約 3,690,725 件
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/5741.html
349 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/11(木) 02 26 59.63 ID n2GN+6jSo [17/20] わいわいがやがや 京太郎「俺は今、幸せだ」 何よりも幸せ 家族も、何もかも手に入れた 衣「おはようきょうたろー」 京太郎「おはよう衣。今日も授業同じだな」 衣「うむ」 霞「須賀くぅん……子供を認知してくれないかしらぁ?」 菫「そうだぞ!! 間違いなく君の子だ!」 京太郎「子供は間に合ってるんで」 明星「須賀様を信仰しましょう! 全てが救われます!」 京太郎「落ち着けよ。もう高校生だろ?」 明星「はいっ! 神の子を宿せます!」 京太郎「宿さなくていいから」 大学も楽しいし 友達も多い 何もかもが順調だ 家族も、家具も、友人も 全てが俺を幸せにしてくれる 後は―― 玄「すーがくんっ♪」 京太郎「玄!」 玄「えへへ、今夜は私とおまんこしてくれる?」 京太郎「ああ。今日は雅枝が遅くなるからな」 玄「やったのです!」ダキッ 浮気相手も、出来た 玄「うぅ、バレないようにする緊張感がたまらないよぉ」 京太郎「(一家公認だけどね)」 355 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/11(木) 02 32 32.50 ID n2GN+6jSo [18/20] 何もかもが順調 京太郎「……それでさ、その時」 洋榎「えぇ!? なんやそれ!」ゲラゲラ 絹恵「パパの話はおもろいなぁー」クスクス スタスタ 一「びっくりしたよ、ハギワラさんが怒ってねー」 純「へぇ、そりゃ珍しいな」 スッ 京太郎「……ん?」 純「あっ」 ドクン 純「……」ペコッ 京太郎「……」ペコッ スタスタ 絹恵「ん? 知り合い?」 京太郎「……いや」 一「今の知り合い?」 純「いや……」 この世界の俺は間違いなく /イ / V ヽ、 ` , ´/ | \ _/ ' ' , | \  ̄ ̄/ / // } | / / 〃 / | | / { /.' ∧ } | /_, ィ ∧ /_ | / V ∧ / / / ∧{tォミ、 , / | ' 、 / イ / /| 弐_ V | / __}/ _ヽ | / , ー' , ∨/ イ乎(_ ヽV | ∨ {/ ' / / Vzソ V} { 、 リ ∧ ` 、 ∧ ` |l∧  ̄ < 「´∧ ´ . '//>--==≦ゞ ////////\ / /////// / ∧ {/////〈/{ / | //, ∧//// ∨、 , } , // {// ∧// ∨V{ | 「 ̄/´/// 京太郎・純「「知らない人だよ」」 幸せなんだって思えるから 三週目 愛宕家騒乱日記 カンッ 428 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/12(金) 00 13 50.39 ID hcg7BJsJo [2/26] それでは世界は一巡し、新たな世界が構築されます ここは――何にも染まっていない……清らかで澄み渡る世界なのです <四週目 清澄> ガチャッ 優希「ただいまだじぇー!」 久「ふぅ、合宿疲れたわね」 まこ「久しぶりの清澄じゃな」 和「やっぱり、慣れ親しんだ部室の方が落ち着きますね」 咲「ただいま! 京ちゃん!」 京太郎「みんな、お疲れ様でした」 今日は他校との合同合宿に出かけていたみんなが帰って来る日 案の定というか、いつも通りお留守番だった俺はこうしてみんなを出迎える 京太郎「今お茶を淹れますね」 まこ「すまんのぅ……ん?」 久「あら? 部室がピカピカね」 優希「犬がやったのか?」 京太郎「ああ。こんな時くらいしか大掛かりな掃除出来ないからな」 部活がある日はみんなの邪魔しちゃいけないから、隅っこくらいしかできない ベッドや雀卓を動かすにはこういう日じゃないと 咲「す、すごい! ホコリ一つ無いよ!」ツゥー 和「須賀君、ありがとうございます」ニッコリ 京太郎「い、いやぁ! 和にそう言われると嬉しいな」デレッ 咲「むっ……」ムスッ 久「掃除もいいけど、ちゃんと麻雀の勉強はしていたの?」 優希「そうだじぇ犬! ちっとくらい強くなってないと、ますます私達と差が開くじぇ!」 京太郎「ちゃんとやってたっつぅの!」 和「そうですよゆーき。須賀君は真面目なんですから」 京太郎「そ、そう思う?」ドキドキ 和「はい。いつも助かっています」 京太郎「(う、嬉しい!)」ジィーン 咲「ふぅん? じゃあ打ってみる?」むかむか 京太郎「ああ、いいぜ! 俺だって少しは強くなったところを見せてやる!」 429 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/12(金) 00 24 30.01 ID hcg7BJsJo [3/26] 優希「こてんぱんにしてやるじぇ」 京太郎「っと、その前に飲み物を」コポポポ 久「悪いわね」 京太郎「いいんですよ。はい、どうぞ」コトッ まこ「おー、いい香りじゃな」 京太郎「外は寒かったでしょうから、暖かい紅茶を」 久「気が利くじゃない!」 京太郎「はい。それとこれ、習ったばっかの試作なんですけど……」 咲「うわぁ、ブラウニー!」 優希「んぐんぐ!」 京太郎「おいおい、いきなり食うやつがあるか」 優希「京太郎の作るブラウニーはうまいな」ぷはーっ 久「生地がしっとりとしていて、それでいてベタつかないスッキリした甘さね」 まこ「ココアはバンホーテンのものを仕様したのか?」 京太郎「明治です」 まこ「そうか……」 和「本当に美味しいですよ。それに、紅茶をあえて濃い目にいれていますよね?」 京太郎「あ、分かった?」 和「はい。お陰でブラウニーの甘さが引き立ちます」クスクス 京太郎「喜んでもらえて嬉しいよ」にっ 咲「むむー!」ぱたぱた 京太郎「よし、そんじゃ打つか。これでも、伊達に清澄の部員じゃないんだぜ!」 久「ふふっ、どれくらい成長したのか楽しみね」 京太郎「じゃあ早速。メンバーは?」 優希「勿論私だ!」 咲「わ、私も!」 和「では僭越ながら」 まこ「ちょうど一年生マッチじゃな」 京太郎「よし、負けねぇぞ!」 俺だって清澄の部員 見てろ、もう俺だけがずっと後ろで―― 京太郎「行くぞ!」 立ちすくんでいるのは嫌なんだ 00~19 トビ 20~49 四位 50~69 三位 70~89 二位 90~99 一位 ゾロ目 京太郎以外 全員トビ ↓2 今回はちょっとドラマ性を持たせてからのスイッチタイムとなります 443 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/12(金) 00 35 19.73 ID hcg7BJsJo [4/26] 京太郎「っと! ここで通らばリーチ!」 和「通りません。それ、ロンです」 京太郎「あちゃー。やっぱ無理かー」 久「ふふ、一位が見えたから焦ったのかしら」クスクス まこ「そうじゃな。これが和了なら見事に逆転一位じゃったが」 優希「ぐ、ぐぬぬ……この優希様が四位!?」 京太郎「いやぁ、なんとか二位までこぎ着けたので……」 咲「す、凄いよ京ちゃん! いつのまにこんなに打てるようになったの?」 和「基礎が徹底されていましたね。それだけに最後の一打は見逃せませんでしたが」 京太郎「頑張ったって言ったろ? 次こそはちゃんと一位取るからな!」 久「それにしても、須賀君が成長してくれて……嬉しいわ」 京太郎「部長?」 久「ほら、今まで須賀君に無理ばかりさせていたでしょ? だから、ね」 まこ「部長、おんし……」 久「もう私いなくなるのに……今思えば、無責任すぎたって思うの」 京太郎「いいんですよ部長。俺はこうやって、みんなと打てるだけで幸せですから」 久「!」 京太郎「大会も終わって、もうじき部長も引退ですけど……」 ポンポン 京太郎「とっくに大切なもんを、この胸に貰ってますから」ニッ 咲「京ちゃん……」 和「一本取られましたね、部長」クスクス 久「……な、何よ。須賀君のくせに」じわっ まこ「照れるな照れるな」ハハハ 優希「やれやれだじょ」 久「ああもう! やめ! 次は私も混ざるわよ!」 京太郎「はい! やりましょう!」 俺は幸せだ 大切な仲間とこうやって楽しんで 色々やって、自分を磨いて こんな日々がいつまでも続く 俺はこの時、そう信じてやまなかった―― 優希「あ、そういえば」 京太郎「ん?」 優希「へっへーん! お土産があるんだじぇー!」 京太郎「お土産?」 あの機械に、出会うまでは 452 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/12(金) 00 45 03.00 ID hcg7BJsJo [5/26] 京太郎「なんだそれ? 妙な機械だけど」 優希「変な露商の人から貰ったんだじぇ」 京太郎「露商?」 咲「あ、それって例の京ちゃんに似てる人?」 和「似てる人?」 久「あー、あの尭太郎……とかって人ね」 京太郎「へぇ、そんな人がいたんですか?」 まこ「そっくりだったぞ。髪の色や雰囲気が違ったが」 和「他人の空似でしょうか?」 優希「私が可愛いからタダでいいってくれたんだじょ」 いやいやいや、そんな商人いるのか? というかロリコ…… 優希「とにかーく! ありがたく頂け!」 京太郎「頂けって、タダでもらったんだろ? お前が使えよ」 何に使う機械なのか知らないけど 優希「ちっちっちっ! 甘いな犬!」 京太郎「は?」 優希「この説明書を読め!」 京太郎「なになに……この機械は男性が用いるモノです」 この機械を女性に向けてスイッチを押すだけで その人がアナタにとって、全く別の何かに変わります それが希望か絶望かは――神のみぞ知る 京太郎「なんだこりゃ?」 咲「変わるって、姿かたち? それとも……」 和「そんなオカルトありえません。何かのパーティグッズでは?」 久「なんだっていいわ! 面白そうじゃない!」 京太郎「んー、胡散臭いだけのような」 それに何か嫌な予感がする 俺の、この平穏を壊すような……何かを まこ「わしも同感じゃ」 久「もう、臆病ね」 優希「試すだけならタダだじぇ! ささ、スイッチを押せ!」 京太郎「えー?」 優希「最初は誰にする? ア・ナ・タ♪」もじもじ 京太郎「……」 しょうがない、一度だけ付き合ってやるか 京太郎「じゃあ……」 ↓2 なんと今回は一斉ではないのです 464 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/12(金) 00 51 58.54 ID hcg7BJsJo [6/26] 京太郎「それじゃあ咲。お前でいいか?」 咲「えっ?」どきっ 優希「えぇぇー!?」 京太郎「なんかお前は嫌」 優希「ぐぎぎぎっ!」 和「ゆーき」 優希「ちぇっ! それじゃあとっととやるじょ」 咲「ちょ、ちょっと待って!」あせあせ 京太郎「大丈夫だよ咲。こんなの所詮おもちゃだろうし」 咲「そう……かな?」 まこ「咲、無理せんでも」 久「いいじゃないまこ! さぁ、やってみせて須賀君」 京太郎「悪い咲。お前が一番頼みやすかったから」 咲「え? 和ちゃんじゃなくて?」 和「!」 京太郎「ああ。やっぱお前が一番(話しやすい)だよ」 咲「っ!」どきーん 和「……」ボソボソッ 優希「っ」 咲「わ、分かった! いいよ!」かぁぁぁ 京太郎「そうか? ありがとう」 さーて、とっとと終わらせて麻雀の続きだ 京太郎「それじゃあ行くぞ! ポチッとな!」 何も変わらない そう、変わるわけないんだ 01他人 02苦手 03顔見知り 04友達 05親友 06幼馴染 07婚約者 08恋人 09セフレ 10元恋人 11親の仇 12先輩 13後輩 14同級生 15麻雀の師匠 16浮気相手 17探偵 18犯人 19記者 20従兄妹 21姉or妹 22ストーカー 23娘 24母親 25ペット 26ライバル 27空気 28ご主人様 29耳かき 30漫画家 31生霊 32女騎士 33殺人鬼 34恋敵 35オナペット 36お嬢様 37お姫様 38同僚 39メイド 40アラフォー 41侵略者 42ペロリスト 43追跡者 44捕食者 45芸人 46巫女 47ナース 48寄生虫 49不良 50トラウマ 51抱き枕 52椅子 53ボディガード 54強姦魔 55変態 56中二病 57お色気要員 58上司 59部下 60原付 61防寒具 62妖怪 63人質 64電波 65忍者 66メンヘラ 67ロッカー 68腐女子 69レズ 70博士 71馬 72壁 73携帯 74風呂用スポンジ 75孫の手 76露出狂 77淫魔 78ぷんすこ 79ツンデレ 80クーデレ 81初恋の人 82命の恩人 83ジュリエット 84傭兵 85歌手仲間 86ヤンデレ 87信者 88女王様 89カモ 90天使 91先生 92生徒 93ヒーロー 94アイドル 95神様 96ファン 97片想われ 98アベック 99牝奴隷 00妻 ↓2 あんーなーにいーっしょーだーったのにー 477 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/12(金) 00 57 00.06 ID hcg7BJsJo [7/26] 70 博士 ぼふんっ 咲「うぉっほん!」 京太郎「は? 咲、なんでお前……白衣に?」 咲「わしじゃよ」 京太郎「え?」 久「どうかしたの?」 京太郎「い、いや! 咲が急におかしく!」 さっきまで制服だったのに! 今は白衣、これじゃあまるで 京太郎「まるで咲が博士みたいに!」 まこ「?」 優希「何言ってるんだじぇ?」 京太郎「え?」 和「咲さんは元々……」 咲「博士、でしょ?」 京太郎「えっ……」 何を言ってるんだみんな? 京太郎「そんなこと!」 優希「???」 久「ほら、ここの雀卓を作ったのも咲じゃない」 京太郎「いやいや! これは――」 ザッザザッ 京太郎「!?」 ある そんなはず無いのに、咲が……ここの雀卓を作っている記憶が なんで? どうして? 京太郎「咲、お前は俺の……」 咲「カガクノハッテンニギセイハツキモノデース」 京太郎「はかせ……だった?」 何が、起こってるんだ? 482 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/12(金) 01 03 13.80 ID hcg7BJsJo [8/26] 京太郎「まさか!?」 この機械なのか!? これが咲を博士に変えた? 京太郎「(そうとしか考えられない。じゃなきゃ、俺がおかしくなったとしか)」 咲「ねぇ京太郎君」 京太郎「きょ、京太郎君!?」 咲「かってに改造してもいい?」ワクワク 京太郎「はぁっ!? 何言ってんだお前!」 いきなり意味分からないこと言い出して それに呼び方も! 和「咲さん!! おかしいです!」 京太郎「和!!」パァァッ 和「かってに改造なら、許可を取る必要はありません!」 久「そりゃそうね」 まこ「そうじゃな」 京太郎「」 咲「それじゃあ早速」ガシッ 京太郎「え?」 咲「じゃあ……改造するね」ビリビリビリ 京太郎「ぎゃあああああああ!!!」 一体……何が!? 1 容姿 2 雀力 3 身体能力 ↓2 改造する項目 00~09 壊滅的打撃 10~29 ダウン 30~59 現状維持 60~89 成功 90~99 大成功 ゾロ目 人類最強レベル ↓3 493 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/12(金) 01 11 54.87 ID hcg7BJsJo [9/26] 97 雀力 大成功 ビリビリビリビシィィィイ!! 京太郎「がっ……」 なんだ、これ!? 力が――溢れる!! 咲「!!」 ゴゴゴゴゴゴッ 京太郎「……」ドドドド 久「凄いオーラ!」 まこ「なんちゅう……」 和「オーラ? そんなもの見えませんけど」 優希「あ、あの時の……宮永照と同等か……それ以上だじぇ」ガクガク 京太郎「……」 咲「強くなれたよかったね」 京太郎「……」ブルブルブル 久「よかったじゃない」 まこ「……京太郎?」 京太郎「ふ、ふざけるな!!」 咲「!!」ビクッ 京太郎「咲、お前……なんてことを!」 優希「じぇ? 強くなれたのに怒るのか?」 京太郎「当たり前だ! 俺は、俺の力で……少しずつ、みんなに追いつきたかった」 それを――こんなズルみたいなことで 咲「京太郎君……私は良かれと思って」ウルウル 京太郎「あ、いや! 違う! お前が悪いわけじゃないんだ」 善意でやってくれたことだし、責めるのはやりすぎだよな 京太郎「悪い咲……俺が悪かった」 咲「ううん、こっちこそゴメンナサーイ」 和「謝る気あるんですか?」 久「なんにしても、須賀君が以上に強くなってしまったわ」 まこ「ああ。この中で太刀打ち出来るのは咲くらいじゃろ」 京太郎「……」 <遠い地> ?「感じる……若くて強い、雀士の気配」ハァハァハァハァハァ 恒子「?」 ?「残さなきゃ……二人で雀士の遺伝子残さなきゃ(使命感)」ブツブツブツ ※ 隠しキャラが解禁されました 503 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/12(金) 01 20 50.73 ID hcg7BJsJo [10/26] 優希「さて、それでこの機械はどうするんだじぇ?」 京太郎「そうだ! この機械で咲が!」 久「どういうこと?」 京太郎「実は――」 かくかくしかじか 和「そんなオカルトありえません」 まこ「京太郎、おんし夢でも見とるんじゃないか?」 京太郎「本当なんです! 咲が急に変わって!」 久「須賀君……そういえば、最近休暇を取ってなかったわね」 京太郎「部長! 本当なんです! 信じてください!」 優希「ぶったるんどるじょ!」 なんでだよ なんで誰も信じてくれないんだ! 久「少し休んだら? 大丈夫、部活のことは気にしないで」 京太郎「ぐっ……」 和「待ってくださいみなさん。須賀君の言うことを少しは聞いてみましょう」 京太郎「和?」 和「私はこういったものを信じませんが、須賀君は信頼に値すると思っていますから」ニッコリ 和……お前! なんていいやつなんだ! 和「(ここで須賀君を信じると言えば……ふふっ)」クスッ 優希「のどちゃん?」 和「もう一度機械を使ってみれば、何か分かるのではないでしょうか?」 京太郎「え? でも!」 久「いい考えじゃない。それで何も無ければ、杞憂だって分かるわよ」 京太郎「……」 いいのか? また咲みたいに変わってしまったら 俺は―― 和「大丈夫ですよ須賀君」ギュッ 京太郎「え?」 和「何も変わりませんよ。私達は、ずっと――」 京太郎「和――ああ!そうだな!」 俺たちは仲間だ 何があっても、絶対に壊れない関係なんだ 京太郎「よし、それじゃあ!」 ↓2 あ、ちなみにこの世界の聖人は京太郎だけです(大胆な設定告白は書き手の特権) 513 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/12(金) 01 25 19.17 ID hcg7BJsJo [11/26] 京太郎「じゃあ和、頼むよ」 和「はいっ!(須賀君……あぁ、須賀君)」ドキドキ 優希「のどちゃん……」 久「頑張ってねー」 まこ「どうせ何も起きんじゃろう」 咲「実に興味深い」マジマジ 京太郎「和。行くぞ」 和「遠慮なくどうぞ」ニコニコ 和はいい奴だ 出来れば何も無ければ―― 京太郎「そりゃ! ポチッとな!」 和「(これで須賀君の信用を得て、後は――)」フフフ 01他人 02苦手 03顔見知り 04友達 05親友 06幼馴染 07婚約者 08恋人 09セフレ 10元恋人 11親の仇 12先輩 13後輩 14同級生 15麻雀の師匠 16浮気相手 17探偵 18犯人 19記者 20従兄妹 21姉or妹 22ストーカー 23娘 24母親 25ペット 26ライバル 27空気 28ご主人様 29耳かき 30漫画家 31生霊 32女騎士 33殺人鬼 34恋敵 35オナペット 36お嬢様 37お姫様 38同僚 39メイド 40アラフォー 41侵略者 42ペロリスト 43追跡者 44捕食者 45芸人 46巫女 47ナース 48寄生虫 49不良 50トラウマ 51抱き枕 52椅子 53ボディガード 54強姦魔 55変態 56中二病 57お色気要員 58上司 59部下 60原付 61防寒具 62妖怪 63人質 64電波 65忍者 66メンヘラ 67ロッカー 68腐女子 69レズ 70博士 71馬 72壁 73携帯 74風呂用スポンジ 75孫の手 76露出狂 77淫魔 78ぷんすこ 79ツンデレ 80クーデレ 81初恋の人 82命の恩人 83ジュリエット 84傭兵 85歌手仲間 86ヤンデレ 87信者 88女王様 89カモ 90天使 91先生 92生徒 93ヒーロー 94アイドル 95神様 96ファン 97片想われ 98アベック 99牝奴隷 00妻 ↓2 京太郎を狙う腹黒のどっちの運命やいかに 519 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/12(金) 01 32 26.90 ID hcg7BJsJo [12/26] 92 生徒 ぼふんっ 和「……」 京太郎「ん? 何も変わらないのか?」 よかった どうやら何も―― 和「須賀先生、どうかしました?」 京太郎「あ、いや……って、先生?」 どういうことだ? 俺が、先生? 久「須賀先生?」 京太郎「え? 部長まで何を」キョロキョロ 久「やだ、先生。いつもみたいに久でいいですよ」クスクス 京太郎「はい?」 どうなってんだ!? なんで俺が部長に先生って!? まこ「様子が変じゃな? 何かあったんですか?」 京太郎「染谷先輩まで!」 まこ「せ、先輩ぃ!?」 優希「須賀先生がおかしいじょ」 和「先生、私が何か変なことを言ってしまいましたか?」オロオロ 京太郎「いや、何がなんだか……」 って、あれ? なんで俺……服がスーツに? それに、なんだか体つきが…… 京太郎「まさか!?」バッ 鏡に映った姿 それは、少し歳をとっているようだったが 間違いなく 京太郎「俺……大人になってる?」 咲「?」 京太郎「うぐっ!!?」ズキズキィ!! なんだこれ!? 頭の中に記憶が――大学? 教育研修……清澄への赴任 そして俺は、和のクラスの副担任として―― 京太郎「そうだ、俺は――教師なんだ」 そして、麻雀部の顧問 525 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/12(金) 01 38 56.61 ID hcg7BJsJo [13/26] 和「ご気分が悪いんですか?」 京太郎「あ、いや……なんでもないよ和」ぽんっ 和「は、はいっ!」パァァッ 久「もう、先生ったら。驚かさないでくださいね」 まこ「まだまだ若いしのぅ。わしらとそう変わらんし」 優希「先生! 嫁の貰い手が無いなら立候補してもいいじぇ!」 京太郎「ゆ、優希。そういうことを言うと俺が校長に怒られるんだ」 優希「ちぇー! 少しくらい乗ってくれていいだろー」ダキッ 京太郎「優希」グイッ 優希「あっ」 京太郎「俺は生徒を大事にしたい。優希、もっと自分を大切にするんだ」 和「……須賀先生はなんて真面目なんでしょうか」うっとり 久「真面目ねー」 まこ「そこがええんじゃがな」 咲「ご立派です」 京太郎「……」ズキズキ おかしい 俺はついさっきまで高校生だったハズ くそっ、何がどうなってる!? 久「そうだ。折角だし、この機械を続けましょうよ」 京太郎「え?」 久「たまには先生も遊びに付き合ってくださいね」 京太郎「ちょ、久! やめろ!」 久「ほらほら、次は誰にしますか?」 京太郎「えっと――」 ↓2 年齢は22~23 くらいでいいんやろか? 531 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/12(金) 01 43 50.04 ID hcg7BJsJo [14/26] 久「私でもいいんですよー?」 京太郎「こら、久! 押すな!」 久「はい、どうぞ」ニギニギ 和「……」ギリギリ 京太郎「くっ……じゃあお前にするよ」 久「ええ、どうぞ」 京太郎「……さて」 色んなことが置きすぎて頭が痛いが 現状を理解するには、この機械だけが頼りなんだ 咲「どうなるかな?」 和「離れて欲しいです。須賀先生のあの優しい手に触れていいのは……」ブツブツ 優希「さっさと押すじぇー!」 京太郎「それじゃ、ポチッとな」 久「!」 何か掴めるといいが……」 01他人 02苦手 03顔見知り 04友達 05親友 06幼馴染 07婚約者 08恋人 09セフレ 10元恋人 11親の仇 12先輩 13後輩 14同級生 15麻雀の師匠 16浮気相手 17探偵 18犯人 19記者 20従兄妹 21姉or妹 22ストーカー 23娘 24母親 25ペット 26ライバル 27空気 28ご主人様 29耳かき 30漫画家 31生霊 32女騎士 33殺人鬼 34恋敵 35オナペット 36お嬢様 37お姫様 38同僚 39メイド 40アラフォー 41侵略者 42ペロリスト 43追跡者 44捕食者 45芸人 46巫女 47ナース 48寄生虫 49不良 50トラウマ 51抱き枕 52椅子 53ボディガード 54強姦魔 55変態 56中二病 57お色気要員 58上司 59部下 60原付 61防寒具 62妖怪 63人質 64電波 65忍者 66メンヘラ 67ロッカー 68腐女子 69レズ 70博士 71馬 72壁 73携帯 74風呂用スポンジ 75孫の手 76露出狂 77淫魔 78ぷんすこ 79ツンデレ 80クーデレ 81初恋の人 82命の恩人 83ジュリエット 84傭兵 85歌手仲間 86ヤンデレ 87信者 88女王様 89カモ 90天使 91先生 92生徒 93ヒーロー 94アイドル 95神様 96ファン 97片想われ 98アベック 99牝奴隷 00妻 ↓2 とーつぜーんあーらーしーがーまきおこりー 541 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/12(金) 01 50 58.62 ID hcg7BJsJo [15/26] 97 片想われ ぼふんっ 京太郎「……どうだ?」 久「……いえ、何も」 京太郎「そうなのか?」 あれ? やっぱりこの機械は何もないのか? それなら嬉しいが…… 京太郎「んー」 久「……はぁ(須賀先生……好き)」ドキドキ 京太郎「(でも、確実に変化ある気がするし)」 久「(もうすぐ卒業……私はもう須賀先生と離れ離れ)」ドクン 京太郎「ん? 久、どうかしたのか?」 久「あっ」ドキッ 京太郎「らしくないぞ。お前はいつも通り、堂々としていた方が俺は好きだぞ」ニッ 久「っ!」ドクンドクンドクン 和「せ、先生! もう一度やってみませんか?」グイッ 京太郎「ん? そうだなぁ」 久「(先生、私の気持ち――気づいているの? 知っていて、そんな優しい言葉を?)」 京太郎「じゃあやってみるか」 優希「それでこそだじぇ!」 久「(だとしたらアナタはなんて――残酷なの)」ギュッ 京太郎「それじゃあ次は」 久「(好き。須賀先生……アナタをずっとずっと、見ていたい)」ドキドキ ↓2 さーよーなーらーあえなくなーたってー 547 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/12(金) 01 56 05.15 ID hcg7BJsJo [16/26] 京太郎「まこ、やってみるか?」 まこ「お、ご指名とあらば」 京太郎「ゲームみたいなもんだ。そう気を張らなくていいだろう」 まこ「そうですよね。よし、遠慮なくどうぞ」 咲「ガンバッテクダサーイ」 優希「楽しみだじょ」 京太郎「……」 さっきは変化無しだったからな 次で全てがハッキリしてくれるといいが 久「先生……」 和「……」イライラ 京太郎「よし、行くぞ」 まこ「お願いします」 京太郎「どりゃ! ポチっとな!!」 01他人 02苦手 03顔見知り 04友達 05親友 06幼馴染 07婚約者 08恋人 09セフレ 10元恋人 11親の仇 12先輩 13後輩 14同級生 15麻雀の師匠 16浮気相手 17探偵 18犯人 19記者 20従兄妹 21姉or妹 22ストーカー 23娘 24母親 25ペット 26ライバル 27空気 28ご主人様 29耳かき 30漫画家 31生霊 32女騎士 33殺人鬼 34恋敵 35オナペット 36お嬢様 37お姫様 38同僚 39メイド 40アラフォー 41侵略者 42ペロリスト 43追跡者 44捕食者 45芸人 46巫女 47ナース 48寄生虫 49不良 50トラウマ 51抱き枕 52椅子 53ボディガード 54強姦魔 55変態 56中二病 57お色気要員 58上司 59部下 60原付 61防寒具 62妖怪 63人質 64電波 65忍者 66メンヘラ 67ロッカー 68腐女子 69レズ 70博士 71馬 72壁 73携帯 74風呂用スポンジ 75孫の手 76露出狂 77淫魔 78ぷんすこ 79ツンデレ 80クーデレ 81初恋の人 82命の恩人 83ジュリエット 84傭兵 85歌手仲間 86ヤンデレ 87信者 88女王様 89カモ 90天使 91先生 92生徒 93ヒーロー 94アイドル 95神様 96ファン 97片想われ 98アベック 99牝奴隷 00妻 ↓2 ぎーりーぎりーまーでーふんばーってー 560 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/12(金) 02 05 05.48 ID hcg7BJsJo [17/26] 97 片想われ ぼふんっ まこ「……」 京太郎「? どうだ?」 まこ「な、なにも無いです」ぷいっ 京太郎「そうか?」 やっぱりこの機械は嘘っぱちなのか 心配して損したな まこ「……先生」ドキドキ 京太郎「あ、それとまこ」 まこ「は、はいっ!」ドキッ 京太郎「無理に敬語を使わなくていい。お前は広島弁の方がイキイキしてるからな」 まこ「で、ですけど」モジモジ 京太郎「他の先生ではそうでも、俺の前ではいつものお前を見せてくれないか?」 まこ「!!」 京太郎「俺は教師だけど、同じ目線で立ってるつもだぞ?」 まこ「せ、先生……//」ドキドキ 京太郎「それに広島弁って、なんか可愛いしな」ニッ まこ「そ、それならこれからは……広島弁で喋る、けぇ」もじもじ 京太郎「ああ、いいぞ」 和「私も広島弁にしますけぇ」あせあせ 久「広島弁もいいもんじゃな」あせあせ 優希「カオスだじぇ」 京太郎「???」 まこ「(わしゃ、やっぱり先生のことを……あぁぁ! こんなの! 叶うわけないのに!)」ドキドキ 京太郎「大丈夫かまこ?」 優希「それより! 最後はこの私だじょ!」 京太郎「優希、お前もかよ!」 優希「仲間外れはいやーん♪」クネクネ 567 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/12(金) 02 09 56.77 ID hcg7BJsJo [18/26] 優希「さぁ! 押すじぇ!」 京太郎「しょうがないな」 まぁ、おもちゃだって判明したことだし 付き合うくらい別にいいか 京太郎「じゃあ押すぞ」 優希「優しくしてねー」モジモジ 和「……」イライラ 久「……」むすっ まこ「……」そわそわ 咲「カガクノハッテンニギセイハツキモノデース」 京太郎「覚悟はいいか?」 優希「オーケーだじぇ!」 京太郎「ほい! ポチッとな!」 01他人 02苦手 03顔見知り 04友達 05親友 06幼馴染 07婚約者 08恋人 09セフレ 10元恋人 11親の仇 12先輩 13後輩 14同級生 15麻雀の師匠 16浮気相手 17探偵 18犯人 19記者 20従兄妹 21姉or妹 22ストーカー 23娘 24母親 25ペット 26ライバル 27空気 28ご主人様 29耳かき 30漫画家 31生霊 32女騎士 33殺人鬼 34恋敵 35オナペット 36お嬢様 37お姫様 38同僚 39メイド 40アラフォー 41侵略者 42ペロリスト 43追跡者 44捕食者 45芸人 46巫女 47ナース 48寄生虫 49不良 50トラウマ 51抱き枕 52椅子 53ボディガード 54強姦魔 55変態 56中二病 57お色気要員 58上司 59部下 60原付 61防寒具 62妖怪 63人質 64電波 65忍者 66メンヘラ 67ロッカー 68腐女子 69レズ 70博士 71馬 72壁 73携帯 74風呂用スポンジ 75孫の手 76露出狂 77淫魔 78ぷんすこ 79ツンデレ 80クーデレ 81初恋の人 82命の恩人 83ジュリエット 84傭兵 85歌手仲間 86ヤンデレ 87信者 88女王様 89カモ 90天使 91先生 92生徒 93ヒーロー 94アイドル 95神様 96ファン 97片想われ 98アベック 99牝奴隷 00妻 ↓2 おーとこならーだれかのたーめにつーよーくなーれ 586 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/12(金) 02 15 57.10 ID hcg7BJsJo [19/26] 14 同級生 ぼふんっ 優希「??」 京太郎「どうした優希?」 優希「じぇ? 京太郎も来てたのか?」 京太郎「へ? お前、戻ったのか?」 この態度 俺と同級生だった頃の優希だ! 優希「え? 何言ってんだ?」 久「須賀先生、片岡コーチがどうかしたんですか?」 京太郎「へっ!? 片岡コーチィ!?」 まこ「コーチはコーチじゃと思うが……」 京太郎「どういうことだ!? 優希、お前は一体!?」 優希「何ボケてるんだじぇ?」 京太郎「!!」 優希「私はお前の高校の同級生で、今は清澄の麻雀部コーチだろー」 京太郎「なん……だと!?」 じゃあ何か? 優希は俺の同級生だけど、それは過去の話? 咲「片岡コーチ、今日はどうします?」 優希「そうだなー! みんなで打ち回す感じでいいじぇ」 久「アバウトねー相変わらず」 まこ「須賀先生を見習わんか」 優希「うがー!! 敬語を使えー!!」 京太郎「(ってコイツ、俺と同年齢のはずなのに見た目が――高校の頃から変わってねぇ!!)」 和「……須賀先生」くんくん 京太郎「ん?」 和「……ぴゅーぴゅー」 京太郎「吹けてないぞ」 和「はぅわっ!?」 592 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/12(金) 02 20 25.38 ID hcg7BJsJo [20/26] 京太郎「だが待てよ」 これじゃあ麻雀部が四人 大会に出られないことになる 京太郎「待て、一体だれが――」 ガチャッ 京太郎「ん?」 -‐──‐- . ´ `ヽ、 / / , / / /| ト、 ′ ∠._/ / i| i \ 〕 〔 |/ 八〔\ .' \ /. |∧ | ┯ ┯ V ┯ ┯∧ / j ' ∧| 乂ノ 乂ノ ∨、 |. / Ⅴ "" ノ | / 入_ _ < / /| / /\ /∧ノ へ ̄ ̄/ \リイ/ / 〔′  ̄\\ r‐' \/ //\ / \ヽーヽ └─ー/─' \ 丶ー| 〉 〈 | 〈 | .〈∧/ !__/ | | | 照「……」 京太郎「んん?」ゴシゴシ 照「おはよう、先生」 京太郎「あ、はい」 久「おはようって時間じゃないわよ照」 まこ「どこ行ってたんじゃ?」 照「トイレ」 咲「お姉ちゃん、少しは恥じらいを」 照「?」 京太郎「……えええええ!?」 603 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/12(金) 02 24 53.73 ID hcg7BJsJo [21/26] 照「なに? どうしたの先生」 京太郎「どうしたもこうしたもねぇよ!! どうなってんだよ!!」 優希「お、落ち着け京太郎! 何があったんだじぇ!」 京太郎「おかしいだろ! これは流石に無理やりだろ!」 和「はい?」 久「今日の先生、疲れてるのかしら」 京太郎「あばばばば」 まこ「泡吹いとる! 先生!」 和「だ、大丈夫ですか!?」 わけが分からない 俺は一体どうしてこんな状態になってるんだ? 照「相変わらず先生は面白い」 久「そういう問題じゃないでしょ」 まこ「しっかりせぇ!」 京太郎「う、うーん」 咲「この機械が原因なのかな?」 照「機械?」 咲「これこれこういう機械なの」 照「ふーん? それそれこういう機械なんだ」 京太郎「……も、戻さなきゃ。この機械で」ブツブツ そうだ 全ての元凶はこの機械 これさえ使えば 605 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/12(金) 02 28 13.67 ID hcg7BJsJo [22/26] 京太郎「照!」 照「何? 結婚ならいつでもいいよ」 京太郎「違う!」 照「冗談」 咲「お姉ちゃん!」 照「お茶目ジョーク」 京太郎「いいから真面目に聞け!!」 照「はい」 京太郎「はいじゃないが」 照「え?」 京太郎「あ、これでいいんだ」 照「うん」 京太郎「とにかく! この機械でお前を元に戻す!」 いいや! 全てを! 照「戻るの?」 京太郎「戻してみせるさ!」 きっとどうにかなる 元の、みんなと楽しく部活をやっていたあの頃に 京太郎「頼む! 元に! 戻ってくれ!!」 和「……」 京太郎「うぉぉぉ! ポチッとなぁぁ!」 01他人 02苦手 03顔見知り 04友達 05親友 06幼馴染 07婚約者 08恋人 09セフレ 10元恋人 11親の仇 12先輩 13後輩 14同級生 15麻雀の師匠 16浮気相手 17探偵 18犯人 19記者 20従兄妹 21姉or妹 22ストーカー 23娘 24母親 25ペット 26ライバル 27空気 28ご主人様 29耳かき 30漫画家 31生霊 32女騎士 33殺人鬼 34恋敵 35オナペット 36お嬢様 37お姫様 38同僚 39メイド 40アラフォー 41侵略者 42ペロリスト 43追跡者 44捕食者 45芸人 46巫女 47ナース 48寄生虫 49不良 50トラウマ 51抱き枕 52椅子 53ボディガード 54強姦魔 55変態 56中二病 57お色気要員 58上司 59部下 60原付 61防寒具 62妖怪 63人質 64電波 65忍者 66メンヘラ 67ロッカー 68腐女子 69レズ 70博士 71馬 72壁 73携帯 74風呂用スポンジ 75孫の手 76露出狂 77淫魔 78ぷんすこ 79ツンデレ 80クーデレ 81初恋の人 82命の恩人 83ジュリエット 84傭兵 85歌手仲間 86ヤンデレ 87信者 88女王様 89カモ 90天使 91先生 92生徒 93ヒーロー 94アイドル 95神様 96ファン 97片想われ 98アベック 99牝奴隷 00妻 ↓2 ほんとにだいじなーものはなーんだろー 627 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/12(金) 02 35 28.64 ID hcg7BJsJo [23/26] 66 メンヘラ ぼふんっ 照「……」 京太郎「照?」 照「……ねぇ、先生は私のことちゃんと見てる?」 京太郎「え?」 照「誰よりも私のことを一番に見てくれてるの?」ずいっ 京太郎「は? えっと?」 な、なんだ!? 何が起きてる!? 京太郎「お、俺は生徒全員が平等で大事だよ」 和「」グサッ まこ「」グサッ 久「」ヒサッ 照「……そんなことない」 京太郎「え?」 照「わかってるよ。先生は本当は一番私を好きだって」 優希「じぇええ!?」 京太郎「」 照「ふふ、でもみんなの前だから言えないんだよね」 京太郎「な、何を馬鹿なことを!」 照「……バカ?」ピクッ 京太郎「?」 照「今、バカって言ったの?」 京太郎「あ、いや! 悪気は……」 照「バカって言ったバカってバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言った言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言ったバカって言った」 京太郎「」 咲「あ、お姉ちゃんいつものモードだ」 京太郎「て、照? 落ち着こう、な!」 照「……死んでやる」 京太郎「!?」 照「もういい。先生が私を大事にしてくれないなら、死ぬもん」スッ ナイフ 京太郎「ま、待てって!!」 サクッ 照「ふふ、見て……私の血ってこんなに綺麗」うっとり 京太郎「バカ! 手首なんて切って! すぐに止血を!」バッ 照「……やっぱり先生は優しい。私のことがだぁぁあぃすきなんだぁ」えへへへ 632 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/12(金) 02 41 55.95 ID hcg7BJsJo [24/26] 京太郎「いや、そういうわけじゃ……」 /. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . \. / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .ヘ. / . i / . . / . / \ . i. / / . / . .. . . . ヽ . i ′ ./ . / . / . . ハ i ′ . / / / / , i |. / ′. / / / 从 . . ...i .i / ′ ′ .′ / i i i ... | |. / i i i .i 从 i i . i i i. / /.i i i i i i i i i i i i i / / | i i i i i i i i i l l i l i.// ヾi i i i i i i i | i i' i ′i / i.´ 少 ', l i i i ゙、ト | ヘ i ' | ゙ /i /i / i\ / | 、 ハ ヾ i 、.i ヘ i ', i ゙、 / iノ. i/ i i \ / | ハ ヾ ゞ. ,丶i ゙ j ヘ/ / 厶 ハ i 丶 ∧ヾ | / ヽ.、 ._ ヾ., イ / /i ′ ゝ_../ ∧ヽ. | /. i > _  ̄ . r ./. // i / /. /i_.i ∧ヽ | / 丶  ̄ / / レ /. // ヽ 照「死ぬよ?」 京太郎「!」ゾクッ 照「先生が私を愛してくれなきゃ、死ぬから。嘘じゃないよ」 京太郎「て、照!」 照「ふふふっ、あはは……」 京太郎「……」 照「あっはっはっはははははははははははっはあははっはははははははははははははははははははっははははははあははっはははははははははははははははははははっははははははははああはははははあーっははははあははっはははははははははははははははははははっははははははははああはははははあーっははははあははっはははははははははははははははははははっははははははははああはははははあーっははははあははっはははははははははははははははははははっははははははははああはははははあーっははははあははっはははははははははははははははははははっははははははははああはははははあーっははははあははっはははははははははははははははははははっははははははははああはははははあっははははははああはははははあーっははははははあははあははははは」ケラケラケラケラ 和「」 久「」 まこ「」 優希「」 咲「いつも通りだね」 京太郎「(お、俺は……)」 もしかすると、開けてはいけない箱を開けてしまったのかもれしれない 照「せんせぇ……だぁいすきっ」クスクス 京太郎「……」 果てに待つのは闇か絶望か 最後に残されたのは果たして――希望なのか 今の俺には、まだ分からない 清澄編+照 しゅーりょー 695 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/14(日) 23 14 36.60 ID e/jvxgHBo [1/7] <ぜんかいまでのあらすじ> 咲「カガクノハッテンニギセイハツキモノデース」 京太郎「俺の雀力はあの宮永照すら凌ぐ……」ごごごごっ 和「やっぱり須賀先生は素敵です!」きらきら 久「須賀先生……好き」ぼそっ まこ「わしゃ……先生のこと、ずっと」ドキドキ 優希「教え子が全国優勝で嬉しいじぇ」 照「あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっははっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっははっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっははっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっははっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっははっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっははっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっははっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!」ケラケラケラ 京太郎「て、照……」 照「死ぬよ」 京太郎「えっ」 照「私のことを愛してくれないなら死んでやる」 京太郎「ま、待て! 落ち着いて話し合おう」 照「じゃあ一日百回はメールして。十分おきに電話、一時間に一回キスして」 京太郎「えっ」 照「……」ブツブツブツブツ 京太郎「(俺は一体どうすればいいんだ……)」 和「須賀先生、私がなんとか助けて見せます」ぎゅっ 恵「(最近娘の様子がおかしい……)」 原村母「何かあったのかしら?」 恵「……仕方ない」 原村母「え?」 恵「……」ぴっぽっぱっ トゥルルルルル 原村母「アナタ、一体何を?」 恵「家庭訪問だ」 原村母「!!」 恵「……家庭訪問だ」 原村母「(なんで二回言ったのかしら?)」 699 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/14(日) 23 22 23.52 ID e/jvxgHBo [2/7] 【清澄】 京太郎「はっ? 家庭訪問?」 和「はい」 一日のHR終わり、和の口から聞いたのはとんでもない言葉だった 京太郎「え? 三者面談じゃなくて?」 和「実は、父が……是非にと」 京太郎「いや、是非にと言われてもな」 ピピピピピピッ 京太郎「もしもし? ああ、うん。好きだよ」 ぶつっ 和「……あの人ですか?」 京太郎「そうだ。ちょっとこれが立て込んでてなぁ」 俺の直接の生徒ではない宮永照 部活の顧問としては面倒を見てやりたいとは思っているが…… 和「そ、そうですよね。私より、そっちの方が……」うつむき 京太郎「あ、いや! 俺はちゃんと和のことも考えたいぞ!」 親の都合で東京行きか、長野に残るか 和の抱える問題は、大会の優勝で一応は解決したように見えた 京太郎「でも、ちゃんとお父さんと話し合わないとな」 和「はい。ですから……」 京太郎「分かった。それで、日程は今日でいいのか?」 和「来てもらえるんですか!?」 京太郎「当たり前だ。お前は俺の大事な生徒だからな」 和「はぅっ」きゅーん 京太郎「和?」 和「は、はひっ! 今日でお願いしまひゅっ!」がりっ 京太郎「お、おう?」 和「……」なみだめ それにしても原村家か 一体どうなるんだろう―― ※ 龍門渕編の前に、急遽番組を変更して原村家家庭訪問編をお送りします 701 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/14(日) 23 29 03.07 ID e/jvxgHBo [3/7] 【原村邸】 京太郎「というわけで来たものの」 なんだか門構えからして怖いぞ 和のお父さんは弁護士らしいし、うーん 京太郎「ええいままよ!」」 ぴんぽーん がちゃっ 和「須賀先生! お待ちしてました!」 京太郎「少し遅くなってすまないな」 和「いえ、無理を言ったのはこちらですから。どうぞ」にっこり 京太郎「失礼します」 ざっ 恵「……」どーん 京太郎「っ!」びくっ こ、この人が和のお父さんか! 厳格そうな人だなぁ 京太郎「は、初めまして。和さんの担任を務めている、須賀京太郎と申します!」ビシッ 恵「初めまして。和の父の原村恵です」ペコリ 京太郎「はい!」カチコチ 恵「……立ち話もなんですから、どうぞお上がりください」 京太郎「しし、失礼します!」 和「(結婚のお願いに来たみたいで……アリですね)」ドキドキ 恵「粗茶ですが」コトッ 京太郎「ありがとうございます」ずずっ 恵「……」 京太郎「ぷはぁー」ほっ 恵「まず、いくつか確認をさせて頂いても?」 京太郎「は、はいっ!」 恵「須賀先生は初担任で、和のクラスを?」 京太郎「はい。まだ教師歴一年です」 恵「……そして麻雀部の顧問でもある」 和「お父さん」 恵「お前は黙っていなさい」 京太郎「確かに麻雀部の顧問も勤めています」 恵「つまり、清澄の教師の中でアナタが一番和と関わっている」 京太郎「そう、なりますね」ドキドキ 702 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/14(日) 23 35 22.77 ID e/jvxgHBo [4/7] 恵「単刀直入に申し上げましょう」 京太郎「は、はいっ」 恵「アナタには言いたいことが山のようにある」 京太郎「」びくっ 和「お父さん!」 恵「大体なんだ? 教師でありながら金髪とは!」だんっ 京太郎「そ、それは!」 って! アンタの娘はピンク髪だろがーい! 京太郎「(とは言える空気じゃないな)」うーん 恵「しかも教師一年目で高校の担任? 舐めているのか!?」 京太郎「な、舐めてなんかいません!」 恵「貴様が担任になってから、和はやけに反抗的になった」 和「!」 京太郎「え?」 恵「麻雀を続けると言ったり、東京に行きたくないと駄々をこねる」 京太郎「……」 恵「貴様、娘に一体何をした!?」 京太郎「えっと――」 00~29 別に何も 30~59 わかりません 60~89 俺に出来ることを 90~99 彼女の支えになりました ゾロ目 京太郎「ナニを……」 和「せ、先生っ……//」モジモジ ↓2 あいってなんなんだー せいぎってなんなんだー 710 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/14(日) 23 42 32.74 ID e/jvxgHBo [5/7] 京太郎「別に何も」 恵「何もだと!? 貴様それでも教師か!!」 京太郎「あ、いえ! 放置していたというわけではありません!」あせあせ 和「そうです! 放置プレイは前世です!」 恵「また訳のわからないことを……!」 いかん、お父さんが怒り始めたぞ なんとか機嫌を直させないと 京太郎「(どうしよう……)」 恵「聞いているのか!!」 京太郎「はい!」 恵「それに、聞くところによると……麻雀部の女子生徒につばをつけているとか?」 京太郎「!」 和「お父さん!」 恵「それは本当なのか?」 京太郎「それは――」 00~29 京太郎「ぶっちゃけモテモテです」キリッ 30~59 京太郎「分かりません」 60~89 京太郎「言い寄られることは、あります」 90~99 京太郎「実は生徒が一人……精神病を患っていまして」 ゾロ目 京太郎「……女子高生って、凄いんですよ」とおいめ ↓2 しずかにーあーさーやーけーが だいちをーつーつーんーでーく 717 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/14(日) 23 51 28.12 ID e/jvxgHBo [6/7] 京太郎「分かりません」 恵「分からないだと? 貴様、生徒のことも分からないのか!?」だんっ 京太郎「はい……悔しいですが、自分には分からないことだらけです」 恵「! 呆れた奴だ……そんなことで教師が務まるとでも!?」 京太郎「ですが、俺は分からないなりに! みんなことを分かりたいと努力しています!」 恵「努力?」 京太郎「はい。和さんも含め、生徒一人一人と少しずつ分かりあおうと……」 恵「そんなものは詭弁だ」 和「お父さん、やめてください!」 恵「なぜこんな教師を庇う?」 和「それは――」 京太郎「和!」 和「私……」 00~29 和「……」 30~59 和「私は先生を信じています」 60~89 和「先生のことが……」 90~99 和「須賀先生じゃなきゃダメなんです……」 ゾロ目 和「須賀先生のことが……好きなんです」 ↓2 のーふぃあー のーぺいーん あいのーまえにたつかぎりー 722 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/14(日) 23 58 30.80 ID e/jvxgHBo [7/7] 和「先生のことが……」 京太郎「和!」 和「!!」びくっ 恵「! 貴様……」 京太郎「今言おうとしたことは、お父さんだけじゃなく……俺への冒涜でもある」 和「わ、私は……ただ」 京太郎「俺は教師だ。何があっても、それだけは決して変わらないよ」にっ 和「……はい」ぶるぶる 恵「ふん……理性は持ち合わせているようだな」 京太郎「原村さん。俺は確かに若輩者で、未熟すぎる男です」 恵「……」 京太郎「ですが、信念は曲げません。俺は、決して娘さんを不幸に導いたりはしない」 絶対に 和「……」じわっ 恵「その言葉、信じても?」 京太郎「はい」 恵「……」じっ 京太郎「……」 恵「分かった。その言葉を信じよう」 京太郎「!」 恵「要件はこれで終わりです。わざわざ御足労頂き、ありがとうございました」 京太郎「原村さん!」 和「……うぅ」しくしく 恵「和」 和「……ひっく、えぐっ、は、はいっ」ぐすっ 恵「先生を……駅まで送って差し上げなさい」 京太郎「原村さん」 恵「……」 ぴしゃっ 京太郎「……」 和「せ、先生」 京太郎「送って、くれるか?」 和「……はい」こくっ 728 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/15(月) 00 05 09.78 ID NUq8g+heo [1/21] てくてく 和「……」 京太郎「なぁ、和」 和「……はい」 京太郎「悪いな、こんな先生で」 和「いえ、私は須賀先生が担任で……嬉しいです」 京太郎「そっか。俺も、お前が生徒でよかった」 和「……(本当はウソ)」 先生のことが好き 誰よりも、何よりも先生と共に居たい だから、教師と生徒としてじゃなく 一人の男と女として―― 和「……」 京太郎「和、この帰り道だけ……俺、教師をサボってみる」 和「え?」 京太郎「聞いて欲しいことがあるんだ」 和「な、なにを、ですか?」 京太郎「俺、ほんの少し前まで……和の担任じゃなかったんだ」 和「……?」 京太郎「同学年で、同じ麻雀部の生徒で……いつも憧れていた」 和「せ、先生が同学年?」 京太郎「好きで好きで、いつか思いを告げられたらって」 和「っ!!」かぁぁぁぁっ 京太郎「……好きだったよ、和」 和「わ、わたっ」 京太郎「これからは――別の形で、お前を守ってやる」 和「……」 729 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/15(月) 00 13 14.28 ID NUq8g+heo [2/21] 京太郎「サボりは終わり! 駅に着いたからな」 和「先生……」 京太郎「じゃあな和、また学校で」 和「あ、あの!! 先生!!」 京太郎「?」 和「わ、私も……この一瞬だけ、生徒をやめてもいいですか?」ドキドキ 京太郎「和……?」 和「私は、須賀さんのことが好きです」 京太郎「……」 和「大好きなんです」 風に髪をなびかせて、頬を赤らめる和の姿は―― 俺が今までに見たことが無いくらい、可愛くて……美しいものだった」 京太郎「……」 和「……」もじもじ 京太郎「ありがとう。嬉しいよ」 和「す、須賀先生!」 京太郎「じゃあな」 俺は振り向かなかった 振り向いたら、決意が揺らいでしまう気がしたから だから――俺は 京太郎「(さようなら、和)」 多分、初恋だった―― 和「……」ガクッ 730 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/15(月) 00 21 47.91 ID NUq8g+heo [3/21] 【数週間後】 あれからもう数週間が経った 教師としての仕事にも慣れて、もう今じゃ身も心も完全に教師 高校生だった頃の俺は……どこにもいないのかもしれない そんな折、職員室の俺に会いに来た久の一言が 俺を新たな運命の渦に巻き込むことになる 京太郎「え……? 龍門渕から?」 久「はい。合同練習のお誘いが来てるんです」 京太郎「そっか。久は進路が決まってるけど、部活もそろそろ潮時だしな」 久「これを最後に引退しようかと」 京太郎「いいんじゃないか? それで、日程は?」 久「それが……その打ち合わせが今日で」 京太郎「あれ? でも今日は確か」 久「そうなんです。議会の引き継ぎがあって」 京太郎「ははーん。それで俺に代わりに、てことか?」 久「察しがいい先生って大好き!」 京太郎「調子のいい奴め。分かった、俺が行くよ」 ハギヨシ君ともたまには会いたいし 未だに元気にやってるかな…… 京太郎「部活の方はまこに任せる。あとで伝えておいてくれないか?」 久「はーい! 了解です」にっ 京太郎「さて、龍門渕か……」 731 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/15(月) 00 26 42.71 ID NUq8g+heo [4/21] 【龍門渕】 相変わらずデカイ場所だな お金持ちの家ってのは……どうも敷居が高い 京太郎「確かこの辺で……」 ハギヨシ「京太郎さん!」 京太郎「あっ、ハギヨシ君」 ハギヨシ「ご無沙汰しています」ペコリ 京太郎「元気そうだね」 ハギヨシ「おかげさまで」くすくす 京太郎「龍門渕さんは、中で待っているのかな?」 ハギヨシ「ええ。どうぞ、こちらです」 京太郎「しかし、迷子になりそなくらいに広いなぁ」 ハギヨシ「慣れればそうでもありませんよ」 京太郎「あはは、それはそうだ」 ザッ ?「……」 京太郎「ん? 君は……」 ↓2 れでぃとぅごー かうんとぜろー 737 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/15(月) 00 33 47.24 ID NUq8g+heo [5/21] 純「あ、清澄の顧問の先生じゃん」 京太郎「井上さん。お久しぶり」 純「大会以来でしたっけ?」 京太郎「ああ。どうだい調子は?」 純「ぼちぼちってとこですかねー」 京太郎「君はいい打ち筋をする。伸びるよ、これからも」 純「あはは、須賀先生に言われると嬉しいかなー」 ハギヨシ「ここで何を?」 純「透華に頼まれて色々と……」 どくんっ 京太郎「……ん?」 なんだ? ポケットに…… 京太郎「!? な、なんでこれが!?」 純「? どうしたん……って、ヘンテコな機械」 ハギヨシ「それがどうかしたんですか?」 京太郎「あ、いや!」 馬鹿な! この機械は捨てたハズ! なんでここに!? 京太郎「ぐっ……」プルプル 体が勝手に……動き出す!? 京太郎「やめ……」 純「だ、大丈夫ですか?」 京太郎「にげ、逃げろぉ……ポチッとなぁあぁぁぁ!!」 01他人 02苦手 03顔見知り 04友達 05親友 06幼馴染 07婚約者 08恋人 09セフレ 10元恋人 11親の仇 12先輩 13後輩 14同級生 15麻雀の師匠 16浮気相手 17探偵 18犯人 19記者 20従兄妹 21姉or妹 22ストーカー 23娘 24母親 25ペット 26ライバル 27空気 28ご主人様 29耳かき 30漫画家 31生霊 32女騎士 33殺人鬼 34恋敵 35オナペット 36お嬢様 37お姫様 38同僚 39メイド 40アラフォー 41侵略者 42ペロリスト 43追跡者 44捕食者 45芸人 46巫女 47ナース 48寄生虫 49不良 50トラウマ 51抱き枕 52椅子 53ボディガード 54強姦魔 55変態 56中二病 57お色気要員 58上司 59部下 60原付 61防寒具 62妖怪 63人質 64電波 65忍者 66メンヘラ 67ロッカー 68腐女子 69レズ 70博士 71馬 72壁 73携帯 74風呂用スポンジ 75孫の手 76露出狂 77淫魔 78ぷんすこ 79ツンデレ 80クーデレ 81初恋の人 82命の恩人 83ジュリエット 84傭兵 85歌手仲間 86ヤンデレ 87信者 88女王様 89カモ 90天使 91先生 92生徒 93ヒーロー 94アイドル 95神様 96ファン 97片想われ 98アベック 99牝奴隷 00妻 ↓2 あさやけにつつまーれてー はしーりだーしたー 748 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/15(月) 00 39 35.22 ID NUq8g+heo [6/21] 43 追跡者 ぼふんっ 純「……」 京太郎「はぁはぁ……」 ハギヨシ「大丈夫ですか?」 京太郎「は、はいっ……」ゼーゼー 純「……」 京太郎「井上さんは大丈夫ですか?」 純「スタァズ……」 京太郎「ん?」 純「……ん? 別に」 京太郎「そ、そうですか?」 純「うん」 京太郎「じゃ、じゃあ行きましょう」 ハギヨシ「はい。それでは……」 てくてく 純「……」テクテク 京太郎「?」 ハギヨシ「どうして着いてくるんですか?」 純「別に……方向が一緒なだけですから」 京太郎「……?」 純「(……京太郎)」ググッ 京太郎「!」ゾワッ なんだこの視線!? まさか、井上さんから…… ?「あっ」 ハギヨシ「おや」 京太郎「!?」 こ、この人は?! ?「……」 ↓2 ひろがるーうちゅうのなーかー きゃーんゆふぃーる 753 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/15(月) 00 45 40.95 ID NUq8g+heo [7/21] 一「あっ、須賀先生だ」ピタッ 京太郎「国広さん!」 一「前回はお世話になりました」ペコリ ちらっ 京太郎「く、国広さん! 相変わらず服装が……」 一「?」 色々と丸見えすぎる! 龍門渕の先生はどういう指導をしてるんだ!! けしからーん!! 純「……」じぃー ハギヨシ「お気持ちはお察ししますよ」 京太郎「目のやり場に困るんだよなぁ」 一「? 須賀先生って相変わらずヘンなのー」 うーむ、教師として指導はすべきなんだが…… 他校の生徒だし、どう言っていいものか 京太郎「!?」ゾクッ なんだ、またこの感覚…… 京太郎「ぐぁっ!?」ぞくぞく ダメだ、逆らえない! 一「須賀先生?」 京太郎「がぁぁぁ!! ポチッとなぁぁぁ!!」 俺の体に、一体何が起きてるんだ!? 01他人 02苦手 03顔見知り 04友達 05親友 06幼馴染 07婚約者 08恋人 09セフレ 10元恋人 11親の仇 12先輩 13後輩 14同級生 15麻雀の師匠 16浮気相手 17探偵 18犯人 19記者 20従兄妹 21姉or妹 22ストーカー 23娘 24母親 25ペット 26ライバル 27空気 28ご主人様 29耳かき 30漫画家 31生霊 32女騎士 33殺人鬼 34恋敵 35オナペット 36お嬢様 37お姫様 38同僚 39メイド 40アラフォー 41侵略者 42ペロリスト 43追跡者 44捕食者 45芸人 46巫女 47ナース 48寄生虫 49不良 50トラウマ 51抱き枕 52椅子 53ボディガード 54強姦魔 55変態 56中二病 57お色気要員 58上司 59部下 60原付 61防寒具 62妖怪 63人質 64電波 65忍者 66メンヘラ 67ロッカー 68腐女子 69レズ 70博士 71馬 72壁 73携帯 74風呂用スポンジ 75孫の手 76露出狂 77淫魔 78ぷんすこ 79ツンデレ 80クーデレ 81初恋の人 82命の恩人 83ジュリエット 84傭兵 85歌手仲間 86ヤンデレ 87信者 88女王様 89カモ 90天使 91先生 92生徒 93ヒーロー 94アイドル 95神様 96ファン 97片想われ 98アベック 99牝奴隷 00妻 ↓2 ちいさーなほーしーの はなーしをーしよう 759 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/15(月) 00 53 08.23 ID NUq8g+heo [8/21] 38 同僚 ぼふんっ 一「須賀先生?」ばいーん ,>,-- 、__ ..、_ } __,. ´ 〈  ̄\__ >、___  ̄> ´ / 、 -=マ__〉´_ \ / , , ' ∨ _,.イ⌒\ ` / / / / ' `7 / / ! ハ \ 「 / ,.イ / | / / / || | | \ }ハ , / | -/ |-{--|、 |} / l | YⅥ |/ | | | | /ハ{ 从 { { |--/、 | | ヽ { , | | |ィ笊斧、 ∨ /}'_/ イヽ | | | / イ | | | Vzり }/笊斧、} /| | / } / | | | | / Vzソ /'/,' /| ∧ | | | | ' ☆ イ/ イ /' | | | | ト、 -_, 人∧ | 八 lリ∧ ..、_......-=≦ . . . .}ヽ ∧ \ |/ . .} / . / `ヽ . 、 } / } _∧〉 ./' _/イ/ ∨〉| / ' / . |/ ´、 ´ / ∨ }' /' ,. 〉Ⅳ__,. イ7{ Ⅵ , { / 「 __ <(_) | l |'(_)/ /{ ̄ ̄「ー' l | | / イ 人 〈^ヽ |l |〈_」 ` 〉/>l | ヽ , ´ ̄ 「 { ⌒}/ハ {-く_ / ∧_/ \,} |〉 /〉、 / { l∧ l (| |イ/ 〉 / 乂} ∧ . | ,∨_イ 京太郎「ぶっ!?」 な、なななな!? 国広さんが急激に成長した!? し、しかも服装のせいで―― 一「??」 京太郎「は、ハレンチ過ぎますよ国広先生!!」 一「あれ? そうですか?」ぴらっ 純「国広先生のコレは治らないと思いますよー」 ハギヨシ「……//」コホン 京太郎「(ハギヨシ君、初心だな)」 ハギヨシ「は、早く行きましょう」 京太郎「そうだな。国広先生、生徒の模範になるようにしないとダメですよ!」 一「き、気をつけます……??」 生徒の親御さんに見られたらなんて言われることか 同じ教師として、見逃せないぞ 一「???」 京太郎「……」てくてく ?「……!」 京太郎「ん? 今度は……」 ↓2 てるみざとぅるーす しーんじてたーみーらいがー 765 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/15(月) 01 02 17.51 ID NUq8g+heo [9/21] 衣「むっ! 清澄の雀士……!」 京太郎「あっ……天江さん」 衣「勝負しろきょうたろー!! 前回のようにはいかんぞ!」 京太郎「い、いや! あれは指導で打っただけで」 俺と咲と照の三人、それと天江さん 勝負はギリギリで俺の逃げ切りだったが…… 京太郎「あれは照と咲のサポートがあったからで」 衣「御託はいい。衣の支配を避け、点棒を守りきっただけで死合うに充分!」 ハギヨシ「衣様、あまり京太郎さんを困らせては」 一「そうだよ衣」 純「……」 衣「戦わせてくれ! 今度こそ衣が勝ってみせる!」 京太郎「それなら今度の合宿で……」ドクンッ ぐっ!? まただ!? 京太郎「また、このスイッチが勝手に!」 衣「! なんだ、この禍々しい気配は――」 やはりこの機械はまずい! なんとか、止めないと! 京太郎「ダメだぁぁぁ!! ポチッとなぁぁぁ!!」 くそ!! 俺は抗えない! なんなんだこれは!! 01他人 02苦手 03顔見知り 04友達 05親友 06幼馴染 07婚約者 08恋人 09セフレ 10元恋人 11親の仇 12先輩 13後輩 14同級生 15麻雀の師匠 16浮気相手 17探偵 18犯人 19記者 20従兄妹 21姉or妹 22ストーカー 23娘 24母親 25ペット 26ライバル 27空気 28ご主人様 29耳かき 30漫画家 31生霊 32女騎士 33殺人鬼 34恋敵 35オナペット 36お嬢様 37お姫様 38同僚 39メイド 40アラフォー 41侵略者 42ペロリスト 43追跡者 44捕食者 45芸人 46巫女 47ナース 48寄生虫 49不良 50トラウマ 51抱き枕 52椅子 53ボディガード 54強姦魔 55変態 56中二病 57お色気要員 58上司 59部下 60原付 61防寒具 62妖怪 63人質 64電波 65忍者 66メンヘラ 67ロッカー 68腐女子 69レズ 70博士 71馬 72壁 73携帯 74風呂用スポンジ 75孫の手 76露出狂 77淫魔 78ぷんすこ 79ツンデレ 80クーデレ 81初恋の人 82命の恩人 83ジュリエット 84傭兵 85歌手仲間 86ヤンデレ 87信者 88女王様 89カモ 90天使 91先生 92生徒 93ヒーロー 94アイドル 95神様 96ファン 97片想われ 98アベック 99牝奴隷 00妻 ↓2 くーずれさろうーとーしーてるー 783 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/15(月) 01 11 37.01 ID NUq8g+heo [10/21] 12 先輩 ぼふんっ! 衣「さぁ、戦え京太郎!!」 京太郎「!! こ、衣先輩?」びくびく 衣「衣が勝ったら今夜はお前の奢りだ! いいな?」グリグリ 京太郎「だ、だから今日は仕事で……そもそも先輩は飲み屋に入れないですし」 衣「子供扱いするな! もう酒も飲める!」 一「衣さんに逆らわない方がいいよー須賀先生」 京太郎「国広先生まで!」 ハギヨシ「衣様、今日は須賀さんは仕事で来ていらっしゃいますので」 衣「むっ、そうなのか?」 京太郎「はい。だから、出来れば……」 衣「仕方ない。大学の後輩のよしみだ……見逃してやろう」 見逃すも何も、衣先輩は相変わらず横暴だなぁ そもそもアラサーの癖に見た目が若すぎるんだよ 衣「何かよからぬことを考えたか?」 京太郎「い、いえ!!」 衣「そうか? まぁいい……」 京太郎「(ってあれ? なんで俺、衣先輩のこと……だって、元は天江さんって)」 くそっ! だんだんとこのスイッチの効果に順応している いかん……このままじゃ俺は!! 純「……」じぃー 京太郎「はぁっはぁっ」 ?「……」 京太郎「だ、ダメだ……来ちゃ、ダメだ」ググ このままじゃまた―― ↓2 かーなーしみーをー くーりーかえーしー 792 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/15(月) 01 21 54.15 ID NUq8g+heo [11/21] 智紀「どうかしたんですか?」 京太郎「さ、沢村さん……」 ハギヨシ「少し具合が悪いようなんです」 智紀「それは心配」 京太郎「(ダメだ、今の俺に近づいたら――)」 何が起こるか、保証できない 京太郎「ぐっ……また」 抗えない 体が勝手にスイッチを使おうとしてしまう 京太郎「うわぁぁぁ……」 衣「京太郎!?」 京太郎「ポチッとなぁぁあっ!!」 智紀「ひぃっ!」 京太郎「バカ! 避けろ!!」 一「(無能主人公みたい)」 01他人 02苦手 03顔見知り 04友達 05親友 06幼馴染 07婚約者 08恋人 09セフレ 10元恋人 11親の仇 12先輩 13後輩 14同級生 15麻雀の師匠 16浮気相手 17探偵 18犯人 19記者 20従兄妹 21姉or妹 22ストーカー 23娘 24母親 25ペット 26ライバル 27空気 28ご主人様 29耳かき 30漫画家 31生霊 32女騎士 33殺人鬼 34恋敵 35オナペット 36お嬢様 37お姫様 38同僚 39メイド 40アラフォー 41侵略者 42ペロリスト 43追跡者 44捕食者 45芸人 46巫女 47ナース 48寄生虫 49不良 50トラウマ 51抱き枕 52椅子 53ボディガード 54強姦魔 55変態 56中二病 57お色気要員 58上司 59部下 60原付 61防寒具 62妖怪 63人質 64電波 65忍者 66メンヘラ 67ロッカー 68腐女子 69レズ 70博士 71馬 72壁 73携帯 74風呂用スポンジ 75孫の手 76露出狂 77淫魔 78ぷんすこ 79ツンデレ 80クーデレ 81初恋の人 82命の恩人 83ジュリエット 84傭兵 85歌手仲間 86ヤンデレ 87信者 88女王様 89カモ 90天使 91先生 92生徒 93ヒーロー 94アイドル 95神様 96ファン 97片想われ 98アベック 99牝奴隷 00妻 ↓2 たーったー ひとりーきりー きーみーのそんざいーがー 818 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/15(月) 01 30 10.63 ID NUq8g+heo [12/21] 00 妻 ぼふんっ 智紀「アナタ、大丈夫?」 京太郎「智紀……」 智紀「無理しないで。最近、忙しすぎてろくに休んでない……」 京太郎「……」 ハギヨシ「……京太郎さん」 京太郎「ハギヨシ君?」 ハギヨシ「折角ですから、夫婦水入らずでお過ごしになられては?」 京太郎「え? でも――」 衣「それがいい。智紀、たまには暇を貰え」 智紀「いいの?」 一「新婚の癖に別居なんてしてるからねー。少しは二人で過ごしなって」 京太郎「国広先生……」 ハギヨシ「お嬢様には私から伝えておきます。ですので」 京太郎「……はい」 智紀「京太郎」ギュッ 京太郎「ああ、行こうか。智紀――」 智紀「はいっ」 純「……」 824 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/15(月) 01 40 24.02 ID NUq8g+heo [13/21] 【げすとるーむ】 京太郎「……智紀、ごめんな」 智紀「え? 何が?」 京太郎「結婚してもう一年以上になるのに……まだ別々に暮らしてる」 智紀「仕方ないよ。まだ新任一年目だし……将来の為にお金を貯めないと」 京太郎「でも、そのせいで智紀に辛い想いを」 智紀「ふふっ。アナタって何も分かってない」ぴとっ 京太郎「とも、き?」 智紀「私は世界一の幸せ者。だって――京太郎の妻だから」 京太郎「俺なんかで、本当いいのか?」 智紀「……ばか」ぽかっ 京太郎「いてっ」 智紀「そういうとこ……変わらないんだから」ぎゅー 京太郎「ごめん」ナデナデ 智紀「んっ……ふふっ」 京太郎「俺さ、正直迷ってたんだ」 智紀「……?」 京太郎「教師に向いてるのか、続けていいのかなって」 智紀「京太郎?」 京太郎「生徒の気持ちに応えられなくて、傷つけてばかりだ」 久も、まこも 和も―― そして照も 京太郎「俺があの場所を去れば、みんな前を向ける。俺がいるから、みんなが」 智紀「京太郎」 京太郎「え?」 智紀「逃げないで」じっ 京太郎「智紀……?」 智紀「夢、だったんでしょ? 生徒を、人をまっすぐ導いていく……仕事」 京太郎「あ、ああ。でも……」 智紀「でもじゃない」 京太郎「!」 智紀「それが夢なら、目指したなら――逃げちゃダメ」ぎゅー 京太郎「逃げちゃだめ、か」 智紀「私は京太郎を信じてる。自分自身も」 京太郎「自分自身も?」 智紀「うん。私が選んだ相手は誰よりも強く、優しい人だって」 京太郎「……」ぎゅっ 827 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/15(月) 01 53 10.97 ID NUq8g+heo [14/21] 智紀は優しい 可愛いし、スタイルもいい 俺なんかには勿体無いほどにいい女で…… 京太郎「ありがとう智紀。俺、お前と結婚してよかった」 智紀「今更?」 京太郎「遅いか?」 智紀「遅すぎ」ちゅっ 京太郎「んっ……あはは」ナデナデ 智紀「むー、どうして笑うの?」 京太郎「いや、色々と悩んでたことが……いっぺんにどうでもよくなってさ」 生徒のこととか、スイッチのこと 悩むことは数多くあるが――智紀の前じゃ全てどうでもよく思える 京太郎「俺はさ、色んなことの為に頑張って……身を焦がすのが偉いって思ってた」 智紀「……」 京太郎「でもさ、違うんだ。俺、頑張ることに夢中で大事なことを忘れてたんだ」 智紀「え?」 京太郎「……智紀」ぎゅっ 智紀「は、はいっ」ドキドキ 京太郎「一緒に住もう。出来るだけ、お前と一緒にいたいんだ」 智紀「っ!」ドクン 京太郎「嫌か?」 智紀「い、いやじゃないけど! でも……」モジモジ 京太郎「色々と大変なことがあると思う。でもさ、やっぱり夫婦は一緒にいるべきだ」 智紀「京太郎……」 京太郎「全部ケリを着ける。生徒のことも、俺自身の気持ちも」 だから―― 京太郎「俺のそばにいてくれ」 / / / ..................... / / ‐ ヽ / / / ヽ / / / i../ / i i ' / i i l i l | || i l || l l ll | i l | | l.l l l l l | i_ _ l | | l l l | l .l | | l ll | | i | | | |  ̄ ̄  ̄ ̄ | | iー-┘ .| |/ ̄ ̄ ̄ ヽ / ̄ ̄ ̄ ヽ | | i _ | | レ⌒| | | i | | | |ヽ __ / ヽ__ / | | ! | | | | | ! |l | /// //// | ! . l l / ||.| |\ / | | ! ' . || | | ` ‐ ー一 ‐ ´ | | ! ||. | |/\  ̄ /\ | | ! || | | \ / | | ! ||/| | \ / | |、 ! 智紀「……はい」ぎゅー
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/5747.html
94 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/02(水) 21 46 28.22 ID WkIFPeFoo [2/6] 優希「犬!遅い!!」 京太郎「集合時間には間に合ってるだろ!?」 ホテルの奥。 宮永さんと共に出てくる彼。 ぽりぽりと頭を掻く姿が何処か抜けてもいるような、そんな顔。 私は小さく微笑み、口を開く。 それは優希を窘めるような、周囲に優しく響くだろう私の声だ。 久「はいはい、優希ー。約束した時間には間に合ってるんだから気にしない」 優希「じぇ~……」 京太郎「ぶ、部長ぉ……!」 優希が何か言いたげな、そして須賀君が希望を持った瞳で私を見る。 くすり。 私は笑う。 それを須賀君にうっすらと見えるような笑みで返し、私は腰に手を当てて目を瞑る。 ただし。 そう、少し悪戯めいた声色で私は釘を刺すことを忘れない。 久「で・も、確かに一番遅かったのは須賀君ね」 須賀「うぐっ!?」 久「そうね……そうだ、後で雑用を手伝って貰うわ。いいかしら?」 須賀「りょ、了解っす…」 久「ん、よろしい!」 95 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/02(水) 21 47 59.69 ID WkIFPeFoo [3/6] 私が大仰に頷く。 それに優希が「がんばれよー」と笑い、まこが「何時も迷惑かけるの」と苦笑している。 咲も和も、困ったように顔を見合わせ、微笑みあうだけだ。 この光景で、誰も困る人はいない。 須賀君も、まこも、優希も、和も、咲も。 そして、私も。 最高の幸せだ。 この関係が崩れないということ。 私の夢を叶える、誰も不幸にならない。 そうして今、全国の舞台に立つことが出来ている。 それも全て私の仲間たち。 彼女たち……そして、彼だ。 県大会に参加できるようにしてくれた須賀君。 本気の文句も言わず私たちのために汗を流してくれる須賀君。 私たちの現在を支えてくれる須賀君。 須賀君との出会いを私は思い出す。 京太郎『カモ連れてきたぞー』 そう言って最後のメンバーになった咲を連れてきた彼。 当初、何処までも初心者であるあの子に麻雀を教えていたのは私。 彼の人となりに身近に接する機会が多かったのは、咲に続いて私だ。 咲には及ばないけど、彼を一番に知るのは私だ。 ふふん、と笑いたくなるのは少し抑える。 地下鉄を利用し、会場へ。 抽選会のため、他の県代表の部長たちと共に並んで待機する。 ふと、目があった。 須賀君が観客席に座っているのが見える。 京太郎「行けー!清澄ー!!」 と、そんな声。 周りの部長が私をちらりと見た。 96 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/02(水) 21 48 48.27 ID WkIFPeFoo [4/6] 『女子大会なのに男子部員?』 そんな視線だ。 思わず、吹き出す。 ああまったく、やっぱり彼は良い。 退屈しない子だ。 そうして、抽選会が終わる。 私は皆と合流して、口を開いた。 久「じゃ、明日はよろしく!須賀君、朝の通りお仕事よー」 京太郎「うーっす……」 がっくりと肩を落とす須賀君。 私はからからと笑い、彼の腕を引く。 びくり。 そう反応したのが、すぐにも分かった。 私が笑う。 須賀君は少しだけ顔を赤くして、私に手を引かれるままになっている。 だけど、彼は男の子。 こういったのはやっぱり恥ずかしいんだろう。 でもこうした部分が、可愛いんだけれど。 久「さて、須賀君。命令があるのだけれど」 京太郎「へへぇ、何でごぜぇましょうかお代官様」 へへー。 そんな芝居がかったような返事。 諦めた様子というより、私に対する意識の変え方。 咲や優希ならば軽く、からかうように。 和やまこには真正面からしっかりと受け答えるように。 私には、こうして少しのジョークを交えた芝居がかった対応で。 私だけの特別。 フレンドリーに付き合える、そう思ってくれてるからこそだ。 だから、私はその距離を縮めるつもり。 彼を困らせるように腕を組み、微笑みかけた。 この時間。 それを奪われることは不愉快だと、今は気づかぬ思考を奥底に抱えながら。 【※魔性型は一線越え、または他女子とのレベル3が存在した時……】 105 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/02(水) 22 23 21.83 ID WkIFPeFoo [5/6] ――――部長と合流して向かうスーパー。 俺が買い物籠を持ち、部長に続いて増えつつある買い物を見る。 ペン、紙、テープ、携帯保存食料。 部費じゃなくて部長の実費での買い物だから、個人的な用品だろう。 意外とずっしり。 男の俺でも結構重いと感じるくらいだ。 なるほど、今日の雑用依頼というのは必須だ。 でもこれくらいなら、言ってくれれば普通に手伝えるのに。 そう部長に言ってみよう、そう思ったが、ふと気づく。 部長の髪型。 何時もの流した髪型じゃない、部長が試合の時にしかしないおさげ髪。 こうして見ると新鮮なものだと俺は思う。 白いうなじ。 良く、親父が『女は後ろ姿が良い子がいい』とか言っては母さんに殴られてたが、それが少し分かる気がする。 新鮮さもあるけど、なんというか。 色気、という奴だろうか。 エロじゃなくてエロスというか、もっと高尚なものだ。 そんなことをだらしない顔で考えているとふにょんとぶつかる。 固まって、視線を下に。 こちらを見上げる部長の姿が、俺の前にあった。 わぁい、やわらかーい。 久「須~賀~君~?」 京太郎「」 笑顔の部長。 “ふにょん”で怒ってるんですか?あ、はいそうですか。 久「須賀君、私の胸の柔らかさに対して自分で雑用増量ね」 京太郎「はい……」 ………許してくれるレベルって、どんくらい仕事するべきなんだろうか? 112 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/02(水) 22 40 44.58 ID WkIFPeFoo [6/6] 久「さ、入ってー」 そんなことをうんうんと悩みつつ、ホテルへ。 そのまま俺は部長の部屋へ。 勿論だが、荷物を運ぶためだけだ。 ……別に、本当の部長の家じゃない。 レンタルであるホテルの一室なのになんでこうドキドキとするんだろうか? やっぱりあの“ふにょん”が印象強く残ってるせいか? いやいや、俺だってそんな単純な男じゃ……。 久「あー疲れた!」 京太郎「ブッ!?」 ベッドに飛び込む部長。 ベッドのスプリングでポン、と体が少し浮いた。 仰向けで、片足を曲げてこちらを見る。 そのアングルが、どうにもやばい。 何がどうとかじゃなく、やばいのだ。 久「んー?どうしたのかしら、須賀君?」 こちらを寝転んだまま見上げる部長。 何処か眠たげな声が俺の耳に届く。 えーと…… えーと、うーんと。 思わず無言の空間。 何を言うべきか、と考える。 腕を組みたいけど組めない。 俺と部長の視線が揃ってる間、この空気をどうにか晴らすべき案を考える。 個室、部長、おさげ、制服、ふにょん、おさげ、おさげ、おさげ、おさげ、パンツ。 ………パンツ? 視線は足へと向かう。 そして少し視線は上に、タイツの下に見える三角の……。 京太郎「………」 久「あら、なんで目を覆うのかしら?」 足を組み替え、そんな声。 ……なんでそんなに挑発的なんですか、部長。 思わずそう嘆くが答えてくれる相手はいない。 言うしかない。 言って、さっさと帰ろう。 そうしようったらそうしよう。 京太郎「部長、見えてます……」 久「ん?」 とぼけた声。 いやもう、本気で勘弁してください…。 久「あ、もしかして見たの?」 京太郎「えーと、その」 久「見たのね?」 京太郎「………はい」 久「へぇ……?それは何を?」 にやり。 そんな風に笑う部長に俺は泣きたくなる。 いじめるのを楽しんでるとしか思えない。 もうこれ逆セクハラなんじゃねーかな。 そんな諦めすら混じった声。 俺が短く、口を開いた。 京太郎「……部長のパンツっす」 久「ふぅ~ん」 京太郎「言ったんだから少しは恥じて隠してくださいよ!?」 久「だるいのと、動きたくないのよ」 疲れたー! そう言ってベッドで転がる。 子供かあんた。 そんな乱暴な物言いになる俺は悪くない。 そう思っていると、差し出される。 何を? 足を。 足を組んだ部長がタイツを穿いた足を、俺に差し出していた。 久「ねぇ、脱がせてくれないかしら?」 京太郎「自分で着替えて下さい!?」 もう俺この人が分からねぇ!! 【8月13日終了→8月14日(朝)に続く】 170 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/04(金) 00 49 53.07 ID Hyu07NMLo [6/6] 【8月14日:朝】 一夜明け、天気はからりと晴れ。 東京の夏本番という熱さが肌を焼く。 俺は手に持ったパンフレットを片手に小さく汗を拭い、息を吐く。 今日から大会開始。 その予定は実に単純なものだ。 14~24日:団体戦 25~27日:個人戦 という、約2週間の長丁場。 清澄……俺の高校も、個人戦に咲と和が参加する。 あの二人が呆気なく終わる、なんてことは想像できるものじゃない。 多分、28日まで大会は続いていくだろう。 京太郎「しっかし部長には参った参った……」 あんなご褒美……じゃなくて尋問。 遊ばれてるのか、楽しげだったあの人にはかなり困ったものだ。 まぁ、昨日のことは昨日のこと。 俺は待機部屋から出ていき、優希のタコスを初めとした買出しへと行く。 前もってここらの地理は把握しているし、もう成れたもんである。 そんなことを思って歩いていると、ふと視線が移動していった。 あれは、制服だろう。 手には赤ペンとファイルを持った女生徒がモニターに集中しているのが目に入った。 片方が巻いたような、特徴的な髪型をしている。 試合を見ていることから選手なんだろうけど……。 やえ「っと」 京太郎「あ」 その時だった。 彼女が持っていた書類が零れ落ちる。 ふわりと、俺の足元へ。 拾い集めている彼女に渡そうと、俺はおれを拾う。 そこにあるのは、個人戦の名簿だ。 京太郎「あの、落としましたよ」 やえ「す、すまないな」 京太郎「いえいえ。……個人戦の選手なんですか?」 少し慌てたように、ほんのりと羞恥からか紅葉した頬。 俺はそれに気づかないように、少し話の方向性を変える。 それに目の前の女性は「ああ」と、大仰に答えた。 194 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/04(金) 10 47 00.38 ID HFUoB/OUo [2/5] やえ「奈良、晩成高校3年。個人の小走やえだ、よろしく」 京太郎「俺は須賀京太郎です。一年で、麻雀部のお手伝いみたいな立ち位置でやってます」 やえ「やはり選手ではない、か。まぁ、女子大会だから当然だったな」 そう苦笑して書類を払う。 なんというか、かっこいい人だ。 自信に満ちているというか、なんというか。 言うならば王者の風格とでも言うべきだろうか。 実力に裏打ちされた自信が、彼女の根底を成している。 例えるなら、派手すぎない龍門渕高校の龍門渕透華さんという感じだろうか。 そんなことを思い出すと、俺は「あっ」と声を漏らす。 京太郎「や、やっべ!?買い物の途中だった!失礼します!!」 やえ「あっ、お、おい!」 慌てて走り出す俺。 小走さんの声が聞こえたような気がしたけど、そんな場合じゃねぇ! やえ「ふむ……須賀君、か……」 【8月14日:昼】 優希「遅いー!タコスは!?」 京太郎「ぜぇ、はぁ……!!」 まこ「ほれ、水でいいかの?」 息荒く俺が帰還。 返ってきたのは優希のタコスをせがむ声と心配そうに水を差し出す染谷先輩。 優希にこんにゃろう、とも思いつつ例を言って水を受け取る。 ああ、美味い。 東京って正直暑すぎるだろ…… 久「ナンパでもしてたのかしら?」 京太郎「ブッフゥ!?」 優希「じぇぇぇぇえ!?」 昼、接触対象を指定してください↓2 258 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/04(金) 23 09 11.74 ID mKgbOrn8o [2/3] 全国大会。 その試合は野球の甲子園と同じで、一つの雀卓によって行われる。 俺たち清澄が所属するBブロック第一回戦。 それはこの大会における一発目の爆弾だ。 中堅での他校飛ばしての勝利。 優希も、染谷先輩も、その3人が全員大爆発した結果だ。 これだけで、今三つのチームが全国から消える。 俺はその様子を清澄の待機室で見ながら、小さく声を漏らしていた。 京太郎「はぁー……緊張した…!」 和「どうして須賀君が緊張するんですか?」 咲「あはは、京ちゃん落ち着かなかったね」 そうは言うけど、部屋の空気は随分と柔らかいものだ。 そう思っていると、足音が聞こえる。 扉が開けば、薄い笑みを顔に貼り付けた部長がそこに居た。 久「先ずは一勝、もぎ取ってきたわ。さ、今日の試合はここまでだから帰るわよー」 まこ「随分と急ぎ足じゃの」 久「帰って他の勝ち抜き校の牌譜チェックしたいのよ」 和「ですね」 咲「あ、じゃあ先にちょっとお手洗い行ってきます!」 京太郎「あ、ちょ待て咲……もういねぇ!」 慌てて走り出す咲。 俺の脳裏に甦るのは何時もの迷子状態だ。 ただトイレに行く女の子を男が追うというのもひじょーにアレであって……。 気づけば、咲が部屋を出てもう10分も過ぎていた。 京太郎「………すいません、ちょっと探してきます」 和「私も手伝います」 優希「私も行くじぇ!」 まこ「ワシも行くかの」 久「じゃ、私はここで咲が帰ってくるか一応待ってるわね」 全員が揃って立ち上がる。 なんとも締まらないものだ。 そんなことで皆が苦笑。 さてさて、さっさと見つけてやろうか。 259 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/04(金) 23 10 19.54 ID mKgbOrn8o [3/3] ―――だけど探すとは言っても、実は簡単だったりする。 あいつは迷子になると右に左にと、角を曲がっていく。 典型的な迷子の原因なのだが、無意識でやってるのが性質悪いものだ。 俺は女子トイレ近くから道をざっと見る。 人ごみは多い。 となると、きっと流されるようにこっちに行ってるはずだ。 京太郎「………見つけた」 発見。 意外とあっさりすぎるものだ。 手を組み、うろうろとしている背中。 笑うのを堪えて、俺は咲の肩を叩いた。 京太郎「見つけたぞ。ったく、またか」 咲「きょ、京ちゃぁ~ん……!」 半泣き状態の咲。 俺は携帯を取り出し、部長に繋げる。 部長から皆にメール送信してくれるそうだ。 俺はそれを受けたら咲へと向き直った。 咲「あ、あああのね京ちゃん。私、また迷子になったんじゃ」 京太郎「“また”って自分で言ってるじゃねーか」 咲「あう」 ぽこん。 軽く小突くと頭を摩る咲。 それに俺は小さく息を吐くと、咲の手を引く。 全く、このポンコツ魔王さんはどうしてこうなんだろうか……。 そう思う俺の手を、咲が少し強く握ったのに、俺は気づかなかった。 【8月14日:夜】 夜。 夕食が終われば自由が出来る。 基本的にミーティングと練習。 それだけなのでやることが無い俺は静かなものだ。 今も部屋では和、優希、染谷先輩、部長が卓を囲んでいる。 俺と咲は静かにその様子を見守っていた。 しかし、熱い。 狭い部屋に6人も集まっているというのもあるだろう。 しかし、冷房を強くすると寒い。 俺は冷蔵庫を開き、飲み物でも出そうかと探ってみたが何もない。 どうせついでだ。 皆の分の飲み物でも買ってくるか。 京太郎「お茶買ってきますけど、注文は?」 久「あ、私りんごジュースで」 まこ「ワシは緑茶がいいのう」 優希「あたしはコーラでいいじょ」 和「紅茶でお願いします」 咲「じゃあ私は―――」 京太郎「お前は俺を手伝え」 咲「ひどっ!?」 俺が何を言ってるんだという顔をする。 それにショックを受けたような、そんな顔をする咲。 というか当たり前だろうが。 手が空いてるのは俺とお前だけ。 むしろこれで休めると思うほうが間違っているというものである。 274 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/05(土) 00 27 54.24 ID TPglUBpoo [2/8] 咲と並んでホテルの廊下を歩く。 会話は無いまま自販機についた。 俺はコインを取り出し、それぞれの注文を買う。 咲に振り返って、俺は尋ねた。 京太郎「咲、お前はどうするんだ?」 咲「あ、うん。お水でいいよ、京ちゃん」 京太郎「水でいいんだな、じゃあこれか」 水を購入し、咲に手渡す。 咲はそれを両手で抱えるように持ち、ふと俺を見た。 なんというか、困ったような、そんな顔だ。 咲「………ありがとね、京ちゃん」 京太郎「ん?何がだ?」 咲「今日、私を見つけてくれて」 京太郎「ああ、そのことか。気にすんなって、もう中学時代で慣れたし」 咲「うん……」 いや、そこでうんと言われても逆に困るんだけどなぁ。 俺は小さく息を吐く。 さっさと戻るぞー。 そう声をかけて。 咲は小さく微笑んで、俺を見た。 うん。 そう答えた、裏側の声。 俺の耳には届かない。 咲「そう……京ちゃんは、私を一人にしない……よね……?」 281 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/05(土) 00 52 37.99 ID TPglUBpoo [4/8] 【8月15日:朝】 ふと視線を動かせば目に入る。 そんな経験は無いだろうか? よくTVで見るCMであったり、広告であったり。 多種多様の注意を引く物が人それぞれにはある。 俺が今日、ホテルの食堂に向かう足で目についたのは片方のドリル。 その俺の視線と、ふとそのドリル髪の持ち主である小走さんと目が合ったのは偶然だった。 やえ「ああ、須賀君だった…か?」 京太郎「どうも、小走さん。小走さんもこのホテルに泊まってたんですね」 やえ「ほどよく、会場に近いからね」 席、失礼しても? そう問いかけると、構わないよ、と返される。 俺はその言葉を受けるとそのまま小走さんの対面に座る。 何を話そうか? そう思ったのだが、やっぱりこういう時の会話は麻雀が一番だろう。 別に話さなくてもいい、とかもあるがそれはそれでアレだ。 間が持たないだろう。 会話の切り出しは俺。 少なくとも、静かすぎるよりは十分マシ。 それくらいには会話が出た。 奈良の代表。 そこも清澄と同じように5人ぎりぎりだとか、今日一回戦があるだとか。 やっぱり、そういうどきどきというものは何処も同じだ。 京太郎「まぁ、ウチも負けませんよ」 やえ「それは楽しみだな、須賀君」 341 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/05(土) 20 49 43.05 ID gmHgiAquo [1/3] 【8月15日:昼】 昼、ホテルに戻った俺が部屋でネット麻雀をしていた時。 部屋をノックする音が聞こえた。 なんだ、と思いつつ俺はドアを開く。 見れば、そこには見覚えある姿があった。 そうだ、今日の試合は見所だけはもう見て、先に帰った……… 久「あ、ごめんねー須賀君」 京太郎「ぶ、部長ぉ!?」 そこには、片手に小さい鞄を持った部長の姿。 時間的に昼、昼食の誘いだろうか? そう俺は思っていると、部長は「あっはっはー」と、何処か困ったように笑っていた。 久「ごめんねー須賀君、ちょっとお風呂貸してくれないかしら?」 京太郎「……はい?」 俺の隣は部長の部屋。 何があったと聞けば、ちょっと来てと言われてしまった。 ドアを開き、見る。 そこには一面、紙、紙、紙、紙。 壁や床に張られ、置かれた紙……牌譜の数々。 うわぁ。 そう俺が思わず声に出すほど、何処か狂気的な光景だ。 見れば、部屋の隅。 そこに水のボトルと人が座っていたような小さな空間がある。 失礼して、俺は浴室を見る。 ………そこにも、無数の牌譜。 俺の頬が引きつくのが分かった。 振り返れば、後ろ手で部屋の扉を閉じる部長の姿。 にこりと、微笑んだ。 ゙l ゙l ゙l ゙l ゙l ゙l ゙l ゙l ゙l ; ゙l ゙l ゙l i ゙l ゙| ゙l `、 イ i ゙l l| ゙| ヽ. ,,、 / ゙l lll ゙l `、ヽ、 / ヽ | || ト `、 `ヽ、 / `、 | |ト | `、 `-、 / `、 | | | `、 ヽ、 `ヽ、..._ ,, 爪 ヽ | / ` 、_  ゙̄`'ー‐‐---------ゥ-‐'' / / ;/, ;;;;;;`、;;ノノ `、 `ー--、......____,,,....,、、‐'' ,/ / / /二,,,、、_z `、 ,,,/ ク // ゙l |ト ハ `、 ,,,// ;" ;;/ / 人 ハ `、 ヽ ,,,,,,,, ∠ニニ=== _ク/ Y \ `、 `ヽ、,,,,,,,, ,,,,,,/ / ハ / 375 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/06(日) 00 14 20.72 ID iBHONMC3o [1/19] 京太郎「何をどーしたらこうなるんですかぁぁぁぁぁ!?」 久「いやー、昨日から熱入っちゃってねー」 部屋の惨状に俺が悲鳴を上げる。 この人、天井にまで張ってるよ! その労力と見合うだけの見易さはないよこれ! こうやってするんだったらファイリングした方がマシだよ本当に! 俺は真っ先に風呂場に突入。 散らばっている牌譜をかき集める。 見れば見るほど、色々な名前が多い。 って、これは……。 京太郎「あ、これって……小走さんの…?」 書いてある雀士の名前は小走やえ。 奈良県個人一位、と記されている。 他のも見れば、多くが県代表選手や、代表校のものだ。 咲と和の個人戦にもすでに目を向けているからこそのこのデータ量。 確かに、団体なら多くても20校くらいのデータで済むだろうけど、個人はそれじゃきかない。 部長なりの応援の準備、という奴なのかもしれない。 久「――――ふぅん、知り合いなの?その小走さんと」 京太郎「――――ッ!」 びくり、と体が震える。 後ろから肩に手を置かれ、俺の横に顔を出す。 横を向けば、部長の頬がある。 体勢で言えば抱きつかれてるような、そんな形。 ここがシャワールームという密室であるからこそ妙に色香が香ってくる。 京太郎「………」 ごくり。 そんな、俺の生唾を飲む音が妙に木霊した。 久「………須賀君」 若いのは勢いで。 そんなことを無責任に言う教育者が居た、ような気がする。 今だけは、それに納得しよう。 俺は背中に抱きついたまま、俺の手を握っている。 えてして、俺の手の牌譜を持っているようにも、後ろから抱きしめてるだけにも見える。 そんな光景。 それが俺が置かれた光景だ。 ふわふわとした柔らかさと、部長から漂う女の子の香り。 嫌でも、俺が男であるというのを再確認するだけの空間。 それだけの力を持つ空気が、ここにはあった。 京太郎「牌譜、片付けませんと……」 久「ん、よろしくね」 そっと、部長が離れる。 それに安堵の息を俺は漏らし、牌譜を拾う。 ああ、ドキドキした。 こんなの一生に何度あるかわかりもしないぞ、きっと。 俺はそんなことを思いつつ、ため息をつく。 いやま、部長のことだ。 どうせからかってるだけに違いないけど、俺だって若い。 こういうのはこれっきりにして欲しいくらいだ。 俺が息を吐いて、意識をクリアに。 そうすることで今まで妨害されてたような情報もはっきりと認識できるようになる。 そう。 例えば。 後ろで聞こえる、衣擦れ音とか。 バチンッ、という甲高い音とか。 一瞬で暗くなる俺の意識。 それがスタンガンであるというのに気づかぬまま、俺は長い夜を迎える。 目覚めた時、もう、何も言い逃れできないという刷り込みをなされて。 【END――秘密共有】
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3405.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1386284559/ 京太郎「ので、思わずレイプしてしまった…」 和「あ、…う…」ドロ 京太郎「とりあえず、和の痴態を写真と動画に収めて」 京太郎「最後にパイズリして、帰ろう」 ずりずりっ どびゅ 和「……」 次の日 和「…」ギロ 京太郎(睨んでる睨んでる。というか、よく学校に来れたな) 優希「の、のどちゃん。顔がめっちゃ怖いじぇ…」 咲「あう…」 久「どうかしたの、和? 須賀くん、何か知ってる…?」ヒソヒソ 京太郎「いやー、わかんないっす」 和「はやく部活を始めましょう…。あと須賀くんにはあとで話があるので」 部活後 和「…須賀くん。なんであんなことしたんですかっ」 京太郎「和の乳がおれを誘うから…」 和「意味がわかりません…、もういいです。全国前に騒ぎにしたくありません」 京太郎「ふーん、つまり和になにしても許されるってことか?」 和「どうして、そうなるんですかっ」 京太郎「こうやって、後ろから抱きしめて…。和の乳を味わいながら…」ギュ 和「ちょっ…触らないでくだ…、ひっ!」 むにゅむにゅ…たぷん ずり…ずり… 京太郎「チンコを和のお尻に擦り付けても許されるわけだ…。おふ」ゴシゴシ 和(スカート越しに、硬いのが…) ずりっずりっ むにゅ…もみ… 京太郎「和の乳と布越しのお尻の感触が…っ」 和「…っ、ぁ…ひ、また大きく…」タプ 京太郎「……ーー」ドビュルルドビュビル 和「……」ベチャ どぷっどぷ… ぐちゃあ… 京太郎「あー…、いいのか和?スカートが精子漬けになるまで染み込むぞ?」ギュ 和「……ぁ」ボー 京太郎「夢の世界に逃避しちまってるな。いまの内にもう一発…、今度は前から」ギュ 和(お尻…なんだか、変なのが粘り付いてる…) 京太郎「はやく起きないと、スカートが使い物にならなくなるぞー?」ニヤニヤ どびゅるるるっ… ぐちゃ…どろっ… 和「……ーーえ?」ムク 京太郎「ふー、今日はこれくらいでいいか?」 和「あ、…なにこれ…っ」グチ ネバッ 京太郎「和が起きるの遅いから…、ポケットの中にも射精しちまった。確認してみな」 和「……ああ」スッ グチョグチョ 和「……ーーっ」ポロポロ 京太郎「じゃあ、おれは帰るから。あと明日はそのスカート履いて来いよ?」ニヤ ガチャ バタン 和「さき、さん…。ごめんなさい…。わたし…」ポタポタ 放課後 京太郎「和、ちゃんと昨日のスカート履いてきたか?」 和「…来るわけないでしょう。一晩であんなの乾きません。麻雀も弱ければ、そんなことも分からないんですか?」 京太郎「…なんか、元気になったなー」 和「……」ギロ 京太郎「精液まみれでも履いて来ることくらい出来たろ?これはお仕置きだな」 京太郎「またスカートを精子漬けにするか…」 和「!や、やめてくださいっ。服はもう駄目です!…あのスカートも染みになるくらいなのに…」 京太郎「じゃあ、今度は和の身体で受けるか?」 京太郎「確かにこのペースで制服を汚されたら、学校に何も着てこれないな。そうだ、全裸で登校してみるか?」 和「…わかりましたから、制服はもうやめてください」 京太郎「じゃあ、和…。あーん、してみ?いいもの咥えさせてやるから」ボロン 和「はい……んむっ」 京太郎「おぉう…和の口の中はやっぱり最高だぜ!」 じゅぷじゅっぽちゅぱっ ちゅぱちゅぷ 和「───っ!」 京太郎「もう行きそうだ…顔に出すぞ。和ぁ!」 じゅっぷじゅっぷじゅる ちゅぱじゅぱっ どぴゅっどぴゅぴゅる パシャ!パシャ! 和「!……なにを!」 京太郎「もし俺たちのことを親とか教師にバラしてみろ」 京太郎「これを学校中にバラ撒くからな?」 和「っ……本当にゲスですねあなたは……!」 京太郎「ゲスで結構。ほら尻突き出せよ。こっちはまだ全然満足してないんだ」 和「ひどい……!ひどすぎます……!」グス ……… …… … こうして和は京太郎のいいなりオナペットと化したとさ めでたしめでたし
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/2255.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1382268880/ 優希「えっ」 咲「へっ?」 和「はい?」 まこ「ほぉ……」 久「ぷふっ!」 優希「……えっと、京太郎?」 京太郎「だからなんだよ優希」 優希「今変な事言わなかったか?」 京太郎「変って何が」 優希「いや、だから……私があなたって言ったらその」 京太郎「ああ、ハニーって言ったな」 優希「そ、それだじぇ、それ!な、なんでいきなりそんな事……」 京太郎「なんでって……」グッ 優希(か、顔近っ……!?) 京太郎「考えたんだよ。お前が俺をそこまで旦那扱いするなら俺もちゃんと応えてやらないといけないんじゃないかなってさ……」 優希「あ、あうあう……!」 咲「あわわわ、京ちゃんが壊れた……」 和「極端な気もしますが……ゆーき、よかったですね」 まこ「まさか京太郎がのぉ……」 久「くっ、ふふっ……!」プルプル 京太郎「優希、いやハニー……」 優希「わ、わわわわ……ダ、ダメー!」ドンッ! 京太郎「おわっ!?」ドサッ 優希「あっ、ご、ごめ……うううう……!」 京太郎「優希……」 優希「うわあああああああ!!」ダッ! 和「あっ、ゆーき!どこに行くんですか!?」 優希「今日はもう帰るじぇー!」 バタンッ! 京太郎「……行っちまったか。すいません、お騒がせしました」 まこ「いや、仲がいいんはええ事ではあるんじゃが、あれはちぃと一足飛びすぎやせんか……?」 久「ぷっ、くくっ……!」バンバン! 和「あの、部長はなんで笑いをこらえながらロッカーを叩いてるんですか……?」 咲「きょ、京ちゃんそれにしても大胆だったね……私ビックリしちゃったよ」 京太郎「いやー、つい悪ノリしちまった。まあ、だけどこれであいつも少しはおとなしくなるだろ。 いつもいつも人をからかってくる罰にはまだまだ足りないけどな!」 咲「えっ?」 和「ま、まさか須賀君……」 まこ「今んは全部……」 久「ふうっ、くくっ、ひっ……!」 京太郎「それにしてもさすが部長ですね!相談して正解でしたよ、本当に」 まこ「あんたの仕業かぁ!!」 久「だって、まさか本当に言うとは、ぷっ、思わないじゃない……あははははは!もうダメ、我慢できない……!」 京太郎「えっ、部長、まさか俺を騙したんですか!?」 咲「いや、普通に気付こうよ京ちゃん……」 和「たぶん、逆効果ですよあれ……」 京太郎「……ど、どうしよう」 咲「知らないよ」 和「責任はとってあげてくださいね」 まこ「まあ、諦めんさい」 久「ダメ、笑いすぎて、息できなっ……!」ブルブル まこ「あんたはいつまで笑っとるんじゃ!」 ――翌日 京太郎「どうしよう……」 京太郎(ああ言えば優希がおとなしくなるって言うからその通りにしたのに……) 京太郎「もしあれを優希が本気にしてて嘘だってバレたら……多めにタコス作らされるだけですむのか……?」 京太郎「うああ!マジでどうすりゃいいんだー!」 優希「あっ……」 京太郎(なっ、優希!?いつもならかち合わないのに何で今日に限って!) 優希「お、おはようだじぇ!」 京太郎「お、おう……」 優希「きょ、今日もいい天気だな!」 京太郎「そ、そうだな」 京太郎(曇ってるけどそれ言ったら絶対ろくな事にならないよな……) 優希「い、一緒に学校行くじぇ」モジモジ 京太郎「あ、ああ」 京太郎(確かにいつもよりはおとなしいけどよ……俺が望んでたのはこんな空気じゃないんだって!) 優希「な、なあ京太郎?」 京太郎「な、なんだよ」 優希「昨日は、その……ごめんだじょ」 京太郎「昨日……?」 優希「恥ずかしかったからって突き飛ばしたりして……」 京太郎「あ、あーあー、その事か」 優希「だ、だから……今日はちゃんと家を出る前に覚悟してきたじぇ!」 京太郎「覚悟って……」 優希「んっ」 京太郎「」 京太郎(あのー、優希さん?なんであなたは目を閉じて顔を上向きにしてるんでしょうか?) 優希「……」プルプル 京太郎「えっと、あの優希……」 優希「ま、まだなのか京太郎ぅ……こうしてるのすごい恥ずかしいんだじぇ……」 京太郎(そんな事言われても、さすがに冗談でキスしちゃうのは……) 優希「ううー……昨日はそっちからしようとしたくせに……」 京太郎「そ、それはだな……!」 京太郎(やばい、何がやばいかはよくわからんけどとにかくやばい!このままだと間違いなく流される!) 優希「京太郎ぅ……」ウルウル 京太郎(優希の事は嫌いじゃないけど、それはあくまで友達としてであって そういう目で見たことはないし、いや、確かに今の優希はけっこう可愛……ってだからそういう事考えたら流されるっつうの!) 優希「こ、このヘタレ……もういい、私からやってやる!」グイッ! 京太郎「えっ、ちょっと待て優……!」 咲「京ちゃん、優希ちゃんおはよー!」 京太郎「おわっ!」 優希「あっ……!」 咲「あれ、もしかしてお邪魔だったかな……?」 京太郎(そんな事ない、そんな事はないぞ咲!グッジョブだ、マジ助かった!) 優希「……」 京太郎「あー、優希。俺が言えた義理じゃないけどこう人の目もあるわけだし、もう少し落ち着こうぜ、な?」 優希「……わかったじぇ」 京太郎「ほっ……」 京太郎(なんとか危機は脱したか) 優希「先、行ってるじぇ」パタパタ 京太郎「おぉ、また後でなー」 咲「京ちゃん……」 京太郎「うっ、そんな目で見るなよ」 咲「女の子の心を弄んだ京ちゃんにそんな情けは無用だよ」 京太郎「俺だってまさかこんな事になるなんて思わなかったんだよ……」 咲「早く全部言えばいいのに。今ならまだ優希ちゃんの傷は浅くてすむんだよ?」 京太郎「それはそうかもしれないけどさ……」 咲「だいたいなんであんな事したの?」 京太郎「……俺はただ優希が変にからかってこなくなればそれでよかったんだよ。まさかあいつがあんな……」 咲「でもあの反応でわかったでしょ。あれは優希ちゃんなりのアピールだったんだって」 京太郎「だから困ってるんだろ……」 咲「言っておくけど私は話は聞いても助けないからね。全部京ちゃんがまいた種なんだから自分でなんとかしなよ」 京太郎「わかってるよ……」 ――清澄高校・下駄箱 京太郎「んっ……?」 京太郎(なんだこれ、袋が……) 京太郎「タコス……」 咲「どうしたの京ちゃん」 京太郎「下駄箱にタコスの入った袋があった……」カサッ 咲「あっ、何か落ちたよ」 京太郎「メモか……何々」 〔朝渡せなかったから私が心をこめて作ったタコスはここに入れておく! お昼休みになったら屋上に集合だからな!絶対に来るんだぞ! 優希より〕 京太郎「……」 咲「愛されてるね」 京太郎「あいつ……」 咲「ちゃんと行ってあげなよ?私は和ちゃんとお昼にするから」 京太郎「……」 ――お昼休み・屋上 京太郎「はあ……よし」 ギィィ 優希「こっちだじぇー!」 京太郎「んな大きな声出さなくても聞こえてるっつうの……」 京太郎(でも朝に比べたら落ち着いてるみたいだな) 優希「ふふん、ちゃんと私からのプレゼントは受け取ったみたいだな京太郎!」 京太郎「そりゃさすがに気付くって。ああ、そうだ……ほら」 優希「タコス?」 京太郎「一応俺も作ってきたからさ」 京太郎(まあ、お詫びって意味が大きいんだけど……) 優希「あ、ありがとうな!」 京太郎「お互い様だろ。それより早く食べようぜ」 優希「そうだな!」 京太郎「……」モグモグ 優希「……」チラッ 京太郎「……」モグモグ 京太郎(うーん、やっぱりタコスに関してはまだまだ優希には遠く及ばないな。どうすりゃこんなに美味く作れるんだか……んっ?) 優希「……」ジー 京太郎「どうした優希?」 優希「えっ、あっ!?な、なんでもない!」 京太郎「なんでもないって事はないだろ。そんなに見てきてるんだから何か言いたい事があるんだろ?」 優希「うっ……それじゃあ、ちょっと聞くけど……美味しいか?」 京太郎「はっ?」 優希「だから!私が作ってきたそのタコス、美味しいかって聞いてるんだじょ!」 京太郎「いや、まあ……美味いけど」 優希「ほ、本当か!?」 京太郎「こんな事で嘘ついたってしょうがないだろうが」 優希「そ、そっか……なら、いいんだじぇ」 京太郎「正直俺が作ったのより全然美味いと思うしな。俺もまだまだ修行が足りないって事か」 優希「えっ」 京太郎「んっ?」 優希「それは、言いすぎだと思うじょ。私は京太郎の作ったこのタコスの方が美味しいと思うし……」 京太郎「いや、それはないだろ。優希の作ったタコスの方が美味しいって」 優希「いいや、タコスに関しては私の意見の方が正しい!京太郎の作ったタコスの方が美味しい!」 京太郎「おいおい、謙遜も過ぎたら嫌みだぞ?」 優希「それはこっちのセリフだじぇ!」 京太郎「だったら今俺が食ってるお前が作ったタコス食ってみろよ!それならわかるだろ!」 優希「おぉ、望むところだ!ほら口を開け京太郎!」 京太郎「んぐっ……」 優希「もがっ……」 京太郎「……」モグモグ 優希「……」モグモグ 京太郎「……」モグモグ 優希「……」モグモグ 京太郎(……あれ、なんだこの状況。なんで俺達お互いに持ってたタコス相手に食べさせてるんだ?) 優希(あ、あああああ!はか、図らずも食べさせっこをしてしまったじぇ……!) 京太郎(つうか、これって……) 優希(しかもしかも、かかかん、かん、間接キスまで、しちゃってる……) 京太郎(あっ、優希の奴顔がどんどん赤くなって……) 優希(ど、どうしようどうしようどうしよう!今さら食べるのはやめられないし、 なんだかずっとこうしていたい気もするし……ああ!もう調子狂いすぎておかしくなりそうだじぇ……) 京太郎(おいおい、そんな目するなよ。まるで俺がいじめてるみたいじゃないか…… だけど不思議だな、なんかもう少しでいいからこうしてたい気分だ……) 京太郎「……」モグモグ 優希「……」モグモグ 京太郎「……」 優希「……」 京太郎(結局全部食っちまったよ……どうしようこれ) 優希(うあああ、京太郎の顔、まともに見られないじぇ……) 京太郎「……優希」 優希「じょ!?な、ななななんでしょうか!?」 京太郎「なんだその似合わない敬語は……いや、そのどうだった?」 優希「ど、どうだったって……は、恥ずかしかったじぇ」 京太郎「そうじゃなくて!元々どっちのタコスが美味いか決めるために食べさせあいしてたんだろ……」 優希「……あっ」 優希(わ、忘れてたじぇ……な、なんて言ったらいいんだ……あれ?) 京太郎「やっぱり忘れてたか……まあ、ぶっちゃけ俺もそれどころじゃなかったしな……」 優希(京太郎の口元にソース……)スッ 京太郎「しょうがない、今日のところはひとまず引き分けって事で手を――」 優希「ん……」ペロッ 京太郎「……」 優希「あ」 京太郎「優希、おま……」 優希「あ、あああああ……!」 京太郎「おい優希どこに……」 優希「うわあああああああああ!!」 バァン!パタパタパタパタ…… 京太郎「……」 京太郎(また逃げやがった……いや、あいつがしなきゃむしろ逃げてたの俺か?) 京太郎「ああ、くそっ……反則だろ、あれは……」 咲「きょ、京ちゃん、何かあったの!?今優希ちゃんがすごいスピードで走っていったんだけど……」 京太郎「咲……俺、俺……」 咲「京ちゃん?」 京太郎「――このままじゃ、優希に落とされるかもしれない……」 咲「……心配して損したよ」 優希「うあああああああああ!!」 優希(やっちゃった、やっちゃったやっちゃった!京太郎から 何もしてこない限りああいう事はこっちからしてやらないって朝決めたのに!) 和「ゆ、ゆーき!?こら、廊下は走ったら……」 優希「……」キキィィ!! 和「ゆーき……?」 優希「のどちゃーん!」ガバッ 和「ど、どうかしたんですか?」 優希「嬉しいのに、こんな日が来るの夢だったのに!京太郎と両想いになったら違う意味で苦しくなっちゃったじぇ……!」 和「それは、また……」 優希「いつもみたいに振る舞おうって思ってるのに、 どうしても抑えが効かないんだ……ぐすっ、私どうしたらいいの、のどちゃん……」 和「そうですね、どうしたものでしょうか……」ナデナデ 優希「ひっく、ひっく……」 ――部室 まこ「は?」 久「だーかーらー、あの2人近々くっつくって言ったのよ」 まこ「あんなぁ……いくら自分が言うた事の責任取りたくないっちゅうてもそれはないじゃろうが」 久「あら、むしろ私の方が不思議だわ」 まこ「何がじゃ」 久「まこはどうしてあの2人が結ばれないって思うのかが」 まこ「そんなん、優希に対するいつもの京太郎の態度を見てれば……」 久「逆よ逆」 まこ「逆ぅ?」 久「須賀君みたいなタイプはね、ガンガン来られるとつい退いちゃって、 弱さを見せた子はとことん甘やかす傾向にあるのよ。前にあの子が妄想してるの聞いた事あるけど、 おとなしすぎて男子としてはどうなのって思ったくらいだもの」 まこ「……そんで?」 久「一方の優希は自分のペースを崩されるとすごく弱いのに意地っ張りなものだから それを見せようとしない。まるで東場みたいに自分のペースが続くとやりすぎなくらいガンガンいけるのに、 一度崩れるとまず同じように出来なくなるしね」 まこ「ふむ……」 久「須賀君はガンガン来る優希しか知らないし、優希は弱さを見せたくないから それでしか須賀君へアピールが出来ない……このやり方じゃ高校卒業まで頑張っても付き合えるかどうか…… だからまずそこを壊させてもらったわ」 まこ「なるほどのう……」 久「でもまさかここまでスムーズに進むとは思わなかったわ。もしかしたら須賀君も案外憎からず思ってたのかも」 まこ「なぁ、なんでそこまでしたんじゃ?」 久「へっ?」 まこ「確かにあいつらは大事な後輩じゃが……あんたがそこまでする必要が本当にあったんか?」 久「……ねぇ、まこ」 まこ「んっ?」 久「不思議に思わなかった?なんでインターミドルチャンプの和がこんな麻雀部のないところに来たのか」 まこ「そういえばそうじゃな……」 久「優希が行くから」 まこ「は?」 久「親友である優希が清澄に行くから、一緒に来たんですって。 つまり和をこの麻雀部に導いたのは優希だと言っても過言じゃないわ」 まこ「……まさか、あんたぁ」 久「そして咲を麻雀部に連れてきたのは須賀君……これは、私なりの恩返しなの。 最後の最後、私に最高の夢を見せてくれたあの子達へのね」 まこ「そう、か……部長」 久「なにかしら?」 まこ「あんたは本当に……食えん女じゃ」 久「ふふっ、今さらじゃない?そんなのまこはよく知ってるでしょう」 ――放課後 京太郎「はあ……」 京太郎(調子狂いっぱなしだなあ……いつもみたいに騒がしくしてるなら俺もいつもみたいに返せるのに) 咲「京ちゃん?部活行かないの?」 京太郎「んっ、ああ……今行く」 京太郎(おとなしいあいつってあんなに小さくて、ちょっと乱暴にしたら壊れちまいそうで……それに……) 咲「あっ、京ちゃん前!」 京太郎「えっ……うわっ!?」 優希「きゃうっ!?」 京太郎「あっ、優希……」 優希「京太郎……」 和「ゆーき、大丈夫ですか!?」 優希「あっ、うん、だ、大丈夫だじぇ……あいたっ!?」 咲「優希ちゃん、大丈夫!?」 優希「あはは、ちょっと痛いかも……」 京太郎「わ、悪い!ほら、保健室行こうぜ!」 優希「えっ……」 京太郎「なにしてんだ、早く背中に乗れって!」 優希「う、うん……」 京太郎「ちゃんと掴まったか?よし、行くぞ!」 優希「きゃっ……!」 京太郎「あっ、痛かったか?」 優希「ちょ、ちょっとビックリしただけだじぇ……」 京太郎「無理はしなくていいからな?痛かったらすぐに言えよ」スタスタ 優希「わ、わかったじぇ……」 咲「……置いてかれちゃったね」 和「ですね……部長達には、2人は早退だと言っておきましょうか」 咲「そうだね」 京太郎「……」 優希「……」 京太郎(うーん、まさか部室から追い返されるとは思わなかった……みんな揃ってニヤニヤしてるし……) 優希(京太郎の背中大きいな……なんか安心するじぇ……)スリスリ 京太郎「……」 京太郎(ところでなんで優希は人の背中に頬擦りしてんだろう……正直くすぐったいんだが) 優希「京太郎……」スリスリ 京太郎(……でも嫌ではないんだよなあ。はあ、本当に俺数日どころか今日中に落ちちまいそうだ……) 優希(京太郎、なんか考え込んでるけど今何考えてるんだ?私の事だったりしたら嬉しいんだけど……まさかな) 京太郎「着いたぜ優希、降りられるか?」 優希「よっと……ちょっと腕貸してほしいじぇ」 京太郎「これでいいか?」 優希「問題ない、じぇ……っとと」 京太郎「あんまり無茶はするなよ?今日はおとなしく安静にしておけ」 優希「わかってるじぇ」 京太郎「じゃあ俺帰るわ。また明日……ああ、朝迎えに来るから準備はちゃんとしとけよ」 優希「行きもおんぶで行くのか?」 京太郎「そのつもりだけど……問題あるか?」 優希「んーん、ちょっとした確認だじぇ」 京太郎「そうか、じゃあ今度こそまた明日な」 優希「おー、気をつけてなー」 京太郎「はいはい……」 優希「……あっ!やっぱり待て京太郎!」 京太郎「ん?」 優希「忘れ物だじぇ」 京太郎「忘れ物?何か忘れたっけか?」 優希「とっても大切なものをな」 京太郎「なんだ?荷物はちゃんと――」 . 優希「――好きだじぇ、京太郎!」 . 京太郎「……」 優希「あははは、そういえばこれ言ってなかったし言われてなかったなと思ってな…… 京太郎はヘタレだから私からこうして言ってやったじぇ!」 京太郎(ああ……) 優希「ほ、本当ならこういうのは京太郎から言わないといけないんだじぇ!」 京太郎(俺、間違ってたわ) 優希「い、いつまで黙ってるんだ……こういう時はそっちも返すのが筋ってものだと思うじょ!」 京太郎(俺は……) 優希「……きょ、京太郎?なんで無視するんだ?もしかして私の事、好きじゃなかったのか?昨日のも全部冗談とか――」 京太郎「優希」グイッ 優希「んっ……!?」 京太郎(――俺はとっくに落ちてたみたいだ。この普段は騒がしいくせに、 同時にどうしようもないくらい弱々しくて可愛いタコス娘に) ――翌日・部室 咲「……」 和「……」 まこ「……」 久「……」 優希「ねぇねぇ、あなたー」 京太郎「なんだよ優希」 優希「むっ、一昨日みたいにハニーって返してくれないのか?」 京太郎「勘弁してくれ。やっぱりあんなの俺らしくなさすぎる」 優希「私はあんな京太郎も嫌いじゃなかったけどなー……本心からだったらもっとよかったけど」 京太郎「だからそれは悪かったって!今はその、本気なんだからいいだろ別に」 優希「んー……まあ、許してやろう!今こうして甘やかしてくれるしな!」 京太郎「それはそれは、ありがとうございます……」 優希「うむ、苦しゅうない!」 久「……ねぇ」 まこ「なんじゃ」 久「あの騒ぎがあったのいつだったかしら」 和「一昨日です」 久「そうよね、そのはずよね」 咲「はい……」 久「1日で様変わりし過ぎだと思うのは私の気のせいかしら?」 まこ「……それはおそらくあのバカップル以外みんな思っとる事じゃろうな」 咲「京ちゃん、すごくデレデレしてますね」 和「ゆーきもです……」 優希「あっ、そうだ京太郎」 京太郎「どうした?」 優希「昨日どっちのタコスが美味しいか決めようとしたよな?」 京太郎「そういえばそうだったな」 優希「私、あれの答えがわかったんだじぇ!」 京太郎「へぇ、そりゃ気になるな。どんな答えだったんだ?」 優希「それはな……私にとって一番美味しいのは京太郎のタコスで、 京太郎にとって一番美味しいのは私のタコスだったんだじぇ!」 京太郎「ほう、その心は?」 優希「大好きな人の手料理が一番だって事だじぇ!」 京太郎「なるほど、そういう事だったのか!さすが優希!」ナデナデ、ワシャワシャ 優希「うー、くすぐったいじぇー」 京太郎「んな事言っても嬉しいくせに」 優希「バレたか」 京太郎「バレバレだ」 優希「あははは!」 京太郎「はははは!」 まこ「……なあ」 久「……」 咲「……」 和「……」 まこ「いつになったら、部活始められるんじゃろうなあ……」 久「……なんか、ごめんなさい」 咲「私もすいません……」 和「……はあ」 優希「京太郎!」 京太郎「なんだー?」 優希「だーい好きだじぇ!」 京太郎「……俺も大好きだ優希」 優希「えへへ、これからもよろしくな!あ・な・た♪」 ――カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/2263.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1360412188/ --某月某日・清澄高校-- 優希「んー……今日もいい天気だじぇ」 京太郎「えーっと、この配牌の時に真っ先に切るべきなのは……」 優希「おっ、京太郎だ。 弱いなりに勉強してるんだな、感心感心……おーい京太郎ー!」 京太郎「ん? あぁ、おはよう優希ちゃん」 優希「おう! おはよう……」 優希「!?」 京太郎「ちょうど良かった。 なあなあ、この問題ってどう解いたらいいのかわかるか?」 優希「……」 京太郎「優希? おーい、どうしたー?」 優希「ふぇ!? あっ、ああ、これはたぶんだな……」 京太郎「なるほどね……いや、助かったぜ優希」 優希「う、うん……な、なあ京太郎?」 京太郎「なんだ?」 優希「さ、さっき私の事『優希ちゃん』って呼ばなかった?」 京太郎「え? いや、普通に優希って呼んでたと思うけど」 優希「そう……だったら、いいんだじぇ」 優希(気のせいだったのか……) 京太郎「……」 --同時刻-- 咲「ふぁ……夜中まで本読んじゃったから眠いなー……」 咲「ううっ、このままだと歩きながら眠っちゃいそうだよ……」 和「……」 咲「あっ、和ちゃんだ……お話しながら行けば少しは眠気も覚めるかな……おーい、和ちゃーん」 和「!?」 咲「えへへ、おはよー、和ちゃん」 和「しゃ、しゃきしゃん、お、おはようございましゅ!」 咲「……えっ」 和「~~~~!!」プルプル…… 咲「の、和ちゃん……?」アセアセ 和「す、すいません、ちょっと舌をかんでしまいました……」 咲「だ、大丈夫なのそれ!?」 和「だ、大丈夫です……」 咲「本当に? ちょっと見せてみて……」ズイッ 和「!!」ズザザッ! 咲「えっ、和ちゃん……」 和「だ、大丈夫です! 本当に大丈夫ですから!」タタッ 咲「あっ……」 咲(行っちゃった……私なにかしちゃったのかなあ……) ---- 優希(朝のあれが気になって授業に集中できなかったじぇ……) 優希(京太郎はあの後いつもみたいに呼び捨てだったし、やっぱり私の気のせいだったのか?) 優希(でも気のせいならなんでそんな……もしかして私、京太郎にそう呼ばれたいのか?) 優希「よくわかんないじぇ……」 「……それで」 「いや……」 優希「あれ……あそこにいるのって、のどちゃんと京太郎……?」 和「……なら」 京太郎「……言うなって」 和「もう、須賀君……ですよ?」 京太郎「いや、だから違うんだって……」 優希「……仲良さそうだな2人共」ズキッ 優希(……なんか、嫌な気分だじぇ) ---- 咲「はあ……」 咲(朝の和ちゃんの事が気になって頭に何も入らなかったよ……) 咲「お互い名前で呼ぶようになって少しは距離が縮まったと思ったのに……お昼一緒に食べてくれるかな……」 和「あ……」 咲「あっ、和ちゃん……あ、あのね、お昼ご飯一緒に……」 和「す、すいません……ちょっと職員室に呼ばれてるので今日は……」 咲「そう、なんだ……じゃあ、また今度だね」 和「本当にすいません……それでは」タタッ 咲「私、避けられてるのかな……屋上にでも行こう」スタスタ 和「私、なにしてるんでしょう……」 ---- 優希「……」モグ…… 優希(はあ、タコスが全然のどを通らないじぇ……やっぱりさっき見た京太郎とのどちゃんが原因なのかな……) 「あっ、…………ん」 優希(京太郎はやっぱりのどちゃんが好きなのかな……だから私、あんな聞き間違いしたのか? 特別扱いしてほしくて、京太郎なら呼ばないような呼び方をしてほしかったのか?) 「ねぇ、……ちゃん!」 優希(ううう……もう自分で自分がわからないじょ。 私は京太郎にどうしてほしいんだ……) 咲「優希ちゃんってば!」 優希「ひゃあ!? あっ、咲ちゃん……」 咲「もう、ひどいよ優希ちゃん。 あんなに呼んだのに……どうかしたの?」 優希「う、ううん、なんでもないじぇ! 咲ちゃんこそどうかしたのか?」 咲「私達、今からお昼だから一緒に食べないって誘おうと思って。 いいかな?」 優希「私は全然構わないじぇ。 1人より誰かと一緒に食べた方が楽しいしな!」 優希(それに、1人だと変な事ばっかり考えちゃうし……) 咲「よかった! おーい、優希ちゃんもいいってー!」 優希「へっ?」 優希(咲ちゃん、誰かと一緒だったのか……のどちゃんかな? だったらちょっと気まずいじぇ……) 京太郎「おーう! 昼飯買ったらすぐそっち行くわー!」 優希「あ……」 優希(京太郎!? 確かに1人だと変な事考えちゃうから一緒に食べるのは大歓迎だけど、京太郎も来るなんて……) 咲「あっ、京ちゃんも一緒だけどよかったかな?」 優希「別に問題ないけど……あ、あの咲ちゃん、のどちゃんは一緒じゃないのか?」 咲「っ……」 優希「咲ちゃん?」 咲「さ、誘ったんだけど和ちゃん、先生に呼ばれちゃったらしくて……」 優希「そ、そうか」 優希(うう、のどちゃんも気まずいけど京太郎ほどじゃないからいてほしかったのに…… 咲ちゃんと話してれば当然京太郎も入ってくるだろうし、どうすればいいんだ!?) 京太郎「あー、疲れた……待たせたな」 咲「京ちゃん遅いよー」 京太郎「わりいわりい、食堂の激戦区から抜け出すのに手間取ったんだ。 よっ、タコス娘。 相変わらず昼はタコスなんだな?」 優希「ま、まあな!」 優希(ぬぐぐ、人の気も知らないでのほほんとした顔しおって……) 京太郎「あっ、そうだ。 なあ、ゆ…………咲、ちょっと教えてほしいんだけどさ……」 咲「なにかな?」 京太郎「いや、この前やったネト麻の牌譜なんだけどこれで合ってたのかと思って……」 咲「どれどれ……」 優希「……」モグモグ 咲「京ちゃん、なんでここでカンしなかったの? 嶺上牌であがれたかもしれないのに……」 京太郎「いや、嶺上牌でしょっちゅうあがれるのお前くらいだからな?」 優希「……」モグモグ 優希(つまんないじぇ……考えたら京太郎と話す時はいつも私から、 少しはのどちゃんや咲ちゃんみたいに京太郎からも話しかけてくれてもいいじゃないか……) 京太郎「頼りになるのかならないのかはっきりしろよー」クシャクシャ 咲「あ、もう、髪乱れちゃうからクシャクシャしないでよー!」 京太郎「なんだ、咲もおしゃれに気を使うようになったのか」 咲「それどういう意味かな!?」 優希「……」ガツガツ 優希(胸がもやもやする……こんな事ならいつもみたいにちょっかい出してればよかったじぇ……)グスン 京太郎「……」 咲「もう、京ちゃんは本当にデリカシーとか欠けるんだから……」ブツブツ 京太郎「……優希ちゃん」ボソッ 優希「!?」 咲「えっ?」 京太郎「……おいおい、優希! そんなにがっついてるとのどに詰まらせるぞ?」 優希「えっ、あっ、うん……」 京太郎「ほら、お茶やるからとりあえず落ち着いて食べたらどうだ?」 優希「ありがと……じゃなくて! おい京太郎、今お前私のこと……!」 京太郎「なんの話かわかんねーな。 じゃあ俺は用事があるからまた部室でなー」 優希「ちょっと待っ……!」 咲「……行っちゃったね」 優希「なあ咲ちゃん、京太郎さっき私のこと……」 咲「うん、聞き間違いじゃなければちゃん付けで呼んでたね……」 優希「理由とか……」 咲「ちょっとわからないかな……」 優希「……もうわけわかんないじぇ」 優希(京太郎のやつ、いったいなにがしたいんだ……) ---- 京太郎「くくっ……」 京太郎「あっはっはっはっは!!」 京太郎「なんだあれ、優希のあんな呆然とした顔見たことねー!」 京太郎「ちょっと呼び方変えただけであんなにしおらしくなるなら、もっと前からやっときゃよかったな……」 京太郎「全く、普段人をからかうからこんな事されるんだよ!」 京太郎「……」 京太郎「……いや、慣れない呼び方されてアタフタする優希ちょっとかわいいかもなんて思ってねーし」 京太郎「俺は大きな胸の子が好きだからあいつみたいなのは対象外だから」 京太郎「別になんか優希が落ち込んでそうだから、ちゃん付けして意識を そっちに持っていってやろうなんてみじんも考えてないからな!?」 京太郎「……」 和「……それで、結局まともにゆーきと話せずに逃げてきたんですか?」 京太郎「……言うなよ」 和「……須賀君って素直じゃありませんよね」 京太郎「な、なんだよそれ」 和「だって、いつもいつも否定しますけど、やっぱりゆーきの事好きなんでしょう?」 京太郎「……いや、いやいやいやいや、そんな事ねーから、本当に、うん、ありえねーから」 和「こんなにゆーきにちょっかい出してるのに? いつもいつも、私にゆーきの中学時代の話とか聞きに来てるのに? ああ、この間なんて中学時代のゆーきの写真の焼き増しをお願いされましたっけ?」 京太郎「ぐっ……」 和「いい加減に認めて素直になるのが一番ですよ、こういうのは。 ヘタレを見せられる私の身にもなってください」 京太郎「……ヘタレなら和だって人の事言えないだろ」 和「なっ!?」 京太郎「和だって咲さんがー、咲さんがーって言う割にはいざって時ヘタレじゃん。 今日だってどうせ緊張するからって咲からの誘いを断ったんだろ?」 和「うっ……い、今は私の事はいいんです!」 京太郎「よくねーだろ! ここまできたらお互いに素直にならなきゃ話進まないぞ!?」 和「そうは言いますけど……」 京太郎「……わかった、認める! 俺は優希が好きだ、 だから和に昔のあいつの話とか色々聞いてるし、写真だって頼んでるんだよ!」 和「っ……」 京太郎「和はどうなんだよ? 和だって咲が好きなんだろ? だから中学の頃咲がよく読んでた本とか、あいつが楽しそうに話してた事とか聞いてるんだろ? 写真の焼き増しだってどっこいどっこいの数やってきたはずだぜ?」 和「……はい」 京太郎「お互いさ、相手の中学からの友達好きになった仲間なんだしさ……協力して頑張ろうぜ?」 和「そうですね……じゃあ今日もお願いできますか?」 京太郎「了解、こっちも色々教えてくれよ?」 和「もちろん」 京太郎(優希を好きになってから俺は速攻で和に協力を頼んだ、 優希の親友の和なら俺の知らない事をたくさん知ってるはずだからだ) 和(私は交換条件として咲さんの事を教えてもらった。 須賀君の話す咲さんは今の咲さんに通じるようで、でも私の知らない側面も見せてくれた) 京太郎(写真も交換した、空気を読んでなるべく二人きりにもした、そうしてお互いの想いを確実に成就させる) 和(私達はそのための協力者で、間違いなく似た想いを持つ仲間です) --放課後・部室-- 優希「……」ソー…… 京太郎「なにしてんのお前?」 優希「はわあっ!?」 京太郎「なんだよ、人を化け物みてーに」 優希「ちょっ、ちょっと驚いただけだじぇ!」 京太郎(動揺してんなー、そんなにちゃん付けって効果あるのか? 和の話だと優希の奴はこういうの慣れてないから結構効くらしいけど) 優希(こ、今度こそどういうつもりか聞かないと……) 優希「京太郎……やっぱりお前、私の事ちゃん付けで呼んでるだろ?」 京太郎「……」 優希「気のせいだなんて言わせないじぇ! 少なくともお昼は咲ちゃんも聞いてるんだ、だから……」 京太郎「そうだって言ったら、どうするんだよ」 優希「り、理由を聞かせろ! なんでいきなりそんな事……」 京太郎「……」 京太郎(今までの俺ならここで誤魔化すんだろうな……だけど今日は、逃げてたまるか) 京太郎「……アタフタしてるお前が、かわいかったからだよ」 ---- 咲「うー、京ちゃんったら手加減なしに髪弄って、手櫛じゃ直せないよー……」 和「さ、咲さん」 咲「あっ……和ちゃん……」 和(うっ……咲さんが暗い……須賀君の言葉が本当なら私のせい、なんですよね……) 咲(もう、怒ってないのかな……それなら良かった……) 和「お、お困りのようですけど、どうかしたんですか?」 和(それならこのチャンスを全力でいかします……須賀君が咲さんの髪をクシャクシャにしたのは複雑ですが) 咲「京ちゃんが私の髪をクシャクシャーってやっちゃったから直してるんだけど…… ううっ、なんで今日に限って櫛忘れちゃうかなあ……」 和「あの、私櫛持ってますよ?」 咲「本当に? だったら悪いんだけど、和ちゃんその櫛貸してくれないかな……?」 和「……」 咲「和ちゃん?」 和(いつもの私ならここですぐに櫛を差し出すだけ……だけど、だけど今日は!) 和「あの、よろしければ私が髪をとかしましょうか?」 ---- 優希「えっ……」 京太郎「……」 京太郎(ああ、逃げてぇ、今すぐ笑ってここから逃げ出してぇ……! だけど今日はこのまま素直にいくって決めたんだ……耐えろ、俺!) 優希「そ、それどういう……」 京太郎「だから! お前がかわいくて、つい意地悪したくなって、 いつもとは違う呼び方して驚いたり悶々としてるお前を見て かわいいなんて思って……ああ、もうこれ以上言わせんな、恥ずかしい!」 優希「……」 京太郎「いいか、一度だけしか言わねえからよく聞いとけ! いつもあんな態度とっちまうけど俺は、お前の事……す……」 優希(えっ、嘘、京太郎が、私の事を……?) ---- 咲「んっ……」 和「さ、咲さんどうですか?」 咲「気持ちいいよ……和ちゃん、髪とかすの上手なんだね」 和「え、ええまあ……これだけ長いと自然に上手くなりますから……」 咲「ふふ、和ちゃんの髪サラサラで綺麗だもんね……」 和「さ、咲さんの髪だって手触りがよくて、いいと思いますよ?」 咲「えへへ、ありがとう」 和「~~~~!」 和(咲さんかわいい咲さんかわいい咲さんかわいい……!) 和「咲さんかわいい……」 咲「へっ!?」 和「はっ!?」 和(しまった、心の声が漏れてしまいました……!) 咲「あ、あはは、和ちゃんも冗談キツいよー。 私なんて和ちゃんに比べたら……」 和「そ、そんな事ありません!」 和(こうなったら、なすがままです!) 和「咲さんはかわいいです、誰がなんと言おうとそれは間違いなく事実です! 咲さんがかわいくないなんて、そんなオカルトありえません!」 咲「の、和ちゃん?」 和「咲さんはかわいくて、今まで私の勇気がないせいで避けてしまいましたけど、私は咲さんが……す……」 咲「えっ……」 ---- 京太郎「す、少し成長した方がいいと思うぞ!」 和「すばらです!」 優希「……はあ?」 咲「……はい?」 京太郎・和「あ……」 ---- 京太郎「なにしてんだ俺……」ズーン 和「なんで、あそこで花田先輩……」ズーン 久「……ねぇ、あの2人どうしたの?」 優希「ふん、私は知らないじぇ!」 咲「私も知りません!」 久「そ、そう。 なんか2人も機嫌悪そうに見えるんだけど……」 優希「気のせいだじょ!」 咲「錯覚です!」 まこ「こりゃ、相当ご立腹じゃな……」 久「何があったのかしら……」 京太郎「ヘタレ、俺のヘタレ……」 和「バカ、私のバカ……」 咲・優希「……」 優希(あそこまで言われたらさすがに気持ちは伝わったけど…… 土壇場でヘタレるような奴にこっちから告白なんかしてやるもんか!) 咲(期待したのに和ちゃんのバカ……絶対に私からは気持ちを伝えてなんかあげないからね!) 京太郎「あ、あの優希……?」 和「咲さん、その……」 咲・優希「ふんだ!」プイッ 京太郎・和「」チーン カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3396.html
京太郎「仮面ライダー平成第一期、すなわちクウガ、アギト、龍騎、555、ブレイド」 京太郎「この中から一つ選ぶなら断然クウガでしょう」 久「555一択よ」 マホ「龍騎が一番です!」 京太郎「……」 久「……」 マホ「……」 京太郎「(買い出しから帰って来たらまだ皆来てなくて部長と知らない娘が居た)」 京太郎「(自己紹介してから雑談してたはずなのにどうしてこうなった)」 京太郎「まあ落ち着いて話し合いましょう。アルティメットクウガのカッコよさは誰もが認めるはずです」 久「む」 マホ「確かに……」 京太郎「同時にライジングアルティメットの蛇足さも」 久「いや、あれはねー」 マホ「同意します」 京太郎「シンプルだから良いデザインってあると思うんですよ。クウガは基本単色、そこに後に金のラインでしたし」 久「バイクもゴッツいけど良いデザインだったわよね。ビートゴウラムとか」 マホ「アメイジング四種全部見たかったというのがマホの本音です」 京太郎「他のライダーのデザインも秀逸ですけど、やっぱりこのあたりは譲れないなー、と」 京太郎「仮面ライダーの『お約束』に理由を付ける、というのもクウガはやってくれましたし」 久「倒した怪人の爆発とか、敵が必ず一対一を挑んでくる理由とか、だんだん敵が強くなっていく理由付けetcの事ね」 マホ「マホ的には突然ワープしなかったり、必殺技の名前を叫ばなくなったりするようにしてるのが高得点です!」 京太郎「一条さんとかみたいな魅力的な脇役にもちゃんとスポット当たってましたし」 久「一条さんと氷川さんは人類最強の双璧よ、間違い無いわ」 マホ「あの二人が普通の仮面ライダーの能力を持ってたら物語が成り立たないんじゃないかなーってマホは思います」 京太郎「リアルで残酷な分、被害者数も凄まじかったですね」 久「三万人以上だものねー。歴代でも屈指の被害者数じゃないかしら」 マホ「マホは……『バックします』とか『ハリネズミのジャラジ』が未だにトラウマで……」 京太郎「そんな時にはこれだ。トラウマなんて吹っ飛ぶぞ!」b 久「サムズアップね」b マホ「ですね!」b 京太郎「俺はむしろゴ集団のバベルやガドルのほうが怖かったな。タイタンやられたやべえって感じで」 久「タイタンはほとんどの戦いでやられなかったものね。後はライジングになった時のカマキリくらいかしら」 マホ「ガドル閣下は反則級だと思います!」 京太郎「クウガは教会燃やして予算足りなくなるっていう気合の入れっぷりだったし」 京太郎「感情移入移入しちまうのも仕方ないっちゃ仕方ない」 久「あれ、デマらしいわよ?」 マホ「えっ」 京太郎「えっ」 久「最近Twitterで某プロデューサーが『あれはオダギリのジョークだ』って言ってたのよ」 マホ「……なんというか」 京太郎「知りたかったような、知りたくなかったような……」 久「そんな物よ、制作の裏側なんて。響鬼の前半と後半とかね」 「「やめて下さい!!」」 京太郎「周囲の物を武器に変換するっていう発想も当時は衝撃的だった」 久「うちのクラスの男子がやたら傘を振り回してたのも関係あるのかしら」 マホ「それは年中そうだと思います」 京太郎「アバンストラッシュの時代から続く男の業なんですよ……」 久「40過ぎたら必殺技からゴルフになるんでしょう?」 マホ「どこに向かって喧嘩を売ってるんですか!? マホはライジングになって刃の生えたドラゴンロッドが好きでしたね」 京太郎「俺は派手になったペガサスボウガンかな」 久「私は刀身が伸びるタイタンソードかしら」 マホ「でもアメイジングのダブル足甲は演出も相まって別格かと」 京太郎「ベネ。ディ・モールトベネ。お前は分かってる」 京太郎「ラストはライダー界屈指のチート同士による凄惨な殴り合いでした」 久「ペガサス以上の感覚で察知して、その範囲内にある物なら瞬時にプラズマ化だものね」 マホ「ウルトラマンにも太刀打ち出来るレベルです!」 京太郎「それ以上に『赤い目の究極の闇』」 久「伝説を塗り替える、というテーマを最後まで貫いたわけね」 マホ「最終回が戦闘無しというのも、クウガらしかったと思います」 京太郎「最終回のクウガには、是非ともレンストの言葉を贈りたい」 久「ほほう」 マホ「レンスト?」 京太郎「『レンジャーズストライク』。まあ要するにカードゲームだが、フレーバーテキストがカッコいいんだよ」 京太郎「例を挙げると」 アギト:シャイニングフォーム 「人の進化とはすなわち、人が未来へ手を伸ばすということ」 龍騎:サバイブ 「戦うことが運命なら、その運命とも戦うまで」 ブレイド:ターンアップ 「絶望を希望に、悲しみは喜びに。その勇気が、悲しき運命を“裏返す”」 マホ「わぁ……!」 京太郎「他にもあるんだけどなー。売り上げ悪くて続編も出ないし、不遇だ」 久「ほどよく厨二な感じがいいわね」 京太郎「で、クウガはこれです」 『誰よりも笑顔を愛した男の背中は、まるで泣いている様だった』 久「最後の雪山での戦いそのものね」 マホ「笑いながら戦う悪と、涙を流しながら拳を振るう正義」 京太郎「これ以上なく『仮面』ライダーって言葉の意味を活用してました。ヒーローは仮面の下ではいつも涙を流していたっていう衝撃」 久「あれを見て無意味な暴力に走る奴は居ないでしょうね」 マホ「下手に規制規制と子供達に何も見せないよりも百倍教訓になるとマホは思うんですが」 京太郎「しゃーない。ヒーローってのは夢の無い奴には分からないんだから」 久「私は断然ファイズだと思うの」 京太郎「ライダー同士の共闘やアクセルフォームにブラスターフォーム、魅力盛り沢山ですしね」 マホ「マホはちょっと人間関係のパートさえ無ければなー、と思ったり」 久「まあ、ちょっと人を選ぶかもしれないけど井上節と思って我慢してちょうだい」 京太郎「ちょっと……? い、いやそれは置いとくとして」 マホ「クリムゾンスマッシュ、通称クリスマは新しかったです!」 久「ライダーキックの前に相手を固定するって概念だものね。そういえばクリスマと言えばもう12がt」 「「やめてください」」 久「あら、ごめんなさい」 久「ドラゴンオルフェノクにローズオルフェノク、アークオルフェノクと強力な敵達も売りね」 京太郎「基本ライダー達が機械仕掛けで強化されない分、敵の強さが際立ってました」 マホ「あと、幹部級が本当にしぶといです!しつこいくらいに!」 久「アクセルとブラスターが手に入るまではリンチも平然とやってきたものね……」 京太郎「ドラゴンが平然とアクセルについてきた時は倒す方法思いつきませんでしたよ?」 マホ「ベルトも何度奪われたことか……」 久「まあ、ドキドキハラハラはしたでしょ?」 京太郎「メインキャラがいつ死ぬか裏切るか分からない、なんてドキドキハラハラもありましたけど!」 マホ「草加さんは本当にドキドキハラハラメーカー!」 久「でも劇場版のパラダイス・ロストは良かったと思わない?」 「「それはまあ、確かに……」」 久「各アイテムは初見だとダサい、番組内ではカッコいいというのが定評だったらしいわ」 京太郎「それ、ファイズのスーツも同じ事言われてたような……」 マホ「フォトンエッジも交通整理の棒なんて呼ばれてましたしね」 久「私も放映前はファイズフォンは無いわー、と思ってたクチだし気持ちは分かるわ」 京太郎「実際の玩具だとカッコいいんですけどね。当時としてはロステク級に丈夫でしたし」 マホ「アクセルのミッションメモリーも差し込めたんでしたっけ?」 久「固定具が無いからすぐに無くなっちゃうんだけどね、ミッションメモリー」 京太郎「何故コアメダルは無くならないのにミッションメモリーは無くなるのか」 マホ「振り回すからですよ」 久「何もかも乾巧の仕業なんだ」 京太郎「なんだって!?それは本当かい!?」 マホ「本編ではこれほどじゃなかったとはいえ、木場さん騙されやすすぎると思うんですよ」 久「だから彼女もあんな事になったんじゃない?」 京太郎「草加の性根の悪さもあると思いますけどねー」 マホ「あれだけやられて許せるたっくんさんはひょっとしたら聖人なのでは」 久「よそから見たらせいぜい人のいいチンピラ止まりじゃないかしら。根本的に『一匹狼』だし」 京太郎「もうちょっと素直になれば、どうにかなると思うけど……555は皆そんな感じだしなぁ」 マホ「ひねくれ男性陣の中心にあの真理さんが居ますから、どうしようもないのでは……」 久「そして人間関係の蚊帳の外に居る三原は役立たず」 「「ひどい」」 久「でも、事実でしょ?」 京太郎「そういえばこの前会った高鴨穏乃って奴と子供時代の真理さんの声が妙に……」 マホ「それ以上いけません!」 久「やめなさい!」 久「最終回の流れはこれでもかと詰め込んだ上にスッキリと終わったわけではないけれど、いいシメだったと思うわ」 京太郎「Φ sVSχ、ホースVSウルフ、そしてトリプルライダーVSアークオルフェノク」 マホ「全部名勝負です!」 久「最後は『夢を持てない若者』が『夢を守るという夢』を手に入れるというラストね」 京太郎「一節には、あの最後のシーンでたっくんは死んだって言われてるらしいですね。灰化やブラスターと絡めて」 マホ「ええっ!?」 久「そうね。でもどんな形でもあの世界では誰かが戦い続けることに変わりはないわ」 京太郎「スマートブレインも無くなってませんし、アーク復活フラグ立ってますしね」 マホ「うむむ……スッキリしません!」 久「ま、納得して頂戴!」 マホ「龍騎の良さを二人の先輩に存分に知らしめますです!」 京太郎「龍騎か……当時はいきなり『ライダー同士のバトルロワイヤル』という設定で度肝を抜いてきたな」 久「結構反発はあったようだけど、主人公のライダーらしい性格や新しい試みの数々に押されて様子見に回ったらしいわね」 マホ「CGも派手でカッコ良かったです!」 京太郎「ミラーモンスターを初めとして特撮界に新風を巻き起こしたんだよな。あとカード商法とか」 久「子供はいい話よりも純粋なカッコイイ戦闘に憧れるものよ?」 マホ「ドラゴンライダーキックはかつて無いほどの迫力でした!」 京太郎「結局子供受けしない、とか言ってた初期の批判は全く逆で子供に大好評、グッズはバカ売れ」 久「鬱々神ウロブッチーなどにも影響を与える作品になったのよね」 マホ「ふふん」 マホ「初期の龍騎はともかく、サバイブ龍騎は『龍騎士』といった意匠で素晴らしいと思うんです!」 京太郎「サバイブは皆良いよなー。ナイトは勿論の事HEROSAGAの王蛇サバイブとかも」 久「ゾルダもゴテゴテしてていい感じじゃない?」 マホ「当時仮面ライダーの『仮面』の三要素、複眼・クラッシャー・触覚を主人公相当の三人に分けたらしいですよ!」 京太郎「加えて全体的にライダーのモチーフに『騎士』を使ったんだっけか」 久「その割には剣や槍の出番が……」 マホ「それは言わないお約束です」 京太郎「ゾルダのファイナルベントなんて、もうな……」 久「ガードベント(ガイ)」 「「もう許してあげて下さい」」 マホ「鏡のように無限に広がる、繰り返される平行世界。この世界観も魅力です」 京太郎「基本的に何でもありってことだしなあ」 久「TVスペシャルに劇場版、そして本編。最後なのに本編が一番衝撃的だったわ」 マホ「真司さん、主人公が最終回の前で死んじゃいましたしね」 京太郎「途中で何度も先が読めなくなったけど、あの時の衝撃は別格だったな」 久「シスコン神埼が一番手を焼いていた存在だったものね」 マホ「何度繰り返してもライダーバトルに参加してきて、邪魔してくるって相当に面倒だったと思います」 京太郎「あのチートの塊オーディンでどうしようもない辺り、やっぱ彼もヒーローだったんだろうな」 久「ちなみに私はTVスペシャルの時は戦いを続けるようにコールしたわ」 マホ「私はやめる方に」 京太郎「俺もだな」 久「やーね、私がまるで悪者みたいな流れにするの止めてよ」 「「えっ」」 マホ「アドベントとファイナルベント!この二つの迫力無しには龍騎は語れませんよ!」 京太郎「龍騎の龍の息吹に乗って繰り出すキック、ナイトのドリルのようなマントを纏っての突進」 久「ゾルダの一人大戦争、王蛇のキックの暴風雨」 マホ「他にも諸々ありますが、モンスターとライダーの合体技であるファイナルベントにハズレはないと思います!」 京太郎「そういえば威力もバカ高いんだよな、ファイナルベント」 久「龍騎サバイブで500tだったかしら?」 マホ「威力が高ければ良いという訳でもありませんが、歴代ライダーの中でもトップを争えますよ!」 京太郎「そうだな、蟹にすらファイナルベントはあるんだもんな……」 久「……蟹は、蟹だもの」 マホ「蟹はいつだってどこだって不遇です。フォーゼを待ちましょう」 マホ「折れたー!?等を始めとする名言、そして個人個人の心情なども作品にいい味を出してます」 京太郎「『殺し合いはいけない事』『だが彼らはそれに納得してる』『なら自分は、どうすれば良い?』」 久「結局、それに尽きるのよね」 マホ「自分の願いの為に他人の命と願いを踏みにじる、参加者から主催者に至るまで皆このノリです」 京太郎「そんな中、主人公が迷いに迷い出した答えとは!」 久「『それでも、戦いを止めたい』」 マホ「『この戦いに正義はない、あるのは純粋な願いだけ』というのがこの作品のサブテーマですが」 マホ「真司さんも正義ではなく願いとして戦いを止めることを選んだわけですね」 京太郎「たとえ願いを踏み躙ることになっても、命だけは踏み躙らせない覚悟を決めたわけだ」 久「正義とは程遠いけど、ヒーローとしては合格ラインを突破したんじゃないかしら」 マホ「結局ライダーバトルは『無かったこと』になりましたが、マホは城戸真司が勝者であると解釈してもいいと思います!」 マホ「幾多の並行世界で戦い続けた結果、とうとう『彼の願いは叶った』わけですから」 まこ「その問答、ちょいと待ちぃ!」 優希「そろそろまぜるじぇ!」 京太郎「何奴!?」 まこ「ブレイド派、渋谷まこ!」 優希「アギト派、片岡優希!」 「「参戦じゃ!(するじぇ!)」」 京太郎「……人数分お茶淹れてきます。長引きそうですし」 久「お願いねー」 マホ「あ、お手伝いします」 京太郎「いーよいーよ。お客さんは座っとけ」 カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/885.html
淡「~♪~♪~♪~♪」テクテクテクテク 淡(いよいよ今週末は京太郎とデートっ♪楽しみだなぁ~) 淡(どんな服着ていこうどんなところへ行こう?) 淡(駅前で待ち合わせして、手を繋いで街を歩いて、服屋さんに行って京太郎に新しい服を見てもらおう) 淡(それでそれで、可愛いなんて言われちゃったりして……あ~~早くこないかな!土曜日!) 淡「ただいまー!……ってあれ?」 淡(ポストの中に何か入ってる……お届けものかな?) 淡「…………」ゴソゴソ 淡「封筒だ……ん?私宛?」 淡「誰からだろー?」 ―淡自室― 淡「とりあえず中身を見てみよ……」 淡「……」ガサゴソ 淡「これは……DVD?!」 淡「それ以外は何も入ってないけど……なんだろこれ?」 淡(中身、見てみようかな?……うん、見てみよう!) 淡(なんか嫌な予感がするけど、ま、大丈夫だよね!) 淡「えっと、DVDプレーヤーどこにあったかな~?」 淡「ディスクをセットして……再生っ!」ピッ ザザザザ…… 淡「…………あれ?」 淡(この画面に映ってる人……) 京太郎『…………』 淡(京太郎、だよね?) 淡「で、京太郎の隣にいる人は……誰?」 ???『…………』 淡(背の高い男の人、黒い服着てる。あれは……執事服かな?) ???『こ↑こ↓です』 京太郎『はへ^~おっきな家』 ガンゴンベキン! ???『お入り下さい、どうぞ』 京太郎『お邪魔しまぁ^~す』 淡「……」 ???『私の家……屋上あるんですけど……焼いていきませんか?」 京太郎『あ^~いいっすねぇ~』 淡「…………」 ジョロロロロロロ…… サッー!(迫真) ???『お待たせしました。アイスティーしかなかったんですけどいいですか?』 淡「…………」 ???『あなたのことが好きだったんですよ!(迫真)』 京太郎『う、羽毛』 淡「…………」 胸にかけて下さい!胸に! ンアッー! 淡「…………」 ~~二人は幸せなキスをして終了~~ 淡「……………………」 淡「えっ、なにこれは(驚愕)」 ―翌日― 淡「あ、あのあと結局放心してて気がついたら真夜中だった……」 淡「そのまま寝ちゃって昨日のことはあんまり覚えていない……けど」 淡(あのDVDに映ってたのは……京太郎) 淡(そ、それれで、きょぎょぎょ京太郎が、おおお男の人とあんな……あんな……) 淡「……うっ!」 淡「そ、、そうだよね。あれは夢。夢、そう、夢なんだよ」 淡「私の京太郎があんなクッソ汚いDVDに出てるわけないじゃん、はは、ははははー」 淡(あれは夢あれは夢あれは夢あれは夢あれは夢あれは夢あれは夢) 淡「………………」 淡「……う」 淡「うわああああああああああああんっ!!!!!!」ダッ 菫「…………ふぅ」 菫「今日もいい天気だ」 菫「こんな清々しい日はやはり格別だな、うむ」 菫「……だが」 菫「何故だろう。何か嫌な予感がする」 菫「嵐の前の静けさというかなんというか」 菫「…………」 菫「……ま、気のせいだろう」 菫「さーて今日も一日頑張って――――」 淡「菫ーーーーっ!!!!」 菫「…………」 淡「あのあのそのその、菫にね?ちょっと相談したいことが――――」 菫(…………) 菫(……まったく) 菫(嫌な予感、的中だ) 菫「……つまり、昨日何者かから届けられたDVDに、お前の意中の人の須賀君と正体不明の執事のクッソ濃厚なオスプレイ(意味深)が入っていた、と」 淡「」コクコクコクコク 菫「寝言は寝て言え」 淡「えっ!?」 淡「ちょ、ちょっとスミレー!そんな無下にしなくても!」 菫「だいいちその如何わしいビデオに出ていたのは本当に須賀君なのか?」 淡「うっ」 菫「お前の見間違いじゃないのか?」 菫「その須賀君とやらに似ている人が出ているブツを須賀君と仲の良いお前に送りつけて嫌がらせをする愉快犯の仕業じゃないのか?」 淡「そ、それは……」 菫「仮にも天下の白糸台高校麻雀部大将のお前が選んだ相手だ、そんなヤバげなものに出ているはずが――――」 淡「こ!」 菫「?」 淡「ここに、そのDVDが、あるんですけれども……」スッ 菫「……」 菫「……よし、見てみよう(提案)」 ――――DVD視聴―――― ファッ!? ムネニカケテクダサイ!ムネニ! アアーイイッスネェー カタクナッテルハッキリワカリマスネ アッアッアッアアアッアッアッア 菫・淡「…………」 菫「なんだこれは……たまげたなぁ」 淡「うううううう……やっぱり京太郎だ……」 菫「……淡、先刻私はそんな事ある訳がないと言っていたが、済まん。あれは嘘――――って聞いてないな」 淡「やっぱりこんなの嘘だよ……京太郎はもっとカッコ良くて優しくて、私を守ってくれてるんだもん。こんなの嘘だよ……嘘だよ……嘘だよ嘘だよ嘘だドンドコドーン……」ブツブツブツ 菫「……心中お察しする」 菫「……」 菫(……しかし、これは) 菫(本当にどうするべきか……) 菫「……」 菫(もう、こうなったら) 菫(あいつらも、巻き込んでみるか) 菫(私じゃ荷が重いし、な) 淡「うううううう……やっぱり京太郎だ……」 菫「……淡、先刻私はそんな事ある訳がないと言っていたが、済まん。あれは嘘――――って聞いてないな」 淡「やっぱりこんなの嘘だよ……京太郎はもっとカッコ良くて優しくて、私を守ってくれてるんだもん。こんなの嘘だよ……嘘だよ……嘘だよ嘘だよ嘘だドンドコドーン……」ブツブツブツ 菫「……心中お察しする」 菫「……」 菫(……しかし、これは) 菫(本当にどうするべきか……) 菫「……」 菫(もう、こうなったら) 菫(あいつらも、巻き込んでみるか) 菫(私じゃ荷が重いし、な) ――――放課後―――― 菫「と言うわけで第72回白糸台高校麻雀部一軍超極秘会議を開始する」 菫「今回の議題は――――」 『大星淡の彼氏、須賀京太郎の浮気疑惑について』 菫「――だ。経緯は昼休みのうちに話しておいたので言わなくていいだろう」 亦野「確か……大星の家に須賀といちゃつく女が映されていたDVDが送りつけられてきた……んですよね?」 淡「」ビクッ! 菫「ああ、そうだ」 菫(流石にSG君が謎の美青年執事とウホッしていましたなんて言えまい) 淡「」ブルブルブルブル 渋谷「こんなに震えて……可哀想」ヨシヨシ 淡「うう、たかみんー」エグエグ 照「……」 菫「どうした照?何か言いたそうだな」 照「そんなふしだらな奴なんて、振ってしまえばいい」 淡「!」 菫「!照!確かに言いたい事はわかるがもう少し言い方が――――」 淡「~~~ッ!!!」 照「……淡を泣かせるような奴だ。やっぱりろくでもない――――」 淡「っ、それでも!」 淡「それでも私は……京太郎のことが、好きなんだもん……」 照「…………そうか」 照「…………なら、いい」 「「「「「…………」」」」」 菫(……いかんな、気まずくなった) 菫(なにか、何か話題を探さなくては――――) 渋谷「……そういえば」 菫「!なんだ?渋谷?」 渋谷「そのDVDは、何処に?」 菫「…………えーっと、あー、それはだな……」 菫「DVDを見て発狂した淡が叩き割ったんだ」 淡「!」 菫(すまない淡!誤魔化さなくてはいけないんだ!) 菫(あんな淫夢君オッスオッスなゲテモノをこいつ等に見せたら何が起きるか……って淡!よくそんなものを私に――――って自分の好奇心の所為だな、ははは) 渋谷「……そう、ですか」 亦野「しかし浮気疑惑と言っても私達にはどうする事も――――」 照「そこで、だ」 亦野「?どうしました?」 淡「……テルー?」 照「私にいい考えがある」 菫「いい……考え?」 淡「そ、それは一体なんなのテルー!?」 菫(正直悪い予感しかしない) 照「今ここに、私が咲とのコンタクトを取るため五ヶ月半の月日を掛けて使い方をマスターした――――人類が生み出した文明の極み、携帯電話がある」 照「いや、大変だった。菫を頼って機種を選び、メール電話写メを覚え、最近ようやくまともに咲とメールできるようになった」 照「咲は携帯使えるみたいだからな、私も結構恥をかいたよ。まぁ青は藍より出でて藍より青しと言うしな、自然の摂理だ」 菫「意味違うぞ」 照「まぁ、要するに、だ」 照「これを使って須賀とコンタクトを取ろう(提案)」 淡「ええっ!?」 亦野「確かに、それが一番手っ取り早いですね」 渋谷「現場……把握……」 淡「で、でもそんな、心の準備が……」 照「じゃあいつやるんだ?」 淡「うっ、それは……」 照「今でしょ(迫真)」 淡「ぐぬぬ」 菫「淡、照の言う事ももっともだ。とりあえずまずは須賀君に連絡を取る事から始めよう」 淡「でも……」 菫「でももへちまもない。ほら、掛けるんだ」ズイッ 淡「ううー……」ピポパピポペ 淡「嘘だと言ってよ~京太郎~」プルルルルルルル(迫真) ――――ガチャッ(迫真) 『――――もしもし』 淡「あ!もしもし京太郎!?私!淡だよ!」 京太郎『――あ、、ああ……あわ、いか。どうしたんだ……ンッ……こんな時かアッんに?まだ学校だ……ろ?』 淡「え、えーっとね……」 淡(……ううーやっぱりあんなこと聞けないよぉ~っ) 淡(……あれ?) 淡「きょ、京太郎?」 京太郎『な、なンッ、だ?』 淡「呼吸が荒いみたいだけど……大丈夫?」 京太郎『あ、ああ、ンッ、これか……実はさっきまで……アッギョシサッ……結構激しい運動(意味深)しててな……疲れてる、んだ」 淡「そ、そうなんだ……」 京太郎『ああ、だからまた、後で――――ファッ!?』 淡「!?京太郎!?どうしたの!?」 京太郎『い、いいい、いや、なんでもない、きに ンアッ! するな』 京太郎『と、ととにかくまた後で電話するなっそれ、じゃ、あ……ヌッ』 ――――ブツン 淡「……切れちゃった」 菫「?どうかしたのか?」 淡「えっと、それがね、京太郎今疲れてるからまた後で掛け直して欲しいって」 照「ふむ」 菫「疲れてる……か。成る程、彼はミスター雑用ングだからな、しょうがないだろう」 菫「今掛けられないのは残念だがまた後ほど――――そうだな、部活が終わる時間帯あたりなら大丈夫だろう」 菫「だからそれまでなんらかの対策を考え――――」 渋谷「――――少し、待って欲しい」 淡「?どうしたの?たかみん?」 渋谷「何故、彼が疲れているのか――――私、気になります」 菫「?いやだからおそらく雑用による疲れだろうと――――」 渋谷「それは本当に?」 菫「……」 照「……淡、須賀は電話でなんと言っていた?」 淡「えっ?えーっと、その、『さっきまで激しい運動(意味深)してたからまた後で掛けてくれ』って」 菫「ふむ、普通だな」 亦野「確かに特におかしな所はありませんね」 照「うん、ないな」 淡「でしょ?まったくたかみんどうしたの――――」 渋谷「激しい運動(意味深)」ボソッ 「「「「……?」」」」 渋谷「――――――即ち」 渋谷「S(えす)」 渋谷「E(いー)」 渋谷「X(えっくす)」 菫「えすいー……?…………って何を言っているんだお前はっ!!!!!」ボンッ 照「…………」ポッ 菫「ほ、頬を染めるな照!そんなことあるはずがない!」 亦野「そ、そうですよ!」 渋谷「……薄い本では……日常茶飯事……」 淡「そ、そんなこと、あるはずが……ないもん」 照「……」 淡「京太郎は、私の、私の王子様なんだよ?そんなことあるはずが……ないもん。、ないよ……絶対、ないよっ!」 菫「淡……」 亦野「大星……」 淡「ううう、うううう、ううううう……」 照「……淡、安心して。そんなことあるはずがない。淡が信じる京太郎を信じて」 淡「うう、テルー……」 渋谷「……もしかしたら、現在進行形かも」 淡「う」 菫「渋谷ァ!お前少し黙ってろァ!」 淡「ふええええええええええええええええ!!!!!!!!!!」ビエー 菫「ああっ!淡!泣くな!」 照「よーしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし」ナデナデナデナデ 菫「ほ、ほら!お前が送りつけてきた須賀君とのラブラブ()ツーショット()の写メだ!これ見て元気だせ!」 淡「う、ううう、ううううう、きっと京太郎は今頃、あの人とクッソ濃厚な……ふえ、、ふええええええ!!!」 渋谷「……軽いジョークだったのに」 菫「あんなヘビーなジョークがあってたまるか!」 淡「ふええええええええ!!!!」 亦野「大星落ち着いて!自分を見失うな!」 菫「ああもうどうすれば……くそっ、私の頭痛が再発するぞ、このままじゃ」 照「菫、ここは私に任せて」 菫「えっ?」 照「私にいい考えがある」ドヤッ 菫「えっ、ちょ」 淡「うえええええええん!!」 照「淡」 淡「うえええええ……え?」 照「これを見て」 淡「……」 照「つい先日撮った咲の写真だ」ドヤヤッ 淡「……」 照「この天使のような咲を見ればきっとお前の荒んだ心も浄化されて――――」 淡「ピンボケしてるじゃないですかー!やだー!」 照「えっ?……あっ、間違えた、本当はこっち」スッ 菫「……照、まさかお前写真の削除の仕方がわからないんじゃないだろうな?」 照「ち、違う、そんなはずはない。ただ咲の写真を一枚たりとも消したくないだけ」 菫「……本当か?」 照「…………ごめん、嘘。本当はわかんないから後で教えて、菫」ボソボソボソッ 菫「……やっぱりか」ボソボソボソッ 照「……うん、いざという時に容量いっぱいになったら困るし」ボソボソボソッ 菫「お前本当は全然使いこなせてないだろ」ボソボソボソッ 照「……失礼な、これでも最初の頃に比べれば成長した」フンスボソボソッ 菫「……はぁ、まったくお前と言う奴は」ボソボソボソッ 照「……ごめん」ボソボソボソッ 菫「……まぁ、それが『お前らしい』んだがな」ボソボソボソッ 照「!菫……!」ボソボソボソッ! 菫「っ、そんな目で私を見るな!その……照れるだろっ」ボソボソボソッ!! 照「菫……」 菫「…………」 菫「照……」 照「菫……」 菫「照……」 照「菫……!」 菫「照……!」 淡「ふえええええええ!!!二人が私そっちのけにして固有結界張ってるよおおおおっ!!!!」ビエー 照・菫「!!」ビクッ! 亦野「いやーそれにしてもこの部屋暑いですねー」 渋谷「……冷たいお茶……飲む?」 亦野「お言葉に甘えて、頂きます」 淡「ふえ、ふええ、ふえええええん!!!!」 菫「オ、オホン!……本当にどうしようか、この子」 照「まったくもってわからない」 照「けど、こう言う時はいっそのこと激流に身を任せた方がいいって千里山のトキィさんが言ってた」 菫「いつの間にそんな友人を……」 照「私のコミュニケーション能力は伊達じゃない」 菫「……一年生の頃坂道の前で立ち尽くしていたお前が懐かしいよ」 照「あんぱんっ」 菫「えっ?」 照「……なんでもない、気にしないで」 渋谷「……お待たせ、アイスティーしかなかったけどいい……?」 亦野「ん、大丈夫。はっきりわかんだね」 淡「ふえ、ふええ、ふえええええん!!!!」 菫「オ、オホン!……本当にどうしようか、この子」 照「まったくもってわからない」 照「けど、こう言う時はいっそのこと激流に身を任せた方がいいって千里山のトキィさんが言ってた」 菫「いつの間にそんな友人を……」 照「私のコミュニケーション能力は伊達じゃない」ドヤッ 菫「……一年生の頃坂道の前で立ち尽くしていたお前が懐かしいよ」ハァ 照「あんぱんっ」 菫「えっ?」 照「……なんでもない、気にしないで」 渋谷「……お待たせ、アイスティーしかなかったけどいい……?」 亦野「ん、大丈夫。はっきりわかんだね」 菫「まあ昔話は置いといて、今は目の前のこいつをなんとかしよう、見据えるは未来。坂の上の雲さ」 照「そうわよ(便乗)」 淡「うううう……」 菫(淡は元気と麻雀の強さだけが取り柄だからな……いっつも笑っててこんなことになったことはなかったな) 菫(ああ、そういえばいつも部屋の固い空気を淡はほぐしてくれたっけか……) 菫(……なんだかんだ言っても、淡は私達の仲間……いや、友なんだな) 菫(……それにしてもどうするか) 菫(何か一発で彼女をウルトラハッピーにする方法を考えなければ) 亦野「いやー今日は天気がイイですね……ポカポカしてあったかいです」 渋谷「そうだね」 亦野「自分、寝ていいすか」 渋谷「構わない」 亦野「じゃ、おやす……み……」 亦野「……zZZ」 渋谷「………………」 渋谷「…………堕ちた(確信)」 菫(何かないか……なにか……) 菫(……………………ん?) 菫(この……音は……一体?) ~♪~♪~♪ 淡「!!!!」 淡「っこの音は!」バッ! 菫「うおっ!?」 淡「この!音はッ!」ゴソガサゴソガサ…… バッ! 淡「京太郎専用の!携帯着信音!」 菫「!!須賀君か!?」 照「……!」 渋谷「逢瀬は終わったのか……(絶望)」 ピッ!(迫真) 淡「もしもし京太郎!?」 京太郎『あーもしもし淡か?さ、っきはごめンッな』 淡「ううん、大丈夫!京太郎の方こそ体はもう良くなったの?」 京太郎『あ、、、あああ、ああ、少し休んだらもうンッよくなっンァッたよ』 淡「ホント?よかったー!」パアッ 淡「……ん?」 京太郎『?どうし、た?淡、ッ?』 淡「なんか変な音聞こえない?ヴヴヴヴヴーって」 京太郎『!さ、さあな、どっかで、、携帯でも、鳴ってるンッじゃないか?』ブブブブブ 淡「?……ま、いっか」 京太郎『と、とところでさァッ』ブブブブブ 淡「ん?なに?」キョトン 京太郎『こんどの土曜ンッ、買い物……イクッ……じゃん?』ブブブブブ 淡「!うん!そうだね!私すっごく楽しみにしてるよっ!」 京太郎『で、その時、さっ……他にンアッ、人呼んでもいい、かなっ?』ブブブブブ 淡「人?」 京太郎『あ、ああ』ブブブブブ 京太郎『ハギヨシさンアッーて言うンッだけど』ブブブブブ . そして、土曜日 淡「うう、結局あのあとは何も京太郎に聞けなかったよぅ……」 淡「今日は実際に会うわけだし、ちゃんとお話しなくちゃ!」グッ 淡「…………」 淡「服……大丈夫かな?」ショーウインドーチラッ 淡「精一杯可愛いフリフリの服着てきたけど……京太郎は可愛いって言ってくれるかな?」チラチラッ 淡「た、確かに私は京太郎の好きなおもちがあんまりおっきくないけれどっ」ショボン 淡「京太郎への愛は誰にも負けないほどおっきいんだから!」フンス 淡(それに、テルーに比べればまだマシだよね) 淡(…………)ポワポワポワーン 京太郎『その服、似合ってるぜ、淡』 京太郎『すごくキュートだ』イケメンスマイル 淡「……えへへへへ」ニマニマ 照「ぶえっくしょい!」 菫「なんだ、風邪か?」 渋谷「……馬鹿は風邪引かない」ボソッ 照「きっと咲が私のことを噂しているんだろう、いやー参っちゃうなー困っちゃうなー……それと渋谷、さりげなくひどい事をいうな」 渋谷「御無礼」 菫(やっぱり馬鹿だろこいつ) 菫「……ところで亦野は?姿が見えないようだが」 渋谷「彼女は置いてきた。修行(意味深)はしたがはっきり言ってこの戦いにはついてこれそうもない」 菫「あ、そう」 菫(亦野……無茶しやがって……) 照「……」 菫「……ところで、だ」 照「なに?」 菫「私達全員こんな服装で大丈夫なのか?」 ブラックコート+つば広帽子+サングラス 渋谷「大丈夫だ、問題ない」 照「問題ナッシングー」グー 菫(……どうやら人選に問題があったようだ) 菫(昨日いきなり照がオペレーション・スニーキングミッションだとか訳のわからんと言うか意味の被っとるたわごとを言い出したと思えばトントン拍子でご覧の有様だ) 菫(……まぁ私も今日淡達をBIKOUしようとしてたのは内緒だが) 照「!!……スミさん!ホシが来た!」 菫「誰がスミさんだ……ってん?」 渋谷「他にもう一人いる……」 菫「…………ん……おい…………待て」 「「?」」 菫(あの、執事服の男、まさか、まさか――――!!!!) 「お~い!淡ー!待たせたなー!」 淡「あ!京太郎ーっ!」パアッ 京太郎「ちょっと待たせたか?」 淡「ううん、今来たところ!」 淡(ホントは30分前から身だしなみチェックしてたよ!でもこの台詞言いたかったんだよね~) 京太郎「ははっ、ドラマみてーな台詞だな……でも、ま、あんまり待たせてなくてよかったよ」 京太郎「あ、それと紹介するよ、こちらの人が電話で話してた――――」 「初めまして、ハギヨシと申します」 . 淡(…………あれ?) 淡(この人、何処かで見たことある様な――――――ッッッッ!!!!!) コ↑コ↓ オハイリクダサイ、ドウゾ ワタシノイエ……オクジョウアルンデスケド……ヤイテイキマセンカ? マァ、タショウハ コノヘンガセクシーデスネ……エロイデス! オマタセシマシタ、アイスティーシカアリマセンデシタケドヨカッタデスカ? アバレナイデ、アバレナイデクダサイ アナタノコトガスキダッタンデスヨ! イイデス!キテクダサイ!ムネニカケテクダサイ!ムネニ! イキスギイイイイイイッ ンアッー! 淡「あ……あ……あ……あ……っ!」ガタガタガタガタ 京太郎「……?淡?どうした?顔色悪いぞ?」 淡「みゅっ?!ななななんでもないよ!なんでも!」 京太郎「そっか……ホントに調子悪い時は言えよ?」 淡「う、うん……ところでさ、そっちの人は――――」 ハギヨシ「…………」ジィィ 淡「……?」 ハギヨシ「……」ニコッ 淡「!!!!!」ゾワワワワッ! 京太郎「ん、ああ。ハギヨシさんはな、俺の師匠(意味深)なんだ」 京太郎「俺ってあんまり服の事わからないからさ、ハギヨシさんに助言頼んだんだけど、丁度ハギヨシさんも入り用なものがあるって言うからこうして一緒に――――って淡?」 「お~い!淡ー!待たせたなー!」 淡「あ!京太郎ーっ!」パアッ 京太郎「ちょっと待たせたか?」 淡「ううん、今来たところ!」 淡(ホントは30分前から身だしなみチェックしてたよ!でもこの台詞言いたかったんだよね~) 京太郎「ははっ、ドラマみてーな台詞だな……でも、ま、あんまり待たせてなくてよかったよ」 京太郎「あ、それと紹介するよ、こちらの人が電話で話してた――――」 「――――――ハギヨシ、と呼ばれています」ニコッ . 淡「!ん、うん!何かな京太郎!?」 京太郎「……ホントにお前大丈夫か?」 淡「う、うん!私はいつでもウルトラハッピーな高校100年生だよっ!」 京太郎「そ、そうか」 淡「ほらっ!みんな揃ったことだし早くいこ?今日はいろんなところ回るんだから!」 京太郎「ははっ、お手柔らかにな」 京太郎「ハギヨシさんも、ほら、行きましょう」 ハギヨシ「――――――ええ」クスッ 淡「!!」ゾワワワワッ!! 淡(ううーやっぱりあの人嫌な感じするよぅー……) 淡(やっぱりあのDVDの人なのかな?……だとしたらすっごいよー……) 淡(と、とにかくっ、今日が正念場!頑張らなきゃ!) 淡(えい、えい、おーっ!) ハギヨシ「…………」クスッ 照「……動いた!」 渋谷「尾行……開始……」 菫「…………」 照「菫?どうしたの?」 菫「い、嫌なんでもない。気にするな」 菫「それよりも慌てんな……慌てんなよ……彼らに尾行がばれたら話にならない」 照「そ、それもそうだな、うん。落ち着こう」 菫(あの執事服の男……正体が気になるが、今は様子を見よう) ――服屋―― 淡「とうちゃーくっ☆」 京太郎「はえ^~けっこうおっきいんだな」 ハギヨシ「ええ、この辺りでは1番品揃えが良いみたいですね」 淡「よーしっじゃあ早速私のファッションショーを開催するよっ!」 京太郎「お、おう」 淡「京太郎が服を選んで、私がそれを着るのっ!」 淡「ふふっ、たーっぷりと私を京太郎色に染め上げてね?」 京太郎「今日もまた服選びか……壊れるなぁ……」 淡「!!……京太郎は、嫌?」 京太郎「あ、いや、そう言う訳じゃないんだ」 京太郎「ただ、俺なんかが選んだ服を着て本当に淡はいいのかな、ってさ」 淡「京太郎が選んでくれた服だからいいんだよっ!」 京太郎「そ、そうか。ならいいんだが……」 ハギヨシ「ふふっ、ならちゃーんと選んであげないといけませんね」 京太郎「え、ええ。そうですね、ハギヨシさん」 ハギヨシ「微力ながら私も力添えをさせて頂きますよ」 京太郎「それは……あはは、ちょっとアドバイスお願いしますね」 ハギヨシ「ええ、おまかせあれ!ですよ」 菫「淡の奴、結構はしゃいでるな……楽しそうだ」 照「愛しの彼氏とのデート!はしゃがずにはいられないッ!」 渋谷「……けれどあの隣の男……不気味……」 照「ああ、確かにそうだ……あの男、一体何者?」 菫「だから二人とも、あの執事の男に注意してくれ……何か嫌な予感がする」 渋谷「了解」 照「把握した」 菫(例のDVDに写っていた……と言うことは京太郎とそう言う関係なのか?) 菫(……なんにせよ、注意せねば) 京太郎「淡ーっ!着替え終わったかー?」 淡「ん、もう少し待って……っと、よしっ♪」 シャーッ!(迫真) 淡「じゃじゃーん!お待たせしましたっ!」キラッ 京太郎「おお……!」 ハギヨシ「……」 淡「えへへ……どう……かな?」モジモジ 京太郎「すっげー!似合ってるぜ!淡!」イケメンスマイル 淡「!!ホント!?ホントにホント!?」ガバッ 京太郎「あ、ああ、似合ってるから!か、顔が近い!あと、その、だな、 胸が……」 淡「え?……きゃぁっ!?」 淡(う、ちょっと露出多い服選んだからおっぱいが京太郎に見えてたんだ……) 淡(うう~……恥ずかしいよー……)カァッ 淡(で、でもっ、京太郎がこの服を選んでくれたってことは…私をもっと見たいってことだよね?) 淡(だ、だとしたら……えっへへ……嬉しいなぁ~)テレテレ 淡(私も京太郎が見た言って言ってくれたらいくらでも見せてあげるのに……) 淡(……そーいえば、私ってまだ京太郎とキスもしてなかったっけ) 淡(京太郎って奥手さんなのかな?やっぱり私がもーっとアピールしないといけないのかな?) 淡(……それに、うかうかしてたら京太郎が他の誰かに取られちゃうかも――――っ!!!)ゾクッ! 京太郎「あ、淡?どうかしたか?」 淡「え!?……あ、あはははは、なんでもないよ!それより早く!次の服次の服!」 京太郎「?……ほい、次はこっちな」スッ 淡「ん、りょーかいっ。じゃあちょっとだけ待っててね!」 シャーッ!(迫真) 京太郎(淡の奴、やっぱり今日様子が可笑しいな……なんかあったのか?) ハギヨシ「……」ニコニコニコ シャーッ!(迫真) 照「ん、淡の着替えが終わったみたい」 菫「どれどれ……うっわすっごいヒラヒラした服着てるな、アイツ」 渋谷「でも……似合ってる……」 菫「ああ、ホント……悔しいぐらいに似合ってるな」 照「アレならどんな男でもイチコロ」 菫「…………」ジーッ 照「……?」 照「菫?どうかしたか?」 菫「えっ?あ、ああ、いや、なんでもない、気にするな」 渋谷「……ひょっとして」 菫「?」 渋谷「……羨ましい、とか?」 菫「っ!!!」 照「羨ま?…………あー、成る程」 渋谷「彼女がヒラヒラした可愛い服を着てるのが」 菫「」 渋谷「で、自分もあんな服が着たい……と、考えいる……とか?」 菫「」プルプルプルプル 照「菫……」 菫「そそそそんな訳あるかそんな訳あるかっ!」 菫「わ、私にあーんな可愛い服が似合う訳がないのもお前らわかってるだろ!」 照「でも着たいんでしょ?」 菫「っ!」 渋谷「着たいんだろ?(迫真)」 菫「……」 照「……」 渋谷「……」 菫「……」 菫「~~~っ!!!!!!」 菫「あああああ!着たいさ!着たいとも!」 菫「いくら似合わないってわかっててもな!着たいものは着たいんだよ!!」 菫「しょうがないだろう!?だって女の子なんだもん!」 照「…………」 渋谷「…………」 菫「み、見るな!そんな優しい目で私を見るなぁっ!」 照「……よし、もうはしゃぐのはやめよう。奴らに見つかったら大変だからな」 渋谷「同意……」 菫(こ、こいつら……!) 照「あ、また淡が服抱えて試着室の中に入ったぞ」 渋谷「彼女……結構なんでも服似合うから……羨ましい……」 菫「……」 照「あ、ところで」 菫「?」 照「菫って日曜早起きしてる?」 菫「な、なんだ藪から棒に。日曜は……6時ごろに起きてるが、それがどうかしたか?」 渋谷「そう(無関心)」 照「やっぱりな(確信)」 菫「はあ?何がやっぱりなんだ?」 渋谷「スマイルチャージ!ゴーゴーレッツゴー!」 照「ウルトラハッピー!」 菫「?お前ら一体何を言って……っっ!!!!」 菫「い、言って、いるん、だ?」 照「動揺……したな?」 渋谷「それが……何よりの証拠!」 菫「ぐっ!」 照「菫!」 渋谷「貴様!」 照・渋谷「「(プリキュアを)見ているなッ!」」 菫「ぐううううっ!!!」 照(決まった……) 渋谷(堕ちたね(確信)) 菫「…………」 菫「……ああ、そうさ」 菫「見ているさ……見ているとも」 菫「毎週毎週欠かさず録画し!毎週日曜朝八時半はテレビの前で体育座りだ!」 菫「私は毎週プリキュアを見ているんだよ!」 菫「それになにかおかしな事があるか!?女の子がプリキュアを毎週楽しみに見ておかしな事があるか!?いや!ない!(反語)」 照・渋谷「…………」 菫「だからそんな優しい目で私を見るなァーーーーz______ッ!!!!」 照「……菫」 菫「な、なんだ!」 照「安心して……私はそんな事で菫を馬鹿にしたりしないよ」 菫「……」 照「私も菫も、花も恥らう乙女なんだもん。プリキュアに憧れたって何もおかしくないっ」 菫「照……」 照「だから、涙を拭いて」スッ 菫「えっ?……あ」ツゥ 渋谷「イイハナシダナー」 渋谷(……でも) 渋谷「菫さんが魔法少女……か」 照・菫「」ビクッ 照・渋谷・菫「……」 ポワポワポワーン チャーチャララーチャララチャーン♪(キャピキャピしたBGM) 菫『へんっ!しーんっ☆』 パアッ♪ フィーンパシャッ♪(服が出てくる音) キュピーンシュワッ♪(同上) 菫『てんほーれんほーちーーっほーーーーっ☆』(よくわからない呪文) 菫『魔法少女☆まじかるすみれ☆』 菫『キミのハートをーーーーブチ抜くぞっ♪』デデドン! 照・渋谷「「だぁーーーーっはっはっはっはっはっ!!!!!!!!」」ワハハハハハ 菫「……」 照「こ、、こいつは傑作だ!」ゲラゲラ 渋谷「お、お腹痛い……」プルプル 菫「……」 照「魔法少女☆まじかるすみれ☆」キリッ 渋谷「だっておwwwwーーーーは?」 ズドドンッ!!!!! シュゥゥゥゥ…… 菫「何か言ったか?」 照「いえ、何も言ってません、マム」 渋谷「どっから出したそのアーチェリー」 菫「まったくお前らと言う奴は本当に……それと渋谷」 渋谷(?) 菫「魔法少女にーーーー秘密はつきものだ」 照「えっ」 菫「クラスのみんなには内緒だぞ☆」 渋谷(とうとう開き直ったか……) 菫「……ん?」 シャーッ!(迫真) 菫(淡が出てきた、か) 京太郎「ああ^~今日は結構買ったな~」 淡(えへへ……今日は京太郎と久々に会えたからちょっと奮発しちゃった……) 淡「この服!今度会う時絶対着てくるね!」 京太郎「はははっ、喜んでくれたんなら何よりだな!……さって、と、次はどこ行く?」 淡「次?次は……えーっと」 京太郎「あ、ハギヨシさんは何処か行きたいところないすか?」 ハギヨシ「私はあとで構いませんよ」ニコッ 淡(次かぁ……次はどこ行こう?) 淡(服屋さんの次だからやっぱり……) 淡(ラ、ランジェリーショップ?)カアアッ 淡(う、うんっ。きょーたろーに可愛いブラとか選んでもらって、えっと、その……えっち、の時に見てもらうんだ) 淡(それでそれで、京太郎に『可愛い下着だな……でも、お前の方がもっと可愛いよ』っていってもらったりして) 淡(そしてきょーたろーはゆっくりと私の下着を脱がしていって……私の恥ずかしいところをぜーんぶみてもらうんだ……えへへ、京太郎にならいいんだよ?」 淡(それから私達は幸せなちゅーをしながら一つになって、痛がる私を京太郎は優しく抱きしめて) 淡(いーっぱい汗かかきながら二人で幸せになって……それで私の中に、京太郎の…………きゃ~~~っ!!!!!) 京太郎「淡?淡ー?おーい、意識あるかー?」 淡「えっ!?あ、な、なにかな!?」 京太郎「いやだから、どっか行きたいところないかって」 淡「え、えーっと……あ、そうだ!(提案)」 京太郎「?」 淡「次は京太郎の服を買いに行こう!」 京太郎「へ?俺の服?」 淡「そ!それも私が選んだ奴をね!」 京太郎「……あー」 ハギヨシ「あなたに選んでもらったので次は私の番、と言う事ですね?」 淡「そう言う事です!」 淡(ホントはあっちに行きたかったけど、ハギヨシさんもいるし、また今度でイイよね……) 淡(うん、今度だっ!今度は絶対京太郎に可愛い京太郎好みの奴を選んでもらおう!) 淡(それでそれで、帰りにそのまま京太郎のお家に行って……うんっ!すばら!) 京太郎「……うん、俺も淡に選んでもらおうかな」 京太郎「それじゃあ善は急げだ!行こうぜ!」 淡「うんっ!」 渋谷「動いた……」 照「次は何処へ行くんだろうな?」 菫(しかし淡の奴、あんなに体をくねらせて、何をやっているんだ?) 菫(……大方いかがわしい事でも考えてるんだろうな、うん) ――――服屋②―――― 淡「着いたーっ!」 京太郎「はへ^~ここもさっきの店みたいにおっきいな~」 ハギヨシ「どうやら先程の店の姉妹店の様ですね」 淡「よっし!それじゃー私プロデュース京太郎大改造作戦!はっじまっるよー!」 京太郎「お、お手柔らかになー」 淡(……とは言ったものの) 淡(どんな服選ぼー?京太郎、カッコいいからなーんでも似合うんだよね) 淡(きっとスーツとかカッチリしたのも似合うんだろうなぁ~) 淡(…………) 淡(……スーツの京太郎、かぁ) ポワポワポワーン 京太郎『ただいま、帰ったよ』 淡『おかえりなさい♪あ・な・た♪』 京太郎『ああ、ただいま』 淡『ん……』 チュッ 京太郎『今日も仕事疲れた……ん、良い匂いだ。今日はカレーか?』 淡『いつもお仕事ご苦労様っ☆それとあったり♪今日は京太郎の好物のカレーだよっ……えへへ今日は京太郎だって、語呂いいね!…………あっ、そだ♪』 京太郎『ん?』 淡『ご飯にする?お風呂にする?それとも……わ・た・し?』 京太郎『…………』 淡『……』ジィーッ 京太郎『淡……かな?』スッ もみゅん♪ 淡『やんっ♪京太郎のえっち♪』 京太郎『お前が可愛すぎるのがいけないんだよ……』モミモミ 淡『ん……あ……はぁんっ……っ、で……でもっ』 京太郎『?』 淡『お腹に赤ちゃんいるから……やさしく……ね?』 京太郎『……ああ』スッ 淡『京太郎……んっ』 淡『ちゅ……ん……ちゅっぷ…ん……ちゅ……ぷはぁ』 京太郎『愛してるよ……淡……』 淡(でへ、でへへ、でへへへへへ)ヨダレタラー 淡「……はっ!」 淡(い、いけないいけない!つい妄想の世界に……) 淡「……」 淡(……この妄想が、現実世界にリアルブートしたらウルトラハッピーなんだけどなぁ) 淡「ハァ……」 淡(って!そんな弱気じゃダメだ!私!) 淡(京太郎と私は幸せなチューをして結婚するんだ!絶対!) 淡「……って、あれ?」 淡「……」 ポツーーーン 淡「……きょーたろー?どこいったのー?」 淡(私を置いて服でも見てるのかな……?) 淡(だとしたらどこにいるんだろう?)キョロキョロ 淡(…………) 淡(……ん?) 淡(あの試着室にある靴……あれは……京太郎の靴?!) 淡「……」 淡(はっぷっぷー。きょーたろーめ、一人でさっさと選んで試着しているな?) 淡「……そんなに欲しい服でもあったのかな?」 淡「まったくもう……」 トテトテトテ 淡「京太郎ー?そこにいるのー?」 ガタタタッ! 京太郎「んアッ、淡か?そ、そこにいるの、か?」 淡「う、うん。いるよー?」 京太郎「そ、そう ンッ か」 淡「もうっ!京太郎!私が服選ぶって言ったじゃん」プンプン 京太郎「そ、そうだっ、ック、たな。ごめンッ」 淡「?……京太郎?どうしたの?なんか変だよ?」 京太郎「え?あ、いや、なんでもない ァッ んだ。気にしないでくれ」 淡「あ、もしかして服着替えるのに手間取ってるの?だったら私が手伝おっか?」 京太郎「!!!」 シャッ!(迫真) 京太郎「い、いいや、いい、よ……ンッ、だ、大丈夫だから」(顔だけ出てる) 淡「そう?……なら、わかった」 淡「何か困ったことがあったら言ってね」 京太郎「ああ、わか――――~ッッッッ!!!!」 淡「?」 京太郎「……っ!……っ!……っ!」プルプルプル 淡「京太郎?どうかし――――ん?」 淡(あ……れ……?) ……ンッ……ンッ 淡(……なに?……この……音) ……パンッ……パンッ 淡(まさか……) パンッ!パンッ!パンッ!パンッ! 淡「ラップ音?!」 京太郎「ど、どうした……?淡?」 淡「ふえっ!?……え、えっと!その!」 淡(……あれ?) シ……ンッ 淡(音、止まった?) 淡「な、なんでもない……です」 京太郎「……っ!……ァッ……っ!……ギヨシサッ……ハヨ……サッ……!」グリグリグリグリグリ 京太郎「……っ!!!……っく、そ、そうか。ならンッ、いいんだ」 淡「……」 淡「京太郎の方こそ大丈夫?顔色変だよ?」 京太郎「あ、あ……大丈夫だから……心配……ンッ……するな……っ」 淡「で、でも」 京太郎「あ、そうだ(唐突)……俺の服、選んでッ、来てくれなンアッーい……か?」 淡「え?……あ、うん!おまかせあれ!だよ!」 京太郎「は、は……じゃあ……頼むヒギッ……わ……」 シャッ(迫真) 淡「……」 淡「……よしっ!ミッションスタートだよっ!」 淡(でも本当に京太郎、大丈夫かな?) 淡(なんかあの試着室ガタガタしてる気がするけど……気のせいだよね?) 淡(……) 淡「……んっ!」 淡「それじゃー私の本気チョイス!見せてあげますか!」フンス 淡「……あっ」 淡(そう言えば執事の人……ハギヨシさん、どこにいるんだろう?) 淡(むむむ…………む?) 淡(執事……執事かぁ……) ポワポワポワーン 京太郎『お帰りなさいませ、お嬢様』チャッ 淡『ん、京太郎ただいまっ!』 淡『で、早速だけど京太郎!今日は麻雀部で疲れたから!私の肩揉んで!』 京太郎の『肩……ですか?ええ、承知いたしました』スッ 淡『ぴゃへ^~すっごくきもてぃ~』モミモミモミモミ 京太郎『それはよかった』ニコッ 淡『肩が終わったら次は身体全身お願いね!』 淡『きちんと組まなく隅々まで!』 京太郎『ええ、承知いたしまし――――ってお嬢様!それはなりません!お戯れが過ぎます!』 淡『ええーケチー』プクー 京太郎『ケチじゃありません!』 淡『京太郎は私の執事なんだよ?ご主人様の命令は絶対なんだから』 京太郎『し、しかしですね……』 淡『ぜ・っ・た・い・な・ん・だ・か・ら』 京太郎『……承知いたしました』 淡『ん♪それでよしっ♪』 京太郎『ハァ……』 淡『……』 淡『そ』 京太郎『?』 淡『そ、それと……もう一つ……命令』 京太郎『?何でしょうか?お嬢様』 淡『き、京太郎!』 京太郎『は、はいっ!』 淡『……』ドキドキドキドキ 京太郎『……?』 京太郎『あ、あの、お嬢様――――』 淡『わ、私の!ものになれっ!』バンッ 京太郎『……へ?』ポカーン 淡『……』カァァァッ 京太郎『……』 京太郎『……お嬢様』 淡『』ビクッ 京太郎『……私が旦那様に仕えると決めたその日から、この身体の全てはお嬢様、あなたのモノなんです』 京太郎『私はこの家に仕える執事、しがないバトラーでございます。この家に忠誠を誓った、しがない番犬でございます』 京太郎『"そう言うこと"なのです、お嬢様』 淡『京太郎……』 京太郎『……そう、私が旦那様――ハギヨシ様にこの身を捧げると決めたその日から――――』 淡「って違う違う違う!!!!!」バッ! 淡「な、なんでハギヨシさんが出てくるのかな!?」 淡「お、落ち着け私……クールになれ……クールクール……」 淡「……ふぅ」 淡「……」 淡「て、ていくつー!」 ポワポワポワーン 淡『京太郎……』 京太郎『この身朽ち果てるまで……いえ、朽ち果てて涅槃に渡ったその後も――――私の肉体、魂は、お嬢様のモノです』 淡『……』じ~ん 京太郎『……』ニコッ 淡『……』 淡『……って違う違う!!!そうじゃない!そうじゃないよ!』 京太郎『……は?』 淡『え、えーと、その……あ!そ、そーだ!』 淡『きょ、京太郎!』 京太郎『は、はいっ!』ビシッ 淡『わ、私を――――京太郎のモノにしろっ!!!』 京太郎『はっ!承知いたしまし――――――――は?』 淡『……』 京太郎『……』 京太郎『……え、と……お嬢様?』 淡『っ!』 京太郎『それは一体、どういう意味で……』 淡『そ』 京太郎『……』 淡『そ、それは…………こう言う意味だよっ!』ガバッ! 京太郎『え?…………んむっ!』 淡『ん……ちゅ……ぷ……くちゅ……ちゅ……ぷはぁ』 京太郎『……っぷはぁ――――――――――――――――え?』 淡『わかって……くれたかな?』 京太郎『あ、あの、お嬢様?い、今一体何を……? 淡『もういっかいしないと……だめ?』 京太郎『っ!し、しなくていいです!』 淡『そう……残念』 京太郎『……』 淡『……』 京太郎『……あ、あの』 淡『ねぇ、京太郎』 京太郎『っ!は、はいっ!なんでございましょうか?お嬢様』 淡『私、京太郎のことが好き、大好き』 京太郎『――――ッ!!!』 京太郎『そ、れは……』 淡『やっぱり、駄目……かな?』 淡『"お嬢様""の私が、執事の"京太郎"を好きになるなんて、駄目なことなのかな?』 淡『お嬢様の命令でも、駄目なモノは駄目なのかな……?』 淡『ねぇ……京太郎……』 京太郎『っ!お嬢様!』がばっ! 淡『……あっ』 京太郎『一時の御無礼、お許しください』 淡『(ふわぁ……きょーたろーの胸の中……あったかい……)』 淡・京太郎『……』 京太郎『』スッ 淡『……あ』 淡『(もう少し抱きしめたかったのに……残念)』 京太郎『……わ』 淡『……え?』 京太郎『……私も、お嬢様のことを――――』 淡「なーんちて!なーんちて!」 淡「…………ふぅ」 淡(イカんな、最近妄想多すぎるよ、、私) 淡「……」 淡(……どれもこれも、きょーたろーがカッコよすぎるからいけないんだよ?) 淡「……」 淡「……さてっ!京太郎の服を選びますかっ!」 淡(えへへ、気に入ってくれたらいいなぁ~~) カアーカアーカアー(迫真) 淡(カラスが鳴いてる……夕日、綺麗だなぁ……) 京太郎「ぬわああああん疲れたもおおおおん!」 ハギヨシ「今日はいっぱい歩きましたからねしょうがないですね」 京太郎「じゃあ淡、俺ハギヨシさんをそこまで送ってくるからここで待っててくれよ?」 淡「ん、わかったー」 京太郎「じゃあハギヨシさん、行きましょうか」 ハギヨシ「ええ」 淡(今日はいろんなモノ買ったな~。えへへ、楽しかったな~) 淡(今度はどこに行こう?何をして遊ぼう) 淡(えへへ、考えるだけでウルトラハッピーになっちゃうよ…………ん?) ブブブブブブブ 淡「メールだ……誰からかな?」パカッ 淡「……」 ○ 京太郎「おーう、待たせたなー淡。それじゃあ俺もそろそろ帰――――」 淡「ねぇ、京太郎」 京太郎「ん?」 淡「この後なにか……用事ある?」 京太郎「用事?……特にないけど」 淡「そ。……じゃあちょっと付き合ってくれない?」 京太郎「え?ああ、別にイイけど」 淡「……ふふっ、ありがとっ」 ○ 京太郎「……」テクテクテク 淡「……」テクテクテク 京太郎「……」テクテクテク 淡「……」テクテクテク 京太郎「な、なあ淡?今俺達は何処へ行って―――― 」 淡「ねぇ、京太郎」 京太郎「は、はいっ!」 淡「――――ここ、入ろっか?」 京太郎「……え?」 京太郎(…………) 京太郎(……ラ) 京太郎(ラブホ君オッスオッス!!) 淡「……」 京太郎「え?いや、ちょ、ちょっと待って、えっ?なにそれは」 淡「……」クスッ 菫『……ふぅ、なんとか服屋(紳士服)に着いたな』 渋谷『危うく見失うところだった……』 照『危なかった……』 菫『元はと言えば迷子になりかけたお前が悪いんだぞ、照』 照『反省している。てへぺろ』 菫『してないだろ……』 渋谷『……須賀京太郎と執事男の姿が見えない』 菫『ん?……あ、本当だな』 照『でも淡は見えるぞ』 菫『アホ面かまして惚け立ってるな』 渋谷『所謂ヘブン状態……』 菫『奴の周りを小さな星が浮かんでは消えている……成る程、確かにヘブン状態だな、あれは』 菫『自分の世界に完全に浸っている……』 照『……星……☆……ヒトデ?』 菫『は?』 照『な、なんでもない、気にしないで』 菫『?……あ、戻った』 渋谷『妄想からの脱出……成功』 照『……あたりを見回してるな』 菫『大方ヘブン状態の時に須賀達が何処かに行ったから、それに慌ててるんだろう』 渋谷『見ていて……滑稽……』 菫『……ん?』 菫『……ああ、成る程、須賀は試着室か』 渋谷『……』 照『……あ、試着室から離れて行った』 照『どうする?淡の方を尾行する?』 菫『いや、このまま試着室を見張っておこう』 渋谷『了解……』 菫・照・渋谷『『『…………』』』 照『なぁ……あの試着室少し揺れてないか?』 菫『気のせいだろ』 渋谷・照・菫『『『…………』』』 照『……なぁ、やっぱり揺れて』 渋谷『気のせい……』 照・渋谷・菫『『『…………』』』 照『……あ、須賀出てきた』 菫『ん、本当だな』 渋谷『尾行、リスター…………ト?』 菫・渋谷・照『『『……え?』』』 照『な、なあ菫。なんで須賀と一緒に執事男が試着室から出て来たんだ?』 菫『し、しらん!私に聞くな!』 渋谷『あっ……(察し)』 菫『(ま、まさかあの中でおっ始めていたのか?……い、いや!そんなことあるはずがない!)』 菫『(……くそっ!どうかして来たな!私の頭!)』 菫『……』 菫『(……でも)』 菫『(後で一応、ありのまま今起こったことを淡にメールで送っておこう……)』 ブブブブブブブ(迫真) 淡『……あれ?メールだ』 淡「…………」 淡「…………」 京太郎「なあ!淡!やめろって!俺達は友達だろう!?何故こんな無理矢理!」ギシッギシッ 淡「」スッ (京太郎のリー棒を添える音) 京太郎「!!や、やめろ!淡!これ以上腰を下ろしたらホントに入っちまう!」 淡「……」 京太郎「な、何があったか知らないけどさ!悩み事があるんなら俺が話を聞くよ!それで、俺にできることなら何でもする!」 京太郎「だから淡自分を見失うな!お前はこんなことする奴じゃないだろ!」 淡「……」 京太郎「淡……」 淡「」ニコッ 京太郎「淡……!」パアッ ズ……ビチ……ヌッ! 京太郎「――――――え?」 淡「~~~ッ!!!!!」 京太郎「あ、淡……お前……なにして……」 淡「……ぃ、たぃっ……っ!」ジワッ 淡「……え、へへ……でも……これで……」 淡「わた、しは……京太郎のモノで……」 淡「京太郎は……私、の、モノだね……」 京太郎「淡……」 淡「……えへへ」 淡「……キスよ、り先に……ひとつになるなんて……おかしな話だよね……っ!」 京太郎「……」 淡「……きょーたろー」 淡「大好き、だよ?」 ――――――二人は幸せなキスをして終了―――――― . 「……ふぅ」 「……どうやらあの小娘に、私と彼の運命の出会いとも言えるあの作品を贈ったのは失敗だったようですね」 「絶望のひとつやふたつしてくれると踏んではいたんですが……いやはや私も少し甘かったみたいです」 「それとも今日私達をつけ回ったあの子猫三匹達の仕業ですかね?」 「…………」 「……でもまぁ、いいでしょう」 「奪われたモノは奪い返す」 ハギヨシ「それが、執事 バトラー の嗜みですから」 カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/5749.html
551 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/09(水) 22 24 30.73 ID BkpBaiMJo [33/41] まだ雪が濃く山々や田畑に残る通学路。 春の色未だ遠い宮守の町。 気だるげに足を進める私は何処までも変わらない風景に飽きが来ていた。 ダルい。 口を開けばそう出てくるだろう。 ただ、もう口を開くのもダルいんだけど。 どさり。 一時間に一本くらいしか来ないバス停。 そこに置かれた古いベンチに腰を降ろす。 学校は春休み。 私が学校に行くのは、部活動があるから。 それももう一時間くらい遅れてるんだけど、何時ものこと。 きっと、集合時間を前もって早く言ってるに違いない。 白望「………」 学校、行こう。 そう思い、腰を上げる。 そんな私の背中に、声がかかる。 ダルい。 小さく息を吐いて、振り返る。 見えたのは、金色。 何処かまだ困惑したような顔をした、あの子との出会いだった。 京太郎「すいません、宮守高校ってどこですか?」 これが、京太郎と私の出会い。 だる……くは、無い出会い。 多分。 それに事実、京太郎は優しい。 塞とか、胡桃が厳しくしても、「まぁまぁ」って言っては私に尽くしてくれる。 やっぱり。 うん。 ダルくは、ないな。 554 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/09(水) 22 46 04.16 ID BkpBaiMJo [34/41] 春になった。 寒さは薄れ、徐々に花々は実る春。 私たちの部活は一気に人数は倍になっていた。 私、胡桃、塞。 新しくエイスリン、豊音。 そして、京太郎。 この出会いを生んでくれた、熊倉先生。 全部で7人の仲間たち。 私の居場所。 そうして県大会へと挑んで、勝って。 全国の切符を掴んだ。 ダルい。 その口癖だけは変わらないけど。 不思議と。 京太郎。 あの子が、頑張って、と。 そう応援してくれると。 背中を押してくれると。 張り切って戦える。 そう思う。 だから。 私の背中を押していて欲しい。 うん。 そうすれば、頑張れるから。 【宮守高校編、開始します】 558 名前: ◆VB1fdkUTPA[!red_res] 投稿日:2013/01/09(水) 22 53 10.92 ID BkpBaiMJo [35/41] 夢を見た。 赤い夢だ。 俺は鎖に縛られ、身動き出来ないでいた。 映像は、三つ。 俺は三つの映像を見せられていた。 一つ。 鎖で縛られた女の人。 鎖で縛る女の人。 二つ。 ナイフを持つ人。 それを止める人。 三つ。 ビルと、女の人。 一つ目が変わる。 鎖で縛られた女の人と、同じように縛られた俺がそこにはいた。 二つ目が変わる。 まるで豹変したかのようなその女の人に殺される俺が居た。 三つ目。 一筋の涙を流し、伸ばした俺の手を握らず堕ちて行く女の人が見えた。 赤い色が、見えた。 何処までも赤い色が。 俺は何もできなくて、ただそれを拾い集めようとする。 でも、でも。 ばらばらになったそれは、元通りにはならなくて。 どうやっても壊れたままで。 俺も壊れる。 そんな、夢を見た。 572 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/09(水) 23 07 21.60 ID BkpBaiMJo [36/41] 【8月14日:朝】 京太郎「うわああああああああッ!?」 布団を跳ね、俺は起きる。 寝汗が酷く肌を伝う。 気づけば、俺はトイレに駆け込んでいた。 吐き出す。 胃に吐く物は入っていない。 ただ、胃液が喉を焼くだけの痛みだけがそこにあった。 息荒く、俺は座り込む。 周りを見た。 ここが俺の部屋じゃないのにはすぐに気づく。 ああ、そうか。 俺は呟く。 俺は今。 京太郎「東京に、来てるんだったっけ……」 豊音「京太郎くーん?」 朝。 トイレから出た俺を呼ぶ声がドアから聞こえる。 この声は姉帯さんだ。 俺は服装を正して、ドアを開く。 見えたのは、肩。 視線を少し上に上げれば、何時も通り微笑んだ姉帯さんの顔がそこにはあった。 豊音「おはよー京太郎君ー」 京太郎「お早うございます、姉帯さん」 豊音「うん、おはよー」 間延びした口調。 それも特徴的だけど、一番の特徴はこの人の身長だ。 身長197cm。 目を引く容姿に、その背もあるからこそ、この人はこういうギャップが強いという感じがする。 ただ、たまに“いいこ いいこ”されるのは非常に複雑なのだけれど。 豊音「朝ごはんだから、皆で食べようと思ってー」 京太郎「すぐ仕度します!」 いかんいかん。 先輩たちを待たせるのは不味い。 俺は直ぐに着替えると姉帯さんに声をかける。 嬉しげに、俺の手を引っ張るこの人。 やっぱり、ギャップあるよなぁ……? 小瀬川白望:レベル2(病み度0/3、従順度2/6) エイスリン・ウィシュアート:レベル2(病み度0/3、従順度1/6) 鹿倉胡桃 :レベル1(病み度0/3、従順度1/6) 臼沢塞:レベル1(病み度0/3、従順度1/6) 姉帯豊音:レベル0(病み度0/3、従順度3/6) に変化しました。 698 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/10(木) 22 22 24.01 ID IJYtrjoeo [2/14] 胡桃「須賀君!正座する!!」 京太郎「はいいぃぃ!!」 逆らえない。 そういう雰囲気を持つ人が身近に居る人は多いだろう。 俺もそんな人間の一人である。 場所はホテル。 全員が集まれるように広々とした、片隅には自動麻雀卓も置かれた部屋。 そこで繰り広げられるこの光景は、もはや宮守麻雀部名物というものだった。 俺がミスする。 鹿倉先輩が怒る。 俺がミスする。 先輩が怒る。 この繰り返し。 そして今、何で俺が怒られているか。 それを言えば、まぁこの人が俺の麻雀教育を担う一人だから、なんだけど。 胡桃「そこで何でドラ切るのかな?リーチ掛かった状態でスジだからって迷い無く切る牌じゃないよ!」 京太郎「スジくらいしか読めなかったし手が無かったんですってー!!」 胡桃「言い訳しない!」 ああ言えばこう言う。 こう言えばああ言う。 そんな押し問答。 というよりは一方的なやり取りが響く。 熊倉先生は先生でそんな光景を微笑ましそうに見てるだけ。 シロ先輩は「ダルい……」と呟きながら俺と鹿倉先輩のやり取りを眺めて。 ウィシュアート先輩は何か「ばかちんがー!」とか言いそうな見覚えある熱血教師の絵を描いていた。 臼澤部長と姉帯先輩は……ああ駄目だ、微笑ましそうに遠巻きに見てる。 救いは……救いは無いんですか!? 胡桃「うるさいそこ!」 京太郎「マジで救いがねぇ……」 胡桃の病み度が1上昇しました。 701 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/10(木) 22 29 53.32 ID IJYtrjoeo [3/14] 【8月14日:昼】 京太郎「うう、酷い目にあった……」 鹿倉先輩のありがたーい教育。 それを受けた俺は何処かよろよろとした足取りでホテルの廊下を歩いていた。 ああもう、あの人のお説教はとてもキツイ。 毒舌。 これが当てはまる、そんな人だ。 まぁ、間違ったことで怒らないのだから俺が一方的に悪者なのだけれど。 たまに説教中、正座する俺の膝の上に“充電&体罰”として座ってくる時なんかは可愛らしいのに。 正直、先輩が軽すぎてそんな負担でも何でもないし。 でもまぁ、慣れない正座の代償はあるもので。 俺は脚の痺れという脅威の敵と戦う必要があるのだ。 俺がそんな悲痛で孤独な、自分との戦いに没頭している中。 後ろに気配を感じる。 い、いかんッ! ・ ・ ・ ・ ・ “この感じは”……ッ!! 塞「あれ、須賀君?」 京太郎「う、臼沢部長……」 で、出会ってしまった。 宮守高校麻雀部。 鹿倉先輩と並ぶツッコミ係、臼沢部長! クールな笑みの裏にあるのはシロさんやたまに無自覚天然行動する鹿倉さんへのツッコミする一面。 そう、この人は典型的ないじられ役! だから、こうして“弄る”機会というものを得たこの人は……。 塞「―――ほほう?足が痺れているのか?」キュピーン 京太郎(こうして俺にちょっかいだすんだよなぁ~!?) モノクルをクイッと上げる部長。 弱い者いじめ、よくない! まぁ、そんな叫びは絶対に通用しないんだけど。 塞「えい」チョン 京太郎「あひぃ!?」 そこは駄目ぇぇぇえええ!? 塞「………ッ」ゾクッ 臼沢塞の病み度が1上昇しました。 731 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/10(木) 23 01 18.60 ID IJYtrjoeo [6/14] 【8月14日:夜】 さて。 朝と昼、俺は非常にえげつない後輩イビリを受けた。 それが愛ある指導であっても、まぁそれは置いといて。 俺は深く、それはもう深く傷ついたのだ! ……何?自業自得? 少なくとも臼沢部長のアレは自業自得の範疇じゃないと俺は主張したい。 それはまぁ置いておいて。 俺は今、傷ついているのだ。 大事なことなので2回言いました! だからこそそれを癒す必要があるのであるが、まぁそういう機会は望むと来るものである。 気づけば俺は、手を引かれて皆のレクレーション部屋に居た。 俺の手を引いてきたのは、この人だ。 エイスリン「~♪」 鼻歌交えつつ、軽やかにペンを奔らせる金髪の女性。 エイスリン・ウィッシュアート先輩。 ニュージーランドからの留学生で、片言の日本語と耳に挟んだペン、常に抱えたスケッチブックが特徴の人。 日本に馴染めなかったところをシロ先輩が麻雀部に連れてきた人で、今じゃこの部活には無くてはならない人だ。 そして、何でこの人が俺の癒しか。 お答えしようではないか。 エイスリン「キョウタロ!ウゴカナイ!」 京太郎「了解っす」 エイスリン「ウン!ヨロシ!」 ……分かるか? そうだ、この楽しげな表情である! 俺の似顔絵を絵書きの練習にしているのだが、こうして楽しげな姿は小動物を見ている気分になる。 我が家のアイドル、カピさん(カピバラ♂)のようなものである。 俺が顔を崩すと、「ダラケナイ!」と可愛らしい叱咤が飛ぶ。 だから慌ててキリッとすれば、スケッチブックを覗き込む先輩。 ………あれ、見えてるんだろうか? エイスリンの従順度が1上昇しました。 775 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/10(木) 23 38 40.75 ID IJYtrjoeo [10/14] 【8月15日:朝】試合当日 大会。 一回戦当日。 熊倉先生は一回戦で負けるようなお前たちじゃない。 胸を張っていけ、とそう笑って送り出していた。 俺も、それは疑っていない。 先輩たちの強さも、先生の指導力も身を以って経験しているのだ。 しかし、である。 俺の汗は止まらない。 暑いから、とか緊張しているから、とかじゃない。 いや、緊張しているにはしてるんだけどね? それはもう別種の緊張といいますか………。 シロ「………ダル…い……」 京太郎「………どうしてこうなってるんだ…」 ……説明、しよう。 俺の、背中。 そこには、シロ先輩が居る。 ああ、そうだ。 分かりやすくいえば、おんぶしてるのだ。 俺が、先輩を、会場で。 というか会場までずっと。 シロ「ん……」 京太郎「はいはい先輩、もう着きますから……」 俺が泣きそうな声で思わずそう告げる。 ああもう、あれだよ。 絶対に変な人見る目で見られてるよ。 ただ、先輩はそんなの全然気にしない人で。 聞いた話じゃ学校に炬燵持ち込むくらいは平気でするくらいに、人目は憚らない。 言っても聞かないのも、実感済みだ。 だってこの人からすれば俺、ぶっちゃけダルくないタクシーですし? いかん、悲しくなってきた。 京太郎「シロ先輩、もうどうせなら台車とか用意しません?」 俺が思わずそう尋ねてしまうのも、まぁ無理も無いと思ってほしい。 いや、別に本当に用意する訳じゃないんだけどさ。 808 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/11(金) 00 02 18.33 ID /K5F0vEEo [1/22] その時だった。 きゅっ。 少し、抱きつく力が強くなった……ような気がした。 もぞり、と後ろで先輩が動く。 耳元の辺りに口があり、漏れ出た吐息が俺をくすぐる。 シロ「別に……いい」 京太郎「そうですか?」 シロ「うん……京太郎が居るから」 ………なんか、ずるい言い方だ。 俺がそう思っていると、ふと前方を見る。 見えたのは、おさげ髪が二つ? どきり。 俺の心臓が、跳ね打つ感覚があった。 あれは。 口内が乾く。 そのおさげの二人がそこに居るのは、偶然だ。 偶然に、過ぎない。 そこが自販機の傍で、二人とも飲み物を片手に持っている。 偶然だ。 だけど。 二人が同時に。 俺を見る。 俺を、見る。 俺、を………。 お、れ……… シロ「京太郎、落ちる」 京太郎「ぐえ!?」 その瞬間だった。 シロ先輩が、俺の首へとしっかりと抱きついた。 力が抜けかけていたのもあり、一瞬で絞まる首。 慌てて俺が背負い直して見ればもう、その女性二人は、居なかった。 シロ「―――――だるい」 840 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/11(金) 00 28 08.08 ID /K5F0vEEo [6/22] 試合というものは、終わってしまえば呆気ないもの。 それを感じるのは、その瞬間を迎えてしまった人の特権だろう。 少なくとも。 俺が帰って来た姉帯先輩の微笑み。 それには、まだ続けていける。 皆との時間がある。 そういう、微笑みだ。 宮守高校、一回戦突破。 それを成した全員に俺はお疲れ様でしたと声をかける。 シロ先輩は帰ろうと言っては俺の背中を要求。 鹿倉先輩と臼沢部長はシロ先輩に歩くようにと口を酸っぱく。 エイスリン先輩は姉帯先輩と手をとって喜びを分かち合っていた。 その姉帯先輩の視線が、俺に向く。 嫌な予感。 それが次の瞬間には、現実になるんだけど。 豊音「勝ったよー京太郎くーんー!!」 京太郎「もがぁああああ!?」 思いっきりハグされる俺。 身長差のせいで胸元……というか鎖骨辺りに顔を押し付けるような体勢だ。 あと、この人、山育ちのせいかすっげぇ力が……! エイスリン「!」バッ ……エイスリン先輩。 バラバラになった筋○マンの○ート君の絵はシャレになってません。 俺がタップをしながら姉帯先輩に限界を告げる。 それに気づいたのか、「ご、ごめんねー!」と思いっきり離れる先輩。 俺は少し咳き込みながら。 少ししょんぼりとした先輩の俯いた頭を小さく、撫でる。 京太郎「――――本当に、お疲れさまでした」 豊音「―――――」 京太郎「って、すいません!頭撫でちゃってつい……!」 俺の弁明。 それに小さく、でもしっかりと。 ううん、と。 先輩は微笑み、否定した。 841 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/11(金) 00 31 35.62 ID /K5F0vEEo [7/22] ‐======‐-二二二二二二二二\二二二二二二二二二\-=ニ二二二二二二二二∧ -=ニ二二二二ニニニニ∧ニ=- -=ニ二二二二 | _二二二二ニ=- -=ニ二ニ}/ \ / /<二二二二ニニ==- 〉_ /{/⌒1 /l ー=ニ二二二二ニ=----、 ','、___l/ | |∨ ー=ニ二二二二\/〃 ̄`ヾ 从 |_∨ | ∨ | `l / | ううん――――ちょーうれしいよー! '' ∨ ∨ / | ′ \ \ / | 、 __ / \ ∨ l |\. / ∧ ∨l |、 --- ァ/ / ∧ || . |. \_ _/ { / / ∧ l八 { /^Y^ \{ / / / | \ 従順度が1、上昇しました。 ヤンデレタイプが一つ判明! 姉帯豊音(監禁/??) 848 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/11(金) 00 33 55.65 ID /K5F0vEEo [8/22] 【8月15日:夜】 気だるげな部長。 そういう姿を見ることは普段からある。 特にシロ先輩、姉帯先輩なんかを相手にした時に顕著な症状。 消耗してる。 それが一番の表現方法なんだろう。 臼沢部長は少し覚束ない、そんな足取りなのが俺は気になっていた。 京太郎「部長、大丈夫ですか?」 塞「須賀君……うん、大丈夫……今日は慎重に行きすぎたみたいだよ」 あはは、と笑う部長。 それに俺は手を貸しますよ、と片手を差し出す。 きっと、大丈夫だ。 そう言って断られるだろうなぁ、とか思いつつ。 そう思っていると、思案顔の部長。 それに何だろうと思っていると、部長は小さく笑みを浮かべた。 塞「じゃあ……任せようか」 京太郎「え?」 塞「……いや、須賀君がそう言ったじゃない」 京太郎「い、いやそうなんですけど」 予想外というか、なんというか。 俺がそういう顔をしていると、小さく溜息。 部長が何処か呆れた目で、俺を見上げていた。 塞「私だって疲れた時、人の好意は無駄にはしないよ。シロみたく頼りっぱなしは無いけれどもね」 京太郎「シロ先輩のは頼るというより依存なんじゃ……」 塞「かもね」 揃って、小さく笑う。 俺はそれから新たまるように、こほん。 小さく席を吐くと、手を差し出した。 京太郎「さてさて、距離短いなれどエスコートさせていただきます」 塞「ふふっ……よろしくね」 臼沢塞の病み度が1上昇しました! 875 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/11(金) 00 51 13.28 ID /K5F0vEEo [12/22] 【8月16日:朝】試合無し 胡桃「特訓するよ!」 試合の翌日。 未だ布団の中で呆然とする俺に対して告げられる起床のコール音。 そんなのが耳に入らないほど、俺は混乱していた。 ここ、俺の部屋。 俺、男子。 なんで、鹿倉先輩、いる。 ジェスチャーのような動きで思わずそう喋る。 いやだって、おかしいだろ。 ここ男子部屋で、使ってるのは俺だけだ。 そして見れば、鹿倉先輩の首。 そこにかかってる、一本の紐に結ばれた鍵。 ……あれー? 鹿倉「さぁ!早く行くよ!」 京太郎「ちょっと待ちましょうか」 先輩の脇下に手を入れ、ひょいっと持ち上げる。 「∑!?」というような反応を見せる先輩。 俺は文句を言われる前に、ベッドに正座させる。 俺も倣うように正座だ。 見れば、鹿倉先輩の頬には汗。 どうやら普段と様子が違うことに気づいたようである。 まぁ、当然なんだけどね? 兎に角、だ。 俺は有無を言えないほど素早く、場を整える。 その素早さと来たらもはや芸術芸だろう。 そんなくだらないことを考えつつ、俺は刑事ドラマ宜しく部屋の卓上ライトを先輩に放射し、詰め寄った。 京太郎「で、何で俺の部屋に入れてるんです?あとその鍵なんなんです?」 胡桃「………」 京太郎「答えてください」 胡桃「………シロ起してくる!」 京太郎「おう、逃げるなや」 胡桃の数値に変動はありませんでした 892 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/11(金) 01 06 04.58 ID /K5F0vEEo [15/22] 【8月16日:昼】 鹿倉先輩の持っていた鍵。 それが熊倉先生が貸し出した、緊急招集用の鍵であると判明したのは少し前。 正座する俺と鹿倉先輩という珍しい光景を見て呆れたような視線を向ける部長。 切腹の絵を描く何気に黒いエイスリン先輩を回避して、俺は外に出ていた。 目的は無い。 強いて言えば、ぶらぶらするのが目的だ。 試合は明後日。 18日。 少なくとも俺にやれることはない。 ともなれば、俺は皆のサポートが手っ取り早いものだ。 効果は、サポートを受けた人の感想待ちなのだけれど。 俺がそんなことを考えつつ歩いていると、ちょうど曲がり角から出てくる人影があった。 しゃがんでいても、なお目立つ。 姉帯先輩だと、俺は声をかけた。 京太郎「姉帯先輩?」 豊音「はうあ!?」 跳ねるように立ち上がる先輩。 同時に聞こえる、猫の悲鳴。 見れば、一匹の野良らしき黒猫が猛ダッシュで逃げていくのが見えた。 もしかして。 俺はちらりと先輩を見る。 いや、まさか……まさか? 豊音「逃げられちゃったよー……」 京太郎(やっちまったぁぁぁぁああああ!?) そこには、どよーん、という感じで落ち込む先輩の姿。 サポートが俺の仕事(笑) 逆にメンタルをダウナーにしてどうするんだと俺は頭を抱える。 えーと。 猫じゃないけど……ううん。 京太郎「先輩、猫の代わりにはならないと思いますけど……岩手に帰ったら、俺の家のカピバラでも見にきます?」 豊音「カピバラ!?うん!見る見る見る!ちょー見たいよー!」 京太郎「あはは……ということで、どうにかさっきの猫の分は勘弁を」 なんかすまない、我が友よ。 お前の犠牲は無駄にはせんぞ……。 姉帯豊音の数値は変動しませんでした。 920 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/11(金) 01 24 03.01 ID /K5F0vEEo [19/22] 【8月16日:夜】 自慢する訳ではないことを前もって置いておく。 俺は、先輩たちにかなり可愛がられているという自覚がある。 特に姉帯先輩、そしてエイスリン先輩にだ。 何でか、と問われれば単純だ。 今、麻雀部に居るのは3年生の先輩方と、一年の俺だけ。 加えて宮守高校も元々生徒数の絶対数は少ない。 男子と言えばなお更で、来年は麻雀部がどうなっているかどうかも不明だ。 つまり、多分。 俺は、来年から一人になる。 きっと。 それに過敏に反応しているのが、この二人の先輩だ。 エイスリン先輩はシロ先輩に出会うまでの孤独を知っている。 姉帯先輩は皆と出会うまでの孤独を知っている。 二人じゃなくても、部長も、鹿倉先輩も、シロ先輩も。 皆がそれを知っている。 だけど。 皆は言う。 もし全国で活躍すれば、来年は部員がきっと一杯来ると。 だから、寂しくなんかない、と。 俺は、助けるつもりで助けられている。 何処までも優しい、この人たちに。 エイスリン「キョータロ?」 京太郎「どわっ!?せ、先輩!?」 エイスリン「ドウシタノ?」 京太郎「な、何でもないっす!湯冷めしちゃいますから、早く戻った方がいいですよ」 そこで、覘きこまれているのに気づく。 小さく疑問符を浮かべたエイスリン先輩。 ほのかに赤い肌と浴衣。 風呂帰りなんだろうか。 俺は少し慌てながらもそう伝えるだけは伝える。 ただ、この人は絵を描くだけはあるというか……俺の変化を、逃してはいなかった。 エイスリン「―――ダイジョウブ!キョータロ、一人ジャナイ!」 京太郎「先輩……」 エイスリン「皆、マダオ別レシナイ!キョータロ、一緒!」 981 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/11(金) 21 14 12.45 ID L0VPytv+o [4/6] 一緒、ダヨ 数値上昇しませんでした。 16 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/11(金) 21 25 37.77 ID L0VPytv+o [3/22] 【8月17日:朝】 シロ「…………」 京太郎「…………」 シロ「………なに?」 京太郎「何じゃねーです」 朝目が覚めて目の前に女の人の顔がある時の俺の動揺。 それを考えてもみて欲しい。 心臓止まるかと思ったよ正直。 しかも、だ。 この人が首にかけてるのは昨日の鹿倉先輩と同じ鍵だ。 ということはシロ先輩が今日は起しに来たんだろう。 来たんだろう。 来た……ん? 京太郎「誰ですか貴女!?」 シロ「え」 京太郎「シロ先輩が俺を起しに来る訳ない!ダルい…とか行ってて絶対に来る訳ない!!」 何処の組の廻しモンじゃワレェ!といわんばかりの勢い。 俺がベッドから跳ねるように立ち上がると、シロ先輩らしき人も体を起す。 そして、俺を見る。 じっと。 訴えるように。 シロ「………」 京太郎「う、ぐ……そんな批難めいた目線を俺に向けないでください、混乱してたんです」 シロ「ふーん…」 スカートをぱさ、っと叩き、起き上がる。 そうだよな、先輩の偽者とか、んなアホみたいな話ないよな。 起しに来て、だるいから寝てしまったに違いない。 俺がそう一人で頷く。 その間に、先に行ってるよ、と先輩。 俺がすぐ行きます、そう答えるとドアを開く。 そして出ようとするその時。 思い出したように、俺へと顔を向けた。 シロ「………これ、別にダルくなかったよ…」 京太郎「へ?」 シロ「じゃね」 ………あれ? 40 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/11(金) 21 52 29.39 ID L0VPytv+o [6/22] 【8月17日:昼】 豊音「猫さん、ねっこさん♪」 京太郎「ここいらだと、この公園に居そうなんですけどね」 朝食を終えて昼。 俺は姉帯先輩にお願いされ、彼女と一緒にこの間の猫を探していた。 どうやらここ数日の話し相手でもあったらしく、俺が出会って逃げてから会ってないそうな。 まぁ俺の責任でもあるのでこうして探索しているのだけど……。 京太郎「猫ー、お前は完全に包囲されてるぞー大人しく出てこーい」ガサゴソ 豊音「田舎のお袋さんが泣いてるよー」ガサゴソ こんな感じに、もはや良く分からないやり取りが起こっているのである。 いや、むしろこうして探しても逃げるだけなような。 野良とか、警戒心の塊だし。 京太郎「先輩、ふと思ったんですけど」ガサゴソ 豊音「んー?」ガサゴソ 京太郎「俺が居たら出てくるもんも出て来ない気がするんですが」ガサゴソ 豊音「あ」ピタッ あ、と固まる先輩。 にゅっと立ち上がり、俺を見る。 ……なんで涙目なんだろうか。 豊音「う、うう……じゃあ京太郎君は、ベンチで待っててー!」 京太郎「りょ、了解です」 うわぁぁぁぁぁん、と駆け出していく先輩。 俺はそれを見送って、ふと目に入った自販機に近寄る。 スポーツドリンクでいいかな。 2本購入。 一本の蓋を開き、少し喉に通す。 生き返るとはこのことだろう。 そのまま半分ほど飲み終えた頃、俺の前から小走りで戻ってくる先輩の姿があった。 豊音「京太郎君、居たよー!」 京太郎「お疲れさまです、それで猫は?」 豊音「今度ここで会う約束したよー」 約束できるんだ、すごいな先輩。 俺はそんなことを思いつつ、先輩にもう一本の方のジュースを渡す。 本当に、お疲れ様です。 豊音の従順度が1上昇しました 89 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/11(金) 22 53 20.47 ID L0VPytv+o [10/22] 【8月17日:夜】 明日は2回戦。 対戦相手はそれぞれ永水、姫松、清澄という高校だ。 永水、姫松は昨年も大暴れした強豪。 それもあってか、夜の最終仕上げは時間は少ないが、密度濃くやっている。 負ける、という想像は出来ない。 俺が知る皆はそういう雀士たちだ。 応援、しよう。 それしか出来ない自分。 情けなさもあるけど、それは今考えることじゃない。 だって、一番大変なのは先輩たちなんだ。 俺はそう思いつつ、レクレーションルーム……練習部屋の掃除をしようと足を向ける。 明日も使う場所。 そう思って、俺は行く。 入って、気づいた。 誰かの声が聞こえる。 塞「ん……」スヤスヤ 京太郎「ぶ、部長……?」 そこに居るのは、椅子に座ったまま眠りについている部長の姿。 見れば、モノクルが落ちて繋がれたチェーンで宙ぶらりんになっている。 確か、さっきまでの練習でも塞いでいたから……。 京太郎「もう一時間くらいこのまま!?」 塞「はぅ!?」 俺が声を上げる。 それにびくん、と反応する部長。 慌てたように左右を見て、そして視線が俺に止まる。 ぴしり、と停止。 塞「………寝顔、見た?」 京太郎「………ちょっとだけ」 塞「うわぁあ……油断してた、恥ずかしい」 モノクルを外しながらそう言う部長。 俺は「なんかすいません」と謝罪。 部長は部長で、「いや気にしないで」と笑っているのだけど。 120 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/11(金) 23 20 59.54 ID L0VPytv+o [13/22] 京太郎「部長、とりあえず明日に備えましょうか」 塞「ん、そうだね」 暫く沈黙が続き、次に俺がそう告げる。 明日の試合。 熊倉監督の言う作戦では部長が大きな役割を持つ。 永水の、薄墨初美。 ほぼ確定の役満使いという、恐ろしい選手。 その火力を真正面から塞ぐ。 それが先輩に課せられた、仕事だ。 それはきっとかなりの体力を消耗するだろう。 だから、先輩には少しでも英気を養ってもらわないと。 俺はそう思っている。 京太郎「部長、部屋まで着いていきましょうか?」 塞「シロじゃあるまいし、大丈夫。お休み、須賀君」 京太郎「お休みなさい、部長」 じゃあね、と部長。 足は前に向いている。 去っていく背中。 俺はあまり大きくはない声を出して、部長へと声かけた。 京太郎「明日……お願いします!」 __ / \ ... -―━━‐┴=ミ . ... ´ \ \ |. / \ \ \/ ん、任せなさい! / / / | \ \ .. ′ / l l l\ \ | | l l . ┌― 、 | l l 从 | \___|\ 」从 l | | Ⅵ「 ̄ \ | l L/ \| ´ ̄ ___,, l | | (__〉{ ̄__ ‘, | 从  ̄`,_ ´ィ芹心`ァl | ト ト、ヽ{_ァ , |/ } ∧ィ芹心、 乂゚ツ l | |ノ | { ′ / _∧{{乂゚ツ}} . . l | | | \‘ _ |. / ⌒辷_ノ' ′ 川| | / } } | | / / 人 -‐ ~) // | |/ | | l / | 个 .. ` - /}/l 」/ | | | | | > . __ // ̄\__ l | | | / ̄ ___厂 // \ | | l/}/ ̄ {Y ll| // \ | | / l_// / ∧ , | {// /l ∨ ∧ ,′ |. // {八 l|l \′ |. // ∧ Ⅵl ,′ | __彡く{ ∧‘ | __,′ | 臼沢塞の従順度が1、上昇しました 163 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/11(金) 23 43 22.83 ID L0VPytv+o [20/22] 【8月18日:朝】 さて、一つ言いたい。 これは非常に重要な案件で、俺にも関係する。 2回戦、先鋒戦。 それは卓に着く前からすでに戦いは始まっている、そういう試合だ。 そこに向かうからには、ある程度の威風堂々さ。 正確に言えば自信に満ちた姿を見せておくべきである。 弱さとは、つまりはその雰囲気からも分かってしまう。 ライオンなどの肉食獣が狙う獲物を子供の動物に変えるのも、その方が捕らえやすいからだ。 つまり、見た目は大事だ。 そういうことである。 ここで一つ、告げよう。 俺がなんでわざわざこうして語ったのか。 それが意味するもの。 それは。 シロ「」ダラーン 京太郎「試合でもこれですか、マジですか」 ……つまりは、こういうことなのだ。 背中で溶けているシロ先輩。 俺はその人を背負って思わずそう呟く。 むしろ呟かざるをえない。 選手召集のコールの後、この人の第一声を教えてやろう。 シロ『ダルい、おんぶ』 これである。 見れば、放送局のカメラさんらしき人が困惑した顔をしているのが分かる。 すいません、男ですいません。 きっとお茶の間に俺の姿が流れてるんだろうなー、と。 ああ、乾いた笑い声しかでねぇわ。 そんなことを思いつつ、俺は曲がり角を曲がる。 ここまで来ると、他に誰もいない。 カメラも他の選手を写しに行ったのだろう。 ぽつん。 そういう空間が、出来ていた。 京太郎「先輩、シロ先輩。着きましたよ」 シロ「中に入れて……」 京太郎「それは流石に無理ですって!」 197 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/12(土) 00 10 38.58 ID IDg01zbNo [1/89] どっこいせ、と先輩を降ろす。 ああもう、最後までこれだ。 俺は小さく息を吐くと、頭をぽりぽりと掻いている先輩と向き合う。 ……この人、半分寝てたな? 俺は小さく、息を吐く。 同時に苦笑が浮かぶ。 なんというか、シロ先輩らしい。 俺はぼけっと、こちらを見上げるシロ先輩と目を合わせる。 小難しそうに歪んだ眉毛。 半分閉じられた眠たげな瞼。 何処か色が読めない瞳。 それが小さく閉じられた唇で纏まっている、そんな何処か先輩らしさを感じさせる顔。 それが俺を見て、小さく口を開いた。 シロ「行ってくる」 京太郎「うっす、お願いします」 ドアを開く。 体を半分入れた後、「あ」と呟いた。 シロ「京太郎」 京太郎「はい?」 シロ「終わったら、迎えにきて」 それだけ言って、卓に入っていく。 なんともマイペース。 俺はそう思いつつ、帰り道を行く。 シロの従順度が1上昇しました 198 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/12(土) 00 11 38.75 ID IDg01zbNo [2/89] 【8月18日:昼】 『試合終了――ッ!!』 モニターが、アナウンサーが、それを告げる。 試合、終了。 試合、終了。 終わった。 試合が。 モニターの中で、姉帯先輩が泣いている。 シロ先輩が薄く目を閉じ、そして開く。 エイスリン先輩は連られたように、一筋の涙を流した。 臼沢部長は砕けたモノクルを片付けていて、何も語らない。 鹿倉先輩は小さく、スカートを握っていた。 負けた。 先輩たちが、負けた。 それをやったのが、咲。 中学時代の、そして幼馴染の、宮永咲。 なんだよ。 お前、麻雀嫌いって。 嫌いって言ってたのに、そんなんで俺たちの。 先輩の夢を――――!! トシ「京太郎、落ち着きなさい」 ぽん、と。 肩に手を置かれた。 振り返る。 京太郎「熊倉、先生……」 トシ「シロも、塞も、胡桃も、エイスリンも、そしてトヨネも……皆よく戦った。その結果が、これだよ」 勝負の世界。 その結果が、これ。 それに納得しないのは、筋が違う。 そう、当然のことを、先生は諭すように語る。 見れば、皆も。 俺に向けて、小さく笑顔を向けていた。 トシ「さぁ、頑張ったトヨネを迎えなきゃねぇ」 そう、カラカラと笑う先生の言葉。 皆が揃って、「はい」と答えた。 238 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/12(土) 00 50 32.28 ID IDg01zbNo [6/89] 一路、足は帰路に向かう。 皆は、先輩たちは、何処か吹っ切れたように笑っている。 勝負。 その結果。 納得したから、そうして笑えるのだろうか。 気づけば、俺は薄く暗くなりつつある街中にいた。 納得、できない。 というか、それを言う資格が俺には無い。 俺は戦ってなかったから。 口出す権利はない。 はぁ、と溜息。 しかし、先輩たちが納得してるんだ。 俺も、意識を切り替えるべきなんだろう。 トシ「おや、京太郎?」 京太郎「へ?」 そこでいきなり声がかかる。 振り返れば、先生の姿。 そして、前髪が特徴的な女性。 俺が少し驚いていると、先生が「ああ」と口を開いた。 トシ「ああ、この子は私が監督してた社会人リーグの時の選手でね。偶然出会って、この後食事でもって」 晴絵「生徒さんね。私は赤土晴絵、奈良代表の監督してるわ」 京太郎「ど、どうもっす!」 奈良代表。 確か、Aブロックだったか。 俺がそう考えていると、赤土さんが俺の顔をマジマジと見る。 そして、うん、と頷いた。 晴絵「宮守の結果は見たわ。私は別の高校の監督だから、あんまり無責任に君には言えないんだけどさ」 京太郎「………」 晴絵「宮守の子たちのこと、自分のことみたいに悔しがれる。なら君はきっと、良い雀士になる」 それだけ、告げる。 意味を考えなさい、と先生。 意味。 それは……。 251 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/12(土) 00 58 25.23 ID IDg01zbNo [8/89] 【8月18日:夜】 ホテルに戻る。 俺の足は迷い無く、レクレーションルームに向かっていた。 ドアをノック、開く。 見れば、麻雀を打つ音が響いている。 見れば、そこに居るのはシロ先輩、鹿倉先輩、エイスリン先輩、臼沢部長。 何時もの部活みたいに所々談笑を交えながら、麻雀を打っていた。 胡桃「あ、おかえり豊音。遅かった……あれ?」 シロ「京太郎?」 京太郎「え、はい、なんです?」 なんか、雰囲気は軽い。 何時も通りだけど、そこにあるのは想定外、というもの。 何でだろう、と俺が考える前。 臼沢部長が俺へと問うた。 塞「豊音と、すれ違う……いや、会わなかったか…?」 京太郎「―――――」 先輩が。 豊音先輩が、居ない? 気づけば、俺は妙な焦りに満たされていた。 足は、踏み出される。 一気に、駆け抜けるように。 俺の背中に、皆の驚愕の声を受けながら。 俺は気づけば、昨日の公園に、居た。 京太郎「先輩……ッ!」 駆け出す。 東京は狭いくせに、この公園が広い。 俺は荒い息を正す間も惜しむように走る。 走って、走って、走って。 見つけた。 姉帯先輩を。 膝に猫を乗せて、その背を静かに撫でている先輩を。 296 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/12(土) 01 26 25.25 ID IDg01zbNo [13/89] 京太郎「せん、ぱい……ッ!」 息が整わない。 両手を膝に、肩で喘ぐような呼吸だ。 それで気づいたのだろうか。 ぴくり。 そう、先輩は肩を揺らした。 豊音「きょー、太郎、君?」 京太郎「やっぱりここでしたか。皆、心配してますよ。一緒に帰り―――」 言葉が詰まる。 帽子に隠れて見えた、顔。 赤い、泣きはらしたような眼。 まだそこには一筋の涙が残っていた。 ああ。 この人は。 皆の前でもう一度泣けなかったのだ。 だから、静かにここで泣いていた。 その顔を見られないように。 先輩は被っていた帽子を少し、前にずらした。 『にゃー』 そう、猫が俺に警告する。 近寄るな。 そう言うように。 俺に顔を向けて、鳴く。 それでも。 俺は。 俺は……。 豊音「ごめんね、京太郎君」 俺が口を開く、直前。 泣きはらした声が、俺の名前を呼ぶ。 それに俺が答えようと。 何かを言おうと言葉を必死に探しているその時。 先輩が、続けた。 豊音「京太郎君に、新しい部のお友達を作れるか分からないよ……」 京太郎「――――」 302 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/12(土) 01 40 16.89 ID IDg01zbNo [14/89] ああ。 この人は優しい人だ。 結果が残せなかったから。 勝てなかったから。 まだ続けられなかったから。 来年の俺のために宮守に人を呼びたかったから。 部に、俺に、人を呼びたかったから。 勝ちたかった。 でも、負けてしまった。 それを、悔いている。 泣いている。 涙を流している。 誰にために? 俺のために。 優しい先輩は、泣いている。 京太郎「先輩」 気づけば、俺はもう先輩の前にいた。 帽子を手に。 抵抗は無い。 そっと退けると、先輩の顔が見えた。 猫は鳴かない。 見れば、くりりとした瞳で俺を見ていた。 京太郎「ありがとうございます、先輩の考えてることはすっげぇ嬉しいです」 でも。 続ける。 赤土さんの言葉を思い返す。 それは、他人を思えるということ。 誰かのために行動できるということ。 俺には今、これくらいしか出来ないけど。 京太郎「――――今は、胸くらい貸しますから」 豊音「あ――――あ、う、うわああああああああああん……っ!!」 京太郎「あはは、よしよし」 だから、今くらい。 存分に、泣いてください。 先輩。 305 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/12(土) 01 44 34.48 ID IDg01zbNo [15/89] 俺のために泣いてくれるのなら。 思う存分。 泣いて、もう俺のことで泣かないでいいように。 今は……。 -───- 、 ... \ / \ . / | ヽ / / / | | | ヽ . / / / | | | | ' . ,' | i /{ { | | | | | i | ,'レ∧ | .、 ,' { | i ! ' 【姉帯豊音の従順度がMaxになりました】 | | |V-─ | '、 Vヾヾ | | . | イ |r´f'癶ヾ .\ Vミx! | | '; . | { { !ヽ夂_ソ \{ \ ',ソ | | | ヽ' ヾ } i | /// `' \ \! | | \ | | |ゝ, -───- 、 \ \ ! ! \ \ ノ /{ /ニニ三二ニ ニ \ 、 \| \ ` ‐ 、 / / } /二三三三三二ニニ \\ \ . ̄丶 } / /./´ニニ二三三三三三二ニニ\} .', \ }/ __./'/'ニニ ニ -─ ─‐- ,三二 ニ ニニ\ } .′ / 、 {ニ ニ 二/二三三三二ヽ 三三三ニ/¨\─ ‐- _ \ / 、 \| ニ ニ/二三三三三三二\三ニニ,'_ヽ \二二ニ\ . // 、 \/ニニ/三三三三三三三三三',三ニ{__ノ /‐ 、二二`、 . ,'ニ { ,、/二, '二三三三三三三三三三ニ,三 { ノ /二二 二二 | . {二ヽ /二二 ,'ニ二三三三三三三三ニニニi三.{´_ ,'二二二',二ニ! ', ',ニ Yニニ二.iニ二三三三三三三三三二ニ|三ゝ─ヽ,'二二二 |二ニ| |二.|ニニ二|ニ二三三三三三三三二ニニ|三二ニニ ,二二二.!二二! . |.二|ニニニ二, ニニ二三三三三三三 二ニニ|三二ニニ i二二二{二ニ.| . ,二.|ニニ二ハニニ二二三三三 三二二ニニ, 三二ニニ |二二二 }二ニ! | . V|二ニ/ Vニニ二二三三三二二二ニ,'三二二 ニ |二二二.|二ニ| | . V.',二./ |\ニニ二三三三三三二ニ/三二二ニニ.!ニ二二.|二二! | | | ,ニ/ / |ニ\ニニ二三三二ニニ/三三二二ニ,'二二二二二 ,' | | | V / !二二` ──── ´三二二ニニニ./二二二二二ニ, ! !【次回に続く】 378 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/12(土) 14 18 58.66 ID IDg01zbNo [23/89] 【8月19日:朝】 京太郎「海……ですか?明日?」 塞「鹿児島の永水の所の皆とね、行くことになったの」 一夜明けて、朝。 朝食の席を皆で囲む中、俺は今さっき聞いた海水浴の予定に目を丸くする。 確かに、個人戦まで後一週間ほどある。 その間は暇だから、別に問題ないんだろうけど。 俺がそう思っていると隣でダルそうにしているシロ先輩がコテン、と俺の肩に頭を寄せていた。 びくりとして、見る。 ……この人、箸持ったまま寝てるよ。 胡桃「シロ、起きて!」 塞「昨日は須賀君が出てった後、豊音を真っ先に探しに行ったしね。きっと疲れてるのかな」 豊音「あうう、ごめんねー」 京太郎「ああ、豊音さん、泣かないで下さいって」 塞胡桃エイスリン「「「………豊音……さん?」」」 シロ「………」ピクッ 京太郎「あ」 トシ「おやおや、若いねぇ」 俺が口を押さえる。 しかもそこに熊倉先生のからかうような苦笑。 続いて、顔を赤くする豊音さんがそこには居る。 状況証拠。 それだけで俺はギルティらしい。 見れば、良い笑顔で俺の肩を掴む鹿倉先輩とエイスリン先輩の姿が。 胡桃「さーて、ちょっとお話しようね!」 エイスリン「ゴウモン!」 塞「逃げ道塞いどくよー」 豊音「あああああああ、京太郎くーん!?」 京太郎「いやぁあぁあああああああ!?」 俺は悪くない!俺は何も悪くないぞこれ!? . / / / . , `¨¨´ ノ ト、 ト、 } i | i 从 / ト、 | ヽ. ; } / l 人 ト、 ト、 _ rー-イ イ ! \ ! } / j/ ………ッ ∨ \! ∨V .> ` イ {ス人jヽノ jノ jノ j/ , ´∠ニニ>、 _ ... イ / \ / /ニニニニニ7 λ / /入 / {ニニニニニ7/「八. / //二\・シロの病み度が1上昇しました。 430 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/12(土) 14 47 42.88 ID IDg01zbNo [26/89] 【8月19日:昼】 女の子の買い物は長い。 それは実に世界共通の真理である。 今、俺はそう告げたい。 エイスリン先輩(一応言っておくが、海外などではファミリーネームよりファーストネームで呼ぶのが基本普通だ)の買い物。 何でも、ペンのインクが切れたということで俺を連れて買いにきている。 日本語に不自由な点が多少ある先輩。 それを補うための筆談だ。 まぁ、その筆談が出来ないのだから俺が必要なんだろう。 そうして足を向けたのが駅前にあるような百貨店。 宮守にも百貨店みたいのはあるけど、ここまででかく広いのは見たことない。 こういうのはやっぱり都会だ。 俺はそう思う。 しかしあれだね。 色華やかで目に悪いね。 あそこにはハート柄。 こっちには花柄。 あれなんかシンプルな色だけど派手すぎる。 …………。 はは、ペンを買いに来たのに何言ってるんだ、と思ってるだろ? 今は、俺はな……。 エイスリン「キョータロー……?」 京太郎「はい……」 エイスリン「コレ、似合ウ……?///」 京太郎「(爽やかスマイル)」 ああそうだよ! 今水着買いに来てるんだよ!! そして俺の後ろに更衣室じゃ今先輩が着替えてるんだよ!!! 視線が痛いってレベルじゃないぞ正直! エイスリン「ン……」パサッ 京太郎(衣擦れ音やめてぇぇぇぇえええええええ!!) ああもう、これは拷問だ! しかも最初は恥ずかしげに更衣室の遮り布で体を必死に隠してた仕草のせいで、先輩の肢体が、肢体がぁぁ……! ………ふぅ。 すごく落ち着いた。 エイスリンの病み度が1上昇しました 459 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/12(土) 15 09 42.58 ID IDg01zbNo [29/89] 【8月19日:夜】 誰かに欲される。 そういう、ことがあるとしよう。 女性が男性を欲する。 それにはきっと、色々あるだろう。 性、愛、孤独、便利、色々。 理由はそれぞれ、沢山あるだろう。 ああ。 でも。 この人が分からない。 そういう時は、絶対にある。 人は。 自分ですら理解できないのだから。 京太郎「随分、暗くなってきましたねー」 エイスリン「ウン、早ク帰ル!」 片手に先輩の荷物を持ち、俺はホテルへと脚を向けている。 明日は海水浴。 となると、男の俺は大変だ。 パラソル立てたり、荷物運んだりと仕事は色々あるだろう。 そう考えていると、ふと俺の視覚は白を捉える。 白い髪。 シロ先輩の後姿だ。 そして黒も。 豊音さんの姿が、そこにもある。 しかし。 なんだろうか。 あの二人の、空気。 普段と、違うような………。
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3422.html
京太郎「え?俺がなんだって?」 咲「ワドルディ!」 京太郎「俺って……そんなに……?」 咲「うん!とってもワドルディだよ!」 京太郎「…………」 京太郎「そうか……」 咲「うん?」キョトン 京太郎「(´;ω;`) そうかぁ……」 咲「京ちゃん!?」 優希「じぇじぇ!?犬が泣いてるじょ!!」 まこ「なんじゃ?何かあったのか?」 京太郎「(´;ω;`)」 久「咲、須賀君に何をいったのかしら?」 咲「わ、私はただ、いつも頑張ってる京ちゃんを褒めようと……」 咲「『京ちゃんってワドルディだね!』って」 まこ「なんじゃ?ワドルディって?」 優希「新しいタコスか?」 咲「ほっ、ほら!テレビとかで有名な人が」 咲「『俺ってワドルディだろ~』とか言っていましたので」 久「それ、多分間違ってると思うわよ……」 和「ワドルディ」スッ 咲「和ちゃん?」 和「カービィシリーズを代表するザコ敵」 和「ま、マリオにおけるクリボーの様な存在ですね」 和「パラソルを持っていればコピー可能ですが、基本はただの雑魚」 和「しかし、デザインが可愛らしいので結構人気も高いんです」 和「ま、須賀君は雀力が皆無でも外面が少しはマトモですからね」 和「咲さんのチョイスも案外合っていますね(笑)」 京太郎「(´;ω;`)」 咲「え!わ、私そんなつもりじゃ――」アタフタ 和「でも外面といってもやっぱほんの少しですしwwww」 優希「の、のどちゃん?」 和「可愛らしいワドルディすら劣りますねwwww」 まこ「の、和?」 和「ワドルディ並に役に立ってるとこなんかも見たことも――」 久「ちょっと!言い過ぎよ!」 京太郎「(´;ω;`)」ダッ 咲「京ちゃん!?」 優希「行っちゃったじょ……」 まこ「ありゃ、ずっと気にしとったみいじゃの」 和「逃亡wwww敗走wwwwやっぱワドルディ以下wwww」 久「はらむらぁぁあああああああああぁ!!!!」 公園 京太郎「はぁ……」 ガキA「あーまたスカだー」 ガキB「なんだよ、このオレンジコピーできねぇのかよ!」 ガキA「強そうなのは名前だけだよな!」 ガキB「ワドなんとかって使えねぇ~」 ガキC「ワイは好きやで」 京太郎(なんで公園でカービィやってんだよ……) 京太郎(つーか、家でデラックスやれよ!デラックス!) 京太郎(…………) 京太郎「はぁ、何してんだろう俺……」 京太郎「(´;ω;`) むなしぃ……」 「……あの?大丈夫ですか?」 京太郎「……え?」 「あ、やっぱり清澄高校の……」 「どうかしましたか?ハンカチどうぞ」 京太郎「え、あの、その……」フキフキ 「ああ、そういえば名乗っていませんでしたね」 睦月「鶴賀学園麻雀部 二年の津山睦月です」 咲「京ちゃん、戻って来ない……」 優希「流石に、ちょっと心配だじょ……」 和「どっかでスケとしっぽりしてたりしてwwww」 咲「はらむらぁぁあああああああああぁ!!!!」 優希「はらむらぁぁあああああああああぁ!!!!」 久「はらむらぁぁあああああああああぁ!!!!」 まこ「やれやれじゃの」 睦月「そ、そんなことがあったんですね……」 京太郎「ええ……」 睦月「でも、私は須賀さんが役に立っていないとは思いませんよ」 睦月「たとえ部内で雑用が多くても、それは貴方を頼っている証拠じゃないですか」 京太郎「そうかもしれませんが俺だって男です!」 京太郎「このままなんて、弱いまんまじゃ嫌なんですよ!」 睦月「そっか……」クスリ 京太郎「何ですか?」ムッ 睦月「いや、きっと君はこれから強くなると思ってね」 京太郎「はぁ……」 睦月「私も須賀君と似たような悩みを持っていたよ」 睦月「鶴賀の中ではそれほど麻雀が強くなかったしね」 睦月「大会では同学年の初心者の方が好成績だし」 睦月「今でも後輩に比べても力が劣っている」 睦月「自分なんかに麻雀なんて向いてないんじゃないかとも思ったなぁ」 京太郎「…………」 睦月「少し前、そんな私が部長になったんだ」 睦月「最初はからかわれたと思ってその場で怒っちゃったよ」 睦月「でも、当時の部長や三年の先輩は真剣だった」 『睦月(むっきー)がひたむきに頑張る姿がこれからみんなを――』 睦月「『これからの鶴賀を引っ張ってくれると信じてる』って」 京太郎「…………」 睦月「須賀君は、今の自分に納得していないんでしょう?」 京太郎「当然です……」 睦月「裏を返せば自分はまだやれる!頑張れる!ってことじゃないかな?」 京太郎「……」 睦月「ずっと弱かった自分が、変わりたいと思い努力する」 睦月「その必死さは絶対に自分の成長に繋がりますよ!」 睦月「須賀君だけのかけがえのない武器です!」 京太郎「津山さん……」 睦月「確かにワドルディの戦闘力は全然ないかもしれません」 睦月「でも、それでも立ち向かっていき、どんな逆境でもめげない」 睦月「その姿を見てくれている人は須賀君の周りにもきっといます!」 睦月「私は好きですよ、ワドルディ」ニコッ 京太郎「////」ドキッ! 咲「あ、京ちゃん!」 優希「戻ってきたか!」 久「和も反省してるみたいだから許してあげてね」 和「ッチ、反省してま~す」 京太郎「…………」 まこ「どーしたんじゃ京太郎?」 京太郎「すみません、ちょっと出かけてきます!」 咲「え?今帰ってきたばかりなのに?」 久「どうしたのよ?」 和「まさか惚れた女でもできたのかよwwww」 京太郎「……///」 一同「はぁ!?」 京太郎「じゃ!すみません!」ダッタッタッタッタッ 和(ばっ、馬鹿な!?) 和(あのドM野郎は私の様な女王タイプが好みの筈!) 和(とことん調教してから尻に敷いてそのままゴールイン!) 和(その計画が崩れたっ……!?)グニャー 久「ちょ~っと、どう責任とってくれるのかしら~?」 優希「じょ~じょ~じょ~」ポキポキ 咲「和ちゃん……」ゴゴゴゴゴゴゴゴ 和「…………」 咲「はらむらぁぁあああああああああぁ!!!!」 優希「はらむらぁぁあああああああああぁ!!!!」 久「はらむらぁぁあああああああああぁ!!!!」 和「はらむらぁぁあああああああああぁ!!!!」 まこ「カオスじゃの」 鶴賀 京太郎「津山さん!」ガラッ 妹尾「えっ!男の人!?」 モモ「なっ、なんなんスか!ここ男子禁制っスよ!」 蒲原「わっはっはー」 睦月「す、須賀君?」 かじゅ(ももも、もしかしてこれは///) 京太郎「津山さん!聞いて欲しいことがあるんです!」 睦月「何……かな?」ドキッ! 蒲原「わっはっはー」 妹尾「……」ワクワク モモ「……///」ドキドキ かじゅ「」ドキドキ 京太郎「俺!頑張りますから!」 京太郎「津山さんみたいな立派なワドルディになってみせますから!」 京太郎「だから!そのときは俺の――」 京太郎「俺だけのワドルディになってください!」 睦月「……っ!」 妹尾「わわわわわー///」 かじゅ「きゃー!きゃー!告白だーーーー///」バタバタ モモ「なんスか!なんスかこれー!ハレンチ過ぎるっスーーーー///」 蒲原「えー?リアルに意味分からんけどー」 京太郎「……」 睦月「……クスッ」 睦月「ごめんね、その想いには答えられない」 京太郎「あ……そ、そうですよね……」 京太郎「すみません、今日知り合ったばかりなのに迷惑を――」 chu♪ 京太郎「…………へ?」 睦月「私はもうワドルドゥだから///」 睦月「須賀君も頑張ってワドルドゥになって」 睦月「そしたら……その……友達から……」モジモジ 睦月「宜しく……お願いします……///」ペコッ 京太郎「」 かじゅ「きゃーーーー///」バタバタ モモ「////」 妹尾「いいなー///」 京太郎「うおおぉぉおおおおおおお!特訓だーーーー!!」ダッタッタッタッ 睦月「私も頑張るからね……須賀君……」キュ 蒲原「うん、ついていけない私が悪いのかー」 その頃―― 咲「はらむらぁぁあああああああああぁ!!!!」 優希「はらむらぁぁあああああああああぁ!!!!」 久「はらむらぁぁあああああああああぁ!!!!」 和「はらむらぁぁあああああああああぁ!!!!」 まこ「……カンじゃの」 カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3328.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1388485491/ 京太郎「暇だなぁ…」グデーン 穏乃「そーだねぇ…」ダラーン 憧「あんた達だらけすぎよぉ…」ノベーン 京太郎「お前も大概じゃねえかぁ…」 憧「うっさいわねぇ…」 穏乃「あばー…」 京太郎「玄さん達はー…?」 憧「宥姉連れてくる途中だってさー…」 穏乃「あー…なるほどー…」 京太郎「…」スクッ 憧「急に立ち上がってどうしたのよ?」 京太郎「いや…ふと思いついたことがあってな…」スタスタ 京太郎「」ゴロン [入り口扉] 京太郎 穏乃「いきなりそんなとこに寝転んでどうしたのさ?」 京太郎「いや…ここにポジショニングすればさ…見れるんじゃね?」 憧「何を…ってあー…大体予想できるけど、いやしたくなかったけど一応聞いておくわ…何を見れるの?」 京太郎「何ってお前…パンツだよ」 穏乃「パンツ?」 京太郎「ああ。別名では『男のロマン』とも言われているな」 穏乃「おぉ!なんかかっくいーかも!」 憧「馬鹿、ただ煩悩をそれっぽく言い換えただけなんだから全然格好良くないわよ。目を覚ましなさいシズ」 京太郎「バッカお前パンチラ馬鹿にするなよお前。10人に聞いたら11人が『男の夢だな』って答えるんだぞぅ?」 憧「あとの一人どっから出てきたのよ…」 京太郎「そりゃお前質問者の回答に決まってんだろ。ちなみにソースは俺な?」 穏乃「私、ソースはおたふく派かな!」 憧「そのソースじゃないわよ馬鹿。ていうかウスター一択でしょバカシズ」 穏乃「むー!」 京太郎「OKその話題は止めよう。キノコタケノコ並に不毛だ」 穏乃「京太郎は?」 京太郎「イカリソース」 憧「案外わかれるのねぇ…」 穏乃「元の話題ってなんだっけ?」 憧「あ、馬鹿」 京太郎「そうだよパンチラだよパンチラ!」 京太郎「だからここにいれば見れると思うんだよ俺としてはさ!」 憧「でもねぇ…向こうからはいってきたらどうするのよ?」 京太郎「あ、やべ…それ考えてなかった…穏乃、鍵閉めといてくんね?」 穏乃「えー?自分でやればいいじゃ「俺作のお菓子フルコース」わかったー!」トテトテトテ ガチャン 憧「…まあ、解決したとして。入ってくるときに顔踏まれるかもしれないけどそこら辺はどうなのよ?」 京太郎「…憧、俺はな…男なんだ…」 憧「…だから?」 京太郎「男なら…夢に殉じるぐらいでちょうどいいんだよ」ニカッ 穏乃「わー…なんかかっこいー…」 憧「夢の内容で台無しだけどね」ズバァッ 京太郎「一刀両断…」 憧「当たり前じゃない。くっだらない…」 穏乃「でも止めないんだね?」 憧「ま、たまにはどうなるか見るのも面白いでしょ?」 京太郎「そんなら少し手伝ってくれねーか?三人と普通に話すだけで良いからさ、極力こっちに視線が向かないように」 憧「いいけど荷担したなんて思われるのは真っ平ごめんよ?」 京太郎「大丈夫、こういうときのために…」バサァッ シーツ(京太郎)「シーツ、持ってきてんだよ」 穏乃「すごい情熱だね…」 憧「その情熱を少しは麻雀に向けなさいよね…」ハァ 京太郎「まーまー、とりあえず頼むわ」 憧「はいはい…」 穏乃「頑張るねっ!」ムンッ ……… …… … トテトテ テコテコ キュムキュム シーツ(京太郎、以下シー太郎)「この足音は…!」 間違いない。あの三人組だ。 憧「え、最後のって足音?」 そこには触れてくれるな。 とりあえず逸る心を隠しながらその瞬間を網膜に焼き付けるべく俺はただのシーツになるよう徹する。 シー太郎「」ソワソワソワソワ 穏乃「京太郎すごいワクワクしてるねー」 いっけね。 …… ガララ 玄「やっほーみんな!遅れてごめんねー!」 宥「ぁゎゎゎゎゎゎ」プルプルプルプル 灼「振動煩わし…」 来たよ!パンツ来た!これで勝つる! 穏乃「こんにちはー!」 憧「やっほ」 頼んだぞ二人とも…この作戦はお前等にかかって 穏乃「あ、そこのシーツには京太郎が入ってたりなんかしませんからね!」 ルゥン。 憧「」アチャー 絶対絶命大ピンチ。 玄「え…?」 シー太郎「」ピクッ 宥「ここに京太郎くんが…」プルプル シー太郎「」ビクッ 灼「ちくわ大明神」 誰だ今の。 穏乃「えっ!?な、なんでばれちゃったの!?」アワアワ お前のせいだよ穏乃!お前なんか穏乃やなくてしずもんや! 憧「あんたのせいよお馬鹿」 穏乃「うぇぇ!?ぅぅぅ~…」ジワァ え、何こいつ可愛い。大天使シズノエルやん。しずもんなんておらんかったんや。 と り あ え ず。 玄「」ジー 宥「」ジー 灼「」ジー シー太郎「」 どうしようこれ。 シー太郎「…に」 「「!?」」ビクッ シー太郎「ニャーン(裏声)」 ここは猫の泣き真似でごまかしにかか 灼「」ゲシッ シー太郎「アウチッ!!」 ▽あらた は すねげり を はなった ! 灼「とりあえず観念して出てきたらいいと思…」 京太郎「スミマセンデシタ…」モソモソ 暴力にはかなわないから仕方ないね。 …… … 憧「…」 穏乃「」アワアワ 玄「」モミモミ 宥「いやぁぁぁぁ…」プルプルプルプル 灼「それで、何で隠れてたの?」 京太郎「…」 言えない。「パンツが見たかったんですぅ!」なんて言えない。 灼「…」スッ 京太郎「言います言いますからすねはもう止めてぇ!」 マズイ。絶対絶命大ピンチ再び。 京太郎「えっとー…そのーですねー…」ダラダラダラ どうしようなんて言おうマジ怖い。そんなふうにしどろもどろしていると。 憧「…京太郎、もう正直に言ったら?」 憧「『三人にドッキリを仕掛けたかった』ってさ」 救いの、女神が。 京太郎「………!!」 玄「え?ドッキリ?」モニュモニュ 宥「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ…………」プルプルプルプルプルプル 憧「そう、ドッキリ。三人でだべってたときに急に京太郎が『みんなのびっくりしたときの顔見てみたい!』って言いだしてねー」 穏乃「…!そうなんです!それでシーツがあったから後ろからわってやればみんな驚くんじゃないかって!」 二人とも…俺なんかの為に…! 憧(貸し一つよ?)ニヤッ 穏乃(せめてここはサポートするよっ!)ニコッ 京太郎「」グスッ 灼「それならそれで早く言えば良…」スッ 京太郎「…!」 やった…俺は…俺は赦されたんだ…! 灼「でもドッキリ仕掛けようとしたのは許せな…」 京太郎「はい」ピシッ ピンチ再来かな? 灼「だから…私達にお茶を淹れることで手打ち」 京太郎「は、はい!」スクッ 大女神灼センパイにお茶を淹れる為立ち上がっ カクン 京太郎「お?」フラッ 灼「え?」 やばい。 正座させられて足しびれてるの忘れてた! 京太郎「わ!わ!わ!」フラフラ 灼「わ、わ、わ」 このままじゃ灼を巻き込んで倒れー! 京太郎「ヌゥォー!」ズシャー 灼「!?」 なかった!俺頑張った!ギリギリ当たりそうになったけど何とか体捻って回避したった! 京太郎「ふゥ~…」 軽く腰痛めたっぽいけど何てことはないな。 灼「京太郎、大丈夫…?」 京太郎「ええ…灼先輩こそ大丈夫でしっ」ピシッ やばい。 これは、やばい。 灼「…?」 幸いにも灼先輩は気付いてないが、これはやばい。 灼先輩を庇うためにギリギリ体を捻って倒れ込んで出来たこの角度… も う 少 し で パ ン ツ 見 え る ! 京太郎「…!」コロンビア 灼「!?」ビクッ あ。少し遠のいた。 京太郎「い゛っ…だだだ…」 腰痛めてるのにコロンビア。そりゃ痛くて当然である。 灼「…!大丈夫…?」キュムキュム 憧「それ足音なの…?」 ああ…その気遣いは嬉しいけどパンツ見えちゃいますよ…駄目じゃないですか(ゲス顔) 京太郎「実はちょっと腰を捻ってしまいまして…」ゴロン 仰向けになる。腰痛いから仕方ないね。(ゲス顔) 灼「それは心配…」キュム もう少し…もう少し…あと一歩…! キュム チラッ 京太郎「…!!!!!!!」 今… 布が… 聖域を守る布が… 見え「クマ…パン…?」た…! 灼「!?!?!?!?」ババッ 京太郎「え…?」 何で隠して… 灼「今…なんて…言った…?」 ゑっ? まさか俺、声に出して… 灼「なんて言ったか聞いて…」ギリギリギリ 京太郎「いだだだだクマパンって言いましたあああ!!」ミシミシミシ つい白状してしまった。だって痛いもん。 灼「っ!」ゲシゲシゲシ 京太郎「あだだだだだ!!!」 灼「見るのはまだ良いとして何で声に出…!」メシャア 京太郎「ぬぎゃーー!!」 だってしょうがないじゃないですか! 玄さんが黒レース、宥さんが毛糸はまだ予測できますよ!? でも灼さん! 京太郎「まさか子供用みたいなクマのプリントパンツ履いてるなんて思わないじゃないですかぁー!!」 灼「」ピシッ 京太郎「あ」 また声に… 玄「へー…灼ちゃんはクマさんのなんだー…」 宥「あったかそう…」ホワホワ 憧「クマさんか…可愛いわね…」ボソッ 穏乃「パンツ…?」キョトン 灼「」 京太郎「ゎゎゎゎゎゎゎゎ」プルプルプルプル 宥さんじゃないけど正直震える。このあとの制裁を考えると震える。 あと穏乃さんそのキョトン顔何なんですか?履いてないんですかあなた? 灼「京太郎」 京太郎「はい」 灼「楽に死ねると思わないほうが良…」ゴゴゴゴゴ 京太郎「ゎゎゎゎゎゎ」ガタガタガタガタ ピ- ※しばらくお待ちください※ 京太郎「うごごご…」ピクピク 灼「ふぅ…」パッパッ 憧「ム、ムゴイ…」 穏乃「ゎー…」 玄「灼ちゃんが…灼ちゃんがぁぁぁ…」モミモミサワサワフニフニムニュムニュ 宥「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」プルプルプルプルプルプル カオス。この状況を一言で表すならそんな感じだ。 灼「さて…最後に言い残すことは…?」 京太郎「…」 最後…か… 京太郎「…っと」 灼「?」 そう…もっと… 京太郎「もっとパンチラが見たかった…」 灼「ジェノッサイッカッター!!!!」ズガァァァァン 京太郎「ヤッダーバァァァーー!!!」 ざんねん ! おれの ぼうけんは ここで おわってしまった ! 京太郎「第…三部… カンッ 京太郎「」ぱたりこ