約 1,319,045 件
https://w.atwiki.jp/animelonif/pages/279.html
110 ぼくのわたしのバトルロワイアル ◆dKv6nbYMB. 「なあ、エスデス。お前はイェーガーズの長だと言っていたな」 「ああ」 「仲間を増やすのなら、能力研究所よりイェーガーズ本部という場所の方がいいんじゃないのか?」 「ふむ。まあ、お前の言い分もわからんでもないが、余計な心配は無用だ。確かにクロメは死んだが、残るウェイブとセリューも私と同じく悪を討つための駒を増やしているだろう。 ならば、一所に固まるよりはこうして分散しておいた方が悪を追い詰めやすい。そうだろう、ヒースクリフ?」 「私に同意を求められても困りますが...エスデスの意見には一理ありますね」 「いや、しかしだな...」 「同じイェーガーズの一員なら、エスデスと似たような方針をとるかもしれません。そうなると、イェーガーズ本部で大人しく待っている可能性は低いと思います」 「わかっているじゃないかヒースクリフ」 「私も異能力というのは個人的に興味がありますから」 「ほぉう」 「...わかった。このまま研究所へ向かうとしよう」 溜め息をつき、しぶしぶとエスデスの後についていくアヴドゥル。 正直に言えば、アヴドゥルはエスデスをどこかに押し付けたかった。 わざわざ彼女の仲間であるイェーガーズの本部へ行こうと提案したのも、彼女の部下なら彼女の手綱をひいてくれるかもしれないという希望的観測からだ。 流石に全員が全員、エスデスと同じわけではあるまい。仮にそうだとしても、今回のように遠征をするのなら、人数が増えるだけ自分とエスデスが組まされる可能性は低くなる。 時期を伺い、『お前とは敵対しないが、しばらく別行動をとらせてもらうよ』などと告げて承太郎やまどか、一般人の足立とヒースクリフを連れてエスデスから逃げることもできる。 尤も、現実にはこうしてあっさりと否定されてしまったし、ヒースクリフもノリ気であったのだが。 そんな適当な雑談を交えつつ研究所へと向かう一行。 「アヴドゥル、私は何も考え無しに一番近いからここを選んだわけではないぞ」 「なに?」 「長年の勘が告げているんだよ。あそこには戦いの火種が渦巻いているとな」 エスデスが笑みを浮かべると同時。 「アヴドゥルさん、あれを」 「研究所の方角...あれは、煙か?」 「そうら、みたことか」 ☆ ガツン。ガツン。 何度も、何度も床を殴りつける音が木霊する。 「ちくしょう...ちくしょう...!」 護れなかった。 片足を失い、精神を壊され、それでも生きようとしていたみくを。 止められなかった。 御坂がみくを手にかけることを。 雫が床に落ちてはねる。 彼はなにもできなかった。 国家錬金術師。人柱。 そんな肩書きはこの場では無意味だ。 エドワード・エルリックはどうしようもなく無力だった。 『ジョセフ様...』 「...いまのワシらには、どうにもできん」 ジョセフもエドワードと同じだ。 彼も何もできなかった。 御坂の言った支給品がなにかを確認する。 御坂が殺し合いに乗っていることを考慮して拘束しておく。 止める方法などいくらでもあったはずだ。 だが、現実は残酷だ。 ジョセフ・ジョースターはどうしようもなく無力だった。 (いまのワシにできることは...) ジョセフは踵を返し、エドワードに背を向ける。 『どこへ行かれるのです?』 「ジャックと杏子を探しにいく。彼らが苦戦しているのなら手を貸さないわけにはいかん」 『エドワード様は...』 「いまは一人にしておいた方がいい...が、万が一のこともある。もし彼が現実に耐え切れず自殺でもしようものなら...」 『...わかりました』 ジョセフはみくのことについてはほとんど知らない。 薄情とも思われるかもしれないが、悲しみの度合いはエドワードに比べれば低い。 そのため、この場で一番動けるジョセフが彼らを探さなければならないのだ。 階下からは何の音も聞こえない。 戦いは終わったのか、それとも膠着状態でいるのか。 無事に勝てていればいいが、そうでない時は... (いずれにせよ、用心せねばな) ☆ 足音を殺し、物陰に隠れながら棟内を確認するジョセフ。 (酷い有り様じゃわい...) 崩れた壁、ひび割れた床に天井... どれほど暴れ回ればこれほど荒れるというのか。 電気系統も壊れているようで、薄暗く奥まで見通すことができない。 (念写が使えればいいのだが...文句ばかり言っておれんな) ゆっくりと、身をかがめながら曲がり角に差し掛かったときだ。 ―――カツン カツン カツン 足音がする。 おくびも警戒心を抱かず、自分がここにいるとアピールしているかのような足音だ。 (まさか後藤か?) 足音は一つ。 ジョセフが認識しているのは、ジャック、杏子、後藤の三人。 ジャックも杏子も、DIOに対してはいい印象を持っていないようだった。 ともすれば、DIOも警戒対象に入っているはずであり、なにより足音が一つだけなのは考えづらい。 となると、敵陣においてもこうも悠々と歩けるのは消去法で後藤となる。 (二人は負けたということか...?クソッ!) もしこの足音が後藤であるならば、また二つの若き命が失われたことになる。 あの時杏子たちに後藤を任せたことは正しかったのか。その答えを知る者は最早いない。 二人の仇をとってやらねばと思う反面、自分一人では勝ち目がないとも思う。 (逃げることは可能、だがな) いまのジョセフに使える物には、シャボン玉セットがある。 シーザー程練られたものではないが、さやかの時と同様に波紋を流して使用すれば時間稼ぎにはなる。 その隙にエドワードのもとへ辿りつき、彼と共に撃退ないし脱出すればいい。 近づいてくる足音に対してジリジリと後退しながら、シャボン玉とハーミット・パープルを使えるよう準備だけしておく。 だが、万が一別の者であればシャボン玉を無意味に消費するのは好ましくない。 どの道、まずは拘束すべきだろう。 足音が曲がり角に差し掛かるタイミングを見計らい、スタンドを行使する。 「ハーミット・パープル!」 人影に茨が迫る。 暗がりでハッキリとは見えないが、後藤ほどは背丈が大きくないように見える。 人違いか?などとジョセフが思った瞬間。 ―――全てが、凍った。 「は...?」 それは一瞬だった。 スタンドが突き出した右手と共に凍らされたかと思えば、床も天井も、一瞬にして凍りついたのだ。 逃げようにも、氷に足をとられて身動きができない。 (ジャック...?いや、違う。彼は水分が無ければ能力を発動できんと言っていた。それに、こんな能力が使えるのなら後藤にもひけをとらないはずだ) 氷の上を人影が歩いてくる。 人影は、手を伸ばせば届くほどの距離で動きを止めた。 ここまで近づいてきてようやくジョセフは人影の正体を認識できた。 ジョセフが彼女に抱いた印象は、氷のように美しい女。 「私に攻撃してきたということは...お前がここで暴れた者と判断して間違いないな」 聞き惚れそうな透き通る声で、女はジョセフに声をかける。 「...あ~、驚かせたのはすまんかった。このままでもいいから、事情を話させてくれんかのう」 身動きがとれない状態に内心冷や汗をかきつつ、ジョセフは冷静に交渉する。 本当ならすぐにでも拘束をといてほしいものだが、非があるのは先に攻撃した自分だ。 不必要にこちらが有利になるように持ち掛ければ警戒が強まるのは当然であるため、あえて自らが不利な状況での対話を望んだ。 「わかった。話してもらうぞ」 女がパチンと指を鳴らすと、ジョセフの右腕と両脚の氷が弾けてとんだ。 あっさりと解放されたことを意外に思いつつ、ひとまず礼を言おうとした矢先だ。 「ただし、私の暇つぶしに付き合った上でな」 突如女はジョセフの顔面を掴み、床へと押し倒した。 「ぬおっ...!」 「悪く思うな。ここに連れてこられてから、興味深いことは多くあったがちょっぴり退屈していたんだ」 倒されたジョセフの両手両足が再び氷で拘束される。 「だ、だから事情は話すと言って...」 「それが真実かどうかは別問題だ。故に、徹底的に搾り取ってやる」 (こ、コイツのこの目...イカレてやがる、クレイジーだ!) 女が浮かべているのは笑顔。その目は、獲物を見つけた肉食動物よりも鋭く、今まで見てきたドス黒い悪とも違う濁りに包まれている。 その目と女の言葉から、ジョセフは直感した。 こいつがやろうとしていることは、尋問という名の拷問であり、こいつはそれを愉しみながらやりのける危険な女だということを。 「さて...そうだな。まずは、手から出した茨について聞こうか」 女は、氷で作った剣をジョセフの右目に向ける。 (マズイ、このままでは非常にマズイ!) 身動きのとれない現状。 逆らえば殺される。 逆らわなくとも拷問される。 どうすればいい、どうすればこの場を切り抜けられる...! 「この後に及んでなお諦めていないか。だが、それもいつまで続くかな」 必死に頭を回転させるジョセフだが、女はそれを待ってはくれない。 剣はジョセフの右目へとゆっくり近づき... 「エスデス、誰かいたのか?この氷は普通ではないが...」 どこか聞きなれた声が曲がり角から聞こえる。 「見ろアヴドゥル。賊を一人掴まえたぞ」 「あ、アヴドゥルじゃとぉ!?」 「その声...ジョースターさん!?」 氷の上を滑りそうになりながらも、人影がジョセフへと駆け寄ってくる。 そのがっしりとした体格に、凛々しい眉、厚い唇は、間違いなくジョセフの戦友モハメド・アヴドゥルのものだった。 「やはりジョースターさんか!エスデス、拘束を解いてくれ。彼は私の仲間なんだ」 「そうか...だが、本当にこいつはお前のいう『ジョースターさん』か?」 「なに?...ああ、そうか。そうだったな」 「な、なんじゃアヴドゥル。どういうことじゃ?」 勝手に納得するように話す二人に、さしものジョセフも困惑の色を示す。 「ジョースターさん、スタンドを見せてもらえませんか?」 「それは構わんが...この氷が邪魔でのう」 「エスデス、腕の部分だけ拘束を解いてくれ」 「こいつのスタンドとは、先程の茨のことか?」 「そうだ。なら、この人は間違いなく...」 「姿かたちだけなら模倣は難しくない...そうだろう?」 「む、むう...しかし、念写してもらおうにもここにはテレビのようなものはない」 会話の内容から、どうやら他人に変装している者がいるということだけはわかった。 しかし、スタンドですら証拠にならないというなら、どうやって本物であることを示せと言うのか。 「...ジョースターさん。我々は、カイロでついにDIOの館を見つけ、突入しようとしてここに連れてこられた...そうですね?」 「...?なにを言っておる。確かにカイロであると見当はついておったが、ワシらはまだ奴の居場所を突き止めておらんかったじゃろ」 「!貴様...偽者か!エスデス、このまま押さえていろ。こいつは私が焼き尽くしてやる!」 「なんでそうなるんじゃあ!?」 自分はDIOの館を見つけていない。 アヴドゥルはDIOの館を見つけている。 この意見の食い違いから、ジョセフはサファイアの言う『平行世界』の可能性に思い当たる。 容姿から立ち振る舞いに言動まで、間違いなく目の前の男はモハメド・アヴドゥルである。 しかし、彼がDIOの館を見つけたという、未来の時間軸から連れてこられたとすれば、この食い違いにも納得できる。 問題は、アヴドゥルはその可能性を知らないということだ。 知らなくても当然だろう。音ノ木坂学院にあれほど参加者が集まったというのに、平行世界の存在を知っていたのはサファイアだけだったのだから。 「い、いいか。落ち着いて聞けアヴドゥル。平行世界というものがあってだな...」 「訳の分からないことで誤魔化すつもりか...そうやってまどかの時のように人を欺き手にかけようという腹だな!?」 (やっ、やっぱりこうなるのォ~?チクショウ、広川!お前のくだらない仕掛けはこれを狙っていたのなら予想以上の効果をあげたぞッ!...ん?いま、まどかと言ったか?) 「アヴドゥル。お前いま、まどかと言わなかったか?」 「そうだ。貴様も放送で知っているだろうが、彼女は奇跡的に生き延びたのだ。涙ながらに教えてくれたぞ、貴様の外道染みた行為をな...」 「誤解だ。儂は彼女の友達から聞いただけじゃ!」 「言い訳はそれだけか...『マジシャンズ・レッ』」 「落ち着いてください、アヴドゥルさん」 怒るアヴドゥルを止めたのは、ジョセフの話術でもエスデスでもなく。 遅れてやってきた、まるでコスプレのような鎧や盾を身にまとった男性だった。 「これだけの情報で決めつけるのは早計ではありませんか?」 「ヒースクリフ...しかし」 「...ジョースターさん。その友人からは、まどかのことをなんと聞いていますか?」 「心優しい少女だと聞いておるよ。容姿の方は念写で見させてもらったが、桃色の髪のツインテールで小柄な少女だ」 「友人の名は?」 「美樹さやか」 「...アヴドゥルさん。彼があなたのいうジョセフ・ジョースターであるかどうかはわかりませんが、まどかを襲った犯人かどうかを論じれば高確率で『シロ』です」 「な、なぜだ?」 「犯人はまどかに名乗る暇すら与えずに襲撃した...つまり、彼女については知らないはずです。そんな男が『まどかを殺した』と認識した後に彼女の友人と遭遇しまどかの容姿を知れば、取るべき行動は限られてくる」 「ボロが出ない内に始末する...か?」 「ええ。しかし、美樹さやかの名前は放送で呼ばれていない。つまり生きているということです。尤も、状況が許さなかったか、まどかが生きていると知り、美樹さやかと遭遇される前に殺してここまで来た可能性も無きにしも非ず、といったところですが...それを言い出せばキリがない」 「ならどうしろというんだ」 「もっと単純なことでいいのでは?例えば、自己紹介などどうでしょうか。即席で趣味まで模倣するのは難しいと思います」 アヴドゥルは、顎に手をやりしばし考え込む。 やがて顔をあげ、ジョセフに問いただした。 「...名前に生年月日、それに趣味をお願いします」 まるで日本の面接だな、と思いつつジョセフは答えた。 「ジョセフ・ジョースター。一九二〇年九月二七日生まれ、妻の名まえスージーQ、趣味・コミック本集め」 「一九八一年の映画『類人猿ターザン』の主演女優は?」 「ボー・デレク」 「『今夜はビート・イット』のパロディ『今夜はイート・イット』を歌ったのは?」 「アル・ヤンコビック」 やけに自信満々に答えたジョセフの口にした名に、エスデスとヒースクリフの二人は首を傾げる。 「誰だそいつらは...ヒースクリフ、お前は知っているか?」 「いえ。聞いたことがあるような、ないような...」 そんな二人をよそに、アヴドゥルは納得したかのように振り向いた。 「本物のジョースターさんのようだ。あんなことを迷いもせずに答えられるのは彼くらいだ。エスデス、氷を解いてくれ」 おもちゃをとられた子供のような不満げな表情を浮かべつつも、仕方あるまいと呟き、ジョセフを拘束していた氷を解除した。 「ふぃー、助かったわい。ヒースクリフと言ったか、礼を言おう」 「いえ、お構いなく」 「すみません、ジョースターさん」 「気にするな。お前も、ロクな目に遭っとらんのじゃろう」 「ジョセフ・ジョースター。お前はここに一人でやってきたのか?」 「そういうわけではないんじゃが...ううむ、どこから話せばいいものか」 どうしたものか、とジョセフは考える。 この氷使いの女はエスデス。タツミからは、危害は加えないかもしれないが少々厄介な奴だと聞いており、自分もそれを実感している。 アヴドゥルが共に行動していることから、ゲームに乗る者ではないのはわかるが、いまの状態のエドワードに会わせてもいいものか... そんなことを考えていた時だ。 「無事か...おっさん」 ジョセフの背後から聞こえたエドワードの声。 ジョセフはもう立ち直ったのかとも思ったが、エドワードの姿を見てすぐに考えを改める。 「ワシは大丈夫だが...きみこそもういいのか」 「...ずっと止まってるわけにもいかねえよ」 どうにか己の足で歩いてはいるが、その目には先刻までの生気は宿っていない。 無理をしているのは誰の眼から見ても明らかだ。 「お前がジョセフの同行者か。ならば洗いざらい話して貰うぞ、今までのこと、そしてここでなにがあったかをな」 だが、そんなことなどお構いなしとでも言うように、エスデスはエドワードに命令する。 エドワードは、短く「ああ」と頷き、彼女の用件にしたがい、近くの部屋での情報交換を提案する。 その様子を見たジョセフは、なんとなくエスデスを気に入らないと思い、アヴドゥルに視線を移した。 「...私だって、苦労しているんですよ」 ジョセフの視線の意図を察したアヴドゥルは、深く溜め息をついた。 ☆ 背もたれのついた椅子が五つ並べられる。 一つの椅子を中点として、四つの椅子が半円状に並べられる。 中点にはエスデスが座り、部屋の入口に近い順からエドワードとサファイア、ジョセフ、アブドゥル、ヒースクリフの順に座る。 喋るステッキサファイアの存在にはさしもの三人も困惑や興味の色を示したが、いまは情報交換を優先すべきだろうというサファイア自身の進言により、どうにか質問攻めからは逃れる。 「さて、ジョセフ・ジョースター。まずはここで起きたことを話してもらおうか」 「構わんよ」 ジョセフは語る。エドワードと御坂との遭遇。後藤、DIOとの戦い。そして御坂の裏切りを。 「DIOがここに...」 「なんとか撃退することはできたが、トドメは刺せておらん。追おうにも、みくや御坂のこともあったので不可能だった。それに奴のあの奇妙な能力には迂闊に踏み込むのは自殺行為じゃ」 「奇妙な能力ですか」 「ああ。本当に奇妙な能力だった。突然消えたり、コンマ一秒の差もなく同時に攻撃を叩き込んだり、な」 「―――ほほう」 ジョセフたちの体験に感嘆の声をあげたのはエスデス。 奇妙な能力を聞いて恐怖や困惑の色を浮かべるどころか、興味や好奇心といった感情を醸し出しているのだ。 「どうかしたのか?」 「いいや、なんでもないさ。なんでも、な」 隠すつもりもない笑みを見て、そんなわけないだろうと思いつつ、アヴドゥルはヒースクリフと共にジョセフからもたらされた情報を整理していく。 「後藤ですか...まどかと承太郎からは随分危険なやつだと聞いています」 「!承太郎と会ったのか!?」 「ええ。いまはコンサートホールでまどかと足立と共に待機しています」 「そうか...」 「ただ...棟内を探索中、後藤と奴を引き受けたという二人は見つけられませんでしたが、血だまりの中に白いスーツの切れ端と人間の腕らしきものは見つかりました」 「ッ!...そうか」 白いスーツの切れ端。 間違いない、ジャック・サイモンのものだ。 そして人間の腕ということは...少なくとも彼は片腕を失っている。 そんな状態で後藤から逃げおおせるのは贔屓目に見ても厳しい。 彼の生存は絶望的とみていいだろう。 杏子は脱出した後藤を追ったか、それとも肉の一かけらも残さずに食われたか... それを知るには後藤本人に会うか放送を待つしかない。 若き命を失ったことに歯がゆさを憶えるが、ギリッと歯ぎしりをすることで感情が爆発するのをどうにか抑える。 「おまえさんたちの方はどうじゃ。こちらとしては承太郎やまどかなど気になることが山ほどあるのだが」 「あの二人とはコンサートホールで合流し、いまは別行動をしている。それだけだ」 「それだけって、おまえさん...」 「お前はここで起きたことを話した。私たちはコンサートホールでのことを話した。これで対等だろう?」 「もっと知りたければこちらから話せということか...仕方ないのぉ」 この座る位置からしてそうだが、エスデスはチームの主導権を握りたいと思う性格らしい。 手順を踏めば主導権を取り返すことはできるかもしれないが、いまはそんなことをしている場合ではないし、余計な問題は起こしたくない。 情報交換を円滑に進めるため、ジョセフはあえてエスデスに主導権を握らせたままにしておいた。 「ワシはG-7の闘技場で目が覚め、その近辺で美樹さやかと初春という少女と出会ったんじゃ」 一呼吸を置き、タツミの存在を知らせるべきかどうかを考える。 タツミは、彼の仲間であるアカメの名を知らせることは禁句としていたが、彼自身については禁止としていない。 タツミがエスデスを完全に敵だと認識していれば、ジョセフにアカメと同じように扱えと伝えるはずなので、タツミに関して告げることに問題はあまりないと判断する。 「その後、タツミという少年と合流し、ワシと初春、さやかとタt」 「タツミと会ったのか!?」 突然の声に思わず驚いてしまうジョセフ。いや、彼だけでなく他の三人もだ。 当然と言えば当然だ。なんせ、先程までは女王気質にしか感じられなかった彼女の雰囲気が、タツミの名を聞いた途端に一変したのだから。 「あ、ああ...確かに会ったが...」 「タツミは元気だったか?」 「う、うむ。いまはさやかと共に行動しておるよ」 「そうか。ふふっ、タツミのやつめ...こんどこそ逃がさないからな」 ほんのりと頬を染め想いを馳せるエスデス。その様は、乙女が初恋の人に向けるものとしか思えなかった。 他の者、特に彼女にロクな印象を持っていないアヴドゥルにはその様子が殊更異様なものに見えた。 アヴドゥルは、エスデスからはアカメとイェーガーズの名前しか聞いておらず、名簿でみた限りではアカメと関わりのある者だろうなと思っていた程度だ。 いままでエスデスにその考えを伝える機会がなかったが、まさか彼女がタツミという名にこうも反応するとは思ってもいなかったのだ。 「つ、つかぬことを聞くがエスデス。そのタツミという少年とはいったい...」 「私が惚れた男だ」 (惚れた男―――だと!?) アヴドゥルとヒースクリフに衝撃が走る。 二人のエスデスに対する認識は、戦闘狂のイカれた女だ。 三度の飯より戦争だとでも言いそうな彼女が男に惚れたというのだ。 意外性どころの話ではない。 「...どう思う、ヒースクリフ」 「...まあ、恋愛は個人の自由ですから。そのタツミという少年のことはひとまず置いておきましょう。いまはそれでいいですか、エスデス」 「ああ。あまりに嬉しかったものだからつい、な。ジョセフ、続きを話してくれ」 アヴドゥルはタツミをアカメと同じ暗殺者ではないかと疑っている。 しかし、それを知ってか知らずかのエスデスのこの態度だ。 もしアヴドゥルの懸念が真実であれば、エスデスはどのような反応をするのだろうか。 タツミに対して怒りを燃やすか、この場で暴れまわるか...ロクなことにならないのは容易に予想できる。 それに、タツミが暗殺者であると判明すれば、エスデスは彼の仲間に当たるジョセフにも手を出すかもしれない。 故に、この場はタツミには触れず、後から個人的にジョセフからこっそりと聞こうとアヴドゥルは密かに思った。 尤も、エスデスは気に入った相手は過去に構わずスカウトするような人間だ。 ましてや、惚れた男相手なら尚更自分の物にしようと情熱的になればこそ、アヴドゥルの懸念するようなことにはならないのだが、それを彼が知る由はない。 それからジョセフは、音ノ木坂学院での一件、そしてこの能力研究所での一件について語り、次いでエドワードが温泉近辺での出来事を語った。 その後、アヴドゥルが己の知り得る情報を開示していく。 エスデスと別れ、仲間を集めていたこと。 花京院の偽者と思しき男がまどかを殺そうとしたこと。本物と思われる花京院がほむらをエスデスから助けたこと。 どうにか生き延びたまどかは承太郎が保護し、いまは足立とコンサートホールで待機しているということ。 魏志軍という男の襲撃もあったが、無事欠員や重傷もなく撃退できたこと。 これだけなら不安要素などさほどなかった筈だ。そう、『参加者が異なる時間から呼び寄せられている可能性』を知らなければ。 (イヤな予感が当たってしまったか...!) 「ふむ...情報を整理すると、現状警戒すべき悪はDIO、後藤、魏志軍、エンブリヲ、サリア、御坂美琴。保留で佐倉杏子といったところか」 「いや、警戒対象には花京院もいれてくれ。...アヴドゥル。慌てずに聞け。そのまどかを撃ったという花京院は本物の可能性が高い」 「!?そんなバカな、彼がそんなことをするはずが...!」 「わかっておる。だが、彼にはそれをやりかねない時間があるのだ。サファイア、説明してくれ」 『わかりました。平行世界...というものをご存じですか?』 「SF小説などでもよく題材に使われるパラレルワールドのことですか」 『その認識で間違いありません。広川は殺し合いを円滑に進めるために同じ世界の参加者でも異なる時間から連れてきている可能性が高いのです』 「つまりは、どういうことなんだ?」 『花京院さんは、一時期肉の芽というDIOの細胞によりあなた達の敵だったと聞いています。彼はおそらく、承太郎様に敗北する前の、その肉の芽がつけられている時間から連れてこられたのだと思います』 「...!だ、だがそれではエスデスからほむらを守ったというのは矛盾するのでは」 「いいえ、矛盾ありませんよ」 時間軸がどうであれ、花京院がまどかを撃ったことを認めたくないアヴドゥル。 反論したのは、彼の同行者であるヒースクリフだった。 「もし花京院が偽物であった場合、まどかを攻撃した際の状況が成立しないんですよ」 「どういうことだ」 「偽者を騙るメリットは、そのモデルに殺意を押し付けられることです。つまりそれには名乗りはもちろん、モデルが殺し合いに乗ったことを広めるスピーカー役が必要となります。 ですが、花京院はそのどちらもすることなくまどかを殺しにかかった。...彼女の名前すら聞かずにね。わざわざスタンドの模倣までして花京院の悪評を広めるには、効率が悪いとは思いませんか?」 「だ、だがそれではほむらを庇った理由は...」 「それがほむらを庇ったのではなく利用するためだとしたら?まどかの殺害は支給品を増やすためだけのものであり、それからは他の参加者に紛れて殺人を繰り返すつもりだったとしたら?」 「...!」 「また、本物の花京院自体が全く別の場所にいて、偽物の花京院がエスデスを攻撃したとしても、彼女に名乗ることすらしないのは不自然なんですよ。アヴドゥルさん、あなたがあれほど警戒する力の持ち主なんでしょう? 花京院を追いこむのにこれ以上ない人材のはずです。なのに一度たりとも名前も姿も明かさなかったというのは...」 「なんということだ...このままでは承太郎たちが危ない!」 椅子から立ち上がるアヴドゥルの手を掴み、ジョセフがどうにか諌めようとする。 「落ち着くんじゃアヴドゥル!」 「ですがこのままでは!」 「いえ、彼は大丈夫でしょう」 動揺するアヴドゥルとは対照的に、ヒースクリフはあくまでも冷静に見解を述べる。 「承太郎は私たちと合流する際に、偽物であることよりも肉の芽について警戒をしていました。つまり、彼は花京院が肉の芽に操られている可能性も忘れていないということです。 それに、彼は花京院に勝っているのでしょう?手の内を知り尽くしている相手です。多少は苦戦しても、易々と敗北することはないでしょう」 「そ、そうか...」 「...ただ、心配なのはむしろ花京院です」 一度は収まりかけたアヴドゥルの動揺が、再び色濃くなっていく。 「まどかは花京院に致死寸前にまで追い込まれました。それだけでなく、先輩の死で精神が不安定になっています。 もし、そんな彼女が花京院と遭遇すれば...もし、花京院に承太郎や足立が追い詰められれば...」 「――――ッ!」 その先は考える間でもないと言わんばかりに、アヴドゥルが部屋の入口へ駆け出そうとする。 「ジョースターさん、すぐにコンサートホールへと戻りましょう!」 「待て、勝手な行動を」 するな、と言葉を繋ぐ前に、ジョセフの背筋が一瞬で凍りつく。 殺気だ。エスデスの放った殺気がジョセフの足を縫いとめたのだ。 「ジョセフ、事情は後で説明してやる。ヒースクリフ、グリーフシードとやらはまだあるか?」 「ええ」 ヒースクリフはデイパックからグリーフシードを一つ取り出し、アヴドゥルに投げ渡す。 「アヴドゥル、そのグリーフシードを持ってすぐにコンサートホールへ戻れ。手遅れにならんうちにな」 「うっ...し、しかし」 「早く行け、まどかたちを殺したいのか?...約束だ。私はこいつらを殺さん。こいつらには別の仕事を任せるだけだ」 「...その言葉、嘘じゃあないだろうな」 「二言はない」 アヴドゥルは、横目でジョセフに視線を送ると、ジョセフはそれに無言の頷きで返す。 「...この場は信じるからな」 アヴドゥルは一人部屋から走り去っていく。 ジョセフは内心止めたいと思っていたが、エスデスの刺すような視線により断念をせざるを得なかった。 「お前さん...どういうつもりじゃ」 「余計な邪推をするな。私は自分の駒は裏切らないだけだ」 「ならばなぜワシらを止める」 「お前達には別の仕事があるといっただろう。...ヒースクリフ、私は少し席を外す。アヴドゥルが焦っていた理由を教えておけ」 頷くヒースクリフを確認すると、エスデスはジョセフたちには一瞥もせず部屋から姿を消した。 「...先程、魏志軍という男に襲撃されたと話しましたよね。その際、まどかは彼を殺そうとしたんです。承太郎とアヴドゥルさんを囮にね」 「なんじゃと?さやかからは優しい子だと聞いておるが...」 「おそらく、彼女もそんなつもりはなかったでしょう。しかし、先輩の死に続き再び殺されかけたんです。...彼女も、必死だったに違いありません。その行動の結果が、二人を囮のように扱ってしまったとすれば不思議ではありません。 だからエスデスは、まどかと一番信頼関係が築きあげられている承太郎、感性が一般人に最も近い足立をコンサートホールに残したのです。私がこちらにいるのはまあ...数合わせです。自分が負担になっているとまどかに思わせないためのね」 「そういうことか...なら、ワシらもすぐにアヴドゥルと共にコンサートホールへと戻ろう」 「それはできません。エスデスはあなた達に『仕事を与えるからここで待っていろ』と言いました。これを破れば、あなた達は敵とみなされ厄介なことになるかもしれません」 「しかしじゃな...」 「このままあなた達がいけば、私は彼女の怒りを買い殺されるかもしれない...お願いです、もう少しだけ待っていてください」 ジョセフからすれば、殺し合いに乗っていなくとも危険人物であるエスデスの言うことなど聞くいわれはない。 しかし、懇願するように頼み込むヒースクリフの表情は本気だ。 エスデスはこのままジョセフたちを逃がせば、ヒースクリフを殺すだろう。 「...あんたらがここに来るまで、何事も無かったんだよな」 今まで口数の少なかったエドワードが尋ねる。 「ええ。コンサートホールからここまではさして苦労もありませんでした」 「だったらよ、あのアヴドゥルって人はコンサートホールまでは危険な目に遭う可能性は低いってわけだ」 「む...確かに、後藤やDIOがコンサートホールの方面に逃げていれば必ずすれ違うはず...」 「待とうぜ、ジョースターさん。わざわざヒースクリフさんを危険な目に遭わせる必要はねえよ」 そう言った彼の眼は、先程よりは生気を取り戻していた。 時間をおいたのが利いたのだろう。精神的な疲労はまだ見えるが、会ったばかりの他者にも気を遣える程度には冷静さを取り戻していた。 「ありがとうエドワードくん。すみません、ジョセフさん」 「仕方あるまい...お前さんも、だいぶ苦労しているようだしな」 三人はひとまず席に着き、それきり言葉を発することなくエスデスの帰りを待った。 五分程経過しただろうか。 ドアを空けてエスデスが姿を現した。 「待たせてすまなかったな。ジョセフ、エドワード。お前達はこっちの解析を頼む」 入って来るなり、エスデスはジョセフとエドワードに円状の物を投げ渡す。 「っとと...なんじゃこれは」 ジョセフ達が渡されたのは、金属だった。 その形状から、これは皆に着けられている首輪であることをジョセフは察した。 だが、彼らはロクに交戦しておらず、首輪を手にするには誰かを殺さなければならないはずだが... 「―――おい」 エドワードがエスデスを睨みながら口を開く。 「あんたらは此処に来るまで誰も殺してないって言ってたよな」 その声には、怒りが、敵意が隠すことなく込められている。 「だったら、この首輪はどこから持ってきやがった」 エスデスはその怒りも敵意もどこ吹く風といった表情で言い放った。 「サンプルならすぐそこにあっただろう」 瞬間、エドワードが掴みかかろうとエスデスに肉薄する。 彼を突き動かしたのは純粋な怒りだ。 エスデスに掴みかかる寸前で、しかしそれは背後から肩を掴まれ遮られる。 「落ち着いてください」 エドワードを取り押さえたのはヒースクリフ。 それを見たジョセフは目を見張る。 (速い...!) 一番近くにいたジョセフでさえ、エドワードを取り押さえるには至らなかった。 だが、エドワードが跳びかかることを想定していたとしても、それなりに経験を積んだだけの人間とは思えない程に素早かったのだ。 ジョセフからしてみれば、さやから魔法少女にすら匹敵するほどに見えた。 エスデスが、動けないエドワードを見下す。 「なにを憤っている。奴らは死んだ。なら、死体をどう扱おうが私の勝手だろう」 「だからって...!」 「呆れたやつだ。人間は死ねばそれだけの肉塊だ。そんなこともわからないのか」 エドワードは言葉を詰まらせる。 人間の身体など水、炭素、アンモニア、石灰、リン、塩、硝石、イオウ、マグネシウム、フッ素、鉄、ケイ素、マンガン、アルミニウムと幾何かの元素の合成物でしかない。 エスデスの言葉は極端ではあるが、かつてエドワード自身が幼い頃の修行で得た答えと似通ったものだ。 だが、それでも弔うこともせずに平然と遺体を辱める行為と言動にエドワードは怒りを覚えずにはいられなかった。 「...ふっ。どうあっても納得できないようだな。だが...」 エスデスがエドワードの頬を掴み、顔を近づける。 「奴らがこうなったのはお前が弱かったからだ、エドワード・エルリック」 エスデスの冷たい吐息が、視線が、言葉がエドワードに降りかかる。 「憶えておけ。弱者は何をされようが文句は言えない。私の行動を否定したければ、強くなってみせろ」 エスデスとエドワードの視線が交差する。 やがて、エスデスはエドワードの頬から手を離し、踵を返した。 「これ以上ここにいても意味はないな。行くぞ、ヒースクリフ」 名前を呼ばれたヒースクリフは、エドワードから手を離し、エスデスの後を追う。 「待てよ」 投げかけられるエドワードの声に、エスデスの足がピタリと止まる。 「こんな状況だ。あんたのやったことも間違ってないのかもしれない」 エドワードの一挙一動に対して、いつでも反応できるようにジョセフとヒースクリフは互いに動ける準備をする。 「だが、やっぱりあんたは気に入らねえ」 言い放つエドワードの眼には、確かに敵意や怒りが宿っている。 しかし、彼はそれ以上エスデスをどうすることもなく、部屋が静寂に包まれる。 やがて、エスデスは小さく笑みをこぼすと、再び歩きはじめた。 「ここから先はお前達の好きにするといい。また会おう、エドワード・エルリック。それにジョセフ・ジョースター」 片手をあげ去っていくエスデスに続き、ヒースクリフもまたエドワードたちに会釈をして部屋から立ち去った。 ☆ 「さてと。これからの方針だがな、私は北へ行こうと思う」 能力研究所の裏口で、エスデスはヒースクリフとこれからの方針について話し合っていた。 話し合うと言っても、エスデスが一方的に決めているだけであるのだが。 「ふむ...しかしここから北ですと、範囲が随分と狭いですが...」 「だからこそだ。DIOは手傷を負っているのだろう?となれば、なるべく参加者との接触を避けたいと思うはずだ」 「故に北、ですか...しかし、アヴドゥルさんたちの到着を待たなくてもよろしいのですか?」 「奴の能力を聞いたら俄然戦る気が湧いてきた。奴との戦いは一人で集中したい。お前がアヴドゥルを遠ざけたのもそれが理由だろう?」 瞬間、ヒースクリフは木々がざわめき小鳥が逃げ出す錯覚を覚えた。 エスデスの眼光が鋭くなり、ヒースクリフの背筋に怖気が走る。 だが、彼はそれを恐怖とは思わない。 「...はて、なんのことでしょうか」 「とぼけるなよ。花京院の件について、お前はわざと奴が本物である可能性を強調していた。アヴドゥルをコンサートホールへ戻らせるためにな。 お前は他人の能力についてえらく関心を持っていたようだからな。DIOの能力を聞いたときの私の反応を見て、思ったんだろう?『奴らの戦いを見てみたい』とな」 「......」 「アヴドゥルやまどかのように他人の能力を警戒するのではない。しかし、足立のように腹に一物を抱えているわけでもない...他人の能力を知ってお前はなにがしたいんだ?」 一歩間違えばエスデスに命を刈り取られかねない状況。 しかし、エスデスの問いに、彼は笑みを浮かべている。 彼は、エスデスのような戦闘狂ではない。かといって、この状況で気が触れたわけでもない。 「私はただ興味があるだけですよ。私の知らない未知の存在にね」 彼は、ただ知りたかった。 科学者としての好奇心。 ゲームクリエイターとしての創作意欲。 湧き上がってくる少年のような好奇心。 彼はそれらを満たしたかった。 主催に接触しようという彼の目的も、己の欲求を満たすための手段の一つにすぎない。 いまのヒースクリフ―――否、芽場晶彦にとってこのバトルロワイアルはそれが全てだった。 彼の答えを得て、エスデスは小さく笑みをもらす。 「お前も変わったやつだ...己の欲望を満たすためなら、手段を択ばない。それが自らを危険に晒すことになろうともな」 「それはあなたも同じでしょう」 「違いない」 エスデスと芽場晶彦は、互いにくすくすと笑い合い、やがて笑いが収まると北へと向かって歩き出した。 エスデスはほくそ笑む。 (DIOの能力は間違いない...時間停止だ) よもや、一日に二度も同じ領域に踏み込んだ者たちに遭遇するとは、夢にも思っていなかった。 平行世界だかなんだか知らないが、自分のいた世界ではこんな体験はできなかっただろう。 (おまけにDIOは私と違い、何度も時間を止められるらしい) 今度ばかりは死ぬかもしれないな、と思いつつも、彼女の笑みは未だに絶えない。 (そうだ。極限までの命のやり取りこそが真の闘争だ。さあ、どちらかがくたばるまで楽しませてくれよ、DIO) 勿論、彼女は負けるつもりなど微塵もない。 そして、DIOを殺した後も彼女の戦は終わらない。 とにかく出会う参加者たちと戦いを挑み、気に入れば勧誘し、そうでなければそのまま殺す。 そのためにわざわざエドワードを挑発し、アヴドゥルを一人戻らせたのだ。 首輪を外させることもそうだが、それ以上に闘争の火だねとなればこれほど嬉しいことはない。 欲をいえば、前川みくの首切りをエドワードにやらせたかったが、あまり遊んでいてはDIOを逃がしてしまう可能性がある。 アヴドゥルを先にコンサートホールへ向かわせたのも、楽しみが減るのを防ぐためだ。 コンサートホールにいる者たち、特に承太郎はこのまま自分と相容れるとは考えにくい。おそらく終盤までには確実に離反するだろう。 闘争の火だねはまだまだ多い。 DIOとの戦いからが、自らにとってのバトルロワイアルが始まることをエスデスは確信する。 そして、彼女を迎えるように雷鳴が鳴り響く。 (どうやら、私の読みは当たったらしい) 研究所での闘争には乗り遅れてしまったが、今度こそ逃すわけにはいかない。 距離からして、急げばさして時間はかからないだろう。 「急ぐぞヒースクリフ。今度こそ愉しい戦に乗り遅れんようにな」 【F-2/一日目/昼】 【ヒースクリフ(茅場晶彦)@ソードアートオンライン】 [状態]:健康、異能に対する高揚感と興味 [装備]:神聖剣十字盾@ソードアートオンライン、ヒースクリフの鎧@ソードアートオンライン [道具]:基本支給品一式、グリーフシード(有効期限あり)×2@魔法少女まどか☆マギカ、ランダム支給品(確認済み)(2) ノーベンバー11の首輪 [思考] 基本:主催への接触(優勝も視野に入れる) 0:もっと異能を知りたい。見てみたい。 1:要所要所で拠点を入れ替えつつ、アインクラッドを目指す 2:同行者を信用しきらず一定の注意を置き、ひとまず行動を共にする 3:神聖剣の長剣の確保 4:DIOに興味。安全な範囲内でなら会って話してみたい。 エスデスとの戦いを見てみたい。 5:キリト(桐ヶ谷和人)に会う 6:花京院典明には要警戒。 [備考] ※参戦時期はTVアニメ1期におけるアインクラッド編終盤のキリトと相討った直後。 ※ステータスは死亡直前の物が使用出来るが、不死スキルは失われている。 ※キリト同様に生身の肉体は主催の管理下に置かれており、HPが0になると本体も死亡する。 ※電脳化(自身の脳への高出力マイクロ波スキャニング)を行う以前に本体が確保されていた為、電脳化はしていない(茅場本人はこの事実に気付いていない)。 ※ダメージの回復速度は回復アイテムを使用しない場合は実際の人間と大差変わりない。 ※この世界を現実だと認識しました。 ※DIOがスタンド使い及び吸血鬼だと知りました。 ※平行世界の存在を認識しました。 【エスデス@アカメが斬る!】 [状態]:健康 [装備]: [道具]:デイパック、基本支給品、不明支給品1~3 [思考] 基本:殺し合いを愉しんだ後に広川を殺す。 0:DIOと戦うために北へ向かう。見つからなければコンサートホールへと戻る。 1:DIOの館へ攻め込む。 2:クロメの仇は討ってやる 3:殺し合いを愉しむために積極的に交戦を行う。殺してしまったら仕方無い。 4:タツミに逢いたい。 [備考] ※参戦時期はセリュー死亡以前のどこかから。 ※奥の手『摩訶鉢特摩』は本人曰く「一日に一度が限界」です。 ※アブドゥルの知り合い(ジョースター一行)の名前を把握しました。 ※DIOに興味を抱いています。 ※暁美ほむらに興味を抱いています。 ※暁美ほむらが時を止めれる事を知りました。 ※自分にかけられている制限に気付きました。 ※DIOがスタンド使い及び吸血鬼であることを知りました。 また、DIOが時間停止を使えることを知りました。 ※足立が何か隠していると睨んでいます。 ※平行世界の存在を認識しました。 エスデスたちが北上するのとほぼ同時刻、ジョセフとエドワードは研究所の入口から外へと出た。 「みくという子の埋葬はいいのか?」 「...確かにしてやりたいけど、あんたの仲間を追うのが先だ。早く行こう」 先刻よりはだいぶ立ち直ったように見えるエドワードの言葉に、ジョセフは頷きで返す。 狙ってやったのかどうかは知らないが、エスデスの言動はエドワードに火を点けてしまったらしい。 尤も、エスデスのそれは、スポ根漫画によくある敢えて悪役を演じて鼓舞するものではなく、単純に本人が愉しみたい故のものであるだろうが。 とにかく、アヴドゥルの後を追おうとした矢先のことだった。 「ムッ!?」 北部で雷が鳴り響く。 この晴れ渡った空で雷が落ちることなどありえない。 ならば、一体だれが。心当たりはひとつしかない。 「...ジョースターさん。やっぱり、あいつをこのまま放っておくわけにはいかねえよ」 エドワードがポツリと呟く。 「御坂...じゃな」 「ああ。あいつ、あのままだと絶対に止まらねえよ」 そういうなり、エドワードはいきなり両手を合わせ 「ぬおおおおお!?」 ジョセフとエドワードの間に、隆起した壁が立ちふさがる。 「あんたはあのアヴドゥルって人とコンサートホールに行ってくれ!あいつは俺が止める!」 「待つんじゃエドワードくん!」 ジョセフの呼びかけに答えず、エドワードが走り去っていく。 先手を取られた。 エドワードが『あいつを放っておくわけにはいかない』と言った瞬間、ジョセフは彼が単独行動に出る可能性を察していた。 そのため、いつでもスタンドを出せるようにしておいたのだが、エドワードはそれすらも読みきり、錬金術を用いてジョセフから離脱した。 (くっ...どうする、どうすればいい!?) 彼を放っておくわけにはいかない。 しかし、それはコンサートホールの方も同じだ。 コンサートホールか、エドワードの後を追うか。 彼の選択肢は――― ☆ 『奴らがああなったのは、お前が弱いからだ』 エスデスの言葉が脳内で反芻される。 (そうだ。みくが死んだのは、あいつにみすみす殺させちまったのは俺の責任だ) 彼女達だけではない。 後藤に殺されたと思われるジャック・サイモン エドワードと彼は、交わした言葉も少ない。ただ、みくの居場所を教えてもらっただけの間柄だ。 だが、それでも命が失われたという事実は彼には重い。 自分が後藤と共に戦わなかったせいで死んだとすれば...いや、事実そうなのだろう。 エドワードの左拳が悔しさで握り絞められる。 (...だからって、これ以上死人を増やしてたまるかよ!) だが、ここでエドワードが膝を折るわけにはいかない。 今までもそうだった。 かつて、自分達が追い求めたものの巻き添えで殺された男がいた。 彼の家族は悲しんだ。彼女たちに糾弾されるのは当然だとすら思っていた。 だが、彼女達は糾弾するどころか、悲しみに耐えながら言ってくれた。 ここであなた達が諦めれば彼の死は無駄になる、自分達の納得する方法で前へ進めと。 今回もそうだ。 ここで全てを諦めれば、それこそみくたちやジャックの死を無意味なものとなってしまう。 エドワード・エルリックに出来るのは、いくら無力感に打ちのめされようが、どれだけ泥にまみれようが、己の信念を貫き成し遂げようと前へ進むことだけだ。 (俺のせいで殺しに乗ったってんなら、これ以上殺すってんなら、百万発ぶん殴ってでも止めてやる。首を洗って待ってやがれ、御坂美琴...!) 『鋼』の二つ名を与えられた国家錬金術師、エドワード・エルリック。 爆弾狂、ゾルフ・J・キンブリーすら認めた彼の『殺さない』覚悟は、このバトル・ロワイアルという非常な現実の中でもまだ折れていない。 【F-2/一日目/昼】 ※能力研究所内に、前川みくの死体(首切断)、食蜂操祈(ミイラ体、首切断)、ノーベンバー11の残骸が放置されています。 【ジョセフ・ジョースター@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】 [状態]:疲労(中~大) 、ダメージ(大) [装備]:いつもの旅服。 [道具]:支給品一式、三万円はするポラロイドカメラ(破壊済み)@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース、市販のシャボン玉セット(残り50%)@現実、テニスラケット×2、 カレイドステッキ・サファイア@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ、クラスカード・ライダー&アサシン@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ(アサシン2時間使用不可)、ドミネーター@PSYCHO PASS-サイコパス- 食蜂操祈の首輪 [思考・行動] 基本方針:仲間と共にゲームからの脱出。広川に一泡吹かせる。 0:アヴドゥルを追いコンサートホールへと戻るか、エドワードの後を追うか... 1:仲間たちと合流する 2:DIOを倒す。 3:DIO打倒、脱出の協力者や武器が欲しい。 [備考] ※参戦時期は、カイロでDIOの館を探しているときです。 ※『隠者の紫』には制限がかかっており、カメラなどを経由しての念写は地図上の己の周囲8マス、地面の砂などを使っての念写範囲は自分がいるマスの中だけです。波紋法に制限はありません。 ※一族同士の波長が繋がるのは、地図上での同じ範囲内のみです。 ※殺し合いの中での言語は各々の参加者の母語で認識されると考えています。 ※初春とタツミとさやかの知り合いを認識しました。 ※魔法少女について大まかなことは知りました。 ※時間軸のズレについてを認識、花京院が肉の芽を植え付けられている時の状態である可能性を考えています。 ※仕組みさえわかれば首輪を外すこと自体は死に直結しないと考えています。 [サファイアの思考・行動] 1:ジョセフに同行し、イリヤとの合流を目指す。 2:魔法少女の新規契約は封印する。 【エドワード・エルリック@鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST】 [状態]:疲労(中)、ダメージ(中)、全身に打撲、右の額のいつもの傷、精神的疲労(大) [装備]:無し [道具]:ディパック×2、基本支給品×2 、ゼラニウムの花×3(現地調達)@現実、 不明支給品×0~2、ガラスの靴@アイドルマスターシンデレラガールズ、 パイプ爆弾×4(ディパック内)@魔法少女まどか☆マギカ、みくの不明支給品1~0 前川みくの首輪 [思考] 基本:主催の広川をぶっ飛ばす 0:雷のもとへ向かい、御坂をボコしてでも殺しを止めさせる。 1:大佐やアンジュ、前川みくの知り合いを探したい。 2:エンブリヲ、DIO、御坂、エスデス、ホムンクルスを警戒。ただし、ホムンクルスとは一度話し合ってみる。 3:ひと段落ついたらみくを埋葬する。 [備考] ※登場時期はプライド戦後、セントラル突入前。 ※前川みくの知り合いについての知識を得ました。 ※ホムンクルス達がこの殺し合いに関与しているのではと疑っています。 関与していない可能性も考えています。 ※仕組みさえわかれば首輪を外すこと自体は死に直結しないと考えています。 ※エスデスに嫌悪感を抱いています。 アヴドゥルは走る。 道に躓き、転びそうになりつつ、それでも走り続ける。 彼が求めるのは仲間の安否。 (私の嫌な予感はこれだったか...!) もしも花京院がコンサートホールを襲撃すれば、まどかは恐怖から彼を殺してしまうかもしれない。 そして、まどかが彼を殺せば承太郎はまどかを殺すだろう。 あの場に残っているのは一般人の足立だけ。刑事とはいえ、一般人がスタンド使いと魔法少女を止めることは不可能だ。 つまり、惨劇を止められる者はあの場にはいない。 だが、そんなことはあってはならないのだ。 (早まるなよ、承太郎、まどか、花京院!) アヴドゥルは冷静ではなかった。 ジョセフ自身が先に行けと促したこともあるが、あれほど警戒していたエスデスにジョセフを預ける形になったのは、心のどこかでエスデスに信頼を置いていたのかもしれない。 一方的な約束ではあったが、キッチリ時間を守り、コンサートホールに承太郎たちを連れてきたこと。 彼女なりに気を遣い、まどかに悲しむ時間を与え、負担にならない編成を組んだこと。 あれほど強大な力を持っているのに、全てを殺しまわるのではなく、一応は主催を倒すことを目的としていること。 危険で厄介な女ではあるが、警戒心の中にほんのわずかにでも『頼もしい』『信用できる』と思う心がなかったとは断言できない。 故に、冷静さを欠いたアヴドゥルは彼女の言葉に従ってしまったのかもしれない。 魔術師は気づかない。 彼の想いを嘲笑うかのように、コンサートホールの方角から煙が立ち昇っていることに。 【E-2/一日目/昼】 【モハメド・アヴドゥル@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】 [状態]:健康、精神的疲労(小) [装備]: [道具]:デイパック、基本支給品、ウェイブのお土産の海産品@アカメが斬る! グリーフシード(有効期限あり)×1@魔法少女まどか☆マギカ [思考] 基本:殺し合いを止めDIOを倒し広川ら主催陣を倒し帰還する。 0:仇は必ずとるぞ、ポルナレフ、イギー。 1:急いでコンサートホールに戻り、花京院の件を伝えて惨劇を防ぐ。 2:エスデスは相当ヤバイ奴。まどかも危険な匂いがする。 3:ジョースターさん達との合流。 4:DIOを倒す。 5:もしこの会場がスタンド使いによるものなら、案外簡単に殺し合いを止めれるんじゃないか? ※参戦時期はDIOの館突入前からです。 ※イェーガーズのメンバーの名前を把握しました。 ※アカメを危険人物として認識しました。タツミもまた、危険人物ではないかと疑っていますが、ジョセフと行動していたことから警戒心は薄まっています。 ※エスデスを危険人物として認識しており、『デモンズエキスのスタンド使い』と思い込んでいます。 ※ポルナレフが殺されたと思い込んでいます。 ※この会場の島と奈落はスタンド使いによる能力・幻覚によるものではないかと疑っています。 ※スタンドがスタンド使い以外にも見える事に気付きました。 ※エスデスがスタンド使いでないことを知りました。 ※平行世界の存在を認識しました。 時系列順で読む Back 雷光が照らすその先へ Next 不穏の前触れ 投下順で読む Back 雷光が照らすその先へ Next インヴォーク 090 足立透の憂鬱 ヒースクリフ(芽場晶彦) 127 ならば『世界』を動かす モハメド・アブドゥル 123 無数の罪は、この両手に積もっていく エスデス 127 ならば『世界』を動かす 102 noise エドワード・エルリック ジョセフ・ジョースター 129 Crazy my Beat
https://w.atwiki.jp/rowarowa/pages/130.html
女の世界 ◆1yqnHVqBO6 途方に暮れたような顔で住宅街の中を歩いていると 二人の女が近くの路地から飛び出してきた。 「助けて!」 縋るような声と共に制服を着ている少女か女か区別がつかない方が是方昭吾 に抱きついてきた。 もう一人の女はどんな目にあったのだろうか。 さして高価ではなさそうであるがそれでも 彼女の年頃ではまず普段着に選ばないであろう着物が乱れ、 乱れた髪は彼女の顔にかかり、 俯いた顔とともに表情を判断するのを困難にさせていた。 「私達、襲われていたの。後ろの彼女は私と一緒に逃げてきたのだけれど 女だけじゃどうしても怖くて……ねえ、おじ様。一緒に行動してくださらない?」 「お、お前さん達も殺し合いの参加者か?」 保護を求め、拠り所にするかのように老人である是方の腰に手を回した彼女は首を振る。 むむ、それもそうかと是方は思った。 これは恐らくシルバーバトルの一環。 それなら老人とは程遠い目の前の二人が選ばれるわけもなしいうことだ。 二人の女が発する強烈な色気に知らず知らずのうちに欲情を滾らせていた是方は、 無関係な若い女性を暴力の矛先に選んだまだ見ぬ参加者への闘志を燃やす。 「よし、お前さん達はここで待っていろ。おれがそいつをとっちめてきてやる」 制服を着た少女が無意識のうちに押し付けているであろう腰や脚。 それらに反応する下半身を特に隠そうともせず まだ顔を上げない着物を着た方の女性へ少し下品な視線を向けながら是方は言う。 襲われたのは飛び出してきた路地の先だろう。 女を襲うような不届き者に 銃を支給された元自衛官の自分が負けるはずがないと是方は思う。 「ダメ、行かないで。おじ様がいなくなったら私達、怖くて死んじゃう」 腰に回した手を胸元へ移動させ、目を潤ませ上目遣いに少女は懇願する。 「ね、私達おじ様に従うから。何でも好きなようにしていいから」 その言葉で老人は吸い寄せられるかのように女性へと顔を近づけ、貪るような接吻をする。 これは目の前の女を安心させるため。 そう自分に言いながら唇を離し、少女の細い首に巻きつけられたマフラーを外し 服を脱がそうとする。 マフラーの下にあった首輪を見ておや? と一瞬思ったが場に充満する女の匂いが 是方から判断能力を奪う。 急速に抜け行く理性を尻目に精力家はいざ、性欲を暴走させんとする。 しかし、唐突にもう一人の着物を着た女が是方に接吻をした。 粘体動物のような動きをする色気の権化のような女。 横取りされ、不満の声を揚げる隣の女。 二人同時は体力的にどうなんだと思う冷静な自分は何処かへと消え、 そして―― 【是方昭吾@銀齢の果て 死亡】 【残り 52名】 「あらぁ、もっと愉しんでからの方が良かったんじゃない?」 「黙れ」 【C-4/1日目/深夜】 【相馬光子@バトルロワイアル】 [状態]:健康、マフラー着用 [装備]: [道具]:基本支給品×2、不明支給品×3~5(是方1~2、相馬2~3)、レミントンM700@現実 [思考・状況] 基本行動方針:優勝する 1:陽炎と協力して殺す方に回る。 【陽炎@バジリスク~甲賀忍法帖~】 [状態]:健康 [装備]: [道具]:基本支給品、不明支給品×3 [思考・状況] 基本行動方針:甲賀弦之介を優勝させる 1:相馬光子と協力して(弦之介、霞刑部以外を)殺す方に回る。 2:頃合いを見て相馬を殺す 今日より明日は 投下順 スイートポイズン 今日より明日は 時系列順 スイートポイズン GAME START 相馬光子 雷帝の調教 GAME START 陽炎 GAME START 是方昭吾 GAME OVER
https://w.atwiki.jp/henroy/pages/269.html
変身リスト 本ロワにおける変身要素の纏め。 各変身後のスペックについては、支給品一覧、または変身後データを参照。 変身ロワイアルのゲーム内において変身した参加者・主催者のみ対象。 【魔法少女リリカルなのはシリーズ】 変身後 形態 変身者 使用アイテム バリアジャケットなのは ☆高町なのは レイジングハート・エクセリオン バリアジャケットフェイト ☆フェイト・テスタロッサ バルディッシュ バリアジャケットユーノ ☆ユーノ・スクライア バリアジャケットスバル ☆スバル・ナカジマ マッハキャリバー バリアジャケットティアナ ☆ティアナ・ランスター クロスミラージュ 聖王形態ヴィヴィオ ☆高町ヴィヴィオ セイクリッド・ハート 覇王形態アインハルト ☆アインハルト・ストラトス アスティオン 【仮面ライダーW】 変身後 形態 変身者 使用アイテム 仮面ライダーダブル サイクロンジョーカー ☆左翔太郎 フィリップ ダブルドライバー ガイアメモリ サイクロンメタル サイクロントリガー ヒートジョーカー ヒートメタル ヒートトリガー ルナジョーカー ルナメタル ルナトリガー ファングジョーカー サイクロンジョーカーエクストリーム サイクロンジョーカーゴールドエクストリーム 仮面ライダーアクセル ☆照井竜西条凪石堀光彦 アクセルドライバー ガイアメモリ トライアル ☆照井竜石堀光彦 ブースター 石堀光彦 仮面ライダーエターナル ブルーフレア ☆大道克己ダークプリキュア響良牙 ロストドライバー ガイアメモリ レッドフレア 月影ゆりダークプリキュア響良牙 仮面ライダースカル 通常 暁美ほむら涼村暁ン・ダグバ・ゼバ クリスタル 西条凪 形態不明 石堀光彦 仮面ライダージョーカー 左翔太郎 仮面ライダーサイクロン 石堀光彦 ウェザー・ドーパント ☆井坂深紅郎 ガイアメモリ タブー・ドーパント ☆園咲冴子 ナスカ・ドーパント レベル1 ☆園咲霧彦ン・ダグバ・ゼバ早乙女乱馬天道あかね左翔太郎 レベル2 ☆園咲霧彦天道あかね レベル3 園咲霧彦天道あかね ルナ・ドーパント ☆泉京水 ユートピア・ドーパント ☆加頭順 サイクロン・ドーパント 鹿目まどか池波流ノ介スバル・ナカジマ溝呂木眞也 ヒート・ドーパント 高町ヴィヴィオアインハルト・ストラトス トリガー・ドーパント ティアナ・ランスター メタル・ドーパント 志葉丈瑠 バード・ドーパント 大道克己月影ゆり バイオレンス・ドーパント 溝呂木眞也スバル・ナカジマ ゾーン・ドーパント 響良牙花咲つぼみ パペティアー・ドーパント 孤門一輝ダークプリキュア 【仮面ライダーSPIRITS】 変身後 形態 変身者 使用アイテム 仮面ライダー新1号 ☆本郷猛 仮面ライダー新2号 ☆一文字隼人 ライダーマン ☆結城丈二 ライダーマンヘルメット 仮面ライダースーパー1 ☆沖一也 仮面ライダーZX ☆村雨良 タイガーロイド 白虎 ☆三影英介 滝ライダー 一条薫 ライダースーツ 【侍戦隊シンケンジャー】 変身後 形態 変身者 使用アイテム シンケンブルー ☆池波流ノ介 ショドウフォン シンケンゴールド ☆梅盛源太 スシチェンジャー 腑破十臓(怪人体) ☆腑破十臓 【ハートキャッチプリキュア!】 変身後 形態 変身者 使用アイテム キュアブロッサム 通常 ☆花咲つぼみ ココロパフューム プリキュアの種 スーパー キュアマリン ☆来海えりか キュアサンシャイン 通常 ☆明堂院いつき シャイニーパフューム プリキュアの種 スーパー キュアムーンライト ☆月影ゆりダークプリキュア ココロポット プリキュアの種 【魔法少女まどか☆マギカ】 変身後 形態 変身者 使用アイテム 魔法少女さやか ☆美樹さやか ソウルジェム 魔法少女杏子 ☆佐倉杏子 魔法少女マミ ☆巴マミ 魔法少女ほむら ☆暁美ほむら 【らんま1/2】 変身後 形態 変身者 使用アイテム 若い娘(娘溺泉) ☆早乙女乱馬響良牙一条薫レイジングハート・エクセリオン 水 黒い子豚(黒豚溺泉) ☆響良牙 牛、雪男、鶴、鰻の混合生物(牛鶴鰻毛人溺泉溺泉) タコ(章魚溺泉) ☆パンスト太郎 響良牙 アヒル(鴨子溺泉) 志葉丈瑠 タコ(章魚溺泉) 響良牙 阿修羅(阿修羅溺泉) パンダ(熊猫溺泉) 猫(猫溺泉) 一条薫 子供(童子溺泉) 狼 7歳への若返り 月影ゆり 歳の数茸 伝説の胴着着用 ☆天道あかね 伝説の胴着 【フレッシュプリキュア!】 変身後 形態 変身者 使用アイテム キュアピーチ ☆桃園ラブ リンクルン キュアベリー ☆蒼乃美希 キュアパイン ☆山吹祈里巴マミ キュアパッション ☆東せつな佐倉杏子 ノーザ ☆北那由他 ナケワメーケ 冴島家の椅子 シンボル ソレワターセ スバル・ナカジマ 実 【ウルトラマンネクサス】 変身後 形態 変身者 使用アイテム ウルトラマンネクサス アンファンス ☆姫矢准佐倉杏子蒼乃美希孤門一輝 ネクサスの光 エボルトラスター ジュネッス ☆姫矢准孤門一輝 ジュネッスパッション 佐倉杏子 ジュネッスブルー 孤門一輝 ウルトラマンノア 孤門一輝 ダークメフィスト ☆溝呂木眞也天道あかね ダークエボルバー ダークメフィスト・ツヴァイ 黒岩省吾 ダークファウスト 美樹さやか天道あかね ダークザギ 石堀光彦 ネクサスの光 【仮面ライダークウガ】 変身後 形態 変身者 使用アイテム 仮面ライダークウガ マイティフォーム ☆五代雄介一条薫 アークル ドラゴンフォーム ペガサスフォーム タイタンフォーム グローイングフォーム 一条薫 アメイジングマイティフォーム アルティメットフォーム 仮面ライダークウガ(プロトタイプ) 白 天道あかね プロトタイプアークル ズ・ゴオマ・グ(怪人体) 基本形態 ☆ズ・ゴオマ・グ 強化体 ダグバのベルトの欠片 ゴ・ガドル・バ(怪人体) 格闘体 ☆ゴ・ガドル・バ 俊敏体 射撃体 剛力体 電撃体 電撃俊敏体 ゴ・ガドル・バ 電撃射撃体 電撃剛力体 驚天体 究極体 ン・ダグバ・ゼバ(怪人体) 完全体 ☆ン・ダグバ・ゼバゴ・ガドル・バ 中間体 電撃体(中間) ン・ダグバ・ゼバ 【宇宙の騎士テッカマンブレード】 変身後 形態 変身者 使用アイテム テッカマンブレード 通常 ☆相羽タカヤ クリスタル ブラスター テッカマンエビル 通常 ☆相羽シンヤ ブラスター テッカマンランス ☆モロトフ ソルテッカマン1号機改 涼邑零 【牙狼-GARO-】 変身後 形態 変身者 使用アイテム 黄金騎士ガロ ☆冴島鋼牙 魔戒剣 銀牙騎士ゼロ ☆涼邑零 暗黒騎士キバ ☆バラゴ 暗黒騎士キバの鎧 暗黒騎士キバの鎧 【超光戦士シャンゼリオン】 変身後 形態 変身者 使用アイテム 超光戦士シャンゼリオン ☆涼村暁 シャンバイザー 暗黒騎士ガウザー ☆黒岩省吾 筋肉強化 ダークプリキュア 筋肉強化剤 【オリジナル】 変身後 形態 変身者 使用アイテム 超光戦士シャンゼリオン ハイパー 涼村暁 シャンバイザー+恐竜ディスク ガイアポロン 涼村暁 シャンバイザー+パワーストーン 偽高町なのは(9歳) レイジングハート・エクセリオン T2ダミーメモリ 偽高町なのは(20歳) 偽フェイト・T・ハラオウン 偽ユーノ・スクライア 偽アインハルト・ストラトス(覇王) 偽龍咲駆音(暗黒騎士キバ?) 偽シンケンブルー 偽キュアサンシャイン 偽仮面ライダー1号 偽ザ・ブレイダー ダークアクセル 石堀光彦 アクセルドライバー+アクセルメモリ
https://w.atwiki.jp/ranoberowa/pages/908.html
竜堂終 【登場作品】 創竜伝 (田中(たなか) 芳樹(よしき) / 講談社文庫・講談社ノベルス文庫) 【出典時期】 【本名】 竜堂(りゅうどう) 終(おわる) 【異名】 【年齢/性別】 / ♂ 【立場】 【人称】 一人称: 二人称: 三人称: 【身体的な特徴】 【精神的な特徴】 【技術/特殊能力】 身体能力: : 【関連用語】 【】 【登場キャラとの関係】 【小早川奈津子】 【鳥羽茉理?】 【竜堂始?】 ←099 鳥羽茉理? ↑参加者名簿 101 竜堂始→? 以降ラノベ・ロワイアル本編のネタバレ注意 【追跡】 計27話 No. 題名 No. 題名 109 邂逅 511 ロスト・ライブス(悼む傷痕) 176 竜意の顕現 524 道は交わる 209 侵食~Lose Control~ 530 ロイヤルストレートフラッシュ(王者の往く道) 211 白竜王の暴走 531 エース・イン・ザ・ホール(そこにある切り札) 273 Howling! 534 Know Mercy 1:Resister s Telling 301 彼女の選択 535 Know Mercy 2:Savior s Whispering 316 Cross Point 537 No Mercy 2:King s Howling(前編) 358 Human System 541 大崩壊/ディストピア(憎いし苦痛) 410 擦り抜ける灯火 543 大崩壊/フォールダウン(地獄姉妹) 464 red tint 544 大崩壊/ストレイロード(正に外道) 467 竜王と巨人のダンス 545 大崩壊/デスマーチ(人生終了) 468 力の宴 553 怪物対峙 479 吸血鬼は何処に消えた? 504 間隙の契約 498 メロンパン 【現在状況】 +開示する。 最新スタンス 脱出派 生存状況 1日目・23 55に死亡(古泉一樹) 支給品 吸血鬼(ブルードザオガー) 最新データ 第553話 怪物対峙 遭遇中の人物 なし 殺害数 1人(オドー) 【遭遇人物】 計31人+2霊+1魔神+1精霊 名前 呼称 関係 解説 話 アシュラム 美姫 × 哀川潤? × アイザック? × ミリア? × 高里要 × シロちゃん 福沢祐巳 相良宗介 千鳥かなめ × しずく × オドー × メフィスト × 藤堂志摩子 × 坂井悠二 × ダナティア なっちゃん × リナ 海野千絵 ベルガー × 慶滋保胤 × セルティ 折原臨也 × 光明寺茉衣子 × パイフウ 古泉一樹 フリウ × シャナ 火乃香 ヘイズ コミクロン カーラ エンブリオ アラストール ウルトプライド 名前 呼称 関係 解説 話 × 鳥羽茉理? --- × 竜堂始? --- 名前 呼称 関係 解説 話 【最新状態】 シャナから付けられた傷跡を古泉一樹に切開され死亡。 死体はC-5の森に放置。 【踏破地域】 【G-8】草原→【-】→【-】→【-】→【-】→【-】→【C-5】森 1 2 3 4 5 6 7 8 A B C D E F G H 【本編での動向】 +開示する。 【死亡者追悼】 思えば彼はロワという世界により散々振り回された。 第一回拡声器による鳥羽茉理の絶叫を聞く事しか出来なかった自分を嘆き、竜と化して暴走し。 弱った心を灰色の魔女カーラにつけ込まれ操られ、一人を殺した。 第二回拡声器放送の時だってダナティアの仕掛けに翻弄されていた。 しかし竜堂終はそれでも前を向いていた。 カーラから福沢祐巳を助けようとした。 暴走するシャナを助けようとした。 古泉を前に憎しみではなく意志で進もうとした。 力及ばず死んだが、竜堂終はひたすら前向きに生きた。 振り返って一言: よく生きた。 ←099 鳥羽茉理? ↑参加者名簿 101 竜堂始→?
https://w.atwiki.jp/rowarowa/pages/231.html
弔いのボサ・ノバ ◆1yqnHVqBO6 巻き上げられた瓦礫が宙を舞い。 真上にさしかかろうとする太陽を隠していた。 斬撃。斬り払われる無数の手。 それをぼんやりと目にして。 翠星石は瞼を開けた。 「気がついたか!?」 大声で覗き込んできたのは たしか桐山ではなくもう一人の人間、坂本。 「どれくらい……?」 「十分も経ってねえよ」 吐き捨てるように言った坂本の声には 焦りと苦悩が混じっており。 状況が決して良いものではないということを教えた。 「蒼星石……」 坂本に抱きかかえられていた 翠星石は地面へと降りて、 残る二人の姿を目にする。 言うなれば籠城。 前方では蒼星石が庭師の鋏を振るい。 後方では桐山が負傷を堪えて刀を振るう。 半ばで切り落とされる手。手。手。 だがその勢いは已然、止むことがなく。 互いに寄り添うように固まることで 辛うじて猛攻を凌いでいた。 「あの、蒼星石ってやつが言ってたんだが」 剣戟が産みだす擦過音と火花が周囲を喧しく乱す中。 坂本が真剣な顔で、一縷の望みを託すように 翠星石を見つめていた。 「お前たち二人なら 逆転の目があるっていうのは本当か?」 「駄目だ」 翠星石の答えを聞くまでもなく。 譲らぬ意志を感じさせる堅さをもって 桐山が割り込んだ。 「だからといってこのままじゃ全滅だぞ!?」 「まだBIMがあるだろう。 いざとなったら薔薇乙女を逃し。 俺とお前で特攻自爆して目眩ましになれば」 「いや、お前はなにを言っているんだ」 眉間に皺を寄せて憮然とした坂本は 付き合っていられないとしゃがみこみ 翠星石に目線を合わせる。 「頼む。サポートは全力でするから なにかあるのなら教えてくれ。 俺はみんなと生きて帰りたいんだ」 大人としての自尊心のすべてを捨てて、 坂本は翠星石に問いいかける。 彼の半分の身長もな小さなドールに 希望を見出そうと必死で。 「ある……ですよね。蒼星石」 攻撃のほぼすべてを小さな体で必死に受け止める 蒼星石に応える余裕はない。 ただ、ほんのわずかに視線をこちらに向け。 たしかに、こくりと頷くのが見えた。 ………………………………………………………………。 一通り各々の力を話した上での 方針立案は終了した。 桐山は薔薇乙女が危険に晒されることを 了承するのに時間がかかったが。 だんだんと精彩を失っていく動き。 それでは捨て身であっても 薔薇乙女を逃し切るのは 難しいと判断して最後は首を縦に振った。 「じゃあ、だめ人間はカズオと 一緒に後ろでサポートするですよ」 「お前、あとで覚えてろよ」 頬をひきつらせながらも 坂本は翠星石の言葉に従い桐山の側へと寄る。 猛攻は未だ止むことがないが。 相手も疲労しているのか わずかに緩む瞬間がある。 翠星石が、右足を後ろに置き。 すぐにでも走り出せる体勢をとる。 蒼星石が大きく後ろに飛び。 彼女に目掛けて光とともに手が伸びてくる。 「行け!」 読んでいた坂本がフレイム型BIMで 手を焼き払うのと同時に。 「すこやかに~。のびやかに~」 隣り合った翠星石と蒼星石の足元を大樹が持ち上げ。 前方へとコンクリート床ごと撥ね飛ばした。 手に覆われて見えなかった敵の姿。 それが空へ飛ぶことで視認可能となる。 「来るよ。翠星石」 「よしきたですぅ!」 周囲に光が散乱し、 腕が翠星石達を掴みとらんと伸ばされる。 そのすべてを前もって喰らっていた 瓦礫の欠片群を吐き出し、打ち消す。 敵、ヨキは遥か下から翠星石と蒼星石を 無表情に見上げている。 視線が突き刺すような鋭さを帯びて。 放物線を描き、落下していく二人とヨキを結ぶ 直線に沿って数百の腕が槍のように束ねられ。 進む。進む。肉片すら残すまいとして。 槍がコンクリート床を破砕する直前。 アールマティと合体した 翠星石の左腕が床をすべて喰らい。 足場を失った二人は 鞄に乗って風をきって滑空する。 狙いが分かれたことで それぞれに行われる攻撃の手が緩む。 ほぼ垂直に鞄を傾けて速度を上げた翠星石は 喰らったコンクリートを雹のようにヨキへと乱射した。 それを目前で防いだヨキは落下地点を目測し 四方に生じさせた腕で押し潰そうとするも 「こちらだよ」 注意が逸れた隙に鞄から飛び降りた蒼星石が 鋏を振り上げヨキの脳天へと襲いかかった。 それを虚空から突き出された手で握りしめられ。 浮かんだまま身動きの取れなくなった蒼星石へ 更なる腕が襲いかかる。 「まだまだぁぁぁ!」 気合の入った叫びとともに木が 蒼星石を持ち上げ腕を根元から断つ。 解放された蒼星石は即座に樹の幹を蹴り 蒼い弾丸となってヨキへと突き進む。 「あまいよ」 氷のような冷たさを声にのせてヨキは壁のように 隙間なく手を張り巡らせ、蒼星石を迎える。 だが、蒼星石は更に生えでた大樹を蹴ることで 方向転換し着地すると勢いを殺さず。 ぐるり、ぐるぅりと大きく回転し遠心力をもって 死角からヨキの胴体へと斬りかかった。 「……どういうこと?」 左右に産み出した腕で刃が触れる寸前に持ち上げられた ヨキは予想以上の二人の実力に疑問の声をあげた。 「互いがいなければなにもできない無力なドール。 もう敗れた水銀燈はかつて僕たちをそう称したね」 「え、まじぃ!? く~! これだからあんちくしょうは意地悪ドールですぅ!」 頭に載せられたシルクハットは落ちることなくそこにあり。 小さい体には不釣り合いな大きな大きな鋏を構えて。 蒼星石は凛然とした眼を揺らがせることなく対峙する。 不満の声をあげる翠星石には返事せず。 蒼星石は続ける。 「けれど。僕たちが二人でひとつとなれば 誰にも負けない。姉妹以上に近しい。双子である僕たちは」 「降参するなら今のうちですよ!」 胸を張る翠星石と冷静に相手を見る蒼星石。 対する音もなく地面に降り立ったヨキに動揺はない。 頬を血に汚して。純白の体がおびただしい血痕と煤に塗れても。 そう。動揺があったのはむしろ 「黒き……血」 「人間じゃなかったんですか!?」 ヨキはその言葉に口の端を自嘲で吊りあげる。 「人間でないのなら。なんだというのだい?」 殺気が、気配が。増していく。 これは怒りにか。殺意にか。 それとも 「私も、シオも。人間だよ」 悲哀か。 「意志なき機械人形(オートマトン)では、断じてない」 いいや、これは“願い”。 渇望が空気を歪めているのだ。 震える大気。総毛立つ体をなんとか抑えこみ。 翠星石は言葉を発しようと 「翠星石!」 その前に蒼星石の叫び声が耳に届き。 ヨキによって固められていた意識と緊張が解かれる。 聞こえるのは機械音。 デジタル時計がアラームを鳴らすような。 朝を告げようとするような。 「硬化です! アールマティ」 爆風が周囲に展開された結界の外で吹き荒ぶ。 周囲が赤と黒に覆われ。 上空に座す弦を垂らしていた手が急降下して、 硬化バリアーを貫く。 バリアーにより辛うじて狙いが逸れた貫手は 翠星石の髪の毛を一房切るとそのまま地面にめり込む。 蒼星石は寸前でBIMを遠くに弾くことで辛うじて 爆風から逃げのびていた。 その衝撃で頭からシルクハットが飛んでいき 服の端々が焦げ付いてしまってはいたが。 「彼は!?」 「翠星石から見て右斜め前だ!」 遠くから坂本の声が聞こえる。 「翠星石!」 「がってん!」 翠星石と蒼星石の手に握られているのは フレイム型のBIM。 スイッチを押すと十字架の 粘着性のある炎が産まれるもの。 その真価は燃える軌道の予測が容易であり。 囲い込みがしやすいところにある。 「こっちはお前が爆弾持ってることなんて お見通しだったんですよ!」 二人は炎を発生させ。 すぐさま産み出した木に乗って 蒼星石は翠星石の方へと飛び移った。 蒼星石たちはすぐに元いた場所へと飛ぶ。 「囲い込みは終わった。 位置は俺のレーダーで捕捉できる。 これで俺達の勝ちだ!!」 ガッツポーズをして笑みを浮かべる坂本とは対照的に、 上へ逃げられた際の銃撃のために 油断なくデリンジャーを構える桐山。 「支障はないか。ふたりとも」 安否を問う桐山に大きく頷き。 翠星石は右手に庭師の如雨露を持ち。 蒼星石は左手に庭師の鋏を握りしめ。 交差する二振り。 重なる音が鈴のように鳴り。 歌う声が炎にたゆたう。 「健やかに。伸びやかに」 「芽を吹かせ。若葉を萌やし」 炎が空高く吹き上がる。 白光の手に似た太陽へと。 「緑の梢を茂らせて……」 「光の示す方向へ――!」 大樹。 空という天蓋を支える世界樹のように。 纏う炎をものともせず。 幾重にも折り重なった牢獄のように育ち。 ヨキのいる場所で一つの美術品のようにそれは育った。 圧倒的な力をもって。 桜見タワーにも届く高さを、 双子の人形が産み出し。 新たな塔が、そこには。あった。 「すげえ……」 感嘆の息を漏らし。 坂本は空高く白光浴びて そびえる大樹を見上げた。 「まだだ」 達成感に包まれて、 強ばらせていた表情を和らげる翠星石たちをよそに 桐山だけが空の先。大樹の頂上を見据えていた。 そこにいたのは罅割れた人の似姿。 太陽の光を一身に浴び、黒き影となった姿。 大樹が伸びるのとほぼ同速度、超高速で腕を産み出し。 そこから回避したのは足元にある大穴により推測できたが。 桐山たちからは見えない。 ただ、わかったのは。 双子人形のすべての力を振り絞っても あの賢人には届かなかったということ。 そして、光が煌き。 こちらへと まっすぐ伸ばされる腕がひとつ。 狙いは逸れない。 伸びる、伸びる。 炎も緑も突き破り。 翠星石たちへと。 弩のような剛健さで奔る。 「くそぉっ!」 已むを得ず残りのBIMすべてをもって 炎の壁を展開させる坂本。 二重の十字架。 しかし、それをも腕は引き裂く。 「アールマティ。フルパワー硬化!」 展開した鎖のように綿密な障壁を貫いて。 最後に蒼星石が庭師の鋏で食い止める。 だが、勢いは減じただけで消えはせずに。 「これで……終わりか……!」 「まだだ」 言葉とともに。仮面ライダーリュウガはデッキから カードを一枚抜き取り。 「行方のわからなかったコイントス。 再び試すのも。そう、悪くない」 桐山は、彼すら効果の知らないカードを バイザーにセットする。 ――ADVENT―― 空中を駆ける暗黒竜。 腕が突き進んできた道を遡るようにそれは進み。 空を喰らい。炎を喰らい。緑を喰らい。 最後に、影となった人をも喰らった。 大樹の頂上にはなにもいない。 ただ祝福するように陽が照らす。 「今度こそ、終わったのか」 「ああ」 安堵のあまりその場で 腰を下ろしそうになる体を叱咤して。 燃える炎から大きく迂回し、 坂本は大樹の方へと歩く。 散乱していた ヨキとハードの荷物を拾った 坂本は口に笑みを浮かべて。 桐山達に手を振った。 それに小さく手を振る翠星石と蒼星石を見て。 漆黒の鎧に身を包んだ桐山は息を吐き。 ここにいない誰かを思ってか空を見上げた。 だが。 地面に大きな影が射し。 空気を押しつぶす轟音とともに。 鎧を一色に塗っていた漆黒は、霧散し。 虚空へと溶けた。 大地を揺らし。 残骸となった黒龍、 ドラグブラッカーは地に墜ち、伏す。 開いた腹の穴から覗くのは肥大化した能面。 それは、歓喜に歪み。 暴食に身を任せて口を大きく開き。 噛み締めるように並んだ太く白い歯で 押し潰し。飲み込んでいた。 急速に。急速に。 ナンセンスというべきか。 異界の光景と呼ぶべきか。 だが、それはたしかにそこにあった。 能面が。龍を貪り尽くしていた。 「坂本!」 声にびくりと体を大きく震わせた坂本は 持っていた荷物を桐山へと咄嗟に投げ、叫んだ。 「逃げろ!」 辛うじてキャッチした桐山は 有無をいわせずに翠星石と蒼星石を抱えようとして。 坂本が宙に浮いたまま 高速でこちらに走ってくるのを目にした。 背中からは 筋張った誰かの手が生えており。 炎を一つ跳びで越えると 坂本から手を抜きとった。 彼の影になって見えなかった それは中年女性の姿をしていた。 「共闘した仲間の死体までも飲み込むとは感心しないね」 跡形もなく食われた黒龍のいた場所。 そこに立つ賢者が一人。 悠然とそこに立ち。 顔には微笑みを貼りつけて。 「四つの玉が産みだす力はやはり素晴らしい」 炎を背にしたそれは微笑んでいた。 一歩を踏み出し。 後ろ足に力を込めて蹴ると弾丸へ変わり。 桐山たちへ襲いかかった。 その前に飛び出したのは桐山。 ブランク体となった装甲。 薔薇乙女を守る盾として。 腕を交差して貫手を迎える。 衝撃が、体中を走り。デッキが割れる。 吹き飛ばされた桐山が翠星石たちにあたり もろとも転がる。 着地したそれは水銀燈の姿をしていた。 髪を靡かせて、歩く。それは微笑んでいた。 「彼を連れて逃げるんだ。翠星石」 「そ、そんなの……」 「急いで。早く!!」 歩みを止めずに。 水銀燈の姿は今や 蒼星石の姿に変わっていた。 服装も、造形も寸分違わずに。 やはり、それは、微笑んでいた。 蒼星石は翠星石を強く抱きしめて。 額へ優しく接吻する。 「君のマスターがそうするように。 君がマスターにそうするように」 蒼星石は翠星石へと笑いかける。 微笑むのではなく。満面の笑みで。 「愛しているよ。翠星石。 大嫌いでもあるけれど。 それよりも。ずっと、ずっと。愛している」 瞳から一筋の涙を零して。 双子の人形は離れる。 大粒の涙を流しながら、 なにも言うことができず。 顔がびしょびしょなのはそのまま。 翠星石は桐山を担いで その場を走り去った。 「此処から先は、通さない」 疲労に蝕まれた体を必死に鼓舞し。 涙の跡を細く残したまま。 鋏を構え、蒼星石の姿をした それの前に立ちはだかる。 微笑む蒼星石と 静謐な表情を崩さない蒼星石。 「未来を悟り、なお死の嵐に立ち向かうか」 ヨキの声が。小さいはずの声なのに。 翠星石の耳にも届き。 射すような痛みを与える。 「賞賛しよう」 拳を構えた護神像、 一撃の隙を縫って 首を狙う蒼星石。 小さな指に握られた鋏。 死ぬ気の一太刀で両断しようと。 拳が放たれ。 風とともに蒼星石へと撃たれる。 重心を沈めて避けた蒼星石は一直線に 胸元へと切っ先を走らせ。 表情が歪み。 刃が、ぶれる。 斬撃が、空を斬る。 「君は、儚く。勇敢で。美しい」 もう片方の手が貫手となって 蒼星石を穿つ。 手から鋏が零れ落ち。 彼女の瞼が静かに閉ざされる。 彼女の胸を貫いたまま。 翠星石は微笑んでいた。 滲みゆく視界。 その先で蒼星石が貫かれるのを ただ為す術なく桐山は見つめていた。 翠星石の姿をしたそれは、 能面の異形へと戻り。 桐山の見るなか、蒼星石を喰らった。 ′ 哂いながら。声を出さずに。 翠星石は前を走り続けていたからそれを見なかった。 桐山だけが見ていた。 我知らず握りしめた拳。 爪が手のひらの皮を破り赤き血となって滴る。 「協力者2名死亡」 堕ちていく意識の中、 桐山は自身に告げる。 「ローゼンメイデン1名死亡。 要懸案事項」 翠星石のしゃくりあげる声が聞こえた。 翠星石の鼻を啜る音も。 「俺は弱い」 うわ言のように繰り返し。 ゆっくりと、意識を手放す。 「俺は…………弱い」 視界に、暗転幕が降ろされる。 【蒼星石@ローゼンメイデン 死亡確認】 【坂本竜太@BTOOOM! 死亡確認】 【残り 24名】 【E-4→?/昼】 【翠星石@ローゼンメイデン】 [状態]:疲労(極大) [装備]:庭師の如雨露@ローゼンメイデン 、護神像アールマティ@waqwaq [道具]:神業級の職人の本@ローゼンメイデン、 [思考・状況] 基本行動方針: 闘わないで済む世界が欲しい 1:??? [備考] ※参戦時期は蒼星石の死亡前です。 ※waqwaqの世界観を知りました。シオの主観での話なので、詳しい内容は不明です ※護神像アールマティに選ばれました。 ※シオとヨキが黒き血の人であることを知りました。 ※双子の大樹があのままなのかどうなのかは後続にお任せします 【桐山和雄@バトル・ロワイアル】 [状態]:疲労(極大)、ダメージ(極大)、重傷、気絶 [装備]:デリンジャー(2/2)@現実 [道具]:基本支給品×4、たくさん百円硬貨が入った袋(破れて中身が散乱している)、手鏡 水銀燈の首輪、不明支給品1、水銀燈の羽、予備弾薬12発、 エディアール家の刀@waqwaq 、七夜盲の秘薬@バジリスク 、夜叉丸の糸@バジリスク、首輪探知機@オリジナル、 千銃@ブレイブ・ストーリー~新説~、基本支給品、 ブーメラン@バトルロワイアル [思考・状況] 基本行動方針:アリスゲームを守る。そのために影の男を殺す。 1:??? 【備考】 ※参戦時期は死亡後です。 ※リュウガのカードデッキは破損しました。 【E-4/崩壊桜見タワー/昼】 【ヨキ@WaqWaq】 [状態]:ダメージ(極大)、疲労(極大)、BMによる火傷 、気絶寸前 [装備]:スプンタ・マンユ(玉四つ、ドラグブラッカー、蒼星石のローザミスティカ完食) @WaqWaq、ヒミコのレーダー@BTOOOM!、スタンガン@BTOOOM!、 [道具]: [思考・状況] 基本行動方針:優勝して赤き血の神を抹殺する 1:休む。 ※神の血をあびたことで身体能力大幅上昇 ※どれほどパワーアップしたのかは後続にお任せします 【おまえがそう想うのならそう在るのだろう。】 投下順 人間/人形らしく 【おまえがそう想うのならそう在るのだろう。】 時系列順 トラーギッシュ 白光のスプンタ・マンユ~What a beautiful hopes~ 翠星石 銀の鍵と青の剣を手に握り 桐山和雄 坂本竜太 GAME OVER 蒼星石 GAME OVER ヨキ 循環型悲劇症候群
https://w.atwiki.jp/rowarowa/pages/268.html
降り立つ、長い道歩む少年の前に 「機械にはあるプログラムが施されている。 赤き血の神には逆らえない。剣を向けない。 唯一の知性持つ賢者である私も例外ではない」 「くだらんね」 「しかし、ミラーワールドで戦うために作られた仮面ライダー。 位相の違う世界で存在を保つには異界からの干渉を妨げる必要がある。 したがって、仮面ライダーは干渉から守るために己の身を鎧で包み。 鎧の中は狭い意味において人ではない。そこに存在しない者となる」 「つまり……どういうことじゃってばよ? いや、わかってはいるがね。君の口から聞きたいのだよ」 「仮面ライダーでいる限り 私は人間である貴方に刃向かえるということだよ」 「素晴らしい!」 口笛を吹いた白髪鬼はバイクを最高速度まで唸らせる。 空気は悲鳴をあげ、円を描く通路を急な角度で曲がる。 火花が上がるタイヤ。それとは別にキクへと撃たれる弾丸。 目にも留まらぬ速さで 疾走するバイクと並走する機械の賢人。 胴体を狙って放たれた銃弾は 強化された動体視力で正確な狙いを持っていた。 弾丸は硬化能力で産まれた壁に阻まれる。 幾何学の模様を施された結界に衝突すると弾丸は消滅した。 次の瞬間には踊るように白髪鬼の前に飛び出し。 前輪を勢い良く蹴りあげる。 如何なる力がこもっていたのか、 床を抉った蹴撃は白髪鬼を機体ごと浮かび上がらせ。 瞬時に飛び退いた白髪鬼が着地するのと同時に 追撃に眼から破壊光線を発射した。 「眼!」 予想外の攻撃を防いでいたのは 手首に巻き付いていた極細の弦が引き寄せる 仮面ライダーのライドシューター。 「桐山くんから拝借しておいて助かったわい」 バイクを蹴り押すと凄まじい勢いと倍増する質量が さながらモーニングスターの体でキクへとぶつける。 たまらずたたらと踏んで後退する。 宙でバイクを数回旋回した後、 自身の真ん前に下ろすと再度乗りなおし再起動する。 速度を上げ、前輪を浮かし。 機体を持ち上げて斧のようにキクの顔面へと振り下ろす。 硬化壁を展開するには間に合わず。 腕を鞭のように撓らせライドシューターを弾くと 鋼鉄を斬り裂く指を伸ばして白髪鬼へと進む。 だが貫いたのは龍騎の赫き残滓。 斬り裂いたのはライドシューターの残り香。 遠くに行った鬼の背中へと迷うことなく賢者は駆け出す。 軽すぎる衝撃がハンドルを揺らし。 砕かれたエレベーターのドアは 細かい欠片となって下界に落ちていく。 壁を伝い、下るよりも落ちるのが相応しい 直角の坂を落ちていく白髪鬼。 誰もが断じる愚策。 眼からレーザーを発射するならば 両手からレーザーが撃てない道理はない。 そして発射口が大きければそれすなわち極太レーザー。 逃げ場を自ら失う鬼に似合わぬ行為。 重力加速度をどうしてか上回る速度で落ちる爺。 縁に立ってそれを見下ろすキクは俯き、 髪が顔に垂れて表情が判別しにくい。 だが僅かに覗く理知的な双眸にはたしかに躊躇いが見えた。 とん、と白髪鬼に続いて飛び降りると 足の底から噴射機構を出して、 白髪鬼を確実にこの腕で捕らえんと亜音速で駆け下りる。 -ADVENT- しかしキクの眼前に広がるのは鋼鉄なる炎龍の頭部。 視界を埋め尽くすお伽話サラマンドラの再現を思わせる灼炎。 両腕を交差して放射にキクは耐える。 潜り、火炎を吐き出す喉元に辿りつくと腕を高々と掲げる。 五指すべてをまっすぐの剣の形にして。 斬りつければ鋼鉄の神獣たる皮膚も 耐えきれはしないだろう威力。 一閃の斬撃。 しかしそれも下方から聞こえる 腹の底へと響く重低音に妨げられる。 龍の背を道にして駆け上がってきた白髪鬼。 龍よりも高く翔んだその姿は炎に照らされた 閉塞空間で一際、光々と煌めく。 その姿に思わず目を奪われた機械の賢人にはお構いなしに。 壁に後輪を勢いよくぶつけ、 その反動でキクへとライドシューターが飛びかかる。 猛烈な回転数を誇る二輪。 処刑台そのものの様相を呈しキクへと圧しかかる。 白刃取りの動きでタイヤの回転を力ずくで止めるが 停止したわけではないバイクは動くことをやめようとしない。 そこに加えて多大な衝撃が産まれ、 キクはあえなく地面に落ちていく。 衝撃の正体はバイクから翔んだ白髪鬼が 長大な竪穴空間を縦横無尽に飛び、落ち、蹴って。 最高速度、人体力学に沿った最も効率的な姿勢で壁面に着地し、 爆竹が破裂した時に似た鋭い音と同時にバイクごとキクを蹴ったから。 予想を超えた攻撃にキクは頭部に搭載された 樹海のようなに入り組んだプログラムが一時明滅し。 覚醒をしたときには己の上に乗っていたバイクの重みがなくなっていた。 聴覚を研ぎ澄ましても ライドシューターの噪音は届いてこない。 こちらへの襲撃の機会を窺っているのか。 いや、それならば意識を失っていた時に勝利を掴んでいたはず。 すぐさま起き上がり、白髪鬼の行方を探す。 万が一、あの場所に行ってしまったのならという焦燥が キクの思考回路を揺さぶり、乱す。 指先から無数のレーザーを産みだし、 鋭利な刃が最後の砦への道を最短距離で切り開く。 ダストシュートにようにぽかりと 小さく一直線に開いた通路を飛び。 天井の見えない高大な大広間へと踊り出る。 蜘蛛の巣のように中心から広がる床の意匠。 影が差して、音もなく賢者が降り立つ。 背後にあるのは全長30mの赤き血の神の像。 黒き血の人が生きる《世界(ワークワーク)》で 機械に脅かされる人々の希望の偶像。 活動領域を限界まで縮小し。 許されたキャパシティ全てを迎撃にあてる。 活動の静止。 人で言うならば集中。 ライドシューターの音がやかましく聴覚素子を刺激し。 無数の回路が活動への準備に熱を放つ。 天空の矢。 速度が龍騎の装甲を引き伸ばし、 一つの真っ赤な矢となり、キクへと突き進む。 入射角から走ってきたのはキクが開けた穴から。 今度は完全に読んでいたその攻撃。 踏みこみもいらない。 機械の膂力は無造作な横薙ぎだけで追随を許さぬ暴風となる。 呆気無く、擦過音が火花とともに 割れたライドシューターから聞こえ。 あとは攻撃が失敗し、 慌てて離れる白髪鬼を拘束するだけで闘いは終わる。 赤き血を流さずに済む安堵を抑えられないのは プログラムのせいか。それとも、それとも。 がきん、と金属が金属を貫く不快な音が聞こえる。 力学ではなく力任せによる不協和音。 それは、キクの後方から。 視界の向こうで黒い影がこちらになにか叫ぶ。 口の動きだけで言葉の内容は自ずと理解できた。 何をやっている、愚か者め、殺せ、穿て、喰らえ。 奴に肉体があればさぞかし醜い表情を浮かべているのだろう。 当然のように、赤き血の神の像は両断され。 中に隠されていた 無数のチューブに繋がれた培養槽にも罅が走る。 カプセル内を満たしていた液体が流れ、 堰を切ったように勢いが増すと 大きくなった罅が全体を覆い。 あまりにも自然に。今、赤き血の神が崩御した。 半ば呆然と、けれどもどこかで冷めた己を自覚して。 着地した仮面ライダー龍騎、白髪鬼と対峙する。 「……気づいていたのか?」 「我妻由乃という子が隈なく調べていたそうじゃ。 もっとも、あくまで このエリアの近くということしかわからなかったそうじゃが」 瓦礫の城と化した赤き血の神の像。 《世界(ワークワーク)》で永遠の楽土を築こうとしたコト。 ゲームの終焉を前に来る勝者への道を歩むために 己の体に入って英気を養っていた神。 「一瞬で崩れ落ちるものだな……」 「そのとおり。全くもってそのとおり。 故に思わんかねキクくんよ」 腰につけたベルト、 そこにあるデッキから一枚のカードを抜き取る。 -SURVIVE- 龍の頭部をあしらったプレートメイル。 シルエットは翼を広げたドラゴン。 「楽しまなければ損だと!」 動画をコマ送りしたかのように キクの眼でも捉えきれない高速の戦士が殴りかかる。 それをステップで躱し、 あまりの速さについ反射的に首元へ手刀を振るう。 -SWORD VENT- 手刀は1mmの狂いもなく。 だからこそ人体に精通した白髪鬼にとっても捌くのが容易。 キクの方を見ずに裏拳の要領で柄をぶつけると 浮かび上がったキクの手、 くるりと持ち手を変えてその先の脇本へ鋭い突きを繰り出す。 突きはすんでで空いた手に掴み取られ。 力任せに振り回すと冗談のように重さを感じない勢いで 白髪鬼が遙か上空へと投げ飛ばされる。 壁を砕き空へと投げ出される直前に 縁を掴み、危うくとどまる龍騎。 すぐさま這い上がる龍騎の前にはすでにキクがおり。 龍騎の胸ぐらを掴み上げるとそのまま広間の中央へと蹴る。 「さすがに強いのぉ……」 四つん這いの体勢から起き上がろうとするにも 如何せん足腰に力が入らず。ふらつく体を剣で支えた。 「なんじゃお主。 今までは覇気がなかったというのに。 主がいなくなって力が増したか?」 「どうだろうな」 己の手を見つめて、不可解そうに賢人はつぶやく。 たしかに体が軽くなったという実感は少しある。 だがそれはコトが死んだせいと言うよりはむしろ。 ――ねえ、あなたは二千年生きてきたんだからわかるでしょう? 血色の悪い、ともすれば土気色と呼べる肌の。 遠くを見る眼で死を“願う”少女の横顔が胸の裡にあるから。 ――ゲロみたいにくだらないわ、なにもかもが。 「その顔、ようやく自覚したということじゃね?」 床に刺した剣を抜き。 雀の涙だけとりもどした活力で剣を構え。 殺気がキクの長い流麗な髪を震わせる。 「まだ死ねんということだろう、君も。 だからこそ儂が命を賭けるに相応しい」 キクは無言。 ただ、白髪鬼の言葉を否定もしない。 そうなのかもしれないと思うし、 それだけではないのかもしれない。 「ラプンツェルの少女がいる。 すべてを唾棄し、天使がもたらす死を求めた 蝕まれし赤色の血の乙女」 「柿崎めぐという子かの」 「私に彼女の胸に届く言葉は持てない。 だから、そうだ。 コトときっと変わらないはずだ、私にとっては」 キクの独り言に近いそれを聞いた 白髪鬼はその眼に大きな失望を浮かべ。 剣をキクから僅かに逸らし、残酷な声色で言った。 「ならばコトの次はその子にしようか」 それが合図。 互いに打ち合わせたわけではないのに。 弾かれたように二人は己を突き動かす衝動に従い。 銃と剣を交差するのだ。 ―SHOOT VENT― 手品を超えた魔法の域。 銃から出てくるレーザーが焦点となり。 背後に現れた炎龍が吐く炎の連弾がキクの髪を焦がし、 装甲の数カ所を黒く焦がす。 両手の指が茨の蔓のように伸びて白髪鬼の銃を取り上げると 体勢をどこまでも低くして、顔が地面に接するスレスレから 右脚がキクの側頭部へとトマホークのように襲いかかる。 上体を人間ではありえない稼働領域を活かして 大きく後方に倒すと両手を床につけ。 腕が大きな土台に変形し、両足をランスの突撃に模す。 しかし槍の穂先は無人。 天を翔ける龍の影が機械の賢人の上を横断する。 着地したのは槍が向く反対側。 つまりはキクの頭部があるところ。 目の前に停止した白髪鬼の爆走。 破壊を目前にしたことで キクに搭載されたCPUに記録されたあらゆるメモリーが 事態を回避しようと最後の輝きの高速演算を行う。 実際に止まっているわけではない。さらなる速さで動けるわけもない。 最適解を導くための無数の計算式。 キクのこれまで眼にしてきたことから 事態の打開に繋がる欠片をさーちする。 視界で再生されたのはひとつの光景。 その場に居合わせたわけではないが遠くから監視していた。 もう死んだ少年と今なお闘う少年の死闘の終末。 左腕を裂かれた少年が静かな瞳で告げる。 ―あなたが殺した機械があなたに復讐したがってるす。 左腕を投げやりに伸ばされた。 盾どころか囮にもならない。 真正面から左腕が潰され、壊れ、火炎に呑まれていく。 崩壊は肩まで進行し、 花が開いたように 動線を守っていた皮膚が内側から外側へと壊れていく。 全身に埋め込まれた光学兵器。 眼からでも指先からでもレーザーを放ち。 蹂躙することができる。 あと数cm。 それだけで炎龍の矢はキクを貫く。 けれどもその前に、裂けた左腕がバイクに接し。 裂けた左腕からの超至近距離光線。 正面からの激突による爆発はなく。 一点に絞られた光の矢は至近距離でバイクを穿ち。 あらゆるものを貫き。 遮蔽物に妨げられることのない光は 機体ごと白髪鬼を貫いた。 「すまんがキクくん」 ダメージによって変身の解けた白髪鬼は 貫く光に吊るされつつ、 口から流れる血を拭うと優雅な笑みを浮かべて言った。 「空の見えるところに連れてってはもらえんかね?」 恐らくは最後の白髪鬼の頼みだろう言葉に キクは無言で従い、開かれた穴へと運ぶと横たえる。 「痛いなあやはり。 これがなければ死ぬのも悪くはないんじゃが」 腹部に空いた大穴に手をやって、 徐々に失せていく顔の赤みはそのままに自嘲する。 「ご老人……」 「なんだね、その顔は? お前さんは勝ったんだ。 堂々としなさい、お前さんはもう自由なのだよ」 ようやく頬からどろりと滴る液体に気づき、 無事な右手の人差指で掬ってみると指先が赤く濡れた。 腹部からとめどなく流れる血が床に血だまりを作り。 腹部から手を離した白髪鬼は胸の上に両手を組む。 超高度にある建造物ゆえか、吹いてくる風はかなり強い。 「最期の言葉を言っても?」 「……かまわない」 穏やかな顔で礼を言い。 弱々しくなっていく声で滔々と、 まるでベッドに横たわる哲学者のように老獪に語る。 「天よ、地よ、そなたらが聞かなくとも。 数多の人々が、少なくとも歯車仕掛けの賢人が聞くだろう。 私はこの世界で英雄となろうとしてもそれは叶わず。 守らんとした子供を守り切ることはできず。 数多の勇敢な戦士たちが死に逝くのを止めることはできず」 最後に、閉じられようとした両の瞼がはっきりと開いて、 深きユーモアを湛えた瞳がキクへと向けられる。 「しかし。ひとりの賢人を友とし。 自由の野原に連れ出すことはできた。 観衆の方々よ、この鬼が世界で演じたものに。 少しでも称賛してくれるならどうかささやかな喝采を―― ああああ痛たたた! もう我慢できん。 キクくんトドメを刺してくれんかね!」 ―――――――。 「桐山和雄だな」 暮れなずむ世界。 橙色に燃える空の下でどこか 迷子になった子供のような覚束なさで歩く少年が一人。 「お前は……?」 「私は参賢人のひとり、キク。 赤き血の少年よ。柿崎めぐを助ける気はあるか?」 「参賢人……ならヨキやコトと同類か。 なら答える前に聞かせて欲しいんだが」 「何をだ?」 「七原やローゼンメイデンを この世界に連れてきたのはお前か?」 「そうだ」 瞬間、キクの頬に衝撃が走り。 為す術なく賢人は地面を転がる。 少年、桐山和雄は殴った手をまじまじと見てから キクを助け起こして言った。 「まさか勝手に体が動くとは思わなかった。 べつにお前を殺す気はないし殴るつもりもなかった」 背後に付き従う水の護神像ハルワタートをちらりと見やって、 少年は確かな力強さを感じる調子で言った。 「それとさっきの問いの答えはYESだ。 コイントスなんてするまでもなく」 【津幡共仁 死亡確認】 【残り 10名】 【E-3/一日目/夕方】 【桐山和雄@バトル・ロワイアル】 [状態]:疲労(中)、ダメージ(中)、重傷(治療済み) 、 精神に重大な負傷(徐々に回復)、 「愛」の概念を思い出しました 「孤独」の概念を思い出しました。 「誇り」の概念を知りました。 [装備]:カードデッキ(ナイト)、サバイブ(疾風)@仮面ライダー龍騎 、レミントンM870(8/8)、 ハルワタート@waqwaq [道具]:基本支給品×4、たくさん百円硬貨が入った袋(破れて中身が散乱している)、手鏡 水銀燈の首輪、水銀燈の羽、デリンジャー(2/2)@現実、 エディアール家の刀@waqwaq 、首輪探知機@オリジナル、 千銃@ブレイブ・ストーリー~新説~、基本支給品、 ブーメラン@バトルロワイアル 、レミントンM870(8/8) 、 レミントンM870の弾(16発) 神業級の職人の本@ローゼンメイデン [思考・状況] 基本行動方針:アリスゲームを守る。そのために影の男を殺す。 1:キクの話を聞く 【備考】 ※参戦時期は死亡後です。 ※リュウガのカードデッキは破損しました。 ※ローザミスティカと深く通じ合えば思い出すという形で記憶の継承ができます。 それ以上のなにかもありえるかもしれません。 ※ブレイブ・ストーリー~新説~側の事情をだいたい把握しました。 ※ジュンの裁縫セットは壊れました。 ※ジュンの技術を修得しましたが本人ほどの異常な才能はないので技量は劣ります。 ※小四郎の忍術を修得しました。 ※今の桐山では”願い”インストールに耐えることができません。 もし強行すれば桐山は”七原秋也”になります ※コトは死にました。 ※白髪鬼のアイテムはいくつかキクが持っています。 鉄の少年、その終焉 投下順 黒炎のベルセルク~What a ugly warrior~ 見つけに行く 時系列順 最後のプロローグ お願い、死なないで天膳さま! 小四郎やお幻婆との約束はどうなっちゃうの? ここを耐えれば、ゲームに勝てるんだから! ―「薬師寺天膳死す」― デュエルスタンバイ! 津幡共仁 GAMEBOY 見つけに行く 桐山和雄 最後のプロローグ
https://w.atwiki.jp/compe/pages/85.html
「もぉ〜、ちょっと何なのこれぇ〜…」 森林エリアを坊主頭の男が歩いていた。 その表情には恐怖…というより、如何にも迷惑してますと言った感情が浮かんでいた。 彼の名はクロちゃん。 某お笑いトリオの一員であり、スケベな屑キャラとして視聴者に親しまれているお笑い芸人だ。 いつものように仕事を終え自宅で爆睡していたはずが、いきなり見知らぬ場所で殺し合えと言われた。 一般人なら震え上がりそうな異常事態だが、クロちゃんにとっては違う。 「どうせまたケンコバさんとかが持ち込んだ説なんでしょ?もー勘弁してよ…」 そう、クロちゃんは殺し合いをお馴染みのあの番組の企画と勘違いしていた。 寝ている間に拉致されたのだってこれが初めてではない。 散々同じような展開を味わって来たので、恐怖よりもうんざりした気持ちの方が大きかった。 殺し合いというのは流石に物騒だとも思ったが、何の説明も無しに放り出されるよりはマシだとすら思っていた。 「でも殺し合いってテレビ的に大丈夫なの?またお蔵入りになったりしない?」 過去のアレコレも知っているため心配しつつも、当然本当に殺し合う訳では無いだろうとクロちゃんは考える。 多分サバゲーのような企画だろうと結論付けると、背負っていたデイパックを地面に下ろした。 「ってか何時の間にか背負ってたけど何これ?武器でも入ってんの?」 疑問を口に出しながら中を漁ってみる。 入っていたカップ麺を見て、お湯は入れてくれない辺り如何にも水曜日らしいと不満を感じつつ、別の物を取り出す。 出て来たのは西洋の城が描かれた小さな容器だった。 「は?…いやいや、これ玩具じゃん…」 てっきりエアガンとかが入ってると思ってたクロちゃんは呆れながら容器を眺める。 中に液体が入っているようだが、何なのかは分からない。 試しに振ってみると、シャカシャカという音がした。 こんな物を渡して何の意味があるのかと、用意したであろうスタッフに文句を言いつつ他に何か無いのかとパックの中を探してみる。 しかし、枝を折るような音がクロちゃんの耳に聞こえた。 「うわっ!誰!?」 驚き音のした方へ声を掛ける。 まさか隠れて撮影していたカメラマンがミスったのではと思ったが、その予想は外れた。 大木の陰から恐る恐るといった様子で出て来たのは、赤毛の少女だった。 「ご、ごめんなさい…怖くて隠れてて……あっ!でもあたしは殺し合いなんてする気無いから!」 その言葉に嘘は無い。 少女は突如巻き込まれた殺し合いに困惑していた時、クロちゃんの姿を目にし咄嗟に大木の陰に隠れた。 様子を伺いながら接触しようか悩んでいる際にうっかり足元の枝を折ってしまい、それでクロちゃんにバレたという訳である。 不安気に話す少女をクロちゃんはねっとりと見回す。 (えっ、めっちゃ可愛いんだけど。この娘は仕掛け人か何かなの?) 整った顔立ちに服の上からでも分かる豊満な胸はクロちゃんのスケベ心を刺激した。 芸能人かとも思ったが見覚えはない。 大方、今回の企画の為に連れて来られたマイナーなグラビアアイドルだろうと考えたクロちゃんは、下心丸出しの笑みで近づく。 「いやいや!大丈夫大丈夫!ちょっとビックリしただけだし!」 これまでの経験からどうせ最後はロクな目に遭わないだろうと思うが、こんな意味不明な企画に乗ってやるんだから少しは良い思いしたって構わないだろう。 相手がそんな邪な思いを抱いてるとは知らず、少女はホッと胸を撫で下ろした。 「良かった〜…。それじゃあ貴方も、えっと…」 「殺し合いなんてしないって〜。それより立ったままだと疲れるし、どっか落ち着ける場所に行こうよ、ね?」 「えっ?あっ、う、うん」 いきなりの馴れ馴れしい態度に困惑する少女。 その様子に気付くことも無く、「あわよくばこの機会にお近づきになれないかな〜」などと能天気な事を考えるクロちゃんだった。 【クロちゃん@水曜日のダウンタウン】 [状態]:健康、上機嫌 [装備]:なし [道具]:基本支給品、キャッスルロストフルボトル@仮面ライダービルド、ランダム支給品0〜2 [思考・状況]:基本行動方針:仕方ないから企画に乗っかって行動する 1:この可愛い娘と仲良くなりたいしんよ〜 2:殺し合い?結局何をすれば良いの? [備考] 殺し合いを芸人が持ち寄った「説」による企画と思っています。 フルボトルをただの玩具と思っています。 【牛飼い娘@ゴブリンスレイヤー】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3 [思考・状況]:基本行動方針:殺し合いはしない 1 彼(ゴブリンスレイヤー)も居るのかな…? 2:とりあえずこの人(クロちゃん)と一緒に行動 [備考] 参戦時期は原作9巻終了後。 【キャッスルロストフルボトル@仮面ライダービルド】 ハードスマッシュへの変身に用いられる人口フルボトル。 成分を体内に取り込む事でキャッスルハードスマッシュへ変身出来る。 本来であればネビュラガスが注入されていない人間では変身不可能だが、主催者の手でガス無しでも変身可能に細工されている。 このSSが面白かったなら……\ポチッと/ 感想/ 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/rakirowa/pages/31.html
キャラクター別SS追跡表 クールなロリスキー No. タイトル 作者 登場人物 035 変種第二号 ◆BOMB.pP2l. 黒井ななこ、キョン、小早川ゆたか、クールなロリスキー 039 まあ、どうせここヘンタイさんばっかだし。 ◆G/G2J7hV9Y 小早川ゆたか、クールなロリスキー、いさじ、村雨良 046 どこまでも続く罪のという名のフラグ ◆0O6axtEvXI 三村信史、クールなロリスキー 051 今、会いに行き…ます? ◆KX.Hw4puWg クールなロリスキー、いさじ、村雨良 073 ここにいるのは―― ◆BOMB.pP2l. クールなロリスキー、いさじ、村雨良、黒井ななこ 097 Pray ~それぞれの想い~ ◆nkOrxPVn9c いさじ、村雨良、黒井ななこ、クールなロリスキー 112 話に絡めない少女、地図の読めない女 ◆OQfaQnysJI 黒井ななこ、クールなロリスキー 119 mind crash ◆OQfaQnysJI クールなロリスキー、岩崎みなみ、黒井ななこ、ランキング作成人 125 そして少女は死んだ -The Elfin Knight-そして少女は死んだ -The Elfin Knight- (後編) ◆X5fSBupbmM 柊つかさ、岩崎みなみ、相羽シンヤ、Dボゥイ、パピヨン、クールなロリスキー 静かなる ~Chain-情~ No. タイトル 作者 登場人物 021 反逆者は動き、冒険家は静観する ◆KuKioJYHKM 静かなる~Chain-情~、ロアルド・アムンゼン(その3) 062 憂鬱アンドロイド ◆BOMB.pP2l. 真・長門有希、南千秋、ピッピ、川田章吾、静かなる~Chain-情~、ランキング作成人 086 想い紡ぐ者 ◆nkOrxPVn9c 静かなる~Chain-情~ 102 Chain-情は一匹のかえるを前に狼狽する ◆OQfaQnysJI 静かなる~Chain-情~、かえる 118 Reckless fire ◆OQfaQnysJI 衝撃のアルベルト、静かなる~Chain-情~ 素晴らしきフラグビルド No. タイトル 作者 登場人物 004 愛しい人のために ◆KuKioJYHKM 素晴らしきフラグビルド、桂言葉 047 たった一つの強がり抱いて ◆BOMB.pP2l. 素晴らしきフラグビルド 067 彼女のフラグ取捨選択 ◆UcWYlNNFZY 素晴らしきフラグビルド、フェイト・T・ハラオウン 074 Welcome to this crazy Time ◆EKhCqq9jsg 赤木しげる(19歳)、南春香、素晴らしきフラグビルド、フェイト・T・ハラオウン 076 夢のかけら ◆nkOrxPVn9c 赤木しげる(19歳)、南春香、素晴らしきフラグビルド、フェイト・T・ハラオウン 082 ……も死んだし、そろそろ本気出す ◆LcLEW3UbhI 赤木しげる(19歳)、南春香、素晴らしきフラグビルド、フェイト・T・ハラオウン 098 飢え「無我夢中」の無礼講 ◆EKhCqq9jsg 赤木しげる(19歳)、南春香、フェイト・T・ハラオウン、赤木しげる(13歳)、南千秋、素晴らしきフラグビルド 105 ココカラトワニ ◆EKhCqq9jsg 赤木しげる(13歳)、南千秋、素晴らしきフラグビルド、ランキング作成人 121 童貞のまま30歳になれば俺も魔法少女になれるかな? ◆nkOrxPVn9c いさじ、村雨良、南千秋、素晴らしきフラグビルド、アナゴ 地球破壊爆弾No.V-7 No. タイトル 作者 登場人物 015 既知との遭遇 ◆BOMB.pP2l. 地球破壊爆弾No.V-7、泉こなた 029 空を見上げる少女達の瞳に映る世界 ◆nkOrxPVn9c 地球破壊爆弾No.V-7、泉こなた、6/氏、桂言葉 044 ぶっちぎりバトルヴァンパイアーズ ◆DiyZPZG5M6 地球破壊爆弾No.V-7、泉こなた、6/氏、桂言葉 069 ネクストらき☆ロワヒント「窓からの視線」 ◆KX.Hw4puWg 泉こなた、地球破壊爆弾No.V-7、6/氏、結城奈緒 083 私が『私』であるために ◆DiyZPZG5M6 泉こなた、地球破壊爆弾No.V-7 085 大都会交響楽大都会交響楽(中編)大都会交響楽(後編) ◆BOMB.pP2l. 地球破壊爆弾No.V-7、泉こなた、6/氏結城奈緒、忘却のウッカリデス、遊城十代阿部高和、ラッド・ルッソ、桂言葉、真・長門有希 熱血王子 No. タイトル 作者 登場人物 027 救いを求めるその相手 ◆0O6axtEvXI フェイト・T・ハラオウン(StS)、熱血王子 066 ピンク色の誓い・らきロワ編 ◆G/G2J7hV9Y 熱血王子、笑点のピンク 095 No Chance in Hell ◆EKhCqq9jsg ロアルド・アムンゼン(その3)、熱血王子 103 Ego-Eyes Glazing OverEgo-Eyes Glazing Over 後編 ◆nkOrxPVn9c 武藤遊戯、熱血王子、赤木しげる(19歳)、南春香、フェイト・T・ハラオウン 124 Fuck you all niggaz wanna do! ◆EKhCqq9jsg かえる、武藤遊戯、熱血王子 忘却のウッカリデス No. タイトル 作者 登場人物 005 忘却の決闘者 ◆0O6axtEvXI 遊城十代、忘却のウッカリデス 053 毒をもって毒を制す ◆KuKioJYHKM 遊城十代、忘却のウッカリデス、小早川ゆたか 085 大都会交響楽大都会交響楽(中編)大都会交響楽(後編) ◆BOMB.pP2l. 地球破壊爆弾No.V-7、泉こなた、6/氏結城奈緒、忘却のウッカリデス、遊城十代阿部高和、ラッド・ルッソ、桂言葉、真・長門有希 104 スーパー変態シリーズ アナルフィーバーG ◆nkOrxPVn9c 忘却のウッカリデス、阿部高和 110 露骨なロワ人のテーゼ ◆EKhCqq9jsg 忘却のウッカリデス、アナゴ、阿部高和 120 運命のGATE問いかけている ◆nkOrxPVn9c 小早川ゆたか、阿部高和、忘却のウッカリデス
https://w.atwiki.jp/rowarowa/pages/226.html
優しさに飢える少女 ◆IRxFfnsX8c 逃げられた。 老人――といってもこいつも男だが――を見捨てて逃げ出した、男。 しかもきっと戦いに乗っている。攻撃してきたし、男なんてそんなものだ。 最初の男と同じ。 一息ついた。 男たちを、戦いを広める愚かな男を。 優しい王様の治める、優しい国のために。 ティオはそれに思考が支配されていたが、首輪から不快極まりない男の声が突如響き思わず身構える。 首輪を掻きむしり外してやろうとする。 しかしその手が止まった。 ――――ガッシュ・ベル。 この嫌味な声は確かに、ガッシュの名を呼んだ。 他にも何か言っていたが耳には入らない。 「何で、ガッシュの名前を……」 「それは、ガッシュくんが殺されてしまったからさ」 背後から何でもないことのように声をかけてくる。 ブックだ。 「ガッシュ……殺された…………?」 「そう。この会場にいる悪い奴にね」 悪い奴。それをブックは強調した。 ティオの見開いた虚ろな眼に再び狂気の光が宿る。 「これでガッシュくんはもう王様になれなくなってしまった……君が王様になるしかない」 「ガッシュ……ガッシュ……!」 「王様として、人間を、その心を殺していくんだ」 「ガッ、シュ……」 聞いているのかいないのか、ガッシュの名を呼び続ける。 ――――これでいい、これで。 「ガッシュ、わたしたち2人で優しい王様になるって、約束したじゃない……!」 そして、何かが弾けた。 ティオの姿が変化していく。 「いやあああァァァァァァァ!! ガッシュ、ガッシュ!」 熱い。痛い。苦しい。悲しい。 ガッシュもこんな風に思いながら死んでいったのかな―――― ティオに最後に残った僅かな心は、儚く、押しつぶされていく。 ――――後に残ったのは、心を持たない、パートナーと協力する魔物の子ですらない、単なる化け物だった。 表には出さないが、ブックは笑いが止まらなかった。 いとも簡単にティオの心は消えてしまった。 ガッシュが勝手に死んでくれたので、キッカケを用意してやる必要すらなかった――ここは最高だ。 心を消し去るなんて、簡単なことなのだ。 ティオは“人”ではない。単なる実験台であり手駒だ。 このまま戦い邪魔者を潰し、人の心を消していく。 “願い”が叶うのもそう遠くはない。 「ウウッ……グッ……」 「では、行こうか。病院あたりが良さそうかな? ああ、少し離れて歩いてね? ボルキャンサーのように隠れているのが理想的だね」 【D-2/一日目/朝】 【ティオ@金色のガッシュ!!】 [状態]:狂戦士(バーサーカー)の術により狂化・外見にも変化 [装備]: [道具]:基本支給品、ヨキの弓矢(9/10)@waqwaq [思考・状況] 基本行動方針:??? 1:……ガッシュ…… ※魔法が使えるかどうかは不明です 【ブック@ブレイブ・ストーリー~新説~】 [状態]:ダメージ小 、心の力消費小、 [装備]:契約の玉@ブレスト、ジュリー(銀嶺)@ブレスト、双眼鏡@現実、 ボルキャンサー(フルボッコ・ブック怖い怖い怖い怖い)@(仮面ライダー龍騎)(周囲に隠れています) [道具]:基本支給品、青酸カリ@バトルロワイアル、魔本(ティオ)@金色のガッシュ!!、 [思考・状況] 基本行動方針:人の心と生命を殺していく 1:ティオを利用し人間を殺す 2:ガッシュ達魔物の子に興味 3:ボルキャンサーは鉄砲玉として利用したい。 ☆北岡秀一☆ 投下順 立ち上がれども ☆北岡秀一☆ 時系列順 立ち上がれども ニートの異常な恐怖~また俺は如何にして働きたくねえと思うようになったか~ ティオ Dear My Friend ブック
https://w.atwiki.jp/wiki11_row/pages/40.html
サンデーキャラ・バトルロワイアルについて 少年漫画@2ch掲示板のスレッド。略称はサンデーロワ。 参加者 「週刊少年サンデー」に掲載された漫画作品(複数)の登場人物 主催者 白面の者(うしおととら) 進行状況 終了(未完) 現状で続けていくことは無理と判断され、スレは埋め立てられた。プリンセス白面。 外部リンク ■支援サイト サンデーキャラ・バトルロワイアル まとめ(閉鎖?) サンデーキャラ・バトルロワイアル(避難所。閉鎖) ■スレッド サンデーキャラ・バトルロワイアル サンデーキャラ・バトルロワイアルPart2 サンデーキャラ・バトルロワイアルPart3 サンデーキャラ・バトルロワイアルPart4 サンデーキャラ・バトルロワイアルPart5