約 243,577 件
https://w.atwiki.jp/terachaosrowa/pages/5399.html
「ハハハハハ、俺ってやっぱりどうしようもない人殺しだったんだ、アハハハハ」 危険なジャングル“グンマー”の片隅に泣きながら笑う一人の少年と真っ二つになった二人の男の死体があった。 二人の男の名はスギちゃんと小野妹子、結局同盟を組んでワイルドキャラを探しにグンマーに来ていた参加者だ。 そして、少年の名は鏡音レン、家族を探す為に合流した仲間と共にグンマーのシャーマンを探していたはずのアイドルだ。 彼がどうしてマーダーとなったのか、その答えは2時間程前にあった。 「嘘だ、兄さんも、ミク姉さんも、リンも死んだなんて……うわあああああああ」 第二回放送で告げられたのは大切な家族や同じVOCAROIDの仲間達、生みの親やプロデューサーといった人達の死だった。 特に家族の大半が死んだという事実は、彼に深い悲しみと絶望を与えていた。 しかし、それ以上の絶望を受けた仲間が彼のそばにいたのだ。 「や、やめたまえ、ガール!」 「テトが死んだのよ。もうこの世界に意味は無い……全部壊して私も死ぬのよ」 そう言い、アルファーガンの黄色い光線でドン・観音寺を殺害するネル。 自身の知らぬところで家族のように慕っていた師を失った悲しみは、彼女に大きな衝撃を与えていた。 一見すると精神的に強いように見える彼女だったが、実は精神的なダメージを受ける経験に乏しく、プライドが高くなり過ぎて自信過剰になっている側面があった。 それ故、彼女は悲しみを制御できず、発狂した。 「あ……ね、ネル……どうして……」 すぐ近くで起きた非常事態に気付き、反射的にゼットセイバーを構えるレン。 そんなレンに、ネルはアルファーガンを向け、こう告げた。 「ルカだって、キヨテルだって、もう死んでるのよ。だから……」 それを聞いた時、レンの頭が真っ白になった。 そして、気が付いたら、目の前に真っ二つになったネルが転がっていた。 度重なる精神的ダメージで疲労しきっていたレンに、人を殺したという事実に耐える力は無かった。 これが、レンがマーダーとなった理由だ。 もはや、彼に残っているのは自身が殺人者であるという認識だけだ。 そして、泣き笑いを続けながらも、彼は再び歩き出した――他の参加者を殺す為だけに。 【一日目・16時00分/群馬県・グンマーの片隅】 【鏡音レン@VOCALOID】 【状態】疲労(中)、精神崩壊、不眠症 【装備】ゼットセイバー@ロックマンX 【道具】支給品一式 【思考】基本:俺はどうしようもない人殺しだ、だから殺さないと。 【ドン・観音寺@BLEACH 死亡確認】 死因:アルファーガン 【亞北ネル@VOCALOID派生 死亡確認】 【スギちゃん@現実 死亡確認】 【小野妹子@ギャグマンガ日和 死亡確認】 死因:斬殺
https://w.atwiki.jp/ankabisyojo/pages/76.html
芳咲ラミリーヌ紅花 名前 芳咲ラミリーヌ紅花(よしざき らみりーぬ べにか) 年齢 19歳 身長 179cm 体重 500kg スリーサイズ B 80 W 59 H 73 性格 幼稚 髪型 モヒカン 髪色 プラチナ 目の形 ウル○ラマンみたいな目 目の色 赤 服装上 赤のラインが入った身体のラインにピッタリなメタリックカラーのスーツ 服装下 七分丈 肌の色 真っ白 口調 では 靴 白いロングブーツ 口癖 俺の体はボロボロだ! 趣味 人殺し 特技 死体蘇生 握力 右 90kg 左 85kg アクセ1 タケリタケ アクセ2 刀 アクセ3 スラッガー 将来の夢 スパイ 芳咲ラミリーヌ紅花 イラスト一覧 まだありません
https://w.atwiki.jp/kusataro/pages/349.html
ハ行 バイオハザード バイオハザード2 アポカリプス バイオハザード3 パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉 バットマン ビギンズ バトルシップ パフューム ある人殺しの物語 ハムナプトラ/失われた砂漠の都 ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い 羊たちの沈黙 127時間 ファイト・クラブ フィールド・オブ・ドリームス フィフス・エレメント フェイス/オフ 47RONIN ブラック・スワン プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂 フレンチ・コネクション ブロークン・アロー ベオウルフ/呪われし勇者 ベン・ハー 北北西に進路を取れ
https://w.atwiki.jp/animerowa-3rd/pages/1033.html
『REACH OUT TO THE TRUTH』(後編) ◆IVe4KztJwQ 緩やかに炎に包まれていく屋敷。 逃げ惑う暦の家電乱舞を受けた藤乃はその姿を見失ってしまった。 しかし、すぐさまもう一つの魔眼、千里眼を発動させ屋敷の中を一瞬で探る。 「ふふっ、隠れても無駄ですよ。ほら、見つけました」 藤乃の攻撃を必死に掻い潜る内に 屋敷の母屋から大分離れてしまい駆け込んだ場所。 広い空間と壁際に立てかけられた数本の竹刀が眼に付く。 「ここは剣道場なのか」 その後ろで不吉な声がした。 「もう、逃げられませんね」 剣道場の入り口に立つ藤乃。 しまった、と思う。 唯一の出入り口には藤乃が居て。此処には視線を遮る物が何も無い。 「先輩の為に死んでください」 そう言いながら藤乃が笑う。本当に楽しそうに。 「だけど!」 もしここで僕が殺されてしまい、次の放送で僕の名前が呼ばれてしまえば。 戦場ヶ原、どこまでも情の深い僕の彼女は目の前の浅上藤乃と同じように、 僕を生き返らせる為、容赦なく殺人者になるだろう。 『阿良々木君が死んだら、私はどんな手を使ってでも阿良々木君を 殺した相手を殺すに決まっているじゃない。私を殺人者にするつもり?』 何時かの戦場ヶ原の言葉が聞こえてくる。 全く。自画自賛じゃないが、こんな事を考えてしまう位に僕は あいつの愛を感じてしまう。男冥利に尽きるという事か。 浅上の間違いを正し、戦場ヶ原に間違いを起こさせない為に。 「僕はまだ死ねない。でも浅上藤乃、君にも誰も殺させない」 対峙する両者、もう逃げ場は無い。 「凶れ」 容赦なく襲い掛かる歪曲の力。 藤乃の物質を捻じ凶げる。その攻撃を。 ある時は身体を捻り破滅の螺旋をぎりぎりの所でかわし。 ある時はデイバックから取り出した電化製品を彼女の歪曲の視線上に 放り投げる事で、何とか凌いでいくが。如何せん、この場の不利は拭えない。 ここにきてデイバックの中にある電化製品も 度重なる家電乱舞により、遂に底を尽きかけていた。 もしも藤乃の体力が本調子であれば僕はとっくに殺されていただろう。 「くそっ」 何度目の悪態かもうわからない。 僕に出来るのはここまでなのか。 いや、ここからは体だけで何とかするしかない。 暦は藤乃から視線を外さずに、剣道場の中心で立ち止まる。 「どうしたんですか。もう抵抗は終わりですか?」 藤乃の口元に笑みが浮かぶ。 「ああ、もうデイバックに詰めていた電化製品も流石に打ち止めだよ」 そう返しながら暦は気付く。その不可解な笑みに。 先輩を救う為にごめんなさいと言いながら他者を殺そうとする藤乃。 その言葉と笑みは何かが食い違っていた。 暦はその瞬間。はっとする。 最初に感じた違和感の正体。その決定的矛盾に暦は気付いてしまう。 「そうか…。そういう事、なのか?」 ごめんなさい。先輩の為に。と繰り返し呟きながら襲い掛かる浅上藤乃。 その言葉から、死んでしまった先輩を生き返らせる。帝愛の言葉を信じ、 その目的の為に彼女は無理をしてこのゲームに乗っている。 ずっとそう思っていた。けれど、それは暦の勘違いだった。 浅上藤乃という少女は。あの時の神原駿河とは違う。 いや、真逆と言ってもいいだろう。 戦場ヶ原が欲しいと願った神原駿河。 それを叶える為、裏の願いとして僕を殺そうとた怪異『レイビーデビル』 でも、浅上藤乃は。先輩を助けたくてその願いを叶える為の 人殺しをしているんじゃない。確かに死んでしまった先輩を助けたい。 生き返らせたい。という気持ちもあるのだろう。 だけど、間違いない。 浅上は先輩を助けるという理由で自分の行為を正当化し、 人殺しを楽しんでいる。そしてそんな自分の本心に気付いていない。 だから、僕があの時に。 『なんで笑ってるんだ』 と言った言葉に対して、意味がわからないと困惑して見せた。 だから、民家のガラス戸に映った自分の予想外の表情を見て怯んだ。 自分の表情の意味が心底理解できなかったのだろう。 なんて事だ。つまり僕は、快楽殺人者に人殺しをやめさせようと、 見当違いの説得をずっと繰り返していたのか。 そんな相手を説得するなんて。土台無理な話じゃないか。 そして矛盾に気が付かないまま僕は殺され。彼女は破滅の道を進むしかない。 『本当にそうなのかなあ?阿良々木君はまだ何か 見落としている事が、あるんじゃないのかな?』 …言いたい事はわかるよ羽川。 いつだってお前は僕を助けてくれたんだからな。 でも、そうは言っても。僕は羽川みたいに頭が回るほうじゃないんだよ。 暦は知る由もない事だが。 かつて、荒耶宗蓮は浅上藤乃の事を『存在不適合者』だと言った。 それは一体何に対しての不適合なのだろうか? 答えは明確。つまり、人の世に対して、である。 だからこそ浅上藤乃は殺し合いというこの異常な状況にあっさりと適応し。 人為らざる騎兵の英霊に、藤乃が知らず知らず魅かれるのは 当然の事だったのだろう。逆もまた然り。 騎兵の英霊は己に近い『存在不適合者』である藤乃に魅かれていた。 では阿良々木暦『怪異に行き会った少年』彼はどうなのだろう。 春休みの事件以降その罪と罰を抱え。少しだけ人から外れてしまった存在。 彼もある意味では、人の世の『存在不適合者』その成れの果て。 であるが故に、両義式と同じく、正しく藤乃の歪みに気づく事が出来た。 無い頭を使い、僕は必死に考える。 前の時と同じように不意を付ければ、この状況を打開出来るかもしれない。 周囲を再度見回してみる。しかし剣道場の中には 前回のように、都合よく浅上の顔を映すような物は何もなかった。 それでも、僕の言葉が浅上に届くかなんてわからないけれど。 諦める訳にはいかない。 暦の瞳が紅く輝き。その瞳孔が縦に開く。 「うおおおおおおおおおおおおおおお」 暦は覚悟を決め。藤乃へ向かって突進する。 「阿良々木さん、ごめんなさい。でも…凶れ!」 藤乃は笑う。暦の左腕が、あり得ない方向へ捻じ凶る。 「がはあああっ、ぐっ」 想像を絶する衝撃と痛み。それを無理やり堪え。歩みを止めず突き進む。 もう一度。聞くけれど。 「浅上藤乃!お前は、何で、笑っているんだ?」 眼の前にいる阿良々木さんが叫びながら変な事を聞いてくる。 私は笑ってなんかいないのに。どうしてそんな事を言うのだろう。 少し考えてみて、藤乃は理解する。そうか、ごめんなさい。 腕の痛みに耐えられず、少しおかしくなられてしまったのですね。 「こんな事は間違ってるんだ。浅上」 「凶れ!」 暦の右足が捻じ凶る。 「ぐぅああああ」 それでも暦は歩みを止めない。それを見た藤乃は思い出したように呟く。 「忘れていました。阿良々木さんは普通の人より死ににくいのでしたね」 でも、安心して下さい。先輩の為にちゃんと殺して。凶げてあげますから。 「凶れ!」 螺旋が暦の脇腹に突き刺さり内臓が捻じ凶る。 「…ごふっ」 口から赤い鮮血を吐き出しながら。 ああ、やばい。 忍に血を吸ってもらい能力を底上げして神原と戦った時とは違うんだ。 これは、本当に死ぬかも。 それでも、阿良々木暦は諦めない。 暦は藤乃の眼前まで距離を詰め、藤乃の右肩を左手で掴む。 しかし、今まで逃げ回る事しかできなかった上に、 武器らしい物さえ一切持たず。ボロボロになり吐血する暦を前に 藤乃は何の危険も感じていなかった。 もう、あの時のように拳を握る力さえも残っていないのだろう。 その証拠に私の肩を掴むその指先は力なく震えていた。 額に脂汗を浮かべ。苦痛に身を捩りながら。 藤乃の瞳を真正面から見つめ暦は叫ぶ。 「浅上藤乃。僕の眼を見ろ!僕の眼に映るお前をしっかりと見るん、だっ…」 またそれですか。一体この人は何を言っているのだろう。 その言葉に何の感慨も浮かばないけれど、 私を助けてくれたお礼位はしてあげてもいいのかしら。 そう思い、最後に阿良々木さんの表情を確認しようと顔を見やる。 ───。 「えっ?」 間抜の抜けた声が漏れる。その瞳に映っていたのは。 頬に手を触れてみる。 「なん、で?」 わたし、笑っているの? 訳がわからない。阿良々木さんの言う通り。私の顔は笑っていた。 そのあまりにも醜い表情に。わたしは戦慄する。 「わからないのか。浅上」 そんなはずが無い。だから、わたしは謝ってきたのに。 その謝りが。誤りだったとでもいうの? 「君が先輩を助けたいと思っている。それは本心だと思う。 でも、君はそれを言い訳にして。人殺しを楽しんでいる」 藤乃は体を震わせ。 「どうして、そんな事を言うんですか?」 人殺しに快感を覚えるような殺人鬼。両義式と同じような事を。 「どうして、そんな嘘を言うんですか?」 わたしは人殺しに快感を覚えるような殺人鬼じゃない。私は正常なはずだ。 再び二人の視線が絡む。そして。 「嘘じゃない。浅上は自分で自分の本心に気付いていない。 その証拠に、君は自分が笑っている事に気付いていなかった」 決定的な言葉。さっきから何かが可笑しい。自分の心がわからない。 この人の言っている言葉がわからない。そんなのは絶対に嘘。 だって、もしそうでないとしたら、わたしは。わたしは。 「嘘、笑ってなんかいない」 人殺シガ、楽シカッタ。 「嘘、楽しんでなんかいない」 アノ時ハ痛ミヲ理由ニ。 「違う。人殺しはいけない事だってわかってるわ。 だから、わたしは。ごめんなさいってちゃんと謝っていたのよ」 ソレガ嘘ダ。人殺シヲ、楽シンデイタ。 この声は、一体誰? 苦痛と吐血に苦しみながらも暦は藤乃の肩を掴んで離さない。 この人は一体何なの?どうして殺されそうになりながら。 そんなに哀しそうな眼でわたしを見るの? 理由は解っていた。嘘じゃない、とわたしに容赦なく真実を突きつけてくる。 阿良々木暦に浅上藤乃は戦慄する。 「あっ…うぁ…」 「うわっ」 藤乃の体から力が抜けその場に蹲り。 その肩を掴んでいた満身創痍の暦は重心を崩し 二人はお互いを引き摺られるようにして倒れ込んでしまう。 「わたし…先輩…」 藤乃は自分が両義式と同じように人殺しを楽しんでいた。その事よりも。 黒桐先輩の事を理由に人殺しを楽しんでいた。その事実が何より恐ろしい。 「…ごめんなさい」 心が痛い。その真実に。あまりに醜い己の心に恐怖する。 何時からこうなってしまったのだろう。 それとも、浅上藤乃という存在は元からこういうモノだったのか。 違う。嘘だ。そんな事ない。嘘だ。そんな事ある訳がない。嘘だ。 いつの間にか藤乃の顔から笑みが消えていた。焦点は虚空を彷徨い。 違う。嘘。とその口から繰り返し漏れる言葉。 眼前の藤乃は震えていた。自分の本心に気付き。恐怖していた。 その想いが、藤乃の体を通して僕に伝わってくる。 その藤乃の姿に。 僕はかつての自分の姿を重ねてしまう。 吸血鬼に襲われて。自らもその吸血鬼の眷属になってしまった春休み。 その地獄のような日々の終わり。 怪異の王にして。鉄血で熱血で冷血の吸血鬼。今は失われた真名。 『キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード』 彼女は当たり前のように人を喰っていた。何故だ、と聞いた僕に対し。 食べなければ死んでしまう。そう言って、僕の目の前で人間を食べていた。 そして、いつしか僕も人間(食料)を食べる事が当然だと考えてしまう 彼女と同じ吸血鬼(化物)になってしまった事を思い知らされた。 その事実に気が付き、自分の存在に恐怖した。夜の住人となり、 日の下に出る事も、家に帰る事も、誰かに悩みを相談する事さえできない その絶望の中で、羽川翼は僕を救ってくれた。 あの時の僕と同じように、浅上藤乃は自分の存在に恐怖している。 だから、偉そうな事を言うけれど。言わせてもらうけれど。 僕は浅上藤乃を救いたいと、そう思った。 藤乃は自分の心の中で渦巻く言葉を追い払おうと必死になっていた。 眼前の暦、自分自身、その全てを拒絶しようと魔眼の力を放つ。 「凶れ、凶れ、凶れ、凶れ、凶れぇ!」 焦点の定まらない狂気の螺旋。それは藤乃の心を表すように 尽く見当違いの方向へ飛んでゆき、周囲を破壊していくのみだった。 けれど螺旋の一つが暦の蟀谷を掠める。その頬を一条の鮮血が垂れて。 華奢な藤乃の身体に覆い被さっている暦。藤乃の頬に赤い物が落ちる。 「浅上。僕はお前の恐怖を知っている。 僕自身が人間を外れてしまった時の恐怖を僕は覚えている」 自らの命の危険を顧ず。阿良々木暦は揺るがない。 気付いてしまった浅ましい自分の本性。 他人によって暴かれ晒されたその事実に。 藤乃の、その心は。今、崩壊しようとしていた。 「浅上藤乃」 暦の右手が藤乃の左頬に触れる。 「ひっ…」 流れ出る一滴の涙がその頬を伝い。 「君は…言ってたよな。何度も何度も、ごめんなさいって…言ってたよな」 藤乃に凶げられた内臓の損傷からか、暦が喋る度にその口から鮮血が漏れ。 「人殺しは…いけない事なんだよ」 そんな当たり前の事。わたしだって解っています。 「じゃあ…どうして、いけない事だと思う…んだ?」 藤乃は答えられない。理解しているつもりで解っていなかった。 「それは多分…とても簡単な事で…浅上、お前は先輩が 死んで…しまったと知った時…哀しくなかったのか?」 先輩…。藤乃に優しくしてくれた、大好きな先輩。 初恋の人。けれどもう会えない。その笑顔はもう見れない。 「哀しかったです」 先輩の死を知った時。ライダーさんがわたしを慰めてくれた。 でも、阿良々木さんの言葉はあの時と何かが違う。そう感じる。 「お前の、心は痛くなかったのか?」 「あっ…」 暦は藤乃の眼を。藤乃は暦の眼を見る。 『心は痛くなかったのか?』 痛いのなら言うべきなんです。 確かにあの時、ライダーさんはそう慰めてくれた。 でも。人殺しがいけない理由は知らなかった。 そんな当たり前の事、考えようともしなかった。 誰も教えてくれなかった。 「それが…どんな人だとしても。それを哀しむ。誰かが居るから…なんだよ」 届くかわからないけれど。それでも。阿良々木暦は叫ぶ。 「だから、親しい人や好きな人が死んだ時。胸が痛くなるんだ」 藤乃に向かって必死に叫ぶ。その表情が一瞬だけ先輩と重なった気がした。 「…あっ」 暦の言葉が藤乃の胸に突き刺さる。 胸が痛い。その痛みの理由が。今は、はっきりと解かる。 『痛かったら痛いって言っていいんだよ。』 黒桐…せん…ぱい。 力なく崩れ落ちる藤乃。その両眼に涙が溢れていく。 「うぇっ…、え…くっ…、ひっく…」 「黒桐…先輩…ごめんなさい。わ…たし、わたし…」 その場に泣き崩れ。阿良々木暦の服の裾を掴み。 腹に顔を埋めながら。嗚咽を漏らし藤乃は喋る。 幾人もの命を奪ってしまった事。 加治木ゆみの命を、月詠小萌の命を、真田幸村の命を奪ってしまった事を。 先輩と同じように。彼らが死んでしまった事で胸を痛くする人が居ると、 その事が理解出来る。 「わたし…これから…どうしたらいいんですか…」 この罪を。奪ってしまった命を。その痛みを。 僕は胸の中で泣きじゃくる浅上を見て。そっと、彼女の黒髪を撫でた。 「浅上が奪ってしまった命は…もう戻ってこない。 僕が言えた義理じゃないけれど。それは…これから先も 浅上自身が背負っていかなくちゃ罪…なんだと思う。 けれど僕は…いや、人が誰かを…罰する事なんてできない」 だから、どんなに辛くても。その罪を背負って生きていかなくちゃいけない。 『罪を背負っての自殺なんて。わたし絶対に許さないからね』 僕は羽川翼にそう教えられたんだ。 二人の死闘。浅上の魔眼で破壊され、家電が散乱してしまった道場内。 体を引き摺り、その壁に背中を預けると、暦は其処に力無くもたれ掛かる。 剣道場の入口から見える日本家屋。 母屋が炎に包まれてゆき、夕闇の中で火の粉が舞っていた。 その光景は不謹慎かもしれないけれど。とても綺麗だと思った。 思い出したように暦は自分の体を確認する。ボロボロだった。 その腕の中。未だ暦の胸で嗚咽を漏らす浅上は。 阿良々木さん、ごめんなさい。先輩、ごめんなさい。と繰り返す。 その姿に。 ああ…僕は、初めて…誰かを救う事ができ…たのかな。 忍野、お前の言う通り…僕はとんだ偽善者…なのかもしれない。 でも。そんな僕でも…こうして浅上の心を救う事が…できたのなら。 …上出来だ。 だろ、忍野。 薄れゆく視界の中で…そんな事を考えながら。 阿良々木暦の意識は途切れた。 ───────────────────────────── ───────────。 不意に、藤乃は自分の頭を撫でていた暦の腕に力が無くなるのを感じ。 その顔を上げる。 「あっ…、阿良々木さん?」 力なく垂れ下がる暦の腕。その瞼は静かに閉じられていた。 「阿良々木…さん?…嘘です…よね?」 暦の肩を掴んで揺する。暦は何も言わない。 「さっきみたいに、返事をして下さい! 僕の眼を見ろって…眼を開けてください!」 藤乃が纏う純白のドレス。それが赤く染まっていた。 虚しく。哀しい。藤乃の絶叫が響く。 【E-5南西 衛宮邸 剣道場/一日目/夕方(放送直前)】 【浅上藤乃@空の境界】 [状態]:千里眼覚醒・頬に掠り傷(応急処置済み)疲労(大)全身に軽い刺し傷(応急処置済み) [服装]:純白のドレス(シーツを服代わりに纏っている)@現地調達 [装備]:軍用ゴーグル@とある魔術の禁書目録 [道具]:基本支給品一式、拡声器@現実 [思考] 基本:どうしたらいいのかわからない。けれどもう人殺しはしたくない。 0:阿良々木さん…。わたし…わたし…。 1:次にライダーさんと会ったら…。 2:ライダーさんは象の象を目指しているのだろうか? 3:サーシェスを敵視。 4:人を凶ることで快楽を感じていた事を自覚し、その自分に恐怖する。 5:断末魔サービスを利用したい? 6:サーヴァントと戦国武将に警戒。 [備考] ※式との戦いの途中から参戦。盲腸炎や怪我は完治しており、痛覚麻痺も今は治っている ※藤乃の無痛症がどうなっているかは後の書き手にお任せします。 ◆ ◆ 後日談、というほど時間は経っていないけれど。今回のオチ。 あまりに無茶をやり過ぎた反動で血が足りなくなった僕は、 いつの間にか死んだように意識を失ったらしい。 僕が死んだと勘違いして必死に体を揺さぶる浅上のその声で 僕の意識は再び覚醒した。 重傷患者の体を揺さぶるって駄目なんじゃないか? と思ったけれど。泣いていた浅上にそんな事を言うのは野暮だった。 僕が生きている事に安堵した浅上が見せた。その涙と笑みは。 あの『歪んだ笑み』とは全然違っていて。 とても美しく一見の価値があった。 その笑顔が見れた事は心底ボロボロになった僕の せめてもの役得といったところかな。 それから僕を凶げた事に対する罪悪感で 一人出ていこうとした浅上を僕は引きとめる。 もう人は殺したくないと言っていた浅上は正直これからが大変だと思う。 何せ人を殺してしまった罪と向き合っていかなきゃいけないのだから。 そんな彼女を一人にする訳にはいかないし。 彼女がスザクやデュオ、式と出会ったらそれこそ無用な誤解というか 争いを招いてしまう恐れもある。それを仲裁するのは僕が居た方がいい。 春休み僕の事を救ってくれた羽川翼。 あの時の僕と似たような境遇の浅上藤乃を助けるのは、きっと僕の役目だろう。 重傷で暫くは動けない僕を一人残して行かないでくれ。 そう説得したら浅上があっさり頷いてくれた事に今度こそ安心する。 一応、誤解が無いように断っておくけれど。 僕には戦場ヶ原という彼女がいて、 彼女の毒舌を含め戦場ヶ原の好きじゃない所はない。 そうはっきりと断言できるくらい。僕は戦場ヶ原の事が好きだ。 だから、僕が浅上を助けたからといっても。そこで何らかのフラグが立つ。 なんて事はあり得ない、とだけ断っておこう。 『何を言ってるんだい阿良々木君。フラグならしっかり立っているじゃないか。 これは俗にいう、阿良々木君がツンデレちゃんに刺されるっていう死亡フラグだよね』 …忍野。それ、笑えない。 忍野メメの幻聴が聞こえてきたような気がしたけれど。 僕は、あえてそれを無視する事にした。 そして第三回目の定時放送が始まる──。 【阿良々木暦@化物語】 [状態]:疲労(大)、出血によるダメージ(大、治癒中)左腕歪曲(大、治癒中)右足歪曲(中、治癒中)左脇腹歪曲(中、治癒中) [服装]:直江津高校男子制服 [装備]:マウンテンバイク@現実 [道具]:デイパック、支給品一式、ギー太@けいおん!、エトペン@咲-Saki- 沢村智紀のノートパソコン@咲-Saki-、毛利元就の輪刀@戦国BASARA、USBメモリ@現実 (政庁で使った物品は適当に回収したため他に何が残っているかは不明、後の書き手にお任せします) [思考] 誰も殺させないし殺さないでゲームから脱出。 基本:知り合いと合流、保護する。 0:浅上藤乃を一人にしない。 0:戦場ヶ原…。 1:憂をこのままにはしない。 2:モモ、ルルーシュを警戒。 3:……死んだあの子の言っていた「家族」も出来れば助けてあげたい。 4:支給品をそれぞれ持ち主(もしくはその関係者)に会えれば渡す。原村和とは一方的な約束済。 5:千石……八九寺……神原……。 6:太眉の少女については……? 7:落ち着いたら【ホール】を再調査してみる。 [備考] ※アニメ最終回(12話)終了後よりの参戦です。 ※回復力は制限されていませんが、時間経過により低下します。 ※会場に生まれた綻びは、あくまで偶発的なものであり、今後発生することはありません。 ※巨神像はケーブルでコンソールと繋がっています。コンソールは鍵となる何かを差し込む箇所があります。 ※原村和が主催側にいることを知りました。 ※サポート窓口について知りました。 ※今回のSSで家電乱舞を使い切りました。 ※やばっ…、母屋が燃えてるって事は。乾燥機に入れっぱなしの浅上の服は…。 【E-5南西 衛宮邸】 冬木市にある衛宮士郎の住居。衛宮邸を模した日本家屋。 しかし現在は剣道場と土蔵を残し。母屋が炎に包まれている。 時系列順で読む Back 『REACH OUT TO THE TRUTH』(前編) Next 隣合わせの灰と青春 投下順で読む Back 『REACH OUT TO THE TRUTH』(前編) Next 隣合わせの灰と青春 222 『REACH OUT TO THE TRUTH』(前編) 阿良々木暦 231 贖罪は優しき少女の為に 222 『REACH OUT TO THE TRUTH』(前編) 浅上藤乃 231 贖罪は優しき少女の為に
https://w.atwiki.jp/narikiriitatrpg/pages/653.html
名前: 錐乃 優 職業: なんでも屋(犬の散歩から人殺しまで) 勢力: 中立 性別: 男 年齢: 26 性格: 気分屋ときどき狂気的 外見: 髑髏マークのライダースーツにジーンズ 銀髪オールバック、細見で三白眼 外見2:(変身後)骨の様な鎧で全身が覆われる。顔は髑髏そのもの。 武器: 普段はナイフや銃 変身後は脊椎を模した剣 能力: 見た目に反した厚い装甲、身体能力の強化 備考: 依頼があれば善悪関係なく差別なく受ける。が、達成するかはお金とやる気次第。 なので依頼を出すのは余程の物好きか、よっぽど切羽詰った人物ばかり。
https://w.atwiki.jp/rowamousou/pages/1710.html
【名前】モンスター 【性別】不定 【年齢】出来たばかり 【職業】「怪物」 【特徴】誰もが考える「怪物」 【好き】「怪物」である自分 【嫌い】「怪物」を否定するもの 【特技】「怪物」であること 【趣味】人殺し 【詳細】 「怪物」が具現化した存在。 基本的に無意味に人を殺すことで「怪物」としてのアイデンティティーを保っている。 「怪物」として扱われることでさらに強くなることができ、本人もそれを望んでいる。 【備考】 「怪物」ができると思われることは大体可能。 なぜこのようなものが生まれたのかは本人も含めて誰も把握していない。
https://w.atwiki.jp/suujitakutrpg/pages/92.html
太刀川政治(タチカワ セイジ) 〔初登場〕2022年1月 〔通過シナリオ〕【人殺しの家】【え!7版の食屍鬼ってこんなに強いんですか!?】 〔一人称〕俺 〔特徴〕 ・刑事、最近は内勤が多い。 ・正義感が強く、不正は許さない!という、色んなところがおカ・タ・イ♡人物 ・精悍な顔立ち、渋いイケメン。高身長 ・とある事件以降、事あるごとにドミツィアーノ松永が自身のアパートに押しかけてきて困っている ・そっちの気はない 〔関係したPC〕 ・ドミツィアーノ 松永(72) 宇佐川由宇(72) ラジープ・ガラムマサラ(440) 太刀川政治ネタバレ注意!
https://w.atwiki.jp/vipdetyuuni/pages/722.html
能力 【殺戮怨鎖】 相手が、ロールで人殺しの経験があれば相手の能力(ステ・装備含む)を戦闘中に限り覚醒含めて完全コピーする。 また、コピーした能力に自分の本来の力がプラスされる為、身体能力にかぎり相手を確実に上回る。 プロフィール 性別 女 年齢 17 誕生日 不明 身長 158 体重 44キロ 好き 戦争もののメディア 嫌い 平和 趣味 殺し合い 大切 自分の手持ち トラウマ ある事情 容姿 茶髪に緑の目をもつ少女。服装は白いタンクトップにジーンズという至ってシンプルな格好 性格 ある事情で物心つく前に殺人こそ至高と教えられており、数々の殺人を行ってきた。 やがてある事情によりこの世界にたどり着き、とにかく殺人をしようと考えている。物を大切に扱うのが苦手。がさつ。
https://w.atwiki.jp/studentx/pages/484.html
スクラル・キル・クルー (Skrull Kill Crue) 概要 スクラル人殺しだけを目的に生きる者たち。 スクラルの肉を食うことで一時的にスクラルが化けた人間を見破る力を得る。 メンバー ライダー:リーダー ライオット:怪物のような外見をしているが、実は女性。怪物の姿の方が力が増す。 ムーンストンプ ダイス キャットウォーク シークレット・インベージョン "Secret Invasion"ではフィフティ・ステイト・イニシアティブに紛れて各州に潜んでいたスクラルたちを発見、殺害してまわった。 このとき、スクラルを見破る力を持つ3-Dマンが仲間になった。
https://w.atwiki.jp/sin_beastbindtyinity/pages/9.html
■今回予告■ 「わたしって誰だろう?」 今日もわたしは人を殺す。 「わたしって誰だろう?」 どうしてわたしは人を殺す? 「わたしって誰だろう?」 わたしだから殺す? 殺すからわたし? 「わたしって誰だろう?」 “私”を殺せば、殺さないわたしになるのだろうか? 「わたしって誰だろう?」 わたしが殺して、わたしは私。 Sin-ビーストバインドトリニティ 第三話 『わたし殺人事件』 その罪-エゴ-は、私を決して逃がさない。 ■PC紹介■ PC① 人の名:アート・S・ミェーチ 魔の名:抜刀“ヴァルセーレ” スタイル:ディフェンダー プライマリ:デーモン/魔神 セカンダリ:イレギュラー/魔剣 抜刀術に特化した戦法を愛用する魔神の乙女。性別不詳であったが、伊坂(「断罪の剣」参照。魔剣使い)に対するひそかな恋心から乙女へとクラスチェンジした。とはいえ、自身の犯した罪やら魔神と人間の持つ寿命の差やらに縛られ、告白は出来ずにいる。攻撃、防御、戦闘外での小回りに優れ、全体的なバランスを追求している。そのせいか、一般的なディフェンダーより防御力が低く、器用貧乏の可能性がある。とはいえ、ここぞのタイミングで放つ《魔器覚醒》は150点近いダメージを叩き出せるし、まだ大丈夫と信じたい。 日本語に明るくなく機械に弱い、実年齢は見た目×4歳だが可愛い。なおプレイヤーの性別は(ここで記述は途切れている) ■オープニングフェイズ■ シナリオのスタートに繋がるイベントを起こす前に、日常を表現しろとGMから要請を受け、状況の説明をPLがするという稀有なスタートとなります。 アート:まず私は、エプロンを身につけて料理をしています。まだ多少下手さは目立ちますが、いつかは伊坂さんに笑顔で渡せるようなすんごいお弁当を作るという野望を目指し、頑張るつもりなのです。 GM:なるほど、ではキッチンで戦争してるアートをエリオちゃんが微笑ましく見守っている、と。 アート:「うーん、やはり慣れていない刃物は扱いが難しいです。いっそヴァルセーレを使おうかしら……」 GM:そんな平和な事を呟いているとだな、チャイムが鳴るぞ。 アート:なら、「私が出ますね」ってエリオちゃんに声をかけてエプロンを外しながらドアをガチャッと。「はーい」 GM/長沢:ドアの前には君が色々やらかしたなんやかんやをうやむやにしたり、その代わりに依頼をしたりとかで何度か顔を合わせている、警視庁死霊課の刑事、長沢さんがいるよ。 アート:その折は今も感謝しています。「あれ、長沢さん? わざわざお越しになるとは、一体どんな御用ですか?」 GM/長沢:「あー、いきなりですまんが、少し署まで来てくれないか?」と言って頭をかくよ。「『アート・S・ミェーチが人を殺している』そういう目撃情報が何件も寄せられてるんだ」 アート:え、じゃあ驚いた顔を浮かべはしますが、何となくそういう事もあるかなって思っちゃいます。だって、私すっごく幸せですもん。私なんぞが幸せになるなんておかしいんです、こういう方が正しいのかも。とりあえず、沈んだ声で「準備と、エリオちゃんに一言伝えてもいいですか?」 GM/長沢:「あぁ、それくらいは構わない。俺はな、お前が犯人だなんて信じられない。だからきっと、何かがあるんだと、そう思うんだが……」 GM/エリオ:で、君が青ざめた顔でリビングに戻ると、エリオちゃんが声をかけてくれる訳だ。「どなただったんで……何か、あったんですか?」 アート:震えつつも、気丈に微笑んでみせます。「少し、厄介な事があったんです。エリオちゃんはくれぐれも家を出てはいけませんよ。きっと、きっと帰ってきますから」 GM/エリオ:「……。分かりました。いってらっしゃい」 アート:「はい、行ってきます……」とまあ、こんなところでシーンを閉じて頂きたいです。 GM:いいだろう、これにてオープニングは終了だな。 ■ハンドアウト■ ※『HOエゴ』について 今回、ハンドアウトで絆の代わりにエゴを指定します。 このエゴは、愛を1点消費することで『自分自身への絆』に変える事が出来ます。自分自身への絆は通常の絆と全く同じ効果を持ち、愛も手に入りますが、エゴ化することはできません。 HOエゴ:私は諦めない 全てが解決した筈だった。身体を蝕む毒も、力を狙う魔神も、その呪いも。 それでも、心のどこかで、自分の幸せが信じられなかったのかもしれない。 だから、「アート・S・ミェーチはまだ人殺しを続けている」と言われて、あぁやっぱりと思った自分が確かにいたのだ。 今までずっと罪に塗れて過ごしてきた自分が、何もかも忘れて平和に過ごすなんて訳にはいかないだろう。 それでも、私はもう、殺さない事を諦めない。 ■ミドルフェイズ■ その前に GM:オープニングでしようと思ってた演出あったの忘れてた辛い。 アート:あらあら(笑)なら思い出したって形にしてミドル前の回想にでも挟みましょうか。 GM:そーっすね。それじゃあ、君は帰路についている。日が傾き、影が長く伸び、家路を急ぐ人が雑多に歩く道だ。 アート:お夕飯の食材を買ったビニールをさげて、のんびりと歩いて行くとしましょうか。 GM:そこで君は……【感情】で目標値20の判定をする訳だ。 アート:ふふふ、【感情】? 【感情】と申しましたか? 私の【感情】は《罪の悦楽(罪を獲得した時に使用し、シナリオ中永続で【感情】を+1する。しかも3回まで累積するとかいう凄スキル)》がなくとも13。つまりたった20程度(ころころ)失敗しました(一同笑) GM:え、失敗? あーっと、ではそのまま帰宅しちゃいます……。回想終わり。 アート:判定に失敗したせいなのは分かるんですがどうでもいい回想ですね(苦笑) シーン1 別に手痛い失敗という訳ではないものの、シナリオの盛り上がりポイントを逃したような、少し寂しい思いを抱きつつ、華も色もない冷たい取り調べ室からシーンが開始します。 アート:静かに、やや沈んだ表情で椅子に腰掛けています。 GM:殺人は夜にあったらしいんだけど、その時間アートは料理を頑張っていて、それはエリオちゃんの証言からも確実なものになる。とはいえ、身内って事もあるし、証言としてはやや弱いんだよね。 GM/長沢:「という訳で、お前を拘束して事件が収まれば、お前が犯人。もし構わず勃発するなら、犯人は別にいるって事だ」と長沢さんは言ってくるよ。 アート:無言でこくりと頷きます。 GM:それから、重苦しい沈黙が訪れるんだが、それが長く続くかに思われた瞬間、部屋に息せき切って警官が駆け込んでくるぞ。 GM/警官:「また起きました! 抜刀術による殺人事件です!」 GM:それを受けて長沢さんは立ち上がるよ。 アート:「私に、何か出来る事はありませんか?」と、椅子から立ち上がらず、真っ直ぐに長沢さんを見ながら言いますよ。 GM/長沢:「お前と同じ姿をしているのが犯人だし、こっちからは一切支援出来ない。それどころか、解決しきれなかったらまたお前を疑うしかなくなっちまう。それでもなお動くなら、止める事は出来ねぇな」 アート:「それだけで十分です。無関係な筈がないんです、私が何とかしてみせます」っと。正直さっぱりというのが本音ですが、動かないってのはありえないです。 こうして、取り調べ室から出て行ったアートは、封鎖される前に事件現場を確認。無惨に切り殺された傷口は、アートのものと判断できる独特なものだった。偽っている線もあったが、今は犯人として疑いを持たれている為、早々に撤退することに。 アート:もし私に私怨を持ってこんなことをしているなら、エリオちゃんが心配です。その上で、伊坂さんの無事を確認できればいいんですが、どうしたものか……。 GM:じゃあここで【感情】で判定だ。成功した? なら、薄暗い路地の街灯に浮かび上がる、アート自身の姿を見つけるぞ。 アート:「! ……あなたは、誰ですか?」と言いつつ身構えます。 GM/アート(?):「わたしは、あなただよ。アート・S・ミェーチ」と応える。 アート:「どうして、人を殺しているんですか?」 GM/アート(?):「わたしが、わたしだからだよ」と、そう言うと同時に一気に襲い掛かってくる。戦闘開始だな。 アート:あ、その前に《アレナ展開》してもいいですか? GM:おういいよ。 アート:有り難う御座います。にしても、私ですか……。 シーン2 アートVS偽アートとでも言うべきか、そんな戦闘が始まります。とはいえ、《罪の悦楽》を2回程使用しているアートと、素のアートをコピーした偽者ではまるで勝負になりません。ディフェンダー故の硬さから、偽アート(仮)も時間だけは無駄に持ち応えますが、本物に殆どダメージを通す事が出来ず、あっさりとやられてしまいます。 GM:……君の勝ちだな(寂しそう)。 アート:まぁ、素の状態ではあまり戦闘に向いてないパラメータですから、私って。 GM:だがしかし、イベントが始まるのだ。君の攻撃によろめいた偽者は、それでもなお襲い掛かってこようとする。その時、宇宙的なビームが過たず偽者を直撃した。 アート:アレナの中に入れて、宇宙的ってまさか……エリオちゃんですか!? GM:その通り。アートが心配でこっそり探しに出たら同じ人同士で切り合いしてる現場に来たんだけど、一緒に暮らしていた勘でどっちが本物か瞬時に判断して支援したって訳。 アート:流石エリオちゃんです、正直偽者の力がこれだけとは思ってないから助かったのですが、少し複雑です。 GM:不利を悟ったんだろうね、偽者は素早く離脱するよ。《資産:帰還門》で。 アート:形式美として「待て!」と叫んで魔剣を空振りしますね(笑) GM/エリオ:あいあい。それじゃ駆け寄ってきてエリオちゃんが声をかけてくれるぞ。「怪我はありませんか?」 アート:「大丈夫です。それより、どうして見分けられたんですか? 見た目は全く同じだった気がしますけど」 GM/エリオ:「アートを見間違えるわけないじゃありませんか」(即答) アート:「全く、かないませんね~」降参のポーズ取ります。「とはいえ、まだ危険であるのは確かですし、無茶なことはしないでくださいね」 GM/エリオ:「それはアートも同じですよ」っと、ここで情報収集判定できるよ。 アート:それは有り難いです。家に向かいながら情報収集しましょう。《かりそめの器》で【感情】を利用した情報収集判定が出来るようにしましたよー。 この判定の結果、偽アートがドッペルゲンガーであることが判明。本物と成り代わろうとするドッペルゲンガー自身のエゴと、人を殺したいというアートのエゴがせめぎあった結果、今回の凶行が起こってしまったとのこと。撃破か説得か、どちらにせよ再度の遭遇が必要とのことに。 シーン3 帰宅、と軽い応急手当てなんかをして、最終決戦に備えるシーンです。取りこぼした情報を集める為に、そしてGMが起こしたかったイベントを起こす為にこのシーンは必要だったのです。 アート:(情報収集判定成功)よーし、全ての準備が整いましたよ! ばっちこーい! GM:ではチャイムが鳴ります(一同笑) アート:まさかここまで早いとは(笑)相変わらず「はーい」と言いつつ出ますよー。 GM/伊坂:じゃあね、そこには伊坂くんが立ってるんだよ。で、アートの姿を見ると口を開くぞ。「聞いたよ、お前、まだ人を殺してるんだってな」 アート:「……え?」い、伊坂さんに真正面からそんなこと言われたら凍りついてしまいますよ? GM/伊坂(?):大丈夫、その反応は正しい。「まさかまた人殺しを始めるなんてなー、俺のあの時の説得も無駄だったって訳か。本当、被害者が浮かばれないよ」 アート:「伊坂さん、違うんです! それは私じゃなくてドッペル――」 GM/伊坂(?):(遮って)「言い訳するのか? お前ってそんな奴だったんだな。この人殺し」 アート:「ひっ……!」うあー、PLはもう読めたけどアートは駄目だぁ(笑)イヤイヤをするように首を振りつつ後ずさるよ。 GM/伊坂(?):「人殺し」「人殺し」「人殺し」伊坂君(?)はずかずかと侵入してきてアートに人殺しと言い募るぞ。ここでバインドが発生だ。内容は「伊坂くんを信じるか」だ。信じる場合は目の前のを否定するし、信じない場合は絆一個がエゴに変わる。 ・バインドとは、絆とエゴを題材にしたBBTらしいシステムです。ある絆との会話により起こりえる二律背反にどう対処するかによって、通常の1点に加えて追加の1点の愛を貰うか、即座に対象への絆をエゴ化させるかを選択できます。厳密に正解となる選択肢がないってケースは、案外少ないように感じられます。 これは、どう考えても正解は一つであるのは明らかなのですが、RPの美味しさと、エゴ、つまりは罪が足りないとPLが感じていたこともあり、あえて絶望RPを楽しむ方向性に進みます。 アート:頂くエゴは【私なんて死んじゃえばいいんだ!】にします。 GM:仕向けといてなんだが、重いな(笑) アート:それが絶望RPの醍醐味ですから(笑)私は、伊坂さんの言葉を聞いてぺたんとその場にへたり込みます。とめどなく涙が溢れて、そして仕上げに、魔剣を抜き放ちます。「こんな、こんな人殺しなんて、死んじゃえばいいんだ……!」 GM/伊坂(?):「そうだ、死ね。この人殺し」 アート:ぽろぽろと涙を零しつつ、それを振り払う勢いで自分に向けて刃を振るいましょう。ミィンナシヌシカナイジャナイ!(一同笑) ・ミィンナシヌシカナイジャナイ! 「魔法少女まどか★マギカ」ネタ。銃を自在に操る魔法少女である巴マミさんの台詞。あの人ニコ動とかで散々ネタにされているけど、実際名言だらけだから仕方ない。銃使いは格好良いんだけどなぁ。 GM:それでは、目の前の伊坂くん(?)がにやりと邪悪に笑う。そして次の瞬間、あわやアートが自身に突き立てようとした剣は別の剣によって弾き飛ばされる。舌打ちをしつつ偽伊坂くんは姿を消して、代わりに本物の伊坂くんが駆け込んでくるよ。 アート:つーっと涙を流しつつ、剣を失ったのに気付かず首を切ろうと空を薙いでいます。「ごめんなさい」とぶつぶつ言いながら。 GM/伊坂:その手を掴んで君を揺するぞ。「アート!」 アート:では、虚ろな瞳の焦点が戻ってきて、怯えるように身を引きます。「い、さか……さん?」 GM/伊坂:「さっきの奴、人に化けられるのか? それでアートの姿をとっていたんだな……」 アート:私、伊坂さんを突き飛ばそうとして力が入らないので、頑張って声をかけます。「私に触れないでください! こんな、こんな人殺しの手に触れてはいけません……!」 GM/伊坂:そう言われると凄い剣幕で彼は反論する。「そんな事言うな! お前はもう、誰も殺さないって言ってたじゃないか! あの言葉は嘘だったのかよ!?」 アート:「だって、私、私がまた殺してしまったって……もう、どうすればいいか分からないんです……!」 GM/伊坂:「……でも、今アートが死んでも、きっと殺しは終わらない」 アート:「! し、しかし……!」 GM/伊坂:「諦めないんじゃ、なかったのか?」 アート:その言葉に返す言葉が見付からず暫く黙ります。それから顔をあげたら、私、もう少し頑張るって顔をします。「そう、ですね。私、逃げようとしてました。弱くてごめんなさい」 「それにしても、私が殺しをしていないと、そう断定してくださるんですね」 「まあ、な。俺はお前を信じているから。お前はあんま信じてくれてないから、あんな偽者にほいほい騙されてたみたいだけどな」 「うっ、その、ごめんなさい……」 騒ぎを聞き付けて出てきたエリオに事情を説明し、当然のようについて来る二人に心強さと、胸の奥が熱くなる感覚を抱きながら、最終決戦へと臨みます。 ■クライマックスフェイズ■ もう逃げ隠れしようという意欲のない偽者。ミドルでの情報収集によって、彼女はドッペルゲンガーであり、アートの残した『殺したい』というエゴの残滓に魅入られた殺人鬼となっていると判明していました。自身の犯した罪に引きずられている彼女を救う為、アートは刃を引き抜きます。 GM/ドッペルゲンガー:「あなたを殺して、わたしは私になる!」 アート:「それではいけないんです、これ以上誰も殺させません!」 アート、伊坂、エリオの姿を次々と模倣しながらドミニオンアーツを絡めて戦うドッペルゲンガーは、処理が非常に重いことと、三人分のキャラクターデータを同時に使いこなすのが非常に難しかったので、その力を殆ど振るえずさっくりと終わってしまいました。が…… ■exクライマックスフェイズ■ 倒されたドッペルゲンガーは後ずさり、自分で自分の頭を抱えます。その姿は次々と切り替わり混じり合い、もはや何が何やらと言わざるをえません。 GM/ドッペルゲンガー:「わたし、わたしわたしわたしわたしわたしわたしわたしわたしは!! もうわたしがなんなのかわかんないの!」 アート:「なら、それをゆっくり探してみませんか? すぐでなくとも、きっといつか、あなただけのあなたが見つかる筈です」 GM/ドッペルゲンガー:「わたしだけの、わたし? ……そんなのわかんない! わかんないよ!!」 アート:「ほいほい分かったら苦労ないですよ。だから、探そうって言ったんです。まだ、間に合うから」 GM:「わかんない! わたしはわたしが分からない!!」って叫びながら襲いかかってくる。 このドッペルゲンガーは、先程とは違い三人の姿を混ぜ合わせたような外見。三人分のパラメータを合算した上、アーツを全てコピーしてドミニオンアーツとエネミーアーツを追加するという、見るからに手に余る代物でした。ですが、不思議とバランスの良いパラメータに仕上がっていたりとか、ドミニオンアーツを利用して無理矢理にそれっぽさを演出したりなどで、当時の参加者全員が満足したので、良しとします。 この上なくぐだぐだしていたということだけ、ここに明記しておきます。 ■エンディングフェイズ■ 長沢に対し事件は解決した旨を報告し、犯人は会心したので一緒に暮らしたいとアートは申し立て、苦笑されながらも快諾されます。名前はアイアス・I・ミェーチ。アートの幼い頃の姿をとった、新たな家族です。 GM/アイ:「よろしくね、おねーちゃん」 アート:「はい、こちらこそです」 【感情】をシナリオ中に強化するアートは、初期状態じゃ弱い。三人なんて多くのキャラクターデータを同時に使いこなすのなど、ぶっちゃけ不可能でしかない。そんな事故があったものの、「“私”を殺すわたしの殺人事件」はとりあえずの終幕を迎えました。 お疲れ様でしたー!