約 1,037 件
https://w.atwiki.jp/th_izime/pages/1118.html
※魔理沙が化け物に1:26スレ541の続きです 読んでないと分からないかもしれません ※霊夢いじめ 「…以上が、あの事件で彼女が辿った事のあらましです」 皆が清聴する中、ヤマザナドゥは地獄で魔理沙の魂から得た情報を皆に話していた 「魂がズタズタで、彼女自身から言葉を聞くことは出来ませんでしたが、これが浄瑠璃の鏡が映した真実です」 円筒形の安っぽいガラスのコップに入った焼酎を、ヤマザナドゥは正座したままぐいっと飲み干す ここは博麗神社の宴会場、例の霧雨魔理沙殺人事件の真相をこの機会に聞くべく 全てのメンバーがフル出席していた 「いやー、じゃあやっぱりアレは霊夢さんが殺したんですね」 射命丸はニヨニヨしながら、霊夢の方にやってきた 「ついに人殺しですか!いよいよ貴方も私たちと同じですね、シンパシーを感じちゃいますよ」 彼女ははいつになく馴れ馴れしい 「私はあれが魔理沙だって知らなかったのよ!さっきの話で分かったでしょ!」 霊夢は怒って話を逸らすように、相手を萎縮させ黙らせるように…そして、自らの罪の意識を誤魔化すように 八つ当たりのようにテーブルをバシバシと叩いて大きな音を出した 酔いの勢いで、全てを誤魔化してしまおうという魂胆だろうか 周りでは翠香やチルノがひょろひょろと両手を上げて走り始めている 「いや、そこまでは知りませんけどね?彼女の魂から直接話しを聞けたわけではありませんでしたし」 ヤマザナドゥは小町に注がせた二杯目の焼酎をちびちびと呑みながら言った 「ただ、彼女は最後は人間に戻り、親代わりの師匠や親友と思っている貴方に助けを求めていたらしいですよ」 ヤマザナドゥは静かに目を瞑り、ふうっと深く溜息をついた 「地獄の法廷は、貴方の行為の正当性を認めますけどね…魔理沙は親友だったのでしょう?確か?」 霊夢はぐっと息を飲んで、一瞬沈黙する すぐに重要な事を思い出し、癇癪を起こしたかのように怒鳴るように言った 「私に下級妖怪の言葉が分かるワケないでしょ!なんなのよ!私が見殺しにしたとでも言いたいの!」 いつの間に後ろに立っていたのだろうか?そんな霊夢の癇癪に、横槍を挟むものが一名いた 「いや、最初に僕を呼んでくれれば通訳できたと思うよ」 青い液体の入ったショットグラスを片手に、虫達の姫リグル・ナイトバグはハッキリと断言した 「あの後虫の妖怪達が教えてくれたんだ、彼女の肉体は強靭で強い魔力を秘めていた、期待の新星だったって」 いや、もちろんその後人間をを食べるなって注意しといたけどね…などと言い訳をしながらリグルは続ける 「彼女は人里、レイム(?)、ミマサマ(?)、エーリン、竹林、越える…とか言ってたらしいんだ」 リグルはショットグラスの向こうに映る青い景色を見つめながら、呟くように言った 「つまり、彼女の話していた言葉は虫達の言葉だったんだ…つまり、私なら完全に分かる」 青いカクテルをぐっと飲み干してから、リグルはジョークを飛ばすかのように軽い口調で言った 「もっとも、蜂みたいな顔してたんだから、そんなことあたりまえだよね」 何がおもしろいのか、リグルはぷっと吹き出す お燐や地獄鴉、ミスティアといった分かりやすい動物妖怪の面々がその言葉にクスクスゲラゲラと笑った 「じゃあ何で言わなかったのよ!!!!!!!!!!!!!!」 霊夢が玉ぐし棒でリグル達に殴りかからんとする程の勢いで迫ってくる リグル達は笑いながら、だって呼ばれなかったもーんなどと言い、ピューっと端の方に逃げていった ふーっ、ふーっっと肩で息をしながら憤る霊夢 「いやー、リグルを呼ぶ手間も無視して惨殺なんて、霊夢さんなんだかんだ言って結構ノリノリだったんじゃないですか」 射命丸はにんまりと笑いながら擦り寄ってくる 「あの怒気で魔理沙をボロ雑巾のように引きちぎったのには、しびれちゃいましたよ」 射命丸はパシャパシャとむっすり顔の霊夢の横顔にシャッターを切る 近くで妹紅と輝夜が飲み比べの真っ最中、てゐがチンチンとお箸で茶碗を叩いていて音が煩い 「私たち妖怪の間では、今や妖怪博麗の鬼巫女伝説で持ちきりですよ?霊夢姐さん」 姐さん、とは…射命丸達はどうやら霊夢を博麗の巫女ではなく、山姥のような妖怪の一種、鬼巫女と看做したようだ 「巨大な巫力で人を殺すんですから、もはや妖怪です、私たちはお仲間ですよ?山でも妖怪変化として歓迎…」 悪びれのない笑顔でちょこんと霊夢の横に座る射命丸 そのニコニコ顔にフルスイングをかましてやろうと拳に力を入れた瞬間 「そうだぞ霊夢、全く恥じ入る事じゃないぞ?強大な魔力でクズどもを消し炭にするのは我らにとって高貴な振る舞いだ」 紅魔館の主、永遠の吸血鬼レミリア・スカーレットは割り込んできて、得意げに言った ワイングラスの中の紅い液体ををくるくると回しながら熱弁する 「人間の子供の最初の罪は虫殺しだと言うが、我らの幼き同胞の最初の罪は殺人」 「霊夢もようやく私たちと同じフィールドに上がって来たんだな」 レミリアは、何かを歓迎するような微笑を霊夢に向ける 「今度紅魔館に遊びに来てくれ、人間の金髪少女の生き血をご馳走…」 そこまで言いかけたレミリアの顔に、霊夢のフルスイングが飛んだ お陰で美鈴の皿のから揚げが落ちてしまい、涙目になっている いたいよー、しゃくやー などと従者に駆け寄りハンカチで鼻血を拭いてもらっている吸血鬼を他所に 霊夢はこの話から逃れるように、同じく人間で巫女である早苗に話しかけた 彼女は霊夢から少し離れた席に、丁度真ん中辺りでフィーバーしているイクさんを挟んだ対角線側に陣取り 小さなお猪口に日本酒をチロチロと舐めてほろ酔い気分だった 「ねえ、早な…」 霊夢が話しかけると同時に早苗が焦ったように言った 「いえ、分かってますから、分かってますから今回の事は、分かってます」 スススーっと霊夢の横から逃れるように後ずさる早苗 このまま追えば、料理の周囲をふよふよと浮いている幽々子やお供の妖夢を通り越し 今日は一番隅の方で暗く飲んでる、パチュリーやアリスの方にまで追い詰めてしまうかもしれない 二人の間に気まずい沈黙が流れる 「あ…ああ、そうね また今度」 霊夢はあからさまな拒否に意気消沈しながら、上座の方に戻っていった 霊夢が帰ってゆくのを見て、早苗は申し訳ないけど正直ホッとしていた あの事件から早苗などの人間、慧音など親人間、秋姉妹や諏訪子などの神々は、あからさまによそよそしくなり 以前の親しみやすさは、霊夢の前から消えうせた …人間同士の殺戮の戦場、その軍神たる神奈子まで他人行儀になるのはあんまりじゃないか? 肉食の妖怪達は馴れ馴れしく…まぁ、霊夢に以前は感じられなかった親近感のようなものをもって接してくるようになり 逆に人や神は霊夢に越えられない冷たい壁を作るようになった 幽々子やプリズムリバーといった霊の類やチルノや大妖精といった妖精 そして鬼の態度は以前と変わりない事が救いだった これは、今からちょっと前の話 どこぞの紫もやしは、とある小生意気な魔法使いと言い争いをした 「あいつ…私の事を地下生物扱いして…」 彼女は自身の生活と容姿をバカにされ、いたく憤慨していた もっとも、事の発端は彼女がたっぷり魔理沙の未熟ぶりを指摘して涙目にさせた事だ 「あの小娘は十数歳の魔法使いのクセして生意気なのよ」 紫もやしはムカムカしながら貧乏ゆすりをした 「そもそも、これだけ魔女としての序列が違えば、本来なら恭しく私の前に跪くか…従順な態度で教えを請うものよ」 彼女は百歳を越え、捨食と捨虫を会得している生まれながらの魔女 しかも図書館が出来る程の大量の魔道書を所有している 本来、魔理沙との魔法使いの、魔女としての位階はまさに天と地程の差があったのだ 紫もやしは、魔理沙がぶりっこ上目使いで自分に教えを請う姿を想像し、少しニヤニヤしてから 今度は恭しく礼をする、彼女にありないミスマッチな姿を想像して、白けてしまった そして再びあの小娘から受けた侮辱を思い出し、怒り狂う 一人きりの長い沈黙の後、紫もやしはなにやら悪巧みを思いついたようだ 「そうよ、私が地下生物なら、アイツはさながらブンブン飛び回る虫けらじゃない」 どこぞの人形使いは、とある小生意気な魔法使いと言い争いをした 「私の自慢の脚を大根ですって…!しかも上海達をただの布とビー玉のお人形なんて!」 彼女は自分の容姿と人形をバカにされ、いたく憤怒していた もっとも、事の発端は彼女が魔理沙に要らぬオシャレの世話を焼こうとしつこかったからだ 「あいつはただの魔法使いのクセに生意気だわ」 人形遣いはいらいらしながら指を組む 「魔界出身の魔女たる私に、嫉妬してるのかしら」 彼女は確かに魔界の創造主の娘で高貴な出自を持つ上、捨食と捨虫を会得した魔女 しかも様々な自律に近い人形を複数使役する事が出来る凄腕だ 本来、魔理沙との魔法使いの、魔女としての位階はまさに月とすっぽん程の差があったのだ 人形使いは、魔理沙が自分の趣味のフリフリの少女趣味の服を着る姿を想像し、少しニヤニヤしてから 今度は嫉妬に狂って枕を引きちぎる、彼女にありえないミスマッチな姿を想像して、白けてしまった そして再びあの小娘から受けた屈辱を思い出し、怒り狂う 人形だけの長い沈黙の後、人形使いはなにやら悪巧みを思いついたようだ 「大根足で悪かったわね・・・!あいつの足は恐竜にしてやる!それに上海達の怒りも思い知れ!」 魔力が満ちる満月の晩、全く違う場所で、全く違う魔女が、全く違う術式の、よく似た呪いを 結界を突き抜ける程に強力な威力で、同じ場所を狙って、全くの同一人物に掛けた だが、彼女達はその事を知らない 複数の呪いが、相乗効果を発揮した場合の危険な暴走を紫もやしは知っていたが まさか自分以外に、同じく呪いを掛けている人物がいるなどとは思いもよらなかった 結界を突き抜ける程強力な呪いは、非常に繊細な代物だと人形使いは知っていたが まさか同時に、他の術式とぶつかり合う事になるとは思いもよらなかった 「ふふふ、数日後の触覚が生えた魔理沙が楽しみね」 「クスッ、あいつは恐竜足のままドスドスとウチに押しかけてくるかしら」 宴会の席では、パチュリー・ノーレッジ及びアリス・マーガトロイトの二人がボソボソと話をしていた 彼女達は魔理沙と特に親しかった魔女の二人で、それなりに交友がある 宴会で暗いのはご法度だが、今回はきっと死んだ魔理沙を偲んで、二人で暗く喪に服してるんだろうから特別、と 暗い様子の二人組みを、今日は誰も茶化しも咎めもせず静かに放っておいた 二人きりで魔理沙の死を悲しみながら、パチュリーは涙目で自らの罪と、ありえない筈の不幸をアリスに語った そしてアリスもあの日に、自分も罪を犯したことをパチュリーに告白したのだ 「こんな事になるなんてね…でもマグレだし私たちのせいじゃないよね?」 アリスはボソボソとパチュリーと会話している 「こんなのないわ、普通にありえないじゃない」 パチュリーはボソボソとアリスに返答した 「こんなのがあの鬼巫女に知られたら・・・」 パチュリーは機械仕掛けの時計のように、むきゅーとした顔で小刻みにぷるぷるぷるぷると震えだした 「違うわよ!魔理沙を殺したのは霊夢でしょ!私たちの責任じゃないわ!」 アリスは慌てながらぷるぷるするパチュリーを宥めた 「それに、呪いが同期して効果が増大するなんて完全に事故じゃない?」 「・・・私たちは、魔理沙にちょっと両手足が爬虫類になったり虫の触覚や羽根、そして牙が生える呪いを掛けただけ」 パチュリーはぷるぷるぷるぷるをやめない 「ででででで、でも…わっわわ私達の呪いで魔理沙の魔力が封じれらるなんて…!私はそこまで!そこまでやってない!」 自分達の決定的な罪を、こんな誰に聞かれているかもしれない宴会場で喋ってしまった …幸い、アリス以外には聞こえていなかったが アリスはパチュリーの肩をつかんで揺する 「それも私たちがやろうと思ってやったワケじゃないわ!」 アリスは自分にも言い聞かせるかの用に、小さな声で力強く言った 「幸い、ヤマザナドゥや検死した月の医師にもバレてないみたいだし、黙っていれば分からない」 アリスの瞳は、何か暗いものに満ちていた パチュリーはそれを再認識して落ち着いたようだ だが、申し訳なさそうに小さな声で言った 「でもそれじゃ、魔理沙の魂は浮かばれないんじゃ…やっぱり正直に…」 アリスはカッと目を見開いた 「そんな事、霊夢に聞かれたらどうなると思ってんの!?八つ裂きじゃ済まないわよ!」 あの鬼巫女に嬲り殺しにされたらしい魔理沙の遺体 手足の指を全てへし折られ、太い手足の骨を粉々に砕かれ 間接はねじ切られ、その後命乞いでもしたのか、這いずったような痕跡があるが 更に彼女の両肩と脚の付け根は打ち抜かれていた ダルマになった彼女を身体を、弾で何度も執拗に殴打して抉り 最後まで意識を保つよう、頭部や首や心臓は狙わず 最後は腹と骨髄の先端を貫く大穴を空けて、大量出血で苦しませながら殺した 死体の苦悶の表情と、完全に屈服し縋るような瞳、そしてめちゃくちゃに泣いて哀願してたのか深い涙の溝 …忘れられない あの事件の後、自分も確認しに行った事件現場と遺体を思い出して パチュリーは再びぷるるんぷるるんと痙攣を起こした 「ん?私がどうしたの?」 いつのまにか、霊夢が彼女達の後ろに立っていた 妖怪達に擦り寄られたり人間の視線が辛くなったりしたのだろう それで、この親友魔理沙を偲ぶ会に入れてもらおうってワケだ 「べ、べつになんでもないわ!」 霊夢は特に追求するでもなく、そっと二人の側に座った 「そうね私と魔理沙は親友だった、貴方達も魔理沙と親友だったんでしょう?」 霊夢は二人の様子を探るように静かに話しかけた 霊夢は、この魔理沙を偲ぶ会の話に入れて貰おうとしてるだけなのだが パチュリーとアリスにはまるで鬼巫女が、持ち前のカンで探りを入れてきてるように感じる 「そ、そうかもね?まぁ親友だったようなそんなような気がするようなもっとドライだけどよく一緒にお茶したりとか…」 しどろもどろになるアリス 霊夢は ? と首を傾げる パチュリーも正気を取り戻し、急いでアリスの言葉の脇を固めた 「魔女同士三人で交流があったりしたかも…そういった関係で仲は良かったかも…でも一番の親友はレミィで…」 もっそもそと話すパチュリー そんな二人の話を聞いて、霊夢は静かにそっと目を閉じた 「…そう、貴方達は魔理沙と親友だったのね」 パチュリーとアリスは冷や汗びっしょりだ 言葉巧みに、なんとか霊夢を上座へ追い返した二人 心なしか、霊夢は二人に親友殺しを責められたような気になって、酷く落ち込んでいた がっくりと陰が覆う背中が哀れだ 霊夢には悪いが、流石にむざむざ殺されたくは無い 「ついにやっちゃった…霊夢を誤魔化しちゃった・・・!バレたらレミィもろとも紅魔館が壊滅させられるわ」 パチュリーは真っ青で今にも貧血を起こしそうだ 「大丈夫!バレやしないわ!この事を忘れとけば、最悪もしあのサトリに心を覗かれてもバレない」 多分、解呪された際の魔力の奔流はすぐ拡散して形跡が無く、霊夢以外に見られてはいないだろう 彼女は専門知識が無いから、分かる訳が無い 「隠し通せるわよ…私たちは、魔女でしょう」 アリスは暗い笑みで断言した あれから宴会は、いつもの終了の時刻になるまでの数時間に渡って続いた 「それじゃあ霊夢さん、今度久々に人間の踊り食いツアーを開催しようと思いますので是非一緒に…」 射命丸はぶんぶんと手を振りながら別れの挨拶を告げる 「そんな事したらぶち殺すわよ!あと私は人食い妖怪じゃない!」 両手を上げて怒る霊夢を尻目に、射命丸は おお怖い怖い と片手を振りながら黄昏の空へ飛び立っていった 「そういうのはもはや要らない恥じらいだぞ霊夢、今度紅魔館でレクチ…」 レミリアが言い終わる前に、頭頂部への拳骨がガンッと鈍い音を立てて落ちた うええええええ、霊夢がぶったー などと腰の辺りに抱きつく自らの主の頭を優しく撫でながら 咲夜は霊夢に優雅な会釈をして飛び立った 皆がぱらぱらと解散していくのを見守る霊夢 珍しく死神と共に最後の方まで残っている閻魔が、じっと霊夢の立つ階段の方を見ているのに気がついた 死神を横に侍らせ、寂しくなった宴会場に泰然と座っているヤマザナドゥに霊夢は話しかける 「私のあの罪は、どうしたら消えるかしら」 霊夢は俯き、ぽつりと言った 「…地獄の法は貴方のあの行いを許しますよ でも、もし貴方が自分自身を許したいと苦悶するなら」 ヤマザナドゥは一呼吸おいてから、言った 「出来る罪滅ぼしは、これからも人間達を守る事でしょうか…巫女としての矜持を忘れないように」 エイキの視線は、相変わらず鳥居のある階段の方を見つめている 別に、エイキは宴会の余韻を楽しんでいるだけなのだ 最後に閻魔が帰ってからすぐ、霊夢のすぐ横の空間が裂けた そのスキマから、霊夢のよく知る大妖怪 八雲紫 が現れる 同じ宴会に参加していたんだから、それぐらいの距離は歩いてくればいいのにと呆れる霊夢 紫は、スキマから顔を出しながら霊夢に尋ねた 「ねぇ?なんであの娘、殺しちゃったの?貴方達、結構仲が良かったわよね?」 紫は、なんでもなさそうにぼんやりと両肘をついている 彼女の無遠慮かつ最低の質問に、霊夢はぎゅっと拳を握りしめながら答えた 「…知らなかったって言ったでしょ!あんなグロテスクなのが魔理沙だったなんて分かる訳が無い!」 紫は目を丸くして驚く 「何言ってるのよ?貴方は博霊の巫女よ?変化ぐらい巫女のカンと奇跡を全開まで発揮すれば容易に分かった筈よ」 霊夢は唖然と口を開ける…二人きりの宴会場に沈黙が流れる 霊夢はいきなり口角泡を飛ばして叫ぶように言った 「仕方なかったのよ!あの時は分からなかったの!言葉も通じなかったの!」 顔を真っ赤にする霊夢を広げた扇子で遮るようなポーズをする紫 「ああ、なんとなくで殺されちゃったのね、あの娘」 紫は優雅に口元を扇子で隠す、ニヤついた瞳から扇子の下の唇も笑っていると推測出来る くやしさと指摘された己の罪で、霊夢の目が潤む クールが売りの霊夢は、怒りの感情をあえて表に出す事によって、更なる他の感情を隠していたのだ 紫は更に話を続ける気だ 「まぁ、長年幻想郷の管理をやっているといろいと「めんどくさい」もんね?ダルくてあんなゴミクズの事なんてどうでもよくなっちゃたんだ?」 霊夢は過呼吸のようにふっふっと呼吸を乱しながら、何か言い返そうとするも言葉が出ないようだ 目元にじわりと涙が溜まってゆく 霊夢の様子に気がつかないフリをして、今度は見下ろしながら言った 「困るわね、他の妖怪が真似したらどうするつもり?博麗の巫女様は人間達や魔理沙なんてどうでもいいんだ?」 霊夢は酸欠の金魚のように口をぱくぱくしている すっー すっーっと言う呼吸音が聞こえる そっと下を向いたのは、涙があふれんばかりに溜まっているのを悟られまいとしているのだろう もう一押し、紫は扇子をパンッと音を立てて畳むと、その先端を振りかざした剣のようにスッと霊夢に向ける 「解呪すれば助かったのに…魔理沙、無駄死にねぇ?何の為に生まれてきたのかしら?」 俯いた霊夢の瞳からぽろぽろと涙が地面に零れ落ちる 紫は、スキマを使って普通なら無理な体勢から霊夢の顔を無理矢理覗き込む …そう、これが見たかったのだ! 翠香が宴会場を片付けにやってくるまでの数分間、紫はずっと霊夢を見ていた 数日後、目を掛けている部下の白狼天狗を連れた記者の鴉天狗に、霊夢はばったり出くわした 「いやー、いい天気ですね!鬼巫女霊夢さん!この前言った人間踊り食いツアーなんですけどね」 射命丸文は満面の笑みで話しかけてくる 横にいる椛も可愛らしい笑顔を見せた 霊夢はそんな二人をキッと睨みつけた 「あややや…冗談です!冗談ですって!そんなことしませんしません!」 射命丸は慌てて両手を振って否定し、椛もきゃうんと小さく鳴いた しかしその否定も束の間、射命丸はニヤッと笑った 「でも、あの時の霊夢さんは華麗でしたよ?ホラ、見てください」 射命丸が手帳に挟んである写真を数枚ピッと取り出し、指でトランプのようにサッと広げる 最初の写真には、襲われている最中の村に霊夢の後姿、その視線の先には無残な魔理沙の遺体が ハッキリと写し出されていた 二枚目は魔理沙の死体の顔写真、女の子を一番愛らしく見せる斜め上の角度から撮影されているのがにくらしい 三枚目は遠くから見た魔理沙の死体、時刻は一番古く、霊夢が魔理沙に気がついた数秒後だ 「いやー、巫女の妖怪退治の話を聞いてからすぐ駆けつけたんですがギリギリでして」 射命丸は自慢げに写真を見せた後、たははと頭を掻いた 霊夢はギンと目と瞳孔を見開いて、射命丸の手から写真を奪い取ると 親の仇とでも言わんばかりにビリビリと細々に破いてしまった 「なんなのよこれ!アンタ、手伝いもしないで盗み撮りしてたっての!?」 霊夢は射命丸のむなぐらをグッと掴む 射命丸はまた両手を振って否定した 「違います、違いますって!本当にギリギリで戦闘シーンには間に合わなかったんです!盗んでません!」 しかし、霊夢の怒りはそれでも収まらない 「こんな悪趣味な写真撮って…人に見られたらどうなると思ってんの?」 霊夢は一層強く射命丸のむなぐらを強く締め上げる 射命丸は一層申し訳なさそうだ 「いや…あのですね、実はもう…」 射命丸は椛の方をチラッと視線を送ると、察したように椛は自分の赤い布地のポシェットに 両手をもそもそと入れて、数刊の文々。新聞を取り出して霊夢に渡した 見出しには大きく 【博霊の鬼(のように怒る)巫女爆誕 今の幻想郷のトレンドは四肢切断(か?)】 過激な説明の横に、先程の写真の一枚目がでかでかと印刷されており 下段に盗人ゴミクズの末路、人狩り初体験ながら見事、これからの活躍が…などと注釈がつけられた 二枚目、三枚目の写真が印刷されいた なお、今回の解説は、この道の専門家であるASCゆうかりんが過激な内容でに説明している 発刊日付は…2日前だ 何もかもが遅い 霊夢の顔は真っ青になり、次に真っ白になり…そして最後に真っ赤になった なお、射命丸は真っ白になった辺りで命の危険を察知して逃げた 一人取り残されたのも気がつかず、霊夢は食い入るように新聞を読む そして、怒りでぶるぶると震えながら泣いている ミシミシと不吉な音を立てる新聞、相当な力で横方向に引っ張られているのだ 霊夢がひとしきり泣き終わる頃、新聞はバリッと音を立てて引き裂かれた 「なによこれ!ふざけんじゃないわよ!」 そしてそのまま、新聞は彼女の手によって木っ端微塵にされて 散り散りになった紙吹雪が空に舞った もう暫くは神社に篭っていよう…傷心の霊夢はふらふらと神社に向かって飛ぶ その途中、数人の人間の死体の山の上でご機嫌で食事を取っているルーミアを見つけ 霊夢は目をまるくして慌ててルーミアの側に降り立った 「ちょっとちょっと!なに人間殺しまくってるのよ!」 ひい、ふう、みい、よ…少なくとも七人が殺されている 人間の腕を、まるで子供がフライドチキンを食べるようにむしゃむしゃ食べるルーミア 巫女に凄い剣幕で怒鳴られ、首をかしげる 食べていた人間の腕を一旦置くと、お尻の方に手をやり、腰に挿していた文々。新聞を取り出して広げる 先程、霊夢がビリビリに引き裂いたものと同じものだ 「霊夢姐さんもやってるのかー」 ルーミアは新聞の内容を見せ付けながら、満面の笑みだ 霊夢はギリッと鬼気迫るような顔でルーミアを睨みながら言った 「なに…嫌味のつもりなのか?」 その様子にルーミアは思わずビクッと怯えた 「れ、霊夢姐さんだけずるいのかー」 腕を伸ばして新聞を更にぐっと前に押し出し、己の正当性を主張しようとする 哀れな魔理沙の死体、過激な文章、転がっている人間の死体、ルーミアにさえ知っている、つまり皆も、 …霊夢の中で何かが切れた 「これは違うって言ってるでしょ!」 玉ぐしで思いっきりルーミアを殴りつけた、バシッといい音がする 「ひいいいい、私は食べられないのかー!」 ルーミアは霊夢に捕食されるとでも勘違いしているのだろうか 霊夢は弾を数発撃ってルーミアを転ばせると 上から馬乗りになって殴り始めた 「これはッ!私のッ!せいじゃ!知らなかったって!言ってるでしょ!私はッ!私はッ!妖怪じゃ!ないッ!」 バキッ、ベキャッ、バシッ 一言一言、短く喋りながらルーミアを何度も殴りつける 「うあーん、うえーん、うえーん…」 しこたま殴られて大泣きするルーミアを尻目に、霊夢は今度こそ神社へ帰っていった 神社に戻ると、そこには早苗、神奈子、諏訪子の守矢三人組と村人が数名待っていた 「こんにちは、霊夢さん」 早苗が曖昧な作り笑いを浮かべて、霊夢に話しかける 霊夢は妙な気まずさと浮かない顔を誤魔化すように、片手で顔を抱えるように隠す 「こんな大所帯でどうしたの?また異変?」 霊夢は冷淡になった早苗に一抹の寂しさを覚えながら、返事をした 「はい、人里の皆さんが霊夢さんに話があるそうで」 こんな事の為に山の上から早苗がやってきたのか、直接私の所に来れば済む話なのに 霊夢は首を傾げながらも、村人に話を続けるように促す 「へえ、この前は村を救っていただきありがとうございました 伏せってる長老衆に替わってお礼申し上げます」 霊夢は あら?いいのよ などと言いながら軽く聞き流す 村人の話の本題はここからみたいだ 「そんで、救ってもらって悪いんですが…暫く、村に来ないでいただけませんかね」 霊夢の目が点になる 数秒の沈黙が走った後…村人の一人が文々。新聞を取り出し広げる 「みんな、怖がってるんですわ」 村人は申し訳なさそうな、怯えるような表情だった 「いやね?巫女さんがこんな事するわけないって私たちゃ思ってるんですけど…村の皆が…ねえ?」 曖昧に濁しながら、明確な拒否を霊夢に告げた 「これは捏造よ!?私、人間を殺したりしない!」 霊夢が身を乗り出して主張すると、たちまち村人が怯える その間に早苗が割り込んでくる…すると、村人は早苗の後ろに隠れるように逃げた なるほど、それで早苗を呼んできたってワケか 「それでは霊夢さん、この写真を見てください」 そこには、超高倍率のレンズを使い、正面被写体に向かって高速で飛びながらシャッターを切ったのか 周囲の景色が激しくぶれている中、遥か先の写真中央に霊夢が怪物と戦う様子が大きく写っている 割と霊夢とグロテスクな怪物の全貌が確認出来るものの、記事には使えないだろう 「鴉天狗の部屋から盗…徴収してきたものです」 早苗はコホンと言い改めつつ、主張した 「ここ、ここを見てください」 早苗はキュッ キュッと写真中央の怪物に、二箇所赤ペンで丸をつけた 怪物の後頭部やや下と、背中あたり 一箇所目には魔理沙のいつも被っている三角帽の成れの果て もう一箇所にはよく見えないが黒い布らしきものと…エプロンの残骸のようなものが引っかかっていた 「霊夢さん、貴方はこの怪物が魔理沙さんだって分かってたんじゃないですか?」 早苗は眉間にシワを寄せながら更に尋ねる 「もしくは、分かろうと思えば分かれましたね?」 霊夢は頭を抱えながら叫ぶ 「違うの!あの時は分からなかったの!仕方なかったのよ!村が襲われてて…」 はいはい…と霊夢を嗜めるような態度を取る早苗 霊夢はブツブツと何かを唱えるように呟いている 早苗はが村人に目配せすると、恐る恐る村人は前に出てきた 「そういうワケでして、しばらくは緊急時以外は立ち入り禁止と言う事で…」 村人は申し訳なさそうに、腫れ物に触れるように続ける 「今度、あのゴ…霧雨魔法店とこのお嬢さんの葬式を村でやるんですわ」 霊夢は上目使いでじっと村人を見つめる、自分も参加したいのだろう 「んで、今日からあの嬢さんの葬式から…それから喪中の50日は少なくとも立ち入らないって事で…決定でして…」 霊夢は呆然とする 話を終えたのか、村人達はそそくさと帰っていった 村人が神社から出るのを見守ってから、早苗も外に向かって歩き出す 去り際、神奈子がポンと霊夢の肩を叩きながら 「そういうことだから、しばらくは遠慮しとくれよ」 と、つぶやいて去っていった その後、霊夢は数年ぶりにわんわんと泣いた 真っ暗な室内、涙も枯れ果てた霊夢は小さな和風のテーブルに突っ伏している そんな彼女を、翠香はじっと見守ることしか出来なかった -*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*- 魔理沙が化け物に:26スレ936へ続く こんな白状な幻想郷はやだなぁ -- 名無しさん (2009-07-26 17 52 30) うーん パチュリーとアリスは死も覚悟で白状すべきだったよなぁ 恐らく死後二人の罪はバレるでしょう -- 名無しさん (2009-07-26 23 50 57) えーきさま以外誰も霊夢の置かれた状況を理解しようとしないのが悲しい。 幻想郷そうぐるみで霊夢を排除したかったに違いない -- 名無しさん (2009-07-27 03 01 38) やんなっちまうなぁ。この結末は・・・。 -- 名無しさん (2009-07-27 06 04 24) れみりゃが可愛かった -- 名無しさん (2009-07-27 08 35 27) 文と紫がうざすぎる レミリアもうざいが、まあ可愛いと言えなくもないか -- 名無しさん (2009-07-27 09 38 04) ルーミアがとばっちり食らってる件について -- 名無しさん (2009-07-27 18 13 25) 霊夢の友達は魔理沙だけだった、という事か -- 名無しさん (2009-07-27 18 33 50) さくやさんはどうなんだ? -- 名無しさん (2009-07-27 20 38 37) ここぞとばかりに勢いづく守谷勢(特に早苗)にイラついたのは自分だけでいい -- 名無しさん (2009-07-27 20 48 59) むしろ調子乗ってるルーミアは即刻退治するべきだろ 人間殺す癖に妖怪には甘い巫女とか言われるぞ -- 名無しさん (2009-07-27 23 19 54) 紫とか文とか早苗より汚いやつがいるのに、どうしてだろう……早苗に一番イラッとするんだ…… -- 名無しさん (2009-07-28 01 25 28) 早苗、全て計算通り -- 名無しさん (2009-07-28 16 30 26) まぁ実際こんな感じで殺伐としてるんだろうかね幻想郷は -- 名無しさん (2009-07-28 18 17 48) 美鈴の唐揚げ勿体ねえな -- 名無しさん (2009-07-28 20 56 28) 可哀相な霊夢に激しく萌えた -- 名無しさん (2009-07-28 22 43 36) 結局、この話で霊夢の味方なのは萃香だけか…。 しかし早苗(提案したのは神奈子と諏訪子だろうけど)もすっかり典型的な悪役に。 -- 名無しさん (2009-07-29 13 52 28) 文がウザすぎる・・・ -- 名無しさん (2009-08-01 02 21 21) なんか、魔理沙だとわからなくても仕方ないと思うけどな・・・ 理不尽なやつらだなまったく -- 名無しさん (2009-08-01 14 21 59) 咲夜さんはどうなんだろう -- 名無しさん (2009-08-05 20 19 07) 前作を読んだけど霊夢は明らかに里の危機を救うために倒したのにこの仕打ちはちょっとおかしいと思った -- 名無しさん (2009-08-06 15 35 08) ああ、これは不愉快なだけだなあ・・・ -- 名無しさん (2009-09-06 14 41 58) 虐めだけにとりあえずはこれでも良いと思う。 実際に霊夢ほどの実力の持ち主は何の力もない人間からは警戒だってされるだろうし あれだけの力があって、でも種族は人間という点が霊夢の不安定な所とも解釈できなくはない -- 名無しさん (2009-09-15 11 52 24) クソワロタwwwww霊夢可愛すぎwwwwwww -- 名無しさん (2009-09-21 06 07 37) 黒アリスwww そしてパチュリーの小物さが際立つwww -- 名無しさん (2009-11-07 11 13 40) とんだとばっちりを受けた霊夢だった件について -- 名無しさん (2010-03-24 02 12 04) この妖怪達は、きっと霊夢の取り乱した姿を見たかったんだろうね。 -- 名無し (2010-08-11 23 28 21) せめてルーミア殺してから帰れよ霊夢・・・・ -- 名無しさん (2010-10-15 22 08 37) ↑↑なんという俺達 -- 名無しさん (2010-10-30 01 47 31) 文とれみりゃが可愛すぎるだろこりゃ! 俺は萌えSSを見に来たんじゃねえってのに…… -- 名無しさん (2010-11-01 21 36 11) れみりゃが可愛かった レミリアもうざいが、まあ可愛いと言えなくもないか 可哀相な霊夢に激しく萌えた クソワロタwwwww霊夢可愛すぎwwwwwww 文とれみりゃが可愛すぎるだろこりゃ! 俺は萌えSSを見に来たんじゃねえってのに…… 明らかに場違いなの分かってるけど言わせろ。 お前らさ、やられた事無いだろ? 一回やられてみ、本当に悲しくて悔しくて理不尽な世界に絶望するから。 正直死にたくなるよ。 -- 名無しさん (2010-12-02 18 50 14) お茶碗を箸で叩くてゐ可愛い。 泣いてる霊夢たんを慰めてキャッキャウフフしたい -- 名無しさん (2010-12-28 12 32 35) 魔理沙いじめというより霊夢いじめな件について -- 名無しさん (2011-06-27 11 43 21) タイトルに書いてあったww -- 名無しさん (2011-06-27 11 43 52) いじめSS専門のサイトなのになんでこんなに否定派が多いのか意味わからん 嫌ならこんなとこまで見にくるなよ -- 名無しさん (2013-10-04 15 56 11) ルーミア殺せよ -- 名無しさん (2013-10-27 00 11 02) でも本来の幻想郷の姿がこれってのが正しい気がする -- 名無しさん (2014-07-04 13 21 59) 結論 霊夢くず。実際は霊夢のが殺したし。 しかも倒すとき[死ね。ごみくず]っていってる 詳しくは1を見る早苗や文などは悪くない -- 名無しさん (2014-12-06 14 10 59) 早苗や射命丸は性格が少し違う。後作者はどんだけ霊夢と魔理沙が嫌いなんだ?正直言って魔理沙がこうなるのは100%あり得ないし作者は東方についてもっと詳しくなってから出直せ(怒) -- 元幻想郷出身者 (2014-12-16 22 45 31) ↑早苗は原作に近い調子に乗りやすい性格だし射命丸は多少性格がずれてるけど言うほどでもない、というか二次創作なんだしずれたとしても当たり前。それすら分からない二次設定を本家だと思い込むにわかは原作やろうか。というかここが虐めスレだって分かってないだろ。愛情を持つからこそ様々な虐めを行う。安っぽい感動物が好きなガキは帰れよks。 -- 名無しさん (2014-12-18 18 44 50) ↑↑↑↑↑てめーは俺を怒らせた -- 名無しさん (2015-01-06 02 14 26) 取りあえず霊夢と魔理沙m9(^Д^)9mザマァ -- 名無しさん (2015-11-28 06 00 20) よし↑の奴は死ね。思っても書くな。コメ荒らすな。 -- キング クズ (2016-06-18 03 58 18) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/cc65/pages/30.html
kyotsu.hの作成 kyotsu.hの解説 kyotsu.hの作成 メモ帳に以下の内容を書き、kyotsu.hという名前でcc65/includeに保存します。 ///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////// // 2010.11.30 ver 0.02 // 煮るなり焼くなりお好きにどうぞ。 // ----------------------------------------------------------------------------- // cc65@wiki // http //www34.atwiki.jp/cc65/ ///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////// //アタリ判定(長方形) char HitBox(unsigned char ax1,unsigned char ay1,unsigned char ax2,unsigned char ay2, unsigned char bx1,unsigned char by1,unsigned char bx2,unsigned char by2) { if (ax1 bx2 bx1 ax2 ay1 by2 by1 ay2) { return 1; } else { return 0; } } //アタリ判定(円形) char HitCircle(unsigned char ax,unsigned char ay,unsigned char adiameter, unsigned char bx,unsigned char by,unsigned char bdiameter) { unsigned char w,x,y,z; x = ax + adiameter / 2; w = bx + bdiameter / 2; if (x w) { x -= w; } else { x = w - x; } y = ay + adiameter / 2; w = by + bdiameter / 2; if (y w) { y -= w; } else { y = w - y; } z = (adiameter + bdiameter) / 2; if (x * x + y * y z * z) { return 1; } else { return 0; } } //配列比較 char memcmp(char *a, char *b,char len) { unsigned char i; for (i = 0; i len; i++) { if (*(a + i) != *(b + i)) { return 0; } } return 1; } //配列複写 void memcpy(char *a, char *b,char len) { unsigned char i; for (i = 0; i len; i++) { *(a + i) = *(b + i); } } //配列複写(開始アドレス指定) void memcpyfr(char *a, int afr, char *b, int bfr, char len) { unsigned char i; for (i = 0; i len; i++) { *(a + afr + i) = *(b + bfr + i); } } //待機処理 void Wait(int cnt) { unsigned int i; for (i = 0; i cnt; i++) {} } kyotsu.hの解説 HitBox:アタリ判定(長方形) 1=衝突 0=なしax1,ay1:キャラ1の左上座標 ax2,ay2:キャラ1の右下座標 bx1,by1:キャラ2の左上座標 bx2,by2:キャラ2の右下座標 HitBox:アタリ判定(円形) 1=衝突 0=なしax,ay:キャラ1の左上座標 adiameter:キャラ1の直径 bx,by:キャラ2の左上座標 bdiameter:キャラ2の直径 memcmp:配列比較 1=一致 0=不一致*a,*b:比較する配列のポインタ len:比較するバイト数 memcpy:配列複写*a,*b:複写する配列のポインタ len:複写するバイト数 memcpyfr:配列複写(開始アドレス指定)*a,*b:複写する配列のポインタ afr,bfr:複写する配列の開始アドレス len:複写するバイト数 Wait:待機処理cnt:待機する数
https://w.atwiki.jp/goldenlowe/pages/90.html
「大阪満喫録」その2 さてこれはどうなったものか、あちらこちらをウロウロするも、それらしき店も物もみつからない。 挙句の果てにレストランが居並ぶフロアまでたどり着く始末で、今度はエスカレーターを駆使しつつ各フロアを歩き回る。 しかし見つかるのは某有名ブランド「コ●サ」(一部伏字)の店ばかり、嫌な雰囲気が3人を包むw (閣下)「ないなw」 まさかの現実に行くアテのなくなった一行。 (閣下)「乗り込んどくかw」 と、毎度円陣を組んで待ち合わせるビックマン前喫茶店を覗いてみるが満席w 一服→呼び出し→喫茶店から登場というネタの仕込みに失敗し、仕方なく他の喫茶店を探す。 最近は入口に禁煙マークを張っている店もあり空席ありも禁煙店とか、空席ありもカレー店とかばっかりwww どこをグルグル回ったか分からないけど、ようやく喫煙OK空席有りの店をハケーンし迷わず入店。 時刻は17時ぐらいだった。 微妙な時間だったが、昼ゴハーンを抜いていた3人は苦渋の決断の下に飲み物とケーキを注文する。 ウチは最近コーヒーが×なもんで、ロイヤルミルクティー(アールグレイ)+クリームブリュレを堪能。 ケーキに手を出したかったが、すぐ後に宴会が待っている為にスポンジ生地を回避w 小食なもんで色々と知恵を回さないとアカンのですwww 雑談に花を咲かせながら時間を潰していると閣下のTellが震える。 どうやらSEIJI卿かららしく、その内容は「遅刻します」との事。 皆忙しいねぇ…。 WCCFを含むサッカー談義や四方山話を続けていると、局長からTellが入る。 (局長)「今、どこ?」 (アンレ)「梅田駅の地下。ちょうど今、黒い服を着た人が通った喫茶店の前」 (局長)「…それなりに集まってんのやわ。」 (アンレ)「どれくらい集まってますの?」 (局長)「ひろっちさんと、ウォルさんが居てる。」 (アンレ)「了解です。切り上げて向かいます。」 時刻は17時25分、良い時間ですなw お勘定を済ませて集合場所へ到着。 皆さんお変わり無いようでなにより♪ 例によって例の如くGLといえばビックマン前の円陣。 集合17時30分、宴会開始18時というGLのクオリティに完璧に合致したスケジュールだけに今回はかなりの余裕があるw 程なくして剛田卿が登場。 江戸で会った時の勢いそのまんま…元気な人だw (局長)「こうひえ君が不参加になって、レナータ嬢が途中参戦になったから値引きできへんかと交渉したんやわw」 (アンレ)「そういやメール着てたね、インフルエンザだって?」 (局長)「そうそう。せやから30分ほど粘って交渉したんやけど無理やったw」 (アンレ)「30分も…」 さすが局長…DOLでもリアルでも粘り腰ですなw 17時35分、けん卿が颯爽と現れる。 遅れるという事前報告があったにも関わらず、まずまずの時刻w これでビックマン前集合組は全て揃い、17時45分ぎりぎりまでSEIJI卿を待ってみたが、空腹と時間に迫られ移動開始。 先頭を切るのがウチとウォル丼…チョット待てw 地元民が先頭歩かないと辿り着けんぞww 御堂筋線は乗れるようになったが複雑に入り組んだ都会の迷宮を素直に歩けるほど成長はしてません。( ̄^ ̄ )エッヘン 信号待ちを上手く利用して先頭を局長とけん卿に譲り、ウチは最後尾からひっそりと付いて行く。 見たことがあるような無いような道をクネクネと歩きながら、東通り(?)へと到着。 ここまでくればもう宴会から漂うご馳走の香りが届きそうな…(ナイナイ 人の波はいつ来ても同じで濁流に流されるままに通りの中へと飲み込まれてゆく。 過去のOFF会会場の看板に様々な事を思い出しながら一行は夜の戦場へ続くアーケードを進んで行く。 そして会場の看板が視界に入ってきた頃、突如先頭グループに駆け寄る人影。 「おつかれさまですw」 その爽やかな声はSEIJI卿w 皆、宴会が気になって見張りが疎かになってましたな、見事なまでの奇襲w (SEIJI)「いぁ、最初にアンレさんが見えて『コレだ!』分かりましたw」 アブナイ、アブナイ…もしウチに奇襲掛けてたら素面で「誰?」って言いそうだった…(。。; 掘り炬燵調の部屋へ通され、局長の指示で席順は以下のように。 (閣下) (ルカ) (けん卿) (剛田卿) □ □テーブル□□□□テーブル□□□□テーブル□□ (ひろっち卿)(ウォル丼)(アンレ)(SEIJI卿)(局長) 3役=上座=隔離 という図式ではなく、斜向かいに座る。 …何気に真ん中に座ってしまったw 座布団に腰をすえて、ホッと一息ついた所で本日のディナーが運ばれる。 メニューは… 「しゃぶしゃぶ」+「ふぐ」+「山盛り野菜!」 すごい量の野菜デスネ…。 続いて運ばれてきたのがお刺身、ウマソウだw 整然と並んだご馳走を目の前にし、今度はビールがやってくる。 そして、各員の準備が整ったところで局長がけん卿に何かを促す。 (局長)「けんさん、何か言う事があるんちゃいますの?」 (けん卿)「え、あぁ。」 (局長)「お知らせがあるんでしょ。」 (けん卿)「そやな、今言うとくか…。えーっと…」 (閣下)「かんぱ~~~~い♪」 (他一同)「かんぱ~~~~~~い♪」 (けん卿)「カンパーイ…。」 かくして宴会は始まれりw で、しゃぶしゃぶの作法って? 煮え立つ鍋を前に皆の動きが一瞬止まる、そして誰かが言った。 「とりあえず突っ込んでまえw」 こうなれば、しゃぶしゃぶなのか水炊きなのか分からないwww むしろ 鍋+野菜+フグ=てっちり?w 肉…肉はどこいった? つか、ウチの皿にもう料理がっ!Σ( ̄□ ̄ 煮えたての白菜にフグの唐揚げ…。 「アンレさん、がんばって下さい。」 SEIJI卿ぉぉぉ…うちゃ血の涙を流しそうだ…。 事前に勅命を受けそうな人をリストアップして対処してきたつもりだったが、思わぬ伏兵がここに居たww ONしてなきゃ手を回せんじゃないかっw さすが策士ら局長…この手があったか…(汗 じわりじわりと真綿で締め付けられるような包囲網を感じながら、宴は進んでいく。 野菜で腹を満たせてやろうという店側の陰謀を感じつつも、確実に山盛り野菜が減っていく。そこへ局長がなにやら封筒を持ってきた…。 その中には1通のメッセージが。 皆で回して読んで見る。 そしてよくよくジックリと読んでみると…最後の〆が「~Su ^-^」 「あぁっ!」 今、ウチの脳内でドーパミンが大量発生www まさか、こういう洒落た事をするとは思いもよらなんだ♪ シナ嬢、粋な計らいありがとうね♪ しかも1品追加(刺身)を追加してくれてたとは…感謝の極みです^^ 楽しい時間を過ごしつつもウチにとっちゃ何かが足りない。 宴会開始直後に局長から渡されていた飲み物リストを凝視する。 (アンレ)「局長、燗いける?」 (局長)「いけるんかいな?」 (アンレ)「前はいけた。」 (けん卿)「熱燗がないとアンレが暴れるからな」 なにそれw 過去7回のOFF会で熱燗があったのは1度きり。 しかも、その1回ってのは今回と同じお店だしw っと、思ってたらキタ━━━(゚∀゚)━━━ッ! 魅惑の熱燗♪ これがあれば、うちゃOK♪ ひろっち卿、ウォル卿と共に何合空けたか…w 常に3本のお銚子が並べられていて、まさに至福♪ っと、皆が和やかに鍋をつついている傍で1人閣下の皿だけは妙に綺麗なまま。 (ルカ)「閣下、食べないの?」 (閣下)「ワシの皿は肉専用!」 きっぱり言われては周りが頑張るしかないねwww そうしている内に時刻は7時前に、そこへフラッと部屋へ入ってきたのがレナータ嬢。 (レナ嬢)「遅れました~。」 変わらず元気いっぱいですなw (レナ嬢)「アンレさんご無沙汰してます。で、食べてます?」 (アンレ)「なっ。Σ( ̄□ ̄;)」 久々の宴会で第一声がそれですかっw なんかウチに食べさせるのがOFF会のイベになってないですか?w 今回はウォル卿―けん卿―SEIJI卿のジェットストリームアタックが手加減無用とばかりにウチの皿を攻め立ててくれてます…。 いぁ、まじキツイ… 今日の猛攻から比べると、過去の勅命はさり気なく気を遣ってくれてたのだと今よりも過去に感動してしまうw 大方の野菜が片付いた所でいよいよ本命のお時間になる。 「肉、いれてまえ!」 ウチの知ってるしゃぶしゃぶ像ってのは、透き通ったダシの中を薄切りにした肉が優雅に泳ぐ姿。 しかし今、目の前に広がる光景は…寄せ鍋?w とりあえず、しゃぶしゃぶしたっぽい肉を胡麻ダレにつけて1口…ウマッ! でも、すでにウチの胃は90%満席状態… ウチ1人が何かの限界と戦っている間も部屋は尽きぬ話題に大盛況。 そんな話題の抜粋すると。 ―プレイスタイルの話題― (閣下)「言語ないとキツイわな。」 (ひろっち卿)「そうですね。冒険とかだと必要だし。」 (閣下)「それもそうやが、艦隊組む時とか不便やねん。」 (ひろっち卿)「え?」 (閣下)「艦隊組む時、共通言語がないと勧誘できんねん。」 (ひろっち卿)「知らなかったw」 (閣下)「ウチの商会、どんだけソロ志向やねんw」 ―フットサルの話題― (アンレ)「で、けん卿って点を決められるん?」 (SEIJI卿)「決めますよ。」 (レナ嬢)「普段上がらないから、皆優しいですよね。」 (SEIJI卿)「。普段GKですから上がったらけんさんにサービスしますよw」 (閣下)「でもな、けん君が上がったらワシは下がってるで。」 (SEIJI卿)「ははは、閣下。べったり下がってますね。」 (閣下)「だってコワイもんw」 (ルカ)「そか。けん卿ってMなんやね。」 (けん卿)「え?」 (ルカ)「だって怒られたいんやろ?w」 一同大爆笑 ―アニメの話題(アンレの正体)― (局長)「ガンダムとか話題になったりするんやわ。」 (SEIJI卿)「俺、今より昔の方が詳しかったりしますよ。ヤマトとかガンダムとかw」 (アンレ)「ぬるい、相手はヤマトなのだ本土決戦なのだ!」 (局長)「ヤマトは再放送があったさかい、見てる人多いね。」 (SEIJI卿)「俺は再放送で見ました。」 (アンレ)「そーいや、松本零士の話題で思い出した。」 (局長)「ん?」 (アンレ)「昔、局長に『トチロー』に似てるって言われた事があったな。」 (SEIJI卿)「あはははははははははっ!(爆)」 (アンレ)「必死でユーチューブで動画探して納得したわw」 ―プレイスタイルの話題(閣下の素顔?w)― (閣下)「おぃ、アンレ。また謎解きイベやらんか?」 (アンレ)「ネタはあるけど、やりたい?」 (SEIJI卿)「アンレさんの難しいですからね。」 (アンレ)「こっちはヒント出す気満々なんだけどね。」 (レナ嬢)「出航所のまま、リアルでメモしてますもんw」 (アンレ)「皆無言になっちゃうしw」 (SEIJI卿)「まじでメモしてますからねw」 (閣下)「でもな、こういうイベでもやらんと皆集まらんからなw」 (ルカ)「なるほど。閣下ってウサギさんなんやね。」 (閣下)「?」 (ルカ)「寂しくて死んじゃうタイプなんよね?w」 一同大爆笑 これらの他にも終始笑いの絶えない、いぁ寧ろ笑いっぱなしw。 BCの話題や、閣下に対する気配り(ジュース差し入れ)の話題など、盛りだくさんだったw 細かな臨場感を伝えきれないのがツライ所だが、参加できなかった他メンバーの皆様、 次回こそは参加を前向きに検討されてはいかがでしょうか?w 煮詰まった鍋にダシを足しつつ食べて飲んで喋って喋って飲んで食べる。 そうしてあっと言う間に1次会の幕時間となった。 ぞろりぞろりと部屋を出る。 そんな一行を寂しく見送ってくれたのは、部屋に設置されていたカラオケマシーンだった。 正面に堂々と設置されているにも関わらず、宴会中は誰も見向きせずお開きとなった。 恐らく今回のOFF会でイチバン不完全燃焼に終わったのは、ずっとPVを流し続けた彼だっただろうねw 見せの外は昼間の陽気をそのまま受け継いだような暖かさで、冬の名残すら感じられない。 ケータイを覗いてみると何やら受信してる。1次会会場は圏外という事もあり遅れた受信になったが送り主はエル子からだ。 今回は残念ながら参加できなかったが事前にメアドを頂戴していたので、今回はメール参戦と相成った。 そんなメールの中に気になる一文が…。 「次回参加したら、閣下と航海で一緒になったとき緊張しないぐらいに閣下の秘密を握りたいですww」 閣下、ご指名ですよwww まだまだエル子からしてみるとコワイ存在のようで…w でも、実際に会ってみると必ずイメージは変わります、「参加したら」ではなく参加しませう♪ まだまだ宵の口という時分なだけに、一行は1人も欠ける事無く2次会会場へ向かう。 とは言うものの、予約を入れてるのではなく「特攻」ですw あまり歩きすぎるとモチベが下がるんで、目に付いた看板を口に出しながら局長をそそのかすw そして、幾らもあるいていないところにある「酔虎伝」というお店へ。 客引きの店員が「客げっつ♪」の顔になってたが、さすがに10名という数に急いで内線を飛ばしていたwww (店員)「今、空けますんで…」 勧められるままにエレベーターへ乗り込んでみる。 意気揚々と降りてみたものの、先客の片付け(客含むw)がまだ終了していなかったw 数分の後、ようやく席に通されたが幸運な事に個室♪ (局長)「飲み物は?」 (アンレ)「燗×2w」 ありがたや、ここにも燗があった♪ 今回のOFF会は素晴らしすぎるwww 2次会の席順はこんな感じ。 (閣下)(ルカ)(剛田卿)(けん卿)(ひろっち卿) □□□□テーブル□□□□□テーブル□□□□ (アンレ)(ウォル卿)(SEIJI卿)(レナ嬢)(局長) 端っこに座ってしまったので反対側の会話が上手く聞き取れなかったが 様子を窺うとガッツリと料理を注文してたw 一方コッチ側はと言うと、付け出しの枝豆をチビチビやりながら専ら海事談義w 特に海戦についてウォル卿が熱く語っているw ウチは海事・海戦については語る資格がさほど無いんで、エル子への返信ともう1通メールを送信する。 運がよければ何らかのレスが来るはず…。 22時41分。 テーブルに置いていたウチの携帯が静かに振動する。 キタ! (アンレ)「もし~。おつかれさん♪」 (クラ卿)「あはは。こんばんは、クラです~。」 変わらない陽気声が響くw (クラ卿)「今、仕事を終えてですね。戻ったところです。」 (アンレ)「そかそか。今なら誰とでも話せるぞ。誰と話したい?」 (クラ卿)「えっと。そうですね、じゃ、アンレさんと…」 (アンレ)「そうか。閣下と話したいのかw待っとれwww」 っと、華麗に閣下へ電話をパス♪ それからぐるぅぅぅ~~~~~~~~~~~~~~~~~っと時計回りにウチの携帯がリレーされる。 ただチョット気になるのは電池…2目盛しかないので長話厳禁ですよw 皆、思い思いの会話をこなしウチの手元に戻ってくる。 クラ卿も古参メンバーの1人として、いずれ酒席を一緒したいもんだなw そうそう、その時のお土産は流行りの生キャラメルでww お土産の対価として生閣下と生アンレと酒が飲める権利をプレゼントだ♪ ウチの危惧した通り、クラ卿とは色々と話しをしたかったが電池がチョーピンチになったのでやむなく次回までのお預けという事にして電話を切る。 ウチとウォル丼はそろそろ酒が回ってきて良い感じになってきた。 が、反対側はまだまだ食欲旺盛状態w 中間に位置する剛田卿は4連続飲み会の4日目という事で少々ヘバり気味…。 そいや1軒目もひそかに飲んでたなw しかし、さすがと言うべきか、そんな剛田卿をそっと放置し、注文→完食を繰り返す反対側…その生暖かさがイイネ♪ そんな光景を眺めつつメンバーをぐるりと見渡してみる。 …ひろっち卿、何種ちゃんぽんしても顔色ひとつ変わらないのね; しかも「まだまだいける。」っぽい余裕の表情がスゴイ…w チラリと時計をみると23時01分。 そろそろ終電の文字がチラついてきた所で心を余しながらも第8回GLオフ会は閉幕となった。 エレベーターを降りた所で記念撮影を1枚してもらい、皆帰途へつく。 ウチとルカは店からスグのホテルなので、何ほども歩かずに皆と別れる。 確かウォル卿も同じホテルだったと聞いていたが、笑顔満面のウォル卿は爽やかに手を振ってウチ等のお見送りをしてくれたw ホテルへの道は筋を1本渡るだけw ただ真っ直ぐには向かわずに道路向かいにあるコンビニへと向かう。 迷わず「ウコンの力」と水1ℓ、そして散々食べさせられたんでオマケの「キャベ2液」を購入するw 部屋へと戻ると空気清浄機のスイッチをON♪ 上着をハンガーへ掛けようとすると、そこには以前になかった「リセッシュ」が! これは有りがたいw 0次会で着ていた上着から先ほどまで着用していた服を並べて「これでもかっ!」と吹きかける。 その後、熱めの風呂で汗を流し今日の出来事をメモしようと机に向かうが、結局2・3行で諦めた。 コンビニで購入したドーピング剤2種をチャージし、ぼんやりとTVに映る古い「金田一耕助シリーズ」をぼんやりと眺める。 そして明日の予定を立てながらベッドへ横になると、じわりと効きはじめた日本酒の鈍い酔いがいつの間にか両目を閉じさせようとしている。 気付けば朝起きてから22時間が経とうとしている…おつかれさまwww ―あとがきー いやはや、今回は色んなモノを堪能・満喫させていただきました。 スロ 投資 水炊きw 熱燗 ネタ 今回で第8回となるGLオフ会、毎度違った楽しみを味わってます。 それに皆が変わりなく元気そうでなによりでした。 もっとキッチリとメモを取れば細かな所までUPできるんですが 自分が楽しむ事にメモ取りを忘れてしまい、結局記憶を頼りに書いてるもんで 微妙なところが伝わってないかも…(汗 「良く分からない」って方が居られましたら、次回OFF会(夏開催予定)への参加を前向きに検討してくださいw 宴会に参加された方、メッセージをくだすった方、メール参戦に電話参戦してくだすった方、お疲れ様でした^^ そして、ら局長、幹事役ありがとうでした。 最後にけん卿へ、5月に人生の慶事を迎えるそうで、心よりお喜び申し上げます♪ (大阪満喫録 完)
https://w.atwiki.jp/tunderesure/pages/335.html
330 :トライアングル☆ツンデレ・お嬢様よ何処へ行く①:2010/12/19(日) 00 09 47 ID jWzeB7fp イギリスから来たファティマお嬢様が我が家に来て数日が過ぎた・・・兎に角ほんとーーーに、何もやらない!それに超ワガママだ! 食事の時も午後のアフタヌーンティーの時も常にジェイクが給仕をしている。 後片付けも全部ジェイクがやる・・・ジェイクは大使館のSPじゃないか?ってーー実はジェイクはお嬢様の父親レコンキスタ卿の肝入りで大使館に派遣されたらしい。 元々はレコンキスタ家に仕えていた身分だった様だ 一度頭にきて 「日本の皇室でも海外に留学すると自炊したりするとゆうのに、召使い付きで留学するバカが何処に居るか!」 って怒鳴ったら 「皇室?あ~あ・・テンノウの事ね!猿のキングとワタシを一緒にしないでちょうだい!」 て吠えたから一瞬殴ってやろうと思ったら、ジェイクが僕の袖を引っ張り奥へ連れて行き 「もうしわけありません・・・お嬢様は奥様が亡くなられてからレコンキスタ卿が溺愛し過ぎて・・それに気付いた旦那様が今回の留学を思い付かれたのです。 只娘を思う余り過保護に成るのです。 旦那様もお嬢様も内心は寂しいんです・・・どうか生暖かく見守ってやってください」 と頭を下げるものだから 「あんた、良い人だな・・・」 って言ったらジェイクは苦笑いしてた。 後お嬢様は夕食とお風呂はイギリス大使館を利用する。 何故かって?思い出すのも嫌なんだけどな・・・ 初日お嬢様の歓迎会とゆうことで姉さんが腕によりをかけた料理を振る舞ったが お嬢様は料理を一瞥すると 「猿の残飯は食べれない!」と言い出した 流石に姉さんがキレないかビクビクしていたら、ジェイクが見るにみかねて 『お嬢様!ジャパンの諺に“郷に入ったら郷に従え”と言う教えがあります!もう少し謙虚に成られてわ・・・』 ってたしなめたら 『ワタシは十分謙虚よ!それとねジェイク、ワタシが首部を下げるのはお父様と女王陛下だけよ!ジャップになんかごめんだわ!』 と英語で口論している・・・あの・・お二人さん、ココに居る我々は全員英語が分かるんですけど・・・と後でジェイクに教えたら蒼く成ってたな・・ で、肝心の姉さんだがキレる訳でもなく「お人形さんの接待係はユウ君何だからあんたが責任を取りなさい!」 って二人分の料理を僕に押し付けて知らん顔・・親父は相変わらずヘラヘラと愛想笑いを浮かべて傍観者を決め込むし最悪だ! 更に風呂場は修羅場に成った・・・・ 331 :トライアングル☆ツンデレ ◆WXGiSVZK0w :2010/12/19(日) 00 13 50 ID jWzeB7fp 更に風呂場は修羅場に成った・・・・ ファティマお嬢様は日本の風呂は気に入ったみたいだったが兎に角長い!三時間近く入ってる!しかもお嬢様が入浴中はジェイクが浴室のドアの前で見張ってる ものだから家族は洗面所も利用出来ない 流石に姉さんは合気術の練習後で風呂に入りたくてイライラしてたのか、速攻でジェイクをチョークスリーパーで気絶させ 風呂場に乱入してた。 風呂場から「キル!ユー!」とか 「イエローメスゴリラ!」 とかの叫び声が聞こえてきたが僕は聞こえない振りをした。 その後風呂から上がった姉さんに「お嬢様はどうしたの?」 って恐る恐る聞いたら 「明日の朝まで大好きな風呂に入ってるんじゃない」 と涼しい顔だ・・・翌日から何故かお嬢様は姉さんの前だけでは大人しく成ったけど・・ トラブル後お嬢様は朝食と昼色とアフタヌーンティーはイギリス大使館御用達のホテルから出前を取り夜はイギリス大使館で夕食と入浴を済ませて家には寝に帰るだけの生活に成った。 こんな事なら大使館で生活した方が良いのではと想うんだけど・・・ 明日から連休も終わって学校が始まるけど送り迎えは大使館の車でジェイクがすると言うが学内は流石にジェイクも入れないし僕に面倒を見れと言う・・ 332 :トライアングル☆ツンデレ ◆WXGiSVZK0w :2010/12/19(日) 00 19 52 ID jWzeB7fp 明日から登校拒否をしたい気分だ。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 「ふあぁぁぁーー!!・・・昨日はよく眠れなかったなぁ~~」 ジリリリリ~ンとけたたましく鳴り響く目覚ましのベルで飛び起き、ベットで思いっ切り覚醒の為の背伸びをする・・憂鬱な朝がやってきたのだ。 僕はそのままのろのろと着替えると洗面所へ直行し洗顔を済ませ、朝食を食べる為食堂に入った。 「おはようユウ君、相変わらず朝は弱いわねぇ~」 と開口一番まだエプロンを付けている。姉さんに声を掛けられた 広く長いダイニングテーブルの上座、中央正面にお嬢様が座っていた。 後ろにジェイクも居る・・僕は姉さんにおはようの挨拶を返しジェイクとお嬢様にも“おはよう”と声をかけた。 ジェイクは「おはようございますユウイチロー」 と挨拶を返してくれたがお嬢様は黙って縦に首を振るだけだ。 まあ、別に期待はして無かったけど・・お嬢様の朝食はいわゆるイングリッシュ・ブレックファスト「ソーセージ、ベーコン、目玉焼き、トースト、焼きトマト、豆、マッシュルーム」 ジェイクによれば朝食も伝統的と言えば聞こえはいいが、お決まりのものとなっていますとの事。 横に居た姉さんに「早く食べないと遅刻するわよ!」 と言われたのでまずは朝食を片づけることにした。 僕が何時ものペースでそそくさと食事を食べているとジェイクが驚いた顔をしている・・イギリス人はどうやら食事はのんびりの様だ。 朝食を食べ終えて皿を台所に持って行き姉さんから弁当をもらって登校の準備を終えて食堂に戻ると、まだお嬢様はモーニングティーなどすすってる。 「いい加減登校の準備をしないと初日で遅刻するんじゃないか!?」 と一言忠告してあげると、ジェイクがにこやかに「車で行けば五分とかかりませんよ」 などと説明してくれたが横からお嬢様がジェイクに「ジャップに余計な事は言わないで!」 って釘をさして、碧眼を細めてこちらをチラ見した後、手を横にヒラヒラとしている・・・どうやらシッ、シッと追い払ってる仕草の様だ 僕は付き合いきれないのでそのまま登校する事にした。 ちなみに姉さんはこちらのやり取りは全く興味が無い様で大学に行く準備をしていたし親父は早出とかで朝から居無かった。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 333 :トライアングル☆ツンデレ ◆WXGiSVZK0w :2010/12/19(日) 00 22 38 ID jWzeB7fp 家から出るとデカい溜め息が一つ・・このまま、あのワガママ捻くれお嬢様を僕はフォローしきれるのだろうか・・・ 先ずあのお嬢様の性格からして必ずクラスでは浮きまくる、あ・・今回は特別措置とかで僕のクラスに編入する事は決定事項だとジェイクが教えてくれた。 僕は一般人だしSPでは無い・・・このままだと、こちら迄虐めにあうじゃないか!ってジェイクに抗議したら 「まあまあ、日英友好の為ですから・・・」 と苦しい言い訳をしていたが・・・まさか、本当に外交問題迄発展するのか!僕では荷が重すぎるぞ・・・等と考えていたら筋道から“顔見知り”が出て来た。 何故あえて“顔見知り”と強調したかとゆうと、チト因縁の有る相手だからだ・・ 彼女は秋月舞、別名“紅毛の舞”通り名の示す様に肩までのセミロングの髪の毛は全部真っ赤だ、元々赤みがかった髪を染めてるらしい、後制服のスカートはやや長めで リボンは外してる・・・分かり易く言うと一昔前のヤンキーかな!? ウチの学校は一応進学校だし彼女はかなり目立っ存在だ、オマケに華奢な身体に左頬に目立っ傷・・この傷に関しては僕も関係が有るのだがまた次の機会にでも語ろう。 そして傷の有る無しに関わらずハッとする美貌、全く笑わないし氷の様な美しさか・・・ 更に彼女の名を近隣に轟かせたのは暴走族相手に女単身で喧嘩を売って無事に生還出来た事か。 334 :トライアングル☆ツンデレ ◆WXGiSVZK0w :2010/12/19(日) 00 27 45 ID jWzeB7fp しかも生還出来ただけではなく、火炎瓶と灯油缶で暴走族三十人をビビらせ・・あわや大量虐殺犯に成るところだったとゆう 昔は可愛かったのになぁ~・・・ってゆうか元僕の幼馴染みだ ある事がきっかけで僕とは全く口をきかなく成ってしまったが僕は今でも幼馴染みだと想っているのだが・・・ 「舞、おはよう!」 一応挨拶はする!だって昔からの顔馴染みだもん。 「・・・・・・・・」 舞はこちらを氷の様な目でチラ見するが勿論挨拶を返したりしない! 只一つ「チッ!」と舌打ちすると憎悪を込めて僕を暫く睨みつけた後足早に消えていった。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 教室に着き自分の席に座る。 まだホームルームの前なので彼方此方でクラスメートの話し声が聞こえるのだ。 例えば横でギャル系の黒河の集団が合コンの成果を馬鹿笑いしながら話したり、後ろではオタク集団のエロゲー談義が聞こえたり・・・ それらの話し声を目を瞑りバードウオッチャーのごとく耳を傾けてると川上が早速僕に近寄って来た。 「なあ・・斎藤君耳寄りの情報を聞きたくないかね」 別に聞きたくは無いがコイツとは腐れ縁だし時々有益な情報も提供してくれるから無視は出来無い。 「何だよ、勿体ぶるなよ」 とめんどくさそうに聞くと、含み笑いを漏らしながら川上が 「実はな今日イギリスから留学生がこのクラスに編入してくるようなのだ」 やはりその話か、ただ彼に彼女が家でホームステイをしている事をバラすのは得策では無い。 いずれバレる事だが鬱陶しい話は後回しにした方が精神衛生上得策だろう。 「ウチが外務省なのは知ってるだろう?別に外国人なんか珍しく想わないよ」 と答えると川上が何にも分かってねぇなぁ~みたいな顔をして 「それが今度来る留学生って言うのがすんごい!美人と言う事実が判明したのだよ」 「へ~そうかい」 とやる気の無い返事をすると川上は不満そうに 「君は相変わらず女の子に関する話題は素っ気ないネェ~もしかしてBLなのか?」 BL?ボーイズラブ・・・こいつとんでも無いことを言いやがる! 「ーーっ・・あのなぁああ!」 と僕が思わず立ち上がると“ガラガラ”と扉が音をたてて開いた。担任のミセスが入ってきたのだ。 ミセスは、三村聖子というのだが、英語の教師で、最近アメリカ人と結婚したのだが。 名前とそのことから誰とも無くミセスというあだなになっている。 335 :トライアングル☆ツンデレ ◆WXGiSVZK0w :2010/12/19(日) 00 30 59 ID jWzeB7fp 「おはよう、みなさん。今日は新しいお友達を紹介します。さあ、君、入ってきて」 ミセスの声とともに、人影が教室に現れ、……男子のどよめきがわき上がった。 女だと聞けば直ぐに浮かれやがって。 「じゃあ、まもなく授業だし、簡単に自己紹介をしてちょうだい」 教壇にたった金髪女生徒にミセスはそれだけを言うと、椅子にどっかりと座り、 自己紹介に目もくれずノートを取り出した。 「ごきげんよう、ワタシはイギリス候爵家レコンキスタ卿の長女ファティマ・F・レコンキスタといいます。 現在そこにいる斎藤裕一郎宅にホームステイしています。 ワタシはめんどくさい事は嫌いなので細かい事は全部彼にきいてちょうだい!」 その時クラス中の突き刺すような視線を感じた。ゲッ!やらかしやがった・・そんな事言ったら注目されるだろうがバカお嬢が! ハリウッド女優以上の金髪美少女が貴族の娘でそれが流暢に日本語を操る様は強烈なインパクトを感じさせたのか、クラスの男子から僕に殺気が送られた。 (極悪な本性を知らないくせに・・・しかし、ミセスは相変わらず無表情だ。) 「ということで、みんな、彼女をよろしくね。じゃあ、レコンキスタ君は斎藤君の隣の席に座ってね。 さて、それでは授業を始めるわよ」 ブーイングが男子から起こったがミセスが立ち上がって教卓の前に陣取ると静かに成った。 ミセスを怒らせるとタダではすまない事もあるが、授業中は一時の平穏だった。 休み時間はお約束のようにクラスメイトが、お嬢様を囲んだ。 僕はというと海老蔵のごとく釈明記者会見を開かなければならなかった。 とゆうのもお嬢様が 「うるさいわねぇ!細かい事は斎藤裕一郎に聞けっていったでしょ」 なんて全部お鉢を回してくるものだから・・・ あんまりお嬢様が高飛車な態度をとるものだから早くも周囲から“感じ悪い~”って声も聞こえ始めてきた。 そしてよせばいいのに川上が 「斎藤君との関係は?」 ってバカな事を聞くものだから、お嬢様が激怒して 「ジャップとの関係?はん!笑わせないで!所詮猿と人間よ!」 何てぬかしやがるから、一気に周囲の男子がドン引きして、人波が引いていった。 オワターーー僕の学校生活・・・すると横からギャル系の黒河彩が口を挟んできた。 黒河は舞と違った意味で目立っ女生徒だ。 短い髪は色合いはカラフル、悪く言えばケバめな印象を受けるもの。 336 :トライアングル☆ツンデレ ◆WXGiSVZK0w :2010/12/19(日) 00 33 56 ID jWzeB7fp 顔立ちはよく見れば可愛い男好きしそうな雰囲気だ。 しかし、校則ギリギリ、いや、おそらく違反しているであろう口紅やアイメイクの濃さが目についた。 一説によれば売春万引き、援交何でも有りで黒い社会の交友の噂も有る危険人物との事だ。 まあ、全部川上の受け売りだが・・・ 黒河はニヤニヤ笑い、お嬢様の肩に気安げに手を置いてガムをクチャクチャ噛みながら耳元で囁く。 「ウチのクラスの男子全部ダサいし~・・・」 お嬢様は横目で黒河を睨み付ける。 「そんな恐い顔してたら男が寄りつかないよ~ それよりさ~ 今日合コンがあんだけどさ~・・・」 俯きながら黒河の話を聞いていたお嬢様は顔を真っ赤にしていきなり立ち上がると黒河を突き飛ばした。 「無礼な!ガムを噛みながらワタシに話かけるとは・・・その香水臭いも反吐がでる。メス猿は二度と近寄らないでちょうだい!」 と啖呵を切った。 黒河は直ぐ隣の席の僕とぶつかり尻餅を着くが怪我は無い様だ。良かった・・・ 転けた際超ミニスカの隙間からピンク色の下着が見えたが、今はどうでも良い。 そして直ぐ立ち上がるとサッと顔色を変えて低い声で呟く。 「このクソ外人何様~ もうやっちゃうか~」 と掴み掛かろうとしている。 周囲も“やれやれ!”とか“日本人が嫌いなら帰れ”とか殆どが黒河の味方だ こうなれば僕がやる事は一つだ。 僕は席を蹴飛ばす様に立ち上がり床に両手を着くと深々と頭を下げた。 ようは土下座だ。 「彼女は日本に来たばかりで、まだ慣れて無いんだ!すまん!」 流石に土下座迄されてはとゆう雰囲気に成ったのか、黒河も周囲も気が削がれてしまったのか、お嬢様に非難の目を向けながらも何とか引いていった。 お嬢様は「余計な事をしないでちょうだい!」 と僕に言っていた様だが疲労困憊していた僕に反論する力は無かった。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 337 :トライアングル☆ツンデレ ◆WXGiSVZK0w :2010/12/19(日) 00 37 39 ID jWzeB7fp その後何となく気不味い空気がクラスの空間を漂っていた。 お嬢様は昼食は学校で食べず大使館に行った様だ。まあ、特例を無理やり押し込んだ事は想像出来るが、僕としては彼女に係わると神経が磨り減るので助かるくらいだ。 川上が「君も大変だな」 って慰め?の言葉をかけてくれたが、今の僕にはどうでも良い事だった。 そして事件は午後三時時過ぎ日本史の授業中に起こった。 日本史の担当は林とゆう気難しい、うるさ型の教師だ。川上によるとネトウヨじゃないか?との話だが・・・ その林の授業中に、いきなりお嬢様が席から立上がり教室を出て行こうとしている。 それを見た林が眉間に皺を寄せて咎める。 「レコンキスタ君何処へ行くのかね?勝手な退席は許されないよ!」 お嬢様は林の言葉を全く気にする風でも無く 「アフタヌーンティーの時間ですので・・・本校はその様な施設が無いと聞いたので退席するのです。」 おいおい、今度は教師に噛みつくのかよ!勘弁してくれよ!僕は内心頭を抱えてしまった。 周囲も唖然としている。 林は更に厳しい表情で・・・ 「ここは、日本だ郷に入れば郷に従えだよ!レコンキスタ君!」 お嬢様は何を言ってるの?みたいな顔をして 「我が国イギリスは伝統文化を重んじる国で、ワタシのいた学校もキチンとアフタヌーンティーの時間は有りました。 しかしジャパンは何から何まで規律で個人の意志を尊重しない・・・だから三流国なのですよティチャー」 それを聞いたネトウヨ?林は激怒した。いや周囲の全員が・・・(当たり前か) 「日本文化を理解しないで留学とは笑わせる・・・レコンキスタ君キミは祖国に帰った方が良い!帰れ!」 林の言葉に同調する様にみんな一斉に“帰れ、帰れ”の大合唱だ。不味い、本当に不味い! 僕は慌てて席を立ち上がるとお嬢様に駆け寄りその腕を掴み・・・ 「お嬢様、いやファティマ!ここは先生とみんなに謝った方が良い、僕も一緒に謝るから・・」 と必死に懇願した。 周りから“そんな奴を庇うな!”と罵声を浴びせられたが僕は必死だった。 しかしお嬢様は・・・ 「ジャップ!ワタシを呼び捨てにしないでって言ったでしょ!」 と僕の腕を振り払う。もう、ここまでだ・・・ 「いい加減にしろ!」 パシーーーン!! おもいっきり彼女の左頬を張る。僕は産まれて初めて女性をひっぱたいた。 338 :トライアングル☆ツンデレ ◆WXGiSVZK0w :2010/12/19(日) 00 41 17 ID jWzeB7fp お嬢様は最初何が起こったのか分からない様な表情で左頬を押さえていたが、次第に目に涙を溜めて 「バカーーーッ!みんな嫌いよ!」 と叫び、僕を思い切り突き飛ばすと教室を飛び出てしまった。 二メートル位吹き飛ばされて呆然と倒れたていた僕を川上が、やれやれといった感じで助け起こしてくれると。 川上は僕に一言。 「斎藤君、彼女を追いかけなくて良いのかい?」 教師もクラスメートも僕の次の言葉を待っている様だ。僕は・・・ 「良いんだ、校門にはSPが居るはずだし心配は無い。彼女は帰国する事に成るだろう・・」 そう自嘲的に言うのが精一杯だった。 ーーーその後職員室に呼び出され、取りあえず僕から親父に報告してから今後の事を考えるとゆう結論に成った。 彼女の留学は外務省も絡んでるし、学校側も慎重の様だ。 放課後に成り川上は何処か気晴らしにでも行かないか?等声をかけてくれたが気持ちだけ受け取っておくよ、と答えておいた。 さて、家族には何て言ったら良いものか・・・と考えながら校門にさしかかると一台のリムジンが留まってる。 何故今英国大使館の車がここに?とおもい運転席の厚いフィルムの貼ってある窓をトントンと叩くとゆっくりとウインドガラスが降りてきてジェイクが 「どうしましたユウイチロー」 とにこやかに話しかけてくる。 僕は焦り気味に 「ファティマお嬢様は!?」 と尋ねると 「ここにはまだ来てませんが・・・ 一緒じゃ無かったんですか?」 と答えるものだから僕は簡単に今日トラブルが有ってお嬢様が教室から飛び出した事を話した。 ジェイク話を聞き、驚いて青ざめた顔をしたが、やる事は一つだ。 「ジェイク、取りあえずお嬢様は家に帰ったのかもしれない、後大使館や空港とかを探して来てくれ! 僕は繁華街の方を探してくる!」 と僕が言うとジェイクも・・・ 「分かりました、何か有りましたら必ず連絡してください」 と言うなり急いで車を発進させた。 僕は街中を全力で走りながら無事で居てくれ・・・そう願うだけだった。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ トライアングル☆ツンデレ・お嬢様よ何処へ行く①終了
https://w.atwiki.jp/silly05/pages/51.html
~Q,町田vs秦野ではどっちが優勢なの? A,何にせよ霧島 (チゲ戦記2)~ 日を追うごとにあの日の記憶が薄れています。 今日の晩御飯を覚えているだけで精一杯なのですが、今宵も頑張ろうと思います。 ちなみにこうたくんにはタンクトップと七分丈のカーゴパンツを貸したのを覚えています。 どっかの金髪露出狂みたいですね。 グツグツと音を立てる土鍋内のチゲ。 霧島「実は久しぶりに米と言う物を炊いたので、極端に硬いか柔らかいか、だと思います」 おれ「久し振りって・・・・お前普段何食って生きてんの?」 霧島「霞を少々」 どうやら霧島は今生を捨て仙人になったようだ。 仙人なら米炊かないから仕方ないな。 肝心の米は固めで、実に俺好みの炊け具合だったそうな。 町田「そう言えばチゲってオヤジに出来るんだっけ?」 おれ「・・・・・・・・・・できるだろ、たぶん」 霧島「町田、お前いい加減にしろよ、マジでグー入るぞ」 町田「何だよ!出来ないの?出来るの?」 こうた「オヤジだってさ!ププー!錬金術でも無理だろププー!」 秦野「こんなの放っておけ」 一同「「「それもそうだ」」」 町田「ああ・・・この感覚、この感触、久し振り・・・ッ ハァハァ」 本気で救いようがない。 リビングの四角いテーブルに、上座霧島、俺とこうた、と分かれてしまったので 自然と秦野と町田が隣合うと言うシステムになってしまった。 いや待て、これは孔明・・・・・霧島の・・・罠か!? 霧島「町田てめえ!のっけからモヤシ入れるバカがどこに居んだよ!ええ!?」 町田「なんで?何で入れちゃいけないんだよ!」 霧島「水が出て薄くなんだろ!このドMが!無痛症の人間ですら怖がった爪剥ぎでもやってろ!」 こえーな。 しかし正しくは、ナイフや剣を体にさしても死ななかったと言う過去の偉人の話だった気がする。 その男はどんなにムゴイ事をされたって怖くなかったらしいが、 ただ一つ、拷問の一種である爪剥ぎだけは怖くて痛くて仕方がなかったと言う。 腹に剣を何十本と刺されても死なず恐れずだった男が、唯一怖がった爪剥ぎ。 しかしチゲ戦記とは全く関係ない。しかもうろ覚えである。 こうた「霧島くん、ジュースもらうよー」 霧島「あ?ジュース?いいよ飲めよ」 10分後気付いた、それはジュースじゃないんだ。 缶チューハイなんだよ、こうたくん。 しかしなぜこういう時に限って、普段飲まない缶チューハイなんて置いてるんだよ霧島。 霧島「実家にあったから」 窃盗罪で捕まってろ!! 美味しいご飯一杯分を腹に収め、宴会が始まる。 (腹に食い物を入れてから飲むのは、嘔吐や悪酔いを防ぐための自己判断) こうた「らっちゃんのね、らっちゃんのね」 霧島「誰だよ」 こうた「らっちゃんだよ!」 霧島「誰だよ!」 町田「しょーりゅーけん!しょーりゅーけん!」 秦野「や、やめて!」 町田「しょーりゅーけん!と見せ掛けての三塁への牽制!!」 秦野「意味がわからん!やっとられん!辰彦酒持ってこい!」 おれ「お前もう十分飲んでんじゃねえか!こうた!霧島に絡むな!」 こうた「ビールは苦いから苦手、あとらっちゃんの飲むコーヒーも苦いから[ピーーー]」 霧島「そうだ辰彦は腹を切って死ぬべきだ」 おれ「唯一神はどっか行ってろ!コーヒーを侮辱する者こそ腹を切って死ぬべきだ!」 霧島「イエーイ!又吉見てるー?」 こんなんだったと思う。 町田「これが四の字固めでしょ?」 こうた「ギャー!!いてええええ!」 町田「それでこれが・・・・卍固めと見せ掛けての秦野への突進!!」 こうた「痛い!!俺巻き込んでる!痛いよ町田くん!」 ドカーン 秦野「ウワアアアア!!」 ガターン 騒がしいなお前ら。 町田はこうたをお気に召したようだ。 町田「たっちゃん、弟が居たらこんな感じ!?」 おれ「そうだよ、こんな感じだよ」 町田「そっかー!俺姉ちゃんしか居ないから!姉ちゃんしか居ないから解らないから!」 おれ「そうだね、わかんないね」 町田「うん!でも弟なんだ!そうなんだぁ!じゃあ脱がせていいんだよね!」 おれ「それはきっとお前のドMとしてのプライドが許さんだろう」 町田「・・・・・・貴殿のお心遣い大変傷み入った。貴殿の仰るとおりである、極度のマゾ、拙者のその部分がその様な事許す訳もあるまい」 こうた「じゃあなに?なんなの?俺に脱がせって言うの?町田君の服脱がせって言うの?」 町田「願い聞き入れて頂けるだろうか」 こうた「いやに決まってんじゃんか、町田君頭おかしいよ」 町田「高校生に頭おかしいって言われた!!すげえショック!!!俺が秦野だったら切腹してるレベルだろ!」 秦野「俺関係ないじゃん」 霧島「そうだね、切腹だね」 おれ「ああー!ドS様とドMは今人の橋をギリギリのラインで渡っているよー!見ないようにしようねえー!」 町田「筋肉バスターって知ってる?」 こうた「俺は井村屋が好きだよ」 素面な俺と霧島、半分茹っている秦野の三人は、 少し離れた場所から楽しそうに暴れている珍獣たちを見守る。 おれ「町田って姉さん居るのか」 霧島「確か大阪○○デパートの化粧品コーナーで働いてる」 おれ「高級デパートの化粧品売り場となると、かなりの美人なんだろうな」 秦野「いやマジで美人だった。俺らの二個上だったんだけど、高校一年の時に先輩たち抜いて堂々のミスコン1位だったらしい」 おれ「すげえな!」 霧島「しかも三年連続ミスコン1位だ」 おれ「伝説の美女なんじゃね?」 そんな伝説の美女の弟が、ドMですよ。世の中どうなるか分からんもんです。 秦野「たっちゃん兄弟居るの?」 おれ「弟が二人おるよ」 秦野「弟か、羨ましい」 おれ「秦野は」 秦野「俺妹が一人。今大学四年生か?」 おれ「羨ましいな。俺の親父の代も俺の代も、全員男しか生まれなかった」 秦野「でも妹との二人兄弟だと話が全然合わんから難しい」 霧島「ああ解るわ」 霧島にも一応妹が一人居るんですよ、三つほど離れた。 秦野「こうたって、たっちゃんの親戚?」 おれ「いや全然血繋がってない」 秦野「実家隣同士とか?」 おれ「全然、実家からだったら30分近くかかるんじゃないか?徒歩で」 秦野「じゃあどうして?」 酔ってる秦野は空気を読まないんだろうか。 おれ「説明すんのめんどい」 秦野「えーいいじゃんー俺の秘密知ってる癖に!何だよ辰彦ほんと使えねえな!」 きた逆切れですよ。お前の秘密ってなんだ? 黒のポロシャツかと思えば、今日は紺のポロシャツだったってことか? おれ「中学の時、アイツの通う保育園に職場体験行ったんだよ、そう言う縁だよ」 秦野「いやそれで納得できるか?」 おれ「縁があって面倒見てたんだよ、アイツ小さい頃はプクプクしてて可愛かったんだがな、今じゃあんなだ」 秦野「へえー」 おれ「納得した?」 秦野「してない」 おれ「ああ!?なーんなんだよ今頃!幼馴染ってかもう一人の弟ってか、そんなんだよ!何だよ今更!」 秦野「疑問に思ったから仕方ない」 おれ「へえーへえーじゃあお前なに?町田はなんなの?どうなってんの?こんの、もう!」 秦野を罵りたかったが、罵る部分がなかったので、 怒ったフットボールアワーの岩尾みたいなリアクションをした。 その間も霧島はニヤニヤしていた。 ねえ霧島君そのオシャレメガネ幾らしたの?割ってもいいの? 秦野「冷めた、まさかこの場で町田の話題を出されるとは思わなかった、辰彦はもうちょっと大人になるべき」 おれ「町田!町田ちょっとこいや!!」 町田「やばい、俺の足の裏の皮、ちょー剥けるんですけど!!」 こうた「食べちゃダメだよ町田くん」 町田「流石の俺でもそんなプレイしたことないね」 剥いた皮はちゃんとゴミ箱に捨てとけよ! 町田「なによ?」 おれ「いいから座って下さい。あー・・・そのね、霧島バトンタッチ」 霧島「最悪、辰彦は自分の手を汚さない極悪人」 おれ「もう極悪人でいいから、あと秦野はこうたのオシメ変えて来て」 秦野「え?オシメしてんの?」 町田「やーい!こうたのションベン垂れー!!」 こうた「町田くんのドマゾ!!一生誰にも構われることなく氏んじゃえ!」 町田「高校生に氏んじゃえって言われた! しかしこれも結構・・・」 おれ「やめて」 秦野「よろしくね」 こうた「うん」 秦野「今日は急にごめんな」 こうた「ううん」 秦野「たっちゃんとはどう言う出会いなの?ナンパされたの?」 こうた「ナンパ??わかんない、おぼえてない、気付いたら居た」 おい秦野お前何探り入れてんだよ!あとこうたも酷い言い方だ!! どうも、気付いたら居ました、辰彦です。 霧島「アイツら居るとだめだ、おいそこの能天気たち!ちょっとお酒買って来てくれんかね」 秦野「人使い荒いなあ・・・・」 こうた「未成年に酒飲ませないで」 おれ「お前が勝手に飲んだんだろう」 霧島「近くのファミマで適当に買ってきて」 秦野「わかった、じゃあこうた行こう」 こうた「たっちゃん俺甘いもん食いたい」 おれ「買っていいから、秦野お兄さんに買ってもらいな」 秦野「あ・・・俺にも弟ができた!」 霧島「うるせえ早く行ってこいよ!」 キャッキャと出て行く二人の背中を見送り、さて。本題に。 いや待て、むしろ俺もファミマに行くべきだった。 どうした事なかれ主義辰彦、お前は厄介事に首を突っ込まないのがモットーだろう。 霧島「とりあえずそうだな、お前最近りょうたと喧嘩してんの?」 町田「いいやしてないよ?なんで?」 霧島「じゃあ秦野に鞍替えしたの?」 鞍替えってお前 町田「くらがえ?ってなに?」 霧島「最近秦野にベッタリらしいじゃない」 町田「うん、秦野面白いよ、アイツには隠れた面白さがある」 霧島「本当にそれだけなのか?」 あ・・・・霧島くん・・・ニヤニヤしてる・・・! 町田「あとはねー・・・ほらアイツ普通だから、普通故の素の反応?がいいよね」 おれ「オワットル」 霧島「アイツ彼女とどうなったの?」 町田「別れたって!何かフラれたらしいよ!」 おれ「うわあ」 霧島「心当たりある?」 町田「・・・・・すいませんでした」 え?すいませんでしたってなんですか?ニアはよくわかりません、お父様 町田「その件に関しましては大変遺憾に思う所でありますお詫びのしようも無いとそう言う風に思っております」 霧島「バカドジ間抜け氏ねオタンコナス」 おれ「いやRADはいいから、お前何したんだよ」 町田「・・・・いやあ、プロレスごっこしてたら、彼女が来たのね」 あ、俺さんざんエロ漫画でこういうシチュエーション見たことあるんだが!! 兄妹同士でヤッててカーチャンとかに「うるさかったわね、何してたのよ」とか聞かれて 「プ、プロレスごっこ・・・かな?」とかそう言う王道的なアバババババババ 霧島「ほうエロ漫画における言い訳ランキング堂々のナンバーワンに輝いたエントリーだな」 町田「いやほんとだって!」 おれ「どっちの意味で本当なんだよ」 町田「俺がプロレス好きなのみんな知ってんじゃん!」 おれ「初めて聞いたわ」 町田「まあいいや、そしたら彼女が来たのね?俺初めて見たんだけど」 霧島「美人だったか?」 町田「うんキレーだった!何系って言うんだろうね、セレビッチ?ちがうなあ、何だろう?ふぁっじとか好きそうだった」 おれ「わかんねー、ふぁっじってなに?服の種類?ブランド?」 町田「おしゃれファッション雑誌」 おれ「わかんねわかんね」 霧島「本題からそれてるぞ」 すいません 町田「んで彼女が金切り声あげるわけさ、ビックリしちゃった」 おれ「彼女の方がびっくりしちゃっただろ・・・・むさい男が二人絡まり合ってたら・・・・」 町田「ちなみにその時は、ブレーンバスターはヤだって言う秦野からマウントとろうと必死だったわけさ」 霧島「きめえwwwwww」 おまww 町田「んで彼女が何を思ったかヒス起しちゃって」 おれ「彼女は悪くない、お前が悪い」 町田「そんなんお前、普通じゃんか!!俺りょうたとプロレスし放題だったよ!?」 霧島「りょうたはよくても相手は秦野だろお前、あの露出狂と一般市民一緒にしちゃいかんよ」 珍しく霧島の正論。 しかし口ではああ言っていても、実際町田のジーンズ脱がしてるから意味無い。 何で脱がすの?ねえ、何で脱がすの? 町田「んで俺ビックリしちゃったけど彼女初めて見るし可愛かったし、ちゃんと謝ったよ」 霧島「しかし謝れば謝るほど墓穴を掘るもんだ」 町田「あと秦野んちに行ったら、ちょうど彼女とのんびりしてるとこだった。それって超気まずいよね」 おれ「想像するだけで俺の心臓が持たん」 町田「またごめんって言って帰ったけども」 おれ「ああもうだめだ、霧島煙草取ってくれ」 霧島「はい」 町田「俺は思うんだけど、霧島をそうやって使えるたっちゃんって何者なの?」 何者って、人間ですよ。 町田「俺はあんまそう言うの霧島ではできない」 おれ「まあドMじゃ仕方ないじゃん」 町田「それもそうだ」 霧島「で?そっからどうしたんだよ、秦野は」 町田「別れた」 おれ「お前なんか端折っただろ」 町田「ないない」 おれ「意味がわからん」 霧島「彼女の心が狭かったか、はたまた破局直前で、糸が切れただけとかな」 町田「うん、俺もよくわかんない」 おれ「じゃあ謝るなよ、誤解するだろ」 霧島「俺はてっきりお前が秦野のチンコに噛み付いたのかと思った」 町田「噛み付いてないし!」 おれ「ほらな?こういう誤解する人間もいるんだよ」 町田「ごめんなさい」 霧島「でもそれとこれとは懐いてる理由になんねえだろ」 町田「秦野は優しいから、傷付いた俺の翼を癒してくれるんだよ・・・」 なんだ、厨二病か。 霧島「ん?もっかい言ってみてよ」 町田「ごめんなさいやっぱり恥ずかしいですごめんなさいすいませんでした」 お前にも恥ずかしいと感じる心があったのか。 それをもっと別の部分で発揮してくれよ。 霧島「何だよ、もっかい言うんだったら踏みつけてやろうと思ったのに」 町田「言っとけばよかった・・・・」 ダメだコイツら、早く何とかしないと・・・・ おれ「秦野がね、戸惑ってたんだよお前が急に懐き出したから、りょうたと何かあったのかってさ」 町田「そっかーそれは悪い事したなあ」 おれ「だろ?だから秦野と向き合うんなら、ドMの部分は無しで素のお前で行けよ」 俺も何が言いたいのかさっぱり分からない。 町田「うんわかった、でもドMなのが素だった場合どうしたらいいの?」 霧島「バカかお前、秦野と彼女別れさせたのお前なんだろ?」 いや違うんじゃねえの? 霧島「責任とって秦野を惚れさせるくらいの男気見せろよ!」 ハアアアアアアア!!!???やめろ!!!!変な事言うな!! 俺は安心したんだぞ!スレの奴らが言うように、ホモカップル誕生しねえじゃんプギャー!とか思ったんだぞ! けし掛けんなよ!相手はバカ代表町田だぞ!サマージャンボ馬鹿だぞ! 町田「わかった!」 ほれ見ろ!!!!もうイヤ!!帰りたい!帰れない!お酒飲んじゃったから帰れない! 霧島お前ほんと、この集団をどうしたいの?ねえどうしたいの? 俺はお前にプロデュースされなくてもホモになったけども、ねえ、死ぬの?なんなの? 敏腕ホモプロデューサーにでもなりたいの?漫画描くだけじゃ物足りないの? 町田「まず体を鍛えた方がいい?」 バカアアアアアアアアアア!!!! 町田「秦野は結構非力な方だから、俺が鍛えたら惚れるんじゃね?」 どうか寝て起きたら町田くんが忘れていますように。 現世の記憶をすべて忘れていますように。 こうた「ただいま!」 秦野「俺こうたの兄貴になった!気がする!」 何とも間の悪いタイミングで能天気達が帰ってきました。 こうた「たっちゃん!秦野くんがね、アイスと男のティラミス買ってくれた!」 おれ「それは・・・よかったね・・・・」 秦野「たっちゃんこうたはいい子だね、いい子だ」 町田「俺もいい子だろ」 秦野「え?」 町田「・・・・・・・・・・」 秦野「あ、町田も何か食うか?ジャンボレアチーズもあるぞ」 町田「ううん、食べる」 どっちだよ 秦野「人数分のジャンボレアチーズ買ったけど、食べない人居る?」 おれ「そっち聞くのかよ」 秦野「あわよくば持って帰る」 町田「俺は?」 秦野「え?」 町田「・・・・・・・・・・・」 町田が山崎ホウセイみたいにダダ滑ってるんだが気にしない。 こうた「男のティラミス苦い、どうなってんの?」 おれ「男のティラミスだからだろ?お前も大人の階段登れよ」 こうた「たっちゃんがヤラせてくんなきゃ登れないよ」 ・・・・・・・・・・ちょっと、お前ね、酒に酔ってるからってどうなの? こうた「ああーこの苦さが、そうか、大人の男になると言う苦さなんだな・・・」 もう嫌だ帰りたい、酔っ払いは本当に手に負えんわ。だから俺がこうたの頭叩いたっていい筈。 こうた「だんだん美味しくなってきた」 おれ「ああそう」 こうた「しかし俺はまだ子供でいいな」 おれ「それはよかった」 こうた「何で怒ってんの?なんで?ねえ ねえ」 おれ「霧島ー!こうたがチン毛剃って欲しいってー!」 霧島「へえ、マニアックだねこうた」 こうた「言ってない!言ってない!!」 町田「・・・・」 秦野「何お前、剃ってみたいの?」 町田「いや、うーんどうだろうか・・・・」 即答しないところは頑張ってるんだなと思う。 しかしそこで否定しないのがお前のドMたる由縁なんだな。 あとなに?お前結構ノリ気だけどホモになるの?仲間になるの?俺達? まあ酒の席での事ですから、みな目が覚める頃には忘れてんだろ。 こうた「甘いもの食べると塩辛いの食べたくなるよね」 その後再度チゲ鍋を温め、ハフハフし始める男たちであった。 続き↓ チゲ戦記3
https://w.atwiki.jp/iris/pages/58.html
Tag:[ Imperial 集団ヒステリー 風読み] 「風読みさん」と「黒い絹布の言い出しっぺ」氏となんかいろいろ @070407 風読みさんのレス抽出しようとしたら、御所さんはいるわ23 ◆gUZTJFAKyU氏はいるわ 「黒い絹布の言い出しっぺ」氏はいるわのオールスターズスレだった ('A`) (このページには御所さん発言は無いんだけど、このスレがオールスターズ状態だった) 正直、23 ◆gUZTJFAKyU氏はいつ読んでもキツい。のでスルー。 ページタイトルの2人と、集団ヒステリーktkrに絞って抽出。 会話が繋がってないところはまとめサイトで過去ログもらって来て補完してくれ。 以下は、http //hobby10.2ch.net/test/read.cgi/occult/1175749491/ より引用 powered by Dat2HTML Rev v.0.3.1 安価を踏むとページ内(にあれば)該当レスへ飛びます。 【皇太子夫妻にまつわる怖い話】 第三十二話 615 本当にあった怖い名無し Date 2007/04/06(金) 23 16 21 ID vGlYf7Hp0 412 やはり皇太子は長生きされるんだな。 ただ、人間的にはすごく良い方だとのこと。 凡庸であっても長生きをされると感じた。 616 本当にあった怖い名無し Date 2007/04/06(金) 23 27 10 ID 5wQwFL5v0 615 どこをどう読んでそういう結論になったのか、よくわからないんだが 618 本当にあった怖い名無し Date 2007/04/06(金) 23 28 57 ID +YUkYuCW0 今日は一斉に自称霊能者もどきはお休みかい? 勝手に見て好き放題ネットに晒して、何か食らってんじゃないのか? 621 本当にあった怖い名無し Date 2007/04/06(金) 23 36 29 ID sI3+al2r0 皇太子長生き説も最近よく出るね。 618 毎日くる必要もないだろ。 623 本当にあった怖い名無し Date 2007/04/06(金) 23 41 52 ID kEvKaO4DO 618 「何か食らってんじゃないのか?」 酒食らって寝てるんジャマイカ? 624 風読み ◆yDCfGpmGlE Date 2007/04/06(金) 23 43 39 ID 5wQwFL5v0 618 一応ロムってるけど、コテが居座ったってロクなことないしさ それに何でも書いていいわけじゃないしね あと昨日の互いのやり取りで、イマイチだったとこも繋がっちゃったし たぶんあの場に来てたみんな、そうだと思う 暗示や言外のことがかなり飛び交ってたから 630 23 ◆gUZTJFAKyU Date 2007/04/06(金) 23 53 21 ID z7JKwcu40 624 おつかれさまです。 お体には本当に、お気をつけて。 会議室の方々が心配していらっしゃるイメージが浮かびました。 昨夜見えたイメージからすると、会議室が相当に慌しくなっています。 眞子様佳子様のお式にあんなものをぶつけた連中に対しては、下のほうの方々ですが相当数の方が憤慨されているような感じがします。 もう、止まらないかと。 暴発する神様も出てくるんじゃないかという気さえします。 風読みさん よろしければご検証ください。 640 風読み ◆yDCfGpmGlE Date 2007/04/07(土) 00 22 53 ID 7TAzFb8Q0 630 そちらもお疲れ様 いろいろ騒がしい時代だし、気をつけてくださいね 高天原はだいぶ前から、慌しいというか騒がしいというか 先の大戦頃から、国造り再びという噂 自分も噂に聞いてただけで、腑に落ちたのは竜が動いた去年頃だったけど でもそれとは別に、確かにそろそろ東宮の件は・・・ どうして東宮、蜘蛛の糸をいつも自分から切っちゃうんだろう? 644 本当にあった怖い名無し Date 2007/04/07(土) 00 43 20 ID oIZg9KyoO 皇太子長生き説ってどういうわけで湧いてるんだろう? 確かに秋篠宮よりナルさんの方が長生きだろうという気は昔はしてたんだが。 649 本当にあった怖い名無し [ sage黒い絹布の言い出しっぺ ] Date 2007/04/07(土) 00 58 17 ID z65lns550 長生き=幸福とは限らないんだがね、とつぶやいてみるテスト いや、他意はないよ?ただの一般論だよ? でも皇太子、日嗣の皇子なのに「護り」の力が周囲に全くない 今上陛下の東宮時代は、写真で見るだけでも、強い力を感じるんだが これじゃ、長生きしても幸福とは限らな(ゲフンゲフン 高円宮家の久子妃も、いまいち皇族らしくないオーラだが、 この方はまだ一般人レベル 大して問題じゃない だが、東宮家は・・・ 650 本当にあった怖い名無し Date 2007/04/07(土) 01 02 30 ID Uc0qpWnsO 高天原の見えている方にお聞きします。 風読みさん そこにイザナギさんはいらっしゃいますか? 652 本当にあった怖い名無し Date 2007/04/07(土) 01 04 17 ID nbYQTPeK0 私は全く霊感なしだけれど、ν速+に貼られていたナルマサ写真見たらすごく頭が重くなりました。 見える方、何か感じられますか? http //www.yuko2ch.net/mako/imgbbs3jik/img-box/img20070328070937.jpg お清め画像を後で見ることをオススメします。 657 本当にあった怖い名無し Date 2007/04/07(土) 01 15 14 ID z65lns550 652 理由は分からんが、視ようと意識しても、目が拒否る そんなに力の強い方ではないはずなんだが、奈落の底を視た気分だorz 皇太子の顔に、何かやばげなものが浮かんでいる (はっきり見えるので、リアルで病の気があるのか余程のものがあるのか区別が付かん。 逆に全く力のない人に、どう見えているのか訊きたいぐらいだ) 左頬から首に流れるように、黒い帯?髪?とにかく帯状のものも絡んでる 逆に雅子妃は、うまく説明できないが…やたら生気があるんだよな…… 黒い紗のようなものがあって、皇太子がその後ろ、雅子妃が手前にいるように視える 何を意味するのかこれから考えてみるが、夫婦なのに、分断されてるイメージしか感じない 最後に、お清め画像にアンカーつけとく 140 666 風読み ◆yDCfGpmGlE Date 2007/04/07(土) 01 32 04 ID 7TAzFb8Q0 650 ゴメン、自分戸の影から覗くのはおk程度のお許しだから、向こうの上座はよく分からない 縁あってお顔が分かるのは八百万の神々様の中のごく一部で、イザナギ様は接点がないし ただ、主だった神様はみんないらっしゃるみたい 675 本当にあった怖い名無し [ sage ] 2007/04/07(土) 01 44 24 ID z65lns550 669-670 自分は控え室にも廊下にも入れない身だが、文脈から雰囲気が伝わる お努めお疲れ様です どうか御身お厭いください 皇太子夫妻の写真を見て頭が痛くなったので、お清めのつもりで↓を見たら、 悠仁親王殿下の右手の中に、何か光るものがあるような…? ttp //www.yuko2ch.net/mako/imgbbs3ji/img-box/img20070330133424.jpg 678 本当にあった怖い名無し Date 2007/04/07(土) 01 52 11 ID uCx6kmIT0 以前覗いたアセンションやら光の戦士スレ風になって来たが ともかく、色んな人が皇室と日本について同じポイントを垣間見、 それを自分の感覚に変換して理解するようになったのはわかる 自分も、霊感はないが、関係妄想で片付けられない共時性体験は 普通程度にしていて、特に最近の皇室および日本の動静と符合する事がやたら多いし 100匹目の猿現象、どうやら実現したと見ていいのかな # 恥ずかしながら、「そういう現象」を「百匹目の猿現象」と呼ぶことを初めて知った中の人。 # リンク先Wikipedia参照のこと。 703 風読み ◆yDCfGpmGlE Date 2007/04/07(土) 02 10 00 ID 7TAzFb8Q0 神様方、たくさんいらしてるよね じじさまの言うとおり、これじゃ小さな神社は空っぽかも でもまだ独神なる中空神様、お着きじゃないっぽい というか、お着きになったら大変なことに てか、23◆gUZTJFAKyUさん落ち着いて 大きな流れはもう動いてるんだし 675 お生まれの時から、持ってらっしゃるよ 678 したと思う 708 本当にあった怖い名無し Date 2007/04/07(土) 02 13 49 ID z65lns550 677, 703 ご教授㌧です 悠仁殿下ご自身が常に光り輝いておられる理由が、やっと分かりました 己の未熟さが情けなや情けなや 713 本当にあった怖い名無し Date 2007/04/07(土) 02 18 30 ID LnVUemYc0 霊感なしの人間ですが、 皇太子様の右頬に「烏帽子を被って直衣姿の男の人」の影が見えます。 手には平安貴族が持ってるお札みたいなの(靴べらみたいな形のやつ)を持って それに何か書いてある言葉を詠んでいるように見えます。 見える方、解説をお願いします。 714 本当にあった怖い名無し Date 2007/04/07(土) 02 18 46 ID E3zyHfPD0 役目を終えたヒーローか… 確かにセブンは生真面目すぎて心を病むほど地球を愛していたし そのせいで片足をダメにしてしまったヒーローだよな。 大丈夫かなセブン、もう無理してる姿を見るのはイヤだな…。 あんな痛くて苦しそうなヒーローは、後にも先にも見たこと無い。 ああ、この雰囲気が張り詰めすぎていて、ついついボケたことを書き込んでしまう…orz でも、でも、これだけはボケずに言うけれど 今、必死に見ようとしてくれている人達は、そういう痛みをくらわずに済むんだよね? 無理はよくないよ、無理しないでね。 720 23 ◆gUZTJFAKyU Date 2007/04/07(土) 02 24 11 ID gj7vi7B00 713 腹の底で女官が顔を伏せるイメージがありました。 もう… 726 本当にあった怖い名無し Date 2007/04/07(土) 02 28 38 ID LnVUemYc0 720さん ttp //www.yuko2ch.net/mako/imgbbs3jik/img-box/img20070328070937.jpg そのイメージの下に細面の長い黒髪の女性がいませんか? 白い着物を着ているような感じがします。 729 23 ◆gUZTJFAKyU Date 2007/04/07(土) 02 32 47ID gj7vi7B00 726 そこまでは分かりません。 該当レスを読んだとたん腹の底で江戸後期、末期の、和宮さまのような髪形をした女官が顔を伏せて。 それだけです。今感じたのは。 高野槙の森が戦いになっているようなイメージも浮かびました。 736 本当にあった怖い名無し Date 2007/04/07(土) 02 37 44 ID z65lns550 720 その女官さん、髪長くない……? ダメだ、この写真、自分はもうこれ以上(リアルでも)見られない 意識が拒否って目の焦点がボケるorz お顔はちゃんと見えてるはずなのに、もう真っ黒な幕しか印象に残らないよ・・・ お清め画像 ttp //www.yuko2ch.net/mako/imgbbs3jik/img-box/img20070406084900.jpg 742 風読み ◆yDCfGpmGlE Date 2007/04/07(土) 02 39 46 ID 7TAzFb8Q0 714 ありがとう でも、自分はとりあえずだいじょぶ 729 あーあwという感じ あそこに今ケンカ売っても無理 最強の龍の加護受けてるのになぁ 自分も桃投げたい気分 目を覚ましてた龍も、起きたらしい もう少ししたら、昇竜になるのかな? 坂東さんが小さく見えるから凄い とりあえずいちばん大きい流れは決まってるし、個々人が大和の民なのを忘れず まっとうに日々を過ごせば、紆余曲折あってもなるようになる気がしてたり 748 本当にあった怖い名無し Date 2007/04/07(土) 02 53 08 ID RIAFIam/O 726の画像、ビビッて開く気がしない罠。 全体的に暗めな、車の中にいる皇太子夫妻の画像かな? 752 23 ◆gUZTJFAKyU Date 2007/04/07(土) 02 58 52 ID gj7vi7B00 これでお清めをなさってください。 私もお清めとご守護を受けてから帰ります。 http //www.yuko2ch.net/mako/imgbbs3jik/img-box/img20070406083335.jpg http //www.yuko2ch.net/mako/imgbbs3ji/img-box/img20070330133424.jpg 753 本当にあった怖い名無し Date 2007/04/07(土) 02 59 19 ID z65lns550 748 652の画像= 726の画像 言うとおり、車中にいる夫妻の写真だけど、個人的に、 見るのはあまりお勧めできない (漏れの意見は 657に書いたとおりだが、違う見え方をしてる人もいるようだ) どうせ見るなら、 10や 140、 280、 371をお勧めする 771 ◆peaceYu/Hg Date 2007/04/07(土) 03 15 05 ID HsTo86BU0 盛り上がっている所、すみません。 負のパワーが強過ぎて悪影響を起こす方が多いです。 ご自身の肌に浸透する前に考えを改めて下さい。 土足で踏み入る場所ではないのですから。 772 風読み ◆yDCfGpmGlE Date 2007/04/07(土) 03 15 05 ID 7TAzFb8Q0 ひとりのほほーんとしてる気が・・・ 自分的にはヤバかったのは一昨年~昨年初めで、半ばに動いたの視ちゃったからなぁ 動くの視る前は、悶々としたけど あの流れが具現化してきたんだね 752のお写真、宝剣持ってらっしゃるね 綺麗だな 今上陛下、やっぱり日本の守り神様だね 自分も今夜はもう、龍に抱かれて寝ます 皆さんにも、龍神の加護がありますように 773 本当にあった怖い名無し Date 2007/04/07(土) 03 16 30 ID 6maUadw60 あの~、いま神様方はどこかに全員集合してるんですか? 昨日、子供と散歩してて児童公園にある小さな祠みたいな神社に 「天皇陛下と皇后陛下がお元気になられますように」ってお祈りしちゃった。 中は空家だったのかな(ほんとに小さな神社だけど)。 ○○不動尊って目に効く神様って近所の爺婆さんたちがよく行ってる。 3才の娘に「何おいのりしたの~?」って聞かれて ちょっと恥ずかしくなって「うん、ないしょ」ってごまかしたけど。 776 本当にあった怖い名無し Date 2007/04/07(土) 03 21 52 ID Xo/zLGxR0 23氏、風読み氏お疲れ様でした ごゆっくりお休み下さい 771 たとえば、ぬこは人間の気持をかなりの程度分かってくれるが よーっぽどの事態でない限りぬこの手は借りるもんじゃないからな 人間がカミガミの動静に対する時も分をわきまえて 自分の役割を第一に果たすのが一番だろう みたいな感じですかね 777 本当にあった怖い名無し Date 2007/04/07(土) 03 23 29 ID IqC9t8gV0 水差すようで悪いけど、 故意なのか暗示なのか、 また集団ヒステリー状態になってる? オカ板の住人どうしでも、その基盤は様々だから あまり口うるさいことは言いたくないけれど、 少し水差してみるね。 780 ◆peaceYu/Hg Date 2007/04/07(土) 03 25 39 ID HsTo86BU0 776 それぞれが願う気持ちが負のパワーを増強させていて そのパワーが悪影響を各々に与えている状態だと思います。 静観する、それが出来ないならやたらと考えない事で 考える事によって片隅に「願い」をかけ、それが強く…。 どちらにしても、神々のなさる事。口出ししてはいけません。 782 ◆peaceYu/Hg Date 2007/04/07(土) 03 31 26 ID HsTo86BU0 集団ヒステリー状態でもあるし はっきり言えば「こうなってくれ!」と考えながら ROMする人がいるって事。神のお尻を叩こうとする人がいるって事。 東宮の行いに恨む気持ちも疑問を持つ気持ちもあるでしょうけど その気持ちが重なる事で、他のROMしている人へも 悪影響を与えていて。うまく言えずすみません。 でしゃばりもすみません。おやすみなさい。良い夢を。 すげー完全に2ちゃんねる幻魔大戦状態だー(棒読み) 通りすがりって感じの◆peaceYu/Hg氏、言ってることはオカだけど 集団ヒス状態を宥めてる点から実は0感の良識ある誰か、じゃないかなと妄想。 しかしやはりマイペースだ風読みさん。 このマイペースさがなんか好きなんだよなぁw ただのメモWikiのつもりだったんで改めて書くのもヘンなんだけどw、 中の人の興味の方向は純粋な「オカルト」ではありません。 「集団ヒステリー」というものを引き起こす「ヒトの精神」の「オカルト」こそが 俺の興味の対象です。 本スレに貼ってるから住人には申し訳無いんだけど、これが本音だったりする。 参考 皇室御一行様★アンチ編★part700レス番994に◆peaceYu/Hg。 other(ポエム、詩@2ch掲示板)◆peaceYu/Hgがスレ立てしている。 で、ちょっとだけつづき@翌朝。 以下は、http //hobby10.2ch.net/test/read.cgi/occult/1175749491/ より引用 powered by Dat2HTML Rev v.0.3.1 安価を踏むとページ内(にあれば)該当レスへ飛びます。 【皇太子夫妻にまつわる怖い話】 第三十二話 806 本当にあった怖い名無し [ sage ] 2007/04/07(土) 07 07 33 ID 5vF+WuX4O 昨晩の流れ、興味深く読ませてもらった。 国会にぞくぞくと議員が集まって、そこここで議論を醸している。 若手の議員で血気盛んなものは、会議なんてまだるっこしいことをやってる場合か!なんて言ってたりする。 また、陳情団として地方議員なんかも来ていたり。 大臣クラスは到着しはじめてるけど、まだ何人か来てない。 そんな中、資格をもった記者たちが取材してまわって、伝え漏れたことが新聞を通して俺たちに伝わる。 そんな感じなのかな? 記者さん達、あまりうるさく議員さんに絡んだり写真をとると、気が立つからほどほどにな。 俺は、俺にできることである日常の勤めを頑張る。 825 風読み ◆yDCfGpmGlE [ sage ] 2007/04/07(土) 08 40 26 ID 7TAzFb8Q0 おはよう〜 806 そうそう、そんな感じ 突撃インタビューなんかしたら、怒られてつまみだされそう 「ここまでだぞ」って言われた範囲でこそっと覗いたり、聞こえてきたのを言うのが関の山 まぁ昔、「わー、大黒天様だ〜♪」と大国主命様に声かけて、お付きのみなさんに叱られたけど 気にせずお名前教えてくださって、あの時はありがとうございました 811 西国はあんま領域じゃないから、いまいちだけど ただ、仏教関係も前々から動いてる こっちは3大宗教なだけあって、もっとスケール大きい話だし この流れに巻き込まれるカタチで、日本も変わろうとしてる、という感じだから さてこの騒ぎ、まだちょっと終わらない。つづきはこちら。 中の人用メモ @090108 手持ちのdatを「◆yDCfGpmGlE」で横断検索した結果。 三十二〜三十四話 三十六〜四十参話(三十七話はスレタイ重複で2本ある、どちらもヒットした) 四十六〜五十四話 五十六〜五十七話 六十一〜六十六話 七十一〜七十二話 七十四話 九十七話 ( ゚Д゚)< こんなに登場回数多かったのか、風読みさんww このページのURL https //www9.atwiki.jp/iris/pages/58.html
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3743.html
古代遺物管理部、機動六課本部。 部隊長、八神はやての前に前線部隊の隊員たちが整列する。ザフィーラとシャマル、陸士108部隊から出向しているギンガ・ナカジマもその中に混じっている。 「今日、集まってもらったのは他でもない。私となのは隊長の故郷、海鳴市の近くで、レリックらしき反応と、怪しいエネルギー反応が検出された。これより六課はその調査に向かう」 「ミッドチルダはいいんですか?」 「もちろん全員では行かへん。シグナムを除いたライトニング分隊とギンガにはここに残ってもらう。フェイト隊長、部隊長代行、頼むで」 「了解」 長い金髪を後ろでまとめたフェイトが頷く。 「レリック捜査の方は他の陸士部隊に任せるということで、よろしくな」 「まさか、八神部隊長も行かれるんですか?」 青い髪をしたボーイッシュな少女、スバル・ナガジマが聞いた。ギンガ・ナカジマの妹で、六課スターズ分隊の一員だ。 「せや。別件で用事もあるしな」 はやては意味ありげに守護騎士の面々を眺める。 スターズ分隊の一員、髪をツインテールにした落ち着いた容貌の少女、ティアナ・ランスターは、はやての視線を追った。 シグナムは普段通りに見えるが、どことなく嬉しそうだ。ヴィータは落ち着きがないし、シャマルはそれを楽しげに見つめている。ザフィーラは……狼の表情はさすがに読み取れない。 こんなに浮ついた副隊長たちを見るのは、初めてだ。 その時、ティアナの背筋に寒気が走った。 ティアナの横には、栗色の髪をサイドポニーにしたスターズ分隊隊長なのはが立っている。隣のティアナしか気がついていないようだが、かすかな殺気が漏れていた。 (何!? なのは隊長の故郷に一体何があるの?) 「もしかしたら、長期出張になるかもしれへん。各自、そのつもりで準備よろしくな」 「ヴィヴィオも連れて行っていいかな?」 なのはが挙手をした。 最近なのはたちが保護した女の子だ。なのはとフェイトをママと呼び慕っている。 「せやな。連れてった方が安心やろ。フェイトちゃん、グリフィス君。留守は頼んだで」 「任せて。頑張ろうね。エリオ、キャロ」 「「はい、フェイトさん」」 フェイトが優しく話しかけると、十歳の少年と少女が元気に返事をする。 「出発は明朝。では、解散」 はやての号令を合図に、各自部屋に戻っていく。 自室に戻ったスバルとティアナは、早速準備を始めた。 「他の世界だって。楽しみだね、ティア」 鼻歌を歌いながら、スバルが鞄に着替えを詰めていく。 「あんたはいいわね。気楽で」 一方のティアナは浮かない顔だ。なのはたちの様子から、今度の調査には不安しか感じない。 「そりゃ、任務だから物見遊山ってわけにはいかないけど。でも、なのは隊長の故郷だよ。楽しみじゃないの?」 「あんた、隊長たちの様子が変なの、気がつかなかった?」 「別に。いつも通りだったでしょ」 ティアナはため息をついた。鈍いということも平穏に生きる為には、必要な技能なのかもしれない。 第97管理外世界『地球』海鳴市。 「さ、行くでー」 まるで旅行の引率のように、はやてが旗を振りながら故郷の町を案内する。季節は夏。蝉の声がやたらうるさい。 「なのはちゃんは、実家に帰らんでええの?」 「今夜は実家に泊まらせてもらうけど、それより任務が先だよ」 「固いなぁ。今日一日ぐらいゆっくり両親に甘えてきたらええのに。ヴィヴィオ連れてったら、きっと驚くやろな」 「こら、みんなが見てるよ」 和気あいあいと話すはやてとなのはを、スバルとティアナはキョトンと見つめていた。故郷の空気がそうさせるのか。こうしていると、エースオブエースも普通の女の子だ。 「この世界にいる間は無礼講や。スバルとティアナも隊長とか呼ばんでええからな」 「ですが……」 「構へん。構へん」 「わかりました……はやてさん」 口に乗せてから、ティアナは恐ろしく失礼な真似をしている気分になる。 「なのはさんの家に泊まるんじゃないんですか?」 スバルはすでに順応したのか、普通に話しかけている。 「うーん。簡単にいえば、現地の協力者やね。ほら、着いたでー」 「「て、ここですか!?」」 スバルとティアナはその家を見上げて唖然とした。 平屋だが、とにかく敷地面積が半端ではない。小さな道場が付属しており、庭は近くの森とつながっている。下手をしたら、機動六課本部と同じくらいの規模があるかもしれない。 ここなら活動拠点としては最適だろう。表札には『安倍』と書かれている。 シャマルがスバルたちの隣に来る。 「実はここにどうしてもスカウトしたい人がいるのよ」 「そうなんですか」 「色んな意味でね」 シャマルはくすくすと笑う。それを険悪な目つきでヴィータが睨んでいた。 安倍昌浩。陰陽師の修行をしながら、地元の学校に通う中学二年生だ。学校は夏休みに入っている。 その日、昌浩は自室で寝転がってマンガを読んでいた。 「昌浩。お客さんだぞ」 扉の向こうで祖父、安倍晴明の声がする。 「はーい」 昌浩は返事をすると、玄関に向かう。来客の心当たりはないが、一体誰だろうか。 「どちらさまで……!」 玄関に立っていた大集団を見かけた瞬間、昌浩は後ろに飛び退いて戦闘態勢を取る。 「あちゃー。かなり嫌われとるな」 「彼がどうしてもスカウトしたい人ですか?」 ティアナは困惑していた。 目の前の少年はごく普通の少年だ。長い黒髪を後ろで束ね、Tシャツにズボンとラフな格好をしている。十四歳と聞いているが、平均より身長が低く、エリオたちと同い年と言われても信じただろう。 「はい。安倍昌浩さん。陰陽師と言って、この世界の魔導師で、SSランクの魔力保持者です」 まるで妖精のように小さな上司、リインフォースⅡがはやてのカバンから頭を出して説明する。 「SS!?」 「ふえー。はやてさんと同じランクの人、初めて見た」 スバルもティアナも呆気に取られるしかない。 「そないに嫌わんと」 はやてが近づくだけ、昌浩は後ろに下がる。 「あれだけしつこくすりゃ、嫌われて当然だ」 階段の上から、子どものような甲高い声が降ってくる。 白い影が軽やかに跳躍し、昌浩の肩に腰かける。 ウサギによく似た動物だった。尻尾が長いのと、首周りに赤い突起が一巡しているのが、特徴だ。 「あれは物の怪のもっくん。守護獣だと思っておいて下さい」 「こら、リイン! もっくん言うな!」 「もっくんも久しぶりやな。元気にしとったか?」 「誰かさんが来なくなったおかげで、随分平穏に過ごせていたんだがな」 もっくんも背中の毛を逆立てて威嚇する。 「……随分嫌われてますけど、何かしたんですか?」 ティアナの問いに、リインは困ったように眉を寄せる。 「六課設立の際に、はやてちゃん、相当しつこく勧誘したんです。おかげで今じゃ、あんな調子で」 「もう、何が不満なんや? 昌浩君と十二神将、全員分の最新型デバイス。隊長の地位まで用意し取ったのに」 「だから、そういうところが嫌なんですよ!」 昌浩が怒鳴る。 最初は普通の隊員としての勧誘だった。時空管理局理局の仕事に興味はあったのだが、まずは陰陽師として一人前になってからと思い、昌浩は丁重にお断りした。しかし、昌浩が断るたび、まるで通販番組のおまけよろしく段々待遇が向上していったのだ。 昌浩は自分が半人前だと重々承知している。それなのに特別扱いされるのが、どうしても嫌だったのだ。 もし、はやてがあくまで一般隊員として昌浩を勧誘し続けていたら、折れていたかもしれない。 「六合、久しぶりだな。また貴殿と手合わせできるとは、光栄の極みだ」 シグナムが誰もいない空間に向かって話しかける。すると、まるで空間から溶け出すように長身の男性が現れた。夜色の外套をつけ、顔に黒い痣のような模様がある。 「彼は六合さん。彼らは隠形と言って、自分の姿を透明化できるので、ビックリしないで下さいね」 「彼ら? ということは、他にもいるんですか?」 「はい。昌浩君は十二神将……ようするに守護騎士を十二人連れているんです。厳密には、彼のお爺さんのものなんですけどね」 「「十二!?」」 夜天の書の主、八神はやての守護騎士でさえ、五人だ。単純な比較をすれば、倍以上の戦力だ。 「そりゃ、はやてさんが欲しがるわけだ」 スバルはもう開いた口がふさがらなかった。この家に来てから、まだ十分と経たないのに、まるでビックリハウスに長時間いたような気分だった。 「昌浩君、久しぶり」 「あ、なのはさん、お久しぶりです」 「こっちは私の部下のスバルとティアナ」 三人がそれぞれ挨拶する。 「それから……」 「なのはママ?」 緑と赤の瞳をした五歳くらいの少女、ヴィヴィオがなのはの後ろに隠れる。人見知りしているらしい。 「あ、もしかして、娘さんですか? ユーノさんとご結婚されたんですね。おめでとうございます」 昌浩が満面の笑みで祝福する。 「そう言えば、ユーノさんと声そっくりですもんね」 「……昌浩君、違うからね?」 なのはが微妙に引きつった顔で訂正する。 「おい、昌浩よ。なのはの娘だとすると、なのはは十五くらいでこの子を産んだことになるぞ。それはいくらなんでもまずい」 「あ、そうか」 もっくんの指摘に、昌浩はしまったという顔をする。 「ヴィヴィオは私とフェイトちゃんが預かってる子なの。実の子じゃないから」 やがて廊下の奥から、和服を着た白髪の老人が現れた。顔は皺だらけだが、背筋は伸び、老いを感じさせない。 昌浩の祖父、安倍晴明。稀代の陰陽師にして、表向きは企業グループの企業顧問。その実態は政治の中枢にすら食い込む実力者だ。 「こりゃ、昌浩や。お客さんを早く客間に通さんか」 「でも、じい様」 「無礼な孫で申し訳ない。ほれ、早くせんか」 昌浩は渋々はやてたちを客間に案内する。 背後から昌浩を鋭い視線で睨みつける者がいることに、昌浩は気がつかなかった。 宴会ができそうなほど広い畳敷きの部屋だった。そこに全員で腰かける。 ヴィヴィオは隣の部屋で子供の姿をした十二神将、玄武と太陰に遊んでもらっている。 一通りの自己紹介を済ませ、上座に座った晴明が口を開いた。 「さて、ご用件はすでに窺っております。調査の間、我が家はご自由にお使い下さい。我が孫、昌浩も協力を惜しみませんぞ」 「じい様。俺、何も聞いてませんよ?」 「当然じゃ。言ったら、お前、逃げるじゃろうが」 図星を刺されて昌浩は黙り込んだ。 「仲良くしような、昌浩君」 「よろしくな、昌浩」 はやては朗らかに、ヴィータがぎこちなく挨拶する。 「それじゃ、はやてちゃん。今日のところは役割分担だね」 「せやけど、なのはちゃん。それは私と晴明さんでやっとくから、皆はゆっくりしててええよ」 なのはは、しばし逡巡したが、はやての好意に甘えることにした。 「それじゃあ……青龍さん、いるんでしょ?」 なのはの呼び掛けに、青い髪をした長身の青年が現れる。十二神将、青龍だ。青龍は腰巻と、肩に布をたすき掛けにしているだけという格好だ。 できれば、もう少しちゃんと服を着て欲しいとスバルは思った。 「久しぶりだね、青龍さん」 なのはが軽やかな足取りで青龍に近づいていく。 「あの時の小娘か」 青龍がぎろりと睨みつける。 「やだな。私、十九歳だよ。もう、おと……」 「なのはちゃん! それ以上は駄目!」 シャマルが必死に止める。タイトルに『少女』がついているのだから、大人発言はNGだ。 なのはは軽く咳ばらいして言い直した。 「とにかく、もうあの頃の私じゃないよ。証明してあげよっか?」 なのはが笑顔で青龍を見上げる。親戚のお兄さんに久しぶりに会ったような、微笑ましい光景に見えないこともない。 「ねえ、ティア。なんか寒くない?」 「私の後ろに隠れないでよ!!」 しかし、なのはと青龍から発散される殺気が、体感気温を著しく下げていた。かつて、なのはに叩きのめされた経験のあるティアナの膝が、勝手にがくがくと震え始める。 「下らん。我らは人を傷つけてはいけない掟がある。戦いなどできるものか」 「大丈夫。あの時だって、青龍さん、私に傷一つつけられなかったでしょ?」 「貴様」 「それとも……負けるのが怖い?」 青龍の眼光となのはの笑顔が、正面からぶつかる。二人の殺気が一段と強まる。 過去になのはは青龍と戦い、苦汁をなめさせられたことがある。いつか雪辱を晴らす機会を狙っていたのだ。 その時、スバルの耳が、ある会話を拾った。 「久しぶりだね、ヴィータちゃん。そう言えば、新しいゲーム買ったんだけど、一緒にやらない?」 昌浩がヴィータを遊びに誘っているところだった。 「ま、昌浩君。私たちも一緒にいいかな?」 その場から逃げたい一心で、スバルは上ずった声で提案した。 昌浩はもっくんを肩に乗せたまま、自分の部屋にスバル、ティアナ、ヴィータを案内する。 「ここが俺の部屋だけど」 扉を開けると、そこは板間の部屋だった。 勉強机と、テレビとゲーム機。壁一面は本によって埋め尽くされていた。漫画はごく一部で、古くて難しそうな本ばかりだ。 「昌浩君、これ全部読んだの?」 「うん。でも、俺、じい様を超える最高の陰陽師になりたいから、まだまだ勉強しないと」 「あはは。私、陰陽師には、なれそうにないな」 「あんた、こういうの苦手だもんね」 顔を引きつらせるスバルに、ティアナが嫌みを言う。 「何よ。ティアならできるの?」 「そりゃ、あんたとは違うもの」 ティアナは自信満々に書棚の一冊を手に取る。本のページに目を走らせ、ティアナは顔を引きつらせた。 それは梵字で書かれていたのだ。ティアナは本を棚に戻した。 「昌浩君。日本語の本はないの?」 「それなら、こっちです」 昌浩が一冊の本を手渡す。 「……これ、漢字しか書いてないんだけど?」 「でも、日本語ですよ?」 「やっぱり、また今度にさせてもらうわ」 ティアナが本を棚に戻すと、肩にスバルが手を置いた。 「仲間」 「あんたと一緒にしないでー!」 「こら、二人とも、あんまり騒ぐな」 ヴィータがスバルたちをたしなめる。 「気にしないで。この家、防音はしっかりしてるから。それより、ヴィータちゃんが好きだったゲーム、新作出たんだよ」 昌浩がにこにことゲームソフトを見せる。 「お、おう」 昔からの付き合いなので、昌浩はヴィータを妹のように扱う。 「今、ヴィータ『ちゃん』って言ったよね?」 「うん。言った」 ひそひそとスバルたちが耳打ちする。厳しい副隊長が少年に子供扱いされる姿に、二人は目を丸くしていた。 (頼むから、少しは察してくれ) 部下二人の前で子供扱いされ、ヴィータは生きた心地がしない。このままでは、今後の仕事に差し障る。 「ほら、お菓子もあるよ」 「あ、ありがとう」 「あのヴィータ副隊長はどういう経緯で、昌浩君と知り合ったんですか?」 さすがに見ていられなくなり、ティアナが助け船を出した。 「あれは俺が小学生の頃だったかな」 昌浩はヴィータたちとの馴れ初めを話した。 まだ幼かった昌浩は、祖父の命令で妖怪退治に出かけた。その時、同じ妖怪を追っていたはやてたちと、ばったり出くわした。 それ以来、はやてがミッドチルダに行くまでの短い間だが、親しく付き合っていたのだ。なのはやフェイトとも面識がある。 シグナムだけは、それより前によく稽古に来ていたので知っていたのだが。 「でも、もっくんも人が悪いな。前から知り合いなら、教えてくれればよかったのに」 「いろいろ事情があるんだよ」 まさか千年以上前にタイムスリップした守護騎士たちと、昌浩の先祖が共闘したことがあるとは、口が裂けても言えない。 昌浩は祖父の知り合いなんだろうと勝手に解釈していた。 「おい、昌浩」 部屋に二人の人間が突然現れる。 ティアナと同じかやや年上の男女。赤い髪に白い鉢巻をした男と、まるで天女のような容貌の金髪の女。前者は十二神将、朱雀。後者は十二神将、天一だ。 「なのはとヴィヴィオが実家に戻るそうだ」 「分かった。すぐ行く」 昌浩たちは車庫に向かった。 車庫から出てきたのは黒塗りのベンツだった。後部座席になのはとヴィヴィオ、運転席には二十歳くらいの女性の十二神将、勾陣が座っている。 どうやら青龍との血みどろの一戦は避けられたらしい。 「それじゃあ、明日の朝、合流するから」 「別に急がんでええのに。まだほとんどすること無いんやから」 なのはと、はやてがドア越しに会話する。 「さすがお金持ち」 「こら、みっともないわよ」 スバルが好奇心丸出しで、ベンツの周りをうろうろする。 「フェイト隊長がいたら、きっと運転したがっただろうな」 「これ、運転する必要ないんです。自分で走りますから」 昌浩が妙なことを言って、左前輪のタイヤを示す。タイヤのホイール部分に、鬼の顔がついていた。スバルは少し趣味が悪いと思った。その時、鬼の目がスバルを見上げた。 「うわ! 動いた」 「これ、車之輔っていう、家に先祖代々使える車の妖怪なんです」 昌浩の前世が仲間にした時は、牛車の妖怪だった。牛車とは貴族の乗り物である。時代に合わせて姿を変え、現在ではベンツになっている。 勾陣が乗っているのは、形だけだ。 車之輔はスバルとティアナにぺこりと頭を下げ、なのはを送るべく出発した。 「おい、スバルとティアナと言ったな」 朱雀がやや横柄な感じで声をかけた。 「お前たちの部屋に案内する。ついてこい」 スバルとティアナが案内されたのは、屋敷の一角にある畳敷きの部屋だった。安倍邸の部屋は、ほとんど和室で構成されている。 「ここにいる間は、俺たちがお前たちの担当だ。自分の部屋だと思ってくつろいでくれ」 スバルたちより先に天一が正座する。その膝を枕に朱雀は寝そべる。 立ったままのスバルたちに、膝枕をしてもらっている朱雀が声をかける。 「どうした? ゆっくりしてくれ」 スバルたちは部屋に入ることなく扉を閉めた。 二人が恋人同士なのはよくわかった。しかし、客の前では自重して欲しい。 そこに晴明が通りかかった。 「すいません。担当替えてもらえますか?」 ティアナは冷めた声で言った。 半裸やら、人前でいちゃつく奴らやら、十二神将にもう少しデリカシーを求めても罰は当たらないだろうと、ティアナは思った。 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/harukaze_lab/pages/332.html
湖のほとり 徳田秋声 【テキスト中に現れる記号について】 《》:ルビ (例)卒《いざ》 |:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号 (例)場|上《かみ》 [#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定 (例)[#地付き] /\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号) (例)よた/\ 或日融はその夏逗留してゐた妻の親類の家から、又た別の親類を訪問すべく、子供二人と第一の親類の主人の江沿につれられて、埃ぶかい湖畔の道を、よた/\自働車に揺られて行つた。融は自分の故郷の親類を訪ねるより、妻の故郷の親類を訪ねる方が、寧ろ気分が安易で親しみが多かつた。それは一つは利害の交渉や、直接な心持の触れ合ひがなかつたからでもあつたが、一つは又た妻が間へ入つて、気分の調節を計る、安全弁のやうな役目を勤めてゐたからでもあつた。 その親類は二軒とも江沿という苗字で、主人は従兄弟同士であつたが、余り仲の好い方ではなかつた。融は第一の江沿と余計親しくする機会が多かつたが、子供を一人ほしがつて、久しい前から妻にまで其の相談がそれとなく持込まれてゐることを知つてゐた。融は遣りたくもあつたが、遣りたくもなかつた。それは卒《いざ》となると選択に迷ふところからも来てゐるのであつた。まづ自分が後から連れて行つた二男がそれに該当してゐるやうに思へた。 融がその二男と一緒にそこへ着いた日より一週間ほど前から、妻は他の子供たちと逗留して、融の来るのを待つてゐたのであつた。いくらちやほやされて、賑やかに遊んでゐても、融がゐないと矢張り寂しかつた。子供をやるか遣らないか、そんな話も、主人同士で、今度は決めてほしいと思つて存た。融も事によつたら、この話に触れてもいゝと考へてゐた。 「O――町へも行つて下さいね。私二三日前に芳雄をつれてちよつと行つて来たんですよ。あすこでも貴方を待つてゐるんですよ。」妻は言ふのであつた。 第一の江沿は融たちが、O――町の江沿へ行くことを余り悦ばなかつた。そしてその日行くときに、自分で電話をかけて「これからちよつと先生をおつれ申さうと思ふが、都合はいゝかね」なぞと勿体をつけたものであつた。 家にゐると、湖畔の夏は涼しかつたが、外はやつぱり暑かつた。融は別に景勝の地が好きではなかつた。この辺の平凡な山の姿でも十分にこの山国の自然が味はへるのであつた。東京を出るときは、穂高へいかうとか、天龍峡を見ようとか思つてゐても、親類の家におちついて、朝夕の涼しい風に吹かれながら、煙突の多い町の一方に連なつてゐる蒼々した山の姿を見てゐると、もう其で自然を満喫したやうな気分になるのであつた。彼は時とすると、一停車場|上《かみ》にある賑やかな町まで、月の好い晩なぞ子供たちと湖の畔を自働車を駆つたり、江沿の催しで舟を湖上に泛べて、半日を塵の外に遊んだりした。 「余りかまはないやうに、そう言つてくれね。」融は妻に言つた。 「でも皆んな悦んでゐるんですよ。」妻はしんみりした顔をして、彼等の気分を話すのであつた。 勿論彼女自身も、融と一緒に親しい江沿の家なぞへ来てゐると、自分の親里へでも連れて来たやうな女らしい特別の感情に浸されて、不断と別の目で良人を見るのであつた。 死んだ後の今から考へると、それが一番新らしい思出でもあるとほり、その夏は殊にもさうであつた。健康が衰へてゐたせいだと思ふと、融は一層彼女の姿を悲しく思ひ出すのであつた。 O――町へ往く途中、自働車がパンクして、融は同伴者と共に、しばらく路傍の木蔭に休んでゐたが、直きに修繕が出来て、やがてO――の町端へ入つて来た。古駅らしい感じのする融たちが滞留してゐる町から見ると、こゝは製糸業の本場だけに、何となく気分が明るかつた。自働車はやがて少し高みにある江沿の病院の下へついた。 体のでつぷりした、輪廓が調つて、目鼻立の引締つた主人の居間で、融達は紫檀の卓のまはりに座を構へて、お茶を呑みながら暫らく話を交へた。主人は骨董好きであつた。そして大きい美事な壺などが、そこに飾られてあつた。書画帖が融の前に拡げられたりした。その中には有名な画家の色紙などが、沢山挿まれてあつたが、原敬の墓の文字を刻んだ、有名な土地の篆刻家の作品が、尤も融の目をひいた。酒仙のやうなその篆刻家と主人は殊にも懇意であつた。柱の聯を見ると、そこの小ぢんまりした牡丹の画に、妻の弟の題賛がしてあるのに目がついた……。 「その画は……」 「何にそれあ私の悪戯《いたづら》で。」主人が極悪さうに微笑した。 「可かつたな、悪口を言はうとしたとこだつた。」融は笑ひながら、 「ちよつと素人ばなれがしてゐますね。」 一と休みしてから、病院のなかを案内された。病院は養嗣子が院長であつたが、設備は比較的完全であつた。どの部屋にも、書画が沢山かけられてあつた。大抵新画であつた。 「これあちよつと好いな。」融が南画の一つの前に立止まると、 「好かつたらお持ちなすつて」と、江沿は言ふのであつた。 「いやあ」と、融はそこを離れた。 二室つゞきの二階の客間は、この辺のブルヂヨウアらしい骨董品や、書画で一杯であつた。 「私んとこは何んにもないで……たゞ此の光淋だけは私が京都から掘出して来たもので。」 融が床脇の棚のところの壁にかゝつた扇の地紙に、胡粉や緑青を堆く盛つた菊の画の前に立つたとき、主人は少し緊張した声で言ふのであつた。それから竹伝も一幅かゝつてゐた。 「これあ少し出来がわるいで、買ひ手があるから売らうと思ふ。」 「さうですね。売つた方がいゝかも知れませんね。」融は答へた。 やがて饗応がはじまる頃、親類の人が二人ばかり前後して、融が遊びに来たのを幸ひ、短冊や式紙をもつてやつて来た。 「これは皆んな内輪の人だで、二三枚どうぞ。」主人が言ふのであつた。 「書くのはいくらでも書きますが、字がまづいんで……。」 「字なんか何うでもいんで……。」 融はビールの酔をかりて、遠慮なくのたくつた。始めの一枚は手がわな/\顫へたが、しばらくすると平気で六七枚書きなぐることが出来た。 案内者の江沿は傍ではら/\してゐた。余り安つぽく書いてくれない方がいゝとでも思つてゐるらしかつた。 「先生の御都合で、同志が寄つて一つ会をやりたいと思ふが、何うですかね。これを機会に先生にお逢ひしたい連中が沢山あるで。」主人が言ひ出した。 「会もいゝが、先生は世間の商売人のやうに、席上揮毫なんざおやりにならないで、酒席で書かせるのは可けんぞ。」案内者の江沿が防禦線を張つた。 「そいつは制限するだね。」 「席上はいかん。書かないと言つても、つひ方々から突きつけるで。」 融は宴会なぞに出るのを、ちよつと臆劫に感じたが、快く承諾した。そして間もなく其処を引揚げた。 「今日はえらい並べたてたもんだ。」帰りの自働車で案内役の江沿か、赤い顔をしながら呟いてゐた。 融は会へ出ることが、一ツの義務観念のやうになつて、東京の宴会で開会の挨拶でも引受けさせられた時のやうに、その日の来るのが気がゝりであつた。 すると或日土地で書画屋のやうなことをやつてゐるらしい男が、その会の肝煎《きもいり》をすることになつたと見えて、式紙を二十枚ばかりもやつて来た。逢つてみると、その男は色《いろん》々な人を知つてゐた。画家や歌人や俳人などで土地へ来た人を待遇《もてな》した話をしたりしたが、融はさう気持が悪くなかつた。詰り席上では絶対に揮毫しないことにして、式紙を一枚づゝ当日来会者に配ることにしたといふのであつた。 融はさう行かうとも思はない山や水のことを尋ねたり、温泉地のことを聞いたりして、暫らくお相手をしてゐた。主人が扇子をぱち/\やりながら、そこへ遣《や》つて来た。女達を多勢置く商売なので、傭人も多かつたが、彼はその商売を止める止めると言ひながら、陽気なことが好きなので、やつぱり手放《てばな》しかねてゐた。「この商売ももうお終ひです。追々滅びて行くでせう。私んとこなんか、幸いに幾許かのものがあるからいゝやうなものゝ、さうでなかつたら遣つて行けません。」彼は言つてゐたが、若い女達に取捲かれて、三味線や鼓の音を聞いてゐないと、生きがいがないやうにでも思はれるらしかつた。教養のある彼のことなので、恋愛関係でこゝへ養子に来ても、その商売に初めは恥を感じてゐたのであつたが、馴れてくると、さうした夜の世界の歓楽境が、ちやうどアルコオルに中毒したものが、アルコオル気なしには生きてゐられないやうに、すつかり彼の生活になつてしまつた。そして一年々々それを続けて来た。融の子供か、他の親類の子供か、養嗣子ができれば、商売は人に譲つて、隣の町へ引移る予定で、家を建てる地所も用意してあつた。そこには湯がふつふつ湧いてゐて、温泉旅館にしようと思へば、さうするだけの面積もあるのであつた。 融は若し養嗣子の話でも出たら、自分の立場も明らかにしたいし、彼の生活内容も知りたいと思つた斌、江沿夫婦は表立つてはそれを口に出すことを躊躇してゐた。融も自分からそれを触れようとはしなかつた。そして一日一日を芝居を見たり、料理を食べに行つたりして、日を暮らした。江沿はさう云ふ客が、年がら年中家に寝泊りしてゐないと、寂しかつた。時とすると芸人を呼び寄せて、三月でも五月でも遊ばせておくのであつた。 「先生は酒は召上らず、田舎芸者をお見せしたところで初まらないし、御迷惑のことなんだから、まあ成るべく淡泊にやることさね。それにしても会場を何うして××屋にもつて行かなかつたらう。」 「それも交渉して見たんだが、誠に済《す》まないが、当日は親類に取込事があつて、休業だといふだね。でも△△屋も悪くねえだ。何処にしても先生のお口にあふ気遣はないで、反つて△△屋の方が、田舎風で好からうと思ひましてね。」肝煎をする男はそんな事を言つて、やがて帰つて行つた。 融はその夕方別にすることもないので、奥座敷の電燈の下で、せつせと式紙を書いた。彼は小さいをりから字を書くことは嫌ひではなかつたが、手筋は好くなかつた。書くことは書いても癖の多い自分の字を見返すのが厭であつた。少し練習すれば、いくらか垢ぬけかしさうに思へたが、それほどの興味もなかつた。 その日は小雨がふつてゐた。融は廻された自働車で、江沿と一緒に背広|打扮《いでたち》で会場へ出向いて行つた。会場は雪国のこの古駅にふさはしい素朴さに燻しのかゝつた料理屋であつた。融は只有《とあ》る小室へ案内されて、暫らくそこで休んでゐた。二三の人が挨拶に来て話をしかけた。彼は席上何んにもお弁《しやべ》りや揮毫は一切しないと極めてゐた。 二た間ぶつこぬきの広間へ案内されて、行つてみると、そここゝに幾人かの人が集まつてゐて、やがて夫々に席に就いた。融の右隣には酒仙で奇骨のある例の篆刻家が坐つた。左隣には土地の画家が夫婦で並んでゐた。彼は芸術家らしい立派な風采の持主であつたが、席へつくとき杖をついてやつて来た。会員が追々集まつて来た。みんなは名の知れた融が何んな男かを見ようとしてゐるらしかつたが、こんな事が又た彼等自身の懇親を結ぶ機会でもあり、酒や女を享楽するに適当な催しでもあつた。融はどこへ旅行しても、多勢の人に招待されたことは一度もなかつたので、何となく極りがわるかつたが、出来るだけ悪怯れない風を装つてゐた。 見渡したところ、彼等は皆な土地の智識階級であつた。そしてこんな場合、立つて何か一と理窟言はなければ気が済《す》まないやうな顔ばかりであつた。融も若し口が利けたら、立つて一言挨拶をして然るべきところだらうと思つたが、そんな機智は彼にはなかつた。 酒がまはるにつれて、席がやゝ乱れかけてゐた。融は猪口をもつてくる人達を、好い加減にあしらつてゐるうちに、目がちら/\して来た。三味線が融に遠慮でもするやうに、内輪に弾かれ、声の好い女が唄を謳つた。そしてそれから暫らくすると、男達に女が交つて、大きな輪になつて三味につれて伊那節を唄ひながら、素朴で優雅な踊りを踊りはじめた。 古駅にふさはしい情調がそこに流れた。融はそれを飽かず眺めた。彼は幼少のをり一二度田舎で見たことのある盆踊を思ひ出した。肩のいかつい、腕のごつ/\した髭男の踊るのが、一番風情が多かつた。 それが五六遍まはると、今度は木曾節がはじまつた。融は一層興味を覚えた。都会にはやる社交ダンスや家庭ダンスなぞには見られない原始的な面白味があつた。 融は自分が上座に構へてゐることが、却つて彼等の一夜の興趣を殺ぐことに気がついたので、やがて人々に挨拶して席を立つた。そして乗りものが来るまで、別室で茶を呑んでゐた。そこへ芸者が二三人やつて来た。 「先生、この連中に何か一つ。」例の世話人がやつて来た。そして大きな硯や筆が、女達によつて、そこへ運ばれた。 「これあ本職のつかふもんだ。今夜は筆がないから駄目だが、明日短冊をもつて僕のところへやつておいでなさい。書いてあげるから。」 融は馬鹿に声の好い芸者があつたので、妻に追分や義太夫でも聞かさうと思つて、わざとさう言つて、三四人の芸者に約束した。 「明日私がつれて行きます。」世話人が言つた。 翌日その女達の来たのは、四時頃であつた。その中には融の仲間の一人をよく知つてゐる女もあつた。 彼等は奥座敷の入口の方に固《かた》まつて硬くなつてゐた。世話人もそこへ来て坐つてゐた。少女たちによつて、酒や御料理が運ばれた。 融は江沿の細君に謀つて、祝儀を包んでもらつたりしてから、席に就いた。 「この人は声が好いんだよ。」融は肥つた越後女を一人指ざして妻に告げた。 妻は行儀よく坐つて、場馴れない風をしてゐた。そんな事も嫌いではなかつたし、二十年の前、融と一緒になつて五六年目に、これから先きの山の温泉へ、彼女の従兄につれられて来た頃には、酒も飲んだし、酒落の一つも言つた方であつたが、幼いをりから東京に育つてゐるとは言ひ条何と言つても彼女は山国タイプの堅い真面目な女であつた。 「さうですか、何か聴かせて戴きたいものですね。」妻は女に言つた。 「さあ何かやれ/\。どうせ先生は耳が肥えてゐらつしやるで、かう云ふ田舎芸者の唄の方が面白いだ。木曾節がお気に入るくらゐだで。」江沿は酒を飲みながら促した。 「何をやつたら可いんでせう。」 「何をつて、先づ得意の義太夫からやれ。」 「義太夫結構ですね。」融の妻が言つた。 女は列から離れて、奥座敷の口のところに坐つて、太棹の調子を合せはじめた。そして硬くなつて語りはじめた。筒が女にしては太い方であつたが、艶もあつた。彼女は真赤になつて語つた。 それが済むと、融は追分を註文した。 「この人は追分の本場なんだよ。」 「迚も好い声だ。」江沿も言つた。 追分の声調が慵るく流れた。 それから立つて踊る妓もあつた。清元をやる妓もあつた。終に江沿の抱えである二人の美しい妓が、浴衣姿のまゝ起ちあがつた。そして田舎風に活撥に踊つた。打扮が打扮なので、白脛が見えたりして、甚くぎくしやくしたものであつた。絨氈の埃を立てゝ、彼等は可哀さうなほど二人で踊りつゞけた。二人とも年が少かつた。 女たちが帰つてから、むつ/\してゐた江沿の隠し芸がはじまつた。彼はぐで/\に酔つてゐた。そして何時までもたつても止めなかつた。 それから三四日してから、融は妻と連れだつて、町はづれへ槻の食卓を買ひに行つたことがあつたが、夏の陽光を浴びながら、可なり遠いところにあつたその店を捜しあるいてゐた彼女の顔や姿が、何となく形の薄いものであつた。 融たちが、他の親類へは失敬して、そこを立つたのは、その翌日の夜であつた。 江沿と融のあひだには、汽車に乗るまでも、子供の話など、叺《おくび》にも出なかつた。 今年も夏が近くなつて来た。しかし融は妻の死んだ今、そこへ行く勇気はなささうに思へた。[#地付き](大正15[#「15」は縦中横]年5月「新潮」) 底本:「徳田秋聲全集第15巻」八木書店 1999(平成11)年3月18日初版発行 底本の親本:「新潮」 1926(大正15)年5月 初出:「新潮」 1926(大正15)年5月 入力:特定非営利活動法人はるかぜ
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4885.html
前ページ次ページゼロな提督 どっかーん! 魔法学院では日常風景である大爆発。かつては、またゼロのルイズが魔法に失敗…と、 うんざりされていた。だが今は『虚無』の担い手による伝説の魔法と認識されている。 ただし、傍迷惑なのは今も昔も変わらない。そして今回は、とびっきりの迷惑だった。 外交問題級の。 「お、お待ち下さい!落ち着いて下さい!一体、一体何をそんなに激昂されるのですか!?」 制服姿のルイズからジリジリと後ずさってくるのは、神官だったらしい。 だったらしいというのは、かつては神々しい白の神官服だったものが、今は見る影もな く黒こげになってボロボロになったからだ。頭の球帽は吹っ飛んで、禿頭が無惨に晒され ている。 「もう一度…言ってみなさいよ…」 杖を手にしたルイズが、目をつり上げて神官へにじるよる。こめかみには血管がくっき りと浮き出ている。 その怒りを真正面から受けた神官は、無様に尻餅をついてしまった。 「も、もう一度、とは…何を、ですか?」 仁王立ちになったルイズはビシィッと杖を突きつける。 「あたしが、何ですってえ!?」 詰問された神官は、自分が先ほど口にした言葉の何がまずかったのか、考えてみた。真 剣に、細部まで慎重に考えた。しかし、やっぱり何がまずかったのか分からなかった。 「あの、ですから、『虚無』の担い手たる貴女を、聖なる巫女として、教皇聖下がロマリア へ」 「誰が…誰が、聖なる巫女よぉーっ!!」 どかかかかーんっっ!! 哀れな神官は、連続爆発に吹っ飛ばされた。 「覚えておきなさい…私は、ブリミルが、大ッ嫌いなのよ!」 そんな背教徒の言葉は、気絶した神官へは届いたかどうか分からない。 こらーっ!ルイズぅー! 本塔から、デルフリンガーを背負う黒服のヤンが大慌てで駆けてきて、アウストリの広 場ど真ん中で痙攣している神官を助け起こした。他の生徒や教員も大慌てで駆け寄り、治 療のため水の塔へ運んでいった。 ヤンは腰に手を当ててルイズの前に立つ。小さな主は、ぷぃっとそっぽを向いた。 「ルイズ、なんて事するんだよ…ロマリアや教会がどうこう以前に、この人は全然悪くな いじゃないか」 「ふんっだ!だーれがロマリアに行くもんですか!私はね、あの祈祷書を見るだけで、腹 の底から煮えくりかえるのよ!」 「おでれ~たなぁ…虚無を受け継ぐ奴がブリミル嫌いだなんてなぁ。ま、しゃーねぇけど な。ロマリア行ったって異端審問とか言って殺されるのは目に見えてるしよ」 デルフリンガーもほとほと呆れてる。遠目に囲む教員も生徒も、うんざりとしていた。 第29話 説得 ニイドの月、ティワズの週、虚無の曜日。 ゲルマニアへの禅譲交渉から、既に三ヶ月。夏休みも最後の週。トリステイン魔法学院 も、もうすぐ新学期に入る。新学期の準備に忙しい学院では、今日もコレ。困ったものだ と皆が頭を抱える。 元々ニューイの月は、トリステインでは今さら口にするのも憚られるが、アンリエッタ 姫とアルブレヒト三世の結婚式予定で魔法学院は休校の予定だった。それが姫のアルビオ ン亡命・突然の禅譲宣言・アルビオン艦隊襲来…もはや学校どころではない大混乱。 結局そのまま、なし崩しに夏休みへ突入。ニューイ、アンスール、ニイドの月と経て、 ようやく国内も外交も安定を見せ、学院も新学期と共に再開の運びとなった。 ―――結婚式で浮かれ気分のヴィンドボナに、いきなり現れた女王マリアンヌとヴァリ エール公爵一行。彼等から告げられるアンリエッタの逃亡報告と謝罪。そしてトリステイ ン貴族の総意を示す血判状が裏になされた五枚の巨大タペストリーを前に、いきなりの禅 譲の申し入れ。 無論、ルイズという切り札のカードは伏せたままだ。何故こんなに早く全貴族の意思統 一が為されたのか、という点は重要ではないし、要はトリステイン貴族の総意として禅譲 を受け入れる事が明らかであればいいということもある。 アルブレヒト三世と配下の人々は、怒るとか喜ぶとかいうレベルを超えていた。一体何 がどうなったら、そんな話になるのかと、マリアンヌと公爵へ大臣諸侯共々何度も何度も 聞き返していた。 どうにか話を聞き終えて得心したゲルマニアの人々なのだが、この申し出を果たしてど うしたものかと困り果て…というような暇もなく、今度はクルデンホルフ大公国から特使 一行が飛んできた。その特使は、何故か皇帝の前にいる女王と公爵に目を白黒させて絶句 した。 で、ヤンや公爵夫妻が予想したとおり特使は大公からの事件報告書を携えていた。加え てゲルマニア帰属及びトリステイン討伐軍参加申請書も。本来なら、この報告書を見て激 怒しなければいけなかったのだが、彼等にそんな気迫はもはや抜けていた。特使にしても 寝耳に水。討伐すべき本人が先に来て頭を下げて、自分たちと同じくゲルマニア帰属を申 し出ているのだから。 ゲルマニア政府の高官達は、完全に毒気も怒気も抜かれてしまった。 あまりに唐突な話に対応出来ぬ、しばし待たれよ…という訳で女王一行は貴賓室に案内 され、アルブレヒト三世以下大臣将軍達は額を付き合わせた。何か裏があるのでは、何か の策略か…と会議をしていたら、今度はラ・ロシェールからゲルマニア・トリステイン両 艦隊からの緊急報告。アルビオン艦隊を枢機卿の策により、見事撃退したというのだ。捕 虜も数千人にのぼるという。実際にはヤンの策だが、枢機卿の名で指令書は記されていた から。 この報告にゲルマニアの人々だけでなく女王も公爵も勇気づけられ、かつ交渉のアドバ ンテージを得た。驚天動地な情報が連続で降りかかるヴィンドボナは混乱、この事実を女 王達に秘匿する事が出来なかったのだ。おかげで交渉は、すっかり女王と公爵のペースで 進められた。 数日経って、本当にトリステインでは貴族の総意が得られている事、加えて公爵の三女 が虚無の使い手として名乗りを上げたという事実も伝わってくる。虚無の再臨についてゲ ルマニアの人々は公爵に問いただすが「禅譲の件には関係ない。それと、確たる答えを聞 く事は閣下の不利益となろう」と、言を左右にして答えなかった。 さて、困ったのはゲルマニアの人々。 姫が婚儀の最中に昔の男を慕って逃げた、アルビオンへ亡命した。これは確かにトリス テインの大失態であり、アルブレヒト三世個人への最大の侮辱。のみならずゲルマニアへ の国辱。 が、トリステインは真摯に謝罪し、禅譲すら申し出た。疾風のごとき早さで国内の意思 統一も済ませ、血判状まで持ってきた。もはや怒るどころか、手際の良さと潔さに賞賛の 声すら上がる。謝罪として申し分ないものであり、アルブレヒト三世の名誉も十分守られ た。 かくてトリステインに対して和解の意思が示された。争う以前に和解するという、珍妙 な決定だった。 トリステインと和解するのはいいのだが、彼等が一番困ったのは、本当に禅譲された場 合の事である。 血判状が示すのは、トリステインが盤石の一枚岩という事実。これがゲルマニア領内に 加えられると、明らかに既存の都市国家群を遙かに上回る国内最大勢力となる。つまり、 ゲルマニア領内のパワーバランスが崩れる。バランスを取るため有力貴族の処刑、人質と してマリアンヌ幽閉、『虚無』の担い手たるルイズの引き渡し要求等をすると、今度はトリ ステインが団結してゲルマニアに逆襲する事態を引き起こしかねない。ゲルマニアがトリ ステインを吸収したはずが、逆にゲルマニアの方がトリステインに乗っ取られる懸念が生 じてくる。 何より扱いに困るのは、ルイズである。真偽は未だ不明ながら、本当に虚無の系統だと したら、アルブレヒト三世にとって極めてまずいのだ。どう考えても、虚無の担い手の方 がカリスマが上だからだ。配下に加えようが、政略結婚しようが、ルイズが生きている限 り始祖ブリミルの威光を前に自分の存在は霞む。と言って排除しようとしたら、逆に自分 が消されかねない。いや、むしろルイズを担ぎ上げて自分を追い落とそうとする連中も現 れるだろう。 ついでに言うと、ルイズの容姿についての報告を受けた皇帝は一言呟いて頭を抱えた。 「…無理」の一言を。権勢欲の権化がごとき皇帝ではあったが、幸か不幸かルイズは趣味 から外れていた。 結局、公爵が暗に示したとおりルイズの件は棚上げ。皇帝は「卿等の心からの謝罪、既 に十分に予と臣民へ受け入れられた。ゆえに禅譲の必要はない。この上は過去の過ちに拘 泥することなく、共に新たなる時代を築こうぞ」と、跪き杖を差し出すマリアンヌへ手を 差し伸べた。もちろん皇帝の寛容さと、王家にも引けを取らぬ権威を世に知らしめるため でもある。 こうして、トリステインは独立を維持し続ける事も認められた。 かといって禅譲を申し出るまで譲歩したトリステインに全く無欲でいられる程、慎み深 く商才に乏しい人でもない。婚約破棄の責任も問わざるを得ない。対アルビオンへの共同 戦線は早急に必要。 マザリーニには全財産没収と宰相の地位剥奪、城からの追放。枢機卿の地位は教会内の ものなので、世俗の支配者たるゲルマニア王の権限は及ばず、教会も彼の地位には何も言 及しなかった。皇帝が彼を処刑しないのは、教会への配慮と今後の利用価値ゆえ、と目さ れている。 マリアンヌ個人の責は不問。損害賠償としての献上品と共に、定期的なヴィンドボナへ の来朝が決められた。 領土は、クルデンホルフ大公国が正式にゲルマニアへ帰属。これ以上の領土割譲を得る と、ゲルマニア国内でのトリステイン勢力が拡大しすぎ、旧来の都市国家群や商会が圧迫 される。既得権益を守りたい人々は「過ぎた欲は身を滅ぼす」と皇帝へ進言、これ以上の 領土要求はなかった。 軍事は、予定されていた軍事同盟より更に強固な連携体勢が構築された。有事の際にト リステイン軍はゲルマニア軍指揮下に入る、定期的なトリステイン領内での軍事演習、ト リスタニア近郊のゲルマニア軍駐屯、等である。もともとこの点が両国の主題なので、ゲ ルマニアは軍事に関しては様々な要求をしてきた。女王と公爵は、これはやむなしとして 受諾した。 その他、両国間の関税の撤廃や減免措置、人材交流等、色々な細かい議題はある。それ らに関しては後日、正式な交渉の場でゆっくり決めよう、ということになった。 これらの交渉が、本来結婚式に当てられるはずの期間を利用して一気に行われた。まさ に急転直下。両国の落としどころとしては、トリステイン・ゲルマニアにクルデンホルフ 大公国や都市国家群を全てまとめ、緩やかな連邦制へ再構築になるか…と巷で囁かれてい る。 三ヶ月後の現在も新体制構築に向け、交渉と構想が火花を散らしている事だろう――― 話は戻ってトリステイン魔法学院。 程なく、哀れな犠牲者となった神官は意識を取り戻した。 「デュレス司教、気付かれましたか!?」 と言ってベッド横で汗を拭きながら神官の身を案じているのは、オスマンだった。その 後ろでは、治療にあたっていたであろう水系メイジの生徒教師も不安げな顔で覗き込んで いる。 そんな彼等の顔を更に深刻な顔に変える言葉を、デュレス司教と呼ばれた神官は開口一 番口にした。 「し、司教たる私への殺意!始祖ブリミルへの呪詛!かのヴァリエール家の三女は疑う余 地無き邪教徒ですな! この件、教皇へ報告させて頂きます!いえ、私の権限で今すぐ異端しん・・・」 鼻息荒く異端審問を執り行うと叫ぼうとした司教だったが、途中で言葉が途切れた。窓 の外から、聞いた事のない甲高い音が響いてきたからだ。かつ、窓の外に異端審問の被告 人たるルイズがいたからだ。 窓の外ではルイズがデュレス司教へ向けて小さな舌を突き出している。 彼女の前では、やれやれと肩をすくめるヤンが操縦席に座っている。 甲高い音は彼女が乗る、白銀に輝くものから発している。 二人は、ちょっと土や草がついて汚れてはいるが、いまだ白銀に輝く細長い船らしき物 に乗っている。水の塔横に滞空しつつ、窓から司教へキャノピー越しの姿をのぞかせてい た。 「んじゃ、とりあえず家に帰るとしましょうか!」 後席からルイズの元気な、かつ詫びれない声が響いてくる。 「ふぁーい。…あぁ~あ、公爵に説明するのが大変だよ」 「ゴチャゴチャ言ってないで、さっさと行きなさい」 召喚ゲート専用複座式特殊小型艇『ドラート(Draht、針金・ワイヤーの意味)』の前席 に座るヤンが操縦桿とスロットルを操作し、『ドラート』を上昇させる。そして学院上空を 旋回した後、一気に飛び去っていった。 「…逃げてしまいましたな」 オスマンが空の彼方を眺めながら、ぼそっと呟いた。 対する司教は呆気に取られ、口をパクパクさせてから、ようやく言葉を発した。 「な、何ですかあれは…帆も何もないのに、風竜より早く飛んでいく船なんて…」 その言葉を聞いた学院の人々は、苦笑いを向け合ってしまう。 「あれがヤンの国の船なのです。当学院へ来られる時、草原に並んでいるのを見ませんで したかな?」 そう言ってオスマンは窓の外を指さす。 「み、見ました、が…何かは分かりませんでした。まさか、あれが船だったとは…」 デュレスも窓の外の草原を見る。 オスマンの示す先、学院外側の草原には、同じ形の機体がズラリと並んでいる。 ただ、それらには『ドラート』の様な操縦席がない。操縦席があるべき場所には、代わ りにコンテナが収められていた。草原の中に並ぶ全てがコンテナ運搬用小型艇だった。 「・・・というワケで、これから家に帰るわけなのよ」 後席で事情を話し終えると、狭いコクピットにキュルケの甘ったるい声が響いた。 《全く、無茶するわねぇ。こっちもヴァリエール家に向かってもらうわね》 「あら、そろそろ学院に戻らなくて良いの?」 《まだ一週間あるわ。それより例の調印式の準備で忙しいの。ヴァリエール領とツェ ルプストー領とをつなぐ街道の補修と拡張も終わってないし、領内の商会やら組合や らが、そっちの公爵との面会を求めて…とまぁ、そんなわけで私もまだまだ色々やら なきゃいけないの》 そんな話を二人が通信機越しにしていると、彼方の丘の上に城が見えてきた。 丘の上に立つ屋敷は、城という言葉の方が相応しい。トリステインの宮殿にも負けない ほどの大きさにも見える。高い城壁と深い堀に守られた敷地内には、いくつもの尖塔が起 立し、白銀の小型艇が数機並んでいる。この小型艇も操縦席のない、コンテナ輸送用の物 だった。 そして空の向こうからは、ヤンとルイズが乗る『ドラート』の同型機が飛んでくるのも 見える。 速度を落としてすれ違う『ドラート』のキャノピーが透明になる。中には前席で操縦す るフレデリカと後席で手を振るキュルケが見えた。 屋敷の横に着陸した二機からヤンとルイズとフレデリカと、大きくて形の良いヒップを シートから引っ張り出してキュルケが降り立った。 褐色赤毛は乗ってきた機体をペシペシ叩きながら目を輝かせる。 「いや~、やっぱり速いわねぇ。乗り心地も、狭いという以外は最高だし。我が家にも一 機欲しいわ」 その言葉にフレデリカは微笑みながらも申し訳なさそうに答えた。 「そういう訳には行きません。機体は手配出来ますけど、操縦出来るのは私と夫だけなん ですから」 「そこをなんとか!扱い方さえ教えてくれれば、あとは自分で操縦するから。お願いしま すわ!」 手を合わせ、頭を下げてお願いしてくるキュルケに、フレデリカは困った顔だ。 「そうは言われても…。操縦方法はともかく、モニターに表示される言語が読めないので は無理です」 「うぅ~、それじゃ、誰かお国から人を派遣して頂けないかしら?この『ドラート』専門 の御者として雇いますわよ」 「それこそ無理です。今のところ、故国から私以外の新たな人員派遣は不可能な状況です から」 キュルケは肩を落とし、あうぅ~と呻いた。 そんな女性二人へ向けて、こらー!早く来なさいよー。ちい姉さま待たせるんじゃない わよ!というルイズの声が飛んでくる。屋敷の入り口を見ると、門前に立つルイズとヤン を出迎える使用人達の間に、二人へ向けて笑顔で手を振るカトレアとシエスタの姿があっ た。 「ま、とにかく中で話しましょうか」 キュルケは気を取り直してルイズ達の方へ足を向けた。フレデリカもニッコリ笑って後 に続いた。 ―――現在の所、フレデリカ以外に人員派遣はなされていない。送られたのは全て無人 機だ。皇帝は護衛を送る予定だったが、ある事実を報告され中止せざるを得なくなった。 イゼルローン側も渋々納得した。ついでにビッテンフェルト上級大将も。 その事実とは『フレデリカがハルケギニア語を話した』という事である。 彼女は、ゲートを通過した瞬間にハルケゲニア語が話せるようになった。だからハルケ ギニアの人々と問題なく会話出来ている。もちろんゲートを通過していない人々はハルケ ギニア語が話せないので、通信機で帝国・同盟にいる人々と会話するには通訳が必要とな る。 この事実に気付いたステーションの人々は「うわぁ便利だなぁ、さすがファンタジー、 魔法って凄いなぁ」なんて子供番組を見る幼児のような反応はしなかった。驚愕し、戦慄 したのだ。 言語を話すというのは、耳で聞いた言葉を理解し、文章を作って発語するという事であ る。それは大脳の一部、弓状束という神経線維で接続された二つの部分、ブローカ野及び ウェルニッケ野という場所で処理される機能。ブローカ野では運動性言語野、つまり『話 す』機能を司る。ウェルニッケ野では音声言語の理解、つまり『聞く』という機能を司っ ている。 新しい音声言語を学ぶというのは、この二つの部位に新たな神経回路を作るという事。 この場合、それがゲートを通過した瞬間に、ハルケギニア語を流暢に話せるほど完璧に行 われた事になる。 つまり、ゲートには脳の神経回路をも操作する力がある。しかも一瞬で完璧に。 では操作されるのは、本当に言語野だけなのか? もし記憶や人格に関わる部分に書き換えが行われていたら…。 召喚ゲートは本来『使い魔』という名の奴隷を得るための物。ゆえに主への反逆を防止 する機能があって然るべき。そうでなければメイジ達が様々な生物を、本来は決して従順 でも大人しくもないサラマンダーのような幻獣達までも使い魔として従わせている事実を 説明出来ない。 いやそもそも、人間の命令なんか理解できる知能のない小さなカエルを使い魔にして使 役しているメイジがいる時点で明白なのだ。脳改造どころではない、もっと強力で底知れ ない何かが介在しているのは。『召喚』『契約』についてはヤンから説明されたが、だから といって『召喚ゲートを通るだけなら安全』だなどとは言えない。 結果、ラインハルトは『生物のゲート通過禁止』を打ち出し、イゼルローン側も同意し た。少なくともヤンとフレデリカの医学的データから、ゲート通過による生物への中長期 的影響を確認し、有害な効果は存在しないと判断出来るまで、召喚ゲートの使用は原則禁 止となった。 ヤンからの情報で、現在はヤンの身の安全は確保されている事が判明し、護衛としては フレデリカ一人で十分とも結論づけられた。ちなみにフレデリカはヤンと違い、白兵戦・ 射撃は身につけている。 また「戦力をハルケギニアへ過剰に送る事は、現地の貴重な文化風俗歴史を破壊する」 と強く進言、というより必死に懇願する『芸術家提督』メックリンガー上級大将の意見も 採用された。 こうして、今のところハルケギニアへ送られた人員はフレデリカのみ。武器弾薬も複座 式小型艇『ドラート』二機と、ライフル・拳銃とスペアのエネルギーパックなど小火器類 だけだ。中央広場やタルブでの戦闘から、これだけあれば護身用として十分すぎると判断 された。 他のコンテナに入れられていたのは武器以外のもの。二人の脳操作の影響を調べ健康管 理するための医療用機器、ハルケギニアの映像・生物データを採取・保存・送信するため の撮影・通信・実験用機材。その他日用品とか、衣服とか、機材を運用するためのメンテ ナンス機器に燃料など。 ちなみに夜になると、学院横に置いている機材や小型艇を勝手に持ち去って研究しよう とする謎の人影があったとかなかったとか。そしてその人のためにタルブから、砲撃やエ クスプロージョンで破壊された強襲降下艇や試作型『ドラート』を、わざわざ運んできた とか――― そして屋敷の一室では、カトレアが立派な天蓋付きベッドに寝ていた。ただ天蓋以外に も、各種機械類が取り付けられている。そこは簡易ながら医務室として機能していた。 彼女の手、腕、こめかみ等にはセンサーが貼り付けてある。そしてセンサーから採取さ れた生体データは、ベッド横の床頭台に置かれた端末に表示されている。それをフレデリ カが真剣な眼でみつめていた。 「ヤマムラ軍医、どうでしょうか?」 端末のモニターに現れたのは、白衣を着た壮年の男。彼は手元に表示されるデータを鋭 い目で睨みながら答えた。 《症状は安定しています。ですが、やはり対処療法だけでは根治できません。これま で送信してもらったデータからは遺伝性疾患が疑われるんですが、なにしろハルケギ ニア人のDNAデータが乏しく、プロテインデータバンクに無い蛋白もあって…。未 知のタンパク質は結晶構造解析から始めないと。立体構造が分からないと活性部位も 分からないのです。なので、SBDD (Structure Based Drug Design、タンパク質構造解 析に基づく新薬開発)等について、もうしばらく時間が欲しい、というのが医療班の 要望です》 ヤマムラ軍医少佐の同盟公用語はハルケギニア語に自動翻訳されていたが、ヤンの横の ルイズとキュルケとシエスタ、背中のデルフリンガーは、内容自体が分からず光の速さで 置いてかれた。 ヤンは軍医の生化学講義に分かりやすい結論を求める事にした。 「えっと、すいません。つまり今のところは研究中ということですね?これまで通り、安 全性の確かめられた点滴と、ハルケギニアの薬とかで症状を抑える、と」 聞かれた軍医は一瞬キョトンとして、慌てて咳払い。 《そ、そうです。つまりそう言う事です。失礼しました》 ちょっと恥ずかしげに頬を染める軍医に、カトレアはニッコリと微笑んだ。 「イツモ、アリガトウ。マタ、ヨロシク、オネガイシマス」 たどたどしい同盟公用語でのお礼の言葉と、春のように暖かく包み込むような笑顔。旧 同盟領出身の軍医は、ますます顔を赤くしてしまった。 ルイズが神官を吹っ飛ばしたのと同じニイドの月、ティワズの週、ユルの曜日。 アルビオン首都ロンディニウム。ハヴィランド宮殿。 十六本の円柱が天井を支える、白一色の荘厳な空間であるホワイトホール。ホール中心 にある巨大な一枚岩盤の円卓は、普段は神聖アルビオン共和国の閣僚や将軍達が集まり、 様々な会議を行っている。 「聖地奪還。確かに我等は聖下とは、始祖の悲願たる目的を共有しています」 上座に座る若者へ向け、豪奢なマントと王冠を身につけた男は静かに語りかける。 だが今は、広いホールに5人しかいない。 一人は神聖アルビオン共和国初代皇帝オリヴァー・クロムウェル。皇帝であるはずの彼 は、上座に座る人物に恭しく頭を垂れている。普段の高揚したような話し方も控え、落ち 着いた口調だ。 その皇帝に敬意を払われている、もう一人の人物。濃い紫色の神官服に、高い円筒状の 帽子は、彼がハルケギニア中の神官と寺院の最高権威…つまり、ロマリアの教皇である事 を示している。 教皇は若く、纏った神官服のカケラほどにも偉ぶった所は見えない。目元は優しく、鼻 筋は彫刻のように整っている。形の良い口には常に微笑みがたたえられていた。そして、 誰もが振り返るほどに美しい。元が一介の司教に過ぎなかい皇帝としては、また形式上ハ ルケギニアの各王より地位が高い教皇へは、敬意を払わないわけにはいかない。 二人の下座に控えるのは二人の男女、ウェールズとアンリエッタ。二人とも教皇と皇帝 の会見に際して口は開かず、僅かに顔を伏せ二人の話に聞き入っている。アンリエッタは 両腕に、肩まで届くほど長く白い、結婚式用のオーガンジーグローブのような手袋をはめ ていた。右手の義手を隠すために。 そして最後の一人、皇帝の秘書であるシェフィールドが皇帝の背後の壁に控えていた。 ローブで顔半分まですっぽり隠したまま、黙って控えている。 細い金糸のような神をさらさらと揺らして、ロマリア教皇は笑った。 「ヴィットーリオとお呼び下さい。私は堅苦しいばかりの行事を好みません。それが元で 本国の神官達には、いつも叱られておりますがね」 「恐れ多う御座います。三年前、聖下の即位式にも出席の叶わなかった片田舎の一司教で あった身としては、聖下の御名を軽々しく口にする事など」 皇帝は教皇へ深く頭を下げる。 ヴィットーリオ・セレヴァレこと聖エイジス三十二世の即位式は三年ほど前。ハルケギ ニアの各王は揃って参列する慣わしだったが、この時クロムウェルはアルビオンの地方管 区に務める一司教。もちろん参列できる身分ではなかった。 クロムウェルは感嘆を禁じ得ない。 『始祖の盾』と呼ばれた聖者の名を受け継ぐ、三十二代目教皇が二十歳を僅かに過ぎた ばかりの若者である事、とんでもない美青年であることは司教として知っていた。だが、 これ程とは思わなかった。 そもそも教皇が御召艦『聖マルコー』号にてアルビオンへ行幸する。その時点から全く の異例な事態だ。 始祖より授けられた王権を打ち倒して即位した皇帝は、始祖の権威へ唾吐く者と断罪さ れても不思議はない。それに、元々はアルビオンの一司教に過ぎない身分。王家の者では ない。皇帝がロマリアへ呼びつけられる事はあっても、逆に教皇がアルビオンへ足を運ぶ など、本来は有り得ない。第一、教皇御自ら、わざわざ他国へ赴くという事自体が滅多に ない。 故に皇帝は、自己の地位が教皇に承認されたという既成事実に喜ぶと共に『クロムウェ ルの皇帝即位承認』を取引材料とするほどに事態が切迫している事も思い至る。 「恐れながら、聖下にお尋ねしてもよろしいでしょうか?」 「なんなりと」 「此度の突然の御行幸の理由に御座います」 聖エイジス三十二世は、深いため息をつく。 「クロムウェル殿は、近々行われるであろうトリステインとゲルマニアの共同宣言、連邦 制への移行について、どう思われますか?」 その問に、皇帝は迂闊にも、露骨に渋い顔をしてしまった。下座で黙って聞いているア ンリエッタも顔を伏せてしまう。 巷で噂の、ゲルマニア=トリステイン連邦国家建国。 この報は各国高官の間でも噂され…というよりトリスタニアで行われる建国記念式典、 その調印式への招待状がロマリアに届いているのだから、もう公の事実。正式な宣言を待 つばかりの段階だ。 そして、この招待状…ロマリア・ガリアのみならず、アルビオン皇帝クロムウェルにま で届いていた。いまだ正式な国交すら無い状態にもかかわらず。 ―――かのアンリエッタ亡命事件以後、アルビオンも様々な変動があった。 確かにアンリエッタを手にした事は、極めて大きな政治的勝利である。だが同時にラ・ ロシェールへ奇襲をかけたアルビオン艦隊は敗北。捕虜数千人のために支払わされた身代 金も相当なものだ。 軍事的敗北、国庫への負担、そして増税から目を逸らすため、かつてヤンが脳内で語っ たお伽話的美談を大きく宣伝した。マザリーニ・アルブレヒト三世・ヴァリエール公爵を 悪役に仕立て上げる事で、とりあえず国民に対する権威失墜、皇帝への批判はかわし続け ている。 とはいえゲルマニアとトリステインの共倒れ、最低でも軍事同盟破棄は確実…だったの に、軍事のみ為らず政治・経済面に至るまで強固な関係を築き上げるという、真逆の結果 が生じてしまった。さすがにこんな、予想外にも程がある結果まで皇帝の責任を問う声は 小さい。だが、地上侵攻とハルケギニア統一が極めて困難になったのは間違いない事であ る。 いまだ公式発表はないが、トリステインに『虚無』の系統が降臨したという噂も広まっ ている。「地に平和を!」という神託を下し、レコン・キスタの聖地回復運動に対抗してい るというのだ。これでは他国の敬虔なブリミル教徒をレコン・キスタへ取り込むにも支障 が出る。 ワルドからの情報もあって(彼はアルビオンで領地と爵位を得て、確かな地位を築きつ つある)『虚無』の担い手ルイズ、その使い魔ヤンの事を皇帝は知っている。ゆえに、皇帝 は地上侵攻を躊躇わざるを得ない。政治的にはともかく、軍事的に勝てる見込みがほとん ど無いからだ。 そう、皇帝は知っている。 ヤンがレコン・キスタの目論見を尽く見破り裏をかく智将であると。 今や両国は一つとなり、アルビオンと並ぶ大国にならんとしていると。 皇帝への式典招待状はクロムウェルを謀殺する罠などでなく『レコン・キスタなど、も はや歯牙にもかけていない』という意味だと。 そして何より、教皇と皇帝にとって不都合な噂がトリステインを中心に広まり始めてい るということを――― 「全くもって、奴等の行為は赦しがたい事です。聖地奪還運動に対して堂々と異を唱える とは。 しかも、その理由が信じがたい!『聖地は既に無い。始祖の魔力が暴走し、千年前に消 失した。千年前から現在まで、エルフ達が暴走する虚無の力から世界を守り続けた』など と! かつて聖職にあった身としては、不信心までは赦せます。ですが始祖に弓引くがごとき 虚言は赦せません!しかも言うに事欠いて、あの暴虐なる悪鬼、エルフが世界を守ったな ど、世迷い言にも程がありましょう!」 聖職にあったくせに信仰心の欠片もない皇帝だったが、この時に示した怒気には多分に 演技以上のものが含まれていた。それほどまでに皇帝にとって、件の『理由』は非常識か つ自己の政治的宗教的立場に真っ向から対立するものだったから。 教皇も皇帝の言葉に強く頷いた。 「まったくもって、その通りです。しかも最も赦しがたいのは、この暴言を吐いたのが、 始祖の後継者を僭称するルイズという娘本人という事です。かの魔女は誰憚ることなく、 公言しているそうですよ。『私はブリミルが大嫌い』と」 「狂人の戯言です。聖下が御心を痛めるに及びますまい」 「その通り、完全に狂人の戯れ言です。始祖の系統『虚無』を受け継ぎ、始祖の後継者を 名乗りながら、始祖を嫌い始祖の悲願を否定するなど。明らかな自己矛盾に陥っているの です。 ところが、どういうわけか、その戯れ言が徐々に広まっているのですよ。トリステイン を中心に」 「信仰が地に堕ちた…という類の話ではありませんな。異教、いや邪教が広まっていると しか思えません。かの連邦設立という話の裏に、始祖の慈愛が満ちるハルケギニアを闇に 堕とそうとする、ルイズとかいう聖女を騙る魔女の悪しき意図が隠されているのは、間違 いありますまい」 教皇と皇帝はルイズを狂人・魔女と呼ぶ。その度にアンリエッタは青ざめ、失った右腕 の傷口辺りを押さえ、小刻みに震え出す。ウェールズはアンリエッタの肩に手を置いて抱 き寄せ、静かに慰める。 「どうか、されたのですか?」 教皇の問に答えたのはウェールズだった。 「私の婚約者は、かのルイズの使い魔である平民に、右腕を奪われたのです」 その言葉にアンリエッタは鞭に打たれたかの如く、ビクンと大きく震えた。伏せた顔を ウェールズの胸に埋め、頬を涙で濡らす。ウェールズはアンリエッタの背を優しくなで続 けた。 そんな二人の姿に、ヴィットーリオは顔を曇らせた。 「これは、配慮が至らず申し訳ありませんでした。どうか今は静かに休まれるがよろしい でしょう」 その言葉を受けて、ウェールズは教皇へ一礼し、アンリエッタを庇いながら退室した。 後に残るのは教皇と皇帝と秘書のみ。 教皇は秘書の方をチラリと見やり、皇帝に向き直った。 「失礼。ここからはクロムウェル殿と二人きりで話をしたいのですが」 その申し出に、皇帝は目を見開き、汗をかきながら秘書と皇帝の間でチラチラと視線を 往復させる。シェフィールドは一礼して、同じく部屋から退室した。 ホワイトホールに残るのは、すぐに穏やかな微笑みを取り戻した教皇と、なにやら落ち 着きのない皇帝の二人。 「さて、クロムウェル殿…折り入って伺いたい事があります」 「な、何でしょうか?」 「あなたの系統です」 何の前ふりもなく、何と言う事もないかのように、当たり前に尋ねられた皇帝。 だが彼の動揺ぶりは、全然当たり前のようには見えなかった。一瞬で顔一面に汗が流れ 落ちる。視線が宙を彷徨う。 それでも大きく息を吸い、やはり大きく息を吐き出して、たどたどしく答えた。 「や、はり・・・ご存じ、なのですね」 「ええ。あなたは『虚無』の系統などではありません。というより、魔法を使えぬ平民の 出でしたね」 やはり平然と答える若き教皇に、皇帝は再び大きく息を吐いた。 「そうですか…いや、当然と言えば当然ですな。全司教が属し、始祖への信仰を守るべき 教会。それを統べる教皇が、元司教である私の出自や『虚無』の系統を知らぬ訳がないの ですから、はい」 「無論です。死者を蘇らせるという魔法の正体…その指輪ですか?」 理知的な教皇の視線は、無様に汗で濡れた皇帝の指へ向いている。その指には、妖しく 深く水色に輝く石を嵌めた指輪があった。 皇帝は観念したように皇帝へ指輪を示した。 「そうなのです。これはアンドバリの指輪と言いまして、死体を蘇らせる力を持つのです よ。ですが、詳しい事は私にも分からないのです。なにしろ、魔法を使えない身なのです から」 「伝説のマジックアイテムですね。これでウェールズ皇太子を蘇らせたのですか。もしや 既にアンリエッタ姫も?」 「いえいえ、あの者達は死んでいませんよ。ちゃんと生きています。ただ、ウェールズ殿 だけは、少し『説得』をしただけですよ、はい。真の信仰に目覚めて頂くべく、始祖の教 えを説いたのです」 「なるほど、『説得』ですか。アンリエッタ姫も?」 「いえいえいえ、アンリエッタ姫は『説得』の必要はありませんでした。ただウェールズ 殿への愛があるだけです」 クロムウェルの言葉の意味に気付かぬ教皇ではない。その意味に気付いた上で、相も変 わらず涼やかな笑みを浮かべている。さらには元司教へトドメを刺すがごとき言葉まで続 けてくる。 「その指輪あなたに与えたのは、先ほどの秘書?」 この問に、クロムウェルは再び汗を噴きだした。それはYesと答えたのと同じ事。教 皇は満足げに、慈愛に満ちた微笑みと共に頷いた。 「やれやれ…まぁ、あんたみたいな三下じゃ相手にならないと思ったけどね」 ホールの扉から女の声がした。それは、不敵な笑みを浮かべるシェフィールド。 皇帝は椅子から立ち上がり、秘書を演じていた女へ口を開いた。 「お初にお目にかかります。真なる皇帝にして、レコン・キスタの盟主よ」 その呼びかけにシェフィールドはフードを外し、痩身だが美しい顔を露わにし、教皇の 前へ恭しく跪いて答えた。 「教皇聖下を謀るような真似をしたことを告白し、懺悔致します。私の名はシェフィール ド。ですが皇帝でも盟主でもなく、一人のブリミル教徒に過ぎません」 教皇は彼女の額を一瞥する。そして礼を示す女に、彼は罪を咎めるどころか、満面の笑 みと共に手を差し伸べた。 「ここに我等が出会えた事は、始祖のお導きなのでしょう。さぁ、今こそ同じ神を戴く兄 妹として語り合いましょう」 そういって皇帝は円卓への着席を促した。 着席してすぐ、シェフィールドはヴィットーリオへ尋ねた。 「それにしても、どうして指輪の事をご存じだったのですか?」 「いえ、知りませんでした」 皇帝は椅子から転げ落ちかけた。そんな様を皇帝は楽しげにクスクス笑いながら種明か しをする。 「ただ、死者を蘇らせる事から、生命を司る水の魔力を強く秘めた品を使用している、と 予想しました。例えば、死者に偽りの生命を与えるという水系統の伝説のマジックアイテ ム、アンドバリの指輪。 そして、魔法を使えぬ平民出のはずの司教がいきなり『虚無』を騙り、死者を蘇らせ、 皇帝の地位にまで上り詰めたという事実。 で、クロムウェル殿の指を見れば、明らかに高度な水の魔力を秘めた指輪をつけている わけです。もしやと思って、かまをかけてみたのですよ」 皇帝は楽しげに自らの推理を語る。聞かされているクロムウェルは恐縮して汗をハンカ チで拭きっぱなし。シェフィールドは不敵な笑みを保ちつつ、黙って教皇の話を聞き続け ている。 「さて、余興はここまでにしまして、本題に入りましょう」 教皇はコホンとわざとらしい咳払いをして、改めて二人に向き直った。 「聖地奪還というレコン・キスタの旗印、真ですか?」 秘書だった女は、微笑みと共に頭を垂れた。 「無論です。私はそのためにこの地へ来ました」 「それは、あなたの主の真意ですか?」 「その点は聖下ご自身が確かめられるのがよろしいかと」 平然と御意と答えたシェフィールドを見て、クロムウェルはクラリと体が揺れる。卒倒 しかけたようだ。 相変わらず微笑みを絶やさない教皇に対し、ようやく体勢を立て直した彼は必死に口を 開いた。 「し、せ、聖下!あ、あの、あなたの主って、どうして!あのお方の事まで!」 「いえ、どうしてと言われても…見たままですから」 そういってヴィットーリオは女性の額を指さす。そこには使い魔のルーンが描いてあっ た。 「ああ、見たままと言っても、これは『虚無』について知る者にしか分からない話です。 気にしないで下さい。 というわけで、貴女の主と直接にお話がしたいのですよ。急ぎ取り次いで頂けますか」 「分かりました。ガリア王都リュティス、『グラン・トロワ』にて我が主は聖下をお待ちし ています」 「グラン・トロワ?」 頭を垂れる女が放つ言葉に、初めてヴィットーリオは驚いた顔をした。 前ページ次ページゼロな提督
https://w.atwiki.jp/vtltv/pages/28.html
終盤はにネタバレまみれです。 攻略に有益な情報はほぼなく、どうでもいいことばかり書いてあります。 攻略の質問は製作者Twitterアカウント等で受け付けております。 闇色ビルディング放牧のビルコウモリ 変異のコウモリネオ 上座のボスコウモリ 日下のソラコウモリ 改良のカリコウモリ スポンジ湿原肉食のカミトカゲ 草食のナメトカゲ 逃避のフェイマウス 悪食のリクイウオ 漫遊のワタリウオ 移気のスキッパー 好熱のマイセトゾーン 頂鎖のヌシ あの世超特急悪食のフナクイウオ 遊楽のミリンコ 横領のネットティアラ 打鍵のヒトガタ 乞食のオーバン 奪船のアムフィビア 奪取のガンフィッシュ 不蝕のデュエリスト 潤舌のロクマイジタ 共生のギヴァ 共生のテイカ 搾取のエクスプロイタ 媚売のフラッタラ ストライプマウンテン迷彩のクロウラ 吸血のシマビル 威視のクマミオロシ 居候のサナダブロス 投下のニーキューバチ 救殺のカゲエビダケ 華王のブケットバード 縞縫のシャトルランナ 登竜のラガープ 無翼のネオジムバード 迷彩のイエロクロウラ 砂時計戦車のデザートコング 手招のヒューマリオン 不沈のライトエレファ 匍匐のスナノミトカゲ 先導のテッピトカゲ 陽炎のオアシス 妄幻のエッシャグラス 括付のペグバグ 鋼羅のボスクロウラ 封鎖のサイントード 進化のトカゲネオ 傘林色黒のヒヤケコウモリ 苦行のホネカワウマ 通魔のソラザメ チーズケイブ沈黙のケイブモルド 開花のレッドモルド 貯水のツボムシ 足掬のカモフラージャ 潜伏のスナコウモリ 無膜のアルニコバット 別種のコウモリアザー 怪物のポリプロイド 頂鎖のオォ 死角のケイブランナ アントライン輸入のオイコウモリ 砲座のバリスタ 清掃のゴミクイムシ 排撃のゴミハキムシ 自走のリビングゲート 改良のパトローラ 断絶のパトローレスト 警備のアーマーポリス 統制のポリスリーダ 怠惰のスリープポリス 英才のハイアーポリス 砲座のオートバリスタ 錯乱のキモリバヤシ 墓ヶ原蔑視のヒトミクダシ 闊歩のアルキアリヅカ 完食のキバミミズ 三役のクラブレオ 夜番のアカメガシラ 索敵のカリガシラ 司令のボスガシラ 強襲のレンガヒトカゲ 掠盗のパンクイトカゲ 酩酊のネムリトカゲ 滅裂空間寡占のモトジメトカゲ 脚喰のソラガメ 妄幻のエッシャシック ドリーム・メイト 怪獣のギガトン 最南大陸狂乱のバニーラビット 皮着のジャケットカゲ 永眠のトウジュウ 雪駄のソラミハタシ 霜華のスキーヤ 氷鱗のアオザメ 星霜のブルークロウラ 懐中のサナダシスト 急襲のカゼバチ 雪倉のビスタリオン 凍蒼のスノーランナ 凍空のアオコウモリ 細峡のラストコウモリ 種蒔のボンバシード 大足のサウゼストブル 猫糞のシクイザル 冬柄のスノーマウス 凍河のムゴン 人殺のレリック 戦刃のエクスプローラ 闘走のテロリスト アフター・イメージ 頂鎖のバイスタイ コインの裏の宇宙ジルチ・シード ブギー・マン ゴースト・テラー 源恐のスネークテラー 欧邪のドラゴン 央蛇のドラゴン 土塊のコアセルベート 欠欠のレビヤタン 欠欠のバハムート 無貌のバイラス 坩堝のアカシャ 嘲神のイコル 嘲魔のペトータル 夢現のユーエムエー 上位存在智脳のハヴデザイア/オモイカネ=オープナ 海威のコウラ/エーギル=シーテラー 瞰世のクリエータ/デミルゴス=ビューア クリエテド・ワン クリエテド・スイーパ クリエテド・ハンガ クリエテド・プレーヤ クリエテド・ソーマ 誘界/誘櫂のレヂアントアイ/カローン=コンダクタ 終点/再終のアップル/アヴァロン=エンド アップル・ウェポン アップル・ギフト アップル・アリュール アヴァロン・ウェポン 漂白のレディゴーン 漂白のワズマン 漂白のルスチャイルド フェイタル=ネメシス 漂白のサダルナジ リングリング・セント 紛物のスケアクロウ サダルナジ=ネヴァー ?=コズミックホラー ノクス=インコグニタ ノクス=ビルトーチス ノクス=サピエンチア ノクス=アリエーナ ノクス=オムネス ファイ・ナル 闇色ビルディング 放牧のビルコウモリ 食用のコウモリ。 人間以外に天敵がおらず、美味しい肉をブラブラさせながら悠々と飛んでいる。 しっかり火を通さないとおなかを壊すので気をつけよう。 変異のコウモリネオ 倍数体のビルコウモリ。 こう言う個体が一定頻度で発生する事により、コウモリの乱獲が防がれている。 筋肉質で、あんまり美味しくない。 上座のボスコウモリ 知能が高い半面、あまり動かず筋肉が未発達なビルコウモリ。 十体ぐらいの群れが形成されると、自然に一匹がボスコウモリになるらしい。 柔らかすぎるぐらいに柔らかいその肉は、食べる人によって好みが大きく分かれる。 日下のソラコウモリ 一日の半分は屋外で活動するビルコウモリ。 人間以外の天敵がいる外の環境にいたために、より活発な生態。 ビルコウモリよりも肉は硬いが、さっぱりとした風味を好む者もいる。 改良のカリコウモリ 人間に手懐けられた、ビルコウモリとは別の品種のコウモリ。 人の指示でビルコウモリを狩り、食べにくい部位を餌として与えられる。 闇色ビルディングでは、現実世界における犬と同じくらい愛されている。 スポンジ湿原 肉食のカミトカゲ 魚やネズミを主食とするトカゲ。 大して頭が良くないので、動いているものは何でも餌だと思って攻撃する。 共食いの頻度も多いが、お互いの尻尾を食べ合う内に腹が膨れて円満解決する。 草食のナメトカゲ 湿地帯のコケを主食とするトカゲ。 体が頑丈で天敵が少なく、地面を舐めながら無警戒に闊歩する。 カミトカゲと喧嘩する様子はちょっとした名物。 逃避のフェイマウス 天敵だらけのスポンジ湿原を必死で駆け回るネズミ。 あの手この手で逃げようとするが、その生還率はあまり高くない。 バタバタ走る様子は人気があり、キャラクターのモチーフになることも。 悪食のリクイウオ カミトカゲ以上に何でも食おうとする淡水魚のサメ。 間欠泉に乗って陸上にまで現れるので、サメ映画のそれに匹敵する脅威。 実は食べるとすごく美味しいが、食べられる人間の方が多い。 漫遊のワタリウオ 長時間の陸上生活を可能とした魚。 単に陸に打ち上げられても死なない程度ではなく、天敵を避けて敢えて陸に登る。 普段は木々の上でじっとしているが、間欠泉が命中すると落っこちてくる 移気のスキッパー 水上を歩行する四足を持つ魚。 安全な水たまりを求めて、アメンボのように行き来する。 間欠泉から肉食魚が飛んでくると、阿鼻叫喚の様相を見せる。 好熱のマイセトゾーン うねうねと動き回る好熱菌の群体。 あまりに大きくなり必要な栄養が増えたので、小動物を襲って熱で殺して食べる。 まるで脳があるかのように獲物を追って動くが、個々の菌の作用だけで形を変えている。 頂鎖のヌシ スポンジ湿原の食物連鎖の頂点、異様に巨大な魚。 ヌシにとっては、リクイウオも人間もひとしくおやつに過ぎない。 頂点捕食者の割に異様に多いので、よく獲物争いに負けて餓死した死体が転がっている。 あの世超特急 悪食のフナクイウオ 海に棲むサメ、海水に棲む事を除けばリクイウオに酷似している。 船を出せば必ずと言っていいほど船底を噛んでくるので、修理屋は大繁盛。 リクイウオとフナクイウオ、どちらが先に生まれたのかは永遠の謎。 遊楽のミリンコ 超大粒のミジンコ。 大きな魚やクジラを囲んで口吻で刺し殺す事で有名で、船に上がられると大変厄介。 更に巨大なメートルンコがいると言う噂話がある。 横領のネットティアラ 漁師の宿敵と呼ばれるエイ。 猟船の網を裂き魚を奪うばかりか、漁師そのものも獲物と見做している。 反面その体はどこを捌いても高級食材で、獲った時の利益も大きい。 打鍵のヒトガタ 高い知能を持つ魚類。 唯一道具を使える魚で、手のような部分は人間とほとんど変わらない器用さ。 人間と仲良くできそうに見えなくもないが、彼らに会話の能力は無い。 乞食のオーバン 可愛さによって捕食を回避する海棲哺乳類。 動物の幼体に近い形に擬態し、敵対心を抱かれにくくしている。 ちなみに人間にはよく釣られて食べられる。 奪船のアムフィビア 海に棲む大型両生類。 浮遊物の上で日光浴する習性があり、その為に船をよく襲う。 大陸沿岸の座礁船群には、とても大きな巣があるらしい。 奪取のガンフィッシュ 極めて頑強な外皮を持つウツボ。 その突進は船に損傷を与えるほどで、船乗りは彼らのいる海域には近寄らない。 ちなみに「ガン」は激突の擬音であり、銃の事ではない。 不蝕のデュエリスト ガンフィッシュよりも更に強靭な外骨格を持つカニ。 天敵が一切存在せず、クジラに丸呑みにされても腹を捌いて生還する。 基本的には温厚で、エサも微生物だけなので、刺激さえしなければほぼ無害。 潤舌のロクマイジタ 三つの発声器官を持ち、音で敵を騙す魚。 あらゆる空気や水の振動パターンを再現し、獲物や外敵の聴覚や触覚を支配する。 ぬめった体は捉えにくく、追い込んだと思ってもすぐにぬめって逃げて立て直す。 共生のギヴァ 知能の高いタコの一種。 共生相手のテイカを電気的刺激で誘導し、彼らの食べ残しをつまんでいく。 極稀に、テイカ以外の生物を指揮している個体がいるらしい。 共生のテイカ 知能もなにもない無脊椎動物。 別にギヴァがいなくても生きていけるが、獲物との遭遇率は2割程度まで落ちる。 その肉体は狩りの際に変化し、ギヴァがいなかとうと獲物を悠々と屠る。 搾取のエクスプロイタ 健康なテイカが狩りの際に変化した姿。 全身の細胞が強靭な繊維となり、陸上大型哺乳類に匹敵する打撃力を実現する。 カロリーの消耗が激しい形態で、このままだと一時間程度で餓死してしまう。 媚売のフラッタラ 空腹なテイカが狩りの際に変化した姿。 エクスプロイタ形態よりは消耗が低く、体がふにゃふにゃしている。 燃費の良さを活かし消耗戦を挑み、丸一日でも獲物にまとわりつく。 ストライプマウンテン 迷彩のクロウラ 植物に擬態して獲物に接近するムカデ。 人間以外の動物はあまり色を捉える能力が高くないので、クロウラに気づけない。 クロウラもクロウラで人と動物を区別しないので、バレてないつもりで忍び寄ってくる。 吸血のシマビル ストライプマウンテンの縞と縞の間に潜むヒル。 極めて柔軟な体を持ち、体をお好み焼きよりも薄く潰して隙間に潜る。 油断したまま層を跨ごうものならば、あっと言う間に失血死する事になるだろう。 威視のクマミオロシ 動物の「目の高さで体格を判断する」習性を利用する為に背伸びをするネコ。 背伸びをする為に強靭になった足や尻尾は、かなりのジャンプ力を見せる。 尻尾を切断し目線を低くすると大人しくなるので、そうやってペットにする者もいる。 居候のサナダブロス 無数の寄生虫が互いに寄生しあった群体。 一緒に住む宿主を求め、山道をうろついている。 人間が寄生されても死にはしないらしいが、進んで試す者もいない。 投下のニーキューバチ 物を持ち上げて落として攻撃する習性のある大型のアブ、ハチではない。 物を投げ尽くすとやる事がなくなって、そのまま帰っていってしまう。 巣の近くは投下用の石や倒木だらけで、ゴミ山のよう。 救殺のカゲエビダケ 強烈な幻覚作用を持つきのこ。 気が狂った動物に寄生し、気が狂うに任せて移動させ生息領域を伸ばす。 ハイエストやビッグベッドで取引される麻薬の材料になるらしい。 華王のブケットバード 華のごとく豪華な出で立ちの猛禽類。 その表皮は有毒で、山の吸血生物や寄生生物を寄せ付けない。 剥製は一年間干す事でようやく無害になり、美術品とともに取引される。 縞縫のシャトルランナ 縞状地層を横断して掘り進むモグラ。 硬い岩盤をも掘り貫き、生息領域を広げていく。 他の地中動物は彼らほど元気ではないので、獲物は主に地上の小動物。 登竜のラガープ ストライプマウンテンの川を高速で泳ぎ回るコイ。 突如飛び出して地上の動物を急襲し、じりじり追い詰めた末に引きずり込む。 ちなみにこの名前は、川辺のある女性の命名である。 無翼のネオジムバード 磁力によって浮遊する大型爬虫類。 最高で2mほどの高さまで浮遊でき、獲物の死角から襲撃できる。 磁力の強い地層の上にしかいないので、本来遭遇率は低い。 迷彩のイエロクロウラ 砂漠地帯に棲む、クロウラの近縁種。 より獲物との遭遇頻度が低い環境に生きているので、狩りの能力が高い。 人間からすればバレバレなのはクロウラと同様。 砂時計 戦車のデザートコング 砂漠を闊歩する世界最大級の霊長類。 獲物が乏しい環境でその巨体を維持する為、一日に十数回の狩りを行う。 人里に現れた際の大惨事の記録は星の数ほど。 手招のヒューマリオン 人間に擬態し、アリジゴクのように罠を張るヘビ。 小動物は追い立てて突き落とし、大型動物は招き寄せて引きずり込む。 人の腕のような箇所には神経が通っておらず、風に吹かれて不気味に揺らめく。 不沈のライトエレファ 流砂の上でも生活可能な世界最軽量のゾウ。 それなりに脳が大きく、大きな耳と鼻から得た情報をもとに小賢しく立ち回る。 千匹に一匹は大きな牙を持ち、同サイズの金塊に匹敵する値で取引される。 匍匐のスナノミトカゲ 日照の回避と奇襲の為に砂の中を這い進むトカゲ。 砂を舐める事で獲物が残した皮脂を感じ取り、遠くからも追ってくる。 獰猛すぎてすぐに場所がバレてしまうが、足が速いので問題にならない。 先導のテッピトカゲ スナノミトカゲと一種の共生関係にある別種のトカゲ。 スナノミトカゲの獲物を追い詰める能力をアテにし、その狩りを支援する。 テッピトカゲ自身も襲われるが、その頑丈な鱗は牙を受け付けない。 陽炎のオアシス 不安定な空間に生じた不安定な泡沫的存在。 形あるものに嫉妬でもしているのか、分裂しながら絡みついてくる。 生物でなければ物体でもないが、運動エネルギーを浴び続けると霧散する。 妄幻のエッシャグラス 不安定な空間に生じた別法則により成り立つ非細胞生命体。 不完全物質から成り、細胞を持たず、未知の仕組みで動力を得る。 脳は持たないが、全身の神経のような組織が自動的に最適な反射命令を送り出す。 括付のペグバグ 砂時計の環境に適応した虫。 浮遊地形の裏側を這い進み、突然襲いかかってくる。 肉体を持つ動物ながら、砂時計の外には近縁種含め一匹も存在しない。 鋼羅のボスクロウラ クロウラの中でも最大級の種。 隠れる事ができないので、金属の殻と狩爪で補っている。 極めて美味な肉を持つが、それを知る人間はいない。 封鎖のサイントード 看板に擬態して旅人を食らうカエル。 賢い人間を見ると、タネがバレるのを恐れ逃げていく。 かつては傘林にもいたらしいが、周辺住民にバレた事で誰も近づかなくなり絶滅した。 進化のトカゲネオ 砂時計の環境に適応したトカゲ。 通常空間では維持不能な物質と構造で構成された肉体を持つ。 砂時計では強敵だが、通常空間では数分で肉体が軋んで死ぬ。 傘林 色黒のヒヤケコウモリ 主に日中活動するコウモリ。 ビルコウモリの原種であり、家畜化されていない為にずっと獰猛。 肉は固くて美味しくない。 苦行のホネカワウマ 砂漠に生息している野生のウマ。 その俊足であらゆる天敵から逃げ果せる事ができる。 本来草食だが砂漠では滅多にありつけないので、旅人を殺して食料を奪おうとする。 通魔のソラザメ 砂漠の上空を舞うサメ。 比喩ではなく本当にサメの一種で、リクイウオやフナクイウオの近縁である。 水浴びを好むが、乾燥には強い。 チーズケイブ 沈黙のケイブモルド 洞窟に佇むきのこ。 爆弾のごとく胞子を撒き散らす事で知られている。 カゲエビダケの近縁だが、環境の違いか外観は似ていない。 開花のレッドモルド ケイブモルドから吹き荒れる胞子。 強烈な運動エネルギーと有害物質の奔流で、極めて危険な存在である。 壺に詰めて一晩置くと、毒素が飛んで芳醇な甘さの汁が残る。 貯水のツボムシ 陸上生活をするイソギンチャク。 有毒の触手は、結構な範囲にまで届く。 餓死したツボムシの殻は芸術家から需要がある。 足掬のカモフラージャ 洞窟を這い回る大型のクモ。 固定の巣を持たないが、徘徊ルートにいくつも糸の罠を張っている。 川になっている場所を除き、地底のあらゆる場所を移動できる。 潜伏のスナコウモリ 砂の中に潜って暮らすコウモリ。 ヒヤケコウモリに食べられないよう、いつもこそこそとしている。 その肉はビルコウモリとはまた違った美味しさだが、寄生虫が多く加工が手間。 無膜のアルニコバット ネオジムバードと近縁の、磁力で飛行する大型爬虫類。 地層と食料の違いから、ネオジムバードと異なる合金の磁石を体内に持つ。 飛行能力は、飛ぶ事自体より足音を立てない意義が大きい。 別種のコウモリアザー コウモリネオが更に変化を遂げて完全に別物となったコウモリ。 他のコウモリと食性が異なっており、殺した獲物の部位を仲良く分け合う。 肉に値段がつかないので、洞窟管理会員が我慢して食べている。 怪物のポリプロイド コウモリアザーが更に更に変異した超大型コウモリ。 その寿命は一ヶ月にも満たず、短期間の間にコウモリらの天敵を狩り続ける。 その遺骸はコウモリの巣に利用され、長い間その姿を保ち続ける。 頂鎖のオォ 洞窟と砂漠の頂点捕食者である大型キバミミズ。 通常種は地上の小動物を食べるが、オォは地上まで這い上がろうにも体が重過ぎた。 その肉は洞窟の新名物になると目されているが、未だ食卓に並んだ事はない。 死角のケイブランナ 洞窟の中を走り回るヒクイドリ。 チーズケイブでは最速の動物で、そのヒットアンドアウェイに適応できる獲物はいない。 飛行能力は持たないが、3m以上の高さまでの跳躍はコウモリをも捉えられる。 アントライン 輸入のオイコウモリ 闇色ビルディングのカリコウモリが対人攻撃用に調教されたもの。 理解できる命令は「襲え」と「戻れ」だけだが、それ以外は必要ない。 ハイエスト警官には従順だが、識別の為の香料を持たないと攻撃される。 砲座のバリスタ ハイエストの研究者が開発した射撃攻撃装置。 レバーを引くと自動で動作を始め、あらゆる鎧を貫通する矢を放つ。 他所の街への輸出は、麻薬よりも固く禁じられている。 清掃のゴミクイムシ アントラインに貯められたゴミを処理する為のナメクジ。 あらゆるゴミを体内で分解するが、その過程で猛毒を出す。 死亡する少し前までに、周辺の砂漠地帯に捨てられるさだめ。 排撃のゴミハキムシ 体内のゴミの量が許容量を超え、排出形態となったゴミクイムシ。 排出自体も遠距離に被害を与える上、生体濃縮された毒素は化学兵器クラス。 こうなるより前にゴミクイムシを処分するのが人間の清掃員の最も重要な仕事。 自走のリビングゲート アントラインをテロリストが歩き回るのを阻止する為のカメ。 好物の餌を与えない限り道を塞ぎ続け、場合によっては攻撃してくる。 その好物とは新鮮な野菜だが、ハイエストの市場にはまず出回らない。 改良のパトローラ 戦闘に特化した能力を持つカモフラージャと同種のクモ。 虫を調教すると言うのも不思議だが、ハイエストでは成功している。 アントラインの外壁には凹凸があり、パトローラの歩行と罠作りに大変適している。 断絶のパトローレスト パトローラが特集な薬剤によって異様に大きく成長したもの。 合成飼料に含まれる多量のカルシウムと鉄分は、罠糸をより鋭利なものとする。 知能が小型哺乳類に匹敵するほど高く、調教により洗練された攻撃手法を身につけている。 警備のアーマーポリス ハイエストの警官、だいたいは下民か中民。 それなりに戦闘訓練を受けているので、一般人よりは強い。 警告の威嚇射撃の後、躊躇なく致死性の高い攻撃を行う。 統制のポリスリーダ ハイエストの警官のリーダー、下民は滅多におらず、中民か上民がほとんど。 指揮者としての研修を受けており、テロリスト対策のいろはを把握している。 給料は下っ端よりはいいが、就業時間が増えていて辛そうだ。 怠惰のスリープポリス やる気のないハイエスト警官、堂々とサボるのは自堕落な下民か要領の良い上民だろう。 正直テロリストなんか気にせず寝ていたいが、バレるとあれなので嫌々襲ってくる。 やる気が無いので法定の威嚇射撃すらサボる。 英才のハイアーポリス 本名アルマス、酒と地位とあと酒が好きなエリート上民警官。 最新の機材を使いこなしながらも、自身の肉体と技を磨く事も怠らない。 仕事中も酒を飲みながら怒鳴り散らすので、部下からの評判は酷く悪い。 砲座のオートバリスタ バリスタを改良し、自動で照準指定と射撃を行うようにしたもの。 十六発まで装填可能、敵対者が死に絶えるまで撃ち続ける。 お高い部品が使われているので、一般警官には支給されていない。 錯乱のキモリバヤシ 癇癪をおこしたキモリバヤシ。 新兵器である銃を持っているが、練習不足な上に激昂しているので狙いが雑。 状態異常を使おうだとか考える余裕はない。 墓ヶ原 蔑視のヒトミクダシ 尾で立って人の視線より高くなった事で、すごく偉くなったと思っているネコ。 これ以上高くなる必要がないので、得意技だったジャンプをしようとしない。 やはり尻尾を断つと大人しくなり、甘えた声でにゃんと鳴く。 闊歩のアルキアリヅカ 外敵を避けつつ食料を探す為に動く蟻塚。 材料の植物を無数のアリが引っ張ったりする事で、のそのそと動いている。 基本的にアリは動物の死体にたかるが、獲物が少ない時は自分で死体を作りに行く。 完食のキバミミズ 土壌よりも地上に食料を求めたミミズ。 乾燥に強くなっていて、雨が降っていなくてもにょきっと現れる。 その肉は独特な食感にカルトな人気があり、上民の間で流行っている。 三役のクラブレオ 三つの頭部を持つライオン。 それぞれが独立の自我と、個々の役割に応じた性質を持っている。 ソルティポートに骨格標本が届けられた際、誰もが造り物だと思って送り返してしまった。 夜番のアカメガシラ クラブレオの、哨戒活動を主に行う頭。 知能が低いが脳神経が丈夫で、三日に三時間程度の睡眠でも苦もなく活動できる。 最も酷使され、大抵一番最初に死んでしまう。 索敵のカリガシラ クラブレオの、狩りを主に行う頭。 高い視覚処理能力を持ち、人間以上に色彩感覚豊かで1km先のネズミも見逃さない視力。 殺して食う事以外に何も考えられない構造。 司令のボスガシラ クラブレオの、司令塔である頭。 知能指数はネコ科動物の中で最も高く、エネルギー温存の為一日に21時間寝ている。 特にやる事が無い間は、空の雲の事でも妄想しているぐらいには頭がいい。 強襲のレンガヒトカゲ より獰猛になったテッピトカゲの仲間。 いつでも凶暴に突っ込んでくるので、表皮は細かい傷と泥汚れで煉瓦のよう。 そのお陰でそれなりに高い迷彩効果があるが、すぐ突っ込むので意味がない。 掠盗のパンクイトカゲ ゆっくりと接近し、旅人の食料を盗むトカゲ。 旅人がいない間は、アルキアリヅカからアリを盗み食って妥協する。 餌をやれば人に懐くが、それを実践するほど食料に余裕がある旅人はいない。 酩酊のネムリトカゲ 大型過ぎて栄養消費が大きいせいで普段は眠りっぱなしのトカゲ。 一度目覚めると次に起きるエネルギーを得る為、最初に見つけた動物を襲う。 目が覚める前に目を手で塞げば、そのまままた寝てしまうとの噂がある。 滅裂空間 寡占のモトジメトカゲ 他のトカゲの司令塔として私腹を肥やすトカゲ。 この地域には元々知属性のトカゲがいなかったが、どこからともなく現れた。 面倒事を他のトカゲに任せ、だらけながら指示だけ送って幸せに暮らす。 脚喰のソラガメ 滅裂空間の不安定な法則に適応し飛行能力を得たウミガメ。 どう言う原理で浮いているかも、何故ウミガメが陸にいるかも謎である。 その動きは泳ぐかのように軽やかで、カメらしからぬ素早さ。 妄幻のエッシャシック エッシャグラスに近似した構造を持つ非細胞生命体。 歩行能力を持たず、空間を歪曲させ自身の座標を変える事で移動する。 体が消失しかかっているが、ちょくちょく無から別の部位が生えてくる。 ドリーム・メイト 滅裂空間を漂う非存在。 怪しげな波動は、存在を非存在へと引き込む引力のよう。 目に見えないが、なにもないがそこにあるので知覚は可能。 怪獣のギガトン 滅裂空間の不安定な法則の中でのびのびと育ったゾウ。 自重での崩壊を考慮せず、機敏でデカくパワフルな不安になる体つき。 最下層で眠り、起きると空中の足場をジャングルジム感覚でよじ登ってくる。 最南大陸 狂乱のバニーラビット 最南大陸を陽気に駆け回るうさぎさん。 その肉はとても美味しいが、腐りやすく最南大陸以外では食べられない。 野草の毒を生体濃縮している為、消化器官を確実に取り除く必要がある。 皮着のジャケットカゲ 獲物の皮を着る事によって寒冷地に適応したトカゲ。 爬虫類の中でも最も南に棲む種類で、専門家から注目されている。 ジャケットカゲ自身の皮は、あまり素材としての人気がない。 永眠のトウジュウ カゲエビダケの亜種、死体の中で増え、その体を操る。 絶対零度の土壌の上を歩き回り、繁殖の為の新しい死体を探す。 その胞子には新薬の材料に成りうる成分が含まれているらしい。 雪駄のソラミハタシ 威嚇以上に体温維持の為に地面から距離を置きたいネコ。 もう視線の高さで偉ぶるのは諦め、素直に遠くの敵を見張り保護色で隠れている。 尻尾を切ると体温を維持できなくなって死んでしまう。 霜華のスキーヤ 雪上を滑り降りるようにして移動するクモ。 群れで行動し、個体と個体の間に鋭い糸を貼って獲物に接近、絡め殺す。 その姿を雪の結晶に例える者がいるが、虫嫌いからすれば正気の沙汰ではない。 氷鱗のアオザメ 雪国の空の上を飛ぶサメ。 鋭敏な嗅覚は、万年雪の空の下でも役に立つ。 水中と海中、どっちが寒いのかは彼らぐらいしか知らないだろう。 星霜のブルークロウラ 雪の上で暮らすクロウラの一種であるムカデ。 体毛は擬態以外にも体温維持の機能もあり、雪中に潜っても凍えない。 クロウラ種らしく、やっぱり忍び寄るのが大好き。 懐中のサナダシスト サナダブロスと近縁の寄生生物。 触ると暖かく、寄生されれば体温維持がしやすくなるので、動物らにありがたがられる。 多分人間も同じ効果を得られるが、やる者はいない。 急襲のカゼバチ ニーキューバチの亜種だが、投げるものが無いので普通に襲ってくるハチ、アブではない。 毒は持たないが、その一撃は鋭利な刃で斬りつけられるかのようで危険。 雪崩を利用する習性があり、自身は空中で悠々と地上の獲物が弱るのを眺める。 雪倉のビスタリオン ジャケットカゲ同様、世界最南端に棲む爬虫類であるヘビ。 ひ弱な人間に擬態し、食べようと襲ってきた獣を罠にかけて食う。 雪山で人の死体を見ても、その正体は大抵彼らである。 凍蒼のスノーランナ 体温が地面に奪われるのを避ける為に常時走り回るヒクイドリ。 獲物を食べるのも走りながらで、食いちぎった肉をムシャムシャしながら何度も啄む。 バタバタと忙しない走行音は、雪山唯一の音源。 凍空のアオコウモリ 雪の空を昼も夜もなく飛び回るコウモリ。 カリコウモリと同じ種類だが、人間には懐かない。 引き締まった肉は美味しいが、カリコウモリ好きな人間は食べる事に抵抗がある。 細峡のラストコウモリ 厳しい環境で生きる為により高い知性を身につけたビルコウモリの一種。 狩猟個体が存在せず、ボスコウモリ相当の指揮個体だけが単独で生活している。 その肉はこの世界で最も美味しいと言い伝えられている。 種蒔のボンバシード 火薬成分により周囲に種をバラまく植物。 爆発に巻き込まれて死んだ動物を苗床にし、その上に木を生やす。 トウジュウと苗床争いをする事が多々ある。 大足のサウゼストブル サウゼストの動物としては最も知名度が高いウシ。 その頭部の剥製はハイエストの上民の間で調度品として人気がある。 しかしサウゼストブルを狩れるような実力者は、狩りなんかせず南に行ってしまう。 猫糞のシクイザル 自分では狩りをせず、死体を拾って食べるサル。 単に疲労を避けているだけで、窮地に追い込まれればちゃんと戦う。 シクイザルの縄張りにはトウジュウは繁殖できないと言う。 冬柄のスノーマウス 天敵から逃げるうちに来るところまで来てしまったフェイマウス類のネズミ。 あたりの動物はバケモノだらけだが、それでも器用に逃げ果せる。 その巣はどの動物や人間にもわからないよう巧妙に隠されている。 凍河のムゴン 寒過ぎて他の動物がいない川の中を悠々と泳ぐ魚。 仕方がないので地上の動物を襲って食べている。 誰もいない川の中、ずっとじーっとしている。 人殺のレリック 雪原を歩き回る知能が高いゴリラ。 果てを目指す旅人を何人も殺しており、その武器を鹵獲して使用する。 今では射撃武器まで持っており、年々危険性が増している。 戦刃のエクスプローラ 南の果てを目指す旅人、モンスターとも人間とも戦いたがりの戦闘狂。 果てそのものよりも過程の強敵が楽しみだった。 果て間近に来た事でモチベが落ちており、代わりに旅人と戦いを続けている。 闘走のテロリスト 本名レヴロー・エストロード、元ハイエスト上民のテロリスト。 圧政からの解放そのものよりは闘争する自分のかっこよさに惚れているフシがある。 テロなんかにハマらなければ最上民になるぐらいの素質があったらしい。 アフター・イメージ テロリスト男の高速戦闘によって生じた残像。 実際の攻撃によって生じた残像なので、当たればちゃんとダメージがある。 残像に紛れて姿を隠そうとか無駄な事は考えず、速さを生かしてそのまま攻撃してくる。 頂鎖のバイスタイ 影の森の頂点捕食者、世界最大種のカニ。 大型哺乳類さえも、バイスタイにとっては狩りの対象でしか無い。 すぐに食べない事を条件に他の動物を従え、役に立たなくなると同時にたいらげる。 コインの裏の宇宙 ジルチ・シード まだ実態になっていない可能性の塊。 湧き上がる無そのものが、不安定に揺らめきながらなだれ込んできたもの。 コインの裏の宇宙のそこらじゅうで湧き上がっていて、危ない事この上ない。 ブギー・マン 実体あるものに嫉妬する凶暴な非存在。 自分がなにかもわからないまま、ただただ存在に憧れ、壊そうとする。 ただただ壊す事だけをしるべに、他には何も知らず歩んでいる。 ゴースト・テラー 曖昧で名前のない恐怖の塊。 ノクスより生じる未知が、そのまま動き回っているもの。 人の心に反応し、恐れの感情をつついてくる。 源恐のスネークテラー 人がサルに近い動物だった頃より存在するヘビへの恐怖が形をなしたカミ。 いわゆるドラゴンであり、より強大なそれへと形を変える。 狩猟技術と都市の発達に因って斜陽気味だが、今でも人気はある。 欧邪のドラゴン ドラゴンの、悪魔としての側面の象徴。 歩む破壊と殺戮だが、所詮は英雄の引き立て役になる宿命。 好きなものは生贄。 央蛇のドラゴン ドラゴンの、神性としての側面の象徴。 人間におべっかを使われ、なし崩し的に大人しくなる宿命。 好きなものは生贄。 土塊のコアセルベート 原初のカミ、人や生命体の材料となった始まりの物質を象徴する。 あまりに進みすぎた人間たちからはないがしろにされ気味で寂しがっている。 コインの裏の宇宙は無数の始まりが自然発生するので、居心地がいいらしい。 欠欠のレビヤタン 巨大さのカミ、尽きることのない無尽蔵の食料。 それは無限の食料庫に見えるが、時折人を死に引きずり込む。 コウラと属性ややっている事が微妙にダブっているのでちょくちょく喧嘩する。 欠欠のバハムート 巨大さのカミ、全容を見通せない大き過ぎるなにか。 地上に現れると寝返りを打つだけで街が消えるので、コインの裏の宇宙に隠居している。 レビヤタンとは似た者同士仲がいい。 無貌のバイラス 見えざる細菌類の脅威であるカミ、かつては鎌を持った死神の姿だった。 薬学の進歩で勢力は弱まったが、まだまだ現役である。 レトロウイルスやゲノムだとかの、新しい言葉を勉強するので忙しい。 坩堝のアカシャ 知識のカミ、曖昧な存在。 だったのだが、哲学やインターネットの発達でその悍ましい姿が見えるようになった。 コインの裏の宇宙を歩いていると、一瞬のうちに周囲がこれに飲まれている時がある。 嘲神のイコル トリックスターの神、既得権益者らをあざ笑い新時代を作る存在。 イコルはLOKIの逆さ読みで、北欧神話のそれの記憶を持っている。 たまに馬とまぐわってスレイプニルを生んだ記憶を思い出してげんなりする。 嘲魔のペトータル トリックスターの神、邪悪を手玉に取りさらなる最悪を形作る存在。 ペトータルはNYARLATHOTEPの逆さに途中まで読んだもので、正式にはペトータルレイン。 主人公の仲間の中でも一番ろくでもない事をしでかしたキモリバヤシの姿を真似る。 夢現のユーエムエー オカルトのカミ、エセ科学やカルト宗教、代替医療に騙される人らのしるべ。 ありもしない希望をちらつかせ、仮初の安寧を与えてくれる。 今でも信者が大勢いるので、他のカミが弱っている中でもとても元気。 上位存在 智脳のハヴデザイア/オモイカネ=オープナ 闇色ビルディングを開こうとする、知性と集団の上位存在。 住人を胎内世界に閉じ込められる運命から救おうと頑張るが、非力過ぎて難儀している。 神話のように他の神の力を借りる訳にはいかず、色々と頭を捻らせているらしい。 海威のコウラ/エーギル=シーテラー あの世超特急を飲み込もうとした、海の災害の上位存在。 外なる世界の脅威らしく、運の悪いものを理不尽に死なせていく。 人間を食べるよりは普通に高級な洋食とかを食べたい。 瞰世のクリエータ/デミルゴス=ビューア ハイエストを創り支配した、悪しき支配の上位存在。 元人間で、上位存在になる前から人間の上に立ちたがる天才だった。 自分と同じくらい頭が良い話し相手が欲しいが、最上民は自閉傾向が強い者ばかり。 クリエテド・ワン クリエータが創造した亜存在、千変万化の能力を持つ。 自動で動作し、敵対者を攻撃したり、ゴミを集めて捨てたり、肩を揉んだりする。 一度ガーハンクルは自我を持たせ話し相手にしようと考えたが、虚しいのでやめた。 クリエテド・スイーパ クリエータが創造した亜存在、掃討の能力を持つ。 かつてハイエストでテロが多かった時期には、影で活躍する機会があった。 今は部屋のホコリを打ち払うぐらいしかやることがない。 クリエテド・ハンガ クリエータが創造した亜存在、処刑の能力を持つ。 不可視の姿で拘束し、ガーハンクルに歯向かうものに後悔ある死を与える。 今では部屋のネズミを釣ったり落としたりして遊んでいる。 クリエテド・プレーヤ クリエータが創造した亜存在、賛美の能力を持つ。 ガーハンクルお気に入りの歌を歌い、彼の戦闘中や仕事中の集中力を高めてくれる。 眠る時は流石にうるさいので消す、別に上位存在は眠らなくてもいいのだが。 クリエテド・ソーマ クリエータが存在した亜存在、滅却の能力を持つ。 コインの裏の宇宙はガーハンクルにとっても危険で、切り札として作った。 今では、今まで砂漠に捨てていたゴミをこれに空間ごと消してもらっている。 誘界/誘櫂のレヂアントアイ/カローン=コンダクタ 滅裂空間に人間を攫っては殺す、課金の上位存在。 普段は墓ヶ原に埋められた人々の船出を担当している。 死んだ人間も生きてる人間も別け隔てなくころころしたい。 終点/再終のアップル/アヴァロン=エンド 砂時計に熟れた者を攫って処理する、終点の上位存在。 仕事が雑で全然熟れていない人を誤って攫う事があり、熟れるまで放置して待っている。 上位存在の中でも上の方だが、上位存在同士で話す機会も無いので割とどうでもいい。 アップル・ウェポン アップルが創造した亜存在、斥候の能力を持つ。 崩壊と再生を繰り返し、敵対者が動かなくなるまで絡み続ける。 敵対者がいない間はそのへんをうろうろしている。 アップル・ギフト アップルが創造した亜存在、放出の能力を持つ。 属性のエネルギーを形にし、武器をバラ撒いて広範囲に破壊をもたらす。 放置するとそのへんがゴミだらけになる。 アップル・アリュール アップルが創造した亜存在、誘導の能力を持つ。 属性を持つ者を操り、破滅の終点への道を歩ませる。 放置すると誘われてやってきた雪山の動物たちでいっぱいになる。 アヴァロン・ウェポン アップルが創造した亜存在、決着の能力を持つ。 高度な自律動作能力を持ち、アップルの指示もなく敵対者を追い詰める。 敵対者がいない間は哲学的問題を延々と考えていたりする。 漂白のレディゴーン 本名天摩木 南果芽(テンマギ ナガメ)、上位存在と化した力属性の女性。 人間観察が趣味で、あらゆる属性の人間から多くのものを学んだ事で急速に熟れた。 上位存在と化した今でも人を見るのが好きで、あとは登山とコーヒーも好き。 漂白のワズマン 本名グニク・イエイレ、上位存在と化した知属性の男性。 元ハイエストの上民で、ガーハンクルに目をつけられる少し前に旅に出、熟れた。 選民主義者で人を見下すが、自分より上に最上民がいた事をコンプレックスに思う。 漂白のルスチャイルド 本名アトス・ヴォイドランド、上位存在と化した奇属性の少年。 キモリバヤシと同じ出身で、誰一人助ける者がいない中を孤独に生き抜き熟れた。 墓ヶ原の文化に興味を持っており、ちょくちょくその近辺を散策している。 フェイタル=ネメシス 宿命のカミ、人生の目標そのものたる絶対的存在。 それを打ち倒せず力尽きる者は多く、仮に打破しても次の目標が立ちはだかる。 人生そのものを捨てた者は彼を見る事ができず、その事実をただただ悲しんでいる。 漂白のサダルナジ 本名ナジ・ラーイド・アンワール、旅人の男が上位存在になった姿。 人間への殺害衝動を自分の空間に閉じ込め、最後まで優しい旅人でいようとしていた。 今はもうそれを抑え切れず、本能のままに技術を振るう。 リングリング・セント サダルナジの残像が不安定空間に焼き付いた事で生じた第二のサダルナジ。 本体と因果関係のない軌道で動き、変幻自在の攻撃を放つ。 その気配には恐るべき実体感があり、実存在と見紛うほど。 紛物のスケアクロウ サダルナジかと思われた、実体ある残像。 人間の限界の上位存在が、人間如きに触れられるものである筈が無かったのだ。 単なる残像ながら肉体を持ち、並の上位存在であれば単体で撃破する。 サダルナジ=ネヴァー サダルナジの真の姿、残像の奥に垣間見えた不可到達神性、人間の限界の上位存在。 百年修行しても身につけられないであろう超絶技巧の無拍子必殺剣を繰り出す。 全ては純粋なる技による攻撃であり、それ故に如何なる小細工も通用しない。 ?=コズミックホラー コインの裏の宇宙の奥に幽閉された、未知の恐怖の上位存在。 アンゴルモアの大王は、これの影響によって現実世界に生じた幻像であるとされる。 見通せないその姿は、最悪の形で幻視される。 ノクス=インコグニタ 未知を体現する、最上位存在。 あらゆる上位存在を跳ね除けた旅人へも、確実なる終焉を齎してくれる。 この世の未知が無くなりえない以上、ノクスが敗れる事も永遠にない。 ノクス=ビルトーチス ノクスの姿の一つ、未知に満ちる力の体現。 全容を見通す事も叶わない強大な力として、立ち向かうもの全てを押し潰す。 人が新たな兵器の可能性を識る度に、その力は増して行く。 ノクス=サピエンチア ノクスの姿の一つ、未知に満ちる知の体現。 計算する事も叶わない高度な知として、立ち向かうもの全てを被い潰す。 人が新しい技術の可能性を識る度に、その力は増して行く。 ノクス=アリエーナ ノクスの姿の一つ、未知に満ちる奇の体現。 想像する事も叶わない巧妙な奇として、立ち向かうもの全てを撥ね潰す。 人が新しい概念の可能性を識る度に、その力は増して行く。 ノクス=オムネス ノクスの最も恐るべき姿、未知に満ちる全能の体現。 「あらゆるもの」そのものであり、何もかもを踏み潰す。 人がどこかへ歩む度に、その力は増して行く。 ファイ・ナル ノクスから発生した逆存在、未知を「知らない」と言う空白の塊。 未知よりはまだ馴染みやすい存在なので、ノクスの代弁者を勝手に名乗ってくっちゃべる。 消しても消しても虚空からわき続け、無そのものと同様に消し去り難い。