約 1,838,652 件
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/50928.html
登録日:2022/04/20 Wed 23 12 39 更新日:2024/09/16 Mon 01 47 10NEW! 所要時間:約 20 分で読めます ▽タグ一覧 COD COD WaW COD BO PPSh-41 もう一人の主人公 ウーラー!!! キーパーソン ゲイリー・オールドマン コミュニスト スナイパー ソビエト ソ連 ネタバレ項目 モシン・ナガン ロシア人 ヴィクトル・レズノフ 不屈 囚人 大塚芳忠 大尉 屈強 復讐者 狙撃手 突撃兵 策略ジジイ 脱獄 誕生日に建った項目 赤いアニヲタWiki 軍人 軍曹 髭 Ура(ウーラ)!!! ヴィクトル・レズノフとはCALL OF DUTYシリーズの登場人物である。 ブラックオプス系のシリーズに登場し、メインキャラクターとして活躍する『WaW』『BO』では物語の鍵を握る。 『WaW』ではソビエト編のナレーションも務め、『BO』の彼の回想シーンではプレイヤーが操作する。 <プロフィール> 生誕地:ロシア・サンクトペテルブルク 国籍:ソビエト連邦/白人 生年月日:1913年4月20日 年齢:53歳(*1) 身長:180cm 体格:屈強 体重:91kg 瞳の色:ブラウン 髪の色:ブラウン CV:ゲイリー・オールドマン(英語)CV:大塚芳忠(日本語吹き替え) <人物の概要> 第一次世界大戦勃発の直前、1913年にロシア・サンクトペテルブルクで生を受ける。 第二次世界大戦が勃発した際にソビエト赤軍の兵士となり、大戦におけるヨーロッパ各地の戦いに身を投じた。 非常に屈強な肉体と精神を持ち、老いてもなお現役の特殊部隊員と遜色ない戦闘能力を見せる。 敵対する者や自身の障害となる者には一切容赦せず、例え武器を捨てて降伏した敵兵であろうと、数分前まで仲間だった裏切り者であろうと躊躇うことなく引き金を引く。 彼の父はバイオリンの奏者だったが、周囲の人々に希望を与える素晴らしい演奏はナチスにとって抵抗の象徴であり、寝ている間に喉を切り裂かれて惨殺された。 この父の惨い死を目にした経験がナチスに対する強い敵対心の礎になっている。 ただし憎きナチスであろうと敵を嬲り殺しにするようなことはせず、苦痛を与えずに死を与えるというスタンスを取っている。 劇中では「死の訪れ方は早いか遅いかの二択だ」「ディミトリは慈悲ある殺しの本質を理解している」と語り、死に対して彼なりの思想を持っている様子。 性格については主に頑固で怒りに満ちた面が強調され、怒鳴り声を上げるシーンは少なくない。しかし単なる脳筋ではなく、劇中ではディミトリに冷静に狙撃の心得を説く他、非常に頭の回る狡猾な部分に言及されることもある。 彼を分析したアメリカ軍の機密ファイルには「予測不可能な人物」「秘めた目的のために周囲の人間を巧妙に取り込んでいる」と記され、ウッズからは「策略ジジイ」と呼ばれている。 <作中の動向> 時系列順に記載する。ネタバレ注意。 ─1942年─ Vendetta 9月17日 スターリングラード・ロシア スターリングラードの戦いにて味方部隊が全滅した中で、自分と同じように死体に紛れて生き延びていた主人公のディミトリに出会う。 この時点ですでに右手を負傷し、右手の人差し指を失っていたので、持っていたスナイパーライフル(スコープ付きモシン・ナガン)をディミトリに託す。(*2) ソ連各地で女子供も含めて虐殺していたナチスのアムゼル将軍を追跡し続け、彼を抹殺する機会を窺っていたようである。 ディミトリの狙撃によって窮地を脱した二人はアムゼルを追ってゴーストタウンと化したスターリングラードの町を行く。 道中で敵のスナイパーに狙撃されたが間一髪で回避し、ディミトリが狙撃して敵スナイパーを倒すための囮役を買って出る。敵スナイパー撃破後は屋内を進むが、外を通りかかったドイツ軍のパトロール隊に見つかってしまう。 火炎放射によって家屋が燃やされ、窓からの銃撃が降り注ぐ中で命からがら脱出するが、別のドイツ兵に発見されて大ピンチに。 万事休すと思われたが、運よく通りかかった味方部隊の銃撃でドイツ兵は射殺され、礼としてディミトリと共にアパートからの狙撃で彼らを援護射撃することになる。 味方部隊の掩護が済んだ後は再び建物内を移動し、アムゼルを狙撃する絶好のポイントへとディミトリを導く。 ディミトリがアムゼルの狙撃に成功した直後、砲撃を受けた彼らは建物から早急に撤退。道中では敵の追手をサブマシンガンのランボー撃ち乱射で一網打尽にし、窓から川へ飛び込んで追手から逃げ切った。 ─1945年─ Blood Iron 4月16日 ゼーロウ丘・ドイツ ゼーロウ丘の戦いに参戦し、ディミトリとT34に搭乗。 ディミトリたちに指示を出してドイツの戦車や拠点を次々と破壊し、進軍していく。 一通り敵勢力を片付けた後は味方兵たちと列車に乗って移動。 列車に乗るときにディミトリの功績を称え、仲間たちの前で英雄と称していた。 Their land, Their blood 4月18日 ゼーロウ丘・ドイツ ドイツ軍に囚われて捕虜となっていたディミトリを発見し、救出する。 ついてきていたチェルノフに瀕死のドイツ兵の始末を命じるが、チェルノフには「虫の息の彼らにとどめを刺す必要はありません」と拒否される。 その場でチェルノフをそれ以上咎めることは無かったが、「殺戮を楽しんでいるのか」と問われた際には「奴らがしてきたことのツケを払わせているだけだ」と主張。 ドイツ軍の戦車を4台破壊したディミトリには戦車に乗って休息を取る許可を与えるが、チェルノフに対しては厳しく接する。 一帯を制圧した際に、戦車の上に乗ってベルリンへの進軍を宣言し、味方の戦意高揚を促す。 Ring of Steel 4月23日 パンコウ・ドイツ 列車に乗ってディミトリたちと共にパンコウ地区へと進撃し、突撃の指揮を執る。 廃病院に侵入した際には「近距離での戦いになる」と言い、落ちていた散弾銃を持っていくことをディミトリに勧める。 廃病院制圧後は戦車隊に合流、共にベルリンへと進軍する。 Eviction 4月24日 ベルリン・ドイツ 味方のソ連兵がドイツ兵を囲んでいる場に遭遇。 怒りに任せてドイツ兵を射殺した味方に激怒するチェルノフに対し、「戦争はこうやって終わらせるものだ」冷静に諭す。 その後は建物内のドイツ兵を奇襲で排除し、外にいる味方部隊と合流するために地上階へと向かう。 道中、煙が充満している通路を通る際に小言を言う仲間たちにスターリングラードで燃える家屋の中を這いまわった経験を話し、何も言わず前進するディミトリを見習うように促す。 外に出て味方と合流した後もドイツ軍を交戦しつつ国会議事堂を目指す。 大通りの敵兵を一通り片付け、虫の息のドイツ兵も一人残らず始末していたところ、武器を捨てて降伏する三人のドイツ兵に遭遇する。 チェルノフは彼らを見逃そうとするが、「こいつらだけ報復の対象にならないとでも思っているのか」と問い、ディミトリに三人の処分を任せる。 その直後、爆撃が活発化したことにより、部隊を地下鉄へ避難するように誘導。そして地下鉄に防衛戦を引いていたドイツ兵と交戦することに。 地下鉄を進むが瓦礫で先に進むことができず、その付近にあった地上に繋がる扉をこじ開けようと試みる。ディミトリたちがドイツ兵と応戦している間に扉が開いたが、それと同時に地下鉄の天井まで覆うほどの濁流が流れ込み、ドイツ兵もろとも彼らをあっという間に飲み込んでしまった。 Heart of the Reach 4月30日 国会議事堂・ベルリン・ドイツ 水没させられた地下鉄からディミトリを引きずり出して共に戦線復帰。 手帳に戦争を記録していたチェルノフに「こんなもの誰も読まないぞ」と激怒し、「戦う気が無いならせめて祖国のために死ね」と旗手に任命する。 政治将校からの指示を受けた後、迫撃砲を破壊するために爆弾を設置するディミトリを援護しつつ国会議事堂への道を切り開いていく。 そしてディミトリや仲間たちと何重にも張り巡らされた最終防衛ラインを次々突破し、ついに国会議事堂へとたどり着く。 しかし、国会議事堂の入り口で待ち伏せていた火炎放射兵により、チェルノフは全身を焼かれる重傷を負い、程なくして息を引き取る。 「これは誰かが読むべきだ」と奇跡的に焼失しなかった彼の手帳を回収し、国会議事堂に突入する。 Downfall 4月30日 国会議事堂・ベルリン・ドイツ チェルノフの手帳の一部を読み、ここまで生き残った仲間たちを鼓舞して最後の戦いに臨む。 二階の会議場ではディミトリを連れて中三階のバルコニーへ上り、上方から防衛線の弱体化を図る。会議場制圧後、屋上への扉を塞ぐSS兵をなぎ倒し、更に上階へと向かう。 続く最上階の吹き抜けの戦いを制し、ソビエトの国旗を掲揚するため、死亡した旗手に変わって旗を携えたディミトリと最上階のバルコニーへと進む。だが生き延びていたSSの兵士にディミトリが撃たれてしまう。 いち早く彼の元に駆け付けてSS兵を鉈で滅多切りにして惨殺、ディミトリに肩を貸して立ち上がらせる。 そしてナチスの旗を切り落とし、ディミトリの国家掲揚に立ち会う。 Reznov:Things will change, my friend. Reznov:As heroes we will return to Russia's embrace… PROJECT NOVA 10月29日 北極圏 第二次世界大戦終結後、表向きには祖国へ凱旋したとされているが、実はディミトリと北極圏某所における極秘任務に参加していた。 目的は化学兵器「ノヴァ6」を手土産にソビエトへの亡命を望んでいるナチスの科学者の生き残り、フリードリヒ・シュタイナーの確保である。 作戦を指揮するドラゴヴィッチとその右腕のクラフチェンコに対して疑心を持ちながらも、ナチスの残党を片付けてシュタイナーの捜索を行う。 敵を退けつつ無事にシュタイナーを発見・確保したレズノフだったが、シュタイナーが目の奥に野心を秘めていることやドラゴヴィッチと旧知の仲であるかのように振舞う姿を見て、より一層彼らへの不信感を強めていく。 そしてシュタイナーの案内でノヴァ6が保管されている貨物船までたどり着いた一行。そこでドラゴヴィッチは本性を現し、ノヴァ6の実験を行うついでに目の上のタンコブを消すため、レズノフと親しい仲間たちを取り押さえて2つの密室に押し込んだ。 ディミトリと数人の仲間が入れられた密室にノヴァ6が散布され、ノヴァ6の毒ガスに触れた彼らは数秒でゾンビのように腐食して死んでいった。無二の親友であるディミトリが無残に死にゆく姿を眺めることしかできなかった。 次にレズノフが入れられた密室にノヴァ6が散布される直前、イギリス軍コマンドー部隊が乱入。どうやら西側諸国もノヴァ6を嗅ぎつけてここまでやってきたようである。 ドラゴヴィッチ、クラフチェンコ、シュタイナーの三人はとっくに逃げており、残っていたソ連兵とレズノフ達だけがイギリス軍の襲撃に晒された。 イギリス軍の乱入によって部屋の扉が破壊されたことにより、レズノフは仲間二人を連れて運良く脱出。 貨物船から逃げる直前、船内に残っていた不発弾に爆弾を仕掛けておいたおかげで船内に残っていた分のノヴァ6は北極圏の海へと沈んでいった。 その後も逃亡を続けたレズノフだったが、最終的にドラゴヴィッチ一派に捕らえられ、ヴォルクタの収容所に送られた。 ─1945~1963年─ ヴォルクタに送られてから再教育という名の厳しい矯正や懲罰を受け続けたが、断固として意志が折れることは無く、むしろドラゴヴィッチたちへの復讐心を強める結果になった。 そして、ドラゴヴィッチの策略に嵌ってヴォルクタに送られたメイソンに出会う。 最初は対立していた二人だったが、次第に意気投合してヴォルクタからの脱獄を計画する。 脱獄決行までの期間に終戦後の北極圏での任務のこと、ノヴァ6のこと、ドラゴヴィッチたちを抹殺しなければならないことをメイソンに話した。 ─1963年─ VORKUTA 10月6日 ヴォルクタ・ソビエト連邦 囚人たちが一丸となり、ヴォルクタを焼き尽くす大脱獄計画をついに開始する。 第一歩目:鍵を手に入れろ 収容所各地で乱闘騒ぎを起こし、看守をおびき寄せると同時に収容所全体に注意を散らせる。 そして駆け付けた少人数の看守を殴り倒して鍵を確保、囚人を次々に解放していく。 レズノフはメイソンと殴り合いを演じ、計画通り鍵の確保に成功。地上に繋がっている貨物リフトへの道中で巨漢の囚人セルゲイと合流して次々と味方の囚人の数を増やしていく。 第二歩目:暗闇からの脱出 貨物リフトに乗り込んで地上階へ到達すると、拳銃を持った看守に足止めされている現場に出くわす。 セルゲイがリフトで拾ったピッケルで看守を串刺しにして倒し、メイソンが拳銃を確保する。 ここから外へ出る扉を開ければ即座に看守の射線に入ってしまうことを予め知っていたメイソンは、皆を止めないのかとレズノフに問う。 それに対し「犠牲無くして勝利は得られない」「ロシアの民はそれを誰よりも知っている」と返す。 そして大勢の囚人たちが命がけで外部に出る扉を開くが、正面の監視塔からの機銃掃射で全滅してしまう。 第三歩目:烈火の攻撃を レズノフ・メイソン・セルゲイの三人は機銃掃射の合間を縫ってトロッコの影に飛び込む。 レズノフとセルゲイは盾代わりのトロッコを押し進め、銃を持ってトロッコの後ろに隠れているメイソンに襲ってくる看守の位置を知らせる役目を担う。 監視塔に近くまでたどり着いたところで、同じようにトロッコを盾に進行していた他の囚人グループが巨大な手製のスリングショットを使用。 ガラクタを集めて作ったパチンコ玉は巨大な火球となって監視塔を破壊した。 第四歩目:囲いを開け放て 武器保管庫がある建物にたどり着いた一行。セルゲイが武器保管庫の扉をタックルで壊している間に、レズノフは監獄内の放送を利用して収容所各地の囚人たちに発破をかける。 メイソンがスリングショットを使って他の監視塔を破壊し終えた頃に武器保管庫の扉が開き、囚人たちは各々銃を手に取る。 第五歩目:空飛ぶ獣を串刺しに 看守たちも各々武器を手にして体制を立て直し、暴動を起こした囚人の鎮圧を開始する。 銃を手に入れたレズノフ・メイソンらも囚人に加勢し、ヴォルクタ収容所内はあっという間に戦場と化した。 するとレズノフが想定していた通り、看守たちは武装ヘリを使って囚人たちを次々に蹴散らしていく。 武装ヘリ対策として用意しておいたハープーンガンを持っている囚人の元までメイソンを援護し、メイソンの活躍によって武装ヘリを撃破した。 第六歩目:鉄の拳を挙げろ ヘリ撃破後、目的のものがある場所へ向かうため、メイソンを連れて建物へと突入するレズノフ。 囚人たちの目的を察した看守たちはゲートを封鎖し、囚人の動きを抑制しようと試みる。 保安室まであと一歩のところでゲートが封鎖されてしまうと思われたが、別行動をしていたセルゲイがどこからともなく現れ、怪力でゲートの封鎖をギリギリで阻止する。 セルゲイが作った僅かな隙間をくぐり抜けてゲートを突破したメイソンだったが、直後にセルゲイは射殺されてしまう。 保安室に乗り込んだメイソンがゲートを開錠したことによってレズノフら他の囚人もなだれ込んでメイソンに加勢。看守を退けながら倉庫に行き、ガスバーナーを確保する。 第七歩目:奴らに地獄を 囚人たちが看守を押さえている間にレズノフが武器保管庫をガスバーナーで開錠し、ついに切り札であるデスマシーン(携行型ミニガン)がメイソンの手に渡った。 デスマシーンを手に無双するメイソンにレズノフや囚人たちも続き大暴れ。手当たり次第に監獄を破壊し、看守たちを蹴散らしていく。 このまま収容所は炎に包まれると思われたが、看守たちもただやられるだけの間抜けではなく、催涙ガスを散布して勢いづいていた囚人たちを一網打尽にする。 レズノフだけは運よくガスを吸い込まなかったので、動けなくなったメイソンを何とか救出して最後の目的地に向かう。 第八歩目:そして自由に 最後の目的地である格納庫に身を隠した二人。メイソンが目を覚ましたのを確認し、ついに計画の最終段階に入る。 格納庫に置かれていたバイクに乗り、一気に収容所の外まで駆け抜けていく。そして付近の線路を貨物列車が走っていくのを確認する。この列車に飛び乗ってそのまま看守の追手を振り切れば自由の身になれるのだ。 看守たちも彼らを逃がすまいとバイクや武装トラックに乗り込んで二人を追う。 たまたま孤立していた一台の武装トラックを乗っ取り、レズノフは運転を、メイソンは機銃手をそれぞれ担当する。 線路と道路が最も近づくポイントでレズノフはメイソンに列車にジャンプして飛びつくように指示する。 そしてメイソンが列車にしがみついたのを見届け、一人武装トラックを駆り看守の猛追を一身に受けながら走り続けるレズノフ。メイソンを自由へ解き放つため、自ら囮となったのだった。 レズノフ:行け!メイソン!行け!! メイソン:あんたの番だ!来い! メイソン:8歩めだ、レズノフ──自由だぞ! レズノフ:この自由は…お前のものだ… メイソン:レズノフ!! ─1968年─ THE DEFECTOR 2月2日 フエ市・ベトナム ベトナムのフエ市で亡命者を救出しに来たメイソンたち。しかし亡命者の隠れ家はすでにベトナム軍に襲撃され、もぬけの殻になっていた。 ウッズたちと手分けして屋内を捜索していた最中,隠れていた敵兵の奇襲を受けるメイソンだったが,そこで彼を助けたのはなんとレズノフであった。 レズノフが言うには,メイソンとは別ルートでヴォルクタから脱出した彼は,ドラゴヴィッチ一派を中心にソ連が西側諸国への攻撃を企てていることをアメリカ政府に警告するために亡命したという。 そう,レズノフが亡命者の正体だったのだ。 機密情報が入ったファイルをメイソンに渡し,その後はメイソンと共にウッズたちと合流して武器を取ってアメリカ軍に加勢する。 途中で敵の攻撃に巻き込まれてウッズたちとはぐれてしまうが,メイソンと協力して対空砲を破壊し,アメリカ軍の迎えのボートに乗ってフエ市からの脱出に成功した。 VITTOR CHARLIE 2月8日 ベトナム ベトコンに堕とされて水没したヘリからメイソンとウッズを救出する。 ウッズの戦いぶりを見て「実に有能だ」と高く評価。彼らとベトコンを退けた後は単独で別行動を取り,高台からクラフチェンコの拠点を探すために深いジャングルの中へと姿を消す。 そしてメイソンたちアメリカ勢がクラフチェンコの拠点に繋がる洞窟の入り口を発見し,そのまま洞窟に潜入したメイソンとスイフトの前に姿を現す。 暗い洞窟の中で当然目の前に現れたので,メイソンも「撃つところだった」と驚きを隠せないでいた。 二人の前に姿を現した直後,別ルートから探索を試みると言い残して再び洞窟の暗闇に姿を消す。 レズノフがいなくなった後,メイソンに対して「お前どうしちまったんだ?」などと訳の分からないことを言って気を抜いていたスイフトは,暗闇から奇襲してきたベトコンに反応できずに殺害されてしまった。 洞窟内の開けた空間でメイソンと合流したときに,道中でスイフトが戦死したことを聞く。 「スイフトの死を悲しんでいる場合ではない」とメイソンに言い,ここからは二人でクラフチェンコの拠点に向かうことに。 道中,暗闇から襲い掛かってくるベトコンの攻撃を軽くいなすなど熟練の兵士の実力を見せつけ,ついにメイソンとクラフチェンコの拠点にたどり着く。 だがそこはノヴァ6の実験記録が残されているだけで,すでにもぬけの殻であった。しかもクラフチェンコが爆弾を仕掛けており,洞窟が崩壊し始める。 出口までの穴を掘るメイソンの後を追い,救助に駆け付けたウッズたちのヘリに乗り込んで脱出した。 CRASH SITE 2月11日 ラオス ノヴァ6を積んでいると目される輸送機が墜落した現場に向かうメイソンたちに同行。ボートに乗って共に川を行く。 ボート上では特に何もしておらず,メイソンに敵の位置などの指示を出していた。 手が空いてるなら操縦と機銃手の両方を一人でやっているメイソンを手伝ってやれよ。 輸送機の墜落現場付近にたどり着いた一行は徒歩に切り替え,ロシア軍と交戦しつつ現場に足を運ぶ。 墜落した輸送機の残骸を発見し,メイソン・ウッズ・ボウマンが積み荷を調べている間は出入口に陣取って背後を警戒。 しかし敵のハインドの攻撃によって彼らが中にいた墜落した輸送機は崖から落下し,ドラゴヴィッチたちに捕らえられてしまう。 PAYBACK 2月19日 ラオス クラフチェンコの拠点に他のアメリカ軍兵士と同様に囚われていたが,ハインドに乗ってここまでたどり着いたメイソンとウッズに救出される。 他のアメリカ兵捕虜と同じく落ちていた銃を手に取り,クラフチェンコの元へと急ぐ。 クラフチェンコが立て籠もっている部屋にメイソンとウッズが突入するが,クラフチェンコの想定外の反撃に合い,二人がかりでもなかなか決定打を決められない。 だがウッズが一瞬の不意を突いてナイフを突き刺すが,クラフチェンコは死の間際に体に巻き付けていた大量の手榴弾のピンを一気に引き抜き,もろとも自爆しようと試みる。 ウッズがクラフチェンコを抱えたまま窓から外へ飛び降りたことでメイソンは生き延び,遅れてやってきたレズノフはクラフチェンコが死んだことを告げる。 REBIRTH 2月23日 リバース島(ボズロジェーニエ島)・ソ連領内 メイソンと二人だけでシュタイナーが潜伏しているリバース島に潜入。 敵のパトロール隊を回避しつつ,シュタイナーを保護しに来たハドソンたちアメリカ軍よりも先に研究施設に到達し,シュタイナーの部屋へと突入した。 自分を殺せばノヴァ6の散布を止められない,と自身の立場を盾に命乞いをするシュタイナーの戯言には耳を貸さず,脳天に銃口を向ける。 レズノフ:私は,ヴィクトル・レズノフ! レズノフ:そしてこれが,私の,復讐だ! 長年にわたって追いかけていた友の仇に自らの手で引導を渡し,ついに復讐を果たしたのだった。 REVELATIONS 2月25日 全ての真実が明らかになる 実は彼はヴォルクタでメイソンを生かすために囮になった際に死亡している。 当然ヴォルクタから脱走してメイソンと共に戦っていたという事実など無く、メイソンが見ていた彼の姿や声は全てメイソンの想像の産物だったのである。 ドラゴヴィッチはメイソンの頭に数列を叩き込み、この数列による洗脳で大統領暗殺の実行犯に仕立て上げる予定だった。 しかしレズノフがメイソンと接触し、ドラゴヴィッチたちへの敵対心を強めるような洗脳を施した。更に友情を築いたことも重なり、数列にも影響が生じた。 この数列が完璧に機能しなくなったおかげで、メイソンはケネディ大統領に対面した際に銃口を向ける幻覚を見るだけで済んだ。 しかし、レズノフの洗脳や友情の影響が強すぎたのか、彼の幻覚が度々現れていたのである。 ちなみにフエ市で落ち合う予定だった亡命者はレズノフとは全く関係ない人物であり、その人物は普通にベトナムに殺害されている。 劇中ではレズノフの言葉に対してメイソン以外の仲間達が一切反応しておらず(※)、(幻覚の)レズノフと会話をするメイソンの様子を見たスイフトの反応など度々伏線が張られている。 他にも仲間を一定回数誤射するとゲームオーバーになるが、ヴォルクタ以降のレズノフは何度撃ってもゲームオーバーにならないなど、ゲームのシステムにも伏線が仕込まれている。 ※一度だけボウマンがレズノフの「感じる…クラフチェンコは近くにいる」という台詞に反応しているシーンがあるが、おそらくシュタイナーを射殺したときのようにメイソンがレズノフになりきって発した言葉と考えられる。 更に、ミッション開始時に表記される司令の記録にも隠しメッセージがある。 ここにはフォネティックコードが書かれているが、これを最初のミッション「OPERATION40」からレズノフの真実が明かされるミッション「REVELATIONS」まで全て並べてみると以下のようになる(「WMD」と「REBIRTH」は二回表示される)。 XREZNOVXXISXDEAD ↓ XREZNOVXXISXDEAD ─1986年─ OLD WOUNDS 9月5日 コースト州・アフガニスタン 実は生き延びていたクラフチェンコにアフガニスタンで遭遇したメイソンは、再び彼の言葉を思い出す。 プレイヤーの選択次第でメイソンは言葉に従うか抵抗するか、ストーリーが分岐する。 だがメイソンたちがムッラ・ラフマーンの裏切りに合い,手足を縛られて砂漠に放置された際に彼らの前に突如姿を現す。 仲間と共にメイソンたちを発見し,何も言わず救助したが,その後はすぐにどこかへと姿を消してしまう。それ以降は物語に関わることは無い。 … メイソンはレズノフが救助してくれたと信じているようだが、BOの終盤で明かされた通り、彼はすでに死んでいる。 メイソン一行を救助した老人には、レズノフが失ったはずの右手の人差し指があることがはっきりと見えることから、少なくとも彼らを救出した老人は全くの別人であると断言できる。 ウッズも「もし本当に奴が生きていたならば、何故何も言わずにメイソンの元を去ったのか」と、レズノフ生存説に対して懐疑的な立場を取っている。 メイソン。私にできなかったことをお前は成し遂げた。 …だから生きろ。そして多くを成し遂げるのだ… △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ほぼ立ち消えになったがBOの暗号解読ではレズノフが生きてるんじゃ無いか?と思わせる様な情報があったりする -- 名無しさん (2022-04-21 00 08 32) オールマストダーイ!BOもリマスター版出してくれないかなぁ… -- 名無しさん (2022-04-21 08 14 39) 記事の情報が中途半端だ ↑2の暗号で明かされるREZNOV IS DEADの続きの死体が見つかってない件をどうして書かない? BO2の時は近くにクラフチェンコもいたことだしレズノフが来てても不思議な状況ではない -- 名無しさん (2023-05-01 16 33 36) ↑レッツ編集 -- 名無しさん (2023-05-21 08 37 27) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/gods/pages/113504.html
ヴィルヘルムカールフォンプロイセン(ヴィルヘルム・カール・フォン・プロイセン) プロイセン王の系譜に登場する人物。 関連: オスカーフォンプロイセン (オスカー・フォン・プロイセン、父) イーナマリーフォンバッセヴィッツレーヴェツォー (イーナ・マリー・フォン・バッセヴィッツ=レーヴェツォー、母) アルムガルトフォンフェルトハイム (アルムガルト・フォン・フェルトハイム、妻) ドナータヴィクトリアイーナマリーオットーニエ (ドナータ・ヴィクトリア・イーナ・マリー・オットーニエ、娘) ヴィルヘルムカールオスカーフリードリヒ (ヴィルヘルム・カール・オスカー・フリードリヒ、息子) オスカーフォンプロイセン(3) (オスカー・フォン・プロイセン、息子) 別名: ヴィルヘルムカールアーダルベルトエーリヒデトロフ (ヴィルヘルム・カール・アーダルベルト・エーリヒ・デトロフ) ヴィルヘルムカールプリンツフォンプロイセン (ヴィルヘルム・カール・プリンツ・フォン・プロイセン)
https://w.atwiki.jp/penguingundog/pages/32.html
レミリア・フランソワ。 オルフェウスの令嬢、古き眠りから目覚めたとも噂される幼女。 その在り方は典型的なオルフェウス然としており、普段は住処からあまり出ることはないが、要請があれば助力をする。 ただ、現代の人間の文明にも理解を示しており、ゲームなどは暇つぶしとして喜ぶだろう。 ソシャゲは無(理の無い)課金派。 スタイル ■フェイト オルフェウス:刹那の王座 オルフェウス:刹那の王座 ■ステータス ハイソサエティ:権力 ライフパス 因縁:転生 決意:守護 願望:平穏な日常 アビリティ 理性6/10 感情6/12 生命6/12 外界6/10 一般スキル(2) 射撃1●〇〇〇 交渉1〇●〇〇 運動1〇〇●〇 隠密1〇〇〇● 知覚1●〇〇〇 自我1〇●〇〇 近接1〇〇●〇 技巧1〇〇〇● 治療1●〇〇〇 心理1〇●〇〇 護身1〇〇●〇 魔法2●〇〇● 分野スキル(3) 1〇〇〇●情報:レイブン 1〇●〇〇情報:政治経済 1〇●〇〇情報:神秘 2〇●●〇情報:裏社会 1●〇〇〇情報:歴史 特殊スキル(18) 1〇〇〇〇ゴシックブラッド 1〇〇〇〇物品隠匿 2●〇〇●紅月の刃 2●〇〇●魂血術 2●〇〇●紅月法界 1〇〇〇〇†果てなき執念 武器(4) ケリュケイオン 装具(5) サーキットシールズ ツール モバイルフォン ファッション(2) オーダースーツ サービス(1) 聖痕:レイブン 血族の証 住居(1) マンション 豪邸 そのうち:幽屋+魔術工房、マンションに隠れ家 オルフェウスが人工物からオドを摂取する方法を開発した話の中に軽く登場する人物の一人、イライザ・ヴィクトリカ。 その筋の歴史を学んでいる人の3人に一人くらいは覚えている人物である。 けれど、彼にとっては違った。イライザ・ヴィクトリア。誠実な支配者の中に生まれた暴君。 世界大戦、オルフェウスの黄昏を引き起こし、世界を荒廃させたオルフェウスの令嬢。 そう、悪役令嬢である。 少なくとも、前世の記憶でラストレイクエムでゴシックはそのような歴史をたどった、と彼は記憶しており、 そして、その渦中の人物へと転生してしまった。 そう、悪役令嬢転生モノである。 そして、彼・・・彼女は泣く泣くテンプレ通りに、その終末を回避する為に奔走した。 かつてのイライザ・ヴィクトリアは暴君であったが、暴君を暴君たらしめるあれこれは既に萌芽していたのだ。 それはもう過労死した前世をぬるいと言えるくらい奔走し、オルフェウスは静かに支配者の座から降りることとなった。 転生モノの主人公がうっかり権力に関係してさらなるごたごたに巻き込まれるのを知っていた彼・・・彼女は、裏に回ることを徹底したため、今日への歴史での言及はごく僅かだ。 騒動で多くの力を使った彼女は、しばし眠りにつき…ちょっと寝坊して、起きたらずいぶんと時間がたっていた。 そう、未来転生モノである。(死んでないけど) とはいえ、起きた時代は前世の時代に大分似通っており(何よりゲームが楽しめるのが大きい)、 旧知の助力で新しい名前を得て、今度こそスローライフと行きたい彼女である。
https://w.atwiki.jp/bakiss/pages/601.html
「……分かった。でもこれだけは聞いて欲しい」 ヴィクトリアの拒絶を察したのか、秋水は手を離した。 「君は俺や姉さんと似ているんだ。ホムンクルスになって二人だけの世界で生きていたい…… そう願っていた俺や姉さんと」 秋水はアレキサンドリアのコトを引き合いにだした。 彼女とヴィクトリアが地下で百年も二人だけで生きていた姿は、桜花と秋水の目指していた 物とほとんど同じだったと指摘し、そしてそれが崩壊するコトをどれだけ恐れていたかを告げた。 「だから無関係とは思いたくないんだ。力になりたいと思っている」 せっかくの解放にも関わらずヴィクトリアはその場にとどまっている。ただし俯いたまま表情 を見せないのは彼女なりの『説得』への抵抗なのだろう。 「…………」 握られていた左手首を腰の横で一撫でしたきり、ひたすらに黙っている。 「今の君は錬金術を通して世界を嫌悪している。ただ一つの出来事に縛られて心を鎖している。 そこも俺や姉さんと同じなんだ。放ってはおきたくない」 「だから」 ほとんど聞き取れないほどの声が血の気の引いた唇から紡がれた。 「だから何……?」 今は解放された人間が、心を鎖すしかない私を責めたいの? そういいたげな怒りと微かな恐怖が声音に交じって淀んだ空気を震わせた。 「いや、責めるつもりは毛頭ない。そんな権利など俺には最初から存在していないんだ。何故 ならば俺自身もかつて心を縛られ、過ちを犯してしまったから──…」 秋水は瞑目し、眉間にある皺眉筋(しゅうびきん)を苦悩に歪めると、深い深い吐息をついた。 「そう。俺は、学校の生徒を生贄にする手引をしてしまった。その事実は、今何をいおうとも変 わらない。その上、刺してはならない人間を刺し、危うく殺しかけたから……君を責める権利は ない。ないんだ……」 声音には彼の瞳に宿る翳を展開したような悔恨と苦悩、やりきれなさが滲んでいる。 呼応するように、俯くヴィクトリアへと一瞬、息を呑むような振動が走った。 少なくても秋水の話に耳を傾けてはいるらしい。 「確か君は以前、俺の前歴を知りたがっていたな。そこから話そう」 よく透る生真面目な声に乗って、かつてヴィクトリアが知りたがっていた事実が次々と明かさ れ始めた。 乳児期に誘拐され、実の両親と引き離されたコト。 その誘拐犯に育てられたコト。 彼女が過労死したのも知らず、しばらくその死骸を見ていたコト。 部屋の扉や窓が鎖や錠で縛られており脱出できなかったコト、 助けを求めても近隣の者は誰一人として助けに来なかったコト。 やがて部屋には食料がなくなり、餓死寸前までに追い込まれたコト。 警察に保護され入院したが実の両親に引き取りを拒否されたコト。 だから桜花と秋水が二人だけの世界を望んだコト。 やがて二人で病院を抜け出し、衰弱する姉のために強盗を働いたコト。 秋水の過去は想像以上に過酷で、ヴィクトリアは口をつぐんだ。 心底から毒舌を浴びせる気にもなれず、かといって同情を見せればなし崩し的に説得されそ うで戸惑うしかない。そもそも告白が真実だという前提の元に揺れ動いているのは何故か具 体的には説明できない。ただ、立場の近しさゆえに分かる気配や、果てしのない共感が秋水 の言葉を信じさせている。 (第一、私は……) 秋水のように死と直面したコトはない。 家族を引き裂かれ身を怪物とされはしたが、飢餓に命を脅かされた経験はない。まして人 間からの明確な拒絶などは、アンダーグラウンドサーチライトによる隠遁生活と得意のネコか ぶりでことごとく避けたのだ。で、あるのに、父母の悲劇と自らの不遇を元に秋水を押し切ろう とするのは果たして正しいのか。 秋水はその境涯と戦い、今はヴィクトリアを助けようとしているのだ。 であるのに以前差しのべられた手を払った。 その意味と、苦味を帯びた自答に苛まれ始めたヴィクトリアは、 「そしてL・X・E……君の父を守護する共同体に拾われた。だからもし君の父がいなければ、 俺も姉さんも生き抜く事はできなかったと思う」 父のコトに触れられ、今すぐにでも秋水の面を見て、話を聞きたい衝動に駆られた。 「だから、君を救う事はかつての俺達を救うコトでもあるし、君の父に対する恩義を返す事にも なるんだ。貸し借りを気にする必要はない」 ヴィクトリアはひどい葛藤に悩まされ始めていた。 「戦団の力を借りる事に抵抗があるのならば、この屋敷にある装置を使えばいい。元は君の 父が伝えた物だから君にはその権利がある。この屋敷だけで不足ならば他のアジトの物を使 うといい。……一応後継者も居るには居るが、行方を晦ましている今、気にする必要はない」 秋水に助力を申し出るのは論理からいえば一分足りとも間違いはないと思った。つまびらか に感情の方を見渡してみてもかなり傾いているのはいなめない。 それでも最後の一線を踏み越えられないのは、秋水の持つ「戦士」という肩書への抵抗や 不幸な生涯を歩まざるを得なかった父母への遠慮であるとヴィクトリアは思った。 (パパやママが不幸なのに私だけ幸せになれるワケないじゃない。でも……) 更にいえば抵抗や遠慮の半分は言い訳であるとも感じた。 (でも、本当はただ怖いだけ……寄宿舎に戻った時、あのコをまた食べたいと思うのが怖いだ け……) 皮肉と毒をたっぷり含んでいるからこそ、自身の内面が分かりすぎるほど分かってしまうヴィ クトリアだ。ただ恐怖に慄いて本当に取るべき選択肢へ向かえずにいる。 ひどい自嘲が胸を占めるが、ただそれだけ。精神は自らの立場を大きく変える革命的なエネ ルギーを生み出す土壌がないのだ。百年の隠遁に硬直しきっている。因循で姑息でただただ 薄暗い感情を内部で循環させるのみなのだ。 天意、というものがあるとすれば、もしかすると地下通路に訪れた異変はそれだったのかも しれない。 ヴィクトリアはハッと表を上げて音のした方向を見た。秋水も気づいたらしくそちらに向かって シークレットトレイルを構えた。 地下通路の壁のとある一点、先ほど秋水が侵入してきた場所に再び稲光が立ち込めた。 かと思うとそこから丸っこい影が飛び出して、床に叩きつけられたではないか。 ヴィクトリアがドス黒い嫌悪感と虫唾を走らせたのは…… 床に尻餅をついて「いたた……」と頭を撫でる少女に並々ならぬ悪い印象を平素から抱いて いたからだ。 「うーん、落ちるなら落ちるって、あのニンジャさん言ってくれないと……お尻痛いよ……」 まったくこの少女はどこまでフザければ気が済むのかとヴィクトリアは睨んだ。 わずかだが親近感を覚えた秋水の説得に心揺らしている正にその時、乱入してきたのが一 点。 次にその少女の着衣が一点。なぜかつなぎを着ている。寄宿舎生活で見た管理人よろしく ゆったりとしたつなぎを身にまとい、あろうコトかフードを被っている。ただのフードならばヴィク トリアの印象値もマイナス11からマイナス10.5ぐらいまでには軽減されただろう。しかしその フードには何故かネコミミがあしらわれていて、いかにも幼稚だ。男性に媚を売っているとまで は思い至らぬヴィクトリアも良い意味で幼稚であるが、とにかく彼女は鼻白んだ。 「えーと……あ、秋水先輩! びっきーも一緒だ!!」 落ちてきた少女は二人を交互に見渡すとすっくと立ち上がって「びっきー戻ってきて!」と気 楽な声を上げた。 「……いや、どうして君がここに? というかそのフードはなんだ?」 困惑したように秋水が構え解きつつ指摘すると、少女──武藤まひろは不思議そうにフード を頭から外してネコミミを見た。 「うーん。なんだろ。寮母さんから借りた時にはすでについてたけど……あ、あのね、寮母さん とニンジャさんに話を聞いたらね……」 まひろはひどく場違いなテンションでココにきた経緯を説明しだし、ヴィクトリアをかつてない ほど苛つかせた。 まひろ回想始まり。 「奴は恐らく街中において人目を憚り、竹刀袋にシークレットトレイルを入れて運ぶだろう。そ してホムンクルスの少女を発見しだいその場に打ち捨てる。入るべき場所はそこだ」 「ん? どういうコトなのニンジャさん!」 聖サンジェルマン病院の秋水の病室の前でまひろは根来に詰め寄った。 「要するに戦士・秋水を追跡したくば、蝶野邸において奴の名前の入った竹刀袋を見つければ いい。さすれば亜空間へと侵入できるだろう。ちなみに私の勘では蔵が臭い」 「あくうかん? こう、おっきい半透明の人が暴れて赤い玉にぼこぼこにされてるところ?」 「寄宿舎の管理人室の地下にある部屋みたいな物よ」 声ととともに光が迸り、千歳の姿が現れた。彼女がそういう人だとまひろは千里や沙織から 聞いているので驚かなかったが、代わりにビー玉みたいな目が千歳の持つ衣服に吸いつけ られた。 「あなたにはコレを着てもらうわ。サイズは……そうね」 と千歳はまひろをつま先からてっぺんまで観察して、断定した。 「バストとヒップは同じだから支障はないわ。ただウェストが二cmオーバーしているから窮屈 かも知れないけど、身長が私より八センチ低いからおそらく大丈夫ね」 事務的でてきぱきとした口調と共に差し出されたのは、つなぎである。まひろは咄嗟に防人 の衣服を思い出した。 「この前の任務で使ったつなぎ。戦士・根来の髪の毛を織り込んであるから亜空間に入るの は容易いでしょうね」 千歳と根来は銀成市に来る前、一つの任務に従事していた。それはとある工場にてホムンク ルスが引き起こした殺人事件の解決。紆余曲折を経て突入した犯人との戦いは、彼女たちの 想定外の出来事が何度も巻き起こり非常に苦しい物となった。 その時、最後の最後で決め手になったのが、千歳の持ってきたつなぎである。 「ほら、ほら。フードには特に力をいれたわ。だから大丈夫」 千歳はフードをぱたぱたとはためかせながら、一生懸命指差した。 「わー、本当だ。可愛いね」」 「……その猫の耳のような膨らみはなんだ?」 根来は物凄く暗澹たる表情で質問した。 「潜入用よ。あの事件の後つけたの。ネコ型ホムンクルスがたくさんいる場所用」 「それは恐らく公私混同だ。貴殿の一趣味にすぎない」 「いいえ。あくまでネコ型ホムンクルスがたくさんいる場所用よ。他意はないわ」 「……何にせよ、私の髪をそんな物の中に埋め込むな」 根来の口から諦観まみれの言葉が吐き出された。 ちなみに誰かさんが見たら「あ゛ー! あたしのパクリじゃんそれー!」と騒ぐだろう。 「でも、どうして私のために?」 「あなたならもしかすると彼女を救えるかも知れないから」 こうしてまひろは気合充満させつつ蝶野邸へいき竹刀袋を探し当て亜空間に入るのであった。 まひろ回想終わり。
https://w.atwiki.jp/bakiss/pages/1159.html
【9月11日】 「ぎんせーい。ぎんせーい。ご乗車ぁ、ありがとうございましたー。お忘れもののないようお降りください。次はぁー……」 電車から吐き出された人混みがせわしなく動く。 ここは銀成駅だった。 「はい。ありがとうございます。ありがとうございます」 切符切太郎氏(38)はまったく名前からして鉄道関係者になるべく生まれてきたような男だ。 この日も彼は自動改札口の横に立ち、乗降客のめまぐるしい動きを監視していた。 日曜日ともあり利用状況はまずまずだ。友人と連れ立つ学生たち、家族連れ、または熟年女性の団体さん。さまざまな 人種が改札口に切符を食わしていく。消化不良もなければ食えぬ切符を使う者もない。いつも通りの、平和な駅だ。 跨線端の向こうで巨大な鉄箱が重苦しく走りだした。ホームから電車が消えた。電車が消えると乗り降りするお客も消える。 切符切太郎氏は伸びをしてから腕時計を見、脳内のダイヤと突き合せた。次に電車が来るまでまだ30分はある。 しばらくはヒマなので最近コリが激しい肩をぐるりと回す。 生あくび混じりに「休憩室で芋羊羹と玄米茶でも啜るかな」……と思った時。 やかましい足音と喧騒がホームの方からやってきた。 「つきましたよ皆さん。切符を改札口にお忘れなく」 (えーと) 切符切太郎氏は反応に困った。軽く腕を上げたまま、生あくびで口を半開きにしたまま、自動改札口を見た。 「失礼します」 まず通過したのはこども料金でも文句なしの小柄な人物だ。 それだけなら商売柄よく観るし反応に困る必要もないが……顔が良くない。なんと『ガスマスク』を被っていた。 「不審人物ですまない。フ。車掌が注意するたび俺も諌めたのだが聞かなくてな」 次に切符を入れたのは目も覚めるような『金髪の美青年』。胸には銀色の認識票。 「なんでも素顔をお見せするのが恥ずかしいとか! それはさておき車窓実況、楽しゅうございました!」 『シルクハット』を被った少女の後ろを『忍び装束』の少年が無愛想に進んだ。 「……我の周囲に浮いているのは風船だ。龕灯(がんどう)ではない。」 「はい……風船……です」 少年とともにふわふわ浮かぶ奇妙な形の風船(?)の後ろで『虚ろな眼の少女』がぽつりと呟き 「だあもう! またコレじゃん! なんでこんなほそっこい紙いちいち入れなあかんのじゃん!」 『それが規則だ! 頑張れ! 他の場所ではできただろう!』 どこか『ネコ』を思わせるしなやかな少女が出所不明の『大声』を浴びながら。 怒濤のごとくバタバタと通り過ぎた。 「なんだあのお客さんたち……?」 切符切太郎氏は首を傾げた。 同刻。銀成市南端。 砂埃の舞う広い道路を歩く2つの影があった。 「だからですねー、ディプレスさん? シズちゃんと臨也(いざや)なら断然前者が攻め攻めであるべきです! この上なくっ!」 「うっせえwwwwwww 道歩きながら腐女子談義すんなwwwwwww だからオタが嫌われるんだよwwwwwwwww」 蝶野屋敷やオバケ工場といった戦士に縁深い施設が決まって山あいや丘陵地にあるのを見ても分かるように、銀成市は ひどく山や丘が多い。例えばかつて武藤カズキがパピヨン打倒後、津村斗貴子の膝枕を受けたのも「山が見える小高い丘」 である。 その銀成市の中で比較的山が少ないのが……市の南端である。 ただし人類の発達発展というのは決まって平野に何かを作るところから始まる。言いかえれば、「山少なく平野多ければ まず開発」である。銀成市も例に漏れず、市の南端に広がる平野部はことごとくサツマイモ畑だ。これは近辺の川越市が さつまいも料理や芋菓子に力を入れているせいである。つまり銀成の農民たちはサツマイモを作って川越に売るのである。 利益率は中々で、南部に会社や工場を持つ者は不景気がくるたび「最悪建物潰してサツマイモ作りゃ何とかなる!」と── 実際、会社や工場の跡地にすぐ畑を作れるかどうかは疑問だが──のんびり構えている。 文献によればサツマイモの生産はすでに寛政年間から始まっており、近年の研究によれば将軍徳川家治に献上された 川越芋のうち端っちょから3番目の泥のついた奴が銀成産のものだったという。 現代においても川越芋の種芋のうち12~3%は銀成で生産され、冬の終わりごろ川越市の農家に送られるのである。 という訳で銀成市の南はひどくサツマイモ畑が多いのだが、それだけでは甚だ交通の便が悪い。畑潰して隣の市への でっかい道路を、広い道路を! という声が持ち上がったのは昭和の交通戦争の頃で、その要求はすんなり通った。 そうしてできた広い──大型トレーラーが3台併走しても大丈夫なほどの──道路を。 両側にサツマイモ畑の広がる牧歌的な光景を。 不審な人影が歩いていた。 具体的かつ簡潔にいえば、彼らの全身は暗い緑のフードに覆われていた。 顔は当然見えない。三角に尖る布を目深にかぶる彼らの顔面は漆黒の闇に覆われ、その表情を伺い知るコトはできなかった。 ただ、右にいるフード姿はどことなく丸みを帯びた体型で、時おり少女のような甘え声をあげている。 「えー、でもいいじゃないですかあ。物静かだけど凶暴でー、意外と繊細なシズちゃんが、にっくき臨也をとうとう料理できる んですよ! でも そ ー い う コ ト に は 慣 れ て い な い もんだから、色々失敗する。ヘタレ攻めですよっ」 「ちょwwwww30近い女が路上でディープな話題大声ですんなwww 同行してる俺マジ恥ずかしいwwwwwwwwwああ憂鬱ww」 「もおー。野球の話とかスキーの話なら大丈夫なのになんでアニメとか漫画だとダメなんですかあ?」 「さあwwww」 左の方は右より頭一つ分ほど背が高い。体型にはこれといった特徴がない。ごくごく普通の『人間の姿』。 「しかし久々の『人間形態』はやり辛いwww でもハシビロコウだと目立つからなあwwwwwwwwwwwww」 常に笑ってはいるが陽気な声とは言い難かった。口調の端々には嘲りと見下しと独りよがりな優越感の入り混じった暗い 感情が余すところ覗いている。常人なら決して会話相手に選ばぬタイプだろう。 「あwwwどうもおばちゃんwww埼玉県名物のサツマイモの生産乙っすwwwあざっすwwwwwwwww」 「ありがとうです。ただ欲を言えばですね、ここが池袋だったら聖地巡礼って感じでこの上なく良かったですッ!」 彼らは農家の人々とすれ違うたび気さくに声をかけ手を振っているが、あまり芳しい返答は得られていない。 農家の人たちは目を逸らし、手短に返事をしそそくさと行きすぎる。そんな調子である。 「ああしかし全身フード! この上なく素敵です! オタクのロマンですっ!!」 右にいる全身フード──ひどく透明感のある柔らかい声だ──祈るように手を組んだ。 「この正体不明感とか未知の敵とかいう感じがこの上なくいいですよねディプレスさん! フードごと手をグッと突き上げ力説するクライマックスとは裏腹に、左のフードはやれやれと肩をすくめた。 「まあ大抵の全身フードは殺されるけどなwwwwww あと後で出てくる連中ほど扱いが微妙なのなwwwwwwwww」 「そうそう。フードこそ被っていませんでしたけど、ラスト6人辺りが相手の負け犬軍団さんともどもポッと出の強キャラにまと めて瞬殺されたりとかー、10人いる幹部の1人が大した実力も人気もない子供キャラの竹刀攻撃一発で気絶したりとかー、 めっちゃ強い4番よりもっと格上な1~3番目があまり強そうに見えなかったりとかー。無印の後の真(リアル)もアレでー」 指折り数えたクライマックスは「うん」ともう一回頷いた。 「12宮的にはラスイチなのに魚座ってば微妙でしたよね!」 「あいつと蟹座だけはガチで裏切ってただろwwwww あれが演技ならアカデミー賞ものだわwwwwwww」 「で、総じて振り返ってみると最初に出てきた人が一番強く見えたりしちゃうのです。何しろ一番手はインパクトありますから!」 「くそうwww 乗ったオイラが馬鹿だったwww こいつマジ止まらねえwww パねえwww 火のついたオタ、マジパねェwwwww」 「オタといえばなんでオタ話は良くないんですかあ!」 クライマックスは情けない叫びを上げた。ディプレスの話によれば最早30に近いらしいがとてもそういう落ち付きのある声 ではなかった。 「アニメやマンガ、特撮が子供のものだったのはもはや過去っ! いまは大人も楽しめる時代なのです!」 「鏡見なwwww 楽しんでる大人とやらの顔や性格がどんなのか痛感できるぜwwwwwwwwうわひでえってなwww」 「むきー!! そりゃあ二次元に逃げ込んで心癒してるフシもありますけど、何も残らないかも知れませんけどね、でも心の ある生物だから常に何かを愛さないとダメなんですッ! 少なくても私は諸事情でどうしても人を愛せないから常に代替物 を求めているのです! 何もかもが壊れそうな不安抱いて明日に怯え明後日ばっか見てたって答えはでませんけど!! 仕方ないじゃないですか!」 「いやいやwww 長えしそういう感傷と公共の場でのTPOはまた別だからwwww」 「ぬ!?」 「萌えとか801とか人を選ぶ話題を公共の場で無遠慮にすんなってオイラは言いたいwwww タバコと一緒wwwwwww ニコ チン取りこまねーと苦しいからって禁煙席で吸っていいわけねーよwwwww」 「つまり……一般人さんが嫌がる話題を大声でするなと!」 「別にしたきゃやりゃいいwwww でも見知らぬオタから何度も何度も何度も不快な思いさせられた一般人はいつか報復に 出るぜwwwwwwww 禁煙席が増えまくったように、不特定多数へなああwww 法律作って罰則作って、オタ話は厳禁って風 潮作って、囲い込みにくるぜ? 不快な思いさせ続けたらなwwwwww だからクライマックス、お前も自重しろよw」 「さっきからこの上なくヒドい物言いですねディプレスさん! あまり傷つけてくると私の『スーパーエクスプレス』で数の暴 力をお見舞いしますよ!!?」 「ハッwwwwwwwww オイラの『スピリットレス』舐めんなwwwww お前に完勝したリバース=イングラムさえ瀕死だぜ?ww」 フード姿の男女はまったく同時に核鉄を握った。そして相手を牽制するよう突き出したきり黙然と睨みあった。 頭巾の下にぼっかりと空いた漆黒から稲妻が散り、両者の間でスパークした。 そして。 静寂。 静寂。 静寂。 ふぁんふぁんふぁんふぁんふぁんふぁん…… 「ぬぬっ? 最後のは甲高いサイレンの音! この上なく一体何がっ!?」 「wwwwwwwwww」 近づきつつある音に2人はゆっくりと振り返った。 「そこの2人! じっとしていなさい! ほら早くフードを脱いで手を上げなさい!」 白と黒に塗り分けられた威圧的な車両が猛スピードで接近してきている。 「パトカーですね。この上なく」 「だなwwww」 「農家の人たちが通報したんでしょうかね?」 「まあ漫画のような格好で歩いていたらこうなるわなwww だからお前もいい加減オタ趣味をやめなwwwwww」 「じゃあ次はシズちゃんの格好でもしますか!! バーテンですよバーテン! アレならこの上なく大丈夫です!」 「うわwwww 一見現実に迎合してるように見えてどこまでも迎合してねえ意見wwwwwwww オタ怖えwwwww」 喋る間にもパトカーは近づいてくる。しかもパトカーの後ろからもう1台同じ物が躍り出た。よほど勢いがついているのか 凄まじい急ブレーキ音がした。更に同じ現象が起こりもう1台パトカー追加。そしてさらにもう1台。さらに、さらに……。 「あwれw」 いつしか道は──大型トレーラーが3台併走できるほど広い道は──パトカーに埋め尽くされていた。 「重なってたのが展開して、ええと。ひいふぅ、みぃ」」 「15台の列がwwwwwwwwww 3つwwwwwwwwwwwwwwww」 「でん! ぱー、ぱー、ぱー! でん! ぱー、ぱー、ぱー! でけでけーでぇっれれっれ!!」 「西部警察かってのwwwwww西部警察かってのwwwwww たかが全身フード2人に必死すぎだろwwwwww 「で、どうしますディプレスさん? たかが45台のパトさんなら私一人でもぶっちめてやれますが!!」 「馬鹿www俺たちは調査中だろwww」 「あ、そうでしたね」 「そうwwwww」 「銀成市と隣の市の境目! そこがどうなっているかを調べなくてはなりません!!」 「ブヒヒwwww 一見ワケがわからない調査だが、これが後で活きてくるんだよなア~ だからここで警察相手に戦う意味ぁ まったくねえよwwwwwwwwww 騒ぎ起こして戦団の連中にこちらの動き気取られたら終わりだっぜwwwwwww」 「じゃあ逃げますか! どうせなら池袋まで退きませんか? いいお司屋さん知ってるんですよぉ」 「うっせ誘うなwwwww 『お前に好かれたら終わり』なんだよwwww とにかくズラかるぞwwwwwwwwww」 警察官たちは恐ろしい光景を見た。 時速100kmで飛ばすパトカーより 『更に速く』 逃げ去っていくフード姿達を。 全速力で運転しているにも関わらず、彼らは恐ろしい速度でぐんぐんと遠ざかっていく。 見失うまで30秒とかからなかった。 ふぁんふぁんふぁんふぁんふぁんふぁん…… 「? パトカーの音がやけに多いな。何かあったのか?」 「それより斗貴子氏、いまの話、受けるの?」 机の向こう側で淡白なメガネ少年が返事を促した。斗貴子は渋々という顔で視線を右にズラした。 「考えてくれないだろうか」 早坂秋水がひどく真剣な面持ちでそこに存在している。ちなみに教室にいるのは斗貴子とメガネ少年──六舛孝二── と秋水だけだ。しかも彼らは窓際一番後ろの席に集結している。この様子、密談以外の何であろう。 「どう、といっても」 斗貴子は顔をしかめた。艶やかな髪をわしゃわしゃと梳るが明確な返答は出そうにない。 「そのだな。もう一度言ってくれないか? 正直、予想外なんだが」 秋水は居住まいを正し、ひどく真剣に言葉を紡いだ。 「キミがパピヨンを演劇部から放逐したがっていると聞いた。俺もぜひ、協力したい」 先ほど、演劇部の練習が終わった。さて一旦寄宿舎に戻り防人にでも色々聞こうか……と斗貴子が思っていると六舛が どこからかやってきてこの教室に案内した。 その時にはもう秋水がいまの場所に座っていて、面喰らったのを覚えている。 そして一言一句違わず、上記のセリフを吐いた。 ちょっと待て、と斗貴子は思った。もちろんパピヨン放逐に関し仲間は欲しいところである。だが、その協力者が秋水とい うのは幾らなんでも予想外だ。 「そもそも剣道部だろキミは。いや、怪我が治るまで演劇部に仮入部するという話は聞いているが」 秋水は頷いた。銀色の刃のように澄み渡った表情は「だから俺にも協力する権利がある」そう言いたげだった。 「いいんじゃない斗貴子氏? だいたい斗貴子氏だって入部1日目だし」 「それをいうならキミは演劇部員ですらないだろう」 「今でも一応部員だけど? 去年は部長だったし。だから部外者に変えられるのは見たくないというか」 「ええええええええええええ?」 斗貴子は思わずどよめいた。凛々しい顔がポンチ絵のごとく崩れているのが分かった。 「成程。だから俺と津村の間を……」 「そ。取り持ってる訳」 「じゃあひょっとしてキミの特技の声帯模写。あれは演劇の成果なのか?」 「いや逆。声帯模写ができるから演劇を」 「そんな動機で……って。いや、一度しかない高校生活なんだから、もっとこう部活選びは真剣にしなさい」 「流石は斗貴子氏。含蓄がある」 同意したようなしてないような反応だ。瞳は白く曇ったメガネに隠れ、真意を伺い知るコトはできない。 「というか津村、彼はこの学校の部活全てに入っている。剣道は二段だ」 「絞れ! 一つに! 部活はもっと真剣に選べ!!」 叫び、机に拳を叩きつける斗貴子だが六舛はさほど怯えた様子もない。冷めた瞳で彼女を一瞥すると「それはともかく」と 話題を変えた。 「秋水先輩と手を結んだらどう斗貴子氏? いまのままじゃ勝ち目薄いし」 「う……」 口を噤んだまま斗貴子は回想する。いまの演劇部員のほとんどはパピヨンシンパだ。このまま手をこまねいていればい ずれ部員の総ては蝶々覆面をかぶり全身タイツを着こなし、変態丸出しの馬鹿騒ぎを銀成学園に振りまくだろう。そもそも 銀成市民はアホばかりなのだ。 「確かに私だけでは孤立無援。味方は一人でも欲しいところだが」 ちらりと秋水を見る。戦闘絡みなら卓越した剣客たる彼は非常に重宝するだろうが、ことこう言う日常(?)の問題解決に は甚だ不向きな男に見えた。 (むしろこういうのは桜花の方が向いてるんだが) とにかく。 唯一の味方が秋水というのがまったく以て宜しくない。 そもそも斗貴子と秋水の仲は決して良好とは言い難いのだ。 かつて斗貴子が武藤カズキともども早坂姉弟と戦った時、秋水はカズキを背後から刺した。もし桜花が武装錬金の特性 でカズキの傷を引き受けなければ、彼は間違いなく死んでいただろう。 もちろんその件に関する謝罪は、ザ・ブレーメンタウンミュージシャンズとの決着後に聞き及んでいる斗貴子だし、一時期 秋水に辛く当たっていたのは様々な辛さ苦しみの捌け口という意味もあった。そもそもカズキが刺されたのは斗貴子から早 坂姉弟を守ろうとしたためでもある。その過程で斗貴子自身、「まだ人間の先輩たちを守りたい」と真っ当な正義を主張する カズキを──戦いの世界から遠ざけるためとはいえ──さんざん傷めつけた。 具体的には失明させようとしたり、四肢のどれか一本を機能不全に追い込もうと、した。 (あの時はやりすぎた……) とにかくそういう経緯があるからカズキの件で秋水を恨むのはやめよう。そう思っている斗貴子だが、彼と仲良くしたいと いう気持ちは目下のところ皆無である。 (だあもう考えていても仕方ない。こうしている間にも演劇部はパピヨンにどんどんどんどん侵食されてるぞ) 華奢な体を抱えるように斗貴子は身震いした。パピヨンという変態性の権化が少しずつ少しずつ銀成学園を侵食している 恐ろしさよ。もたもたしていると本当に取り返しがつかない。 (だいたい、カズキが月に消えたのになんであんなに平気そうなんだ。貴様にとってカズキはその程度の相手なのか) 秋水と協議する気になった理由の一つは、上記のごとき憤りかも知れない。カズキがいなくなってこっち、斗貴子は幾度と なく辛い思いをした。それを晴らそうと秋水の過去をあげつらえばまひろに聞かれ、傷つけ、ますますどん底へと呑まれた のだ。 にも関わらずパピヨンは平気な顔で演劇部に出入りしている。「本名を呼ばれて以来」、あれほどカズキに執心していた というのにだ。 そういう怒り半分、顔見知りたる生徒たちを守りたいという使命感半分。 斗貴子はゆっくりと秋水の目を直視した。 「ひとつ聴きたい」 「なんだ?」 「どうしてキミはパピヨンを演劇部から放逐したいんだ? 過去をどうこう言う訳ではないが、キミの性格なら部活動のいざこ ざに首を突っ込まない方が自然だ。それが何故、今回に限って口を出すんだ?」 謹直な表情が、ぽつりと言葉を吐いた。 「衣装の問題だ」 衣装? 斗貴子は首を傾げた。彼は何の話をしているのだろう。 「このままいけば、武藤の妹がパピヨンと同じ服を着る事になる。それは防ぎたい」 「あの服は……胸元が開き過ぎている」 寂然と窓の外を眺め始めた剣客に、斗貴子はほんの少しだけだが頬を緩めた。 「わかった。協力をお願いする」 「なるほど。斗貴子氏もまひろちゃんにあの服を着せたくないから先輩と協力する気になったと」 「違いないがあまりそういうのは口に出さないでくれ。何というか、困る」 少し困った目つきで釘を刺すが、やはり六舛にこれといった表情の変化はない。 「ていうか意外。秋水先輩がそういうコトいうなんて」 「だが、若い女性が素肌を気楽にさらけ出すのは良くない」 訥々とした呟きに斗貴子と六舛の口からため息が漏れた。枯れている、というより秋水自身が妙な気恥しさを抱えている フシもある。もちろん一番大きいのは「恩人の妹におかしな格好をさせたくない」という節義であろうが。 「その辺りはともかく、お2人が協力してもパピヨンを放逐するのは難しいんじゃないか?」 くいっとメガネを掛け直す少年に低い──女性にしてはなかなか静かな迫力のある──反問が刺さった。 「何が言いたい」 「演技力の問題。いまパピヨンが演劇部で支持を受けているのは演技力のせいだし」 ふむ、と秋水は顎に手を当てた。 「確かに……。俺も一度見たが、彼の演技は良くも悪くも強烈だった」 「あんな奴の一挙一動を真剣に考えるな。ただの頭のおかしいド変態がいやらしく振る舞っているだけだ」 目も三角で吐き捨てるように斗貴子は呟いた。あんな物をあがめる銀成市民はDNAレベルでアホだとも言いたげだ。 「とにかくパピヨンに対抗しようと思ったら、演技で立ち向かわなきゃ意味がない。斗貴子氏たちもそれは分かってるよね?」 「まあ確かにな。私達が説教したところで部員は耳を貸さないだろう。彼以上のまっとうな演技を見せつけなければ」 「演劇部員の眼は覚めない、という訳か」 だが、と斗貴子は眉をひそめた。 「どうやってまっとうな演技を見せつける? いっておくが私も早坂秋水も演技についてはズブの素人だぞ? 今から練習 したところで手遅れだ。基礎が身に着く頃にはもう」 「演劇部はパピヨンに侵食されきっている」 そうだな、と六舛は頷いた。 「だからお2人には1日でパピヨンレベルの演技力を身に付けてもらう。具体的には修行。いい?」 「「はい?」」 斗貴子と秋水の疑問符が被った。
https://w.atwiki.jp/vs-wiki/pages/3625.html
概要 通算8度目の全国大会 基本情報 開催期間2013/5/12~2013/7/20 開催トーナメントネオスタンダード(~『デート・ア・ライブ』まで) Vスパキング決定戦 タイトルカップ「To LOVEる-とらぶる- ダークネス」 タイトルカップ「僕は友達が少ないNEXT」 タイトルカップ「えびてん 公立海老栖川高校天悶部」 タイトルカップ「シャイニング・アーク」 上位入賞タイトル ヴィクトリースパーク ジャパンカップ2013 全国決勝大会 全国決勝大会 成績 デッキタイプ タイトル 1位 「織田 信奈」 『織田信奈の野望』 2位 「織田 信奈」 『織田信奈の野望』 3位 「四糸乃」 『デート・ア・ライブ』 4位 「織田 信奈」 『織田信奈の野望』 地区決勝大会 金沢地区決勝大会 成績 デッキタイプ タイトル 1位 「四糸乃」 『デート・ア・ライブ』 2位 「四糸乃」 『デート・ア・ライブ』 3位 「パニス」 シャイニング・シリーズ 4位 「四糸乃」 『デート・ア・ライブ』 福岡地区決勝大会 成績 デッキタイプ タイトル 1位 「織田 信奈」 『織田信奈の野望』 2位 『ARIA』 コミックブレイド 3位 「羽瀬川 小鳩」 『僕は友達が少ない』 4位 「ユークリウッド・ヘルサイズ」 これはゾンビですか?&これはゾンビですか? オブ・ザ・デッド 東京地区決勝大会 成績 デッキタイプ タイトル 1位 「織田 信奈」 『織田信奈の野望』 2位 「羽瀬川 小鳩」 『僕は友達が少ない』 3位 「織田 信奈」 『織田信奈の野望』 4位 「ケルベロス」 シャイニング・シリーズ 大阪地区決勝大会 成績 デッキタイプ タイトル 1位 「羽瀬川 小鳩」 『僕は友達が少ない』 2位 「羽瀬川 小鳩」 『僕は友達が少ない』 3位 「古手川 唯」 To LOVEるシリーズ 4位 「柏崎 星奈」 『僕は友達が少ない』 仙台地区決勝大会 成績 デッキタイプ タイトル 1位 「織田 信奈」 『織田信奈の野望』 2位 「ファム・ファン・ファン」 『ラストエグザイル-銀翼のファム-』 3位 「柏崎 星奈」 『僕は友達が少ない』 4位 「織田 信奈」 『織田信奈の野望』 広島地区決勝大会 成績 デッキタイプ タイトル 1位 「柏崎 星奈」 『僕は友達が少ない』 2位 「小鳥遊 空」 『パパのいうことを聞きなさい!』 3位 「ヤミ」 To LOVEるシリーズ 4位 「羽瀬川 小鳩」 『僕は友達が少ない』 名古屋地区決勝大会 成績 デッキタイプ タイトル 1位 「ミミ・ウリエ・フォン・シュヴァルツラング」 『メルルのアトリエ ~アーランドの錬金術士3~』 2位 「パスカル」 『テイルズ オブ グレイセス エフ』 3位 「羽瀬川 小鳩」 『僕は友達が少ない』 4位 「ラン」 『輪廻のラグランジェ』 札幌地区決勝大会 成績 デッキタイプ タイトル 1位 「サクヤ」 シャイニング・シリーズ 2位 「羽瀬川 小鳩」 『僕は友達が少ない』 3位 「小鳥遊 空」 『パパのいうことを聞きなさい!』 4位 「ユークリウッド・ヘルサイズ」 これはゾンビですか?&これはゾンビですか? オブ・ザ・デッド Vスパキング決定戦 会場 デッキタイプ タイトル 金沢 「羽瀬川 小鳩」 『僕は友達が少ない』 福岡 「ユークリウッド・ヘルサイズ」 これはゾンビですか?&これはゾンビですか? オブ・ザ・デッド 東京 「羽瀬川 小鳩」 『僕は友達が少ない』 大阪 「柏崎 星奈」 『僕は友達が少ない』 仙台 「京乃 まどか」 『輪廻のラグランジェ』 広島 「松前 緒花」 『花咲くいろは』 名古屋 ブレイクブレイド『クリシュナ王国』デッキ 『ブレイク ブレイド』 札幌 「織田 信奈」 『織田信奈の野望』 参考 「ブシロードカードファイト2013」開催に伴う調印式を実施!5月11日(土)より全国各地でブシロードTCGの祭典がいよいよ開幕! トーナメント記録
https://w.atwiki.jp/gods/pages/119333.html
ビクトリア(2) 南イタリアのカラブリア公の系譜に登場する人物。 関連: カルロスデボルボンドスシシリアス (カルロス・デ・ボルボン=ドス・シシリアス、父) アンヌマルグリットブリジッタマリー (アンヌ・マルグリット・ブリジッタ・マリー、母) マルコスノミコス (マルコス・ノミコス、夫)
https://w.atwiki.jp/gods/pages/115309.html
マリアクリスティーナデボルボンイバッテンベルグ(マリア・クリスティーナ・デ・ボルボン・イ・バッテンベルグ) スペイン王の系譜に登場する人物。 関連: アルフォンソジュウサンセイ (アルフォンソ13世、父) ヴィクトリアユージェニーオブバッテンバーグ (ヴィクトリア・ユージェニー・オブ・バッテンバーグ、母) エンリコマローネチンザノ(2) (エンリコ・マローネ=チンザノ、夫) ヴィットーリアマローネチンザノ (ヴィットーリア・マローネ=チンザノ、娘) ジョヴァンナマローネチンザノ (ジョヴァンナ・マローネ=チンザノ、娘) マリーアテレーザマローネチンザノ (マリーア・テレーザ・マローネ=チンザノ、娘) アンナサンドラマローネチンザノ (アンナ・サンドラ・マローネ=チンザノ、娘) 別名: マリアクリスティーナテレサアレハンドラマリアデラコンセプシオンイルデフォンサビクトリアエウヘニア (マリア・クリスティーナ・テレサ・アレハンドラ・マリア・デ・ラ・コンセプシオン・イルデフォンサ・ビクトリア・エウヘニア)
https://w.atwiki.jp/saikyouryodan/pages/46.html
九条、君はほんとにばかだなぁ…… || / У / l . i . |. i ヽ ∨ 7 |/| ! /! / | ゝ / / | . | | |. | ∨_ | | ./´/ \l ( / ′ ! | | i . ! i | . | | . ∨! ! ! / ./ . / ヽ L! ′ | l | | l | l | | | | . i/ / /─〈/ 〈. Ⅵ i | l | | l | l | | | | l /./ ,} \ | | | i | l | | l | l | | | | |/" ./i i | | | | | l | | l | l | | | | ト、 /.イ | \∧、 | | | l | | l | l | | | | | !\ i | l丿 / ∧ | |\|__|__|__ノ | ト、_|_l_l__|/| / / | ヽU´ / / . . | ャl‐テ──-r | l t‐─‐〒ア | / /_.∧、 / / . 〉∧ . | 弋ト ィソ 弋ト ィソ | | . / ∧ \ 、 〈 i . // ノ/ト _ ゝ ´ ̄ ̄` ´ ̄ ̄` / /_/ / i 、 V . ∨\ // ヽ从 " ´/≧´\l \ ヽ / 7 .ゝ . -‐( イ_ .! \. \ノ / _/_/く_ >- . __ . -< _つ〉_.」 ヾ / \ /`|_|´\ / 7 i ∧ L_ ヽ. / | ト、 / ___」 |_ / 「 ̄ ` i / | | \ ./´  ̄7 ´ ヽ 〈 L_ ∧_ イ ./ | ゝ _./! ___」 i ヽ 「 ̄ ` i / / / ! V ヽ | ´  ̄7 |
https://w.atwiki.jp/bakiss/pages/520.html
『真紅と辛苦のデイズ_前編』 武藤カズキが月から帰ってきてから数週間、彼と、その大切な者たちは平和を満喫している。 戦団は規模縮小・活動凍結に向けて動き始め、ヴィクター率いるホムンクルス勢も月面への移住計画を着々と進行させていた。 カズキが駆け抜けていったいった激闘の日々はもはや過去になりつつあり、もうあの少年を戦いに駆り立てるものはどこにもなく、 彼に訪れたささやかな安寧の日々を脅かすものはなにもない。 ──そのはずだった。 _ _ _ それはいつもの日常、いつもの平和な日々。 私立銀成高校から寮への帰り道、夕暮れの陽を浴びながら歩く八名の少年少女たち。 「大変だカズキ! 今週号のジャンプ、『ピンクダークの少年』が休載してるぞ!!」 「な……なんだって!? 本当か岡倉!」 「えーと──それってそんな大騒ぎすることかな?」 「ネット上の風説では、作者の岸辺露伴が破産したために一時的に執筆作業が困難になったとのこと。 ちなみに『ピンクダークの少年』は現在七部まで書かれているが、その実、すでに九部まで構想済みだとか」 「オトコノコってマンガの話題好きだよねえ……参考にする?」 「さ、参考って……なんのことだかさっぱり」 「くふふ……またまたぁ。あの舎監さんがちょっと気になってるんでしょ? バレバレだよ。ね、まっぴー、斗貴子さん」 「ん? ああ、すまん。聞いてなかった(どっちが『ちーちん』で『さーちゃん』だったっけ……たまに混乱するな)」 ──そんな、馬鹿馬鹿しくものどかな、ある日の放課後の会話。 この御一行が向かう先に、とんでもない変態が待ち受けていることを──彼らはまだ知らない。 _ _ _ 蝶人パピヨンは『元』人間であり、同時に『元』ホムンクルスである。 まだ人間だった頃の彼は病魔を克服するために人間を超越した『ホムンクルス』となることを目指すも、 ちょっとした手違いによって不完全で常に瀕死状態のホムンクルスとなってしまい、 そして更なる高みを目指して『第三の存在』を目指すも、ちょっとした手違いによってライバルである武藤カズキにあっさり先を越され、 そうしたすったもんだの過程とはあまり関係のないところで、「食人衝動の無い=人間に未練がない」、 真の超人性を獲得したという、なんか「幸せの青い鳥は実はこんな身近にいたんだ」的な微妙な経緯によって 「蝶人」として完成された、恐るべき馬鹿野郎にして筋金入りの変態──それがパピヨンである。 さて、そのパピヨンは今、とある一軒の店の前に立っている。 「腹が減ったな。ラーメンでも喰うか。貴様はどうする?」 その言葉に、パピヨンの隣に立つ少女──ではなく、両者の間から飛び出た変な人形が答える。 「はいはいはーい! 腹ペコでーす、パッピー!」 それは、頭のハート型アンテナが蝶イカす、全身ピンクでキモさと紙一重の愛らしさを発散する、 無駄に高性能な自動人形(オートマトン)通称「ゴゼン様」だった。 ふよふよ宙を飛行しながら喜びを表現するゴゼンは、ついーと少女の側まで滑っていく。 「ヴィッキーも食べるだろ?」 馴れ馴れしさ全開のゴゼンをぱしっ、と叩き落とし、少女は醒めた声で返す。 「馬鹿じゃない?」 そして、少女は皮肉そうに顔を歪ませてパピヨンとゴゼンを一瞥する。 「人肉を食べないホムンクスルに、物を食べる自動人形(オートマトン)──ぞっとするわ」 永久凍土のようなオーラを全力で放出中のこの少女──名はヴィクトリア・パワード。 彼女もまたホムンクルスであり、今は亡き母親の細胞クローン体を調理したものを日々の糧とする、薄倖の美少女である。 「あーあ、つまんない。パパは月まで行く準備に忙しいし、やってられないわ」 「失礼なやつだな。せっかくオレが貴様の遊び相手になってやってると言うのに」 「頼んでないし。むしろ連れまわされて迷惑なだけ。パパが言うから仕方なく──」 「それで、どうするんだ? 喰うのか? 喰わないのか?」 「一緒に喰おーぜ、ヴィッキー」 「……だからわたしは人肉しか食べないんだって。ホムンクルスなんだから」 「それは食わず嫌いというやつじゃないのか? オレに喰えて貴様に喰えぬ道理は無かろう」 「余計なお世話」 むっとした表情でパピヨンを睨むヴィクトリア。パピヨンはその険のこもった視線などまるで頓着せず、 「そこまで言うなら仕方がないな。オレとゴゼンがラーメンに舌鼓打つのを指でも咥えて眺めてるがいい」 「冗談じゃないわ、わたし帰る──」 踵を返しかけたヴィクトリアの背後から、大人数のざわめきが近づいてきた。 「なあ大浜。なんか腹減らないか?」 「そうだね。なんか食べて帰ろうか。みんなもいいよね?」 さっさと去ろうとしたヴィクトリアの足が止まる。 「あ、ちょうどいいや。ここにしよう──って」 別に足を止める義理などないのだが、そのざわめきの中に聞き覚えのある声があったことで、つい振り返る。 目が合った。 「ヴィクトリアちゃん──に、蝶野とゴゼン様!」 「よーカズキン! 今からパッピーとラーメン喰うんだ、付き合えよ!」 「奇遇だな、オレたちもだよ!」 武藤カズキと、その友人たちだった。 相変わらずの能天気なスマイルで、武藤カズキがこちらに手を振っていた。 こうなってはいきなり背を向けて帰ることはできず、ヴィクトリアは戸惑いがちに片手を挙げる。 「──帰るんじゃないのか」 ぼそりと耳元で呟かれるパピヨンの声に、ヴィクトリアは精一杯の不機嫌な声で返す。 「うるさい。あなたと違って、わたしそこまで無神経じゃないの」 _ _ _ 「いらっしぇーい!」 中華料理店「鉄火屋」は、カウンター席十二、四人掛けテーブル四卓のややこじんまりした佇まいの店だった。 混み始めるにはまだ若干の余裕があり、総勢十名という大口客でも容易に受け入れることが出来た。 四人掛けテーブル三卓にそれぞれ別れて座る。 「斗貴子さんどれ食べる?」 「私は余り空腹でないから、キミが好きなのを頼むといい。私はそれを少し分けてもらうことにするよ」 ヴィクトリアのついた席に座るのは、中睦まじく肩を寄せ合って菜譜を覗く武藤カズキと津村斗貴子、そして── 「ふむ……このオレに相応しい蝶・中華なメニューはなんだろうな?」 パピヨンだった。 (なんでこいつわたしの隣に座ってるの……) 憤懣やるかたないヴィクトリアの内心など忖度せず、パピヨンは鼻歌など歌いながら菜譜を眺めている。 「おい、カズキ! これにしようぜ!」 隣の卓から身を乗り出して、岡倉が菜譜の隅を指差す。 それを眺めていたヴィクトリアも、なんとなく手元の菜譜に視線を落としてその位置に書かれた文字を読む。 『辛さ爆発地獄焔・泣く子も爆発超激辛・キョンシーが生き返る反魂辛・エリキシィラーメン \3000 ※但し三十分以内に完食された場合、御代は頂きません』 過激というか、本気でオーダーを取ろうとしているとはとても思えない謳い文句を、わずかに呆気に取られて幾度も読む。 これはいったいなんの冗談だろうかと悩むヴィクトリアだったが、その解答は簡単に示された。 「な、これにしようぜ、カズキ! 全部食えばタダになるんだろ!」 (──ああ、そういうこと) つまらなさそうに鼻から息を漏らす。 これはつまり──「タダ」という餌に釣られた馬鹿な客から三千円を毟り取るためのメニューなのだ。 そんなあこぎな商売をやるほうもやるほうだが、わざわざ引っかかるほうも引っかかるほうだ──どっちも大馬鹿、救えない。 「やめておけ。この種のチャレンジメニューというものは、普通の人間が太刀打ちできるものではない。 だからこそ、店主も胸を張って菜譜に書いてあるんだ。途中でギブアップして三千円払うハメになるのがオチだ」 カズキと岡倉のやり取りを聞き流していたパピヨンが、涼やかに言い放った。 自分と同意見だった者がいることに少し嬉しくなるヴィクトリアだったが、 それがよりによってパピヨンだったことに気付いたことで、とても悔しくなる。 「──偉そうなこと言って、結局は食べれないんだ」 ささやかな反感を込めて、そう毒舌を吐く。 パピヨンはちらりとヴィクトリアを見て、「ああ」と短く答えた。 そのあっさりした返答に拍子抜けし、もっとなにか言ってやろうと息を吸ったそのとき、 「──だがNON!」 耳まで裂けるような極悪スマイルを口元にのぼらせ、蝶人パピヨンの晴々とした宣言。 「このオレを誰だと思っている!? オレの名はパピ♡ヨン!! 人を超え、ホムンクルスさえも超えたまさに蝶人! 激辛ラーメンの一つや二つ、文字通りに朝飯前だ!」 自己陶酔でうっとりの変態は、椅子の上に立ち上がってカズキを指差した。 「武藤! 貴様もこのラーメンを注文しろ! ──勝負だ!」 その挙動不審な黒タイツの絶叫に、店内の視線が一点集中する。 ヴィクトリアも半ば呆然とパピヨンを注視していた。 「さあ、どうする武藤! 当然、受けて立つだろうな! もし貴様に、オレに向かってくる勇気があるのならな……!」 武藤カズキも最初はぽかんと蝶々仮面の怪人を眺めていたのだが、やがてその顔がみるみる引き締まっていく。 卓の下では斗貴子がしきりに彼の袖を引いて注意を促していた。 「おい、カズキ。まさかこの馬鹿の言うことを真に受けるんじゃないだろうな。 金と食材と労力の無駄だ。安い挑発に乗るんじゃない──カズキ、カズキ?」 「武藤、負けるのが怖いか?」 「……そんなこと言っていいのか、蝶野。なにを隠そう──オレは早食いの達人だ!」 ノリの良さでは他者の追随を許さぬカズキが、その唐突過ぎる挑戦を雄々しく受ける。 その顔はめっちゃ輝いていた。 「馬鹿が二人……もう嫌だ……」 頭を抱えて呻く斗貴子の姿もなんのその、馬鹿二人は揃ってカウンター向こうの厨房へ向き、 「「『辛さ爆発地獄焔・泣く子も爆発超激辛・キョンシーが生き返る反魂辛・エリキシィラーメン』!!」」 それに負けじと、カウンター内で店主のおやじの咆哮が反響する。 「激ラー二丁よろこんでぇぇぇぇ!!」