約 728,515 件
https://w.atwiki.jp/squestwiki/pages/155.html
思い出 基本的にムードMAX時に最後に倒した敵が、戦闘後の宝箱として落とす例外:ミミック、ミミック☆、ストーリー無しでダンジョンに潜った際のボス、イベントバトルで登場するザコ敵 以上の例外はいずれも戦闘後に宝箱を落とさないが、次に開けた他の宝箱から思い出が出る ユニーク夢魔(赤いシンボル)として登場した夢魔は必ず自分の史書を落とすので思い出を入手できないが、その史書を入れてザコとして登場した場合には普通に入手できる 1種の敵につき1度のみ(ただし、クリア後にデータ引継いでの再取得は可能) マイナス効果を付与してレベルを上げるものは、既に付加効果のスロットが埋まっている装備には使用できない 注意: ムードMAXで敵Aを倒して『Aの思い出』が入った宝箱を出現させた後、 宝箱を取らずに別の敵BとエンカウントしムードMAX→『Bの思い出』が入った宝箱を出現させた場合、 『Aの思い出』が手に入らなくなる。(Aの思い出がBの思い出に上書きされた形になる) 更に、その後敵AをムードMAXで倒しても『Aの思い出』が出てこなくなる。(入手済みと判断されている。こうなるとそのプレイでは二度と入手不可。) ボス戦をムードMAXで終了した場合 例えばリュードゥフ洞のボスであるリザードマンをムードMAXで倒した場合、リザードマンの思い出が入った宝箱は出現しないがこの時点では既にリザードマンの思い出の入手条件が満たされている、どこのダンジョンでもいいので敵と戦闘して終了した後にリザードマンの思い出が入った宝箱が出現するようになる。ただしこの戦闘を終了した直後に別の夢魔の思い出の入手条件を満たすと宝箱に入っているのは別の夢魔の思い出となりリザードマンの思い出は手に入らなくなる。 図鑑順思い出一覧 夢魔 効果 敵Lv 備考 サキュバス 装備に[魅力+5%]付与 5 ナイトメア パートナーが[リスティル?]を覚える 14 アスモデ パートナーが[ラスト]を覚える 19 エストの部屋で本[罪業史-色欲]入手後 リリス パートナーが[ファル・リスティル]を覚える 25 インプ 装備に[悪魔に弱い]付与・装備Lv+1 3 アルプ パートナーが[トリック?]を覚える 12 リリム パートナーが[ファル・ラプチャ?]を覚える 24 ピクシー パートナーが[プチ・ロギン]を覚える 3 エルトゥム森林最深部Boss(ストーリーなしの時) リャナンシー パートナーが[ペルスグン]を覚える 11 ティターニア パートナーが[シギルグン]を覚える 18 エルトゥム森林のユニーク夢魔 一度イかせた後で手に入る本を入手後 ドライアド パートナーが[ルート?]を覚える 5 アルラウネ パートナーが[ラプチャ?]を覚える 13 スクーグスロー パートナーが[ファル・エオルグン]を覚える 18 ネコマタ パートナーが[ドルンバ?]を覚える 6 ケットシー 装備に[ケモノに弱い]付与・装備Lv+1 12 スフィンクス パートナーが[エオルフニ]を覚える 19 ゴズバーン砂漠のユニーク夢魔 一度イかせた後で手に入る本を入手後 ブラックキャット パートナーが[カースイーサ]を覚える 6 ワーウルフ パートナーが[フォシブル]を覚える 6 ケルベロス パートナーが[ファル・ウルズグン]を覚える 17 ラミア 装備に[トカゲに弱い]付与・装備Lv+1 4 メリュジーヌ パートナーが[バインド]を覚える 14 エキドナ パートナーが[ベオク]を覚える 20 リザードマン パートナーが[ウルズグン?]を覚える 4 リュードゥフ洞最深部Boss(ストーリーなしの時) サラマンダー パートナーが[パッション]を覚える 12 ヴィーヴル パートナーが[ファル・シギルグン]を覚える 18 リュードゥフ洞のユニーク夢魔 一度イかせた後で手に入る本を入手後 マーメイド パートナーが[リスティル]を覚える 10 アンショス海最深部Boss(ストーリーなしの時) レヴィアタン パートナーが[エンヴィ]を覚える 18 エストの部屋で本[罪業史-嫉妬]入手後 スキュラ パートナーが[テンタク]を覚える 14 カリュブディス パートナーが[トワイス?]を覚える 17 アンショス海のユニーク夢魔 一度イかせた後で手に入る本を入手後 ヴィレッジャ 装備に[少女に弱い]付与・装備Lv+1 3 ヴァージンヴィレッジャ 装備に[取得EXP*1.5]付与 1 ヴィレッジャ遭遇判定時に低確率で出現 バンシー パートナーが[イーサグン]を覚える 12 アルバスタ パートナーが[アルスフニ]を覚える 20 ハーピー パートナーが[センシブ]を覚える 10 ゴズバーン砂漠最深部Boss(ストーリーなしの時) モーリアン パートナーが[クワイエト]を覚える 17 エンジェル パートナーが[イーサフニ]を覚える 7 ガブリエル パートナーが[マインイーサ]を覚える 12 ルシフェル パートナーが[ヴァニティ]を覚える 20 エストの部屋で本[罪業史-傲慢]入手後 クズノハ 装備に[技巧+5%]付与 7 ダッキ パートナーが[ラグズグン]を覚える 11 タマモ パートナーが[ファル・ラグズグン]を覚える 19 理想郷への道のユニーク夢魔 一度イかせた後で手に入る本を入手後 クノイチ パートナーが[ハガルグン]を覚える 11 ハツメ パートナーが[ファル・ハガルグン]を覚える 19 理想郷への道のユニーク夢魔 一度イかせた後で手に入る本を入手後 ホワイトラビット パートナーが[エスケプ]を覚える 15 マーチヘア パートナーが[トワイス]を覚える 19 不思議の国のユニーク夢魔 一度イかせた後で手に入る本を入手後 ジャバウォック パートナーが[アルスグン]を覚える 20 不思議の国最深部Boss(ストーリーなしの時) ジャブジャブ パートナーが[ファル・ロギン?]を覚える 18 不思議の国最深部Boss(ストーリーなしの時) サロメ パートナーが[シギルグン]を覚える 16 ヴァンパイア パートナーが[サック?]を覚える 14 カーミラ パートナーが[イーサグン]を覚える 20 王立図書館のユニーク夢魔 一度イかせた後で手に入る本を入手後 ミミック 装備に[トラップ発生率アップ]付与・装備Lv+1 - ムードMAXでイかせた後、次に開けた既存の宝箱から入手 ミミック☆ パートナーが[ミミック]を覚える 1 通常のミミックと少し違う… マモン パートナーが[グリード]を覚える 18 エストの部屋で本[罪業史-強欲]入手後 クイーンメイヴ 装備に[受ける快感+10%]付与・装備Lv+1 12 マイェストレ パートナーが[プレジャー]を覚える 18 特殊な思い出 名前 効果 備考 オリビア 装備に[全能力+10%]付与 クヴァラット(要・虚構の指輪) EP・初期TPも上昇する ルヴィッサ 装備に[稀にイかせる]付与 クヴァラット(要・幻想の指輪) 図鑑順思い出一覧(白の史書追加) 夢魔 効果 敵Lv 備考 ドラグーン パートナーが[ディヴェスト]を覚える 19 プロフェテス 装備に[テンション+5]付与 13 ソルジャー 装備に[少女に弱い]付与・装備Lv+1 7 スライム パートナーが[ラグ・ブースト]を覚える 18 ユニコーン パートナーが[アルスイーサ]を覚える 16 ゴブリン パートナーが[ウル・ブースト]を覚える 4
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/249.html
465 :恋の病はカチカチ山をも焦がす ◆iIgdqhjO26 [sage] :2008/02/13(水) 00 30 00 ID E7a9J8wT *** 兎は最初、狸を馬鹿にしていた。 馬鹿にして悪戯を仕掛けていたのは間違いない。 兎が最初に狸を見たのは、川岸であった。 狸は、そこでのんびりと釣りをしていた。 兎は、少しからかってやろうと思い、川へと石を投げた。 石に反応した魚は散るようにして逃げていった。 狸は何やら肩を落として、その様子を眺めていたように思う。 狸は後ろを振り返らず、またゆっくりと釣り針にうねうねと身をもじるみみずをちぎり、 丁寧に針へつけ、ひゅんと川へ投げ込んだ。 先ほどの喧騒を忘れたかのように魚が帰ってくると、兎は面白そうに、また石をぽちゃんとやった。 逃げていく魚。 また狸は肩を落とす。 兎はその愚鈍な狸をけらけらと笑っていた。 466 :恋の病はカチカチ山をも焦がす ◆iIgdqhjO26 [sage] :2008/02/13(水) 00 30 41 ID E7a9J8wT その笑い声に気がついたのが、狸は振り返る。 きっと狸は怒鳴り散らして追いかけてくるだろう、 そのときは自慢の足で逃げ切ってやろうと思っていた。 だが、予想に反して狸は兎へと手招きして、川につけてある魚籠を見せた。 その中には魚が数匹、この後の運命を知らずにのんびりと泳いでいた。 狸はその何匹かを上手に串に刺して、兎に渡した。 兎は呆気に取られていると、狸はまたどっしりと腰を落として、魚釣りをやった。 兎は馬鹿にされていると思い、狸に石を投げた。 頭にぽかりとぶつかる。 さすがにここまですれば愚鈍な狸も怒るだろうと思っていた。 だが、狸は目をぱちくりしたあと、このように言った。 「なんだ、魚が欲しかったんじゃなくて釣りをしたかったんだなぁ」と。 兎はここまで愚鈍な動物がいたとは、と心底飽きれた。 その時から、狸に対してさまざまないやがらせをしていた。 例えば穴倉の前に落とし穴を作ったり、 あるいは彼が大事にしていた収集物を壊したり、 あるいは濡れ衣を着せては動物達に責めさせたり。 467 :恋の病はカチカチ山をも焦がす ◆iIgdqhjO26 [sage] :2008/02/13(水) 00 31 03 ID E7a9J8wT その行為は悪意に満ちたものだったけれども、それでも狸は怒らなかった。 ため息を吐き、なにやら諦めたような顔をしてまた歩いていく。 兎はいつしか彼に惹かれていたのかもしれない。 狸は愚鈍だっただけではなく、何処か達観したような何かを持っていたのだと思う。 狸に、そのように仕向けたきっかけは解らない。 狸は粘り強く兎の悪戯を我慢した。 兎にとって、狸は何処か信頼の置ける人物となっていったのだろう。 ならば、諸君はなぜ兎は告白しなかったのかとたずねるだろう。 しかし、兎にとってはもはや自分から告白するなどは考えもしなかった。 狸が泣いて謝って許しを請うだけではなく、奴隷として名乗り出て、 一生を共にすることを期待していた。 狸が奴隷として一生を遣えるとするならば、 兎は少し苦虫を潰した顔をして、渋々と了解しようと思っていた。 それに、狸のことを好意もつ動物などいないだろう、と思っていた。 だから兎は余裕を持つことができたのだった。 しかし、兎が余裕を持っていたのも"あのとき"までだった。 468 :恋の病はカチカチ山をも焦がす ◆iIgdqhjO26 [sage] :2008/02/13(水) 00 32 11 ID E7a9J8wT 若干、兎は焦っていた。 狸が、他でもなく私ではない誰かを好きになるとは考えても見なかったからだ。 兎には自分に言い聞かせていた。 狸のことなど好きになる奴などいない、 どうせ傷心して帰ってくるに違いない。 その時は、立ち直れないほどに詰ってやろうと考えていた。 私以外の女性を好きになった罰として。 もう他の女性などを好きにならないようにだ。 *** 狸が焚き木の束を背中に背負うと、えっちらほっちらと、 均衡の取れない不恰好な歩き方を始めた。 これほど、体を使ったことがないのだろう。 兎は笑いながら、背中を蹴飛ばした。 狸は前ののめりで倒れると、振り向いて、溜息をついた。 469 :恋の病はカチカチ山をも焦がす ◆iIgdqhjO26 [sage] :2008/02/13(水) 00 33 03 ID E7a9J8wT 「また、お前さんか」 狸はよっこらせと立ち上がり、またえっちらほっちらと山を降りていく。 兎は後ろから付いていって、顔を覗き込み、尋ねる。 「ねえ、あの時、何処へ行っていたの?」 狸は、頭を少しかき、照れくさそうにする。 兎は何を柄にないことを、と訝しかった。 470 :恋の病はカチカチ山をも焦がす ◆iIgdqhjO26 [sage] :2008/02/13(水) 00 33 40 ID E7a9J8wT 「いやあ、そのな、一目惚れした娘さんがいてよお、 つい前まで贈り物するくらいしかできなくてよお、 ほら、俺が好きになったとしても、娘さんに迷惑がかかると思ってしまってよお、 遠巻きに見るしかねえと思ってたんだよ。 だけど、こないだそれだと埒が明かない、 もう壊れてもいいから当たって砕けろの精神でよお、 向かっていったわけさ、すると 『そう、やっぱり貴方が柿や栗や茸を置いていってたのですね』 と喜んでいてよお、そのあとは、まあ、なんというか、うん、そそその……、 両思いって奴でさ」 狸は喋りながら顔を真っ赤にしていく。 兎は何かが崩れたような気がした。 もしかしたら狸の妄想かもしれない。 いや、振られた衝撃の為、現実と妄想の区別がついていないのかもしれない。 471 :恋の病はカチカチ山をも焦がす ◆iIgdqhjO26 [sage] :2008/02/13(水) 00 34 08 ID E7a9J8wT 兎は声を震わせて言う。 「そんなこと…… そんなことあるわけがないじゃない…… 騙されているんですよ、狸さん」 狸は相変わらずあっけらかんとしている。 「ああ、俺なんかを好きになってくれる人なんていないだろうさ、 俺はそれでもかまないよ、あの娘が喜ぶ顔があれば、 俺にはいいんだよ、だから別に騙されていたってかまわないよ、 そのときはそのときだ、俺は頭を下げて穴倉で寝込むだけだよ」 兎はそのことを聞いて、目の前が暗くなったように感じた。 狸がそれほどまでに娘を愛しているという事実がそこにはあったからだ。 そして何か別の感情がめらめらと心の奥からわきあがってくることに気が付いた。 それは兎が今までに感じたことのないような感情であった。 472 :恋の病はカチカチ山をも焦がす ◆iIgdqhjO26 [sage] :2008/02/13(水) 00 34 56 ID E7a9J8wT 嫉妬。 兎は嫉妬したいたのだ。 狸は陽気な鼻歌を鳴らしていた。 兎は懐から火打ち石を取り出した。 そして、背負った焚き木に火花を散らしていた。 「おや、兎さん、何か、かちかち、という音がしないかね」 兎はとぼけた顔をして狸に言う。 「ええ、ここはかちかち山というんですよ」 狸はなにやら浮かない顔をしてたずね返した。 「いやあ、俺はここに十数年住んでるけど、そんな話聞かなかったぞ」 兎は済ました顔で言う。 473 :恋の病はカチカチ山をも焦がす ◆iIgdqhjO26 [sage] :2008/02/13(水) 00 35 39 ID E7a9J8wT 「あら、狸さん、そんなに他の動物と話をしたことないくせに。 じゃあ教えてあげますわ。 この山で、ある男性に恋をした女性が、 その男性と焼身して無理心中しようとしたのですよ。 なにしろ、その男性は隣村に奉公に行く最中でしたが、 離れ離れになるならば死んだほうが良いと寝ている時を襲い、 燃やしてしまったのですよ。 いつしかこの山はかちかちと音がして誰かまわず燃やしてしまうと 評判になっているのですよ」 兎は恰も、あった話かのように淀みなく話をした。 狸は何やら納得したような、しないような曖昧な表情を浮かる。 「いやあ、俺になんか嫉妬するような女性なんていないよお、 むしろ女性のほうから逃げていくよお」 と少し自嘲ぎみの笑みを浮かべ俯いた。 兎は、あらあら、その女性は目の前にいますのにね、と思っていたが、 口には出さなかった。目の前の焚き木にはだんだんと火の手が上がる。 474 :恋の病はカチカチ山をも焦がす ◆iIgdqhjO26 [sage] :2008/02/13(水) 00 36 34 ID E7a9J8wT 「なあ、兎さん、なにやら暑くはないかなあ、それに、ぼうぼうという音もする」 狸は汗を腕で拭いながら言う。 兎は相変わらずすました顔で答える。 「ええ、一度ついた嫉妬の炎は消えることなく燃え盛るものですから」 流石に愚鈍な狸でも、背中に付いた火に気が付いた。 しかも、狸は焚き木が落ちないようにと腰にしっかりと 結び付けていたものだから、焚き木を降ろすことができなかった。 「うわあ、あつい、あつい、兎さん、兎さん、何で教えてくれないんだよお」 狸は泣きながら結び目を解こうとしたが、 焦っている手前、なかなかほどけてはくれない。 とにかく川へと走り出す。 「だから言ったでしょう、一度付いた嫉妬の炎は消えないのです」 兎はその姿を見ながら冷ややかな笑みを浮かべた。 「そうですよ、私以外の女性が好きになったらこういうことになるのです」 もはや狸は小さくなっていっていた。 狸の向かうところには川が見えた。 兎は、後の焼けどが大変だろうな、とくすくす笑っていた。
https://w.atwiki.jp/gundamfamily/pages/4542.html
60 名前:通常の名無しさんの3倍 :2010/08/31(火) 22 58 41 ID ??? 《ガンダム家》 アムロ「ただいまー、おや?アルとシュウトはまだ起きているのか」 ロラン「ええ、キャプテンが見てくれていますよ」 アムロ「他の学生組も、ちゃんとやってるんだろうな?」 ロラン「実は、僕もレポートを作っている途中なんです」 アムロ「それは済まなかったな。後は自分でやるから、ロランは自分の事をやってくれ」 ロラン「わかりました。食事はテーブルに置いてますので」 アムロ「わかった、一息ついたらみんなの部屋を見て回るとしよう」 《青い巨星》 シロー「なーつがすーぎー、風あざみー♪」 アイナ「あら、どうしたんですか?急に」 シロー「弟達の夏休みも、今日で終わりだと思い出してさ」 アイナ「シロー、もしかして懐かしくなったんですか?」 シロー「課題漬けになるのは、流石に嫌かなぁ」 ラル「昔、ここで集中合宿をしたのを思い出したと見えるな?」 シロー「うわぁ、思い出しちゃったよ!マスターにはビシビシやられたな」 アイナ・ハモン『ウフフ』
https://w.atwiki.jp/railgun-yuri/pages/41.html
下を見ていた。 上を見上げると、首が痛くなって、眩しすぎて。 下を見るほうが楽だった。 こんな自分でもと思って努力した。 体力はない、レベルは低い。 風紀委員になれる気がしなかった。 手が目の前に差し出された。 顔を上げると微笑む貴方がいた。 貴方が励ましてくれたから、風紀委員になれる気がした。 事件が起きた。 貴方は、大人に立ち向かった。 ボロボロになっても立ち上がり、私を助け出し、相手を倒した。 私はあの時から――― 「――る。初春!」 「は、はいぃ?」 支部で仕事中、パソコンの前に座り書庫に接続し書類に必要なデータを集めていた。 少し重いデータがあり、それを待っている間にぼーっととり止めもなく昔のことを考えていた。 でも、思い出すときに軸となるのはいつも貴方。 ツインテールで真面目で風紀委員として優秀だけど、始末書をよく書かされて、それを私が一緒に残って手伝って。 そんな風に手助けをしてあげると照れたように「ありがとうですの」とお礼を言ってくれて。 そのたびに私はあははと笑って頭をかく。 その言葉を真正面から受け止めたら喜びで死んでしまいそうな気がした。 たまに意見が食い違って喧嘩して。 先輩に怒鳴られたり、いろいろしてまた仲直り。 困ったようにそっぽを向いて「こ、これからも頼みますわよ」と言われたとき、本当に嬉しくて涙が出た。 仲直りもそうだけど、ちゃんと認められていたから。憧れている貴方に認められていたから。 そんな記憶を思い出していたら、いつの間にか目の前に本人がいた。 私の顔の前で手を振り、呼びかけていた。 驚きすぎて、語尾が上がった変な返事になった。 きっと今の自分の顔は見ものだろうなぁ。 「な、なんですか白井さん?」 動悸をなんとか押さえつけながら、出来るだけ冷静に返事をした。 はぁ、とため息を吐く白井さん。 やれやれといった表情でこちらを向きパソコンを指差す。 ・・・あ。 「えっへへ、忘れてました」 頭をかきながらそう言う。 急ぎの書類ではないけれど、だからと言って遅れて良いってわけじゃない。 「でしょうね。ぼーっと画面を見てるのは少し不気味でしたわ。 それにあんまりぼーっとしてると頭の花が増えるんじゃありませんの?」 「むう。そんなことはありませんよ。 白井さんこそ最近まるで例のパソコン部品を大量に飲んだみたいじゃないですか?」 「それは頭が可笑しいといいたいので?」 微笑みながら言っているが、髪の毛がメデューサっぽくなっているように見える。 きゃー、石化しちゃいます。 「さぁ?じゃあ急いで仕上げちゃいますね」 「でしたらさっさとデータをこちらに下さいな。半分手伝いますわ」 束になった書類を二つに分け、片方を持って自分の席に帰ろうとする白井さん。 「え、私の仕事ですし」 「私の仕事はもう終わりましたし。それに、初春の仕事が終わらないと帰れませんの」 手を伸ばして引きとめようとすると、白井さんはくるりと振り返って笑いながらそう言った。 嘘だ。 前半は本当だろうけど後半部分は関係ないのだ。 今日は書類を片付けたら各自解散と決まっている。そう固法先輩に言われた。 「それに」 白井さんはそのまま言葉を続けた。 「それに、二人で一人前なのですから協力するのは当然。そうは思いませんの?」 「あ、はい!そうで」 嬉しくて、返事をしようと思ったらその前に言葉を被せられた。 「それに!初春に任せていたらまたぼーっとしてミスをするかもしれませんし」 「ひ、ひどいですよぉー!!」 にやりと意地悪げに笑いながら言う白井さんに冗談半分本気半分で叫び、頭をぽかぽかとはたく。 「いえ、本当のことですし」 「もっとひどいですー!」 二人で笑いながらそんなやり取りを続ける。 途中で茶化したのは白井さんなりの照れ隠し。 かなりのお人よし―そうじゃなきゃ風紀委員なんてやらないか―でよく人の手助けをするけど、 親しい人を手伝うときは照れくさいのか冗談を言って、良い雰囲気をぶち壊しにすることがある。 でもまあ、そこが白井さんの良いところというか白井さんらしさというか。 ・・・あっ、まずい。 ぺし 「はいはーい、じゃれ合いはそこまで。書類を終わらせるんじゃなかったの?」 「は、はい!」 「はいですの!」 「よし、いい返事。頑張りなさいよ」 いつの間にか白井さんの背後に固法先輩が立っていた。 頭を持っていた書類で叩くと、笑いながら注意して去っていった。 仕事、完璧に忘れてました。 「はぁー、終わりましたー」 「こっちもあと少しで終了ですわ」 先輩に注意されてから必死に書類を書き続けやっと帰れそうだ。 机に突っ伏して間の抜けた声をあげる私と、ミスをしないように気をつけながらすばやく書類をまとめる白井さん。 白井さんの手元ですばやく動くペン先からすらすらと生まれていく文字。 その字が重要書類のときは緊張でちょっと角ばって、普通の書類ならとても綺麗だとか、そういう些細なこと。 そう、御坂さんも知らないであろうそんな些細なことを知っている自分がちょっと誇らしい。 でも、そんなふうに思ってしまう自分が嫌になる。 「初春、終わったから帰りましょう」 とんとんと書き終わった書類たちをまとめて、そう言う白井さん。 「あ、はい。御坂さんと佐天さん待ってますよね」 「ええ、思ったより長引きましたしこれ以上待たせるわけにはいきませんわ」 そんな話をしながら椅子から立ち上がり、未だに書類と格闘している先輩に挨拶をし外に出る。 そして早足で二人の待つ場所へと向かう。 ここで急いでいると言いつつも本気で走り出そうとしないのは、足が遅くて体力がなく、 その上長時間座っていて足が痺れている私への気遣いだ。 きっと本人は御坂さんに会いたくて駆け出したいくらいだろうに、そんな風に私に気をつかう。 ああ、お願いだからそんな風に優しくしないで下さい。 勘違いしてしまいそうです。 「それにしても初春。最近ぼーっとしすぎではありませんの?」 「ふぇ!?そーですか?」 無言で横を歩いていた白井さんが突然そんなことを言った。 突然のことに驚き半分誤魔化し半分で間の抜けた返事をする。 「そーですか?じゃありませんの。最近キーボードを打つスピードが少し遅いですわよ。まったくどうしたんですの?」 心配そうな顔でこちらを覗き込まないで下さい。 先輩も気づいていないような私の些細な変化に気づかないで下さい。 白井さんのことを考えてました、なんていえるわけないじゃないですか。 「なんでもないですよ。・・・ほら、御坂さんたちの姿が見えてきましたよ。急ぎましょう!」 「あ、ちょっ・・・はぁー。まあ初春がそれで良いなら構いませんが」 笑って誤魔化し、感情は心の奥底に押し込めて、丁度見えた二人の方へ走り出す。 白井さんはため息を吐いてから、軽い苦笑いで私と同じく走り出した。 なんだかんだで人が言いたくないことには深く突っ込んでこないので助かります。 でも、原因はあなたのその優しさなんですよ、白井さん。 いっそ完全に御坂さん以外には興味がなくて気も使わなければこんな風に思うこともなかったのに。 そう文句を言いたくなってしまいそうです。 でも、そうなってしまったら白井さんじゃない。 白井さんは、正義感が強くて、諦めなくて、漢らしくて、大人で、ちょっと変態で。 私が憧れている白井さんはそんな人なのだから。 「佐天さーん、御坂さーん」 手をブンブン振りながらそう叫ぶと携帯電話を確認していた二人が同時にこちらを向いた。 そして笑顔になって手を振り返してきた。 佐天さんは大げさに、御坂さんは軽く。 「初春ー、白井さーん!」 「初春さーん、黒「お姉様ー!!」うわっ!?」 後ろを走っていたはずの白井さんがいつの間にかテレポートして御坂さんの前に出現。 そして、何時ものように思いっきり抱きついた。 驚きつつも慣れているのか倒れない御坂さんには敬意を表したくなります。 「いつも突然現れて抱きつくなって言ってんでしょうが」 「お姉さまが目の前にいたら抱きつくのが礼儀というものですわ」 「妙なこと言うなっつの。そして離れろ」 「いやですの」 抱きついてひたすら頬ずりをしている白井さんを顔を少し赤くしながら剥がしている御坂さん。 もはや恒例行事となってますね。あれ。 まったく、私の方が先に走り出したはずなのに遅れて到着しちゃいました。 同じく笑いながら二人の行動を見ている佐天さんに近づくと声をかけられた。 「よっす、仕事お疲れー。それにしてもまたやってるねーあの二人」 「はい。なんだかんだで電撃出してないからまだそれほど本気で離そうとしてませんし」 私の返事を聞いてうんうんと頷く佐天さん。 笑いながら私の耳元に囁く。 「御坂さんもいい加減素直になれば良いのにねー」 「まったくですよ。まあ白井さんはあれで十分幸せそうですが」 「まあね。あ、電撃」 「あ・・・」 顔を真っ赤にして荒い息を吐いている御坂さんの足元で、笑顔でピクピクと痙攣している白井さんは 先ほどまで私のことを心配してくれていたようには全く見えません。 電撃を浴びて笑顔ってやっぱり尊敬に値します。 やはり最後の行動がセクハラすぎたんでしょうねぇ。 ぱっと見ただけでは二人の関係は、たぶん白井さんからの一方的―尚且つ変態的―なアプローチにばかり目が行ってしまい、 実は白井さんがとても御坂さんを尊敬していることや、御坂さんも白井さんのことを信頼していることには気づけないだろう。 でも、私はずっと白井さんのことを見ていたから。 最初は憧れ。そして憧れてずっと見ていて、いろんな一面を発見して。 気がついたら憧れはもっと別な感情に変わっていて。 それが恋だと自覚した瞬間、私の初恋は終わった。 ずっと見ていたから、気づいてしまった。 二人は両思いなんだと。 御坂さんは白井さんを特別扱いしているがそれは無自覚で。 白井さんはどんな変態行動をしても一線を越えることはない。冗談で済ませられるギリギリでやめる。 いつか御坂さんが自分の気持ちに気づくときが来るだろう。 だから、白井さんが大好きだから二人がくっつくように後押しをしようと決めて、潔く失恋した。そのはずだった。 だけど未だに御坂さんが知らない白井さんの癖を知って優越感に浸ったりしてしまう。 でも、私はそんな思いを引きずりながら御坂さんが自覚する後押しをしよう。
https://w.atwiki.jp/akb_call/pages/42.html
(MIX無し) ねえ そんな瞳で 遠く見つめないで (メンバー) 海の向こうに 明日はないのに… (メンバー) なぜ あの三日月は 涙 流さないの? (メンバー) 夜が明ければ あなたはいない (メンバー) 波打ち際の2人は 藻屑になる 被せ(メンバー メンバー メンバー メンバー) 寄り添う足跡が消えて 取り残された 被せ(メンバー メンバー メンバー メンバー) この愛しさ 抱いて まだ 好きだと言って まだ 好きだと嘘ついて 最後に もう一度 ひと夏のダイアリー まだ そばにいたくて まだ 離れられない 胸の奥の微熱は 思い出以上 もう 明るくなるわ 東のホライズン (メンバー) 星の破片が キラキラ浮かんだ (メンバー) そう もっと冷たく サヨナラ 言われたら (メンバー) 帰る道さえ 1人になれた (メンバー) やさしくされた分だけ 割り切れない 被せ(メンバー メンバー メンバー メンバー) このまま 時間が止まって 永遠まで 被せ(メンバー メンバー メンバー メンバー) 夢を見たい 今も まだ 好きだと言って まだ 出逢った日のように お願い キスをして 唇にリグレット まだ つながりたくて まだ 忘れられない 腕の中の居心地 思い出以上 (間奏) ケチャ始 すべて 幻 振り向くなんて 私らしくないわ まだ 別れたくない まだ 別れられない 愛してるのは ケチャ終 思い出以上 まだ 好きだと言って まだ 好きだと嘘ついて 最後に もう一度 ひと夏のダイアリー まだ そばにいたくて まだ 離れられない 胸の奥の微熱は 思い出以上 言えなかったわがまま 思い出以上 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/25438/pages/2475.html
7月の中旬までかかった寮の雨漏りの工事は無事に終わった。 今週中には出る予定だと言うから、最後の日の前日、澪の仮家である、ウィークリーマンションに泊まりに行った。 リバーサイド桜並木2号館の2階の角部屋。 新築らしく外装も内装も綺麗で澪はそこを気に入っているらしかった。 写真を撮る趣味とか 1人で冬の海に日帰り旅行に行っちゃうとことか。 そういうの好きな澪にとって確かに、ロフト付きの自分の家ってのはとても魅力的なのかもしれない。 サブカルっていうか 下町の細い路地裏の、通い慣れた個人経営の喫茶店みたいなやつ。 どこかへわざわざ行かなくても、自分の住む場所そのものが、 自分の世界観を守る砦みたいな役割を果たしてくれるものになってくれるんだから。 雨漏りは、澪にとってはタナからボタモチみたいなものだったのかもしれないなと思っていた。 だから、工事が終わったらすぐに引き払って寮に戻ってくるつもり、って聞いた時に少し意外だと思った。 その潔さってか、呆気無さ、執着の無さにむしろこっちが 「どうせあと少しで夏休みになるんだから、借りたままでもいいんじゃないか」 と提案したほどだ。 「私だったら、きっとそうすると思うけどなぁ。そこまで家賃だって高いってわけじゃないし」 そう言って生協で買った、紙パック入りのミルクティーにストローを突き刺して一口飲んだ。 その取って付けたような甘ったるさに舌がムギの煎れたアイスティーを欲する。 「うーん、でも......なぁ」 と澪は、食堂に設置されたコーヒーマシーンで作ったアイスのミルクカフェオレエスプレッソをかき混ぜて、なにやらモゴモゴと言う。 カラカラカラカラ、と氷がカップの中で回る涼しげな音とは対象的に、 澪の態度はなんだか暑苦しく見えた。 「でも、なんだよ?」 「......あそこには、律がいないから」 聞くんじゃなかったなぁ、と思ったけど、もう遅い。 なにも言ってないのに澪はさらに続ける。 律がいないからさみしい 「うーん、なら、さ、引っ越す前の日に泊まりに行くよ。そしたら、きっと、さみしくないだろ」 きっと、私は今「さみしい」の意味をすりかえた。 そういうつもりで澪がさみしいって言ったんじゃないってわかってる。 だから、目の前に座る澪は私の提案に 嬉しいんだか、嬉しくないんだか、よくわからない諦めにも似た笑みを浮かべた。 「......そうだな。泊まりに来てもらえたら、嬉しい」 目を伏せて、澪は聞き分けの良い子みたいにそう言った。 小さい頃の澪はこんな風な表情でママの言うことを守っていたのかな。 「じゃあ、詳しいことはまた後で。次授業あるからそろそろ行くな」 荷物と飲みかけの紙パックを持って席を立った。 食堂を出て、少し距離が開いてから一度だけ澪の方を振り返った。 さっきまでいた場所だから、すぐにその後ろ姿を見つけることができる。 友人との会話を楽しむ人たちに紛れて、ポツンと1人座る、澪。 クッキリと浮き出て まるで子どもの頃によく読んだ飛び出す絵本みたいだ とふと思った。 ------ 「当分......もう素麺はいいかも......」 「ふー、いっぱい食べたな」 「律が3袋も茹でるから」 「いやー、余らすのもなんだかなって思ってさ、寮でゆでてもみんなで食べるには少ないし」 「まぁ、そうだけどさ」 行儀悪く2人で床に寝っ転がった。 この満腹感、しばらくの間動きたくない。 澪も同じなのだろう。 部屋にあるのは、床に置かれた紙の皿が2枚、その上に割り箸2膳。 ソーメンの入っていたザルと水受けの紙皿。 私の買ってきたお茶とジュースのペットボトル。 紙コップ2個。 棚やら机やら服やら小物やら何から何までぜーーんぶスッキリと片付けられて、積み上がったダンボールに囲まれた部屋で澪とソーメンを食べた。 こうして積み上げられたダンボールに囲まれていると、なんだか本当にここは澪の砦だったんだなって思えてきた。 誰にも邪魔をされずに自分の好みと弱さをありのまま吐き出せる、そしてそれを守る、砦。 右側で寝そべっている澪の左手が顔の近くにあった。 なんとなく、左手の上に自分の右手を乗せてみた。 「......なにしてるんだよ」 「いや、なんとなく」 「なんとなくって......」 天井を仰いでいた澪が私の方に顔を向けてくる。 はは......頬が赤くなってる...... 部屋の中には、芳香剤だろうか。 夏みかんの香りがしていた。 とっても夏らしくて、いい香りだ。 こうして手を繋ぐことのマネゴトを自分からふっかけてみても、 私の手には震えはこない。 かなしいなーって思っていたら、 澪が左手をグーパーグーパーしてなにやら私の右手の感触を確かめている。 その手が少し震えてて、私は音がないその空間が少し嫌になって、 「音楽をかけてもいい?」 と澪に聞いた。 「いいよ」って澪が言い、 私は自分のiPodに入っている曲を流そうとしたけど、そうだった......澪のこの部屋、スピーカーもしまっちゃってるから音とばせないんだった、 と気づいて小さく舌打ちをした。 しかたなく、イヤフォンの右側を澪に無言で渡す。 ちょっと戸惑って澪の右手が空中で私の左手からイヤフォンをもらう。 澪がイヤフォンをしたかなんて確認しないで、 自分がイヤフォンを左耳につけたら、 iPodをランダム無限リピートにして、曲をスタートさせた。 1曲目は澪に勧められて、高2の夏に入れたものだった。 「あ......この曲、入れてくれたのか」 「うん、まぁ。最初は馴染めなかったけど、聞き続けてたら段々ハマっちゃってさ、スルメ曲」 ははっと笑ってそれっきり。 2人で聴き入った。 ------ もう夜中の1時くらいだろうか。 時計もしまっちゃってるから、イマイチ時間の感覚がつかめない。 頭の上にある窓から、月の光が部屋に差し込んでいた。 今日は満月らしくて、とても明るい。暖かみのある黄色だった。 左手でまだニギニギとしながら、なんてことのない話のように澪は聞いてきた。 「律はさ......」 「うん?」 「まだ、好きなのか?」 「なにが」 「梓のこと」 「......好きだよ」 「そっか」 「うん」 「澪は」 「うん」 「まだ、好きなのか」 「何が?」 「私のこと」 「好きだよ......」 「そっか」 「......大好き」 右手を包んでいた温かさがスッと消えた。 澪が身体を起こしていた。 澪と繋がっているイヤフォンがピーンと張って、張りすぎて、 右耳の中のイヤフォンが少し抜けて、音が小さくなった。 最近新しくしたイヤフォンは、コードからなにまで赤色で、 なんだか、運命の赤い糸みたいだな、って思った。 繋がれていたのはお互いの左薬指じゃなくて、耳だけど。 月から視線を移すと、澪が私を見ていた。 「律」 「なに?」 「どうしたら、律は私のことを好きになってくれるのかな」 「......澪」 「何」 「どうしたら梓は、私のこと、好きになってくれるのかな」 オウム返し。 澪は口をキュッと結んだ。 「わかんないよ......そんなこと」 「澪がわかんないなら、私だってわかんないよ」 それから澪が黙ったから、私も黙った。 iPodが空気も読まずに恋愛をテーマとした曲を流し始める。 その曲の中で女の子は片想いの相手と両思いになる。 素直に羨ましいと思った。 たしかこの曲も澪に勧められて入れた曲だったはずだ。 フッと月の光が遮られて、なにかと思ったら、澪が私の上に覆いかぶさっていた。 生ぬるいな、と思った。 ここは澪の部屋で、私は周りを澪のお気に入りが詰まったダンボールで囲まれている。 さらに、澪にまで覆いかぶさられちゃって。 澪の熱い息が鼻にかかって。 イヤフォン、取れないんだな...... もう観念するしかないのか、と澪の砦の中で弱気になった。 もし、イヤフォンが取れずにこのまま澪と繋がっているのなら 私はその時は、もう梓のことを諦めよう 自分に向けられている好意を受け入れよう 澪は今までを埋めるように生ぬるいそれを何回も繰り返す。 右についたイヤフォンと左についたイヤフォンの距離が短くなっていた。 「律は......初めてだった?」 「2回目」 「私も2回目」 そう言って、澪が笑った。 お互いに「誰と」だなんて聞かなかった。 澪が私の顔に垂れかかっている髪を耳にかけ そして、 「邪魔だな」 とつぶやいて、私の耳と澪の耳からイヤフォンを取っ払った。 子どもの頃、好きだった飛び出す絵本。 自分の方に飛び出して、浮き出てくるそれが面白くって夢中になって何度も何度も開けては閉じてを繰り返した。 「律、......ロフト行こうよ」 「ここでもいいじゃん」 「まだ掃除終わってないから汚いんだよ、ここ」 「上はキレイなのかよ」 「ロフトは......私のお気に入りの場所だから。そこがいいんだ」 私はきっと、面白がって遊びすぎた。 だから、飛び出したままもう元には戻らない。 case 5 澪→律『縁のない話』 終わり。 戻る
https://w.atwiki.jp/83452/pages/5520.html
後日談 放課後 唯「やっと終わった~」 律「疲れた~」 澪「お前ら寝てただけだろ…」 律「寝てただけなんて失礼な!」 唯「そうだよ澪ちゃん!私たちは部活のためにエネルギーを補充してたんだよ?」 澪「だったら練習真面目にするんだな?」 律「それとこれとは話が…痛っ!」 澪「馬鹿!!」 紬「フフフ…」 唯「あずにゃんもう来てるかな~?」 澪「さぁ?多分もう来てると思うけど…」 律(あずにゃんか…まだその名前で呼んでいいのかな?) 律(それに…あっちは律って呼んでくれるのかな?) 紬「りっちゃん?」 律(流石にもう…ないよな?) 紬「りっちゃん!」 律「うお!びっくりした!」 紬「どうしたの?」 律「いや、なんでもないんだ…ただ、考え事をしてただけ」 紬「そう…悩み事があったらいつでも相談してね?」ニコッ 律「ああ、ありがとなムギ」 律(ムギなら…いや駄目だ) 律(第一何て相談するんだよ…) 紬「?」 唯「ヤッホー!」 梓「あっ、先輩こんにちは!」 唯「あずにゃ~ん!」ギュッ 梓「ちょっ、先輩!」 紬「フフッ」 律(梓…嬉しそうだな…) 梓「もう、離れてください!」 唯「あ~ん、いけずぅ~」 澪「ほら唯、梓も嫌がってるだろ?」 唯「ちぇー」 梓「ふぅ…」 梓「!!」 律「ん…」 梓「こん…にちは…律…先輩」 律「あっ、ああ…梓」 律(梓…律って呼んでくれないんだな…) 律(わかりきってたけど…でも、やっぱり寂しいな…) 梓「あの…昨日はアイスありがとうございました」 律「ん…ああ…」 唯「アイス!?」 梓「うわっ!」 唯「まさか二人とも昨日アイス屋さんに行ってたの!?」 律「えっ?ああ…」 梓「はい…」 唯「いいなぁ~アイス~」 梓「だったら今度五人一緒に食べに行きましょう!」 唯「ホント!?」 梓「はい!」 唯「やった~ありがと~あずにゃ~ん」ギュッ 梓「ちょ、ちょっと…」 律「!」 律(梓…あんなに嬉しそうにして…) 律(何だか…苦しいな…) 紬「みんな~お茶が入ったわよ~」 唯「わーいっ!」 梓「はい」 律(はぁ…) 梓「律先輩?」 律(もしかして…私…梓に…) 梓「あの~…」 梓「…律?」ボソッ 律「!!」 律「あ、あ、あ、あずにゃん!?」 梓「あっ…」 唯「!?」 澪「あず…」 紬「にゃん…?」 梓「ちょっ、先輩!何を!」 唯「りっちゃんが…」 紬「梓ちゃんを…」 澪「あずにゃん…?」 梓「先輩!トイレ行きましょう!」 律「あっ、ああ…」 トイレ 梓「律!何で呼んでるの!」 律「いや…スマン…」 梓「スマンって…みなさん不思議がってたんだよ!?」 律「うっ、うん…」 梓「二人の時はいいけどみなさんの前であずにゃんって呼ぶなんて…」 律「…かったから…」 梓「え?」 律「寂しかったからだよ!」 律「律って呼んでくれなかったし…それに…」 梓「…それに?」 律「それに…唯に抱きつかれて嬉しそうにしてたし…」 梓「!!」 梓「そ…そんなことで!?」 律「わ、悪いか!?」 梓「悪くないけど…」 梓「でも…何で私が唯先輩に抱きつかれたのが嫌だったの?」 律「え…いや…」 梓「何で?」 律「…わかんねぇ」 梓「そう…」 律「うん…」 梓「…」 律「…」 梓「もど…ろっか?」 律「…」 梓「みなさんも心配するし…」 律「…うん」 梓「…行かないの?」 律「先…行ってて…」 梓「…わかった」タタタッ 律(昨日からずっとモヤモヤしてる…) 律(やっぱり私は梓を…) 律「はぁ…苦しいなぁ」 律「戻ろう…」 部室 律「…」ガチャッ 唯「あっ、りっちゃんおかえり~」 律「おっ、おお…」 唯「さっきりっちゃんボーっとしてたんだってね~」 律(梓がそう言ったのか…?) 律「ああ、そうなんだよ」 唯「でもいきなりあずにゃんって呼ぶからビックリしたよ~」 律「あっ、ああ…もう大丈夫だから…」 唯「よかった~」 律「うん…」 澪「?」 澪「律、どこか悪いのか?」 律「へっ?」 澪「なんだか今日の律は変だぞ。特に部室に来てから…」 律「いや…大丈夫だよ?」 澪「ホントか?」 律「おっ、おう!私はいつものりっちゃんだぜ!」 澪「ならいいけど…」 澪「気分悪くなったらいつでも言えよ?」 律「おう!」 梓「…」 澪「それじゃあ練習するか!」 唯「え~まだお茶飲んでるよ~」 澪「駄目だ!早くしろ!」 唯「ちぇ~」ブツブツ ジャーン 澪「さっきのは良かったな」 唯「ふい~完璧だったね!」 澪「律もよかったぞ?」 律「…」 澪「律?」 律「ああ…ありがと」 梓「…」 練習後 唯「やっと終わった~」 紬「お疲れ様」 澪「じゃあ帰るか」 唯「そうだ!みんなでアイス屋さんに寄ろうよ!」 紬「いいわね!」 澪「まぁ、たまにはいいかな?」 律「…悪いみんな、私帰るわ」 唯「え~りっちゃん帰るの?」 律「ああ、ゴメンな?」 唯「ん~…わかった…りっちゃんバイバイ!」 律「…おお!じゃあな!」 紬「ばいばい」 澪「じゃあな」 唯「それじゃみんなで行こっか?」 梓「…すいません…私、用がありました…帰ります」 唯「唯先輩ごめんなさい、さようなら」タタタッ 唯「行っちゃった…」 唯「まあいっか…行こ!」 澪「おお…」 紬「うん」 梓「律~!!」 律「…ん?」 梓「律!」ハァハァ… 律「梓!?どうして…」 梓「律が帰るっていうから…」 律「そうなのか?」 梓「うん…」 律「じゃあ…一緒に帰るか…」 梓「うん…」 律「…」テクテク 梓「…」テクテク 律「…」テクテク 梓「…ねぇ」 律「ん?」 梓「何か喋ってよ…」 律「何かって…」 律「…梓は?」 梓「え…?」 律「梓は何かないのか?」 梓「何か…そういえば…」 律「何?」 梓「なんであずにゃんって呼んでくれないの?」 律「あっ…」 梓「なんだか…不公平だよ…」 律「そうだな…」 律「ゴメンよ…あずにゃん」 梓「うん…エヘヘ…」 律「フフフ…」 梓「…そうだ、手つないでいい?」 律「ん…?いいよ…」 梓「ありがと…」ギュッ 律「あずにゃんの手あったかいな…」 梓「律の手もあったかいよ…」 律「…」テクテク 梓「…」テクテク 律「あ…」 梓「どうしたの?」 律「公園…入ってみないか?」 梓「うん…」 律「よっと」ストン 梓「…」ストン 律「…」 梓「…」 律(何か…喋らなきゃ…) 律(いつも何喋ってたっけ?) 梓「…ねぇ」 律「えっ?」 梓「…私ね…昨日家に帰ってからもずっと律のこと考えてたんだ…」 律「うん…」 梓「それでね…ずっと胸が苦しかった…」 律「うん…」 梓「でね…もう分かってると思うけど…」 律「うん…」 梓「私…律のことが…好き…なんだ…」 律「うん…知ってる…」 梓「でもね…」 律「えっ?」 梓「私は女の子で…律も女の子…」 律「…うん」 梓「だから…これは絶対に結ばれちゃいけない恋なんだよ…」 律「…」 梓「だからね…」 律「…んなこと…ない」 梓「…え?」 律「そんなこと…ない」 梓「…」 律「私も今日…ずっと考えてた…」 律「それで…私…あずにゃんのことが…」 梓「…」 律「…好きって気づいたんだ…」 梓「うん…」 律「…両思いの二人には…結ばれちゃいけない恋なんてないと思う」 梓「…」 律「でもね…」 梓「…」 律「今…あずにゃんがそういうんだったら私も強要しない」 梓「え…?」 律「でも諦めたわけじゃないんだよ?」 梓「…どういうこと?」 律「今から卒業までの間…私を見ていて欲しい…」 梓「…」 律「それで…その時にもう一度告白するから…その時に返事聞かせて?」 梓「律は…それでいいの?」 律「うん…」 梓「そっか…わかった、私もその時までもっともっと律のことを知れるように努力する」 律「うん…」 梓「だから…これからもよろしくね?」 律「うん…」ポロ 梓「!!」 梓「何で泣くの…」 律「わかんない…」グスッ 梓「律が泣いたら…私も…」ポロポロ 律「うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!」 梓「うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!」 数時間後 律「ふぅ…」 梓「何だか…すっきりしたね…」 律「うん…」 梓「もうすっかり暗くなっちゃったね…」 律「ホントだ…」 梓「帰ろっ?」 律「うん!」 律「これからも…また一緒に帰ろうな?」ギュッ 梓「うん!」ギュッ 律「…ってもう家に着いちゃったな」 梓「ほんとだ…」 梓「家まで送ってくれてありがとね?」 律「当たり前だよ!私はあずにゃんの先輩だから!」 梓「ふふっ…そうだったね」 律「じゃあな…また明日」 梓「うん…ちょっと待って!」 律「え?」 梓「…」チュッ 律「!!」 梓「バイバイっ」 律(ほっぺたに…) 律(…あずにゃん…私はあずにゃんを絶対に振り向かせるからな!) 律(その時まで待ってろよ!!) 本当に お わ り 戻る
https://w.atwiki.jp/yuiazu/pages/302.html
ある日の部活終わりの部室にて・・ 唯「ねぇムギちゃん・・・私ね、最近おかしいんだ。」 紬「え?おかしいって・・どんな風に?」 唯「あずにゃんを抱きしめてるとね、なんかお腹の辺りが きゅうっとなってね、苦しいの。」 紬「あっ・・私にもあるわ。そういう風になること。」 唯「えっ?!ムギちゃんにもあるの?!病気じゃないよね・・?」 紬「病気じゃないわ。それはね、その人が好きってことなの。」 唯「へ??私があずにゃんを好きってこと?」 紬「ええ。だから大丈夫よ。」 唯「私あずにゃんが好きなんだぁ・・・。そっか・・。どうすればいいのかな?」 紬「女の子同士って辛いけど、決して悪いことじゃないわ。 だから唯ちゃんらしく梓ちゃんにゆっくり気持ちを伝えていけばいいんじゃないかしら。」 唯「・・うん、ありがとう!ムギちゃん!私ムギちゃんと出会えてよかったー!」 紬「そう言ってくれて嬉しいわ♪」 紬(これで私の片想い決定ね・・でも私は唯ちゃんが幸せならそれでいいわ) 梓(忘れ物を取りに来たら、唯先輩とムギ先輩の会話聞いちゃった・・。 どうしよう、唯先輩がまさか私のこと好きだなんて。とにかく今日は帰ろう・・) 家でたくさん考えた。 でも、女の子同士の恋愛はやっぱり難しいって思う。 先輩のことは好きだけど、でも恋愛の好きだってはっきり言うことはできない。 そんな状態で先輩と付き合ったりしたらそっちのほうが 先輩にとっても私にとっても良くないと思う。 きちんと断ろう。先輩にはもっといい人が居るはずだと思うから。 次の日の部活にて 梓「今日は部活行きたくない・・でもちゃんと向き合おう・・」 ガチャ 梓「おはようございます。。」 唯「あずにゃぁ~ん!!会いたかったよぅ」 ギュッ 梓「は・・離してください!!」 こんなに強い口調で言ったの初めてだ。でもちゃんと言ったほうがいい。 唯「え・・・?あずにゃんどうしたの・・?」 梓「離して!!」 先輩ごめんなさい。こうするのがお互いにとっても一番良いんです。 唯「ご・・ごめんね」 律「どうしたんだ二人とも?」 唯「ううん、私が悪いの、ごめんね」 律「唯も梓もこんな状態じゃできないよな・・今日は部活休みにしよう。」 私たちが何も言えず立っている間、先輩たちは私たちを気遣って先に出て行ってくれた。 そして先輩方が出て行ったあと、私はすぐに話を切り出した。 梓「さっきはあんな態度とってごめんなさい。」 唯「・・・あずにゃん、私のこと嫌いになっちゃった?」 梓「そんなことはないんです!・・・ひとつだけ聞いてもいいですか?」 唯「いいよ。」 梓「先輩って、私のことが好きなんですか?」 唯「えっ・・?」 梓「昨日ムギ先輩と話してるの聞いちゃったんです。」 唯「・・・・うん、私、あずにゃんが好きだよ。」 梓「そうですか。」 唯「気持ち、悪いかな?」 梓「いえ。でも、やっぱり女の子同士っていうのは考えられないんです。 だから今日冷たい態度をとってしまったんです。ごめんなさい。」 唯「そっ、か・・・。 そうだよね、いきなり言われても困っちゃうよね。」 梓「本当にすみません。でもこれからも変わらず先輩後輩として接してほしいです。」 唯「うん・・わかったよ。真剣に受け取ってくれてありがとう。」 梓「いえ・・じゃあ、帰りましょうか。」 これでよかったんだよね・・? だって、変に期待抱かせるようなことしたらそっちのほうが酷いと思うから・・。 でも胸がすごく痛む。私、今すごく後悔してる。 本当は私も唯先輩のことが好きだった? 今更考えたってもう遅いよね。 あったこと全部忘れて今までどおりの先輩後輩として接しよう。自分でもそういったんだから。 それから、唯先輩はまったく私に抱きついたりしなくなった。 唯「あずにゃんおはよう!」 梓「おはようございます」 律「唯、なんだか最近梓に抱きついたりしないなぁ?」 唯「私ももう子どもではないのです!」 律「何いってるんだか 笑」 澪「早く練習するぞー、みんな」 強がってるんだけどわかる。先輩の表情が強張ってて、無理して笑ってるんだってことが。 私がそうさせたんだ。 ある日の部活終わり。私はあの日と同じように忘れ物をしてもう一度部室に戻った。 唯「あずにゃぁぁん・・・うぇえん・・・寂しいよ・・寂しい。。」 そこには泣いてる唯先輩と慰めてるムギ先輩が居た。 紬「いっぱい泣いていいわよ、唯ちゃん。」 唯「ムギちゃぁぁぁん、ありがとぅ・・グスッ」 紬「辛くなったらいつでも私のところに来てね、紬のここ空いてますよ・・ってね♪」 唯「ははっ、ムギちゃん面白いー!なんか元気でたよっ、ありがとう!」ギュッ 紬「あらあら、唯ちゃんったら・・・」 先輩の心が自分からだんだん離れていくのがはっきりとわかる。胸が痛んでくる。 あきらめて欲しいって思ってたはずなのに、今は先輩に好かれていたいってすごく思ってる。 あー、今頃気づいちゃった・・・。私も先輩のことが好きだったんだ・・・。 でもムギ先輩は、唯先輩が好きみたい。 両思いになるのは時間の問題かな。もう遅すぎる。今度は私があきらめよう。 ガチャ 梓「おはようございま・・・」 唯「ムギちゃぁーん♪」ギュッ 紬「なぁに?唯ちゃん」 唯「大好きだよぅー」 紬「ありがとう、私もよ♪」 律「今度は唯と紬がすっかり仲良くなったなぁー」 唯「えへへー、あっ、おはようあずにゃん!」 梓「お・・はようございます・・」 先輩、今日は顔が強張ってない。心から笑ってる。 ムギ先輩のおかげだ。もう私の出る幕はない、か。 あっ、ムギ先輩が近づいてくる。 紬「ねぇ、梓ちゃん、今日の部活終わり話したいことがあるんだけどいい?」 梓「はい、いいですけど・・・」 紬「良かった。じゃああとで。」 澪「二人でこそこそなにやってるんだ??」 紬「ううん、なんでもないわ。練習始めましょうか。」 その部活後 梓「話したいことって何ですか?」 紬「梓ちゃん、唯ちゃんの事振ったのよね?」 梓「・・はい。」 紬「そして私は・・・唯ちゃんが好きなの。」 梓「知ってます。先輩を見てたらわかりました」 紬「そう・・・・。 でもね、私も梓ちゃんを見て気づいたの。 梓ちゃんが唯ちゃんに惹かれているって。」 梓「!! ・・・そう、かもしれません。 でも、今更遅すぎるって諦めたんです・・」 紬「そんなことはないわ。」 梓「え?」 紬「今でも唯ちゃんは梓ちゃんを受け入れるかもしれない。 やってみなくちゃわからないじゃない。」 梓「どうして、そんなこと言うんですか?ムギ先輩は唯先輩が好きなのに?」 紬「私はね・・・・唯ちゃんが幸せなら、それだけでいい。相手が私じゃなくたって・・。 とにかく、その想いを唯ちゃんに伝えてみて。」 梓「でもそんな資格私には 紬「お願い!」 梓「先輩・・・本当にありがとうございます。」 ”唯先輩、明日お話したいことがあります。昼休みに屋上に来てください” っと・・・ちゃんとメール見てくれるかな・・。 決心がついたのも、全部ムギ先輩のおかげだ。 あんな素敵な先輩のことを唯先輩が好きにならないわけないと思う。 だけど玉砕してもいい!この想いを伝えよう。 そして次の昼休み 梓「先輩、来てくれてどうもありがとうございます。」 唯「ぜんぜんいいよ! ・・・話って?」 梓「はい。正直に言います。私、唯先輩が好きです。」 唯「えっ・・・?だって女同士は考えられないって・・・」 梓「私、怖かったんです。女同士で付き合ったりしたら引かれちゃうんじゃないかって。 でも、今は自分の気持ちに素直に生きたいって思うんです。 先輩が隣に居れば周りなんて気にしません。好きです。」 唯「あずにゃん・・・・よかったよぅー!!うぇえぇぇん!大好きだよう!」 梓「先輩・・・まだ好きでいてくれてありがとう・・・もう離さないです!」 唯「あのね、辛いときにね、ムギちゃんが支えてくれたんだ。無理に忘れなくていいって。 そしたらまた自然に笑えるようになったの・・。」 梓「ムギ先輩に感謝しなくちゃいけませんね。」 唯「ムギちゃんにはすぐ報告しようね!」 梓「はい♪」 こうして私と唯先輩はお付き合いを始めました。 律先輩も澪先輩もちょっとビックリしてたけど、すぐ受け入れてくれて。 ムギ先輩はすごく喜んでいました。 もしかしたら裏で泣いているのかもしれません。でもそれを表に出さないで 祝福してくれる先輩を心から尊敬しています。 軽音部に入ってよかった。 素晴らしい先輩方と出会えてよかった。 私は世界一の幸せ者です。 END 唯梓SSでは稀に見るカッコいいムギwww -- (名無しさん) 2012-09-03 16 53 28 ムギが変態じゃなくてめっちゃカッコイイ(笑) -- (名無しさん) 2012-12-31 01 40 03 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/millionpre2018/pages/30.html
pixiv作品リンク 思いのタケ 作者 あるとりうす氏(pixivプロフィール) ジャンル1 ほのぼの ジャンル2 恋愛 メイン登場キャラ 白石紬 あらすじ まだ七夕!ずっと練っていたこれと最も文字にしていきたい彼女の物語を素晴らしい企画に捧げます。 このSSへの担当者からの感想 感想欄 感想を書かれる方はコメントに書いて投稿してください、このように表示されます。 紬の素直になれないところがツボでした。 タイトルのタケというのも、メインの笹との対比が良かったです。 -- (kotobuki) 2018-07-12 01 22 24 紬の性格を考えたらこれぐらい飄々としたPの方がいいのかな。 地の文が丁寧な言葉遣いですごく良かったです。 -- (ひらりー) 2018-07-15 18 04 38 語り部分のつむつむの言葉が動揺した時に方言になるのが可愛かったです。 結構クセのありそうなPですが、つむつむとは良いコンビ感があってニヤニヤしながら読みました! -- (タオール) 2018-07-20 09 43 16 二人とも、もっとストレートに言えば良いのに……! 読者にそう思わせる、甘酸っぱい距離感が魅力の作品です。 紬の方言の塩梅もちょうど良く、違和感なく話に入り込めました。 -- (some) 2018-07-25 00 47 29 つむつむ可愛いよつむつむ。 読者として、一紬SS書きとして、この紬はとても素晴らしいと思います。 素直でない紬が、ほんの少し自分の感情に素直になる瞬間。自分の想いを自覚する瞬間。 ごちそうさまです。 勘違いしいな紬にはこれぐらいぐいぐい来るPが丁度いいのかもしれませんね。こういう作者さん独自のPは勉強になります。 個人的にこの作品のポイントは、 >そのせいか男が次に放った「たぶん衣装のせいかな」という失礼な言葉は耳に入ることはなかった。 ここだと思っていて。 多分他のどのキャラが同じシーンで同じことを考えても普通のことなんです。だよねー、Pは一言多いよねー、と。 ただ、他の誰でも無い紬が「衣装のせい」というPの言葉を「失礼」だと捉えるであろう、ということ。(あるいは、本当は聞こえていたけれど聞こえなかったふりをした、という表現なのかもしれません) 呉服屋の娘で本人にも知識や思い入れがあり、衣装のことをいちいち「お衣装」と呼んで、衣装のちょっとした違いが気になって仕事もそぞろになっていた(お仕事の一シーン)あの紬が、衣装よりも自分を見て欲しい、と思っているわけです。 多分、初期の紬なら、「衣装のせい」という言葉に「勘違いさせるようなこと言わんといて」と反応はしても、衣装を称える言葉を「失礼」だと感じることは無かったんじゃないかな、と。 自己評価が高まった、というよりは、Pには衣装よりも自分を見て欲しいという欲求が生まれた、ということだと思います。 とてもエモい(最近覚えた)紬をありがとうございます。ごちそうさまでした。 -- (ひろ) 2018-07-25 01 18 21 内容が良かっただけに目について、残念だなと気になってしまった事を二点だけ先に。 まず一点。冒頭の二人の会話からCDショップの描写に移る際に、それぞれが「いつの事か」という時間の説明が欲しいです。確かに段落と段落の間はあけられているものの、これだけではシーンが移り変わったことを表現するには不十分で。現に私は「そして時間は~」という文章が出てくるまで、それまでのやり取り全てが店内で行われているものと思っていましたから。「二人は小さな~」の前に「小一時間ほど前のことだ」や「今からほんの少し前」、あるいはいっそ「〇」等の記号を挟んでも構わないので、七夕について知っているかとPが紬に尋ねたシーンと、笹を持って帰ろうと提案するシーンが連続していないことを明確に示してもらいたかった。 二点目は語り手の視点について。基本的には紬の視点(一人称)で進む地の文ですが、所々において「私」で処理しても構わそうな部分が「紬」になってしまっている。一か所を除いてプロデューサーのことを「彼」ではなく「男」と表現しているのも、地の文の三人称色を強める原因となっている気がします。これらが意図的な演出で無いのなら、不必要に一人称と三人称が混在する箇所があることにより、そこが歪となって妙な引っ掛かりを生み、スムーズな通読と感情移入を邪魔してしまっているんですね。今作の見どころの一つとして、照れた紬が思わず方言を出してしまう萌えポイントがあるワケですが、このせいで少々勿体ないなぁと。人によっては口の悪いツンデレ扱いしがちな紬の受けごたえを、台詞と内面描写の二点から違和感無く描いている分、余計にそういう思いを抱いてしまいました。 しかしながら、です。感想の初めに書いた通り、物語の内容そのものは非常に興味深い物で。いわゆる「恋を自覚する瞬間」を描いた本作は、実に甘酸っぱい感情を読後の読者に与えます。一緒に仕事をするプロデューサーのことを子供っぽくてやんちゃな人、その振る舞いに表面上は迷惑であると思いながら、実際のところは彼を信頼しきっている紬。男の言動に一々苦言を呈しながら、それでも勢いに流されていく姿は王道な少女漫画の主役のようであり、また、二人の息の合った(なんて言うと彼女は否定するでしょうが)軽妙なやり取りは読んでいてとても微笑ましい。 特に、プロデューサーが言った「一番最初に一番いいところに飾らせてやる」という一言。この一言で彼の人となりが知れるってものです。にもかかわらず、紬の願いは「夢をつかむのは自らの手で」という、実に彼女らしい理由によって健康第一。この辺りの思いの空回りっぷりというか、お互いの意思疎通が微妙にズレてるやきもき加減は読んでいてかなりニヤニヤできました。「君らは中高生のカップルか!」と思わずツッコンでしまうような、作品全体に漂う初々しい雰囲気が良かったです。 -- (餡煮詰め) 2018-07-25 22 51 26 不器用な紬と、このニブチンPのやり取りに、むずがゆく、そしてニヤニヤしてしまいます。 このつむつむには幸せになって欲しいなあと思います。 -- (なかやま) 2018-08-02 02 46 39 「思いのタケ」。「竹」と「丈」が掛かっていて、なんとなーく時期的にも七夕絡みのお話かな?と想像出来ました。タイトルが素敵です。このタイトルを付けられるセンスが羨ましい。 紬とPのお話でしたが、紬の描写はもちろん、Pのキャラクター像が個人的にかなりツボでした。そこかよ!?と総ツッコミされてしまう気もしますが…こちらの作品に出てくるようなタイプのP、好きです。 さて、公式から「クール系美少女」と名言された紬ですが、Pからの一言に直後の失礼な発言をスルーしてしまう位に舞い上がってしまう辺りは紬らしなぁと。 短冊に何を書いたかと思えば、そこに綴られた文字は「健康第一」。もっと他に無かったんかーい!と思わずツッコんでしまいました。 最後は屋上で、東京の明るい夜空にも輝く天の川をバックに一筋の流れ星が現れ、紬は自身の思いの丈を星に願ってお話は綺麗に幕を閉じます。 紬とPのやり取りが微笑ましく、何度も「素敵だなぁ」と呟いてしまう、そんなお話でした。 -- (ヴェズルフェルニル) 2018-08-07 01 49 43 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/sgxdhikoushiki/pages/725.html
思い出作り No.1604 星 最大HP 最大ATK 最大DEF コスト ストーリー 4 136 145 104 9 PS 心属性の物理ATKを10%上昇 +限界突破時のステータス 凸数 最大HP 最大ATK 最大DEF PS 0凸 1凸 2凸 3凸 4凸 5凸 星 最大HP 最大ATK 最大DEF PS 4 思い出作り 136 145 104 心属性の物理ATKを10%上昇 [[]] 相性のいいカード シンフォギアカード 星 属性 カード名 最大HP 最大ATK 最大DEF 最大SPD 最大CTR 最大CTD スキル [[]] [[]] メモリアカード 星 カード名 最大HP 最大ATK 最大DEF スキル [[]] [[]] メモリアカード