約 2,184,032 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/805.html
前ページ使い魔は神様? ヴェストリの広場は普段からは考えられないほどの賑わいを見せていた。 人垣の中央で相対するギーシュとアマテラス。 貴族vs使い魔の異色の決闘が今ここに始まろうとしていた。 「ギーシュ! あのクソ生意気な使い魔にお灸据えてやんな!」 「あんまりいじめすぎんなよ~!」 男子生徒たちからギーシュに声援が飛ぶ。 あのルイズの使い魔…生意気なことに、一部の女生徒からは妙な人気があったのだ。 奇行はともかく、その柔らかな毛並みは触りごたえ抜群であり、呆けた顔もなんとも言えず愛らしいと、 可愛い物好きの少女らは口を揃えてルイズの使い魔を褒めるのだ。 当然男子は面白くない。 使い魔の人気に嫉妬した男子生徒らは、ギーシュによる公開私刑を期待していたのだった。 それに、大なり小なり、ルイズを含め皆がこの犬に迷惑していたのも事実。 日頃の鬱憤をここぞとばかりにぶつける生徒たちで、広場はヒートアップする一方だ。 ギーシュは手を上げて観衆に応えていたが、ようやくアマテラスへと向き直った。 「使い魔君、逃げずにやってきたことは褒めてやろうじゃないか」 「お前さん相手に逃げ出す理由がねェなァ? 大した実力もねェ口先だけのボンボン相手にどうして逃げるンだァ?」 あくまで挑発するイッスン。 ギーシュのような人間は嫌いなのだった。 「よく言った…! では始めるとしようか!」 「おお―「待ちなっ、さいよっ!」 そこにルイズがやってきた。 随分と息が上がっている。考えてみれば先ほどから走りっぱなしだ。 「ああルイズ! 君の使い魔をちょっとお借りするよ!」 「いい加減にしてギーシュ! そもそも決闘は禁止されているでしょう!?」 「禁止されているのは貴族同士の決闘だよ。貴族と使い魔の決闘など禁止されていない」 「それにしたって、人の使い魔相手に決闘をけしかけるなんて非常識よ!」 しかも犬相手にだ。かなり大人気なかった。 「僕は決闘を申し込み、彼はそれを受諾した。決闘は正当なものだ。 それに、君もこいつの扱いにはほとほと手を焼いているみたいじゃないか? ここで一度痛い目に遭えば、君にも従順になるだろうさ」 「…………」 閉口するルイズ。 だがルイズのプライドはとことん高かった。 「あんたの手なんて借りないわ。いいから決闘をやめてちょうだい」 「しかし、君の使い魔はやる気のようだが?」 「下がってなァ嬢ちゃん。こちとら一歩も引く気はないぜェ!」 アマテラスは先ほどから身を低くして身構えている。 決闘マダー? とでも言いたげだ。 「あ、あんたねぇ…」 「大丈夫だってェ! こんなキザ、アマ公にかかればチョロいもんよォ」 「………………ほんっっっっっっとに痛い目見ないと分からないみたいね?」 「だ~から負けねェっつってんだろォ!?」 「………あ~そう! じゃあいいわよ! わかったわよ! 好きなだけ戦いなさいよ、バカッ!」 そう言ってルイズは背を向けた。 私はあれだけ止めたのだ、精々派手にやられてしまえばいい…心の中でそう毒づいて。 ルイズを含む大多数のメイジとイッスンは、互いに互いを過小評価していた。 力量を見誤っているのはどちらなのか? 「さァて、余計な茶々が入ったが…仕切りなおしといこうかィ!」 ガゥッ! 先手必勝とばかりにギーシュに突撃するアマテラス。 ギーシュはそんなアマテラスを一瞥をくれると、優雅な仕草で薔薇の杖を振る。 一枚の花びらが宙を舞った…かと思うと、そこには一体の甲冑を纏った女戦士の人形が出現していた。 急ブレーキをかけるアマテラス。 「な、なんでェこの土偶はァ?」 「言い忘れていたな。僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュだ。 従って、青銅のゴーレム、『ワルキューレ』がお相手するよ」 「青銅だァ?」 言うが早いか、ワルキューレはアマテラスに殴りかかる! とっさに飛び退って回避したが、拳は空を切り地面にめり込んでいた。 「へェ…」 イッスンが賞賛の念をもらす。 この世界の魔法とやらはなるほど、戦闘においても強力な武器となるようだ。 この世界における平民の貴族に対する萎縮ぶりに異常を感じていたイッスンも得心がいった。 ただの人間にとっては脅威そのものなのだろう。 矢継ぎ早に繰り出される攻撃を避け続けるアマテラス。 傍から見れば一方的な展開だった。 逃げるだけのアマテラスに執拗に迫るワルキューレ。 ルイズはもう見ていられないと目を伏せていた。 「お~お~お~。 ただ力押しするだけの木偶の坊なのかァ?」 初見で驚きはしたが、普段相手にしている妖怪どもと比べてもほぼ遜色ない程度の相手だ。 アマテラスはワルキューレの動作をつぶさに観察していた。 膂力はそれなりにあるようだが動き自体たいした事はない。 もはや『見』にまわる必要もなかった。 ワルキューレが目前に迫る。 止めさせようとルイズが駆けてくる。 …アマテラスは静かに精神を集中させる。 そして世界は停止した。 ルイズも、イッスンも、ギーシュも、観衆も、アマテラス自身も。 実際に時が止まっているわけではない。しかしアマテラスには知覚できる。 何もかもが静止した中で、アマテラスは思うままに筆をはしらせる。 (アマ公、お前筆魂って言葉を知ってるか? “活きのいい筆書きには魂が宿る” ってお話さァ―) 無論知っている。そうして世界を動かしてきたのだから。 画く軌跡は真一文字。 アマテラスがもっとも多用し、幾重に待ち構える妖魔を討ち払ってきた退魔の剣。 ルーンから力が満ちてくるのを感じる。 今ならばあのような青銅などまったく問題にならない! 線は刃と化し、女戦士を切り裂いた。 (なんだこれは!? 何が起こった!?) …なにが起こったのかまるで理解できない。 ギーシュは目の前の光景が信じられずにいた。 ワルキューレの胴体にザァっと線がはしったかと思うと、 次の瞬間、ワルキューレは真っ二つに分断されて宙を舞っていたのだ。 「………なにをした貴様!?」 「…ヘッ、バカ正直に応える奴がいるかってんだァ。 今は決闘の最中だろうがよォ?」 イッスンも内心驚いていた。 あの青銅製の土偶に一閃が通用するとは思わなかったのだ。 ギリ、とギーシュはアマテラスを睨み付けて杖を振る。 新たに六体のゴーレムが出現した。 しかし現れると同時に二体に線がひかれ、またもゴーレムは切断される。 一体なにをされたのか、ルイズも、ギーシュも、囲んでいた生徒らにも分からない。 「なんだあれ!?」 「魔法か!?」 「見てみろよ、杖なんて持ってないぞ!」 「せ、せ、先住魔法だ!」 誰かが発したその台詞に、一同は恐れ戦いた。 先住魔法…彼らにとって天敵であるエルフが杖もなしに使用する、絶大な威力を有する魔法… 始祖ブリミルですらついに聖地を諦めざるをえなかった、その先住魔法をルイズの使い魔がなぜ? ギーシュもまた色を失っていた。 先住魔法の使い手であるなどまったく聞いていないのだ! 遺伝子レベルで刻まれた、エルフに対する恐怖が襲い掛かってくる。 悪寒が背筋から全身へと広がっていく感覚を、ギーシュはハッキリと感じていた。 敵は余裕でも見せているのか、ノッソリと歩み寄ってくる。 「こ、こいつっ!」 ギーシュは膨れ上がる恐怖心を押さえ込んで、残る四体を四方から突撃させる。 手にした得物が敵を貫いた…と錯覚した瞬間、 正面のワルキューレが吹き飛ばされ、ギーシュの足元までふっ飛んでいた。 …そこには、白い影が舞っているかのように身を躍らせていた。 一撃、二撃、三撃― アマテラスが背の鏡を振るうたびにワルキューレの甲冑がはじけ飛ぶ。 ワルキューレはアマテラスの動きに全く対応できないままだ。 またも周囲は言葉を失っていた。 今度は手も触れずに背の円盤を振るっているのだ! 青銅製のゴーレムを、あの使い魔は事も無げに粉砕している。 しかもその動きが尋常ではなかった。あまりにも早すぎる。 ものの十秒としないうちに、三体のワルキューレはただの金属の破片と化していた。 残るワルキューレは足元に横たわっている1体のみ。 ギーシュは完全に恐慌状態に陥っていた。 こうなるはずではなかった。 自分はこの使い魔を叩き伏せて、皆から賞賛を受けているはずだったのだ! 最後の一体を、ギーシュはまたも真正面から突っ込ませてた。 というか、彼にはそれしかできなかった。 ワルキューレは不用意にアマテラスの間合いへ踏み込み、アマテラスと交錯した刹那、中空へと弾き飛ばされていた。 追い討ちをかけるようにアマテラスは宙でワルキューレを引っつかむと― 回転と共に渾身の力を込め、地面へと叩きつけた。 金属のひしゃげる音が響く。 …見るとワルキューレの上半身は完全に潰され、下半身のみ原型を留めたまま地面に横たわっていた。 一体どれほどの力が込められた一撃か? 全てのワルキューレを撃破され、ギーシュはガクリと尻餅をついた。 そもそもドットクラスであるギーシュに、二の手三の手など用意されてはいない。 もはや打つ手は無かった。 「どうだァ? まだ続けるのかィ?」 「…………参った……」 ギーシュが敗北を宣言する。 誰の目からも明らかな決着だった。 しかし誰も祝福する事はない。 嘲笑は沈黙に。 侮蔑は恐れへと変わった。 高位の幻獣が相手ならば、一介のメイジが遅れを取るという事もありえるだろう。 だがしかし、あのゼロのルイズのバカ犬なぞに、ドットクラスとはいえギーシュが負けるなどと誰が想像できよう。 それは主人のルイズも同じであった。 当のルイズは途中から呆けたままだった。 口をぽかんと開けたままでかなり滑稽だ。 …先日のイッスンとの会話が思い起こされる。 (犬のなりをしちゃいるが、これでも立派な大神様よォ!) そんな台詞を信じている訳ではない、信じている訳ではないが… 私が召喚した使い魔は、一体何者なのか? 前ページ使い魔は神様?
https://w.atwiki.jp/sengakuyell/pages/42.html
代表者 マ○シ○リ○ン・○野 (そのビラは、いつのまにか掲示板に貼られていた) 諸君、私は戦争が好きだ。 諸君、私は戦争が好きだ。 諸君、私は戦争が大好きだ(以下略) …とどのつまり、戦国学園などという大層な名が付いている訳だ。欲しいものは実力で奪う、力持つ者が君臨する…大変結構。 ならば我々のような狂った連中がいてもいい訳だ。 我々は戦争を希求する。 我々は戦争に備える。 次の戦争の為に。次の次の戦争の為に。未来永劫戦争の歓喜を味わい尽くす為に。 我々が欲しいものは地位でも権力でもない。そんなつまらんものは、野良犬にでもくれてやればいい。 我々は戦争がしたいのだ。 我々は戦争という手段の為には目的など選ばない。素敵じゃないか、戦争、戦争だよ。 今は私一人だ。しかしだから何だというのだ。 私は戦争に備えよう。楽しい楽しい戦争の為に。 …ここまで読んだ物好きな君。どうかね、一緒に戦争をしないかね?きっと楽しいぞ?みんなで奪ったり奪われたり倒したり倒されたりするのはきっと楽しいぞ。 (そう好き勝手書かれたビラの末尾には、連絡先らしきものが記されていた。max、と) PL情報- バトル特化組織ではありません。 戦争、つまり抗争に特化し、それのみを目的とした組織です。 そこには理念もなければ理想もなく、ただ組織抗争がしたいという欲求があるだけです。 仮に生徒会と戦って勝った場合、政権につくことはありません。ただちに新政権の選挙でもして貰わないと困ります。そしてそのあたらしい政権に戦争を挑むのです。相手がいなければ戦争はできませんから。 そこに敵がいる限り戦い続ける。 敵がいなくなったら自らでっちあげてでも戦う。 目的が必要ならその都度適当に考える。 そんないかれた組織です。 負けて解散命令が出たら、解散期限が切れるまで潜伏して何事も無かったかのように活動を開始するでしょう。 興味ある方いらっしゃったらご連絡ください。 …いるのかなぁ(汗
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4559.html
前ページピノキオの大冒険 ジローがヴェストリの広場に到着するのと同時にギーシュは大きく手を広げ、まるで舞台の俳優のように声高らかに決闘の宣言を行った。 「諸君、決闘だ!」 ギーシュの声に反応するかのように、広場に集まった生徒たちは歓声を上げた。それに対して、ギーシュは手を振って答え、そしてジローへと振り返った。 広場はまるでローマのコロッセオのような盛り上がりだった。よほど娯楽に飢えていたのかもしれない。 「逃げずにやってきたことは褒めてやろう」 「……」 余裕の表れなのか、どこと無く芝居じみた仕草で言った。それもそのはず、ギーシュに限らず、メイジにとって平民は賤しい存在だからだ。どこに恐怖する要因があろうか? ギーシュが華麗な仕草で薔薇を振るうと、花びらは一瞬にして甲冑をまとった人形を作り出す。 「僕の二つ名は『青銅』、したがって作りだすのは青銅のゴーレム『ワルキューレ』だ。君の相手はこれが勤める。僕はメイジだからね、魔法を使って戦わせて貰うが、構わないだろう?」 「あぁ、構わない」 「そうかい、それじゃぁ始めようか?」 それが決闘開始の合図となった。 ギーシュが薔薇を振るうとワルキューレは勢いよくジローに向かって走り出し、その拳を突き出した。本来ならこれで勝負がつく、駄目ならもう二、三発ほど拳を食らわせれば片がつく、ギーシュはそう思っていた。だが、そう上手くはいかなかった。 ジローは突進してくるワルキューレの拳をかわし、ワルキューレに足を掛けた。結果、ワルキューレは無様に転び、広場に金属がぶつかる音が響いただけだった。 「な……」 静まり返る広場、誰しもギーシュのワルキューレの一撃で勝負がつくと思っていた、いや、とことん嬲るつもりだった。しかし、結果は見ての通り、ワルキューレが無様な姿をさらすことになった。 「これで終わりなのか?」 「な、何を言っているんだい? 確かに、少々無様な姿をさらしてしまったが、余興と考えれば楽しいものさ。すぐに方がついてしまっては、興ざめだからね」 そう、多少想定外の事は起きたが、自分の絶対的有利は変わらない。ギーシュは即座にワルキューレの態勢を整え、ジローに向かわせる。先ほどの失態を再び招かないためにも 今度のワルキューレの動きは素早かった。そして次の瞬間……豪快な金属音と共にワルキューレは再び地に伏した。 「な、な……」 「おい、ギーシュ! 何やってるんだ!」 狼狽するギーシュとそれを叱責する周りの生徒。こんなはずではない、たかが平民、ワルキューレの一体だけで十分だ。そう考え、多少なりとも手加減はしていたが、まさかここまで失態を繰り返すとは思わなかった。 あってはならない、平民相手にこれ以上無様な姿をさらすのは彼のプライドが許さなかった。 「中々、動ける平民のようだね。僕もそろそろ本気を出さなければいけないようだ」 ギーシュは薔薇を振ると六枚の花びらをワルキューレへと『錬金』した。少々、優雅ではないが、これは決闘、今度は手加減なしだ。 「いけ!」 ギーシュの勇ましい声が響いた。 しかし、向かってくるワルキューレを見てもジローは慌てなかった。金属製にしては中々素早い動きのようだが、 ジローにしてみればそれはまさにあくびが出るスピードだからである。これならば、自分が蹴散らしてきたアンドロイドマンの方が素早く、そして強力だ。 七体のワルキューレを一瞬のうちに蹴散らすのは簡単だが、今の自分は普通の人間として通っている。そんなのが金属であるワルキューレを破壊したとなれば、 疑惑を持たれる心配がある。せめて武器でもあれば言い訳もできるのだがと考えながら、七体のワルキューレの攻撃を避けていった。 「はっはっは、逃げているばかりでは勝負にならないぞ?」 いとも簡単にワルキューレを地に伏したジローに対してギーシュは少なからず、警戒を抱いていた。しかし、今は七体のワルキューレに迫られ、逃げることで精一杯のように見えるジローに対して、幾分か警戒は薄れた。 「ウン? そうか、平民が素手でワルキューレと戦うのが無理な話か……ならば」 余裕を持ち直したギーシュは七体のワルキューレでジローを囲む。そして一枚の花びらを剣へと錬金し、ジローへと放って投げた。 「剣だ。平民が我々貴族に一矢報いるために研いだ牙だ。素手では可哀相だったからね、せめてもの温情さ」 「ならありがたく使わせてもらおう」 これは好都合、むしろ都合が良すぎると思いながらもジローは突き刺さった剣を握る。正直、剣など扱ったこともなければ剣術の戦闘プログラムがインプットされているわけでもない。 しかし、これ以上、ワルキューレの攻撃を避け続けるのも、 決闘などという馬鹿げたことも止めにしたかった。そしてジローは一気にワルキューレへと突っ込んだ。 するとどうだろう、瞬時にその場に最適な剣術プログラムがジローを駆け巡った。 正直、ルイズは気が気ではなかった。ジローが自分とそして他三名の女子のために決闘を受けたことに関しては、恥ずかしながら嬉しいと思った。しかし、冷静に考えてみれば、平民とメイジでは力量がありすぎる、 だからこそ決闘という馬鹿なことは止めさせようとした。しかし、ジローはそれを無視し、結果、七体のワルキューレに囲まれている。 これで勝負はついたはずだ。なおも続けようとする両者を止めに入ろうとした。しかし、ギーシュが剣を錬金し、ジローの投げてよこしたのを見ると、ルイズは大声を上げてとめに入ろうとしたが、それよりも早くにジローは、 「嘘……」 一瞬にしてワルキューレを蹴散らした。 最初の一撃でジローの背後をとっていた二体のワルキューレが切り裂かれた。ほぼ反射的にギーシュは残った五体のワルキューレをジローに向かわせたが、一瞬にしてその内の四体が撃破された。そして残ったワルキューレは剣の柄で殴り飛ばされた。 ギーシュは今起きたことを理解できていなかった。圧倒的な戦力差、平民一人には十分すぎる戦力が一瞬にして倒れた。見るからに頼りなさそうな平民の男が、たかが楽士の男が一瞬だ、一瞬の内にワルキューレを撃破したのだ。 「くっ! ワルキュー……!」 ギーシュは即座に飛ばされたワルキューレの体勢を立て直そうと薔薇を振るった瞬間だった。薔薇が切断され、同時にギーシュの頬に薄い切り傷ができる。 一瞬なにが起きたのか分からなかった。ギーシュはまず頬に触れ、手を確認する。すると、真っ赤な血が指先に付いていた。そして、ゆっくりと後ろを振り向き、自分を横切った物を見た。 「剣?」 そう、それは自分がジローに与えた剣であった。それがそこにあるということは、剣が自分に投げられたということだ。それも恐ろしいほど正確に。 そして、先ほどと同じようにゆっくりと振り返るとそこには、無表情のまま自分に近づくジローの姿があった。 「ひっ……!」 ギーシュの小さな悲鳴は誰にも聞こえなかった。恐怖で硬直し、身動きが取れないで射ると、ジローが目の前にまで立っていた。 そしてギーシュは見た、ジローの『人間』とは思えない顔を…… 「うあ、うあぁぁぁぁぁぁ!」 感じたことの無い恐怖を前にギーシュはしりもちをついた。 目の前のこれは何だ? ガラスのような透明な膜の中には鉄のような灰色の何かと赤黄色に点滅する無数のランプ、人間というよりどこかの幻獣のように大きく黄色い目を光らせ、ソレは自分を見下ろしていた。 そしてゆっくりと腕を動かすのを目にすると、ギーシュはまたも悲鳴を上げ、両腕で顔を覆った。 「……?」 しかし、いつまでたっても痛みはない。何事かと思い、隙間から覗くと、そこには優しそうな顔をしたジローが腕を差し伸べていた。 「勝負はついただろう? 降参してくれ」 「あぁ、ま、参った……」 震える手でギーシュはジローの手を取った。冷たい手だった。あれほど激しく動いたのにも関わらず、ジローの手は冷たいままだった。奇妙な違和感を持ったがそれを気にする余裕など今のギーシュは持ち合わせていなかった。 「約束は覚えているよね?」 「え?」 突然の問いかけにギーシュの思考は追いつかなかった。しかし、ジローの顔が一瞬だけ先ほどの化け物の顔に見えたと思うとすぐに何のことかを思い出して、慌てて返事を返した。 「も、もちろんだ! 約束は守る!」 ジローの顔は人間のままである。きっとさっきのも幻だ、と決め付けた。 しかし、ホッと一息いれたのも束の間、ギーシュはジローの言葉を聞き逃すことができなかった。 「それを聞いて安心したよ……だったら、この場で謝るんだ」 「え?」 ハッキリと聞こえた。 「この場で、君が傷つけた女の子全員に謝るんだ!」 「えぇ! この場で?」 「当たり前だ。君は大勢のいる前でルイズやメイドの女の子、二人の貴族の女の子を傷つけたんだ、相応の態度が必要だろう?」 「ぐっ……しかし……」 プライドの問題もあったが、ジローの言っていることは間違いではない。むしろ、ここでそれを断れば、自分と自分の家名に傷がつく恐れもある。だから、ギーシュは恥を忍んで、その罰を受けることにした。 「わかった……誰でもいい、モンモランシーとケティ、ミス・ヴァリエール、そして……あ~メイドの少女を連れてきてくれ!」 もはや自棄である。ギーシュの大声と共に数人の生徒たちがその場にいたルイズとモンモランシーをギーシュの前まで連れてきた。ケティも少し遅れて生徒たちに連れてこられた。残るはメイドの少女であったが、 これは生徒ではなくシエスタが連れてきた。 そこでふとジローは違和感を覚えたが、今はそんなことよりもギーシュのことだ。 「……」 四人の少女を前にギーシュはいつもとは違う緊張感に冷や汗をかいた。 普段なら女性を前にしてもここまで緊張することはない。さらにはジローに対する恐怖心もあった。しかし、もう覚悟を決めたはずである。すでに四人の少女は目の前にいる。大きく深呼吸するとギーシュは勢いよく頭を下げた。 そして、 「僕が悪かった! 許してくれ!」 広場にはギーシュの謝罪の言葉が響いた。 オールド・オスマンとコルベールは事の一部始終を『遠見の鏡』で見ていた。 あまりにもあっさりと決闘が終了し、さらには貴族を大勢の前で頭を下げさせたジローに対して、オールド・オスマンは関心していた。 「これはまた……平民が貴族に頭を下げさせおった」 「それよりも、オールド・オスマン。あの平民、勝ってしまいましたが?」 「うむ、やはり君の言うとおり、彼は『ガンダールブ』やもしれんな」 「ならば至急、王室へ報告し……」 「それには及ばん」 興奮するコルベールをいさめるようにオールド・オスマンは静かに言った。 「もし彼が本物ならえらい事態になるぞ。なんせ、伝説の使い魔じゃからな、それに暇をもてあました連中に戦の道具として利用されかねん。ミスタ・コルベール、あの少年を召喚したミス・ヴァリエールは優秀なメイジなのかね?」 「いえ、どちらかといえば……無能なメイジです」 口ごもりながら、コルベールは質問に答えた。それを聞いたオールド・オスマンは小さく頷きながら、髭を弄る。 「ふむ、そんなメイジが伝説の使い魔を召喚したとなれば、使い魔の青年同様、ミス・ヴァリエールにも危害が加わるかもしれん。いくら由緒あるヴァリエール家とは言え、王室の権力には逆らえん、いや、奴らなら気づかれんようにすることもできるじゃろうて」 「確かに……たとえ無駄骨に終わったとしても、良い暇つぶしになったと考えるでしょう。わかりました、オールド・オスマンの指示に従いましょう」 「ありがとう、ミスタ・コルベール。君が賢明な人間でよかったよ」 二人はこの事実を隠すことを決意した。それは教育者という立場よりも一介の人間としての判断であった。 決闘より数日後、ジローはいつもと変わらない毎日を過ごしていた。メイジの中では一番ランクの低い『ドット』であるギーシュを倒したことに関してはそれなりに有名にもなったが、日が過ぎれば、その話も薄れていき、話の話題にすることも少なくなった。 ジローは少し見栄えが良くなった食事を持って、使い魔の小屋の前に座っていた。 「あまりがっつかない方がいいよ、君の本来の食事はまだなんだから」 「きゅい!」 恐らく構わないといっているのだろう。目の前の竜はとても食欲旺盛だった。子供らしいなと食事を食べる竜を見てジローは微笑んだ。 殆ど日課となった竜への食事の提供、いつもはこの竜の主人である青髪の少女が来る前に立ち去ってしまうので未だに名前は知らないが随分と竜と仲良くなった。元々人懐っこいのかもしれない。 「名前くらいは聞いておいてもいいかもね」 そんなことを呟きながら、ジローは背負っていたギターを構えた。いつもなら持ってくる事はないのだが、今日は気まぐれで持ってきた。 ここに着てからルイズの為に引いて以来だったため久しぶりに引いてみたくなったのだ。 弦の調整が終わると、ジローはゆっくりと弦を弾いた。穏やかな音色が響く。 「……♪」 楽しそうにギターを演奏するジロー。今日は気分が良い、これなら良い音色が出せる。そんなジローの演奏に耳を傾ける竜も食事を止め大人しくしていた。 しばらくジローは演奏に夢中になっていたが、センサーに人の気配を察知すると足を使って食器を自分の方に寄せた。 現れたのは予想通り、竜の主人である青髪の少女だった。ジローは演奏を止めて、挨拶した。 「おはよう」 「おはよう……」 初対面のときと同じように、淡々とした態度だったが、挨拶は返してくれるようだ。重そうな餌を顔色一つ変えずに、竜の前に差し出すと、ジローとは反対側の方へ座り、一緒に持ってきていたのか、分厚い本を読み始めた。 しばらく無言が続いたが、ジローはギターを構えなおすと弦に手をかけた。 「引いても良いかな?」 「構わない」 「ありがとう」 少女の了承も得て、ジローは新しい音楽を演奏し始める。今度は静かな音楽を引いた。読書の邪魔にならないようにするためだった。 音楽がサビに差し掛かった時だった。少女の小さな声が聞こえた。 「太った」 「え?」 「少し、太った」 少女の言葉にジローと竜は焦ってしまった。ジローはつい音程をはずしてしまい、竜は食事をのどに詰まらせた。 「何を?」 「そう見えただけ……何か心当たりでも?」 「いや、僕は知らないなぁ」 「そう」 少女は呟くように言いながら、読書に戻った。その際に一度だけ視線をジローと竜に向けた。 もしかしたらばれているんじゃないだろうかという不安がよぎったが、少女は何も言わない為、ジローもそれ以上問うことはできなかった。 その後も少女は読書にふけ、ジローも演奏に戻った。本当ならぎこちない音楽になってしまう心境だが、それでも正確に引けるのはジローだからこそである。竜も何故か細々と食事を続けた。 多少、時間は掛かったが竜が食事を終えると同時に少女は読書を止めて、皿を持って立ち去ろうとした。 「あ、待って」 「なに?」 その前にジローはどうしても聞きたいことがあった為、少女を呼び止めた。 「この子の名前、教えてくれないかな?」 「どうして?」 「いや……ここに来て、随分と仲良くなったんだけど、名前知らなくてね。もし、良かったらでいいんだけど……」 「シルフィード」 「え?」 「名前、シルフィード」 それだけ言うと少女は立ち去っていった。 取り残されたジローと竜、シルフィードはただ少女を見送るだけだった。さて、どうしたものか、こちらに来てから癖になりつつある言葉を呟きながら、ジローも食器を片付けに入る。 「また、来るよ」 「きゅい!」 どうぞといっているのだろう。ジローは微笑みながら、手を振ってやるとシルフィードは答えるように尻尾を振った。 小屋から離れ、食器を戻そうと食堂の裏に差し掛かった時、シエスタに出会った。 「おはようございます」 「あぁ、おはよう。あ、食器頼めるかな?」 「えぇ、お任せください」 シエスタは笑顔で食器を受け取った。 「そうだ、ジローさん。よろしければ、これから食堂に来てくださいますか?」 「ウン? どうしてだい?」 「決闘のとき、私の後輩をかばってくれたでしょう? そのことでコック長、マルトーさんがどうしてもお礼がしたいと」 「気持ちだけ受け取っておくよ。ルイズの授業があるからね」 「そうですか……」 少し残念そうな表情を見せたが、すぐに笑顔に戻ったシエスタは頭を下げると厨房へと向かっていった。 ジローもルイズと合流するために食堂入り口前に移動しようとした。 「あ、ジローさん!」 突然、シエスタに呼び止められ、振り返るジロー。シエスタはすぐにジローに駆け寄ると、ささやくように耳打ちした。 「レディを差し置いて、使い魔の名前を聞くのはあまりほめられたことではありませんよ」 「ど、どういう事だい?」 「それでは」 いたずらっぽく微笑みながら、シエスタは走り去っていった。残されたジローは先ほどのシエスタに言われたことを考えた。明らかにそれはシルフィードとその主人の青髪の少女のことだろう。しかし、なぜそのことをシエスタが知っていたか。センサーに反応はなく、 仮にセンサー外だとしたら、話していた内容を彼女が知ることはできない。青髪の少女に聞いたとも推測できるが、一介のメイドが貴族である少女と親しいとは思えない。疑問は深まる一方である。 「ジロー!」 「あ、ルイズ」 怒鳴り声が聞こえ、振り向くとそこには少々不機嫌そうなルイズが腰に手を当てて、ジローを睨んでいた。ズンズンと歩み寄ってくるルイズの気迫にジローは恐怖を覚えた。 「襲いと思ったら、主人様を放っておいてメイドと親密そうに内緒話に花を咲かせているとはねぇ?」 「誤解だよ、食器を片付けて貰っただけさ」 「ふ~ん」 弁解の余地はないようだ。一体なにがそんなに不満なのかは分からないが、ここは機嫌をとっておいたほうが良いと考え、素直に謝ることにした。 「悪かったよ、次は遅れない」 「当たり前よ。さぁ、いくわよ」 ジローは踵を返すルイズの後を追った。 「何者なんだ、一体?」 愛した女性、ミツコに似ている少女に好印象を持っていたが、今では一変し、彼女に対する疑心しか残らない。多少、心残りではあるが今はルイズの機嫌を損ねないように、後を着いてゆく。 ふと、ジローは足を止めて、後ろを振り向いた。シエスタの姿は無かったが、何故か見られている気がしてならない。しかし、何も変わったことはなかった。 「何なんだ?」 どうにも嫌な予感がしてならない。立ち止まっているとルイズの怒鳴り声が聞こえたので、ジローは今までのことを隅において、ルイズに駆け寄った。 前ページピノキオの大冒険
https://w.atwiki.jp/kurotori/pages/38.html
賑やかな双子 -序- 「亜美~!写真撮るぞ!ポーズを頼む」 「んふっふ~ん、2(C)戦女神ワルキューレなんだから格好良く撮ってねっ!」 「わ→い!2(C)、真美も真美もっ→!」 「あっ、こらっ!真美!入っちゃ・・・!」 ゴンッ!☆ 「おぶっ!」 「あいたたた~。2(C)大丈夫→?」 「顎を打ったぞ、真美。亜美の写真を撮っている間は大人しくしてるんだ」 「え→、ずるい!ずるい!亜美ばっかりいい思いして→!真美もワルキューレに成りた→い!」 「そんな事言ったって、亜美お仕事だもん!」 「待つんだ、真美…」 「ぶ→ぶ→!」 「亜美の写真を撮ったら真美の番だ」 「えっ?真美の写真撮る時間有るの?」 「ああ、ちゃんと凛々しいワルキューレの姿の写真を撮ろうな」 「うん!わ→い!楽しみっと!」 賑やかな双子 -デビューは大変!- 双海亜美・真美 SS
https://w.atwiki.jp/gamemusicbest100/pages/8490.html
DRUAGA ONLINE -THE STORY OF AON- 機種:AC 作曲者:佐宗綾子、齋藤博人、小沢純子(原曲作曲)、川田宏行(原曲作曲) 編曲者:佐宗綾子、齋藤博人 開発元:アリカ 発売元:バンダイナムコゲームス 発売年:2006年 概要 ゲームセンター用オンラインゲームとして稼働した『ドルアーガの塔』を題材としたアクションRPG。 『ドルアーガの塔』のギルガメスとヤングカイ(若き日のカイ)、『ワルキューレの伝説』のワルキューレと、そしてオリジナルキャラのゼオバルガがプレイヤーキャラクター。 操作はタッチパネル式で直感的な操作が魅力。オンラインを通じて最大4人による同時プレイができる。 2009年10月1日をもってオンラインサービスを終了している。 音楽は『ドルアーガの塔』、『イシターの復活』、『カイの冒険』、『ワルキューレの伝説』のアレンジが使われている。 オリジナル曲の作曲とアレンジ曲の編曲は、スーパースィープの佐宗綾子氏とフリーの齋藤博人氏が担当。 サウンドの評価は高く、サービス終了後もサウンドトラックが熱望された結果、2014年にスーパースィープから発売された。 余談だが、なかやまらいでんこと古川典裕氏はこのゲームのヘビープレイヤーだったそうで、サントラにわざわざコメントを寄せている。 収録曲(サウンドトラック順) 曲名 作曲者 編曲者 補足 順位 Disc 1 タイトル画面~マッチングまで 佐宗綾子 佐宗綾子 タイトル画面 コイン投入 小沢純子 コイン投入/『ドルアーガの塔』クレジット音アレンジ マッチングテーマ(イシターアナザーver.) 齋藤博人 マッチング画面/『ドルアーガの塔』イシターのテーマアレンジ キャッスル(ランキング)→チュートリアル 佐宗綾子 佐宗綾子 チュートリアル ギルガメスメインテーマ 小沢純子 『ドルアーガの塔』メインテーマアレンジ ギルガメスEPICクリア 『ドルアーガの塔』フロアクリアアレンジ カイメインテーマ 『カイの冒険』メインテーマアレンジ カイEPICクリア 『ドルアーガの塔』エンディングファンファーレアレンジ ワルキューレメインテーマ 川田宏行 驚異の国/『ワルキューレの伝説』メインテーマアレンジ ワルキューレEPICクリア 『ワルキューレの冒険 時の鍵伝説』レベルアップBGMアレンジ ゼオバルガメインテーマ 佐宗綾子 ゼオバルガEPICクリア キャッスル(内部)→キャッスルのテーマ ローパーのテーマ 小沢純子 齋藤博人 『イシターの復活』ローパーBGMアレンジ ファンファーレ 佐宗綾子 汎用イベント(オーンのテーマ) 佐宗綾子 大型マップ1「風の草原」のテーマ オーン中央湿原 大型マップ2「吹雪の山脈」のテーマ 齋藤博人 齋藤博人 ザインダブラ山脈 大型マップ3「空中庭園」のテーマ 聖地イシュタリオ 中型マップ1「鍾乳洞」のテーマ ガルグン要塞/幽霊城 中型マップ2「浮島」のテーマ 佐宗綾子 佐宗綾子 聖都ラ・ケウ 中型マップ3「樹海」のテーマ 齋藤博人 齋藤博人 大樹海 Disc 2 中型マップ4「水没都市」のテーマ 齋藤博人 齋藤博人 タルク大橋/北海 中型マップ5「大砂漠」のテーマ マルフ砂漠 小型マップ2「古代遺跡」のテーマ 魔都バザルシン/ギルガメス・ワルキューレ・ゼオバルガストーリーデモ 小型マップ3「天空の宮殿」のテーマ 佐宗綾子 佐宗綾子 天界 小型マップ1「ドルアーガの塔」のテーマ 小沢純子 ドルアーガの塔/『イシターの復活』メインテーマアレンジ ウィル・オー・ウィスプのテーマ 佐宗綾子 中型マップ6「ドルアーガの魔城」のテーマ 小沢純子 齋藤博人 盗賊たちの地下砦/『ドルアーガの塔』ドルアーガのテーマアレンジ 汎用ボス戦のテーマA 佐宗綾子 佐宗綾子 ボス戦1 汎用ボス戦のテーマB 齋藤博人 齋藤博人 ボス戦2 対クオックス戦のテーマ 小沢純子 クォックス戦/『ドルアーガの塔』クォックスのテーマアレンジ 対ドルアーガ戦のテーマ 佐宗綾子 ドルアーガ戦/『ドルアーガの塔』ドルアーガのテーマアレンジ 対ゴッドドルアーガのテーマ 齋藤博人 齋藤博人 ドミニオンドルアーガ戦 QUESTクリア 佐宗綾子 佐宗綾子 ZAP 小沢純子 任務失敗時/『ドルアーガの塔』ZAPファンファーレアレンジ イシターのテーマ(シナリオで使用) 齋藤博人 ENTRANT HALL/『ドルアーガの塔』イシターのテーマアレンジ エンディングテーマ 佐宗綾子 エンディング/ヤングカイストーリーデモ リザルト~ゲームオーバーまで 齋藤博人 リザルト~ゲームオーバー/『ドルアーガの塔』ネームエントリーBGMアレンジ マッチングテーマ(イシターアナザーver.) 佐宗綾子 サウンドトラック DRUAGA ONLINE -THE STORY OF AON- SOUNDTRACK
https://w.atwiki.jp/gods/pages/40909.html
キューレボルン 西欧に伝わるたちの悪い水の精。 別名: ヘルフォンキューレボルン (ヘル・フォン・キューレボルン) フライヘルフォンキューレボルン (フライヘル・フォン・キューレボルン)
https://w.atwiki.jp/398san/pages/983.html
《霊剣-ノートゥング》 装備魔法 「ワルキューレ」と名のついたモンスター1体に装備する事が出来る。 装備したモンスターの攻撃力は800ポイントアップする。 装備カードとなったこのカードを墓地へ送る事で、 フィールド上に表側表示で存在するドラゴン族モンスター1体を選択しゲームから除外する。 ワルキューレの専用装備。攻撃力を上げる効果と、ドラゴン族を除外する効果を持っている。 もちろん相手が必ずドラゴン族を使っているわけではないので、単純に攻撃力がほしいのなら《デーモンの斧》や《魔導師の力》を使ったほうが良い。 よって、このカードをデッキに入れる場合はほとんどサイドに導入されることになるだろう。 発動時メッセージ「竜の皮膚をも切り裂く魔剣だ!」 原作・アニメにおいて―~ 関連カード ワルキューレ
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/6934.html
前ページ次ページ世界最強コンビハルケギニアに立つ 「ミス・ヴァリエールが召喚したのは『ガンダールヴ』です! これが大事じゃなくてなんなんですか!オールド・オスマン!」 同時刻、トリスティン魔法学院学院長室。 そこではオールド・オスマンと呼ばれた仙人のような見た目の老人が、顔を真っ赤にしたコルベールから何事か力説されていた。 春の召喚の儀式でルイズが平民を二人も――それも片方は瀕死だった――召喚してしまったらしい。 そのうち片方と契約する運びになったわけだが、 その際に浮かび上がったルーンが始祖ブリミルの使い魔『ガンダールヴ』のものと酷似している、ということだった。 オスマンはそのルーン文字のスケッチをじっと眺めていた。 「ふむ、確かによく似ておる」 その形状は確かに『ガンダールヴ』のルーンとよく似ているように思えた。 しかし――とオスマンは続ける。 「それだけでそう決め付けるのは早計じゃろう」 『ガンダールヴ』は六千年前に始祖ブリミルに使役されていた使い魔であり、いかんせん情報が少なすぎる。 伝えられているルーンの形状とて正確かどうかわからないのだ。 判断するのはもう少し材料が揃ってからでも遅くはないだろう。オスマンはそう心中で結論付けた。 そのとき、学院長室のドアがノックされた。 「誰じゃ?」 「私です、オールド・オスマン」 扉の向こうからオスマンの秘書であるミス・ロングビルの声がした。 「なんじゃ?」 「実は・・…」 ロングビル曰く、ヴェストリ広場で決闘をしている生徒がいるということだった。 しかもそれを止めようにも生徒たちに阻まれ、教師は近付くこともできないらしい。 仕方が無いので決闘を止めるために秘宝である『眠りの鐘』を使用させてほしい、というわけである。 オスマンはがっくりと肩を落としため息を吐いた。 禁止されている決闘を行おうとしている生徒たちにも困ったものだが、 それ以上に「現場に近づけないから秘宝を使わせてほしい」と言ってのける教師陣が情けないことこの上ない。 たかが子供の喧嘩を止めるために秘宝を使ってられるか、それくらい自分たちで止めろと言いたかった。 「はぁ……で、誰が暴れておるんだね?」 「一人はギーシュ・ド・グラモン」 「あのグラモンとこの馬鹿息子か」 ギーシュの父は色の道ではかなりの剛の者である。 そしてその才能は見事に息子にも受け継がれており、ギーシュも父同様、下手するとそれ以上の女好きであった。 おおかた決闘の原因は女の取り合いだろう、アホらしいことこの上ない。 「で、相手は誰じゃ?」 「それが……ミス・ヴァリエールの使い魔です」 オスマンとコルベールは顔を見合わせた。 噂をすれば何とやら、である。 「ふむ、『眠りの鐘』はいざとなったら私が使用するのでもう少し様子を見るよう伝えなさい」 「わかりました」 ミス・ロングビルが去っていく音が聞こえた。 オスマンはコルベールと頷き合うと、壁にかかった大きな鏡に向かい杖を振るう。 鏡が映し出したのは生徒で埋め尽くされるヴェストリ広場、そして大男が金属製のゴーレムを吹き飛ばした瞬間であった。 広場に集まった生徒たちはその光景を呆然と眺めていた。 如何なる力が加えられたというのか、金属から造り出された重量のあるはずのゴーレムの身体が大地から切り離され、 そのまま地面スレスレを滑るように飛んでいた。 ゴシャ、という鈍い音とともにワルキューレが地面に叩きつけられる。だがそれでも止まらない。 おそらくは衝撃で壊れたのだろう、いくつかのパーツがワルキューレの身体から外れ、周囲に撒き散らされた。 地面との衝突で勢いが幾分削り取られ、その軌跡は緩やかな放物線へと変化する。 そこでようやく予想進路にいた生徒たちはこのままでは自分たちの方に突っ込んでくることを理解した。 理解しても彼らは動くことができない、金属製の人型ゴーレムが飛んでくるなどという光景はあまりに彼らにとって現実味がなさすぎた。 そんな生徒たちの眼前、距離にして約1メイルにワルキューレは着弾し、ようやくその動きを止めた。 尚、その瞬間に飛び出した部品を顔面に食らい、最前列にいた小太りの少年が気絶したことを付け加えておく。 「おいボー。てめぇ吹っ飛ばすならもう少し加減するか方向考えろ」 「すまん、気をつける」 誰かがそんなことを言った。 おそらくこの広場で今現在まともに脳が働いているのは、今言葉を発した二人だけだろう。 その他の者たちは皆、ワルキューレを吹き飛ばした人物か『数秒前までワルキューレだった金属のカタマリ』を呆然と見つめていた。 金属塊は所々パーツが欠落し、残っているパーツも盛大に歪み、背中であったと思しき場所は何箇所も陥没している。 これだけの破壊に晒されて形が残っているかどうかはまた別の話だが、これが生身の人間だったら見事な惨殺死体である。 皆、頭が混乱していた。 一体何をどうしたら素手でこんな破壊の力を行使できるのか、まったく理解出来なかった。 「言い忘れたが小僧、魔法を使っても何しても構わんが私が勝ったら一発殴らせろ」 何か、死刑宣告に近い言葉が発されたような気がした。 ギーシュ・ド・グラモンもまた、その思考が微妙に凍り付いている者の一人である。 何か言わなくてはならないし、何か行動を起こさないとならない状況のような気はするものの、なにもできない。 ただ、一つだけ確かなことがあった。 貴族が平民に劣る、そんなことは断じて認められないということ。 それは小さな貴族である彼なりの矜持だった。 「す、少しはやるようじゃないか」 精神力を総動員して言葉を紡ぎ出す。 若干負け惜しみのように聞こえるがそんな細かいことを気にしている余裕はない。 杖を振るい、六体のゴーレムを作り出す。 これが自分の出し得る最大兵力であると考えると、ギーシュはとてつもなく不安になった。 素手でゴーレムを吹き飛ばしておいて涼しい顔をしている人間らしき何か相手に、果たしてこれで足りるのだろうか。 だが彼に選択肢はないに等しかった。 自分から挑んだ決闘で相手を畏れて許しを請うなどという無様な真似は、彼にはとてもできないことだったから。 「行けぇ!ワルキューレ!」 畏れを振りはらわんと、力の限り叫ぶ。 六体のワルキューレがボーを取り囲み、踊りかかった。 「ふんッ!」 それに応えるかのようにボーが跳躍する。その先には一体のワルキューレ。 空中で二発、『ジャブです』といわんばかりの速度で右足の蹴りが放たれる。 再び金属のひしゃげる音が響き、顔面と胸を陥没させたワルキューレがそのまま後ろへと倒れこんだ。 着地と同時、ボーの姿が掻き消える。 そして、何か硬いものと硬いものがぶつかり合う音。 見れば、二体目のワルキューレが地面に叩きつけられていた。 ギーシュは目の前で何が起こっているのかまるで理解が出来なかった。 三体目が吹き飛ぶ。 攻撃も防御もまったく間に合わない、そもそもボーの姿を目で捉えることすら出来ないのだ。 ボーは感触を確かめるように動き回り、ワルキューレに打撃を加えていく。 三発ほど拳を突き入れた辺りで四体目のワルキューレが宙を舞った。 動きの切れは本調子とは言い難く、せいぜい6・7割程度でしかない。 それでも昨日瀕死の重傷を負っていたことを考えると及第点は与えられるだろう。 この世界の医療技術、すなわち魔法には頭が下がる思いであった。 あのままだとおそらく自分は死んでいただろうとボーは考えている。 持ち前の精神力でなんとか意識を繋ぎ止めてはいたものの、何かが自分の身体から抜け出していこうとしていた実感はあった。 アレがおそらく魂とか命とか、そういったものなのだろう。 そんなことを考えながらも動きは止めず、五体目の背後に回りこみ全力の蹴りを後頭部に見舞う。 ワルキューレはその場で縦に一回転し、大地に突っ伏した。 「うぬおおおおおおおおお!!」 一度その場に立ち止まり、吼える。 そして最後のワルキューレに向かい、大地を全力で蹴った。 距離は一瞬で詰まり、ボーは腕を振りかぶった。 「分身烈風拳ッ!!」 叫びとともに放たれた技はあまりにも異質だった。 ワルキューレを取り囲み動き回る『四人の』ボー・ブランシェ。 一瞬だけ存在した彼らがほとんど同時に放った拳がワルキューレにめり込む。 グシャ、という鈍い音。 合計で四発の拳をそれぞれ別の方向から食らったワルキューレは、その場にゆっくりと崩れ落ちた。 「これで終わりか?小僧」 挑発するでもなく、勝ち誇るでもなく、ただ確認するような声音。 逆にそれによって敗北という事実を突きつけられ、ギーシュはその場にへなへなと座り込んだ。 「ま、参った」 彼にはもう戦意などという物は無い。 ボーはその様子に満足したのか、ゆっくりとギーシュの方へ歩みを進める。 ギーシュはただそれを呆然と見ていた。 最初は平民と侮った。 メイジである自分が負けるはずは無いと信じていた。 結果、いとも容易く敗北した。 どうしようもない力の差、そしてどうやっても勝てないという現実。 「ひ、一つだけ聞いてもいいかな」 「何だ?」 眼前には大男。 ギーシュが見たこともない鍛え抜かれた、大きな体躯。 冷静になれば何故こんな強そうな男に喧嘩を売ったのだろう、という後悔がこみ上げてくる。 「君は……スクウェアクラスの風メイジかい?」 それはここにいる者たちほぼ全ての抱いた疑問だった。 ボーの動きは『偏在』を多用したものであると仮定すれば辻褄は合う。 だが、そうであると断言するには彼の動きはあまりにも異質だった。 あれだけ『偏在』を出したり消したりするのは精神力の無駄であるし、なにより彼の杖も詠唱した姿も誰も見ていない。 それにメイジであるなら、拳など使わずとも魔法でワルキューレを破壊すればいいだけの話だ。 拳でゴーレムを破壊できるほどに肉体を鍛え上げたスクウェアクラスのメイジなど、誰も見たことも聞いたことも無い。 そもそもゴーレムを素手で破壊する人間というのがありえないのだが。 「スクウェアだかNINTENDOだか知らんが、私はメイジなどではない。お前たちの言うところの平民だ」 「では最後のアレは?あれが『偏在』でないなら何だと言うんだい?」 「分身の術だ」 誰もその言葉の意味を理解することが出来なかった。 「日本の忍者に憧れ、特訓の末編み出した必殺技だ。どうだ、かっこいいだろう」 ボーが誇らしげに胸を張り、さわやかな――いや暑苦しい笑みを浮かべる。 聞いたことが無い単語が先ほどから乱舞しているものの、その『ブンシンノジュツ』というものがすごい技だということは誰もが理解できた。 かっこいいとも思いはするのだが、何故かこのボーという男の前でそれを認めるのは憚られた。 「さて、では約束どおり一発殴るぞ。目を瞑って歯を食いしばれ」 その一言にギャラリーが息を呑む。ギーシュもまた死を覚悟した。 ワルキューレを破壊するような拳で殴られたら死ぬに決まっている。 これまでの人生が走馬灯のように駆け巡った。 出来るならもう少し生きたい、泣かせてしまったレディたちに謝りたい。 だがそれはもう無理だろう、そんな諦めを心に抱きながらギーシュは目を閉じた。 「ああ、すまないが僕が死んだらブゴッ!」 遺言を口にしている最中に拳骨が脳天に直撃し、ギーシュは思いっきり舌を噛んだ。 「いいい今しゃべってる途中だったじゃないか!」 「む、悪い。目を閉じたから準備が出来たものだと」 「僕だって最期に言い残すことくらいあるよ!……ってあれ?生きてる?」 頭を押さえながらキーシュはきょろきょろと辺りを見回す。 目の前には身を屈めたボー。 そこはやはりヴェストリ広場であり、ギャラリーがこちらを唖然とsして見ている。 次に自分の身体を確認するが、やはり何も変わらなかった。 「……小僧、まさか私が殺すつもりで殴るとでも思っていたのか?」 「ち、違ったのかい?」 「当たり前だ!!」 ボーが吼える。 どうやら本当に殺すつもりは無かったらしい。 「私は女子供を手にかける趣味は無い。それに最初に躾だと言っただろうが」 「も、申し訳ない」 憮然とした表情でボーがギーシュを見ている。 ギャラリーから苦笑が漏れた。どうやらボーへの恐怖が今のやり取りで若干和らいだようである。 ギーシュもまた、目の前の男への恐怖心が少しだけ和らいだのを感じていた。 「いいか小僧、これに懲りたら二度と不貞は働かんことだ。それと自分の失敗を他人のせいにするな」 気を取り直し、ボーが言葉を紡ぐ。 しっかりとギーシュの目を見つめ、まるで教師や父親のような口調で。 「わかったか?」 「は、はい」 「よし」 ギーシュの返答に満足したのか、ボーは大仰に頷く。 そしてギーシュの頭をポンと一度叩くと、ゆっくりと立ち上がった。 「わかったのなら先程貴様が泣かせた二人には謝っておけよ」 そう言い残し去っていく大きな背中を、ギーシュはしばらくの間ぼんやりと眺めていた。 前ページ次ページ世界最強コンビハルケギニアに立つ
https://w.atwiki.jp/otome2/pages/70.html
最終更新:2014-01-05 06 07 58 (Sun) このページを編集 文明基本データ(共通) 文明基本データ(比較)ユニット職人 兵士Lv1 兵士Lv2 兵士Lv3 建物本拠地 蔵 兵士育成所 塔 その他初期金 育成所一つで育成を続けるのに必要な最低蔵数 進化速度比較 視界範囲 隠しキャラデータを含んでいます。知りたくない方は閲覧ご注意 文明基本データ(共通) 進化所要時間(Lv2, Lv3共通) 30秒 建築物数上限(敵味方問わず) 128個(本拠込?) ダメージ計算式:攻撃する固体の攻撃-攻撃を受ける固体の防御 文明基本データ(比較) ユニット 職人 巫女 メイド ワルキューレ バビロン ゴスロリ デスロリ りんごさん ボーカロイド エトワール・アンジュ ガーディアン・アンジュ 九龍 名称 職人巫女 職人メイド 職人戦乙女 職人踊り子 職人ゴスロリ 職人デスロリ 職人りんごさん 職人ボカロ 星天使工兵 守護天使工兵 匠姫 HP 50 50 60 50 50 50 50 40 40 40 65 攻撃 3(全職人共通) 射程 1(全職人共通) 防御 1(全職人共通) 移動速度 普通 普通 普通 普通 遅い 遅い 速い 微遅 普通 普通 普通 兵士Lv1 巫女 メイド ワルキューレ バビロン ゴスロリ デスロリ りんご ボーカロイド エトワール・アンジュ ガーディアン・アンジュ 九龍 名称 見習い戦巫女 見習い戦メイド 見習い戦乙女 見習い戦踊り子 見習いゴスロリ 見習いデスロリ 見習い戦りんご 見習いボカロ 初期型星天使 初期型守護天使 小闘姫 HP 45 35 55 45 40 35 45 40 40 42 48 攻撃 4 (全兵共通) 射程 10 10 10 9 11 12 8 10 10 10 10 防御 1 1 1 1 1 1 0 1 1 1 1 攻撃間隔 1.35回/秒 1.35回/秒 1.35回/秒 1.35回/秒 1.35回/秒 1.35回/秒 1.7回/秒 1.35回/秒 1.35回/秒 1.35回/秒 1.35回/秒 移動速度 普通 普通 普通 速い 遅い 遅い 速い 微速 普通 普通 普通 兵士Lv2 巫女 メイド ワルキューレ バビロン ゴスロリ デスロリ りんご ボーカロイド エトワール・アンジュ ガーディアン・アンジュ 九龍 名称 戦巫女 戦メイド 戦乙女 戦踊り子 ゴスロリ デスロリ 戦りんごさん ボーカロイド 星天使 守護天使 武闘姫 HP 50 40 60 50 45 40 50 45 45 45 55 攻撃 6 (全兵共通) 射程 12 12 12 11 13 14 10 12 12 12 12 防御 2 2 2 2 2 2 1 2 2 2 2 攻撃間隔 1.35回/秒 1.35回/秒 1.35回/秒 1.35回/秒 1.35回/秒 1.35回/秒 1.7回/秒 1.35回/秒 1.35回/秒 1.35回/秒 1.35回/秒 移動速度 普通 普通 普通 速い 遅い 遅い 速い 微速 普通 普通 普通 兵士Lv3 巫女 メイド ワルキューレ バビロン ゴスロリ デスロリ りんご ボーカロイド エトワール・アンジュ ガーディアン・アンジュ 九龍 名称 近衛戦巫女 近衛戦メイド 近衛戦乙女 近衛戦踊り子 ゴスロリアーク デスタナトス 近衛りんごさん トップボカロ 星天使・改 守護天使・改 龍闘姫 HP 60 50 70 60 55 50 60 50 50 55 65 攻撃 8 (全兵共通) 射程 14 14 14 13 15 16 12 14 14 14 14 防御 2 2 3 2 3 2 1 2 2 2 2 攻撃間隔 1.35回/秒 1.35回/秒 1.35回/秒 1.35回/秒 1.35回/秒 1.35回/秒 1.7回/秒 1.35回/秒 1.35回/秒 1.35回/秒 1.35回/秒 移動速度 普通 普通 普通 速い 遅い 遅い 速い 微速 普通 普通 普通 建物 本拠地 巫女 メイド ワルキューレ バビロン ゴスロリ デスロリ りんご ボーカロイド エトワール・アンジュ ガーディアン・アンジュ 九龍 名称 本拠地 ベース ベース 九龍城 HP 600 600 600 600 500 700 600 500 550 600 700 攻撃 0 4 0 射程 0 20 0 防御 1 サイズ 9×9(全文明共通) 収益金 0 5 10 0 職人育成所要金 150 180 職人育成所要時間 6秒 蔵 巫女 メイド ワルキューレ バビロン ゴスロリ デスロリ りんご ボーカロイド エトワール・アンジュ ガーディアン・アンジュ 九龍 名称 蔵 Eストレージ Eストレージ 兵糧庫 HP 100 80 60 80 100 100 80 60 50 100 90 攻撃 0 (全文明共通) 射程 0 (全文明共通) 防御 0 (全文明共通) サイズ 3×3 収益金(10秒毎) 15 17 14 14 15 15 15 13 建築費 100 建築時間 15秒 17秒 15秒 建築中HP 20 兵士育成所 巫女 メイド ワルキューレ バビロン ゴスロリ デスロリ りんご ボーカロイド エトワール・アンジュ ガーディアン・アンジュ 九龍 名称 戦巫女育成所 戦メイド育成所 戦乙女育成所 戦踊り子育成所 ゴスロリ育成所 デスロリ育成所 りんご育成所 ボカロ育成所 ハンガー ハンガー 闘姫育成所 HP 200 攻撃 0 射程 0 防御 1 サイズ 5×5 建築費 200 250 建築時間 12秒 17秒 12秒 17秒 12秒 12秒 12秒 16秒 建築中HP 20 兵士育成費 70 65 70 70 65 75 兵士育成時間 9秒 9秒 8秒 8秒 11秒 11秒 7秒 10秒 11秒 9秒 9秒 塔 巫女 メイド ワルキューレ バビロン ゴスロリ デスロリ りんご ボーカロイド エトワール・アンジュ ガーディアン・アンジュ 九龍 名称 見張り台 前哨砲台 裁きの塔 バベルの塔 見張り小屋 見張り小屋 りんごの塔 塔 タワー タワー 高楼 HP 200 160 300 240 200 200 120 160 160 200 200 攻撃 7 7 12 8 8 8 7 6 6 7 7 射程 15 16 16 15 15 15 15 15 防御 3(全文明共通) 攻撃間隔 4回くらい/秒 サイズ 3×3 5×5 3×3 建築費 150 150 200 170 150 150 120 180 200 150 150 建築時間 15秒 15秒 20秒 20秒 15秒 15秒 17秒 15秒 15秒 15秒 建築中HP 20 20 30 24 20 20 20 20 20 20 その他 初期金 巫女 メイド ワルキューレ バビロン ゴスロリ デスロリ りんご ボーカロイド エトワール ガーディアン 九龍 初期金 500 450 500 500 450 450 500 500 500 500 500 育成所一つで育成を続けるのに必要な最低蔵数 育成所がひとつしかない場合は下記の数以上の蔵を用意すれば、常に育成し続けることが可能 文明 巫女 メイド ワルキューレ バビロン ゴスロリ デスロリ りんご ボーカロイド エトワール ガーディアン 九龍 蔵数(10秒あたりに必要なお金) 6(77.8) 5(77.8) 7(87.5) 7(87.5) 5(63.6) 5(63.6) 7(93) 5(70) 4(64) 5(73) 7(84) 上記蔵数から1分間で確保できる兵数 6 6 7 7 5 5 8 6 5 6 6 上記兵数確保後の余剰金※蔵差分加算 220 290 140 140 200 370 ? ? ? ? ? ※ボーカロイド、エトワールの必要蔵数は本拠収入込みでの数値 進化速度比較 対戦開始から進化完了までの時間を各文明ごとに概算。 Lv2は兵舎1個・蔵10個まで、Lv3は兵舎2個・蔵20個までと限定して計測したものです。 あくまで目安として。 文明 巫女 メイド ワルキューレ バビロン ゴスロリ 魔法少女 デスロリ りんご アリス 女王 ボーカロイド Lv2兵士10人 3分35秒 3分26秒 3分40秒 3分40秒 3分55秒 3分28秒 3分50秒 3分35秒 3分45秒 4分00秒 3分35秒 Lv3兵士20人 5分00秒 4分42秒 5分13秒 5分13秒 5分20秒 4分45秒 5分15秒 5分05秒 5分10秒 5分30秒 5分00秒 計測にご協力してくださった各氏に感謝~ 視界範囲 視界の広さは各ユニット・施設によって異なる。 こっちは見えないのに相手からは見えている、なんてこともあるので注意だー 本拠>塔>兵>兵舎=職人>蔵 たぶんこんな感じ。文明による差はないと思われる 詳細・数値化は誰かやってくれー
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4702.html
やあ、全ての女性の味方、ギーシュ・ド・グラモンだ。 さっそくですまないんだがね、 ……誰か助けてください! え? 何を言ってるのかって? ではこれまで経緯を説明しよう。 それは昼食の時間の事。 ボクはいつものように友達との雑談を楽しんでいた。 「なあギーシュ、お前は今誰とつき合ってるんだ?」 「つき合う? 僕にはそのような特定の女性はいない。薔薇は多くの人を楽しませるために咲くのだからね」 決まった…… この最高のセリフを決めたときはまさに最高の気分だったよ。 だが、そこに彼女が現れた。 「すみません、この香水はあなたの物ですね」 振り返るとそこにいたのは、今までに出会った事のないほどの美人だった。 青い服と帽子に身を包み、いつも分厚い本を抱えている、銀髪金眼の絶世の美女。 先日、サモン・サーヴァントでルイズが召喚した使い魔だ。 その容姿は女神に例えても差し支えない。 近くで見るとその美しさがなお際立っている。 「失礼しました。先ほどあなたがこの香水を落とすが見えたもので。 すぐに言おうと思ったのですが、私の主が中々放してくださらなくて今まで渡すタイミングを逃してしまいました」 ……はっ! つい見とれてしまった。 うむ、この状況はまずい。 もしもこの香水の事をケティにでも知られてしまったら……! 「これは僕のビンじゃない。君は何を言っているんだね?」 頼む、察してくれ。 これはボクのでは…… 「いえ、確かにあなたのポケットから落ちるのを見ました。こう見えても私、視力には自身がございますので、見間違える事はありません」 だが、その願いは相手に届く事はなかった。 「おい、これ、モンモランシーの香水じゃないか? この色は間違いないよ。 という事はギーシュ、君は今モンモランシーとつき合ってるのか!」 マリコルヌ、キミも黙っててくれ! ここで誤魔化さなければボクは……! と、考えているうちに後ろから声をかけられた。 「ギーシュ様……やはりミス・モンモランシーと……」 あああああああああ! よりによって一番聞かれてはいけない相手に! 「け、ケティ違うんだ。彼等が勝手に誤解しているだけで、僕は――」 その続きはワインを頭からかぶせられた事で遮られた。 ……冷たい。 「その香水が何よりの証拠です! さよなら!」 泣きながら彼女は走り去っていった。 うう、どうしてこんな事に…… だが、神様はボクには悲観に暮れる暇さえくれなかった。 「ギーシュ、やっぱりあの一年に手を出してたのね!」 ああああああああああああああああああああああああああああ!!!! モンモランシーまで!!! 「誤解だモンモランシー! 彼女とはただラ・ロシェールの森へ遠乗りをしただけで――」 今度のボクの言葉を遮ったのは強烈な張り手だった。 ワインで濡れた髪から飛沫が飛び、ボクの体は宙を舞い、そして転がり落ちた。 「嘘つき!」 そういって彼女はケティと同様に走り去っていった。 ああ、今までに築き上げてきたモンモランシーとの絆が…… はっ!? み、見られている! 周囲の視線が痛い。 とりあえず格好だけは付けておかねば! 「ふっ、彼女達は薔薇の存在する意味を理解していないようだ」 例えどんなに惨めだろうとも、ここで取り乱したらグラモン家の名が廃る。 「あの……私は何かまずい事をしてしまったのでしょうか?」 そうだ、キミさえ少し気を利かしてくれればこんな事には! 「当然だ。ボクはさっき――」 「いえ! あなたは何も悪くありません!」 ってマリコルヌ!? キミは一体何を……!? 「全部コイツが悪いんです! この色ボケ男が浮気したのが原因ですから、あなたのような美人が悪いわけがないじゃないですか!」 まっ、まさか…… 惚れたのか!? マリコルヌ、キミという男は……! 普段から女の子に縁がなくきっかけすら作れないからといって、なにもここでアプローチしなくてもいいだろ! 「“浮気”……というと、人々の純粋な思いを踏みにじり、辱め、時には殺害されても止むを得ないとされているあの恐ろしき大罪」 ちょっと待て。 殺されても止むを得ないって…… 「なるほど。あなたの“浮気”が原因で先ほどのようなことが起こったのですね。確かに、それならば原因は私にはございませんね。 むしろ、その程度の被害で済んだのはとても幸運な事ではないのでしょうか?」 こ……この女……! 「ふん、どうやらキミは貴族に対する礼儀というものを知らないようだな」 「はい。私はここに召喚されてまだ間もないものでして、こちらの世界での常識、礼儀作法などに関する知識は全くございません」 こいつ……涼しい笑顔でいけしゃあしゃあと……!! 「いいだろう、ボクがその礼儀作法というものをキミに叩き込んであげよう。決闘だ!」 やってしまったあああああああああああああああああああああああああああああ!!! ボクは何て事を! ついカっとなってしまったとはいえ、女性相手に決闘だなんて!! グラモン一族始まって以来の大恥だ!!! ならば今すぐ止めるか? ……いや。 一度自分から申し出た決闘を再び自分で無かった事になんてしたら、それこそ恥の上塗りだ。 クソ! 約束の決闘の時間まであと僅か。 ボクは……ボクはどうしたら……!? ……落ち着くんだ、クールになれギーシュ・ド・グラモン。 ようは相手を傷つける事無く穏便に済ませる事が出来ればいいんだ。 そうだ、相手は平民。 ワルキューレで適当にあしらえば、こちらから手を出す事無くそのうちに負けを認めるだろう。 そうなれば…… 『参りました……やはり私如きではあなた様には敵いません』 『いや、この勝負はボクの負けだ』 『え? なぜ……?』 『先ほどはあんなことを言ってしまったが、やはり悪いのはボクだ。勝負というのは常に正しい方が勝者と決まっている。 それに、キミのような美しい女性を傷つけるなんて、ボクに出来るわけがないじゃないか』 『ギーシュさま……(ポッ)』 ふっふっふっふっふっふ。 マリコルヌ、どうやら彼女を狙っているようだが、キミでは彼女の美しさには不釣合いだ。 彼女のハートはこのボクが頂いていくよ! 「諸君、決闘だ!」 ボクの高らかな合図がヴェストリ広場に響き渡った。 ギャラリーの声援がそれに木魂するように返ってくる。 そんな中に、彼女は臆する事なくやってきた。 先ほどからの美しい笑顔を崩さず、緊張している様子もない。 腋に抱えた本もそのままだ。 どうしてここまで余裕なのだろう? 相手は仮にもメイジたるボクだぞ? そこで決闘を申し込んだ時の彼女の回答を思い出す。 「“決闘”ですか? その手の類でしたら私も多少の心得がございます。いいでしょう。 その“決闘”、お受けいたします」 あの時はハッタリだと思っていたが、 なるほど、あの余裕を見るとあながちそういうわけではないみたいだ。 人は見かけによらないらしい。 だが所詮は平民。 メイジに敵うはずがない。 「ボクの二つ名は『青銅』、青銅のギーシュだ。従って青銅のゴーレム『ワルキューレ』がキミの相手だ」 ボクの錬金で薔薇から落ちた花びらをワルキューレへと変化させていく。 よし、相変わらず惚れ惚れする出来だ。 だがボクのワルキューレが平民などに遅れを取る事などあってはならない。 念には念を。 ボクはさらに錬金でワルキューレをもう一体作り出し、それを守りの為に自分のすぐ近くに置いた。 「なるほど。そのワルキューレとやらが、あなたの身代わりということですね」 「その通り。ボクはメイジだ。だから当然魔法を使わせてもらう。 が、それではあまりにも不公平だ。そこでだ、ボクはキミに一切手を出さない。だがキミはどんな風に攻めてきてもいい。 武器に何を使っても構わないし、どんな策を練ろうとも卑怯だとは言わないよ」 ふふ、これでいい。 あとはワルキューレを破壊されないように気をつけながら立ち回ればいいんだ。 万が一、一体目を切り抜けてもこのもう一体がボクを守ってくれる。 うん、失敗する要素はない。 完璧な作戦だ。 が、彼女はなぜか不思議そうな表情をして首を傾げている。 彼女に有利な条件なはずなのに。 「あの……それは私が先攻ということなのでよろしいのでしょうか?」 「ん? 当然じゃないか。何を言っているんだ」 「そうですか。私、普段このような場合は相手に先攻をお譲りいたしますものでして、些か戸惑ってしまいました」 ふ……普段? このような場合? もしかして彼女はボクが思っている以上に戦い慣れているのだろうか? いや、例えそうであってもボクにはこのワルキューレがある。 一対一の決闘で平民がメイジの魔法を打ち破る事などあるはずがない! 「ふん、お喋りはもうこの辺でいいだろう。いい加減そろそろ始めようじゃないか!」 「それもそうですね。では……参ります!」 彼女の瞳が真剣さを帯びる。 そう熱くならなくてもいいのに。 最終的な勝敗ならキミの勝ちということになるんだ。 そしてボクの胸へと飛び込んで来たまえ! が、ボクに飛び込んできたのは思いもよらぬ光景であった。 「ドロー、ペルソナカード」 今まで聞いた事のない言葉と共に彼女が抱えている本の中からカードを取り出し、それを前方に掲げると、 「……は?」 赤銅色の肌と、炎の剣をその手に握った人型の怪物が現れた。 そしてその怪物から放たれた巨大な炎がワルキューレを飲み込み、ワルキューレは欠片も残さず燃え尽きてしまった。 ……あれ? ワルキューレは青銅のゴーレムだ。 炎の攻撃を受けたら砕けるかドロドロに溶けてしまうはずなのだが、それが跡形もなく消えてしまったという事は…… なるほど、気化してしまったという事か。 ―――っておい! ちょっと待て!! あれだけの青銅を一瞬で気化させる炎なんて聞いた事がないぞ!? 何だ!? あいつはただの平民じゃなかったのか!? その彼女はというと、未だ消えぬ炎の先で、決闘が始まる前と同じように笑っていた。 さっきまでと同じ笑顔なのに、今の彼女の姿はさらに美しく、そして恐ろしく映った。 「先ほども申しましたが私、このように幾らか荒事の心得もございます。どうかご遠慮なさらず、殺す気でおいで下さいませ」 その言葉でボクは我に帰った。 あまりの急な展開に放心してしまったようだ。 あの怪物も消えている。 クソッ! こんなはずじゃなかったのに……しかも殺す気で来いだと? まるでボクを見下しているみたいじゃないか! だが、彼女の力は今見たばかりだ。 実力で彼女がボクを上回っているのは一目瞭然。 つまり彼女の言う殺す気で来いというのは、本気で来なきゃボクがああなるという事では…… 「わっ、ワルキューレエエエエエェェェェェェェェェェェェェェ!!!!!」 ボクはさらに五体のワルキューレを作り出し、二体をさらに守りに付かせ、残りの三体に武器を持たせて突っ込ませた。 「デッキオープン」 先ほどと同じような意味不明な言葉が発せられ、再びあのカードが掲げられる。 今度は雪だるまに帽子を被せたようなふざけたモンスターだ。 そいつがくるりと一回転すると、一瞬で三対のワルキューレは氷漬けにされて、そのまま氷ごと粉々になってしまった。 「どうして……こんなことに……」 彼女が降参して、ボクが非を認めて、それでハッピーエンドになるはずだった。 なのに、何故!? どうしてボクが平民如きに! ……そうか。 ボクは最初から彼女をただの平民だと侮っていた。 しかし、どうだ? 実際はボクなんて及びもしないほどの力の持ち主じゃないか。 ただの平民という前程そのものが間違いだったんだ。 だがもう油断はしない。 残る僕のワルキューレは守りに残しておいた三体のみ。 単調に攻めるだけじゃ彼女には勝てない。 ならば攻め方を変えるまで! 「行け、ワルキューレ!」 ボクは一体のワルキューレを走らせる。 そして彼女が再びあのカードを取り出した。 「ペルソナ」 次に現れたのは、神話の軍神の如き雄々しき姿だった。 それが手に持った槍で天を突くと、鼓膜を突き破るような轟音が鳴り響いた。 これは……雷? 落雷を起こしたていうのかい!? どこまで非常識なんだコイツは! ボクのワルキューレはその直撃を受けて塵となってしまい、土煙の一部となった。 だが、これはチャンスだ! この土煙がお互いの姿を隠してくれている。 ボクは迷わずもう一体を彼女に突進させた。 先ほどまでの戦いでわかったが、彼女があの怪物たちを召喚して、その次の召喚の間にはタイムラグがある。 その間を狙えばいけると思った。 さっきは落雷の音にビックリしてタイミングを逃したが、この土煙の中なら次のを召喚される前にたどり着けるはずだ。 そして思った通り、土煙が晴れた時にはワルキューレは彼女の目の前にまで迫っていた。 よし、後は一撃を加えるだけだ! と思ってたんだがね。 彼女の能力はボクの考えのさらに斜め上を行っていたよ。 と言っても、別に特別な事をしたわけじゃない。 ただ単に、 「えい」 という可愛らしい掛け声と共に手に持った本でワルキューレを叩いただけだ。 そう、ただ本で叩いただけでワルキューレを砕き割ってしまったんだ。 何なんですか一体!? その細腕のどこにそんなメチャクチャなパワーがあるんですか!? それ以前にその本は何で出来てるんですか!? ……とまぁ、そんなこんなでボクのワルキューレが残り一体になるまでに追い詰められてしまったわけなんだ。 ホント、誰でもいいからこの女神の顔をした魔王にどうやったら対抗できるのか教えてください。 いや、本気で。 「そろそろお止めになってはいかがでしょうか?」 え? なんだって…… 「あなたと戦ってわかりました。あなたの力はまだ私に『答え』を下さるレベルには達しておりません。 降参した方があなたの身の為かと思いますが」 ……よくわからないが、つまりはボクでは彼女には敵わないから降参しろという事なのだろうか? それなら願ってもない。 事実、ボクの体はその意見に大いに賛同し、すぐにでも手に持った薔薇を離そうとしていた。 が、ボクの心はそれを許さなかった。 震える体を、今にも離してしまいそうな手を気力で押さえ込み。さらに強く握らせた。 確かに、今のボクでは勝てないかもしれない。 決闘に勝敗が付くのは当然の事だ。 ここで降参しても誰もボクを卑下したりはしないだろう。 そのくらいにボクと彼女との差は圧倒的だった。 だが、ボクにはまだワルキューレが一体残っている! どうせなら降参して負けるより、最後の奇跡を信じて全てを出し切るべきではないか。 ボクにだって誇りがある! この体に流れるグラモンの血が、そしてずっと教えられ続けてきたグラモン家の家訓が、ボクの背を押すように滾り、鳴り響いた。 「まだだ……まだ決着はついていない! ワルキューレ!!」 錬金で槍を作り出し、それをワルキューレに持たせて再度の突進を試みる。 もはや小細工もなにもない、ただの『突撃』だ。 だが、ボクの精神力の全てを込めた最後の一撃でもあるんだ。 その速度は今までのとは比べ物にならない。 これならあるいは! 「わかりました。私も一度決闘を申し受けた身。 最後までお付き合いいたします」 もう何を出してきても驚かないよ。 グリフォンでもドラゴンでも何でもこい! が、出てきたのはボクの予想に反して、白い鎧に身を包んだ戦士の姿だった。 その戦士が出てきた途端、大気が震えたかのような感覚が走った。 それはスクウェアを遥かに凌ぐ風の力。 土系統であるボクにもハッキリと感じ取れるほどにそれは巨大だった。 だがもう迷ってはいられない。 この巨大な風の力が発動する前にワルキューレを届かせる! 「行けええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 ワルキューレの槍を突き出し最後の一撃を試みた。 次の瞬間、大気が爆発した。 そうとしか思えないほどのとてつもない風が巻き起こったのだ。 その余波を受けてボクは地面を転がるようにして体を打ちつけてしまった。 立ち上がる事も顔を上げる事も出来ない。 こんな風は今まで見たことがない。 恐らくこの力は兄達や、さらには父をも上回るだろう。 随分と恐ろしい相手に決闘を申し込んだものだと、ボクは今更ながらに自分の無謀さに思わず笑ってしまった。 やがて風は収まり、ボクはゆっくりと立ち上がった。 周りのギャラリーも何人か同じ様に倒れている。 その中にはマリコルヌもいた。 大方彼女の姿を間近で見ようと前に出すぎていたんだろう。 そういえば決闘に集中しすぎてギャラリーのことなどすっかり失念してしまっていたな。 とはいえ今のボクにはもう決闘に対する集中力も、次のワルキューレを作り出す精神力も残っていない。 先ほど最後の突撃を繰り出したワルキューレも今では残骸となって広場に散らばっている。 ボクの負けだな。 ボクのワルキューレの槍は彼女には届かなかった。 結局、彼女の完全勝利になってしまったか。 ほら、彼女は相変わらず美しい姿で顔に赤い線が一筋…… え? 赤い線? そんなものは先ほどまで彼女の頬にはなかった。 ではアレは、まさか血!? そんな! ボクのワルキューレは彼女には届かなかったはずだ! と、彼女の背後にワルキューレの残骸の一部を見つけた。 それは槍の先端部だった。 そうか! 最後にワルキューレを突撃させたとき、ボクは槍を突き出させていた。 それがあの巨大な風の爆発が起きた時に砕けた槍の先端が風に乗って彼女の元まで届いたんだ! 「や……やったあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 手も足も出ないと思った。 殺されるかもしれないとも思った。 それほどの強敵だった。 ボクが出来たのは、まさに奇跡的としか言いようがない偶然によって与えたかすり傷のみ。 だが、それだけなのにすごく嬉しい! 本当に偶然だけど、それでも最後まで諦めずに粘って与えた一撃だ。 勝負には負けてしまったが、ボクにとってはこの上なく貴重な体験だった。 彼女にはお礼を言わなければいけないな。 その後はちゃんとケティとモンモランシーに謝ろう。 これが本当のハッピーエンドだな。 「ふっ、ボクの負け――」 と、言おうと彼女の方に向かったが、どうも様子がおかしい。 頬の傷に触れて呆然としている。 やはり顔はまずかったか…… 確かに決闘とはいえ、女性の顔を傷つけてしまったのはボクとしても流儀に反する事だ。 まずはこっちから先に謝らなきゃな。 そして謝ろうとした時、彼女の表情に変化が起こった。 それは怒りでも悲しみでもない。 それは、喜び。 「まさか私を傷つける事が出来るなんて……先ほどの無礼をお詫びいたします」 無礼? ああ、さっき答えがどうのとか言ってたあれか。 「いやそれは偶然だよ。ボクの実力じゃない」 「いえ、偶然であっても私に傷を与えたというだけでも十分です。私は力を管理するもの。 故に力で私を上回る者に出会った時私は答えを得られる……。私を傷つける事が出来たあなたなら、私に答えを下さるかもしれない……。 あなたとの決闘の機会を与えていただき、ありがとうございます」 あれ? それってまさか、まだ続けるって事? ちょっと! ボクはもう精神力も残ってないんだってば! こんな状態でまだ続けるなんて――! 「本来でしたら対複数戦やある程度戦闘が長引いた時のみにしか使用しないのですが、あなたには先ほどの無礼のお詫びも兼ねて、ここからは本気でいかせていただきます」 なっ! あれでまだ本気じゃなかったっての!? そんな、まさか今度こそ本当にドラゴンとかそういうのとか出す気か!? 「では、参ります!」 ちょっと待って! だからボクの負けだって! そう言う間もなく彼女は新たなカードを取り出す。 そしてそのカードから出てきたのは、 「……え?」 彼女の体より遥かに小さな、羽根の生えた女性の姿。 そう、それはまるで妖精だった。 確かに今までと違って彼女に似合った美しい姿だが、これが彼女の本気? 今までで一番弱そうだぞ。 はっ、そうか! 彼女の力も無限ではないという事か。 今までの凄まじい攻撃の数々で力を使い果たして、今ではこれが限界に違いない。 これなら魔法の力がなくとも、素手でも何とかなるかもしれない。 そう、もしかしたら……勝てる! ボクは一直線に走り出した。 「この勝負貰ったあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」 「メギドラオンでございます」 「うわああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!……ぁぁぁ…………あ……あれ?」 ここは……ボクの部屋……だよな? そしてここはボクのベッド。 で、ボクは寝巻き姿。 ええと、ボクは最後のワルキューレが破壊されて、 その後に妖精みたいなのが出てきて、 勝てそうだと思って突進して、 光に包まれて…… な……なんだか体が震えてきた…… ここから先は考えないようにしよう。 少し心を落ち着かせて、カレンダーの日にちを確認すると、 「今日は使い魔召喚の……」 そうだ、今日はサモン・サーヴァントの儀式の日だ。 となるとさっきまでのは…… 夢? 「ふ、ふふふ……あ~~ははははははははははははははははは!」 生きてて良かった~~~~~~~!! ふう、サモン・サーヴァントの儀式も無事成功だ。 土系統のボクに相応しいグランモールだ。 ああ、なんてキュートなんだ。 よし、ヴェルダンデと名づけよう。 と、後方で何度目かの爆発音が響き渡った。 ルイズだ。 ゼロのあだ名の通り、サモン・サーヴァントでも失敗ばかりか。 だけどボクは少しほっとしている。 別にルイズの失敗を喜んでいるわけではない。 ……いや、まさか今朝の夢が現実になるとは思っていないが、やっぱりあんな夢を見た後だと怖いじゃないか。 ん? どうやら次が最後のチャンスみたいだな。 「宇宙の果ての何処かにいる私の僕よ。この世で最も神聖で、強く、美しい、最強の使い魔よ! 私は心より求め、訴えるわ。我が導きに応えなさい!」 さっきよりもさらに大きな爆発が起こった。 これは大失敗なのか? それとも大成功なのか? そして少しずつ煙が晴れて、そこに何らかのシルエットが浮かび上がった。 まさか……まさかな。 周囲はルイズが成功した事に驚愕の叫び声を上げているが、ボクはもう気が気ではない。 この際何でもいい、たとえ平民の男だったとしてもルイズをバカにしたりはしません。 もう浮気もしません。 だから、だから彼女だけは―― 「あの、ここはどこなのでしょう?」 あの声は…… 特徴的な、透き通るような声。 夢の中で何度も聞いたあの…… そして煙が完全に晴れて、その姿がハッキリと映し出された。 ああ、確かにこの世で最も神聖で、強く、美しい、最強の使い魔だ。 あ……目の前が真っ白に…… 「あんた、誰?」 「エリザベスでございます。お見知りおきを」 前略 お父様 ついこの間知った事なのですが、 浮気というのは死にも値する恐ろしい大罪なのですね。 身をもって実感しました。 今後は浮気などしないように心がけることにします。 とりあえず、香水のビンを落とさないように気をつけることから始めようかと思います。 草々