約 10,900 件
https://w.atwiki.jp/tea42/pages/25.html
#blognavi 元より無いおつむに色々ぶち込むために図書館やらで色々調べているのですが、 あまりに量が多く大変です orz しかし知れば知るほどエマの面白みがどんどん増してきます。 不思議なものです・・・ トップの絵の元絵ですが、かなり前(1年以上前、2年かな?)にあった、 ブリテッィシュロマンスコミックフェアに配布されていたものに掲載されていたも。 カテゴリ [雑記] - trackback- 2005年04月10日 12 48 19 名前 コメント #blognavi
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1784.html
数年前の特撮を元ネタにした話です。 登場人物で虐待お兄さんをバカにしている訳ではありません。 避難所で突き動かされるものを感じて書いてしまいました。 直接的な虐待描写は大してありません。 初投稿につきお目汚しにならない様願っています。 ゆっくりイマジン ここは人里離れた森の奥。ここにはゆっくりなる饅頭生物が棲みついていた。 時は秋。ゆっくりが冬に備えて食糧を集めに奔走する季節でもある。 大き目の洞窟の中に、わずかな食糧を前に苦悩するれいむ種が一匹。 「ゆっ、ゆっ…どうしよう、ごはんがぜんぜんあつまらないよ…」 このれいむもそのゆっくりの一匹だった。 しかし成果は芳しくなく、とても冬が乗り切れる程の備蓄ができる目処は立っていない様だ。 このれいむ、もはや成体と呼べるサイズでありつがいや子供がいてもおかしくない段階だが、 理由あって一匹で暮らしていた。 最も、この状態では家族がいたとしてら確実に冬篭り中に一家全滅であろうが。 「どうしよう…このままじゃふゆがきちゃうよ…」 普通のゆっくりであったら「ふゆがきてもなんとかなるよ!」などと根拠のない自信でここまで危惧を抱くものはいない。 そう思うのは知能の高い個体であるが、このれいむは冬篭りに対して漠然とした恐怖心を持っている様だった。 「ゆう…」 そんな溜息をつき、悲嘆に暮れる彼女の背後に、奇妙な光球が飛来する。 れいむ自身にも気付かぬまま、光球はれいむの体内に吸い込まれる様に消えていく。 その瞬間、れいむの足元(底部)から砂の粒の様なものが突然噴き出した。 『お前の望みを言え…!』 「ゆゆっっ!!??」 れいむの目の前に、突如として砂の粒で構成された人の様なものが姿を現した。 上半身のみを地面から突き出し、奇妙な事に下半身はその頭の上に空間を飛び越えた様に姿を現している。 『お前の望みを言え。どんな望みも叶えてやろう。お前の払う代償はたったひとつ…』 「ゆっゆあああぁぁああぁあ!!!!」 れいむは怯えて後ずさりした。その奇妙な光景もさる事ながら、 その目の前の存在がとても恐ろしい姿だったからである。 人間の姿をしているが、髪型はモヒカン狩りで見るからに悪党そのものの人相。 半裸同然の姿で素肌に鋲や棘のついたプロテクターを身に纏い、腕には手斧まで持っている。 某世紀末漫画に登場する様な、偏見で絵に描いた恐ろしい人間の姿だった。 よほど頭の悪いゆっくりでもなければ、怯えないはずが無い。 『どうした、望みを言えと言っている。どんな願いでも叶えてやるぞ』 「ゆっ!?のぞみ!??」 ゆっくりは目の前にある自分の利益に非常に目敏い。 どんな状況下にあっても図々しい要求をしてくるゆっくりがいるのはそのためである。 目の前の怪異の発した甘い言葉に反応するのは当然の成り行きだった。 「れ、れいむはあまあまがほしいよ!!いっぱいのあまあま!! ふゆのあいだ、かぞくがまいにちむーしゃむーしゃしてもたりるくらいだよ!!」 『あまあま?…つまりお前は甘い物が欲しいのか?』 「あまあまはあまあまだよ!!いっぱいもってきてね!!!」 『ふむ…いいだろう。契約成立だな』 途端に砂の塊だった目の前の存在は人間に変化した様に色を帯び、形を形成した。 彼らは望みを聞き入れ、契約を成立させる事で実体を得るのである。 『冬が越せるほどの沢山のあまあまだったな。待っていろ、すぐに集めてきてやろう』 「ゆっくりりかいしたらはやくしてね!!!」 れいむの図々しい言葉に反応する事なく、それは洞窟を飛び出していった。 そして間を置いて、れいむは我に返り冷静になった。 思わず勢いに任せてあれこれと言ってしまったが大丈夫だろうか。 あんな恐そうな人間?が本当に言う事を聞いてくれるのだろうか? そもそもそんな虫のいい話などあるものか? ゆっくりらしからぬ様々な不安がれいむの頭を駆け巡った。 しかし考えても仕方がないという結論にやがて達し、一休みすると再び狩りに向かった。 場所は移り変わって、先程の世紀末漫画悪党に似た存在が森の中を歩いていた。 彼らは「イマジン」と呼ばれる存在であった。 イマジンとは未来からとある目的の為に現代にやって来た未来人の精神体である。 彼らは実体を持たないため、現代の人間に憑依し、人間が記憶に持つ物語等からイメージを利用して実体を作り出す。 彼らがイマジンと呼ばれる所以である。 恐らく今の姿はゆっくり達に伝えられる恐い人間のイメージを利用した結果形成されたものだろう。 虐待お兄さんに失礼としか言い様の無い姿であるが、ゆっくりにとって恐ろしい人間とはこの位極端なイメージなのだろう。 イマジンは憑依した存在と契約を交わす事でそのイメージ体を実体化させる。 そうして得た体で契約を遂行するために行動を始めるのだ。ある目的の為に。 『大量のあまあまか…ならばする事は決まっているな』 イマジンは人里に向かう事なく、さらに森の奥を探索していく。 そこで見つけたゆっくりの家族の巣穴を眺めた。 日は暮れ、冷たい風が吹いてくる。日が落ちれば捕食種の活動する時間帯となる。 ゆっくりが野外で活動する時間はもう終わりである。 いつぞやのれいむ種も口にいくらかの食糧をくわえて自らの巣に戻ってきた。 「やっぱり、ぜんぜんたべものがあつまらないよ…」 口から地面に置いたのはカサカサになった乾いた草の束、小さな虫の死骸と粗末なものだった。 味も量も論外である。このようなペースではまず冬篭りは不可能であろう。 『遅かったな。待っていたぞ』 「ゆっ!?」 溜息をつくれいむの前にいたのはあのイマジンだった。イマジンは手にしたバケツを乱暴にひっくり返した。 重量感のある黒い塊がドサリと転がり、それと同時に甘い匂いがれいむの鼻を刺激する。 「ゆ…ゆうぅぅーーー!!!あまあまだよおぉぉーーーー!!!」 脇目も振らず、れいむはあまあまの塊にかじりつく。 「うっめ!!めっちゃうめ!!し…しあわせぇぇぇーーーー!!!」 れいむ種がしない様な下品な言葉遣いであまあまに貪りつく。 噛むごとに甘さが口全体に広がっていく。れいむにとって久しく忘れていた食事の幸福である。 その食い散らかしながら食いつく様はまるで地獄で死肉に貪りつく餓鬼の様だった。 「あまあま!!あまあま!!とてもゆっくりしてるよおおーーーーー!!!!」 涙を流しながらあまあまを食らい尽くしていく。その光景にゆっくりなどという言葉は微塵も感じられない。 そんな浅ましい光景を、イマジンは口の端を緩めながら眺めていた。 『沢山の家族が冬を越せるほどのあまあまだったな。まだまだこんなものではない。待っていろ』 「そうだよ!!もっともってきてね!!!」 口や地面を食い散らかしで汚しながられいむは図々しく要求する。 普通の人間だったら憤慨する事間違い無しのその言葉にもイマジンは鼻で笑うと、外へと飛び出していった。 「むーしゃむーしゃ、しあわせー…」 満腹感からかれいむはそのまま寝ついたようだ。何やら寝言を呟いている。 「れいむのあかちゃん…みんなでむーしゃむーしゃしてゆっくりしようねえ…」 どんな夢を見ているかは粗方見当はつく。朝の日差しでれいむは目を覚ました。 「ゆっくりおきたよ!ゆっくりあさごはんにしようね!!」 『安心しろ。既に用意してある』 れいむがふとあまあまの方向を見やると、昨日かなりの量を食べたはずなのに減るどころかさらに増えている。 恐らくはイマジンが集めてきたのだろう。山盛りのかなりの量だ。 これなられいむ一匹であれば問題なく冬篭りできる量であろう。 「ゆっ!!ゆめじゃなかったよ!!ゆっくりいっぱいたべるよ!!」 れいむは目を輝かせると昨日の様に浅ましくあまあまへと食らいつく。 『さて…もう少しか。また集めに行く。楽しみに待っているんだな』 「そうだよ、まだまだたりないよ!!たくさんのれいむのあかちゃんがたべるぶんがたりないよ!! りかいしたらめしつかいはさっさとあつめてきてね!!ぐずはきらいだよ!!!」 れいむの中でいつの間にかイマジンは召使いということになっていた。 ゆっくりは際限なく付け上がる生き物である。 親でない存在が無闇に欲求を満たしてやると、大体はこういうケースになる。 人間に飼われている等の知能が高いゆっくり、性格のいいゆっくりでもなければこのパターンが大方の場合である。 自分の言う事を聞く存在=自分より格下の存在と認識するのがゆっくりの習性であると思われる。 その為他者の施しや好意の意味を正しく受け止めず、分不相応に欲望を肥大化させる。 性根の腐ったゆっくりは親でさえこれに近い態度を取るという。 ゆっくりが嫌われる理由のひとつである。 イマジンはそんな胸糞の悪くなる言葉にも特に反応する事もなく、再び外へと飛び出していった。 それを見届けると、れいむはでっぷりと膨らんだ腹部を仰向けに寝転んだ。 れいむは幸福に包まれていた。 自分が本当に食べたかったのはこういう食べ物なのだ。 今まで不味い草や虫を食べて我慢してきたがそれももう終わりだ。 あの召使いがあまあまをいくらでも集めてくる。冬篭りの心配なんてもういらない。 家族だっていくらだって増やせる。おいしい食事とかわいい赤ん坊に囲まれて、 一生ゆっくりして過ごそう。 れいむの頭の中には薔薇色の未来しか存在していなかった。 食欲が満たされたゆっくりが考える事は相場が決まっている。 れいむは子供を作るために、つがいを探しに外へと飛び出していった。 「ゆ~ゆ~、まりさ~、いまいくからね~♪」 れいむには相手に目星があった。 少し離れた場所に住んでいるまりさ種である。 以前腹をすかせたれいむに、まりさは木の実を分けてくれたのである。 とても優しくて一緒にゆっくりしたいゆっくりだ、れいむはそう考えていた。 生憎ながら、その木の実をおいしく食べられなかったのが災いしたのか、 そのまりさはれいむの事をあまり気に入ってくれなかったようだが。 そう、このれいむが繁殖可能な成体であるにも関わらず一人身であったのはそれが原因だった。 良い言い方をすればグルメ、極端な言い方をすればれいむは味覚障害を抱えていた。 他のゆっくりがおいしいと食べるものをおいしく感じられないのである。 ゆっくりにとって食事の幸福感は大きなウェイトを占めている。 それで幸福を得られないというのはゆっくりの世界で言うならかなり「ゆっくりできていない」事になる。 また、ゆっくりは他者がゆっくりする事に幸福感を感じる、という習性もある。 自分の分けた食べ物でゆっくりできない、というのは自分を「ゆっくりさせてくれない」事でもある。 ゆっくりという言葉の真意はともかく、ゆっくりはこの「ゆっくり」という状態を最大限に重視する。 そのためこのれいむは仲間から敬遠されるのも不自然な事ではなかった。 その事でれいむ自身も悩んでいたが、満足できる食事ができ、 それを家族に分け与える事ができる今の自分が嫌われるはずが無い。 そういった算段を持ってれいむは憧れのまりさの下へと向かっていった。 その瞬間である。まりさの素穴の前で、イマジンがたたずんでいるのを発見した。 「(ゆっ!!こんなところでなにをゆっくりしてるんだろう!! かわいいれいむをゆっくりさせるのがどれいのやくめなのになまいきだよ!!)」 れいむにとってイマジンは召使いどころか奴隷まで格下げされていた。 最初から無かったのか、感謝の念など微塵も持ち合わせていない。 前述したが、知能の低いゆっくりは利益をもたらしてくれる存在を召使い・奴隷として認識する。 どこまでも呆れるばかりの業の深い生き物である。 イマジンはまりさの巣穴へと入っていった。 れいむはそのイマジンに文句を言うために後を追った。 「ゆぎゃああああぁぁぁああ!!!!!」 「やめてね!!!まりさのいもうとになにするのぉ!!!???!?」 巣穴からけたたましい悲鳴が響き渡る。 イマジンの手に握られていたのは、潰れた子ゆっくりだった。 イマジンは子ゆっくりの体から餡子をほじくり出すと、バケツの中に詰め込む。 抜け殻になった皮は無造作に放り投げて捨てた。 それを震えながら見ているのは例のれいむの想いゆっくりであるまりさと、 年の離れた妹達が数匹である。身を寄せ合って、涙を流しながら震えている。 「まりしゃのいもうちょがぁ!!!!」 「おねえちゃん!!?たすけてねえ!??!?」 怯えて逃げ回る子ゆっくりをイマジンは手斧で真っ二つにする。 「ゆ”ゆ”っっ!!!」 その子ゆっくりの死骸を掴み上げると、同様に餡子をほじくり捨てる。 「やめて!!やめてねぇ!!どぼじでこんなごどずるのぉーーー!!!!!」 「おね”え”ぢゃん!?」 妹達を守ろうと、泣きながらイマジンに体当たりを仕掛けるも全く効果はなく、 次々と妹達が殺されていく。残っているのは自分一匹になった。 『俺の契約者の望みだ。あまあまが欲しいんだとさ。恨むなら俺の契約者を恨みな』 「ゆぅぅーーー!!!まりさのいもうとたちをかえしてねええ!!!!」 まりさ種にしてはやけに妹想いである。最も、自分自身もすぐに殺されてしまうのだが。 イマジンは姉まりさを掴み上げる。 「はなして!!はなしてね!!!」 その瞬間だった。イマジンの契約者であるれいむが突如として駆けつけた。 「ゆあああぁあーーー!!!れいむのまりさになにするきなのおぉ!?!?!??!!?」 『何って、あまあま集めに決まってるだろうが。こいつらを殺して割ればあまあまが出て来るんだぞ』 「まりさたちはあまあまじゃないよおーーーー!!!!」 『何を言ってる?お前は知ってるはずだろう。お前達ゆっくりの中身はあまあまで出来ているとな』 「そうだけどちがうよ!!!たべちゃいけないんだよ!!!!!」 『クク…今更何を言ってる?今朝からあんなにうまそうに食ってただろう?』 「ゆゆっ!!!それじゃあれいむがたべていたあまあまは…あまあまは…!!!」 『当然、ここらのゆっくりを殺して中身を集めたものだ』 「ゆ…ああああーーーー!!!!ゆげぇ!!ゆげぇええぇえ!!!」 突然顔を青くして口から餡子を吐き出すれいむ。美味しく食べていたのが同族だった。 言わば共食いをしてきたのである。 「ゆっ!!それじゃあれいむが…このゆっくりできないにんげんをつかって…!! まりさのいもうとたちをころさせてたべてたのぉ!!!?!?」 「ちがうよ!!!このにんげんがかってに…!!!」 『オイオイ、あまあまがほしいって言ってたのはお前だろう』 イマジンはまりさを逆さにひっくり返すと、底部へと指を突っ込む。 「ゆっ!!!」 『今食わせてやる。恐怖で味が高まった最高の奴をな』 「ゆぎゃああああぁぁーーーーーー!!!!!!!」 イマジンはみかんの皮を剥く様に、まりさの皮をはがしていく。 ひと剥きごとに絶叫が巣穴へと響き渡る。 れいむは嗚咽を抑えながらそれを震えながら見ていた。 悲鳴が止むと同時に、ペラペラになったまりさの皮が地面へと音も無く落ちる。 その表情は苦悶と悲痛に染まっていた。 『さあ、たんと食え』 「ゆ、ゆぐぅぅぅーーーー!!!!!」 イマジンはれいむの口を無理やこじ開けると、こねくり回したまりさの餡子を口へと詰め込む。 れいむの口の中に特上の甘みが口の中に広がる。 「じ、ぢあわち”ぇー!!!」 悲しみの涙を流しながらも、本能的にその単語を呟いてしまう。 その時れいむへと変化が起こった。 『ムッ!?』 れいむの体が縦にパックリと開いた。その断面からは光を放っている。 『ついに過去への扉が開いたか!契約…完了!!』 イマジンは吸い込まれる様にれいむの体の中へと飛び込んでいった。 その途端にれいむの体は元に戻る。 後に残されたのは、悲しみで震えるれいむと見るも無残な残骸になったまりさ姉妹だけであった。 イマジンが契約の代償に求めるもの、それは契約者の過去の時間である。 イマジンは過去を改変するために過去へと飛ぼうとする。 その為に契約として契約者の願いをかなえようとするのである。 しかしイマジンの願いの叶え方は軒並み短絡的かつ暴力的で、むしろ曲解と言っていい。 契約者が願いとして大金を求めたケースでは、 イマジンは銀行などの金融施設を狙って強盗を繰り返し大金を集めてきた。 また、あるサッカークラブの少年がレギュラーの座を願った時、 イマジンは現レギュラーの選手を襲い負傷させ、レギュラーの枠を無理矢理作った。 はたまた言葉尻を捕まえただけのとんでもないこじつけも多数あった。 空を飛びたいと願う人間をビルの頂上から吊るし下ろしたり、 歌唱力で勝ちたいと思っていた相手をただの暴力で叩きのめしたりと いくつもあり過ぎて例を挙げるときりが無い。 ハッキリ言えばイマジンの願いの叶え方にろくなものなどないのである。 イマジンは人間の大切な過去を奪い、それを破壊しようとする悪魔である。 タダで悪魔を利用できるはずも無い。 悪魔を利用するには高い代償を払わなければならないのだ。 しかしイマジンが選ぶ契約者は大半が過去に強い後悔や負い目を持つものである。 そこに落とし穴がある。 イマジンはそうしたトラウマを利用してえげつない方法で願いを叶えようとし、 契約者に強い過去の記憶を呼び覚ませる。 それが彼らの求める過去への扉となるのである。 れいむの過去とは一体なんだったのだろうか。 年月にして一年より数ヶ月前。 薄暗く扉を閉ざされた洞窟の中。 寒気が空間全体を包むゆっくりの巣。 そこには生気をまるで感じない子ゆっくり達が苦悶の表情で散らばっていた。 そこにいるのは、過去のれいむである。 もう一匹いたのは負傷し餡子を流出させたまりさ種である。 彼女の姉妹なのだろう。 素の隅々に姉妹と思われる子ゆっくりの飾りや帽子が散らばっている。 大きなものはこの姉妹の両親の成れの果てのものなのだろう。 「(おにゃか…しゅいた…)」 れいむの声もかすれて発音できない。餓死寸前なのは一目瞭然だった。 もう一匹のまりさも同様、餓死寸前。体の負傷もあり身動き一歩できない様だ。 どうして、こんなことになったのだろう。 このれいむの一家は冬篭り前に子供を作ってしまった。 典型的な冬篭りの失敗例である。野生でこれを行うと、一家全滅がほぼ決まった様なものだ。 母のれいむは「あかちゃんがいるとゆっくりできる」という極めて浅はかな理由で子供を求めた。 父に当たるまりさも一時の快楽と根拠の無い楽観でそれに乗ってしまった。 後は言うまでも無い事である。 燃費の悪い生まれたての赤ん坊により食糧の備蓄はあっという間に枯渇していく。 母れいむは子供に求められるままにエサを与える。そして食糧が底をつく一歩手前でようやく危機に気付く。 節約を強制しても何もかもが遅かった。そもそも冬篭りを始める前から既に未来は見えていたのだ。 それからは一家、地獄の日々だった。 初めは親を口汚く罵っていた子ゆっくり達も、次第にその元気すらなくなり餓えに耐えながら寝るだけの毎日。 わずかな食糧を巡っての醜い骨肉の争い。 子まりさの一匹が親の目を盗んで食糧を食べ尽くしてしまったのが悲劇の引き金だった。 怒りに燃える父まりさは子まりさを粛清。潰して殺してしまうのだった。 それに激怒したのは子煩悩の母れいむ。この事件をきっかけに夫婦で殺し合いを始めてしまい、 結果、共倒れとなった。 当時子ゆっくりであったれいむにとってはどれだけ恐ろしい光景であった事だろうか。 大好きな両親が姉妹を殺し、目の前で殺し合いを始め、憎しみながら死んでいった。 皮肉な事にその両親の死骸で子ゆっくり達は命を食いつなぐ訳であるが、悲劇がこれで終わるはずも無い。 親の死骸が尽きれば、次は姉妹の番である。 子まりさが二匹同時にれいむの姉妹に襲い掛かった。 苦痛と苦悶の悲鳴をバックミュージックに、餓鬼と化した姉妹が同じ餡子を分けた姉妹を生きながら喰らっていく。 そうして日が経つごとに一匹。また一匹と。 目の前で姉妹が喰い殺されていった。れいむは巣の隅で自分の番が訪れる恐怖に震えながら過ごした。 次は自分の番と思われたその日、お互いで姉妹を食い合っていた子まりさ達が仲間割れを始めた。 その理由はどちらがこの前喰い殺した姉妹を多く食べたか、という内容だった。 最後の獲物を前にして、上前を跳ねられてはたまらない。 そういった理由で邪魔者を始末すべき、と考えたのだろう。 殺し合いの結果は片方の勝利に終わったが、動けない程の相当な重傷を負う事となった。 結局の所共倒れといっていいだろう。 れいむは恐怖の中、いつも思っていた。 どうしてこんなにゆっくりできないのだろう。 どうして家族で憎しみ合い、殺し合い、喰い合わなくてはいけないのだろう。 ごはんがあれば。皆が分け合っても足りる位のごはんがあれば。 いくら食べても余る程のごはんがあれば… このトラウマが現代のれいむがイマジンに食糧を願った動機だったのだろう。 全身を蝕む強烈な飢餓感。今、食べなくては死ぬ。 死にたくない、その本能がれいむの弱りきった体を突き動かす。 その行く先は弱りきった姉妹まりさ。 今まで目の前の姉妹が呆れるほど繰り返してきた行為を、れいむは行おうとしている。 相手は動けない。やろうと思えば簡単な事だった。 「ゆっくり…たべるよ…!」 「やめ”…ぢぇ…」 今まで自分がされてきた命乞いを、目の前の姉妹にそのまま行う。 れいむの口が弱りきったまりさの体を食いちぎる。 「むーぢゃむーぢゃ、…ぢ、ぢあ”わち”ぇー!!!」 両親の死骸に手をつけてから以来の口にするもの。 恐怖と苦痛で甘く熟成された姉妹の極上の餡子。 あれだけ嫌悪していた行為をいともたやすく行えてしまった浅ましさ。 食糧がある時は仲良く皆でゆっくりしていた愛する家族。 それを喰い殺した罪悪感と極限の飢餓のさなか最高の食事をできた幸福感。 その両方がない交ぜになった涙をれいむは流した。 この過去がれいむが味覚障害に陥る事になった原因であった。 「ゆっ!?」 突然れいむの体から砂の粒がどこからともなく溢れ出す。 その砂の粒はあの虐待お兄さんイマジンの姿を形作り姿を現す。 『ついに過去へと飛んだぞ!!』 イマジンは元契約者であったれいむを突き飛ばし、狭い巣から外へと飛び出していった。 直後に冬篭りでカモフラージュされたゆっくりの巣を発見すると、手斧で破壊し侵入する。 「ゆっ!?」 『ゆっくりは皆殺しだ!!!』 「ゆぎゃあぁあああぁあ!!!!」 瞬く間に手斧で冬篭り中のゆっくり達を抹殺していく。 そう、このイマジンにとってこれこそ本当の目的。 ゆっくりの大量虐殺による歴史の改変である。 『ゆっくりどもは消毒だ~~~!!!!!』 「あじゅぃぃぃいいい!!!」 「れーみゅのいもうちょがー!!!」 『ここにもいたか!!一匹たりとも逃がさんぞ、覚悟しろ!!!』 「でいぶのあがぢゃんがぁあぁああ!!!」 「どぼぢでごんなごどずるのお!!!!」 冬の山にゆっくりの断末魔が無数にこだまする。 この山のゆっくりは恐らく全滅だろう。 今からどれほどかわからない未来の話。 自然はゆっくりによって大きな被害を受けていた。 ゆっくりは知っての通り恐ろしい繁殖力であっという間に増え、 虫や草を食い荒らす。 ゆっくり自体は非常に貧弱であり、他の動物にとっては歯牙にもかからない存在である。 しかし生態系のバランスという意味では大きな脅威だ。 生産者である植物や虫を食い荒らす事で食物連鎖を正常に機能させなくしてしまう。 ゆっくり自体も捕食されるが、何分ゆっくりは饅頭生物。 草食・肉食動物が本来得るべき栄養素をまかなう事はできない。 また、人間と同じ言葉を話す生き物が自然に存在している事も大きな問題だった。 神経質な野生動物にとって大きなストレスの元になる。 ゆっくりは貧弱だ。しかし自然にとっては恐ろしい破壊者になりうるのだ。 こうしてゆっくりの存在により未来の自然は大きく脅かされていた。 大規模な駆除も幾度か行われたものの、あまりにも増えすぎたゆっくりの駆逐は困難を極め、 荒れ果てた自然環境は驚くほどに数が多かった。 そんな時代、ある自然を愛する人間がいた。 彼はゆっくりの被害に心を痛めていた。 彼が導き出した解決策。それは自らをイマジンとして過去へと飛び、 少しでも多くゆっくりを駆除する事であった。 ゆっくりは1年そこらでも爆発的に繁殖する種。 ならば過去においてゆっくりの先祖達を駆除する事が、 現代の時間にとってどれだけ影響を及ぼすかは計り知れない。 彼は未来の自然の為に自らを捨てて過去にやって来たのである。 時の番人が彼の行為をいつか咎めるかも知れない。 しかし、それでも彼はゆっくりを駆除し続けるであろう。愛する未来の自然を守るため。 『この山はもう十分だ、次の群れに行くぞ!!』 彼の活動はまだまだ始まったばかりである。 …そして現代。イマジンが時を遡って来る2007年の現代。 ゆっくりの群れが突然煙の様に姿を消すという現象が起こる様になる。 それはあの虐待お兄さんイマジンがゆっくりの親・先祖達を虐殺していった結果なのだろう。 …れいむは自分以外誰もいなくなった山の中でポツリと佇んでいる。 それもそのはず、イマジンは過去において皆親や自分自身を殺している。 過去に存在しない生き物は現代にも存在しない。 親や先祖が死んでいれば生まれるはずの命も存在しない。 誰も残らないのも当然の成り行きだった。 あのイマジンの気まぐれか何かなのか、過去のれいむは殺されず放置された。 あれだけあったあまあまも霞の様に消えてしまった。 詰まる所それらはゆっくりの中身である。 イマジンの過去での所業により存在しなくなったそれが消えるのは必然。 文字通り彼女には何も残らなかった。 たった一匹、孤独に過ごし、何もおいしいと思えない自分の舌と、 過去に姉妹を喰い殺し、群れの仲間もむさぼり喰ったトラウマとともに生きるのだ。 一生、彼女にゆっくりが訪れる事はないだろう。 何故、自分はあの怪物に願いをしてしまったのだろう…? 有頂天から奈落に。れいむの心には後悔しか存在しなかった。 (完) 人間を見れば身勝手な要求しかしてこないゆっくりにイライラがクライマックスになった。 こいつら、イマジンみたいに曲解して願いをかなえてやりたいもんだ、と思ったら 特オタ丸出しのパロディになってしまった。 それだけなのに…恐ろしく時間がかかってしまった…。 おまけ 虐待お兄さんイマジン 2007年の現在にやってきた未来人のエネルギー体が、 ゆっくりれいむの伝え聞く『ゆっくり虐待SS』から虐待お兄さんをイメージしてこの世に現出した姿。 れいむの「あまあまが欲しい」という願いを叶えるため、手近なゆっくりを襲い餡子を集めていた。 過去でゆっくりを駆除し、ゆっくりによって害を受けた未来の自然環境を改変するために過去へと飛んだ。 腕には手斧、モヒカン刈りの某世紀末漫画そのものの悪役の外見をしているのは ゆっくりにとって恐ろしい人間というのはこの位極端なイメージなのだろう。 ただの悪ノリで虐待お兄さんを馬鹿にしている訳ではない。年の為。 鍛えられた肉体に物を言わせた力や、手にした手斧でゆっくりを両断する他、 背中に搭載した火炎放射器で狭い巣穴に隠れたゆっくりも逃がさない。 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/obbligato207/pages/254.html
騎撰族(きせんぞく) アハーン大陸東方で現在一番繁栄している民族で、〈東方人〉の代名詞。 最も古代から頭数だけは多かったようだ。 千年以上前に梗醍果国が興った当初は、禁赤人たちから火の使い方を昨今覚えたような、未開の蛮族扱いされていた。 自らを「騎撰族」と尊称しだしたのは、〈狗王朝〉の城砦に集落を築いて梗醍果を建国した頃から。 種族の亜流として、散亥洛東側の森に籠り文明化しない蟲使いや、混沌の存在を崇めるエンシャンなどがいる。 戻る→用語集 用語集/か行 用語集/か行/き
https://w.atwiki.jp/bloodplus/pages/317.html
【種別】地名/施設 【登場】21話 ボルドーにある、ワイン“シャトー・デュエル1967”を製造したワイナリー。 1967年は多雨で不作だったので売れ行きが悪いところだったが、サンクフレシュ製薬が全部買い取った。 ジョエル・ゴルドシュミットと言う大金持ちの持っていた城が100年以上前に火事に遭い、屋敷の全員が死んだ。売りに出された土地のブドウ畑をシャトー・デュエルが買い、そこでワイン作りを始めた。 今は少し離れたところにある。 コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kuroeu/pages/3973.html
悠久の守護者 種族:種族不明 登場作品:冥色の隷姫 解説 悠久の神殿を守護する、神の如き力を持った英雄。 雑感・考察 神の如き力を持つらしいので神格者なのかもしれないがよく分からない。 というかエウシュリーちゃん関係のイベントでの登場なので世界観設定に基づいた存在では無い可能性も高い。 グラから見るに、魔族(竜族?)っぽい女性が主でマッチョは使徒的な感じかな?プレイしたのが10年以上前だし、深く考えずに戦ってボコられたことしか覚えてない……。 - 名無しさん (2020-04-01 22 16 19) 名前
https://w.atwiki.jp/orzbit/pages/210.html
2010前期打ち上げ 幹事 地味変 連絡先 seatangle.dashアットマークgmail.com 九路猫 日時 8月3日 集合時間 18:00 開始予定時間 19:00 終了予定時間 21:00 会場 やすらぎ居酒屋月天 集合場所 地下鉄鶴舞線上前津駅 駅構内9番出口付近 料金 3500円 参加者リスト(7/28) じみ しんちゃん ハミ根こ も介 雷 龍龍 彩弧 照 九路猫 楓 ミットン 壽司 チヨイ かしす 瑞希 AK(赤木) 参加表明打ち切りました 参加表明締め切りは[7/31] 掲示板にも書いたがこちらでも。名古屋メシ希望ー。まあどっちになってもおいしそうだがな。 -- 東風 (2010-07-11 23 35 01) 名前 コメント 以下広告
https://w.atwiki.jp/nitendo/pages/165.html
アンルポルタ とは、【ルイージマンション2】?のキャラクター。 プロフィール 作品別 元ネタ推測 関連キャラクター コメント プロフィール アンルポルタ 他言語 種族 オバケ 初登場 【ルイージマンション2】? 【ルポルタ】の古代種。ルポルタと違い青色の見た目をしている。 4000年以上前から存在すると言われており、人間が大好きで空気や砂を自在に操れる能力を備えている。 作品別 【ルイージマンション2】? ジゴ~クロック工場の中ボスとして登場。 元ネタ推測 ancient+ルポルタ 関連キャラクター 【ルポルタ】 コメント 名前 全てのコメントを見る?
https://w.atwiki.jp/shinreibu/pages/15.html
嘉原高校がある、この街についての簡単な説明だ。 しかしあまり意識しなくても大丈夫。 今から9年以上前の話になる。 テレビで霊能者がこの街を「霊の集まりやすい場所」と言った。 それが真実だからなのか、それともそれが発端なのかは定かではないが、 4年前くらいまでは近所で心霊現象が起きた、と度々騒がれていた。 その現場は病院の跡であったり、学校であったりと様々だった。 しかし最近はその噂も少なくなってしまった。 あの霊能者が言っていることは、嘘だったのだろうか?
https://w.atwiki.jp/talesofdic/pages/25005.html
アスガルド大戦 概要 テイルズオブザレイズリコレクションに登場した過去の戦争。 登場作品 + 目次 レイズリコレクション ネタ 関連リンク関連項目 被リンクページ レイズリコレクション ネオイデア王国に伝わるティル・ナ・ノーグで200年以上前に起きた戦争。レイズ4部のイクス達とデミトリアスの攻防を指していると思われるが、2章のコダマのナレーションを聞く限り、鏡士イクスが鏡精を生み出す話も出ていたため、レイズ1部~4部の一連の出来事全てを指しているようである。 ネタ 関連リンク 関連項目 被リンクページ + 被リンクページ 設定:テイルズオブザレイズ ▲
https://w.atwiki.jp/chaken_archives/pages/37.html
第26話「記憶を無くした少女」より 記憶を失くした少女・ナオコ(キャロン命名)に対しての研の謝罪の言葉。 …なのだが、謝って済む問題なのか。それ以前にかなり軽いノリで放たれた言葉である。特に「ごめんねー」の発音がムカつく。 そしてなにより語呂が良い。口に出して使いたい美しい日本語である。 なお、戦後の経済成長に伴う交通事故増加、第一次交通戦争と呼ばれる時期は大体1960年前後で、死者数のピークは1970年。 つまり交通事故に対する社会認識は本放送より十年以上前には形成されている。