約 4,151,043 件
https://w.atwiki.jp/83452/pages/18280.html
◎ 掛ける言葉が見つからなかった。 掛けられる言葉が無かった。 私も覚悟はしていた。 これから先、皆と離れ離れになる事を、あの一陣の風に引き裂かれる事を。 でも、これは……、早過ぎる……。 前の風はこの世界に来て一ヶ月近く経ってからだった。 せめてそれくらいの周期の風だと思ってた。 それくらいの周期であってほしかった。 だけど、その見立てはどうやら甘かったらしい。 どうやらそう考えていたのは、私だけじゃなかったみたいだ。 梓もムギも澪でさえも、不安を隠し切れない表情を浮かべていた。 唯なんて、レジャーシートの上に膝から崩れ落ちてしまっている。 全身を震わせていて、その表情は悲痛で……、 私がその唯の肩に手を置こうとした瞬間、唯は京都の空に向けて叫んでいた。 「ここは……、地球だったんだー!」 「何処だと思ってたんだよ!」 「自由の女神何処だよ!」 「猿繋がりっ?」 「古過ぎますよっ!」 唯の突拍子も無い叫びに、私、澪、ムギ、梓の順で突っ込んでいた。 あまりに突然の出来事に、私は思わず脱力して苦笑してしまう。 脱力したのは唯以外の皆も同じみたいで、つい苦笑してるみたいだった。 でへへ、と唯が頭を掻きながら照れ笑いを浮かべ、私を見上げる。 私は唯と視線が合って、気付いた。 唯の目尻の辺りが少し潤んでしまってる事に。 涙を堪えて、ボケてくれたんだって事に。 そうか……。 唯は皆と一緒に前に向かう事に決めてくれたんだよな……。 こんな時でだって皆が笑ってくれる事を選んでくれたんだ。 一番辛い立場の唯がそれを決めたんだ。 だったら……、もう一陣の風なんかに怯えてるわけにはいかないよな……。 今度こそ、それは本当だ。 私は唯の頭に手を置いて、軽く撫でてやった。 何も言葉は掛けなかった。 先に唯の言葉を聞いてやりたかったからだ。 しばらく経ってから、唯が涙を堪えながらまた微笑んだ。 「ごめんね、皆……。 私のせいでこんなに大変な事になっちゃって……。 でも……、でもね……、私、もう逃げないよ? 自分が死んだら皆が助かるなんて、そんな事も考えない。 元の世界で皆で居られる方法を頑張って探すから……、 我儘だと思うけど、それまで皆には笑顔で居てほしいんだよね……。 私も笑ってるから……、笑顔で頑張るから……。 それまで皆には迷惑掛けちゃうけど、ごめんね……」 「それは言わない約束でしょ、おとっつぁん!」 唯の言葉に急にそう返したのはムギだった。 唯が望んだ優しい笑顔で……、 いや、きっとムギ自身がそうしたいと望んだ笑顔で。 唯の笑顔がムギを笑顔にして、皆を笑顔にしていく。 それが私達の関係で、とても落ち着けて嬉しい。 遠く離れていても、その笑顔を浮かべられるようになれればって思う。 ただ唯はちょっと呆然としていた。 ムギの笑顔と言うより、単にムギのボケに驚いてるだけみたいだった。 確かに私も結構驚いた。 これは確か唯が知恵熱(?)で寝込んでいた時に私がムギに教えたネタだった。 いつの間にか使い所を完全に習得してるみたいだ。 きっと私達の知らない所で場を和ませるために練習してたんだろう。 ムギの中に……、私のネタがある。ムギの中に私が居るんだ……。 当たり前の事のはずなのに、私にはそれが凄く嬉しくなった。 「ムギちゃんがボケた……」 まだムギのボケを受け止め切れないのか、唯が小さな声で呟いている。 そんなに衝撃的だったのか……。 まあ、確かにムギがボケたのは澪か私相手くらいで、 唯に向けてボケた事はそう無かったから驚いたのかもしれないな。 いや、唯がムギのボケをボケとして受け取ってなかっただけか? 唯の奴、私の渾身のボケを素で流す事あるもんな……。 澪がそんな唯の姿に呆れたのか、 肩を竦めて軽く笑ってから、唯の肩に手を置いた。 「変な顔をしてるなよ、唯。 ムギだってボケる事くらいあるよ。 それにさ……、謝る必要なんて無いよ、唯。 おまえが我儘だって言うんなら、私達だって我儘なんだ。 おまえの夢の中に来た上に、今度はおまえを元の世界に連れ戻そうとしてるんだからな。 こんなの我儘以外の何物でも無いよな。 でも、私はその我儘を貫きたいんだ。 やっぱり唯達とまたライブしたいし、おまえと和達をもう一度会わせてあげたいしさ。 皆でもっと我儘になろう、唯。 私達はそれを望んでるよ。 それでも私達に悪いって思うんなら、一日でも早く自分の力の使いこなし方を憶えてくれ。 ライブ前にも言ったけど、おまえがその能力を生かせれば、 元の世界に戻る事も決して難しくないはずだって思うんだ。 それ以外で私達に悪いって思う必要は無いんだ。 だから、頑張ってくれよな、唯?」 「澪ちゃん……」 「そうですよ、唯先輩!」 熱心な表情を浮かべて続けたのは梓だ。 赤毛のアンみたいな衣装に似合わず、熱さまで感じる。 それくらい唯を大切に思ってるんだって事がよく分かった。 梓は唯の前に立つと、手を差し伸べて握らせて唯をその場に立たせた。 「立って下さい、唯先輩。 私も立ちます。自分の足で立ってみせます。 まだ不安ですけど……、 さっきも吹いた風の事を考えると怖くなりますけど……、 それでも、私は立つです! 唯先輩と元の世界に戻りたいですから! 私達の新バンドの曲を唯先輩達に聴いて頂きたいですから! ですから……!」 「あずにゃん……」 「勘違いしないで下さいよ! 元の世界に戻って、三年寝太郎な唯先輩に文句を言いたいだけなんですからね! 元の世界に戻った時は、覚悟しておいて下さいよ!」 「ええぅ!? あずにゃん、おっかないよう……」 怯えたような表情になった後、すぐに唯は微笑み直した。 目尻を指で拭って、涙を振り払って、 私達の大好きな輝く笑顔で、 唯は笑った。 「それにしても……、だ」 私も笑顔になりながら呟くみたいに言った。 このまま皆で笑顔で居たかったけど、まだ話さなきゃいけない事が残ってる。 流石に大丈夫だと思うけど、またすぐに一陣の風が吹かないとも限らないからな。 時間の猶予に頼るのは、この世界ではもうやめておくべきなんだ。 私はちょっとだけ溜息を吐いてから続ける。 「今回、皆で転移させられたのはレジャーシートを敷いてたおかげか? 見事なくらい、レジャーシートの上の物が全部転移させられてるじゃんかよ。 私達だけじゃなく、楽器とかギターケースも一緒にさ。 大らかと言うか大雑把と言うか……、 まだ確定したわけじゃないけど、やっぱ唯の夢だよなー、これ」 「えー……。何それー……」 唯が頬を膨らませて私にジト目を向ける。 私は少しだけ苦笑してから、唯の頭に手を置いてやった。 「褒めてんだよ、一応な。 レジャーシートのおかげかどうか分かんないけどさ、 京都……だと思うけど、今回は皆一緒に京都まで転移出来たじゃんか。 偶然だとしても助かったよ。 私、まだ皆に話しておきたい事があったからさ」 「話したい事……?」 私はもう一度レジャーシートの中央に立って、皆の顔をまた見回した。 風が吹く前、言えなかった言葉を今度こそ言ってみせる。 「さっきまた風が吹いたよな? すぐってわけじゃないと思うけど、また近い内に吹くんじゃないかなって思う。 多分、それは唯の無意識の責任とかじゃなくて、唯の目覚めが近いからじゃないかって思うんだ。 私だけかもしれないけど、目が覚める直前の夢は場面転換が多い気がするんだよな。 いや、これは個人的な意見だから、どうでもいいんだけどな。 とにかく、多分、これから凄い頻度であの風が吹くだろうって思う。 今回は運が良かったけど、これから先にまた運良く皆一緒に居られるとは限らないだろ? これからは皆が離れ離れになっちゃう可能性の方が物凄く高いんだ。 だから、皆が離れ離れになっちゃった時の事を話しておきたいんだよ」 「離れ離れになった時……ですか……?」 そう言って、梓の肩が少し震える。 その時の事を想像しちゃったんだろう。 怖がるのは当たり前だし、私だって凄く怖い。 でも、私は言うんだ。 皆の事が大切だし、私は何だかんだ言ったって部長だから。 「皆が離れ離れになった時、皆が皆好き勝手に動くわけにはいかないだろ? 入れ違いで二重遭難なんかになっちゃったら、笑い話にもならないよ。 だから、離れ離れになった時、皆が誰を捜すか決めておこうって思うんだよ。 ちなみに部長権限で悪いけど、それぞれの組み合わせはもう決めさせてもらってるぞ。 もしこの五人があの風で離れ離れにさせられた時、 唯と梓、澪とムギの組み合わせでそれぞれの相方を捜してほしい。 もしもそのどちらかの組み合わせの相方が見つかった時は、 次は梓、ムギを優先で捜してくれればいい。 これなら二重遭難にはならないはずだよ」 「あの、律先輩……」 「どうしたんだ、梓?」 「律先輩は……、どうするんですか……? どっちの……、組み合わせにも入ってないじゃないですか……!」 梓が心配そうな視線を私に向けて言ってくれた。 本気で私の事を心配してくれてるんだろう。 「梓、律は……」 澪が私の代わりに泣き出しそうな梓に私の考えを伝えてくれようとする。 でも、私はその澪の言葉を手で制止した。 これは私が言わなきゃいけない事だ。 澪は傍で私を見守ってくれてる。それだけで十分なんだ。 「梓、よく聞いてくれ。 私達は五人なんだ。奇数である以上、誰かが余らなきゃいけないんだよ。 だったら、部長の私が余らなきゃな。 これが部長の辛い所ってやつだ。 おっと、現部長の私が……、とか言い出すなよ、梓。 ここは年上で元部長の私が余るのが一番なんだよ」 「でも……、でも、それじゃ、律先輩が……!」 「大丈夫だよ、梓。 これは強がりじゃない。今度こそ本当だ。 私を捜すのは一番後回しでいいってだけの話だよ。 まずおまえ達四人が集まるだろ? その後で私を捜してくれりゃいいんだ。 私は……、そうだな……、梓、唯、ムギ、澪の順で捜すよ。 一人でも絶対に捜し出してやる。 だから、もしもの時は心配せずに、唯から捜し出してやってくれ」 「だけど……、それじゃ……、私……」 梓が視線を俯かせる。 こう言うのも失礼かもしれないけど、まさか梓が私をこんなに心配してくれるとは思わなかった。 ひょっとすると、梓は私の想像以上に私の事を好きでいてくれてるのかもしれない。 それは凄く嬉しかったけど、その梓の想いに縋っているわけにもいかなかった。 私は梓を安心させるために、梓の背中側に立って首に腕を回してやった。 「中野ー!」 「えっ……? 律……先輩……?」 「まずは……、元の世界に戻ろうぜ……? 私、元の世界に戻って、考えるよ。おまえの事、自分の気持ちを……。 思い切りうんざりするくらい考えてやる……。 それにこれはもしもの話なんだぜ? 離れ離れになる前に元の世界に戻る事も出来るかもしれないしな。 私の事を心配に思ってくれるなら、一刻も早く皆を集めてくれればいい。 それから私を捜し出してくれよ、待ってる……からさ……」 「元の……世界……」 梓がまた不安そうに呟く。 今の自分の想い、私の想いが消えてしまってるかもしれない元の世界。 元の世界に目覚めた所で何もかも忘れ去ってしまってるかもしれない。 それを考えると、不安が募ってしまうんだろう。 でも、梓をそれを口に出さずに、別の事を小さく呟いた。 「元の世界に戻ったら……、私達はどうなってるんでしょう……」 「それは……分からないな……」 応じたのは澪だ。 色んな仮定を立てた澪には珍しく、弱気な発言だった。 こればかりは澪にも全然分かってないらしい。 複雑そうな表情で澪が続ける。 「一番考えちゃうのは、やっぱり元の世界の時間経過だよな。 もし今、元の世界に戻れたとして、元の世界はどれくらいの時間が経ってると思う?」 澪がそういう風に言うという事は、 元の世界とこの世界の時間経過が異なってる可能性が高いって事なんだろう。 確かにこの世界と元の世界の時間経過の速度が同じだって確証は全然無い。 だとしたら、この世界と元の世界の時間差はどれくらいになるんだろう? 「一年くらい……かな? ううん、何となくなんだけど……」 ムギが皆に訊ねるみたいに呟く。 一年か……。 それくらいならいいけど、でも、あんまり嬉しくないな。 それじゃあ、目覚めた所で私達は確実に留年だ。 いや、私達はともかくとして、高校三年生の梓の方が問題だった。 受験も全部終わっていて、高校三年生をもう一度やり直す事になるなんて、梓があんまりにも可哀想だ。 でも、それも一年程度だったらって話だ。 ひょっとすると、一年どころじゃすまないかもしれない。 下手をすると元の世界で五十年くらい経ってたっておかしくないんだ。 何てったってこの世界は夢の世界なんだ。 元の世界とどれくらいの時間差があるのかは分かったもんじゃない。 ちょっと私達が落ち込み掛けた時、 唯が人差し指を立てて妙に自信満々に言った。 「ひょっとしたら、一日くらいしか経ってないかもしれないよ! 長い夢を見てたはずなのに、三時間くらいしか経ってなかったって事よくあるでしょ? だったら、元の世界の時間が全然経ってないって可能性もあるよね?」 「なるほど……」 私は思わず頷いていたけど、よく考えたらそれもちょっと嫌だった。 この体感時間で大体一ヶ月の時間が、 現実では一日しか経ってなかった……とか、物凄く脳に悪そうじゃんかよ……。 時間が経ち過ぎてるにしても、経ってないにしても、どっちにしろろくでもなかった。 元の世界に戻る意欲がちょっと失せて来るよな……。 でも、失せたのはちょっとだけだった。 元の世界がどうなってるにしても、私達は戻るって決めてるんだからな。 私は軽く溜息を吐いてから、静かに笑ってみせた。 「ま、その辺は元の世界に戻ってから考えるとしようぜ? 今そんな事考えてたって、取らぬ狸の皮算用ってやつだよ。 まずは元の世界に戻る事……、それを考えよう。 もしも元の世界で五十年くらい経ってて、 皆がお婆ちゃんになってたら、その時は笑い飛ばしてやるからさ。 それでも、ライブはしてやろうぜ? 老体に鞭打って一花咲かせてやろうじゃんか!」 「もう……、律先輩ったら……」 そうやって呆れた表情を浮かべながらも、梓は苦笑してくれていた。 気が付けば、私も笑っていた。 未来がどうなってるにしろ、不安に思い続けてたってどうにもならない。 結局、私達に出来る事は、未来がいい方向に向かってるって信じる事だけなんだ。 とても難しい事だと思うけど、私達はそれを信じて生きたいと思う。 信じるために、最後に梓にだけ耳元で囁いた 「忘れないよ、梓」 「律先輩……?」 「元の世界がどうなってても、この世界であった事は憶えてたいんだ。 元の世界でおまえとどんな関係になるとしてもさ。 だから、忘れない。忘れたくないって思ってるよ、この世界の事を……」 「私だって……、私だって憶えててみせます……! 元の世界で律先輩が忘れてたら、耳元で怒鳴りますからね……! 本気で怒りますよ……!」 「ははっ、お手柔らかにな。 全部は無理かもしれないけどさ、出来る限りは憶えておきたいよな。 連鎖記憶……って言うんだっけ? ほんの少しでも憶えていたら、それをきっかけに芋蔓式に全部思い出すってあれだよ。 だから、少しでも憶えておけたらいいなって思う」 「……お願いしますよ?」 「ああ、おまえも、な」 そうして、二人で顔を合わせて微笑み合った。 信じるんだ、未来と自分の想いを。 梓の想いを。 「さて、と……」 65
https://w.atwiki.jp/onna-otoko/pages/37.html
501 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/09/30(火) 05 00 53 ID 4fWR/GUR 「私はそんなに女としての魅力がないのですか!?」 そういってアリサは男の両腕を掴んで押し倒す。 アリサは付き合って三ヶ月になる彼の彼女。 今日もいつもと同じように部屋で映画を見ようとしていたのだが、いきなりこんなことになってしまった。 彼女は普段おっとりしていて、以前部屋で彼のエロ本を見つけてしまったときは赤面して泣き出してしまったような子なので彼はまだキスしかしていないのだが……。 「貴方は私で欲情しては下さらないのですか…?私では駄目なのですか…?」 そういってアリサは瞳に涙をためながら、彼を見下ろす。 彼は突然のことに驚いて「そんなことないよ」としかいうことが出来なかった。 「では…よいのですね?」 次の瞬間、アリサの手はスウェットの彼のズボンの中に滑り込み、ペニスを捕らえた。 その手は大切な物を触るようにペニスを包み込み、そして上下しはじめる。 「えっ…ちょ…アリサ…?」 彼のそんな言葉お構い無しにアリサの右手はペニスをしごき、左手は彼女のブラウスのボタンを外していく。 彼の前で初めてあらわになった彼女の胸はとてもはりがあり、美味しそうと形容できるもので彼は息を呑んだ。 彼女は右手はそのままに左腕からだけブラウスを脱ぎ。そして器用にブラのホックを外した。 「貴方がいけないのですよ…私以外の女の人を見る貴方が…」 502 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/09/30(火) 05 23 32 ID 4fWR/GUR そういってアリサはブラウスをつかって彼の腕を上のほうに縛り上げた。 彼はというと、近づいてくるアリサの胸に見とれていたため、なされるがままになっていた。 「貴方、私を純情少女だとでも思っていたのでしょう?一応…私も女なのですよ」 アリサはそういって下着を外し、彼のスウェットのズボンも下着ごと脱がせてしまった。 これには流石に驚いたのか彼も「アリサ!?」と大きな声をだしたが、彼の次の言葉は快楽によって消えうせた。 アリサは右手でペニスをしごきながら亀頭を舌でなめ回し、上目使いでまるで様子を伺うかのように彼を見つめた。 右手のスピードは徐々に早くなり、舌も唾液を垂らしながら右手の滑りをよくしていく。 左手は彼女の豊満な胸をもみ、ピンク色の乳首はどんどんその存在を主張するかのようにかたくなっていく。 彼はそれをじっと見つめ、触りたくて仕方がないのだが、腕は拘束されているため触ることが出来ない。 そのもどかしさに比例して彼のペニスは大きくなっていった。 「アリサ…アリサを触りたい…腕外して…」 彼がそういうとアリサは手と舌を止め、立ち上がり、スカートはそのままで下着だけ脱ぎはじめた。 503 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/09/30(火) 05 49 49 ID 4fWR/GUR 「駄目ですよ。これはお仕置きなのですから。」 そういうとアリサは彼に跨がり、はちきれんばかり大きくなったペニスの亀頭だけをオマンコにいれ、とても浅い位置に少しいれたらぬくを繰り返した。 彼も我慢できなくなり下からつきあげようとすると、アリサは立ち上がり「だからお仕置きだって言っているじゃないですか」と彼をたしなめる。 そしてそんなことが十回ほど続き… 「いっちゃ駄目ですよ。動いたら抜きますからね」 そういってアリサのオマンコに彼のペニスが奥深くまで突き刺さった。 アリサが動くたびに、ぴちゃぴちゃぐちゃぐちゃといやらしい音が部屋に鳴り響き、アリサの胸はいやらしくゆれる。 「ぁっ…やっ…大きい…あんっ…やっ…あっいい…」 アリサは両手で自分の胸をもみながら、快楽に没頭していく。 こんな状態でも彼は必死に耐えたが、もう我慢の限界だった。 「アリサっ…いくっ…」 それと同時にアリサも絶頂をむかえた。 焦らされ続け、絶頂を迎えた彼は放心状態だったが、アリサは彼に抱き着いて満足げに微笑み、口を開いた。 「まだまだ終わっていませんよ。本番はこれからなのですから。」 -終-
https://w.atwiki.jp/55syota/pages/280.html
196 :TT:2010/09/03(金) 02 44 19 ID 1p3uJyiX 「ねえ、お兄さん。どこに・・向かってるの?」 あいつは至って落ちついた声で、俺に向かって尋ねた。 もしかして状況がきちんと分かってないのかもしれない。 「静かにしてろ。どうせ家には帰れないんだからな。」 それを聞いた他の子供たちが堰を切ったようにわんわん泣きだした。 狭いバンの中に押し込められた十数人の子供たち。 こいつらにもう昨日までの自由な振る舞いが許された毎日は帰ってこない。 「うるっせえ! 黙りやがれ!!」 運転をしていた仲間の一人が子供たちに怒声を浴びせる。 まだ中身が残っているビールの缶を投げつけられ、苦い泡を被った子供たちは一斉に竦んだ。 「おいおい、大事な商品サマを傷つけるんじゃねえよっと。」 商品。別の仲間が放ったその一言は落ちついていたあいつの顔も僅かに歪ませた。 女の子は一人50万、男の子は35万。今回は大体合計して500万くらいの儲けだろうか。 しかしながらそれは、これからの経費を差し引いていない額だった。 品物をお客様に渡す前に、色々とやることは多い。 検品、調整、躾、格付け・・不良品の処理など、だ。 船に乗り換え、日本海にある殆ど誰にも知られていない島に到着した俺たちは子供たちを降ろし、 昔の奴隷がつけるような縄に結ばれた一繋ぎの首輪を男女別に嵌めこんだ。 子供の力どころか、鍛えられた大の男ですら外すことは敵わない。 「おら、とっとと歩け。」 仲間がぐいっと縄を引っ張ると、女の子たちは嗚咽を漏らしながら島に隠れるように作られた施設の一つに引き込まれていく。 俺は男の子ばかりを繋いだ縄を持ち、同じように引っ張ってもう一つある同じような施設へ向かった。 ふと、あいつに目をやった。 あいつは周りが泣き叫びながら両親を呼んでいる中、平然と虚空を見つめていた。 見知らぬ男どもに誘かされこんな寂しい孤島に連れてこられた事に対して、全く恐がっていない。 通路の窓からひらひらと飛んできたアゲハ蝶に目を移し、あいつは楽しむようにそれを視線で追った。 197 :TT:2010/09/03(金) 02 46 23 ID 1p3uJyiX 思えばあいつは、俺が捕まえてきた糞ガキの中でも、とびっきり変わったやつだった。 あいつはぼろぼろにほつれた、季節外れのセーターを来て公園のベンチに座っていた。 窮屈そうな運動靴は擦り切れていて、履いていると言えるのか微妙なくらい無数の穴が開いている。 「やあ、きみ、一人かい?」 優しそうなスマイルを作って声をかけて見ると、髪はぼさぼさながらも少年らしい無邪気そうな瞳が俺の方を見た。 これは当たりだな、そう感じた。 「おじさん、どうしたの?」 「お兄さんって呼んでほしいな、流石に。これでもまだ20代前半なんだぜ。」 思わず苦笑してしまった。これでも身なりには気を使っているのだが。 「お兄さん、ちょっと君みたいな歳の子供にアンケートを取っているんだ。喫茶店でお菓子とか食べながらでいいから答えてくれないかな? もちろんお金もお兄さんが出すよ。」 「・・・へえ、今日はまた変わってるなぁ・・。」 そう言うや否や、あいつは俺の手を自分から握った。 予想外の出来事に俺は作っていた笑顔を解きかけた。 今まで警戒されることはあってもこんな風に向こうから詰め寄られる事は無かったからだ。 どれだけ警戒心が緩いのだろうか。 その後、俺はもちろん喫茶店になど向かわず、仲間が道に停めていたバンの横を通りかかった瞬間、 誰にも気がつかれることなくあいつを中に放り込んで、バンと共にその場を去った。 198 :TT:2010/09/03(金) 02 49 19 ID 1p3uJyiX 6畳もないだろうその部屋に、男の子が5人、次々と追い込まれた。 俺は拳銃が入った腰のホルスターに手を添えながら、一人を除いて怯えきっているガキ共を見下ろした。 「ここは絶海の孤島だ。どうやっても脱走できないから無駄なことはやめろ。もし俺たちに逆らったり、逃げようとしたりしたら、 その時どうなるか後で見せてやる。」 殆ど誰にも知られていない島、と言ったが、正確にはこの島はどこにも存在しないことになっていると言ったほうが正しい。 俺たちは数多くある末端組織の一つでしかないが、その大元は日本政府すら手が出せない強大な権力を所有している大組織だ。 要するに、世間で言うフィクサーの部類に入るらしい。 そこらのチンケなやくざやマフィアとは市場、構成員、資金、各界への繋がりその全てのレベルが違う。 俺たちがこんなにも多くの子供を売りさばいて利益を得ることができるのも、その界隈に潜んでいる変態権力者たちの おかげというわけだ。 「後で飯を運んでやる。その後、じっくりとここの事を教えてやるから楽しみにしとけ。」 「出してぇ! 家に帰してよお!」 「うわあぁあん!ママァ・・。」 見張りに引き継いだ俺は扉に鍵をかけ、じめじめした階段を上って談話室に入った。 「よお雄飛、ガキ共の様子はどうなんだ?」 「ああ、問題ない。少しいつもより静かだけどな。」 バンを運転していた男はもうだいぶ出来上がっているみたいで、ウィスキーの空瓶をぶんぶん振りまわして 今にも何処かに投げてしまいそうだった。 「はあぁ、何が楽しくて男のガキの監禁場所で仕事しなきゃなんねえんだ。」 鼻息荒く、男は俺に泡を飛ばしながらわめき散らす。 「見ただろ? 一人だけ堪んねえくらいに胸の実ったべっぴんの小学生。ありゃあロリコンのお偉い方は大喜びするぜ。 高い値がつくだろうこった。」 ぎゃぎゃぎゃっ、と下卑た笑い声が妙に勘に触る。 俺が蔑んだ目で見ている事も、男は気が付いていなかった。 「あぁあ、俺も女のガキを調教してえなぁ。そんでうっかり孕ましてぇ。」 「・・煙草吸ってくるわ。じゃあ。」 吐き気を催したので、俺は屋上へ逃げた。 199 :TT:2010/09/03(金) 02 52 33 ID 1p3uJyiX 海は穏やかで波一つなく、ウミネコの群れが徐々に沈んでいく夕陽の中をくぐるように羽ばたいて行った。 毎日毎日、見ている景色だったのに何故か飽きない。 煙草に火を点け、海を眺めていると、携帯が鳴りだした。 「おい、ゴミ部屋のガキが一人死んだぞ。お前当番だったろ、早く片付けてくれ。」 「・・了解。」 ゴミ部屋か、俺にとって、あそこはいつになっても慣れない場所だ。 施設の奥、乱暴に掘り加えた為か土肌が剥きだしのまま続いている地下通路の奥に、俺たちがゴミ部屋と呼ぶ 頑丈な鉄牢のついた部屋がある。 そこは要するに不良品置き場だった。 『検品』作業で、身体に病気や欠陥などの不備が見つかった子供は出荷できないと決められている。 そいつらの行き先がここだ。 子供の泣き声が中から聞こえてくる、汚い部屋の扉を開けた。 ゴミ部屋は一面血まみれだった。 おそらく首を刃物で掻き切られたと見てとれる、裸の男の子がぐったりと横たわり、 ぴゅっ、ぷっ、と傷口から鮮血を噴射していた。 その傍らに血を全身に浴びながら鼻歌交じりにそれを身体に擦り込む小太りの男。 淫具のしまわれた棚の上にカメラが置かれていた。 どうやらスナッフムービーの撮影途中だったようだ。 隅に集まってお互いに抱き合う子供たち。 その目は惨劇をまの当たりにして見開かれ、恐怖で彼らは皆、過呼吸を起こしていた。 「おう、悪いな。取りあえずそれ片しておくんな。」 なるだけ血溜まりを避けて部屋に入り、男の子の冷たくなっていく身体を掬いあげた。 茶色い汚物が開け放された肛門から白いものと一緒にぼとぼと落ちた。 床の血を掃除して廊下を戻る途中、ひゅー、ひゅー、と僅かに呼吸をしている 腕の中の男の子と目があった。 血まみれで良く分からなかったがよく見ると、そいつはそこそこ面識のあったガキだった。 潰れたような声が聞こえる。 「たじゅ・・・けで・・。」 俺はそっと男の子の目を閉じ、『廃品』用の焼却炉に繋がるダストシュートへ小さな身体を放り込んだ。 200 :TT:2010/09/03(金) 02 54 52 ID 1p3uJyiX 俺たちが扱う商品は、性質上『返品』できない。 ごみ部屋に行ったガキ共は、皆あそこで『廃品』になるまで仲間たちに慰み者にされ、そして焼却処理される決まりだった。 ふと俺は、ゴミ部屋から只一人生環できたあの日々の事を思い出した。 「いぎゃあぁあっ! おしりっ、いだいよぉ・・・っ!!」 「はっはっは、二本も這入ってまだユルユルの癖に何言ってやがんだ。」 「んぎぃ! ぎゅあっ! だっ、だれがだじっげでぇえっ!」 10年も前の事だろうか、俺もかつてはこの島に拉致されてきた可哀そうなガキの一人だった。 奴らから見て俺はけっこう容姿が良かったらしく、高値がつくだろうと誰もが口々に俺を評価していた。 だが、俺は『検品』で引っかかり、恐怖のゴミ部屋行きになってしまった。 理由は虐待痕だった。 俺には両親がいない。生まれてしばらくたった後に、交通事故で二人とも俺を庇って死んでしまった。 その後あまり素行の良くない兄夫婦に引き取られた俺は、ある日は風呂桶に逆さに沈められ、ある時はゴルフバットで血を吐くまで殴られ続けたり、 とにかく毎日暴力を振るわれては押し入れの中に閉じ込められるという毎日を送っていた。 たまらなく惨めな日々だった。 虐待の傷跡は自分がいらない人間なのだと刻みつけられているように感じた。 早く死んで、優しい父さん母さん達のいるところに行きたかった。 だけれど彼らは巧妙に傷が見えないような場所ばかり選んで殴ったし、死なないようなギリギリの虐待しかしてくれなかった。 201 :TT:2010/09/03(金) 02 58 08 ID 1p3uJyiX だからその時は屈強な男たちに体中を犯されているにも関わらず、ああやっとこの世とおさらばできる、 という安堵感も多少はあった。 でもやっぱり、死ぬのがこんなに痛いとは思っていなかったし、こんな汚い死に方をするのもどこか嫌だった。 「いぎぃいぃいいっ! うえぇえっ、えっ、はやぐ、死なぜでっ、ぶっ、ふぎゃあぁあっ!!」 「おいおい三本も入ったぞ、どうなってやがる!」 「俺のも暇だから入れてやるぜっ! はっ! とんだ名器だなこいつはっ!」 「ほんと、もったいねえなあ。『廃品』にしちまうにはよっ!」 醜悪なものを口に3本、後ろには4本もいれながら、ガタイのいい男たちは狭い場所で器用に身を寄せ合って俺の身体をぶち抜いていた。 何人もの堅い手が俺の手足を掴んで大の字に広げ、バラバラにしようと手繰り寄せている。 大量に出された何人分もの精液で蛙のように膨れた腹が圧迫されると、破れた肛門と喉から一斉に溢れだした白い液によって、 男たちの巨大なペニスの群れがぬめりを得て更に激しく動きを増した。 その衝撃で俺の性器からは血の混じったものが噴出する。 両手の指がまたそれぞれ別の誰かのペニスを掴まされた。 ふたつの堅くて大きい大人の男性器を、精一杯、復讐のつもりで爪をたてて扱いてやったが、むしろ手の中で それらはより太く熱くなっただけだった。 あまりにも小さな身体、弱い力が悔しくてまた涙が溢れた。 その涙もすぐに臭くて火傷しそうな温度の噴射を顔に受けて上塗りされる。 何回も何回も上書きされる。 だんだん意識も遠くなり、あんなに痛かった凌辱の数々も逆に気持ち良くなってきた。 そろそろ終わりが近いのだろうかと思った。 天国で両親が手を振っている幻覚が見えた。 男たちが、外に中に、一斉に打ち込んだ瞬間、俺は意識を奪われた。 202 :TT:2010/09/03(金) 03 00 27 ID 1p3uJyiX 「おいっ! 大丈夫か・・。全然大丈夫そうじゃないよな。」 俺は死ねなかった。 死ぬほど辛い思いをしただけで、あの世は俺の魂を非情にも門前払いしたのだ。 俺は犯された時のままの姿で横たわっていた。 体中がずきずきと痛み、高熱を持っている。 自分のものか奴らのものかも分からない精液がかぴかぴに乾いて、全身をカビのように覆っていた。 「あ・・う、うう・・。」 「喋るな、もう心配いらない。ここから逃げよう。」 誰かも分からない男に背負われて、俺は島をこっそりと抜け出すことに成功した。 男は組織の一員だった。 気が抜けていて危なっかしく、どこにでもいる貧相な青年だったが、人一倍の優しさを持っていた。 「何で、助けたのさ。」 「・・何でだろう。君を見ていたら、何だか急に身体がそうしろって言ったんだ。」 「何だよ、それ。説明になってないじゃない。」 「でも、君はずっと叫んでいたよ。」 ――死にたくないって。そう奴は言いながら俺を抱きしめた。 生まれて初めて俺は、生きているのが嬉しかった。生きている実感というものをその抱擁の中で確かに感じた。 心の中の何かが溢れて涙が止まらなかった。 組織から逃げて一ヶ月後、俺たちはあっさりと捕まった。 普通はそのまま殺される筈だったのだが、俺たちは何故か目隠しをされたまま連行され、目隠しを外されたときには 何処かの社長室のようなところにいた。 本棚や調度品に囲まれたレッドカーペットの上にデスクがあり、そこには老いた人当たりがよさそうな男が にやにやしながら俺たちを見ていた。 顔こそ柔和な出で立ちだが、明らかに彼は裏社会の、しかも相当地位の高い人間だと当時の俺でも分かった。 203 :TT:2010/09/03(金) 03 05 50 ID 1p3uJyiX 「さて、決まりは分かるな。逃げた者には、死だ。」 男は葉巻をカッターで切って火を付けた後、それをこちらに突き付けてそっと言い放った。 「待ってくれ!」 俺を庇うように青年が前に出た。 「俺はどうなってもいい。だから、だからこの子だけは・・・。」 「儂に命令するとはなかなか肝がすわっとるのお。」 その眼光に俺たちは怯んだ。笑顔ではあったが、その目は邪悪な蛇そのものだった。 「ふうむ、どうも情が移ったのかな? それともどうせ『廃品』だから妾にしても構いやしないだろうと 思っておったのか?」 「い、いえ・・。」 「まあよかろう。お前の望み通り、そのガキの命は取りはせん。」 青年がほっと息をついたその瞬間、間髪いれずに老人は続けた。 「そ奴は今から儂の妾じゃ。」 谷底に落ちた気分だった。 この、自分の年より7倍は生きていそうな老人のおもちゃになる。 何人もの男どもに昼夜問わず引き回されることのほうがまだ優しく扱われているように感じられるくらい、 それはおぞましい宣告だった。 「それはっ! ・・そんな、酷過ぎる! お願いだ、この子を自由にしてやってください。」 「自由? それは死なせてやれということでいいのか?」 かちり、と耳元で金具の擦れる音がした。 老人は机から拳銃を取り出し、俺の頭の上に銃口をとん、と載せた。 青年が慌てふためく。 「お前もかっては儂の妾の一人だったと言うのに、誰よりもこの世界のことを教えてやったというのに、 こんな子供一人にうつつを抜かすようになるとはな。」 そして、老人はそっと俺の傍に近寄り、青年にもよく聞こえるように耳打ちした。 「ほら、お前さん、このままだとあいつのせいで死んでしまうぞ。嫌ならお前さんがあいつを殺すんじゃ。 せっかく脱走してまで掴んだ命、妾と言っても儂はそんなに交尾は好まんしのう。 あいつを殺してしまえば、お前さんは何もかも自由になれるんじゃぞ。」 頭に乗っていた拳銃が俺の手に手渡された。 見た目より重たいそれを上から手を重ねて老人が青年の方に向けた。 青年は信じられない、という顔をしていた。 「だめだ・・雄飛、撃ったら、もう・・・。」 拳銃の重みは命の重さだった。心臓がどんどん酸素を欲しがって息が荒くなる。 撃たなきゃ、死ぬ。撃ったら、生きられる。生きている実感。 死ぬか生きるかの瀬戸際、俺の本能は生きたい、とはっきり言った。 「ごめん、・・・陣さん。」 引き金を引いた。 頭に真っ赤な風穴があいた陣さんは、紐が切れたように倒れた。 俺は、愉快そうに手を叩く老人を後ろにして、初めて撃ったばかりの拳銃の重さと、 硝煙の匂いだけをずっと感じていた。 204 :TT:2010/09/03(金) 03 08 57 ID 1p3uJyiX 「『検品』は全員クリアしたか。次は『調整』と『躾』だな。」 「ふふふ・・待ってましたぜっ!」 検品を終えて出てきた男の子たちが仲間に一人ずつ首根っこを掴まれながら部屋から引きずられていく。 俺も誰を連れて行こうかとあたりを見回した。 くいくい、と服の裾が引っ張られた。ぼろぼろのセーター、そして穴の空いた靴。あいつだった。 『検品』作業を体験してもこいつは以前と変わらず平然とした態度で、しかも自分から俺を選んだのだった。 「・・おまえ、名前は?」 「勇三だよ。みんなはゆーゆーって言ってたけど、そっちでもいいよ。」 「まあ名前なんて聞いたって関係ないな。お前はこれから救いのない地獄に行くんだぞ。」 『調整』と『躾』工程のおぞましさは、『検品』の差ではない。 身体を変態好みに調教され、言葉使いも奴隷のそれに変えられる。 何をされても感じるし、どんなプレイも嫌がらない、従順で素直な駄犬に仕上げるのだ。 既存の性格や個性は無くなり、人格が崩壊してゴミ部屋送りになる奴もたまにいる程過酷な加工をする。 「お前もすぐに、尻振ってチンポをねだるようになるから、安心しろ。」 しかし、またしても勇三は俺を驚かせる一面を見せた。 「ひゃあぁああっ! きんもちいいよっ! もっとやって! もっともっとぉ!」 「・・ウソだろおい、どうなってる!?」 まず手始めに、俺は勇三を裸に剥いて、俺のペニスを咥えさせた。 テクニックうんぬんを教えたり鍛えるというよりは、まず男の肉棒に無理やり奉仕させることで、 自尊心やら反抗心やらを破壊する為だ。 なのに奴ときたら、むしろ自分から近づいてきて、嫌がることも吐くこともなく俺のペニスを咥えるや否や 巧みに舌を使って攻めに入った。 てっきり抵抗するだろうと高をくくっていた俺はいきなりの猛攻に思わず腰を引いてしまった。 子供の奉仕から逃げたのは初めてだった。 次に浣腸を行った。 これまたガキ共を辱める為の基本過程だったのだが、それも勇三は、顔こそ苦痛で歪めていたがどこか嬉しそうにして、 ペニスを堅くしながら便意に耐えていた。 羞恥心すら逆に楽しむように、勇三は桶の中に大腸の中身を出し切った。 205 :TT:2010/09/03(金) 03 11 50 ID 1p3uJyiX 乳首をいじってやるととても喜んでよがり、おねだりの仕方を教える前から盛んに自分をもっと めちゃくちゃにしてほしいと懇願する勇三は既に奴隷だった。 やり慣れ過ぎている。 こいつの身体はもう全身余すところなく性感帯のようだ。 勇三は教えることがひとつもない、完璧な優等生だった。 「ひああぁあっ! きゃっあっ! おっきなディルドに変えてっくだしゃああぃいっ! これじゃ、まんぞくでぎないですぅ! がんがんっ、おかしてっ! いじめてくだしゃあい・・。」 「・・もうこれ以上太いのは無いよ。残念だったな。」 俺は子供の腕ほどの太さがある張り型を華奢な勇三の尻から抜いた。 名残惜しそうにそれを見つめる勇三にもはや『調整』と『躾』の意味はない。 「お前、一体今までどんな生活を送ってきたんだ。」 「皆ね、エッチしてる時は優しいの。」 くちゅくちゅと自分の出したものを四つん這いで床から舐め取りながら、勇三は答えた。 「おとーさんもおかーさんも、僕のことは全然ほったらかしだったよ。時々ご飯はくれたけど、そのほかは全然見向きもしないの。 だから本当にひもじかった時僕が何をしてたのかも知らなかったとおもう。」 にこやかに笑顔を浮かべながらハードな昔話をしている勇三は、自ら自分の穴に指を入れてまた股間から露を垂らしていた。 「初めてお尻にいれられたのは2年前だったかなあ。初めてせいえき飲んだのが2年と5カ月前。30人は常連さんがいたよ。皆やった後にご飯くれるの。何人もいっぺんに相手したときなんか、 ご褒美がステーキだったんだよ。ちょうど僕の誕生日だったんだ。」 「な・・・なんだ、そりゃ・・・?」 絶句した。少なくともこいつは十代に入る前から、いろんな奴とセックスに明け暮れていたわけだ。 俺と会った時もあいつは客を待っていたのだった。 実の親にすら忘れられている子供。 腹が減っている勇三に優しそうに手を差し伸べる男たちの姿が目に浮かぶ。 そいつらは勇三を人気のないところに連れて行き、散々穢した後、聖人のような面をして高くもない飯をおごったに違いない。 勇三はそれを自分が愛されているからだと勘違いしているのだ。 「お前、学校はどうしてたんだ。いくらなんでも学校で給食ぐらい出るだろ。」 「僕、がっこうってどんなのかよく知らないんだ。」 尻に入れた指だけを使って勢いよく果てた勇三はへらっと舌を出した。 「僕、戸籍もないんだよ。学校も行かせてもらってないし、 だから、誰も僕のことをしらない。」 もう、俺は言葉が出なかった。 206 :TT:2010/09/03(金) 03 14 56 ID 1p3uJyiX 勇三から逃げてきた俺は、仮眠室で横たわって天井の暗闇をずっと見ていた。 ずっと見ている間、勇三との会話が頭の中でこだました。 「僕、誰かに買われるんでしょ。誰かのものになるんだ。うん、すごくうれしいよ。」 ―だってそれは愛されてるってことだもん。 馬鹿が、人を金で買ったり脅迫して従わせる人間に愛などあるものか。 お前はただおもちゃになるだけだと言っても、勇三は全く聞く耳を持たなかった。 暗闇の中に、ぼうっと人の顔に似た輪郭が浮かび上がった。 あの頃の記憶そのままの陣さんが、俺を憐れむように見おろす幻だった。 「やめろ・・陣さん、俺は・・あいつのことなんて何とも思っちゃいない。あんたを殺した日から俺はもう人でなしさ。 いつも通り、『商品』は出荷するだけだ。」 寝がえりを打って天井から目を逸らしても、俺は勇三のことが気になって眠れなかった。 あの頃の俺よりも、あいつは確かに最底辺の人間だった。 実の親にすら相手にされず、社会の枠組みの外をさ迷う亡霊のようなもの。 どのみちあいつはここに来てよかったのかもしれないとすら思えた。 たとえ社会に認知されていない存在だろうと、性奴隷にされるのには支障なんてない。 もしかしたら飼い主が比較的いい奴で、あいつにも人生を取り戻すチャンスが訪れるかもしれない。 違ったとしても、俺にはそもそも何もしてやれないのだ。 そう自分の気持ちを納得させた矢先、マナーモードの携帯が震えた。 「おい、お前も検査室に来い! 今すぐだ。」 「何だ? 何か起こったのか?」 「とにかく早く! まったくあのガキ、とんでもねえもの持ってきやがった!」 ぷつっと通話が切られた。 勇三の、男と何度も交わってきた淫らな身体が頭をよぎった。 嫌な予感がした。 207 :TT:2010/09/03(金) 03 17 29 ID 1p3uJyiX 「ふむ、良かったな。陰性だ。」 「ありがとうございます。」 当然の結果だろう。予防処置も受けていたから問題ない筈だ。 検査室でひと通りの検査を受けた俺の横で、一人の仲間がベンチを蹴りながら憤りを隠せない様子で歩き回っていた。 「あのガキ、まさかあんな腐った身体だったとはな! 畜生、他の連中に移ったら大損じゃねえか!」 「まさか、十代になりたての子供が性病患者とは誰も思わんよ。様子がおかしいと知らせてきた看守の話が耳に届いていなかったら、私とて見落としてたわい。」 「あいつは、もうゴミ部屋に行ったのか?」 当然、というように仲間の男が鼻を鳴らした。 「舐めた真似しやがって。あいつ、念入りに責めて殺してやる。自覚症状もあったんだ。 絶対自分でも知ってやがった!」 俺はゴミ部屋に向かった。 前に来た時とほとんど変わっていない、汚い部屋の中には、手の形に引かれた血痕がいくつも残っていた。 責め具が其処ら中に散らかっていて、そのどれもが粘液に包まれ妖しく光っている。 散らばった淫具の真ん中で、勇三は横たわって諦めきったような薄笑いを浮かべていた。 「・・・おまえ、全部知ってたのか。自分の身体の事も、俺が何者なのかも初めっから。」 「僕ね、ちゃんと知ってるの。あの人たちは、僕のことなんてどうでもよかったんだ。」 勇三は初めて悲しそうな顔を見せた。 「あいつらもおとーさんやおかーさんと同じだったんだ。好きなのは僕のお尻、おちんちん、おっぱい、おくち、 あと顔くらいで、誰も僕の本当の名前すら覚えてくれなかったよ。ゆーゆーってあだ名でしか、僕を呼んでくれなかった。」 げぼっと、勇三は血の塊を吐いた。中にねじや釘が混ざっていた。 体中切り傷と打撲だらけで、髪は半分ねじり取られていた。 秘部には一升瓶が突き刺さって、腸壁が僅かにガラス越しから見える。 誰がどう見ても発狂していそうな有様の勇三は、それでも幼いペニスを腹に付くくらい固く勃てていた。 208 :TT:2010/09/03(金) 03 20 25 ID 1p3uJyiX 「誰かから移されたのかは知らないよ。皆、生でいれてたから。すごく痛かった。でも我慢した。お腹空いてたから、いっぱい痛いの 我慢して中に出してもらってた。 そのうち気持ちよく感じるようになって、本当にうれしいと思った。だって、痛くなくなったんだもの。 でもここが痛いんだ、今でも。」 心臓のあるところを指で差した勇三は、ぼろぼろと涙を流していた。 「僕、復讐してやろうって思ったんだ。何で僕はいないことになってるんだろう。こんなに苦しいのに、こんなに痛いのに、 誰も僕を想ってくれないんだもの。 それなら、僕とセックスする人間は皆僕と同じ病気になって苦しんでもらうんだ。 そうしたら少しは僕を愛してくれるかもしれないじゃないか。」 「・・勇三。」 俺は勇三を抱きしめた。そうせずにはいられなかった。 かって陣さんがそうしてくれたように、俺は勇三を精一杯抱きしめてやった。 「うぐっ・・。」 肩に鋭い痛みが走った。勇三が物凄い力で俺の肩を噛んでいる。 雨の中怯える、捨て犬のような低い唸り声が耳に響く。 それでも俺は勇三を離さなかった。 「・・お前は、誰よりも必死に生きたいんだよな。あの時の俺みたいに、どんなことをしても生きた爪痕を残したかったんだよな。」 肩から流血しているのが分かった。 次第に勇三の、俺の腕を解こうとする動きが緩くなっていく。 「お前はちゃんとここにいるぞ。いるんだ。だからもう、苦しむな。」 「・・うっ、うっ、うぅうああぁっ! うあぁあぁあぁっーー!!」 勇三はずっと溜めこんでいた分をやっと解放できたかのように、嗚咽をあげながら次から次へとばらばら 涙をあふれさせ、俺の肩を濡らした。 209 :TT:2010/09/03(金) 03 26 29 ID 1p3uJyiX 「あっ、あひっ、ゆぅひさぁんっ、すごく当たってるっ! そこっ、そこすごく、いいよっ!」 「ほんとに、こんなことしていいのか?お前、こんなことされるのは嫌じゃないのか?」 「いやじゃないよっ! だっだって、雄飛、さんの、おちんちん、すごくやさしいからっ! ひああぁあああぁあぁあっ!」 汚い床にそっと寝転がって、勇三が俺の下で身をよじらせてその傷だらけのアナルに コンドームを付けた俺の肉棒を受け入れている。 こんな状態なのに感じているこいつは果たして人間なのだろうか。 「ぼ、僕のこと、ちゃんと見ててぐだじぁいっ! ひんんんっ! ぼ、ぼく、それだけで、うれしいからっ! じゅうぶんっだからっ! は、はああぁあっ! おしりのおく、たっぷりこりこりじてぇっ!!」 「なーにが見てるだけで十分、だ。お前絶対セックスなしじゃ生きていけないだろうが。」 そう言うも、少し躊躇いながら、赤く腫れた乳首を潰すように摘まんでやると、 勇三は嬌声を上げて、一気に肉壁が俺のものを締め付ける。 「ひゃああぁあぁ! でる、みるくでるっ! おっぱい、ぼにゅうでるっ!あっ、あっ、 あっあっ! 下からもでるぅ! おちんちんみるくでるっ!」 俺の身体に熱い精液が当たる。 勇三のペニスはのたくりまわり、あちらこちらに幸福な射精をまき散らす。 「あ・・あ、あっ! あひ・・ぃいぃっ! ゆうひぃさん、びょーきのぼくをきれいに、ぶっとい おちんちんでごちごちこすり洗いしてえっ!!」 勇三は腸壁をぐっと締め上げ、割り入ってくる俺のペニスを楽しむかのように手まで使って、 腹の上から俺の硬い強張りを押さえ、一心に快楽を貪っている。 「いっいくぞゆうぞ、うっ・・つうっ・・!」 奥まで差し込んだペニスを一気に抜き出し、腸液でべとべとになった コンドームを引っぺがす。 その前には勇三の涙で濡れた顔が待ち構えている。 勇三はよだれをだらだら垂らしながら、噴きあげる白い濁流を自ら咥内に招き入れた。 勇三の顔中に俺の、溜まりにたまった数週間分の精液が弾けて垂れる。流れ落ちる。 実に嬉しそうな顔を見せながら、勇三は俺のペニスに汚されていく。 「はぁああぁ・・あつい、せいえき・・ゆうひさんの、おいしい・・ んくっ、んっ、ん・・・あはぁ・・。」 年端もいかない子供が、不釣り合いな色香を放ちながら一心に自分の汚濁を啜っている。 その卑猥な姿に俺の仏搭がまた、血液を集めだした。 「もっとぉ・・たりない、こんなんじゃ、ぜんぜん物足りないよ・・ゆうひさぁん・・。」 じれったくて堪らないといった表情はすぐに、俺が再び勇三の中に侵入を試みた時に消え失せた。 「ぁああぁああーーっ! あ・・もお、いっぐぅうぅううぅーー!!」 今度はすぐに二人とも果てた。お互い、とても身体の相性が良いみたいだ。 勇三と俺の、二度目になる射精の瞬間、俺は血の滲む勇三の身体をもう一度しっかり抱きしめてやった。 勇三は俺に貫かれながら、俺の腹にもう一度、たくさんの幸せの証を迸らせた。 210 :TT:2010/09/03(金) 03 28 17 ID 1p3uJyiX 「お、何だ。お前もなんだかんだ避けてたみたいだが遂に目覚めた訳か。」 事を終えてしばらくした後、ゴミ部屋に仲間の三人が戻ってきた。 勇三から一旦離れると、あいつは心配そうな目をして俺を見た。 「こいつ、よくもやってくれたな! ガキの癖によ、大人騙して只で済むと思ってんじゃねえぞ!!」 勇三が髪を引っ張られる。俺はその手を制した。 「やめろ。お前ら、これ以上こいつを痛めつけちまったら、楽しむものも楽しめなくなる。」 「まあ、そうだな。簡単には殺さねえよ。」 「おい、ちょっと俺にやらせてくれよ!」 バンを運転していた男が酒気混じりで勇三に寄って行った。 男はまだ相当酔っ払っているらしく、焦点の定まらない目で勇三を見た。 「ふーん、可愛いじゃねえか。まあ、男でも女でも、ガキならそんなに変わんねえよな。」 おもむろにズボンを降ろし、男の黄色いブリーフから出てきたものは、アルコールで委縮し、干物みたいになった小さな男性器だった。 「今日びのコンドームは便利よ。こんな奴とでもやるときには完璧に安全なんだからよぉ。はあ、ほんと、俺こっち側に目覚めるつもりなんて ねえはずだったのになあ。」 「ああ、全く。俺もこんなことになるなんて、思いもしなかったよ。」 既に事切れた元仲間の二人を壁に寄りかからせた俺は、今だそのことに気が付いてない酔っ払いが 勇三の肌に触れようとした瞬間、その小さな脳みそしか入ってなさそうな頭をサイレンサー付きの拳銃で撃ちぬいた。 211 :TT:2010/09/03(金) 03 31 14 ID 1p3uJyiX 勇三はまたどこからか飛んできた蝶を見つけ、どこまでも目で追っていた。 俺はそんな様子に可愛らしさなど感じる余裕もなく、ただ二人分の偽造パスポートがばれないかどうか ひやひやしながら入国管理官の審査結果を待った。 「どうぞ、お通りください。次の方どうぞ。」 「やったね、大成功。」 まだゲートを抜けきらないうちに勇三が口走ったものだから、俺は気が気ではなかった。 母国語が日本語で良かった。 「おい、勇三いいか。お前ももうちょっと言動に気をつけてだな・・・。」 「うんうん、雄飛さん。」 分かってる分かってる、と言いながら勇三は俺の股間をジーンズの上からまさぐっている。 絶対にまた同じようなことがおきるだろう。俺は頭を抱えた。 これではわざわざ施設を自爆させ、自分たちも諸共死んだことに偽装した意味が無くなってしまう。 跡形もなく痕跡は消したし、誰がどう見ても生存者がいるようには見えないはずだ。 子供たちの捕えられていた区画以外は。 「ねえ、今度はどこに逃げるの?」 「静かに暮らせるところさ。それと、お前を治せる医者も探さないとな。」 「えへへ、じゃないといつまでたっても生で入れてもらえないし!」 俺は勇三の首を締め上げた。このガキの淫乱っぷりにはどうやらつける薬がないみたいだ。 勇三は首を絞められてますます喜んでいる。 「雄飛さんのおちんちん、いつも、どんどん僕の中で大きくなってるし・・・ 雄飛さんもエッチ大好きなくせにぃ。」 ――いっそのことコンドーム全部捨ててしまおうか・・。 ふと考えてみたが、俺もどうやら勇三のことを淫乱と罵るにはまだまだ煩悩が 断ち切れていないようだった。 「・・僕たち、これからも大丈夫だよね。雄飛さん。」 「ん、ああ、心配すんなよ。勇三。」 いつか勇三も、陣さんと俺みたいに組織に捕まるかもしれない。 あの老人は執念深い男だった。俺が妾だったころの奴は、まさに大蛇と言うのが 相応しい手腕を見せていた。 だけどまあ、なんとかあの腐れフィクサーじじいが俺たちに興味を無くしてくれるか、それとも老衰でくたばるか、 望みの薄い期待をしてみるのも悪くない。 それまで俺たちはどこまでも、逃げ切ってやろう。 細い勇三の手を引いて、俺はタクシーを呼んだ。
https://w.atwiki.jp/tartaros-wiki/pages/91.html
Last up date 2010-01-14 18 32 35 (Thu) 毒された森林 マップ 隣接マップ 施設 NPC データの直接編集をされる方はコチラより編集してください。 番号 NPC名 座標 種族 備考 編集 編集 編集 編集 編集 編集 編集 編集 編集 編集 編集 MOB コメント 名前
https://w.atwiki.jp/mwlnbl/pages/66.html
「ふむ……その反応からして貴様に姉はいなさそうだな」 ウルキアガは決意した。この島で必ずや理想の姉を見つけてみせようと。 無論、殺し合いについても脳の片隅に少しだけ置いているが、一番は姉だ。 一に姉、二に姉、三にも姉で、四に殺し合いが入る程度だ。 「では、拙僧はこれにて失敬。良い姉と出会えたらすぐに教えに来るのだぞ」 「えっ、えっ」 折り曲げていた翼を広げ、ウルキアガは大地から離陸しようとするが。 「ちょっと待ちなさいよ! あなた一体何者なのよ!? な、何なの、その体!?」 「何と言われても困るのだがな。拙僧、如何にも常識溢れる半竜であるだけだ」 「は、半竜ぅ!? だから、それって」 返答を返さずに、ウルキアガは空へと飛翔していった。 巻き上がる風が亜梨子の髪を強く撫でる。 あっという間に夜の彼方へと消えたウルキアガを、亜梨子は呆然と見送るしかなかった。 「もう、何なのよっ! 意味わかんないわ! “虫”でもない半竜……あ~、考えるだけでも頭が痛くなる!」 ウルキアガが消えていった空を軽く睨んで、亜梨子は改めて自分が置かれている状況を確認する。 第一の目標は他の参加者との協力である。正直、“虫”が取り憑いていない今の自分は無力だ。 果たして、無力なこの身体で誰かを護れるのだろうか。 「やるやらないじゃない……やらなきゃ、だよね」 それでも、亜梨子は止まっていられない。 殺し合いになんて負けたくないという感情もあるが、困っている誰かを助けたい。 力がなくとも、自分にもできることはきっとあるはずだ。 殺し合いに巻き込まれる前に虫憑き達の仲立ちをした時のように、何かを繋げることであったり、悲しむ人を励ますことで少しでも気持ちを前に向けることだったり。 「行こう」 夜闇に包まれた世界でも、想い続ければきっと。 強い決意を胸に抱いて、亜梨子はゆっくりと走り出した。 ### 「…………ッ」 走りだしてから数分後、亜梨子の視界に入ってきたのは既に終わってしまった光景だった。 首が切り落とされた少女の遺体。燃え尽きた木々に倒木。 眼の前に映る世界が、戦いが始まっていると嫌でも想起させられる。 「ごめん、助けてあげられなくて」 亜梨子は事切れている少女の遺体に両手を合わせ、軽く黙祷する。 本当ならばしかるべく所に埋めてやりたいが、今の自分には余裕も道具もない。 ……力があれば。 誰にも負けない力が、困っている人達の元へと駆けつけられる力があれば。 結末は変わっていたのかもしれない。そう、思わずにはいられないのだ。 今はいない銀色のモルフォチョウ。いつも横にいてくれる最強の虫憑き。 普段は何気なく接していたものが横にいないだけで自分はこんなにも弱くなってしまうのか。 助けることができなかった自分と助けられなかった少女。 もうどうにもならないことなのに、亜梨子は考えてしまう。 「こんな、ことってないわよ……っ」 これでは救いがないではないか。何の救いもなく死んでいった少女が悲しすぎる。 ……何か遺っているものを探そう。 事切れた少女が生き残っている人達に託しているがあったら、自分が受け取ろう。 無論、何も遺されていない可能性もあるが、亜梨子は少女が何かを遺したことにかけたかった。 大助が聞いたら鼻で笑いそうだが、関係ない。 自分がやりたいことをやり通してこそ、一之黒亜梨子なのだから。 「うしっ! 負けてたまるかっ」 失意のままに死んでいった少女に対して、自分ができることといえばそれぐらいなのだから。 亜梨子は少女の遺体に背を向けて、辺りの森を探索し始めた。 草の根を掻き分け、木の上を見上げ、くまなく探し続ける。 「……? 誰か、いる?」 そして、数十分後。探索を続けていた亜梨子の視界に入ってきたのは、ピンク色の丸だった。 近づくにつれて、暗闇で見えなかった全貌が徐々に顕になる。 木の窪みにすっぽりと隠れ、体を丸くしていた少女だった。 見た所、泣き疲れて寝ているのだろう。目尻からは溜まっていた涙が零れ、頬には痕が付いている。 ……さっきの娘が、護っていたものかしら。 死んだ少女が遺したものか、それとも全く関係のないものか。 どちらにせよ、亜梨子には関係なかった。 護りたいものは意地でも護り抜く。困っている人なら手を差し伸べる。 「とりあえずは、この娘が起きるまでは待機かな」 亜梨子は、見失うことなく前に進み続ける意志を持っているのだから。 故に、彼女は知らない。 差し伸べた手が必ずしも相手に届く訳ではなく、護れるものなんて数少ないことを。 未だ、危難に遭遇しない亜梨子は、どうしようもない悲劇を知らない。 【時間:1日目 深夜】 【場所:H-03】 【一之黒亜梨子@ムシウタ】 【持ち物: 不明支給品2つ 水・食料一日分】 【状況:健康】 【湊智花@ロウきゅーぶ!】 【持ち物: 不明支給品2つ 水・食料一日分】 【状況:睡眠】 【時間:1日目 深夜】 【場所:I-04】 【キヨナリ・ウルキアガ@境界線上のホライゾン】 【持ち物:不明支給品2つ、水・食料一日分】 【状況:平常運転】 ヒキコモリを外に出すための百の方法 投下順 もう一度君に会いたい ヒキコモリを外に出すための百の方法 時系列順 殺人島の不可能男
https://w.atwiki.jp/tosyoshitsu/pages/105.html
ここから先はしんのもわもわで出来ています。 /*/ ある朝の風景 cace1:あられ家の場合 /*/ どたどたどた! 轟音が鳴り響く。 二階から一階へかなり焦っているようだ。 大きな音で扉を開け放ち、顔を出す眼鏡の美少女。 かなり慌てていたのか寝癖が少し残っている。 「わーん!アレン兄さん、今日は起こしてって言ったじゃない!風紀委員の集会が!風紀委員の集会があるのよ!」 アレンと呼ばれた青年が振り向く。 右手におたま。 左手には菜箸。 ふりふりエプロンまで装備している。 どうやら味噌汁を作っているらしい。 「あれ…そうだったか?」 ぐるぐるしている蝶子を余所に頭をかくアレン 「そーよ!早くしないとバスにも遅れちゃう!あーもうダメ!いく!朝ご飯要らないから!」 きびすを返し玄関へと走ろうとする蝶子。 「あーまてまて。」 止まる蝶子。 「朝飯は食ってから行け。」 手に持ったおたまでおいでおいでをするアレン。 蝶子、なぜか赤面。 「うーでもでも、急がないと集会に…」 アレン、朝食を机に並べる。 「送ってってやるって。」 笑うアレン。 「…ほんと?」 アレンは蝶子の頭をがしがし撫でる。 「任せとけ。俺の眼鏡は伊達じゃないんだ。」 てくてくてくと歩いて椅子に座る蝶子。 「さぁ、ご飯にしようか。」 cace2:楠瀬家の場合 一階居間のテーブルで、楠瀬 藍は新聞を読んでいる。 その隣にはその妹の楠瀬 じにあが足をぶらぶらさせながらコーンフレークを突いていた。 「ねぇねぇ藍~」 「ん?」 上目使いで甘え顔。 嫌な予感を感じつつ赤面する藍。 「腕組んで行こうか……」 藍は無言で新聞に隠れる。 「む~いぃじゃない!減るもんじゃなし~!!」 じたじた 「ねぇねぇ!藍ってば!!」 藍は籠城戦を開始した。 (文責:双樹真)
https://w.atwiki.jp/seisarann918/pages/56.html
『植物に侵された学園』 ☆開催日時:2012年7月14日 ☆イベント説明 『学園に謎の自然現象が発生。 植物が異常成長し、四季に関係なく花が咲き乱れた。 建物には蔦などが絡まり、進入困難に。 しかも、一部の生徒は体から植物が生え、まるでゾンビのような状態 になってしまった。 この現象を止める方法は、この現象を起こした者を発見し、倒すか止 めるよう説得するかの二つだ。 それでは、諸君の健闘を祈る。』 ということで、一応初イベントです。 日時:7月14日午後8時頃(なるべく早く始められたらなと思います。) 目的:謎の自然現象を止める となっております。 参加者が一人でも多く来られることを願います。
https://w.atwiki.jp/83452/pages/18261.html
梓がそれ以上の言葉を躊躇う。 この世界が唯の夢だとしても、その責任を唯一人に押し付ける形にはしたくないんだろう。 でも、梓の言う事ももっともだった。 この閉ざされた世界を想像して創造してるのは、間違いなく唯だ。唯にしか出来ない。 それをどうやってるのか……。 それが分かればこの事態を変える事が出来るかもしれない。 心当たりと言えば、やっぱり唯の頭の怪我の事だ。 唯は目を覚まさないほどの大怪我を頭に負った。 それが唯に何らかの変化を与えたって事は無いだろうか? でないと、こんな事が起こるはずもない。 私がそれを口にすると、澪が口元に手を当てて小さく独り言みたいに呟いた。 「サヴァン……?」 「……何だ、それ?」 そう私が訊ねても、澪はそれ以上何も答えてくれなかった。 いや、独り言みたいだったんじゃなくて、本当に独り言だったって事なんだろう。 私は口を噤み、澪も気付けば口を閉じていた。 また部屋を沈黙が包むかと思った瞬間、ムギの心配そうな声が部屋の中に響いた。 「ねえ、皆……、私、思ったんだけど……。 この世界が唯ちゃんの夢だとしたら、どうして唯ちゃんはこんなに苦しんでるのかな……? 今の私達の身体は、現実にある身体とは違うんだよね……? だったら、体調が崩れるなんて、そんな事は……」 「確かにムギの言う通りだ」 応じたのは澪だ。 とても凛々しい表情で、何かを考え始めたみたいだった。 瞬間、私の胸が激しく鼓動し始めた。 澪の凛々しい顔に見惚れたわけじゃない。 いや、多少は見惚れてたかもしれないけど、それだけじゃなかった。 澪が考えている。 真剣に、凛々しい表情で、真相に近付こうとしている。 もうすぐ答えを出すんだな、って思った。 きっと私が辿り着いたのと同じ答えを。 私はその答えを澪が出すのが怖かった。 その答えを出してしまったら、きっと澪は私を嫌いになる。 ムギも梓も私を嫌いになるだろう。 それはとても辛かったけど、自業自得でもあった。 逃げ続けた結果がこの有様だったってだけだ。 悪かったのは……、逃げ続けた私なんだ……。 私は二度深呼吸をする。 拳を握り締め、鼓動する胸を気力で抑える。 澪が何かの答えを出すより先に、私は一番言いにくかった事を言葉にした。 「なあ、皆、聞いてくれ……。 唯はさ、自分が死ねばこの夢は覚めるって、 さっきそういう感じの事を言ってたんだよ……」 「唯先輩がっ? そんな……、唯先輩が死ぬだなんてそんなの……」 梓が辛そうな声を上げる。 唯の事を心から心配してるんだろう。 それこそ、自分の事よりも……。 でも、それに対して構ってやる事は出来なかった。 私は言葉を続ける。 私にはまだまだ伝えなきゃいけない事がある。 「考えてみりゃ、その通りだよな……。 この世界は唯の夢で、唯が死ねば私達はこの世界から解放される……。 単純過ぎて笑っちゃうくらいだよ……。 簡単な……答えだよな……、馬鹿みたいに……」 「おい、律……?」 私の様子がおかしい事に気付いたのか、澪が心配そうに私に訊ねる。 私も自分自身の様子や感情がおかしい事は自分で気付いてた。 だけど、止められなかった。 止められなかったんだ、どうしても……。 自分への嫌悪感から、吐き捨てるような言葉をまた言ってしまう。 「馬鹿だよ、唯は……。 この世界が自分の夢じゃないかって気付いてさ……、 自分が私達に迷惑掛けてるんじゃないかって考えてさ……、 それで……、きっと唯は自分で自分を追い詰めたんだ。 この世界は唯の夢で、この世界の唯の身体も唯の夢だ。 そうだよ……。 唯の体調を崩せるのは唯だけなんだ。 現実の方の唯に何かあったとは考えにくい。 目こそ覚まさなかったけど、それ以外の唯の身体は健康だったはずだしな。 だから……、だから、唯は自分自身で自分の身体を追い詰めたんだよ! この……馬鹿野郎……っ……」 「馬鹿野郎……って、律先輩、それは……」 梓が悲しそうな表情で私を見つめる。 唯の事を責められたと思って悲しく思ったんだろう。 でも、違うんだよ、梓……。 私が責めたいのは唯じゃない。私自身なんだ。 唯なんかよりずっとずっと馬鹿な私の方なんだよ……。 私は続ける。 ひょっとすると、これを言うと皆に軽蔑されて、 もう顔も合わせられなくなるかもしれないけど、言わないわけにもいかなかった。 言いたかったんだ、どんなに軽蔑されたって。 皆に……、嫌われたって……。 「分かってるよ、梓。 唯は馬鹿だけど、馬鹿な奴だけど、まっすぐな奴だ。 まっすぐに私達を考えてくれる馬鹿で、いい奴だ。大好きな仲間だ。 失いたくない仲間だよ……。 馬鹿なのは……、もっと馬鹿なのは私だ……。 私なんだよ……」 「律……先輩……?」 梓が私を気遣って手を伸ばそうとする。 私はムギの肩から手を離して、梓のその手を避けた。 梓は傷付いた表情を見せたけど、でも、今の私には触れてほしくなかった。 こんな最低な奴を気遣う必要なんてないんだ……。 梓は私なんかより、皆を支えててあげてほしいんだ……。 私は壁際に寄って、背中を壁にくっ付けながらその場に座り込んだ。 もう立っていられる気力も無かった。 だけど、それでも、言葉だけはどうにか皆に届ける。 「皆、聞いてくれ……。 唯を追い詰めたのは唯自身だけど、そのきっかけを作ったのは私なんだ……。 私なんだよ……。 唯が体調を崩す前、このホテルの周辺を一人で探ってただろ? あれは私のせいなんだ……。 私のために、唯は一生懸命になってくれたんだよ……。 私なんかのために……。 逃げてばかりの私なんかのために……。 唯の奴……、きっと考えたんだ。捜しながら考えてたんだ。 自分が誰かの迷惑になってるんじゃないかって。 このままでいいのかって。 それで少しずつ自分を追い詰めて体調を崩して、 ベッドで看病されるうちに自分が頭を大怪我をした事にも、 この世界が自分の夢だって事にも気付いて、それで……。 それで……!」 叫びながら、唯の方に視線を向ける。 唯は……、赤い顔をして、低い唸り声を上げ続けている。 自分で自分を追い詰めて、自分から死に至ろうとしている。 私達のために……、死のうとしている……。 これは……、何なんだ……? 私は唯と傍に居たいと願っただけなのに、どうしてこんな事になっちゃうんだ……? 私は唯を失いたくなかった。大切な仲間を失いたくなかった。 唯達とずっと一緒で演奏して、笑っていたかった。 ずっと……、一緒に……。 その願いが間違ってたと言うんだろうか? 願っちゃ……いけなかったんだろうか……? それは分からないけど、一つだけ分かってる事がある。 私が唯を追い詰めてしまったって事だ。 私がピックを捨てたせいで、過去を捨てようとしたせいで、 私は私よりも唯を傷付けてしまったんだ。 そうして、私はまた唯を失いそうになってしまっている。 それも一度目とは違って、他の誰でもなく私のせいで……。 私の……せいで……。 嫌だ……! そんな嫌だよ……! 私が皆から嫌われるのは自業自得だけど、唯には死んでほしくない! 生きててほしい! 元の世界の事は関係無い! もう唯を失いたくないんだ! そのためには何だってしてやる! 何だって……! だけど……、私に何が出来る……? 今度こそ唯のために何かをしたいのに、それを思い付けない。 何も思い付けない。 肝心な時に……、何も出来ない……。 ちっく……しょー……。 「律……」 澪が呟きながら歩き寄って来る。 私は唯の顔から視線を逸らさなかったけど、それはよく分かった。 澪の足音が響いてるんだ。それくらいは分かる。 澪が近付いて来る。 でも、私は澪の表情を知る事は出来ない。 澪の顔に視線を向ける事が出来ない。 私は嫌われてしまっただろう。 軽蔑されてしまっただろう。 これ以上はもう皆の傍に居られないだろう。 思わず逃げ出したくなる。 でも、逃げられない。逃げたくない。 最終的には皆の傍に居られなくなってしまうとしても、 今は皆の考えや想いを私にぶつけられるべき時なんだ。 皆は私にぶつけるべきなんだ、怒りや、悲しみや、苦しみを……。 どんなに辛くたって、私はそれを受け止めなきゃいけないんだ……。 私はそれだけの事をしてしまったんだから……。 「ごめん……、皆……」 喉の奥から声をどうにか絞り出す。 私は謝らなきゃいけない。 謝りたい。 何も出来てない私。 足手纏いにしかなっていない私。 和達を見捨ててしまった私。 唯を追い詰めてしまった私。 こんな私なんだ。 謝らなきゃ……、謝る事しか……、私には……出来ない……。 「ごめん……、本当にごめん……。 足手纏いにしかなってなくて、何も出来なくて……、悪かった……。 何を言ってくれたって構わない。 どんなに責めてくれたっていい。 皆の前から居なくなれって言うなら、居なくなる。 消えるよ……。 でも、せめて唯の体調がもう少しよくなるまでは、居させてほしい……。 唯のために何でもする……。 何か……させてほしい……。 だから……っ!」 謝りながら、いつの間にか私の目の前に来ていた澪の顔に視線を向ける。 怖かったけど、視線を逸らし続けているわけにもいかなかった。 本気で謝るには、真正面から相手を見つめるしかない。 まっすぐに見つめて、謝り続けるしかないんだ。 それが私に出来る事なんだと思う。 「律……」 また澪が呟く。 私はそう呟く澪の表情を見つめて、初めて気が付いた。 澪が顔しそうな顔をしている事に。 凄く悲しそうな顔をしている事に。 私は……、また澪を傷付けてしまったのか……? 傷付けるつもりは無かった。もう傷付けたくなかった。 ただ謝りたかった。 皆に謝りたかっただけなのに……。 なのに、私はまた……? 心臓が強く鼓動し始めた事に気付く。 また……、私は間違えちゃったのか……? 瞬間、悲しそうな顔のままで澪が腕を振り上げた。 勢いよく振り上げて、拳を握り締めて……、 その拳が勢いよく私の脳天に振り下ろされる。 「……っ!」 脳天に鈍い痛みを感じて、思わず小さく呻いてしまう。 かなりの痛みを感じながら、 そういえば澪に殴られるのも久し振りだ、って、 何故かそんな間抜けな事を考えてしまっていた。 本当に久し振りに殴られた気がする。 でも、殴ってくれて構わなかった。 何度でも殴ってくれていい。 私はそれだけの事をしてしまったんだから。 皆には私を殴る権利があるんだ。 だけど……、澪がそれ以上拳骨を落とす事は無かった。 ただ悲しそうな表情で私を見つめるだけで、続く拳骨は来なかった。 澪の表情を見て、不意に気付いた。 そうだった……。 澪とは何度も喧嘩したけど、何度も殴られたけど……、 澪は本気で怒った時だけには、私を殴らないんだ。 殴らずに、怒るんだ、澪は。 私を殴るのは恥ずかしがってる時や突っ込みの時……、 そして……、私に何かを気付かせる時に殴るんだよ、澪は……。 「み……お……」 私は呆気に取られながら呟く。 澪は私に何かを気付かせようとしている。 何かを……。 それが何なのかはまだ分からない。 ただ、澪が私に大切な何かを気付かせようとしてるって事だけは分かった。 数秒くらい、沈黙が流れる。 それからやっと、澪が小さく口を開いた。 「……もういいよな?」 それだけ呟く。 澪が何を言ってるのか、 ムギも梓も分かってなかったみたいだったけど、私には分かった。 私だけには分かった。 もういい、って澪は言ったんだ。 十分苦しんだんだから、律はもう苦しまなくてもいい。 ……なんて甘っちょろい事を言ったわけじゃない。 澪はそんなに甘い奴じゃない。 『もういいよな?』ってのは、『もう甘えなくてもいいよな?』って意味なんだ。 そうだな……。 私は……、甘えていた……。 甘えていたんだ、皆に……。 私は皆に謝りたかった。皆に責められたかった。 あらゆる事に役立たずの自分を自分自身が許せなくて、 辛くて……、一人で抱えてるのが怖くて……、謝りたかったんだ。 和達を見捨ててしまった事も、唯を追い詰めてしまった事も、謝りたかった。 それで、皆に責められて罪悪感を抱く事で、逆に楽になりたかったんだよな……。 誰かに罰される事で、抱えていた物を軽く出来るって勘違いしてたんだ……。 分かるよ……。 今なら、分かる。 だから、澪は殴ってくれたんだ。 甘えていた私の甘えを果たさせてくれるために。 一発だけ……、殴ってくれたんだ……。 でも、もう甘えは許されない。 「ありがとう、澪……」 『ごめん』じゃなくて、『ありがとう』と私は口にしていた。 口に出来た。 澪に『ありがとう』なんて、どれくらいぶりに言うんだろう……。 でも、本当にありがとう、澪。 最後の最後で、本当にギリギリの崖っぷちで、私は間違えずに済んだんだ……。 私の想いを分かってくれたのか、澪は少しだけ微笑んでくれた。 「これで最後だからな? これ以上妙な事ばかり言ってると、もう二度と殴ってやらないからな? 覚悟しとけよ?」 「ああ……、十分甘えさせてもらったよ、澪……。 ありがと……な」 私が言うと、澪が私に方に手を差し出してくれた。 その手を握って、私は立ち上がる。 何とか、立ち上がる。 今度こそ。 ムギと梓の顔に視線を向けてみたけど、二人とも私と澪の間に、 どんな想いのやりとりがあったのか分かってないみたいで、 不思議そうな表情で私達の事を見つめているみたいだった。 そりゃ……、そうかもな……。 こんな短い会話で想いが分かり合えるなんて、 長い付き合いの幼馴染みにしか出来ない事だと我ながら思う。 その善し悪しは別として、今は純粋に大切な幼馴染みの澪が傍に居る事を感謝したい。 「あの……ね……?」 不思議そうな表情をしながらも、ムギが私に向けて話し始める。 私はムギにまっすぐ視線を向けて、続きの言葉を待つ。 「私……、りっちゃんの事、責めないよ……。 りっちゃんは何も出来てないって言ってたけど、そんな事無いと思うし……。 それにね……、謝るのは私の方だと思う……。 謝らないで、りっちゃん……。 前に変な事訊いちゃって、りっちゃんを迷わせちゃったのは私だから……。 だから……、ごめんね、りっ……」 「ストップ」 私はムギの言葉を止める。 前に変な事訊いたっていうのは、ムギが寂しがっていた時の事だろう。 自分がただ一人残されちゃうんじゃないかって、ムギが不安に思ってた時の事だ。 あの時、私はムギにはっきりした言葉を届けられなかった。 はっきりと伝えてあげるべきだった。 それを後悔する事は出来たけど、今は後悔よりもするべき事がある。 だから、私はムギに伝えるんだ、自分の正直な想いを。 「そこからは私に先に言わせてくれないか? 私……、甘えてたんだと思う……。 私を責めてたのは……、私自身だったんだよ……。 澪に殴られてから気付くなんて間抜け過ぎるけどさ……。 まったく……、責められて楽になりたいなんて、甘え過ぎだよなー……。 本当の意味で馬鹿だよ、本当に……。 だからさ……、今度こそ後悔しないように言うよ。 ムギは私の大切な仲間なんだ。 大切な仲間だから、居なくなった和達よりも優先して守りたかったんだ。 それを口に出せなかったのは、私が弱かったからだよ。 自分の決心を信じられる意志の強さが私には足りなかったんだ……。 だから、言い出すと切りは無いけど、一度だけ謝らせてほしい。 思っていた事をちゃんと伝えられなくて……、ごめんな……」 「ううん……、私の方こそ……。 私の方こそもっと自分の気持ちを伝えればよかったよね……。 りっちゃんに何もかも抱えてもらう事になっちゃってて、ごめんね……」 46
https://w.atwiki.jp/aurcusonline2/pages/160.html
入場場所 ・ガレリア王都 小隊長ティナの選択肢ミッションより入場可能。 入場条件 ・Lv24より ・ガレリア王都 小隊長ティナのクエスト「合成生物のねぐら」を受注後入場可能。 ・適正レベルはLv24であるが入場制限レベル無し 「隠された洞窟」の選択肢が既に出ているプレイヤーをリーダーにしパーティーを組めば、Lv8からでも入場可能。 その他 ・Lv25バドラス装備の素材が入手可能。 隠された洞窟ボス attachref 情報提供 ボスを倒す時のアドバイスをお願いします。 打ち上げスキルで転倒。起き上がり時に広範囲の吹き飛ばし攻撃有り。 -- 転倒モーション中は無敵状態な為、Pt時は迷惑になる。スタン中なら、転倒しないので使うなこの時に。 -- 打ち上げスキルが多いため、実はウォリアーはやりづらいかも。洞窟用にスロットの見直しが必要。ベルセルクが一番早く倒せる。旋風蹴り+スラッシュビートで、吹っ飛ばし、突っ込みに耐えることができる。 -- 名前
https://w.atwiki.jp/happysunday/pages/27.html
<<エルガイルの丘Ⅴ / エルガイル / 汚染された森Ⅱ>> モンスター