約 182,288 件
https://w.atwiki.jp/myhero/pages/154.html
【人込みを避けて】九条 壮馬 カード名 人込みを避けて キャラ名 九条 壮馬 レアリティ R 所属 九条 リーダースキル なし スキル 祭の後 わたあめと雲を消す!
https://w.atwiki.jp/konatazisatu/pages/110.html
蕭条の劫 15-654 「こなちゃんは、もし私に何か遭ったら、 助けてくれる?」 「えっ…」 突然のつかさからの質問だった。 私は曖昧にしか答えられなかった。 「あぁ…うーんどうかな。 まぁ、実際に起こらないと分からないかも… でも、助けないことはないと思う」 「そっか…いきなりこんな質問して悪かったね」 「いや、いいよ。何かあったの?つかさ」 「ううん。何もないよ。なんとなく聞いてみただけ」 そういえば、昨日の夜テレビで 地球危機とかいう番組をやっていた気がする。 もしかしてあれを見て影響を受けたのだろうか。 全く、デリケートだなつかさは。 「おっす、こなた!つかさ!」 「あぁ、かがみん」 「お姉ちゃん!」 「あれ、みゆきは?」 「委員会で遅くなるから先に帰っててって」 「あぁ、そうなの」 私たちは3人で家に歩いた。 「変な雲ね」 「雲?」 「ほら、今日の雲は何か…筋みたい」 「おぉ、これはまた新鮮だ」 「珍しいね。お姉ちゃん、あの雲は何て言うの?」 「え…うーんあんな雲見たことないな… 筋雲でいいんじゃない?」 「へぇ…筋雲か」 さて、私たちは特に気にもせず帰った。 「ただいま」 「あぁ、おかえり。こなた」 家に入るとお父さんが出迎えてくれた。 私はとりあえずテレビをつけて チャンネルを回していく。 ニュース番組ばかりだ。 まぁ、仕方がないと適当に回したチャンネルには、 上にテロップがあった。 「何々?地震…か。茨城県西部…あまり離れてないな」 「日本は地震大国と言われてるほどだぞ?」 「あ、叔父さん。お風呂入ってきますね」 「あぁ、どうぞどうぞ」 ゆーちゃんはそういうと、お風呂に入っていった。 さて、ニュース番組もつまらないので、テレビを消す。 夕食を食べ、その日私はすぐに寝てしまった。 何だか眠たかったのだ。 ネトゲのやりすぎだろうか。 まあいい、明日も学校だし 早く寝るに超したことはない。 皆に「おやすみ」と言ってベッドに入ると、 すぐに私は夢の世界に入った。 朝起きると、私の身体がベッドから落ちていた。 パソコンもデスクトップが落下していて 使い物にならなくなっていた。 辺りはかなり散乱していた。 私は何が起こったのかも分からず1階へ降りる。 「助けてぇえええ!」 ゆーちゃんの声だ。 私はガラスの破片が散らばった廊下を歩き、 ゆーちゃんとお父さんの寝室に向かう。 食卓では食器棚の皿やコップが 全て落下して割れていた。 寝室に入ると、 箪笥や本棚が完全に倒れていた。 本棚からは周りに本が散らばり、 照明までが外れて割れていた。 「誰か、誰かぁああ!」 箪笥と本棚の底から声が聞こえる。 どうやら、ここからは見えないが 若干の隙間が出来ているらしい。 しかし、この箪笥は簡単に退きそうにない。 それに箪笥は前向きに倒れていたので、 引き出しから荷物を全て引っ張りだすのも無理である。 「ゆーちゃん!」 「お、お姉ちゃん?」 「今助けるからね!ちょっと待ってて!」 私は精一杯の力で箪笥を押し上げる。 しかし、余りに重いので全く動かない。 下からゆーちゃんの手が見えていた。 「だめだ!全然上がらないや…」 「早く…」 「ごめん、ゆーちゃん! ちょっと人を呼んでくる!」 私は、近隣の人を呼ぶことにし、 ひとまず外に出る。 外に出て、私は唖然とした。 目の前の家は倒壊し、 見るも無残な姿になっていた。 電柱は倒れ、灰色の空間と化していた。 「誰かーーっ!」 私は叫んでみた。 見渡す限り家はひび割れ、倒壊していた。 外を歩いている人は数人ばかり居たが、 見向きもしない。 これは夢…? それとも、北朝鮮の来襲…? 私は頬を引っ張ってみた。 その手には、血が付いていた。 「きゃあ!」 これは夢ではない… 私には現状が全く理解できなかった。 まるで別世界だった。 誰でもいいから人を呼んでこないと ゆーちゃんが助からない。 私はしばらく廃墟となった街を歩いた。 皆、ボロボロの姿で家の前や道路で 立ち往生していた。 どこまで歩いても、倒壊した家や建物が 立ち並んでおり、 静けさだけが街を占拠していた。 「誰か!助けてください!」 私はもう一度叫んだ。 皆自分達のことが精一杯のようだった。 一先ずゆい姉さんを呼ぶことにした。 私は幸い人が並んでいない 公衆電話を見つけたので、 ゆい姉さんの家に電話をかけることにした。 全く僥倖としか言えない。 「もしもし…」 「もしもし…こなたです」 「あぁ、こなた?そっちは大丈夫?」 「ううん、壊滅状態はかなり酷い…」 「そっかぁ…そっちの方が震源に近いそうだね。 こっちは停電にはなってなくてね。 今テレビ見てたんだけどさ。 震度6強だって」 地震…そうか、地震が起きたのか。 でも今の問題はそれじゃない。 「あの、ゆーちゃんが瓦礫の下敷きになって…」 「えぇ!?本当に?」 「お願い…今すぐ来て…!」 「あぁ、勿論!今すぐ車出すから待ってて!」 私は、家へと戻った。 そして、先程の寝室に入る。 「ゆーちゃん!」 「…」 返事がない。 「ゆーちゃん?」 私は箪笥を叩く。 「ゆーちゃん!ゆーちゃん!」 私が何度呼んでも、ゆーちゃんは答えてくれなかった。 その場に私は泣き崩れた。 「ゆーちゃん…ごめん!私…」 ゆい姉さんの車は1時間待っても来なかった。 きっと渋滞しているのだろう。 やっとゆい姉さんがここまで来た時には、 既に太陽は昇っていた。 「こなた!ごめん!待った?めちゃくちゃ渋滞しててさ…」 「ゆい姉さん…実は…ゆーちゃんが…」 「えっ…?」 「ゆーちゃんは…もう…」 「ゆたかはどこ!?」 私は、深刻な表情をしている ゆい姉さんを寝室に連れて来た。 「ゆたか!返事して!居るんでしょ!?」 ゆい姉さんは叫んだ。 「そうだ、こなた。叔父さんは?」 「…分からない。多分一緒に居るんだと思うけど… 返事がないんだ」 「そっか…。 ん?ちょっと待って。これゆたかの手じゃないかな」 ゆい姉さんは、ゆーちゃんの手が 箪笥の脇から少し出ているのを見つけて、 恐る恐る脈を調べる。 ゆい姉さんは、大きなため息をついて そこに座り込んだ。 「ふぅ…生きてるよ。ゆたか」 「えっ…!?本当に!?」 「うん…眠ってるだけだよ。 全くこなたは…脈を測らないとダメだよ?」 「そ、そうだったね。あはは…」 「じゃあちょっと…二人にしてくれるかな」 「え?…あぁ、うん。いいよ」 ゆい姉さんは、Vサインして笑っていた。 私も、ニコッと笑い返した。 私は何故かと思いつつも、寝室から出た。 これからどうすればいいのだろう。 やはり、避難所での生活になるのだろうか。 バキュン!! …え? 私はその場に駆け戻る。 すると、私の目の前でゆい姉さんが 血まみれになって倒れていた。 その手には、ピストルが握られていた。 「い、いや…そんな…ゆ、ゆい姉さん… いやあああああああああああああああああああ!!」 私は泣き叫んだ。 ゆーちゃんはやはり死んでいたんだ… わ、私も…このピストル…で… もう、何もかもが真っ黒になって… 世界が終わればいい。 このまま終わってしまえばいい… 私はピストルを喉元向けて引き金を引く。 …弾切れか。 私はしばらくその場に立ち尽くしていた。 もう、私は一人になってしまった… 私は涙で目の焦点が合わないまま パジャマ姿で家を出た。 人目なんか気にしてる場合じゃない。 パジャマなのは私だけじゃないんだし。 それに、泣いているのも私だけではなかった。 呆然と倒壊した家を眺めている人も居たし、 私と同じように家族を失って 抱き合って泣いている人も居た。 何処へ行っても、 同じように建物や電柱、塀が倒壊していて、 道によっては通行止になっていた。 まるで、空襲のようだった。 所々で火が登り、煙も立ち上る。 地獄のようだった。 道路には大きくヒビが入り、 震度の大きさを改めて実感させられる。 信号は消え、硝子の破片がそこら中に飛び散り、 街の賑わいはすっかり消え、静寂と化していた。 電車もストップし、運転中止が相次ぎ、 駅前では乗客が殺到していた。 そういえば、かがみん達は無事だろうか… 安否を確かめようにも、電話が繋がらないし、 公衆電話は長蛇の列となっていた。 私は、歩いて安否を確かめに行くしかないと思った。 そういえば、朝から何も口にしていない。 でも、これといって食欲も出なかった。 車道の車は結構少なかったが、 建物の破片が刺さっていたり、 ひっくり返ってストップしている車もあった。 歩道は建物の倒壊による瓦礫で 塞がれているところもあったが、私はともかく歩いた。 この被害は たった数十秒の自然現象が原因であり、 誰も恨めない。 悔やみしか残らない。 抗うことも出来ない。 「あら、泉さん」 振り向くと、大きなリュックを背負った みゆきさんが立っていた。 「え…みゆきさん…何でここに?」 「泉さんこそ…どちらへ行かれるのですか?」 「…かがみん達の家だよ」 「あら、それは奇遇ですね。 私もそちらに行くところなんですよ」 「…そうなんだ。じゃあ、一緒に行く?」 「ええ、構いませんよ」 二人は、鷲宮神社へ向けて歩いた。 「みゆきさんは、大丈夫だった?」 「何がですか?」 「え…いや…家族は」 「…母は亡くなりました」 「え…」 みゆきさんの顔を覗いてみると、 頬に涙の跡が残っていた。 「ごめん…実は、私もなんだ」 「あなたも家族が…?」 「…うん。瓦礫に埋もれてね」 「そうですか…大変だったでしょう? そちらの方が震源に近かったようで」 しかし、みゆきさんが態々ここまで歩いて 来たのが不思議で仕方がなかった。 「何でみゆきさんは、かがみんの家へ?」 「食料強奪が目当てです」 「…え?」 「食料無しに、これからどうやって 生きていこうと言うのですか?」 「え…いや、でも…それ、どういう意味?」 「もちろん、強奪に決まってるじゃありませんか」 「…みゆきさん、ダメだよ…そんなの」 「ダメ?そんな言葉はもう通用しません。 私にはもう家族が居ません。 あなたもそうでしょう? 家族が多いほど配給が増える。 かつて戦時中は『欲しがりません勝つまでは』 という言葉がありました。 でも、もうそんな時代じゃありませんよ。 人間は食べ物が無ければ生きていけません」 みゆきさんは、話を続ける。 「私は地震が起こった時、 すぐ目が覚めたのですが、 母は既に本棚の下敷きになって死んでいました。 私は家族を失い、絶望に陥っていました。 もう、生きていくことができない、と。 しかし、生きていく方法はすぐに見つけられました」 「それって…」 「横領です。 実はさっき、みなみさんの家にあった食材を ありったけ持ってきました。 食べます?」 「い、いらないよ。それ犯罪だよ。みゆきさん」 「非常時に法律も何も無いんですよ」 私は寒気がした。 みゆきさん、お母さんが死んでおかしくなってる… 「じゃあ、もしかがみん達が…」 「拒否権も何もありません。 強奪ですから。いざという時は、 痛い目に遭ってもらうしか仕方がありませんね。 次はあなたの家に行こうと思っています。 歯向かうなら、あなたもただじゃおきません。。 あなたが私の作戦に協力するのなら、別ですが」 私は、みゆきさんの目を覚ますために みゆきさんの頬を引っ叩いた。 「…何するんですか?泉さん」 「みゆきさん、変だよ!そんなことして何になるの」 「悪いことではありません。 生きていくうえで当然の事なんですから。 口出しするとあなたでも承知しませんよ?」 「…みゆきさん。そのリュック、何が入ってるの?」 「あぁ、ここにはガスコンロ、ラジオ、鍋、 水、食料が入っています。見ますか?」 「あぁ、う、うん…」 みゆきさんは、リュックを下ろすとチャックを開け、 私に見えるようにリュックの口を開いた。 私は、目の前に見えるものが理解できなかった。 ただただ、口をパクパクさせることしか出来なかった。 私がみゆきさんのリュックの中に見たもの、それは、 みなみちゃんの頭だった。 「いやあああああああああああああああああああ!!」 私は頭を抱えて叫び、戻した。 「あらあら、汚いですね。どうしたんですか?」 「み、みゆきさん…げほっ! み、みなみちゃんの…ぐぇえっ」 「みなみさんの家は、 幸いひび割れ程度で済んでいました。 私は食料強奪のために家に入ったのですが、 みなみさんがあまりにうるさかったので 切り落としてきました。 良ければ食べますか?」 「いや、やめて…もう…ぐぉぇええっ」 私は、何も口にしていないのに 吐き気が治まることはなかった。 「みゆきさん…私、もう嫌。 近づかないでよ…」 「あら、どうされました?」 みゆきさんは私に手を差し伸べる。 「や、来ないで…」 私が逃げてもみゆきさんが追いかけてくる。 私は袋小路に追い詰められた。 「何故逃げるんですか?」 「来ないで!! もうみゆきさんなんか友達じゃない!」 その時、みゆきさんの奥で 何かが切れたような気がした。 すると、みゆきさんは突然手を伸ばし、 私の首を絞めながら、 ポケットから血のついたボンナイフを取り出した。 「ふふふ…どうやらあなたも 私のお料理になりたいようですね 泉さんはどんな味がするんでしょうか? 実に楽しみです」 「うぐっ…むくく…」 「では、死んでいただきましょうね」 みゆきさんは、微笑みながら ボンナイフを振りかざす。 私はその瞬間みゆきさんの鳩尾を思いっきり殴った。 「ぐふっ!」 みゆきさんは悶えた。 私は、みゆきさんの手から離れた ボンナイフを奪い取り、刃先をみゆきさんに向ける。 「みゆきさん…何でこんな事をしたの? こんなことして…何が残るの? みゆきさん…私は本当に今まで みゆきさんの事を友達だと思ってた。 優しくて、いつも私を導いてくれる… でも、今は違う。 多分、みゆきさんのどこかで 歯車が狂ってしまったんだと思う。 …みゆきさん。今でも間に合う… もう一度、やり直そう?」 みゆきさんの目から、涙が溢れていた。 目の奥に光が宿っていた。 みゆきさんは、震える私から ボンナイフをさっと奪い取ると、 自分の胸目掛けて突き刺した。 「みゆきさん!!」 「ありがとうございます、泉さん… …目が覚めました… 取り返しのつかないことをしてしまったこと… どうして、こんなことに… 私は…進むべき道を間違えて…しまいました… …これは、みなみさん、あなたにとっての 最大限の…償いです… 本当に、ごめんなさい…」 「…私は、みゆきさんを許す。 みなみちゃんも、許してくれるよ…きっと」 「そう…です…か、ありがとう…ございま…す。 泉さん…精一杯…生きて…下さいね…」 そう言うと、みゆきさんは倒れた。 「みゆきさん…」 私はしばらく黙祷して、再び歩き出す。 このことは、私とみゆきさんの秘密にしよう。 この先もずっと… さて、何時間歩いただろう。 私は、ぼろぼろの姿で鷲宮神社にたどり着いた。 もう、足はくたくただった。 鳥居は崩れ、神社の瓦も剥がれ落ちて割れていた。 私はかがみんの家へ向かう。 家の前では、かがみんとその家族が 私の家と同じように倒壊した家を呆然と見ていた。 以前、かがみんのお父さんは、 出張で東京に行ったとかがみんは言っていた。 だから、男の人は居なかった。 私は、かがみんを呼ぶ。 「かがみん…」 「…こなた!」 同じくパジャマ姿のかがみんが 泣きながら抱き着いて来た。 「良かった!生きててよかった、かがみん…」 「こなたこそ、よくここまで来られたわね」 「うん…まあね」 「ゆたかちゃん達は、大丈夫なの?」 私は、静かに首を振る。 「そんな…」 かがみは口に手を当てる。 「箪笥に潰されてね…運が悪かったんだよ…」 「…ごめん。こんなこと言って…」 「いいよ。かがみんが謝る必要はないよ。 私がもっとしっかりしてれば…お父さんも、 ゆーちゃんも…助かったんだ…」 「こなたは悪くないわよ。 …ねぇ、私達と暮らしなさいよ。こなた」 「え?」 「私がお母さんの許可を得るから、それでいいでしょ?」 「ありがとう、かがみん。 …そういえば、つかさが見当たらないんだけど…」 それを尋ねると、かがみんは俯いた。 かがみんが、倒壊した家を指差す。 「まさか…まだ中に居るの?」 かがみんは頷く。 「何で助けないの?」 「…レスキューが来るまで待つことにしたの。 下手に入ると危ないからって…」 「ダメだよ!死んじゃうよ!私が助けに行く!」 「こなた!今家に入っても 死にに行くようなものよ!」 かがみんは私の手を引っ張る。 「大丈夫だよ。私に任せて」 「こなた!あんたが死んだら私…私」 私は泣きじゃくるかがみんの手を握る。 「でもこのままだと助かる命も助からないよ」 「こなた…」 「じゃあね、かがみん!」 私は瓦礫の中に入って行った。 「こなた!」 かがみんの声は、もう私には聞こえていなかった。 私は瓦礫の隙間を見つけて、奥へと進んで行く。 「つかさああああっ!」 私は叫びながら薄暗い家屋を這うように進む。 しばらく進むと、少し広い空間に出た。 ここでは歩伏前進にならずに四つん這いで進める。 そこに、手が見える。 更に奥に進むと、つかさが仰向けになって 泣きながら横たわっていた。 「こな…ちゃん?」 「つかさ!私、こなただよ!」 「こなちゃん…ありがとう… 助けに来てくれたんだね」 「当然だよ。…動けないの?」 「…うん、右足が痛くて動かせないの…」 どうやらつかさは右足を骨折しているようだった。 「私、怖かったの…このまま永遠に誰も 助けに来てくれないのかなと思って… もう私、死んだと思われちゃったのかなって… でも、昨日言った通りこなちゃんが助けに来てくれたね。 本当にありがとう、こなちゃん…」 「いやいや。さて、とにかくここから出ないとね…」 入口までは10メートル程である。 しかし、外の光は微かに射しているものの、 とても負傷者を背負って出られる隙間はないのだ。 私は、この若干ゆとりのある空間から 出口がないかどうか、必死に探した。 その時、地面が揺れだした。 私は、咄嗟に四つん這いになり、 つかさを上から庇う体勢になった。 瓦礫は轟音を上げ、私達に向けて崩れてくる。 たった30秒の出来事だった。 私の背中は瓦礫に圧迫されて、 そこそこ踏ん張っていないと崩れてしまう状況だ。 故に、私とつかさの顔は10センチも離れていない。 外の景色が小さく見えるが、 私の力で脱出はもはや不可能だ。 辺りは静寂が広がっていた。 「つかさ…大丈夫?」 「…うん、大丈夫…こなちゃんは?」 「…うん、まぁ大丈夫かな」 お互いの荒い息が顔にかかる。 …歯磨きしてないから臭いとか言ってる場合じゃない。 このままでは、私達はレスキュー隊が 来るまでこの状態、ということになる。 いや、最悪の場合 このまま助けてくれないかもしれない。 「つかさ…ごめん。私…助けられなかったよ…」 私の目から落ちた涙がつかさの頬を伝う。 「いいよ、こなちゃん。嬉しかったよ、私」 つかさは笑ってくれた。 「つかさって…近くで見ると こんなに綺麗な目だったんだね」 「こなちゃんも、柔らかそうな頬っぺたじゃない」 「私、今までごめんね。 つかさのこと馬鹿にしたりして…」 「ううん、気にしてないよ」 二人は笑い合うことで暫く怖さを紛らしていた。 「私達…このまま死ぬのかな」 「死ぬ前に、お姉ちゃんにお礼を言いたかったな… 今までありがとうって」 そうか…つかさには家族がまだ居るんだ。 今でも家の前できっと待っているんだ。 でもこのままでは私の体力が持たない。 なんとかしてつかさだけでも助けたい… しかし、周りは瓦礫だけ。 道具など無い。 もはや手立ては無かった… でも、私はつかさを守るために踏ん張り続けた。 つかさは、手が震えて汗だくの私を見て 「もういいよ。楽になりなよ、こなちゃん」 と言ってくれた。 「そんな、私が何のために来たか 分からないじゃないか… 私は最期まで助けを待つよ…」 数時間が経過し、ようやくサイレンが響き、 レスキュー隊がやって来た。 私は四つん這いになることが出来なくなり、 とうとうつかさに少しもたれ掛かる体勢となっていた。 レスキュー隊が瓦礫を歩く音が伝わって来る。 私達は力を振り絞り、一緒に叫ぶことにした。 「助けてぇー!」 微かな声が聞こえたのか、レスキュー隊はこちらに歩み寄る。 外界の僅かな隙間からレスキュー隊の顔が見える。 レスキュー隊もこちらが見えたようで、 「生存者確認!」 一人がそう言うと、レスキュー隊が 何人も集まって瓦礫をどけ始める。 「大丈夫か?」 レスキューが聞いてきた。 「はい」 横たわるつかさが返事する。 レスキュー隊は瓦礫を退け始める。 「つかさ…やっと助かるね」 「こなちゃん…ありがとう…」 二人共涙を流した。 しかし、また地面が揺れ動いた。 荒れ狂う轟音と共に、瓦礫はみるみる崩れ落ち、 私の上に乗っかる。 私は精一杯の力を込めて踏ん張る。 レスキュー隊も一時退却してしまった。 揺れは収まり、辺りを見回すと、 奇跡的に出口が開いていたのだ。 「つかさ、あそこから出て!早く…ゲホッ!」 「こなちゃん!?」 その時、私の背中に何かが突き刺さったのだ。 多分屋根の木片だろう。 つかさに私の吐血がかかる。 「つかさ、早く…もう限界…」 つかさは右足の激痛に堪えながら、 這うように目の前の出口へ進んだ。 「じ、じゃあね、つかさ…」 遅れてレスキュー隊が駆け込み、 出口まで這い出てきたつかさを引っ張り出し、 担架に乗せた。 その時、 「ありがとう、つかさ…」 つかさにはこの声がはっきり聞こえた。 すると瓦礫がどんどん崩れ、完全に出口を封鎖した。 「崩れるぞ!総員退却!」 「こなちゃあああああん!!」 担架に乗せられたつかさは叫んだ。 「こなちゃ…こなちゃあああああん!!!」 つかさは担架から起き上がって どんどん崩れていく瓦礫の山に戻ろうとした。 もう家の原型は残っていなかった。 「危ない!巻き込まれるぞ!」 そして、無事にレスキュー隊とつかさが 瓦礫と化した家から離れ、 つかさは担架に乗せられたまま ようやく家族との再会を果たした。 しかし、つかさは泣き崩れていた。 「こなちゃ…うっく…こな、ちゃんがああああああああ!!」 「つ、つかさ…こなたが…どうしたの?」 「ああ、あぁあああん!」 つかさは瓦礫の山を指差す。 「…あの中に!?」 かがみは瓦礫の山に駆け出すが、 レスキュー隊に止められる。 「ダメだ!もう諦めろ!」 「やめて!離して!!」 かがみはレスキューの手を振り解き、 瓦礫の山へ走る。 「こなたああああああああああああああああああああああ!!」 1年後、まだ傷跡は大きいが、街は大きな復興を遂げた。 お姉ちゃんは京都大学に合格し、 私は東京の私立大学に合格することが出来た。 ゆきちゃんは、幸手市の路上で遺体となって発見された。 鑑識の結果、原因は出血多量で、自殺だったという。 レスキュー隊は、あの後こなちゃんを探したんだけど、 遺体が見つかることはなかった。 あの時、こなちゃんのお父さんは ゆたかちゃんを庇っていたらしい。 ちょうど私を助けるときみたいに。 でも、お父さんの方が先に力尽きちゃって ゆたかちゃんを圧迫する形になっちゃったらしい。 私には今、彼氏が居る。 向こうから付き合ってくださいって言われたんだけど、 その人は本当にこなちゃんそっくりで、 アニメやゲームに本当に詳しいんだよ。 私はそんな彼に惹かれちゃったんだ。 ちょっとKYな所もあるけれど、とても優しい人なんだよ。 私を助けるために命を捨てたこなちゃん。 私は絶対に忘れないよ。 「つかさー!早く行くわよ!」 「はーい!」 私はこなちゃんのお墓の前から去った。 (終)
https://w.atwiki.jp/bennrishi_matome/pages/185.html
(同前)実意商 第一四九条 参加を申請する者は、参加申請書を審判長に提出しなければならない。 2 審判長は、参加の申請があつたときは、参加申請書の副本を当事者及び参加人に送達し、相当の期間を指定して、意見を述べる機会を与えなければならない。 3 参加の申請があつたときは、その申請をした者が参加しようとする審判の審判官が審判により決定する。 4 前項の決定は、文書をもって行い、かつ、理由を附さなければならない。 5 第三項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。 旧法との関係 九九条 趣旨 本条は、参加申請の手続及び参加申請のあった場合のその取扱いについて規定したものである。 一項は参加申請書の提出について規定する。民事訴訟法においては参加の申出は書面あ又は口頭ですることができるが、特許法における参加にあっては必ず申請書を提出しなければならない。その申請書の名宛人は審判請求書や除斥、忌避の申立の場合と異なり審判長である。 二項は参加申請人の参加について当事者及び参加人が異議を有する場合もあるので、参加申請書の副本をこれらの者に送達し意見を述べる機会を与えなければならない旨を規定したものである。 三項は参加申請についての決定に関する規定である。民事訴訟法においては当事者が参加について異議を述べたときに限りその許否を決定するものとされているが(同法四四条)、特許法においては、当事者からの異議の有無にかかわりなく決定しなければならない。その決定はその申請をした者が参加しようとする審判の審判官が、審判により行う(したがって、三人または五人の合議体が行う)。除斥又は忌避の申立については申立に係る審判官以外の審判官が決定をするのとは異なる。 五項は決定に対して不服を申し立てることができない旨を規定したものであるが、その理由は、参加の許否の決定自体について争わしめることはいたずらに審判手続を遅延せしめることになり、しかも参加申請人は該当審判の審決に不服がない場合は参加申請についての決定について争う利益もないので、一七二条二項に規定するように参加申請を許否されて当該審判の審決に不服な者は、審決に対して訴を提起することができることとし、本条五項に規定するように参加申請についての決定自体に対しては不服を申し立てることができないものとしたのである。(青本第17版)
https://w.atwiki.jp/bennrishi_matome/pages/536.html
(取消理由の通知) 第四三条の一二 審判長は、取消決定をしようとするときは、商標権者及び参加人に対し、商標登録の取消しの理由を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない。 (本条追加、平八法律六八)
https://w.atwiki.jp/kyougenshi/pages/771.html
眼光「十七条のレーザー」 眼光「十七条のレーザー」 黄 (2) スペルカード:豊聡耳 神子 仙人/神 500 ■ブロッカー ■このスペルカードは相手プレイヤーを攻撃できない。 ■このスペルカードのパワーは各プレイヤーの墓地にある人間一枚につき+1000される。 フレーバーテキスト 第五篇 神楽 六に曰く、悪しきを懲らし善を勧むるは、古の良き典也。 あの面霊気も私の作った面と共に汝らの希望となろう。 収録セット 第五篇 神楽 8 / 60 参考 豊聡耳 神子 ブロッカー
https://w.atwiki.jp/shomen-study7/pages/447.html
学校教育法第82条の2
https://w.atwiki.jp/bennrishi_matome/pages/333.html
(国際出願による実用新案登録出願) 第四八条の三 千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約(以下この章において「条約」という。)第十一条(1)若しくは(2)(b)[国際出願日及び国際出願の効果]又は第十四条(2)[国際出願の欠陥]の規定に基づく国際出願日が認められた国際出願であつて、条約第四条(1)(ⅱ)[願書]の指定日に日本国を含むもの(実用新案登録出願に係るものに限る。)は、その国際出願日にされた実用新案登録出願とみなす。 2 特許法百八十四条の三第二項(国際出願による特許出願)の規定は、前項の規定により実用新案登録出願とみなされた国際出願(以下「国際実用新案登録出願」という。)に準用する。
https://w.atwiki.jp/mydokusho/pages/28.html
著者:太田光・中沢新一 発行所:集英社 初版:2006年08月17日 あとがき: 感想(2011/01/28) “憲法九条を世界遺産に”を久しぶりに読み返してみました。 奥付を見ると、初版2006年8月17日で、私は割とすぐに買ったのですが、9月9日の第三版です。すごく売れていたんです お笑いコンビ“爆笑問題”の太田光さんというビックネーム、私は存じ上げませんでしたが、本書内で太田光さんが日本思想界の巨人として紹介している中沢新一さんとの共著。 タイミング的にも、度重なる自衛隊の海外派遣や自民党の圧倒的過半数のなかでマスコミも含めて憲法改正論議が沸き起こっていて、時代が要請していた本だったのだろうと思います。 小泉首相の靖国参拝や、後に首相になる安倍晋三氏が“美しい国へ”が出版されたり、加藤紘一氏の実家が放火されたのもこの頃でした。 社会的には、BSE問題やライブドアの堀江社長が逮捕されたり、耐震偽装やシンドラー社のエレベーター事件が起こったころです。 もう5年も前に出た本なので、振り返ってもいいころかと思い読み直してみると、当時の私が読み取れていなかったな~と思うところがたくさん出てきて、恥ずかしい限りでしたがなかなか楽しかったです。 なぜ、当時の私が読み取れてなかったのかはすぐ推察が出来ます。太田さんと中沢さんの喋りのテンポがあまりにも違うからです。 対談の最初で、中沢さんに対して知の部分でのコンプレックスを払拭するためか、太田さんはまず宮沢賢治の自分なりの解釈をまずぶつけています。 中沢さんはそれに対して苦もなく太田さんの言いたいことを理解して宮沢賢治の世界からの更なるアプローチを試みます。 太田さんの喋り5に対して、5で返している。そして中沢さんが問題提起している部分は5.5から下手したら6以上中沢さんが喋り、太田さんの喋りはそれに対して少なくなっている。 太田さんの普段の活動である“爆笑問題”での比率が6:4~7:3くらいに感じられる逆になってしまっている。さらにこの本のなかでも語られている中央のインテリの言葉になってしまっている。 対談の形式としてはとても良かったのでしょうが、この本の役割としては私は違うんじゃないのかと感じました。 この本の役割とは何か。それは急速に右傾化し、異論を許さなくなる社会へのアンチテーゼにあったと思うのです。 小泉首相のもとで進められた構造改革路線のもとで、日本の国の形は大きく変えられました。 そのなかで、たとえ明らかな嘘だと思えるようなことでも、証明さえされなければ(例え証明されても御用学者を動員することにより、ひとつの意見とすることが出来る。)どんな強弁でも通る社会になっていきました。 そのなかで、この本は、たとえ青臭くっても現実をきちんと考えよう。社会に流されるのじゃなくて自分の頭で考えよう。 多様な意見があるなかで、相手の意見を封殺せずにお互いに尊重しあおう。許しあおうという事を言っているに過ぎない。 そして、憲法を世界遺産にというのはもはや表現でしかない。 大事に守るべき存在として、いちばんインパクトがあり世界に訴えかける表現で、そしてそれは成功したといえるだろう。 そのことを語るのに中沢さんが必要だったのだろうか。もし太田さんの考えていることを引き出すのに知の力が必要だったとしても、この本に必要だったのだろうか。 または、中沢さんは太田さんの表現したいことをもっと的確に引き出す必要があったのでは、もしそれが無理ならもっと的確な人選が必要だったのではと考えてしまいました。(失礼な話ですが。) この書評を書くのに際して私はAMAZONの書評欄を一通り読んでみました。86もあった書評のなかで、どう考えても本文を読んだとはとても思えないような書評がたくさんあって、それはそれで笑えたのですが。 タイトルだけで反発されてしまうような微妙な問題なので仕方ないのですが、さらに気になったのは本文を読んだ形跡はあるもののほとんど理解できて無いような書評があることです。 この問題はテレビ番組“太田光の私が総理大臣になったら・・・秘書田中”で討議された問題で、私も見た記憶はあるのですが、あまりにも記憶があやふやなのでYoutubeで探してみたらあったので見直してみました。 見直して思ったのは、ほとんどの参加者が事前にこの本を読んでいない。または読んでいても理解していない。 そして、憲法問題ではこの本で語りつくせていない部分がかなりあるという事です。 太田光さんが悩みながら、考えて表現しているのを強く感じ。彼の誠実さと青臭さをわが事のように恥ずかしく受け止めました。 いろいろなこの本以外の表現から、書ききれていない事を補足して憲法九条をなぜ世界遺産にと考えているのかを自分なりに解釈してみると。 世界は戦争をしない方向に進んでいる。 最終的に世界が戦争をしない社会に落ち着いたときに憲法九条はその先駆性ゆえにみんなから感謝される存在になるであろう。 いや、さらに言えば世界を戦争しない方向に進める力のひとつになるであろう。 戦争で問題を解決していた諸勢力に対して違う解決方法があることを指し示す灯台になるだろう。 世界から戦争をなくすためにも、憲法九条を守るべきだしそれを世界に知らしめる為にも憲法九条は世界遺産に認定すべきである。 論理的に展開できたし、自分なりに納得のいく形にまとまったと思う。 もちろん、こういう考え方に反発する人もいるだろうし、受け入れられない人もいると思う。 周りの国があるなかで日本一国が武装放棄できないとか、他の国への不信から軍備を充実させるべきだとか、領土問題の有るなか憲法九条は非現実的だという人がたくさん居ます。 それはそれで、現実的で大事な考えだと思います。このことはこの本でもふれられてる問題です。 でも、よく考えて欲しいのは現状でも憲法九条があるわけじゃないですか。 憲法九条があるなかで、自衛隊も有り現実問題に対処しているわけなんです。 戦争しなくてもいいときに戦争したがる人が居るのは、戦争をする事によって儲かる人が居るからです。 人の命でお金を儲けるようなことよりも、たとえ効率が悪くてもみんなでより良い世界を模索していくほうがいいと私は考えます。 今は沈静化している憲法改正論議ですが、現在の状況だといつ再燃してくるか分かりません。 そこで考えて欲しいのは、今憲法を改正するって言っている人間が、果たしてこの奇跡的に作られた憲法よりも素晴らしい憲法を作ることができるのであろうかということです。 憲法を変えたいといっている人間が、何を望んでいるか考えて欲しいという事です。 もちろんこの本はこれだけの内容ではなく、憲法九条に留まらないいろいろな題材を扱った私にとって読む価値のあった本でした。 お勧めします。 (ブログに書いたことを再編集しました。) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/bennrishi_matome/pages/420.html
(登録料の追納による意匠権の回復) 第四四条の二 前条第四項の規定により消滅したものとみなされた意匠権の原特許権者は、その責めに帰することができない理由により同条第一項の規定により登録料を追納することができる期間内に同条第四項に規定する登録料及び割増登録料を納付することができなかつたときは、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内に限り、その登録料及び割増登録料を追納することができる。 2 前項の規定による登録料及び割増登録料の追納があつたときは、その意匠権は、第四十三条第二項[登録料の納付期限]に規定する期間の経過の時にさかのぼって存続していたものとみなす。 (本条追加、平六法律一一六)
https://w.atwiki.jp/bennrishi_matome/pages/486.html
(補正の却下) 第一六条の二 願書に記載した指定商品若しくは指定役務又は商標登録を受けようとする商標についてした補正がこれらの要旨を変更するものであるときは、審査官は、決定をもつてその補正を却下しなければならない。(改正、平八法律六八) 2 前項の規定による却下の決定は、文書をもつて行い、かつ、理由を付さなければならない。 3 第一項の規定による却下の決定があつたときは、決定の謄本があつた日から三十日を経過するまでは、当該商標登録出願について査定をしてはならない。(改正、平八法律六八) 4 審査官は、商標登録出願人が第一項の規程による却下の決定に対し第四十五条第一項の審判を請求したときは、その審判の審決が確定するまでその商標登録出願の審査を中止しなければならない。 (本条追加、平五法律二六)