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竜剣 璃華 基本情報 キャラクター名:竜剣 璃華 よみ:たつるぎ りか 性別:女性 学年:高等部2年 部活:剣道部 委員:風紀委員会 武器:ばるむんく キャラクター説明 平和を愛する女子高生。委員長タイプ。 学園の風紀と平穏を守る。得物は両手剣。 北の国からやってきたドラゴンに故郷を焼かれた。 死の間際に魔人に覚醒。その能力 《皆殺剣バルムンク》によってドラゴンを血祭りにあげ、 その返り血を浴びて不死身の肉体を得る。 復讐を果たした後、争いに虚しさを覚えた彼女はバルムンクを封印した。 一度手にした強大な力を自ら手放したことが、 彼女を新たな能力に目覚めさせた。 ステータス 体型:普通 攻撃力:0 防御力:15 体力:12 精神:3 FS(戦う気):0 移動力: 特殊能力『武装解除(ソードブレイカー)』(発動率:95% 成功率:100%) 効果: 攻撃力5ダメージ 対象: 同マス1体 時間: 一瞬 消費制約:一発ボーナス 詳細な説明 タイプ:瞬間型 スタイル:アクティブ 能力原理 対象の戦闘能力を失わせる能力。 武器の破壊&闘争心を沈める
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鬼人形(おにんぎょう)ドルホル C 闇 (9) クリーチャー:デスパペット/ハンター/エイリアン 3000 ■自分のバトルゾーンまたは墓地にあるハンターまたはエイリアン1体につき、このクリーチャーを召喚するコストを1少なくしてもよい。ただし、コストは2以下にならない。 ■ブロッカー ■スレイヤー ■このクリーチャーは攻撃できない。 ■このクリーチャーが破壊される時、墓地に置くかわりに山札の一番上に置いてもよい。 作者:シザー・ガイ 能力は《不死身のフッシッシ》が元になっているはずです。 ちなみに鬼人形は公式で2体しか存在しません。 参加 【企画】激しくアツかりし時代を呼び覚ませ!オリカ・ビクトリーBEST! フレーバーテキスト 「ゴールデン・エイジ」連合軍を影ながら支えていた「鬼人形」たち。誰が作り誰が操っていたのかは、長らく謎に包まれていた。 評価 名前 コメント
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[蓮座]アゴラ タイプ パワー 必要コスモ 11 初期攻撃力/防御力 1600/1930 初期総パラメータ 3530 最大攻撃力/防御力 4000/4825 最大総パラメータ 8825 必殺技 蓮華爆砕拳 効果 パワータイプの攻守 中アップ 【解説】 乙女座のシャカの弟子であり、シヴァと共に一輝抹殺の命を受けたアゴラ。 シヴァ同様、シャカの命を第一と考えており、シャカに弓を引く者を絶対に許しはしない。 [蓮座]アゴラ+ タイプ パワー 必要コスモ 11 初期攻撃力/防御力 1920/2316 初期総パラメータ 4236 最大攻撃力/防御力 4800/5790 最大総パラメータ 10590 必殺技 蓮華爆砕拳 効果 パワータイプの攻守 中アップ MAX覚醒時 初期攻撃力/防御力 2720/3282 初期総パラメータ 6002 最大攻撃力/防御力 5600/6756 最大総パラメータ 12356 【解説】 乙女座のシャカの弟子であり、シヴァと共に一輝抹殺の命を受けたアゴラ。 不死身のごとき一輝の力に危機感を持ち、完全燃焼させた小宇宙から拳を放つ。
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ヒーロー参上 ●●(次は体育、 グラウンドに急がなきゃ……) 女子A「やめなよ、 ぜったい無理だって! 女子B「ちょっと、ウソでしょ!? 男子、誰か止めて!! ●●(……? なんだか渡り廊下の方が 騒がしいけど……) ●●(あれは……琉夏くん!? もしかして…… わっ、危ないっ!!) 琉夏「トウッ! 女子A「イヤーーッ! 女子B「ウソォ! 画面タッチ ●●(ウソでしょっ!?) 琉夏「どいてっ!! ●●「やっぱり!! ケガしてない!? 大丈夫? 琉夏「平気。 不死身のヒーローだから。 ●●「………… 琉夏「ホントは、ちょっと、 足がジンジンする…… ●●「もうっ、なにしてんの!? なんで飛んじゃうの? 琉夏「なんだか最近、 モテモテで、 気がついたら女子に 囲まれて、ピンチに。 ●●「ピンチって……信じられない。 女子C「あれ、ルカ君が居るよ? 女子D「えぇ? どこどこ? 琉夏「ヤバい…… また会おうっ! 琉夏「あ、イテッ…… ●●(ヒーローが逃げてく…… 本当に大丈夫かな?)
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エルフ (種族トークン数:基本6/最大11) 征服されたとき、その地域のあなたのトークンすべてを、損失なしで撤退できる。 ・エルフが支配する地域を征服された際に、すべての配置トークンを手札に戻す。・『ソーサラー』、『血を吸う』、『輝く宝珠』の効果により交換される場合は、トークンを失う。 ▶ 考察 『不死身の』と同じ効果を持つ種族。長命なイメージをもつエルフゆえの能力か。 直接的な破壊力を持つ能力ではないため単体では、そこそこ。 しかし攻撃力のある特殊パワーと組み合わさるとかなり厄介に。 弱点は衰退種族を狙われること。この種族単体では得点力が頭打ちになりがち。 トークンが減らないので永遠とプレイすることができるが、前述のとおり衰退種族が全滅すると獲得コイン不足に。 相手からすると嫌らしいが、どこで衰退するかは見極めが難しい。
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Avengers Academy (シリーズタイトル・マーベル) 出版:2010年6月〜2012年11月、全40話。 概要 将来のアベンジャーズ候補生を集めた「アベンジャーズ・アカデミー」を舞台に、彼らの葛藤と成長を描く。 校長はハンク・ピム。 メインとなる生徒たちは6人。H.A.M.M.E.R.の長官となったノーマン・オズボーンは、次世代のヒーローを支配下に置くため、自ら能力開花に携わった。ノーマンの失脚後、アベンジャーズは彼ら6人を訓練することにした。 彼らは当初「能力が強いから選ばれた」と聞かされていたが、すぐに本当は「スーパーヴィランになる可能性が高い者たちが選ばれた」という事実を知る。これにより生徒と教師のヒーローたちの間には溝ができ、また「将来はヴィランになるかも知れない」という葛藤の中で生活することになる。 メンバー 初期メンバー 【教師】 ハンク・ピム ティグラ ジャスティス クイックシルバー スピードボール ジョカスタ ホークアイ(カリフォルニア移転後に参加) ジャスティス、スピードボールは"Fear Itself"後に退職。 ジョカスタもその後離脱。 【生徒】 レプティル:リーダー。体の一部を恐竜や古代の生物に変える能力を持つ。 メトル:ほとんど不死身の金属ボディを持つ元サーファー。 ストライカー:強力な放電能力を持つ。名声への欲求が強い。 フィネッセ:超記憶能力を持つ女子。知識だけでなく技術や戦闘能力も覚える。 ハズマット:全身から毒や放射性物質を放出し続けているため、常に特殊スーツを着ている日系人の少女。 ヴェイル:全身をガスに変える能力を持つが、いずれ能力が発達しすぎて体が飛散し、死んでしまうと宣告された少女。 【ウェストコースト移転後に入学】 ライトスピード:超スピードと飛行能力を持つ。生徒兼教師の助手。 ホワイトタイガー:初代の妹で二代目のホワイトタイガー。生徒兼教師の助手。 ジャストン・セイファート:対ミュータントロボットのセンチネルをプログラムし直し、自らの味方にした少年。 バターボール:不死身の肉体を持つ小太りのオタク少年。 ウィズ・キッド:機械を自在に改造する能力を持つ日系ミュータント少年。 X-23 各巻の内容 #1 ヴェイルのオリジン。6人の第一期メンバーが集結。彼らが選ばれた理由は? #2 フィネッセのオリジンと苦悩。 #3 ハズマットのオリジン。ゲスト教師にアイアンフィストとヴァルキリー。超人刑務所ラフトでの課外授業が始まる。 #4 メトルのオリジン。ラフトでの授業は終了。 #5 ストライカーのオリジン。街でチームをワールウィンドが襲う。ゲストはスティーブ・ロジャーズ。 #6 レプティルのオリジン。メントロとの戦い。ゲストはジェシカ・ジョーンズ。 #7 アブゾービングマンの移送任務につくが…… #8 ティグラがフードに痛めつけられた時の動画がネットに流出。 #9 生徒たちが退学に!? フィネッセは同じ能力を持つタスクマスターを父ではないかと思い…… #10 スピードボールが且つて爆発事件が起きたスタンフォードに生徒たちを連れて行く。 #11 ヴェインが誤ってコルバックを召喚してしまう。 #12 コルバックとの戦い後編。 #13 アカデミーでプロムを開催。恋愛模様が描かれる。 #14 シニスターシックスとの戦い。 #14.1 オズボーンの実験体のうち、アカデミーに入学しなかった候補生たちを訪ねる。 #15-#20"Fear Itself"タイ・イン。レッドスカルの娘シンの機械化部隊がワシントンを襲撃。アカデミーの生徒は市民を避難させる任務につく。ハンク・ピムは生徒たちの救援に向かいたいが、次から次に襲う任務のためワシントンへと辿り着けず…… 救出任務を終えた生徒たちだったが、ハンマーを持ったアブゾービングマンとタイタニアの襲撃を受ける。 #20 ヴェイル、スピードボール、ジャスティスが離脱。 #21 アカデミーの本拠地をカルフォルニアに移動。さらに、他の若手能力者にも門戸を開き、アカデミーの生徒として迎え入れる。教師としてホークアイ、教師の助手としてライトスピードとホワイトタイガーが加入。ジョカスタが破壊される。 #22 サイクロップス、エマ・フロスト、マグニートーがアカデミーを訪れる。 #23~#25 X-23がアカデミーに加わる。ハイブリッドと名乗るミュータントとの戦い。 #26 ジョカスタが離脱。 #27〜#28 ランナウェイズがゲスト登場。 #29〜#33 "Avengers vs. X-MEN"タイ・イン。 #34〜#39 アカデミーの閉鎖。
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EXの混沌世界の第四層のフィールド上で仲間になる式神について掲載しています。 黒き神域にて仲間になる式神については黒き神域ページにて掲載しています。 加入時期や加入場所が変化する式神についてはその他ページにて掲載しています 情報提供、修正、確認については各ページにてお願いします。 第四層 茨木 華扇 アンシリーコート タイタンアルム 綿月豊姫 綿月依姫 玄爺 森近 霖之助 ツヴィリングエンゲル ガルーダ クアール ムーンレジデント 要条件アイテム 特定条件を満たす必要あり 各式神が仲間になる詳細については各式神ページにて確認して下さい 特定条件については式神ページにて確認して下さい コメント 名前 コメント
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小隊編成 倭軍三代目団長・安倍辰麿が直伝! 賢い兵士運用法、教えます! 君が弱いのは、兵士の編成に問題があった!? はじめに 「兵士はただ統率値限界まで人数揃えればいいんじゃないの?」 時々、そのような言葉を倭軍内でも耳にします。 確かに、豪傑・軍師の主な火力となる兵士は、人数が多いほど有利になります。 兵士の運用だって人それぞれ。好きなように組んで全く問題ないです。 しかし、兵士の編成次第で、戦力が数段上がると分かったら……、どうしますか? 今の兵士編成、国戦や戦役で活躍できてますか? ここでは、兵士編成の基礎から応用まで、私、倭軍三代目団長の安倍辰麿責任編集でご紹介しちゃいます! 目次 1 何故、編成にこだわる? 「兵士は育てば強くなるんだから、別にこだわる必要はないのでは?」 そう思いのアナタ! ちょっと待ってください! 各兵士情報の頁をご覧のアナタならお分かりでしょうが、兵にはそれぞれ異なった特性があります。 小隊編成は、その特性を最大限にまで特化させるために必要不可欠なのです。 例を出しましょう。 小隊内が全く違う四次兵科で揃えられた兵科の豪傑と、全て神槍兵で構成された小隊の豪傑が戦ったとします。 前者は個々の特性がそれぞれ違い一見すると多様性があるようですが、まったくまとまりがありません。 攻撃モーションなどの関係で、どうしてもダメージが与えられる間隔が微妙にずれてしまいます。 すると、途切れることなくダメージは与え続けられるが、瞬間火力は弱まり、決め手にかけるのです。 これでは、薬丹自動回復や多療術で粘られてしまいます。 対して、全部神槍兵の小隊は、兵科が一緒なのでモーションが一緒です。 途切れ途切れではありますが、一度に多くのダメージを一瞬に叩き込むことが出来ます。 一発250弱のダメージ与えられたとすると、10人居るので、一度に2500弱ものダメージが相手に与えられるのです。 国戦では、通常火力より瞬間火力が求められている現状、これは非常に有効ではないでしょうか? また、神槍兵の必殺技には、眩暈効果があります。 一体では出ればラッキーくらいの確率ですが、10人も居れば、誰かしら発動する確率が高いです。 もし、次々に必殺技が波状攻撃で繰り出され、眩暈で動きが止まってしまったら……? 次の一撃を多療術でカバーできなくなるということは、落馬の可能性が非常に高まってしまいます。 いかがでしたか? これだけでも、兵士の編成は無策のままではいけないというのがご理解戴けたかと思われます。 『育てたい兵を育てる』という考えを捨てて、これからは、『育てるべき兵士を育てる』という考えで育成に励みましょう! 2 小隊には、『戦略コンセプト』が必要だ! では、具体的にどうやって小隊の編成内容を決めていったらいいのでしょうか? その答えは、『戦略コンセプト』にあります! 『戦略コンセプト』って一体なんだろう? と難しく考えてしまわないで下さい。 例えるならば、トランプのポーカーの役のようなものと思ってください。 ポーカーは、カードを揃えて作った役の強さで勝敗を決めます。 その際、カードの内容を見て、こういう役を作りたい、と頭に浮かべませんか? 兵士戦略の『戦略コンセプト』は、それと全く同じです。 兵士というカードを使って、どのような役(特色)にしようかと『戦略コンセプト』を立てるのです。 『戦略コンセプト』を決めるにあたって、人それぞれ、好みがあると思います。 守りの堅い兵を用いて、乱戦でもへこたれずに攻撃し続ける小隊。 瞬間火力にこだわり、防衛は二の次、攻撃力重視の小隊。 状態異常を引き起こして、戦局を有利な流れに持っていく小隊。 遠距離から狙撃して、ワンサイドゲームで圧勝する小隊。 他にも、『戦略コンセプト』は、プレーヤーの数だけ広がりを見せるでしょう。 こういった『戦略コンセプト』を立てることによって、自分が今どの兵士を育てるべきかが明確になるのです。 育てる兵科が明確になると、兵士の選別も変わってきます。 この兵営wikiで、もっと兵士のことを知ってください。 そして、もっと上手に兵士の運用をしてみてください。 3 編成タイプ指南 『戦略コンセプト』以外でも、特色を生み出せるのが、小隊内の兵科の種類の割合です。 どの兵科に小隊内の割合を割くかで、同じ兵科を使っていても全く特色が変わっていきます。 以下、主に挙げられている小隊割合の例になっています。 (以下リンク頁に飛びます) 兵科統一型 遠近両用型 歌舞混合型 4 おわりに これで、兵編成に関してはもう大丈夫! あとは、各自で考えて戦略を練っていただいて、オリジナルの編成を考えてくださいね!
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(投稿者:エルス) その瞬間を、ソイリンは寝起きでぼんやりとした頭で見ていた。 狙撃手とは一瞬に掛ける集中力と、敵を一方的に撃ち殺す精神力、目標が現れるまで待つ忍耐力を必要とする。 更に激戦地においては休息も充分でないまま任務を遂行しなければならない。 白夜戦争でその経験をしたソイリンは、比較的凍死する可能性が低い場所で休憩していると、寝てしまうのだった。 今回も訓練の合間に与えられた休憩中に寝ていた。 それを煙草を吸い終えたクリスティアが軽い拳骨で起したのだ。 「痛い」 「当たり前だ。休憩中に寝る奴がいるか、馬鹿者」 「ごめんなさい。治すように努力する」 「口では何とでも言える。速く立て馬鹿者、他の奴らもだ。立てない奴はスクワット200回だぞ」 最後の言葉を聞いて瞬時に立ち上がる遊撃隊の面々より緩慢な動作で立ち上がったソイリンは愛銃であるモソン・ヴォガンM1891/30の残弾を無意識の内に確認 して、これから何の訓練が始まるのかと考えていた。クリスティアの都合で10時半に始まった午前訓練は戦術論で言う逆襲だった。 これはカウンターアタックと言われるもので、敵に攻撃を受け、これを防御した上で行う攻撃であり、攻撃転移の手段―――らしい。 らしい、と言うのはソイリンがその意味を半分も理解できていないからだ。 彼女にとってそれは訓練の名前でしかない。戦術は指揮官であるクリスティアに頼りきっているからだ。 ―――応急攻撃、追尾追撃、離心的退却、偽陣地・・・ 思いつく限りの訓練を考えていると、背中を見せていたクリスティアが左右によろめいた。 そして体勢を立て直そうと踏み込んだ左足からガクンと力が抜け、彼女はそのまま倒れる。 皆、何が起きたのか分かりかねていた。ジョナサンが駆け寄るまで約3秒掛かったのは、その為だ。 「姉御!」 「心配するな・・・少し目眩がしただけだ」 無理矢理立ち上がりかけたクリスティアがまた倒れかけ、ジョナサンはそれを支えた。 比較的落ち着き払っているようにみえる彼も、心の中では皆以上に混乱していた。 だが、彼以上にショックを受けたのはソイリンだった。 彼女がクリスティアに寄せる信頼は絶対だ。だから、そのクリスティアが倒れた時には、ソイリンの眼は人間では無くなっていた。 彼女にとって倒れるという事は、攻撃を受けたと言う事になる。モソン・ヴォガンM1891/30を構え、悪魔は皆を睨み回した。 「誰だ」 ゴクリと誰かが生唾を飲み込む音が大きく聞こえる。殺気が場に蔓延し、精鋭と言って差し支えない皆が戦慄した。 入団手続きの際にソイリンが言った数字を、ジョナサンは思い出し、この殺気に納得した。 ―――507 それがカレヴァランド国防軍時代に記録した彼女の公式スコアだった。非公式スコアを合わせれば、それ以上になると言う事だ。 初めは殴れば何処までも飛んでいきそうだと思っていたが、実際飛んでいったのはかかっていった兵士の方だった。 身長も体重も勝っていた兵士が殴りかかった勢いそのままに飛んでいったのは、驚くしかなかったのを覚えている。 それを知っているからこそ、皆は何も言えなかった。空気が重く停滞する。 「ソイリン・・・大丈夫だ。私は大丈夫だから、銃を下ろせ」 「でも」 「下ろせ。これは命令だ」 「了解」 淡々としているソイリンから殺気が消えると、ジョナサンは此方に早足で歩いて来る彼女を見ながら息を吐いて心底安心した。 他の面々も同じだったのか、胸を撫で下ろしたり、冷や汗をふき取る者が多数居た。本人を目の前にして少々リアクションが大きすぎるのではとジョナサンは危惧したが、ソイリンがそんな事まで頭が回るわけがない。 今、彼女の眼が見ているのはクリスティアだけだからだ。それ以外の者など見えてもいないし、聞いてもいない。 クリスティアを支えていたジョナサンは彼女の顔を見たが、それは何時もと同じ無表情で、涙などは全く無かった。 漸く表情が変化すると思ったら、彼女は喋るだけだ。表情に変化は無い。 「クリスティア。大丈夫か?」 「そんなに慌てるな・・・ソイリン。ちょっとした・・・風邪だ」 「風邪?治るのか?大丈夫なのか?」 少しだけソイリンの眼が細まる。ジョナサンは彼女が心配しているのだと思った。 「治る、治るから・・・そんな心配そうな目で見るな・・・やせ我慢をしていた罰だな・・・ふぅ」 やせ我慢、と聞いてジョナサンはクリスティアの額に手を当てた。すると、熱かった。暖かいのではない、熱いのだ。 小さい身体に似合わない事ばかりだなと彼は心中苦笑し、それを表情に出さないように務めた。 大凡38度9分程度か、とジョナサンは推測する。 「ったく・・・無茶しすぎですよ隊長」 「そうだぜ。おい、ジョニー、隊長を運んでってくれ」 「ソイリンも一緒に行け。心配なんだろ?そら、行った行った」 強がりなのか思い思いの台詞を言う遊撃隊の面子に彼は「ジョニー言うんじゃねぇ!ジョナサンだ!」と言い返しながら医務室に向かった。 その後ろをきょろきょろとしながら付いていくソイリンを見たクリスティアはまるで子犬じゃないかと含み笑いを浮かべる。 倒れておいて笑みを浮かべているクリスティアを見たジョナサンは、溜息を吐いてから言った 「姉御はやっぱり無茶ばっかだ」 「何だ・・・ゴホッ・・・ジョナサン、無茶のない戦場があるとでも言うのか?」 「いーや、ただ思っただけですよ。ソイリンと姉御は、自分の身体を気遣わない所とか似てるなってね」 言ってから殴られるんじゃないかと思ったが、クリスティアは少し笑っただけで、殴られるようなことはなかった。 「ゴホッ・・・何だ、分かってるじゃないか・・・」 ただ、そう呟いただけだった。 ―――[V]――― 結局医務室に運ばれて元軍医のユッカ・コルピに安静にしているようにと言われたクリスティアは大人しくそれに従うしかなかった。 数日間彼女が居ない遊撃隊の士気低下は仕方が無いにしろ、誰も気にしていなかった最大の問題点があった。 事務である。書類整理、補給された物資一覧表、予算関係、外交などなど。 さすがにゼロヘイヤ・カートン一人だけでその穴を埋めるというのは不可能なので、遊撃隊から頭の良い元エリート 三名でローテーションさせてやる事にした。一人だけでは戻った時に鈍って使い物にならなくなるからだ。 臨時中隊長に選ばれたのは第二小隊隊長のルドルフ・ベーレンドルフで、ベーレンドルフの抜けた第二小隊は人数上そのままで、副隊長がそのまま隊長になった。 元エントリヒ帝国国防陸軍少佐の彼ならば大丈夫だろうと、病床のクリスティアは言っていた。ジョナサンもその通りだと思っている。 実際クリスティアが抜けた事で遊撃隊の士気が下がっていたが、ベーレンドルフはそれを感じ取ったかのようにミーティングを開いた。 勿論、全員出席した。それが士気の上昇になったかと言えば、そうだろう。 クリスティア程ではないにしろ、ベーレンドルフもそれなりのカリスマ性を持っている男だ。苦笑しながら聞く者も居たが、最後には拍手がベーレンドルフを迎えた。 ただ、ジョナサンがその事で胸を撫で下ろすことはできなかった。 その原因は、ソイリンだ。 無表情で無口だから落ち着いているように見えるが、行動が全然落ち着いていなかった。 まずお湯を運んでいたら何にも無いところで転んで向かい側から歩いてきたナイト・ロウ・バイパーにそのお湯が掛かってしまったり、体温計の使い方が分からなくて手を滑らせて落っことしたり、 勝手に薬を勝手に持ち出そうとして文字が読めないから手当たり次第持ち出そうとしたり、などなど。 勿論、体温計や薬の持ち出しの件についてコルピは真っ赤になって怒っており、叱られるソイリンは表情こそ変わらないものの、しょんぼりとしていた。 そんな事やら何やらがあってクリスティアが倒れてから三日経ち、今日も医務室でソイリンとジョナサンが見舞をしていた。 見舞と言っても、ジョナサンはクリスティアの介抱をコルピと協力してやっているので、精確に言えば見舞をしているのはソイリンだけだ。 「気ぃ落とすなよソイリン、お前は姉御を見守ってるだけで良いんだからよ。介抱は俺に任せとけって」 軽い口調でジョナサンが言うが、心中ではコルピの怒りを収めるのが面倒だからという愚痴も入っている。 「ジョナサンの言うとおりだ・・・ソイリン」 「それが命令なら。従う」 「ゴホッ・・・命令ではないが、出来ない事を無理してやる必要は無い。分かるな、ソイリン?」 「分かった。私は見守るだけにする」 「そんなに落ち込むな・・・ゴホゴホッ・・・私は大丈夫だ」 「分かってる。そろそろ時間だ。また明日」 「あぁ、また明日」 心なしかしょんぼりとするソイリンが医務室から出て行くと、クリスティアはジョナサンの袖を三回引っ張った。 それは、話があるという意味だ。 「何です、姉御?」 「今日は訓練か?」 ジョナサンはなんでそんな事をと言いながらも、今日は物資を奪いに行くんですよと返した。 クリスティアは何度か咳をしながら、何か考え事をし始めて、ジョナサンは何事も起きませんようにと願う。 勿論、何事も起きない筈がなかった。そういう時ジョナサンは、呆れたように溜息を吐くしかないのだ。 ―――[V]――― 対G戦の初期に廃墟となった街を移動していたアルトメリア連邦陸軍補給部隊の護衛に付いていた一両のM4シェイマンはそのワイヤーに気付く事無く 引っ掛かり、左側面からツィーファウスト二発の直撃を受けた。成形炸薬弾頭を使用するツィーファウストはM4シェイマンの装甲を易々と貫通し、 搭乗している兵士を爆風で殺傷し、M4シェイマンは派手な音を立てて無力化された。 異変に気付いた後方のトラック五台の内真ん中の一台と最後尾の一台は乗せていた歩兵を周囲に展開し、防御の陣形を取る。 その動きは速かったが、攻める遊撃隊がそれを許す訳が無い。身を隠すのに最適な五箇所にはエントリヒ軍の対人地雷が設置されていた。 Sミイネと呼ばれるそれは触覚のようなセンサーを踏んだ兵士の足元で跳躍する為に一度爆発し、それぞれ差はあったが約1.2m程飛び上がった所で二度目の爆発を見せた。 ケース内の320個の鉄球とケース本体の破片が兵士の至近距離で炸裂し、身体をボロ雑巾のように引き裂く。 動きの遅かった兵士も少量だが破片や鉄球を喰らい、無傷の者の方が少ない。 そしてそれに追い討ちをかけるかのように、軽機関銃を構えた兵士の頭が割れた。 「狙撃手だ!伏せろ!」 そう叫んだ老兵の頭も割れた。ある者は死んだ仲間の銃を取り、弾丸を掻き集めて反撃に出ようとするが、その逆も居る。 トラックの下に潜り込んで震えている者や、銃を持ちながらもどこかに白い布は無いかと探している者達だ。 「バウンシング・ベティ(跳躍地雷)だ!畜生めっ!変態帝国の野郎共が糞ったれなもん作りやがって!」 「伏せろ!伏せろ!頭を出すな!狙われるぞ!」 「ああああああぁぁ!糞っ畜生畜生畜生おぉ!俺の目があぁ!目がああぁ!」 「何なんだよこりゃあ!?人間相手の戦争は馬鹿馬鹿しいとかこの前大統領だって言ってたぞ!?」 「馬鹿馬鹿しい!?血生臭ぇの間違いだろうが!」 突然の攻撃に混乱する部隊を見て、中隊指揮を執るベーレンドルフは第一小隊を陽動として敵前面に移動させ、第二小隊を敵の背後から攻撃するように指示した。 第三小隊は物資回収の準備をしており、第四小隊は二班に分けられ、第一斑は約300m離れている丘から狙撃しているソイリンの護衛、第二班は第三小隊の護衛だ。 鹵獲したSミイネの性能を見るという目的は達し、敵部隊も既に壊滅状態。 中隊指揮官として華々しい戦果だと思いつつ、敵部隊の頭上、廃墟ビル三階で事を見ていたベーレンドルフは赤い地面から目を逸らした。 廃墟ビルを使用しての頭上からの攻撃は作戦としては有効だったが、床の強度が問題となり、実行できなかったのだ。 負傷者が出るかもしれないと半ば恐れながら、ベーレンドルフはあの悪魔に願った。 「赤髪の悪魔・・・貴様の狙撃で、全員が無事で帰れるかが決まるのだ・・・」 ―――[V]――― ソイリンが慣れ親しみ、身体の一部と言っても過言でもないモソン・ヴォガンM1891/30で行う狙撃は、精確無比だ。 彼女は廃墟を見下ろすかのように聳え立つ岩山の頂上で地面に寝そべり、照準眼鏡を使用せず、アイアンサイトで狙いを付けていた。 照準眼鏡を使用すればその反射光で位置が敵に露見する事と、射撃時の体勢がどうしても高くなってしまい、逆に狙撃され易くなるからだ。 もっとも、彼女は白夜戦争の頃からこうして狙撃を続けているので、一種の癖のようなものとなっている。 横には双眼鏡を覗き込み、ぶつぶつと風速や次の目標指示、その目標までの距離を等の狙撃に必要な情報を呟き続けているのが、観測手だ。 だが観測手を努めているオブライエンはそろそろ我慢の限界が近かった。先程から観測手として情報を伝えているのに、彼女は聞く耳を持たないからだ。 「次、右に3cm。距離312m、風速右4m。変則的に変―――」 その先の言葉は銃声で掻き消された。目標の軽機関銃を両手に持った兵士に命中はしたが、オブライエンは彼女に聞こえるように舌打ちをする。 観測手の情報を最後まで聞かないで撃つというのは明らかに侮辱行為だ。同じく狙撃手でもある彼はその事に我慢できなかった。 目の前で自分の役目を淡々とこなされ、それを手助けしようとしている此方の手を彼女は無視しているのだ。 彼がそんな事を考えている合間にも、彼女は遊底を引き、次弾を装填した。 双眼鏡を覗き、敵の位置を教えようかと思ったが彼は口を中途半端に開き、そして止めた。 どうせ聞いていないのだ。言っても無駄だろう。 その答えのように彼女は鉄爪を引き、銃声が鳴った。 「・・・ん?」 その異変に最初に気付いたのは他でもないオブライエンだった。目標を指示していなかったので彼女が何を狙ったのか分からなかったが、動いている兵士の数が減っていない。 まさかなと思いつつ彼は双眼鏡から目を離し、彼女を見る。そして、驚いた。 それは彼女が始めてみせる顔だった。アイアンサイトを覗いたままの体勢で目を丸くして口をポカンと開けている。 遊底に触れている左手は良く見れば微かに震えていて、顔色も段々悪くなっていく。 ―――命中せず その一言が喉から出て行きそうだったのを咳で誤魔化し、彼は彼女の肩を叩いた。 「おい、何ボケッとしてんだ!早く次を撃て!」 「了解。次は。外さない」 ハッとして現実に帰ってきたソイリンは遊底を引き、次弾を装填。狙いを付けて、鉄爪を引いた。 だが、銃声はしない。モソン・ヴォガンタイプの目立つ発砲音が、鳴らなかった。 オブライエンはその初歩的過ぎるミスに唖然とするしかなかった。弾切れの状態で遊底を引いて鉄爪を引いた所で、何も出るわけが無い。 残弾数の確認など長くその銃を使っていればしなくても分かるようなものだが、それが出来なかった。それは兵士として致命的だ。 慌てて弾丸を込める彼女の精神状態など彼にはあまりよく理解できなかったが、何時もとおかしいと言う事は理解できた。 そして思い返すと彼は漸く納得するのだ。クリスティアが彼女にとってどれ程大切な存在かと言う事に。 「落ち着けソイリン!何時も通りやれば上手くいく、だろ?」 「分かっている。大丈夫。外さない。外れない」 今度はちゃんと銃声が響いたが、命中はしなかった。 「何故。手が震える」 ボツリと呟くソイリンの目には、仕留められない獲物が映っている。 そしてその獲物は死に掛けていた。前面に展開した第一小隊が建物内に逃げ込み、後ろに回り込んだ第二小隊が所持する銃火器を連射する。 前に気を取られていた者は次々と弾丸に身を引き裂かれて絶命していくが、脆いというのに強靭さを見せるのが人間か、まだ抵抗する者は必死の反撃に出た。 人数にしてたった11人だが、指揮する中年の兵士が他を奮い立たせ、極度の興奮状態に陥っている為に、急所を外れた弾の一、二発では止まらない。 更にトラックに積まれていたのか、ブローニグM2重機関銃を碌な狙いも付けずに乱射するのだから、第二小隊は攻撃を中止するしかない。 ならば第一小隊がと建物から出ようとするが、前面はM3半自動式小銃と軽機関銃を持ったオールバックの兵士が筋肉質の兵士と割れ眼鏡の兵士の三人組で、 警戒されており、運の悪いことに裏口も崩壊しているので第一小隊も動けない。 第三小隊と第四小隊第一斑を援護にやればすむかもしれないが、その場合物資の回収作業が遅れることになり、敵増援と手合わせする事になる。 しかしこのままでは、時間だけが過ぎるだけだ。ベーレンドルフは考え、眼下で行われている戦闘を見るしかなかった。 武器は自衛用のヴァトラーP.08。しかし、拳銃弾一発でも撃てば、重機関銃の銃口は此方を向き、弱りきったコンクリートを砕き散らして我が身を襲う。 指揮官を失った部隊は混乱し、行動を停止する。頭を失った蛇と同じように。 「アルトメリアンドリーム(亜国魂)ってヤツを穴にブち込んでやる!!出てきやがれ臆病な強姦魔共ッ!」 「犯るだけ犯ってとんずらってか!?笑わせんじゃねぇよ!こちとら脇腹に穴開けられてカンカンだっつんだよ!」 「脳足りんのド低脳の集まりなんかがでしゃばりやがってえぇ!ざけてんじゃねぇぞ畜生が!」 唾を飛ばして口の端に血の混じった泡を作りながら声を張り上げる兵士達の1人、割れ眼鏡の男にソイリンは狙いを付ける。 風速、距離、射撃に必要な情報は全て分かっている。それでも手の震えは止まらない。彼女は自分の事にも係わらず、その原因が分からない。 鉄爪を引いて撃つ。しかし弾丸は命中せず、湿った地面に突き刺さっただけだ。砂埃すら上がらない。 呼吸が乱れている訳でもなく、精神的に追い詰められている訳でもない、なのに何故と彼女は自問する。 そんな時だった。出口の見えない問題に立ち向かっている彼女の肩に軽い重みが掛かった。 「ソイリン・・・ったく、私を困らせないでくれ・・・ゴホッゴホ」 小さな声でそう言ったクリスティアは寝巻きの上にトレンチコートという格好で、顔色は赤くはなく、青に近い。無理をしているのは目に見えて明らかだ。 その後ろではここまでクリスティアを運んできたジョナサンが第四小隊第二班の面々から抗議を受けている。病人を外に、しかも戦闘が行われている前線に出すとは何を考えているんだと。 そんな言い争いも、ソイリンにはもう聞こえていなかった。狙撃体勢のまま、彼女は蚊の鳴くような声で言う。 「何で。ここにいる?何で。貴方は休まないといけない。だから。私が頑張らないと―――」 「ソイリン!・・・命令を復唱しろ」 やはりこいつは子兎よりも子犬の方が似合うなとどうでもいい事を一瞬思ったクリスティアだが、それでもソイリンが駄目になった理由が彼女には一瞬で分かった。 言葉よりも行動で示すのがソイリンの良い所であり、悪い所だった。それに表情には出なくても、雰囲気に出てしまうのもある。犬の尻尾のようにソイリンの感情がクリスティアには読めた。 「命令。ごめんなさい。忘れた」 命令など出していないのだから当然だ。クリスティアはそう思いつつ額を押さえたが、すぐにそれを止めてソイリンの頭に手を置き、そのまま優しく撫でた。 驚いたかのようにソイリンの身体がビクリとしたが、クリスティアは気にせずソイリンの耳元で呟く。 「・・・さあ、いつもどおりに成果をみせてくれ、ソイリン」 「了解。だから。自分の身体を気遣ってほしい」 「判っている・・・作戦が終わったらゆっくり休む」 「約束した。絶対だ」 「約束する。・・・そのためには、判ってるな?」 「解ってる。私は狙いを外さない。弾丸は狙いを外れない」 悪魔が遊底を引き、次弾を装填する。ソイリンは何時の間にか手の震えが消えていた事に気付かなかった。今の彼女はそれを障害と見ていない。指が潰れていても、今の彼女は狙撃をするだろう。 一度深呼吸をしてこの弾丸なら当たると自分に言い聞かせ、改めてアイアンサイトを覗き、目標の敵兵士を見る。1人事切れたのか、数は10人に減っていた。 だがそれも些細な問題だ。少なくなっているのだから、此方に特と言っても良い。 ―――さて、終わらしてくれよ?さっきから頭を煩い請求屋がノックしてきているぐらいに頭痛が響いてるんだ・・・ クリスティアの限界を知ってかしらずか、赤髪の悪魔は本人もそれと知らずの内に連射していた。 一撃目を放ちすぐに遊底を引き、二撃目。その繰り返しで撃ち切れば弾を込め、また狙い撃った。 こうして約1分半の内に10発の弾丸が放たれ、その全てが命中した。 作戦成功を見たベーレンドルフが物資回収の為に第三部隊と第四部隊第一斑を呼び出し、第一小隊と第二小隊は戦利品を漁り始めていた。 「全弾命中。終わった。早く帰ろう」 ソイリンが隣に立つクリスティアに言う。その声はやや低く、震えているように感じた。 また心配しているのかと、後ろで控えているジョナサンは気付いてからソイリンに見えないように少し笑った。 最初は感情が無いのかと思っていたが、今となっては声で分かるのだ。 「あぁ・・・」 クリスティアがそう漏らすと同時に強い風が吹いた。その風にすら対抗する力がないのか、彼女はそのまま倒れてしまった。 運良くソイリンが居る方へと倒れてきたので良かったが、前に倒れていたら3m下の岩に激突していた所だ。 「どうした?何処か痛いのか?一体。何処が」 クリスティアを支えるソイリンの心情は、ジョナサンだけでなく観測手という任務を放棄してしまったオブライエンにも分かった。 今にも泣き出してしまいそうなその声を聞き、何かしなければならないと知っているが何をすれば良いのか全く分からないので震えている手を見ればどんな馬鹿でも分かる。 そしてジョナサンは待ってましたとばかりに短距離を走り、持ってきていた毛布をクリスティアに被せた。 「無理しすぎだ姉御・・・ああ、ちょっと体が冷えすぎてるな・・・おい、ソイリン。とびっきり重要な任務だぜ」 「何だ」 「じつは・・・」 ごにょごにょとソイリンにある事を伝えるジョナサン。ある事と言っても、それ程難しい事ではない。 要はクリスティアが冷えないように添い寝しておいてくれというものだ。理由として同性だから、と付け加えておいて。 「解った。それで。治るんだな?」 「治るというか、まあ治りやすくするための手段だ。あとは姉御次第だから・・・無茶しなければ大丈夫、そうだろ?」 「そうなら。そうなんだろう」 「なら頼んだぜ、何せ小さいっても遊撃隊の隊長だ。とびっきり重要な任務だろ?」 「理解してる」 「よし、そら行け」 「了解。ありがとう。ジョナサン。感謝してる」 「いいからとっとと行けって、俺行くんだから、ほらほら」 ほぼ無理矢理ソイリンとクリスティアを車に乗せて、後部座席に自分も乗り込み、運転手にOKサインを出してジョナサンはホッとした。 運転手がアクセルを踏み、ピーキーにチューンされたエンジンが化物のような馬力を発揮して驚異的な加速をした。 その走り去る車を見ながら、癖毛のマックが煙草をポケットから取り出し、口に咥えてジッポーで火を点け、吸い始める。 「ったく、名前で呼んだの、隊長の次がジョナサンかよ・・・オブライエン、あとで50メルトやるよ」 「おいマック、てめぇらソイリンで賭けてたのかよ?」 「まあな、軍隊の娯楽と言えば隠し持つポルノ雑誌と賭け事に鍛え上げられた肉体に惚れて来る面ヤバ女だけだって知ってんだろ・・・フゥ、作戦成功祝いのヤニは格別だねぇ」 「何気取ってんだか。ヤニより自分の財布心配しろよ、50メルト持ってんのか?」 「そんくらい持ってるって、心配すんなよオブラナリ」 「わざと間違えてんじゃねぇよ、オブライエンだ馬鹿チン」 物資回収を終えた第三小隊と第四小隊第一斑が廃墟の街を出て行くのが岩山からははっきりと見えた。 オブライエンは癖毛のマックを軽く小突いて笑い、それに合わせて第四小隊第二班の面々は互いに握手をして笑い合った。 それは他の小隊も同じだった。また今日を生き延びたという実感は無かったが、重傷者も無く戦闘が終わってくれた事に対して誰とは言わないが感謝しているのだ。 この時は普段寡黙で滅多に笑わないベーレンドルフも声を上げて笑い、臨時中隊指揮官として初陣を完全な勝利で飾った男として、彼は賞賛された。 地平線に太陽が消え始め、空が真っ赤に染まった時だった。 ―――[V]――― クリスティアは眠りから覚めた。瞼を開くがそれはぼんやりとしていてはっきりしない。 慣れるまで医務室の天井を見ていた彼女は左右を見ようと首を回して、まず最初に右を向いた。 そこにはパイプイスに座ったまま眠っているジョナサンがいた。比較的地味な私服姿で何故かうなされている。 見舞いをする体力が無いのなら自分の部屋で寝ていれば良いものをと思いつつ、次に左を向く。 「・・・・・・なっ?!」 珍しくクリスティアが素っ頓狂な声を上げる。左にいたのはベッドに入り込んで眠っているソイリンだった。 彼女はクリスティアにピッタリとくっ付いて眠っていたため、左を向いた拍子に額と額が触れ合ってしまう程の近さにまで達していた。 左を向いて目に飛び込んできたのが物凄く近いところに居る人だったら、誰だって驚く。 そして少し離れてクリスティアはソイリンの頭を優しく撫でた。すると眠っている彼女の表情が、今まで一度も見たことの無い笑顔になった。 今日は驚くことばかりだなとクリスティアは嬉しい溜息を吐いた。こいつもこんな顔をするのかと思い、これは安心しているからだろうなと続けて思う。 よく見ればソイリンはおもしろい寝方をしていた。猫のように丸くなって寝ている。 恐らくは体温を逃がさない為にそうしているのだろうが、それを知らない者が見れば可愛らしい少女にしか見えないだろう。 子兎と呼ばれていてそれを自分はそんなに可愛らしくないから似合わないと言っていたが、あれは嘘だな。 そんな事をクリスティアが考えていると、ソイリンが三度ほど咳をした。今更気付いたが、顔も少し赤らんでいる。 「まさか・・・な」 そう言いながらクリスティアはソイリンの額に手を当てると、予想通り熱かった。 対してクリスティアはまだ寝起きでぼんやりとするものの、頭も痛くないしだるくもない。 「・・・うつしてしまったか」 その言葉に答えるようにソイリンがまた咳をする。 逆側のジョナサンは盛大にくしゃみをしてパイプイスから落ちて、物凄く痛がっていた。 ―――[●]――― 医務室で申し訳程度に生えている白髪と白いチョビ髭持つ老人、ユッカ・コルピは最近になって急激に増加した溜息をついた。 メードが風邪をひくという事が起き、とりあえず人間と同じ処置をしたが赤髪の娘が体温計を割ったり薬を盗もうとしたりと面倒を起し、 最終的のその娘まで風邪をうつされて寝込むとはどういうことだ。 しかしそれでも、短時間の説教と溜息だけで済むようになったのはコルピがもう既に老人だからだ。 というのも、白夜戦争以前から軍医を続けていたコルピは怒鳴り続けた結果、大声が出せなくなり、凍傷で右足の指を失っている。 それほど元気の無い爺を拾ってくれたのがヴェードヴァラム師団であって、この問題児の巣窟であった。 だが、そんな巣窟にも真面目な奴らはいるものだ。風邪をひいたメード―――クリスティアが率いる遊撃隊の面子がその代表例だ。 性格は異なるが根は真面目で仲間思いの彼らは、風邪をうつされた娘―――ソイリンを頻繁に見舞っていた。 それはクリスティアの時と同じだったが、同じだからこそ仲間思いの強さが分かるのだ。 今日もコルピの前には見舞い客としてクリスティアが椅子に座っている。 「全く、お主らは馬鹿だから風邪には掛からんと思っとったからなぁ、薬を手に入れるのには苦労したんだ」 「その件については感謝している。それで、ソイリンはどうだ?」 見た目に似合わぬ固い口調にコルピは眉を顰めた。自分の孫と言っても通じてしまうような年齢の容姿をしているが為に、その口調が心を痛ませる。 本来ならばこのような事になるべきではないのだと、コルピは思う。軍医としての傍ら白夜戦争末期ではメード技師としてメードの素体が何なのか 知っている彼は、幼子のメードを見る度に心を潰される思いをしているのだ。 「熱も下がってきておる。お前さんより長かったが、もうじき感知するだろう」 「なら良かった。では、見舞いをするので失礼する」 「念の為言っとくが、患者に乱暴はするんじゃないぞ」 「分かっている。病人を戦場に送らんのと一緒だ」 なら子供を戦場に送るわしら馬鹿者共は、一体何なのだとコルピは問い掛けたくなるが、それは飲み込んだ。 自分が人類の代表者であるかのような台詞は私には不釣合いだと判断したからだ。 その間にクリスティアはソイリンが横になっているベッドの横にある椅子に腰をかけていた。 「クリスティア。見舞い。ありがとう」 「何、気にするな・・・身体の具合はどうだ?ソイリン」 「熱い。気持ち悪い。頭が痛い」 「それが風邪ってやつだ・・・まあ、静かに安静していれば治る」 「でも。私の任務が―――」 「ねてろ」 ベッドから降りて立ち上がろうとしてふらついたソイリンをクリスティアは押し付けるようにしてベッドに戻した。 自分も相当無理をしていたが、部下にそんな事はして欲しくないのだろう。 「分かった」 目を細め、顔を下に向けながら乾いた咳をしつつ、ソイリンはボソリと言った。 最初に会った頃はこんなに喜怒哀楽が分かりやすい奴ではなかったなと思いつつ、クリスティアは彼女の頭をそっと撫でる。 「任務を遂行したかったらちゃんと治せ、当面の命令はそれだ」 「了解。風邪はちゃんと治す。大人しくする」 「よろしい」 そう言うとクリスティアは一度席を立って、用意していたのか粥を持ってきた。 「私の治療に貢献した褒美だ・・・食え」 彼女はスプーンで粥を掬い、それをソイリンの口近くまで持っていった。 一方、こんな事をされたのは生まれて始めてのソイリンは少し戸惑ったが、食えと言われたのだから食うしかないと思い、パクリとスプーンに食い付いた。 「―――ん」 勿論、粥も生まれて始めて食べるのでどんなものかと思っていたが、これが美味しい。 塩と米とお湯だけで出来ているとは思えないくらい美味しいとソイリンは目を輝かせている。 それを見てクリスティアはもう一度粥を掬い、彼女の口まで持っていった。 その繰り返しで彼女が粥を食べ終えると、身体が温まって眠くなったのか、目をパチクリさせるようになる。 「眠いのなら寝ろ。そうすれば治りが早くなる」 「うん。寝るけど。待って」 「どうした。何かあるのか?」 「少しだけ」 「何だ、言ってみろ」 「今度は。カーシャが食べたい」 それを聞いたクリスティアはカーシャという料理がどんなものなのか分からなかった。 ただ、推測としてヴォ連辺りの料理なのだろうと大凡の見当をつけ、どんな料理か知らないがこう答える。 「・・・いいだろう。ただし味のほうは期待するなよ?なにせ料理はしたことがないからな」 「別に良い。私は気にしないから」 それだけ言うとソイリンは瞼を閉じて眠ってしまった。そして少し声を漏らしながら身体を丸め、また猫のような格好になった。 恐らく癖なのだろうとクリスティアは微笑みながら席を立ち、顔を顰めて紅茶の入ったカップを見ているコルピの前の椅子に座った。 「カーシャとは、一体どんな料理なのか知っているか?ヴォ連辺りの料理だと思うのだが・・・」 勿論、コルピは顰めていた顔に更に皺を寄せ、変な表情をする。 此方が真面目に質問しているのにどんな態度だとクリスティアは少し思ったが、それも次の言葉で粉砕された。 「あのねぇ・・・カレヴァランド人にヴォ連辺りの料理の事を聞くのは苦だと思うんだがね?」 あ、と思わず言ってしまいそうになるのを堪えて、コルピに謝罪すると、気にしてないからと返され、 ついでにと言ってカーシャがどんな料理であるかを詳しく説明してもらい、作り方のメモまで貰った。 どうやらカーシャとは粥に近い料理であるようで、作り方としてはそれほど難しそうではない。 問題は、クリスティアが料理をしたことがないということだが、それはあまり深刻な問題でもないと願う。 しかし、万が一の事もあるかもしれないと彼女は考え、結論として最初にソイリンではない別の誰かに味見してもらうと言う事になった。 「・・・しかし、一体誰が・・・」 クリスティアは少し考え、そしてすぐにその相手は決まった。 そしてその相手は同時刻、盛大にくしゃみをして「おいジョニー、風邪なら医務室行って来いよ」などと言われて言い返していた。 「だからジョニーじゃなくてジョナサンだっての。しかも俺は風邪じゃねぇ、誰かが俺の噂してるか俺の事を考えてくれてるだけだ」 少なくともジョナサンは、クリスティアが決して良い事とは言えない事をさせようと考えているなど、彼は知る由も無かった。 関連項目 ソイリン クリスティア
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登録日:2012/03/28 Wed 22 46 31 更新日:2021/06/16 Wed 17 21 58 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 ネタバレ項目 バッカーノ! 不死 不死の酒 不死者 不老不死 不死者とは、『バッカーノ!』の根幹をなす設定の一つである。 以下、ネタバレ注意。 不死者とは、「不死の酒」を飲んで不死となった者の総称である。 不死の酒について そもそも、不死の酒は、それ単体で現れるのではない。 「悪魔」を呼び出し、彼に「不老不死の全てを知りたい」と、願った結果にすぎない。願い次第では、作品の筋が大幅に変わってしまう事もありえた。 事実、この「悪魔」は、「何でもできる」事が判明している。 1711年に「悪魔」を呼び出したのは、マイザー・アヴァーロだった。この際、マイザーにだけ調合法が伝えられた。 彼の103年前にも誰かが呼び出したようだ(明言はされていないが、ダルトンだと思われる)。 「酒」を飲んだ人間は、不老不死となる(厳密には不死ではない)。 不死身だが痛覚がなくなるわけではないので、ショックが大きいと気絶する。しかし、経験を積めば慣れによって気絶しにくくなり再生も早くなる 重要なのは、不老不死になってから体に変化があった場合、飲んだ状態に戻るという事。 太っている人が飲んだ場合、痩せる事は無く、怪我や病気の人間が飲んだ場合、それ以上悪化はしないが、完治する事もない。 まあ、長い時間をかければ多少の融通はきくらしいが。 不死者の弱点 不死者には、一つだけ殺す方法が存在する。 前述の「悪魔」が親切でつけたらしい。 その方法は、「右手を相手の頭に乗せて『食いたい』と願う事」である。 これを行うと、相手は右手から吸い込まれてしまう。 また、食べた相手の「知識」や「経験」が、自分の物になる。 体中で「理解」するため、多くの不死者を殺せば、それだけで強くなる。 セラード・クエーツは、体中の細胞それぞれが「生物」のようになるのでは、と推測していた。 また、食べた相手の質量はどこにいくのか、といった謎や、記憶の引き継ぎを利用して、食われた後で相手の身体を乗っ取る事が可能なのでは、と言われている。 余談だが、記憶や経験の引き継ぎと、アイザックとミリアが列車の食堂車の中で話していた話題には、共通点が多い。 あいつら実は頭いいんじゃね?と思わせるシーンの一つである。 「そういうお前をわしゃ食った」 不死者の制約 不死者になると、不死者間で「偽名」が使えなくなる。 普通の人間に一時的に名乗るだけなら大丈夫だが、公共の書類に偽名を書こうとしたり、近くに不死者がいて偽名を名乗ろうとした場合、それを身体が拒否する。 ただし、抜け道として、「一般人に偽名を教えて、それを不死者に紹介させる」という方法がある。 できそこない 「できそこない」 調合方法を半分だけ知ったセラード・クェーツが作り出した「不死の酒」の失敗作。不死にはなるが、不老にはならない。 つまり、老いには勝てない。 他の不死者を食べる事はできないが、「完全な」不死者からは一方的に食べる事ができる。 不死者とは違い、偽名を名乗る事が可能。 以下、2002年で生存している「完全な」不死者。 マイザー・アヴァーロ ヒューイ・ラフォレット エルマー・C・アルバトロス ヴィクター・タルボット チェスワフ・メイエル ナイル 東郷殿九郎 シルヴィ・リュミェール ベグ・ガロット マルティージョファミリー キース・ガンドール ベルガ・ガンドール ラック・ガンドール アイザック・ディアン ミリア・ハーヴェント ネズミ 以下、最重要ネタバレ注意 ラブロ・フェルメート・ヴェラレスク ルクレツィア・デ・ドルメンテルとその周辺人物数人 ダルトン ルネ・パルメデス・プランディリエ 追記・修正お願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 名前 コメント