約 1,037 件
https://w.atwiki.jp/storyteller/pages/1671.html
戦場のヴァルキュリア3 ※タイトルロゴでは「戦場のヴァルキュリア3 UNRECORDED ◆ CHRONICLES」と表記されている 以下は本スレではなくこのページに直接投稿されたもの 征暦1935年 架空のヨーロッパ 大陸の覇権を懸けて対立する東ヨーロッパ帝国連合(帝国)と大西洋連邦機構(連邦)は遂に開戦。全面戦争となった。 物語の舞台であるガリア公国は、両国の狭間に位置しているラグナイト鉱石の豊富な小国家である。ラグナイトはエネルギー、医療品、爆薬などに使われる万能鉱石で、ラグナイトの需要でガリアは小国家ながら潤っていた。 1935年3月、ラグナイトを狙って帝国はガリアに宣戦を布告。ガリア領内に侵攻を始めた。 後にガリア戦役と呼ばれる戦いの始まりである。 この戦いはガリア義勇軍第3中隊第7小隊を中核とする部隊の活躍で国内から帝国軍を排除することに成功、勝つには勝った。 それでものっけから不利を強いられた。 戦力で劣るガリア軍は国境の拠点ギルランダイオ要塞を落とされ、同時に国境近くの街ブルールを占領され敗走。首都ランドグリーズの目前の都市ヴァーゼル市まで追い詰められていた。 第1章 NAMELESSへ 1935年4月15日、ガリア義勇軍第3中隊第7小隊隊長ウェルキン・ギュンター少尉の奇策で一度は奪われたヴァーゼル市を奪還。これを機に本格的な反攻作戦が始まった。 しかし、ヴァーゼル市北東に展開する帝国軍の戦力は多く、にらみ合いになっていた。 新兵ばかりの部隊で、上官から指揮を任された新任の少尉が、ヴァーゼル市近辺の帝国軍先遣勢力の排除作戦の説明を始める。 彼の名をクルト・アーヴィングという。 ランシール王立士官学校を首席で、しかも歴代最高で卒業するという成績を持つ彼は、不安に駈られる新兵を前に 「この戦い、我が軍の勝利は決まっている」と言い放った。 同期生も唖然とする中、立案した作戦を説明する。 敵前面に少数の兵力を置いて、主力は背後に迂回。前面から牽制射撃と後方の主力が突撃をかけて、敵戦力を駆逐する。 作戦内容に皆懐疑的だったが、事実うまくいった。 前面を少し下げた結果、前面を主力と睨んで追撃した帝国軍は完全に側背を見せる形になり、一方のクルトが率いているがリア軍部隊は全くの無傷で敵先遣部隊を全滅させた。 ヴァーゼル市近辺の守りを固めるため、部隊が集結して来る中、クルトは見慣れぬ軍服を着た部隊の姿を認めた。 様子を見るに、正規軍撤退の殿(しんがり)として、一個小隊で機甲部隊の足止めを命じられ、壊滅的被害を被ったらしい。彼らの前に戦死した隊長が横たわっている。異様なのは軍服だけではない。皆ナンバーでお互いを呼んでいた。 同期生に聞くと、422部隊、通称ネームレスという。軍規違反者や犯罪者を集めた懲罰部隊とのことで、捨て駒同然の作戦を命じられるらしい。命令拒否は銃殺刑で、拒否権は皆無である。 彼らを横目にクルトは通り過ぎる。 クルトに声をかける人物がいた。カール・アイスラー少将はクルトの作戦指揮を認め、激励に来たのであった。司令部でもクルトの名は知られており、期待されているという。 アイスラー少将の執務室を訪ねる時、明らかに民間人がクルトとぶつかり、去って行った。民間人が落とした手紙にはアイスラー少将の署名が入っていた。執務室でアイスラー少将に落とした手紙を届けると、二三激励の言葉をもらった。クルトが執務室を出た後、アイスラー少将は届けられた手紙を見て何か考えているようであった。 上官に呼ばれ、士官室に入ったクルトは何の説明も無く、422部隊への転属を記した辞令を渡された。自分には反逆罪がかけられているという。一方的に転属を命じられ、唖然とするクルト。 これからの上官はガリア軍諜報部のラムゼイ・クロウ中佐になるとだけ説明され、士官室を出たクルトは全く納得がいかなかった。 新しく上官となったクロウ中佐に説明を求めても、「知らん」と一言だけ言われ、クルト・アーヴィングではなく『No.7』と名乗るよう命じられた。 422部隊の行動は一切記録にされないため、所属する隊員に名前を持つ必要は無い。名前ではなく、番号で管理されるのでネームレスという。 クロウ中佐によれば、恩赦をもらうことで転属が可能らしい。未だ実例は無いが。 早速作戦を命じられたクルトは、クロウ中佐の適当振りに呆れつつ、422部隊の移動宿舎に来た。作業をしている女性隊員に声を掛けた。彼女は目にも留まらぬ早業でクルトの喉元にナイフを突き付けたが、クルトが「この隊ではこれが挨拶なのか?」と言って気がついたらしく、慌てて謝った。 騒ぎを聞いて他の隊員も集まって来る。隊員の一人はクルトの話を無視して立ち去り、さっきのナイフを突き付けた隊員は再び謝ってその場を逃げ出して行った。 残ったNo.6と名乗った隊員にこれまでの経緯を話すと、彼も身に覚えの無い反逆罪でここに転属させられたそうだ。 渡された作戦指示書には、今日中にヴァーゼル市に接近する偵察部隊を駆逐することが書かれていた。正規軍の援護は無し。一個小隊で規模不明の敵勢力と交戦しろ、とのこと。 422部隊の隊長は前の作戦で戦死。隊長不在のまま今日までいたようだ。部隊の中で最高階級であるクルトは、No.6の勧めで指揮を執ることになった。 ナイフを突き付けた女性隊員、もといNo.13の偵察報告で楽に包囲殲滅できると思って現場に向かって唖然とする。 隊員のほとんどが作戦をサボタージュして、僅か3人しかいないのである。その内の一人No.1は指示とは違う配置に待機している有り様だった。混乱したクルトは懐から飴を取り出してかじり始めた。昔から彼は気持ちの不安定収めるために飴をかじる癖がある。不思議と落ち着くらしい。 落ち着いて再度配置し直す。No.6の戦車とNo.1で左翼から突撃、友軍の方へ逃げると踏んでクルトとNo.13は右翼に回り込んで待機する。逃げてきた偵察部隊を待ち伏せで叩く狙いだ。 No.1が命令無視もいいところの大暴れをしたお陰で、待ち伏せも上手くいった。作戦に懐疑的だったNo.6は感心した様子であった。No.6自身、責任逃れでクルトに指揮を任せたつもりだったが、予想以上の戦果に驚いていた。彼はクルトに「なぜ4人でも戦おうと思ったのか」問うた。 その問にクルトは「どうして最高の結果を求めようとしない?逃げて何が生まれるんだ?目の前にある問題をどう解決するか、追及したくないのか?逃げた先にもっといい答えがあるのか?無いと思う、俺は」と答えた。 クルト・アーヴィングはこういう男である。クルトの人柄にも感心したNo.6は本名のグスルグと名乗り、クルトの指揮で戦うことを誓った。 この部隊では、自分の認めた相手には名前を教える、ネームレスの流儀だという。 隊員のサボタージュに頭を悩ませていると、かつての同期生が声を掛けて来た。今回の作戦の戦果は全て、後方で引っ込んでいた正規軍のものになるということであった。自分を捨て駒呼ばわりする同期生にクルトは 「戦力不足のガリア軍に捨て駒などあってはならない」と答えた。 その一言に腹を立てた同期生は、クルトを殴り倒した。彼はクルトを汚物でも見るような目で一瞥し、「名無しのネームレス」と罵倒して去っていった。 雨が降り始め、湿った地面から立ち上がったクルトは、嘲笑を浮かべる同期生ら正規軍を尻目に、必ず名前を取り戻す決意を胸に歩き始めた。 第2章 72時間の戦い 話を進める前にこのネームレスと呼ばれる部隊について知っておく必要がある。 正式な名称422部隊の起源は20世紀初頭の第一次ヨーロッパ大戦に遡る。 通常の部隊では手が回りにくい特殊作戦に従事する目的で、この部隊は創設された。所属が諜報部に配置してあるのもこのためである。 敵の後方で破壊工作や諜報活動によって後方撹乱など、敵中に飛び込むような難易度の高い危険な任務を少人数で行うため、死亡率は極めて高かった。 創設当初は、正規軍のベテラン兵が任務に当たったが、そもそもこういう類いの作戦思想自体がガリア軍内で未確立のために、精鋭を湯水のように使う結果になった。 正規軍は正規兵の消耗を極端に嫌う節がある。貴族出身の軍人ダモンが軍司令に就くと、上の性格はますますひどくなった。今戦役で正規軍よりも義勇軍の活躍が目立つのもそのためである。正規軍が後方に下がり、義勇軍が矢面に立って敵を駆逐する、その後で正規軍がやってくる。表面上の手柄は正規軍のものとされた。プロパカンダに使えるからだ。ガリア正規軍のモラルはこの国の軍組織で最も低劣な部類に入るだろう。422部隊は一応正規軍の所属ではあるが、その立場は今や義勇軍よりも低い。 自然、422部隊には軍規違反者や刑法犯罪者が送られ、任務も無茶な命令が指示されるようになった。 その422部隊の印象をクロウ中佐は質問している。 クルトは一言だけ言った。 「最低です」 懲罰恩赦を頂くことが現時点での彼の目的であった。クロウ中佐の口からアイスラー少将の伝言を聞いたが、かまうことはなかった。 クロウ中佐から次の作戦の指示が出された。遊撃戦と中部アスロン市の攻略である。 遊撃戦、とは本隊から離れて大多数の敵に立ち向かうことである。 多くの場合、敵に対してこちらの戦力は少ない。出来ることは嫌がらせ攻撃だったりと、規模も小さい。何度も言うようだが、422部隊の実戦的戦力は一個小隊である。 が、司令部が422部隊に命じているのは中部の小都市アスロンの奪還と敵戦力の殲滅である。敵の戦力は一個中隊かそれ以上。 一個小隊単独で出来る仕事量ではない。しかも制限時間が付いていた。 72時間である。 制限時間はともかく、部隊を立て直してまともな部隊にするにはいい機会かもしれない。クルトはそう考えてクロウ中佐の士官室を出た。 作戦事項を部隊に伝え、作戦を実行してもらわなければならない。前回のヴァーゼル近郊戦のように、またもやサボタージュされては部隊そのものの運用性が下がり、自然作戦成否による生存率の向上も望めない。 クルトは、その点を不安視していた。 彼はグスルグに相談した。 グスルグによると、現時点で動ける実動部隊の隊員の数は10人。その中で5人、彼の計らいで協力的、と思える面子を集めてもらった。No.15、No.21、No.24、No.32、No.56である。 集まって早々、クルトに辛口の意見が飛んだ。とりあえずナンバーと前回の作戦でサボった理由を聞いた。グスルグの出した助け舟で、皆何とか口を開いてくれた。聞くと、死にたくないだの仲間を失いたくないだの止められただの嫌だから逃げただの、終いには隊長不在による参加義務が発生していないために不参加だった隊員もいた。どうやらこの部隊では隊員の推薦と承認で隊長が決定される。全員が懲罰で配属されてナンバーで呼び合っている以上、この部隊におよそ上座と下座は存在しない。命を預けるためには、隊員が信頼し得る者をトップに据えなければ生き残ることは出来ない。隊員たちが慎重になるのも無理はない。クルトがこの部隊に着任してまだ1週間も経っていないのだ。グスルグはクルトに作戦指揮を任せたが、隊員の過半数が承認していなかったために隊長命令の強制力が発生していなかったのだ。 現時点で隊員たちはグスルグを推していた。この中では最も聡明で、目の配り方も器用であった。しかし、当のグスルグ本人が固辞し続けていた。彼はダルクス人である。 ダルクス人の悲劇は、伝説上の神話「ダルクスの災厄」に端を発す。 このヨーロッパで暦がまだ確立していない頃に、大陸にダルクス人が侵入。邪法を用いて100の都市と100万の人畜を焼き払い、大陸は荒廃した。そこへ強大な力を持った古代ヴァルキュリア人がダルクス人を制圧。ヨーロッパは救われ、ダルクス人は大陸を焼き払った罪から姓と職業の自由を奪われ、今日までヨーロッパ中で差別され続けている。古代ヴァルキュリア人がその後文献上から姿を消したため、伝説とはされているが、ガリア公国中東部に位置するバリアス砂漠には「ダルクスの災厄」で焼き払われたと思われる家屋が点在しており、ダルクス人が現存している以上単なる伝説とは片付けられない。このバリアス砂漠の遺跡もダルクス人差別の一助になっているのもまぎれもない事実だ。 就職の自由がないダルクス人は肉体労働、主に大陸で激しくなりつつある産業革命で勃興する工業の労働者として働いていた。機械を扱うことが多いことから、ダルクス人は「油臭い」と蔑まれた。一方で彼らは工学知識に富み、優れた工学博士を輩出してきた歴史を持つ。ダルクス人工学技術者で最も有名なテイマーはダルクス人であろうがなかろうが憧れる者は多く、その後も彼のように仕官して立身出世する若者が現れた。 ダルクス人の特徴として、彼らは濃紺色の髪と身体のどこかに特徴的な模様の衣類やストールを身につけている。グスルグの場合は革製ジャケットの胸と背中に工具のマークとダルクスの模様を縫い付けていた。見た目ですぐ分かるように、ダルクス人は自身の民族の正当性を決して卑下したりしないのである。 また、ダルクス人はどれだけ差別的な扱いを受けても決してやり返すようなことはしてはならないという教えを持っていた。 「ダルクス人は報復しない」 同じ事を行えば、同じ事が繰り返されて、閉じた円環の中で永遠に差別が続くことを説いているのである。 だが、現実はダルクス人に対する差別感情は根強く続いている。 ヨーロッパ全体に目を向ければ、これと言って差別的な感情を持っていない人間もいるが、極端なものでは道を歩いているだけで殺してしまう者もいる。 余談が、過ぎた。 差別されているダルクス人を部隊のトップにしたらどうなるか、グスルグには容易に想像がついた。おそらくはダルクス人を理由にあらゆるサボタージュが部隊に仕掛けられるだろう。今よりひどい任務を押し付けられる危険もある。その先に待っているのは部隊の全滅である。かといって他に部隊指揮が出来る人間もいない。グスルグはクルトが適任であると、彼を推した。次の作戦を彼の指揮下で戦ってみることを隊員に勧めた。納得できないなら自分が指揮を執ってもいい。グスルグの言葉に、皆納得してクルトの作戦会議を聞いた。 アスロン市はガリア中部に位置しており、ヴァーゼル市を取り戻したガリアにとっては、アスロン市を奪還することによって中部戦線を押し広げ、北部と南部に展開した帝国軍に分断の脅威を与えて牽制を行いたかった。だが、手元には中部方面に出せる駒がない。ヴァーゼル市奪還の立役者ギュンター少尉ら第7小隊を含めた第3中隊は南部へ派遣が決定していたし、もちろんのこと正規軍は出せない。と言うより、出さない。 結局お鉢が422部隊に回ってきたことになる。422部隊にしてみればいい面の皮である。 アスロン市郊外西部の草原地帯に陣取る帝国軍部隊の攻撃に成功した後、作戦が思いのほかすんなりと、しかも戦死者ゼロで終わったことに、参加した隊員たちは驚きを隠せなかった。 No.15、No.24、No.32はクルトの指揮能力を認め、それぞれエイミー・アップル、アニカ・オルコット、ジュリオ・ロッソと名乗ってくれた。だが、まだNo.21とNo.56はクルトを認めておらず、軽々に名乗るべきでないと言った。 クルト本人もこの戦闘一回のみで認めてもらおうなどと、欲は出さずに上の両名には保留とした。 あと、気になるのはNo.1とNo.13の両女性隊員であった。No.13は一言二言言ってその場を逃げ出し、No.1に至っては完全無視でいなくなってしまった。クルトを認めた上記の隊員も特にNo.13との作戦出撃を躊躇しており、クルトが理由を質すと彼女には「死神」と言う呼称がついて回っているのだと言う。後は本人に聞くしかなかった。 この部隊を率いるには、まだ不足している要素があることを感じ、先にNo.13の問題を解決することにした。 その夜No.13に会って話をした。 彼女は元々義勇軍兵士であった。彼女の部隊は開戦直後の撤退戦の中で帝国軍の猛攻を受け全滅、彼女だけが生き残った。これだけなら奇跡的な生還と言えよう。 しかし、彼女の部隊の全滅と生還は5回繰り返された。 彼女だけが毎度生き残るので、あるとき彼女を「死神」と呼んだ者がいた。 それが定着し、結果厄介払い代わりに422部隊に送られたのであった。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8517.html
前ページ次ページゼロのペルソナ 魔術師 意味……出発・空回り 自分の名前を呼ぶ声が聞こえた。 彼女に名前を呼ばれるのは初めてなんじゃないだろうか? 今までずっと一緒にいて名前を呼ばれたことがないってかえってすごいんじゃねえのかな。 いや、それはともかく名前を呼ばれるっていうのは良いものだと思う。なんかこう、親しげな感じで。 だから名前を呼ぶなら楽しげとまではいかなくても気楽にでも呼んで欲しい。 それなのに、なぜそんなに自分の名前を呼ぶ声がそんなに寂しげなのであろう? 初めて名前を呼ぶんだ、そんなのっておかしいだろ? 暗闇の中で自分を呼ぶ声がする。 「……スケ……ヨースケ……」 聞き間違いなどではない。自分は呼ばれているのだ。そうであるならば寝ているヒマなどない。 「タバサ!」 主の名を叫び、陽介は目を覚ました。 しかし視界の中に名を呼んだ少女は見えず、映るものは荒れ果てた寝室と自分を呆然と見守る年老いた男の人だけだ。 「ってアレ?」 自分の小さな主がいると思ったら初老の男性が代わりにいる。 思わず頭の上に疑問符でも浮かべてしまいそうなほど事情がわからない。 「だ、大丈夫ですか、ヨースケさま?」 どうやら名前を呼んでいたのは枯れのようだ。 陽介は長く眠ったあとのようにしこりの残る頭で、その人物をタバサの実家の使用人だと思い出した。 「えっとたしか、ペルスランさんでしたっけ?」 「そうでございます。お許しください、私は奥さまを守ることもせず、お嬢さまやあなたがエルフと相対したときも隠し部屋に隠れていたのです」 もはや屋敷の唯一の住人となった使用人の話を聞きながら陽介は事情を思い出しいく。 倒れるタバサの隣に金髪の男が立っていたこと、そいつに自身の攻撃が反射されて気絶してしまったこと。 「タバサは……あの金髪野郎はどこに?」 「わかりません、行ってしまいました……」 あの男がどこに行ったのかこの家の執事が知っているはずがない。 当たり前だよなと陽介は頬をかいた。 頭が冴えを取り戻してくるに連れ、自分の迂闊さも思い出されてくる。 相手がどのような耐性を持っているのかわからないうちに物理スキルを使うとは、なんて間抜けなことをしてしまったのであろう。 陽介が戦っていたシャドウたちはある属性に対して弱点を持っているものもいれば吸収して体力にするもの、 そっくりそのまま反射する能力を持っていたりしたものだ。 あの頃ならどんな耐性を持っているか分からない敵には反射されても無効化出来る疾風魔法か、 物理耐性を持つか調べるために武器で攻撃をしてそれから大技をしかけたはずだ。 一瞬の油断が、一回のミスが取り返しの着かないことになると、かつての冒険で骨身に染みたはずであったのに。 この世界には攻撃を反射したり吸収したりするものがいないとでも思っていたのであろうか。 自分は全くと言っていいほどこの世界のことを知らないというのに。 「しょうがありません。相手がエルフでは……」 「さっきも言ってたっスけどエルフ?」 エルフと言われてみれば、たしかにちょうど自分の世界で見たゲームや漫画のエルフによく似ていた気がする。 魔法の世界なので(それ以上に状況が状況だったので)気にしなかったが、耳も長かったし、金髪だった。 金髪がエルフの条件だったからよく知らないが、自分の見たゲームや漫画だとだいたいそうだった気がする。だが、それがなんだというのだろう。 しかし目の前の老人はよっぽどのことらしく、たいそう驚いたというふうに目を開いた。 「エルフを知らないのですか!口に出すのも恐ろしい者たちですよ……」 老いた体を怯えるように震わしている。 この世界だとエルフっていうのはこわいもんなんだな。と、それだけ陽介は理解した、 でもやっぱりそれは何の言い訳にもならない。 一番の問題は敵の強さより戦いのセオリーを無視した自分だ。 そのためにタバサは連れ去られてしまった。 二人の間に沈黙が流れたときに屋敷の外で馬のひづめの音が聞こえ、それはちょうど屋敷の前で止まったようであった。 ペルスランはまたガリアの回し者かと怯えたが、陽介は違うと確信していた。 窓辺に近づいてその姿を見る。 「そうだよな、一人で悩んだってしゃーねーよな。やっぱ頼るべきは仲間だよな」 窓から広がる風景の中に完二、クマ、ルイズ、キュルケが馬を止めている姿があった。 ガリア王国の首都、ヴェルサルテイル宮殿。 壮麗な宮殿の中でひときわ異彩を誇る、青のレンガで作られたグラン・トロワの一室に二人の人物がテーブルについていた。 一人はこの宮殿の主、つまりこの国の主であるガリア王ジョゼフである。 そしてもう一人は人間界で忌み嫌われるエルフである。 それは人間の国の王宮にいるのは最も不似合いな種族の一つであったであろう。 だが、ジョゼフは先祖来の仇敵がいるとは思えないほどくつろいでいた。 「我が姪をなんなく捕まえるとは、いやはやお前たちの先住の魔法とはたいしたものだ」 この部屋にはもう一人の人物がいた。イスに座らせられもせずに床に転がっている少女だ。 メガネをかけ青い髪を持つジョゼフ王の姪だ。タバサはビダーシャルの先住魔法で深い眠りについている。 上座から気楽に話しかけるジョゼフに対して、エルフのビダーシャル郷は苦々しい顔をしている。 「このようなことに精霊の力を使いたくはなかったがな。こんな雑用に何か意味があるのか?」 「おや、お前は余の部下になったのであろう?ならば余の言うことに従っておればよいのではないか?」 ビダーシャルの顔は屈辱でさらに歪む。 彼はジョゼフの言うとおり部下になったが、それはエルフとガリア間での密約のために必要だったからであり、決して進んでなったわけではない。 ジョゼフは声を上げて笑った。 「はっはっは!冗談だ!そう怖い顔をするな」 冗談と言われても、そうですかと愛想笑いするほど目の前の男にビダーシャルは好感を持っていなかったようだ。 黙って自分の一時的な主を睨みつけるように見ている。 剣呑な空気を放つエルフに構わずジョゼフは語り始める。 「なんの意味があるかと言ったな?これは余の弟の唯一の子だからな」 これと言ったとき、ジョゼフはタバサに向かってあごをしゃくってみせた。 「これからこれが生きていれば不都合なことが起こる。それを防ぐのが一つ目だ」 ビダーシャルはそれだけでの説明で全てを理解できるほどジョゼフに腹の内を語られているわけではないが、ある程度予想はつく。 それにどうせ質問しても跳ね除けるであろう。 「二つ目はこれの仲間が水のルビーを所有している」 ビダーシャルの眉がピクリと動いた。聞かされていなかった話だ。 「仲の良い友人らしくてな。無愛想な娘だと思っていたがそれでも余などよりよっぽどちゃんとした友人付き合いをしているらしい。 その娘たちがこれを奪還しに来るかもしれぬ」 「友人とは子供であろう?それが一国相手にわざわざ奪い返しに来るものなのか?」 ビダーシャルは呆れたという感情を隠さない。 「公算は低いであろうな」 ジョゼフはあっさりとビダーシャルの言葉を容れる。それから言葉を続ける。 「だがもし来るならルビーはこれで三つ揃うことになる。アルビオンの反乱軍から奪った風のルビーを加えてな」 「所詮、来なければ意味がないことだ」 「いや、もう一つあるな。お前が失敗した時だ」 ジョゼフが思いついたように言った。ビダーシャルはその程度の言葉は意に介さないというように澄ましている。 それはビダーシャルが魔法使いに負けるなどとは思っていない証拠である。まして相手が未熟な子供となればなおさらである。 「もし手に入れることができなければ次はどうする気だ?ジョゼフ王よ」 「ふん。そうだな、戦争でも仕掛けるさ」 まるで狩猟にでも出かけるとでも言うような気軽さで言い放った。 ビダーシャルも不意を打った戦争宣言に動揺を隠すことが出来ず思わずガリア王をじっと見る。 しかし当の本人はまるで自分がなんら特別なことを言ったというつもりはないらしい。 もはや話すことはないといった様子で手をひらひらとさせて退出を要求してくる。 おとなしく従いながら去り際に一言残す。 「忘れるな。シャイターンの門を必ず開いてもらうぞ」 ジョゼフはわかったわかったと適当に頷く。手は合いも変わらず犬を追い払うような仕草をしている。 エルフが去って、閉じられた部屋にはジョゼフとタバサだけになった。 「ふん。来るかだと?来るに決まっている。あれは、あれらはおれの敵なのだ。おれにはわかる」 それからジョゼフの顔は暗いものから一点して慈悲を含んだものになる。 彼は床に倒れ付したタバサの傍に膝をついて、片手を眠る姪の頬に優しく添えた。 「口元が母に似ているな……、シャルロット。あのようになってさえ、お前の母は美しい。 美しい母に感謝しろ。お前が飲むはずだった水魔法の薬を変わりにあおいだ母を……」 眠る姪に話しかけたあとは、彼は弟に語り始めた。姪の姿に彼は弟の姿を重ね見る。 「シャルル。おれはもっと大きな世界をこの手のひらにのせて遊んでやる。 あらゆる力と欲望を利用して、人の美徳と理想に唾を吐きかけてやる。 お前を個の手にかけたときより心が痛む日まで……、おれは世界を慰みものにして、蔑んでやる」 そのときドアが勢いよく開いて人が入ってきた。ガリア王女イザベラ、ジョゼフの娘だ。 「父上!!」 弟との対話を邪魔され、ジョゼフは不快で顔をゆがめた。 イザベラは父より先に床に転がっている従妹を見て言った。 「シャルロット……。父上、シャルロットを捉えてどうしようと言うのですか?」 「お前に話す必要はない」 ジョゼフは面倒くさそうに答えた。 「エルフの薬でシャルロットの心まで奪うつもりですか?」 「そうだ」 話す必要がないといいながらあっさりと教えた。不快な会話が早く終わればそれでいい。 「シャルロットは任務を果たして来ましたし、これからもそうでしょう。それに彼女の母はすでに心を奪われています」 だから心を奪う必要はないと言外に強く含ませている。 ジョゼフはそれを理解したが、まともな会話を娘とするつもりはなかった。 「だからどうしたというのだ。おれがそうすると決めたのだ。お前が口を挟むことではない。早く出て行け」 ジョゼフの言葉で顔を蒼白にしながらもイザベラは動かない。 衛兵につれだされたいのか。と言うといかにも不本意という様子でイザベラは退出した。 なまじっか自分と似たものだから会話すると不快感が走ってしょうがない娘だった。 だが、今の様子は今までとは違っていた。彼女はシャルロットを妬み、そねみ、嫌っていたはずだ。 だが、先ほどの行動はどういうつもりであろう。 弟を愛し、そして憎んだ自分とは違い、自分と似ていた娘は憎んでいた従妹を愛するようになったのであろうか。 だからといってジョゼフの不快感は弱まることはなかった。 サハラ ガリア国土の東の端、つまりエルフたちの住む砂漠を臨む土地にアーハンブラ城がある。 それはもともとエルフが建てたものであるが、人がそれを奪い、また奪い返されを繰り返し現在ガリアの所有となっている。 といってもアーハンブラ城は城砦の小ささから数百年前に軍事的価値が低いとされて奪い合いも同じ年月行われていない。 その城の一室でタバサは目を覚ました。 彼女は首都リュティスを挟んでアーハンブラ城から反対に位置するラグドリアン湖の畔にある屋敷からリュティスを経由して連れてこられたのだ。 もちろん、深い眠りに就いていた彼女は一度憎き伯父王と引き合わされていたことなど知らない。 それまでエルフの先住魔法で深い眠りについていたタバサは現状確認を始めた。 最初は夢だと思った。 なにしろ自分の着るものから部屋の調度にいたるまで全て豪奢という言葉でも足りるかわからないほどお金のかかったものばかりであったからだ。 タバサも王族の一員であるからそれを判断できるの。しかしそれでもかつての公女時代でさえこれほど価値のあるものは自分の周りにはなかった。 彼女がそう思ったのは無理のないことだ。その部屋はジョゼフが決して少なくない出費で改築したアーハンブラ城の中でも、最賓室なのだ。 もちろんそんな事情を彼女が知るはずもなく、現実だと理解したのは彼女にかけられた言葉によってだった。 「目覚めたか?」 声のするほうに顔を向ける。視線の先でエルフが扉近くのソファに腰かけていた。 彼女を倒したエルフである。手に書物があるので、タバサが目を覚ますまで本を読んでいたであろう。 タバサは目の前に現れた自分の知る限りの最大の危険に身構えるが、手にも、また見える限りに杖がないことに気付き、構えを解く。 杖があってさえ完敗したのだ。杖がなければ抵抗らしい抵抗などできるはずもない。 そう考えるとタバサは不思議と落ち着いてきた。目の前のエルフに敵対行動もできないとなり、落ち着いて彼女は質問をする。 「あなたは何者?」 「“サハラ”のビダーシャル」 「ここはどこ?」 「アーハンブラ城だ」 タバサはその名を知っていたので、寝ている間に自分はガリアを横断させられたことを理解した。 「母をどこにやったの?」 「隣の部屋だ」 そう言いながらビダーシャルは自分が座っている近くの扉ではない、もう一つの扉を見た。 タバサはその扉に駆け寄る。エルフはその行動に何もいわなかった。 彼女のいた部屋に比べるとその部屋はずいぶんと簡素なものだった。 その殺風景な中に置かれたベッドの上にタバサの母は横たえられていた。どうやら眠っているらしい。 部屋の隅の寝台には彼女がいつも抱いている人形が置かれている。 それは現在ベッドで横たわっている女性が娘のシャルロットに買い与えたものだ。 最初はタバサと名づけられ、のちに彼女が錯乱してからは娘と錯覚しシャルロットと呼ばれている。 人形と名前が入れ替わった少女は扉近くに立っているエルフを憎々しげに睨み付ける。 「暴れるのでな、寝ていただいている」 透き通るような声でタバサの視線に答えた。 「わたしたちをどうするつもり?」 ビダーシャルは宝石のような瞳にわずかな哀れみの光を宿した。 「その答えは二つある」 自分と母の処遇が違うことを知った。 「母をどうするの?」 まず自分にとって、より重要度の高いほうを先に質問する。 「どうもせぬ。我はただ、“守れ”と命令されただけだ」 「わたしは?」 ビダーシャルはわずか逡巡してから、先ほどと同じ調子で答えた。 「水の精霊の力で心を失ってもらう。その後はお前の母と同じだ」 タバサは自分を母と同じにすると言っていると理解した。つまり自分を狂わせるのだ、かつて母にしたようにして。 「今?」 「特殊な薬でな。調合には時間がかかる。それまではせいぜい残された時間を楽しむがよい」 「あなたたちが母を狂わせたあの薬を作ったの?」 ビダーシャルは頷いた。 「あれほどの持続性を持った薬は、お前たちでは調合できぬ。 さて、お前には気の毒をするが、我も囚われのようなものでな。これも“大いなる意思”の思し召しと思って、諦めるのだな」 それからタバサは外の様子を調べようと窓辺に近寄ろうとして、はっとした。 「わたしの使い魔は?」 自分を助けるために倒れた使い魔の姿が見えなかった。 「使い魔とはあの妙な力を使った男のことか?あの男なら捨て置いた。 私はお前を連れてこいと命令されただけで使い魔も連れてこいとは言われていないからな」 タバサは自分の使い魔がとりあえず助かったらしいことにほっとした。 それから窓に近寄り、外の光景を見る。本丸から飛び出したエントランスに兵士がいる。 どうやらこの城に自分を逃さないように兵が置かれているようだ。 杖もない自分では母を連れて脱出など出来ないであろう。 視界に移るものから意識を外し、回想する。 彼女はガリア王の命令でルイズを誘拐する前にその手紙を机の上に置いたままにした。 いつもの自分なら他の人間の目に触れぬように燃やしてしまうだろうに、燃やさなかった。 なぜそんなことをしたのか、自分ではあの時分かっていなかった。 仮に尋ねられていたなら急いでいたからとでも答えただろうが、そうではない。 簡単な話だ、自分は自分の使い魔に気付いて欲しかったのだ。 どうしようもない困難を前に、避けられない苦難を前に自分は使い魔に助けて欲しかった。 結果が彼のエルフに敗北した姿だった。 望むべきでないことを望むべきではない。自分は薬で心を失ってしまうのだ。 だがそれも母とずっと一緒に居られるなら悪いものではないのではないか。 だから、使い魔には自分を助けるなど思って欲しくない。 もう自分の大切なものが傷つくのを見るのはごめんだった。 前ページ次ページゼロのペルソナ
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/7667.html
396: ホワイトベアー :2022/02/25(金) 11 04 52 HOST 157-14-173-202.tokyo.fdn.vectant.ne.jp 日本大陸×ワールドウィッチーズ 第一話 夢幻会の憂鬱 欧州を主な舞台とした第一次ネウロイ大戦集結からはや20年の月日が流れ、平和な日々により大戦が残した凄惨な傷跡はすでに癒えつつあった。 大陸を挟んだ反対側に位置する欧州の異国より伝わった小規模な怪異との戦闘の報も世界の安寧を揺るがすことはなく、世界の大半ではいまだ平穏な日々が営まれていた。 しかし、かすかに立ち昇り始めた暗雲は確実に世界に影を落としており、それを察していた人間たちも少ないながらいた。 複数の亜大陸と大陸を領土とする世界最大クラスの列強であり、太平洋地域のほぼ全域をその勢力圏としておいている大日本帝国。 安土桃山時代、徳川家がまだ松平家だった時から徳川家に仕え、江戸幕府開闢後から現在に至るまで日本の政治と経済に非常に大きな影響を有している世界最大規模の秘密結社である夢幻会メンバー達もそうした少数派の一員であり、彼らはやがて来る脅威に対抗する為、人類の力の強化と拡大を急務としていた。 1936年 大日本帝国 帝都 東京 某所 「世界情勢がだいぶ違いますが、原作通りヒスパニア戦役はおきてしまいましたか...」 「まあ、世論が好景気に沸き、介入に否定的な現状で我々ができる事はあまりありませんがね」 「小規模な正規軍の派遣はおろか少数の義勇軍を送るのも難しいですからね。せいぜい、物資のレンドリースが手一杯でしょうな」 「カールスラントのコンドル軍団やロマーニャのヒスパニア遠征軍が現地に到着。ブリタニア、ガリア両国も派遣軍の編成に入っていますし、無理に介入する必要もないでしょう」 ヒスパニア戦役の勃発と今後の対ネウロイ体制について話し合うために開かれた会合では、ヒスパニア戦役への本格的な介入は世論の反対もあり不可能と早々に結論がくだる。 「しかし、ヒスパニア戦役が原作通り起きたという事は扶桑海事変相当のネウロイの攻勢もある可能性が高いと言うことですか」 「その通りなんだが、中華帝国と扶桑皇国が存在している以上、原作とは東アジアの情勢が違いすぎる。正直、原作知識はワザップの情報と同レベルと考えた方がいいだろ」 扶桑皇国と中華帝国、それは多くの転生者にここがストライクウィッチーズの世界ではなく、それによく似た並列世界であることを認識させる原作との大きな相違点である。 原作ストライクウィッチーズでは満州と中国、朝鮮半島など東アジア一体は過去のネウロイとの戦争で荒漠した地域と設定されていた。 しかし、この世界では大陸の住民のバイタリティーは原作よりも高かったようで、 幾度に渡るネウロイとの戦闘を経ても人類は大陸の防衛に成功し続け、現在でも満州と朝鮮半島を除いた東アジア地域は中華帝国と言う、始皇帝から数えて幾度目かの王朝が支配する統一国家が存続し続けていた。 また、原作では日本相当の国家であった扶桑皇国は、 こちらの世界では史実と違い成功した豊臣秀吉の大陸出兵により朝鮮半島や満州を支配していた親豊臣勢力と大阪冬の陣で敗北し、大陸に逃げ延びた豊臣勢によって建国された国家であり、 満州を中心にレナ川より東側の地域やモンゴルの一部、朝鮮半島北部を支配する大国であった。 397: ホワイトベアー :2022/02/25(金) 11 05 25 HOST 157-14-173-202.tokyo.fdn.vectant.ne.jp 当然、こうした複雑な関係もあって日中扶の関係は余り良くはなく、19世紀末から20世紀初頭のネウロイの脅威が余り存在しなかった期間は何度か戦争がおきていたが、第一次ネウロイ大戦を契機として現在では一応の協力体制にある。 「それで、両国の状態は?」 会合の開かれている部屋の上座に座る、胸に国会議員である事を示す菊が描かれた議員記章がついている背広を着た男性、現内閣総理大臣榊是親は口を開いた。 「両国ともにオラーシャ国境付近の軍の警戒度を1段階あげ、ウラル地帯の極東国際ネウロイ監視航空団が異常を感知した場合に即応可能な体制に以降しております」 「もし仮に怪異共の侵攻が実際におきた場合、両国はどれだけ対抗できる?」 政治家の男性は手に持っていた資料を机に置き、軍人等が集まっている方を向いた。 「兵力的には扶桑皇国・中華帝国ともに人口が多いだけあって現役兵力だけでも十分多い部類ですし、兵の練度も扶桑皇国は言うに及ばず、中華帝国も扶桑皇国には劣りますが十分なモノを持っています。」 「扶桑皇国はすでに大戦末期から冷戦初期レベルの国産兵器を配備しております。中華帝国も我が国が輸出している兵器やライセンスを与えた兵器で武装しておりますので、コアを持たない小型種や中型種程度のネウロイ相手ならウィッチと連携を取らずとも十分渡り合えるでしょう」 「航空陸戦両魔導戦力は両国ともに十分な兵力を有しており、練度もノウハウともに我が国の魔導部隊を上回っております。 また、我が国ほどではないですが、学生以下の軍務に属していないウィッチも多く抱えておりますので、戦争が長引けばどうなるかはわかりませんが、短期的で崩壊することはないでしょう」 「ウィッチが扱うストライカーユニットも日扶中ネウロイ対処協力協定に則り我が国が供給している倉崎の36式戦闘脚や三菱の36式戦闘装甲脚、 扶桑皇国の新型戦闘脚であるキ43式戦闘脚、キ44戦闘脚九六式戦闘装甲脚などの新型ストライカーユニットの配備が両国で開始されており、何事もなければ37年7月までには扶桑・中国両国にて既存のストライカーユニットの8割を代替できる予定です」 「有事の際を見越して我が国が提案していた使用弾薬の共通化や規格の統一もほぼ完了しております。また、原作とは違い大陸には中国と扶桑が我が国の戦略爆撃に備えて幾重にも張り巡らせた鉄道網もありますので継続戦闘能力も原作より遥かに向上しております」 次々と上がる報告を纏めれば、アジアにおける人類側の戦力は原作とは比べ物にならないまでに引き上げられているとの事であり、場の空気も少し緩む。 しかし、安心はできない。 何せ、彼らが相対するであろう存在はその一切が謎に包まれ、原作では強力なランドパワーを誇った欧州列強を連続で撃破し、北欧やイベリア半島などの一部を除いた欧州全域を支配した化け物なのだ。 幾ら東アジアの戦力が通常戦力、ウィッチ戦力ともに向上しているとは言え、ネウロイがそれに合わせて強化されている可能性も0と言えない以上、安心できる筈もなかった。 しかも、日本は対ネウロイ戦にもっとも適しているウィッチの運用において、大きな問題を国内に抱えていた事も彼らの頭を悩ませていた。 「万全とは言えないが扶桑と中華帝国の準備は十分と言うことか。となると今、我々が解決を目指すべき一番の問題は我が国の魔導戦力を取り巻く問題だな」 男性はため息をついたあとに、メガネを外して眉間を揉む。会合の空気も先程までとはうって変わって重いものに変わる。 「科学技術が発展しすぎたおかげと言うべきかせいと言うべきか悩みますが、 第一次ネウロイ大戦時にネウロイに通常兵器で対抗できてしまったせいで、国民の大多数はウィッチであるとは言え、妙齢の婦人や年端もいかない少女が前線に立つことに否定的ですからね...」 政治家の男性の言葉に、彼の近くに座っていた近衛が苦笑いで返す。 398: ホワイトベアー :2022/02/25(金) 11 07 52 HOST 157-14-173-202.tokyo.fdn.vectant.ne.jp 日本では太古の昔から、少なくない数の自身が生まれる前に21世紀の日本と言う国で生きていた別の誰かの記憶と自我を持った、所要、転生者と呼ばれる人間が継続的に生まれており、安土桃山時代には転生者であった松平家当主元康を纏め役とした夢幻会と呼ばれる転生者達の互助組織が誕生。 江戸時代に入ると徳川家に強い影響力を有していた夢幻会は日本全土の政治・経済に大きな、こと幕政や幕府直轄領、親藩や一部有力譜代潘に関しては支配的な影響力を有するほどに成長し、以後、彼らは自らの生活環境を21世紀の頃では当たり前にあり、今ではどれだけ富や名声、地位を築こうとも手に入れられない快適なものに少しでも近づけようと科学技術の発展を猛烈に進め、これを妨害する勢力から護り抜いてきた。 その甲斐もあって、大日本帝国の科学技術は他国と比べると極めて進んでいる。 具体的には第一次ネウロイ大戦が勃発した1910年代には冷戦初期レベルの兵器を運用可能とするレベルまで科学技術が発展していたのだ。 日本の科学力の高さは第一次ネウロイ大戦時はネウロイの能力が低かったことも相まって、日本軍はウィッチがおらずとも通常兵器のみでネウロイに十分対抗いや、圧倒できた。できてしまった。 第一次ネウロイ大戦での戦訓と経験は、ただでさえ魔法力と言うどうしようもない才能を前提として成り立つがゆえにシステム化が難しく、システム化やマニュアル化を重視する日本軍とは致命的なまでに相性が悪い魔導兵を重視する理由を大きく損なわせてしまう。 そうした軍内部の事情が、女性は家庭と言う保守的な考え、護るべき女子供を戦場に立たせるべきでないと言う本来なら褒められるべき高い倫理観などと融合。 日本国内では、後方勤務まだしもウィッチを戦闘員として扱うことには否定的だと言う考えが世論の大多数の賛同を得ていた。 「空軍内部でも何度も意識改革プログラムを行ってはいるのだが、非転生者やストライクウィッチーズを知らない転生者の殆どがウィッチの前線での運用に否定的だ」 「陸軍も同様です。一応、教育の充実や意識改革のおかげで、ウィッチの能力が有用である事は認る人間も多くなってはきてますが、やはり女性や少女を前線に立たせる事に賛同的な人間は少ないですね」 「海軍は国外の事情を知っている人間も多い事や 士官学校や海軍兵学校の入学可能年齢や入隊可能年齢以上と但し書きが付きますが、他の軍より感情的なシコリはマシではあります。それでも消極的否定派が大多数ですが」 近衛の言葉に続く形で、会合に参加していた軍人たちは疲れた表情を浮かべ、どこか諦めを含んだ口調で報告を上げていく。 「彼らの言い分もわからない訳ではないです。 幾ら能力があるからと言って、うら若き女性を率先して戦場に立たせる事に賛同する人間は少ないでしょう。しかも、彼らの多くは現在の通常戦力で十分ネウロイに対抗できると考えているのですから」 これから現れるネウロイの驚異を知らなかったら、私だって反対しますよ。 そう言いながら、辻は苦笑いを浮かべ、ため息まじりであるが反対派に理解を示す。 他の参加者たちも内心では大多数を占めるウィッチ戦力化反対派の考えも現段階では間違いではない、いや倫理的・道徳的な事も含めれば正しい事はわかっていた。 それでも、ストライクウィッチーズの原作知識によって、この世界とよく似た並列世界におけるネウロイの脅威を知っている以上、彼らにウィッチ部隊を整備しないと言う選択肢は存在しなかった。 「それはそうなんだが、幾ら帝国軍の兵器が冷戦中期から後期レベルだからって、レーザー攻撃が可能でコアを破壊しない限り無限に再生可能な大型ネウロイに対抗できるかと聞かれた難しいぞ」 「せめてコアの位置が固定なら対抗策もあるんだが、完全なランダムっぽいしな...」 「原作ではコア持ちが登場したのが38年以降で、レーザー攻撃可能なネウロイは扶桑海事変ではヤマ以外登場しなかったはずだ。なら、最悪何とかなるか?」 「第一次ネウロイ大戦で投入した兵器が原作と違うし、東アジアの情勢も原作とだいぶかけ離れている。ここはアニメの世界じゃないんだ。原作通りレーザー攻撃可能なコア持ちが山以外登場しないなんて保証は何処にもないぞ。」 「そうだよなぁ。となるとやっぱり魔導兵の増強が一番なんだが...」 「いっその事、大陸でのネウロイへの対処は扶桑と中国に任せて俺らは後方支援に徹するか?」 「それができればいいんだが、政治的にも外交的も難しいだろう。それに、介入しなかった結果大陸にネウロイの巣ができたら洒落にならん」 いつもの如くああでもないこうでもないと議論は活発に行われるが、結局、これまでに開かれた会合の時と同様に堂々目振りを続けていき、時間だけが進んでいく。 399: ホワイトベアー :2022/02/25(金) 11 08 30 HOST 157-14-173-202.tokyo.fdn.vectant.ne.jp 「この際、戦前から魔導兵の数を増やすべきと言う考えを転換するべきでは?」 そんな中で、嶋田が発した言葉はそれまで騒然としていた会合参加者たちを静寂へと導いた。 「どういう事ですか?」 同じく海軍から参加している者以外から《お前は何を言っているんだ?》と言う視線を集めていた嶋田に辻が聞き返してくる。 「政治的にも時間的にも今から正規の訓練を受けた魔導兵を大規模に増やすのは不可能です。 ですので、戦争がおきた後に平均的な能力を持つ魔導兵を育成できる促成教育体制を築き上げる。原作でリベリオンが行った事の真似をしようと言うだけですよ」 嶋田の提案は感情的な事は置いておけば、一番現実的なものであった。実際に、多くの出席者達はどうしたものかとお互いに顔を見合わせたり、一人考えを巡らせていた。 「確かに。仮に今から新兵に正規の訓練過程を受講させるとなるとしても終了するのは1939年だ。扶桑海事変相当のネウロイの攻勢には間に合わないな。しかし、ネウロイの侵攻までに策定は間に合うのか?」 海軍軍令部総長であり夢幻会の纏め役の一人である伏見宮博恭王は嶋田をまっすぐ見つめて問う。 「一からではなく既存の即応教育教程を母体にしつつ、今の訓練生達でデータを取りながら行うので問題ないでしょう。」 「なるほど...。仮に貴官の方針を採用したとして、促成教育教育期間はどの程度に抑えられる?」 「試算ではありますが、一年程での教程終了を予定しております」 嶋田の返答を聞いた伏見宮はしばし考え込むと、榊是親に視線を向けた。 榊もその視線の意味をすぐに察するが、しばし考え込んだ後に口を開いた。 「...それしかないか。何か他に意見のあるものはいるか?」 異議や異論は出ない。参加者もこれが一番現実的な結論と理解していた。 「では、嶋田中将を責任者とした陸戦・航空ウィッチ促成教育研究に賛成なものは挙手」 えっ? と驚いた表情をする嶋田を残して、その場にいた全員が手を挙げる 「あの、海軍航空ウィッチはまだわかるのですが、空軍航空ウィッチや陸戦ウィッチも海軍の私が責任者なんですか?」 「うむ。榊くんとの相談の結果、君を次の統合参謀本部議長に任命する事が内定していな。その前の功績としてこれぐらいは必要だろう。 君は海軍海兵隊や空母航空団での勤務で陸戦ウィッチや航空ウィッチ双方と関わったこともあるしな」 「安心してください。陸軍でも優秀なウィッチ上がりの参謀をつけますので」 「こちらは航空ウィッチ上がりの教官を送るから頑張ってくれ」 困惑気味に質問した嶋田に宮様、東条、畑と海陸空三軍の代表たちがイイ笑顔で答え、山本と南雲は書類地獄に落とされるだろう親友に合掌、その他の参加者たちも「嶋田さんなら安心だ」と次の議題に移ろうとしていた。 「」 「文字通り国を護るために戦う事になるウィッチやウィザードの明日を決める重要な仕事です。頑張ってください」 混乱している最中に辻から言われた言葉が最後のきっかけとなり、その後、不幸だァァァと言う叫び超えが夜の帝都に響くことになった。 その後も彼らの会合は夜遅くまで続いていく。 全ては来たるべき戦乱において、帝国の国民たちの被害を最小限に抑えるために・・・ 400: ホワイトベアー :2022/02/25(金) 11 09 04 HOST 157-14-173-202.tokyo.fdn.vectant.ne.jp 解説 魔導兵 日本での魔法力を有し、魔導学や魔導工学に基づいて開発された術式や兵器を主装備として戦う兵種を指す言葉。欧州のウィッチに相当する。 世界的に見れば魔法力の発現する確率は女性の方が高く、男性で魔法力を発言するものは極めて少ない。 しかし、日本では古来より(女性が大半であることは変わりないが)男性の魔法力発現者(以後ウィザード)も少なくない人数が確認されており、現代でもウィッチより少ないが一定数が陸軍や海軍陸戦隊に属している。 現在確認されているウィザードは飛行魔法に適応している者がおらず、機械化航空歩兵はウィッチのみだが、陸軍や海軍海兵隊等の陸戦部隊ではウィザードもウィッチと同様に魔法力を活用する兵種として運用され、その為、魔力を有する兵士は女性のみをさすウィッチ(魔女)ではなく男女問わない魔導兵と呼ばれる事が多い。 余談であるが、日本は人口比でみると他国と比べると僅かながら魔法力の発現者数が多く、上記したとおり他国ではまずいないウィザードも部隊運用できるだけ確認されている。 それに加えて、日本人のウィッチやウィザードは他国と比べると平均的に魔法力の量が高く、あがりを迎えるのが30代前後と遅いなど、魔法力との親和性が高い。 夢幻会の研究機関はこの日本人の特異的な特徴は、現在までに確認された転生者が日本人のみで、過去の転生者が残したと思われる痕跡や遺物が日本に集中している事実と何かしらの因果関係があるのではないかと考えている。 401: ホワイトベアー :2022/02/25(金) 11 12 50 HOST 157-14-173-202.tokyo.fdn.vectant.ne.jp 以上になります。 ワールドウィッチーズの世界観を追いかけるのは困難を極めましたが、ようやく第一話を書き終えることができました。 wikiへの転載はOKです。
https://w.atwiki.jp/taigamonogatari/pages/1947.html
22 15 (GM_resol) ひいいいいいいい 22 16 (GM_resol) ででででではじゅじゅじゅじゅんびができたらお手をあげてくくださいいいいい 22 16 (Rindy21_1) ノ 22 16 (Willhelm24_2) っノ 22 16 (Maia22_2) ノ 22 17 (Alec-25-1) 」 22 17 (Frieda_22_3) 」 22 17 (GM_resol) アー 22 18 (GM_resol) でででは始める前にあたって 22 18 (GM_resol) 素敵な世界観設定のセッションをやってくれて、かつその設定を自由に使わせていただいた仔山羊さんありがとうございます 22 18 (Alec-25-1) いぇー(拍手 22 18 (Frieda_22_3) ありがとうございます! 22 18 (Willhelm24_2) ぱちぱちぱち! 22 18 (Maia22_2) ありがとうございますー 22 19 (Maia22_2) わーわー 22 19 (Rindy21_1) ありがとうございますー 22 19 (GM_resol) 自分で自分にお礼を言うのかー… 22 19 (GM_resol) では上手くいくか、至らぬ点は多々出てくるとおもわれるふつつつつつか者ですが、 22 19 (GM_resol) よろしくお願いいたしますー 22 20 (Frieda_22_3) 宜しくお願いしますー 22 20 (Maia22_2) よろしくお願いしますmm 22 20 (Willhelm24_2) よろしくお願いします! 22 20 (GM_resol) ここはネス公国南西部の大河沿いに位置するホルムの街 22 21 (GM_resol) つい最近まで、この街は古代遺跡より復活せしアルケア帝国の軍勢によって支配されていた。 22 21 (Alec-25-1) おねがいしますー 22 22 (GM_resol) 空からはすみれ雪が舞い、石畳には人の入った紫水晶が佇んでおり、天には地に向かって荘厳なる都がそびえ立っている…というおよそ現実のものとは思えない様相になっていたそう。 22 23 (GM_resol) しかし、今は雪も都も見るかげなく澱んだ雲が空を覆っているだけで、やはり現実ではなかったのではないかと外来た者は口にする。 22 24 (GM_resol) ホルム中心部の酒場──ひばり亭 22 25 (Alec-25-1) 営業再開しとる。 22 25 (Rindy21_1) この状況で酒場やるオハラさんの根性よ 22 25 (Alec-25-1) いやまあ 22 25 (Alec-25-1) 本編でもそんなんだった。 22 25 (GM_resol) ここはホルムで遺跡が発見された当時、冒険者の絶好のたまり場となっていた酒場兼宿屋だが、こうして支配から開放された後、再び冒険者が足を運ぶこととなった。 22 26 (Willhelm24_2) オハラさんは逞しい人だ。 22 26 (Alec-25-1) ソムニウム降る中でふつーーーに酒場ひらいて主人公が「副葬品でねえ……」ってぶつぶつ言いながら寝ては起きて遺跡に向かうのを 22 26 (Alec-25-1) 黙って泊めてやってた。 22 26 (GM_resol) なぜなら、ネス公国の出した傭兵募集のお触れの集合地に、ここが指定されていたからだ。 22 26 (Willhelm24_2) 運命を共にする冒険者達との会合はこれからなのですね 22 26 (GM_resol) あと、神殿軍に同行していたアレクさんもここに泊めてもらっている。 22 26 (Alec-25-1) 傭兵募集のおふれて 22 26 (Alec-25-1) どんなかんじなんですかねえ 22 27 (GM_resol) どんなというと。 22 27 (Alec-25-1) 文章。 22 27 (GM_resol) 考えてないよ。 22 27 (Willhelm24_2) エリエレが個人的に貼ったの以外に、ちゃんと公式募集もあったんですかね 22 27 (Alec-25-1) なんかこー 22 27 (Alec-25-1) どんなほうこうせいのものかって 22 28 (Alec-25-1) えーーとこうつまり 22 28 (GM_resol) ネス公国は古代帝国を名乗る軍勢からの侵略を受けている 腕に覚えのある者はネス公国の防衛に力を貸してほしい みたいな 22 28 (Alec-25-1) 酒場に集められてんのって全員同じように行軍するために集められてるのかひばりていに別々にようへいのぼしゅうくるのでとりあーえず傭兵あつめておいといてるだけなのかとか 22 29 (Alec-25-1) そういうこまごましたところとか。 22 29 (GM_resol) とりあえず集めるだけですねえ。 22 29 (Alec-25-1) んじゃー募集の御触れって正式に報酬約束して軍として集めてるっていうよりあれね 22 29 (GM_resol) ある程度集まったら現地の指揮官が支持をあおぐかんじ。 22 29 (Frieda_22_3) Ruina本編で大公が出してたアレっぽいのかな 22 29 (Alec-25-1) 来いよ!!!っていう布告だけっぽいかんじなんやね 22 29 (Willhelm24_2) あー 22 29 (Willhelm24_2) そんな感じなのかなひどい。 22 30 (GM_resol) 一応功績たてたらお金とか爵位あげるよってのがある。 22 30 (Rindy21_1) あー 22 30 (Rindy21_1) きたれわかもの! 22 30 (Frieda_22_3) 一気に就職的な匂いが 22 30 (Rindy21_1) 超ブラック。前触れもなく石になって戻る見込みがない職場 22 30 (GM_resol) 徴兵なんてそんなもん。 22 31 (Alec-25-1) じゃあ俺は二階からひばりていに居る人達を見てブラックだなぁこの職場って思ってます。 22 31 (GM_resol) というわけでウィルヘルムさんとエリエレはこのひばり亭にて 22 32 (GM_resol) この宿屋にきた冒険者を個人で指揮できる程度の人数(4人)集めて、館へ行ってねと指示されています 22 32 (Rindy21_1) 不釣り合いに立派な胸当て(国章入ってる)をつけたやや背高めの娘っ子が目を閉じて瞑想してる、っぽい空気を出しつつ周りを気にしている 22 32 (Willhelm24_2) 指揮能力が足りないのはわかるが少ないな… 22 32 (GM_resol) 館というのは旧ホルム伯の屋敷。 22 33 (Willhelm24_2) 「さて、ここで人を集めろとのご指示ですが」ざっと酒場を見回す 22 33 (Maia22_2) カウンターでボロボロの外套着込んだままで酒飲んでいる 22 34 (Frieda_22_3) 隅のテーブルで頬杖をついている。なんかガラ悪い人の溜まり場な雰囲気だ 22 34 (Maia22_2) そういうご時世です 22 35 (Willhelm24_2) ここにはPC以外にも人がたくさんいるんですよね 22 35 (GM_resol) エリエレ「これはまた、そうそうたる…独創的な面子が…」 22 36 (GM_resol) いるっちゃいるが弱そう。 22 37 (Willhelm24_2) 「独創的とは言い得て妙ですね」 22 37 (Willhelm24_2) 「この人数の中から有望な人材を見つけ出せとはまた無茶も良い所…」ため息をつきつつ 22 37 (Alec-25-1) 「そうですねえ、本当に無茶だと思います、お疲れ様ですホント」 22 37 (Willhelm24_2) 強そうな人は見てわかる感じですか。 22 37 (Alec-25-1) いつのまにか水片手にそばにいてひとりごとに混ざって来る。 22 38 (GM_resol) 見てわかる。 22 38 (Willhelm24_2) 「……はい?」思案していた表情から片眉をあげて 22 38 (Willhelm24_2) アレク君のほうを見る 22 38 (Alec-25-1) 「ん?」 22 38 (Willhelm24_2) 「失礼、貴方は?」 22 39 (GM_resol) 「無意識的な会話への乱入」 22 39 (Alec-25-1) 「アレクティア=ラルターンと申します、どうも初めまして」流れるように握手を求める。 22 40 (Willhelm24_2) 求められたら思わず答える 22 41 (Willhelm24_2) んーみためで神殿関係者ってのはわかりますか 22 41 (Alec-25-1) 「いやしかし有望な人材とか、傭兵に求めるなっていう話ですよねえ、やあ困りましたね、実にご苦労様です、そもそもお上さんは傭兵に何を求めていらっしゃるのか」はっはっは 22 41 (Alec-25-1) うーんと 22 41 (Alec-25-1) 胸当てに簡素な剣を帯刀していてその上に白衣を羽織っている。 22 42 (Alec-25-1) どっちかっていうと神官っていうか医師っぽいが 22 42 (Alec-25-1) 観察すれば白と黒の枝の絡み合ったデザインの聖印を胸につけてはいる。 22 43 (GM_resol) 「また聞きで信憑性を問われると困惑的になりますが、ホルムの過酷な遺跡を攻略したのも、先の戦争で武勲をたてた者も、そして今回ホルムを開放した面子でも、外からの冒険者が含まれていたそうです」 22 43 (Willhelm24_2) では「……そうですね、ですから我々はこの状況を打破するきっかけをあなた方に求めております」 22 44 (Willhelm24_2) 「貴方もどうですか?」と微笑んで、そこで初めて聖印に気付く 22 44 (Frieda_22_3) 「冒険者……、状況を打破……」 視線をウィルヘルムさん達に定める 22 45 (Alec-25-1) 首をかしげて 22 45 (Willhelm24_2) 「……っと、ああ残念。既に他のところで飼われていますか」 22 45 (Alec-25-1) 「ま、座って下さい、そういうのはどういう仕事に従事するか効いてからですね」自分ちのように椅子をひいて差し出す。 22 46 (Alec-25-1) 「あーー、俺は極一般の信徒みたいなもんなんで、ま、お気になさらず」 22 46 (Willhelm24_2) 「おや、良いのですか?ではそこで少々お待ちください」アレクさんに座るよう促しつつ 22 46 (Alec-25-1) ほかのようへいのみなさんからよくみえるせきを 22 46 (Rindy21_1) 耳をそばだてている娘 22 46 (Alec-25-1) げすへるむくんに進める。 22 47 (GM_resol) 「あっ我々は少数精鋭の隊を組む予定で、既に予算は降りてますのでここに加われば将来的に安定かもしれませんよ! 具体的な指示はこれからですが!」 22 47 (Alec-25-1) 「少数精鋭」 22 47 (Willhelm24_2) 「その話はまた後で」 22 47 (Willhelm24_2) 「エリエレ、そこのカウンターの辺りから使えそうな方を見繕うことはできますか?」フリーダさんやらマイアさんを指しつつ 22 47 (Alec-25-1) 「良いですね、なんかそのーーーーーーぶっちゃけ捨て駒扱いに近い感じが」 22 47 (Frieda_22_3) 丸投げた 22 48 (Willhelm24_2) で、こっちはリンディさんに声かけに行きたいです 22 48 (Willhelm24_2) 捨て駒、あたりでちょっとアレク君を睨む。 22 48 (Alec-25-1) かたをすくめる。 22 48 (GM_resol) 「えっ」 >みつくろう 22 48 (Frieda_22_3) そういうポーズなのかな 22 49 (Willhelm24_2) 「丁度こちらに興味を示している耳ざといのがいるでしょう?」 22 49 (Alec-25-1) 他の 22 49 (Willhelm24_2) あ、これ小声ね 22 50 (Alec-25-1) モブ傭兵の皆さんは注目度どんなんなんだろう 22 50 (GM_resol) 「私めにカウンターを全体的にまかせてしまってよいのですか…」 22 50 (Alec-25-1) 少数精鋭とか……冗談じゃねえ……みたいなかんじなんだろうか。 22 50 (GM_resol) そんなかんじ。 22 50 (Rindy21_1) あ、こっちか>みみざといの 22 50 (Willhelm24_2) 「詳細はまとめてこちらから話します」 22 51 (GM_resol) 「了解しました…」 22 51 (Willhelm24_2) 「変なものを連れて来るはずなどない、と信じておりますから?」 22 51 (Willhelm24_2) 「ねえ?」 22 51 (Frieda_22_3) 疑問系 22 51 (Willhelm24_2) 全然信用はしてない。 22 51 (Alec-25-1) (信用が無い……) 22 51 (Rindy21_1) まぁ 22 51 (Rindy21_1) 変なのは連れてくるよな 22 51 (Frieda_22_3) そんな人に人選任せるとか 22 52 (Rindy21_1) 変だけど強いだけだ 22 52 (Alec-25-1) 強い人は変だよ。 22 52 (Willhelm24_2) まあ、強ければいいよ強ければ 22 52 (Rindy21_1) 行ったほうがいいだろうか 22 52 (GM_resol) 「はい、がんばって画期的な人材を見つけて参ります」 22 52 (Rindy21_1) 末期的な人材を 22 52 (Alec-25-1) 「彼女言葉遣い変ですね」 22 52 (GM_resol) 「えーと、そちらのカウンターにいらっしゃる腕に覚えのある方ー」声をかける。 22 52 (Willhelm24_2) じゃあこっちはリンディさんに向かっててくてく。 22 53 (Willhelm24_2) 聞き込み!! 22 53 (Willhelm24_2) 立候補制!! 22 53 (Rindy21_1) 癒し 22 53 (GM_resol) マイアさんの近くに来て話しかける。 22 54 (Maia22_2) かぽっとカップの酒をあおる 22 54 (Rindy21_1) ウィルさんが近づいてきたら 22 55 (Rindy21_1) そちらを見て 22 55 (Rindy21_1) 立ち上がろう。貴族的立ち上がり 22 55 (GM_resol) 「あのー、一緒に革命的にアルケアを倒しませんか」 >マイアさん 22 57 (Maia22_2) フードを目深にかぶっているけど頭の動きで一瞥くれたのはわかります 22 58 (Willhelm24_2) 「こちらに興味を示されている方は誰かと思えば、ロメット卿の御令嬢ではありませんか」<リンディさんへ 22 59 (Willhelm24_2) 「こちらにいらっしゃるとは思いませんでしたが、何の御用ですレディ?」 22 59 (Rindy21_1) チェンバースさんち知っててもいい感じだろうか 22 59 (Willhelm24_2) ネス公国の男爵なんでまー 23 00 (Willhelm24_2) 知ってて不自然でなければ。 23 01 (Rindy21_1) 「チェンバース卿も息災で」 23 01 (Rindy21_1) 軽めに微笑み、表情を引き締める 23 02 (Willhelm24_2) 「ありがとうございます」続きを促す 23 02 (Willhelm24_2) なんで貴方はこんな所に居るんだ 23 02 (Rindy21_1) ちょっとまってくれ。言葉遣いが定まらない 23 05 (Rindy21_1) 「かねてより、父の志を継ぎ、皇帝タイタスを名乗る不届き者を討つべく義務が私にはあるのではないかと」 23 05 (Rindy21_1) 「そう考えておりました」 23 05 (Willhelm24_2) 「なるほど?」それで?みたいな感じで 23 05 (Rindy21_1) 「今回の招集は良い機会だと」 23 06 (Willhelm24_2) 「それは貴方自身の御意思ですか?」 23 07 (Rindy21_1) 「そうですね。私は未だ家督を継いだわけではないですから」 23 07 (Rindy21_1) 「御命を拝することもありません。でも」 23 08 (Rindy21_1) 「そういうものではないですよね」 23 08 (Willhelm24_2) 「……」 23 08 (Willhelm24_2) 「ええ、その通りです」営業スマイル 23 09 (Willhelm24_2) 「流石はロメット卿の御令嬢お志も高くていらっしゃる」 23 10 (Rindy21_1) 「いいえ、まだまだ未熟ですから。こちらに来てから学ぶことも多いです」 23 10 (Rindy21_1) まぁ 23 10 (Rindy21_1) このこ単にお父さん助けたいだけで来てるんですけどね 23 11 (Frieda_22_3) 「――おまけに耳も良い。そうですよね?」 近付いていって横槍を入れる邪魔者 23 11 (Willhelm24_2) 「貴方もでしょうに」 23 11 (Willhelm24_2) 目線をやって 23 12 (Rindy21_1) 「ええ、昔からよく言われます!……あなたは?」 23 12 (Rindy21_1) 機敏高めなので耳はいいほう 23 13 (Frieda_22_3) 「フリーダ、と呼んでください。私もお仲間に入れて頂けるんでしょうか?」 23 14 (Willhelm24_2) 「アルケアの帝国を討つ志と、その実力があるならばよろこんで」 23 14 (Willhelm24_2) 「我々は貴方達を歓迎致します」 23 15 (Willhelm24_2) どうですか?とリンディさん、フリーダさんを誘いましょう 23 15 (Rindy21_1) 「ええ、生まれの卑しき人の中にこそ志を見よ、と父もよく言っていました」 23 16 (Rindy21_1) 「このような状況で自ら名乗りを上げられる方というのはそれだけで素晴らしいことだと思います」 23 21 (Willhelm_) 「いいでしょう。貴方もよろしいですね?」フリーダさんに。 23 21 (Frieda_22_3) 「私の力が帝国妥当の一助となれるなら、是非もなく」 微笑む 23 22 (Willhelm_) 「お望み通り、彼の帝国との闘争の日々へご案内できるでしょう」 23 22 (Willhelm_) 「こちらへどうぞ」二人をアレクさんが座ってるとこに連れてきます 23 22 (Alec-25-1) 連れてきた人選と 23 22 (Alec-25-1) エリエレさんの方をちらっとみて 23 22 (Alec-25-1) 「……」 23 23 (Alec-25-1) 「邪な感情的な判断的なアレ的なアレで選んでる訳じゃないですよねその人選」首をかしげる 23 23 (Alec-25-1) 連れてるのも女の子だし 23 23 (Rindy21_1) なんか 23 23 (Alec-25-1) 連れてきたのも女の子だし。 23 23 (Frieda_22_3) アレアレ言い過ぎて何が何やら 23 23 (Willhelm_) 「言いたい事があるのならはっきりとおっしゃってください」 23 23 (Rindy21_1) 趣味っぽい面子だよな 23 24 (Alec-25-1) 「例えば旧知の仲である俺を追い出してですね」指で机をこつこつする 23 24 (Alec-25-1) 「ここに新たに、えーとそうですねえ、キューグ様辺りを信仰する純朴な女性を誘ってくる」 23 24 (Alec-25-1) 「するとほら」 23 24 (Alec-25-1) 「なんか邪じゃないですか」 23 24 (Alec-25-1) 「あっ先に言っておきますけど全部冗談です」 23 24 (Rindy21_1) 「追い出すんですか?」 23 24 (Willhelm_) 「そうですか」 23 25 (Willhelm_) 「全て冗談だそうですよ」<追い出す 23 25 (Willhelm_) あのな 23 25 (Willhelm_) 他のまともな人間は目に見えて弱いんだよ! 23 25 (Alec-25-1) うん。 23 25 (Alec-25-1) ていうか 23 25 (Alec-25-1) まともな人間は少数精鋭の傭兵とか言われて 23 25 (Alec-25-1) 雇われませんよね。 23 25 (Willhelm_) そうね 23 25 (Alec-25-1) 多分みんな 23 25 (Alec-25-1) めがあわないようにしたをみてる。 23 26 (Rindy21_1) 「そうですか! 適度に肩の力を抜くことは良いことです!」 23 26 (Willhelm_) ウィルヘルム自身投げ出したいからね。 23 26 (Willhelm_) この任務。 23 26 (Alec-25-1) 「ま、恐怖は力ですから、ゆるーくしませんと」 23 27 (Alec-25-1) 「で、話を戻しますけど誰が本命なんですか」 23 27 (Willhelm_) 「さて、エリエレが上手くやれば、上から指定された人数は揃いますね」 23 27 (Alec-25-1) ゲンドウさんみたいなポーズをする。 23 27 (Willhelm_) にっこり微笑む 23 27 (Willhelm_) 何聞いてんですか、という威圧 23 27 (Alec-25-1) (すんなり俺も勘定に入ってるな……別にいいんだけど……) 23 27 (Alec-25-1) ほほえみを返す。 23 28 (Alec-25-1) 特に邪気の無いほほえみ。 23 28 (Rindy21_1) 「本命というのは?」邪気のない顔できく 一方別チャンネル↓ 22 57 (Willhelm24_2) マイアさんの勧誘と同時進行にやってしまっていいものか。 22 57 (GM_resol) 一人ずつやると時間が… 22 58 (Frieda_22_3) さくっといこう 22 58 (GM_resol) 別窓にするかね 22 58 (Willhelm24_2) 了解了解 22 58 (Maia22_2) そうしましょ 22 58 (Maia22_2) クロスになってもややこしい 22 58 (Rindy21_1) どっちが離脱しますこれ 22 59 (GM_resol) じゃあ我々こちらでよいかマイアさん 22 59 (Willhelm24_2) ごめんよごめんよ 22 59 (Maia22_2) よいよい 23 00 (GM_resol) 「あ、あのー 何か…断片的にでもご意見をたまわりたいのですが…」 23 01 (Maia22_2) 「アルケア?」 23 01 (GM_resol) 「はいそうです古代アルケア帝国です」 23 02 (Maia22_2) 「倒そうって?」 23 03 (GM_resol) 「はい、えーと、最終目的は、はい」 23 04 (Maia22_2) 「有象無象がワラワラいる上に、ソレを率いている将軍は恐ろしく強いワヨ」 23 04 (Maia22_2) 「ソレを倒そうって?」 23 06 (GM_resol) 「え、えーと…強大なのは既に公国は観念的に理解していると思われます」 23 06 (GM_resol) 「だからこそ、腕の立つ皆さまのお力が必要なので…」 23 07 (Maia22_2) 「色々失くすコトになるワヨ」 23 08 (GM_resol) 「…それは、しかし、何もしなくても失うばかりです」 23 08 (Maia22_2) 「腕の一本や二本、モシかしたら命も」 23 08 (Maia22_2) 「ナニもせず震えて隠れてタラ失わないカモしれないワ」 23 09 (Maia22_2) 「ナンのためにアンタは戦うのカシラ」 23 09 (GM_resol) 「わ、私ですか」 23 10 (Maia22_2) 「命を落とすかもしれない」 23 10 (Maia22_2) 「もし勝ったとしてもカタワになるかもしれない」 23 10 (Maia22_2) 「ソウなったら後の人生は悲惨デショうね」 23 11 (GM_resol) 「…どうなんでしょう。 私にとってこれからの戦いも今までの戦いも、あまり変わらないのかもしれません」 23 12 (Maia22_2) 「今が幸せなヤツの言い分ネ」 23 13 (GM_resol) 「…私の幸せはともかく、今はやるべきことがあるので」 23 13 (GM_resol) 「お答えをいただけないでしょうか。 きっと貴女は既に数々の修羅場を超えた猛者とお見受けしますが」 23 15 (Maia22_2) 「いいワ、どのみちあの連中とは殺り合う気だったんだモノ」 23 16 (Maia22_2) 「その上で、アレに挑んだバカどもの生末を見てやろうジャナい」 23 16 (GM_resol) 「本当ですかぁ」パアアアア 23 18 (GM_resol) 「私とて、いつでも命がなくなるかもしれないという心の準備はできています そのうえで務めを果たす所存なので」 23 18 (Maia22_2) 「死ねタラ楽なモンよ」 23 21 (GM_resol) 「え、えーと…では我が主君のもとにきていただけると…」 23 21 *Willhelm24_2 quit (Ping timeout 245 seconds) 23 21 (Maia22_2) 「アイツらとやり合えるナラ行ってもいいワヨ」 23 21 (GM_resol) 「アイツら…とは?」 23 22 (Maia22_2) 「魔将トカいうヤツら」 23 23 (GM_resol) 「わぁ…」 23 24 (Maia22_2) 「やり合うんデショ?」 23 24 (GM_resol) 「確率的にはもちろん交戦しうる相手ですね…」 23 24 (GM_resol) 「あ、行きましょう行きましょうこちらです」 主君とめがあった。 23 25 (Maia22_2) 「確率ジャなくてやるのヨ」 23 26 (GM_resol) 「か、勝ち続ければ戦いますよ!」 23 27 (GM_resol) では表に合流していいのかな 23 27 (Maia22_2) 「んジャ、当たるまで倒れんジャないワヨ」 23 27 (Maia22_2) はーい 23 28 (GM_resol) 「(私伝令兵なんですけども…)」といってもまあ戦火が及ばない保証はないので黙ってる ↑ここまで別チャンネル 23 28 (GM_resol) ではエリエレがとてとてもどってきます。 23 28 (Alec-25-1) 「誰が外見的に一番好みで可愛く見えますかって話ですね」 23 28 (Alec-25-1) 「あ、これも冗談の一つです」 23 29 (Willhelm_) こう、表情が歪むのをがんばって抑えている。 23 29 (GM_resol) エリエレ「ウィルヘルム様ー」 23 29 (Rindy21_1) 「あまりそういうことをあけすけに言ってしまうのは破廉恥なのではないでしょ……冗談ですか」 23 29 (Maia22_2) ではそれに着いて一緒にいこう 23 29 (Willhelm_) 「私としましては皆さんを本命で仲間にしたいと思っておりますがね」 23 30 (GM_resol) 「結果的にもう一目見てただ者ではなさそうな方をお連れしました!」 23 30 (Willhelm_) 「きちんと了承は取りましたか?」 23 30 (GM_resol) 「魔将のかたと戦いたいとのことです!」 23 30 (Alec-25-1) ウィルヘルム君なんか 23 30 (Alec-25-1) だんだん 23 31 (Willhelm_) 「それはそれは適任ですね」はいはい 23 31 (Alec-25-1) 好戦的なメンバー集まってきてるね。 23 31 (Willhelm_) どうしよう。 23 31 (Maia22_2) 魔将みたいにぼろい外套着て顔やらなんやらは見せない 23 31 (Alec-25-1) うぃるへるむくんほんにんのいしとかんけいなく好戦的なメンバーが。 23 32 (GM_resol) 「あ、申し遅れました 私はウィルヘルム様の部下のエリエレと申します。 得意分野は伝令です迅速的に行います」 23 32 (GM_resol) しずしずとぺこり。 23 32 (Alec-25-1) 「迅速的なだけで迅速とは言っていない」 23 33 (Alec-25-1) 「アレクティア・ラルターンと申します、イバ様の信徒をさせて頂いておりますが今は一介の傭兵です、どうぞよろしく」>ぇりぇれ 23 33 (GM_resol) 「皆さんに迅速だーと思われるくらい頑張るつもりですよ」 >あれくん 23 33 (Rindy21_1) 「リンディ・ロメットです。至らぬ身ではありますが、騎士としての責務を果たすべくやって参りました」 23 33 (Rindy21_1) 微笑む。悲しいことに見ての通り騎士ですとかいってる大河の方よりは騎士に見える 23 33 (Willhelm_) 「足と耳の速さは頼りになると思っておりますよ」<エリエレ 23 33 (Alec-25-1) でも武勇1ですよね 23 34 (Rindy21_1) 1です 23 34 (Willhelm_) ほっそい。 23 34 (GM_resol) エリエレの武勇は2です 23 34 (Rindy21_1) 攻撃力に至っては0 23 34 (Maia22_2) 「ラ・マイア。マイア様と呼ぶコトを特別に許してあげるワ」 23 34 (Frieda_22_3) 「フリーダ、と申します」 軽い会釈 23 35 (GM_resol) 「よろしくお願いします マイア様」 23 35 (GM_resol) 既に舎弟感 23 35 (Alec-25-1) 「有り難き幸せですマイア様」 23 36 (Willhelm_) はあ、とこの流れにひとつため息をつきつつ 23 36 (Maia22_2) ご満悦である 23 36 (Willhelm_) 「皆様、よろしいでしょうか?」 23 36 (Alec-25-1) 「えぇどうぞどうぞ」 23 37 (Rindy21_1) 「どうぞ」 23 37 (Willhelm_) 「公布にもあります通り、このたびネスは冒険者を対アルケア帝国の切り札として投入することを決定いたしました」 23 38 (Alec-25-1) 「大分切羽詰まってますね」 23 38 (Alec-25-1) ひとりごと的に。 23 39 (Willhelm_) 「今回はその先駆けとして、少数精鋭にてここホルムで運用することになっております」 23 39 (Willhelm_) 切羽詰ってる、は意図的にスルー。 23 40 (Willhelm_) 「どうか、ネス公国に貴方方のお力を貸しては頂けないでしょうか」 23 40 (Willhelm_) ちなみに 23 40 (Willhelm_) 具体的にどんな作戦かは聞かされてない。 23 40 (Willhelm_) とても不安だ。でも表情にはださない。 23 40 (GM_resol) これから聞きに行くからね。 23 40 (Alec-25-1) それもう 23 40 (Alec-25-1) 完全捨て駒じゃないですか。 23 40 (Willhelm_) うん。 23 41 (Willhelm_) 僕はそれをわかっている。 23 41 (Alec-25-1) でもそれきくまえからしつもんしたかったのでしつもんします。 23 41 (Alec-25-1) アレクが片手を上げる。 23 41 (Rindy21_1) もちろんで、って言う辺りで手を挙げる人がいたのでさがる 23 43 (Alec-25-1) 「えーと、質問なんですけれども」 23 43 (Willhelm_) 「どうぞ?」 23 43 (Alec-25-1) 「俺たちで一小隊……と呼べるのか、ともかく、貴方を隊長として隊伍を組む、と言う認識でいいんですかね」 23 44 (Willhelm_) 「その通りです」 23 44 (Alec-25-1) 「最終的に何を目的とすればいいんですかね」首をかしげる 23 45 (Alec-25-1) 「戦略的に、はまず置いといて戦術的に、どういう運用をされるかどういう相手と戦うか、っていう」 23 45 (Maia22_2) 「打倒アルケアなんデショ」 23 45 (Willhelm_) 「それは……」一瞬目を伏せた後 23 45 (Alec-25-1) 「やー」 23 45 (Alec-25-1) 「これでほら、隊伍を組んでから」 23 45 (Maia22_2) けらけら笑いながら言う 23 45 (Alec-25-1) 「補給隊の警邏任務とかだと面白くないじゃあないですか」 23 45 (Alec-25-1) 「出来るだけ前線任務がもらえる方がですね……」 23 46 (GM_resol) 「えっと、少数精鋭ですから、まずは遊撃的な役割を受け持つことになるかと思われます」 23 46 (Alec-25-1) おもわれます。 23 46 (Willhelm_) 「公国の作戦ですから、詳細を部外者に口外することはできません」 23 46 (Alec-25-1) あっうまいことにごした!! 23 46 (Willhelm_) 「説明は参加の意思を確認してからになります」微笑 23 47 (Maia22_2) 「やるってコトで集まってんジャないのカシラ」 23 47 (Alec-25-1) 「じゃ、まぁそう言う事なら俺はそれでオッケーです」 23 47 (GM_resol) やったぜ。 23 47 (Willhelm_) 「ですから最終確認を」 23 47 (Willhelm_) 「…ありがとうございます」 23 47 (Willhelm_) 貴族的に一礼して 23 47 (GM_resol) 詳細は屋敷にて。 23 48 (Willhelm_) あ、名乗ってない! 23 48 (Alec-25-1) うん 23 48 (Willhelm_) 屋敷に行く前に名乗って置きます 23 48 (GM_resol) ドジっ子! 23 48 (Willhelm_) うるせえ! 23 48 (Frieda_22_3) 「形式的なんだか予防線が多いんだか」 23 48 (Maia22_2) 指揮官がドジっ子とか 23 49 (Willhelm_) 「私はウィルヘルム・チェンバース。皆様の指揮を担当いたします。以後お見知りおきを」 23 49 (Maia22_2) いやな予感しかしない 23 49 (Willhelm_) ははは。 23 49 (Alec-25-1) あっ、うっかり撤退命令を出し忘れました☆てへっ☆ 23 49 (Willhelm_) では屋敷にそのまま連れて行きましょう 23 49 (GM_resol) 強くて面白みがないより愛嬌があったほうがいいですよ。 23 49 (GM_resol) ではホルム伯にて 23 49 (Maia22_2) 強くて愛嬌あれば最強だね 23 49 (Willhelm_) それやると僕が逃げられないので…<撤退命令 23 49 (Willhelm_) 愛嬌・・・・・・? 23 50 (Maia22_2) 撤退しようとしたら鞭でしばろう 23 50 (GM_resol) 屋敷の門の両脇には、見た所公国の兵士ではなく神殿騎士が見張っているようだ。 23 50 (Willhelm_) いざとなったら転移があるもの。 23 50 (GM_resol) ウィルさんの顔は知っているので普通に通してくれる。 23 50 (Rindy21_1) まぁアーガ転移はあんまり逃げられないけどな! 23 50 (Willhelm_) 素性の知れない冒険者を連れて屋敷の中へ 23 51 (Maia22_2) ほんとだよ 23 51 (Frieda_22_3) ふっふっふ 23 51 (Willhelm_) 審査とかしてないのかな… 23 51 (Maia22_2) あやしいひとがいます! 23 51 (Willhelm_) 黒幕だ!捕らえろ!! 23 51 (Frieda_22_3) マイアさん以上には怪しくないよ! 23 52 (GM_resol) 屋敷へ入り、エリエレが中の人物に人員が揃ったことをお伝えします。 23 52 (GM_resol) すると応接室へ通されます。 23 52 (Willhelm_) 粛々と流れにのります 23 52 (GM_resol) いや、入ったところが応接室みたいなものだからなあ… 23 53 (GM_resol) とりあえず長いテーブルに皆さん座らされて、エリエレに紅茶とコーヒーどっちがいいですかと聞かれる。 23 54 (Frieda_22_3) いや、結構。と手で 23 54 (Alec-25-1) こーひーもらおう。 23 54 (Rindy21_1) 紅茶をもらう 23 54 (Rindy21_1) 砂糖も入れる 23 54 (Maia22_2) アタシもいらないワと手でしっしっ 23 54 (GM_resol) どぼどぼ 23 54 (Alec-25-1) ミルクありませんかね、ミルク 23 55 (Alec-25-1) 匙一杯でいいんですが。 23 55 (GM_resol) じゃあ用意する。 23 55 (GM_resol) では希望した茶を各々用意されて十分くらい待たされて、 23 55 (Alec-25-1) そんな厚かましい事をやって暫く。 23 56 (GM_resol) 吹き抜けで見える2階より、騎士が3人ほどと壮年の貴族風の男性が降りてきます。 23 57 (GM_resol) 貴族風の男性が上座の前に立ち、まず挨拶をかわします。 23 57 (Alec-25-1) 匙一杯だけミルク入れたコーヒーをそのまんまかたかたと冷めるまでかき混ぜていた。 23 57 (Willhelm24_2) 挨拶に応えてる 23 57 (Maia22_2) 「今はきちんと生きた人間がいるのネ」 23 58 (Alec-25-1) こっちにむけてあいさつしてるのかしら 23 58 (Willhelm24_2) たぶん上座のに座ってるのかな。 23 58 (Willhelm24_2) 上座の正面あたり! 23 58 (Maia22_2) すすんで上座に座っていくスタイル 23 59 (Willhelm24_2) 男爵風情がって打ち首ですね 23 59 (GM_resol) 貴族「知っての通り、ホルムの周りは未だアルケアの手が深く及んでおり、主のいないホルムにネスの正規兵がたどり着くのはなかなか難しい状況が続いている」 00 00 (Willhelm24_2) こちらはその貴族風の男性が誰かを知っているのだろうか 00 00 (Rindy21_1) 上品に挨拶を返してからきく 00 00 (Rindy21_1) 手はおひざ 00 01 (GM_resol) 「私も偶々早くにたどり着き、一時的に管轄を任されているに過ぎず、大河側より上陸された神殿・シーウァ軍にほぼ軍事分野を任せざるを得ない」 00 01 (Alec-25-1) 入り乱れてんなーって思ってる 00 01 (GM_resol) うーん、ぶっちゃけモブです、そんなに偉くありませんが一応伯爵。 00 02 (Frieda_22_3) 爵位あるんかい 00 02 (Willhelm24_2) はーい 00 03 (GM_resol) 「なので、この先はそちらのラーヤ神殿軍の隊長、ファロウジア殿に進行を委ねたい」 00 04 (Alec-25-1) 騎士もいちおー爵位ったら爵位ではあるが、伯爵ったら、カムールパパくらいは偉いかな 00 04 (Willhelm24_2) 神殿から指示がくるのか…と思いつつ 00 04 (Frieda_22_3) なんという牛後 00 04 (GM_resol) モブ貴族の視線の先には、アーメットとフルプレートで身を包んだ騎士が3人。 内、唯一女性型の鎧を着た人物が会釈をする。 00 04 (Alec-25-1) 「どうもー」 00 04 (Alec-25-1) 礼をする 00 05 (Frieda_22_3) 会釈返し 00 05 (Willhelm24_2) きちんと礼を返しておきます 00 05 (Maia22_2) 動かざること山の如し 00 05 (Alec-25-1) ヤマイアさん 00 06 (GM_resol) ファロウジア「このたびは打倒アルケアに志願いただき、同志として歓迎する」 声はきっちり女性で素 00 06 (Alec-25-1) 女性アーマーから男声でたらそれはそれでびびる。 00 06 (Willhelm24_2) こわっ 00 06 (Rindy21_1) ぺこり 00 07 (GM_resol) 「我々神殿・シーウァ連合軍は一週間ほど前にここホルムに到着し防衛に当たっているが、ホルムは解放後まだ一度もアルケアの攻撃を受けていない」 00 07 (Willhelm24_2) 「そのようですね」 00 08 (Willhelm24_2) 仕事してないんですよね 00 08 (GM_resol) 「このままホルムを守ればよいというわけでもなく、周囲のアルケアに奪われた土地に派兵を考えているのだが」 00 08 (GM_resol) 「もちろんその間ホルムの護りを疎かにするわけにもいかない」 00 10 (GM_resol) 「我々は、先日アルケアの手に落ちたばかりベリュームを開放しようという現在計画している。 その兵団にあなた方に加わってもらいたい」 00 10 (GM_resol) 開放しようという計画を現在している。だな 00 11 (Willhelm24_2) 「ベリューム」復唱して 00 11 (Willhelm24_2) このベリュームの開放作戦は神殿とシーウァが主導しているのだろうか 00 11 (GM_resol) そうですね。 00 11 (Rindy21_1) 「少しずつ奪われた領を取り戻していくのですね」 00 11 (GM_resol) ネス公国軍はあんま機能してないんで。 00 12 (Willhelm24_2) ネス公国大丈夫かな… 00 12 (GM_resol) まとまりが弱いから。 00 13 (GM_resol) 「ああ。 ただ、街道を通るのでは、途中アルケアの支配下の町がある。 そのため直線的に北東へ進み、森林地帯を通っての進軍を想定している」 00 13 (Alec-25-1) 「結構強行軍ですね」 00 13 (GM_resol) [地図URL] 地図 00 14 (Willhelm24_2) 「なるほど、それで少人数にて行軍せよとのことでしょうか」 00 14 (GM_resol) 「その通りだ」 00 15 (Alec-25-1) ちょっと首をかしげる 00 15 (Alec-25-1) 「質問があるんですがいいでしょうか」 00 15 (GM_resol) 「何だ?」 00 16 (Alec-25-1) 「本隊の行軍ルートはーその」 00 17 (Alec-25-1) 「支配下の町を順次解放しながらの侵攻でいいんですかね?」 00 17 (Alec-25-1) 本隊と挟撃かなんかしての奇襲だとおもってる。 00 18 (Willhelm24_2) 一小隊だけ先行してもね… 00 18 (GM_resol) 本隊とは君らのことでいいんですよな 00 18 (Maia22_2) ハハハハ 00 18 (Rindy21_1) はっはっは 00 18 (Frieda_22_3) 本隊少なくね? 00 18 (Rindy21_1) 本隊(5人 00 18 (GM_resol) いやもっといるよ? 00 18 (Willhelm24_2) ファッ!? 00 18 (Rindy21_1) ああ 00 18 (GM_resol) 兵団に加わってもらいたい、だから 00 18 (Alec-25-1) あっそうか 00 18 (GM_resol) 他にもいます。 00 18 (Alec-25-1) なぁんだよかった。 00 18 (Rindy21_1) エリエレさん加えれば6人か 00 19 (Maia22_2) なんだ、兵団に有象無象を加えるのか 00 19 (GM_resol) エリエレえー? 00 19 (Alec-25-1) いやでもあれですよ 00 19 (Alec-25-1) やっぱり点々と空白地帯的に増やしても仕方ないんでやっぱ 00 19 (Alec-25-1) 他の隊との合同作戦だと思って質問している。 00 19 (Willhelm24_2) うん。 00 19 (Alec-25-1) のですれ違おう。 00 20 (GM_resol) 「いや、ベリュームのみを目標にし、取り戻したらホルムに帰還してもらう」 00 20 (Willhelm24_2) あーでもベリュームは一応タイタス軍の占領地の端ですっけ…? 00 20 (Alec-25-1) ちょっと首をかしげる 00 20 (Alec-25-1) 「ネス公国の本土……っていうのもアレですが、そちら側との連携がとれていたりするアレですか?」 00 21 (Rindy21_1) 戦略的なことはわかっていないため 00 21 (Rindy21_1) おとなしくきいている 00 21 (Willhelm24_2) 「……」大分きな臭くなってきたので内心頭を抱えてようかな… 00 21 (Rindy21_1) (策略系の技能書は一切持っていません 00 21 (GM_resol) 「連携か…、街から野手共を追い払えばさすがに公国の人間の出足もよくなるだろう」 00 22 (GM_resol) 夜種共。 00 22 (Frieda_22_3) 中間管理職は大変だなー 00 22 (Alec-25-1) 「ん」 00 22 (Willhelm24_2) 「ベリュームの地にはタイタスの軍勢が少なからず駐留しているはずですが」 00 22 (Alec-25-1) 「占領が目的では無くてゲリラが目的ですかね、これ」 00 22 (Willhelm24_2) 「対抗できうるだけの数は、……」 00 23 (Willhelm24_2) あー!ゲリラかー!みたいな 00 23 (Alec-25-1) 正当に町を攻撃して占領するのではなくひゃっはー!!!!焼き討ちだー!!!!でいいのかなっていう 00 23 (Alec-25-1) 焼き討ちはなんかちがうな。 00 23 (GM_resol) 「占領とは人聞きが悪いな。 我々の目的は一貫してアルケア軍の排除だ」 00 25 (Willhelm24_2) 「ええ、皆様はご厚意で我々ネス公国領土の防衛にも協力してくださっているのですからね」釘を指す 00 25 (Alec-25-1) ちょっと大丈夫かなみたいな顔になる 00 25 (Willhelm24_2) 駄目かもしれない 00 25 (Alec-25-1) まぁ俺の目的はどうせ戦えればそれでいいんだからダメでもいいか…… 00 25 (Alec-25-1) いいなダメでも…… 00 25 (Willhelm24_2) ちょっ!!! 00 26 (Alec-25-1) 「あぁ、じゃあそれでいいです」もう質問は終わりですのポーズ 00 26 (GM_resol) 前提として、 00 26 (GM_resol) ネス公国軍はかなり数が減ってて、アルケアに積極的に攻撃したがらないので実質機能不全。 00 26 (Rindy21_1) うむ 00 27 (Willhelm24_2) うわあ… 00 27 (Alec-25-1) 「ベリュームを攻撃した後は駐留しないで帰ってきていいんですかね?」 00 27 (Alec-25-1) かくにん。 00 27 (GM_resol) 「ああ。 後の管理は公国に任せる」 00 27 (Alec-25-1) 「はいはい分かりました……」 00 27 (Alec-25-1) ちょっと 00 27 (Rindy21_1) 「大丈夫ですよラルターンさん」 00 27 (Alec-25-1) 顎に手を当てて考える。 00 27 (Willhelm24_2) …取り戻すの程度は聞かないほうがいいですね 00 27 (Willhelm24_2) 逃げ場になるし。 00 28 (Rindy21_1) 「不届き者をどうにかすれば、公国にも領を治める余裕もあるはずです」 00 28 (Rindy21_1) 根拠皆無 00 28 (Rindy21_1) っていうかこの子も 00 29 (Rindy21_1) 根本の部分でその辺どうでもいいんだよな 00 29 (Alec-25-1) 「そうですねえ」なまへんじ 00 29 (Willhelm24_2) あ、やっぱ冒険者駄目ですよこれ 00 29 (GM_resol) 「我々からも兵力を割く。 隊の指揮はブランにまかせる」 00 30 (Rindy21_1) 「そうですよ!」ぐっ、>そうですね 00 30 (GM_resol) ブランという言葉に、青白いフルプレートの騎士がよろしくお願いしますと会釈する。 00 31 (Willhelm24_2) 会釈は返しつつ 00 31 (Rindy21_1) 家名がモンさんだったりしませんか 00 31 (Willhelm24_2) 大丈夫かなこれ…ってなってる 00 31 (Frieda_22_3) 「私達の仕事は、そちらの隊と共にベリュームに強襲をかけ敵を殲滅する、ということでしょうか」 ゆっくりと瞬きをして 00 31 (Rindy21_1) 「よろしくお願いします」かえす 00 32 (Willhelm24_2) フリーダさんがまとめてくれた。 00 32 (Maia22_2) 「んで、そのベリュームとヤラにはいるんでショうね」 00 32 (GM_resol) ブラン「はい。 ベリュームは他と違って支配下に置かれて日が浅いので、防衛体制が整い切っていない内に速攻を仕掛けるのが理想です」 00 33 (Maia22_2) 「魔将トカいうのは」 00 33 (GM_resol) ウィルさんは 00 33 (GM_resol) ベリューム戦で直前まで戦ってたアルケアの将の名前を知ってていいですよ 00 33 (Willhelm24_2) む。 00 33 (GM_resol) ク・ルームさんです 00 33 (Willhelm24_2) まだ留まっているんですね。 00 33 (GM_resol) さあ? 00 33 (Willhelm24_2) うわ 00 34 (Willhelm24_2) 「ク・ルーム」 00 34 (Maia22_2) ぴくっ 00 34 (Rindy21_1) いきなり 00 34 (Willhelm24_2) マイアさんへ口を挟みます 00 34 (Rindy21_1) 一番ヤバそうなのが 00 34 (Maia22_2) 「ホゥ」 00 34 (Frieda_22_3) 倒しても倒しても甦る奴じゃないですかー 00 34 (Rindy21_1) 「知っているのですか?」 00 34 (Maia22_2) 「いいワネ、いきなり当たりってワケじゃない」 00 35 (Rindy21_1) しかしまぁ 00 35 (Willhelm24_2) 「私が駐在していたとき、そういう名の魔将と戦っていたと」 00 35 (Rindy21_1) このPTも生半可な焼き方だったら 00 35 (Rindy21_1) めっさ蘇るよな 00 35 (Willhelm24_2) 「記録にはありました」 00 35 (Alec-25-1) 治癒とか再生多いからな。 00 35 (Alec-25-1) 「ふーーーむ」 00 35 (Willhelm24_2) 「今も留まっているかはわかりません」 00 35 (Alec-25-1) 「まずそのくるむさんをぶっ飛ばすのが手始めの目的ですかね」 00 35 (Willhelm24_2) 「既にネスの軍勢は撤退しておりますので」 00 36 (Maia22_2) 「当たるまで戦えばいいのヨ」 00 36 (Frieda_22_3) 「その魔将と配下にぶつけるこちらの兵力は?」 00 37 (GM_resol) 具体的な人数言わせるなよ。 00 37 (Willhelm24_2) えっ 00 37 (Maia22_2) 「生半可なのが大勢いても邪魔なダケよ」 00 37 (Willhelm24_2) いや、頼りにならないのは知ってますけど 00 37 (GM_resol) 規模の話苦手なんだよー! 00 37 (Alec-25-1) 1.ちょっと 2・そこそこ 3・いっぱい 00 37 (GM_resol) 1! 00 37 (Willhelm24_2) あ、はい。 00 37 (Willhelm24_2) 強行軍だもんね。 00 37 (Frieda_22_3) ちょっとかー 00 37 (Alec-25-1) 「やっぱ焼きますかね」規模の話をきいて、小声で 00 38 (Willhelm24_2) 「……何をおっしゃるんですか?」 00 38 (GM_resol) 貴族風の男が何か言いかける >焼きますかね 00 38 (Alec-25-1) 「気のせいです」 00 38 (Willhelm24_2) じと目で 00 38 (Willhelm24_2) 「それは良かった」 00 38 (Rindy21_1) 「焼く?」 00 38 (Frieda_22_3) 焦土作戦、というものがありましてー 00 38 (Willhelm24_2) やめろよ!! 00 38 (Rindy21_1) お茶菓子か何かあったら 00 38 (Rindy21_1) それを持ち上げて示すところだ 00 39 (Frieda_22_3) 健気なボケが 00 39 (Willhelm24_2) 僕の軍勢が領土焼いたってばれたら 00 39 (Willhelm24_2) また評価さがるでしょう!!!! 00 39 (Willhelm24_2) やめろよ!!! 00 39 (Alec-25-1) げすへるむくんかわいそう、 00 39 (Maia22_2) 「町焼いて困んのはアルケアじゃないてじょうケドね」 00 39 (GM_resol) 評価であって町民がかわいそうとかじゃないのがげすへるむさんですねえええ 00 39 (Maia22_2) てじょう 00 40 (Alec-25-1) 町民いるのかな…… 00 40 (Frieda_22_3) 戦争だもの、敵を倒す為だと思って 00 41 (Alec-25-1) まぁ夜種を幾ら倒してもしょうがないしくるむさんをころそう。 00 41 (GM_resol) ファロウジア「他に質問はあるか?」 00 42 (Willhelm24_2) 不安しかないが、特には無い、かな… 00 42 (Frieda_22_3) なーし 00 43 (Maia22_2) 特になにも示さない 00 43 (Alec-25-1) とくになにも。 00 43 (GM_resol) ではその日は準備で、翌日出発といふかんじかな 00 44 (Willhelm24_2) あいあい 00 44 (Willhelm24_2) 「まさかこんな短期間で彼の地へ舞い戻ることになろうとは」ひとりごちる 00 44 (Frieda_22_3) 電撃作戦だねえ 00 44 (GM_resol) ところでうぃるへるむさまに 00 44 (Willhelm24_2) はい 00 44 (GM_resol) 軍資金の案内が… 00 44 (Willhelm24_2) !! 00 44 (Alec-25-1) 油を買える! 00 45 (Rindy21_1) ほう 00 45 (Willhelm24_2) どこからでますかいくらですか 00 45 (GM_resol) 貴方の口座に25000Gふりこまれます。 00 45 (Alec-25-1) 口座て。 00 45 (Rindy21_1) 大金なんだけど 00 45 (Rindy21_1) PCの作成費用がすごかったんで 00 45 (Rindy21_1) なんか少なく感じる 00 45 (Willhelm24_2) うむ 00 45 (Alec-25-1) なんだあにまんごせんかあひとりあたりごせんえんだけかあ…… 00 45 (Alec-25-1) っていうかんじ。 00 45 (GM_resol) 名前はネスコウコクだった。 00 45 (Maia22_2) 人は贅沢に慣れる 00 46 (Willhelm24_2) 前金でこれって十分大金のはずなのに。 00 46 (GM_resol) 軍資金ですから。 00 46 (Willhelm24_2) ネス公国金だけは支払い良いな… 00 46 (Frieda_22_3) 準備段階が凄すぎたんだ 00 46 (Willhelm24_2) なんでもっと人を大事にしないんだ。 00 46 (GM_resol) まあ前金が報酬と思ってくれた方がよい 00 47 (Willhelm24_2) む、分配するべきなのだろうか。 00 47 (GM_resol) 冒険者に人権はない。 00 47 (Frieda_22_3) 報酬前払い、かあ 00 47 (GM_resol) ウィルヘルムさんにしかもらえないです >25000G 00 47 (Alec-25-1) 傭兵として集められたから終われば報酬が有るはずだ 00 47 (GM_resol) 全部自分のにしてもよい 00 47 (Alec-25-1) 終わった後にホルムがまだあればな。 00 47 (Maia22_2) しんだらはいでいこう 00 47 (Willhelm24_2) ちょっ 00 48 (Maia22_2) むしろ積極的に後ろから・・ 00 48 (Willhelm24_2) 不毛ですよ 00 49 (GM_resol) 指揮官だから軍資金の管理まかせるよって意味なんだけど 00 49 (GM_resol) ふつーに等分するべきだと思いますよ! 00 49 (Willhelm24_2) 真面目にいくよ! 00 49 (Willhelm24_2) まだ初期作成の分があるから霊薬やらなにやら買うものはありますかね? 00 49 (Frieda_22_3) 戦力減るからやめるんだ、マイアさん。対魔将が終わるまで 00 49 (Willhelm24_2) ありませんかね。 00 49 (Alec-25-1) 前金貰えるんでしたら 00 49 (Alec-25-1) 俺技能書買いたいです 00 49 (Willhelm24_2) 無いのだったら等分します 00 49 (Alec-25-1) あっ 00 49 (Rindy21_1) とくにない 00 50 (Alec-25-1) アイテム袋あるからあまりを預けて貰えればいざと言う時に 00 50 (Alec-25-1) 前金全部霊薬になって報酬ゼロにできます 00 50 (Willhelm24_2) まだ霊薬は余裕あるんで! 00 50 (Alec-25-1) 霊薬余裕あるってすごいな…… 00 50 (Willhelm24_2) たぶんパーティ全体に7個くらいある。 00 50 (Alec-25-1) ひどい。 00 50 (Maia22_2) 使う前だから余裕あります 00 51 (Willhelm24_2) 等分でいいですかー 00 51 (GM_resol) 初期ブーストだから大事に使うんやで 00 51 (Maia22_2) いいですよ 00 51 (Frieda_22_3) 等分でおっけー 00 51 (Alec-25-1) はーい 00 51 (Willhelm24_2) では直前の準備金として皆さんに5千Gずつ渡しました。 00 51 (Alec-25-1) わあい 00 51 (Alec-25-1) やまいはらいかうれいはらいほしいなとおもってたけどりんでぃさんがなんか 00 51 (Alec-25-1) 救急箱だから 00 51 (Alec-25-1) あれかおうあれ 00 51 (Willhelm24_2) これで必要なものを買ってください 00 52 (Alec-25-1) 防御を固めるを買います、 00 52 (Alec-25-1) せんしきょーほんいち。 00 52 (GM_resol) あいー 00 52 (Rindy21_1) おとん助けたくて 00 52 (Rindy21_1) それっぽいもの大体学んだので 00 52 (GM_resol) おとんどこいったんでしょうね(考えてない 00 53 (Rindy21_1) 無駄にバステ解除系が豊富ですこの娘 00 53 (Rindy21_1) 普通に石なってますよたぶん 00 53 (Willhelm24_2) 普通に。 00 53 (Willhelm24_2) あ、そうだ 00 54 (Frieda_22_3) 5,000Gあっても使う当てがないや。誰かに貸そう 00 54 (Willhelm24_2) ク・ルームの伝説に関する知識は 00 54 (Maia22_2) とりあえずとっといて 00 54 (Willhelm24_2) まだ自分達にはありませんかね。 00 54 (Maia22_2) 生きて帰って必要なものがあったら買おう 00 54 (Rindy21_1) うむ 00 54 (GM_resol) あ、ク・ルームの知識はそれなりに教養あったら持ってていいし 00 54 (Willhelm24_2) 生きて帰るのは大事。 00 54 (GM_resol) 神殿軍に聞けば無条件で分かる 00 54 (Alec-25-1) まもちしは。 00 54 (Alec-25-1) まもちし。 00 54 (GM_resol) まあ分かるのはクール・ルーム・ディームの内容だけなんですけど。 00 54 (Rindy21_1) まもちし 00 55 (Maia22_2) ク・ルームとは一回やり合ってて一回倒したとかのたまってもいいですか 00 55 (GM_resol) 言うだけならただですしいいよ。 00 55 (Frieda_22_3) それでもあと6回 00 55 (Alec-25-1) ひゃっかいたおした。 00 55 (Rindy21_1) このPTだとひどい削り合いになるな 00 55 (Maia22_2) んー 00 55 (GM_resol) 直に見たわけではないし、まもちでは書物以上のことは無理だ。 00 55 (Maia22_2) ク・ルーム普通の不屈じゃないから 00 56 (Maia22_2) 普通にきついと思います 00 56 (Willhelm24_2) 倒すべき目標の情報として、神殿軍からクール・ルーム・ディームの内容聞いておこう 00 56 (Willhelm24_2) うーむ 00 56 (Rindy21_1) さっき完全に 00 56 (Rindy21_1) 知らない感じのロールをしたため 00 56 (Rindy21_1) お任せしている 00 56 (Alec-25-1) しょもつくらいのことさえわかればいいのだ。 00 57 (Alec-25-1) きいたことがある……みたいな 00 57 (Alec-25-1) ろーるできればいいから。 00 57 (GM_resol) はいはいー 00 57 (GM_resol) ではせっかくだし降りますかね 00 58 (Alec-25-1) 2d6+5+2 00 58 (Toybox) Alec-25-1 - 2d6+5+2 = [1,6]+5+2 = 14 00 58 (Alec-25-1) まもち。 00 58 (GM_resol) わかった。 01 00 (GM_resol) クーム・ルーム・ディーム 01 00 (GM_resol) クーム・ルーム・ディーム 01 00 (GM_resol) 七つの命のクーム・ルーム・ディーム 01 00 (GM_resol) 01 00 (GM_resol) 一人で旅立つクール・ルーム・ディーム 01 00 (GM_resol) 二又道で迷っていたら 01 00 (GM_resol) 三つの国の 王様が来て 01 00 (GM_resol) 四ツ目の竜を 倒せと言った 01 00 (GM_resol) 01 00 (GM_resol) 五つの門をくぐり抜け 01 00 (GM_resol) 六年がかりで探しだし 01 00 (GM_resol) 七度死んで 竜を倒した 01 00 (GM_resol) 01 00 (GM_resol) クーム・ルーム・ディーム 01 00 (GM_resol) クーム・ルーム・ディーム 01 00 (GM_resol) 七つの命のクーム・ルーム・ディーム 01 00 (GM_resol) あと神帝記12とかも教えてもらえる 01 01 (GM_resol) とりあえず七つの命があるらしいことが分かった。 01 02 (Maia22_2) 「七つ!」 01 02 (Maia22_2) 「七つ!」 01 02 (Willhelm24_2) 「……」 01 02 (Frieda_22_3) 二度言った 01 02 (GM_resol) しちしちしじゅーく 01 02 (Maia22_2) 「んダカラ起き上がってきたのネ!」 01 02 (Rindy21_1) 「な、」 01 02 (Maia22_2) 「汚いのヨ!七つトカ!」 01 02 (Rindy21_1) 「7つに何か特別な思い入れでも?」 01 02 (Rindy21_1) びびる 01 02 (Willhelm24_2) 「まさか、対峙したことがおありで?」 01 02 (Maia22_2) 「しかもアンニャロ、起きタラピンピンしてやがんのヨ!」 01 03 (Alec-25-1) かくかくしかじか。 01 03 (Maia22_2) 「一回殺したのにヨ!」 01 03 (Alec-25-1) 「まー民話レベルの物だと思うんですが、現状況が既におとぎ話的ですからねえ」 01 03 (Willhelm24_2) 「……後で詳しいお話をお聞かせ願いたいものですね」 01 03 (Maia22_2) 「ソウと知ってタラ温存したってのヨ!」地団太 01 04 (Willhelm24_2) 「ですから、その話はまたいずれ」マイアさんをなだめつつー 01 04 (Maia22_2) 「アイツらおとぎ話の軍勢ヨ」 01 05 (Willhelm24_2) 「人を石に閉じ込める兵器や空飛ぶ都が実在するのですから」 01 05 (Alec-25-1) 「ん、成程」 01 05 (Alec-25-1) 「ははあ、成程」 01 05 (Willhelm24_2) 「7つの命くらいあってもおかしくはない、ですか」 01 05 (Alec-25-1) おとぎ話って言われてなんか一人で納得した。 01 05 (Willhelm24_2) それを少数精鋭で倒せっていうのか、と 01 05 (GM_resol) エリエレ「アルケアの存在自体、神話的というか…幻想的ですからねー…」 01 05 (Willhelm24_2) 嘆息する 01 06 (Rindy21_1) 「ええと」困っている 01 06 (Maia22_2) 「ソウいうコト言ってんジャないケド」 01 06 (Maia22_2) 「ま、いいワ」 01 06 (Rindy21_1) 「こちらも沢山居ますから」 01 06 (Rindy21_1) 「今度は大丈夫ですよ!」 01 07 (Rindy21_1) 6対6だよ 01 07 (Alec-25-1) 「ユールフレールの、アルケア帝国に関わる予言にも確か記述がありましたね」 01 08 (GM_resol) 神殿はとくにひてーしない。 01 08 (Alec-25-1) 「王の友であり最初の魔将、青金石のフィーアと七つの命の衣を受け取った、とか何とか……」 01 08 (Alec-25-1) 「脱がせばいいんですかね」 01 09 (Willhelm24_2) 「衣を?」 01 09 (Alec-25-1) 「いやまあ脱げないらしいですけど」 01 09 (Alec-25-1) 風呂入る時どうするんですかねーみたいなことをいってる。 01 09 (Willhelm24_2) 「私の記憶でもそうですね」 01 10 (GM_resol) では大体出尽くしたかな 01 10 (GM_resol) そろそろきりがよいと思うのですが、中断にいたしませぬか 01 10 (Rindy21_1) 「こう」 01 10 (Frieda_22_3) はーい 01 10 (Maia22_2) はーい 01 10 (GM_resol) 次回予定空いてる日をおしえちょくれ 01 10 (Rindy21_1) 「湯船のへりにころもをかけるのではないでしょうか」 01 10 (Maia22_2) 明日がちょっとわからないです 01 10 (Maia22_2) あとはだいたいいけるはず 01 11 (Willhelm24_2) (何故この人たちは敵の風呂事情を心配しているんだ) 01 11 (Maia22_2) 結局いつもの大河なノリになっている 01 11 (Willhelm24_2) えーと、29,30、31は空いていて 01 11 (Alec-25-1) 明日ちょっとわからない、明後日しあさっては夜じゅーじ以降にくることになる 01 11 (Alec-25-1) それいがいはあいてる。 01 12 (Willhelm24_2) 1月1~4日は今のところ無理そうです 01 12 (Maia22_2) 正月は厳しいですよね 01 12 (GM_resol) フリーダさんとりんでぃさんー 01 12 (Alec-25-1) 29・30・31のどっかになりそうですかねほかのひとのつごうがよければ 01 13 (Frieda_22_3) 私はー、1、2日の夜は無理そうです。それ以外なら 01 14 (GM_resol) では最短で29かの 01 14 (Alec-25-1) ふぁーい 01 14 (Willhelm24_2) はーい 01 14 (Alec-25-1) 夜じゅーじいこうにくることになります。 01 15 (Rindy21_1) あーい 01 15 (GM_resol) 私も早すぎるときついからな 01 15 (GM_resol) では29日22時からでー 01 15 (Rindy21_1) 29は今年のお仕事最終日だ 01 15 (Maia22_2) ほい 01 15 (Maia22_2) うちは仕事納めしました 01 15 (Willhelm24_2) 了解しましたー 01 15 (GM_resol) 私も今日おさめてきました 01 15 (GM_resol) ではお疲れ様でしたー 01 16 (Frieda_22_3) 12/29(22時~)了解。お疲れ様でしたー 01 17 (Rindy21_1) おつかれさんどしたー 01 17 (Maia22_2) おつかれさまでしたー 01 17 (Alec-25-1) おつかれさまでしたーきょうはおくれてすまなかった…… 01 17 (Frieda_22_3) おつおつ 01 17 (Frieda_22_3) .part 01 17 *Toybox part (ご利用ありがとうございました) 01 17 (Willhelm24_2) お疲れ様でしたー 01 18 (GM_resol) あんま遅れてないよ(震え声 01 18 (Alec-25-1) いや10じからになったのはみたけどもそれでも 01 18 (Alec-25-1) ねすごしたのはよかないから…… 01 18 *nick Frieda_22_3 → M_Frieda 01 19 *nick Willhelm24_2 → M_tottoko 01 19 *nick Maia22_2 → M_Lyce 01 19 (M_tottoko) なんか苦労人っぽいポジションに入りかけているので 01 19 (M_tottoko) 修正しないと。(使命感 01 20 (M_Lyce) 周り見まわして 01 20 (M_Lyce) その指揮官って苦労人にしかならないとおもうんだ 01 20 (M_tottoko) シクシクシク 01 21 (M_Lyce) キャラのポジションが確定していいね! 01 21 (M_tottoko) なんもかんもベリュームがアーガデウムビームの標的になったのが悪い。 01 21 (GM_resol) 全く誰がそんなことを。 01 21 *nick Alec-25-1 → E-sa 01 21 *nick GM_resol → M_resol 01 21 (M_tottoko) あと思った以上にネス公国が詰んでてよろしくない。 01 22 (M_Lyce) Ruina本編から考えても 01 22 (M_resol) 元々主人公がいなかったらあんなもん。 01 22 (E-sa) 大公いないしなー…… 01 22 (M_Lyce) 結構荒れてますからね・・ 01 22 (M_tottoko) うむ… 01 22 (M_Lyce) 疲弊しまくりですよ 01 22 (E-sa) ラウル公が死んでテオルさんが己したから 01 22 (E-sa) 仲裁を行う大公が居なくなったってのがでかいと思う。 01 22 (M_resol) むしろ戦乱が公国内でおさまってるのがすごい。 01 23 (M_tottoko) なんだかんだで利害からアルケアにつくことは無いだろうと思ってたんですけど 01 23 (M_tottoko) なんか栄光をつかむ未来が見えない。 01 23 (E-sa) なんか 01 23 (E-sa) むしろ 01 23 (M_tottoko) つらい。 01 23 (E-sa) 既にアルケアについている辺境伯とか 01 23 (E-sa) 居そう。 01 23 (M_Lyce) とりあえず一つ一つ 01 23 (M_Lyce) 潰していくとかないですよ 01 23 (M_Lyce) いくしか 01 23 (E-sa) ひとつめとして 01 23 (E-sa) くるむさんを。 01 24 (M_tottoko) しゃあないですね… 01 24 (M_Lyce) 固そうな一つ目だな・・ 01 24 (E-sa) ひとつめっていうか 01 24 (M_Lyce) ナムリスさんにまかりませんか 01 24 (E-sa) 一つ目から七つ目までこの人で埋まってますね…… 01 24 (M_Lyce) んでもまだ他にもいるんですよね 01 24 (E-sa) こやっさんのの続きだと 01 25 (E-sa) ダーマさんとあいびーさんがやられてるんですっけ 01 25 (M_Lyce) ラアグとナムリスは出してませんね 01 25 (M_tottoko) ふむふむ 01 25 (E-sa) 南無リスさんは人間効かないから 01 25 (M_Lyce) まぁ、わたしが続きやるならその辺もまた復活させてましたけど(ぼそり 01 25 (E-sa) リンディさんが料理するしかないですね 01 25 (M_Lyce) ノ 01 26 (M_Lyce) ノシノシ 01 26 (M_Lyce) まぞくまぞく 01 26 (E-sa) タイマン…… 01 26 (M_tottoko) おおう… 01 26 (E-sa) いや攻撃効かないだけだから 01 26 (E-sa) あれか 01 26 (M_tottoko) 付与一杯載せますね。 01 26 (M_Lyce) Ruinaのあれなら 01 26 (E-sa) どうせ皆防御系なんだから 01 26 (M_resol) アネさんもましょう? 01 26 (M_Lyce) タイマンでも・・ 01 26 (E-sa) マイアさんに付与乗せまくって我々は 01 26 (E-sa) たてかざしまくればいい。 01 26 (M_tottoko) 経験点100なら捻れるか。 01 27 (M_Lyce) アネットは妖精王とかそらとか 01 27 (M_Lyce) あの辺 01 27 (E-sa) いなくなっちゃったあたり。 01 28 (E-sa) 私個人のイメージだと経験点って 01 28 (E-sa) 初期が5~10レベルくらいで10点に付きるいなでいうと1レベルあがるいめーじが勝手にある。 01 28 (E-sa) いやそれでもタイマンいけるかゲーム本編ナムリスさんだと……装備良いし…… 01 28 (M_Lyce) 最初の魔将だけに 01 28 (M_Lyce) そんな強くないですからね・・ 01 29 (Rindy21_1) あの人は 01 29 (Rindy21_1) 対人耐性が全てだからな 01 29 (M_tottoko) でもほらこの2年で超強化されているかも 01 29 (E-sa) きゃっしーとかは大河に直すと 01 29 (E-sa) 経験点300くらいなんかなっておもてる私個人のイメージ。 01 30 (M_Lyce) RuinaはMP制だから 01 30 (M_Lyce) 単純に並べられないんですよね 01 30 (E-sa) なんですよね。 01 30 (E-sa) HPも増えるし…… 01 30 (M_tottoko) 主人公は称号でだいぶ強化されますからねー 01 31 (M_Lyce) 称号かぁ 01 31 (E-sa) 称号のしるしは 01 31 (E-sa) コレクターアイテムですよ? 01 31 (M_Lyce) なにか効果の付与される特殊な二つ名とか 01 31 (M_tottoko) エリクサーとか世界中の雫とか溜め込むタイプの人だ… 01 31 (M_Lyce) あってもおもしろいかもですね 01 31 (M_tottoko) ほう 01 32 (M_Lyce) データは作らない 01 32 (M_Lyce) 思いついたことを言っただけ
https://w.atwiki.jp/animerowa-2nd/pages/569.html
W.O.D ~Wisemen On Discipline~ ◆RwRVJyFBpg 「さて」 全員が席に着いたのを見て、明智がバカに神妙な声を出す。 広すぎる会議室の端っこ、そこに寄せ集めた机の小島。 私達はその小さな島を囲んで四人、お行儀よく席に着いていた。 上座には明智。ホワイトボードを背負って全員を見据え、議長役をヤル気満々。 滲み出るを通り越して溢れ出してる自信が相変わらず鼻につくが、それでも嵌って見えるあたり、流石は天下のエリート様だ。 明智の右には高嶺清麿。目で資料を追いながら、耳ではしっかり明智の話を待ちわびている。 見た目はがきんちょなのに、その振る舞いには何というか、不思議な風格があった。 隙のなさがあった、と言い換えてもいいかもしれない。 やっぱ、プロフィールに天才少年とか書かれちゃう奴はどっか違うってことなんだろーか。 まあ、んなこと言ったら私だって、昔は散々天才天才と持て囃されたモンだけど。 そのさらに右、明智から一番遠いところには小早川ゆたか。こっちは正真正銘、フツーのがきんちょだ。 こういう場にはあんまり慣れてないのか、あからさまに緊張している。 「まじめにお話しなくっちゃ!」って気負いが姿勢からも目線から伝わってきて、何だか微笑ましい。 アニタにもこんぐらいの可愛げがありゃあいいのにと思いかけて、やめた。 そんなこと、今更言ってもしょうがないことだから。 私は明智の左側にいる。 「時間も惜しい、早速始めましょう。 螺旋王という悪魔が仕組んだこの殺し合い……そこに潜む謎の解明をね」 資料を手に立ち上がり、明智がいよいよ語りだす。 その様は何だかミステリードラマのラストで事件の真相について話す探偵のよう。 ああ、そういえばコイツ本職だったな。 私は一瞬遅れで思い出す。 「高嶺君が得た情報と私達がこれまでに得た情報……それらを総合し、推理した結果、私は一つの結論に辿り着きました」 ごくり、と誰かが唾を飲む音が聞こえた。 「私の出した結論はこうです。 螺旋王は私達が一人でも多く、この殺し合いからを脱出することを期待している」 ◆ 私は明智が何を言ってるのか分からなかった。 出てきた結論があまりにも突飛過ぎて「何言ってんだよ」の一言も言えなかった。 だってそうだろ? あのいけすかないハゲ親父は初めに私達に何て言った? 『お前たちは今から全員で、最後の一人になるまで殺し合うこと』 そう言ったんじゃなかったか? それがどうしてそういう結論になる? 確かに、螺旋王の本当の目的が殺し合いそのものではなく、その途中にあるってのは分かった。 だけど、いくら何でも『脱出を期待している』ってのは…… 横を見ると、ゆたかが私と同じような困惑した顔で私を見ている。 そりゃそーだ。 誰だってこんなことを聞かされればそんな顔になる。 「……もちろん、説明してくれるんだろうな」 烈火のごとく明智を問い詰めたい衝動をどーにかこーにか理性で抑え込み、私は声を抑えて訊く。 普段なら喚き散らしていたであろうところを抑えられたのは、今までの明智を見ているからか。 「ええ、もちろんですよ。高嶺君」 「はい」 明智が促すと、清麿はバッグをごそごそやり、中から一つのビニール袋を取り出した。 縛ってあった袋の口を開け、中身を机の上にぶちまける。 出てきたのは、鈍く光を反射するいくつかの金属片と、三つの黒いビー玉。 「えっと、何ですか?これ?」 「分解した首輪のパーツさ」 「!!」 「これが!?」 イメージと違うなというのが第一印象だった。 清麿が病院で死んだ奴の首輪を外し、分解に挑戦したっていうのは私も聞いてた。 てっきり、もっと原型を残した形で外れるもんだと思ってただけに、このバラバラっぷりは予想外だ。 「この首輪はオレが病院に安置してあった死体の首から抜き取ったものだ。 分解の方法はいたってシンプル」 清麿はそう言うとバッグから首輪をもう一つ取り出して机に置き、空いた手にプラスドライバーを構えた。 「シールを剥がしたところにあるネジにプラスドライバーをあて」 プラスドライバーと首輪を同じ手に持ち、もう一方の手でネームシールを剥がすと、下からプラスの頭を晒したネジが顔を出した。 なるほど、そりゃ確かに盲点だ。シールなんて気づきゃ簡単なことなのに。 映画館の近くで首輪を拾ったときに気づけなかった自分を何だか馬鹿みたいに思いながら、私は手を首の後ろに廻した。 爪をちょっと立てて自分のをひっかくと、そこにも確かな段差。 あー確かにあるわ。 ふと目を上げると、自分と同じことをしているゆたかと目が合う。 何か知らんが恥ずかしい。 「一気に回す」 清麿がドライバーをネジにあてがって左に回すと、首輪はあっけなくバラバラになった。 それが今まで一つのモノだったのが嘘みたいだ。 部品が机に当たる渇いた音が響く。 「なるほど。で、これと螺旋王が私達に脱出して欲しがってるってこととがどう結びつく?」 「せっかちなのはよくないですよ菫川先生。更年期ですか?」 「うっさい!まだ私はそんな齢じゃない」 「それは失礼。では、続きをお願いしますよ高嶺君」 「ああ」 お得意の嫌味で私の追及を逸らした明智が続きを促すと、清麿は右手にドライバーを持ったまま、腕を首の後ろに回す。 「見ての通り、所有者のいなくなった首輪はドライバーを使えば簡単に外れる。 そのことを知ったオレは次にこう考えた。 『じゃあ、まだ生きている人間の首に嵌ってる首輪のネジを回したら、一体どうなるんだろう』ってね」 ゆたかの顔色が変わったのが分かる。 私の背中にもゾクっときたものがある。 明智だけがいつもの微笑を崩さずに清麿を見守っていた。 「それを知るためにはどうすればいいか?簡単だ。回してみればいい。 こんな風になッッッッ!!!!!」 気合一閃。 清麿はドライバーを力強く掴むと、自分の首輪へ差しこみさっきよりも勢いよく、捻った。 だが、さっきと違ってネジは回らない。首輪もバラバラになったりしない。 歯を食いしばってふんばっている清麿の腕だけが生まれたての子鹿みたいにプルプル震えている。 おい、もうよせよ、私がそう言おうとした刹那、 『――螺旋力なき者よ。その愚かさを悔いるがいい――』 あの男の声が聞こえた。 「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」 同時に清麿が悲鳴をあげる。 体中をびくびく痙攣させて、ドライバーを取り落とし、スッ転ぶ。 「高嶺くんっ!?」 「おい、アンタ、大丈夫か!!?」 「……心配ない」 床に蹲った清麿が腕をあげ、駆け寄ろうとしたゆたかを制する。 清麿は上げた腕をそのまま机の端にかけると、そこを支えに一気に立ち上がった。 多少、まだ足は震えてるみたいだが、その動きはおおむねしっかりしている。 どうやら命に別状はないみたいだ。 私はほっと息をついて、乗り出していた体を元に戻した。 「……知ってたのか」 「ええ。あなた方がイリヤ君を見送りに行っている間に聞きました」 「………………『螺旋力なき者よ』か」 「ええ……私の言ったことの意味、もうお分かりでしょう。 首輪についたネジを見つけ、回した者に向けて言い放たれる言葉が『――螺旋力なき者よ。その愚かさを悔いるがいい――』。 言い換えればこれは『螺旋力を持たない者が首輪を外そうとするな』ということです。 つまり裏を返せば――」 「『螺旋力さえあれば首輪は外れる』。そう言いたいってことか」 「フッ、さすがは菫川先生、ご名答です」 明智は目を細め、もったいぶったような含み笑いを漏らす。 「螺旋王は私達をこの区画に閉じ込め、最後の一人になるまで殺し合いをすることを命じました。 首輪はその殺し合いの間、私達が主催者に歯向かうことを禁じ、また同時に脱走を封じるための枷だったはずです。 ところが、その枷には何と囚人自らが外すことができるように、わざわざ鍵がつけてあった。 一方の手で人を閉じ込め、もう一方の手で解放の手助けをする。 これはとても不合理なことと言わざるを得ません。 螺旋王はどうしてわざわざそんなことをしたんでしょう?」 「……螺旋王の本当の目的が閉鎖空間での殺し合いじゃないから、か」 「そのとおりです。 彼の目的は私達を閉じ込めることでも、また、殺し合いをさせることでもない。 螺旋王の真の目的は殺し合いの過程で生まれる私達の変化を観察することにあります。 そして、その変化とは螺旋力の覚醒のことを指していると見てまず間違いない。 ここまではいいですね?」 「ああ。途中こそ違うけど、ここまでの結論はあんたが今までに言ってたのと同じだしな」 そうだ。ここまでじゃ今までと同じ。 『螺旋王が参加者に脱出して欲しがっている』とまではとても言えない。 私が欲しいのはその先だ。 だけど、明智はすぐには話し出さず、マグカップを取ってコーヒーをひと啜りした。 ずずずという音が静かな会議室にやけにうるさく響く。 いつの間にかゆたかも清麿も元の席に戻り、次の言葉を目線で促す。 「――さて、そうなると問題になってくるのが『一体、螺旋王はどうやって私達の螺旋力を測定しているのか』ということです。 もし、参加者の一人が螺旋力に覚醒したとしても、それを螺旋王が分からなければ実験の意味がないですからね」 「いや、螺旋王は常に私たちのことを監視してるんだろ?だったら見てれば分かるんじゃ……」 「なるほど。それも一つの考え方ではあります。 しかし、せっかくの実験です。どうせならばもっと詳細なデータが欲しいとは思いませんか? 目覚めたか、目覚めていないかという1、0のデータではなく どんな人間が、どんなときに、どれくらいの螺旋力を発揮したかが分かるような、詳細なデータがね」 「そういうのがあれば便利だと思いますけど、そんなことできるんですか?」 「いや、まあ、カメラも通さず会場を監視できるかもしれないような奴なんだから、何ができてもおかしくないと思うけど……」 「いいえ、監視に用いられているような超技術や魔法を使わなくても、詳細なデータを知ることはできますよ。 首輪に計測装置を仕込めばいいんです」 なるほど。確かにそれはあり得る。 いや、螺旋力が目覚めることが首輪を外す条件なら、むしろ、そう考えたほうが自然ですらある。 首輪自身に螺旋力を測る機能がなけりゃ、目覚めた奴を見分けるなんて無理だ。 私は再びすべすべした首輪に手を遣った。 ここから私のデータが逐一螺旋王に送られてるのかと思うと、かなり気分が悪い。 そのとき、金属の表面をなぞっていた私の指がちょっとしたはずみでさっきのシールに触れた。 あれ、ちょっと待て。 「……でも、よく考えたらそれっておかしくないか?螺旋力が目覚めたらこの首輪外せるんだろ? せっかく測定するべき螺旋力が目覚めたのに、そのときには取り外し自由ってんじゃ意味ねーよな?」 「『螺旋力が目覚めれば首輪が外せる』というのは単なる比喩でしかありません。 おそらく、実際にはある人間の螺旋力の数値が一定を超えたときにはじめて首輪が外れる仕組みになってるんでしょう」 「外した奴の螺旋力は測らなくていいのか?首輪外せるってことは螺旋力強いんだろ?」 「確かに一見するとおかしく見えます。 でも、逆にこう考えることはできませんか。『首輪を外せる人間の螺旋力はもう測定する必要はない』」 「何でそうなる?」 「首輪が外せるほどの螺旋力があればこの実験の対象者としてはもう『合格』だからですよ」 「『合格』ぅ?」 思わず表情が歪む。 んーどうにも明智の話が……分かりそうで分からない。 「菫川先生、こう考えてみてくれませんか」 腕を組んで渋い顔をしていると、これまで黙っていた清麿が口を開いた。 「鼠を迷路に何匹か放り込んで、ゴールまで辿り着けるかを見る実験がありますよね? 今、オレ達参加者を鼠、迷路をこの殺し合いだと考えてみてください。 オレ達鼠は生き残るため、必死でこの迷路、つまり殺し合いの中を走り回ります。 この状況で、オレ達が迷路から出る、つまり、殺し合いから解放されるにはどうしたらいいですか?」 「そりゃあ……ゴールに着けばいいんじゃないの?」 「そのとおり!じゃあ、この殺し合いにおけるゴールって何ですか?」 「えーっと、それは……最後の一人になること……かな?」 「残念だけど不正解。実験者である螺旋王は実験の目的に合うようにゴールを設定するはずです。 菫川先生、この殺し合いの目的は何でした?」 「……明智の理屈が正しいとするなら、参加者の螺旋力を目覚めさせること……あ、ってことはそれがゴールになるのか」 「正解!じゃあ、最後の問題。螺旋力が目覚めるとオレ達には何ができるようになりますか?」 「何が……って首輪が、あ、ああ~~~~~~~~っっっっ!!!」 私は思わずのけぞって大声を上げてしまった。 「ご理解いただけたようですね、菫川先生。 そうです。首輪を外した参加者はその時点でゲームクリア。 その人間にとっての実験、即ち殺し合いはそこで終了します。 この殺し合いは最後の一人を決めるバトルロワイアルなどではありません。 螺旋力が覚醒した者から抜けていく勝ち抜けゲームです。 首輪は言わばその勝ち負けを判定するためのテスター。試金石。 そうでなければ、螺旋王が首輪を解除できる仕組みをわざわざ組み込んだことの説明がつかない。 首輪を外した参加者をも交えて殺し合いを継続しようというのはあまりに不合理。 もし、そのようなことを行おうものなら 首輪が外れた参加者はたちまちのうちに禁止エリアに逃げ込み、首輪をつけた参加者の手は及ばなくなるでしょう。 そもそも、首輪なしでも何ら今までと変わりなく殺し合いが進行するなら、初めから首輪などつけないはずです。 これでもうお分かりでしょう。 螺旋王は私達参加者が一人でも多く螺旋力に覚醒し、殺し合いから脱出することを期待しています」 立ち上がり、腕を振るって明智が熱弁する。 その姿は数々の難事件を解決してきたエリート刑事のそれにふさわしく、何だかバカに迫力があった。 「……大筋は理解した。けど、一つ質問がある。 首輪を外せば殺し合いは終わるって言うが、具体的にはどうなるんだ?」 「パターンとしては二つ考えられると思います。 まず一つは首輪を外した瞬間にこの会場から即座に除外されるパターン」 「即座に除外?できるのか、そんなこと?」 「先生、よーく思い出してください。 私達はどうやってこの会場まで連れてこられましたか?」 「……そうか!テレポート!」 「ええ。おそらく、あの空間転移を行うための装置がこの首輪には組み込まれているんでしょう。 首輪が外れる瞬間、もし参加者が生きていればある場所に向けて飛ぶようあらかじめセットされていたとしたら……」 「首輪が外れて大喜びした一秒後には螺旋王の檻の中に逆戻りってわけか。悪趣味だな」 「檻に引き戻された次の行き先が第二の実験場か、解剖台か、それとも別の何かかは分かりませんが そのまま元の世界に還してもらえる可能性は限りなくゼロでしょうね」 私はもう一度、首輪に手を触れた。 その感触は前よりも冷たく、不気味。 首輪を嵌められた直後にも感じた、抜き身の刃を突きつけられるような怖気が、今、再び私を貫く。 「……分かった。で、もう一つは?」 「もう一つは、首輪を外し、第一の実験である殺し合いが終了した瞬間、その場で第二の実験が開始されるパターンです。 この会場から抜け出すには首輪を外すことにプラスして、何か別の条件が必要だと言い換えることもできるでしょう」 「……首輪の解除は第一関門。本当のゴールは別にあるってことか」 「ご明察です。 それが何なのか、今の時点ではっきりした事は言えません。 ですが、螺旋王の目的から考えれば、螺旋力に関する何かしらであることはまず間違いない。 あるいは『エド』君の言っていた『お宝』とやらが、その正体なのかもしれませんね」 私は今までの発言を要約し、逐一手元のメモに書き留める。 まとめていくうち、頭の中で情報が整理されていく。 なるほど。この殺し合いは螺旋王が螺旋力を収穫するための人間牧場ってわけかい。 出来のいいヤツだけさっさと収穫して、出来損ないは競争の末、死ぬに任せる。 ハッ、何とも人をコケにした話じゃないか。 紙の上を走るシャーペンが圧されてギッと鳴った。 時系列順で読む Back ディナータイムの時間だよ(食後) Next W.O.D ~World Of Darkness~ 投下順で読む Back ディナータイムの時間だよ(食後) Next W.O.D ~World Of Darkness~ 231 BACCANO -そしてバカ騒ぎ- 明智健悟 239 W.O.D ~World Of Darkness~ 231 BACCANO -そしてバカ騒ぎ- 菫川ねねね 239 W.O.D ~World Of Darkness~ 231 BACCANO -そしてバカ騒ぎ- 高嶺清麿 239 W.O.D ~World Of Darkness~ 231 BACCANO -そしてバカ騒ぎ- 小早川ゆたか 239 W.O.D ~World Of Darkness~
https://w.atwiki.jp/kairakunoza/pages/1855.html
むかしむかしあるところ、元ネタの設定としては中世フランスあたりに、ひよりという名の可愛らしい女の子がいました。 ひよりは良いとこの生まれで、幼い頃から何不自由なく暮らしていました。 そんなひよりが思春期に差し掛かる頃、年上の友達から「これ面白いよ」と、ある漫画を勧められました。 801系同人誌でした。内容としては比較的ソフトな方でしたが、朱に交われば赤くなる。それをきっかけにして、ひよりは瞬く間に腐女子としての下地を作り上げてしまいました。 ノートへのイラスト描きを手始めとして、本格的な漫画創作に至るまでそう時間は掛かりませんでした。よく読みよく描くひよりは、視力が落ちたため眼鏡っ子になりました。 そんなある日のこと。ひよりのお母さんが病で亡くなってしまいました。お父さんもひよりも、深く嘆き悲しみました。 しばらく経ってから、お父さんは母のいないひよりを不憫に思い、とある未亡人と再婚をすることにしました。 お父さんの再婚相手、そしてひよりの継母となる人は、みゆきといいました。え? ええ、はい。確かに言いたいことは色々有ると思いますけどね、他に適当な人が……いえ、決してみゆきさんが老けて見えるとかそのようn 前任者が失踪したため、ここからナレーターを交代します。 継母のみゆきには三人の連れ子がいました。上からかがみ、つかさ、こなたといいます。三人ともひよりより年上でしたので、義理の姉ということになりました。 家族も増えて賑やかになれば、ひよりが母を失った悲しみも次第に癒されていくだろう。お父さんはそんな風に考えていたのでしょう。 ところがみゆきが再婚した目的は、ひよりのお父さんが持つ財産目当てだったのです。 再婚から間もなく、お父さんも急な病で亡くなってしまいました。泣きっ面に蜂とはこのことです。 お父さんが死んでしまうや、意地悪な継母とその連れ子達は本領を発揮しました。ひよりを屋根裏部屋に追いやり、召使いの服を着せて、来る日も来る日もこき使い始めたのです。 逆境は人を強くします。 実の両親の死。突如みじめな境遇に落ちた自分。このような環境の中で、ひよりは飽くことなく同人作家としての技術と妄想力に磨きを掛け続けました。 休む暇もなく命じられる家事の合間に、思いついたネタをメモし、僅かに与えられた食事と睡眠の時間を削って漫画の執筆に当てました。 強烈なバイタリティと創作意欲が、ひよりを支えていました。 ただ一つ困ったのは、画材のことでした。漫画を描くのに最低限必要なのは紙とペンです。召使いとなったひよりでは、その二つを揃えることもままなりません。 買い貯めていた原稿用紙とインクが底をついた時、どうしようかと思案しました。 ひよりは小枝を削って尖らせ、それにかまどの灰を付けてペン代わりにしました。それからチラシの裏を原稿用紙の代わりにしました。涙ぐましい努力です。 (いつか本格的な画材と、パソコンとタブレットと複合機とフォトショップが欲しいなぁ……) そんなことを思いながら、ひよりは小枝と灰のペンで毎日せっせと漫画を描きます。 しょっちゅうかまどの灰を拾って汚れているひよりは、いつしかシンデレラ(灰かぶり)と呼ばれるようになりました。 「お~い、シンデレラ~!」 義姉のこなたが呼ぶ声に、シンデレラは窓掃除をしている手を止めて振り向きました。見ればこなただけでなく継母のみゆき、かがみ、つかさと、意地の悪い家族みんなが揃っていました。 「何でしょうかお姉様?」 「今日は夕飯の支度しなくていいから。今夜は私達みんな、お城の舞踏会に行くからね」 えっへんと自慢げに胸を張るこなたですが、シンデレラとしては、継母と義姉がいなければ思う存分漫画を描いていられるので万々歳でした。舞踏会? 何それ食えんの? 「そうスか。分かりました」 「……シンデレラ。羨ましくないの?」 淡々としたシンデレラの反応に、長女のかがみが訝しげに尋ねます。 「ええ。私は分相応ってものを弁えてますから」 実際には、舞踏会への興味<漫画、というだけなのですが、こう言っておけばいじわるな継母と義姉達は満足するだろう。そう思ってシンデレラは答えました。 「ふーん……ま、確かにね。あんたみたいに地味なのが舞踏会なんか行っても、誰にも相手――」 「そろそろいいスか? 仕事途中なんで」 「え? あ、うん……」 嫌みったらしい台詞を中断されたかがみは、鼻白んで口を噤みました。いじわるな義姉としては、どうにも締まらないキャラです。 「シンデレラ。今日の舞踏会は国中の若い娘が集められて、王子様が花嫁選びをする場でもあるのですよ」 窓掃除を再開するシンデレラの背中に、継母のみゆきがそう告げます。 シンデレラは振り向きもせずに一言。 「異性同士の恋愛とか意味が分かりません」 「意味が!? どんだけ重症なんだひよりん!」 つい本名の方を出してしまったこなたです。 「まあ、いいでしょう……とにかく今夜はあなたはお留守番です」 「了解っス」 「我々三人は玉の輿を狙って美少年と噂の王子様とフラグを立てまくってくるよ!」 こなたは握り拳を振り上げて気合い十分です。 「そういえば王子様だけじゃなくて、そのお付きの従者さんも格好いいんだよね」 それまで空気だった次女のつかさがそう言った時、シンデレラの動きがピタリと止まりました。 「あ~そうらしいね。いつでもどこでも王子様と一緒だから、ちょっとあやしい関係なんじゃないかって噂もあるそうだよ」 「アホくさ……そんなのありえないでしょ」 「分かってないなぁかがみは。実際にどうとかじゃなくて妄想の材料になるだけで一部の人種には十分なのだよ」 義姉達の会話を耳ダンボにして聞いているシンデレラは、まさしくその「一部の人種」でした。 (迂闊……このような美味しい材料を見逃していたとは……! い、行きたい! 舞踏会に行ってその二人を見てみたい~!) 妄想にも限度があります。実際に見聞きすることで、新たな創作の地平が開けることも大いにあるのです。 「それじゃあシンデレラ、お仕事ガンバ~」 「あ、ちょっ、まっ……お母様! お姉様~っ!」 悲痛な叫びも空しく、シンデレラはその夜、屋敷に置いてけぼりになったのでした。 「はぁ~……王子様と従者さん……見てみたかったなぁ……」 屋根裏部屋で机に突っ伏しながら、シンデレラはため息をつきます。今夜はがっつり漫画を描こうと思っていたのに、その気力も湧いてきません。 こんな時にこそ、机の引き出しからドラえもんの一つや二つ出てきてくれればいいのですが、残念なことにシンデレラの机に引き出しは付いていませんでした。 「いや、付いてても出ないだろうけどさ」 「そんなことないですヨ」 「え?」 まさか本当にドラえもんが!? 不意に聞こえた声に一瞬そう思ったシンデレラですが、どう考えても大山のぶ代の声ではありませんでした。 「Good evening!」 振り向いたシンデレラの目の前にいたのは、黒いローブを着たハイテンションな少女でした。 「だ、誰!?」 「私は魔法使いのパトリシアでス。パティと呼んで下さイ」 「はぁ……」 「今夜はシンデレラ、あなたを魔法の力で助けようと思って来たのでス。お城の舞踏会に行きたいですカ?」 「そりゃ、行けるものなら行きたいけど……私には舞踏会に着ていけるドレスも無いし……」 「ですから私が来たのでス! ドロ船に乗ったつもりで安心してくださイ!」 「安心できないだろそれは!」 「間違えましタ。タイタニック号に乗ったつもりでいて下さイ」 「それもダメだろ!」 「ま、細かいことはNo problemでス。では早速準備に取りかかりましょウ。まずはドレスや乗り物なド……」 パティは不意に言葉を止め、所在なさげに立つシンデレラをじーっと見つめました。 「あの……?」 何をしているのかシンデレラが疑問に思った頃、パティは口を再び開きました。 「そのためにはシンデレラの体に私の魔力を馴染ませる必要がありまス」 「ふーん」 「というわけデ……」 「ひぁっ!?」 いきなり小ぶりな胸にタッチされて、シンデレラは驚き固まります。その隙に、パティはシンデレラの体を抱き竦めました。 「なななな何を……!?」 慌てふためくシンデレラに構わず、パティは服の下にまで手を潜り込ませます。 「ですかラ、シンデレラの体に私の魔力を馴染ませるんでス。こうやるのが一番手っ取り早いんですヨ」 「いやそんなっ、だからっていきなりこんなこと……ちょっ、やめ……アッー!」 ――数分後。 解放されたシンデレラはペタリと床に腰を落としました。顔は赤く火照り、呼吸は微かに荒くなっています。乱れた衣服を取り繕いながら、 「もうお嫁に行けない……」 と、擦れた声で呟きました。どうやらR指定くらいのことを色々とされてしまったようです。 ショックの大きいシンデレラとは対照的に、パティは非常に満足げな表情でツヤツヤしていました。 「これくらいは役得でス♪」 「ホントにこんなことする必要あったの!?」 「もちろン! ……ほとんどありませんヨ」 最後の一言はもの凄い小声だったのでシンデレラには聞こえませんでした。 大人の階段を多少歪んだ方向に半歩上ったシンデレラですが、これも舞踏会へ行くためと気を取り直しました。 「じゃあ頼むよパティ。魔法の力で」 「Yes ma'am!」 パティはうなずき、黄色く輝く玉をいくつか取り出しました。全部で七つあり、それぞれ数の違う星の印が描かれています。 パティはそれを屋根裏部屋の床に並べると、深呼吸をしてから呪文を唱えました。 「出でよ神龍! そして願いを叶えたまえーッ!」 「それ魔法違うーっ!?」 シンデレラの突っ込みなど意に介さず、狭い屋根裏部屋に巨大な神龍が現れました。狭苦しいことこの上ありません。 「さあ願いを言え。どんな願いも一つだけ叶えてやろう……」 「こちらのシンデレラがお城の舞踏会に行けるだけの用意をしてもらえますカ?」 「よかろう……」 神龍が頷くと、次の瞬間シンデレラは眩い光に包まれました。 光が消えた時、灰で薄汚れていたシンデレラは、どこのお姫様かと思うほど美しい姿に変身していました。純白のドレスにガラスの靴。加えて一流アーティストによるメイクが施されています。 「屋敷の外に馬車と馭者を用意してある。舞踏会の招待状もな。願いは叶えた。ではさらばだ……」 そう言って神龍は消えていきました。 いきなり高そうなドレスを着せられたシンデレラは、どうにも居心地が悪そうです。 「ン~、ビューティフルですネ~」 「ドレスの方はね。何というか、ドレスに着られてる感じがひしひしと……」 「まあいいじゃないですカ。これで舞踏会にいけるんですかラ」 「それもそっか」 踊りに行くのではなく、漫画のネタとして王子様×従者を取材するのが目的なのですから。格好など二の次です。 「あ、でも眼鏡は外しておいた方がいいかな」 シンデレラがそう言って眼鏡に手を掛けた時、 「それをはずすなんてとんでもなイ!」 突然パティが大声を上げました。シンデレラはびっくりして目を白黒させます。 「そんなの絶対ダメですヨ! 眼鏡っ子が眼鏡を外すなんテ、バナナパフェからバナナを抜くようなものでス!」 「いや、そんなこと言われても……」 「それに眼鏡が無いと王子様の姿もよく見えませんヨ」 「確かに」 あっさり思い直したシンデレラは、きちんと眼鏡を掛け直します。 「じゃあ早速行ってくるね」 「その前に一つ注意ヲ。魔法の効果は今夜十二時までです。日付が変わったら魔法のドレスや馬車は全て消えてしまいまス」 「え? だってこれドラゴンボールで……」 「あれはパチモノのマジックアイテムなのデ、願い事の効果が長続きしないのでス」 「あーそうなんだ。一応、魔法だったのね……」 中途半端に納得しながら、シンデレラは馬車に揺られてお城に向かいました。 舞踏会の会場であるお城の大ホールには、国中から若い娘達が集まっています。どいつもこいつも玉の輿を狙おうと虎視眈々……のはずでしたが。 「あれが、王子様ですの……?」 「確かに美少年だけど……」 「何というか……」 ざわ・・・ ざわ・・・ 「うわ王子様、背ちっちゃ!」 誰もが言うのを我慢していたことを、ストレートにぶちかましたのはこなたです。慌ててかがみが口を塞ぎます。 「ちょっ、おまっ……何を……!」 「いやだって本当にちっちゃいし」 「だからってそんな大声で……うわあ、何か偉い人から睨まれてる」 そう、この国の王子様であるゆたかは、非常に背が小さかったのです。百四十センチもありませんでした。顔立ちも小さな子供みたいです。 玉の輿は惜しいけど、さすがにあれはちょっと……という女性が少なくありませんでした。しかしごく一部のショタ好きはよだれをたらさんばかりでした。 当の王子様は、ホール上座の椅子に座りながら、不安げに周囲を見渡しています。やがてその視線が、すぐ傍らに立つ従者に留まります。 この人こそ、色々噂の種になったりしている従者でした。名前はみなみ。スラリと背が高い美男子で、評判が立つのもうなずけます。 「あの……」 それだけ声をかけると、みなみはゆたかの顔を見てすぐにうなずき、その手を取ります。 「休憩室の方へお連れします」 傍輩にそう言って、みなみはゆたかを連れて大ホールを出ました。赤い絨毯の敷かれた廊下をしばらく歩き、王子専用の休憩室としてある部屋へ入ります。 「ねえ、みなみちゃん……どうしても、あの人達の中から私の、その……結婚相手を選ばなきゃいけないの?」 ソファに座り込むと、ゆたかは沈んだ声でそう問いました。 「はい……王様のお言い付けですので……」 みなみは静かな口調でゆたかの質問に答えました。途端に、ゆたかの表情が曇ります。 「どうしよう……私は結婚なんて……」 「すぐに結婚するというわけではないでしょう。今夜王子が選んだ方が、許嫁ということになると思われます……」 「どの道、選ばなくちゃいけないんだね……」 「はい……」 「……みなみちゃんは、何とも思わないの?」 「この国に仕える者として、王のご命令は絶対です……」 みなみは表情を動かさず、淡々と答える。 「ただ――王子の友人としての発言が許されるのならば……」 「うん、いいよ。言って」 「……強引な話だと……思います……」 「……それだけ?」 「……はい」 「そう……」 ゆたかは俯き、口を噤みます。そんなゆたかを見つめるみなみの瞳には、どうにもならない悲痛のようなものが、微かに浮かんでいました。 (うおおおぉぉおおおぉぉぉおぉ!! あくまで噂だと思ってたら何スかこのモノホンな雰囲気全開なお二人は――っ!!) シンデレラ自重しろ。 じゃなくて、ゆたかとみなみのいる休憩室で、何故か隠れて様子を窺っているシンデレラです。 少し時間を遡りましょう。 魔法使いパティに見送られて舞踏会に繰り出したシンデレラは、招待状を見せて城門をくぐった後、ふと思いました。 (普通に舞踏会に出席したって、王子様と従者を直接観察できるチャンスは限られている……それならいっそ――) シンデレラは舞踏会の行われている大ホールへは行かず、城の中で情報収集をすることにしました。 そうと決まれば善は急げです。単独でのスニーキングミッション。性欲をもてあます。 《無茶をしてますネ、シンデレラ》 不意にシンデレラの頭の中で、パティの声が響きました。 《パティ? どうしてパティの声が?》 《いわゆる一つのテレパシーでス。これも魔法の力ですヨ。それよりシンデレラ、舞踏会に行かないんですカ?》 《うん。せっかくだからネタになりそうな情報集めるのに集中しようと思って》 《そんなことじゃないかと思いましタ。でも素人がお城の中をうろうろしていたラ、すぐに捕まっちゃいますヨ》 《それじゃあ、どうすれば……》 《私が魔法の力でバックアップしてあげまス。こちらで見張りの動きや状況を随時モニターして伝えますのデ、いざという時はこちらの指示に従って下さイ》 《分かった》 《それからもう一人サポートがいまス》 《サポート?》 《はじめましてシンデレラ。本名はひよりだっけ》 《シンデレラでいいっスよ。どちらさまで?》 《私はこう。パティと同じく魔法使いだよ。親しみを込めてこうちゃん先輩と呼んでくれたまえ。このミッションでは潜入データの記録を担当することになった。よろしく》 《こちらこそ、よろしくお願いします》 《私もあなたの得る情報を楽しみにしているよ。頑張ってね》 パティ、こうとのテレパシーを終え、シンデレラはミッションを開始しました。 魔法使い二人のバックアップを得たシンデレラは、城中を嗅ぎ回り、あの手この手でゆたかとみなみに関する情報を掻き集めました。 しばらくして、疲れたので一休みしようと、空き部屋へ忍び込みました。 その部屋が、ゆたかとみなみが入ってきた休憩室だったのです。パティが二人の接近を知らせた時には、既に脱出のタイミングを逃していました。 しかしこれはシンデレラにとって僥倖でした。 ゆたかが王子様だというのは会話からすぐに分かりました。付き添っているのが噂の従者だというのも。 そしてその二人は、息を潜めているシンデレラの目の前で、まさにど真ん中ストライクなワンシーンを演じているのです。 (望まぬ結婚を迫られる王子と、苦渋の思いでそれを見守る従者……そんな二人の間には熱く激しい絆が……ああ~! イイッ! 凄くイイッ! 今すぐこの猛る想いを純白の原稿用紙にぶちまけたいッ!) 《シンデレラ。聞こえてる?》 妄想大暴走なシンデレラに、こうからテレパシーが入りました。 《何スかこうちゃん先輩? 今いいとこなのに》 《一つ気になってね。そちらの様子はこちらでも見えているんだけど……その二人が王子と従者なんだよね?》 《そうっスよ。それが何か?》 《二人とも、女だよ》 《……へ?》 こうが言うことの意味が分からず、シンデレラの目が点になります。 《間違いない。私ヅカとか好きでよく見てるからさ。上手く変装してるけど、私には分かる》 《なっ、何で……!?》 《多分だけど、跡継ぎの問題かな? ゆたか王子は女に生まれながら、王子として育てられたんでしょう。王が早く結婚させようとしてるのもその辺りに理由があるのかね……》 呆然としているシンデレラは、こうの台詞などほとんど聞こえていません。 (ゆたか王子が女の子……? それじゃあ従者さんとの関係も普通の純愛……? いや待て) 《二人とも女って言いましたよね?》 《うん。従者の方は、ゆたか王子のために用意されたのかな? あれだけ親しそうなら、お互いの本当の性別を知らないってのはないだろね》 (つまり……薔薇ではなく、百合?) その瞬間、シンデレラの脳内でピーナッツのような物体が弾けました。 (百合!! 上等っ!! いいじゃないか百合ネタも!! こちとらあのカタコト魔法使いに青年誌レベルまでやられた身だ! 今さら気後れなどするもんか!!) 何かが吹っ切れたシンデレラは、今まで薔薇系成人向けとして考えていたネタを全て脳内から取っ払い、百合ネタを再構築しはじめます。 「王子、そろそろ……」 「うん……」 隠れた所で妄想を爆発させているシンデレラを尻目に、ゆたかとみなみは部屋を出て行きます。 「あっ、追わなきゃ」 すぐさま二人を追いかけようとしたシンデレラに、パティからテレパシーが入ります。 《王子達はどうやら大ホールに戻るようでス。潜入任務はそこまでにしテ、舞踏会に参加した方がいいのでハ?》 《う~ん……出来れば間近で観察したいんだけど、ステルス迷彩とか無い?》 《今は持ち合わせてないですネ》 《そっか……仕方ないね》 シンデレラは名残惜しそうに潜入任務(というか違法な探索)を終え、大ホールへ向かいました。 シンデレラが大ホールへ足を踏み入れると、舞踏会に集まっていた人々の間に、一際大きなざわめきが広がりました。 (何? 何かあったの?) シンデレラは状況が分からず周囲を見渡しましたが、何を隠そうシンデレラ自身がそのざわめきの原因でした。 自覚していませんが、元々の素材が悪くない上、魔法で用意された極上のドレスとメイクにより、シンデレラはそんじょそこらの幼なじみやメイドさんなど及ばないほどの萌えキャラと化していたのです。あとはケモノ耳さえあればパーフェクトだウォルター。 「何者だあれは……?」 「どこのご令嬢かしら?」 「もしやどこかのお姫様なのでは……」 ざわ・・・ ざわ・・・ 「あ。シンデレラじゃん」 あっけらかんと言ってのけたのはやはりこなたでした。横のかがみはすぐに否定します。 「何言ってんのよ? シンデレラがこんなところにいるわけないでしょ。ドレスも招待状も持ってないんだから」 「でもあの眼鏡とおでこは間違いないと思うけど」 「ただのそっくりさんじゃないの?」 「うーん、そうなのかな……?」 言われてみれば、シンデレラにしてはあり得ないほどの萌えオーラ。そう思い、さすがのこなたもつい半信半疑になってしまいました。 シンデレラの持つ萌え度のキャパシティを見誤っていたのは、こなたにとって一世一代の不覚というべきでしょう。 それはさておき、シンデレラはホールの上座にゆたか王子と従者みなみの姿を見つけるや、蜜に吸い寄せられる蜂のようにそちらへと歩を進めます。 端から見れば、麗しき乙女が臆することなく王子の元へ向かっていくという、大変絵になる光景でした。 気が付いたら、シンデレラは王子様のすぐ目の前に立っていました。 (し、しまった! 無意識のうちにこんなところまで……!) ゆたかは少し戸惑ったような目でシンデレラを見つめています。何か言わなければいけない雰囲気です。 《シンデレラ! もうこうなったら当たって砕けろでス! 粉砕・玉砕・大喝采!》 パティの言葉に後押しされて、シンデレラは腹を決めました。女は度胸です。 「王子様。私と一曲踊っていただけますか?」 こうなると人間不思議と肝が据わるもので、シンデレラは表面落ち着いて台詞を出すことが出来ました。 ゆたかは戸惑いを露わにしてみなみに目をやりました。みなみはシンデレラの顔をしばらく見つめてから、ゆたかに向けて優しく微笑み頷きました。 (何という旦那っぷり……私は人畜無害と判断されたのかな?) そんなことを考えているシンデレラに、ゆたかから手が差し出されました。ダンスの申し出を受けてもらえたのです。 誰かが楽団へ指示を出しました。軽やかなワルツがホールに流れ始めます。 ダンスなどやったことのないシンデレラですが、そこは気合いと根性でカバーです。元気があれば何でもできると昔の人も言っていました。 《ほう、なかなか独創的なダンスだねぇ。上手いもんだ》 《いっぱいいっぱいなんで茶々入れないで下さいこうちゃん先輩!》 どうにかリズムに乗ってステップを踏みながら、シンデレラは裾を踏んでずっこけるなどのお約束はしないかと冷や汗ものです。 ゆたかの方は、さすがにしっかりダンスの練習をしてあるようで、落ち着いてシンデレラをリードしています。ただ背丈の差があるせいで、シンデレラがリードしているように見える場面が多々ありましたが。 しばらくして動きに慣れてきたシンデレラは、ゆたかの顔を見る余裕が出来てきました。 (確かに……女の子だ) 職業柄(?)人の顔を観察するのには慣れているので、これだけ間近で見ればシンデレラにも分かりました。 確信したところで、既に百合ネタウェルカムなシンデレラは何のショックも受けませんでしたが。 シンデレラの思惑はさておき、ゆたかは緊張しているのか、華麗にステップを踏みながらその表情は硬いです。 (初対面の私が相手だからかな……もし相手があの従者さんだったらそれはもうさぞかし――) シンデレラはダンスをしながら妄想に浸っています。いついかなる時でも妄想が可能なのは、同人作家として必須のスキルです。 「あの、どうかされましたか……?」 「はうあっ!?」 ステップを踏みながらトリップ状態になっていたシンデレラは、ゆたかに呼びかけられ慌てて正常な意識を取り戻しました。 「す、すみません王子様……緊張していたもので」 「気にしないで……私も、結構緊張してるから。実は本番でダンスを踊るのは、これが初めてで」 「そうだったんスか?」 「ええ……練習はよくしてたんだけど」 「……あの従者さんを相手に?」 「え? どうして分かるの?」 「……勘ですよ」 曲が終わりを迎えました。無難に踊り終えた王子とシンデレラに、周囲から拍手が送られます。 シンデレラは見様見真似でなるべく上品にお辞儀をしました。 「ありがとうございました、王子様」 「こちらこそ。ところであなたのお名前は?」 「ひよりです。人からはシンデレラと呼ばれています」 「シンデレラ……?」 「私も王子様に聞きたいことがあります」 シンデレラは不意に声のトーンを落としました。 「王子様……あなたは、女性ですね?」 「!!」 ゆたかの目が驚愕に見開かれました。 「な、何を……!」 「間近で見て確信が持てました。そしてあの従者さんも同じです」 ゆたかは怯えたような目で周囲を見渡しました。ダンスの直後なので、二人の会話が聞こえる場所に人はいません。 「誤解しないで下さい。私は決して、王子様達に危害を加えようとは思っていません」 シンデレラは真剣な目でゆたかの目を見据えます。 「王子様、よろしければお話をさせてもらえませんか? 私のような者が、僭越なことだと承知してはいますが……」 「……」 ゆたかはしばらく黙って考え込んだ後、軽く頷いてからシンデレラの手を引きました。壁際に控えていたみなみの所へ行き、耳打ちをします。その途端、みなみも驚いた様子でシンデレラに視線を向けました。 シンデレラはゆたかとみなみに先導され、大ホールを出て廊下を歩いていきます。 シンデレラがゆたかと話をしたがったのは、漫画のための取材というのもありますが、二人をこのまま放っておけないような気がしたからです。 やがて、先ほどシンデレラも隠れていた休憩室にやってきました。 ドアを閉めると、まずみなみが口を開きました。 「シンデレラと言いましたね」 「はい」 「言いたいことが二つあります。まず一つ。私達の性別について、決して他言をしないように」 「分かってます」 「それからもう一つ。出来ればこのまま城を去っていただきたい。話せることはありませんし、話す必要もありません。むしろこれはあなたのために言っています。シンデレラ」 その言葉は、忠告というより警告の響きを持っていました。 「だが断る」 しかし意外に頑固一徹なシンデレラはそれしきで引き下がりはしませんでした。 「私には事情は分かりません。でも、このままじゃ誰も良い結果にならないのだけは分かります」 「あなたが首を突っ込むようなことではありません……」 「だから言ったでしょう。事情なんて分かりません。私が言いたいのは……あなた達二人は大馬鹿ってことっス」 「なっ……!?」 みなみは怒るよりも呆れてしまいます。 一国の王子とその従者を馬鹿呼ばわり。場合によっては首が飛んでもおかしくない発言です。しかしシンデレラは言わずにいられませんでした。 「今夜の舞踏会は王様の言いつけで、無理矢理に結婚相手を決めさせられるのでしょう? このままじゃ王子様は望んでもいないのに結婚させられるんスよ。しかも同性と! こちとらネタとしては大歓げ――いや何でもありません。とにかく! 王子様の一生を台無しにしかねない瀬戸際でしょう!」 シンデレラは口角泡を飛ばして捲し立てます。 「いい加減に――」 「待ってみなみちゃん」 身を乗り出しかけたみなみを、ゆたかが留めました。 「この人と少しお話をさせて」 「しかし……!」 「お願い」 真剣な眼差しのゆたかに、みなみは渋々その場を譲りました。 「シンデレラさん。どうして私のために、そこまで必死になってくれるの?」 王子様の質問に、シンデレラはしばらく逡巡してから、口を開きました。 「私は……人が生きたいように生きられないのが嫌なんです。自分でも、他人でも。お節介なことだと自覚はしてますけど……どんな境遇であっても人は、そうなりたい、そうありたいためにあがくことは出来ます」 シンデレラは一旦言葉を句切りました。改めてゆたかの目を見据え、軽く深呼吸してから話を続けます。 「でも王子様。あなたは、自分がやりたいこと以前に、自分自身の正体を偽らされている。そしてあがくことすら許されていない。違いますか?」 「……」 ゆたかは悄然と肩を落とし、シンデレラの言葉を無言で肯定しました。 「王子様。私には王室やお城の世界でのことなど、難しいことは分かりません。でも、どんなに厳しく辛い場所でだって、自分が変わろうと努力すれば、少しずつでも何かが変わるはずです」 シンデレラはゆたかの手を取り、熱っぽく語り続けます。 「どうか勇気を出して下さい。ずっと秘密にしていられることなどありません。今夜私が気付いたように、誰かに気付かれる日がいずれまた来ます」 「でも……私は……」 「一人では不安かもしれません。しかしあなたには、いついかなる時も支えてくれる人がいる。そうでしょう?」 シンデレラはそう言って、ゆたかの傍らに寄り添うみなみへ視線を送りました。しかしみなみが少々厳しい目をしていることに気付き、ハッとします。 シンデレラはゆたかの手を取り、かなり近い位置まで顔を寄せていました。なかなか際どい構図です。 「すっ、すみませんつい! 興奮して……」 すぐさま手を離し、しどろもどろになって謝ります。 (漫画のネタ探しに来たのに、私が漫画みたいなことしてどーする!) 心の中でセルフ突っ込みを言えるシンデレラです。 シンデレラがゆたかから手を離すと、みなみの表情が柔らいでいました。 (……つまりアレ? ジェラシー? 「私のゆたかに近寄るな」ってこと? うおおおおっ、意外に焼き餅焼きなみなみさん萌え~!) やはり舞踏会に来てよかった。シンデレラはしみじみそう思いました。 「シンデレラさん」 「はひっ!?」 またしても妄想世界へダイブしかけていたシンデレラは、ゆたかに対してつい素っ頓狂な返事をしてしまいました。幸いそれは気にされなかったようです。 「勇気を出して行動すれば、今より良い方向へ向かえるかもしれない……確かにあなたの言うとおりだね」 「王子、それは……」 何か言おうとしたみなみを目で制して、ゆたかは噛みしめるように言葉を継いでいきます。 「私も、このままではいけないと感じていたから。今夜あなたに会えて良かった……今すぐに変わるのは無理だけど、私もこれから、少しずつあがいてみるよ」 そう言うと、今度はゆたかからシンデレラの手を取りました。 「ありがとう、シンデレラさん……」 澄んだ瞳で見つめられたシンデレラは、不覚にも胸を高鳴らせてしまいました。 (ぐはぁっ……何という破壊力……この人が真っ当にお姫様として育っていたら、確実に我が国の男達の士気を変えていた……!) アゴに良いパンチを貰ったようにフラフラしているシンデレラを、ゆたかとみなみは訝しげに見ていました。 (あ、そうだ) ふと思い出したことがあり、シンデレラは頭の中でパティへ呼びかけます。 《パティ、今の時間は?》 《十一時四十五分でス。あと十五分ほどで魔法が解けてしまいますヨ》 《分かった》 時間にある程度の余裕を持って行動するのは、社会人として、また同人作家としての心得です。分かっていても出来ないことが多々ありますが。たとえば〆切とか〆切とか〆切とか。 「王子様。私はもう帰らなければいけません」 「そうなの?」 「はい。名残惜しいですが、これで……」 「待って! その前に一つ聞かせて欲しいの」 踵を返したシンデレラを、ゆたかが呼び止めました。 「あなたはどうしてシンデレラ(灰かぶり)なんて呼び名を?」 「……私は漫画を描いています。私の趣味で、生き甲斐です」 「?」 「今はチート使ってこんな格好してますけど、本当は召使い同然の身なので画材を買うお金が無いんです。だからかまどの灰を拾ってインク代わりにしてるんです。それでシンデレラ」 そこまで聞いたゆたかは、同情の色を目に浮かべました。しかし、 「私にとって、誇らしい呼び名です」 シンデレラはそう言うと、底抜けに明るい笑みを浮かべて、去っていきました。 お城を出てしばらくした所で、魔法が解けてシンデレラは元の召使い姿に戻り、馬車も馭者も消えて無くなりました。 「これでおしまい、か……」 「シンデレラー、お疲れ様でしタ」 夜闇の中から、パティの黒いローブ姿がにょっきり湧いて出てきました。その横に立っている同じくローブ姿のこうが、気さくな笑顔で手を振ります。 「改めて、はじめましてシンデレラ。ネタ探しで行った舞踏会が、色々と大変だったね」 「あはは……何と言いますか、キャラに合わないお説教みたいなことまでしちゃって」 「いいんじゃないの? 向こうは前向きに受け止めてくれたみたいだしさ」 話をしながら、こうは懐から名詞を取り出し、シンデレラに差し出しました。 そこに書かれた文字を見て、シンデレラの目が点になります。 「アニケン出版……?」 「魔法使い業の傍ら、出版社に勤めててね。気が向いたら原稿持ってきな。私の評価は辛口だけど」 「で、でも、私、まともな原稿用紙も持ってなくて……」 「それは自分で何とかしなよ。どんな境遇でもあがくことは出来る。誰かさんが言ってたよね?」 「あ……」 ぐうの音も出ないシンデレラでした。 その後、シンデレラは召使いをしながら寝る時間をさらに削って内職でお金を稼いで原稿用紙と画材を買い揃えました。 何度も漫画を描いてはこうの所へ持ち込みますが、そのたびにボツを食らいます。 しかし諦めずに何度も何度も漫画を描き続けたシンデレラは、ようやく会心の一作が認められ、ある漫画雑誌に読み切りデビューすることになりましたとさ。 めでたしめでたし 読み切りデビューが決まってしばらくした頃。昼間は家事に忙しいシンデレラの元へ、何とお城から使いがやってきました。 何事かと驚いている継母や義姉を尻目に、使いの白石卿は召使い姿のシンデレラに恭しくお辞儀をしました。 「シンデレラさん。あなたを王子様の婚約者としてお迎えに上がりました」 「………………はい?」 言われたことが理解できず、ハタキを手に持ったままシンデレラは固まっていました。 「では、早速お連れいたします」 白石卿が合図をすると、屋敷の外から複数の男達が入ってきます。石のように固まっているシンデレラを、立木文彦ボイスの男達が直接担いで運んで行きました。 「シンデレラさん、怒ってるかな?」 お城の一室で、ゆたかは不安そうな声で呟きました。 「そうかもしれません。けど、話せばきっと分かってくれます……」 みなみはゆたかを安心させるため、静かな口調でそう答えます。 実はあの舞踏会の後、王様の言いつけでどうしても許嫁を決めなければいけなかったゆたかは、シンデレラを指名していました。本気で結婚するつもりではなく、あくまで一時的な方便として。欲を言うなら協力者としてです。 ただ、名前以外何も分からなかったので、今までずっと国中を探していたのでした。 「ちょっ、ちょっと待って下さい! 私はお后なんてなりたくないっスよ! 頼むから、おっ、おろして~っ!」 叫び声も空しく、シンデレラはおみこしよろしくワッショイワッショイとお城に運ばれていきます。 その後、シンデレラは早く解放されて漫画を描きたい一心で、陰謀渦巻くお城の中で八面六臂の大活躍をしましたとさ。 おわり コメントフォーム 名前 コメント 無限バンダナあればインク切れないんじゃない? -- 名無しさん (2010-06-12 22 45 55) シンデレラの八面六臂の大活躍を続編として希望したい。 でないと終わった気がしない。 -- 名無しさん (2009-05-31 11 49 03) 2828が止まらね~wwGJ! -- 名無しさん (2009-05-30 21 31 44) 上手いな〜…読みやすいし、場面が簡単に想像出来るし、面白い 激しくGJ!を贈らせていただきます -- にゃあ (2008-09-16 02 45 14) コレ、まじでヨカッタとおもう。 -- 名無しさん (2008-03-16 01 27 18) ↓同感w 力作乙。 -- 名無しさん (2008-03-16 00 27 48) 元のシンデレラよりいい話だw -- 名無しさん (2008-03-15 02 37 36)
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/25018.html
登録日:2012/03/04 Sun 20 55 04 更新日:2024/07/05 Fri 19 55 53 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 Ζガンダム アーガマ アーガマ級 エゥーゴ カラバ ガンダム ガンダムZZ ガンダム・センチネル ガンダム艦船項目 ブライト・ノア ヘンケン・ベッケナー ペガサスⅢ ペガサス級 ホワイトベースⅡ 地球連邦軍 宇宙戦艦 巡洋艦 機動戦士Ζガンダム 機動戦士ガンダムΖΖ 阿含経 左弦砲撃手、弾幕薄いぞ!何やってる! アーガマ級強襲用機動巡洋艦とは、宇宙世紀ガンダムシリーズに登場する宇宙巡洋艦である。 ▽目次 アーガマ級強襲用機動巡洋艦 諸元 武装 同型艦アーガマ ペガサスⅢ ニカーヤ ユーロン ゲームでのアーガマ 立体化 アーガマ級強襲用機動巡洋艦 ARGAMA class assault mobile cruiser 諸元 建造:アナハイム・エレクトロニクス社 所属:エゥーゴ 地球連邦軍 カラバ FSS 全長:323m MS搭載数:約9機 《武装》 単装メガ粒子主砲 ×4門 単装メガ粒子副砲 ×4門 大口径メガ粒子砲 ×2門 ミサイルランチャー 《改修後武装》 単装メガ粒子主砲 ×4門 単装メガ粒子副砲 ×4門 ハイパー・メガ粒子砲 ×2門 ミサイルランチャー 対空レーザー砲 反地球連邦組織“エゥーゴ”の指導者であるブレックス・フォーラ准将の意向により、エゥーゴの象徴として建造された宇宙巡洋艦の艦級。 資料によっては、単に“アーガマ級強襲巡洋艦”とも。 「強襲巡洋艦」とは現実にはないカテゴリーの艦種であるが、これは元々ペガサス級と同じMSの運用を主目的とする「強襲揚陸艦」とされるはずだったが、火力の増強で揚陸艦と呼べるレベルではなくなったために付けられたものらしい。 一年戦争で活躍した名艦ホワイトベース(というよりはペガサス級)を参考にアナハイム・エレクトロニクス社の支援を得て建造された。 モビルスーツ(以下MS)母艦としての機能を追求しており、二層構造のMSデッキや両舷の開放型カタパルトデッキを有するなど高いMS運用能力を持つ。 火力も単装メガ粒子主砲4門、主砲同軸の副砲4門、シャッター内蔵型の大口径メガ粒子砲2門にミサイルランチャーと、威力は高いが使い勝手の悪い武装が多かったペガサス級から大きく増強された。 また、機動力と高速長距離巡航能力にも長け、艦の外側に配置された非戦闘時に遠心力で疑似重力を発生させる回転式居住ブロックや収納式のブリッジなど居住性や防御力も優れている。 バリュートシステムを装備出来るが、本来は大気圏内での運用は想定されておらず、バリュートも木星圏での重力ブレーキの為の装備である。 ミノフスキー・クラフト・システムは搭載されているが、あくまで月面のような低重力下で活動するための低出力型である。 ただしこの点には艦によって差があり、2回目の改修で高出力型に換装したアーガマや最初から地球上での運用を目的として発注されたニカーヤのように1G用のミノフスキー・クラフトを積むことは可能なので、やろうと思えば活動させることが全く不可能という訳ではない。 しかし原形となったペガサス級と違ってブースターやカタパルト無しでの単独大気圏離脱は無く、自力で宇宙に帰還することは出来ない。 ただし、それらはあくまでエゥーゴやカラバのような大規模な設備を持たない、あるいは使えない非公式の組織だからであって、マゼラン用ブースターなどの流用自体は可能なので、マスドライバー施設を保有する連邦正規軍やそれに近しい組織は普通に打ち上げている。 実際、ペガサスⅢやニカーヤはバイコヌール宇宙基地やキャリフォルニア・ベースのような大規模な基地を経由して宇宙に上がっている。 弱点としてはMS母艦としての機能を追求し過ぎたため、ペガサス級より上とはいえこの時期の艦艇としては火力が乏しく、対MSに必需品とも言える対空砲さえ装備されていないので攻撃や防御は搭載MS頼りだった。 これらの火力面の弱点を解消し、更にMS運用能力を向上させた発展系として建造されたのがアイリッシュ級戦艦やネェル・アーガマである。 これらより洗練された後継艦が早い時期から登場したため、中途半端な立場になった本級はグリプス戦役から第一次ネオ・ジオン抗争の間に数隻が建造されただけに留まり、同時期に活躍したアレキサンドリア級重巡洋艦やアイリッシュ級程普及することはなかった。 武装 単装メガ粒子主砲 前部に1基、艦底部に2基、後部に1基の合計4基備える。 周囲360度方向に常に3門の施行が可能で広い範囲のカバーが可能で、速射性の高さから対空防御にも用いられた。 アーガマ以外ではアイリッシュ級の副砲や、ディープストライカーの主砲に流用されている。 なお、ハイメガ粒子砲の登場後は主砲扱いされなくなってしまった。 単装メガ粒子副砲 主砲身下部の棒状の物が同軸副砲である。(らしい) 特に使われたことはない。 大口径メガ粒子砲 カタパルト下部のシャッタードームに格納された大口径のメガ粒子砲。 ペガサス級と同じくIフィールドでメガ粒子を偏向して発射するタイプで、チャージに時間がかかる為に連射は出来ないものの絶大な火力を誇る。 ハイパー・メガ粒子砲 アーガマのみの装備。 メールシュトローム作戦で戦力の大半を失った穴を埋めるべく、第一次ネオ・ジオン抗争序盤のラビアンローズでの1度目の改修でメガ粒子砲と置き換える形で搭載された。 その出力はコロニーレーザーの25%にも及び、ジュドーをして「まるでコロニーレーザーじゃないか!」と評した程の超火力で、廃コロニーの残骸くらいなら一撃で消滅させることが出来る。 これを装備した後はこちらが主砲と呼称されるようになった。 対空レーザー砲 グリプス戦役時は搭載されていなかったが、第一次ネオ・ジオン抗争中のグラナダでの2度目の改修で装備された。 ……ということなっているが、実は『Ζ』の序盤から使っているし、なんならヘンケンが「主砲だと街に被害が出るから対空砲火を水平に使え!」(*1)とまで言っている。 また、ブライトの「弾幕薄いぞ!」も対空砲火を意味していると思われるが、対空機銃の類が無い場合、速射性の高い単装砲を乱射させている可能性がある。 どちらにせよ、劇中では艦のあちこちからビームが飛び出しているくらいの曖昧な描写しかされなかったので何処に装備されているのか、どんな装備なのかは不明。 ミサイルランチャー 艦橋後部に設置されているらしいが、具体的な配置は不明。 おそらくクラップ級のように対空防御用のものだろう。 これとは別に艦底部にもミサイルランチャーがあるらしく、第35話でキリマンジャロ基地攻略作戦に掛かるカラバを支援する為に衛星軌道上からの支援爆撃を敢行した。 同型艦 アーガマ ARGAMA 所属:エゥーゴ → カラバ 建造:アナハイム・エレクトロニクス社 艦長:ヘンケン・ベッケナー中佐 → ブライト・ノア大佐 アーガマ級1番艦。 スペースコロニー・スウィートウォーターでアナハイム社の支援を得て秘密理に建造された。 エゥーゴ艦隊の旗艦としてグリプス戦役や第一次ネオ・ジオン抗争中期までの激戦を駆け抜けた。 建造当初はブレックス准将の趣味から“ホワイトベースⅡ”の名で呼ばれていたが、後にアナハイム社の会長メラニー・ヒュー・カーバインの趣味で上座部仏教の経典「阿含経」から“アーガマ”と名付けられ、そのまま艦級名となった。 なお、“ホワイトベースⅡ”という艦は既にペガサス級に存在する。 【グリプス戦役での活躍】 カミーユ・ビダンやシャア・アズナブル=クワトロ・バジーナを擁するエゥーゴの中核として地球上以外でのあらゆる局面で登場、活躍した。 当初の艦長はヘンケン・ベッケナー中佐だったが、ブライト・ノア中佐(エゥーゴ参加後は大佐に昇進)のエゥーゴ加盟と共にブライトに艦長の座を譲った。 グリプス戦役の最終局面、グリプス2での決戦でティターンズの艦隊を殲滅することに成功したがアクシズには大きなダメージを与えることが出来ず、エゥーゴもモビルスーツはZガンダム、メタス、ジムⅡ、ネモ、リック・ディアス数体や艦艇もサラミス改数隻、アーガマ以外のほぼ全ての戦力を失った。 【第一次ネオ・ジオン抗争での活躍】 エゥーゴの数少ない戦力となったアーガマだが、グリプス2での決戦でアーガマ自体も多くの人員と戦力を失った状態でサイド1の1バンチ・シャングリラに逃げ込まざるを得ない状態だった。 そこでジュドー・アーシタ達シャングリラの子ども達をスカウトし、アナハイムのドック艦・ラビアンローズとの接触や月面・グラナダ市への寄港で戦力強化にΖΖガンダムを始めとするMSの受領、主砲のハイパー・メガ粒子砲への換装、ミノフスキー・クラフト・システムと対空レーザー砲とタラップの追加などの改修が行われた。 地球へ降下するネオ・ジオンの艦隊を追って地球へ降下し、ダカールを占拠したハマーン・カーンを脅かした。 ダブリンへのコロニー落としの阻止に失敗した後、アーガマは自力で宇宙へ帰れないためにカラバに譲渡され、クルー達は別れを惜しみつつシャトルで宇宙に戻った。 ……しかし、この時期のエゥーゴは連邦の正規の組織として認知されているはずなので、連邦のマスドライバー設備でも借りれば普通に打ち上げてもらえたとは思うのだが…… 実際、アーガマを宇宙に還す計画はあったようだが、何らかの理由で実現しなかったようだ。 これ以後の動向は不明である。 ペガサスⅢ PEGASUS-Ⅲ 艦籍番号:CVW-07 所属:地球連邦軍 艦長:イートン・F・ヒースロウ少佐 アーガマ級2番艦。経緯は不明だが地球連邦軍の所属艦として地球上で建造していた艦で、ニューディサイズによる“ペズンの反乱”に際して急遽編成された討伐艦隊の先遣部隊“α任務部隊”の旗艦としてバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。 改装前のアーガマとほぼ同型だが、ブリッジと居住ブロックの稼働機構がオミットされていたり、ペガサス級を思わせるレーダーアンテナなど微妙な差異がある。 カラーリングも白をメインに青がサブカラーというアーガマと対照的なもの。 ヒースロウ少佐を含めて実戦経験の無い者が多かったが、“ペズンの反乱”における主要な戦闘には全て参加し、手痛いダメージを負いつつも任務を成し遂げた。 ニカーヤ Nikāya 所属:FSS 艦長:ディドコット・クレイ大尉 漫画『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』に登場。 FSS(Federation Survey Service)会長ジル・ブロッケン・フーバーの足としてジャブローまで乗り込んできた。 元々はミノフスキー・クラフト搭載艦を欲したカラバが発注していたものだが、第一次ネオ・ジオン抗争後引き取り手がなくなっていたところをフーバーに引き取られたらしい。 カラーリングはアーガマに近いがカタパルトに赤いラインが入り、艦橋はレーダーがペガサスⅢに近いが下顎?が若干長い独自の物。 ブリッジ、居住ブロックの可動機構やハイメガ粒子砲の未設置など仕様は改装前のアーガマに近いが、最初から1G重力下用ミノフスキー・クラフトを搭載していたり戦闘ブリッジを設置しているなど独自のものも存在している。 ジャブロー戦後はレッド達の母艦としてキャリフォルニア・ベース経由で宇宙に上がり、FSS・キマイラ隊組の母艦として旧ジオンの遺したプラント艦・ミナレットを巡る騒動に参戦する。 ちなみにニカーヤというのは「阿含経」の類義語のこと。 ユーロン 艦籍番号:CVWA-10 所属:エゥーゴ 艦長:フレドリカ・エルメ中佐 漫画『機動戦士ガンダム ヴァルプルギス』に登場。 エゥーゴの参謀本部が対ネオ・ジオン用に向けてアンマン市に発注した艦。 より正確には「アーガマ改級」で、従来のアーガマ級の問題点を洗いだし、キール(竜骨)の延長やエンジンの換装によってアーガマとはほぼ別物と化している。 全体的なイメージとしてはアーガマをベースにネェル・アーガマやラー・カイラム級機動戦艦、クラップ級巡洋艦の要素を足したような感じ。 艦名の由来は『西遊記』に登場する「玉龍」から。 ゲームでのアーガマ スパロボシリーズ 正直なところ、弱い。 やはり武装の乏しさが最大のネックである。 おまけにスーパーロボット大戦シリーズではネェル・アーガマやラー・カイラムまでの繋ぎがほとんどという不遇な扱い。 とはいえ強制的に出撃する機会が多いのも事実なので、改造&必中を覚えさせるとそこそこ戦力になったりする。 あと、アーガマより前の艦がある場合はアーガマでマップ兵器が追加されるのでブライトに稼ぎをやらせる場合はここからが本番ともいえる。 ただ最近のシリーズでは見直され、特にZのように普通に強い場合もある。 ちなみにスパロボのアーガマは多くの作品で最初からハイパーメガ粒子砲が装備されている『ΖΖ』の状態である。違うのはZくらいだが、そのZのアーガマが普通に強いのはある意味皮肉か。 あと、基地から打ち上げている事が多いとは言え、当然のように地上から宇宙に上がったりもする。 SDガンダムGジェネレーションシリーズ Gジェネシリーズでは改装前が“アーガマ”、改装後が“アーガマ改”として登場する。 改装前のほうは武装の攻撃範囲にクセがあり、火力も低いので非常に使いにくい。 改装後はハイメガ粒子砲を手に入れて戦えるようになる。 GジェネNEOでは本格的にストーリーが始まるSTAGE2から使用可能。どこでも使用可能な万能戦艦で、択一で手に入るネェル・アーガマもしくはラー・カイラムといった新しい戦艦を入手しても、二隻目のチーム母艦として最後まで運用できる。例外はデラース>ホワイトファングルートで金が余裕があるときにリーンホースJrを購入した時ぐらい。 ペガサスⅢは参戦すること自体が稀。 性能では改修前アーガマと同等だが若干キャパシティが多いという特徴がある。 ギレンの野望シリーズ アクシズの脅威無印と脅威Vに参戦。ジオンの系譜ではMSの方はZ世代まで登場しているのに船の方は0083までのしか登場していないため、万能戦艦はアルビオンで打ち止めとなる。 また、新ギレンの野望でもアルビオンは登場したがアーガマはやっぱり未登場。 そして脅威無印では耐久やMS搭載能力や火力ではアルビオンの方が上だし、アルビオンは脅威から実装された近代改修でバージョンアップが行えるため、新規でアーガマを生産するうまみが少ない。数少ない利点は改修でネェル・アーガマにできることだろうか。 脅威Vでは調整が入り、耐久が大幅に増加した。攻撃・移動に伴う消費が少なく補給線を気にしなくてもよい事、運動性がそこそこあるのでMSの火力が増大している時期的に、アルビオンでは撃沈の危険性があるがアーガマなら耐えるケースが多々ある事など数隻あっても良いレベルになっている。しかし搭載数8という半端な数が9機で3小隊を構成・運用できなくなる欠点が人を選ぶ。 SDガンダムX・GX・GNEXT・GCENTURY XとGXではエゥーゴやりがミリティアを含む地球連邦チーム、GNEXTとGCENTURYでは連邦から独立軍扱いとなったエゥーゴで生産可能。 いずれのナンバリングでも (サラミスやムサイですら万能扱いだったXを除き)万能戦艦 耐久力が火力がホワイトベースやアルビオンより上 ユニットを6体収納可能で、ちょうど周囲のへクスに配置可能 となかなかのスペックを誇る。 立体化 ガンダムシリーズでは艦艇が立体化、ことガンプラになるのは稀だが、アーガマは1/2200スケールの旧キットと1/1700のEXモデルの2つが発売されている。 旧キットは居住ブロックのアームの長短2種類の選択式、EXモデルはアーガマのギミックを一通り再現しているが、どちらも成型色は白一色と高い塗装技術が求められる。 ガンプラ以外だとコスモフリートコレクション、コスモフリートスペシャル、SDならFWガンダムコンバージSBで立体化されているが、どれも現在は入手が難しい。 変わったものではプレミアムバンダイから1/144スケールのHGUC用カタパルトデッキが発売された。 カタパルトの長さは短中長の3つを選べる。 追記・修正をお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] まさかの再登場だよアーガマさんメガ粒子砲が追加されてたからあれは正真正銘のアーガマだよね -- 名無しさん (2014-09-25 02 41 39) ↑ごめん、何に出たの? -- 名無しさん (2014-09-25 07 52 27) ↑ジョニー・ライデンの帰還の最新巻だよ -- 名無しさん (2014-09-25 14 25 48) 載ってるMSは百式か?小さくてよくわからんかった -- 名無しさん (2014-09-25 14 51 26) ↑陸戦型百式とかじゃないかなアーガマまで持ち出して来たんだ俺はもうZプラスやZ三号機が出て来ても驚かないぞ -- 名無しさん (2014-09-25 15 57 55) ニカーヤって名前だけどねー -- 名無しさん (2016-01-15 07 07 54) しかし、設計・運用思想を見ると、ムサイにWB的要素を部分的に付加した感じなのな。 -- 名無しさん (2016-01-19 22 00 52) 機動戦士ガンダム ヴァルプルギスにも同型艦のユーロンが登場 -- 名無しさん (2018-02-27 15 53 52) 対空砲ないのって公式なのかよ!道理でどこのゲームでも積んでないはずだよ -- 名無しさん (2020-03-09 20 06 18) 強襲する前提の設計なのに、対空火器ないあたり遊覧船として作ったんです?てなる -- 名無しさん (2022-07-31 13 27 56) 改装前の場合、火力面はサラミス改と同等以下なんだよな…… -- 名無しさん (2022-09-14 09 18 29) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/nekomimi-mirror/pages/434.html
木登りと朱いピューマ 第11話 -------------------------------------------------------------------------------------- ~ 11 ~ -------------------------------------------------------------------------------------- 触れるだけで切れそうな程の大気が二人だけの間に満ちている。 そこは無論、吐く息すら凍るアウサンカタ山脈の頂上などではなく、 国土中央ワタナ島にある皇館。 つい半日ほど遡って朱奈と芙雪がいたはずの、参内の間。 「【ニヤトコ】の儀、大儀であった」 重厚な声が、張り詰めた空気にさらに錘をつける。 「……」 もう一人の人物は朱色の髪を一房、床にはらりと落としながら、 無言のまま錘に耐えかねたように頭を垂れた。 「申し立てる議があれば、許す」 「御心のままに、陛下」 その声は静まった水面ですら影響を受けないだろう。 まったく覇気が感じられなかった。 「……埒も無い。表を上げよ」 陛下と呼ばれた女性の言は、僅かに苛々とした空気を漂わせた。 一方、朱色の髪の女性は怯えてしまったのであろうか。 上体は起こしたものの、表情は綺麗に切り揃えられた前髪に隠れて見えない。 「ふ。成程、瞳は心を映すとは善く言ったものよ。 妾の瞳を見ることができぬとは……何ぞ後ろ暗い証拠ぞ」 その強烈な眼光はあまりに鋭すぎて、 朱色の髪の女性を突き抜け、背後の板張りの奥まで見透かしてしまいそうだ。 「さては【ニヤトコ】の儀は失敗に終わった、か」 年配の女性はほとんど黒に近い赤黒の髪を鬱陶しそうにかきあげ、断言する。 そして、その髪を飾るのは豪奢な真珠を大小いくつも備えた装身具。 ──それは代々皇后のみが身につける『天の河【カタ・チャリィ】』。 そう、彼女は十代目皇后その人であった。 「……」 反論は無かった。 朱色の女性はまだ年若いピューマ。 圧倒的な迫力に彼女が額を突き合わせて対抗するには、あと何十年も齢を必要とするだろう。 ──「額を突き合わせて」? 驚いたことに、朱色の女性は上座、下座を隔てる御簾ごしに皇后と会話しているのではなく、 上座に招かれたそこで、皇后と向かい合っていた。 すると、彼女は…… 「皇族院会議の決をお聞かせ下さいませ、母上」 そして彼女は皇后を「母上」と呼び、鳶色の瞳を初めて閃かせた。 ご賢察の通り、朱色の彼女はサヤ・ピスカ・ピュマーラ。 芙雪が朱奈と名付けた、ただ一人の女性。 何を思ったか、皇后は面白そうに鼻を鳴らす。 「不安な時ほど早うに結果を求めたくなるもの……」 「母上」 「図星か、妾が娘よ。……そなたを娘と呼ぶのもあとどれくらいかの」 皇后が洩らした半分独白のような言葉は、確かな音量をもって朱奈の耳に届いた。 髪と同じ色の天に向けて起き上がる耳はぴくりと震え、 その震えはぐらりと上半身を傾けさせた。 そして、 「やはり……」 と、言葉にはのせず唇だけで呟いた。 「サヤ・ピスカ・ピュマーラ。そなたに例の件に関する見解を申し渡そう」 「……」 朱奈は観念したかのように再び面を伏せた。 一方皇后は勝ち誇るように胸を張り、娘に伝えるべき文面を練り始めた。 その様は離れて見ても、近づいて見ても、結果は火を見るよりも明らかなようだった。 「三十名中、まず五名」 「…………は?」 何が「まず」なのか、朱奈は訝しむ。 皇族院会議の決議内容を伝えると、皇后は言ったように思える。 自分の母親でありながら、この年になってもこの人は計り知れない。 皇族院会議── 皇后の姉妹のみで構成される最高意思決定機関のうちのひとつ。 議題に関して四分の三以上の賛成があれば可決の運びとなる。 ……実のところは皇后の意思に箔をつけるだけ、という捉え方もある。 自分の娘を完全に放置したまま皇后は満足げに、また一つ鼻を鳴らした。 その髪とほぼ同色の瞳は微妙な揺らめきを浮かべながらも、高圧的に朱奈を見下ろす。 「次いで……これは妾にも意外であった。なんと一息に十一名。妾も入れると十二名」 これはもう完全に自分をからかっている。 朱奈は母親の悪癖に、きりきりと柳眉を逆立てた。 「母上っ!」 冗談ではなかった。 母から【ニヤトコ】の執行を──愛するフユキをその手で壊せ、と──命じられ、 どれほど、この身は悩んだか。 どれほど、フユキは苦しんだか。 それが何故にここまで、命じた本人からふざけられねば、ならないのか。 しかし、皇后は頓着した様子もない。 声を荒げた娘を叱責する素振りすら見せなかった。 何かを思い返すように身振り手振りを交えながら語るのを止めない。 「む。説明が不十分か?何?不十分どころか一分も把握できないとな? もう一度最初から分かりやすく教えて進ぜよう……。 まず五名、ここからであるな。 もうこれに至るまでが長くて長くて、しかもハラハラし通しであってな。 そなたが未熟であるばかりにあのフユキと申すヒトが本当に壊れてしまうかと、一度は思うた。 しかし……これが愛の生み出す奇跡というものであろうな。 あー……えー……と、これぞ。 『あふれて、あふれてっ────朱奈が、好き、なんだ』 ここっ! このフユキの告白でなっ!? あまりの出来事に姉様方、妹様方のうち五名が安堵の涙を落とした、という……」 「……はは、うえ……」 朱奈は再び、表情を前髪の作る影の下に潜ませている。 全身がぶるぶると震え、膝の上で握りこまれた拳はやるせなさという暴力を封じ込めている。 皇后は瞳の揺らめきを、はっきりと面白がるような愉快な煌きに変えて、 さらにべらべらと口を動かし始めた。 「またそれからは、本当に善き睦事であった……。 こそばゆくて、初々しくて…善き哉!実に善き哉っ! この辺りから姉様方、妹様方の内に微妙にもじもじし出す方々がおってな。 次の日…今日であるから、そう、今晩にも。 愛する夫にその潤みきった肢体を鎮めてもらうのであろうな、と。 む。我ながら下品であったな。慎もう……こほん。 加えて、次……妾も入れた十二名であるが……実はな、妾が娘よ。 この辺りになると振る舞い酒に酔うたのと、安心のあまり眠りにつく方々もちらほら、と。 であるから…足して……そう、ちょうど二十名が生存しておった。 妾が蔵から出したチチャの52年物をちびちびと呑っていたところ、どうしたことぞ。 ……ここ、か……もうちと後ろか。 『それなら、俺は保父になろう』 ここっ! これは並のヒトには真似できぬフユキの善さが現れていてなっ!? そこで妾は評した──静かなる勇気ぞ、と。 それが方々には聞こえたのであろ。 次々にはらはらと感動の涙を流して、妾もつい貰い泣きしてしもうた。 つまり、延べ十七名が感涙にむせ返った。どうだ、妾が娘よ。理解したか?」 そして皇后は悪趣味にも再び、例の象嵌物を使って芙雪の音声を再生させた。 ──『それなら、俺は保父になろう』 不粋な装置は皇后に跪くように、与えられた命令をこなしたのだった。 「………………」 見ると、その当事者の内のもう一人は床にへたりと突っ伏していた。 天に向って頼りなくそびえ立つ朱色の尻尾だけが、ふらふらと揺れていて、 『あちら』のヒトが見たら「朱いエクトプラズムが……」と呟くに違いない。 朱奈は怒りを通り越して、力の限り泣き喚きたかった。 頭の中でもう一人の自分が、今の自分を指差して馬鹿にして嘲笑っている。 自分の【ニヤトコ】が見張られたことが悔しいのではない。 二人だけの、自分とフユキだけの物であったはずの幸せな記憶が、 一族中に知れ渡ってしまったことが、何よりも情けない。 「ま……これは些細なことであるが、フユキについての案件は賛成票二十七、棄権三。 よって賛成票多数。フユキを召抱えることを許そう」 「あ……ありがたき…」 辛うじて、朱奈は喘いだ。 「うむ。真に仲良き事ぞ……何より、あー、何であったか。 年のせいか物忘れが激しくて困る……今朝のアレは……どこ、か…」 ぶつぶつと皇后は愚痴をこぼしながら、耳元に象嵌物を当てながら音声を探る。 「これっ!」 『朱奈、ちょっとこっち向いて』 『はい、フユキ──んむっ!』 『──っふ。行ってらっしゃいのキス、だ……がんばって』 「このように仲良く『きす』を交わせるのならば、 キンサンティンスーユの未来は安泰そのものぞっ!」 そして皇后は倒れ伏した娘に向けてそれを突きつけた。 連続再生状態のそれは、 ──『朱奈、ちょっとこっち向いて』と無情にも告げた。 「は、母上ぇっ……」 朱奈は既に涙声。 完璧に降参だった。 「これ、娘よ。皇族たるものがそう簡単に涙を落とすな」 皇后は脱力しきっている朱奈に近付くと、娘の横に寄り添うように座した。 そしてあやすように背中をゆったりと撫でる。 「元よりそなたがいけない」 「なぜ、で、す…ぅく」 指の腹で涙を拭いながら、朱奈は体を起こした。 「【ニヤトコ】を拒否せんから、こうも面倒な事になった」 「は──?」 皇后の口から飛び出た言葉は、余りに危険すぎた。 唯一絶対の君主である皇后の言葉は同じく唯一絶対。 臣に反乱を薦める君主がどこの世界にいるだろう。 誰も逆らえるわけがないではないか、矛盾しているにもほどがある── 絶句する娘を真剣に見つめながら、皇后は続ける。 「もしそなたが【ニヤトコ】を拒否し……そうだの、あの場で 『フユキの爪牙を抜かせはしません、わたくしが彼を絶対に守ります』……などと続けたら、な」 「母上の御意志はわたくしを苦しめることなのですか?」 一度止まりそうだった涙が、またじわりと朱奈を潤ませた。 「む。そなたを試すような形になり申し訳ないとは思う。 しかしヒトを拾うて浮かれていたそなたは、傍から見ていて少々危険であった」 「あ、当たり前です。 絶対に語り合えないと思っていたはずのフユキと……ぐす、浮かれないはずがありませんっ!」 すっかり成長したと思っていたはずの娘が、 こうも簡単に幼い頃のようにめそめそと泣いてしまい、皇后は朱奈の幼少期を懐かしんだ。 (男子に毎日のようにからかわれて……雨どいのように涙を落として…くくっ…) 「面と向かい即座に分かった。フユキは善なるヒトである、とも」 しかしここで下手に笑ってしまえば、朱奈の機嫌をさらに損ねてしまうことを、 皇后は十分に理解していた。 娘の想い人の鹿爪らしい顔を思い出しながら、表情を固める。 「それでもそなたに、ヒトを召抱える責任というものを分かって欲しかった。 ましてやそのヒトがそなたに名付けたのだと、いうのならばな」 母の言うところは不安定すぎて正直、分かりにくかった。 しかし、ただ一つ朱奈に分かるのは ──皇后の本意は、フユキを【ニヤトコ】に処すつもりではなかった、ということ。 「もし、わたくしが愚かにもフユキをニヤトコにて壊してしまっていたらどうしたのです」 「それまでのことよ」 皇后はさらりと言ってのける。 対照的に朱奈は全身を緊張させ、朱色の尾でぱたりと一度床を叩いた。 「ヒト一人守りきれないようで、何が皇族ぞ。 対象がヒトであるだけで…… 対象が民であった場合だけ救えるという、都合の善き話があるものか。 一度責任を回避した者が、皇后を輩出する皇族である必要はない!」 次第に皇后も興奮し始めた。 その隙間無く心をうつ正論に、周りの空気すらその身を引き締めた。 鋭く重い声はふざけた空気を一変させ、 朱奈は自らの母親の持つ、もう一方の顔に尊敬を新たにした。 (しかし、どうして母上はこのように……ころころと態度を変えるのが得意なのでしょう。 振り回される方の身を考えたことがおありかと聞いても……無駄でしょうか) そんな心の内とは別に、彼女の思考はある一点の疑問へと到着した。 「それではニヤトコの目的を、即ちサヤ・クサ様の御教えを、 丸きり無下にしてしまうことになります」 「然り。無下にして構わぬ──」 「な──」 今日は果たしてどのような日であろうか。 朱奈には信じられなかった。 少なくとも皇后の責務という一点においては妥協を許さなかった母が、 一度ならず二度までも、その責務をないがしろにする発言を行った事を。 「ただし、一方のみであるぞ。……妾が娘よ。ニヤトコの目的とサヤ・クサ様の御教え。 この二つが仮に同一でないとしたら何とする?」 皇后に意見を求められ、朱奈は大いに困った。 通常、母と二人で言葉を交わす場合であればそのようなことはないだろう。 会話中であっても話の流れを的確に掴み、 時には冗談を含ませながら受け答えできる自信が朱奈にはある。 しかし、今回はそうもいかない。 今まで同じだと信じていたものが、急に違うと言われて正気を保てるはずがないのだ。 赤と青という色の名前は実は逆で、たった今から赤は青で、青は赤だと言われても、 混乱することしきりであるだろう。 「……そう仰せられても」 無能さを曝け出すような回答しかできずに、項垂れた。 しかし皇后はそんな朱奈の葛藤を容易く看破してこくりと頷き、 「ニヤトコの目的、これは全くの誤りぞ」 勿体つけずに言い切った。 「もう耳に脂がたまるほど聞いておろうが……ニヤトコの目的はヒトの篭絡。 サヤ・クサ様の警告から生み出された閨中術はその手段として伝授される……そうであったな?」 「間違いありません」 しかしそこで皇后は急にくく、と喉を鳴らした。 本人は真面目に話すつもりだったのだろうが、堪えきれずに吹き出してしまったらしかった。 「未だにあの講義の監督は辞められぬ。 ようやく胸の膨らみ始めた年頃の少女が、 頬に真っ赤な羞恥を上らせながら男女の営みについて書木を走らせるのであるからの」 「……母上、相変わらず品がありませんね……」 朱色の髪を大げさに揺らしながら、朱奈は呆れた。 以前リャマにフユキと二人乗りしていた時に洩らしてしまった内容はこの事であった。 皇后はやや特殊な性的嗜好の持ち主で、 男女問わず年若い者を好むことはもう一族中が知っていたりする。 本人は「誰に理解してもらおうとも思わぬ」と臍を曲げるが、誰もが真剣に取り合わない。 事情がどうあれ、皇后の近くに侍る夫たちが全て少年であろうと、 大量の世継ぎ候補を産むという使命を果たしてくれるのであればどうでもいい。 ……これが皇族及び皇后を取り巻く者たちの統一意見であろうことは間違いなかった。 「む。まあ善き哉。本題には関係無きことであるし……んっ、ごほん。 続けよう」 「すると……ニヤトコは実はヒトの篭絡を目的としていない…他に目的があるということですね?」 朱奈が合いの手を入れた。 「うむ。まず、元来この地方は男が治めていた事を思い出すのだ。 女は虐げられるばかり……それは何故」 キンサンティンスーユは皇后サヤ・クサの統治が始まるまで、 三つのスーユに分かれてお互いがいがみ合い、戦乱の世を送っていた。 そこではかつて、皇后サヤ・クサはピューマ王国の王の側室におさまっていたと言う。 「男性の全体的な筋力が女性より優れていたためです。 加えて、神官らによる奇跡の独占。秘教的な儀式による生贄の被害者が主に女性であったため」 「然り。そしてサヤ・クサ様の世になり女上位の国ができた訳であるが、 力の劣った女が男を従えるには……根本的な何か、が必要であった」 「その何かが……ニヤトコ……?」 誤りはその目的だが、生まれた経緯まで皇后は言及していない。 サヤ・クサがニヤトコをもたらしたのは間違いのないことであるから、 朱奈は自ずと推論を口にした。 「聡いな、娘よ。そなたの察した通りぞ。 そして真の目的とは──男の暴力から女を守るため」 「いくらサヤ・クサ様が偉大であろうとも、すべての闇を照らすことは不可能。 仮に皇族を娶った男が凶暴な本性をむき出し、爪を翻して襲い掛かったとしたら何とする? ……犯すであろ……世を恨み、女を従え返そうと思うであろ。 そこで……か弱い女を守るのはサヤ・クサ様がもたらした閨中術。 男はどうも自尊心とやらが強いばかりに、 女にひどくやり込められれば自信を喪失し、おとなしくなるという。 くくっ……ニヤトコは、暴力をもって犯すような慮外者を逆襲する技よ」 「何故、講義で真実を語らないのですか、母上。 最初からそうお教えになれば、何も問題などないではありませんか……」 (つまり……) 朱奈はようやく気付いた。 皇后と自分のニヤトコに対する見解が違ったから例の騒ぎは起こったのだ、と。 彼女は何もかも熟知していて、フユキを夫とみなしながらさしたる行動を起こさなかった娘を けしかけただけなのだ。 ……慎みもない言い方をすれば、とっとと肌を重ねてしまえ、と。 技を駆使してフユキを手に入れてしまえ、と。 (なんて……はしたないことを……) 顔がカッ、と熱を持っていくのを感じる。 偽りの使命を信じ、あれこれと思い悩んだことは全て無駄だったのだ。 しかし一方で朱奈は心がほこほこと温かくなる感触を味わっていた。 そして、さらにそれはぐんぐんと質感を広げ、 そう時の経たない間に踊り出したいような晴れ晴れとした気持ちになるだろう。 謎であった事、理不尽であった事が次々と結ばれる度に真実の縄は長さを増し、 その先には明るく輝く果実があるようだった。 「ふ。無理であろうよ。男女の営みを…心の機微も含めて 膨らみかけの女子が理解できるという、一辺の根拠も見当たらぬわ。 ……加えて、使命感を喚起させなければ羞恥で講義どころではないであろ……ふんっ…」 鼻で笑われてしまったが、朱奈にも十二分に理解できた。 自身の過去を思い返せば済むことだからだ。 皇后サヤ・クサの正体を知らされ、 偉大な業績を残した彼の女性を尊敬し、自身もそうありたいという使命感が無かったならば── (……弱虫のわたくしは、きっと逃げ出していたでしょうね……) 「この秘は代々、夫となるべき者と初夜を迎えるその日に、 皇后が娘に言って聞かせることになっておる」 そして「そなたは順番が逆であるが」と唇の端を吊り上げた。 (ああ、だから姉様たちは傍観を決め込んでいたのですね。 理解していたからこそ、何が起こりうるか、きちんと察しておられた……) 皇館に至る途中で応援してくれた姉妹たちの中に、所帯をもった姉妹はいなかった。 やはり、皇后派に取り込まれているのかと朱奈は仕方なく思っていたが、 よもやこういうことであったとは露とも考え付かなかった。 「そして授けられた技は、愛し合う二人にさらなる深みをもたらす。 睦事がうまく行く夫婦は自ずと、お互いを深く、愛せる……」 そして本当に愉快そうに相好を崩した。 娘たちの幸福を願う、一人の母親の顔がそこにあった。 「善きことずくめ、ということぞ……」 「そもそも房事で人格を破壊できるわけもない。 自我というものは…そこまで脆くはないのだ」 まだ皇后には語りたいことがあるようだ。 そして朱奈にも新たな疑問が生まれていた。 「しかし、現実として悪事をはたらくヒトはいます。どうしたらいいのでしょう?」 すると皇后は頤を押上げて、何かを見上げるようにしながら瞳を閉じた。 まるで祈りを捧げる時のような厳粛な母の顔。 そして母親は娘の肩に手をかけた。 「妾は信じておる。落ちしヒトは例外なく善である、と。純真である、と。 その奇跡とも言える現象に何が働いているのか……全能ならぬこの妾には分からぬ。 しかし……ああ、妾は信じたいのであろな。 大いなる御意思がこの世界を悪しき方向に導くわけはない、と」 皇后の真意だ、朱奈は直感した。 温かい母親の体温に直に触れ、上体を寄りかからせた。 「サヤ・クサ様のお力で世は変化しましたが、民の暮らしは格段に安定したとわたくしは思います。 ……子供たちは皆、笑顔で満ちて、います」 皇后も朱奈に頼られ、娘の頭に軽く頬ずりした。 その背後では二人の尾も仲良く交差していた。 母が娘をいとおしむ、微笑ましい光景。 「さもありなん。……悪意あるヒト、それはひとえにその主人の行いに原因が集約されるであろ。 主人が善なる扱いを施して、ヒトが負の感情を持つわけはないのだ」 さらに強く、頬を押し当てた。 「主人の器量次第なのだ、サヤ・ピスカ・ピュマーラ。否……シュナ、よ」 初めて自分をシュナと呼んだ。 朱奈も思わず母を呼ぶ。 「母上っ!」 「……これより陛下とのみ、妾を呼ぶことを許そう」 それを聞いて、拒絶の意を含み取る者は決していないだろう。 皇后である彼女は何かを、娘に伝えたい。 「陛下……」 「妾は存じていたぞ、朱奈。 そなたが日々を苦悩していたことを。 上の姉は四人とも、下の妹も二人までが「名受け」した中で、 姉妹の序列でそなただけが浮いてしまった、と……。 そなたは幼い頃から夢見がちな女子であった。 いつか自らを「名付け」る素晴らしき男性を夢見ていたであろ。 ……その一方、エルクェ・ワシでの使命をも楽しんでいたはず。そうであろ。 そしていつしか周囲はそなたを次期皇后と見始める者が多く出てきた。 周囲の期待と自らの願望に板ばさみになったそなたを察しながら、 妾は何も……そなたにしてやれなかった。 力足りぬこの身を悔やみもした。 そのような中、そなたは夫となるヒトを伴った。 自らの断で、自らの責をかけて、そなただけの未来を選んだのだ。 そこに皇后となるべき責務から逃れた卑怯さは無い。 伴侶を得るも立派な……女としての責務、ぞ。 一時はその覚悟を試しもした。 しかしもう余計な手を貸すことは無用……そうであるな?」 「シュナ、幸せになるがいい」 胸の奥からつんと突き上げる衝動に、朱奈は素直に従った。 「母上っ!」 頭を動かせば母は寄せた頬を離し、二人は似たような顔を見合わせた。 「……陛下と呼べと、申したぞ」 しかし皇后は慈しむように微笑みながら、そう諭すのみ。 「シュナ。子を為せないという事実。思うよりも大変なことであろ。 些細なことで亀裂を生む小石となりうる。 しっかりとフユキの手綱を握っておくのだぞ」 「確かに、手綱捌きを誤れば一大事でございますね。しかしその必要はありません」 「これ」 珍しくいい事を言ったつもりの皇后は、度を過ぎた色惚けを注意しようとして── 朱奈に手を引かれて立ち上がらされる。 娘の鳶色の目を見れば、どこにも惚けた色は無い。 自信と分別を同時に備えた女の瞳。 「わたくしとフユキはこうして──」 そして朱奈は母親と指を絡ませる。 皇后はその手の意外な大きさに娘の成長ぶりを改めて感じ、 さらに、家事で微かに荒れた掌にこれ以上ないほどの安堵を覚えた。 「──手を握り共に歩んで行きます。 手綱のみで繋がった主人と従者ではありません。 指を絡めれば手綱よりも遥かに、心の内を汲み取れましょう……母上」 同時に朱奈は思う。 (願わくば、交わった腕の下に教え子たちの笑顔があらんことを──) 「陛下と、呼べと申すに」 既に何人か娘の旅立ちを見送ってきたはずの皇后だが、 (やはり、慣れる慣れないの問題では無い……) 胸中に溢れる寂しさは如何ほどであるだろうか。 しかし、それを恥ずかしいとは思えずに甘んじて受け入れる。 そして朱奈は繋いだ手を伸ばしながら、 「母上、わたくしは去ります。どうぞ御覧になっていて下さいまし」 ととっ、と数歩後退した。 「……わたくしは、シュナ。フユキと共に参ります」 見詰め合ったのも束の間。 ようやくにして指を解き、そのままさらに後ずさる。 最後にその美貌に花咲かせると、朱色の髪を翻して参内の間をあとにした。 ------------------------------------------------------------------------------ ~ 11++ ~ ------------------------------------------------------------------------------ 朱奈は走っていた。疾走と言ってもいい。 息が苦しい。 胸の中が半分何かで埋められていて、空気を半分しか吸えない。 けれども、止まらない。止まれない。止まりたくない── それでも構わない。 早く、早く、会いたい。 この時ばかりは、普段疎ましいピューマらしく発達した太腿に感謝したい。 彼の姿を見るまで、この現実が信じられそうもない。 夢なら、どうぞ、ずっと覚めないで── 「フユキっ!」 どうにか我が家の前で静めた息遣いを、さらに押し隠しながら入り口の戸を潜る。 とんっ お腹の辺りに軽く触れて落ちた白い物体を目で追う。 それはとても奇妙な形をした紙のようだった。 「フユキ、これは……?」 腰を折ってそれを手に取った。 一見、絵を飾るときの絵立てにも見える。 しかし傾斜すべきところは直角だった。 仮に絵を飾ったとしても、定まらずに風の一吹きで倒れるだろう。 「ん…?」 首を傾げて角度を変え、観察してみる。 平面部を上とするならば、上面は鋭角な二等辺三角形。 横から見れば、上面に斜辺を接する直角三角形。 全体的に俯瞰すれば紙でできた楔のようだ。 「はて?」 二等辺三角形の頂角を前とすると、 後ろから見た場合、上面の中心から下に直角方向でもう一面が伸びている。 「朱奈。それは紙ヒコーキって言う……わ、あっ」 上面の両端を摘んで左右に開くと、中心でぱくりと割れ、 その内部には折り込まれた部分が見えてきた。 それを引き出すと……なんと一枚の長方形になった。 「カミヒコオキ?」 聞きなれないそれを聞き返した。 「ちょっと貸して……んで、奥の居間に行こう」 いつの間にか近寄っていたフユキが、折り目のついた長方形をひょい、と 取り上げてしまった。 朱奈は彼を見上げる。 芙雪も気付いたようで、にこり、と穏やかに笑った。 朱奈の目にはそんな芙雪の笑顔が何の替えも利かない至上の物に思える。 普段は真面目らしく構えているのに、 笑む時は目尻が下がって、一転、やわらかな印象を相手に与える。 その好ましい落差を見せる笑顔に、『あちら』にいた自分はそう時の経たないうちに、 彼に対する警戒を解いてしまったことを思い出した。 「朱奈……起きてる?」 「は、はい、フユキ」 知らずに見とれていたらしい。 頭を耳ごと撫でてくる彼の大きな手を感じると、自然と愛しい人の背中へ手を回していた。 すぐに彼の匂いが胸いっぱいに広がって、同時に芙雪の腕も自らの後ろへ回されたことを知った。 お互いを抱きしめながら、 「ご苦労様、朱奈」 「……安心します、フユキ……」 朱奈が帰ってきたばかりだというのに、芙雪が落ち着いた風なのには理由がある。 昨日、皇后が朱奈に《蜘蛛糸》の奇跡を行使したのと同じことだ。 《蜘蛛糸》によって朱奈の聞いたことは、全て芙雪へと伝わっていたことに他ならない。 今朝の朱奈はまるで、戦場へ押し出す一人の侍のようだった。 そしてさながら芙雪は侍である夫を送り出す妻のように、 ……勝栗や打鮑の代わりに、見送りのキスで。 そうして出陣した朱奈をまず迎えてくれたのは、彼女の妹たちだった。 途中で待ち構えていた彼女らは、この場に現れない不甲斐ない姉たちを詰りつつも、 協力を約束してくれた。 どうしたものか事情を知って一斉に駆けつけたらしい。 「姉様の良人は私たちが」 朱奈の妹たちは口々にまくし立て、 朱奈たち二人の警護と脱出経路の確保、追捕の兵たちを防ぐことまで画策していた。 朱奈は彼女らを、自分と芙雪の二人のことだからと止めようとしたのだが、 学者肌のサヤ・イスコン・ピュマーラが 朱奈の速力と行使しうる奇跡とを考慮した値を算出し、 その値が満ちるまでの兵の展開数、そして朱奈が独力でそれらを突破できる確率を 淡々を述べ始め── 怖がりで有名なサヤ・イチュンカ・ピュマーラが 牙を緊張でガチガチ鳴らしながら「シュナ姉様」と涙ながらに訴え── ついに朱奈は折れた。 健気に慕ってくれる妹たちに後を任せ、戦場へと向かったのだ。 そして結果は……ご存知の通り。 参内の間を退出した彼女はその後、一人ずつ妹たちに感謝を述べつつ今に至っているわけだ。 「ふ、ぅ……」 短いが、想いをのせたキスが離れた。 そして芙雪は何事か朱奈に囁き、朱奈も了承、と頷くと、手を繋いで居間へと歩き出した。 そこには── 「フユキ……!」 「ああ、記憶はおぼろげだが、やってみると意外と形になった」 足の低い机の上には積み重ねられた紙の束と、 芙雪の作り上げたらしい作品が数多く散らばっていた。 「折り紙、って言うんだ」 朱奈は円座に座り込み、彼の言うそれを手にとって見た。 「エルクェ・ワシには見つからなかったから、多分そうだろうと思っていたんだ。 やはりキンサンティンスーユには折り紙は無いみたいだね」 芙雪も隣に腰を落ち着けた。 朱奈は芙雪の意外な才能に感心するばかり。 ひっくり返したり、構造を確かめてみたり、陽の光に透かしてみたり。 製作者である芙雪は朱奈の興味津々な様子に気を良くした。 「全部、一枚の紙から出来てる」 「えぇっ! この鳥も、この……花、も?」 「一緒に作ってみようか」 芙雪はつい今しがた、息を切らせた彼女が分解してしまった紙を取り出した。 くっきりと折り目がついているので、初めて折り紙をする朱奈にも楽だろう。 そして自らは手元から新しい紙を一枚めくった。 「こうやってまず……半分に折る」 「…はい、フユキ」 朱奈の指の運びはぎこちない。 しかし、折り目のおかげで容易に、二機の紙飛行機が完成した。 「それで、こうして持つ」 「こう、ですか?」 「そうそう……で、飛ばす」 つい、と風に乗ってそれは空を滑空し、戸を抜けて向こうの部屋へ姿を消した。 「フユキっ!」 呼ばれて彼は視線を彼女に戻した。 しかし、 「ヒトは風を……いつから風を操れるように、なったのです」 耳まで伏せて怯えていた。 「あははっ、そんな大層な物ではないよ」 (いや、何も道具を使わないで遠距離通信ができる奇跡とやらの方が、すごい、と思うが) 芙雪は彼女の不安を吹き飛ばすようにからりと笑う。 そして頭を抱えて雷を怖がる子供のようにしゃがみこんだ、朱奈の耳に一瞬だけ唇を触れた。 「朱奈もやってみたらいい。飛ぶから、それ」 「またフユキはわたくしをだまして……」 にやにやとした芙雪と紙ヒコーキとやらを、朱奈は交互に見比べた。 それでも好奇心を抑えられなかったのか、 徐々に起き上がってくるピューマの耳に連動するように、芙雪を真似て腕を振った。 「わっ……すごい、です……」 朱奈の初飛行は見事成功して、彼のそれが消えた部屋へと同じ軌跡を辿って消えた。 朱色の彼女は武道の残心をとるように手放した姿勢を保ち、 己の指先を何か不思議なものを見るような目で見つめていた。 「このように軽い紙を球のように丸めるでもなく、あれだけ放れるなどと……」 そして「信じられません」と呆然とした。 「保父になるのなら、どうやって子供たちに興味を持ってもらおうかな、てね。 なんとなく思い出してみたんだ。……朱奈も夢中になっていたようだし、少し自信がついた」 「それで、この紙工作を?」 かなりの種類の作品が出来上がっていた。 芙雪は「うん」と言葉だけで頷くと、胡坐をかいた上に彼女の腰を引き寄せた。 「む」 まったく前が見えなくなることに気付くと、足を崩して前に投げ出し、朱奈の位置をやや下げた。 ちょうど後ろから包み込むような姿勢だ。 一方の朱奈は彼のすることに抗わずにしたいようにさせていた。 体重を芙雪に預け、うっとりと頭を擦りつける。 「……さっき、朱奈の妹さんたちに言われたよ、姉様を頼みますって」 しばし彼女の体温を懐かしんだ後、芙雪は話し始めた。 みな朱奈にそっくりだった。 もちろん、顔形のことではなく纏う雰囲気そのものが。 一人ひとりが荒野に一輪だけの花のような気高さを放ち、その瞳は真剣だった。 芙雪はそれに圧倒されないように立ち尽くすのが精一杯で、まともに会話することができなかった。 ただ一言「心、から」と答えるのが関の山だった。 「……最高の、妹たちです」 「そうだね。俺もそう思う。それで…これも。あなたは何が為せるのですか、て……」 保父になろうと決めた芙雪ではあったが、 具体的にどうと答えられるほど考えを煮詰めてはいなかった。 その質問した朱奈の妹の一人も「落ちた」ばかりだということを思い出したのだろう。 ……もしくは、気付いていないフリをしていたのかもしれなかった。 去り際に、 「じっくりと確かめさせて頂きます。ヒトの覚悟と言うものを……」 と薄く笑ったのだった。 そして……姉妹たちがこの家を離れた後、 部屋に戻って色々と片付けをしながら芙雪は考えた。 ぴりぴりとした冬の朝のような緊張感をその体に感じながら、彼は思いを馳せたのだ。 「……ほら、できたよ」 朱奈の肩から覗き込むようにしながら、芙雪は彼女の目の前で作品をもう一つ仕上げた。 「ん…舟、でしょうか?」 「正解。それでここを持ってて」 彼は彼女に舟の帆の部分を持たせる。 「で、目つぶって」 「はい、フユキ」 朱奈の手には微かに紙が動く様子が伝わってくる。 「目、開けていいよ」 「はい……あ、ら?」 不思議なことに、帆をつまんでいたはずの指は今や舳先の部分を掴んでいた。 芙雪からそれを引ったくると繁々と見つめる。 「……ああ、なるほど。ここが…こうなって、どこの尖りも同じ形ですから……」 仕組みを見破られた芙雪は、別段悔しそうでも無い。 「『だまし舟』。そのまま、さ。本当に子供だましだけどね」 ひょいと覗き込むと朱奈は既に構造を理解したようで、 自分で交互に帆と舳先の部分を交代させていた。 散々いじくり回した後、わずかにためらい……『だまし舟』をあらぬ方向へ投げ捨てた。 「朱奈…ひどいな」 「これは飛ばないのですね。ごめんなさい、フユキ」 そしてそれを取り戻そうと這い出しかけたが、芙雪は許さない。 「……もう、離さないから」 上から降ってくる声音は真剣な空気を孕んでいた。 「……わたくしも望む処、です」 幾分低まったその声は耳の奥に心地よく重めに響く。 ……ふと、斜め上から芙雪が近付いて来たことを感じた。 朱奈は頤を反らせ、数瞬後には触れるであろうその温かい感触を待った。 ──と、その時。 強めの風が彼らの家を通り抜けた。 それは机の上の紙束をぱらぱらと吹き飛ばし、 様々に加工された紙を引きずり、床に次々と落とした。 季節は雨季を過ぎて収穫期に入る、その報せの風だった。 これより後、芙雪もこのような『こちら』の世界の理を次々と知るだろう。 そして、この落ちしヒトを芙雪と呼ぶのも、 それに芙雪が名付けたピューマの女性を朱奈と呼ぶのもこれきりにしたいと思う。 もう二人の日常はこのキンサンティンスーユに移ったのだから、 ──彼をフユキ、と。彼女をシュナ、と。 ああ、けれども。 彼が妻を呼ぶときに「朱奈」と呼んでしまうことだけは、許して欲しい。 終。
https://w.atwiki.jp/scbl/pages/6.html
基本 スパイチームはPCのハッキングを実行したスパイが「ハッカー」となり、ハッキング開始から一定時間、ハッキング進行度が100%になるまでエリア内で傭兵から隠れて生き延びなければならない。 エリアの外と内側はハッキングを開始すると光の帯で区切られていて、ハッカーがエリア外に一定時間とどまるとハッキング失敗となる。 エリア内のハッカーが傭兵に殺されるとハッキング中断となるが、一定時間内にほかのスパイが再度ハッキングをすればハッキング進行度が引き継がれ、そのスパイが新たな「ハッカー」になる。 ハッキング失敗となるとハッキング進行度は0%に戻されてしまう。 ハッカー以外のスパイは死んでも構わないので、防衛者として傭兵を殺したり囮となって注意をひきつけたりする。 PCはABCの3箇所にあり、1つをハッキングしている最中は他のPCはハッキング対象外となる。 制限時間内に何台のPCをハッキングできるかを競う。ただしハッキング進行中に制限時間が0になった時には、ハッキングが完了か失敗になるまで試合が伸びる。 2チームはスパイと傭兵の役割を入れ替えて両方の側で戦い、ハッキング進行度が多いほうが勝利。両チームが3台とも100%の時はドロー。 知っておくと良い対戦テクニック&知識 835 名前:なまえをいれてください[] 投稿日:2013/10/14(月) 19 04 09.59 ID 78rtzQWm [5/15] 知っておくと良い対戦テクニック&知識 傭兵側 ①足場地雷 対戦を一度でもした人なら分かるが、スパイは近接攻撃がとても強い。そんなときの対抗策として有用なのが、「足場地雷」である。 それは、スパイに向けて発砲する際に足元に地雷を置いてから攻撃するというもの。 この技は、爆発の時に地雷の真上に立っていた場合自分も死んでしまうが、スパイを道連れに出来るので「ただ殺られたくない」という方にオススメ。 地雷から少し離れて立っていた場合はスパイだけ死ぬことが多いし、スパイの近接攻撃に対する牽制にもなる。 欠点として、スパイにオーバーロードスーツを使われた場合は地雷は爆発する。 その際自分や味方が地雷の至近距離にいたら、アーマーにもよるが死ぬ。 ②溜めフラグ スパイ側の「ドロップアタック」は追尾力があり、非常に強力。であるから慣れたスパイ側は高所を陣どる場合が多い。遠くからは狙い撃てず、倒すために近寄ればドロップキックをしてくるのでタチが悪い。 ここで、傭兵側でオススメなのが「フラググレネードを溜めて(R2押しっぱなし)から空中爆発を狙うことだ。逃げる間もなく爆殺出来る。 また、敵が近接攻撃をしてきた場合にそのままフラグを落とすので道連れキルも狙える! 投げる場所の目安としては、味方が殺られた辺りの上部、今まで何度も殺られた場所、入口付近の上部(熟練スパイは、入口付近で待ち構えることが多い)など。 欠点として、トロフィーシステムには無力。 ③UAV 簡単操作の自爆型ラジコン。これを使いこなせるかで傭兵側の勝率は変わる。 UAVから10M程度以内のスパイをスポット(赤く表示)する。その際、カシャ!という音がする。テテッ!て音と画面中央にバツが出た場合は、敵がゴーストヘルメットを装備しているため、スポットは不可能。 注意点として、操作中は完全無防備。仲間の近くで使う、地雷を近くに置くなどの対策をオススメする。(足元に置いてしまうと、敵のオーバーロードで自分が吹っ飛ぶのでやめといた方が良い。) あと、使用の際しゃがむのはお勧めしない。 欠点として、敵のオーバーロード、EMP、トロフィーシステムには無力。 ④アドレナリンバックショット これは個人的によく使うテクニック。 傭兵側はスパイより足が遅い。ので、普通に走って逃げても追いつかれて近接攻撃をされる。 しかし、アドレナリンスーツ(足が速くなる効果あり)を使って全力疾走してからの突然振り返りをすれば、追いつけなかった敵がたびたびいるので撃ち倒そう。 ⑤味方との連携 このゲームは4vs4という少人数のため、味方の動きを見ることがとても重要。 右上のキルログは常にチェックして、味方の死亡位置を確認する。スパイによる近接攻撃が主な死因なので、必ず近くにスパイがいる。味方の死亡位置に出るドクロマークは見逃さないように。 あとは、お互いを視認出来る位置どりを心掛けること。1人になれば、手練れしか生き残れない。 試合に勝利したくて、もしフレンドがいるのであれば一緒に戦うことを勧める。ボイスチャットがあれば、敵位置の共有がスムーズに出来るのでおすすめです。 ⑥クリアリング FPS視点である傭兵は、スパイと比べてクリアリング(敵の発見)が難しい。視点移動の速さは、出来るだけ速いほうが好ましい。 手練れスパイは、後述するステルス迷彩&ジグザグ走行を使ってくるため、視点移動が遅いと接近されて死ぬ。 ハッキング中エリアに突入する際、クリアリングは入口の上下左右→ 部屋のぶら下がれる上部→地上の四隅や小部屋と見ていくのが良い。 入口付近には特に ⑦地雷を壁にセット スプリンターセルの対戦に慣れたスパイでも、かなり引っかかります。試して見ましょう。 ⑧初心者お勧め傭兵装備セット(私見) 頭 フラッシュバンガード(フラッシュバンを使う人は少ないが、念のため。アーマーでも) スーツ アドレナリン(視野が明るくなるのと、高速体力回復は有利。) 腕 アーマー ズボン ガジェットズボン ブーツ スプリントブーツ ゴーグル モーションセンサー(表示領域が大きく、音で敵接近を知らせてくれるため。慣れれば他のを。) 武器 ライフルを好みで。サプレッサーは着けないほうがよいかも 近くの敵を捌き切れないひとはM1014ショットガンがお勧め LMGはいらん ガジェット センサー爆弾、フラグ 対戦テク&知識 スパイ編 ①撃つな! 傭兵は重装備のため、ヘッドショットが狙えない人では撃っても大抵負けます。キャンペーンの重装備兵と同じです。 近接攻撃がメインだと考えましょう。 ただし、こちらの被弾面積が極めて低い場合(ぶら下がり状態からの射撃など)では、むしろガンガン撃って大丈夫です。1番威力の高いSCビストルを使ってください。 また、サプレッサーは必ず装備しましょう。 ②ドロップアタック最強伝説 空からの死、ドロップアタック(DA)はかなり強いです。 結構な高さがあったとしても、また少々傭兵と距離が離れていた場合でも追尾してキルします。 手練れスパイは敵に近距離から撃たれてる最中でも、近くに登ってからドロップキックを使います。ダッシュから近接攻撃では相手が倒れるだけで、こちらが死ぬという場面が多いですが、ドロップアタックにはありません。(ショットガンなら撃ち落とすことも一応可能) ハッキング中、走り回るよりも上方にてDAを狙った方が良い場合が多々あります。防衛者は入口付近の上部がおすすめです。 特に、ハッキングが六割を越してくると傭兵側も焦るので、クリアリングも疎かになります。そんな時はDAが面白いように決まるので狙ってみましょう。 注意点としては、UAVに無力なのと前述した「足場地雷」を使われているとスパイだけが死ぬことがあるので注意しましょう。 ③ステルス迷彩&ジグザグ機動 敵に近距離で見つかり、逃げる事叶わずな場合は近接攻撃を挑む事になりますが、まっすぐ突っ込むのは愚の骨頂です。 ギリースーツ着用であれば、起動してからジグザグ機動で突っ込みましょう。 傭兵側から光学迷彩は視認が難しいので、被弾確率が下がります。初心者には勧めませんが、スライディングを織り交ぜるとさらに成功し易くなります。 手練れスパイのスライディング接近は脅威です。ショットガンに切り替える事も考えましょう。 ④スタンクロスボウ これを使いこなせれば、近接成功率はうさぎ上りです。 相手が2人でも、片付けられます。私はよく1人近接→2人目が気づいたところにスタン→近接攻撃をします。 弾速が遅いので、当てるには慣れが必要ですがスパイの殺傷武器はSCピストルで何とかなるので、是非使ってみて下さい。 欠点として、アドレナリンを使っている傭兵には一瞬しか効きません。また、外した場合のリスクも大きいので、慣れてきたスパイにお勧めします。 ⑤ハッキングエリア外で妨害 ハッキングが開始された場合、ハッカーはエリア内に留まる必要があります。残りの三人は防衛者になりますが、全員でエリア内にいるのはお勧めできません。 誰かはハッキングエリア途中の道で妨害をしましょう。たとえ倒せなくとも、傭兵側にとって「後ろにも敵がいる」というのはかなりのプレッシャーです。 さらに、傭兵側は慌ててハッキングエリアに走る場合が殆どなので、曲がり角での待ち伏せ近接が高確率で決まります。この際、カバーをするのはやめましょう。 またハッカーを守るためには、防衛者はわざと気を引くのも有効です。射撃、スティッキー、フラッシュバンなどを使いましょう。 ⑥ガジェット活用 スパイは傭兵と比べ、銃火器が弱い。ですのでガジェットの活用が重要となる。 スパイ側唯一の爆発物、スティッキーは活用次第ではかなり有益となる。特に、連携を考えツーマンセルを組んだ傭兵をまとめて爆殺出来るのは大きい。 ただスティッキーは投げた時に大きな音がするので、前以て敵の通りそうなところに設置しておくのが好ましい。 フラッシュバンはフラッシュガードをつけていない傭兵には効果抜群である。スモークは逃走の際にクイック使用を心掛けよう。 初心者にお勧めしたいのはEMPグレネードだ。地雷の発するピッという音や、UAVの飛行音が聞こえたらとりあえず投げればいい。 相手の視界を若干歪める効果もある。活用して行こう! ⑦スパイゴーグル スパイは三種類のゴーグルが使える。サーマル(熱感知)、EMF(電磁探知)、ソナーの三つだ。 初心者はソナーがお勧め。探知距離が長いので、傭兵の接近に気づきやすい。 UAVドローンや地雷は感知出来ないため、対応したい人はEMFを使おう。 他二つのゴーグルの視界が見づらい人は、サーマルを。近距離をリアルタイムで確認する事が出来る。 注意点としては、使用中は敵のRFDに探知される。ゴーグルを頻用するスパイはヘッドギアを潜入ヘルメットにしよう。 ソナーゴーグルに限って言えば、マップを覚えたら常時オンでも構わない。(無論、地雷の作動音がしたら解除し、目視確認推奨) 壁など全て透視するので、一方的に傭兵の位置を知れるのは大きなアドバンテージになるだろう。 ⑧近接攻撃を狙うタイミング 近接攻撃には様々なモーションが用意されており、速度が異なります。体感的なものですが傭兵の側面や背後からの近接攻撃は速く、正面からの近接は遅い気がします。 よって、近接攻撃は敵の側面や背後から仕掛けるよう心がけましょう。 相手が2人なら近接で捌くことも可能ですが、3人以上は味方の援護なしでは厳しいでしょう。 また、UAVを使用している敵に近接攻撃をしたい気持ちはよく分かりますが、地雷がある場合を考慮して銃撃で倒した方が安全です。 テイクダウングローブは必ずつけて下さい。 曲がり角でカバーして近接を狙うスパイが良くいますが、カバー体勢からの近接は成功しにくいです。 さらにカバー体勢は足などが傭兵から見えていることが多いので、傭兵側は曲がり角のスパイを発見したら、ダッシュして近接攻撃が有効です。アドレナリンダッシュなら成功率があがります。 ⑨味方と歩調を合わせよ 傭兵にもスパイにもいえるんどすが、少人数での対戦なので、味方の装備確認は極めて重要である。 例えば傭兵側が皆同時にUAVを使い始めれば、スパイ無双が始まってしまう。またスパイ側が全員ギリースーツだとすれば、地雷や敵UAVに弱くなる。 味方にギリースーツが多ければ、自分はオーバーロードにするなどの配慮で勝率は上がるので留意せよ。 ちなみに、傭兵側のUAV+ディスラプタースーツのコンビは非常に厄介。トロフィーーシステムやオーバーロードが無効化されるので、UAVに蹂躙されかねない。ディスラプター持ちを防衛者は速攻で潰す必要があると思われる。 ⑩立体機動で翻弄を 傭兵側はFPS視点です。上と下同時には見れません。この隙を突くために立体的機動を心がけましょう。 傭兵の持つ銃の角度で、今どこを見ているかの確認が出来ます。また、入口などの左右は同時には確認出来ないので、右を見てるところを左から攻撃するのも有用です。 心理的な要素ですが、一度見て居なかった場所はしばらく見ません。ハッカーは敵が一度確認した場所に隠れるのも良策でしょう。登ったり降りたりを繰り返すことで敵を翻弄する事が可能です。 また、強力なDAも狙えるので、高低差を利用した立体機動はメリットが大きいです。 留意すべきは、着地音は傭兵のセンサーに反応するものがあります。また、高所ではUAVからの逃避が難しく、下に逃げようとしても着地硬直中にやられるので注意です。 その11 トロフィーシステム活用法 傭兵の強力なUAVに対抗するのが、トロフィーシステムです。このガジェットはUAVと投擲物を散弾で撃ち落としてくれます。傭兵側はトロフィーを見つければ、大抵は射撃にて破壊を試みるのでその隙に近接攻撃が狙えます。 とても強力な装備ではありますが、欠点があります。傭兵のRFDに問答無用で探知されることです。 RFDを装備した敵がいる場合、トロフィーシステムのすぐ近くにハッカーが隠れているとすぐにばれます。設置位置は良く考えておきましょう。 ただ、RFD探知とゴーグルを使ったスパイの表示の仕方は同一なので、考え方を考えれば有効な囮と化します。 推奨場所は入口の近く、障害物のない開けた場所です。 その12 理想のパーティー編成(私見) スーツの能力はどれも強力なのですが、偏ると弱くなります。主観ですが、良いパーティ編成を書きたいと思います。 スパイ側 ギリースーツ2人 オーバーロード2人 傭兵側 UAV2人 アドレナリン、ディスラプター1人ずつ 理由 スパイのギリースーツはとても強力です。攻撃、逃走、撹乱全てに役に立ち、傭兵側からしたら悩みの種です。 しかし、ギリースーツで攻勢に出る場合UAV対策が難しくなるので、オーバーロード着用者が1人か2人いるだけでかなり違います。 ハッカー役は、出来ればギリースーツ着用者が担った方が良いでしょう。オーバーロード発動は、「目に見える」ため手練れには位置を掴まれてしまうからです。 傭兵側については、前に書きましたがUAVの機動性とその強力さが理由の一つです。 ただし、これは単体ならそこまで脅威ではなく、アドレナリンで地上を走り回る敵と、ディスラプター着用者との組み合わせで凶悪なものとなります。スパイはゴーグルで敵の位置を確認することも、トロフィーなどでUAVを落とすことも叶わず足音に怯えることになるのです。 その13 魔の入口 ハッキング中のエリアに突入する際、入口上部にスパイは良くいる事は前述した。 理由としては、ハッキングによる焦りで傭兵が警戒しにくいのと、入口で味方がやられているのをみた傭兵が入口手前で恐怖し、立ち止まるため時間を稼ぐ事が出来るからだ。 無論、対処法はある。 ①DAが出来ないギリギリから、敵の尻に発砲する ②別の入口に迂回 ③溜めフラグ、地雷、ガスグレネードで死なば諸共! ④ショットガンで殺られる前に撃ち落とす(熟練者用) ⑤入口近くでUAV(推奨) ⑦わざと突っ込み、殺られる前にイケメン味方に倒してもらう。もしくは味方を先行させ犠(略) ⑤についてだが、近距離でUAVを使われるとオーバーロードは間に合わない。間に合ったとしても、大抵UAVの爆発に巻き込まれて自爆扱いになる。 逃げようにも掴まり移動は遅く、下に逃げるにも着地硬直中にドン!である。 余談だが、ハッカーは入口から遠い上座の方が好ましい。入口付近の陣取りは防衛者に託そう。 その14 ハッカー防衛 昨夜のスパイvs傭兵の試合の話になるが、味方が四人生存しているにもかかわらず、ハッカー(私)しかエリア内に居ないという事があった。 残りの三人はきっと途中の道で足止めを試みてくれていたのであろうが、他の道から傭兵が3人入ってきていて、奮戦虚しく98%で停止させられてしまった…。 本題に入るが、ハッキングエリアはそんなに広くない。くまなく探されれば、ハッカー1人では無力だ。ので、防衛者は積極的に排除を試みる必要がある。 極端に言えば、防衛者は隠れる必要性が薄い。むしろわざと敵ゴーグルに映るように行動した方が良い場合もある。走る、射撃、投擲なんでも良い。 ただし、ハッカーの近くで交戦するのは止そう。ハッカー自身による交戦は最終手段である。 理由として、「ID遮断ズボン」を着用して居ない場合「ハッカー」と名前の部分に表示され位置がバレるからだ。 例外として、防衛者が殺られそうな時は援護(スタンクロスボウやスモーク)をすべきである。助けられる仲間は助けよう。 合わせてその22 アーマー考察 基本的に傭兵はそこまでアーマーを重視しなくて良いでしょう。大抵のスパイはあまり銃撃を行いませんし、近接攻撃で死ぬのが主だからです。 ただし、「足場地雷」やスティッキーの爆発に耐えられるかどうかもアーマー依存ですので、自分の戦い方と敵によって考えましょう。また近接攻撃多用者はアーマーを多めにすると、突進中に撃たれて死ぬ事が減ります。 スパイ側に関しては、多少アーマーがあった方が良いでしょう。敵傭兵の腕前によりますが、逃走の際1、2発多く耐えれるというのはメリットがあるからです。 と言ってもヘッドギア、グローブはアーマーにすると不利なので他二つに妥協をするのが基本となるでしょう。 スパイの初心者お勧め装備の一例を下に書きますが、あまり自信がないので話半分に聞いといて下さい。というかこのゲームは装備の強さが三竦みになっているので、状況に応じた選択が大事です。 ゴーグル ソナー 頭 潜入ヘルメット ジャケット オーバーロード 腕 テイクダウングローブ ズボン アーマー 足 スプリントブーツ ウェポン UMP45,SC400 ピストル SCピストル
https://w.atwiki.jp/kikakubu4/pages/72.html
kyotsu.hの作成 kyotsu.hの解説 kyotsu.hの作成 メモ帳に以下の内容を書き、kyotsu.hという名前でcc65/includeに保存します。 ///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////// // 2010.11.30 ver 0.02 // 企画で使うなり個人で使うなり似るなり焼くなりお好きにどうぞ。 // ----------------------------------------------------------------------------- // なん実企画部 // http //www37.atwiki.jp/kikakubu4/ ///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////// //アタリ判定(長方形) char HitBox(unsigned char ax1,unsigned char ay1,unsigned char ax2,unsigned char ay2, unsigned char bx1,unsigned char by1,unsigned char bx2,unsigned char by2) { if (ax1 bx2 bx1 ax2 ay1 by2 by1 ay2) { return 1; } else { return 0; } } //アタリ判定(円形) char HitCircle(unsigned char ax,unsigned char ay,unsigned char adiameter, unsigned char bx,unsigned char by,unsigned char bdiameter) { unsigned char w,x,y,z; x = ax + adiameter / 2; w = bx + bdiameter / 2; if (x w) { x -= w; } else { x = w - x; } y = ay + adiameter / 2; w = by + bdiameter / 2; if (y w) { y -= w; } else { y = w - y; } z = (adiameter + bdiameter) / 2; if (x * x + y * y z * z) { return 1; } else { return 0; } } //配列比較 char memcmp(char *a, char *b,char len) { unsigned char i; for (i = 0; i len; i++) { if (*(a + i) != *(b + i)) { return 0; } } return 1; } //配列複写 void memcpy(char *a, char *b,char len) { unsigned char i; for (i = 0; i len; i++) { *(a + i) = *(b + i); } } //配列複写(開始アドレス指定) void memcpyfr(char *a, int afr, char *b, int bfr, char len) { unsigned char i; for (i = 0; i len; i++) { *(a + afr + i) = *(b + bfr + i); } } //待機処理 void Wait(int cnt) { unsigned int i; for (i = 0; i cnt; i++) {} } kyotsu.hの解説 HitBox:アタリ判定(長方形) 1=衝突 0=なしax1,ay1:キャラ1の左上座標 ax2,ay2:キャラ1の右下座標 bx1,by1:キャラ2の左上座標 bx2,by2:キャラ2の右下座標 HitBox:アタリ判定(円形) 1=衝突 0=なしax,ay:キャラ1の左上座標 adiameter:キャラ1の直径 bx,by:キャラ2の左上座標 bdiameter:キャラ2の直径 memcmp:配列比較 1=一致 0=不一致*a,*b:比較する配列のポインタ len:比較するバイト数 memcpy:配列複写*a,*b:複写する配列のポインタ len:複写するバイト数 memcpyfr:配列複写(開始アドレス指定)*a,*b:複写する配列のポインタ afr,bfr:複写する配列の開始アドレス len:複写するバイト数 Wait:待機処理cnt:待機する数