約 117,519 件
https://w.atwiki.jp/chippy/pages/87.html
ありがとう。語源はhttp //www33.atwiki.jp/kakis/pages/1.html人工言語アルカのmisentant。
https://w.atwiki.jp/cepkar/pages/1.html
cepkarとは 自由のない無意味な人工言語です。
https://w.atwiki.jp/chippy/pages/14.html
ティール語は、ラン・ハブフェ=アウティア(Lan havfe-Aurtia)が作った人工言語です。 分かりやすいように、日本語の文法と酷似させています。 言語味を出すため、方言や文化、歴史などもあります。 また食べ物、料理、飲み物なども地球のものとは違い、ティールの世界独自のものとなっています。
https://w.atwiki.jp/lideldmiir/pages/30.html
語彙 語彙というのは、その言語が持つすべての単語の集まりことです。 「単語」という言葉の難しいバージョンだと思っている人がよくいます。 語彙を作るのが人工言語の最大の関門です。 一番面倒くさくて、絶対避けられない部分です。 語彙は後験型の場合、自然言語から取るといいでしょう。 世の中に広く流布しているラテン語やギリシャ語や漢字を参考にするのも手です。 この方法だと、楽に語彙を作れます。 人工文化がある場合の語彙 一方、人工文化を踏まえている場合、2つにパターンが分かれます。 1つは地球上のどこかに人工文化を作る場合。 例えばフランス辺りに架空の文化を作ってみるとか。「神聖セレン帝国」とかね(笑) この場合、周辺諸国(ドイツとか)から語彙を取り入れるのが、その文化の歴史から見て当然です。 例えば犬を勝手にomaとか名付けるのは、不自然です。 歴史から考えて、ラテン系のcanisだのゲルマン系のHundだのといった語形を参考にするのが自然でしょう。 もう1つは異世界を想定する場合。 この場合、ゼロから言語を作るため、語彙もゼロから作ります。参考にするものは何もありません。 そこで、どうやって語を作ればいいかという問題が起こります。 ゼロから語彙を作る方法 方法のひとつとして、その言語の音象徴を作るというのがあります。音象徴というのは、音に意味を持たせたもののことです。 例えば「ピ」という音は尖ってるっぽく聞こえるから、針とか薔薇とか、尖ってるものは「ピなんたら」にしよう――というのが音象徴を使った造語です。 ただ、同じ音象徴を持つ語は意味も音も似てしまうため、聞き取り時に混乱を招きます。 尖ってるもの全部に「ピ」の音が付いたら、尖ってるものAと尖ってるものBの区別が難しいじゃないですか。 従って、聞き間違いがないように適度に語形をずらす必要があります。 基本語ができたら残りの語彙はどう作る? 基本語ができたら、語彙は合成語で作るのがいいでしょう。 フランス語のように合成語を嫌う言語は辞書が引きにくいです。 フランス語で「じゃがいも」はpomme de terre(地のリンゴ)と言います。3語で1つの概念です。pommeだけ引いても「リンゴ」としかでてきません。 辞書、引きづらいですよね。 ドイツ語は複合語が多いので、その点では辞書が引きやすいです。 ですが、ドイツ語も分離動詞の点では辞書が非常に引きづらいです。 umschreiben(書き直す)を文中で使うときは、Ich schreibe es um.のようにします。接頭辞のumが分離して文末に来ています。 ドイツ語やったことない人は、絶対schreibe~で辞書を引きますよね。umschreibenには到達できません。(最近の辞書は親切なので、アンカーがついたりしますが) なので、ドイツ語の分離動詞や英語の句動詞は避けたほうがいいです。そうでないと辞書が引きにくくなります。 そういうわけで、語彙は合成語で作るのがよいと思います。 もっとも、欠点もあります。合成語は語が長大になるという欠点があります。 日本語はいくら長くなっても漢字があるのでたかがしれてるのですが、アルファベットは横に長いので、ドイツ語などの長い単語はそれはもう大変です。 .
https://w.atwiki.jp/lideldmiir/pages/25.html
まとめ 実用を目的とする場合… 風土 地球のどこかを参照するか、自作すると深みが増す。 文化 こちらも借り物でよいが、自作すると深みが増す。 音素 類型論などを参考に、p, t, k など人間がよく使う音を選ぶ。 アクセント 拘束だと覚えやすくなる反面、同音異義語を区別できない。 逆に、自由だと同音異義語を区別できる反面、拘束より覚えにくくなる。一長一短。 声調 音節数を最小限に節約できるかわりに、外来語の音訳がしづらくなる。 音節構造 CV(子音+母音)だけでは少なく、特に外来語などの音訳に困るので、CVCを中心に考えるとよい。 文字 一長一短であるが、特に「話す」を考慮した場合、表音文字のほうが断然よい。 なお、表音・表意に関わらず、スペーシング(語と語の間に空白を入れる)があるとより分かりやすくなる。 文法 多人数の使用を考慮するのであれば、語順は話者が一番多いSVOか、言語数で一番多いSOVにしたほうがよい。 形態としては、活用・曲用はなるべく避けたほうがよい。 膠着語か孤立語、あるいはこれらの混合形態が実用的。 数 普段は文脈に依存させ、はっきりさせたいときにつけると便利である。 テンス(時制) 現在・過去・未来を基本として備える。 接辞では初心者にはかえって分かりにくくなってしまうことがあり、学習の便宜をはかるのであれば、副詞で表したほうが便利である。 アスペクト(相) 完了と未完了の区別ができれば、その他は作者の好みでよい(ただし、言語として無理のないものに限る)。 品詞 多いと文が煩雑になり、逆に少ないと冗長になりやすい。バランスが肝要。 語彙 自然言語から取り入れる。 音象徴から語を数百ほど作り、それを基にほかの語を増やす。 注)この場合、聞き取りやすくするために適度に語形をずらす。 接辞や基本語彙を駆使し、新たに覚えるための語彙数をできる限り減らす。 身の回りのものを表せるほどになったら辞書ソフトを使い、語法やコロケーションを整備する。 色んなジャンル・作家の文章を翻訳し、辞書を充実させる。 自分で執筆し、仲間がいれば会話も練習。専門用語、成句、インネーション、ジェスチャーなども作ればひとまず完成。 発表 人の力を借りたい場合は、翻訳段階でサイトを作って公開してもよい。 <ツール> LangMaker レトルト人工言語のソフト層ユーザーに。 PDIC 自言語の文字を搭載したフォントを表示できる。 単語はほぼ無限に登録でき、検索機能も充実。英和を作れば和英は不要。 TTEDIT 自言語の文字を作るのにお勧め。true type のフォントが作れ、既存の文字に組み込める。 Microsoft Keyboard Layout Creator 自言語の文字用にキーボードレイアウトを作れる。 Ergodex社の"DX1 Input System" 平らな板が置いてあり、そこに好きな配列でキーを並べられる。 text by suehiro seren
https://w.atwiki.jp/constlangmajuuyu/pages/15.html
メモ・つぶやき IMEを見据えて配置パターンを作ってるんですが 多すぎて死にそうです 誰か助けて こんなあっさり100パターン超えるとか聞いてないンゴ… 動画にも載せておいてなんだけど、猫という意味の単語 これが配置パターンに則ってないことに気がついたので これに修正。 他にも↓↓みたいな修正案出してたんだけど、 目がキマってたり、口がオバケになってたりと……ね? 文法が決まらねぇ! マジューユという命名にはちょっと愛着が湧いているので、今後発音が変わって「木」を表す単語の発音が「マジューユ」でなくなったとしてもこの人工言語の名前はマジューユのままになると思う。というか、途中で名前変えたら検索性悪くなるし、あまり変えるメリットもないでござるな。 試験的にベースの発音に子音を導入してみたら驚くほど発音の効率が良くなったんですけど! もっと早く試すべきだったなぁ… 重大な過ちに気付いた。 ツイッターにも上げた単語の癖に収容区画に収まってねぇじゃねーか! 「閉じる」も同様。横の値8やん……。 と言うわけで、間に➰(撥音)を入れて熟語とすることで勘弁して下さい。 #1の動画あげてからもうすぐ一年経つってマ? #1の動画あげてからもう一年経ったってマ? 配置パターンをクリックしたとき、多分画像が重くて開くのに時間がかかってるっぽい。 無駄に全部1980*1080の解像度なのでそりゃ重くなるわって感じですw 今後は圧縮して上げ直していこうかな。 とりあえず「マジューユ概要」のページの画像とGIFはだいたい軽量版に変えました。 若干読み込みが軽くなったような気もしますが、配置パターンのページをクリックしたときも(軽量化してないのに)読み込みが早くなったのでよくわかりません。 キャッシュみたいなのが生成されてるんですかね…? それと、ページにアップロードされていた既存の画像を消してから軽量版を上げ直したんですが、既存画像が一括で消去できなくて超UX悪いと思いました。 (以下読まなくて良い愚痴) 表示画像の指定方法はファイル名で行うので、同じファイル名で中身の違うもの(今回は軽量版の画像)を上げれば、今までに書いたファイル名をそのまま使えて楽なのです。でも、同じファイル名のものは同じページにアップロードできないので既存の画像ファイルは消さないと行けないんですよ。 なのになんで一括消去できないんだ…管理者共通ページのやつは一括消去できるっぽいのに……。 #1の動画あげてからもう余裕で二年経ったってマ?
https://w.atwiki.jp/lideldmiir/pages/65.html
表意文字を作ったことがありますが、大変でした。 基本字で2000字強作りましたが、覚えるのも作るのも面倒でした。 フォント作りが難しいのも欠点です。2000字もフォントを作ったら、それだけで何ヶ月もかかると思います。 学習においても漢字と同じで時間が取られます。それに、辞書作るときもどの字から載せていいか迷います。 ところで、言語には「読み・書き・喋り・聞き」という4つの技能があります。 以下では、これら4つの観点で、表意文字と表音文字を比べてみましょう。 まず読み。 アルファベットより漢字のほうが難しいです。文字数が多いので。 つまり、表意のほうが表音より読みづらいです。 ただ、一度覚えてしまえば文書を速読しやすいという利点があります。 次に書き。 皆さんも子どのもの頃は漢字の書き取りで苦労したと思います。 表意文字は書きが難しいですよね。表音文字だと、スペルと音が一致している限り、とても簡単です。 次に喋りと聞きですが、これは表意文字はアドバンテージを失います。 表意は、特に象形がそうですが、字自体に意味があるので、 目で見て意味を判断できます。とっさに目に入ってきても分かる。その表意性が利点です。 が、喋りと聞きの場合はこの利点を失います。表意文字も音声になれば表音でしかなくなるからです。これは大きなディスアドバンテージです。 私の場合、たまに自分で作った文字を忘れるわけです。でも会話はできてしまう。 また、メモを表意文字で書こうと思ったとき、字を忘れたら音で書いておくしかないわけです。実際こういうことが何度もありました。 でもその音で書いたメモが、きちんと後から理解できるわけです。別に表意文字じゃなくても理解できたのです。 そんなこんなで、いつの間にか「表音文字で伝わるんなら、表意文字いらなくない?」と思うようになりました。 次にPCへの打ち込みやすさ。これはもう表意の勝ちでしょう。 林檎と手で書くのは難しいし面倒ですが、appleは早くて楽です。ところがPCになると「ringo」で変換すればいいので楽です。 漢字はタイプライターやファミコン時代には使いづらかったですが、現在ではかえってアドバンテージがあると思います。 さて、ここまで見て表意と表音のどちらかいいでしょうか。 私は表音だと思いますが、表意にも文字の神秘性や面白さがあり、捨てがたいですよね。 なので、あえて「表意でGO」というのもアリだと思います。 ただ、新しい人工言語や未開の言語を見つけてフィールドワークするときに、学者が自分で表意文字を作るより表音文字を作ることが圧倒的に多かったことからも、表音のほうが手っ取り早くて便利とはいえるでしょう。
https://w.atwiki.jp/sobloxivanamna/pages/19.html
当サイトとXAHの目的 何故人工言語を作るのか 私の創作の大きな目標の1箇は、現実世界で人々が実際に運用する言語=自然言語と同程度に運用可能な人工言語を作る事です。但し、この目標は、残念乍ら現実世界に取って意義深い物に成る可能性が非常に低い物です。何故なら、自然言語相当の質を目指して制作される人工言語が自然言語以上に役立つ事は現状有得ないからです[*1]。それならば、自然言語を使えばどの様な場面でも事足りるでしょう、何故私は人工言語の制作に重きを置いているのでしょうか。 その理由は、言語の創造は最も根幹的な創作活動と信じていて、その事に面白みを感じているからです。一応、母語の自然言語を使っても可也詳細な創作活動をする事が出来ます。然し、それらの設定は母語の語法や文化的背景の影響を完全には排除できません。作者は、無意識に創作に曖昧性を付与して了うのです。 例えば、或る架空都市に於いて、信号の色迄も確りと考察して設定したとしましょう。反対色の概念等を調べた結果、「止まれ」は赤色で、「進め」は緑色で表すと設定しました。所が、作者は、自身の頭に思い浮かべた「緑色」は実は現実の日本で使われる青信号の色と粗同じだと気付いたのです。ならば、「信号の色は赤色と青色である」と設定し直すべきでしょうか。そうすると、潜在的な曖昧性が生じます。常識的な日本人ならば、その設定を読んだ時、作者と同じ「青色」を想像して呉れるでしょう。然し、人に依っては空の色や海の色を思い浮かべるでしょう。寧ろ後者の認識の方が客観的だとも言えます。一般に、日本語に於ける修飾語の「青」は可也緑に近い色を指す事が多いのです。日本語話者の方は、青蛙や青リンゴを想像して見て下さい。この認識は普遍的な事実たり得ないと云う事がご理解頂けますでしょうか。母語の情報は凡ゆる情報の中で一二を争う位に頭に染み込んでいる物なので、気付かずにこの様な曖昧な事例を生んで了います。突き詰めると、架空世界中の固有名詞を自然言語の単語から拝借したりそれを参考にしたりして決める事は拙いですし、。 [*1] 仮に、現実世界の使用に堪える程の人工言語が生まれたとしても、我々が古来拠り受継いで来た自然言語を捨ててその人工言語を話す事を選択する事は有得ないと見做して良いでしょう。それを実現させる為の費用や文化的犠牲は計り知れず、又実現後の利益も大して無いからです。仮令どれ程その言語が普及しようとも、それの成果は1つの自然言語としての地位を獲得する事に留まるでしょう。否、若しかすると、この予想は現在迄の歴史しか持たない我々の知性の限界に依る物で、未来には言語すら合理化される事が有得るかも知れません。然し、私は先の予想が正しいとして主張を展開します。 上記予想が正しいとして、人工言語の普及の最終局面は、それが1つの自然言語としての地位を獲得する事です。その段階に至った人工言語は存在します。自然言語と同等の役割を持つ人工言語として、現代ヘブライ語が挙げられます。現代ヘブライ語は、恐らく、p2-1の定義に合致しつつ、且つ現実世界で人々が日常的に用いている唯一の人工言語でしょう。エリエゼル・ベン・イェフダー(אליעזר בן־יהודה)の多大なる努力に因って古代ヘブライ語が時を超えて復活したのです。 尚、人工言語が自然言語同等の地位を獲得する迄に普及する事は、必ずしもその人工言語の成功と同値ではありません。人工言語の目的がそれの普及とは限らないからです。例えば、ロジバンと云う人工言語は、人間が直接会話に使える様な構造を持ち乍ら、その構造が人間の世界観形成にどの様に影響するかを調べる事を目的の1つとしています。この調査の起点はサピア=ウォーフ(Sapir-Whorf)の仮説と云う物です: Sapir-Whorfの仮説:言語構造は、その言語の話者の世界認識に影響を与える。 p2-2
https://w.atwiki.jp/palam/pages/102.html
Palamデータ 言語名 Palam 日本語表記 琶藍 / パラム 韓国語表記 파람(琶藍) 中国語表記 琶蓝(pa2lan2) 共通表記 Palam 略表記 琶 / 琶語 製作者 Faras=Tilasos 製作目的 特になし。趣味として製作。 製作開始日時 2012年6月27日23 02 46 言語先験性 アプリオリ 語法先験性 アプリオリ 人工世界 無し メタ言語 日本語 製作者プロフィール 名前(共通表記) Faras=Tilasos(非本名) ハングル表記 파라스=틸라소스 漢字表記 琶涕游 性別 男 生年 1996年 出身地 日本国岐阜県大垣市 母語 日本語大垣方言 第二言語 日本語共通語、英語、韓国語、アルカ、Palam、Palams 学習中言語 仏語、中国語、独語、伊語、エスペラント 所属 人工言語学研究会(ID-14)
https://w.atwiki.jp/lideldmiir/pages/46.html
今度は目を西洋に向けてみる。西洋を支配してきた文字はアルファベットである。表意文字である漢字が政治的・社会的・経済的・思想的・宗教的な影響を東洋に与え、人工文字へ至らしめたのと同じく、表音文字であるアルファベットは西洋の人工文字に影響を与えた。表音か表意かという違いが西洋の人工文字の運命を大きく左右することになる。ではまず自然言語に使われる表音文字アルファベットとはどのようなものであるか。 そもそもアルファベットはフェニキア文字に遡ることができる。更に原初は表音文字でなく表意文字であった。それは象形文字であり、牛の頭や家などを指していた。やがて表音文字として使われるようになり、長い年月を経て現在のアルファベットに至る。フェニキア文字には子音しかなく、母音を加えたのはギリシャ人である。現在最も広範に使われるラテンアルファベットの祖語は音韻と照らし合わせるとこのギリシャ文字であると考えるのが妥当であろう。 ――そこにはギリシャ語とラテン語の音韻体系の違いによる齟齬が大きく含まれてはいるが。 アルファベットは西洋の各国語を表記するのに用いられてきた。しかし言語は変化するものである。そして変化は文語より先に口語に訪れる。発音が変わろうと綴字は暫く残存する。英語のdaughterにおけるghは黙字だが、かつては読まれていた。その名残は今日でもドイツ語に残されている。 ただ綴字も言語である以上は変化する。変化が緩慢なだけであって、変わらないわけではない。現在の英語は視覚方言によるスペルが多く、俗語の類もこれに従う。実際の発音に近づけたスペルが公然と使われる。 techniqueはフランス語の影響が薄まるにしたがってtechnicに座を奪われつつある。またインターネットのチャットではyouはしばしばuと書かれる。このように文字は音を追いかけるように変化していくので、音と文字が一致する期間は無いか或いは短い。 綴りと読みが一致しないのは不便である。したがって表音文字圏では正書法というものが常に意識される。漢字の書体とは違い、原音に合わせてどう正しく表記するかというのが問題である。そこには美観もさることながらまず整合性・合理性が重視される。正書法が確立すると暫くは音と文字が概ね一致する。 英語に比べてドイツ語の表記が音に忠実なのは、ドイツ語の正書法のほうが遅れたためである。更にフィンランド語の文字と音がドイツ語より一致するのは、フィンランド語のほうが正書法の確立が遅かったからである。どこの国でも近代化に伴い正書法が確立していったというのは、表音文字圏における正書法の重要性の高さを示す傍証である。 正書法というのは要するに音と文字のタイムラグから生まれる。音の変化に文字が付いていかないことが読みと書きの違いを生み、ひいては正書法という概念を生む。このタイムラグはいかなる表音言語でも避けることができない。それは自然言語であろうと人工言語であろうと同様である。ザメンホフは1900年に「国際語思想の本質と将来」の中でこう述べている。 「大部分の言語の正書法は、学習者にとってじつにやっかいだ。 …人工語は、あらゆる文字に、明瞭で厳密に規定され常に同一の発音を与えている。そのおかげで、人工語には、正書法問題はまったく存在しない。」水野(1997) ザメンホフはこのように述べているが、言語である以上、エスペラントも音と文字のタイムラグを避けることはできない。エスペラントと、近代になって正書法を得た言語は本質的に同じである。両者は正書法の制定とともにタイムラグを持ち始める。そして長い年月をかけて音と文字のタイムラグが開いていく。エスペラントも自然言語同様、時代が下れば正書法を見直す。それを食い止めるには音を一切変化させないことが必要条件だが、言語の変化を一切食い止めるというのは不可能である。 さて、このような表音文字アルファベットの支配下にあった西洋で、人工言語における文字はどのような性質や意味や背景を持っていたのであろうか。東洋では漢字を基軸とした文字が作られた。仮名文字は漢字を元に作った文字である。ハングルは漢字を社会的背景として作られた先験文字である。人工文字にも先験後験がある。仮名文字は世宗のように誰かが意図的に作ったものではないため、後験文字ではなく自然文字である。 西洋における人工文字はアルファベットの支配下だけあって、見事にアルファベットの影響を受けている。まず、各国語のそれぞれのアルファベットはアルファベットのヴァリアントであり、いずれも自然文字である。一方、アルファベットを元にした後験文字はたとえばキリル文字である。キリル文字はロシア語などのスラブ諸語を表記するための文字であり、ギリシャアルファベットを参考にした文字である。キリル文字はキュリロス・メトディオス兄弟の考案によるものであり、文字の名前も彼の名を取っている。キリル文字は人工文字の一種で、後験文字である。ハングルと異なるのは先験文字でないという点である。 アルファベットは非常に簡単な造りをしているため、加工がしやすい。しかも表音文字なので文字の数も少ない。したがってヴァリアントを容易に作ることができる。その結果アルファベットの後験文字は多く存在する。表音性を保ったままアルファベットの形だけ変えればそれだけで暗号が出来上がるので、表音文字は暗号用に加工しやすい素材でもある。たとえばレオナルド=ダ=ヴィンチは鏡文字を用いて文章を書いた。鏡文字は仮名文字と違って自然とできていったものでなく、ユニークなアイディアの持ち主の思いつきによる暗号や遊戯である。この場合、元となっているのは明らかにアルファベットであるため、アルファベットの後験文字といえる。 今度は中東に目を向けて見る。中東はアジアともヨーロッパともつかない文化の交差点である。西洋と東洋の要素を兼ねそろえつつ、しかも独自の文化を持っている中東は文字に関しても面白い歴史を与えてくれる。文化の交差点であるということはそれだけ自己の文化が他者の文化に侵食されているということである。海に囲まれた日本とは明らかに異なった環境である。 たとえばトルコはトルコ語を使うが、その表記には伝統的にアラビア文字を使用していた。ところが20世紀前半にケマル=アタチュルクが台頭すると、彼は教育改革を推進した。その中には言語の改革も含まれており、それまで1000年ほど使われてきたアラビア文字を廃止しようとした。代わりにアルファベット表記を採用した。 ここで重要なのが、アタチュルクはアルファベットをそのまま利用したのではなく、ラテンアルファベットを元にトルコアルファベットを作ったということである。つまりは後験文字の作成である。東洋西洋の要素を持ちながら自己の文化を混ぜ合わせるオリエンタルな手法である。トルコアルファベットは母音が8で子音が21の合計29文字で、ラテンアルファベットとは別物である。 アタチュルクは世宗と異なり、単に読み書きを簡単にしようとしたのではなかった。ハングルとトルコ文字を後験・先験のみの違いに帰着させるのならばそれは早計であろう。トルコアルファベットと同時に推進されたのはアラビア語やペルシャ語由来の外来語を排斥することであった。文字とともに語彙も確立したわけである。そしてそれはトルコ人の精神面における独立を意味した。トルコアルファベットという人工文字の裏には民族及び国家のアイデンティティが隠れていた。 水野義明(1997)『国際共通語の思想』新泉社pp.50-51