月)沼。弱った彼女の破壊力がすさまじい!(※ストーリーネタバレあり) (2021年11月2日) - エキサイトニュース 「萎萎」:この漢字、自信を持って読めますか?【働く大人の漢字クイズ】(集英社ハピプラニュース) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 無情のレース、鉄人の意地 若手技術者の支え、自己ベスト―陸上・伊藤選手〔パラリンピック〕 - 時事通信ニュース 潮田玲子さんの「ケーキ落とし事件」の動画に学ぶ、キレる親・キレない親が子どもに与える影響の違い(親野智可等) - 個人 - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 大谷翔平と3度目の対戦のレンジャーズ監督「我々にとっていいテスト」 - ニッカンスポーツ 「踊れよ、さぁ!」メッシがPK失敗の元同僚に怒声を浴びせる!(超WORLDサッカー!) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 河北抄(5/13):ミャンマーの西にアラカン山系の峰が連なり… - 河北新報オンライン 【ラジオ】「ピュアリーモンスターのピュアモンラジオ」第169回 ピュアリーモンスター 公式ブログ - lineblog.me これぞ“勝手にしやがれ”?ジュリー「引退」報道が続くワケ - アエラドット 朝日新聞出版 新宿からわずか10分…丸ノ内線“ナゾの終着駅”「方南町」には何がある? - 文春オンライン EXIT兼近の『ONE PIECE』考察がすごすごる まさかのラストに衝撃 - しらべぇ ケバブ屋に強盗が入るも、ガン無視されてすごすご帰る事案が発生 ニュージーランドで - - ねとらぼ スゴスゴ カタカナスシはすしにも店にも遊び心 「映える」一貫|NIKKEI STYLE - 日本経済新聞 【日下部保雄の悠悠閑閑】一式双発高等練習機(Impress Watch) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 犬「脱走楽しかった!」→「やべ、飼い主にバレた……」 バツが悪そうなワンコ、自らケージを開け入っていく姿に爆笑(ねとらぼ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 小池都知事は感染ワースト更新も他人事 発表前スゴスゴ退庁ダンマリの「計算」|日刊ゲンダイDIGITAL - 日刊ゲンダイDIGITAL 「あやうく有観客になるところだった」なぜ矛盾だらけの五輪が開催されるのか | PRESIDENT WOMAN Online(プレジデント ウーマン オンライン) - PRESIDENT Online sugosugo gnewプラグインエラー「sugosugo」は見つからないか、接続エラーです。 RSS すごすご #gnews plugin Error gnewsは1ページに3つまでしか使えません。別ページでご利用ください。 スゴスゴ #gnews plugin Error gnewsは1ページに3つまでしか使えません。別ページでご利用ください。 sugosugo #gnews plugin Error gnewsは1ページに3つまでしか使えません。別ページでご利用ください。 口コミ すごすご #bf スゴスゴ #bf sugosugo #bf 【参考】 ブックマーク サイト名 関連度 備考 Weblio辞典 ★★ 類語 関連項目 項目名 関連度 備考 研究/形容動詞 ★★★ 研究/副詞 ★★★ 研究/擬態語 ★★★ 研究/しおしお ★★★ 研究/悄悄 ★★★ 研究/なよなよ ★★★ 研究/回避 ★★★ 研究/なよなよ ★★★ タグ 言葉 最終更新日時 2013-08-25 冒頭へ
https://w.atwiki.jp/welovejpop/pages/1365.html
必聴曲(★は必聴曲/ ★ は運営推薦必聴曲) ★1 花降る空に不滅の歌を a flood of circle 試聴 ★2 Secret Path BESPER 試聴 ★3 ライカフラワー Caress Van End 試聴 ★4 ナマイキ以上ワガママ未満 Cent Heaven 試聴 ★5 rose feat. Vaundy Chilli Beans. 試聴 ★6 駆けてゆく CLOW 試聴 ★7 ADVANCE Devil ANTHEM. 試聴 ★8 万々歳 DISH// 試聴 ★9 Voyage FLOW 試聴 ★10 名前を呼んで kittone 試聴 ★11 きみのようになれるかな mekakushe 試聴 ★12 Love me miwa 試聴 ★13 Hideaway Potomelli 試聴 ★14 winter reGretGirl 試聴 ★15 BANANA FISH Rudo 試聴 ★16 photograph SHIROMIZAKANA 試聴 ★17 恋する -10YEARS THANK YOU- SHISHAMO 試聴 ★18 グッドバイ silent sparkle 試聴 ★19 超 Super Star (Prod. Shin Sakiura) SKRYU 試聴 ★20 春よ、恋 the shes gone 試聴 ★21 恋 Uru 試聴 ★22 シーユーだけ。 アップアップガールズ(2) 試聴 ★23 他人事 アルステイク 試聴 ★24 シリアルガール キングサリ 試聴 ★25 Yeah!めっちゃストレス ゴールデンボンバー 試聴 ★26 NICONICO スーパーベイビーズ 試聴 ★27 バニラ スガシカオ 試聴 ★28 紡ぐ とた 試聴 ★29 商売上々 ハラホログラム 試聴 ★30 メデューサ ポップしなないで 試聴 ★31 ブルーレター ミームトーキョー 試聴 ★32 Not Unusual 阿部真央 試聴 ★33 Circle produced by Yaffle 安田レイ 試聴 ★34 ダイナマイト 横田悠二 試聴 ★35 Winter 家入レオ 試聴 ★36 秘密基地 諸岡ケンジ 試聴 ★37 愛がなきゃ 小林柊矢 試聴 ★38 Seeker 足立佳奈 試聴 ★39 WILD FREE 竹内アンナ 試聴 ★40 Crush AFTER SQUALL 試聴 ★41 海が見えなくても amanojac 試聴 ★42 Neighbor Apes 試聴 ★43 ダイヤモンド Beachside talks 試聴 ★44 煙 Benlou 試聴 ★45 Sword Of Judgement HAGANE 試聴 ★46 ただ いま(with 橋本愛) HIROBA 試聴 ★47 残暑、 kalmia 試聴 ★48 オリオンに捧ぐ kurage 試聴 ★49 sweet vertigo Laura day romance 試聴 ★50 砂時計 Mr. Blue 試聴 ★51 hanauta osage 試聴 ★52 ATMOSPHERE RAY 試聴 ★53 holiday TellTale Signs 試聴 ★54 モール THE HOLDENS 試聴 ★55 Learn To Fly The Lamb 試聴 ★56 ワンダーランドと延滞料金 TIDAL CLUB 試聴 ★57 sister todo 試聴 ★58 流浪 YAJICO GIRL 試聴 ★59 大人になりたくない アカネサス 試聴 ★60 太陽の沈む街 あるくとーーふ 試聴 ★61 デイジー すぐ消えるズ 試聴 ★62 oath その感激と記録 試聴 ★63 流星群 それでも世界が続くなら 試聴 ★64 眠れぬ夜がくる前に ニイズ 試聴 ★65 アクター 憧憬と傘 試聴 ★66 Ollie(巡礼する季語) 幽体コミュニケーションズ 試聴 ★67 鳴らすモノ 揺らいで凪 試聴 ★68 命短し食せよオコメ 輪廻 試聴 ★ 69 十二次元(12D) 女王蜂 試聴 任意試聴曲(☆は推薦任意試聴曲) 希望の声 Anela 試聴 a short story Bacon 試聴 DOOR BLUE ENCOUNT 試聴 ラッパーなのに (Prod. Kiwy) GADORO 試聴 誅犬 GEZAN WITH MILLION WISH COLLECTIVE 試聴 アンダーテイカー HOWL 試聴 Fantasia KAT-TUN 試聴 yua KEIKO 試聴 super super KissBee 試聴 Judgement Day LOVEBITES 試聴 Paradise Maison B 試聴 chrOme arts OnlyOneOf 試聴 Here With You RiE MORRiS 試聴 THE SOUND Stray Kids 試聴 My Innocence TAMIW 試聴 Atlas Beaz TANAKA ALICE 試聴 Lovers In Tokyo The Charm Park 試聴 光 feat.TOSHI-LOW TRI4TH 試聴 東京タワー WackMon 試聴 Waiting for the waves WST 試聴 Lux en Athena Zeke Deux 試聴 花会式 グレープ 試聴 Beyond ときのそら 試聴 ドーパミン ミスイ 試聴 ネコとかすみ草 ヤギヌマメイ 試聴 どれみふぁレインボー ゆらぴこ 試聴 U 29 りゃー 試聴 マタキミニアエル大爆発 われらがプワプワプーワプワ 試聴 花束のかわりにメロディーを 海蔵亮太 試聴 へきれき 台風クラブ 試聴 漆黒 藤田麻衣子 参考 MUST GO 豆柴の大群 試聴 サユミミライ 道重さゆみ 試聴
https://w.atwiki.jp/game_rowa/pages/50.html
泣くことならたやすいけれど 悲しみには流されない 恋したこと この別れさえ 選んだのは 自分だから □ 気づくと私は、床に倒れていた。 起き上がり周囲を見回すと、そこが通い慣れた八十神高校の教室だと分かった。 「え、ここって……」 黒板や机の配置を見て、二年二組の教室だと気づく。外が暗く、人がいないこと以外は、いつもの教室と同じだ。 私はなんとなく、自分の席に着いた。 もしかして、さっきの光景は全て夢なのか。そんな想像が頭をよぎる。 ほっとしたのも束の間、喉のあたりに違和感を覚えて、手を触れた瞬間、現実に引き戻された。 「これ、首輪……」 呟くのと同時に、脳内についさっきの光景が浮かんだ。 マナと名乗る金髪の少女が、笑いながら話す姿。そして、完二くんの首輪が爆発して、勢いよく血が噴き出している姿。 思い浮かんだ光景を振り払うように、私はぎゅっと目をつぶる。 それなのに、脳内からその光景は消えない。 「じゃあ、完二くんは本当に」 声が震えた。その先は口に出せそうにない。 頭では理解していても、それを認めたくない。 私は考えを断ち切るために、別のことを考えようとした。 「……千枝はどうしてるかな」 さっきの場所には、千枝もいた。 親友がいつも着ている緑ジャージを見間違えるはずがない。 正義感の強い千枝は、殺し合いを強制するマナに対して、怒り心頭だろう。 顔に靴跡をつけてやる、と息巻く姿が、容易に想像できた。 「もしかして、他のみんなもいるのかな……」 完二くんに千枝、それと私。 この殺し合いには“自称特別捜査隊”の仲間が、三人も巻き込まれている。 想像したくはないけど、他の仲間もここにいるかもしれない。 花村くん、クマさん、りせちゃん、直斗くん。そして、リーダーの鳴上くん。 みんな信頼できる仲間たちだ。殺し合いの場にいて欲しい、とは言えないが、もし会えたなら心強い。 花村くんや直斗くんなら、もう脱出する方法を考えついているかもしれない。 「……でも」 ぽつりと声が漏れていた。 無意識のうちに出てきた、私の心の声。 私の頭に浮かんできたのは、鳴上くんの姿。 頼れるリーダーであり――私にとって初めての特別な人だ。 「鳴上くんには、いて欲しいな……」 私は自分で自分の肩を抱いた。 こうすると、鳴上くんに優しく抱きしめられたときの感触を思い出す。 この先ずっと、忘れることはないだろう記憶。 「って、私ったら何を……!」 仲間が死んでいるのに、あまりにも不謹慎だ。 少しだけ熱いほほを手で扇いで、私は窓から空の月を見上げた。 そのとき、私はあることに気が付いた。 どこかから、声が聞こえてくる。 いや、これは単なる声というより、歌声だろうか。 耳を澄ますと、歌声は上の方から聞こえてくるように感じられた。 (行ってみよう、かな) 私は教室を出て、歌声のする方へと歩き出した。 □ 群れを離れた鳥のように 明日の行き先など知らない だけど傷ついて 血を流したって いつも心のまま ただ羽ばたくよ □ (やっぱり、屋上から聞こえるみたい) 屋上に向かう階段に着くと、女性の歌声がはっきりと聞こえてきた。 とても澄んだ声だ。曲はゆっくりとしたバラードで、歌詞も聞き取りやすい。 (上手……悲しい曲なのかな) 歌手に精通しているわけではない私でも、この歌は上手いと感じた。 けれど同時に、悲痛な感情が含まれている気がした。 (どんな人なんだろう) 屋上のドアをそっと開ける。 外は暗いものの、何度も来ている場所なので、恐怖心はない。 ぐるりと見渡すと、少し離れたフェンスの前に、人影が見えた。 少しずつ近づく内に、女性は私と同じ長髪だと分かった。 「……っ、誰!?」 私に気づいたのか、女性は歌を中断して叫んだ。 その声に私はビクッとしたが、ここで怯えていても仕方がないので問いかける。 「あの……あなたも、参加者ですよね?」 「……はい」 「あっ、名前……私、天城雪子です」 「……如月千早です」 私が名前を言うと、若干の間はあったけど、相手も名前を返してくれた。 立ち話もなんだし座ろうか、と促すと、これにも応じてくれた。 そして、よく鳴上くんとご飯を食べるときの場所に、二人で並んで腰掛けた。 「えっと、高校生?」 「はい」 「そっか、私も高校生なの。偶然だね」 「そうですね」 「……」 「……」 「千早ちゃんって呼んでもいいかな?」 「お好きにどうぞ」 「そ、そっか……」 「……」 会話が途切れてしまう。 私は千枝や花村くんのように、初対面からどんどん話に行けるタイプではない。 かといって鳴上くんのように、話をさせる雰囲気作りが上手いタイプでもない。 それは相手も同じようで、どうにも会話が弾まない。 沈黙を断ち切るために、私はいちばん気になっていたことを尋ねた。 「ねえ、どうして歌っていたの?」 「……」 「あ、もし言いたくないなら……」 これまでよりも気まずい沈黙。 これは言葉選びを間違えたかもしれない、と焦りながらフォローを入れる。 すると、断定的な口調での返答が来た。 「私には、歌しかないんです」 「え?」 私は千早ちゃんの横顔を見た。その横顔から感情は見いだせない。 ただ、もともと落ち着いている声のトーンが、より暗く低くなったように感じた。 「人は死んだら、歌えなくなりますよね」 「それは……」 私は何か言おうとしたけど、思いつかなくて口をつぐんだ。 死んだら歌えなくなる。それは、当然と言えば当然のことだ。 急にそんなことを言い出すなんて、ネガティブになっているのだろうか。 あるいは殺し合いというマイナスのイメージの言葉が、そうさせたのかもしれない。 「歌えない私に、意味なんてない」 暗い声でありながら、千早ちゃんの言葉には強い意志が感じられた。 「まだ死ぬって決まったわけじゃ……」 「じゃあ!」 叫ぶと同時に、千早ちゃんはいきなり立ち上がって私を見た。 その表情は先程までとは異なり、焦燥がありありと浮かんでいる。 「殺せって言うんですか!?歌うために、他人を殺すの!?」 「……」 「そんなこと、できるわけがない……」 殺すという強い言葉。それが同年代の口から出たことにも驚いた。 それでも、それ以上に、千早ちゃんの苦しそうな表情が、印象的だった。 呼吸を整えた千早ちゃんは、再び腰を下ろした。 「……だから、私は歌い続けます。 歌い続けることで、如月千早という自分が、ここにいたという証拠を残したい」 「千早ちゃん……」 私は何も言うことができず、下を向いた。 声をかけたときは、人が来て危ないかもしれないから歌うのは止めた方がいい、と言うつもりだった。 けれど、歌うことに対する千早ちゃんの熱意、あるいは執念とも呼べるそれは、あまりにも強い。 まさに命を懸けてでも、歌いたいのだろう。 (……でも、なんでそこまでして歌うのかな?) 少し考えたけど、その気持ちは分からない。 きっと、千早ちゃんの心の深いところに、その原因があるのだろう。 そんなことを思っていると、ふと、ついさっき耳にした歌の歌詞を思い出した。 □ 蒼い鳥 もし幸せ 近くにあっても あの空へ 私は飛ぶ 未来を信じて □ 蒼い鳥が、未来を信じて独りで飛んでいく歌。 この歌は千早ちゃんにとって、どれくらい大事な歌なのだろうか。 今の私には、想像することしかできない。 「……話はもういいですよね?私はここから動くつもりはありません」 そう言うと、千早ちゃんは私に顔をそむけた。 その動きからは、若干の後ろめたさが感じ取れた。 私はそんな姿を見て、意思を固めた。 「わかった。じゃあ、私もここにいる」 「え?」 キョトンとした顔を私に見せる千早ちゃん。 私は微笑んで、はっきりと自分の意思を伝えた。 「ここで千早ちゃんの歌を聴くね」 「ど、どうしてですか?何の理由が……」 困惑した様子を見せる千早ちゃん。 もちろん、捜査隊の仲間がここ、八十神高校に来てくれるかもしれない、という打算的な考えもあるにはある。 けれど、それ以上に私は千早ちゃんのことを気にしていた。 「私と千早ちゃん、どこか似ている気がするの。 なんていうか……他人事だと思えないっていうのかな」 他人事だとは思えない。これは私の本心だ。 歌に執着して――囚われて――いる千早ちゃんの姿が、かつて見た私のシャドウと重なるのだ。 どうにかしてあげよう、何かできるはずだ、などとは思っていない。 ただ、なんとなく近くにいてあげたいという気持ちが湧いた。 「それに、千早ちゃんの歌、聴きたい。 ここにいる理由、それじゃダメかな?」 「……まあ、なんでも、いいですけれど」 千早ちゃんの返事は、今までよりも少しだけ上ずって聞こえた。 【E-5/八十神高校・屋上/一日目 深夜】 【天城雪子@ペルソナ4】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:基本支給品、ランダム支給品(未確認) [思考・状況] 基本行動方針: 1.千早ちゃんの歌を聞く。 2.八十神高校にいれば千枝が来るかもしれない。 ※(少なくとも)本編で直斗加入以降からの参戦です。 ※鳴上悠と特別な関係(恋人)です。 【如月千早@THE IDOLM@STER】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:基本支給品、ランダム支給品(未確認) [思考・状況] 基本行動方針:歌う。 1.この場所で歌い続ける。私にはそうするしかない。 Back← 016 →Next 014 Abide 時系列順 017 For a future just for the two of us. 015 後戻りはもう出来ない 投下順 NEW GAME 天城雪子 041 奪う者たち、そして守る者たち(前編) NEW GAME 如月千早
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/1133.html
「とある少女の幸せ計画(ハピネスプラン)その5」 8月3日17:40 第7学区とあるスーパーマーケット 「佐天さん。今日は何しにこの店に来たんです?」 「何しにって、そりゃあ夕飯の買い出しに決まってるじゃない!」 「じゃあ、お店の中をもう30分近く見て回ってるのにどうして何も買わないんですか? っていうか、佐天さん!ろくに食材も見てないでしょ!」 「そっ……それは今夜の献立をあれこれ考えてたからで…………」 「なにブツブツ言ってるんですか!?佐天さん、昨日からちょっと変ですよ」 「えっ?」 「気付いてないんですか? 昨日の佐天さんって料理作ってるときも食べてるときもなんだか上の空で、 しかも時々ニヘッて笑ったりするし…………何かあったんですか?」 「なっ、なんにもない。なんにもない」 前日の出来事をまだ初春に話していない佐天涙子は大げさな身振りで否定してみせる。 昨日と同じ時間帯に来れば上条と遇えるのではないかと期待してこの店に来た、とは とても言えなかった。 最初は10分待ってダメなら出直すつもりだった。 それでも店内をあともう一回りとか、あと一分とか思っている内に30分が過ぎていた。 もっとも隣に初春飾利がいなければあと1時間は粘っていたかもしれない。 でも流石にこれ以上初春(親友)に迷惑を掛ける訳にいかず、佐天涙子は表情を曇らせ 「ふ──っ」と小さな溜息を漏らす。 (今日はもうダメみたい) 初春飾利はそんな佐天涙子の様子に気付き「何か悩み事でも?」と声を掛けようとした。 しかしその声はとうとう発せられなかった。 佐天涙子の伏せ目がちだった瞼が大きく開いたかと思うと「あっ」と小さな声を上げたからだ。 頬をわずかに紅潮させる佐天涙子に何が起こったのか、まるで判らない初春飾利であるが、 佐天涙子の視線の先にその原因となる何かがあることだけは想像できた。 だがその原因を探す初春飾利の視界は、突然店の出口へ駆けだした佐天涙子の背中に遮られてしまう。 「ちょっ!どっ、どこ行くんですか!?佐天さん!」 初春飾利の声など聞こえないかのように佐天涙子は出口に向かって一直線に走っていく。 そして初春飾利はようやく気付いた。 佐天涙子の行き先が店外ではなく店内であり、しかも目的地は場所ではなく人であることに。 「かっ、上条さん!!」 「よっ、佐天さん。また遭ったな」 「昨日はごめんなさい」 「おいおい、会った途端に『ごめんなさい』だなんて、一体どうしたんだ?」 「昨日は危ないところを助けて貰ったのにお礼も言わずに帰っちゃって、すみませんでした」 「なんだ、そんなことなら気にしなくてもいいさ。 そこまで恐縮されるほど大したことなんてしてねえんだからさ」 「そんな!あの時上条さんがいなかったら、あたしどんな目に遭っていたか判りません。 本当にありがとうございました」 「はははっ、まあ、嘘でもそう言ってくれると悪い気はしないな」 「嘘じゃありません。本当です!」 その時、ようやく追いついた初春飾利が佐天涙子の脇腹をツンツンとつつく。 「ひゃっ、うっ、初春!?」 「うっ、初春!?じゃありませんよ。佐天さん」 「やあ、今日は初春さんも一緒なのか」 「こんにちは、上条さん!」 そして佐天涙子の耳元でささやくように尋ねる。 「佐天さん。ひょっとしてここに来たのはこのためだったんですか?」 「このためって何よ!?」 「はっはあぁぁぁぁん。なるほど、そう言うことだったんですね」 「な、なっ、何言ってんのよ?初春ったら」 「上条さん!実は佐天さんたら上条さんが来るのをここで30分も待ってたんですよ!」 「わっ、わっ、初春。何言ってんの!」 「えっ、そうなの?」 「いえ、あのーっ、そのーっ、 だって、あたし昨日上条さんに助けてもらったのに一言のお礼も言わなかったんですよ。 そんな自分が情けなくて………… だから、どうしても上条さんに会ってお礼が言いたかったんです。 あたし、上条さんに缶ジュースぶつけちゃったり、なんか迷惑ばかり掛けてるし…………」 「なあに俺の不幸体質はどうやら昔からみたいだし、別に佐天さんが悪い訳じゃないさ」 「そんな!まるで他人事みたいに言わないで下さい。 不幸が当たり前だなんておかしいです! 上条さんいい人なんだし、きっと幸せだって一杯あります!!」 佐天涙子は、自分がどうして他人事にこんなにムキになって反論しているのか、その理由 が自分でも良く判らなかった。 佐天涙子がその裏に隠れた自分の感情を自覚するのはもう少し後の話である。 「とある少女の幸せ計画(ハピネスプラン)その5」 8月3日、19:30佐天涙子の下宿 「佐天さん!」 「……………………」 「ちょっと、佐天さん!どうしちゃったんですか?」」 「……………………あたし決めた!」!」 「とっ、突然どうしたんですか!?」 「あたし、上条さんを幸せにしてみせる!」 「えっ、え────っ?佐天さん。一体なにを言って…………」 「だって、上条さんってあんなにいい人じゃない。 それなのに、いつも不幸に見舞われてるだなんてどう考えても理不尽よ! あたしだって上条さんにいろいろ迷惑かけたんだし何か恩返ししなきゃいけないでしょ。 だから、あたし達が一肌脱いで上条さんに幸せになって貰うのよ!」 「あたし達…………って、ひょっとして私も入っているんですか?」 「あったり前じゃない!」 「もしかして御坂さんや白井さんも入ってたりします?」 「なに言ってんの!自分のことぐらい自分でやらなきゃ恩返しにならないじゃない。 今回は御坂さん達には内緒よ。あたし達の問題に関係ない人を巻き込んだら悪いじゃない!」 「……………………私なら巻き込んでも良いんですね。はあ────────っ」 「だって初春とあたしは一心同体!頼りにしてるわよ。う・い・は・る。 名付けて『上条さん幸せ計画(ハピネスプラン)』って、どう?」 「言っときますけど。私はしませんよ!人前で脱ぐだなんて…………」 「だあぁぁぁぁぁ!コラーッ! 誰も服を脱ぐなんて言ってない!一肌脱ごうっていったの!」 「えっ?そうだったんですか?」 「まったく、初春ったら……………………………って、いや、その手があったか! ねえ、初春!こんど上条さんに会いに行く時は私の選んだ紐パン履いていきなさいよ」 「えぇぇええええええ────っ、無理無理無理無理、そんなの絶対無理です。 ってゆうか、お願いですから人前で私のスカートめくらないで下さい!」 「ちぇーっ、残念。いいアイデアだと思ったのになあ」 「そんなに見せたいなら、佐天さんのパンツを見せてあげれば良いじゃないですか!?」 「おおーっ!そうか。その手もあったか!じゃあ遂にこいつの出番ね。 あたしの秘蔵の一品!フリル付きレースのスケスケパァァァァ──ンツ!!」 「わ、わっ!ちょっと、本気にしないで下さい。佐天さん」 「はははっ、なあーんてね。冗談だよおぉぉぉぉぉん!」 「もう、佐天さんったら。 でもなんで佐天さんがそんなエッチな下着を持ってるんですか?」 「へへへっ、実はこの前白井さんから貰ったんだ!」 「でも、佐天さん。さっきから話を聞いてると、ひょっとして…………………… 『上条さん幸せ計画(ハピネスプラン)』って思いつきだけで言ってません?」 「うっ!…………な、何を言っているのかな?初春」 「じゃあ、本当は上条さんにどう恩返しするつもりなんですか?」 「えーっと、それはもちろん………………………………お願い!初春、一緒に考えて!!」 「は────っ、どうせそんなことだろうと思ってました」 「ねえ、初春。どうやったら上条さんが幸せって感じるかな?」 「そんなの、私が判る訳ないじゃないですか」 「ネットで何かチョチョイのチョイって検索できないかな?」 「男の人が幸せを感じることですかあ? やってみますけど期待しないで下さいね。 えーっと、これをこうして……………………んでもって、チョチョイのドン!」 「幸せかどうかは分かりませんが、アンラッキーな時の気分転換法ならいくつかありましたよ」 「どんなの?どんなの?」 「えーっとですね。ストレス発散には適度な運動が良いそうですよ」 「適度な運動…………そうだ、オープンしたばっかのウォーターパークなんかどうかな? あそこのウォータースライダーで滑り降りたら気分がスカッとしそうじゃない!」 「あと、適度に涙を流すのも精神衛生上良いそうですよ」 「映画だね!」 「今だとシネマパレス21で上映している『鉄橋は恋の合図』って映画がお薦めらしいですよ」 「それにショッピングも意外と効果があるとか、美味しい食事が人をハッピーにするって ことも書いてありますよ」 「もうウォーターパークに決まりじゃない! あそこの複合施設はあたしも行ってみたいと思ってたんだ。 上条さん!! あたし、恩返ししてみせます。きっと上条さんを幸せにしてみせます。 だから待ってて下さいね。ふっふっふっふっ!」 使命感に熱く燃える女子中学生の陰謀が今動き出した。 次回「乙女たちの接待作戦ウォーターパーク編」に続く…………かな?
https://w.atwiki.jp/ratsel02/pages/15.html
今日からまた新学期が始まった。 まだまだ残暑が厳しい中学校へと向かう。 約1ヶ月ぶりに見る校舎は懐かしくも何処か新鮮だ。 久しぶりに会う友達と挨拶を交わしつつ教室へと向かった。 空は雲一つない快晴。 そんな天気に恵まれた中、今日は体育祭が行われるらしい。 らしい、とそんな他人事のように思っても、結局出場するのは自分達生徒なのだから、他人事になるはずもなく。 (それにしても、暑い…) もう9月下旬だと言うのに、この天気の所為なのか8月と変わらないような暑さだ。 それが根こそぎやる気を奪っていくようで、少しうんざりする。 別に体育祭自体が嫌なわけではないのだが、この気候はいかがなものか。 周りを見てみれば、やる気のある者、ない者、それぞれいる。 (でも、まあ、楽しまないと損だよな…) きっと、これも後から振り返れば良い思い出となるのだろう。 そんなこんなで体育祭は始まった。 何が一番体育祭で嫌かと聞かれれば、おそらくほとんどの生徒達が、式で聞かされる先生の長話と答えるだろう。 普段なら長話なんてボーっとただ聞き流してれば終わりなのだが、この炎天下では話は別だ。 何せただ立っているだけで体力が奪われていくのだから。 数人の先生が代わる代わる話をしていき、後はこの理事長の話で最後なのだが、この話が特に長いのだ。 (早く話を終わらせてくれ…) きっとどの生徒も思うことは一緒だろう。 もはや先生の話などは頭に入っていないし聞く気も無い。 ここから見える限りみんなぐったりとしている。 先生は早くこの状況に気づかにのか、それとも気づいた上での嫌がらせなのか。 気を紛らわそうと、いろんなことをぐるぐると頭の中で巡らせていると、何やら後ろの方がざわつきだした。 (……………………?) 気をそちらの方へと集中させてみれば、どうやら誰かが倒れたらしいということが分かる。 ただの朝礼でさえ、たまに貧血などで座り込んだりする生徒がいるのに、この状況なら尚更だろうと思わず納得してしまう。 (ほら先生、みんなもうしんどいんだって!早く話を終わらせてくれよー…) 願いが通じたのか、それともさすがに見かねたのか、その後すぐに話は終わった。 これもさっき倒れた奴のおかげだろうか。 (ところで誰が…) ふと目線をやると、青木先生に抱きかかえられた女生徒の姿が見えた。 (あれ…あれは白雪?) 倒れた生徒と言うのは白雪だったようだ。 確かに身体も弱いし納得がいく。 (心配だな…) さっき僅かにだが喜んでしまった自分に罪悪感を感じた。 倒れたのが、少し気になっていた彼女だったからだろうか。 いや、それにしても本来人が倒れたなんてこに喜ぶのは、誰であっても不謹慎だろう。 (はあ…) 先ほどの青木先生に抱きかかえられた白雪の姿を思い出し、複雑な気持ちになった。 いよいよ競技が始まった。 各クラスの選手たちが入場門の所へと集合している。 先ほどの開会式とは打って変わって、生徒たちにやる気が満ちていた。 やはりこういう対抗戦だと、勝ちたいと思ってしまうのが普通である。 まあ、今から始まるリレーでは、俺は選手ではないので応援のみなのだが。 それでもただの応援にすら何だか熱が入ってしまう。 (…はずなんだけどなあ、普段なら) まだ、さっきの白雪のことが気になり頭から離れない。 俺の出場する予定の借り物競争は、午後の部だ。 まだまだ時間はたくさんある。 (保健室、行ってみるか…) 一生懸命応援しているみんなには悪いと思ったが、それでも自分が出場する競技までに戻れば何も問題はないはずだ。 俺はクラスごとに用意されたテントを抜けると、保健室の方へと足を進めた。 誰もいない静まり返った校舎内。 やけに俺の足音が響く。 保健室の前に着くころには、校庭の騒ぎがずいぶん遠くのことのように感じた。 コンコン… 一応ノックをして保健室へと入る。 主「失礼しま…」 ガラッ 俺がドアを開けるよりも早く、中からドアが開いた。 礼「…○○か。」 主「先生…?」 礼「どうしてここに…怪我でもしましたか?それなら保健の先生が校庭に待機して…」 主「あ、いえ、上城さんの様子を見に…」 礼「あ、そうですか…。…上城さんならまだ眠っています。それでは、私は校庭に戻るので…」 主「え、あ、はい…」 そう言い残すと先生は足早に校庭へと向かって行った。 それとは逆に、俺は保健室へと入る。 薬品の匂いだろうか、その独特の匂いがつんと鼻を突く。 (えっと、白雪は…) 白「…●●…くん…?」 主「白雪?」 ベッドの方に近寄ろうとした瞬間、名前を呼ばれた。 それに反応し目をやると、白雪が上半身を起してこちらを見つめていた。 主「起きてたのか?あ、それとも起したか?悪い」 白「あ、いえ…」 そう答える白雪の顔は真っ青だ。 まだ気分が良くなってないのだろう。 主「大丈夫か?顔色、凄い悪いけど…」 白「はい…大、丈夫、ですよ?」 そう言いながら一目で無理をしていると分かる笑顔を向ける。 その痛々しい表情を見ていると、何故だか胸を締め付けられる思いがした。 主「まだ、少し横になってなよ」 白「でも、でも…せっかく○○くんが来てくれたのに…」 主「俺のことは気にしなくて良いから」 白「…ごめんなさいです」 主「謝んなくて良いって!それじゃ俺、邪魔にならないように校庭戻るから」 白「え…」 主「また様子見にくるよ」 そう言って踵を返す。 白「ま、待ってください!」 主「え?」 突然呼び止められ振り返る。 白「その…行かないで、ください…」 主「……………」 白「傍に、いて、ください…」 主「白雪……」 そう言いながら、今にも泣きそうな表情の彼女。 足が自然と彼女へと近づく。 主「分かったよ。それじゃ、もうしばらくここにいるから」 答えつつ、髪を梳くように優しく頭を撫でる。 白雪は安心したように目を細め笑った。 その顔を見ていると、さっきまでの複雑な気持ちや罪悪感が薄れ、どこか暖かな気持ちへとなった。 (そろそろ、か…) ポケットから携帯を取り出し、時間を確認する。 あと15分ほどで俺の出場する番だ。 白雪はまだ気持ち良さそうに眠っている。 顔色もマシになってきたようで、頬にはかすかに赤みも差していた。 (行くか) 起すのもあれなので、そっと立ち上がる。 しかし、くん、と何かに引っ張られた。 主「白、雪…」 寝ていたと思っていた彼女が服の裾を持ち、こちらを見つめていた。 白「行かないでください…」 主「あ、でも、もうすぐで俺の出場する競技が始まるから…」 白「行っちゃ、ヤ、です…!」 そう縋るように言うと、彼女は半身を起した。 白「あ…う…」 主「あ、ほら!まだ横になってた方が…」 白「………ッ」 主「白雪?」 白「…ぅぇえッ……ゴホッ」 (水音っぽい効果音) 主「!?」 白「あ…あ…」 特有の鼻を突くにおい。 急に起き上がった所為か、白雪は胃の中のものを吐き出した。 そんなに量は多くないものの、服やベッド、布団、シーツが汚れてしまう。 白「…ぅっ…ご、ごめんなさい…です…っく…ひっく…ぅえええええん!」 主「だ、大丈夫だから!」 泣き出した彼女の背中をさすってやる。 主「…大丈夫か?まだ吐きたい…?」 白「…っく、ひっく…もう…だい、じょうぶ…です…っく」 主「そっか。まあ気分悪いときは吐いた方が楽だって言うし…さっきよりは楽になったか?」 白「…はい…ぐすっ、あ、ありがとう…です」 泣いている彼女と汚れたベッドを見て、ポケットの中から携帯を取り出してメールを打つ。 宛先:鉄野 羽生治 件名:悪い 内容:気分が悪くなって、今保健室。悪いんだけど、借り物競争代わってくれないか?今度奢るから。 それだけを打ち込み、送信すると、再びポケットの中へとしまった。 主「とりあえず、着替えないとな。保健室だし予備の服ぐらいあるだろ」 白「でも、○○くん、競技…」 主「いいって。代役立てといたから気にすんな」 それに、こんなひどく弱々しい彼女をここに放っていけるはずがない。 体育祭と白雪、どちらが大切かと言われれば、俺は迷わず白雪を取るだろう。 そこで、ふと気づく。 (そうか、俺…多分、白雪のことが好きなんだ…) 前々から少し気になってはいたものの、はっきり好き、と意識したのは初めてかもしれない。 少し熱を持ったような気がする顔を隠すように、俺は服を見つけるべく棚の中を漁り始めた。 主「お、あった」 予備の体操服は、以外にすんなりと見つかった。 それを白雪に渡す。 主「ほら、カーテン閉めてこれに着替えな。布団は何とかしとくから。」 白「あ、はい…です」 服を受け取ると、白雪は大人しくベッドを仕切るカーテンの向こうへと入っていった。 とりあえず俺は布団をどかせ、服の横に置かれてあった新しいシーツへとかえる。 白「あの、○○くん…」 ふと、カーテンの向こうから不安そうな白雪の声が聞こえた。 主「ん?何だ?俺は、ここにいるから。な?」 白「はい…ありがとう、です」 俺の答えに安心したような声が返ってくる。 その一言一言がとても愛おしく感じる。 (やっぱり、俺白雪のこと、好きなんだな…) 再度確認するように心の中で呟いた。