約 4,073,182 件
https://w.atwiki.jp/seisoku-index/pages/1196.html
顎に突き刺さる拳。ごりっ、という骨を削るような鈍い音。 それに抗う術を一方通行は持たなかった。 「ぐゥ……っ!」 頭蓋を抜けた衝撃が脳を掻き回す。 同時に欠けていた最後のピースがかちりと嵌まる。 明滅する視界の中で一方通行は全てを漸く理解した。 触れるもの総てのベクトルを反射する最強の盾をこともなげにあしらうその存在を忘れるはずもなかった。 彼女の左腕にあるそれは『あの右手』だ。 あの日、あの時、あの瞬間。 自分の前に立ち塞がり、最強の能力者と謳われた自分を殴り飛ばしたあの右手。 「アレイ……スター……!」 絞り出すようにその忌み名を呼ぶ。 きっと彼は今もどこかで笑いながらこの様子を眺めているに違いない。 視界を揺さぶられ、刹那の間だけ一方通行の認識が遅れた。 踏み付けるように御坂の蹴りが胸に穿たれる。 それは一方通行に対し何ら威力を発揮しない。 恐らくは一息に胸板を踏み抜く一撃だったのだろう。 しかしどだい前提条件は覆らない。 その『右手』ならまだしも、その質がどうであれ単純に示せばただの蹴りでしかない。 そんなことは御坂自身百も承知だ。 通常の手段ではダメージを通すことはおろか、逆に放った側が潰される。 己の力をそのまま返されて文字通りに自爆するだけだ。 だがそれは攻撃として放った場合のみについてだ。 他もおおよそ似たような結果になっていただろうが、この場合のみを論ずるならば御坂の蹴りは正しく効果を発揮した。 踏み抜く、という表現はあながち的外れではない。 横方向への震脚とも言うべきそれは通常状態の機能に従い彼の体に刺さる直前方向を転換する。 その力に乗り、御坂は跳躍した。 足首、膝、腰関節。そして大幹を操り威力を削ぎつつもベクトルだけを受け止める。 反射された『踏み抜き』を靴裏で受け止め、その力を足場に、更には跳ね返った力を受け流しながらも決して逃がさず。 単純換算して二倍。そこに自身の力である磁力牽引も加え大跳躍を果たす。 御坂の体は月天極光の下を舞う。 背を反らし、あたかも魚が波間に躍るように。 「おおおおォォおォっ!」 烈風となって黒翼が波となって奔る。 鞭のように撓りながら離れる御坂に食らいつかんとする。 「しつこい――なぁっ!」 追い縋る六枚羽を、しかし御坂は手に現した光剣で残らず迎撃する。 激音と共に虹色の光が四散し爆彩を生んだ。 その動きは明らかに剣技の域を超えている。 妹達が戦闘知識として持つのは単なる教科書通りの型だ。 ただ果てしなく実践的で、かつ状況に応じたそれを正確に再現できるという点では並の兵士など取るに足らない戦技であるのだが。 宙返りする相手を狙って襲い掛かる複数の攻撃を残らず弾くなどという暴挙は言うまでもなくそこにはない。 この状況で御坂が構築し直し発展させた――剣術だろう。 対し一方通行は、露骨な言い方をしてみれば――戦い方をまるで知らない。 相手の攻撃を反射させれば自滅する。 適当なものをぶつけて強引に破壊する。 能力任せに相手を蹂躙する。 蟻を潰すのにわざわざ工夫を凝らす必要もない。 そういう戦い方しかしたことがなかったし、それ以上する必要もなかった。 現時点でも力の差は歴然。 どれだけ力を持とうとも彼にとっては蟻には違いない。 その蟻が空を飛ぶ羽と、毒を持つ牙を備えていたとしても変わらない。 だが、もしもその蟻が歴戦の兵にも勝る頭脳と戦技の持ち主だったら……? 御坂とてそれは理解している。 己は彼にとって羽虫程度の存在でしかない。どれだけ強度を上げようともその絶対条件は変わらない。 世界の四分の一を手に入れたとしても、敵わない。 弱点はある。首元の、チョーカーにも似た電極。 それを破壊してしまえば一方通行は能力が演算できずに、それこそ地を這う虫にも劣る存在となるだろう。 彼にとってのアキレス腱。唯一無二の弱点がそれだ。 ミサカネットワークの崩壊を原因として演算が消失するのも結果的には同じことだ。 直接か、間接か。 どちらにしても『無敵』であるその能力を封じなければ勝ち目はない。 ない……はずなのだ。 「その『右手』……」 御坂の左腕にはそれを破る手段がある。 「……」 距離を離したまま両者は対峙する。 本来在り得ないはずの、彼の『無敵』を妥当し得るという不条理の塊。 だがその存在を一方通行に覚られた。 一方通行の思考は混沌としていた。 彼の死。御坂の左腕。 己の犯した事の結果。 笑顔のままそれを振るう少女。 しかしそれとは別に冷徹な思考が存在していた。 彼の特性ともいうべき分析能力。 それは何も能力を行使しなければ発揮しない代物ではない。 結論だけ言ってしまえば先の一撃で必要最低限の特性を見切っていた。 至近距離でなければ効果を発揮しない――。 実際との差はあるが大して変わらない。 結果として一方通行の選択は御坂を近付かせなければいいというだけのことだ。 かといって一方通行とて遠距離から御坂をどうにかする手段を持たない。 翼の射程は精々が数メートル。その間合いであれば少しでも調子を見誤れば斬り込まれる。 他のまともな攻撃手段は――残らず御坂の能力に阻まれるか、さもなくば矢張り『原子崩し』の剣で迎撃されるだろう。 であれば。 (まともじゃねェ手段を使えばいいだけの話だが) 御坂の能力は確かに強力だ。 電磁気力操作という、世界の四分の一を掌握したに等しい能力。 一方通行のそれはあらゆる力を操作できるが――最大の弱点がある。 ――『一方通行』は自力を持たない。 その能力はあくまで受動的でしかないのだ。 彼の能力は確かに最強かもしれない。 しかしその代償として、あまりに無力だった。 あらゆるベクトルを操れるといっても所詮は己の触れられる範囲でしか操ることができない。 他者を拒絶し、他者を支配し、他者を蹂躙しながらも、他者に依存するという矛盾を抱えた力。 その一点において御坂の能力とは根本的に異なる。 故に能力がどれだけ強大であろうとも、それに相当する力がなければ真価は発揮されない。 今ここで『まともでない手段』は三つある。 彼女が電磁気力を操る能力者であるならばそれ以外の力は防げない。 強い力、弱い力、そして重力。 圧倒的といえるだろう。 単純にそこだけ見ても御坂の三倍の力を有している。 一方通行という能力者にはどうやっても御坂は敵わない。 あえて分かりやすい弱点を狙わなければならないほどに。 しかし彼が触れられる力ともなれば話は変わる。 酷く単純な理由でそのどれもが役に立たない。 強い力も、弱い力も、射程があまりに短いのだ。 素粒子に直接作用するこの二つの力はその力が発揮される距離が非常に短い。 一方通行が触れている――彼自身を構成している力も含めた――力をどう操っても御坂には届かない。 直接御坂に触れて能力を行使した方が早い。 そして重力。これについても致命的な欠点を抱えている。 地球上にいるかぎり1Gを超える重力は存在しない。 次に大きい重力発生源である月の分も入れたところでさほど変わらないだろう。 単純に言って彼の体重分+αの力しか操れない。 重力線を投げて直接押したり引いたりしたところで、その程度であれば余裕で相殺される。 とどのつまり、矢張り黒翼か、さもなければ能力の直接行使しか手段がない。 刻一刻と疲弊しているのは間違いなく一方通行の側だった。 明確なリミットが設定されているのは彼だけで、相手はただそれを待っているだけで勝負がつく。 けれど御坂の能力出力もまた弱体化している。 互いの能力が同じ媒体を共有している以上、本人たちを除けばどちらかが一方的にメリットやデメリットを生むことはない。 ミサカネットワークが一方通行の演算を維持できなくなれば、墜ちる。 黒翼はミサカネットワークの如何に囚われず、御坂はそれに『原子崩し』でしか対抗できない。 数瞬前まで互角だった天秤はどちらに傾くか分からない。 ――時間の流れは果たして誰に味方するのか。 それはどちらにとっても分からない。 両者は互いを睨み合ったまま動きを止めていた。 「……どォして」 ぽつりと口を開く。 「よりによって……オマエがそンな風になっちまったンだよ。オマエは普通に泣いたり笑ったりできる奴だった。 下らねェ幻想を馬鹿みたいに大事にできる奴だった。俺みてェなのとは違う――オマエは『こっち側』じゃなかった」 問いに、御坂が見せた笑顔に彼ははっとなる。 表情が違う。目を細め、静かに微笑んだのだった。 「そんなの決まってるじゃない……もう、いいや、って。全部諦めたから」 くつ、と喉が煮えるような音を立てる。 「だってそうじゃない。当麻のいない世界なんてどうでもいいんだもの。 何よりも大切だった。誰よりも好きだった。掛け替えのない存在だった。 あのときアイツが私の全てだった。私そのものだったのよ。 それがね、死んじゃった。私にはどうしようもなかった。 どれだけ強く想っていても何も出来なかった。想いなんてものは粉々に砕かれた」 御坂は笑う。 狂愛に歪んだ道化のような貌で、まるで泣くように笑った。 「だから私は全部全部放り捨てて、一番大事なものを守るために――狂うしかなかったのよ――っ!」 ごぉん――――……と空気が戦慄いた。 目を焼きつくすほどの閃光は純白としか感じられない。 鼓膜を突き破ろうとする爆音は感覚の許容値を超え地鳴りにしか聞こえない。 燃え上がるような感情の発露は到底理解されることなどなく、ただ世界を震撼させるだけだった。 、 、 、 「……確かに私は超能力なんて妙な力を持ってるけどさ……。 常盤台とか、超能力者とか、第三位とか、そういうごてごてした装飾がついてるけど。 ……でも、私まだ中学生よ? 中二なのよ? 一体私に何を期待してるのよアンタ達は。 馬鹿な事して怒られて、笑って、泣いて、怒って、恋して、そうやって生きてたっていいじゃない」 「……御坂」 「なのに目の前で好きな人が死んじゃって、私を庇って」 くつ、とまた喉を鳴らし御坂は目を細める。 「私が何をしたの? 当麻が何をしたの? 一体どうしてこんな理不尽な目に遭わなきゃならないの。 何が悪いの。何がいけなかったの。何が原因だったの――!」 叫びと共に再び閃光が炸裂する。 爆ぜる雷火は彼女の感情そのものだ。 世界を震わせ、焼き尽くし、純白に染めようとするその暴力こそが彼女の真正。 「…………」 「答えられる訳ないわよね。私だってそういうものだって分かってる。 これが単なる不幸の積み重ねで出来た偶然の産物だって理解してる。……でもね」 御坂は口の端を上げ柔らかく笑み――笑うしかなく――、 「ッ……!」 一方通行はその笑顔の意味をようやく理解する。 最初はどこにでもある惨劇だと高を括っていた。 そんなものは世の中どこにでもある。明るく暖かな日常のすぐ傍で幾らでも起こっている。 次に、これは復讐劇だと思っていた。 それもよくある日常の裏側だ。人と人の情念が交錯するのが世界なら、それもまた起こるべくして起こる必然だ。 けれど違う。 これはそんな難しい話ではない。 御坂の言うように、これは不幸に不幸が連鎖して起こっただけの。 よくある悲劇の物語。 ただ一言『不幸だった』と言ってしまえばそれで済んでしまう。 それだけで済んでしまう程度の――よくある話。 だからこれは、徹頭徹尾、不幸な偶然の積み重ねの果てに生まれた悲劇でしかない。 「だからって、はいそうですかって納得できるほど私は大人じゃない!!」 八つ当たりに等しい行為だと自覚している。 ただの子供の癇癪だ。嫌だ嫌だと駄々を捏ねているだけに過ぎない。 「目の前にこんな分かりやすい『元凶』がいるんだもの。 誰も悪くないなんてそんな甘い事を言って終わらせられなんかしない」 けれど――そうせずにはいられない。 「アイツを、最後の最後まで不幸なんて一言で、片付けさせなんかしない――!!」 ゴンッ!! と空気がハンマーで殴りつけられたように鳴動する。 天から降り注いだ光の柱が御坂に突き刺さる。 、 、 、 、 、 、 極大の雷火柱――それが掲げた右腕の先に留まっている。 さながら天に振り翳した光の剣。 『原子崩し』の光剣など比べようもないほどの強大な力の塊。 彼女、御坂美琴――『超電磁砲』の力そのものを具現化したかのような『雷撃』。 「だから私は――どんなことをしてでも――」 呟きは雷鳴に塗り潰され、そして。 「――展開――『九月三十日』」 ミサカネットワークを一つのデータが埋め尽くした。 それはとある記録だった。 無数ともいえるデータの海の中に埋没していた、たった一つの特異点。 その日、学園都市には二つの『闇』が存在していた。 一人はテロリスト――と表向きは称されているはずの人物。 ただの一人。 銃もナイフも持たないたった一人の女。 彼女が前方のヴェントと呼ばれていた、というのはここでは大した意味を持たない。 彼女は警備員を初めとする学園都市の武力を司る者を、敵対しようとする存在を、根こそぎ昏倒させるという不可解な力を揮い無力化した。 それは一体如何なる手段によるものか。 未だ解明できずにいるものの、結果としてそのたった一人によって学園都市は壊滅寸前まで追い込まれた。 そして裏では、その騒乱に隠れるように動いていたもう一つの影が存在した。 名を木原数多。 学園都市の抱える極大の闇の一つである『木原』を冠する一人の科学者である。 一方通行にとっては名も知らないテロリストよりもよほど因縁深いものだ。 何せ彼は木原数多によって一方通行は二度目の敗北を喫することになった。 打ちのめされ、蹂躙され、何の異能も持たない相手に敗北した。 ……だがミサカネットワークを侵蝕したこのデータには、 木原数多についても、そしてもう一人のテロリストについてもあまり多くは記録されていない。 だからこれら二人についての情報は単なる蛇足的なものでしかない。 ――同時に巻き起こった二つの騒乱の只中に妹達の一人がいた。 これはその日彼女が体験しただけの乱雑なデータ群に過ぎない。 一方通行は身構える。 どう転ぶにせよ、これが最後の一撃だと。 御坂の手にあるそれは単なる稲妻、放電現象だ。 そんなありふれた力では一方通行には通じない。 当然のように。 「……っ」 背の翼が震える。 これから現れるのはきっと、彼の『無敵』を崩す不条理だ。 『未元物質』や『幻想殺し』ではない。 ましてありふれた超能力などでは断じてない。   、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 在り得ないはずの事が起こるという現象そのもの。 ――――それを魔術と人は言う。 『何か』が一方通行の頭の中を掻き毟った。 「……ッ!?」 何百本もの細長い足を持った虫に這い回られたような生理的な嫌悪感を催す幻覚に不意に襲われる。 ぞりぞりぞりぞりと、抉られるように彼の領域が侵される。 正確にはそれは彼の脳内ではない。 外付けの、ミサカネットワークによって補助されている演算機能だ。 「御坂……!」 それが一体どういうものなのか分からない。分からない。分からない。 だが何を意味するのかは分かった。 得体の知れない何かが思考と共に加速される――。 「俺の――演算能力に乗せやがったのか――!」 その有様、性質、理論、解法、条理、妄念。 そういうものを一つ一つ細かく裁断し解析する。 超能力『一方通行』の持つ真の意味は力の解析。 それがどういう代物なのか、どういう理屈なのかを結果から逆算し正体を明らかにするという天眼。 『魔術』という力の本質を解析する。 妹達の『消費』が加速度的に増す。 、 、 、 、 、 、 ネットワークを埋め尽くすそれは破滅的な勢いで食い散らかし、それでも演算を止めようとはしない。 「――――――――――――――――――――!!」 風の中に涼やかに響いたのは歌声だった。 御坂の唇から零れるのは悲痛な慟哭のようで、そしてまるで歓喜の歌だった。 鎮魂歌のように。 賛美歌のように。 あるいはただの恋歌のように。 その声に込められていた感情は一体どんなものだったのか。 一方通行をしてもそれを推し量ることはできない。 ただ、一つの結果が現象として現れる。 これは一方通行を打倒し得る最後の鍵。 恐らく一方通行は『分からない力』でさえも捻じ伏せてしまうだろう。 だが。しかし。 それは世界でただ一つの、『一方通行』をもってしても総てを理解することのできない力の質。 この一手で勝負は決する。 全身の毛細血管がびちびちと爆ぜる。 視界は真っ赤に染まり、骨は軋み、吐息からは硫黄のような味がした。 天を突き刺さんとする巨大な光の塊が鳴動する。 振り上げた右手から伸びる落雷の柱は一度、身震いするように周囲に無数の稲妻を放射した。 その中の一片が――ほんの小さな一雫が一方通行の元へと降り注ぐ。 「――ちィっ!」 何かが拙い。何かがおかしい。 そんな気配を理由もなく直感しながらも――彼は右手を振るう。 設定は『反射』。 全てを拒絶するように飛来した白雷を打ち払う。 雷速の一撃に一方通行の腕は偶然か、正確に命中した。 白い指先に触れた雷光は虹色の光となって四散する。 同時に右手の指が五指纏めて吹き飛んだ。 「ッ――――がァァああああああ!!」 あらゆる力を反射するはずの能力を前にしても、雷撃は確かに一方通行に突き刺さった。 (く……そォが……ッ!) 思考を掻き回す乱雑な情報の嵐が演算を阻害する。 それはこの解析不能な力の源泉なのだろうが、だとしても何かがおかしい。 この情報のままの力なのであれば、そのままを設定すれば理解などせずとも跳ね返せるだろう。 どうしてそれをすり抜ける。 ――それがこの世界にある普通の物理ならな。 「っ……!」 不意に浮かんだ言葉。 それはもう一つの、一方通行の鉄壁を正面から崩した存在。 (よく分からねェ代物に、もう一段階フィルタを噛ませて……!) これは本来、一人の少女を救うためだけに行使されたものだ。 それをそのまま出力したところで、どうして破壊を撒き散らすものか。 (無理だ――) フィルタは他ならぬ『御坂美琴』自身。 魔術の構築式を強引に自分の演算公式を組み込んだだけの継ぎ接ぎだらけの代物だ。 ならばこれは『超電磁砲』という魔術の発露に他ならない。 (俺は雷撃や超音速徹甲弾のベクトルは知ってるが『超電磁砲』なンて能力そのもののベクトルは知らねェ。 そンなものは、アイツの、御坂美琴の観測した世界の中にしか存在しねェンだから――!) 一方通行は歯を食い縛る。 思考を侵す情報の氾濫は頭の中をミキサーでぐしゃぐしゃと掻き回されている錯覚を引き起こす。 右手の先の欠落からくる激痛はまるで御坂の雷撃がべっとりと貼り付いてでもしまったかのよう。 気を失った方が楽に違いない。 だが彼は意識を手放そうとはしなかった。 ……自分は『彼』のようにはなれないだろう。 頭の端に引っ掛かった存在が一方通行を引き止める。 『彼』は英雄のような存在だった。 理不尽に降り掛かる災厄を吹き飛ばしてしまうような、そんな存在だった。 けれど自分は対極に位置する。 自分は災厄だ。理不尽だ。 英雄に吹き飛ばされる存在でこそあれ、英雄などでは断じてない。 ならば何か。 「――――――」 その時彼は見た。 烈光を天に掲げた少女の体が震え。 「――ごぼ――ッ」 口からどす黒い血を吐き出し、目からは血涙を流し。 それでもなお何かに憑かれたような笑顔でこちらを見る少女を。 (――そォだ。俺はアイツになンかなれやしねェ。俺に出来るのはただ――) ぎ、と噛み締めた奥歯が嫌な音を立てて擦れ、一方通行は唇を吊り上げた。 諦念など必要ない。慈悲など必要ない。 英雄の対極に位置する彼に必要なのはたった一つだけ。 破壊の衝動。殺意。 「――殺す。俺はただそれだけの悪党だ」 ただ殺意に任せ、他を残らず無視して衝動的に一方通行は喉を震わせる。 「――――――――――!!」 う た 彼女と同じく、思考を埋め尽くしていた魔術に『一方通行』を乗せる。 理屈は分からない。結果も見えない。 しかしこの御坂に対抗できるのは自分だけで、これ以外にないと直感した。 もしかしたら無駄に終わるかもしれない。 何も起こらず、ただの足掻きにもならないかもしれない。 けれど一方通行は衝動のままに喉を震わせ、歌を紡ぐ。 「な――」 予想外の返歌に御坂は唇を噛む。 自分と同じ事をしているのだというのは理解できる。 ただその結果がどうなるのかは予想できない。 当然だ。魔術を知らぬ御坂には今自身が掲げるこの雷剣ですらもよく分かっていない。 まして他人のそれがどんなものなのか、考え及ぶはずもない。 視界はぼやけているし全身の感覚がまるでない。 けれど掲げた右手には極大の稲妻が握られている。 力に奮えるように鳴動する雷光は何者にも抗えない力の象徴だ。 その性質を、その意味を、御坂は知らない。 そんなものはどうでもいい。 彼を殺すというたった一つの目的のために掲げた腕を――、 「――――っ」 視線の先、殺意を向けた相手は、同等の殺意をこちらに跳ね返している。 歌と共に、血のような殺意に濡れたどろりとした瞳で自分を見据えて笑っている。 狂したように歌声を響かせ、そして。 「ガ、はァ――っ!」 血を吐き、笑い。 ――掲げた右手を振り被り、一息に、 ……こぽん、と小さな音がした。 御坂と同じように、一方通行の喉から零れた血の塊が、まるで風船のように膨らみながらも薄れてゆく。 いや違う。あれは体積を増しているだけだ。 同時に何故だか血の色は失われ、透明になっていく。 意味が分からない。理屈がまるで理解できない。 それが血なのか、もっと別の何かなのか、それすらも判断できない。 だが一目で――駄目だ、と天啓のように覚る。 何故だか分からない。けれど間違いなく直感した。    、 、 、 あれはとんでもなく不吉な予感がする――。 「――――ぅああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!」 絶叫と共に振り下ろした。 「――――」 理解できないのは一方通行も同じだった。 如何な一方通行であれ、その力を行使したとしても、理屈の一片たりとも分からなかった。 口から吐いた自分の血液が、膨れ上がって、透明になっている。 ただそれだけの現象だ。 吐血については御坂も同じで、恐らくは何らかの代償なのだろう。 超能力者が魔術を行使したという行為そのものに無理が生じたのか。 それらを理解できないし、しようとも思わない。 (なンだ……これは……) ただ、目の前で水に漂うクラゲのように浮かぶ水球はその結果だ。 どこか呆然とした頭で発生した事象について思考を巡らせる。 (塩酸? 硫酸? それとももっと別の劇物か? 馬鹿な。そンな物をアイツにぶつけたところで――) 思わず――伸ばした左手の先が球に触れる。 「――――」 冷たい、と感じる。 たったそれだけの液体だ。 (――違う!)   、 、 、 、 理解した。 どうしてそんなものが生まれたのか分からない。分からないし、どうでもいい。 ただ、それが何なのか、目の前にある事実だけを理解すれば充分だった。 それは最も身近で、ありふれた存在。  、 、 、 、 、 (これはただの水だ) 水。H2O。 たった三文字の化合式で表される存在。 ――知ってるか。この世界は全て素粒子によって作られている。 理解すると同時に、脳裏にあの言葉が過ぎる。  、 、 、 、 、 、 一方通行を、無敵の能力者の鉄壁を崩した少年の言葉が。 ――俺の『未元物質』に、その常識は通用しねぇ。 落雷が振り下ろされるという物理法則を超えた現象。 当然であり必然だろう。 それは魔術という物理法則に縛られない不条理の塊だ。 その前に一方通行の背から噴出する黒い翼が立ち塞がる 六枚全て、抱き止めるようにその進路を遮る。 バギバギバギバギバギバギィィ! と耳を劈く破壊音が響く。 「ああぁぁああああああああああああ――!!」 「おォォォおおおおおおおおおおおお――ッ!!」 両者の激突は一瞬。 砕かれたのは――黒翼の側だった。 虹色の光を羽毛のように撒き散らしながら翼が割れる。 断ち切られ、寸断され、粉砕され、四散し、粉微塵に、打ち砕かれる。 「一方――通行ぁぁああああああ――!」 あらゆる物を蹂躙し破壊する雷光が白の超能力者に突き刺さる。 閃光の花が夜空に咲いた。 「――――――」 その力の全てを発散したのか、御坂の手からは光は失われていた。 ごぼ、と咳と共に肺に溜まった血を御坂は吐き出し、荒い息を繰り返す。 彼女の前には――未だ一方通行の姿があった。 「……先に一発貰ってて正解だった。 どォにか感覚は掴めたからなァ。何とかベクトルを操れた」 そう言って白髪の超能力者は顔を顰める。 背から弱々しく黒色を吐き出しながら、一方通行は、もしかしたら笑ったのかもしれない。 「そのザマでよくそんな事言えるわね、アンタ」 「……」 眇めた先の少年は、右半身が吹き飛んでいた。 六枚の翼を突き破った先、最後に掲げた指を失った右手が雷光を遮った。 持てる演算力を総動員してその力を統率しようとした彼は――結果、御すること出来ず、けれど力の大半を虹色の光に砕くことに成功した。 ただ、全体の内の一パーセントにも満たない力が彼の体を砕くに至り、腕はおろか、右肩から腰あたりまでを消し飛ばした。 白い顔も半ばまで焼け焦げ、醜い傷痕を刻んでいる。 抉られた腹から中身が零れないでいるのはただ傷口が高熱に焼き付けられたからだろう。 どう見ても致命傷だ。 即死しなかっただけでも奇跡のようなものだった。 「――――は」 御坂の喉からも哄笑が漏れる。 「はは、あはは、あははははは――」 何故だか口が勝手に笑い声を吐き出していた。 「あははははははははははははははははははははははははははははははは――――!!」 愉快だった。痛快だった。 最強だった超能力者は今、自分の前に惨めな姿を晒している。 「は――――」 ごぽり、とまた血を吐く。 大丈夫だ。歌と同時にどういう訳か全身に裂傷が走り内臓にまでダメージを負ったが、ぎりぎりで致命傷には届いていない。 少なくとも数日程度、苦痛にもがき苦しむかもしれないが、一方通行よりは生き延びる。 勝った。 だから御坂は笑わずにはいられない。 、 、 自分の悪夢の発端であるあの一方通行に勝ったのだ――! 「……勝利宣言には早すぎるぜ、超電磁砲」 「え……?」 今更何を言っているのだ、と御坂は疑問する。 どうしてそんな言葉が出てくるのか分からなかった。 触れられてもいない。 そもそも電磁場の壁は何かの接触を認識していない。 何もされてはいない。 そのはずなのに。 彼は御坂に蔑むような笑みを向けていて。 「ごっ――ぶあ――っ!?」 どういう意味なのか問うよりも先に。 言葉の代わりに喉をせり上がってきた血を、口から滝のように吐き出した。 何が起こったのか、何をされたのか、全く分からない。 ただ一つだけはっきりしていることは、どうにもこれは致命的なものだということくらいで。 「アンタ……何を……!」 「冥土の土産だ。一つ理科の授業をしてやるよ」 睨む御坂にひゅうひゅうと掠れる声で一方通行は嘯いた。 ようやく御坂は気付く。 彼の前に浮かんでいたはずの水球がなくなっている。 「どォにかほンの少しだけ『掴めた』からな、利用させてもらった」 「何をした……っ!」 「理科だっつってンだろ。中学生にも分かるよォな簡単な奴だ」 そう言って彼は、一度咳を吐き。  、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 「水を電気分解しただけだ」 「な……」 御坂は絶句する。 「ただの……水……?」 そんな単純な化学反応であるはずがない。 それだけでは帳尻が合わない。 何よりあの不吉な予感がしたものが単なる水であるはずがない……! 「いいや。あれは水には違いねェが……『ただの』と言うのはちィと語弊があるな」 「…………っ!!」 その言葉で御坂は理解した。 あの得体の知れない不吉な予感は間違っていなかった。 確かにそれを水と言ってもいいだろう。 一見してただの水。 だが、正確に言うのであれば。 「重水。水素の同位体、デューテリウムやトリチウムで作られた、文字通りに重い水」 その言葉が意味するところを御坂は理解した。 雷が炸裂したときの爆光はそれだけのものではなかった。 重水を構成する二重水素や三重水素。 この場合用途は一つしか思いつかない。 御坂を穿ったのは熱線でも衝撃波でもない。 それらは電磁気力制御の壁の前に弾かれる。  、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 その正体は核融合によって生まれる電荷を持たない素粒子――中性子線だ。 「水……爆……っ!」 「正解。賞品は地獄行きの片道切符だ」 ぐらりと、ようやく――両者の体が崩れる。 「ハッ……第一位の意地だ。格下に一人勝ちなンかさせてやるかよ」 「…………!」 能力による浮力を失い、二人の超能力者はほぼ同時に地上に向かって墜落した。 ―――――――――――――――――――― 前へ 次へ
https://w.atwiki.jp/seisoku-index/pages/519.html
一方「・・・つまりだ。地獄から抜け出した駆け魂はアレ一匹じゃねェと」 エルシィ「はい」 一方「他の駆け魂も全部捕獲しねェと契約も終了しねェってわけか・・・」 エルシィ「はいっ!その通りです!」 一方「・・・そうかい」 一方「・・・・・・」ポカッ! エルシィ「いたぁ!?」 一方「なーンなンだよそりゃあ!?そういうことは先に言えっ!」 エルシィ「あぅぅっ・・・神様がぶったぁ・・・」グスッ・・・ 一方「泣きてェのはこっちの方だ・・・クソったれが・・・」 一方「(っても、グダグダ言ったとこで仕方ねェか・・・)」 エルシィ「ううっ・・・!ぶったぁ・・・!!」グズグス・・・ 一方「(こンなヘッポコに期待する方がどーかしてるってンだ)」 一方「(まァ羽衣の幅広い応用力は認めてやンねェこともねェけどな)」 一方「(・・・着ぐるみは二度と着ねェけどよ)」 エルシィ「うぐぐぅ・・・」グスグス・・・ 一方「って、いつまで泣いてンだっての」 エルシィ「だ、だって・・・神様がぁ・・・」エグエグ・・・ 一方「あァ・・・ンだよ。そンなことか」 エルシィ「そ、そんなことって!?痛かったんですよぉ!?」ムキー 一方「あァ、ハイハイ。悪かったなァ。ごめンなさいっと」 エルシィ「うー・・・いまいち誠意が感じられません・・・」 一方「まァ、ンなことはどうだって良いンだわ」 エルシィ「誠意のかけらも無いじゃないですか!!」ムキー 一方「一々うるせェなァ・・・悪かったって言ってンだろ?」 エルシィ「・・・神様はもう少し私に優しくしてほしいです」 エルシィ「・・・私だって女の子なんですよ」モジモジ・・・ 一方「あァ?ンだって?」 エルシィ「~~~!!!」 エルシィ「もう知りません!!」プンッ 一方「(なに一人でキれてンだ、コイツ?)」 ~~~~~~~~~~~ エルシィ「えへへ~♪やっぱり暑い時には冷たい物ですよね~♪」シャリシャリ・・・ 一方「ったく・・・」 一方「(アイスを買ってやるまでダンマリを決め込むって本物のガキかってンだ)」 一方「(悪魔ってか天邪鬼の間違いじゃねェのか?)」 一方「(結局キレた理由よくわかンねェし・・・)」 エルシィ「美味しい~♪神様も一口いかがですかっ?」アーン 一方「一人で食え。甘ったるいのは好きじゃねェんだよ」 エルシィ「ええ~?こんなに美味しいのに~。でも神様がそう言うなら私一人で食べちゃいます♪」シャリシャリ・・・ 一方「はァ・・・」 一方「(女ってのはなーンで心模様ってもンがすぐに変わっちまうンかね)」 一方「(めンどくせェ生物だ・・・それをまだこれから何人か恋に落とさなきゃいけねェってンだろ?)」 一方「(オリジナルだけで腹一杯だってンだよ・・・)」チャラ・・・ カエル・・・ゲコ太のストラップ・・・ ハッ・・・やっぱり今日も不細工なツラしてやがる ・・・・・・ 良いさ、オリジナルが忘れたようにいずれ俺もあの日のことを忘れるンだ 感傷なンて感情は俺にはいらねェさ 一方「そンでよ、へっぽこ」 エルシィ「なんですかぁ?・・・って、ちゃんと名前で呼んでください~!!」 一方「逃げ出した駆け魂はあと何匹いンだよ?まさかン万匹とか言わねェだろうなァ?」 エルシィ「昨日の時点で六万匹です!」 一方「・・・・・・」 エルシィ「あっ、でもこの学園都市にはあとニ匹だけですね!残りの駆け魂はそれぞれの地区に配属された駆け魂隊のみんなが討伐してくれますのでご安心を!」 一方「・・・そうかい。そりゃ良かった」 エルシィ「はいっ!だから私たちも頑張りましょうね!」 一方「そうだな。命もかかってるわけだし頑張ってやるとすっかァ!」 エルシィ「おー!!!」 一方「・・・ふゥ」 エルシィ「・・・あれれ?どうしたんです神様?ため息なんかついて・・・」 一方「そういうことは早く言えって言ってンだろうがァ!!」ゴンッ!! エルシィ「いったぁ~い!?」 ・・・ったく 六万とかマジで心臓止まるかと思ったぜ・・・ まァ、俺のノルマはあと二匹・・・ エルシィ「なんでぶつの~!?」エグエグ・・・ それだけを捕まえりゃこのヘッポコとも縁が切れると思うと気が楽になるってもンだぜ ~~~~~~~~~~~~ 一方「そーいやァ、お前ってコッチの世界にいる間はどこで暮らしてンだ?」 エルシィ「えっ?」 一方「いや、オリジナル攻略の時は気にも留めて無かったが考えてみりゃァあれから3日は経ってンだ」 一方「流石に悪魔とはいえ睡眠とかは必要だろ。お前、夜中どこで寝てンだよ?」 エルシィ「公園ですけど?」 一方「そうかい公園・・・」 一方「・・・・・・」 一方「野宿かよ」 一方「オイオイ?いくらヘッポコの三流悪魔とは言え仮にも女の形をしてるヤツが公園で野宿ってのはどーなンだよ?」 エルシィ「あっ野宿じゃないですよ!ちゃんと羽衣でテントを張って寝てます!」 一方「羽衣だけはホントに便利だなオイ」 エルシィ「羽衣だけはってなんですかぁ~!?」ムキー 一方「って、テント張って寝ようが野宿は変わりねェじゃねェかよ」 エルシィ「ちゃんと寝袋も作ってから寝てますよ?」 一方「そォいうことじゃなくてだな」 学園都市ってのは治安が悪い 能力を持て余して良い気になっちまったアホや能力者に嫉妬してやさぐれちまうバカで溢れかえってるせいだ ンな場所に夜中に女が一人 しかもこんななーンも知らねェだろうって感じのアホヅラした女がいてみろよ? なにされるかわかったもンじゃねェ・・・ そンで何かされた拍子に首輪が誤作動して二人ともあの世逝きとか死ンでも死にきれねェぞマジで? 一方「・・・しゃーねぇな」 エルシィ「?」 ~~~~~~~~~~~~ 神様曰く公園で女の子一人で公園で寝ることは危険だと言うことです 確かに衛生面は悪いかもしれないけどって思ってましたが、どうもそういうことではないらしいのです 一体どういうことなんでしょう? エルシィ「それにしても・・・」 一方「ン?なンだよ?・・・あァ、ベットは貸しといてやる」 エルシィ「神様の部屋・・・凄いことになってますね・・・」 一方「気にすンな。よくあることだから」 エルシィ「よくあることって・・・」 神様の部屋は人工的に酷く荒らされた形跡が見るも無残な状態になってました ・・・ここで寝泊まりする方が危険なのではないでしょうか? そ、それに・・・ 二人っきり・・・だし・・・ 一方「安心しろ。お前なンかにゃ手は出さねェからよ」 エルシィ「~!?」 エルシィ「そ、そうハッキリ言うものどうかと~!!」ムキー はいはい! どーせ私には色気なんか無いですぅ!! 一方「あァ、あとな。この部屋見てコッチの方が危険とかなンとか思ったりしてンのかも知らねェけどよ」 エルシィ「えっ?」 一方「俺が傍にいりゃお前の安全は100%保障出来る。なンかあったら俺が守ってやるから安心して寝ろ」 エルシィ「えっ・・・うっ・・・?」ドキッ それでもちゃんと女の子扱いはしてもらえてるみたいです ちょっぴりそれが嬉しかったり ・・・この人が私のバディーで良かった
https://w.atwiki.jp/pachimon/pages/59.html
23-1決起するゴブリン族 出現モンスター ★3 ★3 穴ゴブリンキングx1 森ゴブリンキングx1 ステージ情報 消費スタミナ 10 バトル数 1 金塊 0 ランクEXP 51 モンスターEXP 4650 23-2怒りの乳牛族 出現モンスター ★3 ★3 乳牛娘ウッシィーナx1 ビッグオックスx1 ステージ情報 消費スタミナ 11 バトル数 1 金塊 ? ランクEXP 51 モンスターEXP ? 23-3牙をむく鋭狼たち 出現モンスター ★3 ★3 鋭狼漢クールファング×1 怪菌王オオサマダケ×1 ステージ情報 消費スタミナ 11 バトル数 1 金塊 ? ランクEXP 51 モンスターEXP 4575 23-4反撃の桃豚族 出現モンスター ★3 ★3 突弾豚ビッグポーガーx1 桃豚娘ポインクピンクx1 ステージ情報 消費スタミナ 11 バトル数 1 金塊 ? ランクEXP 54 モンスターEXP 4875 23-5野生は爆発だ! 出現モンスター ★3 ★3 暴熊漢グリズリベアーx1 鱗帝マスターリザード×1 ステージ情報 消費スタミナ 11 バトル数 1 金塊 ? ランクEXP 60 モンスターEXP 5025
https://w.atwiki.jp/rowamousou/pages/345.html
【名前】零崎人識 【出典】戯言シリーズ 【性別】男 【年齢】19歳 【名ゼリフ】「そーいやこの辺で殺したあいつに似てるな。かはは、仇討ちか」 【支給武器】ロストドライバー@仮面タイダーW、DG-X@.hack//G.U. 【本ロワでの動向】 キチガイ殺人鬼。 参戦時期が、哀川潤に負ける前だったため、このステータスは厨二ロワにおいても遠慮することなく発揮された。 ゲーム開始直後にシックスと遭遇。 人識はシックスの悪意になんらかの魅力を感じ、シックスも人識の純粋な殺意に魅かれ互い手を組むことになる。 そして、そこに運悪く近づいてしまった折原舞流を発見し、好みじゃなかったからとシックスと共に嬲り殺す。 主にシックスが拷問で人識が殺害担当である。 しかしこの殺害が人識の死因となってしまうことになる。 しばらく移動すると人識は支給されていたロストドライバー@仮面タイダーWの事が気になり鞄から取り出す。 シックスと共にそれを観察していると、ロストドライバーを大道克己に奪われる。 変身した大道克己相手に応戦するが敵側に西丈一郎が参戦し、分が悪いことして撤退。 第二回放送後には食堂の男と遭遇。 自身やシックスの悪意や狂気を遥かに上に行くような彼のオーラに思わず引いてしまい、人識は屈辱的に下手に下ることになる。 その屈辱を人に見せた自分に嫌味を覚え、シックスや食堂の男から逃げるように別れる。 その後、夕方にはD-2中学校の傍らで一方通行と遭遇。 同時、その場に上条当麻といーちゃんが乱入。 同作の敵味方勝負となり、流れで一方通行と組んで闘うことになる。 こと、単純な戦闘力では、人識・一方通行コンビのほうが格段に高かったのだが、相性は最悪だった。 人識といーちゃんは対局とも言える存在で千日手とんってしまい、一方通行は当麻相手には反射が効かず押され気味であった。 ならばと、互いに相手を入れ替えればよかったのだが、見知らぬ相手同士、コンビネーションが成り立つわけもなく、相手の調子を狂わすいーちゃんの戯言もあり、戦況は不利になる一方であった。 ならばと一方通行を囮にして逃げ出そうとするも、学園都市でも有数の頭脳を誇る一方通行にそのことを先読みされてしまい、ベクトル操作にて、当麻といーちゃんの全ての攻撃を直撃させられてしまう。 そのまま逆に囮にされてしまった人識は絶大なダメージを受けてしまう。 幸い、いーちゃん側も性格の相性は良くなく、追撃は免れ、撤退に成功。 第二回放送がエリア中に響いていたが、人識にはもうそれを聞く気力すらなく、傑作だぜと自嘲しながら、ただ、歩くことしかできなかった。 そんな彼の目の前にある男が現れ、手にしていた大きな石を持ちこちらに向かって走ってきた。 零崎特有の殺意察知能力で、人識は間一髪で避けるが、その男は言う。 「お前だろ…?」 人識はその声を聞くとその男の顔を見る。 その男の顔はいつかどこかで見た顔であった。 そうだ、最初に殺した折原舞流だと気付くやその男は舞流の親族か何かだと気付く。 殺人鬼でありながらも、家族を大切にする零崎一賊なだけあって、すぐに事情を察する。 「そーいやこの辺で殺したあいつに似てるな。かはは、仇討ちか」 「仇討ち?おいおい勘違いするなよ化け物。俺は俺のために、君を殺すんだ」 こうして、もはや戦う力の残っていなかった零崎人識は折原臨也に人ならぬ鬼として殺された。 波止場のコンクリートの地面の上で永遠の眠りに就いたのである。 哀川潤に負け、人殺しを禁じられる前から参戦したことで、彼は命を落とすこととなった。 家族の仇は必ず取るとされる殺人鬼、零崎一賊の鬼子が、鬼と断じられ家族の敵討ちで殺される。 零崎人識がたどった顛末は皮肉としか言いようが無いだろう。
https://w.atwiki.jp/seisoku-index/pages/594.html
攻略 初日 常盤台中学前 エルシィ「ほえー・・・これが常盤台中学・・・」 一方「おーおー。流石はセカイ有数のお嬢様学校ってか?」 並の学校の15倍以上の敷地面積があるとは聞いていたが予想以上にデケェわ 学校ってか最早一つの街だなコリャ エルシィ「・・・さんもそうですが美琴さんもこの学校に通っているんですよね・・・」 一方「・・・・・・」 一方「・・・まァ、そォだろ。何を当たり前のことをぬかしてやがンだ?」 エルシィ「・・・神様」 一方「あン?」 エルシィ「そんな名高いお嬢様を恋に落とした神様って一体何者なんですか・・・!」 一方「・・・・・・」 エルシィ「も、もしや…やはり貴女が上条…」 一方「いい加減そのネタもしつけェぞ」ポカッ エルシィ「いったぁい!?」ぐすっ… 一方「・・・・・・」 一方「(オリジナル・・・御坂美琴・・・)」 一方「(思えばヤツの攻略からこのバカげた物語は始まったンだっけな)」 一方「・・・・・・」チャラ・・・ 一方「(クソガエル・・・ゲコ太のストラップ・・・)」 一方「(・・・いつまで付けてンだ俺はよ。ペアのストラップに何か期待でもしてる チェリーボーイかっての)」 一方「(まァ、オリジナルが今も付けてるとは限らねェけどよ)」 一方「(そうさ・・・アイツの記憶は無くなったンだ。こンなもンいつまでも付けて るもンじゃねェだろォが)」 「・・・攻略した方の記憶は消えてしまうんですか」 一方「・・・!」 心理掌握「それって寂しくありません?神様の記憶は残ったままなのに」 エルシィ「(あっ!心理掌握さん!)」 エルシィ「(ど、どうして攻略後の女性の記憶について知っているの・・・!?)」 心理掌握「・・・・・・」 心理掌握「(悪魔さんは私の能力、まだちゃんと把握出来てないのかな・・・)」 心理掌握「ごきげんよう神様。またお会い出来て光栄です」ペコリ 心理掌握「わざわざ私の学校まで足を運んでくださるなんて嬉しさで胸が熱くな りますわ」 一方「あァ、どンだけ皮肉を言われようが俺は今はお前しか見えねェからなァ」 心理掌握「あら。情熱的なお言葉ですね。照れてしまいます」 エルシィ「(おおっ!?神様がいきなり猛アタック!しかも反応も良好ですっ! )」 エルシィ「(これはエンディング間近でしょうか!?)」ドキドキ 一方&心理「・・・・・・」 心理掌握「苦労、しているのですね」 一方「アイツは・・・本物のバカだからな」 エルシィ「?」 心理掌握「しかし神様?少し話を戻させていただきますが・・・」 一方「なンだよ?」 心理掌握「貴方は過去に御坂美琴さんを恋に落とした。これは事実でしょうか?」 一方「・・・・・・」 心理掌握「Yesですか。 へぇ…あの御坂さんをですか・・・」 心理掌握「あながち神様というのも誇大表現では無いのかもしれませんね」 エルシィ「むー!?誇大も何も神様が神様なのは事実ですぅっ!」プンスカ 心理掌握「・・・・・・・」 心理掌握「そして神様・・・」 エルシィ「無視ぶっちぎりです!?」ガーン 心理掌握「・・・心の中を読ませていただいた結果、御坂美琴さんの記憶は攻略と同 時に消去された。という結論が出たのですがそれでよろしいでしょうか?」 一方「・・・・・・」 一方「・・・そンなことをテメェが聞いてどーすンだ」 心理掌握「・・・・・・」 心理掌握「私の能力は精神する関することならなんでも可能です」 一方「!?」 心理掌握「私を恋に落とす?」 心理掌握「私しか見えない?本当でしょうか?」 心理掌握「貴方はペアのストラップを見つめながら攻略の時を思い返していたの に?」 心理掌握「神様は御坂美琴さんのことをどう思っていらっしゃるのかしら?」 一方「オイ、テメェ!?何を考えて…!?」 心理掌握「・・・あら?イヤですわ。わかっていらっしゃるじゃないですか」 心理掌握「記憶の復元。意志の増幅」 心理掌握「貴方と御坂美琴さんがあの日から恋に落ちた状態のままになったと し たら」 心理掌握「・・・一体、私の攻略はどうなるのでしょうね?」クスッ… 私は貴方を必要としていません 私のセカイには貴方はいらないんです ~~~~~~~~ 美琴「・・・・・・・」チャラッ・・・ ゲコ太の限定ストラップ・・・ 私はどうしてこれを持っているんだろう? まぁ、それは映画に行ったからなんだろうけど けれど、どうもしっくりこない その時私は誰と映画に行ったの? ハッキリと思い出せない 美琴「(でも・・・何故か手放せないのよね。このストラップ)」 美琴「(どうしてなんだろう・・・)」 心理掌握「ねぇ、神様?どうでしょうか?」 心理掌握「御坂美琴さんの記憶・・・復元したいと思いませんか?」クスッ・・・ エルシィ「えっ!?美琴さんの記憶の復元・・・!?」 一方「・・・さげたこと言ってンじゃねェゾ・・・!!」ギリッ・・・! 心理掌握「あら?そんなことを言われるなんて心外ですね」 心理掌握「私は神様の為を思って・・・」 一方「ハッ!俺の為だァ!?テメェが楽しンでいるだけ・・・」 心理掌握「・・・寂しいでしょう?」 一方「・・・あァ?」 心理掌握「どれだけ多くの思い出を作っても」 心理掌握「どれだけお互いに理解し合えても」 心理掌握「覚えているのは貴方一人」 心理掌握「一人だけなんですよ、神様」 心理掌握「御坂美琴さんは貴方との思い出を何も覚えていないんです」 心理掌握「そう。思い出を作る前の貴方のことしか」 一方「・・・・・・」 一方「・・・言いてェことはそれだけか?」 心理掌握「御坂美琴さんのこと・・・気になってるのでしょう?」 心理掌握「いや、二人目の攻略者さんのこともでしょうか?気が多い方ですね」 心理掌握「その方は・・・涙子さん。素敵なお名前ですね」 心理掌握「けれど涙子さんも貴方をことを忘れてしまっているのでしょう?」 心理掌握「・・・貴方は今、一人ぼっちなんですよ神様」 一方「・・・・・・」 心理掌握「だから私の能力で記憶の復元を行えば・・・」 エルシィ「それは違いますっ!!」 心理掌握「えっ?」 一方「・・・エルシィ?」 エルシィ「神様は一人ぼっちなんかじゃありませんっ!!」 心理掌握「・・・いきなり大声を出したかと思えば・・・」 心理掌握「『神様には私がいますっ!』ですか?ありがちな思考回路ですね」 エルシィ「う、うー・・・」 一方「オイ、エルシィ。コイツの言うことは気にせず黙って・・・」 エルシィ「あ、ありがちで何が悪いんですかっ!?」 心理掌握「・・・!」 一方「って、オイ!?」 エルシィ「神様は今日まで一人で生きていたわけじゃありませんっ!」 エルシィ「様々な人達との思い出があって今もそれを作っているんです!」 エルシィ「中には悪い思い出もあったかもしれません・・・攻略者さんの記憶が無くなって寂しいと思っているかもしれません・・・」 エルシィ「それでも!神様はそれを受け入れて今も生きています!」 エルシィ「そして私はそんな神様をお側で見てきたんです!」 エルシィ「昨日今日出会ったばかり貴女に『記憶を復元した方が良い』とか『一人ぼっち』だとか勝手なこと言ってほしくないですっ!!」 一方「エルシィ・・・」 心理掌握「・・・・・・」 心理掌握「・・・私は心の中が読めるんです」 心理掌握「寂しさや不安、全てを読み取ることが出来ます」 心理掌握「そんな私に対して『勝手なこと言わないで』ですか・・・」ジロッ・・・ エルシィ「う、うー!?」グッ・・・ 心理掌握「・・・・・・」 心理掌握「・・・不愉快な気分になりましたので私はこれで失礼させていただきます」 エルシィ「・・・ふぇっ?」 心理掌握「それでは・・・」タッタッ・・・ エルシィ「・・・・・・」 エルシィ「・・・か」 エルシィ「勝ったぁ!!」 一方「勝ったじゃねェ!!」ゴツン! エルシィ「いったぁい!?」グスッ・・・ エルシィ「い、いきなり何をするんですかぁ!?」エグエグ・・・ 一方「勝手にイベント進めンな!勝手に好感度を下げンな!!」 エルシィ「だ、だってぇ~・・・」スンスン・・・ 一方「・・・・・・」 一方「・・・帰ンぞ」 エルシィ「・・・えっ?」 一方「『俺ら』の家に帰ンぞ。今日はもう攻略続行不可だからなァ。帰ってこれからの計画を立てる」 エルシィ「・・・!!」 エルシィ「は、はいっ!帰りましょう神様っ!!」 一方「・・・ったく」 一方「役立たずのポンコツのくせにでしゃばりやがってよ・・・」 一方「・・・・・・」 一方「(・・・そうさ。オリジナルや涙子がなンだってンだよ・・・)」 ~~~~~~~~ 心理掌握「(あんな悪魔さん相手に・・・私としたことが・・・)」 心理掌握「(少々、神と悪魔というものを侮っていたかもしれない・・・)」 心理掌握「(けれど・・・)」 美琴「(いつもの自販機でイチゴおでん買って帰ろうかな?)」 心理掌握「(私のセカイには近づかせない)」 心理掌握「(だからお二人とも)」 心理掌握「(思い出に抱かれて・・・死んでください)」 ~~~~~~~~ エルシィ「できたぁ~!!」 エルシィ「ふふ~神様っ!今日のお夕飯は私の自信作です!きっと神様も気に入ってくれると思いますよっ!」 一方「あーそうかい。ごちそうさン」 エルシィ「はい!お粗末様・・・って、まだ一口も食べてないじゃないですかぁ!?」 エルシィ「うー・・・どうしてそんないぢわるするんです・・・?」グスッ・・・ 一方「悪ィがカニバリズムは趣味じゃねェ」 エルシィが出してきた夕飯・・・もといオブジェ 人の手らしき物体で野菜と肉をサンドした・・・ エルシィ「今日のは絶対美味しいのに・・・ハンドウィッチ・・・」シュン・・・ 一方「せめて爪剥がせよ」 エルシィ「うー・・・結局今日も食べてもらえませんでした・・・」ショボン 一方「もう少し見た目に親しみやすさをアップしてくれりゃァ、いつか気が向いたら食ってやるよ」 エルシィ「こんなに親しみやすい見た目なのに・・・人間の方の好みは難しいなぁ・・・」 一方「(どこがだっての)」 一方「さってと・・・落ち着いたとこで今後の今後の攻略対策でも立てるかァ」 エルシィ「あっ、はいっ!そうですねっ!」 エルシィ「神様っ!私に出来ることがあれば何なりと・・・」 一方「・・・・・・」 エルシィ「・・・神様?」 一方「そォだな。ここは1つ悪魔に魂を売ってみっかァ」 エルシィ「えっ?」 一方「帰宅途中に考えはある程度はまとまっていた」 一方「エルシィ」 一方「今回はお前の力も必要だ」 一方「(やっと舞台の役者になれた感じだな)」 一方「(だか、まだデケェ問題が残っている)」 一方「(それを処理出来るか出来ないかは俺と・・・) 一方「(アイツ次第だ)」 ~~~~~~~~ 美琴「(ありゃ?またイチゴおでん売り切れてる・・・)」 美琴「(案外人気なのかしらね・・・まぁ実際美味しいしね)」 心理掌握「・・・・・・」 心理掌握「(イチゴおでん・・・?おでんにイチゴ・・・?)」 心理掌握「(しかも美味しい・・・?)」 心理掌握「(・・・心が読めてもそれを理解出来るとは限らないわね・・・)」 心理掌握「(って、呆然としている場合では無いわ)」 心理掌握「ごきげんよう、御坂美琴さん」 美琴「えっ?」 美琴「・・・げっ!?」 心理掌握「今、お帰りですか?」ニコッ 美琴「(メ、心理掌握!?なんでコイツがこんなとこに!?)」 美琴「(いや、別にいても変じゃないけどなんで私に話しかけてくるのよ・・・)」 美琴「(まいったなぁ・・・私コイツ苦手なのよね・・・)」 美琴「(女王様気質な性格がどうもねぇ・・・)」 心理掌握「・・・・・・」 心理掌握「奇遇ですね。私も貴女のことを快く思っていませんので」 美琴「・・・!」 美琴「それでいてその能力なんだから・・・ホントにタチが悪いわ・・・」 心理掌握「ふふっ・・・褒め言葉として受け取っておきしょう」クスッ・・・ 美琴「で?一体何の用なのよ?」 美琴「知り合いを見つけたから挨拶をしておこうっ!ってガラでもないでしょ?」 心理掌握「そうですね。用件が無ければ貴女に話しかけたりなんてしませんもの」 美琴「・・・無駄話はキライなの。さっさと本題に入ってくれない?」バチッ・・・! 心理掌握「あら、怖い。けれど私も時間を無駄にしたくありませんので単刀直入に済ませましょう」スッ・・・ 美琴「ん?」 心理掌握が私に向かって指を指してきた 一体何のつもり? 洗脳系の能力でもかけようっての? 悪いけど、そんなヤワな脳構造じゃ・・・ 心理掌握「貴女のそのカエルのストラップ・・・」 美琴「・・・えっ?」 美琴「(ストラップ・・・?このゲコ太の・・・?)」 美琴「(これが何だって言うの?)」 心理掌握「・・・思い出したくはありませんか?」 心理掌握「そのストラップを手にした時のことを」 美琴「・・・えっ!?」 美琴「(ス、ストラップの・・・思い出・・・!?)」 美琴「え、なっ・・・!?」 美琴「(コイツ・・・このストラップのことについて何かを・・・?)」 美琴「(い、いや深く考えちゃダメ・・・!深い意味なんて無いはず!)」 美琴「あ、アンタもゲコ太の映画を観に行ったの?」 美琴「い、意外ね~!こういう物には興味無いのかと思っていたけど・・・」 心理掌握「私は」 心理掌握「貴女がこのストラップを手に入れた日のこと」 心理掌握「そして・・・」 心理掌握「その日、貴女の隣にいた人物のことも把握しています」 美琴「・・・なっ!?」 心理掌握「御坂美琴さん」 心理掌握「大切な思い出を・・・」 心理掌握「取り戻したいとは思いませんか?」 記憶を取り戻す つまり心理掌握の能力で失った記憶を復元してみないかってことでしょ? なんでコイツがそんな提案を・・・? 何か裏があるに違いない 復元と称して油断させて精神に細工されるかもだし! だけど・・・ 美琴「・・・ホントに取り戻せるの?」 あの日失った思い出・・・ そして傍にいた誰かのことを・・・ ・・・思い出したい きっと私にとってかけがえのない時間だったはずだから
https://w.atwiki.jp/etcranking/pages/6087.html
大阪市営地下鉄 四ツ橋線ランキング一覧 一覧説明 大阪市営地下鉄 四ツ橋線の乗降車人数を駅別でランキングにしています。 一覧の中に阪急京都線等路線名がありますが、これはその路線からの直接の乗降車を指しています。 ランキング一覧(現在30ランキング) 乗降者総人数★ 乗車人数★ 降車人数 名称 種類 説明 総人数(10) 乗客数 多い順 乗降車人数を、駅別で比べました。 ┃ ┗ 少ない順 ┣ 定期 多い順 乗降車人数を、駅別で比べました。 ┃ ┗ 少ない順 ┣ 定期の割合 多い順 定期で利用している人の割合を、駅別で比べました。 ┃ ┗ 少ない順 ┣ 割合 多い順 四ツ橋線の中で、どれくらい乗降車がいるのか、比べました。 ┃ ┗ 少ない順 ┗ 割合(定期) 多い順 四ツ橋線の中で、どれくらい定期での乗降車がいるのか、比べました。 ┗ 少ない順 名称 種類 説明 乗車(10) 乗客数 多い順 乗車人数を、駅別で比べました。 ┃ ┗ 少ない順 ┣ 定期 多い順 定期で利用している人数を、駅別で比べました。 ┃ ┗ 少ない順 ┣ 定期の割合 多い順 定期で利用している人の割合を、駅別で比べました。 ┃ ┗ 少ない順 ┣ 割合 多い順 四ツ橋線の中で、どれくらい乗車がいるのか、比べました。 ┃ ┗ 少ない順 ┗ 割合(定期) 多い順 四ツ橋線の中で、どれくらい定期での乗車がいるのか、比べました。 ┗ 少ない順 名称 種類 説明 降車(10) 乗客数 多い順 降車人数を、駅別で比べました。 ┃ ┗ 少ない順 ┣ 定期 多い順 定期で利用している人数を、駅別で比べました。 ┃ ┗ 少ない順 ┣ 定期の割合 多い順 定期で利用している人の割合を、駅別で比べました。 ┃ ┗ 少ない順 ┣ 割合 多い順 四ツ橋線の中で、どれくらい降車がいるのか、比べました。 ┃ ┗ 少ない順 ┗ 割合(定期) 多い順 四ツ橋線の中で、どれくらい定期での降車がいるのか、比べました。 ┗ 少ない順 トップページ
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/3528.html
前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある科学の超荷電粒子砲(プラズマ・キャノン) 第09話 一方通行(1) 「是故百戦百勝、非善之善者也。 不戦而屈人之兵、善之善者也」 学園都市1位というのは以外に窮屈なものだ。 日本国刑法35条の正当行為、または刑法36条の 正当防衛に該当しなければ、 殺人・傷害事件を起こせば処罰される。 強大な火力を持つ自分にとって実験でいつ人を殺すか内心 いつもひやひやしている。 いくら業務でも過失致死でも起こせば私が少年院行きだ。 だから、実験でも細心の注意を払って、研究員や軍需企業の 関係者の安全を確保する。 できるだけ無人兵器の実験の依頼を受けるのもそのためでもある。 近年のAI 技術の進展に伴い、無人兵器が軍備の主体になりつつあるのが 幸いし、実験にはあきがない。 だからあのおぞましい実験を1年前に2位殿へ所長が押し付けたのも、 まさに戦わずして勝つということだ。 どうせあんな実験、誰かのじゃまが入っておじゃんになる。 そうすれば一方通行は自滅するだろう。 それが、所長の見立てだった。 所長は、本来私が引き受けるべき 絶対能力者進化実験を、 知人の木原数多に依頼し学園都市2位の一方通行へ 押し付けた。 それに・・所長は多分知っているだろう。 メインプランではこの実験は失敗することを。 彼はこの茶番が失敗する運命なんてしらないでしょうね。 一方通行は私にとっては、ちょっとシャイな兄貴だが、世間一般の 見立ては一言、口の悪い目つきの悪い怖い人だろう。 所長と一方通行の主任研究員木原が知人なこともあり、私と 一方通行は兄妹みたいな関係だ。 だから数多さんのいる研究所には私と所長も時々お邪魔するし、 一方通行も私の研究所へ遊びに来る。 だからお互いよく知っている。性格も能力も趣味も感情も。 兄貴は本当は心根のイイヤツなんだ。 だけど小学低学年でいきなりレベル5になり、突然あらゆる兵器 で攻撃されれば、そりゃ人格だって捻じ曲がる。 百戦百勝を宿命づけられた存在。つらいよね。兄貴はとなる。 スライム2万匹をつぶして、レベル6になる。 詐欺みたいな話だ。 いくら、クローンがライフルだので武装しようが、兄貴の反射じゃ、 そもそも当たらないだろう。 自分がやることを想像してもあまりの退屈さにあくびがでる。 レベル3のAIM拡散力場なんてすぐ場所を特定できるし、そこへ 電子線でも撃てばそれでおしまいだ。 はっきり言ってコイン一枚で十分なのでつまんーない。だ。 自分の体を電磁場で覆えば、弾一つあたらない。 まさにワンサイドゲーム。 私は、核ミサイルやら、ファイブオーバやら、戦闘機やら、 戦車やら、世界中のあらゆる兵器と戦っているのだ。 戦闘レベルは比較にならない。 毎日が、戦場と言っても過言でないし、 しかも難易度は最高レベルだ。 でもそれだけやってもレベル6にならない。 それを。たかだかレベル3を2万回殺害でレベル6? なんかおかしくないか? 正直な話、私や一方通行クラスならスライムを殺すのは簡単だ。 殺すのはノーリスク、戦いながら生かすのは困難でリスクがある。 2万体レベル3を殺したところでレベルなんて上がりはしない。 いくらそれが、「御坂美琴」のクローンだってね。 兄貴は理事長に担がれてないか?それが私の正直な感想だ。 はっきり言って兄貴は戦う前に負けている。 でもな兄貴は賢いからな。そんな私がわかることは 兄貴もわかっているはずなんだ。 まさか、かわいい妹のために泥をかぶる? ははは、な馬鹿な 空想を笑い飛ばしたが、・・ 後でそれが一面の真理だったことを知る。 ふふなんか考え事しちゃったな。 上条当麻の不可思議な能力を見て、なぜか一方通行を思い出した。 そして実験動物妹達を思い出した。 気をとりなおし、PCの画面を広げ、さきほど終わった 上条当麻との模擬戦闘レポートを書く。 本当にびっくりぽんだ。 あんなものが出るなんて。 彼の頭上3Mにポジションを確保し、磁力で浮遊した。 負けはしない。ある意味ずるいやりかたを選択。 ふふ・・上条当麻は飛べないからね。 そこから100億KWの電撃や、砂鉄の剣、弱い1億度のプラズマでジャブ だんだん強度を上げ、おおよそ1兆KWの交流電撃で右手が処理落ちすることを確認した。 最後に私が調子にのって右手及び左手付け根を1兆度のプラズマをビームサーベルのように使い切断したが、突然竜らしきものが出てきたのはおどろかされた。プラズマ温度を100兆度まで上げ竜をなんとかかわしたが、あらかじめツリーダイアグラムであの竜の存在を想定し、心の準備をしていなければ敗北するところだった。 彼は両手を失い、それ以上戦闘できる状態でないので、実験は終了となった。 すぐにあの、6KM離れた冥土帰しの病院へ私が60秒で彼を送り 病院で両手を縫合した。 まあ・・なんか楽しくて調子に乗ってしまったな。 あやうく殺すところだった。あぶないあぶない。 でも楽しかったな。スライムを相手じゃこんな経験値は得るとはできない。 兄貴、強い相手と戦闘しないと伸びないよ。力はさ・・ でもあのイマジンブレイカーも処理の限界があることを確認できて よかった。イマジンブレイカーはある巨大な存在から上条当麻が能力 を借りたものであるという作業仮設を提起できる。 それは、ある巨大な存在が、AIM拡散力場など通常の物理原則で 発生しない現象を感知し、その意思の力で、発動する。 先日のペンデックスそしてイマジンブレーカ おそらく通常科学とは全く 異なる理論・・魔術で起動する現象。 とはいえ、魔術も人が作りし現象。 かならず理解できる。最低でも利用法はあると思っている。 ただ、どうやらそのままでは我々能力者には利用できないものらしい。 なぜ?・・・ここになんか理事長の思惑がありそうだ。 まあいい、試行錯誤は科学研究の必要なステップ。 上条当麻の龍の首。 インデックスのドラゴン・ブレス 人工衛星のデータを解析して糸口を捕まえよう。 そして、上条当麻をくっそたれな運命が救おう。 ふふふ・・アイツ 私が、御坂美琴がなにものか 気がついたみたいね。 プラズマ・キャノン 学園都市1位=御坂美琴とね。 口止めしないといけないかな。 まあ彼は守秘義務契約は守るでしょ。 今朝契約金500万払ったしね。 明日午前の授業はキャンセルしよう。 実験でトラブル発生したと言ってね。 上条当麻 あんたの力を見せてもらったわ。 あんたはただの高校生なんてうそをつくのはよくないわ。 あんたは、龍の力を持つ、最強の能力者なのよ。早く自覚しなさい。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある科学の超荷電粒子砲(プラズマ・キャノン)
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/587.html
「ドラゴン?」 結標が言う。疑問に思うのも当然だろう自分たちが戦っていた連中以外の組織があったのだから。 「このぐらいで驚いてンじゃねえよ」 海原が続く 「まあ、確かにまだ組織があっても不思議じゃないですからね。それで土御門どんな情報があるんですか?」 「ああ、どうやらこいつらはアレイスター直属の実行部隊で、メンバーは俺たちと同じ四人らしい。内レベル5の第六位瞬間氷結が所属してるみたいだ。」 「そンでそいつらはどこにいるんだ?」 土御門が黙る。 「ああ、どうやらこいつらはアレイスター直属の実行部隊でメンバーはおれたちと同じ四人。!!・・・幻想殺し複製計画だと!?」 「なァンだその幻想殺しってのわ?」 「そうかお前と結標は知らなかったな。幻想殺しはあらゆる異能の力を消すことができる能力だ。そう、お前と戦って勝利した男のことだ」 一方通行から明らかな殺意が放たれている。 「ははははははははァ最高じゃねえかあいつと同じ能力の奴と戦えるなんてよォ」 やたらとテンションが上がっている一方通行を無視して、土御門は続ける。 「あと使われていた施設がシスターズの作られた場所らしい。この『滑空回線』にある情報はこれだけだ、とりあえず調査に行って見ようぜ」 研究所前 「開いてるみたいだな」 土御門が戸をあける。 「全く物好きなもんだァなこんな所で、また実験なんて」 中には行っていくと大きなホールのような所に出た。 「妹達を作るための機械があった所みたいだな。なんだ!?」 突然上からライトが照らされた。 「わざわざご苦労なこったなグループの皆さん」 「誰だ!」 土御門が叫ぶ。 「お前は!上条当麻か?」 影から出てきた人物は、そう『上条当麻』とうり二つの人物だった。 「正解のようで正解じゃないな、俺は献体番号2596番、まあ番号で呼ばれるのもイヤだから上条錬魔とでも呼んでくれ」 「なんだ、クローンか土御門さっさとあいつを捕まえて帰ろうぜ」 電極のスイッチを入れながら一方通行はだるそうに言った。 「言ってくれるじゃないかロリコン」 錬魔も負けずに言い返した。 「てっめえ絶対ブッ殺す」 一方通行は、近くに落ちていた瓦礫を高速で投擲した。 しかし、瓦礫は見えない壁に防がれたように消滅した。 「まあ、今日は挨拶代わりだまた会おう。生きていればの話だがな」 次の瞬間二十機程度のパワードスーツが壁を突き破って、入ってきた。 「そいつらは、ESPジャマーが搭載された特注品だ、がんばるんだな」 錬魔は笑いながら去っていった。
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/1111.html
その頃の打ち止めが転入したクラスでは特別授業の一つ目の質問がされた、浜滝と半郭に。 どうして二組同時なのかと言うと、それは共通の質問に他ならず、黒板に書かれたその質問というのが、 【お姉さんたちはどうしてそのお兄ちゃんたちを恋人にしてあげたんですか?】 子供の無邪気で素直で残酷な、浜面と半蔵の心を深く抉る内容のものだった。 (話はカッコいいかも知れないけどな、俺麦野殺したもんな……。 ……正に地獄のそこから生き返ったけどさ) (どうやって話すか……あんまり忍者の話はしたくないしな……。 ……郭は問答無用で言いそうだけどなあ) うーんと、男二人は頭を悩ませてるが、その彼女のお二人は特に気にしていないらしい。 一方、一方通行も頭を悩ませていた。 (まず変なワードが多すぎるだろォが。『クローン』『一万人の人殺し』『殺す側の男』『殺される側の女』だぞ?メチャクチャだろォが!! ……………とっておきは、『魔術』だ。ナンじゃソリャァ!?こっちが聞きたいンだよ!!) 実際、告白……というか告白発表?がされたのは魔術側の人間も関係あるわけで、こっちは結構な人殺しなわけで………。 (………ナンでコイツ(打ち止め)はこんな人生しかおくれねェんだよ。黒幕いたらブッコロス) 一方通行がそんな物騒なことを考えていると、子供たちからの意見の収集ができた。 さて、集まった質問とはこのようなものである。 【お姉さんたちはどうしてそのお兄ちゃんたちを恋人にしてあげたんですか?】 【お兄ちゃんたちはどうしてそのお姉さんたちを恋人にしたいと思ったんですか?】 【お二人はキスを一日何回しますか?】 【お二人の出会いはどのようなものですか?】 【※それとそれまでの成り行きをお願いします】 【親はお二人の交際を認めてますか?】 【同居はしていますか?】 などなど、どれも人のプライベートを深くえぐるものが多い……いろんな意味で。 そのことに関して、一方通行、浜面、半蔵は教室の隅っこで相談していた。 「(オイオイ、これはいったいどォすンだよ?)」 「(黙秘権でも使うか?)」 「(駄目だ。井ノ原母に殺される)」 だがそんな抵抗もむなしく、 「おいそこの三人、そんな所で話してないでこっちに来い」 ズルズルと黒板前に座らせられたのであった……。 「じゃあまず一つ目だがこれは当麻達と美咲華達には当て嵌まらんな。じゃあ残る二組の方のお前達だな。名前は?」 「滝壺理后。ちなみにはまづらは浜面仕上という」 「郭です。半蔵様のフルネームは服部半蔵です。……あっ、ご、ごめんなさい半蔵様。フルネームにも様を付けるのを忘れてしまって……」 「理后と郭だな。じゃあ早速一つ目の質問に答えてもらおうか」 一つ目の質問免除をされた上琴、一打に納得しなかったのは一方的に対象とされた浜面と半蔵の二人。 すぐさま抗議しようとしたが朝陽の鼻先を掠める回し蹴りの前に沈黙せざるを得ない状況に。 「言っとくがこれはお前達限定の質問だからな。見てみろ、子供達の視線を」 浜面と半蔵は朝陽に言われてようやく気付いたが、一つ目の質問を楽しみにしている子供達の目が全て滝壺と郭に向けられていたのだ。 自分達の子供達のランクの低さに泣きたくなった浜面と半蔵だったが、そんな二人を救ったのは他ならぬ彼らの恋人だった。 「みんな勘違いしないで欲しい。私ははまづらを恋人にしてあげたんじゃない。お互いにそう望んだから恋人になってる。分かった?」 「私も違います。告白は私から半蔵様にしましたから。みんなが思ってる以上に半蔵様も浜面氏も素敵なんですよ?」 滝壺と郭の答えに子供達は少しの沈黙の後、感動の拍手を送った、あくまで滝壺と郭だけに。 とはいえ浜面と半蔵の子供達のランキングはほんの少し上がっていたりする、ほんの少しだけ。 「どうやら子供達も納得したようだ。じゃあ二つ目、いってみよーか♪」 二つ目の質問は四人とも黒板に書かれた時点で必死で思考を巡らせた結果、子供達に当たり障りの無い答えを用意することが出来ていた。 「俺の場合は積み重ねかな。最初は美琴に喧嘩ふっかけられて、そっから追いかけっこして、美琴を苦しめてるものを知って助けたいって思って」 「当麻……」 「んでその苦しめてるものから助けてからは恋人ごっこもしたり罰ゲーム……ありゃあ初デートか。とにかく美琴の色んな面を知って気付いたらベタ惚れしてたってわけだ」 当麻の惚気に子供達は「すっげー」「かっこいいー」「お姉ちゃん愛されてるー♪」などの言葉を贈り、この時点で『カミジョー』としての噂は払拭されることに。 次は一方通行の番だが、こっちは少し神妙な面持ちで話し始める。 「俺にとってのコイツはまあ、何だァ、初めて認めてくれた奴だ。今までのクソみてェな人生を変えられる切っ掛けもくれた」 「あなたの人生はそんなことないよってミサカはミサカはわぷっ」 「ンで色々あって俺とコイツは離れられない間柄になって、全てを捨ててでも守りたい、つまりなァ、一生傍にいてやりてェって思ったから恋人になったんだよォ」 一方通行の答えにも当麻同様に「さっすが第一位ー」「意外とまっじめー」「美咲華ちゃんいいなー」などの賛辞が贈られた。 次は浜面、半蔵の番なのだがこっちは先の二人よりもかなりシンプルに答えた。 「仲間内でも下っ端扱いだった俺に優しくしてくれた滝壺をいじめる意地の悪いリーダーをぶっ飛ばした、その辺りで好きって気付いたんだろうな。まあ後はすっげー可愛いし♪」 「俺は慕ってくる郭の真剣な告白を無碍に出来ないって思って、付き合い出したんだっけ。ま、昔から慕われてて悪い気はしなかったし、今じゃ俺の方が郭を愛してるけどな」 「ありがとうはまづら」 「半蔵様! 私、感動しました! 半蔵様にそのように想われていたなんて! でも安心して下さい、私の方が半蔵様を愛してますから♪」 いちゃつき始めた浜滝と半郭を子供達は羨望の眼差しで見つめていたが、話が進まないとあって朝陽が浜面と半蔵の後頭部に蹴りを叩き込んでいちゃつきを強制終了させる。 そして3つ目の質問を始めようとしたが、一人だけ頭を悩ませてる一方通行を見て朝陽が意地悪な提案をする。 「じゃあ次はキスの回数だがこれは当麻達からじゃなくて美咲華達から答えてもらおうかな」 「何で俺たちからなんんだァー!上条たちからでいいじゃねェかァ」 「学園都市公認の当麻と美琴は、訊くまでもないと思ってね♪そ・れ・に・・・同い年の子がどれだけキスしているのか、この子達も早く聞きたいと思っているだろうからね♪」 「ぐゥ・・・(言い返せねェ)」 朝陽は一方通行が観念したもとと判断し 「さあ答えてもらおうか♪」 「毎日、朝と夜に一回ずつキスしてもらってる。てミサカはミサカは願望を言ってみたり」 「んなァ!なにいってやがる、おまえはァ!」 「あはははは、お顔真っ赤かだよ。て言いつつアナタの顔にミサカの顔を近づけてみる」 そして打ち止めは皆が見てる前で堂々とキスをした、一方通行の頬に。 「本当は唇にしたかったけどみんなの見てる前だからそっちは後でねってミサカはミサカははにかんでみたり♪」 「~~~~~~~~~~~~~~~っ!!!!」 顔を真っ赤にしてあたふたしてる一方通行を見てクラスメートは思った、美咲華ちゃんは小悪魔だと。 打ち止めのキスで活気付いた教室の中、ミニ黒子こと白子が果敢にもアプローチを掛ける。 「すんばらしいですわ美咲華さまっ! 今度はこの白子にお情けをかけギャンッ!」 「ミサカの唇はこの人専用だからそれはしてあげられないってミサカはミサカは電撃を放ったことも謝ってみたり」 「ああんっ! この迸る熱いスパーク、白子の体はゾクゾクしますの! この快楽、何十回何百回でも味わう価値がぐえっ!」 打ち止めはダイブを敢行した白子を容赦なく電撃で沈めたのだが、この歳で黒子クラスの変態性を見せ付けられてドン引きしてしまう。 なおも電撃を求める白子を朝陽が後頭部踏み付けで完全に沈黙させると、次は上琴の番だと視線で促すと小声で相談を始める上琴。 「えっとおはようのキス、朝飯のいただきますとごちそうさまのキス、行ってきますのキス、朝だけで最低4回だよな?」 「学校で会えない間は0回よね。それからおかえりなさいのキス、晩ご飯のいただきますとごちそうさまのキス、お風呂でのキス、お休みなさいのキス、合わせて9回?」 「でもそれは平日だからなぁ。休日だったら昼飯の分も加わるし、平日だってキスしたいって思ったらしてるよな? 俺達」 「そうよね。じゃあさ、これでいいんじゃない?」 上琴は相談を終えると、口を揃えて子供達の質問を答えた。 「「数えるのも面倒なくらいしてまーす♪」」 上琴以外の面々、一瞬の沈黙の後に凄いだの羨ましいだのラブラブだの口々に上琴への感想を口にしていた。 朝陽は順番を間違えたと後悔したが、それでも子供達が落ち着くのを待ってから浜滝と半郭にもキスの回数を答えてもらった。 浜滝は平均6回、半郭は毎日4回と上琴に比べると見劣りするが、それでも子供達には凄いという印象を持たれることに。 「次の4つ目と五つ目は纏めてで良さそうだな。順番はそうだな、半蔵達、仕上達、美咲華達、当麻達でいってみよーか」 この2つの質問に関しては上琴が一番なのがベストなのだが先程のキスの件で上琴が最後の方がいいと判断してしまった朝陽。 予期せぬ順番変更に焦ったのは当然ながら浜面と半蔵、二人は自分の恋人達と急ぎ相談を始めるのだった。 (俺とコイツの出会いのエピソードまとめは完璧にシミュレート済みだァ。問題はコイツが深夜の往来で裸にひん剥かれたって言いかねねェことくらいか) 一方通行の方は準備万端だった、たった一つの懸念材料を抱えてはいるが。 悩んでも時間は来るものであり、『相談終了』と井ノ原母から宣告された。 「それじゃあ始めてくれ」 「ああ。俺と郭は学園都市に入る前に出会ってな……ここで終了」 ええー!!つまんなーい!!と子供達が騒ぐか本当にそのようなものであり、他に話すことは……忍の事なので話せないのである。 「……もっと詳しく話してくれるよな?」 「俺は堕貴族みたいなもんで郭はその使用人です」 ……井ノ原母の殺気で、少しだけ負けました。 「次は浜面氏で~」 「えっ!?ちょっと待て!!オマエラのそれまでの成り立ちはどうなった!?」 「安心しろ浜面。それは次だからな」 「ズルッ!!コイツラズルッ!!」 「いい加減にしろ」 バコン!!浜面の頭を殴り井ノ原母は無理やり話させようと催促した。 だが答えたのは浜面ではなく、滝壺だった。 「むかしむかし、はまづらの居たチームは色々な煽りを受けて解散してしまいました」 「色々な煽りってなーにー?」 「俺、分かっちゃった。きっとあの冴えない仕上にーちゃんの居たチーム、こーそーに負けて無くなっちゃったんだよ」 「えー、じゃあ仕上お兄ちゃんって一人ぼっちになっちゃったの? 何だかちょっとだけかわいそー」 スキルアウトのような子供達が知ってて印象の良くないワードは使わずに説明する滝壺。 浜面の見た目のせいか、少し子供達が使うに相応しくないワードも出てはいるが、思ったよりも受けはいいようだ。 「さすが滝壺氏です。浜面氏のマイナスの印象も少しだけプラスになるような語り口です」 「でも何で最初の入りが昔話調なんだよ……」 「細けぇことは気にすんな! 要は滝壺がメチャクチャ可愛いってことなんだからよ!」 浜面の発言に「それは絶対に関係ない」と思った半郭だったが、ツッコミを入れるのもバカらしいのであえて無視する方向に。 「そんなはまづらを拾ってあげたのが私達のチームでした。下働きで頑張ってるはまづらをチームのリーダー(笑)から紹介されたのが出会いです、おしまい」 子供達はリーダーの後に(笑)を付けたことに疑問を感じたが、滝壺が浜面を拾い上げたことの方が印象が強かったので誰も質問はしなかった。 滝壺がリーダーの後に(笑)を付けた理由を知ってる浜面は思った、滝壺にとって麦野はお邪魔虫兼友達なのだと。 実は麦野、バレンタイン以降もヤンデレ&エロで浜面を狙っており、滝壺とは喧嘩もしつつ浜面のことで意気投合することもある奇妙な間柄になっている。 「まー、半蔵達はこれ以上詮索して欲しく無さそうというより上手く纏められないって所か。みんなー、半蔵は話を上手く纏められないおバカってことで許してくれるかー?」 「はーーーーーーいっ♪」×生徒全員 「ちょ、あれ酷くねぇか?」 「仕方ありませんよ半蔵様。出会う前の成り立ちなんて忍関係の言葉を使わないと無理ですから。言葉はアレですけど朝陽氏に救われたと思いましょう」 浜滝と同時に半郭も終了してしまったが、これは朝陽が半郭の二人を見て話せない(というか上手く伝えられない)事情があると察しての判断だった。 「じゃあ次は美咲華達だけど……どっちから聞きたいかみんなに聞いてみよーか♪」 「なあッ! じょ、冗談じゃねェぞ! コイツに説明させたらとンでもねェあだっ!」 「これも美咲華がクラスの皆とより一層溶け込むためだ。年上なら黙って見守ってやれ、な?」 朝陽がいいことを言ったことには納得した一方通行だが、その前の頭が割れるほどのかかと落しには納得していないが頭の痛みと朝陽の怖さに素直に受け入れることに。 結果、全クラスメートが打ち止めから話を聞きたいということになったが念の為、一方通行は打ち止めに禁止ワードを教える。 「いいか。余計なことだけは言うんじゃねェぞ、分かってンな?」 「それくらい分かってるってミサカはミサカはあなたの過去の黒い所業やミサカ達の裏事情は絶対に話さないって誓ってみたり」 「分かってンならそれでいいけどよォ(何か一番重要なことを口止めしてねェ気がするが……)」 こうして打ち止めによる一方通行との出会い、それまでの成り立ちを彼女なりの言葉での説明が始まった。 しかし一方通行はこの時大きなポカをやらかしていた、深夜の往来で毛布を剥ぎ取って素っ裸にしたことを口止めしなかったのだ。 「ネットでは知り合いだったんだけど、去年の夏休み最終日開始の深夜にこの人を見つけたの。てミサカはあのときの状況を思い出しながら説明を始めてみる。 何度も声をかけたんだけど、この人反射していたらしくって完全無視状態だったの。でも途中で反応してくれたんだけど、私の口調が気になったみたいで『“ミサカ”だと?・・・・・・オマエ、その毛布を取っ払って顔見せてみろ』って言いだしたの さすがに戸惑ったんだけど聴いてくれなくて、深夜の往来で毛布を剥ぎ取って素っ裸にされたの。てミサカはミサカはあのときの恥ずかしい状況を思い出してまた恥ずかしがったりしてみる!!』 「「「「「「「「「「「「「「ブハーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!?」」」」」」」」」」」」」」 「ウォーーーーーーーーーーイ、それを言うんじゃねーーーーーーーーーーーーーーーーーーェ!!!」 今の爆弾発言でクラスメイトはおろか『見守り隊』の面々と初耳状態だったミサカの保護者二人とも噴き出した。 「ちょ、ちょっとどういう事よ一方通行!あんたこの子をひん剥いたって言うの!?」 「説明してほしいじゃん!一方通行!」 「にゃー!それは初耳ですにゃー!(メンバーにこの事実を教えるぜよ♪)」 「まさか、研究所を抜け出した後そんな事になっていたなんて・・・」 「覚悟はできているか!このロリコンひん剥きやろう!」 一方通行とミサカの関係を知る5人は怒りと嘲笑の顔で一方通行に詰め寄っていく。 「そんな事言ったてよォ、まさか毛布一枚だけで街中をうろついているとは思わないだろーがァ!」 今の言葉でさっきまで怒りを露わにしていた三人は少し落ち着いてきた。 「え?毛布一枚?」 「どういうことじゃん?」 「なんでそんなカッコで?」 一方通行はお怒りの三人の疑問に答えようとしたが、自分自身も何故コイツが毛布一枚だったか訊いていなかった事に気づく。 そんな様子を見ていた子供たちが恥ずかしさでうずくまっている打ち止めに尋ねた。 「ねえ、ねえ、美咲華ちゃん。どうして毛布一枚だったの?」 「なんでそんなカッコで街を歩いていたの?」 「うぅなんでって言われても、研究所から出るときミサカに合う服は見当たらなかったからだけど。てミサカはミサカは研究所の用意の至らなさに憤慨してみる!」 「けんきゅうじょ?」 「研究所とはどういうことですの?」 「研究所は私が生まれた場所だよ。てミサカはぐむっ」 「うォイ!それ以上喋るんじゃねぇ!」 打ち止めが非常にまずいワードを口走りそうだったためお怒り三人を掻き分けて口を塞ぐ。 その様子を見た朝陽は、これ以上訊く事は何かまずいと感じたのかクラスメイトをなだめた。 「はいはい、みんな。どうやらこれ以上は聞かれたらまずい事みたいだからこれ以上訊かないように。いいですね」 「えーそんなー!」 「これからいいとこだったのに」 「愛しい美咲華様の秘密をもっと知りたいですわ。そして私の秘密も知ってゴギャッ」 白子の発言に対して朝陽はふたたび踵落としを食らわせて 「い・い・で・す・ね!」 「「「「「「「はい!」」」」」」」 「一方通行、後で説明してもらうじゃん!」 「あ、あァ・・・わかったよォ・・・」 一方通行は朝陽の配慮に感謝をしつつ後ろからの視線に苦悶を抱くのだった。 「さあ、気を取り直して当麻たちの番だよ」 上琴の番なのだが初めての出会いのことは当麻の記憶には無いので、当然ながら美琴が話すことに。 「私と当麻の運命の出会いはねー、去年の6月。ガラの悪いスキルアウト達に絡まれてたことが切っ掛けなの」 「でもお姉ちゃん第三位なんだよね? スキルアウト達なら軽く倒せるんじゃないの?」 「そうなんだけどね、いつでも追い払えるからしつこくなってからって思ってたの。もちろん通行人は居たけどみんな見てみぬ振りだったわ」 「分かった! その時におねーちゃんを助けてくれたのがカミジョーなんだね!」 勘の鋭い子供達に感心しながらも美琴はその当時を思い返し、再び話を再開させる。 「ちょーっと違うのよ、これが。確かに当麻は私を連れ出そうとしてくれた。けど当時の私ったら可愛げ無くてね、断ったのよ」 「そうなの? じゃあ結局カミジョーとはどうなっちゃったの?」 「その時ね、当麻ったら私のこと子供(ガキ)とかガサツとか反抗期抜けてないとか言ってくれちゃったからムカついてスキルアウト達もろとも電撃喰らわせちゃった。えへ♪」 「おねーちゃん乱暴ー。カミジョーまでやっつけちゃうなんてー」 「ところがそうはならなかった。当麻ったら私の電撃を凌いだのよ。どうやったかは内緒だけど、そこから私は当麻に興味を持ったってわけ。これが私と当麻の運命の出会いよ」 美琴はそのまま当麻に軽くハグするとゴロゴロと甘え出すと、子供達は興味津々で上琴を眺め、朝陽はまったく咎めようとしなかったので教室が甘い雰囲気に。 当麻は美琴から改めて聞かされた出会いについて考えると記憶に無い当時の発言を激しく後悔していた。 (子供(ガキ)だのガサツだの反抗期抜けてねーだの美琴に言うことじゃねーだろうが、昔の俺! ああ、人生やり直せるならそこからやり直してぇ……) 上琴の後ろで座ってる面々は当麻に対して酷いとか思っていたが、口に出すと上琴や朝陽が怖いので沈黙を守ることにした。 上琴が落ち着いたのを見計らって朝陽は次の質問へと移すことにした。 「次は交際を親が認めてるかどうかだな。どうなんだ? お前ら」 「俺は両親に郭と交際してることなんて報告してねぇからな。認めてるかどうか以前の問題だな、こりゃ」 「大丈夫ですよ半蔵様。ご両親に私からご報告した所、早く孫の顔を見せてくれって喜ばれましたから♪ キャッ、言っちゃったー」 「お前何勝手に俺の両親と話進めてんだよ! いや、いずれはそうゆうことも……ってちっがーう!」 半郭、結果として親公認のカップルとして子供達に承認されることに。 「俺は家族とは連絡取ってねぇからな。滝壺も同じだぞ。だから親公認ってわけじゃねーな」 「大丈夫、はまづらの両親も私の両親もきっと認めてくれるから」 浜滝、親公認ではないが妙な説得力を感じさせる雰囲気を出していた。 次は一打だが、打ち止めが上琴をパパ、ママと呼んで大混乱かと思われたが前日までの芳川の猛特訓が生きる結果に。 「あそこに居るヨシ、じゃなかったお母さんもミサカとこの人の付き合いを認めてくれてるよってミサカはミサカは笑顔で報告してみる」 (特訓の成果はあったようね。頑張ったわね打ち止め、いいえ美咲華) 「俺は家族なンてモンはとっくに疎遠だからなァ。認めるも何もあったモンじゃねェぞ」 一方通行の発言で一打の番は終わるかと思ったが、一人の生徒が黄泉川を指差したことでちょっとした騒ぎに。 「えー? 第一位のお母さんって若いけどあそこに居るジャージ着たお姉さんじゃないのー?」 「何だ黄泉川、お前とコイツ、親子だったのか。それならそうと言ってくれれば祝儀くらいはやったのにさ」 「先輩、そんな冗談は言わないで欲しいじゃんよ! 私がアクセラのような可愛げのないガキの母親なんて真っ平御免じゃん!」 「黄泉川てめェ! 俺だって炊飯器だけで料理作るようなテキトーな母親なンざこっちからお断りだァ!」 「その割にはお前ら、まるで一緒に住んでるような口ぶりだよな。その辺も説明してもらおうか」 突然の朝陽のフリに一打、黄泉川、芳川は悩んだ、自分達の同居スタイルをどう説明したらいいものかと。 最初に口を開いたのは黄泉川だった。 「一方通行って学園都市最強って言われてるじゃん?それが原因で一方通行の家が襲われたらしいじゃんよ。 まあそれでうちに住まわせる事になったじゃんよ」 「成る程な。では次に当麻たちに発表してもらおうか」 朝陽はあっさり納得すると、上琴に疑問をふった。 「私たちの両親は付き合う前から顔見知りでお母さん達はすぐに承諾してもらえたんだけど、私の父親の方がなかなか承諾してもらえなくてね……。 でも当麻が精一杯説得したおかげで、認めてもらえたの♪」 そういうと美琴はまた当麻に甘えだした。本当にうらやましいバカップルである。 「次の質問だが、同居はしているのか?これはまだイチャイチャしている当麻たちから答えてもらおうか」 いちゃついてる上琴は緩みに緩みまくってる、ゆえに上琴新居二号の場所まで暴露してしまう。 「同居っつーよりは同棲っすね。何たって俺達は結婚確定だから! 場所は何と! あの学び舎の園の真ん前だぜ!」 「そこなら知ってるー。学び舎の園の前にでっかい家が建ってるの見たことあるもん」 「そうなんだー。ねえねえカミジョー、お家に遊びに行ってもいいー?」 自分のやらかしたことに気付いた当麻、それに呼応するように美琴も一気に気持ちが冷え、それどころか慌てることに。 「い、いや、遊びに来られるのはちょっと……なぁ、美琴?」 「そ、そうね、それはちょっと困るわね……」 「えー? カミジョーもお姉ちゃんもケチだよー。だったらピンポンダッシュしてやるもん!」 「せやったらみんなでアレやったらええんちゃいます? タレントがいきなり晩ご飯時狙ってお宅訪問するやつ。どうせならみんなで行きましょか♪」 上琴は子供達が自分達の家に押しかけてくるとか騒いでることにどうしようか迷っていた。 その時“ズドンッ!!!”という大きな音を立て、教室を揺らすほどの震脚で朝陽が生徒全員を沈黙させる。 「お前ら、いつも言ってるよな? 人の迷惑になることだけはするなって。いい子のお前達はそんなことしないよな?」 「ご、ごめんなさいっ!!!」×生徒全員 「分かってくれたならそれでいい。けどまぁ、たまになら遊びに行くくらいなら許してやる。もちろん当麻たちの承諾は必要だぞ」 「わーーーーーーいっ♪」×生徒全員 朝陽のアメとムチ、これでこの騒がしいクラスが纏まっていると当麻達は悟った。 「いやー、助かりました井ノ原姉弟のお母さん。でも遊びに行くことを許可したのは上条さん的にはどうかと思うのですが……」 「ああでも言わないと生徒達は納得しないだろ? 私からも後で頻繁に行くなとは言っておく。だからたまには相手をしてやってくれ」 「それが妥協案って所でせうね……。了解です、井ノ」 「朝陽さんと呼べ。いちいち井ノ原姉弟のお母さんって言うのは長ったらしいしな。お前らも分かったな?」 結局子供達が遊びに来る許可を与えたしまった当麻だが、それほど頻繁じゃない上に殆どの子供達が大人しくしてくれることを知るのはまだ先の話。 これで上琴の番は終わるかと思ったが、青ピの色違いの赤髪の生徒に朝陽からのお仕置きがもたらされることに。 「さて善萌、赤見 善萌(あかみ よもぎ)。お前が最終的な切っ掛けでこんな騒ぎになったんだ、責任取って当麻と美琴に謝れ。ケジメとして土下座な」 「そない殺生な! ボクはただ」 「私の生徒なら言い訳なんて真似はしないはずだな? それでも何か言いたいのなら踵かつま先、好きな方を」 「すんませんしたっ!!!」 朝陽が何か言い終わる前に青ピの色違いの赤髪の生徒こと赤見は上琴の前で浜面レベルの見事な土下座を見せ、今度こそ上琴の出番は終了と相成った。 「ちなみに井ノ原姉、踵かつま先ってどうゆう意味ぜよ?」 「踵なら地面に叩きつけられるほどのかかと落し、つま先なら服の襟元につま先を引っ掛けて投げ飛ばされるな。昔は真夜を泣かせた度に喰らってたから懐かしいなー」 (……聞かなきゃよかったにゃー) 浜滝、半郭の二組は同居していないので簡単に否定だけで終了、子供達は明らかに物足りなさそうにしていたが。 しかし浜滝はGW突入前、半郭はGW後に同居することを宣言すると子供達どころか当麻達まで「おーーーーっ!」と声を上げるのだった。 「じゃあ最後はやっぱり美咲華とアクセラなわけだがアクセラは黄泉川と同居してるから無いな、ここは」 「ところがどっこい、二人は同居してるのですってミサカはミサカは鼻高々で宣言してみたり!」 一打、それに黄泉川と芳川が一緒に住んでることを知った朝陽は黄泉川を呼び寄せて内緒話を始める。 その間にも「美咲華ちゃんやっぱりおっとなー」とか「もしかして結婚するのー?」とか「美咲華さま、是非とも白子も一緒に住みギャンっ!」とか言っているが本人達は聞こえていない。 「おい黄泉川、どうゆうことだ? 美咲華の家族と一緒に住んでるってことはお前とうとう」 「先輩が言おうとしてることだけは絶対に無いから安心するじゃん! ただ桔梗たちとは一緒の方が何かと都合がいいからって話であって……!」 「分かった分かった。後は私に任せておけ」 騒ぎ立てる生徒を“パンパンッ!”と手を打って静かにさせると朝陽は自分なりの結論を生徒達に告げる。 「みんないいかー? この二人が同居してるのはな、当麻達とは事情が違うんだ。要はルームシェアしてるんだとさ」 「でもジャージのお姉さんも美咲華ちゃんのお母さんもお金に困ってなさそうだよ?」 「ルームシェアってのはな、家賃や光熱費とかの節約の為にするだけじゃないぞ。安全の為とか勉強の為にもするんだからな。勘違いするなよ?」 子供達に朝陽がルームシェアについての説明を入れたお陰で一打、黄泉川、芳川達は貧乏人扱いを免れることに。 こうして4組のカップルについての質問タイムと言う名の特別授業は終わりを迎えるのだった、そう4組は。 「ふぅ、これで終わったな。……ってとっくに昼過ぎてたのか。悪かったなみんな、ここまで付き合わせて。じゃあ今日はこれで終わりだ♪ 気をつけて帰れよ」 朝陽からの授業終了の宣言に心の底からホッとしていたのは土御門だった。 (いよっしゃーーーーっ! どうやら俺のことはキレイすっぱり忘れてくれてるみたいぜよ! これでカミやん達のような晒し者には) 「なあ土御門、こっちに飛んでくるのって白雪じゃねーか?」 心の中で安心してる土御門に話しかけてきた真昼の指差す方向を見やると、そこには雪の翼をはためかせてこちらに向かっている月夜の姿が見えた。 「おーーーい、元春ーーーーーーっ! どこに居るのーーーーっ? 居たら返事……あっ! 居た居たーーーーっ♪」 空を飛んで来たので窓から教室に入ってきた月夜、飛んで来た勢いそのままに抱きついた。 土御門は愛しの恋人の抱擁を普段なら大喜びするのだがこれで当麻達と同じ運命、すなわち子供達の質問に答えることを考えると気が滅入ってきた。 「このおねーちゃんがチンピラ兄ちゃんの彼女ー? すっげーキレイな人だなー」 「チンピラにーちゃんのホラとか思ってたけど本当に彼女いたんだー。でもやっぱり何かアンバランスな感じがするー」 「え? え? え? も、元春、これってどうゆうこと? ちゃんと説明してもらうよ!」 土御門はこれから黒板に書かれたことについての答え作りでそれ所では無かったので、月夜の質問には朝陽が答えた。 「お前が月夜だな。子供達はお前と元春が恋人とは思ってなくてな。このままでは元春は見栄っ張りになってしまう」 「……つまり、どうゆうことなんでしょうか?」 「子供達が納得するように黒板に書かれた質問に答えてもらうんだ。これが元春の名誉を守ることさ。最後の大トリだ、頑張れよ♪」 月夜が未だ状況を全部把握してない状況で特別授業のラストを飾る土白への質問が開始されることに(質問は当麻達と全く同じ)。 ただ、当麻達と違うのは一組だけなので質問に一気に答えることくらいだろう。 「元春?この状況ってもしかしなくても……」 「ああ、そうだぜい。もしかしなくても……」 唯一残された恋人達は顔を合わせ、息を大きく吸うと、 「「不幸だァァァああああああああああああああああああああああああ!!!!」」 確かにそう叫んだと言う。
https://w.atwiki.jp/bbtarts/pages/299.html
名前 コメント すべてのコメントを見る